千葉県茂原市の市街から少し離れた県道沿いにある「コーヒーくろねこ舎」。東京から移住した今野さん夫妻が営業しているブックカフェです。古民家専門の不動産サイトで物件を見つけ、夫がDIYでリノベして、夢だったカフェをオープンさせました。素朴であたたか、そんな空気に包まれるやさしい空間です。■ 田舎暮らしに求める生活目的を持つ夫の博之さんは山形出身で、実家に帰るたびに自然に囲まれた環境のよさを再確認していました。そして妻の素子さんの夢はカフェ経営。介護士として働く博之さんは「自分の仕事をベースに妻の夢をかなえるには、東京でなくてもいいのでは」と移住を決意します。夫妻は、東京近郊で古民家を探す中、千葉県にある古民家専門の不動産サイトを発見。そのサイトの主宰者も移住者であり、田舎暮らし希望者を対象にした古民家交流会を開催していました。そこで、さっそく交流会に参加し、先輩移住者さんたちの生の声を聞きます。「目的がしっかりしていた方がより田舎暮らしが楽しめる、コミュニティやご近所さんとの付き合い方とかとても勉強になりました」と素子さん。こうして自分たちが田舎暮らしに求める生活目的をしっかりと固めました。「古民家で暮らしながらカフェを経営したい」「敷地内で菜園をしたい」という想いです。……手に入れたのは、瓦屋根の日本家屋。築年数は経っていましたが、ご近所の宮大工が建てた建物であり、躯体はしっかりとしていて雨漏りなどもありません。庭+古民家+カフェという条件にぴったりな理想の物件でした。■ 夫がDIYで古民家カフェにリノベ今野さん夫妻がこだわったのは、自分たちの力で店づくりをすること。博之さんは仕事をしながら床の張り替え、壁塗りなどDIY リノベを実践しました。どのように改装をしたのか、少しご紹介しましょう。和室があった場所は畳をはがし、杉のフローリングに張り替えました。ここは大きな窓からのんびりとした眺めを楽しめる場所ですね。ハーブなどが自生している菜園が見えます。カフェカウンターは元々あった引き戸を活用しました。既存の床の間は、本やグリーンを飾るスペースに。浴室はレトロなタイルをそのまま生かしながら、浴槽を取り除いて小物をディスプレイ。カフェでイベントを開催する際には、スタッフのバックヤードとして活用しているそうです。カフェの玄関は、既存のケヤキの床をそのまま生かしました。テーブルや椅子などのインテリアはどうしたのでしょう?小学校で使われていた勉強机、秋田の温泉街で偶然拾ったテーブルなどをリメイクして活用しているそうです。テーブルと椅子はすべて異なるデザインなのが楽しいですね。どこに座るか選びたくなります。照明はシンプルな裸電球を使い、昭和の雰囲気を生かしているとのこと。知り合いや友人からもらった花やグリーンは、ドライにして店内に飾っています。銀座の老舗コーヒー店で働きながら焙煎技術を習得した素子さん。こちらに来てからはコーヒー屋台を出店し、カフェオープンの準備を着々と進め、3年かけて「コーヒーくろねこ舎」をオープンしました。■ 地元を活性化させるコミュニティの一員に「町のコーヒー屋として一生ここで暮らしたい」と話す素子さん。この地を移住先に選んだきっかけは?「ラジオ番組で、東京から千葉県いすみ市に移住した人の話を聞いたことがきっかけです。夫は、カフェ&宿泊施設『ブラウンズフィールド』で2週間の泊まり込み体験を経て、千葉県の住みやすさを実感しました」と素子さん。なるほど。実際に暮らしてみないと分からないこともありますものね。そして、移住生活で大切にしているのが、ご近所やコミュニティとの関係だそうです。博之さんは地元の消防団に入ったり、お祭りに参加したりしているそうです。素子さんは、様々なイベントでのコーヒー屋台は現在でも積極的に出店して、地元を活性化させるコミュニティの一員として活動。田舎暮らしには困ることもありそうですが……?「豪雨による倒木で道が寸断されて町に出られない」などの予期せぬことが起こったりするそうです。“田舎あるあるトラブル”に要注意です。でも、よいことの方がたくさん!「料理を通して素材のこと、農園の方々のことを紹介する機会もあり、カフェが“つながりの場” にもなるといううれしさがあります」野菜や果物のおいしさを改めて感じたり、自分と似た感覚を持つ人たちとのつながりが広がったりして、東京では得られなかったものが日々増えています。ところでカフェのオススメですが、やはり、時間をかけて丁寧にドリップするこだわりのコーヒーと新鮮な地元の有機野菜をふんだんに用いた数々の料理!夢を実現し、地元のコミュニティに参加し、自然に包まれてスローライフを楽しむ今野さん夫妻。やってみたいこともまだまだあります。「自生しているスペアミントやタイムなどのハーブ類はあるのですが、もっとちゃんとした菜園をやりたいと思っています」と、さらなる想いを語ってくれました。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2019年2月号」を参考にしてみてくださいね。コーヒーくろねこ舎〒297-0044 千葉県茂原市台田327-1080・4403・0319自家焙煎のコーヒー、手づくり料理とスイーツを提供。不定期営業のため開店日時は要問撮影/山田耕司(扶桑社)住まいの設計2018年12月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「猫だってハッピーにしてほしい!猫と一緒に暮らすための家」 【第二特集】「自分らしいインテリアと暮らしています」
