初めまして、車椅子ジャーナリストの徳永 啓太(とくなが けいた)です。ここでは私が車椅子を使用しているマイノリティの一人として、自分の体験談や価値観を踏まえた切り口から”多様性”について考えていこうと思っています。そして、私の価値観と取材対象者さまの価値観を“掛け合わせる”、対談方式の連載「kakeru」をスタートします。様々な身体や環境から独自の価値観を持ち人生を歩んできた方を毎月取材し、Be inspired!で「日本の多様性」を受け入れるため何が必要で、何を認めないといけないかを探ります。徳永 啓太今回は「はじめる」をテーマに活躍されている方の背景や、なぜ始めたのか熱い想いを伺ってみたいと思います。インタビューしたのは2017年に起業をした中島 ナオさん。彼女は学芸大で美術教育・デザインを学び、会社員として働いていましたが、2014年に乳がんを患っていることが発覚。がんの治療を行いながらも環境を変えるため学芸大大学院に進みます。再び学び、デザイン教育の研究を進めていた際、身体と向き合う事で生まれたヘッドウェア「N HEAD WEAR」を開発。その鮮やかで他にはないデザインによりメディアから注目を浴びます。現に私もそのヘッドウェアが彼女を知るきっかけになりました。その後、彼女が起業し、新しいことを”はじめる”決意をした理由とは。左:徳永 啓太右:中島 ナオさん▶徳永啓太日本の「多様性」に疑問符をつける。“健常者であることが良しとされる国”を車椅子で生きていて感じること“暗い”や“辛い”というがん患者のイメージを払拭する女性インタビューするまで考えることの無かった「がん」について自分の事のように情報を集めてみることからはじめました。そこで感じたことは、日頃から将来起こりうる病や怪我、事故などに関心を持ち、意識しながら生活をしていないという事でした。例えば、風邪を引かないとその予防策について調べないし、怪我をしないとその症状について関心を持ちません。予想をしていないからこそ、その分自分に大きな病にかかったとき「まさか自分が」と大きなショックを受けます。 特に「がん」はその一つ。重い症状と今のメディアの影響により、がん患者と聞くと“暗い”や“辛い”というイメージを持ってしまいます。実際私もそうでした、彼女に会うまでは。N HEAD WEARを被る中島 ナオさん中島ナオ(以下、ナオ):これ自分で作ったんです。いまあるアイテムに被り続けたいものがなくて。そしたら見知らぬおば様に”いいわね、素敵ね”って声をかけて頂いて嬉しくて。 今回、私は中島さんの病について知りたいと思いがんの質問ばかり用意していたが、それは不毛なことであるという事に後々気付かされます。そしてこちらからお願いしたインタビューにもかかわらず、最初に質問したのは彼女からでした。積極的で明るい姿勢に、また私の凝り固まったイメージを更新してくれました。彼女は私が持っていたイメージを払拭するかのように明るくキラキラしていました。 ナオ:徳永さんは車椅子に乗っていますが、身体的に病が進行するってことはありますか? 徳永 啓太(以下、徳永):私は脳性麻痺という障害名で体が動きにくく、力が弱かったり細かい動作ができなかったりしますが進行性ではないです。強いていうなら老化でしょうか。それは一般の方と同じだと思います。沢山ある情報のなかで見えてくる「白」か「黒」ナオ:私がブログで発信を始めたのは、がんになっても大丈夫と言える社会を実現させたいと思ったからです。それは医学的にも社会的にも今は実現できてないと思います。それを変えたくて。というのもまだまだがんになったら生活の中で手放すことの方が多い、職業だったり私生活などでも諦めている人が多いと感じるからです。私がやっていきたいことは”白”と”黒”と二極化された情報だけでなく、その間グレーの中で生活する上でもっと希望が持てる情報を届けたいと思ってます。そういった考えに至るまでは個人的にSNSで顔を出すことすら好まないタイプでした。▶ナオさんがグレーについて綴ったブログ『輝くグレーの世界もあるんだよ!』はこちら。 徳永:SNSで顔を出さない人だったなんて想像つきませんでした。変わった転機はあるのでしょうか。 ナオ:1年半前(2016年)に転移してステージ4(がんが他の臓器に転移し手術が難しい状態)になり状況が変わったことですね。治療とずっと向き合っていかないといけない状況です。この先どこまで続くかわからない、現状を変えるしかないと、丁度この時期に具体的な行動を始めていきました。リアルと向き合ってできるデザイン「N HEAD WEAR 」徳永:がんになってからデザイナーになって、そして起業したんですよね。 ナオ:そうです!以前、会社員としてデザインの仕事をしていた時期もありますが、その後は教育関係の仕事をしていましたし、具体的にデザイナーとして歩み始めたのは病気になってからです。というのもやはり希望を感じるものを作りたくて、確かに無理していくことはないけれども、何かを失っても、諦めなくてもすむ側面はあると思っています。だからあえていっぱい始めてみようと思って。始めた事はヘッドウェア以外にもいっぱいあります。 徳永:実は今日インタビュアーとして、ナオさんから普通聞きづらいような事を聞くのが私の役目だと思っていました。でもそうではなくで、生活の事情を踏まえたうえで解決できるデザインを提供したいんだなと思いました。私でいうと例えば車椅子で生活する上で排泄の事情や、街中で困る情報を提供する事で読んだ方が関心を持ったり共感してもらったりする事で広めていく。それに価値があると思っているんですが、ナオさんは別の角度から発信していきたいんだなと感じました。 ナオ:ヘッドウェアもそうですが、問題に対して今あるものと違う路線で形にしていきたいですね。以前は洋服でさえ買うのをためらった時期もありました。それはこの先どうなるかわからないからいつまで着られるかわからないんです。そう言った背景を持つ私がこれからもいろんな事を始めて発信する事で、同じ境遇の方が希望を持ってくれたらいいなと思ってます。ヘッドウェアも私が一点一点作るというよりは他の企業や専門性を持つデザイナーさんと繋がって発信できたら広がるんじゃないかと思っていますし、その他構想している事を形にするべく起業する事にしました。自分で作っていくのに限界がある事も理由としてありますが、私はやりたいことを、いろんな方と一緒に叶えていきたいと思っていて、社会と接点を持つことが大きな希望につながるとも考えています。 徳永:ナオさんの場合やれる事って沢山あるって事ですよね。ヘッドウェアはその一つであって職業に縛られているわけではないからいろんな分野で活躍できることが強みですね。 ナオ:活躍していきたいですね!ガンになった時、何者でもなかったからこそ、行動し続けられているのかもしれません。起業し、関わってくださる方が増えてきている今、大きな可能性を感じています。中島ナオ氏も参加する徳田祐司個展『Another Eye』開催期間:2018年3月2日~28日場所:CLEAR EDITION & GALLERY企業ブランディング、商品企画、広告コミュニケーションなど、広範囲のプロジェクトを手掛け、国内外60以上のデザインアワードを受賞してきた徳田祐司の個展が2018年3月2日(金)より、六本木CLEAR EDITION & GALLERYで開催される。徳田は自身が代表を務めるデザインエージェンシー株式会社canariaのビジョンのひとつに「Design makes a Positive Way.」を掲げているが、今回の個展『Another Eye』にも同様の想いが込められている。詳しくはこちら。▶︎オススメ記事・「政府の対応を待っていたら、みんな死んじゃう」。“ときに危険を伴う呼吸の二面性”を芸術で発信する女性・54杯目:「セックスのこと、教えて」。担当医も教えてくれない、病気や障害を持つ人の“性教育”を話す場を作る若者 #ChronicSex|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会All photos by Keisuke MitsumotoText by Keita TokunagaーBe inspired!
2018年03月08日月刊誌『JUNON』(主婦と生活社)が主催している「第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」が26日、都内で行われ、千葉県出身で日本大学1年生の綱啓永(つな けいと)さん(18歳)がグランプリに輝いた。「第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリに輝いた綱啓永さん若手俳優の登竜門的なコンテストとして1988年にスタートした「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」。過去には武田真治や菅田将暉など数々のスターを世に送り出し、ファンはもちろん芸能関係者からも高い注目を集めている。30回目という節目の大会でもある今年は、過去最高となる1万7,293人が応募。段階的に審査を行い、勝ち残った13人のファイナリストがこの日の最終選考に臨み、グランプリには綱啓永さんが選ばれた。綱さんは敗者復活からのグランプリ獲得で、敗者復活からグランプリとなったのは、同コンテストで初めての快挙。「一度は諦めました。落ちた時は泣きましたね。でもTwitterで皆さんが応援してくれて復活することができ、その時はめちゃくちゃうれしかったです」と支えてくれた人々に感謝し、自分の名前を呼ばれて「本当にうれしくて、賞を獲れるとは思っていませんでした。(エントリーナンバー8の)『は』と聞こえて涙が出てきました」と振り返った。コンテストに応募した経緯については「母の実家が大阪で、母の友人から『受けてみない?』というお話があり、推薦してもらいました」と説明。グランプリを獲得したことで期待される芸能界入りに「興味はありましたけど、入ろうとは思っていませんでした。でもこうやってきっかけをいただいたので、グランプリに選ばれてよかったです」と話し、「ジュノンから出ている溝端淳平さんや山崎賢人さんのような俳優さんになりたいです。好きな女優さんは同い年の広瀬すずさんです。共演したいし恋人役がいいですね!」と目を輝かせていた。そんな綱さんについて、審査員のブルゾンちえみは「写真で見てたのと違って、直接お会いして魅力的だと思いました。もちろん写真でもイケメンですけど、写真だけでは見えないものがあったりしたのですごく良かったです」とコメント。この日司会を務めた中山秀征は「今日は本当に第一歩。今日のドキドキした気持ちを忘れないで欲しいです。どんなスターになっても実るほど頭を垂れる稲穂かな。おっさん臭いね(笑)」と自虐的に語るも芸能人の先輩としてアドバイスを送った。なお、準グランプリには山形県出身の富樫慧士さん(16歳)、審査員特別賞には京都府出身の佳山悠我さん(14歳)、フォトジェニック賞には大阪府出身の奥野壮さん(17歳)、SHOWROOM賞には福岡県出身の入江海斗さん(18歳)、サムライボーイ賞には大阪府出身の伊藤真央さん(15歳)、DDセルフプロデュース賞には大阪府出身の徳永智加来さん(14歳)がそれぞれ受賞。また、富樫さんはQBナビゲーター賞、佳山さんは黒騎士と白の魔王賞、奥野さんは明色美顔ボーイ賞のダブル受賞となった。
2017年11月27日「同じオーディションに合格し、デビューしてから7年。同じ作品に関われたことが本当にうれしかったです」 そう同じ思いを語るのは、俳優の町田啓太(27)と鈴木伸之(25)。2人は所属する劇団EXILEの同期。「まっすぐな性格は、17歳のころから変わらない」と鈴木について町田が語れば、「町田は特別な存在」と鈴木。 ’15年からスタートした『HiGH&LOW』シリーズでは、ヤマト(鈴木)とノボル(町田)として親友を演じてきた。ドラマ、映画、ライブ、テーマパークとのコラボと、多くのメディアで展開したこの一大プロジェクトも、映画『HiGH&LOW THE MOVIE 3/FINAL MISSION』(11月11日全国ロードショー)で最終章を迎える。 「ノボルは一時、反社会的組織の一員だったこともあって、登場人物のなかでいちばん波瀾万丈な人生を歩んだと思います。(岩田剛典演じる)コブラやヤマトと初めてバイクで並走したときは感動しました。こんなに気持ちいいこと、みんなずっとやっていたんだ、ずるい!って(笑)」(町田) 町田が出演する映画『こいのわ婚活クルージング』も11月18日に公開。また、鈴木は現在、ドラマ『今からあなたを脅迫します』(日本テレビ系・日曜22時30分~)に出演中だ。 「東京ドーム公演は、俳優ではなかなかできないような貴重な経験でした。劇団としてもっと多方面に進化していきたいと強く思いました。(読者プレゼントの)写真に添え描きした“ポラくん”の絵も知名度を上げたいです!(笑)」(鈴木) 「SWORD地区」を舞台に、男たちの闘いと友情の物語『HiGH&LOW』はついにクライマックスへ。反社会的組織との激しい闘争のなか、一人姿を消したコブラや、病いに倒れたスモーキー(窪田正孝)を非情な手から救うため、SWORDメンバーたちは最後の闘いに挑む!
