LITALICO発達ナビの「施設情報」では、24時間いつでも施設に直接WEB問い合わせすることが可能です!また、各施設の特徴や、利用者の声も合わせて知ることができるので、お子さんにぴったりの施設を探すことができます。今回は、神奈川、千葉、栃木、大阪で、いま空きがある放課後等デイサービス・児童発達支援施設をピックアップ!気になる施設を見つけたら、「ページを見る」をクリックして、詳しい情報をチェックしてみてください。発達ナビ「施設情報」神奈川県 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報おもちゃ箱かなざわは今年の9月に新しく開所した教室で、児童発達支援施設も併設しています。専門性を持ったスタッフによるキッズヨガや作文教室、音楽レクリエーションなどをはじめ、TEACCH、ソーシャルスキルトレーニング、学習支援、感覚統合療法などの支援プログラムも充実しています。また、子どもたちに提供するおやつは手作り。料理教室主催の先生がレシピ監修をおこなっている自信作です。神奈川県の放課後等デイサービスをもっと見る神奈川県 児童発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報おもちゃ箱かなざわは今年の9月に新しく開所した教室で、放課後等デイサービスも併設しています。保育所勤務経験のある管理者が中心となって、小学校就学前に必要なスキルを遊びを通して学べるようなプログラムを実施しています。子どもたちに提供するおやつは、料理教室の先生がレシピ監修を行っており、「体に優しく心に楽しく成長をサポートする」をモットーに、素材にこだわり手作りで作製しています。Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス 相模原教室では、幼児教育の「コペル」で使用している教材を数多く使用したプログラムを準備しています。豊富なオリジナル教材、フラッシュカード等を使用し、認知課題・ことばのプログラム・ソーシャルスキルトレーニングなど、お子さんに合わせてバラエティに富んだプログラム内容を実施しています。また、児童指導員、保育士幼稚園教諭を始め、コペルで認定を受けた指導員が在籍。お子さんの特性に合わせた療育を行っています。神奈川県の児童発達支援施設をもっと見る千葉県 児童発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報BRIDGE新検見川では、生きる力の教室としてバランスのとれた支援を行っています。「子どもたちへの可能性を導く架け橋となる」の理念のもと、身体発達トレーニング、認知発達トレーニング、パーソナルトレーニングの3つの柱で支援プログラムを実施中です。ほぼすべてのスタッフは児童指導員及び保育士。また子育ての経験のあるスタッフも多く在籍しています。保育所等訪問支援では、就園前後・修学前後のスムーズな「移行支援」ができるよう、集団の中での課題を解消し、子どもたちの健やかな成長を促します。千葉県の児童発達支援施設をもっと見る千葉県 その他の発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報興学社高等学院では「自分らしく、君らしく」を校訓に掲げ、不登校傾向だった生徒や発達に課題のある生徒、人間関係の構築に苦手さを感じている生徒や心の病気に苦しむ生徒を積極的に受け入れています。普通高校卒業資格取得はもちろん、子どもたちが高校卒業後の社会で力強く生きていくための素地を培う教育を実践しています。自由選択授業の種類が80種以上あり、自分に合った学びを選択できるほか、希望生徒にはWISC-Ⅳ検査を実施するなど、個々に適したアプローチをできる体制を整えています。千葉県のその他支援施設をもっと見る栃木県 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報グローバルキッズメソッド宮の内店では、オンライン学習ソフトやマインクラフト・イラストレーターといったツールを使った学習スタイルを用意。また工作や実験なども行い、巧緻性や創造性、ソーシャルスキルの向上を促しています。室内は「パソコン室」「実験工作室」「学習室」「メインホール」の4つに別れており、集中して活動に取り組めるようにしています。保育士や教員を中心に、就労支援などの福祉現場で経験を積んだスタッフも在籍。お子さんが無理なく落ち着いて活動できるように配慮しています。Upload By 発達ナビ施設情報グローバルキッズメソッド小山駅東店では、社会性を身に着けるためのソーシャルスキルトレーニングや、工場の作業を真似たロールプレイングや作業訓練の活動を実施。保育士や教員免許取得者などのスタッフが在籍しており、児童がチャレンジしているビジネス文書検定では、スタッフも一緒に受験するなどの取り組みをしています。“働く”とは何かを知ってもらいたいという思いから、どんな分野の職業があるか調べる活動を行うなど、将来を見据えた支援を行なっています。Upload By 発達ナビ施設情報グローバルキッズメソッド真岡東店では、「個別療育」と「グループ療育」の2つを中心に、どうやったら楽しく療育ができるか考え、日々の支援を行っています。スタッフは、保育士や教員を中心に、臨床心理士など、専門性の高いスタッフが在籍。また、リトミック指導員のスタッフも在籍し、本格的なリトミックを実施しているほか、「教育版ボーカロイド」を導入しており、タブレット端末で簡単に作詞・作曲体験が出来るなど、音楽に触れる活動を積極的に実施しています。栃木県の放課後等デイサービスをもっと見る栃木県 児童発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報グローバルキッズパーク小山駅東店では、親離れをする年齢を決め「働ける・稼げる・生活できる」を目標に、療育に力を入れています。ソーシャルスキルトレーニングや作業訓練のほか、外出を通して集団行動や時間の把握方法を学ぶ機会を作っています。放課後等デイサービスとも隣接しており、そこに通う児童との交流も実施。スタッフは、児童発達支援管理責任者のほかに保育士や教員免許取得者などが在籍していて、多様な教材を使い子どもたちへの支援を行っています。Upload By 発達ナビ施設情報グローバルキッズパーク真岡東店では、療育グッズを幅広く取り入れ、支援に活用しています。こちらが何種類か候補を出し、最後は子ども自らが選んだアイテムを使って療育を行うので、楽しい時間を過ごすことができます。さらに、ブランコやトランポリンなど感覚統合につながる遊具も利用可能です。療育では臨床心理士が中心となり、どうやったら楽しく療育が出来るかを考え、一人ひとりのお子さんにあったプログラムを組んでいます。栃木県の児童発達支援施設をもっと見る大阪府 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービスたんぽぽ園は、アットホームさが最大の魅力。家庭的な雰囲気で、安心して通所できる事業所を目指しています。また療育とは親御さんと二人三脚で行っていくものだと考えており、親御さんのお話を聞き、寄り添うことも大切にしています。小さな頃からの成功体験の積み重ねが将来の大きな自信に繋がっていくと考え、子どもたちがのびのびと学べる環境作りはもちろん、一人ひとりに合わせた楽しく明るい療育を目指しています。大阪府の放課後等デイサービスをもっと見る大阪府 児童発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報児童発達支援たんぽぽ園では、子どもが安心して通うことができるアットホームな環境で、日常生活の基盤を構築することや、小学校に進級するためのお手伝いなどを行っています。子ども一人ひとりが何に興味があるのかを理解した上で、強要せずその子のペースに合わせた指導を実施。焦らず地道な努力を積み重ねる、それが私たちのやり方です。療育は保育士、幼稚園教諭の資格を持った指導員が実施し、園の独りよがりな療育にならないよう、スタッフ同士で密な情報共有に努めています。大阪府の児童発達支援施設をもっと見るおわりにいかがでしたか。気になる施設がありましたら、「~のページを見る」のボタンを押してみてくださいね!空き状況や教室見学について、ページから直接お問い合わせをすることも可能です。今後も掲載数がどんどん増えてゆきますのでお楽しみに!
2017年11月29日今年も残すところ、あと僅かとなりました。この冬は一風変わった学園ドラマが大きな話題を集めていますね!従来主流だった「圧倒的巨悪へ立ち向かっていく」情熱的でスカッとする展開とは異なり、「当たり前だったはずの日常…その見え方がジワジワと変化していく」リアルな展開が特徴的。そこで今日は、冬クール世間の注目を集めている学園ドラマ3作品について、ドラマニアな筆者が徹底解析していきましょう。■商社マンが左遷で“校長先生”に――学園ドラマの真骨頂!「先に生まれただけの僕」その時代毎に、生徒が抱える様々な問題を取り扱ってきたこれまでの学園ドラマとは一味も二味も違う――新感覚ドラマ「先に生まれただけの僕」。大手商社から左遷された主人公・鳴海涼介(櫻井翔)は、「功績を残し一刻も早く親会社に戻りたい」という一心で、学園経営の改善に挑みます。生徒への愛情や教育者としての誇りは二の次というのが何とも斬新!本作では、校長室での昼食や放課後の職員会議など、これまであまり見たことのない場面が次々に登場し、“校長先生視点”という不思議な構図で物語が進んでいくのです。「企業であれば、経費削減は当たり前」そう教師たちに説いたかと思えば、今度は生徒たちを前に「社会人になれば、不条理当たり前に起こる」と演説を始める鳴海校長。事ある毎にビジネス論を振りかざす彼に対し最初は反発していた周りの人々ですが…彼の懸命な姿勢――学園経営を立て直すというひとつの目標に向かって、真っ直ぐひたむきに突き進む背中に、一人二人と影響を受け始めていきます。一体どうすれば、進学実績を上げることができるのか?まずは生徒を惹きつける授業を目指そう。“改革”が難しいとされる学園経営に一石を投じる若き校長の背中は、社会に生きる多くの人に勇気と希望を与えてくれること間違い無し!必見ですよ~。■“毒親”に阻まれた衝撃の真実生徒の死…広がり続ける波紋「明日の約束」またこちらも、従来とは一線を画す視点=スクールカウンセラーを主人公に展開する異色の学園ミステリー「明日の約束」。ある朝、不登校の生徒が自宅で自らの命を絶った――部屋中を真黒なスプレーで塗りつぶすという不可解なメッセージを残した本事件を機に、井上真央さん演じるスクールカウンセラー・藍沢日向は、一見何事もなく時を刻んでいた日常の中に大きな闇が潜んでいる事実に気がつきます。中でも物語の主軸として描かれているのが、“母子の愛”について。「親が我が子を想う」極々当たり前に思えるその心理に対し、「子が親へ想いを返す」心の繊細かつ複雑な動きを、本作では丁寧に描いていきます。亡くなった男子生徒の母親・真紀子(仲間由紀恵)から発せられる威圧的な言葉の数々――日向はその裏側に、自らが長年苦しんできた“毒親の抑圧”を感じ取り…。事件の真相に踏み込めば踏み込むほど、胸の奥がズキンと痛む切ない展開の嵐。親子の在り方について新しい角度で切り込んだ注目の一作となっています。■前代未聞!飛び交うNGワード(?)の数々恋の英才教育機関「オトナ高校」そして最後がこちら、衝撃的な設定が話題の学園ドラマ「オトナ高校」です。深刻な少子化問題に歯止めをかけるため、性体験のない30歳以上の男女を公的教育機関「オトナ高校」に入学させるという驚きの設定に、思わず目を瞬いた人も多いはず…!土曜深夜枠、放送コードギリギリのスリル感を味わうことができるとっておきの作品と言えるでしょう(笑)。主演をつとめるのが、あの三浦春馬さんというのも面白いですよね~。東大卒のエリートの未経験男子=チェリートくんを愛嬌たっぷりに熱演してくれています。「顔良し、頭良し。そんな完璧な人間、きっと恋愛も完璧なはず」ついそうツッコミがちですが…恋愛に奥手な草食系男子、仕事に精を出す肉食系女子が増加傾向にあると言われている昨今、あながちフィクションとは言えないかも!?様々なタイプの“こじらせ成人”が登場するので、「あるある」「こんな人いるいる」とテレビに呟いてしまうこと必須!スーツを制服に着替え、プライドとの狭間で奮闘する大人たちの熱い戦いに思わず涙してしまう一幕も…。ハラハラ・ドキドキの展開を楽しむのに最適ですよ。以上、従来とは趣の異なる新しい学園ドラマ3選でした。いずれもおすすめ!気になる作品を是非チェックしてみてはいかがでしょうか。(text:Yuki Watanabe)
2017年11月24日こんにちは。紅子です。少し前に、大阪府の女子高生が生まれつきの髪色にもかかわらず「黒くないから」という理由で学校側から黒染めを強要され、不登校となったのちに裁判へと発展した事件が注目を集めましたね。ツイッターなどでは「自分も同じ経験をした」とか「自分の学校にはこんな規則があった」といった声が数多く上がり、#こんな校則いらないや#ブラック校則といった、校則にまつわるタグも盛り上がっていました。私は中学時代を地元の公立で過ごしてそれなりに厳しく管理される日々を送ったあと、高校は校則がひとつもない都内の私立校に通って超自由な学校生活を満喫してました。今回は、そんな二つの正反対な環境を経験してみて思う「ルールの意義」について書こうと思います。毎朝職員室でクレンジングさせられていた中学時代風紀に関してやや問題視されていた中学時代だったが、授業はそれなりに真面目に受けて塾にも通っていたので絶望的に成績が悪いわけでもなかった。でも、高校受験の時期になって地元のオープンキャンパスに行ってみても、いまいち行きたいと思う場所がなかった。そんなある日、友達の誘いで地元から2時間くらいかかる都内の私立高校の文化祭に、付き添いがてら遊びに行った。私はその日に志望校を決めた。その高校には校則がない。制服もないので、どんな格好で登校してもいいし、髪色だって自由だ。法にさえ触れなければ、どんな自分でいることも許された。合格条件は満たしていたので、他を受けることもなくそのまま入学した。幼稚園から大学まである学校だったので、中学やそれ以前から通っている生徒のことを「内部生」、高校から入った生徒のことを「外部生」と呼んでいた。私を含め外部生の多くは、入学当初あまりの自由さに感動すると同時に戸惑った。これまで髪色も服装も統一させられてきたのに、突然「好きにしていいよ」なんて言われたもんだから、ずっとやりたかった茶髪、エクステ、ピアス、ネイル、なんでもやった。みんながみんなではないが、校則の厳しい学校から入学して来た生徒ほど入学当初は派手な格好をしていたように思う。面白かったのは、それまでもずっと校則ゼロの中で過ごして来た内部生の服装や髪色は、外部生よりずっと落ち着いていたことだった。1年生の頃はそうやって、「やってみたかったことリスト」を1つずつクリアするみたいに自由を謳歌していた私も、卒業する頃になると受験も終えているのにすっかり黒髪に落ち着いていた。3年生3学期のある日のホームルーム中、ふとクラスを見回すと、内部生も外部生も黒髪ばかりで「みんな勝手に落ち着くんだな」と笑ってしまったのを覚えている。入学式にパンチパーマで出席していためちゃくちゃヤンキーだった男の子も、当初のトゲトゲしさが完全になくなりかなりマイルドになっていて、その差が激しすぎてネタになっていた。無論、どちらがいいとか悪いとかではないし、先生たちはどんな格好をしていようと構うことなく、あくまで生徒の人格や言葉に耳を傾け、上から目線で取り締まるのではなく対等に接してくれていた。面白かったのは外見の違いだけじゃない。「外部生」として入って来た私や友人は、見た目以外にも少なからず内部生に対して何か大きな違いを感じていた。内部生は、とにかく自分の意思がしっかりしていた。そしてそれを恐れずに言葉にする術を知っているように見えた。「私はこう思う」。「俺は〜だから○○には反対」。ルールが0な分、文化祭や体育祭などの行事やクラス内での些細なことまで、決まりごとを作るときには必ず生徒たちが話し合って決めていた。だから事あるごとに話し合いの場が設けられたし、国語や社会の授業でも机をコの字にしてディベートする機会が多かった。「あなたはどう思う?」そう問われる機会が非常に多かったのだ。意見がないと話が進まない。だから常に自分の頭で考えなくちゃいけない。これまでみたいにあらかじめ決められたルールがなく、「こうあるべき」という型にはめられることなく過ごせるということ。それは、自由であると同時に常に主体性を持って選択を繰り返して行かないと前に進めないという事だった。そしてその選択に責任を持たなければならなかった。意見はそのまま自分たちのルールになるから、当事者意識がなければ苦労するのは自分たち自身だった。それは高校生には簡単なことじゃなくて、自由であるということは、究極の厳しさでもあったのだ。「だって最初からそう決まってるから」という言い訳ができない状況。ある意味、ルールがあるのは楽だ。自分の意思ではないと言いながら、自分の意思を探さずに済むからだ。どんな格好をしたっていいし、何をしてもいい。でも、それは自分が何を選択し、何者になるかをストレートに問われることだった。厳しい管理下で培われる価値観と衰える思考力BENIKO HASHIMOTO(橋本 紅子)神奈川県出身。音楽大学卒業後、アパレル販売をしながらシンガーソングライターとして活動を続ける。2015年5月に結成されたSEALDs(=自由と民主主義のための学生緊急行動)に参加しSNSやデモ活動を通して同世代に社会問題について問い掛けるようになる。Instagram: photos by Jun HirayamaText by Beniko HashimotoーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!#005「“誰でもいい”は多数派に加担することと同義」。「投票したい人」がいなくても選挙に行くべき理由。| 橋本 紅子の「常識」と「パンク」の狭間で、自由を生み出すヒント。 こんにちは。紅子です。突然ですが10月22日は何の日か知っていますか?ハロウィンも近い日曜日なので、いろんなイベントで街は賑わいそうですが、その前に全国で衆議院議...
