「子どもに地元をつくってやりたい」と、長男の誕生後、家を探し始めた大和家。大学で建築を学んだ夫と、デザインの仕事をする妻は最初から「開放的なワンルームの家」をイメージしていました。仲介も手掛けるリノベ会社を検討しながら、通勤に便利な東急線沿線で2年がかりで中古物件を探し、いちばん粘って探してくれたというnu(エヌ・ユー)リノベーションに依頼。川崎市のマンションを3,380万円で購入し、工事費1,100万円(税、設計料別)をかけて、理想的なワンルームの空間を手に入れました。■ 縁側と小上がりの段差で空間に変化をプラス生活の中心にリビングがあり、その周りにいろいろな機能が点在していて、なおかつ、モノを表に出さず広々と暮らせる家。そんなイメージを担当の設計デザイナーと共有しながら、3人であれこれ検討した結果、3.5畳の寝室以外はすべてワンルームでつながったLDKにすることに。ヴィンテージオークのフローリングが印象的なリビングからは、ダイニング、キッチン、縁側、小上がり、玄関土間などがぐるりと見渡せます。リビングの一角には、床を40センチ立ち上げてつくった小上がりが。その下には普段使わないものをたくさん収納できます。隣接する書斎兼収納室と場を分けている壁には、マリメッコの壁紙を貼ったニッチを設けて軽快な印象に。「フローリングの床から直接窓があるより、ワンクッション置いた関係性が欲しかった」という夫の希望で、窓側には縁側を設けました。床の高さを一段下げ、モルタル仕上げにしたことで、内でも外でもない中間領域が誕生。普段は自転車を置いたり、洗濯物を干したり、ときには段差に腰かけてのんびりしたりしているそう。ダイニング側の一部に設けたブラックのフレームのガラス入りパーティションが空間のアクセントに。大和家では、空間を引き締めるための”差し色”を黒に決め、窓枠や家具などにも多用しています。そのため、キッチンのタイルも迷わずブラックに。キリリとした男前のキッチンになりました。また、もともとの間取りを活用して、キッチンと洗面はひと続きにすることで家事動線を確保。キッチン奥からバルコニーへ出られる、勝手口のようなドアも使いやすいそう。■ LDKを囲む、機能的で居心地のいいスペースたちテレビ台の後ろには造作のオープン棚をつくり、LDKとは空間を緩やかに仕切った「書斎兼収納室」を設けました。縁側の物干しと同様、自転車をハンギングするために天井から吊るしたのはなんとガス管!テレビ裏の「書斎兼収納室」は、今のところ子どものおもちゃ置き場兼遊び場に。机を置けば書斎にもなります。LDKから寝室にアクセスする途中には、デザインの仕事をする妻のためのワークスペースをつくりました。デスク前の壁は夫妻がDIYで楽しみながらマグネットペイントを塗装。大好きなマンガを収納する造り付けの本棚は夫のお気に入りです。「極力小さく」という要望通り、約3.5畳とコンパクトに仕上げた寝室。今はここで親子3人、川の字で寝ているそう。将来はここを子ども室にする予定。また、寝室の脇にも収納を設けました。テレビ裏の収納が「見せる収納」なら、こちらはあまり見られたくないものを置くためのスペースとして使い分けています。■ 玄関土間や水まわりも黒で引き締めて玄関土間は夫たっての希望で、「どこまで土間にするか最後まで悩んだ」そう。また、土間とリビングにはあえて12センチの段差をつけることで、「生活の場が浮遊する”島”のようにも見える」と夫は話します。そんなL字型の土間玄関には、無造作な雰囲気がまるでショップのような靴の収納棚が。こちらも黒を差し色に使うことで引き締まった印象に。手洗いもあって広々としているトイレの床はモルタル仕上げにし、こちらも壁の一面を黒く塗装してアクセントにしました。また、洗面は白いモザイクタイルのカウンターにミラーキャビネットを取り付けシンプルな仕様に。理科の実験室のような雰囲気も感じられます。洗面室はキッチン側にも引き戸がついていて、回遊性があるので「家事がしやすい」と妻。玄関土間や縁側、小上がりなど段差を多用して、生活の場がまるでステージかのように演出された大和邸。そのステージで、「家のどこにいても居心地がいい」と日々の暮らしを楽しんでいます。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.20』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.20日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】W.I.C 玄関土間 パントリー がある家はいつもキレイ!【第2特集】どうする? 実家との距離【第3特集】どっちがおトク? フルリノベVS部分リノベ【第4特集】DIY&施主支給 Real Report※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工nu(エヌ・ユー)リノベーション撮影飯貝拓司
2019年04月04日愛知県名古屋市千種区のマンションに住むKさんは4人家族。大阪への転勤から名古屋に戻り、賃貸に住みながら住宅の購入を考えました。「戸建てでもよかったのですが、マンションのほうが管理やメンテナンスの負担が少ないので」と夫。マンション育ちの妻も「マンションのほうが安心」と賛同したそうです。夫は昔からインテリアへの関心が高く、購入したのはリノベーションを前提に探した平成19年築の中古物件でした。長男が小学校を転校しないで済むエリアで、駅近。専有面積は104.03平米で、夫妻が希望していた以上の十分な広さがあります。■ 大きな間取り変更なしで理想の空間づくりに注力!設計・施工は、妻がサイトを見て気に入ったというアネストワンに依頼しました。「どの家も素敵で、自分たちの好みにも合っていると感じました」と妻。相談のため訪れたオフィスの雰囲気もよく、夫妻は「フィーリングも合いそう」と感じたとか。リノベ工事費は1,400万円(税・設計料込み)でした。リビングダイニングの床は無垢のオークフローリングです。お気に入りのダイニングテーブルやキッチンカウンターとの相性も抜群!ダイニングテーブルは名古屋の「フェイバー」で購入したアンティークで、これを置くことを前提にプランニングしてもらったそうです。リノベ前の和室とキッチンリビングに隣接していた和室をスタディルーム(書斎)に変更し、ウォークスルーのクローゼットで寝室とつなげたこと以外は、大きな間取り変更をしていません。キッチンもリノベ前と同じ位置にあります。スタディルーム内にはL字型のカウンターを配して、パソコンや勉強、読書など、家族みんなで使えるスペースにしました。将来は個室にもできる、フレキシブルな空間として考えているそうです。LDK側には木枠の室内窓を設置して、明るさと広がりを確保しています。リビング東側の壁は、淡いブルーでペイント。「絵を飾る代わりに、ここだけ色を取り入れてアクセントにしました」(夫)。壁掛けにしたテレビはコードも隠して、すっきりさせています。リビングやダイニングからは、妻がガーデニングを楽しむバルコニーへ気軽に出られます。LDKのドアを開ければ、バルコニーまで一気に視界が開ける様子もドラマティックです。レトロな雰囲気の建具はアネストワンのオリジナル。■ たっぷりの収納で生活感を最小限に!インテリアにこだわりを持つ夫は、「できるだけ生活感のない空間」を希望したといいます。キッチンは手元が隠れ、レンジフードや冷蔵庫も極力見えないように設計されています。コンロの奥にはパントリーも設置しました。アネストワンのオリジナルキッチンには、AEGのIHクッキングヒーターやアリアフィーナのレンジフード、ミーレの食洗機も備えています。キッチン背面には食器棚を造作。モールテックスで仕上げた壁もアクセントになっています。キッチンカウンターの前面はすべて収納です。寝室とスタディルームをつなぐウォークスルーのクローゼットは、物を片づけやすく、通風の面でも言うことなし!廊下右手にあった大容量の壁面収納は既存のまま利用し、建具のみ交換。正面の壁には妻お気に入りのミナ ペルホネンのタンバリンモチーフのタイルを貼り、下部を収納に。収納を充実させることで隠したいものはきちんと隠し、お気に入りのインテリアを楽しめる空間を実現させました。廊下左手には子ども室への出入り口がありましたが、リビング側に建具を新設。子どもの気配が伝わりやすいようにしました。トイレはシックな色味のフロアタイルとアクセントクロスで、スタイリッシュな仕上がりです。サニタリーには洗面台とは別に、横長のミラーとカウンターも設置。家族で身支度の時間が重なるときでも、快適に使えそうです。カウンター下のバスタオル掛けもいいアイディアですね。以前よりも、家で過ごす時間が増えたというKさん家族。家族みんながのびのびと過ごせる住まいになったようです。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.29』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.29日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】大満足! なキッチン& ダイニングのつくり方【第2特集】イイね! 団地リノベ2018【第3特集】気になる! インテリアショップのリノベ※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/アネストワン撮影/遠藤 宏
2019年04月03日長男が生まれ、Mさん夫妻は当時住んでいた50平米弱の賃貸マンションの窮屈さから、引っ越しを決めたそう。「賃貸で家賃を払い続けるのはもったいない」(夫)との考えから、住宅の購入を検討しました。予算に合うのは中古になるため、設備の更新が必要。どうせならば、リノベーションで好きなようにしたい!という流れでリノベを選択。リノベーションは、物件探しからワンストップでサポートしてくれるフィールドガレージに依頼しました。物件は同社から紹介を受けた東京都杉並区、平成6年築のマンションに決定。金額や間取りのバランスのよさが決め手になりました。■ サブウェイタイル、足場板…素材選びにもこだわって!専有面積は67平米と希望よりもやや狭めでしたが、工夫次第で広く住めるとのアドバイスに納得して購入。リノベーションの工事費は880万円(税・設計料込み)でした。フィールドガレージにリノベを依頼した理由のひとつが、施主支給を受け入れてもらえることでした。妻は照明や水栓などのパーツ類は「これを使いたい」というものがはっきりしていたためです。ダイニングのペンダントライトはflameのもの。2灯式とは、珍しいですね。これは妻が20代のころから憧れていた照明でしたが、直付けのため「買うなら家をつくるとき!」 と決めていたとか。もともと持っていたTRUCK FURNITUREのダイニングテーブルはお気に入り。大きめですが、リノベではテーブルのサイズに合わせて設計をしてもらいました。お気に入りの家具や照明が映えるように、床材には淡い色の足場板をセレクト。壁と天井は塗装仕上げにしています。リビングの壁一面にはグレー系のアクセントカラーを取り入れました。この壁は妻がDIYで塗装したものです。リノベ前にあった和室リビングは、押し入れ付きの和室だったところを利用しています。大きな収納を希望していたため布団をしまえる押し入れはそのまま残しましたが、扉の入れ替えによって、イメージを一新しました。リノベ前のキッチン子ども室を確保するため、キッチンはダイニング側に移動しました。料理に集中しやすいようにキッチンは壁付けにして、対面式のカウンターを造作しました。カウンターのキッチン側は、生活感の出やすい家電やごみ箱などを収めるをオープン棚になっています。シャープな雰囲気のキッチンにするため、カウンターはモルタルで仕上げました。壁のサブウェイタイルは印象が強くなりすぎないよう、目地は白に近いグレーに。素材選びからも、こだわりが感じられますね。キッチンの隣には容量たっぷりの食器棚とデスクを造作して、スペースを有効活用しています。オープン棚のディスプレイもステキですね。妻のこだわりから、キッチン側の壁は15センチほど立ち上げています。油跳ねなどを気にせずに、ちょっとした小物を置けるので重宝しているそうです。■ 子ども室2つを確保した上で暮らしやすい空間に!取材時は子どもは長男のみでしたが、将来のことを考え、狭くても独立した子ども室が2つ欲しかったそう。子ども室は、キッチンをダイニング側に動かしたことで生まれたスペースにつくりました。子ども室とキッチンの間には室内窓があり、互いの様子が見られるようになっています。2つの子ども室の間にはWICをつくり、「収納量もしっかり確保したい」とのリクエストも叶えてもらいました。玄関収納もたっぷり!もともとあった下駄箱を撤去して、7段のオープン棚を設置しました。床材は玄関ホールからリビングまで、足場板で統一。廊下左側は子ども室へアクセスするWICのドア、右側は寝室のドアです。寝室壁は一面のみ、ブルーグレーのアクセントウォールとしました。トイレの壁は濃いグレーに塗装。スタイリッシュな真鍮製ペーパーホルダーはネットで探し当てたもので、施主支給のひとつです。洗面台はキッチンのカウンターと同様にモルタルで仕上げました。立ち上がりの壁もキッチンと同じサブウェイタイルですが、引き締まった印象になるよう目地の色は濃いめのグレーを選んでいます。「当初心配していた狭さは、プランのおかげでほとんど感じません。家事も育児もしやすいです」と妻。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.29』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.29日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】大満足! なキッチン& ダイニングのつくり方【第2特集】イイね! 団地リノベ2018【第3特集】気になる! インテリアショップのリノベ※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/フィールドガレージ撮影/山田耕司