2017年11月13日劇団鹿殺しの丸尾丸一郎と松岡充が、新たな演劇ユニットを始動。OFFICE SHIKA PRODUCE VOL.Mとして『不届者』を上演する。一見意外な組み合わせにも思えるこのふたりが、なぜ共に新作舞台を創作するまでに至ったのか、話を聞く。【チケット情報はこちら】2012年の『リンダリンダ』で俳優として共演したふたり。お互いの第一印象を訊ねると、丸尾いわく「世間一般でいうチャラ男」、一方松岡は「稽古中は演出家の、公演中は観客の求めることが手に取るように分かるズルい男」と、決していいものではなかったよう。しかし「松岡さんはすごくストイックだし、お客さんに何か残さないといけないという意識がすごく強い」、「鹿殺しの作品を観続けていくうちに、鹿殺しとは、丸尾丸一郎とはってところがブレない人だと分かってきた」と続け、徐々にお互いに対するリスペクトの度合いを高めていった様子。丸尾は『不届者』創作の原点について、「『リンダリンダ』ではすごくポジティブだった松岡さんですが、僕はその腹の底にある、何か黒い部分を描いてみたくて」と明かす。さらにそれは、残忍な一面を隠し持っていたとも言われる“徳川吉宗”を松岡が演じることで、作品としての明確な輪郭をもち始める。そんな丸尾のアイデアに対し松岡は、「鹿殺しのファンだから」と切り出し、「僕は丸尾丸一郎の描く世界観というものにグッときているひとり。しかも丸くんは、“人間”というものをちゃんと描くことが出来る稀有な存在でもある。だから不安はありません」と、丸尾に全幅の信頼を寄せる。松岡が徳川吉宗を演じるということで、江戸時代が舞台の時代劇かと思えば、決してそうではないと丸尾は言う。「ある詐欺事件と吉宗のいる江戸時代の話がシンクロしていく、そんな劇構造にしようと思っています。だから時代劇でもないですし、恐らく着物も着ない。お客さんにいろいろ想像してもらって、最後には誰もが感じる怖さや情けなさ、生きたいっていう願望なんかが残る作品になればいいなと思います」。ふたりの創作は今後も続いていくのかと問うと、「そう思わせる作品にしないといけない」と丸尾。「松岡さんはもちろん、お客さんに対しても『丸尾と組むといろんな松岡充が見られるぞ』って思わせたいなと。ある意味、松岡さんのことが嫌いな人にも観てほしいです」と笑うと、「本当は俺のこと嫌いなんちゃう?(笑)」とすかさず松岡。だがそんなツッコミも、丸尾への期待の表れなのだろう。「やるからには松岡充の、丸尾丸一郎の代表作だって言えるものじゃないと嫌だからね!」と松岡が見つめた丸尾の顔には、一瞬の不安の後に、はっきりとした自信を見てとることが出来た。OFFICE SHIKA PRODUCE VOL.M 「不届者」は9月27日(水)から10月1日(日)まで、東京・天王洲銀河劇場で上演。チケットは発売中。取材・文:野上瑠美子
2017年09月04日●山王連合会に本格復帰、アクションも久々参加EXILE TRIBE総出演の総合エンタテインメント・プロジェクト「HiGH&LOW」シリーズ。5つのチームが拮抗した勢力をもつ「SWORD」地区の中で男たちが思いをぶつけ合う姿を描き、ドラマのシリーズ1、シリーズ2、そして2016年に公開された映画『HiGH&LOW THE MOVIE』『HiGH&LOW THE RED RAIN』は様々な層から支持を受けた。今回は「山王連合会」に所属するノボルを演じた町田啓太に話を聞いた。シーズン1では彼女の復讐のために警察に逮捕され、失意の中で九龍グループ・家村会の構成員となりSWORDの前に立ちはだかったが、コブラ(岩田剛典)たちの説得で自分を取り戻した後に車に轢かれ、退院した後は頭脳派として活躍。最新映画『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』(8月19日公開)では怪我も完治し、アクションシーンにも参加するようになる。○今までにないノボルに――町田さんにとって、『HiGH&LOW』シリーズはどういう位置付けにある作品ですか?映画・ドラマといった枠ではなくて、総合エンタテインメントという大きなプロジェクトで進んでいるものなので、役者よりもプロジェクトの一員として参加させてもらっている感覚が強いです。自ら発信して、作品を一緒に作り上げていく感覚です。HIROさんも「自分のやりたいことやアイディアがあったら言ってね」とおっしゃっていて、本当に反映してくれます。そういうところはプロジェクトならではで、普通の作品ではなかなかできないので、新しい感覚で楽しませていだたきながら参加しています。――例えばどんなところにアイディアを出されていたんでしょうか?「ほぼ自分で決めていいよ」ということだったので、衣装なども含めて自分で色をつけて、自由にやらせていただいていました。「このシーンってどういうことなんだろう」ということもすぐ聞ける環境なので、相談して、何かあったらすぐ台本に反映してもらえるんです。――最近はドラマ『人は見た目が100パーセント』で理系男子役、『Love or Not』でも仕事ができる後輩などの役、知的な役が多いイメージがあります。ノボルもパソコンが得意ですし。本人はぜんぜんできないんですけどね(笑)。知的さとはかけ離れた体育会系で生きてきたので、逆にありがたいです。自分では普通にマイペースでいるんですけど、役柄としてそういう風に見ていただくことは、確かに多いのかもしれないですね。――『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』ではノボルが山王連合会に本格復帰という感じですが、いかがでしたか?前作でも山王に戻ってくるという展開はあったんですけど、怪我もしていたので、一緒に参加している感じが少なかったんです。今回は山王メンバーで一緒に動くシーンがあったので、うれしかったです。バイク走行シーンがあって、アクションも参加させてもらって、今までにないノボルのイメージになりました。新しい一面だと思う方もいらっしゃるかも。●轢かれるシーンのインパクトに「ありがたい」○時間が空いたアクション――アクションは大変でしたか?体が動かなかったです(笑)。シーズン1の時にちょっとだけ参加させてもらって以降、2年くらいずっとやってなかったので「ずっとこれをやってきてた岩田さんたちはすごいな」と思いました。――バイクシーンも今までなかったですよね。バイクシーンはやっぱり怖かったです。シーズン1の撮影に入る前から免許を取っていたので、アクション以上に時間が空いて……2年以上経って、今回初めてバイクシーンの撮影でした。周りのメンバーは慣れているし、でも自分も慣れている感を出したいし(笑)。「かっこよく乗りたいな」と思いました。山下健二郎さんはすごく乗り方がかっこいいんですよ。なので、健二郎さんにアドバイスをもらって撮ったのが思い出深いです。注目されるとちょっと恥ずかしいですが、新しい感じに見えていると思うので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。――ドラマのシーズン1では、ノボルが車に轢かれるシーンがすごく衝撃的で。ありがとうございます。みなさんからそう言っていただけているみたいで(笑)。映像を見た時に「こんなにエグいんだ」と笑っちゃいましたね、僕も。でもすごいインパクトのあるところだったので、そういうシーンになったのはありがたいことですね。○演技では自分をさらけ出せる――もともとダンスをされていたところから、演技に目覚めたという町田さんですが、演技の楽しさはどのようなところにありましたか?本当に終わりがなくて、体が動かなくなるまでずっとやりたいと思ったことなので、そこに魅力を感じました。もともといろいろな作品が好きで、憧れはあったんですけど、やってみたらすっごく難しい。でも演じている時や探求している時はすごく気持ちが上がるんです。自分をさらけ出せる場所がなかなかなかったので、そこが楽しいところ。エンタテインメントを追求したいと思っているので、役や作品に巡り合えたら死ぬ気で演じたいです。――こんな役がやってみたいとか。これというものはないですけど、強いて言うならば日本人なので、時代劇はいつかやりたいです。昔から見ていたので、憧れはありました。――今回はベテラン俳優の方もたくさん出演されていますが、現場で見て参考にされたりできましたか?これだけベテランの方が出ているんですが、今回は全然絡みがないので、それは心残りでした。岩田さんたちに「どうでしたか?」と様子を聞いて、ずっと「いいな、羨ましいな」と思っていました。どうなっているのか想像がつかないので、映像化された時にどうなってるのかというのは、とても楽しみにしています。――今回の映画で印象に残っているシーンはありますか? 自分でも他の方でも。関口メンディーが初出演・初芝居で、どういう感じになるんだろうと思っていました。現場でお芝居のシーンを見たんですけど、かなり気合いが入っていて、プロ根性とモチベーションがすごいなと。大好きなんです(笑)。
2017年08月17日東京・南青山の「INTERSECT BY LEXUS - TOKYO」では、2月2日から、バレンタインデー&ホワイトデーに合わせ期間限定で、世界的パティシエの辻口博啓氏が手掛ける砂糖不使用の美味しいロカボ(低糖質)チョコレート「Chocolat Universe(ショコラ ユニバース)」をコラボレーション販売スタートした。「チョコレートは大好きだけれど、ダイエット中」という人は多い。でも最近は罪悪感なくいただけるヘルシーなロカボ(低糖質)やシュガーレスのチョコレートも出回っている。今回発売となった「Chocolat Universe(ショコラ ユニバース)」は、「日常の食生活で糖質を気にされる方にも、美味しいチョコレートを楽しんでいただきたい」という強い思いから、辻口氏が医学博士の山田悟先生の協力のもと開発された。砂糖不使用ながらも通常のチョコレートと変わらぬ甘さ、まるでクーベルチュールのような滑らかな口どけの糖質コントロールチョコレートというから、これは見逃せない!そもそもロカボとは、緩やかな糖質制限のことで、糖質を1食20~40g、1日70g~130gをめどに摂取するというもので、血糖値の改善や中性脂肪を下げるために効果的とされ、メタボや糖尿病予防、ダイエットにも適しているとされる。「Chocolat Universe(ショコラ ユニバース)」は、3月14日(火)までの販売。1,080円。プチギフトにもぴったりのキャレットタイプ(缶入り)に1枚5gのホワイト、ミルク、ビターが各2枚ずつ計6枚入っている。さらに2月15日(水)販売開始の「Chocolat Universe Beans(ショコラ ユニバース ビーンズ)」(1,080円)は、独特の甘みのあるピーカンナッツにミルクチョコレートをコーティングした「ピーカン×ショコラオレ」とローストアーモンドに抹茶ホワイトチョコをコーティングした「アーモンド×抹茶ショコラ」の2種を詰め合わせた。もちろんこちらも「ショコラユニバース」を使用したヘルシーなスイーツとなっている。(text:cinemacafe.net)
2017年02月07日鉄道会館は2月24日~3月8日の期間限定で、東京駅構内の商業施設「グラングルメ」にてイベント「啓翁桜お花見ちょい呑み祭」を展開する。啓翁桜(けいおうざくら)は、冬季に満開を迎える促成栽培桜。期間中は、山形県東根市の啓翁桜の枝約4,000本を「グラングルメ」の館内装飾に使用し、ソメイヨシノが開花を迎える前に花見が楽しめる空間を演出する。また期間中は、3枚つづりで3,000円(税込)の「ちょい呑みチケット」を施設内「黒塀横丁」のチケット販売ブースで販売。販売期間は2月21日~25日の17:00~21:00となる。施設内の飲食店24店舗で利用可能となっており、"人気料理とおすすめのお酒"を組み合わせた期間限定の「ちょい呑みセット」をチケット1枚と交換できる。また、チケットを2月21日~23日に購入した場合、啓翁桜の枝1本と「1杯おためし券」1枚もあわせて進呈される。「1杯おためし券」は、期間中に対象の店舗にておすすめの酒1杯と交換できる。黒塀横丁の「沼津魚がし鮨」では、「生シラスと生桜えびと静岡地酒セット」を提供。駿河湾産の生桜エビと生シラスの刺身盛り合わせと、オリジナルの日本酒「漢の門出」のセットとなる。黒塀横丁の「銀座ハゲ天」では「銀座ハゲ天の早春セット」を用意。早春に旬を迎える白魚とふきのとうの天ぷらに、同店特製の松前漬、山形の地酒「初孫」を組み合わせた。キッチンストリートの「うに屋のあまごころ」では「うに食べ比べちょい呑みセット」を提供。濃厚なカナダ産ウニとバランスの良い味わいのチリ産ウニの2種類のウニの食べ比べに加え、「壱岐焼酎」も楽しめるセットとなる。「壱岐焼酎」は6種類から選ぶことができる。北町ダイニングの「華祭」では「華祭ちょい呑みセット」を用意。内容は、その日のおすすめ串揚げ5本と、日本酒「高清水純吟」、フリージングハイボールのセットとなる。甘口の「高清水純吟」は食前酒として、ハイボールは串揚げと一緒に楽しめる。
2016年02月23日夫・鈴木啓太の退団に「温かい目で見守って」先日、浦和レッズを退団することが大きく報道された鈴木啓太。16年在籍したベテラン選手の突然の発表にも関わらず、ファンの対応は温かく、SNSでは応援メッセージが溢れた。彼の妻であり、モデル・タレントとして活躍している畑野ひろ子は、自身のオフィシャルブログ「From Hiroko」の10月20日付け記事において、「選手の妻として本人が決断することに賛成しようと決めていました」(From Hirokoより引用)と告白。異例ともいえるシーズン中の発表について、「どうか本人のタイミング、決断を尊重し温かい目で見守っていただければ幸いです」(From Hirokoより引用)と述べた。スモーキーカラーで秋の装い夫を励ますかのように、また、ファンの応援に応えるかのように、同ブログ10月21日記事にはフラワーアレンジメントの写真をアップ。そして、モデルらしいファッションコーデも披露し、シルクシャツにスエードスカートをスモーキーなカラーで統一。しっとりした秋の装いに仕上げた。LORNAの新作バッグでワンランク上のオシャレまた、同ブログ10月17日付け記事では、LORNAの新作バッグを紹介。口の広い籠バッグで、使いやすさは抜群だ。また、赤チェック柄のショール付き巾着がポイントになっていて、トレンチコートとの相性もぴったり。ワンランク上のオシャレを楽しめる。【参考】・畑野ひろ子 オフィシャルブログ「From Hiroko」
