「バースプラン」という言葉をご存じですか。近年、多様な出産スタイルのなかから希望のお産を叶えるために、バースプランの導入をしている産院が増えています。しかし、希望のお産について問われても、初めてのお産に挑む場合イメージをつかみにくく、バースプランの書き方や内容に戸惑ってしまうこともあるでしょう。そこで、今回はバースプランの書き方について紹介します。 バースプランとは何か?どんなメリットがある?バースプランとは、簡単に説明するとお産前後の計画についてまとめたもので、お産時のケアや流れについて、ある程度の希望を示すものです。これからお産をする予定の産院がバースプランを取り扱っている場合、あらかじめバースプランを記入して提出するようにアナウンスがあるでしょう。バースプランは産院によって取り扱っていないこともあります。お産時に希望したいことがある人は、分娩予約をする前に産院にバースプランの実施の有無を確認しておきましょう。また、バースプランがなくても、お産時の流れや産後のケアなどについて希望したいことがある場合、医師や産院のスタッフに相談をしてみてください。 では、バースプランの提出が可能な場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。まず、バースプランを立てることでお産を迎える妊婦さんと家族の話し合いのきっかけとなります。何かと不安な気持ちになりやすいお産について、しっかりと話し合うことで安心感を得られます。さらに、当日の立会いについてや連絡をする人、産後の部屋のプランなど、お産入院についてイメージをしやすくなり、産院側と情報を共有できる点もメリットのひとつと言えます。バースプランの書き方については、決まったフォーマットとして指定があれば従い、特に細かい決まりがなければ、お産入院のスタート時点から段階的に希望を書いていくと、産院スタッフにも伝わりやすくなります。 バースプランの書き方に決まりはあるの?バースプランを提出する場合、書き方に決まりがあるのでしょうか。バースプランの記入内容に指定があったり、選択式の場合は指示どおりに記入します。指定内容や選択肢以外の希望がある人は、その内容について欄外や別紙で添付をして、産院側が対応できるか確認してください。一方で、バースプランの記入用紙がシンプルなケースもあります。その場合、どのような書き方が好ましいのでしょうか。迷ったときは、今回のお産でどのようなことを重視しているか整理をしてください。母子の健康はもちろん、立会いで出生の瞬間をビデオ撮影したい、母子同室で赤ちゃんとの生活に慣れたいなど希望の優先順位をつけて、産院側と共有できるように書き出します。 家族や夫婦でお産に向けた話し合いをしても、バースプランの方向性が一致しないときはどのように対処すれば良いでしょうか。例えば、夫婦間で立会いを希望する、立会いを希望しないと意見が分かれてしまっている場合、バースプランの書き方がわからなくなってしまいます。未定な項目については、バースプランの提出時点では未定であることを記載し、医師や産院スタッフ、家族と相談する機会を設けると安心です。お産は妊婦さんにとっても家族にとっても一大イベントですから、バースプランをスムーズにまとめられなくても焦る必要はありません。書き方に迷ったら、産院に問い合わせをしましょう。 お産の流れで不安なことについても、バースプランに記入することもできます。どんなときに緊急帝王切開をするのか、どのタイミングで無痛分娩の麻酔をするのかなど、詳しく知りたい内容についてメモをしておくと、お産の前に説明を受ける機会を得られることがあります。バースプランの書き方は基本的に自由です。実際の動きや医療行為についてだけでなく、気持ちについても書き出しておくと適切なサポートにつながります。「緊張しがちな性格です」など、性格について記しても良いでしょう。 バースプランの記入例、具体的にどのような希望を書いて良いのかバースプランを実際に書く際、具体的にどのような希望を書くと良いのでしょうか。まず、お産の進捗段階別に希望を整理しておきます。すると、バースプランの書き方としてベーシックな見やすい形式になります。書く際は次の順にまとめてみてください。1つ目は陣痛が起きて入院が始まるとき、お産をする部屋を選択できる産院の場合は希望の部屋も忘れずに記入しましょう。2つ目は分娩中について記入し、3つ目は分娩後の希望について記入します。では、実際に具体的なバースプランの書き方について、一例としてですが紹介しましょう。 「陣痛時はLDR(分娩陣痛室)で音楽を流したいです。日中に陣痛が来た場合、5分間隔になったら夫に連絡をしてください。また、陣痛中は夫婦のみで過ごしたいと考えています。分娩中はなるべく会陰切開をしないで分娩をしたいですが、必要な場合はお願いします。立会いを希望していますが、赤ちゃんが生まれるまでビデオや写真撮影はしたくありません。赤ちゃんが生まれたら、初めての家族写真を撮りたいと考えています。産後は個室で体調をみながら母子同室に挑戦します。家族のお見舞いは、産後2日目以降が良いです」など、お産で希望することと希望しないことを書いておきましょう。 また、経産婦さんはほかの子どものケアについても記載しておくと安心です。陣痛時にお迎えの手配を誰に連絡をするか、入院期間中に同室入院できる場合は利用の希望があるかなど、家族の予定についても書いておくと慌てずにすみます。その他、出産日をあらかじめ決めている人や、帝王切開を予定している人も、お産入院中の過ごし方についてバースプランに書いておいてください。書くことで陣痛中の対応や分娩時、産後のサポートがスムーズになります。バースプランの希望内容に不安や疑問があれば、医師や産院スタッフにアドバイスを求めましょう。 バースプランの注意点バースプランの書き方について、簡単に紹介してきましたが、次はバースプランを書き方の注意点についてまとめます。バースプランはお産時の希望を産院側と共有できるメリットがありますが、気をつけておくべきことがあります。それは、あくまでもバースプランは「希望」であるということです。お産時に優先されることは、母子の健康です。医師や助産師などの判断により、バースプランとは異なるお産の流れを迎える可能性があることを理解しておきましょう。例えば、帝王切開を予定していなくても、母子の状態により緊急帝王切開がおこなわれることもあります。最優先事項は母子の安全と健康だということを忘れずに、バースプランを立ててください。 そしてもうひとつ、バースプランには注意点があります。順調にお産が進んでいても、状況によってバースプランに書いたことをすべて叶えられるとは限らないという点です。例えば、陣痛時にアロマオイルを使用したい、お灸を据えたいと記入しても、産院によっては香りの強いオイルや可燃物の持ち込みを禁止しています。安全のために禁止している項目もありますので、詳細は産院に確認しましょう。さらに、産後に個室を希望していても、ほかの入院患者の状況によって、一時的に大部屋で過ごす可能性もあるでしょう。 バースプランの書き方は比較的自由度が高いのですが、産院による制限や当日の状況により変更を余儀なくされる可能性があることも、忘れないようにしてください。 まとめバースプランの書き方は、産院によっても異なります。バースプランの取り扱いがある産院を利用する人は、ぜひバースプランを活用してください。可能ならば、家族でバースプランを計画してはいかがでしょうか。家族全員で協力して子育てをしようと意識を高めて、赤ちゃんを迎え入れることができるからです。記事中のバースプランの書き方は一例です。ぜひ、あなただけの素敵なバースプランを立ててください。 監修者:医師 おおたレディースクリニック院長 太田 篤之 先生順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。
2020年01月21日妊娠して初めて、「会陰切開」という言葉を知りました。体験談を読んでみると、どれも背筋がゾクゾクしてしまうような内容で不安だったのですが、必ずしも必要な処置ではないと知り安心していました。しかし、甘く見ていたのが悲劇の始まり……。会陰切開の痛みに苦しんだ入院生活の話をお伝えします。 会陰切開の痛みはそれほどでもなく…「じゃあ、切開するよ」。お産もあとひと息というころ、先生は突然言いました。拒否する余裕も悩む暇もなく、着々と会陰切開の準備が進んでいき、切開前の麻酔はチクっとした痛みを感じただけでした。そして切開は陣痛のピークに合わせておこなわれ、やはり痛みはありましたが「あ、今切られたな」という感覚のほうが印象的でした。「陣痛のほうが痛い」という助産師さんの言葉通り、切開時の痛みはささやかなものに思えたのです。 あらゆる日常生活が困難になるほどの痛み産後は陣痛も会陰切開も乗り越え、すべての痛みから解放されたと安堵したのも束の間でした。何をするにもとにかく縫合部が痛い! ベッドの上では微動だにできなかったのです。病院から借りたドーナツ型クッションも役には立たず、食事は立食スタイル。処方された鎮痛薬も、飲んだところで痛みは和らぎませんでした。そして入院生活中、最も怖かったのがトイレです。出産して便秘が解消したのはよかったものの、排便時に縫合部が避けるような痛みに襲われ、1日に何度もトイレで悶絶する羽目になったのです。 痛くて当たり前と思って我慢してしまった人体の一部を切断するのですから、痛くないはずがありません。耐えるしかないと思い、毎日病室に来てくれる助産師さんにも相談できずにいました。しかし、退院時の診察で縫合部を見た先生に、「あまりにも痛そうだ」と言われ抜糸することに。私の場合、どうやら痛みが強く現れていたようなのです。抜糸の必要がない糸を使用したようですが、抜糸することで痛みが和らぐと教えてもらいました。実際、多少の痛みは残ったのですが、比較的スムーズに歩けるようになりました。 助産師さんに相談すればよかった…事の顛末を助産師さんに話すと、ドーナツ型クッション以外に座面がU字になっている椅子もあると教えてくれました。それで痛みが軽くなるかもしれないと言われましたが、後の祭りでした。もっと早くに助産師さんに相談すればよかったと痛感。「そのうち痛みなんて忘れて、2人目欲しいって思うから」と助産師さんに慰められても、あんな痛みを経験したばかりだったので信じられませんでした。 でも日にちが経てば、痛みに悶絶した日々もいい思い出に。気がつくと、2人目もいいなあと考えるようになっていました。今では会陰切開の痛みも含めて、出産という貴重な経験ができてよかったと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:結城あかね1歳男児の母。登録販売者としてドラッグストアに勤務。現在は育休中。これまでの経験をもとに、子育て・恋愛・ライフスタイルに関する記事を執筆している。