2019年04月02日妻の実家から近いエリアで見つけた築10年の低層マンションを5,900万円で購入したSさん夫妻。豪華さを出すための折り上げ天井やゴールドのパーツが好みではなく、LDKを重点的にリノベーションすることに。以前から家具を購入していたというSTANDARD TRADE.(スタンダードトレード)にリノベーションを依頼し、約725万円(税込み、設計料別)で自分たち好みのシンプルな空間へとつくり変えました。■ 好きな家具に囲まれる、シンプルなLDK広さは十分、築10年経ってはいるものの水回りの設備がしっかりしていて、間取りも変えずに住める。でも、ひと昔前の高級感を感じる内装が好みとは違いました。そこで、まずリビングとダイニングにあった折り上げ天井をフラットにして、シンプルで広々とした空間をつくりました。入居時にオーダーしたスタンダードトレードのテーブルをダイニングに置き、壁を淡いグレーベージュで仕上げて優しい雰囲気をプラス。床は既存の床暖房を活かしつつ、足触りが良くコストも抑えられるカーペットをセレクトしました。リビングコーナーには、細かいプリーツの施されたナラ材を張りました。サイドボードはこの場所に合わせて製作したもので、ソファはカイ・クリスチャンセンの「ペーパーナイフソファ」。辛子色のカーペットの色はファブリックの色に合わせて選びました。リビングの一角にあるフロアスタンドや小さな書棚もSTANDARD TRADE.(スタンダードトレード)製。書棚はSTANDARD TRADE.(スタンダードトレード)と出会うきっかけになったものなのだそう。キッチンは設備がしっかりしていて、機能的にも満足だったので、手を加えずそのまま使うことに。デザインテイストはダイニングとキッチンとでズレが出ましたが、独立したキッチンなのでほとんど気にならないそう。妻が食器が好きでたくさん持っているので、収納が多いので助かっているといいます。キッチンの奥には洗面室につながる扉があります。■ 個室はクロスやカーペットの交換のみに妻は自宅を仕事場にしているプロの漫画家。物件探しの際は、ワークスペースの確保も重要な条件でした。北側の1室の壁と天井のクロスを貼り替え、大量にある仕事の資料を収めるための書棚をオーダーし、妻のワークスペースにあてました。寝室と廊下も、床をカーペットに変更。カーペットはバリエーションが豊富で、コストを抑えつつ印象を大きく変えられます。温かみのある色合いと足触りのやわらかさでくつろげ、床暖房の快適性を感じられるそうです。寝室は「寝るだけの部屋」と割り切って、クロスの貼り替えと床をピンクのカーペットに変えるだけにしました。■ 既存をベースに、パーツ交換でイメージを一新もともと天井まで目いっぱいあった靴収納を下半分のサイズでつくり直したことで、絵を飾るスペースが生まれました。石貼りの床は既存のまま利用。濃い茶色だった各部屋のドアをはじめ、巾木やスイッチプレートなどのパーツを替えることで、部屋の印象が明るくシンプルに一新されました。洗面室にある洗濯機置き場には扉がありましたが、湿気がこもらないように外してオープンに。新たにオープン棚を設置して、洗濯関連の小物を収納しています。以前の洗面台は照明がたくさんついたきらびやかなデザインでしたが、好みとは違ったので、思い切ってシンプルなデザインに変更しました。バスルームはとても広く、傷みもほとんどなかったことから、そのまま使用することに。「デザインがシンプルなのでよかったです」と妻。また、トイレはクロスを貼り替え、手洗いをシンプルなものに取り替えましたが、状態がよかった便器はそのまま使うことに。壁は一部をブルーグレーに塗装して空間のアクセントにしました。「暮らしてから分かるところもあるので、入居前にはひとまず気になるところだけ直して、あとから追加でリノベ、というのもいいと思います。うちも、もしかしたらもっと限定的でもよかったのかも」と夫は話します。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.20』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.20日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】W.I.C 玄関土間 パントリー がある家はいつもキレイ!【第2特集】どうする? 実家との距離【第3特集】どっちがおトク? フルリノベVS部分リノベ【第4特集】DIY&施主支給 Real Report※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工STANDARD TRADE.撮影山田耕司
2019年04月01日「通勤ラッシュの電車に乗らずに済む、徒歩で通勤できる場所に住みたい」と希望していたDさん夫妻。渋谷区内で予算3,000万円という厳しい条件で探し続けたところ、偶然、築37年の物件をインターネットで見つけて3,000万円で購入。エム・デザインにリノベーションを依頼し、壁の塗装や棚はDIYも取り入れながら、工事費700万円(税・設計料込み)をかけて愛着がもてる暮らしやすい家をつくり上げました。■ 各所にDIYの温もりがあふれる家づくり立地を最優先させて物件探しをした末に出会った、庭付きの住まい。駅からは徒歩15分以上かかりますが、静かで落ち着いた環境が気に入っているというDさん夫妻は、夫がスケッチした間取り図をもとにリノベーションをスタート。LDKには夫のワークスペースも設け、様々な居場所をつくりました。床にはオーク無垢材を使用してあたたかみを感じる空間に。美しい写真とデザインのアウトドア情報アプリ「DayOut」を手掛ける夫のワークスペースの棚(写真左手)は、余ったフローリング材を棚柱に取り付けてDIYしたもの。ここに棚を取り付けたいと事前に伝え、下地材を入れて工事してもらったのだそう。テレビ台は以前の家で制作したもの。明るい出窓部分に置いてスッキリとした印象に。また、その両サイドにあるスピーカーもなんと夫の自作アイテム!ネットでスピーカーユニットを購入し、東急ハンズで紙筒や木材、吸音材を、そしてIKEAで布を購入して制作したのだそう。隙間にぴったり収まるサイズはさすがDIY。こちらは、どこに何を入れるか、妻が綿密に計算して棚割りをしたというキッチン収納。電子レンジやトースターなどの家電が見事に収まっていて、オープン収納なのにスッキリしています。2つペアで吊した照明は工事現場用ライトをDIYでリメイクしました。DIYしたアイテムが各所にあふれるD邸ですが、なんとポットまでもリメイクしてオリジナルに。共通の趣味がキャンプという夫妻。アウトドアで使用したときにホーローのポットのフタが開かないよう、革のベルトを夫が制作したのだそう。■ 玄関と廊下は縦の空間をフル活用玄関はモルタルで土間風に仕上げました。壁一面に棚を取り付け、靴の収納スペースに。自転車やアウトドア用品を収めている玄関収納は下半分だけ。これは夫のアイデアで、上半分は隣接する個室のロフトとして活用しています。玄関を灯しているシンプルな照明も、夫の手作り。「いいなと思った照明が高かったので、マネして自分でつくってみました。工事の際にこの照明を玄関につけたいと相談し、うまく設置してもらいました」と夫。また、玄関の壁にはハンガーを取り付けて傘の定位置に。そして玄関を上がった廊下の先には、エム・デザイン代表の藤原真紀子さんから提案されたという壁一面の本棚があります。本や雑誌が多いので、大容量のこの本棚が大活躍しているそう。その本棚の向かいには寝室があります。リビングにつながる壁に室内窓を設け、通風と採光を確保しました。また、壁は薄いブルー系の塗装でLDKとは異なった雰囲気を演出。木製の収納家具も夫がDIYで製作したものです。■ 想像以上に便利!廊下に配置した洗面台廊下には本棚だけでなく、なんと洗面台もあるというユニークなレイアウト。「帰ってきてすぐに手が洗えるし、来客時にも便利。この位置に洗面台を配置してよかったです」と妻は話します。夫妻で同時に使えるように、幅の広いTOTOの病院用シンクを採用し、2つの水栓を設けました。また、洗濯機置き場と脱衣所を兼ねたサニタリースペースはゆったりとした広さを確保。浴室はシステムバスを採用してコストを削減しています。■ 庭+テラスはDIYに最高の場所マンションの1階というD邸には広々としたテラス付きの庭があります。学生の頃からDIYが大好きだったという夫にとって、最高の作業スペースに。そんな夫がDIYも随所に取り入れながらつくり上げたD邸。リノベーション計画にあたっては、好きなインテリア雑誌や住宅誌の切り抜きをノートに貼ってファイリングをしていました。写真やスケッチを用いることで、藤原さんとのイメージ共有に役立ったとのこと。夫婦そろって手先が器用なふたり。リノベーション完了後も少しずつ手を加えて改造中なのだそう。楽しみながら、より暮らしやすい家を目指しているDさん夫妻でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.20』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.20日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】W.I.C 玄関土間 パントリー がある家はいつもキレイ!【第2特集】どうする? 実家との距離【第3特集】どっちがおトク? フルリノベVS部分リノベ【第4特集】DIY&施主支給 Real Report※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工エム・デザイン撮影中村風詩人
2019年03月29日以前は郊外に住んでいたOさん夫妻。「飲みに行くのが好きなので、タクシー代がかさんでしまって……」と住み替えを考えたそう。2,000万円で購入した横浜市中区の物件は、駅からわずか徒歩3分という距離。昭和59年築でちょっぴりレトロな、約66平米の物件です。確かに駅近ですが、建物はマンションではなく雑居ビルで、しかも形状は三角形。素人目には個性が強すぎるように感じます。ところがOさんは建築関係の仕事をしていて、以前の住まいも古民家をリノベーションしたものだったとか。Oさんにとっては「面白そう!」と遊び心がくすぐられる物件だったのです。■ 白以外の色と素材でスタイリッシュな空間に!リノベの設計と施工はエム・デザインに依頼。工事費は800万円(税・設計料込み)でした。テーマにしたのは、なんと「白を使わないこと」。住宅の壁に当たり前のように使われている白をあえて使わないことに決めました。メインとなるLDKのテーマカラーはグレー。壁はグレーがかったブラウン、天井はブラックに塗装しました。そのモノトーンの空間に、アームチェアに施されたピンクのパイピングや真鍮製ペンダントライトが映えます。アームチェアとペンダントライトはともに、イタリアのインテリアブランド、ジェルバゾーニのものです。窓の外に見えるのは、なんと高速道路!リノベ前のキッチン料理好きで、もてなし好きでもあるというOさん夫妻。リノベ前は独立空間だったキッチンをオープン化しました。そしてキッチンの前には、三角形の斜めの壁に沿うように長いダイニングテーブルを設置。「妻が目の前で揚げた天ぷらをゲストに振る舞ったりすると、とても喜ばれます」(Oさん)。色使いとともに、素材使いも絶妙なO邸。存在感のあるテーブルは、コンクリートの脚にアイアン(黒皮鉄)の天板を組み合わせました。キッチンはステンレスの天板を用いて造作しました。面材には、Oさん自身が京都で見つけたという和紙を使用。和紙ならではの風合いと色合いが相まって、独特の個性を放っています。DKの床材として選んだのは、グレーのサイザル麻。カーペットにはない質感が魅力です。シンクと一体化したステンレスの天板には水切りカゴも組み込んで、すっきりと見せつつ機能的に。水栓はグローエです。キッチンの背面にはパントリーを設けました。お気に入りのグラスなどは、アイアンのキャビネットにディスプレイ。リノベ前のリビング以前はフローリングだったリビングですが、リノベでは下地材などとして用いられるフレキシブルボードを床材として採用しました。フレキシブルボードはリビングだけでなく廊下、寝室の床にも使っています。「当たり前すぎるのはつまらない」という理由から、フローリングを避けた結果だとか。リビングの壁の一部には木を採用。Oさんならではのセンスが感じられますね。■ マネしたい上級テク!「赤×黒」「グレー×ピンク」LDKのグレーから一転して、寝室は赤×黒がベースになっています。天井は配線がむき出しになっていますが、黒なので目立たないという利点も。寝室には大容量のW.I.Cを設置。このW.I.Cのおかげで、すっきりとした空間が維持できているともいえそうです。玄関まわりもすっきりとしていますね。リビングドアはガラス入りを選び、開放感、採光面に配慮しています。玄関まわりに置きたい物を一手に引き受けているのが、この収納です。内部には天井まで可動式の棚を設けて、物をたっぷりと収められるようにしています。サニタリーの壁は、淡いピンク×グレーに。もちろん白ではありません!スペースをゆったりとさせるために、トイレは壁をなくし、洗面室と一体化しました。洗面室には2人が同時に使えるように、ワイドな洗面ボウルを設置。ニッチのピンク色も効果的ですね。バスルームの壁や床はモルタル仕上げです。洗濯機は扉で隠して、生活感を一掃しています。LDKの一角には仕事机が置いてあります。アンティークショップでOさんが見つけたもので、天板の割れも“味”として楽しんでいるそう。空間づくりはもちろん、インテリア選びも参考にしたいO邸でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.29』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.29日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】大満足! なキッチン& ダイニングのつくり方【第2特集】イイね! 団地リノベ2018【第3特集】気になる! インテリアショップのリノベ※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/エム・デザイン撮影/中村風詩人
2019年03月28日T邸は、ビルや店舗が建ち並ぶ大通りから少し入った住宅地の一角に建ちます。JRのターミナル駅から徒歩数分の立地なので、将来周りが建て込む可能性も大いに考えられる場所。すでに南と西には隣家が迫り、東の隣地ではマンションの建設も始まっていました。どうすれば快適な住まいができるのか……?これが今回の設計の大きなテーマとなりました。■ 光と風を呼び込む、東と西に配した2つの庭群馬県に暮らすTさんは、夫婦と高校生の息子さんの3人家族。これまでTさん一家が暮らしていたのは夫の実家で、両親が亡くなったあとその古家を引き継ぎ、手直ししながら住み続けてきました。しかし、子どもが成長するにつれて手狭になり、建て替えようにも土地が狭く、限界があったといいます。どうしようかと悩んでいたとき、チャンスが巡ってきました。今の敷地の半分が売りに出たのです。もともと残り半分は駐車場として所有していた土地で、隣地を買い足せば、車道から距離を置いた場所に、より広い家が建てられるというわけです。しかし、将来にわたって建物が建たないのは北側だけという悪条件の土地。そんな難問を解決してくれるのは建築家しかいないと、縁あって出会った佐久間徹さんに設計を依頼しました。外観はシンプルなボックス型。将来を見越してか、大きな開口部は見当たりません。1階は中央にピロティ形式の駐車場があり、右手に玄関、左手に茶室を配置しています。では家の中へ。外観からは想像できない展開です!佐久間さんが提案したのは、2階LDKの東と西の両方に庭を設けること。「光庭」と名づけたその外部空間は、LDKを穏やかな光で満たし、風も通してくれます。右手に薪ストーブコーナーがありますが、それを出窓のように飛び出させることで、開放的なLDKとなりました。光庭、階段室、薪ストーブの上の高窓など、あちこちから光が入っているのが分かります。こちらはダイニングから見た東の光庭。デッキを敷いた光庭は「使う庭」。キッチンで淹れたコーヒーを片手に一息つくのもいいですね。西の光庭側を見たLDKは、木製サッシの色に合わせて塗装した長いフローリングが広がりを演出しています。西の光庭の足元には苔が植えられ、和庭の趣です。木製サッシに目がいきますが、木製サッシは見た目に美しいだけでなく、気密性や断熱性、防火性も兼ね備えているんです。ちなみにメーカーは、アイランドプロファイルの「プロファイルウインドー」です。光庭そばのキッチンは、対面にカウンターを設けたセミオープン型。夫も息子も料理好きで、3人それぞれがキッチンに立つそうです。■ ちりばめられた居心地のいい場所2階以外にも、多様な居場所が随所にちりばめられているT邸です。しっとりと落ち着いた空間のこちらは、お茶をたしなむ妻の希望で設けた1階の茶室。手前には水屋もあります。茶室は1階にありながら2階から専用階段でアクセスするので、離れのような趣があり、ゲストルームとしても活用しています。茶室の地窓からは、植えられたトクサが眺められます。風情がありますね。家族全員、お風呂にこだわりが。朝風呂が習慣の一家の要望で、3階南の一等地に浴室は設けられました。奥の緑は2階西側の光庭から伸びた木の梢です。自然光がそそぎ、緑も楽しめる、最高の浴室ですね。一方洗面室は……。まるで照明のような明るい光が天窓から降り注いでいます。プライべートルームもご紹介しましょう。コンパクトな3階主寝室は、地窓から緑がチラリと見えています。ホッとできますね。一角には仏壇もスマートに納まっています。子ども室のベッドコーナー。窓辺には長男が生育中の苔類などがずらり。ベッドそばには、勉強がはかどりそうなデスクが。右手には家族共有のライブラリーと連続しています。そのライブラリーがこちら。子ども室とは引き戸で仕切れますが、普段はほとんど開放しているそうです。机の前の開口部は2階東の光庭の吹き抜けに面しているから、ごらんの通り明るい光が入ります。3階から階段を見下ろした様子。窓から入った光は、階段の吹き抜けにより階下にも明るさを届けます。■ 自然素材と薪ストーブでやすらぎをT邸がこんなにもやすらぎが感じられるのは、ひとつに自然素材を使用していることが大きいようです。主にどんな素材が使われているのか見ていきましょう。床はやわらかな杉の無垢フローリングです。「杉の無垢板はやわらかくて足触りがよく、座りやすく、寝っ転がることもできる。そういう意味では畳に近く、畳よりは掃除もしやすい」と佐久間さん。杉や檜などの国産針葉樹のフローリングは、4mの長さが生かせるのも魅力。薪ストーブコーナーには、独特の味わいを持つ大谷石を壁と床に張りました。特に冬場はここで長居する家族の様子が目に見えるよう。収納の扉にはラワン合板を多用。うまく活用すると空間にメリハリがつくと佐久間さんは言います。ソファも木のぬくもりが感じられるものを選びました。落ち着きのあるインテリアに馴染んだホワイトオークのローソファ。飛騨産業の製品です。座面の低さもくつろぎ感を高めてくれるのではないでしょうか。自然素材を生かした落ち着いた空間で、息子が巣立つまでの時間をゆったりと過ごすTさん家族。条件の厳しい土地でも、アイデア次第で心地いい家は建つのだと教えてくれる好例です。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2017年9-10月号」を参考にしてみてくださいね。設計/佐久間 徹(佐久間徹設計事務所)撮影/目黒伸宜住まいの設計2017年9-10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「住む人に優しい 木の家、自然素材の家」 【第二特集】「緑と一緒に暮らしたい!ビューティフルガーデンハウス」
