こんにちは。エッセイストで経済思想史家の鈴木かつよしです。今、地位のある立派な大人であるにもかかわらず“キレる”人が増えています。以前は“キレる”といったら幼児からせいぜい高校生くらいまでの子どもに特有の行為でしたが、今では通勤電車の中でも課長さん部長さん風の高そうなスーツを着た中高年がキレています。国会では大臣が、都道府県庁では知事が、職場では管理職がキレています。大人にキレる人が増えた理由については、さまざまなウェブサイトでも主に精神科医や脳科学者らによる自然科学的な分析がなされています。そういった考察はどれもある程度の納得がいくものに思えますが、ここでは筆者の専門分野である社会経済学的な視点から“地位も力もある立派な大人なのにキレる人が増えた理由”を考えます。そしてそこから、“キレるエラい人への対処法”と“理性のある、あるべき大人像”についてみなさんと一緒に考えてみたいと思います。●説明能力不足のストレスからキレていたのが、いつの間にかキレてウケる“キレ芸”に以前『週刊朝日』の対談で、社会経済学者で東京大学大学院教授の松原隆一郎先生と政治史学者で放送大学客員教授の御厨貴(みくりや・たかし)博士のお二人が、権力も地位も持っているのに“キレる”政治家が目立つようになったことについて触れ、彼らがキレてしまう理由について考察をしています。**********『自分が正しいと考えていることを上手に説明できないことがコンプレックスやストレスになっている人がキレやすい』(御厨貴、60代男性/放送大学客員教授、博士<学術>)『(本来はその人への評価を低下させるはずの)“キレる”言動がSNSの時代には(本音で語ることはいいことだのような)“盛り上がり”につながり、キレることを気にしなくなる。いわゆる“キレ芸”を意識的に利用するタイプが増えた』(松原隆一郎、60代男性/東京大学大学院教授、社会経済学者)<出典:『週刊朝日』2015年1月2日・1月9日合併号より>**********●指導的な立場にある人が堂々とキレているのだからキレていいという“開き直り”この松原・御厨両氏のような人文科学系学者による“キレる大人の有力者”に関する考察は、脳科学や精神分析を切り口とする自然科学的なアプローチよりも、ある意味で今の“キレるエラい人の増加”現象を解りやすく説明できているような気もします。大人の場合は損得勘定をしたたかに行ったうえで「自分よりもさらに上の指導的な立場にある人が世の中を思ってキレているのだから、キレることは悪いことではない。むしろキレて見せれば大衆受けするのでかえっていい くらいだ」のような自分に都合のよい“拡大解釈”と“開き直り”に走る傾向が、若い人たちよりも強いように思えるからです。2016年に全国の33の鉄道会社が発表した『鉄道係員に対する暴力行為の件数・発生状況について』の調査結果を見ますと、キレた乗客が鉄道係員に対してふるった暴力行為は2016年度には792件あった中で、23.7%にあたる188件が60代以上によるものです。その他19.3%にあたる153件は50代によるもの、17.7%にあたる140件は40代によるもので、なんと“キレた乗客による暴力事件”の60%以上は40代以上の中高年によって起きている ことがわかります。キレていたのは自制心が未発達で熱くなりやすい10代・20代・30代の青少年の人たちではなく、本来は冷静な判断力を持っているはずの立派な大人たちが“確信犯的”にキレていることを示してはいないでしょうか?●“キレるエラい人への対処法”は一にも二にも“無視”すること大人としては恥ずべきことであるはずの“キレる”行為を炎上商法的に逆利用しようとする狡い意図が中高年の中にあるのだとすれば、わたしたちが“キレるエラい人”に対して取るべき対処法は明らかではないでしょうか。一にも二にも“無視”すること です。キレるという行為は程度にかかわらず相手を威嚇し、相手の心を傷つけます。そのような手段を自分への注目を集めるために意図的に利用するなどといったことは、許されることではありません。わたしたちは、キレている大人のエラい人を見たら、とにかく一切かかわらず、反応を示さないで無視しましょう。みなさんの身近で、キレて誰かのことを口汚く罵っているような管理職や役員さんやコーチやセンセイを見たら、「哀しい人だ」とつぶやいてその人のそばを離れましょう。注目してあげることがいちばん彼らを図に乗らせることにつながります。----------いかがでしたでしょうか。つまるところは、キレて他人のことを罵ったり人格“口撃”したりしているようなエラい人のことを、わたしたちが「格好悪い!」と突き放す必要があるように思います。社会的に恵まれていない立場にある人たちが“本音”を話し大きな声を上げることは大事です。しかし、地位も力もある立派な大人が自制心なく本音ばかり打ち上げたり効果を計算したうえで“キレ芸”的にキレた態度をとることは、卑劣です。耳の痛い意見でもキレずに聞くことができて、どんなときでも“理”にかなった判断ができる。そんな「キレない大人こそが格好いいのだ」という“まっとうな感性”を、わたしたち一人ひとりが取り戻すことこそ大切なのではないか。そんな気がしてなりません。【参考文献】・『週刊朝日』2015年1月2日・1月9日合併号●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)●モデル/倉本麻貴(和くん)
2017年07月04日子どもの身体と脳は未発達で、年齢による脳細胞の数の変化によって発達や成長をしていきます。細胞が増える時期に早期教育をつめこんでも脳が未熟で覚えることができずに、「自分に自信が持てない脳」を育ててしまうことになってしまいます。脳の仕組みに沿った子育ては、就学以降に実力を発揮できる脳の素質を育むことにつながります。脳の発達を理解した上で、時期ごとにどんな遊びを取り入れるとよいのか知っておきましょう。乳児期:気持ちが伝わる脳に育てる脳の成長第一段階となるこの時期は、人に気持ちを伝える脳の仕組みを鍛えることがとても大切です。遊びにもそういったことを意識したものを取り入れましょう。会話の内容が理解できない時期なので、目と目を合わせて気持ちを込めた語り掛けをすることが大事です。会話は分からなくても、大人の表情や声のトーンからしっかりと情報を受け取ります。乳児期の視野は大人が思う以上に狭いので、しっかり見える位置で目を見て伝えます。絵本の読み聞かせにも気持ちを込めます。「まだ理解できないだろう」と判断して手を抜いてしまうと、気持ちを込める脳に育てることはできません。子どもにまだ意味が分からないことでも、思いっきり気持ちを込めて繰り返し読んであげることで、脳に大きな反応や変化が起こります。目を合わせることとあわせて、体に触れて遊ぶことも脳の変化に重要です。ベビーマッサージやリトミックはまさに最適です。この時期の遊びとして積極的に取り入れましょう。 1~3歳:間違えない脳に育てる3歳まではさらに脳細胞が増え続けます。引き続き気持ちが伝わる脳を育むことは大事ですが、正誤・類似性を判断できる脳を育むコミュニケーションを取ることを取り入れていきましょう。理解・判断力を司る本能は、同じ行動を繰り返すことで鍛えられます。よく、子どもは同じ遊びを何度も繰り返していますよね。子どもは本能に従って無意識に、統一・一貫性を磨いています。「いつまでやってるの!」と叱ったりジャマをしたりしないようにしましょう。絵本の読み聞かせも、つい「色々な話を聞かせたい」とたくさんの種類を用意してしまいますが、大切なのは量より質です。同じ本を繰り返し読んであげましょう。繰り返すことで、物事を正しく判断する能力の基盤が出来上がります。間違えない脳を育むと、微妙な違いを見抜く鋭い直観力が磨かれます。そのためによい遊びは間違い探しです。簡単なものから始めて、徐々に複雑なものに挑戦しましょう。慣れてきたらママと競争するのも効果が高くなります。3~7歳:勉強ができる脳に育てる脳細胞が減少するこの時期は、不要な細胞を減らすことで必要な細胞同士がつながっていきます。この時期は脳に悪い習慣を止め、空間認知能力を鍛える遊びを取り入れ「勉強できる脳」へと育みましょう。空間認知能力を鍛えることは、文武両道の才能を伸ばしてくれます。効果的な遊びは、積み木やブロックです。丸・三角のものより、立方体や直方体を使用します。どの方向から見ても形が一貫しているため、空間認知能力が鍛えられるのです。オセロや将棋などの正方形のマス目を使う遊びもおすすめです。お絵描きをする際も空想のものを描くよりは、実際のものを見て写す写生の方が、空間認知能力を鍛えるのに効果があります。親子でさまざまな写生に取り組んでみるのも楽しいですね。身体を使う遊びとしては、目をつぶってその場でジャンプすることが効果的です。空間認知能力が低いと同じ場所に着地できません。床に印をつけて同じ位置に着地できるか、という遊びで鍛えられます。脳の細胞が3歳以降は減少しているというのは意外ですよね。幼児教育も年々低年齢化していますが、細胞が増加する時期には記憶力よりもコミュニケーションが大事なのだと改めて感じます。小児科で「生後7か月までの関わり方が、成長した時の親子関係に大きく影響するからたくさん抱っこしてあげて」と言われたのを思い出します。乳児期に密度の濃いコミュニケーションをたくさんとることで、子どもの脳は満たされ発達していくのですね。脳の仕組みなどを知って子育てすることは、子どもの可能性を最大限に効果的に発揮できるための一助となります。参考になさってください。
2017年06月08日NHK「発達障害プロジェクト」第1弾、NHKスペシャルに大きな反響NHKが2017年5月からスタートした「発達障害プロジェクト」。複数の番組横断で、発達障害のある人や周囲の人たちの、様々な暮らし方や働き方、悩みや対策を伝えていく試みです。昨日5月21日(日)には、NHKスペシャルでの特集第1弾「発達障害 ~解明される未知の世界~」が放送されました。 「発達障害プロジェクト」スペシャル, 「発達障害 ~解明される未知の世界~ 」発達障害のある人や周囲の人、より多くの人たちから様々な意見を集め紹介していきたいという趣旨から、生放送・リアルタイムで視聴者からのコメントを紹介しながらの番組展開。集まった意見は6600件以上。今後の番組制作にも活かされていくそうです。当日はNHKのウェブ・FAXフォームだけでなく、Twitterでも多くの視聴者が感想や意見を発信、発達ナビ編集部も実況中継に参加しました。 【実況まとめ】NHKスペシャル・発達障害特集(発達ナビ)上での視聴者の声は、ハッシュタグ #発達障害 や #NHKスペシャル 等からご覧になれます「甘えではない」発達障害当事者の“感じ方”のちがいを描き出すUpload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)これまで、主に「社会性やコミュニケーションに問題がある障害」などと言われてきた発達障害ですが、最新の脳科学研究や当事者への聞き取りにより、生まれつき、独特の「世界の見え方・聞こえ方」をしているケースが多いことがわかってきました。今回のNHKスペシャルは、こうした先天的な「感じ方のちがい」を、感覚過敏のある当事者へのインタビューや街中同行、再現VTRなどを通しての再現・共有を試みたことが、大きな特徴です。スーパーの中にいると、話し声やBGMだけでなく、冷蔵庫や空調の電子音までが「音の洪水」のように大量に入ってくるという感覚、飲食店で目の前の人と話していても周りの音がいっぺんに入ってくる症状などが、出演したASD(自閉症スペクトラム)当事者の口から語られます。聴覚情報の受け取り方の過敏性や、選択的な注意(自分に関係ある情報にフォーカスすること)の難しさなどがかけ合わさって、このような困難さが生じると言われています。また、小学校の授業風景を再現したVTRでは、教室内の掲示物や周りの同級生の様子に注意が引っ張られ、先生の話を集中して聞くことができないADHD(注意欠如・多動性障害)の症状や、教科書を読もうとしても文字のつづりを脳内で意味と照合する作業に困難があるLD(学習障害)の症状の一例が紹介されています。単に困りごとを描くだけでなく、発達障害のある人たちの脳内で何が起こっているか、症状の背後にあるメカニズムについても、これまでの研究仮説をベースに説明がなされていました。スタジオには、俳優の栗原類さん、40歳前後でASD(自閉症スペクトラム)と診断された片岡さん、ASD当事者で東大にて「当事者研究」を進める綾屋紗月さんなど、成人の発達障害当事者の方々もゲストとして登壇。ゲストのひとり、40代の片岡さんは「この歳になるまでずっと我慢して来たけど、若い人たちには、我慢しなくていいんだよって伝えたい」と述べます。一人ひとりが外部の刺激をどのように受け取っているか、その「感じ方」の違いを私たちは直接共有することはできません。だからこそ、これまで視覚過敏・聴覚過敏をはじめとした感じ方のちがいを要因とする生きづらさは、その感覚を持たない人には伝わりにくく、単なる「我慢の問題」と見なされがちでした。人間が集団で生活する上で、ある程度の共通土台は必要となりますし、空間作りにおいてはどうしてもどこかで線引きは避けられません。ですが、同じ空間にいても、その刺激を我慢できる「閾値」が人によって違うということを前提に、空間づくりやコミュニケーションのあり方を問い直していくことが大切なのだと感じました。週に1度、照明や音声を落とし、感覚過敏のある方でも買い物をしやすくする「クワイエットアワー」というイギリスのスーパーマーケットでの取り組みも紹介されていましたが、こうした環境調整を部分的にでも行ってくれる場所が増えていくことで、日常生活上の困難さを軽減し、苦手な場所に行かないで済む「選択肢」を増やすことに繋がるでしょう。