2020年01月14日とうとうやってきた出産の日。陣痛の間隔が狭まり、人生初の分娩台へ。いまだかつて経験したことのない陣痛の痛み、出産という恐怖に、緊張して体が固まっていました。そんな私が赤ちゃんを産むまでの体験談を紹介します。 初めての出産! 緊張して体がガチガチに分娩台へ移動したとき、私の緊張は最高潮に達していました。人生で初めて経験する陣痛の痛み、そして出産という未知の世界。頭の中は「恐怖」でいっぱいでした。 今だからこそ言えることですが、緊張で硬直した体だと、陣痛の痛みを感じやすくなるうえにじょうずにいきめません。私の呼吸はどんどん荒くなり、手足はしびれていました。助産師さんは「そんな呼吸だと酸素が体中に行き渡らない。赤ちゃんも苦しいよ!」と言っていました。 いきみ方がわからない!助産師さんからアドバイスをもらい、陣痛がきたら「うー」と声を出しながらいきみを逃し、陣痛の波がおさまったら深く深呼吸をしました。呼吸を整えると、手足のしびれがなくなりました。その後、「いきんでいいよ」という助産師さんの合図にあわせて力を入れます。しかしじょうずにいきめません。 コツをつかむとスムーズにそのとき助産師さんから、背中と腰は分娩台から浮かさずに、あごを引き、おへそのほうをのぞき込む姿勢を意識するように言われました。両足は外側に力を踏み込みます。あとは赤ちゃんが産道を降りてくるイメージをしながらいきむ! 助産師さんの言われた通りにやってみると、「その調子!」と助産師さんが励ましてくれました。いきむコツをつかむとスムーズになり、5回ほどいきんだあとに赤ちゃんがスルリと出てきました。 いきんでいる間は、ママにとって苦しい時間です。ただ、それは赤ちゃんも同じ。いきんでいる間、赤ちゃんもストレスを感じると聞きました。助産師さん、そして赤ちゃんも一緒だということを胸に出産を乗り切りたいですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。
2020年01月13日私が初めて会陰切開を知ったのは、高校の保健の授業でした。「出産時、赤ちゃんが出やすくするために陰部をハサミで切るんだよ」。そう説明されたときには、「まさか〜」と思っていました。ハサミで切るという説明に現実味が湧かなかった私が体験した話です。 お股を切るなんて……初産であれば、誰しもが不安に思う出産の痛み。陣痛が来るごとに不安になるどころか、出産に恐怖を感じるようになっていきました。 あらかじめ会陰を切ることによって、損傷を最小限に抑える効果があるそうなのですが、「お股を切るなんて考えただけで痛そう……」なんて思ってしまう人も多いと思います。私もその1人でした。 会陰切開をした感想いよいよ分娩台に上がり、何回か陣痛の波がきて、それに合わせていきむのですが、今まで感じたことのない痛さで頭は真っ白。「もういっそのこと切ってくれ〜」と思っていたときに赤ちゃんの頭が出て、その後はするんと出てきてくれました。 私の場合、先生から「切ったところを縫うからね〜」と言われてから会陰切開されていたことに気付きました。それくらい、産むときは痛さに耐えることに必死で、切開されている痛みはまったく感じませんでした。 会陰切開したその後赤ちゃんが生まれた後、胎盤が出るのを少し待ってから切開した部分を縫ってもらいました。「ちくっとするからね〜」と言われましたが、体力も限界を超えていた私は縫っている痛みさえも感じませんでした。 大変だったのはその後でした。出産を終えて分娩台で2時間ほど休むのですが、そこから部屋に戻ろうと思って立ち上がった瞬間、ピキっと何かが走ったようなお股の痛みに襲われたのです。当然、自力で歩くことはできず、助産師さんに手伝ってもらい、車椅子で戻ることになりました。 会陰切開の痛みは、出産直後から味わったことのない痛みが4日ほど続きましたが、退院するころには普通に生活するには気にならない程度になりました。そして、子どもの1カ月健診のころには、ほぼ痛みはなくなりました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:佐藤ゆり 0歳女の子の母。就活中に妊娠がわかり、そのまま専業主婦に。お金にも心にも余裕が無い中で初めての育児に奮闘中。
2020年01月10日こんにちは! 助産師のREIKOです。「分娩室に移動できるのは、あとどれくらいですか……?」と、お産のときによく聞かれます。でも、陣痛が始まった段階で明確に「あとこれくらい」というのは言えないのがお産なんですよね。 お産のほとんどの時間を占めるのが、分娩第一期といわれる、陣痛が始まってから子宮口が全開大するまでの時間です。そんなつらく? 長い?「分娩第一期の過ごし方」についてお話しします。 10分おきの陣痛が……妊婦さんが急におなかを押さえて「うっ……生まれる!」、そして次のシーンではすでに分娩台に……。なんてシーン、TVなんかで見たことはありませんか? そんなこともないとは言い切れませんが、ほとんどのお産には当てはまらないと思います。 規則的な子宮の収縮が10分間隔、あるいは1時間に6回以上になると、陣痛開始と判断されます。そして、陣痛には波があります。徐々に痛くなってピークを迎え、また徐々に痛みが引いて何ともなくなります。それがお産が進むにつれ、痛みが強くなっていき、間隔も2分くらいまで短くなっていきます。 一般的に陣痛が始まって子宮口全開までの時間は、だいたい初産婦さんで10~12時間、経産婦さんでは4~6時間くらいかかります。 とにかくリラックスしよう!分娩第一期では、痛みや緊張から知らず知らずのうちに体に力が入ってしまいます。余計な力が入っていると、体も硬くなるうえに、疲れもたまってきてしまいます。分娩第一期ではとにかくリラックスすることが大切です。仰向け、横向き、四つん這い、あぐらをかく、アクティブチェアに座るなど、自分にとってラクな姿勢をとるようにしましょう。 モニターをつけているから、体を動かしてはいけないのでは? と思う方もいらっしゃるようですが、助産師に伝えれば調節してくれるので、遠慮なく伝えてみてください。可能であればお散歩をしたりお風呂で体を温めたりするのもいいですよ。 呼吸法を取り入れてみよう!呼吸法といえば「ヒッヒッフー」の呼吸を思い浮かべる方が多いのでは? これは呼吸法に集中することで、陣痛、分娩時の痛みを緩和する効果があるといわれている「ラマーズ法」の呼吸の1つです。ラマーズ法の呼吸法は、基本的に鼻から息を吸って口から吐きます。 お産の進み具合で呼吸法が変わるので、うまくできるか心配になってしまうかもしれません。お産の進み具合に合わせて、助産師がしっかりサポートしますのでそれに合わせて呼吸をしてみましょう。 「ヒッヒッフー」の呼吸はお産の中盤あたりにおこなう呼吸法なので、それまではゆっくり鼻から息を吸って、口から吐く……というように、息を吐くことを意識していきましょう。呼吸を止めてしまうと赤ちゃんが苦しくなってしまいます。赤ちゃんに酸素を送るつもりでゆっくり呼吸していきましょう。 最大の難関!? いきみを逃す!分娩第一期で一番つらいのが、「いきみたいのにいきめないこと」ではないかと思います。子宮口が全開大する前にいきんでしまうと、子宮口がむくんでしまったり、切れて大出血を起こしてしまったりすることもあります。 自分にとってラクな姿勢をとって、呼吸法で逃がしたり、付き添いのいる方は肛門のあたりをテニスボールやこぶしなどでグッと押してもらったりして、いきみを逃していきましょう。陣痛のないときは、全身の力を抜いて休んでください。特に制限がなければ、水分や糖分の補給も忘れずに。 終わりが見えないと、心も折れそうになってしまうかもしれませんが、ママだけでなく赤ちゃんも頑張っています。そして、パパやご家族、そして助産師をはじめとする産院のスタッフがママと赤ちゃんを支えてくれますよ! ◆関連動画出産ドキュメンタリー 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年01月09日子宮口全開なのにそこから陣痛が遠のき、結局陣痛促進剤を使用して上の子を自然分娩した私。2人目の出産は条件が揃えば計画分娩も可能な産婦人科だったので、上の子の世話や夫の仕事の都合も考え、計画分娩で2人目を出産しました。よく2人目の出産は早いと言われていますが、私の場合もまさしくその通りでした。 いろいろな事情で決めた計画出産当日2人目でお世話になった産婦人科は、赤ちゃんの推定体重が2,500g以上で、子宮口も開いてきていれば陣痛促進剤を使用しての計画出産も可能な病院でした。そこで産後に里帰りの予定だった私は、万が一自宅で私と子どもだけのときに陣痛がきたり破水したりしたときのこと、出産時の上の子の預け先、入院中の夫の仕事の休みなども考え、計画出産を選択しました。 妊娠39週4日となる計画出産当日は子宮口が2cm、赤ちゃんもまだおりてきていないとのことで、当日中に陣痛が強くならなければ翌日再スタートとのことでした。 バルーンを入れ陣痛促進剤スタート入院当日は朝9時に内診後、子宮口を広げるバルーンを挿入し、10時から陣痛促進剤の点滴を始めました。陣痛促進剤の投与が始まって4時間程は生理痛のような鈍痛があるものの、夫や上の子の世話をするためにきてくれた実母と会話をしたり、テレビを見て楽しむ余裕がありました。 経産婦ということもあり、これからくる出産という名のフルマラソンのために、産院の売りでもある豪華な昼食も完食した記憶があります。 昼食後、あの痛みが!昼食を完食して1時間半程経ったころ、徐々に痛みが強くなり「ああ、これが陣痛だ……」という痛みに変わりつつありました。内診され、子宮口が7cmのときに先生が人工破膜をしてから痛みが一気に増したのです。 もうそこからは立ち会っていた夫とも会話はできず、腰を押してもらって30分程経ったころでしょうか。助産師さんが子宮口の確認をしたところ9cmまで開いており、器具が運ばれたり先生を呼び始めたり、バタバタと出産の準備が始まったのです。 あっという間に子宮口全開で出産!そこからは10分もかからず子宮口全開。いきみも3回ほどであっという間に次男を出産しました。母子健康手帳に書かれた分娩所要時間は1時間40分のスピード出産でした。 子宮口全開で陣痛が遠のいてしまい、痛みにもがき苦しみながら陣痛促進剤が効くのを待った1人目の出産を経験していた私。今回は夫も子宮口全開から出産までのスピードに、呆気に取られたことは言うまでもありません。 2人目を計画出産で産んだ私ですが、その後3人目も同じ産院にて計画出産で女の子を無事出産しました。3人目は陣痛の波に乗るのが遅くなりましたが、それでも分娩所要時間は2時間程でした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:佐藤祐子二男一女の母。幼~高(中高は家庭科)の教員免許と保育士資格保有。洋菓子メーカーを退職後、現在は地元にて3人の子育てに日々奮闘中。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆。
