意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ドーピング」です。***リオ五輪の開催前、ロシアの国家ぐるみのドーピング隠蔽行為が発覚し、問題になりました。世界にドーピングの衝撃が走ったのは、1988年のソウルオリンピック。100m走で、ベン・ジョンソンがカール・ルイスに勝ち、人類初9・8秒台を切るタイムを叩き出しました。ところが、ドーピング検査で陽性になり、ジョンソン選手の金メダルは剥奪されてしまいました。ほかにも陽性の選手が後を絶たず、これをきっかけに1991年にジョンソンの祖国、カナダでアンチ・ドーピングの機関が誕生。1999年には世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が設立されたのです。ドーピングは必ずしも、選手が故意にしているとは限りません。たまたま飲んだ薬の中に禁止成分が入っていて、引っかかるケースも。テニスのマリア・シャラポワ選手が2年間の出場停止処分になりましたが「禁止薬物とは知らなかった」と提訴しています。禁止成分は随時更新されますから、ドーピングを避けるには、選手だけでなく、チームやコーチ、医師や薬剤師も正しい知識が必要。WADAやJADA(日本アンチ・ドーピング機構)はそれぞれの立場での注意を促しています。ドーピングは、製薬会社のビジネスとも密接な関わりがあると指摘する声もあります。合法的に運動能力が上がる薬となれば、ビッグビジネスになりますよね。最近はWADAと大手製薬会社が情報を共有してドーピングを未然に防ごうとしていますが、これも諸刃の剣。規制をすり抜ける新薬が開発され、後にその成分が規制されるというイタチごっこにもなってしまいます。今回のリオ五輪で、IOC(国際オリンピック委員会)が、ロシアの参加を全面禁止にしなかったことに対して、処分が甘いという意見もありました。しかし、五輪は平和の祭典。開催期間は休戦し、人種や国境を超えて皆が参加すること、五輪を続けることに意義があります。大国ロシアが抜けてしまったら、その秩序が崩れてしまう可能性も。そもそも、スポーツとは何を競い合うものなのか?原点に立ち戻り、清い戦いを見せてほしいですね。フェアな戦いこそが感動を与えてくれます。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年9月21日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年09月21日「あなたがいいならそれでいいけど」は、坂上忍さんと土田晃之さんが毎週異なるテーマに小気味よく回答する『anan』人気連載。今回のテーマは「意識高い系」。自意識が先行するあまり、内容や行動がともなっていない人を揶揄した表現。自分の人脈や充実した生活をアピールしたりと、自己顕示欲の赴くままに行動している人のこと。土田さんはこうした人たちに対して、どのようにお考えでしょうか?***後ろに“系”が付くかぎり、意識が高いかどうかはさておき、周囲に対しての自己アピールってことでしょ。どうであれ、若い時はビッグマウスを振りまけばいいんです。30代でちゃんと結果を出せばいいんですから。これが40 代になっても相変わらず口ばかりだと、ただの見栄っ張りになっちゃいますからね。それはイタイ。周りより一歩先を行ってますアピールって、ただ流行に踊らされているようにしか見えませんけどね。一歩間違えれば、相当ダサイです。何にも振り回されない自分のスタイル=個性を持っている人が、一番カッコイイ。こういう人こそ、“意識の高い人”と呼びたいですけどね、僕は。意識の高さって、本来は自分に向けられるもののはずなのに、周りになめられたくないがための武装としか思えない。本当に目標高く頑張っている人は、アピールなんてしなくとも、ちゃんと周囲が汲み取ってくれるんですから。なにごとも結果ありき。黙々と頑張ることで説得力を身につけた時、“系”が取れるはずですよ!◇つちだ・てるゆき芸人。『じわじわチャップリン』(テレビ東京土曜23:55~)、『欅って、書けない?』(テレビ東京日曜24:35~)、『日曜のへそ』(ニッポン放送)ほか、出演番組多数。※『anan』2016年9月14日号より。写真・中島慶子イラスト・3rdeye文・神保亜紀子
2016年09月13日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「東京都知事」です。***新しい東京都知事が、初の女性知事・小池百合子さんに決まりましたね。東京がどれほどの大都市なのか、数字の面から見てみましょう。2016年度の東京都の年間予算は、13兆6560億円。日本の国家予算総額が96兆7218億円ですから、比較しても相当な額というのがわかります。また、この東京の予算額は、スウェーデンの国家予算に匹敵する(!)規模です。GDP(国内総生産)では、東京都は2015年度見込みで92兆9000億円=約1兆1326億ドルです。世界のGDP順位を見ると、1位はアメリカ約18兆ドル。2位中国、3位日本が4兆ドル台。数字上では東京は12位に匹敵し、スペインやメキシコのGDPより勝っているのです。都市別に見ると、2014年の1位は東京。2位NY、3位ロサンゼルスと続きます。東京は経済的には、国レベルといってもいい大きさなんですね。日本の総理大臣は議会が選びますが、都知事は直接民主制によって、私たちが直接選べます。つまり、東京都知事は東京という一つの国の大統領のようなもの。また、東京には、日本の全人口の約1割が集中。大企業の本社や外国企業の5割は東京にあり、日本の税収のうちの約4割は東京から集められています。これだけの人とお金が動いている少なくないんです。たとえば、石原慎太郎さんが都知事だったとき、東京の空気の浄化のために、ディーゼル車の走行を規制しました。これにより、自動車メーカーは、世界一基準の厳しい排気ガス規制に対応できるクリーンな自動車を開発。日本の技術力を上げるきっかけになりました。石原都知事はほかにも、日本史を都立高校の必須科目にしたり、横田基地の返還要請をし、航空管制の一部を返してもらうなど独自の政策を実行していきました。近年は任期が短くて、実績を残す機会は減っていますが、都知事は日本全体にも少なからぬ影響を与える存在ということに変わりはありません。予算が膨らむ東京五輪問題や土壌汚染を抱える築地市場移転問題など、小池流改革手腕でバッサリ切り込んでいってほしいなと期待しています。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年9月7日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年09月06日龍が飛び交う街・香港は、街自体が世界最強のパワースポット。龍とは“気”の流れのこと。それを読み、開運へと導くのが風水。いい気が流れ、満ちる開運名所を香港に暮らす楊さちこさん、ティエリー・チョウさん、アリス・チュウさんの3人に聞きました!風水の街・香港では、都市計画をはじめ、建築物の設計から部屋の内装まで、生活のすべてが風水学に基づいているとか。たとえば、気の流れ(龍脈=龍の通り道)を遮断しないように、ビルのど真ん中に穴を開けたり!有名なのはレパルス・ベイのマンションだけど、注意して見ていれば街中にもいくつも穴開きビルが…。だから香港全体にいい気がみなぎり、街にいるだけで元気が出る。さらに強いエネルギーを引き寄せるにはパワースポットへ。キーワードはやはり“龍”。龍が登る山や、龍が大好きな水辺は、気の宿る場所。その土地を守る神様がいる寺院や、いい“気”を持つ人が集まるところを訪れれば、幸運が舞い込んでくるはず!ベストパワースポットを3つご紹介します。■成功した人だけが住む、龍脈の終点。「Victoria Peak(ビクトリア・ピーク)」エネルギーが滞留する“龍穴”もあり、香港で一番強力なパワーを持つ場所のひとつ。実際に山頂に住むお金持ちたちの気を感じて、出世運や財運を高めて。おすすめポイントは、ピークを一周できるピークサークルウォーク。気が高まる早朝から午前中に森林浴をしながらお散歩を(楊さん)。◆太平山山頂or山頂道128號(ピークタワー)■必ず願いが叶うと評判の大寺院!「黄大仙(ウォンタイシン)」スケールの大きいお寺も開運効果が高まります。ここは香港最大寺院の一つで、さらに龍脈の上にあります。(ティエリーさん)金運、健康運、さらに縁結びの神様「月下老人」でも有名です。160人を超す占い師がアーケードに並び、「占い寺」の異名も。(楊さん)◆黄大仙竹園村2號 TEL:852・2508・12348:00~18:00金運お守りHK$38。■都会の中の癒し&パワースポット。香港公園(ヒョンゴンゴンユン)後ろには山、園内には緑に囲まれた池や野鳥園などがあるオアシス的場所。金融街の真ん中にあるのでビジネスマンやOLが集まり、活気と行動力に溢れる人から元気をもらえます。池にたくさんいる亀は、邪気を取り込み中和してくれる縁起のいいシンボル。(アリスさん)◆金鐘紅綿路19號6:00~23:00◇よう・さちこ香港在住31年。南京中医薬大学中医美容学教授。8月17日に『美しさが永遠に続く6 つの法則』(光文社)を上梓。◇ティエリー・チョウ風水師、デザイナー。有名風水師・周漢明を父に持ち、日常的に風水に接して育つ。モダン風水師として活躍。◇アリス・チュウ日本人と香港人のハーフでマルチリンガル。18年間、香港政府観光局勤務。その経験を生かしコーディネーターに。※黄大仙の「黄」は代字。※『anan』2016年9月7日号より。写真・中島慶子多田 寛(DOUBLE ONE/ノート)コーディネーター・Alice Chu参考図書・『72時間で自分を変える旅 香港』(楊さちこ幻冬舎)
