友情も、職場のチームワークも、コミュニケーション力を上げればもっとバージョンアップするはず!相手の気持ちをつかむノウハウを、 現場で活躍するホラン千秋さんが公開。会話術の講師・鹿島しのぶさんのアドバイスとともにご紹介!ホラン千秋さんが職場に馴染めたのは、人間観察のおかげだった!?昨春、ニュース番組『Nスタ』にキャスターとして仲間入り、番組の顔として活躍するホラン千秋さん。「お気遣いいただいたのだと思いますが、周りの人に『早くも番組に馴染んだね』と言われます。人と話すことは好きだし、新しい人間関係や場所に入ることは苦手ではないかも。とはいえ、初めて会う人や、よく知らない人とのコミュニケーションは難しいもの。短時間で、人柄や間を見極めないといけませんから。でも気にしすぎると余計に空回りすることも。大事なのは相手をよく見ること、あとは雰囲気づくりです!」そんな彼女が仕事のなかで体得し、実践しているスキルを紹介します。笑顔は万能である。初対面の方とコミュニケーションをとる場合に心がけているのは、相手の目を見て話すことと、笑顔で接することの2つです。基本的なことですが、話しかけやすい雰囲気を作るためには必要不可欠ですね。特に笑顔は、“大丈夫です、あなたに牙はむきません!”という、こちらの気持ちを示すためにも意識しています。というのも、私は見た目のせいか、気が強そうだと思われやすいタイプ(笑)。できるだけ笑顔で柔らかい雰囲気が、相手に伝わればいいなと思っています。【解説】コミュニケーションにおいて、笑顔は最大の武器といっていいほど効果的で万能なものです。微笑んだり、柔らかい表情を見せるだけでも相手にいい印象を与えられますよ。目線を合わせるのも大切ですが、恥ずかしい人は口元やネクタイの結び目を見るだけでも相手は見てくれているな、と感じます。(会話術の講師・鹿島しのぶさん)相手の話には大きめに反応。人の話を聞くときには、「うんうん」と大きくうなずいたり、少し大きめのリアクションをとります。もし、自分が誰かに向かって話しているときに相手からの反応がまったくないと、“私の話、伝わっているかな…?”と心配になる人って多いと思うんです。なぜなら私がそうだから(笑)。だから“あなたの話、ちゃんと届いてますよ”と、動きで示すことは意識していますね。そうすることで相手は安心して話せるでしょうし、会話のキャッチボールがスムーズにいくと思います。【解説】話している人は反応が気になっているので、大きくリアクションをすると喜ばれます。うなずくだけでも印象が違いますよ。さらに、「その先はどうなったのですか?」などと質問をし、“あなたの話に興味がある”ことを伝えて相手をのせるのもいいでしょう。前のめりになるなどの姿勢も、話を聞いている感じが伝わります。(鹿島さん)会話のネタ探しに、相手の持ち物を観察。何を話せばいいのか困ってしまったら、相手のことを観察して、会話の糸口となるようなヒントを探します。バッグについているチャームやスマホのカバーについてでもいいし、素敵な服装の方なら、「どこでお買い物をされるんですか?」などと質問をする。どんな小さなことでもいいので質問を投げかけてみると、経験上、意外と話が広がって間が持ちます。間ができたときに“何の話をしよう…”と感じるのは相手も同じこと。日常のたわいない話でいいと思います。【解説】話しかけられるのを待つより、自分からアクションを起こすほうがいいですよね。そのネタとして相手の持ち物にまつわる質問は便利です。さらに、「同じブランドが好きです」「私も同じハンドクリームを持っています」のように、相手との共通項を見出して共感している姿勢を見せることも大事。距離がぐっと縮まります。(鹿島さん)返しに詰まったら、「つまり」&「というのは?」。会話中、相手の言ったことがすぐに理解できなかったり、自分の意見がまとまらずに返答に悩むことがあると思います。そんなときは、相手の顔を見ながら「つまり…?」「…というのは?」と、もう一段階詳しく説明をしてもらうための言葉を投げかけます。適当に返して話が進んでいくのは相手に失礼な感じがするし、詳しい説明を聞いている時間で、自分の考えを導き出すこともできる。私はインタビューで聞き手になったときに、よく、この方法を活用しています。【解説】プロのインタビュアーならではの、相手に対してスキを見せないために駆け引きをする術を使いこなすとは、さすがホランさん。読者が日常生活で実践するのなら、「それはどういうことですか?」と素直に聞いてしまうほうがいいと思います。わかったふりをしても、後々バレることが多いですから。(鹿島さん)いいと感じたことは必ず相手に伝える。「○○さんのここが好き」「○○さんの説明がわかりやすかった」などと、心に響いたことは、相手に伝えるようにしています。“私のことを見てくれている”と感じるのは嬉しいと思うし、それにより関係性も良くなっていく。今思うと、こうしたひと言が様々な現場で共演者・スタッフの皆さんとの距離を縮めた気がします!あと、苦手なタイプの人と出会ったときにも、相手の良いところを見つけておくと“素敵なところもあるし”と冷静になれる気がします(笑)。【解説】嬉しかったフレーズを心に留めおき、「仕事で困っていたときに、あのひと言に救われました」などと後から言うことで、“覚えてくれていたんだ”と喜んでもらえます。相手が職場の後輩などの場合は、日々の仕事のなかで地道に努力していることを褒めてあげると効果的です。“わかってくれているんだな”と信頼度が増すはず。(鹿島さん)ほらん・ちあき1988年生まれ。タレント、キャスター。『Nスタ』(TBS系)や『バイキング』(CX系)、『Doki Doki!ワールドTV』(NHK総合)等に出演中。鹿島しのぶさん披露宴などイベントの司会者育成を行う総合会話術仟言流を運営。プロ司会者としても活動。『「また会いたい」と思われる人』(三笠書房)など著書多数。※『anan』2018年4月25日号より。写真・塚田亮平スタイリスト・井阪 恵ヘア&メイク・豊田まさこ取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2018年04月21日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「夏フェス」です。高校生のころは毎年、男友達4人でサマソニ(編集部注:8月に千葉/大阪で開催される都市型ロック・フェス「サマーソニック」の略称)に行ってましたね。休み時間に教室の隅で静かに洋楽聴いているタイプの男子の集まりなんで、フェス行くといっても「ウェーイ!」とちょけることもなく、初めて知る“モッシュ”にクソびびって逃げ出したり…。エンター・シカリっていうイギリスのハードコアバンドが好きでそのステージ観に行ったとき、一緒に行った中村くんの顔面に白人の方の肘が当たって思い切り鼻血出して「これは危ない!」と思いました。いい思い出です。ミュージシャンになってからは、ありがたいことにフェスに呼ばれる側になりました。去年、最高やったのは石垣島のフェス。海、最高にやばかったです。僕よりスタッフがはしゃいでましたね。でも、そうやってフェスのために遠出するのもいいですよね。泊まったり観光もしたりして地方経済の活性化にもなりますから。フェスで旅、おすすめです。あとは、バックステージの話をすると普通にきゃりーぱみゅぱみゅさんが歩いていたり、奥田民生さんがごはんを食べていたりしていて、今でもドキドキします。僕はあまり自分から声かけることができないんですけど、それでも楽屋前のパラソルの下で座っていたり、ひとりで転がっているサッカーボールなんかをリフティングしてたりすると、いろいろな方が話しかけてくれます。そうやって、少しずつミュージシャンの知り合いが増えていくのはうれしいです。参加しているみんなもそういう交流ってきっとありますよね。フェスは、同じ音楽の趣味を持つ友達を作るいいチャンスだと思います。ひとりで参加している人も多いと思うんで、そういう人同士で「このバンド好きなんですか?」とか声かけあったり、もちろんグループ同士でも一緒に盛り上がって仲良くなるとかもありやと思います。それと、参加するときにはあまりタイムテーブルに縛られないほうが面白いと僕は思いますよ。もうね、どのステージ観に行くかなんてサイコロでもふってその場で決めればよろしい。フェスは音楽の見本市、でっかいショーケースライブなんですよ。初見のバンドを観て、新しい音楽をどんどん吸収してほしい。ライブ観て、ええなと思ったら直売所でCD買う。そういう音楽との出合いも楽しんでほしいです。おかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。4月25日に全曲タイアップ(?)アルバム『OT WORKS』が発売に。現在、全国ワンマンツアー中。※『anan』2018年4月25日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年04月20日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「平昌パラリンピック」です。平昌パラリンピックで、日本は前回ソチ大会を上回る10個のメダルを獲り、選手は大活躍でした。2012年のロンドン大会以降、パラリンピックやパラアスリートへの関心は高まり、企業のブランディングの一環として、広告への起用や支援も増えてきました。東京五輪に向けてNHKも放送に力を入れ、約60時間と、ソチ大会から放送時間が倍増したのは喜ばしいことです。僕も現地に行きましたが、今回日本の報道陣は頑張っていて、他国が1クルー程度だったのに対し、どこも日本の取材クルーが大挙して押し寄せていました。韓国の公共放送でさえ、放送時間は18時間程度と日本の3分の1以下。日本の報道陣を見て、文在寅大統領が急遽、放送時間を拡大するよう指示を出したほどです。ただ日本でも、取材したものの、発表する放送枠、紙面が少ないことに報道陣は頭を悩ませていました。財務省の文書改ざん問題など、世間の関心を集めるニュースに場を奪われてしまったことも要因です。取材の受け皿を広げるためには、「もっとパラアスリートを見たい」という視聴者の声が必要になるでしょう。オリンピックに比べてまだ関心の低いパラリンピック。金メダルを獲ったアメリカの義足のスノーボーダー、マイク・シュルツさんは、義足を作る会社の経営もしています。「パラアスリートたちのストーリーや、競技の技術力の高さは価値あるものだから、自分たちの活躍を通して、皆の関心を引き寄せたい」と話していました。今回、もう一つ平昌で痛感したのは、ボランティアの方々の重要性です。通訳や障害者の方の移動支援など、とてもスムーズだったんですね。ボランティアのなかには、「世界の人々と交流を深め、平和に貢献したい」と、2か月間仕事を休んで参加している青年もいました。平昌ではボランティアスタッフに食事と宿泊施設を提供していましたが、現状、東京五輪ではボランティアの宿泊費は自己負担です。選手の活躍、観客の声援、ボランティアの温かな支援が重要な要素となる五輪。約11万人のボランティアを募集しますが、気持ちよくサポートしてもらうためにも、待遇面のケアは必要だと思います。堀潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年4月25日号より。写真・中島慶子題字&イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年04月20日ananの人気連載「鈴木亮平の中学英語で世界一周! feat.スティーブ・ソレイシィ」が、とうとう書籍になりました! 英語が苦手だと感じている人にこそ手に取ってもらいたい一冊。書籍化を記念して、鈴木亮平さんとスティーブ・ソレイシィさんが対談をしました。鈴木:ついに本が完成しましたね!ソレイシィ:しましたねー。この連載がスタートしてからもう3年経つなんて信じられない。鈴木:こうして書籍として一冊にまとまると、感慨深いものがありますね。ソレイシィ:意外なんだけど、鈴木さんにとってはこれが初めての英語本なんだそうですね。鈴木:そうなんです。なんだか緊張しますね。たくさんの人に読んでもらいたいな。ソレイシィ:この本を作るにあたって、細かく読み返したんだけど、この本は英語本としても、俳優さんやタレントさんが出す本としても、異色だと改めて感じています。鈴木:そうなんですか?どんなところが?ソレイシィ:鈴木さんは英語の専門家の気づかない部分を突いているんです。その視点がとてもユニーク。だからいわゆる“定番”の表現だけにとどまらない内容になっている。鈴木さんの発想があったからこそできた本だと思います。鈴木:照れますね。ソレイシィ:例えば病気を訴える場合、定番表現は“I have a problem with~.”(~に不具合があります)なんですけど、それに加えて“I feel~.”を使うといいっていう発想は、僕にとっては目からウロコでした。鈴木:ああ、“I feel bad.”(気持ち悪い)とか“I feel dizzy.”(めまいがする)とかのことですね。ソレイシィ:そう。言われてみれば確かに僕らネイティブもそういう言い方をしているんですが、無意識なのでなかなか気づかない。これこそが、現役の英語学習者としてのリアルな視点なんです。鈴木さんが英語を学ぶプロセスの中で自分のものにしてきた言葉という気がした。僕自身、気づかされたことがたくさんありました。鈴木:僕が迷いながら英語を学んできた過去の試行錯誤を詰め込んだつもりではあります。通じなくて苦労したこと、誤解されて失敗したこと、ブレイクスルーした瞬間とか、「あ、この単語はこういうふうに使うんだ」とか、「このフレーズを使えば楽だな」とか。自分がたどってきた道のりを思い浮かべながら話してきましたね。ソレイシィ:鈴木さんみたいに、ネイティブじゃないのに英語が話せるようになる人には、共通点があるんです。鈴木:え、どんなことですか?ソレイシィ:ひとつは表現意欲があること。「この言葉を使って自分の気持ちをこう表現してみよう」、と。もうひとつ、使おうとする意欲も旺盛。「あの場面でこのフレーズを使ってみよう」と思っている。鈴木:実は連載の対談でも、面白いフレーズを仕入れたら、どこかで絶対使ってみようと思っている部分がありますね。ソレイシィ:そうそう、それがいいんです。常に好奇心を持っているし、使う前提だから、新しい表現もどんどん自分のものになっていく。現役の英語コミュニケーターなんですよね。だから常に英語に対して好奇心のアンテナを張っていられるし、進化していけるんです。僕が日本語を覚えたのもまさに同じような感覚だったし、もっと言えば母国語だってそう。新しい言葉は常に生まれているから、覚えたり、忘れたり、思い出したり、その繰り返しなんですよね。鈴木:新しく覚えた言葉を駆使して、今まで表現できなかった次元のことが通じたときの気持ちよさってありますからね。ソレイシィ:そう、伝わる気持ちよさって、確かにある。その快感にハマると語学が楽しくなってくる。鈴木:僕は大学で言語学を学んできたので、言語そのものも好きなんですけど、実際通じるかどうかっていうのは言葉以外の部分も大きい。顔の表情とかジェスチャーとか、声のトーンとか。そういったコミュニケーション術みたいなものを身につけることも大事なんですよね。そこも含めた内容になっていると思います。ソレイシィ:僕が感心したのは、機転の利かせ方。道を聞くときに行き先ではなくて現在地から聞くとか、そういうのはもう、コミュニケーション術を超えた発想力の高さだと思いますね。Ryohei Suzuki1983年生まれ。兵庫県出身。東京外国語大学卒。2006年、俳優デビュー。’14年、連続テレビ小説『花子とアン』で注目を集める。現在、NHK大河ドラマ『西郷どん』で主人公の西郷隆盛役を熱演中。映画『羊と鋼の森』が6月8日公開。Steve Soresi英会話コーチ、「ソレイシィ研究所」代表。アメリカ出身。NHKラジオ第2『英会話タイムトライアル』メイン講師。『英会話なるほどフレーズ100』(アルク)、『難しいことはわかりませんが、英語が話せる方法を教えてください!』(文響社)など著書多数。『こんなに簡単! 鈴木亮平の中学英語で世界一周! feat.スティーブ・ソレイシィ』鈴木亮平さんによる初の英語書籍。鈴木さんが実体験を通して身につけた実践的な英語フレーズが満載。スティーブ・ソレイシィさんとの掛け合いが楽しい対談では、言葉の持つ細かなニュアンスや使い方も学べます。※『anan』2018年4月25日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・八木啓紀ヘア&メイク・宮田靖士(THYMON Inc.)文・東海林美佳(by anan編集部)