2020年01月08日こんにちは! 助産師のREIKOです。前回、初産婦さんと経産婦さんの違いについてお話しさせていただきました。今回はもう少し、経産婦さんについてお話ししたいと思います。 経産婦とは?経産婦とは、“妊娠22週以降の分娩経験をもつ女性”を指します。お産の方法は関係ありません。赤ちゃんがママの産道を通って生まれてくる経腟分娩でも帝王切開でも、お産を経験したことのある方は経産婦さんです。 高齢妊娠に関しては、日本産婦人科学会で「35歳以上の初産婦」を「高“年”妊婦」と定義づけています。高齢妊婦には経産婦さんは含まれていないんですよ。ですが、やはり年齢ともに合併症のリスクは上がってくるので、注意は必要です。 経産婦さんのお産の経過個人差はあれど、初産婦さんに比べて経産婦さんのお産の経過は早い方が多いです。全体的な経過が早い方もいらっしゃいますし、一気に進む方もいらっしゃいます。ですので、すぐお産になっても大丈夫なように、常に準備万端にしてお産の経過をみています。 私が病院で働いていたころも、子宮口がまだ3cm開大で経過を見ていた方が破水した途端に子宮口が8cmとなってお産になったり、ちょっとおなかが張るけれど、ごはんは食べられそうということで、お食事を召し上がっている途中、急におなかの張りが強くなって、一気に子宮口が開き、お産になった……など、一気にお産が進んだケースに立ち会ったことが多々あります。 経産婦さんは早め早めの対応で経産婦さんは初産婦さんに比べて、お産の経過が早いので、陣痛が来たときの入院のタイミングも初産婦さんより早めです。初産婦さんの場合は、陣痛の間隔が10分おきになったら、経産婦さんの場合は、おなかの張りが15分おきになったら産院に連絡を……と指導されることが多いと思います。 入院のタイミングと同じように、分娩室に移動するタイミングも早めです。お産の経過にもよりますが、初産婦さんは子宮口が全開大したら、経産婦さんの場合は7~8cm開大が分娩室に移動する目安です。 経験者だからこそ……経産婦さんは、過去にお産を経験しているので、不安が少ないといわれることがあります。たしかに上のお子さんのときの経験が、今回の妊娠に生かせることもあると思います。ですが、その反面、前回の経験がマイナスに働いてしまうこともあります。 経験者だから大丈夫、と思われてしまうこともあると思います。経産婦さんの沐浴指導がない産院って多くありませんか? これもその1つと言えるでしょう。逆に、経験者だから大丈夫と自分で思ってしまうケースも。 一度も妊婦健診を受けていない経産婦さんが、いきなり来院してお産になったケースも多々あります。そのようなとき、皆同じように「今まで問題なかったから、今回も大丈夫だと思っていた」と話されます。 やはりサポート体制が重要初産婦さんと経産婦さんとの大きな違いは、やはり上のお子さんがいるということ。つわりがつらくても上のお子さんのお世話をしなくてはいけないという状況もありますよね。妊娠中は、上のお子さんのお世話で無理をしがち。お子さんを抱っこするときなどには、なるべく負担のかからないようにできるといいですね。 産後も生まれたばかりの赤ちゃんのお世話が加わり、時には上のお子さんのイヤイヤ期や赤ちゃん返りが加わり……。ママひとりではどうにもならない状況もあり得ます。ご主人を始め、おうちの方のサポートだけでなく、活用できる社会資源を最大限活用できるように、妊娠中から情報収集しておくと安心です。 妊娠・出産の経験がある経産婦さん。経験があるがゆえのメリット・デメリットがあると思います。これまでの妊娠・出産と違うことも経験するかもしれません。同じママでも、お産は十人十色。あのときはこうだったなーって思い出してみたり、今回はここが違うなって思ってみたりするものよいですね。 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年01月04日私は、初めての出産で無痛分娩を経験しました。当初は「無痛分娩は痛くない」「無痛分娩を取り扱っている産院なら自分も必ずできる」と思い込んでいましたが、実際に経験してみると想像と違う部分も少なからずありました。そのときの体験をお伝えしたいと思います。 無痛分娩の扱いは産院によって違う私は極端に痛みに弱く、そのせいで妊娠にも抵抗を感じていました。そのため、無痛分娩を強く希望。ところが、私が通院していた産婦人科では計画的な無痛分娩ではなく、陣痛の様子に応じて対処するという方針だったのです。また、麻酔を扱う先生が不在のときは無痛分娩ができないとのことでした。 先生や助産師さんからは「自然分娩をすすめる」といったニュアンスの言葉をよくかけられました。私の場合、「無痛分娩の扱いは産院によって違う」ということを、通院してから初めて知ったのでした。 入院から無痛分娩で出産するまで自宅で破水して入院。そこから陣痛が始まって様子を見た結果、子宮口が5cmになった時点で、無痛分娩に向けて硬膜外麻酔の準備が始まりました。陣痛のたびに体が硬直して、会話もできないくらい痛みを感じていましたが、麻酔後はかなりゆるやかな痛みに変わり、強張っていた体から力が抜けていくのを感じました。 そのためか、約1時間後には子宮口が全開になり出産へ。ただ、麻酔の影響でうまくいきむことができず、会陰切開後、吸引分娩になりました。 無痛分娩を経験して感じたこと出産時の出血は多く、産後の傷の痛みやひきつれは1カ月以上続きました。それでも私は無痛分娩を選択してよかったと感じています。 予想以上の陣痛の痛みに、子宮口5cmの段階で強い恐怖心に襲われていた私は、もし麻酔をしなかったら錯乱していたかもしれない、陣痛がトラウマになっていたかもしれないと今でも感じるからです。 2人目は自然分娩で出産をしましたが、無痛分娩の経験があったからこそ踏み切れた、妊娠・出産だと感じています。無痛分娩を希望して最初にぶつかる壁は「普通は自然分娩で産むもの」という批判的な雰囲気。しかし、痛みに対する恐怖は立派な理由だと私は思います。出産の主役は自分。あくまで個人的な意見ですが、実現可能な要望は貫いていいのではないかと思っています。著者:山口美香自閉症の長男、次男の二児の母。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー
2020年01月02日娘2人を経腟分娩した私。出産中は想像以上の痛みに正直驚きましたが、ウォーキングで鍛えた体力と練習したソフロロジー式の呼吸法で何とか乗り切ることができました。 妊娠初期〜中期は動けなかった妊娠が判明して、幸せ最高潮の気分はほんの数週間でした。妊娠6週目ころから徐々に始まったつわりは、妊娠8週目ころにはピークを迎え、酷い船酔いのような気持ち悪さが1日中続き、100円で売られているかき氷とりんごしか食べられるものがなくなってしまったのです。そのため1日中寝たきりで、運動するどころかみるみるやせ細ってしまいました。 妊娠中期〜後期におこなったことようやくつわりが落ち着き、日常生活を送れるようになったころ、体力作りのためにウォーキングを開始! また、育児書に書いてあった「出産は呼吸がキーワード」という言葉を信じ、ソフロロジーの練習もおこなうことにしました。 呼吸法はさまざまありますが、このソフロロジーを選んだ理由は、出産の痛みを肯定的に受け入れることで、痛みを和らげ、よりリラックスした状態で出産に挑めると聞いたからです。まさかこのソフロロジーが出産時こんなにも役に立つとは、このときは思ってもいませんでした。 いざ、出産の瞬間!私の場合は上の子も下の子も、分娩時間約3時間というスピード出産でした。聞こえはいいですが、痛みのピークがジェットコースターのように襲いかかりました。そんなとき、妊娠中に練習を重ねた「ソフロロジー」をとにかく実践しまくったのです。痛みのピーク!→息を吐く「フゥーーー」→痛み「アイタタタ!」→息を吐く「フゥーーー」という感じです。 実際はもちろん痛いのですが、赤ちゃんに酸素を送ってあげなきゃ! と呼吸に意識を合わせることで、人生で初めて経験する壮絶な痛みにもパニックにならず、無事出産することができたのです。 妊娠後期まで続けたウォーキングのおかげもあり、出産中の慣れない姿勢や、痛みによる体力の消耗にもなんとか持ちこたえることができました。産後は会陰切開のダメージで1日目は思うように動くことができませんでしたが、2日目には普通に歩けるまで回復しました。もし自身が次の妊娠・出産を考えるなら、次回も絶対にソフロロジーを取り入れたいと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:山野あかね2児の母。結婚を機に仕事を退職。現在、育児・家事・整理整頓のジャンルを中心に執筆活動中。
2019年12月31日妊娠・出産は病気ではないといいますが、何が起こるか予測できないというのも事実です。母子ともに健康で、より安心・安全に出産を終えたい! という方も多いことでしょう。今回は、より安心した環境で産みたい! ということで産院を選んだママたちの体験談をご紹介します。 私は、お医者さんが4人常勤でいらっしゃる産婦人科を選びました。緊急帝王切開になったとき、お医者さんがひとりだと大きな病院へ移らないといけないことがあるからです。よかったのは、ひとりの先生ではなく2人の先生に健診をしてもらっていたので、いろいろな見解を聞けたことです。少し2人の意見が違うと悩んでしまうこともありましたが、そのときは院長先生に質問して答えていただいていました。逆子が治らず、予定帝王切開でしたが、2人の先生が執刀してくださり、安心して産むことできました。 1人目のときは、自分が生まれた産婦人科で私も産みたい! と思い、地元の個人病院に迷わず決めました。しかし切迫早産になり1カ月入院……。2人目のときは、何かあったら心配なので夫と話し合い、総合病院を希望しました。 大きい病院は子どもや自身に何かあったときに、すぐに対応してもらえるので安心感があります。2人目の子どもが生まれてすぐに異常が見つかり、緊急手術になりました。術後はNICUに入院になったのですが、自分も同じ病院に入院しているので毎日退院するまでいつでも見に行くことができました。大きい病院で産んでよかったと思いました。 無痛分娩にしようと思い病院を探していましたが、無痛分娩に反対の夫が、産婦人科医と小児科医(NlCU勤務経験者)と助産師が分娩に立ち会う病院を探してきました。出産に医師が2人立ち会うことや、母体は産婦人科医、子どもは小児科医が診てくれ、子どもは生まれたときからその後成長していってもずっとその先生に診てもらえるので、すべて理解してくれているという安心感で選びました。 不妊治療後の妊娠だったこともあり、少しのトラブルにも安心して対応してもらえるように、NICUがある周産期母子医療センターに指定されている病院を選びました。 1人目は何かあったらいけないからと思い、総合病院へ行くことにしました。大きな病院だったので、産婦人科の外来と検査室が離れており、その結果、尿検査とか血液検査とか2階へ行ったり1階へ行ったりと、後期のおなかが大きくなった状態での移動ははきつかったです。 無痛分娩を希望していたため病院の選択肢は狭かったのですが、妊娠確定をもらった婦人科で何件か紹介してもらい、そのなかから決めました。家から一番近い病院は、妊娠2カ月時に連絡しましたが、すでに満員で受けつけてもらえませんでした。結局、家から車で1時間弱かかる病院に決めたのですが、大きな病院で小児科が有名だったので、もしもの時の安心感もあり、ここにしてよかったと思っています。 安心できる環境を重視して産院を選んだママたちの体験談をご紹介しました。医師が多い、小児専門医がいるなどの理由から総合病院を選ぶママも多いようです。みなさんは産院選びの際、何を重視しましたか?イラスト:(c)chicchimama