2019年04月09日長男が生まれ、Mさん夫妻は当時住んでいた50平米弱の賃貸マンションの窮屈さから、引っ越しを決めたそう。「賃貸で家賃を払い続けるのはもったいない」(夫)との考えから、住宅の購入を検討しました。予算に合うのは中古になるため、設備の更新が必要。どうせならば、リノベーションで好きなようにしたい!という流れでリノベを選択。リノベーションは、物件探しからワンストップでサポートしてくれるフィールドガレージに依頼しました。物件は同社から紹介を受けた東京都杉並区、平成6年築のマンションに決定。金額や間取りのバランスのよさが決め手になりました。■ サブウェイタイル、足場板…素材選びにもこだわって!専有面積は67平米と希望よりもやや狭めでしたが、工夫次第で広く住めるとのアドバイスに納得して購入。リノベーションの工事費は880万円(税・設計料込み)でした。フィールドガレージにリノベを依頼した理由のひとつが、施主支給を受け入れてもらえることでした。妻は照明や水栓などのパーツ類は「これを使いたい」というものがはっきりしていたためです。ダイニングのペンダントライトはflameのもの。2灯式とは、珍しいですね。これは妻が20代のころから憧れていた照明でしたが、直付けのため「買うなら家をつくるとき!」 と決めていたとか。もともと持っていたTRUCK FURNITUREのダイニングテーブルはお気に入り。大きめですが、リノベではテーブルのサイズに合わせて設計をしてもらいました。お気に入りの家具や照明が映えるように、床材には淡い色の足場板をセレクト。壁と天井は塗装仕上げにしています。リビングの壁一面にはグレー系のアクセントカラーを取り入れました。この壁は妻がDIYで塗装したものです。リノベ前にあった和室リビングは、押し入れ付きの和室だったところを利用しています。大きな収納を希望していたため布団をしまえる押し入れはそのまま残しましたが、扉の入れ替えによって、イメージを一新しました。リノベ前のキッチン子ども室を確保するため、キッチンはダイニング側に移動しました。料理に集中しやすいようにキッチンは壁付けにして、対面式のカウンターを造作しました。カウンターのキッチン側は、生活感の出やすい家電やごみ箱などを収めるをオープン棚になっています。シャープな雰囲気のキッチンにするため、カウンターはモルタルで仕上げました。壁のサブウェイタイルは印象が強くなりすぎないよう、目地は白に近いグレーに。素材選びからも、こだわりが感じられますね。キッチンの隣には容量たっぷりの食器棚とデスクを造作して、スペースを有効活用しています。オープン棚のディスプレイもステキですね。妻のこだわりから、キッチン側の壁は15センチほど立ち上げています。油跳ねなどを気にせずに、ちょっとした小物を置けるので重宝しているそうです。■ 子ども室2つを確保した上で暮らしやすい空間に!取材時は子どもは長男のみでしたが、将来のことを考え、狭くても独立した子ども室が2つ欲しかったそう。子ども室は、キッチンをダイニング側に動かしたことで生まれたスペースにつくりました。子ども室とキッチンの間には室内窓があり、互いの様子が見られるようになっています。2つの子ども室の間にはWICをつくり、「収納量もしっかり確保したい」とのリクエストも叶えてもらいました。玄関収納もたっぷり!もともとあった下駄箱を撤去して、7段のオープン棚を設置しました。床材は玄関ホールからリビングまで、足場板で統一。廊下左側は子ども室へアクセスするWICのドア、右側は寝室のドアです。寝室壁は一面のみ、ブルーグレーのアクセントウォールとしました。トイレの壁は濃いグレーに塗装。スタイリッシュな真鍮製ペーパーホルダーはネットで探し当てたもので、施主支給のひとつです。洗面台はキッチンのカウンターと同様にモルタルで仕上げました。立ち上がりの壁もキッチンと同じサブウェイタイルですが、引き締まった印象になるよう目地の色は濃いめのグレーを選んでいます。「当初心配していた狭さは、プランのおかげでほとんど感じません。家事も育児もしやすいです」と妻。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.29』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.29日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】大満足! なキッチン& ダイニングのつくり方【第2特集】イイね! 団地リノベ2018【第3特集】気になる! インテリアショップのリノベ※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/フィールドガレージ撮影/山田耕司
