子どもは不登校になると、1日中ダラダラしたり、無気力になったりします。親はそれを見て、勉強が遅れたらどうしよう、大人になって人間関係が築けなくなるのでは? と不安を抱くものです。しかし、頭ごなしに叱りつけたり、原因を追究したりするのは逆効果です。不登校の子どもへのNGな声かけとその理由、親としての心構えについて体験を交えてお伝えします。■不登校の子どもにかけてはいけない言葉不登校になった子どもは、ダラダラとゲームをしたり朝起きられなくなったりします。親は不安になってさまざまな本を読み、インターネットで調べて解決策について勉強します。そして、責めたり無理強いしたりしてはいけないことを知ります。子どもにかけてはいけない言葉の代表例は、学校へ行きなさいどうして起きられないの?勉強が遅れるわよゲームばかりしてわかってはいるものの、学校へ行ってほしいのが本心です。その結果、「無理して学校へ行かなくていいのよ」と言う一方で、「1ヶ月だけ休んで、来月から行ってみようか?」。「そのままでいいのよ」と言いながら、「勉強は遅れないほうがいいわよね」と矛盾したことを無意識に口にしてしまいます。子どもは親の気持ちを敏感に感じとります。そして、「本当は早く学校へ行かせたいんだな」と見透かします。■子どもは自信を失い、不安でいっぱい子どもも本当は学校へ行きたいと思ってはいるものの、同時に行きたくない気持ちもあって葛藤しています。自分の気持ちが分離してわからない状態です。そんな自分をふがいなく思い、自信をなくしています。勉強の遅れを心配し、「友だちからどう思われているのだろう」という不安もあります。「どうせ自分はダメな人間なんだ」「みんなが普通にできることが自分にはできない」と卑下する気持ちもあります。そんなところへ親が勉強の遅れを心配したり、登校をうながしたりしたら、「やっぱりお母さんは自分の気持ちなんてわかってない!」という反発心ややるせなさ、悲しさ、怒りがわいてくるのです。■親が考え方を変えれば子どもは前に進める私はあるときから、子どもは学校へ行かなくても大丈夫だと思うようになりました。私自身がフリーランスになってから、高校を卒業していなくても社長として成功している人や、フリーランスとして才能を生かして生活している人に何人もめぐり会ったからです。もちろん学校でしか経験できないこともありますが、大人になってからちがう形で経験できることもあります。学校には行ったほうがいいけれど、私が一番に願うのは、子どもが将来ひとりで働いて食べていけること、精神的に安定して成長することです。まず親が「この子は学校へ行かなくても大丈夫」と心から信じること。そうしなければ、子どもにも伝わりません。子どもは自分の不登校を認め、現状を受けいれることで「いま何をするべきか」が見えてきます。目標を「学校へ行く」ことから、生活を改善することや好きなことを伸ばすなど、自分ができることへ変えましょう。達成するたびに自信が積みかさなり、やがて大きな目標達成にもつながります。「学校へ行けない」ことにこだわるのではなく、親子でできることを探してゆっくり成長することが一番大切だと私は思っています。子どもの不登校に悩んでいる方も、あせらず、見守ってください。
2016年06月18日子どもが学校へ行かないと親は不安になるものです。つい、あれこれ聞きだそうとしたり、アドバイスしたり、なんとか登校させようとしてしまいます。しかし、親があせるほど子どもは殻に閉じこもり、口を閉ざしてしまうもの。私が実際に心療内科の先生からいただいたアドバイスをヒントに、不登校の子どもにどう寄りそい、コミュニケーションをとればいいのかをお話しします。■子どもは親にただ理解してもらいたい「学校で何か嫌なことがあるの?」「どうして学校へ行かないの?」子どもの気持ちが知りたくて、ついそんな質問をしてしまいがちです。しかし、子どもは「責められている」としか受けとれないようです。子どもが親に求めているのは、いまの自分を受けとめて理解してもらうこと。子どもは自分が学校へ行けないことへの罪悪感や不安感を抱いています。心療内科の先生によると、理由を詮索するより、まずは子どもを安心させてあげることが先決だそうです。■子どもの気持ちを理解する方法まずは、お母さんが笑顔になることです。子どもに安心してもらうのが先で、気持ちを理解するのは次の段階です。お母さんがニコニコしていれば、それだけで子どもの気持ちは安らぎます。いくら「大丈夫よ」と言っても、こわい顔をしていたら、子どもは「怒られている」と受けとめてしまいます。私は鏡を見て笑顔をつくってから子どもと接するようにしました。そして、理由を詮索するのをやめて、「学校に行きなさい」と言わないようにしました。家は安心できる場所で、自分の居場所がここにあると思ってもらうためです。■共有するということ次に、子どもと一緒にいる時間を増やして、たくさん会話をするようにしました。私は家で仕事をしていましたが、仕事中は一人で部屋にこもるため、なかなか子どもと話す時間を持てませんでした。夕方6時以降はいっさい仕事をせずに、必ずリビングかキッチンにいるようにしました。子どもと100%向きあい、話を聞くためです。共有スペースで子どもと同じテレビを見て、たわいない会話をして、子どもが話しやすい雰囲気づくりを心がけました。すると、テレビの話題だけでなく、少しずつ不安やグチなども話してくれるようになったのです。安心できる場所としての基盤をつくり、親に十分受けいれられていると感じる体験を重ねることで、「自分は親に理解してもらっている」という改善への糸口をつくることができました。安心感を与えること、時間を共有することが大事。心療内科の先生に言われたとき、「そんなことわかっている」と思いましたが、頭でわかっていても全然できていませんでした。お母さんが笑顔で接し、無条件で受けとめ、ささいなことでも共感することがとても大事です。インターネット上で友だちができたことを打ちあけてくれたとき、「それはよかったね」と肯定したひとことで、子どもの顔がうれしそうに輝いたことを覚えています。これからも、心療内科の先生の言葉を忘れずに、子どもに寄りそいたいと思います。
2016年06月17日五月病も心配される時期、わが子が突然「学校に行きたくない」と言い始めるかも?そのときあなたならどうしますか?あんふぁんママに聞きました。いつ?どうして?今回のアンケートは156人の読者が回答。そのうち「学校に行きたくない」と言われたことがあるママ89名に聞いたところ、子どもが言い始めたタイミングは「新入学」が38%、「学期が変わるタイミング」18%、「クラス替え」13%、「その他」28%。理由に「座学が苦痛」「母子分離が難しい」。幼児教育から小学校への転換期「新入学」は、乗り越えなければならない壁が多くあるよう。その他「連休や長期休み明け」に行きたくなくなることも。子どもも大人と同じように休み明けはストレスを抱えやすいようです。さまざまな形で出てくる子どものサイン「学校に行きたがらなくなる前に、どのような兆候や行動がありましたか?」と聞いてみたところ、「笑顔がなくなり暗くなる」「朝、起きてこなくなる」「泣くことが多くなる」という回答が多くみられました。この他には腹痛や吐き気、微熱や発疹などの身体的症状が現れたり、「朝の準備に時間がかかる」「ワガママを言いはじめる」といったさまざまな形でサインが出ているよう。逆に「兆候はなかった、気づかなかった」が30%、子どもの様子に気づかず、突然の子どもの発言に親が戸惑うことも少なくありません。実は著者自身も、新入学のタイミングで同様の悩みを抱えた一人です。前日の朝まできちんと起床し準備をしていた子が、その日の朝は布団から出てこなかった・・・「うそ!?どうして?」と、一瞬動揺したのを覚えています。理由は?どうやって聞き出す?「学校に行きたくないという理由は?」の回答で多かったのが「友だちとのトラブル」37%。「先生の言葉に傷ついた」7%も見逃せない理由のひとつ。先生には傷つける意図がなかったとしても、受け取る子どもによっては大きく響くことも。子どもといえどもプライドがあり、大人の言葉が許せないこともあります。そんなときは子どもの話をしっかり聞いて気持ちを受け止め、「嫌な気持ちになったのね。でも先生も人間だから間違うこともあるよ」(れんこんさん)とやり過ごすのも一つの方法かも。8割以上のママが“行きたくない理由”を知ることができているようですが、ではどうやってその理由を聞き出したのでしょう?「『ママに聞いてほしいことある?相談にのるよ』とやさしく聞いた」(ららぶーさん)、「就寝前のリラックスした状態で何があったのか聞いてみた」(こきんさん)、「理由を想定した質問をした」(匿名さん)、「その場では答えなかったが、日頃の会話やコミュニケーションを通してなんとなく理由がわかった」(スマイルさん)など。日常の他愛のない会話も、子どもの変化を読み取る手段として大切なようです。実際に学校を休ませた?では『行きたくない』と言われたときに、どうしましたか?その日学校を休ませたのはわずか16%。「無理やり行かせた」41%、「数時間様子を見て、落ち着いてから行かせた」43%。一度休むと休み癖がついてしまうかも?という親の心配や、ママが急に仕事を休めないという現実もあるのか、8割以上がその日のうちに登校。「落ち着いてから学校に行かせたら、普通に過ごしていた」(PANさん)、「休ませて自宅で好きなことをして過ごしたら、翌日にはケロッとしていた」(ひろこはしもとさん)のように、深刻に考えなくてもいい場合もありそう。学校・担任に相談=親の心の安定と余裕にも対策としては「学校や担任に相談した」は半数以上。一方「スクールカウンセラーに相談した」はわずか10%。存在を知らないのか、知ってはいても直接連絡を取るにはハードルが高いのかも。私の場合は、まず電話で先生に相談。学校側の気遣いで、スクールカウンセラー直通の電話番号も教えてもらったのですが、利用する機会はなく、気がついたときには普通に学校に通えるようになっていました。「学校の先生やスクールカウンセラーに相談してよかったですか?」の問いには、84%が「よかった」と答えました。「アドバイスが的確で納得できた」「気にかけてくれている感じがした」「親身になって考えてもらえた」などの声が多く、先生の姿勢や指導によっては、“信頼感”や“親近感”が生まれるきっかけとなることも。その他「一緒に考えてくれる人がいると安心する」(そうさん)「心に余裕ができた」(マチャマチャさん)と、親の心の安定と余裕にもつながるようです。また前半で、学校に行きたくない理由に「先生」が挙がりましたが、すぐに先生を敵対視するのではなく、こちらの声を伝え話し合うことも大切です。うちの子の場合も先生の何気ない言葉が原因だったのですが、感情的になることなく先生に相談できたこと、連絡を取り合えたことで良い方向に向かったのだと思います。先生と良好な関係を築くことも、解決の糸口になるのかもしれません。いずれにせよ親も一人で抱え込まないこと。8割以上のママが相談してよかったと答えているように、困った時はまず先生・学校側に相談してみましょう。そしていざというときには先生が心強い味方になってくれるよう、私たち親も日頃からコミュニケーションスキルを磨いておきたいものです。<文・写真:フリーランス記者林未香>