2018年04月20日日々アップデートを続ける、榮倉奈々さんが、眩しい。「29歳の一年というのは、環境の変化も大きかったので、あまり年齢を意識していなかったです。きっと年齢は関係ないと思えるところにいるんですね、今は(笑)」と話す彼女に、女性として輝き続ける秘訣をたっぷり伺いました。進化し続ける人、榮倉奈々さんの生きるヒント。男女問わず多くの人を魅了する愛くるしい笑顔と、その奥にある芯の強いまなざしが印象的な、榮倉奈々さん。デビューは中学3年生の時に、渋谷でスカウトされたのがきっかけ。女優として数々のドラマや映画に出演し、今や日本を代表する女優の一人となった。プライベートでは20代で結婚と出産を経験し、今年2月に30歳になったところだ。年齢とともに少しずつステージを変えながら、常に自分自身をアップデートする榮倉さんに、女性として輝き続ける秘訣を聞いた。「今は『何か新しいことを始めよう』という余裕がないほど、毎日が目まぐるしく過ぎていきます。環境の変化が大きすぎて、自分自身では『私、何も変わっていない』と思うほど。でも一つ挙げるとすれば、身近に素敵で自分が憧れる年上の先輩方がいてくれることがとても心強いですね。仲良くしていただいている20歳年上の先輩がいるのですが、その方が私と近いタイミングで誕生日を迎えた時に、『あなたが50歳になるのが楽しみになるような、50代を送れるように頑張るね』と言ってくれて。そんな言葉を聞くと、年齢を重ねるのも楽しみになりますね。ライフスタイルも環境も全然違う方なのですが、その方と話をしているととても楽しいですし、常に綺麗にしていて、何事にも冷静で、家族思いなところも尊敬できる、憧れの存在なんです」女優としては、約3年ぶりに主演を務める映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』が公開になる。安田顕さんと結婚3年目の夫婦を演じ、タイトル通り、“夫が帰宅すると必ず死んだふりをして迎える妻”という、少々破天荒な役回りに挑戦している。「まずタイトルを知った時に、インパクトがあるなと思って興味を持ちました。もちろん全部死んだ“ふり”なんですけど、ある時は頭を矢で射抜かれていたり、ある時は名誉の戦死を遂げていたり、ある時はワニに食べられていたり…(苦笑)。夫に伝えたいことがあるのに、それを言葉で表せない妻のちえさんを、私も最初は『不器用な人だな』と思いましたが、よく考えてみると、言葉にすることって案外難しくて…。同じ出来事でも人によって違う言葉を使ったり、別の意図で捉えられたりもする今の時代、メールや電話一本で済んでしまうことを、遠回りですが、自分なりの方法で表現するちえさんは、ある意味正しいのかな、と思います。『言葉なんて本当はつたないものなのかもしれない』と、私自身が演じているうちに思うようになりました」さまざまな人間模様が交錯するストーリーは、榮倉さんが夫婦や家族の在り方についても考えるきっかけになったという。「結婚するのは二人なのに、結婚は二人だけのものじゃない。ある時は相手のお父さんの立場になって考えてみたり、いろんな側面で物事を捉えることができたのは、私にとっても新鮮な体験でした。今まで他人同士だった二人がいきなり家族になるのはとても不思議なことですが、人と関わっていくことこそが人生。そう思うと、この作品に出てくるいろんな夫婦がせつなく思えたり、あたたかく思えたりもしました」映画の冒頭のシーンで、じゅんとちえの夫婦は「結婚生活が3年経ったら、継続するかをお互いが決める」とある。そこで、榮倉さん自身が普段の生活の中で“定期的に見直していること”を尋ねてみると…?「具体的な期間は決めていないですが、自分が『窮屈だな』と思った時に、胸に手を当てて考えてみることはあります。結局、自分で勝手に“自分ルール”を作ってそこに自分をはめようとしているから、苦しくなっているだけなんですよね。なので、そういう時は自分と全然違うことをしている人に会うことが多いかもしれません。実は、いちばん仲のいい友人が私と正反対の性格で。その人に会うと、『別にこうじゃなくてもいいのかな』とか『そういう考え方も正解かも』と思えることがよくあります。最近にいたっては、直接会わなくても、『たぶんあの人だったらこう言うだろうな…』という想像がついてしまうので、その通りにやってみたり。友人を通した、究極の俯瞰ですね(笑)」常に冷静な視点を持って、自分自身を軌道修正しながら高めている榮倉さん。日々の生活に話が及ぶと、「新しいことに挑戦するというよりも、生活環境をきちんと整えていきたい。それが何よりも優先です」と語っていたのも印象的だった。では女優としては、これからどんなバージョンアップをしたいですか?「バージョンアップという表現が正しいかわからないですが、仕事へのスタンスは家庭を持ったことで確実に変わりましたね。今までは自分の体調や都合や気分、それだけを基準に考えていればよかったんだな、と思います。『仕事が忙しい』とはいっても、結局100%自分の時間だったので、贅沢だったなと…。でも逆に、今は物理的にたくさんのお仕事をすることができないぶん、一つ一つが新鮮に感じられるようになりました」竹を割ったような性格の榮倉さんだけど、迷わずスパッと決められる時もあれば、もちろんそれができない時もあるという。「何事も体験してみないと、本当のことはわからないと思います。実際に挑戦してみて『必要だったな』とか『必要じゃなかったな』というふうにしか気づけなかったものを、先に自分で判断するのが私にはとても難しくて。選択権があるって自由で幸せなことですが、今までの経験をあまり過信せず、できるだけその精度を高めていければいいなと思っています。まだまだ、“アップデート最中”という感じです」えいくら・なな1988年2月12 日生まれ、鹿児島県出身。主演を務める映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』が6月8日(金)に公開。コート¥105,000Tシャツ¥13,500パンツ¥106,000(以上プールby クラス/ウィリーTEL:03・5458・7200)シューズ¥82,000(ニコラス カークウッド/シジェーム ギンザTEL:03・6263・9866)※『anan』2018年4月25日号より。写真・土屋文護(TRON)スタイリスト・上杉美雪(3rd)ヘア・KENICHI for sense of humour(eight peace)メイク・Sada Ito for NARS cosmetics(DONNA)取材、文・瀬尾麻美(by anan編集部)
2018年04月19日独特の透明感が魅力的な榮倉奈々さん。男女問わず支持される彼女の魅力は、“自然体でありながら、そっとバージョンアップしていそう”なところ。その秘訣、たっぷり伺いました。榮倉奈々さんの“これまで”と“今”がわかる、4つの質問。――20代の経験で、特に印象的な出来事は?榮倉:いろいろありますが、3年ほど前に一人旅でトンガに行ったことですね。クジラと一緒に泳ぐことが目的だったのですが、途中で飛行機が飛ばなくなったり、言葉もまったく通じずで、とてもデンジャラスな旅でした(笑)。2週間前に突然思い立って行動ができたのは、20代の勢いがあったからこそ。次は家族と行きたいです。――自由に時間が使えたら、何をして過ごしたい?榮倉:これは難しい質問…。今までは、時間があると「何をしようかな…」みたいな感じだったのですが、今は自分のために使える時間が限られているので、できるだけ有意義に過ごしたいと思っていて。でも、そう思うと、意外と自分がやりたいことってないんですよね(笑)。遊園地に行ったり、家族で楽しめることをしたいです。――自分をバージョンアップするなら、何をしたい?榮倉:非日常的なことに挑戦するというよりも、日常的な基盤を整えたいですね。たとえば、引っ越しとか、掃除とか!家の中がごちゃごちゃしているのが苦手で、環境を整えるのは昔から好きなんです。特に今は料理をすることが多いので、もしバージョンアップするとしたら、広い素敵なキッチンを希望。お料理の腕ももっと上げたいです。――決断に迷った時はどうやって解決する?榮倉:迷うくらいなら、違うのかなって諦めをつけると思います。気をつけているのは、今までの経験値であまり物事を測りすぎないようにすること。思い込むと変なループに入っていって、ふとした時に「あ、違った」というところに行ってしまう気がするからです。なので、自分をあまり過信してはいけないなといつも思っています。えいくら・なな1988年2月12 日生まれ、鹿児島県出身。主演を務める映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』が6月8日(金)に公開。シャツ¥62,000(コート/エストネーションTEL:03・5159・7800)スカート¥58,000(カリタ/エストネーション)シューズ¥79,000(フラテッリ ジャコメッティ/ドゥロワー 青山店TEL:03・5464・0226)イヤリング、右¥17,000左¥31,000(共にマリア ブラック/ショールーム セッションTEL:03・5464・9975)※『anan』2018年4月25日号より。写真・土屋文護(TRON)スタイリスト・上杉美雪(3rd)ヘア・KENICHI for sense of humour(eight peace)メイク・Sada Ito for NARS cosmetics(DONNA)取材、文・瀬尾麻美(by anan編集部)
2018年04月19日「anan」2099号4/18水曜日発売「私バージョンアップ講座。」特集、表紙には二宮和也さんが登場。今回の表紙撮影の様子を紹介します。anan編集部進化し続ける男の、胸の内に迫りました。今号の表紙は、常に挑戦を忘れない姿勢が広く支持されている二宮和也さん。インタビューをするといつも口癖のように「自分自身にあまり興味がないので…」と話す二宮さん、今回ももちろんその発言も聞かれましたが(笑)、こちらが投げた質問に対して時にじっくり考えながらぽつりぽつりとつぶやく言葉の重みは増すばかり! 詳しくは本誌を読んでいただくとして、特に印象的だったのはこの言葉。「どんな仕事も、基本的にこれが最後だと思ってやっている」こんなにもすごいキャリアを積んでいる方なのに、いや、そういう方だからこその考えなのかもしれませんが、すごくないですか!?二宮さんの新しいお芝居が見られなくなる、ことなんておそらくこの先もないのに、こんな思いを抱えて向き合っていらっしゃるとは。恐れ入りました。4月22日、今度の日曜スタートのTBS日曜劇場『ブラックペアン』(21時~)、見るほうも真剣に向き合って、毎週楽しみにしたいと思います!(G)
2018年04月17日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「いい曲の見つけ方」です。新しい曲を探したいとき、みなさんはどうしてますか?僕はやっぱりサブスク系のストリーミングサービスを聴いたり、YouTubeの急上昇音楽ランキングをつい見たりしてしまいますね。そういう感じで、今の時代は家にいながらお金もほとんど使わずに全世界の音楽に触れられる。すごく音楽をディグ(探)しやすい環境になってる。でも、だからこそ逆に音楽というものの貴重さや価値が薄まっているんじゃないかなとも思います。今のティーンの子らはCD一枚も持ってないとか普通にあるそうです。僕らは、きっと、ラックにずらっとCDアルバムが並んでいるのがかっこいいって感じる最後の世代なんじゃないかと思います。昔はレコ屋行って、こんなんあるんやってジャケだけ見て判断して買うなんてことも当たり前でしたから。全部が全部、試聴機に入っていてお試し聴きできるわけじゃなかった。だから、少ないおこづかいで思い切って自分のセンス信じて買ったのに、ジャケットかっこいいけど内容クソださくて落ち込むなんてことよくあったんです。でも、それってすごくいい音楽体験だと思うんです。いい曲に出合いたいと思っている今の子たちにこそ、そういうことしてみてほしいです。情報の詰まったスマホの電源を今すぐ切って、4万円下ろしてみる。そんで、最寄りのレコ屋に駆け込んで、その手にある4万円で好きなCDをその場の勢いで選んで買ってみてほしい。そうすると、多分6000円分くらいは成功する。1割5分は、なんか気になる音楽に当たる。衝撃的なものに出合えるはずなんです。そうやって得た音楽体験って、価値のあるものだと思いませんか?さっき僕、急上昇音楽ランキングとか見ていると言いましたけど、そういうのも正直あかんと思うんです。人が作ったランキングとかまとめとかで自分が聴く音楽を決めてはいけない。やっぱり自分の耳で聴いて、これで自分が聴く音楽を決めてはいけない。やっぱり自分の耳で聴いて、これ好きだなとか、これは好きじゃないとか体感して見つけるべきなんです。人やネットのオススメばかりを情報源にしていると、本当に自分に合っている音楽っていうのがわからないままなんです。わけわからん知らんジャンルのものも試しに聴いてみる。そうやって、自分の体質はどんな音楽なら合うのかを知っていく。実体験で作り上げることが、本当に自分にとっていい曲に出合ういちばんの近道だと、僕は思います。おかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。4月25日に全曲タイアップ(?)アルバム『OT WORKS』を発売。現在、全国ワンマンツアー中。