2015年10月24日茶道を習っていますが、毎回、足のしびれがつら過ぎます。正座によるしびれをその場で軽くし、涼しい顔で立てるツボ指圧の方法はないでしょうか。鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生にお話を伺いました。■血液の流れが滞ってしびれる丸尾先生は、正座時のケアについてこう説明します。「長時間正座をしていると、足の血流が悪くなってしびれが起こります。神経が圧迫されることも一因だと言われ、放っておくと足の感覚がなくなって、立ち上がったときに転倒することもあります。正座中に強く圧迫されるのは、ひざの裏、足首、足の甲だと考えられますので、これらに関する特効ツボを正座中から指圧しておくようにしましょう。もっとも、よく言われるように、『かかとを開いて足首で円をつくり、そこにお尻をおろす』、『足の親指は重ねておき、ときどき左右を置き換える』、『両ひざはこぶし半分~ひとつ分ほど開けておく』、『ときどき重心を左右、前後に変える』などの座り方を工夫しながら、合わせて次のツボを指圧してください.ここで紹介するツボは3つとも、左右の足にあります」ではそのツボを具体的に教えていただきましょう。1.ツボ・足三里(あしさんり)を指圧する足の疲労、筋肉痛などの症状のみならず、腰痛、胃痛、便秘、下痢から精神不安など、全身の諸症状に効くことで知られる特効ツボです。正座をしているときにここを刺激しておくと、血行が促され、立ち上がる際のしびれ感が軽減されるでしょう。ツボの位置ひざの皿の下、すねの骨の外側のくぼみから自分の親指の幅3本分を下がったところ。指で強く押すと違和感がある場所を探しましょう。ツボの刺激法ひと押し5秒~20秒を数回、押しやすい指でグッと強めに刺激します。立ち上がってから押すときは、ぐるぐると回すように指圧します。2.ツボ・委中(いちゅう)を指圧する「委」とは、「曲がる・ゆだねる」、「中」は「中央」を表し、つまりひざの裏の曲がり目の中央を指します。足のしびれ、こむら返り、ひざの痛みなど足の諸症状全般と、腰痛、坐骨神経痛に効きます。ツボの位置ひざの裏の横じわの真ん中。触れると脈の拍動を感じます。ツボの刺激法力を入れすぎないように、指先数本でさする、なでるようにします。正座中は、時折、ひざの関節の裏側に指を指し込んで、このツボに触れるようにします。足を崩せる場なら、立ち上がる前に、ここから足首にかけてグーでマッサージをすると血行が促されて楽になります。3.ツボ・解渓(かいけい)を指圧する解は「解く、ほどく」、渓は「谷」を意味し、足首までと足先の境目を指します。足の血流、全身のリンパを促してむくみやしびれを改善します。足首のねんざや関節炎、また、スポーツなどオーバーワークでふくらはぎがこわばったとき、ジョギング中の休憩時などにここを指圧すると疲労が軽減されます。ツボの位置足首の前、中央のくぼみ。足首をすねに向かって曲げたときにできる2本の腱(けん)の間にあります。ツボの刺激法正座から立ち上がる前につま先を立て、かかとの上に腰を落とします。その状態で、このツボを中指などの指先でひと押し5~10秒の指圧を繰り返します。誰かといるときはこの姿勢で雑談をして時間をかせぎましょう。可能なら、両足を前方に伸ばして足首を上下に曲げ伸ばすストレッチも有効です。丸尾先生は、最後にこうアドバイスを加えます。「立ち上がったときにいったん、すり足気味で後ろに数歩下がるようにします。いわゆるムーンウォークです。その後に前へ歩くと転倒が防げるようです」血流と神経の圧迫が原因であることが分かったうえでこれらのツボ押しを実践してみると、なるほど、しびれ感がまったく違います。正座後は、トイレでふくらはぎをグーでマッサージしてケアをしています。なんだか足も気も軽くなりました。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年12月29日揚げ物や肉など、消化が悪い食事をしたあとに下腹が張ってすっきりしないことがあります。鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、そんなときに効くツボやストレッチ法をおたずねしました。■腹式呼吸→ツボ指圧→マッサージを繰り返す丸尾先生は、下腹が張るときのセルフケアについて、こう話します。「原因には、便秘の兆候、ガスがたまっている、ストレスなどが考えられます。まずはリラックスをはかることと、内臓に刺激を与えることの両方に有効な深呼吸から始め、ツボの指圧、マッサージを組み合わせましょう」では、その方法を具体的にレクチャーしていただきましょう。1.ひと息20秒以上の深く長い腹式呼吸をおへその下に両手を当て、おなかがふくらむことを意識しながら、鼻からゆっくり息を吸い込みます。おなかいっぱいに吸い込んだら、3~5秒ほど息を止めます。その後、口から細く長く、おなかをへこませることを意識して20秒以上をかけて息を吐き出します。おなかから息を吸い、おなかから吐き出すことをイメージしましょう。3~5回繰り返します。立ったままでもいすに座ってでも、トイレでもベッドでも通勤電車の中でもデスクワーク中でも、どこででも実践してください。緊張するときや集中したいとき、就寝前など、精神的な安定がほしいときにも有効です。数回続けると、けっこうな運動になります。2.ツボ・ちゅうかんを指圧する「かん」とは、胃袋を指し、このツボは「胃の中心」という意味合いがあります。消化器系の症状に広く万能に効くことで知られ、胃の働きを正常に整え、おなかの張り、便秘、ゲップなどの治療に対応します。また、太り過ぎ、やせ過ぎ、不眠症、冷え性などにも用いられるツボです。ツボの位置おなかの中心線上で、みぞおちとおへその中間あたり。おへそから自分の親指の幅4本分ほど上がったところ。ツボの刺激法両手の人さし指、中指、薬指をそろえ、息を細く長く吐きながら指圧します。ひと押し10~20秒を3~5回。3.ツボ・天枢(てんすう)を指圧する「枢」はかなめ、という意味です。東洋医学ではおへそ周囲は上半身と下半身のエネルギーが交わるところと考えて重要視します。このツボはおへそのすぐ近くにあって体の機能のバランスを整える役割があり、便秘、下痢をはじめとして消化器系全般の症状に効果を発揮します。ツボの位置おへその両側、自分の親指の幅2本分ほど(約2~3センチ)外側に左右2つあります。ツボの刺激法両手の人さし指、中指、薬指をそろえ、息を細く長く吐きながら、おなかの脂肪が軽くへこむ程度におなかの内側に向かって指圧します。ひと押し10~20秒を3~5回。4.ツボ・大巨(だいこ)を指圧する大巨とは「大きく隆起したところ」という意味があり、おなかが最も出っ張ったところにあるとイメージしましょう。おなかの張りはもちろん、便秘、腹痛、下痢、慢性腸炎や過敏性腸症候群などに効果があります。左右に2つありますが、左側は特に、月経困難症など婦人科系の症状に効くことでも知られています。ツボの位置3の天枢の位置から、自分の親指の幅2本分(約2~3センチ)ほどまっすぐ下がったところ。左右に2つあります。ツボの刺激法両手の人さし指、中指、薬指をそろえ、息を細く吐きながら、おなかの脂肪が軽くへこむ程度に内側に向けて指圧します。ひと押し10~20秒を3~5回。5.おなかをマッサージする2~4のツボを意識しながら、みぞおちからおへその下あたりまでを、30秒~2分ほど手のひらでマッサージします。冬場ならカイロを貼ることもお勧めします。丸尾先生は、「これら一連のケアはどこででもできますが、就寝前や起床時に、布団の中であお向けのまま、腹筋をゆるめた楽な姿勢で行うとより効果的です。また、これらのツボにお灸をするのもお勧めします」と付け加えます。レクチャーを受ける間に、食べ過ぎのおなかの内部が柔らかくなってきたように感じました。気分もゆったり落ち着いてきます。下腹が張る、ゴロゴロとなるときはすぐに、まずは深呼吸から、と覚えておきましょう。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年12月21日頭を傾けると首のあたりからゴキッと音が鳴る、指の関節を押さえるポキッと鳴る……、整体などの施術を受けるときにたまにそういう音が鳴り、自分でその動作をする人もいます。なぜそのような音が鳴るのでしょうか。柔道整復師、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、詳しいお話をうかがいました。■ポキポキと音が鳴っても凝りは改善しない――首や手首、指や股関節をひねるとポキポキと鳴る音の正体は何なのでしょうか。丸尾先生音の正体やメカニズムはまだはっきりと解明されているわけではありませんが、「関節にある潤滑液が移動したときに発生する気泡の破裂音」という説が有力です。ヒトの関節は、スムーズに動くように潤滑液の役割をする体液で包まれています。潤滑液は動きに従っていつもはスムーズに動きますが、関節に圧力がかかると気泡が発生し、骨や皮膚と共鳴してポキポキッとなると言われています。関節は、何らかの圧力を与えない限り、自然な状態ではある一定のところまでしか曲がりません。ですが、圧力をかけてそれ以上に曲げたとき、つまり、自然な可動域を超えたときに、ポキッという音が鳴るわけです。体液の気泡がはじけて、あんな音が鳴る? と思われるかもしれませんが、実験をすると近い音になることが分かっています。ほかに、指の関節を曲げたときに、関節の一部の部位同士があたる音だ、腱(けん)がひっかかって鳴るという説もあります。――指の関節を鳴らすと、指の節が太くなるのでしょうか。丸尾先生根拠はなく、立証されていません。「音を鳴らすと指に悪影響を及ぼすか」ということについて、何らかの悪影響があったという事例は耳にしたことがなく、通説ですが、「影響しない」と考えられています。――ポキポキと音を鳴らして、関節や骨に支障はないのでしょうか?丸尾先生音を鳴らすのは、「すっきりした気分がする」、「単にくせ」という人が多いようです。自然な動きで音が鳴る程度では問題ないでしょうが、習慣的に鳴らしていると、骨の変形や関節内部にダメージを与える、損傷の危険性もあると言われています。特に頭をカクっと左右に傾けて音を鳴らす人は、寝違えたときのような筋肉痛になる可能性が考えられます。ポキポキと鳴らすために衝撃的な動作をするのは避けてください。患者さんの事例として、肩関節が鳴るという28歳の男性は、10代ですでにひどい肩凝りだったようですが、肩をぐるぐる回すうちに、「ゴキゴキと鳴るようになった。音を鳴らすと凝りが少しだけ改善したような気になる」と言います。ですが実際に、音を鳴らしたからと言って凝りが改善することはありません。凝りは筋肉の緊張ですから、関節から音が鳴ることとは関係はないでしょう。整体やカイロプラクティックの施術中に音が鳴ることがありますが、音を立てることを目的で行うわけではありません。動作のうちで発生しているだけです。――ありがとうございました。まだ解明されていないことも多い関節のポキポキ音ですが、凝りが改善されないうえに、関節や骨、筋肉にダメージを与えることもあるとは。自分で音を鳴らすのは避けたほうがよさそうです。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分岩田なつき/ユンブル)
2012年11月07日「ソファやベットで寝たまま、両手にゲーム機を持って長時間集中してしまった……」と、寝違えのような症状になる人は多いのだとか。そこで、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、「ゲームポーズ(?)や読書の姿勢のまま、腕、肩、首を自分でケアする方法」を教えていただきました。■同じ姿勢で長時間、ゲームに熱中しすぎないよう寝ころんだままの姿勢でゲーム機、スマホ、タブレットでの操作について丸尾先生は、「寝る前につい布団の中でゲームや読書をする人は多いのですが、腕に妙な負荷をかけたまま1時間以上もマシンや本を凝視し続けるなどとんでもないことです」と前置きをした上で、「肩こり、首痛に加えて腰、目と全身に負担がかかっています。熟睡できない、起床時に頭がぼーっとする、肩こり腰痛が悪化することもあるでしょう。どうしてもしてしまうなら、せめてゲーム中にストレッチをし、日々、ツボ指圧を心がけてください」と、次の方法を勧めます。1.最も負荷がかかる腕をストレッチ不自然な力がかかる腕をまず、ストレッチします。右側を下にして横向きになり、左手にゲームや本を持ち、右手を背中に回します。右手の指先は背骨を触るようにし、けんこう骨から二の腕を10~20秒ほど伸ばします。次に、右手を真上に伸ばし、10~20秒ほどストレッチ。続いてその右手を真後ろに伸ばし、さらに斜め下方向に伸ばします。各10~20秒ほど行いましょう。これを、左腕も同様に行います。2.ツボ・欠盆(けつぼん)を指圧「欠」は「欠けていること」、「盆」は「くぼみ」を意味しています。胸、腕の神経の通り道にあり、寝違えたときの首や肩の症状緩和に効果があります。ツボの位置左右の鎖骨(さこつ)のまん中から、鎖骨に沿って自分の親指の幅4本分(40ミリ~800ミリ)、外側に移動したところ、鎖骨の上の大きなくぼみに向かって押したときに痛みを感じる場所。左右に2つあります。分かりにくいときは、指を鎖骨に沿わせながらくぼみに向かって押し、痛みやコリを感じる部分を探しましょう。ツボの刺激法両手の人差しや中指で、痛みを感じる方向に向けてひと押し10秒~20秒を数回、繰り返します。人さし指と中指でこのあたりをさするだけでも効果があるでしょう。3.ツボ・肩りょう(けんりょう)を指圧「りょう」とは、「端、角」などを意味します。よってこのツボは、肩の端っこのほうにあるということで知られています。荷物を長時間持ち続けた、五十肩などで腕が上がらない、釣りやテニス、スポーツで腕が痛む、しびれるなどの症状に効きます。4.ツボ・天宗(てんそう)を指圧「天」とは上半身、「宗」は「源」の意味があります。よって、上半身の気や血液の流れの源となる場所ということで、重要なツボです。肩とけんこう骨のコリ、腕の痛み、肋間(ろっかん)神経痛、五十肩のほか、顔のむくみ、心臓疾患などの症状の治療にも用いられるツボです。ツボの位置背中側、けんこう骨の中心あたりにあるくぼみ。