2016年05月26日【ママからのご相談】中学1年生と小学4年生の娘がいます。長女は塾や宿題があって、そのあとスマホで少し遊んでから、いつも1時過ぎに寝ています。睡眠は個人差があると聞いたのですが、今のところ元気ですし遅刻もしていません。子どもの成長に影響があるものなのでしょうか。●A. 就寝時間が遅い子どもほどイライラしやすいという調査結果が!ご相談ありがとうございます。こんにちは、ライターの川中利恵です。最近、子どもの睡眠不足や睡眠障害が増加しているというニュースをよく見ます。実際に睡眠に関する調査は多数行われていて、社会現象と呼べるほど、子どもの睡眠不足にスポットが当てられつつあり、その重要性が注目されているところです。わが家も子どもたちが高校生になり、夜更かしが増えてきたので気になっているところでした。もし、今は大丈夫だとしても、睡眠不足状態が続いた子どもたちはどうなってしまうのでしょうか。●子どもに必要だと言われる睡眠時間は?文部科学省『不登校に関する実態調査』(平成26年度)によると、子どもに必要と考えられている睡眠時間の目安は以下のとおりです。・0~3か月……14~17時間・4~11か月……12~15時間・1~2歳……11~14時間・3~5歳……10~13時間・6~13歳……9~11時間・14~17歳……8~10時間小学生は10時間前後の、中高生でも8時間以上の睡眠 が必要だとされているわけです。しかも睡眠で重要なのは時間だけではありません。規則正しいリズムで睡眠と起床を繰り返さなければ、睡眠の質が悪くなり、寝ても疲れがとれないという状態が引き起こされてしまいます。同じく文部科学省で平成26年11月に実施された『睡眠を中心とした生活習慣と子どもの自立等との関係性に関する調査』によると、多くの子どもたちは6時半〜7時より前には起きているようです。そこから逆算すると、本来は「小学生ならば21時ごろ、中高生でも22時には就寝した方がいい」 ということになります。実態はといえば、同データによると、22時までに就寝している小学生は49.2%、そして0時以降に就寝するという子どもは、中学生になると22%となり、高校生になると47%にまで増えています。その原因として、塾、スマホなどの普及、親世代の夜更かしなどが挙げられています。●睡眠不足が続くとどうなるの?睡眠中は、体内時計に従って深い睡眠と浅い睡眠を繰り返すものですが、深い睡眠をできるだけ長くとることで、成長ホルモンが分泌され、コルチゾールと呼ばれる副腎皮質ホルモンの一種の分泌が抑制されます。成長ホルモン は、体そのものの成長や肌細胞の修復、疲労回復、脂肪の燃焼を促進する作用があります。寝る子は育つとよく言いますが、この成長ホルモンの作用です。そして、最近の研究では、睡眠不足は生活習慣病にかかってしまうリスクが上げてしまうだけでなく、症状を悪化させる一因であることがわかっています。そして、コルチゾール はストレスを感じたときに分泌されるホルモンで、大量に分泌され続けると脳内の記憶をつかさどる海馬を傷つける作用があります。しかし、深い睡眠中は、コルチゾールの分泌を抑えることができる のです。勉強をしたことをしっかり身につけるためには、睡眠が必要だと言われるのはこのためです。逆に深い睡眠ができていない場合は脳の機能が落ち、うつ病などにかかりやすくなると言われています。つまり、深い睡眠を逃し続けると、成長を妨げ体調不良を起こす上に太りやすくなり、かつストレスにずっとさらされている状態が続いてしまうというわけです。●不登校のきっかけ、2位が「生活習慣の乱れ」小中学生で不登校に陥っている生徒は、全国でおよそ12万人以上もいると言われています。当初はいじめなどが原因とされていましたが、文部科学省『不登校に関する実態調査』(平成26年度)によると、2位が「生活リズムの乱れ」となっています。「朝起きられない」「夜に眠れない」などが原因で睡眠不足・睡眠リズムの乱れに陥り、学校に行けなくなる日が増えていった結果、学校へ行きづらくなり、不登校に陥ってしまう子どもが多くなっているのです。寝る時間は遅くなっても、朝起きなければならない時間は変わりません。それに伴い、脳の疲労回復を担う睡眠時間が短くなり、脳が疲れ切ってしまいます。それにより、自律神経の乱れが起こり、体内時計が狂ってしまうのです。場合によってはうつ病になるケース もあるようです。不登校になっているわけではないから大丈夫、と思っていても、睡眠不足はじわじわと子どもたちをむしばんでいきます。実際に前述の『睡眠を中心とした生活習慣と子どもの自立等との関係性に関する調査』でも、就寝時間が遅い子どもほど、「自分のことが好きだ」という質問に対して「そう思わない」と答えた割合が高く、「何でもないのにイライラする」という質問に対しても「よくある」「ときどきある」と答えた割合が高くなる傾向があったことがわかっているのです。●大人も一緒に早寝&朝活しませんか?早寝早起きをして、朝食をしっかり毎日食べている子どもは、成績が良く、運動能力が高いというデータがすでに存在します。子どもの将来を思うのであれば、勉強をさせることも大切ですが、それ以上にしっかり睡眠をとることの方が重要なのでしょう。日本の子どもたちは世界的にも就寝時間が遅く、睡眠時間が短い傾向があることがわかっています。そのせいか、「子どものためにも添い寝はNG」という説もあるぐらいです。そうはいっても住環境的に、独立した子ども部屋を作れないというご家庭も多いのではないでしょうか。その場合、乳幼児のころは添い寝が一番家族にとって寝やすいのですが、大人の生活時間に子どもが合わせてしまいやすい というウィークポイントがあります。これは小学生や中学生になっても同じで、親がテレビを見たり、スマホをいじったりしたまま「早く寝なさい」と言っても説得力がまるでなく、思春期との合わせ技によって、睡眠時間がどんどん遅くなるばかりでしょう。わが家でも心当たりがあります……。私もかつて、子どもたちが低学年のころまでは、20時に部屋中の電気を消して一緒に寝てしまっていました。それからこっそり1時か2時ごろ起きだして仕事をする生活をしていたのです。しかし、今はすっかり夜更かし型になってしまっていて、それに伴い、子どもたちも夜更かしする日が増えていることに思い当たりました。今思えば、早寝早起きをしていたときの方が、かなり仕事がはかどっていたように思います。せっかくですから、相談者さんのご家庭でも、子どもたちの就寝時間にはパパやママもテレビやスマホを消して一緒に寝てしまい、早起きする生活 をしてみてはいかがでしょうか。そして万が一お子さんに、どうしても眠れない、体調が悪いなどの症状がある場合は、速やかに睡眠外来の門をたたくことを強くおススメします。【参考リンク】・睡眠を中心とした生活習慣と子どもの自立等との関係性に関する調査の結果()●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)
2016年04月28日いま、教育の現場で注目度が高まっている“中1ギャップ”。昨今ニュースで見聞きする子どもの自殺やいじめによる傷害、殺人といった深刻な事態も、この中1ギャップが根本の原因のひとつと見る向きも少なくありません。しかし、Benesse教育情報サイトが中学生の子どもを持つ親に行った調査では、「中1ギャップ」という言葉の意味まで知っているという回答は7%。知らないとの回答が47%と、ほぼ半数を占めました。教育学博士の著者による『中1ギャップを乗り越える方法わが子をいじめ・不登校から守る育て方』(渡辺弥生著、宝島社)から、この中1ギャップを引き起こしている子どもの3つの環境の変化を追ってみましょう。■中1ギャップとは「中学校生活にとけ込めない状態」そもそも、中1ギャップとはなんなのでしょう?これは、「子どもの心身の発達時期が現代の小学校や中学校の義務教育の学校区分や学校制度と必ずしも適合していないことから生じる心身のギャップ」のこと。もう少しやわらかいいい方をすれば、「小学校から中学校に入学した1年生が、大きな段差や壁を感じとり、中学校生活にとけ込めない状態」です。実際、たとえば不登校は小学生から中学生に進学した段階で減ることはなく、むしろ統計上は増えています。さらにいじめの認知件数データでも、小学校6年生から中学校1年生で件数が増え、中学校2年生になると若干減少する傾向があるのです。データ上でも、ギャップの存在がはっきりと見て取れます。では、小学校から中学校に上がる段階で、子どもたちのなかではどのような変化が起こっているのでしょうか。■中1ギャップを引き起こしている子どもの3つの変化(1)内面の変化=第二次性徴この年ごろの子どもたちが避けて通れないのが、自分自身の心身の変化です。とくに小学校5年生から中学校1年生ぐらいまでの時期、子どもの身体は人生で初めての大きな変化を経験します。第二次性徴です。男子は声変わりや筋肉質な体格になるなど。女子は乳房が発達したり、初潮を迎えたりします。体つきも丸みを帯び、男子とは違いがはっきりしてきます。こうした変化に戸惑ったり、友だちとの違いに劣等感を感じたりするなど、この時期に感じる不安や緊張が、子どもたちのストレスの一因となり、ギャップの根元になっていることが考えられます。(2)関係性の変化=友だちグループの変容子どもたちにとって大切な人間関係、友だちづきあいにもこの時期には大きな変化が現れると著者は指摘します。“ギャンググループ”から“チャムグループ”への変化がそれ。ギャンググループとは、リーダー格、いわゆるガキ大将を中心とした一体性の高いグループで、つねに遊びを一緒にする「仲間」という意識が強いもの。いっぽうのチャムグループとは、お互いの好みや共通点を確認しあう関係性。中学生に入るころ、こうした関係性に変わっていきます。チャムグループに移行するとき、「共通点を失いたくない」「グループから外れたくない」といった焦りにも似た気持ちを感じたり、本音と建前のある関係性になじめかったりして、戸惑う子どもも少なくないのです。(3)環境の変化=進学小学校から中学校へと進学すること自体も劇的な変化です。ほとんどの教科を担任が教えていた小学校と、教科ごとに担当教師が変わる中学校。中学校では部活動に比重が置かれるようになるなど放課後の過ごし方も変わり、先輩後輩関係も小学校時代よりもはっきりしたものになりますよね。なかでも著者が指摘するのが、小学校と中学校の教師には溝があるのではないか、という点。著者によると、子どもたちができるだけ同じ条件のもとで中学校にとけ込んでいけるよう、小学校側は進んで子どもたちの情報を中学校に渡さない傾向があるといいます。一方で中学校側は、子ども本人や学校生活のことなどの情報をもっと伝えてほしいと考えているというのです。著者は、その“バトンの受け渡し”にギャップが潜んでいるのは、といいます。*本書では、中1ギャップに側面した子どものケアとして、円滑なコミュニケーションを学ぶ「ソーシャル・スキル教育」を提案しています。そして同時に訴えているのが、親にもできることがたくさんあるということ。中1ギャップのメカニズムを理解したうえで、親がまずできることは「わが子をよく見ること」。子どもの心を理解するように務め、子どもの心に寄り添おうとすること。頭ごなしに決めつけたりすぐに誤りを正そうとするのではなく、いったん受け止めてあげること。そして、愛情を伝えて心を安定させてあげること。何気ないことのようですが、それが子どもがギャップを乗り越えるのに大きな後押しになるのです。わが子が壁にぶつからないように、ぶつかった壁を自分の力で乗り越えられるようにするためには、はたしてなにができるのか?そんなことを改めて考えさせられる1冊です。(文/よりみちこ) 【参考】※渡辺弥生(2016)『中1ギャップを乗り越える方法わが子をいじめ・不登校から守る育て方』宝島社
