社会派人気ブロガーのちきりんさんが、ご自宅をリノベーションして得られた多くの学びを「これからリノベする人」にも共有したい!と考えて書かれた『徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと 』(ダイヤモンド社)を出版したと聞きつけ、一番乗りで取材へ。自宅をフルリノベした人気ブロガー・ちきりんさんのリノベ体験談やリノベーションの考え方などを4回にわたってお届けしています。第3回目のテーマは「リノベの予算」です。プランニング中に何度も顔を出しては施主を悩ませる “予算調整”。でも、ちきりん流で論理的に考えるとスッキリ解決しちゃうかも。■ 「予算いくら?」という質問の真意freeangle / PIXTA(ピクスタ)個別相談に行くと必ず聞かれる「予算はいくら?」という質問。いやいや、いくらくらいでリノベができるかこっちが聞きたいくらいだよ、という人も多いでしょう。それでも聞かれる予算。なぜリノベ会社はそこまで予算を聞いてくるのでしょうか。それは、予算によって見せる世界が変わってくるから。例えば、予算2000万円なら間取りを大胆に変更し、ふんだんに自然素材を使い、豪華なキッチンやバスルームを備えるプランも提案できます。でも、予算500万円の人にその煌びやかな世界を見せても無意味です。もちろん逆も然り。だとしても、無垢フローリングにするといくらかかるか、オーダーキッチンはいくらで作れるかを知らないのに予算なんて組めないよ、と思うかもしれません。ところが、リノベ会社にとってもこの段階でそれを明示するのはとても難しいのです。というのも、ひとことでユニットバス、もしくはオーダーキッチンといっても、ピンからキリまで大きな価格差があるからです。リノベ費用の多くは設備の材料費よりも人件費です。fujiyaman / PIXTA(ピクスタ)例えば床材。ヘリンボーン貼りはとてもおしゃれですが、貼るのに時間がかかる上、無駄になる端材も発生するため面積以上の床材が必要。だから「床を無垢にするといくらかかりますか?」と聞かれても、リノベ会社も明確に答えられないのです。そうなると、予算は自分で決めるありません。ではその予算はどうやって決めたらいいのでしょうか。■ 「月いくら払えるか」から予算を考えるYNS / PIXTA(ピクスタ)貯金がいくらあるから、ローンがここまで組めるから、だから予算はこれだ! と決める人、または施工事例を見てだいたいの予算感をつかむ人もいるでしょう。でも、もっと論理的に予算を決める方法があります。それは、「リノベ後の家に、月いくらの家賃を余分に払えるか考えること」です。ちきりんさんはまず、リノベをした後、何年ここに住むだろうと考えました。その答えは「できれば20年は住みたい」。次に考えたのが「今の部屋と新しくなった部屋、もしどちらも賃貸だったら、何万円、家賃が高くても新しい部屋に住みたいか」そういう流れでちきりんさんは予算を考えたそうです。cba / PIXTA(ピクスタ)ちきりんさんの答えは「お風呂もキッチンも新しくなる。動線も完璧。二重窓で断熱性も高くなる。これなら家賃でプラス月3万円は払う」。次に考えたのが「フリーランスなので、仕事の打ち合わせやネット会議ができるスペースを整えたい。そのために月いくら払うか?」その答えは「月2万円ならオフィス分として払える」。つまり「圧倒的に暮らしやすくなる家に月3万円、オフィスとして使うための費用として月2万円、合計5万円が、自分として納得できる額」というのが、ちきりんさんの答えだったのです。そして、この額×住むであろう期間をかけた額が、ちきりんさんのリノベ予算となりました。ちきりんさんは所有物件をリノベ―ションしたので予算はリノベ費用のみでしたが、物件から購入する人だって考え方は同じ。何年住んで、月々いくら払ってもいいと思える部屋になるのか。一度、そこから考えてみてはいかがでしょう。■ 優先すべきは何? 予算配分の考え方ABC / PIXTA(ピクスタ)今回ちきりんさんにお話を聞いて大きく頷いたポイントのひとつはココ。予算を決めたら、その次に考えるべきは優先順位です。ちきりんさんの優先順位トップは「暮らしやすさ」。おしゃれな内装よりも基本性能が大切、という考えでした。なので、ちきりんさんはスケルトンリノベという貴重な機会にしかできない断熱や間取り変更などの工事に優先的に予算を投下。そして、余った予算内で設備をチョイスし、内装を楽しみました。予算と優先順位を決めれば、ブレない。「150万円の浴室は無理だな」「オーダーキッチンはやめよう」といった判断がスパッとできるようになります。もちろん、寒くてもいいからおしゃれな家に住みたいんだ!という人もいるでしょうし、それはそれでいいんです。リノベーションで何をしたいのか、どんな暮らしを実現したいのか、よく考えて優先順位の上から予算を配分していきましょう。■ それでも迫られる予算調整はどう切り抜ける?予算と優先順位をしっかり決めても、細かい予算調整には何度も頭をかかえることになるでしょう。そんな時は、自分のこだわりのない部分はどこなのかを考え、そこの予算をどんどん削りましょう。bee / PIXTA(ピクスタ)例えば、日本製のトイレはどこも素晴らしい。だからちきりんさんは「どのメーカーのどの品番でもいい、一番安く仕入れられるものを」とリクエストしたそうです。また自然素材にもこだわらず、むしろメンテナンスのしやすさを重視して、無垢フローリングではなく手入れが簡単な突き板フローリング、珪藻土ではなく塗り壁風に見えるクロスを採用。そのおかげで、玄関ホールの輸入壁紙やリビングの壁に貼ったタイルなどに費用を充てることができ、こだわりある内装もしっかり実現できました。freeangle / PIXTA(ピクスタ)内装はメリハリがつけやすいポイント。譲れる部分と譲れない部分、しっかりすみ分けて予算を配分すれば、叶わなかった内装リクエストも実現できるかもしれません。おしゃれな内装や最新設備と天秤にかけられる、予算という名の重し。どうやってその総額を決めるのか、それをどうやって配分して予算を死守するのか、リノベ予算の考え方をここではお伝えしました。これで悩ましい予算問題もスッキリ解決……するといいですね。さて、次回は最終回。ちきりんさんが作り上げた暮らしやすい理想の家のなかで、特に気に入っているポイントをご紹介します。そこかしこに常識にとらわれないオリジナリティがキラリ。さあ、次回はいよいよ魅惑的な(?)ちきりん邸に潜入です!■ちきりん関西出身。大学卒業後、金融機関に就職。アメリカの大学院留学を経て、外資系企業に転職し、在職中にブログを書きはじめる。退職後、2011年からは文筆家として活躍。『自分のアタマで考えよう』『マーケット感覚を身につけよう』(ダイヤモンド社)ほか著書多数。「Chikirinの日記」は月間ユーザー30万人を超える人気ブログ。徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと完全に「顧客目線」ですべてを解説。リノベーション&リフォーム入門の決定版!
2019年05月15日独特な間取りや個性的なディテールなどが気に入り、都内のデザイナーズ賃貸に住んでいたHさん夫妻。ただ、広さにはゆとりがなかったため、長男の誕生を機に同じようなデザイナーズ賃貸を探してみたそう。でも、いいなと思う物件は、なかなか空きが出ない状態……。それならば中古マンションを購入して、より自分たち好みの空間にリノベーションしてはどうかと考えました。新耐震基準で建てられた通勤圏内のマンションを探し、埼玉県で平成7年築、専有面積62.93平米の物件を購入しました。■ 料理中も家族とのコミュニケーションがとりやすい!物件はnu(エヌ・ユー)リノベーションから紹介を受けたもので、リノベの設計・施工も同社に依頼しました。物件探しからワンストップで依頼できる会社を探す中で、施工事例や担当者の人柄など、いちばんしっくりきたのがnuリノベーションだったといいます。工事費は1200万円(税・設計料別)でした。天井を躯体コンクリート現しにすることで、きれいすぎない“ざっくり感”を出したキッチン&ダイニング。キッチンで特にこだわったのは壁のタイルです。凹凸のあるマットな質感のタイルに、淡い色の目地でやさしい印象に仕上げました。キッチンはコンロを壁付け、シンクを対面カウンターに置いたⅡ型。デザイン性と機能性を考えて選んだものです。ベイ松で造作したキッチンカウンターは使い勝手も抜群!キッチンからはLDを見渡せ、家族とのコミュニケーションもしやすいつくりです。リノベ前のダイニングからキッチンを見たところもともとキッチンは奥まった位置にあって暗く、閉鎖的なつくりでした。リノベ前にあった和室とLD明るくオープンなキッチンにするため、ベランダ側にあった和室とLDをつなげ、和室だった場所にキッチンを大移動。元のキッチンスペースもリビングとつなげたことで、LDKは広々とした空間にできました。「オープンなワンルームのスペースに、いろいろな居場所がある家にしたかった」という夫妻の希望を叶えています。広くなったリビングの壁面にはプロジェクターで投影して、映画などを楽しんでいるそう。■ 実は便利!廊下に設けた魅せる洗面台いずれ子ども室が必要になったときは、リビングの一角に部屋をつくる予定。また、子どもが増えた場合は、寝室を2つに分けられるように工夫しています。将来の対策もバッチリですね。写真左手前は、浴室・脱衣室のドアです。洗面台は設けていないので、バスルームの前室を脱衣・洗濯スペースとしてゆったりと使えます。「洗面室と脱衣室を分けて本当によかった」と妻。さて、洗面台はどこにあるのでしょうか。洗面台はこちら!廊下にあるのです。担当デザイナーからの提案でしたが、当初は不安もあったそう。しかし実際に使ってみると「湿気がこもらず見た目もオシャレ。動線も理にかなっていて使いやすい」と夫妻。実験用シンクやレトロ感のある2ハンドルの水栓、廊下のマリンランプもステキですね。H邸の天井はほとんどが躯体表しで、床はオーク無垢フローリング、壁には白い塗装を施しています。でも、トイレだけはグレーのクロスで雰囲気を変えました。アンティーク調のトグルスイッチも空間にマッチしています。■ 玄関土間はデザインと使い勝手にこだわりアリ!玄関土間ではコンクリートブロックと、型ガラスを使ったレトロな雰囲気の室内窓が目を引きます。「CMで見て一目ぼれした」というコーナーを忠実に再現した、こだわりの空間です。CMを再現したコーナーの対面は、個室だったスペースの一部を利用して広げた土間。妻の要望で、ベビーカーをたたまずに収納できる空間としました。奥にはオープン棚と姿見を設置。靴だけでなく、コート、スーツケースなども収納しています。家族で過ごすのは、やはりLDが中心。とくに、リビングの壁に投影した映画を見る時間を気に入っているそうです。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.29』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.29日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】大満足! なキッチン& ダイニングのつくり方【第2特集】イイね! 団地リノベ2018【第3特集】気になる! インテリアショップのリノベ※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/nu(エヌ・ユー)リノベーション撮影/飯貝拓司
2019年05月08日長女の個室と、家で仕事をする妻の仕事部屋兼寝室がほしい、さらには夫の膨大な書籍やCDをしっかり収納したい。そんな思いが重なってリノベーションを決意したMさん一家は、リライフプラスを通じて知った建築家の日尾俊昭さんにリノベーションを依頼。9年前に3,500万円で購入した世田谷区の中古マンションを、工事費400万円(税込み・設計料別)かけて、家族3人の個室を確保しながら、楽しく愛着のある空間へとリノベーションしました。■ レコード棚が印象的なリビングダイニング増え続ける夫の本の収納がきっかけでリノベーションへと踏み切ったMさん一家。すでに夫の仕事場兼寝室は確保されていましたが、本やCD、レコードをしっかり収納することと、妻と長女の個室を実現することが大きな目的でした。夫はフリーの映像ディレクターで、リビングダイニングの壁面に設置した愛用の収納棚にはレコードがぎっしり。そのジャンルは多岐にわたり、しかもマニアック。一部処分したそうですが、かなりの量があります。キッチン本体は入居前からある既存のものをそのまま利用し、吊戸棚は扉材を変更。正面に見える小さな棚は新設しました。また、床材には天然素材で抗菌効果を持つリノリウムを採用。「リノリウムは肌触りがよくておすすめ。冬もひんやりとしないので助かります」と妻。■ 念願の妻と長女の部屋はアーチ型の開口で可愛らしくリビングダイニングに隣接する妻と長女の個室は、アーチ型の開口でガーリーな雰囲気に。建具がないため出入りしやすく、家族と会話したり、「ながら家事」もしやすいそう。必要に応じて布をかけ、緩やかに仕切って使っています。また、できることは自分でやりたいという妻は、DIYにもチャレンジ。リビングと個室を仕切るシナ合板のニス塗りは、妻がはじめて手掛けたDIYです。妻の個室は、ウィリアム・モリスの絵柄のクロス(写真右)で印象的に。大胆なプリントをアクセントとして楽しめるのは、プライベートゾーンならではです。妻の仕事スペースであるデスクの棚も、DIYで作ったものです。また、妻の個室と長女の個室は隣り合っていて、壁の上部にあけられた可愛い開口で通じています。夜にはガールズトーク(?)が楽しめるそう。長女の部屋にはロフトスタイルのベッドを設置しました。ベッドの下部分は、長女と妻の両方の部屋から使える収納部として活用しています。■ 書棚が間仕切りにもなる夫の仕事部屋玄関は土間スペースを広げ、自転車も置けるようになりました。玄関に入って正面に見えるのは、仕事場も兼ねている夫の部屋。新設の書棚を間仕切りとし、奥の寝室とのゾーニングに活用しました。「リノベ前は書棚も足りなくなって、足の踏み場もないような状態。窓も開けづらくなっていました。それが壁面利用でスッキリと片付き、書棚で間仕切りもでき、大満足です」と夫。床は土間と同じモルタル仕様で、仕事スペースとしての雰囲気もアップしました。■ DIYで愛着ある空間づくりDIYをした箇所は他にもいろいろ。妻が取り付けたリビングのCDラックには、夫の膨大な量のCDを納めています。棚柱(ガチャ柱)をコンクリート壁に取り付けるため、電動ドリルの専用ノズルをホームセンターで借りて行ったという労作です。長女の部屋のロフトスタイルのベッドは、木部をペイント。白とピンクの2色使いでガーリーに仕上げました。既存の棚を撤去した玄関には、壁面に有効ボードを張り、棚板をDIYで設置。「靴が増えていったら、棚板を1枚、また1枚と増やしていくつもり」と夫。有孔ボードはカギや帽子なども掛けられて、なかなか便利なのだそう。また、ぬいぐるみがたくさん集まる棚もDIY。曲線を描く棚受けはIKEAで購入したものです。壁と床をタイル貼りにした洗面室では、右側の収納部のカーテンが妻のDIY作品。トイレ空間の上部も有効活用し、有孔ボードを張ってカゴを設置しました。「どこまで自分たちでつくれるかを経験しておけば、将来壊れたときのメンテナンスにも役立つし、大事に扱う。家にももっと愛着がわくと思って頑張りました」と妻。例えば、CDラックのDIYで浮いたのは3~4万円。そのおトクさも見逃せないですが、もっとプライスレスな価値もありそうなM邸でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.20』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.20日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ成功のためのマストアイテムW.I.C 玄関土間 パントリー がある家はいつもキレイ!【第2特集】マンション内同居、近居、二世帯…どうする? 実家との距離【第3特集】どっちがおトク? フルリノベVS部分リノベ【第4特集】どこまでできる? やってみてどうだった?DIY&施主支給 Real Report※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工日尾俊昭一級建築士事務所撮影山田耕司
