岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ファンの愛称」です。「誰それのファン」という呼び方ではなく、ファンの方を総して特定の愛称(呼び名)をつける文化が定着しています。個人的には、きっかけはLUNA SEAさんがファンの方々を“SLAVE(スレイブ)”と呼んでいたのが最初なんじゃないかなと思いますが、もっと前からあるものなのでしょうか。でも、それ以降、邦楽ロックバンド界隈でもさまざまなファンの愛称が生まれています。マキシマム ザ ホルモンのファンの方のことを“腹ペコ”とか。どんな愛称があるのかと調べたら、バンドごとにさまざまなものがあり、かなり面白かったです。ルーツもいろいろあってアーティスト発信のものもあれば、ファンの方々の間で生まれたものもある。なんでそういう愛称をつける必要があるのかと考えると、やはり一体感なのかなと思います。好きなアーティストがいて、それをみんなで一つのチームとして応援したい。その一員になりたいという気持ちの表れなのかな、と思いました。あと、人間にはどこかに所属して安心したいという欲求がある。自身のアイデンティティの置き場として所属する場所をはっきりさせたいんですよね。そのために愛称が必要なのかもしれません。SNSの自己紹介のところにファンの愛称を書き、自分もそうであると表明する人が多いのは、そういうひとつの自己主張だと思うんです。で、それは理解できるし、ファンの方の間で愛称を楽しんで共有してくれるのはとてもいいことだと思うのですが…。ことに、自分に関してとなるとちょっとむずがゆい気持ちがしてしまいます。そもそも、僕は自分を応援してくれる方たちを「ファン」と呼ぶことさえ苦手です。「俺のファン」と言うことが、なんだかおこがましい感じがします。その延長で、岡崎体育を応援する方々のことをさらに愛称で「君たちはだから」と、僕発信では言えないです。でも、岡崎体育を応援していることには自信を持ってほしい。そこで考えたのですが、僕を応援してくれている方たちは、もし他のバンドなどのファンの方に「岡崎体育ファンのことって何て呼ぶの?」と聞かれたら、「そんなんありませんわ」とちょっと京都風に言ってほしいです。「うちらはただ応援しているだけで、そんな大層なもの岡崎体育にはありませんねん」と。老舗の女将のごとく品よく返していただけるとうれしいのですが、いかがでしょうか?おかざきたいいく12/15、Zepp Fukuoka「ベリーグッドマンへの道 ツアー 2019~武者修行編~」に出演。来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年12月4日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年12月01日KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『常陸坊海尊(ひたちぼうかいそん)』に出演する女優・白石加代子さんに、稽古場の様子や作品への思いを聞きました。インタビュー当日、取材前に舞台『常陸坊海尊』の稽古場を少しだけ覗かせてもらった。演出の長塚圭史さんと出演者たちが車座になって作品について意見を交わし合うなか、時に自ら質問し、若い共演者の言葉に楽しげに、そして熱心に耳を傾ける白石加代子さんの姿があった。「すごく奥が深い作品だから、みんなで膝を突き合わせて話すことが大切になってくると思うのね。とくに圭史さんは、非常に具体的で緻密な演出家で、携わる全員に共通した解釈や認識を持って稽古に臨んでほしいという考えを持っていらっしゃる方。あんなに戯曲を細かく噛み砕いてくださる演出家、なかなかいません。蜷川(幸雄)さんの現場では、稽古初日からセリフはもちろんある程度のレベルにいなきゃいけなかったけれど、圭史さんは優しいから待ってくれますし(笑)」そして、いたずらを告白するかのように、「私ひとりだけズルいのよ」と小さく笑う。じつは白石さん、舞台『常陸坊海尊』への出演は2回目。22年前にも同じ役を演じている。「当時、自分の拙さもあって掘り下げが足りなかったという思いが残った作品だったんです。少し読み違えをしていた気がしてならなくて。ただ、大変な作品だけに、もう演出しようとする方は現れないのではと思っていたら、風の便りで圭史さんが演出するかもしれないと聞いて、居ても立ってもいられなくて押しかけちゃったの(笑)。圭史さんならぜひやりたいと思ったし、他の人に役を取られちゃうのが嫌だったのね」その“読み違え”とは…。「どんなに暗いお話でも楽しいところがないとダメだと思うの。これは日本が貧しい時代の東北が舞台で、不思議な部分もあるから、取っつきにくそうに思うかもしれません。でも、その時代の人間の“性”が開けっ広げで、それがとても豊かに描かれていたりして面白いの。圭史さんととくにその話はしていないのだけれど、作品に描かれた人としての俗な部分と楽しい部分を探っていらっしゃるのがわかるし、同じ方向を向けているのが嬉しくて…。このカンパニーなら、思いもよらないエンターテインメント性が深さとともに出せるかもしれないと思っています」白石さんといえば、厳しいことで知られたあの蜷川さんから厚い信頼を受けた女優であり、古田新太さんをして“伸びていた鼻をへし折られた”と語るほどの演技派。にもかかわらず、この謙虚さに頭が下がる。「毎回、白石加代子がやったらこうなるだろうというところに近づけようとは思っているの。長くやっていれば、ある種のそういう回路はできているものだし。でも、見当がつくようなものをそのままやっているだけでは、すぐに飽きられるだろうし自分も飽きるし、それはお客様にも伝わっちゃうのね。だから、前とは違う私じゃなきゃ見つけられない道を、そのつど探していきたいと思っています。そうやって道を探りつつ生きてきたら、こんな特殊な女優になっちゃったんだけど(笑)」演じるのは“おばば”と呼ばれるいたこ。今回、どんな異界へと観客を誘ってくれるのか楽しみだ。KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『常陸坊海尊(ひたちぼうかいそん)』源義経を裏切った罪の意識から不老不死となり、義経の伝説を語り歩いたといわれる常陸坊海尊。都会から疎開してきた少年たちは、森の中で、その妻を自称するおばば(白石)と雪乃(中村)という美しい少女に出会うが…。12月7日(土)~12月22日(日)KAAT神奈川芸術劇場 ホール作/秋元松代演出/長塚圭史音楽/田中知之(FPM)出演/白石加代子、中村ゆり、平埜生成、尾上寛之ほかS席7500円A席5500円ほか(12月7、8日はプレビュー公演5000円ほか)*すべて税込みチケットかながわ TEL:0570・015・415(10:00~18:00)兵庫、岩手、新潟公演あり。しらいし・かよこ1941年12月9日生まれ。東京都出身。‘67年に早稲田小劇場に入団し、舞台女優として高い評価を受ける。近年はドラマ『ひよっこ』『いだてん』など映像でも活躍。※『anan』2019年12月4日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2019年11月27日ラフォーレ原宿のキャンペーンビジュアルや、星野源さんのCDジャケットなどを手掛ける吉田ユニさん。自身の作品が一堂に会する個展「Dinalog」も開催中です。かわいさと毒っ気、そして上品さのバランスも絶妙な作風が魅力の、彼女の素顔に迫ります。――作品作りをしていて、特に喜びを感じる瞬間はどんなとき?まずは、自分の頭の中に浮かんだアイデアが、実際に形になったとき。例えば今回の展覧会でも見ていただける作品なんですが、雑誌『装苑』の75周年記念のビジュアルを作った際、モデルのポートレートを75年分の背表紙1300冊に分解して印刷し、実際に背表紙に貼り、本棚に並べて撮影をしたんです。そういうときが、まず“第1喜び”です。ちなみに私は、ひたすら背表紙に貼っていく、というような単純作業がとても好きなので、そういう意味でも喜びがあります(笑)。――もしかして、背表紙、吉田さんが貼ったんですか?はい、お手伝いをしてくれた大学生たちと一緒にちまちまと(笑)。すっごく楽しかったです。そして、それを撮影するわけですが、撮影した写真を使ってビジュアルをデザインし、それが完成したときが、“第2喜び”。あ、それと、仕事の性質上、見てくれた方の声を直接聞く機会はなかなかないのですが、5年前に初めて個展を開催したとき、見に来てくれた方からいろんな感想を聞けたので、そこもまた、別の喜びですね。――でも確かに吉田さんの作品は、現物を作って撮影されているという意味でも、細部へのこだわりがとても感じられて、そこも大きな魅力ですよね。幼稚園のときから絵を描くのが好きだったんですが、よく描いていたのが、近所の駄菓子屋さんのおじさんがいつも変わった細かい柄物の靴下を履いていたので、それを家で思い出しながらひたすら描いたり。あと、歯医者さんごっこのときは入れ歯を作ったりしていて…。――入れ歯を作る、とは…!?ピンクの練り消しで歯茎を作り、近所にあった白い小さな石を拾ってきて、それを歯の形に並べて、フェルトペンで虫歯を描いて、白い絵の具で上から塗って「治療できました」とか言ってました。カルテも作ってましたね…(笑)。それから、ファミコンが欲しかったんですがなかなか買ってもらえなかったので、自分でファミコンとカセット的なものを工作して、マリオの絵を描いてテレビに貼って、楽しんでました。自作のカセットの差し込み口のところを、「あれ、おかしいな?」とか言いながら、ふーって吹いたりして(笑)。そう思うと、ディテールにこだわって工作をするのは、その頃から好きだったみたいですね。この前幼稚園の頃からの友人にも変わってないね、と言われたんですが、たぶん、今作品作りで感じている楽しさは、その頃感じていた気持ちの延長線上にあるような気がします。――手を動かす喜び以外に、実際に作品を作り、撮影することの利点はありますか?個人的には、やっぱりディテールが当然リアルに作れますし、同時に温かさみたいなものが出る気はします。ただそれよりも、実写にすると、“こっちの角度もいいかも”とか、“こういう影の出方、おもしろい”とか、その場で発見があるんですよね。想像していたのとは別の到達点が見え、より良いものが出来上がる気がする。そこも一つの良さだと思います。――それから、吉田さんの作品からは、独特の毒っ気というか、若干の“怖さ”が漂う気がするのですが、そこに理由はありますか?怖いものは小さい頃から大好きなんですが、楳図かずおさんや、つのだじろうさんのマンガを好きで愛読していました。『りぼん』も買うけれど、『サスペリア』っていうホラーマンガ雑誌も買う小学生(笑)。――友達とは、そのあたりの趣味は分かち合えたんでしょうか…。友達に勧めてはみたものの、いまいち芳しくなかったです(笑)。なので、友達とは『りぼん』の話をしつつ、一人で近所の古本屋をめぐり、つのだじろうさんなどのマンガを探してました。私の作品に怖さがあるとしたら、ルーツはそのあたりですかね(笑)。――今回の展覧会は、5年間の作品が一堂に会すると伺っています。そんなかわいさや怖さがたっぷり楽しめますね、楽しみです。今図録を作っているんですが、本当に仕事ばっかりしていたなと思いました(笑)。――その中には、生みの苦しみがあった作品もあると思いますが、考えても考えてもアイデアが出ないときは、どうするんですか?しょっちゅうあるんですが…。「きっと今日の夕方にはアイデアが出てるだろうな。そしたら早く帰れるかも!」って、“アイデアを出し終わって幸せな自分”を想像するんです。それでなんとかひねり出します(笑)。――ちなみに、アイデアが出た場合は、どんな素敵な夜を過ごすんでしょうか?えーと、おいしいものを食べたり、犬とゴロゴロ…。そのくらいですかね(笑)。よしだ・ゆに1980年生まれ、東京都出身。女子美術大学を卒業後、大貫デザインなどを経て独立。パルコやルミネなどのファッションビルや、ワコール、資生堂などブランドの広告イメージビジュアルを中心に、木村カエラ、CharaなどのCDジャケットも数多く手掛ける。12月1日まで、ラフォーレミュージアム原宿にて「吉田ユニ展『Dinalog』」が開催中。これまでに仕事で手掛けた作品に加え、撮り下ろしの新作や、また制作の裏側を垣間見られるラフスケッチや撮影に使ったプロップ、さらにはメイキング動画も公開。作品集も刊行される。※『anan』2019年11月27日号より。写真・小笠原真紀(by anan編集部)
