不動産投資で「よい物件があります」と紹介されても、絶対に鵜呑みにしてはいけません。どんなに営業マンが商品のメリットを並べて魅力的な投資に見えたとしても、それは綿密に作られた営業マニュアルをもとに、魅力的に見せているだけかもしれません。今回は、そんなよくある不動産投資の営業テクニックや裏側をご紹介します。不動産投資の営業が一方的に販売したいだけの物件がある不動産投資会社からの電話営業でおすすめ物件を紹介されたら、たとえ大手の不動産会社からであったとしても、まずは疑ってみる必要があります。必ずしも不動産投資会社がおすすめする物件は、実際に紹介された人にとってぴったりの商品ではないことが多いからです。なぜそのようなことが起こるのでしょうか?不動産会社の内情を知ると、その背景が見えてきます。不動産投資の営業の内情不動産投資の営業が売りたいだけの物件を紹介する理由は、不動産投資の営業の給料の仕組みが大きく関わっているからです。その仕組みを知っておけば、不動産投資の営業の言いなりになってはいけないという背景が理解できます。不動産投資営業の給料は歩合給不動産投資の営業の給料は、通常は「基本給+歩合」で成り立っており、会社によってそれぞれですが、おおよそ以下のような仕組みになっています。基本給15万+歩合給(仲介手数料の20%)基本給20万+歩合給(仲介手数料の15%)基本給なし歩合給のみ不動産投資の営業にとっていかに歩合給の部分が大切かがお分かりいただけると思います。歩合給を上げる方法は2つ仲介手数料と不動産会社の給料の仕組みを見ると、自分の収入を上げるためには以下の方法があることがわかります。取引物件価格を上げる仲介手数料を上限に近づける(※)※仲介手数料は宅地建物取引業法で上限が決まっています。不動産投資営業のモチベーションをアップさせる「担ボー」歩合給を上げる方法としては前述の2点があげられますが、さらに不動産営業のモチベーションをアップさせるため、裏金とも言えるボーナスが存在します。それを「担ボー」と言います。「担ボー」付きの物件は営業が儲かる「担ボー」とは担当者ボーナスの略で、一般的には売主がどうしても売ってほしい物件に対して、仲介手数料とは別に支払われる特別ボーナスのことを言います。仲介手数料は宅地建物取引業法で上限が決まっていますので、それに上乗せするということで実際は「裏金」に当たり、不動産を仲介した会社を通すことができず営業マンに直接支払われます。「担ボー」付きの物件を販売すると、不動産投資の営業自身が儲かる仕組みになっています。売主が「担ボー」を払いたくなる物件とは物件価格にもよりますが、「担ボー」は100万円くらいになることもあります。仲介手数料以外にわざわざそのような大きなお金を払ってでも、どうしても売ってほしい物件とはどんな物件でしょうか?人気物件ならば高値で売却できますし、わざわざボーナスを個別に営業に支払う必要などありません。ということは、「担ボー」が付く物件はなかなか入居者が見つからないような「売れ残り物件」である可能性が高いことが予想できます。不動産投資で売りたい物件を販売する営業テクニック不動産投資の営業は海千山千です。不人気の「担ボー」物件も含めて、営業は売りたい物件を売るコツを心得ています。不動産投資で失敗しないためにも、不動産投資の営業が販売に使うテクニックについて知っておきましょう。条件の悪い物件と比較して本命をよく見せる本当に売りたい本命物件より「価格が高い、築年数が経過している」など、本命よりも条件が悪い物件を比較対象に並べ、本命物件を魅力的に見せる方法です。一応比較をしているので、1つの物件を押し売りされた感がなく、比較対象にするのは条件が悪い物件ですから、本命物件が一番お買い得に見えてくるのは当然です。単純ですが、不動産投資の営業がよく使う手法です。未公開物件を売りにするインターネットや広告には掲載されていない未公開物件というものが存在します。未公開ということは、告知しなくても売れる物件ととらえることもできます。しかし、ずっと公開しているのに売れ残っていることを知られたくないために未公開としている場合や、事故物件ということを知られたくないというマイナスの要因で未公開物件としているケースもあります。未公開物件だからプレミア物件、お買い得物件なわけではないことも知っておきましょう。不動産投資のマニュアルトーク不動産投資の営業の基本的なマニュアルの中には、これまで紹介した営業テクニックのほかにも、初対面や面識がない人に不動産投資を魅力的に見せるような心を引くフレーズがちりばめられています。基本的な営業トークをご紹介しますので、もし当てはまった営業トークが出てきたら、安易に信用しないよう気をつけましょう。[adsense_middle]「不動産投資は年金代わりになりますよ」「不動産を購入し入居者が決まれば、毎月家賃収入が月に〇万入ります。現役時代にローンも並行して返済していく必要がありますが、返済が終われば毎月安定した収入が見込めるため、老後の年金の上乗せになります。」このように言われた場合は、不動産は年月ととも築年数が経過すれば、仮に退去したときに次の入居者が決まらないリスクがあることや、入居者を見つけても家賃を下げざるを得ないケースが将来出てくることを考慮しておく必要があります。「不動産投資は生命保険の代わりになります」「不動産投資の物件を購入するとき、ローンを利用すれば団体信用生命保険(団信<だんしん>)というものに加入をします。毎月返済している人が万が一お亡くなりになった場合は残債がなくなり、不動産という資産が手に入ります。」その資産が家賃を生み出してくれるのですから、確かに生命保険の代わりになるという考え方は間違いではありません。しかし、不動産はやはり年月が経てば劣化しますし、空き室リスクがあるため生命保険のほうが確実に決まった金額でお金を残せるでしょう。「不動産投資は節税になります」「不動産投資は物件価格を数年にわたって費用に計上できます。不動産投資では赤字が発生するため、サラリーマンは給料の収入と合算すると税金の還付が受けられます。」概要だけ聞くともっともな話ですが、そもそも不動産という大きな投資なのに、赤字前提での運用という点は疑問が残ります。節税対策として不動産投資を活用するにはもう少し緻密な収支計算が必要で、しっかり収支のシミュレーションをしてくれない営業は信用できないでしょう。電話や訪問時の応酬話法不動産投資の営業は電話でも訪問でも、すべてにマニュアルが存在します。最初に断られるのはもう承知の上で、その反対を切り返す応酬話法というものを心得ています。タチの悪い不動産投資の営業は、電話や訪問をする前に営業のロールプレイングを済ませていて、とにかくああ言われればこう返すという手法を心得ていることを知っておきましょう。営業のロールプレイングとはほかの社員をお客様役に見立てて、営業が想定できる反論や疑問点について、すべて切り返すことができるように商談の事前練習を行うことです。電話、訪問、契約時などあらゆる場面でロールプレイングを行って商談に臨む営業も中には存在します。利回りなどメリットばかりを強調不動産投資のメリットとなる部分を強調して、マイナスになる部分は表示されていないことがあります。またはさらっと書かれているため、注意深く見たり、よくよく考えたりしないと気が付かないような表記にしてあるケースもあります。メリットばかりを強調する事例【前提条件①】物件価格2000万円、家賃月8万、利回り4.8%と表記【前提条件②】3.6%の金利で30年間返済していくぱっと見ると、利回り4.8%なので少しよい投資に見えてしまいます。しかし2000万円の物件を購入しないといけないことを忘れてはいけません。2000万円についてすべて融資を受け、3.6%の金利で30年間返済していくスケジュールの場合、毎月の返済額は約9万円です。赤字前提の負のループ家賃月8万円で返済額が月9万円ならそもそも赤字です。「年間12万円の赤字は給料と合算すると節税効果になりますよ。なおかつローンが払い終われば8万円すべて収入になります。」というような営業トークはよくある事例です。節税はそのとおりですが、そもそも赤字を発生させる前提がおかしいという点もありますし、このケースでいえば家賃8万円が30年間ずっと維持できるかの保障はありません。築年数が経てば家賃が下がる可能性も高く、そうなるとさらに赤字幅は広がっていきます。たまらず売却をしようとしても思った値段で売れずに残債が残り、さらに毎月マイナスが発生するという負のループが出来上がってしまいます。不動産投資会社のしつこい勧誘の断り方不動産投資の営業は、歩合給であるがゆえに勧誘も必死という場合が多いです。そして営業トークも販売マニュアルも非常によくできていて、断る方法も至難の業です。もし不動産の営業で勧誘が来たら、どのように対処したらよいのでしょうか?いざというときの断り方についてご紹介します。[adsense_middle]きっぱり断るきっぱり断るのは単純ですが、最もよい方法です。不動産投資の営業は電話営業や飛込営業など、数をこなせばいずれ話を聞いてくれる人がいて、契約にいたることがあるのは事実です。また、仲介手数料が大きいので、1000人に1人でも1件販売できれば歩合給は大きいといえます。断ることに気まずい思いをするかもしれませんが、上記の理由から、自身は不動産営業マンにとって勧誘している大勢の中の1人とも考えられます。断ることにストレスを感じる必要はなく、自分の意思をはっきりと伝える姿勢が大切です。勧誘にはとにかく取り合わない勧誘パターンはさまざまです。少しでも怪しさを感じたら、どんなケースでも入口の時点で取り合わないことが大切です。電話なら、会わない・出ない・着信拒否を心がけましょう。訪問営業でもドアを開けない・家に入れないことが大切です。キャッチセールでも連絡先を教えない・絶対に会う約束を取り付けないなどが考えられます。どうしても断れないときは公的機関をちらつかせるあまりにしつこい勧誘や、応酬話法を熟知している営業マンには、公的機関に連絡することをちらつかせるのが最も効果的です。不動産投資も含めて、不動産業全般でしつこい営業活動をすることは宅地建物取引業法で禁止されています。そのため、「国土交通省や消費者生活センターに相談します」と公的機関をちらつかせて断ることも方法の1つです。それでも収まらなければ、実際に公的機関に連絡をして相談しましょう。不動産投資で失敗しない4つの要件不動産投資を長く経験している人は、これまで述べてきた営業マニュアルや営業トークはすぐに見抜くことができるでしょう。しかし、不動産投資に慣れていない人や、まだ不動産投資の経験が間もない人は見抜くことができずに投資に失敗してしまうかもしれません。ここでは、不動産投資で成功するための要件をご紹介します。不動産投資の目利きを磨くには、とにかく物件を見ること不動産投資の物件選びはとにかく足を運んでみることが大切です。物件の立地が駅から近いか、郊外でも商業施設などが近く便利な場所にあるかを確認しましょう。広告には都合のいいように記載されていることがあるため、自分の目と足で確認をすることで自然と物件の目利きも上達していくでしょう。不動産会社を訪問する不動産投資においては、信頼できる会社か、信頼できる営業かどうか、肌で感じる感性も大切です。実際に不動産投資を始めるなら、不動産会社をいくつか訪問してみましょう。不動産投資のノウハウは身近に成功している人から得る不動産投資の物件探しや信頼できる営業探しといっても、なかなか最初から判断することは難しいこともあるでしょう。そのような場合は、その地域で実際に成功している人からノウハウを学ぶのが一番確実です。セミナーやSNSのコミュニティ自体の信頼性には注意が必要ですが、それらに参加することで成功している人に出会える可能性が高まるでしょう。緻密な情報収集と判断力不動産投資は、新築、中古、マンション、戸建てそれぞれ個別のノウハウがあります。マンション投資で成功したから戸建てでも同じ手法が通じるというわけではありません。石橋を叩いて渡るような気持ちで細かな知識を収集し、決めるときは即決断する判断力をあわせ持つ必要があります。不動産投資の営業は、本当によい物件は売り込まない不動産投資において本当によい物件は売り込む必要がありません。本当におすすめの物件は、よく購入してくれたり、不動産投資で成功していて実績のあるお得意様に真っ先に連絡がいったりするのが通常です。もし不動産投資の営業からおすすめ物件を紹介されたら、まずは疑ってみることが大切といえます。不動産投資の営業のテクニックに惑わされて失敗しないように、多くの人脈や情報をもとに慎重に検討していきましょう。
2020年06月05日住宅ローンにはさまざまな種類があって、どの住宅ローンを選べばいいか悩むという方は少なくないでしょう。本記事では、これから住宅ローンを利用する予定の方に向けて、住宅ローンの選び方のポイントや人気の金融機関をご紹介していきます。住宅ローンの選び方のポイントここでは、住宅ローンを選ぶ際のポイントとして以下の3つをご紹介したいと思います。金利タイプを決めよう金利を含めたトータルコストを算出しよう審査の通りやすさも確認しようそれぞれについて見ていきましょう。金利タイプを決めよう住宅ローンにはさまざまな種類がありますが、基本的な制度はどれも同じです。中でも重要なのが「変動金利」や「固定期間選択型金利」、「全期間固定金利」といった金利タイプです。これらの金利タイプにはそれぞれ特徴があり、すべての住宅ローンから選ぶとなると大変ですが、最初に金利タイプを決めてしまうと、ある程度絞った中で金融機関を選ぶことができます。それぞれの金利タイプの特徴については、後ほどご紹介していきます。金利を含めたトータルコストを算出しよう住宅ローンの基本的な制度はどの金融機関でも同じなのですから、住宅ローンを比較するときには、より低コストで利用できるかどうかをポイントにすることが重要です。ただし、コストを比較するにあたり、単に金利だけを比較するだけでは十分ではありません。住宅ローンは金利以外にも団体信用生命保険、保証料、事務手数料などさまざまな費用がかかるため、これらのコストを含めたトータルコストで比較検討することが大切です。審査の通りやすさも確認しようお得に利用でき、かつ自分に合った住宅ローンを見つけられたとしても、審査に通らなければ融資を受けることはできません。住宅ローン選びの3つ目のポイントとして、住宅ローン審査の通りやすさも確認しておくとよいでしょう。住宅ローンの3つの金利タイプとそれぞれのポイント住宅ローンには変動金利と固定期間選択型金利、全期間固定金利の3つがあります。変動金利とは金利が変動するリスクのある金利タイプで、金利の変動リスクがある分、3つの金利タイプで最も金利水準が低くなっているのがポイントです。一方、全期間固定金利は住宅ローンの融資を受けた段階で最後の返済日まで返済額が確定する金利タイプで、安心して返済していける代わりに、3つの金利タイプの中で最も金利水準が高くなっています。固定期間選択型金利は、10年間など選択した期間だけ固定金利で、期間経過後はもう一度固定金利を選択するか、変動金利に移行するかを選べる金利タイプです。変動金利と全期間固定金利をミックスさせたようなものだと考えるとよいでしょう。以下、金利タイプごとに向いている人の特徴を見ていきたいと思います。変動金利に向いている人はこんな人変動金利に向いている人の特徴としては以下のようなものが挙げられます。とにかくお得に利用したい方金利水準を定期的にチェックして、場合によっては借り換えも検討できる方いざというときは繰上げ返済できる方変動金利は3つの金利タイプの中で最も金利水準が低いため、とにかくお得に利用したいという方に向いています。ただし、常に金利が変動するリスクがあるため、融資を受けた後に金利が上昇してしまうと、総返済額が高くなってしまう可能性がある点に注意が必要です。金利水準を定期的にチェックできる方で、かつ金利が上がったとき、もしくは上がりそうと感じたときには、ほかの金利タイプに借り換えしたり、一括返済したりできる方にはよりおすすめな金利タイプです。全期間固定金利に向いている人はこんな人全期間固定金利が向いている人は以下のような方です。金利のチェックや借り換えが面倒な方最初から最後まで安心して返済していきたい方全期間固定金利は、住宅ローンの融資を受けた段階で最後の日の返済額まで確定するため、最初から最後まで安心してローンを返済していきたいという方におすすめです。定期的な金利チェックや、金利が変動したときの借り換えなどが面倒という方は、全期間固定金利に向いているといえるでしょう。ただし、3つの金利タイプの中で最も金利水準が高くなってしまうため、借入期間中に金利水準が変わらないか、下がった場合には総返済額が最も高くなってしまう点には注意が必要です。固定期間選択型金利に向いている人はこんな人固定期間選択型金利に向いている人は以下のような方です。将来的に収入の増加が見込める方将来的に出費の減少が見込める方固定期間終了後に金利が高くなる場合、繰上返済できる方固定期間選択型金利は10年間など、当初選択した期間だけ金利が固定されるもので、固定期間終了後は再度固定金利を選ぶか、変動金利に移行するかを選ぶ必要があります。3つの金利タイプの中では、変動金利よりは金利水準が高く、全期間固定金利よりは低いという位置づけです。「キャンペーン金利」に注意当初の固定期間終了後は、仮に店頭金利が変わらない場合でも適用金利が高くなってしまうことが多い点には注意が必要です。金融機関のホームページなどで見られる住宅ローンの金利の多くは「キャンペーン金利」と呼ばれるもので、「住宅ローンの新規融資をする方にだけ適用される金利」です。例えば、10年固定の店頭金利が2.5%の金融機関で、住宅ローンを新規借り入れする場合に限り1.5%の金利優遇を受け、1.0%で借りられるといった形です。固定期間選択型金利で固定期間を再選択するとき、このキャンペーン金利の適用を受けることができない場合が多いです。金利の再選択時には金利優遇幅が小さくなることが多く、例えば上記ケースで金利の再選択時の金利優遇幅が1.0%という金融機関では、例え10年間で金利水準が変わっていなくとも、金利が0.5%上昇してしまうことになります。このため固定期間選択型金利は、当初固定期間終了後に繰上返済できる方におすすめです。また、例えば10年固定金利を選ぶ場合に、「10年後には給料が上がっている可能性が高い」という方や、「10年後は子供が大学を卒業して教育費の負担が小さくなっている」という方にも向いている金利タイプだといえます。[adsense_middle]金利以外の費用を含めたトータルコストで考えよう住宅ローンは金利の差が目につきやすいですが、金融機関を比較するときは金利差だけでなく、その他の費用も含めたトータルコストも見ることが大切です。住宅ローンの金利以外の費用には以下のようなものがあります。団体信用生命保険保証料事務手数料それぞれ見ていきましょう。団体信用生命保険住宅ローンを組むときは、原則として団体信用生命保険に加入する必要があります。団体信用生命保険とは、返済中に債務者が死亡したときに、住宅ローンの残債を0にできる保険のことです。多くの金融機関で、団体信用生命保険の保険料は金利に含まれています。一方、金融機関によっては単に死亡のみを対象とした保険だけでなく、「ガン」や「3大疾病」「8大疾病」などを対象としたものもあることがあります。これら死亡以外を対象とする団信に加入する場合は、金利に0.2%~0.3%加算されるのが一般的ですが、金融機関によっては金利負担なしで借りられるパターンもあります。このため、金利差に加えて、団体信用生命保険の保障内容がどうなっているかも確認しておくことが大切だといえます。保証料住宅ローンを組むときは、金融機関が保証会社をつけることが多いです。保証会社とは、仮に債務者がローンの返済を延滞することが続いたとき、保証会社が金融機関から住宅ローンの債権を買い取るという契約をするもので、その保証料は債務者が負担する必要があります。保証料は利用する金融機関によって、また審査次第で変わります。例えば、みずほ銀行の住宅ローンでは、借入期間35年のとき、借入額1,000万円につき「206,110円~721,470円」となっています。保証料の額に差があるのは、審査によって返済が滞るリスクが低い場合には保証料も低く、リスクが高い場合には保証料が高くなるということです。仮に3,000万円借りるとすると、みずほ銀行では最大で216万円もの保証料がかかってしまうことになります。2つの金融機関で住宅ローンの審査を出したとき、A金融機関ではリスクが高いと判断され保証料が高く、一方のB金融機関ではリスクが低いと判断され保証料が安くなるといったことも珍しくはないため、保証料まで含めた比較が重要となります。また、フラット35やネット銀行は基本的に保証料無料となっています。事務手数料住宅ローンの融資をするには、金融機関の窓口の担当者がさまざまな手続きを行います。そのための手数料として支払うものが事務手数料です。通常3万円~5万円+消費税程度といった形が多いですが、住宅金融支援機構のフラット35やネット銀行等では、借入額の1.5%~2.0%といった形で設定されているのが一般的です。例えば、3,000万円の借入では45万円~60万円ですから、結構な金額となります。こうした理由からも、金利や保証料の額、事務手数料の額等、それぞれ単体で考えるのではなく、トータルコストでどの金融機関がお得かを考えることが大切だといえます。住宅ローンの審査についてお得に利用できる住宅ローンを見つけたとしても、審査に通らなければ利用することはできません。また、先述の通り、住宅ローンの審査次第で保証料が高くなったり安くなったりすることもあります。このため、金融機関を選ぶときは住宅ローンの審査についても考慮することが大切だといえるでしょう。なお、たとえある金融機関で住宅ローンの審査が否決だったとしても、他の金融機関では住宅ローンの審査に通ったといったことはよくあることです。自分に合った金融機関を複数ピックアップしつつ、審査が否決になった場合には別の金融機関への審査に出すことも考えておくとよいでしょう。[adsense_middle]徹底比較!【金利タイプ別】2020年人気の住宅ローンおすすめランキングここからは、変動金利と固定金利、全期間固定金利それぞれについて人気の金融機関ランキングをご紹介していきます。変動金利のおすすめ住宅ローンランキング変動金利の住宅ローンおすすめランキングは以下の通りです。ジャパンネット銀行じぶん銀行住信SBIネット銀行【変動金利:1位】ジャパンネット銀行本記事で、金利だけでなくトータルコストも考えるべきとお伝えしていますが、上位3行については、いずれも低金利かつトータルコストも低く抑えられるようになっています。具体的には、3行とも保証料が0円なのです。その上で、ジャパンネット銀行の変動金利は0.399%と業界最低水準の金利となっています。【変動金利:2位】じぶん銀行じぶん銀行は、上記のとおり保証料0円であることに加え、通常の団信に加えてガン団信と全疾病保障が保険料無料で利用できるようになっています。がん団信や全疾病保障は、金利に0.2%~0.3%程度上乗せする金融機関が多いので、特に保険を手厚くして住宅ローンを借りたいと思っている方にはこれ以上ない住宅ローンだといえるでしょう。なお、じぶん銀行の変動金利は0.41%です。【変動金利:3位】住信SBIネット銀行住信SBIネット銀行も保証料無料に加え、全疾病保障の保険料が無料となっています。かつ、変動金利の金利0.428%と非常に低い金利設定です。なお、3行とも保証料は無料ですが、事務手数料として借入額の2%程度を支払う必要があります。事務手数料を含めても他の金融機関より圧倒的にお得に利用できますが、事務手数料については覚えておくようにしましょう。固定期間選択型金利の住宅ローンおすすめランキング次に、固定期間選択型金利の住宅ローンおすすめランキングは以下の通りです。じぶん銀行りそな銀行新生銀行【固定期間選択型金利:1位】じぶん銀行変動金利と同じく、固定期間選択型金利でもじぶん銀行はお得に利用できるようになっています。先述の通り、じぶん銀行は保証料や団信も含めてのトータルコストを含めてお得で、これは固定期間選択型金利でも同様です。さらに、じぶん銀行の固定期間選択型金利は0.550%と業界最低水準となっています。【固定期間選択型金利:2位】りそな銀行りそな銀行はじぶん銀行などと異なり、店舗のある金融機関ですが、住宅ローンにおいてはネット銀行と同じく保証料無料で利用できるようになっています。ただし、事務手数料は借入額の2.2%を支払う必要があります。さらに、りそな銀行では「事務手数料無料で保証料を一括払いするタイプ」や「事務手数料無料で保証料を金利上乗せにするタイプ」も用意されています。借入時にまとまった支払いができない場合に、保証料金利上乗せタイプを選ぶといった選択も可能なのです。りそな銀行はネット銀行と同じく、手続きをインターネット上で済ませることができる点でも画期的です。なお、りそな銀行の10年固定金利は0.645%と非常に低い金利水準となっています。【固定期間選択型金利:3位】新生銀行新生銀行も店舗のある金融機関としては珍しく、保証料無料で利用できるプランが用意されています。さらに新生銀行では事務手数料についても、借入額×2.2%の定率型や、借入額に関わらず一律55,000円の定額型など、いくつかのパターンから選べるようになっています。10年固定の金利は0.800%と、ネット銀行やりそな銀行と比べるとやや高い水準となっていますが、上記制度と組み合わせることでお得に利用できる可能性があります。また、りそな銀行や新生銀行のように店舗のある金融機関については、何かあれば窓口で相談できる点もポイントとなるでしょう。全期間固定金利はフラット35がおすすめ民間の金融機関でも全期間固定金利が用意されていることもありますが、多くの場合は高い金利設定となっています。全期間固定金利を選ぶのであれば、住宅金融支援機構のフラット35一択と考えてよいでしょう。フラット35は民間の金融機関が窓口となって融資をします。どの金融機関で融資を受けても住宅ローンの内容は変わりませんが、金融機関によって事務手数料の額が変わります。これは単純に比較するだけなので、お住まいの地域で利用できる金融機関数社で比較検討してみるとよいでしょう。例えば、優良住宅ローンのフラット35は通常の物件で事務手数料が借入額×0.8%と、一般的な金融機関と比べて安く利用できるようになっています。おすすめの住宅ローンに関するまとめおすすめの住宅ローンについて、住宅ローンの選び方や金利タイプごとのポイントなどをお伝えするとともに、それぞれ特徴のある金融機関をお伝えしました。住宅ローンを選ぶときは、まずは金利タイプを決めた上で、金利や団信、保証料などを含めたトータルコストで比較することが大切です。これから住宅ローン選びをされるという方は、ぜひ本記事の内容を参考になさってください。
2020年06月03日住宅ローンには実に多くの種類があり、そのどれもが基本的な仕組みを同じとした商品であることから、どの住宅ローンを選べばよいかを決めるのは難しいものです。そんな中でも、住宅ローンを選ぶにあたり押さえておくべきポイントはあります。本記事では、住宅ローンを決めるにあたり、押さえておきたい4つのポイントをご紹介していきます。ポイント1:変動金利or固定金利の選び方住宅ローンを選ぶ際、最初に「どの金融機関がよいか?」から決めるより、「変動金利と固定金利のどちらを選べばよいか?」を決めるほうが効率的です。というのも、どの金融機関を選んでも、変動金利や固定金利という仕組み自体は同じだからです。ここでは、変動金利と固定金利それぞれの特徴とメリット・デメリットを見ていきたいと思います。変動金利の特徴とメリット・デメリット変動金利はその名のとおり変動する金利で、変動するというリスクがある一方、固定金利と比べて低い金利設定になっているのが一般的です。変動金利の最大のメリットはその金利の低さです。例えば、みずほ銀行の変動金利は0.625%~0.875%、固定金利のうち、10年固定は0.85%~1.10%とおおよそ0.2%程度の金利の違いがあります。一方、金利が変動するため、借入時の金利が低くとも将来金利が上がると、総合的な返済額は固定金利より高くなってしまう可能性があります。このため、「金利が下降傾向もしくは横ばい傾向にあるとき」は変動金利を選ぶのがおすすめといえます。将来の金利変動を読むことはできる?とはいえ、実際のところ将来の金利水準を読むことは不可能といってもよいでしょう。ここ10年程度、金利は「底」と言われ続けていました。底ということは、もう上がるしかありません。しかし、日本は2016年にマイナス金利を導入したため、さらに金利が下がることになりました。このようなことは誰にも予測できないでしょう。金利が上がったら繰上返済できるのがベスト金利を完全に読むことはできないため、将来的にお得か損かを天秤にかけて変動金利か固定金利を選ぶのは難しいことです。一方、ある程度の蓄えがあり、「金利が上がったら繰上返済できる」という状況を作れるのであれば、変動金利を選んだほうがよいといえます。こうすることで、変動金利の低い金利で融資を受けつつ、仮に金利が上がったときはその影響を低く抑えることができるからです。「そもそもお金があれば融資を受ける必要はないのでは」と思うかもしれませんが、そうとも言えません。マイホームの購入には、住宅以外にもさまざまなお金がかかるものです。手元にある程度のお金を残しておいたほうが何かあったときに安心できるでしょう。また、特に住宅ローンを借りてから13年間は、住宅ローン年末残高の1%について所得税と住民税から控除を受けられる住宅ローン控除があるため、その期間中は実質的な金利負担なしでお金を借りられます。固定金利の特徴とメリット・デメリット固定金利には最初に選んだ期間だけ固定される固定期間選択型金利と、フラット35など借入期間中ずっと同じ金利で借りられる全期間固定金利があります。固定期間選択型金利とは固定期間選択型金利とは、10年など借入時に固定する期間を選び、期間経過後は再度固定期間を選択(金利の再選択)するか、変動金利に移行するかを選ぶというものです。固定する期間が長い程金利が高くなる傾向にあり、かつ固定期間が短いとすぐに金利の再選択をする必要があるため、程よい期間といえる「10年固定金利」の人気が高いです。なお、一般的に固定期間選択型金利の金利は、変動金利よりは高く、全期間固定金利よりは低くなっています。将来的な借り換えも視野に入れよう固定期間選択型金利の落とし穴ともいえるのが、「キャンペーン金利」の存在です。最初に固定期間選択型金利で住宅ローンの融資を受ける際、その金利は通常「キャンペーン金利」の適用を受けます。金融機関が、自行を選んでもらうために低い金利で融資をしてくれるというわけです。例えば、10年固定金利の店頭金利が2.5%のところ、キャンペーン金利で1.0%で貸してくれるといった具合です。一方、金利の再選択時には、このキャンペーン金利の適用を受けることはできないのが一般的です。仮に金利の再選択時の優遇幅が1.0%だった場合、仮に10年間で店頭金利が全く動いていなかったとしても、10年固定金利を再度選ぶと、その金利は1.5%に上がってしまうのです。10年固定金利を選ぶのであれば、10年経過後は一括返済するか、ほかの金融機関に借り換えすることも検討するとよいでしょう。全期間固定金利とは全期間固定金利とは、借入期間中ずっと同じ金利で借りられるというもので、金利の変動リスクを全く考慮する必要がない分、変動金利や固定期間選択型金利と比べて高い金利設定となっているのが一般的です。仮に35年間ずっと同じ金利水準であれば、変動金利と全期間固定金利の総返済額の差は大きなものになります。例えば、借入額3,000万円、借入期間35年のとき、変動金利の金利を0.8%だと仮定すると総返済額はおおよそ3,440万円となります。一方、同じ条件で全期間固定金利の金利を1.2%と仮定すると、総返済額はおおよそ3,675万円となり、235万円もの差があることが分かります。ただし、35年もの間ずっと金利が変わらないということはあまり考えられません。場合によっては、変動金利のほうが総返済額がずっと大きくなる可能性もあるでしょう。全期間固定金利は、借入時の金利は高いものの、安心して返済していける住宅ローンだといえます。ポイント2:団体信用生命保険の内容を確認しよう次に確認しておきたいのが、団体信用生命保険の内容です。住宅ローンを組むときは通常、団体信用生命保険といって、債務者が亡くなると住宅ローンの残債分の保険金を受け取れる保険に加入します。[adsense_middle]銀行ごとに異なる保険商品この団体信用生命保険は住宅ローンを借りる金融機関ごとに内容が異なります。もちろん、債務者が亡くなると残債分の保険金を受け取れるという部分は同じですが、それ以外の「保障内容」や「保険料の取扱い」に違いがあるため、事前に確認しておくことが大切です。保障内容の違い団体信用生命保険には、債務者の死亡のほか、ガンや3大疾病(ガン、心筋梗塞、脳卒中)、8大疾病(3大疾病+高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)を保障対象としたものなどさまざまあります。また、保障対象は同じであっても、「残債分の保険金を受け取れる」ものや「入院1日につき10,000円の給付を受けられる」ものなど、受け取れる保障内容にも違いがあります。住宅ローンを借りようと思っている金融機関でどのような団体信用生命保険を取り扱っているのか、あらかじめ確認しておくようにしましょう。保険料の取扱いの違い団体信用生命保険は、保険というからには保険料を支払う必要があります。この保険料の取扱いも金融機関ごとに異なります。一般的に団体信用生命保険の保険料は「すでに住宅ローンの金利に含まれているもの」と「金利に上乗せする形で支払うもの」、「住宅ローン借入時に別途支払うもの」の3つのタイプがあります。死亡のみを対象とした一般的な団体信用生命保険では、1つ目の「すでに住宅ローンの金利に含まれているもの」が多く、3大疾病や8大疾病など、手厚い保険を選ぶと金利に0.2%~0.3%プラスされるといったものが一般的です。一方、金融機関によってはガンや3大疾病、8大疾病などの保険を金利負担なしで利用できるケースもあります。特に手厚い保険を利用したいと考えている方は、このように団体信用生命保険を少ない負担で利用できる金融機関を探してみるとよいでしょう。住宅ローン利用に合わせて既存の生命保険を解約する団体信用生命保険は、亡くなったときに住宅ローンの残債分の保険金を受け取れる保険です。例えば、住宅ローンの残債が2,000万円あるときに債務者の方が不幸にも亡くなってしまった場合には、2,000万円分の保険金を受け取ることができ、遺された家族は家に住み続けることができるほか、家を売却してまとまった資金を受け取ることもできます。このことから、住宅ローンの融資を受けると同時に生命保険を解約したり、保障内容を見直したりするのも1つの方法です。例えば、生命保険を見直すことで毎月の保険料負担分が5,000円浮くとすれば、その分を住宅ローンの返済に充てることもできます。こう考えると、団体信用生命保険の保障内容をよく選ぶことは、金利を選ぶのと同じくらい重要なことだと感じられるのではないでしょうか。ポイント3:金融機関ごとに審査基準が異なる住宅ローンを選ぶにあたり、金融機関ごとに審査基準が異なる点もポイントだといえます。当たり前のことですが、住宅ローンを利用するにはまず審査をパスしなければ始まりません。住宅ローン審査のポイントは年収と属性、個人信用情報の3つ住宅ローンの審査基準は金融機関ごとに少しずつ異なりますが、基本的には借りる人の年収と属性、個人信用情報の3つがよく見られます。年収は高ければ高いほど借りやすく、また借入可能額にも影響します。属性とは、勤め先が役所などの公務員なのか、会社員なのか、会社員であっても1部上場企業に勤めているのか、中小企業なのかによって審査結果が変わります。最後の個人信用情報は、過去に借りたローンで延滞などしていないかを確認するもので、過去に一度でも延滞をしていると住宅ローンを借りるのが非常に難しくなります。勤め先の会社で審査結果が変わることもある住宅ローンの審査のポイントはどの金融機関でも大きく変わりありませんが、ある金融機関では審査に落ちたのに、別の金融機関では審査に通ったということも少なくありません。これにはさまざまなことが考えられますが、そのうちの1つに勤め先の会社によって審査の結果が変わるということがあります。一般的に、ローンの審査の際には上場企業など信用の高い企業ほど審査をパスしやすく、一方で中小企業は慎重に審査がなされます。ただし、例えば地方銀行や信用金庫などで融資を受ける際には、勤め先の企業が中小企業であっても会社の融資などで関係していることが多く、財務状況がよければ想像以上によい評価を得られるといったことがあります。そのほか、金融機関によっては公務員に積極的に融資するケースがあるなどさまざまです。例えば同僚が住宅ローンの審査を受けたのであれば、その結果がどうだったのかなど聞いておくと、自分の住宅ローン選びのときに役立つでしょう。ポイント4:借入時の負担額を比較しよう住宅ローンを利用する際、金融機関に対して事務手数料や保証料などを支払うことがありますが、これらの負担額は金融機関によって異なります。場合によっては100万円以上の違いがでることもあるため、事前に確認しておくことが大切です。[adsense_middle]事務手数料の違い事務手数料とは、住宅ローンを利用するにあたり、金融機関が行うさまざまな事務手続きに対して支払うものです。50,000円~100,000円程度で設定されているところが多く、中には無料のところもあります。なお、住宅金融支援機構のフラット35を利用する場合、金融機関は窓口となるだけで利息を得ることができないということもあり、借入金額×1.5%など高めの設定となっています。仮に3,000万円借りるのであれば、事務手数料だけで45万円の負担となることから、金利などと含めて慎重に検討することが大切だといえるでしょう。なお、フラット35については次に説明する保証料が不要となっています。保証料の違い保証料とは住宅ローンの保証会社に対して支払うものです。住宅ローンの融資を受けた後、万が一返済が滞った場合には、金融機関は残債を回収しなければ大きな赤字となってしまいます。そこで、あらかじめそうした延滞リスクを避けるために利用されるのが保証会社です。保証会社を利用した住宅ローンの場合、債務者が住宅ローンを延滞して返済の目処が立たない場合には、金融機関の代わりに保証会社が肩代わりすることになります。保証会社は、そうしたリスクを引き受ける代わりに保証料を受け取るのです。保証料は住宅ローンの審査の結果、延滞の可能性が低いと判断されると安く、逆に延滞の可能性が高いと判断されると高く請求されることになります。例えば、みずほ銀行の場合、借入金1,000万円あたりの保証料の額は206,110円~721,470円となっています。なお、金融機関によっては保証料不要のケースもあります。事務手数料と併せて、複数の金融機関でしっかり比較検討することが大切だといえるでしょう。住宅ローンの選び方に関するまとめ住宅ローンの選び方について4つのポイントをお伝えしました。本記事でお伝えしたとおり、住宅ローンを選ぶときには金利の違いはもちろん、団体信用生命保険の内容や借入時の各種手数料などを含めて総合的に判断することが大切です。住宅ローンを選ぶときには本記事でお伝えした4つのポイントに沿って、それぞれどのような取扱いになっているか、検討している金融機関を1社1社比較していくことをおすすめします。
