音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第19回目に登場するのは、4オクターヴを誇るツインボーカルと、キレのあるダンスが魅力の5人組ダンス&ボーカルグループ、Da-iCE(ダイス)!写真・大内香織インディーズ時代にライブを約130本!写真左から岩岡徹(Performer)、花村想太(Vo&Performer)、和田颯(Performer)、大野雄大(Vo&Performer)、工藤大輝(Performer)。【音楽通信】vol.192011年に結成し、インディーズ時代から精力的にライブ活動を展開。2014年にメジャーデビュー後、2015年には「第29回日本ゴールドディスク大賞」の“ベスト5・ニューアーティスト賞”を受賞。2017年には日本武道館公演を行い、2018年にはデビュー5周年を迎えたDa-iCE。デビュー6年目となる今年、初のベストアルバムを引っ提げ、約7万人を動員した全国ツアーを成功させたDa-iCEが、12月18日にニューシングル「BACK TO BACK」をリリースされるということで、工藤大輝さん(Performer)、岩岡徹さん(Performer)、大野雄大さん(Vo&Performer)、花村想太さん(Vo&Performer)、和田颯さん(Performer)のメンバー全員にお話をうかがいました。花村想太(Vo&Performer)。1990年8月15日生まれ。兵庫県出身。ーー渋谷VUENOSで初ライブをされて以降、多くのライブをされていたインディーズ時代を振り返るといかがですか。花村ライブ活動を積極的にしていましたが、実はライブしかやることがなかったからなんです。工藤CDを作ることができる状態ではなかったですし、雑誌の取材があるわけでもないという状況でした。岩岡ひたすら練習ばかりしてたよね。大野当時、自分たちでやれることといったら、ライブしかなかったから。和田どうやってライブをするか考える日々でしたね。花村最終的に、当時は年間130本くらいライブをやっています。工藤大輝(Performer)。1987年6月28日生まれ。北海道出身。ーーもともとデビューを目指していたのでしょうか。花村そうですね。目指していました。ーー2014年にメジャーデビューされてから、デビュー6年目を迎えて、これまでと現在のDa-iCEに違いを感じますか。工藤当時と違って、いまはこうして取材が入ることもあって、とてもありがたいと思っています。花村そうだね。忙しいのもありがたいです。大野“ライブが大事”という気持ちは昔から変わらないのですが、より楽しく活動できていると思いますね。年間でライブを100何本もやっていたことで、経験値が上がりました。工藤最近、ライブで音が止まるトラブルがあったんです。もしも僕らがライブをたくさんやってこなかったら慌てていたかもしれないのですが、これまでの経験があるから、そのトラブルもうまく処理できましたし、なんでもポジティブにできるようになれましたね。岩岡徹(Performer)。1987年6月6日生まれ。千葉県出身。ーーステージでの見せ方やパフォーマンスにおいても、レベルアップし続けているのですね。花村そうかもしれません。昔に比べると、のども強くなった気がしますね。前はすぐにのどが枯れてしまうこともあったのですが、いまは2時間半のライブを時には3日間やることもあるのですが、当時のままだったらきっと歌えなかっただろうなと思います。ーーどうやってのどのケアをされているんですか。花村ケアしたいんですが、ズボラな性格なので、結局のところとくにケアはしていないんですよ(笑)。でも、僕と同じボーカル担当の(大野)雄大くんは、なるべくしゃべらないようにしていたり、加湿をしっかりしているみたいですね。僕は家に加湿器もないんです。ただ、次の日に絶対にのどを壊しちゃいけないというときだけ、前日にマスクをします。そうすると、ちょっと良くなる気がするんです(笑)。大野わかる気はするね(笑)。Da-iCEの新しい一面が見えるニューシングルーー今年の6月にはベストアルバムをリリースされ、25都市31公演の全国ツアーをされましたが、新たな手応えはありましたか。工藤新しいお客さんが増えたことは、手応えとしてありますね。いままで、どこの公演に行っても来てくださるお客さんもある程度いて、「あったかいなあ」と思っていましたが、今回はさらに全国各地に新しい人も増えてきたことを感じました。花村後ろの席や二階席が、ほぼ新しいお客さんで埋まっていました。とくに久しぶりに行く地方の公演だと、新しい方がたくさんいらっしゃいましたし、行った甲斐があったと思いましたね。和田本当に、その通りです。初めての人に見てもらえたということが、目の前で実感できることによって、「ああ、こういうふうに全国をたくさんまわっていてよかったな」と思いました。大野雄大(Vo&Performer)。1989年4月1生まれ。愛知県出身。ーー12月18日に、17枚目のシングル「BACK TO BACK」をリリースされます。タイトル曲は工藤さんがスウェーデンで作ってこられたものだそうですね。工藤はい。ベストアルバムを出して、ツアーも終わった時期でのシングルリリースということで、「新しい一面を見てほしい」という思いで作りました。楽器でいうと、これまでシングルでは使ったことのないエレキギターを使用しているのがポイントですね。これを用いたことで、かっこいいサウンドに仕上がっていると思います。今年はいろいろな対バンライブやフェスもできて、僕らの表現力も上がって、個人的にこういう曲を作ったほうがいいと思って作りました。ふたりのボーカルが掛け算されて、楽しい楽曲になっています。花村デモ段階でこの曲を聴いただけで、誰が作った曲かは知らずに、めちゃくちゃかっこいいと思ったんです。みんなでシングルの候補曲を10曲ぐらい続けて聴いて、そのときの印象で、最終的にはこの「BAK TO BACK」か(収録曲の)「Damn it!」か、どちらかとなって、やっぱりこの曲がいいって満場一致で決まり、初めて大輝くんが作った曲だと知りました。メンバーが作詞作曲した曲が表題曲になるのは初めてなので、ベストアルバムを出した後の1曲目としては、意味のあるシングルだと思います。和田颯(Performer)。1994年2月3日生まれ。群馬県出身。ーーいつもリリースする候補曲を実際にみなさんで聴いてから、表題曲を決めるのですか。花村そうなんです。みんなで決めていますね。工藤視聴会があるんです。スタッフの方とメンバー全員で聴いて、多数決で曲を決めています。ーーシングルに収録された2曲目「Damn it!」は、花村さんが作詞されたんですね。花村詞を書かせていただきました。実はこの曲、僕が別でやる(2020年1月始動の)バンドプロジェクト「Natural Lag」の曲作りに煮詰まっているときに、「ちょっと気分転換に違う曲を書いてみよう」と思って取り掛かったら1、2時間でできた曲で、かなり満足しています。2020年1月にはアリーナツアーを開催ーー3曲目の「Only for you」は、大野さんが作詞されたそうですね。大野はい。この曲は、2020年1月からスタートするTVアニメ『宝石商リチャード氏の謎鑑定』(TOKYO MXほかで放送予定)のエンディングテーマになることが決まったので、アニメのストーリーを読ませていただいて、作詞しました。これまでの作詞では、リアルに自分の思うことを書くことが多かったのですが、今回はアニメの主人公や自分の気持ちを交差させながら、空想で物語を思い描いて、いろいろなフレーズを入れてみたんです。そんな書き方は初めてだったのですが、まるで図画工作をやっているようで、新しく世界を作る感じがして、楽しくできました。ーーエンディングテーマになるにあたって、アニメの製作側からリクエストはありましたか。「生きた宝石」という言葉を入れてほしいと言われましたね。主人公が「生きた宝石」といわれているので、歌詞の中にも、どこかにそのワードを入れてほしいというリクエストでした。そこから考え始めたときは、難しかったですね。自分だけでは普段使わない言葉を辞書で引いてみたり、調べたりしながら作詞をしていきました。ーー4曲目の「VELVET EYES」は、シンガーソングライターのさかいゆうさんがプロデュースされた楽曲だそうですね。花村そうなんです。さかいさんにはディレクションをしていただきましたが、とてもアーティスティックな方でしたね。工藤曲は大人っぽくて、新しい層にアプローチできそうな予感がする曲になっています。大野さかいさんとは初めてご一緒したのですが、個性的な方でしたね。レコーディングスタジオにさかいさんは自転車で来られていたんですが、スタジオまでの道順を携帯のマップに入れて、自転車につけていらしたんです。さかいさんが到着してからすぐにはそのことに気づかなくて、だいぶ時間が経ってからさかいさんの自転車を見たら、ずっとそのまま携帯がつきっぱなしになっていました。「携帯ナビで来られました?自転車につけ忘れてますよ」とお伝えしたら、「あ、そっかー!」って言いながら、さかいさんは全然焦っていませんでした(笑)。ーー来年1月には、アリーナツアー「Da-iCE BEST TOUR 2020 -SPECIAL EDITION-」を開催されますね。東京は1月10日、11日に初の代々木第一体育館で、大阪は2月29日と3月1日に大阪城ホールで、それぞれ2日間ライブを行います。アリーナツアーは、今年11月に終えた全国ツアーの延長線上のような位置づけなのでしょうか。花村そうですね。ただ、“SPECIAL EDITION”と題されたアリーナツアーですし、全国ツアーよりも曲数は超えます。工藤キャパシティも全然違うので、今回のような見せ方もあると思いますが、ステージの作りはまったく違うので、もう1度練り直します。花村もしかすると、このアリーナツアーのほうが、僕らを身近に感じてもらえるかもしれません。もう発表されているのですが、中央に丸いステージがあって、それを囲むようにARENAのステージが正方形になっている“サイコロの形”をしたステージになるんです。大野その中央の丸いステージから、STAND席への花道が作られているので、ステージの場所によって、お客さんと近くなる位置もあるかもしれないね。工藤あとはどうやって誰がどの位置に行くか、これからリハーサルしていきます。知られざる5人の男前エピソードと女性の好みーーここで趣向を変えて、みなさんの「男前エピソード」があれば、ご本人以外の方から「1人1つ」ずつ、エピソードを教えてください。花村じゃあ僕から。(岩岡)徹くんの男前エピソードです。それは……朝、リンゴを食べていました(笑)!メンバー一同爆笑花村どこが男前かというと、スタジオで、リンゴを丸かじりする人、見たことないですよね!?今朝、うしろで「カシャッ」って音がするから、何かなと思って振り向いたら、でっかいリンゴを徹くんがひとりで食べていて驚きました(笑)。ーーそれは男前ですね(笑)。花村男前です!岩岡たまたま差し入れで置いてあったリンゴを食べただけだよ(笑)。では次は僕が(大野)雄大の男前エピソードを。アレ言っちゃおっかな〜。それとも、コレ言っちゃおっかな〜。大野どれもやめてー(笑)!!岩岡言えない話もいっぱいあるからね(笑)。その中からひとつ。新幹線に乗るときに、自分がほしいものを買いに行くとき、必ず僕にも「何かいりますか?」と聞いてくれるところが男前ですね。ーー気配りされるのですね。岩岡はい。しかもそれをサラッとやるんです。すごいなぁと思います!大野次は僕が(工藤)大輝くんの男前エピソードを。いろいろな意味で、何事にも動じないところが男前ですね。ーーたとえば、どのようなことに動じないのでしょうか。大野以前、イベントがあったのですが、そのときに披露する曲の中で、みんなで左を向くフリがあったんです。そのところで、大輝くんが一番端に立って、僕が大輝くんの背中を見ることになるんですが、大輝くんいつまでも堂々とこちら側を向いてるんですよ。左を向くところを右向きのままでいることがありえなさすぎて、でもあまりにも堂々としているので、ツボにハマってしまって。次第に、大輝くんが正しくて、僕らが間違ってるのかなって思えてきましたから(笑)。動じない。これはもう男前だな。花村それが衝撃的で、歌い出しが歌えてなかったよね(笑)。大野ほんと(笑)。花村そういえば、昔、大輝くん、めっちゃ雨が降ってたステージで転んだことがあったんです。でも、2秒後に、何食わぬ顔でスッと踊ってましたからね。ーープロフェッショナルですね。花村はい。いやもう、男前です!僕なら、「こけたわ〜っ!」てすぐ言っちゃいますからね。工藤この話、何回もされてるんです(笑)。では(和田)颯の男前エピソードといえば、ライブで家を空けて久しぶりに帰るとき、ものすごく急いで家に帰っていたことがあったよね。和田うん、飼い猫に早く会いたくて。工藤猫に関しては行動が早いんですよ。和田ほかは行動が遅いみたいな言い方しないでくださいよ(笑)。工藤そんなことないよ(笑)。猫は家族ですからね、猫に対する愛情が、すごいなと思います。和田一人暮らしだと外出したときに、家にいる猫が気になると思うんですが、うちは妹が近くに住んでいるから猫を見ていてくれるんです。最近、猫が好きすぎて、2匹に増えちゃいました!ーー続いては花村さんの男前エピソードをお願いします。和田集中力がすごいです。好きなこととかもそうですし、なんでもとことん突き詰めていくのはすごいですね。そこが男前だと思います。ーーエピソード、ありがとうございました。これまで、Da-iCEには女性への思いを込めた曲もありますが、みなさんの女性のタイプを教えてください。花村会話能力の高い女性がいいですね。僕の話をちゃんと聞いて、理解してくれる人です。岩岡芯がある人がいいですね。これだけは譲れないということが、何かひとつでもある人。大野芯があるけど、やさしくて、器が広くて、笑顔がすてきな人がいいですね。岩岡それ、オールスターじゃない(笑)。工藤健康的な人です。筋トレをしているような引き締まったボディの人もいいですよね。和田やっぱり、顔です。花村好みの顔ってことね。和田そう。大事です(笑)ーー最後に、今後のDa-iCEとしての目標を教えてください。大野まずはアリーナツアーをしっかりと成功させることですね。ananwebの読者のみなさんにも、ぜひライブで僕らのパフォーマンスを観てほしいと思います。取材後記新曲やライブのお話はもちろん、“男前エピソード”などではメンバーの意外な素顔が垣間見えて、5人の仲の良さが伝わってくる和やかな雰囲気で取材させていただきました。アリーナツアーを控え、着実に進化し続けているDa-iCEさんは、これからも全国の乙女の心を鷲掴みにしてくれるはず。まずはニューシングルをチェックしてみてくださいね。Da-iCE PROFILE工藤大輝(Performer)、岩岡徹(Performer)、大野雄大(Vo&Performer)、花村想太(Vo&Performer)、和田颯(Performer)からなる5人組ダンス&ボーカルグループ。2011年1月17日に結成。渋谷VUENOSでの初LIVEを皮切りに、年間100本以上のLIVEを行いインディーズでの活動をスタート。2014年1月15日に1stシングル「SHOUT IT OUT」でメジャーデビュー。2015年、「第29回日本ゴールドディスク大賞」“ベスト5・ニューアーティスト賞”を受賞。2016年7月、初の全国ホールツアーを開催。2017年1月には悲願の日本武道館公演を成功させる。6月、全国ツアーを開催し、11月、12月に神戸と幕張でアリーナ公演4DAYSを実施。2018年、大阪城ホール公演2DAYSを含む全国ツアーを開催。2019年、4月に16thシングル「FAKE ME FAKE ME OUT」、6月6日には自身初のベストアルバム『Da-iCE BEST』とLIVE DVD&Blu-ray『Da-iCE 5th Anniversary Tour -BET-』を続けてリリース。ベストアルバムを引っ提げ自身最大規模の全国ツアーも開催。12月18日には、現在放送中のドラマ『あおざくら防衛大学校物語』(MBSほか 木曜深夜0:59)の主題歌でもある17thシングル「BACK TO BACK」をリリース。2020年1月より初の代々木第一体育館公演を含むアリーナ公演4daysを開催予定。InformationNew Release「BACK TO BACK」01.BACK TO BACK02.Damn it!03.Only for you04.VELVET EYES12月18日発売UMCK-5686(通常盤)¥1,430(税込)
2019年12月16日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第18回目に登場するのは、Jr.EXILE世代のなかでもさわやかでスタイリッシュなダンス&ボーカルグループ、FANTASTICS from EXILE TRIBE(ファンタスティックス・フロム・エグザイル・トライブ)!写真・大内香織メンバーの思いが詰まった「FANTASTIC NINE」の成功写真左から澤本夏輝(PERFORMER)、中島颯太(VOCAL)、佐藤大樹(PERFORMER)。【音楽通信】vol.182016年12月、EXILE TRIBEの新グループとして、EXILEの世界さんと佐藤大樹さんをリーダーに、EXPG STUDIOから選抜された澤本夏輝さん、瀬口黎弥さん、堀夏喜さん、木村慧人さん、中尾翔太さんを加えた7人組のパフォーマー集団として結成されたFANTASTICS from EXILE TRIBE(以降、FANTASTICS)。2017年、「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 5 〜夢を持った若者達へ〜」の応募者約3万人の中から選ばれた八木勇征さん、中島颯太さんがボーカリストとして加入して9人組に。2018年、デビュー目前に急逝された中尾さんの思いを胸に、12月にシングル「OVER DRIVE」でメジャーデビューを果たしました。デビュー作はオリコンデイリーチャート1位を獲得し、第33回日本ゴールドディスク大賞ベストニュー5・アーティスト賞を受賞するなど飛躍を遂げるなか、2019年、4月と8月にもシングルをリリース。そんなFANTASTICSから、パフォーマーの佐藤さん、澤本さん、ボーカルの中島さんの3人に、12月4日にリリースされた4枚目のニューシングル「Time Camera」についてお話をうかがいました。グループのリーダーでもある佐藤大樹(PERFORMER)。1995年1月25日、埼玉県生まれ。ーー10月と11月は、12都市17公演の初ホールツアー「FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE」を開催されましたね。“音楽と演劇による新体験エンタテインメント”と銘打たれたツアーですが、実際にどのようなステージだったのでしょうか。佐藤今回は、EXILE TRIBEのなかでも初の試みで“半分演劇、半分ライブ”という形のツアーでした。普段のライブだとパフォーマーはMCのときぐらいしかしゃべらないのですが、初の挑戦として自分たちがステージでやりたかったことを、ひとりずつ提案し舞台上で実現していくストーリーをメンバー全員で、ドラマパートでは表現させていただきました。僕たちがこのライブで伝えたかった9人でFANTASTICSというメッセージを踊って伝えるだけではなく、自分の口から発信していくことを提示して、タイトルに「FANTASTIC NINE」というタイトルを掲げ、全員で発信する機会を設けて頂いた気がします。中島颯太(VOCAL)。1999年8月18日、大阪府生まれ。中島このツアーは初めて自分たちだけで表現するエンタテインメントになるので、リハーサルの段階から何が正解なのか、どうなるのかわからない状態で、僕たちが伝えたいことを相談しながら進めていきました。新しい挑戦なので、逆に自分たちの好きなことができるという考えもありました。実際にやってみて、お客さんの反応もありがたかったですし、お芝居をするドラマパートがあることによって、ライブパートもまた映える構成になっていました。よりメッセージ性も強くなり、一体感も感じられたので、すごく良い経験になりました。澤本夏輝(PERFORMER)。1994年1月19日、長野県生まれ。澤本今回、僕たちはいままでにないことをやらせていただきました。リハーサルでは「ドラマってどういうものなのだろう」と考え、ただ演技するだけではお客さんに伝わらないですし、お客さんにどうしたらもっと僕たちのカラーを伝えられるかなと思いながらやっていました。お芝居は、俳優としても活動している(佐藤)大樹くんが先頭を切って、いろいろとみんなにアドバイスをしてくれました。ステージに立つと、リハーサルの段階では想像もしていなかったお客さんの反応がわかることもあって、本番を迎えたときに初めてこの「FANTASTIC NINE」が完成に近づいたのだと感じました。僕たちの思いが詰まった「FANTASTIC NINE」というテーマが掲げられてのツアーなので、ひとりでも多くの方に思いが伝わるとうれしいですし、実際に観て感動してくださる方がたくさんいたので、この挑戦をした結果、FANTASTICSの新しい一面となる僕らの武器ができたと感じました。新曲はFANTASTICSの決意や意欲が込められた曲ーー12月4日に、4枚目のシングル「Time Camera」がリリースされました。爽快でキャッチーな楽曲ですね。佐藤はい。この曲は「FANTASTIC NINE」のライブパートの1曲目に披露していた曲です。曲を作るにあたって、まずは1曲目にふさわしい曲を作るということで、FANTASTICSはいままで頭サビの曲があまりなかったのですが、「Time Camera」は頭サビから始まってガッツリ踊ります。今回ライブでは「時」をテーマにしていましたし、この曲からドラマパートもサウンドパートも始まるので、僕らにとっても大切な曲です。作詞はいつもお世話になっている小竹正人さんが手掛けてくださいました。「過去、現在、未来」という3つの時間軸において、僕たちがいままでやってきたことは間違いじゃないし、ひたすら目の前のことに向き合っていれば新しい未来が見えてくるということ、そして僕たちが今後また新たな扉を開けるというイメージの歌詞とジャケット写真になっています。僕らの決意や意欲が込められた曲になっています。澤本時の大切さをテーマにした曲なので、この「Time Camera」は、曲調的にもまさにいまのFANTASTICSを表現していると思います。中島FANTASTICSらしいキャッチーな曲で、何度聴いても全員が一緒に盛り上がる曲になっていますし、歌詞も時間軸を用いた深い表現をしています。ボーカルとしても、レコーディングのときにいまを大切に等身大の僕たちを歌わせてもらいました。でも、実はレコーディングを一度終えてから、「もう少しスピード感があったり、芯があったりしたほうがいいね」と話して、録り直したんです。特に、最初の「Can you hear it now?」という歌詞の部分は、再チャレンジしたおかげで、さわやかに、かつ聴いた方全員が拳をあげられるような勢いのある歌い方になれたと思います。スピーディさや勢いを考えて歌い方を変えながら、レコーディングに向き合いました。芯を持ちながらも、力強い歌声になっているのではないかなと思います。ーー「Time Camera」のミュージックビデオはレトロな洋館で撮影していましたね。コンセプトや撮影のときのエピソードがあれば教えてください。佐藤“メンバーや知り合いがパーティに来た”というおおまかな設定と、「時」「カメラ」というキーワードがありました。ミュージックビデオでは、ひとりひとりストップモーションになるシーンがあるのですが、いまはCG技術を使うことも多いなか、僕らの場合は実際にダンサーやエキストラの方に協力いただいて、その場で動きを合わせてもらいました。チームワークが求められた現場でしたがスムーズに撮影ができて、僕らもコミカルな動きを以前から踊りに入れていたので、すごく好みの振り付けでした。中島今回、初めてエキストラのみなさんと一緒の撮影で、すごくモチベーションが上がりました。裏話でいうと、ボーカルのリップシーンといいますか、全員がいるパーティ会場でのリップシーンで、世界さんがうしろですごく歌っているシーンがあるんです(笑)。よく見たら気づくと思うので、チェックしてみてください。澤本初めてエキストラの方がいたので、確かにメンバーだけでやるのとは違う感覚でした。パーティをテーマにした撮影だったので、本当にパーティをしているような雰囲気の中での、ダンスのソロシーンがありました。今回はボーカルも一緒にいるので、見ていて一緒の空間でパーティをしているような気持ちになれると思います。そういえば、ボーカルは初めてのアイデアで、車に乗りました。中島オープンカーです。撮影当日は雨が降っていたのですが、オープンカーに乗った途端に晴れたんです。佐藤晴れ男ですね。中島無事に撮影できました。ーー2曲目「Tumbling Dice」は、1曲目とはガラリと曲調の違うクールで力強い楽曲ですね。佐藤そうですね。この曲はライブが一番似合うと思っていて、ツアーではアンコールでも歌わせてもらいました。パフォーマーからすると、こういうガシガシ踊れる曲調は、ダンスの面でも「待ってました!」という感じなんです。「Time Camera」とは打って変わってすごくダンサブルで、でも歌詞はすごくストレートで、自分たちも歌詞を聴きながらこの振り付けを踊っている部分もありますし、あの歌詞のところ……(と隣りに座っている澤本さんを見る)。澤本Bメロの「苛立ち不安なんか 笑い飛ばしていこうぜ」。佐藤そこがすごく好きですね。僕らもまさにそういう気持ちで踊っているというか、ライブをやるにあたって、こういう曲がすごくほしかった。やっとできたし、メジャーデビュー曲からお世話になっているZEROさんという方が作詞してくださっていますし、だからすごく僕らのリアルなことも歌詞に綴ってくれているので、やっていてすごく気持ちいいです。ーーやっぱり曲の振りですとか、気持ちにもピタッとはまる感じがあったのでしょうか。佐藤はい。世界さんが振り付けしてくれました。しかも今回、かなり時間のないなかでこれを作り上げて、当初はライブでやるかやらないかも迷っていたのですが「やろう」と決めて。本当にそう決めてよかったと思いますし、ライブで一番育った曲です。「Time Camera」と同じぐらい、全国で初日から披露していました。中島また新しい曲ができましたし、ボーカルとしても、「パフォーマーが踊りたいと思った曲を歌いたいね」と話していたんです。それに自分たちの歌った曲を聴いて「かっこいいね」と言ってくれるのもすごくうれしかったですし、いままでで一番時間をかけたんじゃないかというくらい、歌詞の一行、一行に向き合いました。こういう曲はリズム感やグルーヴで力強さを出すのが相当難しくて、そこも勉強になりましたし、ライブでやっていてもお客さんが盛り上がってくれることがわかってうれしかったです。澤本「Tumbling Dice」では初の音サビがあって、パフォーマーもそのパートは気合を入れて踊ります。「手を挙げろ 胸を張れ」という歌詞があるのですが、それも耳に残りやすいと思いますし、この曲を聴くと心が奮い立たされます。ほかにも「Ya ya ya」という歌詞があったり、初めて聴いたときは斬新でしたし、ダンサーも好きな曲だと思いました。僕たちがパフォーマー集団の時期にやっていた、パフォーマーの思いやイメージをこの曲の中にも取り入れて、踊って面白い曲にもなっています。EXILE SHOKICHIが作曲に参加したナンバーも収録ーー3曲目の「Tarte Tatin」はポップな楽曲ですが、甘酸っぱいリンゴのスイーツのタルト・タタンがタイトルなんですね。佐藤歌詞にある「毎日が甘くて酸っぱくて」というワードから「Tarte Tatin」というタイトルになったと思います。小竹正人さんが作詞を担当してくださり、この曲について小竹さんに聞いたときに「ファンの方と一緒に何もかも忘れて踊って歌おう」というメッセージがあると僕たちに教えてくれました。ライブでも、この曲は後半戦から披露させてもらいましたが、初めて聴いたときからファンの方もすごくノリノリで聴いてくれましたし、サビでは(瀬口)黎弥がみんなで一緒に踊れるような振り付けをしてくれたので、ダンスもすごくはまっています。今後もっと育っていく曲だと思っています。ーーボーカルは、サビのファルセットが印象的です。中島サビのファルセットは、聴いた方もすごくさわやかな気持ちになるのではないかなと思っていて、ファルセットで細かく歌うのが難しいので、聴いていてどういう声がいいんだろうということを意識しながら録りました。逆にサビの後半では、ローなところもあって、歌詞の「Higher! Higher!」「Yeah! Yeah!」などはお客さんと一緒に言えそうな部分になっています。聴いていただいて、そしてライブでも一緒に盛り上がっていきたいですね。澤本この曲は、EXILEのSHOKICHIさんも作曲に参加いただきました。とてもはまりやすい曲なので、たくさんの方に聴いていただいて、自然とノッてほしい曲です。ーーSHOKICHIさんと曲についてお話しされる機会もあったのでしょうか。中島事前にSHOKICHIさんから「こういう歌い方をするといいよ」とアドバイスをいただいたので、そこを意識しながら歌いました。ーー2019年の最後の月にリリースする新曲になりますが、今年を振り返ると、みなさんにとって2019年はどのような年でしたか。佐藤毎年、「早い、早い」と言っていますけども(笑)。今年こそ本当に早かったです。デビューしてから1年という年だからというのも理由だと思うのですが、年明けからEXILEのライブにもFANTASTICSは帯同していましたし、「OVER DRIVE」というデビュー曲もずっと披露していたし、2枚目の「Flying Fish」、3枚目の「Dear Destiny」と立て続けにシングルをリリースしましたし、リリースイベントで全国もまわらせてもらい、何よりも単独公演もやっていたので、ノンストップでした。中島ツアーの間にシングルを出させていただいたので、レコーディングですごく歌力といいますか、歌の勉強にもなりました。今年は“歌”というものに向き合えた年ですし、8月には20歳になった年でもあるので、大人の第一歩にもなりました。ーー10代と20代では何か違いはありますか。中島はい。気持ちが違いますし、お酒が飲めるようになったので、メンバーと乾杯できたことが一番うれしかったです。澤本早すぎる1年でした。1月、2月とライブをして、7月もライブをして、10月、11月も……うれしい限りですね。本当にありがたいです。自分たちだけでは絶対につかめなかった環境でもありますし、先輩方に感謝して活動していきたいということをより強く思った1年でした。2020年は新しい段階に行く年になるーー音楽活動が忙しそうですが、お休みはあるのでしょうか。佐藤あります。休みの日は人それぞれなのですが、不思議とメンバーといることが多いです。僕もそうですが、(澤本)夏輝くんも神社にお参りに行ったりします(笑)。澤本はい、ただ最近はあまり行っていません(笑)。中島それと、お城の写真を撮りに行ったり(と澤本さんを見る)。ーー建物を見るのがお好きなんですか。澤本はい(笑)。自分じゃ絶対建てるのは無理なことなので。佐藤そういう観点なんだ(笑)!中島そういうことか(笑)。澤本歴史を感じるものが好きなんです。「これ、どうやって作ったんだろう」ってつい立ち止まって見てしまって、「うわ! この柱ヤバい」とか思って(笑)。まず建物の全体を写真に撮って、さらに気になる部分だけを撮ったり。だから僕のカメラロールには、わけのわからない写真がいっぱいあります(笑)。ーー楽しい趣味ですね(笑)。佐藤さんはお休みをどのように過ごしていますか。佐藤僕は映画を観るか、買い物に行くか、舞台を観に行くかが基本ですね。絶対家にいないです。中島しかも大樹くんはオフの日のスケジュールが分刻みで、細かいんですよね。僕はよく大樹くんのところに遊びに行ったり、ご飯を食べに行ったりするのですが、次の予定と次の予定が細かく決まっているんです。ーースケジュールがびっしり入っていると、休んでいる感じがしないのでは。佐藤いえ、びっしり予定のあるほうがいいんです。僕は休みの日に、したいことをひたすらします。ーー映画はメンバーともご一緒に行くことはありますか。佐藤(木村)慧人がよく映画に誘ってくれて、僕は基本断らないタイプなので、一緒に行くこともあります。なっちゃん(堀さん)とか(中島)颯太とも、洋服を買いに行ったりします。ーーでは最後に、来年の抱負を教えてください。中島来年は、6年に一度のLDHの大イベント「PERFECT YEAR」がある年で、LDHに所属する全員が日本中を巡って盛り上げていく年なので、FANTASTICSとしてもFANTASTICSらしく盛り上げていきたいです。曲もどんどん増えていくと思うので、みなさんを楽しませられるようなボーカリストになりたいですし、ひとりの人間としてもしっかりとした人間になって、たくさんのことを届けられるようになりたいです。佐藤来年は僕たち、初の単独アリーナツアー「FANTASTICS LIVE TOUR 2020 "FNT"」が3月から控えているんです。EXILEのツアーの最中にリハーサルがスタートしますし、すでにやりたいことがたくさんあるので、来年は楽しみで仕方がないです。あとは僕たちとしても、2月に初めてアルバム『FANTASTIC 9』をリリースできるので、アリーナツアーはすごく面白いことになると思っています。今回、「FANTASTIC NINE」で新しいことを提示できたので、2020年は新しい次の段階に行く2年目になると思います。澤本来年はアリーナツアーを開催させていただけるので、今回のホールツアー以上に、もっと新しいものを求めて見に来てくださる方もたくさんいると思うんです。その期待を裏切らないように、僕たちメンバー、スタッフさんと話し合って、最高のツアーにしていきたいと思います。取材後記朝早くからの取材でしたが、みなさんキリッとしていながらもとってもさわやか。凛とした佇まいでインタビューに応えてくださった佐藤さん、真摯な姿勢の澤本さん、ボーカル愛にあふれる中島さんたちの“FANTASTICSへの熱い思い”が垣間見えました。これからも飛躍し続けていくであろうFANTASTICSさんのニューシングルをまずはチェックしてみてくださいね。FANTASTICS from EXILE TRIBE PROFILE2016年12月29日、EXILE TRIBEの新グループとして、EXILEの世界さんと佐藤大樹さんをリーダーに、EXPG STUDIOから選抜された澤本夏輝さん、瀬口黎弥さん、堀夏喜さん、木村慧人さん、中尾翔太さんを加えた7人組のパフォーマー集団として結成されたFANTASTICS。2017年、約3万人動員をした武者修行後、ボーカルオーディションで約3万人の応募者から選ばれた八木勇征さん、中島颯太さんがボーカリストとして加入。2018年、約7.5万人を動員した「夢者修行 FANTASTIC 9」後、デビュー目前に急逝された中尾さんの思いを胸に、12月にシングル「OVER DRIVE」でFANTASTICS from EXILE TRIBEとしてメジャーデビュー。デビュー作はオリコンデイリーチャート1位を獲得し、第33回日本ゴールドディスク大賞ベストニュー5・アーティスト賞を受賞するなど飛躍を遂げるなか、2019年、初のホールツアー「FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE」を開催。12月4日には4枚目のシングルをリリース。3枚のシングルをリリース。2020年、2月に1stアルバム『FANTASTIC 9』をリリース後、初のアリーナツアー「FANTASTICS LIVE TOUR 2020 “FNT”」を行う。InformationNew Release「Time Camera」(CD)01.Time Camera02.Tumbling Dice03.Tarte Tatin04.Time Camera (Instrumental)05.Tumbling Dice (Instrumental)06.Tarte Tatin (Instrumental)(DVD)「Time Camera(Music Video)」「FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE ライブ映像」「ツアー密着ドキュメント映像」12月4日発売※曲は2形態共通。※DVDはRZCD-86971/B(CD+DVD)のみに付属。RZCD-86972(CDのみ)¥1,273(税別)RZCD-86971/B(CD+DVD)¥1,818(税別)
2019年12月13日ぶりっ子と言うと、女性ファン急増中の田中みな実さんを思い出す人も多いのでは?さておき、ぶりっ子なのは女性だけとは限りません。自分を上手にアピールする“あざとさ”を持つ男性が最近、増えているように感じます。身近な“あざといくん”たちにはどんな特徴があるのでしょう。また、関わる上での注意点は?アラサー女性にリサーチしてみました。■かわいい仕草はデフォルト◎萌え袖「おしゃれでかわいい顔をした後輩デザイナーがよくやっているのが“萌え袖”。指先しか見えていない手で顔を覆ったり頬杖をついたりと、見ているこっちが恥ずかしくなる仕草を堂々と繰り出してきます。違和感がないのがまた悔しい」(28歳・IT)◎タピオカをすくうのに必死になる「彼とタピオカドリンクを飲んだときのこと。『えいっ、えいっ』と声が聞こえてきたのでふと見ると、ストローで吸いきれなかったタピオカをすくい上げようと必死。しかも少し唇を尖らせていて、かわいいと思ってしまった自分がつらいです」(30歳・美容師)◎鼻の頭にクリームをつけちゃう「職場の人たちとカフェに行ったら、同期の男がクリーム山盛りのドリンクを頼み、しっかり鼻の頭につけていた。周りに指摘されると『わー、俺アラサーなのにこんなんでいいのか?』知らんわ!」(26歳・広告)やられたほうが照れるようなことをさらりとこなしてしまう、そしてそれが、天然なのかナルシストなのか判別のつかない絶妙なところを攻めてくるのが彼らの特徴。なんとなく許されているところも共通しています。■演出力&コミュ力が高い◎気持ちをしっかり伝えてくる「身近な“あざといくん”は、営業部のエースの先輩。相手が求めている言葉を察知して、さりげなく伝えるのが上手なんです。上司には『この前教えてくれた焼き鳥屋に行ってきました。いい店ですね!』、プロジェクトのメンバーには『まとめてくれた資料、得意先に喜んでもらえたよ』、部外の同僚には『髪切ったんだ、似合うね』などなど、ニクい一言をさらりと残し、みんながはにかむという現象が多発しています」(26歳・マスコミ)◎ギャップを見せてくる「おっとりキャラの同期の男子がヤバいです。普段はのんびり屋なのに、女子が重いものを持っていたり、高い所のものを取ろうとしていたりすると、気づいてサッと助けてくれます。本人いわく『3人きょうだいの末っ子長男で、小さい頃から姉たちや母から女性に優しくするよう教え込まれてきた』そうですが、実はイケメンで長身。手伝ってくれるときの距離が近すぎ&かっこよすぎて女子たちはメロメロです」(27歳・旅行代理店)◎思わせぶりな態度で意識させる「大学時代、バイト先のコンビニに“あざといくん”がいました。“ちょっとした態度や言動で親密さを演出して、誰とでもすぐに仲良くなる人で。なんとなく好みのタイプの話になったとき、『俺はショートヘアに弱い』と言い、すかさず私に『〇〇ちゃんもショートだね』と笑顔を向けたので、フリーズしてしまいました」(23歳・流通)基本的に彼らは頭の回転が早いように感じます。さりげなく、かつ確実に相手の懐に入る術を持っている……おそろしい子!■あざとくてもいいさ、誠実なら!こうなったら、あざとさを受け入れるほか、ないのかも。だって嫌な思いをさせられているわけではないし、もはや本人も無意識の振る舞いっぽいし。もしも彼と関係を深めたいのなら、信頼できる人なのかという視点を持つといいでしょう。例えば、あなたがピンチのときに寄り添ってくれるか、行動してくれるか、浮気はしないか。誠実だったら“あざといくん”は最高の男性かもしれません。