2017年11月22日「私が選挙戦で訴えてきた“誰一人置いてきぼりにしない”というスローガンは、当時、私がかかわっていた知的障害のある女性が、言っていたことなんです。彼女は口癖のように、『いつも私は置いてきぼりじゃん、私の人生なのにおかしい』って泣いていてね。そんな社会を変えたくて、政治家を志してきたんです」 そう明かすのは、10月22日に投開票が行われた衆議院議員選挙で、北海道5区から立候補し、比例で初当選を果たした立憲民政党の池田まきさん(45)だ。池田さんは、足かけ20年、福祉の世界で仕事をしてきた。民間の介護施設で職員を務めたあと、東京都板橋区役所福祉事務所に14年間勤務。’11年には、北海道大学公共政策大学院で、福祉政策を学ぶため、東京から北海道に移転。勉強をしながら、フリーのソーシャルワーカーとして、ツイッターなどで全国から寄せられた相談にも、ていねいに対応してきた。 「私が福祉の道に入ったのは、私自身が“置いてきぼり”にされてきたからです」(池田さん・以下同) 池田さんは、幼稚園に入る前から、父親からDVを受けていた。 「とくに母や祖母に対する暴力がひどかった。母が妹を連れて実家に逃げると、今度は矛先が私に向けられた。いつも殺されるんじゃないか、という危機感がありました」 池田さんが中学生になるころには、母は暴力から逃げるため、妹を連れて家を出た。彼女も祖母の元へ。家族はバラバラになった。池田さんは、穏やかな家庭を夢見て、18歳で事実婚。しかし幸せはつかの間だった。 「2人目を妊娠していたとき、夫が蒸発をしたんです。あとから知ったんですが、夫は大きな借金を抱えていました」 乳飲み子2人を抱える池田さんのもとに、借金取りは容赦なくやってきた。警察や行政に相談したが、「あなたが借金をつくったんじゃないの?」と疑われてしまう始末。 「弁護士に相談しても、『夫が蒸発して7年たてば離婚は成立するのだから我慢すれば』という返事。7年間、借金の取り立てから逃げながら、どうやって子育てしろというのか。まさに、置いてきぼりにされた気持ちでした」 しかし、6人目に相談した弁護士が、やっと親身に対応してくれ、危機を逃れられた。池田さんは、こうした自身の経験から、「いかに当事者の立場にたった支援が必要か」ということを思い知った。 借金問題の次に待っていたのは、シングルマザーに対する世間の厳しさだった。 「働きたくても、乳飲み子を抱えたシングルマザーを雇ってくれるところがない。やっとの思いで見つけた仕事は、ファミレスのバイトや内職。さらに苦労したのは、保育園。0歳児から預かってくれるところが、なかなか見つからず、結局、2人の子どもを同じ保育園に預けられるようになるまで、4回も転園しました」 池田さんは生活苦に耐えながら「弱者が生きづらい社会を変えたい」と、パートを掛け持ちして職業訓練校に通い、ヘルパー資格を取得。民間の介護施設で働くようになった。そして、中卒だった彼女は、その合間を縫って、通信教育で大検に合格。「早朝に2時間勉強する」という“朝勉”を続け、社会福祉士から消防士まで、7つの資格を取得していった。すべては、現場の仕事に生かすためだった。 「生活保護受給者や不登校の子ども、障害のある方のご家庭など、私は必ず、ご本人に会えるまで家庭訪問します。どうしても入らせてくれないご家庭には、『消防のものです。点検させてください』と言って、消防の格好をして入ったこともあるくらいです」 “置いてきぼり”になっている人たちは、そこまでしないと救えない。しかし、立場が弱い人ほど、行政にたいして「それはおかしい」と言えない、と池田さんは言う。 「いまの日本は、命や暮らしの大部分が“自己責任”に委ねられていて、ひとつ足を踏み外せば誰もが社会的弱者になりえます」 第4次安倍内閣がスタートしたが、新人議員の池田さんは、どう切り込んでいくのか。 「命や暮らしを守ることは、与野党関係なく取り組むべき課題。私は“前例主義”は大嫌いなので、無理だと言われても、知的障害者の方が、『自宅で生活したい』『将来は福祉の仕事に就きたい』などとおっしゃれば、それを実現するためのサポートをしてきました。その後、社会で活躍し始めている方も。それが、地域活性や地方経済の底上げにもつながっていくんです。いい実例を与党議員にも訴えていくことで、人を見捨てる社会を変えていきたいと思います」
2017年11月13日精神科医・山科先生におすすめの本を聞きました!精神科医で中央大学教授の山科満先生。クリニックでの診察・カウンセリングも精力的に行い、臨床現場と心理学教育をつなぐ臨床研究に取り組んでいらっしゃいます。発達ナビのコラムの監修者としてもご活躍いただいています。そんな山科先生に、精神医学についての理解を深められる2冊を伺いました。いずれも豊富なエピソードと筆者の深い洞察力で、一般の読者でも興味を持って読める、おすすめの本です!『「こころ」の本質とは何か統合失調症・自閉症・不登校のふしぎ』「この挑戦的なタイトルに惹かれて発刊間もない頃に偶然手に取り、以来私にとってバイブルとなった本です。発達障害に向き合うにあたっての「考え方」を教えてもらいました。発達障害に関する臨床経験も知識も、今よりもずっと乏しかった頃は(今でも多いとは言えませんが)、私はほとんどこの本を頼りに臨床を行っていました。学部の1年生の授業でもテキストとして使っています。」(山科満先生)学習院大学教授の滝川一廣さんは『子どものための精神医学』(医学書院)や『家庭のなかの子ども 学校のなかの子ども』(岩波書店)などの著作でも知られる児童精神科医です。2004年に刊行された本書では、統合失調症、自閉症、不登校の3つを取り上げ、「こころ」の本質とは何かを考えます。「こころの病は決して異常ではなく、人間のこころの本質のある現れである」という考えに立つ滝川一廣さん。自身が臨床の現場で感じたことやエピソードなどを交えながらわかりやすい筆致で語られ、精神医学の入門書としても読みやすい本です。『火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者』「著名な脳神経外科医(にして著述家)による患者のインタビューを元に構成された本ですが、タイトルになっている「火星の人類学者」とは、『我自閉症に生まれて』で有名なテンプル・グランディンの話です。彼女は自分を「火星からやってきた人類学者」に喩え、周囲の出来事を徹底的に観察分析し、頭の中にデータベースを構築することで適応力を向上させていったのだと説明しています。大学生まで生き延びたアスペルガーとおぼしき人にこの本を読んでもらうと、「自分のことだ」と言われることがしばしばあります。(山科満先生)『レナードの朝』でも知られる脳神経科医サックス博士が出会った7人の患者についてのエッセイで、全米で大ベストセラーとなった本です。自閉症のある動物学者テンプル・グランディンをはじめ、トゥレット症候群の外科医、色彩感覚を失った画家など、障害が才能となって開花した人が登場します。サックス博士は7人と診察という形で交流を重ね、そのエピソードと彼らそれぞれへの理解を深い洞察力を持って描いています。障害とその人の個性や才能との境目はどこにあるのか、そもそも境目はあるのだろうか…様々なことを考えさせてくれるエッセイです。山科満先生プロフィールUpload By 発達ナビ編集部山科満(やましなみつる)中央大学文学部教授。精神科医,臨床心理士。専門は青年期精神医学、精神分析的精神療法。大学教員となって,発達障害傾向ゆえに不適応に陥っている若者の多さに驚き,発達障害と本腰を入れて向き合うようになった。山科満さんのページ|LITALICO発達ナビ
2017年11月07日スクールカウンセラーってどんなお仕事?専門家・池田行伸先生(國學院大学)に、詳しくお聞きしました!Upload By かなしろにゃんこ。就学期のお子さんを育てている、悩める保護者のみなさんにとって「スクールカウンセリング」はどんなイメージがありますか?子どもだけが相談に行く所だとか、少し敷居が高い、と思っていませんか?スクールカウンセリングは特別なものではなく、気軽に相談できる場所なんです。今回、学校現場で、たくさんの子どもや保護者の方々と関わってきた、國學院大學・人間開発学部子ども支援学科池田行伸先生(特別支援教育士スーパーバイザー) にインタビューをさせていただきました。インタビュー担当は、私、かなしろにゃんこ。です(ADHDと軽度の自閉症スペクトラムがある、息子・リュウ太の母・職業は漫画家)。思春期真っ只中の息子との関わりに苦戦する私…「もっと早くスクールカウンセラーのことを知って活用していたら!」と強く思いました。今回のコラムでは、池田先生にスクールカウンセリングについてや、発達障害がある思春期の子どもとの関わり方をお聞きしました。スクールカウンセリングの方法・対象は?誰が相談できるの?Upload By かなしろにゃんこ。池田先生: 一般的なカウンセリングでは、言葉のキャッチボールをしながら相談者の悩みを聞いていきます。鏡に自分を映すように、徐々に自分のことが見えてきて、相談者が自分自身で解決策に気がついていけるようになります。スクールカウンセラーは、一対一のカウンセリングに加え、教職員へ児童・生徒に関するアドバイスを行ったり、保護者と教職員双方を取り持つ役割としても機能しています。もちろん、保護者ひとりだけで利用することもできます。その他にも校内会議等への参加や相談者への心理的な見立てや対応、時には事件・事故等の緊急対応における被害児童生徒の心のケアなど多岐にわたっています。この制度が始まった背景には、いじめや不登校の子が増えてきて、児童・生徒とその保護者の心のケアが必要になってきたことがあります。現在は全国の小中高にカウンセラーが配置されるようになってきました。参考:スクールカウンセラーについて |文部科学省利用の仕方って?相談料金はかかるの?Upload By かなしろにゃんこ。池田先生: 国の予算の関係でスクールカウンセラーが学校にいるのは月に2回程度、学校によっては月に1回のところもあります。相談は無料です。日数は少ないですが、折角ですから毎回利用したほうがお得ですよね。カウンセリングは予約制で、「〇月〇日にスクールカウンセラーが来ますよ」というお知らせを学校が保護者に配付するきまりになっています。それを見て予約する方法が一般的です。学校に電話して日程を教えてもらい電話で予約することもできます。基本的に午前10時~夕方4時まで学校にいますよ。子どもがカウンセリングに行きたがらない場合は?Upload By かなしろにゃんこ。ーとにかく、カウンセリングは最初が肝心だそう!池田先生: スクールカウンセリングの対象者は、保護者や教師も含まれとても間口が広いのですが、「子どもを無理やり連れてくるのだけはやめてください」と、大人たちにお願いしています。特に、親がいくらカウンセリングを受けろといっても、子ども自身が受ける必要を感じていないときは絶対受けてくれないものです。池田先生: 子どもがカウンセリングに行くことを渋る場合は特に、まずは親がカウンセリングを受けてみるといいです。スクールカウンセラーは、親御さんの心のケアも大切にしています。そして、親が自分の体験を「カウンセラーとこんな話をしたよ」「こんな人で、こんなことがあったよ」と子どもに伝えていくことで、徐々に子どもも「そういう場所なんだ、わたしも・僕も行ってみようかな」という気になってきます。子どもの気持ちが動くのを待って、行く気になったら親と一緒に行けばいいのです。カウンセリングに来る保護者は圧倒的に母親が多いです。父親は仕事で忙しい場合が多いのと、カウンセリングに否定的な考えを持っていることも、ままありますね。しかし、スクールカウンセリングに行った妻の報告を毎回聞いていたら、カウンセリングに対してポジティブな変化が起きるお父さんもいて、「じゃあ、夕方の時間帯に家族で行ってみようか!」となり、相談後「怒ってばかりの育て方を変えよう」と、子育てを見直すきっかけになったケースもあります。いつからカウンセリングに行き始めるといいですか?Upload By かなしろにゃんこ。ーファーストステップである「初見」の時期はとても大切だそう。池田先生: 思春期には、様々なハードルを超えないと本人のカウンセリングまでたどり着かないことも、よくあります。なので、なるべくお子さんが低学年のときから親がスクールカウンセリングに通っておくといいですね。子どもは「自分のことを思って通ってくれているんだな」と分かります。もし思春期で少し反抗的になったとしても、「親は自分を守ってくれる存在だ」という信頼関係がすでに形成されているので、それが安心感の礎となり、支えになってくれます。池田先生: 親子の信頼があれば、思春期以降大きく違いが出ます。それは発達障害がある子でも定型発達の子でも同じく大事なことです。カウンセリングを受けることは思春期の親子関係にも役立ちます。保護者側の反抗期への心構えも、早めにカウンセリングに行き始めることで形成されてゆきます。子ども側も、高校生になると徐々に人格が出来上がってきますが、その前からカウンセリングを受けていると、自分のことを他人に話せるように成長してきます。ー早めの相談が大事なんですね。一方、反抗期に突入してから、いざカウンセリングを受けても、カウンセラーだけでは解決できない複雑な内容となっていることもあるといいます。池田先生: 小学校では、いじめやからかいを受けてひとりぼっちの子に話しかけることがあります。そういったケースでも、「いじめられたの?」とは聞きません。たあいのない雑談をして少し話すだけなんですが、気持ちがらくになって、もう少し学校でがんばってみようかなと思ってくれたりするのです。大学にも学生相談室があり、学生のさまざまな悩みを聞いてくれます。カウンセリングは、小・中・高だけでなく、教育現場全般に必要になってきているんです。池田先生: 学校生活に関わる深刻な悩みについても、まずは友達のように話を聞きます。忘れ物が多くていつも注意されて落ち込んでいる子が「どうしても忘れちゃうんだよね…」と相談してきたとします。それに対して「みんなも忘れ物するよ、君はみんなよりも頻度が少し多いだけで、忘れちゃうのは仕方ないよね~」と言うと「なんでわかるの!?そうなんだよ!」と打ち解けてくれます。ーまずは”子どもに共感することが大切”という姿勢で、接し方も配慮してくれるんですね!いつ行っても大丈夫?居場所として使ってもいいのですか?出典 : 池田先生: 基本的には予約制ですが、イヤなことがあったらすぐにカウンセリングルームに来てくれればいいんです。そういう場所が子どもには必要です。カウンセリングルームにずっといる子もいます。「ここに来ると教室に帰ってこない」なんて、教師が嫌がることもありますけれど(笑)発達障害がある場合、お医者さんなどにも繋いでいただけますか?出典 : 池田先生: 児童、生徒と先生それに保護者の橋渡しをするのも仕事ですから、発達障害の傾向があるお子さんをお持ちの親御さんから発達障害の診断について相談されれば、医療機関を紹介することもあります。教師から聞いた生徒の学校の様子をまとめて紹介状と一緒にお渡しすることもあります。卒業後や学校以外でもカウンセリングを受けたいという方には一般のカウンセリングルームを紹介することもあります。とにかく、発達障害がある子の保護者の方は特に、大変なことも多いですから、人に任せられることはどんどん任せてください。いろんな手段を使って「親子関係をフレンドリーにしておく」ことが、思春期や受験、就職へと続く未来のためにもいい結果を生みます。ーなるほど…将来を見据えても、スクールカウンセラーは積極的に利用していきたいですね。「ママ友」に関する相談も、のっていただけますか?Upload By かなしろにゃんこ。池田先生: もちろんOKです。ママ同士のいじめトラブルの相談も増えています。発達障害の傾向にあるお子さんを持つお母さんは、やはり周りのママから言われるんですよ。子どもの悪口メールが回ってくることもあるんです。ママ同士の情報網ってスゴイですからね。子どもが発達障害の傾向がある場合、子育ての悩みは誰にも相談できなかったりします。そんなときはスクールカウンセラーにお話ししてください、そのために我々はいるんです。先ほども言いましたが無料なんですから利用しなくちゃ損です(笑)学校での指導にモヤモヤする場合、話をきいてもらえますか?Upload By かなしろにゃんこ。ー学校の先生に「こういう接し方はやめてほしい」と思っていても、言いづらく遠慮してしまうこともあります…池田先生: 特に発達障害がある子どもの保護者は、(普段学校に迷惑をかけてばっかりで申し訳ない…)と思っている方も多いので、余計にそうです。学校での行き過ぎた指導への不満がある保護者はとても多いです。そういうときもぜひスクールカウンセラーに相談してほしいですね。教師に面と向かって言ってしまうとケンカになってしまうようなことも、スクールカウンセラーが間に入って指導方法を変更してもらうように掛け合います。それも我々の仕事のひとつです。ー中学では特に、先生にクレームなんてつけたら内申書に響くんじゃないかって思って心配する親が多くいます。池田先生: 内申書の心配はよく上がる相談です。スクールカウンセラーは、学校組織とは独立した第三者機関です。安心してまずはカウンセラーへ相談してください。逆にカウンセラーを介さずに、先生に言いたいことをぶちまけてしまうとガチンコの対決になってしまいます。そうなると間に立つ子どもは立場がないんですよ。それでは子どもが苦しむことになりますから、ケンカでエネルギーを使わないで欲しいのです。カウンセラーは、困り感のある子どもたちへの適切な指導方法の資料を教師に渡して一緒に指導方法を考えますし、学校の会議でも提案していきます。例えば、パニックになる子がいたらパニックにならないようにする方法を教師と一緒に相談したり、具体的な方法を一緒にさぐります。池田先生: 子どもを取り巻く環境の質を上げていくのが、スクールカウンセラーの今後の使命です。そして質のいいスクールカウンセラーを育てるのも私たちの仕事です。子どもが気軽に一人で相談できるようになるために、まずは保護者がスクールカウンセリングを体験してみてください。せっかくの制度ですから、気軽にドアをノックしてみることが大切です。この記事が保護者の方の利用へのハードルを下げる一助となることを、切に願っています。―子どもたちと保護者のこれからに向けて、ためになるお話をありがとうございました!
2017年11月06日「私自身、小学2年生から不登校になり、中学校はほぼ通っていません。リストカットをしたこともある、ひきこもりの経験者です。生きづらさを抱える女性に交流できる場所を提供したいと『ひきこもりUX女子会』(以下・UX女子会)を始めました」 そう語るのは、UX女子会・主宰の恩田夏絵さん(31)。UX女子会は、’16年6月〜’17年7月で計20回開催され、のべ700人もの女性が参加した、ひきこもりの自助会だ。UXとは、「ユーザーエクスペリエンス」の略。ユーザーであるひきこもり当事者が自分の体験を生かして発信することで、ニーズに合った支援を行うという理念を表している。 ’16年に内閣府が発表した調査結果によれば、全国のひきこもり人口は54万1000人。そのなかで男性は63.3%、女性は36.7%と、男性が圧倒的に多い結果が出た。しかし、この結果は対象年齢が15〜39歳で、主婦や家事手伝いは対象外になっている。実はこの調査には計上されていない、女性のひきこもりが数多く存在しているといわれているのだ。 「これまで、ひきこもりの自助会は参加者の9割が男性で、女性が本音で交流できる居心地のよい場所ではありませんでした。特にひきこもりの女性は、父親や学生時代の教師との関係にトラウマがあるなど、男性恐怖症の人も多いのです」(恩田さん) そうした経緯があり、UX女子会は“男子禁制”に。同じ経験をした女性が安心して集まり、ゆっくり語り合える場所を目指しているという。会の基本構成は、第1部が主宰メンバーの体験談、第2部が交流会。第2部はひきこもりを含む生きづらさを感じている当事者しか参加できない。10月初旬に東京・表参道で行われた会の第1部に、本誌女性記者が密着した。 14時、UX女子会がスタート。81人もの人が集まり、会場は満席。この日の第1部は、主宰メンバーの林恭子さんが出演したDVDの観賞会だ。林さんが高校時代からひきこもりになった経緯や、トラウマとなっていた母娘関係について語る映像が流された。 「私たちの体験談を聞いてもらうのは、同じ経験をした者同士なのだと改めて認識してもらいたいから。第2部で皆さんが話をしやすくする狙いもあります」(恩田さん) 休憩を挟み、第2部の交流会に突入したが、取材はNG。ここでは「親子関係」「働く」「自立」などのテーマを4〜5人グループで話し合う。話したくない人は無理をせず、聞いているだけでもOKだ。交流会が終わり、参加者に声をかけてみた。 2人の子どもを持つ朋美さん(48歳・仮名)は専業主婦。10年以上、ほぼひきこもり生活をしていたそう。 「ずっと1人で鬱々としていたけど、本当は自分以外の人の話も聞きたいし、私も話したかった。この会の存在を知ったのは2カ月以上前。行こうとしてはやめるのを4回繰り返し、勇気を振り絞って、今回やっと参加できました」(朋美さん) 会に参加するための体力をつけようと、自宅から少し離れたところまで自転車で行くなどの準備をしていたと、恥ずかしそうに明かしてくれた。恩田さんは、朋美さんのような参加者も多いのだと語る。 「常時、精神的につらくてしんどいと思っている人ばかりです。参加しても大丈夫か、きちんと交流できるか、浮かないか、そもそも電車に乗れるかなど、何度も葛藤を繰り返して、やっとの思いで来てくれる方がほとんどなんです」(恩田さん) 女性は共感性が高いため、自分の思いを他者と分け合うと、気持ちが軽くなる人も多いと、恩田さんは言う。 「主宰者の私たち自身も、人との出会いのありがたさを実感しています。自分の思いを表現して理解してもらい、相手の反応により他者を理解する。そうしてゆっくりと回復していけると信じています」(恩田さん) 本音で語れる仲間との出会いが、ひきこもりの女性たちに勇気を与えているーー。
2017年11月03日「スピリチュアル詐欺(以下・スピ詐欺)とは、精神世界を利用して、効果の不明なものを売りつける詐欺商法のこと。従来の開運商法詐欺は、不安を煽ることで、物品を買わせる手法が主流でした。しかし、最近のスピ詐欺は、SNSやブログで注目を集め、『幸せになるため』などと希望を見せるのが特徴。被害者の9割以上は女性です」 こう話すのは、5年前から詐欺被害の無料相談を受けつけている「不動法律事務所」の若井亮弁護士。過去5年間で国民生活センターに寄せられた開運詐欺の相談は、4811件に上る。しかも1人当たりの被害額(契約購入額)でみると、’12年の65万円から’16年には130万円へと、5年間で倍増しているのだ。 「だましやすい人からとことんとるという傾向の表れで、非常に危惧しています。SNSを利用した勧誘が現れたことで、これまで高齢者が多かった相談者の年齢が30〜40代にまで広がっているようです」(国民生活センター) 若井さんのもとに届いている「スピ詐欺」の被害例を紹介。 ■カリスマブロガーの巧みな話術で100万円のローン地獄! 1年前、AさんのSNSに“ママ友のSさんが写真を更新しました”というお知らせが。タップしてみると、あざやかな虹が写った写真とともに、それを見た女性たちの「元気になった!」というコメントが載っていた。 「その写真はSさんがSNSを通して知った、ヒーラー(癒しの力を持つ人)の女性・Mさんが撮ったものでした。素敵だなと思い、私もMさんのブログを読むようになったんです」(Aさん) ブログには海外各地で彼女が撮ったという、竜のように見える雷の写真や、雲が七色に変化していく様子の写真が掲載され、いかにも不思議な力が宿っているように思えた。 このころ、Aさんは小学生の息子の不登校に悩んでいた。苦しい日々のなか、ブログに寄せられた読者からの「救われた」というコメントを読み、Mさんに話を聞いてほしいと思うようになっていった。 そんなとき、Mさんのブログにスピリチュアルセミナーの告知が掲載された。場所は都内の有名ホテルの会議室なのに、参加費は1,000円。Aさんは思わず参加を決めた。 「初対面のMさんは笑顔で『いい縁が持ててあなたは幸せよ』と。とにかくポジティブで圧倒されました」(Aさん) 憧れの人に会えて喜ぶAさんに、Mさんがささやいた。「来週、特別なセミナーがあるの。あなたも来てみない?」。ごく少数に向けたセミナーで、参加費は100万円だった。 「豊かさを手に入れるためには、最初に出費することで豊かさが入る隙を作らないとだめなのよ」 まるで催眠術にかかったかのように、Aさんはローンでセミナーを契約。気がつくと、毎月ローンに追われる地獄に落ちていたのだ……。 ■波動が上がるグッズ購入で100万円以上のリボ払い! 20代前半のBさんは、ネットサーフィン中に見つけたスピリチュアルブログの愛読者になった。ある日、そのブログは「天使が見える」ヒーラーが運営していることが判明する。ブログには、「波動を高めれば、誰でも天使とつながれる」と書かれていた。 仕事のことで悩んでいたBさんは、「波動が上がる」パワーストーンやオイルを次々購入。総額はリボ払いで100万円を超え、毎月利子だけで3万円以上を返済する羽目になった……。 こうした被害に遭わないために、若井さんは次のように警鐘を鳴らしている。 「自分のお小遣い程度で済むものであれば、気にする必要はないでしょう。何を信じるかは個人の自由だし、癒されるのが目的であれば、それが実現する限り問題はありません。ただ、借金をしてまで続けることかどうかが、1つの判断基準。つぎ込む前に一度、家族や友人に相談し、客観的な意見を聞くのが一番です」 被害額の高額化が進むスピ詐欺。スマホの普及により、そのわなはより身近になった。一度支払ったお金は戻ってこない。スピリチュアルな商品やセミナーにお金を使いたくなったときは、一度冷静に考えてみる必要がありそうだ。