2016年04月20日子どもは学校へ行って当たり前と思っていませんか? でも、もし突然子どもが「学校へ行きたくない」と言い出したら、あなたはどうしますか? 不登校は誰もが直面し得るもの。そのとき、親はどうすればいいのでしょうか?実際にわが家で起こった体験をもとに、前兆から不登校、そして再び学校へ行くようになるまでを振り返り、その時々の子どもとの接し方や、親としての気の持ち方についてお伝えします。■前兆は「お腹が痛い」わが家は共働きです。息子が0歳の頃から保育園に預け、私はフルタイムで働いていました。今思えば、前兆は保育園の頃からありました。息子はもともと集団に馴染めない性格で、1人でいるのが好き。とは言え、誰とでも別け隔てなく遊ぶこともできました。しかし、その反面、神経質なところもあり、何かあるとお腹が痛くなったり、微熱が出たり。そのため、たびたび会社にお迎え要請の電話がかかってきました。私はその都度、息子を病院に連れていっていましたが、そのうちに、「これは本当に体調が悪いのではなく、かまってほしいのだな」と気づき、それからは、そういうことのあった日は半日休むようにしました。働くお母さんがたぶん、みんなそうであるように、子どもと一緒にいる時間が少ない分、密度の濃いコミュニケーションを心がけるようにしていたのです。「お腹が痛い」は小学生になってからも、時々ありました。小学校1年生の後半からたびたび起こる息子の朝の腹痛。痛みに歪んだ顔で私を見上げ「お母さん、お腹いたい…」。病院も何ヶ所も行きました。いろんな検査もして、レントゲンも取りました。しかし、どれも「異常なし」。イベントや行事などのいつもと違うスケジュールには特に弱く、楽しみな気持ちと同時に、不安も大きくなってしまい、ドキドキが体の症状=腹痛として出てしまっていたのです。そのため、遠足や運動会は、いつも途中参加かお休みでした。 ■体の症状はSOSのサイン進級し、小学3年生になってからは、今度は「頭痛がひどい」と言い出し、神経内科にも行きました。起立性障害と診断されたことも…。そして、ついに頻繁に学校を休むようになりました。でも、学校からは「なんとか登校させてください」と言われ、プレッシャーがかかります。私も「学校だけは行かせなければいけない」と思っていたので、なだめすかして、なんとか登校させようとする日々。学校とも連携を取り、息子をあの手この手で説得しようとしました。息子も理屈ではわかってくれますが、やっぱり腹痛が起きてしまいます。むしろ、親がムキになればなるほど、病状は悪化する一方です。そして、子どもは親の期待に応えられない自分を責め始めます。そのうち、頭痛以外に、別の症状も現れ始めました。病院もいくつも変えました。けれど、なかなか良くなりませんでした。息子も登校したい意志はあるのに、朝になるとひどくお腹を壊すという、体と心が分離しているような状態。もう息子本人もコントロールできない、心の底からのSOSのサインでした。 ■やっと待望の心療内科へ小学5年生になったとき、都立総合小児病院に初めて行き、体の異常がないことを入院検査で確認し、3ヶ月予約待ちをして、やっと待望の心療内科にかかることができました。その頃には、息子の口からついに「学校に行かなきゃダメ?」という言葉が出ました。私も「嫌な体験をずっと繰り返すより、一度じっくりまとめて休ませたほうがよいのでは?」と思っていたので、ひとまず1ヶ月間休ませることにしました。その後、心療内科の先生と相談し、学校に関しては無理強いせずに、家でゆっくり治療に専念することになりました。まずは、「家は安全、家は本当の自分を出せる場所」という体験をさせ、そのあと少しずつ外(学校や社会)へ出ていくという手順が必要だったのです。先生から「1年~2年かかることは覚悟して、じっくり治療しましょう」と言われました。私は会社に相談し、勤務時間を減らしてもらい、週に一度は息子と一緒にカウンセリングに通いました。親の私がすることは、無条件で子どもを受け入れること。甘えてきたら「もう大きいんだから」と突き放さず、幼児から育てなおすくらいの気持ちで接すること。それが治療方針でした。同時に、学校を思い出すようなことも一切排除することになりました。心療内科の先生から学校に電話してもらい、直接本人に接しないように徹底してもらいました。経験豊富な専門家がついているおかげで、私も落ち着きを取り戻し、ときには不安を聞いてもらうこともありました。子どもの心が不安定なとき、親が慌てたり不安がったりすると、それが子どもにも伝わってしまいます。自分だけで解決しようとせず、心の専門家に介入してもらい、親自身の心を安定させることも大切です。 ■長い目で見守る、そして信じる自宅療養を始めてから最初の数ヶ月間は外にも出たがらず、ゲームばかりしていた息子でしたが、ゆっくりゆっくり休んだ後、やがて自分から生活のリズムを管理しだし、遅れを取り戻すように本を読んだり勉強をしたりするようになりました。その後は誘うと徐々に外に出るようになり、休日は一緒にランチを食べに行ったり、サイクリングに出かけたりしました。しばらくすると学校の友だちとも休日になら一緒に遊べるようになり、6年生の3学期は放課後に学校へ勉強をしに行けるようにもなりました。そして、卒業前何日かは登校もできるようになったのです。卒業1週間前には毎日、卒業式の練習に参加するまでになり、無事、卒業式に出られたのです。息子を見守ってくれた友だちや、学校の存在は、とてもありがたいものでした。こればかりは親だけではどうすることもできません。現在では何事もなかったかのように、元気に中学校に登校しています。新しい友だちもでき、部活動も楽しんでいます。■子どものことをわかっているつもりで、わかっていなかった息子が学校へ行かなかった1年半、私が主にしたことは、ただご飯を作って一緒に食べること。そして、息子の話をとことん聴くことだけでした。子どもは親にわかって欲しいのです。私は、息子のことをわかっているつもりで、何年もわかっていなかったのでしょう。小学校くらいなら1年~2年の勉強の遅れは、すぐに取り戻せます。けれども、心の問題を取り戻すには、たくさんの時間がかかります。親が悲観的にならずにゆったりと構えると、子どもの情緒も次第に落ち着いてくるようです。 ■子どもが「学校に行きたくない」と言い出したら=私の体験から子どもが学校に行きたくないと言い出したら、原因探しをするよりも、まずは子どもの話をじっくり聴いてあげてください。問い詰めたり責めたりせずに、お母さんが子どもの心の逃げ場所になってあげてください。学校に行けなくなった息子のために私が意識してやったこと、それは「息子の気持ちに添う」ことです。学校に行きたくない原因は人それぞれ。単純なことではありません。逆にしないように注意していたのは、問い詰めたり、攻め立てたりすること。子どもが学校へ行かないと親も焦りますが、そこは我慢。子どもは家庭という絶対安心できる場から、ミリ単位で成長を始めるのです。親にできることは、子どもを信じて見守ること。何があっても親だけは味方だということを、心の底からわかってもらうこと。まずはそれが大切です。そしてもちろん、子どもを支える保護者にも支えが必要です。保護者の支えになるもの、それはプロの指導です。経験豊富なプロは、子どもだけではなく、保護者の心も支えてくれます。学校のスクールカウンセラーでもよいですし、信頼できる心療内科を探してもよいです。親が「この人は本当に信頼できる」というプロを探してください。「家庭の問題だから」と抱え込まず、適切にプロの助けを借りながら、子どもの成長を見守るのがベストだと、私は考えます。
2016年04月13日こんにちは、ママライターのみいゆです。新学期の季節になると増えてくる子どもの不校。最近は子どもだけではなく、20代や30代の大学生や社会人も出社拒否が増えているようです。これが長引けばやがては“ひきこもり”になってしまうこともしばしば。ひきこもりは長引けば長引くほど、復帰が困難になってしまいます。今回はひきこもってしまった、主に子どもに対して周りがどのように接してあげればよいのかをご紹介します。●ひきこもりは外出しない人のことではありません“ひきこもり”とは原則的に“6か月以上にわたって社会と関わりがないこと” を指します。家に閉じこもりっきりでゲームや好きなことばかりしているというイメージがありますが、実際は外出をしていても、他者と関わりを持たなければひきこもりの状態と言えるようです。特に多い世代は、思春期である中学生、特に入学してからの環境の変化から不登校になるケースもあります。●不登校やひきこもりの子どもにやってほしいこと3つ●(1)本人に元気になってもらうことを考える精神科医の斎藤環先生は『世界一やさしい精神科医の本』の中で、**********不登校の子に対して僕らはなにを考えるだろうか。とりあえず「なんとか早く再登校させたい」って考えるよね?でも僕に言わせると、それがもう間違いだ。むしろ再登校のこととかは、いったんわきに置いとかなくちゃいけない**********とおっしゃっています。本人は学校のことで悩み苦しんで不登校になったのに、その元凶 である学校へ行かせるためだけを親が考えていたら、子どもは誰も信じられなくなってしまいますよね。●(2)いろんなやり方でかまってあげる斎藤先生いわく、『子どもは大人から見放されることが一番恐ろしいと思っている』とのこと。子どもがどんなに言葉で拒否しても、常に話しかけたり買い物に誘ったりといろんな手でかまってあげることで子どもは元気を取り戻していきます。逆にほっとかれてしまうと、もう自分は必要ない人間だとかどうにでもなれと気持ちが後ろ向きになってしまい、ひきこもりが長期化 してしまう恐れがあります。●(3)学校は必ず休ませてあげる誰にでも嫌なことがあったり、つらいことがあると学校や職場に行きたくないと思いますよね。ひきこもる子どもも、はじめはそういうきっかけがあります。たまたまそれが長引いてしまったのです。それを責めることをせずにしばらく休ませて、ストレスの元 となっている学校のことを考えさせない時間が必要です。もちろん、その間も放っておくのではなく、常にかまってあげながらがベストです。しっかり休養できれば子どもは進んで再び登校することも少なくないようです。●人とつながることがひきこもり脱出の要ひきこもりを長期化させないためには、人とのつながりが一番の薬 です。誰しもが常に人と関わりながら生きています。つらいことも楽しいことも、他人がいるからこそその感情が芽生えます。自分にとって一緒にいて居心地のいい人であれば家族でもいいでしょう。もっといえば友達や好きな人との関わりがあれば、自分に自信を持つことができますから、外の世界に出ていけるきっかけにもなりえます。「うちの子ががこのままではひきこもりになっちゃう。早く何とかしないと!」と考えずに、不登校もひきこもりも悪いことではないこと。ちょっと充電期間が必要な時期なんだと割り切って、結果的にどんな道を選択しても人とのつながりを持ち続けられるように応援してあげたいですね。【参考文献】・『世界一やさしい精神科の本』斎藤環/山登敬之・著●ライター/みいゆ(ママライター)
