岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマはanan50周年を記念して「ananの表紙」です。――念願の『anan』 表紙体験はいかがでしたか?岡崎:いつか撮っていただきたいと思っていた『anan』のカバーグラビア。まさか擬似体験することができるとは…。本来はイケメンじゃないとできないことですから。いい見出しコピーもつけていただいて、最高です。実際に撮影を体験してみてわかったのは、寝癖ひとつ、手の位置ひとつ、顔の角度ひとつ、女性がきゅんとするポイントを押さえるのって意外と難しいってこと。みなさん、さらっとやってらっしゃるけれど、これはすごいテクニックなんや…と実感しました。尊敬です。――連載を始めることになって、最初どう思いました?岡崎:まず、それ絶対に俺じゃないやろと思いました。最初に出た言葉は「僕なんかで大丈夫ですか?」です。それこそ『anan』は、女性に人気のあるシュッとした男前が出ている雑誌というイメージ。どこにでもいる兄ちゃんタイプの僕が連載して、みなさん興味持ってくれるのかすごく心配でしたね。――『anan』には、どんなイメージを持たれていました?岡崎:これは連載する前から思っていたんですけど、写真がいいですよね。グラビアを見れば、いま誰がきているかとか、どんな子に注目すればいいかがすぐわかる。だから、まず写真をじっくり見ますね。あとは、女性の悩みとか、やりたいことを指南してくれる雑誌っていうイメージ。だから、世の女性たちはこういうことに迷っているんだなとか、こういうものが気になっているんだなっていうのを僕も「へえ~」と見ていました。――つい読んでしまう特集や企画はありますか?岡崎:占い特集は絶対読んでますね。――もし、ご自身でやるとしたら、やってみたい企画は?岡崎:『笑っていいとも!』のテレフォンショッキングみたいな企画がしたいですね。僕から始まって、友達を紹介していって最後どんな方まで繋がるか…。僕の憧れのハリウッドスターのウィル・スミスまで繋げたい。『anan』なら出演快諾してくれると思います!――『anan』のここが好き、というところはどこ?岡崎:毎週読ませていただいて、言葉のセンスがすごいって思ってます。表紙のフレーズとか。いつも勉強させていただいています。――連載は100回を超えました。続けてきていかがですか。岡崎:100回って、すごくないですか?こんなに続くとは思わなかったです。歴史ある偉大な雑誌で、こんなに長く連載させていただいていることに幸福感を得ていますよ!もう、いろんなところで自慢しています。地元の同級生に同窓会で絶対言います。「俺、『anan』で連載持ってんねん」って。そしたらみんなの見る目が変わりますから。間違いなく、連載は僕の自慢のひとつです!おかざきたいいく2016年5月メジャーデビュー。連載開始時(2017年12月6日発売の2081号)は京都・宇治の実家暮らし。昨夏、東京に移住。CMやドラマ、映画など、ますますマルチに活躍中。※『anan』2020年3月11日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・壽村太一ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)取材、文・梅原加奈衣装はスタイリスト私物(by anan編集部)
2020年03月10日6500万年前に誕生した原始の地球の風景が残る、世界自然遺産最後の楽園・小笠原諸島を訪れ、4年に渡り撮影をしたドキュメンタリー映画『プラネティスト』が4月11日(土)公開。この度、本作の本予告映像と様々な小笠原の夕日が写し出されたポスタービジュアルが到着した。小笠原諸島・父島で自然と共に歩み生きるレジェンドサーファー・宮川典継は、島を訪れる旅人を受け入れる島文化のパイオニア。小笠原を訪れ魅了された豊田利晃監督が、宮川氏との出会いをきっかけに住民票を島に移してドキュメンタリー映画の製作に着手した。そして、俳優やミュージシャンをここに呼び、歓喜と興奮に満ち溢れた奇跡と出逢う島とのセッションの瞬間が広がる――。『空中庭園』『泣き虫しょったんの奇跡』の豊田監督が、2018年版より再編集し新たに完成させた本作。出演しているのは、俳優・窪塚洋介や渋川清彦をはじめ、高次脳機能障がいを持ちながらディジュリドゥ奏者・画家として活躍するGOMA、元「BLANKEY JET CITY」の中村達也、孤高のギタリストのヤマジカズヒデ。さらに、ナレーションは小泉今日子が担当。また、窪塚さんの息子・愛流さんも一緒に島を訪れている。今回到着した予告編では、2011年に世界遺産登録された<ボニン・アイランド>小笠原諸島の海や島、空や星、優雅に泳ぐイルカたちなどが映し出される。そして、窪塚さんや渋川さんらキャストたちの姿も確認することができる。なお、この小笠原との出会いから誕生し、再々公演が決定した豊田利晃作・演出、窪塚さん、渋川さん、芋生悠出演の<ライブシネマ演劇+音楽+舞台>「怪獣の教え THE FINAL」が、4月24日(金)~5月3日(日)に横浜赤レンガ倉庫にて上演が決定した。『プラネティスト』は4月11日(土)よりユーロスペース、ジャック&ベティほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2020年03月10日2020年3月に50周年を迎えるanan。そんなananの「美乳強化塾」号で、田中みな実さんが見せた大胆な“肘ブラポーズ”は、その美しいボディが大きな話題となり、本誌は完売に。一大センセーションを巻き起こしました。そんな田中さんが当時の思い出を語ってくれました。写真集『Sincerely yours…』(宝島社)が60万部を突破し、2020年の頭から社会現象を巻き起こした田中みな実さん。「こんなに反響をいただけていることに驚いています。写真集のお渡し会に来てくれた9割が女性で、みんなキレイにメイクを施し、お洒落をして、そんな子たちに『みな実ちゃんになりたいんです』なんて言ってもらえて、こんな幸せなことあります!?にわかには信じられない気持ちです(笑)。これほど女性に関心を持っていただけるようになったのは、ananの『美乳強化塾』特集がきっかけだったと思います。ananは心理テストや恋愛、SEX特集など切り口がいつも斬新で、女性に刺さるものばかり。書店やコンビニに並んでいれば必ず目に留まるし、学生のころから手に取っていますね。カバーが毎号印象的で、ステキだと思っていたから、表紙のお話をいただいた時はうれしかったです!」とはいえ、本当は迷いもあったそう。「特集でもお話ししましたが、胸が大きいことをずっとコンプレックスに感じていました。局アナ時代はサラシを巻いてテレビに出ていたことも。カバー撮影時は30歳になった年で、若いころよりはハリがなく、形にも自信はなくて。ただ、お話をいただく少し前からパーソナルトレーニングに通い始め、カラダの変化を実感していた時期でもあったので意を決して、臨むことにしました」やると決めたからには中途半端にしたくない、そんな思いから生まれた“肘ブラポーズ”で表紙を飾り、その号は見事完売!「あれ以来、コンプレックスだった胸を愛でてあげられるようになりました。潰して隠すのではなく、胸に合ったブラをセミオーダーするようになったり、バストケアが習慣になったり。よく『どうしてそんなにストイックに頑張れるんですか』と聞かれますが、自分ではストイックとは思っていないんです。スキンケアやメイクなどの美容が元々大好きなのと、身長が低いことやカラダのバランスが決していいわけではないことなど、コンプレックスがあるからこそ、探究心を持ち続けていられるんじゃないかな。かつては自分が認めたものしか信じなかった私が、固定観念を捨て、他人の意見も信じていいのではないか、と思えるようになったのもこの特集のおかげ。ananは、自分のカラダと向き合うきっかけを与えてくれた特別な思い出です」No.2069(2017年9月20日号)撮影日は1カット目から“肘ブラポーズ”でした!「お尻もぺったんこだし、顔も幼くてどこか自信なさげ…。今は自分のカラダと向き合い、鍛えたことで自信が持てるように。それが表情にも出ている気がします。ちなみに表紙が撮影の1カット目(笑)。刺激的でした」たなか・みなみ1986年11月23日生まれ。2014年にTBSを退社し、フリーに。現在『坂上忍の勝たせてあげたいTV』(日テレ)、『グータンヌーボ2』(カンテレ)などMCのレギュラーを持つ。キャミソール¥29,000パンツ¥47,000(共にエアロン/コロネット TEL:03・5216・6518)サンダル¥43,000(ネブローニ/フラッパーズ TEL:03・5456・6866)リング(K18YG×アコヤパール)¥80,000(カラットアー/ISETAN SALONE 東京ミッドタウン TEL:03・6434・7975)※『anan』2020年3月11日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・NIMU(まきうらオフィス)ヘア&メイク・AYA(LA DONNA)取材、文・若山あや(by anan編集部)
2020年03月08日ある時は注目の俳優として、ある時は憧れの対象として、そしてある時は、男女の物語の表現者として…。2020年3月に50周年を迎えたananにおいても、登場を重ねるごとに、イメージを裏切っていく高橋一生さん。誌面を作り上げていく心構えは、芝居にも通じるものが。17年の「官能の流儀。」特集での、男女のセクシーなシーンがとても話題に。「当時の心境からすると、なぜ自分に白羽の矢が立ったんだろう…でした。発売されたのは大河ドラマ『おんな城主 直虎』と『カルテット』を同時に撮っていた時でしたが、撮影はそれよりも前でしたから」そう言ってにっこり柔らかな笑顔を向ける。「あのタイミングで、コイツを表紙にしてOKだと思ってくださっていたと思うと、ありがたいという気持ちしかないです。ananというと、名だたる俳優の方々や旬の男性方を取り上げてきたイメージがあります。その雑誌に“これからくるかもしれない”と言われるなんて、悪い気はしません(笑)」撮影時の感想を伺うと、「ただ撮られるのではなく、被写体として一緒に作品をセッションしている感覚で面白い体験だった」と話す。それはこちらも同じ。優しく、色っぽく、謎めいて…撮影イメージを伝えると、丁寧に咀嚼しつつ協力態勢で臨んでくれる人だ。「女系家族の中で育ってきているからか、女性が何を望んでいるのかに敏感なのかもしれません。自分の個性やイメージなんて、周りが定義する高橋一生というものをコラージュしてできていると思うんです。ならば、周りから求められているもの全部に応えていったらどうなるか…そこに興味があって」それを仕事で実践していたのが、まさにこの時期。挑戦を重ね、「回り回って、結局芝居に誠実に向き合うしかないんだって気づいた」と話す。ならば、雑誌の取材を受けることにはどんな意味を感じているのだろう。「刹那的でいいなと思っています。撮影でもインタビューでも、意図せず反射的に自分から出てくるものがあって、それが面白いよねとなることもあるんです。写真や文字に残ることで当時の自分を思い出すこともありますし、どんなに演じているつもりでも、誌面から自分の人間性が透けて見えることもあって…。それを含め楽しませてもらっています」そんな高橋さんらしく、次にananでやってみたいことも、「高橋一生でこれが見たいと声をかけていただいたもの」との答え。「本当はあるんですけれど、言ったら叶わなくなりそうなので言わないでおきます(笑)」No.2043(2017年3月8日号)あふれた愛が官能を生み出す。大人の色気漂うヌードが話題。発売が発表されてから、編集部には読者からの問い合わせの電話がひっきりなしで、あらためて高橋さんの人気を実感。「相手のモデルの方がものすごく緊張していらして、安心させようと反対に冷静になれた気がします」No.2070(2017年9月27日号)恋人に向けた眼差しの優しさ。幸せ感に満ちたグラビアに。人気企画「モテコスメ大賞」のなかで、幸せなカップルの甘い週末をイメージしたグラビアをスペシャルフォトブックで展開。インタビューでは、女性のメイクへの考えや、女性に美しさを感じる瞬間などについて伺った。No.2087(2018年1月31日号)斎藤工さんがチョイス。ふたりが名作の世界の中に。斎藤工さんとのコンビで登場いただいた「選択の技術。」特集では、映画の名シーンをイメージしたシューティングに。「工さんは、俳優としても監督としても大好きな人。その人とモノづくりができたことがうれしかった」たかはし・いっせい1980年生まれ、東京都出身。俳優。数々の映画・ドラマ・舞台で活躍。4月スタートの連続ドラマ『竜の道 二つの顔の復讐者』(火曜21:00~カンテレ・フジテレビ系)に出演。パーカ¥63,000パンツ¥69,000スニーカー¥69,000(以上マルニ/マルニ 表参道 TEL:03・3403・8660)その他はスタイリスト私物※『anan』2020年3月11日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・秋山貴紀ヘア&メイク・田中真維(MARVEE)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年03月08日若手俳優の頃から、クリエイターとしても幅広く活躍する現在に至るまで、キャリアの中のさまざまなタイミングでanan誌面にご登場いただいている俳優の斎藤工さん。2020年3月に50周年を迎えたananの数ある出演企画から、特に印象的なものを伺いました。今や“色っぽい男”の代表格でもある俳優の斎藤工さん。お一人ではもちろん、高橋一生さんや小嶋陽菜さんをはじめとするコラボレーション企画でも、誌面に男の色気と艶を添えてくれた。「(掲載誌を見ながら)顎に手を置いた写真が多いですね。これが、僕の“ananポーズ”なんだと思います(笑)。特に印象深いのは、一生さんとの撮影。僕が選んだ映画をテーマに撮るというお題があり、普段よりも企画に一歩踏み込んで参加した感覚がありました。緊張感もすごかったです。というのも、当時、一生さんは、僕にとっては初めて監督した長編映画の主演でした。映画の現場では言葉じゃないところで会話をしていたし、“撮り終わっても気安く一緒にごはんに行くのはやめよう”という、侍のような空気が漂っていたんです。だから、連絡先は知りながらもコンタクトをとっていなかった。この撮影は、そんな状況の中で久しぶりにお会いするタイミングだったので、すごく記憶に残っています。どなたかとコラボレーションする時は、予想もできない関係性を作為的に作るという作業がのっかるので、とてもクリエイティブだと思います」ananで撮影した写真には、「特別な空気感や品位が漂っています」と斎藤さん。「映画にも似たエモーショナルな感じというか、聡明な匂いと光のようなイメージです。