2019年11月25日色使いやモチーフはとてもキュート。もう一歩踏み込んでディテールに寄って見てみると、かわいいに収まらない毒やアイロニー、エキセントリックさ、そしてユーモアが詰まっていて、もっともっとその奥が見たくなる。吉田ユニさんの名前を知らなくても、彼女の作品にハッとさせられたことのある人はきっと多いはず。そんな吉田さんの作品が一堂に会する個展「Dinalog」が開催されることに。その唯一無二の“かわいい”の源はどこにあるのか、根掘り葉掘りお話を伺いました。――吉田さんのご職業は“アートディレクター”であり、“デザイナー”だと思うのですが、例えば画家のような作品で自己表現をするアーティストとは、ちょっとスタンスが違いますか?そうですね。たぶん私の作品を見て、“自由に作っている”と思う方は多いかもしれませんが、私は企業やブランドの広告、ミュージシャンのCDジャケットなどの仕事が多く、そういうジャンルのビジュアル作りの場合、必ず“言うべき、伝えるべきこと”があります。つまり、お題というか、制約あっての作品なんですね。――その“言うべき、伝えるべきこと”というのは、広告主や、ミュージシャンの意見であって、吉田さんのお仕事は、それをビジュアルに落とし込み、伝えやすくすること、なわけですね。そうですね。私自身は、その制約の中で作品を作るのがとても楽しいし、お題があるというのも、クイズを解いているみたいな感じでとても楽しいし、好きなんですよね。制約という枠の中で、どれだけ伝えられるか、いかにギリギリを攻めるか、みたいな感じといいますか。――つまり、“吉田ユニらしさ”は、謎解きの方法で表現する、と。はい、そうですね。――その、謎解きをする快楽に目覚めたのは、この仕事を始められてからですか?大学のときです。中学から美大の付属に通っていたので授業で油絵とデザインを学んではいたんですが、中学や高校の頃は、それほど具体的な内容ではなくて。大学3年生で初めて広告デザインの授業を受けたときに、それまで自分にとって漠然としたものだった“デザイン”の輪郭が見えて、その“答えを導き出す”感じが、広告デザインはとてもおもしろいと思いました。また、広告ビジュアルって基本的には、たった一枚の絵でどれだけ強く言いたいことを伝えられるか、それが大事なんですが、そこに込める潔い感じにもとても惹かれました。――吉田さんの“謎解きの解法”はとても個性的だと思うのですが、どんなふうにその解法を導き出すんでしょうか?なんですかね…、自分も楽しいし、クライアントにとっても、それを見る人にとっても楽しい、そのベストなポイントを探すことを大事にしています。例えば、これかわいいな、おもしろいなと思っても、それが“私だけが楽しい”ものだったら、広告としては成立しないと思うんです。ちょうどいい塩梅を探すというか…。具体的に言えば、ブランドのカラーやそれまでのヒストリー、今の時代の流れ、あとはそのクライアントのファンの人たちがどう思うか…。そんなことを想像しながら、一生懸命とにかく考えるんです。例えばその広告が貼られる場所などが決まっていたら、そこに実際に行って、その前を歩いてみたりもします。それをすると、「こういう感じだったら誰も見ないだろうな」とか、「見るけど気に留められないだろうな」とか、Macの画面と向き合っているときには得られない感覚を得られるので、そういう感覚も大事にしてますね。あと最近だと、CDジャケットの仕事の場合は“アイコンになったらどう見えるか”とかも考えます。ウェブ上だと小さくなったりもするので、小さくても目を引くものや、大きくしたときにまた違った発見ができるアイデアを考えたり。よしだ・ゆに1980年生まれ、東京都出身。女子美術大学を卒業後、大貫デザインなどを経て独立。パルコやルミネなどのファッションビルや、ワコール、資生堂などブランドの広告イメージビジュアルを中心に、木村カエラ、CharaなどのCDジャケットも数多く手掛ける。12月1日まで、ラフォーレミュージアム原宿にて「吉田ユニ展『Dinalog』」が開催中。これまでに仕事で手掛けた作品に加え、撮り下ろしの新作や、また制作の裏側を垣間見られるラフスケッチや撮影に使ったプロップ、さらにはメイキング動画も公開。作品集も刊行される。※『anan』2019年11月27日号より。写真・小笠原真紀(by anan編集部)
2019年11月25日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「料理と音楽」です。東京に新居を構えたおかげで自炊する機会が増えました。かなりの頻度で料理をしています。実家にいるときはほとんど料理をすることがなかった分、東京に出てきて、自炊することにハマっています。で、キッチンに立っているときは、たいてい音楽を流しています。料理と音楽ってとても相性がいいと思うんです。料理は包丁を使ったり、火を使ったりと、目が離せないし、手もずっと動かしている。なので、テレビだとか気がそっちにいっちゃうものはあかんと思うんです。その点、音楽は聴くだけでいいものだし、野菜を刻むなど単調な作業をするときには、リズミカルにノリノリで楽しく時間を過ごすことができる。だから僕のクッキングタイムには音楽は欠かせないです。料理をするときの選曲は、普段聴かないような曲を流すようにしています。サブスクでUSトップ100やJ‐POPのトップ100を流すとか。一応、ミュージシャンという仕事をしているので、料理をしながら自分の勉強にもなるようにと考えて、いま流行っている音楽をチェックしています。と、ちょっと意識高くやっていますが、J‐POPのトップ100を聴いていると、あいみょんとOfficial髭男dismばかりで、くやしい気持ちにもなります…。めちゃくちゃリピートで聴きすぎて、もはやヒゲダンの曲はフルコーラスで歌えるようになりました。かなり好きです。みなさんも、ぜひ音楽を聴きながら料理してみてほしいです。選曲は自分の気分がよくなったり、アガるようなものがおすすめです。一緒に歌いながら手を動かすとストレス解消にもなりそうです。僕は、先に紹介したトップ100のほかには昔聴いていた懐かしの曲とかを流しています。ドラマの主題歌プレイリストとかめちゃくちゃ楽しいです。最近だと広瀬香美さんのプレイリストにかなりハマりましたね。なんか自分が20代OLになった気分になり、入り込んで鍋とか煮込めます。実際はひとり鍋なんですけど彼とこれからパーティする気分で煮込んでいます。むっちゃ、やってるわ~感でます。でも、広瀬香美さんはキーが高すぎて、全然一緒には歌えません。歌唱力もすごすぎて全然一緒には歌えない。だから、歌うことに熱中しすぎて煮込みすぎることもない。そこもちょうどいいんです。おかざきたいいく12/15、Zepp Fukuoka「ベリーグッドマンへの道 ツアー2019~武者修行編~」に出演。来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年11月27日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年11月24日映画やドラマはもちろん、近年は舞台でも高評価を得ている俳優の三浦春馬さん。来年3月7日から公演が控えているミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~』では、難役に挑戦。役作りに取り組む姿勢を、しいたけ.さんの「カラー心理学」で分析すると?――昨年放送されたテレビ番組で、しいたけ.さんは三浦さんをリーディングされたそうですが。しいたけ.:その節は無礼があったかもしれませんが…(汗)。三浦:いえいえ、無礼なんて全然ありませんでしたよ。しいたけ.:よかった、ほっとしました。今日もここに来る前に三浦さんをリーディングしたんですけど、どこからどう説明したらいいのか。それぐらい変な方で…。三浦:あはははは!しいたけ.:三浦さんは、運命的におもしろいタイプなんです。そういう人って、人生の中で立ち止まることができないんですよね。自分の人生に対して異様に飽き性で、死ぬような体験をしてからまた生き返る、みたいな。三浦:そうですか!しいたけ.:それに人間って自分の中にいくつか部屋を持っていて、「ここはまだ開ける準備ができてない」などと調整していたりするんですけど、三浦さんは「この人、絶対に気が合う」という人が現れると、全部の扉を開けてしまう。三浦:危ない。騙されそう(笑)。しいたけ.:そうなると、その人に埋め尽くされて死ぬ思いをするというか。でも、その状況に打ち勝って、むしろ成長につなげることもできる。スポーツの世界でいうと、コーチの教えを全部受け取ってしまう、みたいな感じです。三浦:「一度死ぬ」というのは強いワードですが、言い方を変えると教えに染まるとか、そこから復活するっていうことは、ピンとくるところがすごくある。やっぱり浮き沈みが激しい瞬間っていうのは自分にもありますし、だけどそれがあったからこそ生まれる表現や挑戦欲みたいなものは、この2~3年で大きくあったと思います。――その間、ミュージカル『キンキーブーツ』(2016年初演)などに出演されていますが。三浦:作品に入っちゃうと全力で進んでいけるタイプなので、作品で浮き沈みすることはないですね。それより、本当に悩んだり、沈んだりするのって、プライベートのことが多くて…。これから先、プライベートは軽やかにいきたいと思っているんですけどね(笑)。しいたけ.:三浦さんは、カラー心理学でいうと黒なんです。黒を持っている人は、「炎の渦中に自分がそんなに首を突っ込まなくてもいいんじゃないか」みたいな感じになって、悩みはだんだん薄れていきます。ただ、なれ合いとか社交辞令には全然同意ができなくて、とくに仕事だとそれがある種の攻撃性として表れてそうで。そういうネガティブな力も必要とする人なのかなって思います。三浦:…(苦笑)。いや~、でも今回の『ホイッスル』では、ネガティブなエネルギーをあんまり出したくないんですけど、たぶん「そんなんじゃダメだ」というような思いにかられる瞬間も、けっこう出てくる気がします。しいたけ.:それはなぜですか?三浦:荒訳された台本を読む限り、ストーリーが難しいんですよ。それをどうやって、お客様の心に響くエンターテインメントにするのか。きちんとお芝居を構築して、だけど突飛な演出も必要だろうし。そこでわりと自分の意見や、いろいろディスカッションしたいことも出てくると思う。でも、そこはやっぱり中心人物を演じる一人として、しっかりコミュニケーションをとっていけたらなって思っています。――三浦さんが演じる「男(ザ・マン)」は、どんな人物ですか?三浦:キャラクター設定としては、ある田舎町に逃げ込んできた脱獄犯なんです。でも、名前は語られないし、なんで捕まったのかもプロットに記されていない。それに彼が歌い上げる歌には、抽象的なワードがちりばめられている。そんな男の半生を自分の中でどう想像するかが、大事だと思っていて。心の中には、やるせないものが渦巻いているんじゃないか、とか。難しくはありますが、そうやって作っていったほうが、きっとおもしろいよね、と思っています。しいたけ.:ますます三浦さんは黒ですね(笑)。というのも、黒は「行きつくところまで行く」という人なんです。難しい役柄や、難しいとされる事案しか、最終的に黒は発見してこないんです。人生の選択肢においても「どうしてそっちを選ぶの!?」と言われる難しいほうを選びたい。従順な馬よりも、暴れ馬と一体化したい方です。――そんな黒の人が持っておくといい色ってありますか?しいたけ.:青とか水色ですかね。これ申し訳ないんですけど、黒の人は30~32歳ぐらいが転機で、今までの生き方に対して罪滅ぼしをしたくなるんです。自分勝手でごめんなさいっていう。「平和をまといたい」みたいなモードに入るので、そんな時にはクールな青や、大人の対応が得意な水色をそばに置いておくといいと思います。黒と相性がいいのは、壊し屋である白の女性。――三浦さんはしいたけ.さんに何か聞きたいことはありますか?三浦:なんだろう。黒と相性がいい色とか?人としてお付き合いするうえで。友人ももちろんなんですが、たとえば女性で!(笑)しいたけ.:それは白なんです。三浦:えー!白なんだ。しいたけ.:白は、頭のいい中学生みたいな人なんです。合理的で、無駄を嫌う。だから、たとえば黒は失敗も大事な経験だと思っているけど、白は「なんでそんなバカなことしているの」って思っちゃう。それに白は潔癖なところがあるので、黒が部屋にため込んだものを気づかぬうちに全部捨てちゃったりするんです。それが半分はムカつくんですよ。でも、だんだん心地よくなってくる。白は白で、黒と付き合っていくうちに黒の部分も出てくるから、二人は親友のような関係になれますよ。三浦:白がいいんだ。どうなんだろう。僕は自由にさせてくれる人のほうが…(笑)。なんだかんだ指摘されると、「だまっててー!」ってなっちゃうと思います。――では、黒を自由にさせてくれるタイプは何色ですか?しいたけ.:多少、黒を持っている人。黒はやっぱり物事の過程を大切にするので、それを語り合いたい人同士になると思います。三浦:うん、そういう人好きです。しいたけ.:黒路線に行くのか、白路線に行くのか、それも僕は運命だと思いますよ。三浦さんのように運命がおもしろい人って、人生の次のステージに行くタイミングで、「この部屋潰して、こっちの部屋を増築しましょう」みたいな強力な人と出会わされるんです。三浦:難しいですね…。しいたけ.:好きに生きていれば大丈夫。自ずと壊し屋が来るので。三浦:頭のいい中学生みたいな人かぁ。(昨年のアンアンの「カラー心理学」特集を見て)気になる子には、このテストをやってもらうことにしますね(笑)。みうら・はるま1990年4月5 日生まれ、茨城県出身。2020年3月7日から、日本初上演のミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド~汚れなき瞳~』に出演。ジャケット¥77,000シャツ¥39,000パンツ¥34,000(以上LITTLEBIG TEL:03・6427・6875)シューズ¥50,000(WH/オリエンタルシューズ TEL:03・6804・3280)その他はスタイリスト私物しいたけ.さん占い師。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究する傍ら占いを学問として勉強する。著書に『しいたけ占い 12星座でわかるどんな人ともうまくいく方法』(小社刊)、『しいたけ.の12星座占い 過去から読むあなたの運勢』(KADOKAWA)など。※『anan』2019年11月27日号より。イラスト・100%ORANGE写真・小笠原真紀スタイリスト・TAKAO(D-CORD LIMITED)ヘア&メイク・AZUMA(M-rep)インタビュー、文・保手濱奈美撮影協力・PROPS NOW(by anan編集部)