2017年11月03日スクールカウンセラーとは?出典 : スクールカウンセラーとは、学校現場において児童や生徒、その保護者に対して、臨床心理に関する専門知識を生かしながらサポートしていく専門家を言います。様々な心の問題をもつ人たちを、専門的な知識や技法を使って支援する役割を担っています。近年は教職員に対する心のケアや研修も行ったり、事件や事故が発生した時に被害児童・生徒のサポートを行ったりと、より幅広い業務が求められています。スクールカウンセラーは、平成7年(1995年)に国が打ちだした「スクールカウンセラー活用調査研究委託事業」により各学校に配置され始めました。その後、いじめ問題や東日本大震災をはじめとする災害の発生、貧困問題などから、子どもの心をケアする重要性が広まり、全部の公立小中学校で、スクールカウンセラーの配置が進められてきました。平成28年時点でスクールカウンセラーは2万5500校の公立小中学校に配置されていて、これは全公立小中学校の約93%にあたります。また私立の小中学校・高等学校は、公立小中学校がスクールカウンセラーに関する事業を始める前からスクールカウンセラーを配置し始めています。そのため、小中学校全体として、スクールカウンセラーが配置されている割合は年々増えてきています。平成28年チーム学校の構想における心理職の役割-文部科学省佐藤誠・高塚雄介・福山清蔵/著『続 電話相談の実際 各論編 (相談シリーズ) 』双文社/2005スクールカウンセラーの仕事内容って?出典 : 具体的に、スクールカウンセラーはどんな仕事をしているのでしょうか。スクールカウンセラーとして最も中心的な仕事が、児童・生徒や保護者へのカウンセリング対応です。カウンセリングは児童生徒・保護者からの希望で行われたり、担任教員からの紹介で行われたりとさまざまです。児童生徒の場合、カウンセリング内容は友人関係に関するものが多く、他には担任教員との関係、家庭での悩みなどがあるようです。また、発達障害があり学校生活で困り感を抱いている子どもへのSST(ソーシャルスキルトレーニング)や、災害や環境変化などによるストレスに対して心のケアをなど、様々な支援を行います。保護者の場合、子どもの友人関係や学校生活での問題行動に関する相談のほか、直接言いづらい学校への不満について相談することで、スクールカウンセラーから学校側へ指導方法について掛け合ってもらうこともできます。また、家庭状況に関するカウンセリングを行うこともあります。担任教員には直接言いにくい悩みも、第三者であるスクールカウンセラーになら話しやすいのではないでしょうか。スクールカウンセラーは、中立な立場から、教員と保護者の関係を調整する役割を担ってくれています。スクールカウンセラーは、教員に対してもカウンセリングを実施することがあります。カウンセリングは、支援が必要な児童生徒・保護者に対し、教員がどうサポートしていけばよいのかに関するアドバイスが主な内容です。他にも、教員自身に悩みがある時のケアもスクールカウンセラーが行い、教員がより快適に働けるように相談や助言をすることがあります。カウンセリング対象の児童・生徒はもちろん、すべての子ども達が快適に学校生活を送ることができているかどうかを見るため、子ども達の生活現場へ実際に足を運ぶことも、スクールカウンセラーの大切な仕事です。授業や昼休みの様子だけでなく、クラブ・委員会活動、学童保育にも足を運び、子ども達の様子を確認し、学校生活を送る環境として適切かどうか確認します。スクールカウンセラーは、心のケアが必要になった対象者の支援だけでなく、何か問題が発生するのを防ぐためにさまざまな活動をします。例えば、「スクールカウンセラーだより」のような配布物を作り、スクールカウンセラーという相談窓口の認知を広めたり、児童・生徒・保護者・教職員などにアンケート調査をし、ストレスチェックを行ったりします。また、スクールカウンセラーは、その多くが臨床心理士の資格をもつ専門家です。そこで、その知識を生かして、保護者・教員向けに、児童・生徒の心のケアや、よりよい教育相談のための研修を行うこともあります。石村 郁夫 /著『カウンセリングのすべてがわかる-カウンセラーが答える本当の心理学- (ぐっと身近に人がわかる) 』技術評論社/2010スクールカウンセラーになるには?出典 : 基本的にスクールカウンセラーになる人は、臨床心理士、精神科医、大学教員のいずれかが多いです。スクールカウンセラーの募集・採用は、各都道府県・指定都市ごとに行っています。文部科学省は、スクールカウンセラーの資格要件を以下のように定めています。「スクールカウンセラー」(1)財団法人日本臨床心理士資格認定協会の認定に係る臨床心理士(2)精神科医(3)児童生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識及び経験を有し、学校教育法第1条に規定する大学の学長、副学長、教授、准教授又は講師(常時勤務をする者に限る)の職にある者又はあった者「スクールカウンセラーに準ずる者」(1)大学院修士課程を修了した者で、心理臨床業務又は児童生徒を対象とした相談業務について、1年以上の経験を有する者(2)大学若しくは短期大学を卒業した者で、心理臨床業務又は児童生徒を対象とした相談業務について、5年以上の経験を有する者(3)医師で、心理臨床業務又は児童生徒を対象とした相談業務について、1年以上の経験を有する者このような条件のもと、書類と面接によって選考が行われます。スクールカウンセラーの割合として一番多いのは、臨床心理士です。学校における教育相談に関する資料|平成27年-文部科学省また、2017年9月15日に公認心理師法が施行されたことによって、心理職初の国家資格「公認心理師資格」が誕生しました。誕生したばかりの資格であるため、各自治体は順次対応していくようですが、これからはスクールカウンセラーの条件として公認心理師も追加されることが予想されます。スクールカウンセラーにどんな相談ができるの?出典 : スクールカウンセラーには、学校に関する悩みだけでなく、その背景にある家庭環境の問題や、個人の心身の問題など幅広く相談できます。例えば、次のようなことについて相談することができます。・不登校・いじめ問題・家庭環境・教職員との関係・暴力行為・非行・不良行為・心身の健康・保健・児童虐待・学業・進路・友人関係・発達障害・貧困対策・小中連携・校内研修・教育プログラムなど平成27年度スクールカウンセラー等活用事業実践活動事例集このような問題に対して、スクールカウンセラーはどのように関わり、解決を目指しているのでしょうか。具体的な事例を元にご紹介します。小学校2年生のA君は、落ち着いて集団の活動に取り組むことができません。担任のB先生は、授業中すぐに席を離れてしまうA君をつい叱ってしまい、自分の指導に行き詰まりを感じていました。母親との相談の中で、自分の正直な気持ちを伝えたB先生は、スクールカウンセラーとの相談を勧めました。最初は懐疑的だった母親も、継続したカウンセリングの結果、自分の子どものありのままを受け入れられるようになりました。さらに、アトピー性皮膚炎の受診と合わせて訪ねた専門医から、LDとの診断を受け、以前は自分の子を好きになれず、手もつなげなかった母親が「この子のためなら何でもしてやりたい」と強く感じるようになり、対応も穏やかになって行きました。B先生も、カウンセラーのコンサルテーションを受け「ほめるときはうんとほめ、叱るときははっきり分かるように短く叱る」という対応を続けた結果、クラスの友達も担任のまねをして、A君をほめることが多くなりました。帰りの会などでも「叩いたけど謝ってくれた」「ちゃんとイスに座っていた」など良いことを取り上げて発言し、それにつれて、A君の行動は次第に落ち着いてきました。この事例では、スクールカウンセラーが、「落ち着いて集団の活動に取り組むことができない」児童・「自分の子どもを受け入れることができない」保護者・「児童へどう指導してよいかわからず、つい叱ってしまう」教員それぞれに介入しています。学校生活での問題は、児童・生徒、保護者、教員の誰か1人の問題ではなく、さまざまな問題や背景が絡み合って発生します。スクールカウンセラーの強みは、臨床心理の専門知識を生かしつつ、問題に対して多方面からアプローチできる点にあると言えます。元気がなさそうな本人の様子に気づき、スクールカウンセラーが声をかけたところ、「小学校 4 年生までは仲が良かった友達から、無視されるようになった」と話す。話しかけても、「無視してないよ。」と言われるが、たびたび無視されることが続いた。原因が分からず、今まで楽しかった学校が、楽しくなくなってしまった。■スクールカウンセラーの取り組みと児童の変化5月:スクールカウンセラーとの相談を開始。・いつ無視がはじまったのか、何の時間だったのか、具体的にどんな無視の仕方だったのかなど詳細を話してもらった。・それにともなって、どんな気持ちがしたかを丁寧にききとっていった。・「また仲良くなって楽しい学校にしたい」という本人の希望を確認し、その目的に向けて一緒に考えていこうと話した。・困ったことがあった時は、周りの人を頼っていいこと、そして、それはとても大事なことであると伝えた。5月中旬:どのような無視なのかを一緒に考えていく・話をしていくうちに、相手の無視の仕方に特徴があることがわかった。・無視をしてくるのは特定の時間だけであることがわかった。・相手はどうやら”無視しているつもりはない”と思っていることがわかった。5月下旬:相手と無視について話し合う・無視について整理できたので、直接相手と話し合ってみることを提案し、スクールカウンセラーも同席した。・相手は無視のしぐさに全く気付いておらず、言われて初めて気付いた。そのしぐさが無視ではないということを本人が理解できた。・お互い仲良くしたい気持ちがあることを確認した。・無視されたと思うことはなくなり、楽しく学校に通っていると、後日、本人から報告があった。子どもにとって、友人関係の悩みは学校へ行くことが苦しくなるほど大きな問題です。スクールカウンセラーの多くは、子どもの学校での過ごし方を把握するために、学校生活の様子を見回っています。その中で、ちょっとしたトラブルの存在を早く見つけ、早期解決を目指すことで、深刻な問題に発展することを予防しています。スクールカウンセラーに相談するには?出典 : 実際に、「スクールカウンセラーに相談したい!」と思ったら、どのように申し込み、カウンセリングを受ければよいのでしょうか。以下では、多くの学校が実施している、カウンセリングまでの流れを紹介します。ただし、学校ごとに、スクールカウンセラーに相談を依頼するための方法は異なりますので、必ず自分の子どもの学校のスクールカウンセラーに関する決まりなどを確認するようにしましょう。スクールカウンセラーに相談したいと思ったら、多くの学校ではまず、事前にカウンセリングの予約をする必要があります。現状、スクールカウンセラーはほとんどが非常勤であるため、多くの学校はスクールカウンセラーが来校する日を決めています。平成27年3月9日(月)中央教育審議会チーム学校作業部会(第4回)「スクールカウンセラーの役割と活動の在り方」カウンセリングの予約をするには、担任教員またはスクールカウンセラー担当教員へ連絡を取るか、「スクールカウンセラーだより」のなどの配布物に記載している連絡先へ、直接連絡する必要があります。多くのスクールカウンセラーは、定期的に学校の様子や心のケアに関するアドバイス、カウンセリング可能日時などを記載した「スクールカウンセラーだより」をつくっています。このような配布物をチェックして、スクールカウンセラーのスケジュールを確認するようにしましょう。カウンセリングが決まったら、限られた時間で悩みや話したいことを満足に話し合うことができるように、前もって話したいことを考えたり、メモなどに簡単にまとめておいたりするとスムーズです。カウンセリングは親子で受けるのはもちろん、親だけ、子どもだけというケースも可能です。親だけでスクールカウンセラーに会い、家庭での子育てに関して相談することもできます。何か悩みや困りごとがある時、相談場所の一つとしてスクールカウンセラーの存在を覚えておくとよいでしょう。まとめ出典 : スクールカウンセラーとは、学校現場で臨床心理の専門知識に基づき、児童生徒・保護者・教員に対してカウンセリングや支援の手助け、心のケアを行う専門家です。学校で何か相談するとなると、最も身近な担任教員を思い浮かべがちですが、場合によっては担任教員も当事者であることが考えられます。そんな時、スクールカウンセラーに相談すると、当事者が抱える問題を客観的に、そして専門的に解決してもらうことが期待できます。保護者のみでスクールカウンセラーと話すことも可能なので、子どもの学校生活や家庭での過ごし方など不安に思った際に相談してみると、解決の手立てが見つかるかもしれません。子どもの学校生活、不安だけど誰に話したらよいかわからない…担任教員には相談しづらい悩みがある…そんな方は、スクールカウンセラーに一度相談してみてはいかがでしょうか。
2017年11月01日井上雅彦先生に聞いた、発達障害のある子を育てるパパママにおすすめしたい本!鳥取大学の井上雅彦教授は「応用行動分析学(ABA)」の専門家。発達ナビでは「親子のヒント」や「発達障害のキホン」コラムの監修などを担当しています。発達障害のある子どもや保護者への支援経験も豊富な井上先生に、子どもへの接し方や障害への理解が深まる本を紹介していただきました!『つながろ!―にがてをかえる?まほうのくふう』「自分の苦手なことに工夫をしたり、得意に変えていくことが絵本で学べる本です。発達障害があるないに限らず、多くの親子にぜひ読んでほしい本。」(井上雅彦先生)友達のまいちゃんには発達障害がある。どんなふうにしたらまいちゃんや、先生やクラスのみんながわかりやすくなるのか、どうしたら苦手なことがなくなるのか、「まほうのくふう」を考えよう…子どもへの説明にも使えるわかりやすい絵本です。発達障害とはどんなもの?苦手なことはどんなこと?という障害への理解はもちろん、当事者だけでなく、先生やまわりの友達も一緒に困りごとを解決するヒントがつまったインクルーシブ絵本です。『家庭で無理なく対応できる 困った行動Q&A: 自閉症の子どものためのABA基本プログラム4』「親御さんが一番気になり、またストレスを感じるのが困った行動ではないでしょうか?自傷やこだわりなどがある時、おうちで無理なく解決できるヒントをわかりやすく紹介しています。」(井上雅彦先生)「応用行動分析学(ABA)」とは発達障害児療育のベースになっている理論のひとつです。行動の背後にある原因を分析することで、その子の困りごとを解決していこうとする考え方です。本書は家庭でもできるABAについて、具体的に書かれたシリーズの4冊目。保護者が特に困る癇癪や感覚過敏、自傷などへの対処法がわかりやすく紹介されています。『発達障害の子とハッピーに暮らすヒント―4人のわが子が教えてくれたこと』「堀内さんは、発達障害のあるお子さん4人を育てたお母さん。子育てのコツや工夫が満載です。堀内さんが子育ての中で経験則から発見し、得られた知見は研究や教育原理で得られる示唆とも一致すると思います。」(井上雅彦先生)アスペルガー症候群、ADHD、LDという発達障害の診断を受けている4人のお子さんを育てる堀内さん。本書では、それぞれ特性やタイプの違うお子さんとの毎日の奮闘から編み出した「こんなふうにしたらいいんだ」という工夫を紹介しています。こだわり、パニック、不登校…小学校入学以来、堀内家はさまざまな“問題”に直面しますが、タイトル通り、ハッピーに暮らそうと前向きな堀内さん。勇気と子育てへのヒントがもらえる本です。井上雅彦先生プロフィールUpload By 発達ナビ編集部井上雅彦(いのうえまさひこ)鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授応用行動分析学自閉症支援士エキスパート井上研究室ホームページ井上先生が監修したコラムはコチラ!|発達ナビ
2017年10月27日小学校から不登校だった娘のフリースクールでの過ごし方出典 : アスペルガー症候群の診断を受けている中学校3年年生の娘は、小学校2年生のときから学校には通っていません。自宅でもほとんど勉強をしてこなかった娘ですが、「高校には行きたい」と自ら訴え、特別支援コーディネーターの先生にも相談し、来年からは通信制高校に行くことが決まりました。合わせて、自宅から通える場所にある、技能連携校にも通うことに。技能連携校というのは、通信制高校の分校のようなところで、通信制高校と技能連携校の両方に入学することで、技能連携校の方で卒業に必要な出席日数、レポート提出、試験をすべて済ませることができるそうです。娘が通う予定の技能連携校では、フリースクールとしての機能も持っており、高校入学までのあいだは、ここに通うことになりました。フリースクールでの1日はというと出典 : 娘の行くこのフリースクールでは、ピアノ教室と提携していて生徒は無料でレッスンを受けることができます。好きな曲をピアノの先生に聞いてもらって、 それを先生が聴き取って、弾き方を教えてくれます。先生のモットーは「音楽は楽しむもの。 譜面も見ないで自分の好きな曲をまずは弾いて楽しむ」なんだとか。だから、みんなピアノの時間が大好きだそうです。娘もまずは15分ほど先生とピアノを弾きます。特にピアノに興味がなかった娘ですが、自分の大好きなゲーム音楽を弾けるようになるのは楽しいようです。それから学習スペース(特に決まってないのですが)で、校長先生か教頭先生と一緒に勉強します。2人とも元小学校の先生で、塾講師のキャリアも長いので教え方が上手。学校と比べて生徒の自主性を重んじ、いくらできなくても決して声を荒げるようなことはありません。なので、怒られることが怖くてたまらない娘も安心して教わっています。小学校2年生で学力が止まっている娘は、レベルにあったプリントを1枚ずづ取り組んでいきます。たとえば、1桁 + 1桁の計算問題、また別の日は4年生くらいの漢字の読み問題。時間にしてわずか20分くらいで終わってしまう内容です。時にはほかの生徒さんも交えておやつタイム。ジュースとお菓子を頂きながらホッコリと休憩。そして1日は終了。滞在時間は全部合わせて1時間程度です。1回20分の勉強って効果があるのだろうか?出典 : 娘は満足そうなのですが、親としてやはり気になるのが勉強時間。「え、こんなちょっとでいいの?」と思うのが正直なところです。「ただでさえ人より遅れてるのに」って。でも、校長先生が言うには「学校のように、1日6時間も座って興味のないことも勉強するより、こうやって少しずつ集中して勉強したほうが効率がいいんですよ。」この言葉に疑いを持ったわけではありませんが、どうしても腑に落ちず、娘の主治医である思春期外来の先生にも勉強時間について聞いてみたのです。すると、「娘さんのような子どもたちは、普通の学校のようにカリキュラムを組んで、これをこなさないと次にいけないとなると絶望的な気持ちになります。 今のやり方がいいと思いますよ」とのこと。そういえば、以前娘の支援に関わってくれた先生にも同じようなことを指摘されたことを思い出しました。その人が言うには、ただ漫然と課題を与えられても、いつまでやり続ければいいのかわからず、不安になってしまう。だから、全体図を見せて今はここをやっているんだよと教えてあげることが大切だと言うのです。確かに、今の娘の学習の遅れは大きく、どれくらい勉強したら追いつけるのか本人も分からず不安になっている様子が見受けられます。だからこそ、フリースクールでの小学校1年生レベルから徐々に始められる環境、先生が「大丈夫、ちゃんと追いつくからね」と言ってくれる環境があることで、過度な負担や不安に悩むことなく学習を進めることができるのだと気づくことができました。在校生・卒業生たちとの交流も!出典 : フリースクールも技能連携校も、スペースやスタッフはみんな同じです。なので、娘が勉強している側で高校生や、遊びに来た卒業生が娘に勉強を教えてくれることもあります。また、先日は卒業生に仕事の体験談を聞いたりして、とても話が盛り上がっていたそうです。そうして世代を超えた交流ができるのも魅力の1つだと感じました。また、そうやって高校生たちと交流することで、実際に通うことになる技能連携校に馴染んでいくことができるのも、校長先生の狙いだけあって、さすがと思います。実際、娘はフリースクールに入ってから「学校(フリースクール)の予定表ちょうだい」と言ってくるようになり、すっかりフリースクールに所属意識を抱いているようです。思い返せば、小学校を卒業するときには、中学生になる不安で体調も悪かった娘。でも中学を卒業する今回は、気持ちもすこぶる安定していており、私もホッとしています。あきらめないでよかった出典 : このフリースクールに出会うまでには、さまざまな機関を頼り、そして失敗を繰り返してきました。今回やっと娘に合うところに出会うことができ、あきらめずチャレンジを続けてきたことは間違いではなかったと思うことができます。娘に起こったなによりの変化は、「私には行くところがある」という安心感による気持ちの安定だと思います。また、同時に、来春から通う技能連携校の様子を内部からまじまじと見て、見通しがたったことも大きな理由でしょう。こうした要素が合わさったことによって、娘は希望を持って、春を迎えることができると思います。小学校から中学校に進学する際、不安から体調やメンタルを大きく崩した経験があるだけに、中学3年生になるのが怖かった私。でも、笑顔でいつも通り過ごしている娘を見て、本当によかったと胸をなで下ろしています。
