初めての出産を経験した後、父親からの何気ない一言にどん底に陥ってしまった私。母乳がうまく出ないことがきっかけで、慣れない育児に輪をかけるように悩みが積もっていった私のエピソードをお伝えします。 うまくいくと思っていた初めての育児私は器用なタイプだったので、これまでの人生で特に苦労した経験がありませんでした。悩みもすぐに解決できるほうで、ポジティブな性格。そのせいか、初めての育児を経験する前からなぜか自信たっぷりで、「育児なんて簡単だろう」ぐらいの気持ちでいたのです。 しかし第1子を出産後、病院で初めておこなったおむつ替え、沐浴指導、夜中に泣き出す長男と向き合うなかで、お見舞いに来てくれる家族や友人の何気ない言葉が棘のように感じることがありました。特に「母乳はどうなの?」という言葉には痛いところを突かれるような気分になっていったのです。 母乳が出ない… 病院にいる間は助産師さんに言われた通り、できる限り母乳を飲ませるようにしていたのですが、コツが掴めず乳首はボロボロに……。痛みで母乳をあげるのもためらうほどでした。 それでも、乳首に馬油を塗ったりして、退院後も痛みに耐えながら母乳をあげ続けました。しかし長男はおっぱいを吸わせてもすぐに泣き出し、足りない分をミルクで足すしかなかったのです。 試しに搾乳を試みたものの、頑張って30分搾っても10ml程度。母乳が出ないことが情けなくて、泣いているわが子を抱きしめ「こんなママでごめんね」と呟くこともありました。 父親の何気ない一言でどん底へ母乳が出るためにはどうすればいいのか、ネットで調べたり育児本を読んだりしたのですが、どれも効果なし。そんなある日、昼食でなかなか箸が進まない私を見兼ねた父親が「ちゃんと食べないから母乳が出ないんだよ」と呟いたのです。 きっと、本人は軽く呟いただけたったのでしょうが、私にとってその言葉は重くのしかかりました。とっさに、母乳育児のために読んでいた本をテーブルの下に隠しました。そのとき、私はまさにどん底に陥ってしまったのです。ひとりになると耐えきれず、声を抑えながら涙しました。 その後、1番の相談役であった母に母乳が出ないことで悩んでいると泣きながら打ち明けると、「私もそうだったんだよ。でもあなたたちはミルクでも立派に育ってるじゃない」と言われました。その言葉に胸がスーッと晴れ、「母乳が出ないことは悪いことではない」と、気持ちがラクになったのです。私をどん底から救ってくれた母親には、感謝してもしきれません。著者:堀江ゆうき二男の母。現在第三子を妊娠中。現在はフリーランスとして育児をしながら、体験談・出産・妊娠についての記事を執筆。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年06月07日私は母乳育児を推奨している産院で出産しました。今日は、私が母乳育児をしてみて、よかったことと困ったことをお伝えしたいと思います。 母乳育児推奨の産院での出産私が出産した産院は母乳育児を推奨していました。健診のときには、母乳外来というものがあり、問診や乳房のチェックなどがありました。また、母乳育児についての勉強会もあり、出産前から完全母乳で育てる気持ちになっていました。 先に出産した友人から、母乳があまり出ないうちは、泣いてグズる赤ちゃんとの母子同室がつらいという話を聞き、少し不安な気持ちもありました。 母乳育児でよかったこと産後の入院中は溢れるくらいに母乳が出て困ることがなかった私は、退院後も母乳がよく出て、ミルクを足さなくてもいいくらい。ミルクを作るには、哺乳瓶などの消毒やミルクを作る手間も必要ですが、母乳だと飲ませるだけなので、ミルク育児に比べてとても楽でした。 産院では、母乳で育った子どもは風邪を引きにくいという話も聞いていましたが、母乳の影響なのか、わが子も風邪はほとんど引きませんでした。 母乳育児で困ったこと母乳育児で困ったことは、私が熱を出したとき。このときだけミルクを飲ませようとしましたが、母乳に慣れてしまっていた息子はまったく飲みませんでした。 カップで飲ませてみたり、スプーンで飲ませてみたりしましたが、どうやっても飲まず、泣いて開けている口に流し込むことしかできずにとても困りました。少しだけでもミルクを飲ませて慣れさせておくべきだったと思っています。 完全母乳を目指すママが多いとは思いますが、こだわりすぎるとストレスにもなります。赤ちゃんとママに合わせて無理のない範囲でミルクを足すなど、柔軟に考えられたらいいですね。著者:藤川智子結婚前は小学校教員、現在は幼児への音楽教育を指導している音楽ママ。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年06月05日こんにちは。助産院ばぶばぶ院長のHISAKOです。助産院ばぶばぶでは、おっぱいトラブルで落ち込むママに出会います。授乳中はハメを外してはいけないのでしょうか? 前向きな気持ちで、ありのままのおっぱいに向き合ってほしい。今日は、そんなおっぱいの話をお伝えします。 長期休暇はおっぱいトラブルが起きやすい長期休暇は旅行や帰省、普段と違う過ごし方をする機会が増えます。子連れでのお出かけは荷物は増える、予定通りにことは運ばない、子どもは大人の思い通りには動いてくれなくて本当に大変! お盆やお正月、ゴールデンウィーク、シルバーウィークなど、大型連休の直後は、休みの疲れからか、または気が抜けるのか、授乳中ママのおっぱいトラブルが激増します。トラブルを回避できたおっぱいも、低空飛行になっていることが多いです。 いつも完璧なおっぱいじゃなくていい授乳中は食事内容を徹底! と言われることがありますが、授乳中でも、たまには高カロリーのおいしいものを食べたいですよね。休日には、生活リズムが崩れがちになるけれど、それは決して「悪」ではないし、「ママ失格」なんてことも絶対にありません!力を抜いて自分を甘やかせてあげたり、ごほうびをあげる日もあっていいんです。その結果、おっぱいが一時的に低調になっても「そんなこともあるよね」って受け入れてしまいましょう! 授乳中の食事管理は適度にね♪授乳期間は長いから、ストレスが溜まらないように適度に管理していきましょう。ケーキやピザを「食べるな!」ではないんです。基本はバランスよく食べて、たまにはハメも外しながら、「おっぱい詰まった!」ということがあってもいいんです。 徹底管理でギスギスした授乳期間を過ごすより、適当に脱力しながら楽しくハッピーな授乳生活を送ることが、ママにとっても赤ちゃんにとっても大切なんじゃないかと思います。求められるのは「バランス」ですね。 いい母乳をつくるための頑張りどころ。力の抜きどころ。大事なのは極陽でもなく極陰でもなく中間。極端に偏ると、ひずみが出ますね。心も体も健やかであってほしいから、たまには暴飲暴食、失敗してもいいんです! 監修者・著者:助産師 助産院ばぶばぶ院長 HISAKO総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2016年11人目出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。
2019年06月04日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんからメッセージです。 こんにちは。助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本です。 母乳をあげていると、虫歯になりやすいといわれていますが、本当でしょうか?歯が生えてきても、安心して母乳育児が続けられるように、ラクに虫歯予防できる方法をお話しします。 母乳は虫歯の原因になる?母乳相談の中に、お子さんに虫歯ができて、母乳のせいだからと歯科医に断乳をすすめられたというお話がありました。母乳が虫歯の原因なのでしょうか? 実は、母乳に含まれている乳糖からは、虫歯の原因となる酸は生成しないといわれています。 しかし、離乳食が始まり、食物の残りカスなどに母乳の乳糖が混じると、急に虫歯のリスクが上がってきます。母乳だけでは、0.01%だった虫歯のリスクが、食物の糖分(しょ糖)が加わると、1.3%になったという研究データがあります。特に睡眠中に、口腔内は虫歯になりやすい環境になるため、寝る前はしっかり食物のカスを残さないようにしてから授乳することが大切です。 虫歯になりにくいお口の環境をつくろう・普段からの甘いものに気をつけよう 市販のお菓子やジュースなどは、赤ちゃん用であっても砂糖の入っているものが多くあります。しかし、おやつ(間食)はお子さんの楽しみだったり、栄養の補足のためには必要なことも。市販のお菓子やジュースを与える場合は、砂糖不使用のものや、できるだけ糖分の少ないものを選ぶようにしましょう。 ・歯に食べカスを残さないように食事やおやつ(間食)の最後にお茶や白湯を飲んで洗い流すようにしましょう ・ずっと食べ続けない口の中のPHは、食事が始まると食べ物に含まれるしょ糖によって酸性に傾き、虫歯になりやすい環境になります。そして、食事の時間の合間に修復されます。食事やおやつ(間食)は時間を決めてダラダラと食べないようにすることが大切です。 効率的な歯みがきで時短テクニック寝ている時間は唾液の分泌が減るため、口腔内が虫歯になりやすい環境になってしまいます。寝る前の歯みがきが1番重要で、1日1回、この時間の歯みがきだけでも十分とされています。 歯みがきを嫌がる赤ちゃんの場合、お互いに憂鬱な時間になってしまうこともあるかもしれませんが、虫歯のリスクが高い部位を知って効率的に歯磨きをしてあげましょう。 【虫歯のリスクの高い部位ランキング】1位…上の前歯 (上唇を持ち上げて表裏を横磨きしましょう)2位…上の奥歯のほっぺた側(指を入れて広げて横磨きしましょう)3位…下の奥歯の舌側 下の歯は最初に生えてくるので、ついつい先に磨きがちですが、唾液などで虫歯になりにくいので、最後にするようにしましょう。 歯医者さんにいって虫歯予防歯が一本でも生えてきたら、小児歯科のあるところで健診を受けてみましょう。お子さんの対応に慣れている医師や歯科衛生士が子どもの歯の健康をサポートしてくれます。 最初は泣いてしまう子も多いですが、お母さんと一緒だから大丈夫。口をあーんとあけることに慣れることも大切です。 歯医者さんを身近に感じることが虫歯予防のひとつになります。また、お子さんの個性や歯の生え方に合わせた歯みがきのアドバイスを受けたり、定期的にフッ素を塗ってもらうことで、歯も虫歯に強くなります。 母乳育児は、顎の発達を良好にし、歯並びを良くするといわれています。歯が生え始めても、離乳食が完了するまでは出来るだけ長く母乳育児は続けていくことが大切です。今回は、母乳育児の視点から虫歯予防のお話をしましたが、ミルクで育っているお子さんでも共通することです。お母さんやお父さんも一緒に虫歯予防をして、小さいころから習慣をつけるようにしましょう。※引用・参考文献母乳育児支援を学ぶ北関東教室2016 資料集青葉達夫「長期授乳のための歯・口腔の衛生について」 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年06月03日顔や性格にそれぞれ個性があるように、乳首の形にもそれぞれ個性があります。私の場合は赤ちゃんが吸いづらい形をしており、乳頭保護器を使って授乳をしていました。一生懸命吸ってもなかなか出ない、一生懸命吸われるからめちゃくちゃ痛い、という、赤ちゃんにもママにも厳しい状況で、大変つらい思いをしました。そんな私が完母になるまでの道のりについてお話ししたいと思います。 母乳じゃなければ母失格?! きっとこういう思いを経験した人は私だけではないかもしれません。母乳神話はこの国の文化なのか、風習なのか、誰に言われた訳でもないのに、なぜだか「母乳じゃなくてはいけない」という無言のプレッシャーがありました。 私の出産した病院は母乳育児を推奨していて、周りのママたちもほぼみんな完母で育てていたため、「母乳で育てなくてはいけない!」という思い込みがありました。 恐怖の授乳タイム しかし私の想いとは裏腹に、痛みに耐えておっぱいマッサージを受けても、私のおっぱいはなかなか吸いやすくなってくれませんでした。吸い始めには強烈な痛みに襲われ、文字通り血を滲ませながら歯を食いしばって授乳をしていたのです。3時間毎の授乳の時間が迫るだけで暗い気持ちになって、授乳が終わると「やっと終わった!」という少しの喜びと、また次へのカウントダウンが始まった恐怖心にさいなまれていました。 私を救った言葉、「おっぱい100日」「なんで私だけ……みんな幸せそうに授乳しているのに」。そんな風に思っていた私に、桶谷式乳房管理士でもある助産師さんが言ってくれたのが「おっぱい100日」という言葉でした。スムーズに授乳ができるおっぱいができるまでは100日くらいかかる、という意味だそうです。出口の見えないトンネルの中でずっともがき苦しんでいた私にとって、この言葉は「100日頑張ればいいんだ!」という光を照らしてくれました。 「100日頑張って、それでもだめなら諦めてミルクにしよう」。そう思うことでゴールが明確になり、痛くても頑張る力が湧いてきました。生後100日程経ったお食い初めのころ、本当に痛みなく授乳ができるようになりました。 スムーズに授乳できるようになってみれば、母乳は確かに便利です。痛くてつらい思いはしたけれども、「おっぱい100日」という言葉を信じて頑張ってみてよかったと思っています。卒乳してしまった今となっては、あのころのことも良い思い出です。 著者:わけ はるか2017年6月に長女出産。1歳を過ぎても夜泣きに悩まされ、アメリカの赤ちゃん専門の睡眠コンサルタントに相談をし、自身も睡眠コンサルタントになるべく資格取得中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年05月27日息子が1歳を過ぎたころ、自然とおっぱい離れが進んでいましたが、寝かしつけのときはおしゃぶり感覚でおっぱいがないと寝つけない状態でした。そんな息子と私が、脱・おっぱいに頼りすぎる寝かしつけを試みた話をお伝えします。 おっぱいに頼りすぎていた寝かしつけ私の息子は、ほぼ完全母乳で育ちました。粉ミルクを使ったのは、生後2~3カ月のころに少し足す程度でした。 息子がおっぱいなしで寝つけなくなったのは、生後6カ月ごろです。それ以前は抱っこで寝ることもあったのですが、どんどんおっぱい好きに拍車がかかり、おっぱいがないと眠れないようになっていました。おっぱいを飲みたがっているというよりも、あると落ち着くという感覚で、まるでおしゃぶりのようでした。 眠るためにおっぱいは必要?1歳を過ぎたころには、日中におっぱいを欲しがることはなくなり、おやつやごはん、おっぱい以外の飲みものなどで満足しているようでした。そこで、おしゃぶり感覚のおっぱいは息子に必要なのか考えるようになりました。 定期健診での育児相談では、1歳過ぎのおっぱいはママと子どものコミュニーケーションのためのものという話を聞きました。そこで私は、息子が1歳を過ぎたある日、寝かしつけ時の断乳を試みることにしました。 おっぱいに頼らない寝かしつけ断乳するための心構えは、焦らないこと、ママである私自身があきらめないことだと思います。具体的に実践したのは、お昼寝を長くさせないこと、ママも一緒に寝ること、夜ぐっすり眠れるように日中はたくさん遊ぶこと、なるべく毎日同じ時間に眠るようにすること! たまに息子が私のパジャマの中に手を入れてくることもありましたが、これらの方法を実践してから1カ月ほどで断乳に成功しました。 