キャロル・キングの半生を描くミュージカル『ビューティフル』が東京・帝国劇場にて11月5日(木)に開幕する。主演の平原綾香(水樹奈々とWキャスト)に話を聞いた。本作は、世界的に知られるアメリカのシンガーソングライター キャロル・キングの半生を、その名曲と共に綴るブロードウェイ発のミュージカル。日本では’17年に初演され、今回の再演では平原と水樹、中川晃教、伊礼彼方、ソニン、武田真治、剣幸という初演キャストが続投する。開幕を約一週間後に控え、平原は「初演よりもさらにパワーアップしています」と笑顔。「今回一番違うのは演出チームで、前回は本国からシェリー(・バトラー)が来日してくれて、海外ミュージカルらしさを大切につくりました。今回はコロナの影響もあって(上田)一豪さんが演出リステージされるので、日本の演出家ならではの、より内面に迫るお芝居になっている気がします」。さらに「前回は私にとっては2作目のミュージカルで大変なこともあったのですが、今回で『演じるってこんなに楽しいんだ』とすごく思えるようになりました。音楽で感じてきた“心のやり取り”が、お芝居でもあるんだってことを実感しましたし、稽古場では一豪さんと(キャロルのパートナー・ジェリーを演じる)伊礼さんと演技について奥深いところまで話し、追及できました。自分にそんな話ができるようになったことも嬉しいです」と充実した表情をみせる。コロナ禍という大変な状況での上演となるが、平原はそこに本作と重なるものを感じているという。「私自身もコンサートツアーは延期と中止になり、2日間だけ開催したのですが、あの時はこの状況でしかできないものができたし、歌が歌えたと思います。これはきっと、今に限らずみんなそうだと思うんです。だからこそ生まれる美しいものがある。この作品の冒頭で『人生の面白いところって、望みどおりになる時もあればならない時もある。だけど、望みどおりにならないとき、それでも人は何かを見つける』というキャロルの台詞があるのですが、それはこういうことなのかなって」平原が「キャロル・キングって、いつもニコニコしているイメージがあるし、順風満帆な人生だと思ってしまっていたのですが、実は壮絶だったことをこの作品で知りました。特にジェリーには本当に辛い目に遭わされますが、その彼を許して愛したからこそ『YOU’VE GOT A FRIEND』という曲は生まれたんだとも思う。この作品を観るとやさしくなれます」と語る本作は、11月5日(木)から28日(土)まで帝国劇場にて上演。今作ならではの“美しさ”をぜひ劇場で体感してください。文:中川實穂
2020年11月04日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。「いいね!」という『存在確認』90歳になる父は、毎朝6時過ぎに散歩がてら我が家にやってきます。新聞を取り込み、カーテンを開け、植木の手入れなどをして6時半には帰ります。その時間、私はまだ寝ているので父が来ていることに気づきません。起きて、カーテンが開いているのを見て、今朝も父が来たのだと確認するのです。言ってみればこれは存在確認。父もそのつもりのようです。たまに雨が降った日など来ないこともあり、その時は少し胸がざわざわします。部屋で倒れてやしないか。悪い想像ほどイメージしやすいのですから困ったものです。そんなときは「おはよう、今日はどんな予定なの?」と電話をして、元気なことを確かめます。SNSの「いいね!」もまた、その人が生きている証(なりすましなどもありますがそれは除外して)です。生きている…というと大袈裟かもしれませんが、いつものコンタクトが途切れると、ふっと心配になるときがあるのです。二十代の頃に仕事関係で知り合ったAさんは、私のことを陰ながらずっと応援してくれていました。ときどき電話で近況など報告し合ったり、メールが来たり。Facebookの投稿には必ず「いいね!」を押してくれ、よくコメントも書いてくれました。私も時々Aさんの投稿をタイムラインで読んでいました。新しいプロジェクトについての抱負や、大好きな映画についての思いなどが語られていたのですが、ある頃から投稿する内容が変わっていったのです。世の中に対して悲観的であったり、時には批判的であったり。何か、うまくいっていないのかなあと思っていたところ、事故で亡くなったと知り合いから連絡がありました。SNSは不思議な世界です。連絡が途絶えていた人とつながり、実際に会ったことのない人ともつながる。他人のプライベートが垣間見える。多くのどうということのない情報を共有する仮想の空間。例えばFacebookの中には時の流れがあります。ある日、時が止まった友人たちのタイムライン。誕生日には亡き友人たちの誕生日を祝うメッセージが寄せられます。命日ではなく、生まれた日が記憶されてつながっていく。存在なき存在確認です。「いいね!」はコミュニケーションの一つであり、承認であり、存在確認です。「いいな」と思うことに「いいね!」が返ってくる。「私はここに!」自分の存在確認でもあるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年11月01日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。星空の片隅で1日の長さは、1年に0.000017秒ずつ伸びている。月は1年に3.83ずつ地球から遠ざかっている…ということを、多くの人は知っているのだろうか…。と、冒頭から疑問を投げてしまいましたが、0.000017秒など感じられない時間とは言え、私が(これが1年)と思っている長さが不変のものでなかったのは、結構な衝撃でした。物理学者の全卓樹は著書『銀河の片隅で科学夜話』(朝日出版)の中で、1日の時間が延びるのは、毎日の潮の満ち引きのときに海水と海底の摩擦が起こり、これが地球の自転を遅らせている原因だとつづっています。そして月はその反作用で地球から遠ざかる…そして500億年後、1日は45日ほどの長さになるらしい。月は小さく見えて、潮の満ち引きもなくなるでしょう。もっともその頃には膨張した太陽から宇宙線が降り注ぎ、人間は住んでいられない環境に。とても想像の出来ない未来がそこにあります。先日、車の中でラジオを聞いていたら、国立天文台の教授が超新星爆発について解説していました。超新星爆発とは星の終わり。質量の大きな恒星がその一生を終えるときに大爆発を起こし、数ヶ月から数年にわたり太陽のように大きく明るく見える。今、オリオン座の右肩にあるベテルギウスが暗くなり始めたために、終焉が近いのではないかと考えられているそうです。宇宙は不思議に満ち溢れています。教授の話を聞いていると、その超新星爆発がこの数年のうちに起こりそうなかんがあります。ラジオを聞きながら何だかわくわくしてきました。ナビゲーターの女性もうきうきした声で「何時頃起こるのでしょうか?来年あたりですか?」と質問すると教授は「1、2万年のうちに…だと思います」と。ああ、私は宇宙時間の中にいるのだった…。「近いうち」の桁が違いすぎます。この果てしない宇宙の時空間の中に生きている私たち、なんて小さな存在でしょう。でも、そんな小さな存在である私たちの悲しみや孤独は時にとても深い。生きようとする力は強く、その愛はとてつもなくあたたかい。宇宙の時の流れの一雫にも満たない時間を生きる命の重さを、しみじみと思うのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年10月25日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。五行詩の中の宇宙雪が降っていて手鏡をそっと差し出す母がいて「点滴ポール生きるという旗印」岩崎航(ナナロク社)ーより引用これは筋ジストロフィーを患い、人工呼吸器をつけながら詩人として活動する岩崎航さんの五行詩です。たった21文字の言葉の中に、岩崎さんと母の人生がある。この詩に出会ったとき私は言葉の持つ可能性に打ちのめされた。言葉の奥にある『宇宙』を感じたのです。宇宙というと大袈裟に聞こえるかもしれません。果てしなさとでもいうのでしょうか。人の心の深淵を見たような感慨があったのです。詩を解説するのは無意味なことです。ただこの詩を何度も読み、心に湧き起こる自分の感覚や感情を味わうことで、私たちは自分の心の深淵へと入っていくことができるのです。五行詩は世界観をぎゅっと凝縮し、行間にふくらみを持たせるように書く…と私は考えます。また、余韻をとても大切に。そこには文字数が制限されている歌詞に通じるものがあります。歌詞は伝えたいこと、描きたい世界を音数に合わせて書きます。伝えたいからと言って説明的な言葉だと、歌から離れていきます。歌詞も行間にふくらみを持たせ、説明しなくてもその世界を感じとれるように書くことが求められます。また五行詩にはそれぞれのリズムがあり、声に出して読んでみるとよりしっくりと心に入ってきます。古来、和歌を嗜み親しんできた日本人には、馴染みのある言葉のリズムがあるのです。大学で担当している作詩研究のクラスで、毎回五行詩を書くことを取り入れました。学生たちは、前期の初めの頃は長々とした五行詩を書いていましたが、後期に入ると心と思いと言葉の中に宇宙を見いだしかのようにぎゅっと凝縮された詩を書けるようになってきました。時代の空気感をそれぞれの内面に映し出した世界がそこにあります。それは、世界を、自分を『見つめる目』が変わってきたことを表しているのです。この変化が作詞にどう現れるか、それは後期の試験の楽しみでもあります。詩を書くことは新しい扉を開く鍵になるかもしれません。日記のように、その日感じたことを五行詩に。心の深淵へ入っていくのは、自分と出会っていくことでもあります。「自分の力で見出したことが暗闇を照らす灯火になる」岩崎航さんのこの言葉に勇気をもらいます。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年10月18日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。若者の敬語と大人の責任「若者の敬語はなってない」こんな批判をよく耳にします。多くの場合、次に「今の若者は軟弱」とか「礼儀を知らない」といった話になります。言葉という観点に立つと、私もそのように思ったことがあります。しかし、週に一度大学の授業で若者たちと接するうちに、若者を批判するのは重箱の隅を突くようなものだと思うようになりました。若い人たちの敬語なり丁寧語の使い方が間違っている場面によく出くわします。二重敬語だったり、敬語と謙譲語がごちゃ混ぜになっていたり。心の中で(ああ…)と思うこともしばしばです。でもよく考えてみると、彼らは丁寧に接しようと努めている。ただ、ちゃんと学んでいないだけです。もしかしたら、まわりの大人がきちんと話せていない環境にいたのかもしれません。敬語や謙譲語を教科書や本で学ぶこともありますが、育っていく中で身についていくものです。ですから、若い人たちが間違った敬語の使い方をしているのを聞いたら、職場の上司は指導すべきです(…べき、という言葉は使いたくありませんが)。丁寧に接したいという気持ちがあるのですから、そこを大切にしながら伝えてほしいと思います。音楽大学で作詞について教えているので、多くの学生たちと接します。今年は新型コロナウイルスのために前期はオンライン授業となり、後期はオンラインと対面のハイブリッドの授業を行なっています。直接顔を合わせずに一年終わってしまう学生たちがほとんどなのですが、オンライン授業での利点がありました。毎週の課題提出、歌詞の添削など、学生と直接メールでのやりとりがあります。