2019年03月27日夫とその母が不動産投資のために購入していた、渋谷駅から徒歩6分という便利な立地のマンションの最上階。借家人が転居したのを機に、夫を亡くした母と夫妻は将来のことを考えて一念発起し、フルリノベと同居を決心しました。唯一、満足のいくプランを出してくれたセキデザインスタジオに依頼をし、工事費約2,700万円(税・設計料込み。施主支給分含む)で二世帯同居でも快適に暮らせる空間を作り上げました。■ 試行錯誤を重ねたからこその上質なシンプルさ広いリビングダイニグを家の中心に置き、それを挟んで主寝室と母の部屋を配置しているH邸。和室2間を撤去し、実現したこの大空間は採光性も抜群。床はホワイトアッシュ無垢材で、温水式床暖房を仕込んでいます。リビングダイニングとキッチン、廊下の面の精緻な納まりに夫はつねづね関心するといいます。一見シンプルな仕上がりのH邸ですが、こうした巧みなディテールが上質さを物語っています。壁面を活かした、清潔さを感じられるダイニング。キッチンは独立型にしたので、「リビングからあれこれ見えず快適です」と母は話します。また、ダイニングには大容量の壁面収納をつくり、3人の食器が仲良く並んでいます。そして、ダイニングの西方向には、白い壁をくりぬいたような廊下が伸びていて、右手には収納とトイレ、突き当たりには手洗いコーナーを設けました。天然大理石の洗面ボウルは施主支給品。トイレの腰壁にもフローリング材を活用して、インテリアの一体感を創出しています。健康に配慮して、壁と天井は珪藻土塗り。さらに断熱などの基本性能にお金をかけたH邸。そのぶん、フローリングや収納一式、設備機器の多くは施主支給でコストを削減しました。「息子の努力で500万円は安くすんだと聞き、頼もしく思っています」と母。また、H邸では寝室以外はすべて共有。洗面脱衣所と浴室はキッチンの奥に配置しています。既存では洗面の位置に勝手口があったそうですが(珍しい!)壁でふさぎました。■ それぞれの居場所と共有の居場所をつくり快適にHさん一家は全員仕事を持っていて、妻はフルタイム勤務、夫と母は自営業。家で仕事をすることが多い夫と母のために、優先的に共有のワークルームを設けました。ワークルームのテーブルトップ、引き出しユニット、吊り棚、書棚など、家具はIKEAのものですべて施主支給品。組み立ては夫自らで行いました。居室空間の調整で、以前よりも格段に広くなった玄関も共有。床には夫が選んだ天然石を贅沢に張り、同じ素材でベンチも設置しました。ベンチは特に冬場、ブーツを履く際などに重宝しています。玄関の壁面は、外出用の大型クロゼットに。ミラー仕様の扉が外出前の身だしなみチェックに役立っています。■ 寝室だけはプライベートゾーンリビングの東側には母の寝室があります。置かれているのはベッドとテレビ、収納程度で、他室と同様シンプルそのもの。ミラー仕様の収納もIKEAで購入しました。「扉の角度を調整すると三面鏡になって便利なの」と、おしゃれさんらしいコメント。ベッドを置いた側の腰壁にはフローリングと同じ仕上げを施して、スッキリした印象に仕上げました。子世帯のプライベートゾーンにはミラー扉の収納が並び、空間をいっそう広く感じさせます。ミラー扉に写っているのはシャワーブースで、その横にトイレと洗面コーナーを配置しました。建具を省略することで明るくのびやかな空間に。渋谷駅から徒歩6分、8階建ての最上階、専有面積約128平米という誰もが憧れそうな物件をリノベーションしたHさん一家。「それぞれ居場所がちゃんとあり、仕事も持っている。だから二世帯同居でも余計な気を回さずにすみラク。マンションは戸建てと比べて冬も寒くなく、カギひとつで外出できるのも魅力です」と母は話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.20』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.20日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】W.I.C 玄関土間 パントリー がある家はいつもキレイ!【第2特集】どうする? 実家との距離【第3特集】どっちがおトク? フルリノベVS部分リノベ【第4特集】DIY&施主支給 Real Report※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計SEKI DESIGN STUDIO写真山田耕司
2019年03月22日夫の両親宅で同居をしていた山口さん一家は、自分たちの好みの空間で暮らしたいという憧れが募り、家を持つことに。運よく、実家から徒歩圏内にある団地内の格安住戸と出会い、400万円で購入しました。リノベーションはタマイアトリエ・玉井さんの設計です。工事費670万円(税・設計料別)で、好きな空間で過ごす喜びと安心感の両方を手に入れることができました。■ LDKの壁やキッチンの腰壁が空間のアクセント東日本大震災をきっかけに、夫の実家で同居をしていましたが、新居を構えるにあたっても安心感は保っておきたかったため、実家のすぐ近くに暮らすことを選択。長い間リフォームされていなかった格安住戸を手に入れ、リノベーションをスタートさせました。LDKをできるだけ広くするために、間仕切りを取り払って、廊下だったスペースも部屋に組み入れることに。そのおかげで、妻の念願だった対面式キッチンを設置でき、またリビングダイニングはコンパクトながらも居心地よい空間に。設計担当の玉井さんがデザインしたロシアンバーチ合板の円卓は、夫の両親が訪ねてきてもみんなで囲むことができます。テーブルの周りには意外にゆったりしたスペースがあって動きやすいそう。対面式のキッチンは少し高めの腰壁で隠して、見た目をスッキリさせました。独特のムラのある仕上げは、タマイアトリエがDIYしたもので、木部用のオイルを使用しています。また、キッチンのすぐ脇に洗濯機置き場を新設。使わないときは隠せるように、引き戸を設置しています。古い鉄筋コンクリートの建物らしく、LDKには太い梁がありました。当初は空間づくりのじゃまになるのではないかと心配しましたが、そのおかげで陰影や景観に変化が生まれ、「これはこれで気に入っています」と夫は話します。また、LDKの壁には存在感のある古材風のフローリング材を張って、家のトレードマークに。床にもエイジング感のあるフローリングを選び、雰囲気を合わせています。最上階なので天井を高くすることができ、解放感あるLDKに仕上がりました。■ オープンシェルフで仕切って開放感を演出リビングの隣の個室は、将来は夫婦の寝室になる予定ですが、全員一緒に寝室で寝ている今は、特に用途を決めないゆとりのスペースとして使っています。リビングと個室の間には、両面から使えるオープンシェルフを設置。空間を緩くつないでいるので、狭苦しさを感じさせません。独立性を高めたくなったら、ボックスを入れるなどして視線をコントロールすることもできます。その個室内にあるウォークインクロゼットに、衣類や小物は集中して収納。部屋との仕切りを設けず、床を連続させたことで部屋が広く感じられます。また、クローゼット内の壁は玉井さんが木部用のオイルでニュアンスある表情に仕上げました。実は、ここで練習してからキッチンの腰壁に臨んだそう。今はこちらの玄関横の部屋に家族全員で寝ていますが、将来は子ども室にする予定。下に机を並べることを想定し、ロフトベッドを造り付けました。■ 暗い玄関、狭いサニタリーにもひと工夫暗くなりがちな玄関は、白い塗装で明るく演出。「玄関の壁は、いずれ自分たちで塗ってイメージを変えるのもいいなと思っています」と夫。サニタリーへは廊下からアクセス。シンプルな洗面台を選んだことで、コンパクトな洗面室も広く見せることができています。白木のミラー兼収納や、船舶用照明で雰囲気よく。浴室が狭く、入れられるユニットバスがなかったのですが、サンワカンパニーの「コブロ」という浴槽なら収まると分かり、タイル張りの浴室に仕上げました。ダクトを取り付けて換気扇も新設。トイレは省スペースのため引き戸に変更しました。実家には、月に何度か子どもたちを連れて遊びに行ったり、買い物の際に数時間預かってもらったりしていて、お互いのペースを守りながら気持ちよく暮らせているとのこと。自分たちのお気に入りの空間と、夫の実家が近い安心感、その両方を手に入れて充実した暮らしを楽しんでいる山口さん一家です。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.24』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.24日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】リノベで解決! 収納問題@マンション【第2特集】近居&マンション内同居って大いにアリ!?私たち実家近くでリノベしました!【第3特集】いつまで都心にこだわってるの?イイね! ちょい郊外※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計監理タマイアトリエ 玉井清撮影飯貝拓司
2019年03月19日子どもができたのを機に、都心から神奈川県逗子市のマンションへ移り住んだFさん家族。海岸まではわずか徒歩2~3分という距離にあり、以前から夫が「子育てをするにはこういう環境がいいんだろうな」と思い描いていた理想がかなう場所でした。昭和59年築、専有面積115.25平米の物件は4,000万円で入手。より居心地のよい空間を目指そうと、工事費1,500万円(税・設計料別)でリノベーションを行いました。■ 見やすくて取り出しやすい!壁面収納リノベーションは、雰囲気がいいと感じた友人のレストランを手掛けた東海林健建築設計事務所に依頼。代表の東海林さんは偶然、夫と同じ高校の同級生でもあったとか。夫はもともとインテリアに興味があり、リノベのイメージは気に入ったインテリアの写真をまとめたものなどで伝えたそうです。そして、もっとも重視したのが「できるだけ生活感を出さないこと」でした。LDKは開放感あふれる大空間になっています。リノベ前のLDK以前はキッチンとリビングダイニングに分かれていましたが、空間を一体化しました。F邸の中心ともいえるのが、この存在感のあるダイニングテーブルです。「フローリングをヘリンボーンかパーケットに」との妻の希望を、パーケット張りのテーブルで実現しました。空間のアクセントになっているモザイクタイル部分は、既存の壁を利用したものです。造作したテーブルには脚がなく、この壁が3.3×1.2mもの天板を支えています。まるで宙に浮かんでいるようですね。テーブルと同じ幅で、正方形に近いユニークなキッチンはオリジナルです。水栓にはグローエの「ミンタ」を使用。壁向きのコンロは業務用で、マルゼンのもの。東海林さんに依頼するきっかけとなったレストランで使用していたそう。「通常の家庭のキッチンにはない火力の強さが魅力です。ラムチョップやチキンなどのオーブン料理も、簡単においしくできるので気に入っています」と夫。LDK東側の壁は、ほぼ全面が収納になっています。DK側の扉を開けると、この通り!家電や食品、食器などがずらりと並んでいます。物がどこにあるのかわかりやすく、取り出しやすくて、使い勝手は抜群。リビング側の壁面収納には、テレビボードやキャットタワーも組み込んであります。キャットタワーの内部にはステップがあり、上部のキャットウォークへと上れる仕組みです。スッキリとしたLDKをキープできているのは、生活感の出やすいものを隠せるようにしたからなのですね。■ 何でも入る!?大容量のストックルーム玄関は既存の下駄箱を撤去して、広い土間空間にしました。玄関右手にあった個室はフローリングを撤去してストックルームに。靴のほか、キャンプ道具やスーツケース、自転車などを収納していますが、まだ余裕があります。ガラス戸の奥はLDKです。右側の壁に並ぶラワン合板の引き戸を開けると、寝室やサニタリーがあります。ラワン合板もLDKのいいアクセントになっていますね。家族4人で寝ている寝室の一角には、W.I.Cを設置しています。子どもたちの分も収められており「着替えも便利です」と夫妻。衣類の整理がしやすいよう両サイドにハンガーパイプを備え、片方は下部が棚になっています。現在は妻のワークスペースとなっているスタディルーム。デスクや棚が造り付けになっています。いずれは子どもたちの勉強部屋に、とも考えているそう。リノベ前のサニタリーリノベ前は洗面室とトイレが一体化しているつくりでした。トイレが独立空間となるように、浴室の隣に新設しました。広くなった洗面室には、より空間に広がりを感じさせる大きな鏡と、実験用シンクを設置。収納棚の明るいブルーが印象的ですね。妻は「収納が充実していて、ものをサッとしまえるところ」、夫は「キッチンも楽しいですし、アウトドアグッズが収納できるストックルームも」と気に入っている点を教えてくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計/東海林健建築設計事務所撮影/山田耕司