2019年12月08日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第17回目に登場するのは、日本のみならず海外でも高い評価を得て、ワールドワイドに活躍しているジャズバンドのSOIL&“PIMP”SESSIONS(ソイルアンドピンプセッションズ)!写真・大嶋千尋結成時から世界を視野に入れてバンド活動開始写真左から社長(Agitator)、タブゾンビ(Tp)。【音楽通信】vol.172001年、東京のクラブイベントで知り合ったミュージシャンで結成された5人組のジャズバンド、SOIL&“PIMP”SESSIONS。2005年にイギリスのBBC RADIO1主催「WORDLWIDE AWARDS2005」で「John Peal Play More Jazz Award」を受賞以降、海外での作品リリースや世界最大級のフェスティバルといった数々のイベントに出演し、卓越した演奏力とエンターテインメント性で、国内外のリスナーを魅了し続けています。ワールドワイドな活動を行いながら、日本では映画やドラマの劇伴も手がけるほか、これまでにRADWIMPSの野田洋次郎さん、三浦大知さん、椎名林檎さんなど多数のアーティストともコラボレーション。そんなSOIL&“PIMP”SESSIONSから、アジテーターの社長さん、トランペットのタブゾンビさんのおふたりに、12月4日にリリースされたニュー・アルバム『MAN STEALS THE STARS』についてお話をうかがいました。ーー以前のことから少し振り返らせてください。バンドを結成されるまでは、それぞれ別のバンドで活動されていたそうですね。社長はい。タブゾンビは学生でありながら、ミュージシャンとしても仕事をしていました。タブゾンビ社長はウェブデザインの仕事もしていたよね。ピアノ担当の丈青(じょうせい)はプロのジャズミュージシャンだったし、みんないろいろなことをやっていました。バンドのスポークスマンでもある社長(Agitator)。1月18日、福井県生まれ。ーーこれまでに世界31か国で公演を行っていますが、バンド結成当初から、日本だけではなく海外での活動も視野に入れていたのですか。社長そうですね。タブゾンビですです! あの、鹿児島県出身なんですが、「ですです」は鹿児島弁で「そうなんです」という意味です(笑)。結成当初から、世界を視野に入れて、バンド活動をしていました。ーーあらためて、社長さんとタブゾンビさんのお名前の由来はなんですか。タブゾンビ僕はいつから、タブゾンビなんだろうね。社長ずっとタブゾンビじゃないかな。僕ら大学の同級生なんですが、出会った時からタブゾンビと呼ばれていましたから。ーーアメリカのミュージシャンの「ロブ・ゾンビ」は関係がありますか。タブゾンビはい、名前をいただきました(笑)。もともとロブ・ゾンビがやっているようなハードな音楽が好きだったことと、本名が椨(たぶ)なんです。それにゾンビ映画が好きで、ゾンビにも詳しいんですよ。社長基本的に、この人が名前を考えます。タブゾンビ当時は、インパクトをとても大事にしていたので、どうやったら人に忘れられない名前になるだろうと考えました。「社長」は絶対に忘れられないじゃないですか。タブゾンビも、「タブ」は忘れられるかもしれないですが、「ゾンビ」という言葉は印象的だから、心に残ると思ってつけたんです。社長そうだったねえ。でも、僕は「社長」というのもねぇって、当時は複雑に思っていました(笑)。タブゾンビ(Tp)。4月13日、鹿児島県生まれ。ーー今年の10月にはヨーロッパツアーを実施されていましたが、ロンドンでのワンマン公演もありましたね。タブゾンビはい。わりと毎年、ヨーロッパツアーをやっているんですが、今回は3日間にわたって『Ronnie Scott’s』という、イギリスで1番の伝説的なジャズライブハウスでワンマン公演を開催しました。毎回、海外公演もソールドアウトすることが多くて、今回も3日間とも完売しています。ーーすごいことですね。タブゾンビそんなことないです(笑)。社長今回、ヨーロッパに行っていたのは1週間くらいで、いつもはもっと長く滞在するので、期間が短かかったですね。タブゾンビ僕ら歳なので、長い海外ツアーはダメなんです(と小声になる)……。社長なんで小声になっていくの(笑)! でもまあ、いいライブができたね。タブゾンビですです。社長ジャズクラブで1日2公演を3日間やって、その翌日は、アムステルダムでエレクトリックなクラブミュージックでのフェスティバル最終日に出演させてもらったんです。タブゾンビ「日本人のお客さんは多いんですか」とよく聞かれるんですが、日本人の方は少ないんですよ。ほとんど現地の方が来てくれています。ーーSOILさんの音楽が、海外の方に受け入れられている1番の魅力は何だと思いますか。社長僕らの音楽は、ほかにはない感じのジャズだと思うので、面白がって聴きにきてくださる、楽しみにしていてくださるんじゃないかと思います。本当に、たくさんの方に毎回楽しんでいただいています。タブゾンビやっぱり、カッコいいからじゃないですかね(笑)!社長いやいやそれは(とタブゾンビさんにツッコミを入れる)。タブゾンビいや、音楽がカッコいいからという意味です。だって、そうじゃないとお客さんは来ないでしょ。社長そうねえ。とくにトークはすべってるしねぇ(笑)。タブゾンビ社長のトークはねぇ。自分の紹介のときだけ、すべってたね。ーーロンドンとアムステルダム、そして日本と、オーディエンスの様子はどのように違いがありますか。タブゾンビライブとその特性にもよりますが、ロンドンでは音楽を聴かせることに集中していますね。若い子もいれば、おじいちゃんも来てくれていますが、より音楽的なライブをやると反響があります。日本ではパーティっぽい感じで攻めることが多いですね。“架空の詩人”というキャラクターが時空を超える物語ーーそして、ニューアルバム『MAN STEALS THE STARS』は、どのような思いで作られたアルバムでしょうか。社長アルバムを作ると決まった最初の段階で、各々が曲を作ってくるんです。今回はタブくんが「こういう方向性はどうかな」と何曲か持ってきまして、それが本当にすばらしいクオリティで、すぐに世界観が伝わるようなものでした。タブゾンビ持っていった曲を聴いて、丈青さんが「『ブレードランナー』(1982年公開のSF映画)みたいだね」って言ったんだよね。社長そう。その例えを聞いてなるほどと思って、よりアルバムの世界観がかたまりました。丈青も制作の初期タームからかなり曲を書いていましたし、タブくんのビジョンと丈青の曲が骨格となって、アルバムの物語となる世界観の基礎ができあがって、そこから制作が加速していった感じですね。丈青は、このアルバム全体を通しての音楽監督としても緻密にディレクションしてくれました。ーー私はタイトルを拝見し、アルバムを聴かせていただいて、星新一さんのSF小説のような世界を思い浮かべました。タブゾンビ星新一さん、いいですねぇ。近い世界観ですね。社長やっぱりこの“宇宙”というテーマであったり、時空を超えた多次元の世界の物語だったり、そこを自由に超越して行き来することができる“架空の詩人”というキャラクターができあがったりと、そういうキーワードもタブゾンビくんが出してくれました。タブゾンビですです(笑)!社長タイトルに関しては、1曲目でポエトリーリーディングとしてフィーチャーさせていただいた音楽家で詩人の山崎円城さんが、タブくんのテーマを受けて、すばらしい詞を書いてくださったんです。その中の一節に「MAN STEALS THE STARS」という言葉がありました。タブゾンビ最初、僕がさまざまな言葉を山崎さんに送って、そのなかにあった「星を盗むもの」という言葉を使って英語にしてくれたのでよかったです。社長その詞の中には、最後に「last of the poets」という言葉があって、架空の詩人というキャラクターの持つテーマが、音楽とカチッとハマりました。アルバムを聴くと、ひとつの映画を観ているような作品に仕上がっています。タブゾンビですです。ーータブゾンビさんはトランペッターですが、いつもどのようにして曲作りをされているのですか。タブゾンビパソコンで作ります。丈青さんはピアノで作っていますね。社長僕もパソコンで曲作りをしています。ーーアルバムのなかで「とくにこの曲を聴いてほしい」というおすすめの曲はありますか。タブゾンビ全曲を通して1個のストーリーなので、全部聴いてほしいかな。サブスクリプションの時代ですから、1曲ずつでも聴けますが、全曲を通して聴いていただけるアルバムになるといいですね。社長ストーリー性を置いておいて、もし僕らのことを知らない方が、「入り口」として1曲聴いていただくとしたら、4曲目の「Reptilian’s Dance」がおすすめですね。スタジオでの一発録りでできた曲で、みんなで有機的に録れた曲なので、ワクワクします。あと10曲目「Space Drifter」は、リード曲的な扱いになりそうな“操縦不能の宇宙飛行士”のようなイメージの曲なので、このへんから入っていただいて、そこから全体を通して聴いていただくと深く知ってもらえるかなと思いますね。映画を楽しむように聴けるアルバムが完成ーー来年は1月、2月と全国ツアーがあります。どのようなステージになりそうでしょうか。社長アルバムの曲を演奏すると思うんですが、タブゾンビくんの頭の中にライブのビジョンがあると思うので、それを実際にどう落とし込んでいくかというところですね。タブゾンビステージングについては、みんなでアイデアを出すので、いずれプレゼンしようかなと思っている状況です。ーーアルバムをリリースされて、ツアーをされたあとは、また制作期間に入られるのですか。タブゾンビアルバムを出して、ツアーをしたら、フェスが始まりますね。社長も自分でフェスをやっていますし、僕もフェスをやっています。そして制作をして、終わったら夏フェスが始まり、海外フェスがあり、ジャズのライブハウスツアーもあって、そしてまた制作に入ってとやっていたら、あっという間に1年経ちますね。社長その合間にサントラなどの外仕事もあって、その先もまたお仕事をいただけたらいいなと思いながら、あっという間に1年です。ーーお忙しいかと思いますが、お休みのときはどのように過ごしていますか。タブゾンビ家族とどこかに行ったりしますね。社長隙をみては動画配信サービスなどで映画を観ています。車も好きなので、車をいじったり、洗ったり、ドライブしたりもします。ーーでは最後に、アルバムをどのようにみなさんに聴いてほしいでしょうか。タブゾンビananwebの読者のみなさんにも聴いていただきたいんですよ。そのためには、何て言えば心に刺さってくれるかな。社長「アルバムを聴くときれいになります!」と言いたいですが、それはウソだし(笑)。タブゾンビそうだね(笑)。社長みなさんそれぞれ、好きに聴いていただいていいんです。でも例えば、みなさんが映画を1本観るお時間を少しいただいて、このアルバムを2回聴いてくださると、SF気分が味わえます! って、これどう(笑)?タブゾンビSFに興味ないかもしれないよ(笑)。このアルバムは、映画を楽しむ感じで聴けるので、おすすめです。画を観るのではなく、“画を思い浮かべながら聴く音楽”ということで、脳内映画が楽しめます。社長ぜひ聴いてください。取材後記圧倒的なパフォーマンスと作品性で知られる姿とはまた違った、取材時の社長さんとタブゾンビさんの様子は、なんともユーモアにあふれていらっしゃいました。SOIL&“PIMP”SESSIONSさんは、これからも国内外で活躍されることでしょう。まずは、インストゥルメンタルを中心としたオルタナティブなジャズを展開する、ニューアルバムをチェックしてみてくださいね。SOIL&“PIMP”SESSIONS PROFILEタブゾンビ(Tp)、丈青(P)、秋田ゴールドマン(B)、みどりん(Dr)、社長(Agitator)からなるジャズバンド。2001年、バンド結成。ライブを中心とした活動を身上とし、確かな演奏力とクールな雰囲気を漂わせながらも、ラフでエンターテイメント、バースト寸前の爆音ジャズを展開。2005年、英BBC RADIO1主催の「WORLDWIDE AWARDS 2005」で受賞以降、海外での作品リリースや世界最大級のフェスティバル「グラストンベリー」、「モントルージャズフェスティバル」、「ノースシージャズフェスティバル」など、数々のビッグフェスに出演。これまでに31カ国で公演を行うなど、ワールドワイドに活動し、国内でも数々のアーティストとコラボレーション。2017年、TBS系ドラマ『ハロー張りネズミ』の劇伴や主題歌を担当、2018年は三浦大知をはじめ豪華ゲストが参加したアルバム『DAPPER』をリリース。2019年、フジテレビ系ドラマ『スキャンダル専門弁護士QUEEN』、『妖怪人間ベム』の新作アニメ『BEM』(テレビ東京系毎週日曜深夜1時35分)のオリジナルサウンドトラック『OUTSIDE』をリリースするなどドラマの劇伴楽曲も手がけ、多岐に渡り活動の幅を拡大している。12月4日、アルバム『MAN STEALS THE STARS』をリリース。12月23日には恵比寿The Garden Hallで、2020年1月17日からはアルバムを引っ提げた全国ツアー「TOUR 2020“MAN STEALS THE STARS”」を3月4日まで開催する。InformationNew Release「MAN STEALS THE STARS」01.Man Steals The Stars02.Monad03.In The Twilight04.Reptilian’s Dance05.Galaxy Lady06.Tell A Vision07.Lost Memories08.Lyra’s Attack09.Chill 1610.Space Drifter11.Go Ahead12.Bach13.Utopia Traces<初回限定盤DVD>SOIL&”PIMP” SESSIONS in London 〜Live at Ronnie Scott’s 20191019〜12月4日発売VIZL-1672(初回限定盤)¥3,800(税別)VICL-65274(通常盤)¥2,900 (税別)
2019年12月07日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第16回目に登場するのは、ライブでの熱いパフォーマンスが話題の4人組ロックバンド、BLUE ENCOUNT(ブルーエンカウント)!写真・大内香織学生時代から続く4人でバンド結成15年&デビュー5周年写真左から江口雄也(G)、田邊駿一(Vo、G)、高村佳秀(Dr)、辻村勇太(B)。【音楽通信】vol.16BLUE ENCOUNT は、2004年にバンドを結成、2014年9月にメジャーデビュー、ライブでの熱いパフォーマンスが話題を集めている4人組。今年、メジャーデビュー5周年、バンド結成15周年というアニバーサリーイヤーを迎え、作品リリースとライブ活動も活発に展開しています。9月にリリースしたシングル「バッドパラドックス」は、ドラマ『ボイス110緊急司令室』(日本テレビ系)の主題歌としてオンエアされ、今もなお注目を集めるなか、11月20日にニュー・シングル「ポラリス」をリリース。今回、田邊駿一さん(Vo、G)、江口雄也さん(G)、辻村勇太さん(B)、高村佳秀さん(Dr)のメンバー全員にお話をうかがいました。ーー今年はバンド結成15周年ですが、みなさんの出会いを教えてください。田邊もともとこの3人(田邊、高村、江口)は高校の同級生です。僕らが20歳のときに上京して、音楽専門学校に入学後、辻村と出会いました。辻村とも今年で10年の付き合いになります。ボーカル&ギターの田邊駿一。熊本県出身。高村バンドとしては15年ですが、友人としてはもっと長いですね。僕と江口は高校1年生のときに同じクラスでした。江口付き合いは長いですね。ーーみなさんそれぞれ、学生時代はどんな音楽を聴いていたのですか。田邊当時はそれぞれバンドをやっていたので、それぞれの持つカルチャーがあって、好きな音楽も違いましたね。僕はELLEGARDENが好きで、バンドサウンドが大好きなんです。学生時代は、そういうライブバンドをやりたいと思って、音楽をやっていました。ベースの辻村勇太。神奈川県出身。辻村学生時代はずっと洋楽を聴いていましたね。3人と出会った頃は洋楽のカントリーやR&B、クラブ系のEDMといったさまざまなジャンルを聴きあさっていました。アメリカのバンド、フーバスタンクやスリップノットが好きでよくアルバムを聴いていたんです。ドラムの高村佳秀。熊本県出身。高村僕はブルエン(BLUE ENCOUNTの愛称)を結成するまで、ジャズオルガンをやっていたので、ジャズばかり聴いていましたね。それからヒップホップ、R&Bを好きになって、バイト代全額をR&BのCDのジャケ買いに注ぎ込んで、よく聴いていました。ギターの江口雄也。熊本県出身。江口ブルエンを始めてからは、175RやJUDY AND MARYがクラスですごくはやっていたので、ひたすら聴いていましたね。ーーそれぞれまったく違う系統の音楽を聴いていて、どうやってブルエンの音楽に集約されていったのでしょうか。高村4人の共通する好きなバンドが、ELLEGARDENなんです。その存在をお手本にして、自分たちのバンド像を描きながら、でもそれぞれ好きな音楽は違っていて、それを集約していきました。だから、僕らの音楽にはいろいろなタイプの曲がありますし、ジャンルを絞らずにやるというスタイルになっています。ーー今年は6月にミニアルバム、9月にドラマ主題歌となったシングルをリリース、ホールツアーやライブハウスツアーも実施されています。15周年を意識されているのでしょうか。田邊そうですね。僕らを支えてくれるチームのみなさんのご尽力があって、いろいろなタイアップ曲をやらせていただいていて、さらに今、新作も水面下で作っているものがあるんです。楽曲制作においても、今年は一番忙しいですね。メジャーデビューしたときが一番忙しいと思っていたし、レコード会社の人たちもそう言う人は多いんですが、それを超えるぐらい精力的に活動させていただいています。前は忙しいと疲弊して終わっていたのに、今は「ありがたい」と思うようになれましたし、4人でも「ここからさらに気持ちを引き締めていこう」と話し合いました。ーーインディーズ時代が約10年続いた後、2014年にメジャーデビューされました。今年はデビュー5周年でもありますが、現在、実感されていることはなんでしょうか。田邊アーティストとして、ひとつ何かをレベルアップしなければいけないと感じています。もちろんインディーズを10年経たからこその地力があってメジャーでやれているとは思うのですが、今年は初めてホールツアーをやらせてもらって、そしてライブハウスツアーもやらせてもらって、全国をまわったときに予想外のことがありました。毎回、MCで「初めて来た人、手をあげて」とお客さんにたずねるんですが、どの会場も半分ぐらいは新しく来てくれた人たちだったんです。今年は新作をたくさんリリースしているので、今年、僕らの音楽を知った人が多かったということ。今まではライブ活動で僕らを知ってくれた人が多いと思っていたんですが、今年はドラマ主題歌から知ったという人も多くて、2階席には今までなら来てくれなかった層の年配の方もいらっしゃっていて、楽曲先行でライブに来てくれたお客さんが多くてびっくりしました。目の前の状況を打破するために勢いだけで、ライブというプラットフォームをメインに活動してきたんですが、ずっとやみくもにライブばかりしていろいろなものに迎合したものをやり続けると、僕たちは終わってしまう。これからは“誰もが納得できるアーティストとしてのライブショーをして、作品を世の中に提示していかないといけない”と思っています。辻村今まで培ってきたことが、当たり前のようで、それが当たり前じゃないと思えるような何かをしなきゃないけないと実感しています。毎年ツアーをしてアルバムを出して、自分たちがどういう状況かを見つめ直すんですが、よりいっそうメンバーそれぞれ、バンドの未来を見極めていかなくてはいけないと思っています。4人の意識が形になって、曲になっていかないと、ブルエンが進化していかないから。やっぱり聴き手に飽きられたくないとも思いますし、また新たなスタート地点に立っている気がします。高村年々、バンドに向き合う意識は変わっています。好きなものも年々変わっていて、僕の中ではそれを肯定的にとらえています。以前好きだったものを嫌いになるわけではなく、「これも好き」「あれも好き」と好きなものが年々増えていくので、「これ面白そう」「あれやってみたい」と、今が1番いろいろなものに興味を持っていますね。そういった意識は、バンドにも前向きに取り組める一因になっていると実感しています。江口デビューしてから変わってきた心境の変化は、みんなが言ったこととだいたい同じです。でも、変わらないものは、常に綱渡りする感覚でバンドを続けていることですね。自分たちもそうですし、まわりのバンドも、いつ音楽で飯が食えなくなるかという心配はあります。デビューしてから5年経つ今も、安心して、太い柱を渡っているという感覚はありません。最初は、デビューして3年、5年と経っていけば、安心してバンドを続けていられるのかなと思っていたんですが、そんなことはありませんでした。でも、そういう気持ちが変わらないからこそ、作る音楽は尊い。危機感を持つ人たちが作る音楽をみんなが聴いてくれていて、逆に安心感を持っていると輝けなくなるのかなと思って、日々を大事に生きているんです。危機感があることが、悪いことだとは思わない。それが当たり前なのかなと感じています。ニューシングル「ポラリス」は約30曲から選んだ曲ーー11月20日にシングル「ポラリス」をリリースされます。コミックスのシリーズ累計発行部数が2300万部を突破した大人気コミックが原作のアニメ『僕のヒーローアカデミア』(日本テレビ系 毎週土曜日17:30)の第4期オープニングテーマでもありますね。田邊アニメの主題歌になることがきっかけで作った曲です。春にそのお話をいただきまして、そのときはドラマ主題歌の楽曲制作が佳境になっていて、さらにホールツアーが始まったタイミングでした。僕らの中では、音楽にどっぷりはまって走り続けている時期にお話をいただいたので、脳が音楽にシフトされていて「ポラリス」の制作ははかどりましたね。すぐにアイデアもわいてきましたし、メンバーともスムーズにやりとりできました。歌詞に関しては、アニメの世界観を踏襲したうえで書いたのですが、内容自体はブルエン15年を経た集大成の意味合いが強いんです。ずっとブルエンを聴いてくれている人、これからブルエンを聴く人に聴いてもらえたら、その人が安心して過ごせるだろうなという言葉を詰め込みました。ーー曲を作るにあたって、アニメの製作側からのリクエストはあったのですか。田邊それがなかったんです。自分の書きたいように書かせてもらって、一発OKをいただきました。でも、メンバーも原作は読んでいますし、僕も大好きですし、曲とアニメが逸脱しない方向で作りました。ーーいつも作詞作曲を田邊さんが担当されているようですが、メンバーのみなさんとはどのように曲を完成させていくのでしょうか。田邊まず僕がギターの弾き語りなどで曲を作りまして、それをデータでみんなに送り、曲出しをするんですね。僕、1回の曲出しにつき、候補曲を20~30曲作るんです。ーー例えば「ポラリス」だったら、「ポラリス」候補になる曲を20~30曲も作るのですか。田邊そうです。これだけ作りましたと、20、30曲をみんなに送りまして、仮タイトルは「ポラリス」と書き出していって。それから「江口はどれがいい?よっちゃん(高村さん)はどれがいい?」という感じで、1曲聴くごとに「正」の字をつけていって、多かった曲に決まります。あとは、僕の意向を少しプラスして、そこから肉付けをメンバーがしていって、最終的に全部のオケができあがってから、僕が歌詞を書くんです。ーーそんなに多くの曲を一度に作るのは昔からなのですか。田邊はい。高校生の頃から、誰にやれといわれたわけでもなく、ずっとそうしています。好きなんです、曲作りが単純に。同じようなやり方で作曲をする人は、あまりいないみたいなんですが。メンバー一同(深くうなずく)ーー田邊さん以外のみなさんは、「ポラリス」についてはどのような印象で、どうサウンド面で肉付けされていったのでしょうか。辻村サビを聴いたときに、ストレートな曲だと思いました。例えば、前作「バッドパラドックス」は、4人の線をタテにパッと引いたイメージがあって、だから各々の楽器の絡み方も前面に出てくる多彩な曲なんです。一方、「ポラリス」は、4人の色を出すのではなく、ひとつにまとまって太い線でボンと音を出すイメージ。それだけ歌詞に伝えたい言葉が多かったし、メロディも刺さるし、メロディやボーカルが最大限に活きるようなアレンジにしたいと思ってベースラインを組みましたね。高村僕もそうですね。あとで「やりすぎたな」と思うフレーズはやりたくないと思っていたんです。最近、過去曲を聴いていて、ボーカルがわからなくなる瞬間があって、やりすぎたと思ったときも。ただ、その曲はそれも良さではあったんですが、今回「ボーカルをちゃんと聴きたい」と思うようになりました。もちろんサウンド面での柱となるギターやベースのアレンジを聴いたうえでの、ドラムの差し引きはありますが、後々やりすぎた後悔をしないよう、自分がやりたいことよりも、その楽曲の中でドラムとして縫える隙間を探しました。江口僕は高村とは逆で、ドラムをどっしりと響かせてくれているので、そのぶんギターで攻められるところをひたすらに攻めました。でもやっぱり、聴かせなくちゃいけない大事なサビの部分は控えめに。曲の第一印象となるイントロは、ガッツリとブルエンの色が出て名刺がわりになるようにということも、意識して曲を作りました。ーーカップリング曲の「girl」はどのようにできた曲なのでしょうか。田邊「girl」は、6月に出した『SICK(S)』というミニアルバムを制作しているときにできた曲です。そのときは40、50曲作ったんですが、ミニアルバムの制作に熱心になりすぎていたので、いったんデトックスしたいと思って、ストレスを解消したくてまた曲を作ったんですね。そのときにスタジオで高村と一緒に作業していたのですが、「ちょっとドラム叩いて」と頼んで、全体構成が10分でできた曲です。次のアルバムに入れないとしても、しかるべきときにやろうと話していたら、早くもそのタイミングが来て。「ポラリス」はアニメの世界観のあるポップな楽曲で、「girl」は洋楽らしさがほしくて作った曲です。ーーこれまでも日本語詞の曲と英語詞の曲がありますが、今回は洋楽らしさを意識されたから「girl」は英語詞なのですね。田邊そうです。「ポラリス」とは真逆のものを作りたいと思ったんですね。もちろん日本語を入れることもできたのですが、あえて英語にしました。みんなで夢を叶える“青春”をやっていくーー曲の中にはいろいろなタイプの人物が登場しますが、例えば女性の場合、みなさんはどのような女性が魅力的だと思いますか。田邊2時間ぐらいかかるな〜、カフェのテラス席で話したいです(笑)。この前、ちょうどシンガーソングライターの高橋優くんと「どんなタイプが好き?」という話をしていたのですが、ふたりとも同じだったのが、“僕のことを自分のことのように喜んでくれる女性”がいいということ。僕にうれしいことがあって、相手に話したら、一緒に喜んでくれるような人が好きですね。例えば「ライブでこういうことがあって」とか、「仕事でこうだったよ」と話して、その喜びを分かち合える人。高橋優くんとは、「こちらが女性にサプライズをしたら、素直に喜んでほしいよね」という話もしていました。あと家にふたりでいるようなときに、「今日、洗い物するよ」と僕が言ったときに、「いいよ、それ私がやるから」と言わない人がいいです。「じゃあ、お願い」と言ってくれる人がいいですね。そうじゃないと、僕は「じゃあ、やれば」ってふてくされちゃうから。プレゼントをあげる場合も、「いいよ、いいよ」と遠慮しない人がいいですね(笑)。辻村あるね。ご飯に行って支払おうとしたら、「私、払うから〜」と言わない女性がいいかも(笑)。田邊そうだね。もし女性から支払うと言われたら、「この店の全員分の支払うんだったら、出してね」と言うと思います(笑)。辻村僕は、イエスマンすぎない子が好きですね。イエスマンの子は正直、一緒にいてつまらなくなってしまいます。例えば、女性が年下だったり、女性側が男性を尊敬していたりすると、なんでも言うことを聞いてしまうんですよね。僕としては、等身大の意見をなんでもいいから聞きたいなと思ってしまいます。時には、イエスばかりではなく、イレギュラーな意見を言うような女性がいいです。ーーでも、反発ばかりする女性もいやですよね。辻村そうなんですよ、そこが難しいところなんです(笑)。田邊洗い物をしているときに、「私がやるからいいよ、いいよ」みたいなこともね。辻村そこは大丈夫(笑)。高村僕は甘えてくれる女性が好きです。辻村僕らとは逆だね。高村うん。甘えられたら、「ありがとう」と思うタイプだから(笑)。田邊そうだよね、我が強い女性は苦手だよね。高村苦手ですね。別に僕を転がしてもいいから、上手に甘えてほしい。江口僕は、襟付きのシャツワンピースが似合う女性が好きです。田邊性格じゃなくて、外見の好みだね(笑)。江口うん(笑)。昔はそんなに思わなかったんですが、最近はシャツワンピースが似合う女性が一番いいと思っています。ーーそれはファッションセンスの良い女性ということでもありますか。江口そうとも言えますね。自分の好きな服を相手も好きだといいなという意味もあります。こちらが強要して好きになってもらうのは違うと思うのですが、自分と相手のセンスが自然と合っていて、僕の好きな服を自分で選んで着てくれるのが一番いいですね。ーーでは最後に、今後の抱負を教えてください。田邊4人のマインドとしては、「来年1年、青春しようぜ!」ということですね。僕たち、デビューしてからの5年間、この4人で経験を積んできたなかでできることも増えてきたし、できなかったこともあるからこそ、できないことの先読みの能力もついてきたんです。だからなのか、今年は頭でっかちになって活動していたところが多かったかもしれません。でも、最初に頭で決めつけてしまうと、もう楽しくないんですよね。ライブ中も「あ、今、頭で考えてる」と気づいて、するともう楽しくなくなってしまう。振り返ると、僕らが音楽を始めたときは、楽しくないこと、楽しいことは関係なしに、「やべえ今が最高!」って音楽をやっていたんです。だから、4人で「ちゃんと全員で無垢な音楽の楽しみ方をしよう」と話し合いました。ライブ会場も、アリーナ公演をやりたいですし、地元の九州に向けて新しいことができないかと考えることもあります。自分たちの夢をチームのみんなで共有して、みんなで夢を叶えていくという“青春”をやらなきゃなって、話し合ったんです。とにかく今は計画を立ててやるというよりも、やみくもに青春しようという話に落ち着いて、いい意味でみんな肩が軽くなった気がしましたね。このデビュー5周年、バンド結成15周年という大事な年を経て、みんなで青春した先に、新たな一歩が待っているんだと思っています。取材後記エモーショナルなバンドサウンドを放つBLUE ENCOUNTさんは、学生時代からの友情を音楽に紡ぎ、アニバーサリーイヤーを迎えました。取材中も和気あいあいとした仲の良さを見せてくださった彼らの音楽は、これからも勢いよく全国に発進していくことでしょう。まずは、ニューシングルをチェックしてみてくださいね。BLUE ENCOUNT PROFILE田邊駿一(Vo、G)、江口雄也(G)、辻村勇太(B)、高村佳秀(Dr)からなる4人組ロックバンド。2014年9月にEP『TIMELESS ROOKIE』でメジャーデビュー。2015年1月にリリースしたファーストシングル「もっと光を」は、新人ながら全国35局でのパワープレイを獲得。5月にはアニメ『銀魂(第3期)』(テレビ東京系)のオープニングテーマとなるシングル「DAY×DAY」、7月に1stフルアルバム『≒』をリリース。2016年1月、第94回全国高校サッカー選手権大会の応援歌にもなった「はじまり」、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(日本テレビ系)のオープニングテーマ「Survivor」、「だいじょうぶ」、ドラマ『THE LAST COP/ラストコップ』(日本テレビ系)の主題歌「LAST HERO」と4枚のシングルをリリース。10月には日本武道館ワンマン公演を開催。2017年1月には2ndアルバム『THE END』をリリースし、幕張メッセ公演を含む全国ツアーを実施。2018年3月、3rdアルバム『VECTOR』、11月にはTVアニメ『BANANA FISH』(フジテレビ系)第2クール オープニング・テーマとなったシングル「FREEDOM」を発表。2019年、6月から初の全国ホールツアーを開催。6月にミニアルバム『SICK(S)』、9月にドラマ「ボイス110緊急司令室」(日本テレビ系)の主題歌となったシングル「バッドパラドックス」を発表。9月から全国ライブハウスツアーを実施。11月、シングル「ポラリス」をリリース。InformationNew Release「ポラリス」01.ポラリス02.girl11月20日発売KSCL-3202(通常盤)¥1,100(税別)