54名の学生ほぼ全員のメールの文体は丁寧で、とても清々しいことに感心しています。大学生だからそれは当然のこと…と思う人もいるかもしれません。言葉はその人を語ります。丁寧であるかカジュアルであるかということではなく、言葉にはその人の心の温度が現れる。そういう意味で、学生たちの言葉には作詞をすることへの真摯な気持ちを感じるのです。すると、言葉も真摯になります。むしろ、大人たちの言葉のほうがぎすぎすと批判的になっているような、清々しさを失っているような感があります。言葉は時代とともに変わります。私世代の言葉を、親世代は受け入れがたかったかもしれません。変わりゆく言葉、その一方で変わらない言葉、変わってはならない言葉があります。日本語の美しさは日本人の精神文化です。言葉の乱れを糾すよりも、日本語が私たちの精神文化であることを知ることが大切なのではないでしょうか。そしてその精神文化を伝えていくのは、大人世代の責任なのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年10月11日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。秋の実り、人生の実り収穫の秋、実りの秋を迎えました。実りの喜びを味わう時期です。人の一生を季節にあてはめる。若い働き盛りの時期を過ぎて、人生の秋は50代、60代を過ぎた頃から…でしょうか。種を蒔き、耕して、そして実りとなる。人生の大きな実り。そして、こうして過ごしている中でも繰り返されるのでしょう。人生の実りを味わえる年代を迎えましたが、種蒔きの日々は続きます。小さな種、大きな種。なんかこう、畑に一粒ずつ種を蒔いて、丁寧に土をかぶせて水をやっている……そんな日々です。仕事のことで言えば、一つ一つの仕事を大切にすることも種を蒔くこと。何かを学ぶことも、人間関係を丁寧に紡ぐことも種を蒔くこと。日々のささやかなことをも大切にすることが、蒔いたものを耕すことになり、心のあり方が栄養を与えることになる。いつも意識しているわけではないですが、丁寧に育てることの大切さを今しみじみと感じます。それも人生の秋を迎える年代になったからでしょうか。自分の実りは何があるだろうと考えたとき、真っ先に浮かぶのは家族かもしれません。父はもうすぐ90歳に、母が亡くなってからひとりで暮らしています。私と妹たちはすぐ近くに住んでいますから、毎日電話で話したり食事をしたり。娘たちが近くにいると言っても、衰えていくことへの不安を抱えながら生きているのだと思います。それぞれの家族にはさまざまな事情があります。問題のない家族はないでしょうし、家族だからこそうまくいかないこともある。自分の年齢だけ家族の歴史があるのですが、それだけの時間をかけて耕して、いま、実ったのかなと思っています。芽が出て、育っていく間に雨で流されたり、干ばつで枯れてしまったり、踏み荒らされたり。いろいろなことがありましたが、耕すことを諦めなかったからいまがある。これは私にとっての大きな実りなのです。仕事の成功や、目に見えるもの、形あるものに実りを求めてしまいがちですが、自分自身の心の中に実りを感じていけたら、小さなことにも喜べるのではないでしょうか。忙しく、瞬く間に過ぎていく日々の中でこぼれてしまった種の中に、本当に大切なものがある……そんなことに気づいていく感性を磨いていきたい。それがいつか人生の秋を迎えたとき、きっと豊かな実りとなるに違いありません。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年10月04日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。人はいつか自分の言葉、行いに出会う「人はいつか自分の言葉に出会う」…というよく言われる言葉があります。因果応報とも、情けは人のためならず、とも言うのでしょうか。悪口を言えば、どこかで悪口を言われる。相手を批難した同じ言葉をいつか言われる。反対に、ポジティブな言葉を心がけていると、ポジティブな状況が開けてきます。めぐりめぐって自分の元に還ってくるというわけです。これは言葉に限ったことはありません。ずいぶん前にこんなことがありました。まだ娘と手をつないで歩いていた頃ですから20年近く前のことです。散歩をしていたとき、雨がポツポツと振り出し、次第に雨脚が強くなっていきました。雨宿りをしようにも、そのような場所がありません。急いで引き返そうとしたとき、透明のビニール傘を2本持っておじさんが歩いてきました。おじさんは私たちを見ると1本のビニール傘を「ほら、どうぞ」と差し出してくれたのです。この出来事の何ヶ月か前、車で家へ帰る途中、急に雨が降り出したことがありました。前方から制服を着た女の子が鞄を頭にのせて速足で歩いてきました。思わず助手席の窓を開け、ビニール傘を差し出しました。女の子はびっくりしていましたが、傘を受け取ってくれました。誰かの役に立つこと、それはいつか自分も助けられるということ。世界は決して難しい法則の上に成り立っているのではないのですね。自分が差し出したものを、いつか受け取る。ただそれだけのことです。いまの社会状況は複雑な様相を呈しています。その中で私たちは不安になり、先が見えなくなり、途方に暮れることもあります。でもそんなとき、いつか自分の言葉に出会うこと、自分の行いに出会うことを忘れずにいたいものです。いま、この瞬間にできること。それを自分の軸にするとで、何をするべきか見えてくるでしょう。2ヶ月前、転んで手首の骨を折ってしまったときのこと。近くにいたおじいさんが駆け寄り、すぐに救急車を呼んでくれました。私の重い荷物を持ってくれ、救急車に乗せてくれたのです。お礼をしたく名前と住所を教えてくださいとお願いしたのですが、「あたりまえのことをしただけです」と。私は病院に向かう救急車の中で、おじいさんが健やかで幸せであるように祈りました。ひとりだけで生きていける人はいません。誰かに支えられ、誰かを支えながら生きている。優しさがめぐりめぐる社会、よい種を蒔いていく。いま、こんな状況だからこそ実感するのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年09月27日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。かけがえのないものたち夜9時すぎに仕事が終わり、軽く食事をして帰ろうと自宅近くのお蕎麦屋さんに行きました。10時10分ほど前だったでしょうか。そのお蕎麦屋さんは深夜0時まで営業しているので、仕事で遅くなったときにはよく利用しています。ところが、東京都の営業時間自粛要請のためにすでに閉店時間。もちろん、近くのお店も同様です。このような時間にしか食事をとれない人もいるはず。日常が日常でなくなっていることへの理不尽、お腹が空いていたので余計に感じてしまいました。日常…それは本当にあたりまえのように私たちのまわりにありました。インフラが整っているのもあたりまえのように。マーケットにあふれるほど商品が並んでいるのもあたりまえ。家族がいるのも友達がいるのも、日常の中に溶け込んでいるよう。元気でいられることも。若い頃は『いま、ここにあること』のありがたさに無自覚でした。しかし、子どもが生まれ、日々成長していく姿を見ていると、一日一日の尊さが胸に迫るようになりました。子どもが生まれたときに、この世界にこれほど愛しい存在があっただろうか、と心が震えました。親であれば、誰もがそのような感慨を抱くでしょう。かけがえのない子供の成長の一瞬一瞬が、かけがえのないものになっていきました。22歳になったいまも、それは変わることはありません。同じように、高齢の両親(母は4年前に旅立ちましたが)に対しても感じるのです。あたりまえのように過ごしている日々は、あたりまえではない。いつか別れる日が来る。誰もが限りある時間を生きています。その終わりがいつ訪れるのか誰にもわからない。明日かも、一年後かもしれない。私たちはかけがえない存在、時間を与えられているのです。かけがえのないもの。唯一無二、世界に一つしかないもの。かけがえのない、愛するものを持っている幸せ、それは愛するものを失う怖さと表裏でもあるのです。子どもがまだ赤ちゃんだった頃、抱っこして子守唄を歌っているときにふっと心をよぎったことがあります。「もしもいまこの子を落としたら、死んでしまうかもしれない」命を守ることの静かな怖れは、「かけがえのない」ということの重みでもありました。あたりまえではなくなった日常が、いつの日かあたりまえになっていくのでしょうか。そんな時代や状況の変化の中にあっても、かけがえのないものは変わらない。かけがえのないものを大切にし、愛することは生きる上での柱になる。それは、私たち一人ひとり、自分自身でもあるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年09月20日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。今日、ふらりと旅に出ようふらりと旅に出たい。木々を震わせながら吹く風を感じたい。何も考えずに波の音を聞いていたい。ぽっかりと海に浮かんでいたい。渓流の水の冷たさ、草原の匂い。ほとんどの時間を家で過ごすのは決して苦痛ではありませんでしたが、自然の中に身を置きたいという思いは、旅への渇望をつのらせます。実際、それなりに移動をし、何も気にすることなく旅を楽しんでいる人たちもいます。14歳になるシニア犬がいること、この夏は手首を骨折してすっかり体力が落ちてしまったことなど、社会の事情に加えてふらりと出かけられない事情が重なってしまいました。つのる思いを叶えられないことが、さらに気力を奪っていく。少しずつ空気が抜けていく風船のように、自分が萎んでいくのです。遠くへ行けないなら、近くの行けるところへ行こう。真昼の暑さを避け、午後4時すぎに車で15分ほどの広い公園へ行きました。その公園は広い芝生の緑地の中にソメイヨシノ、ヤマザクラ、ケヤキ、クヌギ、コナラ、ミズナラなど多くの木が心地のいい木陰を作ります。四季折々の光景を楽しめ、我が家から一番近い、自然を感じられる場所です。子どもたちがボールを追いかけている。若いお父さんが、よちよち歩く幼子を見守っている。ベンチで寄り添う恋人たち。木陰で本を読んでいる男性。おしゃべりに興じる女性たち。公園という場にそれぞれの時間が流れている。そんな時間の尊さをふと思う。いつもならなんとも思わないあたりまえの日常のありがたさを感じるのは、自分の体が思うように動かないという体験があったからかもしれません。散策していると、ユニークな枝振りの百日紅の木がありました。小さな赤い花が手毬のように。枝がくねくねと曲がりながら広がっています。その木陰で、おじいさんとおばあさんがお昼寝をしていました。こうして年を重ねて、二人して公園で寛ぐ時間を楽しめる。なんでもない日常なのでしょうが、なんでもないことを「できる」ということが、実はしあわせなのだと思うのです。何度も歩いたことのある公園ですが、気持ちの持ち方で発見することも変わります。目に映るすべてのものが語りかけてくる…そんなスイッチが入ったようです。一回りして、先ほどの百日紅の木のあたりに戻ると、お昼寝していたおじいさんとおばあさんは、フリスビーに興じていました。お互いにキャッチできずに、拾っては投げ、拾っては投げを繰り返し、おばあさんの高らかな笑い声が空に吸い込まれていくようです。ふらりと旅に出たい。広い緑地の真ん中に寝転んで、空の広さを抱きとるように。