※『anan』2018年4月18日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年04月17日出会った女性がネタの源という横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、素敵な家庭で育った雰囲気が漂う女になりきり。食材を作る人に感謝する姿は、見ていて気持ちいい!食事のとき、ちゃんと「いただきます!」と言ってから食べ始める女性を見ると、すごく素敵だなって思うんです。実はこれ、私のマネージャー・Kさんのこと。私も、手を合わせたり、心の中で「いただきます」をつぶやくことはあるのですが、彼女は、知らない人がたくさんいる仕事の現場でも必ず、はっきりと声に出して言うので尊敬します。それって恥ずかしさがあるし、なかなかできないことだと思うんです。でも、気にせず習慣としてできるというのは、幼い頃からずっと言っていた証だと思うし、“しつけがちゃんとされてたんだろうな”という感じも漂います。実際、Kさんに聞いてみたところ、実家では「いただきます」と言うと、必ず誰かが「はーい、どうぞ」と言ってくれるので、習慣になったのだそう。そのエピソードを聞いて、素敵な家族の中で育ったんだなと納得しました。なかでも私が一番驚いたのは、コンビニで買ったごはんを食べているときにも言っていたこと。作った人が聞いているわけでもないのに、それでもちゃんと言うんだとハッとしました。きっと彼女には食材を作ってくれた生産者さんや、お米ひと粒に7人いるといわれているお米の神様に言っているに違いありません…!彼女のようになるために、食べ物のありがたみについて一度考えてみるのはどうでしょうか。“弱肉強食な世の中で、人や食べ物に生かしてもらっている…”と思うと、自然と「いただきます」が出てくるようになりそう。恥ずかしい人は、家で一人で食事をするときに言うことから始めると、いつのまにか習慣になっているかも。食べ物や生命に感謝できる女性は、周りから見てもいい気持ちになりますよね~。恥ずかしがらずに言ってみようと思います!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。『バイキング』(フジテレビ系)や『王様のブランチ』(TBS系)など、数多くのバラエティ番組にレギュラー出演している。※『anan』2018年4月18日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2018年04月17日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はモデルの柴田ひかりさんです。部活少女から人気モデルに!フォトグラファーとしても邁進中。高校生の頃から青文字系モデルとして活躍してきた柴田さん。「原宿で声をかけられスナップに載ったのが最初。それからすぐ事務所にスカウトされて。ソフトボール部で部活しかしていなかったから、展開が急すぎてその頃のことはあまり覚えていないんです(笑)」。現在はフォトグラファーとしても注目を集めている。「撮りたいものを感覚で撮っています。カメラの知識はそこまでないけど、だからこそ撮れる写真もあるのかなって。写真もモデルも、求められる限り、できるところまで挑戦したい!」旅行先でついつい買ってしまうもの。本屋や美術館で手に入れたトートバッグ。思い出を形に残せるから好き。写真作品を頑張って更新中。Instagram(@rkhtbs)に日々アップしています。ぜひ見てください♪英語の勉強にハマっています。海外ドラマを見て会話を書き留めています。いつか海外で仕事をしたい!しばた・ひかり1997年生まれ。読者モデルとして人気を集め、2015年には古関れんと共にパーソナルブック『れんしば』(祥伝社)を発売。夏に4度目となる写真展を開催予定。※『anan』2018年4月18日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2018年04月16日奇妙で刺激的な話題のラブストーリー『心と体と』!【映画、ときどき私】 vol. 157ハンガリーのブダペスト郊外にある食肉処理場。マーリアは代理職員として働くことになるものの、コミュニケーションを取るのが苦手なため、周囲となじめずにいた。そんななか、彼女のことを気にかけていたのは、片手が不自由な上司のエンドレ。しかし、2人もまたうまくかみ合わないままだった。ところがある日、マーリアとエンドレはまったく同じ夢を見ていることを知り、急接近することに。それぞれに孤独を抱える男女が繰り広げる不思議な恋愛模様の結末とは……。そこで今回は、この一風変わったラブストーリーを生み出したこちらの方に、本作の見どころなどについて聞いてきました。それは……。ハンガリーが誇る女性監督イルディコー・ エニェディ!監督にとっては、なんと18年ぶりの長編作品となったものの、ブランクを感じさせることなく、世界中の映画祭をにぎわせてきましたが、そのなかで作品に込めた思いや裏側を語ってもらいました。まずは、長編を発表するまでにこれほどの時間がかかった理由は?監督ヨーロッパのテレビシリーズに着手していたり、大学で教えていたりしていたのもあるけれど、実は製作費がなかなか集まらなかったというのもあるの。しかも、ハンガリーの映画の助成金が3年間もストップしてしまったりしていたのよ。その結果18年のブランクとなりましたが、怖さや不安を感じたことはありませんでしたか?監督もちろん、とても不安だったわ。でも、脚本を書いているときからすごく楽しい気分だったし、撮影が始まってからは不安や苦しみとかはまったくない状態だったわね。本作はベルリン国際映画祭で最高賞となる金熊賞の受賞だけでなく、アカデミー賞外国語映画賞へのノミネートなど、大きな反響を巻き起こしたことでも話題に。ご自身ではこの結果をどのように感じていますか?監督こんなふうになるとはまったく思ってもいなかったわ!というのも、この作品はエンターテインメント性の高い作品ではないので、周りからはメジャーな映画祭に出品するのは不可能じゃないかといわれていたくらいなの。でも、それが私のやりたいことだったから、大きな映画祭に出してみようと決断したのよ。だから、そこで賞をいただけたことは本当にうれしいことなんだけれど、私にとっては賞をもらったことだけではなくて、たくさんの観客がこの作品を理解してくれたということのほうが幸せなことだったわ。この作品はすでに92カ国で配給が決まっているんだけれど、たくさんの国の人が私の意図通りに理解してくれたらそんなうれしいことはないわね。素晴らしい俳優陣のなかでも印象的なのは、マーリアを見事に演じきった新星アレクサンドラ・ボルベーイ。彼女を見つけるのに5か月かかったそうですが、決め手となったものは何ですか?監督アレクサンドラに決まる前には才能のあるいろいろな俳優たちとも話をしたんだけれど、彼女にしかなかった要素としては、力強さと弱さを同時に持っているということ。というのも、マーリアというのは恥ずかしがり屋ですごく孤独だけれど、同じくらいすごく強い性格でもあるからなの。そんな部分を表現できるのはアレクサンドラしかないと思ったので、彼女をキャスティングしたのよ。また、マーリアの相手役であるエンドレを演じたゲーザ・モルチャーニは、まるでベテラン俳優のような存在感を放って熱演していますが、なんと彼の本業はベテラン編集者という驚きのエピソードも。俳優でも難しいと思われる役どころにも関わらず、演技初挑戦の素人である彼をキャスティングした意図は?監督ハンガリーのプロの俳優のなかにこの役にばっちり合っている人がいなかったというのが理由のひとつよ。だから、どうしてもアマチュアのなかから選ばなければいけないというのがあったの。それで、すごく仲が良かったというわけではないけれど、知り合いだったゲーザをキャスティングしたのよ。彼のパーソナリティにはカリスマ性があるし、ユーモアのあるところも毒舌なところも気に入っていたわ。あとは、「もしかして彼は何か秘密を持っているんじゃないか?」と感じさせる風貌というのも私にとってはすごく大事なことだったわね。では、彼を演出する際に気をつけたことはありましたか?監督アマチュアというのは、撮影に慣れていないので、肉体に大変なのはもちろん、役柄に入り込んでしまうとうまく抜け出せなくなってしまって精神的にもつらくなってしまうことがあるの。だから、私たちはとても注意深く彼を扱うようにしていたわ。本作では同じ夢を見る2人が描かれていますが、他人と無意識に繋がった経験が監督にもありますか?監督私自身はそういう経験はないけれど、ほかの人から聞いた話によると、同じように潜在意識でつながったことがあるというのは聞いたことがあったわ。ちなみに、今回撮影をしていたときに制作部の男の子が脚本を読みながら顔色が青くなったので聞いてみたら、「僕にもこの経験があるんだ」と言っていたことがあって驚いたわね。脳が他人とコネクトするということについてはいま研究中のようだけど、人の夢を覗くことはもしかしたらいつか可能になるかもしれないわね。私が脚本にこの要素を入れたのは、この男女が恋に落ちるには何か力強い作用が必要になるだろうと思ったからなのよ。それでは最後に、ananwebを読んでいる女性へ向けて伝えたい思いをメッセージとしてお願いします!監督まずは恐れずに思い切ってやってみるということね。もしかしたら、人にばかにされるかもしれないし、傷つけられるかもしれないけれど、ときには心の殻に閉じこもるよりも苦悩するほうがいい場合もあるのよ。だから、「何があっても、自分の人生を思いっきり生きてください」ということを言いたいわね。生きるうえでの痛みと人の温もりを感じる!つい忘れがちな優しさやピュアな気持ちが心にも体にも染み渡る本作。人生では思い通りにいかないことのほうが多いけれど、まっすぐに誰かを思う気持ちを持ち続けていれば、きっと新たな道が開けるのだと感じられるはず。胸がざわめく予告編はこちら!作品情報『心と体と』4月14日(土)より新宿シネマカリテ、池袋シネマ・ロサほか全国順次公開配給:サンリス2017 (C) INFORG - M&M FILM自分なりにがんばっているのに、職場でも好きな人ともうまくいかないときってありますよね?そこで、そんな悩める女子たちにオススメの映画をご紹介します。不器用ながらも一生懸命な女子が主人公の注目作とは……。
2018年04月14日子どもの瑞々しさが詰まった注目作『泳ぎすぎた夜』!【映画、ときどき私】 vol. 156青森の山あいにある小さな町に暮らす4人家族。しんしんと雪が降り、ひっそりと静まり返るなか、漁業市場で働く父親は、夜明け前にひとりで仕事へ行く準備をはじめていた。しかし、この日に限って目を覚ましたのは、6歳の息子。父親が出かけたあとにクレヨンで魚の絵を描いていた。そして翌朝、うつらうつらしたままの少年は、朝食を摂った後に登校するが、学校へは向かわず、雪の中をさまよい歩くことに。父親に自分の描いた絵を届けようと思ったのか、漁業市場を目指す少年の新しい冒険がはじまった……。青森を舞台にした本作は、昨年のヴェネチア国際映画祭でオリゾンティ部門に出品されるなど、世界的にも高い評価を得ている作品。そこで今回は、共同監督として企画から立ち上げたこちらの方々にお話を聞いてきました。それは……。ダミアン・マニヴェルさん&五十嵐耕平さん!フランス出身のダミアンさんと静岡出身の五十嵐さんという日仏の若き才能が合わさったことによって生まれた作品ですが、今回はその裏側やお互いのことについて語ってもらいました。2014年のロカルノ映画祭で偶然出会ったというおふたりですが、その後一緒に映画を撮ることになったきっかけは?五十嵐さんダミアンが日本に来ることがあり、何度か会っているうちにどんどん仲が深まっていった感じなんですけど、実は2015年に新宿の安い居酒屋で夜中に飲んでいるときに酔っぱらってなんとなく決まったんです。だから、最初は飲みの席の口約束ですね(笑)。ダミアンさん前の日からずっと2人で映画の話をしていて、どういう映画を撮りたいかというの考えていたんですけど、酔っぱらっていたので「じゃあ一緒に映画作りましょう!」みたいな感じでしたね(笑)。似ているから仲良くなれたのか、真逆だからこそ惹かれるのか、おふたりの関係性はどのような感じですか?五十嵐さんなんとなく空気感は似ていると思うんですけど、ディープなところにいくと全然違うんですよ。というのも、映画を撮っているときや性格はまったく違うんですけど、考えていることの目標には共通点があって、そこは似ているような感じがありますね。普通は監督同士だとなんとなくライバル心みたいなのがありますけど、ダミアンとはそういうのはないです。ダミアンさん多分、同じくらいの年齢で好きな映画もだいたい同じような感じだからお互いを理解しやすいんだと思います。映画の世界には競争心みたいなのはたくさんありますけど、五十嵐さんとは友だちでもあるので、僕たちにはそれはないですね。言葉も文化も違うなか、自分にはない相手のいいところ、尊敬しているところがあれば教えてください。ダミアンさん撮影のときはみんな忙しいし、ストレスもたくさんあるんですけど、問題が起きたときでも五十嵐さんはすごく静かでまじめ。だから、本当にびっくりしましたし、感情のコントロールは素晴らしいと思いましたね。五十嵐さんダミアンは、全部の可能性を最後の最後まで確かめるんです。つまり、リスクはあるけど自分にはわからない可能性があるかもしれないということをいつも考えていて、突っ込んでいくんですよ。だから、ダミアンのあきらめないチャレンジ精神はリスペクトしているところですね。五十嵐さんが以前仕事で行った際に気に入ったという青森の弘前市が舞台ですが、魅力を感じるところは?五十嵐さん東京から車で行くと、とにかく静寂。弘前はもともと城下町の文化的な場所なので、もちろん人もたくさん生活しているんですけど、いったん外に出ると雪で全部が真っ白で誰もいないようにさえ感じるんですよ。そういう文化的な面と生活の面とのコントラストがすごくおもしろいと思いました。たびたび来日もしていて、日本語も流ちょうなダミアンさんですが、初めて弘前に着いたときの印象は?ダミアンさん僕はいつも映画の撮影で新しい場所へ行くと、友だちと関係性を築くように時間がかかるほうなんです。なので、今回も青森に着いてから、「すごくきれいだけど、どうやってこの風景を撮ろうか?」とわからなくて、少し怖かったんですよ。でも、毎日同じ風景を見ているうちにわかるようになっていった感じですね。撮影で1か月半も弘前にいて、カルチャーショックを受けたことはなかったですか?ダミアンさん今回は、仕事をしてから銭湯に行って、またみんなと次の日のことを考えるみたいな毎日のルーティーンがあったから、特にそういうことはなかったかな。それよりも、自分の考えを日本語で伝えないといけなかったりするほうが大変だったかもしれないですね。でも、普段僕はパリに住んでいるので、青森みたいにすごく静かで、毎日早起きをして雪かきをしている田舎の生活には驚きもありました。もちろんポジティブな意味で。僕は本当に青森が好きなんです。