1歳過ぎからの断乳は、ママのタイミングと決意が大切だと感じています。おっぱいに頼りすぎない寝かしつけを成功させるためにも、タイミングを見計らい、ママと子どもで協力して、チャレンジしてみてもいいかもしれませんね。 著者:手塚みく三兄弟の母。義父母と同居し、異母兄弟の母として毎日奮闘中。妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆をおこなう。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年05月26日こんにちは! 助産師のREIKOです。赤ちゃんが生まれたら、「できれば」母乳で育てたいというママは多くいらっしゃると思います。しかし、実際に赤ちゃんが生まれて授乳が始まったら、「こんなはずじゃなかった……」「授乳指導、超スパルタ!」なんて感じることも多いようです。そこで今回は、ママがそのように感じてしまう要因についてお話ししたいと思います。 「できれば」母乳のすれ違い私が働いていた病院は、母乳育児を推進していて、母親学級でも母乳育児に関する内容がしっかり組み込まれていました。また、お産前には、ママたちに授乳方針を確認して、その希望に沿うように指導がおこなわれていました。 実際、出産前から「”完全母乳”で!」というママは少数派で、「”できれば”母乳で」というママが大多数でした。この「できれば」という言葉の認識が、母乳育児を希望するママと助産師で違うことによって、すれ違いが起きてしまうのではないかと私は思います。 「できれば」母乳で育てたいママたちの大半は、「無理のない程度に頑張って、母乳が出たら母乳で……」というニュアンスのほうが多いのではないでしょうか。しかし、助産師はスタートが肝心!と母乳育児を確立すべく、指導を開始します。 お産の疲れを癒す間もなく始まる授乳指導、そしてその内容にママたちは「こんなはずじゃなかった……」「授乳指導、超スパルタ!」と感じてしまうのではないでしょうか? さまざまな「こんなはずじゃなかった……」母乳育児を希望していたママにとって、こんなはずじゃなかった……と思うことはたくさんあると思います。 赤ちゃんが寝ない、泣いてばかりいるおっぱいを飲ませたから、このあとはぐっすり寝てくれるかな……なんて思って、ベッドに寝かせたら赤ちゃんが泣き出したということも多々あります。つい最近までママのおなかの中にいた赤ちゃんは、常にママと一緒。動いているときのほうが多かったかもしれません。しかも、せまくて温かいおなかの中。でも、赤ちゃんのベッドはどうでしょう? 何かが違う!って赤ちゃんもわかるのではないでしょうか。 また、赤ちゃんが生まれて、意外と夜行性なのにも驚かれると思います。それは夜のほうが母乳分泌に関係するホルモンがよく出るため、夜赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうことで、さらに母乳がよく出るようになるということも。そのため、出産近くになると、夜中に赤ちゃんが動く頻度が多くなって、ママの身体をを夜型にする……なんて話もあります。 飲ませたばかりなのにすぐおっぱいを欲しがるさっきおっぱいを飲ませたばかりなのに、赤ちゃんがまた欲しがるということも多々あります。生まれたばかりの赤ちゃんの胃の大きさはビー玉くらい。加えて母乳はミルクに比べて消化が早いので、1~2時間おきのペースになることが多いです。 おっぱいが痛い最初は慣れない者同士。じょうずにおっぱいを含ませることも、含むこともできないということがあります。それによって、痛みが生じます。赤ちゃんがママの乳首を深く含めないことで、傷ができてしまうこともあります。 産後、数日するとおっぱいが張ってつらい思いをする方もいらっしゃいます。そのときのおっぱいマッサージは激痛だったという感想を持つ方も多いのですが、本来おっぱいマッサージは痛くないんですよ。 きっとこれ以外にも、こんなはずじゃなかった……と思うことがあると思います。出産の疲れも癒えないうちに、赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけおっぱいを飲ませる……。たしかにしんどいですよね。しかし、その指導の裏には、お産後のママのホルモンの変化と密接な関係があったんです。 まだおっぱいが出ていないのに、赤ちゃんに吸わせる理由は?出産後、すぐ母乳が出るようになると思っている方も多いのではないでしょうか? 出産後は、ほんのにじむ程度という方がほとんどです。それなのに助産師は、「赤ちゃんが欲しがるときにおっぱいを吸わせましょう」「1日8回以上、赤ちゃんにおっぱいをあげましょう」という指導をします。 それにはママのホルモンである「プロラクチン」が深く関係しています。プロラクチンは、母乳分泌を開始させ、分泌を維持させる働きのあるホルモンです。プロラクチンの濃度はお産直後に最高になり、徐々に低下していくのですが、赤ちゃんがおっぱいを吸うたびに濃度が上昇します。 授乳をしないと2週間で妊娠前の濃度にまで戻ってしまうといわれていて、赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらう回数が多いほうがプロラクチンの濃度が高くなります。また、1日に8回以上おっぱいを吸ってもらっていると、次の授乳までにプロラクチンの濃度が下がるのを防げるともいわれています。 頻回授乳じゃ寝不足になる!?母乳がまだにじむ程度しか出ていないのに、赤ちゃんが生まれてすぐ授乳をしたり、出産の疲れも癒えないうちに母児同室が始まり、赤ちゃんが欲しいときに授乳する頻回授乳をおこなったりするのには、ほかにも理由があります。 それは、授乳にかかわるもう1つのホルモン「オキシトシン」です。オキシトシンは、母乳が作られるのを維持したり、赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激に対して、母乳を出す射乳反射を起こすホルモンです。 お産直後にママと赤ちゃんが触れ合う早期接触の際に、おっぱいを吸ってもらうと、ママのオキシトシン濃度は急上昇する一方、何もしないと1時間以内に元の濃度に戻ってしまいます。ですので、生まれたばかりの赤ちゃんも出生後2時間を過ぎると眠りに入ってしまうことが多いため、遅くともお産後2時間以内にはママのおっぱいを赤ちゃんに吸ってもらうようにしているんですよ。 また、オキシトシンには、射乳反射を促すだけでなく、鎮静作用もあります。そのため、ママが細切れ睡眠になっても、短時間で休養できるよう働いてくれるんです。それでもやっぱり最初は、睡眠不足との闘いかもしれません。 意外と指導する側は気付いていないかも……これは私が働いていた病院のことなのですべての施設に当てはまることではありませんが、母乳育児を推進していたとはいえ、助産師によって熱意はさまざまだったように思います。それでも、「ここの病院はスパルタだって聞いた」というお話をされたママも何人かいらっしゃいました。 たしかに母乳育児希望のママには、赤ちゃんが欲しがるだけ、1日に8回以上……といった指導はしていましたが、ママが希望すれば赤ちゃんを新生児室で預かることも、状況に合わせてミルクを足すこともできたので、スパルタという話を聞いたときは正直驚きました。意外と指導している側にはスパルタという自覚はないんです。 残念ながら、母乳は赤ちゃんを産んですぐに出るというものではなく、ママの頑張りも必要になってきます。でも、頑張り過ぎる必要はないし、ママがつらい、苦痛だと思いながらの授乳は続かないと私は思っています。 母乳育児が確立するには時間がかかります。ママの心と体と相談しつつ、休憩したり、ミルクを足したりしてもいいと思います。ママが笑顔で赤ちゃんに接することができる……それが一番だと思いますよ。 イラスト:sawawa 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2019年05月21日こんにちは、助産院ばぶばぶのHISAKOです。1回の授乳で、赤ちゃんが片方しか飲まなかったということはありませんか? たまにならいいのですが、これが毎回続くとよくないこともあります。なぜ危険なのか、片乳授乳のリスクについてお話しします。 母乳が出るしくみとは作られた母乳は少しずつ乳管腔に溜まって行き、授乳間隔が空くと満タンになります。乳腺腔の真ん中には、脂肪分以外の母乳成分が溜まり、脂肪分は乳腺胞の壁に付着しています。 赤ちゃんがおっぱいを吸うと、その刺激で母乳分泌ホルモン(オキシトシン)にスイッチが入ります。するとホルモンの分泌を受けて、乳管胞を取り囲む筋肉が収縮し、中に溜まった母乳を排出する「射乳反」が起きます。 授乳の最初と最後で栄養価が違う射乳によって乳管胞の容積が小さくなるにつれ、徐々に壁からはがれ落ちた脂肪分が乳管へと押し出されて行きます。乳頭に向かって、より脂肪含有量の高い母乳が流れ出て行きます。 飲ませ始めの母乳(前乳)より、飲ませ終わりの母乳(後乳)のほうが栄養価が高いので、ぜひ赤ちゃんに後乳を飲ませましょうという片乳授乳推進の意見につながっているのはそのためだと思います。 後乳だけを飲ませるのはあり? なし?未熟児や低出生体重児、早急に高カロリー食で体重を増やさなければならない赤ちゃんは体力がないので、後乳を飲む前に放心してしまう可能性が。だから前乳は搾って捨てて、後乳を飲ませることを優先する指導が存在します。 でも、前乳に栄養がないわけではなく、健常新生児にわざわざ高カロリーな母乳のみを選んで与える意義は感じません。 また、片側をとことん飲ませる授乳方法では、反対側を同等に飲めるはずがありません。結局片っぽで赤ちゃんは力尽きてしまいます。こうなると反対のおっぱいをくわえさせようとしても無意味です。 アンバランスな授乳は乳腺炎になる可能性も授乳間隔が3時間ごとだと仮定すると、片乳授乳なら飲まなかった側は6時間も授乳間隔が空くことになりますね。そのうち、左右のおっぱいはアンバランスになって心身ともに収拾がつかなくなってしまいます。 片乳授乳を励行することで乳房内に長時間母乳が溜まったままにすると、張ったおっぱいを赤ちゃんが上手に飲めず浅吸いになる結果、乳頭亀裂の原因をつくり、乳腺炎になるリスクが上がります。だからこそ、一回の授乳では必ず両乳を飲ませてほしいと思います。 監修者・著者:助産師 助産院ばぶばぶ院長 HISAKO総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2016年11人目出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。
2019年05月15日完全母乳で育てた娘は、1歳を機に卒乳しました。母乳育児を終えてみて、振り返るといいこともたくさんありましたが、大変だったこともあります。今回は、子育て中の私が母乳育児で大変だったことを3つ紹介します。 【その1】言いようのない痛み! おっぱいトラブル授乳中のトラブルといえば、最もつらかったのは乳腺炎でした。ミルクは足さずに母乳一本だったので、授乳間隔が空いたり甘いものを食べすぎたりすると乳腺炎になったものです。キャベツ湿布で冷やしながら、とにかく母乳を飲んでもらうのが回復を早める一番の方法でした。 次につらかったのは、歯が生えてきたわが子に乳首を噛まれたときのことです。痛がるとふざけてまた噛んでくるので、鼻をつまんで口を離してもらうようにしていました。私は、乳首の傷を馬油でケアしていました。 【その2】意外に早かった生理再開。その影響で!?私は完全母乳でしたが、比較的早く、出産から半年ぐらいで生理が再開しました。 それ以降も月一で生理が来るようになり、生理前になるとなんとなく母乳の味が悪くなるのか、授乳中には娘もさえない反応をしていました。生理中はさらにおいしくないのか出が悪いのか、不機嫌そうに噛まれることもしばしば。授乳中は生理が来ないとよく聞きますが、個人差があるようです。 【その3】自分が病気になったときの授乳授乳中は体調を崩すことが少なかったのですが、あるとき感染性胃腸炎にかかってしまったことがあります。授乳は続けて大丈夫とのことだったので、普段通りに飲ませていましたが、やはり体がつらかったです。 また、逆流性食道炎にかかり、麻酔なしで胃カメラを飲んだこともありました。授乳中には麻酔がよくないとのことで、麻酔なしでおこないましたが、ちょっとつらい思いをしました。 以上、今思うと「よく頑張った!」と自分をほめてあげたくなった授乳中のエピソードでした。著者:山田孝子一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年05月07日こんにちは! ねここあんな。です!わが家の愛息子きっくんは、もう2歳2カ月です。つい先日、卒乳できたばかりなのですが(2歳0カ月で卒乳)今回はそんな「卒乳をすることになったキッカケ」について書きました。■突然やってきた「授乳がつらい!」という感覚完全母乳の私にとって「卒乳」は、とてつもなく不安なことでした。息子はおっぱいが大好きで、それ以外ではほとんど寝てこなかったんです。そんな息子をどう寝かしつけるのか? また、数時間おっぱいをあげなかっただけで乳腺炎になったこともあったのに…防ぐことはできるのか?などに悩み「本人からやめる日がくるかも」と淡い期待を抱いていました。がしかし、そんな日がくることはなく息子のおっぱい愛は加速するばかり…。でも正直、授乳以外のの寝かしつけ方法で眠らせる自信がなかったのでそれでも良いかと思っていました。そんなある日、私の中に変化が訪れました。なんだかよくわからないけど、しんどい! という思いでした。潔く吸わせるのをやめてみました!卒乳をさせるつもりではなく、この日は本当に早く寝たかったというか…とにかく吸われることが嫌でしょうがありませんでした。■泣き叫ぶ息子の声に夫が起きて、夫婦喧嘩勃発!まぁもちろん急にそんなことをしても、寝てくれるわけはありません。部屋中に鳴り響く息子の泣き声。そこでいつもは起きない夫が、息子のあまりの大泣きっぷりにうんざりしたように起きて一言。今思い出しても腹が立ってきました…(笑)深夜2時くらいまで言い争っていたような気がします。■喧嘩のおかげで卒乳が成功!?結局この日は泣き続ける息子に折れたのと、あまりに急な卒乳にはしたくなくて、おっぱいを飲ませながら疲れ果てて一緒に寝ました。眠りに落ちたのは深夜3時ぐらいだと思います。夫が思わず言ったであろう言葉を都合よく覚えていた私は、怒りを原動力に卒乳をする決心をしました!考えてみれば、キッカケなんて、自分で作らなくちゃずっと来なかったかもしれません。心のどこかでは、以前から授乳はやめたかったはずなのに。ちなみに私の中には、ケンカするぐらいなら何かを得たい! という謎のモットーがあります。ケンカって意見の交換としては大事だろうけど、お互い心がすり減るし、そのあとも険悪になったりしてすごく嫌! ですよね。できれば回避したい!でも起きてしまったことは仕方ない。だから今回は、「喧嘩のおかげで卒乳を成功させた」と言えるようにがんばろうと意欲に燃えました。ちなみに突然の卒乳になったのは息子にも悪いなぁという気持ちだったので、一日中「おっぱいとバイバイするんだよ」と説明してあげました。その後1週間ほどで無事卒乳できたので、結果オーライ! と思っています!