ほんの2時間、近くの公園をふらりと。すっかりリフレッシュしました。願いを、ささやかでも行動に移してみましょう。心と身体を喜ばせるように、楽しませるように。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年09月13日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。小さな感謝が明日を作る電車の中でお年寄りに席を譲るとき、私は父や母のことを思ったものでした。父も母もこうして席を譲ってもらえるように。祈るような気持ちで、座席を立ちました。母は4年前に亡くなり、父も89歳。父も滅多に電車に乗ることはなくなりましたが、必要としている人に必要としているものが届きますように、という思いで席を立ちます。車を運転しているとき、車線変更をしようとしてもなかなか入れてもらえないことがあります。そんなときに車間を開けてくれる車をサイドミラーに見つけると、感謝が湧き上がります。少々大げさに聞こえるかもしれませんが、我先にとばかりにスピードを上げて追い抜いていくドライバーの中にあって、譲ってくれる人には心の大きさを感じてしまうのです。(譲ってくれた人に、今日いいことがありますように)ハザードランプを点滅されて「ありがとう」を伝えながら、小さく祈ります。先日、友人が交番で道を尋ねたときのこと。彼女はマスクを忘れたために、交番の中に入らずに外から尋ねたそうです。すると中にいた警官から「マスクをしなさい!」と怒鳴られたそうです。この出来事に現れているように、多くの人の中に感染への不安が広がり、ピリピリとした雰囲気があります。マスクをしていないことで暴力を受けたり、排除される。これは、明らかに行き過ぎた傾向だと思います。マスク警察、社会不安によって人を裁く方向へ向かうのは、決して好ましいとは言えません。いま、この閉塞感のある時期、大切なのは本当にささやかな幸せに気づくことであり、ささやかなありがたさを感じること、小さな感謝を伝えることではないでしょうか。言葉で伝えられなくても、心の中でちゃんと伝える。人と人をつなぐのは批判ではなく、あたたかい心の通い合いです。自由に人の行き来ができない分断されたときだからこそ、目に見えても見えなくても、言葉にしてもしなくても心で伝えていくことだと思うのです。それは確実に、次の社会を作る小さな礎になるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年09月06日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。母は幸せで、せつなくて〜空港にて思うこと8月半ば、娘が留学先のニューヨークに戻りました。コロナ禍の中、ほとんどのフライトは欠航で、羽田空港の国際線ターミナルは閑散としていました。午前9時から11時の間にある27便のうち、飛んでいたのは、パリ、ヘルシンキ、バンコク、ダラス、ニューヨーク行きの5便。人々のざわめきはなく、レストラン、お店は全部閉まっています。世界が分断されていることを、肌身で感じました。空港は、出会いと別れの場です。そこには、一人ひとりのドラマがあります。旅立つ人、見送る人。出発ロビーにも到着ロビーにも、それぞれの人の思いがあります。年に2回、見送り、出迎えをするようになって8年が経ちました。保安検査場に入っていく娘の背中を何度見送っても、慣れることはありません。体の一部を持っていかれるような痛みに、毎回、少し泣いてしまいます。8月の終わり、お正月明けの出発ロビーには、留学生らしい学生たちとその家族を多く見かけます。子どもが保安検査場に入り、その姿が見えなくなってもその場を離れずに立っている母親たち。私もそんな親の一人なのですが、(さあ、帰りましょう)と切り替えることができません。子どもがまた手の届かないところに行ってしまったことを噛み締める…そして、次の日常にリセットするための時間なのかもしれないなあと思うのです。お盆とお正月に故郷に帰る。子どもが帰ってくるときには、お母さんはきっとご馳走をたくさん作って待っていることでしょう。それを作っているときの母親の気持ち。久しぶりの再会を楽しみに、静かにわくわくし、子どもの好きなものをたくさんこしらえるでしょう。その同じ気持ちを私も味わっています。楽しみで仕方がないのですが、同時に母親とはせつないものだとも思うのです。私はいつも、展望ロビーから機影が見えなくなるまで見送ります。これも、私のリセット法のひとつなのかもしれません。飛行機に乗っているすべての人が無事にそれぞれの目的の場所に着くように、激しく祈ります。猛暑、じりじりと肌を刺すような炎天下の展望ロビーには、ニューヨーク便を見送る人がたくさんいました。ずっと動画を撮っている女性、孫を見送るおじいさんとおばあさんもいました。しがみつくように金網につかまり、じっと見送っている女性もいました。みんな、愛する人を見送っている。それぞれのドラマを生きているのです。夏空に小さくなっていく機影を追いながら、母親である幸せとせつなさを深く味わったのでした。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年08月30日毒舌、あざといかわいさ、インスタがフォロワー85万人超え……と、今までのアナウンサーの枠をぶち破り、同性からも支持されるテレビ朝日の弘中綾香(29)。人気の発端となった番組『激レアさんを連れてきた。』(テレビ朝日系・毎週土曜よる10時10分~)の現場で、自らの激レア半生を聞いてみた。転機は4回。まずは、2013年のテレビ朝日アナウンス部入社だ。「まさか受かるとは思わなかったので、半信半疑でした。基礎が全くできていなかったので、研修は全然うまくいかなくて泣いてばかり。何で入っちゃったんだろう……って。声が高いのもコンプレックスでしたね」(弘中・以下同)それでも、入社半年後には『ミュージックステーション』のサブMCに大抜擢。「甲子園リポートをして会社に戻ったときに急に言われたので驚きました。チノパンにポロシャツ、という汚ない格好のまま、タモリさんにご挨拶したんですよね(笑)。大学生に毛が生えたくらいの私に、タモリさんは『最初だから間違えてもいいんだよ』と温かく支えてくださいました」『Mステ』を5年間務め、’17年には『激レアさんを連れてきた。』研究助手に就任。「『弘中さんが、頑張ってみんなに説明する番組です』とスタッフに聞かされて『え?』とまたびっくり。研究員の若林(正恭)さんは、多才で優しい方、助けられることばかりです」番組での歯にきぬ着せぬ発言などが「毒舌」と言われて注目され、昨年夏には、局をまたいでの『オールナイトニッポン0』への出演が話題となった。「冗談半分に『出たい』と言ったことが実現してしまったんです」昨年末、「好きな女子アナウンサーランキング」の1位にも輝いた。「ありがたいんですが、踊らされてもいけないな、とも思います。気持ちが持っていかれちゃいそうで。『Mステ』のスタッフから『ここがピークじゃダメだよ』と言われたので、もっと頑張らないといけないな、とは思っています。面白いと言われるのがいちばんうれしいんです。外見的なことは普遍的ではないけれど、内面のことは揺るぎない価値だと思うので」芯がしっかりしているからこそ、毒舌もかわいさも共感できるのだ。「女性自身」2020年9月8日 掲載
2020年08月29日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。オンライン御供養というリアルZOOMでの盂蘭盆法要。おそらく今年初登場の法要スタイルかと思われます。『密』を避ける一つの対策、そしてこの猛暑の中に外出せずに御供養できるという利点もありますね。夫の両親の法要をお願いしているお寺さんからお知らせをいただき、旧暦お盆のZOOM法要をお願いしてみました。本来なら、たとえZOOMであっても法要のときはお寺での作法を守ることが肝要でしょう。ところが、午後1時からの法要…うっかりお昼ごはんを食べながら…という…。もちろん仏壇にお燈を灯し、お線香を上げていたのですが、とんでもなく礼を欠いた法要になってしまいました。新型コロナウイルスは、私たちのライフスタイルに多大な影響を与えています。この不自由さに、ストレスを感じない人はいないでしょう。重ねてこの暑さ。でも、今はどうしようもないこと、腹を括って新しい方法を創造的に、前向きに作っていくしかありません。さまざまなことを制限された中、最新のテクノロジーを使って何ができるか。これまでにないサービスの創造、生きやすさを大切にした働き方など。新しい価値を作り出す好機と捉え、前に進んでいくのみです。オンラインお墓参りに続き、タクシーの運転手さんによるお墓参り代行サービスも登場しました。運転手さんがお墓の掃除をし、供花をし、お参りをする。県を越えて移動するのが難しい中、これもありがたいサービスに違いありません。私の実家のお墓は、都内から車で1時間ちょっとの都下にあります。小高い丘の上にあり、遠く相模湾が見える気持ちのいい場所です。年2回のお彼岸には欠かさずお参りに行きますが、ただ儀礼、先祖供養のためだけはなく、自分自身のためにあるように感じます。墓石の掃除をし、雑草を取りながら、心を磨いているような…。掃除し終わった後の清々しさは、目に見えるきれいさだけではないのです。ただただ墓石の汚れを落とし、磨く。無心になることで心が清められていくような感があります。大切なのは先祖供養そのものだけでなく、こうした心にこうした小さな変化がもたらすことが大切なのだと思います。それが果たしてオンライン法要で成されるのかどうか。仏壇をきれいにし、部屋を掃除し、それから臨みましょうか。オンラインという二次元の空間にどれだけ『リアル』という価値を見いだせるか。私たちの感性と御供養ということに対する心の持ち方が試されるところです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年08月23日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。癒しは自分の内側から空間を感じる。何もない空間を味わう。『「何もない」がある』という空間を体験してきました。東京、世田谷美術館で開催されている『作品のない展示室』は、この世界的なコロナ禍で海外からの作品の借用が困難になっただけでなく、国内作品の企画展も開催できなくなった状況の中にあって原点回帰とも言える『アート展』です。世田谷美術館は、緑豊かな砧公園の中にあり、この自然環境の中に溶け込むように建っています。公園を散歩している流れで美術館に。自然とアートが違和感なく一体となっているのを感じます。展示室に入ると大きな窓、そして公園の緑の光景。窓がフレームとなり、絵画のようです。実は、この展示室のこと、そこで感じたことについて多くを語るのは控えたい。人それぞれの感性の世界で遊んでほしいなと思うのです。誰とも話をせず、情報を知ろうとせず、ただただその場の静寂に身を沈め、大きな窓の向こうに立つヒマラヤ杉をぼーっと眺めてみて下さい。頭の中のおしゃべりをやめて、ただただ、その場にいることを感じる。心を空っぽにする時間です。唯一展示されているのは、建築デザインをした内井昭蔵氏の言葉です。「私は、宇宙そのものが非常に装飾的だと思う。つまり、宇宙の構造に美を感じる。地球の回りに月があり、地球が太陽系の中で回っているという、一つの大自然の秩序は物理学と同じで、その秩序感に美を見出すことができる」「今日の建築に魅力がないのは建築から自然のメッセージが消えてしまったからである」今、世界はこれまでの日常を送れない状況になっています。