2016年09月04日香港旅行の楽しみのひとつ、マッサージやスパ。高級ホテルの施設もいいけど、何度も行けるロープライスなところも知りたい。香港通なキャセイパシフィック航空のスタッフに、ローカルな穴場と、お土産にぴったりな香港プチプラ・ヘルシーアイテムを教えてもらいました!教えてくれたのは、大畑衣未以さん、中村実加乃さん、熊井裕美さん、松尾真由美さんの4人です。***中村みんな、お土産はどんなものを買うことが多いの?大畑お土産も、なんかカラダに良い、癒してくれそうなものを選ぶことが多いですね。私がいつも必ず買って帰るのは、薬膳スープの材料が入ったパックです。中村あ、売ってるね、そういうの。薬膳スープ用の乾物がまとめてパックに入ってて、それを煮出せばスープができるっていう。大畑香港人の友達にはみんな、自分の体調を整える、カラダを癒してくれるマイスープっていうのがあるんですよね。それはだいたい各家庭のお母さんが作る、いわゆる“家庭の味”なんですけど。そういうカラダに良いスープが、簡単に作れるアイテムなんです。中村薬膳の乾物って、買って帰っても余らせちゃうことが多いから、こういうのは本当に便利。熊井温かつながりだと、香港って温かいスイーツが充実してますよね。黒ゴマ汁粉とか。なので、インスタントのスイーツの素を買って帰ったりもしますね。大畑私も温かいスイーツ、大好きです!あの、会社とかで配る用にみんながよく買う、「京都念慈菴(ゲントウニンジィーアム)」の飴、ありますよね。私、あれのシロップが好きで、よく家で、お湯に溶いて飲んでます。中村私はドロップになってるタイプをよく買うな。パッケージもレトロでかわいいしね。見ているだけでも癒される。あと、最後に空港のドラッグストアで、昔ながらのデザインの薬を買ったりもするかな。松尾骨折も治すとうたってる、「玉林牌正骨水(ゼングァッスイ)」とか?中村そう!大畑私も「保濟丸(ボウジャイユン)」とか、買っちゃいます。ローカルな友達は、「何にでも効く!」って言うんですけど、パッケージも魅力で。熊井そういう意味で、コンビニやスーパー、売店も癒しスポットかもしれないですね。松尾で、最後の最後、出国する寸前に、空港の『Raffles Medical』で、鍼治療を受けて飛行機に乗るっていうのが、癒しの仕上げ!大畑え、なんですかそれ!!松尾実は私もまだ、未体験なんだけど、同僚がこのあいだ体験して、すごく良かったんだって。もちろん鍼だけじゃなく、他の治療もいろいろあるみたい。中村空港で、本格的な治療が受けられるって、香港はどこまで癒しに満ちてるのかしら…。熊井次に行ったら、絶対そこに行きたいです~!◇Raffles Medical Hong Kong(ラッフルズ・メディカル・ホンコン)肩こり、腰痛、関節や筋肉系の痛みに、鍼灸や推拿などの中国医療と、フィジオセラピー(物理療法)でアプローチ。人気は「Electrical Modalities」という電子治療法。◆香港國際機場一號客運大樓 第六層6T‐004及6T‐009室TEL:852・2261・26269:30~18:30(土曜9:00~18:00)水・日・祝日休カード可。物理治療30分HK$500、追加の鍼治療HK$100。◇京都念慈菴(ゲントウニンジィーアム)天然ハーブや蜂蜜など17種類の成分入りの喉薬。写真はシロップタイプ。京都念慈菴 蜜煉川貝枇杷膏 10包HK$34.90。◇薬膳スープの材料が入ったパック冬虫夏草などキノコ類、クコの実、貝柱などがパックされた薬膳スープの素。4袋HK$109.9。◇下痢、嘔吐、胃痛、食べすぎなどに。保濟丸(PO CHAI PILLS) 10ボトルHK$27.30。※『anan』2016年9月7日号より。写真・Amanda Koh(お店)中島慶子(商品)取材、文・河野友紀(座談会)取材・甲斐美也子(お店)
2016年09月03日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「イギリスのEU離脱」です。***6月にイギリスは、EU離脱の是非を問う国民投票を行い、離脱派が勝利。残留派のリーダーだったキャメロン首相は辞任し、テリーザ・メイが首相になりました。投票結果は残留派48%、離脱派52%の僅差。EU離脱の選択は、世界に衝撃を与えましたが、実はイギリス国内でも「まさか本当に離脱になるとは!」と驚きの結果だったのです。離脱に傾いた大きな理由は、難民問題。離脱派の元ロンドン市長ボリス・ジョンソンは、「難民が流れ込んだせいで国内の失業率が上がり、テロの脅威にさらされている。EUを離脱し、イギリスは主権を取り戻すべきだ」と主張しました。EU(欧州連合)とは一つの大きな国のようなものです。第一次、第二次世界大戦で大きな犠牲を払ったヨーロッパは、資源争いによる敵対をやめ、まとまる必要に迫られました。EUを立ち上げ、資源を分かち合い、関税を取り払って、人・もの・お金が自由に行き来できるようにしました。ヨーロッパ全体で協力し合うことで、安全保障と大きな経済成長を得たのです。しかし、EU加盟の恩恵は国ごとに差があります。イギリスやフランスは借金の多い国々を助ける役回りになり、経済的負担は少なくありません。また、EU内には法律があるので、国内で勝手に物事を決められない不自由さも出てきました。ジョンソンが「主権を取り戻す」と言ったのはそういう理由です。ジョンソンは有力な次期首相候補でしたが、離脱が決まると立候補を取り下げてしまいました。他にも、国民投票後に現場を退いた離脱派の政治家もいました。つまり、覇権争いのために、離脱の主張をしていた議員が少なからずいたということ。それだけ、国民の不満は募っており、支持を得るには格好のテーマだったのです。首相のなり手はなかなか見つからず、残留派だったメイが名乗りをあげます。メイ首相は22人の閣僚のうち7人に、ジョンソンを含む離脱派の閣僚を据えました。離脱のニュースの後、ポンドは下落、円高ドル高の流れに。世界経済にも影響を及ぼしています。イギリスがEUを離れ、どんな政策で問題解決していくのか世界が注目しています。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年8月31日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年08月30日「あなたがいいならそれでいいけど」は、坂上忍さんと土田晃之さんが毎週異なるテーマに小気味よく回答する『anan』人気連載。今回は「察してちゃん」。本心を言わず、相手に気づいてもらいたい人。気づいてもらえないとスネてしまう。相手に無茶なフリをしたり、自分の要求は当たりまえだと思い込む、面倒な存在。さて、坂上さんはどのようにお考えでしょうか?***“察してほしい”という気持ちは、甘えからくるもの。自分の思い描いたシナリオどおりに進まないと気が済まないっていうのは、よくないですね。ある意味、上下関係を作ることと似ていると思うんですよ。全然私の気持ちを分かってない!とばかりに、誰かれかまわず自分の気持ちやルールを優先させてくる。正直、めんどくさいタイプだと思います。「仕事が早く終わったんだけど」と、彼に連絡したとする。その後に「なにしてる?」と付け足せばいいだけの話なのに、それがなくて「さて、私はどうしてほしいでしょう」という態度。それが面倒だと思われるわけですよ。まるでクイズの出題者みたい!言い換えれば“押し付けちゃん”ですよね。恋愛でもそうなら、相手の男も相当な“鈍いちゃん”ですよ。かなり相性悪いと思いますけど!いっそのこと、クイズという名目で出題すればいいんじゃないですか。“察してちゃん”から“お願いちゃん”になってしまえばいいんです。笑いに変えられたら相当可愛いですけどね!◇さかがみ・しのぶ俳優。『バイキング』(フジ月~金曜)メインMC。『ダウンタウンなう』『あのニュースで得する人・損する人』『有吉ゼミ』レギュラーほか、出演番組多数。※『anan』2016年8月31日号より。写真・中島慶子イラスト・3rdeye文・神保亜紀子