2019年12月26日出産時にうんちも一緒に出ることがある、ということは事前知識として知っていました。でも、「そういう人もいるんだな」と、私はどこか他人事でした。しかし、無痛分娩で出産に臨んだ私にまさかのできごとが……! 当時の話をご紹介します。 「うんちしちゃうかも」と言っておく作戦身近に出産経験のある人がいなかった私は、インターネットで出産についてよく調べていました。そのなかでも気になったのは「出産時にうんちも一緒に出てしまった」という話です。「こんなケースもあるんだ……」と思ったのと同時にちょっぴり不安になった私は、夫に「出産時に排便してしまうこともあるかもしれないんだって」と伝えておきました。そうすれば、万が一出産時にそうなっても引かれることはないだろうと思ったのです。 無痛分娩のいきみ方が想像と違った?!いよいよ出産の日を迎えた私。分娩室でモニターを見て陣痛の波を確認する助産師さんの指示に従っていきむことになりました。しかし、いざいきむというときに、助産師さんからこう言われました。「うんちをするときのように、肛門に力を入れていきんでください!」そのとき、私は「えぇ!? そうしたら出ちゃうじゃん!」と思ったのですが、指示に従うしかありません。私はとにかく必死にいきみました。 もうどうにでもなれ……の境地だった!肛門に力を入れていきむと、やっぱり出てしまったようです。……うんちが。ボトッと用意されていた袋に落ちる音を聞きながら夫の顔を見ると、気づいていないのか気づかないふりをしているのか、真剣そのもの。「うんちしちゃった!」なんて冗談でも言える雰囲気ではありませんでした。 開き直っていきんでいると、助産師さんから「いきむのじょうずですね!」と言われて思わず苦笑い。結局私は無事にうんちと一緒に元気な赤ちゃんを産むことができました。 出産時にうんちをすることは思ったより恥ずかしくありませんでしたし、仕方のないことだったのだと思います。でも、私はこの経験によってちょっと肝が太くなったような気がしました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:鏡 環2歳の息子の母。現在第二子妊娠中。元高校教員。うつ病と闘いながら夫と二人三脚で育児に励む。
2019年12月22日私は帝王切開予定日の2週間前に破水し、緊急帝王切開で出産をしました。子どもが生まれるおめでたいこととはいえ、帝王切開も立派な手術。手術の瞬間の心情や、手術後の体と心の変化についてお話しします。 逆子が治らず予定帝王切開に!わが子は、妊娠8カ月から逆子になり、逆子治療のための逆子体操や鍼・灸など、さまざまなことを試しました。しかし、頑固なわが子は臨月になっても逆子のまま。予定帝王切開の日程を決め、ギリギリまで逆子体操を試みることになりました。 通常は、臨月になると運動を増やして出産に備えることが多いですが、逆子の場合は破水や陣痛が始まると危険なため、逆子体操以外は安静にするように言われました。 帝王切開予定日18日前に破水&陣痛が予定帝王切開の18日前、テレビを見ていると、下半身から何か水のようなものが出た感覚が……。急いで病院に行くと、破水し、陣痛が来ているとのことで緊急帝王切開となりました。 突然の展開に、私は怖くなって大泣きしてしまいました。静かな手術室の中、体から何かが押し出される変な感覚のあと、赤ちゃんの産声が。家族の話によると、「かわいい~!」と叫んだ私の声が、手術室の外まで聞こえていたそうです。 私の場合、帝王切開は産後が一番つらかった出産した日は夜中にも関わらず、一睡もできませんでした。体はまったく自由が効かず、物を取ったり寝返りをしたりするのもひと苦労です。赤ちゃんが病室まで来ても、自分の力で抱っこもできず、最初は添い寝だけしかできませんでした。 自然分娩のママたちが続々と母子同室になるなか、自分でお世話をしてあげられないことがとてもつらかったです。悩む私に助産師さんが「自然分娩より入院日数が長いんだから、今は私たちに甘えてね」と言ってくれたことが救いでした。 帝王切開はラクだなんて意見もなかにはありますが、自然分娩と同じく心と体を消耗するお産です。体の回復には時間がかかりますが、母子同室になるまでの心の準備期間と考えて過ごしました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:斉藤ふみ一児の母。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
2019年12月21日こんにちは! 助産師のREIKOです。妊娠中の便秘、出産間近の下痢、お産前の浣腸、そして産後の便秘……と、ママの悩みごとのなかにはいつも「うんち」のことがつきまとっているような気がします。“出産とうんち”に関するベビーカレンダーの記事も、多くの反響がありました。 排泄は健康のバロメーターでもありますから、気になって当然ですよね。出して当然のうんちですが、お産のときに出てもいいうんちとダメなうんちがあるんです。 お産のときに出てもいいうんち【ママ編】以前にもお話ししましたが、子宮と腸は隣り合わせ。大きくなった子宮と赤ちゃん、陣痛やママのいきみによって、腸が圧迫されて、お産のときうんちが出てしまう……。これは、お産が順調に進んでいるサインなので、出てもいいうんちです。 ママにとって、お産のときに出ちゃダメなうんち……。ママの場合、お産のときに感染性胃腸炎に罹ってしまっているようなケースでは、適切な感染予防が必要になりますが、基本的にお産のときに出ちゃダメなうんちはほとんどありません。 おなかの中の赤ちゃんは!?一方、おなかの中の赤ちゃんは、基本的にいらなくなった老廃物をママの胎盤を通って外に出すので、おなかの中ではうんちをしません。しかし、うんちをしないだけで作られていないというわけではありません。なので、お産の経過中、うんちをしてしまう赤ちゃんもいます。そんなおなかの中の赤ちゃんのうんちも、出てもいいうんちと出ちゃダメなうんちがあるんです。 お産のときに出ちゃダメなうんち【おなかの中の赤ちゃん編】本来、赤ちゃんが生まれてから排泄されるうんち(胎便)ですが、妊娠中・お産の経過中に排泄されてしまうケースがあります。その原因は、おなかの中の赤ちゃんが「低酸素状態」に陥ってしまったから。赤ちゃんが低酸素状態に陥る原因はさまざまです。 赤ちゃんが苦しくなると、赤ちゃんの腸の動きが活発になり、肛門括約筋がゆるんで、うんちをしてしまいます。その度合いによって、本来透明な羊水が薄い黄色から緑色に変わってしまいます。 その羊水をおなかの中や生まれた直後の最初の呼吸で吸い込んでしまうと、「胎便吸引症候群(MAS)」を発症し、呼吸状態が悪くなってしまうので、治療が必要になってしまいます。 おなかの中の赤ちゃんの“出ちゃダメなうんち”が確認された場合、状況に合わせて経過観察、鉗子分娩や吸引分娩、あるいは帝王切開の方針が検討されます。赤ちゃんが生まれてすぐに処置が必要になる場合は、NICUの医師がお産に立ち会うこともあります。 お産のときに出てもいいうんち【おなかの中の赤ちゃん編】近年、帝王切開での出産がメインになっている「逆子」ちゃん。数%ではありますが、ママの産道を通って生まれてくる経腟分娩のケースがあります。 逆子ちゃんの経腟分娩では、赤ちゃんのおしりが先に出てきます。分娩介助の際、「下半身はゆっくり、上半身は素早く」がポイント。そのため、お産の経過中、赤ちゃんに苦しいサインが出ていない場合、赤ちゃんのおなかが圧迫されて、うんちが出てくることが多々あります。 私も学生時代、初めて逆子ちゃんの経腟分娩に立ち会ったとき、赤ちゃんのおしりが見えたとたんにもりもりもり!とうんちが出てきたところを見てびっくりしたものです。でも、これは赤ちゃんが元気なサインだと先生から教えてもらって、ほっとしたことを覚えています。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2019年12月15日最近では、帝王切開率が年々上昇しています。帝王切開で出産したママの中には、自分の力で産めなかったと子どもに申し訳ないと自己嫌悪に陥って苦しんでいる人もいます。今回はそんなママたちへのメッセージです。 帝王切開率は上昇している厚生労働省から報告されている、全国の帝王切開率は全体の分娩の18.5%となっています(2014年)。現在は、もっと増加していることが予測されます。 帝王切開での出産は、逆子などの赤ちゃんの向き、多胎児(双子・三つ子)、胎盤の位置異常など様々な原因があります。事前にわかっている計画的帝王切開については、気持ちの準備期間があります。しかし、経膣分娩の予定で分娩が進行していたものの、赤ちゃんの生命の危機やママの体調の変化などによって、緊急に帝王切開になることがあります。その場合は、気持ちの準備や整理がつかないまま手術になることがあり、その後も精神的なダメージを受けてしまうこともあります。 帝王切開で出産したママの想い帝王切開で出産したママは以下のような気持ちをもつことがあるという報告があります。 *陣痛を耐えてこそ母親になるという考え方が根強く、自然分娩できなかった喪失感や母親としての失敗感*産んだというより、おなかから取り出されたという感覚*ちゃんと産んであげられなかったという我が子への罪悪感*術後の痛みで思うように動けず赤ちゃんのお世話ができないことによる、赤ちゃんへの罪悪感*帝王切開で出産すると赤ちゃんへの愛着がわきにくいのではないかという不安 帝王切開も立派な出産です赤ちゃんが元気に生まれるために、ママの生命を守るために帝王切開を選択されることがあります。出産方法は、赤ちゃんとママの安全が最優先されます。 帝王切開は、近年安全性が高い手術になってきていますが、健康な体にメスを入れることは、母体にとってもリスクはあります。どの出産方法も命がけで、たくさんの不安や恐怖などを乗り越えてママになります。赤ちゃんへの愛情に変わりはありません。 助産師として手術に立ち会っていますが、赤ちゃんと対面するママは安心して涙されたり、素敵な笑顔を見せてくれたりします。どの出産方法でも、ママの笑顔は同じです。無事に出産することができたことを、誇りに思いながら自信をもって育児をしていって欲しいと思います。 