2019年11月21日二兎社公演43『私たちは何も知らない』に出演する藤野涼子さんに話を聞きました。初舞台の重圧と格闘中!?「自分を追い詰めるのも楽しい」まだ女性が封建的な家制度に縛られていた時代に、世間の批判をものともせず自らの考えで行動していた人たちがいた。雑誌『青鞜(せいとう)』は、当時、そんな女性たちが自らの言葉を発信していた場所。舞台『私たちは何も知らない』は、平塚らいてうを主人公に、『青鞜』編集部を軸に描いた女性たちの青春群像劇だ。「個性が大事にされる現代とは違い、彼女たちが活躍した明治から大正は女性が控えめであることが美徳でした。そんな時代にあって、自分たちの自由や個性を前面に出し、世の中と戦った女性たちが描かれています。私は普段、大勢の人の前であまり発言せずに内側にこもってしまうタイプなのですが、今回は自分を前面に出していこうと思っています」これが初舞台となる藤野涼子さん。「稽古初日の前日は不安で眠れなくて…」と言った後、「じつはいまもまだ緊張しています」と苦笑い。その藤野さんが演じるのは、平塚の後に『青鞜』を引き継いだ伊藤野枝。「作・演出の永井愛さんから資料としていただいた、野枝が『青鞜』に発表した作品を読み、その文章力に圧倒されました。いまの私と同じ19歳で物事をここまで深く考えて、書いていたのだと驚きました」自由恋愛を貫いたことで、世間から批判もあった人物だけれど…。「勉強にも青鞜社にも恋愛に対しても、嘘がつけないというか…。自分がやりたいことや思ったことに対してまっすぐな、ある意味でピュアな人だったのだと」15歳で映画『ソロモンの偽証』の主演でデビューを果たして4年。「普段の自分とは違う役の人物になる楽しさはもちろんですが、プレッシャーを感じる状況で、自分を追い詰めながらお芝居をしていくことにも楽しさを感じています」おとなしい印象だけれど、「マイペースで、やりたいことがあったら後先考えずに動いてしまって驚かれることもある」という。じつは結構“野枝っぽい”のかもしれない。二兎社公演43『私たちは何も知らない』20世紀初頭に、その先進的な思想が多くの女性たちに影響を与えた雑誌『青鞜』。その中心人物の平塚らいてう(朝倉)ほか、当時の女性たちの生き様を描き出す。11月29日(金)~12月22日(日)池袋・東京芸術劇場シアターウエスト作・演出/永井愛出演/朝倉あき、藤野涼子、大西礼芳、夏子、富山えり子、須藤蓮、枝元萌一般6000円25歳以下3000円(枚数制限あり。要証明書)ほか*すべて税込み二兎社 TEL:03・3991・8872(月~金曜10:00~18:00)地方公演あり。ふじの・りょうこ2000年2月2日生まれ。神奈川県出身。映画『ソロモンの偽証』でデビュー。近作にドラマ『ひよっこ』『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』、公開中の映画『影踏み』など。ワンピース¥155,000(ANTEPRIMA/ANTEPRIMA JAPAN TEL:0120・03・6962)その他はスタイリスト私物※『anan』2019年11月27日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・嶋岡 隆(Office Shimarl)ヘア&メイク・望月香織インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2019年11月20日音楽界を牽引するシンガーソングライターの山崎まさよしさんと、ダンスロックバンドで活躍しながら、俳優としても映画やドラマにひっぱりだこの北村匠海さんが、映画『影踏み』で兄弟役に挑戦。啓二(北村さん)が「修兄ィ」と慕うのは、プロの窃盗犯として生きる真壁修一(山崎さん)。刑期を終えて出所した修一は、啓二とともに気がかりな疑問について調べ始めますが…。ネタバレ厳禁の“異色の犯罪ミステリー”、その見どころを伺いました。――初共演だそうですが、お互いの印象について教えてください。山崎:初対面からしっかりした…いや、しっかりしすぎた若者で、兄弟役で逆に申し訳ないと思いました。北村:まさよしさんは、僕の両親が大ファンで。だからこの話がきた時は、まず両親が大喜びでした。山崎:今度ご両親と飲みたいわ(笑)。北村:あはは(笑)。音楽をやっている身としては大先輩なので、緊張しましたけど、初対面からとてもフランクに接してくださいました。とてもありがたかったです。――人間関係が複雑で、難しい題材ですが、どんなところを意識して演じられましたか?山崎:どこにフォーカスしていいかわからないぐらい話が入り組んでいるんですが、最後までずっと絶えずあるのが兄弟の関係性。だからそこを大事にしました。まったく似てませんが、兄弟ということにしてもらって観ていただければ(笑)。北村:あまり多くは語れないのですが、僕は啓二がより異質な感じに映ればいいかなって思って演じました。このミステリーは修兄ィと啓二の人間性が織りなすもの。最後に流れるまさよしさんが作った主題歌には、物語で描かれない二人の人間性まで表現されていて、余韻に浸れました。山崎:ありがとう。複雑だからこそエンドロールに流れる音楽をもって、話を集結させたいという思いはありましたね。――山崎さんはもともと原作の横山秀夫さんのファンだそうですが、犯罪者側を演じることで、横山作品の新たな魅力が見えたりしましたか?山崎:横山さんの作品はいつも、“民”と“官”の明快なせめぎ合いが面白くて、“官”の中でも人間の葛藤が色濃く描かれているところが好きなんです。「泥棒にしちゃってすみません」って横山さんから言われましたけど、でも僕は“官”の人間を演じるのはムリなんで(笑)。新たな…というよりも、横山作品の魅力を再確認した感じです。――お芝居をするうえで、ミュージシャン同士のあ・うんの呼吸みたいなものがあったりするのでしょうか。山崎:そういえば竹原(ピストル)も出演してるんだけど、北村くんは高校時代におっかけしてたらしいね。北村:そうなんです。東高円寺のライブハウスで、周りはお酒を飲んでる中、僕だけジュースで(笑)。山崎:撮影期間中は宿舎でみんなで酒飲んだりしたよね。あ・うんじゃないけど共通点は、みんな酒好き。北村:音楽の話もしましたね!山崎:でも北村くんは、芝居経験の少ない僕にちゃんと空気を作ってくれるし、歩み寄ってくれたりして。それは音楽やるもの同士なのかな。安心して悪党になりきれました。北村:僕なんて一番下っ端なんで、必死でしたよ。その必死こいてた感じが、空気を作ったとしたなら、食らいついてよかったなって。それにしても、まさよしさんのかっこよさは、ライブでも映画でも“山崎まさよし”を貫いているところ。近くでたくさん学ばせてもらいました。山崎:あとでなにかあげるね(笑)。映画『影踏み』真壁修一は、深夜、人のいる住宅に忍び込んで現金を持ち去る凄腕の“ノビ師”。ある日逮捕されて収監されるが、出所すると若者の啓二とともに、自分の逮捕にまつわる疑問について調べ始めるのだった。11月15日より全国ロードショー。©2019「影踏み」製作委員会やまざき・まさよし1971年12月23日生まれ。‘95年にシングル『月明かりに照らされて』でメジャーデビューし、翌年には主演映画『月とキャベツ』で俳優デビューを果たす。今作では音楽も担当した。シャツ¥16,000(Johnbull/ジョンブルカスタマーセンター TEL:050・3000。1038)Tシャツ¥18,000パンツ¥36,000(共にFACTOTUM/FACTOTUM LAB STORE TEL:03・5428・3434)ネックレス¥14,000(HARIM/STUDIO FABWORK TEL:03・6438・9575)バングル¥12,000(NORTH WORKS TEL:042・513・0927)靴はスタイリスト私物きたむら・たくみ1997年11月3日生まれ。ダンスロックバンドDISH//のリーダーでギター&ボーカルを担当。主演映画『サヨナラまでの30分』『さくら』『思い、思われ、ふり、ふられ』が来年公開予定。シャツ¥150,000カットソー¥45,000パンツ 参考商品シューズ¥74,000(以上ヨウジヤマモト/ヨウジヤマモト プレスルーム TEL:03・5463・1500)※『anan』2019年11月20日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・宮崎まどか(山崎さん)鴇田晋哉(北村さん)ヘア&メイク・三原結花(山崎さん)深見真也(Y’s C/北村さん)インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2019年11月17日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「初の映像作品」です。先日、初めてのライブ映像作品『岡崎体育ワンマンコンサート「BASIN TECHNO」@さいたまスーパーアリーナ』が発売になりました。ライブを映像化してほしいという要望はかなり前からあったんですが、僕が頑なに拒んでいたんです。やっている音楽がネタ要素の強いものが多いので、パッケージングしてしまうと鮮度が落ちるんじゃないかという危惧があり、なかなか踏み切れなかった。ただ、たまアリでのライブは長年目標にしていたもので、そこを目指してやってきたスタイルの集大成として、ひとつ形に残していいんじゃないかと思えたんです。だから、たまアリは最初から映像化するぞと決めて挑んでいたので、それを念頭においてライブの演出を考えたともいえます。どんなライブ映像がいいんだろうと、西野カナさんや関ジャニ∞さんなど、先輩方の映像をたくさん観させていただきました。どういうことが映像映えするのか、かなり研究をして、それで前々回のテーマ“ライブの定番”でもお話しした、アリーナライブといえばトロッコやセンターステージが定番で、それを自分らしくやろうという発想にたどり着きました。できあがった映像は、編集にも細部まで僕のこだわりが詰まっています。繰り返しになりますが、僕のライブはネタ重視。そのネタの面白さが伝わらなくては意味がない。例えばトロッコがコースをわざと逆走するシーンでは、きちんと逆走感が出てないと意味がない。そうすると、もっとわかりやすいカメラポジションのものに変えてほしいとお願いしたり、僕の表情を伝わりやすく抜いてほしいと言ったり。他のミュージシャンの方々はどれくらい編集に細かく指示を出すのでしょうか。人によりけりだと思いますが、細かい方はけっこう細かく、ここはこの表情を使ってほしいとか、こっちのアングルを使ってほしいとかあるようです。やはりアーティストですから、こう見せたいというこだわりがあると思います。ちなみに僕は、左の目だけ二重で顔は左半分のほうが男前です。だから、みなさんから見て右(上手)側からのほうがイケている。でも、僕はネタ重視なので、面白ければ、イケてない側からのショットでも迷わず使います。そこが逆にこだわりです。でも、上手側が確実にイケメンなので、そこはDVDを観てみなさんでぜひ堪能してください。おかざきたいいく12/15、Zepp Fukuoka「ベリーグッドマンへの道 ツアー2019~武者修行編~」に出演。来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年11月20日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年11月17日アクの強いキャラクターをはじめ、近年では爽やかな好青年まで幅広い役柄を演じている間宮祥太朗さん。デビューから11年。着実に役者としての存在感を増しつつあるいま、目指す俳優像とは?熱狂して大騒ぎしているのも嫌いじゃないです(笑)。――野球経験者の間宮さんですが、7月の甲子園の阪神-DeNA戦の始球式の芸能界最速記録、時速139kmが話題になりました。間宮:…(急に照れて)よくわかんないんで、あれはもうスルーしてくださって大丈夫です…(笑)。――でも、野球をやめてからも投げ込みしていたんだな、と。間宮:そんな…全然してないんです。練習する時間も場所も、相手もいないんで。ただあの時は、甲子園のマウンドだったんで、そこに立てていることに感慨深いものはありました。でも、立ったと思ったら、一球投げて帰ってくるだけの一瞬でしたから、喜びを噛み締めている余裕はなかったです。――でも、盛り上がりましたよね。間宮:そうですね。どよめきみたいなものは起こりました。――間宮さん、阪神ファンなんですよね。しかも金本知憲元選手のファン…。でも、ご出身は神奈川、しかも横浜出身です。間宮:実は僕の祖父が熱烈な巨人ファンだったんです。当時の巨人軍ってスター選手だらけで、まさに最強軍団って感じだったんで、それに対するカウンターの気持ちもあったんだと思います。――阪神ファンって熱狂するイメージがありますが…。間宮:嫌いじゃないです(笑)。ヤジが飛び交う雰囲気とかも嫌じゃないですし。――かつての映画好きな野球少年が、俳優になってたくさんの映画に出演して、その上、始球式で憧れの球団の試合でマウンドに立つことができています。夢を叶えたことに対する感慨はありますか。間宮:まあ…あります。でも、映画に出ることがすごいわけではないと思っているんですよ。バジェットの大小とか、役柄とかにこだわらなければ、本気で映画に出たいと思えば、それを叶えることは可能だと思うんです。それよりも大事なのは、“何をそこに残せるか”な気がしています。自分が映画を観る側だった時すごいと思ったのは、スクリーンのこちら側にいる観客に、後の人生に影響するような何か…置き土産のようなものを落としていってくれる作品だったり監督だったり俳優だったり、スタッフだったりしたんですよね。もちろん、自分が最初にスクリーンに映った時は、おお~っと思ったし、初めての主演映画は嬉しかったですけれど、出ているということで満足してはいないかな。――‘08年のデビューから、少しずつその演技に注目が集まるようになって、今の活躍ぶりがあると思います。何か変化を感じることはありますか?間宮:もともと「出られて嬉しい」っていうタイプではなかったんで、それこそさっきお話ししたように、クラスメイトのひとりという役でも出るからには何かを残したい、っていう気持ちが強かったんですよね。それはいまも変わらないんですけれど、当時に比べて作品における比重が大きくなっているので、その重さは感じています。出番が1シーンか2シーンだった時は、そこでいかに自分が作品に影響するかを考えていました。でも、ありがたいことに主演をやらせていただくようになって思うのは、自分が作品とか役に影響されていかなきゃいけないんだっていうこと。なんと言うか…以前は自分が先にありましたけれど、いまは役が自分よりも先にくるというか。そこの意識は変わりましたね。海外ドラマを見ている時によく思うんですけれど、あまり知らない俳優が演じているほうが、役に素直に感情移入できることが結構あるんです。それがたとえばジョージ・クルーニーがやっていたりすると、その存在感が強すぎて、ジョージ・クルーニーがやっている誰々として観てしまったりする。いま、観ていただく機会が増えていますけど、増えるほど提示するお芝居が既に観たようなものにならないようにしなくちゃいけないと思うし、物語に集中してもらうためにも、自分の名前が作品の中に邪念として入らないようにと考えています。間宮祥太朗がやっている誰々じゃなく、作品を観た人には役名だけが残ってほしい。そういうことを意識するようになったのは、変化といえば変化かもしれません。つねに自分についた作品や役のイメージを塗り替えていかないといけない。まだ自分は逃れられていないレベルなので。――たとえば、どなたか理想とする方はいらっしゃいますか?間宮:どなたかひとりというより、年上の俳優さんで活躍されている方はみなさん、すでにそこから解放されているように思います。