来年、再来年、この日常がどうなっているかはわかりません。私たちは今、エアポケットのような時間の中にいるように感じます。自然を感じる場所に身を寄せる。自然とつながることは、自分自身とつながること。なぜなら、私たちも『自然』の一部だからです。『作品のない展示室』は8月27日までの開催ですが、何もないことの豊かさを意識する時間、遠出をせず自然を感じられる場所で静けさを味わう時間を持ってみて下さい。誰かに癒されるのではなく、自分の内側から癒されるのを感じるでしょう。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年08月16日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。「まあ、いいか」―言葉が心を変えていく「まあ、いいか」「まっ、いっか」声に出してみて下さい。それぞれの言葉に、どんな感じがするでしょうか。「まあ、いいか」と言葉には、どこか投げやり的な、諦めがあるような、スルーしない方がいいことをスルーするようなニュアンスがあります。「まっ、いっか」と言葉にしてみると、どこかカラッとした、諦め、切り替えの早さを感じます。いいかげん…という感もありますが、さっぱりしたものです。同じ意味でも、ちょっとした言い方で『ニュアンス』が違ってきます。『ニュアンス』には、『色彩、音色の微妙な違い』『言葉にしていない意図』という二つの面があります。日本語には、それを現実にするエネルギー、『言霊』が宿っていると言われます。この観点で言うと、言葉の持つ『ニュアンス』には、話し手のエネルギーが宿っていると考えられます。実際、このような言葉は口にすることもあるし、心の中でつぶやくこともあります。(まあ、いいか)と流したら、そのような結果になる。少し後悔が残りそうです。そのときの自分の気持ち、感覚を味わってみることで、「まあ、いいか」ではないリセット法が見つかるかもしれません。例えば、友達にラッキーな出来事が起こったとします。そのとき、「いいね!」という言い方と、「いいわねぇ」という言い方ではどうでしょうか。若干言い方は違いますが、そこには本音の大きな違いがあります。同じうらやましい気持ちだったら「いいなあ!」と言ったほうが、からっとしています。たとえ(うらやましい…)と嫉妬が垣間見えたとしても、あえてからっと伝える。そうすることで、気持ちもリセットされます。思わず発した言葉に、意識していなかった自分の本音が現れる。発した言葉を取り戻すことはできません。(あ!)と思った瞬間、胸の奥から湧き上がった恥ずかしさでいっぱいになるのです。しばしば、SNS上での誹謗中傷の言葉が話題になります。どんなルールを課しても、責任を持たない言葉があふれているのを抑えることはできないでしょう。そのような言葉は相手を傷つける以上に自分を卑しめていることに一人ひとりが気づくしかないのでしょう。よく「人は言葉でできている」と言われます。心の表れが言葉となり、言葉が心を育てる。(まあ、いいや)のニュアンスを意識してみると、(まあ、いいや)と思うことがなくなりました。難しいことはひとつもない、ささやかな意識を。日頃使っている何気ない言葉こそ、私たちの心を高める礎となるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年08月09日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。世界はサインにあふれている(転ばないようにしよう)3ヶ月ぶりの友人たちとの会食、プラットフォームのサンダルを履きながらそう思いました。厚底のそのサンダルは、爪先の返りもあり歩きやすく、お気に入りの一足です。いつも以上に気をつけて、レストランに向かいました。そのレストランはJR山手線の駅から歩いて10分、その途中に私が医療保険を契約している保険会社の本社ビルがありました。最近、営業担当の人と話すことがあったので、(ああ、ここにオフィスがあるんだ)などと考えながら歩いていました。川沿いの道をいくのですが、川の手前をいくか、渡った側をいくか、一瞬迷いました。そして私は橋を渡り、右に曲がりました。ほんの少し、そう、20メートルほど、レストランに近かったからです。そこには路上喫煙所があり、煙草の匂いが漂っていました。息を止めて通り過ぎようとしたとき、体が斜めになっていることに気づきました。そう、転んだのです。右手を見ると、手首が見たこともない曲がり方をしていました。親切なおじさまに助けられ、救急車で病院へ。翌日から入院、手術となりました。その前日、家の近くで松葉杖の大学生を見かけました。さぞ痛くて、不自由だろうなあと思い、横断歩道を渡るとき、少し離れたところから見守りました。まさか翌日に、こんなことになるとは…思うわけもなく。実は、骨折は2回目です。15年前に娘をスケートに連れて行ったとき、軽く手をついてしまったときに、右肘の骨をやってしまいました。その日、何かあったときのために保険証を持っていったことをよく覚えています。入院中、思考力も気力もダウンしたのですが、ただひとつ、胆で決めたことがあります。「野性の勘を取り戻す!」転ぶ前にいくつもあったサイン。そこにもっと注意を向けていたら、避けることができたかもしれません。サインを見逃してしまうのは、(まあ、いいか)という慢心であったり、我であったり、過度な情報が邪魔しているのです。ふとよぎる予感、目の前に現れる現象の中に、ヒントがある。その勘を研ぎ澄ますためには、予感やサインが現れたときに、受け止める、そして自分に確認、問うてみることです。これからの時代、私たちに備わっている本能を発揮していくことが、身を守る助けになると思います。野性の勘を取り戻す。そんな私の決意をよそに、家族によりヒールの高い靴禁止令が出ました。…はい、それが即効性のある対処であります…。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年08月02日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。小さなプレゼントのしあわせいつの頃からか、友人たちと食事をするときに、小さなプレゼントを持っていくことが多くなりました。友人たちもそれぞれに小さなものを。1000円から2000円くらいのお菓子や、何か美味しいもの。ちょっとめずらしいもの、旅行したときのお土産など。価格だけでなく、大きさも小さな手つきの紙袋に入るくらいのもの…相手に負担をかけない程度のものを選びます。プレゼントをもらうことはもちろんうれしい。でもプレゼントを贈ることもうれしい。どちらの場合も「うれしい」ということでは同じですが、そのタイプは違います。言い方を変えると、愛を受け取ったうれしさと、愛を与えたうれしさ。「与える」こと、giveすることで、脳内で快感ホルモンが分泌されるように、人間はできているそうです。与えるということは、言い方をかえると「役に立つ」ということです。プレゼントに限らず、力になること、助けること…誰かのために、見返りなど考えずに役に立つ何かをすること。「与える」「役に立つことをする」「人を喜ばせる」ということは、実は自分の運を強くすることにもつながるのです。中国から伝わった占術である算命学では、12年間に2年、天の守りがなくなる『天中殺』という期間があります。この時期には引っ越し、新築、会社の設立、結婚など、自らの意志で新しいことを始めるのは避けた方が良いとされています。大難を小難に、小難を無難に。天中殺は怖い…と恐れる人が多いのですが、天中殺の影響を和らげる方法があります。それが「与える」ということなのです。算命学の宗家高尾義政先生の著書によると、「人にごちそうしなさい」と。金銭的に『損』をすることで、災難を前もって買ったことになる。そうすると影響が薄まるというのです。もちろん、これはひとつの例えで、プレゼントも、誰かに力を貸すことも含まれます。一見、現実的な方法に見えますが、要は「徳を積む」ということなのです。少しずつでも徳を積むことで、運を強くする。そしてその積み方も、さりげなく、目立たぬように。これが陰徳です。そしてさらに言うなら、陰徳を積むなどと意識せず、運を強くするなど考えず、人を喜ばせることをしあわせに思う自分でありたいものです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年07月19日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。「犬は無償の愛を教えてくれる天使」「犬は無償の愛を教えてくれる天使よ」10年前、我が家のトイプードルのラニが肺炎で緊急入院をし、弱気になった私にジュディ・オングさんがかけてくださった言葉です。ジュディさんは大変な愛犬家で、当時、子どもようにホワイト・テリアのパールちゃんに愛を注いでいました。その姿を、誌面などを通して知っていたので、つい泣き言のメールを送ってしまったのです。無償の愛を教えてくれる天使…飼い主を信じて、何も疑わない、ただただ慕ってくれる。愛しかない…ということを、わんこたちは命いっぱいで表している…。ラニが私たち家族に何の疑いも持たず、100パーセントの信頼を寄せる姿そのものに無償の愛を感じます。愛するとは?信じるとは?人は一点のエゴもなく誰かを愛し、信頼することができるだろうか。親との関係ですらギクシャクすることが多いというのに。無償の愛だなんて大袈裟な…と思う人もいるかもしれません。私たちが学ぶのは、教師や本からだけではありません。私たちの心を育てるのは、偉い人の名言でも、最先端のテクノロジーでもありません。まわりにいるすべての人から、あらゆる出来事から、私たちは学ぶのです。世界のありよう、自分の感情の『感じ方』に、自分自身の心のありようが鏡のように映し出されます。そこで自分を振り返り、成長することができるのです。ラニはもうすぐ14歳になります。人間の年齢にすると75歳くらいでしょうか、老犬と呼ばれる年齢です。2.53の小さな愛らしい姿に、どうしても老犬という印象はありません。でも、この自粛期間のある時から、急に弱くなってしまいました。つい前日まで喜んで散歩に出ていたのに、行きたがらなくなり、喜んで食べていたごはんを食べなくなりました。検査してみると初期の心臓弁膜症と腎臓が弱っていることがわかりました。いつか弱る時が来ると思ってはいたものの、いざこのような状況になると不安で仕方がない私がいたのです。失いたくないという気持ち、少しの変化にぐらぐらとしてしまう…そんな私の不安をラニが受けてしまうことをわかっていても、覚悟のできない自分がいます。ラニは、そんな弱虫な私を鏡のように見せてくれているのです。犬は無償の愛を教えてくれる天使。老いて弱くなっても、犬が飼い主に寄せる信頼に変わりはありません。限られた時間を生きる。それは命あるものの宿命です。これからの時間がどれだけ尊いものになるか。愛することは不安や悲しみを超えていくことなのだと、これから私の大きな学びが始まります。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年07月12日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。『自分だけの応援歌』を!久しぶりにNHKの朝ドラ『エール』を観ています。昭和を代表する作曲家、古関裕而氏の物語。戦前から戦後へ、日本人を励まし続けた歌とともに辿る物語は、純粋に音楽を生み出していくことの大切さを教えてくれます。