引用参考文献日本看護科学会誌2014 年 34 巻 1 号 p. 94-102「帝王切開で出産した女性の妊娠中から産後1か月までの心理的プロセス―覚悟と納得―」谷口 綾, 大久保 功子, 齋藤 真希, 廣山 奈津子, 小田柿 ふみ, 三隅 順 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年12月13日私は現在2児の母です。1人目・2人目ともに、出産予定日を過ぎても子宮口がまったくといっていいほど開かず、計画入院をしてバルーンや陣痛促進剤を使用して出産しました。特に1人目の出産は壮絶で、なんと生まれるまで4日間もかかりました。今回は1人目の出産のときの体験談をお話ししたいと思います。 計画入院は怖くなかった出産予定日を1週間過ぎても、出産の兆候はまったくといっていいほどなかった私。妊娠41週ちょうどのとき、とうとう「計画入院して赤ちゃんを出そう」と医師に言われました。 いわゆるバルーン(風船のように膨らむ医療器具で子宮口を広げる処置)や陣痛促進剤を使った出産になるのですが、不思議と怖くはなかったです。なぜならば、出産そのものが奇跡だという価値観だったからです。命がけで出産に臨む覚悟はもうできていました。 バルーン挿入と陣痛促進剤を投与午前10時に入院。まずはバルーンを挿入し、陣痛促進剤も投与しながら、子宮口が開くか様子を見ようということになりました。陣痛促進剤を入れて2時間もすると、悶絶するほどの激痛が。 最初はいきみ逃しに、ベッドの近くにある手すりを強く握りしめながら痛みと闘っていたのですが、数時間後別の助産師さんに担当が代わったとき、「その方法では体力を消耗するから、何も握らず呼吸法でいきみ逃しをするように」と指示がありました。 アドバイス通りいきみ逃しをしたら⋯最初は何も握らずこの激痛と闘うのは無理! と絶望していましたが、このままでは体力を消耗して出産を乗り越えられないと思い、指示に従うことに。激痛時には大きく息を吐いて、いきみ逃しをおこないました。慣れてくると確かに無駄に体力を消耗することはなく、あのとき助産師さんのアドバイスを受け入れてよかったと今でも感謝しています。 しかし夜の診察時にはまだ子宮口は2~3cmほどしか開いておらず、20時くらいを目処に一旦バルーンと陣痛促進剤を休止。休止後も痛みはなくなることはなく、微弱陣痛と闘いながら不安な夜を過ごしました。 3日目に突入した夜中から和痛分娩を開始そして2日目も、午前10時から陣痛促進剤とバルーンを再開し、また激痛と闘い始めました。そして3日目の夜中にとうとう痛みの限界がきた私に、医師から「出産が難航しているので、帝王切開か和痛分娩になる」と説明があり、私は和痛分娩を選択。確かに痛みは治まりましたが、下半身がまったく動かず、別の意味できつかったです。 そして医師に「子宮口の開きが進行してきたら麻酔は止める。分娩時はお母さんの踏ん張りの力も必要だから」と言われ、4日目の夜中に破水。そのとき子宮口は8cm開いていました。そしてやっとの思いで4日目の午前8時半に出産しました。 分娩誘発から出産まで4日という難産で、分娩所要時間はなんと43時間かかり、羊水込みで1.3Lの大量出血でした。しかし、実家などに頼れず退院初日からワンオペ育児がスタート。誰かを頼るということがほとんど許されなかった私ですが、そんな壮絶な経験を乗り越えたからこそ、2人目の妊娠・出産では感情的にならず、合理的にさまざまな問題に対処できました。自分の身を振り返る時間がないからこそ、育児を通してたくましく成長できたと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:黒井夢乃二女の母。歯科衛生士資格あり。二女出産前まで歯科医院にて勤務。自身が毒親に育てられた。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2019年12月09日こんにちは! 助産師のREIKOです。お産をしたことのある方ならご存知かもしれませんが、赤ちゃんの誕生が近付くと「いきみたい」という感じが出てきます。このいきみたい感じ、実は「うんちがしたい」という感じに似ています。そこで今回は、私が病院で働いていたときの話を交えて、もう少し“お産とうんち”について掘り下げたいと思います。 子宮と腸の関係は? ママの体の断面を見るとわかるように、子宮と腸は隣り合わせ。妊娠前は、ニワトリの卵くらいの大きさの子宮がママの胃を圧迫するくらい大きくなるのですから、腸も影響を受けないわけはないんです。 ホルモンや大きくなった子宮の影響を受けて、妊娠中は便秘気味になったり、出産前には下痢気味になったりすることが多々あります。お産のときに、赤ちゃんの頭が下がってきて見えるようになるころになると、赤ちゃんの頭で圧迫された肛門も大きく開いて、腸の壁が見えることもあるんですよ。 陣痛が来たら浣腸する?以前は陣痛が来て入院となると、浣腸をしていました。浣腸をすると、うんちが出て腸が空になり、赤ちゃんがスムーズに降りてこられるとか、腸への刺激によって陣痛が強まるとか言われていたのですが、近年そのような根拠がないということがわかり、浣腸をおこなわない施設が増えてきています。 私が働いていた病院では、便秘気味でお通じが出ていないというママには、医師の指示で浣腸をおこなっていましたが、ほとんどのママは浣腸せずに経過を見ていました。 ママ「うんちしたい」→助産師「それは赤ちゃんだから」お産が進んでくると、赤ちゃんの頭が下がってきて、ママの腸を圧迫します。そのため、ママは、「いきみたい」「うんちがしたい」と訴えてくることが多くあります。でも、大抵はうんちではありません。 ママが「うんちしたい」と訴えると、助産師が「それは赤ちゃんだから。いきまないでリラックスしてねー」という会話がよく繰り広げられます。ホント、お産あるあるです。 うんちか赤ちゃんか!? それは内診をすればわかります。ママが「うんちがしたい」というときは、お産が進んでいることが多いです。なので、ママの「うんちがしたい」「いきみたい」は、助産師にとって重要なキーワードなんですよ。 いきむときは「かたーいお通じをするイメージ」で分娩台に上がり、いよいよいきみ開始となったとき、いきみ方がわからないというママもいらっしゃいます。そんなときは、「かたーいお通じをするつもりでいきんで!」と声かけをすることが多くありました。 お通じをするつもりでいきめば、うんちが出てしまうのも仕方ないことだと思います。助産師にとっては、お産のときにうんちが出ることは、本当にめずらしいことではないんですよ。 パパに見られたらどうしよう!?お産のときは、パパに立ち会ってもらいたいけど、もしパパに見られてしまったら……と心配になってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか? 基本的に立ち合い出産の際、パパの立ち位置はママの顔の横あたり。ママのおなかや足には清潔なシートがかけられているので、肝心な部分はまったく見えません。 万が一、うんちが出てしまっても、涼しい顔で助産師が処理します。お産の際には、羊水や血液などのにおいもありますし、何より助産師が手早く処理するので、うんちのにおいもそれほど気になりませんよ。分娩台に上がったら、とにかく赤ちゃんを産むことに集中してくださいね。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2019年12月04日夜に陣痛が来て、朝には赤ちゃんが生まれるもの⋯⋯そう聞くことが多かった私は、夜に弱い陣痛を感じ、「ああ、明日にはわが子に会えるのかな」と思い込んでいました。しかしそんなことはなく、ただジリジリと痛くなる陣痛になす術もなく丸2日苦しめられたのでした。 安産だと思っていた私出産予定日から6日が過ぎ、「明日になっても陣痛が来なかったら陣痛促進剤を使って産みましょう」と言われていた日の夜、わずかですが陣痛のような規則的な痛みとともに、どろっとしたピンクのおしるしがありました。私は冷静に、「明日には産まなくてはならないのだから、帰されはしないだろう」と夫を起こし、病院へ連れていってもらいました。 内診の結果、子宮口の開きは2cm。「入院しましょう」ということになり、通されたのは陣痛室でしたが、他の妊婦さんは1人もいませんでした。そのため、次に来る絶叫タイムを知らないまま、優雅に過ごしていたのです。 なかなか進まないお産にただ耐える翌日は昼食も完食できるくらいの腰とお尻の痛みのみで、両親とも談笑し、「今日には会えるかな?」と陣痛室でお気楽モード全開だった私。家族も帰宅してひとりの夜、急に痛みが増した気がしました。このときは、それまでなかなか痛くならなかったので、少しうれしくもありました。ただ、少しずつ強くなる陣痛の痛みが夜の孤独感に拍車をかけている気がして、精神的につらかった記憶があります。 翌朝、子宮口5cm。少しの進みですが、それでも進んだことがすごくうれしかったです。「今日中に産みましょう!」と助産師さんにも言われ、俄然やる気が出たのを覚えています。 お小水で圧迫、子宮口全開と勘違い…16時ごろ内診をしてもらいましたが、子宮口は変わらず。「今日中に産みましょうって言ったじゃないですか……」とショックを受けました。夜になるにつれて痛みは強くなり、このときにはもう泣きながら絶叫していました。「痛い。もういやだ。いつまで? あーくるくるくる!」のオンパレード。日付が変わり0時を過ぎたころ、助産師さんが来て内診。結果、子宮口6cm……。 お小水が溜まっていて子宮を圧迫し、おなかの張りも痛みも増していたらしいのです。「お小水とったから赤ちゃん下がりやすくなってるし、朝までには産もうね」と助産師さんからお告げ。その後すぐに助産師さんは勤務交代のため違う人になりました。 最後だけ陣痛促進剤を使って無事出産次の助産師さんには「今日産まれるのは確実だけど何時かなー」と、淡々と言われました。夫には部屋の外のソファーで仮眠をとってもらうことに。3時には完全破水し、5時ごろにはいきみたい感じが強くなり子宮口が開いているはずと思ったので、内診を懇願。しかし7cmしか開いておらず、絶望で心も体も限界でした。 8時に助産師さんが交代し、内診してもらったら子宮口が9cmに!「分娩室の準備するね」の一言に安堵したのを覚えています。8時半いよいよ分娩台へ移動。私の場合は陣痛が弱く、体力も残っていなかったので、このままの痛みの間隔だと1~2時間は分娩室にいることになるかもしれないと言われ、9時には陣痛促進剤を投与しての出産となりました。 いきみ始めてから3回。9時52分に娘が頑張って出てきてくれました。腟を広げながら頭を絞り出してもらった感じ。分娩時間は32時間58分と母子健康手帳に記載がありましたが、丸2日苦しんだように思います。 まさか自分が2日間も陣痛に苦しむことになるとは思ってもみなかったので、陣痛促進剤についても調べておらず、何とかなるさ精神でいきみ方や呼吸法などもあまり頭に入れていませんでした。