Spotifyが、2019年の音楽シーンを振り返る、世界と日本のランキングを発表。2019年の「世界で最も再生されたアーティスト」には、今年だけで65億回以上の再生を記録したポスト・マローンが輝いた。また最新アルバム『Hollywood’s Bleeding』も配信開始から僅か12週間で「世界で最も再生されたあるアルバム」の2位となった。2019年は女性アーティストの活躍が目立った年になり、「世界で最も再生されたアーティスト」の2位と3位には、ビリー・アイリッシュとアリアナ・グランデがそれぞれランクイン。中でも弱冠17歳のビリー・アイリッシュは、今年60億以上の総再生回数を記録し、アルバム『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』は「世界で最も再生されたアルバム」となった。Spotifyで女性アーティストのアルバムが、年間最も再生されたアルバムとなるのは初めてのこと。「世界で最も再生された楽曲」は、サマーアンセムとして人気を呼んだショーン・メンデス、カミラ・カベロの「Señorita」で、10億を超える再生回数を記録。ランキングではビリー・アイリッシュ「bad guy」、ポスト・マローン、スワエ・リー「Sunflower - Spider-Man: Into the Spider-Verse」、アリアナ・グランデ「7 rings」、ビリー・レイ・サイラス、リル・ナズ・X「Old Town Road – Remix」がこれに続いた。日本国内のランキングでは、あいみょんが「日本国内で最も再生されたアーティスト」に、Official髭男dism「Pretender」が「日本国内で最も再生された楽曲」にそれぞれ輝いた。各ランキングのプレイリストは、「日本国内で最も再生されたアーティスト」()、「日本国内で最も再生された楽曲」()にてチェック。一方、「海外で最も再生された国内アーティスト」には3年連続でONE OK ROCKが輝き、「海外で最も再生された国内アーティストの楽曲」は映画・アニメ・ゲームなどに関連する楽曲が上位を占拠した。また2019年はポッドキャストが大きな成長を遂げた年となった。Spotify上で利用できるポッドキャストの番組数は現在50万を超え、世界のポッドキャストのリスナー数も前年比50%以上増加。コメディ、社会・文化、犯罪ドキュメンタリー、ニュース、健康に関するポッドキャスト番組が特に人気を博している。さらにSpotifyは2010年代最後となる今年、過去10年間に世界で最も再生されたアーティストのランキングも合わせて発表。第1位は280億以上の総再生回数を記録したドレイクで、エド・シーラン、ポスト・マローン、アリアナ・グランデ、エミネムがこれに続く。過去10年で最も再生された楽曲には、23億回以上の再生を記録したエド・シーランの「Shape of You」が輝いた。なおSpotifyユーザーは、自身が今年最も聴いた楽曲やアーティストをSpotify上および、特設サイト「あなたの2019年まとめ」()で確認が可能。また、今年よく聴いた楽曲を集めた「My Top Song 2019」プレイリストも配信される。
2019年12月05日元NGT48の菅原りこが3日、都内で行われた舞台『罪のない嘘~毎日がエイプリルフール~』の記者会見に、佐藤B作、辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、小林麻耶、あめくみちこ、鈴木杏樹、片岡鶴太郎とともに出席。今年5月にNGT48を卒業して以降、初の舞台出演となる本作への意気込みを語った。1996年に三谷幸喜氏が「劇団東京ヴォードヴィルショー」のために書き下ろしたシチュエーションコメディを原作とする同舞台は、あるマンションの1室で繰り広げられるコメディ。菅原は、佐藤B作演じる主人公・鏑木研四郎の娘・ちよみを演じる。菅原は、演じるちよみについて「人柄がとても家族思い。素直な面もあって、とても明るい印象を受けるような純粋な女の子」と説明し、「その子に近づけるようにお稽古を積んで頑張っていきたい」と意気込み。「舞台は2回目で、まだまだ勉強しないといけないことがたくさんあるので、豪華なキャストのみなさまのことを学びながら少しずつ勉強して、本番で素晴らしい演技ができるように。見に来てくださるみなさんにも笑顔やほんわかした気持ちになっていただけるように頑張って演技をしたい」と語った。さらに、「みなさまの演技をじっくりと見て、ちゃんと一つ一つ演技を勉強して、自分のものにしていけるように頑張りたい」と話すと、佐藤B作が「そんな余裕ないと思いますよ。自分の役だけ考えてりゃいいですよ」と助言。菅原は「ダメ出しもらってうれしいです。このダメ出しも自分のものにして頑張りたいと思います」と笑顔で受け止めた。また、新たなスタートが舞台となったことについて、「直接ファンの方と顔を合わせられるのでとてもうれしく思っています」と喜び、「昔の仲間に見に来てほしい?」と聞かれると、「そうですね。でもみんなもとても忙しい時期だと思うので。来られる時間があったら見に来てもらいたいなと思っています」と答えた。舞台『罪のない嘘~毎日がエイプリルフール~』は、2020年1月9日~19日に東京・ヒューリックホール東京で上演。以降、大阪、広島、福岡、北九州、愛知でも上演する。
2019年12月03日フリーアナウンサーの小林麻耶が3日、都内で行われた舞台『罪のない嘘~毎日がエイプリルフール~』の記者会見に、佐藤B作、辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、菅原りこ、あめくみちこ、鈴木杏樹、片岡鶴太郎とともに出席し、舞台初出演の意気込みを語った。三谷幸喜氏の名作『アパッチ砦の攻防』を原作とする同舞台は、あるマンションの1室で繰り広げられるコメディ。小林は、主人公の鏑木研四郎(佐藤B作)の娘・ちよみ(菅原りこ)の恋人である堤万次郎(辰巳雄大/室龍太)の母親・堤タミ子を演じる。小林は「今回が舞台初出演ですが、タミ子さんをどんな風に演じたらいいのか、タミ子さんを細かく想像しながら、タミ子をしっかりと演じられるようにたっぷりと稽古をしたいと思います。B作さんをはじめ、素晴らしくて個性豊かな共演者のみなさまとご一緒できるので、たくさんのことを学びたいと思います」と意気込み。また、「私はドラマ『あすなろ白書』が大好きで、鈴木杏樹さんとご一緒できるなんて今も信じられない気持ちでいっぱいです。タイムマシーンがあった中学生の自分に言いたいなと思います」と目を輝かせながら鈴木を見つめた。また、舞台初出演の心境を改めて聞かれると、「とてもうれしくて気合い十分です。ワクワクが止まりません。不安はあるんですけど、それよりもワクワクのほうが大きくて。ただ、思わずぶりっ子が出ないように気を付けなくてはなと思っています」と心境を語り、息子役の辰巳について「こんなにかっこいい息子がいるなんて」と話すと、辰巳も「こんなにキュートなお母さんがいるなんて」と返した。そして、辰巳が「年もそんなに離れてないんですけど、実年齢だと」と加えると、小林は「母らしくできるように頑張りたいと思います」と意気込んだ。昨年7月に結婚した夫で整体師・タレントのあきら。こと國光吟さんについて「『頑張ってね』って言ってくれました」とうれしそうに明かし、「見に来てくれるって言っていたので、とびっきり頑張ろうと思っています」と笑顔で話した。舞台『罪のない嘘~毎日がエイプリルフール~』は、2020年1月9日~19日に東京・ヒューリックホール東京で上演。以降、大阪、広島、福岡、北九州、愛知でも上演する。
2019年12月03日アイドルグループ・ふぉ~ゆ~の辰巳雄大が3日、都内で行われた舞台『罪のない嘘~毎日がエイプリルフール~』の記者会見に、佐藤B作、小林麻耶、菅原りこ、あめくみちこ、鈴木杏樹、片岡鶴太郎とともに出席。小林麻耶が母親役を演じることに「びっくりした」と言い、「日本一キュートなお母さんのもと、幸せな息子としてこれから頑張っていきたい」と話した。三谷幸喜氏の名作『アパッチ砦の攻防』を原作とする同舞台は、あるマンションの1室で繰り広げられるコメディ。辰巳は、佐藤B作演じる主人公・鏑木研四郎の娘・ちよみの恋人である堤万次郎を演じる。室龍太(関西ジャニーズJr.)とのWキャストで、辰巳は1月・2月公演に出演する。辰巳は「僕はお芝居が本当に大好きで、舞台も大好きです。その中で、三谷幸喜さんの作品に出るのは目標で、念願の三谷さんの作品なので、その世界にどっぷりつかって、堤君として舞台上で生きていけたらいいなと思っています」と気合十分にあいさつ。また、「何よりびっくりしたのは台本の分厚さ。すごい会話劇なので…。もう1つびっくりしたのが、僕のお母さんが小林麻耶さん。日本一キュートなお母さんのもと、幸せな息子としてこれから頑張っていきたいと思います」と話した。辰巳演じる堤万次郎の母・タミ子を演じる小林は、今回が舞台初出演。「とてもうれしくて気合い十分です。ワクワクが止まりません。不安はあるんですけど、それよりもワクワクのほうが大きくて。ただ、思わずぶりっ子が出ないように気を付けなくてはなと思っています」と心境を語り、息子役の辰巳について「こんなにかっこいい息子がいるなんて」と話すと、辰巳も「こんなにキュートなお母さんがいるなんて」と返した。そして、辰巳が「年もそんなに離れてないんですけど、実年齢だと」と加えると、小林は「母らしくできるように頑張りたいと思います」と意気込んだ。舞台『罪のない嘘~毎日がエイプリルフール~』は、2020年1月9日~19日に東京・ヒューリックホール東京で上演。以降、大阪、広島、福岡、北九州、愛知でも上演する。
2019年12月03日「テメエの気持ちだけで芝居するんじゃねえよ、この大根が!」インパクト大の、この発言。自分が俳優で向けられたらたまったものではないが、ひとりよがりな芝居をしている俳優に向けて吐いた言葉であれば、どれだけ胸がすくことか。この“台詞”を言った当人・成海璃子も、「言いながら“ああ、もうなんていい台詞…!”って思いましたよ(笑)。すっきりしました!」と破顔した。10代から20代へ、芽生えた責任感「自分のパフォーマンスで評価をされるから」俳優にもいろいろなタイプがいますよね、と話を振れば、成海さんは「“俳優だから何でもやりますよ”という気持ちがいい人が好きです。きっと自信があるから何でもできるというのがあると思いますし。…現場で急にゴネたりする人は嫌(笑)」と、きっぱりと答えた。かくいう成海さん自身も、「基本的には何でもやれなきゃいけないな、と思っています」と俳優としてのスタンスを示す。子役時代から芸能の世界に身を置き、いろいろな大人と仕事をして、場数を踏んだ。「10代のときとかは…ちょっと面倒くさいことを言っていたかもしれない(苦笑)。でも、やっぱり、それは変化したのかなと思いますね。昔…小学生、中学生の頃は、カメラの前に立つことに関して、緊張したことがほぼなかったんです。20代に入ってからかな、どんどん緊張するようになっています。いつもすごく緊張しているんです」。緊張の理由は、聞くまでもない。「責任感」が芽生えたからだ。「芸で仕事をしているわけなので、自分のパフォーマンスで評価をされるわけだから、無責任なことはできないです。それが一番、自分を動かしていると思いますし、原動力ではありますね」。きちんと言葉を選びながら、心情を明かしていく。「正直…いろいろな時期がありました。“自分の納得したものしかやりたくない”と言っている時期も、すごく長かったんです。けど、大人になったいまは、ほかの人の意見もわかるようになったというか、周囲の声に耳を傾けるようになりました」。納得した作品に出るという成海さんの意思は、かつて映画誌で連載を持っていたほど、自身が無類の映画好きなことにも関係するだろう。磨かれた審美眼から、自己に向ける評価にも甘えはなく、「どんな作品に成海璃子が出るか」について、こだわるのは当たり前といえる。「基本的には、すごくシンプルなんですけど、やっぱり脚本を読んで”面白いな“と思った作品に参加したいんです。優先順位は、バジェットよりも面白さ。一方で、ちゃんと人の目に届かないと意味がないとは思いますし、まずは観てもらえないとしょうがないから、偏りたくないのでバランスは見ます」。心から面白いと思い、巡り合えた『ゴーストマスター』出演作に妥協することのない成海さんが、「本当に心から“面白い!やりましょうよ!”と思った」と即断したのが、最新主演映画『ゴーストマスター』だった。「究極の映画愛」というコピーが躍る本作は、名前だけは一流の助監督・黒沢明(三浦貴大)が、いつか自分が監督として撮ることを夢見ている大事な脚本「ゴーストマスター」に悪霊を宿し、キラキラ恋愛青春映画『僕に今日、天使の君が舞い降りた』の撮影現場を阿鼻叫喚の地獄絵図へと変えていく物語。予測不能、衝撃的な展開の連続だ。成海さんは、黒沢が憧れている女優の渡良瀬真菜を演じ、モンスター化したキラキラ映画『僕に今日、天使の君が舞い降りた』の主人公・勇也(板垣瑞生)と死闘を繰り広げる。強いて言うならホラー要素が強めだが、スプラッター、コメディとごった煮ジャンルがスリリングで、大きな持ち味の作品だ。出演の決め手について改めて聞くと、成海さんは「もう楽しそう、楽しそう! と思いました。できあがりがどんな風になるか、まったく想像はつかなかったんですけど、とにかく脚本から熱い想い、熱量だけはすごく感じて。乗ってみよう! っていう気持ちでした」と笑顔で語る。劇中では、成海さんがカチコチに固まった特大アイスバーらしき“あずきのバー”で戦うという、シュールかつ見ごたえのあるアクションシーンもふんだんに盛り込まれている。お相手は、いけ好かないイケメン俳優・勇也を演じている板垣さんだ。アクションについて話が及ぶと、成海さんはさらにパッと顔を輝かせ、自分のことはさておき、板垣さんを絶賛する。「板垣くんのポテンシャル、すごく高いですよね!?イケメンなのに、特殊メイクをずっとしていても全然大丈夫だし、普段ダンスをやっていることが活きているのか、すごく動けるし。それに、なんて頭のいい子なんだろうと思いました。本当に素敵…と思ったので、“板垣くん、いいよ”って周りにすっごく言っています(笑)」。しかし。「板垣くんが演じた勇也みたいな役者は、嫌いです(笑)。台本にあることを“これってどういう意味ですか?”とか聞くでしょう? “意味なんてないよ、書いてある通りに言えばいいんだよ”って私は思っちゃう」と、思わず本音をポロリ。そう、冒頭の台詞「テメエの気持ちだけで芝居するんじゃねえよ、この大根が!」は、真菜が勇也に対して放ったものなのだ。「あの台詞には、本当に気持ちがこもってますよ」とフフフと微笑む成海さん、気合いの入ったその姿はスクリーンでぜひ確認してほしい。「死ぬまでやっていきたい」俳優という仕事の面白さとは極限まで映画を愛し、映画に人生を狂わされた映画人の顛末が描かれる本作。形は異なるものの、成海さんも映画に魂を捧げたひとりと言っていいだろう。そして、映画に寄り添い、作品のメッセージを伝える根幹の「俳優」という職業は、彼女の天職にほかならない。「女優の面白さは、制限がないところだと思います。年齢を重ねてもできますし、もしかしたら、死ぬまでできるかもしれないじゃないですか。ずっと続けていける仕事だと思います。例えば、これから先、私が家庭を持てば自分自身も変化するでしょうし、そうなると、どんどん表現できることも変わっていくのかなという気がするんです。仕事以外でも、いろいろなことを経験することが大事だなって、最近思っているんです」。第一線で俳優を続けることは、たやすくはない。それでも成海さんは、「撮影現場がやっぱり面白いし、好き」という気持ちを胸に、引き受けた役に責任を持ち、今日も現場に向かい、心血を注ぐ。最後に、やっぱり聞いてしまった。「俳優は、死ぬまでやっていきたい職業、やりたい職業ですか?」と。答えはもちろん、気持ちよく「はい」だった。(text:Kyoko Akayama/photo:You Ishii)■関連作品:ゴーストマスター 2019年12月6日より新宿シネマカリテほか全国にて順次公開©2019『ゴーストマスター』製作委員会