2019年03月13日このまま家賃を払い続けるよりも買ったほうがよいのでは、と住宅購入を検討し始めたKさん夫妻。通勤経路に建ち、つくりがよいと感じていたマンションを調べてみると、たまたま販売中の部屋があったそう。平成3年築、専有面積が88.2平米と十分な広さもあり、内見後に1,400万円で購入しました。建築関係の仕事に就く夫は、もともと「中古マンションを買うなら自分好みにリノベーションしたい」と考えていたとか。その考え通り、工事費1,476万円(税・設計料込み)でリノベを行いました。■ インダストリアルでありつつシンプルに!K邸があるのは、愛知県岩倉市。リノベの設計・施工は名古屋のエイトデザインに依頼しました。「名古屋の会社のなかでも、いろんな種類のリノベをしているエイトさんなら自分たちの思いをかなえてくれると直感して、即決でした」と夫。夫妻が希望したのは、大きなW.I.Cやモルタル敷きの玄関土間、リビング向きのオープンキッチン、スタイリッシュな和室など。新築では難しく、リノベだからこそかなう空間づくりでした。とくに賃貸のときは1室丸ごと収納にしていたほどで、モノを収めるスペースはマストでした。水回りの床は18cm高くなっているため、オープンキッチンのカウンター腰壁も背が高くなっています。腰壁に貼られた存在感のあるタイルは、妻の「昔の玄関みたいにしたい」というリクエストに応えたものです。インテリアのイメージとして「インダストリアルな雰囲気がありつつもシンプルなテイスト」を希望した夫妻。キッチン対面にあるリビングの壁の一部は、コンクリート現しになっています。程よくインダストリアルな空間に、ナチュラルなハンモックや造作のテレビボードも馴染んで見えますね。ペンダントライトは無印良品のもの。キッチン上部には、キッチン側から使える吊り戸棚を設置。下部には手元を照らす照明が仕込んであります。リノベ前のキッチン水回りの床が高くなったのは、配管の関係です。位置や大きさが変えられないため、キッチンの向きを変えてその裏にパントリーを設けました。オールステンレスのキッチンはマルゼンのもの。業務用をカスタマイズして、シンク下の収納に扉を付けました。すぐ横がサニタリーなので、家事動線もスムーズです。バックカウンターはHACHI KAGUのオリジナルです。バックカウンターの一部は折りたたみ式の台になっていて、作業スペースを広くすることもできます。パントリーには棚を造作して、食器やストック食品などを収納しています。■ モノは大容量のストックルームにまとめて!リビング奥に見える箱のようなスペースは、W.I.Cを兼ねたストックルームです。大容量ですが、天井まで壁をつくらないことで圧迫感を軽減しました。ストックルームをリビング側から見たところ。玄関へ通り抜けられるようにもなっています。内部には、収納するもののサイズに合わせて棚を取り付けました。リビングの近くにはキャンプ用品、書類や本、CD、バッグなどを収納しています。「ここがあるおかげでLDKが散らかりにくく、どこに何をしまうかが決まっているから使い勝手もいい」と妻。玄関近くには靴や自転車、ゴルフバッグなどを収納しています。ストックルームから玄関へ出るドアには、姿見が付いています。これは便利ですね!ドアを開ければ、鏡は玄関ホール側からも使えます。靴や小物を入れている玄関ホールの棚は、無印良品のケースに合わせてつくったオリジナルです。玄関土間からホールを見たところです。正面に見えるのは……畳ですね。■ 参考にしたい!スタイリッシュな和室夫がどうしても欲しかったという和室です。モダンなデザインで、セカンドリビングや客間などとして使っているそう。「最後まで迷いましたが、建具などをつけずオープンにして正解でした」と夫。玄関から廊下、ストックルーム、LDまで、床はすべてモールテックスという左官材で仕上げました。ストックルームの廊下側はクロゼットです。夫妻の衣類のほとんどが収まっています。リノベ前の洗面台洗面室の位置はリノベ前と同じですが、設備や内装は変更しました。キッチンと空間が続いているので、洗面カウンターにはキッチン同様にステンレスを選んでいます。トイレの位置も変えていませんが、こちらも設備と内装を一新。正面の収納棚には、クロゼットと同じつまみを使用しています。妻はストックルーム、夫は和室がお気に入りとか。「建築関係の仕事をしているからこそ、自分にはないアイデアが出てくるのが心強かったですね」と夫はリノベのプロセスも楽しんだようです。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/エイトデザイン撮影/水谷綾子
2019年03月05日転勤を終えて東京に戻り、そろそろ持ち家をと考えていたTさん夫妻。そんな時に友人から「よければ買わない?」と持ち掛けられたのが、この築13年のマンションでした。家を持つなら、好きなインテリアを実現できる中古×リノベーションと決めていた夫妻は、思い切って購入。リノベーションは空間社に依頼し、収納の充実や広々した玄関を希望。工事費740万円(税・設計料込み。施主支給分は別途)で、スッキリ整った開放的なLDKや快適動線、フレキシブルに使える土間のある住まいを実現させました。■ 大型収納のおかげで開放的になったLDK約72平米の空間は、ふたりで暮らすには十分な広さ。少なかった収納を充実させたことで、LDKはさらにスッキリと開放的になりました。リビングにあった既存の収納棚は撤去し、壁の厚みを利用して書棚を新設。大きめのソファを購入予定だそうですが、色違いのウェグナーのひとり掛けソファも空間によく溶け込んでいます。床はオーク無垢材で床暖房に対応。木材の表面をリボス着色カラーオイルのグレー色でふき取り、インテリアの色彩トーンを調節しました。料理好きな夫妻にふさわしく、家の中心はキッチン。シンクには質感が美しいステンレスを、そして床には土間と同じグレーのタイルを採用しています。また、キッチンカウンターはリビングからの景観も意識して、シックなモザイクタイル貼りに。元々の間取りでは収納の少なさが気になっていたというTさん夫妻。収納を充実させるために、キッチン側の一番長い壁面をフルに使えるように工夫しています。壁一面にモルタルを塗り、上部は吊り棚のオープン収納、下部はIKEAのキャビネット収納を設置。一部がデスク仕様となっており、妻が5年前から始めた刺繍を楽しむ専用スペースに。刺繍を始めるとかなり集中するそうで、8時間連続で作業したこともあるそう。吊り棚には、木工作家である妻の妹さんの作品や工芸品、民芸品が飾られています。味のあるまな板もインテリアに。旅好きな夫妻は「地方のものは、現地で買うのがわが家のポリシー」と話します。■ 寝室は小さく、収納は大きくT邸のウォークインクロゼットは寝室と一体化。寝室は寝るだけと割り切って面積を減らし、そのぶんウォークインクロゼットを加えました。「既存のウォークインクロゼットよりうんと広くなって大満足」と妻。「共働きの夫妻のために寝室をウォークインクロゼット、廊下を回遊できる間取りとしました」という空間社の大島さん。寝室から見てウォークインクロゼットは奥行きが深いので、解放感は損なわれていません。また、ウォークインクロゼット内の収納棚は施主支給しました。このウォークインクロゼットを充実させたことで、リビング収納を撤去でき、リビング・ダイニングを広く使えるように。ウォークインクロゼットと廊下はアーチ型の出入り口でつなぎ、建具は省略。「通りやすく、寝室への出入りはこちらの方が多いです」と夫。■ フレキシブルに使える開放的な土間玄関玄関を入ると、スコーンと広がる土間空間。「明るく広々とした玄関で迎えられたい」と夫が要望し、玄関脇の洋室空間を取り込んで広げました。ルーバー扉の大型収納の中には、マラソン、登山、テニスなど夫の趣味の道具がどっさり。スーツケースもこちらに収めており、旅行の支度をする際はこの広々スペースが役立っているそう。「天井下に渡したガス管は懸垂用。天気の悪い休日など、これで鍛えています!」と夫。靴箱は足場板を張っただけのオープン収納にすることで、解放感に貢献しています。ウォークインクロゼットの向かいに位置するサニタリー。洗面台は既存がキレイで十分使え、大きなミラー扉の収納も便利だったため、水栓だけ交換して利用しています。手元の壁にはタイルを新しく貼ることで、おしゃれ度をアップ。また、壁面のニッチ収納は、今回新しく設けました。土間を広く取るために、北側の洋室を取り込むことに悩んだというTさん夫妻。「ゲストが来て泊まる部屋がないのも困るな、と。でも泊まるのが年に数回なら、リビングの一角を布で仕切って使う手がある。利用頻度と優先順位を考え、土間への変更を選びました」とのこと。優先順位を反映させたT邸には、機能性だけでなく、たっぷりと余裕ある空間も生まれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.20」も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.20【巻頭特集】マンションリノベ成功のためのマストアイテムW.I.C 玄関土間 パントリー がある家はいつもキレイ!【第2特集】マンション内同居、近居、二世帯…どうする? 実家との距離【第3特集】どっちがおトク? フルリノベVS部分リノベ【第4特集】どこまでできる? やってみてどうだった?※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工空間社撮影遠藤 宏
2019年02月27日Nさん夫妻は、子ども2人と暮らす4人家族です。「子どもたちにいつでも帰れる場所をつくってあげたかった」「持ち家であれば、資産として残せる」との思いから、賃貸からの住み替えを決意。神奈川県川崎市内に建つ昭和58年築、専有面積71.79平米の中古マンションを購入しました。そして、「どうせなら面白いことをしたい」とリノベーションをすることに。リノベ工事費は1,200万円(税・設計料別)。設計はデザインライフ設計室に依頼しました。夫妻はネットでたくさんの施工事例を見るなかで「いいな」と思った事例のほとんどが、デザインライフ設計室の青木律典さんによるものだったそう。リノベの打ち合わせで大きな要望として挙げたのが、家事効率のアップでした。そして、空間には可変性も持たせたかったといいます。■ 将来を見据えた可変性のある空間個室は小さくてもいいと割り切り、その分、リビングダイニングにはゆったりとした広さを確保しました。リノベ前のLDから和室を見たところリノベ前のLDリノベ前にあった和室をなくし、LDと空間を一体化することで実現した広さです。広くしたリビングの一角は、仕切って客間としても使えるようになっています。普段は扉を開け放して使っているそうですが、片側の扉3枚を全部閉めると壁になり、客間と廊下ができるというわけです。奥は寝室になっていて、寝室も同様の扉を閉めれば個室にできるつくりです。3枚の扉は、梁下にうまく収まる仕組みです。客間を完全に個室にするための壁は、ランドリースペースに収納しています。寝室は子どもたちが大きくなったら2つに分けて、それぞれの個室にできるよう天井にレールを設けています。寝室を子ども室にする時期になれば、客間に壁を立てて夫婦の寝室にする予定です。ライフスタイルの変化に合わせて空間を変えられるこのようなつくりは、妻の提案が発端でした。それを「扉で空間を仕切る」という青木さんのアイディアで形にしたものです。リビングには無印良品のモジュールに合わせて設計した造作棚があります。これも「無印なら別の商品に入れ替えたくなってもモジュールが揃っているから使いやすいはず」という青木さんのアイデアでした。造作棚の後ろが数センチあいているのは、棚裏の上部に間接照明が仕込まれているためです。照明デザインの会社に勤める妻が、青木さんと相談しながら綿密に照明計画を練りました。夜、照明をつけると室内の雰囲気がガラリと変わり、昼間とは違った表情が楽しめます。■ スグレモノのW.I.C兼ランドリースペースキッチンは「一歩も動かなくていいように」という妻の希望から、コックピットのようなつくりに。食器やゴミ箱、家電まですべてが背面のパントリーに収まっています。パントリーの奥行きは一部を浅くして、背面にあたる玄関側に大型の靴収納を設けています。玄関にあった既存の下駄箱は撤去して、ベビーカーが置ける広い土間を実現しました。「これまでの住まいの悩みを全部解消できる家にしたかった」と妻。特にストレスの大きかったのが、洗濯と衣類の収納だったそうです。そこで、洗面脱衣室に隣接する洋室をW.I.Cを兼ねたランドリースペースに。洋服をたたんだりアイロンをかけたりする家事室を兼ねた便利な空間で、洗濯と収納の悩みを一気に解決しました。廊下の突き当たりがランドリースペースで、左手の引き戸は洗濯機のある洗面脱衣室の入り口です。洗面ボウルだけのシンプルなタイプにすることで、洗面脱衣室にはゆとりが生まれました。トイレもシンプルな雰囲気ですが、正面に飾った長男の作品がアクセントになっています。「やっぱりお気に入りはランドリースペース」と口を揃える夫妻。格段に家事効率がよくなり、ストレスフリーの暮らしを楽しんでいるようでした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計/デザインライフ設計室撮影/山田耕司
2019年02月26日愛知県豊田市のSさん家族は、駅へのアクセスがよく眺望も抜群の中古マンションを手に入れ、リノベーションして暮らしています。平成7年築、専有面積は92平米の広々とした物件です。当初は戸建ての注文住宅を検討していましたが、土地探しが難航。「建売住宅などで中途半端に納得するより、自分たちらしい空間で暮らしたい」(夫)と路線変更したそうです。リノベは妻が以前からファンだったというアネストワンに依頼し、1,400万円(税・設計料込み)で工事を行いました。雑貨店で同社が発行する小冊子『トリノス』を見て、施工事例のデザインや雰囲気が気に入っていたといいます。その妻がこだわったのはアイランドキッチンと広いリビング。夫はTRUCKのソファを置くこと、漆喰の壁などを要望しました。■ 家具のようなオリジナルのアイランドキッチン「家族で一緒に料理が楽しめて、家の中心になる、家具のようなキッチンが理想だった」という妻。念願のアイランドキッチンは、背面の収納家具も含めてアネストワンのオリジナルです。キッチン壁面の白いタイルは、リビエラ社の「ニューヨーカー」。ダイニング側の壁はブルーでペイントし、アクセントにしました。リノベ前のダイニングからキッチンを見たところ以前のキッチンは、リビングとは距離感のあるつくりになっていました。アイランドキッチンは妻の希望でしたが、夫も「キッチンから家じゅうどこでも見えるところが気に入っています。僕もときどき料理をするのですが、リビングで遊んでいても子どもの姿がよく見えるので」と絶賛。リノベ前にあった和室広いリビングは、既存のLDに隣接していた和室を取り払うことで実現しました。夫が希望していたTRUCKのソファは、床のオークや壁の漆喰とも相性が抜群です。リビングダイニングの隣には子ども室があり、天井近くに窓を設けてバルコニーからの光を届けています。入り口の引き戸を開ければ、キッチンから中の様子をうかがうこともできます。子どもが増えたら真ん中で仕切れるように、引き戸は両開きになっています。華やかなペンダントライトはIKEAで購入したものです。■ ひとつひとつのディテールに夫妻のこだわりが光る!ヘリンボーンの床をどこかに取り入れたいという希望も伝えていたSさん。玄関ホールからLDKの手前までの廊下をヘリンボーン張りにしました。クラシカルで味わいがある、アネストワンオリジナルの建具ともマッチしています。毎朝、洗面室で髪を洗う夫のために、洗面ボウルは大きめのものをセレクト。Sさん夫妻の身長に合わせて、洗面カウンターは高めにしました。洗面室の入り口付近には、カギや腕時計を掛けるスペースを設置。身支度がスムーズにできますね。トイレの位置は変わっていませんが、設備や内装は一新。アイアン製のペーパーホルダーやタオル掛けなども、ひとつひとつこだわって選びました。■ すっきり空間は充実の収納でキープ!キッチン奥は洗面、さらに浴室へとつながっていて、家事動線には無駄がありません。アイランドカウンターの横には、パントリーがあります。「ゴミ箱を見せたくなかった」(妻)と生活感がにじみやすいゴミ箱もすっきりとパントリー内に収めています。「これがなかったら確実に物があふれていました」と妻が教えてくれたのが、玄関土間とシューズクローゼットです。アールの入り口でかわいく見せつつ、ベビーカーや家電、日用品のストックなどを収納しています。玄関土間とシューズクローゼットは下駄箱と反対の壁側に、浴室の位置をずらして設置しました。ともに洋服好きという夫妻は、広いW.I.Cも要望。寝室と子ども室の間に設けられたW.I.Cには、家族全員の洋服を収納しています。「1か所にまとまると管理しやすい」と妻。小物などの収納は、IKEAの棚をDIYで取り付けました。広いW.I.Cのおかげで、寝室に備えられていた既存のクローゼットは建具を撤去し、オープンな収納スペースとしました。収納を充実させたことで、好みのインテリアが楽しめるすっきりとした空間がキープできているのですね。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/アネストワン撮影/遠藤 宏