2020年05月28日マイホームの購入を検討されている方の多くが住宅ローンを利用することもあり、まずは住宅ローンに通るのかを心配される方は多いようです。本記事では、そうした方に向けて、住宅ローンの審査基準や承認を得るためのポイントなどを解説していきます。住宅ローン審査の方法と流れマイホーム購入時には多くの方が住宅ローンを利用するでしょう。このため、まずは住宅ローン審査の承認を得ることが重要になります。ここでは、住宅ローンの審査についてその方法と流れをご紹介します。マイホーム購入前の準備まずはマイホーム購入前の準備として、住宅ローン審査のために以下の書類を用意しておくようにしましょう。源泉徴収票や所得証明書ほかのローンに関する明細書身分証明書それぞれ解説します。源泉徴収票や所得証明書住宅ローンでいくら融資を受けられるかは年収によります。住宅ローン審査に必要な書類としても、年収を確認するための書類としても、物件探しの前に源泉徴収票や所得証明書を準備しておきましょう。サラリーマンの方の場合、源泉徴収票は勤務先から受け取ることができます。また、自営業の方の場合は昨年分の確定申告書の控えを用意します。住宅金融支援機構のフラット35など、金融機関によっては自治体で発行される所得証明書の提出が必要になる場合もあります。ほかのローンに関する明細書住宅ローンの審査を受ける前に、マイカーローンやカードローン等ほかで借入がある場合には、これも住宅ローンがいくら借りられるかに影響するため、物件探し前に明細書を確認しておくことをおすすめします。多くの場合、明細書はローン借入時に発行されます。紛失した場合は再発行してもらう必要があるため、借入先に連絡するとよいでしょう。身分証明書最後に、住宅ローン審査時には身分証明書が必要になります。当初は家を買う予定がなくとも、物件の見学に行ったときに気に入った物件があれば、買付申込~住宅ローンの事前審査と進むこともあるため、あらかじめ用意しておくと万全です。住宅ローンの事前審査~金融機関による物件査定等事前準備を済ませ、物件を見学した結果、気に入った物件が見つかった場合、まずは物件を購入できるかを確認するために事前審査を行います。事前審査では、先に準備した書類一式が必要になります。事前審査申込書に記入し、金融機関に提出すると、物件の情報や審査申込人の年収・勤め先などの情報をもとに審査が行われます。この事前審査はおおむね1週間程度はかかると考えておくとよいでしょう。住宅ローン以外の借入が多いといった場合には、審査にもっと時間がかかることもあります。売買契約締結~住宅ローン本審査事前審査の承認を得られたら、物件について売買契約をした後に住宅ローンの本審査となります。金融機関にもよりますが、事前審査で承認を得ており、審査内容に大きな違いがなければ本審査でも承認となることがほとんどです。住宅ローンの本審査には1週間~2週間ほどかかるのが一般的ですが、審査基準ぎりぎりの場合などには1カ月以上かかることもあります。住宅ローンの本審査承認を得られたらそのまま決済と進むことができますが、否決になると当然物件を購入できません。なお、金融機関により審査のポイントが異なり、同額を借りる場合でも、ある金融機関では通らないものの、別の金融機関では承認となるといったケースもあります。心配な方は最初から複数の金融機関に審査を提出することを考えてもよいでしょう。住宅ローン審査の基準と承認を得る条件住宅ローン審査で承認を得るためにはどのような条件を満たしておくとよいのでしょうか?審査基準などは金融機関により少しずつ異なりますが、大きくは違いがありません。ここでは、住宅ローン審査で承認を得るための一般的な条件をお伝えしていきます。借入比率が基準を満たしていることまずは、借入比率が金融機関の設定する基準を満たしている必要があります。借入比率とは、年収のうちいくらがローンの返済に充てられているかを示すもので、マイカーローンなど住宅ローン以外の借入の返済と、新しく借りる住宅ローンの返済との合計額で計算します。また、借入比率は金融機関ごとに異なり、例えばみずほ銀行の借入比率は以下のように設定されています。目安として確認しておきましょう。みずほ銀行の借入比率年収300万円以上400万円未満:35%年収400万円以上700万円未満:40%年収700万円以上:45%例えば、年収400万円の方がみずほ銀行で住宅ローンを組む場合、400万円×40%=160万円/年まで住宅ローンやそのほかのローンの返済に充てられるということになります。仮にマイカーローンで毎月5万円、年間60万円の返済をしているのであれば、新しく借りられる住宅ローンは年間100万円、月に8.3万円程度までとなる計算です。なお、住宅ローン実行までにマイカーローンなど、ほかのローンを完済してしまえば、借入比率の限度額まで借りることも可能となります。個人信用情報に傷がないことまた、個人信用情報に傷がないことも重要なポイントとなります。個人信用情報とは、ローンを借りたり、クレジットカードを作ったりしたときにその情報が登録されるもので、毎月の返済や延滞情報が蓄積されています。住宅ローンを融資する金融機関は、融資したものの返済されなければ損をしてしまうため、個人信用情報には非常に厳しいです。一般的に、個人信用情報に1つでも傷があると融資を受けるには非常に難しくなります。なお、例えば存在を忘れていた返済の延滞や、カードなどの切り替えがうまくいかなかったことを原因とした延滞など、何らかの理由がある場合でも承認を得られない場合が少なくありません。特に数年以内に住宅ローンを借りるつもりがある方は十分に注意する必要があります。なお、借入比率についても個人信用情報についても、基本的には基準に満たない場合には審査で承認を得ることが非常に難しくなりますが、例えば年収の高さや、公務員や1部上場企業の社員のように属性がよいなど、ほかにプラスとなる材料があれば承認を得られることもあります。住宅ローン審査のポイントここまでを踏まえて、住宅ローン審査時には以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。あらかじめ借入可能額を把握して物件探しをしよう借入比率を満たさない場合は事前完済を検討しよう否決になってもほかの金融機関で承認となる可能性はあるそれぞれ確認していきます。[adsense_middle]あらかじめ借入可能額を把握して物件探しをしようマイホーム購入は、住宅ローンがいくら借りられるか次第で購入する物件が変わるという方も少なくありません。このため、物件探しをするために自分はいくら借りられるのかを把握しておくことをおすすめします。これには、以下の2つの方法があります。自分で計算する借入可能額は自分で計算できます。借入可能額の計算には、先述の借入比率と審査金利と呼ばれる指標を用います。審査金利とは借入可能額を算出するために用いる金利で、金融機関ごとに異なりますが、3%など実際の住宅ローン金利より高く設定されています。借入可能額を計算する方法さて、借入比率と審査金利を用いて借入可能額を計算する方法を見てみましょう。例えば年収400万円の方が、借入比率35%、審査金利3%の金融機関で借入期間35年の住宅ローンの審査を受ける場合、以下のように計算します。住宅ローンの返済に充てられる額を求める:400万円×35%=140万円金利3%で借入期間35年、100万円借りる場合の返済額を求める:46,176円/月上記1.を2.で割って100を掛ける:140万円÷46,176円/月×100=約3,031(小数点以下切り捨て)上記ケースでは、約3,031万円まで借りられる計算となります。(※返済額については住宅金融支援機構の返済額シミュレーションなどを用いましょう。)なお、審査金利や借入比率は金融機関ごとに異なるため、自分で計算するためにはあらかじめ聞いておく必要があります。まずは事前審査を提出してみる自分で計算する方法以外におすすめなのが、まずは事前審査を提出してみる、ということです。住宅ローンの審査では、審査申込人の年収や属性、個人信用情報のほか、物件の情報も見られますが、審査申込人の年収などの比重が大きいのが一般的です。このため、例えばある物件で3,000万円の事前審査の承認を得ていた場合、物件を変えたとしても同額の承認を得られる可能性が高いのです。とはいえ、審査を申し込むには購入予定の物件情報を申請する必要があるため、いくつか見学してみて、その中で気になる物件を住宅ローンの対象にして事前審査を受けてみるとよいでしょう。借入比率を満たさない場合は事前完済を検討しよう先の計算では考慮していませんでしたが、住宅ローン以外にマイカーローンなどの借入がある場合には、借入可能額も少なくなってしまいます。ほかの借入があることが理由で十分な額の借入ができない場合には、事前完済することも考えましょう。手持ちの資金で事前完済が難しい場合には、売買契約時の手付金を少なくしてもらえるよう掛け合ったり、ご両親から借りたりといったことを検討するのも1つです。否決になってもほかの金融機関で承認となる可能性はある住宅ローンの審査は、本記事でご紹介した基準や条件を満たしていても否決となることがあります。例えば個人信用情報が「ホワイト」、つまり過去に何も借入していないことを理由に否決となってしまうようなケースがあります。ローンを借りて返済すると個人信用情報にそのことが記録されますが、何も借入していない方はそうした情報がありません。何も借りていないのですから安心できそうなものなのですが、お金を貸す側からすると何も情報がない=返済しないかもしれないと考えられてしまうケースがあるのです。こうした審査基準は金融機関ごとに、また場合によっては担当者によっても異なります。否決になったら理由を確認しよう住宅ローンの審査は金融機関や担当者によっても異なります。このため、1つの金融機関で否決となったからといって諦めず、ほかの金融機関でも審査を試してみるようにしましょう。このとき、がむしゃらに審査を出すのではなく、否決となった理由を聞いておくことをおすすめします。「総合的に判断して否決」という理由を伝えられることも多いですが、丁寧に否決の理由を教えてくれる場合もあります。中には、自分も把握していなかった借入があったことが原因で否決となることもあります。こうしたケースでは事前完済するなど、原因を解消することで審査の承認を得られる可能性を高めることができます。住宅ローン審査に関するまとめ住宅ローン審査について、審査の流れや基準、承認を得るためのポイントなどをお伝えしました。基準や条件は金融機関ごとに異なるものの、大きくは違わないため、まずは本記事の内容を参考に審査を進めるとよいでしょう。その上で審査が否決となってしまった場合には、その原因を追及しつつ、少しずつ状況をよくしてほかの金融機関に審査を提出することで、承認を得られる可能性を高めることができます。
2020年05月22日住宅ローンは借入額が大きいこともあり、融資を受ける前にはいろいろな悩みが生まれるのではないでしょうか。そうした悩みのひとつに、住宅ローン返済中にもし自分が死んでしまったら…?というものもあるでしょう。本記事では、住宅ローンの返済中に死亡してしまったらどうなるか、手続きや注意点を含めて解説していきます。住宅ローンの返済中に契約者が死亡したらどうなる?住宅ローンの返済中に契約者が死亡してしまったらどうなるのでしょうか?結論からお伝えすると、住宅ローンを組むときには通常団体信用生命保険に加入するため、住宅ローン支払い中に契約者が死亡した場合は残債を0円にすることができます。なお、通常の団体信用生命保険の保険料は金利に含まれているとされ、追加で保険料等支払う必要はありません。団体信用生命保険で保証される内容団体信用生命保険の内容は利用する金融機関によって異なりますが、一般的に、団体信用生命保険では契約者が「死亡」したときに加え、「高度障害状態」になったときに適用を受けられます。高度障害状態とは?高度障害状態とは、病気やけがで身体機能が重度に低下している状態のことで、例えば住宅金融支援機構の団信では以下のような状態を想定しています。両眼の視力を永久に失った状態言語またはそしゃく機能を失った状態中枢神経または精神に著しい障害を残し終身常に介護を要する状態胸腹部臓器に著しい障害を残し終身常に介護を要する状態両上肢とも手関節以上で失ったかまたはその用を永久に失った状態両下肢とも足関節以上で失ったかまたはその用を永久に失った状態支払人本人以外も適用を受けられるの?住宅ローンの返済途中で、配偶者など支払人本人以外が同じ状態になった場合はどうなるのでしょうか?これについては、住宅ローンを連帯債務者として一緒に返済しているようなケースで、契約者本人以外の方も対象となる団体信用生命保険に加入していた場合は、適用を受けられます。連帯債務者など契約者本人以外の方が団体信用生命保険の適用を受けられるかどうかは契約内容次第ですので、銀行に確認しながら進めるようにしましょう。適用範囲の広い団体信用生命保険もある団体信用生命保険には、死亡や高度障害を対象とするもの以外に、以下のようなものもあります。ガン団信3大疾病団信8大疾病団信ガン団信は、死亡や高度障害以外に所定のがんと判断されたときに保険の適用を受けられます。同じように3大疾病団信は「がん・急性心筋梗塞、脳卒中」を、8大疾病は3大疾病にプラスして「高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎」が対象となります。ただし、所定の状態になったときに住宅ローンの残債が0円になるものと一定期間の返済額を補填されるものがあり、保険によって内容が異なるため事前に確認しておく必要があります。なお、ガン団信や3大疾病、8大疾病を選ぶと住宅ローンの金利0.2%~0.5%加算されるのが一般的です。ただし、中には他の住宅ローンと差別化を図るため、金利負担なしで範囲の広い団体信用生命保険を利用できる金融機関もあります。団体信用生命保険の手続き団体信用生命保険はどのような手続きが必要なのでしょうか?ここでは、「団体信用生命保険に加入する手続き」と、所定の状態になり「団体信用生命保険の適用を受ける手続き」の2つをお伝えします。[adsense_middle]団体信用生命保険に加入する手続き団体信用生命保険に加入する際の一般的な手続きは以下のようなものです。住宅ローン審査時に申込書と告知書を提出する団信の審査承認が得られれば融資実行と同時に団信に加入告知書とは自分の健康状態について申告するもので、入院歴や服薬歴がある場合にはそれらを記入します。ただし、借入額が一定以上ある場合には別途、医師による健康診断結果証明書を提出しなければならないこともあります。団体信用生命保険の適用を受ける手続き団信の規定する所定の状態になり、団信の適用を受ける際には融資を受けた金融機関に連絡して必要書類を提出する必要があります。例えば、不幸にも亡くなってしまった場合には以下のような書類を揃える必要があります。団信弁済届死亡証明書や死亡診断書死亡事実記載のある住民票書類を提出した後、団信を取り扱う生命保険会社が内容を審査し、問題なければ保険金の支払いがなされます。団体信用生命保険の注意点団体信用生命保険については、以下のような点に注意しましょう。世帯主と団信の関係年齢が若い程損をする?健康状態が悪いと住宅ローンの審査承認を得られない借り換え時にも団体信用生命保険の審査は行われる保険が重複するケースがある?世帯主と団信の関係団信は通常契約者本人のみが対象となるものです。ところで、奥様が契約者本人になるような場合で世帯主がご主人といったケースや、ご主人が契約者本人であっても、勤め先の都合等により奥様を世帯主とするようなケースでは、団信の規定に影響があるのでしょうか?この点、特に世帯主かどうかは団信の内容に関わりありません。団信は若い程損をする?実は団体信用生命保険は若い程損をして、年配者程得をする設計となっています。一般的な生命保険であれば年齢が若い内に加入した生命保険は保険料が安く、年を取ってから加入すると保険料が高くなってしまいます。これは、年を取っている方が健康を害したり、死亡してしまったりする可能性が高いからで、至極当然のことだといえるでしょう。一方、団体信用生命保険は年齢に関わらず、加入者全員で同じだけ負担することになります。このため、民間の生命保険と比較すると、団信は年の若い方ほど損をする仕組みとなっているのです。20代の方などは、フラット35など団信への加入が任意の住宅ローンを利用して、団信を利用せず、同額の保険を民間の生命保険で探すとお得です。この場合、住宅ローンの残債が下がるごとに保険金を下げるよう、「低減型生命保険」への加入を検討するとよいでしょう。健康状態が悪いと住宅ローンの審査承認を得られない団信は申込時に告知書を提出する必要があり、過去の病歴等によっては団信の審査で承認を得られないことがあります。住宅ローン利用時に金融機関が団体信用生命保険をつけているのは、「仮に債務者が死亡してしまった場合でも、保険で残債を回収できる」からです。このため、通常は団信の承認を得られない場合には住宅ローンの審査承認も得られません。年を重ねると必然的に病気になる可能性が高くなってしまうため、住宅購入を考えている方はなるべく早く動いたほうがよいといえます。ちなみに、住宅金融支援機構のフラット35であれば団体信用生命保険への加入が任意となっているため、健康に問題がある方は必然的にフラット35の利用を考えるというケースが多くなります。また、民間の金融機関であっても、一定以上資産があるケースや年収が十分に高い場合には、団体信用生命保険の加入なしで融資を受けられるケースもあります。借り換え時にも団体信用生命保険の審査は行われる団体信用生命保険について注意しなければならないことは、住宅ローンの借り換え時にも団体信用生命保険の審査は行われるということです。最初の借入時には健康上の問題がなかった方でも、借り換えするまでの間に何らかの病気を経験していた場合には団信の承認を得られず、借り換えできないケースがあります。ある意味、住宅ローンと健康はセットに考えていたほうがよいといえます。保険が重複するケースがある?住宅ローンを利用する前に民間の生命保険に加入していた方は、団信に加入することで民間の生命保険と保険内容が重複してしまうケースがあります。例えば、3,000万円の住宅ローンで団信に加入する場合、3,000万円の逓減型生命保険に加入しているのと同じだといえます。仮に、融資を受ける前にすでに3,000万円の定期保険に加入していたようなケースでは、死亡時に2つの保険を併せて6,000万円分の保険金を受け取れることになります。もちろん、多く受け取れることは悪いことではありませんが、必要以上の保険に加入すると保険料の負担が大きくなってしまいます。こうしたこともあり、既に民間の生命保険に加入されている方が新しく団信に加入する場合には、一度保険の見直しをすることをおすすめします。団信に加入せずに死亡してしまった場合はどうなる?住宅ローンは通常団信とセットですが、任意加入のフラット35で団信に加入しない選択をしたようなケースで、実際に死亡してしまった後はどうなってしまうのでしょうか?[adsense_middle]返済途中の住宅ローンを相続人が引き継ぐ団信に加入していなかった方が死亡してしまった場合、後は相続の問題となります。相続人が住宅ローンを引き継ぐかどうかの判断を行い、引き継ぐ場合には亡くなった方と同様に毎月住宅ローンを返済していかなければなりません。なお、相続放棄する場合には以下の順で相続順位が移っていくことになります。相続放棄の判断は、相続の開始があったことを知ってから3カ月以内にしなければなりません。もちろん、相続放棄を選択すると資産である家も相続を放棄することになります。基本的には、同居していた配偶者の方や子供が相続人になるケースが多いでしょう。相続人となった場合には、相続開始から10カ月以内に相続税の支払いもしなければならない点に注意が必要です。ちなみに、この辺りの手続きは団信に加入していた場合でも、住宅ローンの残債がないというだけで基本的には同じ流れとなります。住宅ローンを引き継ぐ手続き相続手続きとは別に、相続人となった方は住宅ローンを引き継ぐ手続きも進めなければなりません。相続人となった方は、金融機関に対して以下のような書類を届ける必要があります。相続届(金融機関の用意する書類)法定相続人全員の分かる戸籍謄本等遺産分割協議書の写し等(相続人全員の印鑑証明書も必要)【番外編】つなぎ融資完済前に死亡してしまったらどうなる?住宅ローンを組んでいる方が死亡したらどうなるかについてお伝えしてきました。ここでは、番外編として住宅ローンを組む前、つなぎ融資の段階で死亡してしまったらどうなるのかについてお伝えしたいと思います。注文住宅の場合はつなぎ融資を利用する必要がある住宅を購入するにあたり、一から住宅を新築するケースでは、建物の新築請負契約から住宅ローン実行までの間につなぎ融資を受ける必要があります。住宅ローンは、原則として完成した建物を対象に融資を行うものです。一方、建物の新築工事では建物完成前に請負価格のそれぞれ3割程度を「着工金」や「中間金」として支払わなければなりません。これらの資金を対象として融資を受けるのがつなぎ融資です。例えば2,000万円の住宅を建てるにあたり、着工金として600万円、中間金として600万円必要なのであれば、これら1,200万円分をつなぎ融資で借りて、建物完成後に住宅ローン2,000万円を実行することでつなぎ融資を完済する、という手続きを取ります。相続人が住宅ローンを組めるケースと組めないケース上記と同じ例で、例えば1,200万円のつなぎ融資を受けてから、建物完成までの間に契約者が死亡してしまった場合はどうなるのでしょうか?この場合、相続人となる方が住宅ローン2,000万円分について審査承認を受けられるだけの年収があれば、その方が引き継げば問題はありません。折角の住宅新築にあたり親族を亡くしてしまったという大きな悲しみはあるものの、つなぎ融資分1,200万円分について住宅ローン2,000万円で完済してしまえば手続きは終了です。一方、配偶者やお子様等に住宅ローンを組むだけの十分な年収がない場合、つなぎ融資分1,200万円分についてどのように返済していくかを金融機関と話し合わなければなりません。場合によっては新築工事もストップしなければならないでしょう。つなぎ融資にも団信があるただし、実はつなぎ融資にも団信がついているものがあります。団信がついている場合、すでに融資を受けた1,200万円分について団体信用生命保険の適用を受けることができ、残り800万円について住宅ローンを組むかどうかの問題となります。住宅ローンを組む場合は、当初より借入額を少なくできるため、少ない負担で返済していくことができるでしょう。一方、住宅ローンを組まない選択をする場合、新築工事をストップして解体してもらう必要があるでしょう。すでにかかった工事費用と解体費用とを合わせて1,200万円以上かかっている場合には差額を支払わなければなりません。このため、実際にはほとんどの場合住宅ローンを組む選択をすることになります。つなぎ融資には団信がついているものとついていないものがあります。団信がついているとやや金利負担が大きくなることがありますが、数か月の間とはいえ何が起こるか分かりません。つなぎ融資を利用する際には、できるだけ団信のついたものを利用することをおすすめします。住宅ローン返済中に死亡した場合に関するまとめ住宅ローンの返済途中に死亡してしまった場合の手続きや注意点等、主に団信についてお伝えしました。住宅ローンを組むときにあまり将来死んだときのことは考えないという方もいらっしゃるかもしれませんが、何十年にも及ぶ返済期間中は何があるか分かりません。しっかり団信の内容を理解したうえで住宅ローンを組むことをおすすめします。
2020年03月21日住宅ローンを組むときにどのような影響があるか気になる方もいらっしゃるでしょう。本記事では、奨学金が住宅ローン審査に与える影響や、審査を出すときの注意点、計算方法などお伝えしていきます。奨学金を返済中だと住宅ローン審査に影響するの?自動車ローンなど一般的なローンは利用していないものの、学生時代に借りた奨学金が残っていて、住宅ローン審査にどう影響するのか心配といった方は多いのではないでしょうか。奨学金には給付型と貸与型の2種類があり、給付型の場合は返済不要のため住宅ローン審査に影響はありませんが、貸与型の奨学金で住宅ローン審査時にまだ返済している場合には借入として見られてしまいます。なお、貸与型には第一種奨学金と第二種奨学金の2種類があり利息の有無等の違いがありますが、基本的にはどちらであっても住宅ローン審査に影響が及びます。住宅ローン審査に影響しない奨学金もある?奨学金は原則として住宅ローン審査に影響が及びますが、奨学金の種類によっては審査に影響しないものもあります。例えば、日本学生支援機構の奨学金は平成20年に個人信用情報機関に加盟しているため、平成20年以前に同機構から貸与を受けていた場合には住宅ローン審査時にばれない可能性が高いです。なお、上記の場合あくまでも金融機関に申告しないという選択をすることになります。このため、住宅ローンの審査を申し込む金融機関の口座で奨学金の返済をしていないか確認しておく必要があります。奨学金返済中でも住宅ローンを借入する方法奨学金の貸与を受けていると原則として住宅ローン審査に影響が及ぶことをお伝えしました。とはいえ、奨学金があると不利にはなりますが住宅ローンを組めないわけではありません。奨学金を完済して住宅ローンを組むまずは住宅ローンの融資実行までの間に奨学金を完済する方法があります。これまで貯金してきた自己資金があるような場合や、ご両親から援助を受けられる場合で、奨学金を完済できるのであればこちらの方法を選ぶとよいでしょう。住宅ローン融資実行までに完済できるのであれば、何の影響もなく住宅ローンの審査を受けることができます。返済比率内に借入額を調整するまた、奨学金の返済額と新しく借りる住宅ローンの返済額、年収の額によっては奨学金があっても住宅ローンの融資を受けることは可能です。住宅ローンの審査では、借入可能額を計算する際に返済比率を用います。返済比率を確認しよう返済比率とは、年収の内、住宅ローンやその他ローンの返済額の比率がいくらになるのかを示すものです。返済比率は以下の計算式で計算できます。返済比率=住宅ローンやその他ローンの返済額÷年収×100(%)例えば、年収400万円の方が住宅ローンで月に10万円、奨学金で月に2万円返済するようなケースでは、返済比率は(10万円+2万円×12カ月)÷400万円×100(%)=36%となります。住宅ローンの審査時には金融機関ごとに定められた返済比率以下に納めなければ融資を受けられません。例えば、住宅金融支援機構では以下のように返済比率が定められています。つまり、上記の計算では返済比率が36%になっているため、借入額を少なくして住宅ローンの返済額を抑えなければ融資の審査承認を得ることはできません。例えば、住宅ローンの返済額を9.5万円に抑えれば(9.5万円+2万円×12カ月)÷400万円×100(%)=34.5%となるため、返済比率内に抑えることは可能となります。ただし、利用条件内であっても返済比率が高いとそれだけ審査に不利となり、減額承認や否決になってしまうこともある点には注意が必要です。審査金利を確認しよう返済比率の計算方法についてお伝えしましたが、実は返済比率の計算において求める住宅ローン返済額は金融機関ごとに設定される審査金利で行われます。例えば、借入期間35年、借入額3,000万円の場合、審査金利が1%であれば毎月返済額は約8.5万円ですが、審査金利が3%だと毎月返済額は約11.5万円になります。フラット35の場合審査金利は実質金利(審査時点の融資金利)で計算されますが、民間の金融機関だと2~3%に設定されていることも多く、それだけ返済比率は高くなってしまいやすいです。特に奨学金のある方が住宅ローン審査を受ける際には、先に金融機関に審査金利について確認しておくとよいでしょう。奨学金に延滞歴がある場合どうなる?奨学金があっても返済比率次第では借入できることをお伝えしましたが、奨学金の返済途中、何らかの理由で延滞してしまった場合はどうなるのでしょうか?奨学金を延滞した履歴がある場合、個人信用情報にその旨が登録されることになります。住宅ローンの審査では個人信用情報に延滞歴が登録されている場合、大きなマイナス要因となります。原則として、延滞歴が残っている限り住宅ローンを借りるのは非常に難しいと考えておきましょう。延滞の理由は汲んでくれるの?奨学金の返済を延滞した経験があるものの、その延滞の理由がうっかりであったり、返済口座を変更したことを忘れていたといったものだったりした場合、審査時にその理由を汲んでくれるものなのでしょうか?これについても、基本的には延滞の理由を問わず審査には大きなマイナスになると考える必要があります。とはいえ、十分な年収があるなど条件がよいことを前提に、金融機関によっては積極的に検討してもらえることもあります。この場合、延滞した当初の他の金融機関の口座で、当初返済できるだけのお金が十分にあったことを示すもの等を用意できるとよいでしょう。具体的にどのような書類が必要かについては個別に金融機関に確認する必要があります。延滞歴を確認する方法返済を延滞した場合でも、例えば返済日から2~3日後にうっかりに気付いて入金していたようなケースでは、個人信用情報に登録されていないことがあります。また、延滞から年数が経っている場合にはその記録が消えている場合もあります。住宅ローンの審査では個人信用情報に記録が残っているかどうかで見られるため、心当たりがあるかたは信用情報機関に情報を請求するようにしましょう。奨学金がある人が住宅ローン審査を申し込む際の注意点ここでは、奨学金のある人が住宅ローン審査を申し込む注意点についてお伝えしていきたいと思います。[adsense_middle]仮審査と本審査で違いはある?住宅ローン審査では仮審査と本審査がありますが、何か違いがあるのでしょうか?金融機関により取扱いは異なりますが、一般的に仮審査は源泉徴収票等の所得証明書類や本人確認書類があれば申込できます。一方、本審査は売買契約後に審査申込するもので、売買契約書や登記簿謄本、測量図など必要書類を全て揃えた上で審査申込をする必要があります。奨学金がある場合、その返済予定表などを提出しなければなりません。仮審査では返済予定表なしで提出することもできますが、借入額や返済額について申込書に記載する必要があります。多くの場合、仮審査で承認を得られれば本審査でも承認を得られる可能性が高いですが、仮審査で記入した借入額や返済額が、本審査で記入した実際のものと相違がある場合には審査結果が変わってしまうこともある点に注意しましょう。必要書類を準備しておこう上記の通り、住宅ローンの仮審査では所得を証明できるものや本人確認書類があれば審査申込自体は可能ですが、奨学金の借入があり、融資実行までに完済する予定がないのであれば、返済予定表を用意したうえで審査申込したほうがよいでしょう。仮審査で承認を得たものの、売買契約書の本申し込みで否決となってしまってはそれまでの手間が台無しになってしまいます。延滞した覚えがあるのであれば、先に個人信用情報を取得しておくとより安心です。妻が奨学金を返済している場合住宅ローンの審査に影響はあるの?夫が住宅ローンの申込人である場合で、夫だけでなく妻にも奨学金がある場合、住宅ローンの審査に影響はあるのでしょうか?通常、夫単独で審査申込するのであれば妻が奨学金を返済中であっても住宅ローン審査には影響しません。(ただし、金融機関によっては夫単独であっても世帯全体の収支を考慮するケースもあります)一方、妻の収入を合算して審査申込するようなケースでは、妻の奨学金についても住宅ローン審査に影響が及びます。この場合、借入できるかどうかの計算は単独の場合と同様、返済比率を用いて計算されます。妻が奨学金返済かつ収入合算するケースの返済比率の計算例えば、夫の収入が300万円で奨学金の返済額が2万円/月、妻の収入が200万円で奨学金の返済額が2万円/月で、フラット35の返済額が10万円/月となる額を借入する場合、(10万円/月+2万円/月+2万円/月×12カ月)÷(300万円+200万円)×100(%)=33.6%となります。上記ケースでは夫単独だと(10万円/月+2万円/月×12カ月)÷300万円=48%なので、夫単独では審査申し込みできませんが、夫婦で収入合算すれば申込できる計算となります。このように、夫婦で奨学金を返済しているようなケースでも収入合算することで審査申込に有利となることもあります。奨学金と住宅ローンに関するまとめ奨学金が住宅ローン審査に及ぼす影響や、奨学金の返済中でも住宅ローンを借りる方法、返済比率の計算方法などお伝えしました。奨学金は他の借入と同様、返済比率を計算したうえで、住宅ローンを含めた返済額が返済比率内でなければなりません。奨学金のある方が住宅ローンの審査を受ける際には、本記事でご紹介した内容を元に自分で返済比率を計算できるようにしておくとよいでしょう。