2019年05月04日初めての赤ちゃんを育てているとき、母乳育児を夢見て頑張っていましたが、母乳の分泌がよくありませんでした。そんなときに気になったこと、それは周りの声でした。今回は、筆者の経験をもとに、そんなときの気持ちの切り替え方のヒントをお伝えします。 「母乳が一番」周りの声が気になる初めての育児。産後の疲れやストレスにより、母乳の分泌はあまりよくありませんでした。当分の間は、母乳とミルクの混合で様子を見ることに。そんなときに気になったのが、周りの声です。 「母乳が一番」「母乳がラク」など、何気ないママ同士の会話さえ、耳をふさぎたくなるほどでした。私の周りには、完全母乳のママが多かったからかもしれません。「私だって母乳をあげたいのに……」と、どんどんストレスに押しつぶされそうになっていきました。 ストレスを減らすための方法はストレスは母乳の分泌にも影響を与えてしまいます。悪循環に陥る前に、過度なストレスを取り除く必要がある……私はストレスを減らす工夫を試みました。 筆者の場合は、周りの声がストレスの原因となっていたため、●母乳育児をしているママ友にしばらく会わない●ママ友同士の会話が聞こえないようにするなど、なるべく母乳の話を聞かないようにしました。 また、信頼できる専門家に相談をすることも1つの方法だと思います。 母乳でもミルクでも愛情は変わらない 経験を通じて学んだことは「母乳でもミルクでも愛情は変わらない」ということです。赤ちゃんにとって母乳もミルクも栄養であり、愛情に違いはありません。ママが笑顔でいられる方法を選んで、育児ができればいいことに気が付きました。 家族の期待がプレッシャーになったり、周りの声を気にしたりしてしまいがちですが、人は人、自分は自分です。今できることを、自信を持ってしていけばいいと感じています。 母乳をあげられないことから、罪悪感を感じてしまうママも少なくないと思います。なるべくストレスの原因から離れること、そして赤ちゃんにとってはママが笑顔でいてくれることが一番だと思います。 ✿❀ベビカレ春のマンガ祭り❀✿大好評のマンガ記事をいつもより増量し、毎日5本以上お届けする期間限定の“マンガ祭り”開催中! 人気のレギュラー連載6作品に加え、新たにゲスト連載10作品が登場します♪イラスト:sawawa著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。
2019年04月17日現在育児中のママ1,500人を対象に、「授乳」に関するアンケート調査をおこないました! 母乳派・育児要ミルク派・混合派、それぞれどのくらいの割合なのでしょうか? 現在育児中のママ1,500人を対象に、「授乳」に関するアンケート調査をおこないました! 母乳派・育児用ミルク派・混合派、それぞれどのくらいの割合なのでしょうか? あなたがおこなっていた(おこなっている)授乳方法は? 完母(母乳栄養)50.6% 混合(混合栄養)41.8% 完ミ(人工栄養)7.6% 授乳期の生活スタイルは? 兼業主婦(産休中、または復職後含む)56.8% 専業主婦41.7% シングルマザー1.0%その他(フリーランスなど)0.5% 授乳方法の調査では、母乳栄養のみの育児「完母」が一番多く、約半数を占める結果に。続いて多かったのが母乳と育児用ミルクを併用する「混合」、最も少なかったのは育児要ミルクのみの「完ミ」でした。 また、授乳期の生活スタイルの調査では兼業主婦が約57%と過半数を占めていることから、働くママも積極的に完母にチャレンジしているということがわかります。 2015年に発表された厚生労働省の調査(※)によると、過去10年間にわたって母乳だけで育てるママは毎年増加傾向にあります。10年前は「混合」が大多数を占めていたのが、すっかり逆転したようです。しかし、忙しいママにとって育児要ミルクが有難い存在なのも事実。服薬するときや母乳が足りないとき、誰かに預けるときなど、おのずとミルクに頼らなければならない場面が出てきます。栄養価も高く調乳も簡単で使いやすい育児要ミルクは、母乳推奨の風潮にあるなかでも根強く支持され続けています。※参考:厚生労働省発表『平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要 -乳幼児の栄養方法や食事に関する状況』 哺乳瓶を使っていますか(いましたか)? はい78.2% いいえ 21.8% 混合・完ミ・完母あわせて8割近くの人が哺乳瓶を使っていることがわかりました。外出先や預け先で直母(乳房から直接母乳を与えること)が難しい状況のときこそ、哺乳瓶が大活躍してくれます。しかも、最近の哺乳瓶は直母の感覚になるべく近づけるような研究がされていて、とにかく機能面がすばらしいと評判です。 育児用ミルクを使う理由は?さて、母乳派に押され気味ではあるものの、やはり重宝されている育児用ミルクの存在。実際に育児用ミルクを使っているママの声を聞いてみました。「新生児の時に母乳があまり出ず、完全母乳が難しかったのでやむなく購入した」「人に子どもを預けるときに便利」「最初の使い始めはおっぱいが出にくい事でしたが、ママの体調が悪いときも急きょミルクにして飲んでくれないと困るので、1日1回は必ずあげていました。体調が悪くてあげられないことはなかったのですが、一番助かったのは夜泣き期間です。夜泣き対応はママがしていたのですが、パパが休みの日は昼間見ていてくれてミルクをあげてくれてとても助かりました」「完母でもいけるが保育園に入れるので1日1回でもミルクを飲ませるために粉ミルクを使っています」「外出時にミルクのほうが便利なときも多いから、急に授乳が出きなくなったときのためにミルクにも慣れていてほしかったから」 このように、育児用ミルクは“もしも”のときの救世主として大活躍してくれます。完母を目指しているプレママも急きょお世話になることがあるかもしれないので、チェックしておきましょう。 赤ちゃんには母乳がいいという風潮がありますが、育児用ミルクがダメということでは決してありません。それぞれの家庭によって環境や事情が異なるので、結局のところはママが一番おこないやすい方法を選ぶのがよいと思います。育児用ミルクでも母乳でも、親の愛情をたっぷり受けていれば、赤ちゃんは元気にすくすく育ってくれるはずですよ。 <調査概要>調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」によるアンケートにご応募のあった、0歳〜2歳のお子さんを持つ女性調査実施日:2018年1月29日~1月31日有効回答数:1,507 <PR記事> 誠実な人と再婚したい!シングルマザーにおすすめの婚活マッチングアプリまとめシングルマザーの再婚のきっかけ・タイミングとは?出会いやプロポーズの実体験を紹介【体験談】子供が最優先!アラフィフ・シンママのユーブライドで婚活体験記
2018年10月03日完全母乳、ミルク、混合か…子どもが産まれて初めて選択することのひとつでした。わたしは「母乳」が出やすかった体質で、退院した後もほとんど哺乳瓶を使うことはありませんでした。粉ミルク代もかからず、体重も増えないし…と完母で大丈夫だなーと思っていました。あの時までは・・・。息子が6か月になる頃に免許の更新がありました。連れて行くことも考えましたが、講習場所は車で1時間くらいかかる所でした。(しかもわたし違反者講習!!)夫に息子を預けることを視野に入れて、哺乳瓶の練習をしました。しかし時すでに遅し・・・。息子が哺乳瓶を口にすることはありませんでした。努力むなしく、散っていったお金たち・・・(笑)結局、免許の更新の日は夫に息子を任せました。家を出る前におっぱいをたっぷりあげ、泣きだしたら果汁をスプーンでちびちびと飲ませてもらいました。高速を使い、慌てて帰ったのですがあの時の疲弊した夫の顔は、今でも忘れられません。母乳とミルク、どちらで育てるなんて正解はないとは思ってはいたのですが、どちらにもメリットとデメリットがあることを改めて知ったのでした。
2018年07月08日みなさんこんにちは!イラストライターのゆめちちです。まだ出産前なのに、母乳が出てびっくりなんて経験された方も少なくないと思います。私も、妊娠中に母乳が溢れ出てびっくりしました。今回は、母乳が溢れ出る原因とその対処法について紹介します。妊娠7ヶ月で母乳が出てくる?初めて母乳が出てきたのは、妊娠7ヶ月です。お風呂に入っていると、黄色い母乳が少しだけ出てきていました!ですが、普段下着が濡れるほど出てくることはなかったので放っておきました。服が濡れるほど出てくるそれからしばらくたったある日、「なんか胸が痛いなー…なんか冷たいなーと服を確認したら、服が母乳で濡れていました。妊娠中によくあることなのか心配になり母に聞きましたが、母にはそんな経験がなかったそうです。「最初の黄色い母乳は栄養があって赤ちゃんに飲ませたほうがいいからあんまり出たらまずいんちゃう?」と、母に言われ不安になりました。母親学級で学んだ、母乳が出る原因何人かの妊婦さんと一緒に助産師さんの話を聞く母親学級というものに参加しました。その時に助産師さんが「母乳がすでに出てきている方はいらっしゃいますか?」と聞いてくださったので、「服が結構濡れるくらいに出てきたんですけど大丈夫ですか?」と質問をすると「妊娠中に母乳が出ることは珍しいことではないので大丈夫です。ただ、刺激してしまうと子宮収縮を起こし危険なので今は優しくふき取るだけ にして、あまり触らないでください。」とのことでした。出産前なのに母乳が出てくる原因は、妊娠を機にプロラクチンという女性ホルモンが増え、妊娠中から母乳を出す準備を始めること で、妊娠中(特に後期)から母乳が出ることがあるそうです。妊娠中の母乳対策私がしていた母乳対策は、母乳パッドを購入して下着につけて服が濡れないようにすること。母乳が出てきてしまったときは、その都度ふき取るようにしていました。分泌液をそのままにしておくと、乾燥しそのまま付着してしまうこともあるそうです。なのでいつも清潔にすることを心掛けていました。----------以上、いかがでしたでしょうか?妊娠中にいきなり母乳が出始めたらびっくりしてします。でもそれは、体が母になる準備をしているからです。今妊娠中の方で不安なことがある方は、助産師さんや先生に相談をして楽しいマタニティライフを過ごしてください!●ライター/ゆめちち(イラストライター)
2018年06月14日こんにちは、ましゅままです。赤ちゃんのためになるべく母乳で育ててあげたい、と母乳育児をがんばっているけれど、母乳育児は常に「足りているのかな?」 という不安がつきまとうもの。筆者の母乳育児中も、母乳は量がはかれないし、「母乳を飲んで寝ていくけど起きたらさっきあげたばかりなのにまたおっぱい…!?」 となって、こんなに頻回授乳をしていて赤ちゃんがちゃんと飲めているのか?母乳は足りているのか?とよく不安になりました。しかし赤ちゃんの「ちゃんと飲めているサイン」を自分が把握することで、そんな不安を抱くことはないんだーと気づいてからはとても楽になりましたよ。そこで、今回は、母乳が足りないかも…?を解消する、母乳をちゃんと飲んでいるか確認する方法をご紹介します。筆者の母乳がしっかり飲めているのか不安な日々筆者は二人の娘を母乳で育てました。長女は出生体重が大き目の子で吸てつするスタミナがあって哺乳量が多く、その分吐乳がとても多いタイプ で、授乳回数が多め、なのに便秘タイプの赤ちゃんでした。吐く量が多くうんちが出にくかったため、ひょっとして母乳は足りていないのか…?と不安になったものです。次女は出生体重が小さく、吸てつスタミナは少な目で、どうやら哺乳量も少なく、吐乳は少なく、快便タイプの赤ちゃん。そして積極的におっぱいを欲しがるしぐさも少なめでした。こんなに授乳状況でちゃんとこの子は母乳飲めているのか…?成長しているのか? とよく疑問に思ったものです。ミルクに頼らず母乳だけで育てていると、母乳がもし飲めていなかったらどうしようという不安がつきまといがちになってしまいます。ミルク足したほうがいいのかなー?と思ったこともありましたが、飲み方や授乳量は赤ちゃんによって個性があり、きちんと母乳を飲めているか、足りているかの基準をママがしっかり把握することで、「母乳不足感」を拭い去り、自信を持つことができました。母乳をしっかり飲めているのか筆者の試した方法①赤ちゃんの吸啜を観察授乳の時、赤ちゃんの吸てつをチェックしてみましょう。ごくごくと音をたてているかどうか、下唇がパカパカしてしまっていないか、おちょぼ口の飲み方になっていないか 。ごくごく音を立てて飲んでいればきちんと飲めていますし、吸い方も上手なようなら問題なく哺乳はできています。②赤ちゃんのおしっこの回数をチェック多くのママは哺乳量やうんちの回数、量に目がいきがちですが、母乳は正確な量がなかなか測れないものですし、ほとんどが水分のため、簡単に母乳をきちんと飲んでいるかどうか判断するにはおしっこの回数を記録するのが効果的 。1日に6~8 回出ていれば問題なく母乳を飲めている、ということですので安心してください。③搾乳した母乳を飲ませてみる哺乳瓶を受け付ける赤ちゃんに限りますが、搾乳した母乳を哺乳瓶で飲ませることで、目に見えて何cc飲んでいるかわかるため、「意外とたくさん飲めている!」 と不安解消につながるきっかけになることがあります。④定期的な体重チェックできれば、1日1回、スケールで体重をはかりましょう。母乳外来へ行って体重チェックを受けても良いですし、ショッピングセンターの授乳室や支援センターのスケールを使って体重をはかりましょう。 体重の増え方に個性はありますが、パーセンテージグラフの範囲内で少しずつでも体重が増えていれば、日々の授乳できちんと栄養をとってその子なりの成長を遂げているということ。筆者の友人はスケールを買って授乳ごとに体重を計測して、そこからだいたいの哺乳量を把握していました。母乳育児にありがちな、「母乳不足感」をぬぐいさるのがだいじ量がわからない母乳なので、赤ちゃんが泣くことが多いと、「もしかして足りてない?」とママが不安に思ったり、周囲に「母乳足りてないんじゃない?」と言われたりしてしまうことも。しかし、ご紹介したように、しっかり赤ちゃんが吸てつしていて、おしっこの量が正常で、少しずつでも体重が増えていれば問題なく母乳育児は成功しているということです。足りていないからではなく、逆に飲みすぎて、おなかがパンパンで泣いてることだってあります。なかなか泣き止まないならその可能性も考えてみてください。●ライター/ましゅまま●モデル/大上留依