2019年02月25日結婚以来、賃貸マンションに住んできたNさん夫妻。「若干狭く、収納も十分になかったので、ものがあふれがち。もっと自分たちに合った間取りに住みたい」と新居探しを始めたそうです。そして、大阪府大阪市の住み慣れたエリアで、中古マンションを3,600万円で購入しました。平成10年築、専有面積が以前よりも広い82.62平米で、眺望のよい南東角部屋という申し分のない物件です。当初は新築も考えたそうですが、予算面に加えて「どこも画一的ま間取りと内装で面白くない」と中古購入+リノベーションを選択しました。リノベ工事費は980万円(税込み。設計料、施主支給分は別途)。■ 開放的なリビングにはサンルームも!設計はもともと知り合いだった佐藤伸也さんが代表を務める、佐藤伸也建築設計事務所に依頼しました。佐藤さんの自邸の間取りやテイストに魅力を感じたそうです。間取りで大きなポイントになったのは、やはり収納スペースの確保。さらに、広いリビングや回遊性のあるキッチンなどもリクエストしたそうです。リノベ前は東側に個室が並ぶ3LDKでしたが、個室は寝室として使う和室のみにしました。LDKは隣接する和室やその他の空間とも一体化できるつくりで、全体を大きなワンルーム感覚で使えるようになっています。冷暖房効率を考えた間仕切りには、視界を遮ることのないガラス戸を採用しました。LDKは個室があったスペースも取り込み、南側全体を使った大空間に。天井もスケルトンにすることで、より広く感じるようになりました。リビングには植物を育てるのが好きだという夫妻のために、室内干しにも使えるサンルームを併設しています。サンルームはあえて囲い込まず、スチール製の可動パーティション3枚を気分に応じて動かせるようにしました。リノベ前のLDKリノベ前はペニンシュラ型だったキッチンですが、90度回転して南側へ移動。回遊性のあるアイランド型に変更しました。キッチンは向きを変えることで大きなカウンターを据えるスペースが生まれました。前面はすべて収納として活用しています。キッチンはサンワカンパニーが無印良品とコラボし、機能美を追求したMUJI+KITCHENです。バックキャビネットはそのデザインに合わせて造作したもの。キッチンカウンターは水はね防止用に、手元を少し立ち上げました。リノベ前の洗面室キッチンがあった場所には、廊下に少し飛び出すような形になっていたトイレを移動しました。移動したことで広くなり、手洗いカウンターや小棚も設置することが可能に。リノベ前のトイレは洗面室にもくい込む形になっていましたが、トイレの移動で洗面室も空間を広くするこができました。洗面台はモザイクタイルで見栄えよく仕上げています。全体にワイドにつくったため「夫婦で場所の取り合いがありません(笑)」と妻。■ 収納力の秘密は玄関横のW.I.Cと小上がり!「買い物と旅行が夫婦共通の趣味で、たくさんの靴や洋服、旅行カバンなどをきちんとしまえる場所を確保することが課題でした」と夫。解決策として玄関脇に誕生したのが、外で使うものと衣類などを分けて整理できる大容量のW.I.Cです。大型の引き戸を閉めれば壁のようになり、すっきりと見えます。「玄関横にあるから、帰ってきてそのままコートが掛けられたり、外出の際に上着を羽織って玄関の鏡でチェックできたり、便利ですね」と妻。さらに、佐藤さんはこのW.I.Cにひと工夫加えました。「ウォークインクローゼットから奥の居室へつながるウォークスルーにして、家全体に回遊性を持たせました。帰宅時の動線がスムーズになり、間取りに面白みも出ますから」。また、寝室として使う和室を小上がりにすることで、床下を収納としても使えるようにしました。小上がりは分割して移動させることもできます。小上がりに面する東側の窓辺は、玄関収納とリビングをつなぐ裏動線として機能するとともに、多目的スペースとしても活用しています。課題だった収納ですが「まだまだ余裕があります」と夫が語るとおり、十分に確保することができたようです。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計/佐藤伸也建築設計事務所撮影/山田耕司
2019年02月20日子どもが生まれたのを期に、賃貸からの住み替えを考えたSさん夫妻。もともとリノベーションに興味があり、東京都文京区で中古マンションを購入してリノベをすることに。購入したのは専有面積62.10平米、昭和53築のちょっびりレトロな物件です。「同じ中古でも比較的新しいとちょっと躊躇してしまうけど、ココは古いので、大胆に自分たち仕様に変えられる。そこがいいと思いました」(夫妻)。リノベの設計・施工は、夫妻が求めるテイストに合うことや設計力に魅力を感じたというフィールドガレージに依頼しました。スタッフの気さくな人柄や相談のしやすさも決め手になったとか。夫妻の言葉どおり大胆なリノベとなりましたが、工事費は960万円(税・設計料込み)。3LDKのマンションはどう生まれ変わったのでしょうか。■ 個室は必要になったらつくればOKLDKは壁をはがしたら出てきたというコンクリートブロックの壁や躯体をそのまま生かして、インダストリアルな空間に。6台あるロードバイクの一部を壁にディスプレーし、普段も眺められるようにしました。リノベ前のLDリノベ前は和室と個室が2つありましたが、「あえて個室をつくらず、リビングとダイニングをとにかく広くしたい、とお願いしました」(夫)。そこで、3LDKを丸ごとワンルーム仕様に変更。「全体がワンルームで仕切りがないため、子どもも動きやすく私たちの目も行き届いて安心です」(夫)。将来、子ども室が必要になったら、その際はLDの一角に仕切りを設けて対応すればよいと考えました。LDK入口付近の壁(写真左)は黒板塗料仕上げにして、家族のコミュニケーションに役立てているそう。いいアイディアですね。夫妻は食べることが大好きで、料理好きでもあるそう。キッチンは広い作業スペースがあり、ゲストが来ても囲みやすいようにとアイランド式にしました。「子どもを見守りやすく、ワークトップは多用途に使えて便利です」(妻)。IHクッキングヒーターは壁向きにし、タモ集成材を使って造作したカウンターに組み込みました。カウンター下部はパントリーになっています。「キッチンの対面からは視界に入らない高さなので、オープンな仕様でも安心」と妻。そして、このキッチンからは玄関土間まで抜けられる近道もあるそうですよ。■ 通り抜けできるW.I.Cで動線にムダなし!これが、その近道。奥に見えているのが玄関です。キッチンの隣がW.I.Cで、ウォークスルータイプになっています。大容量のW.I.Cは妻のリクエストでした。「両サイドにたくさん衣類を掛けられ、見やすくて大助かり」(妻)。夫からのリクエストだったという玄関土間の広さも、S邸の特徴のひとつです。玄関脇の個室を撤去して拡大しました。「ロードバイクやベビーカーを収納できる広い土間をお願いしました。リノベ前の玄関はとにかく狭くて、ひとり入るのがギリギリ、という感じでした(笑)」(夫)。■ DIYで数十万円のコストダウンも!洗面室の入り口は、ドアではなくカーテンで仕切っています。洗面室は、キッチンと同じタモ集成材とタイルで仕上げました。トイレはリノベ前も洗面室から入るつくりでしたが、ドアから引き戸に変更。スペースを有効に活用でき、出入りもしやすくなりました。現在は寝室として使用している南西側の洋室の壁は入居後、約2か月かけてすべてDIYで塗装したそうです。床のオイル塗装なども夫妻で手掛けました。「DIYは、やりたい!という気持ちからスタートしましたが、結果として数十万円ほどコストダウンにつながったと聞き、言うことなしです」(夫)。配色がステキなダイニングのベンチとテーブルも、夫がDIYで製作したものです。脚部をtoolboxにオーダーし、オーク材をはめ込んで仕上げたそうです。「自分たちの好みのインテリアに仕上がり、広い土間やW.I.Cも実現できて大満足」という夫妻でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/フィールドガレージ撮影/山田耕司
2019年02月19日長男が生まれたことを機に、元から住んでいた築12年のマンションのリノベーションを決意したNさん夫妻。家族みんながくつろげるLDKに、と思い3社に相談しましたが、予算とデザイン、柔軟な対応力が決め手となって、nu(エヌ・ユー)リノベーションに依頼。工事費790万円(税・設計料別)で、生活感がなく広々と使えるLDKのある住まいを手に入れました。■ 生活感の出やすいものを持ち込まずにスッキリと絵画やポスター、オブジェなどがセンスよく飾られ、セレクトショップのようなたたずまいのN邸。元々はリビング・ダイニングが狭く、キッチンは光が届かず暗かったとのこと。リノベーションでは、まず和室をなくしてリビングスペースを広げました。リビングには子どものおもちゃや家具も。普通なら敬遠されがちではありますが、N邸ではインテリアに馴染むものを選んでいるため、違和感がありません。押し入れがあったリビング右手部分は、寝室のウォークインクロゼットとつなげて、リビングと寝室、両方から行き来ができるつくりに。リノベーションを機に新しく買い替えたソファはIKEA。造作したオープン棚には本や雑貨、ロボット型掃除機などを収納しています。ダイニングテーブルにはデンマークブランドのHAYやイームズのチェアを合わせて。キッチン側のベンチは妻の父による手づくりです。リビングと寝室をつなぐウォークインクローゼットの手前の角には、ソファのオットマンを配置。くつろげるスペースが複数あると何かと重宝するし、空間のアクセントにもなります。また、ガラス窓付きのリビング扉を開けると目に飛び込むのは、ろうそくが並んでいるように見えるランプのようなオブジェ。実は段ボール製なのだとか。キッチンは既存を生かしつつ、壁を省いて光と風を取り入れやすい形に。壁があった部分に新しく吊り戸棚とオープン収納を造作しました。リビング・ダイニングの生活感を軽減させるために、キッチンはあえてセミクローズに。■ 土間を拡張して夫妻のワークスペースに7畳ほどあったという洋室の一部を玄関とひと続きの土間に変更。天板をL字型に造作して夫妻それぞれのワークスペースにしています。妻はジュエリーデザイナー。内窓から寝室の様子が分かるので、子どもが眠る気配を感じられるため、夜でも安心して作業ができるとのこと。既存の下駄箱だけでは収納が足りず、廊下側の内窓の下部に新たに収納を設けました。また、玄関の壁には夫のリクエストでホワイトボードを設置。カラフルなマグネットシートは子どもも遊べるようにと、100円ショップで購入したものに妻がリメイクを施しました。■ 視線も抜け、回遊性もある寝室寝室を囲う壁の一部に木製のフレームを入れて、内窓をつけました。LDKまで視線が抜けるので、明るく、広々と感じられます。さらには、どこにいても家族の気配が感じられて安心感があるというメリットも。寝室の壁には、無印良品の「壁に付けられる長押(なげし)」を設置。小物入れを吊るして、ハンカチなどを収納しています。そして、寝室からウォークインクロゼットの方向を向くと、その先にはリビングが。回遊性のある間取りにしたことで、寝室の内窓をあければ、土間からリビングまで気持ちのいい風が通るようになりました。夫妻のアイデアで、ウォークインクローゼットの壁の一部を有孔ボードに。穴の部分にフックを取り付ければ、バッグなどをハンギングできます。洗面室のすぐ隣がランドリーコーナーとキッチンになっているという、家事効率の良いつくり。各スペースを隔てている扉は既存のものを利用。洗面室から見ると、廊下を挟んですぐ向かいに寝室、その左手にトイレがあります。リノンベーションを振り返って、「リノベーションをする前は、ダイニングスペースで仕事をすることも多く、なかなかスッキリ片付かなかったのですが、ワークスペースができたので、仕事はそこで集中してするようになりました。こまごまとしたものや隠したいものはクローゼットやワークスペースにしまえるので、オンとオフをしっかり切り替えられて、LDKのキレイさをキープできる家になったと思います。」と妻は話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.19巻頭特集「8平米以上の家VS 50平米台の家」では105平米のヴィンテージマンションから38平米(夫婦ふたり住まい)のコンパクトなマンションまで、いろいろな広さのお宅をご紹介しています。「マンションで植物と仲よく暮らす方法」にもぜひ注目を!12軒のバラエティ豊かなグリーンショップガイドつき。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工nu(エヌ・ユー)リノベーション撮影山田耕司
2019年02月18日ふたりで飲食店を経営しているTさん夫妻は、お店の近くに家が欲しいと検討していたところ、友人から築29年のマンションの売却を持ち掛けられました。南北に長い間取りや100平米近い広さに惹かれて、そのマンションを1,950万円で購入。シンプルなデザインを叶えてくれると感じたアネストワンに依頼し、LDKを中心としたゆとりある空間を希望。工事費1,050万円(税・設計料込み)で、シンプルで開放的な、余白たっぷりのLDKを実現させることができました。■ LDKは子どもが遊び回れる大空間にこちらの住戸は南北に長く、リビングが外側へ張り出している面白い間取りでした。この空間にあった小上がりの和室をLDKに取り込むことで、シンプルな大空間が出現。変形間取りの面白さもうまくいかされたLDKになりました。ナラ無垢フローリングと漆喰壁がナチュラルなムードを醸し出しています。LDKを広くとったことで、来客が大勢でも対応がスムーズに。障害物が少ないから掃除も楽なのだそう。「下の娘は無垢材の床が気に入り、夏はよくリビングに布団を敷いて寝ていました」と夫。また、リビングの変形間取りを考慮して、照明は様々な家具の配置に対応できるスポットライトを採用しています。結婚時に購入した2人掛けのソファは、いずれ大きなサイズに買い替えも検討したいとのこと。また、リビングは既存のカーテンボックスとともに、天井の板張りを残し、ダイニング側とは少し異なる雰囲気にして変化をつけました。現在はダイニングやリビングが子どもたちの遊び場。キッチンから見通しがいいので目が届きやすく、家族の会話も自然と弾みます。全体にシンプルな家具構成で空間をスッキリと。ダイニングのLED照明はアネスオワンのアンテナショップ「トリノス」で購入したものです。■ シンプルなLDKはオリジナルキッチンでメリハリをシンプルなLDKで存在感を放っているのは、このオリジナルキッチン。凹凸の表情がユニークな腰壁は、長さや厚みの異なる木の部材を組み合わせています。キッチンとダイニングの動線はシンプルなので、行き来がスムーズ。眺めがよくなかったキッチンの腰窓は、必要な光を取り込むだけの小窓に縮小しました。当初は、キッチン横に食器棚を造作する予定でしたが、予算の都合で今回は見送りに。その分、サービスバルコニーに続くキッチン裏側のスペースを広いパントリーにし、収納量を確保。キッチンまわりのストック品を、デッドスペースにうまく収めることができました。また、キッチン横の壁はタイル貼りにしてアクセントに。「こんなのがいいな、と思って選んだものがたまたま外壁用で、結果コストも安く抑えられました」と妻。■ やさしい風合いの寝室と子ども室寝室側へと続くLDKの漆喰壁は、やわらかな表情を演出するアールのデザインに。廊下側から見ると、空間が奥深く広がるような期待感を抱かせます。その壁の向こうにあるのは、大型のウォークインクロゼット。こちらは元々、書斎として使われていた個室だったそう。寝室は壁にグレーのアクセントクロスをあしらって、落ち着いた雰囲気に。ベッド側にはカーペット、通路部分にはフローリング調フロアタイルを採用しています。女の子2人なので、子ども室はあえて分けず、1か所にまとめました。白系のフローリング調フロアタイルとグレーのクロスで北欧風の内装に。ニュアンスのある型ガラス、ゴールドのレバーハンドルを付けたドアとお似合いです。スクエアなボウルを組み合わせて家具のように仕上げたオリジナル洗面台。娘たちが朝の同じ時間帯に使いやすいように、鏡は大きめにしたそうです。「オープンにしたシンク下は椅子や体重計の収まりがいいですね」と夫。右の写真は、サニタリーから廊下に出たところ。廊下にも漆喰壁やナラ無垢フローリングを採用しています。玄関は漆喰壁の保護を兼ねて、足元のみ土間と同系色のタイル貼りに。リノベーションを振り返って、「掃除がしやすいし、居心地がよくてリビングに家族が集まりやすくなりました。今後はもう少し家具を揃えたり、眠っている雑貨を飾ったりしたいですね。」と妻は話してくれました。過剰なものを省いたニュートラルな空間だからこそ、子どもたちの成長に合わせて柔軟に変えていく楽しみもあるといいます。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.19巻頭特集「8平米以上の家VS 50平米台の家」では105平米のヴィンテージマンションから38平米(夫婦ふたり住まい)のコンパクトなマンションまで、いろいろな広さのお宅をご紹介しています。「マンションで植物と仲よく暮らす方法」にもぜひ注目を!12軒のバラエティ豊かなグリーンショップガイドつき。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工アネストワン撮影山田耕司