2019年11月29日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第15回目に登場するのは、60年代から70年代の洋楽をベースに、スモーキーなボーカルを響かせる松尾レミさん(Vo/G)と、エモーショナルなギターを鳴らす亀本寛貴さん(G)のおふたりからなる男女ロックユニット、GLIM SPANKY(グリムスパンキー)さん!写真・大内香織もとは文化祭に出るためのバンドだったGLIM SPANKY写真左から松尾レミ(Vo/G)、亀本寛貴(G)。【音楽通信】vol.15聴き手によって、懐かしくもあり、新しくもあるGLIM SPANKYの音楽。ロックやブルースをベースにしながらも、20代のおふたりの現代感がプラスされたサウンドを放つGLIM SPANKYさんが、11月20日にニューシングル「ストーリーの先に」をリリースされるということで、松尾レミさん(Vo/G)と亀本寛貴さん(G)にお話をうかがいました。ーーおふたりは長野県の同じ高校のご出身で、松尾さんが高校1年生、亀本さんが2年生のときに結成されたバンド(当時は4人組)が活動の始まりですね。当時のお互いの印象を覚えていますか。松尾しゃべったことはなかったのですが、当時サッカー部に亀(亀本さん)がいて、その勧誘によく1年生の教室に来ていたので、「うるさい人だな」と思っていました(笑)。その後、文化祭用のバンドだったGLIM SPANKYに入ることになって、ある教室に楽譜を届けに行ったら、男子たちが集まってカードゲームをしていたんですよ。その中で一番うるさい人がこの人だったんです。松尾レミ(Vo/G)。1991年12月7日、長野県生まれ。亀本うるさいって、おい!(と隣りにいる松尾さんにツッコむ)最初からうるさいと思ってたの?松尾そう。最初からさわがしいイメージだったのですが、バンドの練習でスタジオに入ったら、ひたすら真面目なんです。ギターの練習もちゃんとしてくるし。亀本そう! 真面目なんです、僕(笑)。松尾その姿を見て、音楽を一緒にやるうえでは、信頼できると思いました(笑)。亀本僕は最初、松尾さんは見た目のイメージでおとなしそうだと思っていたんですよ。でも、話していくうちに、男勝りというのはちょっと違うかもしれませんが、「勝ち気な人」だという印象を持ちましたね。亀本寛貴(G)。1990年8月24日、長野県生まれ。ーー現在のおふたりは、どのような印象ですか。松尾亀は精神年齢が小学校5年生ですね。どんどん幼くなってる。亀本そんなことないだろ!松尾アメリカのアニメにも出てきそうなキャラクターですね。亀本『スポンジ・ボブ』とか?松尾そう、『スポンジ・ボブ』にも出てきそうなイメージです。でも、当時と印象はあまり変わっていないかもしれません。亀本松尾さんの印象も変わってないかな。でも、僕を怒るようになったのが変わったところかも。昔はそんなことがなかったからね。だからいまは、僕が変なことを言ってしまったら、とっさに「ヤバい」と思うようにはなりました。松尾昔は「亀本先輩」って呼んでいたんです。ーーそれがいつから変わったのでしょうか。松尾高校を卒業してからですね。もう先輩じゃないし、「先輩」って呼ばなくていいなと。ーーそうなのですね。おふたりとも長野県ご出身ですが、亀本さんは関西の雰囲気があります。おふたりの会話のテンポ感が面白いですね。松尾ほんとですか! 関西だって、都会人だね。亀本うん! 確かに、大阪に行くと僕のテンションの高さが浮かないよね。みんなわりあい元気だから。松尾浮かない。大阪の人は、すごくしゃべるのが早いからね、ぼんぼん言ってくるんです。長野県民は、もう少しおっとりしているかも。ーーところで、おふたりがロックに触れたきっかけはなんだったのでしょうか。松尾ロックにハマったきっかけは、ザ・ホワイト・ストライプスやザ・ビートルズ、バッファロー・スプリングフィールドといったバンドや、60年代後半から70年代の音楽、それをリバイバルとしていまバンドをしているジャック・ホワイトを聴いたことからですね。亀本僕は、親が洋楽ロックを聴いてる環境ではなかったので、普通にその時々にはやっている音楽を聴いていて、それでギターを始めて、その流れで洋楽も聴くようになったんです。初めて聴いた洋楽はレディオヘッドでしたね。それからギターを練習していくなかで、60年代のロックも聴くようになって、それらに影響を受けました。ーー松尾さんは、もともとお父さまが音楽とサブカルに精通していて、たくさんの音楽や文化にふれる環境だったそうですね。ご自身でもお父さまの影響は大きかったと思われますか。松尾いま振り返ると影響を受けていたと思うのですが、物心ついたときからそういう環境だったので、当時は影響を受けてるとはわからず、知らないうちに教え込まれていましたね。たとえば中学生の頃、私はビートルズの音楽だけでなく、彼らのファッションも好きになったのですが、普通だったら自分でいろいろと探していくと思うんです。でも、私の場合は、好きなことを父親に言うと、父親はビートルズのレコードをすでに持っていて、音楽とともにその周辺のカルチャーシーンや映画も一緒に教えてくれたんですね。すごく恵まれた環境だったと思うし、それらがいまの知識に役立っていると思います。ーー亀本さんはサッカー少年だったそうですが、音楽へ移行する違和感はありませんでしたか。亀本そのときは、「音楽をやっていくぞ」というよりも、「趣味を増やしていこう」と思って音楽を始めたんです。ギターの練習をやっていくうちに楽しくなってきて、それからハマりました。毎日学校が終わってから一目散に家に帰って、1、2時間ギターの練習をする生活を送っていたので、「バンドを始めるからサッカーをやめよう」という考えもなく、趣味として始めたのが性に合っていたのか、続きましたね。ーーその後、おふたりで音楽活動をされていくなかで、音楽で生活をする、メジャーデビューを目指すという考えで活動されていたのですか。亀本デビューを目標には、全然考えてなかったよね。松尾「私たちのことを音楽業界が見つけないわけがないだろう」と、勝手に思っていました。でも、実際にはライブのお客さんは0人だったのですが、根拠のない自信だけはあったんです。だから、「メジャーデビューを絶対する!」と意気込んだり、CDを送ったり、会社に売り込んだりしようということもまったくなくて、「見つけたいやつは見つけろ!」くらいに思っていました。亀本僕らの時代は、メジャーデビューしたから売れるという感じでもなかったから。大きなレコード会社や大きな事務所に入ると、お給料をもらえてバイトしなくても生活できるじゃないですか。それって母体がデカいから、上の人たちからのピラミッド式分配で下のほうにもお給料がもらえているわけですが、一定期間が終われば、終了することもある。学生時代からそういうものだとわかっていたんで、デビューを目標にすることは全然なかったですね。松尾そうですね。音楽業界でデビューしても1年、2年で契約解除になる人が当たり前にまわりにいましたし、そういう人たちがまたメジャーデビューしてもライブハウスに戻ってきて、対バンすることもありました。そういう光景を目にしていたので、デビューしてから、いかに自分を貫いてかっこよくやり続けていくかのほうが大事だと思っていたので、その信念だけは曲げないでいきたいと思いながら、「誰か見つけろ」と思っていました。ーー2014年6月に1st ミニアルバム『焦燥』でメジャーデビューされて、日本武道館、FUJI ROCK FESTIVALでは一番大きいGREEN STAGEでも演奏されるなど躍進されていますが、ご自身での手応えはありますか。松尾手応え……まだ全然だと思っているので、満足はまったくしていないですし、昔から「やってやるぞ!」と思っている気持ちは変わっていないです。GREEN STAGEはほかにもいっぱいバンドも出ているし、武道館でライブできたことはとてもうれしかったですしみんなありがとうと思いますが、そこで満足したらいやだなと思うので、手応えはあまり感じていないかもしれないですね。時代とともにかっこいいサウンドや自分の好きなものは変わっていきますし、“そのときにいいものを作る”というのが、ミュージシャンの仕事だと思うので、ふたりで確認し合いながらやっています。亀本常に不足感というか、すごく満たされない感じとか、嫉妬心とか、向上心とかがあって。でもそれはモチベーションを高めるのに必要なものだと思っているので、デビューするまでは他のバンドを見て「なんであいつら人気があるんだろう」と思っていたこともありましたし、いまも「なんでこいつら売れてるんだろう」と思うこともあります。その反対に、家でスポティファイなどを検索していて「めっちゃいい曲だな。自分もこんないい曲を作ろう」と思うことも。なんかそういう気持ちは昔からずっと続いていて、どこに行ったところで、自分より上の人って絶対いるじゃないですか。FUJI ROCK FESTIVALのメインステージでトリをやる人もいるし、さいたまスーパーアリーナや東京ドームでライブをやる人もいるし、さらにワールドツアーをやる人もいる。商業的な面や世間の評価、文化的な価値などで自分よりも上の存在は絶対あるので、不足感を持っていることも原動力になればと思って活動していますね。年齢や世代、国籍も関係なく、かっこいいものがロックーーそして今回、11月20日に5枚目のシングル「ストーリーの先に」がリリースされますね。ドラマ『Re:フォロワー』の主題歌として書き下ろされています。松尾そうですね。ドラマ側からは「どこかしらに希望がある感じで」とリクエストがありました。それって、GLIM SPANKYがいつも作っているものであり、ロックンロールって、どれだけ批判的なものを歌ったとしても、絶対どこかに希望のようなものがあると思って作っているので、私たちの思いとうまく合致していると思いました。「ストーリーの先に」は、目の前にあるものはリアルに感じてしまうけれど、その先にあるものをよく目を凝らして見ると希望の抜け道があるということを伝えています。自分にとっての応援歌でもあるし、みんなにとっての応援歌でもあって、どういうとらえ方をしてもらってもいいような曲にしようと思って作りました。ーードラマのダブル主演の西銘駿さんと塩野瑛久さんらとはお話しされたのですか。亀本話したことはないです。男前なんだよね、一緒に写真とか撮りたいでしょ(と松尾さんを見る)。松尾……(苦笑)。今回の曲は、Aメロは歌とピアノ、ギターだけとシンプルで、歌を聴かせる感じにしました。リードがたくさんあるわけでもないし、その歌心があるけれどアンニュイなウェット感を残しつつ、Aメロで始まってサビに少しの信念が見える歌い方にするという、歌い分けをしています。のどの使い方だったり、ひずみ成分をどこで出すかを考えて歌っているんです。ーーそれは自分でコントロールできるものなのですか。松尾いままではできなかったんですが、だんだんと歌い込んでいくにつれ、のどの地声と裏声の中間にある「ミックスボイス」という微妙な音域を使いこなせるようになってきました。そこを取り入れて、裏声じゃ出せない力強さで、でも裏声にぎりぎり近いけれどひずんでいるという微妙なところを、心は弱いけれど強い、という歌詞にかけあわせて表現したつもりです。ーー難しくはなかったでしょうか。松尾ツアーを30本くらいたくさんやっていると、だんだんとのどの操作ができるようになってきたので、楽しく挑戦できましたね。ーー新曲のミュージックビデオは、AI技術の顔認識システムを使用して、歌詞の世界観に通じる“多重人格”を表現した女性がひとりで登場しています。ドラマとは違う世界観ですね。松尾いままでのミュージックビデオは、全部自分たちが出演していたので、今回のように出演していないものを作るのが初めてで、新しい挑戦でした。(AIで)顔を塗りかえていくという、現代の技術のまだ誰もやっていない試みをミュージックビデオのチーム「PERIMETRON」のみなさんとコラボレーションできたのでよかったです。亀本僕らが出ていないのは初めてだから、どういうリアクションがあるか楽しみですね。ーーなぜ今回のタイミングでおふたりが出なかったのでしょうか。亀本撮ってくれた人たちが若い世代の人たちで、かっこいい映像を撮っているからお願いしたら今回のように撮りたいということで、やってもらいました。松尾同い年だね。亀本そう。もしかしたら観ている人は「なんで亀本が出ていないんだ!」ってなりそうだけど(笑)。まあ全然、そういうことも関係なく、楽しみに思ってくれる人もいるかもしれないしね。松尾でも、スタイリングは私がやっています。いままでは自分たちが出ることで、CDのジャケットとの世界観もぶれないし、共通点を作ることができたんです。今回のように自分が出ないミュージックビデオは、どう世界観をつなげたらいいだろうと考えて、画面の中に共通点がほしいと思ったときに、自分のアイデンティティでもある洋服を着てもらうことがいいのではないかと思いました。言わないとわからないことだけど、もし私たちとは全然違うスタイリングをされたら、自分たちのミュージックビデオじゃなくなる気がして、私の洋服を貸しました。ーー収録曲の3曲目「Tiny Bird」は、内藤剛志さん主演ドラマ『警視庁・捜査一課長新作スペシャル』の主題歌です。以前同ドラマがレギュラー放送されていた際、3度、GLIM SPANKYさんが主題歌を担当してゲスト出演もされていましたが、ドラマに出られたときの印象はいかがでしたか。亀本ドラマの中でライブをしちゃったんだよね。松尾そう。とくに演技指導はなく、内藤さんも「そのままでいてくれたらいいから」と言ってくれたんです。亀本まあ、演技指導されたところでできるかどうか。松尾内藤さんも、ご出演されているキャストのみなさんも、スタッフさんも、すごくあたたかくて。「普通でいいからね」と言ってくれて、演奏もしちゃったし、自分たちとして出たという感じでしたね。亀本そうだね。ただ、今回は同じドラマの主題歌を担当したのが3回目だったので、そこは難しかったですね。音作りやアレンジは、これまでとどこでどう違いを出そうかと考えました。ドラマ側からのリクエストも、「基本的に3回とも曲調を変えない感じがいい」ということで、余計に悩みましたね。「捜査一課長」シリーズは、毎回、同じことが繰り返されることに意味があるから。松尾全部「あたたかいバラードで」というリクエストで、バラードはバラードでも、ちゃんと自分たちのかっこいいと思うルーツのあるロックサウンドを取り入れつつ、みんなに届くメロディであることにもこだわって作りました。ーー2曲目「Breaking Down Blues」は、どのようなメッセージが込められているのでしょうか。松尾私は音楽で生きていて、音楽で世の中を少しでもいい世の中にしたいと思ってやっているわけなんですが、なかなか自分がかっこいいと思う世の中にならないと感じます。たとえば違う視点で、社会でも会社でも学校でもいいですし、そういうところに対して常に挑戦をして、「みんな目を覚ませ」という歌詞を書くことをインディーズの頃からやってきて、今回もいろいろな比喩を入れています。亀本普段いろいろなものを聴いているなかで、ストレートなロックソングを聴くこともあるのですが、60年代、70年代当時のロックのリアルタイムのようなザ・ホワイトストライプスや、ブラックキーズといったものもかっこいいですが、地味だなとも思っていて。最近のすごくシンプルでかっこいいロックをやっているバンドの音楽を聴いたら、かっこいいなと思って、そういうのもやりたいなという、エネルギーだけで作った曲ですね。ーー曲はいつもおふたりでテーマを出し合って作られているのですか。亀本僕は最近、アイデア出しをすることが多いですね。松尾たとえばリフとか、リズムとか、弾き語りだと一辺倒になるんです。たとえば3曲目だと、楽器のバリエーションがほしいですし、ドラムやリフから作ると、より自分たちの聴いているロック的ビートになるというところがあります。亀が最初にリフを作ったり、イントロのリズムで、「ドン、ドン、ドン」からいこうとかアイデアを出してきて、そこから私がコードと、Aメロと、その曲の流れなどを考え、できたらまた亀に投げて、バンドのアレンジにしていくという感じですね。ーーGLIM SPANKYさんの音楽は、60年代・70年代が青春時代だった方から、20代のおふたりと同じ若い世代の人たちまで、幅広い層の方々に支持されていると思いますが、ご自身ではどの世代に響かせたいといった狙いはあるのでしょうか。亀本それは考えていないですね。松尾あまり聴き手を限定したくないと思っています。ザ・ビートルズは60代の人も大好きだし、私たちより年下の人でもファンがいますよね。それこそ、時代に関係なく、いいものはいいとずっと受け継がれていくもので普遍的です。ロックは「年齢や世代、国籍も関係なく、かっこいいものであれ」と思っています。大人の方は懐かしいなと思うかもしれないし、若い人が聞いたら新しいなと思うかもしれないし。そういうところに希望を持って、年代はあまり考えずに、音楽を作っています。かっこいいサウンドを自分たちで作っていきたいーー初回盤には、松尾さんデザインのボディバッグがついていますね。松尾ボディバッグは、亀がけっこう使うんです。亀本松尾さんはトートバッグが好きなんですけど、僕はトートバッグを肩にかけると落ちることが多くて、斜めにさげるボディバッグがほしいと思っていたんです。いまはCDだけを出しても、曲はYouTubeやインターネットでも聴けますし、アップルミュージックやスポティファイなどでも聴けますから、単純に曲を出すだけでは価値がおぼつかない存在になっていると思っていました。僕らだけではなく、ほかのアーティストもやっていることもありますが、こういったグッズ付きCDはフィジカルの新しい形ですよね。フィジカルパッケージのあり方が非常に変わってきているから、ひとつのスタイルです。ーーデザインは松尾さんがされていますね。松尾そうです。シングルレコードの盤面になっているんです。亀本僕は、爬虫類が好きだから、遠くから見ると、このボディバッグの模様が蛇のアナコンダに見えてくる。どう?松尾わかんない(笑)。あと「ストーリーの先に」のジャケット写真の衣装は、いろいろな国を飛び回って探してきたので、個人的にはそこに注目してほしいですね。亀本今日の洋服と似てない?松尾似てる。どっちも70年代ぽいのですが、ジャケット写真のほうがより70年代らしい。ーー松尾さんはファッションを含めた世界観を大事にしていらっしゃいますが、お休みのときはやはり洋服を見にいくことが多いのですか。松尾常に衣装探しをしていますね。あとはコスメも大好きなんです。基本的には、古着を探しに原宿、中目黒、吉祥寺などのヴィンテージショップに行きますね。長期間お休みがあるときは、歌詞のインプットのために海外に行くのですが、その合間も衣装探しのために時間を費やすことが多いです。ーーレトロなものがお好きなのですね。松尾そうですね。レトロといえば、純喫茶も好きで、疲れたらよく行っています。ーーまた、コスメもこだわっているとか。松尾国内コスメも海外コスメも好きなんです。亀本爆買いしてるよね。松尾してないよ。コスメはとにかくいろいろ試して、研究しています。亀本YouTubeとかすごく見てるよね。ある日、松尾さんが携帯をずっと見てるなあと思って、「何見てんの?」と画面を見るとYouTubeで、おねえさんが出てきてメイクグッズの説明をしているという(笑)。松尾海外コスメの紹介動画を見ていますね(笑)。日本のデパートに行ってもわからないコスメ情報とか、プチプラでもいいものはいいし、いろいろと情報収集しています。ーー亀本さんはお休みのときはどうされているのですか。亀本フットサルをしたり、ゲームをやったりしていますね。でも、多くは音楽に関することをやっています。昨日も、ギターを持って、お昼ぐらいから何パターンか短い四小節くらいのアイデアをためておいたり。夕方ぐらいからレコード屋に行って、レコードと写真集を買って、帰ったらまたスポティファイでいろいろな人の曲をチェックして、1日が終わります。松尾レコード屋はお互いによく行きますね。ーー最後に、今後の目標を教えてください。亀本昨年の秋にアルバムを出したんですが、次のアルバムはさらにすごいやつを作ろうとがんばっている最中なので、それがいまの目標ですね。松尾年代は関係なく、みんなに届くロックをやっていくことですね。国籍も問わず、「かっこいいサウンドをちゃんと自分たちで作っていきたい」ということが一番です。普通のことですが、こういうせわしない業界にいると、それを見失うこともあるかもしれないので。見失わないよう、そこだけはちゃんと、いつもデビュー前の自分に戻れるような感覚でいたいですね。取材後記少しハスキーで深みのあるボーカルの松尾さん、存在感のあるギターの亀本さんが放つサウンドからクールな印象を持っていましたが、お会いするとなんとも表情豊かで息の合ったかけ合いをされていたおふたり。地に足をつけて活動するGLIM SPANKYさんの音楽は、これからも幅広い層に浸透していくのでしょう。まずはニューシングルをチェックしてみてくださいね。GLIM SPANKY PROFILE松尾レミ(Vo/G)、亀本寛貴(G)からなるロック・ユニット。2007年、高校1年生だった松尾がメンバーを集め、同じ高校内で初期メンバー4人により結成。2010年、メンバー2人が脱退し、松尾は東京の芸術大学へ進学、亀本は名古屋の大学へ通っていたがバンド活動のために上京を決め、新たに関東の大学に進学。上京後、サポートメンバーを加え、その後、精力的にライブ活動を展開する。2014年6月、1stミニアルバム『焦燥』でメジャーデビューし、以降もライブ活動やリリースをコンスタントに行う。2016年、映画『ONE PIECE FILM GOLD』の主題歌「怒りをくれよ」、映画『少女』の主題歌「闇に目を凝らせば」などを新人では異例の大抜擢で担当。2018年、映画『不能犯』の主題歌「愚か者たち」がiTunes総合アルバムチャート1位を獲得。5月、初の武道館ワンマンライブが大成功。7月、FUJI ROCK FESTIVALのメインステージとなるGREEN STAGEに出演。2019年、3月から7月にかけて、全国24都市28公演+アジア(香港・台湾)2公演による全国ワンマンツアーを開催。2017年、2018年に続き、ドラマ『警視庁・捜査一課長』(テレビ朝日系)の『新作スペシャルⅠ・Ⅱ』主題歌を担当し、「Tiny Bird」を配信リリース。10月から11月まで東名阪4公演ワンマンライブを実施。11月20日、ドラマ『Re:フォロワー』(ABC テレビ/テレビ朝日ほか)書き下ろし主題歌 5th シングル「ストーリーの先に」をリリース。InformationNew Release「ストーリーの先に」01.ストーリーの先に02. Breaking Down Blues03. Tiny Bird11月20日発売TYCT-30099(通常盤)¥1,300(税別)
2019年11月14日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第14回目に登場するのは、今年女優デビューを果たした、シンガーソングライターのchayさん!写真・大内香織映画に出演して大切な仲間ができた【音楽通信】vol. 14シンガーソングライターで、モデルでもあるchayさんは、今年の8月に公開された矢口史靖監督の映画『ダンスウィズミー』で女優としてもデビュー。多岐にわたり活躍されるchayさんが、11月13日に3枚目のフルアルバム『Lavender』をリリースされるということで、お話をうかがいました。ーー映画『ダンスウィズミー』では、謎のストリートミュージシャン・山本洋子役でご出演されていましたね。初めて演技をされてみていかがでしたか。映画に出演できるとは思ってもみませんでした。今回、映画のオーディションのお話をいただいて受けたのですが、決まったときは、「まさか!」と思いました。撮影は、すごく楽しかったです。右も左もわからないまま現場に入ったのですが、毎日が遠足気分で新鮮でした。主演の三吉彩花ちゃん、共演のやしろ優さんともすごく仲良くなって、大切な仲間ができました。充実していましたね。ーー学校のようですね。本当に学校のようでした。撮影が終わったあとも、やしろさんのお部屋にキャストが集まって、おしゃべりやゲームをして過ごしていましたし、プライベートでも、やしろさんたちと一緒にディズニーランドに行ったり、お家に行ったりして、すごく楽しかったです。ーー女優として演技をすることも、歌い手として歌うことも、同じ“表現をする”ことですが、女優経験がシンガーソングライターとしての表現に活きたことはありましたか。たくさんありました。ひとつのものをみんなで一丸となって作る姿勢は、映画に限らず曲作りやCDを作ることとも一緒ですが、映画は規模が全然違いました。関わっている人数もとても多いですし、「すごく大きなものを作っている」と感じました。作品を作る過程を体験して、映画ができあがったときの喜びや達成感、感動は、CDを作っていくときの感動とはちょっと違ったものでした。この経験は、音楽制作にもつなげていけると思っています。ゴージャスで華やかなアルバムが完成ーー11月13日に3枚目のフルアルバム『Lavender』をリリースされます。プロデュースに、日本を代表する音楽プロデューサーの武部聡志さんを迎えたきっかけは何でしょうか。武部さんには数年前からお世話になっていて、歌番組などでもご一緒させていただいています。『Lavender』が20代最後のアルバムなので、自分を出し切るものにしたいと思いました。いままでやってきた音楽がポップスなので、日本のポップス界といえば、私の中で武部さんの存在が大きかったんです。今回、ご縁があってご一緒させていただいて、とても充実したアルバムになりました。ーーchayさんが作ってこられた、いままでのポップスの集大成ということでしょうか。そうですね。武部さんがアレンジを手がけてくださったということもあって、ゴージャスで、華やかなアルバムになったと思うのですが、そういうアルバムを1枚、20代のうちに出せてよかったなと思っています。ネガティブなタイトルはchayらしくないーー収録曲のテーマが、繊細、疑い、期待、許し合う愛など、ラベンダーの花言葉に合うと気づいて『Lavender』というタイトルにされたそうですね。はい。前々作も前作も今回も、最初からコンセプトを決めて作ってはいないんです。いつもアルバムはバラエティに富んだ楽曲を揃えて、すべて完成してから、タイトルをつけているんです。前作から27歳、28歳、29歳と歳を重ねてきて、それぞれの歳で感じたことを描いています。今回のアルバムは、漠然とした焦りや迷い、不安といった同世代の女性の悩みがテーマになっています。最初からそこを意図して書いたわけではなかったのですが、「いま自分がこういう気持ちで、こういうことが書きたかったんだ」と、最後に楽曲を並べて見つけたんです。でも、ネガティブなタイトルにしてしまうと、chayらしくないと思いました。chayらしい言葉でネガティブを表現できないかと思って、いろいろな単語をたくさんあげていくなかで、花言葉に注目していったら、ラベンダーの花言葉がぴったりで。そしてアルバムのタイトルを『Lavender』にしたら、chayらしさも表現できるのではと思いました。ーーchayさんご自身が思う、“chayさんらしさ”というのは、どのようなものですか。きっと、chayといえば、明るいイメージがあるのではと思っています。コーライティングは新しい視野を広げてくれたーーご自身で曲を作るときは、どのように作曲しているのですか。ふと思い浮かんだときに録音したり、メモしたり。基本的にはギターを持って、コードを弾きながらメロディを作って、そこに歌詞をつけていくことが多いですね。ーーアルバムには、4月にリリースされたシングル「大切な色彩(いろ)」も収録されています。この曲はchayさん含む4人の方でコーライティングされていて珍しいと思いました。おひとりで作詞をされるときとの違いや変化はありましたか。ひとりで作詞作曲するものとは、かなり違ったやり方ですし、たくさんの方とディスカッションしながら作り上げていく作業は、すごく勉強になりました。刺激を受けることが多かったです。たとえばメロディでも、「私だったらこのコードの次は、このコードにいって、このメロディの展開にしていきたくなる」と思っても、そうはいきません。自分で冒険するのはかなり勇気がいるのでなかなかできないことなのですが、4人で作り上げたことで新しい視野が広がりました。「伝えたいこと」は思い入れの強い曲ーーアルバムのリード曲「砂漠の花」や「伝えたいこと」は、喪失感のある女性の心情を描いていますが、実際にはどのような思いで作られたのでしょうか。「伝えたいこと」を作ったきっかけは、すごく大切なスタッフさんが亡くなったときの後悔からでした。それこそ暗くネガティブな曲になってしまうのは本意ではなかったので、リスナーの方の受け取り方によってどのようにも捉えてもらえるような普遍的なものにしようと思って作りました。だから、ラブソングともとれるし、家族や親友、友達、恋人、ペットでもいいのですが、そんな大切な人との大切な時間は当たり前だと思っていても、いつその時間がなくなってしまうかわからないから、伝えたいことはいま伝えないと届かないということを言いたくて書きました。思い入れの強い曲です。ーーそうだったのですね。では収録曲の「ブーケの行方」についても教えてください。この曲はchayさんの作詞、武部さんの作曲・編曲の楽曲です。結婚する友達へのメッセージが込められている歌詞で同世代の女性に響く曲ですが、実体験なのでしょうか。これは私の同級生の結婚式の帰りに、お友達と集まったときに、みんながしゃべっていた内容が面白いなと思って、それをテーマにして書いたんです。結婚する友達に対して、「おめでとう」と祝福する思いがあるけれど、自分が独身であることについ焦ってしまう気持ちは、少なからず女性が抱えているテーマだと思って書きました。でも、この感情をテーマにするのはセンシティブな問題でもあったので、それを曲にするのはどうなんだろうという葛藤はあったんです。そんなときに、武部さんの曲を聴いたら、とても明るくて、このサウンド感だったら歌えるんじゃないかなと思って、この歌詞を書きました。あまりウエディングソングでこういう目線の曲もあまり多くないので、面白いかなと思いました。尾崎亜美さんの楽曲で親孝行ができたーー昨年の冬ドラマ『あなたには渡さない』の主題歌で、Crystal Kayさんとコラボレーションされた「あなたの知らない私たち」も収録されていますが、オンエア後はどのような反響がありましたか。Crystal Kayさんと声がマッチしていたという声をいただきましたね。もともとCrystal Kayさんのファンだったので、実際に声が重なり合ったときに、感激しました。ーー「To Shining Shining Days」は、心地よく聴けるグルーヴィンなナンバーで、尾崎亜美さんが詞曲を担当されていますね。収録曲はchayさんが手がけているものもあれば、尾崎さんのように作詞家の方が担当する場合もありますが、他の方にはどのような意図でご依頼されているのですか。「この方が作った曲を歌いたい、届けたい」という思いから、お願いしています。尾崎さんもご縁があり、何年も前からお世話になっていて、ライブにも出演させていただいたり、尾崎さんのセルフカバーアルバムにも呼んでいただいてご一緒したりしました。「尾崎さんの作った曲を歌いたい」という思いが強くて、今回お願いしたんです。尾崎さんが「作るにあたってお話を聞かせてください」と言ってくださって、あらためていま自分がどういう気持ち、状況かをお伝えしたうえで作っていただきました。まさにこのアルバムを象徴する楽曲となって感無量です。両親も尾崎さんのファンなので、親孝行もできてよかったです(笑)。悩んでいる方に聴いていただきたいアルバムーーところで、お休みの日はどのようにして過ごしていますか。出不精なんです。好きな映画を見ながらゴロゴロして、休息についやします。でも、ツアー前や大事な撮影が控えているときなどの前のお休みは、積極的にジムに行ったり、近所を走ったり、体力作りをします。ーーモデルとしてもご活躍されていますが、美容について気をつけていることがあれば教えてください。すごく食べることが大好きで、しかも背脂ラーメンが大好きなんですよ(笑)。本当だったら毎日食べたいぐらいなのですが、いまは何か成し遂げた後のご褒美に食べることにしています。20代前半は何を食べてもわりと平気でしたし、その場しのぎの美容法でなんとかなっていたのですが、25、6歳ぐらいから、その場しのぎだと追いつかなくなりました。お肌も、メイク落としや保湿など、スキンケアの基礎の基礎から見直して、やっと自分の肌に合うものを見つけ出して使っていたら調子がよくなってきました。ひとつひとつ丁寧にやるだけで、全然変わります。とくに20代前半はメイクをしたまま寝落ちして、肌荒れしてもそれを隠すためにさらに厚塗りして、それでもなんとかなっていたイメージなのですが、いまはそんな時期が懐かしいなと思うくらい変わりました。ーーそして来年は2月に全国ツアーがありますね。アルバム『Lavender』を引っ提げたものになります。いままでのツアーはとにかく演出や衣装にも重点を置いて、アグレッシブに華やかに行うツアーが多かったのですが、今回はまだこれから詰めていくので内容の確定はしていません。でも、もちろん今回も耳だけではなく、目で見ても楽しめるライブにしたいという気持ちは変わりません。今回のアルバムはよりメッセージ性があり、ひと言ひと言をちゃんと届けたい曲が多いので、あらためて歌に重点を置いたツアーにしたいと思っています。ーー最後に、このアルバムをどのようにみなさんに聴いてほしいでしょうか。少し大人になった同世代の女性が抱える悩みに寄り添いたいと思いながら作ったアルバムですが、女性に関わらず男性でも、年齢問わずみんなに共通する気持ちや悩みがちりばめられています。多様化して選択肢が多い時代だからこそ、悩みを抱えている方に聴いていただきたいと思います。取材後記モデル活動もされているだけあって、撮影では華麗なポージングを披露してくださったchayさんの20代最後となるポップスの集大成が完成しました。シンガーソングライターとして、モデルとして、女優として、幅広く活躍されているchayさんのニューアルバムをまずはチェックしてみてくださいね。chay PROFILE1990年10月23日生まれ。幼少の頃から歌手を目指し、小学生の頃からピアノで曲を作り始める。大学に入学すると同時にギターを始め、路上ライブなどを重ね、本格的に音楽活動を開始。2012年10月に「はじめての気持ち」でメジャーデビュー。2013年10月から2014年3月まで恋愛リアリティ番組『テラスハウス』(フジテレビ系)に出演し、各方面で話題に。2014年5月より『CanCam』専属モデルとしても活動を始める。2015年2月にリリースされた「あなたに恋をしてみました」は、フジテレビ系 月9ドラマの主題歌となり、50万DLを突破し大ヒット。その後、配信限定リリースを含めた10枚のシングルと、2枚のアルバムを発売。2019年8月、矢口史靖監督最新作、映画『ダンスウィズミー』で女優デビュー。9月、初の単行本『chay’s BEAUTY BOOK』を発売。11月13日に、3枚目のフルアルバム『Lavender』を発売する。2020年2月6日の名古屋ダイアモンドホールから2月16日六本木EX THEATERまで全国4都市でアルバム『Lavender』を提げた全国ツアー「chay LAVENDER TOUR 2020」を開催する。InformationNew Release『Lavender』1.伝えたいこと02.大切な色彩(いろ)03.私が私になるために04.砂漠の花05.Snowflake06.ブーケの行方07.To Shining Shining Days08.ずっと きっと 叶う09.My Fairy Tale10.あなたの知らない私たち(feat.Crystal Kay)11.Girl Friends12.HIKARI13.With14.小さな手11月13日発売WPCL-13116(通常盤)¥3,300(税込)ヘアメイク・sachi、スタイリスト・田臥曜子ワンピース/31 Sons de mode(TEL:03-6450-3522)イヤリング/グロッセ(グロッセ・ジャパンTEL:03-5413-6039)ブレス/グロッセ グラッセ(グロッセ・ジャパンTEL:03-5413-6039)パンプスはスタイリスト私物
2019年11月12日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第13回目に登場するのは、「ポストミレ二アルギャル」と呼ばれる次世代型ギャルで、今年5月にデビューしたばかりのシンガー、安斉かれんさん!写真・大内香織ザ・ローリング・ストーンズのライブで触発される【音楽通信】vol.13渋谷のショップで店員として働きながら、デビュー前からコスメティックブランド『M・A・C』の店頭コレクションビジュアルに抜擢され、注目を集めていた安斉かれんさん。令和元日となる5月1日にデビューし、10月1日にはデジタル3rdシングル「人生は戦場だ」を配信した、20歳になったばかりの安斉さんにお話をうかがいました。ーー音楽に興味を持ちはじめたきっかけを教えてください。幼いころからエレクトーンを習っていたり、父がドライブ中にロックをよくかけていたので、自然と音楽、特に洋楽にも興味を抱き始めたんです。父にザ・ローリング・ストーンズのライブに連れていってもらったのが人生初のライブで、そのバックバンドの人がアルトサックスを吹く姿を見て、ものすごく憧れました。中学に入ってからは、吹奏楽部でアルトサックスを始めて、ずっと楽器に対する興味が強かったんですが、あるとき「喉もひとつの楽器だな」と思うようになって、歌も始めるようになりました。ーーライブではボーカルに注目しがちですが、バックのプレイヤーに目を留めたというのは、小学生ながら着眼点がすごいですね。父が家でずっと趣味のギターを弾いていることが多かったので、興味がわくのは自然と楽器ばかりでしたね。ーー中学生からサックスを始めたのですね。はい。もともとはジャズをやりたかったんですが、吹奏楽部に入ってみたらクラシックでした(笑)。でも、クラシックもそれはそれで楽しいなと思って。ーー楽器にふれていくなかで、「喉もひとつの楽器」だと気づいたということですが、それからは歌うことも意識して行っていったのですか。意識というほどではなく、「ちょっと歌をやってみようかな」というくらいの感覚です。私はもともと洋楽やロックを聴くことが多かったのですが、最近はJ-POPにもすっかりハマり、いまもいろいろと聴いています。ーー昔もいまも、どんなアーティストの曲を聴くことが多いですか。実家ではローリング・ストーンズやグリース・ヘルメットをよく聴いていましたし、いま自分で聴くのはアデルやアリシア・キーズなどの女性ボーカルの曲が多いですね。15歳ごろから歌と作詞を始めるーー今年、5月1日にデジタル・シングル「世界の全て敵に感じて孤独さえ愛していた」が配信され、デビューされました。高校生になってから音楽のレッスンに励んでいたそうですが、やはりデビューすることを目指していたのですか。音楽が好きでレッスンしていただけで、デビューしたい気持ちはなかったんですが、レッスンに通うなかでいろいろなご縁があって、デビューすることになりました。人生に起きることは、すべて意味があって、その先に縁が繋がるものなんだなって。ーーデビューしてから、心境の変化はありましたか。デビューする前もした後も、全然実感がわきませんでした。とりあえず目の前のことを懸命にやってきたという感じです。「もうやるしかない!」という心境。ようやく実感がわいてきましたね。ーーデビューすることに対してのプレッシャーはなかったのでしょうか。プレッシャーはもちろんありました。「大丈夫かな?」と不安になったこともあります。いまもそれはありますが、何を始めるにしても、プレッシャーはあると思うので、ただ目の前のことを一生懸命するだけです。ーーまわりの方の反響はいかがでしたか。友達にも「音楽をやっている」「芸能をやっている」とは言っていなかったので、みんなびっくりしていました。デビューした瞬間に「え! 音楽やってたの」って(笑)。ーーそうだったのですね(笑)。ところで、安斉さんはご自身で作詞もされていますね。デビュー作は16歳のときに書いた歌詞だそうですが、何歳頃から作詞を始めたのですか。作詞も、歌を始めたのも、15歳の頃からです。歌詞は、思ったことをメモに書き留めるようにしていて、そこから作っています。ーー続く2枚目は、7月1日に「誰かの来世の夢でもいい」が配信されました。1枚目も2枚目も、配信後にタワーレコード限定の無料配布となった8cmシングルがリリースされていますが、平成生まれの安斉さんは、90年代にあった8cmのCDシングルはご存知なかったですよね。そうですね。もしかしたら父が持っていたかなあ、ちらっと見たことはあったかも? 8cmシングル、ちっちゃくて、かわいいです。逆に、新しいですよね。ーー渋谷のショップで店員として働いていたのは、ファッションがお好きだったからなのですか。渋谷のお店で働いていましたし、ファッションについて知ることも好きではありましたが、アパレルの仕事がしたいというよりも、個性的なものだったり、人とかぶらないものだったり、そういうオリジナリティのあるものに囲まれる仕事に携わりたい! という思いのほうが強かったです。ーー次世代型ギャルである「ポストミレニアルギャル」(通称ポスギャル)と呼ばれていますが、そのことについては?大前提としてギャルとは、「うちら、ギャル~」みたいなノリや着飾った見た目だけじゃなく、マインドだと思っています。そういう意味では、(表面上でポスギャルを意識しているわけではないけれど、マインドは)自分もギャルだと思います。ーーデビュー前から『M・A・C』の店頭コレクションビジュアルにも抜擢されていましたが、そのときの心境を教えてください。実はコスメがすごく好きで、もともと『M・A・C』を愛用していたので、お話をいただいたときはすごくうれしかったです。とくに海外のコスメが好きで、日本に入っていないものを取り寄せたりしています。メイクの仕方によって、雰囲気が全然変わってくるじゃないですか。そこがメイクの面白いところで、またさらに、メイクの勉強もがんばろうと思っています。ーーメイクに興味を持ったのはいつですか。メイクを始めたのが小5ぐらいですね(笑)。そのときに人気だったギャル雑誌に憧れて、友達とつけまつげを買いにいって、つけまつげをし始めました。それがきっかけで、メイクもするようになったんです。楽しかったですね。ーー今日はメイクさんがメイクをされているのですか。今日は自分でメイクをしています。恥ずかしいな(笑)。ーーとても透明感のあるお肌ですが、ファンデーションを塗っていますか。いえ、今日は塗っていないです。がっつりメイク顔になるのでファンデーションはせずに、パウダーだけにしています。パウダーの下に、『M・A・C』の「ストロボクリーム(光沢のある下地クリーム)」を入れると、ベースから輝いてきれいに見えるんですよ。ーーそういうコツもあるんですね。いえいえ、自己流なんです(笑)。ありがとうございます。ーーメイクのこだわりはありますか。目もとのメイクは日によって、すごく変えてしまいます。あと、ハイライトの入れ方と、ベースではファンデーションを塗らないようにしていますね。