2020年03月17日名産品を貰いつつ高い節税効果を受けられるとして、近年ふるさと納税に注目が集まっています。一方、一定の要件を満たした住宅の購入にあたり、住宅ローンを利用すると適用を受けられる住宅ローン減税も消費税増税と同時に拡充され、さらにお得な内容となりました。これら、ふるさと納税と住宅ローン減税はそれぞれお得な制度なのですが、併用する際には注意しなければならない点もあります。本記事では、ふるさと納税と住宅ローン減税それぞれについてお伝えすると共に、併用する際の注意点などを解説します。所得税と住民税から控除を受けられる住宅ローン減税とはまずは住宅ローン減税の制度について確認していきましょう。住宅ローン減税とは、一定の要件を満たす住宅購入に当たり、住宅ローンを利用すると13年間住宅ローン年末残高の1%分控除を受けられるというものです。なお、住宅ローン減税を受けるための一定の要件には以下のようなものがあります。住宅の延床面積が50㎡以上であること住宅ローンの借入期間が10年以上であること耐震性能を有していること住宅ローン控除の限度額住宅ローン控除の限度額は先述の通り、住宅ローン借入から13年間について、所得税と住民税から住宅ローン年末残高の1%分控除を受けられるというものです。ただし、最大控除額は1年目から10年目については4,000万円(長期優良住宅や低炭素住宅の場合は5,000万円)、11年目から13年目については以下のうちいずれか少ない金額となります。住宅ローン残高又は取得価格(上限4,000万円)のうちいずれか少ない金額の1%建物取得価格(上限4,000万円)の2%÷3例えば、4,000万円の建物の取得にあたり、4,000万円の住宅ローンを借りて、毎年100万円ずつ残高が減っていくと想定すると、それぞれの控除額は以下のようになります。住民税の控除には上限がある住宅ローン減税は所得税・住民税から控除を受けられるという制度のため、そもそも所得税や住民税を納税していなければ控除を受けることができません。例えば、年収400万円の方で所得税を15万円納めている方は、まずこの15万円から控除を受けることになります。上記例で言えば、住宅ローン減税の1年目の残りは残り25万円あることになりますが、この余った分については住民税から控除を受けることができます。ただし、住宅ローン減税では、各年「13.65万円/年」が住民税の控除上限額として設定されています。このため、上記例では1年目に受けられる最大の控除額は15万円+13.65万円=28.65万円ということになります。住宅ローン減税とふるさと納税を併用する住宅ローン減税と同じく、ふるさと納税も所得税・住民税から控除を受けられるものです。住宅ローン減税とふるさと納税は併用することが可能ですが、上記住宅ローン減税の計算の通り、そもそも所得税や住民税を納めていなければ控除を受けることはできません。住宅ローン控除とふるさと控除を併用するのであれば、医療費控除等、他の所得控除・税額控除等と併せて、いくら税金を納めており、その中からいくらまで控除を受けられるのか事前に計算しておくことが大切です。ワンストップ特例制度と確定申告の違い次に、ふるさと納税について見ていきましょう。ふるさと納税は、自治体に寄付し、そのお返しとして名産品を貰え、しかも寄付した額から2,000円差し引いた額について所得税と住民税から控除を受けられるという制度です。ふるさと納税を利用するには、確定申告による方法とワンストップ特例制度による方法とのいずれかを選ぶことができます。[adsense_middle]ワンストップ特例制度とはワンストップ特例制度とは、ふるさと納税をするにあたり、寄付の都度各自治体に申請書と本人証明書類を提出するだけで控除を受けられるというものです。確定申告による方法でふるさと納税をする場合、源泉徴収票を用意したうえで確定申告申請書に記入し、2月16日~3月15日までの間に税務署に足を運んで提出する必要がありますが、ワンストップ特例制度ではこうした手間を省くことができます。ワンストップ特例制度を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。確定申告の必要がない給与所得者等であること1年間の寄付先が5自治体以内であること申込の度に自治体へ申請書を提出していること逆に言えば、上記条件を満たさない場合は確定申告による方法で申請しなければなりません。なお、確定申告の場合、所得税と住民税から還付を受けられますが、ワンストップ特例制度では住民税からのみ控除を受けることになります。これは住民税が固定資産税等と同様、確定申告することなく納税するものだからといえるでしょう。住宅ローン1年目はワンストップ特例制度が利用できない?上記通り、ふるさと納税のワンストップ特例制度はそもそも確定申告する必要のない人が利用できるものです。一方、住宅ローン減税を受ける場合、住宅ローンを組んだ翌年については確定申告して住宅ローン減税の手続きをする必要があります。このため、住宅ローンを組んだ翌年の確定申告ではワンストップ特例制度を利用できない点に注意が必要です。なお、住宅ローン2年目以降については、源泉徴収を行っている職場にお勤めの場合、職場に控除証明書を提出すれば年末調整で済ませることができるため、ふるさと納税についてもワンストップ特例制度を利用できるようになります。ふるさと納税の控除上限額の計算ふるさと納税は、寄付した額から2,000円を引いた額について所得税や住民税から控除できる旨をお伝えしましたが、必ずしも満額受けられるわけではありません。ふるさと納税の控除上限額は以下の計算式で求めることができます。控除上限額=(住民税の所得割額×20%)÷(100%-10%-所得税率)+2,000円所得割額や所得税率は収入や家族構成により金額が異なるため、目安として以下の総務省のデータを参照するとよいでしょう。給与所得者の場合住宅ローン減税とふるさと納税の効果を実際に計算してみようふるさと納税の控除上限額を計算できるツールをWeb上で見つけることができますが、ほとんどの場合、住宅ローン減税を併用するケースはカバーしていません。住宅ローン減税もふるさと納税も所得税と住民税から還付を受けられるものであり、そもそも納税した額しか控除を受けられないからです。ここでは、いくつかの例を用意して、それぞれ住宅ローン減税とふるさと納税を併用した場合、どのくらいの額の控除を受けられるかシミュレーションしていきたいと思います。前提条件は次の通りです。ふるさと納税額50,000円1年目の控除額を計算ふるさと納税の控除上限額は総務省の目安を参照(夫婦+子1人)[adsense_middle]年収300万円の給与所得者が、2,000万円の住宅ローン減税を利用するケースまずは年収300万円の給与所得者の方が2,000万円の住宅ローン減税を利用し、5万円分ふるさと納税するケースを見てみましょう。ここでは、年収300万円の場合の所得税納税額を5万円、住民税納税額を10万円と想定します。この場合、住宅ローン減税で2,000万円×1%=20万円の控除を受けられるため、ふるさと納税を利用する意味はなくなってしまいます。もちろん、ふるさと納税のお礼として名産品は受け取ることができますが、控除を受けることを目的とするのであれば注意が必要です。年収500万円の給与所得者が、2,500万円の住宅ローン減税を利用するケース次に、年収500万円の給与所得者が2,500万円の住宅ローン減税を利用するケースを見てみたいと思います。ここでは、年収500万円の場合の所得税納税額を12万円、住民税納税額を23万円と想定します。この場合、住宅ローン控除で2,500万円×1%=25万円分の控除を受けた場合、所得税から12万円、住民税から13万円控除を受けることができ、まだ住民税の納税額が残り10万円ある計算です。総務省のサイトで年収500万円、夫婦+子1人のふるさと納税上限額を見てみると4.9万円となっているため、こちらも満額受けられる計算となります。年収400万円の給与所得者が、3,000万円の住宅ローン減税を利用するケース最後に、年収400万円の給与所得者が3,000万円の住宅ローン減税を利用するケースを見てみましょう。ここでは、年収400万円の場合の所得税納税額を8万円、住民税納税額を17万円と想定します。この場合、住宅ローン減税の上限額は3,000万円×1%=30万円ですが、所得税から8万円分控除を受けた残額22万円について、住民税から控除を受けることができます。ただし、住宅ローン減税は住民税の控除額について13.65万円という上限額があります。このため、上記ケースの住宅ローン減税の額は8万円+13.65万円=21.65万円で、控除を受けていない残額は3.35万円です。年収400万円の場合、夫婦+子1人のふるさと納税上限額の目安は3.3万円となっており、満額受けられる計算となります。住宅ローン減税・ふるさと納税の併用に関するまとめ住宅ローン減税とふるさと納税の併用についてお伝えしました。住宅ローン減税とふるさと納税は双方とも高い節税効果を持つ制度ですが、併用する際には事前にどのくらい控除を受けられるかシミュレーションするようにしましょう。本記事の内容を参考に、自分である程度計算できるようにしておくと共に、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
2020年03月10日住宅ローンにもさまざまなものがありますが、どのような点に注意して銀行を選ぶとよいのでしょうか?本記事では、住宅ローンの種類等にも触れながら、銀行の選び方やポイントをFPが分かりやすく解説していきます。住宅ローンの金利タイプ住宅ローンを選ぶ際には、最初にその分類を知ってしまうと比較がしやすくなります。まず、住宅ローンは大きく以下3つの金利タイプに分けることができます。低金利で利用できる変動金利変動金利とはその名の通り借入期間中変動する金利タイプのことで、半年に1回金利が見直されます。金利が変動した場合でも返済額が変わるのは5年に1回(元金と利息の割合が変わる)、返済額が変わる場合でも前回の返済額の125%以上にはならないといったルールが存在します。また、金利が変動するというリスクを負う代わりに、3つの金利タイプの中で一番低い金利で利用できるのが一般的です。変動金利は銀行が最優良企業に貸し出す最優遇貸出金利の内、1年以内の短期の金利のことを指す「短期プライムレート」に連動しますが、実は短期プライムレートは2009年以降変動がありません。変動金利は3つの金利タイプの中で一番金利が低いということもあり、ここ十数年の間変動金利で住宅ローンを借りた人はもっともお得に住宅ローンを利用できていることになります。金利を細かくチェックできる人におすすめ変動金利は半年に1度金利が変動するということもあり、細かく金利の変動をチェックできる人におすすめです。とはいえ、先述の通り変動金利の指標となる短期プライムレートは十数年動いていません。日本の景気がよくなれば金利も高くなるといった経済の原則や、米国の金利が日本の金利に与える影響など、詳しく勉強していくことも求められるでしょう。最後まで返済額が分かって安心の全期間固定金利全期間固定金利とは、借入期間中金利の変動がなく、借り入れた日から最後の返済日まで返済額が分かるため、計画的に返済を進めていくことができます。金利の変動リスクを負う必要がないため、3つの金利タイプの中最も高い金利が設定されるのが一般的です。ただし、ここ数年は低金利化が進み、当初5~10年間の金利引き下げを受けられるフラット35Sでは、変動金利とそう変わらない金利で利用できることもあります。なお、全期間固定金利は「10年国債利回り」に連動します。面倒なことはお断り!といった方におすすめ全期間固定金利は融資を実行した日に、最後の返済日まで返済額が確定するのが特徴です。このため、借入後は金利の変動に一喜一憂する心配はありません。現状で十分に金利は低いため、欲を張らなければ、ここから多少金利が下がっても大きく損をすることはないでしょう。変動金利と全期間固定金利をミックスした固定期間選択型金利固定期間選択型金利は、5年間や10年間など、当初選択した期間だけ金利が固定されるタイプの金利で、変動金利と全期間固定金利をミックスしたものです。当初期間が終了した後は変動金利に移行するか、再度固定期間を選ぶか決めることができます。このことから、変動金利がベースとなっているといってよいでしょう。金利は変動金利より高く、全期間固定金利よりは低く設定されるのが一般的です。ただし、この金利は「借入時の特別キャンペーン」適用後の金利であるのが一般的で、当初固定期間が終了した後、再度固定期間を選択するときはキャンペーン金利の適用を受けられません。例えば、当初10年固定金利を1.10%で借りた場合、10年経過後に金利水準が全く変わっていなかったとしても、キャンペーン金利の適用を受けられないことから、再度10年固定金利を選ぶと金利が2.00%になる可能性があります。この辺りは利用する金融機関によって異なるため、十分確認したうえで金利タイプを決めるようにしましょう。10年以内に完済することを目指す方におすすめ金融機関にもよりますが、固定期間選択型金利をお得に利用しやすいのは「10年固定金利」であることが多いです。ただし、先述の通り固定期間選択型金利は、当初期間終了後の金利の再選択時にキャンペーン金利の適用を受けられなくなってしまいます。このため、固定期間選択型金利は10年以内、もしくは10数年で完済することを目指す方におすすめです。住宅ローンの借り換えについて3つの金利タイプを見てみると、それぞれ以下のような金利情勢のときに利用しやすくなっています。変動金利:金利の下降局面全期間固定金利:金利の上昇局面固定期間選択型金利:金利の上昇局面金利が下がっているときに変動金利で借りれば、借入後、さらに低い金利で利用できますが、逆に金利が上昇してしまうと返済額も高くなってしまいます。一方、全期間固定金利や固定期間選択型金利については、これから金利が上がりそうなときに利用すれば、借入後に金利が上がってもその影響を受けずに済むことができます。一方、金利が下がり続ければ相対的に損をすることになります。ところで、金利情勢が途中で変わってしまったときに、借り換えすることでそれぞれの金利タイプのデメリットを解消できるのでしょうか?実際、ここ数年で金利が下がっていったこともあり、全期間固定金利から変動金利へ、もしくは全期間固定金利からさらに低い金利の全期間固定金利へ借り換えするようなケースが見られました。このように、金利下降局面では借り換えを有効活用しやすいです。一方、金利の上昇局面では変動金利から全期間固定金利へ借り換えしようとしても、変動金利が上がるタイミングでは全期間固定金利の金利はすでに上がっている可能性が高いと言われています。もちろん、できるだけ早く動くことで損害を少なくすることはできますが、金利の上昇が心配なのであれば最初から全期間固定金利を利用しておいたほうがよいといえるでしょう。住宅ローンの種類を比較次に、住宅ローンの種類をご紹介すると共にそれぞれについて比較してみたいと思います。住宅ローンの種類は大きく以下の2つに分けることができます。民間住宅ローンフラット35他に、財形融資などもありますがここでは取り扱いません。[adsense_middle]民間住宅ローン民間住宅ローンとは、メガバンクや各地方銀行など民間の金融機関で利用できる住宅ローンのことを指します。どの金融機関のどの住宅ローンを利用するかによって内容が変わりますが、いずれの場合でも、基本的には先述の3つの金利タイプの中から住宅ローンを選ぶことになります。このため、先に金利タイプを決めておき、例えば「A銀行の変動金利住宅ローンとB銀行の変動金利住宅ローンを比較する」などすると、たくさんあるように見える住宅ローンも絞って比較検討できるようになります。なお、後述のフラット35との違いとしては、以下のようなことが挙げられます。諸経費まで融資してくれる金融機関がある全期間固定金利はフラット35と比べて金利が高め変動金利や固定期間選択型金利が主力であることが多い諸経費まで融資してくれる金融機関がある戸建やマンションを購入するにあたり、建物や土地の価格以外に各種手数料など経費がかかりますが、民間の住宅ローンの場合、この経費まで融資してくれることが多いです。また、民間の住宅ローンには土地・建物の10割融資してくれる商品が多いですが、フラット35は土地・建物の9割分までしか融資を受けられません。つまり、フラット35の場合自己資金として土地・建物の1割+諸経費分を用意する必要があります。全期間固定金利はフラット35と比べて金利が高め民間の金融機関でも全期間固定金利が用意されていることもありますが、一般的にフラット35と比べて金利が高めに設定されています。全期間固定金利を利用するのであれば、基本的にフラット35を利用することをおすすめします。変動金利や固定期間選択型金利が主力であることが多い上記理由により、多くの金融機関で変動金利や固定期間選択型金利が主力となっています。フラット35フラット35とは住宅金融支援機構の取り扱う住宅ローンで、全期間固定金利タイプのローンとなっています。公的な住宅ローンだといえますが、窓口は民間の金融機関であり、金融機関は金利を得られない分、事務手数料を受け取ることになります。このため、民間金融機関の住宅ローンと比べると事務手数料分、初期費用が高くなってしまいます。一方、一定の基準を満たせば当初5~10年間金利優遇を受けられるフラット35Sがあることもあり、全期間固定金利でありながら民間金融機関の変動金利や固定期間選択型金利とそう変わらない金利で融資を受けることができます。その他、民間の金融機関と比べて以下のような違いがあります。団体信用生命保険に加入せずに住宅ローンを利用することもできる借入可能額を大きくしやすい融資実行まで時間がかかる団体信用生命保険に加入せずに住宅ローンを利用することもできるまず、民間の金融機関の場合、健康に問題があるなどして団体信用生命保険に加入できないと住宅ローンの審査承認を得ることができませんが、フラット35の場合、団体信用生命保険に加入せずとも融資を受けることができます。借入可能額を大きくしやすい「年収に対していくらまで融資を受けられるか」の計算をするにあたり、各金融機関独自に設定された「返済負担率」と「審査金利」を用いて計算がなされますが、フラット35の場合、審査金利が低く設定されているため、借入可能額を大きくしやすくなっています。例えば年収400万円の場合、2020年2月時点のフラット35の金利1.28%で計算すると、3,947万円まで借入できる計算となります。融資実行まで時間がかかるフラット35の融資を受けるには建物について第三者機関のチェックを受ける必要があり、民間住宅ローンと比べると融資まで時間がかかってしまいます。新築住宅の場合だとつなぎ融資を利用するのが一般的で、借入期間が長くなればそれだけ利息負担分も大きくなってしまう点に注意が必要です。銀行の選び方のポイントとは?住宅ローンの金利タイプや種類についてご紹介しましたが、実際に銀行を選ぶにあたり、どのような点に注目するとよいのでしょうか?[adsense_middle]住宅ローンの決め方のポイント住宅ローンを決める際には、まずは3つの金利タイプの内どの金利にするのかを決めるとよいでしょう。その上で、A銀行の変動金利とB銀行の変動金利、C銀行の変動金利はどれがお得かといった決め方をするとスムーズです。金利を選ぶ際には冒頭の金利タイプごとの特徴をご参照ください。民間住宅ローンかフラット35のどちらにするかを決めよう次に、金融機関を選ぶ前に民間金融機関にするか、フラット35にするかを決めましょう。民間住宅ローンとフラット35はそれぞれ特徴が異なります。本記事の住宅ローンの種類の内容を参考に、それぞれの特徴を比較検討してどちらにするか選んでください。金融機関の探し方のポイント住宅ローンの金利タイプと種類を決めたら、どの金融機関で住宅ローンを借りるかを比較します。同じ金利タイプの住宅ローンであれば、金融機関が違っても基本的な部分はそう変わりません。ただ、「借入のしやすさ」や「金利の違い」、「借入可能額」、「団体信用生命保険の充実度」などが金融機関ごとに異なるため、それぞれ返済額のシミュレーションなど算出してもらいながら比較検討していくとよいでしょう。なお、住宅ローンを借りた金融機関とは数十年に及ぶ付き合いとなります。単に商品性だけでなく、相談したことへの対応の良さや、ネットで口コミを見てみるなどすることも大切です。住宅ローンの銀行選びに関するまとめ住宅ローンについて、銀行の選び方やポイントをお伝えしました。住宅ローンはいろいろなものがあるように見えますが、金利タイプや住宅ローンの種類で分類してしまうと、比較すべき点を大きく絞り込むことができます。住宅ローンについて銀行を選ぶ際には本記事の内容を参考に比較検討し、自分の要望に合った住宅ローンを選ぶようにしましょう。
2020年03月07日今回は住宅ローンを組む方法の一つである「連帯債務」について解説していきたいと思います。私もクライアントさんを担当していますが、住宅購入に関する相談は多く、どんな組み方が良いのか、どの金利が良いのかといったご質問は多く受け付けています。クライアントさんの中でも既に調べていて、共同で組む事が出来るという事でご存知の方も多い様です。気になる仕組みやメリット、デメリットをお伝えしていきますので、気になる方は是非ご一読下さい。連帯債務の仕組みは?他の方法も合せて解説します最初に仕組みについて、どんな組み方になるのかを解説していきます。また参考までに他の組み方についても解説しておきますので、比較の為にご覧頂ければと思います。連帯債務でローンを組むまず連帯債務ですが、基本的には「一つのローンを二人で契約する」という事になります。住宅ローンは単独で借りる事が多いですが、この方法は二名で組みます。例えば一人だと4,000万円まで借りられるとします。しかし間取りやオプションを拡充させたいなど、予算的に大きくしたい場合に二名で審査をしてもらいます。審査に問題が無ければ二人合計で4,000万円以上借りる事ができます。単独融資に続いて人気があり、ご相談頂くクライアントさんにもおすすめしたりしています。また後述しますが住宅ローン控除の適用もありますので節税を意識している方にはおすすめです。連帯保証人を付けてローンを組む次に連帯保証人を付けてローンを組む場合です。一人では審査に通りそうにない場合、連帯保証人を付けて借入をする事があります。この時「一つのローンを組む」事になりますが、この方法は、借主が支払えなかったら、代わりに支払いをしなければならない義務を負う事になります。他人に頼む場合は敬遠されやすいですが、夫婦でも認められるケースもありますので、共働きであれば審査に出してみるのも一つの手です。また連帯保証人は団信の加入がありません。もし債務を負う事になった場合、団信ではなく民間の保険に加入し死亡リスクに備える必要がありますので憶えておいて下さい。夫婦ペアローンで組むペアローンは夫婦で組むローンの方法で、「夫婦で二つのローンを組む」という事になります。契約が一つではなく二つに分かれ、合算で希望借入額に届かせる方法になります。支払いはそれぞれがバラバラに支払う形になる為、引落日などの管理は少し大変になります。また結婚している夫婦だからこそ組みやすい点はあるでしょう。お互いに連帯保証する事になりますので、どちらかが支払い不能になってしまった際にはどちらかに不能分の支払いの義務が発生する事になりますので注意が必要です。単独でローンを組むこれは借主が「一人で一つのローンを組む」方法で一番メジャーな方法ですね。一人だけの資力で組む事が出来る為、上記3つのローンの様に、配偶者や他の誰かに借入を依頼したり、連帯保証人になってもらう必要はありません。金利タイプの縛りなども無い為、比較的様々なローンを選びやすい点はメリットになるでしょう。ローンプランのまとめここまでに四つの組み方について解説してきました。いずれも特徴があり、一人で借りるのか二人で借りるのかと分かれます。一旦まとめておきますので下図を参考に比較にご利用下さい。連帯債務で契約できる条件は?ではここから連帯債務で契約できる条件について解説していきます。また契約条件や他のローンプランとの比較も行っていきますので、参考にして下さいね。[adsense_middle]気になる条件は?契約をする際に求められる条件は、安定した収入がある事が挙げられます。例えば夫が正社員で、妻も正社員であれば夫婦共に安定した収入があると判断されます。夫婦のいずれかがパートの場合も審査にかけて貰える事もありますが、おおよそ年収が高くなければ難しい事もありますので気を付けておいて下さい。他には同居している家族であれば連帯債務者として審査できますので、何も夫婦に限った契約形態ではありません。事例として、父、息子といった様に契約する事も可能です。そして連帯債務者の所得は全額合算される事はなく二分の一までが対象になります。先程の夫婦で例を挙げると、夫が500万円、妻が300万円の所得だとします。このケースで妻が連帯債務者になる場合は半分の150万円を夫の500万円に合算しますので、合計650万円で審査にかけられる事になります。住宅を検討する際に予算等の打ち合わせになるかと思いますが、折角マイホームを買うならと良いオプションを付けたり、少し間取りや庭など広くしたい思いもあるでしょう。しかし単独での融資だと希望額に届かない場合に二人で合算できれば予算に届く事もありますので、夢に一歩近づけそうですね。ちなみに親子でローンを組む場合は「リレーローン」という商品名になります。金利や返済方法は?次に金利や返済に関してですが、一般的な住宅ローンと何も変わりはありません。しかしローンがフラット35に限られる事になります。フラット35とは全期間固定金利で契約できる住宅ローンの事。変動金利、固定期間選択型(〇年固定)と違って金利が最も高くなる。主な特徴として、借入期間から完済に至るまで金利がずっと固定されており、毎月の支払額が一定の為、返済計画など立てやすい点が挙げられる。様々な金融機関で取り扱われており、団信(団体信用生命保険)も任意加入になる為、健康状態に不安のある方でも審査対象となる。このフラット35は金利が高い反面、他の金利タイプと異なり、融資条件や審査が緩めな点があります。返済方法は毎月返済が一般的で繰上返済も出来るので、他のタイプと比べても遜色はありません。毎月の返済負担や、返済総額が増える点がありますので、連帯債務を検討するなら支払いの面を中心に検討するのが良いでしょう。逆に連帯保証やペアローンに関しては変動金利や固定期間選択型から選ぶ事ができますので、金利負担等を考慮してどの形態が自分たちにとって良いのか比較が大事ですね。手数料や諸費用は?融資に関する手数料や諸費用ですが、単独融資と殆ど差はありません。強いて言うなら金融機関によっての違い位になりますので、借入をしたい金融機関ごとの比較をする事が良いでしょう。また連帯保証・単独融資は契約が1つの為、同じ諸費用になりますが、ペアローンの場合は契約が2つになりますので、諸費用や手数料も2契約分となります。諸費用は現金で納める事が一般的なので、2契約分となると高額な金額を負担しなければならなくなります。この点は今手元にある資金と相談しながら検討すべきでしょう。連帯債務で組むメリット・デメリット・注意点を解説しますではここからメリットやデメリットについて、また注意点に関して解説していきます。早速メリットから見ていきましょう。[adsense_middle]連帯債務のメリットは何?借入希望額を大きく借りる事が可能になる連帯債務で組む場合のメリットですが、1つは収入合算で見てくれますので、借入希望額を大きく借りる事が可能になる点です。単独融資の場合、1人の収入や勤務先、勤続年数等を審査にかける事になります。家族構成や、同居の計画等を考えた時にどうしても高額な物件になりがちな場合、同居の家族の年収を合算で見てくれる点は大きいでしょう。住宅ローン控除がそれぞれに適用される2つ目に住宅ローン控除がそれぞれに適用される事が挙げられます。1人分の節税より2人分の方が効果は大きくなります。また所得によっては住民税まで減税される事になりますので、支払い総額や減税効果等考えると、連帯債務はお得な方法だと言えます。この点に関して言えばペアローンも同様に適用になりますが、単独融資はもちろん、連帯保証人付きの契約はあくまで借主だけが減税対象となりますので憶えておいて下さい。団信が双方に適用される3つ目に団信が双方に適用される事は大きなメリットでしょう。通常団信は借主が亡くなった場合に住宅ローン債務を一括で清算できる生命保険ですが、2人でローンを組んだ連帯債務の場合、「連生団信」というものもあります。これは一方が亡くなった場合、もう一方の債務も含めて清算できる団信の事です。この団信に加入しておく事でしっかりと住宅を遺す事ができますので、一つのメリットと言えるでしょう。連帯債務のデメリットは何?次にデメリットになりますが、もしもどちらかが返済不能に陥った時に、一方に全額返済の義務が発生しますのでこの点はデメリットになるでしょう。先程のメリットで解説しましたが、単独融資での借入額を超えて2人で借りる訳です。つまり金融機関が審査した単独融資額以上の負担を1人が背負う事になりますので、支払いは非常に厳しくなる事になります。この点はペアローンも同様の考え方になります。返済が困難になる理由はいくつかあり、病気になる、転職や休職によって収入が大幅に変わる等があります。連帯債務を考える際には借り入れしてから返済が終わるまで、健康状態や収入が一定である事が一つの要件と考えます。先々転職する、健康状態に若干の不安が有る場合等は無理をしない方が得策になるかもしれません。他のデメリットとして夫婦で組んだ場合には離婚する事がデメリットになります。お互いに住む事で購入した家も離婚する事になれば、話が変わってきます。連帯債務の注意点は?メリット、デメリットと解説しましたが、注意点としては、将来的に今と変わらない収入なのか、夫婦でい続ける事は出来るのかという事です。しかし、先々の話になりますので、どんなに見通しを立てても状況が変わる事は誰にだってあります。この話をしだすと住宅購入など出来なくなってしまいますので、深く考え過ぎない事です。また返済が困難になった場合も結構大変な事になってしまいます。住宅ローンの連帯債務に関するまとめ今回は連帯債務に関して解説を行ってきました。メリット、デメリットと色々ありますが、しっかりと話し合った上で、ご家族が納得できるお買い物になると良いですね。
2020年02月29日今回は住宅購入の相談事例の中より、夫婦で住宅ローンを組む場合について問い合わせが多いので、その方法やメリット、デメリットについて解説しようと思います。最近住宅を検討する方が増えてきました。その中で多いご相談は「住宅ローン」です。またご主人や奥様の年収をヒアリングする事が多いですが、どうしてもご主人単独での融資が難しいケースや借入希望額に届かない場合もあります。そんな時、奥様が働いている状況であれば夢のマイホームに一歩近づけます。住宅をお考えの方は是非ご覧頂きたい内容ですので、最後までお付き合い下さいね。単独で借入が出来ない場合はじめに、夫婦でローンを検討する前に単独で融資が通るかどうか仮審査を行います。銀行に借入希望額を伝え審査になりますが、その結果一人では融資が通らない事もあります。ここではどんな場合に審査に通らないのか、またどんな審査をされるのかを解説しておきたいと思います。融資に関する審査内容私もかつては金融機関に勤めていました。その当時は融資業務を担当していまして、ある程度の事を経験してきましたので、経験を踏まえて解説していきます。まず融資する際に、商品は住宅ローンになります。これが自動車なのか、企業向けの融資なのかで審査内容も異なってきます。住宅ローンの場合、融資を受ける方の「属性」を調べていく事になります。属性って何?属性とは金融機関内の用語の事で、氏名、年齢、勤務先、年収、他社借入状況、信用機関での調査、勤続年数、家族構成等をまとめたものを言います。氏名一つにしても、姓が異なっている場合もありますので、後方氏名と生年月日で過去に取引履歴が無いか、過去に貸付やカードローン等の返済状況、借入状況等を調べたりもします。仮に住宅ローンをA銀行で借りるとします。その際、氏名で判明する事は、過去にA銀行でカードローンや自動車ローン等、取引があったとします。その当時の返済状況の履歴が残っていれば遅延があったのか、何日遅延があったのか、最悪な場合裁判沙汰や破産宣告、債務整理等の履歴を調べる事が可能になります。これはあくまで取引のあったA銀行に限ってです。他B銀行やC信金などの状況は分かりません。また姓が何らかの理由で変わった場合も同様に今の姓で調べたり、旧姓で調べたりもします。信用機関での調査は何をするの?銀行で出来る審査は名前から取引履歴を確認する事くらいでしょう。主な審査としては他社借入状況の審査です。これは申込用紙に他社借入の状況を申告する欄がありますが、ここで嘘を書いてはいけません。何故なら、直ぐにバレるからです。審査の状況を良くしようと嘘の申告をする方を何人も見てきましたが、あっさりと正しい借入額は判明します。それは信用機関に他社借入状況を問い合わせする事が審査の中に含まれているからですね。他社借入の状況で他社の返済状況や借入金額が判明しますので、住宅ローンをご検討の方は極力借入を避ける、若しくは借金が無い状態の方が望ましいですね。携帯電話の割賦販売にも注意参考までに、最近スマホを所有している方は多く、新機種などになると高額な機種代金になります。そこで毎月の携帯電話料金と一緒に分割して機種代を支払う方も少なくありません。この時注意しておきたいのは携帯料金をうっかり引き落とし忘れる事です。携帯の機種代を割賦(かっぷ)で分割支払いすると、実際にはローンを組んだことと同じことになります。引き落としされていなければ、万が一信用情報に「遅延」の異動事故が上がる事もあります。たった1日でも可能性は無きにしもあらず。注意しておきましょう。勤続年数は大事なの?おおよその審査の中で勤続年数等は大事な要素になります。何故なら勤務して1年未満などであれば、転職の可能性を否定できません。考え方として、転職回数が多い人なのかと思われます。また初めての転職であったとしても、これから続くのかと懸念されても仕方無い部分はあります。お金を貸す立場に立ってみると腑に落ちやすいと思いますが、長年勤務している方と1年未満の方であれば、社会的な信用も異なりますし、社内的な信用ある方だと評価されます。転職して直ぐに住宅ローンの申し込みは難し場合がありますので注意しておいて下さい。返済比率と年収申告で年収を聞かれる事になりますが、本審査の際には直近の源泉徴収や確定申告3期分等求められる事になります。この時、年収の整合性を確認されますが、年収から判断される返済比率が審査基準に収まっているのか、外れているのかを見られます。返済比率とは返済負担率とも言い、年収の何割までであれば返済可能と判断されるラインになります。各金融機関の貸付規定にもよりますが、ざっくり言うと下記の様になりますので、参考にされて下さい。上記の様にご自身の年収がいくらで、年間の返済がどれくらいになるのかを計算します。この比率以内に住宅ローンの返済額を収める必要があります。とはいえ、年収600万円であれば年間240万円の返済となり、月で計算すると毎月20万円になりますので、よほどの事が無い限り収まりはするでしょう。但し、金融機関によっては他社借入も通算して返済比率の中に収まるかどうかも判断する場合もありますので、審査を無事に通すのであれば余計な借入は避ける事が得策でしょう。審査内容のまとめここまでは審査に関しての情報を解説してきました。審査は非常に厳しいものです。貸し手側としては、貸したものは必ず返して貰わなければなりませんし、返済が無ければ利益が消失してしまうからです。返済出来ない、出来そうに無い人に貸す事は絶対にしません。私がかつて金融機関にいた頃、「会社のお金と思って貸すのではなく、自分のお金を貸すと思ってしっかり裏付け調査をしなさい」と教えられました。融資担当となると人間関係も出来上がり、情も湧きますが、実際に見るのは書類と数字です。住宅購入の前に審査に通るだけの準備も必要ですね。夫婦でローンを組む方法ここからは単独で融資が困難な場合の対処として夫婦でローンを組む方法について解説していきます。最近では住宅メーカーのベテラン営業マンから提案される事もあるようです。彼らはこれまで何件のもお客様の融資を取り次ぐ事もやってきましたので、ある程度は分かる様です。では実際にその方法を見ていきましょう。[adsense_middle]ローンを組む方法は3種類夫婦でローンを通す場合、以下3種類の方法があります。連帯保証人連帯債務ペアローンでは詳しく方法について解説していきますね。連帯保証人基本的には借主はご主人(奥様でも可能です)となり、連帯保証人として奥様(ご主人でも可能です)が付く契約です。ここで連帯保証人に関しての説明をしておきます。連帯保証人とは通常の保証人と異なり、催告や検索の抗弁権がない事を言います。催告とは催促の事で検索は差押えの事を指します。抗弁権とは反論する権利ですが、この反論すらできないのが連帯保証人です。例として、支払いを借主がしなかった際に連帯保証人に支払って下さいという連絡、催促があったとします。この時、借主に言って下さいと反論する権利が無い事です。また返済が全く無いので差押えしますと連帯保証人に言われた場合、借主から差し押さえて下さいと言えない立場にあるという事になります。夫婦関係である以上連帯保証人になる事は、他人に頼むよりも遥かにストレスが掛からないですよね。この点は気が楽だと言えます。この時、夫婦で共働きであるという事が条件になります。ご主人の年収や借入希望額にもよりますが、奥さんがパート等の場合は連帯保証人として通らない可能性もありますので注意しておきましょう。連帯債務連帯債務とは1つのローンを2人で借りる事です。例えば4,000万円のローンを組むとした場合にご主人が2,000万円借りて、奥さんが2,000万円借り、合わせて4,000万円になるという融資形態です。共同で借りて1つのローンを返済するので、分かり易いと思います。このケースでも共働きであるという事が条件になり、夫婦の年収を合算して審査してくれますので、単独よりも大きな金額を借りる事も可能になります。ローン名義や持ち分割合を分ける場合に使われる連帯債務でのローンはそれぞれがローン名義人になります。先程の事例で言えば50%がご主人の名義で持ち分となり、50%が奥様の名義で持ち分となります。この場合それぞれが借りた金額に対して住宅ローン控除も適用されますので、おすすめな方法ではないでしょうか。金利を抑えるならペアローン連帯債務と似ていますが、夫婦が別々の住宅ローンを組む事になりますので、契約が2件になるという事が連帯債務との違いになります。夫婦別々で借りて別々で返済する事になりますので、少し管理が大変になる事もありますが、特徴として、様々な金融機関がペアローンの取扱いを行っています。中でもネット系銀行も取扱いが有る為、金利を抑えたいという事であればペアローンを選択しても良いかもしれませんね。それぞれのメリット・デメリットを解説先程は夫婦でローンを組む方法に関して解説してきましたが、それぞれのメリットとデメリットについて解説しておきます。[adsense_middle]連帯保証のメリット、デメリット連帯保証のメリットとして、単独で融資を受ける事になりますので、返済などの管理はし易いと思います。また誰もが嫌がる連帯保証人ですが、他人に依頼しなくて良い事にもなりますので、気を遣う必要はありません。諸費用は1契約分なので、コスト面は高く付くかもしれませんが、後述するペアローンと違って安く済みます。デメリットですが、離婚した場合が挙げられます。離婚すると連帯保証を外す事になるでしょう。この時に他人がなってくれるかどうかです。簡単には外せませんのでトラブルになる事もあるでしょう。住宅ローン控除は連帯債務と違い一人分しか受ける事が出来ませんので、連帯債務、ペアローンを比較するとデメリットと言えるでしょう。連帯債務のメリット、デメリット次に連帯債務のメリットですが、合算年収で見てくれますので単独融資よりも高額な借入額になる事がメリットです。また住宅ローン控除もそれぞれが適用対象になりますので、税制面では連帯保証よりもお得になります。諸費用も1契約分で済みますのでコスト面でもお得になります。ではデメリットですが、やはり離婚した際です。共同で1つの建物を所有する事になっていましたが、家を半分に切り分ける事はできません。売却する事など考えると、ローン残債が残る事もありあすので、この点は気を付けたいところです。また適用商品がフラット35になりますので、他の金利タイプと異なり金利が高めである点は否めません。ペアローンのメリット、デメリット最後にペアローンですが、連帯債務同様年収を合算して見てくれますので希望額を高めにすることは可能です。連帯債務同様に住宅ローン控除もそれぞれが受ける事は可能ですので、2人分の税制優遇を受けられる点はメリットですね。そして取扱い金融機関も豊富ですので、金利の安いタイプでローンを組める点はメリットです。最後にデメリットですが、ペアローンは2契約となる為、諸費用が2契約分かかります。コスト面で言うと、圧倒的なデメリットになりますので、手持ち資金等に余裕が無い場合はあまりおすすめできません。また全てにおいて言える事ですが、先々離婚した場合もローンがそれぞれ残る事になります。売却出来ないケースや残債が残る場合もありますので、結果論ですが、トラブル回避には単独融資が良いでしょう。夫婦で住宅ローンを組む方法に関するまとめ今回は相談事例でも多い夫婦でローンを組む方法について解説してきました。最近では共働きで働いているご家庭は多く、また仕事も長きに渡って勤める方は多いです。折角住宅を購入するなら希望通りの住まいを買いたいですよね。もしも夫婦で組んだ方が良いなと思ったらこの記事を参考にして頂ければと思います。