2017年10月23日小学校を即退学!学校が合わなかった少年エジソン出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』著者、楽々かあさんこと、大場美鈴です。【偉人の凸凹学】3回目は、出ました!発明王トーマス・アルバ・エジソン!「なぜ1+1は2になるの?」「なぜ風は吹くの?」「なぜ魚はおぼれないの?」「なぜ星は落ちてこないの?」好奇心の塊・少年エジソンは、小学校に入るや否や、教科書丸暗記スタイルのエングル先生を質問攻めにして困らせ、「落ちこぼれ」「問題児」のレッテルを貼られてしまいました。それに怒ったゴッドマザー・母ナンシーは「もういい!私が家で勉強を教えます!」と啖呵を切り、わずか3ヶ月で学校を退学したエピソードは有名ですね。そして後に起業したエジソンは、蓄音機、白熱電球、キネトスコープなど、生涯で1913件もの特許発明を成し、文字通り「発明王」として、歴史に名を残しました。彼は、それまでの人類の生活を、自分自身のアイデアですっかり明るく変えてしまったのです。…あれ?定番の偉人伝としてよく知られたエジソンの生涯ですが、「小学校退学」と「発明王」の間が、スッポリ抜けていませんか?一体その間、何をしてたんでしょうね。実は、母ナンシーの言葉どおり、エジソンはお母さんと一緒に家で勉強していたのです。学校が合わずに「落ちこぼれ」のレッテルを貼られてしまったエジソン。でも、学校の勉強が、勉強の全てではありません。母ナンシーは、エジソンの旺盛な好奇心に応えつつ、学ぶことの楽しさを家庭で教えていきました。これこそが「ホームスクーリング(ホームエデュケーション)」という教育の、ひとつの考え方なのです。そして、この時期に培われた知識と経験が、後の発明の源となり、起業家としても成功する人間性の土台となりました。エジソンと母ナンシーは、一体どんな勉強をしていたのでしょうか。学ぶことが好きになるヒントとともに探っていきたいと思います。ゴッド・マザー母ナンシーの決断。ホームスクーリングって…?Upload By 楽々かあさんまず、「ホームスクーリング(ホームエデュケーション)」とは、一言で言えば「学校に通わずに家庭を拠点とした学習を行っていくこと」です。実は、ホームスクーリングは、世界的に「教育のひとつの選択肢」として公的に認められている国・地域が多くあります。上の世界地図は、「ホームスクールの合法性」マップです(緑:合法、黄:ほぼ全域で合法、あるいは実践されているが論争中、赤:非合法/オリジナル作成者: Zginder、2010年版)。現在アメリカでは、220万人(2015年現在)の子どもが家庭で学んでいます。その中には一流大学に飛び級で合格するほど優秀なホームスクール出身者もいるようです。不登校やいじめ、経済的・宗教的・文化的理由…などから、やむを得ず家庭で学習を行うこともあります。でも、英才教育やギフテッド教育の一環としての、積極的・自発的な選択も多いのだそうです。その学習のスタイルはまさに「自由」ですから、特定の勉強法はありません(ただし、単位取得のテストや、在籍校への報告義務がある場合もあります)。通信教材で教科書に添った学習、ネットや外部スクールなどを活用する学習、才能を育てるための独自の教育などなど、そこには「学び方はひとつではない」世界があります。ホームスクーリング「ホームスクーリング」Wikipedia参考:「アメリカのホームスクーリング事情から考える学校の存在意義について」一般社団法人こたえのない学校そういった世界的な流れもあり、最近日本でも、ホームスクーリングを選択するご家庭が、少しずつ増えて来ているようです。…とはいえ、2017年2月に施行された「教育機会確保法」では、不登校を「休んでも良い」と認めたものの、学校以外の学習を義務教育の一環として認めることは盛り込まれず、公的には十分な受け皿が整っていないのが現状のようです。実はうちでも、学校の勉強に意欲を失っていた当時3年生の長男が、エジソンの伝記マンガを読んで「おれは、こういう風にかあちゃんと家で勉強したい。それならできる気がする」とぽつりと言ったことがあります。でも私は、「ホームスクーリングって素敵だな」と思っていても、「いざ、実行」となると、結構な茨の道が予想され、弟妹への影響まで考えると、思い切ることができませんでした。ただ、それから現在まで、日常生活の中でエジソン親子式の学習法を「できる範囲で」取り入れてみることによって長男も「勉強が楽しい」と言うようになりました。オールC評価だった、学校の成績も上がってきましたよ。では、具体的に、少年エジソンと母ナンシーの家庭での学習法をみてゆきましょう。「教育機会確保法 不登校対策は」(くらし☆解説)NHK解説委員室・解説アーカイブス学ぶことって楽しい!「生きる力・考える力」を育てるエジソン親子の学習法エジソン親子の学習法は、『天才エジソンの秘密母が教えた7つのルール』(ヘンリー幸田・著、講談社)という本が詳しく、元小学校教師でもあった母ナンシーの先見の明と懐の深さ、そして、キラキラした瞳の少年エジソンの「生きた学び」の姿が伝わってきます。エジソンは、慣れ親しんだ家で、母や家族に見守られながら、後の発明につながる膨大な知識と経験を、着実に蓄えてゆくのです。出典 : まず、学校をやめたエジソンに与えられたのは、大量の本。百科事典や歴史書、化学実験に関する本や、世界の名作の数々…そして、自宅の物置小屋を改造した、実験のための専用の地下室でした。例えば、「なぜ、アヒルの卵がヒナになるの?」と、身近に不思議さを感じたら、まず実際に自分で卵を温めてみました。でも、うまくいかない…そこで、お母さんと一緒に百科事典を調べると、3週間以上も温めなくてはならないことが分かります。そして、それを調べる過程で、鳥の生態について多くの知識を得ることができた…といった具合です。全てこの調子で、エジソンは自分のペースで好奇心の赴くままに学んでゆき、高校生用の化学実験の本を片手に実験を繰り返すなど、まさに「毎日が自由研究」状態。こうして自ら、興味を持ったことや不思議に思ったことを、教科書や学年にとらわれずに、気が済むまで徹底的に掘り下げて、その周辺の知識や実際の経験とつなげることによって、学びを広めていったのです。現代の一般家庭では実験用の地下室までは難しいかもしれませんが、好きなことに集中しやすい環境を整えてあげるといいかもしれません。例えば、リビングの一角に趣味の専用コーナーを作ってあげたり、必要な道具や関連書籍を買い揃えて、いつでも手に取れるようにしてあげる…など。また、現代ではインターネットが手軽な百科事典として、気になったことをいつでも調べることができます。でも、膨大な情報から有益なものを取り出すのは結構コツと経験がいるので、お子さんが調べたいことがあったら、どんなキーワードで探せばいいか、どんなサイトの信頼性が高そうか、などをそばで助言してあげるといいでしょう。出典 : 地下室で化学実験を夢中で繰り返していたエジソンは、次第に「もっと実験材料を買いたい!」と思うようになりました。でも、エジソン一家の家計は楽ではありません。ここで母ナンシーの素晴らしさは、エジソンに、実際に仕事をさせてみたことです。当時は、子どもが働くのは珍しくなかったのですが、なんといっても「あの」エジソン君ですからネ。それまで、運河に落ちたり、火事を起こしたり、何度も危ない目に遭ってきたワケです。…それを考えると、「ウチの裏庭の野菜を売ってみたい!」と提案する我が子に、「名案ね!」と背中を押せる母ナンシーは相当な度胸です。「かわいい子には旅をさせよ」の実践ですね。そして、少年エジソンは町へ出て、野菜を売り始めます。すると、単に家で採れた野菜を持っていったのでは売れないことを知ります。そこには、それぞれの人々の生活があり、ニーズがあり、需要と供給のバランスでものの値段が決まる…という経済の原則を、「体感」して知ってゆくのです。実際の経験を積み重ねた学びは、何ものにも代え難い財産になります。この後も、何度か危なっかしいことをしながらも、少年エジソンは、列車の中で自分で発行した新聞『The Weekly Herald』を売るなど、「いいこと思いついた!」を次々と実践してゆきました。その中で、さまざまな立場や境遇の人達の、生の声を拾い上げた経験が、後に、世の中のニーズに応える商品開発の原点になったように思います。でも、そこまでできなくても、日常生活の中でお手伝いや買い物等を通じてもプチ体験を積んでゆけます。お手伝いでお駄賃をもらい、近所の駄菓子屋に行って、お店の人とお話する…などでも充分「生きた学び」になります。また、お子さんと一緒にスーパーで「ずっと天気が悪かったから、野菜が高いね」「この中で、一番おトクなのはどれかな?」「カゴいっぱいで何円くらいでしょう〜?」等と会話するのもいいでしょう。こういった物価の実感は、算数の単位間違いなど、テストの回答ミスを減らすのにも役立つと思いますよ。そして、エジソン親子の学習法の中で、私が最も素晴らしいと思うのが「親子の対話」の時間です。2人は、書物による膨大な知識と実際の経験を、対話しながらアウトプットして整理し、より本質的な理解を深めていったようです。エジソン親子はこの時間を心から楽しんでいたのだそうです。あるときは、エジソンが魅了されたギリシャのヘレニズム文化について、あまりの楽しさに時間を忘れ、夜が更けるまで2人で語り合ったんだとか。実は、エングル先生がエジソンの質問攻めに匙を投げたように、好奇心旺盛な子の知的な疑問につき合うには、大人のほうも、相当勉強し、余裕がないとできないことだと思います。実際に、こういう子を相手にしているとよく分かるのですが、次々と湧いて出る好奇心の芽を伸び放題にすると、うちの庭の雑草のように収拾がつかなくなってしまうのです。大人は、必ずしも答えを用意する必要はなくても、より広い視野に立ち、物事の本質を見極め、全体像を把握する「知の地図」を持っていないと、迷子になってしまうでしょう。現代では「夕飯までに宿題を終わらせなきゃ!」「洗い物が終わったら、明日の時間割の支度をさせて、ハミガキさせて…」なんて、毎日時間に追われながら子育てしていると、子どものとりとめのない話に根気よくつき合うこともなかなかできませんよね。こういった時間に縛られない教育ができるのも、ホームスクーリングの大きな魅力です。ですが、正直子どもの話についていけない(私もです!)、毎日忙しくてとても無理、という場合、習い事等で「その道のプロ」に教えてもらうなど、誰かにアウトソースしてしまうのもひとつの手です。また、お子さんの話をほどほどに聴きながら、考えを客観的に見つめる「鏡」になってあげるだけでも良いでしょう。好奇心旺盛な子が興奮気味でとりとめのない話をする時に、まずは、「うんうん」「そーなの」「それで、それで?」と相づちをうってあげると、気持ちが落ち着きやすくなると思います。それから、「それってつまり、◯◯ってコト?」「それって例えばどういうこと?」など、話の要点を確認したり、具体例を質問すると、自分の考えを把握しやすくなるでしょう。また、「お母さんはこう思う」「もしかしたら、こう考える人もいるかも」と、自分や他人の立場からの意見を伝えていくと、次第に、物事を多角的に検証する姿勢が身につくかもしれません。Upload By 楽々かあさんまた、うちではこんな時、筆談も併用しています。言葉だけではうまく伝わらないことも、図にしたり、絵にしたり、要点を箇条書きにすると、子どもが伝えたいことを共有しやすくなります。連想ゲームが止まらない子には、マインドマップやふせんメモなどを使って、考えを整理する習慣づけもいいと思います。得た知識を他の人と共有することは、本当に良い勉強になりますし、何より、人と話すことや学ぶことが好きになるでしょう。本当はどんな子だって、学ぶことが大好きのハズ!出典 : こんな豊かな子ども時代を過ごした「元・落ちこぼれ」エジソンは、ご存知のように明るく輝ける人生を歩みました。母ナンシーが61才でこの世を去った後も、晩年まで、母の面影と心の対話を続けていたことが、記録にも残っているそうです。もしかしたら、少年時代、お母さんと夜更けまで語り合ったひとときが、偉大な彼の人生の中で最も幸せな時間だったのかもしれませんね。でも、エジソン親子は、やっぱり特別な人たちなのでしょうか?確かに「いいと思ったことを実際にやってみる」行動力と、失敗にめげずに挑戦し続ける情熱には、天性の素質があるかもしれません。でも、本来子どもは、どんな子だって、好奇心いっぱいで学ぶことが大好きな生き物なんです。もし、今「勉強」に対して、あんまり良い印象を抱けないお子さんがいたら、こんな自由で豊かな、エジソン親子のホームスクーリングの考え方を、できる範囲で、少しでも日常生活に取り入れると、勉強という言葉のイメージがちょっぴり変わるかもしれませんね。だって勉強って、本当は、もっと楽しくて、ワクワクするものなんですから。「天才エジソンの秘密 母が教えた7つのルール」ヘンリー幸田・著(講談社)コミック版世界の伝記「エジソン」吉田健二・著(ポプラ社)学習漫画 世界の伝記「エジソン―魔術師といわれた発明王」三上篤夫、かたおか徹治・著(集英社)
2017年10月19日「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」「任侠ヘルパー」「ガリレオ」の古家和尚が完全オリジナル脚本で描く、井上真央主演ドラマ「明日の約束」が10月17日(火)本日21時よりスタート。20分拡大で放送される第1話では、「井上真央VS仲間由紀恵」の対決がいきなり幕を開けるようだ。ドラマは、井上さんが高校のスクールカウンセラー・藍沢日向を演じ、親子をはじめとする人間関係に葛藤しながら、生徒の不可解な死の謎を追うヒューマンミステリー。今夜放送の注目の第1話冒頭は、物語の舞台である神奈川県の穏やかな海からスタート。学校内の日向は「最後に味方になってあげられる大人」として、生徒に温かいまなざしを向ける人物。しかし、そんな穏やかな日常は突然急変。不登校の男子生徒・吉岡圭吾(遠藤健慎)のことを気にかけ、担任教師の霧島直樹(及川光博)と家庭訪問をすると、そこに待ち受けていたのは、息子に過干渉で過保護な“毒親”真紀子(仲間さん)。真紀子は息子への日向の接触を妨げ、さらには家庭訪問や聞き取り自体を「息子にとってのストレス」として強くけん制。突き刺すようなまなざしで、不登校自体を学校のせいだと主張する真紀子に対し、日向は疑念と反発を抱いていく…。初共演となる“井上さんVS仲間さん”の対決は初回から幕を開け、今後緊迫感を増しながら、物語の大きな軸として繰り広げられていくという。加えて、本作を語るうえで欠かせない登場人物たちの“異様な人間関係”も初回から見逃せない!特に、“毒親”真紀子と圭吾の親子。圭吾を「圭ちゃん」と呼び、溺愛する真紀子は、息子の外部との接触を制限するために、ささいな行動の変化を日々見逃さない。その徹底された束縛は、見るものに恐怖感すら抱かせる…。先日の制作発表では、共演者から現場で「かわこわ」(=可愛いけど、怖い)とささやかれていると明かしていたが、そんな仲間さんの怪演に注目だ。また、負けずとも劣らずに異様な気配を漂わせるのが、日向とその母・尚子(手塚理美)との関係。「好きになれない」と日向が明言する尚子との関係は、自らがカウンセラーを志したきっかけにもなったほど重いもの。第1話では、日向の口から「中学生のとき、ブラジャーを買ってくれなかった」という衝撃の発言が。親子関係が幼少期からいびつだったことが如実に表わされている。また、尚子から日々の言動を改善するための「明日の約束」という交換日記を強制的につけさせられていた日向。物語を通して“毒親”真紀子と対峙する中で、自らの母親の姿を重ね合わせ、関係に悩み、向き合っていくことに。こちらの親子関係も見逃せない。なお「GYAO!」では、毎週の放送後に登場人物の秘密や過去など、地上波放送では描かれなかった秘密を映した新たなドラマが無料配信。青柳翔、佐久間由衣、遠藤健慎、井頭愛海らが出演する。「明日の約束」は10月17日(火)より毎週火曜日21時~カンテレ・フジテレビ系全国ネットにて放送(初回20分拡大)。(cinemacafe.net)
2017年10月17日児童相談所は悩める親子のための相談機関出典 : 児童相談所は、子どもに関するあらゆる問題の解決のために、児童福祉法に基づいて設置された専門的な相談機関です。18歳未満の子どもに関することであれば、本人・家族・学校の先生・地域の住民等、どんな立場からでも相談することができます。児童相談所のスタッフは児童福祉司(ソーシャルワーカー)、児童心理司、医師などの専門家から構成され、すべての都道府県と政令指定都市に設置されています。児童相談所の仕事は、子どもに関するあらゆる問題の相談窓口として相談に応じ、周辺の機関との連携によって必要な援助を行っていくことです。具体的には、親の事情や子どもの問題行動等による子育ての悩み、障害児福祉、虐待の対応などの問題に対して、助言や治療の補助、さまざまな手当ての案内などの支援を行います。いきなり学校や病院に相談することは気が引けるけれど、自分だけでは解決が難しいという時、誰かに相談に乗ってほしい時には、相談先の一つとして児童相談所を検討してみてはいかがでしょうか?次の章からは、児童相談所が取り扱う相談内容と支援方法を具体的に説明していきます。子どもの性格・行動、健康、進路など...子育てに関するお悩みへの児童相談所の支援出典 : 子育てをしていると、たくさんの悩みが出てきますよね。児童相談所では、子どもの性格や行動、健康管理、進路など幅広い困りごとに対応した支援が用意されています。・保健相談未熟児、虚弱児、内部機能障害、小児喘息、その他の疾患(精神疾患を含む)等がある子どもに関する相談・育成相談悪癖(チック、夜尿)や生活習慣、困った行動(家庭内暴力など)、不登校、性格上の問題(内気、友達と遊ばない、わがまま)への対処の相談・育事、しつけの相談遊び、性教育などに関する相談継続的な支援によって状況の回復が見込める場合は、在宅のまま支援が行われます。訪問型の相談や助言や施設の紹介、施設利用の際のアセスメントを行ったりします。他にも、子育ての情報に関するセミナーをしているところもあるので、ぜひチェックしてみてください。その他にも、メンタルフレンドというサービスがあります。メンタルフレンドとは、心に傷を負った子どもを、遊びや学習の手伝いをしながらケアをする青年ボランティアのことです。児童相談所の運営指針について:図表|厚生労働省HPメンタルフレンドとは?|東京都福祉保健局カウンセリングや手当、施設の紹介など、障害のある子どもに対する児童相談所の支援出典 : 子どもに知的発達の遅れ、肢体不自由、ことばの遅れ、虚弱、自閉傾向があるのではないかなどと気になったときには、児童相談所に相談してみましょう。児童相談所に相談すると、所属の児童福祉司や医療機関等が協議し、障害の疑いがあるかどうか、重軽度などを調べます。支援が必要とされる障害が認められた場合は、児童相談所から様々な支援を受けられるようになります。・1歳6ヶ月、3歳の健康診査において知的発達面に詳しい検査が必要だと診断された場合は、児童相談所が助言と指導を担当します。・医師、児童福祉司などによる訪問相談、発育相談会、親子へのカウンセリングが行われます。・「子どもの困った行動にどう対応すればいいのか分からない」「周りからの理解が得られず子育てがつらい」などの相談について専門家が具体的な提案をしたり、心理的なケアを施します。知的障害などの都合を配慮した金銭的な手当のことを特別児童扶養手当と呼びます。この手当を受けられるかの判定は役所の児童福祉課か児童相談所です。認定請求を行う本人または都道府県等児童福祉主管課のいずれかから診断書の作成を求められた児童が対象となります。療育手帳とは、知的障害のある方に付与される障害者手帳です。知的障害のある方が一貫した療育・援護を受けられるよう、様々な制度やサービスの利用をしやすくすることを目的にしています。児童相談所では、療育手帳の申請受付、調査、交付を担当しています。ただし、療育手帳は自治体によって名称が変わることがあるので窓口で確認してみましょう。子どもに必要な支援に合わせて、近隣の施設を紹介します。ここで紹介される施設は、就学中の子どもの学習をサポートする放課後デイサービスや、必要な日常生活の支援や技術の指導をする社会福祉施設等があります。また、どうしても保護者が育てることが困難だと判断した場合には障害児福祉施設が引き取り、18歳までは生活の援助をしていく場合もあります。虐待問題に対する児童相談所の支援出典 : 虐待の疑いのある家庭が近くにある、自分が虐待の被害者である、虐待してしまっているのではないかと悩んでいる、など虐待に関する相談に対応します。児童相談所が持っている役割をいくつか羅列していきます。虐待の疑いがある場合や、SOSを出したい場合には児童相談所に通告をしましょう。全国の児童相談所共通ダイヤルである「189」(イチハヤク)に電話をかけると近隣の児童相談所に繋がります。通話料は通告者の負担となりますが、相談は無料です。通告を受けた後は、児童相談所の専門的なスタッフが、行政や民生委員、学校などの関係機関を巻き込んで家庭の様子を調べます。虐待の有無や重軽度を調べて必要な措置を検討した後、関係機関を巻き込んでの支援を開始します。調査の結果に応じて、在宅支援と社会的養護の2種類の支援が施されます。在宅支援の場合、民生委員による定期的な訪問相談、ペアレントトレーニング、カウンセリングなどの保護者向けサポートや、学校・保育施設での子どもへのヒアリングなどを通して、虐待の再発を防ぐと同時に、家族関係を改善することを目指します。社会的な養護とは、子どもを分離する必要性が認められた場合に児童養護施設や里親に預けることです。一時保護の第一の目的は、子どもの安全を守るためです。他にも保護者も子どもと一時的に離れることで落ち着いたり、援助を受けるきっかけになったり、子どもにも安全な環境にいることでより正確な情報を聞き取ることが期待されます。このような理由から、必要がある場合は児童相談所が子どもを保護することが認められています。親子の関係修復が望める時は、再び家族が統合されることもあります。虐待は子どもの生命に関わる問題であるため、調査から行動措置において児童相談所は強い権限を持っています。子どもを育てることが難しい家庭のための養護相談出典 : 虐待と同様、様々な事柄によって子どもを育てることが難しい家庭があります。養育困難とみなされる場合には、以下のような事例が挙げられます。・父または母等保護者の家出、失踪、死亡、離婚、入院をした子ども・稼働及び服役等による養育困難な子ども・棄児、迷子、虐待を受けた子ども、親権を喪失した親の子、 後見人を持たぬ児童等環境的問題がある子どもこのように、やむなく家庭での育成が難しくなった子どもを一時保護所や児童養護施設で保護したり、または里親に預けたりします。一時保護、里親制度って?子どもが健やかに育つための制度とは出典 : 虐待をはじめ家庭内で問題が生じ、かつ子どもと保護者の分離が必要だと判断された場合には、社会的養護という措置が取られます。一時保護とは、児童相談所が必要を認めた時に子どもを一時保護所に一時保護するか、警察署、福祉事務所、児童福祉施設、里親などに保護を求めることを言います。一時保護の必要がある場合について、厚生労働省は次のように定義をしています。(1) 緊急保護ア棄児、迷子、家出した子ども等現に適当な保護者又は宿所がないために緊急にその子どもを保護する必要がある場合イ虐待、放任等の理由によりその子どもを家庭から一時引き離す必要がある場合(虐待を受けた子どもについて法第27条第1項第3号の措置(法第28条の規定によるものを除く)が採られた場合において、当該虐待を行った保護者が子どもの引渡し又は子どもとの面会若しくは通信を求め、かつこれを認めた場合には再び虐待が行われ、又は虐待を受けた子どもの保護に支障をきたすと認める場合を含む。)ウ子どもの行動が自己又は他人の生命、身体、財産に危害を及ぼし若しくはそのおそれがある場合(2) 行動観察適切かつ具体的な援助指針を定めるために、一時保護による十分な行動観察、生活指導等を行う必要がある場合(3) 短期入所指導短期間の心理療法、カウンセリング、生活指導等が有効であると判断される場合であって、地理的に遠隔又は子どもの性格、環境等の条件により、他の方法による援助が困難又は不適当であると判断される場合つまり、子どもを身の危険から守る場合と問題行動について詳しい調査が必要な場合、集中的なケアが必要な場合に一時保護が行われるということです。一時保護された子どもは、保護施設の中で勉強、遊び、スポーツなどをしたり、年齢や成長に応じた生活習慣が身につくような生活指導を受けたりしながら過ごします。他にも、様々な事情により家庭で生活することができない子どものための里親制度があります。子どもが家庭的な環境の下で成長できるように、官民連携で制度を進めています。