2019年02月14日玉川上水や井の頭公園に近い住宅街の一角に建つM邸。「雑木林のような庭を眺めながら、外で朝食を食べたい」という要望から、Mさん夫妻の家づくりは始まりました。そのため、住宅設計時に造園家が入って庭づくりも同時に進行。日々の暮らしの中に、雑木の庭を見事に取り込んだM邸をご紹介しましょう。■ 庭の奥行きを最大限に生かしたプラン焼杉の外壁と緑のコントラストが美しいM邸です。建築家の佐久間徹さんは、約53坪の敷地の北側にL字型の家を配し、建物に対して約45度振った四角いテラスを南側に配置しました。限られた敷地の南の角まで長い距離が確保でき、奥行きある庭の眺めが楽しめます。テラスはよく見ると角が欠き取られ、そこにシンボルツリーのソロが植えられています。こちらは造園家・栗田信三さんの発案です。「建築家はとかく四角くしたがるのですが、栗田さんはそれを崩したかったんでしょうね。また、われわれは平面で考えがちですが、造園家は空中にある枝や葉がどう広がっているのかを意識する。おかげで普段できないような、いいコラボレーションができました」(佐久間さん)ソロは将来は大きく生長し、テラスをすっぽり包み込む予定だとか。数年後の庭の変化が楽しみですね。こちらは敷地の南側の庭。中高木、低木、下草を合わせて、まさに雑木林のように。奥に高木のヤマモモが植えられ、奥行きを感じさせます。■ テラスと庭、室内の心地よいつながりのある空間テラスは、LDKがある1階から斜めに張り出すように設けられています。テラスに面したコーナーには大開口を設け、外とのつながりを強めています。L字のコーナーに設けた開口部の木製建具は、2面ともすべて引き込めるようになっています。外の空気を、室内に存分に取り込めるのもいいですね。キッチンからも庭の奧まで視線が通ります。左手の書斎からも、窓のすぐ外に植えられた低木越しに庭が見通せるように設計。栗田さんは工事中に何度も現場に足を運び、それぞれの窓からの見え方を確認しながら樹木を入念に選んで植えてくれたそうです。LDの吹き抜けにも注目を!2階の予備室や寝室からも、吹き抜け越しに庭が眺められるのです。「大開口だから、周囲から室内が見えないかな?」と思われるかもしれませんが、その点は大丈夫。隣家が迫っているけれど、こちらの庭に向いた大きな窓がないので、視線はほとんど気にならないとのことです。ちなみに、こだわりの薪ストーブは妻たっての希望で設置しました。庭を囲むようにL字型に配した建物の右袖部分には浴室があります。庭が見える窓によって、さながらリゾートホテルのようにくつろげるバスルームです。窓のそばに植えた低木はプライバシーを守りつつ、低木越しに庭を見通すことで、より奥行きが感じられるとのこと。右の写真は低木のハナユズ。実のなる木があると収穫の楽しみも増えますね。■ 訪れる人をワクワクさせる玄関からのアプローチ敷地入り口から玄関へ誘うアプローチは、「手前の左隅にツリバナの木を植え、アプローチを曲線にすることで、導入部の印象をやわらかくしたかった」と栗田さん。右手のテラスとの間には目隠しの塀を設けました。テラスにつながる入り口の塀はレッドシダー製で、風通しのよい「大和張り」。足元も透かせて、手前と奥の庭の一体感を出しています。アプローチの正面は借景の緑で、「栗田さんはお隣の緑とのつながりにも、すごく気を使ってくれました」と妻は話します。草木を眺めながらゆっくりと歩きたくなるアプローチです。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年12月号」を参考にしてみてくださいね。設計/佐久間徹(佐久間徹設計事務所)造園/栗田信三(彩苑)撮影/伊藤美香子住まいの設計2018年12月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「だから選びました!ハウスメーカーで建てたこだわりの詰まった家」 【第二特集】「毎日緑に触れられる幸せ…ガーデンハウスで暮らそう!」
2019年02月12日愛知県・豊田市のNさん夫妻の家づくりの大前提は「夫が所有する膨大な蔵書やCDを収める場所を確保すること」。そこで設計の依頼を受けた廣部剛司建築研究所の廣部剛司さんは、専用の書庫を作るのではなく”生活空間の一部”にライブラリーを作ることを考案しました。玄関から奥のLDKにつながる廊下を「ライブラリーコリドー」と名付け、家族の歴史と文化を育む夢の空間が完成しました。その圧巻の空間をご紹介いたします。■ まだまだ”増殖”できる!壁一面の書棚「ライブラリーコリドー」13mの長い廊下。その片側の壁は斜めに傾き、吹き抜けの上部は三角形に閉じられています。対面する壁は一面が本棚に覆われ、まさに圧巻の眺め。ライブラリーコリドーのスケールに驚かされます。書棚の縦のラインは、壁の強度を担う構造体としても機能しており、横のラインは棚板を必要に応じて上に増設が可能。最下段には扉をつけることで、おもちゃや雑貨を収納できるようにしているんだとか。収納量が増やせる書棚は、写真をディスプレイするとまるでギャラリーのよう。子たちの成長とともにその表情を変える壁面は、眺めるだけで家族のストーリーを語ってくれます。こちらはライブラリーコリドーを2階から見下ろした様子。その廊下の長さに気付かされます。11歳のお子さんは登校前に読書をするほどの本好きで、その好みもご主人似。「学校の図書館よりもウチの書棚の方が好みの本が揃っているみたい」と妻が言うように、このライブラリーコリドーは家族をつなぐ大切なスペースになっています。コリドーの突き当たりには三角形の高窓があり、その明るさに視線が導かれ、まるで光の奥へ誘われるような不思議な感覚に。階段からの風景は斜めの壁がよりはっきりと映え、そのダイナミックさは感動もの。2階に見える扉は寝室、その右を奥へ進むと子ども室があります。■ 全開放可能な窓で大空間LDKを実現「親子で料理ができるように」という妻の思いから、キッチンはゆったりとしたスペースを確保しています。天板に黒の人造大理石をあしらったキッチンは造作で製作し、リビングの家具の雰囲気とマッチ。一体化しているリビングとダイニングは、家族の今がギュッと集まる団らんの場となっています。道路側には平屋のお茶室があるため、それが目隠しになって通りからの人目を気にせず中庭が利用できることも子育て世代のファミリーには高ポイントです。さらに窓は全開放可能で、解放することでリビングとの一体感もアップ。床がタイル敷きのためストライダーやプール遊びももちろん可能です。サッシは開けたときにフレームが残らないように設計されており、閉めた状態でも上下の枠が見えにくいような収まりになっており、細部までこだわりが感じられます。■ 部屋が広く感じられる”斜め壁”マジック三角形のライブラリーコリドーを実現した壁は、他の部屋でもそのまま”斜めの表情”として生かされています。例えば2階の子ども室。斜めの壁で空間的な広さはアップ、さらに壁の開口越しに書棚を利用できるんです。1階の洗面室と浴室も、”斜め壁”をそのまま。ちょっと不思議な空間は「スライドドアも斜めの壁に沿わせるため、特別のディテールを考案しました」と廣部さん。ボーダータイルをあしらった明るいバスルームにも、設計のワザが光ります。可愛らしい小窓を配置し、バスタブにつかると、ちょうど中庭のグリーンが見えるようになっています。解放感が広がり、そこで過ごす時間はまさに贅沢の一言です。■ “離れ”のお茶室はちょっとした隠れ家に将来、茶道教室を開く夢を持つ妻のために、お茶室は生活エリアと切り離した玄関横に配置しています。他の部屋とは違う雰囲気の”離れ”のようなお茶室は、子どもたちも、ちょっと一人になりたいときに利用するんだとか。気分転換や隠れ家には最適な場所になっているようです。三角形のライブラリーコリドーを実現した外観はどのようになっているのでしょうか?外観は全体的にボリュームを抑え、あの三角形は突き出したような形になっており、エントランス周りの象徴的な存在となっています。家族の”好き”を外さない家づくりの実現は、自然と家族の”輪と和”を育む家となっていました。もっと詳しく見たい方は、「住まいの設計2018年10月号」も参考にしてみてくださいね。設計/廣部剛司建築研究所撮影/桑田瑞穂住まいの設計2018年10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】編集部がオススメ!あなたの「好き」を実現する家、教えます。 【第二特集】使いやすい。片付けしやすい。楽しい。そんなキッチンと暮らしませんか?
2019年02月09日結婚を機に中古マンションの購入とリノベーションを考えたTさん夫妻。京都で素材感を生かしたリノベを手掛けるリボーンキューブのセンスに魅せられ、一緒に物件探しから始めることに。通勤の利便性、自然豊かな環境、家族が増えても大丈夫な80平米以上のゆとりある広さという条件を叶える築42年の物件を見つけ、1780万円で購入。プロダクトデザインをしている夫のラフプランをベースに、工事費1,000万円(税、設計料、施主支給分込み)にて、フレキシブルに変化できる広々とした住まいを実現させました。■ LDKには余計なものを置かないことで開放的に普段多くの時間を過ごすLDKをできるだけ広く、と希望したTさん夫妻。もともとのLDKで飛び出していた収納を撤去して、天井をスケルトンに。そしてキッチン腰壁のモザイクタイルやグレーの壁をアクセントにしました。余計なものをLDKには置かないことを徹底したことで、広さがより際立つ空間になりました。また、キッチンカウンターの延長として造り付けた作業台は、夫婦で並んで料理をするときなどに重宝しているそう。キッチンは壁付けから対面式に変更し、イケアのキャビネットと業務用ガスレンジを組み合わせて造作しました。トールサイズのキッチン収納も同じく造作。右側はパントリーとして、左側はお気に入りの食器やグラスを飾って”見せる収納”として使っています。LDKの壁沿いにはベンチ棚を造作しました。普段は収納として使い、大勢のゲストが訪れた時にはベンチとして大活躍しています。また、バルコニーからは周囲の山並みを見晴らせます。2階でありながら、自然豊かなロケーションをたっぷり堪能できるそう。寝室とバルコニーの間には、室内干しスペースを設けました。また、寝室とLDKの間には室内窓も設置。室内窓は上3枚が開閉式で、寝室側からの風や光をLDKに呼び込むことができます。■ 寝室まわりは快適動線で家事効率アップLDKに隣接した寝室へは、ウォークインクロゼットを経てアクセスできる快適動線。「バルコニーや室内物干しスペースから、寝室を通って行き来できるようにしていただいているので、取り込んだ洗濯物を効率よく収納できるんです」と妻。ウォークインクロゼットは、「来客用の布団を置くには少し小さかったかと思いますが、衣類をおさめるだけなら問題ありません」とのこと。というのも、マンション内に別途トランクルームがあり、季節ものはそちらにストックしているからだそう。寝室はミニマルに設計しました。室内物干しスペースにつながる奥の部分は、腰壁のみにとどめて圧迫感を解消。必要に応じてブラインドで目隠しするスタイルで、右側の”ウエスタン扉”から出入りできるようにしました。床は足触りのいいサイザル麻カーペット。将来の子ども室を想定したフリールームは、2室に分けることも可能です。室内窓を付けたことで、土間側からの光も取り込めるように。■ 自転車を2台置いてもゆとりある土間「玄関に2人分の自転車やサーフボードを置きたいとお願いしたところ、奥行きのある土間の提案をいただいたんです」と夫。玄関前の個室の位置を少しずらし、奥まで貫く広い土間スペースを造りました。そして、窓からの光を生かすために個室側に室内窓を設置し、足場板でラフに仕上げた下駄箱を添えています。また、正面奥の壁のみ黒く塗装することで、奥行きある空間を引き締めています。マンション内にも半屋外の駐輪場はありますが、この土間のおかげで自転車の傷みや盗難の心配もありません。ディスプレイも兼ねて身近に置ける点も気に入っているそう。また、いずれ子どもができたときにはベビーカーを置くスペースとしても使う予定です。サニタリースペースは廊下沿いに。洗面台やミラーキャビネットは、夫が抱いていたデザインイメージをもとに造作しました。トイレは奥の壁にあしらったターコイズブルーが印象的。「新婚旅行先のギリシャで見た青いドーム屋根の色に魅せられ、どこかに取り入れたいと思ったんです」と夫。コンクリート、木、鉄といった素材のラフさを添えたスタイリッシュなT邸。「それほど大きく間取りを変えているわけではないのですが、天井板を取り払ったり、室内窓をつけたりすることで解放感が増したおかげもあり、より広がりが感じられるようになりましたね」と夫妻は話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.20」も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.20【巻頭特集】マンションリノベ成功のためのマストアイテムW.I.C 玄関土間 パントリー がある家はいつもキレイ!【第2特集】マンション内同居、近居、二世帯…どうする? 実家との距離【第3特集】どっちがおトク? フルリノベVS部分リノベ【第4特集】どこまでできる? やってみてどうだった?※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工リボーンキューブ撮影宮野正喜
2019年02月07日アクセサリーから日用品まで、多くのアイテムが300円で手に入る〔3COINS(スリーコインズ)〕。今回はそんな〔3COINS〕で見つけた「#宅トレ」グッズをご紹介いたします♪「お正月、ちょっと食べ過ぎちゃったな……」なんて方は必見ですよ!《カウンター付き縄跳び》●価格300円(税別)まずご紹介するのは《カウンター付き縄跳び》。今回のテーマカラーのショッキングピンクとブラックがかわいいですよね♡なんとこの縄跳び、ただの縄跳びじゃないんです。飛んだ回数がわかるカウンター付きなんです♪一生懸命トレーニングしていると、何回飛んだかわからなくなってしまいますが、これなら正確な数字がわかるので、助かりますよね。《エクササイズフープ》●価格300円(税別)続いてご紹介するのは《エクササイズフープ》。大きいフラフープってなかなか見つからないのですが、〔3COINS〕にありました♪こちらもテーマカラーのショッキングピンクとブラックの組み合わせです。テンションの上がる色ですよね!《エクササイズフープ》はバラバラにすることもできるので収納もラクラク。エクササイズ用としてもいいですが、お子さんの遊びにも使えますよ!《かかとアップスリッパ》●価格300円(税別)続いてご紹介するのは《かかとアップスリッパ》。もちろんただのスリッパではありません!履いてみると、土踏まずまでしかソールがないので、自然とかかとが浮き爪先立ちになるんです。またエアボールがついているので足裏のツボを刺激してくれます。お部屋の中を歩くだけでエクササイズできるなんてうれしいですよね♪《ウエストポーチ》●価格500円(税別)最後にご紹介するのは《ウエストポーチ》。「宅トレ」だけではなく、外でも頑張りたい方にオススメです。500円(税別)商品なので、購入の際には気をつけてくださいね!ポーチ部分は伸びる素材でできているので、大容量です。お財布やスマホなどを入れられますよ♪その横には小さいペットボトルがぴったり。かなりぴったりサイズなので、落ちる心配もありません。〔3COINS〕の宅トレグッズで運動しよう!今回は〔3COINS〕で購入した宅トレグッズをご紹介いたしました。冬休み明けて、「なんだか運動できてないな……」という方にオススメです♪どれもリーズナブルな価格で手に入るのに、クオリティが高いですよね。気になる方はぜひチェックしてください!