2020年02月24日住宅購入を考える上で必ずローンという問題が出てきます。どの金融機関からお金を借りるのか、また住宅ローンの商品はどんなものを選んだら良いのか、どんな商品なら損をしないのか、おすすめの商品は何なのか、等色々と調べる事や考える事は沢山あるでしょう。今回は住宅ローン選びの一つである、10年固定金利の住宅ローンについて解説をしていきたいと思います。3種類あるタイプの中の一つですが、どんな商品なのか、メリットやデメリットも含め解説しますので、ご検討中の方はご一読下さい。仕組みや金利、利率を解説しますはじめに、仕組みや金利がどの様にして決定するのか、最近の利率等を解説しておきたいと思います。またこのタイプの商品は固定期間選択型と呼ばれるタイプです。固定金利で借入したい期間を選ぶ事が出来る商品でもあります。固定期間選択型の仕組みは?住宅ローンは通常最長35年に渡って組む事が出来る商品です。この35年間もの間、金利が高いのか、低いのかという事で支払いの負担が大きく変わってきます。今回解説のテーマである10年固定金利は金利水準で言うと「中」です。最低金利の代表は変動金利で、高い金利は全期間固定金利の商品になります。10年固定という事であれば、借入を起こして10年間は金利がずっと固定されているという事になります。では10年が終了するとどうなるのかと言うと、終了するまでの間に、残り期間を変動金利か固定金利にするのか選択する事になります。この時、重要なのは借入当初の金利と10年後の金利を比較しなければならず、10年後の金利が分かっている事はまずあり得ません。つまり10年後が近づくと嫌でも情報収集しなくてはいけなくなり、その時点で金利がどんな情勢になっているのか把握する必要がありますし、今まで通りの負担で続けられるのか、負担が増えるか減るかという事に備える必要が出てきます。10年固定金利の金利はどうやって決まるの?少し細かい部分に話が及びますが、この商品の金利がどうやって決まっているのかという事について触れておきたいと思います。決定要因は「円金利スワップレート」という指標を元に金利が決まります。ここで解説を挟んでおきます。円金利スワップレートとは円の金利同士を交換する為に使用されるレートの事で、代表的な交換は変動金利と固定金利を交換する事が最も多いです。このレートを参考にして各金融機関が住宅ローンの金利を決めていきます。このレートは主に10年国債の金利に連動する動きを見せている事も参考までに知っておいて下さい。住宅ローンは各金融機関がビジネスとして成立する金利を設定します。各金融機関で金利はバラバラですので、金利を選ぶ際は十分な比較をしておきましょう。10年固定金利の利率は今何%位なの?では今現在の金利情勢について解説します。今の時点で一番低い金利水準はネット銀行のauじぶん銀行で、0.550%でした(固定期間10年)。次に低いのはソニー銀行の0.580%(固定期間10年)です。最近ではネット銀行が台頭しており、その金利の低さには目を見張るものがあります。但し、ネット銀行の場合事務手数料が高額な事が多い為、上記の表面金利に追加して実質金利が上がる傾向もあります。事務手数料や団信等で金利が上乗せされる事も含めて金利選択はしておく事が無難だと言えます。これは固定金利選択型に限った事では無く、他の金利タイプでも同様の事が言えます。しっかりと表面金利だけでない部分も視野に入れておきましょう。10年固定金利のリスクは?ここで10年固定金利のリスクについて解説しておきたいと思います。この住宅ローンのリスクは、期間終了後、変動金利か固定金利のいずれかを選択しますが、その際に金利が急上昇していたと仮定します。その際に上限が無い為、高額な支払いになる事が一つのリスクと言えるでしょう。例えばですが、借入当初毎月10万円のローンを返済していたとします。10年間はこの金額で問題ありませんが、10年後金利が急に上昇。その時支払額が15万円になっている事もあり得るという事です。この点はどの金利タイプも同じでは無く、10年固定金利の特徴になりますので、住宅ローンを選ぶ際はリスクをしっかりと把握した上で判断しておく事が重要ですね。[adsense_middle]変動金利、全期間固定金利のリスクは何?ここで他の金利タイプのリスクを合わせて解説しておきますので、比較の参考にして頂ければと思います。変動金利の場合まず、変動金利ですが、仕組み上5年毎に返済額の見直しが行われます。金利の変動は半年毎ですが、借入から5年以内は返済額に変化は無く、中身の充当額に変化が生じる事になります。つまり、毎月元金が安定して減る訳でもないという点がリスクと言える部分でしょう。また5年後に返済額が変わる点も一つのリスクです。先程の仮定と同じく、金利が急上昇した場合に変動金利の場合は最大125%までしか支払額が上がる事はありません。例えば毎月10万円のローン返済だった場合、15万円になるような金利情勢になったとしても、毎月の返済上限は12万5,000円までとなります。この時不足する25,000円はそのまま過不足金として残りますので、いくら返済上限があっても、気を付けておくべきポイントの一つですね。全期間固定金利の場合全期間固定金利については借り入れ期間中金利が変わる事は無く、安定した返済を可能とするタイプの住宅ローンです。この点は返済のし易さや毎月の金額が変わる事が無い為、安心できる点でしょう。しかし、他の金利タイプと違って、当初の金利が最も高く設定されているため、返済総額の負担は最も高額になります。また、金利情勢が上がったり、下がったりする局面においても、真っ先に変化が現れるのは変動金利になり、最後に全期間固定金利に変化が生じます。金利情勢をこまめにチェックしている方はこの点を一つのリスクと考えておいた方が良いでしょう。金利をチェックしローンの見直しで借り換えも検討しようこの様に、どの住宅ローン商品であってもリスクは必ず潜んでいます。これは借りるだけの事に限った事では無く、投資や保険、預貯金にでさえリスクは付き物です。では住宅ローンの様に高額なお金を借りる時に、極力損失を避けたい場合、どんな手立てがあるのかと言いますと、手っ取り早いのは借り換えを行う事でしょう。例えば先程金利が急上昇する局面が本当に来たとします。この時、何もせず返済額が上がる事を受け入れる方は少ないでしょう。支払いが上がる事は誰もが回避したいですよね。私だって同じく嫌です。この時借り換えという手段を視野に入れておく事も重要です。借り換えは要件さえ満たせば可能です。毎月の返済額がどの様に変わるのか、選択すべき商品は何なのかを検討する日がやって来るかもしれませんので、住宅を購入した方、これから購入する方はほんの少しだけでも良いので、金利に目を向けてみて下さい。但し、こまめに借り換えをやり過ぎてもかかる事務手数料や諸費用がかさみます。損失を出さない様にする事は大切ですので、憶えておいて下さいね。固定期間選択型のメリットとデメリットではここからはメリット、デメリットについて解説していきたいと思います。[adsense_middle]メリットは?先にメリットですが、一つは金利が低い点が挙げられます。先程も解説しましたが、金利水準で言えば「中」に該当しますが、変動金利の表面金利とそこまで変わらない水準まで下がっている点はメリットと言えそうです。住宅ローンは最も高額で、毎月の返済額のウエイトを占める割合は一番高いです。金利は低いに越したことはなく、本来なら利息さえもカットできればなと考えている方は多いと思います。(私もそう思っていますが絶対に無理だという事は分かっています)その中でも金利の水準が低い為、選択される方も多いですね。また他のメリットとして、固定期間を選択できる範囲が広く、2年、3年、5年、10年、20年といったラインナップを取り揃えた金融機関もあり、なるべく返済額を一定に保ちたい、金利は低めに設定したい方には長期に渡っての固定期間は非常にメリットになるのではないでしょうか。メリットになり得る理由住宅購入の動機の一つに子供の成長が挙げられます。お子さんが成長するにつれ、自分の部屋が欲しくなる事、成長に伴い住まいが狭く感じる事もあるでしょう。その時に住宅を購入し広さを求めますが、お子さんが小さい頃に購入する世帯が最も多く、早い段階で住宅を検討・購入しているようです。この時、お子さんの年齢が10歳だとすると、教育に関わる時間は大学まで行ったとするなら23歳です。残り13年間は教育資金の事も考えておかなければなりません。この時、住宅ローンがあるとするなら教育期間中の住宅に関する返済額負担を少しでも軽くしたいのは当然だと言えるでしょう。お子さんの教育期間中に返済額を軽減できる期間を設けておきたいと考えるなら、固定期間選択型で20年若しくは10年固定を選択しておくのも一つのメリットではないでしょうか。デメリットは?次にデメリットについてですが、一番のデメリットは先程解説したリスク部分になるでしょう。この点に関しては上昇する事が絶対という訳ではありませんが、返済額が急に高騰してしまった場合、そして頼みの綱の借り換えが難しい場合はデメリットになってしまいます。借り換えは要件さえ満たせばと解説しましたが、要件の中には健康状態に関する事も含まれます。借り換えに健康状態が関わってくる理由住宅ローンを借りる際に必ず「団信」に加入しなければ融資は受ける事はできません。この団信について解説しておきます。団信とは団体信用生命保険の略で、住宅ローン専用の生命保険になります。借入をした方が返済期間中に万が一お亡くなりになったり、大きな病気で働けない状態に陥ってしまった際に住宅ローンを一括返済してくれる生命保険の事です。団信によっては保証範囲を広くしている金融機関も最近では増え、保証範囲を広くする事で、金利に数%上乗せする事もあります。融資条件としてこの団信に入れる方、つまり健康な方に対して金融機関は融資をします。何故なら、金融機関はボランティアではなく本来はビジネスとして利息を受け取ります。健康で融資した金額をちゃんと返せる方にしか融資はしません。生命保険である以上、健康状態が関わってくるのは当然でしょう。では先程の借り換えの時に健康である絶対の保証はあるでしょうか?明日や明後日、5年後、10年後の事は誰にも分かりません。先々借り換えすれば良いかなと計画していても、健康でなければ借り換える事は難しくなってきます。また加齢と共に健康状態は悪くなる事は周知の通りです。借り換えを計画しているタイミングが何年後なのか、その時何歳なのかを想定しておく事は大事です。この団信に加入できない事によって借り換えが出来なかったクライアントさんもいました。しっかりと健康維持しておく事も一つのリスク回避の手段と言えるでしょう。他のデメリットは?他のデメリットとして繰上返済を行う際に違約金がかかるケースもあります。これは金融機関が資金を調達し、貸し出す際に関わってきますが、通常金融機関は様々な所からお金を預かったり、借りたりして貸し出しをします。この時金融機関は変動金利で借りる事があり、その借りた金利に上乗せし貸出金利を決定する事になります。固定期間選択型の場合、金融機関は変動金利で借りたお金を固定の利息負担で良いですよという事で貸し出しますが、もしも変動金利部分が上昇した場合、金融機関の利益部分が少なくなってしまいます。そこで、金融機関はなるだけ利息を得なければ自分たちの利益を確保できない為に、違約金を取る事を設定する事がある訳です。変動金利で住宅ローンを組んだ方は違約金等取られる事は無いので、固定金利選択型を選ぶ場合は先に繰上返済や、一括返済時の違約金について事前に確認しておく事をおすすめします。10年固定金利の住宅ローンに関するまとめ今回は住宅ローン商品の一つである10年固定金利について解説してきましたが、メリット、デメリットは当然あります。もちろん受け入れられるリスクなのか、そうでないのかという事も重要な要素です。人生で一番高額なお買い物ですので、商品選びは慎重に比較検討しておきましょう。
2020年02月22日今回は住宅ローンの名義を変更できるのか?という疑問について解説していきたいと思います。住宅購入は人生で一番高額なお買い物であり、長い年月をかけて支払いを行っていかなくてはなりません。返済中に何らかの事情が発生し、住宅ローンの名義を変えたい場合、そもそもできるのか、できないのか?できるのであれば、どんなことに気を付けなければいけないのか?疑問が次々に湧いてきますよね。事例やポイントを分かりやすく解説していきますので、もし名義変更に直面していらっしゃる方はご一読下さい。名義変更は出来る?出来ない?まず名義変更が出来るのか、出来ないのかという事について解説しておきましょう。結論から言えば「出来るけど、ほぼ無理」という回答になると思います。いきなりで申し訳ないのですが、出来る可能性は極めて低いと言うべきでしょう。もちろん出来るケースも存在しますので、ケース毎の解説を後述する事にします。では何故出来る可能性が低いのか、その点の理由を先に解説します。そもそも銀行の審査は厳しいまず住宅ローンを借りる時を想像してみてください。誰が審査対象になり、誰の名義でローンを組むのか、また物件や土地の価値も調べられます。この時、ローンの名義人の返済能力については、年収や勤務先や勤続年数、個人的な借入、家族構成など細かくヒアリングされます。年収が低ければ、融資額も低くなるか、融資が出来ないか、連帯保証人を付けるかなど条件があり、勤務先や勤続年数等、長期に渡って返済出来るかどうかも裏付け調査として調べられます。この様に「融資対象者」について審査される事になりますので、銀行が「この内容であれば問題無く融資出来る」と判断した方へ、希望額の融資を実行します。つまり「返済能力有り」と判断される事になる訳です。債務者変更はより厳しいでは債務者(住宅ローンを借りている人の事)を変えたいと申し出たとします。事例として、元々は夫でしたが、妻に変更するとしましょう。そして夫サラリーマン、妻パートだとします。これだけの情報であれば誰でも年収の比較はできますよね。では皆さんが大事なお金を人に貸すと思って下さい。夫にお金を貸しました。「これからの返済は妻になりますけど、良いでしょうか?」と聞かれたとき、「OK」を出せそうですか?人間関係があれば「OK」と言えるかもしれませんが、銀行はビジネスでお金を貸していますので、人間関係は全く関係なく、「返済能力」が有るのか無いのかの判断だけに特化します。ここに事情があったとしても、貸したお金を返してくれる根拠が無くなるのであれば名義変更は認められないという事になる訳です。名義変更が出来るケースは?そして方法は?冒頭では変更の可能性が低いと書きましたが、出来るケースと出来る場合の方法について解説します。夫婦間、親子間、兄弟間で出来るの?まず前提条件として、名義変更が認められるとします。すると、変更する際に引き継ぐ人が「その住宅に住む事」を条件に融資が下りる事になります。住宅に住んでいないのに融資はできないという事です。では家族間での名義変更を題材に解説します。ここで想像して頂きたいのは、まず、夫婦間であればお互いに婚姻関係にありますので、同じ住居に住むことが考えられます。次に親子間での名義変更ですが、同じ居住に住む事はあり得るでしょうし、引き継ぐ子供が居住する事、定職に付き返済能力があれば名義変更は可能です。この点に関しては後半の、親子リレーローン(親から子供へローンを引き継ぐ融資形態)のところで解説しますね。最後に兄弟ですが、仲の良い兄弟でずっと同じ家に住み続けるのであれば出来ますが、どちらかが家を出るとか、どちらも出るといった事になるとお金のトラブルになるかもしれません。ここまでは関係性のお話でしたが、次に属性のお話になります。名義変更できる属性とは?金融機関の用語で「属性」という言葉を使う事があります。分かりやすく言うと、その人の年収、勤務先、勤続年数、家族構成、債務額等全てひっくるめたものを指します(私がいた金融機関はこう呼んでました)。この属性が主債務者である方と等しい、若しくはそれ以上であれば名義変更は可能になると思われます。前述した夫サラリーマン、妻パートの場合、どうしても妻の属性が弱くなる為、妻の属性がサラリーマンで夫よりも年収が高く、勤続年数も長いなど、審査に有利な判断材料があればという事です。これは夫婦間、親子間、兄弟間でも同じ事が言えますが、引き継ぐ先の方の審査が待っていますので、同じく壁は高いと判断した方が良いでしょう。どんな手続きが必要なの?注意点は?では手続きと注意点について解説します。先に注意点からお話すると、原則ですが、住宅ローンなどの融資は「金銭消費貸借契約」に該当し、殆どの金融機関は名義変更に関する文言を入れており、「名義変更は認めない」と記載がある事が多い様です。この文言が入っているかいないかで手続き出来る・出来ないが変わってきますので、契約書を確認しておいて下さい。記載が無い場合は上記の解説で属性がクリアでき、かつ単独融資の状況であれば変更は可能になってくるでしょう。単独融資でなく、連帯保証人付き契約や連帯債務者での借入の場合は次の問題点が出てきます。新たな主債務者の連帯保証人になってくれるのか?連帯債務者であれば債務を1本に出来るのか?上記の問題点について少し私なりの見解を挟んでおきます。新たな主債務者の連帯保証人になってくれるのか?非常に稀ではありますが、連帯保証人を変えなければいけないケースもあるでしょう。理由は、これこそ人間関係が絡んできますが、主債務者を信じて連帯保証人になる事になります。しかし、主債務者が変わり、あまり人間関係が無いような関係性であれば引き続き連帯保証人になれるかどうかという点です。連帯保証人を必要としない単独契約に切り替わる事が出来ればそれで問題は解決しますが、この様な事例もある様に思います。連帯債務者であれば債務を1本に出来るのか?そもそもですが、お互いに住宅ローン控除を受ける目的で連帯債務者になっているという事であれば、名義変更する事はあまり無いでしょう。しかし、連帯債務者としての契約で融資が受けられる属性を考えると、恐らく夫婦合算年収などで希望融資額に届くものと考えられます。つまり、属性として弱いけれど、2人なら融資可能という判断だと思います。では属性変更が無いまま、どちらか一方の名義に1本に出来るのかというと、これは難しいでしょう。理由は先程の属性に大きな変化(単独融資が出来る様な年収、勤続年数、信用調査の結果)が必要になってきます。変更が無い状況での名義変更は銀行も認めてはくれないと思いますので、この点は注意しておきたいところです。変更の手続きはどうやる?では変更できるとして、手続きの方法について解説します。手続きは大きく2つあります。ローン名義を変更する物件の所有者名義を変更するこの2つを変更する訳ですが、結構大変な作業になります。まず初めにやる事は銀行へ変更する旨を伝えなければなりません。ここで順序を誤って、先に所有権の変更手続きを行ったとします。この時、銀行に名義変更の事実が判明すると、契約違反になりますので、必ず順序は守る様にしておきましょう。本来は銀行の許可を得て、抵当権の設定をし直す必要があります。抵当権の変更などは抹消したり、新たに登録したりしなければならず、必要書類と司法書士の方がいれば手続きは可能です。但しそれなりにお金もかかりますので、少しお時間は掛かるでしょう。抵当権とは、もしも返済が出来なくなった際に、他の債権者よりも優先して弁済を受ける権利の事を言います。住宅ローンでは抵当権を土地に設定する事が多く、融資条件として借入先の銀行が第1抵当権に入る事などがあります。この抵当権は借り入れを債務者と債権者といった形で登記簿謄本に記載され、融資額、金利等も記載される事になります。物件の所有者が本来融資を受けている方なはずなのに、勝手に名義が変わるという事は、知らない人に貸している事になりますよね。この様な契約のトラブルにならない様にしなければなりませんので、名義変更をお考えの方は、絶対に銀行に1番に相談する様にしましょう。ここまでのまとめここで一旦まとめておきます。まず住宅ローンの名義変更はまず困難であるという事がお分かり頂けたかと思います。審査が通るか通らないか以前に、名義変更できないのが通常の契約形態ですので、まず難しいと考えておきましょう。借り換え時に名義変更は可能?ここから少し違った角度での解説をしていきます。どうしても名義を変更したい時、正攻法でいっても壁が高すぎるので断念するという解説は先程してきました。確かに、かなり難しいのですが、では借り換えだったら変更できるじゃないか!と妙案をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。この借り換えのする際の注意点を解説しておきますので、安易な借り換え案には慎重になって下さい。借り換え時に贈与税がかかるかも!?皆さんは贈与税について耳にしたことはあると思います。簡単に言うと、誰かから、誰かへモノやお金を渡す時にかかる税金の事で、一般的には1年間で110万円までであれば税金は掛かる事が無いようになっています。この贈与税の仕組みと借り換えがどんな関係にあるのか解説しますね。夫から妻へ借り換えで名義変更する場合例えばですが、夫の単独契約、若しくは夫婦の連帯債務者でローンを組んでいたとします。話し合いの結果妻にローン名義人になってもらうとなりました。この時、もしかすると、贈与税がかかるかもしれないんです。どういう事かと言うと、借り換えは、A銀行の債務をB銀行が代りに一括して完済し、B銀行でローン返済が始まるという仕組みですよね。この時ローン名義人である夫が単独契約だった場合、妻が新たに借りたB銀行名義の融資金額で、夫名義のA銀行を全額返済する事になる訳です。この場合、夫が妻から高額な返済資金の提供を受けたと税務署に見なされると贈与税の対象になる訳ですね。では連帯債務者で借入をしていたとします。共に正社員でローン控除の為それぞれが借りたものとしておきますが、この時も同じく、夫の債務分を妻が返済する事になります。つまり妻からの贈与がありましたね?と言われる可能性は否定できないという事です。もしも税金を支払ってまで名義を変えたければ、そうするしか方法は無いのですが、贈与税は110万円を超えると大きな税負担になりますので、あまり得策とは言えないです。原則住宅ローンは借り入れをした本人がしっかりと支払う事が一番良い様に思います。親子で返済!親子リレーローンとは前述の解説で少し触れましたが、親子で返済できる「親子リレーローン」という商品があります。これは先に親が主債務者となって返済を行い、定年等で返済が難しくなってきたら、子供に債務を引き継ぎ、子供による返済がスタートするというローン形態です。この商品は親御さんと同居する事、予定がある方が前提の商品でして、子供による返済が始まったら名義変更が出来る商品です(金融機関によってできない場合もあります)。注意点としては、持ち分の比率等が親50%、子供50%などですと、先に親御さんが亡くなった際に50%分に対する相続税が発生する事になりますので、組み方や持ち分比率には注意しておきましょう。離婚した時の名義変更はどうするの?ご相談が多いのが離婚した時です。離婚すると、どちらかが家を出ていくか、2人とも家を離れるかなど話し合いが行われます。まず離婚した際の名義変更はできませんので、注意しておきましょう。また夫の単独融資または夫婦連帯債務者での契約の場合で、夫が家を出ていく事になったとします。妻は家に残り、ローンの支払い無く住むことが可能ですが、万が一、ローン名義人の夫の支払いが滞ったら、妻は家を競売にかけられる可能性もあります。私個人的な意見ですが、離婚する際は可能な限り売却するのが一番だと思っています。住宅ローンの名義変更に関するまとめ今回は住宅ローンの名義人を変更できるかという事をテーマに解説してきましたが、変更するにはかなりハードルが高く、まず難しいでしょう。言えるのは、借りた本人が最後までしっかり返すという事が重要です。また事情がある場合は一度銀行に相談してみましょう。
2020年02月15日今回は何歳まで住宅ローンは組めるのか?という事をテーマに解説します。近年晩婚化にある日本ですが、住宅を購入するタイミングとして結婚後、子供が生まれてからが最も多い動機です。その時、何歳になっているのか、何歳までローンは組めるのか、知識として知っておく事は大事です。では早速解説に入っていきますね。住宅ローンの審査条件は?雇用延長制度がある3つ目の理由として、現在高齢化社会の対策として、政府は企業に対し、定年を延長してもらいたい案を出しています。雇用が延長すれば収入はある訳で、仮に70歳まで延長可能であれば返済は出来るものと考えます。しかし、未だ案の域を脱しないので、70歳まで働けるからと確定ではありませんが、視野に入れておく事も良いのではないでしょうか。理想的な年齢まとめ以上3つの理由で、私なりの理想的な年齢を解説しました。高額な買い物である以上、なるべく支払いは早めに済ませたいですし、老後に残したくはありません。もう少し欲を言えば20代後半からでも買っておいてもいい位ですが、収入などの面もあるでしょう。しっかりと計画を立てて返済出来るような年齢で購入が望ましいですね。理想的なローンの組み方は?次に元金均等方式です。ご覧いただくと、毎月の返済額が違う事、返済総額が違う事がお分かり頂けるかと思います。総額の違いで336,058円の差で元金均等方式の方が少ない金額の返済になっています。しかし、1回目の返済額は約1万円の差があり、返済額が逆転するのがおよそ15年後ですね。私がおすすめの返済方法は元利均等方式です。理由は毎月の返済負担を軽減する事が大事であるという理由です。確かに元金均等方式でも良いのかもしれませんが、試算の条件が2,000万円でしたので、この返済額です。高額な物件になればもっと高い返済額になりますので、なるべく毎月のしわ寄せが来ない返済を選択してください。住宅ローンは何歳まで組めるかに関するまとめ今回は住宅ローンの組み方や理想的な年齢に関して解説してきましたが、あくまでも理想的な年齢です。一つの目安にして頂ければ幸いです。また返済も毎月の事になりますので、苦しくない様な返済プランを選びましょう。
2020年02月12日「不動産投資に興味はあるけれど、どうやって始めたらよいのかわからない」「不動産投資をしてみたいけれど、失敗したらどうしよう…」と悩んでいる人がいるのではないでしょうか。入居者からの安定した家賃収入が魅力の不動産投資ですが、初心者の場合は何から行動してよいのかわかりにくいですよね。そこで今回は、不動産投資の始め方と失敗しないための基礎知識について解説します。これから不動産投資を始めようと検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。不動産投資の仕組みを理解しよう不動産投資初心者は、まず不動産投資の仕組みを理解するところから始めましょう。ここでは、不動産投資の仕組みについて解説します。不動産投資は資産運用の1つ資産運用とは、ご自身が保有している資産を利用してさらに資産を増やすことをいいます。株式投資や投資信託、不動産投資などが該当するでしょう。資産運用の中には、FXのようにハイリスク・ハイリターンという投資方法も存在します。投資の世界では、リスクとリターンは密接に関連しています。ハイリターンの投資方法は、ハイリスクであるということになるのです。ちなみに、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資方法であると言われています。不動産投資の仕組み一般的に「不動産投資」といわれるものは、所有する不動産を賃貸して収入を得る投資方法です。不動産を他の人に貸して家賃収入を得る方法では、家賃収入から経費・ローン返済額を差し引いた手残りがいくらになるのかというキャッシュフローが非常に重要となります。不動産投資は長期で運用する投資方法ですから、途中で破綻してしまわないように綿密な計画を立てる必要があるのです。不動産投資で利益を得る方法としては家賃収入の他、売却したときに得られる利益もあります。賃貸経営は「事業」の一面も賃貸経営では多くの場合、金融機関などからローンを借り入れてアパートなどの物件を購入します。購入した物件を利用して継続的な利益を得られるよう経営していくのです。年度ごとに収支を報告して税金を納めたり、軌道に乗ってくると個人事業から法人化したりすることも。賃貸経営は「事業」という一面も併せ持っています。初心者が不動産投資を始める方法初心者が不動産投資を始める場合、まずどんなことから取り組めばよいでしょうか。ここでは、不動産投資初心者が取るべき行動について解説します。不動産投資に関する書籍を読むまずは、不動産投資に関する知識を身に着けることから始めましょう。不動産会社は丁寧に解説してくれるかもしれませんが、営利目的の業者です。ある程度、自分で判断できる知識がないと業者の言いなりとなってしまい、収益性の低い物件を購入してしまうことになりかねません。不動産投資初心者の方は、不動産投資に関する書籍を読んで知識を身に着けることが大切です。不動産投資セミナーに参加する不動産会社や不動産投資家などが開催しているセミナーに参加してみましょう。不動産投資は規模や種類が様々ですので、できれば自分の方針に合うセミナーに参加するとよいでしょう。不動産投資セミナーに参加すると、不動産投資に関する知識を身に着けることができるほか、オーナー同士の交流ができる場合があります。実際に不動産投資を行っているオーナーとの交流からも、有益な情報を得られることがあるでしょう。資金を作る不動産投資ではフルローンで物件を購入するにしても、手付金や諸費用など現金で支払わなければならない場面があります。したがって、本当の元手ゼロでは始められません。不動産投資を行う場合はまず資金を作ることから始めましょう。資金を作る方法としては、節約をして貯蓄を増やす、家の中にある不要品を売却するなどの方法が考えられます。初心者の方は、上記で解説したように不動産投資に関する情報収集を行いながら、資金を作ることを意識しましょう。比較的少額から始める方法も不動産という特性上、初期投資額が大きくなりやすいという一面があります。しかし、不動産投資には様々な種類があります。一棟のマンションよりは分譲のワンルームマンションの方が購入価格は少額で始めることができるでしょう。また、REITと呼ばれる不動産投資信託を利用して少額から始める方法があります。ご自身の現在の状況や今後のことを踏まえて、不動産投資の方法を検討してみるとよいでしょう。不動産投資の運用方法不動産投資の運用方法としては、管理業務をすべてオーナー1人で行う運用方法と、管理業務の一部または全部を管理会社に委託する方法があります。ここでは、不動産投資の2種類の運用方法について解説しましょう。[adsense_middle]賃貸経営における管理業務とは2種類の運用方法を解説する前に、賃貸経営における管理業務にはどのようなものがあるかご紹介します。一般的な管理業務には、次のようなものがあります。退去精算退去後の室内クリーニング入居者募集賃貸借契約・更新業務家賃回収・滞納者への対応クレーム対応設備の修繕共用部の清掃など賃貸経営の管理業務は上記のように、日常的に行われる業務から入退去に関する業務など、多岐に渡ります。自主管理自主管理とは、賃貸経営を行うオーナーが管理業務のすべてを行う運用方法です。管理会社に委託しないので管理会社へ支払う管理費用がかからない、自分の自由に管理ができるというメリットがあります。しかし、上記のように不動産投資における管理業務は非常に多岐に渡ります。時間のある人や物件の近くに住んでいる人でないと、管理業務のすべてをオーナーのみで行うことは難しい可能性があります。管理委託管理委託とは、賃貸経営に関する管理業務の一部または全部を委託する運用方法です。上記で解説したように管理業務の内容は幅広くあり、クレーム対応など突発的な業務も発生します。サラリーマンなど日々忙しく投資にかける時間が少ない人は、管理委託をする人が多いでしょう。管理会社によって管理委託できる業務範囲や管理費用などが異なります。複数社を比較検討して、最終的に決定することをおすすめします。不動産投資のリスクを理解しよう不動産投資は「投資」ですから、様々なリスクが存在しています。不動産投資を行う場合は、「安定した家賃収入」というメリットだけでなく、必ずリスクを理解しておくことが大切です。ここでは、不動産投資における代表的なリスクについて解説します。空室リスク修繕リスク滞納リスク家賃下落リスク災害リスク不動産価値の下落リスク空室リスク不動産投資は、入居者からの家賃が収入源となっています。したがって、入居者がいなければ収入はゼロ。不動産投資を行うのであれば、空室リスクは必ず考えておかなければならない問題です。空室リスクを考える上で、物件を購入するときの立地選定が非常に重要です。利回りという収益性だけにとらわれず、多方面から検討した上で物件を購入しましょう。また、空室リスク対策としては管理会社の選定も非常に重要です。不動産会社によって、入居者の客付けの得意・不得意があるからです。管理会社の選定は、複数社を比較検討した上で行いましょう。滞納リスク無事客付けできたとしても、入居者が家賃を滞納してしまうことがあります。家賃を滞納されるとオーナーの家賃収入がなくなってしまいますから、賃貸経営にダメージを与えてしまいます。家賃回収や滞納者への対応を管理会社へ委託している場合は、滞納者への対応を管理会社が行います。オーナー自身が滞納リスクへの対策をすることは中々難しいので、初心者の方は管理会社へ業務委託するのが無難でしょう。修繕リスク建物を丁寧に管理していたとしても、年数が経つごとに劣化していきます。壊れた設備の修繕や入れ替え、外壁塗装工事、室内リフォームなど、修繕費用が発生します。不動産投資を行うときには、あらかじめ修繕リスクについても考えておきましょう。修繕の内容によっては多額の費用がかかりますので、少しずつ修繕費用として積み立てしておくことをおすすめします。家賃下落リスク建物の価値は年数を経過するにつれて低下していきます。新築時に設定した家賃は、年数を経過して入退去を繰り返していくと下落していきます。不動産投資を行う場合には、家賃下落リスクも考慮した上で物件選定を行う必要があるでしょう。資金計画を立てるときには、家賃下落リスクを考えて余裕を持った計画にすることが大切です。災害リスク日本は災害大国です。近年では、東日本大震災や熊本地震などの大規模な地震が発生しています。日本で不動産投資を行うのであれば、災害リスクについて考えておく必要があるでしょう。例えば地震という災害リスクに対策する方法として、新耐震基準の物件を選ぶ、地震保険に加入するなどの方法が考えられます。また、災害は地震だけではありません。水害や火災などの被害を受ける可能性も考えられるでしょう。物件を購入する前に自治体で公開されているハザードマップを確認することも大切です。不動産価値の下落リスク不動産の市場価格は、時代とともに変化しています。街の再開発により人気(=需要)が高まり、周辺の不動産価値が上昇することもありますが、逆に様々な事情から下落することもあります。不動産投資においては、出口戦略も非常に重要です。周辺の不動産価値が下落すると、思うような値段で売却できなかったり、手放したくても買い手がつかったりする可能性があるのです。物件を購入するときには物件そのものの情報だけでなく、周辺の情報も調べておくべきだといえるでしょう。不動産投資の始め方に関するまとめ不動産投資では上記で解説したように、様々なリスクが存在します。しかし、株式やFXなど、他の投資の場合でもリスクは付き物です。不動産投資で収益を得るためには、様々なリスクを考慮して余裕をもった資金計画を立てることが大切です。不動産投資初心者の方は、まずはある程度自分で判断できるようになるために知識を身に着けることから始めましょう。