児童相談所に助けを求めるときは?出典 : 児童相談所は全ての都道府県と政令指定都市にあります。地域によっては「児童相談所」の名称ではない場合もあります。なにか児童相談所に相談したいことがあるときは、最寄りの相談所に電話をするか訪問してみましょう。訪問するときは、事前に電話で予約をすることもできます。下の一覧表から最寄りの児童相談所を探すことができます。全国児童相談所一覧|厚生労働省また、児童相談所には虐待かもと思った時などにかけられる全国共通ダイヤル「189(いちはやく)」があります。この番号に電話をかけて音声案内に従うと、最寄りの児童相談所につながります。出典 : 児童相談所はなぜ強い権限を持っているのか出典 : 児童相談所は仕事の性質上、強い権限を持っています。その仕事内容から、措置についてあまり明らかにされないこともあります。それはなぜなのでしょうか。児童相談所の特性から考えてみましょう。・子どものプライバシーを扱う仕事児童相談所は子どもとその家族をめぐる問題を扱うため、プライバシーの扱いは最も重要な事項の一つと言えるでしょう。そのため、具体的な仕事内容をあまりオープンにしていないと同時に、虐待で一時保護をされた場合には、たとえ保護者であっても子どもの状況を教えることはできません。・子どもの命や健やかな育ちをを守る役割を担う児童相談所は子どもの命に関わる問題を扱っており、一時保護をする最終的な決定権限を与えられています。そのため、子どもの命が危ないと判断された場合には、保護者の了解が無くても子どもを連れていくことも許されています。「児童相談所一時保護所の現状と課題」|和田一郎児童相談所の措置に納得できない...そんな時はどこに頼る?出典 : 前の章の通り、児童相談所は子どもを守るための強い権限を持っています。一方で昨今は子どもに関する問題の増加に伴い、児童相談所の慢性的な人員不足や、せっかく児童相談所に情報があっても警察や学校など他の機関との連携システムが整っていないことなど、さまざまな課題が問題点として挙げられることもあります。これらの問題のために、すべての人にとって納得できる判断や対応ができているとは言い切れない面があるかもしれません。もし、児童相談所での相談ができなかったり、児童相談所の決定や支援内容に不服があったりする場合、どうすればよいのでしょうか?・対応が間に合わないとき「相談をしたいのに対応が遅い...」児童相談所に相談が立て込んでいたりすると、相談をしてもなかなか対応してもらえないことがあります。そのようなときは市区町村の子育て支援課や地域の子育て支援センターでも、同様の支援を受けられます。・障害児療育の対応ができる職員がいないとき障害児の療育など、専門性が求められる相談には、対応できる職員がいない場合もあります。そのような場合には、各市区町村の障害福祉課、地域の障害児等療育支援事業所、相談支援事業所にて、施設の紹介や療育を受けられます。・事実が無いのに疑いをもたれてしまったとき子どもの特性や保護者の特徴によっては、虐待の事実が無くても疑いがあるという理由で一時保護措置がなされる場合がないわけではありません。不服申し立てという制度があり、児童相談所による一時保護の正当性について第三者に審査をしてもらうことができます。審査にあたっては、第三者機関が一時保護を決定するにあたって使用された資料や子どもの言動の記録、保護者に関する情報などを使います。ここに挙げている支援のほかに、自治体ごとに提供される支援の種類もあるでしょう。自分が持つ悩みごとにはどのような支援が受けられるか、児童相談所のほかにどこで相談できるのかなどを確認しておくと、もしもの時にもあわてずにすむのではないでしょうか。このように、児童相談所の判断に納得できない場合にも他の相談所や不服申し立て措置をとるなどの手段が考えられるでしょう。まとめ出典 : このコラムでは、児童相談所の役割や、具体的な支援の内容、困った時の相談・利用方法について紹介しました。児童相談所という名前は一度は聞いたことがあるものの、何をしているのかは今イチわかりにくい、と感じる人もいるかもしれません。児童相談所の役割としては、子どもの権利を守り、健やかな育成のため、専門性をもって相談や支援にあたるということが第一に挙げられます。具体的な業務内容としては、子どもの健康管理や障害児福祉、虐待の対応など多岐に渡っており、子育てに関するあらゆる相談口の窓口としての役割を担っています。一人では解決が難しいことでも、専門機関の力を借りれば解決の糸口が見つかるかもしれません。困った時は、ぜひ一度、些細なことでもいいので相談してみてはいかがでしょうか。
2017年09月26日こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。スクールカウンセラーに相談してみたい、利用したいと思っているという相談をよく受けます。しかし、「どんなことを聞かれるのか」や「利用すること自体が悪いことをしているようで……」と感じる人も多いです。日本ではカウンセリングを受けるという習慣がまだまだ浸透していないということが、このような迷いを生じさせる理由になっているのではないかと思います。スクールカウンセラーは、精神科医や臨床心理士などの心理学を専門に学んだ人たちです。怖くはありませんから、利用したい・話したいと思っているなら迷わずに利用してほしいと思います。●どんなことを相談できる?スクールカウンセラーは、学校内の相談室にいて、教員とも保護者とも違う立場から話を聞いて客観的に受け止めてくれます。学校によっては、週に1回、または月に数回などの割合で来校するケースがあります。このような場合は、予約が必要になるようです。スクールと付くために、学校に関することだけしか話を聞いてくれないのではないかと思われがちですが、実はさまざまな話を聞いてくれます。子どもと保護者を主としていますが、時に教員も利用する ことがあります。たとえば、・子育ての悩み・学校生活での悩み・家庭の悩み・友だち関係の悩みなどです。自分だけで悩んでいると不安になりますから、思い切って相談してみましょう。●こんなメリットがある「スクールカウンセラーを利用してメリットってあるの?」という方もいらっしゃいますが、メリットはあります。・抱えている悩みや不安感を聞いてもらえる(話を聞いてもらうことはストレス解消になります。「心が軽くなる」と表現する人がいるくらいです)・悩み事を多方面から客観的に見てくれるので、自分では思いつかなかったことを助言してくれる・カウンセリングで話したことは守秘義務 があるので、他言される心配がない・さまざまなアドバイスをもらえる・費用がかからないなどがメリットとして挙げられます。●注意しておきたい点メリットが多いのは良いことですが、注意しなければならない点もあります。まず、一番に理解してもらいたいこととして、カウンセリングの内容が子どもと学校生活に関係ある場合において、教員と情報を共有しなくてはならない ということです。その際、最初に話があるかと思います。私は、子どものカウンセリングを行うことがあります。状況によりますが、学校に関係する情報がある場合、担任に情報を共有することがあります。もちろん保護者に確認を取ってからですし、子ども本人にも話を通してからです(状況例:不登校の場合など)。話をしてほしくないことは、「このことは言わないでほしい」と一言いっておくといいでしょう。●おわりに人は、悩みごとを誰かと共有しようとしますが、それができない場合もあると思います。だからといって一人で抱え込むことは良くありません。小さくても悩みは悩みです。学校に通っているお子さんがいるなら、スクールカウンセラーを活用することをおすすめします。心の専門家と話をすることはストレス解消にもなりますし、さまざまなアドバイスをもらえます。今は、カウンセラーに頼ることに慣れていない人が大半だと思います。これを機に利用してみてはいかがでしょうか。【参考文献】・『ストレスから子どもを守る本』富田富士也・著●ライター/桜井涼●モデル/REIKO(SORAくん、UTAくん)
2017年09月20日学校へ行かなければ、どうなるんだろう?出典 : いつの頃からか娘は小学校へ行くのを渋るようになりました。学校から帰ると疲れ果てて荒れ狂い、登校前日には足の痛みを訴えて泣くようになりました。学校へ行かすのはもう限界かな、と私が感じていた小学校3年生の2学期の初め、娘は自ら「学校をやめる」という決断を下しました。今でも学校に籍はあり、先生との交流を続けてはいますが、一般的には不登校と呼ばれる状態が続いています。わが家では学校に行かないことを後ろ向きに捉えるのではなく、「学校に行けないなら家で楽しく学ぼう!」と前向きに考えています。なので「不登校」という言葉ではなく「ホームスクール」という言葉を使うようにしています。そして、娘に続いて息子も幼稚園をやめることになり、365日親である私が子どもたちと共に過ごすホームスクールをはじめてから、ちょうど一年が経ちました。その中で、子どもたちにも私にも大きな変化がありました。ホームスクールを始める前、学校生活を楽しんで育った私の頭にあったのは学校へ行かないデメリットばかりでした。・ 小学校にも適応できない子が、社会に適応していけるのだろうか・ 同学年の友達に揉まれることでしか学べないこともあるのではないだろうか・ 365日子どもが家にいることに、自分は耐えられるのだろうか・ 勉強はどうすればいいんだろう・ いつか子どもが学校に行きたいと思ったとき、戻る場所はあるのだろうかそんなことばかりを考えていたような気がします。しかし、少しずつ子どもたちが365日家にいる生活に馴染んでゆく中で、学校に行かずに過ごすメリットも見えてきたのです。「自分と他人の違い」は家の中ならじっくり学べる!出典 : わが家は『安心して過ごせない場所には行かなくてもよい』という方針で子どもたちを育てて来ましたので、ホームスクールを始めるにあたって、まずは家の中を「子どもたちが安心できる場所」にする必要がありました。もちろん、それまでも子どもたちにとって一番安心できる場所は家だったのですが、ずっと家族が家にいると、親も子も一人になる時間がほとんどなくなり、そのストレスから摩擦が増えてしまいます。時間はたっぷりありますので、問題が起こった時は、親子でゆっくりと話し合いました。私が一方的に指図をするのではなく、「どうすればいいと思う?」とみんなで考えるところから始めたのです。そうやって、1つ問題を解決すると、また次の問題が発生します。でも、問題に対して皆で工夫しながらストレスの少ない暮らしを模索してゆくことで、今まで受け身だった子どもたちも、徐々に時間の使い方を自分で決め、必要なときには助けを求められるようになりました。自閉症スペクトラム+ADHDの診断がおりているわが家の子どもたちは、その特性から他人の動向に注意を払ったり、他人の気持ちを推察することが苦手です。なので、トラブルが起こるたびに話し合い、どういうケースでどういったコミュニケーションをすればいいかを一つひとつ学んでいきました。「自分の物を使われるのは、お姉ちゃんにとってはとても辛いことだ」「弟にはこういう風に接すればパニックを起こさずに意思疎通ができる」このように、身近な人でも自分とは違うこだわりや、苦手があるということを学べる時間を作れたことは、子どもたちにとって、大きなメリットとなっています。学校ではできないような、子ども達に合わせた勉強法!勉強は私が見ることで、それぞれの特性に沿った学び方を考えられるようになりました。言語優位のアスペルガーである娘には、とにかく興味のある分野の本をたくさん図書館で借りてくることで、飛躍的に知識量が増えました。自分に自信が持てない娘の場合、努力の成果が目に見える形であらわれる方が向いていることがわかり、学年を越えた漢字検定などにチャレンジしています。ADHD要素が強く、すぐに注意が逸れてしまう息子にはドリルを少量ずつ与え、目標時間を決めてタイマーを使います。終わったらすぐに丸つけをして、間違った問題は一緒に解くことで「やりとげる」ことができるようになってきました。視覚優位の息子には文字から学ぶよりも、iPadのアプリやDVDなどを使った学習の方が正確な情報を速くインプットできることがわかり、デジタル機器も積極的に活用しています。また、発達性協調運動障害を併せもつ息子は上手に文字を書くことができません。そこで、計算問題では読みずらい文字を書いたとしても不問とし、文字を書く練習は別ですることにしました。どの教科でもキレイな字で書くことを求められる学校の宿題には、きっと耐えられなかったことでしょう。子どもの特性に合わせて学習を進められるのも、ホームスクールの大きなメリットだと考えられます。こうして安心して過ごせる場所を作り、楽しく学習できる環境を整えることで、子どもたちは精神的にとても安定しました。学校や幼稚園に行っている間は疲れ果て、心を荒し、どんどん表情がなくなっていっていた子どもたち。しかし、今では毎日のびのびと笑いながら、嬉しいときにはくるくると踊りながら過ごしています。心に余裕が生まれたことで、いろんなことに意欲的に取り組めるようになってきました。「レールから外れてしまった」ことに対する不安を払しょくすることはできませんが、何よりも大切なことは子どもたちが楽しく健康に生きることだと、子どもたちの笑顔に励まされる日々です。「学校に行きたくない」という選択は、身を守るためのSOSかも知れない出典 : 残念なことに、9月1日は子どもたちの自殺が最も多い日だといわれています。「学校をやめる」と決断する前の娘も、顔中にチックが出て、絶えず足が痛み、全身からSOSが出ている状態でした。「普通は学校へ行きたくないと言っても『行きなさい』って言われるでしょ?私は『行かなくてもいいよ、ここにいればいいんだよ』って言ってもらえて救われた。あともうちょっとで、心が死んでしまうところだった。」「本当に学校に行かなくなっても責められなかった。学校から逃げてダメな人間だと思っていたけど、毎日幸せだからこれでいいんだなと思えるようになった。」娘は今、そんな風に話しています。学校生活を楽しめる人にとって、学校はとても素敵な場所でしょう。でも、心が苦しくて張り裂けそうになっている子供には、「行かなくてもいいよ」「体が辛いときと同じように、心が辛いときも休めばいいんだよ」という選択肢を示してあげることは、とても大切なことだと思うのです。そして「行かない」という選択をした子どもたちが自分を責めることなく、安心して過ごせる環境を整えていくことが、親にできる最大のサポートではないでしょうか。子どもたちが命をかけてまで行かなければならない場所など、一つもありません。同時に「行かない」という決断を下すことも、とても勇気のいることです。子どもたちが、ギリギリのところで必死に出したSOSを受け止めてあげませんか?「なぜ行けないんだ」と子どもを責めるのではなく、ゆっくりとお茶を飲んだりお喋りをしたりして、お子さまを安心させてあげることから始めませんか?大切なのは、どこで生きるかではなく、どう生きるか。私はそう思います。学校に行かなければすべてが終わるわけではありません。ホームスクールで心を回復させたわが家の子どもたちは、習いごとを増やしたり放課後等デイサービスに通うことで、新しい居場所や友達を見つけて、新しい一歩を踏み出しはじめています。いろんな状況のご家庭があると思いますが、今一度、親としてお子さまに「どんな風に生きてほしい」のかを考えてみませんか。そして、お子さまが「どう生きたいのか」を聞き出してみてください。そうやって言葉にすることで、大切にすべきものが見えてくるといいですね。
2017年09月17日英ジョージ王子(4)の初登校日は順調だったようだ。7日、セント・トーマス・バタシー校に初登校したジョージ王子について、父親であるウィリアム王子は初日からうまくなじめていたと明かした。ウィリアム王子は子供に苦戦している親もいたとし、当日に行われたU-20サッカーイングランド代表のイベントに集まった報道陣に対し、「順調に行きましたよ。自分のお子さんに苦戦している親御さんがいらっしゃったので、自分じゃなくて良かったと思いました」と語った。そして、祖父であるチャールズ皇太子も孫の心配をしながらも、ウィリアム王子がいなくなった後、ジョージ王子はすぐになじんでいたと明かした。「かわいそうにね。なんとかやるように親に置いて行かれるんですから」「でも結果的には本人にとって良いことなんでしょうね。性格の形成とでも言うんでしょうか」ジョージ王子へ何かアドバイスをしたかという質問に対して、皇太子は「もちろんしませんよ。あの歳で私からのアドバイスなんて聞かないでしょう」「でもどう過ごしたかには興味があります。あの年齢では、もう少し大きくなってから抱える学校に行くことへの不安というのはそんなにないでしょうから」「新しい人達との出会いや散策が全てですよね」と答えた。ウィリアム王子との間にシャーロット王妃も持つキャサリン妃は、第3子妊娠によるつわりのため、初登校には同伴しなかった。(C)BANG Media International
2017年09月09日木曜日、ウィリアム王子に手を引かれてジョージ王子が「トーマス・バタシー校」に初登校した。第3子を妊娠中のキャサリン妃は姿を現さず、広報担当者は「People」誌に「残念ながら、キャサリン妃は体調がすぐれず、ジョージ王子の初登校に付き添うことができません。ウィリアム王子は予定通りにジョージ王子を見送ります」と伝えた。ウィリアム王子によれば、ジョージ王子の初日は「うまくいった」とのことだ。これから長期間に渡って共に過ごすクラスメートとの初対面を果たしたジョージ王子。「トーマス・バタシー校」の校長はジョージ王子を「特別扱いはしないし、ほかの児童と同じ」と言っていることから、ジョージ王子は学校内で「殿下」、「王子」ではなく、シンプルに「ジョージ」と呼ばれることになるようだ。名字は、父がケンブリッジ公ウィリアム王子であることから、「ケンブリッジ」と名乗ることに。ジョージ王子の通学カバンにも「ジョージ・ケンブリッジ」のネームタグが付いているのが確認されている。ウィリアム王子とヘンリー王子は、父のチャールズ皇太子がウェールズ公であることから、学生時代は「ウィリアム・ウェールズ」、「ヘンリー・ウェールズ」と名乗っていたそうだ。厳密にはエリザベス女王とフィリップ王配の子孫の名字は「マウントバッテン=ウィンザー」だが、日常生活で使用することはまれだという。(Hiromi Kaku)
2017年09月08日娘の通う塾から「娘さん、実はもう2週間ほど塾に来てません」という連絡を受けたのは2ヶ月ほど前のこと。エーーッと、完全に寝耳に水であった。というか私の知るかぎり、娘は過去2週間、行ってきまーすと意気揚々と家を出て、私がお迎えに行けば、ちゃんと塾の入った建物の入口で待っていた。「テスト難しかった~」なんて疲れた様子を見せてもいたのだ。だからきっと何かの間違いだろう、タイムカードを押していないだけだろうと思ったが、念のため本人に「行ってるよね?」と確認。すると、あろうことか娘は露骨に目を泳がせる。「え……えええ!? 行ってなかったの!?」私に問い詰められ、バツが悪そうに下を向いた娘、すぐに真実を白状した。なんでも、塾に行くと言って家を出て、その足で毎度、近所の図書館に足繁く通っていたというのだ。そして私がお迎えに行く時間の少し前に、本人も塾の入ったビルの入口まで出向いていた、と。不器用だとばかり思っていた娘が、まさかそんな風に私の目を欺いていたとは……お母さん大ショック。行きたくない理由はと尋ねると、教室の環境が生理的に受け付けない、ということらしい。悲しいかな、そう言われても今ひとつピンとこない。そもそも塾には、娘が入りたいと言うので入ったのだった。そりゃ人間だから、考えが変わることだってある。自分に合う合わないは、実際入ってみなきゃわからないだろうとも思う。だけど一方で、勉強や塾通いなんて楽しいばかりというわけにはいかないだろうし、仮にも受験をしようと考えているのならある程度の忍耐も必要だ。私は根っからの文化系なので根性論は基本的に受け付けないけど、そうはいっても、目の前のハードルを越える瞬間や、一つ何かを成し遂げようときは、基本的にはしんどさを伴うのも事実。だから、悩んだものの、このときは塾に行かなかったことを結構強く叱って、辞めるのはダメ、ということにした。それで娘は、露骨に気乗りしない表情で、再び塾に通うようになったのだけれども、しばらくすると、やっぱりまた同じように、行ってきますと家を出て、塾には行っていない、ということが起きた。当然ながらまた私に叱られて、でも、その後もやっぱり塾に行かなかった。これだけ叱られても尚行かない、テコでも行かないを貫くというのは、こりゃもう相当嫌なんだろうということがさすがに分かって、塾を辞めることにしたのだ。今は塾に行く代わりに、友人の伝手で紹介してもらった大学生の家庭教師の先生に来てもらっている。塾の方も決して悪い塾ではなかったと思うけど、今の環境の方が娘には合うようで、休みたいとも言わず、熱心に勉強に取り組んでいる。結果的には正しい選択をしたと思っている。例年9月1日、新学期を迎える日に、学校に行くのを苦に自殺する子どもがとても多いそうだ。今年は特にこの件に注目が集まり、ブログやTwitterで著名人を含む大勢の大人が、子どもに自殺を思いとどまるよう呼びかけた。それでも、やっぱり昨日今日で、子どもの相次ぐ自殺の報道を何件か目にした。何かの記事で識者の方がお話されていたところによると、特に夏休み前、1学期の終わりの方に不登校気味となっていた子どもには、新学期が始まってしばらくの間、注意が必要だそうだ。対岸の火事としてこういった報道に触れれば、子どもが死ぬほど学校を嫌がっているのに、周りの大人にどうしてそれが伝わらなかったのかと歯がゆく感じたりもする。けれど、娘の塾の一件を経た今、子どもの直面している事態の深刻さを正確に把握するのは、たとえ親であったとしても、とても難しいことだと感じる。ここまでは頑張りが効く、ここから先はダメ、がわかりやすいゲージなんかで表示されればどんなにいいだろうと思うけど、そういうわけにもいかないので、子どもが学校や塾など、行くべき場所に「行かない」という主張をしたとき、親は「逃げるな」と背中を押すべきか、もしくは子どもの主張をのむべきか、難しい判断を迫られる。子どもの出すサインはそれぞれ違うだろうから決して一括りに語れないのが難しいところだ。ただ、娘の塾の一件で私が一つ得た学びは、子どもの「行かない」は必ずしも逃げじゃないのかもしれない、ということだ。というのも、考えてみれば子どもは、なにも好き好んで大人に叱られたいと思っているはずはなく、本来なら大人に言われるままに学校や塾に行って、叱られたり、つつかれたりしないでいることが、基本的には最も快適には違いない。塾をサボって図書館にいた娘も、図書館の快適な空間を心から楽しめていたわけでは決してないはずで、いつか私に真実がばれて、例によってこっぴどく叱られるときのことを考えて、いつだって胃の痛くなる思いを抱えていたのだろうと思う。そして現にバレて何度も怒られている。それでも尚「行かない」を続けた娘は、結果として本人の強い意志を、積極的に体現して見せたと思うのだ。私たち大人はつい、子どもが行くべき場所に行かないことを「逃げ」と言い、消極的な行動のように見てしまう。だけど、実は子どもたちの「行かない」は彼らの快適な暮らしや、自尊心や、ときに命を守るための、ある種の攻めの一手、戦いかもしれない。たまたまクラスの子たちと同じ方向に向かっていないだけで、本人は別の方向に、本人なりの全力で走っているかもしれないのだ。「行かない」子ども達は、周囲の大人からの執拗な「行きなさい」にも負けない、不屈の精神を持っている。根性がある。快適でない環境から、勇敢にも脱出しようとしている。彼らのこういった積極的な選択を、私達大人はもっと正当に評価し、尊重するべきだと思うのだ。イラスト:片岡泉