2019年01月29日「住宅ローンを組むなら今が低金利で、年齢的にも考えどき」と、マンション購入を検討し始めたOさん夫妻。広いルーフバルコニーがあって南向き、という条件で探していたところ、たまたま妻の実家もある築17年のマンションに物件を見つけました。リノベーションを依頼したのは、アズ建設。工事費750万円(税・設計料込み)で生活動線が快適な住まいを実現させました。■ 仕事コーナーを取り込んだ、ゆったりLDKイラストレーターの妻は自宅が仕事場。専有面積約68平米のなかに仕事部屋を設けることは難しく、ゆったりとしたLDKに組み込むプランを採用しました。LDKはルーフバルコニーがある北側の大開口から光が差し込む、広々と穏やかな空間。床材には、自然な光沢が美しいオークの無垢材を使っています。壁や天井の漆喰は、すべて夫妻がDIYで仕上げたそうです。LDKの一角につくった妻の仕事コーナーとテレビコーナーは、造作の棚でつなぎました。仕事コーナーの収納棚は、夫のDIYによる力作。50平米以上もあるルーフバルコニーには、妻が大切に育てている多肉植物が。今後はルーフバルコニーをデッキ仕様にして、室内と行き来しやすくする予定です。■ 動線にもこだわった、無垢材の温もりあふれるキッチンクリ材を使ったキッチンは「木のすず」という工房のオーダー製品。奥のパントリー、正面のガラス入りのドア、さらには左手の引き戸からも玄関に行き来できる動線です。キッチンの上部にはネットで購入した流木を吊るし、米研ぎ用の竹ザルやエアプランツなどを飾っています。また、パントリーは以前から愛用していた食器棚やレンジがすっぽり収まるよう、設計時に計画。棚板に照明を仕込み、壁面をブルーグレーに塗装するなど、細部にもこだわることで満足度がぐっとアップ。クリ材のキッチンはハンドル部まで天然木を使用していて、ぬくもりいっぱいの空間に野鳥も羽を休めています。■ 土間やニッチを活用した収納玄関に入ると正面にLDK、左手にはウォークインクロゼットがあります。もともとは玄関の右手に洋室がありましたが、その部分を改修して土間を延長。靴収納などに利用しています。土間の奥から左に上がると洗面コーナーへつながる動線。玄関を上がって左を振り向くと建具がずらりと並びます。手前から、LDK、トイレ、パントリー、そして突き当たりが寝室です。玄関からパントリーへの動線ができて便利になったそう。また、これらの建具はすべて施主支給によるアンティーク。間口に合わせて、職人さんが一点ずつ丁寧に調整して取り付けてくれました。O邸のところどころで目を引くのが、壁厚を有効活用したニッチ。場所を取らず、飾るものの存在感を引き立ててくれる点も魅力です。トイレにもニッチをつくり、手洗い器と飾り棚を設置しています。奥の壁に見える小さな扉の内部は、ペーパーストッカー。トイレの裏側にある収納とつながっているというワザありの仕掛けです。土間からつながる洗面コーナーは、ブルー調の様々な柄タイルとトルコのランプが印象的。鏡が大きいので、外出前の身支度もしやすいそう。洗面の通路を抜けるとLDKにつながっています。通路の脇にはバスルームがあり、帰宅後にさっぱりしてからLDKに入れる動線です。北側に位置する寝室は、縦長のスペースを生かしてウォークインクローゼットを新設。S字型にゾーニングすることで、寝室側からクローゼット内が丸見えにならないように工夫がされています。クローゼット内部は2列配置でたっぷりの収納量を確保しました。「仕事と家事がはかどって動きやすいだけでなく、ふと外を見ればのどかな風景が広がり、癒されます」と妻。夫は「都心の職場から帰ってくるとホッとします」と話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工アズ建設撮影/遠藤 宏リライフプラスvol.19日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】「80平米以上の家VS 50平米台の家」【第2特集】ペットLoveなリノベ
2019年01月25日賃貸マンションの更新を期に、家の購入を考えたMさん夫妻。「どうせ同じお金をかけるなら自分たち好みの空間にしたい」と中古マンションを買ってリノベーションすることにしました。物件は神奈川県横浜市で購入しました。駅からは徒歩圏内、平成16年築と築年数が浅め、専有面積は81平米で広いベランダがあるマンションです。リノベの設計・施工は、施工事例の雰囲気や自然素材を取れ入れた家づくりに好感を持っていたスタイル工房に依頼。工事費は920万円(税・設計料込み)でした。打ち合わせの際にはどうしてもリノベで譲れない点として玄関土間、充実した収納、無垢フローリングを挙げたそうです。■ 木の温もりが漂うゆったりとしたLDKリノベのイメージは、ピンタレスト(画像をブックマークして集めるツール)を使ってデザイナーの黒沢拓也さんと共有。広いリビングやふたりで立てるキッチンなどもリクエストしました。リノベ前のLDと和室リノベ前のLD既存ではリビングダイニングに隣接した南向きの和室がありましたが、壁を取り払って空間をひとつにまとめました。広くなったリビングダイニングの床に張ったのは、オークの無垢フローリングです。若干節があるためリーズナブルだったそう。少しずつあめ色に変化していく経年変化も楽しみだといいます。天井の飾り梁は、将来子ども室をつくるときのために取りつけたものです。ダクトレールや吊り戸棚のアイアン、壁のブルーがいいアクセントになっていますね。キッチンカウンターの腰壁には塗装したナラのフローリング材を張ることで、いっそう木の温もりが感じられる空間に仕上がりました。キッチンの右側に見えているのは、パントリーです。「収納を充実させたい」という夫妻の要望に応えて、黒沢さんが提案したもののひとつです。■ 収納内部はDIYでカスタマイズ!パントリーはキッチンからすぐにアクセスでき、しかもリビングに通り抜けることもできる便利なつくり。パントリー内部は下地のみつくってもらい、IKEAの棚などをあとからDIYで設置しました。入れるもののサイズを測ってパーツを吟味したため、家電やゴミ箱などもきちんと収まっています。パントリーのおかげで、キッチンはいつもスッキリ!使い勝手がよく、つくって大正解だったそうです。黒沢さんが提案した収納のもうひとつが、部屋ひとつ分はある広いW.I.Cです。玄関を入ってすぐ右手のアール壁の先にあり、動線も快適。W.I.Cの中央に壁をつくってもらい、IKEAの収納システムをDIYで設置。壁の両面に収納システムを設置することで、収納量をグンと増やすことができました。IKEAならではの便利な収納パーツを組み合わせて、かさばりがちな洋服や靴などもスッキリと収納しています。パントリーの棚も同じものなので、必要に応じて組み換えも可能です。■ ゆったりとした玄関土間も実現!「どうしてもつくりたかった」というゆったりとした玄関土間。土間をW.I.Cと廊下側へ広げる形で実現しました。ベビーカーなどがそのまま入れられて重宝しているそうです。廊下の床はLDKと同じオークの無垢フローリングです。LDK入口は引き戸で、すりガラス入りです。そのすりガラスを通してLDKからの光が廊下にもやさしく漏れてきます。寝室のW.I.Cがあったところは、夫の書斎にしました。「完全に閉じた空間にはならないように」という妻の希望から、リビング側に内窓をつけています。洗面スペースはマリンテイストで統一しました。洗面台下の棚は扉をつけず、カゴを活用して収納しています。トイレは設備と内装を一新。クロスは天然鉱石が配合されたものをセレクトしています。「DIYで収納を取り付けるなどして手をかけたぶん、愛着の持てる住まいになりました」と話してくれたMさん夫妻でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/スタイル工房撮影/遠藤 宏リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい
2019年01月21日吉田さん夫妻は神奈川県川崎市宮前区で平成13年築、専有面積77.26平米の中古マンションを購入。リノベ-ションして暮らしています。以前は賃貸アパートに住んでいましたが、インテリア好きの夫が「家を好きなようにいじりたい」と考え始めたのが住み替えのきっかけだったとか。リノベ会社は勤め先から近いリビタに決めました。リビタには物件探しから入居まで同じコンサルタントがワンストップでサポートしてくれるサービス「リノサポ」があり、「効率がいい」とお願いすることにしたそう。設計・施工は、夫妻の好みに合う会社としてリビタから紹介された錬に依頼。工事費は1200万円(コンサル料、設計料含む)でした。夫妻はふたりとも食品関係の仕事をしていて、食べることが大好き。リノベでは「映画『かもめ食堂』のように」とリクエストするなど、キッチンにはとくに思い入れがあったようです。■ ホームパーティにぴったりのキッチン!完成したのは、存在感たっぷりのアイランドキッチン!キッチン右側がダイニングで、夫が座っているのはダイニングテーブルのベンチの役割も果たす小上がりです。リノベ前のキッチン既存では、LDとは離れた奥まったところにキッチンがありました。リノベではキッチンがLDKの主役に躍り出たわけです。料理は夫妻そろってするので、ふたりで立てる広さになっています。壁やカウンターのタイルは、何度もサンプルを取り寄せるなどして厳選したものです。ゲストをたくさん呼んでホームパーティーをするため、夫妻は大きなダイニングテーブルも要望。キッチンカウンターとダイニングテーブルの間に同じ素材の板を渡せば、ひとつの大テーブルとして使えるように工夫されました。ベンチ代わりにもなる小上がりの下は、引き出し式の収納になっています。リノベ前のLD「リビングを広くしたい」というのも夫妻のリクエストのひとつでした。既存ではLDと隣接していた和室と洋室をなくし、広々としたLDKを実現しました。■ スッキリと暮らせるのは収納のおかげ!キッチンとダイニングの間、アール壁の先にはパントリーがあります。収納量の多いパントリーは、キッチンと同様に夫妻が要望していたもの。このパントリーのおかけで、スッキリとしたキッチンをキープできています。棚はIKEAのものです。夫が床を塗装したときに余った塗料を塗ったら、まるで造作したような仕上がりになりました。洋服やアウトドアグッズなど趣味のものが増えたとのことで、W.I.Cも要望していた夫妻。左は以前キッチンがあった場所に設けたW.I.Cです。壁の両側にハンガーパイプを、上部に枕棚を設けて収納量を高めています。そして右は第2のW.I.Cです。洗面脱衣室の一部にハンガーパイプ、枕棚などを造作してW.I.Cにしました。洗面室とバスルームには寝室からしかアクセスできないつくりにして、プライバシーを高めています。洗面台の向かいは洗濯機置き場なので、家事動線にもムダがありません。■ キャットステップで猫も大満足!以前は玄関が狭く、廊下を挟んで物入れがありましたが、そこをすべてゆったりとした土間に変更しました。玄関ホールと寝室の壁は、Yさん夫妻と友人で塗ったものだそうです。リノベ当時は飼っていませんでしたが、設計では猫を飼うことも前提にプランニングしてもらいました。寝室にはリビングへ自由に行き来できる、猫用の出入り口を設けました。壁にはキャットステップをつくって、出入り口からやってきた猫が下りやすいよう工夫されています。リビング壁の天井近くにはキャットウォークも設置されました。ステンドグラスが入ったドアはリビング入り口、右側の引き戸がトイレの入り口です。トイレ内には換気扇付きの猫トイレスペースも設置しました。「やり残した感がまったくない。住んでいて大満足です!」と夫妻。リノベ後に迎えた2匹の猫ものびのびと暮らし、満足そうでした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。プロデュース/リビタ設計・施工/錬撮影/山田耕司リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい
2019年01月19日「自分たちの好きなスタイルにできる点に魅力を感じていました」という中古マンション×リノベーションで理想の住まいを手に入れたHさん。リノベ会社として選んだのはEcoDecoです。「住み手の好みやライフスタイルを大切にくみ取ってくれそう、と感じました」(夫妻)。EcoDecoには物件探しから依頼。購入したのは希望していたエリア内・東京都江東区にある昭和56年築、専有面積が86.91平米の物件です。環境がよく、十分な広さがあり、南向きなのも魅力的だったといいます。リノベは1,460万円(税・設計料込み)で行いましたが、「家づくりを悔いなくやりたかった」(夫)と設計者を決める際にはコンペを実施。その上でプロデュース・設計をEcoDecoに依頼しました。■ 家族みんなの顔が見えるキッチン!新居に対する要望はたくさん出したそう。そのなかでも妻がいちばん望んだのは「食べることが大好きなので、キッチンを中心にして家族の気配が感じられる家」というものでした。既存のLDKはL字型でしたが、廊下や収納を取り払って、より空間の一体感が味わえる四角いスペースとしました。LDKと玄関土間の間にはガラス入りのドアと室内窓を使うことで、帰宅した家族の姿がよく見えるようにしています。既存では壁付けだったキッチンは対面式に。調理中でも子ども達の様子がよくわかるようになりました。キッチンユニットと面材の一部はIKEAのものです。キッチン壁面のタイルは夫妻そろって惹かれたというヒースセラミックス社製です。リビングから見ても美しいですね。上部には梁をうまく利用した棚を設けて、オーディオ機器をすっきりと収めています。2列配置のキッチンは通路幅が1m近くあり、2人同時の作業もラクラクです。キッチン通路の奥はパントリーです。「調理中でもサッと必要な食材がすぐ取り出せるので便利」(妻)。そしてパントリーを抜けると、なんと!玄関土間にアクセスできます。■ 回遊できる動線を可能に! 使い勝手バツグンの玄関土間夫が出した要望は玄関土間です。「自転車でのトレーニングが趣味で、メンテナンスもしたいので、土間をうまく使いたいとお願いしました」(夫)。そこで、玄関土間を東側の壁際まで延長し、既存の3倍以上の広さを確保しました。玄関土間にはLDKからの光がガラス越しに届きます。玄関土間からは直接、洗面コーナーやバスルームに行ける形にもなっています。「子どもたちが泥んこになって帰ってきても直行できて大助かり」(妻)。玄関土間→洗面コーナー→LDKまでぐるりと回遊でき、行き止まりがありません。洗面コーナーの隣が洗濯機置き場になっていて、家事動線も快適です。トイレは既存よりも少し広くし、収納をプラスしました。■ 家族の変化を受け止める間取りとは?既存では、和室が3間並ぶ形でした。和室の一部を洋室に変更し、主寝室にしました。デッドスペースになりがちな上部も収納として有効活用しています。W.I.Cは主寝室とオープンにつながっています。W.I.Cは通り抜けでき、開閉の手間を省くために扉はありません。「天井近くまで棚をつくったので、たっぷり入ります」(夫)。間取りでは「私たちの暮らし方の変化を受け止めてくれる間取りやデザインに」(夫)との要望も出していたそう。W.I.Cの裏側は夫がDIYでつくったデスクのある、家族共用のスタディスペースです。スタディスペースの南側はキッズスペースとして活用。将来は壁で仕切り、個室にすることも可能です。「仕切り方は様々考えられるし、子どもたちの成長に合わせて変えていきたい。だから、余白を残しておいてもらってよかったと思っています」(妻)リノベを終えて「借り物ではなく、自分たちで思い描いた家を実現し、ようやく主役になれた気がする」とも話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。プロデュース・設計/EcoDeco撮影/水谷綾子