2019年05月06日以前のマンションが長女の誕生で手狭になったと感じた和田さん夫妻。1年以上かけて物件探しをするなか、たまたま目にしたチラシで見つけたのが東京都世田谷区のマンションでした。昭和56年築で、専有面積は114.00平米。開口部が多く、広いルーフバルコニーがある希少なメゾネットマンションです。すぐに内見し、即購入したほど魅力的な物件でしたが、前の持ち主は花柄の壁紙などでラグジュアリーにリノベーション済みでした。そこで和田さん夫妻は、自分たちのテイストに合うように再リノベを行いました。■ オープンなLDKを多彩な空間に演出リノベはランドスケーププロダクツが運営するインテリアショップのプレイマウンテンに依頼する、と最初から決めていたそうです。ファウンダーの中原慎一郎さんとBEAMSのスタイリングディレクターである夫は以前から知り合いで、息もぴったり。「お互いに好きなものが分かっているので、すごく楽しかったですね。3つ選択肢を出してくれれば、ドンピシャのものが必ずありました」(夫)。リノベではまず、4階に位置するリビングの快適さをリクエスト。LDとキッチン、個室を分けていた間仕切りを除き、ワンルーム化しました。オープンな空間には窓とルーフバルコニーが2方向にあり、明るさも申し分ありません。ルーフバルコニーはウッドデッキと板塀で、アウトドアリビングに。オークの床と漆喰壁がベースのLDは、ミッドセンチュリーの椅子やソファ、李朝の焼き物、イギリスの大鍋、久留米絣のカーテン、アフリカのお面などが混在。ワンルームとはいえ、いくつものコーナーがあり、家族は思い思いの場所で過ごせるようになっています。夫妻の後方に見えているのは、和テイストのものを集めたコーナーです。キッチンにも大正末期の食器棚があるかと思えば、その奥には夫がロサンゼルスで見つけたスチール製の古い鍋置きが……。国籍や年代も超えたアイテムたちが、空間に見事にとけ込んでいますね。キッチンはセミオープンで、作業効率のよいコの字型です。「すごく使いやすいです」(妻)。廃材が出ないように、壁のタイルは既存タイルの上から貼りました。造り付け棚の板ひとつにもこだわりが見られるトイレ。「材木屋さんに行って、好きな板を選びました」(夫)。洗面台は木のカウンターと小鹿田(おんた)焼の洗面ボウルで造作。手仕事ならではの「飛びかんな」模様が特徴的です。■ メゾネットだからこそのディスプレーも!玄関の腰壁は大谷石。スリップウエアというイギリスの技法で焼いたタイルを組み合わせた額も、壁のアクセントになっています。靴収納は古道具屋で見つけた昭和の下駄箱です。階段の吹き抜けに下がっているのは、イームズのギプス。戦時中につくられた希少なコレクターズアイテムです。大きなオブジェが飾れるのは、メゾネットマンションならではですね。5階ホールに面するブルーの壁の中は納戸です。民芸調ののれんや額からは、温もりが感じられます。5階に3室あった個室のうちの2室をつなげ、この納戸で趣味のコーナーと子ども室を分けています。カウンターがあるほうが趣味のコーナー、勉強机があるほうが子ども室です。5階は既存フローリングをそのまま使用するなど、リノベは最小限に。壁と天井はDIYしたそうです。ルーフバルコニーに面している5階の寝室。カーテンは柳宗理デザインの布です。■ こだわりのセレクトはコレ!プレイマウンテンでは、家具などもセレクトしました。左は1960年代のブラジルのソファです。座った瞬間に「買います!」と言ってしまったほど、抜群の座り心地。右のミッドセンチュリー感が漂うタイルは、キッチンの壁に貼ったもの。1940年代創業のカリフォルニアの陶器メーカー、ヒースセラミックス社製です。左のバルコニーに置いた椅子は、イギリスのデザイナー、ロビン・デイ作のポロチェア。ポリプロリレン製で屋外でも使用できます。右はワイヤーシリーズで知られる家具デザイナー、ハリー・ベルトイアの子ども用チェアです。リノベをしたのは8年前のこと。どの空間からも和田さん夫妻らしさがにじみ出ていました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.29』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.29日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】大満足! なキッチン& ダイニングのつくり方【第2特集】イイね! 団地リノベ2018【第3特集】気になる! インテリアショップのリノベ※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計/Playmountain / Landscape Products撮影/水谷綾子
2019年05月01日夫の赴任先の賃貸住宅で暮らしていたSさん家族。そろそろ元住んでいた京都市内へ戻ろうと思ったのが、住み替えのきっかけだったといいます。長男は小学校入学、次男は幼稚園入園をそれぞれ控え、長女も小学校低学年で転校の負担が少ないことも決断を後押し。子どもたちも成長して、住んでいた賃貸が手狭にもなっていました。京都市内で希望に合う100平米前後の賃貸となると、家賃は20万円以上が当たり前です。それならば買うほうがいい、と夫妻は判断。新築は価格が高騰しているため、中古マンションを買ってリノベーションを行うことにしました。■ 壁付けキッチンにしてゆとりを生むリノベの設計・施工はネットで探したリボーンキューブに依頼。「物件探しから手伝っていただけるという安心感も決め手になりました」(妻)。そのリボーンキューブからのアドバイスも受け、平成4年築、専有面積102.72平米の中古マンションを2,600万円で購入。角部屋でバルコニー側の景色が開けていて、静かなのに駅近という物件です。リノベの工事費は1,200万円(税・設計料込み)でした。子ども室用の部屋を確保するため既存の間取りである3SLDKは変えずに「まずLDKをできるだけ広く使えるようにしたいとお願いしました」(妻)。そのため対面式だったキッチンを、省スペースとなる壁付けに変更。壁付けならば、家族が料理の手伝いをするときもゆったりと作業ができます。キッチンは使い勝手のよいL字型を選択。併設のキャビネットは冷蔵庫を収めながら、パイプスペースを隠す役割も果たしています。キッチンにはガスオーブンをビルトインしていますが、スペースをコンパクトにおさえられる業務用を採用しました。壁にはIKEAのステンレスレールやマグネットバーなどを取り付け、さらに使い勝手のよいキッチンに。空間の効果的な利用によって、幅2mの大きめサイズのダイニングテーブルを置くスペースができました。背後のカウンターは、以前から使っている食器棚とぴったり合うように造作したものです。キッチンを壁付けにしたことで、家族みんなでゆったりと過ごせる開放的なLDKになりました。BUILDINGのモジュールソファは大きめですが、十分なゆとりがありますね。床には、家具や建具の雰囲気とも合うオーク無垢材を採用しています。■ 多機能でインテリア性も高い!ブックシェルフ&デスクリノベ前の和室とキッチン、リビングの入り口を見たところリノベ前はリビングの入り口にドアが付いていました。リノベではドアを撤去し、和室のリビング側にブックシェルフ&デスクを巡らせることで、廊下とLDKの空間が馴染むように演出しています。収納にもこだわった夫妻。ブックシェルフ&デスクはお気に入りのひとつです。蔵書が多く「造り付けの大きな本棚が欲しかったんです」(妻)。インテリア性も高いため、生活空間にとけ込んで見えますね。家族の衣類収納を一手に引き受けているのが、もともとあった個室を利用した大容量のウォークインクロゼットです。このおかげで和室にあった押入れが撤去でき、和室を少しコンパクトにすることでLDKの面積を広げることもできました。現在はこの和室を家族5人の寝室として使っています。ウォークインクロゼットと和室は扉なしでつなげ、布団の上げ下げをスムーズにしました。また、和室には3つの出入り口があり、普段は開け放しておくことで風を通せるようにもなっています。将来の暮らしをイメージしたプラン玄関はスペースを増やす余裕がなかったため、下駄箱をオープン棚にすることで広さを演出。建具はすべてシナ材で造作したものです。雰囲気に統一感がありますね。玄関側の洋室2室はクロゼットをなくし、将来の子ども室用空間としました。今は広いほうの1室をプレイルームにしています。左がリノベ後、右がリノベ前の洗面室壁に大型ミラーを取り付け、洗面台は造作しました。TOTOの実験用シンクに、グローエのシングルレバー引き出し混合栓を組み合わせています。幅広のカウンターは、いずれ子どもたちの身支度時間が重なるようになっても安心ですね。トイレは位置を変えていませんが、機器・内装ともに一新しました。真鍮製ペーパーホルダーがアクセントになっています。プランは妻に任せていたという夫。「視界を遮るものがないリビングは特に気に入っています」と夫妻ともに満足そうでした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.29』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.29日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】大満足! なキッチン& ダイニングのつくり方【第2特集】イイね! 団地リノベ2018【第3特集】気になる! インテリアショップのリノベ※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/リボーンキューブ撮影/飯貝拓司
2019年04月10日Yさん夫妻が持ち家の検討を始めたきっかけは、賃貸住宅の更新を迎えたこと。さらに、長女の小学校入学が迫ってきたからでした。妻はもともとリノベーションに興味があり、新築ではなく中古マンションを購入してリノベすることに。保育園を変えずに済むよう、それまで住んでいた東京都荒川区で専有面積85.80平米、3,980万円の物件を購入しました。平成17年築のこのマンションには友人が住んでいて、立地や管理のよさを知っていたそう。売り物件が出たら購入したいと考えていたところでした。■ 対面式キッチンとサニタリーを一直線に配置!プロデュースと設計はEcoDecoに依頼しました。「EcoDecoの社長・谷島香奈子さんの著書を読んだのが最初の出会いでした」(妻)。オフィスを訪ねた際の印象もよく、信頼できそうと直感したとか。リノベ工事費は1,530万円(税・設計料込み、施主支給含む)。状態のよかった浴室は既存を利用するなど、コストダウンもできました。設計の際にリクエストしたことのひとつが、キッチンをオープンにすることでした。ダイニングテーブルの背面、壁側には妻が仕事に使用するPCコーナーも設けています。リノベ前のキッチンとLDリノベ前のキッチンは独立型。また、既存の間取りでは南向きのベランダ側が3室に区切られ、せっかくのワイドな窓が生かされていませんでした。リノベでは壁を取り払い、広く明るいワンルームLDKに変更。この物件の魅力のひとつ、眺めのよさも十分に楽しめるようになりました。キッチンにも、大開口からの光が届きます。間取りでは、キッチンとサニタリーを近くにしたいということもリクエストしました。キッチンから奥へ進むと、洗濯機と洗面コーナー、浴室と続き、家事の同時進行がしやすい設計になっています。「週1日在宅勤務の日があるのですが、キッチンとサニタリー、PCコーナーが至近距離なので仕事の合間に家事もこなせて大助かり。ドアの開け閉めもないのでスムーズに動けてストレスがありません」と妻。広くなったリビングの右奥、くぼんだスペースはキッズコーナーになっています。キッズコーナーには、ほどよくプライベート感があります。将来は必要に応じて壁を設け、個室にすることも想定しているそうです。ダイニングからはキッズコーナーにも十分に目が届くので安心ですね。ダイニングテーブルはスタンダードトレードのものです。■ DIYで積極的に家づくりに参加!リビングから手前の主寝室へは一直線につながっています。ドアを開けておけばバルコニーからの光も届くそう。廊下の左側にはWIC、右側にはサニタリーにアクセスする通路があり、生活動線も快適です。WICは空間を一目で見渡しやすいコの字型になっています。玄関土間はL字型に延長して広くしました。隣接する個室には窓がなくなったため室内窓を設け、通風と採光を確保しています。廊下の右側にはサニタリーがあり、帰宅時の手洗いなどもスムーズです。洗面台はオリジナルで、ボウルを壁に寄せてカウンタースペースを広く確保しました。遊び心のある壁のタイルは、平田タイル「ジャポニカ」。このタイル、実は夫妻がDIYで貼ったものです。タイルのほか、トイレや寝室の壁の塗装、リビング床のオイル仕上げなども夫妻によるDIY。「コスト削減というより、家づくりに参加したいという気持ちのほうが強かったですね」(夫)。トイレは夫妻が塗ったスモーキーなブルーがアクセントになっています。配管の位置変更が難しかったため、便器の向きを変え、排水管を背後にしてタンクレスにしました。住んでみての感想を聞いたところ「快適な動線のおかげで家事や仕事がはかどります」と妻。また、夫妻ともに眺めがよく、広々としたLDKは自慢の場所になっているそうです。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.29』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.29日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】大満足! なキッチン& ダイニングのつくり方【第2特集】イイね! 団地リノベ2018【第3特集】気になる! インテリアショップのリノベ※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/EcoDeco撮影/水谷綾子
2019年04月05日「子どもに地元をつくってやりたい」と、長男の誕生後、家を探し始めた大和家。大学で建築を学んだ夫と、デザインの仕事をする妻は最初から「開放的なワンルームの家」をイメージしていました。仲介も手掛けるリノベ会社を検討しながら、通勤に便利な東急線沿線で2年がかりで中古物件を探し、いちばん粘って探してくれたというnu(エヌ・ユー)リノベーションに依頼。川崎市のマンションを3,380万円で購入し、工事費1,100万円(税、設計料別)をかけて、理想的なワンルームの空間を手に入れました。■ 縁側と小上がりの段差で空間に変化をプラス生活の中心にリビングがあり、その周りにいろいろな機能が点在していて、なおかつ、モノを表に出さず広々と暮らせる家。そんなイメージを担当の設計デザイナーと共有しながら、3人であれこれ検討した結果、3.5畳の寝室以外はすべてワンルームでつながったLDKにすることに。ヴィンテージオークのフローリングが印象的なリビングからは、ダイニング、キッチン、縁側、小上がり、玄関土間などがぐるりと見渡せます。リビングの一角には、床を40センチ立ち上げてつくった小上がりが。その下には普段使わないものをたくさん収納できます。隣接する書斎兼収納室と場を分けている壁には、マリメッコの壁紙を貼ったニッチを設けて軽快な印象に。「フローリングの床から直接窓があるより、ワンクッション置いた関係性が欲しかった」という夫の希望で、窓側には縁側を設けました。床の高さを一段下げ、モルタル仕上げにしたことで、内でも外でもない中間領域が誕生。普段は自転車を置いたり、洗濯物を干したり、ときには段差に腰かけてのんびりしたりしているそう。ダイニング側の一部に設けたブラックのフレームのガラス入りパーティションが空間のアクセントに。大和家では、空間を引き締めるための”差し色”を黒に決め、窓枠や家具などにも多用しています。そのため、キッチンのタイルも迷わずブラックに。キリリとした男前のキッチンになりました。また、もともとの間取りを活用して、キッチンと洗面はひと続きにすることで家事動線を確保。キッチン奥からバルコニーへ出られる、勝手口のようなドアも使いやすいそう。■ LDKを囲む、機能的で居心地のいいスペースたちテレビ台の後ろには造作のオープン棚をつくり、LDKとは空間を緩やかに仕切った「書斎兼収納室」を設けました。縁側の物干しと同様、自転車をハンギングするために天井から吊るしたのはなんとガス管!テレビ裏の「書斎兼収納室」は、今のところ子どものおもちゃ置き場兼遊び場に。机を置けば書斎にもなります。LDKから寝室にアクセスする途中には、デザインの仕事をする妻のためのワークスペースをつくりました。デスク前の壁は夫妻がDIYで楽しみながらマグネットペイントを塗装。大好きなマンガを収納する造り付けの本棚は夫のお気に入りです。「極力小さく」という要望通り、約3.5畳とコンパクトに仕上げた寝室。今はここで親子3人、川の字で寝ているそう。将来はここを子ども室にする予定。また、寝室の脇にも収納を設けました。テレビ裏の収納が「見せる収納」なら、こちらはあまり見られたくないものを置くためのスペースとして使い分けています。■ 玄関土間や水まわりも黒で引き締めて玄関土間は夫たっての希望で、「どこまで土間にするか最後まで悩んだ」そう。また、土間とリビングにはあえて12センチの段差をつけることで、「生活の場が浮遊する”島”のようにも見える」と夫は話します。そんなL字型の土間玄関には、無造作な雰囲気がまるでショップのような靴の収納棚が。こちらも黒を差し色に使うことで引き締まった印象に。手洗いもあって広々としているトイレの床はモルタル仕上げにし、こちらも壁の一面を黒く塗装してアクセントにしました。また、洗面は白いモザイクタイルのカウンターにミラーキャビネットを取り付けシンプルな仕様に。理科の実験室のような雰囲気も感じられます。洗面室はキッチン側にも引き戸がついていて、回遊性があるので「家事がしやすい」と妻。玄関土間や縁側、小上がりなど段差を多用して、生活の場がまるでステージかのように演出された大和邸。そのステージで、「家のどこにいても居心地がいい」と日々の暮らしを楽しんでいます。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.20』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.20日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】W.I.C 玄関土間 パントリー がある家はいつもキレイ!【第2特集】どうする? 実家との距離【第3特集】どっちがおトク? フルリノベVS部分リノベ【第4特集】DIY&施主支給 Real Report※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工nu(エヌ・ユー)リノベーション撮影飯貝拓司