どんな役をやっても信頼感があるし、その役に見える。ご一緒させていただいても、やっぱりとても魅力的だし、キャリアを積めば積むほどその魅力が増しているのがすごいなとは思います。いま話しながらなんとなく頭に思い浮かべたのは、30代後半あたりの先輩方なんですけれど、僕の年齢くらいの頃には同じように葛藤して、いろんなことを乗り越えてきていると思うんです。でもいま、流行り廃りに左右されるんじゃなく、新しいやり方で、自分の面白いと思うことを選択してやっている。その姿を見ていてとても感動するし、刺激を受けています。間宮さんが桜井日奈子さんとW主演した映画『殺さない彼と死なない彼女』は、11月15日に公開。退屈な高校生活を送る小坂れい(間宮)は「殺す」が口癖の青年。そんな彼がある日、リストカット常習者の“死にたがり”鹿野なな(桜井)に出会う。いつしかふたりは心を通わせ合うが…。漫画家・世紀末による同名漫画が原作。監督は小林啓一。まみや・しょうたろう1993年6月11日生まれ、神奈川県出身。2008年にドラマ『スクラップ・ティーチャー~教師再生~』で俳優デビュー。初主演映画『お前はまだグンマを知らない』のほか、映画『帝一の國』やドラマ『半分、青い。』などで存在感を発揮。近作にドラマ『べしゃり暮らし』、映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』。ジャケット¥58,000パンツ¥28,000(共にヨーク/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)Tシャツ¥20,000(リヴォラ/スタジオ ファブワーク)シューズ¥58,000(フット・ザ・コーチャー/ギャラリー・オブ・オーセンティック TEL:03・5808・7515)ソックスはスタイリスト私物※『anan』2019年11月20日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・津野真吾(impiger)ヘア&メイク・三宅 茜インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2019年11月13日これまで演じた役柄からか、テンション高めの人物像をイメージしていたけれど…。実際の間宮祥太朗さんは、たぎるような熱を秘めた、冷静でスマートな人でした。仲のいい女の子を雑に扱っちゃうの、身に覚えがあります。アクの強いキャラクターをはじめ、近年では爽やかな好青年まで幅広い役柄を演じている間宮祥太朗さん。デビューから11年。着実に役者としての存在感を増しつつあるいま、目指す俳優像とは?――最新作の映画『殺さない彼と死なない彼女』で間宮さんが演じた小坂は、周りの人間に興味が持てず、厭世的に生きる高校生です。なかなか屈折した一筋縄ではいかないキャラクターでしたが…。間宮:そうですか?自分のなかでは小坂はわりと一筋縄でいく…というか、共感できるキャラクターだったんです。まあ、口癖が「殺す」っていうのはどうかと思いますが、自分もどちらかというと口が悪いほうだし、仲のいい女の子に対して雑に扱っちゃうというのも身に覚えのあることで…。ただ、面白いなと思うのは、色のない毎日にうんざりしていた小坂が、同級生の鹿野の姿を見て思い立って話しかける。彼にとっては、このタイミングでそれがあったことが必要だったのかなって思うんです。――映画で小坂は、ハチの死骸を拾う鹿野を目撃して彼女に声をかけますが、鹿野の何が小坂を動かしたんだと思われますか。間宮:映画のなかで他のクラスメイトたちがそんなに描かれているわけではないんで、僕の印象ではあるんですけれど、同調圧力ってあったりするじゃないですか。クラス内で何人かが「あれが面白い」ってなると、それほど面白いと思っていない人もそこにのっかっていって、いつしか全員が「面白い」って言わないといけなくなる、みたいな。小坂はそういう同調圧力に囚われている同級生たちを見ていて、それでいいのって、思ってたんだと思います。僕もそうだし。だから、鹿野に心を開いたというより鹿野以外の人に心を開く必要性を感じなかったのかな、と。――間宮さんも学生時代、小坂のようなところがあった、とか。間宮:ありましたね。一時期。――いつ頃?間宮:14歳くらいの時に野球をやめたんですけれど、それまでは、通っていた男子校のなかで一番ヤンチャなメンバーが集まるなかにいたんです。でも部活をやめてからは、学食行っては内容のない会話をしているのが徐々に意味なく感じるようになって、映画の小坂みたいな時期がありました。たぶん、最初はちょっとスカしてる部分もあったと思うんです。でも、だんだんクラス全体を客観的に見るようになってくると、いっつも教室で誰ともツルまずに何かを読んでる奴がいるな、って気になり始めて、そいつと話すようになったり。だから、小坂のことがちょっとわかるというか。――そういう時期が、どれくらい続いたんですか?間宮:1年くらいですね。――わりと精神的に大人びたところがあったんですね。間宮:僕、小学校の頃から先輩と仲が良くて、中学の時も2つ上の先輩と遊びに行っていたんです。2年の差って大きくて、同級生たちとのギャップがあるのを感じていました。――中学生の時に芸能界に入ったのも影響していたんでしょうか。間宮:そこはあまり関係ないかもしれません。最初の仕事で、セリフがほとんどないようなクラスメイトのひとりをやったんですが、周りの子たちを普通に子供っぽいなって思っていましたし。――先輩と仲が良かったのは、なんでなんですか?間宮:昔から見た目がこんなんなんで、僕が先輩の目に付きやすかったんだと思うんです。それで、生意気そうだと思われたのか、向こうから話しかけられて仲良くなるみたいな。しかも僕も、先輩たちを相手に、必要以上に後輩を演じるようなこともなかったんで、面白がられていたのかもしれません。――では、いわゆる男子高校生的なワイワイしたノリみたいなものは、あまりなかったんですか?間宮:それもありましたよ。同級生とは同級生同士のノリも楽しんで、授業中にふざけたりもしてました。――当時の間宮さんが面白いと思っていたことってどんなこと?間宮:映画は好きでしたね。いまもそれは変わらないですけれど。あとは…音楽。それも変わらず(笑)。間宮さんが桜井日奈子さんとW主演した映画『殺さない彼と死なない彼女』は、11月15日に公開。退屈な高校生活を送る小坂れい(間宮)は「殺す」が口癖の青年。そんな彼がある日、リストカット常習者の“死にたがり”鹿野なな(桜井)に出会う。いつしかふたりは心を通わせ合うが…。漫画家・世紀末による同名漫画が原作。監督は小林啓一。まみや・しょうたろう1993年6月11日生まれ、神奈川県出身。2008年にドラマ『スクラップ・ティーチャー~教師再生~』で俳優デビュー。初主演映画『お前はまだグンマを知らない』のほか、映画『帝一の國』やドラマ『半分、青い。』などで存在感を発揮。近作にドラマ『べしゃり暮らし』、映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』。ジャケット¥58,000パンツ¥28,000(共にヨーク/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)Tシャツ¥20,000(リヴォラ/スタジオ ファブワーク)シューズ¥58,000(フット・ザ・コーチャー/ギャラリー・オブ・オーセンティック TEL:03・5808・7515)ソックスはスタイリスト私物※『anan』2019年11月20日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・津野真吾(impiger)ヘア&メイク・三宅 茜インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2019年11月13日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「イントロ」です。イントロとは曲の前奏部分ですね。最初の導入の部分でこれをどういう塩梅で作るかというのはとても難しいところ。曲の気分を伝えないといけないので、こだわりが必要なんですが、あくまで最初の出だしですから、本編が始まる前にあまりに凝りすぎて長くなってもいけない。個人的な感覚で言うとイントロが40秒以内くらいがちょうどいいんじゃないかなと思いますね。あまりにも長いと“それ、いる?”と思ってしまいます。でも、イントロの長さに美学を持ってやっているアーティストもいらっしゃると思うので、まあ一概には言えないところでもあります。僕の場合、頭から順番に曲を作っていくので、最初にイントロを手がけます。イントロを作るときに気をつけているのは、やっぱり期待感を持たせること。ライブなんかで、ギタリストがイントロのギターリフを弾くと客席が「きたーーーーっ!」と沸くシーンとかあるじゃないですか。あれはやっぱりゾクゾクするほどかっこいい。そんな印象的なイントロを作りたいなといつも思ってます。あと、イントロは当然ながら楽器がメイン。僕は、サビと同じコードを使ってイントロを考えることが多いですが、人が歌うサビとは違い、イントロでは人の声域では出ない高い音や低い音を使うことができます。盛り上げるならやっぱりキーの高い音を入れると、高揚させるような雰囲気が出る。高めのシンセの音を使ってガツンと盛り上げるイントロが僕は得意かもしれません。個人的に好きなイントロで真っ先に思いつくのが、ヘヴィメタルバンドのスリップノットの「Surfacing」。高い、引っ掻き音みたいな、叫び声のようなギターリフが印象的です。爆弾でも落ちてくるんちゃうか、というような不穏な空気感でばくばくと心拍数が上がる。それが音楽的興奮と結びついて、高揚感を煽られます。また、それとは真逆でしっとりした楽曲は低めの、落ち着いた音を使ったイントロが印象に残ります。僕の楽曲だと「鴨川等間隔」とかそっち側かなと。ちょっと切なめなギターリフが繰り返される感じがすごくいいんですが、これは実は、知り合いのギタリスト、クズノくん(the PARTYS)が考えてくれたものなんです。あのイントロあってこその曲だと思うので、彼のメロディリフを作るセンスがめちゃくちゃ活きた一曲だといえます。ぜひイントロに注目して聴いてみてほしいです。おかざきたいいく初の映像作品である、6/9のたまアリでのワンマンコンサートのDVD&Blu‐rayが発売中。来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年11月13日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年11月12日ドラマ『あおざくら防衛大学校物語』で主人公を演じる本郷奏多さん。主人公とご自身との共通点についても語ってくれました。「久々に、この世に存在していてもおかしくない普通の人間を演じました。僕、これまで命を狙われる役が多くて、いつも生きるか死ぬかでやってましたから(笑)」本郷奏多さんが指す“普通の人間”とは、現在放送中のドラマ『あおざくら防衛大学校物語』の主人公・近藤勇美のこと。高校3年の近藤は、実家の経済的な理由から、入学金と学費が免除され、しかも毎月手当が出るという防衛大学校へ進学することになった。上級生たちからの厳しい指導の毎日だが、仲間とともに喜びや苦しみを分かち合って成長していく青春物語だ。「原作を読むまで、防衛大学校の存在を知らなかったので、こんな世界もあるんだって驚いたし、もっと早く知っていれば僕も行きたかったかも、って思ったぐらい面白かった。この学校独自のルールや規則、学生たちの日々の生活は、普段はあまり目にすることがないですから。とくに1年生は寝る暇もないほど作業が多くて忙しいのが防衛大学校。ベッドメイクもシャツのアイロンがけも、1mmでもずれていれば『不備!』って怒られるし、“廊下は走れ”っていうルールにもびっくりでした(笑)。実際にお会いした卒業生によると3歩以上は走るそうです」近藤とご自身との共通点は多いという。「勉強と料理が得意、お金に細かくてお金が好き、なんでもそつなくこなすくせにこれといった強みはない、目に輝きがない…近藤くんと僕はそっくりです。見どころは、共演者がイケメン俳優ばかりなこと。男子校をのぞき見るようにドラマを楽しんでいただけると思います」『あおざくら防衛大学校物語』11月7日放送予定の第2話では、いよいよ防衛大学校の入校式を迎える近藤や個性豊かな新入生たち。ところが入校式を終えると、上級生の態度が激変する…。毎週木曜24:59~MBSドラマ特区ほかにて放送中!©「あおざくら防衛大学校物語」製作委員会・MBSほんごう・かなた1990年11月15日生まれ、宮城県出身。2002年、映画『リターナー』で俳優デビュー。映画『キングダム』や『Diner ダイナー』など話題作で、演技派俳優として知られる。シャツ¥29,000(エトセンス/エトセンス オブ ホワイト ソース TEL:03・6809・0470)中に着たTシャツ¥14,000(カズユキクマガイ/アタッチメント代官山店 TEL:03・3770・5090)パンツ¥31,000(コノロジカ/HEMT PR TEL:03・6721・0882)シューズ¥74,000(コモンスコード×トリッカーズ/アンドスクエア渋谷店 TEL:03・6427・4212)※『anan』2019年11月13日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・川地大介ヘア&メイク・松原美穂(Nestasion)インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2019年11月09日デンマークを代表する俳優であり、演技派として高く評価されるマッツ・ミケルセン。本作『残された者―北の極地―』は、その彼が「キャリア史上、最高に過酷な撮影だった」と語るスリラーだ。マッツが演じるのは、飛行機事故により北極圏に取り残されたオボァガード。孤独にサバイバル中の彼はある日、ヘリコプターの墜落を目撃。負傷した女性搭乗員を救出したオボァガードは、生命の危機に瀕した彼女を連れて、決死の旅に出る!極限状況で他者を助けられるか?という人間性が試される物語だ。次々に立ち塞がる困難に立ち向かうオボァガードは、とてもヒロイック。「彼をヒーローとみなすことはできるよ。でも実は、彼女こそが彼の救世主だ。