今回は子どもが本来持っている感情や動きを撮りたかったというだけに、プロの子役を使わないと決めていたおふたりが決行したのは、駅前のショッピングモールや音楽イベントで子どもたちを観察し、気に入った子に声をかけるという驚きの方法。そのなかで運命の出会いを果たしたのが、本作で主演を務めた古川鳳羅(こがわたから)くん。いろいろな子どもを見ていくなかで、鳳羅くんを選んだ決め手は?五十嵐さん鳳羅くんは、基本的にめちゃくちゃなんですよ(笑)。というのも、人間の感情が全部表に出ちゃうような子なんです。でも、人に対して愛情がある子で、本当にセンシティブで感性が豊かだし、それを全部外に出すことができるというのが一番の魅力かなと思います。全然コントロールが効かないところもありますけど、それがまた人間という感じがして魅力ですね。鳳羅くんは自分の意志がすごく強い子なので、自分のアイディアでやったりすることもありました。ただ言われたことだけをやるんじゃなくて、こっちのことを意識しながら自分がやりたいこともやっていたので、そもそも頭がいい子なんですよね。フランスの子どもとは全然違うと思いますけど、鳳羅くんはどういう印象を持ちましたか?ダミアンさん日本の子どもをあまりたくさん知らないので違いはわからないけど、最初に鳳羅くんを見たときにおもしろくて好きだなと思いました。ただ、ちゃんと演じられるかわからなかったので、いろんなテストをしたんですけど、そうしていくうちに「この子と映画を作りたい」と思うようになっていった感じですね。この作品はドキュメンタリーのようなリアルさもありますが、実際はどのように演出して作っていったのですか?五十嵐さん僕たちの間でもすごく話し合っていたので、最初はある程度は僕たちが言ったことをやってもらおうと思っていたんですけど、それはあくまでも僕たち大人が考えていることであって、鳳羅くんはそういう遊びは全然したくないと思っていたりするんですよ。そうすると、強制的にそれをやらせなきゃいけなくなるので、そうじゃなくて、彼を観察して「そもそも鳳羅くんならこれをやる」ということを話に組み込むようにしたんです。そうやって、道筋だけ作っておいて、あとはカメラの前で自由にさせてあげるようにするようにしていましたね。ときどき鳳羅君の考えていることが理解できないときもありましたけど、そういうことも含めておもしろかったですし、それがこの映画には必要なことだと思いました。作品にはおふたりの子ども時代を反映している部分もありますか?ダミアンさんもちろん僕たちの思い出についてもありますけど、友だちとかスタッフの人たちにも「あなたの子ども時代はどうだった?」と聞いて、みんなの話を少しずつミックスしてストーリーを作っていきました。だから、鳳羅くんのポートレートであり、僕たちみんなの子ども時代のポートレートでもあるんですよ。僕も鳳羅くんみたいなやんちゃなタイプだったから、気持ちはよくわかりました。鳳羅くんにはどんな大人になって欲しいですか?五十嵐さん俳優になりたいと言ったこともありましたけど、タカラトミーの社長になりたいとか、ダンサーになりたいとか、毎回聞くごとに違ったのでまだわからないですね(笑)。でも、本当に鳳羅くんが大好きなので、大人になっても自分のやりたいことをやってもらえたらいいなと思います。最後に、観客へ向けてメッセージをお願いします。ダミアンさんこの映画のスタイルと鳳羅くんは本当におもしろいと思いますので、ぜひ観てください!五十嵐さんこの映画では、鳳羅くんがずっとひとりで出ていますけど、鳳羅くんとお父さんの関係とかは世代の話でもあるんです。特に僕たち30代半ばというのはちょうど真ん中で、まだ誰かの子どもでもあるし、誰かの親でもあるから両方の気持ちがわかると思うんですよね。なので、自分の小さい頃を思い出したり、自分が親になって子どもに対して思うことだったり、その両方があると思うので、そういう部分を感じてもらえたらうれしいです。子どもにしかない豊かな感性を味わえる!唯一無二の存在感で観客の目を引き付ける鳳羅くんの魅力でいっぱいの本作。大人になると失ってしまう感覚を一緒に体感し、自らも新たな冒険へと踏み出してみては?ほっこりする予告編はこちら!作品情報『泳ぎすぎた夜』4 月 14 日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて公開配給:コピアポア・フィルム+NOBO©2017 MLD Films / NOBO LLC / SHELLAC SUD毎日、騒々しいなかで忙しい生活を送っていると、ときには心が洗われるような映画に癒されたいと思うもの。今回は、そんなときにオススメしたい作品をご紹介します。それは……。
2018年04月13日カンヌ国際映画祭で主演女優賞のダイアン・クルーガー!【映画、ときどき私】 vol. 155ドイツ出身でありながら、『ナショナル・トレジャー』や『イングロリアス・バスターズ』など、ハリウッドやヨーロッパを中心に活躍していたこともあり、今回が自身初となるドイツ映画への出演。各国の賞レースでも高く評価された本作へかけた思いやいまの心境について語ってもらいました。最愛の家族を失う女性という難しい役どころでしたが、このテーマについてはどのように感じましたか?ダイアンまずは主人公のカティヤには共感したわ。今回私がこの物語で素晴らしいと思ったのは、テロを描いているだけでなく、被害者の女性の悲痛な旅をきちんと描いているところ。私はドイツを離れて25年経っているので、実際の事件については知らなかったんだけれど、これはアメリカでもフランスでもどこでも広く通じるものになるだろうと感じたわ。役作りのために、実際の被害者家族にもたくさん会われたそうですが、この役を演じる際に意識したことは?ダイアン被害者家族のみなさんからいろいろな話や体験談を聞いたこともあり、彼らの思いを一番大事にして役に臨むようにしたわ。ただ、私には子どもがいないから、正直言って自分にこの役が務められるのだろうかという不安もあった。だからこそ、演じるうえで意識したことのひとつに、「女優がよくやりがちな “美しい涙” を流している芝居だけはしないようにしよう」と思ったの。そのために、準備にはかなり時間をかけたし、彼らの痛みをしっかりと心を開いて受け止めるようにしたの。ただ、その責任は私に重くのしかかってきて、撮影中も「この瞬間の真実はどこにあるんだろう」ということを常に考えることになったわ。そんなふうに、何が正しいかどうかもわからない状況ではあったけれど、つねにそういうことを意識しながら芝居をしていたわ。衝撃的なラストには賛否もあったと思いますが、ラストシーンに関してはどのように感じましたか?ダイアン最初は私も観客のみなさんと同じように、結末を読んでびっくりしたわ。そして、どうやって最後までこのキャラクターを運んでいこうか、どのようにして信ぴょう性を持って演じようかと思ったときに、「なぜ彼女がそういう決断にいたったのか」ということを考えなければならないと感じたの。この作品は、決して彼女を断罪するような映画ではなくて、観客に「自分だったらどうするだろう」と一緒に考えさせるそういう映画だと思うわ。なかでも注目して欲しいシーンはありますか?ダイアン私が一番好きなのはやっぱり最後のシーンね。実はあのラストシーンはもともと脚本上では違う終わり方をしていたの。でも、現場でなんかしっくりこない、省略しすぎなんじゃないかということになって、監督と考え直して変更したの。半日がかりで撮ったのよ。それから、あのシーンでは焦点の合わせ方もなかなか難しくて、技術的にも大変だったの。この作品の英題は、「In The Fade(イン・ザ・フェイド)」というタイトルで、フェイドというのは焦点がぼやけるということなんだけど、そんなタイトルを想起させるようなワンシーンにもなっているので、すごく気にいっているわ。もともとファティ・アキン監督(写真・左)の大ファンだったダイアンさんは、2012年にカンヌで出会った際に自ら「あなたの映画に出たい」と監督に直接思いを伝え、本作でようやく夢を実現。ダイアンさんから見て、監督の魅力はどのようなところだと思いますか?ダイアンファティ・アキン監督は、ドイツ人監督のなかで誰よりも国際的に影響力を及ぼしている監督だけど、彼の素晴らしさはいまの時代を描いているということ。つまり、ドイツにおけるいまの社会の現状を彼は見ているということね。そして、それを真実味を持って、正直に、まっすぐ描いているところが魅力だと思うわ。彼の両親はトルコからの移民ということもあって、トルコ系ドイツ人として感じるいろんな苦しみや葛藤をもちろん抱えているわけだけど、この映画でも描かれているように金髪のドイツ人女性が移民と結婚することがいまだにタブーでもあるのよ。それがいまのドイツの社会でもあるんだけれど、それを彼の視点でまっすぐ描いているところがファティ・アキンならではの映画作りだと感じているの。ドイツ作品というといまだにテレビでも映画でも第二次世界大戦を舞台にしたものばかりだけど、正直もううんざりぎみであって、私はいまのドイツが見たいからそういう意味でも彼の視点は素晴らしいと思うわ。本作では世界的な映画祭で初めて主演女優賞を獲得するだけでなく、初めてドイツ映画に出演した作品という意味でも、ダイアンさんのキャリアにおいて大きな分岐点となっているはず。最後に、今後女優としてどのように進んでいきたいかを教えてください。ダイアンこういう素晴らしい作品にはしょっちゅう出会えるわけではなくて、同じようなことを再現することはなかなかできないものよ。でも、女優としていつも意識していることで、これからも持ち続けていきたいと思っているのは、新しい機会や視点で物語っているものを大事にしたいということ。この後、またファティ・アキン監督とマレーネ・ディートリッヒを描いたミニシリーズを撮る予定なんだけれど、そういうふうに何かほかと違うなと感じるものにはワクワクするものよ。それは、必ずしもこの作品みたいにヘビーなドラマである必要はなくて、コメディでもいいし、もう少し軽いものでいいんだけど、「これは新しいチャレンジになりそうだな」みたいなものに心が動かされるというような感覚といえるわね。インタビューを終えてみて……。相変わらずの美しさはもちろん、女性としての強さと凛々しさをあわせ持つダイアンさん。あまりのかっこよさとまっすぐな瞳に、思わずくぎ付けになってしまいました。そんなダイアンさんがこの作品へどれほどの思いを込めて挑んだかは、見事な演技を見れば一目瞭然。その姿はぜひスクリーンで目に焼き付けてください。この決断はあなたの心を打ち砕く!ショッキングな展開に激しく心が揺さぶられ、誰もが打ちひしがれてしまう衝撃作。ドイツが抱える問題を描きながらも、家族を失う悲しみやテロへの恐怖は、もはや他人事ではないと感じるはず。こんな時代だからこそ、いま観るべき1本です。ストーリードイツのハンブルクに暮らすカティヤ。トルコ移民の夫と息子とともに幸せな生活を送っていた。ところがある日、夫の事務所の前で爆弾が爆発し、夫と息子が犠牲となってしまう。その後、ドイツ人による人種差別のテロであることが判明するも、証拠不十分やアリバイなどが立ちはだかり、カティヤにとってはつらい裁判を強いられることに。そして、心の傷が深まるカティヤが最後に下した決断とは……。激しさに満ちた予告編はこちら!作品情報『女は二度決断する』4月14日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー!配給:ビターズ・エンド© 2017 bombero international GmbH & Co. KG, Macassar Productions, Pathe Production,corazon international GmbH & Co. KG,Warner Bros. Entertainment GmbHこれまでに事実から着想を得た映画は数多く存在していますが、まもなく公開される話題作『女は二度決断する』もそのひとつ。本作では、ドイツで起きた連続テロ事件を被害者家族の目線から核心に迫っており、驚愕のラストに世界中が衝撃を受けていると注目を集めています。そこで今回は、主演を務めたこちらの方にお話を聞いてきました。それは……。
2018年04月13日人を恐れるが故に道化を演じ続けてきた男を描いた『人間失格』に、失敗作の植物たちが自らの不遇を嘆く『失敗園』。太宰治の2作が“踊る小説”として『ERROR ~踊る小説4~』というダンス作品になる。オモシロをこれでもかと詰め込んで、太宰治の『人間失格』をダンスに!?「失敗作の植物たちが、太宰の有名な『生まれて、すみません』という言葉を発して始まり、『人間失格』を演る。この作品で、太宰さんはかなり人間について考えているわけで、その人間のことをわかるには、人間じゃない客観的な視点を入れた方がいいんじゃないかと思ったんです」そう話すのは、本作を手がけるCHAiroiPLIN主宰のスズキ拓朗さん。蜷川幸雄さんの元で俳優として活動していた時にコンテンポラリーダンスの魅力に触れ、現在は、学ランダンスカンパニー・コンドルズのメンバーとしても活躍する。「蜷川さんの元でいろんな文学を学びましたが、難解でわからないものが多いんです。僕は絵本が好きだし、チャップリンの『モダン・タイムス』に影響を受けていることもあり、文学もあんなふうに見てわかりやすくできたらいい。太宰さんの傑作といわれる『人間失格』の面白さを僕自身があまり理解できていないからこそ、ちゃんとわかりたくて挑戦するんです」これまでも、シェイクスピアや芥川龍之介などの小説を題材にしてきた。作中のモチーフやオノマトペを、リズムに乗せて言葉遊びにしたり。ふたつの家の対立を、紅白の運動会に模してみたり。さまざまな趣向がこれでもかとてんこ盛り。音楽や演劇、パントマイムの要素も加え、ダンス作品の枠を超えた、賑やかで無条件に楽しい舞台を生み出している。「思い付いたアイデアも現場の意見も、面白いと思ったら何でも盛り込む。全部入れ込んで、持ち上げた時に溢れ出たら、それは多分必要のないものだと思うから。小道具も過剰な数を登場させるし、出し惜しみナシ。だって、過剰なものって、それだけでも面白くないですか?(笑)」すずき・たくろう1985年生まれ。演劇的要素を取り入れたダンス作品が高く評価され、舞踊批評家協会新人賞など数々の賞を受賞。現在、舞台や映像作品で振付家としても活躍する。4月21日(土)~30日(月)三鷹市芸術文化センター 星のホール振付・構成・演出/スズキ拓朗一般前売り3000円(当日3300円)、学生2000円、高校生以下1000円(すべて税込み)※早期観劇・平日マチネ割引あり三鷹市スポーツ文化財団TEL:0422・47・5122※『anan』2018年4月18日号より。写真・内山めぐみインタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年04月13日‘90年代に多くの若者を魅了した、新井英樹の漫画が原作のドラマ『宮本から君へ』が放送中。主人公の営業マン・宮本浩役を務めるのは、21歳のときに漫画を読み、宮本を演じたいと思ったという池松壮亮さん。宮本浩は僕のヒーロー。こんな人間でありたかったです。「1か月のうちに知り合い2人から“お前がやったほうがいい原作がある”と言われて読み、衝撃を受けました。