2016年03月13日【ママからのご相談】小学校5年生の子どもがいます。急に学校に行きたくないと言い出しました。最近は不登校が増えているようですが、私も主人も厳しい家で育ったので、学校に行かないなんて考えられず、子どもを叱りつけてしまいました。そうしたら、子どもが部屋にこもりがちになり、部屋から出ても反抗的で、暴言を吐くようになってしまいました……。私はどのようにすればよかったのでしょうか?●A. 叱る前に、まずは受け入れてあげましょう。ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木です。家庭教師としてお子さんに個別指導をしていますと、「子どもが学校に行けていないので、勉強を教えてほしい」という依頼を受けることがあります。その数は年々増えているように思います。そこで、不登校、ひきこもり経験のある子どもたちに声を聞いてみましょう。●不登校の子どもが語る! 親のNG対応2つ●(1)「学校に行きなさい!」と引っ張って連れて行く『学校に行かないなんてあり得ないと、無理矢理連れて行かれてツラかったです。結局体調を崩し、長期欠席することになりました』(中学生/女子)無理やり連れて行かれると、ますます学校が嫌いになります。子ども自身も、学校は義務教育で、行かないといけない場所だということは理解しています 。それを分かった上で、行きたくないとSOSを発しているので、まずは親に気持ちを聞いてもらいたい、でもどう言えばいいのか分からずに「行きたくない」と言っているだけである可能性もあります。●(2)抗議する『先生とトラブルがあったと親に話したら、すぐに母親が学校に電話して抗議していました。しかし、次の日に学校に行ったら先生からにらまれ、怖くて学校に行けなくなりました』(中学生/女子)もし学校に行きたくない理由がいじめや人間関係のトラブルだったとしたら、頭に血が上って、「うちの子になんてことを!」とお怒りになることと思います。しかし、その勢いにまかせて学校やいじめっ子の家に抗議に行くのは危険です。抗議して、学校や親からその子に注意がいったら、その子はいじめをやめるでしょうか?答えはNO。反省どころか、「チクったな!」と 逆恨みされいじめが加速する恐れさえあります 。●子どもたちを救った親の言葉3選●(a)子どもの気持ちを聞く『お友達とトラブルがあったとき、親が話を聞いてくれました。「トラブルになるあなたも悪い」って叱られると思っていたのですが、不安な気持ちを聞いてもらえて、楽になりました』(小学生/女子)学校に行きたくないのは、子どもからの最初のSOSです。学校でなにか問題があったとしても、子どもはそれをストレートに言えないもの。学年が上がるにつれて、子どもは「できる限り、親の干渉を受けたくない」と同時に、「親に心配をかけるのは嫌」と思っています。それでも親に「学校に行けない」と話すのは、ただ単に助けてほしいだけ ということも。まずは話を聞いてみてください。●(b)受け止める『学校を辞めたいと親に話したとき、「お前が行きたくないなら行かなくても構わない」と父親に言われました。自分の意見を尊重してくれていることがうれしく、安心しました』(高校生/女子)学校に行きたくないと言われたら、焦りますよね。明日どうやって学校に行かせようかとか、勉強はどうするのかとか、いじめにあったんじゃないかとか。しかし、焦る前にまずお子さんの気持ちを聞き、“学校に行きたくない気持ち”があるという事実を、受け止めてあげてください 。親から受け入れてもらえると分かって、それだけで楽になる子どももいます。●(c)子どもの味方であることを伝える『部活でトラブルがあったとき、家に帰ったら正装の父親と母親が。どうしたのかと聞くと、おまえが泣きながら帰ってくるようなことがあったら学校に行くつもりだったと言われました。学校に抗議するのはちょっと困りますが、その気持ちがうれしく、頼もしかった』(中学生/女子)子どもにとって一番うれしく安心するのは、「何があっても親はあなたの味方」 ということが実感できることです。頭に血が上ったまま抗議するのは危険ですが、「必要があったら私が守るから」という姿勢を見せるのはOK。そうすると、子どもは「親は味方でいてくれるんだ」と安心します。----------実は、子どもは不安で助けを求めています。本当は学校に行きたくないというより、不安があることを伝えたくて「行きたくない」と言っているだけの可能性もあります。「どうしよう!?」と右往左往し、「学校に行け!」と怒鳴りつける前に、まずは子どもの気持ちをじっくり聞いてみてください。それだけで子どもは安心し、問題も解決できるかもしれません。●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年03月06日●不登校・引きこもり生徒の受け皿に4月に「N高等学校」の創立を予定しているカドカワと、予備校を主事業とする代々木ゼミナールが、大学受験に特化した「代ゼミNスクール」を2016年4月に開校すると発表した。そもそもカドカワが開校する予定のN高等学校(N高)とは、“デジタルネイティブ世代が夢見る、今のネット社会に対応した新しい高校”と同社が定義する学校法人。授業やレポート提出をネットで行うことにより、自分のペースで学習できるのがポイントだ。○高等教育の修了のほか課外授業を展開N高がユニークなのは、ネットをとおした勉強で高校卒業の資格を得られるほか、数多くの課外授業が用意されていること。プログラミングや小説の執筆、ファッションデザインなどを通常科目と同時に学べ、地方自治体とも提携し、農業・漁業・伝統職人などの体験授業も受けられる。また、不登校や引きこもり生徒の勉強の場として、新たな選択肢にもなりうる可能性が同校にはある。長いあいだ、不登校や引きこもりが教育現場で問題とされており、有効な解決策は見いだされていない。N高は、そうした生徒たちの“学びの場”として期待できる存在ともいえる。ただ少し気になるのは、カドカワは、そうした不登校・引きこもり生徒が多く消費しているであろうコンテンツの巨大な生産源でもあること。もちろん、コンテンツブランド「KADOKAWA」が得意とするライトノベルやアニメ原作、同社が運営する「ニコニコ動画」が不登校・引きこもりの直接の起因とはいえないが、なんとなく“皮肉な展開だなぁ”と感じてしまった。いずれにせよ、ネットの活用に長けていると思われる不登校・引きこもり生徒にとって、N高の授業方法はハードルが低いと考えられる。彼ら彼女らが普段から親しんでいるコンテンツを生み出している企業が運営する高校ということも、ひょっとしたら学業復帰のきっかけになるかもしれない。加えてカドカワは、日本を代表する“版元”であり国内有数のコンテンツホルダーだ。課外授業でプログラミングや小説などを学ぶN高の生徒のなかから、才能ある人材に直接かつ早期にアプローチして、社会での活躍の場をすぐさま提供する意図があるのかもしれない。それを示唆するかのように、カドカワ 代表取締役社長 川上量生氏は「ある意味ネットは現実社会の逃げ場になっているかもしれないが、優秀な人材が集まる場でもある。そういう方々が社会で活躍するきっかけにN高がなれば……」としばしば語る。●N高がリアルな学びの場を手に入れるさて少々脱線してしまったが、なぜカドカワと代々木ゼミナールが組んで代ゼミNスクールを設立するのかを考えてみよう。まず代ゼミNスクールは、代々木ゼミナールが本拠とする東京・代々木にある専用校舎にN高の生徒が通うことを前提とする。そして、その校舎で映像授業を受けたり、講師との対面授業を受けたりする。前者は一人で受講、後者はライバルたちと同時に受講するイメージだ。どちらかを受講していくことで(もちろん両方もあり)、自分の得意科目を伸ばしたり、逆に不得意科目を克服したりといった受験勉強を高校1年生からでも実践することで、志望大学合格に少しでも近づけるのがメリットだ。だが、代ゼミNスクール生徒には次のようなメリットもあるのではないか。○“通学する場”を提供リアルな校舎に通うことは、基本的にネットでの学習を主軸とし、好きな時間に学ぶことで高校卒業資格が得られるとするN高の理念からかけ離れていると考えてしまう。だが、特定の日時に特定の校舎に通うことは、日本国中ほとんどの高校生が疑問の余地なしに行っていることで、現代の社会規範を考えれば当然の行為。代ゼミNスクールで学んだ生徒たちが社会に進出した際、特定の日時・場所に通う経験を積んだことは決して無駄になるとはいえない。また、N高にはネットでの授業がメインではあるが制服が設定されている。直接学業には関係ないかもしれないが、制服を着て校舎に通うことで、通学のモチベーションが高まる生徒も少なくないはずだ。代ゼミNスクールに通うN高生徒は、ネット勉強だけの生徒に比べ、制服を着て通学する機会を増やせるというわけだ。●連携による両社のメリットN高生徒だけではなく、代ゼミNスクールは、カドカワと代々木ゼミナールの双方にメリットがある。まず、カドカワサイドからみて、代々木ゼミナールと組む最大の利点は、リアルな教育の現場を手に入れられることだ。N高は、課外授業をとおして講師やそのほかの生徒に触れたり、講義映像システムのコメント機能を利用したりで他者とのコミュニケーションが図れる。まだ開校していないのでどのくらいのコミュニケーション量となるのか判断できないが、リアルな高校に通う生徒に比べれば、他者との触れあいは少なくなると容易に想像できる。高校生活は、大学受験を前にした大切な教育期間でもあるが、友人との触れあいや部活動などを通じ、コミュニケーション能力を育てる重要な時期でもある。N高は、教育課程すべてではないとはいえ、基本的にネットで学業が完結する世界。コミュニケーション能力の育成にどれほど寄与するか、疑問が残る。だが、代ゼミNスクールは、リアルなコミュニケーション実践の場になりうる。ネットによる受講・レポート提出は、時間的に合理的かもしれないが無機質な感もある。リアルな学びの場である代ゼミNスクールは、N高のみの教育と比べ、有機的といえるだろう。加えて、代々木ゼミナールの講師陣による講義を、N高生徒に受けさせることができるのもメリットだ。代々木ゼミナールは“講師の代ゼミ”と呼ばれるぐらい、講師陣が充実している。予備校として60年間培ってきたノウハウを、N高生徒に対する教育に生かせるというわけだ。○“本業後退”の流れに一定の歯止め一方の代々木ゼミナールとしても、N高生徒を受け容れることに利点がある。それは、“予備校”というイメージからの脱却だ。予備校というと、どうしても“浪人生が対象”という印象で凝り固まってしまう。代々木ゼミナールは、もちろん高校生の“塾”としての事業も手がけているが、やはり浪人生相手の企業というイメージが強い。加えて、少子化による受験生人口規模の縮小、現役主義の浸透による浪人生の減少、AO入試の普及による受験勉強の価値後退といった要因が追い打ちをかける。代々木ゼミナールが全国に展開する複数の校舎を閉鎖し、不動産業に転換するという報道が流れたのは記憶に新しいところだ。今回のカドカワとの提携による代ゼミNスクールの開校は、そうした“脱教育”といった路線に対し逆行するもので、代々木ゼミナールが本業の“DNA”を呼び覚ましたともいえよう。いずれにせよ、ネットの普及によりの生活様式は多様化してきている。古くは“新人類”“フリーター”という言葉が生まれたように、ここ数年は“ネット民”という様式が定着してきているほど、ネットの影響力が高まっている。N高および代ゼミNスクールの取り組みは、そうした新しい生活様式に則した新しい“学舎”といえる。