2019年04月02日妻の実家から近いエリアで見つけた築10年の低層マンションを5,900万円で購入したSさん夫妻。豪華さを出すための折り上げ天井やゴールドのパーツが好みではなく、LDKを重点的にリノベーションすることに。以前から家具を購入していたというSTANDARD TRADE.(スタンダードトレード)にリノベーションを依頼し、約725万円(税込み、設計料別)で自分たち好みのシンプルな空間へとつくり変えました。■ 好きな家具に囲まれる、シンプルなLDK広さは十分、築10年経ってはいるものの水回りの設備がしっかりしていて、間取りも変えずに住める。でも、ひと昔前の高級感を感じる内装が好みとは違いました。そこで、まずリビングとダイニングにあった折り上げ天井をフラットにして、シンプルで広々とした空間をつくりました。入居時にオーダーしたスタンダードトレードのテーブルをダイニングに置き、壁を淡いグレーベージュで仕上げて優しい雰囲気をプラス。床は既存の床暖房を活かしつつ、足触りが良くコストも抑えられるカーペットをセレクトしました。リビングコーナーには、細かいプリーツの施されたナラ材を張りました。サイドボードはこの場所に合わせて製作したもので、ソファはカイ・クリスチャンセンの「ペーパーナイフソファ」。辛子色のカーペットの色はファブリックの色に合わせて選びました。リビングの一角にあるフロアスタンドや小さな書棚もSTANDARD TRADE.(スタンダードトレード)製。書棚はSTANDARD TRADE.(スタンダードトレード)と出会うきっかけになったものなのだそう。キッチンは設備がしっかりしていて、機能的にも満足だったので、手を加えずそのまま使うことに。デザインテイストはダイニングとキッチンとでズレが出ましたが、独立したキッチンなのでほとんど気にならないそう。妻が食器が好きでたくさん持っているので、収納が多いので助かっているといいます。キッチンの奥には洗面室につながる扉があります。■ 個室はクロスやカーペットの交換のみに妻は自宅を仕事場にしているプロの漫画家。物件探しの際は、ワークスペースの確保も重要な条件でした。北側の1室の壁と天井のクロスを貼り替え、大量にある仕事の資料を収めるための書棚をオーダーし、妻のワークスペースにあてました。寝室と廊下も、床をカーペットに変更。カーペットはバリエーションが豊富で、コストを抑えつつ印象を大きく変えられます。温かみのある色合いと足触りのやわらかさでくつろげ、床暖房の快適性を感じられるそうです。寝室は「寝るだけの部屋」と割り切って、クロスの貼り替えと床をピンクのカーペットに変えるだけにしました。■ 既存をベースに、パーツ交換でイメージを一新もともと天井まで目いっぱいあった靴収納を下半分のサイズでつくり直したことで、絵を飾るスペースが生まれました。石貼りの床は既存のまま利用。濃い茶色だった各部屋のドアをはじめ、巾木やスイッチプレートなどのパーツを替えることで、部屋の印象が明るくシンプルに一新されました。洗面室にある洗濯機置き場には扉がありましたが、湿気がこもらないように外してオープンに。新たにオープン棚を設置して、洗濯関連の小物を収納しています。以前の洗面台は照明がたくさんついたきらびやかなデザインでしたが、好みとは違ったので、思い切ってシンプルなデザインに変更しました。バスルームはとても広く、傷みもほとんどなかったことから、そのまま使用することに。「デザインがシンプルなのでよかったです」と妻。また、トイレはクロスを貼り替え、手洗いをシンプルなものに取り替えましたが、状態がよかった便器はそのまま使うことに。壁は一部をブルーグレーに塗装して空間のアクセントにしました。「暮らしてから分かるところもあるので、入居前にはひとまず気になるところだけ直して、あとから追加でリノベ、というのもいいと思います。うちも、もしかしたらもっと限定的でもよかったのかも」と夫は話します。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.20』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.20日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】W.I.C 玄関土間 パントリー がある家はいつもキレイ!【第2特集】どうする? 実家との距離【第3特集】どっちがおトク? フルリノベVS部分リノベ【第4特集】DIY&施主支給 Real Report※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工STANDARD TRADE.撮影山田耕司