自分で映画を作るようになり、目指す世界観をスタッフと共有するために心が動いた写真や描写をアーカイブしているのですが、その中にananの写真もたくさんありますから。すごいと思うのは、編集部の“旬”に対する嗅覚の敏感さ。この先注目されるであろう人をいち早く見つけ、パブリックイメージを膨らませてくれますよね。僕自身、『昼顔』に出演するまではananが自分の代名詞だったし、特徴のない俳優だった僕に、多くの方が『ananを見たよ』と話を振ってくれて、本当に助けられました。見た目の部分だけではなく、“自分がどういう男なのか”というような、芯をとらえた一面を照らしてもらっている気もします。アウトプットの強力な味方であり、出ることで箔が付く雑誌だと思います。今後も、ananと斎藤工だからこそできることをやれたら嬉しいですね。たとえどんなにくだけた企画だったとしても(笑)、僕がやることに意味を見出して、白羽の矢を立ててくださると思うので頑張ります」No.1652(2009年3月25日号)俳優仲間と一緒に立ち上げた演劇ユニットの集会に潜入。大竹浩一さん、波岡一喜さん、福士誠治さんと作った演劇ユニット「乱‐run‐」を紹介。「いち早く取り上げてくれたのがananさんでした。自発的に踏み出した活動をする時に、いつも背中を押してくれる。ありがたいです」No.1656(2009年4月22日号)斎藤さんのモテ手相を大久保佳代子さんが鑑定!日笠雅水さん指導のもと、大久保佳代子さんが斎藤さんの手相を観るというユニーク企画。「大久保さんとお会いするたびに、この話をしています。日笠さんは母の親友で、生まれた時から手相を観てもらっているんですよ」No.1833(2012年11月28日号)男のホンネ特集では、美しいヌードを披露。当時31歳。色気あふれるグラビアと、赤裸々な男心を披露して話題に。「ストーリー性のある撮影だったことを覚えています。僕自身、ananの一読者として、より興味深い誌面になればという思いを持って挑みました」さいとう・たくみ1981年生まれ、東京都出身。俳優。企画、原案、撮影、脚本、監督をつとめた映画『COMPLY+-ANCE』が公開中。出演する『糸』が4/24に、『騙し絵の牙』が6/19に公開される。シャツ¥84,000 タンクトップ¥68,000パンツ¥90,000シューズ 参考商品(以上ロエベ/ロエベ ジャパン カスタマーサービス TEL:03・6215・6116)※『anan』2020年3月11日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・川田力也ヘア&メイク・くどうあき取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2020年03月08日2020年3月、50周年を迎えるanan。そんなananにおいて、お茶目な表情満載の「手みやげ特集」、大人の男の色香が爆発する「SEX特集」など、お芝居同様、表現力の幅が毎回話題になる田中圭さん。初登場は15年前!撮影での思い出も多岐にわたります。田中圭さんのanan初登場は’05年。この頃多かったのが、恋愛特集内で男子の本音を語るインタビュー。「恋愛について聞かれるのは全然平気でしたけれど、いま過去の自分のインタビューを読み直すとむちゃくちゃ恥ずかしい。仕事に関しての考え方は当時からほとんど変わってないんですけれど、恋愛観について…その時その時の状況がモロに出てる…から(笑)」そして何といっても昨年のSEX特集では、その程よく鍛えられたたくましくセクシーな肉体を大胆に披露してくれた。「最初、マネージャーから裸での撮影があると言われた時は、いいカラダの特集だと思っていたんです。そしたらSEX特集だって聞いて俺が?とは思いましたが(笑)。企画の“幸せなSEX”というテーマも素敵だし、もともとそういうことは恥ずかしがったり、隠すようなことでもないと思っているので、そんなに照れもなかったし。ただ、あの時に撮影していたドラマ『あなたの番です』の現場で、意外そうな顔もせずに共演者のみんなが淡々と誌面を見ていた時は、『もうちょっと何かないの?』とは思いました(笑)」センシティブな内容にもかかわらず、明るく現場を盛り上げてくれた田中さんのおかげで、終始撮影は多幸感あふれる雰囲気に。「単純に撮影が…楽しくてしょうがなかったです。こういう撮影って、照れようと思えばいくらでも照れられるわけですけど、俳優としてのギアを一個入れて、相手のことを好きな気持ちで臨んだら、楽しくなって」以前は写真を撮られるのが苦手だったそう。「一昨年、取材の数がとても増えたんです。一番多かった時は月に60本くらい。でもそれをストレスに感じて仕事するのも嫌だし、そもそも相手に失礼だなと思って、楽しむ方向に気持ちを切り替えたんです。どうせそんなに続かないだろうし、スターになったつもりで、この状況を楽しもうって」もし次にananに登場されるならどんな企画がいいですかと尋ねると、「占いか、カラダを鍛える系か…」と悩んだ後、茶目っ気たっぷりの笑顔で「かわいい子とのデート企画はいつだってやりたい!」と。そんな田中さんに自身の50年後を想像してもらった。「かろうじて生きていたら、ちょっといい老人ホームに入ってゆっくり過ごしたいです」No.1464(2005年6月1日号)初々しい恋愛観も新鮮。記念すべき初登場号。田中さん初登場は恋愛特集。20歳当時のピュアな恋愛観を語ったインタビューを読み返し「こんなこと言ったかなぁ…言ったんだろうなぁ~」と苦笑い。この時の撮影は私服だったそうで、そこも懐かしんでおられました。No.2125(2018年11月7日号)贈り物を渡す前のワクワクをストーリー仕立てで撮影。ドラマ『おっさんずラブ』の大ヒット後、「取材の数がめっちゃ増えた」まさにその最中。「自分でプレゼントを作ったのを覚えてる」。手みやげ特集に絡め、自身でリボンをかけたギフトを持って外出するまでの物語に。No.2163(2019年8月14・21日号)彼女に向ける優しい眼差しとたくましいカラダで魅了。愛のあるセックスをテーマにカップルの幸せな休日をイメージして撮影。その潔い脱ぎっぷりも含め、真っ向から撮影に取り組む田中さんに、カメラマンもノリノリに。インタビューの飾らない言葉も“らしさ”全開でした。たなか・けい1984年7月10日生まれ、東京都出身。俳優。4月クールのドラマ『らせんの迷宮~DNA科学捜査~』(テレビ東京)に出演するほか、6月19日には主演映画『ヒノマルソウル』公開も。インナー¥25,000ニット¥138,000パンツ¥74,000シューズ¥120,000(以上Maison Margiela/Maison Margiela Tokyo TEL:03・5725・2414)※『anan』2020年3月11日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・山本隆司ヘア&メイク・大橋 覚(VANESSA+embrasse)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年03月07日2020年3月に50周年を迎えるananを30年以上間近で見てきた作詞家の秋元康さん。なぜananは50年続いてこられたのか、分析していただきました!劇的に効く“抗生物質”とゆるやかに効いていく“漢方薬”。ふたつのバランスをとりながら、新しいヒットを作ることが宿題。売れる雑誌を作り続けるというのは、想像以上に至難の業。「毎号毎号売ろうと思うと売れないものです。売れ続けるためには、“漢方薬”で長期的に体質改善を試みつつ、ここぞという時に“抗生物質”を投与することが肝心です」と、なんとも大胆な分析。「占いの特集や35年間も巻末を守り続ける、林真理子さんの書くエッセイは、読者の心にゆるやかに効いていく“漢方薬”なのかなって思います。一方で、ここぞという時は、King & Princeのようなスターで度肝を抜くという、“抗生物質”を投薬するのが編集の手腕」“抗生物質”を連続投与するのでは読者が疲れるし、何より効かない。そのさじ加減も長続きの秘訣のようで……。「これから先はじゃあどうする?と聞かれたら、そのふたつのバランスをとりながら、新しいスタンダードを作ることが宿題です。雑誌を手に取らせるためにはきっかけが必要。日頃はananを読まない人が手に取るような新鮮な特集や、例えばデビュー前の新人発掘などが課題なのかな」予定調和を崩すのも得意。「あり」と「なし」の間の「なしではない」を取り上げていく勇気が思わぬヒットを生む。50年続くanan。それはある意味、読者に飽きられなかったという証拠?「予定調和を崩してきたってことも、飽きられなかった理由の一つでは?この話をすると大抵の人は“奇を衒(てら)う”ことと勘違いする。でも予定調和を崩すと奇を衒うは似ているようで、同じじゃない」「あり」と「なし」の間の「なしではないのでは?」を取り上げる勇気が、予定調和を崩し、思わぬヒットを生むという。アナウンサーという職業でありながら、服の下に隠されていた豊満な美ボディをさらけ出した田中みな実さんの起用がその一例。「女性にとってそれまでは違う立ち位置にいた彼女が、美しい体を見せつつ、美しくなるためにこんな努力をしていますと堂々と語ったことで、女性たちから支持を集め、憧れの存在になったんです」誌面で女性モデルとの濃厚なラブシーンを演じた高橋一生さんも然り。ananが仕掛ける予定調和の崩しが、時に読者を強烈に引き寄せる吸引力なのだ。アイドルが好き、セックスに興味ある――。堂々としたミーハー視点。なにをやってもゲスにならないので、読者が安心して読むことができる。「ananは堂々とジャニーズのタレントが好き、恋愛やセックスにも興味があると表紙でアピールしてきた。これがファッション誌になると、今さらそんなことを言うのは格好悪いとか、恥ずかしいみたいなスタンスをとる。それじゃあ、視野が狭くなるんです」ananの良さはミーハーを堂々とやること、と秋元さん。そこに少しでも気取りが見えては、大衆ウケはしないと手厳しい。「例えば、ル・コルビュジエの建築の中でカツ丼を食べるから、皆の興味が集まる。そこで高級懐石料理を出すのでは、大衆は集まらず、一部のマニアな人にしかウケないことになる」ミーハー心を最大に生かし、旬のタレントを絶妙なタイミングで起用するのも強みだと。「外国人モデルばかりを使い、ファッションの最先端を強気に投げかける時代もありましたが、今は編集部全体で『ジャニーズがかっこいい!』と言っている。その潔さがむしろウケている」さらに何をやっても「ananだから」と、誌面が下品に転ばない強みもあると。「過去、ananで本木雅弘くんがヘアヌードになった時もそうでしたが、若いタレントが下着姿になっても、俳優が裸でラブシーンを誌面で演じても、ゲスにならない優位性がある。だからこそ読者も安心して手に取るんです」その優位性を保つために、今後は何を仕掛けていけばいいのだろうか?「ぜひ女の子の表紙でヒットを飛ばしてほしい。世間では無名でもananが目をつけた女優なりタレントが、表紙に起用される。なんでこの子が?と世の中がざわざわし、でもいいよね!と認められ、雑誌がヒットする。その揚げ句に、ハイブランドがその子と契約するなんて図式が作られた時に、ananはまた次の次元に行けると思う。ananという媒体力を世間に見せつけてほしい」50年続いた信頼やブランド力を強みに、今後も次の50年を目指したいanan。秋元さん、これからもananを見守り、支えてください!あきもと・やすし1958年、東京都生まれ。作詞家。高校時代から放送作家として活躍し、’83年以降、作詞家として、美空ひばりの「川の流れのように」など数々の大ヒット曲を生む。昨年、企画・原案の日曜ドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)は高い注目を集め、最終回には同枠最高視聴率を記録。※『anan』2020年3月11日号より。写真・小笠原真紀取材、文・今井 恵(by anan編集部)
2020年03月07日2020年3月、50周年を迎えたanan。そんなananにおける恋愛賢者であり、数々の企画にコメンテーターとしてご登場いただいた作詞家の秋元康さん。1986年に初登場以来、30年以上もの間、誌面を間近で見てきた立場から、なぜananは50年続いてこられたのか、分析していただきました。女性たちの興味関心を、定点観測で見つめている。いつの時代にもそこにある、北極星(ポーラスター)のような存在。ウェブをはじめとするSNSの台頭で雑誌不況がいわれる中、なぜananは50年続いてこられたのか?anan誌面のさまざまな企画に鋭いコメントを寄せ、連載していただいたこともある、作詞家の秋元康さんは、「ananが“ずっと変わらない”というのが大きな理由ではないでしょうか。今はネットの時代といわれながら、世間の人々が何に信憑性を感じるかといわれれば、それは圧倒的に新聞です。ネットにいくらスピードがあっても、人はニュースソースはどこ?と気にし、その記事の最後に『新聞』とあれば、本当だと信じる」と、語る。そこにはブレない軸があり、長い間人々から信頼される経験値があるからとも。「同じようにananには、女性たちの興味や関心を定点観測で見てきたという実績があるんです。ほかの女性誌も『ananがやっているから』と、取り上げる特集があったり、タレントを起用したりしていたのでは?」ファッションスナップ企画だったり、人気グループと共にトレンドを探ったり、形は変われどつねに女の子たちの興味関心にフォーカスする一方で、固定の読者層を狙わない誌面作りも、ブランドとしての地位を確立した大きな要因と分析した。「雑誌には読者層という年齢ターゲットがあり、そこを見据えた特集を組みがちですが、ananを見る限り、それがない。若い頃も一読者であり、年を重ねてからもananがそばにあるという女性が多いのでは?つまりananはいつの時代もそこにある、北極星(ポーラスター)のような存在なんです」そのブランド力が、タレントに与える影響も大きいと。「乃木坂46のメンバーたちも、他の雑誌だったら躊躇するような撮影も、ananだと本人たちがやりたいと前向きになる。そんな不思議な力も、ananの免罪符、ブランド力だと思う」長年の特集主義でありながら、その根底にある女の子の興味関心へのリスペクト。それこそがananのブランド力を作り上げた、礎なのかもしれない。「ananらしい」ってコピーが成立しない。変幻自在な存在でありながら、やっぱりどこかananだから。ananという名前の聖火リレーは、時代を経て受け継がれていく。「ananのおもしろさは、歴代編集長たちの聖火リレーの成果ともいえる」ananという聖火を消さないよう、歴代編集長が大切に引き継いできたものを、秋元さんは横目で眺めながら、時に手を差し伸べてくれていた。「その中の何人かは、伝説と呼ばれる偉大な編集長。でもどの編集長も決して前任者を必要以上に気にせず、己は己、の道を貫いていた。先代の道を頑固に守る人もいなかった。