2019年04月04日愛知県名古屋市千種区のマンションに住むKさんは4人家族。大阪への転勤から名古屋に戻り、賃貸に住みながら住宅の購入を考えました。「戸建てでもよかったのですが、マンションのほうが管理やメンテナンスの負担が少ないので」と夫。マンション育ちの妻も「マンションのほうが安心」と賛同したそうです。夫は昔からインテリアへの関心が高く、購入したのはリノベーションを前提に探した平成19年築の中古物件でした。長男が小学校を転校しないで済むエリアで、駅近。専有面積は104.03平米で、夫妻が希望していた以上の十分な広さがあります。■ 大きな間取り変更なしで理想の空間づくりに注力!設計・施工は、妻がサイトを見て気に入ったというアネストワンに依頼しました。「どの家も素敵で、自分たちの好みにも合っていると感じました」と妻。相談のため訪れたオフィスの雰囲気もよく、夫妻は「フィーリングも合いそう」と感じたとか。リノベ工事費は1,400万円(税・設計料込み)でした。リビングダイニングの床は無垢のオークフローリングです。お気に入りのダイニングテーブルやキッチンカウンターとの相性も抜群!ダイニングテーブルは名古屋の「フェイバー」で購入したアンティークで、これを置くことを前提にプランニングしてもらったそうです。リノベ前の和室とキッチンリビングに隣接していた和室をスタディルーム(書斎)に変更し、ウォークスルーのクローゼットで寝室とつなげたこと以外は、大きな間取り変更をしていません。キッチンもリノベ前と同じ位置にあります。スタディルーム内にはL字型のカウンターを配して、パソコンや勉強、読書など、家族みんなで使えるスペースにしました。将来は個室にもできる、フレキシブルな空間として考えているそうです。LDK側には木枠の室内窓を設置して、明るさと広がりを確保しています。リビング東側の壁は、淡いブルーでペイント。「絵を飾る代わりに、ここだけ色を取り入れてアクセントにしました」(夫)。壁掛けにしたテレビはコードも隠して、すっきりさせています。リビングやダイニングからは、妻がガーデニングを楽しむバルコニーへ気軽に出られます。LDKのドアを開ければ、バルコニーまで一気に視界が開ける様子もドラマティックです。レトロな雰囲気の建具はアネストワンのオリジナル。■ たっぷりの収納で生活感を最小限に!インテリアにこだわりを持つ夫は、「できるだけ生活感のない空間」を希望したといいます。キッチンは手元が隠れ、レンジフードや冷蔵庫も極力見えないように設計されています。コンロの奥にはパントリーも設置しました。アネストワンのオリジナルキッチンには、AEGのIHクッキングヒーターやアリアフィーナのレンジフード、ミーレの食洗機も備えています。キッチン背面には食器棚を造作。モールテックスで仕上げた壁もアクセントになっています。キッチンカウンターの前面はすべて収納です。寝室とスタディルームをつなぐウォークスルーのクローゼットは、物を片づけやすく、通風の面でも言うことなし!廊下右手にあった大容量の壁面収納は既存のまま利用し、建具のみ交換。正面の壁には妻お気に入りのミナ ペルホネンのタンバリンモチーフのタイルを貼り、下部を収納に。収納を充実させることで隠したいものはきちんと隠し、お気に入りのインテリアを楽しめる空間を実現させました。廊下左手には子ども室への出入り口がありましたが、リビング側に建具を新設。子どもの気配が伝わりやすいようにしました。トイレはシックな色味のフロアタイルとアクセントクロスで、スタイリッシュな仕上がりです。サニタリーには洗面台とは別に、横長のミラーとカウンターも設置。家族で身支度の時間が重なるときでも、快適に使えそうです。カウンター下のバスタオル掛けもいいアイディアですね。以前よりも、家で過ごす時間が増えたというKさん家族。家族みんながのびのびと過ごせる住まいになったようです。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.29』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.29日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】大満足! なキッチン& ダイニングのつくり方【第2特集】イイね! 団地リノベ2018【第3特集】気になる! インテリアショップのリノベ※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/アネストワン撮影/遠藤 宏
2019年04月03日長男が生まれ、Mさん夫妻は当時住んでいた50平米弱の賃貸マンションの窮屈さから、引っ越しを決めたそう。「賃貸で家賃を払い続けるのはもったいない」(夫)との考えから、住宅の購入を検討しました。予算に合うのは中古になるため、設備の更新が必要。どうせならば、リノベーションで好きなようにしたい!という流れでリノベを選択。リノベーションは、物件探しからワンストップでサポートしてくれるフィールドガレージに依頼しました。物件は同社から紹介を受けた東京都杉並区、平成6年築のマンションに決定。金額や間取りのバランスのよさが決め手になりました。■ サブウェイタイル、足場板…素材選びにもこだわって!専有面積は67平米と希望よりもやや狭めでしたが、工夫次第で広く住めるとのアドバイスに納得して購入。リノベーションの工事費は880万円(税・設計料込み)でした。フィールドガレージにリノベを依頼した理由のひとつが、施主支給を受け入れてもらえることでした。妻は照明や水栓などのパーツ類は「これを使いたい」というものがはっきりしていたためです。ダイニングのペンダントライトはflameのもの。2灯式とは、珍しいですね。これは妻が20代のころから憧れていた照明でしたが、直付けのため「買うなら家をつくるとき!」 と決めていたとか。もともと持っていたTRUCK FURNITUREのダイニングテーブルはお気に入り。大きめですが、リノベではテーブルのサイズに合わせて設計をしてもらいました。お気に入りの家具や照明が映えるように、床材には淡い色の足場板をセレクト。壁と天井は塗装仕上げにしています。リビングの壁一面にはグレー系のアクセントカラーを取り入れました。この壁は妻がDIYで塗装したものです。リノベ前にあった和室リビングは、押し入れ付きの和室だったところを利用しています。大きな収納を希望していたため布団をしまえる押し入れはそのまま残しましたが、扉の入れ替えによって、イメージを一新しました。リノベ前のキッチン子ども室を確保するため、キッチンはダイニング側に移動しました。料理に集中しやすいようにキッチンは壁付けにして、対面式のカウンターを造作しました。カウンターのキッチン側は、生活感の出やすい家電やごみ箱などを収めるをオープン棚になっています。シャープな雰囲気のキッチンにするため、カウンターはモルタルで仕上げました。壁のサブウェイタイルは印象が強くなりすぎないよう、目地は白に近いグレーに。素材選びからも、こだわりが感じられますね。キッチンの隣には容量たっぷりの食器棚とデスクを造作して、スペースを有効活用しています。オープン棚のディスプレイもステキですね。妻のこだわりから、キッチン側の壁は15センチほど立ち上げています。油跳ねなどを気にせずに、ちょっとした小物を置けるので重宝しているそうです。■ 子ども室2つを確保した上で暮らしやすい空間に!取材時は子どもは長男のみでしたが、将来のことを考え、狭くても独立した子ども室が2つ欲しかったそう。子ども室は、キッチンをダイニング側に動かしたことで生まれたスペースにつくりました。子ども室とキッチンの間には室内窓があり、互いの様子が見られるようになっています。2つの子ども室の間にはWICをつくり、「収納量もしっかり確保したい」とのリクエストも叶えてもらいました。玄関収納もたっぷり!もともとあった下駄箱を撤去して、7段のオープン棚を設置しました。床材は玄関ホールからリビングまで、足場板で統一。廊下左側は子ども室へアクセスするWICのドア、右側は寝室のドアです。寝室壁は一面のみ、ブルーグレーのアクセントウォールとしました。トイレの壁は濃いグレーに塗装。スタイリッシュな真鍮製ペーパーホルダーはネットで探し当てたもので、施主支給のひとつです。洗面台はキッチンのカウンターと同様にモルタルで仕上げました。立ち上がりの壁もキッチンと同じサブウェイタイルですが、引き締まった印象になるよう目地の色は濃いめのグレーを選んでいます。「当初心配していた狭さは、プランのおかげでほとんど感じません。家事も育児もしやすいです」と妻。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.29』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.29日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】大満足! なキッチン& ダイニングのつくり方【第2特集】イイね! 団地リノベ2018【第3特集】気になる! インテリアショップのリノベ※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/フィールドガレージ撮影/山田耕司
2019年04月02日妻の実家から近いエリアで見つけた築10年の低層マンションを5,900万円で購入したSさん夫妻。豪華さを出すための折り上げ天井やゴールドのパーツが好みではなく、LDKを重点的にリノベーションすることに。以前から家具を購入していたというSTANDARD TRADE.(スタンダードトレード)にリノベーションを依頼し、約725万円(税込み、設計料別)で自分たち好みのシンプルな空間へとつくり変えました。■ 好きな家具に囲まれる、シンプルなLDK広さは十分、築10年経ってはいるものの水回りの設備がしっかりしていて、間取りも変えずに住める。でも、ひと昔前の高級感を感じる内装が好みとは違いました。そこで、まずリビングとダイニングにあった折り上げ天井をフラットにして、シンプルで広々とした空間をつくりました。入居時にオーダーしたスタンダードトレードのテーブルをダイニングに置き、壁を淡いグレーベージュで仕上げて優しい雰囲気をプラス。床は既存の床暖房を活かしつつ、足触りが良くコストも抑えられるカーペットをセレクトしました。リビングコーナーには、細かいプリーツの施されたナラ材を張りました。サイドボードはこの場所に合わせて製作したもので、ソファはカイ・クリスチャンセンの「ペーパーナイフソファ」。辛子色のカーペットの色はファブリックの色に合わせて選びました。リビングの一角にあるフロアスタンドや小さな書棚もSTANDARD TRADE.(スタンダードトレード)製。書棚はSTANDARD TRADE.(スタンダードトレード)と出会うきっかけになったものなのだそう。キッチンは設備がしっかりしていて、機能的にも満足だったので、手を加えずそのまま使うことに。デザインテイストはダイニングとキッチンとでズレが出ましたが、独立したキッチンなのでほとんど気にならないそう。妻が食器が好きでたくさん持っているので、収納が多いので助かっているといいます。キッチンの奥には洗面室につながる扉があります。■ 個室はクロスやカーペットの交換のみに妻は自宅を仕事場にしているプロの漫画家。物件探しの際は、ワークスペースの確保も重要な条件でした。北側の1室の壁と天井のクロスを貼り替え、大量にある仕事の資料を収めるための書棚をオーダーし、妻のワークスペースにあてました。寝室と廊下も、床をカーペットに変更。カーペットはバリエーションが豊富で、コストを抑えつつ印象を大きく変えられます。温かみのある色合いと足触りのやわらかさでくつろげ、床暖房の快適性を感じられるそうです。寝室は「寝るだけの部屋」と割り切って、クロスの貼り替えと床をピンクのカーペットに変えるだけにしました。■ 既存をベースに、パーツ交換でイメージを一新もともと天井まで目いっぱいあった靴収納を下半分のサイズでつくり直したことで、絵を飾るスペースが生まれました。石貼りの床は既存のまま利用。濃い茶色だった各部屋のドアをはじめ、巾木やスイッチプレートなどのパーツを替えることで、部屋の印象が明るくシンプルに一新されました。洗面室にある洗濯機置き場には扉がありましたが、湿気がこもらないように外してオープンに。新たにオープン棚を設置して、洗濯関連の小物を収納しています。以前の洗面台は照明がたくさんついたきらびやかなデザインでしたが、好みとは違ったので、思い切ってシンプルなデザインに変更しました。バスルームはとても広く、傷みもほとんどなかったことから、そのまま使用することに。「デザインがシンプルなのでよかったです」と妻。また、トイレはクロスを貼り替え、手洗いをシンプルなものに取り替えましたが、状態がよかった便器はそのまま使うことに。壁は一部をブルーグレーに塗装して空間のアクセントにしました。「暮らしてから分かるところもあるので、入居前にはひとまず気になるところだけ直して、あとから追加でリノベ、というのもいいと思います。うちも、もしかしたらもっと限定的でもよかったのかも」と夫は話します。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.20』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.20日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】W.I.C 玄関土間 パントリー がある家はいつもキレイ!【第2特集】どうする? 実家との距離【第3特集】どっちがおトク? フルリノベVS部分リノベ【第4特集】DIY&施主支給 Real Report※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工STANDARD TRADE.撮影山田耕司