その後、映像化のお話を頂いて、傲慢かもしれないけど、これは運命だなと感じたし、やるしかないと思いました」営業スマイルもうまくできず、生き方に不器用な宮本浩。そんな彼だが、池松さんにとっては特別な存在。「宮本浩という人間は、ヒーローであり、スターです。言葉にするのは難しいですけど、神にも抗っているような人だと思うんです。周りに流され、自分が持っている信念というものが変化していくのが当たり前とされている世の中にいながら、闘い続け、核の部分は絶対に変わらない。こういう人間でありたかったなと思います。多分、原作が好きだという方たちも、本当はこうありたかったという自分を、宮本に託しているんじゃないでしょうか」作品に取り組むうえで、真利子哲也監督と話し合うことも。「監督自身、『宮本から君へ』という作品にものすごく触発され、バイブルにしてきた方です。真利子さんは作品を宮本浩の成長物語にしようとしていたんですが、僕が思う宮本は、いろいろなことがありながらも、ずっと変わらずに叫び続けている人。だから、そういう部分で話をすることはありました」主題歌は、主人公の名前の由来になった宮本浩次さんがボーカルを務める、エレファントカシマシが担当。「僕は自分の体の2割がエレカシでできているんじゃないかと思うくらい、エレカシが好きなんです。宮本さんは50代なのに青春をしている感じがしますね。僕が言うのは失礼かもしれないですけど、ずっと人間讃歌を歌い続け、何を歌っていても祈っているように聞こえます。変わらないというところでは宮本浩と同じだと感じます」そんな楽曲と同様、「この作品も誰かの応援歌になってくれれば嬉しいです」と池松さん。「きっと、自分を問うということの意味がないと感じられがちな今の時代なので、それをし続ける宮本浩が幼稚に見えたり、苦手に思う人もいると思います。でも、彼のように人生を模索したり、壁にぶつかったりと、人間らしさを抱えている人には、必ず響くものがあると思います」いけまつ・そうすけ1990年7月9日生まれ。福岡県出身。主演を務める映画『君が君で君だ』が7/7に公開される。そのほかにも『万引き家族』(6/8~)、『散り椿』(9/28~)と出演作の公開が控える。自らの未熟さゆえ、社会で生きていく意味について思い悩む営業マンの宮本浩。ある日、通勤途中に一目惚れした甲田美沙子(華村あすか)に決死の思いで声をかけるが…。毎週金曜24時52分~、テレビ東京で放送中。©「宮本から君へ」製作委員会※『anan』2018年4月18日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・重信 綾(by anan編集部)
2018年04月12日「anan」2098号4/11水曜日発売「マナー&新常識」特集、表紙には櫻井翔さんが登場。今回の表紙撮影の様子を紹介します。anan編集部撮影中、櫻井さんが思いを馳せるのはアノ人のこと!?。今回表紙を飾ってくれたのは、5月4日公開の映画『ラプラスの魔女』で主演を務める櫻井翔さん。撮影が行われたのは、まだ寒さも残る、平昌オリンピックの直後。レポーターとして現地と東京を行ったり来たり(その合間には他のお仕事も!)の超多忙な日々を終えた後ということで、さぞやお疲れだろうと思っていたら、スタジオに入ってきた瞬間から、そんなことは微塵も感じさせない笑顔!特集テーマ「マナー」にちなんで、爪やすりや靴みがき用の小物類を撮影用に準備していたのですが、それらにも敏感に反応してくれて、撮影中もポーズをとりながら「僕はやらないけど、ニノは(爪とぎ)やるね」とか「(靴みがきは)マツジュンはこだわる」等々、メンバーの話まで♡ ほかにも撮影の合間に、スタイリストの池田尚輝さんを「スノーボード選手のショーン・ホワイトに似てる!」(実際そっくりなんです)なんていじったり、櫻井さんが口を開くと、一気に場が和み、終始笑いの絶えない撮影現場でした。インタビューでも、現場に臨む際の櫻井さんが心がけているマナーについて語ってもらいましたが、“空気感をやわらげること”や“気を遣わせないこと”も、櫻井さんのひとつの仕事に対するマナーとスタイルなのかもしれません。(N)
2018年04月10日結成25周年の劇団・ナイロン100°Cの底力を感じる、近年の傑作『百年の秘密』が再演。いま演劇界で、もっとも高打率の作家といえば、ナイロン100°Cのケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)さんだろう。観客を煙に巻く不条理劇、不穏な空気漂うコメディ、シリアスな家族劇など、作品は多種多様。そのKERAさんが、自ら「近年の劇団公演で抜きん出た一作」と評する『百年の秘密』が、劇団25周年に際して再演。2人の女性の、少女時代の出会いから死後までを、結成メンバーの犬山イヌコさんと峯村リエさんが、年齢を行きつ戻りつしながら演じていく。峯村:KERAさんとはもう30年以上。犬さんは40年近いでしょ?犬山:…ある意味、気持ち悪い(笑)。峯村:私はここまで、何度か劇団を休んだりしてたけど、犬さんはじめ、核になってるメンバーの方々は全然揺るがない。結局私が辞めなかったのも、それが大きかった気がする。犬山:やっぱり、KERAさんの作品が面白いからなんだよね。ギリギリまで台本が上がらなくて、稽古場で苦しんでも、お客さんが楽しんでくれたら、また結局出たくなるの。峯村:面白いだけで25年ですよ。犬山:すごいよね~。峯村:最近のKERAさんは、劇団公演となると力が入ってる気がする。犬山:外部では制約があってできないことや突き詰められなかったことも、劇団公演ならできるから。峯村:KERAさんの書く、独特の間合いから生まれる笑いの部分って、やっぱりナイロンの劇団員とやってる時が一番「そうそう、これこれ」ってなるもんね。犬山:KERAさんの笑いの“あの感じ”は、感覚的で、言葉で説明するのがとても難しいからね…。峯村:その感覚の部分を、一番体現しているのが犬さんだと思う。犬山:今回の作品は珍しく、そういうKERAさんの笑いや、トリッキーな場面は少ないけどね。峯村:2人の女の大河ドラマだから。犬山:そのぶん、KERAさんの笑いが苦手な人や、作品を観たことがない人にも観やすいとは思う。峯村:女性同士の単なる友情で終わらない物語だけど…KERAさんは男性なのに、なんでこんなに女性のことをわかってるんだろう。犬山:会話の言葉のチョイスが絶妙で、すごくリアルなんだよね。峯村:「なんか見てた?」って思ってドキッとするくらい。犬山:恐ろしい(笑)。峯村:しかも、時代が行ったり来たりするから演るのも大変。犬さんなんて、間1分で4歳から78歳になってすぐ4歳に戻るシーンもあるし。犬山:それでも演んないと観てもらえないのが演劇。やっぱり面白いから、観てない人に観てもらいたいね。写真右/みねむら・りえ舞台を中心にドラマ、映画でも活躍。NHK大河ドラマ『真田丸』で演じた大蔵卿局では存在感を発揮。6月からは『アイアングランマ2』(NHK BSプレミアム)に出演。左/いぬやま・いぬこ舞台を中心に、ドラマ『時効警察』や『怪奇恋愛作戦』、映画『ラブ&ピース』など映像にも多数出演。また、アニメ『ポケットモンスター』のニャースの声優としてもお馴染み。真ん中に楡の木がそびえ立つお屋敷に住むティルダ(犬山)は、転校生のコナ(峯村)と仲良くなる。思春期、結婚、晩年…さまざまな時代を切り取り、2人の人生と友情を描く。4月7日(土)~30日(月)下北沢・本多劇場作・演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ出演/犬山イヌコ、峯村リエ、みのすけ、大倉孝二、松永玲子、村岡希美、萩原聖人、泉澤祐希、伊藤梨沙子、山西惇ほか全席指定6900円(税込み)キューブ TEL:03・5485・2252(月~金曜12時~18時)兵庫、豊橋、松本公演あり。※『anan』2018年4月11日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年04月10日一大ブームを巻き起こし、今なお愛され続ける名作ドラマ『花より男子』。その新章となる『花のち晴れ~花男 Next Season~』が、4月17日から放送される。主人公の江戸川音(えどがわおと)を演じるのは、連続ドラマ初主演となる杉咲花さん。「前作の『花より男子』は、毎週ワクワクしながら見ていました。なので、役とはいえ、牧野つくしさんと同じ制服を着たり、同じ学校に通うことができるのは感慨深いです。初めて衣裳を着たときには、鳥肌が立ちました。それに、これまで青春ラブストーリーのような物語に出演したことがなかったので、その経験もとても新鮮です。こうして新しいものに挑戦できるのは幸せですね」最初に脚本を読んだときから、音のキャラクターに心惹かれたという。「音ちゃんは、素直だけど、ちょっと不器用。でも、その性格ゆえにもがいている姿にこそ、共感できるし、応援したいという気持ちになるんです。芯の強さだけではなく、ふんわりとした可愛らしさを持ち合わせているところも魅力的。そんな、音ちゃんの素敵な部分をちゃんと表現できるかと不安になったこともありました。でも、今は私という生身の肉体を通して、新しく生まれてくる表現ができればいいなと思っています。髪も、原作の音ちゃんのイラストを美容師さんに見せて切ってもらいました。少しでも役に近づけたら嬉しいなと思っています」社長令嬢だった音は、父の経営する会社が倒産して貧乏暮らしを強いられるも、たくましく生きていく。「逆境に強いところは音ちゃんに似ています。悔しいし苦しくても、そういう環境に置かれることは好きです。内心、喜んでいることもあるくらい(笑)。周りに流されない姿も親近感を覚えますね。私も高校生の頃から流行を気にするのをやめて、自分が好きだと思うものに自信を持てるようになりました。それは、このお仕事を始めてから好きなことを貫いている人に出会い、刺激を受けたから。それが、自分らしくいられる一つの要因なのかもしれません」今作では、神楽木晴(かぐらぎはると)を演じる平野紫耀さんや馳天馬(はせてんま)役の中川大志さんなど、同世代の役者たちが揃い踏み。「初回の本読みの日に、一緒にゲームをすれば距離が縮まるかなと思って、みんなで人狼ゲームをしました。平野さんはとにかく天然で面白い、いつも現場を明るくしてくれるムードメーカーです。大志くんは5年前にも共演したことがあって、すごく話しやすい。ほかの共演者の方々も、みなさん本当にフレンドリーです」今作は、「学生時代を思い出しながら楽しめる作品」と杉咲さん。「学生ならではの変化しやすい感情や、それを自分でもコントロールできずにいる登場人物たちの姿は、“こんなときもあったな”と、大人の方の目には可愛らしく映ると思います。きっと、応援したくなるキャラクターが見つかるのではないでしょうか。気軽に見られるけれど、シーンによっては引き込まれる瞬間も。いろいろな楽しみ方ができる作品に仕上がっていると思います」すぎさき・はな1997年10月2日生まれ。東京都出身。映画『BLEACH』が7月20日、『パーフェクトワールド』が10月5日公開。写真集『ユートピア』(東京ニュース通信社)が発売中。実家が倒産して貧乏になった江戸川音は、超名門高校である英徳学園の品位を保つために“庶民狩り”を行うC5にバレないよう、“隠れ庶民”として学園に通うが…。4/17スタート。毎週火曜22:00~、TBS系にて放送。※『anan』2018年4月11日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・井伊百合子ヘア&メイク・奥平正芳インタビュー、文・重信 綾(by anan編集部)
2018年04月09日世界中の映画祭を騒然とさせた話題作『ラブレス』!【映画、ときどき私】 vol. 153一流企業で働くボリスと美容サロンを経営するジェーニャの夫婦は、離婚に向けて協議中。ふたりの間には12歳になる息子のアレクセイがいたが、すでにそれぞれ別のパートナーがいることもあり、お互いに親権を押し付け合い、言い争いが絶えなかった。そんな両親の口論に心を痛めていたアレクセイは、ある日学校に出かけたまま行方不明となってしまう。自分たちの幸せな未来のため、必死に息子を探し始める身勝手な両親。アレクセイの安否はいかに……。昨年のカンヌ国際映画祭での審査員賞受賞をはじめ、アカデミー賞外国語映画賞ノミネートなど、注目を集めてきた映画がいよいよ日本でも公開を迎えますが、今回は監督・脚本を務めたこちらの方にお話を聞いてきました。それは……。ロシアの鬼才アンドレイ・ズビャギンツェフ監督!デビュー作以降、発表する作品すべてが世界三大映画祭で評価されていることもあり、世界中の映画ファンからも新作に対する期待値が高いズビャギンツェフ監督。今回は新たな傑作とともに来日し、作品に込めた思いを語っていただきました。本作の『ラブレス』というタイトルは、ロシア語の原題「Nelyubov」というのを英語に直訳したものだそうですが、そもそもロシアでもあまり使われない単語であり、単に愛がない状態ということでもないのだという。まずはこのタイトルに込めた思いから教えてください。監督この単語は辞書には載っているけれど、文学でも日常生活でも極めてまれにしか使われない言葉。でも、僕にとっては辞書に書かれている解釈でも不十分だと思っている言葉でもあるんだよ。なぜなら、憎しみや無関心、愛がないといった概念が書かれていたとして、人生というのはそういうストレートなものだけではないと思っているからなんだ。つまり、ピアノに例えると、この単語は半音に近いものがあるから、白い鍵盤の部分ではなく、黒い鍵盤のような言葉なんだよ。説明するのは難しいことなんだけど、唯一言えるとすれば、いろんなものが不足しているという状態であって、愛や忍耐、寛容性、他の人に対する関心といったものが欠けているということなんだ。本作のような “ラブレスな夫婦” の姿はロシアでも多く見られていますか?監督確かに、何年も家庭内別居状態であるにも関わらず、子供が成長するまで一緒に暮らしている夫婦はたくさんいるよ。とはいえ、この作品を観ている人たちに考えてもらいたいという思いもあって、劇中ではあえて極端に描いているところもあるんだ。2時間という映画だといろんな要素を凝縮して伝えないと心に響かないからね。僕の映画を観てロシアを知ることができると思ってくれるのは嬉しいけれど、あくまでもそれは一面にすぎない。ただ、この映画で伝えたかったことのひとつは、相手を思いやれないのであれば恋愛するべきじゃないし、そういう恋愛の結果に、犠牲になる子どもたちがいることを忘れないで欲しいということなんだ。本作では印象的なシーンも多く見られましたが、撮影監督とはどのようにして作り上げていますか?監督撮影監督のミハイル・クリチマンとは一緒に仕事をして18年もの関係になるんだけど、初めて仕事をしたときに、「理想的で完璧なパートナーを見つけた」というのが僕の印象だったんだ。まさに、恋愛と同じように、ずっと昔から恋をしていて、「これが運命である」と感じるのとまったく同じ状況だったんだよ。