2016年01月20日物事には多面的な見方があることを教えよう の続きです。子どもには物事を一面的に捉える傾向があり、それゆえに不登校になってしまうものです。大人のように見方を変えて捉えることができれば、不登校になるほど悩むこともないはず。そこで今回は、子どもに多面的な見方を教えるためのヒントをご紹介します。物事を多面的に捉える技術を手に入れるには子どもが物事を多面的に捉える技術を身につけるには、やはりきっかけが必要です。けれどもそれは、家庭の中で用意できることです。チャンスはたくさんありますので、子どもにとって身近なことを利用して教えていけばいいのです。たとえば、食べ物を例として見てみましょう。子どもは割合に好き嫌いが多いものですが、その一方、ふとしたきっかけで嫌いなものを食べられるようになることもあります。ある食べ方では苦手だったものが、別の調理方法を使ったりメニューを変えたりすればおいしく食べられる、といった経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。こうした発見は、子どもにとって物事を多面的に捉えることのいい例になります。あれほど苦手で食べられなかった食材が、この料理にしたらむしろおいしく食べられた、というのはかなりのインパクトを与えることだからです。その際に、物事を多面的に捉えることについて話してみれば、効果はさらに上がります。このような経験を豊富にしてきた子どもは、物事を多面的に捉えるための気づきをたくさん得ることができますので、ほかの点で何か問題が起きた時にそれを応用し、自分の中で問題を解決しやすくなります。一見嫌でたまらないことが起きた場合でも、その出来事について別の評価をするだけで感じ方を変えられることを知れば、どっぷりはまり込んで悩むこともなくなるはずです。多面的な捉え方を教えると、好き嫌いがなくなる!?食べ物の場合に大事になってくるのは、親が子どものためにできるだけ料理を手作りすることです。そしてその中で、子どもに好き嫌いが多いからといって、子どもの好きなものばかり作らないことも重要です。子どもが嫌いな食材があったとしても、いろんな料理法やメニューを試してみるのが大事なのです。そして、工夫次第で嫌いな物でもおいしく食べられるようになるのだということを、身をもって子どもに示すこともできます。このやり方にはうれしいおまけもついてきます。それは、子どもの好き嫌いが結果的に減るという効果です。嫌いなものが減れば健康にもいい効果がありますし、食事の楽しみも増すので、子どもはその点でも幸せを感じることができます。このように日常には些細な困難がたくさんあります。それらに出くわした時に、「避ける」という対処法を採るのではなく、「解決する」という対処法を採るように(採れるように)、親がサポートしていく姿勢が重要なのではないでしょうか。(子育ての達人)
2015年12月26日なぜ子どもは不登校になるのか? の続きです。「子どもが不登校になってしまうのは、大人に比べると子どもの生きている世界が『狭い』ということに起因する」ことを前回ご紹介しました。今回は、そうした一見狭く見える世界も、見方を変えると道が開けることもある…ということについてお話しします。物事を多面的に捉えることが必要学校では、ものの言い方や友だちへの態度、ふとした弾みで取った行動などを契機として、それまで親しい友だちづきあいをしていた相手がこちらに敵意を向けてくる、などということは割合頻繁に起きる事柄です。大人にしてみれば、世界は何も学校だけでできているわけではないのだから、と思えるようなことでも、子どもにとっては学校での人間関係が自分の世界のほとんどを占めているわけですから、ものすごく大きな問題となって見えるわけです。ちょっとした行き違いで友だちにそっぽを向かれたり、学校で自分の居場所がなくなってしまったというように感じたりする子どもはいくらでもいます。そうなった時に、「もうどうにもならない」「一生嫌われた」「学校に行ってももう居場所がない」などと考え始め、最終的には不登校というかたちに行き着くことになるのです。大人であれば、よほどのことがない限り、そして、やり直そうという気持ちがある限り、どんな状態からでも挽回ができるということを理解しています。皆無とは言いませんが、「もうどうにもならない」ことなどほとんどありません。ところが、まだ未熟な子どもは物事を一面的にしか見ることができないため、そういう理解の仕方ができないと考えられています。極論すれば、・ある友だちに嫌われてしまったとしても、別の友だちを見つければすむことです。・クラス全員にそっぽを向かれたのであれば、1人で遊んでもいいでしょう。・何かで教師に怒られた場合でも、それ以後きちんとすることで見直してもらえばいいだけのことです。・最悪その学校でどうにもならない状態に陥ったとしても、そんなものはその学校を卒業するまでのことなのですから、学校には卒業まで我慢して通いつつ、学校以外のところで何か他のものを見つける努力をすればいいだけのことです。このように、大人がしているように物事を多面的に捉えるようにすれば、今以外の道がいくつも見えてきます。そうすれば、何も不登校になってしまうほど悩む必要は低減するはずです。しかし、子どもはこうした見方ができませんから、物事を一面的に捉えてそこにはまり込んでしまい、悩み過ぎた上に不登校になってしまうのです。せっかくのびやかに過ごすことのできる子ども時代を送っているはずなのに、これは大変もったいないことだと思います。そんなふうにならないためにも、物事を多面的に捉える技術をきちんと身につけておくことが大事になってきます。では、子どもに多面的な物事の捉え方を教えるには、どうするのがよいのでしょう? 次回ご紹介します。(子育ての達人)
2015年12月24日文部科学省によれば、平成25年度の小中学生の不登校は約12万人であり、前年度に比べると7,000人程度増加しています。さらに詳しく見ていくと、小学生の不登校は24,175人で、前年度比較で2,932人増加。中学生の場合は95,181人で、前年度比較で3,932人増加という結果になっています。このように不登校になってしまう子どもは増えてきていますが、自分の子どもが不登校に陥ってしまわないようにするためにはどんな点に注意すればいいのか、一緒に考えていきましょう。子どもの世界は狭い子どもが不登校になってしまうのは、大人に比べると子どもの生きている世界が「狭い」ことに起因すると考えられています。大人の場合、家庭以外にも幅広い人間関係を持っているものです。たとえば会社のほかにも、趣味に関する仲間、昔の友人関係、学校関係の知人、近所の人間関係、行きつけのお店など、その人間関係の種類は多岐にわたります。このため、TPOに応じて自分のキャラクターを変える機会も多いものです。会社では部下をよくまとめる上司、近所づきあいでは面倒見のいいお母さん、学校行事では子どもたちと一緒に楽しんで活動するお父さん、などといった具合です。これに対し、子どもの人間関係はぐっと幅が狭まります。家庭の人間関係のほかには、まずなんといっても学校、そしてそこにせいぜい塾などの習い事が含まれる程度でしょう。少し前であればここに近所の遊び相手としての子どもたち、というのが入ったものですが、近頃は少子化の進展によって子どもの数が減っているため、近所で学校における人間関係とまったく違った人間関係を構築することが、あまりできなくなってきています。就学前の子どもの世界のほとんどは家庭で成り立っています。子どもが大きくなって学校に行きだすと、学校における人間関係が重要性を増し始め、しばらくすると人間関係の中心が、家庭→学校での人間関係に取って代わるようになります。子どもたちにとって学校は、毎日相当の時間を過ごしている場所ですから、そこでの人間関係は必然的に濃密なものになり、ほかの世界をあまり知らない子どもにとっては、それがすべてといったことになりがちです。ですが、学校での人間関係というのは得てして不安定なもので、ほんのささいな出来事や行動によって、ある日突然まったく別の様相を見せ始めることがあります。皆さんもその昔、学校に通っていた頃の経験を思い出してみれば、うなずけるところがあるのではないでしょうか。そんな不安定な学校での人間関係をうまく乗り切るためには、どのようにするのがよいのでしょうか? 次回、その方法を紹介します。(子育ての達人)
2015年12月23日●2016年4月、「N高等学校」開校カドカワは14日、以前より公表していた不登校の高校生を対象としたネットの高校に関する発表会を行った。今回、新たに学校名やカリキュラムなどの詳細を明らかにし、出願受付を開始したことを報告。発表会には、カドカワ 代表取締役社長の川上量生氏、代表取締役会長の佐藤辰夫氏、ドワンゴ 教育事業本部の奥平博一氏が登壇した。○ネットの高校、詳細が明らかに同社は、「N高等学校」を"デジタル世代が夢見る、今のネット社会に対応した新しい高校"と定義している。N高等学校は通信制で、生徒はネットを活用して学習、全日制の高校と同じ卒業資格を取得できる。成立への想いについて、佐藤氏は「引きこもりや不登校などの問題が解決されないなか、そういった子供達はニコニコ動画や、カドカワのライトノベルやコンテンツのファンであると考えられます。高校に集まった生徒と社会との接点を見つけ、職業教育や大学受験へチャレンジできる場をつくることが理想です」と語った。今回正式に発表した「N高等学校」という学校名について、川上氏は「Nの意味に関しては、皆さんの想像にお任せしています。ネットやニコニコや仲間など、色々な言葉を想像できるかと思いますが、特に意味は決めていません」と語った。さらに、校舎の所在地は、沖縄県うるま市与那城伊計に位置することが明らかとなった。沖縄で年間5日間以上スクーリングを実施し、ネットだけでなくリアルな場面での教育にも力を入れていく。このほか発表会では、実際の制服姿のモデルが登場し、制服のデザインも初披露。「この制服を着ていくと何か良いことが起きるみたいなイベントも考えています」と川上氏とコメントした。●文化祭は「ニコニコ超会議」、ネットだけでなくリアルな場面も○好きなときに、好きなだけ。"ネットの授業"のメリットは?N高等学校は、授業配信、レポート提出もすべてネットで完結するシステムとなっている。生徒は拘束時間が短縮される分、やりたいことに時間を費やすことが可能で、各業界プロフェッショナルの講師陣によるプログラミング、文芸小説、ゲーム、アニメ、ファッション、美容など、多種多様な「課外授業」も希望に沿って選択できるという。また、同校の授業料は、学費から「高等学校等就学支援金」を差し引くことになり、実質負担金は、3年間で29万3,912円。1単位あたり5,000円で、スクーリング代は実費負担となっている。○あの"ビリギャル"の著者も講師に「課外授業」にも様々な種類があり、受験教育には、中経出版の全面協力のもと、オリジナルで制作した受験教材を活用。最新の大学受験動向と解説動画、講師との双方向授業を展開するという。講師には『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の著者で坪田塾塾長の坪田信貴氏などの実力派講師陣を迎える。ドワンゴのトップエンジニアによるプログラミング授業では、JavaScript、HTMLなどの基礎からスマホアプリなどの開発の知識、その他人工知能、ビッグデータ解析などを展開する予定。川上氏によれば、「初心者でもニコニコ動画のシステムを1からほぼ自分で作れるようになる」とのことだ。エンタテインメント創作授業では、ライトノベル作家の『キノの旅』の著者である時雨沢恵一氏や、イラストレーターのいとうのいぢ氏など、各分野の講師から制作ノウハウを学ぶことができる。○ネットだけじゃない、リアルの行事も充実同校では、生徒全員にメールアドレス、チームコミュニケーションツールの「slack」、ソフトウェア開発プロジェクトのための共有ウェブサービス「github」のアカウントを発行予定としている。「ニコニコ超会議」が文化祭、「闘会議」で課外授業活動、ニコニコ本社を自習室として利用できるなど、niconicoが展開する各種イベントや施設への参加機会を用意している。こういった施策の意図に関して、川上氏は「通信制高校に通っている生徒の話を聞いていると、勉強の悩み以上に大きな悩みというものが、友達ができないということ。高校生では、もちろん勉強も大事ですが、それ以上に友達をつくりたい欲求がすごく大きいわけです。事前に友達をつくって、一緒に高校生活を楽しめる。ネットの高校ならネットで友達をつくればいい。ネットだけでなくリアルでもつながる仕組みができればいいと考えています」と語った。また地方自治体の協力のもと、日本各地に宿泊しながら職業体験ができる。農業・漁業・伝統工芸など、実際に地方での職業体験に参加することで、早期に社会で役立つスキルを身につけられる環境を用意している。○開校へ向けての動き出願受付を開始した同校は、17日より学校説明会を開始する。さらに、11月には1日にフクラシア東京ステーション、3日に梅田阪急ビルオフィスタワー26階にて学校説明会を行う。このほか、11月以降ネットでのオープンキャンパスも毎月実施する。開校時期は2016年4月、定員は1万人を予定している。今後の目指していきたいこととして、川上氏は「N高等学校は、ネットを使って最先端の教育システムをつくることを目標。だからこそ、高校に出た後の出口を明確に示していきたいです。大学進学や、手に職をつけてから卒業できる、そういった学校を目指していきます」と意気込みを語った。