2019年12月03日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの3作品!ぴあ編集部 坂口英明19/12/2(月)イラストレーション:高松啓二この週末に公開の作品は15本(ライブビューイングを除く)。全国のシネコンで拡大上映されるのが『ルパン三世 THE FIRST』『午前0時、キスしに来てよ』『ラスト・クリスマス』の3本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が12本です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい3作品をご紹介します。『ラスト・クリスマス』これぞクリスマス・ロマンティック・コメディ!主人公ケイトはちょっとドジで愛嬌のあるクリスマスショップの女性店員。いつも小妖精の格好をして働いています。場所はロンドン。街全体がイルミネーションでキラキラ輝く季節。雪も少し降り。そこに謎めいたアジア系の青年トムが現れて。ワム!の『ラスト・クリスマス』が流れ……。もうすべてがそろっています。ワム!の、その大ヒット曲からインスパイアされたオリジナル・ストーリー。クリスマスに他界したジョージ・マイケルの歌は、未発表曲も含め、劇中ふんだんにちりばめられています。原案・脚本を担当したのはイギリスの大女優エマ・トンプソン。ケイトの母親役で出演もしています。そういえば、彼女は同じくロンドンを舞台にしたクリスマス映画『ラブ・アクチュアリー』にも出演していましたね。主演のケイト役はエミリア・クラーク、トム役には『クレイジー・リッチ!』のアジア系イケメン、ヘンリー・ゴールディングが扮しています。クリマスショップの、サンタとよばれるオーナー役はミシェル・ヨー(私は『グリーン・デスティニー』を思い出します)。彼女の大人の恋や、ケイトの家族の物語、トムがボランティアで手伝うホームレスのためのイベント、そして感動のラスト!映画館を後にするときは、あのメロディを口ずさみ、幸せな気持ちになっているはずです。『私のちいさなお葬式』心臓病で医者に余命わずかと宣告された73歳の女性が、誰にも迷惑をかけずに、ひとりでひっそりと自分のお葬式をやろうと決める、そんなロシアの「終活」映画。といってもシリアスなドラマではなく、どちらかというとクスリと笑える系のコメディです。小さな村の、ひとつしかない学校で長年教師を務め、いまは年金生活。夫に先立たれてひとり暮らし。都会に居る息子は成功していて忙しく、5年に一度顔をだす程度。自死をする覚悟で、生前にお葬式の準備をしてしまおうとするのですが、例えば、死亡診断書とか、本来なら亡くならないと出せません。でも村に住む大人はほとんど教え子。真面目な、でも優しいこの先生に頼まれるといやとはいえないのです。諸手続きを済ませ、棺桶を買い、葬式での食事を用意。あとは死ぬだけなのですが……。主演のエレーナを演じるマリーナ・ネヨーロワ、隣家に住む友人役のアリーサ・フレインドリフという、ロシアを代表する名女優ふたりが、ともに存在感のある演技で素晴らしいです。原題は「解凍した鯉」。登場する鯉の「名演技」も観ものです。驚いたのが劇中歌。日本ではザ・ピーナッツが歌った『恋のバカンス』のロシア語版が主人公の思い出の歌のように流れます。宮川泰が作曲した1963年のヒット曲ですが、ソ連でも大ヒットしたそうです。聡明で、どこかかわいらしいおばあちゃんの、愛すべきロシア映画です。首都圏は、12/6(金)からシネスイッチ銀座他で公開。中部は、12/14(土)から名古屋シネマテークで公開。関西は、12/6(金)からシネ・リーブル梅田で公開。『リンドグレーン』スウェーデンの作家、『長くつ下のピッピ』などの子供向け小説で世界的に知られるアストリッド・リンドグレーン。1907年に生まれ94歳で他界した彼女の、16歳から10年間、まさに「作家リンドグレーン」が誕生するまで、を描いています。彼女は、スウェーデン南部の小さな町ヴィンメルビー生まれ。教会の土地で農業を営む、大家族のなかで育ちました。身の回りのことを書いた作文が地元紙に掲載されたことがきっかけで、小さな新聞社で編集助手の仕事を得ます。ときには秘書、取材や原稿書きもする、楽しそうなハイティーン。ポスターなどメインビジュアルでは、この頃の彼女の生き生きとした姿が使われています。ところがこの後、年上の男性との不倫、シングルマザーになる、など、戦前の女性としては波乱万丈のストーリーが待っています。その中に、彼女がなぜ、世界の子供たちに愛読されたエバーグリーンの物語を作ることができたかという秘密への答えもあります。作家になってからのサクセスストーリーよりも、小説の愛読者にとって、興味のある内容かもしれません。同じ北欧、デンマークを代表する女性監督のひとり、ペアニレ・フィシャー・クリステンセン作品。岩波書店の本でおなじみのリンドグレーンの映画、東京の上映館は当然、岩波ホールです。首都圏は、12/7(土)から岩波ホールで公開。中部は、1/11(土)からセンチュリーシネマで公開。関西は、12/27(金)からシネ・リーブル梅田で公開。
2019年12月02日11月24日に亡くなった元KARAのク・ハラさん(享年28)。その死が余波を生んでいる。ハラさんとプライベートでも親交のあったハリセンボンの近藤春菜(36)は25日、「スッキリ」(日本テレビ系)に生出演。「こんな悲しいニュース聞きたくなかった」と語り、涙ながらに「KARA5人で活動し、日本に来て仕事をしているときに、私もプライベートで交流をもたせてもらったりしていて。私にちょっかいを出してきてくれたり、よく笑う子で素敵な子だなと思っていた」と明かした。ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」の主演女優であるイ・ヨンエ(48)も同日、その心痛を明かした。WoW! Koreaによると「本当に心が痛い。芸能人は風船のような存在。何てことない針1本で弾けてしまう存在だ」と心情を吐露。またBIGBANGのT.O.P.(32)はハラさんから送られた誕生日のメッセージをInstagramのストーリー機能で公開したが、それに対し返信できなかったことを謝罪。そして「夢がたくさんあって、音楽と仕事に情熱を燃やし、心がもろくて誠実な子、ハラ」と回想した。また同サイトによると、KARAのメンバーだったホ・ヨンジ(25)はレギュラー番組「コメディビッグリーグ」の収録を欠席したという。スポニチアネックスによるとハラさんは日本在住だったが、亡くなる前日に「用がある」と話して韓国へ帰国。そして亡くなった現場には非常に短い、自身の境遇を悲観するようなメモが残っていたという。また他殺の可能性もなく、警察は自殺との見方を強めているという。リベンジポルノに苦しみ、近年はうつ病を患っていたというハラさん。しかし悩みの種はそれだけではなかった。「ハラさんを追い込んだのはネットの誹謗中傷ともいわれています。未だハラさんの死亡した記事にさえ、卑劣な言葉が書き殴られているのも見かけます。韓国ではネット上の中傷で死まで追い詰めることを“指殺人”と呼んでおり、ハラさんの親友であり先月に亡くなったf(x)の元メンバー・ソルリさん(享年25)も犠牲者だと考えられています」(韓国の芸能界に詳しい記者)ネットではハラさんやソルリさんの死を受け、ネット中傷がなくなるよう願う声が相次いでいる。《言葉の暴力が原因で心が繊細な人が自殺してしまうなんて他殺も同然。誹謗中傷に対する取り締まりが甘いすぎる。もっと厳しくするべき》《平気で誹謗中傷するような世の中。それが集まれば人が死ぬ凶器になる。言動する前に1回考えよう?これを機に考えていこう?》《ソルリちゃんもハラちゃんもなんであんなに誹謗中傷されなきゃいけなかったの》
2019年11月26日『HiGH&LOW』シリーズの“村山”から先の朝ドラ「なつぞら」の“雪次郎”まで演じ分ける俳優・山田裕貴が、MBS/TBSドラマイズム枠にて異色のオリジナルドラマ「SEDAI WARS(セダイウォーズ)」に主演。さらに、MBSドラマ特区にて放送される学園サイコ・ラブコメ「ホームルーム」でも主演に決定。連ドラ初主演でもある山田さんが同時期2作品主演という偉業を成し遂げる。世代別あるある×ハイテンポアクション「SEDAI WARS」舞台は近未来の日本。世代間の軋轢によって様々な問題が深刻化し、社会は崩壊の一途を辿っていた。そんな中、時の内閣総理大臣に代わって日本を治める大統領を決めるという「SEDAI WARS」の開催が発表!それは“SEDAI(セダイ)”と呼ばれる各世代の代表者が、VR空間内でバトルロイヤルを行うというトンデモない内容で…。団塊、バブル、ロスジェネ、ゆとり、そしてミレニアル。果たして、勝つのはどの世代か!?山田裕貴×「海賊戦隊ゴーカイジャー」坂本監督と再タッグ本作で、ゆとり世代のSEDAIに選ばれてしまった主人公・柏木悟を演じるのが、山田さん。近年、数々の話題作出演で注目を集め、演技に取り組む姿勢から情熱的な実力派俳優として知られる彼が、今度は「自身のキャリア史上、最も冴えない」という、何事に対しても受け身な性格でナヨナヨとしたゆとり世代を演じる。監督は、米国の「パワーレンジャー」シリーズ監督・総合プロデューサーを歴任し、さらに日本3大ヒーロー全てでメイン監督をつとめた唯一の存在でもあるヒーローアクションの第一人者、坂本浩一が担当する。山田さんは「柏木悟という、僕が演じた中でも一番冴えない男が世界を変えます。どう考えたって世界を変えられなさそうな男が世界を変える。やはり人の心です。人柄です(笑)。大人たちが真剣に、真面目にバカをやって、現場は毎日大笑いした作品です。ぜひ、皆さんもこれを見て笑顔になってくれたら嬉しいです」と、アピールしながら自信を覗かせる。また、坂本監督は「とんでもないドラマです!どの世代にも必ず突き刺さる要素満載。コメディ?アクション?特撮?人情ドラマ?自分でもどんなジャンルか分かりません…笑」とコメント。「今までに見たことないドラマだということは間違いなしです!」と語っており、「海賊戦隊ゴーカイジャー」から知る「山田裕貴の魅力爆発です!」と力強いコメントを寄せている。女子生徒を狂愛するド変態教師に…「ホームルーム」講談社のウェブコミック配信サイト「コミックDAYS」で連載開始以来、圧倒的な売り上げNO.1を誇り、「登場人物がヤバすぎる…」「展開がマジで予測不能!!」と話題沸騰、多くの電子書店でも総合ランキング1位を獲得した戦慄の学園サイコ・ラブコメが実写ドラマ化。物語の主人公は、爽やかイケメン教師・愛田凛太郎。学園でも女子生徒からダントツの人気で、「ラブリン」の愛称で親しまれている。そんな愛田先生が担任するクラスでは、生徒の桜井幸子に対して、毎日不快なイタズラが続いていた…。正義感が強い愛田先生は、幸子がイジメられる度に助けに向かい、優しく手を差し伸べる。その姿は、幸子にとってまさに“ヒーロー”!そんな先生に対し、幸子は好意を抱いていた――。しかし、いつだって皆の人気者の愛田先生には、あるとんでもない秘密が!実は、幸子をいじめていた犯人は、愛田先生本人だった。幸子が好きすぎるあまり、自分でイジメて自分で救う、自作自演の救出劇を繰り返し、幸子のヒーローを装っていたのだ。衝撃の学園サイコ・ラブストーリーが、ここに開幕する…。山田裕貴×小林勇貴の最強W“ゆうき”タッグ「とうとうぼくの変態性が…」爽やかイケメンで、幸子を狂愛するド変態ストーカー教師・愛田凛太郎役を演じるのが山田さん。ド変態ストーカー教師という、かつてない異色の役柄に挑む。山田さんは「とうとうぼくの変態性が世にばれてしまう時がきてしまいました(笑)。共演する皆様にも気持ち悪がられると思います(笑)いや、役です。あくまで愛田という男が悪いのです。でも、この世界観でぼくの奥底に眠る化け物を存分に皆様にいじってもらおうと思います。どうか皆様が、山田裕貴のことを嫌いになりませんように」と、気になるコメント。メガホンを取るのは、今年MBS/TBSドラマイズムにて放送したドラマ「スカム」で、第57回ギャラクシー賞上期入賞作品にドラマで唯一の選出が決定、間宮祥太朗を迎えて映画化した衝撃作『全員死刑』や、吉沢亮主演のドラマ「GIVER 復讐の贈与者」などの話題作を次々と生み出している新進気鋭・小林勇貴監督。ラブストーリー初挑戦となる小林監督は「一方的な願望を愛と錯覚して、それを他人に押し付ける人のなんと多いことでしょうか!殴る蹴るの暴力よりもずっと暴力だと思います。あらゆる一方通行の愛が交差する、学園ドラマを描きます!そんな愛憎青春物語を、今一番アツイあの男、山田裕貴と暴れられると思うと、心から嬉しいです!ぶっ倒れるまでヤろうぜ!山田裕貴!」と気合い十分。原作者の千代も「他には無い強烈な作品になると思いすごく楽しみ」と期待を寄せている。ドラマイズム「SEDAI WARS」はMBSにて2020年1月5日より毎週日曜24時50分~、TBSにて2020年1月7日より毎週火曜25時28分~放送。ドラマ特区「ホームルーム」はMBSにて2020年1月23日より毎週木曜24時59分~ほか放送。※放送日時は変更の可能性あり(text:cinemacafe.net)