2019年04月01日「通勤ラッシュの電車に乗らずに済む、徒歩で通勤できる場所に住みたい」と希望していたDさん夫妻。渋谷区内で予算3,000万円という厳しい条件で探し続けたところ、偶然、築37年の物件をインターネットで見つけて3,000万円で購入。エム・デザインにリノベーションを依頼し、壁の塗装や棚はDIYも取り入れながら、工事費700万円(税・設計料込み)をかけて愛着がもてる暮らしやすい家をつくり上げました。■ 各所にDIYの温もりがあふれる家づくり立地を最優先させて物件探しをした末に出会った、庭付きの住まい。駅からは徒歩15分以上かかりますが、静かで落ち着いた環境が気に入っているというDさん夫妻は、夫がスケッチした間取り図をもとにリノベーションをスタート。LDKには夫のワークスペースも設け、様々な居場所をつくりました。床にはオーク無垢材を使用してあたたかみを感じる空間に。美しい写真とデザインのアウトドア情報アプリ「DayOut」を手掛ける夫のワークスペースの棚(写真左手)は、余ったフローリング材を棚柱に取り付けてDIYしたもの。ここに棚を取り付けたいと事前に伝え、下地材を入れて工事してもらったのだそう。テレビ台は以前の家で制作したもの。明るい出窓部分に置いてスッキリとした印象に。また、その両サイドにあるスピーカーもなんと夫の自作アイテム!ネットでスピーカーユニットを購入し、東急ハンズで紙筒や木材、吸音材を、そしてIKEAで布を購入して制作したのだそう。隙間にぴったり収まるサイズはさすがDIY。こちらは、どこに何を入れるか、妻が綿密に計算して棚割りをしたというキッチン収納。電子レンジやトースターなどの家電が見事に収まっていて、オープン収納なのにスッキリしています。2つペアで吊した照明は工事現場用ライトをDIYでリメイクしました。DIYしたアイテムが各所にあふれるD邸ですが、なんとポットまでもリメイクしてオリジナルに。共通の趣味がキャンプという夫妻。アウトドアで使用したときにホーローのポットのフタが開かないよう、革のベルトを夫が制作したのだそう。■ 玄関と廊下は縦の空間をフル活用玄関はモルタルで土間風に仕上げました。壁一面に棚を取り付け、靴の収納スペースに。自転車やアウトドア用品を収めている玄関収納は下半分だけ。これは夫のアイデアで、上半分は隣接する個室のロフトとして活用しています。玄関を灯しているシンプルな照明も、夫の手作り。「いいなと思った照明が高かったので、マネして自分でつくってみました。工事の際にこの照明を玄関につけたいと相談し、うまく設置してもらいました」と夫。また、玄関の壁にはハンガーを取り付けて傘の定位置に。そして玄関を上がった廊下の先には、エム・デザイン代表の藤原真紀子さんから提案されたという壁一面の本棚があります。本や雑誌が多いので、大容量のこの本棚が大活躍しているそう。その本棚の向かいには寝室があります。リビングにつながる壁に室内窓を設け、通風と採光を確保しました。また、壁は薄いブルー系の塗装でLDKとは異なった雰囲気を演出。木製の収納家具も夫がDIYで製作したものです。■ 想像以上に便利!廊下に配置した洗面台廊下には本棚だけでなく、なんと洗面台もあるというユニークなレイアウト。「帰ってきてすぐに手が洗えるし、来客時にも便利。この位置に洗面台を配置してよかったです」と妻は話します。夫妻で同時に使えるように、幅の広いTOTOの病院用シンクを採用し、2つの水栓を設けました。また、洗濯機置き場と脱衣所を兼ねたサニタリースペースはゆったりとした広さを確保。浴室はシステムバスを採用してコストを削減しています。■ 庭+テラスはDIYに最高の場所マンションの1階というD邸には広々としたテラス付きの庭があります。学生の頃からDIYが大好きだったという夫にとって、最高の作業スペースに。そんな夫がDIYも随所に取り入れながらつくり上げたD邸。リノベーション計画にあたっては、好きなインテリア雑誌や住宅誌の切り抜きをノートに貼ってファイリングをしていました。写真やスケッチを用いることで、藤原さんとのイメージ共有に役立ったとのこと。夫婦そろって手先が器用なふたり。リノベーション完了後も少しずつ手を加えて改造中なのだそう。楽しみながら、より暮らしやすい家を目指しているDさん夫妻でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.20』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.20日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】W.I.C 玄関土間 パントリー がある家はいつもキレイ!【第2特集】どうする? 実家との距離【第3特集】どっちがおトク? フルリノベVS部分リノベ【第4特集】DIY&施主支給 Real Report※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工エム・デザイン撮影中村風詩人
2019年03月29日以前は郊外に住んでいたOさん夫妻。「飲みに行くのが好きなので、タクシー代がかさんでしまって……」と住み替えを考えたそう。2,000万円で購入した横浜市中区の物件は、駅からわずか徒歩3分という距離。昭和59年築でちょっぴりレトロな、約66平米の物件です。確かに駅近ですが、建物はマンションではなく雑居ビルで、しかも形状は三角形。素人目には個性が強すぎるように感じます。ところがOさんは建築関係の仕事をしていて、以前の住まいも古民家をリノベーションしたものだったとか。Oさんにとっては「面白そう!」と遊び心がくすぐられる物件だったのです。■ 白以外の色と素材でスタイリッシュな空間に!リノベの設計と施工はエム・デザインに依頼。工事費は800万円(税・設計料込み)でした。テーマにしたのは、なんと「白を使わないこと」。住宅の壁に当たり前のように使われている白をあえて使わないことに決めました。メインとなるLDKのテーマカラーはグレー。壁はグレーがかったブラウン、天井はブラックに塗装しました。そのモノトーンの空間に、アームチェアに施されたピンクのパイピングや真鍮製ペンダントライトが映えます。アームチェアとペンダントライトはともに、イタリアのインテリアブランド、ジェルバゾーニのものです。窓の外に見えるのは、なんと高速道路!リノベ前のキッチン料理好きで、もてなし好きでもあるというOさん夫妻。リノベ前は独立空間だったキッチンをオープン化しました。そしてキッチンの前には、三角形の斜めの壁に沿うように長いダイニングテーブルを設置。「妻が目の前で揚げた天ぷらをゲストに振る舞ったりすると、とても喜ばれます」(Oさん)。色使いとともに、素材使いも絶妙なO邸。存在感のあるテーブルは、コンクリートの脚にアイアン(黒皮鉄)の天板を組み合わせました。キッチンはステンレスの天板を用いて造作しました。面材には、Oさん自身が京都で見つけたという和紙を使用。和紙ならではの風合いと色合いが相まって、独特の個性を放っています。DKの床材として選んだのは、グレーのサイザル麻。カーペットにはない質感が魅力です。シンクと一体化したステンレスの天板には水切りカゴも組み込んで、すっきりと見せつつ機能的に。水栓はグローエです。キッチンの背面にはパントリーを設けました。お気に入りのグラスなどは、アイアンのキャビネットにディスプレイ。リノベ前のリビング以前はフローリングだったリビングですが、リノベでは下地材などとして用いられるフレキシブルボードを床材として採用しました。フレキシブルボードはリビングだけでなく廊下、寝室の床にも使っています。「当たり前すぎるのはつまらない」という理由から、フローリングを避けた結果だとか。リビングの壁の一部には木を採用。Oさんならではのセンスが感じられますね。■ マネしたい上級テク!「赤×黒」「グレー×ピンク」LDKのグレーから一転して、寝室は赤×黒がベースになっています。天井は配線がむき出しになっていますが、黒なので目立たないという利点も。寝室には大容量のW.I.Cを設置。このW.I.Cのおかげで、すっきりとした空間が維持できているともいえそうです。玄関まわりもすっきりとしていますね。リビングドアはガラス入りを選び、開放感、採光面に配慮しています。玄関まわりに置きたい物を一手に引き受けているのが、この収納です。内部には天井まで可動式の棚を設けて、物をたっぷりと収められるようにしています。サニタリーの壁は、淡いピンク×グレーに。もちろん白ではありません!スペースをゆったりとさせるために、トイレは壁をなくし、洗面室と一体化しました。洗面室には2人が同時に使えるように、ワイドな洗面ボウルを設置。ニッチのピンク色も効果的ですね。バスルームの壁や床はモルタル仕上げです。洗濯機は扉で隠して、生活感を一掃しています。LDKの一角には仕事机が置いてあります。アンティークショップでOさんが見つけたもので、天板の割れも“味”として楽しんでいるそう。空間づくりはもちろん、インテリア選びも参考にしたいO邸でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.29』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.29日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】大満足! なキッチン& ダイニングのつくり方【第2特集】イイね! 団地リノベ2018【第3特集】気になる! インテリアショップのリノベ※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/エム・デザイン撮影/中村風詩人
2019年03月28日夫とその母が不動産投資のために購入していた、渋谷駅から徒歩6分という便利な立地のマンションの最上階。借家人が転居したのを機に、夫を亡くした母と夫妻は将来のことを考えて一念発起し、フルリノベと同居を決心しました。唯一、満足のいくプランを出してくれたセキデザインスタジオに依頼をし、工事費約2,700万円(税・設計料込み。施主支給分含む)で二世帯同居でも快適に暮らせる空間を作り上げました。■ 試行錯誤を重ねたからこその上質なシンプルさ広いリビングダイニグを家の中心に置き、それを挟んで主寝室と母の部屋を配置しているH邸。和室2間を撤去し、実現したこの大空間は採光性も抜群。床はホワイトアッシュ無垢材で、温水式床暖房を仕込んでいます。リビングダイニングとキッチン、廊下の面の精緻な納まりに夫はつねづね関心するといいます。一見シンプルな仕上がりのH邸ですが、こうした巧みなディテールが上質さを物語っています。壁面を活かした、清潔さを感じられるダイニング。キッチンは独立型にしたので、「リビングからあれこれ見えず快適です」と母は話します。また、ダイニングには大容量の壁面収納をつくり、3人の食器が仲良く並んでいます。そして、ダイニングの西方向には、白い壁をくりぬいたような廊下が伸びていて、右手には収納とトイレ、突き当たりには手洗いコーナーを設けました。天然大理石の洗面ボウルは施主支給品。トイレの腰壁にもフローリング材を活用して、インテリアの一体感を創出しています。健康に配慮して、壁と天井は珪藻土塗り。さらに断熱などの基本性能にお金をかけたH邸。そのぶん、フローリングや収納一式、設備機器の多くは施主支給でコストを削減しました。「息子の努力で500万円は安くすんだと聞き、頼もしく思っています」と母。また、H邸では寝室以外はすべて共有。洗面脱衣所と浴室はキッチンの奥に配置しています。既存では洗面の位置に勝手口があったそうですが(珍しい!)壁でふさぎました。■ それぞれの居場所と共有の居場所をつくり快適にHさん一家は全員仕事を持っていて、妻はフルタイム勤務、夫と母は自営業。家で仕事をすることが多い夫と母のために、優先的に共有のワークルームを設けました。ワークルームのテーブルトップ、引き出しユニット、吊り棚、書棚など、家具はIKEAのものですべて施主支給品。組み立ては夫自らで行いました。居室空間の調整で、以前よりも格段に広くなった玄関も共有。床には夫が選んだ天然石を贅沢に張り、同じ素材でベンチも設置しました。ベンチは特に冬場、ブーツを履く際などに重宝しています。玄関の壁面は、外出用の大型クロゼットに。ミラー仕様の扉が外出前の身だしなみチェックに役立っています。■ 寝室だけはプライベートゾーンリビングの東側には母の寝室があります。置かれているのはベッドとテレビ、収納程度で、他室と同様シンプルそのもの。ミラー仕様の収納もIKEAで購入しました。「扉の角度を調整すると三面鏡になって便利なの」と、おしゃれさんらしいコメント。ベッドを置いた側の腰壁にはフローリングと同じ仕上げを施して、スッキリした印象に仕上げました。子世帯のプライベートゾーンにはミラー扉の収納が並び、空間をいっそう広く感じさせます。ミラー扉に写っているのはシャワーブースで、その横にトイレと洗面コーナーを配置しました。建具を省略することで明るくのびやかな空間に。渋谷駅から徒歩6分、8階建ての最上階、専有面積約128平米という誰もが憧れそうな物件をリノベーションしたHさん一家。「それぞれ居場所がちゃんとあり、仕事も持っている。だから二世帯同居でも余計な気を回さずにすみラク。マンションは戸建てと比べて冬も寒くなく、カギひとつで外出できるのも魅力です」と母は話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.20』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.20日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】W.I.C 玄関土間 パントリー がある家はいつもキレイ!【第2特集】どうする? 実家との距離【第3特集】どっちがおトク? フルリノベVS部分リノベ【第4特集】DIY&施主支給 Real Report※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計SEKI DESIGN STUDIO写真山田耕司
2019年03月22日関東近郊で築12年の中古マンションをフルリノベーションして3歳、0歳の子どもと30代夫婦の家族4人で暮らしています。前回、新築マンションにはない「自分たちが求める住まい方」を一から作れることに魅力を感じ、中古マンション×リノベーションに決めたことをお話ししました。今回は、中古マンション内見時に「窓」を確認することがなぜ大切なのか、についてお話したいと思います。■ 内見時に「窓」を確認すべき理由新築マンションの見学と同じで、外観、エントランス、共用部である駐輪場や駐車場の使い勝手、周辺環境などについてはもちろんチェックしました。その上でチェックすべきポイント、それは「窓」でした。中古マンションリノベでは、共用部である窓と玄関ドアは変更できません。ですので「窓」の位置はとても大切です。我が家は、夫が間取りを考えながら物件を見ていたので、なんとなくリビング、寝室、子ども部屋になるであろう部屋からの景色、日の入り方などを見学の際にも気にしていました。そして、窓の位置によって大まかな間取りが決まりました。■ 窓と合わせて「間口=スパン」もチェックマンションは、限られた敷地内に多くの住戸数を確保するため、どうしても間口が狭くなってくる傾向があるようです。東京の下町や京都の町屋を想像してして頂くと分かり易いかもしれません。間口が狭いと何が問題になってくるかというと、必然的に、窓が少なくなってきます。また廊下が長くなる傾向にあります。マンションの多くは間口が6~8mであり、8mを超えてくると「ワイドスパン」と一般的には言われます。間口が広くなれば、窓が多くなり、明るい部屋がつくりやすくなってきます。リノベーションでは当然の事ながら、窓を後から取り付ける訳にはいきません。外と唯一つながる場所ですから、夫いわく設計において最も重要なものひとつであるといっても過言ではないとのこと。開口部をいかにリノベーション後の間取りに落とし込めるか、その可能性がありそうか。そんな目線でマンションの図面を見て、見学をしていました。■ 我が家のお気に入りは、窓からの景色!以上のような理由から、最寄り駅が便利でも、街の雰囲気が良くても、部屋からの景色がピンと来ない物件は選びませんでした。周辺環境の良さはもちろん必須ですが、暮らしていく中で「ああ、やっぱり好きだな」と思える景色があると気持ちがいいです。洗濯物を干す時に見える景色、子どもと見る夕日と富士山、夜寝る前に照明を消したときに見える夜景、お気に入りの景色がいっぱいあります。もちろん、周辺環境の便利さがあればなお良しですが!