2020年02月10日今回は住宅ローンに関する解説ですが、特に一括返済についての解説になります。住宅ローンは人生の中でも一番高額な金額になりますが、誰もが早く返済したいですよね。そしてなるべくお得に返済したいという方が多いと思います。お得な方法は何があるのか、メリット・デメリットを解説していきますので、住宅購入している方やこれからローンを組む方は是非ご覧ください。住宅ローンの基礎知識を解説します始めに住宅ローンの基礎知識、仕組みから解説していきたいと思います。住宅ローンという名称は商品名になり、住宅を購入する、リフォームする場合に利用される事が殆どです。例えばお子様の教育資金に利用するとか、車を購入する場合には別商品の教育ローンやマイカーローン等になりますので、目的以外の事には使えない様になっています。基本的な仕組みは?住宅ローンは原則最長35年間まで組む事が可能です。または完済(ローンを返し終える)時の年齢が80歳までとなっています。現在の定年退職を考えると、65歳定年なら30歳の時に35年ローンを組めば定年時には全額返し終える事になりますね。また審査も厳しく、年収や借入、勤続年数等調べられた上で融資可能かどうか判断されます。また、保証会社の保証を受けられるかどうかも重要なポイントです。そして、銀行系の融資の場合、必ず団信に加入しなければ融資はしてくれません。団信とは団体信用生命保険の略で、借入をした方が返済期間中に万が一亡くなった場合やがん、心筋梗塞、脳卒中など働けない状況に陥ってしまった時に、住宅ローンを一括で返済してくれる保険です。住宅ローンを組む際にこの保険に加入しなければなりません(フラット35は必須ではありません)。この時、生命保険ですから、お体の健康状態が必要になり、大きな病気をしたことがある方等は加入できないケースもありますので注意しておきましょう。借入金額、金利によって利息負担は異なる先程までの解説は基本的な部分でした。ここからの流れは、少し金利選びに触れていきます。毎月の返済額が異なる部分でもありますので、お得になる、安くなる等の効果が分かりやすい部分です。本記事を執筆している時点での最安金利を調べてみました。ざっくりですが比較してみます。変動金利0.399%10年固定金利0.570%全期間固定金利1.270%試算の条件として4,000万円を借入(頭金無し)、35年間の返済期間を組んだとします。尚、変動金利、10年固定金利も35年間金利変更が無いという条件で試算してみます。試算の結果下図のようになりました。結果から見ても変動金利の返済額が一番安く、利息負担も低いですね。つまり金利は低いに越したことはありません。変動金利と、全期間固定金利では毎月の差額が約16,000円あり、総額負担で見ると、約670万円も開きがありますね。毎月の負担を軽減するためには低い金利選びは非常に重要です。また金利は借りる時期によって変動しますので、借入が近い方はHP等チェックしておきましょう。住宅ローン控除について住宅ローンを解説するに当たって、欠かせないのが住宅ローン控除です。この控除は非常に大きく、税金が返ってくる実感があるので、必ず利用するようにしましょう。今回のテーマでもありますが、一括返済をしてしまうと、住宅ローン控除が使えなくなる等のデメリットが生じます。詳しくは後述しますが、ここでは住宅ローン控除の仕組みについて簡単に解説していきますね。住宅ローン控除の仕組みは?住宅ローン控除の仕組みですが、年末時点のローン残高の1%が減税の対象になり、10年間適用される制度です。税金と言っても、所得税の減税効果が大きく、場合によって控除しきれない時は、住民税にも効果が及ぶ様になっています。一般的な住宅であれば年間最大40万円、長期優良住宅であれば年間最大50万円の減税となります。消費税増税のタイミングに購入した方は3年間延長昨年に消費税が8%から10%へと増税しました。これにより支払額も大きく異なりましたよね。例えば4,000万円の物件で8%なら320万円の消費税、10%なら400万円の消費税となり、僅か2%の違いでも高額になればなるほど大きな負担になります。この様な計算を見込んで、駆け込み需要もありましたが、タイミングが増税後になれば住宅購入が冷え込む事にも繋がります。そこで、2019年10月1日から2020年12月31日迄の期間中に購入・入居した方は、3年間ほど控除期間が延長される事になりました。本年一杯という事ですね。但し11年目からの減税効果は10年間と違って税額が小さくなります。とはいえ、減税が有るか・無いかで支払う税金が変わりますので、恩恵はしっかりと受けておきたいところですね。一括返済のメリット・デメリットを解説しますさて、ここまでは住宅ローンに関する基礎知識を解説してきました。ここから、テーマに沿って解説していきます。一括返済する事のメリット・デメリット、注意点や方法をお伝えしていきます。[adsense_middle]一括返済のメリットまずはメリットから解説します。一括返済のメリットは何と言っても、利息カットの効果が大きいという点でしょう。今回4,000万円で35年間全期間固定金利の1.270%で計算しました。毎月の返済額は前述した通りです。すると次の図の様な返済計画になります。1年間の返済総額が141万円になる事が分かります。そして、その中の利息負担分をご覧ください。1年目の部分を見ると、利息負担は約50万円になっている事が分かります。翌年の利息負担は49.1万円になっている事がわかります。この様に返済年数を重ねる度に利息負担が減り、逆に元金が減るペースが速くなっていきます。この返済方法は住宅ローンでは一般的な元利均等返済方式と呼ばれ、毎月の負担は変わらずに、元金充当金額と利息充当金額が支払い回数を重ねる毎に利息負担が軽減していく方式です。参考までにこちらの図解をご覧頂ければ分かりやすいかと思います。一括返済は老後の安心材料高額な住宅ローンほど定年後の老後に残したくないですよね。現役の時は収入が見込めますが、定年後の収入は年金のみとなります。一括で全額を返済する事で、毎月の返済額が無くなる為、老後にローンを残さずに済むメリットがあると言えますね。また、早い段階で一括返済をする事が出来れば、将来支払うはずの利息を支払わなくて済むことになります。一括返済や繰上返済の仕組みは?ここで少し返済方式について解説しておきます。毎月の返済は元金と利息それぞれに充当される様になっています。では途中で一部大きな金額を返済する繰上返済や一括返済はどんな仕組みなのか解説しますと、途中で入金等する場合は元金にのみ充当される事になる為、利息を支払わなくて済むといった大きなメリットが生じます。例えばですが、先程の4,000万円の借入をした場合、1年後に全額を返済するとなると、将来の利息を支払わなくて済みますので、計算では約900万円もの利息負担を軽減出来る事になる訳です。900万円あれば車が2台くらいは買えますよね。この効果は非常に大きいので、返済出来るのであればなるべく早めの方が効果的と言えるでしょう。一括返済のデメリットではデメリットはどうでしょうか。デメリットの部分で言うと、先程解説を挟みました住宅ローン控除が使えなくなる点です。これはあくまで、控除対象期間中に一括返済した場合のデメリットを指します。ではどんな違いが生まれるのか、具体的に解説していきます。住宅ローン控除の効果は?こちらの図をご覧ください。先程の4,000万円、全期間固定金利で計算した年末残高、控除額の表になります(10年間で作成しています)。この様に10年間に渡って合計約350万円近くの減税効果が発生している事になります。10年間という所がポイントになりますが、この10年間の間に一括返済を行った場合、減税される事は無く、通常通り税金を納税しないといけなくなります。例えば、1年後に全額を返済すると仮定します。減税の恩恵を受けるのは1年目だけで、残り9年間は住宅ローンの残高そのものが無くなりますので、控除を受けられなくなるという事です。計算では約310万円もの金額の損失が出る事になる訳です。これは勿体ないですよね。せっかく税金を減らせる効果があるのに、一括返済を行うと、効果を放棄する事になります。一括返済を考慮されている方は10年後、若しくは13年後が望ましいと言えそうです。他にデメリットは?また別の角度から見た場合のデメリットを解説すると、一括返済は大きな金額を必要とします。例えばですが、購入後20年後に一括返済出来る資金が貯まったとします。返済実行後、住宅ローンは無くなりましたが、住宅の水回り等、経年劣化して改修工事を必要とする事になった場合、新たにお金を借りるか、用意しなければならなくなります。水回りの工事はトイレ、お風呂、キッチンといった部分で工事代金は高いです。この様にならない為に、先々の事も見据えておく事も必要になってきます。またお子様の進学や車の購入、家電製品などの耐用年数を考慮してある程度のお金を残しておく事も必要だと言えます。特にお子様の教育資金は待ったなしで必要になりますので、貯蓄で準備するのか、学資保険なのか、教育ローンなのかある程度事前に準備しておく事が必要ですし、どれくらいのお金がかかるのか想定しておく事も大切です。対策としてはライフプランシミュレーションをお金の流れを把握するためにうってつけなのが、ライフプランシミュレーションです。これは将来のお金の流れが分かるもので、お子様の教育資金計画、耐久財購入、車両、その他ライフイベントにどの様なお金を必要とするのか計画できます。住宅の事だけに囚われてしまうと、他のライフイベントに支障がでますので、事前にお金の計画を立てておく事も重要だと私は思います。一括返済、繰上返済の注意点ここで、一つ注意点を解説します。先程、一括返済を10年後、13年後に行う事が望ましいと解説しましたが、もっと注意すべきは繰上返済についてです。実は繰上返済を控除期間に行う事が吉なのか凶なのか検証したところ、金利の水準で行う・行わないという事になります。次の様な方は繰上返済をする際は要注意です。借入金利が1%未満の方は控除対象期間後に繰上返済、一括返済がオススメ借入金利が1%以上の方は控除対象期間中に毎年繰上返済をする事がお得過去の記事で比較していますので、そちらも参照して頂ければと思います。税効果や総返済額に違いが生じる事になりますので、まずは借入金利がどの水準なのかを確認し一度シミュレーションしてみるのも良いかもしれません。他に注意点は無いの?他に注意点があるとすれば、途中で大きな金額を入金しようとする場合、手数料を取られる事もありますので、注意が必要です。繰上返済時に手数料がかかる銀行や全くかからない銀行など様々です。借入を比較検討する際にこの手数料の部分に関してはチェックしておいて下さいね。また前述した団信ですが、完済後は団信も消滅します。例えば、フラット35などの任意加入の場合、人によっては民間の生命保険を活用していらっしゃる方もいます。住宅ローンを完済し終えたら、生命保険の見直しを実施する事で、掛け金の負担を軽くする事もできますので、忘れずにやっておきましょう。[adsense_middle]一括返済の方法は?では一括返済の方法に関して説明しておきます。一括返済を行う場合、いつ入金するのかというタイミングによって返済金額が異なるので、まずは融資してもらった金融機関に、いついつ全額返済するので金額を教えて下さいと伝えればそれでOKです。金融機関としては高額な融資金額を早く完済してくれるのであれば問題はありませんので、返済する金額が手元にあればなるべく早めに返済をしておきたいところですね。また毎月の返済は指定口座からの引落ですが、一括返済となると銀行指定の口座に振り込む必要が出てきます。この場合振り込み手数料は自分で負担しなくてはなりませんので、手数料の低い金融機関をチョイスできればベストだと思います。住宅ローンの一括返済に関するまとめ今回は住宅ローンの一括返済に纏わる解説でした。一括返済となるとある程度の高額なお金を要します。そのお金をいきなり使う事よりも、資金計画をしっかり立てて損が無いようにしておきたいですね。その為に事前準備はしっかりとやっておきましょう。
2020年02月05日最近では住宅を購入する方が増えてきました。必ずついて回る相談は「住宅ローン」です。今回は住宅ローンに関するテーマで解説を行っていきます。中でも、「連帯保証人」が必要なケースや、そうでないケースとあり、自分はどっちなんだろうと気になる方もいらっしゃるかもしれませんね。これから住宅を購入する方は事前に読んで頂きたい解説です。住宅ローンの連帯保証人は必要?不要?保証会社って何?住宅購入する際、現金で一括購入する方はほとんどいません。理由は簡単です。高額な金額になるからです。その時、ローンを組む事になりますが、各金融機関が商品として持っているのが「住宅ローン」です。住宅ローンは家や土地を購入する時に利用します。金額も様々ですが、住宅ローンを組む時に「連帯保証人」が必要だと言われる事もあります。逆に「保証会社」で大丈夫ですよと言われる事もあります。この違いや保証会社に関してこれから解説していきます。一般的には「保証会社」でOK。単独融資で問題無しまず、住宅ローンを組む際に、審査が必ず発生します。収入や借り入れ状況、勤続年数、購入価格等調べられます。特に何も問題無く審査に通れば融資実行となりますが、金融機関としては「融資はできるけど、もしもの事があったら回収できるかな?」と懸念は払拭できません。そこで、「保証会社」での審査も行う事になります。保証会社とは借主が返済出来なくなった場合に、支払いを代行する会社の事を言います。連帯保証人の代りであると考えて下さい。保証会社は賃貸物件やローン保証に利用されますが、支払いを代行してもらっても、返済先が金融機関から保証会社に変わるだけですので、債務が無くなる事ではありませんのでご注意下さい。この保証会社の審査を通過し問題無いと判断された方は、住宅ローンを1人の名義で借りる事(単独融資)が可能になります。以前は連帯保証人等を必要とする事が往々にしてありましたが、時代の変化と共に連帯保証人ではなく、保証会社を通じる事が一般的なスタイルになっています。審査で引っかかった!連帯保証人が必要と言われた!先程の審査でもしも引っかかってしまった場合、連帯保証人が必要になるケースがあります。例として、クレジットカードの債務額が多い場合、本人の収入だけでは借入希望額に到達しえないので、配偶者の収入を合算する場合等です。連帯保証人が必要なケースの詳細は後述していきますが、保証会社を通じても連帯保証人が必要なケースもありますので、参考までに知っておいて下さい。連帯保証人の意味って何?ここで少し予備知識を解説しておきたいと思います。少し混同し易いのが「保証人」と「連帯保証人」という一見すると同じ言葉ですが、実は意味は全く異なりますので補足しておきますね。結論から言うと、「催告と検索の抗弁権」が有るのか、無いのかという違いがあります。イメージし易いように会話形式での解説をしていきます。催告の抗弁権銀行「借主さんが、住宅ローンの支払いをしてくれませんので、代わりに支払ってくれませんか?」保証人「いやいや。ちょっと待って。いきなりそんな事言われてもね。先に借主に言ってくれないかな?」このケースの場合、保証人は支払いをしたくないので借主にもう一度言う様になっていますよね。この催促(督促)に対し抗う(抵抗する)権利があるのが保証人で、連帯保証人はその権利はありません。よって支払いをしなければならない義務を負う事になります。検索の抗弁権銀行「借主が支払いをしてくれないので、保証人さんの財産を差押えますからね!」保証人「いやいや。ちょっと待って。借主をさしおいて、私に来るのはおかしいでしょ!先に借主から差押えして下さいよ!」このケースでは話がこじれて財産差押えと物々しい事になっていますね。当然保証人は差押えられたくないですから、先に借主を差押えてくれと権利を主張する事ができます。連帯保証人の場合はその権利が無い為、差押えられる事になります。今ではどの金融機関も連帯保証人として契約するケースが殆どです。これは住宅ローンに限らず、金銭貸借の保証人、連帯保証人でも同じことです。保証人や連帯保証人を頼まれたら、慎重に判断しましょう。連帯債務者って何?もう一つ予備知識を。連帯保証人と混同しやすい連帯債務者について解説しておきます。これも意味は異なりますので、参考までに憶えておいて下さいね。連帯債務者とは借主と同等の支払い義務を負っている事になりますが、連帯保証人との違いとしては、連帯保証人の場合、借主が支払い出来なくなってから請求が来ます。連帯債務者は通常の支払い義務がありますので、毎月の支払い日に必ず支払わなければなりません。後程解説しますが、夫婦の収入合算の場合、主たる債務者がご主人様、連帯債務者が奥様のケースが多いです。また連帯債務者の場合は住宅ローン控除を適用する事ができますので、この点は連帯保証人にない違いと言えます。連帯保証人が必要な方の条件って何?ではここから、連帯保証人若しくは連帯債務者が必要な方の条件について解説していきます。あくまでも一般的な条件ですので、銀行の審査基準ではないという事だけ念頭に置いておいて下さい。一般的な条件は下記の通りです。自営業者の方夫婦で収入合算する場合借入額と年収が吊り合わない方勤続年数が極端に短い方ペアローンや親子リレーローンを組む方親名義の土地に建てる方土地、建物が共有名義の場合審査基準に満たない方上記は一般的な条件です。では代表的なものをいくつか解説していきますね。[adsense_middle]自営業者の方自営業者の方は、収入こそ青天井ですが、裏を返せば収入がサラリーマンよりも不安定であると言えます。貸す側の銀行の立場に立って言うと、返済を担保できるだけの根拠が乏しくなる事になります。サラリーマンの場合であれば給与を差押える事は可能ですが、自営業になると給料ではなく売上になりますので、押さえるにしても押さえられない事があります。よって連帯保証人を求める事が発生し易いと言えるでしょう。また審査なども確定申告書を過去3期分提出しなければならなかったりと、開業して間もない場合は審査に通らない事も考えられますので、注意が必要です。夫婦で収入合算する場合先程解説しましたが、このケースは銀行の場合だと連帯保証人となり、フラット35の場合だと連帯債務者のパターンです。連帯保証人のパターンであれば夫婦のどちらか名義で1つのローンを組み、もう1人が連帯保証人になります。連帯債務者のパターンについてもう少し具体的に解説すると、借入額を3,000万円希望していたとします。ご主人様の1人の年収では返済が難しそうだなと判断された場合、借入額を減額する等の案が浮上してきますが、減額した場合、希望の間取りや住宅が購入出来なくなります。そこで、奥様がお仕事をされている場合、2人の年収を合算すれば3,000万円の融資は可能と判断された際に2,000万円はご主人様名義のローン、残り1,000万円は奥様名義のローン(連帯債務者)で合わせて3,000万円を融資するという事です。このケースの場合で購入する方も少なくありません。また団信などもそれぞれが加入しなければならないパターンや夫婦連生団信に加入するパターンもあります。ここで団信、連生団信について解説しておきますね。団信とは、団体信用生命保険の略で「だんしん」と読みます。住宅ローンを組んだ場合、必ず加入が義務になります(銀行融資の場合)。これは債務者が、万が一住宅ローンの返済中に亡くなった場合、生命保険の効力で住宅ローンの支払いが無くなるといった効果が発生します。残されたご家族は、住宅ローンの負担が無い状態で家に住み続ける事が可能になります。連生団信とは、連帯債務者での契約の際に加入できる団信で、先程の例で言うと、仮にご主人様が返済期間中に亡くなった場合、奥様分も含めて住宅ローンを一括で返済出来る保険になります。逆のパターンでも同じ効果が発生する事になります。それぞれが別々の団信に加入していた場合は、ご主人様が亡くなった際に、ご主人様分の住宅ローンが無くなり、奥様分の住宅ローンはそのまま残るといった事もありますので、購入の際は比べてみて下さいね。親名義の土地に建てる方親御さんが土地を所有していて、その土地の上に新しく建物を建てる場合、土地の名義人が連帯保証人になる事があります。このケースは条件の中の「土地、建物が共有名義の場合」も当てはまります。何故、この場合連帯保証人が必要になるのかと言いますと、通常土地も建物も1人の所有である事が多いです。しかし、物件によっては名義を共有していたり、土地と建物の名義が異なる事もあります。最悪のケースで、支払いが困難になった際、物件を競売にかける事も想定されます。この時、共有者の承諾を得なければ物件を処分する事が出来ないので、一般的には連帯保証人になってもらう事になる訳です。この様に、貸す側の立場で連帯保証人を必要とする事がありますので、あくまでも債権保全の為であるとお考え頂ければと思います。ペアローンや親子リレーローンを組む方ペアローンはそれぞれが別々の住宅ローンを組み、お互いに連帯保証人になるという形式の住宅ローンです。親子リレーローンは子供をローン返済の後継者として親が組みますが、このケースでは連帯債務者として契約する事になります。いずれにしても返済に関しての形式が単独融資と異なりますので、連帯保証人、連帯債務者になるという点は十分に考えられるでしょう。連帯保証人の手続きは?連帯保証人になる場合の手続きですが、通常は事前に審査を通過した後に、金銭貸借契約の際に借主と同時に行う事が殆どです。銀行も一発で終わらせたいという事と、何度も足を運ぶ手間を省く為です。必要な書類は沢山ありますが、憧れのマイホームまであと一歩という段階ですね。住宅ローンの連帯保証人にまとめ今回は住宅ローンの連帯保証人について解説してきました。高額なお金を借りる事は非常にシビアに審査される事になります。なるべく単独で借入が出来れば良いのですが、そうできない場合もあります。今回の記事が購入する方にとって参考になれば幸いです。
2020年02月04日一般的に、不動産投資は所有している物件を賃貸して収入を得る投資方法です。不動産という特性上、初期投資が大きくなりやすいため、「高額な資金を費やした結果、詐欺であったらどうしよう…」と不安に感じている人がいるのではないでしょうか。そこで今回は、不動産投資詐欺に遭わないために、典型的な手口と回避策についてご紹介します。不動産投資を始めようと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。不動産投資詐欺の手口とは不動産投資詐欺の手口には様々なものがあります。ここでは、いくつか詐欺の手口についてご紹介しましょう。マンション利回り詐欺手付金詐欺満室詐欺デート商法告知詐欺手口①:マンション利回り詐欺業者からおすすめされたの高利回りの物件。非常に収益性が高いとおすすめされましたが、実は利回り詐欺であったという事例です。不動産投資物件を購入する際の選定基準は様々ありますが、利回り(=収益性)は非常に重要な項目です。しかし、利回り詐欺で提示された数字は想定家賃を高く設定していたり、経費を一切考慮していない計算であったりするのです。そのため、実際に不動産投資を始めると、高利回りどころか収支マイナスで手出しが出てしまうケースがあります。手口②:手付金詐欺「手付金を支払えば物件を押さえることができますよ」などと説明され、手付金として預けたお金を持ち逃げされてしまう手付金詐欺。物件の引渡し前に連絡が取れなくなってしまい、物件も手に入らないという状況になってしまいます。複数人に同様の手口を使い、手付金としてお金を受け取っていることがあります。手口③:満室詐欺物件が満室であるかのように装って販売する満室詐欺。販売しているときだけ業者の関係者などが仮住まいすることなどにより、満室に見せかけているのです。業者の目的は物件を売却することですから、売却後は退去が続出します。また、実際は空室であるのにカーテンをかけておくなどによって、満室を表現していることがあります。手口④:デート商法恋人関係のように親密な関係を築き、物件購入をさせたあとに音信不通となるのがデート商法です。「あなたとの将来を考えて、一緒に住む物件を購入しない?」などと話を持ち掛け、相手を物件購入へと導くのが特徴です。購入した物件は、到底収益が望めない物件であったというケースもあるようです。「相手ともっと親密になりたい」という気持ちを利用した詐欺手法です。手口⑤:告知詐欺物件のマイナス要素を隠し、購入希望者が質問したことに対しても虚偽の回答をして購入をさせる告知詐欺。過去に事件・事故があったことを隠したり、建物の修繕履歴を偽ったりするなど、買主の購入意思決定に影響を与える情報を隠す・偽ることが特徴です。買主は事実を知らずに購入するため、後々トラブルに発展してしまう可能性が高いでしょう。不動産投資詐欺の見分け方上記のように、不動産投資詐欺には様々な種類があります。詐欺の被害に遭わないためには、事前に不動産投資詐欺であるかを見極めることが大切です。ここでは、不動産投資詐欺の見分け方について解説します。利回りの種類実際に運用した時のシミュレーションを作成してもらう会社の経営実態を確認するメリットしか言わない業者は要注意!購入判断を急かす業者に注意利回りの種類不動産投資では、賃貸収入を得るための物件選定が非常に重要です。購入する物件を選ぶ基準の中でも、利回りを重視している人は多いのではないでしょうか。通常、不動産会社が作成している物件資料に掲載されている利回りは「表面利回り」です。しかし、実際に資金計画を立てる上で重要なのは「実質利回り」でしょう。両者の違いを下記に簡単にまとめました。表面利回り…想定年間家賃収入÷購入価格実質利回り…(想定年間家賃収入-諸経費)÷(購入価格+購入時の諸経費)計算式からわかるように、表面利回りは「1年間に想定される家賃収入」と「購入価格」のみで計算されています。しかし、不動産を購入する際には登記費用などの諸費用がかかり、運用が始まってからも管理料などの諸経費がかかります。業者が提示している利回りの数字はどのような計算方法で算出されているかを見極めましょう。実際に運用した時のシミュレーションを作成してもらう不動産投資詐欺である場合、見栄えがよくなるように数値を変えていたり、一部の項目を抜いていたりするなど、きちんとシミュレーションを作成していないことがあります。詐欺業者のシミュレーションでは儲かる内容となっていたとしても、実際に運用してみると収支がマイナスになってしまう物件も存在するのです。不動産投資を行う上では、様々なリスクを考慮しておくべきでしょう。実際に運用した時のシミュレーションを作成することで、物件を購入するときの判断に役立ちます。会社の経営実態を確認する不動産投資詐欺を行う人・グループの中には、架空の会社名を名乗っていることがあります。少しでも不審な点を感じたら、会社名や事務所の住所・電話番号、所属している団体(宅建協会など)などを調べましょう。メリットしか言わない業者は要注意!メリットばかりを推し続け、デメリットを一切言わない業者であれば注意してください。不動産投資にはメリット・デメリットの両面があります。投資において、「絶対に儲かる」「必ず損はしない」ということはあり得ません。デメリットや注意点など、ネガティブな要素をはぐらかす詐欺まがいな業者とのやり取りには十分に注意しましょう。購入判断を急かす業者に注意このマンションは、すぐに手付金を払わないと他の人に取られてしまいますよ。あなたがワンルームマンションを買わないのであれば他の購入希望者がすぐに買ってしまいますよ。人気物件だけど、あなただから特別に紹介しているのです。今買わなければ他の人にも紹介してしまいますよ。今買わないと損します。上記のように、業者がしつこく購入判断を急かしてくるようでしたら注意が必要です。物件のネガティブな情報を気付かれないよう、あえて購入の検討をする時間を与えないようにしている可能性があるからです。不動産投資詐欺の対処法誰でも詐欺の被害には遭いたくないですよね。しかし、万が一不動産投資詐欺の被害に遭ってしまったらどうしたらよいでしょうか。ここでは、不動産投資詐欺の対処法について解説します。[adsense_middle]行政の相談窓口を利用する消費生活センター警察相談専用電話(#9110)上記は、不動産投資詐欺に限らず相談ができる窓口です。「まだ詐欺と決まったわけではないけど、不安…」という人でも気軽に相談してみましょう。警察相談専用電話(#9110)は、皆さんご存知の110番と異なり、緊急性の低い相談内容の相談も可能です。相談内容によっては、問題に適した窓口を紹介してくれることがあります。不動産投資詐欺に遭ったかもしれないと悩む人は、まず行政の相談窓口に連絡してみましょう。宅建協会など業者の所属団体に相談する詐欺の相手が不動産会社の場合、宅建協会などの所属団体に相談することも有効でしょう。場合によっては、弁済してもらえる可能性も。どの団体に所属しているかは、不動産会社の会社概要もしくは所属団体のWebサイトなどから確認することが可能です。免許行政庁に連絡する宅建業の免許が発行されている会社が宅建業法に違反する行為を行っている場合は、宅建業の免許を発行している免許行政庁に連絡しましょう。免許行政庁は国土交通省・各都道府県のいずれかです。弁護士に相談する法律のプロである弁護士に相談するのも1つの対処法です。弁護士に依頼する場合は費用がかかりますが、詐欺被害に遭ったことが確実であれば専門家に依頼することが解決への近道となる可能性があります。弁護士によって得意分野・不得意分野がありますので、不動産関係に強い弁護士に依頼することをおすすめします。不動産投資詐欺の回避策不動産投資詐欺を行う人・グループは詐欺のプロ。「不動産を高値で売却する」「高額な資金を回収する」などの目的のために様々な手段を使っています。また、勧誘する際の話術も巧みで相手をその気にさせる技術に長けている可能性があります。そこで、この項目では不動産投資詐欺を回避する方法について解説します。何か不審に感じる点があれば、参考にしてみてください。複数の不動産会社を比較検討する不動産投資に関する知識を身に着ける契約書類の内容をきちんと確認する第三者に相談する安易にお金を渡さない複数の不動産会社を比較検討する不動産投資詐欺を回避する1つの方法として、複数の不動産会社を比較検討することが挙げられます。詐欺を働いている人たちは物件を買わせるなどの目的のために大切な情報を隠したり、虚偽の情報を伝えたりしています。複数の不動産会社を比較検討することで、説明の矛盾点に気がつくことができる可能性が上がるでしょう。なお、「詐欺かもしれない」などと不審に思う点があれば、上記でご紹介した行政の相談窓口に相談してみましょう。不動産投資に関する知識を身に着ける不動産投資に関する知識を身に着けることで、詐欺師の言動・行動のおかしな点に気付くことができるでしょう。不動産投資を行うのであれば、ある程度自分で判断できるための知識を身に着けることが必要です。業者の言いなりでは、不動産投資詐欺であることに気付きにくいでしょう。不動産投資に関連する本を読む、不動産投資家の本・ブログを読む、実績のある不動産会社のセミナーに参加するなどを行い、不動産投資の勉強をすることをおすすめします。契約書類の内容をきちんと確認する不動産を購入する場合は、不動産売買契約書などの書類を取り交わします。契約を行う前に、必ず書類の内容を確認しましょう。契約書類の中には不動産用語や法律用語などわかりにくい言葉がたくさん含まれています。書類の内容がよくわからないという場合には、遠慮せず担当者などに質問しましょう。不動産会社自体が信用できないという場合には、上記の「不動産投資詐欺の対処法」の項目でご紹介した機関などにご相談ください。第三者に相談する詐欺被害に遭う人の中には、身近な人や行政機関など第三者に一切相談せずにいた人が少なくありません。不動産投資を行うことを家族などに話しておくと、自分では気付かなかった不審な点を指摘してくれることがあります。少しでも不安に思うのであれば、相手が急かしてきたとしても第三者に相談しましょう。安易にお金を渡さない1度相手にお金を渡してしまうと、回収することが困難になってしまう可能性があります。そのため、通常の不動産取引ではあり得ないタイミングで金銭を要求されたり、契約内容に不審な点があったりするなどの場合は、安易にお金を渡さないようにしましょう。不動産投資詐欺のターゲットになりやすい人とは不動産投資詐欺を行う人は、ある程度ターゲットを絞っていることがあります。ここでは、不動産投資詐欺のターゲットになりやすい人について解説します。[adsense_middle]ステータスの高い人不動産という特性上、販売価格は数千万円・数億円といった高額になることが多くあります。したがって、不動産投資物件を購入するためのローン審査が通りやすい人が狙われることがあります。医者や上場企業の社員など、金融機関などの融資が通りやすいステータスの高い人がターゲットにされることがあるのです。はっきりと断れない性格の人世の中には、はっきりと断れない性格の人がいます。不動産投資詐欺に限らず、詐欺被害に遭う人の中には「あまりにしつこいので根負けして購入してしまった」という人がいるのです。また、はっきりと断られなければ、業者側から「この人はしつこく営業をすれば言いなりになってくれるかもしれない」と思われてしまう可能性があります。購入する意思がなければきっぱりと断ったり、はっきり意思を伝えることが難しければ業者からの連絡を絶ったりすることが大切です。上手い話に信用してしまう人相手を疑うのはとても心苦しいことです。しかし残念ながら、初めから騙そうと思って近づいてくる人が存在しているのです。不動産投資は成功すれば収益を得られますが、様々なリスクがあることをきちんと理解した上で運用していく必要があります。したがって、「絶対」「必ず」儲かるということはありません。「この物件を買えば必ず儲かる!」などという言葉は信用しないようにしましょう。不動産投資に興味のある人は、不動産投資詐欺に注意しよう!不動産投資では、ある程度自分で判断ができるよう知識を身に着けることが必要不可欠です。業者の言いなりでは、詐欺とまでは言えなくとも収益性の悪い物件を購入することになりかねません。詐欺を行う人は「騙すプロ」ですから、「自分は絶対に騙されない」などと思わずに回避策や対処法を知っておくと良いでしょう。不動産投資に興味のある人は、詐欺被害に遭わないよう十分に注意してください。
2020年01月27日壁がぐるりと巡る「切妻屋根が好きではないので四角い家がいいと思っていました」。こう話すのはHさん。しかし道路レベルからはH邸の屋根の形を確認することはむずかしい。建物にぐるりと壁が巡っていて屋根の形どころか、そもそも住宅なのかどうかさえもわからないのである。このデザインは住宅密集地ながら三方が道路に開かれた角地にあり、かつ、隣にアパートが立つという敷地条件から導き出されたものだった。道路に面した3面には窓はなく壁が部分的に切り取られたところがある。下はガレージ、上はテラス部分の壁が切り抜かれている。左の壁面の真ん前にはアパートが立っている。「人の目線が気にならないように配慮してこのような形にしていただいた」と話すのはHさんの奥さん。設計を依頼したのは森清敏さんと川村奈津子さんが共同主宰するMDSだ。テレビ番組で見て気に入った住宅がMDSのデザインによるものだったという。周囲を同じく壁で囲んだその神楽坂に立つ住宅は「コーナーの部分が曲線でつくられているのが素敵でした」と奥さん。森さんは「あの家は周りがとても立て込んでいて窓をつくると内部が見えてしまうため3層を壁で囲いました」と話す。さらにこの住宅も「周囲に住宅が立て込んでいるうえに、隣にアパートがあって不特定多数の人が住んでいる。アパートは将来建て替わる可能性もあるし高さもどうなるのかわからない。こうしたことを考えるとある程度閉じていくことを考えざるを得ない状況でした」と説明する。左下の扉を開けると吹き抜けていて玄関ドアが右側にある。この扉はパンチングメタルを組み合わせてつくられたもの。壁を切り取るHさんからも「MDSが設計した神楽坂の家は囲われていていいな」という話を聞いていたというが、しかし、同じようにすべて囲ってしまうのではなくどう開くいてくのかも同時に検討していったという。壁で囲ってしまうと当然ながら採光の問題が出てくる。H邸の外壁を見ると、玄関やガレージの壁が部分的に切り取られているほか上部にも切り取られている部分があるが、そうすることで内部へと光を導き入れまた視線の抜けも確保している。そして内部では、同じく壁を切り取るという操作によって、内外に対して開口をつくり出している。手前が1階リビングで奥がダイニングとキッチン。オープンキッチンにするのは夫妻の強い希望だった。ダイニングの左手を奥に進むと玄関へと至る。この1階スペースにいることが多いという奥さんのお気に入りはキッチンで、パネルの色にこだわりブルーグレーにしたという。ダイニングキッチンからリビングを見る。ダイニングキッチンからも視線が外へと斜めに抜ける。開放感と視線の抜けそれとともに、天井も、これは切り取るのではなく、取り払ってしまうことで、外光をふんだんに内部に採り入れるとともに開放感と空に対しての視線の抜けを確保している。具体的には、リビング上部を吹き抜けにしたり、2階の寝室の隣にテラスをつくったりということだ。奥さんはこのようにデザインされた空間を模型で見て「かっこいいなと思った」とその時の感想を語る。Hさんは「想像していなかったような形が出てきました」。夫妻は内部でもいろいろと要望を伝えた。Hさんは「オープンキッチンや階段についての要望など」を伝えたという。階段は他のMDSの住宅の写真を見て気に入っていたもので「絶対譲れなかった」ものという。左手のキッチンの床は一段低くなっていてダイニングに座った人と目線の高さが近くなるようにしている。キッチン近くから見る。奥に浴室。浴室側からキッチンを見る。キッチンの開口はエントランス部分の吹き抜けに面している。Hさんの希望で浴室の扉と壁をガラスにした。扉と鏡のフレームを木にしたのは奥さんのリクエストだった。見せない収納2階にはテラスの近くに木のボックスがつくられているがこれもリクエストしたもので、実は中に洗濯機が入れられている。「洗面所に洗濯機があると生活感が出てしまう」ためそのようにしてもらったというHさん。「モノを見せない収納にしたかった」と、1階のキッチン部分でも冷蔵庫を収納の中に入れて隠している。これが雑多なデザインが混在しがちな住空間をすっきりとした印象にまとめて落ち着き感をもたらしている。落ち着き感をつくるのに寄与している要素としてその収納家具の色味も挙げるべきだろう。その濃い目の木の仕上げ色は、MDSから提案されたサンプルから選んだものという。森さんはその濃色の部分について「白い壁面以外はすべて家具扱いにしていて、白の部分とはっきりと差をつけるためにこのような色にしました」と説明する。過去のMDSの住宅で気に入った階段と同じものを希望したが、デザインは「微妙に変えて進化させている」(森さん)。天井から吊り下がるシーリングファンは森さんのリコメンドからこの製品に。「これは良かったです」とHさん。2階から1階のリビングとダイニングキッチンを見下ろす。左の木のボックスには洗濯機が入っている。テラスが隣にあるので洗濯したものをすぐ干すことができる。2階和室から見る。すぐ前の壁には間接照明が仕込んであり、下からの反射でほんわりと空間が明るくなるようにしている。日差しの強い時期には右のテラス上部にオーニングを取り付ける。ウォークインクローゼットの扉上部のアールのラインが空間の雰囲気を和らげている。奥は将来の子ども部屋。陰をつくるさらに室内空間の明暗のメリハリも落ち着きをもたらしている。全体を一様に明るくするのではなく陰を意図的につくり出しているのである。「明るいところをつくるということは同時に暗い部分をどうつくるか、陰をどうつくるかという話になる」と話す森さん。その結果生み出された明暗のメリハリが空間の高低のメリハリとあいまって歩くごとに風景が変わっていくような印象を与えることに。天井高がダイニング部分で2.1m、奥のリビングが4.6mと、明暗だけでなく高さのメリハリも効いている。この家に住み始めて2年。Hさんは「とても静かで、かつとても住みやすい」という。プライバシーへの配慮から壁で四囲を包むつくりにしたことで外部からのノイズが大きく取り除かれて都市部では珍しいほどの静けさがもたらされた。そして、この静けさが落ち着きのある家具の色と意図してつくり出された陰をほどよく抱え込んだ室内にマッチして心地良い空間をつくり出している、そのように思われた。H邸設計MDS所在地東京都構造木造規模地上2階延床面積113.83㎡