2016年08月25日エロいこととくだらないことって、実は結構相性が良いと思いません?そんな2つの概念が詰め込まれたお菓子を発見!「びしょ濡れせんべい」と「なめる茸」は、ユニークな品揃えで人気のショップ、ヴィレッジヴァンガードのオリジナル。四十八手の体位を描いたカードが入っているおかき「浮世絵」は、銀座のクラブなどで人気のおつまみです。夏の飲み会などのおみやげに持っていくと、ちょっとしたスターになれる…かどうかはわかりませんが、ぜひ(笑)。■なめる茸エリンギ、ベニテングダケ(ていうか毒キノコ!!)、ポルチーニをかたどったキャンディ。大事なのは、“舐め姿”?きのこ味じゃないです。各¥500(ヴィレッジヴァンガードオンラインストア)■びしょ濡れせんべいしっとりした口当たりの“ぬれせん”に秘伝の醤油だれをぶっかけ、もっとびっしょびしょにして食べてね、というおせんべい。¥600(ヴィレッジヴァンガードオンラインストア)「この商品は“くるっていこう!”がコンセプトのオリジナル新ブランド『VILLEPAN』のラインナップ。ありがたいことに大好評で、“びしょ濡れ”シリーズは続編も展開予定です。乞う御期待!」(ヴィレッジヴァンガード『VILLEPAN』担当・中野雄介さん)■浮世絵塩味や醤油味などのおかきに、四十八手を浮世絵風に描いたカードが入っています。結合部分がハートで隠されている、そんな恥じらい感覚がキュート。22枚入り¥600(岡田かめやTEL:03・3542・6606)「扱い始めて約20年、銀座のクラブやバーに卸すのがメインですが、女性客にも人気。宴の席ではとにかくウケるみたいですよ?48種類のカード全種類を額に入れて飾ってるバーもあります(笑)」(岡田かめや店長・岡田好司さん)※『anan』2016年8月17・24日号より。写真・中島慶子
2016年08月16日気になるムレやニオイに、かゆみやかぶれ。常にさわやかに保ちたい「デリケートゾーン」のことをお勉強しましょう。産婦人科の出井知子先生と皮膚科・吉木伸子先生が人にはなかなか聞きにくいデリケートゾーンについて教えてもらいました。■陰部のトラブル、原因はダントツでムレが多いんです。かゆみや炎症など、デリケートゾーンのトラブルは、ナプキンや下着などによるムレがほとんどだと吉木先生。「性感染症以外の陰部のトラブルで一番多い原因がムレです。陰部が赤くなったり、かゆみが起きるなどの変化があるはずですが、初期段階で病院に来る人は稀。男性は性器の変化にとても敏感で、ちょっとした症状ですぐ病院に来ますが、女性は案外鷹揚に構えているパターンが多いんです。寝ている間に掻きむしっていた、なんてことがあれば、必ず病院に来てください。またムレはあらゆるトラブルの元凶と考え、自分の陰部に合う、かぶれないナプキンを選んでほしいですね。もちろん、下着選びも大切。できるだけデリケートゾーンを締め付けず、コットンなどムレにくい素材を選んでください」(吉木先生)ノーパン健康法を推奨したいくらい、とは出井先生。「元々高温多湿でムレやすい場所だから、温めすぎれば菌が繁殖しやすくなるのは当然。でも、ある程度の菌は通気を良くすれば死ぬので、パンツをはかないで過ごすだけで十分治ります。また、おりものシートは個人的にお勧めしませんが、つけるならこまめに交換を」■毛があるから逆に清潔!?処理したいならプロに頼って。最近、Vライン、Iライン、Oラインなど、アンダーヘアを整えている人が増えている。「若い人を中心に、患者さんの中にも多いですね。流行りでやっている人もいるでしょうが、本来、なぜそこに毛があるのかを考えてほしいです。アンダーヘアは、バイ菌が膣に入るのを防いだり、ショーツと陰部の摩擦を軽減する役目があります。整える程度ならいいですが、ツルツルに脱毛することはお勧めしません。清潔かどうかで言えば、モジャモジャの方が清潔だと思いますよ」(出井先生)人によっては、除毛した方が生理時のストレスが軽減する、という意見も。吉木先生は、ヘアを処理したいなら自己処理は避けて、とアドバイス。「アンダーヘアが密集していればムレやすくもなりますし、尿やおりもの、生理の経血などの汚れが付着するので、整えたくなる気持ちはわかります。ただ、デリケートゾーンの肌は特に敏感なので、頻繁にカミソリで剃ったり、抜いたりするのはトラブルのもとです。やってはいけないとは言いませんが、処理した跡がうみやすくなってしまうのは避けられません。自分でやらずにレーザーで除毛するなど、プロに任せた方が安心です」■最新のレーザー治療では、膣のエイジングケアも可能に。実は、肌と同じように膣も年齢とともに老化する。「膣粘膜がハリを失い、薄くペラペラになってくる“膣萎縮”が起こります。それにより、乾燥やかゆみ、腫れなど、不快な症状が表れます」(吉木先生)原因は、女性ホルモンの減少。35歳を境に減少し始めるものだけど、当然個人差がある。「最近は、ホルモンバランスの乱れや生活習慣の乱れなどから、30代でも同様の症状が出ている人もいます」(吉木先生)頼りになるのが、最新技術による膣のアンチエイジング。「膣粘膜の線維芽細胞を活性化させるレーザー治療です。気になるなら、専門技術を持つ病院を訪ねてみて」(吉木先生)◇吉木伸子先生皮膚科医。「よしき皮膚科クリニック銀座」院長。東洋医学を取り入れた治療や、最新の美容医療など、豊富な治療内容が揃う。◇出井知子先生産婦人科医。「ともこレディースクリニック表参道」院長。分娩や手術のほか、婦人科がん治療やホルモン療法など、臨床経験が豊富。◇肌当たりが優しい包帯を使用したノーパン感覚のショーツ。ゴム無しボクサー¥3,000(ログイン)※『anan』2016年8月17・24日号より。写真・中島慶子イラスト・鬼頭 祈文・板倉ミキコ
2016年08月13日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「核なき社会」です。***みなさんは、8月6日、9日が何の日かわかりますか?71年前のこの日、世界で初めて、原子爆弾が投下されました。8月6日は広島に、9日は長崎に。一瞬にして街は焼け焦げ、その年の12月までに広島では約14万人、長崎では約7万人の方が亡くなりました。数年後に白血病やガンを発症したり、子供に原爆症が出るケースもあり、総被害は数知れません。日本は原爆の恐ろしさを知る、唯一の被爆国なんです。現在、核保有国はアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルの9か国。これほど恐ろしい兵器を、なぜ皆持ちたがるのか?悲しいことですが、核を保有することで、敵対する国同士の抑止力になっている、というのも現実なんです。とはいえ、核兵器がこのまま増え続けたら、地球規模の危機に晒されます。2009年、オバマ大統領はプラハで、核保有国として初めて「核なき社会を目指そう」と国際社会に訴えかけました。その後、アメリカ・ロシア間では核軍縮の合意が取れ、処分後もテロリストに核兵器が渡らないよう、注意を払っています。一昨年、国連総会で「核兵器使用禁止条約」がオーストリアから提案されました。化学兵器や生物兵器は国際条約で、使用したら戦争犯罪として裁かれることになっています。それに核兵器も加えようという提案。賛成125か国、反対50か国、棄権7か国で可決されましたが、実は日本はこのとき棄権しました。日本は自国では核兵器を持ちませんが、同盟を結ぶアメリカに、中国や北朝鮮の脅威から守ってもらっている立場。その手前、賛成することができなかったと言われています。今年5月、アメリカの現職の大統領としては初めて、オバマ大統領が被爆地の広島を訪れ、平和を訴えましたね。これが実現したのも、毎年、原爆記念日に世界に向けて平和のメッセージを発信し、核保有国の首脳に手紙を送り続けた広島市の不断の努力の賜物です。原爆の惨劇を伝えられるのは、世界で日本だけです。戦争体験者が次々いなくなる今後、二度と悲劇が起こらないよう、8月6日、9日のことを私たちは忘れてはいけないと思います。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年8月10日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年08月05日危なっかしさも年下男性の魅力のひとつ。思わず世話焼き心をくすぐる文学作品を、ライターの三浦天紗子さんが紹介します。■『ぼくは勉強ができない』 山田詠美「キラキラした青春を送っている主人公の時田くん。成績はよくないけれど、大人の凝り固まった思い込みや偏見、押しつけなどに、的を射た答えをもって対峙できる。無鉄砲なくらいの真っすぐさが痛快で、この清々しさは10代じゃないと持てないかも、と思います。また、年上の魅力的な女性に愛されているということは、セックスも策を弄さずに素直に楽しんでいる証。飾らないから逆に官能的です」■『重力ピエロ』伊坂幸太郎「物語では、語り手である兄の泉水から見た、弟・春の姿が描かれています。春はクールなのに、そのくせ正義漢で、自分で決めたことはちゃんと守るのがカッコいい。また、彼女を作らず性的なことが苦手。訳ありだからだけど、そのストイックさがセクシーで、いいなあと思ってしまいますね。彼の“本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきだ”という有名な決めゼリフは、なんともシビれます」■『春、戻る』瀬尾まいこ「ヒロイン・さくらの前に現れた一回り年下の24歳。しかも“あなたの兄です”と名乗る怪しい青年なのですが、とても“いいヤツ”で、さくらは彼のおかげで結婚に踏み切ります。わかりやすい色っぽさというのはないですが、この“お兄さん”は本当に気がよくて、愛嬌があって、人から好かれる好青年。“いいヤツ”って、やっぱり魅力的だと感じるし、恋人なら自慢したくなる男だと思います」「どこか世間知らずで、危なっかしくて、真っすぐに自分の夢を信じられるのが若さのよさ。基本的には背伸びしてリードしようとしてくれる、“ちょっと背伸び”な感じがたまらないです。そんな一生懸命さをうまい具合にフォローしてあげたいし、自分の世話焼き力を思い切り発揮できそう。“こんなふうに愛を打ち明けられたい”という、理想のセリフを味わうのも物語の楽しみです」◇みうら・あさこライター。書評、インタビュー、女性の健康についての記事を担当。著作に『そろそろ産まなきゃ』(阪急コミュニケーションズ)など。◇17歳の時田秀美はサッカー好きの高校生で、年上の桃子さんと熱愛中というモテ男。そんな凛々しくてクールな秀美が、時に悩み、活躍する高校生小説。新潮文庫¥430◇兄の泉水、弟の春、優しい父、美しい母の家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、連続放火などの事件が始まる。新潮文庫¥670◇結婚を控えたある日、明らかに年下と思われる奇妙な“お兄さん”が、突然、さくらの前に現れた。そんな彼が、結婚にあれこれと口を出し始めて…。集英社¥1,200※『anan』2016年8月10日号より。写真・中島慶子文・重信 綾