2019年11月26日『リトル・ダンサー』『フル・モンティ』『ブラス!』など、常にワーキングクラスに寄り添ってきた英国産ヒューマンドラマと、ショービジネスを知り尽くしたハリウッド映画のいいとこ取りが実現したような『ファイティング・ファミリー』。英国ノーウィッチ出身の女性ファイター、ペイジとその家族の愛と絆に魅せられ、映画化を決意したドウェイン・“ザ・ロック”・ジョンソンがメガホンを託したのは、俳優であり、監督・脚本家でもあるスティーヴン・マーチャントだ。意外にも「レスリングのことは全く知らなかった」というマーチャント監督が、撮影秘話や人気英国俳優たちのキャスティング秘話にも触れながら本作について語ってくれた。何だか変テコな家族…でも「彼らとその夢を精一杯応援したくなった」ドウェインから原案となったドキュメンタリーが送られてきたとき、「僕はレスリングもことは何も知らなかった。何だか変テコな家族とそのケッタイな家業についての話みたいだから『笑ってしまおう』くらいの気持ちだったんだ。ところが僕はまるで恋をするように、すぐにこの一家の虜になった。ワーキングクラスの荒々しい家族なんだけれど、お互いに深い愛で結ばれている上、レスリングにも同じくらい愛を注いでいる。彼らとその夢を精一杯応援したくなったんだ」。また、知るほどに「リスペクトが膨らんでいった」というナイト一家にも、直接会いに行った。「彼らが住むノーウィッチの公営住宅に行ってきた。彼らと時間を過ごして、試合を見に行った。一家がどんな風にお互い接して、話すのか、僕はつぶさに観察してノートを取った。もちろん、家の内装とか、一家の着ている服やメークも全て忠実に再現しようとした」という。「重要なシーンは全て事実に即している。ペイジが髪の色を変えたり『レッスルマニア』の楽屋で“ザ・ロック”に会ったことも全部実際にあったことだ」。注目女優フローレンス・ピューのガッツは「スーパー・クール」主人公のペイジ役を務めたのは、2020年『ミッドサマー』『ブラック・ウィドウ』などの日本公開が控え、ブレイク必至の若手女優として熱い視線を送られているフローレンス・ピューだ。「ペイジ役のキャスティングには苦労した」と監督は告白する。「本物のペイジは13歳の頃から家族と一緒にレスリングを続けてきた女性。だから彼女を演じる女優もそんな人生を感じさせてくれなければならない。同時に、イギリスのワーキング・クラス出身ながらカリスマ性もあって、この作品を背負って立って、尚且つWWEのスーパースターとしての素質を併せ持つ人材が必要だった。そんな女性を探し出すため、イギリス中の若い女優に会ったような気がしたよ」。そして、ようやく出会えたフローレンスについては、「完璧なチョイスだった。ユーモアもあるし、タフで皮肉っぽくもあるし、感動もさせてくれる」と自信たっぷり。「フローレンスはスタントを使うギリギリのところまで自分で身体を張ってレスリングしてくれた」と言い、なんと「撮影4日目に、L.A.のステープルズ・センターで試合のシーンを撮ったのだけれど彼女は2万人のWWEファンの前で闘ったんだ。僕自身は危険なシーンだから気が気じゃなかったけれどフローレンスはスーパー・クールに仕事をしてくれた。驚いたよ」。ジャック・ロウデン演じるザックを「応援せずにはいられない」また、ペイジの兄ザックを演じたジャック・ロウデンについても「キャスティングが難しかった」と言う。ジャックは今年の公開作『ふたりの女王メアリーとエリザベス』『イングランド・イズ・マインモリッシー,はじまりの物語』で実在の人物を演じてきたが、本作では「子どもの頃からレスリングのスーパースターになるよう、父親から英才教育を受けてきた」生粋のファイターになりきった。ところが、「ザックは自分がWWEで這い上がっていくものだと信じていたのに、妹の方が選ばれて自分は置いてけぼりをくらってしまった。だから、彼は映画の前半では優しくて面白い兄貴だけれど後半では妹に嫉妬して意地悪をする、そんな役どころなんだ。でもザックを応援せずにはいられない。なぜなら彼を演じるジャックが本物の温かさと優しさを持っている、とても優れた俳優だからだ」。さらに、子どもたちにレスリングの英才教育を施したリッキー&ジュリアのナイト夫妻も英国映画ファン、海外ドラマファンにはたまらないキャスティングとなった。一家の父リッキー・ナイトを演じたニック・フロストとは初タッグだったが、「ずっと尊敬していたし、本当に面白いなと思っていた。キャストの中で彼が唯一の、長年のレスリング・ファンだった。だからキャスティングの打診をした時、既にペイジとその家族についてもよく知っていた」と監督。「彼は体当たりで役に臨んでくれた。父親としての優しさを表現できると同時に、必要とあればちょっと怖い存在にもなってくれた」と太鼓判。そして、母ジュリアを演じたレナ・ヘディについては、「『ゲーム・オブ・スローンズ』のサーセイ役でしか知らない人はこの映画を見て驚くと思う。彼女の役どころは図太くて口が悪くて、時に悪辣でめちゃくちゃワイルドなワーキング・クラスのママさんレスラーなんだ。あの赤い髪の毛も強烈だしね。でもニック同様、温かい人柄や機転の早さもある、とてもチャーミングな女性なんだ」。観客の心を掴んで離さない“ザ・ロック”にヤキモキ!?もちろん「ドウェイン・“ザ・ロック”・ジョンソンの存在も大きい」と監督は言う。「ドウェインは最高だ。あんなに有名なスターなのに一緒に仕事をしやすいし、決してセレブ風を吹かせない」と語り、「彼のおかげでいいレスリングの試合には映画同様、ちゃんと構図があって起承転結があるということを知った。ドウェインは『ファイティング・ファミリー』の試合を一緒に形にしてくれたんだ。主演女優のフローレンス(・ピュー)にも、どうやって観客にアピールするか、試合を運んでいくか、などアドバイスをしてくれた」と明かす。本編のクライマックスとなるペイジの試合のシーンでも、直前のイベントの司会をドウェインが務め、「そのままこっちの映画の撮影に入った」のだとか。「ファンは大喜びだった。まるでエルヴィス・プレスリーが生き返ったかのように、ステージは凄まじい熱気と興奮に包まれた。そしてドウェインの誘導で観客に拍手してもらったり、ブーイングしてもらったりでシーンの撮影はバッチリだった。ただ、あまりに司会が上手いものだから観客が彼を全く離さなくてね」と吐露。「遂に僕は『ドウェイン、黙れよ!』って叫んでしまった。レスリングのイベントでザ・ロックにリングを出るように怒鳴ったのは僕だけだと思う」。楽しげにそう語るマーチャント監督もまた俳優で、『ジョジョ・ラビット』や『LOGAN/ローガン』などに出演し、本作にもザックの彼女の父親役で出演している。「僕自身、大好きなシーン」と挙げるのは、まさに「ナイト一家がザックの彼女の両親を夕食に招く」場面だ。「すごくぎこちなくて、思わず爆笑しちゃうやりとりがあるんだけれど、これは全部一家が僕に教えてくれた実際の出来事だった。このシーンではカメオ出演はあるわ、アドリブはあるわで笑いが絶えなかった。みんなお互いを笑わせようとするから、なかなかいいテイクが取れず、撮影が終わるまですごく時間がかかったんだ」と明かしてくれた。若い女性にこそ見てほしい、その訳とは…撮影中も「リラックスした楽しい雰囲気のセットを心がけた」という監督。「皆が緊張したり、萎縮する居丈高な態度をとる監督にはなりたくないからね。そんなことをしてもベストな仕事はできない。皆で協力しあいながら作品を創るのが好きだし、キャストにもどんどんアイディアを出して欲しい。特に(WWEトレーナー役)ヴィンス・ヴォーンは素晴らしかった。いつも色々提案してくれたりアドリブやジョークも入れていたしね。同様にニック・フロストも賑やかだった」と語る姿からも、監督の人となりが見えてくる。そんな監督に、“人を笑わせる”コメディ映画のコツを聞いてみると、「観客をストーリーに引き込むにはユーモアがとても効く。まずはウォーミングアップとして登場人物たちを可笑しく、チャーミングな人々として描き、物語が進むにつれて彼らは段々深く、感情的になっていく。コメディは観客を安心させて『この映画はこんな感じなのか』という印象を抱かせておけるけれど、あとで全然違う展開に持っていって驚かせることができる」と持論を打ち明ける。「だから、この映画では笑いを取ったあとで感情的な展開になる。終わる頃には笑って泣いて、満足できる体験ができたな、と感じて欲しい。僕自身、映画にはそういった要素を求めるからね」。最後に、監督は「僕にとって『ファイティング・ファミリー』はレスリングの話じゃないんだ。『リトル・ダンサー』がバレエの話じゃないのと同様に、これはある若者が叶わない夢を追いかけて何とか自分の居場所を見つけようとするストーリーなんだ」と、日本のファンに向けて語る。「ペイジはいつも自分がアウトサイダーだと感じてどうにか周囲に馴染もうとする。同じような体験を持っている、たくさんの人の共感を得ると思う。誰も彼女が勝ったり、成功するとは思っていなかった。それでも自分に嘘をつかず、周囲の圧力に屈しないで、才能と粘り強さで成功を掴み取ったんだ。特に若い女性にとってはとてもインスパイアされる、背筋がゾクゾクするようなストーリーだと思うよ」。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ファイティング・ファミリー 2019年11月29日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC., WWE STUDIOS FINANCE CORP. AND FILM4, A DIVISION OF CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
2019年11月25日今年、圧倒的に輝いた男性を表彰する「GQ MEN OF THE YEAR 2019」が21日に発表され、アイドルグループ・King & Princeや俳優の横浜流星らが10組が選出された。男性向けファッション・カルチャー誌『GQ JAPAN』が選出する同賞は、生き方、仕事、スタイルにおいて、読者をインスパイアし、各分野において圧倒的な活躍を見せた男性に贈る賞。14回目となる今回は、五十嵐カノア(プロサーファー)、石原良純(俳優・気象予報士)、賀来賢人(俳優)、King & Prince(アーティスト)、草刈正雄(俳優)、kemio(Youtuber)、霜降り明星(漫才師)、ムロツヨシ(俳優)、横浜流星(俳優)、田村優、トンプソン・ルーク、松島幸太朗、リーチ・マイケル(ラグビーW杯2019日本代表)に決定した。受賞者と賞の一覧は以下の通り。■アート・オブ・ザ・イヤー賞五十嵐カノア(プロサーファー)■テレビ・パーソナリティー・オブ・ザ・イヤー賞石原良純(俳優・気象予報士)■ブレイクスルー・アクター・オブ・ザ・イヤー賞賀来賢人(俳優)■ポップ・アイコンズ・オブ・ザ・イヤー賞King & Prince(アーティスト)■レジェンダリー・アクター・オブ・ザ・イヤー賞草刈正雄(俳優)■ユース・インフルエンサー・オブ・ザ・イヤー賞kemio(Youtuber)■コメディ・アクト・オブ・ザ・イヤー賞霜降り明星(漫才師)■アクター・オブ・ザ・イヤー賞ムロツヨシ(俳優)■ニュー・ジェネレーション・アクター・オブ・ザ・イヤー賞横浜流星(俳優)■ヒーローズ・オブ・ザ・イヤー賞田村優、トンプソン・ルーク、松島幸太朗、リーチ・マイケル(ラグビーW杯2019日本代表)
2019年11月21日M&Oplaysプロデュース『鎌塚氏、舞い散る』が、11月22日(金)より東京・本多劇場で上演される。三宅弘城演じる“完璧な執事”を目指す鎌塚アカシが、上流階級のお屋敷内で次から次に起こる事態に翻弄されつつ、個性的な登場人物相手に問題解決に奮闘するコメディ作品。2011年に第1作『鎌塚氏、放り投げる』が上演され、その好評ぶりからシリーズ作品に。今作は第5作となる。舞台での活躍は言わずもがな、今やテレビドラマでもバイプレイヤーとして引っ張りだこの三宅弘城だが、この鎌塚アカシはまさに彼の魅力が濃縮された役。生真面目で、ときに喜び、悲しみ、怒り、焦り、トラブルに対処しようとしては小柄な身体で舞台上をキビキビと動き回る。作・演出を務める倉持裕作品の中でも完全に“コメディ”に振り切ったシリーズだが、笑いの中にもどこか不条理でシュールな展開が盛り込まれるのがいかにも倉持作品らしい。そんなありえないシチュエーションや主人たちの無理難題に翻弄される姿すら、鎌塚アカシという役はチャーミングに見えてしまう。女主人・マヤコ(大空ゆうひ)や若い執事・佐双(小柳友)ら、初参加のメンバーが演じる人物もくせ者揃いとなりそうだが、過去作で活躍した人物たちがふたたび登場するという点にも注目したい。堂田男爵夫妻(片桐仁、広岡由里子)、かつて堂田男爵に仕えていた宇佐(玉置孝匡)。過去のコンテンツを確認しづらい演劇では、シリーズものはなかなか難しい。それでもこのシリーズがこれだけの上演を重ねているのは、「初めて見る人でもしっかりと楽しめ、それでいて過去作を知っている人だとさらに楽しい」というバランスが絶妙だからだ。特に気になるのは、第1作、第3作で鎌塚アカシと恋(?)模様を繰り広げた、上見ケシキ(ともさかりえ)の再登場。一筋縄ではいかないというか、したたかな部分を持つ“アイドル女中”上見とアカシの中は、果たして今回どうなるのか?倉持いわく「1作目から続く鎌塚アカシと上見ケシキの、相思相愛ながら一向に発展しない恋も、ひとつの節目を迎えそうです」とのことだが……。さてここで今回のタイトルを確認しよう、『鎌塚氏、舞い散る』。シリーズ5作目にして、初めての冬が舞台の作品。舞い散るのは雪なのか、それとも……?その真相はぜひ、劇場で確かめよう。M&Oplaysプロデュース『鎌塚氏、舞い散る』は、12月11日(水)まで本多劇場、12月14日(土)・15日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼ、12月17日(火)に島根県民会館 大ホール、12月20日(金)に石川・金沢市文化ホール、12月22日(日)に宮城・電力ホール、12月25日(水)に愛知県産業労働センター 大ホールにて上演。文:川口有紀