2018年05月01日1人目を妊娠中、わたしは検索魔でした。ネットには母乳に関するさまざまな情報が載っています。「赤ちゃんに一番良い栄養は母乳です!!」「母乳には赤ちゃんの免疫をつけるための良い成分が…」「母乳を飲ませることであごの力が強くなる…」「ママの愛情が伝わる云々…」(以下略)わ~すごい!! 母乳って本当にすばらしいんだ(キラキラ)ってなっていた頃のお話です。では、どうぞ~ただでさえ産後でつらい体、寝不足でボーっとする頭を抱えて、慣れない授乳…。でも、何度量っても母乳量が0でした。入院中、ずっと0でした。ほかのママさんたちの母乳量の記録も見えるようになっていたので、その記録票にずっと0を記入しているうちに、だんだん追い詰められてきて、涙が止まらなくなっていました。まさに、典型的なマタニティブルーにおっこちていました。あとから考えると、そこまで落ち込むことでもなかったと思うのですが、「母乳が出ない」たったそれだけで母親としてダメなんじゃないかと思ってしまったんですよね。それくらい、産後のホルモンバランスってヤバい…!!母乳推進の産院は多いし、できるなら母乳で育てたいママは多いと思います。だけどいまは、いろんなライフスタイルがあって、母乳じゃなくてミルクで育てたいママもいる。母乳をあげながらミルクメインで育てたいママもいる。いろんな選択肢がありますよね。わたしはずっとミルクメインの混合でやってきたけど、子どもたちはみんな元気に育ってます!!ミルクって便利だなー!! って、あのとき産院で泣いていた自分に言ってやりたいです。※2018年3月14日15時 イラスト内の文言を一部修正しました
2018年03月13日授乳していると避けられない、母乳トラブル。母乳育児をしているとよく、「乳腺炎になってしまった」「乳首が切れてしまった!」など母乳トラブルの話を聞きますよね。わたしも母乳育児を始めて8ヶ月。今でこそ落ち着いて授乳できていますが、私も今の状態になるまでの道のりに色々とありました。うつ伏せになれない程、パンパンに!入院前、産院からの希望調査アンケートで「できれば完全母乳で育児したい」と答えていた私。出産初日はカンガルーケアで数滴母乳をあげ、出産翌日から本格的な母乳育児スタート!しかし、まだ出が悪かっただけでなく、パンパンに張ってしまったことで咥えにくいおっぱいになってしまい、最初はうまく母乳をあげられませんでした。搾乳して張りをましにさせようとしても、どんどん製造されていく母乳についていかない体。2日目~4日目までは寝るのも辛い日々が続きました。ピーク時はちょっとでもうつ伏せになると激痛!「出産の痛みの後にもこんな痛みが待ってるのか…」と、改めて世のお母さん達を尊敬しました。出産後、数日間は、親子ともになれるまで出しにくい・吸わせにくいなどのトラブルが続きます。とにかく耐えに耐えた数日間でした。乳首を上手に咥えられなかった新生児期搾乳しておっぱいを冷やし、なんとか誤魔化して4日目過ぎる頃には、痛みはだいぶマシに…。それでもうまく飲ませてあげることができず、授乳の度に助産師さんに乳首を強くつままれたり、引っ張られたり…。本当に辛かったです。息子も、口が小さいため乳首が咥えにくいらしく、うまく飲めないのに半ば強引に顔におっぱいをあてられてしまい、泣いてばかり…。スタートを切るのがこんなに大変だとは、思いもしなかった!ミルクをあげたり搾乳した母乳をあげたりしつつ、合間で練習の日々。親子で泣きながら頑張りました。退院間近になった時、親身になってくれていた助産師さんに「赤ちゃんも嫌がっちゃうし、体重が1キロほど増える生後1ヶ月頃までは搾乳して哺乳瓶であげたほうがいいかもしれない」とアドバイスされ、そうすることに。頑張りすぎなくていいな、と思うと心も楽になりました。搾乳必須な母乳ライフがスタート!そんな経過もあり、搾乳機は奮発してメデラのダブルスイングを購入し、退院。病院で手動のものやシングルの電動のものも試したのですが、一番よく搾乳できて、早かったのでこれに決定。泣いてる赤ちゃんをなるべく待たせたくないし、ママも楽なのが一番!自宅での搾乳がスムーズになるように慎重に選びました。これで3時間おきに搾乳をして、哺乳瓶にうつして授乳。この時はだいたい60~100mlを搾乳してたのですが、搾乳に15分ほどかかり、授乳の時間も15分、寝かしつけた後、洗い物と消毒が5分…。夜中だと、3時間間隔のうち3〜40分が授乳タイムにとられるので、合間に2時間ほどしか寝られなかったのが本当に辛かった。でも、授乳してるときの息子の可愛さと、気合で乗り切れました。たくさん飲むのに、体重の増加が少なめ!?そんな生活を約1ヶ月続け、一ヶ月検診では体重が増えていたものの、平均よりけっこう少なめ。全く問題はないと言われましたが、飲みたがるのでついつい病院で言われた量より若干多くあげていたのに、びっくりしました。でも、ほんの数グラムの体重に一喜一憂するのも新生児ならではの悩み。母乳生活がスムーズに行っていれば、体重の多少の増減は気にしなくてもいいと思います!そして、この頃から直飲みの練習を再開。産院で練習していた頃よりずいぶんと上手くなっている息子。数日で全く失敗せずゴクゴク飲めるようになりました。今は乳首を見せると勝手にパクついてくるほどまでに成長。あんなに頑張ってくれた搾乳機も、今は出番なし!でも、本当に搾乳機なくては乗り切れなかったと思います!その後、病院に行ったり体重計を見かけるたびに体重を測っていたのですが、どんどん成長曲線の上の方になっていったので、母乳がきちんと飲めているんだなぁ〜とほっとしました。ママたちの苦行は終わらない! 歯が生えてきたら…苦行な1ヶ月を過ごしたため、完全母乳のペースを掴めた頃は浮かれていました。とにかく「吸い付いてくる姿が可愛すぎる!」、「授乳の工程が圧倒的に減ったのでラク!」。しかし、舞い上がっていたのも束の間、3ヶ月頃から授乳の時なんか痛い…?お口を開けて確認すると、下の歯が生えてきていました。案の定ムズムズするのがガンガン噛んでくる息子。今はこのトラブルに悩まされてますが、はっきりした解決法はなく…。日頃から歯固めをあげるようにすること、遊び飲みしないように切り上げること、などを心がけています。また、友人ママに相談したところ、「低い声でゆっくり言い聞かせる」「噛まれたら一度離すを徹底する」などの方法を聞いて、そちらも実践中。最近は、少し噛まれることが減ってきたかなと思います。もし噛まれて乳首を負傷してしまったら、キズパワーパッドをカットして乳首の痛い部分に貼るといいと聞きました。まだまだ母乳育児続行中。まだ乳腺炎などの思い症状にはなったことがありませんが、振り返るとたくさん辛いこともあったなぁ〜と思います。一難去ってまた一難の母乳育児ですが、その都度、友人ママと悩みを分かち合ったり相談したり。何より、息子に授乳できる期間はとっても貴重な時間。だからこそ、頼れるものには頼って、なるべく楽しく授乳してあげたいです♡
2018年01月18日モーも夢見も、完全に母乳で育った。といっても、別に熱心な母乳信仰を持っていたわけでもない。母乳で育った子の方がIQが高くなるとかいう謎言説を信じていたわけでもない。ただ単に、その方が楽だったからだ。おぎゃーっと泣いたら、ベロンと服をめくって、おっぱいを咥えさせればそれでいい。母乳は赤ちゃんのファストフードである。ところが、ミルクだと決してそうはいかない。湯冷ましを作ったり、粉を溶かしたり、哺乳瓶を消毒したりと、かなりの手間がかかる。私のものぐさ加減というのは天井知らずであったので、そのうち自分の服をベロンとやるのすら億劫になって、出産後1、2ヶ月は、上半身ほぼ裸、おっぱい丸出しのアマゾネススタイルで過ごしていた。思えばそういうだらしない生活が離婚を招いた一因かもしれないが、楽でいることには抗えなかったので仕方がない。授乳で楽を極める上で、裸族であることともう一つ、避けて通れないのが、添い乳である。添い乳というのは、赤ちゃんを布団に寝かせたまま、かつ母親も寝たままの姿勢で授乳することであって、赤ちゃんの首が据わるまではなかなか難しいのだけれども、ある程度しっかりしてくると、夜中の授乳にこれ以上楽なことはない。そうやって楽を極め、二人の子どもに合計で約5年間、授乳し続けた結果、私のおっぱいは、伸びた。乳首も、伸びた。幼き日のモーは「パパ」「ママ」という単語の次に「でんち」という言葉を覚えたのだが(なぜなら子どものおもちゃには大抵単三か単四の電池が必須だから)、あるとき私の乳首をまじまじと見つめながら、おもむろに「でんち」と言った。言われてみれば確かに似ていた。あれから10年以上経ち、さすがに乳首はやや短縮されたものの、伸びたおっぱいは伸びたままである。むしろ、母乳が生成されていた当時は長いなりにもハリがあった分だけまだよかった。完全に生産を停止した母乳工場は、今や悲壮感を漂わせる廃墟と化してしまったのだ。散々楽をしたツケを、日々ひしひしと感じている。もし今後、私がまかり間違ってTEDでスピーチなんかをすることにでもなれば、キラキラした目で「しかし、私はこの伸びたおっぱいを、二人の子を立派に育てた証として誇りに思います」とでも言うだろうけれど、現実には離婚をし、独身に戻り、もしかすると今後、私のおっぱいは授乳とは別の用途で、再び活用されるべきときが訪れるかもしれないのである。そんなとき、まあおっぱいの一つや二つ、もともと持ち弾の少ない私のせめてものウェポンとなってもらわねば困るのである。危機感に駆られた私は、あるときついに、東京でも有名なとある病院の、乳房外来の門を叩いた。「おっぱいが長いんです」診察室に入るやいなや胸もあらわに相談すると、男性のドクターは、手にした定規で私の鎖骨の中心から右の乳首まで、そして同様に鎖骨の中心から左の乳首までの長さをそれぞれ測り、おもむろに言った。「平均より、5センチ長いです」「ご、5センチ……?!」わかっていたことではあったが、数値化されたインパクトは絶大で、私は絶句した。「大きいし、重いし、これじゃ肩も凝るでしょ」ドクターは私の乳房を抱えながら、さも気の毒と言わんばかりの顔で私に言うと、おっぱいを吊り上げ、かつ、小さくし、ついでに乳輪も一回り小さくするという手術を勧めてくれた。(……え、乳輪?)乳輪については全く気にも留めていなかったのでそのとき初めて乳輪が大きいという事実に直面したが、ドクター曰く、おっぱいが吊りあがり、小さくなると、乳輪の大きさが気になるようになるので、ということであった。言われた一通りの手術を受ければ、私のおっぱいは再び夢と希望と美しさを取り戻し、ひまわりのように上を向くことがあるのだろう。手術は日帰り、傷はしばらくは残るが次第に薄くなる、といった説明を一通り聞いた後で、私は万を持して核心に迫った。「それで、費用はおいくらです?」そこでドクターの提示したその額、なんと120万円。私、その日2度目の絶句。検討します、といって病院を後にしたものの、当然ながらそんな費用はどこにもなく、結果、今日に至るまで私のおっぱいは手付かず、平均より5センチ長いままである。起き上がるのも、服を着るも怠り、おっぱいの力に頼りきった育児で楽をした結果、時を巻き戻す費用は120万円。TEDでスピーチしなくたって、私はこの長いおっぱいを誇りに思いながら生きて行こうと思うのであった。……長いウェポン、ライフルだと思えばかっこいいし。イラスト:ハイジ