2019年03月14日子どもができたのを機に、都心から神奈川県逗子市のマンションへ移り住んだFさん家族。海岸まではわずか徒歩2~3分という距離にあり、以前から夫が「子育てをするにはこういう環境がいいんだろうな」と思い描いていた理想がかなう場所でした。昭和59年築、専有面積115.25平米の物件は4,000万円で入手。より居心地のよい空間を目指そうと、工事費1,500万円(税・設計料別)でリノベーションを行いました。■ 見やすくて取り出しやすい!壁面収納リノベーションは、雰囲気がいいと感じた友人のレストランを手掛けた東海林健建築設計事務所に依頼。代表の東海林さんは偶然、夫と同じ高校の同級生でもあったとか。夫はもともとインテリアに興味があり、リノベのイメージは気に入ったインテリアの写真をまとめたものなどで伝えたそうです。そして、もっとも重視したのが「できるだけ生活感を出さないこと」でした。LDKは開放感あふれる大空間になっています。リノベ前のLDK以前はキッチンとリビングダイニングに分かれていましたが、空間を一体化しました。F邸の中心ともいえるのが、この存在感のあるダイニングテーブルです。「フローリングをヘリンボーンかパーケットに」との妻の希望を、パーケット張りのテーブルで実現しました。空間のアクセントになっているモザイクタイル部分は、既存の壁を利用したものです。造作したテーブルには脚がなく、この壁が3.3×1.2mもの天板を支えています。まるで宙に浮かんでいるようですね。テーブルと同じ幅で、正方形に近いユニークなキッチンはオリジナルです。水栓にはグローエの「ミンタ」を使用。壁向きのコンロは業務用で、マルゼンのもの。東海林さんに依頼するきっかけとなったレストランで使用していたそう。「通常の家庭のキッチンにはない火力の強さが魅力です。ラムチョップやチキンなどのオーブン料理も、簡単においしくできるので気に入っています」と夫。LDK東側の壁は、ほぼ全面が収納になっています。DK側の扉を開けると、この通り!家電や食品、食器などがずらりと並んでいます。物がどこにあるのかわかりやすく、取り出しやすくて、使い勝手は抜群。リビング側の壁面収納には、テレビボードやキャットタワーも組み込んであります。キャットタワーの内部にはステップがあり、上部のキャットウォークへと上れる仕組みです。スッキリとしたLDKをキープできているのは、生活感の出やすいものを隠せるようにしたからなのですね。■ 何でも入る!?大容量のストックルーム玄関は既存の下駄箱を撤去して、広い土間空間にしました。玄関右手にあった個室はフローリングを撤去してストックルームに。靴のほか、キャンプ道具やスーツケース、自転車などを収納していますが、まだ余裕があります。ガラス戸の奥はLDKです。右側の壁に並ぶラワン合板の引き戸を開けると、寝室やサニタリーがあります。ラワン合板もLDKのいいアクセントになっていますね。家族4人で寝ている寝室の一角には、W.I.Cを設置しています。子どもたちの分も収められており「着替えも便利です」と夫妻。衣類の整理がしやすいよう両サイドにハンガーパイプを備え、片方は下部が棚になっています。現在は妻のワークスペースとなっているスタディルーム。デスクや棚が造り付けになっています。いずれは子どもたちの勉強部屋に、とも考えているそう。リノベ前のサニタリーリノベ前は洗面室とトイレが一体化しているつくりでした。トイレが独立空間となるように、浴室の隣に新設しました。広くなった洗面室には、より空間に広がりを感じさせる大きな鏡と、実験用シンクを設置。収納棚の明るいブルーが印象的ですね。妻は「収納が充実していて、ものをサッとしまえるところ」、夫は「キッチンも楽しいですし、アウトドアグッズが収納できるストックルームも」と気に入っている点を教えてくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計/東海林健建築設計事務所撮影/山田耕司
2019年03月13日このまま家賃を払い続けるよりも買ったほうがよいのでは、と住宅購入を検討し始めたKさん夫妻。通勤経路に建ち、つくりがよいと感じていたマンションを調べてみると、たまたま販売中の部屋があったそう。平成3年築、専有面積が88.2平米と十分な広さもあり、内見後に1,400万円で購入しました。建築関係の仕事に就く夫は、もともと「中古マンションを買うなら自分好みにリノベーションしたい」と考えていたとか。その考え通り、工事費1,476万円(税・設計料込み)でリノベを行いました。■ インダストリアルでありつつシンプルに!K邸があるのは、愛知県岩倉市。リノベの設計・施工は名古屋のエイトデザインに依頼しました。「名古屋の会社のなかでも、いろんな種類のリノベをしているエイトさんなら自分たちの思いをかなえてくれると直感して、即決でした」と夫。夫妻が希望したのは、大きなW.I.Cやモルタル敷きの玄関土間、リビング向きのオープンキッチン、スタイリッシュな和室など。新築では難しく、リノベだからこそかなう空間づくりでした。とくに賃貸のときは1室丸ごと収納にしていたほどで、モノを収めるスペースはマストでした。水回りの床は18cm高くなっているため、オープンキッチンのカウンター腰壁も背が高くなっています。腰壁に貼られた存在感のあるタイルは、妻の「昔の玄関みたいにしたい」というリクエストに応えたものです。インテリアのイメージとして「インダストリアルな雰囲気がありつつもシンプルなテイスト」を希望した夫妻。キッチン対面にあるリビングの壁の一部は、コンクリート現しになっています。程よくインダストリアルな空間に、ナチュラルなハンモックや造作のテレビボードも馴染んで見えますね。ペンダントライトは無印良品のもの。キッチン上部には、キッチン側から使える吊り戸棚を設置。下部には手元を照らす照明が仕込んであります。リノベ前のキッチン水回りの床が高くなったのは、配管の関係です。位置や大きさが変えられないため、キッチンの向きを変えてその裏にパントリーを設けました。オールステンレスのキッチンはマルゼンのもの。業務用をカスタマイズして、シンク下の収納に扉を付けました。すぐ横がサニタリーなので、家事動線もスムーズです。バックカウンターはHACHI KAGUのオリジナルです。バックカウンターの一部は折りたたみ式の台になっていて、作業スペースを広くすることもできます。パントリーには棚を造作して、食器やストック食品などを収納しています。■ モノは大容量のストックルームにまとめて!リビング奥に見える箱のようなスペースは、W.I.Cを兼ねたストックルームです。大容量ですが、天井まで壁をつくらないことで圧迫感を軽減しました。ストックルームをリビング側から見たところ。玄関へ通り抜けられるようにもなっています。内部には、収納するもののサイズに合わせて棚を取り付けました。リビングの近くにはキャンプ用品、書類や本、CD、バッグなどを収納しています。「ここがあるおかげでLDKが散らかりにくく、どこに何をしまうかが決まっているから使い勝手もいい」と妻。玄関近くには靴や自転車、ゴルフバッグなどを収納しています。ストックルームから玄関へ出るドアには、姿見が付いています。これは便利ですね!ドアを開ければ、鏡は玄関ホール側からも使えます。靴や小物を入れている玄関ホールの棚は、無印良品のケースに合わせてつくったオリジナルです。玄関土間からホールを見たところです。正面に見えるのは……畳ですね。■ 参考にしたい!スタイリッシュな和室夫がどうしても欲しかったという和室です。モダンなデザインで、セカンドリビングや客間などとして使っているそう。「最後まで迷いましたが、建具などをつけずオープンにして正解でした」と夫。玄関から廊下、ストックルーム、LDまで、床はすべてモールテックスという左官材で仕上げました。ストックルームの廊下側はクロゼットです。夫妻の衣類のほとんどが収まっています。リノベ前の洗面台洗面室の位置はリノベ前と同じですが、設備や内装は変更しました。キッチンと空間が続いているので、洗面カウンターにはキッチン同様にステンレスを選んでいます。トイレの位置も変えていませんが、こちらも設備と内装を一新。正面の収納棚には、クロゼットと同じつまみを使用しています。妻はストックルーム、夫は和室がお気に入りとか。「建築関係の仕事をしているからこそ、自分にはないアイデアが出てくるのが心強かったですね」と夫はリノベのプロセスも楽しんだようです。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/エイトデザイン撮影/水谷綾子
2019年03月05日転勤を終えて東京に戻り、そろそろ持ち家をと考えていたTさん夫妻。そんな時に友人から「よければ買わない?」と持ち掛けられたのが、この築13年のマンションでした。家を持つなら、好きなインテリアを実現できる中古×リノベーションと決めていた夫妻は、思い切って購入。リノベーションは空間社に依頼し、収納の充実や広々した玄関を希望。工事費740万円(税・設計料込み。施主支給分は別途)で、スッキリ整った開放的なLDKや快適動線、フレキシブルに使える土間のある住まいを実現させました。■ 大型収納のおかげで開放的になったLDK約72平米の空間は、ふたりで暮らすには十分な広さ。少なかった収納を充実させたことで、LDKはさらにスッキリと開放的になりました。リビングにあった既存の収納棚は撤去し、壁の厚みを利用して書棚を新設。大きめのソファを購入予定だそうですが、色違いのウェグナーのひとり掛けソファも空間によく溶け込んでいます。床はオーク無垢材で床暖房に対応。木材の表面をリボス着色カラーオイルのグレー色でふき取り、インテリアの色彩トーンを調節しました。料理好きな夫妻にふさわしく、家の中心はキッチン。シンクには質感が美しいステンレスを、そして床には土間と同じグレーのタイルを採用しています。また、キッチンカウンターはリビングからの景観も意識して、シックなモザイクタイル貼りに。元々の間取りでは収納の少なさが気になっていたというTさん夫妻。収納を充実させるために、キッチン側の一番長い壁面をフルに使えるように工夫しています。壁一面にモルタルを塗り、上部は吊り棚のオープン収納、下部はIKEAのキャビネット収納を設置。一部がデスク仕様となっており、妻が5年前から始めた刺繍を楽しむ専用スペースに。刺繍を始めるとかなり集中するそうで、8時間連続で作業したこともあるそう。吊り棚には、木工作家である妻の妹さんの作品や工芸品、民芸品が飾られています。味のあるまな板もインテリアに。旅好きな夫妻は「地方のものは、現地で買うのがわが家のポリシー」と話します。■ 寝室は小さく、収納は大きくT邸のウォークインクロゼットは寝室と一体化。寝室は寝るだけと割り切って面積を減らし、そのぶんウォークインクロゼットを加えました。「既存のウォークインクロゼットよりうんと広くなって大満足」と妻。「共働きの夫妻のために寝室をウォークインクロゼット、廊下を回遊できる間取りとしました」という空間社の大島さん。寝室から見てウォークインクロゼットは奥行きが深いので、解放感は損なわれていません。また、ウォークインクロゼット内の収納棚は施主支給しました。このウォークインクロゼットを充実させたことで、リビング収納を撤去でき、リビング・ダイニングを広く使えるように。ウォークインクロゼットと廊下はアーチ型の出入り口でつなぎ、建具は省略。「通りやすく、寝室への出入りはこちらの方が多いです」と夫。■ フレキシブルに使える開放的な土間玄関玄関を入ると、スコーンと広がる土間空間。「明るく広々とした玄関で迎えられたい」と夫が要望し、玄関脇の洋室空間を取り込んで広げました。ルーバー扉の大型収納の中には、マラソン、登山、テニスなど夫の趣味の道具がどっさり。スーツケースもこちらに収めており、旅行の支度をする際はこの広々スペースが役立っているそう。「天井下に渡したガス管は懸垂用。天気の悪い休日など、これで鍛えています!」と夫。靴箱は足場板を張っただけのオープン収納にすることで、解放感に貢献しています。ウォークインクロゼットの向かいに位置するサニタリー。洗面台は既存がキレイで十分使え、大きなミラー扉の収納も便利だったため、水栓だけ交換して利用しています。手元の壁にはタイルを新しく貼ることで、おしゃれ度をアップ。また、壁面のニッチ収納は、今回新しく設けました。土間を広く取るために、北側の洋室を取り込むことに悩んだというTさん夫妻。「ゲストが来て泊まる部屋がないのも困るな、と。でも泊まるのが年に数回なら、リビングの一角を布で仕切って使う手がある。利用頻度と優先順位を考え、土間への変更を選びました」とのこと。優先順位を反映させたT邸には、機能性だけでなく、たっぷりと余裕ある空間も生まれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.20」も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.20【巻頭特集】マンションリノベ成功のためのマストアイテムW.I.C 玄関土間 パントリー がある家はいつもキレイ!【第2特集】マンション内同居、近居、二世帯…どうする? 実家との距離【第3特集】どっちがおトク? フルリノベVS部分リノベ【第4特集】どこまでできる? やってみてどうだった?※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工空間社撮影遠藤 宏
2019年02月27日Nさん夫妻は、子ども2人と暮らす4人家族です。「子どもたちにいつでも帰れる場所をつくってあげたかった」「持ち家であれば、資産として残せる」との思いから、賃貸からの住み替えを決意。神奈川県川崎市内に建つ昭和58年築、専有面積71.79平米の中古マンションを購入しました。そして、「どうせなら面白いことをしたい」とリノベーションをすることに。リノベ工事費は1,200万円(税・設計料別)。設計はデザインライフ設計室に依頼しました。夫妻はネットでたくさんの施工事例を見るなかで「いいな」と思った事例のほとんどが、デザインライフ設計室の青木律典さんによるものだったそう。リノベの打ち合わせで大きな要望として挙げたのが、家事効率のアップでした。そして、空間には可変性も持たせたかったといいます。■ 将来を見据えた可変性のある空間個室は小さくてもいいと割り切り、その分、リビングダイニングにはゆったりとした広さを確保しました。リノベ前のLDから和室を見たところリノベ前のLDリノベ前にあった和室をなくし、LDと空間を一体化することで実現した広さです。広くしたリビングの一角は、仕切って客間としても使えるようになっています。普段は扉を開け放して使っているそうですが、片側の扉3枚を全部閉めると壁になり、客間と廊下ができるというわけです。奥は寝室になっていて、寝室も同様の扉を閉めれば個室にできるつくりです。3枚の扉は、梁下にうまく収まる仕組みです。客間を完全に個室にするための壁は、ランドリースペースに収納しています。寝室は子どもたちが大きくなったら2つに分けて、それぞれの個室にできるよう天井にレールを設けています。寝室を子ども室にする時期になれば、客間に壁を立てて夫婦の寝室にする予定です。ライフスタイルの変化に合わせて空間を変えられるこのようなつくりは、妻の提案が発端でした。それを「扉で空間を仕切る」という青木さんのアイディアで形にしたものです。リビングには無印良品のモジュールに合わせて設計した造作棚があります。これも「無印なら別の商品に入れ替えたくなってもモジュールが揃っているから使いやすいはず」という青木さんのアイデアでした。造作棚の後ろが数センチあいているのは、棚裏の上部に間接照明が仕込まれているためです。照明デザインの会社に勤める妻が、青木さんと相談しながら綿密に照明計画を練りました。夜、照明をつけると室内の雰囲気がガラリと変わり、昼間とは違った表情が楽しめます。■ スグレモノのW.I.C兼ランドリースペースキッチンは「一歩も動かなくていいように」という妻の希望から、コックピットのようなつくりに。食器やゴミ箱、家電まですべてが背面のパントリーに収まっています。パントリーの奥行きは一部を浅くして、背面にあたる玄関側に大型の靴収納を設けています。玄関にあった既存の下駄箱は撤去して、ベビーカーが置ける広い土間を実現しました。「これまでの住まいの悩みを全部解消できる家にしたかった」と妻。特にストレスの大きかったのが、洗濯と衣類の収納だったそうです。そこで、洗面脱衣室に隣接する洋室をW.I.Cを兼ねたランドリースペースに。洋服をたたんだりアイロンをかけたりする家事室を兼ねた便利な空間で、洗濯と収納の悩みを一気に解決しました。廊下の突き当たりがランドリースペースで、左手の引き戸は洗濯機のある洗面脱衣室の入り口です。洗面ボウルだけのシンプルなタイプにすることで、洗面脱衣室にはゆとりが生まれました。トイレもシンプルな雰囲気ですが、正面に飾った長男の作品がアクセントになっています。「やっぱりお気に入りはランドリースペース」と口を揃える夫妻。格段に家事効率がよくなり、ストレスフリーの暮らしを楽しんでいるようでした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計/デザインライフ設計室撮影/山田耕司