2019年12月11日仕事と暮らしをひとつに都心にもアクセスがいい、静かな住宅街。そこで龍光寺建築設計一級建築士事務所を営む、龍光寺眞人さんと池守由紀子さん、そして二人のお子さんが暮らし始めた住まいを訪ねた。事務所兼住宅の建物の入り口は大きなガラス張りで、いわゆる戸建という感じはしない。「ここはなんだろう?という感じで見ながら通り過ぎる人もけっこういますね」と話す龍光寺さん。以前もこのあたりに家を借りて暮らしていたという。「ただ、仕事場が別だと子どものことも心配で仕事にも集中できなかったので、職住を一緒にしたいと思い土地を探し始めました」。なかなか空きが出ず、2年ほどかかったという土地探しも、やっと古い家屋のある24坪ほどの土地を購入し、自分たちで設計を始めた。そしておよそ8カ月の工事を経て今年完成した。打ち合わせスペースの土間は基礎をそのまま現しにした。その下には床暖房が埋められている。半地下の仕事スペースは、壁に向かって仕事はしたくないと、中央に円形のテーブルを置いた。内と外のいい関係設計にあたってまず考えたことは、自分たちの生活と街との距離感だったという。「この敷地内で事務所は別棟にする案もあったのですが、そうすると壁が増えてコストもかかるし、何より仕切って別世界をつくるようなことはしたくなかったんです。このあたりに長年住んでいますから近所の人などの雰囲気もわかっているので、街に向けてオープンに暮らした方が気持ち良さそうだな、というイメージがありました」と龍光寺さん。入り口にガラス張りのサッシを選んだことや、入ってすぐの打ち合わせスペースは土間で外との段差がほとんどないことからも、内と外との境界がいい意味であいまいになっていることを感じる。「家の中は下から上に向かって徐々にプライベートになっていきます。壁をつくると狭くなるのでなるべく仕切らず、窓は大きく取りました」。ドアを開けると土間の床と高い天井の開放感のあるゆったりとした打ち合わせスペース。その奥の半地下が夫婦の仕事場。土間から階段を上がるとダイニング、さらに階段を上がるとプライベートなリビングや子ども部屋や水周りとなっており、各スペースが壁ではなく階段によって分けられている。ダイニングスペースからは階段下、その向こうの外の通りへの見通しもよく、子どもが遊んでいる気配も感じられる。ダイニングから上がったフロアにはテレビを観たりする小さなリビングスペースを。奥が子供部屋で、梯子の上のロフトは夫婦の寝室。ダイニングからの気持ちの良い見下ろし。天井には木毛セメントボードを貼った。階段はスチールで見通しを邪魔しないすっきりさ。リビングスペースの窓は大きく取るために、ビル用のサッシを入れた。さりげない親しみやすさをこうして考えられた家には、近所の子どもや友人たちもよく遊びに来るという。そんな時は土間の打ち合わせスペースがパーティー会場に。「近所の子はガラス越しに中が見えるから遊びに来やすいみたいですね。それに若い人は共働きなどで日中家にいる人が少ないから、なんとなく安心感もあるのかなと。自分たちとしてはやっと仕事と生活を一緒にすることができて、子どもも見ながら仕事もするというのは効率としてはあまりよくないかもしれませんが、精神的な面では安定しましたね」と池守さん。「子どもたちには、私たちの設計した家をいろいろと見せていたので、早く自分の家がほしかったみたいですごく喜んでくれています。でも、家の写真を携帯電話の待ち受け画面にしている僕がいちばん気に入っているかもれません」と龍光寺さんは嬉しそうに話す。空間が狭くならないよう、照明器具は最低限のものを。電球ソケットは思ったよりも明るく、灯りをつけないときは存在感もさりげない。ロフトの寝室は子ども部屋ともつながっており気配も感じられるので、大人も子どもも安心して眠れる。バスルームも建具はつけずにシャワーカーテンのみで仕切る。メンテナンスも簡単。大きなガラスが印象的な外観。手前の駐車スペースから入り口ドアまでの動線も親しみやすさを感じる。
2019年12月09日収益物件を購入して家賃収入を得ることを不動産投資と言いますが、そもそも収益物件とはどのような物件のことを意味しているかご存知でしょうか。数ある不動産の中でも収益物件に該当する物件には、他の不動産とは違ったメリット、デメリットがあります。そこで本記事では、不動産投資を始める前に知っておくべき収益物件の基本知識について解説します。不動産投資における収益物件(収益不動産)とは?一般的に収益物件というと、アパート、マンション、ビルなどの賃貸物件というイメージがありますが、正確にいうと収益を生み出す不動産のことを収益物件といいます。収益とは基本的に家賃収入を意味しており、不動産を他人に賃貸することで家賃収入が得られる不動産のことを収益物件といい、収益物件に投資することを不動産投資というのです。マイホームとの違いと収益物件の意味不動産の中には一戸建てなどのマイホームも含まれますが、自己使用を目的として建てられている不動産については収益を生み出さないため収益物件とはいいません。ただし、一戸建て全てが収益物件ではないということではありません。例えば、一戸建てマイホームを購入して自分で住んでいたところ、転勤命令が出て住めなくなったためローンを組んでいる金融機関に許可を得て他人に賃貸することがありますが、この場合一戸建てであっても家賃収入が発生するため収益物件になります。収益物件とは原則的には収益を目的として建てられたアパートやマンションを意味していますが、自己使用目的で建てた不動産だとしても、借り手がついて収益を生み出せるのであれば収益物件に該当するのです。つまり、収益物件とは物件そのものの特徴だけによってカテゴライズされるものではなく、不動産を運用する人のやり方や工夫次第で収益物件になるのです。収益物件のメリット不動産投資で収益物件を所有することには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。メリット1:定収入が確保できる先日金融庁が発表した報告書で、老後の生活資金としておよそ2,000万円が不足すると記載されていたこともあり、年金だけでは満足な生活が送れない可能性が浮き彫りとなりました。そもそも、金融庁がこのような報告書を発表した目的は、兼ねてから不安視されていた年金問題をぶり返したかったわけではなく、貯蓄を美徳とする日本人に対してもっと金融リテラシーを高めて投資マインドを持つよう促すことだったのです。不動産投資によって収益物件を所有すれば、毎月家賃収入という定収入を確保することができます。当初はアパートローンを組んで購入するため家賃収入の多くはローンの返済に充てることになりますが、老後に近づいた頃にローンが完済すればあとは家賃収入だけが手元に残るため、不足する老後の生活資金の十分な補填として活用できるのです。メリット2:専門的な知識が不要である株式投資やFXも投資として一定の人気がありますが、安定的に収益を出し続けるためにはそれなりのノウハウや知識が必要です。プロの株式トレーダーと言われる人たちは、日夜さまざまな情報を大量に収集し数分単位の値動きを見逃さないよう目を光らせており、一般人が気軽に入り込める世界ではありません。証券会社に口座を開設するだけで株式投資すること自体は可能ですが、初心者がする株式投資は投資というよりも実際はギャンブル性の方が強いのです。一方で不動産投資については、投資する物件選定については熟慮が必要ですが、収益物件を購入した後の賃貸経営については管理会社に委託できるため実務的なノウハウはほとんど必要ありません。メリット3:利回りが安定している利回りとは年間収入に対する投資額のことで、不動産投資でいうと年間家賃収入に対する収益物件の購入価格になります。物件の収益性を判断する上で重要な指標となる利回りですが、不動産投資においては利回りが他の投資に比べて安定しやすいというメリットがあるのです。家賃については短期的に大きく値下がりすることはほとんどないため、長期的に安定した収益を生み出してくれます。ところが株式投資やFXについては、日々価格が変動しており激しく乱高下することも日常的なので、長期的に安定した利回りを維持し続けることは熟練の投資家でも至難の技です。そのため、株式投資やFXはプロと初心者の力の差が結果に大きく出てしまうのですが、不動産投資についてはそこまで結果に差がつかないので、投資初心者の方についてはできるだけ不動産投資から始めた方が有利と言えます。収益物件のデメリット収益物件を所有すると大きなメリットがあることがお分かりいただけたかと思います。ただし、投資である以上はメリットばかりではありません。収益物件を所有するにあたっては、最低限次のようなデメリットがあることも知っておくことが重要です。[adsense_middle]デメリット1:家賃が入金されないリスク収益物件を購入した後の賃貸経営については管理会社に委託できるため、投資家自身にノウハウはほとんど必要ありません。ただし、いくら管理会社が優秀だとしても次の2つのリスクについてだけは、常に消えないためその都度対策が必要になります。空室リスク収益物件は常に満室とは限りません。むしろ一棟20戸のアパートだとすると、最近では1割程度が空室でも不思議ではないのです。収益物件で空室が発生すると、その間はその部屋からの収入はゼロになるため収益が一気に落ち込むことになります。一棟アパートであれば空室が発生したとしても、他の部屋の家賃でどうにか補填して経営していくことができますが、マンションの一室に投資する区分マンション投資の場合は空室が発生すると収益が一気にゼロになってしまいます。すぐに次の入居者が決まればよいのですが、立地や築年数によっては数ヶ月空室になることもあるため、その間の収益の落ち込みが大きなリスクとなります。家賃滞納リスク不動産投資において投資家にとって一番の悩みの種となるのが家賃滞納です。賃貸経営におけるほとんどの業務は管理会社に委託できますが、家賃滞納が発生した際の督促については原則として委託ができず、投資家自身で対応しなければなりません。管理会社の中には督促を委託業務に含めているケースもありますが、本格的に督促して家賃を回収するとなると債権回収業務にあたり弁護士法に抵触する恐れがあるため、基本的には当事者である投資家自身で賃借人から回収する必要があります。家賃滞納は1ヶ月分程度であれば電話で督促するだけでも入金になる可能性がありますが、3ヶ月以上滞納が続くと自力での回収はほぼ不可能になってきます。諦めて退去してもらおうとしても、本人自ら退去してくれないと建物明渡請求訴訟による裁判手続きを経なければならず、かなりの労力とコストを奪われることになるのです。デメリット2:災害リスク不動産投資が他の投資と大きく違うのは、不動産という物的資産に投資するということです。物的資産を保有するということはメリットでもある一方で、収益物件の場合は災害リスクという大きなリスクを負うことになります。大地震のリスク東日本大震災をきっかけに日本の地震におけるリスクを考えた人は多いのではないでしょうか。日本の新耐震基準では震度6強〜7程度の地震で倒壊、崩壊しない構造となっていますが、他人に賃貸できないほどに損傷する可能性は十分に考えられます。万が一大地震が収益物件に直撃した場合でも、残りのローン返済は続くことになるため、他人に貸せない状況に陥ってしまうと家賃収入が得られず返済が難しくなる可能性があるのです。最近は地震保険に加入する不動産投資家の方が増えていますが、地震保険で保証されるのは火災保険の補償額の30~50%が上限になるため、損害の全額を保険で補填することはほぼ不可能といえます。集中豪雨・台風リスク最近被害が増えているのが集中豪雨や台風による水害リスクです。収益物件が多い都市部については土砂災害などのリスクはあまりありませんが、平坦な場所については水害の被害が多く見られます。2019年の台風19号でも多くの収益物件が床上浸水の被害に見舞われ、復旧に多くの費用がかかることとなりました。また、2階以上の部屋についても室内の浸水被害はなかったものの、1階部分の機械室が浸水したことによってエレベータが停止したり、給水ポンプが停止して水が出なくなったりといった被害が発生し、入居者に家賃を返金する事態に発展したマンションもあります。収益物件を購入する際の選び方のポイント地震や水害などのリスクをできる限り回避するためには、収益物件の選び方として次のポイントについて確認することが重要です。旧耐震基準と新耐震基準耐震基準には旧耐震基準と新耐震基準があり、1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物については新耐震基準で確認されているため地震によるリスクが非常に低くなります。建築基準法が改正になる前の旧耐震基準で建てられた収益物件については、耐震改修工事をしていない限りあまり投資しないほうがよいでしょう。ハザードマップを活用自然災害リスクは防ぎようのない部分がありますので、できるだけ浸水リスクの低い立地を見極めることが重要になってきます。そこで自治体の作成しているハザードマップなどを確認することで、浸水リスクの低い立地の物件を選ぶとよいでしょう。収益物件に関するまとめ今回は、不動産投資を始める前に知っておくべき収益物件の特徴やポイントについて解説してきました。収益物件を保有するということは、老後の生活資金に不安がある日本において非常に大きなメリットがありますが、一方で地震や水害といったリスクがあることも忘れてはいけません。メリットとデメリットを理解した上で物件探しをすることが、何よりのリスクヘッジとなるでしょう。
2019年12月02日住宅を購入する際、多くの人が利用するのが「住宅ローン」。大金を借り入れる住宅ローンは大きな決断のひとつですから、後悔はしたくないですよね。今回は住宅ローンを借りた経験のある30歳以上の男女360名を対象に実施した「住宅ローン選びの後悔」についてのアンケート結果から浮き彫りになった、住宅ローンで後悔しないコツ3つをご紹介します。■ 2.5人に1人が住宅ローンで後悔! その理由とはUshico / PIXTA(ピクスタ)調査を行ったのは、オンライン住宅ローンサービスを運営するMFSです。調査ではまず「住宅ローン選びで後悔していることはありますか」と尋ねました。すると、「ある」と答えたのは40.8%と約2.5人に1人という結果に。後悔した人を年代別にみると、最も多かったのが「30代」で30.6%。次に「50代」が25.9%、「40代」が23.8%となりました。30代で初めてマイホームを購入または建てたという人が多いのかもしれません。次に、住宅ローンで後悔したことがある人に「住宅ローン選びで後悔していることは何ですか(複数回答可)?」と尋ねると、1位は圧倒的に「もっと金利の低い金融機関を選べば良かった」(31.7%)。次いで「違う金利タイプを選べば良かった」(20.3%)、「不動産会社に言われるがままに選んでしまった」(14.9%)、「返済期間をもっと短くすれば良かった」(10.4%)という結果でした。■ ローンで後悔した人は「不動産会社の紹介」が多いFast&Slow / PIXTA(ピクスタ)ローンを組んでからもっといい金利の金融会社を見つけて「しまった!」と後悔することは多いようです。事前にしっかり下調べをして、最も良い選択肢をチョイスしたいものですね。さて、ローンを組む際に不動産会社が紹介した金融機関のものをそのまま選んだ人も多いようで、その結果として後悔することになってしまったようです。では、なぜ不動産会社が紹介した金融機関を選んでしまったのでしょうか?後悔している人の場合、最多の回答は圧倒的に「自分の住宅ローン知識に自信がなかったから」(54.1%)。次いで「住宅ローン手続きが面倒だったから」(42.4%)、「不動産会社の紹介先を選ぶのが当然だと思ったから」(24.7%)という結果でした。■ 住宅ローンで後悔しないコツとは?haku / PIXTA(ピクスタ)アンケートの結果から、住宅ローンで後悔しないコツは次のようにまとめることができます。自分で下調べをする不動産会社にローン会社選びを一任した結果、後悔した人が多いようです。面倒でもまず自分で下調べをして、住宅ローンについて学んでおきましょう。複数の選択肢を持つ不動産会社に紹介されたローン会社だけでなく、自分で銀行を回ったり、インターネットで調べるなどして複数の選択肢があると金利などを比較できます。返済条件について学習するアンケートでは金利や返済期間、ボーナス払いなどについて後悔するケースも見られました。各社住宅ローンの返済条件をあらかじめリサーチしておきましょう。これから住宅ローンを借りる予定の方は、すでにローンを借りた人の意見を参考にして、後悔のないようにしてくださいね!【参考】※2.5人に1人は住宅ローン選びで後悔している! 「住宅ローン選びの後悔」に関するアンケート調査結果を発表ーMFS
2019年11月27日こんにちは、婚活FP山本です。近ごろでは「サラリーマン大家さん」という言葉もよく聞くほど、不動産所得のある方も増えました。それほど不動産投資が一般的になった一方で、会社員なら税金のことは年末調整で済むことが多いため、確定申告に苦戦している方も多いのが実情です。そこで今回は、会社員の方が不動産投資をしている事を想定して、不動産所得がある場合の確定申告についてお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。不動産による収入は確定申告が必要まずは、不動産所得と確定申告の関係についてお伝えします。冒頭でも少し触れた通り、不動産による収入がある方は、年末調整では済まず確定申告が必要です。稀に「どうやって年末調整するんだ?」と悩む声も聞きますが、そもそも年末調整できませんから注意しましょう。ちなみに会社員の方は確定申告を避ける傾向にありますが、年末調整よりも税金を安くできることも多いので、むしろおすすめです。それに、どうせ確定申告する訳ですから、これで「確定申告が必要」という行為を避ける必要もなくなります。また確定申告が必要といっても、あくまで「自分に関係する部分だけ」です。初めてなら難しく感じても、いずれ慣れてくるでしょうから、そう考えて確定申告に挑んでいきましょう。税金への義務はしっかり果たそうそもそも、日本では基本的に「全ての利益」について税金が発生します。そして納税は国民の義務であり、少額だからと許されるものではありません。会社員の方は年末調整で税金関係が完了しますから、つい軽く考える方もいるのですが、その感覚は極めて危険です。なお、仮に「利益がゼロ」であっても確定申告したほうが得に繋がります。不動産投資をする以上、不動産所得がある以上、確定申告は付き物と考えて取り組みましょう。金額ではなく規模で計算方法が変わる?ここからは、不動産所得と確定申告の基本についてお伝えします。不動産所得というのは、不動産の価格・金額ではなく「事業の規模」で確定申告の内容が変わるルールです。具体的に言えば「10室以上か否か」、または「5棟以上か否か」で基本的に判断されます。そして簡単に言えば「5棟10室以上」のほうが、事業的規模と見なされて、様々な優遇措置が受けられます。とはいえ一般的なサラリーマン大家さんなら、そこまでの規模ではない事が多いので、将来的な事業規模の拡大を見越して覚えておいて頂けますと幸いです。また確定申告は、「青色申告」「白色申告」という2種類があり、青色申告のほうが細かく帳簿を付けなければならない反面、以下のメリットがあるので有利です。青色申告特別控除が使える(10万円、事業的規模なら65万円)(事業的規模なら)家族への給料を経費にできる(事業的規模なら)貸倒引当金を設定できる赤字を3年繰り越せる青色申告したい方は、事前に税務署へ「青色申告承認申請書」を出すだけで出来ます。ぜひ検討してみましょう。賃貸数によってはサラリーマン大家も事業者最初は一室から始めた不動産投資であっても、その後に賃貸数が増えたのであれば、サラリーマン大家さんであっても事業者と見なされる訳です。むしろ最初の一室を始めた時点で、確定申告が必要だったり申告の種類を選んだりで、立派な事業者と言えるかもしれません。少なくとも、借主から見たら規模は関係なく誰もが大家です。ぜひそんな意識で、これからも不動産所得を得ていきましょう。不動産所得になる収入とは?次は、不動産所得になる収入についてお伝えします。不動産には様々な名目のお金が発生しますが、簡単に言えば不動産所得になる収入は以下の通りです。家賃名義書換料・承諾料・更新料・頭金など敷金・保証金など(返還しないもの)管理費・共益費などの名目で受け取る水道光熱費や掃除代などなお、「収入として認定される時」は、名目によって違いがあります。そして給与所得と同じく、不動産所得も1月1日~12月31日の期間が対象です。この間に手に入った収入かどうかも考えましょう。またサラリーマン大家さんの中には、「これがどの名目のお金になるのか分からない」ような場合もあるでしょう。そんな時は勝手に判断せず、できれば管理会社や税理士などにしっかり確認を取って下さいね。管理費や共益費は忘れがちかも会社員の場合、お金は「出すか貰うか二者択一」のことが多いので、稀に管理費や共益費を忘れる方もおられます。たとえ一部を出そうとも、帳簿上・確定申告上は一旦全額を収入として計上するわけです。もちろん最終的には差額分しか収入計上しませんけどね。サラリーマンでも大家さんになった以上、このような感覚や帳簿・確定申告も覚えていく必要があります。少しずつでも慣れていきましょう。不動産所得で経費・控除できるものとは?今度は、不動産所得で経費にできるものについてです。不動産所得は、先ほどの収入から以下の経費を控除として差し引いた残りが該当します。固定資産税などの税金損害保険料など減価償却費修繕費管理会社に支払う手数料司法書士などへの報酬ローンの金利や手数料簡単に言えば、不動産所得を得るために支出した様々なお金を経費にできる訳です。減価償却費など、直接的な支出を伴わないものも、ちゃんと経費にしましょう。逆に言えば、不動産所得とは関係ない支出については経費にできません。代表例は所得税や住民税でしょうか。なお、このような様々な支出を伴うのが不動産投資だからこそ、日常的な記録を取ることが大切と言えます。税金についてはもちろん、自分で経営状態を常に把握・管理するためにも帳簿付けを日課としましょう。ローンの金利や固定資産税をお忘れなく先ほどの経費にできる支出一覧を見て、忘れているようなものはないでしょうか?初めて確定申告する方だと減価償却費以外にも、ローンの金利や固定資産税あたりも忘れがちです。忘れがちというより、どんな支出を経費にできるか知らなかった……というケースも多いと言えます。経費は増やすほどに利益を小さくでき、ひいては税金額も低く抑えられる訳です。あくまでルールの範囲で、できるだけ経費を増やすよう心がけましょう。[adsense_middle]不動産所得の手続きに必要な書類は?今度は、実際の不動産所得の確定申告手続きについてお伝えします。まず、不動産所得を申告する時に使う必要書類は、以下の通りです。青色申告:確定申告書B、青色申告決算書白色申告:確定申告書B、収支内訳書どちらのケースも、最近では国税庁サイトにある「確定申告書等作成コーナー」を使うと簡単なのでおすすめです。ちなみにサラリーマン大家さんなら、不動産所得だけでなく給与所得についても申告する訳ですから、そちらも忘れず申告しましょう。なお、上記のコーナーを使うと、収入と経費さえ入力すれば利益や税金額については自動で計算してくれます。収入や経費も色々と指示・説明がありますから、それに沿って入力しましょう。領収書などは5年間、しっかり保存を例えば、あなた個人にかかる源泉徴収票や生命保険料控除証明書などは、確定申告書に記載するとともに添付する必要があります。一方で不動産所得の経費などの証明書となる領収書などは、添付する必要はありません。ただし5年間の保存義務があるので、大切に保管しましょう。ちなみに帳簿関係の保存義務期間は7年間です。このように基本的に確定申告では、架空の収入や経費を申告させないために、一定の証拠書類を必要とします。会社員ならレシートを貰ってもすぐに捨てていたかもしれませんが、以後はしっかり保管するようにしましょう。確定申告する時期と方法は?今度は、確定申告の提出についてお伝えします。添付書類も含めて確定申告書類が完成したら、あとは提出するだけです。確定申告は、毎年1月1日から12月31日の期間の内容を、翌年の2月16日から3月15日の間に申告します。土日の関係で毎年、多少はズレますから時期には注意しましょう。また確定申告書類を提出する方法は、以下のような方法があります。税務署へ郵送する税務署へ持参するe-Taxを活用する(一定の事前申請や機器の準備が必要)はじめて確定申告するなら、その場で簡単にチェックしてもらえるので、税務署へ持参する方法がおすすめです。会社員なら税務署へ行く機会など中々ありませんから、今後の経験の意味も込めて、一度は行ってみるのもアリではないでしょうか。なお、確定申告は控えとともに2つ提出しますが、申告後の控えは銀行から融資を受ける際に必要となります。領収書などとともに、これもちゃんと保管しておきましょう。最近では土曜日でも提出できる!最近の税務署は、確定申告の時期は土曜日でも納税者のために署を開けているところもあります。サラリーマン大家さんなら平日は都合が付きにくいでしょうが、土曜日ならいかがでしょうか。もし確定申告書類を持参するなら、対象となる税務署がどうかを確認してみましょう。ただし、全ての税務署が同じではありません。どうしても持参できない場合は、素直に郵送で手続きしましょう。不動産所得は給与と損益通算できる!今度は、サラリーマン大家さんにとって大切なことをお伝えします。不動産投資の営業マンのセリフではありませんが、不動産所得は給与所得と損益通算できるルールです。つまり、もし不動産投資で赤字になっていたとしたら、その分だけ税金が安くなります。また不動産投資というのは、特に初年度は税金などの関係で赤字になりがちです。もちろん初年度から黒字のほうが望ましいものの、赤字になったならなったで有効活用すべきと言えます。きっちり確定申告して、源泉徴収されてきた所得税を返してもらいましょう。なお、だからこそ最初の物件が黒字化した頃に、次の物件を増やすような投資手法を取る方もおられます。ぜひ今後は、総合的に一番得になりそうな方法を模索しましょう。「損が出ても得」とは言えないので注意を!少し注意が必要なのですが、稀に「不動産投資は損が出たほうが得」などと勘違いする方もいますが、そんなことはありえません。税金は、あくまで利益の一部を納めるだけですからね。先ほどの損益通算も、あくまで赤字が出た時の損失補てんの一部でしかありません。税金を一円でも減らすことばかり考えると、かえって損してしまうことも多いのが実情です。あくまで不動産投資も黒字を目指す一方で、赤字が出た時には損益通算などで少しでも損失補てんするようにしましょう。[adsense_middle]確定申告のやり方がわからない場合は相談を!最後に、確定申告における大切なことをお伝えします。はじめて確定申告するのであれば、大抵は一つや二つ、分からない部分も出てくるのが普通です。不動産所得がある事情も様々で、身近な相談相手がいないようなケースもあるでしょう。そんな時は、以下のいずれかの方法がおすすめです。近くの税理士に相談する税務署で相談しながら作成する管理会社などに相談できるのなら良いのですが、そうでない場合でも確定申告を無視するのは危険と言えます。一定のペナルティ的な税金が発生する可能性もあるうえ、場合によっては不動産投資が会社バレするかもしれません。税理士か、あるいは税務署に相談してでも、しっかりと確定申告はこなしましょう。サラリーマン大家も立派な経営者!サラリーマン大家さんの中には、経営者感覚の弱い方も少なくありません。そんな場合は税金への感覚も弱く、むしろ税務署の存在やペナルティを他人事と捉えて「自分には関係ない」などと考える方もいます。残念ながら、そんな自分ルールは社会では通りません。特に、親から投資用物件を相続したようなケース、あるいは空き家となった自宅を貸しているようなケースで注意が必要です。人に貸した時点であなたも立派な経営者ですから、強めに注意しましょう。不動産所得の確定申告は毎年のこと!基本的に不動産投資は毎年、不動産所得が発生します。つまり、確定申告も毎年のことになる訳です。毎年苦しむくらいなら、早めに慣れたほうが得ではないでしょうか。慣れるほどに節税にも強くなります。ぜひ早めに慣れて、早期の資産形成を目指しましょう。
2019年11月25日せっかく手に入れたマイホームでも、住宅ローンの支払いが滞るとどうなると思いますか?そう、任意売却や競売などになり、手放すことになってしまいます。このようなことにならないためにも「もしもの時」にどうなるのかを知っておきたいものです。そのうえで住宅ローン破綻しないためにはどうすればよいのか、ファイナンシャルプランナーで不動産会社に勤務する吉井希宥美さんに聞きました。■ 1.何か月滞納すると競売・差押えになるのか?September / PIXTA(ピクスタ)住宅ローンを滞納し始めると、およそ1か月から3か月の間に、銀行から催告書や督促状が届きます。ローン2~3か月分を支払わないままでいると、督促状の内容が住宅ローンの元金や遅延損害金などを一括返済してほしいという内容となります。そして、銀行や保証会社から直接電話がかかってくるようになります。返済しないと、早ければ6か月程度で競売にかけられてしまいます。1-1催告書と督促状の違い催告書は督促状に比べて厳しいものではなく「○月○日までに遅延返済金と損害金の全額を返済してください」といった内容のとなります。督促状は、何度も届く催告書の指示に従わないときに届きます。銀行だけでなく、保証会社からも連絡がくるようになり、滞納分の一括返済ができれば競売は免れますが、返済できないと競売になりかねません。yamahide / PIXTA(ピクスタ)1-2期限の利益の喪失通知滞納から3~6か月が経過すると、「期限の利益の喪失通知」が届きます。「期限の利益」とは、「毎月分割して住宅ローンを支払ってもいい」という約束を交わすことをいいます。住宅ローンを組むときローン利用者は、銀行とこの「期限の利益」を受けることができる契約をします。支払いを行わないということは、契約を守らないということ。ですから銀行は、分割して支払う権利を無効にします。これが「期限の利益の喪失」です。1-3滞納から半年で競売になる可能性もある住宅ローン借入の際は、同時に、保証会社に加入しているケースがほとんどです。借入れ者が返済を行わないと、保証会社が銀行に返済(代位弁済といいます)するため、今度は保証会社から滞納者へ返済の請求がきます。そのままにしておくと、競売の申し立てが行われます。■ 2.競売ではどんなことがされるのかYNS / PIXTA(ピクスタ)保証会社から競売の申し立てがあると、「競売開始決定通知書」が届きます。これは競売の手続きが開始したこと、不動産を担保として差し押えたことを知らせるための書類です。2-1現況調査競売の手続きが開始すると「現況調査」が行われます。裁判所の執行官と不動産の鑑定士が競売の対象となる不動産のことを調べに来ます。自宅の状況について聞かれるほか、写真撮影、間取りの確認、周辺環境調査などが行われます。裁判所はたとえ留守であっても部屋に入る権利があります。2-2入札の開始滞納から10~12か月頃に「期間入札決定通知書」が届きます。入札の開始日が決まり、その期間、不動産の購入希望者が、裁判所に購入金額を提示して申し込みます。入札期間はおよそ1週間から1か月ほどです。入札はオークション形式で行われます。■ 3.任意売却Mills / PIXTA(ピクスタ)先にお話ししたように、住宅ローンを滞納、延滞すると、債務者がローンを分割で返済する権利が失われて、金融機関は住宅ローンの全額を一括返済するよう求めてきます。残債務(残りのローン)を一括で返済できない場合、自宅を強制的に売却し、その売却代金を借入金の返済にあてる方法として任意売却があります。3-1任意売却の意義任意売却とは住宅ローン等の借入金が返済できなくなった場合、任意売却専門の不動産業者に売却を任せる方法です。売却代金を残債の返済に充て、返済しきれなかったときは、・話し合いにより分割で支払えるようにしてもらう・債務を圧縮してもらう・免除してもらうなどします。任意売却による返済金額は、通常、競売の落札金額よりも高くなるため、銀行や保証会社が任意売却を承認してくれるケースが少なくありません。しかし、ローン返済できなかった事実が信用情報機関に登録されてしいまうというデメリットがあります。3-2任意売却のタイミング任意売却は、理論的には、開札日の前日までであれば可能ですが、ローン不払いから半年以内に任意売却を成立させるのは、時間的にタイトです。基本的にどの不動産会社でも任意売却を行うことは可能ですが、時間が限られているので経験の豊富な不動産会社を選ぶべきでしょう。■ 4. 住宅ローン破綻してしまう理由は?freeangle / PIXTA(ピクスタ)住宅ローン破綻をしてしまった人のなかで、住宅を購入する時すでに「自分が破綻するかもしれない」と思っていた人はいないでしょう。破綻するのは、次のような状況にある人が多いように思います。4-1支払いにおける見通しが甘い「ローン借り入れ当時夫婦で働いていたが、妻が専業主婦になり世帯収入が減ってしまった」「家賃と同じローンの支払額だから返済できるだろうと借入した」など4-2予想外のことが身のまわりで起こった「会社が倒産した」「リストラにあった」など4-3自己資金なしで購入した「低金利の時に変動金利で借入したが、金利が上がった」など■ 5.まとめino masa / PIXTA(ピクスタ)破綻しないためには、目先の金利に惑わされず、適度な自己資金を頭金に充て、適正な期間でローンを組むことが必要です。上記のようなこと頭に入れて、住宅ローン破綻をしないようなローンの組み方をしましょう。宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー(AFP)/家族信託コーディネーター®吉井希宥美