番組中でも触れられていましたが、今回の番組づくりは、ゲストの方をはじめ、発達障害当事者の方の意見を取り入れながら進められたそうです。例えば、スタジオトークでは「話し相手の顔を見ないでいいルール」を採用。人の顔を見ると、余計な情報が多く入ってきて、それをまとめ上げるのが困難だという特性を持つ人にとって、「目を見て話すこと」がマナーや礼儀とされる文化に合わせて過ごすことは、非常にストレスが大きいと言えます。海外の研究でも、"Autistic Sociality"(自閉圏の社交性)という考え方が提唱されており、対面的ではない関わり方、情動を抑えめにした話し方など、ASD(自閉症スペクトラム)の人たちにとって心地よい他者との関わり方を分析・整理した論文も出されています。番組内では栗原さんが「会話に使うエネルギーが他の人たちより倍ぐらい多いのだと思う」と述べていました。また一方で、あまり目を見ないとしても相手のことはリスペクトしているのだということを、相手に事前に伝えるようにしているとも語ります。目を見て話さないことは、無礼なわけでも、相手に関心がないわけでもなく、物事の受け取り方や、相手への敬意の示し方が異なるだけなのだという観点を共有することができれば、ASDの人にとっても過ごしやすいコミュニケーションの方法を考えやすくなるかもしれません。 Ochs, Olga Solomon, "Autistic Sociality", Journal of the Society for Psychological Anthropology, 11 March 201また、スタジオデザインについても、ゲストの綾屋さん・片岡さんから事前に相談をした上で決められたとの背景が語られます。フリップで見せられたスタジオの「初期案」は発達障害特性の多様さをイメージしてか、多くの色をふんだんに使用したカラフルなものでした。「色や光が強すぎてこの空間に長くいるのは辛い」とのフィードバックを受け、白を基調とした今回のシンプルな内装に決まったそうです。スタジオ生放送で感想を求められたところ、綾屋さんは「反射もそれほど強くなく安心できるレベル」、片岡さんにとっては「これでもまだ反射が強くて眩しい」と回答。視聴者からもリアルタイムで様々な意見がありました(テレビ画面からだと、スタジオの方とはまた違った見え方をしているかもしれません)。今回のように事前の相談・工夫を経た場合でも、なかなか万人にとって過ごしやすい空間を作るのは難しいものですが、むしろ、このスタジオに対する反応のバラツキこそが、一人ひとりの見え方、感じ方の多様さを浮き彫りにしているように感じました。たとえ全員が満足できる環境にはできなくとも、こうしてなるべく多様な意見を取り入れながら空間づくりを考えていくことには意義があると思います。また、それでも難しい場合には、たとえばサングラスを着用可能にしたり、疲れた時にいつでもその場を抜け出せるようにするなど、その人のしんどさに合った、個別の合理的配慮を組み合わせていくことが重要だと思います。アフタートークでも、「発達障害を扱っているのにBGMがうるさくて集中できなかった。配慮してほしい」との視聴者の声が紹介されました。こうした意見も受け止める必要がある一方で、音声やビジュアルによる補助が多い方が理解しやすいという人の存在も同様に考える必要があります。こうした問題を一度に解決することは難しいかもしれません。ですが、たとえば手話通訳や副音声の利用ができるようになったように、BGMの有無を選択できるようにするなど、今後の放送技術や環境の進化によっては、異なる感じ方の人同士が共存しやすい未来が訪れるかもしれません。発達障害、とりわけ視覚や聴覚の過敏がある人のみならず、感じ方の違いを前提としたコミュニケーションのあり方について、多くを考えさせられる番組だったと思います。伝えきれない「ちがい」について出典 : 今回のNHKスペシャルの放送内容の大きな意義は、一つには、発達障害は先天的な脳機能障害であり、甘えやしつけの問題ではないということを、その症状メカニズムと共に丁寧に伝えたこと、もう一つには、そうした先天的な凸凹に対しては、本人の努力不足や自己責任論で片付けるのではなく、刺激やストレスを減らすための環境調整や、その人の得意を活かす仕事や役割づくりの重要性を示したことだと思います。そんな放送内容に対して、「よくここまで丁寧に掘り下げてくれた」「自分の苦しみを代弁してくれて嬉しかった」などと好意的な反応も数多く寄せられていましたが、一方で、「まだ○○についても触れて欲しかった」「○○な人への視点や配慮が足りなかった」といった、さらなる掘り下げや発信の工夫を求める声も少なくありませんでした。発達障害はその特性も症状も多様であるがゆえに…限られた時間で全ての「ちがい」を描き尽くすことはできない。そのことをわかっていつつも、もっと伝えてほしい、もっと知ってほしい、という思いを持つ方が、それだけ多くいるということなのかもしれません。だからこそ、NHKも単発の特集で終わらず、通年で取り上げていくという決断をしたのでしょう。回を追うごとに、多くの人の意見が集まり、交わされ、またひとつ発達障害を取り巻く実態が明らかになっていくことを願います。全てを語り尽くすことはできないけれど、一人ひとりが生きる日常の中で、今までよりほんの少しだけ、お互いの「ちがい」に対する想像力を働かせ、分かち合うことはできるはず。これからも「発達障害プロジェクト」の番組を追いながら、考えていきたいと思います。
2017年05月22日人口の9割が「定型発達症候群」!?NHKが発達障害プロジェクトをスタート「およそ20年前に、アメリカの研究所が残した報告から、全人口の9割以上がある深刻な症状にあることが判明しました。」Upload By 発達ナビニュースとあるニュース番組で、キャスターが紹介した「衝撃のレポート」以下のチェック項目に一つでも当てはまったら、人間関係に深刻な問題を引き起こしかねない、「定型発達症候群」の可能性があるというのです。・暇な時はなるべく誰かと一緒に過ごしたい・集団の和を乱す人を許せない・社会の慣習にはまず従うべきだ・はっきりと本音を言うことが苦手・必要なら平気でウソをつけるUpload By 発達ナビニュース…実はこれは、NHKが制作した架空のニュース動画なんです。NHKが2017年5月から1年をかけて展開する、「発達障害プロジェクト」のページ上で公開されています。Upload By 発達ナビニュース「発達障害プロジェクト」「定型発達症候群」という言葉にびっくりした人もいるかもしれませんが、これは、医学上の病名でも、公式に定められた障害の名前でもありません。1998年、発達障害のひとつASD(自閉スペクトラム症)と診断された海外の一般女性が、ASDに関するさまざまな報道への皮肉の意味で「創作」した言葉が発端であると言われています(諸説あり)。「定型発達」とは、発達障害と対比して、心身の発達が「定型(平均的)」という意味で、「発達障害ではない人」をさす言葉として用いられます。つまり「定型発達症候群」とは、発達障害の人から、いわゆる「普通の人」を見た視点です。でも、「普通」ってそもそもなんでしょうか?全人口の大半の人が定型的(平均的)に感じているから「フツウ」?それじゃあ、違った感じ方をしている人は「フツウ」ではないの?そんな問題提起の意味も込めて、冒頭の架空のニュース動画はつくられました。NHKの発達障害プロジェクトでは、これまで当たり前に考えられてきた「普通」の概念にとらわれず、発達障害のある人々の感じ方・考え方を様々な角度から紹介していくことで、発達障害のあるなしに関わらず、一人ひとりの多様な感じ方や生き方への理解の促進をめざしていきます。NHKスペシャル、あさイチ、ハートネットTVをはじめ、番組横断で、継続的に発達障害を取り上げていくことが今回のプロジェクトの特徴です。知ってるようで知らない発達障害のこと、みんなの投稿で“トリセツ”をつくろうUpload By 発達ナビニュース生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹(でこぼこ)によって、社会生活に困難が発生する発達障害。「なんとなくは知っているけど、結局どういうことかわからない」「漠然としたイメージはあるけど、何に困っているのかわからない」という方も少なくないのではないでしょうか。プロジェクトページでは、「この際、はっきり知っておきませんか?」という呼びかけと共に、発達障害の定義や特徴、困りごとなどが、イラスト付きでわかりやすく紹介されています。コンテンツ監修は、LITALICO発達ナビの監修も務める、鳥取大学大学院の井上雅彦教授です。また、「みんなで作る発達障害の“トリセツ”」と題したコーナーでは、日常生活の様々な場面での困りごとや対応策を、発達障害の当事者やその家族、学校や職場などの周囲の人々の投稿を通して集め、公開していく企画もスタート。「生活・暮らし」「対人関係」「学校・職場」と、大きく3つのカテゴリーの中で、様々なテーマに対するみなさんの投稿を募集しています。サイトオープン時の2017年5月16日現在では、事前に集めた投稿の中から「聴覚過敏」に関するエピソードを18件公開しています。以下のリンクの投稿フォームから、それぞれのテーマに対する体験談を随時投稿することができます。Upload By 発達ナビニュースみんなで作る発達障害の"トリセツ"投稿フォーム5/21(日)21:00から「NHKスペシャル」で生放送特集!Upload By 発達ナビニューススペシャル, 「発達障害 ~解明される未知の世界~ (仮)」ウェブ上のプロジェクトページと連動して、NHKの様々な番組で、継続的・多角的に発達障害について取り上げていくのが、今回のプロジェクトの特徴。テレビ特集の第1弾は、NHKスペシャル「発達障害 ~解明される未知の世界~ (仮)」。初回放送は、2017年5月21日(日) 午後9時00分~9時59分です。これまで、主に社会性やコミュニケーションに問題がある障害として知られてきた発達障害ですが、最新の脳科学研究や当事者への聞き取りにより、生まれつき、独特の「世界の見え方・聞こえ方」をしているケースが多いことがわかってきました。多くの人にとっては何でもない日常空間が、耐えられないほどまぶしく見えたり、小さな物音が大音量に聞こえてパニックになったり…NHKスペシャルでは、こうした発達障害当事者の方々の独特の感覚・認知や、それによって生じる生きづらさを映像を通して再現し、「目に見えにくい」障害の実態を伝えることに挑戦します。番組中では、大阪大学と東京大学が共同研究・開発した「自閉症知覚シミュレータ」も登場。発達ナビでは、当事者やご家族の方をお招きしての体験会兼取材・撮影に協力しました。今回のNHKスペシャルの最大の特徴は、生放送・リアルタイムで視聴者からのコメントを紹介しながら展開していくこと。たとえ同じ診断名でも、一人一人の特性や感じ方は、本当に様々です。十把一絡げに「発達障害」をまとめてしまうのではなく、一人一人の多様な暮らしぶりや思いを紹介していくことこそが、発達障害への理解・関心を広げていく上で大切だという趣旨からの企画だそうです。ご自分の経験について伝えたい思いやご経験、発達障害に対する疑問や悩みがある方は、ぜひ以下のメールフォームからご投稿ください。スペシャル, 発達障害特集メール投稿フォームUpload By 発達ナビニュース 「発達障害プロジェクト」また、NHKスペシャルの生放送終了直後から、「発達障害プロジェクト」ページ上でライブストリーミングが始まり、番組のアフタートークが催されるようです。ここでは、生放送中に紹介し切れなかった視聴者からの投稿を追加で紹介していくとのこと。あなたの投稿も紹介されるかも…!?発達ナビTwitterでNHKスペシャル&アフタートークを実況中継!発達ナビ編集部では、5/21(日)21:00からのNHKスペシャル及びアフタートークを実況中継予定!Twitterをご利用の方は、ハッシュタグ #NHKスペシャル #発達障害 でぜひ感想をご投稿ください。番組前の予習に、発達ナビの関連記事はこちら!プレスルーム: 5月21日(日)放送 NHKスペシャル「発達障害~解明される未知の世界~」の制作にLITALICOが協力しました。