2019年02月26日愛知県豊田市のSさん家族は、駅へのアクセスがよく眺望も抜群の中古マンションを手に入れ、リノベーションして暮らしています。平成7年築、専有面積は92平米の広々とした物件です。当初は戸建ての注文住宅を検討していましたが、土地探しが難航。「建売住宅などで中途半端に納得するより、自分たちらしい空間で暮らしたい」(夫)と路線変更したそうです。リノベは妻が以前からファンだったというアネストワンに依頼し、1,400万円(税・設計料込み)で工事を行いました。雑貨店で同社が発行する小冊子『トリノス』を見て、施工事例のデザインや雰囲気が気に入っていたといいます。その妻がこだわったのはアイランドキッチンと広いリビング。夫はTRUCKのソファを置くこと、漆喰の壁などを要望しました。■ 家具のようなオリジナルのアイランドキッチン「家族で一緒に料理が楽しめて、家の中心になる、家具のようなキッチンが理想だった」という妻。念願のアイランドキッチンは、背面の収納家具も含めてアネストワンのオリジナルです。キッチン壁面の白いタイルは、リビエラ社の「ニューヨーカー」。ダイニング側の壁はブルーでペイントし、アクセントにしました。リノベ前のダイニングからキッチンを見たところ以前のキッチンは、リビングとは距離感のあるつくりになっていました。アイランドキッチンは妻の希望でしたが、夫も「キッチンから家じゅうどこでも見えるところが気に入っています。僕もときどき料理をするのですが、リビングで遊んでいても子どもの姿がよく見えるので」と絶賛。リノベ前にあった和室広いリビングは、既存のLDに隣接していた和室を取り払うことで実現しました。夫が希望していたTRUCKのソファは、床のオークや壁の漆喰とも相性が抜群です。リビングダイニングの隣には子ども室があり、天井近くに窓を設けてバルコニーからの光を届けています。入り口の引き戸を開ければ、キッチンから中の様子をうかがうこともできます。子どもが増えたら真ん中で仕切れるように、引き戸は両開きになっています。華やかなペンダントライトはIKEAで購入したものです。■ ひとつひとつのディテールに夫妻のこだわりが光る!ヘリンボーンの床をどこかに取り入れたいという希望も伝えていたSさん。玄関ホールからLDKの手前までの廊下をヘリンボーン張りにしました。クラシカルで味わいがある、アネストワンオリジナルの建具ともマッチしています。毎朝、洗面室で髪を洗う夫のために、洗面ボウルは大きめのものをセレクト。Sさん夫妻の身長に合わせて、洗面カウンターは高めにしました。洗面室の入り口付近には、カギや腕時計を掛けるスペースを設置。身支度がスムーズにできますね。トイレの位置は変わっていませんが、設備や内装は一新。アイアン製のペーパーホルダーやタオル掛けなども、ひとつひとつこだわって選びました。■ すっきり空間は充実の収納でキープ!キッチン奥は洗面、さらに浴室へとつながっていて、家事動線には無駄がありません。アイランドカウンターの横には、パントリーがあります。「ゴミ箱を見せたくなかった」(妻)と生活感がにじみやすいゴミ箱もすっきりとパントリー内に収めています。「これがなかったら確実に物があふれていました」と妻が教えてくれたのが、玄関土間とシューズクローゼットです。アールの入り口でかわいく見せつつ、ベビーカーや家電、日用品のストックなどを収納しています。玄関土間とシューズクローゼットは下駄箱と反対の壁側に、浴室の位置をずらして設置しました。ともに洋服好きという夫妻は、広いW.I.Cも要望。寝室と子ども室の間に設けられたW.I.Cには、家族全員の洋服を収納しています。「1か所にまとまると管理しやすい」と妻。小物などの収納は、IKEAの棚をDIYで取り付けました。広いW.I.Cのおかげで、寝室に備えられていた既存のクローゼットは建具を撤去し、オープンな収納スペースとしました。収納を充実させたことで、好みのインテリアが楽しめるすっきりとした空間がキープできているのですね。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/アネストワン撮影/遠藤 宏
2019年02月25日結婚以来、賃貸マンションに住んできたNさん夫妻。「若干狭く、収納も十分になかったので、ものがあふれがち。もっと自分たちに合った間取りに住みたい」と新居探しを始めたそうです。そして、大阪府大阪市の住み慣れたエリアで、中古マンションを3,600万円で購入しました。平成10年築、専有面積が以前よりも広い82.62平米で、眺望のよい南東角部屋という申し分のない物件です。当初は新築も考えたそうですが、予算面に加えて「どこも画一的ま間取りと内装で面白くない」と中古購入+リノベーションを選択しました。リノベ工事費は980万円(税込み。設計料、施主支給分は別途)。■ 開放的なリビングにはサンルームも!設計はもともと知り合いだった佐藤伸也さんが代表を務める、佐藤伸也建築設計事務所に依頼しました。佐藤さんの自邸の間取りやテイストに魅力を感じたそうです。間取りで大きなポイントになったのは、やはり収納スペースの確保。さらに、広いリビングや回遊性のあるキッチンなどもリクエストしたそうです。リノベ前は東側に個室が並ぶ3LDKでしたが、個室は寝室として使う和室のみにしました。LDKは隣接する和室やその他の空間とも一体化できるつくりで、全体を大きなワンルーム感覚で使えるようになっています。冷暖房効率を考えた間仕切りには、視界を遮ることのないガラス戸を採用しました。LDKは個室があったスペースも取り込み、南側全体を使った大空間に。天井もスケルトンにすることで、より広く感じるようになりました。リビングには植物を育てるのが好きだという夫妻のために、室内干しにも使えるサンルームを併設しています。サンルームはあえて囲い込まず、スチール製の可動パーティション3枚を気分に応じて動かせるようにしました。リノベ前のLDKリノベ前はペニンシュラ型だったキッチンですが、90度回転して南側へ移動。回遊性のあるアイランド型に変更しました。キッチンは向きを変えることで大きなカウンターを据えるスペースが生まれました。前面はすべて収納として活用しています。キッチンはサンワカンパニーが無印良品とコラボし、機能美を追求したMUJI+KITCHENです。バックキャビネットはそのデザインに合わせて造作したもの。キッチンカウンターは水はね防止用に、手元を少し立ち上げました。リノベ前の洗面室キッチンがあった場所には、廊下に少し飛び出すような形になっていたトイレを移動しました。移動したことで広くなり、手洗いカウンターや小棚も設置することが可能に。リノベ前のトイレは洗面室にもくい込む形になっていましたが、トイレの移動で洗面室も空間を広くするこができました。洗面台はモザイクタイルで見栄えよく仕上げています。全体にワイドにつくったため「夫婦で場所の取り合いがありません(笑)」と妻。■ 収納力の秘密は玄関横のW.I.Cと小上がり!「買い物と旅行が夫婦共通の趣味で、たくさんの靴や洋服、旅行カバンなどをきちんとしまえる場所を確保することが課題でした」と夫。解決策として玄関脇に誕生したのが、外で使うものと衣類などを分けて整理できる大容量のW.I.Cです。大型の引き戸を閉めれば壁のようになり、すっきりと見えます。「玄関横にあるから、帰ってきてそのままコートが掛けられたり、外出の際に上着を羽織って玄関の鏡でチェックできたり、便利ですね」と妻。さらに、佐藤さんはこのW.I.Cにひと工夫加えました。「ウォークインクローゼットから奥の居室へつながるウォークスルーにして、家全体に回遊性を持たせました。帰宅時の動線がスムーズになり、間取りに面白みも出ますから」。また、寝室として使う和室を小上がりにすることで、床下を収納としても使えるようにしました。小上がりは分割して移動させることもできます。小上がりに面する東側の窓辺は、玄関収納とリビングをつなぐ裏動線として機能するとともに、多目的スペースとしても活用しています。課題だった収納ですが「まだまだ余裕があります」と夫が語るとおり、十分に確保することができたようです。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計/佐藤伸也建築設計事務所撮影/山田耕司
2019年02月20日子どもが生まれたのを期に、賃貸からの住み替えを考えたSさん夫妻。もともとリノベーションに興味があり、東京都文京区で中古マンションを購入してリノベをすることに。購入したのは専有面積62.10平米、昭和53築のちょっびりレトロな物件です。「同じ中古でも比較的新しいとちょっと躊躇してしまうけど、ココは古いので、大胆に自分たち仕様に変えられる。そこがいいと思いました」(夫妻)。リノベの設計・施工は、夫妻が求めるテイストに合うことや設計力に魅力を感じたというフィールドガレージに依頼しました。スタッフの気さくな人柄や相談のしやすさも決め手になったとか。夫妻の言葉どおり大胆なリノベとなりましたが、工事費は960万円(税・設計料込み)。3LDKのマンションはどう生まれ変わったのでしょうか。■ 個室は必要になったらつくればOKLDKは壁をはがしたら出てきたというコンクリートブロックの壁や躯体をそのまま生かして、インダストリアルな空間に。6台あるロードバイクの一部を壁にディスプレーし、普段も眺められるようにしました。リノベ前のLDリノベ前は和室と個室が2つありましたが、「あえて個室をつくらず、リビングとダイニングをとにかく広くしたい、とお願いしました」(夫)。そこで、3LDKを丸ごとワンルーム仕様に変更。「全体がワンルームで仕切りがないため、子どもも動きやすく私たちの目も行き届いて安心です」(夫)。将来、子ども室が必要になったら、その際はLDの一角に仕切りを設けて対応すればよいと考えました。LDK入口付近の壁(写真左)は黒板塗料仕上げにして、家族のコミュニケーションに役立てているそう。いいアイディアですね。夫妻は食べることが大好きで、料理好きでもあるそう。キッチンは広い作業スペースがあり、ゲストが来ても囲みやすいようにとアイランド式にしました。「子どもを見守りやすく、ワークトップは多用途に使えて便利です」(妻)。IHクッキングヒーターは壁向きにし、タモ集成材を使って造作したカウンターに組み込みました。カウンター下部はパントリーになっています。「キッチンの対面からは視界に入らない高さなので、オープンな仕様でも安心」と妻。そして、このキッチンからは玄関土間まで抜けられる近道もあるそうですよ。■ 通り抜けできるW.I.Cで動線にムダなし!これが、その近道。奥に見えているのが玄関です。キッチンの隣がW.I.Cで、ウォークスルータイプになっています。大容量のW.I.Cは妻のリクエストでした。「両サイドにたくさん衣類を掛けられ、見やすくて大助かり」(妻)。夫からのリクエストだったという玄関土間の広さも、S邸の特徴のひとつです。玄関脇の個室を撤去して拡大しました。「ロードバイクやベビーカーを収納できる広い土間をお願いしました。リノベ前の玄関はとにかく狭くて、ひとり入るのがギリギリ、という感じでした(笑)」(夫)。■ DIYで数十万円のコストダウンも!洗面室の入り口は、ドアではなくカーテンで仕切っています。洗面室は、キッチンと同じタモ集成材とタイルで仕上げました。トイレはリノベ前も洗面室から入るつくりでしたが、ドアから引き戸に変更。スペースを有効に活用でき、出入りもしやすくなりました。現在は寝室として使用している南西側の洋室の壁は入居後、約2か月かけてすべてDIYで塗装したそうです。床のオイル塗装なども夫妻で手掛けました。「DIYは、やりたい!という気持ちからスタートしましたが、結果として数十万円ほどコストダウンにつながったと聞き、言うことなしです」(夫)。配色がステキなダイニングのベンチとテーブルも、夫がDIYで製作したものです。脚部をtoolboxにオーダーし、オーク材をはめ込んで仕上げたそうです。「自分たちの好みのインテリアに仕上がり、広い土間やW.I.Cも実現できて大満足」という夫妻でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/フィールドガレージ撮影/山田耕司
2019年02月19日長男が生まれたことを機に、元から住んでいた築12年のマンションのリノベーションを決意したNさん夫妻。家族みんながくつろげるLDKに、と思い3社に相談しましたが、予算とデザイン、柔軟な対応力が決め手となって、nu(エヌ・ユー)リノベーションに依頼。工事費790万円(税・設計料別)で、生活感がなく広々と使えるLDKのある住まいを手に入れました。■ 生活感の出やすいものを持ち込まずにスッキリと絵画やポスター、オブジェなどがセンスよく飾られ、セレクトショップのようなたたずまいのN邸。元々はリビング・ダイニングが狭く、キッチンは光が届かず暗かったとのこと。リノベーションでは、まず和室をなくしてリビングスペースを広げました。リビングには子どものおもちゃや家具も。普通なら敬遠されがちではありますが、N邸ではインテリアに馴染むものを選んでいるため、違和感がありません。押し入れがあったリビング右手部分は、寝室のウォークインクロゼットとつなげて、リビングと寝室、両方から行き来ができるつくりに。リノベーションを機に新しく買い替えたソファはIKEA。造作したオープン棚には本や雑貨、ロボット型掃除機などを収納しています。ダイニングテーブルにはデンマークブランドのHAYやイームズのチェアを合わせて。キッチン側のベンチは妻の父による手づくりです。リビングと寝室をつなぐウォークインクローゼットの手前の角には、ソファのオットマンを配置。くつろげるスペースが複数あると何かと重宝するし、空間のアクセントにもなります。また、ガラス窓付きのリビング扉を開けると目に飛び込むのは、ろうそくが並んでいるように見えるランプのようなオブジェ。実は段ボール製なのだとか。キッチンは既存を生かしつつ、壁を省いて光と風を取り入れやすい形に。壁があった部分に新しく吊り戸棚とオープン収納を造作しました。リビング・ダイニングの生活感を軽減させるために、キッチンはあえてセミクローズに。■ 土間を拡張して夫妻のワークスペースに7畳ほどあったという洋室の一部を玄関とひと続きの土間に変更。天板をL字型に造作して夫妻それぞれのワークスペースにしています。妻はジュエリーデザイナー。内窓から寝室の様子が分かるので、子どもが眠る気配を感じられるため、夜でも安心して作業ができるとのこと。既存の下駄箱だけでは収納が足りず、廊下側の内窓の下部に新たに収納を設けました。また、玄関の壁には夫のリクエストでホワイトボードを設置。カラフルなマグネットシートは子どもも遊べるようにと、100円ショップで購入したものに妻がリメイクを施しました。■ 視線も抜け、回遊性もある寝室寝室を囲う壁の一部に木製のフレームを入れて、内窓をつけました。LDKまで視線が抜けるので、明るく、広々と感じられます。さらには、どこにいても家族の気配が感じられて安心感があるというメリットも。寝室の壁には、無印良品の「壁に付けられる長押(なげし)」を設置。小物入れを吊るして、ハンカチなどを収納しています。そして、寝室からウォークインクロゼットの方向を向くと、その先にはリビングが。回遊性のある間取りにしたことで、寝室の内窓をあければ、土間からリビングまで気持ちのいい風が通るようになりました。夫妻のアイデアで、ウォークインクローゼットの壁の一部を有孔ボードに。穴の部分にフックを取り付ければ、バッグなどをハンギングできます。洗面室のすぐ隣がランドリーコーナーとキッチンになっているという、家事効率の良いつくり。各スペースを隔てている扉は既存のものを利用。洗面室から見ると、廊下を挟んですぐ向かいに寝室、その左手にトイレがあります。リノンベーションを振り返って、「リノベーションをする前は、ダイニングスペースで仕事をすることも多く、なかなかスッキリ片付かなかったのですが、ワークスペースができたので、仕事はそこで集中してするようになりました。こまごまとしたものや隠したいものはクローゼットやワークスペースにしまえるので、オンとオフをしっかり切り替えられて、LDKのキレイさをキープできる家になったと思います。」と妻は話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.19巻頭特集「8平米以上の家VS 50平米台の家」では105平米のヴィンテージマンションから38平米(夫婦ふたり住まい)のコンパクトなマンションまで、いろいろな広さのお宅をご紹介しています。「マンションで植物と仲よく暮らす方法」にもぜひ注目を!12軒のバラエティ豊かなグリーンショップガイドつき。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工nu(エヌ・ユー)リノベーション撮影山田耕司