2016年08月05日余白を埋めてあげたくなる、未完成な姿。そんな年下男性の魅力が詰まった映画をご紹介。選んでくれたのは、映画ライターの細谷美香さんです。■『天国の口、終りの楽園。』「若い男子特有の、みなぎっている生命力やリビドーを存分に味わえる、“女子のための官能映画・決定版”という作品。人妻が若い男2人のお相手をして、そのエキスを浴びて活気づいていく様子が、とても色っぽい。ファンタジー全開の内容ですが、魅力的な男性とまぐわう姿は、羨ましいと思うこと間違いなし。主人公たちの形のいいお尻や、水をはじくツヤのある肌も見ていて“いいなぁ”としみじみしますね」■『人のセックスを笑うな』「設定はファンタジーなのですが、みるめ(松山ケンイチ)とユリ(永作博美)の関係性がリアル。二人がじゃれ合うシーンでは、キャピキャピしたところも気だるいところもすべてが生々しく描かれていて照れるし、どこか退廃的な雰囲気が漂います。見ているうちに、年下男子と疑似恋愛をしている気分になれるはず。みるめがよく着ているパーカは、年下男子が着るとかわいらしくてぐっとくるアイテムですよね」■『理想の彼氏』「年下男性の魅力のひとつが、背伸びをせず、等身大の自分で付き合えるところだと思うのですが、バツイチの主人公・サンディが恋に落ちるアラムは、まさにそんなタイプ。セクシーというよりも草食男子的です。ピュアな魅力と素直なアプローチで、夫の浮気に疲れていたり、気を張って生活している彼女の心を解きほぐしていきます。“こういう彼氏がいればいい!”と誰もが思ってしまう、まさに理想の彼氏」「若い男性特有の、限られた瞬間にしか存在しない、きらめき、生命力、性欲がスクリーンから伝わってくると、それだけでありがたい気持ちになりますよね。彼らは完ぺきじゃない分、余白がある。そこを埋めてあげたくなるのが、大人の女性の性なのかもしれません。今は年をとった俳優さんの、若い頃の瑞々しい姿が刻まれている作品もたくさんあるので、ぜひ、楽しんで観てください」◇ほそや・みか映画ライター。女性誌を中心に、ハリウッドからアジア、日本まで、幅広く映画紹介や俳優、監督のインタビューを担当している。◇幼なじみのフリオとテノッチは17 歳の高校生。ある日、親戚の結婚式で年上の人妻・ルイサと知り合った2人は、彼女を連れて当てのない旅に出発する。全国のレンタルDVDやAmazonビデオで視聴可能。◇美術学生のみるめは、非常勤講師のユリに絵のモデルを頼まれて彼女のアトリエに行く。すると、当たり前のように服を脱がされ、関係を持ってしまう。(C)2008「人のセックスを笑うな」製作委員会発売、販売元:ハピネットDVD¥4,700◇夫と別れNYにやってきたサンディ。引っ越し先のアパートの下にあるカフェで働くアラムと知り合い、ひょんなことからベビーシッターを頼むことになる。ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメントブルーレイ¥2,381/DVD特別版¥1,429※『anan』2016年8月10日号より。写真・中島慶子文・重信 綾
2016年08月04日正直で純真だからこその残酷さ。そんな年下の男性の魅力に思わずキュンとなる文学作品を、イラストレーター&漫画家の菜々子さんが選んでくれました!■『燃えよ剣』司馬遼太郎「沖田総司がツボ。仲間が死んでいくなかでも、どこか明るくひょうひょうとした様が眩しいです。土方歳三と共に浪人と闘って相手を瀕死の状態にさせるのですが、“お前、息はあるのかい?”と気の毒がって応急手当てをする姿にキュン。“道徳!正義!”とか暑苦しい感じではなく自然とやるのがいい。刺し身のツマばかり食べる偏食ぶりも子どもっぽくてかわいくて、無防備ななかにある、自然体の色気を感じます」■『愛と幻想のファシズム』村上 龍「冬二は体が強くて迷いがなく、徹底した弱肉強食主義を、そのまま地でいけちゃう姿に憧れます。一方、ゼロはクリエイティブで頭がよくて、パワーもみなぎっている。でも、どこか弱くて危うい部分があり、そこになんともいえない色気が漂います。2人の相反する魅力がぶつかりあってエネルギーが膨張していく疾走感がたまらない。私のタイプはゼロですが、あくまで冬二あってのゼロで、その逆もまたしかりだなと」■『グレート・ギャツビー』フィッツジェラルド、野崎 孝 訳「最初、ギャツビーは好きじゃなかったんです。“バカな男”と感じていて(笑)。それが、自分が大人になってみて、初恋のために命をかけて成り上がる彼のエネルギーに切なさと愛しさを覚えるようになりました。好きな人に気づいてもらうために豪華なパーティを開いて、その噂が届くように願うなんて奥ゆかしくて泣ける。その図々しさと奥ゆかしさのギャップがいいし、こんなに一途に愛されたいと思います」「透明感や清潔感がある若い男性を見ていると、自分も一緒に若返る感じがします。もちろん、お世辞を言ったりできないところや気が使えないなど、正直ゆえに残酷なところもあると思うのですが、そこもまた、おいしい魅力のひとつだと感じますね。いろいろと察してくれる疲れたおじさんと“ほっこり”過ごすのもいいけど、ときには未完成な男子との純情な恋愛気分を楽しめれば最高です」◇ななこイラストレーター&漫画家。女性誌を中心に活躍中。著書に『センスがいいと思われる 贈りもの美人の作法』(KADOKAWA)など。◇幕末の動乱期を新撰組副長として剣に生き、剣に死んだ男・土方歳三。その華麗な生涯と、激動の時代を共にした新撰組の生きざまを描いた幕末もの長編小説。新潮文庫上・下各¥790◇カナダで狩猟を生活の一部としていた鈴原冬二は、ゼロに誘われて政治結社「狩猟社」の独裁者に。そこに学者やテロリストが結集するようになっていく。講談社文庫上¥820下¥800◇絢爛たる栄華を生きる謎の男・ギャツビー。その胸のなかには、一途に愛を捧げ、そして失った恋人・デイズィを取り戻そうとする異常な執念が育っていた。新潮文庫¥520※『anan』2016年8月10日号より。写真・中島慶子文・重信 綾
2016年08月04日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「パラリンピック」です。***いよいよ8月5日より、リオデジャネイロオリンピックが開催されますね。南米で初めての五輪。僕は実はリオパラリンピックにも注目しているんです。パラリンピックのルーツは、1948年。イギリスの、第二次世界大戦で脊髄を負傷した傷痍軍人のリハビリ施設で始まった、車椅子患者によるアーチェリー大会だといわれています。第1回パラリンピックは、1960年にローマで開催されました。かつては福祉政策の一環のように思われていたところがあったと思いますが、義手や義足のテクノロジーの進化もあり、いまやもう別モノ。障害があるにもかかわらず、ものすごい速さで走る、高く跳ぶ、絶妙なバランスでカヌーを漕ぐなど、まさに「超人」の技を次々に見せてくれる感動の場になっています。人によっては健常者よりも速いタイムを叩き出しているケースも。パラリンピックの盛り上がりは年々増しており、ロンドンパラリンピックは史上最大規模、164の国と地域から、4310人の選手が出場しました。開会式にはコールドプレイがライブをするなど、盛大なパフォーマンスが繰り広げられました。開会式の模様はインターネット配信で中継され、770万人が視聴したそうです。もう、オリンピックと対等な扱いですよね。広告宣伝対象としても注目されています。パラリンピックを支援していると企業イメージもアップしますし、そこには大きな市場が広がっています。ただ、パラリンピック選手はエージェントに所属していない選手も少なくなく、個人で動いてる場合が多いので、いきなり巨大資本が動き始めて戸惑うところもあるようです。ただのブームに終わらず、リオパラリンピックが成功して、2020年の東京パラリンピックまでつないでいきたいですね。車椅子バスケや車椅子ラグビー、ブラインドサッカーなどは、健常者も車椅子に乗れば、目隠しをすれば、参加できます。将来、同じ土俵で戦いあう、ユニバーサルデザインを描けたらよいなと思います。リオパラリンピックは9月7日~18日。スカパー!とNHKの地上波で放映されますので、ぜひチェックしてみてくださいね。