自分に正直に、リアルタイムの気持ちを歌詞にするーー10月1日に3枚目のシングル「人生は戦場だ」を配信され、こちらも1、2枚目と同様にタワーレコード限定の無料配布となる8cmシングルとしてリリースされました。新曲に込めた思いを教えてください。いつもは書きためたメモから、ひとつの歌詞にしていくのですが、「人生は戦場だ」に関しては違いました。曲をいただいたときに、曲からのインスピレーションを受けて、一気に感情があふれて歌詞を書き上げたんです。すごく静かなメロディから1番が始まって、2番からどんどん盛り上がるのですが、1番の音がささやきのように聴こえたから、“人には言わないけれど自分の心の中を語る歌詞”にしました。そして2番では、展開の盛り上がりに合わせて、“少しずつ強くなって決意をしていく気持ち”を歌詞にしてみたんです。ーー一気に歌詞を書き上げたということですが、1枚目と2枚目のときを振り返るとどうでしょうか。1枚目のときは歌詞を書くことにまだ慣れていなかったので、いま思えば、昔の日記を読むような感じになっています。言いたいことをぶわーっと並べていきましたね。2枚目はそのときにしか思わない感情を書きためていたメモから引っ張ってきて、歌詞にしていったという感じでした。ーー書きためたメモからストーリーを紡いでいくのも、だいぶ慣れてきたのでしょうか。そうですね。毎日書いているので、メモもいっぱいたまりました。ひとこと、ふたこと、思いついたことや情景、そのときに見た風景をメモしています。良いことも悪いことも書いて、単語でもいいから残しておいて、そこから広げていきます。ーーストレートにがんばろうという歌詞ではなく、さまざまなことに揺れて葛藤する気持ちを描いていらっしゃいますが、そこに共感する方も多いのではないかと思います。そのあたりは意識して歌詞を書いているのですか。もちろん聴いてくれる方が共感してくれたら、すごくうれしいですね。でも歌詞を書くときは、人に共感してもらいたいというよりも、リアルタイムの気持ちを素直に書くほうが、絶対共感されると思っていて。この世代でしか思わない感情を、自分に正直に、リアルに書いていければと思っています。ーー新曲がテレビアニメ『ブラッククローバー』(テレビ東京系毎週火曜日午後6:25~)のエンディングテーマとして、10月から流れていますね。大好きな作品のエンディング曲を歌わせていただいています。物語に添えて流れたときに、何か伝わることがあればうれしいですね。ーーミュージックビデオでは、1枚目から今回の3枚目まで、「デビュー3部作」として一連の物語を描いています。AR(拡張現実)が進化して、高度なMR(複合現実)が実現した「近未来の渋谷」を舞台にした設定だそうですね。そうなんです。3作でつながっているストーリーがあるので、細かく観ていただけたら、面白いと思います。ーーミュージックビデオの撮影も初めてでしたよね。はい。最初は「こんなにも大変なんだ」と驚きました。セットで撮ることもありますし、ロケに行くこともありますし、ブルーバックで撮影するときもありますし。とくにブルーバックでの演技は難しかったですね。長い時間をかけてミュージックビデオを作り上げていくために、多くのスタッフやキャストの方と一丸となって作っていったので、完成版を見たときは本当にうれしかったですね。最初は何もかもわからないまま撮っていたんですが、何作か撮るうえでいろいろと思うものが出てきました。今後、ミュージックビデオを撮るときは、少しずつ、自分自身のこだわりも強くなっていくのではないかと思います。いろいろなことを吸収して「安斉かれん」を高めていくーー現在20歳になられて、10代の頃と比べて心境の変化はありましたか。そうですね……特に何にも変わらないですね(笑)。お酒が飲めるようになったので、ひとりでバーにでも行ってみようかな。ーー20代は「こうしていきたい」という考えはありますか。先のことを考えるのはあまり好きじゃないんです。だから、常に目の前のことをやっていきます。ーーところで、お休みの日はどのように過ごされていますか。お休みの日は、おうちでずっと動画配信サイトで映画を観ています。歌詞につながると思うと勉強にもなりますし、映画がもともと好きなので映画やミュージックビデオなどをいろいろと観たり、愛犬と遊んだりしています。ーーひとり暮らしだと、犬のお世話をするのは大変じゃないですか。もともと実家に犬と猫、オウムやカメなど、いろいろな種類の動物がいたので、ひとりになると寂しいんです。ひとり暮らしの家でも、帰ったら動物なりの「おかえり」を言ってもらうことが、癒しになります。いま飼っている犬はペキニーズとチワワのハーフなんですが、ちょっとブサカワなところが愛くるしいです(笑)。赤ちゃんのときから飼っていますが、まだ8か月なのに貫禄があるんですよ。お散歩にも毎日行きます。ーーお名前はなんですか。ゼロくんです(と言って、スマートフォンにあるゼロくんの写真を探す安斉さん)。かわいい写真を見てほしいんですよ……。この写真、見てください!ーーかわいいですね! ではお休みの日は、映画を観たり、ゼロくんと遊んだり。はい。あとは、友だちとごはんを食べに行ってゆっくりとカフェで語っています。ーー最後に、シンガーとして今後の目標があれば教えてください。目標というより、こうしていければという思いになるんですが、ずっといまのように、リアルタイムで気持ちを伝え続けていければ。そしてこれは前から言っていることでもあるんですが、いつまでも音楽を好きでいたいです!これからも、いろいろなところからさまざまなものを吸収して、どんどん「安斉かれん」を高めていきたいと思います。取材後記ゼロくんのお話になると笑顔があふれる、キュートな安斉かれんさん。初ステージとなった、10月に開催された渋谷のイベントでは、凝った演出で観客を驚かせていました。そんな安斉さんが発信していく音楽やメイク、ファッションなどのスタイルは、これからの時代にどんな影響を与えていくのか見逃せません。まずはニューシングルをチェックしてみてくださいね。安斉かれん PROFILE1999年生まれ。神奈川県藤沢市出身。渋谷の人気ショップ 『RELECT by RUNWAY CHANNEL Lab.』で店員として働きながら、デビュー前から多くのファッションメディアに登場し、『M・A・C』の店頭コレクションビジュアルに抜擢される。令和元日の5月1日に1stシングル「世界の全て敵に感じて孤独さえ愛していた」でデビュー。7月1日に2ndシングル「誰かの来世の夢でもいい」、10月1日に3rdシングル「人生は戦場だ」を配信。これらデビュー3部作は配信後に、8cmシングルとしてもリリースされた(タワーレコード限定無料配布)。Information安斉かれんNew Release「人生は戦場だ」10月1日配信(サブスクリプション音楽ストリーミングサービス限定配信シングル)インスタグラム[/hidefeed]
2019年10月31日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第12回目に登場するのは、キーボード弾き語りスタイルで活動している、シンガーソングライター・ましのみさん!写真・大内香織音楽を始めるきっかけはmiwaさんの存在だった【音楽通信】vol.122016年に音楽コンテストで約3,000組の中からグランプリを獲得し、2018年、女子大生だった20歳のときに、アルバム『ぺっとぼとリテラシー』でメジャーデビューした、ましのみさん。今春大学を卒業して、10月14日に配信シングル「エスパーとスケルトン」をリリースしたましのみさんに、お話をうかがいました。ーーいつから音楽活動をされているのですか。活動を始めたのは4年前ぐらい。高3の終わりの1月頃に、初めてライブハウスでライブをしたのが始まりです。それまでは曲を作ったり、人前で歌ったりしたことはありましたが、ライブ活動は全然ありませんでした。ただの趣味として、吹奏楽やバンドをやって、文化祭で歌うぐらいだったんです。ーーバンドをされていたときはボーカルだったのですか。いえ、ベースです。高校の部活のお遊びバンドで、ベースをやる人がいなかったので担当して。あとはコーラスをしていたぐらいです。ーー2015年1月の18歳のときに、東京の下北沢LOFTで初ライブをされていますね。私が音楽を始めるきっかけが、(シンガーソングライターの)miwaさんの存在なんです。もともと幼稚園のときから「歌手になる」と言っていたのですが、小学生になって物心がついてくると、夢を言うのが恥ずかしくなってしまいました。子どもの頃から心の奥底にあった「歌手になる」という夢は消えなかったものの、ちゃんとお勉強をして大学に行って、キャリアウーマンになってバリバリ働きたいという思いも出てきて、もう歌手になるのは無理だと思っていたんです。そんなときに、miwaさんがシンガーソングライターをしながら、大学にも行かれていることを知って、「あ、そういうこともできるんだ」と思ったのが音楽活動をやろうと思ったきっかけです。miwaさんがどうやって音楽活動を始めたのかを調べると、初めてライブをされたライブハウスが下北沢LOFTでした。個人でも「ライブがしたい」と思ったら、音源を送るとライブができるということも知って、miwaさんが初ライブをした同じライブハウスに応募したんです。ーーそうだったのですね。デビューしてから、miwaさんにお会いしましたか。放送局でご挨拶したことがあります。ーー憧れのmiwaさんにお会いしてみてどうでしたか。緊張しました。イメージしていた通り、ニコニコされていて、かわいらしい方でした。「必死」の二文字で突き進んだインディーズ時代ーー初ライブの翌年、2016 年3 月には、ヤマハグループが開催する音楽コンテストで約3,000 組の中からグランプリを獲得されていますね。はい。ただ、当時は「現状に満足したら大変なことになる」「前に進めなくなる」「グランプリを獲っても、だからといって何かが変わるわけじゃない」と常に思っていました。そのときは、「音楽活動をするうえでの足がかりをなんとか早く手に入れなければ」と焦っていたので、グランプリを獲ったことによって「やっと1個手に入る」と思っていましたね。いまは年数を重ねて価値観が変わって、目の前で起こることをその都度喜んで、それが大きなものになっていく良さも考えられるようになりました。ーー当時は目指すところがもっと高い場所だったのでしょうか。そうですね。あとはポジティブにとらえるよりも、ネガティブに考えることによって、自分を傷つけないようにしていました。ーーグランプリを獲得するまでにも、ほかにもコンテストには応募されていたのですか。もちろんです。2015年に初ライブをやるのと同時に、ツイッターやユーチューブのアカウントを作って、家で適当にやったものをのせて、いろいろなところに手当たり次第に送っていました。ーー学生生活と並行して、将来はアーティストになると決めて動いていたのですか。就活もしていました。音楽活動を始めたのがほぼ大学1年生のときで、「あと3年後に就活が迫っている」と考えると、それまでに音楽でがんばっていけるという確かなものがないと、音楽の道に進めないと思っていたんです。自分としても、親に対しても、ケジメとして形にする気持ちがあったので、焦っていました。メジャーデビューをするには、ライブを常にやり続けていろいろな人に見てもらう、ライブ力を高める、お客さんの目に触れるということを軸に行動しました。さらに、たくさんの音楽関係者に見てもらう機会を増やすということの二軸にして活動したんです。ーー計画的に進めていらしたのですね。そうですね。時間がなくて焦っていたんです。18歳や19歳は、人生の大事な時期ですから、その時間を賭けて音楽活動をするには、がんばりたいと思ってやってきました。ーーキャリアウーマンの道もあったかもしれないのですね。実はまだ、キャリアウーマンの道も消えてはいません。もちろん音楽を中心にやっていきたいのですが、今後いろいろなことをやっていくなかで、自分でビジネスを展開していくことへの興味は消えずにいます。ーーインディーズ時代は初のワンマンライブのチケットが完売し、タワーレコード渋谷の未流通作品コーナーのタワクルで5 週連続売り上げ1 位と順調な活動ですが、ご自身では先ほどお話しされていたように、冷静に活動を進めていたのですか。いえ、「必死」の二文字という感じでしたね(笑)。ただ、すごく縁に恵まれていたと思います。グランプリも選んでくださった審査員の方と相性が良かったということだと思いますし、タワクルもライブ活動をするなかで出会った方が紹介してくださって、そのときに買ってくれたお客さんのおかげで5週連続1位になっているから、周りの方に助けてもらいながらやってこられて、こうして走ることができていて、ありがたいですね。聴く人が幸せになるような、魂を揺さぶる曲を書きたいーー2018 年2 月にアルバム『ぺっとぼとリテラシー』をリリースして、デビューされています。作詞や作曲もされていますが、ずっと書きためていたのですか。詞は、初めの頃は「歌うために書かなきゃ」と考えていました。“シンガー”より、“シンガーソングライター”のほうが、いまの時代はいいだろうと思って書きはじめたのですが、半年くらいで書いているのが楽しくなってきたんです。いまはリリースのために書きためているのではなくて、いまの感情がすぐ消えることがこわい気持ちもあって、そのときどきの思いを楽曲として残すために、曲を書いています。ーー日記のようなところもあるのですか。それもありますね。思ったことをメモに書いて、そこから、いろいろなものが出てくるので、生きているなかで自然に曲がたまっていく感じですね。ーーインディーズ時代とデビュー後では、何か心境が変わったところはありましたか。インディーズのときは渋谷店のみの発売となるタワクルと、ライブハウスの出演のみだったので、楽曲が全国流通していないんです。それがデビューすると、ちゃんと音源が全国に届いて、サブスクリプションなどにも入って、リリースイベントも各地で行えるようになったことが大きな違いですね。私が足を踏み入れたことのない地にも作品が届いて、行ってみると「聴いていますよ」と言ってくださる人がいて、すごくうれしかったです。「またがんばろう!」という燃料になりますね。ーー手応えがあったのですね。はい。それまで世間は壁や巨大な怪物に見えていて、そこに対していかに自分をぶつけて刺さないといけないかという気持ちでいっぱいだったのですが、聴いてくれている人と会うと、うれしい気持ちややさしい気持ちが生まれたんです。よりいっそう、聴いてくださっている人に幸せになってもらえるような、魂を揺さぶれるような曲を書きたいと思いました。ーーLINE LIVEなどで、「通称・ましらっぷ」というラップ、寸劇などもされているそうですが、それはどのような表現活動でしょうか。“いま”を表現するのが好きなので、遊びのような感覚を取り入れながら活動しています。ラップに関しては、正式なラップではないので、ラップ界に失礼のないように「ましらっぷ」と名づけました(笑)。おふざけとして動画で出したり、ライブでやったり。寸劇は、ライブをエンターテインメントとして見せるために取り入れました。私が飽き性なので、見ている方も展開が少ないと飽きるかもしれないということで、曲につながるようなかたちで寸劇をライブに入れていたり。どれも「絶対このスタイルでずっとやっていきます」とは思っていませんが、歌とMCのみというシンガーソングライターとしての形にとらわれずに、活動していきたいとは思っています。ていねいに時間をかけて作った思い入れのある新曲ーー10月14日にデジタルシングル「エスパーとスケルトン」をリリースされましたが、どのような思いでこの曲を作られたのでしょうか。デビューしてからエレクトロのサウンドを取り入れてきて、やることは本能的ですし、作るものはそのときに届けたい音楽を作っているのですが、それを「どうやって届けたいか」という意識が変わってきたんです。ピカピカ、ツルツルに完成されたものを届けるよりも、自由に音楽を作って表現したいというのが、音源でもライブでもあって。音源にしようとすると、コンプレッサーにかけて、エレクトロのサウンドでガッチリかためてピカピカになって世に出されるじゃないですか。そうなると、自由な感覚を届けられないもどかしさもあったので、それをどうにかできないか考えたうえで、今回は制作期間に8か月いただきました。エレクトロを1年やってきて、エレクトロのいいところと、ここだけかいつまみたいという部分もわかってきて。今回でいうと、レコーディングでは、私が生ピアノをグランドピアノで弾いて入れています。ベースは、高等な打ち込みで生っぽく入れてくださって、生のベースでもスラップにも対応していただいたり。生のセッションのような温度感と、耳に引っかかるエレクトロの効果音、踊れるところを良い具合にかいつまんで、音を詰めすぎないで余裕感や隙間感のあるものにしました。本能的に、楽しくて踊りたくなるようなものが音楽だと思っています。ーーそうして新曲が完成したのですね。はい。今回、sasakure.UKさんという方にアレンジしていただいたのですが、私が「こういうふうにしたい」という思いに応えてくださる方なんです。もともと作っていらっしゃる曲が型にとらわれない、拍子とか意味のわからない曲もあって、すごく好きで。何かにとらわれないで作りたい、あとはコンプレッサーなどをかけてキレイになりすぎない、そして粗いところもすてきなんだという感覚を持っていてくださる方です。そして音楽を作るときは、曲とメロディについてはあまり頭を使わないようにしています。というのも、がんばって作ったときは、“がんばって聴かなきゃいけない”雰囲気があるので、気楽に作って気楽に聴けるものにしようと思ったんですね。ただ、届けるところに関しては、頭を使わなきゃいけないなって。ジャンル分けされたくないですが、聴いてくださる人たちには、ビジュアルや音、歌詞などをわかりやすくすることを意識して行いました。そんなふうに丁寧に作ったので時間がかかりましたが、そのぶん、思い入れのあるものになりました。ーー今回の歌詞はどうでしょうか。「迂闊に恋せよ乙女」と歌っているのですが、恋愛の歌ではないんです。たとえば通勤や通学の帰り道にこの曲を聴いて、そのテンポ感や歌詞、メロディなどに「なんか背中を押される」という、さりげない後押しの曲にしました。「迂闊」にというところと、「幸あれ」という歌詞がキーワードなんです。何をするにも心配や不安はあるかもしれないですが、何をやるにも「迂闊にやっちゃえばいいんじゃない?」って。力を入れてがんばるというよりも、何かをやってみたことの結果、結局は祈るしかないのだから、聴いているあなたにいつも「幸あれ」という思いを込めて歌詞を書きました。ずっと音楽を続けてたくさんの人に曲を聴いてもらいたいーー「エスパーとスケルトン」のミュージックビデオも拝見しました。不思議な世界観ですね。ヒサノモトヒロくんという、2ndアルバム『ぺっとぼとレセプション』のジャケ写を撮ってもらったカメラマンに作ってもらいました。ヒサノくんは初めてのミュージックビデオの監督作品になるのですが、感性の部分で面白い、シュールな場面を撮るのが得意な方だと感じていたので、「一緒に作ってくれませんか」とお願いしたんです。ミュージックビデオでも、観ている人に押しつけがましくなく、意味合いが出ないほうがいいと思って作りました。ただ、音に対しても動画に対しても、ある種の“ひっかかり”はあったほうが良いと思っているので、ヘンテコな部分もあります。ーーそうなのですね。ではご自身以外の音楽で、ましのみさんが普段聴いているのはどんなアーティストの楽曲でしょうか。いまはとくに、自分のやりたいことや表現したいことが定まってきたのに、技量の部分で追いつかないジレンマがあるので、いろいろな人の音楽をたくさん聴いて勉強しています。昔のジャクソン5やモータウンなどの時代から、ロックやエレクトロ、フォークといったものを掘るのが楽しいんです。サウンドに対しての自分の理解が広がったからこそ、「この人はこんなふうに曲を作っているんだ」という発見もあるので、これまでより掘りたいと思うようになりました。「これは好き」「これはいまいち」と、だいたい1日か2日で1アーティストを掘っていく作業をやっているところです。ーーおやすみの日はどのように過ごしているのでしょうか。それこそ、おやすみのときのほうが打ち込みの勉強ができたり、アーティストの聴き込みができたりするので、そういうことをやっていますね。sasakure.UKさんやさまざまな人たちとの出会いで、さらに勉強したい意欲がわいています。あとは映画、本、美術館ですね。インプットすることに対して好奇心が深まっているので、何かを得られそうな場所に行くこともあります。ーー友達と遊ぶというよりも、オンオフなく勉強されている印象です。普通に友達と遊びに行って、いろいろな話をして、面白いなと思うこともあります。吸収したことを全部、音楽のために還元するという意気込みもありません。最近、人生においてやりたいことと、音楽に対してやりたいと思っていることを二軸で考えるようにしているんですが、結局どちらも混ざってしまいますね。人生において海外に行ったり、美術を見たり、感性に触れ合えたりしたいと思ったときに「じゃあ海外に行くから英語を勉強しよう」と思ったりしますよね。人生でやりたいことは音楽にも還元されるだろうし、音楽でやりたいことも結局は人生に還元されるので、そこに関してはわけようとしても、わけられないなと思ってきたところです。ーーわかりました。では、今後の目標はどのようなことでしょうか。最終的な目標は、人生の真ん中に音楽を置くこと、たくさんの人たちに曲を聴いてもらうこと、ずっと音楽を続けることにつきますね。取材後記ライブのステージドリンクに2リットルのペットボトルのお水を愛用している、ましのみさんは、取材の際も大きなペットボトルのお水を持参されていました。理知的な印象のましのみさんが作り出す音楽は、これからもさまざまな人たちへと届いていくことでしょう。まずはニューシングルをチェックしてみてくださいね。ましのみ PROFILE1997年2月12日生まれ。2015年1月、下北沢LOFTで初ライブを実施。2016年3月、ヤマハグループが開催する日本最大規模の音楽コンテスト「Music Revolution 第10回 東日本ファイナル」で約3,000組の中からグランプリを獲得。インディーズデビューアルバムが、タワーレコード渋谷の未流通作品コーナー(タワクル)でCDの取り扱いが開始され、5週連続でタワクル売り上げ第1位に。2017年3月、タワーレコード渋谷限定CD発売と同時に、2ndレコ発ワンマンライブを渋谷O-Crestで実施し、ソールドアウト。10月、フリーワンマンライブ@Shibuya WWWを開催し、メジャーデビューを発表する。2018年2月、メジャーデビューアルバム『ぺっとぼとリテラシー』をリリース。3月11日にShibuya WWW Xでワンマンライブを開催。8月、1stシングル「どうせ夏ならバテてみない?」をリリース。9月、代官山UNITでワンマンライブを開催。2019年2月、2ndアルバム『「ぺっとぼとレセプション」をリリース。3月、東京は渋谷ストリームホール、大阪はアメリカ村BEYONでそれぞれリリース記念ワンマンライブを開催。10月14日に配信シングル「エスパーとスケルトン」をリリース。リリース記念イベントを10月19日(土)ポニーキャニオン3Fイベントスペースで開催。11月15日は渋谷TSUTAYA O-WEST、11月20日は大阪アメリカ村 BEYONDでワンマンライブを行う。InformationNew Release「エスパーとスケルトン」10月14日配信¥250(税込)
2019年10月18日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第11回目は、EXILE SHOKICHIさんのライブレポートをお届けします!初の単独アリーナツアー全国6都市8公演を開催【音楽通信】vol. 11EXILE&EXILE THE SECONDのボーカル&パフォーマー・SHOKICHIさんが、2019年6月29日から9月15日まで、全国6都市8公演にわたり開催した自身初の単独アリーナツアー『EXILE SHOKICHI LIVE TOUR 2019“UNDERDOGG”』。2ndソロアルバム『1114』を引っさげて行われた同ツアーの7月3日さいたまスーパーアリーナ公演では、オープニングでステージ上の高台に組み立てられたドラムセットにSHOKICHIさんが登場。華麗なるドラムさばきを披露し、会場は「キャーッ」という割れんばかりの歓声に包まれます。演出の炎が上がり、ダンサーも現れて場内のボルテージは一気に上昇。新作から「マボロシ」、1stアルバムから「Don’t Stop the Music」と、新旧織り交ぜたナンバーをパフォーマンス。ノリにのる観客とのコール&レスポンスも軽快で、アリーナの椅子がおおいに揺れます。キャッチーな「Futen Boyz」では、上のステージから客席にのびる花道へと歩いて近づいてくるSHOKICHIさんに、観客はすっかりメロメロ。「Ooo!」では、口にくわえたホースをシンセサイザーにつなぎ音を加工させる“トークボックス”を使用する姿も。続いてアッパーな「HERE WE GO」では躍動感あふれるダンスで魅了します。そしてアッという間にバックヤードに消えたSHOKICHIさんですが、裏で汗を拭いたり、水を飲んだりする様子をすべてカメラがとらえて、会場のスクリーンに映し出しています。休憩があと何分で終わるのかを示す数字が、スクリーンの右上にカウントされ、衣装チェンジをして準備完了。SHOKICHIさんがステージに再登場すると、待ってましたとばかりに高揚する場内に「Underdog」が浸透し、トロピカルな「サイケデリックロマンス feat.SALU」では、ショッピングカートに入ったSALUさんが呼び込まれ、チアフルなムード一色に。「Rock City」ではSHOKICHIさんがバンドメンバーを紹介し、バンド&ダンスメンバーとのぴったりと息の合ったチームワークを披露。続いてSALUさんと「Good Vibes Only」、SALUさんひとりで、自身の強い思いが込められた「RAP GAME」へ。ここで、それまでの空気とは一転し、映画スターのように白い螺旋階段から現れたSHOKICHIさん。女性ダンサーとのパフォーマンスはなんとも艶やか。バラードの「白夜」で花道から中央のステージへと降り、身につけていた白いタンクトップを破り捨てて、見事に鍛え上げられた肉体美をさらして会場の女性たちをノックダウン。そんな興奮をさますかのように、上のステージへと戻って、真っ赤なピアノの前に座るSHOKICHIさん。「こんなにたくさん集まってくれてありがとうございます!」と感謝を伝え、ツアーグッズのフラッグ&ピンクに光るライトブレスレットがきらめく場内を見て、「ピンク、きれいですね」と笑顔。ここからは「青の日々」でしっとりと歌声を聴かせ、ピアノを演奏するSHOKICHIさん。自身の歌に聴き入る観客に「あったかいなあ」と喜びもひとしおの様子。さらに、7月生まれのファンクラブ会員を募り、応募者の中から抽選で選ばれたひとりがステージに上がれるという企画も。当選した「山形から来た」という女性とのコミカルなやり取りに、場内は大爆笑。アリーナという大会場なのに、アットホームであたたかい空間が生まれるなか、この女性へ向けてバラード「君に会うために僕は生まれてきたんだ」を歌い上げて、誕生日を祝福します。最後にはスクリーンに、応募した7月生まれのファンクラブ会員のかた全員のお名前が紹介されていました。そんなひとときを経て、またガラリとムードが変わります。激しいビートが鳴り響き、「Bad Speed Play」「WHITEOUT」「Cult Personality feat.EXILE SHOKICHI」「BACK TO THE FUTURE」とたたみかけるように展開。そして衣装チェンジをしたSHOKICHIさんがステージに登場し、hideさんの曲「ROCKET DIVE」をギターで弾き語り、さらに「Giver」「GENERATION」「GOING ON」「YEAH!! YEAH!! YEAH!!」「Going Crazy」といったこれまでの自身の音楽活動に沿ったナンバーを繰り広げます。その際、初めてオリジナルの曲を作り始めた中学3年生の頃やオーディションの様子、以前のツアー映像などもスクリーンに流れ、それぞれの楽曲にまつわるSHOKICHIさんのヒストリーが一目でわかる構成になっていました。SHOKICHIさんは、「初のソロツアーなので、これまでこういうことがあって、こんな思いがあってここに立っているんだということをわかっていただきたくて。楽しんでいただけていたら、本当にうれしく思います」としみじみ。さらに、「葛藤やくじけそうな思いも自分の糧になって、ここにつながっていると今は思います。みなさんが応援してくださって、音楽を聴いてくださっているからこそ、自分のチョイスした道に、誇りを持てます。ありがとうございます!」と語り、「必死に生きている男の音楽があることを忘れないでいただきたいと思います。これからもよろしくお願いします!」と感無量のようでした。本編のラストは、ラブバラード「The One」。SHOKICHIさんと一緒に、歌を口ずさむ観客ら、さいたまスーパーアリーナが一体となった瞬間です。ハートフルな空気のなか、「みんな最高!」と言ってステージを去ったSHOKICHIさんに、なりやまないアンコール。真っ暗な会場に輝くたくさんのピンクの光がウェーブをしながら、拍手の音はどんどん大きくなります。しばらくするとアンコールがスタート。マジックショーのようなステージセットが組まれた箱の中から、衣装チェンジしたSHOKICHIさんが登場し、「Back 2U」を披露。「アンコールありがとうございます! SHOちゃんコールとビッグウェーブでしたね」と語り、「ありがとうを超す言葉が見当たらない」と大感謝。また、自身のソロプロジェクトをするに至った経緯を説明し、「これからもたくさん音楽を作っていきたいです。今もツアー中だけど(曲を)作っています」と発表して場内を沸かせます。さらに「来年はPERFECT YEARもありますから忙しいですよ!楽しい地獄(笑)」と、これからも楽しさを提供してくれることを約束したSHOKICHIさんは、ツアーの「最後はこの曲だと決めていた」というドラマチックなバラード「Future」をピアノで弾き語り、大盛況のうちにライブは幕を閉じました。会場には、友人やグループで来ている女性のほか、ご夫婦やお子さんを連れたママ、家族と幅広い年代のファンのかたが集合。SHOKICHIさんの音楽が、たくさんの人たちを元気づけた夜でした。取材後記アッパーチューンからバラードまで、変幻自在に魅せてくれたEXILE SHOKICHIさん。X JAPANのhideさんのカバーなど、意外ながらも、斬新なセットリスト。ヒップホップ、オルタナティブR&B、ロックとさまざまな音楽がジャンルレスに響き合い、SHOKICHIさんの音楽への熱い思いが存分にほとばしっていたアリーナ公演でした。セットリスト01.1114 Miracles02.マボロシ03.Don’t Stop the Music04.Futen Boyz05.Ooo!06.HERE WE GO07.Underdog08.サイケデリックロマンス feat. SALU09.Rock City feat. SWAY & Crystal Kay10.Good Vibes Only feat. JP THE WAVY, EXILE SHOKICHI11.Never Say Goodbye feat. EXILE SHOKICHI & SALU12.RAP GAME13.白夜14.Diamond Dust feat. EXILE SHOKICHI15.青の日々16.君に会うために僕は生まれてきたんだ17.Bad Speed Play18.WHITEOUT19.Y.L.S.S. Remix feat. (PKCZ & CrazyBoy)20.Cult of Personality feat. EXILE SHOKICHI21.BACK TO THE FUTURE22.ROCKET DIVE23.Giver24.GENERATION25.Going On26.YEAH!! YEAH!! YEAH!!27.Going Crazy28.The One29.Back 2U30.FutureInformation
2019年10月10日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第10回目に登場するのは、秋元康さんが総合プロデュースするオーディション番組から誕生した、究極のアイドルグループ、ラストアイドル!写真・黒川ひろみ ヘアメイク・高尾美紀7チームある「ラストアイドル」写真左から安田愛里、阿部菜々実、長月翠。【音楽通信】vol. 10オーディション番組『ラストアイドル』(テレビ朝日系毎週水曜日深夜1:56)では、「LaLuce(ラルーチェ)」「シュークリームロケッツ」など5組のユニットが生まれ、現在は2期生が加わり、さらに2つのユニットが誕生しています。番組名でもあるラストアイドルは、これら全7ユニットで構成されているアイドルグループ。今回は、その中の5人組ユニット、LaLuceから、阿部菜々実さん、安田愛里さん、長月翠さんの3人にお話をうかがいました。ーーまずは、おひとりずつ自己紹介をお願いします。阿部山形県出身の高校2年生、17歳の阿部菜々実です。好きな食べ物は、ビーフジャーキーとフルーツとコーラです。3歳からダンスと芸能活動をしていて、小3でアイドル活動を始めたので、アイドル歴はけっこう長いです。阿部菜々実。 2002年5月17日生まれ。168cmの長身。3人組ユニット「パクスプエラ」も兼任。安田LaLuce最年長の安田愛里です。年齢は20歳です。好きな食べ物は、焼肉が大好きなのと、最近はおそばにハマっています。安田愛里。1999年6月24日生まれ。特技はバスケットボール。スポーツ万能。長月LaLuceのみーたんこと、長月翠です。19歳です。好きな食べ物は、いままではカニでしたが、最近になってかなりカニカマの味がカニに近いことに気づきました。私はカニカマで十分な味覚なので、いまはカニカマにハマっています。アイドルは5年目になります。長月翠。2000年5月17日生まれ。ラストアイドルの「シュークリームロケッツ」も兼任。ーー「LaLuce」は、どのようなグループですか。安田ラストアイドルの中でも、一番強そうなグループです。長月なんか顔が強そう。「Good Tears」というグループもあって、そっちも強そうなんですが、またちょっと違う強さがあります。ーーそれは初期メンバーだからこその強さということでしょうか。長月いえ、5人いると圧があるんですよ(笑)。ほかのチームは、かわいい系やかっこいい系など、系統がまとまっていたりするのですが、「LaLuce」はみんないい意味でバラバラ。5人とも個性があって、でも集まるとひとつにまとまるんです。安田いいグループです。ーー今日はメンバー5人中、3人いらっしゃいますが、グループみんなで集まって行動することもあるのですか。長月ないです。おたがいに干渉しすぎないところが私たちのよさです。私たちは用事があるときに一緒にいたり、話しかけたり。安田楽屋で5人でいても、みんな自由に個々にしたいことをしています。落ち着いているし、家族みたいです。「ラストアイドル」に応募したきっかけーーではデビューのときのことから、おひとりずつ振り返らせてください。阿部さんはもともと仙台を中心に展開するアイドルグループの「パクスプエラ」でも活動されていますが、お忙しいのではないですか。阿部はい。とくに夏はイベントが多くて忙しいです。ーー「ラストアイドル」に応募したきっかけは何だったのでしょうか。阿部応募したのが中3のときだったんですが、ずっとアイドル活動をしていて、受験して高校へ行くか、アイドルを続けるかですごく悩んでいました。周りからは「いまは1回アイドルをやめて高校に行って、またやりたくなったらやればいい」と言われたんですけど、両親と私は「今までアイドルしかやってこなかったから、ほかのことはできないし、アイドルは続けたい」と思っていたんです。でも、そのときの状況では周りの人たちから認めてもらえないし、反対されると思っていたら、ちょうど「ラストアイドル」というグループの募集があることを知って。「これに合格すればテレビにも出られるし、周りから認めてもらえるんじゃないかな」と。受験をするか、アイドルをするかの二択で、ラストチャンスと思って受けました。安田応募したのは、高3のときでした。ちょうど大学受験やこれからの進路を決めないといけない時期で、このまま芸能活動を続けるか、きっぱりやめて大学に行って普通の女の子になるか、悩んでいました。すでに事務所に入って芸能活動を始めて4年ぐらい経っていたのですが、アイドルのオーディションは受けたことがなかったんです。アイドルになりたくて事務所に入ったものの、「女優向きだね」と事務所の人に言われて、女優メインのオーディションばかり受けていました。なので、アイドルのオーディション情報はもらえず、チャンスがありませんでした。そんな中途半端な状況がいやで、何か行動に起こしたいと悩んでいたときに、お母さんが『ラストアイドル』のオーディションの情報を教えてくれて。とはいえ当時の私は、一般的なアイドル像とはほど遠い、日焼けした少年みたいなスポーツ少女でした。でも、ラストアイドルのオーディションは受けないと後悔すると思ったんです。それでマネージャーさんに2週間ぐらいお願いし続けて、応募できることになったんです。「受かったら大学へ行かないでアイドルに専念しよう」と決めて、応募して、なんとかここまで生きてきました(笑)。長月前にやっていたグループにいたときに、「乃木坂48になりたいからやめよう」と決断したんですが、乃木坂さんはオーディションをやっていなかったんです。でも、そのときが来るまで自分を磨いていようと思って、グループを「やめる」と言ったら、解散することになったんですよ。解散前に、たまたまグループのメンバーから「ラストアイドルのオーディションが始まる」と聞いて、「秋元康」と「兼任OK」という情報に惹かれたのと、メンバーにも「これは翠ちゃんに受けてほしい」と勧められたこともあって、応募しました。最初は事務所に「勝手にどうぞ」と反対されていて、いざ受かったときも周りはコトの重大さを理解していませんでした。合格した週の土曜日には、もう番組の収録があったんです。ーー合格してすぐなんですね。そうなんです。しかもそのとき、収録のために、グループの解散前のライブを3回休むことになって、すごく怒られました。でも「私、絶対に上に行ってやるから!」という気持ちで『ラストアイドル』に賭けて、今に至ります。合格しなかったら、ネイリストかヘアメイクの勉強をしようと思っていたんですが、合格させていただいたので、こちらの道を選びました。総合プロデュース担当の秋元康さんのヒミツーー総合プロデュースは秋元康さんですが、やはり秋元さんはアイドルの可能性を広げてくれそうだという思いがありましたか。