2019年02月18日「住宅ローンを組むなら今が低金利で、年齢的にも考えどき」と、マンション購入を検討し始めたOさん夫妻。広いルーフバルコニーがあって南向き、という条件で探していたところ、たまたま妻の実家もある築17年のマンションに物件を見つけました。リノベーションを依頼したのは、アズ建設。工事費750万円(税・設計料込み)で生活動線が快適な住まいを実現させました。■ 仕事コーナーを取り込んだ、ゆったりLDKイラストレーターの妻は自宅が仕事場。専有面積約68平米のなかに仕事部屋を設けることは難しく、ゆったりとしたLDKに組み込むプランを採用しました。LDKはルーフバルコニーがある北側の大開口から光が差し込む、広々と穏やかな空間。床材には、自然な光沢が美しいオークの無垢材を使っています。壁や天井の漆喰は、すべて夫妻がDIYで仕上げたそうです。LDKの一角につくった妻の仕事コーナーとテレビコーナーは、造作の棚でつなぎました。仕事コーナーの収納棚は、夫のDIYによる力作。50平米以上もあるルーフバルコニーには、妻が大切に育てている多肉植物が。今後はルーフバルコニーをデッキ仕様にして、室内と行き来しやすくする予定です。■ 動線にもこだわった、無垢材の温もりあふれるキッチンクリ材を使ったキッチンは「木のすず」という工房のオーダー製品。奥のパントリー、正面のガラス入りのドア、さらには左手の引き戸からも玄関に行き来できる動線です。キッチンの上部にはネットで購入した流木を吊るし、米研ぎ用の竹ザルやエアプランツなどを飾っています。また、パントリーは以前から愛用していた食器棚やレンジがすっぽり収まるよう、設計時に計画。棚板に照明を仕込み、壁面をブルーグレーに塗装するなど、細部にもこだわることで満足度がぐっとアップ。クリ材のキッチンはハンドル部まで天然木を使用していて、ぬくもりいっぱいの空間に野鳥も羽を休めています。■ 土間やニッチを活用した収納玄関に入ると正面にLDK、左手にはウォークインクロゼットがあります。もともとは玄関の右手に洋室がありましたが、その部分を改修して土間を延長。靴収納などに利用しています。土間の奥から左に上がると洗面コーナーへつながる動線。玄関を上がって左を振り向くと建具がずらりと並びます。手前から、LDK、トイレ、パントリー、そして突き当たりが寝室です。玄関からパントリーへの動線ができて便利になったそう。また、これらの建具はすべて施主支給によるアンティーク。間口に合わせて、職人さんが一点ずつ丁寧に調整して取り付けてくれました。O邸のところどころで目を引くのが、壁厚を有効活用したニッチ。場所を取らず、飾るものの存在感を引き立ててくれる点も魅力です。トイレにもニッチをつくり、手洗い器と飾り棚を設置しています。奥の壁に見える小さな扉の内部は、ペーパーストッカー。トイレの裏側にある収納とつながっているというワザありの仕掛けです。土間からつながる洗面コーナーは、ブルー調の様々な柄タイルとトルコのランプが印象的。鏡が大きいので、外出前の身支度もしやすいそう。洗面の通路を抜けるとLDKにつながっています。通路の脇にはバスルームがあり、帰宅後にさっぱりしてからLDKに入れる動線です。北側に位置する寝室は、縦長のスペースを生かしてウォークインクローゼットを新設。S字型にゾーニングすることで、寝室側からクローゼット内が丸見えにならないように工夫がされています。クローゼット内部は2列配置でたっぷりの収納量を確保しました。「仕事と家事がはかどって動きやすいだけでなく、ふと外を見ればのどかな風景が広がり、癒されます」と妻。夫は「都心の職場から帰ってくるとホッとします」と話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工アズ建設撮影/遠藤 宏リライフプラスvol.19日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】「80平米以上の家VS 50平米台の家」【第2特集】ペットLoveなリノベ
2019年01月25日ともに仕事が忙しく、都心で駅近という条件が必須だったという千葉さん夫妻。夫妻揃って持ち物が少なく、40平米未満の家に妹と暮らしていた妻の経験から、立地を重視して38平米、築18年のマンションを購入。コンパクトなワンルームをうまく生かしてくれそうなクラシフォンにリノベーションを依頼し、工事費300万円(税込み、設計料別)で狭さを感じさせない住まいを実現させました。■ 狭さはアイデアで克服! 工夫あふれるLDK人を招くのが好きな千葉さんはキッチン中心の家をオーダー。プランニングはまずキッチンの配置から始めました。「できるだけデッドスペースをつくらず、視線を対角線上に通して広く見せる。空間を最大限活用するため、ミリ単位の調整を重ねました。」と話すのは、設計を手掛けたクラシフォンの瀧内未来さん。キッチンの主役は、変幻自在な造作テーブル。キッチンの側面に取り付けた折り畳み式の天板を起こせば、最大8人まで着席できるそう。また、ダイニングテーブルの足には、高さを変えられるガス圧昇降式を採用。ペダルを踏むだけでバーテーブルにも早変わりします。ダイニングテーブルの下には、キッチンの側面に取り付けた延長用の天板も。タテの空間を有効活用することで、LDKは狭さや窮屈さとは無縁。また、ちょっとしたスキマにも収納棚をつくるなどして、空間を余すところなく活用しています。シンク裏のデッドスペースにも棚を設けて収納にしました。「この棚のおかげで、テーブルの上が片付きます」と千葉さん。ダイニングの照明は「後藤照明」で見つけたものです。キッチンと玄関の間の壁はタイルで仕上げています。玄関からリビングに視線が抜けるよう、壁の量にも工夫を凝らしました。キッチンは作業効率を考え、テーブル、シンク、コンロを一列に並べました。動かせない排水管があったため、ミリ単位での配置がなされ、一番端の冷蔵庫は壁を削って収めたそうです。■ 寝室まわりはスペースを有効活用寝室はベッドに合わせて幅を決め、夫の身長から床の高さを割り出しました。開口部には、夫が壁と同じ色で塗装したアンティークの扉を設置。床のクッションフロアはシャビ―なテイストのものに。そしてそのベッド裏には、将来の書斎スペースも!今は来客時に物をしまったり、着替えをしたりと、多目的に使っています。当初は寝室を北側に寄せ、ソファスペースを広く取る予定でしたが、このように変更して正解だったと夫妻は言います。そして寝室の床下には、二方向からアクセス可能な収納を確保。キッチン側には棚を設け、食器棚として使っています。撤去した下駄箱の扉を再利用することで、自然な一体感を演出。また、寝室の壁にはニッチをつくり、ブックスタンドに。床面積がコンパクトで家具が置きにくい空間では、わずかな収納スペースが重宝します。寝室前には謎の白いボックス!こちらは寝室に上がるための階段です。テーブルやベンチにもなるという3WAYで、最上段のボックスを移動すれば、テーブルに早変わり。そこにストライプ柄のカバーをかけ、半円パラソルを開けば、あっという間に非日常の空間に。家にいながらリゾート気分を味わえます。■ 既存の設備や建具を上手に活用もともとキッチンがあった場所にはシューズクロゼットを新設。ガラスの扉は既存のもので、あえて中を見せることでショップのようなディスプレイ効果が得られました。シューズクロゼット右手の目隠し壁には小窓を設置しています。サニタリーは大理石の床や壁で豪華な印象。すでにリノベ済の物件だったため、便器とシャワーヘッド以外は、既存の設備をほぼそのまま利用しています。3面に窓がある物件なので、浴室も十分な明るさを確保できています。こちらは浴室方向からみたリビング。壁や建具は白やガラス、床は明るい色を選ぶことで広く見せています。ソファは1シーターと2シーターを組み合わせ、背を両脇に向けてアーム代わりにしているそう。週末にはパラソルの花が咲き、テーブルはバーカウンターに変身し、ゲストの笑い声が響く。狭さをネックととらえずポジティブな発想で住まいを楽しむ極意を、この家は教えてくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工kurachiffon(クラシフォン)撮影/山田耕司
2019年01月14日親族が所有していた、環境、アクセスともに良好な築30年のマンションをリノベーションして住むことにしたOさん夫妻。リノベーションを依頼したのは、エム・デザイン。「工事費を安くするのではなく、適正価格で提供したい」という、代表の藤原真紀子さんの考え方に共感したそう。設備の施主支給やDIYも取り入れ、工事費630万円(税・設計料込み)でラフでカッコいい住空間を手に入れました。■ 男前でインダストリアルなLDKもともとは地下で薄暗かったという室内。ベランダ側の2室を撤去し、奥のキッチンまで光を取り入れることで明るいLDKに一新しました。床は小学校の床をイメージし、ダメージ加工を施したオーク材を使用しています。また、LDKにはやや目立つ梁がありますが、モルタルでの補修と黒い塗装をすることで、インテリアにスッと溶け込むアクセントに。壁はモスグリーン、建具はネイビーで統一しています。壁付けだったキッチンは、コンロだけを切り離して2列配置に。「横移動より、振り向いた方が効率的」と妻。LDKのラフな空間に馴染むよう、システムキッチン側面の化粧板をはがし黒く塗装しました。また、洗面台の移動により置き場がなくなった洗濯機は、キッチンへ。台所仕事をしながら洗濯がこなせて便利で「ベランダに近いので、干すのもラクチン」とのこと。洗濯機左手のドアの先はサニタリースペースです。ダイニングは躯体や配管を現しにし、インダストリアルな雰囲気に。家電棚はダルトンのガレージ用。テーブルは集成材にオイルステインを塗り、アイアンの足を付けたオリジナルです。ラフでカッコいい空間に、男前テイストの家具がよく似合っています。■ LDKの一角を書斎や収納に有効活用明るいベランダ側には、ブックシェルフで間仕切りした書斎を設けました。小さな空間ですが、書類の整理やパソコン作業など、ひとりの時間を確保できる貴重なスペース。シェルフは木製で、フレームをツヤ消しの黒で塗装してアイアン風に仕上げています。リビングの一角には、シェルフを組み合わせたショップのストックヤード風の収納スペースが。天井の撤去で現れた天井吊り用の穴にボルトを差し込んで板を渡し、ハンガーバーをDIYしています。また、壁はトイレと洗面所以外、5日かけて自分たちで塗装。家具の多くもカスタマイズして、好みのテイストに仕上げています。■ オープンクローゼットでゆとりある寝室に8畳の洋室の壁もモスグリーンに塗装。LDKより明度を下げて落ち着きを演出しています。寝室にもともとあった壁一面の収納は、思い切って撤去。天井からガス管を吊り下げ、壁際をオープンなクローゼットスペースにすることで、広々とした寝室になりました。既存の洗面台を取り外し、洗濯機置き場だった場所に洗面台を新設。床はユニットバスの壁面に合わせて、モザイク柄のフロアタイルを採用しました。トイレの壁は明るいグリーンで爽やかな雰囲気に。また、玄関は既存の下駄箱を撤去し、たたきを拡張しました。それに伴い、隣接する洗面所の出入り口も移動。家全体の建具やクロスの統一感にもこだわり、玄関ドアの内側もネイビーに塗装しています。「素材や設備を自分で選べる自由度の高さは、リノベならでは。予算という制限はありますが、空間を一から作る作業は本当に楽しくって。予想以上の出来栄えで居心地がよく、家で過ごす時間が増えました」とOさん夫妻はうれしそうに語ってくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工エム・デザイン撮影/山田耕司
2019年01月10日東京都品川区に住むKさん夫妻。夫が独身時代に3,100万円(購入時)で購入したマンションを、工事費700万円をかけてリノベーションして暮らしています。立地がよく、眼下に桜並木が広がる都内でも人気のヴィンテージマンション(昭和45年築)です。専有面積は51.09平米とややコンパクトで、直角三角形のような変形のワンルーム。本当は結婚を機に、住み替えを考えていました。ところが、なかなか気に入る物件に出会えないうちに、この部屋の素晴らしさを再認識したといいます。「とにかく桜が見事なんです」と妻。リノベーションは何社か選んだ中から、対応がスムーズだった空間社に依頼しました。夫婦ふたりで快適に住めるように計画が進むなか、急きょ子猫を家族に迎えることになったそうです。■ 猫トイレの置き場所に技アリ!「猫を飼うことはまったく考えていなかったのですが、ぱんちゃんに出会ってしまって……」と、Kさん夫妻。空間社は柔軟に対応し、猫の快適さもプラスした住まいになるよう工夫しました。今ではバターくん、みるくちゃんも加わり、夫妻は3匹の猫とともに暮らしています。猫を飼うにあたって、まず悩むのが猫トイレの置き場所ではないでしょうか。K邸の玄関からLDKへ向かう廊下の壁には小窓があり、そこを抜けると洗面台の下を利用した猫のトイレスペースになっています。洗面台の下の扉を閉めれば見えなくなるので、来客時も気になりません。猫トイレは下足棚の下にもあり、ぱんちゃんが乗っているものがそれ。深型で、砂が飛び散りにくいタイプです。下足棚は斜めの壁を利用していて、収納量を十分確保しつつ、オープンにすることで圧迫感をなくしています。リビングのドアには、キャットスルーを設けています。設計を担当した空間社・宮本泰則さんが、猫が通りやすい素材を厳選してつくった自信作です。リビングの壁面には、猫が大好きなキャットウォークを設置しました。夫愛用のオーディオ機器が収まるように造作された、テレビボードから上っていけるつくりです。■ 変形のワンルームを機能的に、暮らしやすく!キッチンは玄関の近く、壁が斜めになった部分にありましたが、明るい南側に移動してリビングと一体化。ダイニングテーブルを兼ねるアイランドキッチンとしました。10センチ角タイルや見切りのオーク材、腰壁の羽目板にレトロ感が漂うキッチンです。壁側にはIKEAのキャビネットを設置しました。扉の色と取っ手は空間に合うよう変更しています。キッチン隣の窓際は、妻のデスクコーナーです。春になると、この窓から桜並木が見下ろせます。以前は玄関土間に置いていたという洗濯機は、左手の白い扉の中に収めました。家事動線もスムーズです。unicoのソファを配したリビング。床にはオークの無垢フローリングを張りました。白い引き戸の先は寝室で、リノベ前は防音室があった部分を利用しています。寝室には内窓が設けられています。キッチンがあった場所には、本やCDがたっぷり収納できる書斎もつくりました。夫が趣味の楽器演奏を楽しむスペースになっています。トイレは床の白いタイル×黒い目地の組み合わせがアクセントになっています。洗濯機スペースだった玄関土間には、この空間のサイズに合わせてオーダーした収納家具とベンチを設置しました。夫妻にとって機能的で生活しやすく、猫たちも快適に暮らせるご機嫌な住まいとなりました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.27』も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/空間社撮影/山田耕司