当初サバイブするだけで、夢も希望も失った虚ろな目をした彼は、彼女が彼の人生に現れたことで、“生きる”ことがどういうことかを思い出すんだ。彼女のおかげで“生きる”意味を再び感じるようになる」負傷した女性を看病するために自身の寝床に運ぶオボァガードが彼女を長めに抱きしめる場面が印象的だ。「オボァガードがいかに人の温もりに飢えていたかわかる場面だね。人間はやはり他者がいてこそ生きられるんだと思う。僕と監督は、彼女のことを彼の娘や妻、母や姉妹といった彼にとって大事な人間を象徴する存在と考えているんだ」監督のジョー・ペナはこれが長編映画デビュー作の新人。脚本を読んだマッツは、監督が自身と同じ考えだったことで出演を決めたという。「オボァガードの家族や過去が描かれたり、負傷した女性と恋に落ちたりするんじゃないかと危惧しながら脚本を読んだ。多くの脚本家が陥るフラッシュバックの罠だよね。でもジョーの脚本にはそういう安っぽいシーンがない。誠実でピュアな物語であり、すごくいいと思った。彼の誠実な語り口は、映画界ではとても稀有だ」誠実な作品にすべく、極寒のグリーンランドで体当たりの撮影に挑んだマッツ。チャレンジが好きなの?「僕が選ぶのは極端だったり、ラディカルな作品が多いから挑戦好きに見えるかもしれない。でも僕が映画に求めるのはハート(真心)があるかどうか。この映画もお金はないけれど大きな夢を持つ若者の情熱が伝わる作品だと思うよ」『残された者―北の極地―』監督・脚本/ジョー・ペナ共同脚本・編集/ライアン・モリソン音楽/ジョセフ・トラパニーズ出演/マッツ・ミケルセン、マリア・テルマ・サルマドッティ11月8日より新宿バルト9ほか全国公開。©2018 Arctic The Movie, LLC.マッツ・ミケルセン1965年生まれ、デンマーク出身。『プッシャー』(’96)の麻薬ディーラー役で鮮烈なデビューを飾り、『007 カジノ・ロワイヤル』(’06)やTVシリーズ『ハンニバル』で注目度UP。※『anan』2019年11月13日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・山縣みどり(by anan編集部)
2019年11月08日一時代を築いた「渋谷系」のみならず、「1990年代の東京」の象徴ともいえるピチカート・ファイヴ。2001年の解散後も愛され続けてきたが、このたびベストセレクション『THE BAND OF 20TH CENTURY:Nippon Columbia Years 1991‐2001』が、7インチBOXとCDでリリースされることとなった。2020年には野宮真貴さんが加入30周年を迎えるが、野宮さんは「そういうタイミングもあるんですけど、小西(康陽)さんはDJでもあるし、自分が純粋にピチカートの7インチを欲しかったんだと思います」と微笑む。そんな小西さんの動機からも、「私はメンバーでしたけど、いちファンでもあります」と語る野宮さんからも、ピチカートへの愛情と誇りが感じられる。「私は幼い頃から、おしゃれも歌うことも好きで、歌手になる夢があって。それをピチカートで存分に叶えさせてもらいました。想像以上に、海外にも広がっていきましたしね」今でこそ日本独自のカルチャーが世界中で受け入れられているが、その突破口のひとつとなったのが、ピチカート・ファイヴの飛躍だ。「’90年代は価値観がガラッと変わった時期でしたね。アナログからCDになったり、インターネットが出てきたり。以前の日本では、音楽やカルチャーもイギリスやアメリカの真似をしていたところがあったけれど、あの時代はそれを十分吸収して、オリジナルのものを出せるようになった。だから海外に対するコンプレックスもなくて、東京が一番かっこいい都市だし、自分たちの音楽が世界一かっこいいって思っていました」野宮さんのファッションやメイクも注目され、カルチャー全体を牽引したピチカート。その役割は重荷に感じなかったのだろうか?と聞くと「全然!力が入ったことはないです(笑)」と、軽やかな答えが。「ステージに立つ以上、夢を届ける立場でいたいと思うんです。だからゴージャスなメイクや衣装でビジュアルを作り込んで、ピチカートの野宮真貴のスイッチを入れる。それで気分を上げて、自信をもらうんです」「1990年代の東京」の象徴ながら、今作を聴いていると、フレッシュなエネルギーが満ちてくる。野宮さんは「渋谷系は、アンチエイジング効果があるみたい(笑)」と笑うが、確かに代表曲「東京は夜の七時」が椎名林檎さんによってカバーされ、リオパラリンピックの閉会式に使用されていることでも明らかなように、その魅力は今も色鮮やかだ。「毎年恒例の私のビルボードでのライブも、今年は『野宮真貴、ピチカート・ファイヴを歌う。』と題して、ピチカートだけを歌うんです。こんなにピチカートの曲をたくさん歌うのは解散以来なので、楽しみですね。でも、懐メロにならないように、今の私が、20世紀のピチカートの曲を、21世紀のスタンダードナンバーとして歌おうと思っています。歌もビジュアルも進化させて、やっぱり好きって思っていただきたいです」野宮さんのピンと伸びた背筋と強い瞳は、当時も今も新時代の女性像を表現し続けている。最後に、美しく年齢を重ねている野宮さんからのメッセージをどうぞ!「いつでも“今の自分が一番いい”と言えるように、年を重ねて変化していく体や気持ちを、おしゃれや美容によって常にアップデートすること。それを最少の努力で“ほどほど”にやって効率的に美人になる方法があります。詳しくは私のエッセイをどうぞ(笑)」ベストセレクション『THE BAND OF 20TH CENTURY:Nippon Columbia Years 1991‐2001』【7inch BOX】¥25,000【CD 2枚組】¥3,200ピチカート・ファイヴとしてのコロムビアからのリリースは13年ぶり。長らく廃盤で入手困難だった名曲を小西康陽が完全監修。信藤三雄さんのジャケットデザインにも注目。のみや・まき北海道生まれ、1990年ピチカート・ファイヴに3代目ボーカルとして加入。2001年の解散後はソロ活動を行っておりビューティのプロデュース、エッセイストとしても活躍中。11月26日(火)から「野宮真貴、ピチカート・ファイヴを歌う。」を大阪、名古屋、東京で開催。今月には『おしゃれはほどほどでいい』(幻冬舎文庫)が刊行予定。※『anan』2019年11月13日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・冨沢ノボル取材、文・高橋美穂(by anan編集部)
2019年11月07日“あの子誰?”と目が離せない、いまどき男子の“U‐16男子”荒木飛羽さんに注目します!ドラマ『あなたの番です』で物語のキーとなる謎の少年を演じ、大きな話題を呼んだ荒木飛羽さん。実際、街中で気づかれることが増えたそう。「『あな番』放送の後、駅のエスカレーターで下りていたら、逆側から上がってきた女の人が僕に気づいてハッとなってて。ニコッと笑い返しました。ちなみに『あな番』の犯人は自分でも推理してちゃんと当てましたよ。『名探偵コナン』ファンなので」小1でスカウトされて芸能界入り。この美しい顔立ちを見れば、女の子に間違われたというエピソードも納得。「当時は、割とそういうことが多かったです。電車でおじいちゃんに席を譲ったら『ありがとう、お嬢ちゃん』って言われたり(笑)。今はもう声変わりもしたし、間違われなくなりました」山崎賢人さん、窪田正孝さん、片寄涼太さん、新田真剣佑さんと、イケメン俳優の幼少期を演じるたびに、注目度を増してきた。では、自身のことをイケメンだと思う?「(首をブンブン振りながら)全然そう思わないです。イケメンかどうか、気にもしたことないです。学校でもモテないですよ。バレンタインデーにもらうのも、友チョコばかりです」目標にする竹野内豊さんのように幅広い役を演じられる俳優を目指す。そのために、『ワイルド・スピード』や『バイオハザード』シリーズ、兄のように慕う高杉真宙さんが出演したドラマ『サイン』などさまざまな作品を見る。「演技の勉強をしようと見始めても、途中から純粋に楽しんでしまうんですけどね(笑)。演技は、こうしなきゃいけないという決まりがないし、自分ではできないことを役として体験できるのが楽しいです。現場ではまったく緊張しません。初めて出演した『死神くん』の時は、カメラの多さにびっくりして、お腹が痛くなってトイレにこもっちゃったんですけど、緊張したのはそれが最初で最後です。まったく人見知りしないですし、撮影現場でも学校でも、空気を読まずしゃべり続けてます(笑)。でも、取材だけは、何を話したらいいのかわからなくて…。今、緊張してます(苦笑)」そうは言っても、次世代スターらしいしっかりした受け答えが続く。でもまだまだ、中学生2年生。少年ぽさを感じさせる場面も。「お金も時間も無限に使えるなら、サバイバルゲームを永遠にやりたい。弾が当たった瞬間が、最高に気持ちいいんです」あのイケメン俳優の子供時代役、ぜんぶ荒木さんなんです!’15年:映画『ヒロイン失格』クールな幼なじみ、利太(山崎賢人)役荒木さんの解説…監督さんとマンツーマンで泣きの演技を特訓しました。その時は上手くできたのに、本番では練習の成果を100%出せず、悔しかった…。’16年:ドラマ『HiGH&LOW SEASON2』無名街のリーダー、スモーキー(窪田正孝)役荒木さんの解説…見たことない古い工場や団地がロケ地で、圧倒されました。窪田正孝さんたちのアクションがカッコいい!いつか僕もやりたいな。’17年:映画『兄に愛されすぎて困ってます』ツンデレ系の兄、はるか(片寄涼太)役荒木さんの解説…少年期を演じた3人と“兄こま”カフェに行って、ガチャガチャで(片寄)涼太さんのストラップを1回でゲット!ポーチにつけてます。’18年:ドラマ『トドメの接吻』完璧紳士の御曹司、尊氏(新田真剣佑)役荒木さんの解説…台詞が多くて、成長に繋がったと思う作品のひとつ。普段は乗り物酔いしないのに、船のシーンで気持ち悪くなっちゃったのも思い出です。あらき・とわ2005年9月28日生まれ、茨城県出身。’14年俳優デビュー。中学では弓道部に所属。得意科目は数学と理科。小1からパワーストーンを集め始め、お気に入りは50個以上。「きれいな石を見てると癒されます」シャツ¥34,000(ファクトタム/ファクトタムラボストア TEL:03・5428・3434)その他はスタイリスト私物※『anan』2019年11月6日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・丸山 晃ヘア&メイク・yumi(Three PEACE)取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年11月04日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ライブの定番」です。さいたまスーパーアリーナではライブハウスやホールではできない、アリーナクラスのアーティストがいつもやる「ライブの定番」を僕流に真似ようと思ってライブ構成を考えました。アリーナでのライブといえば、センターステージとトロッコは欠かせないだろうと、僕も用意しました。でも、花道が平均台なみにめっちゃ細いとか、センターステージに飾ってあるのがお花…と思いきや“えのき”とか、トロッコで回っているときに歌う曲が誰も知らない新曲でお客さん全然ノれないとか…定番をなぞりながらあえて外す面白さを岡崎体育らしく演出したつもりです。いつもの僕のライブでの定番というと、MCで「どこから来た?」と聞くことでしょうか。これは、はっきりいってマーケティングとしてやっていますね。とくにフェスなんかでは、どういう客層か統計をとるために必ず聞くようにしています。それによって急きょセトリを変えたりすることもあります。岡崎体育の今後の活動に活かせますから、これは大事な情報収集としてこれからも必ずやっていきたい。みなさんも、ライブで僕に聞かれたら正直に答えてくださいね。それとタオルいじりも定番ですね。ライブでは、そのアーティストのタオルを持ってくるのが通例ですが、僕はめちゃくちゃ目がいいので違うミュージシャンのタオルがあると目に入ってくる。それをいじっていたのがいつしか定番となりました。最近は、ミュージシャンどころかプロ野球選手とかサンリオのキャラクター、ポムポムプリンのタオルまで持ってくる人がいます。そこで「おい、誰がポムポムプリンやねん!」と、客席とコミュニケーションするのが楽しいです。あとは「次が最後の曲です」のタイミングで客席が「えー」となったときに発動する「ちょっと、それ」「どっちのえー!」というコールアンドレスポンス。これは最後の1曲と言うとお客さんは必ず「えー(残念)」となる。でも決まっていることだしアーティストは「うれしいけど、ごめんね」としか言えない。で、そのまま曲に入るとお客さんは「えー(残念)」という気持ちを引きずったまま、最後の曲になってしまいますよね。これはもったいない。そこでいったん、残念な気持ちをリセットしてくれるコールがあればと思い、生まれたもの。僕が始めたものですが、今ではマキシマム ザ ホルモンやヤバTも使ってくれています。おかざきたいいく6/9、たまアリで行われたワンマンコンサートのDVDとBlu-rayが発売中!来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年11月6日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年11月04日「休日はずっと家にいたい」と、一人の時間が好きないまどき男子。U‐22日本代表でもある、新世代スポーツ男子の川崎フロンターレ・田中碧選手にインタビューしました!一昨年、昨年とJ1リーグ2連覇を達成した常勝軍団・川崎フロンターレ。田中碧選手は、何十倍もの競争率を勝ち抜いた強者が集う同クラブアカデミーからの生え抜きだ。トップチーム昇格後はデビュー戦で初得点し、記念グッズも発売され、まさに「エリート街道」をひた走る。だが、順風満帆かといえば、「18歳の時に引退を考えるほど追い込まれた」そうで、「先輩の助言が重荷に感じた」時期も。自分に打ち克つべく、課題を書き出し試合で成功体験を重ね、今や東京オリンピックを担うU‐22日本代表になるほどの存在に。「MFという役割は、FWのような派手さはありませんが、僕を起点としてゴールが生まれるので、パス回しなどを見てほしい」努力家で負けず嫌い。アスリートならではの性格が垣間見えるが、自称「恥ずかしがり屋」。「点は決めたいけれど、目立ちたくないんです。友達がわちゃわちゃしてるのもそっと見ていたいし、休日はずっと家にいたい」とはいえ遊びに誘われれば全力で楽しむ。今は先輩とのゴルフが「超面白い」し、同期とは「恋バナで盛り上がる」と頬を緩ませる。「デートはどこがいいとか、そんな話題です(笑)。尊敬できる女性に惹かれますね。たまに天然なところがあると、キュンとします」夢を尋ねると「フル代表はもちろん、いずれはヨーロッパに移籍し、チャンピオンズリーグで優勝すること」と即答。チームカラーのサックスブルーから代表の藍色、そして未知なる色へ。変わりゆく「碧」を見守り続けたい。ここで会えます!先日のU‐22ブラジル代表との親善試合で2得点を挙げた田中選手。彼が所属する川崎フロンターレのホーム戦は等々力競技場で行われる。試合観戦のほか、練習見学もおすすめ。練習後は選手によるファンサービスも。©KAWASAKI FRONTALEたなか・あお1998年9月10日、神奈川県生まれ。ポジションはMF。U‐22日本代表。自慢のパーツは「大きなお尻!」。「ぜひ注目してください(笑)」※『anan』2019年11月6日号より。写真・小笠原真紀取材、文・伊藤順子(by anan編集部)