2015年10月16日不二家は13日より、全国の不二家洋菓子店にて「ミルキーミニバッグプレゼントキャンペーン」を展開する。○プレゼントがなくなり次第終了同キャンペーンは、全国の不二家洋菓子店で、「ミルキークリームロール」(980円)、「雪塩ミルキークリームロール」(980円)など、対象商品を含む1,200円以上購入した人に、「ミルキーミニバッグ」を1つプレゼントするというもの。キャンペーン開始は8月13日。プレゼントが無くなり次第終了となる。また店舗により対象商品が異なる場合、対象商品の取り扱いがない場合、売り切れの場合もある。一部の店舗ではキャンペーンを実施しないが、一部の不二家レストランでは実施する。※価格はすべて税込価格
2015年08月08日KADOKAWA・DWANGOは9日、教育事業発表会を行い、2016年春に「ネットの新しい高校」を設立することを明かした。代表取締役社長の川上量生氏と取締役相談役の角川歴彦氏が登壇し、デジタルネイティブ世代が夢見る理想の高校を目指すと発表した。同社は、両社が培ってきた強みや人材、目的を一つにして、より魅力的なコンテンツの創出や、革新的なサービスの提供を行っていくことを目指す中、その一つとして新たに取り組むのが「教育事業」だという。○「ネットの高校」、きっかけはゲームクリエイターの声発表会の冒頭で川上氏と角川氏は、今回「ネットの高校」を設立することになった経緯を明かした。川上氏「ドワンゴの関連会社のMAGES.に志倉千代丸という者がいて、彼が『角川ドワンゴだから、今の高校生が望むような高校を創れる』と話していた。今不登校が問題ですが、学校に行っていない人って、おそらく『ニコ動』(ニコニコ動画)を見ていたり、角川のライトノベルを読んでいるのではないか。そう考えると、僕達だからこそ解決できることがあるんじゃないかと思って創った次第です」角川氏「ゲーマーの間で著名なクリエイターとして有名な彼が高校を創りたいという話を聞いて、初めは戸惑ったんですが(笑)。趣意書を拝見すると、よくできていて。考えてみると、高校生には、ゲームが好きな人が沢山いて、MAGES.のようなゲーム会社は、優れたクリエイターが欲しい。これからは、スマホを持ってSNSやゲームを楽しむ若い世代から、新たなクリエティブが生まれると思っているので。とはいえ、そういう提案が出たのは、カルチャーショックでしたよ」○なぜ今「ネットの高校」なのか次に、通信教育も増える現代で、「ネットの高校」を設立した社会的背景を語った。角川氏「高校の不登校生は17万人ほどいると言われていて、人口は減少しているが、小・中学校で不登校生数は高止まりしている。そして実は小・中学生の時に不登校生になった人も多いと考えられます。そういう意味で、不登校生って本当に大きな社会問題なんだなあと。それを僕らが参加して解決することが大きなテーマなのだと思います。また、戦後にできた学校教育制度が制度疲労を起こし崩壊しかかっている。例えば、高度経済成長時代、大学は社会が求める経済人として迎えるためのものだった。ところが、経済が多様化すると、大学生は画一化し多様性がなく、高校生さえも"いい大学に行って、いい会社へ行くための予備校"になってしまっている。でも、本当の親の気持ちというのは、自分の子供が夢を見つけて叶えてほしいということだと思うんです」川上氏「今の不登校生の人達は、悪い言い方をすればネットに逃げている。一方で、ネットに救われている部分もある。だからこそ逆に、これからのデジタル時代に、普通の人よりも適性があるのかもしれない。潜在的に日本の隠れた財産として眠っていると思うんです。ドワンゴも、最初はネットをやりすぎて社会からドロップアウトした人達を中心に創った会社だった(笑)。彼らは、社会生活を送る能力はないけど、ネットのものをつくるスキルはあった。そういう人達も、眠っていると思います。特に若い人達であれば、まだまだやり直せるチャンスがある」角川氏「角川とドワンゴはよく似たところがあって、サブカルチャー、ポップカルチャーが好きな人が、両社を好きだったりする。そういう人達が自然に小説家になりたい、アニメ作りたい、ゲーム作りたいと思った時に、受け入れる社会になっていない。国のコンテンツを支えるサブカルチャーには、本当はビジネスチャンスが沢山ある。僕らサブカルチャーが社会問題を解決する。サブカルチャーが経済を豊かにし、仕事の場を与えることができると思う」○ITを活用した授業の優位性とは同社の授業では、インターネットを活用して、豪華な講師陣の授業、職業体験のマッチング、先生や同級生と繋がりながら学習する双方向サービスの3つを提供する予定だという。これまでも通信制の高校や、予備校の映像授業などは存在したが、インターネットを使うメリットとしては2点あり、「数万人相手の授業ができ、ひとつひとつの授業にお金をかけて中身を作り込めることと、単純に映像を流すだけでなくコミュニケーションが取れること。学校というのは、友達と一緒に頑張れるのが大きな意味があると思うので、そこを解決できるのが大きい」と川上氏。また、同校では授業のほかに、学生同士の「コミュニティ」の場も提供するという。これについて、川上氏は「学園生活も、僕らはネット及びリアルを使ってできる仕組みを考えている。高校の文化祭のように、『ニコニコ超会議』で屋台をやってお好み焼きを焼くとか。そんなことをやっても面白いかもしれない」とコメントした。○社会性を培う"キャリア教育"もこのほか、同校では、「キャリア教育」にも力を入れていく。グループ会社のバンタンと連携し、アニメ・イラスト、ゲーム、ファッションなどの各業界のプロによる課外授業も想定しているという。また、ネットを使って、社会の学生を早期にマッチングを図り、全国の地方自治体と連携した職業体験も計画している。同社の今後の教育事業スケジュールとしては、2015年3月に沖縄県に学校設置等に係る計画書を提出し、現在審査中だという。沖縄県にした理由として、川上氏は通信制高校に必要な”スクーリング(面接授業)”に触れ、「いろいろ理由はあり、地域にとっても良いと思ったということもありますが、どうせスクーリングに行かなきゃいけないなら沖縄の方がいいんじゃないかなというのが(笑)」と発言。2016年初春に「双方向学習WEBサービス」をリリース、春に「ネットの高校」開校を目標としている。
2015年07月10日KADOKAWA・DWANGOは9日、新たな教育事業として、デジタルネイティブ時代の子供たちに向けた「ネットの新しい高校」の設立を目指すと発表した。○不登校の生徒高止まりの現状打破へ、IT活用し「ネットの新しい高校」設立現在、日本の教育現場は、人口が減少するなか、不登校の生徒数は高止まりし続けているという状況があるという。また、インターネットの普及により仕事の効率化が進み、求められる仕事や人材にも変化が訪れている。一方で、教育システムや教育方針自体は高度成長期から変わっていない。そこで同社では、今後未来を担う学生が、より自由に自身のやりたいことを見つけ、得意分野を伸ばせる環境づくりに取り組んでいくとして、「ネットの新しい高校」を設立することにした。具体的な施策としては、同社の強みのITを活用し、時間や場所を問わない動画学習や、双方向性を備えた学習プラットフォームを提供する。また、早期に社会性を身に着ける活動として、全国の地方自治体と連携し、様々な職種の職業体験を実施する。これにより、社会でのリアルなつながりを構築できるほか、若手の人材が不足している地方とのマッチングを図る。さらに、教育事業を手掛けるグループ企業のバンタンと共同し、キャリア教育も実施する。課外授業として、IT教育(プログラミング、リテラシー)の他、有名ライトノベル作家や、ゲームクリエイター、デザイナー、経営者をはじめとした、各業界で活躍するプロによる授業を展開するとのことだ。すでに2015年3月に、沖縄県に学校設置等に係る計画書を提出し、現在審査中。2016年初春には、双方向IT学習サービスをリリース、同年春に「ネットの高校」の開校を目指すとしている。
2015年07月09日“世界一不機嫌な顔の猫”で大ブレイクした「グランピーキャット」に代表されるように、三白眼、怒り顔、諦め顔など、“不機嫌顔”の猫がいま大人気!でも、なぜ惹かれてしまうのでしょう。「どの要素も人に置き換えた場合、いずれも正直“望ましくないファクター”です。そんな顔の猫を見た時、人は勝手に、『媚びてない姿が凛々しくていい』と、錯覚するところがあるようです」と話すのは社会学者の栗田宣義さん。「人間同士だと諍いに発展しそうな表情やしぐさも、猫ならば積極的に受容される理由はそこなのでは。人間より圧倒的に非力で小さく、弱い生き物である猫ですから、不機嫌でもこちらは別に怖くはない。人間側の傲慢さの裏返し、なのかもしれませんね(笑)。とはいえ、いわゆる“不機嫌顔”はあくまでも猫の造作という物理的な事柄であって、表情ではありません。人間たちは自分たちの都合で、猫の表情として勝手に読み取っているんだと思います」栗田さんの話を整理すると、不機嫌顔に惹かれる3大理由はこうなります。■不機嫌顔になられたって、結局何をしててもかわいいから。■「媚びてない! 凛としていてかっこいい!」とつい思っちゃうので。■そもそも顔の造作であって、本当に“不機嫌”なわけじゃないから。※『anan』2015年6月10日号より。文・服部 円(C)GoodLifeStudio