2017年05月17日前回は『ママ100人プロジェクト』のディレクターである小澤あきさんに、活動内容やメンバーについてなどの話を伺いました。今回は、3児の母であり、『パピマミ』でのライター、『saita』『CHANTO』『Babymo』『Como』などのママ向け雑誌での読者モデル、その他ブランドアンバサダーなど、幅広く活動している小澤あきさんのライフスタイルに迫ります。●ーー家族構成について教えてください2008年に結婚して、2010年に第一子出産、2012年に双子である第二子・第三子を出産しました。2016年現在、上の子が6歳男の子、下の子が4歳の双子女児です。●ーー双子のお子さんの出産が大変だったそうですね?21週(妊娠6か月)で入院しました。双子の中でもリスクが高い一卵性だったことと、切迫早産だったので。検査で、90%の確率で22週で産まれると言われて入院したんです。24週を目標にしていたんですが、いろいろな壁を乗り越えて31週まで持ちました。3か月近くほぼ寝たきりの状態で入院していたので、退院したときには椅子にも座っていられないくらい筋力が落ちていて、その状態での育児はきつかったです。上の子もいますし……。●ーー今までの子育ての中で一番つらい時期はいつでしたか?上の子が2歳、下の子たちが0歳のときと、上の子が3歳、下の子たちが1歳のときが一番つらかったかな。当時、上の子のイヤイヤ期と赤ちゃん返りが一緒にきて壮絶でした……。上の子が就園したばかりのころ、病気をいっぱいしたんですが、それが下の子にもうつって、最後は自分にも。自分が入院することもたびたびありました。今振り返ってみると、いつも入院するほどギリギリまで1人で頑張っていたので、もっと夫を頼ればよかったと思います。家にいる時間が増えるので、ある意味引きこもりでしたし。今は子育ての段階的には落ち着いて、だいぶラクになってきてはいます。●ーー今のような活動を始められたのはいつからですか?下の子を出産してから3〜4年たって、やっと自由になる時間ができたので活動を始めました。私の周りにもサロンをやったり読モをやったりっていう活動をするママが多かったし、楽しいことは自分で作り出すものだと思ったんです。アクティブに活動しているママたちの姿を見て、自分も刺激を受けました。それに、家の収納やインテリアを工夫してお部屋をキレイにしたら、生活の質も上がる。それが楽しいなと感じました。子どもが小さいので家にいる時間が多いけど、その中で料理の盛りつけを工夫したり、インテリアを工夫したり、家事を楽しむようになったんです。それが今やっている仕事につながっています。●ーー『ママ100人プロジェクト』を実行する上で苦労したことは?●声かけは信用を築く最初の一歩最初の声かけでは、私のことを知らない人にも声をかけなくちゃいけなくて大変でした。まだ企画の段階だから、形になっていないものをやるということで声をかけるので、信用を築いて行かなくちゃいけない。それぞれのママとしっかり対話しながら続けて、声かけで1か月くらいかかりました。そうやって声をかけた人が実際に来てくれたときは、すごくあったかい気持ちになれました。素敵なママたちに会えたこともよかったです。●ママたちのキャスティングに四苦八苦たくさんのママのキャスティングをするのも大変でした。100人ママがいれば100通りのライフスタイルがあるし、ビジネスで契約しているわけではなくて、相手は普通のママたちなので。ママは100人の個人ではなくて、みんなそれぞれに子どもや旦那さんなど、後ろに家族がいる。みんないろいろなものを背負っているから、そこを見てあげる必要があった。でも、同じママだからこそわかるところがあるので、それぞれに合わせた対応をしながらママのつながりを広げていきました。●当日は工程表通りに行かずバタバタ1日で15人くらいの撮影をしたんですが、撮影の当日は子どもも一緒に来るので、こちらで用意していた工程表の通りにはいかない、という苦労もありました。「今、子どもの機嫌が悪いからあちら優先で」となっても、「でもこちらは授乳があるから……」「あちらはお兄ちゃんのお迎えがあるから……」というように、みんなそれぞれに予定や都合があって。もちろん、みんなそうやって大変な中わざわざ来てもらったので、ママたちに迷惑はかけられない。ママが動ける時間は限られているんです。ママタイムはギュッと短いから、その中でうまく撮影を回していかないといけなかった。それが大変でした。●入力作業にもかなりの時間が……オークションに出品する際につける一人ひとりのプロフィール入力や商品詳細の入力も、地味な作業だけどけっこう時間がかかり大変でした。こういうのは、初の試みならではの苦労ですね。●ーー『ママ100人プロジェクト』をやってみてよかったですか?やってよかったです!達成感があるし、何よりママたち一人ひとりがすごく喜んでくれたのが嬉しかったです。きれいにして写真を撮ってもらう、というような環境に久々に出て来られたのが嬉しいと言ってくれるママも多かったんですけど、そういうきっかけを作れたことが私は嬉しいです。撮影した写真でこれからどんな活動ができるかなとか、どんな人とつながっていけるかなとか、そんなふうにママたちがこれからの可能性をポジティブに考えていってくれたらいいなと思います。北海道や沖縄など遠方で見てくれていたママからFacebookでメーッセージが来ることもあって、心強いです。そういう反応もあって、今後もっともっと活動を広げていけたらと思うと楽しみです!●ーーいろいろな活動をされていますが、一番好きなのは?一番好きなのは、なんだかんだ言って「家族」。だから主婦のポジション、お母さんのポジションが好きです。家族の一員であるということが実感できて。そして、人が好き。だから、私にとって“ママ100人プロジェクトのディレクター”は天職です!●ーー他のママさんたちを見て思うことは?今回の『ママ100人プロジェクト』で出会ったママたちもそうですが、「ママってすごいな」「母ってすごいな」と毎日感じています。パワフルだし、本当に母性ってすごい。強さも優しさもあるし、イキイキしてる。●ーー『ママ100人プロジェクト』を運営する中で感じた、昨今のママたちのライフスタイルの特徴は?ママ100をやっていると、ママは個人で仕事をする時代になってきているなと感じます。どこかに属すると自由がきかないし、自分軸だけではうまくいかないから、自然に“個人で仕事をする”という選択になっていくんでしょうね。そういうママたちが定期的に集まってママ同士のつながりを作れる場所をママ100でも提供していきたいです。人が人を呼ぶ、みたいな場所を。●ーーハンドメイド作品を販売するママが多いように思いますが、なぜでしょう?それは、ママだからこそ、ハンドメイドの才能が開花したのかも。外を飛び回っていたらハンドメイドなんてできない。でも、子どもがいると家に閉じこもっている時間ができる。そこで部屋でもできることとしてハンドメイドを始めてみたら才能が開花した、という人も多いと思います。なんか、ハンドメイド作品を作って販売するって、昔でいう内職に近いのかもしれない。だけど、今のハンドメイドの方が効率がいいし、華やかだし、みんな楽しんでやっている感じがありますよね。成功しているママも多いです。●ーー忙しい毎日の中で美を保つ秘訣はありますか?私自身もそうですが、他のママたちを見ていても思うのは、日常を楽しむことだと思います。日常のすべてを楽しむことがエネルギーになっているんです。イベントがあれば全力で楽しむし、日々の生活の中でもお菓子を作ったり部屋をデコレーションしたり、一つひとつのことを楽しもうという気持ちが大切だと思います。忙しくてもボロボロにならないためには、そういったワクワク感が必要です。料理やインテリアなんかも、キレイに写真を撮ってSNSにアップして人に喜んでもらおうという気持ちを持つとか。日常や周囲への感謝の気持ちが大切。あと、ママたちは“美”に対する好奇心も旺盛ですね。ママになると外に出ることも自由になる時間も少なくなって、行動や時間に制限ができる。だから限られた時間で必要な情報を得ないといけないから、目が肥えてきて、情報収集能力も高くなる。そんな好奇心や情報収集能力の高さも美を保つ秘訣のひとつだと思います。●ーーママならではの時間の使い方というのはありますか?時間の使い方は、子どもができてからも違うし、子どもの年齢によっても全然違います。ママは時間に制限があるので、今やらなきゃもうできないという感じです。だから一瞬一瞬を大切にしています。1時間しか外へ出られないなら、「1時間しか出られない」と文句を言うより、「1時間しか出られないからその時間を思いっきり楽しもう!」と考えるママは輝いているし、キレイですよね。今回、ママ100にはそういう考え方のママたちが集まっています。●ーー家事や子育てとママ100などの活動を両立するための時短術や時間の使い方を教えてください今は5時半起床で、22時就寝です。ロングスリーパーなので、長めに寝ないと体調を崩しやすいため、睡眠は大事にしています。ただ、子どもと一緒に寝ているので、なかなか朝まで通しでは眠れないです。子ども3人のうち、誰かしらが、鼻血を出したり寝ぼけたり、蹴っ飛ばされたりして……(笑)。それでもオムツ替えなどはなくなったので、前よりメリハリのついた生活リズムには戻っていますね。生活のサイクルとしては、朝起きたら子どもの支度をしてから子どもを送り出して、子どもがいないあいだに仕事をしています。17時くらいから子どもが帰って来て食事の支度などでバタバタし出します。うちでは食事よりお風呂が先なので、子どもをお風呂に入れてから食事です。洗濯や掃除はそれからです。朝はやらざるを得ないものだけをやって、夜にそれ以外のものをやるという。子どもがいると、夜ピカピカにしても、朝ご飯を食べさせ終わるとパン1枚食べただけでもありえない汚れ方をするんですよ。「ジャムがこんなところに!」「なんで牛乳がこんなところに?」とか。だから朝はそういったどうしてもやらなきゃいけないことを最小限にして、夜きっちり掃除することにしています。●ーー「何もやりたくないな〜」というときはどうしていますか?何もしたくないと思ったら、何もしないです。休むのも仕事と捉えて、子どもと一緒に休んじゃう。ただ、急にできた空白の時間になんとなくダラダラするというのではなくて、リラックスする時間、何もしない時間をスケジュールに組み込んでしまいます。「ここだけはダラダラする!」と決めてゆったりする時間を作るんです。ダウンするときはダウンするというのが大事。変化を起こせるのは朝なので、あえて朝早く起きて、キャンドルをつけてぼーっとしたり、ゆっくりメイクしたり。時間を意図的に作ってぼーっとします。キャンドルはその場で気分を変えられるのでオススメです。炎のゆらぎとか香りとか、癒されます。香りは脳科学的にもリラックス効果があっていいらしいですよ。それと、ダウンするときの寝具やルームウェアを上質にする(リラックスする空間を上質に演出する)というのもいいです。ダウンしていても上質なものに囲まれていると、やる気になってきます。●ーー最後に、今後チャリティー以外にやりたいことはありますか?今回、写真撮影を喜んでもらえたので、フォトサービスをはじめます。ママだけじゃなくて親子撮影や、サロンをやっているママのサロン撮影、施術中の風景を撮影するサービスです。ママのやっている活動を応援するようなことをどんどんしたいです。あとは、カンボジアにママ100小学校を作りたいです。ママが子どもたちのために学校をつくるというのはとても自然で、素晴らしいことだなと。他にも、企業の社会貢献活動に協力したり。インフルエンサーママのキャスティングサービスは、すでにはじめています。----------小澤あきさん、ありがとうございました。家事や育児に加えて、ママ100などさまざまな活動をしている小澤さん。そのパワーの源は、やはり家庭にあるようです。一つひとつ、一瞬一瞬の時間を全力で楽しむ。それが輝くママたちの美の秘訣だということにも納得です。パピマミでも、『ママ100人プロジェクト』をはじめ、輝くママたちの活動を随時ご紹介していきたいと思います。「私も参加してみたい!」という方は、ぜひ『ママ100人プロジェクト』のFacebookページをチェックしてみてくださいね。【取材協力/小澤あき】一般社団法人MOTHER代表理事。双子+兄弟の3児ママ、JSAアイシングクッキー認定講師、ライフオーガナイザー2級。2016年、「ママだからこそできる!」を合い言葉に、『ママ100人プロジェクト』をスタート。2016年12月には、一般社団法人MOTHERを設立。・ママ100人プロジェクトFacebookページ●文/パピマミ編集部
2017年01月01日こんにちは、エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。「“好き”だけで結婚しなけりゃよかった」というのは既婚の女性にとって永遠の“心の声”なのかもしれません。「あのとき伯母が紹介してくれた老舗の御曹司と一緒になっていれば」とか、「顔なんかイマイチでも三世代住宅付きのあの男性と結婚してたらなあ」だとか。第一印象で「この人しかいない!」と思い込んで、突っ走って結婚した今の旦那で本当によかったのだろうか。ときどきそんなことを考えてしまうアナタに、今回のコラムは読んでいただきたいと存じます。都内で精神科・神経内科のクリニックを開院する医師のT先生(50代女性/都内精神科・神経内科クリニック院長)は、『人と初めて出会ったときの第一印象というものは大事にすべき。異性に対するいわゆる“一目惚れ”も、そういった大切な判断材料の一つです』と述べ、第一印象の良さを重視して結婚へと至ることは医学的に間違ったことではないとおっしゃっています。今回は「一目惚れで結婚することは間違っていない」という説のエビデンスについて一緒に考えてまいりましょう。●一目惚れ結婚を後悔するのは、結婚相手に経済力がなかったとき女性が一目惚れで結婚してしまったことを後悔するのは「結婚した相手の男性の経済力が思っていたほどではなかった 」と感じたときに多いのではないかと思われます。具体的な例えを挙げてお話ししてみましょう。出会ったころの夫のことを「若いのに自分の趣味でもある楽器の専門店を経営して立派に生活してるなんてステキだわ」と好きになり、彼の方からも「僕のことを世界でいちばん理解してくれるあなたを愛しています」と言われれば、それは結婚することになりますよね。でも、結婚後の生活は現実そのものですから自営でお店を経営していくことはけっして甘くなく、欲しい服も買わずに我慢して生活費を切り詰めながら夫のお店の業績好転を待つということも必要になってきます。そんなときにふと、「ああ。旦那に一目惚れなんかしないでもっと安定した職業の男性と一緒になってた方が生活楽だったんだろうな」との思いが一瞬頭をよぎったとしても、仕方のないことです。●偏桃体が瞬時に下す総合判断は相手の潜在的可能性にまで及ぶので信頼性があるただ、それはそうなのですが、旦那さまの経済力といっても70年、80年の人生の中の30歳時点、40歳時点のものですよね。旦那さまの楽器専門店は今後、他にそのようなお店はどこを探してもないということもあり稀有な存在になっていく可能性もあります。今は経済的には楽でなくても、それでも旦那さまとああしよう、こうしようと話すことそのものが楽しいのであれば、それは幸せな結婚生活です。