2017年01月17日赤ちゃんを母乳で育てたいと考えているママやプレママは多いですよね。母乳育児は、赤ちゃんにとってもママにとってもメリットがいっぱいです。その一方で、「母乳の出がよくない、赤ちゃんが飲んでくれない、授乳のタイミングが難しい……」といった悩みを抱えるママもたくさんいます。そんなお悩みを解決するため、今回は母乳の出るしくみや母乳育児を成功させるコツをご紹介します。ママと赤ちゃんの状況に合わせて、無理のない範囲で取り入れてみてくださいね。母乳が出るしくみって? そもそも、母乳はどうやって「出る」ようになるのでしょうか?まずは乳腺(にゅうせん)の発達についてご説明します。妊娠すると胎盤から乳腺を刺激するホルモンが分泌されて、乳腺が発達します。妊娠期の前半でおっぱいが大きくなるのはこのためです。 一方で、このホルモンには母乳の生成をおさえるはたらきもあります。それでは、出産するとなぜ母乳が急に出るようになるのでしょうか? プロラクチンとオキシトシンという2つのホルモンのはたらき出産で赤ちゃんと一緒に胎盤が排出されると、妊娠の維持に必要なホルモン環境が劇的に変化します。同時に、母乳を生成するプロラクチンの濃度がぐっと高くなります。プロラクチンの濃度は産後2時間くらいをピークに減っていきますが、その後は赤ちゃんが吸いついたときに濃度が上がるようになっています。産後数週間は、赤ちゃんが吸いついて乳頭を刺激すればするほどプロラクチンの分泌量が増え、母乳の生産量も増えます。また、プロラクチンの血中レベルは授乳開始から30分後が最も高くなります。これには、「次の授乳に向けて母乳を作る」という重要な効果があります。また、赤ちゃんが乳頭に吸いつく刺激などによって放出され、たまっている母乳を外に出すはたらきをするのがオキシトシンです。オキシトシンには鎮静・リラックス作用もあり、授乳中に眠くなることや、愛着がわくのはこのためです。赤ちゃんは最初から「母乳を飲む能力」がある!もう1つ、母乳にとって重要な「赤ちゃんの持っている能力」について紹介しましょう。赤ちゃんは生まれた直後から、静かに穏やかに抱かれていると自発的に「哺乳前行動」という一連の探索的行動をはじめます。そして自らおっぱいを探しだして吸いつき、初乳(しょにゅう)を飲むことができるのです。おっぱいを飲んでいないときには、ママのおっぱいをリズミカルにマッサージしておっぱいを搾りだすように刺激します。乳頭、乳輪をなめたり吸ったりもします。こうした赤ちゃんの手や口の調節的なパターンによって、ママのからだではオキシトシンの濃度が急上昇します。ママは五感を通じてそのしぐさを感じることで、赤ちゃんを愛おしく感じる「愛着形成」がなされます。このように、母乳は赤ちゃんとママが「協働するパートナー」となって作られ、出産直後から出るようにできています。ただしホルモンバランスには個人差や時間差もあるので、たとえば産後の入院中の段階で「出る」「出ない」などと焦る必要は全くありません。ママにも赤ちゃんにも優しい? 母乳の成分と母乳育児のメリットとは最近では母乳育児を推奨する産院も増えていますが、母乳育児にはどんなメリットがあるのでしょうか? 母乳の成分や、ママと赤ちゃんの心身への影響を見ていきましょう。母乳の成分で特に大切なのが、出産直後から1週間くらい(人によっては10日頃までのことも)までに出る「初乳(しょにゅう)」です。黄色っぽい透明な乳汁で、ママからの免疫や、成長因子がたくさん含まれています。妊娠末期に助産師さんに乳頭のマッサージをしてもらうと、じんわり出ることもあります。出産後3~4日すると脂質や糖質が豊富に含まれた「成乳(せいにゅう)」に変わっていきますが、成乳にもママからの免疫は含まれています。赤ちゃんの成長に合わせて成分のバランスが変化するので、消化吸収がいいのも特徴です。ママにとってもメリットはいろいろオキシトシンには子宮を収縮するはたらきがあるため、子宮の回復を助けて産後の出血を減らしてくれます。授乳はカロリーを消費するので産後太りの解消にもなります。また「母乳育児の長期効果」というWHOの発表(2013年)によると、母乳育児には成人の高血圧、2型糖尿病、肥満などへの予防効果や、IQ(知能指数)上昇につながる効果があると示されています。母乳育児を成功させると経済・社会的な面でも、ミルク代が浮くので経済的、災害や緊急時にミルクを確保する心配が要らないといったメリットがあります。アメリカの研究では、生後6ヶ月の母乳率が80%となった場合、年間1兆円以上の医療費の削減となり、700~900人の乳児死亡を防げるという試算もあります。母乳育児を成功させるコツ【1】授乳姿勢「母乳の出が悪い」「赤ちゃんが吸ってくれない」「乳首が痛い」といったお悩みはありませんか?その原因、実は授乳姿勢にあるかもしれません。赤ちゃんが吸うことで母乳は出ます。そのため、赤ちゃんが大きな口を開けて深く吸いつけるような姿勢で授乳することが大切です。浅いと赤ちゃんは効率よく飲めませんし、ママの乳頭を傷つけてしまい一時的に授乳を中断しなければならなくなることも。赤ちゃんにとっては、ママの体に触れ、おっぱいを飲み、安心して眠ることは最も幸せな体験です。授乳には赤ちゃんが子宮外での生活に適応することをうながすはたらきもあるので、特に産後1か月までの赤ちゃんは、ママの胎内で全身くるまれていたように、体をまるごと包み込んであげることが大切です。授乳をするときには、ママ自身もかつては同じように抱かれ、大切にされていたとイメージするといいでしょう。母乳はママの血液から作られるので、ママの体がリラックスした血流のいい状態であることも大事です。母乳育児を成功させるための授乳姿勢は、次の2つのポイントをチェックしましょう。【1】ママが楽な姿勢か特に授乳初心者の方は、何かにもたれておこなう「リクライニング授乳」をしましょう。もたれずに授乳すると、肩・腰・背中などに負担がかかり、痛みやこり、血行不良につながります。背もたれのある椅子やソファに寄りかかって授乳してみてください。【2】赤ちゃんの姿勢がねじれていないかよくある間違いが、顔だけをおっぱいに向けている姿勢です。これでは赤ちゃんは首がねじれて苦しく、上手に飲めません。赤ちゃんの耳、肩、おしりが一直線になるようにして、頭、肩、体をしっかり支えましょう。そして、おっぱいを赤ちゃんに近づけるのではなく、赤ちゃんをおっぱいに近づけます。赤ちゃんの体をママと密着させて、顔を真っすぐおっぱいに向けるようにするのが成功のポイントです。母乳育児を成功させるコツ【2】授乳のペース授乳のペースは、「赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけ」が基本です。昔は「3時間おき」など時間でコントロールする考えもありましたが、今はユニセフとWHOによる『母乳育児成功のための10ヵ条』でも「赤ちゃんが欲しがるときに」が推奨されています。というのも、母乳は先にご紹介したホルモンの作用により赤ちゃんが吸うことで作られるからです。また、時間を空けるためにミルクを足してしまうと、授乳間隔が空いてしまい余計に母乳が作られにくくなってしまいます。とはいえ、頻回な授乳に疲れることもあるでしょう。そういう場合は無理せずミルクを取り入れてゆっくり休んでください。搾乳した母乳を、パパなど他の人から赤ちゃんに飲ませてもらってもいいでしょう。搾乳した母乳は冷蔵庫なら5日以内、冷凍庫なら3~6ヶ月ほど保存できます。冷凍した母乳は冷蔵庫や流水でゆっくり解凍し、湯せんで温めて使いましょう。電子レンジは母乳の成分が破壊されることがあるのでおすすめしません。逆に母乳が出すぎておっぱいが張ってしまう場合も、残った母乳を搾乳して出し切ることで乳腺炎などのトラブル回避になります。母乳育児を成功させるコツ【3】母乳にいい食事・飲み物母乳の出をよくするには、どんな食事や飲み物がいいのでしょうか?母乳は血液から作られるため、ママの血行をよくすることがポイントです。そのため、まずは水分を多くとることを心がけましょう。授乳中、1日に必要な水分量は2~3リットルとされています。水だけ飲むのはしんどいでしょうし体を冷やし血行が悪くなるので、温かいハーブティーやスープ、味噌汁などで補うのがおすすめです。また、授乳期は1日に2500キロカロリー、たんぱく質80g、鉄20mgの摂取が必要とされています。一般的な20~30代女性の基準は2000キロカロリー前後なので、普段より意識的にしっかり食べることが必要だとわかりますね。絶対に食べてはいけないというわけではありませんが、油っぽいものや糖分の多いものは母乳の状態を悪くする傾向があります。乳腺を詰まらせて乳腺炎などの原因になり、人によっては少し食べただけで詰まってしまうことも。ママの体には症状が出なくても、赤ちゃんに湿疹や便秘といったトラブルが生じることもあるので注意しましょう。年末年始の時期、食べ過ぎに注意してほしい食材はおもちです。昔は「おっぱいの出が悪いならおもちを食べたらいい」と言われることもありましたが、乳腺が細くて出にくいママなどは、余計に詰まりやすくなってしまう恐れがあります。おすすめの食事は和食です。具体的には、根菜類を多く使った汁物(ポトフやみそ汁)がいいでしょう。根菜は体をあたためてくれます。鉄分やたんぱく質を補うためには、大豆系食材、白身魚、赤身の肉、レバー、ドライフルーツなどを食べるといいでしょう。「母乳が足りてない?」「ミルクを足すべき?」と思ったら赤ちゃんが泣きやまなかったり、授乳したのにすぐおっぱいを欲しがったりすると「母乳不足かも?」と心配になるママは多いようです。「母乳不足」の原因には、主に次の3つがあります。【1】母乳量は十分だが、赤ちゃんの哺乳力(吸う力)や授乳姿勢に問題がある【2】母乳産生量が不足、もしくは分泌がない(母乳分泌不全」【3】赤ちゃんは足りているのだが、母親が母乳不足だと感じる(母乳不足感」このうち、医療介入が必要な「母乳分泌不全」は少ないケースです。助産師さんなどの適切な支援を受けることができれば、ほとんどのママは母乳のみで育てることができるのです。生後1ヶ月頃の赤ちゃんの体重増加目安は1日30gとされています。健診などでこれに満たないと母乳不足を指摘されることもあるようですが、WHOのガイドラインでは「生後1ヶ月目で450グラム以下なら母乳不足」とされており、日本の体重増加基準はかなり高くなっています。赤ちゃんにとって、生後2~3週間は食欲と成長のスパート時期です。そのため、赤ちゃんの3人に1人はいつも空腹な様子を示し、授乳後も満足しない様子なので、ママは「母乳量が足りないのでは?」と考えがちです。けれども、この時期の赤ちゃんが活動的で、頻回に母乳を欲しがることは普通のことなので安心してください。「よく泣く活発な赤ちゃん」の「泣くこと」はその赤ちゃんの生まれ持った気質で、行動スタイルであり、個性です。赤ちゃんがしょっちゅう泣くと、母乳不足が心配になったり育児が不安になったりするかもしれませんが、静かで眠りがちないわゆる「手のかからない赤ちゃん」が逆に母乳摂取不足になることもあります。スパート時期になったら、授乳回数を増やすのもいいでしょう。赤ちゃんが泣く原因はおっぱい以外にも「暑さ」や「同じ姿勢に飽きた」などいろいろあります。母乳を追加しても泣きやまないときは、バスタオルなどでぎゅっと体を包んで抱いて歩いてみたり、うつぶせにして背中をトントンしてみたり、子守歌を歌ってみたりしましょう。抱く時間が長いほうが赤ちゃんの心の発達にはいい影響があるとされていますから、「抱きぐせ」を気にする必要はありません。先にご紹介したように、ミルクを足すと母乳がより分泌されにくくなることもあるので、焦ってすぐにミルクに走らず、赤ちゃんや周りの様子をちょっと観察してみてください。そして心配なときはいつでも、産院の母乳外来などで助産師さんに相談しましょう。母乳にこだわりすぎないのも大切いかがでしたか。母乳育児のコツをご紹介しましたが、母乳もミルクも「どちらが正しい」ということはありません。ミルクにも、ママ以外の人に育児にかかわってもらいやすいなどメリットはいろいろあります。「母乳じゃなきゃダメ」とこだわりすぎるとストレスになってしまうので、ママの負担にならない程度に母乳育児を楽しんでください。不安なときはひとりで悩まず、産院や助産施設などで気軽に相談してくださいね。監修:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産科・婦人科学教室牧 尉太(まき じょうた)金沢医科大学卒業後、恵寿総合病院での研修を経て岡山大学産科・婦人科学教室に入局。福井県立病院、恵寿総合病院産婦人科を経て現職。「女性のミカタ」の産婦人科医として診療に従事しながら、妊娠糖尿病の臨床研究や地域の周産期救護支援システム構築に尽力している。【参考資料】『おっぱいでらくらくすくすく育児』北野寿美代 著(メディカ出版)