2019年11月21日デビュー当初から注目され、数々の印象的な役を演じながら、自身では20代半ばまでは「ちゃんと生きていなかった」という賀来賢人。30歳になったいま、目の前には新たな景色が広がっている。結婚して子供ができて仕事の状況も変わって自信もついて、人として1レベルくらい上がった。ドラマ『今日から俺は!!』での、突き抜けたユーモラスな演技が話題を呼んだ賀来賢人さん。コメディ俳優として注目されながら、現在放送中のミステリードラマ『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』では、一転してハードボイルドなキャラクターに挑戦。30代に突入した、いまの心境を聞いた。――ドラマ『ニッポンノワール』は、“登場人物全員が容疑者”というミステリー。賀来さん演じる遊佐清春自身も、直近の記憶を失っていて、広末涼子さん演じる碓氷薫殺害の犯人の可能性もある。まったく先の展開が読めません。賀来:最初にお話をいただいた時から、制作側の、これまでにないオリジナルドラマを作ろうという気合を感じていたんです。大人の男ばっかりのむさ苦しい現場ですが(笑)、いま、キャストも含めた全員が、見てくださる方々をどう“騙す”か日々アイデアを出し合っています。撮影が巻いている時は、編集でいろいろ使えるように、当初は予定になかったカットも撮ったりして。すっごくものづくりしている感じがあって、楽しいです。――もともと現場でご自身から提案されるタイプなんですか。賀来:基本的にはあまり言わないし、監督やプロデューサーの求めるものをやろうとするほうです。でも今回に関しては、思ったこと、思いついたことがあれば全部言おうと。現場にそうさせる雰囲気があります。今回の作品には、男らしい美学、哀愁だったり、色気だったりっていうカッコ良さが大事だと思っているので、それを役で表現したいなと。――遊佐清春という役を演じるにあたって意識していることは。賀来:声のトーンです。僕の場合、普段からこの人はどんな声で話すんだろうっていうところから役に入っていくんですけど、事前に決めこまずに現場で共演者の方々と芝居を合わせながら探っている感じです。あと、今回に関しては、目つきが悪いっていうところがポイントです。普通の顔をしていても優しく見えちゃう時があるので、普段から気を張ってなるべく険しい表情でいるように意識しています。撮影終わりは目がめちゃくちゃ疲れて、ぐったりしちゃうこともあるくらいです(笑)。――近年、笑いのある作品に数多く出演し、自らコメディで若手No. 1になりたいとも話していました。そんななか今回のような笑いの一切ない役に挑戦されることにプレッシャーはありませんか。賀来:僕は逆だと思っているんです。いろんな幅を見せるっていう意味で、こんないいタイミングでやらせていただけるのはありがたいです。今回、子役の子と相棒になって話が進んでいくんですが、自分も子供を持ったことで演じられる、清春の中の父性のようなものも感覚としてわかるんですよね。1年前に学園もので高校生をやっていたとは思えない。間違いなく、これまでとは違った僕の一面を見せられるし、いい30代のスタートが切れたのかなと思っています。――30代って意識されるものですか。30歳までにこうなっていたい、みたいな意識はありましたか?賀来:早く大人になりたいって思っていたんです。根拠なく、大人になった自分に期待してたので。30歳になって自分の体のことをちゃんと考えるようになりました。結婚して子供ができて生活環境が変わりましたし、仕事の状況も変わって、自信もついて、人間として1レベルくらい上がったというか。以前より、ちゃんと生きています。――というと、以前はちゃんと生きていなかったということ?賀来:こだわりがなかったんですよね。ごはんもちゃんと食べてなかったし、運動もたいしてしてなくて、ダラダラ生きていた。いまはちゃんと自分にルールを作って、いろんなことにストイックに向き合うようにしています。運動をルーティンにしていますし、今回は役に向けて体を仕上げたりもして。そうやって意識を変えてから、物事がいい方向に向いてきたんです。――結婚が変えた?賀来:そうですね。それまでは自分のことしか考えなかったけれど、いまは家族のためにっていう気持ちもありますから。そうなって周りからは、顔つきが変わったと言われるようになりました。――結婚されたのは27歳の時。同世代の俳優のなかでは早い方だと思いますが、迷いはなかった?賀来:早いとは思わなかったですけど、確かに周りと比べると早いのかな。ただ、自分としては結婚して逃げ場のない状況になったことでエンジンをかけ直して、もう一回スタートした感じもありました。――20代中盤までは、どんなことを考えていたんでしょう。賀来:何もなかったんです。ちゃんとこの仕事に向き合う気がなかったんだと思います。もちろん当時は向き合っているつもりではいましたけれど、覚悟が足りてなかったというか、もっともっと頑張れたんじゃないかと、いまは思います。――意識が変わったことで、どんな変化がありましたか?賀来:作品選びは変わらないですが、この作品で失敗したら役者やめてやろうっていうくらいの気合で臨むようになりました。――例えばどの作品でしょうか?賀来:『今日から俺は!!』です。この作品は絶対に面白くなるって確信していただけに、もし当たらなかったら自分が役者に向いてないんだって思いながらやっていました。そう思うことで自分にハードルを課していたんです。…それくらい本気で臨んでいました。これまでも本気じゃなかったわけじゃないですが、久々の連ドラ主演というのもありましたし、心構えみたいなものが違ったのかな。――そんな思いで臨んだ作品が大ヒット。作り手の思いと評価が合致するって嬉しいですよね。賀来:反響がすごかったです。知らない人から声をかけられるようになって、あらためてテレビの力ってすごいなって。あと、この作品で元気が出たとか、救われましたという声をたくさんいただいたんです。これがこの仕事をやる意味なんだって初めて感じたし、いまはむしろそこが仕事を続けている一番のモチベーションになっています。もう、自分の芝居が上手くなるとか、そういうことはどうでもいいなって思えるくらい。自分がやっていることって、エンターテインメントとして多くの人を楽しませることなんだって考えるきっかけになりました。――モチベーションがはっきりして変化はありますか?賀来:数字よりも、自分が面白いと思って作品に取り組めるかどうかに、いままで以上に重きをおくようになりました。自分がやったことのないような作品っていうのもそうだし、何かチャレンジしているものとか、見たことのないもの。そういうものをやっていきたいです。ドラマ『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』は、毎週日曜夜10時30分~日本テレビ系で放送中。目を覚ますと、ここ3か月の記憶を失っていた遊佐清春(賀来賢人)。隣には上司の女刑事・碓氷薫(広末涼子)の死体が。そして薫が死の直前に追いかけていた「十億円強奪事件」の計画書が清春の部屋に置かれていて…。かく・けんと1989年7月3日生まれ、東京都出身。2007年にデビュー。近年は、ドラマ『今日から俺は!!』や映画『斉木楠雄のΨ難』でコメディ俳優としての注目度が増す。最近の出演作に、ドラマ『アフロ田中』、映画『最高の人生の見つけ方』、舞台『恋のヴェネチア狂騒曲』など。来年1月31日公開映画『AI崩壊』にも出演している。衣装はすべてスタイリスト私物※『anan』2019年11月6日号より。写真・宮崎健太郎スタイリスト・小林 新(UM)ヘア&メイク・SHUTARO(vitamins)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2019年11月03日Webライター/動画制作の大北栄人がコントを書いて友人たちが上演するユニット・明日のアー。「アー」とは、過去の失敗を思い出して「ああ〜!」と声に出してしまう「思い出しアー」のことで、「一般市民が出てきて一般市民的視点のコントを繰り広げる」ことをテーマとして掲げている。ネットミームや街中の看板、家族などが出てくるコントは、テレビのお笑いの視点とも、演劇ともまた少し違う位相に存在しているようだ。そんな彼らが5回目のライブ「最高のアー」を東京・ユーロライブで行う(11月3日〜6日)。主宰の大北は、長らく「デイリーポータルZ」で記事を書き、そのファンも多い。公演にはきたろうや、たまの石川も出演し、いとうせいこうもその才能を認めた大北は、何をおもしろがってコントを書いているのか。今のテレビ主流のお笑いに一石を投じる意味について話を聞いた。○■そのときに面白いと思ったことをやる――2015年からライブを初めてられていますが、1回1回、テーマがあったんですか?毎年1年間、そのときに面白いと思ったことをやるという感じで、1年目は、論理が2つ走ってるのが面白いかなと思ってやっていました。――それはどういうことですか?例えば最近ので言うと「2×4の家に父、帰る」ってコントがあって、これは菊池寛の『父帰る』が元になっています。『父帰る』はもう青空文庫に入っていて、それをベースにしているコントなんですけど、でもその登場人物が、1マスの箱になってて、家族が父、母、兄、弟、妹の5人。その人たちが、2×4マスの家の中で、同じように物語を繰り広げると、お父さんと息子が顔をあわせたくても、この向きでは顔が見れない。家族の論理と、箱の中の物理的な論理の2つが走っていると面白いなと。――2年目以降はどんなことを考えてましたか?そのときは、くだらないものとドラマを一緒にやろうと。3年目は、Twitterのタイムラインに出てくるような話題をコントにしましたね。例えばその年お酒のWEB広告が話題になってて。出張に行ったおじさんが美女に声かけられて一緒に発泡酒を飲むやつ、ぼくはあのあほくささがすごく好きだったんですけど、社会学者の岸政彦さんが「おっさんファンタジーや」と言ってて、ああ、それそれ! と思ったんです。まず、どうしてもおっさんにやさしくしてしまう女の子がいる。ある日サングラスをした女たちに「この世界はおっさんファンタジーに支配されてる! この真実が見えるサングラスをかけろ!」と声をかけられる。サングラスをかけてみる。すると街行く人のanelloのかばんの多さに気づいたり、公的機関のいらすとやのイラストの多さに気づいたりする。ああいうの「知ってる人だけ気づいて知らない人は気に留めない」やつですよね(笑)。最後は「うわー!! おっさんの顔文字だー!」って「^^;」が追ってきて逃げて終わる。話題としてはちょっと早かったかもしれないですね。○■WEBから映像、そして舞台へ――大北さんは2007年くらいから「デイリーポータルZ」でライターや映像制作をやっていたわけですが、コントを作りたいと思ったのはいつごろからですか?大阪で大学に行ってたんですけど、就職ができなくて1年休学していたときに、地元の友人と1年間毎日、修行としてしゃべるってことをやってたんです。ファミレスで話して、そのあと近所の河原にいって朝までしゃべって。その会話がふたりの間だけでガラパゴス的な発展をとげまして、誰にでもわかるわけではないけど、面白いなという感覚がありまして。そのときからコントを書きたいと思ってましたね。――自分で演じたいというのではなく?自分で書いた冗談を誰かに言ってもらいたいなと。――そのころ、どんなお笑いが好きでしたか?就活って自己分析をやるじゃないですか。そのときに自分じゃなくて、何が好きかをつきつめたらシティボーイズの、特に三木聡さんが関わっていた期間が好きっていうことにたどり着きました。――大阪なのにシティボーイズに行くというのはどんなきっかけがあったんですか?そのころ、たまたま家がWOWOWに入ってて。いわば特権階級というか(笑)。その地元の友達も入ってたので。――特権階級(笑)。今のようにネットからいろんな情報が得られる時代の感覚としてはわからないかもしれないけど、15年とか20年くらい前とかの地方に住んでる人にとってWOWOWに家が加入してくれていて、そこでシティボーイズやっているのってめちゃめちゃ重要ですよね。その頃ってCSの音楽番組からもいろんな人が出てきたりしましたしね。それで、そういう仕事が多いのは単純に東京のほうだと思って上京しました。最初にハローワークからの紹介でイベント会社に入ったけど、1年くらいで辞めてしまって。会社に入って修行させてもらってから、いろいろやれると思ったら、経験を積むこともないまま、2007年くらいから「デイリーポータルZ」で書くことになりました。そこで初めてお金をもらって何かを書くことができて、その後映像も作っていたら、誰が認めてくれたわけじゃないけど、これは面白いからライブもやれるんじゃないかと思って2015年に「明日のアー」の公演を始めました。――ロスジェネっぽいエピソードですよね。それこそライブはゼロからやる感じだったのでは。参加された俳優さんからは「稽古はちゃんと場所借りてやりましょう」って言われて初めて「そうなのか」と気付くという。「したまちコメディ映画祭」のコンペ部門の映像作ってるときにも俳優さんと知り合ったりして、いろんな人が参加してたんですけど、舞台経験のある人から、こうしたらいいよってことを聞いて取り入れるというシステムでやってましたね。――したまちコメディ映画祭ではいとうせいこうさんにも出会ったそうで。審査員をやられていて、2017年に『Windows Updateは突然に』という短編で大賞をとったときに、「明日のアー」を見にきてくれました。――そして2018年の公演では、憧れのシティボーイズのきたろうさんも参加することになって。それは、2017年にきたろうさんの息子さんの古関昇悟さんと五反田団の宮部純子さんのユニット昇悟と純子の「evergreen」という作品で作・演出をしたのがきっかけで、きたろうさんとも知り合うことになりました。――コントを一緒にやってみていかがでしたか?力量の差を見せつけられるというのはありました。誰よりも声が響くし、倍音というかホーミーみたいな響きをしていて。すげえ! って思う一方、稽古場で人の靴間違えて履いてきて、やっぱりおじいさんだ! って思ったり (笑)、台本の理解がめちゃめちゃ早いです。台本って、一行、一行に、ここが冗談だなってポイントがあるんですけど、その行の間にもきたろうさんは一個多めに笑いを入れようとする。一行でも書いたものを上回ろうとする気持ちもすごかったですね。――そういう、コントを書く上での技術というのは、いつからわかったかんじですか?そもそも世の中に明文化はされていないとは思うんですけど、台本を書いて、役者さんに読んでもらって、「なんでですか?」と聞かれて説明してるうちに、ルールや論理ができあがってきました。――演じてる人は、その笑いのポイントをどこまで共有できてるもんなんですか?きたろうさんが「面白いな……君なんも考えてないだろ!」って指摘してた役者もいたくらいなので(笑)、理解なくやってる人もいるんですが、世の中には理解がないままに面白い人っていますからね、それが良く作用するときもありますね。○■ユーモアで抗うこと――今の興味は何ですか?日常生活の中でまだ誰も発掘してないところを見つけないといけないと思いますね。例えば、街中のチェーン店にでかでかとコピーが書かれてるんですけど、あまりにもストレートなコピーだったりすると、人間の浅はかさ、品のなさみたいなものがモロに出ているなと。それにネットの人たちが簡単に動かされることとかもコントっぽいなと思って気になっています。――陳腐でストレートなメッセージに簡単に扇動されると、負けたような気になりますよね。我々に残されたものは、ユーモアでそれに抗うことかなと。――ただ、何か思うのは、昔は冷笑的にそういうものを面白がっていたけど、今って、そういうのとも違うじゃないですか。だからこそ、抗わないとのみこまれてしまう、みたいな。今ってそういう力が大きすぎるんですかね。確かに、今後は政治的なことをやりたいと思っていて。――あいちトリエンナーレでも公演をされていましたが、場所がらもあるけれど、そういうものは感じました。ドイツの写真家のヴォルフガング・ティルマンスという人の写真展を見たら普通に政治的なことを言っていていいなと思って。何かやるときに、政治的な主張を入れるのはカッコ悪いことではないなと思ったので。