左右に2つあります。右側を探すときは、左手を右の脇の下からけんこう骨に伸ばし、指でくぼみを探っていきましょう。ジーンと響く場所が天宗のツボです。左側も同様に探します。ツボの刺激法人さし指や中指で、強めにひと押し10~20秒ほどを数回繰り返します。最後に丸尾先生は、「常に姿勢を変える、腕や肩を伸ばす、ストレッチすることを意識してください」とアドバイスします。確かに、ゲームや本が面白いと、同じポーズのままで熱中してしまいがちです。どこかが痛くなる前に、せめてこれらのストレッチ&ツボ押しを心がけましょう。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年11月04日パソコンのキーボードをたたき続けていると、手の甲から手首、ひじにかけて筋が張ったように痛むことがあります。気付いたら、肩もガチガチにこっています。鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、その対策法を教えていただきました。■15分に1分はケアするのが理想「パソコンの操作中は、手首から指先だけが上下左右に動いています。つまり、手首から腕、肩にかけては力が入って硬直していることになります。これは本来、不自然な動きです。腕の血流が滞って筋肉が萎縮(いしゅく)するため、長時間同じ作業をしていると、動きを支えている手首から腕にかけて痛むのは当然でしょう。できれば15分ごとに30秒~1分間ほど手首のストレッチ、ツボ指圧をしてください」と丸尾先生。ではここで、パソコン操作をしながらのストレッチとツボ押しの方法を教えていただきましょう。1.左右で10秒ずつ、手首をそらすキーボード上でいつでもすぐに実践したいのは、手首そらしです。左手の手首から指先までをデスクに立て、人さし指から小指までをもう一方の手でつかんで10秒ほどそらします。右手も同様に行いましょう。この動作だけで、指先から手首、ひじにかけての血流が促されます。気付いたときにはいつでも行うように習慣付けましょう。2.ツボ・内関(ないかん)を指圧する「内」とは文字通り腕の内側、という意味です。「関」は、東洋医学では血流や気の流れのポイントを表します。腕や手首の痛み全般に効果があります。ツボの位置手首の関節の手のひら側を見ると、横じわが数本あります。もっともひじに近いしわから、自分の親指の幅2本分(20~40ミリ)をひじの方へ移動したところで、痛みやコリを感じる場所を探しましょう。ツボの刺激法もう一方の手の親指で、強めにひと押し10秒ほどを数回繰り返します。腕から中指にかけて痛むときによく効きます。3.ツボ・げきもんを指圧する「げき」とはすき間、「門」は出入り口を表します。骨や肉のすき間にあり、血流や気の流れの出入り口になる場所、という意味です。手や腕の機能を調節するツボです。ツボの位置2の内関から、さらにひじのほうへ自分の親指の幅3本分(40~60ミリ)移動したところ。分かりにくいときは、手首の内側~ひじの内側までのラインをあちこち親指で指圧し、痛みやコリを感じる場所を探しましょう。ツボの刺激法もう一方の手の親指で、強めにひと押し10秒ほどを数回繰り返します。4.ツボ・外関(がいかん)を指圧する2の内関と、場所も名称も相対します。前腕(ひじから手首)の外側にあって、気や血液の流れのポイントとなります。手と腕の痛み、神経痛に関するツボですが、体のむくみにも対応しています。夕方に手がだるい、むくむときにはここを指圧しましょう。ツボの位置2の内関の外側。手首の関節の手の甲側の横じわから、自分の親指の幅2本分(20~40ミリ)をひじの方へ移動したところ。ツボの刺激法もう一方の手の親指で、強めにひと押し10秒ほどを数回繰り返します。5.ツボ・臂臑(ひじゅ)を指圧する「臂」はひじのこと、「臑」は肩からひじまでの上腕部を指します。指を動かす神経が通っているため、腕から指の動きを調整するとても重要なツボです。五十肩など重症の肩こりのときもここを指圧します。ツボの位置ひじから肩のまん中あたり。ひじの曲がり目(親指側)のくぼみ(曲池・きょくちというツボ)から、肩に向かって自分の親指の幅7本分移動したところ。ツボの刺激法もう一方の手の人さし指、中指、薬指をそろえて、強めにひと押し10秒ほどを数回繰り返します。その後、ここを中心に、ひじから肩にかけてのマッサージをしましょう。丸尾先生は、次のアドバイスを加えます。「とにかく、腕から指先にかけての血流を促すことを意識しましょう。ほんの数秒でも、いずれかの刺激をするだけで血流はアップします」15分ごとに携帯電話でタイマーをかけて実践すると、確かに手首、指ともすぐに樂になりました。こういったセルフケアを続けるよう、キーボードから手首をこまめに離すように意識しましょう。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年10月30日「春や秋は快適気温で寝苦しくないのですが、血流が滞りやすい季節でもあります。それが理由で実は眠れていないという患者さんが増えています」と話すのは、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生。■就寝前と起床時に、ツボの様子を自分で確認丸尾先生は、睡眠とツボの関係について、こう説明を続けます。「睡眠不足のときは、血流が滞るなどで睡眠に関するツボが硬くなっていることがあります。就寝前と起床時に次に紹介するツボを指圧し、いつもと違うかなど、様子をチェックしましょう。また、眠りにくい、よく眠れないときは、寝る前に睡眠を促すツボの指圧を習慣化するというのも一つの方法です。歯磨きやトイレに行くことと同様に眠る前の儀式として行うことで、体に睡眠タイムを知らせるわけです」では次に、自分でチェックとケアができる、睡眠にかかわるツボ&ストレッチを教えていただきましょう。1.ツボ・関元(かんげん)をチェック「関」は「要所」、「元」は「源」で、関元とは元気、生体のエネルギーや活力の源を意味しています。指で押さえてここが硬い、あるいは違和感があるときは、エネルギーが低下していると考えます。不眠症のほか、うつの症状などの精神不安、疲労感が強いときはこのツボをチェックしてください。ツボの位置おへそから自分の親指の幅3本分(40~60ミリ)を下がったところ。ツボの刺激法両手の人さしと中指を重ね、おなかの脂肪がへこむようにソフトにひと押し20~30秒を数回、繰り返します。就寝前や起床時は寝たままで、仕事中ならイスに座った姿勢で指圧してください。冷える時期は、ここにカイロを貼(は)ることをお勧めします。2.ツボ・膈兪(かくゆ)をチェック「膈」とは横隔膜のあたり、「兪」とは東洋医学でいう内臓を調整する「兪穴(ゆけつ)」のこと。背中のコリをほぐし、横隔膜のけいれんをしずめて呼吸を楽にするツボです。上半身の血行を促進し、不眠対策のほか、めまい、のぼせ、せき、吐き気、胃などの不快感全般に対応する特効ツボです。ツボの位置背中側、けんこう骨の下の端を結ぶ線上で、背骨を中心に自分の親指の幅1本半(20~30ミリ)ほど外側。左右に2つあります。ツボの刺激法両手のこぶしを軽く握って両ひじを曲げ、背中側、けんこう骨の方へ引き上げます。ツボの位置あたりをこぶしでぐりぐり刺激し、痛むところを探します。就寝前や起床時は、うつぶせになって指圧してください。手が届かなければ無理をせず、あおむけになって背中にゴルフボールやテニスボール、ツボ押しグッズなどを入れて刺激します。誰かに押してもらうのもよいでしょう。3.ツボ・安眠(あんみん)をチェックその名のとおり快眠を促すツボとして知られています。睡眠不足、肩こり、頭痛があるときなどはこのツボ周辺は硬くなります。名称からして覚えやすいので、頻繁にチェックするとよいでしょう。ツボの位置左右の耳の裏側を指で触ると、頭がい骨の出っ張りがあります。その骨の下、くぼんだ場所を探してください。指で刺激して痛みや違和感があるところです。左右に2つあります。ツボの刺激法後頭部を両手で支え、親指で強めにひと押し10~20秒ほどを数回繰り返します。4.就寝前や起床時のストレッチ熟睡できない、睡眠不足だ、起床時に頭がすっきりしないなどの原因の一つに、肩こりや首痛があります。あおむけに寝たまま、両手を後頭部に回して両手で頭を起こします。すると、首の後ろや肩回りが刺激され、血流が促されます。1回につき10秒~20秒、就寝前には、肩こりや首痛の解消をイメージしながらソフトに1回だけ行います。起床時や昼間には、頭がすっきりするようにイメージしながら、2~3回行いましょう。最後に丸尾先生は、こうアドバイスを加えます。「眠れないからといってツボを強く刺激し過ぎたり、何十回も押すなどをしても意味はありません。就寝前は優しく指圧、起床時にはやや強めに指圧するようにしてください」これらのツボを押していくと、睡眠不足と精神不安、呼吸、肩こり、首痛、頭痛などは密接に関係しているということが実感できます。日々の体調を知るためにもよい方法のようです。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年10月26日慢性的に腰が痛い皆さん、特に、朝起き上がるときには毎日のように痛みがありませんか。鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、その対策法を教えていただきました。■あおむけのままひざを抱える、ツボを押す「1日の始まりは腰痛からという患者さんはとても多い」という丸尾先生は、「いつも腰が痛む人は、がばっと起き上がってはいけません。起床時は筋肉が硬くなっていますから、一気に起き上がると腰に負担がかかって痛みが増すだけです。目が覚めたらまず、少しの時間でも腰や足をストレッチしてから、横向きになってゆっくり頭から起こしましょう」と説明します。ではここで、ストレッチの方法を教えていただきましょう。1.あおむけで足を抱えて腰を伸ばす目が覚めたらあおむけに寝たまま、両腕で片方の足を抱えて20秒ほど腰を伸ばします。もう一方の足も同様に、呼吸は自然で。次に、両腕で両足を抱え、胸の方に引き寄せて同様に20秒ほどキープ。このとき、腰が痛むようなら無理をして抱え込まず、「痛気持ちいい」と思うところまでで止めておきます。一度足を伸ばしてからまた抱えることを繰り返すと、少しずつ伸びるようになります。2.両足の側面をさする両足を胸のほうに引き寄せて、両手のひらで、ふとももの側面からひざまでを上下に20~50回ほどさすります。ここは腸脛靱帯(ちょうけいじんたい)が通っているところで、ランニングや自転車などの運動によって炎症を起こす人も多いので、座っているときなど、いつでも行ってください。3.ツボ「風市(ふうし)」を刺激する腕を下にまっすぐ伸ばしてふとももの外側につけたとき、中指の先端が触れるところが「風市」です。そこを指や手のひらでひと押し5~20秒ほどを数回繰り返し刺激します。風市は、腰痛の一つの原因である坐骨(ざこつ)神経痛や股(こ)関節痛、また、下半身のまひのケアなどに効果があります。立っているとき、デスクで座っているときにも指圧してください。■うつぶせで腰をさするだけで複数の効果あり4.うつぶせで腰をさするうつぶせになり、両手で背中の腎臓あたりから腰にかけて、手を上下に動かしながら50~100回ほどさすります。この動きは、単純で簡単なのですが、実はかなり効果があるのでお勧めです。というのも、うつぶせになることそのものが腰痛緩和になること、手の体温と指圧で腰の筋肉が柔らかくなること、さらに、けんこう骨を同時に動かすことになって肩こりの緩和にも役立ちます。立ったままやデスクワーク中でもどこででもできるので覚えておいてください。両手でこぶしを握って、腰回りを軽くトントンとたたくのも良いでしょう。5.うつぶせでカエル足に「うつぶせになって、片方の足のひざをウエスト位置まで持ち上げます。ウエストとふともも、ひざは各90度に保って20秒ほどキープ。もう一方の足も同様に行います。両足を同時に行うのは難しいので、片方ずつでいいでしょう。股関節を柔らかくして腰痛を改善します。6.コブラのポーズ起きているときには腰は、常に前かがみになっています。特に、猫背の人は思い当たるでしょう。体の部位はどこでも、同じ姿勢、じっとしていることはよくありません。よって、いつもと違う方向に伸ばすように心がけてください。5の後に、両手を肩の下あたりについて、上半身だけを起こします。ヨガでいう、コブラのポーズです。そのまま20秒ほどキーブしましょう。最後に丸尾先生は、「朝は体が硬いので、思うように伸びないとか痛みが起こることがありますが、焦らずあきらめず、気長に行いましょう。繰り返すうちに伸びていきます。全部行っても、3分程度です。この間に全身の血流が促されて目も覚めてきます」とアドバイス。取材の日から毎朝、実践しています。平日は2~3分、休日はゆっくり繰り返して10~20分ほど行っていますが、筆者の場合は開始したその日から、起き上がるときのあの嫌な痛みはなくなりました。ぜひお勧めします。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年10月24日キャリーバッグに重い荷物を詰め込んでコロコロ……、旅先に着いたとたん、ひじと腕の筋肉を痛める人が急増中といいます。そこで、鍼灸師(しんきゅうし)で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、その対策のツボについて聞きました。■腕が痛いときは、手首がこわばっている丸尾先生は、キャリーバッグ痛なる前腕部(ぜんわんぶ。ひじから手首まで)の痛みについて、次のように説明します。「キャリーバッグの運搬力を過信したり、重い荷物による腕の『使い痛み』は、放置すると慢性化します。同様の痛みは、テニス、パソコン作業、釣りなどでも起こりますが、どれも、同じポーズを長時間続けていることが原因です。痛みを感じる前に、違和感やだるさを覚えた時点で、その場で緩和させることが大事です」では早速、自分ですぐにできるケアの方法を教えていただきましょう。1手首のストレッチツボを刺激する前に、手首のストレッチを行いましょう。腕の痛みの原因には、「手首を固定したまま、腕に負荷をかけ続けているから」ということが考えられます。肩のこわばり、張りにも原因はありますが、まず、手首を柔軟に保つことで腕の筋肉にかかる力を分散します。