2017年09月05日「みんなの学校」の木村先生をお招きしてパネルディスカッションを実施Upload By 発達ナビ編集部大阪府大阪市住吉区に公立小学校「大空小学校」という学校があります。この学校は2006年にできた新しい学校で「みんながつくるみんなの学校」を合言葉にしており、特別支援学級は設けず、発達障害や知的障害のある子どもたちもみんなと同じ教室で学んでいます。障害がない子どもたちも、様々な個性を持った子どもたちと一緒に過ごす中で多くのことを学ぶことができます。そんな大空小学校ですが、不登校の子どもはゼロ。まさに地域の「みんなの学校」なのです。今回発達ナビでは、この大空小学校の初代校長であった木村泰子先生(現在はご退職)とのパネルディスカッションイベントを開催しました。Upload By 発達ナビ編集部パネルディスカッションのテーマは「みんなの社会をいかに生きてはたらくか」。「障害のない社会をつくる」をビジョンとして掲げ、障害者への就労支援サービス、子どもの可能性を拡げるソーシャルスキル&学習教室、そしてこの発達ナビの運営などを行っている株式会社LITATLICOより、発達ナビ編集長の鈴木悠平と学校での教員経験もある社員・木村彰宏の2名が、障害のある方の社会への参加・参画に向け共生社会の実現を目指し、障害者雇用にも重点を置く特例子会社 薬樹ウィル株式会社(薬樹株式会社)代表取締役の吉澤靖博さんがパネラーとして参加し、木村泰子先生とともに4名でディスカッションを行いました。木村先生、冒頭から「そもそもあんたらの言う障害って何なん?」という問題提起を行い、波乱の幕開けです。会社が主語になってるうちは、その会社の本当の目的は達成されないUpload By 発達ナビ編集部木村先生:まず先にひとこと言いたいんですけど、皆さん自己紹介でね、いろいろむつかしいこと言ってましたけど、なんでそんなん考えてから行動するんかなと思うんですよ。私には子供たちから教えてもらった「事実」しか自分の中にありません。もちろんいろんな研究から学びたい気持ちはあるから勉強はするんですけど、生徒と向き合って目の前で起こる出来事って、9割は勉強したこととちゃうんですよね。木村彰宏:なるほど…では今日のパネルディスカッションでは「みんなの社会をいかに生きてはたらくか」について話をしていきたいと思っているんですが、まず子供たちの行きつく先として、「仕事」や「会社」について、先生はどのような考えを持っていますか。木村先生:そうですね、ふつうでええんちゃいますか、ふつうの会社で。逆にね、「とてもええ会社やね」と言われてしまうような会社やと、世間と遠くなってしまうんですよ。みんなの学校もそうです。「ええ学校やね」と言われることでふつうの学校ではなくなってしまうんです。Upload By 発達ナビ編集部たとえば、大空小学校では教育委員会に加配の先生は要求しなかったんです。というのも、支援のプロの先生がいると子供を分断してしまうんですね。どういうことかというと、「私は支援担当やから」って加配の先生が対象の子どもにぴったりひっついてまうと、その子は他の子どもから分断されてまうんです。そうなると大空の他の子どもたちは、私に「あの先生おかしいから教えたり」「じゃま」「校長先生出番やで」って言うてきますわ。じゃあこの加配の先生が、どうして対象の子どもにぴたっとひっついてしまうか。それは先生自身が「主語」になってもうてるからですね。つい自分が働いたという成果をつくりたがってしまうんです。だけどね、先生が頑張ってようとサボってようと、子どもが貧困であろうと障害があろうと、目の前の子どもたちが安心して地域の学校で学んでいる。この事実をつくるということが、私らの目的です。つまり、主語は先生じゃなくて子供なんですよ。主語を子供に変えたら、私らがやるべきことは何かおのずから見えてきたんです。この共通認識が出来てから、仕事はスリムになりましたし、チームはブレなくなりましたね。だから言いかえると、「会社」が主語になってるうちは、その会社の本当の目的は達成されないんじゃないんじゃないでしょうかね。障害って何?ほんまに分かって言うとる?Upload By 発達ナビ編集部鈴木:「特別支援の担当なんです」ってことで、障害のある子どもを道具にして自分の居場所や仕事をつくってしまわないようにってことですね。木村先生:あとね、そのあんたらの言う「障害」って何やと思って言ってます?今日ここに来てる皆さんはどう思てます?来場者:障害は個性…木村先生:じゃあ個性ってなに?会場:沈黙木村先生:あのね、私大空小学校を退職してから2年なんですけど、この2年間、知らんことや知りたくなかったことばかり知るんですよ。もうね、やさしく綺麗事を言ってる時間ないんですよね。学校に行けない子どもやその家族がものすごくたくさんいて苦しんでいることを知ってしまったから。障害って何?って聞かれたときに、答えることが出来る自分がいないなら障害を語るべきじゃないんじゃないでしょうか。だいたいね、インクルーシブとかいいながら特別支援教育をすすめていくことで、余計分断が起こってるでしょ。大空小学校では障害という言葉は使ったことないです、意識して使わないようにしてたんじゃなくて、使う必要がなかったんです。「ユウトにほんまに障害があるんですか?」Upload By 発達ナビ編集部木村先生:大空小学校にね、ユウト(仮名)っていう子がいるんです。彼は発達障害の診断があって、手帳も持っていて、入院していて大空小学校に来るまでは院内学級で過ごしていたんですね。そんなユウトが担任の先生に、学校の運動会に誘われたんです。彼はお母さんとわくわくしながら運動会に行きました。するとね、学校の子どもに「お前なにしに学校来てん。学校来たかったら頭ブチ割って脳みそ交換してからこいや」って言われたそうなんですよ。その日はユウトとお母さんは帰りました。そんなユウトが大空小学校に来てね、他のお友達、もちろんお友達が出来て、みんなで日々ドッジボールをして遊んだりして過ごす日ようになったんですよ。でもある日、ドッジボールでアウトかセーフか、他の子どもと揉めたんです。大空小学校の子どもたちは、困ったら職員室に行って相談したらなんとかなると思ってます。だからその日もユウトたちは職員室に来たんですね。そしてユウトは言うたんです、「校長先生、こいつらに俺は障害者や言うてくれ」って。「健常の人間は障害のある俺に譲るべきや」って。Upload By 発達ナビ編集部私は言いました、「分からん」って。そしたらユウトが言うんです、「校長のくせに障害もわからんのんか。勉強しろや。校長クビや」って。だから私は言い返してやりました、「じゃあユウトは障害って何か分かっとんか、あんたが説明しいや」と。そしたらね、ユウトは「俺の主治医は病院の副院長や。そいつが障害者やって言って俺は手帳を貰ったんや。だから俺は障害者や、障害のある俺は守られるんや」って言うんです。「私はそんなん信じへん」って言うたりました。そしたらね、ユウトは「医者が言ったんや、俺は校長より医者を信じる」って言うんですよ。もうね、私、「じゃあ私が副院長に会いに行って障害って何か聞いてくるわ。」って半分以上ハッタリで言うたんです、もうええ分かったってユウトも引くかなって。そしたらユウトは「ほんまに行けよ」って言うんです。もうね、私副院長のところ行ってきましたよ。もちろん本来は校長が病院に行っても、個人情報ですから色々話を聞くことは出来ません。でもユウトの場合は、支援の方針を考える「ケース会議」を開く対象になっているので、会議を開いてもらい、関係者の一人として会議に参加させてもらってきました。で、黙って会議で話を聞いてたんですよ。でも納得できない話ばっかりだったので、思わず最後に口から出てしまったんですね。「先生、ユウトにほんとに障害があるんですか」って。本当の意味で「違い」を理解するということUpload By 発達ナビ編集部木村先生:「ユウトにほんまに障害があるんですか?」って聞いたとき、主治医の方は一瞬は怒ってました。でもね、失礼なこと言ってるのは分かるけど、これ聞かなユウトとの関係が繋げへんから。私は続けて言いました、「私はユウトを見ていて彼を障害があると思えません。彼にもし障害があるというレッテルが貼られるのであれば、彼以外の子供たちほとんどみんなにレッテルが貼られなあかんと思います」ってね。そしたら主治医の先生は「個人的な見解を述べれば、彼に障害があるとは思いません。でも彼は生まれてから成長するにつれて、毎年毎年、彼が生きている周りの環境から常にバッシングを受けて、確実に二次障害が生じている子供です」っておっしゃられたんです。社会が、学校という本来みんなに開かれている場が変わらない限り、二次障害を受けている子供が発達障害という診断を受け、インクルーシブといいながら特別支援教育が取り入れられることで、子どもたちがどんどん分断されていく。その流れのものすごい加速が起こっている。「障害」という言葉で、ひとりの人が生きている毎日の営みをひとくくりにしてスルーしている間は、本当の意味の「違い」を理解するのはむつかしいんちゃうやろかって思います。困ってるときは助けがほしいUpload By 発達ナビ編集部木村(彰):大空小学校のような、職員間や地域の方との間など、仕事で困ったときに頼れる人がいるネットワークがある職場ってどうやって実現出来たんですか?僕も悩んでいるのですが…木村先生:その質問は正直私には答えられないんで、一緒に働いていた教員が今日客席にいるので彼女に答えてもらいます。塚根先生(大空小学校・元教員):そうですね…正直大空小学校に赴任して子どもたちと出会う前は、これまでの経験という引き出しで子どもたちに対応出来ると思っていたんです。でもね、現実はどうしようもなかった。自分には出来ないと思った。そしたら、自分には出来ないと思っている先生は私だけじゃなかったんです。どん底に落ちはしましたが、周りと共有することで、「どうせ上手く出来へんのやったら笑って帰ろかー」みたいな、開き直りがうまれました。それにね、教員みんな、大空小学校では困ってたんで。新任の先生とも上下関係じゃなくていっしょのスタートになったのがよかったですね。「家でむしゃくしゃしているよりは、学校行ったほうがいい」って感じで同僚同士繋がっていったし、困ってるときは助けがほしいじゃないですか。そうやって地域の人とも繋がっていきました。木村先生:一回ね、「この中で本当に辞められる人間はおるか」って話をしたんですよ。ひとりだけいました、その人はローンがなかったんですね(笑)辞められへんのに辞めたい辞めたい言って、先生が苦しい顔しとったら、そんな学校子供は楽しいと思えます?辞められるんなら辞めてもええけど、辞められへんのやったら自分を変えるしかない。どっちかやなって。Upload By 発達ナビ編集部主語はだれ?目的はなに?Upload By 発達ナビ編集部司会:来場者の方からの質問です。企業はカスタマーが主語になっているでしょうか。社員が主語になってはいませんか。吉澤さん:いい質問ですね。ただ顧客と企業はサービスと対価を循環させる関係ですので、お客さま至上主義を第一としている会社もそれはそれであやしいと僕は思っています。何が第一かじゃなくて、全部大事。木村(彰):今のお話を聞いて、学校現場で子供を主語にすることで先生の不満もどこかに出てくることもあるのかなとは思いました。木村先生:子供を主語にして、すべての子どもが自分の働く学校で前を向いて安心して学んでいるという事実を見て、その職場が嫌になる先生いますか?いませんよね。子供が主語になっているという事実が、すべての教職員の幸せにつながるんです。そもそも今のような質問が出るっていうのが衝撃で、「みんなの社会をいかに生きてはたらくか」が今日のテーマだったかと思うんですけど、私ちょっと企業の皆さんに質問してもいいですか?皆さん障害者の就労支援や障害者雇用に力を入れてる企業で働いているとのことでしたが、じゃあ障害者雇用の目的って何ですか?と私は問いたいです。Upload By 発達ナビ編集部鈴木:僕は障害者雇用制度は制度的な経過措置に過ぎないと思っています。わざわざ障害者と健常者、枠を分けなくてもいっしょに働ける環境がつくれたらいいと思います。木村先生:じゃあ、障害者と健常者が一緒に働く職場をつくるその目的は何ですか?鈴木:ひとつは障害者健常者関係なく、働きたい人が働けるということ、そのことが当たり前に権利として保障されていることが大前提だと考えています。そしてもうひとつは、あえて健常者とでこぼこが大きい人たちとで分けて考えたときに、その両方が一緒に働く社会のほうが単純により面白いサービスや価値がつくれると思っています。木村先生:通常の雇用と障害者の雇用、そもそもは働くことでひとりの人が幸せになれるんだよってところに共通点があるじゃないですか。ひとりの人が幸せになる手段として障害者雇用がある。この目的と手段さえ混同されなければ問題はないんですよ。だけど制度があるから障害者を雇用せなあかんという、雇用すること自体が企業にとって目的になると、むつかしさが生まれる。学校現場も全く同じなんですよ。今ってインクルーシブ教育をせなあかんということで、インクルーシブ教育が目的で、子どもたちが手段になってますよね。そうじゃなくて、ひとりの子どもが安心出来る学校現場をどうつくるか、ひとりの人が安心して暮らせる出来る社会をどうつくるかが大切なことだと思っています。どこにも正解はないし、そんなたいそうなこと私にはわからないんですが、私の考えとしては、答えを人に求めないで自分自身が変わることが大事だと思っています。学校現場も社会と見れば、例えば、学校があかんだの、家庭があかんだの、地域があかんだの、他をあかんって言うのは簡単なんですよ。でも、それぞれ立場の違いはあるかと思いますが、学校、家庭、地域、どの立場にいても子どもにとってはひとりの大人であるということは共通してるんですね。人に求めないで、自分はどうしたらいい?って考えて、自分で出来ることをやって、ひとりで無理なら他の人頼って。まずは自分で動くこと、これは誰にでも出来ることだと思います。そこからじゃないですかね。あなたも子どもからみたらひとりの大人「私には時間がない、学校に行けない子どもやその家族がものすごくたくさんいて苦しんでいることを知ってしまったから。」そうおっしゃる木村泰子元校長の、ヒリヒリとした切迫感をどう受け止めるか。「まずは自分が動くこと」を最前線で動いている木村元校長に提示され、それぞれ立場は違えど子どもにとっては大人は大人であるという事実を再確認させられたのでした。あなたは何をしますか?何からはじめますか?9月のイベントのお知らせ: 発達ナビ保護者会(東京・神奈川・埼玉・千葉)発達ナビ会員のうち、保護者の方々を対象とした情報交換会・茶話会が開催決定!保護者さん同士で集まり情報収集の場をつくることで、お子さんとの生活をより良くするきっかけを得てもらうことを目的としています。「“発達が気になる子どもの子育て”の悩みを話せる人がいない。」「辛いとき、他の人はどうしているのだろう?」「通所支援施設はどうやって選べばいいの?」など、悩みや困っていることを話してみませんか?ぜひお気軽にご応募ください!「発達ナビ保護者会〜地域資源活用セミナー〜」日時・会場:以下、応募フォームをご参照ください。9月は、東京・神奈川・埼玉・千葉にて開催予定です。募集人数:30名程度参加費用:500円(お茶菓子付き)募集締切:各回、開催日の前日まで*プログラム予定*・講義: 地域資源や支援施設の選び方、活用方法について・講義: 保護者を取り巻く環境・困りごとについて・グループワークを通した情報交換・フリートーク・活用できる支援機関の紹介など※ 参加費お支払い方法は後ほどご案内いたします。※ 応募者多数の場合は抽選とさせていただきます。※ 参加可否につきましては、お申込み後1週間以内にご連絡します。
2017年09月04日学校が始まりました。とは言っても午前中で終わるので本番は2日目からかな? 今朝は私も子供たちもアタフタしてました(笑)。(左手でボタン押しちゃってるのすみません)正確には体操着や外履きは今日持って行かなくても良かったのですが、赤白帽子持っていくついでに体操着も一緒に持っていくってことになり、内履きと外履きはセットで持って行きたいよねってことになったりと、そんな感じでここまでもりだくさんな荷物になってしまいました(汗)。これで学校までは歩くのきつそうだと思って送ってあげたんですが、同じことを考えているママさんがたくさんいたようで、学校の前には車がいっぱい止まってました(笑) 。明日から絵の具道具とかも少しずつ運んでいく予定です。こまめとのまめは大丈夫だったけど、すでに学校の靴が小さくなってる子もいたようで、夏休み中に買いなおしたってお母さんもいましたし、子供の成長ってすごいですね! 夏休みが終わる前に一回履かせてみるのをおすすめします!
2017年09月02日不登校の子どもたちの高校進学事情出典 : 不登校の親の会でこんな話を聞いたことがあります。不登校の子どもたちは「高校には行きたい」と希望するものの、なかなかパンフレットを見ようとしなかったり、学校見学に行っても門の前でUターンしてしまことがあるそうです。だから進学が決まるのがギリギリになるケースが多いと言います。我が家のアスペルガー症候群の診断を受けている娘も小学校2年生から不登校。中学校2年生まではほとんど勉強もすることなく毎日を過ごしてきました。そんな娘も中学校3年生になり進路を考える段階にさしかかっています。実は中学2年生のとき、特別支援コーディネーターの先生が、娘に合いそうな高校を3つセレクトしてくれていました。しかし、その頃の娘は、進学を現実のこととして考えるのは難しい様子で、自分からパンフレットを見ることはありませんでした。時期が早かったというのもあったでしょうが、「ああ、親の会で聞いた通りだな」と思った私は、「高校のパンフレットはここに置いておくよ」と声だけかけて、しばらく待っていました。親の会の先輩お母さんたちからは、「親は早めに準備しておくといいけれど、逆に子どもたちはそっとしておいた方がいい。」「進学したいと口では言っていても、気持ちが追い付いていないことがあるから、子どもに言われたときにすぐ資料を用意できるようにしておいて、あとは見守る方がいいよ」と聞いていました。だからパンフを開こうとしない娘を深追いしても、余計に心を閉ざしてしまうと思い、そっとしておくことにしたのです。進路を決めるまでの気持ち出典 : つの学校を提案された時点では、「せっかく先生が選んでくれた学校だから信頼できる。全部見てみたい。」と積極性を見せていた娘。そんな言葉とは裏腹に、自らのパンフレットを開くのは、かなりのパワーが必要だったようです。ひとたびパンフレットを見てしまったら、それまで漠然としていた未来が急に現実味を帯びて、ありありと迫って来るように感じられたのでしょう。娘の「ちょっと待って、もうちょっとだけこのままでいさせて」という気持ちがうかがえます。「そのうち見るから」といいながら憂鬱そうにパンフが入った袋を置く娘。その姿を見て「高校のことを考えるのって、この子にとってはこんなに負担のかかることなんだ。」と思い知りました。「パンフレットを見るだけなら簡単でしょ」と無理やり娘に見せようとする気持ちがわき起こらなかったわけではありません。それをしなかったのは、脳裏に浮かぶ先輩ママの体験談の数々があったから。不登校ならではの葛藤、本人たちも精一杯頑張ろうとしているのにうまくいかないつらさあることを知っていたので、「私も気長に頑張ろう」と思ったのでした。そんなとき、ソーシャルワーカーの方と面談中の「娘の高校の件で悩んでいる」と言うと、「梅雨までに一緒に見学に行ったほうがいいですよ。梅雨に入ってしまえば動きにくくなりますし。」とアドバイスされました。ソーシャルワーカーは娘とも面識があり、我が家の内情をよく知っています。娘をそっとしておこうという気持ちはあったとはいえ、信頼している福祉のプロからのアドバイスなら試してみようと、思い切って私は娘に期限を提示することにしたのです。「梅雨までに一つだけでも見学に行きたいから、どこに行ってみたいか5月中に決めてくれる?」すると、娘もお尻に火が付いたのか5月後半から学校案内のパンフレットを見始め、末日までに「この高校を見に行きたい」と言ってきたのです。いざ見学へ出典 : 娘が選んだその学校は自宅から自転車で通うことができます。そこはもともと塾だったところで、今は通信制高校の技能連携校になっています。技能連携校というのは、通信制高校の分校のようなところで、通信制高校と技能連携校の両方に入学することで、技能連携校の方で卒業に必要な出席日数、レポート提出、試験をすべて済ませることができるそうです。とてもアットホームな雰囲気で、小さな教室がいくつかあり、授業は昼から行われていました。制服もなく、生徒さんが好きなときに来て、自分のペースで学習している、そんな様子でした。学校は頻繁に出かけるなじみのある地域にあったので、娘はいつものTシャツにジャージ素材の半パン、草履といった格好で、気負った様子もなく家を出ました。ただし、非常用の腹痛の薬はしっかりかばんにいれていたところを見ると、不安の気持ちがなかったわけではないのでしょう。学校の入り口についても、「入り口はここだよ~」「お~」という感じでリラックスしています。2人で雑居ビルのワンフロアにある学校に入ると、校長先生がニコニコして応接スペースに案内してくれました。ここの校長先生は息子さんの不登校を経験しており、不登校に理解の深い方です。在校生が入れてくれたお茶を飲みながら、さりげなく校長先生と娘の面談が始まりました。「ここは昼から1時間だけ授業があります。できれば週5日来てくれたらいろいろな勉強ができますが、しんどかったらもっと少なくても大丈夫。」という話を聞いて娘もホッとしたようです。応接スペースからも、教室の様子をうかがうことができ、学校の雰囲気がよくわかった娘は安心したようです。あまり学校らしくないというか、小さな塾といった雰囲気なのもよかったのでしょう。学習室も見せてもらいました。棚にはカリキュラムに沿ったプリントと、それを理解するための教科書や参考書がセットで置いてあって、来ている子は順番に黙々とこなしていました。娘が「私は勉強していないから小1からやらないといけないかもしれない」というと、「大丈夫。みんな小学校の勉強から始める子がほとんどだからね。」と言われました。実際、小1レベルから対応しているそうです。また話の最中にびっくりしたことがありました。面談中に「体育の時間はテーマパークに行ったり、 ボウリングに行ったりするんだよ」という話が出ました。すると、娘は「それは行かなくてもいいですか。 人が多くてザワザワしていたり、トイレにすぐに行けないようなところに行くのは嫌なんです。」 とはっきり答えました。初めて会った先生に、はっきり自分の気持ちを言葉にした娘を見るのは初めてで、その様子から娘がいかにリラックスしているかわかりました。また、そこの学校に入る予定の人には、慣れるためと少しずつ勉強を始めるために付設するフリースクールに入ることを勧めていると聞かされました。どうやら普通のフリースクールというよりここの学校の補助的な役割をする塾みたいなもので、スタッフも場所も、この学校と一緒ということです。校長先生の「学校に入るまでここで少しずつお勉強してみませんか?」というお誘いに、「どうする?」と娘に聞いたら「行く」と即答。結局、その日のうちにフリースクールに入学することになりました。帰ってから、「どこが気に入ったの?」と聞くと「うーん、なんとなく。 ママもそんな感じやろ」と最初は言っていましたが、しばらく経つと「あのゆるい雰囲気がいい」「電車に乗らなくてすむのがいい」とポツリポツリと語っています。彼女にとって安心できる場所だと判断したのでしょうね。進路が決まってから出典 : それからすぐに週1回フリースクールに通うことになったのですが、1回行くととても疲れるようで、次週はお休みすることが多いです。だいたい月3回ペースでしょうか。私も本人が「もういいよ」と言うまで続ける覚悟で毎回付き添っています。毎回疲れ果てているものの、雰囲気はやっぱり合っていたようで、リラックスして過ごしているなと感じます。ことあるごとに「ママ、高校の予定表ある?」と聞いてきたりして、積極的に高校のことを意識しているようです。心はすでに高校に行ってますね。親としては、中学を卒業しても行くところができて一安心といったところです。フリースクールに行くようになったのもうれしいですね。あとは体力と学力が少しずつでもついてくれればいいのですが、それこそ気長に待とうと思います。不登校の子どもの進路について娘の場合、早いうちから進学する学校の候補を知れたことが大きな助けになったと思います。それによって余裕を持って娘の気持ちが熟すのを待つことができました。また親の会で不登校の子どもの傾向を知っていたことで、無理強いはせず、大切なことは面と向かって本人と話し合うことにつながりました。これらの経験から、早めに学校の先生と進路について話し合うことをお勧めしたいと思います。また親の会などで口コミ情報を聞くのもおすすめです。そうすることで将来のことがイメージできて、親も落ち着いて受験生となった子どもと向き合うことができます。また、この時期には本人の気持ちの揺れも起こることがあると思います。余裕を持って準備をしておけば、子どもも入学に備えて心構えをすることができるので、自分の希望やライフスタイルに合った学校を落ち着いて選べるメリットがあると思います。不安な気持ちに押しつぶされそうなのは親だけではありません。不登校の本人も不安と戦っています。葛藤のさなかにいる子どもを叱咤するのではなく、認めてあげながら次の一歩を一緒に考えてあげることが、進学という大きな節目を乗り越える力になるのかもしれません。