あと、 Twitterを見ても、そういう話題が増えて、自分の脳にもそれが増えてきたなと。ただ、主張したい気持ちが勝ちすぎると、見てられないしダサくなるというのはあるでしょうね。そこを制作のスタッフからは心配されます。逆に、「私は中立です」っていう人がなぜか保守的であったりすることもあったりして。そういうことも気になりますね。――今後は、何かもっと多くの人に見てもらいたいとか、何か長編で映像作品を撮りたいとか、書きたいということはありますか?そういう思いは実は全部あるんですけど、単純にデカい美術とか、くだらないデカいものを使いたいので、大きくしていきたいとは思いますね。コントに関しても、ものすごく考えて書いてるし、長編とかもぜんぜんできるのになと。不満ばっかり言ってます(笑)。――デイリーポータルZで書いていたことは、コントにつながっていますか?そうですね。地元の友達との間でしかわからなかった笑いが、デイリーポータルZに来て、「このガラパゴス的に発展した世界を分かってくれる人がこんなにいたんだ」と思いました。それと、何度も出させてもらっている「テアトロコント」というイベントも、デイリーの記事を見て声をかけてもらえたし、1年に1回のライブを突然始めたのにも関わらず、集客の面でも最初からあまり心配がなかったです。――内容の面ではどうですか?デイリーの記事は、気になることをテーマに書いたり撮ったりしてるんですけど、要素分解をするということはいつもやっています。それはコントでも同じですね。例えば、さっき言ったように、チェーン店の変なコピーに関しても、そこを違う要素に変えたら面白いかなって。日高屋には、「ちょい飲み」っていう言葉がデカデカと書いているんですけど、ほかのコピーもデカくしたらどうかなって。――発想として、デカい「ちょい飲み」みたいなおかしなものを集めて並べるということはあったと思うんですよ。でも、そこからまた一ひねりして考えてるんですね。太鼓って普通はバチで叩いて音を出すと思うんですけど、ほかのもので叩くとどうなるかとか。条件を変えてみると、事実があぶりだされてそれが面白さになっていくのかなと。実験と同じ方法で記事もコントも作っているんだと思います。■大北栄人1980年生。2007年からwebメディア「デイリーポータルZ」で執筆を始め「してみよう!拾い食い」「リカちゃん人形をダンボールで作ると泣けます」「女性は大変だ!とか良いこと言わずに淡々とお化粧を体験する」などの記事が話題に。同サイトの動画コーナー「プープーテレビ」も担当している。2015年より「明日のアー」というコントユニットをはじめ、2017年には映像作品『Windows Updateは突然に』で第10回したまちコメディ映画祭in台東の短編コンペティション したまちコメディ大賞を受賞した。
2019年11月02日抱腹絶倒の人気舞台「崩壊シリーズ」の第3弾「派」の開幕に先がけて、全キャストによるスペシャルトークライブが東京・LOFT9 Shibuyaで開催。第1弾から出演する主演の山崎樹範、伊藤裕一、上地春奈、大水洋介(ラバーガール)、梶原善、本作から加わる松島庄汰、安西慎太郎、前島亜美がトークを繰り広げ、観客を笑いの渦に巻き込んだ。「崩壊シリーズ」は、毎回ステージセットが大崩壊するという奇想天外な演出が口コミで話題を呼んだ衝撃のドタバタコメディ。2016年4月に第1弾「九条丸家の殺人事件」を初上演し、翌2017年に第2弾「リメンバーミー」を上演。作・演出は人気芸人の番組や舞台を手掛ける構成作家のオークラが務める。この日のトークイベントは、DVD化されてない第1弾「九条丸家の殺人事件」の舞台映像を上映し、食事とお酒を楽しみながら全編を鑑賞しようという試み。まともな公演をしたことがない劇団「荻窪遊々演劇社」が満を持して舞台を上演するという物語で、劇団座長/演出家役の山崎がトラブルばかり起こす素人同然の劇団員たちをリードしながら公演を成功させようと奮闘していく。乾杯から始まったイベントはお客さんも巻き込んで打ち上げのような盛り上がり。山崎、梶原、上地を中心にそれぞれの役柄や演技に絶妙なツッコミを入れると、作品の面白さと相まって会場は爆笑につぐ爆笑。次第にキャストたちも普通に作品を鑑賞し、大笑いして楽しんだ。初参加の松島は「びっくりするほど何にも成長してないですね。稽古場と全く一緒の芝居(笑)」と感想。ボケまくるヒロインを引き継ぐ前島は、「“どうやったらもっとバカになれるんだろう”と毎日考えて稽古を頑張ってます」と意気込みを明かした。梶原は「これ結構楽しいから、次(「派」)が終わったらすぐにやりたいね。また飲みましょう」とイベント自体が楽しかった様子。上地も「みんなと出会って、こんなふうに一緒の空気って吸えないさ~ね。何回も会える関係になりたい」と沖縄弁で熱弁し、会場を沸かせた。最後は「小劇場のカーテンコールっぽくマイクなしで」と前置きし、「本日はご来場ありがとうございました!」と力強く山崎が挨拶し、幕を閉じた。「崩壊シリーズ」第3弾「派」は、若き新進気鋭作家を劇団に迎え、新生「荻窪遊々演劇社」として再起を図るという物語。東京公演は11月4日(月・休)まで俳優座劇場にて上演中。その後、11月9日(土)・10日(日)大阪・松下IMPホール、13日(水)宮城・電力ホール、18日(月)富山県教育文化会館、20日(水)石川・北國新聞赤羽ホール、21日(木)愛知・日本特殊陶業市民会館ビレッジホール、23日(土)・24日(日)福岡・イムズホールの全7都市で開催。チケット発売中。
2019年10月29日ゲストの悩みに史上最強弁護士軍団が白黒つける人気法律バラエティ「行列のできる法律相談所」の10月27日(日)オンエア回に、女優の中山美穂をはじめ山崎育三郎、佳久創、吉柳咲良らがゲスト出演。今回はゲストが出会った“ヤバい人”をテーマにお届けする。今回はMCを後藤輝基と市來玲奈アナウンサーが担当し、ダレノガレ明美、東野幸治、渡部建、磯野貴理子らもゲスト出演。「あの人ヤバいんです!」スペシャルと題し、ゲストが挙げる“ヤバい人”たちのエピソードを披露していく。今回ゲストとして登場する中山さんは、なんと2012年9月放送の「アナザースカイ」以来実に7年ぶりの日本テレビのバラエティ番組出演。1985年歌手、女優としてデビューすると一躍人気となり、アイドル歌手としてヒット曲を連発する一方、「ママはアイドル」「君の瞳に恋してる!」などのドラマで女優としても人気に。その後も『Love Letter』『東京日和』などで女優として着実な実績を重ね、最近ではドラマ「黄昏流星群」や『愛唄 -約束のナクヒト-』などに出演。そんな中山さんが思うヤバい人とは一体誰か!?また「プリシラ」や「エリザベート」などの舞台から映画、ドラマと幅広く活躍。来年の連続テレビ小説「エール」への出演も控えている山崎さんが会いたかったという、即興ソングが“ヤバい”人気の虹色侍も登場。さらに元ラガーマンでこの夏の日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』でも圧巻のプレイ姿を披露。いま注目度急上昇中の佳久さんおススメのトリオ芸人Kとは?ホリプロタレントスカウトキャラバンで歴代最年少グランプリを受賞。大ヒット中の映画『天気の子』では声優も務めている吉柳さんは先輩俳優・竹内涼真の“ヤバさ”を明かす。今夜のゲスト、中山さんの映画最新作となる『108~海馬五郎の復讐と冒険~』は全国にて公開中。「大人計画」の主宰・松尾スズキが監督・脚本・主演を務めた同作は、愛妻がSNSに投稿した浮気写真を見て激怒した主人公が、「全財産を使って“いいね!”の数だけ女を抱く」という、あまりにバカバカしい計画を思いつくという常軌を逸したドタバタコメディ。中山さんは主人公・海馬五郎の妻・綾子役で出演。中山さんのコメディエンヌぶりにも注目だ。「行列のできる法律相談所」は10月27日(日)21時~日本テレビ系でオンエア。(笠緒)
2019年10月27日『ヴェノム』監督×『デッドプール』脚本家で贈る『ゾンビランド:ダブルタップ』に、“ゾンビ退治”については最強といえる声優陣が集結、日本語吹替版映像が到着した。ウディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ、アビゲイル・ブレスリン、エマ・ストーンら超一流のキャスト、そして監督、脚本家が揃った本作。日本語吹替版にも、ゾンビ退治といえば…彼らの右に出るものなし!の最強声優陣が集結した。屈強な腕力と抜群の射撃テクニックでゾンビ社会を生き抜くワイルドな男、タラハシー(ウディ・ハレルソン)の吹き替えを担当するのは、海外ドラマ「ウォーキング・デッド」シリーズでノーマン・リーダス演じる人気キャラクター、ダリル・ディクソン役の小山力也。また、「ゾンビ社会で生き残るための32のルール」を作り上げ、仲間と共に生き延びてきたコロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)には、『新感染 ファイナル・エクスプレス』の主人公ソ・ソグ役の中村悠一が担当。コロンバスの恋人・ウィチタ(エマ・ストーン)は、『バイオハザード』シリーズの主人公アリス役でお馴染みの本田貴子。さらに、ウィチタの妹、リトルロック(アビゲイル・ブレスリン)は、昨年『カメラを止めるな!』で空前のゾンビブームを巻き起こした秋山ゆずきが声優に初挑戦する。この“対ゾンビ”最強声優陣によって命が吹き込まれた日本語吹替版の映像を、まずはここから確かめてみて。小山力也/タラハシー役コメント俺ぁキングに憧れて、ついつい乗せられキングをシャウトし、憎いあの娘が頬っぺにドンよ!ほいでもって本気でキングに成ろうかと、化け物どもを片っ端からぶっ潰しゃあ、今度は粋なネエチャンが、俺のかましたパワーに夢中で、コスプレばっちりかましてドンよ!ところがアイツが可愛くて、けどジャマにはなりたくねえからトンズラかまそうかと、粋なグッバイかましたらよ、化け物ウジャウジャ出て来やがって、こりゃあヤバイとドドンのドンよ!どうよ、ビックラこいてオマエも俺にドドンのドンだろ!中村悠一/コロンバスコメントゾンビ…想像の域を出ないモノであるにもかかわらず、これ程『本能』から恐れてしまうモノがあるだろうか。そんなゾンビをこれでもかと、恐ろしくないものに仕上げてしまいました!いや怖いんです、怖いんですが…それ以上に面白おかしくイジリ倒しちゃった本作!是非楽しみにして頂きたいです!秋山ゆずき/リトルロックコメント映画の吹き替えをさせて頂くのは今回が初めてなのでお話を頂いた時は正直不安でしたが、いざ収録がはじまるとすごく楽しむことができました。そして豪華なキャストの皆様と共演させて頂けることが本当に光栄で嬉しいです。コメディ要素も多く、ホラーが苦手な方でもみていただける楽しい作品となっていると思うので、是非多くの方に観て頂きたいです!本田貴子/ウィチタコメント救いのない世界で、へこたれない魅力的なキャラクターたちに笑わせてもらいました。とても楽しい作品、皆様も是非劇場で盛り上がってください。『ゾンビランド:ダブルタップ』は11月22日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ゾンビランド:ダブルタップ 2019年11月22日より全国にて公開
2019年10月25日『舞台 ゲームしませんか?~荒野行動~』が10月30日(水)に開幕する。その稽古場にて、主演の杉江大志と、三浦海里に話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、ゲーム×演劇をテーマに、脚本を吹原幸太、演出をほさかようが手掛けるオリジナル作品。全世界で3億ダウンロードを突破する人気バトルロワイヤルゲーム「荒野行動」(ネットゲーム)をプレーする人々の“青春群像劇”が描かれるということだが、果たしてどんな作品になっているのか。杉江は「コメディ寄りだと思います。キャスト…特に先輩方のキャラが濃い!(笑)笑って観てもらえる内容なのですが、その中で各々の葛藤が丁寧に描かれているので、演者としては演じ甲斐を感じています」、三浦は「『荒野行動』をプレーしたことがある人には“あるある”があって楽しいですし、プレーしたことがない人にも理解しやすいつくりになっていると思います。なので安心して観に来てほしいです!」と語る。冴えないビジュアル系バンド『十二使徒(じゅうにしと)』の解散で無為な毎日を送る斎藤ショウを中心に、本来なら接点がないはずの5人が「荒野行動」でチームを組み、現実世界でも繋がり、それぞれの人生が動き出す――という物語。杉江が演じるのはショウ、三浦が演じるのは「荒野行動」の世界で同じチームを組むミキオという高校生だ。杉江は「ショウはバンドでのビジュアルにパンチがありますが、実は“濃い人に囲まれた普通のヤツ”です(笑)。ゲームの中では頼れるリーダーなのに、現実では『十二使徒』の頼れないリーダーであることに悩んでいる。いろんな姿を見せられる役だと思います」、三浦は「ミキオは“こじらせた陰キャラ”です(笑)。でもゲームの中では1番明るい。本当はそうでありたい、という姿がゲームで出るんだと思います。そういうギャップを、ゲームをしながらどう見せるかは、今稽古で苦労している部分ですね」稽古について杉江は「演出のほさかさんを中心に、みんながアイデアを出して、みんなで一緒に考えて、つくっている感じ」、三浦も「僕にとっては全部が刺激で勉強の日々です。“この台詞をこんな風に言うんだ”とか“毎回違う”とか思いながら皆さんの芝居を受けたり見たりしているので、1日があっという間」と楽しそう。さらに三浦はさまざまなおもしろさが詰まった「いい感じのバラバラ感がある」作品になっているといい、杉江は「演劇ならではの“生のやり取り”が詰まっているから、あるライン以上のものが求められる。それは、ありがたいです。“台詞を早く覚えたい!”と思えるしあわせな現場です」と意気込んだ。公演は10月30日(水)から11月4日(月・祝)まで東京・こくみん共済 coop ホール / スペース・ゼロにて。取材・文:中川實穂