・グーに握って、肩からグーまで体の外側に向けてひねる。・指先が体のほうへ向くよう、机の上に両手のひらを乗せ、手首から腕にかけて伸ばす。・肩、首を前後左右にゆっくり回し、上半身全体の緊張をほぐします。■ひじ周囲の痛みを改善する特効ツボ・ベスト32尺沢(しゃくたく)尺とは、東洋医学で前腕部を指します。沢(たく)は、「沼地」の意味合いなので、尺沢とは、前腕のへこみ、を表しています。その名のとおり、ひじと周辺の痛み110番とでもいうべき特効ツボで、ひじの上(肩にかけての上腕)から前腕までの痛み、しびれ、こわばり、不快感を改善します。過度の荷物運搬、スポーツによっておこる痛みには、ここを押してください。ツボの位置ひじを少し曲げて、横じわに注目してください。その中央にあるかたい筋(すじ)のすぐ外側、少しへこんでいるところ。ツボの刺激法もう一方の親指や中指で、ひと押し5~10秒の指圧を繰り返します。指先がやや皮膚に沈み込むように、強めに指圧します。押しながらひじを前後に動かす、また左右に回すとより刺激が伝わります。3曲沢(きょくたく)尺沢のすぐ近くにあり、尺沢同様に、ひじから手の指先までの痛みに効果があるツボです。ツボの位置ひじを少し曲げて、横じわに注目してください。その中央にあるかたい筋(すじ)のすぐ内側にあるくぼみ。ツボの刺激法もう一方の親指や中指で、ひと押し5~10秒の指圧を繰り返します。指先までじーんと響く感じがあります。押しながらひじを前後に動かす、また左右に回すとより刺激が伝わります。4げき門(げきもん)げきとは、「間隙(かんげき)、すきま」、門は出入り口を意味し、「骨や肉のすき間に沿って、気血が集まる出入り口」を表します。腕の痛み、しびれのほか、手、腕の全体の機能を調整します。ツボの位置手首の手のひら側にある横じわの中央からひじへ向かい、自分の親指の幅5本分上の骨のきわのくぼみ。分かりにくければ、そのあたりを親指で押して、違和感があるところを探しましょう。ツボの刺激法もう一方の親指で、やや強めに、ひと押し5~10秒の指圧を繰り返します。押しながら手首を前後に動かすと、より刺激が伝わります。そういえば、パソコンのキーボード操作では、手首から肩まで固定したまま指だけを動かしています。「15分おきぐらいに、キーボードから手を離してこれらのケアをしてください」と丸尾先生。意識をして日々実践し、痛む前に柔軟な筋肉を保つことが大切なようです。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年08月22日目が乾く、痛い、ゴロゴロする……。ドライアイで悩む日本人は、いまや800万人いると言われます。少しでも楽になるため、鍼灸師(しんきゅうし)で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、その対策ツボを教えていただきました。■涙の分泌を促し、出し、総合的な不調をケア「ドライアイには、『涙の分泌を促す』、『涙を出す』、『総合的な目の不調を予防』の3つの観点からのケアが有効です。仕事中やバスタイム、寝る前と、いつでも何度でも、これらのツボを押してください」と丸尾先生。早速、その3点に沿って自分でケアできるツボをご紹介しましょう。1.瞳子りょう(どうしりょう)―涙の分泌を促すツボ瞳子(どうし)は「目、ひとみ」、りょうは「骨の角、くぼみ」を意味し、「目の骨のくぼみに位置するツボ」を表します。ここを刺激することで、目の水晶体の厚みを調節する毛様体筋(もうようたいきん)の緊張をほぐします。眼精疲労、疲れによる視力の低下、目の周囲のけいれん、また、目じりの小じわ対策にも有効です。ツボの位置左右の目じりから、指1本分外側にある骨のすぐ外側、小さくくぼんだ部分。ツボの刺激法左右を同時に、人さし指か中指の腹で、少しずつ力を入れる感覚でひと押し5~10秒の指圧を繰り返します。ここを出発点とし、目の周囲を軽く指で押していくのもよいでしょう。ただし、眼球は押さえつけないでください。2.晴明(せいめい)―涙を出すツボ晴は「目」、明は「明るい、照らす」を意味し、「はっきり見えやすくするツボ」を表します。目の充血、かすみ目などのときもここを指圧するとすっきりするでしょう。また、目と鼻を結ぶラインになるため、鼻水、鼻づまりにも効果があります。ツボの位置目頭の脇。目頭と鼻柱の間にある小さなくぼみ。ツボの刺激法人さし指や中指で押さえ、ひと押し5~10秒の指圧を繰り返します。3.承光(しょうこう)―総合的な目疲れケアのツボ頭の前頭葉の周辺にあり、長時間近くを見たために目や頭にも疲労感を覚えたとき、目がしょぼしょぼ、ゴロゴロする、目がかすむときなどは、ここを刺激すると視界と意識がはっきりしてきます。ツボの位置両方の眉頭(まゆがしら)から髪の毛の生え際へ真っすぐ向かい、そこから自分の親指の幅3本分ほど上へ。さらに、親指の幅1~2本分ずつ左右へ移動したところ。分かりにくければ、おでこの上あたりを全体的にマッサージします。ツボの刺激法両手の中指で同時にひと押し10秒~1分、指圧します。左右のどちらかに違和感が強い場合は、そちらを長めに刺激しましょう。■眼球を押し込む、押し出す運動を「オフィスでできる方法として、『眼球運動』もお勧めします。目の周囲の筋肉のストレッチになります」と丸尾先生。レクチャーしていただきましょう。4.眼球運動軽く目をつむり、眼球を右回し、左回しを各3~5回ずつ。↓眼球を脳に向かって押し込むイメージで動かす。3~5回。↓目を前に出すイメージで眼球を動かす。3~5回。↓目を見開く。3~5回。↓目をぎゅっとつむる。3~5回。以上を1セットとして、3~5セット。目を開けて行うと目が回ってしまいます。必ず、目をつむって行いましょう。「運転中やパソコンワーク、読書中などにドライアイを実感したときは、すでにかなり目は乾いています。意識的にくしゃみやあくびをして目が潤うかどうかを確認してください。目が乾いたな、と感じる前に早めにこれらの自己ケアをすることが大事です」と丸尾先生。目薬を使うのもいいですが、これらの指圧、運動でまず、健康のための「目ヂカラ」を養いたいものです。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年08月19日だるい、疲れる、食欲がない。気温が高くなると毎年のように襲ってくる夏バテの症状。そこで、鍼灸師(しんきゅうし)で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、その対策のためのツボを聞きました。■ラップの芯で足の甲を刺激する「夏バテでの症状を、脱力感、疲労感、食欲減退の3つのポイントで考えて、自分で指圧できるツボをご紹介します」と丸尾先生。早速、教えていただきました。1解渓(かいけい)―けだるさなど脱力感に解は「解く、ほどく」、渓は「谷」の意味合いがあり、解渓とは、足と下肢部(かしぶ)の境目、谷間を表します。ここを指圧すると全身へのリンパ、血液の流れが促され、だるさやむくみが改善されます。足先がじーんとするようなしびれやこわばりにも効きます。ツボの位置足首の前、中央のへこんだくぼみ。足首をすねに向かって曲げたときにできる横じわから1~2センチほど上。ツボの刺激法親指でひと押し5~10秒の指圧を繰り返します。また、すりこぎやラップの芯で、このツボから足の甲全体をゆっくり、1~2分ほど転がすのもお勧めです。2湧泉(ゆうせん)―だるい、疲れやすいなど脱力感、疲労感に生きるエネルギーがわくツボとして、万能の役割があると言われます。体力とスタミナをアップする効果があり、血流を整えるため、のぼせ、冷えにも効きます。また、バテ気味のときに起こる気の落ち込みや高ぶりといった、気分を整えるツボでもあります。ツボの位置足の裏にあり、足の指をすぼめたときにできる「人」という字の中央部分。ツボの刺激法両手のひらで足をかかえ、親指でぐいぐい、ひと押し10~30秒の指圧を繰り返します。デスクワーク中には、ゴルフボール、ラップの芯などを床に置き、足の裏で押さえながら回転させると、刺激をすることができます。3鳩尾(きゅうび)―食欲がないときに一般的には「みぞおち」と読みますが、ツボの名称では「きゅうび」です。ツボの場所が、鳩の尾の形に似ていることからこう呼ばれています。胸の最下部で胃の上部にあたり、疲れたときのイライラや憂うつ感、また、怒りや緊張などで食欲がなくなるとこのツボはかちかちに硬くなります。暑さがうっとうしいことによる精神的疲労、不眠、動悸(どうき)、息切れをも改善します。ツボの位置左右のろっ骨の下のへりを指でなぞり、中心で合わさった部分の1~2センチ下のへこんだ部分。ツボの刺激法両手の人さし指と中指を重ねるようにあて、息を細く吐きながら、みぞおちの上のほうに向けてひと押し10~30秒の指圧を繰り返します。硬いときは指圧をしながら、自分で徐々にほぐしていきます。このツボから胃にかけて手のひらでさするだけでも緊張がほぐれる、胃をいたわることになり、効果があります。また、鳩尾から、自分の親指の幅1本分(約1~2センチ)下、みぞおちのまん中あたりに、「巨闕(こけつ)」というツボがあります。食欲不振のほか、胃炎を起こしているとき、下痢、吐き気がある、胸やけがするときにも効きます。さらに、このツボは息切れ、動悸、胸痛にも対応します。両手の人さし指と中指を重ねるようにあて、息を吐きながらやや上のほうに向けて10~30秒の指圧を繰り返しましょう。ツボの効能に加え、暑さ対策には、血液やリンパ、気の巡りが大事なのだということが分かりました。バテてぐたっとなる前に、これらのツボを刺激して全身の活力をアップしましょう。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年08月05日東京と地方を長距離バスやフェリーでよく往復するという知人が悩んでいるのは、乗り物酔い。市販の予防薬を服用しているけれど、頭重感、めまい、だるさなど、時差ボケの感覚に似た不調を感じると言います。そこで、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、その対策ツボを教えていただきました。■自律神経がバランスを崩している丸尾先生は、乗り物酔いに伴う不調について、こう説明します。「大人の乗り物酔いは、乗り物から降りたらすぐに改善するというものではなく、しつこく吐き気やだるさが続くことがあります。二日酔いと似た症状ですが、お酒を飲んでもいないのに『酔う』のは、乗り物の振動、揺れによって自律神経のバランスが崩れている、耳の奥にある平衡感覚を保つ機能が不調だと考えられます」では早速、それらに効果があるツボを教えていただきましょう。1.築賓(ちくひん)「賓」は「大切なお客」を意味し、築賓とは、足の働きを築く大切な場所という意味があります。足がむくむときにリンパの流れを促すため、乗り物酔いの特効ツボとして知られ、吐き気やだるさに効果があります。長時間の乗車前におきゅうをする、磁気の粒を張るなど、予防のために覚えておきたいツボです。ツボの位置足の内くるぶしから、内側のすねに向かって、自分の親指の幅5本分を上がったところ。骨のきわで、押すと痛みを感じる部分を探しましょう。ツボの刺激法ひと押し10秒~1分を数回、もみ込むように指圧します。また、写真のように、片方の足をもう一方の足のふとももに乗せ、2の「地機(ちき)」と同時に両手の親指で指圧するという方法もあります。2.地機(ちき)「地」は「土地」を、「機」は「変化・重要なこと」を意味します。東洋医学では、「土地」とは脾(ひ)の臓・胃の腑(ふ)を表すので、内臓の働きに何か異常が起こったときに調整するツボと考えましょう。吐き気、消化不良、だるさ、けんたい感に効果があります。ツボの位置1の築賓から、すねの内側の骨に沿って親指の幅5本分ほど上がったところ。骨のきわで、押すと痛みを感じる部分を探しましょう。ツボの刺激法ひと押し10秒~1分を数回、もみ込むように指圧します。1の刺激法同様、写真のように、片方の足をもう一方の足のふとももに乗せて、1の「築賓」とこの「地機」を同時に両手の親指で指圧する方法もお勧めします。■地震酔いにも効果がある、めまいや立ちくらみ対策ツボ3.風池(ふうち)頭重感、頭痛、めまい、立ちくらみ、だるさなどの症状に効果があります。風池とは「風邪の邪気が池のようにたまる場所」という意味で、風邪の特効ツボとしても知られています。ツボの位置首の後ろの髪の生えぎわで、2本の太い筋肉の両外側から、さらに外へ自分の親指の幅1本分ほど離れたくぼみの部分。ツボの刺激法両手で頭を抱え、親指でこのツボを、ひと押し10秒~1分を数回、強弱をつけながら指圧します。4.頭竅陰(あたまきょういん)「竅」とは、「骨に空いている穴、すなわち耳」の意味で、その「陰」にあたる「耳の後ろ」にあるツボを指します。竅陰は足にもあり、区別するために、頭部を頭竅陰と呼んでいます。乗り物の振動で、三半規管や耳石器といった平衡感覚にかかわる内耳(ないじ)が影響を受けて起こる酔いに効きます。頭重感、頭痛からくるめまい、立ちくらみ、耳が聞こえにくいとき、また、血圧の不調を感じるときの特効ツボです。ここを中心に、耳の周辺をゆっくり押すのも効果があります。ツボの位置側頭部の、両耳のすぐ後ろ、頭がい骨の下のへこんだ部分。ツボの刺激法左右のツボを、中指と人さし指の両方で少し強めにひと押し10秒~1分を数回、繰り返します。そのとき、猫背や前かがみにならずに、背筋を伸ばして上半身をまっすぐに立てて押しましょう。丸尾先生は、こうアドバイスを加えます。「1の築賓、2の地機は、酔いの予防に適しています。3の風池、4の頭竅陰は、車酔いや地震酔いなど、今いる場所の振動が原因で起こるめまいや立ちくらみに効果があります。使い分けるといいでしょう」「足のすねの内側を押すことで乗り物酔いの予防になる。また、酔いを感じてからは後頭部を指圧すると効果的」という情報は覚えやすく、押しやすく、ありがたい情報です。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年07月30日突然、ふくらはぎや足の甲、指先にかけて激しい痛みが走るこむら返り。なぜあのような痛みが走るのでしょうか。また、自分でケアする方法はあるのでしょうか。鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、その対策ツボを教えていただきました。