それをやってしまっては、衰退しかないからです」時代ごとに、その時の編集部がおもしろいと思うことを取り上げていた故に、「ananらしい」というコピーは成立せず、何色にも染まれるananであったのが、50年間続いた理由のひとつでは?と推測。実際、’90年代のananは恋愛や好きな男の企画が組まれていたが、2000年代では『おそ松さん』『天気の子』などのアニメーションやK‐POPスターが表紙になることも。時代時代において“おもしろい”ことが移り変わったことが、まさに見て取れる。「雑誌作りとは、雑誌の名前の呪縛にとらわれてはおしまい。むしろその時の編集者が、おもしろいと思うことをやればいいんだと思う。でもそれをまとめる編集長がブレずに歴史を引き継ぎ、どんな特集を組もうとananという半径何cmの中から外れることはなかったんです。それこそが目に見えないananらしさでは」僕たちが恋愛マスターだった時代。「モテる、モテない」という立場でなく、それぞれの分野からのアプローチ、切り口で恋を考えることがおもしろかった。恋愛、ダイエット、セックス、ひとり暮らしなど、’90年代のananは女の子の夢を具現化する、橋渡し的な企画を多発していた。さまざまな企画の際に、読者の兄的な立場から、頼りになるコメントをくださっていたひとりが秋元さんである。実際秋元さんは、’93年3月から1年間、恋愛をベースにした「君は、どこでこのページを読んでいるのだろう。」という恋愛小説を連載していた。また特集ページでは、「僕と漫画家の柴門ふみさん、作家の林真理子さんで、数々のお題を与えられては座談会をしていました。とくに多かったのが恋愛にまつわる話。なぜ僕ら3人が恋愛を語ったかというと“恋愛という生き物”を、引いた位置からおもしろく見ている立場だったから」3人がもっとモテる人種だったら、語ってもおもしろみがなかったよねと秋元さんは笑う。「期せずして作詞家、漫画家、小説家という、それぞれのレンズで恋を研究する3人が集まっていた。林さんのように“ルンルンを買っておうちに帰ろう”的な、恋に純粋にまっすぐ立ち向かう人。柴門さんのように恋を冷静に分析し、ちょっと斜め上からの視点を持った人。それぞれの恋愛観を聞くのは、本当に楽しかった」時にシビアに、時に優しく、恋する女性たちの悩みに向き合い、語ってくれた恋愛マスターたち。この時の内容が、その後に続くananの恋愛特集のお手本となったといえそう。あきもと・やすし1958年、東京都生まれ。作詞家。高校時代から放送作家として活躍し、’83年以降、作詞家として、美空ひばりの「川の流れのように」など数々の大ヒット曲を生む。昨年、企画・原案の日曜ドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)は高い注目を集め、最終回には同枠最高視聴率を記録。※『anan』2020年3月11日号より。写真・小笠原真紀取材、文・今井 恵(by anan編集部)
2020年03月06日注目の若手ガールを紹介する人気コーナー「It GIRL」。いまでは大活躍中の新木優子さんも登場していました。ananとの思い出を振り返っていただきました。女優人生の節目に呼んでいただいたanan。2014年「次世代レディ10人を探せ!」でananに初登場し、その半年後には「It GIRL」に登場してくださった新木優子さん。初登場から約6年、あっという間に主演やヒロインを務める演技派女優に。その間、「女優とファッション」企画でフレンチシックなスタイリングを着こなしたり、別の号では仕事のことからプライベートの過ごし方まで語るロングインタビューなど、様々な切り口でご登場いただきました。「ananは、私の女優人生の節目節目に呼んでいただいた、思い出深い雑誌です」と新木さん。「初登場で行った中華料理屋のママのキャラがめちゃくちゃ濃くて、可愛かったのを思い出しました。そういえば『また来ます』と言ったきりで…。行かないと!(笑)『It GIRL』は編集部の近くの公園で撮影したんですよね!どの撮影も、スタジオやお店の場所までしっかり覚えていますよ」特に印象的な撮影は、やはり大沢たかおさんと表紙を飾った「モテコスメ」特集だそう。「当時私は21歳でしたけど、でも不思議と、緊張するよりも楽しんで臨めた撮影でした。大沢さんは時には『このシチュエーションどうする?』なんて相談してくださりながらも、年の差があったからこそ、ほとんどリードしてくださったのが印象的だったし、安心してお任せしてしまいました。ドラマティックな撮影でしたね」特にこの6年間は女優としてステップアップできた時期で、密度が濃かった、と振り返る。「じつは女優の仕事を始めてから、声を褒めていただくことも多かったんですが、ついに昨年、映画『トイ・ストーリー4』に初めて声優で参加させてもらいました。声だけの表現って難しくて反省点もたくさんあって。それまでいかに衣装やヘアメイクに助けられていたかを実感できたし、お芝居を続ける糧になりました。そういう意味ではananの撮影も、いろんなシチュエーションを用意していただけるから、毎回新鮮で刺激的なんです。次の撮影?ボウリング場やゲームセンターなどほかではできない場所で撮影してみたいですね。それにしても、創刊50周年って本当にすごいですね。50年後、私も女優としてしっかり立っていられるよう、頑張ります」No.1932(2014年11月26日発売)「次世代レディ10人を探せ!」「若い~(笑)。揚げパンを魚介のスープに浸して食べたのが本当に美味しかった!」No.1956(2015年5月27日発売)「It GIRL」「転機となった『ゼクシィ』CMの頃で、anan に出たことがすごく嬉しかったです」No.1971(2015年9月16日発売)「モテコスメ特集」、表紙(大沢たかおさん×新木優子さん)「大沢さんが素敵すぎて、撮影中、スタッフのみなさんが『キャーキャー』言ってましたね(笑)。後日出来上がった誌面を見た時、少し恥ずかしかったのを覚えています」あらき・ゆうこ1993年生まれ。女優、モデル。ファッション誌『non-no』専属モデルを務めるとともに、ドラマ・映画にも多数出演。2nd写真集『honey』のメイキングを収めたブルーレイ『Making of ハニー』が3月9日に発売。フジテレビ系4月期月9ドラマ『SUITS/スーツ2』に出演。ドレス¥154,000(ISABEL MARANT/イザベル マラン TEL:03・5772・0412)※『anan』2020年3月11日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・石田 綾ヘア&メイク・田中陽子(Lila)取材、文・若山あや(by anan編集部)
2020年03月06日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「振り付け」です。ステージで踊っているので岡崎体育はダンスが上手いと思われがちです。実際に、踊ること自体は大好きです。ライブだけでなく家でも音楽をかけてしょっちゅう一人で踊っています。ただ、それは音楽に合わせて即興で踊るのが好きなだけ。実は、振りの付いた踊りがめちゃくちゃ苦手です。他人が考えたダンスを周囲とシンクロしながらその通りに踊ることがどうしてもできません。それでもCMやMVで踊る機会がある。そういうときはもう必死に覚えるしかないのですが、なかなか覚えられません。本番前にしっかり教えてもらって、自主トレもしていても、本番で必ず失敗してしまいます。もうイヤになります。まず、どうしても踊りながら「あれ、次の動きなんやったっけ?」とか考えてしまう。それで躍動感が出なくなり失敗する。本気で僕にダンスを踊らせたいなら1年前くらいから仕込むしかないのでは…と思います。それくらいみっちり体に覚えさせないと、にこやかには踊れません。でもたいていの場合、収録の前日とかに振り付けのビデオが届きます。もっと慌ただしいと当日に振りを付けて収録というのもある。もうそういう場合は、とにかく振り付けを簡単にしてもらうしかないです。それか、僕だけアドリブ踊りでいいということにしてほしい!先日もNHK BS4Kの特別番組『8Kで体感!スポーツの魅力~岡崎体育~』で、マキタスポーツさんと私立恵比寿中学の中山莉子ちゃんとダンスを踊りました。僕とマキタスポーツさんはそれぞれ10回くらいNGを出しましたが、莉子ちゃんはすぐに振りが頭に入ってミスもしない。これはもう、ローティーンのころから踊っている人の特性だなと思いました。ダンスは一朝一夕でできるものではないと痛感しました。僕の仲良しでダンスの上手な方といえばw-inds.の橘慶太さん。彼なんかは、プライベートで一緒に買い物をしているときでも動きがなんか踊っているよう。手とかリズムのとり方が普段からかっこいいです。踊ることへの意識がそもそも違う感じがします。でも、そうなるには地道な鍛錬が必要です。僕なんかまずは基礎からですね。長い道のりになりそうです…。でも、基礎さえ入れば僕は応用が利くタイプだと思う。振り付けもどんどん覚えられるかもしれない。苦手意識を克服すべく、まずは基本中の基本を橘氏から直伝してもらおうかな。おかざきたいいくドラマホリック!『僕はどこから』(テレビ東京系、毎週水曜24:12~)に出演中。地元京都での“街ブラ”レギュラー番組『岡崎体育の京の観察日記』(KBS京都、第2・4土曜22:30~)も好評。※『anan』2020年3月4日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年02月26日23歳の若きラッパー、Rude-α。2月8日に誕生日を迎えた彼が、1stアルバム『23』をリリースする。恋愛、夢、地元への思い…。23歳の“今”が詰まったアルバム。「インディーズの頃も含めて、アルバムを出すのは初めて。この中には、今までやってきたことであったり、今の自分であったり、23歳の等身大のRude-αが詰まっている。コンセプトとか統一性というより、自由にやらせてもらった感じです」なかでも多数を占めるのが、恋愛にまつわる楽曲。“等身大”ということは、目下、恋愛モード!?「そんなことないんですけど、自分でもアルバム1枚通して聴いてみて、ラブソングが多いなって思いました(笑)。今後、“ラブソング系の人”みたいな路線で攻めていこうかな」と、いたずらっぽく答えるなど、会話の端々に親しみやすい人柄が感じられるRude-α。昨年は、真実の恋がしたい男女の中に恋愛をしない“嘘つきオオカミちゃん”が紛れているAbemaTVの恋愛リアリティ番組『オオカミちゃんには騙されない』に出演し、女子高生からも注目を集める存在に。収録曲「It’s only love」には、番組出演時の経験が綴られている。「『オオカミちゃん』って、男の子たちは騙される側ですけど、騙す側のオオカミちゃんのほうが、実はすごく辛いんじゃないかなって思ったんです。そういう思いを曲にすることで、少しでも伝わることがあるといいなと思って書きました。あの番組では僕が最年長だったので、何か問題があった時には、僕がフォローしないと。そう思えるようになったことが、自分の中ではデカかったですね」一方で、表題曲でもある「23」は、自伝的なストーリーテリングで、自らや周りを鼓舞するような楽曲だ。「23歳って、地元ではみんな結婚していたり、就職していたり。そんな中でも僕は、いまだに夢を追い続けているというか。でも僕の姿を見て、『俺もがんばる』って言ってくれる友達がいる。みんなが大人になっていく中で、そいつらを熱くさせる曲が作りたい。そう思ったんです」Rude-αの根底にあるのは、誰かの希望になりたい、という思い。「音楽を始める理由は、お金を稼ぎたいとか、有名になりたいとかいろいろあると思うんですけど、僕が一番に思っているのは、“人の夢になりたい”ということ。今年中に『武道館でライブをします』って発表できたらいいなって思っています」『23』【初回生産限定盤】¥3,409【通常盤】¥2,7273月4日発売。2月8日に配信されたニューシングル「アイスクリーム」や、韻シストのBASIとコラボした「ハレルヤ」など全14曲。(ソニーミュージック)ルード・アルファ1997年2月8日生まれ、沖縄県出身。高校2年からラップを始め、「第6回高校生ラップ選手権」で準優勝。2019年、メジャーデビューEP『22』リリース。3月から、1stアルバムリリース全国ツアー開催。※『anan』2020年2月26日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・山田陵太ヘアメイク・佐々木渚香取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2020年02月24日イギリスで初演されて以降、世界各地で上演されている作品『エブリ・ブリリアント・シング~ありとあらゆるステキなこと~』に出演する佐藤隆太さんに、お話を聞きました。観客と出演者が語らう形で進行するユニークで新しい上演形態も話題!放送中の朝ドラ『スカーレット』で草間役を好演中の佐藤隆太さん。これまで“動”の役を演じることが多かったけれど、今回は戸田恵梨香さん扮するヒロイン・喜美子を見守る穏やかな“静”のキャラクターだ。「最近、芝居に対しての恐怖心みたいなものが、以前と比べると薄くなってきたんです。今までは、ちょっとクセがあったり、何か引っ掛かりがある芝居のほうが安心できるというか、力まずにそこにいるだけの芝居が苦手だったんです。でも最近、言葉に出さなくても感じさせたり、通じ合うことができたら楽しいよなって思うようになっています」そんなふうに心境が変化したのは、ちょっとしたきっかけから。「少し前にドラマの現場で、監督が求めるものに自分の気持ちが追いつかず、迷ってしまったことがありました。いつになくしんどくなってしまって、デビュー作からお世話になっている先輩の山本耕史さんに電話したんです。そうしたら、僕らの年になったら自分がやりたいことをぶつけていくんじゃなく、覚悟を決めて現場で求められている役割に徹することも必要だと言われて。そこから、仕事に対して今までとは違うアプローチというか、楽しみ方ができるようになってきました」デビューから20年。今回、その節目にふさわしい新たな舞台に挑む。『エブリ・ブリリアント・シング』のキャストは佐藤さん一人きり。主人公が自らの物語を客席に語る形で進行し、時には観客を登場人物に見立ててセリフを交わしたりも。「最初に出演のお話をいただいた時は驚きましたし、ひるみもしました。自分がやったらどうなるかをいくら考えても想像がつかない。でも、だからこそ思い切って覚悟を決められた気がします」イギリスで初演されて以降、世界各地で上演されている作品で、実際に佐藤さんもアメリカ・ユタで行われていた公演を観に行ったそう。「これが本当に素晴らしかったんですよ。最初こそ自分に得られるものがあればと思って観ていたけれど、始まったらそんな気持ちはすぐに忘れて純粋に観客の一人になっていました。