古関裕而氏は早稲田大学の応援歌『紺碧の空』、プロ野球の応援歌、高校野球の『栄冠は君に輝く』、そして1964年の東京オリンピックの『オリンピックマーチ』など、多くの応援歌を作曲されました。改めてこれらの応援歌を聴いてみると、雲ひとつない青空のような真摯なさわやかさを感じます。その当時の日本人の、希望を見出しながら生きていく澄んだ精神を感じるのです。そう、私たちの人生にも応援歌があるといいです。大好きで聴いている音楽が、その人の応援歌になるのでしょう。元気を出したいとき、背中を押してもらいたいときの歌、いろいろあると思いますが、「これ!」という歌を決めるのです。10年前、手術を受けました。命に別状のない手術でしたが、やはりお腹を開けるのには少し怖さもありました。看護師さんが迎えに来る直前までヘッドフォンをして、大音量で繰り返し聴いていた歌があります。チャカ・カーンの『I‘m Every Woman』。「私はすべてを持っている女よ!」と、自分に叩き込むように何度も何度も聴きました。胸の奥から、わあーっとやる気を起こさせるように。怖さを蹴散らすように。そして気持ちが整い、盛り上がったところで「よっしゃ!」という気合いで手術室に向かいました。もう一曲、「落ち込んでいる場合じゃないぞー」と引っ張り上げてくれる歌があります。アンドレア・ボッチェリの歌う『大いなる世界』です。前半のオリエンタルなコード進行のメロディーが胸に響き、それからサビの大きな展開で一気に視界が開けていくような感があるのです。音楽は空気の震えです。その震えは私たちの体に響きます。この音楽が好き、元気が出る、と感じるのは、私たちが発している何かとその音楽が発している何かが合致した瞬間なのではないかと思います。単に、好みだけの問題ではなく。自分の体と心にフィットした音楽、モチベーションを上げてくれる音楽、泣ける音楽など、『持ち歌』のように持っているのはどうでしょう?歌の力をもっと活用できたらと思うのです。最近では、ストリーミングで気軽に多くの音楽を手に入れることができます。これは著作権で生活をしている私たちからすると困った時代になったのですが、それでも多くの人が音楽を楽しめるようになるのは素晴らしいこと。一人ひとりの元気が社会全体の元気につながるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年07月05日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。ピンチが新しい日常を作る家にいる時間が長くなり、多くの人が家でできる楽しみを見出すようになりました。大掃除、『断捨離』に精を出し、お料理、レストランからのお取り寄せなどのお楽しみもありました。通常、テイクアウトなどしていないレストランが、お店と同じメニュー、また特別にお弁当などを提供しています。それも経営を存続させるひとつの方策、私たちにとっても楽しみなことです。食べることが唯一の楽しみになった3ヶ月、私も料理ばかりしていました。しまいこんでいた器を出しました。亡くなった母が集めた器、もったいなくて箱に入れたままにしていたのですが、使ってこそ器、楽しむのがいちばん。ぎゅうぎゅう詰めの食器棚を整理して、なんとか納めました。普通の焼き魚も、少しいいお皿にのせるだけで気持ちが上がります。若芽と胡瓜の酢の物も、古伊万里の小鉢にいれるだけでちょっと特別に見えました。インターネットでお料理屋さんの盛り付け方など参考にしながら、毎日の夕食がなんとなくごちそうに。いま、ここにあるものを使い、創意工夫次第で楽しみを見出せる。限られた中で、どれだけクリエイティブに日々を過ごせるかということが試されました。制限されたからこそ、知恵を出せたと言えるでしょう。家の中の楽しみということだけでなく、仕事の仕方、子どものこと、保育のことなど、これまでのやり方を変えなければならないとき、困った困ったと言っているだけではたち行かない現実があります。ピンチのときに活路を見出していく、ここは自身の底力が試されているところです。私も、大学の授業がオンラインになりました。まず、オンラインの仕組みを学び、クラスルームを作り、55人の学生の登録を手作業で。テキストを作り直し、パワーポイントでスライドを作るなど、通常の授業よりも何倍もの手間がかかりました。ところが実際にオンライン授業をしてみると、学生たちの学びが進んでいるような感じがします。少し考えさせる課題を出しているのですが、ほぼ全員がしっかりとした作品を書いてきます。クラス全体の雰囲気がどうなのかわからないのですが、少なくともひとりひとりのモチベーションは高くなっているのは確かです。これから、世の中がどのように変化していくかわからない中、この状況の中でどのように進化していくか考え、実践していくこと。創意工夫と、もっと楽しいことをできないかな、という気持ちが、新しい社会を作っていくきっかけになる。それはきっと、ひとりひとりの創造性と実行力という底力と、この日常から始まるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年06月28日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。『見えない友達』と夢の中にいるような時間と(いつか大人になるのだから、急いで大きくならなくてもいいよ)幼い子どもたちを見ているとき、ふっとそんな言葉をかけたくなります。子どもにとっても、大人にとっても、「大きくなる」ことは喜び。ひとつひとつ、階段を昇るような成長を見守る。それは子育ての醍醐味でもありました。娘が4歳くらいまで、見えないお友達がいました。『もったん』と『いっちゃん』です。言葉を発するようになった頃からか、誰もいない空間に向かっておしゃべりをしているので、「誰とお話ししてるの?」と聞いてみました。「もったんといっちゃんと遊んでるの。ママ、見えないの?」と不思議そうな顔をします。ママには見えないなあ、というと、驚いた顔をして、「そこにいるよ。ねー」と、部屋の一隅に向かって笑いかけました。ときどき、「もったんといっちゃん、いま遊びに来てる?」と聞いてみました。「うん、来てるよ」「いま、そこに座ってる」と、頻繁にいる様子。幼稚園に通い始めた4歳の頃から、もったんといっちゃんが遊びにくる回数が少なくなったようでした。そして6歳になった頃には、もう来なくなったのです。同じように、娘の幼なじみの男の子には、『おーばい』という見えない友達がいました。二人で遊ぶときには、それぞれの見えない友達も一緒だったようです。『見えない友達』を精神医学用語で『イマジナリーフレンド』というそうです。人間関係を作ることに慣れていない子どもが、気持ちを共有したいときに『空想の友達』に話しかけるようになるそうです。この体験は豊かな創造性を育む上で大切なプロセスで、親は受け入れて見守ることが大切です。創造性こそ、生きることを豊かにする源ですから。幼稚園や保育園、そして学校に通うようになり、子どもたちは現実の人間関係の中に入っていく。子どもにとっては大きなチャレンジの始まりです。人との関わりが心を育てていく。そしてそれは、子どもたちの夢のような心の空間が薄らいでいく始まりでもあるのです。思い出してみると、この頃の子育ては、娘の夢のような心や感性を通して私も豊かな時間を過ごしました。絵本の読み聞かせをしながら、私も物語を一緒に味わいました。子育ては、やはり大変です。体、そして時には心も疲弊します。でも、あの頃の時間は何ものにも変えがたい宝物です。(いつか大人になるのだから、急いで大きくならなくてもいいよ)ときどき、自分にもそう言いたくなる時があります。心のどこかに、夢の中のような場所を。それは、大人になった私たちにとっても、シェルターのような場所になるのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年06月21日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。ハードロックを歌って体を強くする!体を強くする三つの方法。1.フルーツ、野菜をたくさん食べる。2.お風呂に入る。バスタブに浸かる。3.歌を歌う。今朝の番組の中で、免疫学者が指摘していたポイントです。新型コロナウイルスの予防法として手洗い、うがい、マスク、三密を避ける…などが提唱されています。なぜか食生活については触れられないことが多いのですが、何よりの予防は「体を強くする」ことに尽きます。そのために、食生活を見直し、よりよくしていくことは必須です。フルーツ、野菜を食べる。なぜ野菜か。食物繊維、ビタミンを摂ることはもちろんのこと、もっとも大切な目的は「血液をサラサラにする」ということです。そのために、野菜の中でも特にレタス、クレソン、セロリ、生の人参を多く摂ること。そして造血に効果的なビーツも、最近注目されている野菜です。食生活を見直す目的は、栄養のバランスをとることだけではありません。これからの食事は、「血液をサラサラにする」ということを意識することが肝要です。血液は身体中の細胞に酸素、栄養を送るのですから、ここが健康を保つための要になるのです。血液の浄化を意識してみると…食べたいものと、食べるべきものが違うことに気づくのではないかと思います。ここは、本当につらいところですね。おいしいものは、heavyなものが多いですから。歌を歌う!これは呼吸器を鍛える効果、そして横隔膜を刺激することによって、腹部の血流がよくなるそうです。そしてなんとハードロックを歌うと、その効果がさらに上がるとのこと。おそらく、ただシャウトするだけではなく、ちゃんとした呼吸法をとりながらハードロックを歌うということでしょう。私が受けている声楽のレッスン、正しいポジションでの発声を15分するだけで、じんわりと汗をかきます。そして、歌曲のレッスンではさらに。確かに、歌っていると体全体を使っている感覚が、私のような初心者でもあります。ハードロックのハードルは高いですが、バラードでも丁寧に発声を意識しながら歌うと血流をよくする効果がありそうです。同時に歌も上達しそうですね。この数ヶ月、新型コロナウイルスについてのさまざまな報道にストレスを覚えている人も多いのではないでしょうか。そんな中、この三つの方法は、楽しみながらできそうなことばかりです。思いきりハードロックを歌ったら…ストレスも発散できますね。私は、『六本木心中』から始めたいと思います!※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年06月14日俳優の森崎ウィンが、アーティスト“MORISAKI WIN”としてメジャーデビューすることが10日、明らかになった。2018年公開のスティーヴン ・スピルバーグ監督『レディ・プレイヤー1』で主要キャストに抜擢されたことで注目を集め、2020年には映画「蜜蜂と遠雷」で第43回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞、歌手としても先日発表となった平原綾香とのデュエット曲「MOSHIMO」が母国ミャンマーの配信サイトで週間ランキング1位を獲得するなど国内外問わず活躍している森崎。今回さらなる世界進出を掲げ“MORISAKI WIN”としてコロムビアインターナショナルよりメジャーデビューが決定した。7月1日に配信シングル「パレード - PARADE」をリリースし、8月19日にはメジャーデビューEP「タイトル未定」(初回生産限定商品)がリリースされる。併せて配信シングル「パレード - PARADE」のジャケ写も公開された。今後はアジアツアーを目標に楽曲リリースやライブなどの世界展開を行っていき、まずは年内にライブの世界配信を行う予定だという。また、世界展開を視野にアーティスト表記も“MORISAKI WIN”と英語表記での活動となる。公式HPやYouTubeチャンネルも立ち上げ、今後の情報も随時発表。YouTubeにはメジャーデビューに対する思いを語ったティザー映像が公開された。○森崎ウィン コメント今までみせていた森崎ウィンからの新しい森崎ウィンへの脱皮。それは古くなったものを捨てるという意味ではなく、昔の自分、そしてそこで出会った人やファン、経験を大事にしながらも「なんか違うよね、新しい森崎ウィン」と言われるように頑張っていきたい。自分が自分でありつづけるため、そして音楽を通じて出会ったファンとまだまだ見たい景色があるので歌手としても活動を続けたいと願っていました。「パレード - PARADE」はMORISAKI WINのスタートにふさわしい楽曲になりましたし、この楽曲と出会ったことで新しい自分を知ることが出来ました。グルーブ感や歌詞の響きを楽しんでほしいです。また、ミャンマーと日本にルーツをもつアジア人の自分は、純粋にアジアが好きなので今後はアーティストとしてアジアツアーを目標に活動し、世界中に僕の音楽を届けていきたいです。