2019年11月20日地震や台風などの自然災害で自宅が全壊したとしても、住宅ローンの債務は残ります。最悪の場合、今まで金融機関から借りていた住宅ローンに加え、自宅の修繕や新たな住宅購入のためにローンを組んで二重に返済することにもなりかねません。今回は、自然災害でローンの返済が難しくなったときにどうすればよいのか、ファイナンシャルプランナーの吉井希宥美さんに対応策を教えてもらいました。■ 1. 行政の救済措置を知っておくartswai / PIXTA(ピクスタ)災害時には、行政などから給付金を受けられることがあります。以下に主なものを紹介します。詳しくは内閣府のホームページをご覧ください。1-1 被災者生活再建支援制度この制度は、災害により住宅が全壊するなどの被害を受けた世帯に対し、最大300万円の支援金が支給されるものです。「基礎支援金」と「加算支援金」の合計額が支給され、「基礎支援金」の支給額は全壊なら100万円、大規模半壊なら50万円。「加算支援金」の支給額は「建築・購入」なら200万円、「補修」は100万円、「公営住宅を除く賃借」は50万円です。1-2住宅の応急修理(災害救助法による)日常生活に必要な個所を応急的に修理した場合に、1世帯当たり57.4万円(平成29年度基準)を限度に補助が受けられるものです。補助を受けるには、以下の要件を満たすことが必要となります。・災害により住宅が半壊または半焼した世帯・応急仮設住宅等に入居していない・自ら修理する資力がない(大規模半壊以上の世帯に関しては資力を問わない)1-3災害復興住宅融資 (住宅金融支援機構による)災害により滅失・損傷した家屋の復旧に対し、低金利で貸し付けを行うものです。申し込み受け付けは被災日から2年間。返済期間は最長35年または年齢に応じた最長返済期間、いずれか短い年数となります。融資額の額は、・建設の場合建設費、購入費などの所要額の合計額または建設資金1,680万円、土地取得資金970万円、聖地資金450万円、特別加算額(建設資金)520万円の合計額のいずれか低い額が限度となります。・購入の場合基本融資額2,650万円(敷地の権利を取得しない場合は1,680万円)、特別加算額520万円が限度になります。■ 2.それでも返済できない場合は債務整理をいがぐり / PIXTA(ピクスタ)東日本大震災がきっかけになり、震災前に借り入れた住宅ローンの返済が困難となった個人を対象に、「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」 にのっとった債務の免除が、災害を受けた人に一層広く行われるようになりました。2-1自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインこのガイドラインを利用することで、法的倒産手続による個人信用情報の登録などの不利益を回避できます。国の補助により弁護士費用はかかりません。また、手元に残せる現預金の上限が500万円を目安に拡張されます。そのほかにも被災者にとって有利になることがあるので、詳しい内容は一般社団法人東日本大震災・自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関のホームページでご確認ください。ガイドラインによる債務整理の手順は、以下のようになります。・借り入れている金融機関に申し出る・金融機関の同意が得られたら、「自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関 」に登録している弁護士など専門家に支援を依頼債務整理の内容を決める・「調停条項案」という書類を作成してもらい、借入先の金融機関に提出する・金融機関の同意を得たら、簡易裁判所に「特定調停」を申し立てる・調停条項を確定させる(債務整理の完了)しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)もしこの制度を使わないと、一般的にいう「債務整理」を行うことになります。「債務整理」とは法的な手続きにより「返済額を減額してもらう」「免除してもらう」「猶予してもらう」ことを指します。債務整理にはいくつかの種類があり、金融機関にローンの金利を減免してもらったり、返済を分割にしてもらったりする「任意整理」や自己破産や個人(民事)再生があります。これらの法的手続きで債務整理をすると、その情報は信用情報機関の「ブラックリスト」と呼ばれるものに登録され、5年間は保管されます。その間は新たにローンを組んだり、クレジットカードを作ったりできない、携帯電話の契約や機種変更ができないなど、生活に支障が出てしまいます。■ 3.まとめsunrise / PIXTA(ピクスタ)近年は災害が多発し、いつどこで災害が発生してもおかしくない状況です。今年は大きな台風が2度襲来し、多くの人の生活に支障が出ています。住宅ローンの債務は、家がなくなったからといっても免除にはなりません。債務者を助ける制度があるということを他人事だと思わず知っておくことが必要です。宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー(AFP)/家族信託コーディネーター®吉井希宥美【参考】※内閣府「公的支援制度について」※個人債務者の私的整理に関するガイドライン※自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関
2019年11月14日不動産投資に興味はあるけれど、高額というイメージが邪魔をしてまだやったことがないという方は多いのではないでしょうか。確かに不動産は高額な投資商品ですが、やり方によっては少額でも不動産投資を始めることが可能です。そこで今回は、少額でできる不動産投資の始め方ややり方、初心者が注意すべきポイントなどについて詳しく解説します。少額投資は初心者におすすめ不動産投資をする場合に、初心者の方がいきなり億単位の物件に投資するとなると、どうしてもハイリスクになってきます。そこでまずは少額投資で始めてみて、不動産投資とはどんなものなのかを理解し、慣れてから高額物件に投資する方がおすすめです。不動産投資でいう少額とは?不動産投資の王道といえば一棟もののアパートなどがありますが、一棟投資となると一度に億単位の投資が必要になるほか、災害の多い日本においてリスクが一点に集中するというデメリットがあります。不動産投資で少額なものとしては、区分マンションが一つの選択肢です。中古の区分マンションであれば、東京都内だとしても郊外のエリアを探せば500万円以下でも投資することができます。そこで今回は、500万円以下を少額の目安と考えて不動産投資法についてご紹介していきたいと思います。不労所得で将来も安心少額から不動産投資を始めることには様々なメリットがありますが、中でも一番重要なことは老後の生活資金となる不労所得の確保です。人生100年時代と言われ長生きすることが当たり前になっている昨今ですが、先日の金融庁の発表では老後の生活資金として年金以外で2,000万円程度が不足するとの見解を示しました。これは国が不安を煽ろうとしているのではなく、国民に対して金融リテラシーをあげてほしいというシグナルを発しているのです。貯蓄マインドから投資マインドへ日本人は貯蓄マインドが古くから根付いているため節約して貯蓄することを美徳とする傾向がありますが、人生100年時代を乗り切るためには、貯蓄ではなく運用して働けなくなった後も安定的な不労所得を確保することが必須になります。そこで貯蓄マインドから投資マインドに切り替えて、サラリーマンでも無理なく始められる少額投資を始めていくことが今の国民に求められているのです。初心者でもできるお手軽少額投資の方法の仕組み少額投資の必要性をある程度ご理解いただけましたでしょうか。ここからは、実際に不動産投資を少額で始めるやり方や、少額投資の種類について詳しく解説していきます。[adsense_middle]少額投資の始め方少額投資を始めるためには元手となる資金が必要になります。通常の不動産投資のように金融機関から融資を受けて始めることも可能ですが、少額投資の場合は後ほど解説しますが通常の不動産投資に比べると融資が受けにくいケースがあるので、できればある程度の投資資金は事前に貯蓄しておくことがおすすめです。1年あれば十分貯蓄できる投資資金を貯蓄するというと、時間的ロスがリスクのように感じるかもしれませんが、少額投資で必要となる投資資金は100万円程度あれば十分なので、一般的なサラリーマンの方であれば1年間集中して貯蓄すれば十分準備することが可能です。少額投資は始めた後ローンの返済に苦しむリスクはほとんどないので、最初の貯蓄さえ頑張れば後は少しずつリターンを受け取ることができます。少額不動産投資の種類について少額から始められる不動産投資にはどのような種類があるのでしょうか。投資法ごとに解説していきます。中古ワンルーム区分マンション投資法不動産投資の中でも一部屋から購入できる区分マンションに投資する方法があります。ただ、区分マンションでも新築だと都内のワンルームで2,500万円以上することもあるため、少額で始めるためには築15年前後の中古区分マンションで、できるだけ郊外のものを選定しなければなりません。都内であれば、東京23区外の私鉄沿線(西武新宿線、西武池袋線、小田急線、京王線、東武線など)の物件が狙い目です。郊外でもJR中央線などJR沿線の物件は価格が若干高めなので、少額投資であれば価格が落ち着いている私鉄沿線で探す方がおすすめです。ローンを組む際の注意点上記条件にあてはまる中古区分マンションであれば500万円程度でも購入が可能ですが、ローンを利用する際には注意が必要です。新築物件を購入する際には、購入する物件自体の担保評価が高いので、購入価格の100%満額のフルローンが出たりすることもありますが、中古の場合は担保評価が低く見られるため、ある程度の元手が必要になります。神奈川や千葉であれば、首都圏にも関わらず200〜300万円程度でも購入できる物件がありますので、ローン審査が心配な方は購入金額満額を貯蓄で賄うという選択肢もありでしょう。地方の戸建投資比較的手頃に購入できる地方の戸建を使って投資する方法もあります。地方の戸建物件はもともと投資目的で売りに出ているものはほとんどなく、基本的には自己使用を前提に売りに出ているため、家賃を想定して利回り計算をしてみると、賃借人さえ決まればかなり高利回りが実現できる場合があるのです。うまくいけば長期安定収入になる地方の戸建というと不動産投資のイメージが湧かないかもしれませんが、実は立地さえ慎重に吟味すれば地方は戸建賃貸の需要が意外にあるので、高利回り物件に化ける可能性があります。主なターゲットとしては低所得者世帯やシングルマザーなど、住宅ローンが組めないけれども一戸建てに住みたいという客層です。特に小さな子どもがいる世帯については、近隣への騒音を気にしてマンションよりも戸建を希望するケースが多く、住宅ローンが組めない人に戸建賃貸が意外とマッチします。リフォーム費用も考慮することが重要地方の中古戸建物件はもともと賃貸目的で売りに出ているわけではないので、購入後はある程度の手直しが必要になることを見込んでおく必要があります。特にバスルームやキッチンなどの水まわりが古い場合は、100万円以上のリフォーム費用がかかる可能性がありますので購入時にはその金額も考慮して検討しましょう。クラウドファンディングによる不動産投資最近話題になることが多いクラウドファンディングですが、不動産投資にも応用されてきており少額から投資ができる場合があります。クラウドファンディングとはインターネットを使って不特定多数の人から出資を募ることで、海外でも注目を集めており、投資の対象は不動産以外にも事業やサービス、商品など様々です。クラウドファンディングのタイプを大きく分けると次の4つの種類があります。寄付型クラウドファンディング:リターンを求めず、単に寄付をするタイプです。投資型クラウドファンディング:事業を始めたい人に投資するタイプで、一定のリターンがあります。融資型クラウドファンディング:資金を必要とする人や法人に資金を融資するタイプで利息などのリターンがあります。購入型クラウドファンディング:不動産などの高額なものを共同で出資して購入するタイプで、少額不動産投資はこれに該当します。簡単に言うと、高額な不動産を不特定多数の人同士で資金を出資しあって購入し、そこから生じる家賃などの利益の配当を受けられるということです。不動産に特化したクラウドファンディングとしては、オーナーズブックが比較的有名で、東証マザーズに上場しているロードスターキャピタル株式会社が運営しています。クラウドファンディングを活用した不動産投資は、数万円程度という非常に少額から始められるというメリットがあるだけではなく、物件の選定や運用面は不動産のプロに任せられるため、知識や情報が少ない初心者ならではのリスクを抑えることができるのです。株式投資感覚できるREITREITとは不動産投資信託の事で、不動産に直接投資するのではなく、不動産を運用する不動産投資法人に投資する方法です。投資を受けた不動産投資法人は集めた資金を利用して不動産投資をして、得られた利益を投資家に配当します。投資家は信頼できる不動産投資法人を選定して投資するだけなので、不動産経営に関するノウハウは一切不要でです。中には株式投資のように簡単に投資できるものもあるので、株式投資をやったことがあるという方であれば感覚を掴みやすいでしょう。ただ、不動産を所有するわけではないのでオーナーとしての実感を味わいたいという人には向いていません。少額投資で多くの利益を生む少額投資の方法をいくつかご紹介してきましたが、少額投資というとどうしてもローリターンに留まってしまうという懸念があり、効率的な資産運用には向いていないのではとの声もあったりします。ただ、少額投資だからといって必ずしもローリターンというわけではありません。[adsense_middle]継続投資でリターンを増やす少額投資は1回だけではローリターンで終わってしまいますが、継続して投資していくことで徐々にリターンが増えていきます。特にクラウドファンディングやREITなどについては一口あたりの投資額が数万円程度と非常に少額なので、慣れてきたら徐々に増やしていくことで、ゆっくりですがリターンを増やしていくことが可能です。リスク分散が最大の特徴少額投資で少しずつやるのであれば、最初から高額な融資を利用して投資したほうが効率的なのではと思うかもしれませんが、初心者の場合は一つの投資対象に投資資金が集中すると万が一の時に立て直すことができないほどのダメージを被ります。少額投資であれば同じ不動産投資の枠組みの中でも、様々な物件に分散して投資ができるので地震や台風といった災害に対してもリスクヘッジが可能です。もっと言えば、不動産投資に限らず株式投資や投資信託、FXなどと組み合わせることでさらにリスクヘッジになります。このように少額に抑えることで、他の投資にも資金が回せて分散投資できることが最大のメリットと言えるでしょう。少額投資でおすすめの賃貸運営法少額で不動産投資を始める場合は、賃貸運営についても一定の工夫が必要となります。例えば、500万円で買った区分マンションに対して毎回10万円以上かかる原状回復工事を発注していたら割に合いません。少額で購入できる区分マンションは家賃も4万円前後と非常に安いケースが多いため、賃貸運営をするにあたってはできる限り原状回復工事や諸修繕費用などのランニングコストを抑える必要があるのです。自主管理と相見積もりを活用するランニングコストを抑えるためには、できるだけ管理会社に管理を委託せず自分自身で賃貸管理をすることで管理料3,000円程度を削減できます。区分マンション1部屋であれば、自主管理してもそこまで面倒なことはありません。サラリーマンでも片手間でできるレベルです。また、原状回復工事などを発注する際には必ず複数社で相見積もりをとって、できる限りコストパフォーマンスがよい業者に発注するよう心がけましょう。最終的には自分でやることも視野に区分マンションや戸建てなどで少額不動産投資していくのであれば、最終的にはできるだけ自分でできる施工は自分でやることを視野に入れるとより利益が出やすくなります。自分でやるといっても、自分自身で内装工事をするということではなく工事箇所ごとに最安値の業者に振り分けて発注できるようになるということです。例えばエアコン交換にしても内装業者にまとめて発注したほうが手配が楽ですが、コストについては割高になることがあります。むしろエアコンだけ家電量販店に来店して自分で購入したほうがコストダウンできます。また、壁紙やフローリングの張替えなどについてもアマゾンなどで安い具材を自分で調達して、施工だけ職人さんに日当を支払ってやってもらうという方法でコスト削減を行っているオーナーさんもいます。少額でできる不動産投資に関するまとめ今回は、不動産投資の中でも初心者が気軽に始めやすい少額でできる投資法についてご紹介してきました。少額投資は当初ローリターンになりがちなので、ランニングコストを削減する意識を強く持つことがとても重要です。コスト削減などを考える余裕がないという方は、クラウドファンディングやREITなど運営面をプロに任せられる投資法で始めることをおすすめします。少額投資は継続することでリスク分散しながら徐々に資産を増やすことができますので、安定した老後の生活資金を確保したい方などには非常に適している投資法と言えるでしょう。
2019年11月06日初心者でも気軽に始められる不動産投資ですが、節税目的で始めてみたもののうまくいかずに失敗してしまう人が多いのも事実です。不動産投資で失敗する人の理由はある程度決まっているので、実際に失敗した事例を知ることで自身の失敗を回避することができます。そこで本記事では不動産投資に失敗する4つの理由について、事例を交えながら解説していきたいと思います。初心者は不動産投資の「落とし穴」にはまりやすい不動産投資に失敗する人に共通しているのは、不動産投資に対する大幅な知識不足です。確かに不動産投資は初心者でもローンを利用すればすぐにでも始められますが、最低限の知識がないと始めたところで失敗してしまいます。では具体的にどのような知識が欠けていたことで失敗につながってしまうのでしょうか。失敗する理由1:空室リスクを甘く考えている不動産投資のリスクの中でも、やってみないと実感しにくいと言われているのが空室リスクです。不動産投資は家賃収入によってローンを返済するため、空室によって家賃が入ってこなくなると途端にキャッシュフローが苦しくなってしまいます。ワンルームの区分マンションは空室リスクが深刻空室リスクによるダメージがより深刻と言われているのが、ワンルームの区分マンションに投資するケースです。区分マンションはアパート経営とは違い一戸単位で物件を保有するため、サラリーマンでも手ごろに投資できる価格帯であるというメリットがある一方で、空室になると家賃収入が一気にゼロになってしまい、キャッシュフローが極端に悪化するというデメリットもあるのです。アパートであれば一部屋空室になったとしても、残りの部屋の家賃収入でローン返済を補うことができるのですが、区分マンションの場合は補うことができないので、自らの給与などから手出しでローン返済に充当しなければなりません。敷金礼金ゼロゼロ物件の出現でさらに空室リスクが深刻化不動産投資をやったことがない人からすると、「空室リスクといってもせいぜい1〜2ヶ月くらいの空室ならそんなに大きなリスクにはならないだろう」といったくらいに軽く考える傾向がありますが、最近の空室リスクはそんなに甘くありません。平成初期の頃は敷金や礼金が2ヶ月ずつかかる物件が珍しくなく、賃貸借契約をするとなると、家賃が8万円であれば前家賃なども入れると50万円近く諸費用がかかる時代だったため、一度契約すると長期間居住するケースが多く、そのおかげで空室リスクを考える必要性もあまりありませんでした。ところが、少子高齢化で都内の賃貸物件が供給過多の状況に陥ったことで状況が一変し、敷金礼金ゼロゼロの物件なども増え始めたことで、2年も経たないうちに引越しをする人が増えてきたため、入居者の入れ替わりが激しくなり結果として空室リスクが高まったのです。空室が長期化して家賃収入がなくなる、よくあるケース不動産繁忙期である1〜3月に空室になるのであれば概ねすぐに次の賃借人が決まるのですが、不動産閑散期である8月前後の夏場に空室になってしまうと、最悪の場合翌年の繁忙期までずっと空室という可能性も出てきます。かつては夏場に空室になることはあまりなかったのですが、供給過多の影響による空室対策で、敷金礼金ゼロゼロで夏場に募集する物件が増えたことにより、夏場に安い物件を求めて引越す人が増えてしまったのです。また、残念なことに敷金礼金ゼロゼロ物件のように諸費用がほとんどかからないプランで入居する人の多くは、居住期間が短くして退去してしまうケースが多いと言われています。空室リスク対策として行われている入居条件の緩和対策が、他の物件の空室リスクを助長しているという悪循環が発生しているのが、今の不動産投資における空室リスクの現状なのです。空室リスクで破産しないためには空室リスクについては基本的に予測することが非常に難しいので、対策としてはとにかくキャッシュフローに余裕を持つことが大切になります。ギリギリのキャッシュフローで資金計画を立てていると、万が一空室が発生した際にすぐにお金が足りなくなってしまい、サラリーマンであれば自身の給与から持ち出さなければならなくなってしまうのです。給与からの持ち出しが続くと、最悪の場合生活が立ち行かなくなって破産してしまうケースも珍しくありません。夏場の空室は早めに条件緩和の決断を夏場に空室が発生した場合については、繁忙期と同じ家賃や敷金礼金で募集してもなかなか決まりません。初心者投資家の多くは、当初決めていた家賃を値下げしたくないという意識が強いため、繁忙期と同じ金額で数ヶ月募集をし、それでも決まらなかった場合に仕方なく家賃を下げる決断をするケースがあります。ただ、このように家賃など条件を緩和する決断が遅くなると空室期間はさらに伸びてしまうため、できれば早い段階で決断して早期契約を目指すことが大切です。たとえ家賃が当初の金額のまま決まったとしても、そのために何ヶ月も空室だった場合は年間収支で見ると赤字になってしまう可能性があります。まとめると、空室リスクをできる限り最小限に食い止めるためには、次の2点に注意しましょう。・余裕のあるキャッシュフローでシミュレーションする・不動産閑散期に空室が生じた場合における募集条件緩和の決断は早い方がよい失敗する理由2:高額なアパート経営の修繕費負担一棟もののアパートなどを経営している方に重くのしかかるのが修繕費用の負担です。アパートは区分マンションとは違い、自分自身で建物の維持管理費用を捻出しなければなりません。新築から10年以内であれば大きな不具合も起きないため油断しがちなのですが、それ以上の月日が経過すると徐々にほころびが出てきて高額な修繕が必要な箇所が出てくるのです。[adsense_middle]比較的高額な費用がかかる修繕特に次のような修繕については、比較的高額な費用がかかります。屋上防水工事外壁塗装やタイル張り替え鉄部塗装耐震補強工事排水管交換エレベータのメンテナンス区分マンションの場合は強制的に修繕積立金を徴収しているため、これらの施工に当てる財源が積み立てられていますが、アパートの場合はオーナー自身が自発的に積み立てていなければ一度に大きな出費を強いられることとなります。実際にこれらの修繕費用が支払えないがために、物件自体を売りに出すというケースも少なくありません。よって中古アパートに投資する場合については、購入するにあたって今後どのような修繕工事がいつ頃発生するのかについて確認しておくことが重要です。中古物件の投資には、今後の修繕工事の見積もりが不可欠例えば、相場が5,000万円の物件を4,000万円で売りに出ていた場合、物件価格だけで比較すると非常によい買い物のように感じるかもしれません。ただ、屋上防水や外壁の張り替え費用などを考えると2,000万円くらいかかってしまうことになると、差し引き3,000万円で購入しなければ実質的に損することになってしまうのです。このように中古物件に投資する場合は、今後必要となる修繕工事の見積もりをとった上でそれらの金額について物件価格で控除するよう交渉するとよいでしょう。・新築アパートに投資する場合は、自身で修繕費を貯蓄することが重要・中古アパートに投資する場合は、今後必要になる修繕費用の見積もりをとり、その価格も購入価格に含めて検討する必要がある失敗する理由3:家賃下落で運用が困難に不動産投資初心者の方の中には、家賃の下落リスクについて一切考えが及んでいないケースがあります。現在の不動産投資では新築から家賃がさらに値上がりすることはなく、築年数の経過とともに徐々に家賃が値下がりしていくのが一般的です。にも関わらず、家賃が8万円であれば、数十年先まで家賃8万円でシミュレーションをして購入してしまう人がいて失敗の元となっています。アパート経営の家賃収入は概ね2段階で値下がりする家賃収入は新築時から考えると、概ね2段階で下落する可能性があります。第1弾段階:新築時の入居者が退去した時第1段階の値下がりは、新築時の入居者が退去した時にタイミングがやってきます。新築物件については、新築というステータスが付加されているため、通常相場よりも1割ほど高い家賃額で決まっている可能性があります。ただし、新築時の入居者が退去してしまうと、その物件はもう新築とは言えなくなるため家賃が元の相場家賃に値下がりするのです。このように第1段階の値下がりは実質的には値崩れというよりも、もともとの正しい相場家賃に戻すといったイメージになります。第2段階:築10年〜15年の間第1段階の値下がりにより相場家賃程度まで下落している状況で築10〜15年程度が経過すると、次に第2段階としてもう1割程度値下げになる可能性があります。これは一度に一気に値下がりするわけではなく、退去を繰り返しながら徐々に下がっていくというのが一般的です。もちろん、必ず下がるというわけではなく物件の立地などの条件がよければ第2段階の値下げが発生しないケースもありますが、基本的には建物が古くなった分、ある程度の値下げが必要になると考えてキャッシュフローをシミュレーションする必要はあるでしょう。第2段階の値下げを乗り切れば、そこからは大幅な値下がりは生じにくく下げ止まったような状態になるので、この段階でのキャッシュフローに問題がなければ概ね投資としては成功したと言えます。・新築時の設定家賃は相場よりも1割程度高いため、退去して新築でなくなればある程度は下がると考える必要がある・家賃は概ね2段階に分けて1割程度の値下がりのタイミングがあることを念頭に、キャッシュフローをシミュレーションする失敗する理由4:管理料が安い管理会社を選んで失敗不動産投資の利回りをよくするために、管理料の安い管理会社に管理を委託するケースがあります。管理料は概ね家賃の3~5%、金額にすると1戸あたり3,500円~5,000円位が相場ですが、最近では小規模な管理会社が管理戸数を増やすために1戸あたり1,000円前後という破格の金額を提示して勧誘してくることがあるのです。初心者投資家の中には、経費を削減するためにとにかく管理料が安い管理会社と契約をしようと考える人がいますが、こうした管理会社には大きな落とし穴があるのです。[adsense_middle]管理料が安い管理会社の実態とは管理料1,000円と聞くと非常にお得な感じがするかもしれませんが、現実問題として管理料1,000円では管理会社として存在することは極めて困難と言わざるを得ません。例えば管理戸数が200戸あったとしても、1戸あたり1,000円では20万円にしかなりませんので社員を雇うことは無理でしょう。にも拘わらず管理料1,000円で勧誘してくるのには、やはり落とし穴があるのです。管理料が安い管理会社の2つの落とし穴管理料が安けばオーナーの負担は軽くなるので、一棟アパートでも区分マンションでも大きなメリットがありますが、安すぎる管理会社については管理料だけでは経営が立ち行かないため、次のような手法でオーナーからお金を取ろうとするのです。修繕費用が自社指定で割高管理料が安い管理会社は、入退室の際の内装工事が自社指定になっていることが多く、工事費用にその管理会社のマージンが大きく上乗せされているのです。ただ、初心者投資家の方は内装費の相場をあまりよく知らない事が多いので、割高な金額を払わされていること自体に気がついていないケースもよくあります。また、内装費以外でも書類の郵送代など普通の管理会社であれば費用が発生しないような事務手続きについても、すべて別途料金扱いとなることが多いので注意が必要です。違約金が高額である管理料が安いと管理会社としてはそれなりの戸数を集める必要があるので、一度契約を結ぶとそう簡単には解除ができない管理委託契約書になっているのです。具体的には解除の違約金が家賃の半年分など非常に高額な設定になっているケースが多く、管理がずさんで解除したいと思っても違約金がもったいなくて解除できずに困っている方の事例をよく耳にします。管理料が安い管理会社と契約する際には、解除する場合に違約金がいくらなのか必ず確認しましょう。・管理料が安い管理会社はほかの部分で割高になることが多い・解約したくても違約金が高額で解約できなくなる可能性もあるため注意が必要不動産投資の失敗理由に関するまとめ:営業マンの話を鵜呑みにすると失敗する今回ご紹介した事例は、事前に投資家自身が知っていれば対策をとって回避することが可能なものばかりなのですが、残念ながら失敗する方というのは情報を得て対策を取るということを放棄してしまっている方がほとんどです。そしてそうした方の多くは物件を勧めてきた営業マンの耳障りのいい営業トークをすべて鵜呑みにしてしまい、「あなたを信じる」といって購入してしまうのです。不動産会社の営業マンは決して悪者ではありませんが、営業してくるということはそこには必ず利害関係が存在しています。すなわち、営業マンが第一優先しているのは投資家の利益ではなく会社の利益、そして個人のノルマ達成なのです。営業マンはあくまで営業マンであり第三者的なアドバイザーではないということをよく認識し、不安だという方は税理士など利害関係から外れた第三者に相談して、客観的にキャッシュフローをシミュレーションしてから検討することをおすすめします。
2019年10月31日個人が不動産投資をする場合、ほとんどの方が不動産投資ローンを利用することになります。不動産投資ローンは審査基準や金利相場が住宅ローンと異なるため、実際に不動産投資をする前に知っておくことが大切です。そこで本記事では、不動産投資ローンの審査基準や金利相場について徹底解説します。物件を購入する際に借入を活用するわけとは不動産投資にかかわらず、日本人の意識としては「ローン=借金」というネガティブなイメージが強いこともあり、不動産投資ローンを組むことに抵抗感を感じる初心者投資家の方が多いように感じます。確かに借金であることに変わりはありませんが、不動産投資の場合はたとえ自己資金があったとしても銀行から借入することで次のようなメリットがあるのです。銀行融資のおかげで収益の効率がよい例えば自己資金が100万円の方が利回り5%で1年間運用した場合、生み出される利益は5万円です。一方、不動産投資ローンで900万円借入して1,000万円を利回り5%で運用すれば、利益は50万円と一気に高額になります。どちらも自己資金は100万円の投資なのに、不動産投資ローンを活用することで年間収益が10倍も違うのです。利回りと家賃相場が間違いなければ、返済の心配もない銀行から借金をする際に一番心配になるのが返済のことではないでしょうか。不動産投資ローンの場合は、不動産を賃貸することで得られる家賃収入をローンの返済に充当することができるので、自分自身の給与などから削られる心配がありません。投資をする前に予定される利回りと、購入物件の家賃相場さえ読み間違えなければローンが返済できなくなるリスクはほぼ回避できるのです。このように不動産投資ローンを使って不動産投資をすることは、非常に大きなメリットがあるのです。ローン審査基準の4つのポイント不動産投資ローンは自分で住むことを目的として購入する際に利用する住宅ローンとは審査をする際に見る視点が違うため、利用するにあたってはどこを銀行に見られているのか事前に知っておくことが審査を通過するためにも大切です。審査基準1:物件の担保評価一般的になじみがある住宅ローンは、基本的に本人の属性が審査対象ですが不動産投資ローンの場合は投資を目的としたローンであるという観点から、本人の属性に加えて購入対象となる物件自体の担保評価が審査の重要な判断基準となります。担保評価は大きく分けて不動産を売却した場合の評価と、不動産を賃貸した場合の評価によって総合的に判断されるのです。不動産を売却した場合の評価不動産投資ローンを組む際には、購入する物件自体を担保に入れることになるため、融資をする銀行としては万が一返済ができなくなった時に、不動産を売却して残りのローンを完済できるのかという見方をします。不動産を売却した場合の評価については、物件の築年数、最寄り駅からの距離などによって異なってきます。また、耐用年数の短い木造よりも鉄筋コンクリートマンションの方が高く評価されやすいです。不動産を賃貸した場合の評価賃貸経営による収益力についても重要な審査基準となります。例えば、2,000万円で購入予定のマンションの家賃が5万円だとすると年間で60万円の収益となり、利回りにすると3%にしかなりません。このように収益力の低い物件を購入するために融資をしてしまうと、銀行としても回収できなくなるリスクが高いので、価格が下がらないと審査が通らない可能性が出てきます。また、郊外の物件については都市部に比べて空室リスクが高いので、満室時の想定利回りが良い場合でも審査が通らないこともあるのです。賃貸経営による収益力については、利回りだけではなく地域性の問題なども加味して総合的に判断されます。審査基準2:既存の借入について不動産投資ローンは概ね年収の20倍程度が借入できる限度とされているため、すでに金融機関から借入をしている場合については審査に影響してきます。既存の借入についてよく質問されるのが住宅ローンです。すでに住宅ローンを組んでマイホームを購入している方の中には、不動産投資ローンは組めないのではないかと考えて不動産投資をあきらめている方が時々いますが、年収の20倍以内であれば住宅ローンを組んでいても不動産投資ができる可能性は十分あります。審査基準3:自己資金不動産投資をするにあたって頭金にできる自己資金がどの程度あるのかについても、審査に大きな影響を与えます。以前は事前の貯蓄なしで、物件価格の100%をローンで組むフルローンを利用する人が大勢いましたが、フルローンの場合は毎月返済する金額が重くのしかかることとなり、空室になると返済ができなくなってしまう可能性があるため注意が必要です。基本的に物件価格の1~2割程度の自己資金があった方が、同じ物件を購入する場合でも審査結果が変わる可能性があります。審査基準4:本人の属性不動産投資ローンを組む本人の属性は、審査において非常に重要になります。具体的には次のような項目が審査の対象です。年収本人の年収は不動産投資ローンを組むにあたって非常に重要な要素となります。不動産投資ローンをはじめとする事業用ローンというと、ある程度の年収が必要になるイメージがあるかもしれませんが、不動産投資ローンの場合は先ほど解説した物件の担保評価も加味されるため、実際は年収400万円程度の一般的なサラリーマンの方でも担保評価が出やすい都内の駅近物件などであれば審査が通る可能性もあるのです。また、年収は金額だけでなくどの程度安定しているのかについても審査の基準となります。基本的には過去3年間分の源泉徴収票や確定申告書を提出して、年収が安定しているのかについて審査されるのです。そのため、前年度の年収が高かったとしてもインセンティブの比率が高く、前々年の年収と落差が大きい場合はその分審査が不利になることもあります。本人単独の年収でローン審査が通らない場合は、夫婦の収入を合算して審査を通すという方法もありますので、詳しくは銀行に聞いてみましょう。勤続年数収入の安定性が審査の重要なポイントとなるため、本人の勤続年数も重要な判断材料となります。基本的にできるだけ長い方がプラスに働きますが、3年未満の場合は通らない可能性が高くなるため注意が必要です。転職を考えている方は、できるだけ転職して勤続年数がリセットされる前に不動産投資ローンを組んだ方が得策と言えます。勤務先ローンを組む本人の勤務先は、収入の安定性に直結する情報なので審査においても非常に重要です。例えば、次のような勤務先や職業の方は不動産投資ローンが通りやすいと言われています。上場企業公務員医師弁護士公認会計士税理士勤務先での役職についても審査の対象です。中小企業のサラリーマンでも、ある程度の収入と勤続年数があれば審査が通る可能性は十分あります。また、医師や弁護士といった国家資格の有無についてもできるだけあった方が審査により有利になる傾向です。銀行ごとの審査の傾向について不動産投資ローンの審査基準の大枠はここまで解説してきた通りですが、あとは金融機関によっても審査の傾向に特徴があります。[adsense_middle]大手都市銀行系の場合不動産投資において都市銀行系は最もハードルが高い金融機関です。住宅ローンとは違い、事業用ローンに該当する不動産投資ローンについては基本的にある程度の頭金がないと非常に厳しいと言われています。特に過去取引がない都市銀行だと、サラリーマン投資家が一発でローンを引き当てることはむずかしいでしょう。地方銀行系の場合金融緩和政策が始まって以降、融資先に困った地方銀行が都心部の物件に投資する投資家に向けて積極的に不動産投資ローンを斡旋しています。都市銀行系に比べると審査のハードルが低く、年収が低い人でも担保評価がしっかり出る都市部の物件であれば審査に通りやすいです。ただし地方銀行の中には営業エリアを限定しているケースもあるため、東京に支店がない地方銀行だと東京での不動産投資には利用できない場合があります。信用金庫、信用組合の場合審査のハードルは地方銀行と同じくらいですが、信用金庫や信用組合はその名の通り信用を重要視しているため、過去に同行での取引実績がある方が審査に通る可能性が高いです。また、都市銀行系よりも担当者ベースで融通が効きやすいというメリットもあります。ノンバンクの場合審査のスピードが速く通りやすいというのが最大の特徴です。年収が低いサラリーマンでも利用できますが、場合によっては購入する物件以外にも担保を求められる共同担保となる場合もあります。ただ、他の金融機関と比較すると金利は高めです。不動産投資でおすすめできる金利の目安と金融機関ごとの比較不動産投資で成功するためにはローン審査が通るかどうかよりも、いくらの金利で通るかの方が重要です。例えば、利回り7%の物件だったとしても、ローン金利が4.5%だとイールドギャップ(投資利回りとローン金利の差)は3.5%しかありません。一方で利回り6%の物件でもローン金利が2%だとイールドギャップは4%となり、後者の方がより収益性が高いことになります。このようにローン金利は投資利回りと同じレベルで重要なのです。[adsense_middle]今ならローン金利は1%台を目指せる昨今は超低金利時代なので、住宅ローンであれば金利が1%を下回るほどです。不動産投資ローンでも金利1%台で融資が下りることも少なくありません。ちなみに昭和のバブルの頃の不動産投資ローンは8%を超えていたこともあるくらいなので、いかに今現在の金利が不動産投資において有利かがわかります。ローン金利は審査が通りやすい金融機関ほど金利が高くなる傾向があり、一部の金融機関では4.5%前後になる場合もあります。ローン金利が高くなると、手元に残るキャッシュが大幅に減りますので金利が3%を超えるようであれば、一旦物件も含め考え直した方が良いかもしれません。ノンバンクは金利が高めノンバンクについては、年収が低いサラリーマンでも審査が通りやすい反面金利が高くなる傾向があります。高利回りの物件を見つけて購入を急いでいる時は、あまりローン金利が目に入っていない方が多いのですが、実際に不動産投資家の手元に残る金額はローン金利も考慮に入れなければならないので、慌ててノンバンクから借りるのではなく、必ず金利をよく確認してから売買契約を結ぶようにしましょう。不動産投資ローンの返済期間について不動産投資ローンを利用する際、金利の他にもう一つ重要となるのがローンの返済期間です。不動産投資のキャッシュフローを考えた場合、返済期間が長ければ長いほど毎月の返済額を減らせるためキャッシュフローが安定し、反対に短くなると家賃に対する返済比率が高くなります。このように返済期間は毎月のキャッシュフローに直接影響するため、不動産投資ローンを組む際にはどのようにして返済期間が決まるのかについて知っておくことが重要です。物件の法定耐用年数がポイント不動産投資ローンの返済期間は、物件の法定耐用年数が一つの基準となっています。簡単に言うと築年数が新しい物件ほど長い返済期間で借入することが可能で、また木造、鉄骨、鉄筋コンクリートの順に法定耐用年数が長くなるため、返済期間についても長く設定できるのです。また、中古物件の場合は、法定耐用年数から経過年数を考慮して返済期間が決まります。法定耐用年数自体が返済期間になるとは限りませんが、返済期間を決める重要な指標となるのは間違いありません。そのため、できるだけ返済期間を長くしたい方については、新築鉄筋コンクリートマンションを狙うと良いでしょう。不動産投資ローンに関するまとめ不動産投資ローンは住宅ローンとは違い、本人の属性に加えて物件自体の担保評価がとても重要な審査基準となるため、できるだけ担保評価が出やすい都心部の物件に投資する方が審査に通りやすくなります。ただ、審査が通りやすい金融機関ほどローン金利が高くなる傾向にあるので、金利3%を超える場合についてはよほど利回りの良い物件でもない限りあまりおすすめできません。審査を通す事ばかり優先してしまうと、結果として無難に返済できない高金利や短い返済期間で借りてしまうことがありますので十分注意が必要です。ローン審査は不動産投資の入り口でとても重要ですが、通すことを最優先に考えるのではなく、通った後の返済計画のことを第一に考えましょう。