2016年12月20日【ママからのご相談】1歳3か月の女の子のママです。私は母乳がたくさん出る体質なので、完全母乳で娘を育てました。現在も寝かしつけや食後におっぱいを飲ませています。授乳させることに苦痛は感じず、娘もおっぱいが大好きなのでこのまま母乳育児を続けていきたいと思っていたのですが、最近2人目の妊娠が発覚しました。まだ初期なので流産する可能性があるのですが、母に「妊娠中の授乳は胎児に悪いらしい」と言われ、授乳をすぐにやめるべきか悩んでいます。やはり断乳するべきですか?●A. すぐに断乳する必要はありません。ご相談いただきありがとうございます。ママライターのましゅままです。授乳中に妊娠が発覚すると、まず頭をよぎるのが「上の子のおっぱいどうしよう?」ということですよね。妊娠中の授乳に関してはさまざまな意見が飛び交っていますが、「授乳の刺激が流産に直結する」という説に根拠はありませんので、すぐに断乳する必要はありませんよ。●妊娠初期の授乳による影響浜松の産科医が、妊娠中の授乳に関して論文を発表しており、こう述べられています。**********石井第一産科婦人科クリニック(浜松市)の石井広重院長は、96~00年に同院で第2子の妊娠が確認された20~34歳の女性のカルテをもとに分析。第1子が満期産(妊娠37週以上42週未満に出産)で流産の経験がない人で、授乳中だった110人と、授乳していなかった774人を比較。授乳群で流産は全体の7・3%に対し、授乳しない群は8・4%で、有意な差はなかった。石井院長は「母乳育児は母子双方にメリットがあり、禁止はすべきでない」と話す。**********流産を防ぎたいと思う気持ちは誰しもが持っていますが、初期流産の大半はどんな高度医療を持ってしても防ぐことはできません。だからこそ、お医者様は考えうる流産予防の方法をすべて提案して少しでもリスクを軽減しようとします。そのため、一部では「妊娠したら即断乳」をすすめる産婦人科があり、世間的にも「妊娠したら授乳はやめるべき」と慎重に考える風潮が強くあります。しかし、この論文では具体的なデータを用いて授乳と流産の関係性がないことを証明しているので、授乳中に妊娠が分かっても緊急で授乳する必要はない と言えます。とはいえ、安定期まではつわりなどでママの体調が優れず授乳どころではなくなる可能性もありますし、ホルモンの影響で胸が敏感になり、授乳が苦痛になってしまうこともあります。そのリスクを考えると、妊娠が分かった段階で授乳回数を減らしたり、断乳に取り掛かったりしておくのも良い方法です。●妊娠中期以降の授乳妊娠中期以降も、妊娠経過に問題が無ければ授乳は続けても問題はありません。妊娠中に上の子に授乳を続けることには、以下のメリットがあります。・ママが妊娠したことによる上の子の心のゆらぎを和らげることができる(赤ちゃん返りを緩和できる )・授乳タイムでママ自身もリラックスする時間を作ることができる(妊娠中・育児中のイライラをリセットできる)・ママの産後へのおっぱいケアが簡略化できるこの3点はママ、上の子、おなかの赤ちゃんにとってとても大きな意味をなすメリットです。ですが、『妊娠中期以降は授乳による刺激に影響が出ることがある』とつづった産婦人科医のブログもあります。切迫流産・早産ぎみのママは慎重に上の子の授乳を検討しましょう。●産後の授乳は赤ちゃん優先が大前提産後まで上の子の授乳を続けていたり、断乳していても上の子が母乳を欲しがるようになったりした場合は、ママの抵抗がなければ兄弟で母乳を分け合う『タンデム授乳』 という選択肢があります。特別推奨されていることでもないのですが、・下の子がうまくおっぱいを吸えなくても上の子が吸ってくれるため母乳がよく出る・妊娠中同様、上の子の赤ちゃん返りが和らぐというメリットがあります。しかし、母乳を飲む順番は赤ちゃんが先 が鉄則。上の子が下の子よりも先に母乳を欲しがったら、きちんと順番を守ってもらうように言い聞かせましょう。あくまで母乳は赤ちゃんの成長のためにあり、優先順位は下の子です。下の子にミルクをあげてまで上の子に母乳を飲ませる……ということはNG。また、妊娠中は上の子に授乳を続けて、赤ちゃんが産まれた時点でおっぱいとサヨナラするよう言い聞かせることもしつけのひとつ。ママの考え方、子どもの性格に合わせてさまざまな授乳ライフの選択肢があります。ぜひ、赤ちゃんとママが一番円満にいく方法を模索してみてくださいね。●ライター/ましゅまま(ママライター)
2016年04月11日【ママからのご相談】1歳1か月の息子をもつ母親です。息子は今も母乳を飲んでいます。最近はごはんをたくさん食べるようになってきたので授乳回数は減ってきましたが、それでも1日2~3回は欲しがります。でも、周りから「まだ飲ませているの?虫歯になりやすいからやめた方がいいよ」と言われるようになりました。また、子どもが1歳を過ぎたあたりから断乳をするママ友も増え、このまま飲ませていてもいいのか心配になってきました。やはり1歳を目安に断乳を考えないといけないのでしょうか?●A. 1歳で断乳しなければならないという医学的根拠はありません。こんにちは、ママライターのacoです。ご相談ありがとうございます。私にも1歳過ぎの子どもがおり母乳育児をしていますが、相談者様と同じように「まだ母乳をあげているの?」「だんだん子どもが執着してやめられなくなるよ」と周囲から言われるようになりました。たしかに子どもが1歳を過ぎると、こういった意見を不思議と耳にすることが増えるので、何となく母乳をあげることが後ろめたい気持ちになってしまいますよね。しかし、実は1歳を目安に断乳しなければならないという医学的根拠はない のです。●WHOやユニセフは、2歳以上まであげることを推奨1歳で断乳すべきという医学的根拠がないだけでなく、WHOやユニセフは、ホームページの中で、2歳以上まで母乳をあげることを推奨しています 。また助産師であるSOLANINさんは、著書『最強母乳外来ママをたすける実践編!』の中で、近年は一方的に母乳を止めるような断乳ではなく、言い聞かせをして徐々に回数を減らしたり、事情が許すのであれば、子ども自身が自然に欲しがらなくなるまで見守るという“卒乳”の形をとる考え方に変わってきている と述べています。もちろんママが仕事復帰の予定があったり、2人目を妊娠中で切迫早産と診断されたなど、どうしても断乳せざるを得ない場合もあると思います。しかし、そういった事情がなければ、焦らずお子さんの気持ちに寄り添うことはとても大切です。一方で、1歳までに自然に母乳を欲しがらなくなったお子さんに対して、「2歳までは母乳を飲みなさい」と強要する必要もないということです。●虫歯の直接の原因は、母乳ではないとはいえ、「だんだんと歯も増えてくるし、いつまでも母乳をあげていると虫歯になるのでは?」と心配される方も多いと思います。たしかにスプーンや箸を家族と共用したり、お子さんに砂糖を含む食品をたくさん食べさせたり、また寝る前に歯磨きをしなければ、虫歯になるリスクは格段に上がります。要は家族など周りの大人からのミュータンス菌 (いわゆる虫歯菌)の感染を予防し、口の中のケアをしっかり行っていれば虫歯は防げるでしょう。それでも気になるようであれば、小児歯科でフッ素を塗ってもらうのもいいと思います。----------いかがでしたか?「まだ飲んでいるの?」という周囲の雰囲気にプレッシャーを感じてしまうというママもいらっしゃると思います。でも卒乳の形は十人十色。お子さんとママが一番納得できる形で卒乳できるといいですね。【参考文献】・『最強母乳外来ママをたすける実践編!』SOLANIN・著●ライター/aco(フリーライター)
2016年02月29日乳腺炎は、産後のママの約25%で起こるといわれています。乳腺炎は、母乳が停滞・詰まってしまったうっ滞乳腺炎と、細菌感染による化膿性乳腺炎に分けられます。細菌感染症による、化膿性乳腺炎の場合細菌感染による乳腺炎は、乳頭が傷ついたこと(授乳開始後まもなくは、赤ちゃんに吸われることで、乳頭が切れることが多々あります)などがきっかけとなり、ブドウ球菌、連鎖球菌といった皮膚に住み着いている菌たちによって炎症が起こります。・おっぱいが熱を持つ・赤みを帯びる・しこりができる・押さえると痛い・発熱、悪寒・頭痛、関節痛などの全身症状・白い母乳ではなく、黄色っぽい母乳が出るなどの症状が出ます。この場合、授乳はできず、抗生物質での治療が第1選択となります。迷わず病院へ行きましょう!母乳が停滞・詰まってしまった、うっ滞乳腺炎の場合母乳が停滞・詰まった乳腺炎では、胸の張りやしこり、多少の痛みを感じますが、感染をしているわけではないので乳房の赤み、熱感はありません。しかし、母乳の停滞が続くと細菌感染を起こし、結果的に化膿性乳腺炎になることもあります。停滞・詰まった場合は乳房マッサージ、授乳、搾乳を行い、停滞・詰まりを早急に改善しなくてはいけません。そもそもなぜ、乳腺は停滞し、詰まるのか乳腺が詰まる原因は、血液やリンパ液などによる乳管の圧迫、乳汁の凝固、赤ちゃんの吸い方が上手ではない、乳頭亀裂によりオキシトシンが分泌されにくいことなどが考えられます。つまり、血行不良やおっぱいの質が悪い、おっぱいがしっかり飲まれず残っている、ホルモン異常といった感じでしょうか。そこで、第1に「血行を良くする」、第2に「おっぱいの質を良くする」、第3に「おっぱいを乳腺に残さない」、これらを徹底していただくことで停滞・詰まりの乳腺炎を回避しやすくします。乳腺炎予防のステップ(1)血行を良くするおっぱいは鎖骨、わきの下、胸骨、肋骨などの血管から血液が注がれ、作られます。そこでまずは、胸周りの血管の流れを良くすることが大切です。肩こりや肩甲骨が動かない状態では、血行不良が起こりやすくなります。マッサージやストレッチが効果的ですね。もしすでに停滞や詰まりがあったら、しこりをマッサージして小さく砕き、赤ちゃんに飲んでもらうか、搾乳をしましょう。乳腺炎予防のステップ(2)おっぱいの質を良くするおっぱいの質には、食事が大いに影響してきます。ただし、賛否両論があり、一概に「これは良くて、これはダメというものもない」ということを覚えていてください。それを踏まえた上で、食べたほうが良いものとして挙げられるのは・白米・うどん・そば・納豆・鶏肉・白身魚・根菜類 など。避けたほうが良い食べ物としては、・もち米・パスタ・ラーメン・菓子パン・乳製品・牛肉・マヨネーズ・お菓子などがあります。要は水分、たんぱく質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなどをバランスよく食べることが重要です。産後は忙しく、なかなかこだわった食事を作るのも大変ですが、おにぎりだけ、菓子パンだけなどという食事だけは絶対に避けなくてはいけません。東洋医学では、タンポポの根っこ(ダンディディライオン)、はと麦、ラズベリーリーフが母乳の出を良くするといわれています。これらはお茶としてよく飲まれており、カフェインも入っていないので、試してみてはいかがでしょうか? そのほか、古来より葛根湯が母乳の出を良くするといわれ、使われています。乳腺炎予防のステップ(3)おっぱいを乳腺に残さない「おっぱいを乳腺に残さない」という点については、赤ちゃんが生まれてみないとわからないことがたぶんにあります。赤ちゃんが上手に飲めるかどうかはそれぞれですし、母乳が出すぎて赤ちゃんが飲みきれないことや、逆に乳管が細くて出にくいなど、乳腺に残りやすい状況はそれぞれにありますが、どれも実際に授乳を始めてみないことにはわかりません。そこで、妊娠中から乳頭マッサージをするのは対策のひとつとして有効です。あとは搾乳することでしょうか?日本では搾乳文化はあまりありませんが、欧米では搾乳機は出産グッズのマストアイテムとなっています。もちろん、赤ちゃんがよく飲み、残さないのが理想ではありますが、うまくいかない場合は利用してみましょう。そして、飲ませる時には、乳管にあるおっぱいをご自身の手で誘導し、乳首まで運ぶことも忘れないでください。乳腺が停滞・詰まってしまったら、ステップ(1)と(3)を試し、滞っている塊を取り除きましょう。そして予防を含め、ステップ(2)を心がけましょう。この3つを駆使して、痛い乳腺炎の予防をしましょう。(鈴木元<天使のたまご総院長>)