2015年06月08日平愛梨を主演に迎えた、日本国民が選ぶ「最も怖い映画」堂々1位の恐怖シリーズの最新作にして最終章『呪怨 -ザ・ファイナル-』。このほど、前作『呪怨 -終わりの始まり-』で主演を務めた佐々木希が、本作にも出演していることが明らかとなった。小学校教師をしている妹・結衣の失踪を聞いた麻衣(平愛梨)は、結衣が頻繁に「佐伯俊雄」という不登校の生徒の家を訪れていたことを知る。何か手がかりを得られないかと、「佐伯俊雄」の居場所を捜索し始める麻衣。だが、その日から麻衣の周りで不可解な事が起こり始め…。昨年公開し、大ヒットした『呪怨 -終わりの始まり-』では主人公・生野結衣役を演じていた佐々木さん。彼女が演じた結衣は小学校教師で、クラスにいる不登校の生徒「佐伯俊雄」の家を訪れたことから、呪いの鎖に巻き込まれていくという役柄。前作のラストについて、公開後のレビューでは「佐々木希は結局どうなったの!?」という声が多数アップされ、物議を醸した。佐々木さん本人も、撮影後のインタビューで「私自身も結衣が生きているのかどうか、はっきりとは分かっていません。映画を観てくださった方たちが自由に想像して意見を交換してもらえたら」と回答したほど。そして、本作では佐々木さん演じる結衣の姉・麻衣役として、平さんが主演。妹・結衣が長年の夢である小学校教師になったにも関わらず、行方不明になった知らせを受け、彼女の居場所を捜索するところから物語は始まっている。前作に引き続き、本作に出演することになった佐々木さんは、「このシリーズの最後の作品に参加できてとても光栄です。前作もものすごく怖かったのですが、今回は、ついにあの『呪怨』シリーズの最後の作品ということで、前作以上に怖くなりそうです。私も台本を読んで震えてしまいました」とコメント。「本作では、いままで見せたことのないような表情を見せていますので、そこにも注目していただけると嬉しいです。ぜひ劇場で友達や恋人と目一杯怖がっていただけたらと思います」と、意味深に語ってくれた。佐々木さん扮する結衣は、生きていたのか…?どんな形で登場するのか注目していて。『呪怨 -ザ・ファイナル-』は6月20日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月29日子供の頃って、10時間ぐらいは平気で寝ていませんでしたか?でも、いわゆる現代っ子たちの何割かは、ネットゲームのせいか、日中に外で遊ばないからなのか、睡眠不足に悩んでいるのだそうです。一体子供たちの体にどのようなことが起こっているのでしょうか?子供の睡眠障害が増えている現代は、睡眠に悩みを持つ子供が増えているそうです。これまで、子供の睡眠障害は不登校と直結しているもので、「心の問題」だと考えられていました。しかし最近では、睡眠リズムに問題があるため朝起きることができないという説があります。実際に、不登校や睡眠に悩みを抱える子供の脳を調べたところ、脳機能のバランスが乱れた状態だったという報告もあるそうです。そのため、質の良い睡眠をとることができず、睡眠不足も慢性化してしまうという悪循環に陥ると考えられています。不登校と睡眠障害の関係睡眠不足が慢性化して睡眠障害になってしまうと、当然学校へ行くことが困難になります。すると、欠席する回数に比例するように学校の授業についていけなくなってしまい、自分だけが取り残されたような気持ちになります。そうやって学校に行くこと自体が楽しくなくなってしまうと、不登校になってしまうこともあるかもしれません。最近の研究で、慢性疲労症候群と睡眠不足に関わりがあるということが分かっています。慢性疲労症候群とは、半年以上、疲労状態が続き、頭痛がしたり、起きることができなくなる原因不明の病気です。今後は、子供の睡眠障害を解消するために脳科学分野からの新たなアプローチに期待が集まっているそうです。科学の発達によって、これまでは解消不可能だったことが可能になる日も近いかもしれませんね。今はスマホにパソコンにネットゲームにと、24時間遊べるものがなんでもあるので、子供が睡眠障害に陥るのも無理はないのかもしれません。大人のサポートが必須な時代になってきているようです。Photo by Jessica Lucia
2015年01月31日マイナビニュース会員のパパ&ママ199名にとったアンケートによると、「我が子と接していて、イライラしたりカッとしたりしたことがある」と回答した人は56.3%と過半数となった。その理由に関しては、「熟睡してくれないとき」「夜泣きがひどいとき」といった眠りに関する内容を挙げている回答者が目立った。赤ちゃんと眠り。今回はこのことについて考えてみるとしよう。生まれたばかりの新生児の睡眠時間は、1日に20時間前後といわれ、1日の大半を寝て過ごす。その後、赤ちゃんの睡眠リズムが確立されるのは一般的には生後半年ほどといわれてきた。月齢が低いと夜間も3時間おきの授乳をするケースが大半で、昼間に赤ちゃんが寝付くと、「やっと私も寝られる……」とダラダラと一緒に昼寝をしてしまい、ハッと気づけば外は薄暗くなっていた……というママも多いだろう。実はそんな日々が続いてしまうのは危ない。今回は、「眠りの専門医」こと「スリープクリニック調布」院長・遠藤拓郎先生に赤ちゃんの睡眠について解説していただく。遠藤先生によると、赤ちゃんは生後5日目で「夜寝て朝起きる」といった睡眠サイクルができあがるのだというのだ。○「夜8時に寝かせて朝8時に起こす」が基本赤ちゃんの成長にとって睡眠は非常に重要だが、「昼夜関係なくダラダラと寝かせてしまうのは、効果的な睡眠といえません。睡眠を支配する体内時計は癖がつきやすく、悪い癖がつくとなかなか治りません」。ここからは、赤ちゃんの体内時計や生活リズムを整え、ぐっすりと眠るための具体的な方法を紹介していこう。遠藤先生によると、基本は「夜8時に寝かせて朝8時に起こす」。この生活リズムを確立させることで、赤ちゃんの体内時計が正常化するという。体内時計は光に影響されるため、まずは朝起きるとしっかりと太陽の光を浴びさせることが重要。夜になっても明るい部屋にい続けると、体内時計が狂ってしまうので、夜8時までには天井の照明から間接照明などに切り替え、薄暗くした寝室で寝かせてあげよう。赤ちゃんがぐずってなかなか寝ないときは、赤ちゃんの手足を触ってみよう。もし冷たくなっていたら、手で握って温めてあげて血行を促進すると眠りやすくなるという。また、赤ちゃん自身がかんしゃくを起こしていると興奮してますます眠りにくくなるため、注意をそらしてあげることも効果的。子守歌などを聴かせているうちに落ち着き、寝付きやすくなる。○見逃しやすい「オムツ」の存在その他、「吸収性の高いさらさらのオムツの使用も重要」と遠藤先生。その理由は、寝ている間にお尻がぬれた状態になると、それが原因で赤ちゃんが目を覚ますことがあるからだ。「赤ちゃんはおしっこをする15分前からおしっこ後の10分までの間に体を顕著に動かすという調査データがあり、つまりはおしっこ前後で目を覚ましやすい状態にあります。この時にお尻がぬれた感覚がプラスされると、はっきりと目を覚ましてしまう可能性が高くなります」。赤ちゃんがおしっこをするとすばやく吸収。しかも表面に逆戻りしにくいオムツが理想というわけだ。赤ちゃんの夜泣きに悩むパパ&ママは睡眠不足に陥り、「根本的な原因を探る! 」という心の余裕すらなくしがち。まずは昼夜のメリハリをつけ、寝室環境を整える。そして、オムツも見直してみる。それで赤ちゃんの眠りが改善されるかもしれない。また遠藤先生によると、「乳児期の悪い睡眠習慣が影響し、成長しても朝起きることが苦手となり、将来の不登校の原因となってしまう可能性もあります」とのこと。質の悪い眠りは、乳幼児期だけの問題ではないのだ。
2014年06月30日東北大学は12月25日、量子力学の基本原理の1つである「測定誤差と擾乱に関する不確定性関係」に関して、「ハイゼンベルクの不等式」が破れており、「小澤の不等式」ならびに、2013年に新たに提案された「ブランシアードの不等式」が成立していることを、量子状態の弱値を得ることが可能な「弱測定」を用いた実験で検証することに成功したと発表した。同成果は、同大電気通信研究所の枝松圭一 教授、名古屋大学大学院情報科学研究科の小澤正直教授らによるもの。詳細は2013年12月26日付の米国物理学会論文誌「Physical Review Letters」オンライン版に掲載される予定だ。これまで研究グループは、量子力学の基本原理の1つである「測定誤差と擾乱に関する不確定性関係」として知られる「ハイゼンベルクの関係式」が破れており、名大の小澤教授が発見した新しい関係式(小澤の不等式)が成立していることなどを明らかにしてきたが、小澤の不等式のがε(A)=0またはη(B)=0ではない場合、両辺の等号が成立する場合があるのか、より厳しくかつ常に成立する不等式は存在するのかなどの疑問が残されていた。こうした謎の解明に向け、2013年にはオーストラリア・クイーンズランド大学のCyril Branciard博士が小澤の不等式を改良し、ε(A)=0またはη(B)=0以外の場合にも等号が成立する場合がある、より厳しい関係式(ブランシアードの不等式)を導き出していた。また、同博士は、電子スピンの向きの測定や光子の偏光の測定の場合などにおいて成立するさらに厳しい不等式も導きだしており、この不等式が理想的な場合には両辺の間に等号が成り立つことが判明していたが、これらの不等式(ブランシアードの不等式)の実験的検証が求められていた。そこで研究グループは今回、光の偏光に関する計測法「弱測定」を用いて、小澤の不等式とブランシアードの不等式が成立すること、ならびに測定された誤差と擾乱の関係が、ブランシアードの不等式が予言する限界に近いものとなっていることを実験的に確認することに成功した。具体的には、光の量子である「光子」の偏光を用い、縦横方向の偏光測定の強度を変化させたときの、「縦横方向の偏光測定における誤差」および「その測定によって斜め45度方向の偏光が受ける擾乱」を計測。測定誤差と擾乱の計測に用いられた弱測定法は、誤差や擾乱の計測を行いたい実験装置(MA)の前段に弱測定の実験装置(WP)を配置し、WPの測定結果とMAの測定結果を比較することで、MAの誤差や擾乱を計測することができるもので、今回の実験では、測定の強さが弱いWPを採用し、測定対象となる系(=光子の偏光状態)をほとんど変えることなく、精密に誤差や擾乱を評価する手法を開発した(この測定系はブランシアードの不等式が成立するための必要な条件を満たしている)。MAにおける測定の強度(横軸)を変化させたときの、誤差および擾乱に関する不等式の成立状況を見ると、図から、ハイゼンベルクの不等式の左辺は右辺を下回り、不等式が破れているのに対し、小澤の不等式ならびにブランシアードの不等式が保たれていることが分かった。特に、ハイゼンベルクの不等式の左辺は、不等式が予言する下限C=0.995に近い値となっており、同不等式において等号が成立する条件に近い状態が実現されていることが分かったほか、光学素子(偏光プリズム)の不完全性を考慮した場合の理論値と比べても実験値をよく再現していることが判明した。さらに誤差と擾乱に関する測定結果と不等式の下限値を、誤差を横軸、擾乱を縦軸にプロットしてみると、実験び結果はハイゼンベルクの不等式を破り、他の不等式は満たす領域にあることが判明。このことは、2つの物理量(この場合は縦横方向偏光と斜め45度方向の偏光)に関する誤差と擾乱がハイゼンベルクの不等式から予言される下限値よりも小さいこと、つまり、2つの物理量がハイゼンベルクの不等式によって制限されると思われていたものよりも高い精度で同時に測定可能であることを示しているほか、実験結果は小澤の不等式を満たしているものの、小澤の不等式における下限値よりもかなり大きい領域にある一方で、ブランシアードの不等式の下限に近接しており、 理想的な実験を行った場合にはブランシアードの不等式が誤差と擾乱の関係の下限値を与えることが示された。今回の研究について研究グループでは、新たに提案されたブランシアードの不等式に対する初の検証実験であり、小澤の不等式よりも厳しいブランシアードの不等式が検証されるとともに、誤差と擾乱が達し得る下限に関して新たな知見に達することができたとする。また、弱測定法は、誤差と擾乱を計測する以外にも、被測定系の状態を変化させずに物理量を計測する一般的な計測法として期待されてきており、今回の研究で用いた被測定系の状態をほとんど変化させないほぼ理想的な弱測定系の実現により、誤差と擾乱に関する明瞭な検証実験が可能になったで、物理のみならず科学技術一般に広く行われる「測定」という行為に対し根本的な制限を課す「不確定性関係」への見直しとなることはもちろん、従来の不確定性関係の枠を超えた超精密測定技術や新たな量子情報通信技術の開発などの多くの応用を拓くことが期待できるとコメントしている。また、光子の偏光は、各々の測定結果は2通り(例えば縦偏光と横偏光のどちらか)となる点で、電子や中性子における「スピン」と同じ2次元系とみなせることから、今後は、さらに次元の高い物理状態や、ハイゼンベルクのガンマ線顕微鏡の思考実験で出てくる位置と運動量などのように、連続的な値を取り得る物理状態に対する不確定性を検証する実験にも取り組んでいき、不確定性に関するさらなる理解と応用を広げていければとしている。