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年8月3日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年08月02日「あなたがいいならそれでいいけど」は、坂上忍さんと土田晃之さんが毎週異なるテーマに小気味よく回答する『anan』人気連載。今回のテーマは「子供おばさん」。人懐っこく愛嬌もあるが、年齢にそぐわない子供っぽい言動をしてしまう女性のことだそう。コラムニスト・ひかりさんが、「大人女子」との対比として著書やウェブで紹介。これに対する坂上さんの意見は?***初見の男ウケは悪くなさそうだけど、いざ付き合ったら長続きは難しそう。結局、主観でしか物事を見られない人のようだから。自分の都合のいいようにあちこち転々としながら生きていける、フットワークが軽いタイプなんでしょうけど、それがいい生き方なのかというと、ギモンです。誰もが、人間関係に悩んだり、理不尽な目に遭いながら大人になっていくわけでしょ。そういう経験が人間力を高めていくんだと思うんです。この人は、そこから背を向けて逃げている感じがしますね。それじゃいつまでも、大人にはなれないはずですよ。客観的な目線がないだろうから、僕がこういうこと言っても「なんで?」って理解できないんでしょうけど。まぁ、そのまま自己チューでもいいですが、この先大きな落とし穴がありそう。気が付いたら自分のまわりに誰もいなかった…とかね。ちょっとでも、今の自分がヤバイと思ったらチャンス。まず、相手主体で考える努力をしてみましょうよ。それが唯一の救いのメソッドだと思いますけどね。◇さかがみ・しのぶ俳優。『バイキング』(フジ月~金曜)メインMC。『ダウンタウンなう』『あのニュースで得する人・損する人』『有吉ゼミ』レギュラーほか、出演番組多数。※『anan』2016年7月27日号より。写真・中島慶子イラスト・3rdeye文・神保亜紀子
2016年07月23日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ふるさと納税」です。***ふるさと納税とは、好きな自治体に寄付をする制度です。寄付をすると、その額から2000円を引いた額が、所得税と住民税から控除されます。日本は東京が中心となり、大都市ばかりに人もお金も集まってしまっています。地方にお金が回るようにと、ふるさと納税制度は2008年に公布されました。寄付した人には地方の特産品などのお礼の品が送られます。理念は素晴らしいのですが、年々、自治体ごとの寄付金獲得競争が加速、返礼品がエスカレートして豪華になってきてしまいました。自治体の方でも返礼品が重荷になったり、返礼で受け取った金券を転売する寄付者が出てくるなど、本末転倒な事例も。公布から8年たち、そろそろ制度の見直しが必要なのかもしれません。また、ふるさと納税を使って、高額所得者が高額の寄付をし、寄付額がほとんど還付される、節税対策に使われていることを問題視する人もいます。いわば、日本のタックスヘイブンです。ただ、都市と地方の格差は広がる一方。地方は財源を得るのが本当に大変です。ですから、たとえタックスヘイブンになったとしても、地方にお金が回るのは良いことなんじゃないかと思います。最近では被災地にふるさと納税する人も増えていますね。熊本への寄付金も増えて、復興に役立っています。問題は、寄付をする側の姿勢ですね。ただの節税対策や、返礼品目当てのショッピングモールになってしまうのは残念。集まった寄付金の使い道は各自治体で公開していますので、寄付をしたら、ぜひチェックしてください。また、一度その土地に足を運んで、実際に見てきてほしいですね。都市部はどうしても消費が中心。地方が生産を支えています。農業、林業、水産業の「生産者を守る」という意識で地方を応援していきたいですね。実際に生産の現場の大変さを知ると、無駄な消費をしなくなります。日本はレストランでもコンビニでもたくさん食品を捨てていて、食品ロスが多いんです。過剰な消費から生まれる社会問題は少なくありません。生産と消費、都市と地方のいいバランスを目指していきたいですね。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年7月20日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年07月17日「あなたがいいならそれでいいけど」は、坂上忍さんと土田晃之さんが毎週異なるテーマに小気味よく回答する『anan』人気連載。今回のテーマは「育ちの良さアピール」。着物の着付け、茶道、料理などの習い事、実家が金持ち、貞操観念がしっかりしている…など、育ちが良いことを察してほしいあまりに、自らアピールする女性。これに対する、土田さんの意見は?***僕の周りにも、集まりの場にボディガードが付いてくるコとか、気に入ったワインを酒蔵ごと買っちゃう家の娘とか、チラホラいるんです。庶民レベルをはるかに超えているから、いちいちおもしろいんですよ。ただ、こういうのって、本人が話しているわけじゃなく、ウワサ話のようにそのコの周りから聞こえてくる。本人に確認して初めて「マジか!」ってなるわけ。つまり、自分から金持ちアピールは絶対にしないんですよ。それがホンモノの証。自分では意識してないけど、育ちの良さがポロッと出ちゃうのがお嬢様。自然と出てくるおっとり感や天然な部分があって、僕的にはいじり甲斐のあるキャラですね。貞操観念がしっかりしているコにバンバン下ネタをぶつけた時の返しが、ガチで怒るか、「やめて~」と言いながらも受け入れられるかで全然違う。根っこに庶民感覚があって、一緒に笑えるなら最高です。セレブ気取りを前面に出されても周りは引くだけだし、相当イヤミ。育ちがいいかどうかはこっちが見極めます!◇つちだ・てるゆき芸人。『じわじわチャップリン』(テレビ東京土曜23:55~)、『欅って、書けない?』(テレビ東京日曜24:35~)、『日曜のへそ』(ニッポン放送)ほか、出演番組多数。※『anan』2016年7月13日号より。写真・中島慶子イラスト・3rdeye文・神保亜紀子
2016年07月08日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「新幹線」です。***今年の3月に北海道新幹線が開業。東京-新函館北斗間が、4時間2分で行けるようになりました。日本に初めて新幹線が走ったのは、1964年、東京-新大阪間でした。新幹線は踏切なしに高速で走るため、専用のレールが必要で、建設には莫大な費用がかかります。'64年の東海道新幹線の総工事費は当時のお金で3800億円。東京オリンピックの開催に合わせて、東名高速道路とともに建設が進められ、世界銀行が8000万ドル貸し付けてくれました。これらは日本の戦後の復興の象徴だったんです。1973年には「整備新幹線」として、北海道、東北、北陸、九州(鹿児島ルートと長崎ルート)の5つの路線を通す計画が立てられました。でも、まだ全ては完成していません。速い列車がそれほど必要なのか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、新幹線建設による経済効果は大きいんですね。やはり人とモノの移動が活発になると経済も活性化します。新幹線が開通する前、東京-大阪間は特急列車で6時間50分かかりました。それが4時間で移動できるように。この時短によって年間2500億円の効果があったといわれています。ちなみにGDPは1973年に100兆円を超え、現在は500兆円規模なので、経済規模は40年で5倍に増えました。昨年、金沢まで北陸新幹線が開通しましたが、日本政策投資銀行の試算によると、首都圏から石川県への人の流入数は観光で3割増し。ビジネスで27.8%増。消費など直接的な経済効果は、年間61億円。ビジネスで20億円。二次的な波及効果を含めると124億円にのぼるそうです。日本の新幹線は、脱線や衝突を防ぐ技術に優れていて、50年間ほぼ無事故。地震検知警報システムも完備され、安全面は保証済みです。ただ、導入コストが高いので、インドへの輸出は決まりましたが、アメリカやインドネシアへの輸出はかないませんでした。安倍総理は2020年までにGDP600兆円を目指しています。クリアするためにも重要な産業です。今後も新幹線が延びて利用者が増え、日本経済の活性化につながると良いですね。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年7月6日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年07月04日タモリさんがブラブラと歩きながら、知られざる町の歴史や人々の暮らしを探る『ブラタモリ』。4月から相棒役をつとめているのが、近江友里恵アナウンサー。「タモリさんと一緒に旅をする自分の姿は想像つかなかったし、熱烈なファンの方がいる番組なので、“世界観を壊したらどうしよう”という不安もありました。そのせいか、1回目の京都の回は、肩の力が入りすぎてガチガチ(笑)。でも、タモリさんが本当に優しく接してくださって。“あの店美味しいよね”と福岡の地元トークをしたり、普通に話してくれる。恐縮なのですが、親近感のあるおじさんみたいな存在というか…。横浜の回を撮影しているときに“カツオ風味のふんどし〜♪”と隣で歌っていて。