冒頭でご紹介したT先生は一目惚れをするということについて『自分自身の遺伝情報をはじめとして、これまでに経験したありとあらゆる情報を基に脳がシミュレーションをしたうえで総合的に判断を下した結果である』と述べています。つまり、彼の現状に関して今はお店の経営が安定せず楽ではないかもしれないけれど、二人で助け合い、励まし合ってコツコツと真面目に努力を重ねていけば、いずれは高収益体質の立派なお店に成長させることがきっとできる。そういった可能性まで含めてあなたの脳が総合的かつ瞬時に判断している のかもしれないのです。人が人を好きになるメカニズムについては近年の脳科学のめざましい進歩もあって、だいぶ解明されてきています。T先生の説明をそのまま記しますと、『脳の奥深くにある扁桃核が、出会った相手が自分に“良く”作用する存在か“悪く”作用する存在かを一瞬で総合判断し、「好き」と決まれば大量のドーパミンがどっと放出されて脳全体を駆け巡るため止めようのない恋愛感情が生まれて相手と一体化したいと願うようになる』といったメカニズムです。そして脳による総合判断はその人の遺伝子レベルまで包括した未来予測に及ぶ ものですから、相応の信頼性があるということなのです。これこそが、“第一印象”を頼りに“一目惚れ結婚”に突き進むことは間違ったことではないと、T医師が述べるエビデンス(根拠)なのです。●脳が「苦手だな」と判断した相手と無理をしてつき合うことこそ問題T先生によればむしろ、『第一印象で「苦手だな」と感じた人と無理をしてつき合おうとすることこそ問題』だといいます。話を分かりやすくするため、再び具体的な例えを挙げてみましょう。伯母さんが紹介してくれた老舗の御曹司。30代の若さで一国一城の主で高収入。親から生前贈与を受けた持ち家もあり。こんな人と結婚したなら経済的な心配などとは一切無縁な生涯が約束されているのだろうなとは思うけど、ちょっとだけ庶民を見下したようなところが感じられてそれだけが気がかり。こんなとき、伯母さんのすすめに従っておつき合いをした方がいいのでしょうか?答えは、T先生によれば「ノー」です。あなたの脳はあらゆる情報から“庶民を見下したような高慢な人”のことを「敵」として認識している からです。そのような相手と無理しておつき合いをつづけていると、『ストレスがたまり、精神的に不安定な状態に陥るおそれがある』とT先生は指摘します。●きっかけは“第一印象”でオーケーいかがでしたでしょうか。要するに、「きっかけは“第一印象”でオーケー」ということですね。T先生がおっしゃっているように、“一目惚れ”には医学的な根拠がありますので、その人の本能的判断で突っ走って結婚したことを後悔する必要はありません。大切なことは結婚してからもずっとお互いを尊敬し合い、助け合って暮らしていくことでしょう。一目惚れで結ばれた二人になら、きっとできるはずです。●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)●モデル/福永桃子
2016年12月13日こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。私は以前、学習塾で講師をしていました。そのときに感じたことは、子どもの語彙力が低下しているということでした。音読をしても読むことはできます。しかし、言葉の意味を知らない子どもが多かったのです。自分で調べることをする子がとても少なかった、ということも同時に感じていました。算数・理科・社会など、国語以外の教科は、「計算できれば解ける」「実験の経験や知識があればできる」と考えてしまいがちです。しかし、問題文は日本語で書かれています。ですから、語彙力・国語力がないと、学年が上がるにつれて勉強が難しくなってくるということを考えていただきたいと思っています。そのための対策として家庭でもできるものが、書写 です。●書写とは?“書写”とは、文字の通り書き写すことです。小学1年生になると授業で習います。習字の授業の一環のように感じる人もいるでしょう。しかし、義務教育である小中学校では、国語に位置づけられています。多くの場合、鉛筆を使って書いてあることをそのままノートなどに書き写すのですが、どうしても句読点やかぎかっこなどを見逃してしまうことが往々にしてあります。これは、文字をしっかりと読んで理解していないために起こることが多いです。私が当時教えていた子どもたちも、かなりの見逃しをしてしまうことがありました。●語彙力・国語力をつけたいのなら、音読+書写!国語力は、ただ読むだけ、ただ書くだけでは身につきません。大事なポイントは、“書いてある内容を読んで理解する”ことです。そのためには、書写をする前にしっかりと音読 することが大切になります(音読とは、声に出して読むことです。声を出さないで読む黙読では意味がありません)。書いてある内容がわかれば、書写することは難しくありませんし、しっかりと頭に入ります。当時小学3年生だった男子が生徒として学習塾に入ってきたとき、教科書をスラスラ読むことが難しく、「勉強つまんない、やりたくない!」が口癖でした。書写をさせたときも、間違いが多く字も乱雑でした。明らかに国語力が低いことがわかりましたので、教室に来るたびに音読と書写をするように時間を取っていきました。1か月後、3年生の教科書はスラスラ読むことができるようになり、内容も理解し、わからない言葉が出てきたときは自分で調べるまでになったのです。書写のノートは直しがなくなり、花まるが続くようになりました。気になっていた口癖も言わなくなったのです。読んで理解することができれば、ここまで変わるのだということを実感した最初の生徒でした。始めは短めな文からスタートさせましょう。徐々に文字数を増やしていきます。正しく読み、文章の内容がわかること、文字が丁寧に書けて、しっかり写せるようになることができたら、終了する目安です。●書写に向いているノートはマス目の小さいノート書写をさせるには、小さなマス目のノート が向いています。しかし、学校では低学年に大きなマス目のノートを使わせます。大きいマス目の方が文字を書きやすいからです。自宅で書写をさせるときは、10ミリ方眼などのノートをおすすめします。マスの中に合わせて字を書き込むことができるようになりますし、ノートを見返すときに、見渡しやすいからでもあります。見渡しやすいことで、間違った点をいち早く発見することができます。脳科学の面から見ると、小さな文字を書くことで言語能力が上がる ことがわかっています。そして、小さい文字を書くことで集中力がアップし、視野が広がることで捉える文字数が増えることもわかっているのです。ですから、早い段階で小さなマス目のノートを使うことをおすすめします。●おわりに国語力は小さいうちからつけておくことがとても重要です。読んでみてわからないと、授業についていくことが難しいと感じ、勉強が嫌になってしまうことにつながります。そうなっては困りますよね。そうなる前に、“音読+書写 ”を毎日少しでもいいのでスラスラできるまでやってみましょう。学校から宿題として出ている場合もありますが、出ていない日も宿題の前に行ってみてほしいと思います。その方が集中力が継続できるからです。ぜひ、試してみてほしいと思います。【参考文献】・『伸びる子には秘密がある 小学生の勉強法』石井郁男、小学生の勉強法を考える会(編集)●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2016年12月07日地域の科学館、行ったことありますか?子どもから大人まで、誰もが産業や科学を身近に感じ、体験しながら学ぶことができる知育スポットは、どの地域にもひとつはあるのではないでしょうか。私が住む地域には私自身も小学生の頃から行っていた「 千葉県立現代産業科学館」があります。このような知育スポット、小中学生向きの施設だと思われがちですが、実はキッズも楽しい催しがたくさん!2歳と0歳の我が子たちも大好きです。小さなうちから、産業・科学の世界に触れさせよう!創造の広場は、小さな子供にも身近な科学現象の不思議や面白さを体験できる広場。我が家のお兄ちゃんも2歳でデビューしました。小さいうちから、自然や科学に触れることで感動したり、驚いたりしながら、いろんな考えを深められます。本来の自然の姿や様々な体験を遊びながら、産業や科学の不思議を学べる科学館はとてもオススメです!キッズ向け!オススメの科学体験我が子が楽しく遊んでいたのは、こんなもの↓・バブルラビンス小さな子供たちにも大人気のシャボン玉!大きなシャボン玉に興奮!・テクノボックスくるくる回してみて♪・ウォーターロケット水の力で、勢いよく発車されるロケットは大人もびっくりしますよ。・風に揺れるボール意外と難しい!風を上手く操れるかな?こんな展示もあります↓科学館最大の魅力は、新素材を使った科学実験大人も目からウロコの科学実験は、魅力的なイベント!実験シアターでは、−196°Cの液体窒を使った冷凍実験や超電導の実験をみることができます。実験カウンターでは形状記憶合金の実験など、約20種類の実験を交代で行っています。他にも、放電実験や人形劇などを使ったサイエンスステージなどの実験も。また、10月14日からは特別展で、「出発進行〜もっと・ずっと・ちばの鉄道〜」が開始。電車のおもちゃで遊べたり、駅員さんのお仕事を聞いたり・体験したりできる催しなのだとか!小さなキッズたちもたっぷり楽しめる、千葉県立現代産業科学館、穴場のスポットです!10月14日(金)〜12月4日(日)※10月14日は鉄道の日特別展「出発進行〜もっと・ずっと・ちばの鉄道〜」※特別展開催期間の入場料:一般800円高・大学生400円中学生以下と65歳以上はの方は無料
2016年10月03日音楽教育が、子供の情緒や感受性、社会性や知能の発達にとても良い影響を及ぼすことは、すでに広く知られている事実です。また、子供たちが音楽を集中して聞くことで、言語を聞き取る能力もアップし、語彙力や語学力がつきやすくなるとも言われており、昨今ますます幼児のための音楽教室の人気があがっているようです。「音楽教室に通わせたいけれど、経済的な事情や、時間的な問題で難しい」というご家庭は、ぜひ家庭で音楽教育をしてみてはいかがでしょうか。今回は、家庭でもできる音楽教育についてご紹介したいと思います。つけっぱなしのテレビを消して、良い音楽を聞かせよう音楽教育というと楽譜を読んだり、楽器を弾いたりすることを想像しますが、 幼児期の子供にはまだまだ難しいもの。さらに楽器を演奏するにも、手が小さすぎますよね。ですから、乳幼児期はよい音楽をたくさん聞かせて、「耳つくり」をしてあげることが最も重要な音楽教育なのです。普段、リビングで子供と過ごすときなど、テレビをつけっぱなしにしているママも多いかもしれませんが、これからはテレビの代わりに良い音楽を流してみませんか。では、どんな音楽が子供にとって「良い音楽」なのでしょうか。クラシック音楽やジャズ・ポピュラー・日本の伝統音楽・童謡など、音楽といってもさまざまなジャンルがあります。もちろん、どのジャンルにもすばらしい音楽は存在していますが、子供におすすめなのが、それぞれの国の歴史とともに、長く生き続けてきたような音楽です。いくら流行しているとしても、機械的な音楽では、子供の想像力や情緒を育てることは難しいのです。手始めに、ママやパパが小さいころから聞いていた日本の昔ながらの童謡や、モーツアルトのクラシックなどの歴史ある音楽を選んで、部屋でゆっくりするときや、食事中のBGMとして流してみませんか?日常生活や遊びの中に音楽に取り入れる音楽教室ではなく、家庭で音楽教育をするメリットは、遊びや生活の一部として自然に音楽に親しめる点ではないでしょうか。子供が遊んでいるときに音楽を流してあげていると、無意識に子供の心に音楽が刻まれていきます。他にも食事中、寝かしつけの際、朝起きるときなど、その状況に相応しい音楽を選んで、自然な形で生活に取り入れていきましょう。また、子供が元気のないとき、イライラしているときは、まずは静かな音楽を流し、気持ちを落ち着けてから、活発な音楽を流すようにすると、子供たちの気持ちが明るくなったり いらだちをやわらげたりする効果があるとも言われています。このように、子供の気分を変えたり、気を紛らわせたりする手段として音楽を使ってみても良いでしょう。家族で一緒に音楽を楽しもう!子供の情緒や知能の発達に役に立つからと、一方的に子供に音楽環境を与えるだけでは、家庭での音楽教育は物足りないものになってしまいます。大切なのは、ママやパパの心にも、音楽を楽しむ余裕を持ってもらうことなのです。親子一緒に、童謡を歌ったり、音楽を聞きながらリズムを取ったりして、「音楽は楽しいものだ!」と子供が思えるようにしてあげましょう。ママやパパがピアノなどの楽器が弾けるのであれば、童謡やクラシックを演奏して子供に聴かせてあげることができますが、楽器が苦手だったとしてもハーモニカや鈴など、かんたんに演奏できる楽器を用いて、家族で歌いながら合奏するのもおすすめです。また「とんとんとんとんひげじいさん」や「いとまきまき」など、子供たちが大好きな手遊び歌を一緒に歌ったり、音楽に合わせて飛んだり跳ねたりすることも、立派な音楽教育です。このように、家族で音楽に親しみ、楽しんでいるという環境こそが、子供の音楽的感受性を育ててくれるのです。いかがでしたか?音楽が子供の心や脳に良い影響を及ぼすからといって、一方的に楽器を与えたり、子供が嫌がる音楽を聞かせようとしたりするなど、やみくもに「音楽」を押しつけることはやめましょう。子供たちが音楽に親しみを感じ、楽しめるようになってこそ、音楽が子供に良い影響を与えてくれるのです。まずは、親子で音楽を楽しみながら、子供が音楽に興味が持てるような環境づくりから始めてみましょう!