2013年12月25日「転校」は人生の一大イベントです。今まで培ってきた友達関係はすべてリセットされますし、未知の環境に一人ぼっちで放り込まれるわけですから。大げさではなく「転校で人生が変わった」なんて人もいるのではないでしょうか。「転校」について聞いてみました。調査期間:2012/12/26~2013/1/8アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 1,000件(ウェブログイン式)まず転校経験の有無を聞いてみました。■これまでに「転校」を経験したことはありますか?はい217人(21.7%)いいえ783人(78.3%)約22%が転校経験者です。筆者は意外と少ないなと思いましたが、皆さんはどう思いますか?次に「いつ転校」したかを聞きました。■「転校したことがある」と答えた人に質問です。転校を経験したのはいつでしたか?小学生186人(85.7%)中学生28人(12.9%)高校生3人(1.4%)小学生時代の転校が圧倒的に多いという結果です。子供が小さい時は両親も若いですから、会社から転勤を命じられやすいのでしょうか。次に「転校の回数」を聞きました。■転校は何回経験しましたか?1回144人(66.4%)2回40人(18.4%)3回20人(9.2%)4回7人(3.2%)5回以上6人(2.8%)2回までの合計で84.8%ですから、大体2回までの転校で済んでいるようです。ただ、5回以上の転校を経験した人が約3%います。転校の回数が多いと大変ですね。■転校にまつわるエピソードは!?転校経験者に転校にまつわるエピソードを聞きました。回答をご紹介します。●1回の転校経験クラスに行って自己紹介の後、質問コーナーがあり、「何歳ですか?」とある男子に聞かれた。こいつはバカだと本気で思った。(北海道/女性/31歳)まあ、そう言わずに(笑)。つい聞いてしまったんですよ。●1回の転校経験東京から田舎に引っ越し、完全アウェーだった。(愛知県/男性/37歳)転校すると一人ぼっちですからね。初めて登校する時のアウェー感たらないですね。●2回の転校経験クラス全員からお別れの手紙をもらいましたが、よくよく見るとどう見てもラブレターだというのが1通あって、今思えば「もっと早く告白してくれれば……」と思います。(愛知県/男性/36歳)無茶を言ってはいけません(笑)。あなたが転校するなんて夢にも思っていなかったでしょうから。●2回の転校経験東京に来たとき、なまりや方言のことがもとでいじめられました。東京はコワイところだと内心思いました。(東京都/女性/28歳)東京の標準語に驚く人は多いようです。相当戸惑うみたいですよ。●3回の転校経験東京⇔富山で何度も転校をしていて、保育園のとき、東京の標準語でしゃべっていたら「日本語しゃべれよー」と富山県の子に言われて仲間外れにされた。今思えば、そっちが日本語しゃべれよ!(埼玉県/女性/25歳)これは上記と逆のパターンで、標準語をしゃべっていて苦労した経験です。どちらのアウェー感も胸に迫るものがあるでしょうね。●3回の転校経験1学年4クラスくらいだったが、転校先は1学年1クラスしかなかった。(神奈川県/男性/26歳)1クラスしかなかったら、その学校内での人間関係は密でしょうね。一人で飛び込むのはさぞや大変だったのではないでしょうか。●4回の転校経験ちやほやされた。いじめられたこともある。一年に2回引っ越しをしたときは、運動会が一年に2回あったこともある。校歌を覚えられないうちに、引っ越すこともあった。転校時には、クラスのみんなに文房具のプレゼントをした。(東京都/女性/23歳)4回も転校するといろいろなことを経験するんですね。転校が子供に大きな影響を与えることがわかりますね。●5回以上の転校経験引っ越して来た日がオリンピックの開会式で、私よりも開会式にみんなが興味津々だったこと。(東京都/女性/26歳)みんなの興味がよそに向いていて逆に良かったのでは!?●5回以上の転校経験海外ばかり。(東京都/男性/25歳)親御さんの仕事の都合なのでしょうね。ちょっとうらやましい気もしますが、苦労も人並み以上なのでしょうね。次に、転校が自分に影響を与えたかを聞いてみました。■「転校したことのある人」に質問です。転校をきっかけに性格が変わったりなど、現在の自分に影響はありましたか?はい96人(44.2%)いいえ121人(55.8%)約44%の人が影響があったと答えました。どんな影響があったのかを聞きましたので、回答をご紹介します。●カナヅチだったのにバリバリのスイマーに!カナヅチでプールの授業の日は毎回雨になることを祈っていた私でしたが、赤道直下で常夏のシンガポールでは一年中プールの授業があるからと、担任の先生がマンツーマンで泳ぎ(というかまず浮くこと)を教えてくれた。おかげでみるみる泳げるようになり、高校時代は水泳部に所属、今でもその部活の仲間とはものすごく仲良し。(東京都/女性/31歳)シンガポールに転校というのもスゴイですが……シンガポールの学校って一年中プールの授業があるんですね!●明るくなりました!明るい性格になれたと思います。前の学校では執拗(しつよう)ないじめに遭っており、やっと解放されたと感じました。転校当時は解放感のあまり、変な言動が多かったと思います。(長崎県/女性/35歳)前学校のいじめを新しい学校で振り切ることができたのですね。これはいい転校の例です。●元の学校が良かった!14歳で中学を転校させられたので、元の学校に通って別の人生を歩みたい。不良の中に放り込まれて、登校拒否になりかけたし勉強する気もなくなった。(東京都/女性/48歳)少しお気の毒な例です。転校前の学校が肌に合っていたのでしょう。●性格が変わってしまったいじめがあったり、人間関係の構築に苦労したり、性格が大きく変わった。(兵庫県/女性/30歳)転校を機にいじめに遭ってしまった人の例です。難しいですね。●人を笑わせるのが好きに!面白いことが大好きになり、人を笑わすのが好きになった。(兵庫県/女性/23歳)これも良い例です。転校先の学校が明るい雰囲気だったのでしょうか。●不登校になった転校してから新しい学校になじめなくて、1カ月くらい不登校になってしまった。(栃木県/女性/38歳)新しい学校が肌に合わないとつらいですね。●引きこもりがちに……だいぶ引きこもりがちになった。(東京都/男性/40歳)悲しい例ですが、転校はこういうことも引き起こします。子供はつらいですねえ。●積極的になった前の学校ではほとんどしゃべらなかったが、積極的になった。(東京都/女性/21歳)人間関係がリセットされるので、こんなことも起こります。●目立たないように……人より目立ってはいけないという思いが強くなり、人の顔色をうかがうようになってしまった。今でも変えることができない。(埼玉県/女性/34歳)転校生は目立ちますからねー。「ほっといてくれないかな」という気持ちになりがちですよね。●天才児デビュー!?成績もトップ、マラソン大会では新記録を出し、水泳大会でも学校内で1位、2位と何でもできる天才児になった。(東京都/女性/32歳)これはスゴイ(笑)。こういう転校ばかりだといいんですけどね。小学生のころに経験することが多いため、転校は幼な心に少なからぬ影響を与えるようです。あなたは転校したことがありますか? また転校によって何らかの影響を受けましたか?(高橋モータース@dcp)
2013年03月06日不登校や高校中退を経験した生徒が、高校卒業からの希望進路実現に向けて多数学ぶ広域通信・単位制の第一学院高等学校は、第8回目となるフットサル全国大会「WITHUS DAIICHI CUP 2012」を開催する。今年で開催8回目となるこの大会は、不登校・中退生が中心のスポーツイベントとしては日本で最大規模。参加する生徒の大半は、何らかの形で一度挫折を経験している。そんな、新たな一歩を踏み出そうとしている生徒たちを元気づけて、達成感や成就感、喜びを感じてもらう機会の提供を目的としている。本年は「今より、もっともっと自分も周りの人も好きになろう!~ Try Your Best and Play for Others! ~」をテーマに、全国のキャンパスを男女9ブロックに分けて予選大会を行い、予選大会を勝ち上がった各ブロックの男女1位チームが東京で行われる決勝大会に進出する。8月24日に行われる予選大会と、9月14日に行われる決勝戦の開催場所と開催時間は以下の通り。■予選大会(8月24日) ・北海道/東北ブロック予選11:00~15:00ワッセ仙台(宮城県仙台市) ・北関東ブロック予選12:00~15:50真岡市スポーツ交流館(栃木県真岡市) ・千葉/埼玉/東京ブロック予選11:00~15:00FFC東川口(埼玉県川口市) ・西東京・横浜ブロック予選11:30~14:50フットサル台場(東京都江東区) ・北信越ブロック予選11:50~15:30アイザックスポーツドーム(富山市) ・東海ブロック予選10:50~16:00フットボールコミュニティーNAGOYA(愛知県名古屋市) ・関西ブロック予選10:30~14:15マグフットサルスミノエ屋内コート(大阪市) ・中四国ブロック予選11:00~15:30岡山ドーム(岡山市) ・九州ブロック予選11:50~15:40博多の森球技場(福岡市)■決勝大会(9月14日) ・決勝大会10:30~16:30コナミスポーツクラブ本店(東京都品川区)大会の詳細等は「WITHUS DAIICHI CUP 2012のページ」へ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月23日赤城乳業は6月5日、不二家のネクターピーチをイメージしたかき氷「不二家ネクター桃のかき氷」を発売する。不二家ネクターは1964年発売の飲料。今回発売のかき氷には桃をまるごと裏ごしした果汁を使用。初夏にぴったりの華やかな桃の香りと甘く濃厚なおいしさが楽しめるという。価格は126円。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月29日誰でも簡単!発酵いらずの冷凍パン生地、不二家 焼くだけベーカリー「フランママン」が、不二家ネットショップ・ファミリータウンにて発売を開始した。今回発売されるのは、「焼くだけクロワッサン」(10個入り ¥1,155)、「焼くだけメロンパン」(10個入り ¥1,575)、「焼くだけデニッシュ」(10個入り ¥1,575)の3つ。発酵後のパン生地を急速冷凍しているため、発酵&解凍が不要。冷凍のままオーブンに入れるだけで、パンが焼きあがるというお手軽さがうれしい。3つとも生地にキャンディの「ミルキー」で使用しているれん乳が練り込まれており、ほのかに香るミルク風味が特徴だ。不二家ならではの簡単パン生地は、普段の朝食やホームパーティーなど利用シーンも様々、パンを作ってみたいけれど、発酵が面倒という人に特におすすめだ。お問い合わせ: 不二家ネットショップ"ファミリータウン"「スイーツショップ」
2012年01月30日