少しは私に慣れてくださったのかなと、距離が近づいた感じがして嬉しかったですね」これまでに相棒役を担当した久保田祐佳アナと桑子真帆アナに、アドバイスをもらったことも。「2人とも“タモリさんは何でも受けとめてくれるから、自由にやるのがいいよ”“恥ずかしいと思わず、素朴な疑問を大事にすること”と教えてくれました。専門家の方と、何でも知っているタモリさんによる分析がどんどんスピーディに進んでいくなかで、“ちょっと、わかりません!”と視聴者の方と、同じ目線でブレーキをかけるのが、私の役目だなと」有名な観光地があまり登場しないところも、番組の特徴のひとつ。「ガイドブックに出てくるような場所ではなく、崖や住宅街をウロウロすることも多くて。“なぜ、こんなところに?”と不思議なんですけど、そこに町の魅力の秘密が隠されていたりするので、町って面白いなと思います。きっと、番組を見たら今までとは違う視点で、旅を楽しめるはず。実は、私とタモリさんには台本がないんです。なので、謎が解き明かされていく途中の私たちの驚きや発見を、みなさんにも共有してもらえると嬉しいですね」◇町歩きの達人のタモリさんと近江アナウンサーが、全国の気になる町を訪れ、専門家と一緒に土地の謎や秘密を解明。7月2日放送回は「会津」に!『ブラタモリ』(NHK総合で毎週土曜19:30~20:15。再放送は毎週火曜深夜)。◇おうみ・ゆりえ'12年NHK入局。熊本放送局に配属後、'14年に福岡放送局に。ニュース番組『ロクいち!福岡』を担当。現在は東京アナウンス室に異動。『NHKニュース おはよう日本』まちかど情報室を担当。※『anan』2016年7月6日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・重信 綾
2016年07月02日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「18歳からの選挙権」です。***公職選挙法が一部改正され、70年ぶりに選挙権の年齢が引き下げられました。いよいよ、満18歳から投票できるようになります。少子化が進むなか、未来を担う若い世代が政治に参画できるようになるというのは、喜ばしいことですね。ただ、今年18歳、19歳になる人の数は約240万人で、有権者全体の2%にすぎません。ですから、これを機に政策がいきなり若い人向けにシフトするということはないでしょう。10代の有権者が生まれるということは、政党にしてみれば新たな支持者を囲い込めるチャンス。高校生や大学生を対象にボランティアを募ったり青年部を作るなど、どの政党も積極的にアプローチをかけています。世界的に見ると、191か国・地域のうち9割以上の国で、選挙権の年齢を18歳以上にしています。日本の有権者の年齢が20歳以上だったのは、成人年齢が20歳だからです。選挙年齢の引き下げは、国民投票の年齢が満18歳以上に定められたことがきっかけになっていますが、政府は将来的に、日本の成人年齢を18歳にすることも検討中。そうなれば、少年法も改正されますし、国民年金保険料を納める義務も18歳から課せられます。少子高齢化対策として、国は、働ける人、税金を払える成人の数を増やしたいんですね。18歳選挙は夏の参議院議員選挙から始まります。本番を前に「模擬選挙」を実施している学校もあります。議題に合わせて、生徒同士で議論を戦わせ、多角的な視点から、どこに投票するか考えをまとめる力を養うというもの。日本人はディベート下手ですよね。自分の意見が否定されると人格まで否定されたように感じて、人間関係に支障が出てきたり。感情と切り離して議論することは大切です。皆さんも、今日のランチをどこにするかというような身近なテーマでも、お友達とディベートをしてみてはいかがでしょう?汚職問題などを機に政治不信が募り、若者の政治離れに拍車がかかって、今、20代30代の投票率の低さが問題になっています。10代の政治参加に刺激されて、20代30代の政治意識が高まることも期待されているんです。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年6月29日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年06月26日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「待機児童」です。***条件を満たし、入所申請をしているにもかかわらず、保育所に入れない「待機児童」の数は2015年4月の段階で約4万5000人。キャンセル待ちの多さに諦めて、最初から申請していない家庭もあるので、潜在的な待機児童数を含めるとその数はもっと多くなるでしょう。待機児童問題は、保育所の数を増やすだけでは解決にはなりません。というのも、保育士さんの数が足りないんですね。保育士の資格を持ちながら現場を離れた「潜在保育士」の数は全国で約80万人。離職した大きな理由は、賃金の低さと言われています。保育士の賃金は、35歳平均で月額21.9万円。全産業の平均は33.3万円ですから、かなり下回っています。安倍総理は4月に一億総活躍社会の一環として、保育士の賃金を2%、月額約6000円アップを宣言。潜在保育士をなんとか呼び戻そうと対策を立てています。保育所が足りないのは、近隣の反対により建てられないというケースもあります。「子供の声がうるさい」といったクレームも聞きますが、それだけではなく、道が狭くて、子供の送り迎えの車や自転車が来ると住民の移動ができないという切実な理由も。街づくりやインフラ面から抜本的に変えなければいけません。また、保育所開設の規制緩和も必要でしょうね。企業内に保育施設がもっと開設できれば助かりますよね。待機児童問題は、すぐには解決しないでしょう。これから就職や転職を考えている方は、育児休業のあるなしだけでなく、バリエーションをチェックしてみてください。1年フルに休めなくても、時短で働ける時期を長く取れる方がありがたい場合もあります。今から約100年前に母性保護論争が起きました。女性解放運動家の平塚らいてうは「子供を産み育てることは国のためでもあるから、国が保護するべき」と主張。対して歌人の与謝野晶子は「女性は男性にも国にもよりかかるべきじゃない。自立して稼ぎなさい」と意見しました。子育てのお金は、国か個人、どちらが出すべきなのか。子供は誰のものなのか?100年前の論争の答えはまだ出ていないんです。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年6月22日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年06月19日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する、雑誌『anan』で連載中の「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「タックスヘイブン」についてです。***タックスヘイブンとは日本語で「租税回避地」。税金を免除、またはとても低い税率にして、海外資本を獲得している国や地域のことを指します。ヨーロッパの小国、モナコ公国やサンマリノ共和国、カリブ海の英領ヴァージン諸島やケイマン諸島などが有名です。それらの国や地域が税率を下げるのは、もともと産業や鉱物資源がなく、税金をとる先がないからなんですね。海外企業を誘致できれば、雇用が生まれ、富裕層が集まれば消費が活発になり、その地域の利益につながります。企業にとってみれば、世界に展開するのに、本拠地をタックスヘイブンに登記し、収益を集約できれば、国によって税率が異なることを気にせず、円滑に取引が進められます。必ずしも誰しもが税金逃れのために使っているわけではないんです。ただ、麻薬や人身売買、テロ、政治家の汚職などのマネーロンダリング(資金洗浄。口座を転々とさせて、資金の出所を不明確にする)の温床になりやすいのも事実。北朝鮮やロシアなど、欧米諸国から経済制裁を受けている国のお金のやり取りに使われているともいわれています。4月に「パナマ文書」がニュースになりました。パナマの法律事務所から、タックスヘイブンを利用する企業の、過去40年分の膨大なデータが流出。それによると、約21万の企業の関係者リストのなかに、プーチンや習近平、アイスランドの首相など、国の要人も含まれていました。文書はドイツの新聞社と国際調査報道ジャーナリスト連合に送られ、現在詳しく調べている最中ですが、リストのデータベースは誰でも見られるよう5月にネット上で公開されました。タックスヘイブンに集められた企業の税逃れ額は、約500兆円あるとか。それらが国税として支払われれば、社会保障に使えますよね。日本では早い時期からタックスヘイブン対策税制を設け、法人税率20%以下の国に登記している会社は、国税庁に届け出ることになっており、国内の子会社から、相応の税がとられています。世界の格差問題につながるテーマ。今後、各国がどう対策をとるのか、要注目です。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年6月15日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年06月14日視聴者からの“怒りメール”に対し幹事長のマツコ・デラックスと政調会長の有吉弘行が、フリートークを繰り広げながらその怒りに白黒をつけていく。