入院日を含めた3日間で助産師さん6人くらいに担当してもらったのですが、無知だったからこそ素直に頼れて、お母さんがたくさんできたみたいな気持ちになりました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:青柳ここな1歳1女の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2019年12月04日私の場合、1人目も2人目も陣痛が始まってから4時間以内のスピード出産でした。「早いとラクでいいね!」と言われますが、2人目以降は臨月になると病院への移動などが間に合わなかったらどうしようといつも不安でした。今回は3人目の出産エピソードをお伝えします。 前駆陣痛から本格的な陣痛へ3人目の出産は夜中の前駆陣痛から始まりました。はじめはいつものおなかの張りかな? と思い、そのまま寝ようとしていました。しかし、何かおなかの張り方がいつもと違う感覚がして気になったので、数分後におなかの張りの間隔をカウントをしてみました。 すると、すでに4〜5分間隔!すぐに病院へ電話して向かいました。病院へ到着したときには本格的な陣痛がきていて、痛みが収まっているタイミングで病院内に入っていきました。 慌ただしい出産助産師さんに迎えられて、車いすで陣痛室へ行くと、すでに子宮口は全開でした。すぐに「分娩室に移動しようか」と言われ、分娩台に上がり、次の陣痛を待ちました。私は横向きが楽なので横向きになるとすぐに破水し、その2秒後にはポーンと一度も止まらずに生まれてきてくれました。 先生や助産師さんもあまりにもスムーズな出産で「すごく早かったね!!」と、とても驚き、慌てていました。 スピード出産にも危険が?無事に出産しましたが、「勢いがよく出てきたから出血が多いね。多めに点滴を打ってゆっくりしようね」と先生に言われ、産後は5時間ほど、分娩室でのんびりと過ごしました。あとから助産師さんに、通常の2倍の量の出血があったと聞き、スピード出産もいいことばかりではないことを実感しました。あのまま陣痛だと気付かずに寝ていたらと思うと怖くなりました。前駆陣痛か陣痛かわからなくて困ったとき、間違っているかもしれないと思うと、電話しにくい場合もありますよね。病院へ着くまでに赤ちゃんが生まれてしまっては大変なので、遠慮せずに医療機関へ電話することをおすすめします。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:新山紗季6歳、4歳、1歳の三児の母。現在は医療機関で働くかたわら、記事執筆をおこなう。不妊治療や妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
2019年12月01日大切な宝物、一生に一度のかけがえのない瞬間出産予定日が近づくと、赤ちゃんに会えるという嬉しさと、無事に生まれてきてくれるかという不安が入り混じりる方も多いのではないでしょうか。「ただ、元気に生まれてきてほしい」これが親心かもしれませんね。ここでは、yukko(@yukko_96)さんフォロワーさんが経験された「#忘れたくない瞬間」をさわやかなイラストでお届けします。最後のコマを読み終わった瞬間、ジンと心に響くものがありますよ。出産予定日が近づいて、これから生まれてくる赤ちゃんに会えると思うと嬉しくて、待ち遠しい気持ちになりますよね。一方で、赤ちゃんが元気に生まれてきてくれるか、不安な気持ちもあります。今回のyukkoさんの作品は、ママの赤ちゃんを思う気持ちがひしひしと伝わってきて、最後のコマを読み終わった瞬間ジンと心が熱くなりました。出産後、初めて赤ちゃんと会えたと思う瞬間は人それぞれでしょう。我が子に「やっと会えた」と感じる瞬間、心の中に大切にしまっておきたいですね。(ままのて編集部)yukkoさんの過去作品が動画になりましたままのてで人気の育児漫画が動画でも楽しめるようになりました。今後も「泣ける」と話題のyukkoさんの漫画動画を随時更新していく予定です。その他育児に関するお役立ち情報がたくさんありますよ。字幕付きのため、音声なしでもお楽しみいただけます。ぜひチャンネル登録してみてくださいね。※「ままのてチャンネル」とは妊活・妊娠・出産・育児の情報を届けるチャンネルです。妊娠中や育児期のお役立ち情報のほか、マンガ動画も配信していますよ。お気に入りの動画を見つけたら、ぜひチャンネル登録してくださいね。過去のエピソードままのてのTwitter・Instagramをフォローすると、最新マンガの更新情報をご確認いただけます。ぜひフォローしてください!著者情報2018年1月生まれの男の子を育てる1児の母。「子育ての中で見つけた、瑞々しい気持ちを表現したい」という思いから水彩画を描いています。子どもとの何気ない時間を大切にしたいという気持ちを込めた「#忘れたくない瞬間」シリーズのほか、離乳食を舞台にした「りにゅうこく物語」もTwitterで人気を集めています。
2019年11月29日私は妊娠39週のときに、妊娠高血圧症候群で入院しました。その日の夜に陣痛が始まり、自然分娩になるはずが緊急帝王切開に! 陣痛の痛さで何も考えられないなか、ストレッチャーで手術室に運ばれるときに言われた助産師さんの言葉が今でも忘れられません。 臨月に妊娠高血圧症候群で緊急入院つわりはほとんどなく、血圧も正常。むくみはあるけれど、それ以外は何の心配もなく迎えた臨月。高齢出産ですが、自然分娩で頑張れそう。あとは陣痛をどう乗り越えるか……と、私自身いろいろなことを考えていました。 妊娠36週を過ぎたあたりから、上の血圧が130を超えることがありました。医師と相談し様子を見ていたのですが、下がる気配はありません。妊娠39週で妊娠高血圧症候群と診断され、入院することになりました。 入院初日に下された決断病室で安静にしていると、いつも静かな赤ちゃんが頻繁におなかをポコポコ蹴ってきました。「陣痛が来る前触れ?」と思っていると、その日の夜に陣痛が始まりました。はじめは軽い腹痛でしたが、だんだんと背中に激痛が走るようになり、分娩室へ運ばれ、夫も呼び出してもらいました。 これからが闘いだ! となるはずが、先生の表情が曇っています。赤ちゃんの心拍がときどき下がることがあると言うのです。そして下された決断が「緊急帝王切開」でした。 ストレッチャーの上で聞いた助産師さんの言葉ストレッチャーに乗せられ、手術室へ運ばれました。途中、1人の助産師さんが私に声をかけてきました。「帝王切開も立派な出産ですからね!」。痛さで何も考えられず、夫も先生の言葉も耳に入ってこなかったのに、この言葉だけがスッと頭の中に入ってきました。 わかっているつもりでしたが、落胆した表情をしていたのかもしれません。無事に生まれた娘を目にして、「本来の目的を忘れないで!」と背中を叩かれたような気がしました。 無事に出産するためには、自然分娩も帝王切開も関係ない。そう教えられた気がしました。どちらも命がけで出産しているのですから。これから出産する妊婦さんやご家族の方に、改めて知っていただきたい私の体験談です。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:永山たまこ1歳女児の母。3回の流産後、不育症の治療をえて高齢で娘を出産。現在は仕事と育児に奮闘中。愛犬と娘を連れて散歩に行くことが日課。
2019年11月27日私は1人目と2人目の子どもを無痛分娩で出産しました。その病院では、無痛分娩は子宮口の開き具合などから計画分娩になります。陣痛が始まる前から麻酔を入れるので、1人目では陣痛を経験していません。しかし2人目は、陣痛を経験した後の無痛分娩となりました。2人目にして初めての陣痛体験をご紹介します。 陣痛がわかるのか心配だった「2人目はお産の進みが早いから気を付けて」と、病院側から何度も言われていました。さらに、陣痛が10分間隔になるころには病院に連絡するようにとのこと。私は1人目では陣痛を経験していないので、陣痛が来たときに「これが陣痛だ」とわかるのだろうかととても不安でした。妊娠37週3日の朝に生理痛のような腹痛と少量の出血がありました。これがおしるしなのか、高位破水なのか判断がつかず、病院に連絡をし、入院準備品を持って病院へ向かいました。診察の結果、破水はしておらず、週数もまだ早いのでそのまま帰宅となったのです。 妊娠38週0日の夜に腹痛が! 妊娠38週0日、2歳の娘を寝かしつけたあと、下痢のような鈍い腹痛に襲われました。もしかすると陣痛かもしれないと思い、陣痛アプリで間隔を計測してみましたが、今ひとつよくわからず……。私の感覚としては、完全におなかをくだしたときの痛みでした。すぐさま陣痛と下痢の痛みは区別がつかないものなのかネットで検索。「陣痛は出してはいけない下痢を我慢するような痛みだった」という内容の体験談を見つけ、「今まさにそれだ! やっぱり陣痛なのか、いや、でも下痢っぽいしどっち!? 」と1時間ほど迷いました。でも、だんだん痛みが強くなってきたので、病院に連絡すると「すぐに来てください」とのことでした。 子宮口7cmで入院に!家ではわかりにくかったのですが、タクシーに乗ったあと、痛みが来たときと引いたときの差がはっきりわかり、これは陣痛だなと確信しました。このころには、下痢よりも生理痛のような、しめつけられるような痛みになっていたのです。病院に着いてすぐに内診をして、子宮口が7cm開いているとのことで入院に。7cm開いている割には、大きな声が漏れるほどの痛みではありませんでした。この時点で、医師から「本当に無痛にしますか? 麻酔が効いてくるまで時間がかかるし、無痛にしないほうがお産の進みが良くて早く生まれると思いますよ」と言われましたが、私は痛みが怖かったので迷わず無痛をお願いしたのでした。 子宮口が全開になるころに麻酔が効き始めその後、麻酔を入れて効いてくるまで陣痛に耐え、「いきんでいい」と言われたものの、痛くて腰が引けていました。そして、赤ちゃんが下りてくるさらなる痛みが怖くて、もういきめない状態になっていました。しかし、そこでちょうど麻酔が効き始めたのです!その後は陣痛の波を見て助産師さんからの指示でいきみました。波が引いたときはテレビを見たり助産師さんとお話ししたりしつつ。そして入院から3時間ほどで息子を出産しました。 私は2回とも無痛分娩でしたが、1人目のときも子宮口が3cm開いた状況で痛みがほとんどなかったので、もしかすると痛みに鈍い体質なのかもしれません。それで陣痛に気付かず、知らぬ間にお産が進んでしまうのではという不安がありました。しかし、下痢としか思えない痛みだったのでなかなか病院に連絡できず、お産の途中で便が出ることもなかったので、あれは完全に陣痛の痛みだったのだと後になって思いました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:ひらたかおる二児の母。趣味はメルカリと写真。自分の備忘録と、いつか誰かの役に立つことを願って妊活中からブログを続けている。2018年から、自身の妊活や子育てでの経験をさらに活かすべくライターとして活動している。