僕はミハイルのなかに自分の目を見いだしたと感じているんだけど、僕にとっては友であり、同志であり、自分と同等の仕事をする人間でもある。だから、彼とならたとえ火の中水の中、どこにでも行けると思っていて、いまでは他の撮影監督と仕事をすることは想像できないね。そんなおふたりがこだわったシーンはどこですか?監督僕たちの特徴としては、同じシーンを何度も何度も撮るというスタイルなんだけど、この映画に関しては、唯一例外があったんだ。それは、ある人物の死体置き場でのシーン。俳優たちには、シートを外すと損傷の激しい死体を模した人形があるということは伝えていたんだけど、どのようなものかは事前に見せてはいなかった。実際、俳優たちの目に触れることがないようにスタッフ全員に指示をしていたくらいなんだよ。そして、本番でそれを見せたときにはやはり効果があって、彼らはシナリオにあるセリフを口にしてはいたけれど、リアクションは実際の人生から取ってきたものだったんだ。だから、そこは1回目のカットで行こうと、それを “信じよう” と決めたんだ。これまでの作品も含めて、一貫して心がけていることはありますか?監督僕の作品というのは、自分自身のこれまで生きてきたことや職業と密接に結びついているものだと思っているよ。それと、僕は俳優としての教育を受けた人間ということもあり、演技をしているというふうに見えないことが俳優としての価値基準だとも考えているんだ。つまり、スクリーン上の出来事であるというのではなく、観客にも現実だと思い込ませることが重要なんだよ。さっき、僕は俳優に対して「信じる」という言葉を使ったけれど、それはロシア演劇のある権威が言った言葉。というのも、彼は俳優が何かを演じようと試みているときにはOKを出さず、本当だと感じられたときに「信じる」と言うんだ。そんなふうに人生と同じだと感じられることが僕にとっての基準なんじゃないかな。だから、役者にもカット毎にいま言ったことを求めているんだよ。最後に、この作品を通して観客に感じて欲しいことがあれば教えてください。監督もし、この映画から政治的なメッセージしか感じられなければ、こんなにも国境を超えることはなかったし、これだけ海外で広く受け入れられたということは、この作品が「普遍的なメッセージを発している」ということでもあるよね。僕がこの夫婦を通して伝えたかったのは、他人への思いやりと愛情を持つことがいかに大事かということ、そして他者への共感や尊敬などが失われている現代への警告なんだ。僕にとって映画というのは「良薬は口に苦し」。それによって自分の人生や周囲との関係について振り返って考えて欲しいと思っているんだ。ワクワクできる楽しい映画は、甘いお菓子みたいでいいと思うけど、人生にはそれだけじゃなくていろんな食べ物が必要なんじゃないかな。こんな時代だからこそ観るべき1本!観る人によって感じ方が大きく異なり、抜けないトゲのようにいつまでも心の奥に残り続ける驚愕のラスト。自分にとって「本当の幸せとは何か」、そして「愛とは何か」という問いかけに誰もが向き合わずにはいられないはずです。心をかき乱す予告編はこちら!作品情報『ラブレス』4月7日(土)、新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開配給:クロックワークス、アルバトロス・フィルム、STAR CHANNEL MOVIES©2017 NON-STOP PRODUCTIONS – WHY NOT PRODUCTIONS「あなたにとっての幸せとは何ですか?」と聞かれてすぐに答えられない人も多いと思いますが、そんな自分のなかにある価値観を揺るがすような衝撃作を今回はご紹介したいと思います。その作品とは……。
2018年04月06日主演ドラマとなる時代劇『くノ一忍法帖 蛍火』で、初の時代劇に挑んだベッキーさん。仕事はもちろん、プライベートでも新しい体験をしているというベッキーさんに話を聞きました。――今回の時代劇もそうですが、未経験のジャンルに挑戦すると、自分の中に新たに何かを見つけることができ、楽しいですよね。ベッキー:あー、それはすごく思います。私、ずーっとどこか、変わらないでいることがいいと思っていたのかもしれないです。ベッキーという定食のメニューは、変わっちゃいけないのかな、と。そのために、今思うと、小さなルールを勝手に作ってた気がします。例えば、ベッキーのメイクはこう、と決めたら、絶対にいつも同じ色使い、同じラインの引き方って決めていた。時代劇についてもまさにそうで、昔だったら、こんなにポジティブにチャレンジできなかったかもしれない。それから、昔はバラエティ番組で何か発言するときも、「周りは“ベッキー”にこういうキャラを求めてる」ということを優先して考えて、言葉を探す傾向がありました。過去の私が、嘘だったわけではないし、決して“作ったキャラ”でもないんです。ただ、“いつも変わらないベッキー”もいいけれど、人生は1回だし、私にもいろんな顔があるし、それをもう少し自由に出してみようと思って。いつも変わらない味の定食も食べたいけれど、たまには“シェフの気まぐれサラダ”みたいなのも、悪くはないでしょ?って(笑)。――世間に認知され、愛されていた“ベッキー”というキャラクターを、変えることが怖かった、という部分はありますか?ベッキー:怖かったというより、勝手に、“いつも同じ自分でいよう”って、自らをがんじがらめにしてた感じ。まあ、今思うと、周りからどう見られるか、もしかしたらわりと気にしてたのかもしれません。今はそれよりも、自分らしく等身大でいようって思ってます。それで私に興味を持ってくれたり、好きだなって思ってくれる人がいたら、すごく嬉しいです。――プライベートでは、何か新しい挑戦はされました?ベッキー:以前は初対面の人とはご飯には行かないと決めてたんです。でも、それもやってみたら楽しかった(笑)。なんだ楽しいじゃんって。あ、でも一番大きいのは、今年一人旅に出たこと!一生一人旅なんて行かないって思ってた私が。――34歳で、一人旅デビュー!!どこに行かれたんですか?ベッキー:ハンガリーです、東欧の。――え、なぜハンガリー?!ベッキー:ホントにみんな、口を揃えて「なぜハンガリー?!」って言いますねぇ(笑)。あの、ハンガリーって温泉大国なんですよ。美しい温泉がたくさんあって、入ってみたいな、と思って行ってみました。もともと旅行は楽しいから大好きなんですが、ちょうど仕事の合間に少しだけ時間があって、何か楽しいことがしたいと思っていたので、じゃあ行くか!と。あの、基本的に私、自分にダメ出しばっかりする人間なんですよ。――先ほどの、“ベッキールール”を自らたくさん作り、自分を律してしまうという話からも、その性格は想像できますね…。ベッキー:ですよね(笑)。でも一人旅の最中って、ずっと冒険じゃないですか。その中で、私、こういう場面でこんなことができたじゃん、とか、こんなピンチを上手くすり抜けたじゃんとか、今まで経験したことがない成功体験をすることができて、珍しく自分を褒める時間を結構持つことができた。温泉も良かったし、景色も素敵だったけれど、旅を通して、今まで知らなかった自分と出会えたことが、一番楽しかった。行ってよかったです、一人旅。今まで開かずにいた扉が他にもいろいろあると思うんですが、この先も少しずつ開けていけたらって思います。――ちょっとお話が遡りますが、そもそもどんな理由、きっかけで、芸能界に入ったのですか?ベッキー:小さいときからバラエティ番組に出たいと思っていて。幼稚園の頃だったかな、特にとんねるずさんの『みなさんのおかげです。』が好きで、あれに出ている渡辺満里奈さんが羨ましくてしょうがなかった(笑)。楽しいおじさんたちとコントをやったり、頭を叩かれてゲラゲラ笑ったり、私もああいうことしてみたいなぁって。その後も、ポケットビスケッツの千秋さん、篠原ともえさんなど、バラエティで活躍している人に憧れが募って。13歳のとき、友達に「受かったら、推薦者の私と一緒にハワイに行けるよ!」ってオーディションを勧められて応募したのが、この世界に入ったきっかけです。どの仕事もみんな好きだし楽しいんですが、やっぱり今でもバラエティ番組に呼んでいただけるのは嬉しい。だってバラエティって、笑えるじゃないですか。笑っていい時間があるって幸せなことだし、私が言うことややることで、誰かが笑ってくれるのも嬉しいし。デビューした頃から、人を楽しませたいという気持ちが根本にあるのは変わらない。だからこの仕事が好きなんです。もしかしたら、今の私がバラエティで番組を盛り上げるためにおもしろいことを言っても、もう笑ってもらえないかもしれない、という思いもあります。それは、一生付き合っていく感情であることも自覚しています。それでもやっぱり、私はバラエティが好き。昨年『ゴッドタン』の<マジ歌選手権>で、おぎやはぎの小木さんと歌を歌ったことも、年末に『ガキ使』のスペシャルに出させていただいたことも、私はどっちもやってよかったなと思ってます。バラエティで生きると決めた以上、自分の過去もネタにできるなら、してみたいと思いますし。なんかね、軸さえブレなければ、頑張れる気がします。――今のベッキーさんにとっての軸ってなんですか?ベッキー:仕事を一生懸命やること、人を大切にすること、感謝の気持ちを忘れないこと、です。1984年生まれ、神奈川県出身。オーディションを経て、テレビ番組『おはスタ』のマスコットガールとして14歳でデビュー。以降、バラエティ番組出演や、歌手、女優として活躍中。『恋愛観察バラエティ あいのり:Asian Journey』(フジテレビ系)にメインMCとして、『FULL CHORUS♪』(BSスカパー!)にレギュラー出演中。ワンピース¥25,000(マリハ/シップス渋谷店TEL:03・3496・0481)ピアス¥13,800(ルーカスジャック/カージュルミネエスト新宿店TEL:03・5312・7597)サンダル¥15,800(ダニエラ&ジェマ/カルネTEL:03・5413・3433)※『anan』2018年4月11日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・永田彩子ヘア&メイク・川添カユミ(ilumini)インタビュー、文・河野友紀
2018年04月06日「未知の扉を開けるのが、とても楽しい」仕事はもちろん、プライベートでの新しい経験を通し、自分新発見中のベッキーさん。34歳を迎えた今の心境を、語ります。撮影の朝、ショートボブのサラサラヘアを揺らしながら、小走りでスタジオに登場したベッキーさん。その軽やかな雰囲気に、約10年前、アンアンの企画で髪をバッサリ切ってくれたときの姿を思い出し、そのことを伝えると、「私もあの企画のことはよく覚えてます」とニッコリ。最近は新しいことにたくさんチャレンジをしていると語るその横顔は、とてもエネルギーに満ちて見えました。――この4月から、主演ドラマ、しかも時代劇『くノ一忍法帖 蛍火』がスタートしました。今までのベッキーさんのイメージからすると、時代劇に出るというのは結構驚きの展開だったのですが…。ベッキー:意外ですよね(笑)。私自身もお話をいただいたとき、ものすごくびっくりしました。でも同時に、本当に本当に嬉しかった。仕事を再開したときに、いろいろ道は険しいかもしれないけれど、だからこそいくつか大きな目標を立てたんです。その中の一つが、いつか主演ドラマができるようになりたい、というもので。その夢がこんなに早く叶ったのがとてもありがたくて。しかも、それが時代劇。実は私、昔は“時代劇はたぶん一生やらない”と、勝手に思い込んでいた部分があって。かつらが重そうとか、着物が大変そうとか、そういうことも理由でしたが、ハーフである私には縁のない世界だろうな、と決めつけてたんです。でも、お話が来た。瞬時に、これは神様がくれた大きなチャンスだ、断るなんてありえない!って思って、お受けしました。――原作は山田風太郎氏、役柄は忍者。しかも撮影は、時代劇の本場である太秦だったそうで。ベッキー:時代劇は初めてだし、そんな私がいきなり主役。しかもスケジュールの都合で、殺陣や所作振る舞いの稽古も、そんなに時間がとれなくて…。正直最初は、太秦のベテランスタッフの方々に「下手だな」と言われたらどうしようと、とても不安だったんです。撮影に入ってからも、撮った映像をじっくりと見返す時間もなくて。暗闇の中、とりあえず無我夢中で演じざるを得ませんでした。なので、とにかくたくさん時代劇を見たり、空き時間に監督や照明さんなどにどんな小さな疑問でもしつこく質問して、少しでも勉強するよう努力しました。――もうクランクアップしたそうですが、初時代劇、どうでした?ベッキー:すっっっごく楽しかったです。辛いだろうなぁと思っていた着物を毎日着られるのが喜びになったし、小物の一つ一つが美しいし、何より毎日が冒険みたいで、とても刺激的な時間でした。なんだろう、太秦ランドで忍者合宿してた、みたいな感じ(笑)。チャレンジしてみて、本当によかったです。――昨年の秋には舞台、そして今回のドラマ。演技の仕事が続いていますが、その中で、新しい発見はありましたか?ベッキー:芝居ってこういうものなのかな、というのが、ほんのちょっとだけわかった気がします。昨年、12年ぶりに舞台をやったんですね。鈴木おさむさんが演出で、共演が今田耕司さんだったんですが、そのときにおさむさんに、「自分の魂を通した芝居をしてほしい」と言われたのが、すごく大きくて。以前は、“悲しい演技”は“悲しいふりをすること”だと思っていたんです。だからこそ、演技するのがすごく怖かったんですよね、ちゃんと悲しく見えてるかどうか、それが不安で。でもその舞台以降は、自分にとっての演技が、“ふり”ではなくなった。今回演じた<お蛍(けい)>という役は、悲しい経験をたくさんするんですが、正直撮影している間、私もすごく悲しかったんです。そのときに、なんか、芝居の本質の一端に触れられた気がしました。おさむさんに言われたように、魂を通して芝居ができた気がしてます。人間味が出たねとか、芝居に深みや重みが出たとか、何人かに言っていただけたんです。それが、すごく嬉しかったですね。1984年生まれ、神奈川県出身。オーディションを経て、テレビ番組『おはスタ』のマスコットガールとして14歳でデビュー。以降、バラエティ番組出演や、歌手、女優として活躍中。『恋愛観察バラエティ あいのり:Asian Journey』(フジテレビ系)にメインMCとして、『FULL CHORUS♪』(BSスカパー!)にレギュラー出演中。ワンピース¥25,000(マリハ/シップス渋谷店TEL:03・3496・0481)ピアス¥13,800(ルーカスジャック/カージュルミネエスト新宿店TEL:03・5312・7597)サンダル¥15,800(ダニエラ&ジェマ/カルネTEL:03・5413・3433)※『anan』2018年4月11日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・永田彩子ヘア&メイク・川添カユミ(ilumini)