長月はい。私は、AKBさんや乃木坂46さんがすごく好きで、秋元康さんを尊敬しています。“アイドルのプロデュースの頂点”みたいな方だと思っています。ーー実際に秋元さんとお話されたことはありますか。長月年に1回くらい。まだ2回しかお会いしていません。1度目は秋元さんの会社で、兼任しているグループの「シュークリームロケッツ」としてご挨拶させていただきました。秋元さんが座られている後ろ側の狭い部屋に大人が30人ぐらいいて、圧がすごかったです(笑)。「絶対失礼なことは言っちゃいけない」と思っていたんですが、もともと物事をはっきり言うタイプなのでいろんなことを言ってしまって。でも、怒らないし、優しい方なんです。ーー上の立場になるほど、周りから言われることが少なくなることもあるので、思ったことをはっきり言われてむしろ新鮮だったのかもしれないですね。長月私、言っちゃうんですよ。ーーみなさんも2回、会っているんですか。安田みんなバラバラです。阿部私は会ったことないです。長月私たちがワンマンライブをするときに、「そろそろ秋元さん来るよ」と聞いて、「え、まじかー!」と思って駐車場に走って行ったら、ちょうど秋元さんがいらして、「頑張ってね」と言っていただいたことがあります。(阿部さんに向かって)来るのを待ちかまえてみてください、今度(笑)。阿部(笑)。わかりました。安田『無料屋(ただや)』(テレビ朝日系毎月最終木曜日深夜0時50分)という番組に、ラストアイドルから何名か出させていただいているんですが、そこにたまたま秋元さんがいらしていたときに、ご挨拶させていただいたことがあります。ーーそれまでイメージしていた秋元さん像と、実際とは違ったところがありましたか。安田華奢だなと。長月そう。でも、言っていいのかな(笑)?安田秋元さんは、(スナック菓子の)「じゃがりこ」が好きだという都市伝説レベルの噂を聞いたんですけど、「まさか食べないでしょ」と思っていたら、楽屋に2個置いてありました(笑)。ーー(笑)。本当だったんですね!安田食べていましたね。新曲「青春トレイン」への思いーー9月11日に7枚目のシングル「青春トレイン」がリリースされました。歌詞には心の葛藤が描かれていますが、どのような思いで歌っていますか。阿部この曲は、「大人になるかならないか」を「電車に乗るか乗らないか」で表現しているんです。大人といっても、年齢的なものではなく、“人に流されて楽をする大人”ではなく“自分の意思をちゃんと持って流されない大人になりたい”という歌だと思っていて。私はけっこう流されて、楽しちゃうタイプで、それを変えられない自分がいやで、歌詞に出てくる人に憧れます。共感というより、「こうなりたい」という感じで歌っています。安田私は阿部ちゃんとは逆です。言いたいことがあったら、相手が大人だろうが、えらい人だろうが、関係ありません。思ったことはちゃんと伝えたいし、自分を犠牲にしてまで黙っている必要があるのかを考えて、言っちゃうタイプなんですよ。でも小学校、中学校、高校と集団生活をしていくなかで、思ったことを口にするタイプの人間は、大人からあしらわれます。大人からしたら、めんどくさいじゃないですか。みんな同じほうを向いていたらいいのに、外れるってけっこう勇気もいるんです。だから、納得のいかないときは葛藤することが多くて。「なんでみんな同じ方向を向かなきゃいけないんだろう」「個性を消さなきゃいけないんだろう」と、生きていくうえでモヤモヤが多かったんですよ。この曲は「そういう考えでもいいんだよ」と包み込んでくれるようで、聴いていると自分の生きてきた道を貫いていい気がするんです。だから、どんな道を歩いていても、許される曲になっていると思って歌っています。長月2番に「希望持たずに自分捨てればここもそんなに悪くない」という歌詞があるのですが、ラストアイドルは売れてもいないのに、「ああしたい、こうしたい」という思いがけっこうあって。自分の希望ばかりを持って、もがいている気がするんですよ。それを1回捨ててみたら、「ここもそんなに悪くないじゃん」って。自分の欲望の塊具合に嫌気がさしていたんですが、「もっと売れたい」と思うのはいいけれど、いったんその思いを全部捨てて、「今のこの状況を見直してみよう」という気持ちになりましたね。また、この曲は、誰かの支えになる曲でもありますが、「どうしようもないことはどうしようもないことで終わらせよう」という気持ちでもいさせてくれて。大人にならないといけないんですが、良くも悪くも、まだ子どもの気持ちのままでいさせてもらおうと思って歌っています。ーー歌詞の意味を解釈されるにあたって、ご自身の気持ちとも向き合われたのですね。長月そうですね。普段から、「ここはこういう歌詞だからこういう顔をしよう」「こんな歌い方にしよう」と考えています。さっきの歌詞の部分は、私の歌うパートではないんですけど、後ろにいても顔だけは作るようにしていて、毎回歌詞は何回も読み返しています。「ラストアイドル」が青春ーー現在は阿部さん17歳、長月さん19歳、安田さん20歳ですが、みなさんにとっての「青春」とはひとことで言うと、何でしょうか。長月中学や高校生活をまともに送ってこなかったので、いまが一番青春。自分の気持ちを込めてアイドル活動をしているので、ラストアイドルが青春です。阿部私も学校があまり好きじゃなくて、青春という青春はなかったんですよ。だから、ラストアイドルに入って、団体行動やダンスの合宿をやっているときに、「青春だな」と感じています。安田青春といえば、小学校も中学校も部活でバスケをやっていました。親は勉強しろとは一切言わなくて、「自分の好きなことをして」という感じだったので、小中高と学生時代は自分のしたいことに時間を使いましたね。卒業し、自分の好きなことで、こうしてひとつの目標に向かって突き進めているいまも、ずっと青春です。ーー「青春トレイン」は“僕”、「潮騒よ」(LaLuceのカップリング曲)は“私”で女性の気持ちを歌っています。“僕”の気持ちを歌うときと“私”の気持ちを歌うときの違いはありますか。長月(デビューシングルの)「バンドワゴン」も一人称が“僕”なんですよ。“私”の歌詞のほうがぶりっこしている気がします。安田いままではレコーディングでも、自分なりにクールなイメージで歌っていたんですが、「潮騒よ」のときはかわいく歌いたいと思いました。そのときは歌詞の一人称を気にしなかったんですが、そういうことだったのかもと思います。長月自然とね、女の子らしくなっています。安田うん、女の子になっていました。恋の歌も初めてだから、LaLuceの違う顔をみなさんに見せられるのかなと思います。阿部カッコいい歌い方が好きだったんですけど、「潮騒よ」はアイドルっぽさを意識して歌いました。夏のアルバイトが終わって別れる歌なんですが、曲調に合わせて、いつもよりかわいくレコーディングして。ライブでも、いつもと違うLaLuceを表現できると思っています。ーーミュージックビデオや出演されていた歌番組なども拝見しましたが、「青春トレイン」では、バブリーダンスの仕掛け人で有名な大阪、登美丘高校ダンス部総監督のakaneさんの振り付けによる、最高難度のダンスを披露されています。3か月の猛特訓をされたそうですね。長月いつもは3か月も練習しないんです。安田1週間とか。長月ミュージックビデオを撮る前日だけのときもありました。安田完璧じゃない状態でミュージックビデオを撮り始めることが多くて、回を重ねるごとに完成していくんです。今回のように、しっかりとダンスを詰めたのは初めてです。ーー練習が厳しそうです。長月そうでもなかったです。akaneさんは怒るときも、「ここはこうだから、こうして」と具体的に言ってくださったり。ひとりひとりにしっかりと向き合ってくれました。阿部3か月を1曲に使ったのは初めてだったんですが、最初は曲もできていない状態で、みんなのダンスのレベルをあげるところから始まりました。ABCというグループ分けをされて、基礎の部分からダンスを学べたし、こんなに曲に時間をかけることがなかったので、自分たちでいま見ても「すごいな」と思う感じがあります。akane先生は天才だと思います。安田3か月間よくがんばったなぁと(笑)。でも、思い返したら、笑っている時間のほうが長かったです。みんなが心配なときこそakane先生が明るくしてくれたので、肉体的な疲れはあったんですが、精神的な疲労はなかったですね。最初のダンスのオーディションのときに、私は底辺にいることにあらためて気づけたから、もっと上がるには頑張るしかないと思いました。「地に足を着けてついていかなきゃ」という思いでここまで来たので、ダンスが大変だったという気持ちはなかったです。長月ひとりも同じ動きをしてないというか、ひとりひとりがちゃんと覚えて考えて動かないと、全体がめちゃくちゃになるような振り付けなんです。ーー確かに、スキのない振り付けですし、見ていても緊張感があります。長月 “どういう意味で、誰がどの場所にいるのか”というのを考えながら見ると、面白いんじゃないかなと思います。「森のくまさん」を歌うとすごい効果がある!?ーーお休みの日は、みなさん、どのように過ごしていますか。安田思いきりリラックスできるように、あえて外に出ずに動画配信サービスで大好きな映画を観ます。とはいえ、カフェ巡りも好きで、パンが好きなんですよ。だから、パンのおいしいお店をインスタグラムなどでチェックして、新しいところに行ったりします。ーーどんなパンが一番好きなのですか。安田トーストが一番好きです。長月私は最近、部屋の片付けにハマっています。以前は本当に部屋が汚かったんですよ。最近、きれいにすることの良さに気づいて、ついに鏡まで磨き始めました。お休みの日だと、お昼ぐらいに起きて、テレビをぼーっと見ながら、鏡を拭いている生活です(笑)。といっても、愛里ちゃんちの半分くらいのきれいさ。安田いやいやいやいや(笑)。長月愛里ちゃんとこのきれいさにまでは、まだたどりつけていないんですが、片付けを始めました。阿部昨日まで3日間お休みだったんですが、ずっとソファで寝ていて、お昼ごはんになったら起きて食べてという生活をしていました。あと実家に帰ると、妹と遊んでいます。ーー妹さんは、おいくつなんですか。阿部7歳と4歳です。一緒にいると楽しいです。ーーメンバーだから知っているヒミツの「こっそりエピソード」が知りたいのですが、まずは阿部さんの「こっそりエピソード」があれば、ご本人以外の長月さん、安田さんから教えてください。長月あります!阿部ちゃんは、こう見えてけっこうガサツなんです。私ではなくスタッフさんからの情報なんですけど、充電器のコードを抜くときにちゃんと根もとから抜かないで、ガンッて引っ張るらしいですよ。安田へぇ〜! そうなんだ(笑)。阿部コンセントのところまで行って抜くのがめんどくさいから(笑)。長月手、長いじゃん(笑)。安田(笑)届くんじゃない?あと阿部ちゃん、めちゃめちゃドジです。背が高くてぶつかることが多いんですが、動じない。普通は「いて!」とか言うけど、言わない。でも、行動は機敏です。ーー続いて、安田さんの「こっそりエピソード」をご本人以外のおふたりから、教えてください。長月気にしすぎるところがあるんです。画面写りを気にしすぎで、人から見たら何が違うかわからないのに、「今日、顔四角いわー」と言っているときがあるから、「大丈夫ですよ」ってお伝えしたいです(笑)。安田映像は残るんで気にしちゃう。じいちゃんばあちゃんに、かわいい状態の孫を見てもらいたいと思って、気にしているんです(笑)。ーーそうなのですね(笑)。では阿部さん、安田さんの「こっそりエピソード」は……。阿部長くなりますけど……。安田えっ!長月なんの話!?阿部私、コーラが好きなんですけど、一度、コーラを落としたことがあって。落としたコーラの蓋をすぐあけると、バッと炭酸が出てくるじゃないですか。安田あ!阿部コーラを落とした私に、愛里ちゃんが「対策があるよ」って教えてくれたのが、コーラをここに(首と顎の間)あてて、「森のくまさん」を歌うと泡が出なくておさまるという……。ーー本当ですか?阿部いや、絶対ウソじゃないですか(笑)。でもやってみたんです。「森のくまさん」の1番を歌い終わって蓋を開けたら、バババッと、炭酸の泡が吹き出しました(笑)。安田ずっと信じていたんですよ!もはや得意げに言います(笑)。長月どこで知った情報(笑)!?安田ネットか何かで見た情報。しかも、絶対泡が出ない理由が、歌っているときの振動が炭酸に伝わって、泡が出なくなるとかで。その話を信じていたから、私もコーラを落としたときに、同じようにしたんですよ。蓋をのんきに開けたら……ブワッて泡が出ました。ーー面白いですね。では長月さんの「こっそりエピソード」はありますか。安田さっきも話に出ましたけど、私、気にしすぎる性格なんです。私のほうが1歳年上なんですが、(長月さんは)私より落ち着いてます。いつも「大丈夫だから」って言ってくれて。長月しかもけっこうひどいこと言っちゃうんです、私。「こんなのどうでもよくない!? 人生のほんの1日にしか過ぎないよ」ってね。安田なんか根拠のない軽い「大丈夫」だと心配にしかならないけど、(長月さんは)けっこうしっかりと壮大な感じで言ってくれるんで、「そうだよね」って納得できて落ち着くんです。だからだいたい焦っちゃうと、みーたんを探すんです。長月私も緊張しちゃうとつい言っちゃうんですよ。そんなの「人生の1日に過ぎないよな」と自分に言い聞かせていることなんです。だから、人にも言って、これでしのぐしかない! って。安田その言葉に、いつも救われています。ーー頼り甲斐がありますね。阿部さんは、長月さんの「こっそりエピソード」はありますか。阿部私が「写真を撮ろう」って言うと、喜んでくれてうれしいです(笑)。長月私、もともとあまり写真を撮らないんですよ。自撮りも好きじゃなくて。でも、(阿部さんと)誕生日が一緒なんですけど、そういうときに写真を「一緒に撮ろう」って言ってくれて。とくに菜々実から来てくれるというのがうれしくて、「1ミリでも私のことを考えてくれてたんだ!」って泣きそうなくらい感動するんです。普段は全然、私のことは何にも考えていなさそうなのに、誕生日のような大きなイベントのときには「翠ちゃん!」って来てくれるから、すごくドキドキします(笑)。たくさんの人に知ってもらえるグループになるーー最後に、今後こういうふうになりたいという目標があれば教えてください。阿部ラストアイドルが、いろいろと大きなイベントに出させてもらったり、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系金曜日午後9時)に出演させてもらったり、普通だったらいまの私たちにはできないことをさせてもらっている感じがするんです。そういう環境に私たちが追いついていきたいと思うし、たくさんの人たちに知ってもらうことが大事だと思っていて。存在を知ってもらえたら、興味を示してくださる方がきっとたくさんいると思っているので、多くの人に知ってもらえるように、まずは頑張りたいと思います。安田大きなステージに出させてもらうとか、ダンスをするとか、『ラストアイドル』の番組以外でも、いろいろな企画に挑戦させてもらっています。そういう意味では、今までにないようなアイドルです。大きなところに出していただいたときにも恥ずかしくないように、デビューしてからもみんな下積みをしてきていると思うので、あとはここで満足せずにさまざまなことに挑戦して上を目指していけば、きっといつか見てくださる方はいると思うんです。現状に満足しないで、周りの方々に感謝しながら、これからも活動していきたいと思います。長月だいたいはふたりと一緒ですが、周りの人たちのおかげでやってこれたので、本当にいつもありがたいと思っています。私たちひとりひとりじゃまだ小さい存在なんですが、もっと個人で考えて、勉強して、ひとりでもどんどん外に出て活躍していくタレントになっていきたい。そしてまた戻ってきて、全員で集まったときに、すごい力が出せるようなグループになりたいと思います。取材後記物静かな印象ながら意志の強そうな阿部さん、表情豊かでサービス精神旺盛な長月さん、凛とした雰囲気で穏やかに会話する安田さん。夢と希望を叶えるために努力を続けるラストアイドルのみなさんは、実にキラキラと輝いていました。彼女たちの思いがぎゅっと詰まったニューシングルをぜひチェックしてみてくださいね。【ラストアイドル PROFILE】2017年8月にスタートしたオーディション番組『ラストアイドル』から生まれた、7つのユニットで構成されているアイドルグループ。ユニットは、まず「LaLuce」「Good Tears」「シュークリームロケッツ」「Someday Somewhere」「Love Cocchi」の計5組が誕生。2018年4月から始まった同番組の3rdシーズンで、新たにラストアイドル2期生と2期生アンダーの2ユニットが生まれた。2019年4月にリリースした6thシングル「大人サバイバー」はオリコン週間シングルランキング1位、オリコン週間合算シングルランキング1位、Billboard JAPAN HOT 100総合首位と3冠を達成。9月11日、7thシングル「青春トレイン」をリリース。InformationNew Release「青春トレイン」(CD+DVD)CD1.青春トレイン2.現実(共通カップリング曲)3.青春トレインInstrumental4.現実InstrumentalDVDプレミアムライブ@マイナビBLITZ赤坂映像&オフショット映像(オーディオコメンタリーも収録)9月11日発売(初回生産限定盤)TYCT-39111¥1,800(税込み)
2019年10月05日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第9回目に登場するのは、幼少の頃からブラックミュージックを聴いて育ったシンガーソングライターの向井太一さん!写真・大内香織オン・オフなく常に作りたいものを作っている【音楽通信】vol.92010年に福岡から上京し、バンド活動を経て、2013年よりソロ活動をスタートした向井太一さん。デビューから3年を迎える今年2019年、9月18日にリリースされた3rdアルバム『SAVAGE』でオルタナティブサウンドを響かせる向井さんに、新作のお話をうかがいました。ーー「ananweb」初登場なので、向井さんのこれまでのことも少し振り返らせてください。幼少期からご家族の影響でブラックミュージックを聴いていた環境で、音楽が身近にあったそうですね。はい。両親がミュージシャンというわけではないのですが、車や家の中でブラックミュージックなどの音楽が常に流れていました。だから、いまでもその頃の音楽を耳にすると、幼かった頃を思い出します。ーー音楽好きのご両親の影響で、向井さんも音楽を好きになったのですね。そうですね。もともと引っ込み思案な子どもだったので、家でおとなしく好きな漫画を読みながら、ゴリゴリのヒップホップを聴くような子どもでしたね(笑)。ーー(笑)なかなかない感じがします。6歳上の兄がヒップホップ好きだった影響ですね。小学生ぐらいまでは漫画家になりたくて、漫画を描いていたこともあります。でも、自分の中で“好きな音楽”という意識が芽生えはじめて、興味を持って音楽を聴きはじめました。ーー以前バンド活動をされてから、ソロ活動へとシフトされていますが、もともと将来は音楽の世界を目指していたのですか。子どものときはほかの夢もありましたが、全部だめだなと思ったときに、常に自分がふれていたものが音楽だと気づいて。すぐ鼻歌を歌ったり、歌が好きだったり、あらためて音楽について振り返ってみたときに、将来の道としても興味が出てきました。中学校3年生のときに、地元の福岡にボーカルやダンスなどの専門教科のある高校があって、「通ってみたいな」と思ったのもきっかけです。入学してからは人前で歌うことの気持ちよさや、音楽を意識して伝えることで人との出会いを感じて、自分の将来の夢がはっきりできました。高校卒業に上京して、自分でバンドメンバーを探して、1年半ぐらいはバンドのボーカルをやっていました。ーーやはり歌うポジションなのですね。そうですね。そのときはそこまでオリジナルソングはやっていなくて、自分で曲を作るよりは、歌うことに重きを置いていました。ーーその後ソロで活動され、今回、3枚目のアルバム『SAVAGE』をリリースされます。前作から1年たたずにリリースということで、楽曲制作のペースははやいほうですか。常に楽曲制作は続けています。前作と今作との間に、デジタルでEPも出していますし、すでにライブもいっぱいやっていて。ライブをしているか、制作しているかみたいな感じがずっと続いていました。ーーそういう日常生活だとお忙しいですね。あんまりオン・オフがなくて、常に作りたいものがあれば作っていますね。今回は最初から「アルバムを作る」と決めていたので、けっこうスピード感を重視して制作していました。葛藤を「曲にしよう」と思ったーー日常的に楽曲制作をされているとたくさん曲があるかと思いますが、今回のアルバムに収録した曲は、どのような思いで制作されたのでしょうか。デビューして何年か経って、この3枚目を出すときに、当初自分がミュージシャンとしてイメージしていた場所とはちょっと違うところにいると思いました。もっとできたこともあったし、もっとやりたいこともたくさんあるなという、もどかしさとか葛藤がすごく大きくて。デビューからスピード感を持って制作してきたんですが、いつまでこのスピード感を保てるんだろうとか、自分が音楽家として本当に才能があるのかという、自問する期間がすごく長かったんです。落ち込んだり気持ちの揺れが大きかったりするんですが、『SAVAGE』をリリースすると決まったときに、自分の中にずっとあったモヤモヤや葛藤、まわりへの嫉妬を「曲にしよう」と思いました。自分が隠したいであろうネガティブな感情が、制作へのパワーにすごく強く出るようになったんです。僕は子どものときからすごく負けず嫌いで仕切りたがりだし、そういう悔しさとか、自分への葛藤みたいなものをいままで行動するときのパワーに変えていたことをあらためて思い出しました。だから、いろいろな気持ちをネガティブにとらえるだけじゃなく、それを先に進む糧としてとらえることをテーマに、アルバム制作を始めました。ーーでは、最初はタイトル曲の「Savage」からできたのですか。最初は、チームのみんなに、アルバムのコンセプトから提示したんですよ。『SAVEGE』というタイトルで、ぼくが抱えている不安や悔しさを近くでいっぱい見てきた人たちだから共感してくれました。タイトル曲をどの曲にするのかはまだ決まっていなくて、どういうサウンドにしていこうかという話し合いから始まって。今回は、2枚目のアルバム『PURE』とはサウンドの毛色も違って、どちらかというとデビューした頃の『24』というEPに近いオルタナティブサウンドで、でも昔のことをただやっているだけじゃなくて、どう新しい展開で見せていこうかと考えつつ、よりバランスを意識して作った曲が多いです。ーーやはり前作の存在があったからこその今回のこのサウンドになったのですか。そうですね。単純に、こういう楽曲をまた作りたいという気分だったのもあります。あとは日本の人気のある楽曲は、まわりの人たちもチルアウトする曲が多いんです。みんなで揺れて楽しんでいこうというよりは、自分のアルバムのコンセプトもあって、チルアウトで気持ちよくなるだけじゃなくて、もっと刺激的なものを作りたいと思ったんです。ーー収録曲の「道」はアニメ「風が強く吹いている」(日本テレビ系 火曜深夜1:29)の第2クールエンディングテーマですが、アルバムでは違うテイストのように感じます。「道」は、最初、ボーナストラックにする予定だったんです。アルバム制作を決めてから作った曲じゃないからと思っていたんですが、歌詞を聴き返したときにいまの自分にあてはまって、自分がこうありたいなと思える楽曲だと感じました。アニメのストーリーを展開している楽曲なんですが、それがいま自分に返ってきたというか、響いてくる、あてはまる歌詞で、これはメインに入れたいと思い、ボーナストラックではなくメインの楽曲にしました。ーープロデュース陣は、新しい方もいれば以前からの方もいますね。2017年にグラミー賞にノミネートされたプロデューサーでレーベルメイトのstarRoさん、インディーズ時代からご一緒のCELSIOR COUPEさんらとは、すでに阿吽の呼吸のような感じで作られているんですか。そうですね。CELSIOR COUPEはデビュー前からずっと一緒に作っているし、「いまこれを作りたい」というスピード感がすごくて、なくてはならない存在です。starRoさんはデビューからずっと一緒に作っていますし、starRoさんの曲はライブですごく映えるんです。starRoさんには「ジャム的にもメインストリームから少しはずれるような曲でも、お客さんとのライブでの一体感が生まれるような曲にしたい」とお話していました。「ほかのアーティストにはやっていない方向性だよね」と確認していただいて、アルバム収録曲の「ICBU」はstarRoさんの曲なんですけど、ほかの曲とはメッセージの毛色も違って、「ちょっと違った目線で聴ける曲を作りたい」ということで制作しました。制作中はすごく楽しくて、みんなで踊りながら作っていたんです。starRoさんは世代も違いますが、楽しむこと、単純に音楽が好きだということ、熱量が第一だということ、客観視することがすごく上手なこと、すべてが共感できました。海外も見つつ、日本の音楽もリスペクトしている人だから、アーティストとして僕にどういう楽曲がいいか、どのようにミックスして新しいものを見せていこうかを考えるのが、すごいうまい人だなって、一緒に制作していて、すごく刺激になります。ジャケットはより自分の好みに合わせた仕上がりーーアルバムのジャケットのアートワークもすごく凝っていますね。ご自身でプロデュースをされたのでしょうか。はい。最初からジャケットにコラージュを使いたいと思っていました。Sang-Hun LEEという以前から僕の作品を撮ってくださっている方がいるんですけど、彼はもともとファッションフォトグラファーなので、今回僕のビジュアルのイメージや楽曲をガラッと変えたいとお伝えしました。そこで、彼が紹介してくれた韓国のデザイナーのSangwook Parkさんが、僕のイメージをもとに展開してくださいました。自分でイメージした以上のものを出してくださったので、今回も好きな人と好きなように、一緒にやらせていただきました。ーーこのジャケットは、アートとしてこのまま飾っておけるくらいの作品性ですよね。そうですね、それはずっと考えています。たとえばスマートフォンで表示されたときに聴いている人が恥ずかしいと思うジャケットはいやだし、極力情報量を少なくして、ジャンルや音楽性を切り離して、自分の想像で展開できるようなものを作りたいと思っていて。いままでジャケットはポートレートだったり、シンプルなものが多かったんですが、今回はとくにデザインを取り入れて、より自分の好みに合わせた仕上がりにしています。ーー秋にアルバムのツアーもありますが、今年はこれで何回目のツアーになるのですか。これで4回目ぐらい?いっぱいありすぎて(笑)。前作のアルバムのツアーやアジアツアーだったり、ビルボードツアーだったり、配信だったり、対バンだったり……(笑)。ーー(笑)疲れたりはしないんですか。全然。思い返すと疲れたときもあったかもという感じなんです。ひとつひとつが濃密で、最終的にはすごく楽しかったという思いが強いですね。ーー秋のアルバムのツアーは『SAVAGE』がメインになるのですか。ただアルバムを全曲やるというよりは、昔の楽曲も歌って、今まで聴いてくれた人たちもみんな楽しめる内容にしようと思っています。会場も広くなるので、できることもけっこう増えてきました。恩返しできるように音楽で有名になりたいーー普段は音楽制作をずっとされているということでしたが、空いているお時間は何をされていますか。あんまり家にはいなくて、基本外に出ている気がします。ーー小さい時は漫画を読んでいたということでしたが。いまも漫画はしょっちゅう読んでいます(笑)。漫画もそうですし、動画配信サービスはほとんど登録していて、プライベートの趣味ですごく寝不足です(笑)。ドラマだと吹き替え版を観ながら字幕も見たり、ドライヤーをしながらドラマを観たり。24時間じゃ足りないなと思います。ーーいろいろなところにアンテナを張っていらっしゃるんですね。そうですね。結局仕事でも音楽やアートワークといった、自分の好きなものを発展させていっているので、普段から、面白いものがないかと無意識に好きなものを探しているんだと思います。ーー好きなものというと、いま「これ」と明確に言葉にすると何になるのでしょうか。ぼくの中では、音楽・ファッション・食べ物ですね。ーーでは、向井さんが好きな女性のタイプはどのような方ですか。仕事にすごく取り組んでいる人とか、自分で未来を切り開いていこうとする人が好きです。環境のせいにして言いわけばかりしていたり、まわりの人のせいにする人は嫌い。同じ場所にいても新しいことをやっていこうとか、向上心のある人がすごく好きですね。ーーそれは男性でも同じでしょうか。僕のまわりにいる人は、楽しみながらいろいろなことをやっている人が多い気がします。ーー向井さんも向上心のある方なので、同じタイプの人を引き寄せるのでは。そうかもしれませんし、ぼくがそういった人のところに行こうとしているのかも。ぼくは今回、ネガティブなものを作っているんですけど、ただネガティブなだけじゃなく、前に進もうというポジティブな気持ちでも作っています。ーーでは最後に、シンガーソングライターとして、今後こうなりたいという目標があったら教えてください。ずっと変わらずに思っていることなんですが、好きなものや好きなことをやりつつ、ポップスでいたいです。みんなが知っているような人になりたいと思うし、常にバランスを意識しつつ、それをどう発展していくかを考えてやり続けていきます。僕のまわりにはたくさん支えてくれる人がいますが、そういう人たちに恩返しできるような音楽がしたいといつも思っているので、ひとりよがりにならないように、やっていきたい。有名になりたいですね。取材後記そのたたずまいからして、アーティスティックな雰囲気を放っていた向井太一さん。ファンクやソウル、ジャズといったブラックミュージックをルーツにしながらも“いま”の思いを音楽に昇華しているニューアルバムをまずはチェックしてみてくださいね。向井太一 PROFILE1992年、福岡県生まれ。シンガーソングライター。2013年よりソロ活動をスタート。2016年3月、1st EP「POOL」をリリースし、発売日に即完。2017年11月、1stアルバム『BLUE』でメジャーデビュー。2018年末から2019年2月まで全国ツアー、3月から4月は台湾・中国3都市・韓国をまわる初のアジアツアー、ワンマンツアーなどを精力的に実施。3rdアルバム『SAVAGE』を提げた全国ツアー「ONE MAN TOUR 2019 -SAVAGE-」を10月18日名古屋ボトムラインから11月14日Zepp Tokyoまで行う。InformationNew Release『SAVAGE』1.Confession2.Runnin’3.Savage4.ICBU5.君へ6.Can’t breathe7.Voice Mail8.最後は勝つ9.道10.Dying YoungBonus Track:I Like It9月18日発売(通常盤)TFCC-86693¥2,700(税別)
2019年09月21日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第8回目に登場するのは、Mr.Childrenの桜井和寿さんとGAKU-MCさんのユニット「ウカスカジー」から、ラッパーのGAKU-MCさん!写真・黒川ひろみサッカーから始まった音楽ユニット【音楽通信】vol.8“音楽”と“サッカー”を愛する、Mr.Childrenの桜井和寿さんとラッパーのGAKU-MCさんによって結成されたユニットの「ウカスカジー」。桜井さんとGAKU-MCさんはそれぞれの活動を行いながらも、並行してウカスカジーとしても活躍されています。8月19日に配信限定ミニ・アルバム『金色BITTER』をリリースしたウカスカジーのGAKU-MCさんに、新作のお話をうかがいました。ーー『ananweb』には初登場なので、ウカスカジーさんの結成のときのお話から振り返らせてください。Mr.Childrenの桜井さんとGAKUさんがユニットを結成されたきっかけはなんですか。そもそもは桜井和寿の作る作品が好きでしたし、僕の作品も聴いてくださっていたこともあって、2001年ごろにあるタイミングで出会ったときに、お互いにサッカーをやっているのは知っていたので「サッカーを一緒にやりましょう」と伝えたことがありました。そして定期的にサッカーを一緒にやるようになりまして、彼が別でやっているプロジェクトのBank Bandで、僕の曲をカバーしてもらったことから、音楽の話をよくするようになったんです。そうこうするうちに「音楽を一緒に作ろうよ」という話になって、最初に出したのが2006年の「手を出すな!」という曲。その当時はまだウカスカジー名義ではなく、GAKU-MC / 桜井和寿(Mr.Children)という名前で活動していて、その後定期的にフェスなどで歌うようになりました。2013年になって、翌年に開催されるサッカーのFIFAワールドカップブラジル大会に向けて、以前発表した「手を出すな!」の新しいバージョンを作ってあらためて日本代表を応援しようということで「ウカスカジー」になって、ユニット名で初の楽曲となる「でも、手を出すな!」を出したんです。ーーではあらためて、ウカスカジーというユニット名の意味も教えてください。これはですね、ローマ字で書いていただけるとわかるかと。UKASUKAG。逆から読むと……。ーーガク、サク……! おふたりのお名前からきているのですね。そうですね!最初はローマ字表記で「UKASUKA-G」だったんですけど、そのうちカタカナになって、造語っぽくていいやって。桜井和寿はチームメイトのような存在ーーGAKUさんご自身は、今年、ソロデビュー20周年ですよね。ご自身の活動と、このウカスカジーというユニットの活動、どのように考えていますか。「GAKU-MC」は本業で、これをちゃんとやる。サッカーでいうところの「リーグ戦」みたいなところですね。「ウカスカジー」は、どっちかっていうと「代表戦」みたいな感じ。ちゃんとやっていると、結果を出すと呼ばれる。定期的に試合があるみたいなところですかね。よく我々は「ウカスカジーはバイトです」っていう言い方をすることもあるんですけど、でもぼくは“代表戦”みたいな印象が強いかな。彼は彼で本業がありまして、お互いに本業をちゃんとやっているからこそ、ウカスカジーもあっていいなと。こうしてウカスカジーをこの先も続けていくためには、GAKU-MCとしてもちゃんと闘い続けていかないとと思っています。ソロの20周年ツアーが秋にあって、二十歳だから「ハタチ旅」と題して、キャンピングカーで全国に行くんですよ。みなさんからリクエストを受け付けていて、その中から選んだ曲を歌うぞという旅。ウカスカジーも、ソロのツアーにも、ぜひ来ていただきたいです。ウカスカジーはいまツアーが始まったばっかりなんですけど、すごく楽しい。ふたりだと頼れるところもあるし、ステージもすんごく気楽だし、それは桜井もきっとそう思ってくれていると思っています。「MC、これやってください」って言うと、「えー! 俺、これやるの!?」みたいな感じで、自分のステージだと絶対にそんな気持ちにはならないはずだから。日本代表のメンバーが集まっているようなイメージですから、バンドメンバーは演奏が上手ですし、照明さん、音響さん、すべての人たちが代表クラスなので、ありがたいです。ーー桜井さんは、すでに家族のような存在なのでしょうか。家族というか、チームメイトですよね、完全に。家族同士ももちろん仲良いですし、年に何回一緒にバーベキューをやってるんだって話もありますけど(笑)。サッカーでもしょっちゅう一緒ですし、家族でありチームメイトでもありますし、もちろん尊敬するミュージシャンでもありますし。いい間柄だと思います。甘いけどほろ苦さもある『金色BITTER』ーーでは曲については、ラップのパートはGAKUさん、歌のところは桜井さんということで、どちらかがテーマを持ち込んで共作されているのでしょうか。ケースバイケースですけど、たとえばぼくが「こういう曲が作りたい」というのを投げて、それを桜井が「じゃこういう楽曲にして、トラックはどうするか」というのをふたりきりで作り始めたりすることも。桜井邸にある日、午前中行きまして、午後になってもふたりで「ああでもない、こうでもない」とピザをとりながらずっと曲作りをやるみたいな日が何日間かあるんです。時には「もっと違うやり方でやってみよう」と試みることもあります。今回のアルバムの中にある「雪物語」という曲は、前々回のツアーで行った「20分で曲を作ってみよう」というコーナーから生まれた曲です。このコーナーは、お客さんに、どんな曲がいいかという希望を書いてもらい、その紙が入ったアンケートボックスの中から、無造作にいくつか紙を引くというものです。そこには「テンポはどれくらい」「コードはメジャーか、マイナーか」「歌い出しはGAKUか、SAKUか」みたいなものが書かれていて。それで毎回、お客さんの前で曲を作って、20分で必ず着地しています。ーー大喜利みたいですね。そうそう、そうですね。このコーナーが好評でしたね。何公演かで集まったモチーフから、北海道でできたものを選んで、それをバンドメンバーで清書して歌詞も書き足して、そうやって作った曲が「雪物語」です。ーー「雪物語」は失恋ソングのようですが、基本的には元気をもらえる曲が多い印象です。そのあたりは念頭に置かれて制作されているのでしょうか。ウカスカジーは、ふたりともサッカーが好きなので、日本代表の応援歌を作ったりとか、背中を押すような応援曲というのが今まで多かったんです。今回もそうなるのかなという思いで作業を始めたんですけど、意外と「光があるのは影があるおかげ」「ポジティブなのはネガティブがあるおかげ」という、そういう影の部分にもどんどんフォーカスしていくようになりました。そういう部分にもうちょっと光を照らしてもいいんじゃないかっていうことでね、今回は幅が広がっていったんですよね。アルバムタイトルも、もうちょっとほかのものもあったんですけど、最終的に『金色BITTER』に。甘いんですけど、ほろ苦さもちゃんとある、チョコレートみたいなタイトルになりました。ーージャケ写には、金色のアルミで包まれたコインチョコレートが使われていますね。これわざわざ作ったんですよ。チョコのアルミがちょうどいい破れ加減なんです。破れてなかったら、ただの金貨だから。ーーいま行われているツアーの東京公演として、9月29日に豊洲PITでの追加公演と、「〜MIFA秋祭り〜」のふたつがあるんですね。ツアーのファイナルと同時に、実は豊洲PITの隣りに僕らが立ち上げた「MIFA(Music Interact Football for All)」という団体が運営するサッカー場があるんです。