生身の人間が約1時間喜怒哀楽を表現して、汗をかいて走り回るだけでも感動する。それに加えて、いつ自分に順番が回ってくるかって思いながら観るからか、物語にぐっと集中するんです。それもあり、気づけば主人公により深く感情移入している自分がいて、自然と涙が出ていたり…。作品が本当に細やかに練り込まれているんだと思います。自分が演じる前に、作品を心から好きになれたのが嬉しかったです」明るく穏やかな口調と笑顔。親しみを感じさせる佐藤さんのキャラクターが最大の武器になるはずだ。「通常の役とは違って、素の僕も出るだろうし、人間力も試されると思うんです。臨機応変な対応があまり得意じゃないので、スムーズにいかない場面もあるかもしれない。でも、スマートに進行するだけが正解じゃない気もするので、全部さらけ出して楽しんでいけたらと思います」『エブリ・ブリリアント・シング~ありとあらゆるステキなこと~』一人のキャストが観客の前で語りだすのは、自らの物語。観客は、彼の求めに応じ、開演前に渡されるカードに書かれた言葉を読み上げたり、時に物語の登場人物になったりする。1月25日(土)~2月5日(水)池袋・東京芸術劇場 シアターイースト翻訳・演出/谷賢一出演/佐藤隆太一般5000円ほか(1/25、26のプレビュー公演は一般4500円ほか)*すべて税込み東京芸術劇場ボックスオフィス TEL:0570・010・296新潟、松本、名古屋、大阪、高知公演あり。さとう・りゅうた1980 年2 月27日生まれ、東京都出身。‘99年に舞台『BOYS TIME』でデビュー。映像、舞台の双方で活躍。連続テレビ小説『スカーレット』(NHK)に出演中。ジャケット¥40,000シャツ¥17,000パンツ¥40,000(以上GARMENT REPRODUCTION OF WORKERS/CONFECTION CO.,LTD TEL:03・5794・0617)その他はスタイリスト私物※『anan』2020年1月22日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・勝見宜人ヘア&メイク・白石義人インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年01月16日北海道の玄関口である新千歳空港で、2014年から行われているアニメ映画祭をご存じだろうか。施設内にある3つのシアターをメイン会場として、国内外の新鋭アニメ作家たちによる長編・短編さまざまな新作の上映のほか、関連イベントや展示、シンポジウムなど、作り手もファンも楽しめるフェスティバルとなっている。このフェスティバル・ディレクターを務めているのが、アニメ評論家としても活躍する土居伸彰さん。“まだまだ日本のアニメには可能性がたくさんある”「もともとはアニメよりも、インディペンデント系の音楽とか映画に興味を持っていたんですが、大学のロシア語の授業の中で紹介されたユーリー・ノルシュテインというアニメ作家の短編を観て衝撃を受けたんです。ギョッとするようなリアリティがあって、いままで持っていたアニメーションのイメージが一変しました。そこから作家性の強い短編アニメやインディペンデントアニメを中心に研究するようになったんです」研究を進めるなかで、それらの作品が日本で観られる機会があまりに少ないことを感じた土居さんは、自ら映画館と交渉し上映会などを行うように。ちょうどその頃、テレビや映画といったメディアが強い個性を放つアニメーション作家に目をつけ始める。「それまでアニメーションの分野で芸術性と商業は、ある種、対極に位置していたんです。それが、芸術性のある商業作品がマーケット的に求められるようになってきた。その象徴的な存在が映画『君の名は。』の新海誠監督です。もともと新海さんは短編を自主制作で作っていたインディペンデント作家。作家性の強い新海さんと東宝のプロデューサーが組むことで、爆発的なヒットに繋がりました」そんな流れを受け、現在、土居さんは日本に海外の作家を紹介したり日本の作家を後押しする事業を行っている。新千歳空港国際アニメーション映画祭の活動もそのひとつだ。その土居さんによると、いまの日本のアニメーション業界は「分岐点にある」とか。「いまはDVDやBlu-rayが売れなくなっている時代です。これまで日本のアニメは、こういったパッケージやグッズの売り上げまで見込んで製作されていました。しかしこれまでのやり方では製作資金が回収できなくなっているんですよね。そもそも業界自体、いまだにアナログに頼っている部分が多く、働く人たちの労働問題も頻繁に取り沙汰されている状況。このままでは産業自体が衰退していく危険もあると思います」しかし同時に、可能性もある。「Netflixのような資金力を持った企業が、いまオリジナルのアニメーション作品の製作に乗り出しています。湯浅政明監督の『デビルマン・クライベイビー』がそのいい例。新海さんや湯浅さんだけでなく、『ペンギン・ハイウェイ』の石田祐康監督、『映画 聲の形』の山田尚子監督など、冒険的な作品を作る新しい才能も生まれていますし、面白くなっていく予感はあるんです。長きにわたって独自の発展を遂げてきた日本のアニメは、これからは戦略的に変化しないといけない。ますます世界を視野に入れた作品創りが求められていくはずです」いま土居さんが進めているのは、国の支援を受けてアニメーション制作をしているフランスで、日本人監督の作品を創るプロジェクト。「ほかにもアプリゲーム化や、漫画、CMといった多分野に応用するなど、まだまだ可能性はたくさんあるのではないでしょうか」どい・のぶあき新千歳空港国際アニメーション映画祭フェスティバル・ディレクター、「ニューディアー」代表/アニメプロデューサー1981年生まれ、東京都出身。東京大学大学院総合文化研究科卒。ユーリー・ノルシュテインを中心にインディペンデント作家の研究を行う傍ら、アニメ評論や上映イベントなどの企画のほか、海外映画祭での審査員やキュレーターとしても活躍。著書に『21世紀のアニメーションがわかる本』(フィルムアート社)。※『anan』2020年1月15日号より。写真・小笠原真紀取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年01月10日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「2020年」です。2020年になりました。今年も岡崎体育をよろしくお願いします。2019年は、これまでにない濃い一年でした。僕の長年の夢だった、たまアリでのワンマンライブを成功させるべく、集中しまくった年だったと思います。2019年の上半期は、ほぼすべての時間をたまアリに注ぎ込んでいたので、それ以外の記憶がめちゃくちゃ薄いです。何してたんかな、俺……。たまアリ以降ですと、実家を出て東京に新居を構えたことも大きなニュースですね。僕のイメージの中では、「たまアリでワンマン」が人生のどピークで、世間からちやほやしていただけるのもそこまでかなと思っていましたが、たまアリ以降も、いろんなお仕事をいただいてありがたいなと思っています。ミュージシャンとして以外でも、俳優としてサザエさんのドラマに呼んでいただいたり、かなり大きめのTVCMにお声をかけていただいたり。そういう音楽家以外の仕事も、すごく自分のためになる、視野が拡がるのでやれてよかったなと思っています。2020年はどうなるんでしょうね。目標としてやっぱり「でワンマンライブをする!」と掲げられるとええなあと、実はこっそり思っています。目的意識がないとダラダラと過ごしてしまいそうなので、向かっていく場所を設定しておくといいのかな、と。よくインタビューなどでも「次はどこでライブをしたいですか?」と聞かれることも多いので、それもあって決めておきたい気もします。とはいえ、たまアリの次ってどこ?と正直わからないんですよね。みなさん、どこでやったらいいと思いますか?僕らしい場所がいいですよね。甲子園でやるとか、屋外も楽しそうです。地元の宇治でフェスをやるのもいいかもしれないです。でも、まだハッとする何かが降りてきてないので、何も決められずにいます。たまアリのときも「ここでライブがしたい!」という衝動を自分の中に感じて決めることができた。そういう場所や出会いがあるのを、今年も待ちたいと思います。そんなわけで、今年もノースタンスな感じに一年がはじまりました。ノースタンスが好きなので自分が興味あることを自由にやっていきたいと思います。ミュージシャンなのに、何、街ブラロケしとんねん、と思うこともあるかもしれませんが、シンガーソングライターという概念にとらわれず、岡崎体育の活動を今年も温かく見守っていただけますと幸いです。おかざきたいいく1/11(土)、地元のKBS京都で新レギュラー番組『岡崎体育の京の観察日記』がスタート。2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催。※『anan』2020年1月15日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年01月09日オネエ系映画ライター・よしひろまさみちさんの映画評。今回は『パラサイト』です。なんとも形容しようがないんだけど、とてつもない娯楽作で社会派で。しかも5分後の展開が全くわからない!そんなとてつもない傑作が『パラサイト 半地下の家族』よ。いや、マジで傑作としか言いようがないのよ~。あまりにもブッ飛びすぎてる物語を生み出したポン・ジュノ監督にそれを伝えたところ「それが一番うれしいホメ言葉」とな!「格差社会を描いているとか社会派とか、映画祭や先に公開された欧米ではそんなことばかりを言われたんだけど、それよりも映画を娯楽として楽しんでもらいたいんですよね。だから、ブッ飛んでいる、っていうのはオッケー!」物語の主人公は、家族全員が無職でその日暮らしをする、一男一女の子供がいるキム一家。長男ギウがたまたま紹介されたアルバイトが、IT企業CEOの娘の家庭教師だったことをきっかけに、彼らは徐々にその家庭に寄生していくの。パパは運転手、ママは家政婦、ギウの妹は子守り兼美術講師。それぞれのスキルを発揮して、完全にセレブ一家は偽装したキム一家の虜に…。これだけでも十分おもしろいんだけどね~。ここから先はマジでネタバレ厳禁!「これまでの作品はだいたいオチを決め、それに向かって脚本を仕上げていたんですが、じつはこの脚本を書いているときは、10ページ書いたところで、自分でも先がわからなくなっちゃって(笑)。続きを書きながら、そのつどプロデューサーに“おかしくない?”って確認してたんですよ。でも、キム一家の父役のソン・ガンホと長男役のチェ・ウシクだけは、やってもらうことを想定した当て書きをしています」そうやって悩みながら書いたわりには、これまた驚きの4か月で脱稿。これ、監督の脚本執筆の最短記録だったんですって!ひぃ、こんなクレイジーな話を4か月で書くなんて、マジで天才の所業じゃん!「書き始めて2か月半くらい経ったときかな。物語が急転するきっかけのシーンのアイデアがぽーんと浮かんで、そこからは芋づる式に後半をスラスラ書けちゃったんですよ~」観れば一発でハマるんだけど、ネタをバラすわけにはいかねぇ本作。中毒性高すぎておヤバよ!「どの国も、今は娯楽の選択肢が多すぎて、映画に目を向けてもらうのは大変。でも、これは確実に楽しんでもらえますよ!」『パラサイト 半地下の家族』監督・脚本/ポン・ジュノ出演/ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チェ・ウシク、パク・ソダムほか配給/ビターズ・エンド1月10日よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国ロードショー。©2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVEDポン・ジュノ1969年、韓国生まれ。『スノーピアサー』(’13)やNetflix映画『オクジャ/okja』(’17)で英語作品にも挑戦。本作で第72回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した。※『anan』2020年1月15日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・よしひろ まさみち(オネエ系映画ライター)(by anan編集部)
2020年01月08日女性芸人の層が厚い昨今、芸はもちろん、パーソナリティや個性が際立つ時代になってきました。そんな中で、他とは違う、ちょっと異色の光を放っているのが、バービーさん。笑いの向こうにある素顔は、いったいどんな人?ということで、会いに行ってきました!――バービーさんは、いわゆる女性芸人として活躍しつつ、ふるさと北海道の町おこしを手伝っていたり、さらには心理学やジェンダー論などにご興味があったり。いろんな顔をお持ちですよね。最近やっと、“お笑いのバービー”と、“本名の笹森花菜”、2つの自分がいることをハッキリ言えるようになったんですよ。ずっと、芸人として仕事をしている以上、お笑い以外に興味を持っている自分を出しちゃいけないんじゃないかと思っていたんですけど…。――そう思えたきっかけは?2年前、33歳くらいのときだったと思うんですが、もう我慢しないで、やりたいこと全部やっちゃおうって思った瞬間があって。――その当時、仕事で行き詰まっていたりされたんですか?う~ん…。仕事はとても充実していました。でもだからこそ本名の“笹森花菜”のほうが、「もっと私を大事にして!」と言い出しまして(笑)。確かに考えてみると、最初の5年くらいはただただ必死に仕事だけをしてきて、少し余裕が出たあとは、ストレス発散といえば、夜の街に飲みに行くくらいで。もちろんいろんな楽しいことにトライはしていましたが、ほとんどすべてが“芸人バービー”の表現のためだったんですよね。今思うと、“笹森さん”はすごく行き詰まってたんだと思います。そこで、“バービー”であるために我慢していた、“笹森さんがやりたいこと”を、もう全部やっちゃおうと思って、はじめて1週間のお休みをもらいました。――“笹森さん”のために、まず何をしようと思いました?なんて言えばいいのかな、利害関係のない、ワクワクすることをしようって思いました。当時の私はたぶん“これ、仕事に繋がる?”みたいな考えに支配されていたので、まずそれをやめようと。一度バービーを捨てて、何をしたら笹森さんはワクワクするのか、それを自分の中で因数分解していって、出てきたのが利害関係なく、何かの、誰かの役に立ちたい、という答えだったんです。それでロンドンで開催される「チェルシー・フラワー・ショー」という園芸の祭典に、ボランティアでお手伝いに行きました。そこでの経験を通して、私は、何かを橋渡しすることに快感を感じるのかもってことに、ちょっと気が付きまして…。――橋渡し、とは?例えば、こっちで何かが余って困っているとして、別の場所ではそれが不足して困っている。そういう状況を橋渡ししたい。