2019年01月16日ともに仕事が忙しく、都心で駅近という条件が必須だったという千葉さん夫妻。夫妻揃って持ち物が少なく、40平米未満の家に妹と暮らしていた妻の経験から、立地を重視して38平米、築18年のマンションを購入。コンパクトなワンルームをうまく生かしてくれそうなクラシフォンにリノベーションを依頼し、工事費300万円(税込み、設計料別)で狭さを感じさせない住まいを実現させました。■ 狭さはアイデアで克服! 工夫あふれるLDK人を招くのが好きな千葉さんはキッチン中心の家をオーダー。プランニングはまずキッチンの配置から始めました。「できるだけデッドスペースをつくらず、視線を対角線上に通して広く見せる。空間を最大限活用するため、ミリ単位の調整を重ねました。」と話すのは、設計を手掛けたクラシフォンの瀧内未来さん。キッチンの主役は、変幻自在な造作テーブル。キッチンの側面に取り付けた折り畳み式の天板を起こせば、最大8人まで着席できるそう。また、ダイニングテーブルの足には、高さを変えられるガス圧昇降式を採用。ペダルを踏むだけでバーテーブルにも早変わりします。ダイニングテーブルの下には、キッチンの側面に取り付けた延長用の天板も。タテの空間を有効活用することで、LDKは狭さや窮屈さとは無縁。また、ちょっとしたスキマにも収納棚をつくるなどして、空間を余すところなく活用しています。シンク裏のデッドスペースにも棚を設けて収納にしました。「この棚のおかげで、テーブルの上が片付きます」と千葉さん。ダイニングの照明は「後藤照明」で見つけたものです。キッチンと玄関の間の壁はタイルで仕上げています。玄関からリビングに視線が抜けるよう、壁の量にも工夫を凝らしました。キッチンは作業効率を考え、テーブル、シンク、コンロを一列に並べました。動かせない排水管があったため、ミリ単位での配置がなされ、一番端の冷蔵庫は壁を削って収めたそうです。■ 寝室まわりはスペースを有効活用寝室はベッドに合わせて幅を決め、夫の身長から床の高さを割り出しました。開口部には、夫が壁と同じ色で塗装したアンティークの扉を設置。床のクッションフロアはシャビ―なテイストのものに。そしてそのベッド裏には、将来の書斎スペースも!今は来客時に物をしまったり、着替えをしたりと、多目的に使っています。当初は寝室を北側に寄せ、ソファスペースを広く取る予定でしたが、このように変更して正解だったと夫妻は言います。そして寝室の床下には、二方向からアクセス可能な収納を確保。キッチン側には棚を設け、食器棚として使っています。撤去した下駄箱の扉を再利用することで、自然な一体感を演出。また、寝室の壁にはニッチをつくり、ブックスタンドに。床面積がコンパクトで家具が置きにくい空間では、わずかな収納スペースが重宝します。寝室前には謎の白いボックス!こちらは寝室に上がるための階段です。テーブルやベンチにもなるという3WAYで、最上段のボックスを移動すれば、テーブルに早変わり。そこにストライプ柄のカバーをかけ、半円パラソルを開けば、あっという間に非日常の空間に。家にいながらリゾート気分を味わえます。■ 既存の設備や建具を上手に活用もともとキッチンがあった場所にはシューズクロゼットを新設。ガラスの扉は既存のもので、あえて中を見せることでショップのようなディスプレイ効果が得られました。シューズクロゼット右手の目隠し壁には小窓を設置しています。サニタリーは大理石の床や壁で豪華な印象。すでにリノベ済の物件だったため、便器とシャワーヘッド以外は、既存の設備をほぼそのまま利用しています。3面に窓がある物件なので、浴室も十分な明るさを確保できています。こちらは浴室方向からみたリビング。壁や建具は白やガラス、床は明るい色を選ぶことで広く見せています。ソファは1シーターと2シーターを組み合わせ、背を両脇に向けてアーム代わりにしているそう。週末にはパラソルの花が咲き、テーブルはバーカウンターに変身し、ゲストの笑い声が響く。狭さをネックととらえずポジティブな発想で住まいを楽しむ極意を、この家は教えてくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工kurachiffon(クラシフォン)撮影/山田耕司
2019年01月14日親族が所有していた、環境、アクセスともに良好な築30年のマンションをリノベーションして住むことにしたOさん夫妻。リノベーションを依頼したのは、エム・デザイン。「工事費を安くするのではなく、適正価格で提供したい」という、代表の藤原真紀子さんの考え方に共感したそう。設備の施主支給やDIYも取り入れ、工事費630万円(税・設計料込み)でラフでカッコいい住空間を手に入れました。■ 男前でインダストリアルなLDKもともとは地下で薄暗かったという室内。ベランダ側の2室を撤去し、奥のキッチンまで光を取り入れることで明るいLDKに一新しました。床は小学校の床をイメージし、ダメージ加工を施したオーク材を使用しています。また、LDKにはやや目立つ梁がありますが、モルタルでの補修と黒い塗装をすることで、インテリアにスッと溶け込むアクセントに。壁はモスグリーン、建具はネイビーで統一しています。壁付けだったキッチンは、コンロだけを切り離して2列配置に。「横移動より、振り向いた方が効率的」と妻。LDKのラフな空間に馴染むよう、システムキッチン側面の化粧板をはがし黒く塗装しました。また、洗面台の移動により置き場がなくなった洗濯機は、キッチンへ。台所仕事をしながら洗濯がこなせて便利で「ベランダに近いので、干すのもラクチン」とのこと。洗濯機左手のドアの先はサニタリースペースです。ダイニングは躯体や配管を現しにし、インダストリアルな雰囲気に。家電棚はダルトンのガレージ用。テーブルは集成材にオイルステインを塗り、アイアンの足を付けたオリジナルです。ラフでカッコいい空間に、男前テイストの家具がよく似合っています。■ LDKの一角を書斎や収納に有効活用明るいベランダ側には、ブックシェルフで間仕切りした書斎を設けました。小さな空間ですが、書類の整理やパソコン作業など、ひとりの時間を確保できる貴重なスペース。シェルフは木製で、フレームをツヤ消しの黒で塗装してアイアン風に仕上げています。リビングの一角には、シェルフを組み合わせたショップのストックヤード風の収納スペースが。天井の撤去で現れた天井吊り用の穴にボルトを差し込んで板を渡し、ハンガーバーをDIYしています。また、壁はトイレと洗面所以外、5日かけて自分たちで塗装。家具の多くもカスタマイズして、好みのテイストに仕上げています。■ オープンクローゼットでゆとりある寝室に8畳の洋室の壁もモスグリーンに塗装。LDKより明度を下げて落ち着きを演出しています。寝室にもともとあった壁一面の収納は、思い切って撤去。天井からガス管を吊り下げ、壁際をオープンなクローゼットスペースにすることで、広々とした寝室になりました。既存の洗面台を取り外し、洗濯機置き場だった場所に洗面台を新設。床はユニットバスの壁面に合わせて、モザイク柄のフロアタイルを採用しました。トイレの壁は明るいグリーンで爽やかな雰囲気に。また、玄関は既存の下駄箱を撤去し、たたきを拡張しました。それに伴い、隣接する洗面所の出入り口も移動。家全体の建具やクロスの統一感にもこだわり、玄関ドアの内側もネイビーに塗装しています。「素材や設備を自分で選べる自由度の高さは、リノベならでは。予算という制限はありますが、空間を一から作る作業は本当に楽しくって。予想以上の出来栄えで居心地がよく、家で過ごす時間が増えました」とOさん夫妻はうれしそうに語ってくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工エム・デザイン撮影/山田耕司
2019年01月10日東京都品川区に住むKさん夫妻。夫が独身時代に3,100万円(購入時)で購入したマンションを、工事費700万円をかけてリノベーションして暮らしています。立地がよく、眼下に桜並木が広がる都内でも人気のヴィンテージマンション(昭和45年築)です。専有面積は51.09平米とややコンパクトで、直角三角形のような変形のワンルーム。本当は結婚を機に、住み替えを考えていました。ところが、なかなか気に入る物件に出会えないうちに、この部屋の素晴らしさを再認識したといいます。「とにかく桜が見事なんです」と妻。リノベーションは何社か選んだ中から、対応がスムーズだった空間社に依頼しました。夫婦ふたりで快適に住めるように計画が進むなか、急きょ子猫を家族に迎えることになったそうです。■ 猫トイレの置き場所に技アリ!「猫を飼うことはまったく考えていなかったのですが、ぱんちゃんに出会ってしまって……」と、Kさん夫妻。空間社は柔軟に対応し、猫の快適さもプラスした住まいになるよう工夫しました。今ではバターくん、みるくちゃんも加わり、夫妻は3匹の猫とともに暮らしています。猫を飼うにあたって、まず悩むのが猫トイレの置き場所ではないでしょうか。K邸の玄関からLDKへ向かう廊下の壁には小窓があり、そこを抜けると洗面台の下を利用した猫のトイレスペースになっています。洗面台の下の扉を閉めれば見えなくなるので、来客時も気になりません。猫トイレは下足棚の下にもあり、ぱんちゃんが乗っているものがそれ。深型で、砂が飛び散りにくいタイプです。下足棚は斜めの壁を利用していて、収納量を十分確保しつつ、オープンにすることで圧迫感をなくしています。リビングのドアには、キャットスルーを設けています。設計を担当した空間社・宮本泰則さんが、猫が通りやすい素材を厳選してつくった自信作です。リビングの壁面には、猫が大好きなキャットウォークを設置しました。夫愛用のオーディオ機器が収まるように造作された、テレビボードから上っていけるつくりです。■ 変形のワンルームを機能的に、暮らしやすく!キッチンは玄関の近く、壁が斜めになった部分にありましたが、明るい南側に移動してリビングと一体化。ダイニングテーブルを兼ねるアイランドキッチンとしました。10センチ角タイルや見切りのオーク材、腰壁の羽目板にレトロ感が漂うキッチンです。壁側にはIKEAのキャビネットを設置しました。扉の色と取っ手は空間に合うよう変更しています。キッチン隣の窓際は、妻のデスクコーナーです。春になると、この窓から桜並木が見下ろせます。以前は玄関土間に置いていたという洗濯機は、左手の白い扉の中に収めました。家事動線もスムーズです。unicoのソファを配したリビング。床にはオークの無垢フローリングを張りました。白い引き戸の先は寝室で、リノベ前は防音室があった部分を利用しています。寝室には内窓が設けられています。キッチンがあった場所には、本やCDがたっぷり収納できる書斎もつくりました。夫が趣味の楽器演奏を楽しむスペースになっています。トイレは床の白いタイル×黒い目地の組み合わせがアクセントになっています。洗濯機スペースだった玄関土間には、この空間のサイズに合わせてオーダーした収納家具とベンチを設置しました。夫妻にとって機能的で生活しやすく、猫たちも快適に暮らせるご機嫌な住まいとなりました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.27』も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/空間社撮影/山田耕司
2018年12月30日やせない言い訳やめてみた12月19日、インスタグラムで約10万人にフォローされているルアナ(LUANA)氏によるダイエット法を掲載している新刊『宅トレだけでここまで変われる!やせない言い訳やめてみた』が発売された。A5判で112ページ、価格は1,300円(税別)、発売は主婦の友社からである。くびれ・美脚・美尻の作り方現在、33歳で3姉妹の母であるルアナ氏は、一人で続けるダイエットでは、食べ過ぎても咎める人もなく、やせても褒めてもらえないことから、挫折してしまうのではないかと考え、インスタグラムでその様子を公開。体重59kgからの12kgの減量に成功し、多くの女性の支持を集めている。新刊『宅トレだけでここまで変われる!やせない言い訳やめてみた』では、運動する時間がない、出産したから仕方ない、年齢で代謝量が落ちたから仕方ないといった自分に対する言い訳をやめて、糖質制限もジム通いもストレスもない自宅でできる簡単なトレーニングが紹介されている。基本となるのはワイドスクワットで、パーツ別ではくびれの作り方や美しい脚の作り方、美しいヒップの作り方も紹介。また、インスタグラムで募集した質問にルアナ氏が回答する「やせるQ&A」のページも設けられている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※宅トレだけでここまで変われる!やせない言い訳やめてみた - 株式会社 主婦の友社
2018年12月28日