そのサッカー場の5周年運営記念パーティとして「〜MIFA秋祭り〜」をやるんですが、お祭り自体は毎年やっています。サッカー教室があったり、子どもたち相手に縁日みたいな金魚すくいがあったり、サッカー選手みたいに髪の毛を切ってあげる床屋さんが入ったり、盆踊りをやったり。そういう楽しめるコンテンツがあるので、それと一緒にウカスカジーのライブもあると。ライブはチケットがないとだめなんですけど、お祭りは無料で来ていただいても、楽しめるようになっているんですよ。ーーMIFAは、2012年に「音楽とフットボール」を柱に、人と人をつなげていくという目的で立ち上げられた団体ですよね。こういった活動をしたいと考えても、現実ではなかなか実行できない方もいるかもしれません。GAKUさんのように、実際に団体を立ち上げるというパワーがすごいと思います。MIFAを立ち上げることができたのも、いろいろないい出会いがあったからこそです。音楽をやめてしまった同業者はいっぱいいますけれども、ぼくはサッカーを続けているからこそ元気になれて、こうして何年も音楽を続けることができているんじゃないかなと。音楽家だけれど感謝すべきは音楽だけじゃなくて、サッカーにも感謝しなきゃという思いがありまして、そういう「サッカーと音楽でみなさんに還元できるようなものを作りたい」と、MIFAという団体を立ち上げました。音楽だけじゃなく、サッカーを応援するにはどうしたらいいかと考えると「サッカー場の運営」ということになって、不動産屋を巡って、いい土地が見つかってこういう感じになったんです。ラップが好きな人もミスチルが好きな人も楽しめる音楽ーーGAKUさんにとって、音楽以外にサッカーが重要なものなのだと思うのですが、いつ頃からサッカーをされているのですか。小・中・高とやって、挫折してやめて、それで音楽にいきました。ーーいま好きなサッカーチームはいますか。いまは日本代表が好きで、応援することが生きがいですね。ウカスカジーは応援歌に特化した曲もありますし、それこそスタジアムでぼくらの曲をサポーターの人が歌ってくれることもあります。2018 FIFAワールドカップ のロシアの大会にも、ひとりでリュックサックを背負って観に行ってきました。ロシアの会場でもウカスカジーの曲を流してくれていて、自分たちの曲を聴くのは感慨深かったです。ーーそうだったのですね。GAKUさんは音楽活動以外のときは、普段はやはりサッカーをされているのでしょうか。サッカーは週2でちゃんとやる感じですけど、最近は子どもを連れて区民プールに行ったりして、子育てもしています。ーーGAKUさんは以前、家族で世界一周をされたこともありましたよね。子ども2人と妻を連れて、4人で行きましたね。「アフリカ行ってきました」「海外行ってきました」もいいけど、「世界一周行ってきました」のほうがインパクトあるなと思って。関係各所にいろいろ頭下げて、調整には時間がかかりました。ーーご家族で長期間海外に行くことについて、奥さまは反対されなかったのですか。むしろ「絶対行きたいー!」って言ってました。(笑)ーー(笑)そうなんですね。では好きな女性のタイプというと、愛する奥さまのように理解のある人でしょうか。そうですね……そうだと、言っておくべきだと思います(笑)。妻です!ーー奥さまが一番ですよね。では女性全体として考えたときに、魅力的に思える女性像は。健康的な人がいいですよね。なんでも一緒に楽しめるような人かな。ーーたとえば女性も一緒にサッカーをするようなイメージでしょうか。いいと思いますよ! 妻もママさんサッカーを始めましたから。MIFAでやっているイケメンコーチによるママさんサッカー教室に行って、だいぶ僕に対する見方が変わってきました。年がら年中サッカーを観ていると、前は「またサッカー?」と言われていたのに、いまは「このパス、いいわね」と言うようになってますから。そんなふうに、一緒に外に出て、汗を流すことができる女性がいいですね。ーーわかりました。では最後に、あらためてウカスカジーの魅力と、『金色BITTER』をみなさんにこんなふうに聴いてほしいという思いを教えてください。そもそもウカスカジーが、Mr.Chirdlenのひとりと、ひとりのラッパーがかけあわさっているケミストリーだというものを感じてもらえれば。ラップが好きな人も、Mr.Childrenが好きな人も、どちらも楽しんでいただけると思います。アルバムも、金色であり、ビターであると。元気でやってるやつも疲れることがありますし、悪いことが続いたら必ずいいことがありますし。モノにはいろんな側面があるから、みんなそういうような面持ちでいけるように、『金色BITTER』を聴いてほしいなと思います。取材後記「朝からサッカーをしてきました」と、颯爽と取材現場に登場されたGAKUさん。私たち取材陣に握手をされて、まっすぐに澄んだ瞳でインタビューに応えてくださいました。精力的に活動されるポジティブさで、ソロでもユニットでも多くの人たちにその思いが届いていくのでしょう。まずはニュー・ミニ・アルバムをチェックしてみてくださいね。ウカスカジー PROFILE日本を代表するロックバンド、Mr.Childrenのボーカリストの桜井和寿と、アコースティックギターを弾きながらラップする日本ヒップホップ界のリビングレジェンドのGAKU-MCからなるユニット。2006年、GAKU-MC / 桜井和寿(Mr.Children)名義での「手を出すな!」を発表後、フェスなどでも活動。2013年3月、「ウカスカジー」として初の楽曲となる「でも、手を出すな!」を配信リリース。2014年5月、サッカー日本代表公式応援ソング「勝利の笑みを 君と」配信リリース。6月、1st ALBUM「AMIGO」、2016年7月、2nd ALBUM「Tシャツと私たち」リリースなど、ウカスカジーとしてのフェスへの参加や全国ツアーの開催、楽曲発表などを行う。2019年、8月19日リリースの配信限定ミニ・アルバム『金色BITTER』をリリース、さらにリリース同日、福岡から全国ツアー「ウカスカジーTOUR 2019 WE ARE NOT AFRAID!!」を開催。ファイナルとなる9月29日(日)豊洲PITでは、「MIFA Football Park 5th anniversary party 〜MIFA秋祭り〜」も行う。InformationNew Release『金色BITTER』1.We are not afraid2. 敗戦の夜に3. 言葉4.Hi-Five5. 雪物語6. 時代7. また会う日まで8月19日配信ダウンロード単曲:250円(税込み)バンドル価格:1,650円(税込み)
2019年09月11日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第7回目に登場するのは、2017年にE-girlsを卒業し、ソロ・シンガーとしてさらに活躍中のDream Amiさん!写真・大内香織初めての邦楽カバーは新しい挑戦【音楽通信】vol.7音楽活動以外にも、テレビやラジオなどメディアで幅広く活躍しているDream Amiさん。ソロ・シンガーとして着実にステップアップしている今年、9月17日にFODオリジナル連続ドラマ『ブスの瞳に恋してる 2019』の主題歌で、倖田來未さんのカバーとなる配信シングル「恋のつぼみ」をリリースされます。ーー今回、倖田來未さんが2006年にリリースされた「恋のつぼみ」をカバーされるそうですが、そのお話が決まった経緯から教えてください。きっかけは、2006年に放送されたドラマ『ブスの瞳に恋してる』(カンテレ・フジテレビ系)が13年ぶりにリメイクされて、秋から始まることです。以前このドラマが放送されていたときの主題歌が「恋のつぼみ」だったので、今回のドラマでもこの曲をカバーして主題歌にするということで、オファーをいただきました。ーーカバーというと、以前はスウェーデンのバンド、カーディガンズのカバー曲「Lovefool -好きだって言って-」なども歌われていましたが、カバーとオリジナルを歌う面で、違いはありましたか。違いはありましたね。いままで洋楽をカバーすることはあったのですが、ソロで日本のJ-POPをカバーするのは今回が初めてです。「恋のつぼみ」がヒットしていた当時に、よくこの曲を聴いていましたし、そのときのイメージがすごく強かったので、カバーする際にはどうやって自分の色を出そうかと考えました。まねするつもりはなくても原曲を聴きなれていたので、無意識にちょっと寄せて歌ってしまいそうになることもありました。自分のカラーもちゃんと表現しつつ、カバーできたらいいなと。今回は、自分のなかでも、新しい挑戦でした。ーー「恋のつぼみ」のようなラブソングは、これまでにもたくさん歌ってこられたと思いますが、歌うときは誰か特定の人を思い浮かべて歌うのですか。「この人」と思い浮かべるというよりは、歌詞の気持ちになって、自分の経験を思い出しつつ、想像しながら歌うことが多いですね。関西弁になるのはテンションが上がったときーー歌詞にはかわいい関西弁が出てきますが、大阪出身のAmiさんが歌うということで、意識したところはありますか。大阪出身ですから、普段は関西弁もしゃべりますが、この歌詞はけっこうコテコテです。(歌詞にある)「好きやっちゅうねん」は、普段使ったことがないので、ちょっと照れくさかったです。この歌詞は、関西以外の人から見た、典型的な関西のイメージなのかもしれません。ーーAmiさんは、関西のイメージがあまりわかないです。テレビなど人前に出るときは、標準語でしゃべるように心がけています。関西弁になるのは、友達といるときやちょっとテンションが上がったときかな(笑)。自然に使いわけているところもありますね。ーーそういう意味では、地元の言葉での歌詞で歌いやすかったのでしょうか。そうですね。これが別の方言だったら、混乱していたと思うんですけど、関西弁だったので歌いやすかったです。常に輝いていたいという理想があるーー今後は、こんなタイプの曲を歌っていきたいという、ビジョンはありますか。チャンスがあれば、ジャンルを問わず、常にいろいろなことに挑戦したいです。今回のカバーでも、新たな挑戦をさせてもらいましたし、さまざまな経験をして、幅を広げていきたいです。ーーそのいろいろなことのなかには、歌以外のこともあるんでしょうか。そうですね。でも、音楽活動を軸にしつつ、チャンスがあればなんでも挑戦したいと思っています。ーーなんにでも挑戦するという前向きさと、明るいイメージがAmiさんにはあります。普段から、明るい存在でいようと意識されていますか。全然ないです(笑)。普段から、まわりの人には、「ネガティブだね」って言われることが多いです。みなさんに思ってもらっているイメージとは、少し違う部分もあるかもしれないです。ただ、ステージに立つときや、テレビに出るときは、自分のなかで自然と切り替えているところがあって、「元気でいなきゃ」と意識はしています。「常に輝いていたい」という理想があるので、自然とその理想に近づくようにしているのかも(照れ笑い)。ソロでは仕事とプライベートが両立できているーー音楽活動以外のときは、普段何をされていますか。小さいころからテレビを観るのがすごく好きなんです。お休みの日や空き時間に、バラエティ番組やドラマを観ています。ーーインドア派ですか。そうでもないです。外に行くのもすごく好きで、フットワークは軽いほうだと思います。お休みがあれば、夏は海や川など、いろいろなところに行きます。今まで、E-girlsやDream、グループで活動していた時はスケジュールが変更になることも多かったので、前もってスケジュールを決められなかったんです。ソロになってからは、スケジュールもある程度、自分で決められるようになってきました。遊びの予定も決めやすくなったので、今では仕事とプライベートどちらも両立させることができている気がします。ーー外に出ると日焼けすることもあると思うのですが、紫外線対策や美容法で気をつけていることはありますか。以前は、美容にはあまり興味がなかったので、特に何もしていませんでしたが、ここ数年で美容にも興味を持ち始め、いまはいろいろ試してやっています。特に日焼け対策に力を入れるようになりました。日差しが強い日には日焼け止めを塗りつつ、日焼け止めの薬を飲んだりしています。ーーソロになられてから、いろいろな美容法を試す時間ができたんでしょうか。そうですね、一度やりだすと楽しいです。家でスキンケアをしている時間はリラックスできますね。明るい色のファッションとかわいいメイクが好きーーでは、メイクやファッションのこだわりはありますか。ファッションは、暗い色より明るい色が好きなので、ポイントで黒いアイテムを持つことはあっても、全身黒のコーディネイトという日はほとんどありません。フォーマルに決めるときも、黒はあまり使わないです。衣装も明るい色を選ぶし、私服も柄物や明るい色の服を着ることが多いです。メイクは大人っぽくならないようにしています。チークを頰の外側に入れると大人っぽくなりますが、内側に入れると“きれい”より“かわいい”寄りになるんです。かわいい系のほうが好きなので、そういうメイクをします。ーーおすすめの美容法があれば教えてください。最近は、友人にプレゼントでもらった洗顔ブラシを使うようになりました。時間をかけてブラシをすると気分がいいですし、肌もきめ細かくなってきた気がします。夏は、化粧水が染み込んだパックを1日5~10分するといいですね。あとは美顔器で肌の汚れを取るのもおすすめです。ーーいろいろ試せそうですね。ところで、9月15日には音楽イベント『桃太郎フェス』にご出演されるのですね。どんなステージになりそうでしょうか。まだ内容は全然決まっていないのですが、他の出演者さんも豪華な方ばかりで、みなさん盛り上がると思うので、自分もしっかり盛り上げていけたらいいなと思います。ーーパフォーマンスするときは、気分が上がるものですか。長い間グループでの活動をしていたので、いまだにソロでステージに上がることに対して、緊張やプレッシャーがあります。「ちゃんとできるのかな」と不安になることもあります。楽しいですが、100パーセント楽しむというよりは、ちょっとした挑戦みたいな感覚はありますね。イベントのように、他の方も出られるようなステージだと特に、初めて自分を見てくださる方が大半の環境だと思うので、そういう方たちに「どうやったら楽しんでもらえるか、応援してもらえるか」ということを考えます。ーー「恋のつぼみ」も歌われるのですね。そうですね!歌わせていただこうと思っています!イベントで初披露になると思うので、とても楽しみです!自分の恋愛と重ねて聴いてもらえたらうれしいーー最後に、みなさんに新曲をどのように聴いてほしいでしょうか。倖田さんが歌った原曲を知っている方は、懐かしむ気持ちもありつつ、また新たなバージョンとして楽しんでもらいたいです。世代が若い方からすると、オリジナルの曲をあまり知らない方もいるかもしれないので、そういう方には新鮮な気持ちで聴いてもらいたいです。歌詞では、恋するかわいい女の子の気持ちを歌っているので、自分の恋愛と重ねて聴いてもらえたら、うれしいです。取材後記真夏に咲くひまわりのように、まわりの人たちのことも明るい気持ちにさせるようなDream Amiさん。ソロ・シンガーとして充実した音楽活動を展開されているAmiさんが歌う新曲は、さまざまな世代の方へと届いていくはず。まずはニュー・配信シングルをチェックしてみてくださいね。Dream Ami PROFILE2002年、dreamに加入しデビュー。2011年からガールズ・エンタテインメント・プロジェクト“E-girls”の中心メンバーとしても活動。2015年、1stシングル「ドレスを脱いだシンデレラ」でE-girlsでは初のソロデビューを果たす。以降、音楽活動のみならず、テレビ活動やラジオのレギュラーパーソナリティを務めるなど幅広く活躍。2017年6月、E-girlsを卒業し、ソロ活動に専念することを発表。今年、放送作家・鈴木おさむの原作『ブスの瞳に恋してる』(マガジンハウス刊)を新たな設定で書き下ろした、EXILE NAOTO主演のFODオリジナル連続ドラマ『ブスの瞳に恋してる 2019』(9月17日0時から配信)の主題歌「恋のつぼみ」を9月17日に配信リリースする。9月15日には、岡山県・マスカットスタジアムで初開催される音楽イベント『桃太郎フェス』に参加する。InformationNew Release『恋のつぼみ』・「恋のつぼみ」(音源)・「恋のつぼみ」(MV)9月17日配信1,080円(税込)
2019年09月09日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第6回目に登場するのは、歌だけでなく声優やミュージカルなどでも実力を発揮されているシンガー・平原綾香さん!写真・大内香織願いは口に出してみるもの【音楽通信】vol.62003年にリリースした、ホルストの組曲『惑星』の中の「木星」に日本語詞をつけたデビュー曲「Jupiter」が大ヒット後、デュエット含むシングル32枚、カバーとベスト盤を含む21枚のアルバムを発表してきた平原綾香さん。昨年デビュー15周年を迎え、今年は吹き替え声優やフィギュアスケートをしながらの氷上ミュージカルなどにも挑戦。今回は、8月21日にリリースされたニュー・アルバム『はじめまして』について、お話をうかがいました。ーー今年はデビュー16年目となりますが、7月には源氏物語の氷上ミュージカル(宮本亜門さん演出・髙橋大輔さん主演『氷艶 hyoen2019ー月光かりの如くー』)に出演されて、十二単衣を着ながら演じられたそうですね。新しい挑戦で、猛特訓されたのでしょうか。そうなんです。ツアーの最中でアルバムの制作もあったので、1か月くらいしか練習できなかったのですが、練習するにつれてどんどん滑ることができるようになるとうれしくて。まさかメダリストの高橋大輔くんや荒川静香さんと一緒に滑る日が来るなんて思っていなかったです。もともとフィギュアスケートが大好きで、選手のように滑って歌が歌えたら最高なんじゃないかと思っていて、「いつかスケートを滑りながら歌うのが夢です」と19歳のデビューのときから言い続けていたら、今世で叶ってしまいました。だから、願いって口に出してみるものだと思います。ーー高橋さんからはアドバイスをいただいたのですか。はい。「こうすればうまく滑れるよ」とやり方を教えてくれましたね。いつでも「はじめまして」の気持ちを持って生活したいーーその前の2月に公開されたディズニー映画『メリー・ポピンズ リターンズ』日本版では吹き替えを担当されて、そのときにエンドソングだった「幸せのありか」が、ニュー・アルバムに収録されていますね。はい。アルバムを作って収録してみると、一段とまた曲の良さが引き立つというか。以前震災や災害があったときに、励ましたいと思っても、どうやって曲を作っていいかわからないときがあったんです。でもこの曲は「がんばれ」とか「信じて」も言わないし、すごい角度から歌詞を紡いでいる曲ですが、それでも応援する気持ちは伝わることがわかりました。すごくいい曲です。ーーアルバムのタイトルは『はじめまして』ですが、どのような思いでつけられたのですか。15年間歌ってきて今年16年目で「はじめまして」とつけたのは、タイトル通り、今回「はじめまして」と、初めて聴いてくださっている方もたくさんいると思うんです。一方で、歌うときにどこか慣れてしまっているところやありきたりになっているところがあったとして、やはり初めて歌ったときの感動を常に持ち続けることがすごく大事だと思ったんですね。というのも、森下洋子さんという尊敬するバレエの先生がいて、先生の踊りを見るとすごく泣けるんです。なぜなら、技術がすごいだけじゃなくて、先生は初めて踊った時の少女のような感動を忘れていないから。だから、私もそういうふうに、いつでも「はじめまして」の気持ちを持って生活したいなと。そう思うと、わたしたちの生活には、実にたくさんの「はじめまして」があふれているんです。目が覚めた時に「ありがとう」と思うのと、「また今日が来たのか……」と思うのとでは、全然違う日になる。そういったことを伝えたかったのと、あとは槇原敬之さんの曲があったからですね。ーーということは、アルバムタイトルをつけるよりも先に、槇原さんのタイトル曲「はじめまして」があったんですね。そうです。“生まれ変わり”がキーワードーー槇原さんのこの曲は争い合う国に住む男女の物語で、一見悲しいようだけれど「もしも生まれ変わったら」と歌い、また会おうという曲ですね。とくに「君の髪の色が好きだ君の瞳の色が好きだ君の話す言葉が好きだ」という2番の歌詞が好きです。違いを認め合えずに争う人間たちが描かれているのですが、いまの日本に置きかえても通じる歌だと思うんです。これからオリンピックもあって、世界中の人たちが日本にやってくるときに、お互いに認め合って譲り合うことができるかできないかで、いいオリンピックになるかが決まると思うんですよね。ーーそんな楽曲を作られた槇原さんは、平原さんにとって、どんな存在ですか。マッキーは……とにかく多彩な人で、人間的にもすばらしいです。今回、歌入れ、レコーディングにも立ち会ってくれたんですけど、すごく楽しかったですね。とことんこだわってくれるという、その心意気がすごくうれしかったです。ーー槇原さんのほかにも、藤井フミヤさん、Coccoさんの書き下ろしによる新曲もありますが、おふたりとも以前から交流があったのですか。そうですね。どちらもじっくり話したことはまだないんですけど、憧れの人たちです。ーー槇原さんの曲とフミヤさんの曲、どちらも「ラブソング」で「生まれ変わっても」という歌詞が両方に出てきますが、どちらも違うアプローチでの曲です。いまの私がそういうイメージに思えたんですかね。今回、“生まれ変わり”がキーワードになっています。自分が語り部になって歌うーーCoccoさんの曲はいかがでしょうか。女性に特に聴いてほしい曲です。女性がどれだけ傷ついて、そしてまた立ち上がっていくのかという心の繊細な部分が描かれていて、でも決して相手を責めない、人を愛する思いや切なさみたいなものがこの曲にぎゅーっと込められていますね。強くて繊細ではかなくてという、Coccoさんそのものが曲に表れています。とにかくみなさんに書き下ろしていただいた曲というのは、全部、自分が語り部になっています。平原綾香が歌うからというのではなく、どれだけ曲の良さを伝えられるかというのを意識して大切に歌いました。ーーそうなんですね。それは今回に限ってですか、毎回ですか。毎回そうですね。自分が作る曲もそうですけど、「うまく見せよう」として歌を歌うと、まったく伝わらないんです。だけど、ただひたすらに「歌を届けたい、歌詞を届けたい」と思うと、思いも伝わるし、自分自身も出てくる。結局は、とても個性的な歌になるんです。ーーお父さまはサックス・プレーヤーの平原まことさんですが、今回もアルバムに参加されていて、聴いているとすぐ耳に飛び込んでくる音色でした。親子での収録はいかがでしたか。15年間ずっと、父にはサックスのレコーディングをしてもらっています。私にとってのサックスの師匠でもあるんですけど、ちょっと生意気に「ここはもうちょっとこう吹いてほしい」と言ってみたり(笑)。父も「わかった」と言ってくれて、血の繋がりのなかでの阿吽の呼吸もあるけれども、音楽家として接してくれています。刺激的で個性的で聴き応えのあるアルバムーー先日、スタッフサービスさんのテレビCM「オー人事のうた篇」を観てびっくりしました。チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」に歌詞をつけて歌う平原さんがご出演されていましたが、クラシックの曲を歌うイメージから、お話がきたのですか。はい。お話がきて、わたしもびっくりしたんですけど(笑)、実はけっこう悩んだんです。クラシックの曲に歌詞をつけるということは、クラシック好きな人にとって大切なものにさわってほしくない気持ちがあって、すごくよくわかるんです。だからこそ、その人たちにも納得してもらえるようなものを作ろうというのが、クラシックをカバーするときのコンセプトなんですが、今回はどう表現しようかと。CMを撮影し、歌をレコーディングし、そしてストリングスを弾いていた人たちもみんな本物の演奏者です。ーーそうだったのですね。ところで、現在はツアー中でおやすみがないように思いますが、お仕事以外の時間はどのように過ごしていますか。部屋の掃除ですね。すごく清潔好きというわけでもないんですが、掃除が大好きです。これはいるもの、これはいらないもの、これはわけるものと整理するのが“癒し”なんです(笑)。なんでそれが始まったかというと、ゲッターズ飯田さんが、「神社に行って恋愛成就・金運アップ・仕事運アップを願っても無駄です。まずは自分の部屋をきれいにしてください。それがゼロ地点。きれいにしてから神社に行ってください」と言っていたのを聞いて。だから、まずは部屋をきれいにしています。ーー部屋は心の中を表すとも言いますよね。そうなんです。部屋を片づけた日に、外国の人限定なんですけど、声をかけられたこともあって。どういう片づけ方をしたら、外国の方を引き寄せるのかわからないですけど。ーーきっと日本人の方には、平原さんとわかってしまうでしょうから、恐れ多くて声をかけられず、外国人の方に限定されるのでしょうね。そういうのもあるんでしょうか……なので、「あ、こういうことか」と。(笑)ーー(笑)すごい効果ですね。では最後に、あらためて新作を全国のみなさんにどのように聴いてほしいでしょうか。新作は、自分でアレンジした曲が入っていたり、槇原さんやフミヤさん、Coccoさんの曲が入っていたり。そして、さだまさしさんの「いのちの理由」という曲をテレビで歌って、ぜひ音源化してほしいという声があって、今回実現化したものがあったり、長岡市立高等総合支援学校の校歌があったり。とにかくさまざまな楽曲が入っているんですけど、すべてが刺激的で個性的で聴き応えのある作品に仕上がっています。いつも私の歌を聴いてくださっている人も、初めて平原綾香の歌を聴く「はじめまして」の人にも届けたいです。一生懸命作ったアルバムなので、聴いてもらえるのが、一番幸せですね。取材後記深みのある美声で幅広い音域を歌う平原綾香さん。インタビューでお話しになるときも、芯の通った声で、さまざまな質問に応えてくださいました。まずは、デビュー16年目を迎えた平原さんのいまが詰まったニュー・アルバムをチェックしてみてくださいね。平原綾香 PROFILE2003年12月、「Jupiter」でデビュー。2004年の日本レコード大賞新人賞や、2005年の日本ゴールドディスク大賞特別賞をはじめ、数々の賞を獲得。2015年12月、音楽を通じての社会貢献や支援のために『平原綾香 Jupiter 基金』を設立。2019年1月・2月、5年ぶりの再演ミュージカル「ラブ・ネバー・ダイ」で再びクリスティーヌ・ダーエ役に。2月公開の映画『メリー・ポピンズ リターンズ』日本版で吹替声優とエンドソングを担当。吹替声優とエンドソングを同一人物が担当するのは、ディズニー映画史上初の快挙。6月から10月まで、15度目の全国ツアー「平原綾香 CONCERT TOUR 2019 ~幸せのありか~」全21公演を開催中。InformationNew Release『はじめまして』1.THAT’S THE WAY IT IS2.I Love You3.幸せのありか4.はじめまして5.5つの魔法6.Radio Radio7.世界でたったひとつの絵8.風凜雪花9.きずな10.いのちの理由11.恋12.はじめまして〜Acoustic Version〜Piano by Noriyuki Makihara8月21日発売UPCH-20529¥3,240(税込)
2019年09月08日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第4回目に登場するのは、NHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』や『凪のお暇』などのドラマでも活躍している女優・歌手の水谷果穂さん!写真・大内香織葛藤を乗り越えた歌手活動【音楽通信】vol.4現在放送中のNHK連続テレビ小説『なつぞら』で夢見る女の子・三橋佐知子役、そして『凪のお暇』でクラブ通いをするパフォーマー・エリィ役を演じている水谷果穂さん。女優としてだけでなく、8月28日に1stアルバム『深呼吸』をリリースし、歌手としてもフレッシュな風を吹かせてくれています。歌手活動から趣味の“紙集め”のことまで、お話をうかがいました。ーー『ananweb』初登場なので、デビューの頃から振り返らせてください。水谷さんは2013年にテレビCMでデビューされていますが、女優を目指しているなかで、歌うことも好きだったのでしょうか。もともと歌うことは好きでした。小さい時はアニメやアイドルが好きだったので、まねっこして歌っていました。ーーアイドルというと?幼稚園ぐらいのときはミニモニ。が流行っていて、教室でミニモニ。の曲を歌ったり踊ったり、楽しかったです。ーーではいま、好きな女優や歌手のかたはいますか。女優さんだと、綾瀬はるかさんがすごく好きです。どんな役柄でも演技がすばらしくて、あこがれています。ーー透明感のある雰囲気は、綾瀬さんも水谷さんも同じ感じがします。いえいえ。昨年、綾瀬さんとドラマで共演することができて(TBS系『義母と娘のブルース』)、またすごく好きになりました。ーーそうなのですね。歌手でいいなと思う人はいますか。歌を始めたときに、ZARDさんの歌がわたしの声にも合うんじゃないかというアドバイスがあって、練習曲として歌っていました。ZARDの坂井泉水さんが好きですね。ーー現在21歳ということで、20歳を過ぎて心境の変化はありましたか。以前と比べると、少しずつ余裕が出てきました。歌を始めたころは、まず声が出るのか、ステージに立つときは人前でちゃんと歌えるのかという、自分との葛藤があって。そこを乗り越えての歌手活動だったので、いまよりもうワンステップ多かったんです。やっていくうちに、だんだんと葛藤がなくなってきて、いまはダイレクトに歌いたいものにチャレンジできるようになりました。歌いながら歌詞が入ってくる感覚がわかるようになったのが、変わったところかなと思います。ーー歌いながら歌詞が自然と体に入ってくるというのは、うまく葛藤を乗り越えたのですね。不安が少しずつなくなってきているので、それがこれからもっとなくなってくると、よりいっそう人前で歌うのも楽しくなってくる感じがしています。1stアルバムはもっと聴きたい大好きな1枚ーー今回、1stアルバム『深呼吸』をリリースされますが、歌ってみての手応えはいかがでしたか。本当にとても納得のいく感じで、自分自身でももっと聴きたいなと思うくらい、大好きな1枚です。ーー自信作ということですね。はい。——きれいな声で、表現力豊かに歌われていますが、ご自身のなかで歌いやすかった曲や難しかった曲はありましたか。歌いやすくて、曲調や歌詞も好きで、レコーディングも楽しかったのは「あしあと」「明日への扉」ですね。すごく好きな曲です。その逆に、難しかった曲は「気まぐれ王子様」。アルバムの収録曲のなかでは、雰囲気の異なる曲でした。ーー「気まぐれ王子様」は少し変わったメロディラインの面白い曲ですよね。そうですね。ずんちゃかちゃん という感じで(笑)。これまでもライブでは披露していて、楽に歌っていた曲なんですけど、いざレコーディングになると「どうやって歌おう」「この歌い方だと幼くなりすぎるかな」と考えて、いろいろ試しながら歌いました。ーーそれぞれの曲でストーリーが違いますが、歌詞の世界に入り込んで歌うのでしょうか。はい。そのまま等身大で歌うときもあるし、過去の思い出や記憶を頼りに歌うときもあるし、ほんとにもう、それぞれですね。ーーリードトラックの「朝が来るまで」が主題歌となっているドラマ(テレビ東京系 ドラマBiz『リーガル・ハート〜いのちの再建弁護士〜』)も拝見しましたが、こうしたタイアップの曲は、ドラマを意識して歌うのでしょうか。そうですね。主題歌になるということで、どこか迫力というか、優しさと力強い部分をうまく出せたらいいなと。ドラマの温かさや強く生きていく感じと合うようにイメージして歌いました。ーーさらにこの「朝が来るまで」は、ピアニストの清塚信也さんが弾くピアノバージョンも収録されていますね。ピアノバージョンのほうは、清塚さんのピアノの横で、同時にわたしが歌うというレコーディング方法でした。「自由に歌って大丈夫」と言ってくださったので、アイコンタクトで歌い始めました。1発録りだったので、より気持ちがのってきてのびのびと歌わせていただき、すごく楽しかったです。ーーちょっとライブ感があったんでしょうか。はい。ライブ感もスタジオの空気感もそのまま収録されています。ーー同じ曲ですが、どちらも全然違うアレンジで楽しめますね。ピアノバージョンは曲の世界に浸ることができるので、すごく好きです。「紙」を集めるのが趣味ーー歌手としてもご活躍中ですが、女優としても現在NHK連続テレビ小説『なつぞら』と『凪のお暇』の2本のドラマにご出演中ですね。両方ともまったく違うタイプの女性を演じていらっしゃいます。けっこうそのふたつの役が対照的で、『なつぞら』は監督から「(役作りをしすぎずに)なるべくそのままのほうがいい」とアドバイスをもらいました。その逆に『凪のお暇』のほうは、普段しゃべっているスピードとは違うスパッとした強さを求められるので、どちらも違いを出しながらがんばっています。ーー女優としての声の出し方と、歌手としての声の出し方では、違うところがありますか。実は、歌うときもお芝居のときも、発生練習は同じなので、共通してやっています。声出しするのとしないのとでは、全然違いますね。ドラマの前は家で発声練習をやっていたり、歌のときも事前にやっていたりします。お休みの日にずっとひとりでいるとしゃべらなくなるので、発声練習をしておいて、声をならすようにしています。ーー休みの日はしゃべらないということですが、どのように過ごしていますか。家にいることが多いですね。もともとそんなに遊びに行ったりしないので、どちらかというと、インドアなタイプです。ーーでは自宅にいるときにする趣味があったら教えてください。趣味としては、紙をずっと集めてるんです。この間は、「紙博」というたくさんの紙が集まるイベントに行きました。定期的に行く雑貨屋さんがあって、紙を見に行くことも。ーーなぜ紙を好きになったのですか。うすっぺらいものをとっておくのが昔から好きなんです。小さいときは便箋の最後の1枚をずっと取って置いていて、そいういうことの延長線上ですね。封筒なども好きで、とくに銀行の封筒が好きです。それを公言していたら、地方に行かれたファンの方が珍しい封筒を送ってくれることもあります。ーーファンの方の間ではメジャーな話なんですね。(笑)はい(笑)。「紙博」に行くと、同じように紙好きな方がすごくいっぱいいます。私が知らないような専門用語というのかな……紙の名前を言いながら、「これいいよね」「廃番になってるよ」とか話しているのを見ていて、楽しい!ーー紙が好きというのはいいですね。では紙以外のことで、普段されている美容法などはありますか。毎日、お風呂上がりにスキンケアをしています。化粧水系のパックをしてから、ボディクリームをぬって、パックをはずしてからもう一度化粧水をぬっています。効率もよくて気に入ってやっていますね。共感してもらえる曲を歌っていきたいーーでは今後、アルバムを出されてからは、ライブの予定は?11月3日に東京のライブハウス「月見ル君想フ」でワンマン・ライブがあるんです。アルバム・リリースのイベントはちょくちょくあるんですけど、11月のライブはしっかりとワンマンで歌うものになります。ーー直接ファンの方と触れ合う機会は、なかなかないですよね。そうですよね。歌をやっていないときは、写真集のイベントがファンの方にお会いできる貴重な機会でしたが、いまは歌のイベントなど、会える場が増えました。ーー歌手としての今後の目標があれば教えてください。今回、ドラマの主題歌も歌わせてもらえて光栄でした。今後もそういうチャンスがあればどんどんやっていきたいですし、これからもいろいろな新しい曲にチャレンジしていって、共感してもらえる曲を歌っていきたいです。取材後記きらきらとした瞳を輝かせながら、まっすぐにこちらを見つめながらインタビューに応えてくれた水谷果穂さん。女優としての表現力が、歌手としても豊かな歌声として発揮されている1stアルバムには、21歳の水谷さんの魅力がぎっしりと詰まっています。まずは1stアルバムをチェックしてみてくださいね。「朝が来るまで」Music Video水谷果穂 PROFILE1997年11月3日、静岡県生まれ。2013年4月にTVCMで芸能界デビューし、7月にテレビドラマ『リアル脱出ゲーム 密室美少女』(テレビ東京系)でドラマデビュー。2017年7月に主演短編映画『明日、アリゼの浜辺で』の主題歌である1stシングル「青い涙」で歌手デビューし、新人としては異例のチャート初登場6位を記録する。女優としては『ブラックペアン』(TBS系)ほか数々の作品に出演。2018年3月から1年間、『Going! Sports&News』(日本テレビ系)でお天気キャスターにも挑戦。2019年現在、NHK連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合 月〜土午前8:00)、『凪のお暇』(TBS系 金曜午後10時)に出演中。「1stアルバム『深呼吸』発売記念イベント」を8月28日・31日、9月 1日に東京と大阪で実施。22歳の誕生日となる11月3日(日)には、東京のライブハウス「月見ル君想フ」でワンマン・ライブを開催する。InformationNew Release『深呼吸』1.朝が来るまで2.君のステージへ3.あしあと4.恋のレシピ5.いつだって6.ナナイロ7.青い涙8.スプラウト9.気まぐれ王子様10.タカラモノ11.空想トレイン12.明日への扉13.朝が来るまで(Piano Session version)(通常盤)8月28日発売WPCL-13081¥3,000(税別)