需要と供給が繋がることにワクワクするし、成功するととても気持ちいいんです。田舎と都会、国内と海外、消費者と企業…、いろんな橋渡しがしたいんですよ。――そもそもバービーさんが橋渡しにワクワクする理由、あるいは根源って、何なんでしょう…?一つには、家族の中でのポジショニングかもしれません。私は4人きょうだいの末っ子で、結構クールだったんです。ちょっと家の中が険悪になると、「ギスギスしてんな、よし、私の出番か」みたいに、冷静に家族間の潤滑油役を買って出る、みたいな。その頃から困っている人がいると“なんとかしなきゃ!”みたいな気持ちがあったのかなぁ…。あと、私、大学で仏教哲学を学んでいるんですが、それが自分の考えのベースになっているところがあって。例えば般若心経などに出てくる“色即是空”という言葉があるんですが、それって“自分で見た世界は、自分にとっては存在するわけだから、その世界を他者からとやかく言われようと、関係ない。自分の好きにやればいい”というような概念だと私は解釈していて。つまり、人にはみな、その人なりの宇宙が平等にあり、一人一人がその宇宙を全うするべき、と思ってるんです。でも世の中にはいろんな足かせや邪魔があり、その宇宙を全うできていない人がいる。私にとってそれが“困ってる人”で、その足かせを一緒にどけることができたら…という気持ちが、“橋渡し”に繋がるという感じでしょうか。――出身地の夕張郡栗山町の町おこしに協力されているのも、その気持ちから、という感じですか?まさにそうですね。あと最近、下着のプロジェクトがやっと形になりまして。――ピーチ・ジョンとコラボで下着を作ったという企画ですね。もともと、私自身胸が大きいので、リーズナブルな可愛いブラがないことにはずっと悩んでいて。他にも、ワイヤーがキツくてかぶれるとか、海外のブラだとサイズはあるけれど脇肉ケアがいまいちだとか、下着に関しては思うことがたくさんあったんです。で、まったく別の、町おこし関連のミーティングでお目にかかった方に、なぜか「私、ずっと下着を作りたくて…」ってポロッと言っちゃったら、「それいい!」と盛り上がりまして。そこから紆余曲折ありましたが、最終的にピーチ・ジョンさんとご縁があり、やっと形になりました。――具体的に、どんなランジェリーなんですか?胸の大きさにかかわらず、同じように可愛い下着があったらいいのになっていうのが、最初の出発点。実際私のインスタのDMに、下着や体の悩みを書いてくれる人が結構いて、「既製品に自分のサイズがないから、私の体は普通じゃないんだって思う」なんてメッセージをもらったことも。“下着で困っている人”と“企業”の橋渡しをすることで、そんな思いをする人が一人でも減ってくれたら、本当に嬉しい。おっぱいってジェンダーの象徴的なパーツで、他者から評価されやすいうえコンプレックスを持ちやすい箇所。だけど、自分の体は自分のものなんだし、自分で好きにしていいじゃないですか。私がギャグでお尻を出したりするのは、それなんですよ。――バービーさんの世の中へのコミットの仕方は、しなやかで、ユーモアがありますよね。別に世の中と戦っていこう、みたいな気持ちがあるわけじゃないんです。男も女も、不平等で理不尽な目に遭っている人の手助けがしたい、それだけなんですよ。バービー1984年生まれ、北海道出身。お笑いコンビ「フォーリンラブ」メンバー。本名・笹森花菜。東洋大学インド哲学科卒業後、お笑い養成所の放送作家コースに入所したが、事務所の勧めで芸人コースに。’07年にハジメとフォーリンラブを結成。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)、『バービー・郡司の深夜教室Q組』(MBSラジオ)などに出演中。なんと構想2年以上!自らの下着に関する体験と、SNSを通じて寄せられたフォロワーの悩みを商品に反映したランジェリーを、3シリーズ展開。ブラはアンダー90、Gカップなどのグラマーサイズを、ショーツは全5サイズを展開する。2月5日より全国のピーチ・ジョンストアと公式オンラインストアにて発売。※『anan』2020年1月15日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・谷口夏生(ラッキースター)インタビュー、文・河野友紀(by anan編集部)
2020年01月08日日々のニュースや暮らしのなかで、ふと気になることをジャーナリストの堀潤さんにあれこれ聞いてみました!Q. 「結婚=幸せ」とは限りませんが、未婚者が増えることで、社会はどのように変わっていくのでしょうか?(30歳・ライター)A. 基本的には変わらない。少子化対策のために制度変更は必要でしょう。未婚者の増加により社会が変わるということはないと思います。統計によると、結婚しない主な理由は、結婚に興味がないというより、経済面など、結婚後の生活不安からメリットが感じられないためのようですね。ただ、本気で少子化対策を打つのであれば、里親制度を充実させて、同性婚カップルや未婚であっても子供が育てられる社会にしたほうがいいのではないでしょうか。これだけ子供の虐待件数が減らないのは、既存の家族制度に何か無理があるのだと思います。「未(いま)(だ)」婚と書くくらい、結婚することを前提にした家族構成の社会づくりは少々寂しい気がします。Q. 東京五輪が始まっても、都内の交通網はパンクしないのでしょうか?いままで通り通勤できるか不安です。(28歳・会社員)A. 大混雑します。国は休暇取得かテレワークを推奨しています。2020年、国は五輪開会式の前後を4連休、閉会式の前後を3連休にしました。また、五輪期間中は会社を休みにするようにも推進しています。予想来訪者は、選手1万1000人、観客780万人、メディア関係者2万5000人。選手やメディア関係者が1日5万~6万台の車を利用。780万人(パラリンピックと合わせて、約1000万人)の観客が鉄道を利用すると予想されています。ラグビーW杯のときが180万人なので、桁違いですね。交通量を減らすために、企業には、休暇の取得と従業員の50%をテレワークにするよう推奨。普通の通勤はできなそうですし、物流にも影響が出そうです。Q. ネットで見かける情報について正しい情報なのか判断がつきません。堀さんはどういうふうにデータを読み解きますか?(32歳・主婦)A. 自分で見聞きしたもの以外の情報は、すべて疑ってかかりましょう。基本的に、すべての情報を「本当かな?」と疑ってかかったほうがよいと思います。どのような意図、仕掛けで発信しているかはわかりません。参考までに僕も読みますが、真実とは限らないと思っています。先日「若い世代でテレビ離れ進む約1割『見ていない』」という時事通信の世論調査の記事を読みました。テレビ離れが進むと言いつつ、9割は見ているんです。このようにタイトルのつけ方次第でバイアスがかかり、違う印象を受けます。アンケートなども、設問の仕方で結果は異なる。インターネットでは出どころ不明な情報がいくらでも仕掛けられますから、注意が必要です。Q. ふるさと納税をしたいのですが、こんなに災害が多いと自分の自治体に納税しないのは被災時に困りませんか?(29歳・PR)A. 災害で大被害を受けるのは地方。自分の住む地域と同じように考えたいですね。世田谷区や杉並区はふるさと納税の制度により、税収が減って困っていると声かけをしています。ただ、もともと東京に税収が集中しているのを分散させようと始まった制度なので、それは東京目線の意見かなと思います。災害が起きて、圧倒的な被害を被るのは地方です。地方は日本の生命線。農業にしても水源にしても、首都圏の暮らしは地方に支えられています。また、自治体同士で災害時応援協定を結んでいますから、災害被害に遭えば、遭わなかった地域が助けてくれます。困ったときにはお互いさま。自分の地域だけでなく、広い視野で考えていただけたらなと思います。堀 潤さんジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」主宰。シリア、朝鮮半島、香港、沖縄などを取材した映画『わたしは分断を許さない』が3月7日に全国公開。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月05日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回はスペシャル版として、堀潤さんが“異常気象”についてイラストレーター・五月女ケイ子さんにレクチャー!想定外の異常気象は今後も起こるでしょう。10年後の気象変動を抑える行動を。五月女:2019年は台風15号や19号があり、大きな被害も出て怖かったです。台風の進路が昔と変わったんですか?堀:そうなんです。気温や海水温の上昇で、最近の台風は勢いを失わないまま本州を直撃するようになりました。千葉など、被害を受けた地域の停電があれほど長引くとは想像していませんでしたよね。五月女:今後、住むところも考えないといけないなと思いました。あの時期、たまたま小学生の娘の学校の授業の一環で、1970年代に起きた多摩川の狛江水害のことを調べていたんです。また、私は2005年の集中豪雨で事務所のマンションの1階が浸水した経験もしていたので、少し覚悟ができていたのかな?と思います。堀:知識や経験を持っていると対処しやすいというのはありますね。どの災害現場に行っても、みなさん「まさか自分が被災者になるとは」とおっしゃいます。避難指示が出ていても、なかなか避難所に行こうとしない。それは災害を経験していないからなんです。正常性バイアスがかかり、大丈夫だと思い込んでしまう。強度のストレスから脳が情報をシャットダウンして、サイレンの音が聞こえなくなってしまうこともあるそうです。五月女:それは怖い…。堀:渦中にいると、正しい判断ができなくなる可能性があることは知っておいたほうがいいですね。五月女:警報も、あまり頻繁に鳴ると、慣れてしまいそうです。堀:今年は「数十年に一度」といわれる大雨警報が毎日のように出ました。気象庁にとっても想定外の出来事。今後も未体験の異常気象が起き得るでしょうから、お役所の言うことに従っていれば大丈夫、とは限らないと思います。五月女:100年単位くらい、長い目で対策を考えることもきっと必要なんでしょうね?堀:はい。都市に人が集中しすぎなのも問題だと思います。都市に人が集まるほど、地方が犠牲になってしまう。2019年の台風も、多摩川は氾濫しましたが、利根川や荒川はギリギリのところで止まりました。それだけ自治体が東京23区を守ろうと事前に投資していたからです。ところが、インフラ投資がなされていない東北や北関東は毎回水害被害が出てしまう。消費者の価値観が変われば、企業も環境対策を積極的に。堀:気候変動は、10~20年前といまを比較すると実感できます。異常気象の原因は諸説ありますが、地球温暖化も大きな要因の一つ。しかし、グレタ・トゥーンベリさんが国連で泣きながら温暖化対策を訴えても、トランプ大統領は冷ややかなコメントをするなど、産業の敵のように捉えています。でも、放置していたら、本当に手遅れになってしまいます。五月女:私たちはどうしたらいいんですか?堀:環境を破壊しているのは圧倒的に企業活動。ビジネスの世界では、環境や人権を脅かす企業には出資しないというESG投資が出てきています。個人では、フェアトレード商品や、生産から消費までの物流の流通経路が追跡できるものを選ぶといいでしょう。五月女:「さんが作った××」と顔写真入りで売られているお米や野菜みたいなものですか?堀:はい。すると自然と近くで生産されているものになり、配送にかかるCO2排出も減らせるかもしれません。いままでは環境よりも安さが優先されていました。でも、私たち消費者が、環境を考えた生産者のものを積極的に選ぶようになれば、企業も環境を考えざるを得なくなります。それと脱プラスチックですね。マイバッグやマイタンブラー、マイストローを持ち歩くとか。五月女:マイストロー?堀:シリコン製でハサミで切れるので、好きな長さに調節できます。洗うのが面倒くさいという意見はありますが、そもそも「面倒」という思いが、効率・合理主義を加速させるすべての元凶でしょう?五月女:そうだ!その通りです。堀:これからは「手間のかかることにこそ価値がある」と思えるようになるといいですね。その価値観が多数派になれば社会は一気に変わると思います。堀 潤さんジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」主宰。シリア、朝鮮半島、香港、沖縄などを取材した映画『わたしは分断を許さない』が3月7日に全国公開。五月女ケイ子さんイラストレーター。オンラインストア「五月女百貨店」では、新年にふさわしいおめでたいアイテムを多数とりそろえ。作品集『五月女ケイ子 ランド』が好評発売中。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月03日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。そのスペシャル版として今回は、堀潤さんが“多様化する社会”について解説!イラストレーター・五月女ケイ子さんの疑問に答えます!「みんな仲良く一緒に」というのは夢物語。違いを尊重し、分断しないあり方を。堀:多様性やダイバーシティという言葉が浸透して、いまは次の段階にきている気がします。当初は「国籍やジェンダーなど違う者同士、手を取り合おう」という、キラキラした共存体制を思い描いていたと思うんです。しかし、お互いの違いが明確になるにつれ、摩擦が積み重なり、「よくわからないから距離を置こう」「私とは違うから関わるのはやめておこう」と、表面的には秩序を保っていても、内実は分断が起き始めているように思います。五月女:え!そうなんですか。堀:SNSなどでも、「賛成」「反対」と二極化して、価値観の多様性は受け入れられにくいですよね。五月女:出来事に対して、みんな感情的になりすぎなのでは?とちょっと思いますね。堀:問題は、違う考えの人とどう付き合っていくか。五月女:距離感なのかな。ママ友は距離感が大事です!(笑)堀:そうなんですね(笑)。ただ、「理解できない人とは関わらない」というふうになってしまうと、多様性が進むにつれ無関心が増えてしまいます。五月女:身近な人だったら、関心を持って考えられるんですけど。堀:いいポイントです。大きな主語より、小さな主語を使うことが大事なんですよね。分断や排斥には必ず大きな主語がつきまとう。「日本人は~」「女性は~」と大きく括るから衝突します。実際にはいろんな人がいるので、一括りにはできません。五月女:相手を知る、というのも大事ですよね?先日近所で、パラリンピック関連のイベントがあって、スポーツ義足を装着する体験をさせてもらったんです。想像していたよりずっと重くて立ち上がれない。義足を操るのにすごい筋力が必要なのだとわかりました。パラアスリートの方ともお話ができて、娘にもいい体験でした。マジョリティというだけで脅威になるという自覚を。