2020年06月10日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。自分にとって『本当に大切なこと』を選択する時代に緊急事態宣言が段階的に解除となり、近くの小学校に子どもたちが戻ってきました。3月に入ってから、この小学校の入り口の花壇にはたくさんのチューリップが植えられ、また校舎に沿ってたくさんの種類の花が植えられていました。卒業生を見送り、そして新入生を迎えるはずだった花は、きれいに咲いて、大きく開いて、そして散って行きました。学校が再開された時には、すべてきれいに刈り取られていました。近所の私たちは散歩の途中でお花を楽しんだのですが、同時に目的を果たせないでいることのせつなさも感じました。農業、漁業、食品加工業者……。レストランやホテルが休業、催事やイベントが中止になったことで消費者の元に届かずに多くの食糧が廃棄処分になったことでしょう。Facebook上ではこのような生産者をサポートするグループが立ち上がり、多くの食品がリーズナブルな価格で販売されました。Facebookページの支援者の数は36万人。生産者を守り、経済を少しでも動かそうとボランティアで始まったプロジェクトが支えている生産者の数も大きなものになっています。私も無農薬の野菜や、魚などいくつか注文し、作った人の顔が見えることの安心感を知りました。緊急事態宣言が解かれ、夜の繁華街には人が戻ってきているようですが、さあ出かけよう!という気持ちにはなりにくいものです。6月末に研修のために10人ほどで地方へ行くことになっているのですが、ここで気持ちの揺れについて気づきがありました。いま、発表れている東京での感染者は減少している。行く先のエリアからも感染者は多く出ていない。行く場所は『密』にならない場所である。研修を秋にしてもいいのですが、そのときに状況がよくなっているという『保証』はない。行くのならば、落ち着きかけている『いま』がいいのではないか。このような判断をしているのですが、まだ怖い、仕事の職種の関係上、用心したい…という意見。そして、何か罪悪感のような思いがあることにも気づきました。なんの心配もなく行動できる時代ではなくなりました。不自由な時代なのかもしれません。その不自由さの中で、私たちは自分の本当の気持ち、本当にやりたいことを最優先するというフェーズに入ったのだと思います。たくさんの選択肢の中で、これまでもしかしたら自分にとっての『本当のもの』が後回しになっていたかもしれません。この数ヶ月、私たちは「身を守る」「自分を大切にする」ことを体験しました。そして、タイミングが重要であることも体験したのです。アフターコロナの日常は、決して悲観するものでなく、自分にとっての『本当のもの、本当のこと』を選択していく。ある意味、自分自身を生きる機会が与えられたのです。小学校の花壇のように、目的を果たせずに終わるということがないように。心して。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年06月07日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。新しい日常をおいしく、爽やかに日常が日常でなくなったこの3ヶ月。その間に新しい日常を私たちは試行錯誤しながら過ごしています。マスクをする、手洗いうがい、除菌を徹底する。いくつかの方策の中で最も悩ましいのが、人と距離をとるということではないでしょうか。緊急事態宣言が解かれた後の日常について、多くの報道番組などで取り上げられています。例えば、レストランなどでは横並びに。人と人の間にシールドを張る。そしてモニターを通して会話をしながら食事をする。また、劇場はソーシャルディスタンスをとり、2席空けて座る。すると、劇場はガラガラです。このような方策を、番組ではシリアスに取り上げます。さて、これを観ている人たちはどんな気持ちになるでしょう?不安にならないですか?もし不安を覚えたら、そこで我にかえりましょう。情報をまともに受け取らない。よく考えてみましょう。不安にさせられるような情報には要注意です。これが本当にこれからの日常になるのでしょうか?シールド越しに友達と食事をする?それが現実的な日常なのでしょうか。ソーシャルディスタンスがそのまま人間関係の距離にならないか。コミュニケーション、ぬくもりを伝え合うことで得られた安心感を、もう得ることはないのか。真夏、気温35℃近い日にマスクをしなければならない?アフターコロナの日常で最も大切なことは、自身の体を強くすることです。免疫力を高めること。体が強ければ、少しくらいのウイルスには対抗できます。今回、お亡くなりになった人たちの多くには、持病があったと言われています。さまざまな情報の中で、留意すべきはこの点です。では体を強くするためにはどうしたらいいのか。それは、食生活の改善です。人は、食べたものでできています。新鮮な野菜を多く食べ、血液をきれいにする。これが基本です。食生活を見直し、改善する点があれば改善する。目が食べたいものばかり食べず、体が求めているものを食べる。食に関する情報もさまざまですから、自分で学ぶことが大切です。調べて、学んで、深く合点がいった方法をとる。また体質は人それぞれです。消化力が弱い人、アレルギー体質の人…自分の体質を把握する。そして、自分に合った食事法を選ぶことが大切です。アフターコロナの時代、政治や経済も変化を求められるでしょう。食品添加物、農薬問題など、人の口に入るものについて厳格な基準を設けていかないと、病気を引き起こす原因になります。この変革は、小手先のシールド作戦よりも、大きな成果を上げると思うのです。新しい日常は、決して悲観するものではないし、そういう日常にしないよう一人ひとりが考えていくのです。まずは不安にさせる報道に疑問を持つこと。そして、サラダを山盛り、おいしく食べること。今、ここからできることばかりです!※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年05月31日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。今更ながら、ITの必要性を実感中久しぶりにスケジュール帳を開いてみました。4月、5月に予定していた会合、クラスはすべてキャンセル。週に一度の買い物、不要不急の用事で3回出かけた以外は家にこもっています。なんと57日間。単調な日々にもかかわらず、1日は瞬く間に過ぎていきます。特にどこかを片付けたとか、勉強がはかどったということはないのに、気づくと夕方になっている。これまでの日常よりも、この2ヶ月の時間の流れが速く感じるのは意外でした。音楽大学ではオンライン授業が始まりました。これまでインターネットといえばメールとSNSと調べもの、それとスライドを作るパワーポイント、音楽……このくらいはこなせていました。そこにオンラインでの授業、配信、それも学生がいるので失敗は避けなければなりません。サポートを受けながら何とかクラスルームを立ち上げましたが、自分のITリテラシーの低さを痛感しました。昨年だったか、小中学生にタブレット端末を配布するという話題が出ました。そのとき私は、子どもにタブレットを持たせてバーチャルの中で学ばせるのはどうなのかと、かなり疑問を持ちました。子どもは自然に多く触れ、人とのコミュニケーションの中からたくましく学びとる方がよいと。ところが、実際にこのような状態になったとき、学習を進めるためにはどうしてもインターネットの環境が必要になってくる。オンラインによる授業しか受けられないときに、パソコンもタブレットもスマホもありませんでは、どうしようもないのです。逆の言い方をすると、インターネット環境を整え、その使い方をしっかりと身につけたら、学ぶ機会が多くなり、多くの情報を得ることができるということです。新しい世界、可能性が広がります。もちろん、そのためにはインターネットの正しい使い方を学ぶことが前提となります。ネット上の情報は玉石混淆(ぎょくせきこんこう)ですから、見極める力も必要です。と同時に、インターネット上でのコミュニケーションの取り方、言葉の使い方、マナー……便利に使える反面、身につけることがたくさんあります。そしてそれは、子どもを指導する者にも求められることでもあります。顔が見えない、匿名性もある、クリック一つで大きなお金も動かせてしまえる世界。人と会わずに生きていこうと思えばできてしまう。このテクノロジーの進歩と、目に見えないウイルスで命を落とすこともある人間とどのように融合していけばいいのか。リモートワーク、オンライン授業のことを通して、今回のSTAY HOMEは考えさせられることが多くありました。この期間が終わった先に、これまでと同じ日常はないでしょう。経済も仕事も教育も、そして人とのコミュニケーション、心のあり方も、おそらく違ったものになっていくでしょう。その中で、私たちがより自分らしく、楽しく、世界をよりよい方向にしていくこと。これは、これからひとりひとりが担っていくことなのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年05月24日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。シニアのペットが教えてくれること8月で14歳になる我が家のトイプードルのラニ。お腹が弱く、ときどき動物病院に駆け込むことはありましたが、シニアと言われる年になってからも元気で生きる気力にあふれている感がありました。2.33、片手でひょいと抱えられる大きさ。すばしっこく走り回るその姿は、パピーの頃と変わらないように思えていました。しかし、最近になり次のフェーズに入ったように見えます。耳が遠くなってきたこと、目がうっすらと白くなったこと。こほこほっと咳なのか、吐きそうになっているのか、そんな症状が時おり見えます。歩くのもゆっくりになってきました。それらが一時的な体調の崩れならいいのですが、どうもそんな感じではない。ラニ自身がこの自分の急激な変化に戸惑っているような感があるのです。もっと早く歩けたのに、どうしたのだろう。すぐに疲れてしまうのはどうして?そんな戸惑いが伝わってくるのです。(ママ、どうしよう)と言いたげな目で私をじーっと見ている姿に、せつなくなります。