■口から息を吐きながらゆっくりと指圧する丸尾先生は、こむら返りの原因について、次のように説明します。「こむら返りを起こすと、筋肉が硬直し、けいれんを起こしてひきつるような感覚と激痛を覚えます。痛みは、数秒から長くても2分程度でおさまりますが、急に痛むので驚き、慌てることもあるでしょう。水泳やジョギングなどハードなスポーツを急に行った、長時間のデスクワーク後に急に立ち上がった、また、冷えているとき、寝ているときや夏の疲労時などによく起こるようで、原因は、水分不足、疲労、ビタミンやミネラル不足、冷えなどと考えられています」また、丸尾先生は、「こむら返りは、『ふくらはぎ』と『すね』につながる筋肉で起こることが多い」と言い、「これらの筋肉のツボを知っておき、痛みが起こったら焦らずに、口から息を吐きながらゆっくりと筋肉を伸ばしたり、指圧するようにしてください」と話します。ではここで、こむら返りに効くツボを教えていただきましょう。■ふくらはぎの筋肉が原因と考えられる場合のツボ1.委中(いちゅう)「委」とは、「曲がる、ゆだねる」、「中」は「中央」の意味があり、足の痛み、足のしびれ、ひざの痛み、腰の痛み、また、腰のだるさなどに効く特効ツボです。ツボの位置ひざの裏の関節の真ん中。ツボの刺激法このツボは、あまり力を入れずに、さする、なでるぐらいの指圧でよいでしょう。刺激がほしい場合は、足を伸ばし、中指でゆるくひと押し10秒~1分を数回、繰り返します。また、いすに座ってひざを両手で包み込み、中指で委中を押しながら足を前後に振ると、刺激が柔らかめに伝わります。2.承筋(しょうきん)ふくらはぎの筋肉の痛みに効くツボです。足の筋肉にたまる老廃物(むくみの原因)の蓄積を防ぎ、こむら返りのほか、むくみ予防の効果もあります。さらに、腰痛で腰からひざの裏にかけての痛みやだるさがある場合も刺激を加えましょう。ツボの位置かかととひざの後ろの間で、ふくらはぎの最も盛り上がっているところの中央。ツボの刺激法ふくらはぎのけいれんが治まってきたら、両手の親指の腹でゆっくりと、ひと押し10秒~1分を数回、もみ込むように指圧し、筋肉の緊張を解いて血流を促します。痛みがあるうちは、ここをゆっくりなでるだけでよいでしょう。■すねの筋肉が原因と考えられる場合のツボ3.足三里(あしさんり)こむら返りが起こったとき、その原因となる筋肉がどのあたりなのか分からない場合は、この足三里を指圧しましょう。足の疲労、腰痛の改善にも効く、下半身の疲労に対する万能のツボです。こむら返りが起こりやすい人は、足が疲れたらまず、このツボを刺激するようにしましょう。ツボの位置すねの骨の外側、筋肉の盛り上がりの上、少しくぼんでいるところ。親指で強く押すと違和感があるところ。ツボの刺激法ひと押し10秒~1分を数回、親指でグッと強めに指圧します。4.太衝(たいしょう)東洋医学では、「衝」という字が使われていると脈拍を感じるツボを表します。太衝はその一つで、大きな拍動に触れるところです。足の痛み、足先の冷え、泌尿器や生殖器の不調、さらにイライラなどの精神的な症状にも効果があります。ツボの位置足の親指と人さし指の間を指で足首のほうにたどり、親指の骨と人さし指の骨がくっついている部分の手前のへこんだところ。ツボの刺激法ひと押し10秒~1分を数回、人さし指や親指で指圧します。おきゅうをするのも効果的です。最後に丸尾先生は、アドバイスを加えます。「繰り返しこむら返りが起こる場合は、痛みのある場所をアイシングし、痛みを取り除いてからツボの指圧を行いましょう。また、日ごろからこれらのツボを指圧したり、おきゅうをしたりと、ケアをしておくことが大切です。血流がよくなって筋肉疲労を緩和し、こむら返りの予防になります」あの嫌な痛みにこれらのツボで対抗できるかと思うと、気分的にも楽になります。運動前後にはいつも指圧しておくなど、予防を心がけておきたいものです。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年06月25日今日はどうも口臭がきついような気がする、というときはありませんか。仕事で大事な会議や打ち合わせ、さらにデートの約束がある日にこれはつらい……。そこで、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、「オフィスや電車で自分で押せる口臭予防ツボ」を教えていただきました。■唾液(だえき)を促すツボを刺激する口臭の主な原因について、丸尾先生はこう話します。「口腔(こうくう)の問題、内臓の疾患、ストレスなどさまざまな原因が考えられます。一般的に、口の中が渇く、唾液(だえき)が少なくなる、歯周病、また、東洋医学で言う『胃熱』のとき、つまり、疲れなどで胃に熱がたまっているような場合に出る口臭の場合は、次のツボを刺激してください」1.湧泉(ゆうせん)足の裏にある、「押せば命の泉湧く」で知られるツボ。刺激をすると、疲労回復、リラックス、それに、唾液(だえき)を促す効果があります。足のむくみ、全身のだるさ、ストレスがあるときにも有効です。ツボの位置:足の指を曲げたときに足の裏にできる「人」の字の中央、少しへこむところ。ツボの刺激法:いすに座り、足をもう一方の太ももに乗せ、親指で少し強めにひと押し10秒~1分ほど、刺激を加えます。オフィスなら、ゴルフボールなどを床に置いて足の裏でコロコロ転がしながら刺激するといでしょう。靴を脱ぎ、足の指をぎゅっと曲げる、伸ばすを繰り返すだけでも刺激になります。2.翳風(えいふう)「翳」は「陰」の意味があり、翳風とは、「陰になる場所にあって風を通す」ということを表します。耳たぶの後ろに位置し、歯周病、歯痛、ほおのはれ、これらが原因で起こる肩こり、首の痛みに効果があります。また、顔のけいれん、耳鳴り、難聴にも有効だと知られています。ツボの位置:耳たぶのすぐ後ろにあるくぼみ。押すと、あごや歯、耳に響く感覚があります。ツボの刺激法:人さし指や中指を使い、上下左右に向けて指圧を加える方角を変えながら、ひと押し10秒~1分ほど、いつでもどこででも何度でも、繰り返し刺激します。3.きょう車ほおと下あごに関係するツボで、口や歯、歯ぐきの痛み、ものを咬(か)みしめることができないときに効果があります。顎(がく)関節症(あごの関節周囲で痛みがある、あごのゆがみ、口が開きにくい、かみにくいなどの機能低下の症状)や、顔のむくみに効くツボとしても知られています。ツボの位置:耳たぶの下から、あごの骨に沿って下がると、えらの部分にあたります。そこから上に向かって中指の幅1本分、向かったところ。あごの力を抜くと少しくぼんでいます。ツボの刺激法:人さし指や中指でひと押し10秒~1分ほど指圧する。また、指で押しながら、口を軽く開ける、閉じるを繰り返すと刺激が増します。いつでもどこででも何度でも、繰り返し指圧してください。「疲れをとり、唾液(だえき)腺を刺激して唾液(だえき)量を促すことが重要です」と丸尾先生。ゴルフボールで足の裏を刺激しながら、耳の下やあごの部分を指圧する……これならいつでも簡単に実践できそうで、なおかつ、足や顔のむくみ対策になるのもありがたいです。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分品川緑/ユンブル)
2012年05月27日鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生は、「腰痛はその原因を知ることが大事です。ここではいつも腰がだるくて痛い、姿勢によっては常に痛むという慢性腰痛を対象に、デスクワークや作業などの仕事中でも、誰もが簡単に自分でさっとケアできる方法とツボについてご紹介します」と話します。■たたく、回す、反る、指圧する「腰がだるい、重いと感じたら、すぐに、『腰のあたりをたたく』、『腰を回す』、『後ろに反る』、その後、『ツボを指圧する』と試みてください」と丸尾先生。以下は、丸尾先生談です。1.腰をトントンとたたく腰に疲れを感じても座ったり休んだりできないときには、まずは背筋を伸ばしてから、両手のこぶしで腰のあたりをトントンとたたきます。血流が促されるため、腰の重だるさを瞬間的に緩和することができます。デスクワーク中などは、椅子に座ったままで行います。歩き疲れ、運動時の疲労には、腰からおなか、脚全体をたたくと、すっとだるさがとれます。また、「強めに速くたたく」と、さらに効果があります。2.腰を回す腰の痛みは、座ったまま、立ち仕事などで、腰を動かさないことで起こることが多いのです。両方の腰骨の出っ張ったところに両手をあて、ゆっくりと回します。左右に各20~100回を1セットとして何度でも行ってください。3.腰を反る腰痛の原因の一つに「猫背」があり、骨盤などにもゆがみが起こります。「背中の左右の腎臓あたりにこぶしをあて、鼻から息を吸って、口から細く息を吐きながらゆっくりと後ろに反り、体の前面をストレッチして背中には力を入れる」という姿勢をとります。反るときに、首を急に後ろにぱたっと倒さないようにしましょう。また、腰に違和感以上の痛みが走る場合は、神経やほかの原因が考えられますので、反るのを中止してください。4.ツボを指圧する筋肉の疲労、姿勢に問題があって腰が痛む場合は特に、ツボを指圧するととても効果があります。次に紹介する特効ツボを、押しやすい指で、ひと押し10秒~1分を数回、繰り返し指圧しましょう。しこりがあるときは、ほぐすようにじっくりと押します。・膀胱兪(ぼうこうゆ)下半身の血流を促す働きがあるツボで、腰痛、坐骨神経痛、冷え性や膀胱炎、便秘の改善に効果があります。ここにカイロを貼ると、これらの症状にとても有効です。ツボの位置と指圧法:お尻の上、仙骨(せんこつ・腰の平らな部分の骨)の中央(背骨の延長線)にある上から2番目のくぼみから、左右の外側へ自分の親指の幅1本半ほど向かったところ。仙骨のくぼみは、ひざを抱えて背中を丸めて座りながら触ると見つけやすいでしょう。・殷門(いんもん)「殷」とは、「大きい、真ん中」、「門」は「邪気の出入り口」という意味があります。座骨神経痛の特効ツボで、慢性腰痛や背中のこわばり、足のしびれなどを訴える患者さんにはここにお灸(きゅう)、鍼(はり)をするとよく効くと言われます。こむら返りにも効果があります。ツボの位置と指圧法:太ももの後ろの中央あたり。いすに座って手を太ももの下に差し入れ、指圧しながら、しこりや違和感がある場所を探します。中指でひと押し10秒~1分を数回、繰り返します。・委中(いちゅう)腰からお尻、足にかけて痛みがあるときの特効ツボで、足のしびれ、ひざの痛みにも効きます。ここを押すと飛び上るほど痛む人もいます。その場合は優しく、指の腹でなでるように指圧しましょう。ツボの位置と指圧法:ひざの裏の関節の真ん中。中指でひと押し10秒~1分を数回、繰り返します。いすに座ってひざを両手で包み込み、中指で委中を押しながら足を前後に振るとより刺激が伝わります。(トップの写真参照)丸尾先生は、次のアドバイスを加えます。「とにかく腰を動かし、ツボ押しで血流増進効果を高めるようにしますまた、ツボには、お灸(きゅう)や鍼(はり)での刺激もお勧めします」どれも日常的に簡単にできる腰痛対策で、ありがたい情報です。痛みが出てからではなく、疲れそうと思ったらすぐに「腰をトントン」から始めて予防しておくのが得策です。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里筋線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年04月15日季節の変わり目や徹夜明け、二日酔い、あるいは特に原因も分からないまま、けだるさ、けん怠感を感じることがあります。鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、「けん怠感や頭をすっきりさせるツボ」について、おうかがいしました。■血流をよくして、体のだるさを解消「オフィスや通勤電車でさっとケアしたいなら、まずは頭部の血流を促すようにしましょう。これからご紹介するツボを中心に、いつでもどこででも、指圧を試みてください」(丸尾先生)1.天柱首のコリがほぐれ、血行が良くなってだるさやぼんやりとした不快感などが和らぎます。ほかにも、頭痛、肩こり、目・鼻・手の痛み、精神疲労やストレスにも効果があります。ツボの位置:後頭部の髪の生え際にある、首の後ろの2本の太い筋肉の両外側にあるくぼみ。ツボの刺激法:手で頭を後ろから包み込むようにして押します。そのまま、頭を前後にたおすと刺激を強くすることができます。2.風池(ふうち)体のだるさを和らげます。二日酔いのときは、僕は、自分でこの風池にハリをしてケアしています。すると、30分から1時間後にだるさやしんどさが軽くなります。ちなみに、風邪の予防にも効果的です。ツボの位置:後ろ髪の生え際沿い、2本の太い筋肉の両外側から左右の耳に向かい、自分の親指の幅2本分ほど離れたところにあるくぼみ。1の天柱と近い位置にあるので、セットで覚えておきましょう。ツボの刺激法:手で頭を後ろから包み込むようにして、左右のツボを親指で同時に押します。天柱、風池ともに反対側の眼球に向かって刺激しましょう。ともに、少し痛いくらいの刺激があるほうが効果があるでしょう。3.承光(しょうこう)頭の上部にあり、意識をはっきりさせてくれます。頭、体、気持ちのけだるさ、頭痛、頭重感、視力減退、目疲れ、鼻づまりのケアにも効果があります。ツボの位置:両方の眉頭(まゆがしら)から真っすぐ髪の毛の生え際へ向かい、そこから自分の親指の幅3本分ほど上がります。さらに、その地点より親指の幅1~2本分ずつ左右へ移動したところ。ツボの刺激法:両手の中指で同時にひと押し10秒~1分、指圧します。もし、左右のどちらか違和感が強いほうがあれば、そちらを長めに刺激してください。最後に丸尾先生は、こうアドバイスをします。「ツボが見つけにくい場合は、おでこから頭部の前側にかけて、いわゆる『前頭葉(ぜんとうよう)』のあたり(トップの画像参照)と、首と後頭部の境目から後頭部のでっぱったあたりまでを中心に、あれこれと指圧してください。違和感を覚えるところが自分のツボですから、そこを探し当て、重点的に指圧をするとよいでしょう」これらのツボを順番に押していると、首から全身に向かってすっきり感が広がるように感じます。ぜひ試してください。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分岩田なつき/ユンブル)