堀:一般に、新しいもの、知らないものに対しては恐怖が先立って、保守的な選択をしがちなのだそうです。違いを知るには勇気がいる。五月女:私はお酒があんまり飲めないのですが、飲む人たちからの「飲まないの?」という声にいつも圧を感じています(笑)。みんながビールを頼むなか、勇気を出してノンアルコールを頼みます。堀:マジョリティの意見は本人の気づかないところで脅威になりやすいんですよね。この数か月、僕は香港を取材していますが、これまでの香港区議会では民主派は2割と少数派でした。ところが11月の選挙で8割以上に。すると、それまでデモ隊を強く弾圧していた警官が、自分たちがマイノリティに変わったとわかった途端におびえ始めたんです。五月女:立場が逆転したんですね。堀:多様性といっても、何もせずに「対等」はありえない。そのことは自覚しておいたほうがいいでしょう。日本では、これまでは会社員がマジョリティでしたが、2020年以降、雇用の流動が進めば、フリーランスが多数派に変わるかもしれません。家族の形も変化して、いまは夫婦別姓に反対する保守派がマジョリティですが、選択的夫婦別姓の議案が再び持ち上がるかもしれません。五月女:フリーランスの私は、常にマイノリティの意識でいました。でも、マジョリティに変わったら威張ってしまうんでしょうか?堀:マジョリティがマイノリティにすり替わったとき、マジョリティだった人たちは防衛本能から「(立場を)奪われた」という意識になり、嫌悪や暴力につながることはよく起きます。欧米で移民政策に反対する人たちにもそういう意識があったと思いますね。五月女:複雑なんですね…。堀:だから、「みんな違うんだから仲良くしよう」という多様性の声かけは失敗します。そんな簡単じゃない。知らない者同士、恐る恐る近づいて、ストレスのかからない付き合い方を模索するしかない。いつも一緒でなくていいと思います。多様性のある社会とは、全員が手をにぎり合う状態ではなく、普段はそれぞれの世界があり、何かのときに協力し合うというのが理想じゃないでしょうか。堀 潤さんジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」主宰。シリア、朝鮮半島、香港、沖縄などを取材した映画『わたしは分断を許さない』が3月7日に全国公開。五月女ケイ子さんイラストレーター。オンラインストア「五月女百貨店」では、新年にふさわしいおめでたいアイテムを多数とりそろえ。作品集『五月女ケイ子 ランド』が好評発売中。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月01日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回はスペシャル版として、イラストレーター・五月女ケイ子さんが堀潤さんに“経済・お金”についてレクチャーを受けました!東京五輪景気に期待!その後の落ち込みに警戒を。堀:お金に関することでは、老後の資金問題が大きなニュースになりました。金融庁の報告書にあった、「年金だけでは約2000万円不足する」という話だけが先行してしまい、年金制度に批判が殺到してしまったのですが…。五月女:老後にどれくらいお金が必要かわからなかったので、そういう話が聞けて私はよかったなーと思っていました。堀:あの報告書は実はよくできていて、将来お金が必要になるから、若いときから投資をするなど、お金を賢く増やそう、そのために金融教育にも力を入れようという提言がなされていたんです。投資と貯金の違いなど、ちゃんと教えてほしかったですよね(笑)。五月女:教えてほしかったです!投資とか全くわからなくて。儲かるんですか?堀:投資は、例えば証券会社にお金を預け、彼らが今後成長しそうな企業や国に投資をして運用利益を得るシステムです。途中、多少の上がり下がりがあっても、長期的には世界経済は成長し続けますから、ある程度は増えていきます。五月女:ちょっと博打みたいなイメージもある気が…。堀:「投資」という、お金を投げるみたいな言葉が良くないのでは、という意見も(笑)。日本は資本主義の国。投資、運用するという仕組みのなかで私たちは生きているのに、そういうことを教えてもらえる機会がなかった。「お金儲けは悪いこと」という思い込みがまだ残っているので、意識を変える必要があると思います。五月女:投資について勉強するには、どこへ行けばいいんですか?堀:基本的には証券会社や銀行の窓口です。いまは少額で始められるNISAやiDeCoなどの制度もできています。大手証券会社やメガバンク系であれば、ポートフォリオといって、いっぺんに全額失うような損をしないように、様々な商品を組み合わせて運用しているので安心です。いまは株取引にも人工知能が入ってますから、素人がFXを始めようとしても太刀打ちできないと思います。消費するだけではなく、生産する側にもなってみる。五月女:投資以外にしておくべきことは何かありますか?堀:「自分の手で何かを生み出してみる」ことじゃないでしょうか。そうすれば、消費するだけの側ではなくなります。絵を描く、文章を書く、歌を歌う、雑貨を作る、何でも構いません。自分の趣味や得意なことをお金に換えてみる。いまはインターネットで個人のショッピングモールを開くことができますし、シェアリングエコノミーのインフラも整っています。五月女:私の若いときは、やりたいことがお金につながらなくて表現の世界から離れた人が大勢いました。でも、いまはいろんなところにチャンスがありそうですね。どこからがプロなのか、境界線がわからなくなったけど。堀:必ずしも生業にしなくていいと思います。月に1万でも、「ランチ代10日分、ちょっとしたアイデアで賄う」くらいの感覚でいいんじゃないでしょうか。市場に素人が増えるほど、プロの価値も高まり、再評価されています。五月女:2020年には東京五輪がありますが、オリンピックによって経済って変わるんですか?堀:オリンピックの経済効果は大きいですから、景気は良くなるでしょうね。ただ、五輪後は東京も人口減少が進みますし、景気には陰りが出てくると思います。五月女:わーそれは心配ですね。堀:でも、2025年には大阪・関西万博がありますし、2027年には東京(品川)―名古屋間のリニアモーターカーが開業。IR事業も積極的に計画を進めています。五月女:カジノですね!堀:いま大阪と横浜に開設の審議がなされています。ただ、いずれにせよ、「ハコ頼み」「イベント頼み」の景気刺激策にすぎません。自分の手でお金を作り出すことをしていかないと、いつか行き詰まると思います。例えばパラリンピックに向けて、各メーカーが選手の器具の技術開発を進めてきました。そういうものづくり精神を、2020年の東京オリパラから学んでいけたらいいですね。堀 潤さんジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」主宰。シリア、朝鮮半島、香港、沖縄などを取材した映画『わたしは分断を許さない』が3月7日に全国公開。五月女ケイ子さんイラストレーター。オンラインストア「五月女百貨店」では、新年にふさわしいおめでたいアイテムを多数とりそろえ。作品集『五月女ケイ子 ランド』が好評発売中。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年12月31日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「年越し」です。もうすぐ2019年も終わります。みなさん、年越しはどのように過ごすのでしょうか。ミュージシャンといえば、カウントダウンライブとか定番ですよね。僕は過去2回ほどカウントダウンライブに参加したことがあります。ひとつは京都の駅ビルで開催されたカウントダウンライブ。くるりさんと一緒に出演しました。あとは、かなりさかのぼりますが、バンド時代に出たことがあります。でも、出演が一番手で、18時30分とかの出番だったんです。そこから、カウントダウンの瞬間までずーっと楽屋で待っていたような思い出しかないので、カウントダウンライブにそんなに深い思い入れはありません。そもそも、僕は年越しくらい家でゆっくり過ごしたいと思うタイプです。事実、その2回のカウントダウンライブ参加以外は、年越しはすべて実家で過ごしています。しかし、今年は事情が違います。新居を東京に構えたのではじめての東京での年越しになります。今年は、フェスの参加をお休みさせていただいているので、年末のカウントダウン系のフェス・イベントに参加することもありません。紅白にも残念ながら呼ばれませんでしたし、東京での年越しを一体どう過ごせばいいと思いますか?『ゆく年くる年』を見て、年越しそばを食べるまでは例年の決まりごとなのでこなすとして、そのあと初詣はどこにお参りすべきか、今とても頭を悩ませています。実家にいたときには宇治上神社へお参りしていました。世界遺産にも選ばれた由緒ある神社ですが、世界遺産いち地味で落ち着いたいい神社です。京都とはいえ宇治なので、人混みでごったがえすこともなく、元日には薄い大根のお味噌汁みたいなやつを振る舞いで出してくれたりして、それを寒い中いただいて参拝するのが恒例でした。やっぱり、今住んでいる土地の氏神様にお参りすべきですよね。あと僕は巳年なので、「へび」に縁起のある神社にお参りしたいです。ちなみに、宇治は土地柄「うさぎ」にご縁があり、巳年の僕とはあまり相性がよくないらしいです…。とにかく初詣を大事にしているので、もしカウントダウンライブをやるとしたら、どこか神社で開催したい。初詣と一体型ライブにしたいです。年越しを終えたらそのまま初詣ができるとベストじゃないでしょうか。明治神宮さんとかで開かせていただけないですかね?おかざきたいいく映画『ジュマンジ/ネクスト・レベル』日本語吹替版主題歌「Merry Merry Christmas Night」配信中。2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催。※『anan』2019年1月1日-8日合併号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年12月28日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「インスタライブ」です。「インスタライブ」とは、写真共有アプリのInstagram(インスタグラム)のストーリー機能を使って動画をリアルタイム配信することを言います。僕がインスタライブの配信をするのは、たいてい唐突です。ちょっと時間あるなあとか、いま暇やから…と思いつくとスタート。なので、メジャーアーティストとは思えない限られた視聴者数で毎回、お届けしています。配信ではみなさんからコメントで寄せられた質問に答えたり、何か話題を出してもらえたら、それに沿って話をしたり。基本的に、画面には豆電球だけ映して自分の顔も出さずにひたすらしゃべっています。だいたい1回の配信で、1時間くらい話をしていますかね。思いついた瞬間から、携帯のバッテリーが切れるまでやるので。僕の携帯は得てして充電が満タンでないことが多いです。だいたいいつも、半分くらいの充電です。なので、1時間くらいで終わることが多いです。そんなスタイルなので、ときには「インスタライブをするなら事前に告知をしてほしい」と言われることがあります。それももっともだと思うし、自分が好きな人の配信があって、それを見逃していてしかも後追いで視聴することもできないとしたら、それは悔しい気持ちになるのも分かります。でも、僕はあえてインスタライブは奇襲のものでありたいんです。今や告知とかみんなに知ってほしい情報の共有は、ツイッターやオフィシャルサイトなどでできます。リアルタイム配信の立ち位置は何かと考えると、それは僕を応援してくれる方々とのコミュニケーションの場所なんですよね。以前、告知をしてやったら結果1000人以上の方が視聴してくださいました。でも、そうなるともうコメントをひとつひとつ読むことが不可能なんです。さーって流れていってしまうんです。ダラダラしゃべりながら、コメントを拾って、会話をしていくには100~200人くらいの視聴者数がちょうどいい。お互いにとって幸せなんです。とはいっても、突然の配信で100人以上の方々がわざわざ見てくれるってありがたいことです。思い返すと、7年前にツイキャスで生放送した時には視聴者数たったの2でしたから。一つは友人、もう一つは僕が別の媒体を使ってテストで見ていた分。つまり1対1だったんですね。もう、それ電話でええやん、と思いました。おかざきたいいく『ジュマンジ/ネクスト・レベル』日本語吹替版主題歌「Merry Merry Christmas Night」配信中。2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催。※『anan』2019年12月25日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年12月21日12月25日、シンガーソングライターとしてグループ卒業後初のアルバムをリリースする山本彩さん。卒業から約1年で3枚のシングルを作詞作曲し、ついにはアルバムまで。大活躍のこの一年を「めっちゃハイスピードな年でした!」と振り返る。「最初は一人になる不安もあったんですけど、それを忘れるくらい充実していました。特にアルバム制作中は一曲書いたらまた一曲…、と常に締め切りに追われていたので、一息つく間もなく一年が過ぎましたね」全曲で作詞作曲を手掛けたこのアルバムは、卒業後発表したシングル3曲を含む全11曲を収録。切ない恋、穏やかな愛、夢を追う情熱…。26歳のリアルな気持ちがあふれる歌詞に共感せずにはいられない。「だとしたらうれしいです!アイドルからシンガーソングライターになる上では、歌詞や曲でさらけ出すことも必要。今回も詞を作るときに“ぶっちゃける”ことを意識しました。それが曲のリアリティにもつながるはずだから。逆にアイドル時代はグループのキャプテンとして、自分を抑えることが多かったので、さらけ出す方向に切り替えるのは時間がかかりました。でも努力の甲斐あってか荒々しい自分、ナイーブな自分、余裕のある自分…。いろんな私が入った歌詞を書けたかな」サウンド面でもそうそうたるプロデューサー陣とタッグを組み、未開拓のジャンルに挑戦している。「自分のルーツはロック。でも今作はブラックミュージックやシティポップなど幅広いテイストの曲が入っているので、いままで私のことを知らなかった方にも聴いてもらいやすいと思います。トレンドに敏感な方なら、う~ん…特にLUCKY TAPESの高橋海さんと作らせていただいた『feel the night』は旬な音でおすすめかな。年齢相応の大人っぽさも出ていると思う一曲です」アルバム制作を終えたいま、山本さんの気持ちはすでに来年へ。「今年は次につながる一年になったけど、まだまだこれから。2年目で結果を残すことが大事やと思ってます。プロ野球選手みたい…?いやでも本当にそうなんですよ!来年は2年ぶりのホールツアーも控えていますし、ギター一つで路上ライブ…みたいなこともしてみたい。今後の自分が楽しみですね」内面はもちろん、いまはビジュアル面での“キャラ変”も満喫中。「髪色を変えたり、ピアスをしたり、いろんな格好に挑戦してます。でもこうして変化を楽しめているのはアイドル時代のおかげ。キャプテンとして予想外のことに対応していくなかで、変化することが人としての深みにつながると知ったんです。これからもいろんな経験をして、それを曲で表現できるようになれたら。そして実体験から作った曲なら、それがラブソングだとしても『これは私の実体験です』って堂々と言える人になりたい。シンガーソングライターってそういうものだと思うから」グループ卒業後初、自身3枚目となるアルバム『α』。新曲3曲を含む充実の11曲。【初回限定盤(CD+DVD)】¥4,000【ファンクラブ限定盤(CD+DVD+フォトブック)】¥9,800【通常盤(CD)】¥3,000(ユニバーサル シグマ)やまもと・さやか1993年7月14日生まれ、大阪府出身。NMB48キャプテンとして8年間活動。昨年11月の卒業後は力強い歌声と特技のギターを武器にシンガーソングライターの道へ。2020年2月からは全国ツアーも予定している。衣装協力・ニットワンピース(zucca/エイ・ネット)花柄スカート(muller of yoshiokubo)リング(e.m./e.m.表参道店)その他はスタイリスト私物※『anan』2019年12月25日号より。写真・小笠原真紀取材、文・大澤千穗(by anan編集部)