そんな番組、通称“怒り新党”は、この春でスタートから5年が経過。“庶務”として新たに番組に加わった、テレビ朝日アナウンサーの青山愛さんに、出演して1か月経った今のご感想を伺いました。「私にとってマツコさんと有吉さんは、芸能界の最先端のドンとドン。二人が揃えば“ダブル・ドン!”みたいな状況なので(笑)、そこに参加するプレッシャーはとてつもなく大きいものがありますね(苦笑)」3月までは、『報道ステーション』に出演していた青山さん。突然のバラエティ指名には、驚愕だったそう。「初収録は緊張しすぎて、正直何も覚えていないんです…。報道番組とバラエティは、まったく異なる乗り物みたいなもの。乗り方がさっぱり分からなかったので、すごく怖かった。でもジェットコースターも、乗っちゃったらあとは身を任せるしかないわけで。収録中は、緊張しているのか不安なのかよく分からないまま終わった気がします」伝えるべき情報がきちっと決まっている報道に比べると、この番組で繰り広げられるトークは、まるで生き物のように変化する、と青山さん。「お二人の会話の間、私は情報を挟んでいくんですが、タイミングによって会話の方向性がガラッと変わる。でもタイミングのことだけ気にしていると、話の着地点が定まらないので、道筋も考えなくてはいけない。本当に難しい。でもそんな時、マツコさんと有吉さんが、必ず視線を投げてフォローしてくださる。その優しさに、本当に助けられています」番組のテーマは“怒り”。青山さんはどんなことで怒るのでしょうか。「“ぷちイラ”的なことはよくあるんですが、寝ると忘れちゃうんですよね…。でもみなさんからのメールを読むと、“あ、私も同じように怒ったことある!”といろいろ思い出すので、今後は怒りっぽくなるような気がしてて、それが心配です(笑)」◇あおやま・めぐみテレビ朝日アナウンサー。’11年に入局。日曜朝のスポーツニュース『スポーツサンデー』などにも出演中。13年間の海外生活を経験している帰国子女。ストレス解消法は、思い切り泣いて寝る。◇『マツコ&有吉の怒り新党』腹が立つけれど、これで怒ったら、“小さい人間”って思われちゃう…?視聴者から寄せられたそんな怒りメールを、白黒つけて、仕分けします!毎週水曜23:15~、テレビ朝日系で放送中。※一部地域を除く。※『anan』2016年6月15日号より。写真・中島慶子
2016年06月11日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する、雑誌『anan』で連載中の「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「重力波」についてです。***今年2月、全米科学財団と国際研究チームは、重力波天文台「LIGO(ライゴ)」が、世界で初めて、重力波の観測に成功したと発表しました。各新聞の一面を飾ったので、印象深く覚えている方も多いでしょう。そのくらい、歴史的な快挙なんですね。質量のあるものが動くとき、「時空の歪み」がさざ波のように伝わる現象、この波が重力波なのですが、歪みの伸び縮みはとても微細。太陽と地球ほど離れた距離で水素原子1個ぶんほどと、気が遠くなる小ささなので、塵や振動によっても観測は制限されてしまいます。ですから、実際に検出するのは不可能だろうと言われてきました。それがこのたび、地球から13億光年離れた場所で、2つのブラックホールが衝突、合体したことにより、大きな歪みが生じて初めて観測ができたのです。ブラックホールが合体した瞬間は、太陽の全質量の3倍くらいのエネルギーが放出されたのだとか。どれだけ大きなものだったか、想像を超えますね。重力波は、1916年にアインシュタインが一般相対性理論でその存在を予言していました。ですから、100年かかって、アインシュタインの宿題を解いたようなものなんですね。この成功は宇宙の解明に大きく貢献するでしょう。重力波はあらゆるものを貫通し、何を通過してもほとんど影響を受けないのだそうです。これまで光や電磁波で調べていた宇宙も、重力波を使えるようになれば、もっと深く正確に調査することができます。ブラックホールの解明や、宇宙の起源、ビッグバンの謎を解き明かすこともできるようになるだろうと言われています。ちなみに電磁波の存在が理論的に証明されたのは1864年。1888年にハインリヒ・ヘルツさんによって、放射する電磁波の観測が可能になりました。周波数を示す単位「ヘルツ」は彼の名前に因んでいます。その後、電磁波が通信や医療、電子レンジなどで家庭でも使われるようになったのが約100年後。重力波も今から100年後には身近になっているかもしれませんね。ドラえもんが生まれたのが2112年。その頃には「どこでもドア」も実現可能になっているのかも?◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年6月8日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年06月07日どんな作品であっても、この方々の名前が連なっていれば、「面白くなりそう」との予感が高まる。硬軟自在。時に少女や老婆だって変幻自在の芸域の広さで、作品に厚みをもたらす段田安則さんと浅野和之さん。共に夢の遊眠社に所属し、’80年代小劇場ブームを牽引した演劇界の至宝たちが、宮沢りえさんというこれまた凄い女優を間に挟んで舌戦を繰り広げる。これは観なくては!おふたりにお話しを伺いました。段田:昔から浅野さんの舞台を観ていて、いい俳優さんだなって思っていたんです。だから、浅野さんが遊眠社に入って一緒に芝居ができるようになって、こんな楽しいというか、うれしいことはなかったですよ。浅野:そう言うけど、この人はねぇ…最初は亀のようにしてるけど、後でしっかり抜いていくんだよ。調子に乗らせるわけじゃないけど、うまい人だし外さないんで、彼の進み方を見てて勉強になることも多くて。段田:僕も相手が浅野さんで助かった、と思うこと何度もありますよ。でも、まさかここまでずっと縁が続くなんて、ありがたいことです。浅野:ね。昨年の舞台『草枕』でも、お互いにやることが多くて大変だったのに、僕らふたりの場面の時は非常に楽しめたりして。段田:他にもうまい役者さんはいっぱいいるんだけど、浅野さんとやってると、自分がうまくやれているかどうかより、純粋にやり取りを楽しんでいる自分に気がつくんです。浅野:ただ、今回の戯曲は、なかなか手強い。最初に台本を読んだ時は、まったく頭に入ってこなかったから。セリフに物理学用語が多いし、時間も交錯していくものだから…。段田:でも、題材は面白いんですよ。日本に原爆が落とされる前の、核開発の中枢にいた実在の研究者たちの話なんですよね。浅野さんと僕は、先生と弟子みたいな関係で、そのやり取りのなかから、もしかしたら歴史が変わっていたかもしれないっていう、史実の知られざる裏側が見える…って、ダメだ。このままじゃ難しそうな芝居だって思われちゃう。浅野:大丈夫。難しいのは演る側だけだから、観る側にとっては難しくないよ。物理学用語は多いけれど、観る方にとってはそれがわからなくても問題がないから。段田:じゃあよかった!海外でもヒットしたんですもんね。浅野:そうだよ。先生と弟子の人間ドラマとして観ても面白いんだよ。段田:しかも、すでに起きた過去の事実が、それぞれの視点で改めて語られることでまったく別のものに見えてくる面白い設定なんですよね。浅野:たぶん、観終わった後に気付くことも多いんじゃないかな。うまい作家だなぁって思うよ。段田:その面白さが伝わるように、僕らが頑張らないと、ですよね。◇ナチス政権下で核開発に関わる物理学者・ハイゼンベルク(段田)は、かつて師と仰いだユダヤ系デンマーク人のボーア(浅野)とその妻(宮沢)を訪ねる。一体その真意とは?6月4日(土)~7月3日(日)三軒茶屋・シアタートラム作/マイケル・フレイン演出/小川絵梨子出演/段田安則、宮沢りえ、浅野和之全席指定7800円(税込み)当日券ありシス・カンパニーTEL:03・5423・5906www.siscompany.com/copen/◇だんた・やすのり(左)’81年より夢の遊眠社で活躍。在団中より映像での活躍も多く、最近では大河ドラマ『真田丸』に出演。8月に主演舞台『遊侠 沓掛時次郎』を控える。あさの・かずゆき安部公房スタジオ等を経て、夢の遊眠社に入団。以降、舞台や映像で活躍。8月には北村想新作舞台『遊侠 沓掛時次郎』で段田安則と連続共演。※『anan』2016年6月8日号より。写真・中島慶子ヘア&メイク・藤原羊二(EFFECTOR)インタビュー、文・望月リサ