2019年11月02日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「本名と芸名」です。みなさまご存じかと思いますが、僕も芸名です。岡崎は、MC業をやっていた母が芸名として使っていた名字からとりました。本名の「岡」に「崎」をつけたのは母が所属していた事務所の社長さんだそうです。「体育」は、名前らしくない名前がよくてつけました。とても気に入っています。何がいいかというと、検索がしやすい。僕の名前は他の方とかぶることもないですし、略称にもならないので「岡崎体育」だけで検索をかければ、すぐに僕の情報にヒットするし、僕が検索してもみなさんのコメントにすぐにたどり着きます。キーワードとしてトレンドに乗りやすいのもいい。それは、とくに戦略として考えていたことではないんですけれど、結果的にいい名前だったなと思ってます。ファンの方々は「体育くん」とか「体育さん」と呼んでくれます。ミュージシャン仲間は「岡ちゃん」とか「岡くん」。それは本名の「岡」からなのか、岡崎体育の頭文字の「岡」からなのか、そこはなんかよくわかりませんが、まあ僕のアイデンティティは公私ともに“岡”にあるということで間違いないのかなと思います。ひとつ名前に関してこだわりがあるとすると「岡崎体育」の表記の仕方です。僕の中で「岡崎体育」はひとつのワード。名前というよりもプロジェクト名なんです。だから、つながっていないといけない。「瑛太」さんと同じシステムと考えていただければ分かりやすいと思います。でも、よく楽屋前とかに貼ってある名前は「岡崎 体育様」と、「岡崎」と「体育」の間に半角スペースが入っている。「瑛太」の「瑛」と「太」の間に半角スペース入れますか?入れないですよね。「岡崎体育」もそれと同じ扱いにしてほしいんですけど、なかなか分かってもらえません。雑誌などでプロフィールを書いていただくときも、平仮名で「おかざき・たいいく」と書かれてしまうけど、それも「・」は必要ない。実はこのananの連載でもプロフィールに「・」が入っていましたけど、今週号から取ってもらうことにしました。先週のバックナンバーとぜひ比べてみてください。でも、マネージャーは僕のことを「体育さん」と呼び、ディレクターは「岡崎くん」と呼ぶ。もっとも信頼を置く身近なスタッフさえ統一ができてないので、ま、みなさんには名前覚えていただけたら結局どっちでもええです。おかざきたいいく6/9、たまアリで行われたワンマンコンサートのDVDとBlu‐rayが、10/30に発売!来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年10月30日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年10月27日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ヒャダインさん」です。ヒャダインさんは、僕がデビュー前からむちゃくちゃ背中を追いかけている方です。自分が大学生のころからニコニコ動画の投稿などネットの世界では名を馳せていて、当時からすごく刺激を受けていました。ヒャダさん(普段お呼びしている呼称)が『情熱大陸』に出演された時には録画して、何度も何度も繰り返し見ました。ちょうど僕もひとりで本格的な音楽活動を始めようと決めた時だったので、ヒャダさんがどんな機材を使っているのか、どんな環境で制作をされているのか、すべて知りたかった。20回以上、見たんじゃないかな?何を言っていたかもほぼ覚えています。ヒャダさんの何がすごいかというと、タイアップや提供曲での寄り添い方。ももいろクローバーZなどのアイドルやアニメのテーマソングなど、幅広く楽曲提供をされているヒャダさん。クライアントや依頼してきたアーティストが求めているものや、いま必要なものは何かをすぐにのみ込んで、最適な形でアウトプットできる能力は本当にすごい。僕も制作者としてはクライアントに寄り添うタイプなんですけど、でもそれは水面下で下調べをしまくって、がんばってがんばって、やっと寄せて作れている感じ。ヒャダさんのようにスパスパとやってのける方にはリスペクトしかありません。ずっと憧れていたヒャダさんに初めてお会いしたのはデビューしてすぐのころ。日テレの『PON!』に出演した時、レギュラーだったヒャダさんの楽屋にご挨拶にいきました。リリースしたばかりの『BASIN TECHNO』を持っていくと、「もうタワレコで買ったから」と特典のシールまで見せてくれた。それから共演の機会も多く「終わったらごはんいこうよ」と誘ってくださって公私ともに仲良くさせていただいています。プライベートでお話をする時はずっと僕が質問しています。ほぼ音楽のことばかり。そうするとすごく丁寧に説明してくれて、話を聞いていて勉強になることばかりです。音楽に向かう姿勢もしっかりされていて、制作は日中に行うと決めているとか、ダラダラ徹夜で作業している僕からすると目から鱗。バラエティ番組に出ていたりするし、すごくポップな存在に見えますが、ガチですごいプロデューサーです。2000年代トップクラスの才能をお持ちなのに、音楽以外の話をするとネガティブでこじらせ男子な一面も見えて、そのギャップもまた面白いんです。おかざき・たいいく6/9、たまアリで行われたワンマンコンサートのDVDとBlu‐rayが、10/30に発売!来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年10月23日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年10月20日伊集院静原作の映画『駅までの道をおしえて』から、夫婦役で初共演となった坂井真紀と滝藤賢一、そして娘役の新津ちせという家族を映し出した本編映像がシネマカフェに到着した。本作で大切な存在をなくしてしまい、虚無感を抱えて日々を過ごす主人公の少女サヤカ(新津さん)を陰で支えるのは、坂井さんと滝藤さんが演じるサヤカの両親だ。今回到着した親子3人が揃った本編映像は、ペットショップで出会った白柴のルーが「誰にも売れなかったらお払い箱になってしまう」と聞いたサヤカが、ルーを飼いたいと両親に懇願する場面。簡単に命を引き取ることはできないと、まっすぐサヤカを見つめ優しく教える父と、自身の幼少期をふり返りそのときの思いを伝える母…。きっとどこの家庭でも同じようなやり取りが行われているであろう、この普遍的な家族の会話。本シーンの撮影に入る前は、監督から3人だけで過ごす時間が設けられ、ゲームなどをしてゆっくりと距離を縮めていったという。そんなおかげか映像からは、本物の家族のような自然さが感じられるようだ。『駅までの道をおしえて』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:駅までの道をおしえて 2019年10月18日より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開©2019 映画『駅までの道をおしえて』production committe
2019年10月18日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「東京進出」です。ついに東京に新居を構えました。東京暮らしはとても快適です。これまでもずっと東京と京都を往復して仕事をしていたので、急に東京に馴染めと言われたわけでもなく、逆に仕事終わりで新幹線に飛び乗り、遠距離移動する必要がない分、とても楽になったといえます。しかし、日々の生活を始めてみると、改めて実家のありがたさを感じます。布団のシーツを替えるのはこんなに面倒くさいんや、というのも初めて知りましたし、ちょっとしたゴミを放置しておくと、僕が片付けない限りそのゴミはずっとそのままです。実家だったら誰かが捨ててくれるのに、もう捨てるのは僕以外にいません。家族に家事をやってもらっていた分、僕は音楽に没頭できていたんだなと痛感しましたね。たまアリという大きな夢を叶えられたのも、この実家のサポートがあったからこそです。これからは、掃除や洗濯、料理など家事をやらないといけないので、音楽を作る自由な時間はかなり減ってしまうと思います。東京に出てきて、自由な音楽環境が手に入ったんじゃないかとみなさんは思うかもしれませんが、意外にも出てきたことで減りましたね。家事しないといけないんで。ミュージシャンなんだし、東京でもっと浮かれた暮らししてもいいんじゃない?と思う方もいるかもしれません。でも、僕はきちんと自分で生きていく力を身につけたい。“自立”したいんです。家のことも、仕事もきちんとできるバランス感覚を養うための東京進出です。だから、無駄な出費はしたくないし、自分でできることは自分でしたい。今も、食費は2万円以下におさえたくて自炊をしています。外食もしないし、コンビニで出来合いのものも買わない。安売りのパスタを買ったり、ふるさと納税でいただいたお米券でお米を買ったりしています。仕事場でお弁当が出たら貰って帰るというのも徹底してやっていますね。食費浮くんで。ミュージシャンって生活感出さない方が多いし、実際に外食しかしないとか、月に何十万も食にかけているという人もいます。そんな中で、岡崎体育は節約好きを公言するミュージシャンでいときたいと思います。好きなミュージシャンがMCでそういう話したら親近感あっていいと思うんですけど、どうですか?「昨日、サミットで茄子が安くてさー」とか話してたら、めっちゃかわいらしいと思うんですけどね。おかざき・たいいく6/9に、たまアリで行われたワンマンコンサートのDVDとBlu‐rayが、10/30に発売に!来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年10月16日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年10月13日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ライブ写真」です。ミュージシャンは写真を撮っていただく機会がなにかと多いです。アーティスト写真とかジャケット撮影、雑誌などの取材もあります。なかでもミュージシャンだけにある撮影といえばライブ写真じゃないでしょうか。ライブ中のミュージシャンをどれだけかっこよく撮るかというのは難しいことだと思うんです。大きい会場でのライブは、ゲネプロ(リハーサル)があるのでライブ全体の流れを理解することもできますが、いわゆるライブハウスやフェスなどでは、たいてい事前の打ち合わせというのがありません。時にはカメラマンがセットリストすら知らされていない場合もあると思います。そんな中で、ここぞという瞬間を逃さないというのはすごいこと。ミュージシャンのことを深く理解していないと撮れないと思います。ミュージシャンとカメラマンは信頼関係が必須。それは、作品と作品のぶつかり合いだからやな、と僕は思います。写真と音楽、それぞれの作者同士ですから。互いの才能を認め合っていればいるほどいいライブ写真に仕上がるんだと思うんです。…とは言いつつも、僕はライブ写真を撮っていただくのがすごく苦手。ライブ中は汗をかきまくるんで、どのアングル、どの瞬間も、びちゃびちゃなんですよね。びちゃびちゃだとどうしても小汚くて、かっこよくないですよね。…残念です。でも、そんな僕にもこの方、とリスペクトしているフォトグラファーがいます。デビュー以来、僕のアーティスト写真をずっと撮影してくださっている神藤剛さん。モンゴルで撮った最新のアーティスト写真も神藤さんの撮影です。僕はヒヨコ体質なもので、最初に見たものを“親”と思うところがあります。仕事仲間も友達も、長くずっと同じ顔ぶれでいたい、コロコロ変えたくないんです。写真も、最初に神藤さんにお願いしたので、「もうこの方じゃないとイヤ」になっています。実際に、神藤さんの撮影スタイルは僕にすごく合っています。よく撮影で「いいよ、いいよ!」とか「かわいいね!」とか、めちゃくちゃ褒めながら撮る人いますが、僕、アレ苦手です。被写体のテンションを上げたいのかもしれませんが、僕は言われなくても最高のポージング、表情をとることができるので、必要ないんです。神藤さんは、いつも静かに撮って「いいの撮れました」と見せてくれて、ちょうどいい感じなんです。おかざき・たいいく6/9に、たまアリで行われたワンマンコンサートのDVDとBlu‐rayが、10/30に発売に!来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年10月9日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年10月05日いま、「歩くパワースポット」の異名を持ち、あらためて注目を集めているひとりのミュージシャンがいる。それが湘南乃風・SHOCK EYEさんだ。“彼の写真をスマホの待ち受けにするといいことがある”、そんな噂が流れだした当時は、SHOCK EYEさん自身も戸惑いを覚えたという。