2012年03月10日「東洋医学では、『風の邪気』が背中の『風門』というツボから体内に入り、首の『風池(ふうち)』にたまって、次に後頭部の『風府(ふうふ)』に集まってこじらせる、と考えられています。これらは『風邪の三大特効ツボ』と言われています」と鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生。■「風門(ふうもん)」にカイロをはって風邪を予防では、その「三大特効ツボ」と、丸尾先生お勧めの風邪対策ツボ1つをご紹介しましょう。1.風門(ふうもん)名称の通り、「風邪が侵入する門」であり、同時に、「風邪を防ぐ場所」でもあります。風邪のひきはじめにゾクゾクとするのが、背中のこのあたりです。風邪の邪気がここを通って2番目に紹介する風池にたまると、風邪は悪化します。風邪のひきはじめには、風門を刺激してください。てっとり早い方法として、風門のあたりを使い捨てカイロや蒸しタオルで温める方法をお勧めします。うちの鍼灸院のスタッフはみな、秋ごろからここにカイロを貼(は)っています。ツボの位置:頭を前に倒したときにできる、首の後ろの最も突出する骨(7番めの頸椎・けいつい)から二つ下の骨の両側あたり。ツボの刺激法:両方の中指で指圧します。もしくは、首の後ろあたりに手を回して、届くところにカイロを貼(は)りましょう。2.風池(ふうち)「池」とは「たまる」という意味。つまり、風邪の邪気がたまる場所です。頭の血行がよくなり、頭痛や頭重感、首のこり、微熱、体のだるさ、めまいなどの症状を和らげる特効ツボです。ツボの位置:後ろ髪の生え際沿い、2本の太い筋肉の両外側から左右の耳に向かい、自分の親指の幅2本分ほど離れたところにあるくぼみ。ツボの刺激法:手で後頭部を包み込むようにして、左右の親指で同時に押します。指圧しながら頭をゆっくりと前後すると刺激が増します。3.風府(ふうふ)風邪がさらに進行すると、邪気がこの風府に集まると言われています。こじらせないためには、風府で邪気を食い止めるようにします。特に、鼻水、鼻づまりの特効ツボでもあります。ツボの位置:頭を前に倒したときにできる、首の後ろに最も突出する骨(7番めの頸椎・けいつい)のすぐ下のくぼみ。ツボの刺激法:手で後頭部を包み込むようにして、親指で押します。指圧しながら頭をゆっくりと前後すると刺激が増します。4.大椎(だいつい)最後は、丸尾先生のオススメのツボです。大椎は、大きな椎骨(ついこつ)の下にあるという意味。背筋がゾクッとする、首が張る、頭が重い、扁桃腺(へんとうせん)がはれて急に熱が出た、のどが痛むときなどに効果的です。ツボの位置:頭を前に倒したときにできる、首の後ろに最も突出する骨(7番めの頸椎・けいつい)のすぐ下のくぼみ。ツボの刺激法:中指や人さし指でいろいろな方向に向けて指圧。また、指圧しながら頭をゆっくりと前後すると刺激が増します。丸尾先生は、指圧の方法について、次のようにアドバイスをします。「デスクワーク中など、ちょっとした時間にいつでもどこでも何度でも刺激してください。ツボの位置は人によって微妙に違います。自分で違和感がある場所を探し当て、その周辺を含めてひと押し10秒~1分を繰り返し刺激すると効果的です」「風門にカイロを貼(は)る」を試みたところ、体全体が温まり、なんだか風邪をひく気がしないから不思議です。ぜひお試しください。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分岩田なつき/ユンブル)
2012年03月09日食べ過ぎた後や飲み過ぎの翌日、胸やけがして集中力を欠いてしまうことはありませんか。オフィスでもケアできる方法として、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、「胸の不快感に効果的なツボ」を教えてもらいました。■足のすねと胃は直結している「胸やけは、胃酸がのどもとまで上がってきている状態です。つまり、胃の機能を改善させる必要があります。足には胃腸の経絡(けいらく・体内の気の通り道)があり、足を刺激することも効果的です。これらのツボの刺激には、どれも、親指や中指、ツボ押し棒など押しやすいもので、ひと押し10秒~1分ほど指圧をしてください」(丸尾先生)では、ツボの紹介です。以下は丸尾先生談です。1.足三里(あしさんり)胃、腸、冷え性、足の疲れ、全身疲労、体力増強などの特効ツボです。ツボの位置:すねの骨の外側、筋肉の盛り上がりの上、少しくぼんでいるところ。親指で強く押すと違和感があるところ。2.上巨虚(じょうこきょ)・下巨虚(げこきょ)おなかが鳴るときにも指圧しましょう。ツボの位置:「足三里」から親指の幅3本分下がったところに「上巨虚」、上巨虚からさらに親指の幅3本分の下に「下巨虚」があります。3.懸枢(けんすう)胃腸の症状を整えます。また、腰痛の改善にも効くツボです。ツボの位置:背中の両方の腰骨を結んだ線と背骨の交差するところが、腰椎(ようつい)の4番目と5番目の間になります。指で背骨の突起をたどり、腰骨の1番目と2番目の間に懸枢(けんすう)があります。分からなければ、胃の後ろにあたる背骨を指でたどり、違和感がある箇所を見つけてください。4.気舎(きしゃ)ゲップを排出しやすくするツボです。しゃっくり、のどの痛み、首のこりなどにも効きます。ツボの位置:首の前側、のどぼとけの真下に胸の骨があります。その胸骨と鎖骨と境目の上。両方の人さし指で指圧します。5.巨闕(こけつ)あらゆる胃の症状に対応する胃の特効ツボです。ツボの位置:みぞおち。両手を重ねて、中指の先で指圧します。かたい部分があれば、柔らかくなるまで、優しく指圧を続けましょう。丸尾先生は、最後にこうアドバイスを加えます。「ツボの位置は人それぞれ違います。自分で少しずつ位置を変えながら指圧して、痛いところ、気持ちいいと感じるところを探し当ててください」覚えておくといざというときに役立ちそうなツボばかりです。それに、これらのツボを意識していると、食べすぎない、飲みすぎないように気を付けるということにもつながりそうです。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分岩田なつき/ユンブル)
2012年03月08日何やら頭が重い、集中できない、でも大事な会議と打ち合わせがある……。「そんなときは頭がさえるツボをひと押ししてください」と鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生。■頭のてっぺんに特効ツボあり「頭がさえない、頭重感があるときは、原因として、頭部への血流が滞っていることが考えられます。まずは、肩、首、頭への血流を促すことを考えてください」と丸尾先生は話します。1.百会(ひゃくえ)「百」には、「あらゆる」、「たくさんの」などの意味があり、「百会」とは、「体の道すじが一堂に会する場所」を表します。頭のてっぺんにあるので、その意味も分かりやすいでしょう。頭部の不快感全般のほか、めまい、立ちくらみ、乗り物酔い、二日酔い、血圧の変化、疲れ目、鼻づまり、歯茎のはれなど、多くの症状のケアに有効です。ツボの位置:耳を前に折り曲げたときにできる上端から頭のてっぺんに向かって線を伸ばします。さらに、眉間(みけん)の中心から後頭部に向けて線を伸ばし、両者が交差するところ。ツボの刺激法:頭のてっぺんからおなかあたりまで、まっすぐに体の芯をぬくようなイメージで指圧します。親指、人さし指、中指、あるいはボールペンの頭などでひと押し10秒~1分ほどを数回、刺激します。2.通天(つうてん)1の百会に通じ、百会に気を送り込むツボです。特に後頭部からうなじにかけてのこわばりをほぐし、血流を促す特効ツボでもあります。首、肩のこりが原因で頭が重いと感じる場合は、ここを重点的に刺激してください。また、鼻づまり、抜け毛などの症状にも効くことで知られています。ツボの位置:額の髪の生えぎわの中心から、親指の幅4本分ほど後ろにたどり、さらに両耳の方向へ親指の幅1本半ほど下がったところ。1の百会の両側から、少し前よりにあります。細かい場所は気にせずに、頭頂部をあれこれ触って違和感がある場所を探し当ててください。ツボの刺激法:両方の手で頭を抱え込むようにして、中指でひと押し10秒~1分ほどを数回、指圧します。こめかみを親指で同時に押すとさらに効果的でしょう。3.玉枕(ぎょくちん)「玉」は宝玉、「枕」は「枕骨」を指し、枕があたる後頭部にある宝玉のツボという意味合いです。そのとおり、後頭部にあるツボで、頭部の血行を促し、精神的ストレスによって起こる頭痛、頭重感に効きます。ツボの位置:後頭部の一番出っ張ったところから、左右に親指の幅2本分(3~4センチ)離れたところ。ツボの刺激法:親指でひと押し10秒~1分ほどを数回、指圧します。■足の裏のくぼみは、万能のツボここで、おまけとして、自宅や風呂で押すと効果的な特効&万能ツボを一つお伝えしましょう。4.湧泉(ゆうせん)名称のとおり、人がみな、生まれながらにして持っているエネルギーがわき出るツボを意味します。体の疲労感のほか、不安やストレスなど精神的な原因による頭重感、だるさ、寝つきの悪さを改善し、体調を整える特効&万能のツボです。ツボの位置:足の裏で、足の指に力を入れたときにできるくぼみ。ツボの刺激法:両手の親指やツボ押し棒などでひと押し10秒~1分ほどを数回、指圧します。仕事中ならトイレで押す、もしくは、ゴルフボールを足元に置いてこのツボを刺激するなどでも効果があります。頭をしゃきっとさせるためには、頭頂部から後頭部にかけてと、足の裏を指圧すればいいということが分かりました。なんだか理屈にかなっていて分かりやすいツボばかり。ぼーっとするときにはすぐにひと押ししましょう。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年03月07日鼻水、涙、くしゃみ、頭痛、頭重……「花粉症の辛い諸症状には、ツボを刺激することで対処することができます」と鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生。■小鼻の脇から目頭、頭の前までを刺激「花粉症を発症すると、鼻や目の粘膜が荒れます。東洋医学では、鼻水が出る、鼻がつまるなどは、鼻を通る経絡(東洋医学で言う、気の通り道)が滞ると考えます。気の流れを意識しながら、鼻、目、頭を順番に指圧すると、症状緩和の効果はアップします」と丸尾先生は説明します。以下は、丸尾先生談です。1.迎香(げいこう)鼻水・鼻づまりの特効ツボです。「香りを迎える」という意味があり、鼻がつまってにおいを感じにくくなったときにここを押すとよい、という重要なツボです。ツボの位置:小鼻の両脇、根元のすぐ横のほうれい線(小鼻の両脇から、唇の両端に伸びるしわ)上にあるくぼみ。ツボの刺激法:両手の人さし指や中指で、同時に左右のツボを刺激します。やや強めに押すことを意識し、ひと押し10秒~1分を数回、繰り返します。2.晴明(せいめい)目が疲れたとき、無意識にここを押す人も多いでしょう。このツボは、目に現れるさまざまな症状を緩和する特効ツボです。涙目、目のかゆみ、目の疲れを感じたときにはすぐにここを指圧しましょう。また、鼻の付け根で目頭にあたることから、鼻水、鼻づまり、鼻血など、鼻の機能を調整するツボでもあります。ツボの位置:目頭の脇。ツボの刺激法:指で押さえて上下させると、鼻の奥に違和感を覚える場所、方向があります。そこをめがけてひと押し10秒~1分を数回、繰り返します。1の迎香とセットで覚えておき、迎香から晴明にかけて、鼻筋に沿って人さし指や中指の腹で50~80回ほど上下にマッサージをすると効果的です。3.印堂(いんどう)花粉症など慢性のアレルギー鼻炎、副鼻腔炎などによる、頭までツーンと響く鼻づまり、それにともなう頭痛、頭重感、息苦しさ、不快感などを緩和するツボです。また、精神的な不安があるときはここにおきゅうをすると効果があります。ツボの位置:左右のまゆの間の中央。ツボの刺激法:人さし指か中指で、ひと押し30秒~1分を数回、繰り返します。4.上星(じょうせい)口が渇いて鼻水が濃いときには、ここを長めに強めに刺激します。ツボの位置:前髪の生え際の中央から、真上に自分の親指の幅1本分を上がったところ。ツボの刺激法:人さし指や中指、また、つまようじやペン先の丸い部分で、鼻の奥をめがけてそこにズンと通じるように、強めにひと押し10秒~1分を数回、繰り返し指圧します。中指でトントンと2~3分ほどたたくのもよいでしょう。いずれも鼻を意識し、刺激が鼻に通じる感覚で押すようにします。最後に丸尾先生は、「花粉が飛び散る時期、症状が顕著になったときだけではなく、普段からこれらのツボを意識して指圧することが大事です。ツボ刺激は、予防に役立つのです」とアドバイスします。これらのツボをじっくりと押していくと、鼻の血流が促されたように感じて指圧の効果が分かります。ツボの位置も覚えやすく、オフィスでも実践しやすいので日常的に指圧するようにしたいと思います。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年03月03日残業時、おなかが減ってキュルキュル~、帰宅後のドカ食いでまた太る……を繰り返す筆者ですが、なんとか食欲を抑えるツボはないものでしょうか。そこで、鍼灸師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、「自分でできるツボ・5つ」を教えていただきました。■おなかがすいたら耳を触るまず、丸尾先生は、食欲についてこう説明します。「よく、『やせるツボはありますか』と聞かれますが、ここを刺激すれば体重が減る、というツボはありません。体の機能はつながっていますから、『食欲が過多なとき、不足のときに、その人にとってちょうど良い状態に持っていく。体調に応じて食欲を調整する』というのが東洋医学の考え方です。例えば、『ストレスで食べ過ぎてしまう』、『残業続きで、深夜に食欲がわく』、『水分の取り過ぎでむくんでいる』など、それぞれに有効なツボが違ってきます」食欲過多の場合はその原因を追及し、崩れたバランスを整えるためにツボ刺激をうまく活用したいものです。■耳を指で押す、ひっぱる、つまむだけでOKではここで、具体的なツボを指導してもらいましょう。「オフィスでも通勤電車でも、風呂でもトイレでも、どこででも刺激ができるという点で、耳のツボ刺激をお勧めします。