2019年04月01日夫とその母が不動産投資のために購入していた、渋谷駅から徒歩6分という便利な立地のマンションの最上階。借家人が転居したのを機に、夫を亡くした母と夫妻は将来のことを考えて一念発起し、フルリノベと同居を決心しました。唯一、満足のいくプランを出してくれたセキデザインスタジオに依頼をし、工事費約2,700万円(税・設計料込み。施主支給分含む)で二世帯同居でも快適に暮らせる空間を作り上げました。■ 試行錯誤を重ねたからこその上質なシンプルさ広いリビングダイニグを家の中心に置き、それを挟んで主寝室と母の部屋を配置しているH邸。和室2間を撤去し、実現したこの大空間は採光性も抜群。床はホワイトアッシュ無垢材で、温水式床暖房を仕込んでいます。リビングダイニングとキッチン、廊下の面の精緻な納まりに夫はつねづね関心するといいます。一見シンプルな仕上がりのH邸ですが、こうした巧みなディテールが上質さを物語っています。壁面を活かした、清潔さを感じられるダイニング。キッチンは独立型にしたので、「リビングからあれこれ見えず快適です」と母は話します。また、ダイニングには大容量の壁面収納をつくり、3人の食器が仲良く並んでいます。そして、ダイニングの西方向には、白い壁をくりぬいたような廊下が伸びていて、右手には収納とトイレ、突き当たりには手洗いコーナーを設けました。天然大理石の洗面ボウルは施主支給品。トイレの腰壁にもフローリング材を活用して、インテリアの一体感を創出しています。健康に配慮して、壁と天井は珪藻土塗り。さらに断熱などの基本性能にお金をかけたH邸。そのぶん、フローリングや収納一式、設備機器の多くは施主支給でコストを削減しました。「息子の努力で500万円は安くすんだと聞き、頼もしく思っています」と母。また、H邸では寝室以外はすべて共有。洗面脱衣所と浴室はキッチンの奥に配置しています。既存では洗面の位置に勝手口があったそうですが(珍しい!)壁でふさぎました。■ それぞれの居場所と共有の居場所をつくり快適にHさん一家は全員仕事を持っていて、妻はフルタイム勤務、夫と母は自営業。家で仕事をすることが多い夫と母のために、優先的に共有のワークルームを設けました。ワークルームのテーブルトップ、引き出しユニット、吊り棚、書棚など、家具はIKEAのものですべて施主支給品。組み立ては夫自らで行いました。居室空間の調整で、以前よりも格段に広くなった玄関も共有。床には夫が選んだ天然石を贅沢に張り、同じ素材でベンチも設置しました。ベンチは特に冬場、ブーツを履く際などに重宝しています。玄関の壁面は、外出用の大型クロゼットに。ミラー仕様の扉が外出前の身だしなみチェックに役立っています。■ 寝室だけはプライベートゾーンリビングの東側には母の寝室があります。置かれているのはベッドとテレビ、収納程度で、他室と同様シンプルそのもの。ミラー仕様の収納もIKEAで購入しました。「扉の角度を調整すると三面鏡になって便利なの」と、おしゃれさんらしいコメント。ベッドを置いた側の腰壁にはフローリングと同じ仕上げを施して、スッキリした印象に仕上げました。子世帯のプライベートゾーンにはミラー扉の収納が並び、空間をいっそう広く感じさせます。ミラー扉に写っているのはシャワーブースで、その横にトイレと洗面コーナーを配置しました。建具を省略することで明るくのびやかな空間に。渋谷駅から徒歩6分、8階建ての最上階、専有面積約128平米という誰もが憧れそうな物件をリノベーションしたHさん一家。「それぞれ居場所がちゃんとあり、仕事も持っている。だから二世帯同居でも余計な気を回さずにすみラク。マンションは戸建てと比べて冬も寒くなく、カギひとつで外出できるのも魅力です」と母は話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.20』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.20日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】W.I.C 玄関土間 パントリー がある家はいつもキレイ!【第2特集】どうする? 実家との距離【第3特集】どっちがおトク? フルリノベVS部分リノベ【第4特集】DIY&施主支給 Real Report※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計SEKI DESIGN STUDIO写真山田耕司
2019年03月22日子どもができたのを機に、都心から神奈川県逗子市のマンションへ移り住んだFさん家族。海岸まではわずか徒歩2~3分という距離にあり、以前から夫が「子育てをするにはこういう環境がいいんだろうな」と思い描いていた理想がかなう場所でした。昭和59年築、専有面積115.25平米の物件は4,000万円で入手。より居心地のよい空間を目指そうと、工事費1,500万円(税・設計料別)でリノベーションを行いました。■ 見やすくて取り出しやすい!壁面収納リノベーションは、雰囲気がいいと感じた友人のレストランを手掛けた東海林健建築設計事務所に依頼。代表の東海林さんは偶然、夫と同じ高校の同級生でもあったとか。夫はもともとインテリアに興味があり、リノベのイメージは気に入ったインテリアの写真をまとめたものなどで伝えたそうです。そして、もっとも重視したのが「できるだけ生活感を出さないこと」でした。LDKは開放感あふれる大空間になっています。リノベ前のLDK以前はキッチンとリビングダイニングに分かれていましたが、空間を一体化しました。