2017年09月01日先日、小日向文世と村上虹郎が声優を務めることが発表された、フジテレビ“ノイタミナ”枠アニメ「いぬやしき」。このほど、俳優の本郷奏多が、来年公開の実写映画『いぬやしき』で演じる役と同じ安堂直行役で、アニメ版の声優も務めることが明らかになった。木梨憲武と佐藤健をキャストに迎えた実写映画版、そして今回のTVアニ版で、同じ役を演じるというかつてない形での出演が決まった本郷さん。合わせて、彼が演じている「チョッコー」こと安堂直行役の映画版/アニメ版のビジュアルもお披露目された。安堂は、主人公・犬屋敷壱郎(演:木梨さん/声:小日向さん)の最大の敵となる高校生・獅子神皓(演:佐藤さん/声:村上さん)の幼馴染であり、獅子神が日本に向けて宣戦布告を行ってからも心を許す数少ない存在となる。心優しい性格で、人を傷つけるために力を振るう獅子神を止めるべく、犬屋敷の相棒として奮闘する物語のキーマンといえるキャラクターだ。本郷さんは「僕自身『いぬやしき』のファンであり、何より奥浩哉先生のファンなのでアニメ化はとても楽しみです。作中で『GANTZ』について安堂が触れるシーンがあるのですが、映画に出させていただいた身として色々と不思議な気分になりました。その辺りも楽しみにしていてください」とコメント。これまで実写映画版『GANTZ』に西丈一郎役で出演し、原作での雰囲気を忠実に再現していた本郷さん。今回の「いぬやしき」実写映画版でも、アニメ版でも、マンガオタクであり、不登校の安堂直行をどのように演じるのか期待は膨らむばかり。なお、奥浩哉による原作「いぬやしき」最終第10巻が9月22日(金)に発売されることも決定。その発売を記念して、本日9月1日(金)からはJR原宿駅にて、犬屋敷と獅子神が大空で戦う第2弾メインビジュアルを使用した巨大広告が登場している。TVアニメ「いぬやしき」は10月12日(木)より毎週木曜日深夜24時55分~フジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送(※初回放送時間変更の場合あり)。Amazonプライム・ビデオにて日本・海外独占配信。『いぬやしき』は2018年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年09月01日楽しい夏休み、実は困りごとがいっぱい!出典 : 子どもと一緒にいられるのが楽しくて、遊びに行く計画を立てたり、親子の時間を大切にしたり…夏休みにしたいこと、わくわくすることがたくさんある一方で、夏休みは親子にとって楽しいだけじゃなく、お悩みも多いようです。ずっとお家でお世話をするパパママにとっては、結構ストレスがたまりますよね。特に、こだわりが強かったり、発達障害の特性がある子どもと過ごす夏休みは、やっぱり疲れてしまうことやうまくいかなくて悩むことだってきっとあるはず。そこで、発達ナビでは、と題して、親子の夏のお悩みをご紹介しました。今年の夏を振り返って、思い当たることはありませんか?夏は時間がたっぷりある分、家庭での計画と見通しが何より大切です。そしてそれがうまくいくには、ちょっと工夫がいることも。親子のストレスがたまらない方法、生活リズムを保つコツ、子どもの特性に合わせた環境調整と接し方など、具体的な対処法も合わせて取り上げています。普段の生活に活かせることもたくさんあるので、今年の夏休み、終わってみたら「ちょっと反省…」という親子も是非参考にしてくださいね!夏休みの宿題、うまく進めるポイントは?出典 : 夏休みの宿題、トラブルなく終わりましたか?楽しいイベントがたくさんあって、しかも暑くて集中できない夏休み。発達ナビで行ったアンケートでは、ユーザーさん自身も子どもの頃には追い込む派が多かったようですが…Upload By 発達ナビ編集部いつの時代も、子どもにとってイヤな宿題を計画的に、うまく進めるのは難しいですよね。また、子どもの特性によっても、苦手なことがあると、なかなか一人で進めるのは難しいでしょう。がんばっていてもできないと、自己肯定感も下がってしまいます。せっかくの夏が、終わらない宿題で台無しにならないよう、夏休みの宿題に悩む親子の役に立つ、さまざまな工夫を宿題の種類別に集めました!夏休みの宿題がうまくいくポイントは以下の3つ。1. 子どもの特性に合わせた環境調整&構造整理どんな宿題が、どれだけ残っているか、宿題の見える化をします。その後、工程をスモールステップに分解します。また、勉強机からおもちゃなどを片づけるなどの環境調整も効果的です。2. 怒らないで済む方法で親のストレスも軽減宿題がうまくこなせていないと、保護者としては、つい注意したくなりますね。でも、叱ると逆効果になったり、親子の仲が険悪になるだけ、ということもあるでしょう。そんなときには夏休みの宿題にも「北風と太陽」式のコツをご紹介します。3. 学校の先生に合理的配慮を相談するがんばっているのにできない場合、学校の先生へ相談してみましょう。宿題を単なるつらい失敗体験にしないことも大切です。取り組み方や教材、量や難易度の調節をしたり、デジカメや計算機などのツールを使ったりするとうまくいくこともあります。この3つの基本となるポイントを押さえ、自由研究のネタ探し、読書が苦手な子の読書感想文に便利なツール、不器用さんの工作攻略法など、個別のトラブルに応えるヒントもたっぷりご紹介していますよ!夏の体調管理。気をつけたい病気もいろいろ出典 : 厳しい暑さが続く夏。この時期の子どもたちは夏バテに始まり感染症や熱中症、皮膚炎などにかかりやすく、健康管理に気を配る必要があります。発達障害の特性による困りごともあるでしょう。そんな夏に覚えておきたい健康管理法をご紹介したのがこの記事です!夏休みで生活リズムが崩れがちだと抵抗力も落ちてしまいます。また感覚過敏が皮膚トラブルにつながったりするなど夏の健康上の困りごともいろいろ。また、体調不良に無頓着だったり、具合が悪くても自分でSOSが出せないなどといった場合、まわりの家族の健康管理がとても重要になってきます。夏には熱中症や感染症、食中毒など重症化しがちな夏の病気もあります。命にかかわることもあるので、何かある前にしっかり予習して対策をたてることがとても大切ですね。夏休み明けも要注意!新学期前後にできることは?出典 : 子どもにとっても自由に過ごしていた夏休みから一転、毎日学校や園に通う生活に急に戻るのはつらいもの。新学期を前に、生活・環境の変化に戸惑いや不安を感じ、学校や幼稚園などに行くのを嫌がる子どもが増える傾向にあります。生活リズムが崩れていたり、休み前から人間関係がうまくいっていないなどのストレスがあると、体調不良や不登校などに発展してしまう場合もあります。この記事では、発達障害のある子どもが新学期前後でつまずきやすいポイントをご紹介しながら、スムーズに新学期を迎えられるように夏休み中にできることをまとめました。もし、すでに新学期が始まり子どもが行き渋りを見せている場合も学校生活や人間関係に不安がある場合、親と離れることに不安がある場合、学校へ行くことを面倒がっている場合それぞれについてヒントをご紹介しています。夏休み、みんなの体験談出典 : 発達ナビでは「夏休み」をテーマにさまざまなアンケートを行いました。ユーザーのみなさんからは夏休みの様子が垣間見えるコメントがたくさん寄せられました。実際にみんながどんなことに困っているのか、共感できるお悩みもたくさん。また、それぞれのお家で実践している具体的な工夫には、今すぐ使えそうな実践的なものも。アンケートの回答をのぞいてみてはいかがでしょうか?いくつか抜粋してご紹介します。【アンケート】夏休みに感じた「やっぱりわが子が1番カワイイ!」と感じたエピソードを教えて!みんなのアンケート|夏休みに感じた「やっぱりわが子が1番カワイイ!」と感じたエピソードを教えて!夏休み中、私が帰ってくるとみーんな私に集まってゴロゴロ、ベタベタ。うざったいような、可愛いような。笑夏休みに長男が習得した、褒めて欲しいときに頭を下に下げて言う、『褒めて』とナデナデ要求ポーズは最高に可愛いです(^^)ちくしょー!可愛いなこのやろー!そうそう。そのキャンプで冷蔵庫付きロッジに宿泊していたのですが、バーベキューの時に、長男に冷蔵庫の中にあるものを取ってきてもらいました。一生懸命取って来てくれたのですが、その後でロッジを見ると、ドアは開けっ放し、冷蔵庫の扉も開けっ放し。これが家なら、怒ってしまったのかもしれないのですが、キャンプという環境のおかげか、笑ってしまい、長男らしいなと思っていました。その時に、不思議と可愛いなあという感情に近いものを感じました。もしかすると、同じ行動や言動でも環境が違うと、全く別の見え方が出来るのかなあと、ちょっと感慨深かったです。【アンケート】夏休みのゲーム事情、1日に何時間ぐらいやってる?みんなのアンケート|夏休みのゲーム事情、1日に何時間ぐらいやってる?ルールを守らなかった事をきっかけに、思い切って「夏休みの間はゲーム禁止」にしてみました。キレて暴れたりするかなーと思っていましたが、意外に穏やかに過ごしています。もちろん、ゲームを取り上げた私の責任として、ゲームに代わる遊びに付き合ったり、お出掛けしたりしています。大変ですが、お互いイライラせずに済んでいます。【アンケート】家族全員が休みのときの「息抜き」「癒やしの時間」を教えて!みんなどうやって息抜きしてる?みんなのアンケート|家族全員が休みのときの「息抜き」「癒やしの時間」を教えて!みんなどうやって息抜きしてる?息抜きが無いんです!朝一でご飯して、子供起こして、食べさせて、ゴミ出して、仕事行って、帰りに買い物するんです。「あぁ…このまま帰っても、座る事も出来ず怒鳴られながらご飯かぁ~」って、毎日、毎日、玄関が怖くてツラいです(/_;)/。タマの休みも1日中家事!家事!家事!こんなに家事をしてるのに、一つも終わらないし、なんでもポイポイ平気で投げ捨てられる…あードコか遠くに行きたい!もしくは、ドコまでも遠くに行きたい!なかなか難しい!でも意識して癒しタイムを作ろうとしなかったら、きょうだいでけんかばかりだし、旦那はムスコにダメ出しばかり。なので、最近は寝る前のおしゃべりタイムで笑ってから寝るようにしてます。笑えるネタがない時は、こどものいい所、褒めてあげたい所を歌にしてあげるとゲラゲラ笑ってくれます。不登校の子どもたちは、「みんなが学校に通っているのに通えない」学期中は自分を責める気持ちになってしまうことも少なくありません。長い夏休みはそうした気持ちからも少し解放されて、友達と遊んだり、堂々と外出する貴重な機会なのです。「夏休みにためたエネルギーはきっと将来の力になると私は信じています。」というライターのヨーコさんの言葉どおり、思い出をたくさん作り、普段できない体験を積むことで、子どもたちは大きく成長するのだと思います。不登校の子どもに限らず、そんな子どもの姿を見る、パパママの喜びに気づせてくれる素敵な体験談です。「夏休み作品展」で子どもの作品をご紹介!出典 : 【夏休み作品展】この夏つくった子どもの作品をみんなにシェアしよう!夏休み、子どもが作った作品を発達ナビのアンケートで募集しました!とことん好きな物を作る喜びいっぱいの作品、大人が思いつかない自由なイメージやアイデアが光る作品、親子でいっしょにすご過ごした楽しさが伝わる作品…どれも力作ばかりです。発達ナビのコラムでは、集まった作品の中から、発達ナビに関わる3人が選んだ作品を表彰!どれもこれも、お子さんの個性が詰まった素敵な作品たち、ぜひご覧ください♪夏休みイベント情報まとめ出典 : 夏休みは、普段より子どもと一緒に過ごす時間が増えるため、子どもを連れてどこか遊びに行きたい、夏の思い出をつくってあげたいと考えている親御さんも多いのではないでしょうか?この記事では発達障害のある子どもが楽しめるような夏のイベントと、イベント参加時に気をつけたいことを中心にご紹介しています。毎年恒例のイベントなどもありますので、興味のある方は来年チェックしてみてはいかがでしょうか?そのほかに、2017年の夏に開催されたイベント情報のご紹介も合わせてご覧ください。まとめ出典 : 長い休み期間をスムーズに過ごすには、さまざまなトラブルや困りごとが隠れている場合もあります。でも、それらのトラブルはちょっとした工夫やアイデアで、その子にあった解決法が見つかることもあるのです。今回ご紹介したヒントに活用していただけるものはあったでしょうか?うまくいった、楽しかった夏休みの経験は、子どもを成長させてくれます。もし、夏休み中にうまくいかないことがあったとしても、そのつまずきの理由を振り返ってみて、これからの生活に活かせるヒントがないか、ぜひ探してみてください。
2017年08月30日井上真央が、カンテレ・フジテレビの10月期“火9”枠のヒューマン・ミステリー「明日の約束」に出演。2015年の大河ドラマ「花燃ゆ」以来の連続ドラマ主演を務めることになった。主人公の藍沢日向29歳は、高校のスクールカウンセラー。「親でもない、教師でもない、最後に味方になってあげられる大人」として、学校や家庭の問題に悩む生徒の心のケアに生活をささげている。背後に、誰にも相談できない苦悩…“毒親”ともいえる過干渉な母親とのいびつな関係に悩み、育ってきた経験があったからだ。日々、業務に熱心にまい進する日向はある日、気にかけていた不登校の男子生徒から「ヒナタ先生のことが好きです…」と告白される。だが、その翌日、彼は不可解な死を遂げてしまう。いったい誰が…と、“犯人探し”が始まった。やがて、彼が抱えていた“闇”が次から次へと明らかになり、原因究明に動く日向の前に立ちはだかる。学校での陰湿ないじめ、日向の母親と同じ“毒親”による息子への過干渉、彼自身の非行歴と不穏な交友関係…。また、日向自身の周辺…男子生徒の母親からの言いがかり、自らの“毒親”からの抑圧、恋人との心が引き裂かれそうなトラブル、心から離れない男子生徒からの「告白」の記憶といった難題も、彼女を次第に追い込んでいく。しかし、日向は、生徒の死の原因を究明したい一心で、持ち前の前向きな性格を武器に、あらゆる問題に向き合っていく。その先に日向が見つけた「生きる上で大切なこと」とは?果たして、そこから日向が導き出した「親子のカタチ」とは…?本作は、「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」「幽かな彼女」「任侠ヘルパー」「ガリレオ」などを手がけてきた古家和尚が脚本を務める完全オリジナル作品。誰よりも人の心に寄り添うスクールカウンセラーが、謎が残る生徒の死の原因をさまざまな難題と直面しながら究明、人の心の闇と向き合っていく。井上さんが久々の現代劇ドラマで挑むのは、勤勉さと前向きな性格で経験の浅さをカバーしている“体あたり系”のスクールカウンセラー。人の悩みに寄り添い、心の専門家の視点から指導や援助を行うカウンセラーを目指したのは、自身が感情の起伏が激しくヒステリックな“毒親”に育てられてきたことがきっかけ。小学生のころ、「あしたのやくそく」という交換日記を、強制的に母親につけさせられていたため、いまでも「約束させられること」が苦手で、3年間交際している恋人がいる、という役どころ。「親子の関係をじっくりと描けるような作品をやってみたいと思っていた」と井上さん。「嬉しい気持ちと同時に、繊細で難しいテーマを扱うことへの責任を感じました」と語り、「時代を象徴させるような学校の問題と、親子関係という普遍的なテーマを元に、同じような悩みを抱える方たちにそっと寄り添えるような作品にしていきたいです」と意欲を見せている。プロデューサーの河西秀幸は、ストーリーは「単なる“犯人探し”ではありません。視聴者にも色々な問いかけをしていきます。今回のストーリーは実は、もしかしたら誰にでも明日、起きるかもしれない身近なものだからです」とコメント。日向は、生徒に対しては“第三者として”冷静にアドバイスをしながらも、「“毒親”ともいえる自分の母親に対しては、毅然とした態度を取りきることができないという矛盾を抱えています。そういう難しい役ですが、数々の作品で人の繊細な心情を巧みに演じてこられた井上さんならば、たくさんの視聴者に共感していただける」と起用の理由を明かした。ドラマでは、主人公だけでなく、生徒をはじめとする登場キャラクターの親子の問題が色濃く描かれていくという。キャストはまだ発表されていないが、椿が丘高校1年の学年主任で1年B組の担任・霧島直樹 (43)、日向の恋人・本庄和彦 (28)、椿が丘高校2年A組担任・北見雄二郎 (27)、同校臨時教員で2年複数クラス副担任・大宮奈緒 (25)、同校1年B組の生徒で2学期が始まって間もなく不可解な死を遂げる吉岡圭吾(16)、彼の幼なじみで同校を中退した白井香澄(19)、温厚な椿が丘高校校長・轟木正雄(55)、娘を縛り続けてきた日向の母親・藍沢尚子 (55)、一人息子の圭吾を溺愛している母親・吉岡真紀子(39)といった人物が登場する予定。「明日の約束」は10月期、火曜21時~カンテレ・フジテレビ系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2017年08月24日夏休みが明けていよいよ新学期…スムーズに迎えるには?出典 : 楽しかった夏休みもそろそろ終わり、再び学校・幼稚園生活が始まります。夏休み明けの新学期は久しぶりに会った先生や友達と夏の思い出話をしたり、学校行事の準備が始まったりと、夏休み前とはまた違う楽しみがあります。一方で、新学期が始まる時期は、夏休みから新学期の始まりという生活・環境の変化に戸惑いや不安を感じ、学校や幼稚園などに行くのを嫌がる子どもが増える傾向にあります。特に発達障害がある子どもは生活や環境の変化に敏感なことが多かったり、切り替えが難しかったりする特性から、夏休み前後での学校生活の変化に強い不安を感じることがあります。また、夏休みに親子で過ごす時間が多かった分、「パパ・ママと一緒にいたい」という思いから学校や幼稚園へ行きたがらなくなってしまうこともあります。このような登校・登園しぶりが続き、夏休み明けに不登校になったというケースも少なくありません。平成26年文部科学省・不登校生徒に関する追跡調査研究会「不登校に関する実態調査」新学期を楽しくスムーズに迎えるには、夏休み中から新学期を見据えた準備が大切です。次から新学期前後に何でつまずくのか、そして夏休み中にどんな対策をすればよいのかについて解説します!発達障害のある子どもが新学期前後でつまずきやすいポイントって?出典 : 新学期前後、発達障害のある子どもは、どんなことに困ることが多いのでしょうか。これらの困りごとが積み重なり、新学期の登校・登園しぶりにつながることもあるため、子どもがつまずきやすいポイントを把握しておくことが大切です。学校や幼稚園のない夏休みは、睡眠が不規則になったり、運動不足になったりすることから生活リズムが乱れることが多くあります。発達障害がある子どもの中でも時間の感覚を上手くつかめず、切り替えが苦手という特性がある場合、それが夏休み中の生活の乱れにつながってしまうことがあります。夜更かしがくせになり朝に起きられない、お菓子や清涼飲料水をたくさん食べたり飲んだりしている、冷房の効いた室内でだらだら過ごしている…このような生活を夏休み期間に送っていると、新学期が始まった途端に規則正しい生活に戻そうとしても難しく、学校や幼稚園へ行くモチベーションの低下につながることがあります。夏休みの宿題は発達障害のある子どもにとって何かと困りごとが起こりやすいと言われています。宿題を進めることが難しく、夏休み終盤になってもたくさん残ってしまうことも少なくありません。宿題が終わっておらず、先生にも出せないことを自覚していると、学校に行くこと自体がおっくうになる可能性も考えられます。また、宿題を夏休み前半に一気に終えた子どもの場合、宿題を終えた以降学習をしない期間が続くと、家庭学習をしない習慣がついてしまい、授業の始まりに憂うつ感を抱くこともあります。新学期は夏休み前の学校生活と全く同じリズムで進むわけではありません。夏休み明けは運動会をはじめとした学校行事の準備や練習が入ってきたり、時間割や担当する先生が新学期をきっかけに変わったりするなど、学校生活のパターンに変更が出てくることもありますよね。このような学校生活のパターンに関する変化に戸惑ったり、切り替えるのが難しかったりすることをきっかけに学校へ行きたくなくなってしまうこともあります。夏休み中は学校・幼稚園がある時より友達に会う機会が減る子どもが多いと思います。久しぶりに会う友達となんだかぎくしゃくしてしまったり、夏休み前に関係がうまくいっていない友達と会うことに不安を感じてしまったりなど、人間関係への不安から学校へ行くことに抵抗を感じてしまうケースも少なくありません。新学期に向けて夏休み中にやっておきたいことって?出典 : 夏休みのような長期休みが続くと、休み明けになかなか身体がついていかなかったり、学校や幼稚園に毎日通っていた時のような元気ややる気がでなかったりします。新学期をスムーズに迎えるには、夏休み中に何を心がければ良いのでしょうか。新学期が近づいてきたら改めて、生活リズムが著しく崩れていないかチェックしましょう。具体的には、きちんと睡眠をとれているか、食事は3食食べているか、運動不足になっていないかなどを確認するとよいですね。睡眠が不規則になり、昼夜逆転してしまっている、食欲がなくなっている、エアコンの効いた部屋でゲームばかりしているなどの様子が見られたら、新学期の始まりに間に合うように少しずつ改善していきましょう。学校や幼稚園のある日を想定して、登校・登園時間に間に合うように起床や身支度を済ませる、きちんと起床できるような時間に布団に入って身体を休める習慣をつける、学校のプールや図書館の夏休み開放日に行ってみる、学校まで親子で散歩してみる、というような夏休み中からの工夫が、新学期を万全な体調でスタートさせるコツです。夏休みの宿題には教科のワークやドリル・プリントから自由研究、読書感想文などさまざまな種類があり、親子で苦労するということもあるのではないのでしょうか。これらの宿題を夏休み終了間近に追い込んで終わらせる…ということを避けるためにも、新学期が近づいてきたら、改めて指定された宿題の内容と、どのくらい終わらせられたかをチェックしましょう。宿題は終わっているものの、しばらく勉強している様子が見られない場合は、新学期に向けて少しでも勉強する習慣を復活させると授業が開始した時に戸惑うことなく学習できます。新学期に学ぶ内容を簡単に予習してみたり、好きな教科のワークから取り組んでみたりするのも良いでしょう。発達ナビ親子のヒント‐小学校‐「宿題をやらない」夏休みが明けた新学期は、学校行事の準備が入って変則的な時間割になったり、時間割の一部が変更されたりすることがあります。このような変化を新学期に入ってから知ると、こだわりや切り替えに対する苦手意識がある子どもにとっては強い不安感につながることがあります。そのため、夏休み明けの学校生活の見通しをあらかじめ子どもに伝えておくことが大切です。新学期に入る前にどのような変更があるのかわかると、子どもの安心感につながります。