2016年06月08日こんにちは。教育コンサルタントの佐々木です。子どもを賢くしたい、頭のいい子に育ってほしい、勉強ができるようになってほしい……子どもがいる親御さんなら誰しもそう願っているのではないでしょうか。そこで、脳科学の見地から、簡単にできる子どもを賢くするコツをご紹介いたします。●(1)適度な運動頭を良くするためには、脳をよく動く状態にすること、つまり脳に血が回ること が重要です。脳に血を回すためには、適度に運動をすることが大切です。集中力が落ちたと感じたらウォーキングをしたり、片付けなど単純作業をして血流を良くしましょう。ちなみに、食後に眠くなるのは胃に血液が流れるため脳に血が回らないためです。●(2)緊張感を持たせるストレスになる程の強い緊張感はパフォーマンスを下げてしまうものですが、適度な緊張感は脳を活性化します 。人が見ているところでは下手なことができないので、一生懸命やろうとするでしょう。あるいは、「絶対に○日までに終わらせる!」という緊張感は脳のパフォーマンスを上げます。たとえば、締切の日や補習の日程に楽しい予定を入れてしまえば、絶対に落とすわけにはいかないので、必死で勉強に取り組むでしょう。●(3)締切や時間制限を設ける時間設定を必ず設けましょう。「何時間でもいいよ」と言われると、脳はだらけてしまいます。宿題をするにしても、今日中に終わればいい、いつでもいいとしてしまうのではなく、時間を決めて取り組みましょう。30分かかりそうなものであれば20分にセットするなど、かかりそうな時間より少し短くする ことで、緊張感を演出できます。キッチンタイマーや、スマートフォンのタイマー機能を使って、時間内に必ず終わらせる習慣を作りましょう。●(4)ライバルを設定する人と競い合うこと は脳の回転数を上げることに非常に役立ちます。負けたくない気持ちから、モチベーションアップも期待できます。例え難しいことだとしても、ライバルがいれば、それをできるように頑張れるものです。●(5)子どもに教えてもらう人に教えることには緊張感が伴い、脳のあらゆる場所を使って考えたり説明したりするため、脳が活性化します。受け身な講義での理解度は5%であるのに対し、人に教えることの理解度は90% と言われています。子どもを賢くしたいならこれを利用しない手はありません。お子さんに、学校で起きたことや学校であったことを説明してもらうことを習慣にすれば、脳が活性化し頭が良くなるでしょう。----------脳を活性化し回転をよくするためには、脳の血流を良くしながら、常に緊張感を持って取り組むことが大切です。自宅で実践できることがほとんどですので、ぜひやってみてくださいね。【参考文献】・『覚えない記憶術』樺沢紫苑・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年04月24日思春期に子どもから激しい反抗をされると、親は戸惑います。どうしたらよいのかと、うろたえます。脳科学から思春期の反抗について考えてみましょう。「なぜこんなに反抗するの?」という疑問が、すっきりと解消すること間違いなしです!■反抗の激しさは脳が求めていた!思春期は、第2反抗期が訪れるものとされています。ただし、反抗の度合いは人それぞれです。上の子は反抗期の訪れがはっきりしていてすぐわかったけど、下の子は「後から振り返ってみたら、あのときが反抗期だったのかな」という感じだったなど、同じ血を分けた兄弟でも反抗の度合いが違っていたということがあるのです。始まる時期についても同様です。ですから、「ほかの子に比べて反抗がひどすぎるのでは」「反抗期がいつになってもやってこない」といった親の心配は無用です。なぜなら、反抗の度合いや時期については、その子の脳が決定していることであり、脳は子どもによってみんな違うからです。親が心配してもどうにもなりません。反抗期が過ぎ去るのを、あるいはやってくるのを待つしかありません。親に「イヤだ」と反抗することをきっかけとして、前頭前野(※)は働き始めます。でも、前頭前野が働くのにどれだけ強い刺激、つまり反抗が必要なのかは、脳によって違います。逆に考えてみれば、反抗が強いということは、それだけ強い刺激を脳が求めているからにほかなりません。脳が求めた刺激が反抗というかたちで出ているなら、脳は正常に発達しているのです。反抗を続けていくうちに、言葉や態度による反抗をしなくても前頭前野が働いて、自分の力で何でもできるようになります。自分がそんな力を得たと脳が判断したとき、反抗期は終わります。なんでもそうですが、習得するには反復練習が必要です。脳が学習するにも、繰り返しが絶対に必要なのです。子どもの反抗は、脳が学習を終えるまで続きます。その終わりの時期も人によって違っていて、大学生でも、まだ反抗期にいると感じられる人もたくさんいます。(※)前頭前野とは、大脳の前頭葉の中に存在する領域で、「記憶」「思考」「創造性」「感情コントロール」などを、つかさどる脳内の最高中枢です。人間と他の動物の脳を比較した場合、大きく違うのが前頭前野で、人間の脳の部位でもっとも発達している部分です。従って、頭の良い人、発想が豊かな人、新しい物を造り出す人などは、前頭前野が発達していると考えられています。■長い反抗期、親が乗り越えるにはわが子への信頼と心の余裕が必要子どもの反抗は、脳が成長のために求めている刺激なのだ、それほど子どもの脳は成長してきているということなのだ、とわかってはいても、反抗期の子どもに毎日接していると本当に大変です。「ご飯できたよ」と声をかければ「食べない」と返される。「出かけるの?」と尋ねれば「ほっといてよ」と言われる…。まったく会話になりません。友だちとの電話中に親が通りかかれば、すっとその場からいなくなってしまう。これでは子どもが考えていることも、今置かれている状況もわかりません。そのような時親は、不安でいてもたってもいられなくなるのです。そんなとき、親はどうすればよいのでしょうか? 答えは、今まで育んできたはずの子どもとの信頼関係を信じて、ひたすら今のわが子を認めることです。何を考えているの、何をしているのと迫りたい気持ちを我慢することです。わが子を信用していればこそ、心の余裕が持てて、今の子どもの姿を受け入れられるのです。果てしなく続くように思われる思春期ですが、わが子を信じていれば、きっと乗り越えられるはずです。
2016年04月09日前編 では、脳が子どもから大人へと成長していく段階について説明しました。後編では、子どもが思春期の反抗期を迎えるとき、親としてどのような心構えをしておけばよいのかについて解説します。■思春期は親としての責任から解放される兆しあらゆることに反抗し、親も何かと悩む思春期ですが、この思春期にも必ず終わりが来ます。そうなってみると初めてわかることですが、思春期を通り過ぎたわが子は、もう「子ども」ではありません。ですから、思春期の終わりとともに子育てが終わると言ってもよいでしょう。とはいえ、日本では成人するのは20歳ですし、成人した後もしばらくは親元で学生を続けていることが多いでしょう。そうなると、実質は、子どもが自分の力でお金を稼げるようになるまでは、親は責任を持たなければなりません。でも、わが子がどんどん成長・発達していくに伴って、子ども自身が自分の行動に責任を持たなければならなくなってくるはずです。それと比例するように、親としての責任を少しずつ、子ども側へ移行していかなければなりません。言い換えてみれば、子どもの脳が大人になればなるほど、子育ての責任がなくなってくるということです。そう考えてみたら、思春期は親としての責任の終わりが近づいている時期とも言えますね。思春期真っただ中のわが子を見て思い悩むなんて、もうしなくていいのです! むしろ「もうすぐこの責任から解放されるのね!」と喜んでもいいくらいです。昔はよく、初潮を迎えた女の子のために赤飯を作り、みんなでお祝いをしたと言います。脳が最後の転機を迎える思春期は、まさに初潮を祝うように喜びたいものなのです。それほど、脳にとっては大切で、大きな転機だと言えます。思春期の反抗は、それまでの変化とは違って、夫婦ともにつらく感じることが多いでしょう。そんなとき、ぜひ思い出してほしいのです。「思春期が来るということは、もう子育てのゴールが近づいているということなのだ」と。きっと「思春期、反抗期が来てよかったね」という気持ちになれることでしょう。■子どもが思春期を迎える前に、見直すべきは夫婦関係余談ですが、この思春期の時期に夫婦間でトラブルが起こることも多いようです。「これまでお前は何をしてきたんだ!」と夫が妻を責めるわけですね。こうならないようにするためには、子どもが生まれたと同時に、夫を父親へと育てていく妻の努力が必要なのです。思春期にあるこのような夫婦のトラブルは、これまでの夫に対する教育がうまくいかなかったということを表しているのです。思春期には、子育てに関して夫婦がどうやって力を合わせていったかを問われる時期とも言えますね。世の中のお母さんたちにはぜひ、思春期の厳しいときになって夫に心外な言葉を言われないよう、子どもが幼いうちから、父親育てを頑張っていってもらいたいと思います。
2016年04月07日親の仕事はいつでも大変ですが、もっとも試練と感じられるのが思春期の反抗の時期でしょう。今までは素直だったのに、この頃は親のいうことになんでも反抗して、扱いづらい…そんな悩みを誰もが抱えています。ちょっと視点を変えて、脳科学から思春期に訪れる反抗を考えてみませんか? 理屈がわかれば、子どもの反抗に悩むことがなくなり、むしろ喜べるようになるかもしれません。■大人になるまでに脳は3回の転機を迎える子どもの脳は、生まれてからずっと休むことなく、大人の脳へと成長していきます。でも、ただ少しずつ成長していくだけでなく、周りから見ても「おや? 今までと違うぞ」と感じるような転機が訪れるときがあります。脳の転機と言われる時期は、以下の通りです。・反抗期と呼ばれる2歳頃・何となく不安定になる9歳~10歳頃・第2反抗期と呼ばれる思春期これら3回の転機を経て、脳は大人になるのです。つまり、脳の成長は一定速度ではなく、3回の転機には急激で大きな変化が現れるのです。脳の成長は、カニの脱皮に似ていると言われることがあります。カニは大きくなるために脱皮を繰り返しますが、脱皮中や脱皮したばかりのカニの味はあまりおいしくない、ということをご存じですか?カニは甲羅のまま大きく成長するのではなく、成長するときに脱皮して一回り大きくなります。従って、脱皮中や脱皮したばかりのときは、甲羅だけサイズが大きくなっているため、中身はスカスカ状態で、あまりおいしくないのです。子どもの脳の転機はちょうどこの脱皮に似ていて、脳が転機の真っただ中、あるいはその直後であるとき、子どもは大人にとって、ちょっと扱いづらくなるのです。■脳の転機を経て、心と体は大人へと近づいていくとはいっても、この転機は、脳にとっては必要不可欠です。カニの身がおいしくなるために脱皮が必要なように、脳にとっても転機は必要で、それを経て子どもの心と体は大人へと近づいていくのです。2歳の頃に起こる反抗期は、ほかの人と違う「自分」を自覚することができた証です。9~10歳頃に起こる不安定さは、脳が大人の脳へと移行していることを表しています。そして、思春期と同時に起こる反抗期は、心も体も大人になる時期になったことを意味しているのです。親にとってもそうですが、子どもにしてみてもこの3回の転機は、なかなかにハードなものです。それでも子どもは全力でそれにぶつかって、確実に大人に近づいていくのです。反抗期を含めた3回の脳の転機には子どもが扱いづらくなりがちで、親としてはイライラすることもあるでしょう。しかし、脳も体も心も成長しているシグナルであり、成長という視点で見ると喜ばしいことと言えます。< 後編 へ続く>