F邸の中心ともいえるのが、この存在感のあるダイニングテーブルです。「フローリングをヘリンボーンかパーケットに」との妻の希望を、パーケット張りのテーブルで実現しました。空間のアクセントになっているモザイクタイル部分は、既存の壁を利用したものです。造作したテーブルには脚がなく、この壁が3.3×1.2mもの天板を支えています。まるで宙に浮かんでいるようですね。テーブルと同じ幅で、正方形に近いユニークなキッチンはオリジナルです。水栓にはグローエの「ミンタ」を使用。壁向きのコンロは業務用で、マルゼンのもの。東海林さんに依頼するきっかけとなったレストランで使用していたそう。「通常の家庭のキッチンにはない火力の強さが魅力です。ラムチョップやチキンなどのオーブン料理も、簡単においしくできるので気に入っています」と夫。LDK東側の壁は、ほぼ全面が収納になっています。DK側の扉を開けると、この通り!家電や食品、食器などがずらりと並んでいます。物がどこにあるのかわかりやすく、取り出しやすくて、使い勝手は抜群。リビング側の壁面収納には、テレビボードやキャットタワーも組み込んであります。キャットタワーの内部にはステップがあり、上部のキャットウォークへと上れる仕組みです。スッキリとしたLDKをキープできているのは、生活感の出やすいものを隠せるようにしたからなのですね。■ 何でも入る!?大容量のストックルーム玄関は既存の下駄箱を撤去して、広い土間空間にしました。玄関右手にあった個室はフローリングを撤去してストックルームに。靴のほか、キャンプ道具やスーツケース、自転車などを収納していますが、まだ余裕があります。ガラス戸の奥はLDKです。右側の壁に並ぶラワン合板の引き戸を開けると、寝室やサニタリーがあります。ラワン合板もLDKのいいアクセントになっていますね。家族4人で寝ている寝室の一角には、W.I.Cを設置しています。子どもたちの分も収められており「着替えも便利です」と夫妻。衣類の整理がしやすいよう両サイドにハンガーパイプを備え、片方は下部が棚になっています。現在は妻のワークスペースとなっているスタディルーム。デスクや棚が造り付けになっています。いずれは子どもたちの勉強部屋に、とも考えているそう。リノベ前のサニタリーリノベ前は洗面室とトイレが一体化しているつくりでした。トイレが独立空間となるように、浴室の隣に新設しました。広くなった洗面室には、より空間に広がりを感じさせる大きな鏡と、実験用シンクを設置。収納棚の明るいブルーが印象的ですね。妻は「収納が充実していて、ものをサッとしまえるところ」、夫は「キッチンも楽しいですし、アウトドアグッズが収納できるストックルームも」と気に入っている点を教えてくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計/東海林健建築設計事務所撮影/山田耕司
2019年03月13日Nさん夫妻は、子ども2人と暮らす4人家族です。「子どもたちにいつでも帰れる場所をつくってあげたかった」「持ち家であれば、資産として残せる」との思いから、賃貸からの住み替えを決意。神奈川県川崎市内に建つ昭和58年築、専有面積71.79平米の中古マンションを購入しました。そして、「どうせなら面白いことをしたい」とリノベーションをすることに。リノベ工事費は1,200万円(税・設計料別)。設計はデザインライフ設計室に依頼しました。夫妻はネットでたくさんの施工事例を見るなかで「いいな」と思った事例のほとんどが、デザインライフ設計室の青木律典さんによるものだったそう。リノベの打ち合わせで大きな要望として挙げたのが、家事効率のアップでした。そして、空間には可変性も持たせたかったといいます。■ 将来を見据えた可変性のある空間個室は小さくてもいいと割り切り、その分、リビングダイニングにはゆったりとした広さを確保しました。リノベ前のLDから和室を見たところリノベ前のLDリノベ前にあった和室をなくし、LDと空間を一体化することで実現した広さです。広くしたリビングの一角は、仕切って客間としても使えるようになっています。普段は扉を開け放して使っているそうですが、片側の扉3枚を全部閉めると壁になり、客間と廊下ができるというわけです。奥は寝室になっていて、寝室も同様の扉を閉めれば個室にできるつくりです。3枚の扉は、梁下にうまく収まる仕組みです。客間を完全に個室にするための壁は、ランドリースペースに収納しています。寝室は子どもたちが大きくなったら2つに分けて、それぞれの個室にできるよう天井にレールを設けています。寝室を子ども室にする時期になれば、客間に壁を立てて夫婦の寝室にする予定です。ライフスタイルの変化に合わせて空間を変えられるこのようなつくりは、妻の提案が発端でした。それを「扉で空間を仕切る」という青木さんのアイディアで形にしたものです。リビングには無印良品のモジュールに合わせて設計した造作棚があります。これも「無印なら別の商品に入れ替えたくなってもモジュールが揃っているから使いやすいはず」という青木さんのアイデアでした。造作棚の後ろが数センチあいているのは、棚裏の上部に間接照明が仕込まれているためです。