2019年11月25日妊娠中、出産のエピソードをネットで検索していました。そのときに知ったのが「分娩中にうんちも出てきてしまう場合がある」という驚愕の事実。周りの先輩ママからは聞いたことがないけれど……。実際に私の出産ではどうだったのか、包み隠さずお伝えします! 出産前に浣腸私が出産をしたのは、地方の個人産院。前駆陣痛が来て受診すると、子宮口は3cm開いていました。卵膜剥離の処置をされ「このままお産が進むだろう」ということで入院しました。 産院の方針で、痛みが強くなる前に浣腸をしました。5分待って排便するよう言われましたが、強烈な便意に耐えきれず、1分程度でトイレに行ってしまいました……。出しきれたかはわかりませんでしたが、その後便意はありませんでした。 最初のいきみで…… 出た!それから順調にお産が進み、入院から約6時間で子宮口が全開大になりました。分娩台にあがり、助産師さんに「思いっきりいきむように」と促されました。気合いを入れて「うーん」といきんだところ……おしりに何かが流れる感覚がありました。 かなり少量でしたが、浣腸で軟らかくなっていたうんちが出てきてしまったのです。その瞬間「本当に出ちゃった!」とうんちのことで頭がいっぱいになりました。 静かに処理してくれた次の陣痛が来たからいきまなきゃ! でも、うんちが付いたままで気になる! と、痛みに耐えながらも慌ててしまった私。すると助産師さんが、看護師さんに小声で「拭いて」と指示を出し、さっと処理してくれたのです。 何ごともなかったように真剣な表情のままだったので、こちらも恥ずかしさを感じなくて助かりました。また出ないかと不安でしたが、何度かいきんでも出なかったので、その後は安心して出産に集中できました。 私は分娩中のうんちを夫に見られるのが怖くて、立ち会い出産を希望していませんでした。しかし、処置がスピーディだったので、おそらくそばにいても気づかなかったと思います。これなら立ち会ってもらえばよかったな、と少し後悔しています。 ※分娩の前に浣腸をする・しないは、産院・病院によって異なります。 著者:霧山いずみ結婚を機に販売職を退職し、地方で寡黙な夫とおしゃべりな娘と3人暮らし。子育てをしながら、ママさんコーラスの活動と記事執筆をおこなう。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー
2019年11月24日私は31歳のときに妊娠しました。順調に妊娠生活を送り、妊娠37週を迎えたある夜に破水! いよいよ、初めての出産というチャレンジが始まりました。なかなかお産は進まず、破水から12時間ほど経ったところで、やっと子宮口が全開大に。その後、意識がもうろうとするなかで聞こえた「パチン!!」という音……。今回は、私の会陰切開体験談をご紹介します。 初産、なかなか進まないお産31歳で初めての妊娠。おなかの赤ちゃんも順調に育ち、経腟分娩の予定で臨月を過ごしていました。妊娠37週のある夜に破水。両親と一緒にタクシーで病院へ向かいました。 規則的ではありませんでしたが、おなかの強い張りも感じていたため、そのまま陣痛室に入りました。しかし、なかなかお産は進まず、痛みに耐えながら12時間。体力的にも厳しくなってきたころ、やっと子宮口が全開大になりました。何度かいきむのを繰り返し、意識がもうろうとするなか聞こえた先生の声。「それじゃ、ちょっとお手伝いするね~」。 「パチン!!」これが会陰切開かぁ!先生の声のあとすぐに「パチンッ!」という大きな音が聞こえました。それこそ、会陰切開をした音だったのです。そのあまりの大きい音に、意識が薄れていた私も、怖くて目が覚める思いをしたことを覚えています。 かなり大きく切開されたように感じましたが、その場所が直接痛むという感じではなく、赤ちゃんが産道をグリグリと押して出てくる出産の痛みのほうが、断然つらいものでした。無事に長男を出産……闘いはやっと終わったのです。 会陰切開、その後の経過会陰切開後の処置は出産時と同じ体勢、つまり分娩台の上で足を広げたままおこなわれます。会陰切開の傷の縫合は、早くきれいに治るよう細かく丁寧に縫うそうです。また、なるべく縫い目が内側になるよう縫い合わせるため、「傷口も目立ちにくいよ!」と先生が教えてくれました。 出産の次の日にはシャワーも浴びることもでき、傷口がひどく痛むことはありませんでした。さらに、縫い糸は体に吸収される糸が使われていたため、抜糸の必要もなく、順調な産後の経過をたどることができました。 会陰切開時の「パチンッ!」という音と、大きく切られたような感覚に反し、あまり痛みを感じることもなく、産後も順調に回復しました。その瞬間はすごく恐怖を感じた会陰切開でしたが、安全な出産のためには必要な処置であったことを、身を持って体験しました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。産院・病院によって対応が異なることがあります。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 監修/助産師REIKO著者:鍜治すみの生後6カ月と2歳、2男の母。長男妊娠時の切迫早産により、9年続けた製薬会社のMR職を退職。前職では主に産婦人科領域製剤を担当。培った知識をフルに活かし執筆活動や育児に奮闘中。
2019年11月21日「案ずるより産むが易し」という言葉もありますが、出産では予期しないハプニングに見舞われることもあります。初産で18時間半の陣痛に耐え、やっと分娩台に辿り着いた途端に遭遇した、なかなか経験できないような私の体験談をお伝えします。 隣は緊急事態!?初めての出産。想像を絶する陣痛に耐え、いよいよ分娩台へ! その瞬間、カーテン1枚隔てた隣の分娩室の様子がにわかに慌ただしくなりました。 隣からは、張りつめた緊張感がビシバシと伝わってきます。まもなく、緊急搬送されてきた妊婦さんが到着。産院の医師は全員、その妊婦さんの処置にあたり、ほかのすべてのお産が一時的にストップしたのです。トラブルのない妊婦の私はそのまま約2時間、分娩台で待機していました。 隣はドラマの「救命病棟24時」のような緊迫感隣の様子はまったく見えませんが、緊急搬送の妊婦さんは大パニックを起こしていて、何度も「私の赤ちゃんが! 赤ちゃんが!」と泣き叫び、そのたびに助産師さんに「しっかりしなさい! ママになるんでしょ!」と厳しく言われていました。 加えて、医師が指示を出す鋭い声や医療器具の音が重なり合い、まるでドラマの「救命病棟24時」のような状態に……。あまりに壮絶なやり取りで、自身の陣痛を忘れるほどでした。 お隣さんは母子ともに無事! よかった!隣から、羊水を吸い出すゴーッという音が聞こえてきました。リアルな音が衝撃的で、完全に自分の陣痛を忘れました。間もなく、お隣さんが母子ともに無事出産を終えたことを知り、ホッとした途端に強烈な陣痛が……。 しかし、産院はストップしていたお産が再開されたことで忙しさのピーク! 「すみませーん!痛いんですけどー!」と、ずっと医療スタッフを呼び続けました。その後、20分足らずで、私は無事に第一子を出産しました。 世のすべてのお母さんが、それぞれオリジナルの「出産ドラマ」を内に秘めています。そして、そんなことはなかったかのように、日々をパワフルに生きています。本当に「母は強し」ですね! ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:伊川 遥女の子と男の子の二児の母。家事や子育てのかたわら、自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。趣味は読書、音楽、料理、ボルダリング、絵を描くこと。
2019年11月16日Instagramで人気のあいさん(@yui_dondon)の出産エピソード第6話。陣痛促進剤を使用し、子宮口はついに全開に……! 生まれる直前、医師が伝えた大事なポイントとは……? 陣痛中は妊娠したことを後悔するぐらいしんどかったけど、赤ちゃんが生まれたあとはものすごい感動と達成感に包まれて、間違いなく人生で一番幸せな瞬間でした。 ずーっと側で励ましてくれた旦那さん、アステカ文明の担当医、やさしく頼もしい助産師さん、みなさんに支えられて乗り越えることができました。 そして、何より頑張った、私。本当によくやった、私。 お産は、長い人・短い人、自然分娩、無痛分娩、帝王切開など本当にいろいろな形がありますが、すべて母親の頑張りがあって成立するものだと思います。世の中の母親、みんな尊いです。お疲れ様です!あいさん、出産おめでとうございます! あいさんの出産、育児エピソードはInstagramから更新されていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。 この投稿をInstagramで見る あい (ゆいどんママ)(@yui_dondon)がシェアした投稿 - 2019年 2月月23日午前7時50分PST 監修/助産師REIKO※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者:イラストレーター あい2018年5月生まれの長女ゆいどんの母。ゆいどんに振り回され毎日ドタバタな日常を送る新米ママデザイナー。育児の大変なことも笑い変えて前向きに!をモットーに、ブログやInstagramで妊娠・出産・子育ての体験記を更新している。
2019年11月11日初めての出産は、いつ陣痛が来るか、どのような痛みかもわからずドキドキですよね。わたしもその日がいつ来るのか、落ち着かない日々を過ごしていました。 ただの腹痛? それとも陣痛?出産予定日の夕方、軽い腹痛が……。ただの腹痛なのか、陣痛なのかわからず、そしてまたいつ痛みが来るのかわからないので不安でした。 陣痛アプリで間隔を計り、間隔が規則的になったところで病院に連絡しました。すると、「入院セットをもって病院に来てください」とのことだったので病院に向かうことに。 最初は余裕! 1時間後には!? 病院に着いて陣痛室に入り、最初は夫と楽しく談笑する余裕がありました。初産婦は出産に平均15時間くらいかかると聞いていたので、まだまだ長いぞ! と自分を奮い立たせていました。 しかし、だんだん痛みが強くなり、おしりを押される感覚が出てきたのでナースコール。子宮口が4cmから9cmに一気に開いており、分娩台へ移動することになりました。ここまで病院到着から約1時間のできごとでした。 展開が早すぎて現実味がない出産に。しかし!分娩台に移動しても展開が早すぎて現実味がなく、助産師さんに「冷静ね」と言われてしまうほどでした。しかし、いざ分娩が始まると分娩の痛み、特に赤ちゃんの頭がはさまったときの痛みは、思わず体をよじってしまうほどでした。 先生が来てわが子が生まれた瞬間はその痛みも吹っ飛び、本当に自分から生まれたんだ! と、とても愛おしく感動しました。そして、病院に着いて想定していた時間より早く生まれたので、すぐに2人目が欲しくなりました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー イラスト:sawawa著者:こばやし みゆ0歳の一児の母。サービス業で現在育児休暇中。 自身の出産に関する体験談を執筆。 ✿❀ベビカレ秋のマンガ祭り❀✿大好評のマンガ記事を増量してお届けする期間限定“マンガ祭り”開催中! 人気レギュラー連載10作品に加え、新たにゲスト連載8作品が登場♪ 育児や家事、仕事などの合間の息抜きタイムにどうぞ♡