2018年12月30日Iさん夫妻は東京都内で中古マンションを購入後、リノベーションして暮らしています。「雑誌やネットで見た施工例がおしゃれだったので」というnu(エヌ・ユー)リノベーションに依頼しました。また、物件探しから設計・施工まで、ワンストップでサポートしてもらえるところにも魅力を感じたといいます。購入したのは昭和59年築、専有面積66.08平米の物件です。広さや価格が希望通りで環境もよく、住みやすそうでした。リノベーションは1,200万円(税・設計料込み)で行いました。■ シンプルでナチュラルな北欧テイストに!北欧インテリアの特徴のひとつは、アクセントカラーを効果的に使うことです。I邸ではDK側の壁にブルーを使用しました。ディスプレイしたコーヒーグッズや北欧の雑貨が、ブルーの壁によく映えますね。リノベ前のLDと和室既存の間取りは3LDKで壁が多く、各部屋が薄暗かったそう。リノベではLDに隣接した和室を取り払って空間をひとつにまとめ、LDK一体型に変更しました。開放的で明るく、ぐんと広くなったLDK。床には、無垢で無塗装、幅広のオークフローリングをチョイスしました。北欧テイストにぴったりのナチュラルな雰囲気です。ソファーはイデー。ダイニングテーブルと椅子は、アアルトの代表作のひとつです。「買うならこれと、前から決めていました」(妻)。書斎コーナーのデスクや収納は、スウェーデンの建築家ニルス・ストリングがデザインした収納システム、string shelf(ストリング シェルフ)のパーツを組み合わせたものです。キッチンのバックカウンターはあとから変更しやすいように、無印良品の収納家具で構成しました。シンプルで北欧テイストにもフィットしています。「夫婦揃って植物を育てるのが好きなので、植物を飾りやすい空間にしたいとお願いしました」(妻)。インナーテラスをつくることは、nuリノベーションから提案されたそうです。LDKの一角をコンクリートブロックの腰壁とフレームで囲み、塩ビタイルを張りました。LDKの開放感や明るさは、リビングドアの大型ガラスを通して玄関側にも伝わります。■ 収納をたっぷり設けながら光と風を通す!玄関から見たリノベ前の様子リノベにあたって、いちばん叶えたかったというのが明るさです。「光が入ること、風が抜けることが基本。玄関に入ったときから明るい家がいいな、と思いました」(妻)。玄関にはもともと窓がありましたが、生かされていなかったのです。設計デザイナーの田村優樹さんが解決策として提案したのは、玄関土間と収納エリアとキッチンをオープンにつなげるプランでした。まず、玄関側にあった個室のひとつを土間とW.I.Cに変更。玄関窓を生かした土間は明るく、ゆとりのあるエントランス空間になりました。土間からW.I.Cへはそのまま入れるつくりです。靴を脱いだらW.I.Cでコートを脱ぎ、キッチンやリビングへ直行できます。W.I.Cは腰壁と内窓をパーティションに使ったセミオープンスタイルに。光を遮らない内窓効果で、住まい全体が明るくなりました。W.I.Cを抜けるとパントリー、さらにキッチンへと続きます。「動線がスムーズなので家事もしやすく、暮らしやすいです」と妻。ここは玄関窓とLD側の窓からの光と風の通り道でもあるため、ほどよい明るさが確保できました。パントリー内は奥行きの深い造作棚に収納グッズを組み合わせて整理整頓しています。洗面所はあえて隠さず、オープンなつくりにしました。「オープンにすることでいつもキレイにする習慣がつくし、ものが増えないからいいですね」(妻)。洗面所の背面にはトイレがあります。シンプルの極みのようなミニマムな個室空間に仕上げました。「住み心地はとてもいいです。明るくて暖かくて」(妻)。好きな植物や家具に囲まれた暮らしを楽しむ夫妻でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/nu(エヌ・ユー)リノベーション撮影/山田耕司
2018年12月27日夫の谷章生さんが設計事務所を設立するにあたり、仕事場を兼ねた住まいづくりを考えていた谷さん夫妻。もともと中古不動産の活用に興味があり、UR都市機構の築18年(取材時)の賃貸物件を気に入ってセルフリノベへの挑戦を決意。解体からスタートして、約3か月。工事費約90万円(税・材料費込み)で、素材にこだわったセルフリノベ空間を作りあげました。■ 勾配天井のLDKは解放感たっぷり間取りでこだわったのはLDKを広く取ること。もともと和室だった場所の天井を撤去したことで、LDKには勾配天井が出現しました。一番高いところで4mもあるというのは、最上階物件ならではの恩恵。そのおかげで、58平米とは思えないほどの開放的な空間を演出できています。リビングの壁は少しくすんだブルーが印象的。環境に配慮した珪藻土塗りで、色を混ぜて夫妻で仕上げたというオリジナルです。インテリアのアクセントになるうえ、空間にメリハリを生み出しています。リビングのシンプルなテレビ台の上には、お気に入りの雑貨を並べて賑やかに。国内外の旅先で買ったものも多いそう。そして、塗りムラがかえっていい味を出している、LDKのデスク側の珪藻土の壁。「手づくり感いっぱいですが、愛着が湧きます」と夫妻は笑って話してくれました。■ 環境や素材にこだわった床材やテーブル床材には、FSC(森林管理協議会)認定を受けた間伐材の檜を使用。「三重県の尾鷲(おわせ)まで行き、持続可能な森林づくりをしている速水林業を見学して、床材を注文しました」と谷さん。そこに合わせたのは、反りにくい足場板でつくった4mのダイニングテーブル。長〜いテーブルを生かして長〜い手巻き寿司をつくるホームパーティも楽しみました普段の食事はもちろん、打ち合わせやホームパーティの際にも活躍しているそう。また、そのテーブルに平行して、壁際にはデスクを造作してワークスペースに。ごくシンプルなデザインなので、デスク下は収納スペースとしても使えます。既存のキッチンは面材だけをリフレッシュ。toolboxの味のあるオークの挽き板を張っています。コンロ回りの壁のタイル貼りもDIYで。そして、キッチン側のテーブルの下は、家電などの収納スペースに。床の端材と無印良品のケースを組み合わせてつくりました。「家電やカトラリーなど、よく使うけど生活感が出やすいものをしまっておけるので助かっています」と妻。■ クロスや塗装で既存のものをリフレッシュエントランスの右手にある収納は既存のもの。扉に個性的な柄のクロスを貼ってリフレッシュしました。また、床はフローリングの余りを裏返して使用し、変化をつけています。DIYでつくった棚に写真やグリーンを飾ることで、ゆとりを感じられるスペースに。コストダウンも兼ねて、味のある既存建具は塗装して再利用。リビング扉はガラス入りなので、LDKの光を廊下まで届けてくれます。「古いものはよく見るとかわいいデザインだったりしますよね。塗装したらかなり印象が変わりました」と妻。無垢のフローリングにもしっくり馴染んでいます。寝室は既存の間取りのまま、内装だけを変更。LDK同様、壁は珪藻土塗りで、一面だけ色を入れてアクセントに。リラックスできそうな優しいニュアンスのグリーンが、コンパクトな寝室に広がりを感じさせてくれます。「表面的な仕上げの変更だけでなく、空間や間取りを自分たちの手作業で再編集する取り組みが、もっと増えたらいいと思います。中古不動産の活用や建築材料の再活用は、持続可能な都市づくりにつながるし、これからの時代の暮らし方に最適だと思うんです」と、谷さんは力強く語ってくれました。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計SUMIT(スミト)撮影山田耕司
2018年12月24日Hさん夫妻は東京都荒川区内で中古マンションを購入。910万円(税・設計料込み)でリノベーション後、家族4人で暮らしています。当初は新築マンションの購入を考えていたそうで、夫妻は海外生活の経験もあることから、新居ではゆったりと暮らせる広さと開放的な間取りをイメージしていました。ところが、新築では希望の予算・間取りを叶える物件が見つからなかったといいます。そんななか手にしたリノベーション専門誌『リライフプラス』でリノベの自由度の高さを知り、方向転換することに。そして購入時、築10年(平成17年築)と築浅で、しかも専有面積100.42平米というゆとりのある中古物件を見つけたのです。既存の間取りは3LDK+和室でしたが、開放的な間取りはどう叶えたのでしょうか。■ ゲストも楽しめるアイランドキッチンを造作!リノベの設計は『リライフプラス』を見て「デザインにひかれていた」というブルースタジオに依頼しました。LDKでまず目をひくのはアイランドキッチンです。「以前の家は独立タイプのキッチンだったので、新居では家族やゲストと調理も会話も楽しめるキッチンにしたいと思いました」と妻。既存では半独立タイプだったキッチンの壁を取り払い、まずはLDKを開放的な一体型に。さらにキッチンの位置を動かすことで、オープンなアイランド型を実現しました。キッチンはステンレスの天板とラワン材を組み合わせ、長さ2500㎜×幅920㎜のワイドサイズで造作。このサイズならば、ゲストが多くても対応できますね。キッチンには「隠す収納」と、食器などを飾って楽しむ「見せる収納」の両方を設けています。以前から使っていたダイニングテーブルやチェストは、キッチンやフローリングの色に合わせて夫がDIY で塗装したそう。ダイニングキッチンの床は配管を通すためにリビングより一段高くしましたが、それが程よいアクセントにもなっています。さらにダイニングキッチンの床には天然石のブラックスレートを採用することで、LDK一体型の空間を緩やかにゾーニングしています。■ 既存を生かすことで高級材インドネシアチークを採用!リビングダイニングにあった収納は取り除き、空間を広げました。広くなったリビングの一角には、子ども用の勉強スペースも設けています。夫がいちばんこだわったのが、フローリング材。使用したのは世界的に有名な高級材・インドネシアチークです。「赤みのある深い色みと味わいのあるツヤ感が気に入って、これだけはコストをかけても使いたいと思いました」と夫妻。そこでリノベ費用が予算オーバーしないよう、浴室や洗面室などはそのまま生かすことにしました。生かせるものが多いのは、築浅物件ならではですね。設備だけでなく、扉も既存にシートを貼って再利用しています。トイレでは、既存の手洗い器付き収納カウンターを利用することでコストを抑えました。しかし、便器を交換した上で、壁の一部には「どうしても使いたかった」というサブウェイタイルを貼ることでHさんの満足度をいっそう高めています。■ 将来の住まい方も考えたプランに玄関の脇には、土間仕上げのシューズインクローゼットを新設しました。「家族全員で出かけるときにも、荷物を取ったり置いたりという動線がスムースで、とても気に入っています」と妻。玄関ホールに面する個室は収納を取り払い、親子4人で使う広い寝室にしました。寝室入り口のドアの横に設けた鏡は、将来取り外して、ドアにすることができるそう。いずれ寝室を2つの子ども部屋として使えるよう配慮したものです。現在、子どもたちが遊び部屋として使っているのはこの個室。子どもたちが成長したら、ここを主寝室として使う予定です。新築ではなく、中古物件を自分たちに合わせてリノベにしたからこそできた工夫といえるかもしれません。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.27」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計/ブルースタジオ撮影/水谷綾子
2018年12月18日長男の誕生をきっかけに、持ち家を考え始めたKさん夫妻。最初は新築マンションも検討しましたが、広さが十分にある安い中古を買って、自分たちらしくリノベーションをすることにしました。物件は慣れ親しんだ千葉県・浦安で購入。平成4 年築と古すぎず、専有面積は88平米と広く、小・中学校に近いのも魅力でした。リノベの設計・施工は、同じ浦安に拠点のあるSHUKEN Reに依頼しました。「この広さなら工事費は1000万円を超えるだろうと覚悟していました」(夫)。リノベでいちばん力が入ったのは、キッチンです。「既存のキッチンは壁で仕切られて閉鎖的な感じ。もっと開放的で、家族と会話できるレイアウトを希望しました」(妻)。■ 子育て世代にうれしい!リビングを見渡せるつくりSHUKEN Reの担当プランナーは、キッチンとダイニングの間の壁を取り払って一体とし、広いリビングを見渡せる対面式キッチンを提案しました。リノベ前のダイニング。左の壁奥がキッチン料理中でも、幼い長男の様子を見守ることができます。妻はアイシングクッキーづくりの講師でもあり、いずれレッスンを再開したいとの思いももっているそう。オープンキッチンであれば、自宅でも教えやすいですね。壁のモザイクタイルもステキです。システムキッチンは無垢の面材が目を引きます。キッチンまわりは掃除がしやすい材質をチョイス。床はフロアタイル、ガスコンロ近くの壁には白のキッチンパネルを採用しています。ワークトップにはステンレスを選びました。タフで表面温度が低いため、菓子の生地づくりに適しているそう。キズが目立ちにくいバイブレーション仕上げです。■ 印象的なタイルやクロスを使ってアクセントに!リノベ前のリビング間取りの大幅な変更は、キッチンのみです。それにもかかわらず、リノベ前とは印象が随分違いますよね。例えば、リビング。壁一面のみにネイビーのクロスを貼ってアクセントにしています。壁面のクロゼットは押し入れ仕様でしたが、衣類を掛けられるよう変更しました。その上で、扉も木の折れ戸に付け替えています。フローリングはフローリングドットコムのショールームで実物を見て、オーク無垢材を選びました。「節ありで色にバラつきがあるので割合安く、表情があっていいなと」(夫)。廊下の床は、リビングと同じオークの無垢材で統一しました。ドアはリビングのアクセントウォールと同様に、ブルーを選んでいます。室内ドアは、LIXILのヴィンティアシリーズです。トイレはタンクレスの便器に取り替えて空間のゆとりを確保しつつ、月の満ち欠けを描いたアクセントクロスを貼りました。洗面室も隣接するWICをフラットなクローゼットに変更して、広く快適に。壁面には名古屋モザイクの人気商品「コラベル」を貼りました。好みの色のパーセンテージを指定して、モザイクのパターンを決めたそうです。■ インナーサッシで寒さと結露対策もバッチリ!収納スペースもたっぷり確保しています。玄関収納は造作し、壁面の天井ギリギリまで使っています。寝室の既存WICは大きさが中途半端で使いにくかったため、引き戸付きの壁付けクローゼットに変更。ハンガーパイプを2本設置し、使い勝手も収納量も満足のいくものになりました。寝室からはバルコニーに出られて開放的ですが、北側のため、海から吹きつける強風で冬場は寒いそう。そこで、既存サッシの内側にインナーサッシを設置しました。寒さと結露の発生への備えも万全です。子ども室も北側に位置しており、寝室と同様にインナーサッシで断熱性を向上させています。「地元に根ざすSHUKEN Reさんならではの提案です」(妻)。ポイントを押さえたリノベが功を奏し、自分たち好みにガラリと雰囲気を変えながらも、リノベ費用は1,150万円(税・設計料込み)に。ほぼ想定内に収まりました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.27」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/SHUKEN Re撮影/中村 晃
2018年11月20日