2019年10月17日こんにちは、婚活FP山本です。「老後資金として2000万円が必要」などと言われて以降、にわかにファイナンシャル・プランナー(FP)や人生設計(ライフプラン)が注目を集めていますね。しかし人生設計といわれても、多くの人は「何をどうしたらいいのか分からない」と、困惑するばかりなのが実情です。そこで今回は人生設計の専門家である筆者が、人生設計の基本的な立て方やポイントをお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。人生設計は「将来どうしたいか」が出発点!まずは順を追って、人生設計の立て方をお伝えします。まず人生設計は、「自分の人生を、将来どうしたいか」を考えて相応に決めることが出発点です。人生設計も一種の「計画」ですから、つまりは「ゴール・目標」を明確に定めることが最初にすべきこととなります。「将来」と言われてもあまりに抽象的だからこそ、多くの人は困惑しがちですね。具体的にいえば、例えば「どこに住むのか」「どこで働くのか」「どんな生活をしたいのか」などです。今後、変わってもかまわないので、「ひとまずの目標」を一つずつ決めることが出発点になります。ゴールが不明瞭では、どんな計画も計画の意味を成しませんから、一番大切な部分です。未来であればあるほどイメージしにくいでしょうが、まずは考えられるだけ考えてみましょう。自分の一生涯を考えることが大切将来への願望は、個々人で違うのが普通です。また現在置かれている環境も、たとえお隣さんや同僚であっても違うのが普通といえます。だからこそ、人生設計は「自分はどうしたいのか」を考える必要があり、それを一生涯のスパンで考えることが極めて大切です。今まで、ひたすら親や周囲に合わせてきた方には、早速の難題かもしれませんね。しかし、人生設計には「自分の意志や考え」が必要です。ぜひ人生設計を通して、自立心も養っていきましょう。理想を叶えるためには一定のお金が必要次に、先ほど決めた「将来どうしたいのか」という理想を叶えるために必要な「お金」を考えます。たとえば「子供を大学に通わせたい」が目標なら、最近の大学費用平均が「一人約700万円」です。こういった数字は調べれば出てきますから、ひとまず相場を調べましょう。なお、中には「本当にいくらかかるか分からない」ものもあれば、「将来的には値上がりするかもしれない」ような目標もあります。このような目標の時には、それぞれ「ひとまずの予算を見積もる」「多めに見積もる」という対処が必要です。いずれにしても、何をするにしても「お金」が必要になります。このため理想とする未来を、一つずつお金という数字に落とし込んでみることが大切です。こうやって、一つずつの目標を「具体化」していきましょう。理想が大きいほどに多額のお金が必要?当然ながら、理想が大きいほどに多額のお金が必要です。しかし一方、「理想なんてない」「普通でいい」という方であっても、「普通に実行するにはいくら必要か?」を考える必要があります。理想が小さいほどに少額のお金で足りるものでもない点に、強い警戒が必要です。それこそ、「普通に暮らすには老後資金として2000万円必要」などと国が発表したわけですからね。「自分の場合にはいくらが必要か」を、目標とともに存分に計算してみましょう。今のままで必要な貯蓄はできるのか逆算する今度は、「今のままで必要な貯蓄はできるのか」を逆算します。これは先ほどのお金と、「そのお金が必要になる時期」で計算が可能です。たとえば「60歳までに老後資金2000万円」なら、あなたが40歳なら年100万円、50歳なら年200万円貯蓄できれば達成できます。仮にあなたが現在40歳で、実際に毎年100万円を貯蓄できているなら、少なくともこのままいけば老後資金は大丈夫となるわけです。しかし実際には50万円程度しか貯蓄できていないとすれば、少なくともこのままでは達成できない……ということになります。実際の人生では何が起こるか分からないとはいえ、「何が」の多くは「マイナス的なこと」です。だからこそ、気持ち厳しめに逆算することも大切といえます。できないなら、できる方法を考えてみよう少なくともこのままでは達成できないなら、できるようになる方法を考えることが必要でしょう。できないなら仕方ない……のなら、計画の意味がありません。結果論としてできたとしても、それは単なるラッキーに過ぎません。運に任せた人生は極めてリスキーでしょう。100万円の貯蓄が必要なのに50万円足りないなら、50万円分の工夫や努力が必要となります。月単位に直せば4万円程度です。「どうやったらできるようになるか」を存分に考えましょう。生涯の全てについてシュミレーションする最後は、目標の数だけ生涯の全てについてシュミレーションするわけです。全ての目標が、あなたの人生に降りかかってきますからね。目標が多いほどに計算が複雑になり、必要なお金が多いほどに対処方法を考えるのが大変になります。でも、がんばりましょう。一例を挙げると、40歳の方が700万円の教育費と2000万円の老後資金を目標としました。教育費が10年後に必要なら年70万円の貯蓄が必要です。すると、老後資金の年100万円と合わせて年170万円の貯蓄ができているかどうかが、一つの分かれ道となります。足りていないなら、足りるだけの方法を考えることが必要です。他にも目標があるなら、もっとお金が必要になります。つい甘めに計算する人も多いですが、むしろなるべく厳しめに計算しましょう。一生分を計画したものがライフプラン!実際の人生では、教育費と老後資金にしかお金を使わないようなことはありません。日常の生活費、住居費、旅費、交際費、介護費……色んなことにお金が必要です。そのような一生分のお金について計画したものこそが「ライフプラン」となります。特に「今は使っていないお金」は、イメージしにくく注意が必要です。そして、今は使っていない大きなお金に備えることこそ、ライフプランが必要になる理由の一つになります。[adsense_middle]立て方の基本は「最後からの逆算」ここからは、人生設計に関するポイントをお伝えします。まず、計画事は何でも「最後からの逆算」が基本であり、これは人生設計でも変わりません。つまり、最優先に考えるべきは「人生の最後」です。人生設計はゴールが沢山あるからこそ、立て方に迷ったときは基本を思い出しましょう。人生の最後とは、自分の葬儀や相続、その手前の介護あたりが基本です。これらに必要なお金が見えてきたら、次にその手前となる老後資金について考えます。葬儀や介護が何歳で必要になるかは不明ですが、余裕があるなら「100歳まで生きる」前提で計画しましょう。人生設計は一種の「収支・資金計画」ですが、実際の収入は多い分には、支出は少ない分には一切問題ないものの、それぞれ逆は大問題ですからね。支出は多めに考えておきましょう。ダメだったらどうするのかも考えよう計画というのは計画通りに進めるのが基本ですが、実際には計画通りに進まないことも多いです。元々がムリな計画、経済環境が予想外に変わった、心変わりで目標が変わることもあります。そのような「計画外の出来事」を、どこまで想定できるかも大切です。少なくとも、一本調子で計画するのではなく、当初の計画がダメだったらどうするのかも考えておいたほうが無難といえます。第二第三の計画も整え、どう転んでも幸せな人生を歩めるよう図っていきましょう。「叶えられる将来」には限界がある?次に、「叶えられる将来には限界がある」という点です。叶えたい全ての将来をお金で考え、叶えられるよう計画するのが人生設計ですが、残念ながらお金は無限には稼げません。稼ぐお金を増やすことも大切ですが、それでも限界があります。その限界の範囲で将来を考えることも大切でしょう。また、稼ぐお金には限界があるからこそ、将来について「優先順位」を付け、バランス良く計画を立てることも大切となります。たとえば目先の教育費に全財産をつぎ込み、無貯金で老後に突入すれば、結局は子供の世話にならざるを得なくなってしまうでしょう。そもそも、多くの人にとっては「老後資金2000万円」でさえ厳しいのが実情です。そのような時代だからこそ、しっかりと人生を設計して、まずはこの2000万円を準備できるよう励んでいきましょう。ライフプランの意味は「経済的成長」!たとえば、東大や医者を目指して勉強を重ねれば、成功すれば嬉しい一方、仮に失敗しても準ずる程度の成功は収めやすくなるでしょう。少なくとも、行けるところに行く姿勢の人とは、結果が大きく違ってくるはずです。ライフプランにおける目標とは、そのような意味合いもあります。叶う叶わないも大切な一方、少しでも家計を経済的に成長・上向きにすることが大切です。叶えられる将来を少しでも大きく増やすためにも、最初の目標を元に人生を設計してみましょう。人生設計は「今すべきこと」も見える!人生設計は、「このままなら将来どうなりそうか」を計算するからこそ、「今すべきこと」も見えてきます。たとえば、新婚夫婦が「このままだと将来ヤバい」と分かっていたらどうでしょう。できうる限りの努力を考える一方、「子供の数」さえ計画的に調整できることになります。産んでから教育費を知っても、もうお返しはできません……。同じことは住宅購入時や転職時にもいえます。そもそも実行すべきなのか、いくらなら実行してもいいのか……将来や他のことも視野に入れて考えれば、おのずと結論が出るはずです。「お金以外の要素やリスク」も考えることができれば、さらに結論も出やすくなるでしょう。現代は、どう転んでも誰もが幸せになれるような時代ではありません。自己防衛・自助努力が欠かせない時代です。人生設計を通して、常に「今は何をすべきか」を考えて、動いていきましょう。失敗しにくくなり、成功しやすくなる!人生設計も万能ではなく、結局は個々人次第です。「来年で定年なのに貯金ゼロ」といった状況では、多くの場合は実質的に手遅れといえます。お金とともに時間にも限りがあり、それを超えてしまえばどうにもならず、残りが少ないほどに挽回は困難です。その一方、若いうちから人生設計をして計画的に動くほどに失敗しにくくなり、成功しやすくなります。未来とは「現在の積み重ね」です。その「現在すべきこと」を、人生設計を通して考えていきましょう。[adsense_middle]FPでも、どうにもならない事もある?最後に、ある意味で一番大切なことをお伝えします。そもそも、将来というのは将来であるほどに考えることが困難です。若いほどに、老後のことなどイメージすらできないことも普通といえます。しかも、将来や現状は刻一刻と変わってくるものなので、その都度人生設計も調整が必要です。数字や状況を調べたり学んだりするのも、相当な時間と労力が必要になります。このため、まずは自分で設計してみることも重要ですが、限界を感じたら専門家であるFP(ファイナンシャル・プランナー)に設計を早めに依頼したほうが無難です。自分で自分の人生設計をすると、どうしても都合よく甘めに考えてしまうことも多いので、尚更かもしれません。なお、FPでも依頼者の状況によってはどうにもならないこともあります。そのような状況になってから依頼しても大きな意味がありません。少なくとも人生設計の重要性だけは理解し、必要に応じて早めにFPを頼りましょう。女性は元より、男性でも厳しいのが現代!現代は、ただ働けば一生安泰という時代ではありません。むしろ一生懸命に働いても、なお困窮してしまう時代です。しかも女性は元より、比較的年収の高い男性でも変わりません。老後資金2000万円を考えてみれば、何となくでもイメージできるのではないでしょうか。それほど厳しいのが現代だからこそ、人生設計を通して計画的に動き、限りあるお金を計画的に使っていくことが重要です。そのためにも、まずは出発点である「将来どうしたいか」について、存分に考えてみましょう。人生設計で、生涯を安心して暮らそう!今は無計画に動き、お金を使えば破綻しやすい時代です。しかし人生設計を通して計画的に動き、努力を重ねれば現代でも生涯を幸せに安心して暮らせます。ただし、人生設計には時間が必須です。少しでも早くから計画をスタートさせ、余裕を持って人生を歩んでいきましょう。
2019年10月16日年末調整の際、住宅ローン控除を適用できると還付額がとても多くなるイメージがあります。ではそもそも住宅ローン控除とはどのような控除のことを言うのでしょうか?住宅ローン控除とは住宅借入金等特別控除ともいい、適用要件はありますが住宅ローンによってマイホームを取得した場合、その住宅ローンの借入金の残高によって所得税から控除できるというものです。では年末調整で住宅ローンを控除する方法と適用要件とは何なのでしょうか?今回の記事では住宅ローン控除を申請する方法と必要書類の種類、書類の書き方について解説していきます。住宅ローン控除の概要と適用要件少し先述しましたが、住宅ローン控除とはそもそも何なのでしょうか?ここでは住宅ローン控除の概要と適用要件もあわせて紹介していきます。住宅ローン控除の概要について住宅ローン控除とは、個人が住宅ローン等を利用して自宅の新築や取得又は増改築などをした場合に様々な要件はありますが、その要件を満たすと、住宅ローン等の年末残高の合計額を基準にして計算した金額を、一般的に10年間にわたって納めた所得税から差し引くことができるというものです。なお各種の要件については下記のとおりとなります。居住要件について年収要件について床面積の要件について借入金の要件について譲渡の際の特例を受けていないこと居住要件について住宅ローン控除には、居住についての要件があります。要件として、自宅の新築や自宅の取得の日から起算して6ヶ月以内に住み始めて、その後住宅ローン控除を受ける年の年末まで住み続けていることが要件とされています。つまり新築や住居を取得して、そのまま放置しているだけでは要件を満たさないということになります。年収要件について住宅ローン控除には、年収について要件があります。基準としては3,000万円になりますが、年収3,000万円ではなく合計所得が3,000万円以下であることが適用要件になります。なお年収と所得の違いについてですが、年収が収入の額面金額であるのに対して、所得とは収入から各種の所得控除を差し引いた金額のことをいいます。そのため、例えば年収が3,000万円であれば各種の控除を差し引けば合計所得が3,000万円以下になるため、適用要件を満たす形となります。床面積の要件について住宅ローン控除には、床面積についての要件があります。要件として自宅の新築や自宅の取得をした建物の床面積が50㎡以上で、床面積の50%以上を居住用として使用していることとなっています。床面積の判断基準などの詳細につきましては国税庁HPなども参考にしていただければと思いますが、このように床面積についても要件がある点には注意が必要です。借入金の要件について住宅ローン控除の借入金についても要件があります。10年以上にわたって分割して返済する予定になっている、新築や取得のための一定の借入金で、住宅とともに土地を取得するための借入金も含みます。こちらについても詳細は国税庁HPを参照いただければと思いますが、借入金の要件としては金融機関からの借入などが要件となっております。譲渡の際の特例を受けていないことその他の要件として、居住した日の年の前後の2年ずつの5年間に、居住用財産の譲渡した場合の特例を受けていないことなどが要件となっています。例えば今まで居住していた物件を譲渡して、新築する場合などはこの要件を満たさない可能性もあるため特に注意が必要です。税金から直接控除できるので減税額が大きい可能性が高い住宅ローン控除は通常の所得控除とは異なり税額控除という種類のものになります。所得控除とは収入から差し引ける金額のことで、収入から所得控除を差し引いたものが所得というイメージです。そして所得をもとに税額の%を掛けて所得税を計算する流れになります。一方、税額控除とはその名のとおり税額から控除できます。つまり税金から直接差し引くことができる控除になるため、納めた税金の額が大きければその分、減税額も大きい可能性が高いです。住宅ローン控除の申請方法先述したように住宅ローン控除は減税効果が大きいものではありますが、適用するためにはどのようにすればいいのでしょうか?ここでは住宅ローン控除の申請方法について紹介します。初年度に確定申告しておく2年目からは年末調整で処理が可能となりますが、初年度だけは確定申告をしておかなければなりません。初年度の確定申告については、内容が煩雑になるため専門家への依頼も選択肢の1つとなります。参考:床面積の居住割合に注意確定申告の際の注意点として、建物の総床面積のうち居住割合が50%以上ないと住宅ローン控除が受けられないという点については見落としやすいので注意が必要です。税理士などの専門家へ依頼する際も確認されるかと思いますので要件を満たしておかなければいけません。せっかく念願のマイホームを購入しても、住宅ローン控除が受けられなくては喜びも半減となってしまうため購入の前によく検討していただくことが大事です。2年目の年末調整前の準備初年度の確定申告後の注意点として、確定申告をした年に2年目以降の年末調整に使用する住宅ローン控除に関する書類が複数年分まとめて送られてくることになります。書類の保管場所を決めておかないと紛失してしまう可能性もあります。再交付も可能ですが、紛失しないことが一番なので送られてきた際は大事に保管しておくことが重要です。年末調整時に提出住宅ローン控除は確定申告後、2年目以降は年末調整で控除が可能です。そのため年末調整時に提出している給与所得者の扶養控除等申告書や保険料控除申告書などと一緒に必要な書類を準備します。住宅ローン控除の提出書類住宅ローン控除を年末調整で処理するためには、通常の年末調整の書類の他にも書類を提出しなければいけません。ここでは2種類の提出書類について紹介します。[adsense_middle]給与所得者の住宅ローン控除申告書の書き方今回のケースでは、新築で自宅と土地を夫婦折半で購入した場合について考えていきます。まずは、まとめて送られてきている給与所得者の住宅ローン控除申告書(給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書)の中から該当年度の書類を使って記入していきます。使わなかった書類は翌年度以降に使用するため、保管場所などを決めて大事に保管しておくことをおすすめします。住所等の記入欄書類の左側から書き方について紹介します。税務署長:お勤め先の管轄の税務署名を記入します。給与の支払者の名称(氏名):お勤めの勤務先の名称を記入します。給与の支払者法人番号:お勤め先で管理している場合が多いため確認して記入します。給与の支払者の所在地(住所):お勤め先の住所を記載します。あなたの氏名:氏名を記入し、認印などで押印をします。その上には世帯主の氏名と続柄の記入をします。あなたの住所又は居所:新築等で取得した自宅の住所を記入します。計算の記入欄(前半)次に計算の記入欄(前半)について紹介します。左側の記入欄が新築や購入に関する計算となるため、今回のケースでは左側の記入欄について紹介します。記入欄①:今回のケースでは自宅と土地の購入という形なので、Cの記入欄の住宅及び土地等に金額を記入します。なお記入金額については夫婦折半の金額で個人ごとの金額を記入する形です。記入欄②:書類の一番下が確定申告時の内容の証明書となっています。そのため②のA、Bについては証明書の内容を転記する形となります。最後に②のCについてはA、Bの合計金額を記入します。記入欄③:②と同様に③のA、Bについては証明書の内容を転記する形となります。最後に③のCについてはA、Bの割合の合計を記入します。計算の記入欄(後半)計算の記入欄(後半)について紹介します。記入欄④:①のCの金額を転記します。記入欄⑤:①のCの金額を転記します。記入欄⑪:①のCの金額を記入します。記入欄⑭:⑪×1%(取得時の年月日によって異なりますが今回は1%のケースとしておきます)その他の記入欄その他の記入欄について紹介します。年間所得の見積額:所得要件があるため見積でいいので所得金額を記入します。連帯債務による住宅借入金等の年末残高:住宅ローンの夫婦の総額の年末残高を金融機関から送られてきた残高証明書を参照しながら記入します。備考:連帯債務がある場合は、住宅ローンの債務の総額と個人の負担額を記載して住所、記名押印、勤務先住所、勤務先等を記入します。住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書とは?住宅ローンを組んでいる金融機関等からは、毎年年末残高が記入されている住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書が送られてきます。住宅ローン控除では住宅ローンの年末残高を基準として、所得税の控除金額を計算するため大変重要な書類となります。一般的に10月頃から届き始めるので到着したら、税務署から送られてくる給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書と一緒に保管しておくのも1つの方法です。参考:繰り上げ返済などを行った場合先述したように金融機関の残高証明書は10月頃送られてくるのですが、通常通り返済した場合の予定の残高となります。そのため10月以降に繰り上げ返済などをすると当然、年末の予定残高も変わってきてしまいます。繰り上げ返済などをした場合は、早めに金融機関に問い合わせをして書類の再発行の手続きを取ることをおすすめします。年末調整による住宅ローン控除に関するまとめ今回の記事では年末調整による住宅ローン控除について、申請方法や書類の書き方について紹介しました。1年目に確定申告を自分で行った人は、年末調整での住宅ローン控除申請は楽に思えるかもしれません。しかし1年目の確定申告を専門家に依頼した人にとっては、年末調整での住宅ローン控除申請は書類の種類も増えるため手間がかかるものです。確かに手間はかかるかもしれませんが、書類の管理さえ徹底することができれば必要以上に構える必要はありません。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
2019年10月13日働き方改革などによって副業が当たり前になりつつある昨今、不動産投資に興味を持つサラリーマンの方が増えています。不動産投資というと昔は一部の資産家がすることというイメージがありましたが、実際のところサラリーマンが不動産投資をすることにどのようなメリットがあるのでしょうか。そこで本記事では、サラリーマンが不動産投資をすることのメリット、デメリットについて詳しく解説します。不動産投資はサラリーマンにおすすめサラリーマンができる資産運用というと株式投資やFXなどがありますが、それらの投資で安定的に資産を増やしているという話はあまり聞きません。むしろ、失敗して大損し「二度と手を出さない」と言っている人の方が多い気がします。株や為替は変動が激しい株式投資やFXは、株価や為替の変動が非常に激しく、場合によっては1日のうちに価値が大暴落することもありえます。これらの投資は非常に専門性が高く、サラリーマンで成功できる人はほんの一握りにすぎません。また、サラリーマンをやっている以上、日中は本業に集中しなければならないため、いくらスマホアプリを使って取引ができるようになったとはいえプロのトレーダーのような立ち回りはできないでしょう。サラリーマンが投資で成功するためには、以下の条件を満たす投資であることが重要です。相場変動が少なく、比較的「安定」している本業に支障がないよう、大部分を「プロに委託」できるある程度の「安定した利回り」が期待できる「専門知識が不要」で、初心者でも簡単にできるそして、これらの条件にすべて当てはまるのが不動産投資なのです。サラリーマンにとっての不動産投資のメリット不動産投資はサラリーマンとの相性がよく、メリットを受けやすいと言われています。ここからは、サラリーマンが不動産投資をすることのメリットについて詳しく解説していきます。メリット1:ローンを組んで投資ができる通常、投資をするためには元となる資金が必要です。株式投資やFXをする場合は、事前にある程度の資金を貯蓄してから始める必要があるため、本格的に投資を始めるまでに時間がかかってしまいます。一方、不動産投資については、投資としては珍しく投資資金のほぼ全額をローンで組むことができるのです。不動産を購入するためには、ワンルームの区分マンションだとしても1,000万円くらいのキャッシュが必要ですが、不動産投資の場合はローンでほぼ全額の資金を調達できるため、始めたいと思ったその時にすぐに始めることができるのです。年収400万円でも不動産投資ローンが組めるサラリーマンと言っても、ローンが組めるのはある程度の年収がある人だけではないかと思っている方もいるかもしれませんが、実は年収400万円程度の一般的な会社勤めのサラリーマンでも問題なく融資を受けることが可能です。通常、融資を受ける場合は本人の年収や勤続年数など本人の支払い能力に基づいて審査されるため、高額な融資を受けることは容易ではありません。ですが、不動産投資ローンの場合は、購入する不動産自体を担保に入れて借入をするため、本人の年収が400万円でも購入する物件の担保価値によって何倍もの融資を受けられるのです。レバレッジ効果がすごいローンを組んで不動産投資ができるということは、自己資金の何倍もの投資ができるということでもあります。例えば、手元に100万円がある場合に、利回り5%の投資をすると年間で5万円の利益しか出ませんが、900万円のローンを組んで合計1,000万円で利回り5%の不動産投資をすると、年間で50万円もの利益を出すことができるのです。このように、少ない資金で大きなリターンを受けられる効果のことをテコの原理の意味で「レバレッジ効果」と言います。日本人は「ローン=借金」というネガティブなイメージが強く、ローンを組んで不動産投資をすることに罪悪感を感じるという人もいますが、投資の世界ではローンを組んで自己資金以上の投資をする方が、効率がよいと考えるのです。メリット2:初心者でも成功しやすい不動産投資は比較的相場が安定していて、株やFXのように短期間で損失を出すことが少ないため、初心者でも成功しやすいという特徴があります。サラリーマン投資家の方は、基本的に平日は本業で忙しいため、投資のために時間を割くことができません。そのため、サラリーマンで投資に成功するためには、できるだけ時間をかけずに安定した利益を出せる仕組みが必要です。不動産投資の基本はインカムゲイン昭和のバブルの頃の不動産投資というと、買った金額より高く売る売却益目当ての「キャピタルゲイン」が主流でしたが、バブル崩壊以降は毎月の家賃収入で継続的に利益を出していく「インカムゲイン」にシフトしました。これにより、急激な価格変動によって損をする人がいなくなり、長期的に家賃収入を得ることを目的として投資する人が増えたのです。インカムゲインは不動産を保有することで継続的に利益を出す手法なので、長期安定的に運用できるという面で忙しいサラリーマンと相性がよいと言えるでしょう。最低限の知識だけで始められる株式投資の場合は、投資する企業の業績や業界の動向、経済情勢など広い視野で様々な情報を収集し、そしてそれを自分で分析する能力が必要ですが、不動産投資については基本的に最低限の知識だけあれば、あとは不動産会社や管理会社が丁寧にサポートしてくれます。自ら売り注文や買い注文の判断をする必要はなく、基本的な業務としては毎月家賃が入金されてくるのを通帳記帳で確認するくらいです。あとは基本的にすることはありません。特段のスキルは必要ないため、初心者でも比較的成功しやすいと言われています。サラリーマンにとっての不動産投資のデメリットサラリーマンにとってメリットの多い不動産投資ですが、投資である以上は必ずデメリットもあることを忘れてはいけません。ただ、デメリットと言っても対策次第でリスクにはならないものがほとんどなので、本記事をよく読んで理解しておけば心配しなくても大丈夫です。[adsense_middle]空室リスクによりローンが返済不能になる危険があるローンを組んで不動産投資をする場合、ローンの返済には家賃収入を充当する計画でシミュレーションをします。ところが、満室時はそれでよいのですが、入居者が退室して空室になると次の入居者が決まるまでの間は家賃収入が途切れてしまい、ローンの返済が苦しくなってしまうのです。一棟アパート経営であれば、1部屋空室になったとしても他の部屋の家賃収入でカバーできますが、区分マンション投資の場合は戸数が1戸で空室になると収入がゼロになってしまい、手出しでローンを返済しなければなりません。空室リスクについては、募集方法を工夫して軽減させる努力はもちろん必要ですが、基本的には1ヶ月程度は空室になることを前提に、キャッシュフローをシミュレーションすることが重要になります。できれば、満室時に少しずつキャッシュを貯蓄して、空室になった時に補填に回せるようにするとキャッシュフローが安定するでしょう。家賃保証という選択肢もあるどうしても空室が心配という方は、不動産会社の家賃保証を利用するのも選択肢の一つです。家賃保証とは、不動産会社が物件を一括で借り上げて、相場の9割程度で毎月家賃を保証する一種の管理形態で、空室リスクを懸念する初心者投資家の方がよく利用します。家賃保証を利用すれば毎月の取り分は少し減りますが、常に安定した収入が確保できるため、当初のキャッシュフローシミュレーションさえ正確にしておけば、ローン返済ができなくなるリスクはなくなるでしょう。家賃が値下がりするリスク初心者投資家の方が最も勘違いしやすいのが、家賃の値下がりリスクです。初心者投資家が新築物件に投資をする場合、新築時の家賃をベースにキャッシュフローをシミュレーションすることがあるのですが、新築時の家賃は「新築」というステータスがつくことで、相場よりも若干割高な設定になっています。よって、新築時の入居者が退去すると新築というステータスが消えて、家賃は若干値下がりしていくことになります。物件によって値下がりするスピードや金額は違いますが、最近の傾向では古くなって家賃が値上がりするというケースはほとんどありません。そのため、不動産投資で失敗しないためにはキャッシュフローをシミュレーションする際に、家賃が値下がりすることを前提としたシミュレーションを組むことが重要です。意地になって家賃を下げないと余計マイナスになる初心者投資家の中には引くに引けなくなり、空室が長引いても家賃を値下げしない人がいますが、空室が何ヶ月も続くよりも家賃を下げて空室期間を短くした方が、年間収支で見た場合は必ずと言って良いほどプラスになるはずです。空室が生じた時に柔軟に対応できるかどうかは、当初のキャッシュフローシミュレーションにかかっています。キャッシュフローに余裕さえあれば、家賃の値下げについても早い段階で決断できるため、空室を短くすることもできます。サラリーマンによくある融資失敗のリスクサラリーマンでも比較的簡単に融資が受けられるのが不動産投資の魅力ですが、自分の返済能力以上に借りてしまい、返済不能に陥るケースは少なくありません。特に初心者投資家の方は、金融機関の融資審査が通ると金融機関からその投資にお墨付きが出たと勘違いし、当然返済していけるものとタカをくくってしまう人がいます。ですが、金融機関が見ているのは返済していけるのかということだけではなく、返済不能になった際に不動産を売却して回収できるのか、という視点も見ているため、決して投資としてお墨付きをもらえたわけではないのです。サラリーマンの収入には手をつけないのがポイント返済能力以上の融資を受けてしまうと、その時点でほぼ不動産投資の失敗が確定してしまいます。そこで、ローンを組む際には毎月の返済額と家賃設定などを用いてシミュレーション表を作成し、毎月どのようなキャッシュフローになるのか計算することが大切です。この時点でキャッシュがギリギリだったり、すでに赤字だったりする場合については、たとえ融資が通ったとしても絶対に借りてはいけません。借りるからには余裕を持って返済できる状況でなければならないので、余裕がなければもう少し価格を下げて物件を探し直すという決断も必要です。何もしないことが一番のリスク不動産投資のリスクについていくつか触れてきましたが、最も大きなリスクは「何もしないこと」です。昨今では、老後の生活資金は年金だけでは不足することが明らかになってきており、金融庁の報告では老後資金が2,000万円足りなくなるという試算も出ているくらいなので、もはや自分自身で何らかの対策をとらないと老後の生活がままならなくなる可能性があります。現在は超低金利時代でなので、ただ銀行口座に貯蓄しているだけでは老後資金不足を解消することは難しいでしょう。今のうちから不動産投資を始めれば、仕事を引退する頃にはローンの返済が終わり家賃収入だけが残るので、それによって老後資金を補填することができるのです。不動産投資をすることがメリットというだけではなく、しないことで将来に抱えるリスクの方が大きな問題なのです。[adsense_middle]サラリーマンの不動産投資、まずは始めることが重要不動産投資のいいところは、ローンを利用することで今すぐにでも始められることです。そして、管理会社に管理を委託すれば本業に支障が出ることもありません。今の現役世代の方は、将来どこかのタイミングで今よりももっと深刻な形で老後資金の問題に直面するはずです。その時に、すでに不動産投資をしている人とそうではない人で老後生活が大きく異なるでしょう。不動産投資は早めに始めた方が、ローン返済が早く終わる分将来的に見ても有利なので、20代の方でも早すぎるということはありません。また、不動産所得の赤字分についてはサラリーマンの給与所得と損益通算によって相殺できるので、確定申告をすることで所得税が還付されるという追加のメリットもあります。早めに始めた方が将来的により多くの戸数を保有できるようになりますので、まずは一度不動産会社のセミナーなどに参加してみてはいかがでしょうか。
2019年10月06日