2016年06月03日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する、雑誌『anan』で連載中の「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「サミット」についてです。***5月26~27日に第42回先進国首脳会議、いわゆる「伊勢志摩サミット」が開かれます。日本で開催されるのはこれで6度目。サミットが始まったのは1975年でした。’70年代はオイルショックが起こり、世界経済が不安定になりました。そこで当時のフランスのジスカール・デスタン大統領の声がけのもと、先進国の首脳が集まり、世界経済や国際情勢の問題に対して、協調して政策を打ち出す話し合いの場として始まったのがサミットです。参加国はフランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、日本。その後、カナダ、民主化されたロシアも’98年から参加し、G8(Group of eight)と呼ばれていました。ところが、ウクライナ問題にロシアが介入したことから、西欧諸国と対立。2014年に参加停止となり、現在はG7に戻っています。議題のメインは経済問題ですが、他にも安全保障や環境に関することなども話し合われます。議長国は1年間議長を務め、その間に各専門分野の関連会議がいくつも開かれるんです。つい先月も広島でG7の外相会合があり、テロ対策や中東情勢、北朝鮮情勢、核軍縮について話し合いがなされましたよね。他にも、新潟で農業大臣会合、仙台で財務大臣・中央銀行総裁会議などが開かれます。サミットの会期に合わせて、民間のNPO、NGOの関連会議も開催されるので、開催地には世界中から人が集まり、注目されるようになります。由緒ある日本文化を伝えようと、伊勢神宮のあるこの地が選ばれました。サミットで取り上げられるテーマを見れば、いま世界でどんなことが問題になっているのかがわかります。ただ、最近はアジアやアフリカの経済力も上がってきて、先進国だけの問題ではなくなってきました。新興国11か国を含めたG20の方が、G7より影響力を持ってきているとも言われています。いずれにせよ、原油価格の下落、エネルギー問題、中国経済の問題、マネー・ロンダリングなど、世界経済が大きく揺れ動いている今、日本がどんなふうにイニシアティブをとるのか、注意してみておきましょう。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年5月25日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年05月22日フリーアナウンサーの川田裕美、小島慶子、神田愛花、上田まりえが、23日に放送されるフジテレビ系バラエティ番組『ネプリーグ』(毎週月曜19:00~19:57)に出演し、高学歴らしからぬイージーミスを連発する。それぞれ元読売テレビ、TBS、NHK、日本テレビ出身の4人は、その名も「フリーアナウンサーチーム」として登場。英語で出題される人や物の名前を解答するクイズではまさかのミスを連発し、川田は「ちゃんと勉強してこんかい!」と関西弁でツッコミを入れる。しかし、そんな川田も、さまざまなモノの割合を答えるゲームで予期せぬ事態に陥り、先輩の小島から「この世間知らず!」と一喝。神田は「付き合っていない男性と手をつないだことがある女性は何%?」という問題で驚きの解答を披露し、恋愛遍歴が浮き彫りになる。フリーアナウンサーチームと対決するのは、デヴィ夫人、デーモン閣下、山村紅葉という"合計11万84歳"のベテランを擁する大御所チーム。白熱のバトルが繰り広げられる。
2016年05月20日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する、雑誌『anan』で連載中の「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「一億総活躍社会」についてです。***去年の10月に第3次安倍改造内閣が発足したときに内閣は「一億総活躍社会」というプランを掲げました。安倍政権の経済目標の一番大きい規模のものって、何だかわかりますか?それは2020年までに日本のGDPを600兆円に引き上げるというものです。現在、日本のGDPは500兆円前後。‘80年代の後半に400兆円の大台を突破し、約15年かけてやっと500兆円になりました。バブル期を含んだ成長ですから、今から4年で約100兆円を上げるというのは、簡単ではない数字なんですね。GDPを上げるには方法は2つ。移民に積極的に働いてもらうか、国内に眠っている労働力を掘り起こすか。安倍さんは保守派ですから、移民の受け入れにはあまり積極的ではありません。そこで、女性やお年寄り、障害のある方、難病の方などでも、働ける人を総動員して、国の経済成長を促したいと考えているんです。バブル崩壊後、リーマンショックの起きた2008年頃までは、働きたくても働き口がない、という状況でした。けれども今、日本は人手不足です。サービス産業、製造業、介護や医療の現場で働き手を求めています。「一億総活躍社会」は言い換えてみれば「一億総労働社会」。少子高齢化で、働く年代の人口が減っているのに歯止めをかけたいんですね。今後は定年も延び、年金の受給開始年齢も引き上げられるでしょう。ただ、見方を変えれば悪いことばかりではありません。家庭、地域、職場で個性を生かした多様な働き方を社会全体で支援する。男性女性、障害のあるなし、年齢に関係なく、皆がいきいきと働ける社会を目指すということ。これから日本の労働環境が大きく変わるのかもしれませんね。政府は緊急政策として、「希望出生率を1.8」「介護離職ゼロ」を掲げ、保育や介護のサービスの拡大を目指しています。今、日本では、働いても生活が楽にならないという貧困の問題がありますね。一億総動員はするものの、市場原理にのまれて、ただ安い賃金で働かされ、ちっとも暮らしが豊かにならない、というふうにならないことを祈りたいですね。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年5月18日より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年05月15日「あなたがいいならそれでいいけど」は、坂上忍さんと土田晃之さんが毎週異なるテーマに小気味よく回答する『anan』人気連載。頑張っている自分へ、欲しかったブランド品やコスメ、スイーツや旅行などを自分で与える「自分ご褒美」。モチベーションアップにもつながるけど、高価なものを買うときの言い訳と捉えられてしまいがち。土田さんの意見は?* **今週すごく頑張ったから、ご褒美にとっておきのスイーツ!?意味がわかりません!頑張ったかどうかの評価は自分じゃなく他人がするもの。自分の中での目標を達成しようといって頑張るのは大事。ただ、その都度ご褒美をあげていたら、半年が1か月、そのうち1週間、今日一日…って、どんどんタームは短くなるし、ハードルは下がってきそう。それじゃ意味なし!つまり、自分が欲しいものに対してのこじつけですよね。服、バッグ、食べ物…、浪費をなんとか正当化したいだけ。旅行にしても、したいがために“ご褒美”という言葉をこじつける。すごく都合のいい言葉ですよね~。別に悪いことだとは思いませんよ。ただ、浪費を我慢できないだけだってことです。本当に頑張ったから、今欲しいものを買おう、食べよう。もちろんそれはアリ。何をもって自分へのご褒美とするかどうかが大事なんじゃないかな。僕にとってのご褒美は、フットサルをやること。でもフットサルをやるために仕事しているようなものだから…、全然ご褒美じゃないや!◇つちだ・てるゆき芸人。『じわじわチャップリン』(テレビ東京土曜23:55~)、『欅って、書けない?』(テレビ東京日曜24:35~)、『日曜のへそ』(ニッポン放送)ほか、出演番組多数。※『anan』2016年5月4日-11日合併号より。写真・中島慶子イラスト・3rdeye文・神保亜紀子
2016年05月10日「あなたがいいならそれでいいけど」は、坂上忍さんと土田晃之さんが毎週異なるテーマに小気味よく回答する『anan』人気連載。今回のテーマは「自分ご褒美」。頑張っている自分のために欲しかったものを買ったり、旅行をしたりすること。この「自分ご褒美」をする女性について、男性100人にアンケートで聞いたところ53%がアリ、47%がナシと回答。一方、坂上さんの考えは?***自分に褒美を与えるってことは、いいんじゃないですかね。ただ、それを他言したりするのは、あざとく感じちゃう。褒美はあくまで自己満足。それに質素でいいと思います。“褒美”が口実になっていくと回数も増えそうですね。それこそ週イチで“自分ご褒美”をやっているとしたら、もはや意味なし。褒美がないとなにもできない、ただの甘やかし人間です。せめて半年に1回くらいにしましょうよ。たとえば、ストイックなダイエットを成し遂げた後、大好きなお酒をちびちびと飲んだときに感じるありがたみ。本来のご褒美ってそれくらいのものなのかも。それこそ、ドM になればなるほどありがたみは増すんじゃないかな。僕の場合は、年に1回、フライドチキンを食べたいだけ食べること。本当にどうでもいいものですけど(笑)。そもそも“ご褒美”は、他人からいただくもの…ですよね。自分が自分に与える行為って、ただの甘やかしや慰めにすぎないのかも。“ご褒美”っていう、聞こえのいい言葉に置き換えているだけなのかもしれませんね~。◇さかがみ・しのぶ俳優。『バイキング』(フジ月~金曜)メインMC。『ダウンタウンなう』『あのニュースで得する人・損する人』『有吉ゼミ』レギュラーほか、出演番組多数。※『anan』2016年5月4日-11日合併号より。写真・中島慶子文・神保亜紀子(C)wundervisuals
2016年05月10日