照明デザインの会社に勤める妻が、青木さんと相談しながら綿密に照明計画を練りました。夜、照明をつけると室内の雰囲気がガラリと変わり、昼間とは違った表情が楽しめます。■ スグレモノのW.I.C兼ランドリースペースキッチンは「一歩も動かなくていいように」という妻の希望から、コックピットのようなつくりに。食器やゴミ箱、家電まですべてが背面のパントリーに収まっています。パントリーの奥行きは一部を浅くして、背面にあたる玄関側に大型の靴収納を設けています。玄関にあった既存の下駄箱は撤去して、ベビーカーが置ける広い土間を実現しました。「これまでの住まいの悩みを全部解消できる家にしたかった」と妻。特にストレスの大きかったのが、洗濯と衣類の収納だったそうです。そこで、洗面脱衣室に隣接する洋室をW.I.Cを兼ねたランドリースペースに。洋服をたたんだりアイロンをかけたりする家事室を兼ねた便利な空間で、洗濯と収納の悩みを一気に解決しました。廊下の突き当たりがランドリースペースで、左手の引き戸は洗濯機のある洗面脱衣室の入り口です。洗面ボウルだけのシンプルなタイプにすることで、洗面脱衣室にはゆとりが生まれました。トイレもシンプルな雰囲気ですが、正面に飾った長男の作品がアクセントになっています。「やっぱりお気に入りはランドリースペース」と口を揃える夫妻。格段に家事効率がよくなり、ストレスフリーの暮らしを楽しんでいるようでした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計/デザインライフ設計室撮影/山田耕司
2019年02月26日結婚以来、賃貸マンションに住んできたNさん夫妻。「若干狭く、収納も十分になかったので、ものがあふれがち。もっと自分たちに合った間取りに住みたい」と新居探しを始めたそうです。そして、大阪府大阪市の住み慣れたエリアで、中古マンションを3,600万円で購入しました。平成10年築、専有面積が以前よりも広い82.62平米で、眺望のよい南東角部屋という申し分のない物件です。当初は新築も考えたそうですが、予算面に加えて「どこも画一的ま間取りと内装で面白くない」と中古購入+リノベーションを選択しました。リノベ工事費は980万円(税込み。設計料、施主支給分は別途)。■ 開放的なリビングにはサンルームも!設計はもともと知り合いだった佐藤伸也さんが代表を務める、佐藤伸也建築設計事務所に依頼しました。佐藤さんの自邸の間取りやテイストに魅力を感じたそうです。間取りで大きなポイントになったのは、やはり収納スペースの確保。さらに、広いリビングや回遊性のあるキッチンなどもリクエストしたそうです。リノベ前は東側に個室が並ぶ3LDKでしたが、個室は寝室として使う和室のみにしました。LDKは隣接する和室やその他の空間とも一体化できるつくりで、全体を大きなワンルーム感覚で使えるようになっています。冷暖房効率を考えた間仕切りには、視界を遮ることのないガラス戸を採用しました。LDKは個室があったスペースも取り込み、南側全体を使った大空間に。天井もスケルトンにすることで、より広く感じるようになりました。リビングには植物を育てるのが好きだという夫妻のために、室内干しにも使えるサンルームを併設しています。サンルームはあえて囲い込まず、スチール製の可動パーティション3枚を気分に応じて動かせるようにしました。リノベ前のLDKリノベ前はペニンシュラ型だったキッチンですが、90度回転して南側へ移動。回遊性のあるアイランド型に変更しました。キッチンは向きを変えることで大きなカウンターを据えるスペースが生まれました。前面はすべて収納として活用しています。キッチンはサンワカンパニーが無印良品とコラボし、機能美を追求したMUJI+KITCHENです。バックキャビネットはそのデザインに合わせて造作したもの。キッチンカウンターは水はね防止用に、手元を少し立ち上げました。リノベ前の洗面室キッチンがあった場所には、廊下に少し飛び出すような形になっていたトイレを移動しました。移動したことで広くなり、手洗いカウンターや小棚も設置することが可能に。リノベ前のトイレは洗面室にもくい込む形になっていましたが、トイレの移動で洗面室も空間を広くするこができました。洗面台はモザイクタイルで見栄えよく仕上げています。全体にワイドにつくったため「夫婦で場所の取り合いがありません(笑)」と妻。■ 収納力の秘密は玄関横のW.I.Cと小上がり!「買い物と旅行が夫婦共通の趣味で、たくさんの靴や洋服、旅行カバンなどをきちんとしまえる場所を確保することが課題でした」と夫。解決策として玄関脇に誕生したのが、外で使うものと衣類などを分けて整理できる大容量のW.I.Cです。大型の引き戸を閉めれば壁のようになり、すっきりと見えます。「玄関横にあるから、帰ってきてそのままコートが掛けられたり、外出の際に上着を羽織って玄関の鏡でチェックできたり、便利ですね」と妻。さらに、佐藤さんはこのW.I.Cにひと工夫加えました。「ウォークインクローゼットから奥の居室へつながるウォークスルーにして、家全体に回遊性を持たせました。帰宅時の動線がスムーズになり、間取りに面白みも出ますから」。また、寝室として使う和室を小上がりにすることで、床下を収納としても使えるようにしました。小上がりは分割して移動させることもできます。小上がりに面する東側の窓辺は、玄関収納とリビングをつなぐ裏動線として機能するとともに、多目的スペースとしても活用しています。課題だった収納ですが「まだまだ余裕があります」と夫が語るとおり、十分に確保することができたようです。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計/佐藤伸也建築設計事務所撮影/山田耕司