2019年10月25日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の金澤美穂さんです。中国人にも完璧になりきる細やかな演技で視聴者を魅了!ドラマ『あなたの番です』で演じた中国人留学生シンイー役が話題に!「街中で中国の方の話し方や仕草を観察しました。私が日本人だと思っていない方も多く、役者として嬉しいですね」。12年のキャリアで個性豊かな役を演じてきた。「コメディ色が強い役が多かったので、女性らしい色気のある役や、スポーツが好きなので体を動かす役も挑戦したいです。もし今後も中国の方を演じる機会があれば、さらに研究します(笑)」。休日はリラックス。「スマホをオフにしたり散歩したり。断捨離にもハマり中」おばあちゃんから譲り受けた大切な指輪。20歳のときにもらってからほぼ毎日、お守りのように身につけています。顔はめパネルで顔芸を披露しています!SNS用に撮り溜めています。連写で撮ると、素の表情が出てイイ感じ!伊勢神宮のお香からパワーをもらってます。深呼吸しやすくなって、癒し効果絶大。ぐっすり眠れるようになりました。かなざわ・みほ1994年生まれ。2007年TBS系愛の劇場『愛のうた!』で女優デビュー。ドラマ『あなたの番です』ではシンイー役を熱演。最近、Twitter(@miho_kanazawa)も開始!※『anan』2019年10月23日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2019年10月21日■フルハウスシチュエーション・コメディの金字塔。ミシェル役のオルセン姉妹が可愛かった!ミシェルはいないけど、続編『フラーハウス』もネトフリで楽しんでます。■ビバリーヒルズ高校白書/青春白書ティーンドラマの決定版。ありがちなソフトな内容ばかりではなく、ドラッグや自殺、人種差別など、テーマもなかなかリアリティがあって、かなりのめり込んだ。セレブカジュアルっぽい着こなしも真似してた。■フレンズ大好きなコメディで、終わっちゃったときはロスに苦しんだ。未だにこれを超えるドラマに出会ってないかも。最近は、レイチェル(ジェニファー・アニストン)以外、ほとんど見かけなくなったのが残念。あの6人が再集結するところが見たい。■アリー my LoveNHKで吹き替え版をやってて、毎週すごく楽しみだった。ブルース・ウィリスやロバート・ダウニー・Jrなどの大物俳優や、マライア・キャリー、スティングといったビッグゲストが出てくるのも楽しかったよね。今でも映画を観ていて、ときどき脇役でビリーとかジョン・ケージが出てくると、旧友に出会ったような気持ちになってなんだかとてもうれしくなる。■大草原の小さな家時代も国も、生活様式も何もかも違うけど、ローラと自分を重ね合わせながら見てた。意地悪なネリーの雑貨屋さんに売ってる瓶入りのキャンディーが食べたくて仕方がなかったなぁ。“好き”をこじらせて、今でもフリル付きのワンピースとエプロンの重ね着を楽しんでる友達もいる。■ER緊急救命室医療ドラマ、いろいろあるけど、やっぱりこれ!臨場感があって、嘘っぽいところがまったくないのがいい。ダグラス(ジョージ・クルーニー)もいいけど、やっぱジョン・カーター(ノア・ワイリー)が好き。彼がいなくなって、見るのをやめちゃった。■セックス・アンド・ザ・シティVHSのテープが切れるくらい、ほんと数えられないくらい観た。友達とカフェとかでこのドラマの話で盛り上がるときは、タイトルを口にするのがはばかられるので、「SATC」って略すのがルール。いつか絶対買う!と思いながらも、未だにルブタン買えてない。■ツイン・ピークス風変わりなユーモアのあるデイル・クーパーのキャラがツボ。ダブルRダイナーの、“すげぇうまい”ブラックコーヒーと、チェリー・パイが食べてみたい。昭和生まれが「懐かしい」と感じる映画11選
2019年10月20日《取材・文:町山智浩》パリに住むベテラン女優ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)のもとを、アメリカで脚本家をしている娘リュミール(ジュリエット・ビノシュ)が夫(イーサン・ホーク)と娘を連れて訪れる。是枝裕和監督の『真実』は、全編パリでロケ、セリフはフランス語と英語、ワイルドバンチ製作のフランス映画だ。しかし、是枝作品のファンなら、すぐに気づくだろう。これは『歩いても、歩いても』や『海よりもまだ深く』などで是枝監督が繰り返し描いてきた「中年夫婦が実家を訪れて母親の嫌味を聞かされる」ホーム・コメディの変奏曲だ。特にカトリーヌ・ドヌーヴの「食えない」母親ぶりは、是枝作品の樹木希林を思わせる(二人は共に1943年生まれ)。「そうですね。カトリーヌ・ドヌーヴさんに樹木希林さんを感じたという感想はあちこちから聞いて、なるほどと思いました。意識していたわけじゃないんですけども、できあがって観てみると自分でもなんとなく、意地悪な、辛辣なことを言って、でも、それがウェットにならない感じが共通するなと。だからドヌーヴさんが希林さんに見える瞬間があるんですよね」。ドヌーヴ扮するファビエンヌはフランス映画界に君臨していて、誰も逆らえない。若い監督の映画に出るのだが「あなた、監督さん?」と子ども扱い。それはドヌーヴも同じだ。何しろ、フランソワ・トリュフォー、ロマン・ポランスキー、ジャック・ドゥミー、ルイス・ブニュエル…と世界の映画史上の巨匠たちと仕事をしてきたのだから。「すごいですよね。そこにラース・フォン・トリアーとレオス・カラックスまで加わるんですから」ドヌーヴは自分でトリアーに手紙を書いて、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の役を得た。「あの年齢でもチャレンジ精神旺盛なんです。彼女は会うと必ず、『あなた、あの映画観た?』って新しい映画の話をするんですよ。去年から今年にかけては、イ・チャンドン監督の『バーニング』とか、『あなた、ジャ・ジャンクーの新作は観た? あれはすごかったわよ』って、必ず彼女のほうから振ってくるんですよ。ちゃんと劇場で観てるんですよ。そのくらい新しい映画作家との出逢いをいち映画ファンとしても非常に大事にしてて、決して老いないんですよ」。最初は『真実』というタイトルではなかったファビエンヌは自伝を発表するが、それを読んだ娘リュミールは「嘘ばっかりね」と指摘する。ファビエンヌが語る映画史的記憶も、どこまでが本当かわからない。この映画のファビエンヌはドヌーヴ自身と重なる部分が多く、どこまでが事実でどこからがフィクションか、虚実皮膜で面白い。「脚本を作る段階で何度かドヌーヴさんに長いインタビューをさせてもらいました。彼女が最初にお芝居をし始めた時の話とか、娘さん(マルチェロ・マストロヤンニとの間に生まれたキアラもまた女優)との関係とかをいろいろ聞いて、もちろん、そのままではないんですが、脚本に反映させていきました。たとえば『ドヌーヴさんの俳優としてのDNAを受け継いでいる俳優はいますか?』という質問をした時に、『うーん、フランスには一人もいないわ』と答えたのがカッコよくて、セリフにして使わせてもらったり」そもそも企画段階ではドヌーヴの役はファビエンヌではなくカトリーヌで、タイトルも『カトリーヌの真実』だった。「でも、ドヌーヴさんから『役名はカトリーヌじゃなくて、私のミドルネームのファビエンヌにして』と言われたんです。『そういうスタンスなのかな』と思いました」。つまりある程度は自分自身だと。「『この役は全然あたしとは違うわ』って最初から言ってましたけどね」。演技スタイルも役そのもの娘リュミールが「嘘ばかりね」と言うのは、自伝のなかではファビエンヌはいい母親ぶっているが、実際は仕事を優先して、ロクに子育てをしなかったからだ。そのため、娘との関係は今もよくない。また、真面目な娘と、勝手気ままな母親とは性格も合わない。それは娘を演じるジュリエット・ビノシュとカトリーヌ・ドヌーヴの演技スタイルとも重なる。「ジュリエット・ビノシュは、すごく役作りに時間をかけて、その役の気持ちを理解することにとても神経をつかうのが、彼女の持ち味だと思うんです。だから変更があることに慣れてない。僕が変更点のメモを渡すと『そういうのは、私は二週間前に渡されないと無理なのに』って言われましたよ」。「でも、ドヌーヴさんはもともと台本読まないで現場来るから(笑)。その日の朝に初めて台本読むから、変更したことすらわからない(笑)。だから、いくら変えても全然OKでした。それは助かりました。ドヌーヴさんはほとんどそのまま現場に来て、その場でセリフ覚えて、瞬間的に役をつかまえるんですよ。準備しないんですよ。ただ、それが非常に的確。役のつかみ方が本当に動物的だけど、ピンポイントでつかんで、一回OK出たら、『今のがベストよ』って自分で言っちゃう(笑)。『今の以上にはできないから、これで終わり』って。仕事してみて、非常に感覚的な人で、面白かった。大変だったけど(笑)」。ドヌーヴのアイデアを物語に反映『真実』の劇中劇、ファビエンヌはSF映画を撮影している。ヒロインは持病の関係により、地球外の惑星で過ごしているため、歳を取らず、ある日地球に帰ると娘は70代になっている。その娘を演じるのがファビエンヌだ。「ファビエンヌの亡くなったライバルが若くして亡くなったことで彼女のイメージのなかではいつまでも歳を取らない、それを重ねてみようかなと」。ファビエンヌのライバルだった女優サラは若くして亡くなった。娘リュミールは「サラおばさんのほうがママよりも私に優しかった」と言う。それを見ていて思い出すのは、ドヌーヴの姉フランソワーズ・ドルレアックである。ドルレアックは『リオの男』(64年)が世界的に大ヒットし、ドヌーヴとは『ロシュフォールの恋人たち』(67年)で共演したが、その直後に交通事故で亡くなった。「いや、サラとファビエンヌには血縁関係はないんです。あれはフランス語でマレーヌと言っています(代母と訳される、両親がいない時に世話をしてくれる後見人)。ドヌーヴさんが『フランスには血縁がない叔母のようなマレーヌという存在があるので、それにしたらどうか』とアイデアをくれたんです」ファビエンヌは演技ではサラに勝てなかった。70歳を過ぎた今でもサラの存在を感じている。それは微妙で絶妙の映像で表現される。「あれを思いついたのは撮影監督のエリック・ゴーティエで、僕の指示じゃないです。脚本には書いてない。いくつかのシーンで僕はエリックに『サラが見ていることを示すカットを撮りたい』と言ったんですが、それを意識的に、あのように映像にしたのはエリック。脚本はそこまで書いてない。エリックは読み込みが本当に深くて」。是枝流の“感動”は今回も健在『真実』の母と娘の葛藤は、意外な感動を迎える。それが真実だったのか、と観客が感動の涙を流そうとすると、その感動が観客に染み入る前に、さらにひっくり返される。そのへんがいかにも是枝タッチである。「現場で撮影を続けるうちに、ビノシュが『私が演じるリュミールがどこかで能動的に動いたほうがいいと思う』と言ったんです。それで彼女が脚本家であることを活かした最後の展開を思いつきました。あれで真実というものが揺らぐというか、より重層的になっていくから。いや、曖昧にしたいわけじゃないんですが。あのセリフはリュミエールが母親を感動させるために書いただけじゃなくて、リュミエール自身の本当の気持ちだったかもしれない。そういう見え方がするといいかなと」真実には嘘があり、嘘の中に真実がある。でも、観客はもっとストレートな感動を求めているのでは?「プロデューサーには『もっと感動を引き延ばせ』と言われましたが、『いや、違う。それはそうじゃないんだ』と説得したんですよ(笑)」。(text:町山智浩)■関連作品:真実 2019年10月11日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA
2019年10月17日京都の伝統や文化を伝承しながら、新たな文化の創造を目指すために始まった京都国際映画祭が今年も開幕する。本映画祭は映画だけでなく、アートやイベントなど様々な催しを同時期に京都の各地で開催するのが特徴で、映画ファンだけでなく、友達や家族連れで楽しむ人も多いイベントだ。撮影所がある関係で映画とも縁の深い京都ではかつて「京都映画祭」と呼ばれる催しが行われ、熱心の映画ファンから熱い支持を得ていた。その「京都映画祭」の意志を引き継いで、さらなる広がりを目指すが今年で6回目になる「京都国際映画祭」だ。今年の映画上映の目玉は“牧野省三没後90年企画スペシャルプログラム”。阪東妻三郎が主演を、“日本映画の父”牧野省三が総指揮を務めた1925年製作の『雄呂血』を上映。さらに巨匠・中島貞夫が監修を務めるプログラム『没後 90年牧野省三の功績を偲ぶ』も開催される。他にも牧野がメガホンをとった『忠臣蔵』のデジタル復元版上映や、1924年製作の『国定忠次』、1928年製作の『雷電』など映画ファン必見の作品が並ぶ。特別招待作品部門には公開前の話題作・注目作が集結。人気コミックを実写化した『どすこい!すけひら』をはじめ、公開前から話題を集める衝撃作『解放区』、タイからやってきたコメディ『BIKE MAN』、永瀬正敏、佐野史郎らが出演する『BOLT』などが上映される。他にも深作欣二監督の特集上映や、京都国際学生映画祭と題したプログラム、アート関連の展示やトークイベント、ワークショップやスタンプラリーなど盛りだくさん。京都の街が長年に渡って培ってきた伝統を感じ、最新の文化に触れ、イベントで笑顔になれる“全部盛り”の4日間になりそうだ。京都国際映画祭201910月17日(木)から20日(日)まで上映会場よしもと祇園花月イオンシネマ京都桂川大江能楽堂TOHOシネマズ二条T・ジョイ京都京都シネマその他の会場で展示、イベントあり
2019年10月17日山本亮太(宇宙Six/ジャニーズJr.)が主演を務める舞台『相対的浮世絵』が10月25日(金)に開幕する。稽古場にて、出演者の石田明(NON STYLE)、玉置玲央、山西惇に話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、土田英生が脚本・演出を手掛け2004年に初演されたヒューマン・コメディ。3度目の上演となる今回は青木豪が演出を手掛け、山本亮太、伊礼彼方、石田明、玉置玲央、山西惇が出演する。山西が「初日から挨拶もそこそこに、最初から最後まで読み合わせ(台詞だけを合わせる稽古)をしました。出自がバラッバラの5人やから、どうなるのか楽しみにしていたのですが、実際に読んでみると、それがいい感じになっていた」と話すように、ジャニーズJr.の山本、ミュージカルの伊礼、お笑いの石田、小劇場中心の玉置、映像からミュージカルまで出演する山西と、実に幅広い面子が揃う5人芝居。玉置も「舞台が六角形になっているのですが、僕はそれが格闘技のリングみたいだなと思っていて。この芝居が、いろんなジャンルの役者の殴り合いみたいになったら面白いのかなと感じています。それぞれが持っている技術も感覚も全然違うので、それが楽しんでもらえたらと思う。でも内容はほっこりするんですけどね(笑)」と、この5人ならではの化学反応を期待する。生きている人間と死んだはずの人間が再会する物語。笑えて「温かいのにエグい」(石田)という内容について、石田は「きれいごとがない作品だなと思います。人間のあかんところも肯定してもらえる。だから、お客様もその日の心のコンディションによって見え方が変わると思いますよ。そして演じる側も“今日はこの人の話になったな”ってことがあり得る」。山西も「登場人物みんながダメやからね(笑)。そこを重ね合わせて“生きててもいいんだな”と思ってもらえると、それは演劇のひとつの役目かなと思う」と語る。実際に稽古が始まって玉置は「この5人は一緒にいて居心地がいい。“(芝居の)やりとりをもっとしたい”って思うんです」と、既にいい関係が始まっている様子。残りのメンバーの山本と伊礼の様子について山西は「ふたりは兄弟役なのですが、今は兄弟になろうとしてる感じで。お互いがどういう兄でどういう弟でっていうのを探っている感じがかわいらしいです」。この5人と青木がつくりあげる『相対的浮世絵』がどんな作品になるのか、楽しみに待ちたい。公演は10月25日(金)から11月17日(日)まで東京・下北沢本多劇場、11月22日(金)から24日(日)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WW ホールにて。取材・文:中川實穂