教えてもらえる範囲で、担任の先生から新学期での変更点を教えてもらうことも良い方法でしょう。親子のヒント‐幼稚園・保育園‐「新しい環境になじめない」親子のヒント-小学校‐「変化に対応することが苦手」およそ1ヶ月ほどある夏休み。その間ずっと友達と会っていないと、新学期に友達とどう接すれば良いかわからなくなり、ついぎくしゃくしてしまう子どももいるかもしれません。子ども自身に抵抗がなければ、夏休み中も友達と遊ぶ機会を設けたり、学童施設や児童館、子ども向けイベントなどの同年代の子どもと関わることができる場所へ出かけたりすることをおすすめします。このような機会をつくることは、子どもが新学期も友達とスムーズに学校生活を送ることにつながるだけではなく、親自身がリフレッシュすることにもつながります。新学期を気持ちよくスタートできるよう、時間のある夏休みのうちに学校や幼稚園などで使う道具や身につけるものがちゃんと使えるかどうか確認することも大事です。文房具や制服・体操服、サブバッグなど、子どもが安全に使うことができるか今一度点検してみましょう。もし新調する必要があるものがあったら休み中に対応することができますし、新学期へのモチベーションアップにちょっとした道具を新調してあげるのも良いかもしれませんね。新学期、子どもが登校・登園を嫌がったらどうする?出典 : いざ新学期に入り、子どもが学校や幼稚園へ行くのを嫌がった時、保護者としてはどのように対応すればよいのでしょうか。対応方法は、子どもが学校や幼稚園に行くことを嫌がっている理由によって異なります。学習や成績に関して不安だったり、友達などとの人間関係に難しさを感じたりしている場合、夏休み明け再び学校へ行くことに抵抗を感じることがあります。学習への不安から学校へ行きしぶる場合、子どもが学習面の何に困り感を抱いていて、それをどのように解消すればよいかを具体的に考え、実践する必要があります。学校と連携し、子どもの学習への自信を高めてあげることが登校につながる可能性があります。人間関係など、学習以外の不安が原因の時は、そもそも原因が何なのかしっかり把握することが大切です。併せて子どもの特性も理解し、その特性に合う解決方法を学校や医師・カウンセラーなどとの連携のもとに考えていくことが重要になります。夏休みは、学校や幼稚園へ通っている時より親子で過ごす時間が増えます。それゆえ、新学期が始まると保護者と離れて過ごす時間が再び増えることに不安を感じ、登校・登園を嫌がる場合があります。これは特に幼稚園に通う年齢の子どもや小学校低学年の子どもを中心に見られます。子どもにこのような保護者との分離不安が見られる場合、親子で過ごす時間を増やし、少しずつ子どもの不安を和らげてあげることが大切です。親子で登校したり、子どもが学校や幼稚園にいる様子を見守ってあげたりして、子どもの安心感を少しずつ増やしていきましょう。学校生活・学習・人間関係どれもこれといった悩みがないにも関わらず学校へ行きたがらない場合、長期休みの間で学校へ行く意欲が減り、無気力状態になっていることが考えられます。このような場合、保護者が家から学校へ送ってあげたり、先生や友達が迎えに来てくれたりすると登校することが多いため、保護者や先生側から積極的に関わっていくことで登校への意欲が戻ってくるかもしれません。他にも学校で新しい遊びやクラブ活動・委員会活動に誘ってみたり、家庭や学校でその子どもに何かしらの役割を持たせたりすることで学校へ行くモチベーションの回復につながることがあります。四日市市教育委員会‐不登校の子どもへの指導の手引き‐01不登校とは(不登校の定義とタイプわけ)親子のヒント‐幼稚園・保育園‐「登園を嫌がって泣く」まとめ出典 : 新学期は学校行事やイベント、またその準備のため生活に変更点が増えたり、同級生や先生と久しぶりに再会し、再び集団生活を送るなど、子どものストレスや心身の不安定につながりやすい時期です。新学期突入をきっかけに心身のバランスが崩れてしまわないよう、子どもの特性に合わせ、夏休み中から新学期を見据えた準備をすることが大切です。また新学期前後は、子どもが学校や幼稚園で過ごすうえで困りごとが起きていないか、特に注意して見守ることを心がけましょう。夏休み中からの準備と新学期前後の目配りを通して、子どもが新学期も元気に学校や幼稚園に行けるよう、サポートしていきたいですね。
2017年08月21日子どもが中学生になると思春期を迎え、いろいろな問題も出はじめます。その中で不登校になる子どももいるでしょう。昔は、学校へ行かないなんて言語道断でした。そんな甘えは許されない、親が首に縄をつけてでも引っ張っていく…。そういう感覚が強かったんじゃないかしら。でも、いまは状況が違ってきているようです。無理をせず様子をみる、というのが大きな流れのような気がしますね。確かに、子どもがイヤがる場所に何が何でも通わせる、というのはよくないと思いますよ。その子にしてみたら学校に通うことが死ぬほどつらいのかもしれません。大人にはわからない子どもなりの事情もあるでしょう。そういう気持ちを親が無視することは、子どもの信頼を裏切ることになります。もちろん、親は子どもの将来を心配すればこそ学校へ通わせようとするのよね? でも、世間の体裁を気にする気持ちが、その中に隠れている場合もあると思うのよ。「みんな、ふつうに登校しているのに、なぜうちの子だけ…」という感情が出てきてしまうのね。 その気持ちもわかるけれど、これだけ時代のスピードが速いんです。親側の意識を変える必要もあるんじゃないかしら? 過去の常識にしばられて子どもの可能性をつぶしてしまっては、何にもなりませんからね。特に、いまの時代は選択肢が多いでしょう?転校したり、フリースクールへ通わせることもできます。その子に合った学校へ通わせてあげられれば、それがいちばんです。もちろん、ただのワガママに親が振り回されるようではいけませんよ。そんなことをしていたら、それこそ子どもの生きていく力を奪うことになります。親は、子どもがひとりで生きていくために必要な「たくましさ」を育む責任があるの。甘やかされて困るのは、その子自身ですからね。とにかく、一度くらい不登校になったからといってあきらめないこと。学校は、ひとつだけではないんです。子どもに学校を選ばせ、自分が選んだからには最後まで通わせる、という選択もあります。大事なのは、家に引きこもらせないこと。他人と触れ合う機会をなくすことは、子どもにとって大きな損失ですからね。ただ、それでも引きこもってしまった場合は専門家へ早めに相談するなどして、長引かせないことを考えてください。子どもには子どもなりの理由があるはずです。親が子どもと根気よく向き合うことが、何よりも大事なことですからね。 2017年下半期の運勢を≪全網羅≫新宿の母が贈る珠玉の人生鑑定
2017年08月18日学校は何のために通うものなのだろうか。学校に通う理由について考えたことはあるだろうか。就学時の年齢になれば誰もが学校へ行くことになり、それを当然だと思ってきた人は多いだろう。それゆえ、なぜ自分は学校に通っているのかと普段意識的に考えてこなかったかもしれない。しかしその当然の枠組みがあるがゆえ、学校に来ない者は怠けている、ずる休みをしていると決めつけられることもしばしばある。不登校は決して稀なことではなく、2016年度の文部科学省の調査では全国に約12万人の不登校者がいると示している。(参照元:文部科学省)学校はみんなが通わなければいけないものなのか。不登校から起業家へ不登校とは年間30日以上の欠席者のことを指すが、小幡さんは全く学校に来ない子から、学校に行きたくないけど行かされている子たちまで、不登校に対してグラデーションのような見方をとっている。つまり、学校に来れない、いわゆる不登校の子たち以外にも本当は学校に行きたくないけど行かされているような子たちもプロジェクトの対象としているということだ。それは例えば、たまに学校に来たり来なかったりする子や、保健室を多く利用する子、本当は学校に通うことが辛いと感じているのにそのサインが全く見えない子どもたちである。不登校という選択を自分でできた子どもはとりあえず大丈夫だが、学校へ行きたいのに行かされていたり、行きたくないと言い出せない子が少なからずおり、そのようなタイプの子どもにこそ手を差し伸べる必要があると彼は考える。居場所とは…。小幡さんは学校に行けるならもちろん行った方がいいけれど、学校に行かないという選択をすることのメリットもあると考える。学校以外にもたくさんの世界があって自分の居場所を見つけられることを自身の経験から伝えようとしているのだ。彼自身が当時、学校に居場所を見出せず家でゲームばかりしていた。しかし、フリースクールなど学校以外のコミュニティで楽しく過ごせ、高校生時代の人との出会いをきっかけに企業してしまった。彼は学校以外の世界に目を向ければ、他の場所で自分の居場所を見つけることができるということ、あるいは自分で自分の居場所が作れるということを本で伝えようとしている。不登校を経験した者だからこそ、伝えられることを小幡さんは伝えようとしている。そして「今ではこんなに楽しいよ」と自身が居場所を見つけたことを行動で示している。大人と比べると、子どもにははるかに制限が多い。閉鎖された子どもたちの社会のなかで、見えなくても苦しんでいる子がいるかもしれない。だから不登校=ずる休みと考えるのではなく、休まざるをえなくなったその背後に隠れている原因を探すべきではないだろうか。学校に居場所がないと感じているならその子が居場所を見つけられるようにサポートをするべきなのではないだろうか。いろんなんことを経験してきた大人だからこそ、改めて学校に行く理由を考えてほしい。子どもにたくさんの選択肢があることを教えてあげることが大人の役目なのだから。 小幡さんの不登校に対する考えに共感した方、彼と同じように自分も居場所に悩む子どもたちをサポートしたいと考える方は、彼の実体験を書いた本を学校の図書館に届けるクラウドファンディングプロジェクトにぜひご協力をしていただきたい。「見ず知らずの僕が学校に送っても、おそらく相手にしてもらえない」と考えた小幡さんはみなさんの力をお借りしたいそうだ。ご支援いただくと、リターンとして完成した本を2冊お返しする。1冊はみなさんの分。そしてもう1冊はみなさんの母校に寄贈して欲しいそう。見ず知らずの誰かが書いた本ではなく、卒業生からの贈り物として学校に届けることで、図書館に置いてもらえるのではないかと考えているからだ。詳しくはこちら。
2017年08月15日夏休みを挟むと、学校に行きたがらなくなる子どもたちが増えますよね。長く休んでしまったせいでちょっとダルいな、学校が面倒くさいな……という程度ならいいのですが、もし本格的な不登校になる可能性があるなら、じっくりと向き合わなければなりません。今回は、学校に適応できない子どもたちを支える場所“フリースクール ”を紹介します。フリースクールとはいったいどのような場所で、どんなメリットがあるのでしょうか。経験者の声も集めてみました。●フリースクールは子どもの安全な居場所フリースクールは、何らかの理由で学校に行けない子どもたちの居場所 のことです。文部科学省の定める“学校”の基準を満たしていないため、正規の学校とは認められていません。しかし、だからこそ学習指導要領に縛られない、自由な学習プログラムを展開できます。これが、フリースクールの最大の魅力。教科学習に重きが置かれる一般的な“学校”は、近年の脱ゆとり施策のもとに年々厳しさを増してきています。授業時間は増え、休みは減り、子どもたちにかかる負担も増加する一方です。しかし、フリースクールではこういった画一的な指導を行う必要がありません。他者と交流しつつ、自分の好きなことを自由に学ぶのがフリースクールの主なプログラム。そのため、子どもたちは過度の負担を感じることなく、安心して過ごせるのです。●サポート校とフリースクール、どう違うの?学校以外の子どもの居場所といえば、“サポート校”と呼ばれるものもありますね。サポート校とフリースクールには似たようなイメージがありますが、実際には大きく異なります。ふたつの違いをまとめてみました。●サポート校主な目的は、通信制高校に通う生徒が3年間で確実に卒業できるように支援することです。そのため、入学できるのは通信制高校の生徒や、高卒認定試験を目指す子どもたちに限られていることがほとんど。予備校や学習塾が運営していることが多く、活動内容も学習支援がメイン になります。場所によってはあたかも学習塾のような雰囲気のところもあるようです。●フリースクール主な目的は、学校になじめず傷ついた子どもたちの精神的なサポート です。入学資格は特に設けられておらず、不登校児全般を広く対象としています。個人やNPO法人が運営していることが多く、活動内容はスクールによってさまざま。勉強だけでなく、遊びや季節行事もたくさん行われます。●「心が休まった」「費用が高い」……経験者の話実際に通っていた人やその保護者は、フリースクールをどのように捉えているのでしょうか。インタビューしてみました。『いじめにあって不登校になった私は、中学1年の夏から3年の春まで、私立のフリースクールに通いました。普通の学校と全然違い、いろんなタイプの人がいて、誰もが「ありのまま」を認めてもらえる 場所でした。毎日の活動で何をするか・しないかは自分で決めることができたし、決めたことにとやかく文句を言ってくる人もいなかったのでとても安心でした。おかげで心をじっくりと休めることができ、中3のゴールデンウイーク開けにはもとの学校に戻れました。今でもスクール時代の仲間とたまに飲みに行ったりしますよ』(30代女性/パート)これはまさにフリースクールの成功事例といえますね。子どもたちには本来、生まれ持っての回復力が備わっています。学校になじめないことで傷ついたとしても、安心・安全な場所でゆっくりと休むことができれば、自然とふたたび羽ばたくことができるのでしょう。また、お子さんをフリースクールに入れた方からはこんな話が聞けました。『のびのびした泥んこ系幼稚園を卒園した息子。地元の公立小学校に入ったとたん、画一的な教育と理不尽な評価、無意味な規律ばかりの毎日で日に日にぐったりしていったんです。息子なりに頑張って通学してはいましたが、勉強にはすぐについていけなくなりました。ストレスから体調を崩しはじめ、1年生の夏休み開けには泣きながら「僕もう学校はイヤ……」と言い出したため、フリースクールに通わせるようにしました。スクールでは一人ひとりの理解度に合わせた教育がなされ、できたことは徹底的に褒めてもらえます。わからない問題があっても決して叱られず、理解できるまで根気よく教えてくれるんだそうです。遊びも取り入れながら楽しく学ぶことができ、息子は本来の屈託なさを取り戻すことができました』(40代女性/主婦)『フリースクールは費用がネックですね。うちの娘が通っているスクールは、入会金が5万5千円。毎月の月謝が4万円 かかります。お金を出し惜しむべきではないってことは百も承知です。でも、「いつまでここに通わせなきゃいけないのかな……」と思うことは正直ありますね』(40代男性/会社員)残念ながら、現行の制度ではフリースクールに対する政府の助成は行われていません。かかる費用はスクールによってピンキリですが、中には高額な入会金や月謝を請求するところもあるようです。ちなみに、平成27年3月に行われた文部科学省による調査では、月謝の平均額は約3万3千円という結果が出ています。家庭の経済状況によっては、希望するスクールに通わせることができない可能性もありますね。公的支援の拡充が期待されるところです。----------小学生、中学生の子どもたちは「学校が世界のすべて」であるかのような錯覚を持ってしまいがちです。そんな中で、学校以外の安全な居場所があることは、学校にうまく適応できない子どもたちの希望になるのではないでしょうか。子どものためのさまざまな選択肢のひとつとして、フリースクールはおおいに検討の余地がある施設といえますね。【参考リンク】・小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査 | 文部科学省(PDF)()●文/パピマミ編集部●モデル/REIKO(SORAくん、UTAくん)
2017年08月14日似た者同士の母と娘、二人揃って図形問題が解けない!出典 : アスペルガー症候群の診断がおりている9歳の娘は、言語IQが150を越えています。日々、ひっきりなしにお喋りをしたり、本を読み続けたり、頭の中にある言葉をパソコンに入力し続けたりしています。彼女の生活は言葉に埋めつくされていると言っても過言ではないほどです。このような状態ですから、言葉で物事をとらえるのは非常に得意なのですが、一方で算数の図形問題で頭を悩ませることが増えてきました。図形問題にはほとんど文字情報がありませんので、まず見ただけで拒否反応を示します。そして、1枚のプリントを終わらせるのに1時間以上かかるうえに、間違いを連発してしまうこともしばしばあります。そんなときは、自分を否定する言葉を吐きながら、目に涙を浮かべて問題と戦っているのです。そんな娘と同じような特性がある私は、昔から図形の問題が壊滅的に苦手でした。算数の計算自体は得意でしたので、図形問題ができなくても、特に成績が悪くなることも問題視されることもなく、なんとかやり過ごしてきました。私そっくりに生まれた娘には図形で苦労をさせまいと、算数のセンスがアップする!と謳われているオモチャや幼児教育の教材を取り入れてきたのですが、残念ながら娘にその効果が表れることはありませんでした。私も苦手な分野なので、解き方を上手く娘に説明することができません。夫に「教えてあげて」とプリントを渡すと「え、これは図を見れば簡単にわかる問題でしょ?」と言われる始末。どうして娘と私は、図形問題をスムーズに解くことができないのでしょうか?空間認知能力が低いと算数にも影響が出る!?出典 : 図形の理解に必要なものの1つに「空間認知能力」が挙げられます。空間認知能力とは、人や物の位置を立体的に把握する能力のことで、方角・距離・大きさ・広さなどを的確に理解し把握する役割を果たします。地図から目的地までの経路を探すのが得意な人や、山登りのルートなどを俯瞰して理解できる人は、この空間認知能力が高いといえるかもしれません。逆に、この能力が低いとどうなるのでしょう?自分と物との距離を上手く測れないため、自分の家の中であっても壁やドアに頻繁にぶつかってしまったり、お店に入って違う出口から出てしまうと帰る方向が分からなくなったりするのです。そして、勉強の面でいえば、字を枠の中におさめて書くことができなかったり、筆算をする時に桁がずれてしまったり、手本を見ながら線を書き写せない、という問題が出てくるのです。娘は、この空間認知能力の低さゆえに、表に出れば道に迷い、筆算をすれば桁がずれ、図形を見ても上手く全体像をとらえられないという問題にぶちあたっているのです。問題を構成するひとつひとつの要素は理解できているのです。平行・垂直、同位角・錯覚、三角形の内角の和、多角形の内角の和の求め方。それぞれはわかっているのに、それがまとまった状態で提示されると、途端に混乱してしまうのです。三角定規の一つひとつの角度は覚えていても、それが重なった状態の問題が出ると、娘の頭はショート寸前となり、自分だけの力で解くには膨大なエネルギーが必要となります。読字障害で、言葉のまとまりを意味としてとらえることが困難なタイプがあるように、私や娘の場合それが図形で起こっているのかもしれないなと思うようになりました。さらに気づいた「ワーキングメモリ」との関係出典 : また私たち親子に共通するこの苦手さには、「空間認知能力」だけでなく「ワーキングメモリ」も関係しているのではないかと考えるようになりました。ワーキングメモリは日本語では「短期記憶」や「作業記憶」と呼ばれています。何かを考えたり、作業を行ったりするときに必要な情報を一時的に置いておく場所であり、この情報を元に人は行動をするのですが、このワーキングメモリには「言語性ワーキングメモリ」と「視覚性ワーキングメモリ」があるそうです。言語性ワーキングメモリ = 言語化できる情報を保持・操作する場所視覚性ワーキングメモリ = 言語化できない情報を視覚イメージとして保持・操作する場所そして、頭の中で映像や画像を思い描いたり操作したり、思考する場所を「視空間スケッチパッド」と呼ぶそうです。私は医者でも学者でもありませんので、すべてをきちんと理解することも説明することもできませんが、脳の中にこのような領域があるのだと知ったことで、娘の困難さの原因が少しわかったような気がするのです。おそらく、娘も私も言語性ワーキングメモリの領域は通常よりも多く、視覚性ワーキングメモリの領域はとても少ないのだと思います。以前のコラムでも書きましたが、私は他人の顔を覚えることができません。大切なわが子の顔さえも、思い浮かべることができないのです。新たに出会った人について記憶する場合は、まずその人の名前を漢字で聞き、頭の中にその名前のラベルがついた文字情報を放り込んでいき、言葉で記憶するのです。娘も他人の顔をおおざっぱにしか見分けられていないようで、「おじいさん」「若い女の人」などのくくりで人を判別しているため、テレビに出てくる人を近所の人だと言い張ったり、逆に道を歩いている普通の人を「絶対にあのドラマに出ていた俳優さんだ」と言ったりします。これはおそらく、視覚性ワーキングメモリの領域が少ないため、視空間スケッチパッドに人の顔をきちんと展開することができないのが原因ではないでしょうか。そして、視覚性ワーキングメモリの働きが弱いために、算数の問題に出てくる図形を全体像として頭に思い浮かべることができず、問題を解くための手立てを探すところまでたどり着けないというのが、図形問題が解けない原因になっているのかも知れません。親子で勉強することで生きるヒントが見つかるかも!出典 : さて、図形の苦手さの原因は努力不足や経験不足ではなく、脳の構造の問題であるらしいというところに辿り着きました。「泣くほど辛いのなら、いったん図形問題から離れてもいいよ」と娘に声をかけたのですが、娘は「普通の4年生が理解できることは私も理解したい」と言うので、工夫をしながら図形問題に取り組むことになりました。図形を見ると少しチックが出るようになったのですが、本人が「やる」と決めたことなので、ストレスがかかり過ぎないように様子を見ながら進めていきたいと思います。娘は学校に行かずに家で勉強をしていますので、教えるのは私か夫ということになります。複雑な問題は夫に任せて、簡単な問題や何度か繰り返している問題は私が教えています。視覚性ワーキングメモリが低いとなると、得意な言語性ワーキングメモリを使って解いた方が娘にとっては楽になるはずですので、図形を見ながら一つひとつ言葉で説明をし、手順を言語化していきます。普通であれば、言語でだらだらと説明するより図にした方がわかりやすいから図にしてあるはずなのに、わざわざ言語に戻して理解するというのもなかなか独特で面白い特徴ですよね。そう考えることができるようになったのは、「できない」ことにフォーカスをあてるのではなく、「どう工夫すればできるようになるか」という思考にシフトチェンジできたからではないかと思います。また、立体的な感覚をつかむため、マインクラフトという三次元の世界でブロックで建物を建てたり、旅に出たりするゲームを始めました。夢中になって遊んでいるうちに苦手な分野のトレーニングができるのはとてもステキなことで、自分の子供時代と比べると、何かを学ぶための選択肢がたくさんあって、よい時代になったなと嬉しく思います。出典 : お子さまの宿題を見てあげるとき、不登校のお子さまに勉強を教えるとき。もし、正解か不正解かだけに注目していらっしゃる方がいたら、少し見方を変えてみませんか?勉強でつまづいてしまったとき、努力だけでは克服できない原因が隠されているかも知れません。どのような工夫をすれば乗り越えられるのかを考えることで、子どもが心地よく生きていくためのヒントが見えてくることもあるのです。親も子も、「勉強する」というとつい構えてしまいがちですが、親が子を知り、子が自分自身の特性を知る良いチャンスだと思って、前向きに取り組んでみるのもいいかも知れませんね。
2017年08月13日