『食欲を抑えたい方は、すぐに耳を刺激する』と覚えておくといいでしょう。耳のツボは、最初は探しにくいと思われがちですが、『1点だけを探す』と思わず、『だいたい痛む場所』という観点で探してください」と丸尾先生。1.飢点(きてん)名称は、飢えを解消するという意味。その名のとおり、食欲を抑え、過食を調整するツボとして有名です。どのような体調のときにでも、食欲過多のバランスをとる効果があるツボです。食事の15分~20分ほど前に刺激すると、食べ過ぎを防ぐとも言われています。ツボの位置:耳の穴の前、少しふくらんだところのやや下にあるへこんだ部分。左右の耳にあります。ツボの刺激法:ひとさし指と親指でつまんだり、ひとさし指や中指で、左右のツボを30秒~3分ほど押す、軽くたたくなど、刺激します。自分の脈の速さに対応させるとより効果的です。また、ヘアピンやつまようじの先の丸い方を使い、あちこちを押してみる、あるいは、いろいろな方向から押してみるなどして、痛い箇所を探して刺激します。ただし、あまりぐいぐい押し過ぎると内出血やケガをしやすいので、注意してください。2.胃胃の働きを調整するには、耳のなかの、胃にあたる場所を刺激します。食べ過ぎ、飲み過ぎたとき、胃、腸など、消化器官が不調のときにも有効です。特に、食道につながる噴門部(ふんもんぶ)は右にあるため、右耳のツボを押さえると効果的です。ツボの位置:耳の一番外側の骨を耳たぶから指でたどっていくと、ちょうど耳の中心にたどりつきます。そのやや下あたりの、痛む箇所を探します。ツボの刺激法:ひとさし指や中指で、左右のツボを30秒~3分ほど押す、軽くたたくなど、刺激します。自分の脈の速さに対応させるとより効果的です。3.肺東洋医学で言う「肺」は、脳の視床下部につながっているとされ、自律神経系、ホルモン系などの中枢神経をコントロールする役割があります。過剰な食欲や、血糖値(血液中の糖分の割合)が高くならないと満腹感を覚えないという状態を調整します。ツボの位置:3の胃のツボの数ミリ下、耳の中の平たい部分。耳の穴の入り口の際(きわ)。ツボの刺激法:ひとさし指や中指で、左右のツボを30秒~3分ほど押す、軽くたたくなど、刺激します。自分の脈の速さに対応させるとより効果的です。また、ひとさし指や中指でいろいろな方向に押して、痛む箇所を探します。4.内分泌(ないぶんぴつ)読んで字のごとく、内側の関にあたるツボです。ここが硬い場合は、体のエネルギーの巡りをせきとめている状態。そうなると、イライラ、ヒステリー、不眠、心臓や胃の不調などの症状が現れます。よって、ここを柔らかく保つようにしましょう。ツボの位置:耳の穴のくぼみの一番下。耳の表面ではなく、くぼみの奥にあるので注意してください。ツボの刺激法:ひとさし指や中指で、左右のツボを30秒~3分ほど押す、軽くたたくなど、刺激します。自分の脈の速さに対応させるとより効果的です。また、親指とひとさし指で耳たぶをつまむようにしてもむ、さするなどもしやすい箇所です。5.陽陵泉(ようりょうせん)最後に一つ、胃酸の過剰な分泌を抑制する足のツボをご紹介。足三里(あしさんり)というよく知られているツボがありますが、ここは「胃酸が不足して消化不良のとき」に対応しますが、陽陵泉は、「胃酸過多を抑制してバランスと整える」という役割があります。ストレスで食べ過ぎる、胃が痛むときに試しましょう。ツボの位置:外くるぶしからひざに向かって、親指で上になでで行くと、ひざの下で骨にぶつかります。その下のくぼみ。ツボの刺激法:親指やツボ押し棒などで、あちこちの角度から押してみて、痛みがある箇所を探します。押す、もむ、さするなどを繰り返しましょう。最後に、丸尾先生は「耳は柔らかいので、ツボの場所にこだわらず、全体を指で、『押す』、『ひっぱる』、『つまむ』だけでも十分刺激になります」とアドバイスします。早速、つまようじの丸いほうで刺激してみると、耳のあちこちに鈍い痛みを感じる箇所を発見。「あ、ここがわたしの耳のツボなんだ」と分かりました。ぜひ、探してみてください。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年02月17日デジタル機器大好きな筆者の悩みは肩こりです。スマホにタブレット、ゲームにノートパソコン。これらを使っているときはもちろん、バッグに全部入れて持ち歩くときも、肩も腕も痛くて重い……なんとかならないものでしょうか。そこで、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、「オフィスや電車で、自分で押せる肩こり改善ツボ・5つ」を教えていただきました。■冷えがあるときは、手の甲→肩へと順に刺激する肩こり解消ツボの探し方について丸尾先生は、「肩周辺だけを押すのではなく、手からひじ、肩にかけて自分の手が届く範囲の場所をあれこれ押していきます。ポイントは、脇やひじという関節の近くを探ることと、骨に沿って触っていくということです」とアドバイスします。ツボの探し方と押し方については、「ツボは肌の表面にあるのではなく、体の深部にあります。それを意識して、押す方向を変えながら自分のツボを探し当ててください。また、ここでご紹介するツボはどれも、一押しで30秒~2分ほど、押す、つまむ、軽くたたくなどして刺激を加えるとよいでしょう。いつでもどこででも何度でも、繰り返し行ってください。ただし、皮膚につめ跡ができる、内出血をする、ケガをするほどまでに押さないようにしましょう。次に紹介する5つのツボは、押す順序などを考える必要はありません。違和感があるツボを重点的に刺激するようにしてください。ただ、冷えやだるさがある場合は、体の末端から中心部まで、つまり、1から5の順番に刺激をしていくとよいでしょう」(丸尾先生)■イライラや不安感が原因の肩こりにも効くでは、具体的にツボをご紹介します。以下の説明は、丸尾先生談です。1.合谷(ごうこく)このツボのくぼみは「谷」のようで、体を巡る気があふれる場所と考えられています。体調に不具合が出ると、左右の合谷のどちらかが、あるいは両方が痛むほど、体調のサインを発するツボです。肩こり対策をはじめ、腰痛、頭痛、歯痛、のどの腫れや痛み、胃腸の不調、だるさ、心身症などにも効果がありますから、覚えておくと応用が利くツボでもあります。ツボの位置:手の甲の、親指と人さし指の骨が交差する部分にあるくぼみ。もう一方の手の親指で押し、人さし指側に向けて押したり、親指と人さし指でつまむようにします、また、親指側や手首に向けてとあれこれ押す方向を変えながら、痛みや違和感を覚える場所を探り当てましょう。2.曲池(きょくち)ひじが曲がる場所にあり、「池」とは「たまる」という意味があります。つまり、「曲がるところに邪気がたまる」というツボです。キーボードを打つ、重い荷物を持つ、またテニスやゴルフによる腕の疲れ、特に、下痢や便秘などで大腸に邪気があるときの肩こりに有効です。ツボの位置:ひじを曲げたときにできるしわの外側にあるくぼみ。ひじの関節に向けてもう一方の手の親指で関節に向けて押しながら探り当てましょう。3.極泉(きょくせん)「極」は終点、最上を表し、「泉」は水がわき出る場所、という意味合いがあります。このツボは、腕の使い痛みに加え、不安や心配ごと、ストレスからくる胸さわぎ、動悸(どうき)などが原因で起こる肩こり、疲労感に有効です。ツボの位置:脇の下の中央を極泉と呼ぶのが一般的ですが、私は、背中側の腕のカーブの頂点のツボを刺激することをお勧めします。もう一方の手の中指で、痛む位置を探し当てます。一般的によく知られている極泉の位置と若干の違いがありますが、ここは小円筋(しょうえんきん)という肩の運動において重要な役割をする筋肉があるため、痛みを感じやすい場所です。4.肩井(けんせい)と5.裏肩井(うらけんせい)肩こりの治療に最もよく効くのが、「肩井(けんせい)」です。「井」は井戸を意味し、肩をめぐる体のエネルギーがわく場所を表しています。このツボを中心に、首すじから肩の先にかけて治療することを「肩井の術」と表現します。また、肩井と相対する胸側のくぼみ(「ツボの位置」参照)は、「裏肩井」と呼ばれています。この2つを同時につまむことで、一気に肩の邪気をはらうようにします。眼精疲労、寝違え、また、イライラやうつなど、精神的な症状があると肩がこわばり、いかり肩になって肩と首のこりが激しくなります。そんな症状の肩をほぐして血流を促し、頭まですっきりすることを意識しましょう。ツボの位置:後ろ首の根元と、肩先との真ん中にあるくぼみ、両手を肩に置いて、中指が当たるあたりが肩井。肩井を中指で押しながら、同時に親指で肩をつまむようにします。親指が当たる位置が裏肩井です。最後に丸尾先生は、こう付け加えます。「肩こりの原因はさまざまですが、デスクではけんこう骨や首を動かさないで指先だけでキーボードを打つ、字を書くなどの作業が続くことが多いのではないでしょうか。疲労感を覚える前に、時々、肩をすくめるようにしてストンと落とす、けんこう骨を中心に腕をぐるぐる回す、手首のストレッチなどを行いながらツボを刺激するとより効果的です」どのツボもすぐに押せるので、位置を覚えやすいのもいいところです。それぞれのツボを押すだけでも瞬間的に血流が促されているのを感じますが、5つのツボを全部押すと、心地よさとすっきり感を覚えることができます。ぜひ習慣にしたいものです。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年02月16日筆者が通う鍼灸整骨院で、「20代の患者さんにこのごろよく聞かれるのは、『腹が立つ気分、怒りをしずめるツボはありますか?』ということです」という話を聞きました。そこで、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、「怒り、イライラを抑えるツボとストレッチ」について、おうかがいしました。■腹が立つ、イライラするときは、全身がこわばっている丸尾先生は、怒りやイライラを感じるときの体の状態を、こう説明します。「腹が立ったり、イライラしているときは、体のあちこちの関節が緊張で硬くなっていることがあります。ですから、意識的に、手首や足首、肩関節を回す、首筋を伸ばす、股(こ)関節をゆるめるなど、屈伸運動のような軽い運動をするとよいでしょう。心の硬さと体の硬さは直結しますので、体の硬いところをほぐして心に働きかけるわけです」ではここで、具体的なツボとストレッチ法を紹介していただきましょう。1.心兪(しんゆ)と厥陰兪(けついんゆ)を刺激するストレッチ心兪(しんゆ)は、カッとなりやすい、イライラする、ヒステリー、心身症などに対応し、ストレス、精神的ショックなどを和らげるツボです。厥陰兪(けついんゆ)の「厥」とは、血液循環が悪い状態を表します。ストレスが体の内にこもり、体が冷えるときに刺激しましょう。ツボの位置:心兪(しんゆ)は第5胸椎(きょうつい)の外側、厥陰兪(けついんゆ)は第4胸椎(きょうつい)の外側です。ともに、けんこう骨の内側で、背骨をはさんで左右に2つずつあります。ツボの刺激法:自分では手が届かず、うつぶせになって人に背中を押してもらう位置にありますが、この2つを同時に刺激する、自分でできるストレッチがあります。両手を背中に回して、手を組みます。組んだ手を体から引き離すようにし、左右のけんこう骨をくっ付けるようにして背中を刺激しましょう。上半身のこわばりがゆるんでいきます。2.腎兪(じんゆ)を刺激するストレッチ東洋医学では、「腎の臓」に邪気が集まると病気になると言いますが、腎兪は腎臓や泌尿器系、また、呼吸器、神経系、婦人科系、の病気から、不眠症、立ちくらみ、腰痛……などさまざまな症状に対応します。ここを刺激、ストレッチをすることで、全身の筋肉がゆるみ、体が柔和になります。ツボの位置:左右の腎臓の上部、背骨の両脇、左右に2つ。ツボの刺激法:軽くこぶしを握って、腎臓のあたりに手を当てます。そのまま、背中を後ろへ反りましょう。いすに座ったままでも、立ってでも行えます。3.神門(しんもん)「神」は心を、「門」は出入り口を表すと言われ、心臓に異常があればここに違和感が生じます。怒り、ヒステリー、イライラ、心身症、不眠症、動悸(どうき)、胸が痛むときは、すぐにこのツボを押してください。高ぶった感情をしずめます。ツボの位置:手のひら側、手首の関節部の小指寄りの端にあるくぼんだ部分。ツボの刺激法:反対の手の指でくぼみを軽く抑え、グーパーか、または手首を前後にぱたぱたと振ることを繰り返します。4.内関(ないかん)読んで字のごとく、内側の関にあたるツボです。ここが硬い場合は、体のエネルギーの巡りをせきとめている状態。そうなると、イライラ、ヒステリー、不眠、心臓や胃の不調などの症状が現れます。よって、ここを柔らかく保つようにしましょう。ツボの位置:手のひらを上にした前腕の中心線上。手首から指の幅2本分ほどひじの方向へ離れたところ。ツボの刺激法:反対の手の親指で、ツボを指圧する。この付近をもみほぐしても効果があります。5.照海(しょうかい)ツボの名称は、「体に異常があるとき、明らかに邪気が集まる場所」という意味です。小さなことに腹が立つ場合や、特に、女性のイライラ、怒り、月経不順や月経にともなう精神不安や不快な症状に効きます。ツボの位置:内くるぶしの下にある大きなくぼみ。見つけやすいツボです。ツボの刺激法:指で指圧するほか、デスクワーク中や通勤電車では、反対の足の親指で刺激するとよいでしょう。ツボの刺激の仕方について丸尾先生は、次のように説明します。「あまり強く押し過ぎず、自分が『効いているな』と思う程度の強さで、一つのツボにつき30秒ほど、5~10回指圧をします。また、さする、もみほぐす、なども繰り返してください。ストレッチは、『伸びているな』と自覚する感覚を大事にして、いつでも何度でも行うようにしましょう」最後にこうアドバイスを加えます。「カッとなった、むかついた、キーッと感情が高ぶったとき、すぐさまこれらのツボを刺激したり、ストレッチを行ったりしてください。一瞬で、気分が変わるようになります」最近「イライラする」という方は、ぜひお試しください。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)【関連リンク】【コラム】鍼灸(しんきゅう)師に聞く。オフィスで目疲れ解消ツボ・ベスト5【コラム】怒り、疲れ、不安を癒やすツボとは?【コラム】ツボ押してスッキリ!自分で簡単にできる足裏マッサージ
2012年01月12日