2016年04月07日【ママからのご相談】小学校4年生になる息子がいます。すでに勉強が嫌いになってしまったようで、宿題を自分からやろうとしません。やる気が出るまで時間がかかります。やる気を出すにはどうしたらいいですか?●A. まずは動きましょう。ご質問ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木です。勉強が苦手な子の学習指導を専門にしています。一度勉強を嫌いになってしまった子どものやる気を引き出すのはとても難しいですよね。そこで今回は、脳科学に基づいたやる気の出し方 をご紹介します。●行動しないとやる気は出ない黙って座っていたり、ゴロゴロしたりしているうちはやる気が出ないのです。アメリカの脳神経外科医のペンフィールドは、体を動かすと脳も動き出し、次第にやる気が出てくる という考えを示しています。脳は変化に対応して動くため、止まっていては変化が起きないのです。そこで、脳にスイッチを入れる方法を2つご紹介します。●脳のスイッチを入れる方法●(1)手を動かす子どもに勉強させたいなら、まずは落書きでもいいのであれこれ書いて、手を動かしてみましょう。手の準備運動ですね。動くと脳は元気になります。やる気に関わっているのは、大脳辺縁系の中にある側坐核という場所。ここを刺激することでやる気が出てきます。まずは手先を動かしてみましょう。脳科学ではこれを『作業興奮 』と呼んでいます。お子さんが勉強にやる気を出せないようなら、こう声を掛けてみてはどうでしょうか。「まずは片付けからはじめてみようか」「5分でいいからやってみよう」「一緒に鉛筆を持ってみようか」「絵でも描いてみる?」運動する前に体操をして体を温めるのと同じように、勉強のやる気を上げるためにも脳のウォーミングアップ をしましょう。●(2)やるべきことを書き出すやるべきことが多いと脳は拒否反応を起こし、やりたくないという感情が先立ってしまいます。これではやる気は起きません。お子さんがなかなか動き出さないなら、しなければならないことを話し合い、できるだけ細かく書き出してみましょう。「漢字を覚える」では抽象的なので、「漢字を○回書く」「教科書を○回音読する」というように、数字を交えて 具体的に行動できるよう細かく書き出します。細かく書き出せば、いままでぼんやりしていた不安の全貌が見えてきて、不安がなくなるだけでなくやることが見えていきます。細かく書き出した中で一番簡単なことから取り組んでみましょう。書き出し作業もそうですし、簡単なことから取り組むのもそうですが、とにかく手を動かすこと が大切です。手を動かすことで、やるべき事が見えてきます。『つれづれなるままに、日くらし、硯にむかひて、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ』徒然草の有名な序文ですが、まさにその通り、とりあえず硯に向かう、つまりペンを握ることが大切なのです。“勉強”というと机に向かって静かにカリカリと……そんな絵が浮かぶかもしれませんが、いきなり走り出して怪我しないように、勉強も準備運動から始めましょう。お子さんと一緒にペンを持って、手を動かしてみてくださいね。【参考文献】・『大人の脳科学常識 頭が冴えわたる脳の鍛え方』トキオ・ナレッジ(著)●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年04月06日小学3年生~4年生というと、年齢にすれば9歳~10歳になりますね。実はこの頃の子どもたちの脳は、あるポイント地点に到達しています。この時期を境として、その前と後とでは、脳が少し違ってくるのです。いったいどう違ってくるというのでしょうか。それを知ると、わが子への働きかけをどうしていったらよいのかが、よくわかるのです。■9歳~10歳で大人の脳へと切り替わる!生まれてから3歳くらいまでは、脳の発達の度合いはとても急激です。そして3歳過ぎになるとややゆっくりとした速度で脳は発達していきます。そのまま行くのかというとそうではなく、子どもの脳は9~10歳ころにもう一度変化をみせるのです。学校での実例から見ても、9~10歳ころ、つまり小学3~4年生の頃というのは、子どもの学習という視点から見ても変化の兆しが表れる時期です。また、発達心理学の立場からは、このころを「9歳半の節」と名付けています。つまり、この頃の子どもたちはそれまでとはどこか違った様子を見せるようになるというのです。この時期の子どもたちの脳は、大人の脳に移行していく時期を迎えているのです。■子どもの脳と大人の脳の違いでは、大人の脳と子どもの脳というのは、どう違うのでしょうか。そもそも脳にとってのエネルギーは、血液から来ています。脳を使うと血液循環のスピードが速まり、それに伴ってエネルギーもたくさん脳に取り込めるのです。エネルギーを脳に取り込むには、酸素が必要です。大人の場合、血液循環のスピードが上がったとき、それに準じて酸素もたくさん取り入れられるようになるかというと、実はそうではないのです。ですから、エネルギーが脳に取り入れられる量が一定に決まっているということになります。なぜこんな仕組みになっているのかは定かではありませんが、突然血液量が増えてしまうことによって血管に圧力がかかり、詰まりを生じたり切れたりしないようになっているとも考えられています。しかし、この仕組みは、子どもの脳には当てはまりません。子どもの場合は、血液循環のスピードが上がるに従って、取り入れられる酸素の量も増えていきます。ということはつまり、脳を使えば使うほど、脳に必要なエネルギーをどれだけでも得ることができるということになります。子どもの脳はこのような素晴らしい仕組みになっています。ですから、子どもの脳である時は、どんどんと脳を鍛える学習(漢字の書き取り、音読、計算問題など)をするのにもっともふさわしい時期と言えるのです。では、いつまでが子どもの脳と言えるのか。それがズバリ、9歳~10歳ころ、学年で言えば小学校3~4年生の頃なのです。移行の時期には男女差があり、女子は男子より6ヶ月ほど遅れてやってきます。■9歳~10歳くらいの子どもの変化に対して心の余裕を持つ方法小学校3年生~4年生のころになると、脳はもう子どもではありません。大人の脳へと移行していくのです。まだまだ子どもに思える小学校3年生~4年生ですが、脳は確実に大人へと切り替わっていくのですね。さて、この時期の子どもたちを見ていると、それまでとはちょっと違うように見えることがあります。「何だか最近、生意気な口を利くようになってきた」「どうも落ち着きがないのよね」などと、どことなく漂う不安定感に気づかれる方もいるでしょう。それはもしかしたら、大人の脳へと移行していくことから来るのかもしれません。反抗期を迎えた子どもも、今までとはちょっと違った様子を見せますが、それとこの時期の変化とは、少し異なっています。いつも一番近くで子どものことをよく見ている親であれば、きっとその違いがわかることでしょう。さあ、ここまで読んでいただければ、あなたの子どもが小学校3年生~4年生になり、今までとはちょっと違った雰囲気を見せ始めた時、「大人の脳へと変化しているのだ、確実に成長しているんだな」と、少し余裕を持って受け止めてあげられるでしょう。大人の脳へと順調に移行していけば、脳の働きはより潤滑なものとなり、ついに思春期へと向かっていくのです。
2016年04月05日こんにちは。医療カウンセラーのyoshiです。みなさんは脳についてどの程度知っているでしょうか。脳というと、生き物の中心、重要な器官、体の司令塔のようなイメージがあると思います。しかし、脳というのはまだまだ解明できていない部分が多く、 非常に複雑な臓器、器官となっています。これまでも多くの研究がされてきていますが、その中でも結論というのは二転三転してしまっているのです。それくらい解釈が難しく、正確な結論に至ることができていません。逆に言ってしまうと、脳が持つ可能性というのはとても大きなものであると考えることができます。脳細胞は減り始めたら増えることはないと言われていますが、1998年の段階でスウェーデンのエリクソン博士によって、高齢になっても脳細胞は増えていく ということがわかっています。脳の持っている大きな可能性というのは日常生活でも重要になりますが、障害を負ってしまった場合、非常に大きな意味を持ってくることがあります。●大脳の半分がなくなってしまう可能性がある脳の半分がなくなってしまう、大脳の半分がなくなってしまうとなると、それは生命の維持に大きな支障をきたすのではと思ってしまいますが、大脳の半分がなくなっても人は生きていける場合が多くあります。難治性のてんかんの手術では、大脳の半分を切除する方法が効果的と言われています。小児に限定しますが、大脳を半分切除してしまっても残りの半分が適応をしていき、障害というのを非常に小さくしてしまえるのです。大人であっても、脳に関する病気によって能力を一時的に消失してしまったとしても、リハビリによって回復をしていくこともあります。なくなった分を残された脳が補うことで、苦手が得意になる ということもあるようです。まだまだ研究段階ではありますが、脳の可能性というのはとてつもなく大きいことがわかり、その可能性こそが脳の病気に対する大きな将来性につながっているとも言えます。【参考リンク】・大人でも脳細胞は新生する | 日経サイエンス()●ライター/yoshi
2016年03月15日親は誰しも皆、わが子の脳の発達にとって良いことをしたい、と考えているでしょう。そのために幼い頃から子どもを塾や教室に通わせたり、学習教材を買い与えたりするのです。でも、お金を使わず、かつ、もっとも脳の発達にとって大切となることを見落としている人が多いのです。それは、「コミュニケーション」です。親子のコミュニケーションほど脳を発達させるものはない!子どもの脳の発達について書かれた本には、たいてい「コミュニケーション」という言葉がたくさん書かれてあります。赤ちゃんに対する言葉かけ、幼児に対する読み聞かせ。それらは脳の発達に欠かせないものであり、そこにはいつも「コミュニケーション」という言葉が付いて回ります。そう、脳の発達のキーワードとなるのは、コミュニケーションなのです。逆に考えてみると、コミュニケーションなしでの事柄は、どんなに脳に良いと言われていることであっても、脳をそれほど発達させないということです。特に乳幼児と呼ばれる子どもたちにとって、一番その脳を発達させてくれるものは、親によるコミュニケーションなのです。実際、たくさんの研究結果によって、「幼少期にたくさん親から声をかけてもらった子どもは、将来よい子どもになる」ということが明らかになっています。脳の発達に良いからと、多くの親が、幼稚園に通い出すころから教室や塾などで何かを習わせます。それはそれでよいでしょう。でも、他人からのアプローチよりも親からのアプローチのほうが、子どものやる気を十分に引き出せるため、「いろいろ通わせたものの、あまり子どもに変化が見られないのよね…」なんてこともあるのです。習い事で親子のコミュニケーションの時間を減らしては本末転倒さらに危惧すべきところは、まだまだ親子のコミュニケーションが必要な時期に、貴重な時間を習い事で消費してしまうということです。習い事を始めれば、そこにいる時間だけでなく、送り迎えにも時間をとられて、ゆったりとした親子のコミュニケーションの時間がかなり減ってしまうのは否めません。では何も習わず、家で親子が一緒にいるだけでよいのかというと、それもちょっと違います。一緒にいても会話をせず、ただ教育メディアを見ているだけなら、子どもの脳にはコミュニケーションによる刺激は与えられません。家族そろっての食事時も、テレビをつけ、皆がそちらを向いて黙って食べているなら、それはコミュニケーションのある風景ではないのです。< 後編 に続く>(子育ての達人)
2016年02月28日脳を育てることと、心を育てることは、なんとなく別のことに思えるかもしれませんが、「心=脳」ということが最近の研究の結果、明らかになっています。以前は、児童虐待の残す傷あとは、「心の問題」であると考えられていましたが、最近の脳科学の研究では子どものときに虐待を受けると、脳の一部に発達障害を起こす出典:日経サイエンス2006年12月号臨時増刊「インタビュー 熊本大学大学院医学薬学研究部小児発達社会学助教授 友田明美 子どもは親を選べない 脳科学は子どもの心を救えるか」ということがわかっているのです。近年話題になっている、突然感情を爆発させて暴力的になる「キレる子ども」になるかどうかも、脳の発達に関係があるそうです。脳の発達の基礎は、幼児期の親子関係の中で作られていきます。そこで今回は、脳科学で明らかにされてきた子どもの脳について紹介します。「キレない」ために大切なのは、脳の前頭前野言葉を覚え、計算し、人の気持ちを感じ取るときに重要な働きをしたり、「キレる」ことのブレーキ役となったりするのは、大脳の前頭前野です。前頭前野は脳の部位の中でも、もっともゆっくりと成長していきます。脳のおおよそは8~10歳くらいでほぼ完成を迎えますが、前頭前野だけは24~25歳くらいまで成長を続けるそうです。つまり、脳の構成がかたまる8~10歳までに脳の基礎を育てておく必要はありますが、大脳の発達は絶えず続き、足りないものがあれば補おうと変容したり、新たな刺激や発想があればいくらでも変わることができたりする柔軟性を持っています。つまり、8~10歳の時期を逃したら手遅れ、ということではありません。このことはしっかり覚えておいてください。「遊ぶことは学ぶこと」なのは、前頭前野の連携を鍛えるため前頭前野は知性を司る領域体を司る領域情動(感情)を司る領域の3つの領域に分かれています。そのうち、知性を司る領域は、体や情動を司る領域とうまく連携できて初めて、十分な発達をとげるのだそうです。脳科学者の篠原菊紀教授によると、ひと昔前は、子ども同士の遊びの中でこの結びつきが鍛えられていた出典:AERA with kids 2006年12月15日 「脳科学 発達行動学から見た早咲き脳 後のび脳」ということです。さらに、「今、ADHD(注意欠陥・多動性症候群)傾向や自閉傾向、LD(学習障害)といった子どもの増加が問題になっていますが、以前は子ども同士の遊びが、そうした障害の出現を抑制していたのではないか」と指摘しています。「子どもにとって、遊ぶことは学ぶこと」と、よく言われますが、先の指摘によるとこの言葉は理にかなっており、外で大騒ぎしながら遊ぶことは、子どもの脳が健やかに発達するために大切なことといえるでしょう。キレにくい子に育てるには、扁桃体の暴走をコントロールさせること前頭前野のある大脳の活動を支えるのは、脳全体の中心辺りに位置する大脳辺縁系です。記憶を司る海馬のほか、扁桃体(へんとうたい)があります。扁桃体は、生き物として「近づくべきか」「これは食べられるか」といった、危険性の判断や恐怖にかかわる部分です。幼児期に虐待されたり、愛情を与えられなかったりすると、この部分が育ち損なう可能性があるといわれています。扁桃体では、「好き」「嫌い」という感情も決めています。ここで判断された「嫌い」という感情が攻撃欲と結びつくと、扁桃体が暴走し、いじめや衝動的な攻撃が生じるのです。扁桃体を暴走させないためには、そのボリュームを増やしてしっかり攻撃欲をコントロールさせることが必要です。そして結果としてこれが、キレない脳、社会性を育てることにつながります。扁桃体は、幼児期に身近な人の笑顔、愛情表現を与えることで成長が促されることもわかっています。自分を育ててくれる親を見て「好き」になり、その好きな親が笑顔で自分を見ている、という経験は、お互いに「好き」という気持ちを共感することです。この体験が他人との信頼関係を築いていく原点となるのです。幼児期のやりたい気持ちを尊重することが脳の健やかな発達につながる子どものうちは、前頭前野が大人のようには完成していないので、大人よりも一時的な「好き嫌い」で物事を判断します。物事の重要性や優先順位を判断したり、本能的な欲望に理性的にブレーキをかけたりするのは前頭前野の活動です。子どもが「やってみたい」と思うことには、危なかったり汚かったり、眉をひそめたくなることもあるかもしれません。ですが、「やってみたい」気持ちをくじけさせてしまうと、せっかく芽生えた意欲をつぶしてしまいます。ルールに従い、我慢する、他人の意図や感情を理解するのは、ゆっくり時間がかかるもの。幼児期に大切なのは、しつけの前に、「やってみたい」意欲を出来る限り尊重し、挑戦させてあげることではないでしょうか。