そして、戸惑うと同時に、自分の変化を受け入れようとしているようにも見えるのです。私もまた、そんなラニの変化に戸惑っています。受け入れたくないほど、悲しい。でも私自身がラニの変化、老化を受け入れることは、私自身が年を重ねていくことを覚悟することにつながることなのだ……。このことに気づいたとき、胸の奥からせつなくあたたかい思いがあふれて、泣きました。ラニが自分の体を通して私に伝えている……無償の愛のあり方を教えてくれているのです。体を持って「生きる」ということを伝える……4年前に亡くなった母は、自分の体を通して教えてくれました。脳梗塞で倒れ意識がなかったとき、何本もの管をつけた母が光に包まれているように見えたのを思い出しました。よく見なさい。これが生きるということよ。母の圧倒的な愛がそこにありました。強い覚悟がそこにありました。犬は、人間に無償の愛を与えてくれます。人間がかわいがる以上に、愛することの無垢を教えてくれます。ラニもまた、母のように生きることの意味を、体を通して伝えているのです。私もその愛を全身で受け止めたいと、もふもふの小さな背中をなでながら思うのです。※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年05月17日吉元由美の『ひと・もの・こと』作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。「意識の高さ」で乗り越える!肌寒かったり、暖かかったり。雨が降り、強い風が吹き。1日、2日ごとに変わるお天気に体調管理がしんどい時期です。3月から4月の天気の変化に、つくづく「冬から春になる大変さ」を思います。冬の間、植物たちは冷たい土の中で春への準備をし続けています。そしてほぼほぼ暦通りに芽を出し、花を咲かせ、新葉を芽吹かせます。私たち人間が知らない間に冬の厳しさに耐え、その厳しさを成長の糧として、自然は開花の春を迎えるのです。人生にも春夏秋冬があります。それを一生の流れとして見ることもあれば、そのときどきの状況を表すこともあります。人間関係や仕事などで落ち込む時期もあるし、何をしても順調に進む時期、人生にはそのようなリズムがあります。困難な中にあるとき、それはまさに冬の時期のようです。寒さをしのぐために厚着をし、コートを着る。暖房をつけて、お風呂で体を温める。言ってみれば、困難のときにできることを考えて対処する。具体的に行動します。それでも、本格的な『春』はなかなか来ない。油断をすれば寒さがぶり返す。雨風に晒される……。これまで、私にもそのような時期が何回もありました。30代の初めの頃の『冬のトンネル』を抜け出すのに4年ほどかかりました。その間に、自分を変えるためのありとあらゆることをしました。セミナーや講演会を聞き、本を読み、イルカと泳いだり、パワースポットをめぐったり。でも、心底、変わることはできなかった。言ってみれば、これは寒さをしのぐために厚着をしているようなもの。その場を楽になる対症療法でしかなかったのです。自然は、厳しい寒さの中で眠っているわけではありません。春を迎えるため、芽吹くために必要な養分を蓄えています。冷たい土の中での静かな営みが、春を迎えるためには必要なのです。人との接触を減らす、不要な外出はしない。手洗い、うがいを徹底する。マスクをする。ゴーグルをする……。具体的にできることをする。これは対症療法的ですね。と同時に、この厳しい状況の中、私たちはもっと強くならなければなりません。自然界のように、この状況の厳しさを養分、糧にする強さを持たなければ乗り越えられないのです。危機意識とともに必要なのは、意識の高さです。絶対に不要な外出をしないという心の強さです。私たちも自然の一部、その自然の法則に倣っていまは怺えましょう。本格的な春、そして晴れ晴れとした夏を迎えるために!※記事中の写真はすべてイメージ作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー[文・構成/吉元由美]吉元由美作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。⇒ 吉元由美オフィシャルサイト⇒ 吉元由美Facebookページ⇒ 単行本「大人の結婚」
2020年04月26日平原綾香が本日2月19日、東京国際フォーラム ホールCで「第6回 平原綾香 Jupiter 基金 My Best Friends Concert ~ 顔晴れ(がんばれ)こどもたち ~」を開催する。平原綾香は昨年12月に『Jupiter』(2003年)でのデビューから16年を迎えたが、その人気は現在も衰えることがない。今年は新曲『MOSHIMO』がミャンマーの配信チャートで1位を獲得、さらに6月からの全国ツアー「平原綾香 CONCERT TOUR 2020 ~MOSHIMO~」の開催も決まっている。そして「平原綾香 Jupiter 基金」は2015年に立ち上がった、平原自身が主催する慈善活動。2004年に起きた新潟県中越地震の際に『Jupiter』がラジオで多くリクエストされていたことから着想されたプロジェクトだ。設立に際しては、苦しんでいる人々に音楽で「“顔晴る(がんばる)”力を届けていきたい」と設立に際して自身の声明を発表した。設立以降、毎年1回を目標に同基金にまつわるコンサートが続けられている。それが「平原綾香 Jupiter 基金 My Best Friends Concert ~ 顔晴れ(がんばれ)こどもたち ~」シリーズ。過去にはK、クリス・ハート、吉田山田、山崎育三郎など豪華なゲストが出演している。第6回目となる今夜の客演は森崎ウィン。そして本コンサートの基金はミャンマーにある、こどもたちの施設「Dream Train」に寄付される予定だ。今夜は平原の想いがこもった1年に1度きりのステージ。音楽を堪能すると同時に世界の問題に想いを馳せる機会にしてほしい。■公演情報「第6回 平原綾香 Jupiter 基金 My Best Friends Concert ~ 顔晴れ(がんばれ)こどもたち ~」日時:2月19日(水)開場18:00/開演18:30会場:東京国際フォーラムホールCゲスト:森崎ウィン
2020年02月19日2019年も、多くの俳優や監督がそれぞれの自信作を引っさげて来日した。現在、話題沸騰中の『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のキャスト陣に、エミリー・ブラントやタロン・エジャトンなどファン待望の初来日を果たしたスターも。揃っての来日は初めてとなったレオナルド・ディカプリオとクエンティン・タランティーノ監督、アーノルド・シュワルツェネッガーとリンダ・ハミルトンのコンビなど、今年の来日スターたちをブレイバック。1~3月:エミリー・ブラントら初来日&親日家のセレブも続々55年ぶりの続編『メリー・ポピンズ リターンズ』で待望の初来日となったのが、エミリー・ブラント。「いままで演じた役柄のなかでも、『自分に似ていたら、うれしいのに』って一番思えるキャラクター」とメリー・ポピンズについて語っていたのが印象的。ジャパンプレミアには日本語吹き替え版でメリー・ポピンズを演じた平原綾香、マイケル・バンクスを演じた谷原章介も参加した。『アクアマン』で、ジェイソン・モモア演じる主人公アクアマン/アーサー・カリーの最強の相棒として人気を集めたメラ役のアンバー・ハード。出演作のプロモーションとしては初来日。アクアマンと共に海底帝国アトランティスの地上征服を食い止めようと奮闘するヒロインの造形は共感を呼び、「こんな役を私はずっと望んできたの。映画の世界では珍しい役だから」と本人もインタビューで語っていた。ジェームズ・キャメロン製作で木城ゆきとの「銃夢」を実写映画化した『アリータ:バトル・エンジェル』からは、ロバート・ロドリゲス監督、主人公アリータ役で注目を集めたローサ・サラザールと、アリータの父親代わりの医師役クリストフ・ヴァルツが来日。日本語吹き替え版では上白石萌音がアリータ役の声優を務めた。『グレイテスト・ショーマン』の大ヒットも記憶に新しいヒュー・ジャックマンが、1988年の米国大統領選挙で、“ジョン・F・ケネディの再来”と言われるほど人気がありながら失脚した実在の政治家役に挑んだ『フロントランナー』。かつてない役柄もさることながら、ヒュー初となるワールドツアー「The Man. The Music. The Show」についての話題でも盛り上がった。「14歳のときに(『トゥルー・グリット』のPR)はじめて日本に来て以来、本当に大好きなの!」と語っていたのが、『バンブルビー』主演のヘイリー・スタインフェルド。歌手活動やファッションの仕事でも何度か来日しているが、「トランスフォーマーの聖地・日本に、カワイイバンブルビーと来られて本当に嬉しい!」と嬉しそう。着物姿で登壇した日本語吹き替えキャストの土屋太鳳が英語であいさつしたときにも大感激していた。ディズニーアニメーションの名作を実写化した『ダンボ』ティム・バートン監督とコリン・ファレルが揃って来日。バートン監督は2年1か月ぶり、コリンは実に14年ぶりの日本。『ファンタスティック・ビースト』シリーズへの出演などでファン層を広げたコリンは、大声援に対し「温かく歓迎してくれて、本当に感謝している」と語っていた。4~6月:日本生まれのアイコン映画化でキャスト来日!「ストレンジャー・シングス」からも「ポケモン文化への愛情とリスペクトをこめた作品を、ここ東京でお披露目できてうれしい」と語ったのは、『名探偵ピカチュウ』でピカチュウを熱演したライアン・レイノルズ。主演のジャスティス・スミスや共演のキャスリン・ニュートンと渡辺謙、日本語吹き替えキャストの竹内涼真と飯豊まりえが参加したイエローカーペットは大盛り上がりに。『デッドプール2』でライアンと共演した忽那汐里も飛び入り参加した。その約1か月後には、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のブルーカーペットが同じ新宿・歌舞伎町にお目見え。今作にも出演した渡辺さんほか、チャン・ツィイー、マイケル・ドハティ監督、さらに日本語吹き替えキャストの芦田愛菜、木村佳乃、田中圭らが参加し、劇中のゴジラさながら「ガォー」と咆哮。なお、チャン・ツィイーは10月の東京国際映画祭でコンペティション部門審査委員長を務めた。約1年半ぶりの来日となったのが、『アラジン』のジーニー役で歌って、踊って、ラップもして、改めて最高のエンターテイナーであることを示してくれたウィル・スミス。アニメ版で名優ロビン・ウィリアムズが演じたジーニー役について「敬意を示しつつ、自分らしいスタイルにもこだわった」と語り、「30年間のキャリアで培ったスキルを、すべて発揮できた」と自信満々。映画も興行収入120億円超えの記録的ヒットに。さらに、世界的人気を誇るNetflixオリジナルシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」からは、メインキャストのウィル役ノア・シュナップ。ダスティン役ゲイテン・マタラッツォ、ルーカス役ケイレブ・マクロクリン、そしてマックス役セイディ・シンクが来日!イレブン役のミリー・ボビー・ブラウンもファンミーティングのために先んじて初来日しており、さらにロビン役のマヤ・ホークは11月にシンガーとして来日し、話題を振りまいた。そして、2018年アルゼンチンでメガヒットを記録した、実在の若き強盗殺人犯をモデルにした『永遠に僕のもの』からは、新星ロレンソ・フェロが初来日。ポケモンやマリオが大好きだという彼は日本の最旬若手俳優・神尾楓珠とも意気投合。