2018年04月06日この春の話題作『ワンダーストラック』!【映画、ときどき私】 vol. 1521977年、ミネソタ。母親を交通事故で亡くし、伯母の家で暮らすこととなった少年ベン。父親とは一度も会ったことはなく、しかも母は名前すら教えてくれなかった。ところがある夜、母の遺品から父親の手がかりとなるものを発見。落雷事故によってベンは耳が聞こえなくなってしまうものの、父を探すためにひとりでニューヨークへと向かうことに。1927年、ニュージャージー。生まれつき耳の聞こえない少女ローズ。母親はおらず、厳しい父親によって育てられていた。そしてある日、ローズは心の支えでもある憧れの女優リリアンがニューヨークの舞台に出演すると知り、ひとりでニューヨークへと旅立つのだった。新たな一歩を踏み出したベンとローズを結ぶ謎の絆とは……?そこで今回は本作の監督を務め、「新境地にして最高傑作」といわれるほどの注目を集めているこちらの方にお話を聞いてきました。それは……。ハリウッドの名匠トッド・ヘインズ監督!『アイム・ノット・ゼア』や『キャロル』など、これまでも国際的に高い評価を得ているヘインズ監督。約20年ぶりとなる来日で、この作品の撮影秘話や自らの思いを語ってもらいました。監督にとっては初めて子どもを主人公に迎えた作品となりましたが、意識したことは?監督そもそも本作の原作者であり脚本も手掛けたブライアン・セルズニックが、若くて幼い子どもたちのマインドを心からリスペクトしているんだ。つまり子どもたちがどんなに大きな挑戦でも、大人から見ても怖いような状況でも向き合って前に進んでいく、そうやって自分の人生を歩んでいくことができるという彼らの力をきちんと描いているんだよね。2人の子どもが聴覚を失ったなかでもそれぞれの人生を突き進んでいくんだけど、それだけではなくて、50年という時を隔てた形で物語が展開していくというコンセプトもすごく美しいなと惹かれたところなんだ。それに、この物語を描くためには、セリフ以外の”言語”をたくさん持ち合わせている映画というメディアが必要なんじゃないかというふうにも感じたからなんだよ。本作ではニューヨークが舞台の中心となりましたが、監督自身にも思い出があれば教えてください。監督僕が初めてニューヨークに行ったのは9歳のときで、祖父母と一緒だったんだ。ロス育ちだった自分にとって、当時の大都市といえばニューヨークやサンフランシスコだったから、とにかくスリリングでワクワクしていたよ。ビジネスマンやいろいろな人が足早にぶつかったりして、すべてがものすごいスピードで動いているなという印象を受けたね。あとは、やっぱりタクシーかな。乱暴な運転と何百万人が座ったんだろうというレザーの匂いとかね(笑)。でも、本当に生命力や人、アクションにあふれている街だと感じたよ。では、そういうところも作品には反映させていましたか?監督そうだね。もちろん反映しているけれど、自分が子どものときに体験したニューヨークと今回のベンとでは体験の仕方にずいぶん違いがあるよね。というのも、ベンにはちゃんとミッションがあって、ものすごい覚悟と強さを持って突き進んでいるからなんだ。僕みたいに車やスピード感がどうのこうのということに目が行っているのではなく、答えを求めてそこに到達するためにまい進しているわけで、そこが物語としてはおもしろいと思うんだよね。実はローズにも同じようなところがあって、自分の気持ちを止めることができないんだけど、逆に言えば、それが子どものときならではの資質というか、ひとつ決めたらそこにまっすぐ行くというものを反映しているように思うよ。今回の見どころといえば、何と言っても子どもたちのみずみずしい演技。本作に登場するのは、天才子役といわれているベン役のオークス・フェグリーくん(写真・左)とベンと親しくなる少年ジェイミー役ジェイデン・マイケルくん(写真・右)、そしてこの作品に欠かせないのはローズ役のミリセント・シモンズちゃん(写真・下)。彼女だけは実際に聴覚障害を持っているようですが、キャスティングした決め手は何でしたか?監督全米の聴覚障害者の子どもからオーディションテープを送ってもらっていて、そのなかにミリーがいたんだけど、彼女はあるフリップを持って映っていたんだ。そこには、「私についての2つのこと。1、私は家族をとても愛しています。2、私は耳が聞こえないことが大好きです。手話は最高でとても美しいものなのよ」と書いてあったんだよ。テープのなかでは、この内容を手話でもやってくれていたんだけど、ミリー自身が感じていることを体でどう表現しているのか、というのをこの目で見ることができたんだ。そのときにあふれる生命力や彼女の持つ強さみたいなものをすごく感じて、「ああ、特別な子に巡り合えた!」とひとめぼれしたんだよね。そのときは助監督と一緒にいたんだけど、普段はまったく感情を顔に出さない彼がそれを見て泣いていたくらいなんだよ(笑)!ということは、すぐに彼女で決定したのですか?監督とはいえ、オーディションテープを見ただけでは、映画作りというプロセスをちゃんと乗り切ってもらえるのか、他の役者と並んだときに負けないか、そしてカメラが回っているという状況で果たして演技ができるのかということは未知数だったんだ。でも、彼女とオーディションをやっていくなかで、なるべく客観的に見るようにしていたら、どんどん彼女の強さというものを感じることができて驚かされたよ。本人はエネルギーがあふれている女の子なんだけど、カメラに映るときはものすごい落ち着きと存在感を持っているんだ。それは経験値のあるプロの役者さんにもめずらしい資質。彼女は役者としては新人で、子どもで、しかも聴覚障害を持っているのに本当にすごいと思ったよ。当代随一の女優であり、共演者でもあるジュリアン・ムーアも「ミリーは奇跡ね」と言っていたくらいなんだ。撮影中の子どもたちの様子はいかがでしたか?監督実はちょっとしたエピソードがあって、撮影しているときにミリーとジェイデンの間に少し恋が生まれていたんだ。それで、撮影中の週末にお互いの両親と一緒に遊園地へ遊びに行ったんだけど、アトラクションの列に並んでいたら、なんと2人の後ろにオークスも並んでたんだって(笑)。別にオークスはデートの邪魔をしたわけではなくて、すごい偶然だねって喜んだみたいだけどね。劇中で3人が同じシーンはないんだけど、現場ではみんないつも一緒で、特にジェイデンは手話を本当に学んでいてすごく上手だったんだよ。オークスも手話ができるから、それでコミュニケーションを取っていたみたいなんだ。今回、聴覚障害を体験するために、ノイズキャンセリングヘッドフォンをつけてニューヨークの街を歩いたというオークスくんと監督。その体験が作品を作るうえで活かされたところはどんなところですか?監督いまでもくっきりとはっきりと覚えているくらい思い出深い経験だったよ。雑多なニューヨークの街のなかで自分の見ている情報というのが視覚に直結してみえるような感覚だったんだ。それから嗅覚とか触覚とかの感覚が鋭くなっているなというのもあったよ。とはいえ、健常者が3時間くらいヘッドホンをして「ほかの感覚が鋭くなってね」というのは簡単なんだけど、本当にそういう感覚を味わったし、ほかのものから隔離されているような感じもあったんだよね。だから、それを映像で表現するときには、たとえばベンが何かを見ているシーンなら、通常なら全体的に焦点を合わせていたものを、前景と背景が多少ぼやけていてもいいから彼が見ているものだけに焦点を当てるようにしたんだ。あとは、バスのなかで聞こえてくる人の声も奇妙な音にしているんだけど、それも自分たちが聞いたのと近いものにしたんだよ。劇中ではオスカー・ワイルドの名言が壁に貼ってありますが、監督にとって大事な言葉があれば教えてください。監督僕も書斎の壁にはいろいろなものを貼っていて、たとえばデヴィッド・ボウイが亡くなったときの素晴らしい記事とか、いま温めている企画がフロイトについてだからその資料とか、あとは『キャロル』のものもまだあったりするよ。ただ、何かひとつのモットーや誰かの名言みたいなのは特にないかな。でも、きっと1時間後くらいに「ああ言っておけばよかった!」って思い出すのかもしれないね(笑)。迷える大人たちにこそ広がる感動!小さな体にも関わらず、大きな一歩を踏み出す子どもたち。その力強い姿からは、人生でどんな壁にぶつかったとしても、乗り越える力は誰にでもあることを教えてくれるはず。新生活を迎えたばかりで不安な気持ちを抱えているなら、子どもたちの勇気に背中を押されてみては?心に響く予告編はこちら!作品情報『ワンダーストラック』4 月 6 日(金)、 角川シネマ有楽町、新宿ピカデリー、ヒューマント ラストシネマ渋谷他全国ロードショー配給:KADOKAWAPHOTO : Mary Cybulski© 2017 AMAZON CONTENT SERVICES LLC大人になると子どもの見本になるような存在でいなければいけないと思いがちですが、実際は大人でも子どもたちから学ぶことは多いもの。そこで、今回は自らの力で道を切り開こうとする子どもたちを描いた映画をご紹介します。それは……。
2018年04月05日「anan」2097号4/4水曜日発売「恋の心理学」特集、表紙にはNEWSの皆さんが登場。今回の表紙撮影の様子を紹介します。anan編集部祝・15周年! NEWSの皆さんが表紙にご登場。4人の仲の良さにすっかり癒されました。今回NEWSの皆さんのページを担当させていただいて感じたのは、「4人が、ほんっとに仲良し!」ということでした。anan編集部で働くこと10年あまり、いろいろなグループを取材させていただいていますが、こんなにメンバー同士の会話が多いグループは記憶にないかも…というくらい、NEWSの皆さんは撮影中も待ち時間中も、お互い自然に突っ込みあったり、笑いあったり、気遣いあったり。おかげで、現場は終始明るい雰囲気に包まれていました。例えば。取材がちょうど夕飯の時間帯だったこともあり、お弁当やケータリングを何種類かご用意したのですが、あるお弁当が皆さんに大人気で、加藤さんが取りに行くころにはなくなってしまいました(もっと多めに用意すればよかった…ごめんなさい!)。かなり残念がる加藤さん。でもそれに気づいた増田さんが、静かにご自身のお弁当からおかずを何種類も紙皿にとりわけていらっしゃるな…と思ったら、ごく普通に「はい」と加藤さんに。 小山さんも、「食べる?」とおすそ分け。加藤さんだけでなく、私たちもびっくり&感動した1シーンでした。また、全員集合カット撮影中、手越さんの脚にご自身の脚を乗せるなど、ちょくちょくいたずらを仕掛ける増田さん。手越さんが「ちょっとー(笑)」と軽く抵抗する姿が何とも温かく、そのやり取りの息がぴったりすぎて、さすが大人気ユニット! と密かに心癒され、笑顔になってしまいました。そうかと思えば、加藤さんは待ち時間中に校正チェックやanan連載小説についての打ち合わせを綿密に行ったり、小山さんは何かの資料を読み込んでいらっしゃったり。しっかり個々の仕事に集中する姿も素敵でした。それぞれの個性がくっきり表れつつ、4人全員がしっかりと同じ方向を見ていることが分かるコメントが次々と飛び出したインタビュー。そして大人の色気とNEWSらしい明るい空気感あふれる撮りおろしグラビア写真。その両方を本誌でお楽しみいただければ幸いです。(Y)
2018年04月03日サンドウィッチマンの伊達みきお(43)が4月2日、自身のブログを更新。ファンのふりをして駅などでサイン要求する集団に、苦言を呈した。 「3回公演が終わり、名古屋駅に行くと……必ずサイン色紙の束を持った団体がいる。あれ、何なんだろうか」 ブログの冒頭でこう綴った伊達。「福岡空港にも、新大阪駅にも、最近は品川駅にもいる」という。彼らはサイン色紙を大量に持っており、サインや写真を要求。さらにそういった集団を「イベントなどでは決して見かけることのない顔ぶれ」と明かし、「正直、あまり気分は良くない」と物申した。 伊達は、集団の“無礼さ”も指摘。彼らは礼も言わないで、次のタレントが現れるとその元へ急ぐというのだ。さらに「『宛名は書かないで下さい』とか『お笑いの人ですよね?』とか」と、ファンとは到底思えない言動をするという。伊達は、こう嘆く。 「良くないと思うなぁ。あれ。お互い、気持ち良くないもん。ライブやイベントに来てくれたりするのとは違うし」 Twitterでは「そういった集団は『転売目的』だろう」といった声が上がっている。その上で、伊達に賛同し「サインしてもらう」ことが禁じられると危惧する声が上がっている。 《ファンでちゃんとサイン貰ってる人とかまで貰えなくなる可能性が出てしまうしなぁ》《宛名を断る人は転売目的の可能性があるからと言って、お断りしたらいい》《タレントさんに嫌な思いさせて、ネットで購入して手に入れて嬉しいものなのかな》 今年1月にも西川貴教(47)が、転売目的でサインを求める“一般人”がいることをTwitterで指摘。皮肉のツイートをしていた。 《喜んでくれるならと思って書いて下さる有名人の方にも失礼なので『ファンです』じゃなく『書いてもらった色紙をこの後ネットで販売しますが、書いてもらえますか?』て言おうね》 このツイートを受ける形で、アーティストたちそれぞれの体験談がTwitterでは綴られていた。なかにはサインを断ると《『名前(宛名)付きで良いんで書いてください』って謎の交渉してくる人もいる》といった声も。 好意により貰ったサインをオークションなどで転売にかけることは、違法ではないという。だから書いてもらったものを売り、それを買う人がいる。このままでは、転売はとまらない。すべては、それぞれのマナーにかかっているといえるだろう。
2018年04月03日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はモデル、女優の大谷凜香さんです。話題のバイオレンス作で女優デビュー!体当たり演技に注目。4月7日公開の映画『ミスミソウ』で女優デビューを果たす大谷さん。壮絶ないじめを受けた女子高生が復讐していくバイオレンス作で、いじめグループのボス的存在を演じる。「雪の中で血を流すシーンでは、このまま本当に死んじゃうんじゃないかと思いました(笑)。夢に出てきたほど刺激的な映画です」。憧れの女優は、事務所の先輩の栗山千明さん。「あんなかっこいい女優さんになりたい!今後は、自分と全然違うサイコパスな役や、逆にコメディで台詞をまくしたてるような演技にも挑戦したいな」韓国旅行で必ず行く大好きな食堂で。お母さんとよく一緒に行きます。すっごく辛いけどおいしさが勝つ!(笑)野球大好きなスポーツ少女です!お兄ちゃんとバッティングセンターへ。中学のときに野球やってました♪コーヒーが飲めるようになりました!ひとりで飲み歩きもします。ブラックを飲んで、大人になった気分♪おおたに・りんか1999年生まれ。2012年、ファッション雑誌『ニコラ』の専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、デビュー。今後は女優としての活動にも注目が集まる。※『anan』2018年4月4日号より。写真・土佐麻理子ヘア&メイク・千葉智子(Rossetto)文・松下侑衣花(by anan編集部)