2015年07月28日たんこんちは ボロボロゆかい
ぽこちゃんです&どんちゃんです
子育てはフリースタイル
マキノさんは長女が1歳9カ月のとき、めでたく第2子を妊娠。妊娠中でありながらも、平日はほぼワンオペ育児をこなしていたのですが、毎日がつわりとの闘いだったのです。また、1人目育児と大きく違った点は、1歳9カ月の娘・くうちゃんを育児しながらの生活でした。娘から抱っこをせがまれれば、その都度応じていたマキノさん。頭の中では妊娠中の体に良くないとわかっていたのですが、娘の要望を断るわけにもいかず……。そんな日々を送っていると、ある日突然不正出血が……! 不安になったため、次の日に病院を受診。診断結果では医師から「異常なし」と言われ安心していました。 何日か様子を見たところ出血もなくなり、マキノさんが「もう大丈夫かな?」と思っていると、また不正出血が起こってしまいます。それから何回か出血をしたり、治まったり……というのを繰り返すことに。 心配になったマキノさんは、再び病院を受診するのですが……? 医師の言葉を聞いたママ。思わず表情が引き締まって… 「結構、出血の頻度高いですね……」 医師の言葉に表情が引き締まるマキノさん。 「とにかく無理はしないで、お子さんの抱っこも控えてください」 チラッとくうちゃんのほうを見ながら、「無理して動かないように」と念を押す医師。 マキノさんはこれまでの行動を振り返りながら、おなかの赤ちゃんに罪悪感を抱くと同時に、くうちゃんに対しても申し訳ない気持ちでいっぱいになっていました。 「ママ! こっちきてぇ!」 本当は思いっきり一緒に遊んであげたいのに、体のことを考えると思ったように動けず、歯がゆい思いをしていたマキノさん。 そんなとき、ある大事なことに気付いたのです。 (……そうか、くうちゃんとおなかの子ども。2人育児ってもう始まってるんだ……) マキノさんは心の中でそうつぶやいたのでした。 すでに2人育児が始まっていることに気付いたマキノさん。2人とも大切なわが子なので、「片方だけを優先する」というのはかなり心苦しかったのでしょう。ただ、不正出血が起こっているという現時点の状況で優先すべきなのは、ママの体、すなわちおなかの赤ちゃんの命ではないでしょうか。もう少し状況が落ち着いたら、たくさんくうちゃんと遊んであげてほしいです。 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。著者:マンガ家・イラストレーター マキノ食べることが大好きな元気な姉弟、くうちゃん、へうくんの母親。真面目で優しいパパと、二人の子どもたちとの4人暮らしです。SNSで、日常の笑ったこと、泣いたこと、感じた事など、絵にしています。
2024年04月28日産後、初めての子育てがうまくいかず悩んでいました。母から思いもよらぬ答えが…更に産後のホルモンの乱れと体の傷が酷く精神的にまいってしまい、なかなか娘をかわいいと思えない時期がありました。そして、授乳もなかなかうまくできず困っていました。すべてがうまくいかず、母性というものがわからず実母にそのことを相談しました。すると「母性がないから出ないんじゃない?」と言われ大変ショックを受け、泣きながら授乳をしていました。 体が治った今思うと、体がズタボロだったのでかわいいと思える余裕がなかったんだと理解できました! 今はすごくかわいいです。「母乳も最初から出る人は稀で、頻回授乳することで母乳が出るようになるから、“母性がないから”という酷い意見は聞かなくていいんだよ」とそのときの自分に伝えたいです。 ◇ ◇ ◇ 産後はホルモンバランスが乱れ、疲れもあり気持ちが不安定になることがあります。出産の疲れも癒えぬまま、初めての育児に心が落ち着かないのは不思議なことではありません。そんな状況で心無い言葉を言われてしまうと、どんなささいなことでも気にしてしまいますよね。つらいと思ったときは絶対に無理をせず、行政や周りに頼ってみてください。ママの心が平和であることを願います。 ※産後3~10日のママが発症する「マタニティブルーズ」は産褥期の生理的な現象で、症状は産後2週間ほどで自然に治まると言われていますが、マタニティブルーズが悪化し、産後うつ病に移行するケースも少なくありません。産後うつ病の予防には早期対策が重要です。気になる症状や育児に関する不安がある場合は、早めに医師に相談しましょう。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 作画/てる子著者:岸根恋20代、0歳の娘を育てる新米ママ監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年04月28日こんにちは♡Akaneです!我が家の長女は腰まであるロングヘアなのですが、毎日のヘアアレンジがとっても大変。。それでも可愛さは忘れたくないなぁ。。と思いここ半年程ハマっているリボンヘアピン❤︎気がつけば沢山の種類が集まっていたので、今回はリボンを使った超簡単楽かわアレンジをご紹介しますね!不器用ママでも楽かわ! 三つ編みリボンアレンジ3選〜ねじねじ×三つ編みで立体ヘアー〜まず1つ目はこちら❤︎一見複雑そうに見えますがとっても簡単!まずツインテールに結び、片方を真ん中を量を多めにした3等分に分けます!左右は三つ編み、真ん中はねじねじにします!出来たら、バランスを見ながら左右の三つ編みをねじねじに巻き付けるだけ!ポイントは少し空間をあけて立体感を出すこと♡仕上げに大きめリボンとミニリボンを付けてあげるとポイントになって可愛いですよ♩〜おだんご×三つ編みヘアー〜次は一手間加えるだけでより可愛く見えるおだんごヘアー❤︎ベースはとっても簡単!ツインテールに結び、それぞれを毛先を3分の2くらい残しておだんごにします!あとは残った部分を三つ編みするだけ♩ポイントに大きめのカラーリボンを付けてあげるとコンパクトな可愛いおだんごヘアーの完成❤︎〜ロングリボン×三つ編みヘアー〜最近のお気に入りはロングリボンを使ったお手軽アレンジ!リボンの端がロングタイプのヘアアクセを使っています♡ツインテールをしたところにピンをつけて、一緒に三つ編みしていくだけの超簡単アレンジ!それでもところどころからリボンが見えるのでポイントにもなるし、こんなに簡単なのに“可愛い❤︎“と沢山周りからも褒めてもらえますよ♪このアレンジはツインテールだけじゃなくて、ポニーテールでやっても可愛のでおすすめ!ポニーテールの場合は三つ編みを2つに分けるのもおすすめです!リボンの色味を変えるだけでもかなり印象が変わるので、色違いで何本あっても使えますよ♪ゴムだけだから幼稚園もOK! リボン無しの登園ヘアアレンジアイデア♡幼稚園や保育園は飾りピンがダメなところもありますよね?それでも一癖アレンジしたい。。というのが女の子ママですよね!そんな時におすすめなのがこちら♪まずは左右それぞれ3回くるりんぱをします!ツインテールまでしたら、次は引っ張ってぷっくりさせます!隠しゴムをして残りは三つ編み♡完成〜!とにかく簡単なので朝の忙しい時間でもサクッと出来ちゃうのでおすすめです♡ヘアピン等がOKの場合はこんな感じで大小のリボンを付けてあげても可愛いですよ♪どんなに簡単なアレンジでも、可愛く見せてくれるリボンアイテム♡私は韓国雑貨屋さんや、SHEINで購入したりしています!沢山のアイテムが低価格で購入できるのでオススメですよ♪ぜひ皆さんもチェックして簡単にアレンジしてみてくださいね❤︎
2024年04月28日子どもと私だけで帰省した時のことです。帰りの空港までの道のりを、親戚が車で送ってくれることになったのですが…。空港までの道のりを、親戚の車に乗せてもらうことに自分と子どもだけで、遠方に帰省をしたときのことです。楽しい時間を過ごし、帰りは親戚が空港まで送ってくれることに。うちの子は、騒いだりして迷惑をかけたりすることがあまりなく、静かにじーっとしているタイプだったため、私も安心して乗せてもらっていました。 あと少しで空港に着くね!という、そのときです。子どもがまさかの嘔吐! そのとき子どもはチャイルドシートに乗せてもらっており、シートはもちろん、座席の下の部分、運転手の後ろ側まで嘔吐物まみれになってしまったのです…。 空港についたところで、できるだけの掃除はさせてもらいましたが、臭いまでとることはできませんでした。つまり、空港から家まで、その家族は嘔吐物の臭いが漂う車内に居続けないといけないわけです…。もう申し訳なさすぎて、私は謝ることしかできませんでした。 帰宅後、改めて親戚に謝罪の連絡をすると、特にチャイルドシートの掃除が大変だったと笑いながら言われました。シートの網目に細かに嘔吐物が入ってしまっていたそうです。未だに、この時のことを思い返すと、申し訳ない気持ちになります。車に乗る直前にはご飯を食べさせないようにしなければと学びました。 作画/きりぷち著者:相田紗菜
2024年04月27日イヤイヤ期真っ最中の娘を育てながら、正社員として働くりささんは、現在第2子を妊娠中。平日はワンオペ育児でヘトヘトでした。妊娠4カ月を迎えて会社の上司に報告をしたところ、参加していたプロジェクトのメンバーからも外されてしまいました。さらに休日は義実家で家事を押し付けられ、まったく休む暇がありません。自由気ままに過ごす夫が羨やましく思えて、つい夫に「入れ替わりたい」と非現実的なことを言ってしまいました。すると、なんと本当に入れ替わってしまい、夫はりささんとして過ごすことに。夫は今までやったことがない家事や育児がどれだけ大変だったのかを思い知り、自分のこれまでの行動を思い返して後悔ばかりで……。自分がママになるしかない……! そう覚悟を決めた夫でしたが、慣れない育児や家事に追われ、1週間で限界に。しかし、りささんの母親はすでに亡くなっていて、父親も疎遠。 そこで、自分の母親に助けてもらおうと連絡を入れますが「妊娠は病気じゃない。手伝ってほしいなんて贅沢だ」と一喝されてしまい、母親が義母として接するときの態度の違いを目の当たりにしたのです……。男だったら一生経験できない 入れ替わってから初めての妊婦健診。もちろん、夫にとっては何もかもが初めてのことでした。とにかく、つわりをなんとかしたいと思い、先生につらいと訴えますが、薬を処方してもらえるわけでもなく励まされただけ……。 しかし、エコーで小さいながらもしっかりと人の形を確認すると、「本当におなかの中に子どもがいる」と実感がわいてきました。入れ替わることがなければ、一生経験できなかった感情です。 そして、健診の記録が書かれた母子手帳を返却されたとき、そこにりささんが書き残していた、まだ見ぬわが子へのメッセージを見つけます。それを読んだ夫は、「俺が絶対におなかの子も守ってやる!」ともう一度覚悟を決めたのでした。 おなかの中で一生懸命生きているわが子の姿を見て、夫の中ではさまざまな感情がこみ上げてきたようですね。夫の家事や育児のスキルは高いに越したことはありませんが、こうして同じ気持ちで育児に向き合えるというのが、一番大事なことなのかもしれませんね。 著者:マンガ家・イラストレーター しろいぬしろ 著者:原作者 中澤夕美恵