神尾さんは「カルリートスの“若さゆえのふてぶてしさ”や、“悪意の感じない無邪気さ”が上手に表現されていて、単純にカッコいいなって思いました」とロレンソの演技を絶賛していた。7~9月:初来日タロン、レオ&タラ、キアヌ、ブラピに日本沸く夏休みにはビッグネームが次々とやってきた。まず、荘厳な映像美が話題を呼んだ超実写版『ライオン・キング』からは、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』で“ハッピー・ホーガン”を演じていたジョン・ファヴロー監督。「2019年のいま、世界はどんどん狭いところになっているので、みんながいかにつながっているか感じていただきたい、そんな意味も込めています」と作品に込めたメッセージに触れた。『ロケットマン』でゴールデン・グローブ賞や全米映画俳優組合賞にノミネートされているタロン・エジャトンがついに初来日、デクスター・フレッチャー監督とPRを行った。「天才の半生を描いた作品だけど、抱える悩みは僕らと一緒だし、きっと共感してもらえるはず」と思いを込めて語るタロン。吹き替えなしでエルトン・ジョンの楽曲を歌い上げた歌唱力も高い評価を受けている。同じく賞レースを席巻している『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を引っさげ、タランティーノ監督が『ジャンゴ 繋がれざる者』以来6年半ぶり、レオナルド・ディカプリオは『レヴェナント:蘇えりし者』でオスカーを獲得して以来約3年半ぶり、コンビでは今回が初めての来日に。レオは今作で相棒となったブラッド・ピットについて、「お互いに成功はしているけど、ハリウッドの“メインストリーム”からは一歩引いた存在。そういう立ち位置は、今回のキャラクターにも共通しているかもしれない」とコメントした。9月には、やはり“メインストリーム”とは一線を画すキアヌ・リーブスが、『ジョン・ウィック:パラベラム』のチャド・スタエルスキ監督と来日。ジャパンプレミアで監督は、「キアヌも僕も黒澤監督の映画やサムライ映画が大好き」と日本の影響が色濃い今作についてコメント。キアヌは「にんじゃりばんばん」が劇中に起用されたきゃりーぱみゅぱみゅと、本物のニンジャとともに大ヒット祈願の“忍術”を披露してくれた。さらには、ブラッド・ピットも12度目の来日を果たし、宇宙を舞台にした1人の男性の葛藤と自問の物語『アド・アストラ』のPRを行った。「実はいま、日本の鯉が大好きなんだ。できれば、養殖している場所を見学したい。鯉の話なら、1時間はできる!」と、意外なハマっていることも告白。『永遠の門ゴッホの見た未来』で謎多き孤高の画家フィンセント・ファン・ゴッホを演じ、アカデミー賞にノミネートされたウィレム・デフォーは、監督のジュリアン・シュナーベルと9月に来日。なんとデフォーは、2002年『スパイダーマン』のプロモーション以来、実に17年ぶりの日本となった。10~12月:アンジー&サムに「I’ll be back」のシュワちゃんら怒涛の来日ラッシュ『マレフィセント2』では製作総指揮・主演のアンジェリーナ・ジョリーと共に、“カラス”ディアヴァル役のサム・ライリーが待望の初来日を果たし、ファンを喜ばせた。アンジーは前作『マレフィセント』以来、約5年ぶり9度目。ジャパン・プレミアでは韓国の大学に進学していたアンジーの長男マドックスに、長女ザハラも合流し、終始ニコニコ。日本で「最初に行くのはキディランド(笑)」なのだそう。「夢のようなことでした。こうして完成して三人で壇上に並んでいるのが、本当に信じられないです」と語ったのは、是枝裕和監督。『真実』に出演したフランスの“大女優”カトリーヌ・ドヌーヴと、その娘を演じたジュリエット・ビノシュが来日、日本語吹き替えキャストの宮本信子、宮崎あおいと対面した。ドヌーヴはこのひと月後に脳卒中で入院したとの報道が出て日本のファンも心配していたが、現在は自宅療養中と伝えられている。なんと1年の内に2度も日本に来てくれたのがウィル・スミスだ。ウィル本人の演技をベースに、フルCGの20代のウィルが生み出され、前代未聞の“ウィル・スミスVSウィル・スミス”を描いた『ジェミニマン』。アカデミー賞監督アン・リーとハリウッドのヒットメーカー、ジェリー・ブラッカイマーは共に6年ぶりの来日となった。第32回東京国際映画祭のオープニングレッドカーペットイベントに参加し、華やかに盛り上げてくれたのが、アカデミー賞女優アリシア・ヴィキャンデル。特別招待作品のNetflix映画『アースクエイクバード』で「EXILE/三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE」小林直己と共演、濃密なラブシーンほか、日本語のセリフも披露した。「日本語を話すということは、日本の文化を知ることだと思いました。おソバを食べたり、日本の文化を体験して、たくさんの冒険をしました」と明かしていた。女性たちの活躍が支持を集めた『ターミネーター:ニュー・フェイト』からは、シュワルツェネッガーが2015年以来4年ぶり、サラ・コナー役リンダ・ハミルトンはプロモーションとしては初来日。グレース役で人気となったマッケンジー・デイヴィスや、ナタリア・レイエス、ガブリエル・ルナ、ティム・ミラー監督も初来日だったが、一番はしゃいでいたのはシュワ。リンダにたしなめられ、大笑いし合うひと幕もあった。カンヌ国際映画祭パルムドールに輝き、映画賞レースでもひと際注目を集める『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督が、日本の最速試写会にサプライズ登壇。「ただ純粋に面白い映画を撮りたかっただけ」と語りながらも、「私たちの周りにいるリアルな存在」を描いたことで結果的に『ジョーカー』や『万引き家族』などと同様、国を超えたメッセージ性を放つ作品となったと話した。なお、ジュノ監督と主演ソン・ガンホの鉄板コンビは12月27日(金)の特別上映に合わせて改めて来日することが決まっている。11月22日(金)~24日(日)に開催された「東京コミコン」も例年以上の豪華な顔ぶれが実現。クリス・ヘムズワースにジュード・ロウ、ザッカリー・リーヴァイ、イアン・サマーホルダー、ルパート・グリント、ダニエル・ローガン、そしてオーランド・ブルーム、マーク・ラファロまで。特にクリスは、ソーの武器ムジョルニアのおもちゃを手にして“鏡割り”!当日会場に行けなかったファンもSNS上で盛り上がっていた。そして、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』からはJ.J.エイブラムス監督をはじめ、レイ役デイジー・リドリー、フィン役ジョン・ボイエガ、ポー・ダメロン役オスカー・アイザック、C-3PO役アンソニー・ダニエルズ、プロデューサーでルーカスフィルム社長のキャスリーン・ケネディらが来日。来日記者会見では、前作『最後のジェダイ』で示されたレイの出自について「“答え”が出る」とデイジーが明言し、「スター・ウォーズ」“最後”の来日は、師走の日本を熱く盛り上げた。2020年の話題作からも、すでに続々と新情報や予告映像が解禁されている。その中からいったい、誰が来日してくれるのか、楽しみにして待ちたい。(text:Reiko Uehara)■関連作品:メリー・ポピンズ リターンズ 2019年2月1日より全国にて公開Ⓒ2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.アリータ:バトル・エンジェル 2019年2月22日より全国にて公開© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporationアリータ:バトル・エンジェルバンブルビー 2019年3月22日より全国にて公開© 2018 Paramount Pictures. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS, and all related characters are trademarks of Hasbro. © 2018 Hasbro. All Rights Reserved.ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 2019年8月30日より全国にて公開予定アクアマン 2019年2月8日より全国にて公開© 2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”ダンボ(2019) 2019年3月29日より全国にて公開©2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reservedゴジラキング・オブ・モンスターズ 2019年5月31日より全国にて公開© 2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.フロントランナー 2019年2月1日より全国にて公開アラジン(2019) 2019年6月7日より全国にて公開© 2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 2019年12月20日より日米同時公開©2019 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.永遠の門ゴッホの見た未来 2019年11月8日より新宿ピカデリーほか全国にて順次公開© Walk Home Productions LLC 2018名探偵ピカチュウ 2019年5月3日より全国にて公開予定(C) 2019 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.(C) 2019 Pokemon.マレフィセント2 2019年10月18日より全国にて公開©2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.ロケットマン 2019年8月23日より全国にて公開©2018 Paramount Pictures. All rights reserved.ターミネーター:ニュー・フェイト 2019年11月8日より全国にて公開© 2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.ジョン・ウィック:パラベラム 2019年10月4日より全国にて公開®, TM & © 2019 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.ジェミニマン 2019年10月25日より全国にて公開© 2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED永遠に僕のもの 2019年8月16日より渋谷シネクイント、 ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開©2018 CAPITAL INTELECTUAL S.A / UNDERGROUND PRODUCCIONES / EL DESEO真実 2019年10月11日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA【Netflix映画】アースクエイクバード 2019年11月15日よりNetflixにて全世界同時配信開始
2019年12月30日