2018年04月03日華やかなメジャーリーグの世界。そのバックステージを舞台に、根強く残る社会的、民族的マイノリティへの偏見や差別を描いた舞台『Take Me Out 2018』。人種やLGBT問題に切り込んだ傑作が再演。日本ではなかなか理解しづらい人種や宗教間の問題。しかし‘16年の日本初演時、それを映像や字幕、国旗といった舞台装置を駆使したり、各キャラクターの出自や民族性を俳優の声のトーンや立ち居振る舞いで見せるといった緻密な演出により、明快に描き出した藤田俊太郎さん。高い評価を受けた本作が、再びその手で再演される。「格差も貧困も人種も関係なく、誰もがスター選手になれるのがスポーツの世界。普通なら出会わないはずの出自も価値観も違う人々が、野球の名の下に集まりロッカールームという場を共有する。僕らが実感するのは難しいシチュエーションですが、脚本自体が素晴らしいのはわかっていましたから、そこに込められた面白さをちゃんと全部伝えたかったんです」作品は‘03年3月にアメリカで初演されたもの。そこから15年が経ち、LGBTなどのマイノリティへの理解が深まってきている。そんないまだからこそ、初演を踏まえつつも、「戯曲の書かれた時代性を明確にして描きたい」そう。「‘03年3月は、まさにイラク戦争が開戦した時期。アメリカには同時多発テロの不穏な空気が残っていたし、まだ同性婚も認められていなかった。そこをきちんと描くことで、それぞれの人物の立場や関係性がくっきりし、セリフがより芯の通ったものになる気がしています」さまざまな社会問題にクローズアップしながらも、「これは愛の物語だと思うんです」と話す藤田さん。「作品は時代を映す鏡だという言葉がありますが、多様性が叫ばれるいま、違う価値観を持った他人同士が出会い、愛を育むことがどんなに大変か。それがこの作品の中にはあらゆる形で織り込まれているんです」丁寧に戯曲と向き合おうとする姿勢の根本には、引きこもりから、高校を中退したかつての経験がある。「ある時、突然、友達とどう話していいかわからなくなってしまって…。でも、社会復帰して、いろんな道を模索した結果、演劇ならば他者と繋がれるんじゃないかと気づいたんです。だからこそ、台本や翻訳の意図が観客にきちんと伝わっているか、つねに敏感でありたいんですよね」‘16年の初演舞台より。撮影:岡千里周囲から高い尊敬を集めていたメジャーリーグのスタープレーヤーが、シーズン開幕前に自らゲイであることをカミングアウトした。そこからチームに不穏な空気が流れ始める。3月30日(金)~5月1日(火)渋谷・DDD 青山クロスシアター作/リチャード・グリーンバーグ翻訳/小川絵梨子演出/藤田俊太郎出演/玉置玲央、栗原類、浜中文一、味方良介、小柳心、陳内将、Spi、章平、吉田健悟、堅山隼太、田中茂弘全席指定8800円(税込み)チケットスペースTEL:03・3234・9999ふじた・しゅんたろう1980年生まれ。秋田県出身。故・蜷川幸雄の下で演出助手を経て演出家に。‘16年に演出したミュージカル『ジャージー・ボーイズ』で、読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞。※『anan』2018年4月4日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年04月01日又吉直樹が『火花』を書いた理由を、観月ありさが問う!――小説『火花』をなぞるだけではない構成ですね。観月:そうなんです。私は、小説の世界と舞台独自の世界の両方を行き来する、ストーリーテラー的な役回り。ふたつの世界が複雑ではあるんですが、上手く絡み合っているので、脚本は読みやすかったです。又吉:作中で僕は、観月さんからどうしてこの作品を書いたのかを問われます。正直、小説のテーマって聞かれても答えるのが難しいんです。「ないです」と言ってしまうこともあるくらい、「なんでやろ」という部分は客観的に直視しにくい。この舞台に出ることでそれに迫れるなら、自分が原作の作品に出るのは照れくさいですけど、面白そやなと。――おふたりとも本人役ですね。観月:役名は自分だけど、演じる以上、自分ではない。難しいですね。手探り状態です。又吉:素を出すのとも違うし。観月:どうしたら観た人は、私っぽいと思ってくれるんだろう?又吉:役を演じている時とも、素でバラエティとかに出ている時とも違いますしね。どこを切り取れば、本人としての説得力が出るのか。ベロベロに酔っぱらって演じるとか?観月:確かに、毎日のように飲んでるしね(笑)。又吉:僕は、猫背にしようかな。観月:まったん(又吉さん)ぽい!又吉:自覚はないんですけど、テレビで見ると「もっと背筋伸ばせよ」って思うんですよ。――そもそも、観月さんは原作をいつ読みましたか?観月:当時、『キャサリン三世』という番組で共演してて、書き終わってすぐに贈ってくれたんです。又吉:小説書いてることも、あり姉(観月さん)には話してて。観月:お仕事では芸人さんとして接していたので小説家のイメージが湧かなかったけど、読んだら描写がとても素敵でびっくりしちゃって。まったんは小説を書く前も、執筆中も、受賞後も、変わらずこのまんま。ほっとします。番組が終わっても「また仕事できたらいいね」とお互い言っていたんですけど、社交辞令ではなく、こうして実現させてくれて嬉しかった!又吉:“女優・観月ありさ”は、佇まいそのものが特別な方。お芝居の大先輩ですし、頑張らないと。『キャサリン三世』での僕の芝居、まあひどかったですからね。ただ、あの「もう少し、なんとかならへんか」という頃から、その後お芝居で成長できる機会はなかったので、怒られへんように気合でやるしかないです。観月:お芝居となったら、急に人格が変わって怒ったりして?ない、ない(笑)。楽しくやっていこうね。小説『火花』の物語を織り交ぜながら、“観月ありさ”が“又吉直樹”に、小説を書いた理由を問う。脚本・演出は小松純也。原作世界の芸人役に、石田明(NON STYLE)と植田圭輔。東京公演/3月30日(金)~4月15日(日)紀伊國屋ホール大阪公演/5月9日(水)~5月12日(土)松下IMPホール全席指定一般8000円(税込み)ほかチケットよしもと予約問合せダイヤルTEL:0570・550・100みづき・ありさ1976年12月5日生まれ、東京都出身。4歳からモデルとして活躍し、‘91年、女優デビュー。同年、シングル『伝説の少女』をリリース。代表作『ナースのお仕事』を含む26年連続連ドラ主演記録を持つ。ブラウス、パンツ(共にPINKO/PINKO JAPANTEL:03・3557・9861)ピアス、リング(共にアガタ パリ/アガタ ジャポンTEL:03・6456・4080)またよし・なおき1980年6月2日生まれ、大阪府出身。高校卒業後、NSCに入学。‘03年、綾部祐二とピースを結成。‘15年、純文学デビュー作『火花』が第153回芥川賞を受賞する。‘17年、2作目『劇場』を発表。※『anan』2018年4月4日号より。写真・内山めぐみインタビュー、文・小泉咲子(by anan編集部)
2018年03月31日遠慮すること=気遣いとは限りません!数人で食事をしているとき、餃子や唐揚げなどが最後に1つだけ残っていると、みんな遠慮しがちですよね。でも、そのままにしておくと、お皿が片付かなくてテーブルが狭くなるし、店員さんも下げられずに困ってしまう。そんな気まずい場面で、「私、食べちゃうね!」と明るく言える人ってチャーミングだし、一緒に食事をしていて気が楽でいいなと思うんです。お腹がいっぱいなのに無理して義務感で食べているのがわかるのも辛いし、だからといって「私はいいから食べなよ!」と押しつけるのも違う。「1個だけ残るって日本人ぽいよね~」と場をいじるのも、なんの解決にもならないですし。でも、上手に最後の1つが食べられる人は、遠慮がないわけじゃないんだと思うんです。なぜなら、それは観察力があり、気遣いができる証拠だから。きっと彼女は、料理が運ばれてきた瞬間に人数とお皿にのった食べ物の数を割り算。1つ残る場合は、食べたい人がいるかどうか様子を見て、自分が食べるかをジャッジします。「○○ちゃん、これ1個しか食べてないから…!」と、上手に人にすすめることも得意なはず。そんな周りを見ることができる女性に近づく第一歩として、まず、料理が運ばれてきた時にお皿にのっている数を数えることから始めてみるのはどうでしょうか。すると、唐揚げと春巻きなど2種のメニューが1個ずつ残る場合、「唐揚げを食べるから春巻きどうぞ」とすすめることもできるようになるはず。また、店員さんが来たタイミングを逃さないことも大事。“お皿を下げるため”を理由に最後の1個をもらうのは、すごく自然でスマートですよね。私も食べることに集中せず、周りを見てようと思います!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。『バイキング』(フジテレビ系)や『王様のブランチ』(TBS系)など、数多くのバラエティ番組にレギュラー出演している。※『anan』2018年4月4日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2018年03月30日デビュー10周年を楽しみながら新しい形のラブソングを届けたい。「デビューしてからは、正解なのか間違っているのかも分からず、とにかく伝えたい!という気持ちでやってきました。やっぱりみんなでハッピーに盛り上がれる作品を作ることがSonar Pocketらしさなので、10周年もみんなとハッピーに楽しみたいと思っています」(eyeron)「この10年はSonar Pocketの一員として生きてきた時間ですね。それぞれが成長し、役割分担が明確になってきて、それぞれに任せ、任されることが増えてきました。3人が得意分野を担当し、それが重なればもっといいものが作れると確信できるようになりましたね」(ko-dai)名古屋で結成され、「自分たちの音楽を全国に届けながらようやく10年」(matty)、「もう“名古屋の兄ちゃん”ではなく、プロフェッショナルとして10周年に突入できた」(ko-dai)といった言葉からも、3人が様々な経験を積み重ねてきたゆえの自信を感じる。さて、記念の年にリリースされる新曲が『108~永遠~』(とわ)。永遠の愛の誓いをテーマにした、ポジティブなラブソングだ。「原点回帰というか、僕らが最初に知られたころのハッピーなラブソングそのままのナンバーになりました。10周年の機会にそんな曲が作れてすごく良かった」(eyeron)「108~永遠~」は話題の映画『honey』の主題歌でもある。「少女漫画が原作の映画は観てこなかったけど、キャッチコピー通り、観たら本当に胸キュン(笑)。108本のバラを贈ることは、花言葉でプロポーズの意味があると聞いたので、永遠の愛とかけて108というタイトルに。曲はパズルで作ったんですよ。僕がAメロを作り、eyeronがBメロを作るというのも実は昔のやり方です」(ko-dai)「そうだね。最近はあまりやっていなかったスタイルだけど、1番の歌詞の中でふたりのボーカルが登場することで曲としても勢いが出ていい感じになりました。春めいた天気のいい日に聴いたら、めっちゃ気持ちよくなりますよ」(eyeron)「サウンド面も原点回帰というか、デビュー当時からずっとアレンジを担当していたsoundbreakersさんに、久々にお願いしました。いわば最もSonar Pocketを知っている方ですが、昔に戻るのではなく、サウンドを気持ちいいほど進化させてくれたんですよね。ふたりの声も10年前とずいぶん変わっているし、新たなステージに進む僕らの新しい側面を示す大切な曲になりました」(matty)10周年のツアーは10月の後半からスタートなので、まだちょっと先のこと。この記念すべきシングルでますます楽しみになってきた。「10年間のありがとう!を届けるツアーにします。まだ発表してないこともあるので、いろんなことが起こりますよ」(eyeron)28th single『108~永遠~』【初回限定盤A(CD+DVD)】¥1,296「108~永遠~」のMVをDVDに収録。【初回限定盤B(CD+DVD)】¥1,296「108~永遠~」の武道館ライブバージョン映像を収録。【通常盤(CD)】¥1,111(WARNER MUSIC JAPAN)ソナーポケット右からmatty(DJ)、ko-dai(V)、eyeron(V)。2008年『Promise』でデビューし、10周年を迎える。10月から全国ツアー「Sonar Pocket 10th Anniversary Tour flower」を開催。※『anan』2018年4月4日号より。写真・土佐麻理子文・北條尚子(by anan編集部)
2018年03月30日前々から疑問に思っているんですけど、プロのミュージシャンの方々は小中高と音楽の授業とか卒業式で歌を歌うとき、どうしてたんでしょうね。ちゃんと歌っていたのか、それともあまり目立たないようにみんなにレベル合わせて控えめに歌ってたのか。僕は、むっちゃ小声で歌うタイプでした。でも、合唱の曲はめちゃくちゃ好きで、今もカラオケで歌ったりします。「この地球のどこかで」とか「COSMOS」「カリブ夢の旅」とか。「カリブ夢の旅」は、途中で曲調ががらっと変わるんです。で、なぜか突然キャプテンキッドなる人物が出てきて、誰やねんおまえ!とツッコミたくなるんですけど、いい曲です。それに中3のときには、合唱コンクールの指揮者とかもしていました。1年、2年と先輩たちの指揮を見てきて「みんな一緒やんけ、これなら俺でもできるわ!」と思いたって。自分がやればもっとウケるいい指揮ができると思ったし、それでモテるんちゃうか?という下心もありました。僕が指揮したのは「IN TERRA PAX ~地に平和を~」というめちゃくちゃムズい曲。三部構成で男女のコールアンドレスポンスがすごい。リズムをとるのも難しいし、かけあいの指示を入れるなど指揮者の真価が問われる曲です。家で自主練もすごくしました。映画『パリは燃えているか』を流しながら、その音に合わせて指揮する真似をしたり…。結果、校長先生に褒められ、音楽の先生にも「きみはセンスがある!」と絶賛された。僕が音楽っていいもんだなと思った最初のきっかけはこれなのかもしれないです。今でも、毎年開催されるNHK全国学校音楽コンクール、略してNコンの合唱はめっちゃチェックしてしまいます。僕が注目しているのは、日野市立七生緑小学校。ここ、化け物みたいな学校なんですよ!2013年から昨年まで5年連続で金賞を受賞しているんです。教えている後藤朋子先生って方がたぶん、すばらしい先生なんですよね。5年連続ってことは、当然生徒たちは卒業して入れ替わっている。だけど、日野市立七生緑小学校の合唱の精神を毎年子どもたちにちゃんと伝えて、金賞へと導いている。彼ら彼女らは、大会にはお揃いの緑のポロシャツを着て出るんです。だから見た目にはすごい小学生らしい。だけど、歌いだすと王者の貫禄があってめちゃくちゃかっこいいんです。おかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。4月25日に全曲タイアップ(?)アルバム『OT WORKS』を発売。現在、全国ワンマンツアー中。※『anan』2018年4月4日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年03月28日