「発端は、占い師のゲッターズ飯田さんに占ってもらったことだったんです。『いままで占ってきたなかで、1番か2番目に強運です』と言われ、シンプルに嬉しかった。でも、周囲の人たちが僕の写真を待ち受けにするようになってからは、僕の存在が本当に誰かの役に立つんだろうか…と戸惑いも生まれたんです。やっぱり、求められる以上は期待に応えたい。それからは自分自身も心を整えたり、ネガティブなことを発信しないようにしたりと、生活習慣をあらためるようになりました」“みんなの期待に応えたい”という想いから、日々の生活を振り返り、開運を導く丁寧な暮らしを心がけるようになったSHOCK EYEさん。その習慣を綴った自著『歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている小さな習慣』(講談社)は、発売してすぐに重版がかかるほど話題を集めた。SHOCK EYEさんが常に意識していること。それは“心を整えること”だ。「ただし、心とだけ向き合っていればいいのかというと決してそういうわけでもなくて、体のこともケアしなければいけないと思うんです。たとえば、お風呂に浸かってみたり、美味しいものを食べてみたり、きちんと睡眠時間を確保したり。心と体はつながっているので、健全な体が手に入れば、自然と心も整っていくんですよ」僕にとっての“お守り”、それはファンの存在です。SHOCK EYEさんにはとても大切な“お守り”があるという。それは高名な神社で購入したご利益のあるもの、などではなく、もっと身近にあるもの。そう、“ファンの存在”だ。「お守りって、それを持っていることで安心できるのであれば、どんなものでもいいはず。たとえば、子どもの頃から大事にしている消しゴムや定規なんかでもね。僕にとってのそれが、湘南乃風を応援してくれているファンの存在なんです。彼らがいるからこそ自分の存在価値を確認できますし、頑張ろうと気力が湧いてくる。きっと誰にだってそういう存在はあると思います。親友やパートナー、なぜか捨てられないもの、よく訪れるお店…。人や物、場所、なんだっていい。自分だけのお守りを見つけられると強くなれるし、日々が楽しくなるんじゃないかな」それでも悩み、迷ってしまったら、どうすればいいのだろう?「自分のやるべきこと、進むべき方向に思い悩んでしまうことがあったとしたら、まずは目の前にいる人が喜ぶことをする。それに尽きると思うんです。僕だって不安になることはあります。アーティスト活動をしながら、開運につながるお仕事も増えてきていて、方向性がブレてないかな…と悩んだりもするんです。でも目の前の困った人が笑顔になるならそれでいいじゃないか、と。そんなシンプルな考え方でいいんですよ」SHOCK EYEさん流“言葉のお守り”運を切り拓き、よりよく生きるためには、自分自身を見直すことが大切。anan総研メンバーのリアルな悩みに、SHOCK EYEさんが時に優しく、時に厳しく、言葉のお守りをくれました。Q. 結婚願望はあるのに、いまいち本気で婚活できないんです。(30歳・会社員)A. 結婚したいのならば、かっこ悪くてもまずは踏み出すべし。一歩踏み出せないのは自信のなさの表れかも。「自分に自信がないから、本気で婚活できないんじゃないかな?でもかっこ悪くたっていいんです。始めてみることがなにより大切」Q. いまの仕事を続けるか、転職するべきか、答えが出ません。(30歳・会社員)A. なんのためにそこにいるのか、自分に問いかけて。なんとなく、で続けていては時間の無駄かも。「自分がなんのためにその仕事をしているのか、あらためて問いかけてみたほうがいい。それで答えが出ないなら、辞めるべきです」Q. 私は子育てで家にこもりきり。なのに、自分だけ飲みに行く夫にムカつきます!(28歳・主婦)A. 目標は1年後!それまで夫のことも育てるつもりで。「すぐに解決しようとせず、ひとまず1年後の自由を目標に環境を整えてみては。男性の意識を急に変えるのは残念ながら難しいので、役割分担して少しずつ任せていきましょう」ショック アイ1976年生まれ、神奈川県出身。’03年、湘南乃風のメンバーとしてデビュー。近年は幅広いジャンルのアーティストに楽曲提供も。※『anan』2019年10月9日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・渕上カンヘア&メイク・大島千穂取材、文・五十嵐 大(by anan編集部)
2019年10月04日東京パラリンピックが開催される2020年まで5年間にわたり、世界最高峰のパラアスリートたちに迫る、WOWOWのドキュメンタリーシリーズ『WHO I AM』。その番組ナビゲーター&ナレーターを務めているのが俳優の西島秀俊さん。パラリンピックをより身近に感じられるドキュメンタリー。毎回8組のパラアスリートに密着してきた『WHO I AM』もシーズン4に突入。今シーズンで素顔を披露してくれたひとりが、車いすテニス日本女子エースの上地結衣選手。この度、ふたりのスペシャル対談が実現!西島:僕はシーズン1から番組に携わっていますが、パラアスリートに対する印象がだいぶ変わりました。もちろん選手たちの逞しさや、競技のおもしろさにも触れていますが、それ以上にこの番組では、パラアスリートたちの等身大の姿にフォーカスしています。自炊などの生活風景や、家族やパートナーと過ごしている時間など、リアルな日常の姿を垣間見て共感することが多く、今まで以上に選手たちを身近に感じられるようになりました。上地:ありがとうございます。最初はカメラの前だから、できるだけよそ行きの顔をしていましたが、長い期間密着していただき、番組のスタッフさんたちとも打ち解けて、だいぶ日常をさらけ出していますね。西島:そうそう、お母さんに対する、上地さんのつっけんどんな姿を見て、勝手に親近感を抱きました。上地:あれも素の自分です。今までは障がいを抱えていることに焦点を当てた取材が多かったのですが、今回は、一人の人間としてスポーツや日常を楽しんでいる姿をたくさん見せることができたと思います。西島:上地さんを含め、どの選手も、誰よりも人生を楽しもうとしているから、自然とあふれ出てくる言葉のひとつひとつに、僕自身、毎回勇気づけられています。そしていよいよ東京パラリンピックまで1年を切りましたが、今の心境は?上地:パラリンピックで金メダルをとることをずっと目標にしてきましたが、試合に勝てなかったり、取り組んでいることがうまくいかなかったりしたときに消極的な気持ちになることは幾度とありました。でも、このタイミングでこれまでを振り返るきっかけを番組が与えてくれたことで、自分を見つめ直すことができ、あと1年しっかり準備して挑もうと、改めて思うことができました。西島:応援しています。この番組を通して、東京パラリンピックに出場するパラアスリートたちの素顔を知ることができ、僕もパラリンピックを心から楽しめると思います。パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ『WHO I AM シーズン4』毎週土曜日10:00~、WOWOWにて放送中!「車いすテニス 日本女子のエース:上地結衣」はWOWOWメンバーズオンデマンドで配信中。詳しくは、[WOWOW WHO I AM]で検索。にしじま・ひでとし1971年3月29日生まれ。東京都出身。西田敏行とダブル主演する映画『任侠学園』が9月27日より全国ロードショー。ドラマ『きのう何食べた?』のBlu-ray&DVD BOXが絶賛発売中。かみじ・ゆい1994年4月24日生まれ。兵庫県出身。11歳で車いすテニスを始め、4大大会や数多くの大会を制覇。世界ランキング1位も経験。2016年のリオパラリンピックでは、シングルスで銅メダルを獲得。※『anan』2019年10月2日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・TAKAFUMI KAWASAKI(MILD/西島さん)藤澤まさみ(上地さん)ヘア&メイク・亀田 雅(The VOICE/西島さん)高橋 貢(上地さん)取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2019年10月01日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「令和に流行る音楽は?」です。時代は令和です。でも、体感としては令和の時代に生きているという感覚はまったくないですね。音楽業界を見回してみても、令和になって何か大きな変化があったか、というとそういうものも感じないですし、平成の終わりころから変わらずにずっと続いている感じです。でも、きっとそういうものなんでしょうね。年号が変わったことで世の中は新しい時代がきたと思っているけれど、実際に変化が形になるのはもう少し先のことなんじゃないでしょうか。機運が熟するのには時間がかかる。平成を代表する歌姫、安室奈美恵さんがデビューしたのも平成4年のことです。時代が変わったという大きな区切りは確実にあるので、その時代の象徴は必ず登場すると思います。で、それが何になるかは、今は正直予想したくない。僕も驚きたいですから。うわ、こんなんきたんやってびっくりしたいです。…って、びっくりしている場合じゃないですよね。その時代の象徴を作る可能性は僕自身にもあるわけで。センセーショナルな時代の流行を作るのは岡崎体育かもしれない。…それはその通りなんですけど、でも僕はぶっちゃけそういうタイプではないと思う。自分が時代をパイオニアリングすることはないと思うし、どちらかというと、僕はそれに乗っかりたいタイプです。流行っているものをいじったり、ひと口かましてくれ!とやっかんでいるのがちょうどいいポジション、というのが正直なところです。今のところでいうとソロアーティストの方が注目を集めていますよね。女性だとあいみょん、男性だと星野源さんや米津玄師くん。でも僕が思うに、何か新しい流れを作るのはそういう正統や本流のところ以外のような気がします。違う畑の、レールの外から道ができてくるのが令和の時代なんじゃないでしょうか。ユーチューバーとかティックトッカーとか、そういう場所で知名度がある人が音楽もやって新しいヒットが生まれるんじゃないかなと。あとは、業界自体がボーダーレス化していますよね。アイドルも国籍混合のグループが多数登場しています。韓国、中国、タイなどアジアと音楽業界は共有されるようになっていきそうです。それ狙って、岡崎体育はソニー・ミュージックのモンゴル支社を立ち上げたいと思います。アイドルの原石探し出して、日本発信のモンゴルアイドルを仕掛けたいですね。モンゴルと日本の懸け橋になれたら最高です。おかざき・たいいく6/9に、たまアリで行われたワンマンコンサートのDVDとBlu‐rayが、10/30に発売に!来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年10月2日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年09月30日葛藤する自意識と膨らむ異性への興味。そんな思春期の鬱屈を過激に描いた映画『惡の華』で、クラスの問題児である仲村(玉城ティナ)によって、自らの変態性を開花させていくこととなる内気な主人公・春日を演じた伊藤健太郎さん。「最初に原作を読んだ時は、なかなかすごい話だなと思いました(笑)。でも、思春期って誰もが通る道。一見、すごいことを描いているんだけれど、多感な時期に仲村さんみたいな人と出会えば、強く影響されてしまう気持ちもわかるんですよね。そこは観ていただければ、きっと共感してもらえるんじゃないか、と」監督の井口昇さんが原作を読み、自ら実写化に奔走し8年越しに実現させた作品。そこに春日役として白羽の矢を立てられただけに、「嬉しかったしありがたかった」一方で、「中学生の役だし、自分とはかけ離れたキャラクターだけに、俺が?っていう戸惑いも」。現場での監督の要求も高レベルだったようで…。「春日がブルマーの匂いを嗅ぐシーンで、分子まで吸い取るように演じてくれと言われたり…。秘密基地にパンツを飾るシーンの監督は、とくにイキイキしていました。監督含め、スタッフさんみんなが作品をリスペクトしていて、チーム全体で作り上げている感じが楽しかったです」なかには、仲村からブルマーをはかされ恍惚とする場面も。「ちょっと抵抗はありましたが、経験のないことなので面白いなとも思ってやっていました。仲村さんに殴られて悶えたりしているシーンとか、すごく春日っぽいなと」作品に引っ張られて、自身の変態性が引き出されたかどうか尋ねると。「ありました、ありました。撮影中の1か月間は、ちょっとそういうモードになっていました。ほぼ毎日、仲村さんに怒鳴られていたから、ない日が逆にもの足りない気がしたり、怒号を浴びせられながら、もっとないかなって思ったり。そういうM的な部分は、クランクアップしてすぐに引っ込みましたけど。ただ、役者ってみんなどこかM的な部分を持っている気がするんです。悩みたくないのに悩みたがったり、追い込まれたくないのに追い込んだり。でも、それがなくなったら、自分は役者として終了だとも思うんです」そして「春日のような自分と似ていない役を演じるのは燃える」とも。「自分とは全然違う役ほど興味が湧くんです。ただ、自分が経験してこなかったこと、見てこなかったものを想像だけで演じるのって限界がある。だから、とりあえず何でもかんでもかき集めています。嫌なことがあったり、ふざけんなって思うことも、いつかこの感情が使えるかもって持っておく。それでたまにキャパオーバーになるんですけど」今回の作品は、「男女や世代の違いで、いろいろな感じ方、捉え方ができる映画だと思う」と話す。「いち映画ファンとして思うのは、映画の見方に正解はないということ。自由に観て、自分なりの何かを感じてもらえたらいいなと思います」ちなみに、伊藤さんは女子から迫られるの、お好きですか?「好き好き。大好きですよ(笑)」このカラッとした素直さが、伊藤さん自身の魅力だ。「単にバカなんだと思います。ただ、自分から出てくる好奇心とか直感みたいなものは大事にしてるかな」『惡の華』憧れの女子・佐伯(秋田)の体操着を衝動的に持ち帰ったことをクラスの問題児・仲村(玉城)に目撃された春日(伊藤)。仲村に脅迫され、変態行為を強要されるうちに…。監督/井口昇脚本/岡田麿里原作/押見修造出演/伊藤健太郎、玉城ティナ、飯豊まりえ、秋田汐梨ほか9月27日全国ロードショー。