2019年10月16日日本でも人気の高い英国の天才コメディ作家、レイ・クーニー。特に上演機会の多い『It Runs in the Family』は、宝塚歌劇団を含むさまざまな団体がレパートリーとしているが、その日本初演は加藤健一事務所によるものだった。『パパ、I LOVE YOU!』という邦題の名付け親でもある同事務所が、1994年・2009年に続き10年ぶりに本作に挑む公演が、10月11日に東京・本多劇場で開幕した。舞台は、クリスマス直前のセント・アンドルーズ病院の医師談話室。デーヴィッド(加藤健一)は講演に向けて準備を進めているが、同僚ヒューバート(清水明彦)が邪魔をしてくるせいでまったく集中できない。そこに、かつて秘密の関係を持った元ナースのジェーン(加藤忍)が、とんでもない報せを持ってきたからさあ大変!妻ローズマリー(日下由美)にこのことがばれないよう、“口から出まかせ”で乗り切ろうとするデーヴィッドだが……?デタラメな展開に大笑いしているうちにまさかの結末へと導かれる傑作コメディを演出するのは、主演も務める加藤健一。2009年以来となる“二役”に、「主役を演じながらの演出は非常に大変だった。お客様は笑ってくれたが、いつか出演と演出の両面で100%以上の力を出したいと思っていた。今回その機会を得たので、これまで以上に舞台上を駆け回りたい」と気合十分だ。満を持して“本家”が再演する舞台に期待が高まる。加藤健一事務所『「パパ、I LOVE YOU!」~It Runs in the Family~by Ray Cooney』は、本多劇場で10月20日(日)まで。文:町田麻子
2019年10月12日『アーティスト』のプロデューサーがフランスの人気俳優を迎えて贈るロマンティック・コメディ『英雄は嘘がお好き』。本作でコメディに初挑戦したメラニー・ロランのインタビュー映像とともに、メラニーが沼に落ち、英雄(?)ジャン・デュジャルダンに“宣戦布告”をするシーンの本編映像がシネマカフェに到着した。クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』で世界的に注目を集め、ドキュメンタリー『TOMORROW パーマネントライフを探して』やエル・ファニング主演『ガルヴェストン』で映画監督としても活躍するメラニー・ロラン。マイケル・ベイ×ライアン・レイノルズのNetflixオリジナル映画『6アンダーグラウンド』も控える彼女は、本作でコメディに初挑戦。しかも、「コルセットやローブ、歩き方も話し方も古風」という19世紀が舞台の歴史映画で、名家の令嬢を演じている。自身の役柄について、「恋文を勝手に代筆して文通をねつ造し、妹に壮大な作り話を聞かせるのよ。ヌヴィル(ジャン・デュジャルダン)の武勇伝を次々とでっち上げて、ロマネスクで知的で勇敢な英雄に仕立て上げる。一種の作家になるのね」と解説。「でも本人が戻ってばつが悪くなる。そこからは喜劇映画であり、冒険映画ね。なりすましと人の取り違い、それに活劇ではないけど終わりのない追いかけっこ。でも時代劇だから文語調だったりして、見事なセリフを言うのは気持ちいいわ」と、朗らかに語る。さらに「撮影2日目に長いシーンがあって、ジャンを引っ張ったり押したりしないといけなかった。慣れないシーンだからどうすればいいか分からなくて、ヘトヘトになったわ」と告白。「喜劇を演じるのはスポーツと同じよ。しっかり眠って体力を温存しないと、週末まで撮影を乗り切れない」と、“体力勝負”のコメディの撮影をふり返っている。『英雄は嘘がお好き』は10月11日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:英雄は嘘がお好き 2019年10月11日より新宿ピカデリーほかにて公開©JD PROD - LES FILMS SUR MESURE - STUDIOCANAL - FRANCE 3 CINEMA - GV PROD
2019年10月11日《text:宇野維正》先日、マーティン・スコセッシがEmpire誌のインタビューでスーパーヒーロー映画全般について「あれは映画じゃない。正直言って、自分が一番近いと思うのはテーマパークだ。人間の感情や心理的な経験を別の人間に伝えるものではない」と批判して話題になった。その批判の内容自体は別に目新しいものではない。結局のところ、重要なのは「何を言うか」ではなく「誰が言うか」だ。早速、ジェームズ・ガン、サミュエル・L・ジャクソン、ロバート・ダウニーJr.といった、これまでスーパーヒーロー映画に貢献してきた映画人たちがその批判にリアクションをした。もっとも、そのスコセッシの新作『アイリッシュマン』も、旧来の意味での「映画」として観客が劇場で観ることができる機会は限定されている。贅沢なセット美術、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシらの出演料、そして彼らを若返らせる(物語は彼らが30代の時代から描かれる)ためのVFXに費やされた1億7,500万ドル(約190億円)という製作費を出資したのはNetflixだ。スコセッシでさえも(あるいはスコセッシだからこそ)、もはや本当に作りたい映画を作れる場所は現在のハリウッドにはない。『ジョーカー』がこの時代に生み出された意味『ジョーカー』について語る際にふまえるべきなのは、本作がそのようにかつて「映画」と呼ばれていたアートフォームの足場そのものが大きく揺らいでいる2019年という時代に生み出された作品であるということだ。今年、映画興行のあらゆる記録を塗り替えることとなった『アベンジャーズ:エンドゲーム』の公開時には、それぞれのスーパーヒーローの出演時間を集計した表がソーシャルメディアで拡散されたが、ほぼすべてのシーンにジョーカー(=アーサー・フレック)が顔を出す『ジョーカー』ではストップウォッチを握る必要はない。ジョーカーを演じたホアキン・フェニックスが本作で披露しているのは、典型的なメソッドアクト(役者がキャラクターになりきる演技法)で、キャラクター造形が役者の資質に寄りそっている近年のスーパーヒーロー映画とは真逆のやり方だ。トイレが近い人は、「旧来の映画」のように作品が約2時間で終わることに歓喜するだろう。『ジョーカー』には、過去の映画からの「オマージュ」と呼ぶのも憚られるような直接的な引用や影響が全編に放り込まれている。なかでも(他でもない)スコセッシの『タクシー・ドライバー』(1976年)と『キング・オブ・コメディ』(1983年)は作品の骨格そのものを形作っていて、両作品で主演を務めたデ・ニーロの本作での確信犯的起用法を含め、監督のトッド・フィリップスはスコセッシからの影響を作品にそっと忍ばせるようなそぶりさえ見せない。優れた映画は過去の映画のレファレンスから生み出されるというのは、(作り手も観客も含めた)映画好きにとって自明のことではあるが、作品の時代設定である1981年に使用されていたワーナーのオープニングロゴで始まる『ジョーカー』に関しては、それを一つ一つ指摘していくのがバカらしくなるほどすべてがあからさまにおこなわれていく。スコセッシ作品と並んで本作の精神的な支柱となっているのは、チャールズ・チャップリンの『モダン・タイムス』(1936年)だ。同作はドナルド・トランプ的な「政界に足を踏み入れる成功したビジネスマン」の象徴として描かれているトーマス・ウェインが主賓の上映会で、そのままスクリーンに映し出され、チャップリン自身が作曲した劇中歌「スマイル」は本作のテーマソング的な役割まで担っている。1981年に『モダン・タイムス』の上映会がこんなものものしくおこなわれているのも少々奇妙だが、客席を埋めた裕福で高齢な白人たちは、主人公が工場労働の単調さから「発狂して精神病院送り」になったり「デモの扇動者と間違えられて拘置所送り」になったりするこの作品を、手を叩いて笑いながら楽しんでいる。そもそもトーマス・ウェインは自身の市長選が控えているゴッサムシティに不穏な空気が充満しているにもかかわらず、何故か映画ばかり観ている。『モダン・タイムス』上映会の数日後、ピエロの仮面をつけた民衆による暴動が予告されていた夜に、彼はわざわざ妻と一人息子(ブルース・ウェイン)を連れて『ミッドナイトクロス』(1981年)と『ゾロ』(1981年)が上映中の劇場に足を運び、映画を観た後に街に放り出されることになる。物語の設定を1981年にした二つの理由フィリップスは本作の設定を1981年にした理由を二つ明らかにしている。一つは、他のDC作品と完全に切り離すため。確かに、本作のジョーカーが「あのジョーカー」だとしたら(そこにも解釈の余地は残されているが)、現在進行中の各DC作品とは作品のテイストだけでなく時代的にもまったく辻褄が合わない。ヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞した直後には、他のDC作品との関わりだけでなく、本作の続編製作についてもまったく考えていないと念押ししている。つまり、マーベル作品に代表される現在のスーパーヒーロー映画の常套手段である「映画のユニバース化」だけでなく、現在のハリウッド大作の主流である「映画のシリーズ化」までをも完全に否定したところから生み出されたのが、今回の『ジョーカー』なのだ。もう一つの理由は、まさにスコセッシが言うところの「人間の感情や心理的な経験を別の人間に伝える」映画がまだ普通にハリウッドで作られていた、70年代後半から80年代初頭までのアメリカ映画への深い愛着だ。『ハングオーバー!』シリーズ、『デュー・デート』、『ウォー・ドッグス』のようなコメディ作品が並ぶフィリップスのフィルモグラフィーを見渡した時、その無防備なノスタルジーはいささか唐突なものにも思えるが、スーパーヒーロー映画という「口実」でもなければ、現在のハリウッドでこのような映画愛がダダ漏れの作品を実現するのは難しいということだろう。フィリップスは「ジョーカー」のキャラクターの映画化権を獲得するまで、ワーナーとの再三にわたるタフな交渉があったことも明かしているが、報じられている本作の製作費は5,500万ドル(約59億円)。3億ドル(約321億円)以上かかったとされている同じDC作品の『ジャスティス・リーグ』の5分の1以下ではあるものの、この企画が通ったこと自体が現在のハリウッドにおいては「快挙」であり「事件」だった。『ジョーカー』は未来を切り開く存在になるか?2020年以降、マーベル・シネマティック・ユニバースは映画とテレビシリーズの垣根を完全に超えて、ディズニーの新しいストリーミングサービスから新作を次々に発表していく。昨年のアルフォンソ・キュアロン『ROMA』に続く今年のスコセッシ『アイリッシュマン』の成功によって、映画というアートフォームにおいても、ハリウッドからストリーミングサービスへとその主戦場は確実に移行していくだろう。そんな時代に、フィリップスは『ジョーカー』を「あまりにも映画的モチーフが込められすぎた2時間の単独作品」として仕上げ、スーパーヒーロー映画を、ハリウッドを、ヨーロッパの歴史ある映画祭を、ハックしてみせた。『ジョーカー』のクライマックスでは「持たざる者」たちであるゴッサムシティの民衆が蜂起する様子が描かれているが、『ジョーカー』という作品はこれまでのような環境を失いかけている「旧来の映画」の蜂起でもあるのだ。『ジョーカー』自体の発展性はフィリップスやフェニックスをはじめとする本作の主要スタッフによって否定されているが、アカデミー賞も射程に収めたいま、ここから一体どんな火がつくかはわからない。『ジョーカー』が一回限りの暴動として終わるのか、この暴動の後の荒地から他の映画人たちが映画の未来を作っていくのか、固唾を飲んで見守っていきたい。(text:宇野維正)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年10月11日俳優の市原隼人が9日、都内で行われた主演ドラマ『おいしい給食』(テレビ神奈川、TOKYO MX、BS12)の記者会見に出席した。今作で初の教師役を務める市原は、給食がなによりも楽しみという異色な教師を演じることに、「まず食がおいしく喉を通るように5キロ以上落として、給食の前には食事を控えて挑んでました」とストイックな役作りを明かした。同作は、80年代のある中学校を舞台に、市原演じる給食マニアな教師・甘利田幸男が、生徒と“どちらがおいしく給食を食べるか”をかけた闘いを繰り広げるというコメディ。市原は、役作りのために減量した経緯を「役者としての見られ方を捨て、それよりも甘利田の在り方を重視しました」と明かし、「給食、青春、ドラマ、コメディ。ありそうでなかった、まったく新しい感情をお届けできるのが楽しみです。人と人とをつなぐ作品になることを心から願っています」と自信をのぞかせた。またイベントでは、ドラマの放送に先駆けて、本作の映画化が2020年初春に全国ロードショーされることが発表され、市原は「より世界観に入れる作品になっていますので、ぜひお楽しみください」とアピールしていた。会見にはそのほか、武田玲奈、佐藤大志、豊嶋花、辻本達規、酒向芳、綾部真弥監督も出席した。