2015年09月26日皆さんは、「桶谷式」という単語を聞いたことはありますか?「おっぱいが張って痛い」「赤ちゃんがおっぱいにうまく吸い付けない」「赤ちゃんの体重が増えてない気がする」など、「病院へ行くほどではない」ものの、何かしら母乳や育児に関する不安を抱えている人は一度、桶谷式母乳育児相談室へ行ってみるとよいかもしれません。■桶谷式母乳育児相談室とは? 桶谷式母乳育児相談室とは、「昔から行われている痛い母乳マッサージではなく、乳房の基底部(乳腺体の後面)の伸展性をよくしておっぱいをスムーズに出す独自のマッサージをしてくれる」(※)ところです。※ 桶谷式乳房管理法研鑽会のWebサイト より引用「桶谷式」の冠をつけた母乳育児相談室を開いているのは、全員が助産師の資格を持っている専門家。そのため、個人に合わせた授乳方法やおっぱいにやさしい搾乳の仕方、赤ちゃんがよく飲むおっぱいを作る食事についてなどを相談でき、たくさん情報をもらえる、新米ママには心強い存在です。■桶谷式に通いたい場合、予約は必要? 持って行くものは? 多くの相談室は予約制で、料金は初診料が5,000円ですが、2回目からは3,500円になり、詳しいカルテを作っておいてもらえるので、何か不測の事態あった時にもすぐ対応してもらえます(価格はいずれも税抜)。初診の持ち物は、母子手帳とケアで使うタオル。赤ちゃんを連れて、予約時間より少し早めに行きましょう。まずはカルテに書き込みをしながら、妊娠過程、出産前後の状況、赤ちゃんの成長具合などを確認していきます。確認作業が終わったらベッドに横になり、手技を受けます。この時、赤ちゃんはママの隣に来るか、ほかの助産師さんが見ていてくれるので安心です。手技中は「おっぱいが油っぽいけど揚げ物たくさん食べた?」「肩こりがひどいから、この部分が固くなっていたのかも」など、おっぱいの状態を教えてくれますし、今の授乳状況や心配ごとにも原因と改善策を教えてくれます。特に、出産直後の場合はママには正しいおっぱいの飲ませ方を、そして赤ちゃんにも正しいおっぱいの飲み方を教えてくれます。新生児の口はとても小さいので、赤ちゃんが慣れるまでは、ママからも飲み方を教えてあげる必要はありますが、これがなかなか難しいもの。しかし、桶谷式で助産師さんが赤ちゃんの小さな唇を「こうするのよー」とやさしく動かして教えると、赤ちゃんの飲みっぷりに驚くほどの変化が現れることもあります。■「桶谷式は厳しい」って本当? 桶谷式は「食事制限が厳しい」などと言われることもありますが、・カレー・シチュー・ラーメン・揚げ物・肉の脂身・ケーキやチョコレートなどの甘いもの・スパイスがきついものなど、主に脂肪分や糖分の多い食べ物の摂り過ぎがよくないとされているだけ。なぜなら、母乳の中の脂分が細い乳腺の中で詰まってしまうことがあり、その結果、母乳の味が変わって、赤ちゃんが飲みづらくなるからです。ですが、母乳が詰まってしまう度合いはママの体質に影響されます。「絶対に食べたらダメ!」というわけではないので、ストレスをためないように心がけながら注意する程度でよいかもしれません。■乳腺炎で受診した場合は、医療費控除の対象にもなる通常は医療費として認められない桶谷式母乳育児相談室の料金ですが、乳腺炎が原因で手技受ける場合は、医療費控除の対象となります。地方自治体によっては「子育て応援券」のような、子育て支援サービスに使えるチケットを利用すると、施術料が割引や無料になることもありますので、初診の申し込みの際はぜひ問い合わせてみてください。「名前は聞いたことがあっても、どんな時に行けばいいのかわからない」という印象を持つママも多い「桶谷式」。しかし、実は意外と気軽に利用できるのです。心配ごとが膨らむ前に、プロの力を借りて、赤ちゃんとの二人三脚のペースをスムーズに作れるとよいですね。桶谷式母乳育児相談室は、全国にあります。お近くの相談室を探して、ぜひ一度利用してみてはいかがでしょう。 全国の桶谷式母乳育児相談室検索ページ
2015年02月27日母乳がたくさんですぎて、母乳パットを使いましたか? 母乳パットは必要ありませんでしたか? 授乳経験のある方で、「差し乳」や「溜まり乳」という言葉を聞いたことがありますか? どちらも、母乳の出方を指す言葉です。「差し乳(さしちち)」とは、普段は母乳が分泌されず胸が張ることが少ないけれど、赤ちゃんが吸うタイミングで母乳が出始め、常に新鮮な母乳をあげられるおっぱいのこと。いわゆる、受注生産型のおっぱいです。中には、「おっぱいが出ているかどうかわからない」という人もいるかもしれません。授乳のリズムが整う生後半年くらいから「差し乳」になる人が多く、母乳育児にとっては理想的な状態といえます。 一方、母乳の生産が多過ぎて「おっぱいがたくさん出るのは嬉しいけれど、パンパンに張って痛くなる」という状態を「溜まり乳(たまりちち)」と言います。赤ちゃんが乳腺に「溜まっている」おっぱいを飲むことになるので、そう呼ばれています。溜まり乳になるかどうかは、遺伝や乳腺の細さなど元々の体質が大きく関わってきます。溜まり乳タイプの人は、乳腺が詰まってしこりができやすく、乳腺炎を引き起こしやすいため、注意やケアが必要です。そこで、まどれ助産院の真木先生に、溜まり乳のための対策法を伺ってきました。■母乳が出過ぎる、溜まり乳を改善する乳腺炎対策赤ちゃんが生後半年を過ぎたのに、まだ常におっぱいが張って、痛くて困っているという人は以下の点に注意してみてください。 (1)授乳間隔を空け過ぎず、2~3時間にする赤ちゃんが乳房をくわえると、最初に小さく細かく吸う「催乳」の動きがあり、それを合図にママのおっぱいが出始めます。赤ちゃんと離れていても2~3時間ごとに新しいおっぱいは生産されるので、その間隔で赤ちゃんに授乳することがトラブルを避ける大きなポイントになります。 (2)搾乳し過ぎない人の体はよくできているもので、母乳は必要とされている分だけ出るようになります。ですから、搾乳をたくさんしてしまうと、体は「母乳がもっと必要なんだ」と判断してしまい、過剰に母乳が生産され、溜まり乳になってしまいます。張り過ぎて眠れない夜も、絞ってよいのは片方のおっぱいにつき50mlくらいまで。それ以上絞ると分泌量が増えてしまうので、絞り過ぎないように気をつけましょう。(3)食事はあっさり和食に母乳はママが食べたものから作られています。脂肪分が多いものは乳腺が詰まりやすくなり、スパイスが多いものは赤ちゃんが嫌がることも多く、量を飲んでくれなくなる可能性があります。そのため、あっさりした和食がおっぱいには最適です。ちなみに、和食ではありますが、もち米系の食べ物はおっぱいのも分泌量が増えるので避けたほうがベターです。 (4)全身の血行を良くする母乳に効くツボは肩甲骨周りや首や肩にあるため、ストレッチなどでその辺りの筋肉をほぐし、血行を良くしましょう。ただし、一日何度も湯船につかるなど、温め過ぎると分泌が増えやすいため、張り過ぎてつらい時はシャワーだけにしておくとよいでしょう。(5)乳腺の張りや詰まりを取る乳房が固く張った時は、乳首の周辺を柔らかくなるまで手で絞ってから、赤ちゃんにあげましょう。そして、なるべく固くなっている部分から赤ちゃんがおっぱいを飲んでくれるように促すと、症状が軽くなることが多いそうです。乳首に白い粒が栓のように詰まった時は、乳首に馬油などをたっぷり塗ると良いようです。ですが、くれぐれもやり過ぎはNG。白栓や固い乳栓を取ろうと頑張り過ぎると化膿の原因になりますし、しこり部分を強く押さえ過ぎると張り返しが起き、リンパが腫れて事態が悪化することが多いため、無理は禁物です。また、馬油を塗った際、通気性が悪くなると、細菌性乳腺炎の原因菌のひとつであるカンジタなどの皮膚炎にかかりやすくなります。通気性の良い下着やガーゼをつけて、細菌の発生を防ぎましょう。■こんな時は母乳マッサージを受けよう「赤ちゃんの飲み方がいつもと違う」「おっぱいを飲みながらひっぱったり噛んだりする」と感じたら、すぐに助産師さんや桶谷式の母乳相談室などに相談し、乳腺マッサージを受けましょう。私も母乳が出過ぎる体質で、夜にこってりしたものを食べた後、翌朝まで授乳せず寝てしまい、おっぱいが痛くなって、桶谷式の母乳マッサージに駆け込んだことが何度もあります。おっぱいが張り過ぎてブラジャーのサイズが小さくなり、締め付けられることでよりひどくなってしまうこともありました。整体へ行っても漢方薬局へ行っても「母乳が出ない人のためのツボや漢方はあっても、出過ぎの人につける薬は何もない」と言われてしまい、結局は和食で赤ちゃんとのリズムを作ることが一番だと思い知ったのです。赤ちゃんにいつでも新鮮なおっぱいをあげられるよう、紹介したポイントを心がけながら、一緒に頑張っていきましょう。
2014年10月07日できれば母乳育児を続けたいけれど、職場復帰後は断乳も仕方ないと考えるママは多いのではないでしょうか。しかし、実は働くママにこそ、母乳育児をするメリットがあります。今回は、働きながら母乳育児をするメリットと、その方法をお伝えします。■働くママの母乳育児は、ママと赤ちゃんの心の安定をもたらす働くママだからこそ、実は母乳で育てるほうがラクなのです。というのも、ママのおっぱいを飲む時間は赤ちゃんにとって大事なスキンシップの時間で、赤ちゃんの心の安定をつくる時間でもあります。ママが働いている間、赤ちゃんはいつも一緒だったママと離れているので、不安だったり寂しかったりしています。ママが仕事を終えて帰ってきた時におっぱいをもらえたら、不安でいっぱいだった赤ちゃんの心はすぐに安定します。赤ちゃんの心の不安は、発熱や風邪といった身体の不調を引き起こすこともあります。母乳育児をしていると赤ちゃんの心がを安定するため、急な体調不良を防ぐことができ、結果としてママも仕事を休む回数が減るというわけです。同時に、赤ちゃんにおっぱいをあげることで、ママにも幸せを感じるホルモンが出てきます。母乳育児は赤ちゃんだけでなく、ママの心の安定にもなるのです。仕事、家事、育児でお疲れのママは、母乳育児をすることによってリラックスをすることができますよ。■夜間と休日だけ母乳の「変則授乳」で対応しようとはいえ、働きながらの母乳育児はなかなか大変です。中には、一生懸命搾乳をして冷凍し、保育園に預けながら完全母乳育児を続けているママもいるでしょう。冷凍母乳はお断りという保育園もありますし(私が見学をした保育園もそうでした)、勤務中に搾乳をして保存するというのも、育児に理解のある職場環境でないと難しいですよね。そのため私は、平日昼間の預けている間は粉ミルク、休日や夜間は母乳をあげるという、「変則授乳」の方法をとりました。この方法でも私の場合、十分母乳は出続けましたし、むしろこのほうが、授乳タイムが楽しみになって、とても幸せでした。完全母乳で育てないと赤ちゃんがかわいそうなのでは? と思うかもしれませんが、育児に完璧は存在しません。仕事、家事、育児に頑張っているママが、楽しくニコニコ赤ちゃんと接することが、何より大切なこと事です。メリットをうまく利用して、無理なく母乳育児を続けてみてくださいね。
2014年09月16日毎回同じ姿勢で授乳していると、赤ちゃんが母乳を同じ箇所の乳腺からばかり飲むことになり、飲まれていない箇所に飲み残しが発生します。飲み残された母乳は、溜まって味がおいしくなくなり、濃く小さく固まって、乳腺炎の原因になる場合があります。そのため、こまめに授乳姿勢を変えることが必要です。そこで今回は、代表的な授乳姿勢、赤ちゃんの抱っこの仕方を4つご紹介しますので、ご参考になさってください。■1.横抱きママのお腹に授乳クッションなどを置き、その上に赤ちゃんを寝かせてあげる姿勢=横抱きは、もっとも代表的な授乳の姿勢です。 この時、お母さんと赤ちゃんのお腹が密着するとよいでしょう。体が密着すると赤ちゃんも安心しやすく、クッションの中綿がしっかりしていればママも猫背にならずに授乳できます。クッションだけで高さが足りない場合は、バスタオルなどを追加して高さを調整してください。■2.フットボール抱きフットボール抱きの「フットボール」は、ラグビーのこと。赤ちゃんを脇に抱えて授乳させる姿勢のことをフットボール抱きといいます。横抱きの姿勢から、そのままあげる側の母乳の方向へクッションごと赤ちゃんをスライドします。もしくは、ふとんやクッションなどを積み重ねてもOKです。たまにこの抱き方で母乳をあげることで、赤ちゃんのお口の角度が変わり、横抱きだけの偏った飲み方になるのを防ぐことができます。一日数回、横抱きと組み合わせられるとよいですね。■3.縦抱き座ったママの膝に赤ちゃんを座らせて授乳する姿勢を縦抱きと言います。おっぱいがちょうど口に入りやすい位置になるため、乳首が小さめの人向きかもしれません。外出時にクッションがない時はこの姿勢であげることが多くなるでしょう。赤ちゃんの口に合わせておっぱいを支えてあげると、母乳が下のほうに溜まらず、飲みやすくなります。縦抱きには、横抱きやフットボール抱きで吸い切れない部分をあげられるという利点もありますが、首のすわらない赤ちゃんにはあまり勧められません。■4.添い乳寒い夜の授乳など、ママがどうしても起き上がれない場合の授乳方法です。横になり、抱き寄せるように赤ちゃんをおっぱいに近づけて、支えながら授乳します。ですが、この方法は赤ちゃんがおっぱいを浅めにしかくわえられないため、続けるのは母乳に良くありません。また、特に小さめな赤ちゃんにとって、大きいおっぱいの添い寝は窒息の原因になる懸念もあります。どうしてもという時だけにして、できるだけほかの抱き方と組み合わせて授乳しましょう。冒頭でも書いた通り、なるべくいろいろな角度からあげていくのが、赤ちゃんのためにも母乳のためにも良いとされています。例えば、フットボール抱きで片側のおっぱいをあげて、そのままクッションごとスライドさせるように横抱きして反対側のおっぱいをあげ、次の授乳時はその逆、外出時には縦抱きで…とすると、やりやすいかもしれません。今回もシリーズとして、練馬区の桶谷式母乳相談室、『まどれ助産院』の真木先生にお話を伺いました。産後すぐからの母乳育児期、せわしない日中も、長く感じられる夜も、赤ちゃんと一緒に少しでもラクに乗り越えられますように。