2019年11月10日「陣痛」「出産」というと、とにかく「痛い」というイメージが強いですよね。私も出産前に散々インターネットで出産の痛みについて調べていましたが、実際の私の出産はそんな予想を超えてしまうものでした。私の出産エピソードをご紹介します。 陣痛までの経緯私の出産は破水からスタートしたので、このあとに陣痛が来るんだという心構えはできており、おなかの張りの間隔が次第に短くなる感覚もよくわかりました。 ところが、「今日は生まれなさそうですね」と助産師さんに言われ、まだまだ生まれないのかと落ち込みました。そんな状況で眠れるはずもなく、ずっと本を読んで過ごしていました。出産に対して不安はありましたが、病院にいたことで安心感はとても大きかったことを覚えています。 まさかの「痛くない」陣痛体験その日、21時になった時点で破水してから7時間が経過していました。本を読んでいるときに便意をもよおしてトイレへ。ところが、出ません……。この流れを繰り返し、10回以上トイレに行っていました。そんなときに、気が付いたのです。これは便意ではなく「陣痛だ」ということに。 その後、陣痛室に移動し、この「トイレに行きたい」という感覚とずっと戦っていました。私が感じた陣痛は「痛い」ではなく「トイレに行きたい」だったのです。 気が付いたら分娩台への移動、出産へ 私の陣痛は「うんちが出そう」という感覚しかなく、波が来るたびにおしりをテニスボールで押していました。その後、痛くなるのかと思いきや、そのまま分娩台に移動。10分で出産となりました。 自分でも本当に初産かと疑うスピードで、出産までの4時間の間、「痛い」という感覚がなく終わってしまいました。初めて「痛い」と思ったのが、会陰切開による傷です。「鼻からスイカ」の体験もできずにあっという間に終わった出産でした。 陣痛・出産までの経緯は十人十色。マニュアル通りにいくようなものではありません。どんな出産でもきっと自分の人生の中でも特別な時間になりますよ。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー イラスト:imasaku著者:今井さくら一児(女の子)の母。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。 ✿❀ベビカレ秋のマンガ祭り❀✿大好評のマンガ記事を増量してお届けする期間限定“マンガ祭り”開催中! 人気レギュラー連載10作品に加え、新たにゲスト連載8作品が登場♪ 育児や家事、仕事などの合間の息抜きタイムにどうぞ♡
2019年11月03日第4子を出産したときのこと。第3子と年子での出産だったため、お産も早いだろうと思っていました。でも陣痛が強くなったり、弱くなったりで、なかなかお産は進まず……。 陣痛は来ているものの、なかなか強くならない!4人目の陣痛は深夜に始まりました。家で10分間隔になるのを待ち、いざ産院へ向かうと、着いたころには5分間隔に。経産婦だし、お産の進みは早いだろうということで、産院に着いてすぐに分娩台へ上がりました。 5分間隔だった陣痛が徐々に3分間隔になり、いよいよかと思ったら、なぜか3分間隔から5分間隔に逆戻り。陣痛の痛みもまだまだ我慢できる程度。そしてそのまま陣痛の間隔は、5分間隔から10分間隔へと延びていってしまったのです。 思わず自分から「歩きましょうか?」分娩台に上がってから3時間ほど経っても、陣痛は10分間隔~5分間隔をさまよっている状態でした。助産師さんたちも「どうしちゃったのかね」と苦笑い。だんだん申し訳なくなってきて「私、歩きましょうか?」と、自ら申し出てしまいました。 そして朝日が差し込む産院の廊下を、助産師さんと一緒に何往復も……。1時間ほど歩いて、やっと陣痛が3分間隔に。慌てて分娩台に戻り、ついに!? と思いきや、まさかのまた5分間隔、10分間隔と逆戻りをし始めたのでした。 破水したのも忘れて談笑……気づけば、先生方の出勤時間になっていました。先生に内診をしていただき、人工破膜をすることに。「子宮口が8cmまで開いているから、破水したらすぐだよ」と言われたのですが、破水しても陣痛は強くならず……。助産師さんたちとしばらく談笑できるほどでした。 助産師さんの「そういえば破水したんだよね?」という言葉に、「あ、そうだった」と我に返るほど、まったりとした時間を過ごしていました。 陣痛が弱いのに、どうやっていきんだらいいの!?破水から1時間ほど経ったころ、助産師さんが微弱な陣痛の最中に子宮口を確認すると、子宮口は全開の10cmに。「もういきんでもいいよ!」と、助産師さんからGOサインが出たのですが、何しろいきみたい感じがないので、どうやっていきんだらいいのか「?」でした。 とりあえず弱い陣痛に合わせて、下腹部に力を入れてみることに……。何度かやっているうちに、徐々に陣痛が強まり、痛みはそのまま頂点に! そしてやっと第4子が誕生したのでした。今回は第1子のときの分娩所要時間を大幅に超え、6時間36分という過去最長記録を更新しました。 弱くなったり強くなったりを繰り返し、何とも不思議な陣痛でした。陣痛中は「マイペースな子だなぁ」と思うことで、自然とリラックスでき、落ち着いていられました。その点を踏まえると、4人の子どものなかで一番長いお産でしたが、一番いいお産でもありました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ライター 木村なち三児の母。現在4人目を妊娠中。パニック障害を抱えながらの妊娠・出産・育児の経験に基づき、体験談を中心に執筆している。
2019年10月30日3人目もひどいつわりでしんどい妊婦生活でしたが、とにかくよく動く元気な赤ちゃんでした。ママとして3度目の出産ともなると、陣痛の流れやいきみ方、タイミングがなんとなくわかっていたので、一番スムーズに産むことができたのですが……。その後、思いもよらぬ展開が待っていたのです。 3度目はスムーズな出産!出産が近づくと、赤ちゃんは下がってきてあまり動かなくなるとよく聞きますが、私の3人目の子は、出産当日も元気に動いていました。出産予定日を3日過ぎた朝におしるしがあり、夕方になんとなく陣痛が規則的に感じたので産院へ行くことに。 ひとり、陣痛室で耐えること数時間。ひたすら静かに痛みと向き合いました。おしりのあたりまで赤ちゃんが下がってきた感覚がしたので、助産師さんを呼び、いよいよ分娩台に。 「無事に産めた」と思ったのもつかの間分娩台に上がってからも、私は落ち着いて出産することができました。ところが、「無事に産めた」と思ったのもつかの間、赤ちゃんが新生児室に移動してから、私の意識が朦朧とし始めてしまったのです。また同時に、助産師さんが血圧が異常に下がっていることに気付き、にわかに大騒ぎに! 今度は私の周りに医師や看護師さんが集結して、おなかを上からぐいぐい押していました。私は意識が遠のきつつも「痛い!」と言いながら、何とか産後の処置は終了しました。 産後の貧血がつらかった!このとき、出血が1リットル以上あり、その場から自分では起き上がれないほど貧血になっていました。回復室でしばらく過ごし、病室に移動できたのは、翌日のこと。毎日鉄剤を点滴し、退院も少し遅れてしまいましたが、輸血はしなくてすみました。 改めて「出産は何が起こるかわからない」と実感したできごとでした。退院後も鉄剤を飲み、時々ひどい腹痛などがありましたが、1カ月後には落ち着きました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:山田孝子不妊治療を経て高齢出産し、現在は三児の母。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。趣味は旅行、仏像鑑賞、モノづくり。
2019年10月28日初めての出産は、わからないことだらけ。初産のとき、私もわからないことが多く、不安になることがありました。共に陣痛に耐えていた妊婦さんたちが、次々と分娩室へ……。「私が分娩台に上がるのはいつ!?」と、焦ってしまった出産体験談をお送りします。 分娩室になかなか入れなくて焦る気持ち初めての出産のとき、病院に到着してから分娩室に入るまでの間は、分娩室の横の部屋で陣痛に耐えていました。その病院では、子宮口が十分に開いてから分娩室に移動するとのことでした。 つらい陣痛に耐えていると、私よりあとから病院に到着した妊婦さんが私を追い越して分娩室に入っていくことに気付いたのです。「私が先に病院に来ていたのにどうして先に!?」と不安になるなか、しばらくすると赤ちゃんの産声が聞こえてきました。 初産婦と経産婦の違いを知らなかった!なかなか分娩室に案内されず、時間がかかっていることに問題はないのかと、ナースコールを押して何度聞いたかわかりません。「問題ないですよ」と言われても、周りの妊婦さんとの違いに不安が募りました。陣痛に耐えている間は、時間の感覚がいつもよりも遅く感じたため、余計に心配でした。 そんなとき、助産師さんから「初産と2人目を産むのとでは、出産までの時間のかかり方が違うんですよ」と聞き、ようやく納得しました。私はそのことを知らず、勝手に周りの様子を伺って焦っていたのでした。 初産は時間がかかる!陣痛が始まってから子宮口が開くまでの時間は個人差がありますが、一般的に2人目・3人目(経産婦)の出産は、初産婦より早くなるのだそうです。その後、さらにもう1人の妊婦さんが先に分娩室に入っていき、そしてまた、分娩室から元気のいい産声が聞こえてきました。 私は陣痛が遠のいてしまっていたので、そのまま何時間も分娩室には入れませんでした。そして、ようやく子宮口が十分に開き、分娩室へ移動することができたのです。 2人目を産んだのは別の病院でした。今度は初産の方の陣痛中に私が分娩室へ。あとから来た経産婦さんが、先に分娩室に入ることはよくあることだと知っておくと焦らずに済みますね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:斉藤あや大人しく内気な娘と楽天的で活発な息子、男女二児の母。ママ・パパに役立つ情報をお届けすべく、これまでの育児経験を生かして、育児の工夫やお役立ちグッズなどの情報を発信中。
2019年10月23日猫の手貸して~育児絵日記~
うちはモフモフ暮らし
めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々