2019年02月20日子どもが生まれたのを期に、賃貸からの住み替えを考えたSさん夫妻。もともとリノベーションに興味があり、東京都文京区で中古マンションを購入してリノベをすることに。購入したのは専有面積62.10平米、昭和53築のちょっびりレトロな物件です。「同じ中古でも比較的新しいとちょっと躊躇してしまうけど、ココは古いので、大胆に自分たち仕様に変えられる。そこがいいと思いました」(夫妻)。リノベの設計・施工は、夫妻が求めるテイストに合うことや設計力に魅力を感じたというフィールドガレージに依頼しました。スタッフの気さくな人柄や相談のしやすさも決め手になったとか。夫妻の言葉どおり大胆なリノベとなりましたが、工事費は960万円(税・設計料込み)。3LDKのマンションはどう生まれ変わったのでしょうか。■ 個室は必要になったらつくればOKLDKは壁をはがしたら出てきたというコンクリートブロックの壁や躯体をそのまま生かして、インダストリアルな空間に。6台あるロードバイクの一部を壁にディスプレーし、普段も眺められるようにしました。リノベ前のLDリノベ前は和室と個室が2つありましたが、「あえて個室をつくらず、リビングとダイニングをとにかく広くしたい、とお願いしました」(夫)。そこで、3LDKを丸ごとワンルーム仕様に変更。「全体がワンルームで仕切りがないため、子どもも動きやすく私たちの目も行き届いて安心です」(夫)。将来、子ども室が必要になったら、その際はLDの一角に仕切りを設けて対応すればよいと考えました。LDK入口付近の壁(写真左)は黒板塗料仕上げにして、家族のコミュニケーションに役立てているそう。いいアイディアですね。夫妻は食べることが大好きで、料理好きでもあるそう。キッチンは広い作業スペースがあり、ゲストが来ても囲みやすいようにとアイランド式にしました。「子どもを見守りやすく、ワークトップは多用途に使えて便利です」(妻)。IHクッキングヒーターは壁向きにし、タモ集成材を使って造作したカウンターに組み込みました。カウンター下部はパントリーになっています。「キッチンの対面からは視界に入らない高さなので、オープンな仕様でも安心」と妻。そして、このキッチンからは玄関土間まで抜けられる近道もあるそうですよ。■ 通り抜けできるW.I.Cで動線にムダなし!これが、その近道。奥に見えているのが玄関です。キッチンの隣がW.I.Cで、ウォークスルータイプになっています。大容量のW.I.Cは妻のリクエストでした。「両サイドにたくさん衣類を掛けられ、見やすくて大助かり」(妻)。夫からのリクエストだったという玄関土間の広さも、S邸の特徴のひとつです。玄関脇の個室を撤去して拡大しました。「ロードバイクやベビーカーを収納できる広い土間をお願いしました。リノベ前の玄関はとにかく狭くて、ひとり入るのがギリギリ、という感じでした(笑)」(夫)。■ DIYで数十万円のコストダウンも!洗面室の入り口は、ドアではなくカーテンで仕切っています。洗面室は、キッチンと同じタモ集成材とタイルで仕上げました。トイレはリノベ前も洗面室から入るつくりでしたが、ドアから引き戸に変更。スペースを有効に活用でき、出入りもしやすくなりました。現在は寝室として使用している南西側の洋室の壁は入居後、約2か月かけてすべてDIYで塗装したそうです。床のオイル塗装なども夫妻で手掛けました。「DIYは、やりたい!という気持ちからスタートしましたが、結果として数十万円ほどコストダウンにつながったと聞き、言うことなしです」(夫)。配色がステキなダイニングのベンチとテーブルも、夫がDIYで製作したものです。脚部をtoolboxにオーダーし、オーク材をはめ込んで仕上げたそうです。「自分たちの好みのインテリアに仕上がり、広い土間やW.I.Cも実現できて大満足」という夫妻でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/フィールドガレージ撮影/山田耕司