2019年12月18日第一次世界大戦中にオスマン帝国(現在のトルコ周辺)で起きたアルメニア人への迫害。それを題材に書かれた『月の獣』は、家族を失いアメリカへと亡命したアルメニア人の青年・アラムが、同じ境遇の孤児の少女・セタを写真1枚で選び、妻に迎える物語。アラムを眞島秀和さん、セタを岸井ゆきのさんが演じる。心に同じ傷を抱えた他人同士は、本当の夫婦になれるのか。眞島:ゆきのちゃんって、一見華奢に見えて実は芯が強い印象なんだよね。だから、少女から大人になっていくセタ役がぴったりだと思って。岸井:アラムとセタのふたりで担うものが多い作品だから、以前ドラマで共演した眞島さんがアラムで安心しました。そのときたくさん力を貸していただきました。今回もいっぱい頼ろうと思っています(笑)。眞島:最初に台本を読んだときは、壮大で重たい話という印象を持っていたんですよ。でも実際に稽古が進んでいくと、過去の虐殺事件が背景にありながらも、日常の夫婦の話を描いているんだなって感じてる。岸井:壮絶な過去を背負っているふたりだけど、軸にあるのは、育った環境の違う人同士がいかに家族になっていくかなんですよね。眞島:アルメニア人同士で、他に生きていく場所がない境遇は似ているけれど、育った環境が全然違う。岸井:同じ宗教を信仰しているけれど、セタは、お母さんはキッチンで歌を歌うし、お父さんはベッドで聖書を読みながら寝るような家で育っているんです。でも、アラムは厳粛な家で育っていて。眞島:彼は“こうあるべき”を強く持っている人で、それをセタに押し付けようとする。そのうち、手に負えなくなってきた彼女に反論されるようになるんですけど、そうなって動揺するアラムが面白くて。岸井:セタが諦めずにぶつかっていくんですよね。でも時どき力尽きちゃうことがあって、そうなって初めてアラムがハッとするんです。こっちからすると遅い!って(笑)。眞島:アラムとしては、僕の考えをきっと彼女もわかってくれるはず…だからね。でもそういう部分、男性としてわかるなっていう部分も多いんだよね。外国が舞台だけど、日本人にも共感してもらえると思う。僕がこの戯曲の好きなところは、久保(酎吉)さんのセリフの…。岸井:あー!それ以上はダメです。私がお客さんだったら、劇場でハッとなりたい!(笑)眞島:(笑)。では僕は、ハードルが高い芝居じゃないからということだけ申し上げておこうかな。岸井:私自身、舞台を観るのが好きなんですけど、編集がなく、話が進んでいくその過程ごとお客さんと共有できるところが面白い。映像とは違う空間が広がっているので、ぜひ体験しに来ていただきたいです。『月の獣』少女・セタ(岸井)と結婚したアラム(眞島)は理想の家族像を彼女に押し付けようとするが、幼い妻には理解できない。やがて月日が経ち、彼らの前に孤児の少年が現れ…。上演中~12月23日(月)新宿・紀伊國屋ホール作/リチャード・カリノスキー演出/栗山民也出演/眞島秀和、岸井ゆきの、久保酎吉、升水柚希全席指定8800円(税込み)サンライズプロモーション東京 TEL:0570・00・3337(月~金曜12:00~18:00)新潟、兵庫公演あり。ましま・ひでかず1976年11月13日生まれ、山形県出身。映画『青chong』でデビュー。近作に映画『愚行録』など。来年の大河ドラマ『麒麟がくる』に出演。きしい・ゆきの1992年2月11日生まれ、神奈川県出身。主演映画『愛がなんだ』で注目を集める。来年は映画『前田建設ファンタジー営業部』が公開。※『anan』2019年12月18日号より。写真・小笠原真紀取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2019年12月17日芸能界きっての“オタク心”を持つ女優、モデルの山本美月さんに、作品を熱狂的に愛することの喜びや楽しさを語っていただきました。「私、今までアイドルに夢中になったことが一度もないんです。たとえば思春期の頃も、まわりの女の子たちが好きなタレントの話題で盛り上がっているなか、自分はアニメの話ばかりしていて(笑)。生身の人間よりも二次元のキャラクターに惹かれてしまうんです」まっすぐな瞳で、みずからのアニメ愛を語ってくれた山本美月さん。はじめて二次元の相手に恋したのは小学6年生の時。「『鋼の錬金術師』のアニメを見て、声優の朴ロ(※)美さん演じる主人公のエドワード・エルリックが大好きになりました。物心ついた時から漫画とアニメは常に身近にあったのですが、自分がオタクだと自覚したのはその頃のことなのかもしれないです」もっとも熱狂していたのは中学時代。友達と一緒に地元の福岡で開かれる同人誌即売イベントにもよく足を運んでいたそう。さらに“好き”が高じて、みずから創作活動を試みるようにも。「ドリーム小説といって、登場人物の名前を自由に変換できる二次創作の小説を書いたり、漫画も描いていました。ジャンルとしては怪盗モノとか、悪魔と天使が戦うファンタジーみたいなお話が多かったです。“漫画家になりたい”と思った時期もあったのですが、さすがに母に止められて(笑)。でも絵は大好きなので、今も空いた時間にイラストを描いています」その腕前はかなりハイレベルで、自身のSNSのハッシュタグ「#近々の美月」にて公開中。「みなさんに作品を見てもらえるのは嬉しいです。ただ、SNSでは自分の好きなアニメーターさんとも繋がっていたりするので、プロの方たちに見られていると思うとドキドキしますね。すごく恐れ多いのですが、絵もコスプレと同じで自己満足だと思っているので、これからも続けていきたいです」好きなアニメの基準を尋ねてみると、「まずはストーリーがしっかりしていること。それから、やっぱり作画の美しさですね」と彼女らしい答えが。凝った作画に出合った時は、手掛けたアニメーターや監督の名前をすかさずチェックするのだとか。ここまで夢中になれる、いちばんの原動力とは?「アニメが“新しい感覚”をくれるからかもしれないです。その視点はなかった!というような。たとえば最近だと、幾原邦彦監督の『さらざんまい』を見た時もそう感じました。“こういう描き方するの?”とか“今ここでこのキャラ死ぬんだ”みたいな、いい意味で予想を裏切られる瞬間の感動は大きいですね。もちろん『プリキュア』や『アイカツ!』のように、王道のルールがある作品にも安定の面白さがあるのですが」ちなみに、“アイドルよりも二次元のキャラが好き”なのにも、山本さん独自の理由があるそう。「だってキャラクターは絶対に裏切らないじゃないですか。自分だけのものでいてほしいんです、私(笑)。二次元なら画面で見られる相手の姿がすべて。だからこそ永遠に追いかけていられるんです」最後に「自分がオタクでよかったと思うことは?」と質問すると、「気づいたらずっとこうなので、よくわからないですね」という、なんとも率直な答えが。「『CanCam』の専属モデルだった最初の頃は、アニメ好きなことを公表していなかったのですが、今はファッション誌でアニメを題材にしたコスプレとイラストの連載をやらせてもらったり、自分の“好き”を仕事に生かせていることが嬉しいです。なりたい自分像は人それぞれだと思いますが、私はアニメが好きな自分でいたいし、おしゃれが好きな人たちにもこの楽しさを知ってもらいたい。そんなふうに、“ファッションとオタクの懸け橋”に自分がなれたらいいなと思っています」山本さんが熱狂するモノライトノベル:『Re:ゼロから始める異世界生活』長月達平KADOKAWAコスプレするほどキャラが好き!死して時間を巻き戻す「死に戻り」の能力を手にした高校生ナツキ・スバルの数奇な運命を描く。「ボストンへ短期留学中、ハロウィンに鬼化したレムのコスプレをしました(笑)」マンガ:新装版『魔探偵ロキ』木下さくら全7巻マッグガーデン少年探偵・ロキの活躍を描く推理ファンタジー。人間界に追放された北欧神話の邪神ロキが、神界へ戻るために少年探偵となり、人間に取り憑いた魔を落としていく。「この作品の影響で、探偵モノのショートショートを書いてました」イラストを描くこと:『#近々の美月』撮影現場や旅行にもiPadは必ず持参。山本さんの直筆イラスト。近況や演じている役のイメージ画などを「#近々の美月」のハッシュタグをつけて自身のSNS 上に公開中。「iPadにアップルペンシルを使って描いています」やまもと みづき1991年7月18日生まれ、福岡県出身。女優、モデル。主演ドラマ『ランチ合コン探偵~恋とグルメと謎解きと~』(日本テレビ系)が来年1月9日(木)よりスタート。雑誌『SPRiNG』(宝島社)にて、「山本美月とアニメのはなし」連載中。自身がチョイスしたアニメ作品のコスプレと直筆のイラストも披露している。ワンピース¥42,000(シー/エスストア TEL:03・6432・2358)ピアス¥40,000左リング¥16,000右リング¥9,000(以上イディアライト/ジェリー&コー TEL:03・5773・5070)靴¥45,000(ビューティフル・シューズ/ギャラリー・オブ・オーセンティック TEL:03・5808・7515)ソックスはスタイリスト私物(※)ロの字は王へんに路※『anan』2019年12月18日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・武政ヘア&メイク・北 一騎取材、文・瀬尾麻美(by anan編集部)
2019年12月14日「デビューから10年かけて制作スタイルが構築されたので、それを一度壊してもいいなと思ったんです」2016年のデビュー10周年を経て、約4年ぶりとなるAL『コペルニクス』をリリースする秦 基博さん。だからこそ、これまでのイメージを覆すような新鮮な曲も生まれた。直接的な表現より女性の仕草にドキッとするんです。「ギターのリフをループさせ、そこに四つ打ちのキックをぶつけるというアイデアで生まれたのが『Raspberry Lover』。久しぶりに作品を作るにあたって、自分が聴いててカッコいいなと思うリズムやメロディの置き方だったり、その基準が変化していたんです」世界的なトレンドも意識して斬新さを投入しながらも、アコースティックギター+歌という基本軸をぶらさずに彼らしさのある音楽を生み出す。「Raspberry Lover」は男女の無言の駆け引きがスリリングな歌詞も聴きどころ。「この曲って〈僕〉は、何もアクションを起こしていないんですよ。ポーカーフェイスで平然を装っているけれど、心の内側では悶々と苦しんでる。客観的に見れば普通に喋っているふたりの胸の内を歌っています。直接的な表現よりも女性の仕草とかにやっぱりドキッとするし、言葉以上にいろんな情報を得てる気がするんですよね」そんな繊細な感性で綴られた楽曲も多く収録された今作のタイトルは『コペルニクス』。かつて太陽中心説を唱えた天文学者の名だ。「毎日を過ごしている中で見える景色って、いつもそんなに変わらない。だからこそ同じ景色の中に違うものを見つけられる曲を作りたい、と今作を作っていたんです。そこで思い浮かんだのがこのタイトルでした」ユニークなビート感とシニカルな歌詞がスパイスを利かせる「アース・コレクション」や喪失感さえも温かいものに変えるバラード「在る」など、これまで当たり前だと思ってきたことに別の視点や思考を加える楽曲が、まさに「コペルニクス」的。「やっぱり今を生きる一人の人間として社会性や時代性も感じながら曲を書いています。39歳になって、これからはいろんなものを次に受け渡していかなきゃいけない世代でもあると思うし。でも、曲を作る時はシンプルな思いでいて、まずは自分がいいと思うものを作る、そして、それを聴いてくれる人が楽しんでくれたらいいなという思いではあります」40歳を前にしてなんだか肩の力が抜けてきた印象を受けた。「そうですね。前作までは自分を追い込んでたところもあるんですけど、最近は“今日はできなそうだな”と思ったら違うことをしたり(笑)。曲作りってやっぱり楽しいものだよなって、存分に感じていたいんです」はた・もとひろ宮崎県生まれ、横浜育ち。2006年にシングル『シンクロ』でデビュー。’14年、『ひまわりの約束』が大ヒット。今作をひっさげ来年3月より全国ツアーがスタートする。トップス¥11,000(ONE by OURET/Sian PR TEL:03・6662・5525 )ジャケット¥50,000パンツ¥30,000(共にSOLIDO/タトラスインターナショナルTEL:03・5708・5188)その他はスタイリスト私物初の卒業ソング「仰げば青空」や花の命をテーマに描いた「花」など、CMソングを含む全13曲。6th Album『コペルニクス』【初回限定盤CD+DVD】¥4,500【通常盤CD】¥3,000(オーガスタレコード)※『anan』2019年12月18日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・中村 剛ヘア&メイク・原田武比古(ArtsyLife)取材、文・上野三樹(by anan編集部)