2019年08月30日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第3回目に登場するのは、日本・アメリカ・キューバといった国際色豊かなカルチャーをまとう、橋爪ミカさん、青山ウィリアムさん、ミッチェル和馬さん、モリアティー慶怜(ケーレン)さんの4人からなるボーイズグループ・INTERSECTION(インターセクション)!写真・大内香織個性豊かなINTERSECTION写真左からミカ、ウィリアム、ケーレン、カズマ【音楽通信】Vol. 32018年10月に限定配信された1stシングル「Heart of Gold」でデビュー後、グループだけでなく、ソロ活動も行っている、18歳から20歳で構成されたINTERSECTION。取材中もフレッシュな感性を輝かせ、何よりみなさん楽しそう。8月21日に配信される1stアルバム『INTERSECTION』について、お話をうかがいました。ーー『ananweb』初登場ですね。結成のいきさつを教えてください。カズマみんなスカウトされて、その後に歌のオーディションを受けて集まりました。最初にウィリアムがいて、ぼくはその次に加わりました。そしてふたり(ケーレン、ミカ)が入り、4人でレッスンを重ねて、グループとしての絆も深まりデビューすることができました。ーーそうしてグループが形作られてきたわけですが、それぞれのキャラクターはいかがでしょう。ケーレンぼくは弟キャラです。常にポジティブで、エネルギーがあるので、ずっと話しています(笑)。あとアートが好きで、クリエイティブな一面もあるんですよ。モリアティー慶怜(ケーレン)。2001年4月12日キューバ生まれ。グループの最年少メンバー。カズマぼくはまとめ役ですね。みんなのいろいろな個性をぼくが仕切る感じ。こうして日本語を話す機会とか、ビジネス的なこととか、日本のファンのみなさんと話すときも、メンバーの意見を聞いてぼくがリーダーシップを取っている感じがあります。ミッチェル和馬。2000年5月15日ニューヨーク生まれ。現役ハーバード大生でモデル。ミカほかのメンバーにとって、ぼくは兄のような存在。みんなの悩みを聞きます。まわりに合わせることも得意ですね。橋爪ミカ。1998年12月21日ハワイ生まれ。グループのリーダー。ウィリアムとにかく音楽が好きで、音楽を作っています。メンバーによると、ぼくはクールでミステリアスな感じらしいです。青山ウィリアム。2000年5月19日カリフォルニア生まれ。グループの作曲担当。多面的な音楽性を見せていくーーカズマさんとミカさんはソロ・シングルも配信されていますが、ソロとグループでは意気込みは違いますか。カズマそうですね。小さい頃からクラシックの楽器をやっていて、ジャズが好きで、ソロではそういう要素を出していきたいと思っていて。グループは、聴いてくれているみなさんが好きな音楽とか、いまはやっている音楽とかも全部取り入れて作っているものという違いがありますね。ミカグループでの音楽は、ファンのみなさんに、自分たちのいろいろな面を見せられる機会だと思っています。ソロの音楽では、それぞれのメンバーの個性を知ってもらえたらと。ーー楽曲では、普段みなさんが使われている英語のほうがのびのびと歌っている印象ですが、日本語だと歌いづらいこともあるのでしょうか。ケーレン最初は日本語が難しくて苦戦しましたが、練習やパフォーマンスを繰り返すうちに、歌詞の意味を考えて感情を込めて歌えるようになりました。ウィリアムぼくは普段の生活で日本語もよく使っているのですが、歌になるとなぜかイントネーションがおかしくなっちゃって、レコーディングでは何度も録り直しました。でも、これからもっと日本語の曲も歌っていきたいと思っています。ーーアルバムでは英語の歌詞が多い中、収録曲の「One Step Closer」は日本語で歌われているナンバーです。日本の女の子にも届きやすい歌かと思いますが、そのあたりは意識して作っているのですか。ウィリアム日本とアメリカのふたつのカルチャーを持っているので、両方からの要素を音楽へと引き出せたらいいなと。この曲は(現在放送中の)アニメ『フルーツバスケット』(テレビ東京 金曜深夜1:23)のエンディングテーマで、原作の漫画も読んで、世界観に合う、日本の女の子にも届くようなものを書いています。ーー難しくなかったですか?ウィリアム難しかったです。ケーレン天才!(と隣りに座るウィリアムさんを指差す)ウィリアム自分で曲を作ったり、歌詞を書いたりするときはだいたい英語で、日本語の歌詞を書くのは2回目です。英語と日本語はフロウが違って曲にはめづらくて。日本語のボキャブラリーが豊富じゃないということもあるんですけど、伝えたいことと、音のバランスを取るのがとくに難しかったんですよね。ーーアルバムリリースの後に、ツアーのご予定は?ウィリアム来年の春くらいにやれたら良いですね。デビューしてから応援してくれる人が増えたーーみなさん、歌うときに気をつけていることはありますか。カズマお水をたくさん飲むようにしていて、みんなも、毎日発声の練習をしていますね。ミカ風邪をひきやすいので、ビタミンを毎日採るようにしています。ケーレン熱いお茶をたくさん飲んでいますね。まだ変声期なので、ときどき喉をマッサージしてほぐすことも。ーーデビューしてから現在までの約1年間、みなさんの中でファンの方からの手応えのようなものは感じていますか。ミカパフォーマンスを何度かしていく中でファンの人たちがだんだん増えてきて、前回のライブのときにも来てくれていた人たちが毎回来てくれているんだと思うと、グッときて感動しました。ケーレン家の近くの飲食店で、従業員の人に「サインが欲しい」と声をかけられました。ウィリアムぼくたちの音楽がぼくたちの知らないところで広がっていってくれて、ライブを観に来てくれる人が増えたり、コメントが増えていったりしているのを見るととてもうれしいし、充実した気持ちになります。ーーインスタなどでも発信されていますが、女性ファンのかたも多いんでしょうか。カズマそうですね。ケーレンインスタでファンが作ってくれたアートとかを見て、喜んでいます。世界中で活躍していきたいーーみなさん、普段はどのように過ごしていますか。カズマ最近は音楽活動のほかに、AbemaTV『オオカミちゃんには騙されない』(女子高生の70%が観ているという恋愛リアリティ番組)の収録などが入っていて、ほぼ休みなくがんばっています。(笑)ーー観させていただいています。女子がキュンキュンする番組ですよね。カズマ(照れながら)ありがとうございます。それとか、雑誌の撮影などがほとんどです。たまにある休日は、映画を観ています。ーーどんな映画をご覧になるのですか。カズマ『天気の子』という映画を観ました。めちゃくちゃ良かったです、感動しました。ウィリアム音楽作りに没頭しながら、大学が始まるのでその準備もしています。ケーレン友達や家族と過ごしたり、映画を観たり、食べたり、ダンスしたり、音楽聴いたり。ミカとりあえずやってること全部言ってるよね。(笑)ケーレン(笑)フォトショップで写真を加工したり。アートが好きだから。ーーいつか個展などをされるかもしれませんね。ケーレンそうですね! やるしかないです。アートのために、フォトショップで写真を加工するんですけど、おもにギャグの写真で(笑)。ギャグと、真剣なアートのふたつです。ミカいつも予定を立てて、外に出ます。ジムに行ったり、家族と過ごしたり、時間があったら旅行やサーフィンも。カズマ楽屋では、みんなでゲームをすることもあります。あとは漫画を読みますね。ーーそうなんですね。では、みなさんの好きな女性のタイプはありますか。カズマかわいいストリートファッションとか着ていて、自分のスタイルがある人。あとメッセージの返信が早い人ですね。ウィリアムぼくの世話をしてくれる人。基本的に自分のことばかりしているので、それをわかってくれる人。ミカ自分のプライオリティがきちんとしている、自立している人がいいです。そこから自分も学べるから。ケーレンファッションも大事だし、一緒にいてノリがいい人も。でも一番は、信頼してくれる人。信頼関係が一番大事ですね。あと、かわいい子です。(笑)ーー(笑)わかりました。INTERSECTIONとしての今後の目標を教えてください。カズマぼくたちのベーシックな考えとして、日本とそのほかの海外を隔てて考えていないので、世界中にファンを広げられたらいいなと思っているし、ワールドツアーもできたら最高だなって思っています。ケーレン好きなアーティストともコラボしたい。ジャスティン・ビーバー、リアーナ、ONE OK ROCK……。ウィリアムこの間、タイの番組に出させていただくことがあったのですが、今後タイでファンクラブイベントも定期的にやっていきたいですし、日本だけでなく、アジアからもファンを広げていきたいですね。ーー最後に、『ananweb』を読んでいるみなさんにメッセージをお願いします。ウィリアム自分たちでも楽曲をいっぱい作っているので、ぼくたちの世界観やアイデンティティに注目してほしいです。そして、これからINTERSECTIONをよろしくお願いします。カズマ『ananweb』の読者のみなさん、ぼくたちの記事を読んでくれてありがとうございます。これからもたくさん活動を続けていきたいと思うので、ぼくたちの音楽を聴いてもらって、応援よろしくお願いします!取材後記普段は英語で交流しているINTERSECTION。インタビューでは、日本語も得意なカズマさんが、難しい日本語をほかのメンバーに通訳してくださって、取材がスムーズに進行できました。そんなカズマさん、ウィリアムさん、ミカさん、ケーレンさんは、今後、東京から世界へと羽ばたいていくはず。まずは1stアルバムをチェックしてみてくださいね。【INTERSECTION PROFILE】橋爪ミカ、青山ウィリアム、ミッチェル和馬、モリアティー慶怜の4人からなるボーイズグループ。2018年10月に配信限定の1stシングル「Heart of Gold」でデビュー。これまで配信シングルを合計5作、カズマとミカそれぞれがソロを2作発表、イベントなどにも参加しパフォーマンスを磨く。今夏は「SUMMER SONIC」や「a-nation 2019」など大型フェスに出演した。ヘアメイク・向井大輔/スタイリスト・百瀬豪衣装協力・ALMOSTBLACK/DELUXEInformationNew Release『INTERSECTION』1.You’re The Reason2.Body Language3.Falling4.Lost Boy5.Who Do You Love6.Hot Water7.Love Alone8.Heart of Gold9.Twisted10.One Step Closer11.Starting Over8月21日配信リリース¥ 2,000(税込)
2019年08月20日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第2回目に登場するのは、“東洋一のサウンド・マシーン”ことCRAZY KEN BANDから、名言「イイネ!」でおなじみの横山剣さん!写真・黒川ひろみこれまでで一番気に入っているアルバムCRAZY KEN BANDのフロントマン・横山剣【音楽通信】vol. 21997年春、横浜本牧で結成されたCRAZY KEN BAND(通称CKB)。2018年にデビュー20周年を迎え、さらに円熟味を増して磨きのかかったCKBが、今年、8月7日にニュー・アルバム『PACIFIC』をリリースします。“歌うメロディー・メイカー”でもあるボーカル・横山剣さんに、新作のお話をうかがいました。ーー昨年、デビュー20周年おめでとうございます。ありがとうございます。ーーニュー・アルバム『PACIFIC』がリリースされるということで、聴かせていただきまして、すごくかっこいいアルバムですね。自分でもこれまでで一番気に入っているんです。ーーそうなんですね。今回のアルバムのテーマは「港町」ですが、その理由を教えてください。頭に浮かんだ順にどんどんレコーディングしていくんですけど、全体の傾向として、歌詞や曲調が港っぽい、本牧埠頭っぽいなと思ったんですね。テーマはいつも先に決めるんじゃなくて、途中からなんです。楽曲が半分ぐらいそろったときに全体のテーマが見えてくるので、毎回、後出しジャンケン的にテーマを決めています。今回は「港町」という、ぼくにとって当たり前の風景が、たとえばコンテナ埠頭を見ていたり、普段通る道でふっと思い出とともに頭によぎったりしたんです。ーーコンテナはお好きなのですか。コンテナとか、タクシーとか、飛行機会社のマークとか、記号のあるものに弱いんです。国旗も好きだし、世界のホテルを見るのも好きです。実際にコンテナ周辺で8年ぐらい検査の仕事をしていたので、けっこうコンテナとは親しいつきあいがあるんです。ーーそうだったんですか。わりと長くお仕事されていたのですね。はい。もうその頃はCKBをやっていましたけれど、1994年から2002年まで貿易検査の仕事をやってましたから、港は庭みたいな感じです。19枚目だけどファースト・アルバムみたいな気分ーーところで、剣さんが作詞作曲されるときは、どのようなときに楽曲が生まれるのですか。だいたい運転中が多いですね。ーー運転中に思い浮かんだものを家に帰ってから、曲に書き起こすんですか。そうですね。忘れちゃったらアウトなんですけど、覚えていれば録音しています。ーー小学校の頃から独学でピアノで作曲をされていたそうですが、これまでだいたいは1年ごとのペースでアルバムをリリースされていて、自然と曲がたくさん生まれているのですか。楽器を弾いていて曲が生まれることもありますし、基本的に半分以上は、運転しながらとか、歩きながらとか、飛行機に乗っているときとか。移動空間の景色によって押し出される感じです。ーーでは逆に、じっとしているとあまり曲作りは進まないのですね。そうですね、たとえば作曲のために1か月とか1週間とかお休みもらって部屋にこもっていても、何も出てこない。前にホテルの部屋を借りて作曲してみようとしたけど、全然だめだったことがあって、遊びに行っちゃった。(笑)ーー(笑)。では曲ができてから、メンバーにお渡ししてみんなで作る感じなのでしょうか。いまは曲ができたら、音源をデータで送ったりしています。ーー新作『PACIFIC』で、「このあたりを聴いてほしい!」というところはありますか。1曲目から18曲目まで全部を聴いてほしいです!ーーそうですよね。とくにこだわったところはありますか。こだわったのは“ベース”ですね。あと、なんていうのかな、メッセージにしにくいことをメッセージにしているので、“質感”だったり、“湿度”だったり。聴いている人に曲の情景が勝手に浮かぶようなもの。ぼくは他の人にはなれないので、自分の感覚でしかできないので、みんなに向けてというのは無理があるんですが、つきつめたものはポピュラーになっていると思うんです。いまも手探りで作ってますけどね。そういう意味では、過去のアルバム18枚よりは、具体的に今回それができた感じなので、19枚目のアルバムだけど、ファースト・アルバムみたいな気分です。ーーすごくフレッシュな感覚ですね。歌われるときに、気をつけていることはありますか。たばこですかね。実は、たばこをやめてから、声が枯れやすくなったんです。たばこを吸っているときのほうが声が強かったんで、一概に禁煙がいいとは思えないんですけど、ステージでのアクションには、禁煙は確かにいいですね。ーーいつから禁煙なさっているのですか。2008年ですね。なんかたばこが苦手になっちゃったんですよ。もともと好きじゃなかったんでしょうね。物事はインスピレーションで決めるーーアルバムの収録曲「何もいらない」「風洞実験」など、詞の中にいろいろな“女性”が登場しますが、剣さんご自身が一番好きな女性のタイプを教えてください。女性らしい女性。たくさんすてきな女性がいるので目移りしちゃうんですけど。かわいらしくて、おもしろくて……とはいえ、とくにないですね。そのとき好きになった人が、好きな人。ーーインスピレーションですね。そうですね。車もそんな感じで、次から次に車を買うんですけど、いろいろな車を見る必要ないっていうか。「これだ!」と思ったら、その情報だけをパッと直感で集める。ーー結果的にそれは良い結果に?たまに失敗するときもあるんですけど(笑)。女性とのおつきあいも、失敗があるように、物事はなんでもやってみないとわからないです。迷って躊躇してるよりはね。実行したほうがいいんじゃないかなと。女性のことはいまじゃなくて、過去の話ですけど。(汗)ーー(笑)。音楽活動がお忙しいかと思いますが、それ以外の普段されている趣味というと、お車ですか。車、バイク、さらに植物をいじったりするのもあります。子どものときに植木屋さんでアルバイトしていたんで、多少好きだったんですね。あと、小学校のときにシュロとかフェニックスとか、南国っぽい植物の写真を撮っていたんです。そういうものをいまも欲しいなと思いまして。手入れが大変だから、楽な範囲ですけど。ーーガーデニングされるんですか。ガーデニングというほどではないですね。でも、あんまりそういうのはやらないんで、自分にしては珍しい趣味です。あとは犬を飼ったりとか。ーーワンちゃんは1匹ですか。1匹。チワワです。たまたまホームセンターで見たときに「これだ!」と。シュナウザーとけんかしてたんですよ。チワワが圧勝していて。ーーシュナウザーのほうが大きいのに!そうなんですよ。ほんとは犬を飼うつもりじゃなくて、接着剤かなんかを買いに行ったんですよ。そのときペットショップの周りにギャラリーができていて、見に行ったら犬がけんかしていて、決めました。ーー剣さんは、女性も車もワンちゃんも、インスピレーションで「これだ!」と決められるのですね。そう(笑)。「これだ!」ってね。過去や未来を考えないで瞬間、瞬間でスパークしようーー8月からはアルバムのツアーも始まります。どんなライブになりそうでしょうか。新譜からもけっこうやると思います。いまもう選曲もやっているのですが、日に日に変わります。新曲と、18枚もアルバムがあるんでその中から選りすぐりと、お客さんが2、3曲決めるリクエストコーナー。あとは出たとこ勝負です。パッケージツアーという感じじゃなく、ライブは25本あるので、25ぶんの1というか。どれも“一点物”です。ーー『ananweb』の読者のかたは女性が多いのですが、最後にメッセージをお願いします。年を重ねるっていうことはね、ネガティブなことじゃないです。毎年加齢していきますが、ポジティブに考えてほしいですね。ぼくは59歳ですけど、いまだから思えることとか、発見とかがあるので、「いついつまでにどうしないと」とか、過去とか未来とか考えないで、瞬間、瞬間でスパークしていただきたいと思います。取材後記デビュー21年目となるCKBですが、剣さんはとてもジェントルマンですてきな方でした。これまでもこれからも、ファンク、ロック、ソウル……と表情豊かな歌とサウンドを私たちに届けてくれるでしょう。まずはニュー・アルバムをチェックしてみてくださいね。CRAZY KEN BAND PROFILEリーダーで作曲・編曲・作詞・Keyboards・Vocalを担当する横山剣を中心に、1997年の春頃、横浜本牧の伝説的スポット「イタリアンガーデン」でCKBが誕生。1998年にアルバム『Punch ! Punch ! Punch !』でメジャーデビュー。横山は作曲家として、和田アキ子、SMAP、松崎しげる、グループ魂ほか、数多くのアーティストに楽曲提供も行い、m-flo、ライムスター、マイティー・クラウン・ファミリーなど、ジャンルレスのコラボレーションを実現するなど、その音楽活動は多岐にわたる。今年、8月24日から「CRAZY KEN BAND TOUR PACIFIC 2019」と題した全国ツアーを開催。InformationNew Release『PACIFIC』1. Night Table2. Tampopo3. クレイジーの中華街大作戦!4. ひとり5. Disc Jockey * Part 1&26. KARAOKE International7. 何もいらない8. GET9. 北京10. Stay at Bund Hotel - シェルルームの夜は更けて-11. 場末の天使12. 風洞実験13. 車と女14. エルヴィス顔のタイムトラベラー15. さざえ16. 南国列車17. 南国列車 * VIDEOTAPEMUSIC Remix18. Stay at Bund Hotel - 夜明けのチェックアウト ‒8月7日発売(通常盤)UMCK-1633¥ 3,000(税別)
2019年08月07日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。新連載【音楽通信】では、音楽を発信するアーティストたちの新作のお話からライブレポートまで、楽しい音楽情報をお届けしていきます。第1回目に登場するのは、とくに関西で大人気のベリーグッドマン!写真・黒川ひろみ中学校の同級生、そしてクラブでの出会い写真左からRover、MOCA【音楽通信】vol. 12013年に結成されたRoverさん、MOCAさん、HiDEXさんからなる大阪出身の3人組ボーカルユニット・ベリーグッドマン。今年、念願の大阪城ホールでのライブを1万人即日ソールドアウトさせた彼らが7月31日にニュー・アルバム『SING SING SING 7』をリリースしました。結成のいきさつから新作まで、RoverさんとMOCAさんにお話をうかがいました。ーーベリーグッドマンさんは「音楽通信」第1回目の登場となります。Roverおお! それ、あれですよ。あとでいっぱいインタビューしても、ぼくらのこと思い出して「一番楽しかったな〜!」ってなりますよ。2回目からは格下げられないですね。(笑)ーー(笑)。そうかもしれませんね。『ananweb』としても初登場なので、結成のいきさつから教えてほしいのですが、もともとお友達から始められたんですよね。Roverそうですね。僕とHiDEXが中学校の同級生で、高校卒業くらいのタイミングで最初はふたりで組んで、音楽をやりだしたんです。4年くらいふたりで音楽をやって、けんか別れしたときにクラブで出会ったのが、MOCAですね。それでアコースティックイベントにMOCAを誘って、路上ライブをやるようになってという感じで、いまに至ります。ーーまだ大阪に住んでいるのですか。Rover、MOCA住んでいます。「大阪のでっかいとこでワンマンライブをやる」目標ーーもともと、デビューしようと考えて活動されていたのですか。Roverもともと「大阪のでっかいとこでワンマンライブやろう!」という目標があったんです。MOCAのソロのときに、大阪のアメリカ村という場所にある『BIGCAT』というライブハウスでライブをすることを目標にしていて。全国というより、「大阪で有名になってやろう!」っていうのはありましたね。MOCA大阪城ホールみたいなでかいとこでライブをやりたいと思ったのは、結成して2年目ぐらいのときやったと思っているんですけど、でかいところでやりたいというのは、事務所の社長とも話してて、“3か年計画”というか。3年後の自分たちがどこにおりたいかを想像していないと、夢なんて実現できへんということで、そこから「でかいところでなんかできるんちゃうか」というマインドにシフトしていったというのはありますね。ただやみくもに何かをやりたいという感覚ではなくて……。そこはもう、『anan』さんとともに成長していきたいなっていうのはあります!ーーありがとうございます(笑)。大阪城ホールでのライブは大成功でしたが、ライブをしていても関西地方とほかの場所では温度感が違うことはあるのでしょうか。Roverそれはありますね。MOCA九州のほうは、関西の波動を持っている感じがあって。関東のかたも、みんなが関東で生まれているわけではないと思うんですが、ちょっとおとなしいかなという感じはあるんですけど、でも楽しんでくれている感覚はあまり変わらないかなと思います。新作は「自伝」のようなものーー地域が違っても、あまり意識せずライブをされているのですか。Roverめちゃめちゃ意識していますよ(笑)。「これやったらスベるやろな」というところで、狙っていって、「あ、今日はこっちやったな」とか。MOCA顔色めっちゃうかがいます。(笑)RoverMCもトークも、これでいいのだろうかと思いながら。曲振りのときだって、ちょっといきってかっこつけたほうが「おお!」ってなるときもあるし、照れ隠しで冗談っぽくやったほうがいいときもあるし。ーーそしてアルバム『SING SING SING 7』が完成しましたが、どのような思いで作られたのでしょうか。Roverそうですね、「作れ」と言われたから作ったアルバムです。MOCAそういうこというな!Rover(笑)。内から出てくるものですよね。僕らのアルバムに『SING SING SING』っていうシリーズっていうのがあって。僕ら「ベリーグッドマン」っていう名前ですけど、もとは(スウィング・ジャズの代表的存在の)「ベニー・グッドマン」というジャズクラリネッターの人をリスペクトして、名前をつけてるんです。そのベニー・グッドマンの名盤「SING SING SING」から、僕らのシリーズでも名前をつけさせてもらって。もとのほうはスウィング・ジャズの王道なんで、たぶん“スウィング“と“SING”をかけてるんだと思うんですけど。僕らの「SING SING SING」は“3人でSINGしてる”っていう意味もあるんです。僕たちはいい歌をみっつもよっつも入れていこうというテーマなんで、今回7枚目ですごいハイペースではあるんですけど、僕たちとしては当然のように作っていくという、「自伝」みたいな感じですね。『SING SING SING 7』は「幸せ」のアルバムーートラックメーカーはHiDEXさんですが、基本はメンバー3人で作詞作曲をされているのですか。Roverそうです。それぞれ「こんな曲が作りたい」って自発的に思ったものを尊重するという感じですかね。たとえば、いろいろな音楽を作るって、ひとつの発明じゃないですか。難しいときもあれば簡単にできるときもあるんですけど。MOCAが「こういう曲をやりたい」ってサビを書いてきたとしたら、「それいいやん」ってHiDEXがピアノ弾いたりして、トラックっていうものができて。そこに自分たちが歌うAメロとかBメロとかのバースを自分たちで、家とかどこかで作って持ってくるんです。ほとんどセッションみたいな作り方で作りました。ーー今までの作品と今回で、作り方に違いはあるのですか。Rover今までは狙い打ちというか、タイアップとかだと縛りもありますし。でも僕たちやっぱり、ワントラックでずっと同じコード進行がずっと鳴っているところに、違う歌をのせていく作り方というか。自分たちが、ソロでやってたころ、ディレイしてのせていくっていう「ラバタブ」という、レゲエの文化があるんですけど。実はそれに近いようなことを基本でやっていて、あとはそこにドラマとか色をつけていくっていうことですね。ーー『SING SING SING 7』をひとことで表現すると、何になりますか。Rover「幸せ」じゃないですか。(シリーズの)“7”というのはそういうことかなと思うし、「Happy 7」という曲も入れたりとか、「幸せになるためにがんばろうぜ」「幸せじゃなくても大丈夫」という曲も入っていたり。失恋したけど相手の「幸せ」を願っているような曲も入っています。ーー野球選手の登場曲として使用されている楽曲もたくさんありますが、そのきっかけは何でしょうか。MOCAやっぱり「才能」じゃないですかね。Roverおい!違うやろ(笑)。(取材日の前日に)メットライフドームで行われた「西武ライオンズ対日本ハム戦」の試合後に、ライブやったんですよ。いま、西武ライオンズ選手会長の増田達至っていう投手がいて、同い年なんですけど、僕らが知ってる限りでは、初めて僕らの曲を使ってくれたのはその増田投手。それで元広島東洋カープ(現在MLB・ロサンゼルス・ドジャース)の前田健太投手が『SING SING SING 2』のときに僕らのことをブログに書いてくださって、連絡を取って始球式に行って、オリジナルバージョンを作るっていうことがあったんです。アッパーチューンを使ってくれる方もいたり、落ち着いた曲や鼓舞される曲を使ってくれる方もいたり。ぼくらは曲を出したらもう、その人のものになっちゃうんで、野球選手に使用される理由は正直、わからないです。ーーでは、音楽活動以外のこととして、おふたりが好きな女性のタイプを教えてください。MOCA昔はギャルが好きやったんですけど、“昇天ペガサスMIX盛り”みたいな。年取ってからはNikiさんみたいなハーフ顔が好きだけど、川栄李奈さんも佐々木希さんも、デーモン小暮さんもかわいいと思いますし! でも、嫁が一番です!絶対それ書いといてください。小遣い制でやらせてもらっています。(笑)ーー(笑)。わかりました、Roverさんは。Rover吉田羊さんみたいな人がいいですね。年上も、見た目も、容姿も、性格的なところも。安藤サクラさんも好きです。ああいうちょっとこう、天才がかった人がめっちゃ好きですね。あとはムッシュかまやつさん。あ、男か!目指すは甲子園球場と京セラドームでのライブーー今後はどのようなベリーグッドマンを目指していますか。MOCA規模的にでかいとこでライブやりたいっていうのがあって。希望をどんどん口に出して、夢を実現することで、お客さんが勇気をもらうところもあると思うんです。甲子園球場でライブをやりたいっていうのと、人間的にどんだけ成長できるかっていうのが、自分たちの音楽人生の息の長さでもあるかなあと思っています。Roverぼくたち「ベリーグッドマン」と言っているんで、ベリーグッドなおにいちゃんたちからおやじになっても、ぼくたち「ベリーグッドなおやじになろうぜ」って。京セラドームでもライブをやりたいし、甲子園球場もやりたいし、「大阪、関西に恩返しする」という気持ちでやっているのが勝手に全国に飛び出ていってるんです。(元高校球児のMOCAさんが)野球で叶わなかった夢を、音楽でメジャーデビューしてがんばりますと言ったのも、ひとつの着地点は甲子園球場。甲子園球場、京セラドームでのライブを目指したいです。ーーやっぱり“ライブ”に一番の目標を置くというのは、お客さんに歌をしっかり届けたいという思いが強いのでしょうか。MOCAそうですね、ライブはやっぱり嘘をつけないですから。CDってある種ちょっとごまかせたりとかするんですけれど、自分たちも一番うれしいのは、ライブを観て「めっちゃ良かった」と言われること。「ほんまのパッションがちゃんと伝わってんねや」というのが再確認できる瞬間なので、ライブのほうがいいと言われるのがいちばんうれしいです。Roverうれしいですね。取材後記時にお笑い芸人のように笑いをちりばめながらも、しっかりと音楽へ向き合う熱い気持ちを語ってくれたRoverさんとMOCAさん。ベリーグッドマンが三者三様のハーモニーを響かせる楽曲は、アスリートを含む多くの人たちのもとへと届いています。まずはニュー・アルバムをチェックしてみてくださいね。ベリーグッドマン PROFILE2013年11月に結成された、Rover(Vo・G・Trumpet)、MOCA(Vo・MC)、HiDEX(Vo・TrackMaker・Pianoforte・G・Percussion)からなる大阪出身の3人組ボーカルユニット。2016年3月「ありがとう〜旅立ちの声〜」でメジャーデビュー。2019年1月には大阪城ホールでのライブが即日ソールドアウト。5月から7月に開催した全国ホールツアーもソールドアウト会場が続出。現在、Osaka Metroとコラボした5駅10箇所で9月30日まで期間限定のキャンペーンを展開中。9月は大阪・ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでの初野外ワンマンライブも開催する。InformationNew Release『SING SING SING 7』1.イントロ 72.スタートライン3.夢のまた夢4.My Line5.大丈夫6.Good Day7.Happy 78.とにかくこの瞬間だけはぐっすり眠るために爪弾きたくて9.線香花火10.Secret Drive発売中(通常盤)UPCH-2187¥ 2,700
2019年08月02日「14ひきのシリーズ」(童心社)でおなじみの、人気絵本作家のいわむらかずおさん。いわむらさんが、子どもたちに「絵本」と「自然」を同時に楽しんでもらいたいという想いで開設した「いわむらかずお絵本の丘美術館」を知っていますか?栃木県那須郡那珂川町の雄大な自然の中に佇む美術館で、その周辺には作品の舞台となる里山の自然が楽しめるフィールドが広がっています。その名も「えほんの丘」。今回は、えほんの丘に込めた想いを、美術館館長・絵本作家のいわむらかずおさんにうかがいました。自然の中で暮らす生きものたちを描く私は1970年に絵本作家として仕事を始めました。その5年後の1975年に、東京を引き払うことにしたんです。「14ひきのシリーズ」のような、自然の中で暮らす生きものたちが主人公の絵本を作ろうという発想が生まれたんですね。そのためには、作者である私自身も、主人公たちと同じように家族と自然の中で生活しながら、描いていこうと考えたんです。そこで栃木県の益子町に移り住み、雑木林の中に家を建てて、家族と暮らしながら創作をしてきました。作品を見ればわかるように、周りの自然をよく見ながら描いていく、そういう仕事をしてきたわけなんですね。「絵本・自然・こども」がテーマの美術館ここで創作を始めた当初は、雑木林で子どもたちが遊んでいる姿がよく見られました。でも、1980年代後半から1990年代にかけて、自然の中から子どもの姿がだんだん消えていったんです。子どもたちが自然体験から離れていくことが心配になり、家族と話をしているうちに、自然の中に美術館を作ろう、と考えるようになりました。街ではなくて、自然の中にある美術館。キーワードは「絵本・自然・こども」。そんな、広いフィールドや農場のある絵本美術館を作ることにしたわけです。1993年に計画を立て始め、5年の準備期間を経て、1998年に「いわむらかずお絵本の丘美術館」が開館しました。絵本作家として、今までは栃木県益子町の住まいの周りをイメージしながら描いてきましたけれども、今度はそのフィールドを北に40kmくらい広げて、美術館の周りの自然を舞台にしながら、さらに創作を続けようと考えたわけです。「えほんの丘」のフィールドから生まれた作品たち読み物が主体となる『ゆうひの丘のなかま』(理論社)のシリーズは、物語の舞台が、えほんの丘のフィールドの中に具体的にあるんです。例えば、うさぎと野ネズミが会って話した場所はあの坂を登った上だよ、というのが、全部あるんですね。『ふうとはな』(童心社)も、美術館周辺で野うさぎの赤ちゃんと出会ったことがきっかけで、イメージが広がったシリーズです。「14ひきのシリーズ」(童心社)に出てくるとっくんのトラックをモチーフに描いている『とっくんトラック』(ひさかたチャイルド)も、えほんの丘で生まれた作品ですね。こんなふうに、えほんの丘をフィールドとして、そこから生まれてきた絵本はたくさんあります。えほんの丘は、遊具もなく、草はらと雑木林と農場が広がっているだけの場所。そこに興味がわかない人には、おもしろくもなんともないかもしれません。でも、私の作品と一緒に周りの自然を歩くことで、伝わるものがあるんじゃないでしょうか。自然に絵本の世界を重ねることでイメージが広がる作品の舞台となる場所を訪れ、作品に描かれていることを体験することで、絵本の世界がふくらむでしょう。フィールドの自然に、物語が重なってくることで、イメージが広がりますね。すごくふくよかな、奥行きのある自然に感じられるはずです。『14ひきのとんぼいけ』(童心社)の舞台となったとんぼ池も、ただのため池があるわけではないんです。もちろん、ただのため池が存在するだけでも価値はあるんですけれども(笑)。ため池に絵本のお話を重ねることで、作品の主人公であるねずみの子どもたちが、いかだで漕ぎ出していった様子が、ありありとイメージできるようになるんですね。フィールドの自然と絵本を味わう「朗読とおはなし会」美術館では、毎月2回「朗読とおはなし会」を行なっています。おはなし会では、季節の自然の中での植物の営みや生きものたちの様子について話をしています。その日の午前中、えほんの丘を自分で歩いて、いろんなものを見つけてくるんです。例えば、今の時期は外をちょっと回っただけでも10種類以上の木の実が見つかりますから、それを少し取ってきて、ひとつひとつ見せるだけで、おもしろい話ができます。その後、木の実が出てくる絵本を読むんです。カエルの卵を見せたあと、それが登場する『14ひきのぴくにっく』(童心社)を読んだこともありますね。こんなふうに、まずフィールドの話をして、それとつながるような作品を読む、ということを主にやっています。その季節のフィールドの話をすれば、何かの絵本とつながりますからね。そうすると、絵本と自然が結びつくでしょ。絵本の舞台になった場所があり、絵本が生まれた背景を作者の肉声で聞くことができる。読み手と聞き手の間に、特別な関係が生まれてくる。それは価値のあることだと思います。自分で言うのは変だけれども、今なら作者が生きていて、来てくだされば会えますからね(笑)。たくさんの生きものと出会う体験をしてほしい「14ひきのシリーズ」は1983年から描き始めたから、もう35年になります。35年もたつと、描きはじめた頃に読んでくれた子どもたちの多くは、お母さん、お父さんになっているんです。最近は美術館を訪れる人たちの中にもそういう読者がたくさんいて、作者としては本当に嬉しいことです。子どもを連れてきたお母さんが「小さいときに大好きだったんです」と言って、ところどころ破れ、カバーもなくなった、ボロボロの絵本を大事に持ってきて見せてくれることもあって。子どもが主たる読者である、絵本ならではのことですよね。こんな田舎に、たくさんの方々が来てくださること自体が、すごいことなんです。本当に読者の方たちに支えられて、ここまでこれました。そんな読者の皆さんに、せめて少しはお返しができたら、という思いで、活動を続けています。子どもたちには、もっともっと、自然体験をしてほしいですね。フィールドの自然の中で、たくさんの生きものたちと出会ってほしい。そう願っています。【プロフィール】いわむら かずお1939年東京生まれ。東京芸術大学工芸科卒。主な作品に『14ひきのあさごはん』(絵本にっぽん賞)など「14ひき」シリーズ、エリック・カールとの合作絵本『どこへいくの?To See My Friend!』(童心社)、『ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ』(偕成社/サンケイ児童出版文化賞)、『かんがえるカエルくん』(福音館書店/講談社出版文化賞絵本賞)、「トガリ山のぼうけん」シリーズ、「ゆうひの丘のなかま」シリーズ(理論社)などがある。98年栃木県馬頭町(現・那珂川町)に「いわむらかずお絵本の丘美術館」を開館、絵本・自然・こどもをテーマに活動を続けている。