2019年10月10日ホアキン・フェニックスがDCコミックの人気ヴィラン・ジョーカーに演じ、第76回ヴェネツィア国際映画祭でアメコミ作品として初の金獅子賞を獲得した話題作『ジョーカー』(公開中)。本作を手掛けたトッド・フィリップス監督によるビデオ通話会見が先日都内で開催された。コメディアンを夢見る心優しい青年アーサーが、次第に追い詰められていき、やがて悪のカリスマ、ジョーカーへと変貌していく様を、原作にはないオリジナルストーリーで描く。爆笑コメディ「ハングオーバー」シリーズのトッド・フィリップス監督がメガホンをとり、同作でも組んだブラッドリー・クーパーが製作を務めている。――ホアキンの鬼気迫るすさまじい演技におののきましたが、彼を演出してみていかがでしたか?ホアキンはあの世代では最も優れた俳優だといつも思っていたけれど、驚きの連続だった。ちょっと言葉では言い表せないけど、彼の演技を目の当たりにすればわかるかもしれない。すごすぎて、見ている方は、口をポカンと開けてしまうような状態になる。思わずカメラのオペレーターに向かって「いまの見ていた? 信じられない!」と言ってしまったよ。――ホアキンとロバート・デ・ニーロという名優2人の共演シーンにもうなりました。僕もホアキンも、デ・ニーロを崇拝しているから、撮影の現場ではなく、彼のオフィスで初めて会った時は、とても緊張したんだ。彼と一緒に映画が作れるなんて、夢みたいだった。2人の俳優の間に座っていた僕にとって、あの日はすばらしい一日だった。でも、実際に共演シーンを撮影した時は、すでにホアキンはジョーカーとして自分の世界に入り込んでいたから、まったく問題はなかったよ。――時代設定を70年代後半~80年代初期に設定した主な理由について聞かせてください。今までの映画で観てきたジョーカーと今回のジョーカーが共存することは避けたかったので、意図的にそうしたんだ。また、『タクシードライバー』(76)や『狼たちの午後』(75)『キング・オブ・コメディ』(83)のような時代に起こった出来事として作りたかったよ。――これまでたくさんのDCコミックスを映画化した人気作品がありますが、本作はどういう位置づけの作品になりましたか?DCという大きなユニバースから切り離し、独立した作品にしたかった。ジョーカー役は過去にすばらしい俳優が演じているし、すばらしいコミックも描かれ、テレビ番組にもなっている。そこを描くのは、チャレンジでもあり、怖い気持ちもあったが、だからこそホアキンと私は、可能な限り現実というフィルターを通して、自分たちのバージョンを作ろうとしたよ。――『バットマン』の生誕を祝う9月21日の「バットマンの日」には、DCエンターテイメント 共同発行人でアーティストのジム・リーが来日し、日本でもバットマン80周年の式典が。ジム・リーが、アニバーサリーの式典に来るというのは面白い。彼とはメールでのやりとりしかしていないが、「映画がとても良かった」と言ってくれた。一般的に知られているジョーカーから全てが逸脱していたにも関わらず「この映画の独特なスタイルが特に気に入った」と言ってくれた。――監督は「ハングオーバー」シリーズなど、コメディ監督としての印象が強いのですが、ジョーカーがコメディアン志望だったという点も印象深いです。監督が今回、描きたかったこととは?この映画で表現しようとしたことは、ホアキンの台詞「人生は悲劇だと思ってた。だが、いまわかった、僕の人生は喜劇だ」が物語っている。それは、僕は面白い人たちとコメディ映画を多く作り、コミック作品の仕事もたくさんしてきたなかで、僕自身が受け取った言葉でもあるから、今回そこを探求したいと思った。――「ハングオーバー」シリーズでは主演を、本作ではプロデューサーを務めているブラッドリー・クーパーとは、数多くタッグを組まれてきましたが、彼の存在は大きかったですか?ブラッドリーとは、お互いにフィードバックし合える仲だ。脚本に対しての意見交換もそうだし、そして編集室にも一緒に入る。私にとってブラッドリーは、かけがえのない存在だ。編集室に一日中いてくれたり、何日も通ってきては、メモを書いて渡してくれる。でも、それは彼の監督作『アリー/スター誕生』(18)の制作時に、プロデューサーだった私がしたことと基本的には同じだ。「ハング・オーバー」1作目の撮影からもう12年経つけど、素晴らしいパートナーシップが取れている。僕が最も信頼している親友で、コラボレーターの一人だね。(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DCComics
2019年10月06日「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章までデナーリス・ターガリエン役を演じたエミリア・クラークと、『クレイジー・リッチ!』で御曹司役に抜擢されたヘンリー・ゴールディングという、いま最も新作が期待される2人が共演するロマンティック・コメディ『ラスト・クリスマス』が12月6日(金)に公開することが決定した。舞台は、クリスマス間近のロンドン。クリスマスショップで働くケイトは、小妖精(エルフ)の格好をして煌びやかな店内にいても仕事に身が入らず、生活も乱れがち。そんなある日、不思議な好青年トムが突然現れ、彼女の抱えるいくつもの問題を見抜いて、答えに導いてくれる。ケイトは彼にときめくも、ふたりの距離は一向に縮まらない。トムを捜し求めつつ自分の心の声に耳を傾けたケイトは、やがて彼の真実を知ることになる…。本作は、1984年に発売されて以来、様々な記録を打ち立て、日本でも有名アーティストがカバー、現在もなおクリスマスが近づくと街中に流れる定番ソング、「ワム!」の「ラスト・クリスマス」からインスパイアされた物語。切なくも希望と大きな愛に満ちあふれたオリジナル脚本を、アカデミー賞女優にして脚本家のエマ・トンプソンが手掛けた。「ゲーム・オブ・スローンズ」や『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』のエミリア・クラークと、全米に旋風を巻き起こした『クレイジー・リッチ!』のヘンリー・ゴールディングが豪華共演し、エマ自身も出演するほか、『クレイジー・リッチ!』のミシェル・ヨーも共演。『シンプル・フェイバー』でヘンリーをブレイク・ライヴリーの夫役に起用したポール・フェイグがメガホンをとった。『ラブ・アクチュアリー』『ラ・ラ・ランド』『アリー/スター誕生』に続く、音楽にも魅了されるクリスマスにピッタリなラブストーリーは、1年を締め括るに相応しい最高のクリスマスプレゼントとなりそうだ。『ラスト・クリスマス』は12月6日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年10月04日映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』が、2020年1月31日(金)に公開される。ライアン・ジョンソン監督&オリジナル脚本映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』は、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のライアン・ジョンソンが監督と脚本を手掛けた、オリジナルのエンターテイメント・ミステリー。ミステリーの女王とも称された『オリエント急行殺人事件』で名高いアガサ・クリスティーに捧ぐ最新作だ。10代の頃から根っからのアガサ・クリスティーファンだったライアン・ジョンソンは、今作品に、アガサ・クリスティーの推理小説の要素を存分に詰め込んだ。アガサの世界観の中に覗く、ライアン・ジョンソン独自のユーモアと現代社会への鋭い視点に注目だ。NYの大豪邸で起きた密室殺人事件映画の舞台は現代のアメリカ。NYの豪邸で世界的ミステリー作家の85歳の誕生日パーティーが開かれた翌朝、彼が遺体で発見される。名探偵ブノワ・ブランは、匿名の人物からこの事件の調査依頼を受けることに。第一容疑者となるのは、パーティーに参加していた資産家の家族や看護師、家政婦ら屋敷にいた全員だ。調査が進むうちに名探偵が家族のもつれた謎を解き明かし、事件の真相に迫っていく―。ダニエル・クレイグ、クリス・エヴァンズほか豪華キャスト事件の謎を解く主人公の名探偵ブノワ・ブランを演じるのは、「007」シリーズの最新作公開も控えるダニエル・クレイグ。そして、周囲を罵倒する一家の放蕩息子役で強烈なインパクトを残すのは、『アベンジャーズ』でキャプテン・アメリカ役が記憶に新しいクリス・エヴァンス、85歳の誕生日パーティーの翌朝に謎の死を遂げた世界的ミステリー作家ハーラン・スロンビーを、オスカー俳優クリストファー・プラマーが演じる。さらに、名探偵を支えるエリオット警部補役には『ゲット・アウト』のキース・スタンフィールドが登場。そのほか、『IT/イット”それ”が見えたら終わり』のジェイデン・マーテルや、2018年に公開されたホラー映画『へレディタリー/継承』のトニ・コレット、『シェイプ・オブ・ウォーター』のマイケル・シャノンなど、豪華俳優陣が揃う。事件のヒントが隠された意味深なポスター一癖あるキャラクターの面々が揃うポスターには、事件解決となるヒントが…?!彼らの背後に映るのは、それぞれ全く異なるカラフルなインテリア。そして彼らは、杖やノートパソコン、バッグ、ワインなど、それぞれの個性を映し出すアイテムを手にしていたりする。事件の捜査を進めていくうちに見えてきたのは、ハーランの遺産を巡る家族たち秘密―。いったい真犯人はだれなのか?そして遺産はだれの手に?ロッテントマトで満足度100%&賞レースにも参加なお、ワールドプレミアとなった9月のトロント国際映画祭では、数ある作品の中で高評価を獲得し、その評価が注目された有名レビューサイト、ロッテントマトでは一時驚異の100%を記録した。さらに第77回ゴールデングローブ賞においては、受賞こそ逃したものの、作品賞(ミュージカル・コメディ部門)、主演男優賞(ダニエル・クレイグ)、主演女優賞(アナ・デ・アルマス)の主要3部門にノミネート。日本時間2月10日(月)に発表される第92回アカデミー賞においては、脚本賞にノミネートされている。【詳細】映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』公開日:2020年1月31日(金)監督・脚本:ライアン・ジョンソン出演:ダニエル・クレイグ、クリス・エヴァンス、アナ・デ・アルマス、ジェイミー・リー・カーティス、トニ・コレット、ドン・ジョンソン、マイケル・シャノン、キース・スタンフィールド、キャサリン・ラングフォード、ジェイデン・マーテル、クリストファー・プラマー主題歌:フランク・シナトラ「I’m Gonna Live Till I Die」配給:ロングライド
2019年10月04日おとな向け映画ガイドオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明19/9/30(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開の作品は23本。1日3本観ても1週間では観きれないとんでもない数です。全国100スクリーン以上で拡大上映されるのは『蜜蜂と遠雷』『ジョーカー』『HiGH&LOW THE WORST』『ジョン・ウィック:パラベラム』の4本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が19本です。この中から厳選して、おとなの映画ファンにオススメしたい4作をご紹介します。『ジョーカー』体調と精神状態が万全なときにご覧下さい。結構ヘビーです。が、この秋のベストといっていい映画だと思います。DCコミックス、『バットマン』シリーズのあの悪役がいかにして生まれたか、と軽く考えていたのですが、いやあ凄い!映画の舞台は1981年の「ゴッサム・シティ」、つまりニューヨークです。荒廃しきった大都会の片隅、ピエロのメイクで街頭宣伝の仕事をしながらコメディアンをめざすアーサー。少し情緒不安定で、医療補助を受けています。アパートには病弱な母が同居している、そんなつましい暮らしです。そこにある事件がおき……。ここからの展開は圧倒的な迫力。ホアキン・フェニックスが、孤独で、ときおり狂気をはらんだアーサー役。これが鬼気迫る演技です。アーサーが憧れるテレビの人気者にロバート・デ・ニーロ。彼の存在がこの映画を第一級のグレードに押しあげています。デ・ニーロの『キング・オブ・コメディ』、そしてあの『タクシードライバー』を連想させるシーンやイメージにも魅了されます。こうなると『バットマン』シリーズはこの映画の後日談にすぎない感じです。『毒戦 BELIEVER』これまた、ハードな犯罪サスペンスです。香港ノワールの巨匠、ジョニー・トーの『ドラッグ・ウォー 毒戦』を韓国でリメイクしています。国際的な麻薬取引に絡む、麻薬取締局によるおとり捜査、という設定やストーリー展開は受け継いでいますが、人間関係などは韓国映画らしく濃密なドラマとなっていて、香港-中国大陸という犯罪の舞台も、韓国-中国大陸になるといろいろ状況も変化します。なかなか面白い翻案と思いました。イ先生というニックネームの麻薬王が率いる密売組織を追う麻薬取締官。イ先生の存在は謎で、組織内でも実際に会った人間はいない。その秘密工場が何者かに爆破される事件があり、これを突破口に、潜入捜査を開始します……。麻薬取締官チームのリーダー、ウォノに扮しているのはチョ・ジヌン。夏に公開され評判をよんだ『工作 黒金星と呼ばれた男』では韓国スパイのボスを演じていました。闇マーケットの支配者役のキム・ジュヒョクは2017年に交通事故で亡くなり、この映画が遺作です。「捜査対象:全員狂人」とチラシに書いてありますが、追う方も追われる方も狂気が漂っています。さらに、これまでの韓国の暗黒映画と比べても、でてくる風景の荒涼感が半端ない感じです。韓国ノワール、さすがです。『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』日本ではあまりテーマになったことのない「妊活」の映画です。50歳近い夫と一回り以上年下の妻。こどもは作らないはずだったのですが、突然妻が、友達の影響で「私、ヒキタさんのこどもに会いたい」と言い出すのです。愛する妻の願い。まずは基礎体温を計り、この日ならと子作りに励むのですが、その徴候すらありません。クリニックの検診では、どうやら原因はヒキタさんにあるようで……。原作はヒキタクニオさんの自伝的エッセイ。物書きのヒキタさんを演じる松重豊さんが、髪の毛をごま塩にし、ふだん着の気楽な雰囲気で演じています。サウナとビールが好き。何冊かの著書もあり、ま、のんきな暮らし。それが妊活に励むことになり、えっなに?「精子運動率が低い」って、どういうこと!? 松重さんは映画初主演。妻役は北川景子さんです。タイトルからしてハッピーエンドを宣言している、ハッピーな映画です。『“樹木希林”を生きる』観始めは「面白い人だな」、だったのが、「すごい人」に変わり、最後は「とんでもなくすごい人」になりました。樹木希林恐るべし。昨年他界した希林さんの最後に長期密着取材したドキュメンタリー。NHKで放送されたものを元に、未公開映像を加え再編集された映画です。資料に「ディレクターを家まで自家用車で迎えに行き、撮影現場までの間、自ら運転し語り続ける」とあり、えーまさか、と思いましたが、驚きました。希林さんが本当に、自分の車で木寺一孝監督を迎えに行って、運転しながら語るのです。監督はそれを助手席から撮影し続けます。2017年、希林さんに密着したいというオファーに、『モリのいる場所』『万引き家族』『日日是好日』『命みじかし、恋せよ乙女』の4本の撮影現場に同行すれば何とかなるでしょうとOKがでます。希林さんのつけた条件は、監督が一人でカメラを回し、わたしと向き合うこと、でした。ライトだの、助手だの大げさなのはいや、というわけです。それがとんでもない撮影、映像になりました。このところ、残された言葉をもとにした著書は何冊も出版され、なかには100万部を越えたものもあるといいます。わかるような気がします。大変魅力的な女優さん、とほうもない人物です。
2019年09月30日