2019年12月12日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「レギュラーワーク」です。『anan』で連載をはじめてちょうど2年になります。なんと今回で100回目を迎えます。ありがとうございます。メジャーデビュー以降、うれしいことにレギュラーのお仕事が途切れたことがありません。ずっとやっているラジオやTVのレギュラー番組、そして雑誌の連載と、ミュージシャンですがやっぱり毎週とか毎月とか決まっているお仕事があるというのは、心の安心・安定に繋がっていいですね。スタッフが決まっているのもありがたいです。新しい環境とか人に慣れるのに時間がかかるタイプなので、レギュラーでいつも同じメンバーでできる仕事は気持ちもすごく楽。音楽はひとりきりでプレッシャーを抱えながら向き合うものなので、作るのもライブも常に緊張感があります。本業なので当然ですが、でもしんどいことも多い。一方レギュラーワークは、いろんな人と関わりながら作るものなので、その場その場で考えられる。楽しんでできているので、ありがたいなあと思います。ミュージシャンの方は、音楽番組以外だと自分の趣味を活かした連載や番組を持っている方が多い気がします。映画好きの方が映画のコラムを書いたり、コメントをする番組を持っていたり。実を言うと、僕はそれはちょっと苦手、というか、多分できません。なぜかというと、そこまでこだわっている趣味がないからです。なんでも広く浅くで終わってしまう。だから、逆に言うと誰とでもなんの話でもできます。カメレオンタイプです。話合わせるのはうまくできるほうですし、浅くなら、いろんなこと知ってます。野球の話も映画の話もできると思います。そう考えると僕はMCタイプなのかもしれません。ケーブルTVの専門番組を見るのがめっちゃ好きなんですが、そこに出ているような、いろんな世界のエキスパートに会ってみたい。僕のようなズブの素人が超専門的な釣り番組の司会とかをしていたら、めっちゃ面白くないですか。詳しい人ばかりで掘り下げるより、「なんでコイツおんねん?」というような視聴者目線の僕みたいなのがいたほうが、番組的にもわかりやすくなっていいと思うんですよね。そうなると、もう音楽とは全然関係ないほうがいい。ガーデニングとか手芸を専門家に教えていただくとか。僕がなんかチクチク作ってたら、ちょっとかわいくないですか?おかざきたいいく1/3(金)23:00~、NHK Eテレで『前山田×体育のワンルームミュージック』完全版放送。2/11(火)、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催。※『anan』2019年12月18日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年12月12日「別の人の彼女になったよ」がサブスク総再生4000万回を超えるなど、いま注目のバンド、wacci。AL『Empathy』は、印象的なメロディと開かれたアレンジとリアルな歌詞で、共感度が高い一枚に。「結成から10年。普通の日常を生きてる人に寄り添えるような音楽を作りたくて活動してきたことを考えた時に、『共感=Empathy』って言葉が浮かんだんです」(橋口洋平・Vo&Gt)「ここにいる」では、wacciが音楽を作る理由が歌われている。「初めて自分たちが歌ったり演奏することについて書いてみました。王道の“良い”メロディで、誰にでもわかる歌詞で、自分たちの意志がしっかり伝わるように書いた。〈なくても生きていけるけど あるから生きてこれたって〉という歌詞がありますが、災害のたびに、歌って無力だなと思う。でも何年か後に辛かった時を振り返ると、歌があったから生きてこられたって思わせる力はあると思ってるんです」(橋口)『Empathy』ははっきりと情景が浮かぶ曲ばかりだが、メンバーそれぞれの共感ポイントというと?「『足りない』。別れようとしている相手に対してこういうことを思ってしまうっていう黒い部分が出てて、すごく好きです」(村中慧慈・Gt)「『太陽みたいに』。もう会えなくなってしまった人のことを思いながら、自分がこう生きたいと祈るような歌で。運転しながら歌ってたらひとりで号泣してました(笑)」(横山祐介・Dr)「『Buddy』は新しいwacciのサウンド像を提示できた。生きていたら誰でも感じる“ひとりじゃないんだ感”も共感できる」(因幡始・Piano&Key)「『どうかしている』は、周りに馴染めずにひとりで過ごしていて、それを良しとしている面もあれば寂しい面もあって葛藤していた学生時代を思い出させられました」(小野裕基・Ba)「女性がどう感じるか特に気になるのが、『三日月』と『足りない』という女性目線の曲。『足りない』の、“強がり”と“好き”のせめぎ合いを、わかると思ってもらえるのか。『三日月』は片思いの歌だけど不倫とも取れる。共感するかしないか教えてもらいたいです(笑)」(橋口)4thアルバム『Empathy』【初回生産限定盤A(CD+DVD+フォトブック)】¥4,600【初回生産限定盤B、C(共にCD+DVD)】各¥3,600【通常盤(CD)】¥3,100*すべて税込み(EPIC Records Japan)ワッチ右から、横山祐介(Dr)、村中慧慈(Gt)、橋口洋平(Vo&Gt)、因幡始(Piano&Key)、小野裕基(Ba)。47都道府県ツアー中。ファイナルは2020年7月19日の神奈川県民ホール公演。横山さん・上に着たシャツ¥22,000(イチエフ/ファクトタム ラボ ストア TEL:03・5428・3434)パンツ¥39,000(08サーカス/08サーカス 08ブック TEL:03・5329・0801)村中さん・ジャケット¥26,000パンツ¥20,000(共にジョンブル/ジョンブルカスタマーセンター TEL:086・470・5770)ハット¥12,000(CA4LA/CA4LA ショールーム TEL:03・5775・3433)橋口さん・ジャケット¥58,000(ファクトタム/ファクトタム ラボ ストア)因幡さん・ニット¥38,000パンツ¥28,000(共にタクタク/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)ニットの下に着たカットソー¥26,000(シャリーフ/シアン PR TEL:03・6662・5525)小野さん・シャツ¥46,000パンツ¥36,000(共にアトウ/アトウ 青山店 TEL:03・5474・1748)その他はすべてスタイリスト私物※『anan』2019年12月11日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・ホカリキュウ取材、文・小松香里(by anan編集部)
2019年12月10日この2年は大きな転機の年だったに違いない。昨年、連続テレビ小説『半分、青い。』にヒロイン・鈴愛の幼なじみ、菜生として出演し話題を集めると、約半年後の今年4月から2クールにわたり放送されたドラマ『あなたの番です』では、言動が不気味なマンションの住人・尾野ちゃんとして登場。その演技力と振り切った役作りが注目され、SNSでは尾野ちゃんのモノマネをする人が続出。そんな、ときめいている人、奈緒さんの初主演映画『ハルカの陶(すえ)』が公開中!――備前焼がテーマの作品ということで、陶芸や焼き物の知識がないと十分に楽しめないかもと心配でしたが、イマドキの女性、はるかの成長に共感できる部分も多くて、面白かったです。ありがとうございます。はるかの年代ってちょうど就職難で、いろんな部分で悟らなければいけない時代に生きているし、夢を持つことを難しく感じている、本当にイマドキの女性だと思います。ドラマティックなことに人並みに憧れはあるけれど、夢はなかったはるかが、ある日、備前焼の大皿に出合い、自分の中に眠っていた強さと明るさが解き放たれたんです。その感覚って、きっとどの女性の中にも眠っていて、やりたいことにまだ出合えていない女性も、多いと思います。――大皿にすっかり魅了されてしまったはるかは、仕事を辞めて大皿を作った職人を訪ねて岡山県備前市の伊部へ行くわけですが、その行動力は素晴らしいですね。そこまでした理由はなんでしょう。“知らない自分と出会った”というのが大きいんじゃないかなと思っています。今まで興味のなかったものに、見た瞬間に心が奪われるということがなかったから、自分への探究心から行ってみよう、作った人に会ってみようという行動力に繋がったんだと思います。――奈緒さんは、そういう感覚を味わったことはありますか?まさにお芝居がそうで、初めてワークショップで演技をさせてもらった時は大きな衝撃でした。私、基本的に感情の起伏が激しいわけでもないし、おりこうさんだね、って言われながら学生時代を過ごしてきたんです。でもお芝居をしてみたら、怒りの感情を表現できたり、すごく大きな声が出たりすることに驚いて、それがなんなのかわからなくて。そこから、お芝居がしたい!と思うようになったんです。当時、地元の福岡で所属していた事務所の方に「お芝居がやりたいんです」って初めて話した時は涙が止まらなくて。反対されてるわけでもないし、ただ思いを伝えているだけなのに、これなんの涙?って。言葉や理屈で説明できないからこそ、不思議な力が湧いてきたりするものなのかな、と思うとはるかが備前焼に出合った時の感情ってそういうことなんじゃないかな、って。その後、はるかの猪突猛進な性格からいろんな人たちを巻き込んでいくところも、面白いと思いました。――“巻き込まれた”のは、主に平山浩行さん演じる師匠の修先生と、笹野高史さん演じる人間国宝の陶人先生でしたね。このおふたりとのシーンは多かったと思いますが、撮影中はどのようにチームワークを深めていきましたか?笹野さんは、一緒にいるだけで学びがある方でした。オール岡山ロケだったんですが、笹野さんとのシーンの撮影は最初の5日間で集中的に行われたんです。2人でいる時に「君が主演の映画で僕がいろいろ言うのは違うかもしれないんだけど、ごめんね」と言いながら、監督やスタッフと、時には1人ですごく悩まれていて、それを私にも相談してくださって。キャリアの長い方が、いい作品にしたいとそこまで悩む姿にすごく勇気をもらったんです。私も笹野さんぐらいの年になった時に、同じように悩める人でありたいな、って思いました。現場では、いろんな笹野さんをフィルムカメラで隠し撮りしていたんですが(笑)、悩みながら窓を開けて、岡山の風景を眺めている後ろ姿は本当にかっこよくて、その写真は私のお守り代わりになりました。平山さんは、映画の中では厳しい師匠で笑顔のない役でしたが、実際はチャーミングな方。平山さんの写真はほとんど笑っています。私の体を気遣って肩の力を抜かせてくれたり、撮影が終わると温泉に連れていってくれるような、優しくて大きな方。だから完成作を観た時に「あれ、修先生って私が知ってる平山さんと全然違う!」ってびっくりしちゃいました(笑)。――ギャップを知ってから観るのもいいかもしれませんね(笑)。映画の見どころを教えてください。まず、岡山の風景がすごくきれいなこと。映像がかっこよくて、自然の音も岡山の風景の中から録っているので、音楽や音も含めこの映画が好きです。伊部に生きる人やその情熱、備前焼の素晴らしさが詰まった映画になっているので、映画館で観ていただければ、肌や鼓膜に触れるようなあったかさが体験できると思います。難しく考えずに、ふらっと映画館に足を運んでほしいです。なお1995年2月10日生まれ、福岡県出身。高1の時に地元の芸能事務所に所属し、モデルの仕事を始める。芝居を勉強するために20歳で上京し、テレビドラマやCMに出演。転機になったのは連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK)と『あなたの番です』(NTV)。来年1月にスタートする『やめるときも、すこやかなるときも』(NTV)でヒロインを務める。映画『ハルカの陶』は、第13回岡山芸術文化賞功労賞を受賞したコミックが原作。OLのはるかは、ある日デパートで偶然目にした備前焼の大皿の虜になり、仕事を辞めて、岡山県備前市に窯を持つ作家・修の弟子を志願する。陶芸家を目指すはるかの成長を描いた夢と情熱が詰まった物語。共演に平山浩行、笹野高史ほか。ユーロスペースほかにて全国公開中。※『anan』2019年12月11日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・つばきちインタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2019年12月10日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「クリスマスソング」です。すでに情報が解禁されていますが、デビュー後はじめてとなるクリスマスソングを作りました。「Merry Merry Christmas Night」という曲です。ハリウッド映画『ジュマンジ/ネクスト・レベル』の日本語吹替版主題歌で、公開が12月13日なのでずばり“クリスマスソング”をお題としていただいたんです。そこから、古今東西のクリスマスの名曲をめちゃくちゃ聴いて研究をして、これは完全にルールがあるなと気付きました。そのルールとは、(1)鈴または鐘の音がする。(2)賛美歌的なコーラスが入る。(3)シャッフルビート。これです。これさえ踏襲していれば、どんな曲でもクリスマスっぽい雰囲気に仕上がると思います。基本的に明るい曲調であるというのもポイントだと思います。たとえ、切ないバラードだとしても、リズムは跳ねていることが多いです。これは、クリスマスの浮かれたムードを醸し出しているとか、雪の降っているようなリズム感を出すとか、そういう印象を狙っているのではないでしょうか。クリスマスはワクワクするものというパブリックイメージがあるので、明るい曲調が合うんでしょうね。正直、なぜワクワクせなあかんのかとも思いますが、これはもう小さいときからの刷り込みで、もう日本国民ほぼ全員がそういう体になってしまっていると思います。なので、今回の僕が作った曲も、きちんとルールを守ってオーソドックスに作ってみました。はずさない王道のクリスマスソングに仕上がっていると思います。ぜひ聴いてみてください!僕自身のクリスマスの思い出はというと…実家はバチバチの仏教徒なので、特別なご馳走を食べるとか友達呼んでパーティをするとかいうこともとくになくて。まあ、でも子どものころはサンタクロースを信じていましたし、ゲーム機やソフトとかをプレゼントでもらっていましたね。個人的には、バイトによく入ってたな、という感じです。クリスマスや年末年始ってバイトの時給よくなるじゃないですか。それを狙ってクリスマスイブもがんがんバイトしていました。それでもクリスマスは感じられるものです。僕は、スーパーで働いていたので家族連れがホールケーキ買っていく姿とか微笑ましく見ていましたね。あとは、休憩室にささやかなケーキとかあって、それをパートのおばちゃんたちと一緒に食べるのが楽しかったり。そんな思い出です。おかざきたいいく12/15、Zepp Fukuoka「ベリーグッドマンへの道 ツアー 2019~武者修行編~」に出演。来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年12月11日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年12月07日