©押見修造/講談社©2019映画『惡の華』製作委員会いとう・けんたろう1997年6月30日生まれ。東京都出身。ドラマ『今日から俺は!!』や映画『コーヒーが冷めないうちに』などで注目される。無類の映画好きで、『ムビふぁぼ』(TBS系)や『ZIP!』(日テレ系)で映画のコーナーを担当。カーディガン¥48,000(Y.O.N./STUDIO FABWORK TEL:03・6438・9575)トップス¥14,000(Kazuyuki Kumagai/アタッチメント代官山店 TEL:03・3770・5090)パンツ¥28,000(OURET/the par_k store TEL:03・6416・1056)ブーツ¥37,000(ASICS Walking/アシックスジャパン お客様相談室 TEL:0120・068・8069)※『anan』2019年10月2日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・高橋 毅(Decoration)ヘア&メイク・山田今日子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2019年09月29日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「民族音楽」です。前回、アーティスト写真の撮影でモンゴルに行ったと書きましたが、現地の伝統的な音楽を鑑賞する機会がありました。モンゴルの民族舞踊や馬頭琴の演奏、2つの音を同時に発声する独特な歌唱法のホーミーなどとても興味深かったです。民族音楽のエキゾティックな響きはとても刺激的です。ミュージシャンはそういうものにとても敏感だと思います。旅先などで出合った現地の音楽に触発されて、自身の制作に影響されるなんて話もよく聞きます。僕ももしかしたら、次のアルバムで馬頭琴の音を使ったり、ホーミーの歌い方を取り入れているかもしれません。あの難しいと言われるホーミーを奇跡的に習得できたらの話ですけど…。実は僕自身、民族音楽や楽器には小さいころに触れてきた記憶があります。というのも、僕が通っていた小学校が音楽にとても力を入れていて、世界中の音楽に触れる機会を作っていたんです。音楽準備室もめちゃくちゃ広くて、いわゆる金管楽器や和太鼓だけじゃなく、インドの太鼓のタブラや西アフリカがルーツの打楽器タンボールなんていうかなりマニアックな民族楽器まで揃っていた。実家には小4のころにタンボールを演奏するホームビデオが残っていると思います。秋には音楽発表会があって、学年ごとに様々なテーマで披露します。小5のときはお題が東北で「会津磐梯山」を歌って踊りました。あとはバンブーダンスやハワイアンダンスとかも。そんな音楽体験の中でとくに記憶に残っているのは、バリの民族音楽「ケチャ」をやった授業。「ケチャ」といえば今やアイドルのヲタ芸として知られていますが、僕がやったのはそれとはまったく違うガチのケチャです。いま思うと「ケチャ」を題材に取り上げるなんてめっちゃ攻めてる授業でええな!と思いますが、当時は「ククチャク チャク クチャ ククチャク チャクチャク」とかをクラスメイトとずっと繰り返し合唱するというのがなんか恥ずかしくて、照れながらやったのを覚えています。世界中には様々な音楽があり、その存在を教えてくれ触れさせてくれたのはありがたいことだったなと思いますし、僕の音楽制作にも少なからず影響を与えていると思います。岡崎体育の音楽って、なんでもアリだし間口が広いと思う。いろんな国の音楽、そこにしかない楽器の音色やリズムなんかもこれからどんどん取り入れていきたいと思います。おかざき・たいいく6/9に、たまアリで行われたワンマンコンサートのDVDとBlu-Rayが、10/30に発売に!来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年9月25日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年09月23日どこまでも実直で謙虚な人、という印象の高杉真宙さん。類まれなルックスと人気を誇りながら、それでもなお、「自分には何もできない」と語る。その心とは?仕事に懸ける正直な思いを聞いた。自分には何もできないと思っているので、ボロクソに言われても大丈夫。今年に入って連続ドラマ4作品に出演し、すでに封切られた映画は3本。さらに来年にかけて4本の劇場公開作が控え、なんと11月からは舞台にも出演。今、最も出演オファーが絶えない若手人気俳優の一人、高杉真宙さん。最新公開作『見えない目撃者』では、吉岡里帆さん演じる目が見えない元女性警察官と共に女子高生連続殺人事件を追う高校生・国崎春馬を演じている。――最初に脚本を読んだ時はどんな印象を受けましたか?高杉:こういう猟奇殺人を扱う本格スリラーは、海外ドラマを彷彿させるというか、あまり日本にはない作品だなと思いました。――春馬を演じる上で、一番こだわったのはどんなところですか?高杉:一番はじめにいただいた台本だと、春馬はもっと不良感が強かったんです。でも、それよりは何かを諦めている感じというか、他人に対して無関心な感じのほうが現代の高校生っぽいかなと。そこから徐々に成長していく姿を見せたかったので、最初のキャラクター設定はできるだけしっかり伝わるようにしたいなと思いました。――一番難しかったのは?高杉:やっぱり、クライマックスの追われるシーンです。なんというか、すごく想像の世界だったんですよね。例えば、泣いたり、怒ったりするシーンの場合は、演じる上で手伝ってくれるものがたくさんあるんですけど、追われている気分というのはなかなか経験することもないですし、とにかくその状況を想像して余計に恐怖心を作り出さないと、観ている人にも伝わらないんじゃないかと思ったんです。実際にはたくさんのスタッフの方が周りにいたりもするので、油断をすると現実に引き戻されてしまうというか、ふと我に返ってしまう瞬間もあったりして。でも、その追われているドキドキ感を体感できるのがこの作品の面白いところでもあると思うので、表情と息遣いを大事に演じました。――原作は韓国映画の『ブラインド』ですが、高杉さんはあえて原作は観ないようにしていると。高杉:そうですね。映像になったものは観ないようにしています。――その理由は?高杉:怖いんですよね。僕が演じるものを他の誰かが演じているということが。なんというか、どう頑張ってもそれに引っ張られてしまう気がするんです。それに、その人が時間をかけて作ったものはその人だけのものだと僕は思うので、それを目指すのも違うかなと。――自分で作るオリジナルのキャラクター像を大事にしたい、と?高杉:そうですね。もちろん台本があるので、誰が演じてもある程度は同じキャラクターになるというか、核となる部分に正解はあると思うんです。でも肉付けの仕方は人によって全然違ってくる気がしていて。まぁやっぱり、一番の理由は怖いからなんですけどね。――比べてしまうことが?高杉:例えば、その人の演技を見て“すごいな”と思っても、自分にそこまで辿り着けるほどのスペックはあるんだろうか、とか考えてしまうんです。基本的に自分は何もできないと思っているので。――これだけご活躍されていてもですか?高杉:いやいやいやいや、全然です。何もできないから、その分、誰に何を言われても大丈夫なんです。たとえボロクソに言われても、それは当たり前のことだから。――少しでも自信が出てきたな、と思ったことはないですか?高杉:ないですね。もちろん「これ、できる?」と聞かれたら、一応「できます」とは言うんです。でもそれは、できると思っているわけではなくて、できるところまで持っていくために自分にプレッシャーをかけるような感覚。できない中でどれくらいできるように持っていけるかということが、面白いところでもありますし。時間はみんなに平等にあるわけですから、努力次第だと思うんですよね。――それでも大きな壁にぶち当たってしまった経験はありますか?高杉:いっぱいありますけど、一番大きな壁は去年出演した舞台『メタルマクベス』の歌とダンスですね。僕、本当にリズム感がなくて音痴なんですよ。だから本番の2年前くらいにお話をいただいていたんですけど、その2年間はずっと、いうなれば夏休みの宿題の締め切りに追われる小学生のように、「もうすぐ舞台だ…」と思いながら憂鬱に過ごしていました。――そんなプレッシャーを抱えてまで、なぜ出演しようと?高杉:劇団新感線さんの舞台に出るのが夢でもあったんです。だからもう、練習あるのみだな、と。本番が始まってからもずっと、練習、練習の毎日でしたね。――高杉さんは小学校6年生の時にスカウトされて芸能界入りしたんですよね。それまで、このお仕事に興味はなかった?高杉:まっっったくなかったです。うちはアニメ以外、ドラマも映画も観ない家庭だったので。――それなのに、なぜやってみようと思ったんですか?高杉:2年間は拒否し続けたんですけどね(笑)。それくらい、興味がなかったんですけど、やると決めたからには適当にはやりたくなかったんです。出会う方もいい人ばっかりでしたし、現場で周りの人に迷惑をかけたくないと思っていたので、必死にはやっていました。ただ、演技が楽しいというところまで辿り着いていなくて、部活の延長線上のような感覚でしたね。――それが「仕事」という意識に変わったのはいつですか?高杉:映画『ぼんとリンちゃん』の時ですね。たしか、高校1年生の冬だったと思います。3か月くらいリハをして、さらに2か月近くかけて撮影をしたんですよ。舞台と違って映画でリハをするというのが初めての経験でしたし、一つの役をここまで突き詰めていったことで、演技の楽しさを知ったというのもあります。――というと?高杉:それまでももちろん、しっかり考えて演じてはいたんですけど、そこで初めてキャラクターは自分で作り上げていくものということを知ったんです。台本を読んで、スタートからゴールまでの間、このキャラクターを成長させるためには、この出会いとこのエピソードが重要なんだなとか、自分なりにパズルを組み立てていく感覚といいますか。リアルに寄せることだけがお芝居ではなくて、ちょっと大げさに面白おかしく演じてみたり、演じ方にもいろいろな種類があるということも知りました。『見えない目撃者』交通事故によって自らの視力と最愛の弟、そして警察官としての未来を失った浜中なつめ(吉岡)は失意の中、ある誘拐事件に遭遇。残された感覚で感じた手がかりをもとに、もう一人の目撃者・国崎春馬(高杉)と共に事件を追っていく。出演/吉岡里帆、高杉真宙、大倉孝二、浅香航大、田口トモロヲほか。9月20日(金)全国ロードショー。たかすぎ・まひろ1996年7月4日生まれ、福岡県出身。2009年、舞台『エブリ リトル シング‘09』で俳優デビュー。11月9日スタートの舞台『カリギュラ』に出演するほか、主演映画『超・少年探偵団NEO ―Beginning-』が10月25日、『糸』『前田建設ファンタジー営業部』が来年公開。「高杉真宙 10thメモリアルカレンダー」は10月3日発売。カーディガン¥16,000パンツ¥42,000シューズ¥54,500(以上シャリーフ/Sian PR TEL:03・6662・5525)カットソー¥12,000(ブフト/HEMT PR TEL:03・6721・0882)その他はスタイリスト私物※『anan』2019年9月25日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・石橋修一ヘア&メイク・堤 紗也香インタビュー、文・菅野綾子(by anan編集部)
2019年09月22日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「海外で仕事」です。新しいアーティスト写真の撮影などで7月下旬にモンゴルへ行ってきました。岡崎体育として、初の海外。僕、個人としても大学の卒業旅行以来なので、ほぼ10年ぶりの海外。もちろん、モンゴルは初めてです。飛行機は苦手ですが、日本から5時間ほどですし、時差も1時間程度しかなく、しんどさはほとんど感じませんでした。ただ、ご飯大好き和食党の僕には、主食が羊肉とパンであることと、温水洗浄便座がほとんどないモンゴルはなかなかのアウェイでした…。アウェイと思いながらも、僕の容姿や骨格的にはかなり大陸の雰囲気を備えているので、民族衣装をまとい、馬に乗って草原を駆ける姿は、かなりの本物感があったと思います。現地の方もその馴染みっぷりに驚いていましたし、僕もすごく自分のルーツを感じてしまいました。でも、帰る場所はここではない。やっぱり宇治の実家がいいと思いました。初めての海外でわかったことは、ミュージシャンにとって、自分が活動している国以外にいるというのは居心地がいいんだなということ。僕みたいな三流ミュージシャンでも、日本にいれば気づかれてしまいます。僕は自分のことでヒソヒソ話をされるのがすごく苦手なので、人の多い場所などに行くときは帽子を深くかぶって、コソコソとしてしまう。でも、モンゴルではそういうことを一切気にせずに、堂々と素のままでデパートでおみやげを買ったり、市場を歩いたりできた。よくミュージシャンが海外でレコーディングをするとか聞くと、調子にのってるな…とやっかんでいましたが、今回その理由がよくわかりました。レコーディングのような集中したい時期などは余計なストレスがかからない場所に行きたい。精神的に休まる場所に行きたいから、日本を出るのだと。でも、僕は実家で楽曲制作ができてしまうし、海外ツアーをするにもネタ曲が日本語以外だと通用しないと思うので、なかなか国外に出るのが難しいですが、今回、せっかくモンゴルに連れていっていただけたので、またMV撮影とか写真撮影で海外に行けたらいいなと思います。でも次にハワイとか行ったら、岡崎体育おもんないと言われてしまいそうで緊張します。次も“そこ行くんか!?”というところに行って、みなさんをびっくりさせたいと思います。おかざき・たいいく12/15(日)、Zepp Fukuoka「ベリーグッドマンへの道 TOUR 2019~武者修行編~」に出演。来年2/11(火)、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)でワンマンコンサート開催!※『anan』2019年9月18日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年09月14日