2019年07月25日テレビの立ち位置が以前と変わってきた中で、ブレイクスルーしそうな若手のつくり手とは?幅広い番組を愛する“テレビっ子”である、てれびのスキマさんに注目の3人を紹介してもらいました。テレビ業界に風穴をあけるのは、新しい視点を持つ制作者たち。「この3人は、これまでの制作者が持っていない新しい目線を持っている人たち。例えば芦田さんはマスに届かせるための考え方が新しい。貴島さんは、男性同士の恋愛というセンシティブなテーマを掲げたドラマを作ったのですが、そこにマイノリティに対する優しい目線があった。千葉さんは、入社2年目で経験がほぼないことから、斬新な視点で企画を立てられた。彼らがこの先どんな番組を作るのか、とても楽しみです」(ライター・てれびのスキマさん)注目のお三方をご紹介!“みんなにとっていい番組”を目指さない…そこが新しい。芦田太郎テレ朝のバラエティは、現在30 代前半の制作陣が非常に活躍しているのですが、その中でも特に注目をしているのが芦田さん。代表番組の『あいつ今何してる?』は、ゲスト以外は知らない無名の“あいつ”をメインに据える番組なのですが、ゲストというフィルターを通すことで、視聴者に興味をもたせているのがすごいと思う。しかも出演したゲストの多くが「自分にとって最高の番組だった」と絶賛しているそう。みんなにとっていい番組を目指さず、ゲスト1人に深く刺さる番組を作るというスタンスがとても新しい。しかも、見ている視聴者も自然と感情移入し、前のめりになってしまう。すごい手腕です。芦田太郎テレビ朝日総合編成局第1制作部勤務。1985年生まれ。『ナニコレ珍百景』『関ジャニの仕分け∞』などでADを務め、演出として『8時だJ』『妄想不動産』を手がける。『あいつ今何してる?』ゲストの学生時代の同級生など、なつかしの“あいつ”は、今大人になって、どのように生活しているのか…。それを番組が徹底リサーチする思い出バラエティ番組。毎週水曜19:00~、テレビ朝日系で放送中。シリアスな内容も、優しい目線で描き、エンタメに。貴島彩理貴島さんがこれまで手がけた作品はいずれもオリジナル。原作モノ全盛の時代に、オリジナルの企画を通すことはそれだけで相当すごい。その一方で、どの作品もどこか“マンガ的”なのは、今の視聴者に受け入れられる作風をよく掴んでいることの表れである気がします。貴島さんの作品に共通するのは、マイノリティや弱い人たちへの温かい目線。それがあるから、センシティブなテーマでも楽しいエンタメに仕上がるのでは。ドラマ部に来る前、バラエティ制作の経験があるそうで、おもしろいことは出し惜しみしないという、バラエティのメソッドが生かされているところも見ていて飽きない理由の一つだと思います。貴島彩理テレビ朝日ドラマ制作部プロデューサー。1990年生まれ。バラエティ部を経てドラマ部へ異動。『オトナ高校』や、『私のおじさん~WATAOJI~』を担当。『おっさんずラブ』「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」など、数多くの賞を受賞した、‘18年の話題作。モテない33歳の春田(田中圭)が、会社の上司と後輩、2人の同性に告白される。8月23日には、ドラマの続編となる映画版が公開予定。©テレビ朝日入社2年目で番組制作! クイズバラエティの革命児。千葉悠矢社内プレゼンで認められ、入社わずか2年目に年末特番で『99人の壁』を制作。その後2度の特番を経て、土曜のゴールデンレギュラーを勝ち取った千葉さん。その経緯だけでもすごいですが、視聴者参加型クイズ番組が瀕死の中、素人を100人集め、1人対99人という構造で番組を作ったこと、ゴールデンになってもあくまでも主役は一般参加の出場者というスタンスを崩さない、そんな頑固なところも頼もしいと思います。実はクイズ番組って、予算も手間も非常にかかるのですが、そのあたりを知らないからこそ、こういった大胆な企画を思いついたのかな、と。ぜひゴリゴリのお笑い番組を作ってほしいです。千葉悠矢フジテレビディレクター。『RIZIN』『久保みねヒャダこじらせナイト』などでADを担当し、『白昼夢』でディレクターデビュー。製作者だけでなくタレントからも支持が高い。『超逆境クイズバトル!! 99人の壁』一般人、著名人を含む100人の中から選ばれた1人の挑戦者が、残りの99人を相手に、自分の得意ジャンルでクイズに挑戦。5問連続正解で賞金100万円を獲得できる。次回は6月29日(土)19:00よりフジテレビ系にて放送!識者・てれびのスキマさんライター。雑誌やウェブ媒体などで、テレビやお笑いに関する文章を多数執筆。著書に『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮新書)、『売れるには理由がある』(太田出版)など。週刊文春などで連載も。※『anan』2019年7月3日号より。写真・内山めぐみ取材、文・河野友紀(by anan編集部)
2019年07月01日6月24日、お笑い芸人のたむらけんじ(46)と月亭方正(51)が関西のニュース番組「ミント!」(MBS毎日放送)に出演。雨上がり決死隊・宮迫博之(49)らの謹慎処分についてコメントした。発端は写真週刊誌「フライデー」が7日に「宮迫ら人気芸人が事務所を通さず、振り込め詐欺集団の忘年会に参加した」と報道したことだった。同誌の直撃に宮迫は「反社会的勢力とは知らなかった、ギャラはもらっていない」と弁明していた。だが24日、吉本興業は公式ホームページで宮迫ら11名の芸人を「本日をもって、当面の間、活動を停止し、謹慎処分とする旨を決定致しました」と発表。芸人らが否定していたギャラの受け取りについては「弊社が、複数回にわたり、該当タレントへのヒアリングや各自の記憶の整理、確認を丁寧に行った結果、(中略)、一定の金銭を受領していたことが認められました」と撤回した。たむらは宮迫が直撃を受けた3~4日後に直接話を聞いたと明かし、「『反社会的勢力だと直撃されて初めて知った』と聞いた。正直に『お金もらってしまってた。でも反社会的勢力とは知らなかった』と言っておけば、ここまで大きくはならなかったと思う」とコメント。涙を流し、こう続けた。「『お金をもらってないと嘘ついてた』ってなると、世間の皆さんは『じゃあ反社会的勢力って知ってたんじゃないですか』と、そこまで疑われてしまう。やっぱり嘘ってほころびを生む。なんで最初に言えなかったのかっていうのが、本当に悔しい」また方正は「人間嘘ついたら絶対あかん。11人をよく知っているけど、反社会的勢力と知らなかったというのは、絶対本当やと思う。嘘をついたこと、周りに迷惑をかけたことは本当に反省してほしい」と冷静にコメント。「今言うことではないですが」と前置きしつつ、「また戻ってきてほしい。先輩としてできる限り応援はしようと思っています」と語った。また、たむらは芸人と反社会的勢力の関係について「吉本はコンプライアンスの冊子を配って研修もし、定期的に楽屋にきて確認もしている。トラブルがあれば連絡できる24時間ホットラインもある。反社会的勢力だとわかっていたら絶対に仕事は受けない。いくらお金がもらえてもリスクが大きすぎる。芸人みんな行かないです」と強調した。
2019年06月24日あなたのご家庭でのパパの存在ってどういうものですか? わが家の子どもたちは典型的なパパ大好きっ子です。私はそんなふうに育ってくれてよかったと思っています。今回はそんなわが家でのパパと子どもたちの様子をお伝えします。 「パパおかえりー!」の癒し効果がすごい3人の子どもたちがいるわが家は、日中によくママ争奪戦が勃発します。ママにとってこれほどうれしいことはありませんが、そこにパパが帰ってくるとパパ大好きっ子たちは「おかえりー!」と言って一斉にパパのほうに走っていってしまいます。 「あれ? ママは~?」と少しさみしい気持ちにもなりますが、パパの顔を見るとうれしそうにニコニコしています。そんな姿を見て、私も癒されています。パパにとっても、仕事で疲れたときの子どもたちの熱烈なお迎えは癒し効果バツグンのようです。 意外な効果!? トイレトレーニングが進んだ!「パパ大好きっ子でよかった!」と私が強く思ったのは、息子のトイレトレーニングでした。失敗続きでトイレに行くのも億劫になっていたころ、「じょうずにできるようになったら、パパと○○くんでお出かけするってパパが言ってたよ」と息子に言うと、進んでトイレに行くようになったのです。 パパからの特別扱いは、子どもにとって本当に特別なことのようです。パパの存在の大きさを実感しました。 パパ大好きっ子の秘訣「パパを悪者にしないこと」子どもたちがパパのことをもっと好きになるには、子どもたちの前でママがパパの悪口を言わないことが大切だと思います。 ママ友との会話などでついついパパのグチを言ってしまいがちですよね。しかし、ちょっとしたグチでも子どもにとったら悪口に聞こえてしまい、ママがパパのことをあまり好きではないと捉えてしまうかもしれません。私は、パパへの感謝を子どもたちにも言葉で伝えるようにしています。 子どもたちがパパのことも大好きだと、パパもうれしいうえに、ママも楽しくなると思います。パパ大好きっ子になってもらうために、まずは子どもたちの前でママからパパへ感謝を伝えることから始めてみるのもいいかもしれませんね。 イラスト:sawawa著者:山野美由紀二男一女の母。出産を機に、プログラマーを退職。現在は妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2019年06月22日どうもあかりです。もし今、あなたが大好きな彼の「彼女」ポジションを見事ゲットしているのなら、容赦なく、無慈悲に、彼に「ぶりっ子」を仕掛けまくってほしいと思います。彼女なのに、自分がモテるわけではないことを理由に「私なんか」と考えるのは損でしかありません。恋人同士であれば、あなたは絶対に「かわいい」のです。そうじゃなければ彼はあなたと付き合っていないです。そして自分が「かわいい」と感じる女性のする「ぶりっ子」は、男性にとって、「ぶりっ子してやがる」とわかりつつ、それでも抵抗できず、キュンとしてしまうもの。今日は、ぜひあなたの彼氏に仕掛けてみてほしい、彼女だからこそできる最高の「ぶりっ子」をご紹介です。■両手を広げてハグ&キスのおねだり彼の正面に立ち、笑顔で、両手をバッと広げましょう。これだけで「ハグからのチューして!」というメッセージが伝わるぶりっ子ですね。次にご紹介するのもそうですが「キュン」とするぶりっ子には、「言葉より、ニュアンスで伝える」がカギだと思います。たしかに彼氏に「ねえ、ハグして!」って言われるよりも、この仕草で誘われる方がなんか「コノヤロウ☆」って気分になりそうです。■ベッドに入って「ここどうぞ」おうちデートをしていて「あぁ、彼と一緒にベッドの中でイチャイチャしたい」な気分になったときには、「一緒にベッド入ろ?」とストレートに誘うより、何も言わず伝えずただただ先にベッドに一人で入っていつか彼がベッドインしてくれるのを待ち続けるよりも、お布団をヒラッと広げて、「ここ、空いてますよここどうぞ?」という感じで彼を誘い入れるのが一番かわいいと思います。あえて無言で誘われているところが彼には意味深で「今ベッドに入ったら、なにかエッチなことでも始まるんじゃないか・・・・・・?」という予感がするので、ドキッとするのです。■典型的な「ひ弱」アピールまだ付き合ってもいないのに「私、か弱い子」アピールをするのは相当イタいと思うのですが、付き合ったあとなら、こういったか弱い子アピールは次から次へやってみるべきです。ビンのふたが開かない、重くて持てない、疲れてもう歩けない。そういうときに、「ねえ、手伝ってよ!」とイライラした感じで伝えるのではなく、「ああもうダメだー!」と、露骨に絶望感と悲壮感が溢れる感じで言うのがコツです。そうすると笑いながら彼は助けてくれるはずです。■「ちょいエロ」は彼女だからこそさりげなく「エロ」を醸し出し、彼をムラっとさせることができるぶりっ子は、まさに彼女だからこそなものだと言えるでしょう。バスタイムにバスタブのヘリに脚をかけて芸能人っぽく撮った写真や、谷間がチラッと見える自撮りを彼に送るとか。ちょっと恥ずかしいという人もいるかもしれませんが、さきほど書いたように、彼にとって彼女は「かわいい」のです。そんな遠慮はそもそも無用です。もちろん自撮りに限らず、対面でも、腕に巻き付いて胸を押し付けたり、髪を上げてうなじを見せたり、胸元がゆるっとした服を着て前かがみになったり「ちょいエロ」なぶりっ子はいくらでも思いつきますね。■「あーん」のおねだりレストランで一緒にご飯を食べているときにぜひ仕掛けてほしいぶりっ子が「あーん」です。目を閉じて、口を少し開いて、身体を少し前に突き出すやつです。「あーん」はカップルがレストランでできる最強のイチャイチャ。そしてそれを彼女の方からしてあげることで、「イチャイチャしたい♡」という気持ち伝わります。何も特別な意味はない、仕草ですが「かわいい」と思ってもらえる鉄板のぶりっ子かわいこであると自信を持って言えます。せっかくなら、デート後に「あの瞬間の彼女、かわいかったぁ」と彼が思わずニヤニヤと思い出してしまうようなシーンをたくさん作りたいですよね。そのためには、ただ漫然と過ごすだけじゃなくて、今回紹介したような仕草をつかって容赦なく彼に「私、かわいいでしょ?」を仕掛けていきましょう。あなたの「ぶりっ子」がふたりにとって、かけがえのない時間をつくるきっかけになるかもしれません。(遣水あかり/ライター)関連記事 : お泊りデートで早起きしたら彼女としたいこと(ハウコレ編集部)
2019年06月10日ストックホルム発のユニセックスジュエリーブランド「オール ブルース(ALL BLUES)」による“飛行機の窓”モチーフのイヤリング「エアプレイン ウィンドウ(Airplane Window)」を紹介。「オール ブルース」のジュエリーは、リサイクルされたスターリングシルバー又は18カラットのゴールドを使って、ストックホルムの職人達が手作業で作り上げている。ミニマルなデザインながらも、コンセプトのある独創的なデザインが特徴だ。“飛行機の窓”をモチーフにしたイヤリング「エアプレイン ウィンドウ」は、シルバーフレームの内側の美しいグラデーションによって、窓の外に広がる景色を表現。青空の"ブルースカイ"、夕焼けの"サンセット"、薄暗い"ナイト"といった3種のカラーバリエーションが用意されている。蛇の生態からインスピレーションを得てデザインされた「スネーク(Snake)」コレクションにも注目。獲物を飲み込むとお腹がふっくらと膨らんでしまう蛇の姿から着想したユニークなフォルムのイヤリングやリングが用意されている。【詳細】オール ブルース 新作ジュエリー■エアプレイン ウィンドウ発売中 ※2019年5月現在販売店舗:ビオトープ価格:Earrings – Airplane Window 各53,000円+税■スネーク発売中 ※2019年5月現在販売店舗:ビオトープ、伊勢丹、トゥモローランド(TOMORROWLAND)、デプレ(DES PRÉS)、インターナショナルギャラリー ビームス、エイチ ビューティ&ユース・Earrings – Hungry Snake – Silver – Polished – 1 38,000円+税・Ring – Fat Snake – Vermeil – Polished – 1 29,000円+税【問い合わせ先】エドストローム オフィスTEL:03-6427-5901
2019年05月24日はじめまして! ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。今回から、【ママライフばんざい!】というコラム連載を始めさせていただくことになりました。わが家は13歳年下の夫と愛する子どもとの3人家族です ママとして奮闘しながら、生活の中で気づいたアレコレを情報収集。すべてのママへのエールを込めて、そしていずれママになる女性への前情報として、ママライフに役立つお話をお届けしていきたいと思います。初回は、人気100円ショップ『Seria(セリア)』の超便利アイテム5つをご紹介します!写真・かわむら あみり第1回目は、「100均の使ってトクする優秀アイテム5選」【ママライフばんざい!】vol. 1日常生活の中で、リーズナブルに購入できて、機能性の高い商品があると助かりますよね。さらに見た目もすてきなものだったら、なおさら欲しくなってしまうものです。第1回目は、100円ショップの中でもおしゃれなものが豊富な『Seria(セリア)』で見つけた、便利なアイテム5つをご紹介します。1. ランドリーバスケット写真上:ランドリーバスケットをたたんだ状態/写真下:物を収納した状態(左はL・右はM)上の写真は、「ランドリーバスケット」です。グレーとホワイトの2色があって、それぞれL(高さ約44cm×横40cm×奥行き25cm)とM(高さ約40cm×横30cm×奥行き20cm)の2サイズがあります。軽くて強いポリプロピレン材質のこの紙袋は、“洗濯かご”という名の通り、洗濯物を入れるのに最適。それに、部屋にもなじむデザインなので、洗濯物以外のものを入れることにも役立ちます。部屋の中でちらかってしまった洋服や小物などをサッと収納したり、子どものおもちゃを入れておいたりするのにも便利。トイレットペーパーや毎日溜まる新聞、掃除道具や食料品なども、ランドリーバスケットに収納しておけば、部屋がスッキリと片付きます。ばらばらになったものをとりあえずランドリーバスケットに入れておけば、見た目はおしゃれに整います。また、ランドリーバスケットの横の部分(両脇)には取っ手もついているので、持ち運びもしやすいアイテム。写真上のように、たたむととっても薄くなるので、置き場所もとりません。2. インデックス付きフリーザーバッグ写真上:インデックス付きフリーザーバッグ モノトーン(上がM・下がS)/写真下中身。各3色次にご紹介するのは、「インデックス付きフリーザーバッグ モノトーン」です。S(ジッパー下:縦14cm×横16cm)とM(ジッパー下:縦18cm×横22cm)の2サイズがあります。それぞれホワイト、グレー、ブラックの3色があって、Sサイズは12枚入り(3色×4枚)、Mサイズは9枚入り(3色×3枚)です。これまであったフリーザーバッグだと、中身や日付を書くのに袋の表面にしか書けませんでしたが、こちらは表面とインデックス部分の両方に書き込みスペースがあります。重ねて冷凍していると、インデックス部分でパッと見て取り出せますし、色によって使い分けすることもできますよね。冷凍・冷蔵・電子レンジでの解凍もできます。モノトーンでシンプルな作りなので、食材以外にも、バラバラになりがちなヘアゴムやお薬入れなどにも代用可能。子どもがお絵描きした用紙を保管しておくこともできますし、お風呂で遊ぶおもちゃをまとめて入れておくのにも便利です。3. カンタン!! かわいいおにぎりデコパック写真上:左はおにぎりデコパックのアニマル柄・右はサッカーボール柄/写真下中身。各3種類次は「おにぎりデコパック」です。ごはんをにぎって、このおにぎりフィルムに入れ、付属のシールでとめるだけで、カンタンにおにぎりが彩られます。アニマル柄(三角型)はピンクのウサギ・パンダ・茶色のクマ、サッカーボール柄(丸型)はブラック×ホワイト・レッド×ホワイト・ブルー×ホワイトのそれぞれ3種類です。ほかに英字新聞の柄(三角型)もありました。まるでコンビニエンスストアで販売されているおにぎりのように、食べるときは左右にあるOPENマークをひっぱるだけで、手を汚さずに食べられてとっても衛生的。袋には、おにぎりの具を書く表記スペースもありますから、中身がわからなくて迷うこともありません。子どものおやつやお弁当におにぎりを入れるときは、このデコパックを使ってみると、きっと喜んでくれるでしょう。子どもに限らず大人でも、お弁当や彼氏への差し入れなどに、ときどき使ってみるのも手。また、クッキーやフルーツなどを小分けにしたいときも、このデコパックを活用できます。まわりにお菓子を配りたいとき、デコパックに入れて配布するのもいいかもしれませんね。4. さまざまな柄のアルミホイル写真上:パンダ柄アルミホイル、星屑 デザインアルミホイル/写真下中身。広げるとこんなにキュート次は「アルミホイル」です。夜空にきらめくゴールドの星たちがおしゃれな「星屑 デザインアルミホイル」、(アンアンといえばおなじみの)パンダのイラストがかわいい「パンダ柄アルミホイル」(どちらも幅約20cm×長さ2m)。ほかにもフルーツ柄や英字のメッセージ柄などもありました。お料理するのが楽しくなるような柄ですし、サンドイッチやパンをこのアルミホイルで包んでお弁当にすれば、容器がなくてもチャーミングに仕上がります。また、ランチョンマットがわりに敷くと、おかずがこぼれてもそのまままるめてポイっと捨てられて便利。キッチンや部屋の中でも、汚れたら困る場所や目隠しに、このアルミホイルを使えばおしゃれにデコレーションできますよ。5. ちいさくてかわいいLEDのランタン写真上:LED ミニランタン アウトドアの箱/写真下中身。暗いところでもしっかり光ります次は「LED ミニランタン アウトドア」(テスト用ボタン電池(LR1130)3個付き)です。レッドとグリーンの2色があります。持ち手を含めた高さが約11cm、ランプのカサの直径が7cm・底の直径が5cmと、手のひらに乗るくらいコンパクト。“アウトドア”と名がつくくらいですから、もちろんキャンプで使用できます。底についているスイッチを入れると、LEDランプがやさしく光って、いい感じです。使用状況にもよりますが、連続使用は約48時間可能です。アウトドア以外にも、部屋の中のインテリアにもなるデザインですよね。ちょっとしたベッドサイドランプにも使えますし、夜に子どもがトイレに行くときに、通路に点在させておくのもいいかもしれません。また、夕方以降に夜道を歩くときは、バッグにひとつ入れておいても軽いのでじゃまになりません。優秀アイテム5選をお届けしましたが、すべて¥100(税別)というところが、なんともスゴいですよね! プチプライスで生活に便利なアイテムは、今後もママライフを助けてくれそうです※2019年4月時点購入情報。時期や店舗により商品の有無はかわることがあります。©PeopleImages/Gettyimages
2019年04月14日かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第2回は、ある程度の年齢になったシングル・ガールが洗礼を受けるシチュエーションのひとつ “地元の既婚友だち” とのエピソードや「結婚しなさい」と迫ってくる “親の存在” についてお届けします。文・かわむら あみり独身には劇薬!? 帰省すると会うポイズン友だち&親【結婚引き寄せ隊】vol. 2進学や就職のために、生まれた土地を離れて暮らす選択をして、とくに大阪や東京といった都会に移り住み、学校生活や社会人生活を送っている人は少なくないでしょう。わたしもそのひとりです。地元で音楽ライターとしてお仕事させていただいてから、次は編集者として研鑽したいと望み、就職先を決めて上京。独身時代は目標を達成するためにまい進していました。仕事をしていると楽あれば苦ありといったところでしたが、東京は独身にやさしいサービスがいっぱいあって、ひとりでいることになんの抵抗もなくなっていきました。話題のお店に行ったり、趣味にお金をかけたり、“自分で働いたお金を自分に使う” 楽しさと自由を満喫していたのです。ですが、30歳を過ぎた頃から、周りの状況は変わっていきました。だんだんと結婚する女友だちが増えていったのです。いまこのコラムを読んでくださっている独身のあなたは、多かれ少なかれ似たような経験をしたことがあるのかもしれませんね。では、そんな独身女性が経験しがちな帰省話とは。遊ぶ女ともだちが少なくなってくるそれはアラサーになったわたしが帰省しようとしたときのこと。東京に住んでいるため、地元の大阪に帰るときは、昔なじみの女ともだちに連絡を入れるのが常でした。上京するときには、仲の良い友だちが集まって “お別れパーティ” を開いてくれたくらい、熱い友情で結ばれていたわたしたち。ですが、年月を重ねていくにつれて、結婚していく人が続出。大阪だからまだ都会かと思いきや、東京に比べたら結婚する時期がはやいのです。それでも最初は結婚した友だち、独身の友だちに関係なく連絡をしていましたが、そのうち家庭のある人はなかなか外出できなくなってしまいました。とくに子どもがいる友だちは、一緒に遊ぶ機会が激減して、疎遠になっていくことも……。なんだかさびしさを感じたものです。会うたびに大きくなっている友だちの子どもそれは帰省したときに、久しぶりに友だちと再会したときのこと。帰省の連絡を入れていた友だちのうち、すでに結婚してママになっていた友だちがいました。久しぶりに何人かで集まってお茶でもしようという話になると、「子どもも連れていっていい?」とその友だちから聞かれたので、もちろん即快諾。待ち合わせたお店に行くと、わたしと同じ独身仲間が笑顔で出迎えてくれました。親子で参加する予定の友だちは遅れてくるということで、しばらく昔話に花を咲かせていたそのとき、「遅れてごめん〜」と親子が登場。友だちが手をひいている子どもは、この間生まれたばかりだと思っていた赤ちゃん。なんともう歩いています。いや、生まれたのは何年か前だったかも? あれ、そういえば今何歳になったんだっけ?? わたしの頭の中では、その子にまつわる数少ない情報を処理するために、猛スピードで頭の中の思い出の箱が次々に開いていました。独身で会社と家を往復する毎日を送っていたわたしは、仕事で成長できることがあると喜んでいましたが、そんな気持ちが吹き飛ぶほど、目に見えて違いがわかりすぎる友だちの子どもの成長ぶりにビックリ。わたしが仕事しかしていないときに、この子はどんどん大きくなって、人間として世の中を知っていくのか……そう思うと、軽くめまいがしました。有言不言にかかわらず結婚してほしい親結婚適齢期になっても結婚の “け” の字も見えないわが子を案じる親は多いですよね。友だちのうち何人かは、独身が長引くにつれて、地元にいる親から「誰かいい人いるの?」とか、「いつまでも遊んでないで帰ってきなさい」といった言葉を投げかけられていました。そんな親の言葉に耳を貸さない(貸していても実際にいい人がいない)場合、帰省するとあんまり楽しくない事態が待っています。それは “はやく結婚して” 攻撃です。帰省するたびにお見合い写真を用意されているという友だち、いい人がいないか親が知り合いに相談しまくっていたという友だちなど、都会で暮らすわが子の独身生活を断ち切ってほしい親心が、ズッシリと肩にのしかかってくるのです。わが家の場合は、わたしが楽しく暮らしているならいいという考えのようで、“結婚して攻撃” はなかったのですが、だからこそそっとしておいてくれる親を安心させなくてはと思っていました(でもそう思ったのは35歳すぎてからという事実)。直接口にしてもしなくても、親は子どもの今後について、気にかけていることには違いありません。結婚して子を持つ親になったいまは、自分の親のことや親子連れでお茶に来た友だちのことなど、未婚・既婚の両方の立場が理解できるようになりました。ですが、独身時代に結婚について切羽詰まっているときは、帰省するたびに独身でいることを考えさせられることもしばしば。そういったときにはまるで体にじわりじわりと浸透していく“毒”のように、友だちや親のことを感じてしまうことも。そんな気持ちを自分で受け入れて、焦りや悔しさをバネにして、理想の結婚相手をつかみとるパワーへと変えていけるといいですよね。©Mixmike/Gettyimages©Vadim_Key/Gettyimages©fizkes/Gettyimages©Deagreez/Gettyimages
2019年04月10日はじめまして! ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。今回から、【結婚引き寄せ隊】というコラム連載を始めさせていただくことになりました。わたしは独身時代に紹介・合コン・ネット婚活(婚活サイト)・婚活パーティ・結婚相談所ほか、さまざまな婚活を遂行し結婚。独身女性を応援するべく、幸せな恋愛や結婚を呼ぶ “引き寄せ隊長” として、実体験などからお話をお届けしていきたいと思います。まさかの展開……婚活で遭遇したありえない男性3選!!【結婚引き寄せ隊】vol.1「結婚したい」と思ったとき、最愛の彼氏がそばにいるなら話は早いもの。ですが、なかなか自分の思うように人生が展開していくとは限りませんよね。結婚適齢期とされる年齢は、厚生労働省「人口動態統計」によると、2016年の平均初婚年齢が女性は29.4歳・男性は31.1歳と、いわゆる“アラサー世代”。男女ともに未婚率が上昇し続けているのが現実です。だからこそ、いまではすっかり定着した結婚するための活動=婚活が、これほど巷で盛んになっているわけですね。わたしも独身時代、そんな婚活に勤しんだ身。もともと人づきあいもそれほど得意ではなく、恋愛もニガテなところがあって、人生をともにする相手を選ぶ “結婚” はさらにハードルが高いものでした。とはいえ、婚活マーケットではいろいろな種類の “相手探しの場” を提供しているので、それを試さない手はありません。わたしはあらゆる婚活を行い、山あり谷ありでした。じっとだまっていても結婚相手が目の前に現れる人は別ですが、そうではない人は行動して、ぜひすてきな結婚を引き寄せてくださいね。ただ、これから紹介するような男性には要注意ですよ。プロフィールがあやしい男性それはネット婚活(婚活サイト)で相手探しをしていたときのこと。人見知りなところがあるうえ、突然婚活パーティのような人のたくさんいる場所へ行くと、きっと緊張して話せないと思い、自宅でリラックスしながらひとりでできるネット婚活を試してみることにしました。いくつかのネット婚活を行ったことがあるのですが、どこの会社のものでも、「プロフィール」を入力することになります。名前、年齢、居住地、職業、趣味、婚姻歴……といった、男女ともに自分自身のことを知ってもらうための “釣り書き” です。そのなかで知り合った有名企業に勤める30代後半の男性とコンタクトを取り合い、実際に会うことになりました。待ち合わせは銀座。高級感あふれる大人の街です。そこに現れたのは、プロフィール写真同様に真面目そうな男性でした。「よく行く店があるんで」と言われ、案内されたお店は、けっこう庶民的なレストラン。デートで来るというよりも、友人同士でリーズナブルに飲むときに利用するようなイメージです。ガチガチのデート御用達の高級店より、庶民的なほうが緊張しないものの、あまり女扱いされていないのかなとちょっと気になりました。時間が経つにつれて、だんだんと饒舌になる男性。その一方で、わたしはどんどん疑いの目を持ちはじめます。なぜなら、事前にプロフィールに書かれていた内容と違うような話が多かったからです。例えば、「こんな大企業の営業職だと、お仕事お忙しいですよね?」とたずねると、「あっ!それね……プロフィールにはそう書いてあるけど、実はほとんど会社には行ってない。家で仕事してるからそんなに忙しくないんだ」とか。企業によってシステムが違うので一概には言えませんが、会社に行かないなど話を聞くほど、わたしの頭の中は謎だらけに。職業だけでなく、そのうち年齢や居住地もあやしさを増してきて、その後、この男性とは会うことはありませんでした。カラッポの財布を見せてくる男性ネット婚活で知り合った40代半ばの男性の場合。国内外に手を広げている会社に勤務する男性で、事前に「海外勤務から帰ってきたばかりで日本の女性と知り合う機会がほしいから」と、婚活サイトに登録した理由を聞いていました。わたしも「職場は女性ばかりで出会いがないんです」と伝えていて、何度かやりとりをしたあと、ちょうどそのとき観たいと思っていた映画が同じだったこともあり、映画を観に行くことになりました。当日。映画館の前に、アメリカ国旗をモチーフにしたデザイン性のある、高価そうな革ジャンを着てダメージジーンズを履いた “ちょいワル” テイストのその男性がいました。わたしは一応女性らしさを意識して、フェミニンな装いだったので、ふたりで歩くとなんともチグハグな印象。映画鑑賞後、「ランチでも行きましょう」と誘われ、食事へ。映画の感想を言い合っているうちに無難に食事が終わり、いざお会計になったとき、男性は突然椅子から立ち上がって、こう言ったのです。「あれ?今日、お金を用意してくるのを忘れたぁ」。とっさのことに目を丸くするわたしをよそに、ジーンズのお尻のポケットにねじこんでいた財布を取り出し、小銭も何も入ってない “カラッポ” の財布を見せてきます(映画のチケットは事前に支払っていたのでお金がいりませんでした)。しばらく放心状態になったわたしでしたが、瞬時に自身の身の上を悟り、2人分のお会計を支払いました。店を出たあと、男性は「お金なんで足りなかったのかなー」と言いながら、「あ、銀行のカードなら財布にあったなあ。先にお金をおろしておけばよかった」と発言。わたしは「じゃあ待ってますので、いまお金をおろしてきてくださっても大丈夫ですよ」と言うとビックリした顔で、しぶしぶ男性は銀行へ行きお金をおろして食事代の半額を渡してきました。いや、本当に貧乏でお金がなくても、好きになった人なら食事代くらい出すこともあるでしょう。でもね。自分より年上で高給取りなはずの男性が、今後結婚するかもしれない初対面の相手と会うときにお金がないと平気で発言して財布を見せてくるってそれ、なんだろうと。ひきつった笑顔を浮かべながら、しっかり食事代の半額を受け取りました。家についてこようとする男性婚活飲み会で知り合った30代前半の男性の場合。都内のある居酒屋で、少人数の飲み会が行われました。集まったのはほぼ30代の男女でしたが、たまたま隣に座った男性はお酒が好きらしくばんばん飲んでいます。ですが、そのわりにすぐ酔いがまわるようで、飲み会半ばでもうテンションマックスの状態に。年齢を聞くと、わたしより1歳だけ年下というわりに、やたら “弟感” を出し年下ぶって甘えてきます。内外ともに好みではなかったので甘えられてゾッとしたわたしは、「早く席替えしないかな」と思いながらその後の席替えでなんとか気持ちを整えて、ほかの参加者とおしゃべりしていました。お開きになり、それぞれ帰路へつこうと店を出たあとに、誰かが背後にいる気配を感じて振り向くと、その年下ぶる男性がニヤニヤしながら近づいてきます。後ずさりしながらも、もう帰るんだしと適当に話をしていましたが、いざホームへ向かおうとするとずっとついてきて「うち近いんだよね、寄って行きなよぉ」としなだれかかってきました。聞こえなかったフリをして、一目散にその場を離れたことは言うまでもありません。婚活をしていると、なかには驚くような男性に遭遇することもありますので、くれぐれもみなさんお気をつけて。©fizkes/Gettyimages©GeorgeRudy/Gettyimages©Evgeniy Skripnichenko/Gettyimages©AntonioGuillem/Gettyimages
2019年04月09日30人のパーティも余裕の大空間横浜の南向きの傾斜地に建つお宅は、大きな窓や吹き抜けが気持ちのいい開放感のある住まい。グレイエムさんが南アフリカ出身ということもあり、日本に来た時に住んだ小さな窓の集合住宅が、とても息苦しく感じたのだそう。「その反動から、大きな窓がたくさんあって、外に広がりを感じられる家は、夫のたっての希望でした。なので我が家の窓にはカーテンがほとんどありません(笑)」と奥様の理恵さん。部屋を仕切る壁もほとんどないので、内部空間が広々と感じられる。「冬に暖房効率を上げたい時など、必要な時にカーテンで仕切れるようにしています」玄関から続く土間は、一段高くなっているリビングの周囲をぐるりと回ることができる。広々としたキッチンは、30人も集まるというホームパーティのお客さんの受け入れ態勢も万全。「仕切りのない家なので、思い思いの場所でくつろいでいただけます」大人数のホームパーティも余裕で楽しめる広々としたキッチン。「鍋も洗える大型の食洗機は私の希望でつけていただきました」。庭のバーベキューコーナーへもキッチンから直行できる。土間をはさんだ反対側の部屋は壁にプロジェクターで映像を流し、ゴロゴロしながらくつろげる空間。階段の踊り場の下が収納になっている。吹き抜けを生かした明るい空間。玄関を入ると正面に庭に出られるガラスのドアがある。傾斜地に建つ家ならではの抜け感が気持ちいい。左側の収納の扉には鏡を張った。「姿見になりますし、部屋も広く見えます」モルタルの土間はリビングをグルリと回ることができる。行き止まりを作らないことで、空間が澱まないようにした。必要なものは楽しくDIYで大きな吹き抜けがあり、部屋を壁で区切っていないので、家のどこにいても家族の気配が感じられる。「1階にいて、2階で子どもが何をしているのかがわからないのが嫌だったので、できるだけ壁を作らないようにしました。もし子どもが成長して必要になれば、後から壁を作ることもできますし」と理恵さん。凛々子(りりこ)ちゃんのお部屋の家具や、壁の塗装など、DIYで仕上げた部分も多いのだそう。「海外での暮らしが長かったこともあり、自分で工夫してカスタムする習慣が身につきました。たとえばダイニングのスツールは980円のものを買ってきて、テープを巻いて座面にカバーをかけました」凛々子ちゃんのお部屋は、吹き抜けの渡り廊下の先。空間を柔らかにカーテンで区切っている。吹き抜けにある照明器具はIKEAで。IKEAのフレームつきのベッドにふんわりとレースをかけて、お姫様気分のベッドルームのできあがり。「淡いグレーの壁は自分たちで塗りました」壁や扉がない凛々子ちゃんのお部屋は、広がりが感じられる。寝室にも広々とした窓を確保。グリーンを飾ってくつろげる空間に。日々成長する家竣工から1年が経ち、この家で四季を体験したとのこと。「薪ストーブを導入するかどうかはまだ考え中です。いつでも作ることができるように、ダイニングの一角に煙突用の穴をいつでも開けられるようにしておいていただきました」友人をたくさん招いてホームパーティを開き、庭でバーベキューを楽しむ。家を存分に使いこなしているグレイエムさん一家。DIYで手を入れたり改造したり、これからさらに心地のいい家に成長していくはずだ。奥に広くなっている変形敷地。敷地に沿って家を建てたことで、開口部を大きく取ることができた。ガルバリウムの外壁。玄関の庇がアクセントに。外からも丸い照明器具が見える。伊藤暁(伊藤暁建築設計事務所)所在地神奈川県横浜市構造木造規模地上2階延床面積106㎡
2019年02月27日息子が生まれてからも、ずっと仕事を頑張ってくれているパパ。丸一日、息子と会えない日も普通にあります。■圧倒的にママと過ごす時間が多くて…起きてもママ。ご飯食べるのもママ。お風呂も一緒に入るのもママ。寝るときも…。必然的に一緒に過ごす時間が増えるので、結果…こうなりました(笑)「ママがいいの」っていう言葉はとっても嬉しいんですが。これがずっと続いてしまうと少しだけ息子と離れて1人でゆっくりしたいなーと思ってしまうことだってあります。息子を“パパっ子”にするためになにか作戦を考えねば・・・一緒に過ごす時間はどうしても仕事の関係で増やせないので、まずはパパの株をあげることにしました。■パパっ子にするためママが心がけていること例えばわたしが息子に買ってきたお菓子だったとしても、あえてパパの名前を出して息子にいいイメージを与えるようにしました。パパが買ってくれたよーと言うと「ぱぱ、やさしいねぇ」と毎回言うので、少しずつすり込めていると思います(笑)それからわたしにはできない、パパだけとの遊びがあることを知ってもらうことも大事です。体重が重くなってきたので、本当にできない遊びが増えたんですが(笑)パパとの遊びは特別なんだよーと強調して言います!お風呂に入るときもママとは普通に入るけど、パパとはこのおもちゃで遊んでいいみたいだよーと物で釣ることも、たまにあります(笑)これらを少しずつ続けることで、今までパパは嫌とずっと言ってきた息子が変わってきたように思います。今までよりもパパと一緒!! という回数が増えたような。もちろん今でも“ママっ子”ですが、これからもパパっ子にさせる作戦は続けて行きたいです!
2019年02月22日