2024年04月27日亮太さんは妻の麻耶さん、4歳の息子・和馬君の3人家族。亮太さんは、麻耶さんに対して不満があり、会社で寝泊まりして1週間になります。亮太さんが家を出ることになった理由とは……?何を伝えてもいつも屁理屈ばかりの麻耶さんに、亮太さんはいつしか「話し合うだけ無駄」と考えるように。その内亮太さんは、涙が勝手に溢れたり胸の違和感が消えなかったりと、体や心の異変を感じ始めます。とうとう仕事に集中できなくなってしまった亮太さんは、社長に言われるがまま早退することになりました。 あまりの体調の悪さに、麻耶さんに連絡することすらままならなかった亮太さん。何も言わずに帰宅したところ……? リビングから聞こえてきたのは妻のうれしそうな声 電話の内容を聞くと、どうも麻耶さんは男性らしき人と会話を楽しんでいる様子。 亮太さんの帰宅に気付かないまま「うれしいー!」「私も好きだよー!」などと既婚者とは思えない発言を連発しています。 今回の電話で妻の浮気を確信した亮太さんは、嫌悪感に押しつぶされそうになりながらも「和馬の前で喧嘩するのはよくない。」と一旦普通に帰宅。 あとからじっくり真相を問い詰めようと、心に決めるのでした。 妻が浮気しているとわかれば、夫としては今すぐにでも問い詰めたい気持ちになるもの。 ですが、亮太さんが何よりも優先したのは、自分の感情ではなく和馬君の気持ちでした。 親として子どもの気持ちを一番に考えるのは当然のことかもしれませんが、体調が悪い中で人の気持ちを思いやるのは、誰にでもできることではないでしょう。 子どものためにも、また夫婦がこれから一緒にやっていくために一度、しっかり話し合って、解決に向けて進んで欲しいですね。 >>次の話著者:マンガ家・イラストレーター くろねこ
2024年04月27日2児のママ・モグさんの夫はイケメンですがモラハラ気質を持っています。ある日の夕食後、娘・ハナちゃんは熱を出してしまいました。夕飯前までは機嫌がよかったことを考えると、急な発熱だったようです。熱に気がついたパパは、ハナちゃんを心配するより先に「母親なのに何で気付かない?」と、モグさんを責めてーー。送迎も子守りも拒否するパパがしたいのは… モグさん夫婦には、ハナちゃんのほかに、お兄ちゃんのタロくんもいます。 パパは当たり前のように2人を連れて病院に行くように言いますが、体調の悪い子どもを連れて外に出るのは大変なこと。さらに健康なタロくんを連れていくことは、感染リスクも考えられるでしょう。 ただでさえ、行き慣れた病院ではない夜間診療所。少し距離もあるとなると、パパの協力は必須と言えます。しかしパパは他人事。子どもよりもゲームを優先させたのでした。 赤ちゃんの具合が悪いとき、朝まで待つか、夜間でもすぐに受診をしたほうが良いのか、判断に迷うことがあります。そんなときは、『【医師監修】赤ちゃんの救急車を呼ぶ目安』を参考にしてくださいね。著者:マンガ家・イラストレーター モグ
2024年04月27日子どもが通っている園の先生が結婚するというので、みんなでお祝いすることになりました。金額は1人あたり500円のはずだったのですが、最終的に4倍の金額を徴収され……。あとから理由を聞いて、衝撃を受けました。 そんなにお金が必要?と疑問が残り…当初は1人あたり500円でしたが、最終的に4倍の2000円近く徴収されました。 プレゼントとして何を買うかは聞いていたのですが、そんなにお金がかかるかなと思ったのが正直なところ。お金を集めたママに内訳を聞いても教えてもらえず、モヤモヤしていました。 しばらくしてから他のママに教えてもらったのですが、どうやらネットで先生へのプレゼントを買ったようなのです。プレゼントした商品は市販で買った方が安いにもかかわらず、ポイントを貯めるために自分がよく使うサイトで購入したことがわかり、イラっとしてしまいました。 自分のことしか考えていない人がいるんだなと、このときはとても呆れました。一方で、人任せにしていてはいけないと、自分も反省すべき点があったと思います。みんなで協力しつつ、自ら動くことも大切だなと感じました。 ◇ ◇ ◇ その人のことを信頼しているからお金を渡すのであり、ポイントのために金額が倍になったと知ったら驚きますよね。万が一のトラブルを防ぐためにも、どこで購入し、いくらだったかなどは報告できるようにしておきたいですね。 イラスト/森田家著者:井本桜子
2024年04月27日夫とは出会って10年、結婚して2年。息子が生まれて半年。夫婦関係は問題なく、大好きな夫と愛する息子に囲まれ、幸せいっぱいの日々でした。そんなある日、夫からメッセージの誤送信が。胸が張り裂けそうな悲しみと苦しみの日々が始まりました……。 夫からメッセージの誤送信夫が休みの日のことでした。私はいつも通り仕事が終わり、夫に帰る連絡を入れると、あと少しで家に着くところで夫からメッセージが届きました。その内容は、「あと少しで嫁が帰ってくるから連絡できなくなる。また明日ね」といった誤送信だったのです。 そのメッセージを見たとき、心臓が急加速しました。すぐに、これはどういうことなのか夫に連絡したところ、「これは違うんだ」の一点張りでした。 夫の裏切りを知り、溢れる涙…モヤモヤしながら家に入ると、負のオーラを全身に漂わせて壁にもたれながら座っている夫の姿。そして「ごめん」と呟きました。私は一気に涙が溢れ出し、胸が張り裂けそうになり、裏切られた失望感でいっぱいになりました。 夫から、「職場の人で、もう連絡も取らない」と当たり前のことを当たり前に言われ、私は「職場の人なら毎日会うのに、関係を絶つなんて無理に決まってる」と思いながらも、反論する余裕がなく会話は終わりました。夫と出会って10年。大きな喧嘩もなく本当に仲が良く、友だちからもうらやましがられていました。友だちや家族にも相談することができず、ただただ悲しくて、1カ月は夫に触れることもなく、交わす会話も必要最低限でした。 意を決して話し合うことに日々、時間だけが過ぎていき、「このままではダメ」になると思い、もう一度夫婦で話し合うことに。相手との関係や、相手の年齢、未婚か否か、いつから、どんなきっかけで不貞が始まったのか……本当なら聞きたくも知りたくもないことを聞くのがとてもつらかったです。申し訳なさそうに、「相手は1年前に入社してきて、同い年ということから連絡先を交換したのがきっかけで、不貞関係が始まった。現在は婚約者との子どもを妊娠中なんだ」と答えた夫。 あぜんとした私は、相手は私に知られてどう感じているのかを尋ねると、「『奥さん、なんて言ってた?』と言っている」とのこと。私はそれを聞いたときに相手の神経を疑いました。 再スタートを決意不貞が始まった1年前というと、私が夫からプロポーズされて入籍を控えていた時期。夫と不貞相手は、お互いに婚約者がいることを知っていたのです。 夫も夫ですが、相手に対しても、これから結婚・出産する人のすることとは思えませんでした。あまりにも衝撃的で、私はあきれて言葉が出てこず、しばらく無言が続きました。 しばらくして夫から、「これからの生活に家族がいないのは想像できない。家族といたい。傷つけてしまったことは本当に申し訳なかった。もう一度チャンスがほしい」と言われ、すぐに返事はできませんでしたが、結局、再出発することに。 別居か離婚という選択技もありましたが、生後6カ月の息子を思うと簡単にはできず、私自身も夫のことが大好きだったため、余計に決断することができませんでした。息子と私自身のためにも自分が変わらないといけない、と言い聞かせて前に進むことにしたのです。3カ月後、相手は結婚を機に退職したそうです。3カ月間は不安でいっぱいで、連絡を取りあっていないかを毎日のように夫に聞いていました。不安はなくなるわけでもなく、「いつか、また……あるんじゃないか」と不安を抱えたまま毎日を過ごしています。 友だちや家族にも相談ができず、ひとりで抱え込むのは精神的にもいっぱいいっぱいでした。今も夫を見るたびに思い出し、涙が出ます。それでも時間は過ぎていき、息子と過ごし成長を見るうちに、モヤモヤしていた気持ちが少しずつ心の中から消えていきました。 著者:山野みかイラスト制作者:マンガ家・イラストレーター うちここ
2024年04月27日娘が3歳ごろの話です。帰省するとき、いつもは車で移動するのですが、娘が言うことを聞けるようになってきたので、時間短縮できる新幹線で実家へ帰ることに。できるだけ人がいない自由席を探すものの、その日は混んでおり席が空いていません。仕方なく席が空くまで待っていると、大柄で怖い顔つきの男性が近づいてきて……。 不機嫌そうな男性がこちらへ…。怒られる!? 3歳の娘と新幹線で帰省したときの話です。自由席にしたところ、乗客が多くて隣に人が座っている席しか空いていません。隣に人が座っていると、もし娘が騒いだら迷惑をかけてしまうと思い、しばらく車両と車両の間のデッキにいることにしました。 すると、大柄で顔つきの怖い60代くらいの男性が、じっとこちらを見ながら近づいてきます。娘の話す声は少し大きかったかもしれませんが、暴れたり泣いたりすることはなく楽しんで乗っていました。お叱りを受けるのかとかまえていたら、「次で降りるから私の席に座るといいよ」と提案してくれたのです! 「ありがとうございます……! では、駅についたら座らせてもらいますね」と私が言うと、男性は「もう交代するから座って」とのこと。少し遠慮すると「いいから座りなさい」と笑顔で席を譲ってくれました。 今回座れずに困ってしまったのは、私の見込みが甘く、自由席でも席が空いていると思い込んでいたことが原因。しかし親切な方に出会った結果、快適な帰省になりました。私は「人を見た目で判断してはいけないな」とつくづく実感。私も今回の男性のように、困っている誰かを手助けできる人でありたいと思った出来事です。 作画/Pappayappa著者:佐藤のぞみ
2024年04月27日1歳の娘と飛行機に乗ったときのことです。娘がぐずり始めると、遠くの席から70代くらいの男性が私の席までやってきて怒鳴りました。その後、さらにまさかの展開に……。こ、怖い…!帰省のため、飛行機に当時1歳の娘と2人で乗りました。座席は右の窓側の一番後ろ。出発時間が過ぎたころ、70歳くらいの男性が遅れて搭乗。私の5列前の、左側の窓側に座りました。私はシートベルトをしてひざの上で娘を抱っこしていたのですが、まだ動きたいのに無理やり座らされたことで、泣き出してしまいます。すると遅れて搭乗したその男性が、「うるせぇな! 静かにしろよ!」と自分の座席から移動して、私の横までやってきたのです。ものすごい剣幕だったため、手をあげられるんじゃないかと思いとっさに子どもを手で覆います。すぐにCAさんが駆けつけてくれて、幸いそれ以上のトラブルはなく男性は席に戻って行きました。 しかし降下のとき、今度は気圧で耳が痛いようで、また娘が泣き出しました。すると斜め前から「うるせぇな! あやし方知らんのか!」と、先ほどの男性の怒鳴り声が聞こえ、ずっと後ろを向いて睨まれ続けました。到着後、最後に降りようと準備をしていると、その男性が左の通路に立って私が降りるのを待っていて……。ひと言言ってやる!というような雰囲気で仁王立ちになり、こちらを見ていて恐怖を感じた私は、CAさんに守られながら右側の通路から急いで降りました。 ママになってまだ約1年。初めての育児で、あやし方も日々勉強中の身に起こった今回の出来事。子どもの泣き声がうるさかったことについては申し訳ない気持ちでいっぱいですが、「あやし方知らんのか!」と言われて「ママになったばかりでまだ勉強中です! だけど頑張っています!」と反論したかったのが本音です。守ってくださったCAさんには感謝しています。そんな私も今は高校生を育てるママ。今後同じような境遇の方を見たら、守ってあげたいと思っています。 ※小さな子は耳抜きができず、離着陸時の気圧の変化によって泣き出してしまうことも多いです。このような場合は母乳や育児用ミルクを与えてみましょう。おしゃぶりをくわえさせるだけで改善されることもあります。 作画/赤身まぐろ著者:上野章子監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年04月27日藤井爽子(そうこ)はやさしい夫・拓也、3歳の娘・未来(みくる)と慌ただしくも幸せな毎日を送っていた。ある日、爽子は家の掃除中に、娘と同じ「未来」という名前の女性に宛てた夫の手紙を発見、さらに身内の形見だと言って結婚指輪の代わりに身につけている指輪に「MIKURU」という刻印があることを知ってしまった。どうやら、夫には娘と同じ名前の恋人がいたようだ。疑惑を抱えたまま、2人目の妊活を考え始めた爽子だが、娘の保育園の先生がやたらと絡んでくるように。その先生の名前は、なんと娘と同じ未来(みくる)だった。 ついに正体が…!妊活で早く帰ってくるように約束していた日、夫は真夜中になって帰宅した。 娘が慕っている保育園の先生・カナエ先生が「夫の元恋人・未来(みくる)なのでは?」という疑惑と、「昨晩夫は未来(みくる)に会っていたのでは?」と不安になった爽子は先輩に相談。 真実を知ることを怖がっていた爽子に先輩は「覚悟決めて現実見なくちゃ!」と喝を入れ、2人で夫が通っていた大学に行って調査をすることにした。 [ 夫が通っていた大学に行くと、運よく夫のゼミの教授に会うことができた。ゼミの教授は夫が在籍していたころのアルバムを見せてくれたが、そこにカナエ先生(未来)の姿はなかった。 しかし「花苗 未来」という名前を出すと、大学を中退した生徒のことを思い出した様子。そして1枚の写真を見せてくれる。 そこに写っていたのは、夫が大事に身につけているペアリングと同じものをつけた若いころのカナエ先生の姿だった。 ◇◇◇ 行動力ある先輩のおかげで、「カナエ先生=夫の元恋人・未来」であることが確定しました。夫もし爽子さんがひとりで悩んでいたら、この結果にはなかなかたどりつけなかったかもしれません。やはり悩みごとや心配ごとがあるときは、信頼できる人に相談してみるとよさそうですね。みなさんは悩みを抱えたとき、どのように解決をしていますか? 著者:マンガ家・イラストレーター 樹ユウマ
2024年04月27日