2014年09月12日赤ちゃんを母乳で育てたい。そう考えているママのために、出産後すぐからできる、母乳育児のためのポイントをご紹介します。今回も、桶谷式母乳マッサージをされている「まどれ助産院」の真木先生にお話を伺いました。■おっぱいがでない? 産後すぐは「とにかく飲ませる」赤ちゃんを産んだからといって、すぐに母乳が大量に出るわけではありません。産後すぐは、小さじ1杯分(5cc)くらいの母乳しか出ないママがほとんどです。そこから母乳育児を軌道に乗せるためにもっとも大切なことは、「頻繁に母乳をあげ続けること」です。新生児期の授乳回数は一日8~15回くらい。これより多くても心配し過ぎる必要はありません。とにかく多くの回数、母乳を飲ませてあげることで、徐々に分泌量が多くなってくるはずです。出生時の体重が小さい場合や吸う力が弱い場合などには、最初のうち、ミルクを足したほうがよい場合もあります。そのあたりは、担当の医師や看護師、助産師などと相談してください。■産後3日目くらいから、徐々にスムーズに産後3日目くらいになると、目覚めた時にママのおっぱいがパンパンに腫れた感覚になることもあるでしょう。その場合も、ひたすら赤ちゃんに飲み続けてもらうことで、乳腺の開通が促されます。産後すぐから頻回授乳を行っていると徐々に開通が進み、母乳の出方がスムーズになってきます。退院を迎える頃には、祝い膳で揚げ物やケーキなどが出る病院もありますが、乳腺の開通が進まず、おっぱいの張りがひどい時は食べるのを控えたほうがよいでしょう。■赤ちゃんが飲みやすいおっぱいにするコツ生まれて間もない赤ちゃんは、まだ母乳を上手に飲むことができません。赤ちゃんが上手に飲めるようになるには、ママのサポートが必要です。サポートしてあげる主なポイントは以下の3つ。(1)おっぱいを深くくわえさせる乳首の外側1~2cmの乳輪部分に、母乳の出を促すポイントがあります。赤ちゃんがそこまで深くくわえて飲むことでより多くの母乳をあげられます。そのため、新生児期から口をできるだけ大きく開け(140度くらい)、横から見るとアヒルのような形で深く乳首をくわえられるよう導いてあげることが大切です。浅くくわえる飲み方が赤ちゃんの中でクセになってしまうと、直すのが大変になるので、最初が肝心です。わが家の次女はそのせいで大変でした。(2)授乳間隔を開け過ぎない母乳の分泌量を増やすためには、授乳間隔を開け過ぎないことも重要です。母乳の質と量を良い状態にするには、授乳間隔を4時間以内にするのが、桶谷式では理想とされています。そのためには、夜間の授乳も大切です。赤ちゃんが朝までぐっすり眠ってくれたらママも助かるかもしれませんが、夜寝ている間の母乳の分泌量は、なんと起きている時の1.5倍くらいあります。すぐにおっぱいがパンパンになってしまうので注意しましょう。もしうっかり長時間寝過ぎて、おっぱいが張ってしまった場合は、きれいな手で乳首と乳輪を優しくほぐし、少しだけ母乳を絞ってからあげると、赤ちゃんが飲みやすくなります。(3)ママの食事に気をつける離乳食を開始する生後半年くらいまでは、ママの食べたものが母乳になり、ダイレクトに赤ちゃんの栄養になっています。バランスのとれた食事を心がけるとよいでしょう。また、「今日は授乳間隔が少しあくかも」という場合は、その前の食事をあっさり軽めにすると、比較的おっぱいの張りが軽くなるそうです。何人産んでもひとりひとり違う母乳生活、赤ちゃんとママに合った快適な生活を送れると良いですね。
2014年09月08日赤ちゃんを母乳で育てるとママも痩せるよ! という経産婦さんの言葉をよく耳にしますよね。母乳育児には、産後のダイエット効果はもちろん、赤ちゃんの免疫力アップ、産後のママの手間の軽減や経済的にも嬉しいことがいっぱいです。今回は妊娠中からできる、母乳育児のために気をつけておいたほうがよいポイントを、食生活面を中心にお伝えします。■母乳育児のための食生活 ・和食中心の食生活臨月はとくに外食の機会が増えるプレママが多いですが、赤ちゃんが飲みやすいサラサラの母乳にするためには、外食の時でも和食を中心とした野菜たっぷりのメニューを心がけましょう。肉よりも魚、パンよりも白米を多めに食べること、などがコツです。おやつも、洋菓子より和菓子のほうが母乳にはよいといわれています。母乳中には、出血を止めるために必要な栄養素であるビタミンKの含有量が少ないといわれており、ごくまれにですが乳児ビタミンK欠乏性出血症という病気を引きおこすこともあります。そのため、妊娠中から普段の食事に納豆などのビタミンKが取れる食品を一品プラスしておくとよいかもしれません。・水分をたくさん取る授乳中は、一日に3Lの水分を取るのがよいとされています。とはいえ、産後にいきなり多くの水分を取ってといわれても難しいですよね。そのため、妊娠中の時から水分を少し多めに取る習慣をつけましょう。母乳を出やすくするために、身体の冷えるものは避け、ハーブティーやほうじ茶などの身体にやさしいお茶を飲むとよいですね。■母乳育児のための生活もそのほか、食生活以外でも、・ブラジャーをノンワイヤーのタイプに替える・お風呂あがりに馬油やベビーオイルなどを使って乳頭を指でつまみ、乳頭マッサージをするなどにも、母乳の出をよくしたり、赤ちゃんの吸い付く力で乳頭が切れるのを予防したりする効果があります。乳頭マッサージは、妊娠後期(妊娠8カ月、28週)以降に始める方がよいですが、主治医や助産師の指導の元で行ってください。切迫早産の場合などは控えてください。母乳育児は大変そうと思うプレママもいるかもしれませんが、慣れてしまえば手間や経済的負担が軽くて済みます。妊娠中からちょっとした習慣に気をつけて、ぜひ楽しい母乳育児をスタートさせてくださいね。
2014年08月30日出産してようやく赤ちゃんと対面できた余韻を味わう暇もなく始まる24時間ぶっ続けの授乳リレー。出産を機にホルモン分泌が切り替わることで母乳が出るようになるため、産んですぐから沢山出るわけではありません。そのためにママができることは、まず頻回授乳。新生児の頃は出生体重によってミルクを足したり体温を見たりいろいろと忙しく、授乳間隔についてはどの本を読んでも「欲しがったらその都度あげましょう」と書いてあります。ですがお腹の中では一心同体だった赤ちゃんも、へその緒が切れて生まれてくると、「この声はおっぱいを欲しがっているのかしら?」のか「なぜ泣いているの?」と、なかなか理由を特定できず心配が絶えません。今回はそんな母乳生活の始まりについてお伝えします。■母乳育児の始まりまず出産後、赤ちゃんに飲ませることによって初乳という最初のおっぱいが出ます。これにはとても濃い栄養成分が含まれているので、病院でもカンガルーケアという赤ちゃんとの触れ合いの一環として推奨されることが多いと思います。「赤ちゃんは最初からママがたくさん母乳が出ないことを知っていて、あらかじめお弁当のように多めに栄養を蓄えて産まれてくる」と言われていますが、それでも出生後3日間で体重は200gくらい減ってしまいます。体重が減り、おっぱいを吸う力が弱まりそうなら、おっぱいと並行して一日数回ミルクを足すことを勧められますが、一日10回以上の頻回授乳と甘い物と油物の摂取を控え和食中心の食生活にすることによって母乳生活がだんだん軌道に乗り、完全母乳に移行できることが多いようです。私も手帳で確認したところ、最初の一ヶ月は寝る時間と家事と食事の時間とトイレへ行く時間と赤ちゃんのお世話以外は1時間から2時間弱おきの母乳育児に専念していました。新生児との生活は朝も夜も関係なく、とにかくおっぱいと抱っこです。産まれたばかりの「フニャー」という弱々しい泣き声からだんだん「ンアー!」という力強い泣き声になり、何をしても泣くのでどうしてあげたらよいかわからずオロオロすることもあります。家族に抱っこを代わってもらってもすぐにギブアップされたり、オムツもうんちだったらそのままフタされて「うんちだったよー」といわれるだけで「あー大変大変」と立ち去られたり、自分でも不安な時に「おっぱい出てないんじゃない?」と追い打ちをかけられ涙が出そうになったりも…。ママも眠れなくてボロボロですが、それでも赤ちゃんをじっと見ているうちに、その子なりの小さなサインが生まれてきます。そこに反応してあげることで少しずつママと赤ちゃんの絆ができてくるのかもしれませんね。始まったばかりの新生児育児、その時は精一杯でも後で思い返すと「なんて小さかったの! 可愛過ぎる!」と悶絶するサイズと愛らしさです。どうか日々思う存分満喫してくださいね。
2014年07月23日出産後すぐの母乳は初乳と呼ばれ、赤ちゃんにとって栄養と免疫の濃縮ジュースと言われるほど貴重なものです。「できれば母乳で育てたいけど、産まれてすぐから出るのかしら?」そんな不安を持つ妊婦さんは多いとおもいます。今回はスムーズに母乳育児を始めるために妊娠中からできることについて、桶谷式母乳マッサージをされている『まどれ助産院』の真木先生にお話を伺ってきました。妊娠中期(妊娠5~7カ月)くらいから血行が良くなり乳腺が発達し、乳頭から透明だったり少し黄色味がかった分泌液が出ることがあります。絞ってみたい気持ちにかられがちですが、この時期からマッサージを始めるのはあまりオススメできません。産後の母乳量との関連はあまりないようなので、無理にがんばると乳頭感染の可能性もありますし、乳頭への刺激は子宮収縮の原因にもなります。切迫早産になりやすい人や子宮頚感管長が短いと指摘された方は特に避けた方がよいです。妊娠中の母乳マッサージはいろいろな方法が紹介されていますが、いつ産まれても大丈夫な妊娠10カ月の37週頃になったら開始しましょう。それまでは乳腺を圧迫しないよう、乳房を支えられるくらいのノンワイヤーブラジャーに切り替えて血行良く過ごせるようにしましょう。この時期からフロントホックのものにしておくと出産後にも使えて便利です。乳頭に白いポツポツのような固まりや栓のようなものができていたら、お風呂に入る前に植物性オイルをつけたコットンを張って少しラップパックをしてからそっと拭き取ります。この他に扁平乳頭や陥没乳頭の場合は特別なケアが必要になるので、母乳外来や助産外来などで診てもらい相談すると良いでしょう。女性は出産するとホルモン分泌が変わり、そこで初めておっぱいを出す体に切り替わります。産後すぐの時期、産院ではおっぱいをあげる前と後に赤ちゃんの体重を測り「どれだけ飲めているか」を計算します。最初は増えても10gや20gだったりと極少量が当たり前なので心配いりません。何度も何度も吸わせていくことで少しずつ赤ちゃんの吸い方も上手になり、たくさん飲めるようになっていきます。赤ちゃんのおっぱいを吸う力は思いのほか強く、生きるために本能的にがんばる姿は胸を打つものがあります。赤ちゃんはママのおっぱいが最初はあまり出ないことを知っていて、出るようになるまでの栄養をお弁当のように体に蓄えて産まれてくるともいわれています。だから大丈夫。出生体重が少なくて母乳を吸う力がなくなってしまいそうな場合は最初だけミルクを足した方が良いこともありますが、とにかくあげ続けることが一番大切です。子供を産むという大仕事を成し遂げたあと、喜びもつかの間にすぐ始まる授乳リレー。赤ちゃんが眠った時に一緒に眠り、少しでも体を回復させて楽しく子育てができますように。
2014年07月22日あり子のワーママ奮闘記
PUKUTY(プクティ)只今育児奮闘中!
たんこんちは ボロボロゆかい