2019年02月19日長男が生まれたことを機に、元から住んでいた築12年のマンションのリノベーションを決意したNさん夫妻。家族みんながくつろげるLDKに、と思い3社に相談しましたが、予算とデザイン、柔軟な対応力が決め手となって、nu(エヌ・ユー)リノベーションに依頼。工事費790万円(税・設計料別)で、生活感がなく広々と使えるLDKのある住まいを手に入れました。■ 生活感の出やすいものを持ち込まずにスッキリと絵画やポスター、オブジェなどがセンスよく飾られ、セレクトショップのようなたたずまいのN邸。元々はリビング・ダイニングが狭く、キッチンは光が届かず暗かったとのこと。リノベーションでは、まず和室をなくしてリビングスペースを広げました。リビングには子どものおもちゃや家具も。普通なら敬遠されがちではありますが、N邸ではインテリアに馴染むものを選んでいるため、違和感がありません。押し入れがあったリビング右手部分は、寝室のウォークインクロゼットとつなげて、リビングと寝室、両方から行き来ができるつくりに。リノベーションを機に新しく買い替えたソファはIKEA。造作したオープン棚には本や雑貨、ロボット型掃除機などを収納しています。ダイニングテーブルにはデンマークブランドのHAYやイームズのチェアを合わせて。キッチン側のベンチは妻の父による手づくりです。リビングと寝室をつなぐウォークインクローゼットの手前の角には、ソファのオットマンを配置。くつろげるスペースが複数あると何かと重宝するし、空間のアクセントにもなります。また、ガラス窓付きのリビング扉を開けると目に飛び込むのは、ろうそくが並んでいるように見えるランプのようなオブジェ。実は段ボール製なのだとか。キッチンは既存を生かしつつ、壁を省いて光と風を取り入れやすい形に。壁があった部分に新しく吊り戸棚とオープン収納を造作しました。リビング・ダイニングの生活感を軽減させるために、キッチンはあえてセミクローズに。■ 土間を拡張して夫妻のワークスペースに7畳ほどあったという洋室の一部を玄関とひと続きの土間に変更。天板をL字型に造作して夫妻それぞれのワークスペースにしています。妻はジュエリーデザイナー。内窓から寝室の様子が分かるので、子どもが眠る気配を感じられるため、夜でも安心して作業ができるとのこと。既存の下駄箱だけでは収納が足りず、廊下側の内窓の下部に新たに収納を設けました。また、玄関の壁には夫のリクエストでホワイトボードを設置。カラフルなマグネットシートは子どもも遊べるようにと、100円ショップで購入したものに妻がリメイクを施しました。■ 視線も抜け、回遊性もある寝室寝室を囲う壁の一部に木製のフレームを入れて、内窓をつけました。LDKまで視線が抜けるので、明るく、広々と感じられます。さらには、どこにいても家族の気配が感じられて安心感があるというメリットも。寝室の壁には、無印良品の「壁に付けられる長押(なげし)」を設置。小物入れを吊るして、ハンカチなどを収納しています。そして、寝室からウォークインクロゼットの方向を向くと、その先にはリビングが。回遊性のある間取りにしたことで、寝室の内窓をあければ、土間からリビングまで気持ちのいい風が通るようになりました。夫妻のアイデアで、ウォークインクローゼットの壁の一部を有孔ボードに。穴の部分にフックを取り付ければ、バッグなどをハンギングできます。洗面室のすぐ隣がランドリーコーナーとキッチンになっているという、家事効率の良いつくり。各スペースを隔てている扉は既存のものを利用。洗面室から見ると、廊下を挟んですぐ向かいに寝室、その左手にトイレがあります。リノンベーションを振り返って、「リノベーションをする前は、ダイニングスペースで仕事をすることも多く、なかなかスッキリ片付かなかったのですが、ワークスペースができたので、仕事はそこで集中してするようになりました。こまごまとしたものや隠したいものはクローゼットやワークスペースにしまえるので、オンとオフをしっかり切り替えられて、LDKのキレイさをキープできる家になったと思います。」と妻は話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.19巻頭特集「8平米以上の家VS 50平米台の家」では105平米のヴィンテージマンションから38平米(夫婦ふたり住まい)のコンパクトなマンションまで、いろいろな広さのお宅をご紹介しています。「マンションで植物と仲よく暮らす方法」にもぜひ注目を!12軒のバラエティ豊かなグリーンショップガイドつき。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工nu(エヌ・ユー)リノベーション撮影山田耕司
2019年02月18日ふたりで飲食店を経営しているTさん夫妻は、お店の近くに家が欲しいと検討していたところ、友人から築29年のマンションの売却を持ち掛けられました。南北に長い間取りや100平米近い広さに惹かれて、そのマンションを1,950万円で購入。シンプルなデザインを叶えてくれると感じたアネストワンに依頼し、LDKを中心としたゆとりある空間を希望。工事費1,050万円(税・設計料込み)で、シンプルで開放的な、余白たっぷりのLDKを実現させることができました。■ LDKは子どもが遊び回れる大空間にこちらの住戸は南北に長く、リビングが外側へ張り出している面白い間取りでした。この空間にあった小上がりの和室をLDKに取り込むことで、シンプルな大空間が出現。変形間取りの面白さもうまくいかされたLDKになりました。ナラ無垢フローリングと漆喰壁がナチュラルなムードを醸し出しています。LDKを広くとったことで、来客が大勢でも対応がスムーズに。障害物が少ないから掃除も楽なのだそう。「下の娘は無垢材の床が気に入り、夏はよくリビングに布団を敷いて寝ていました」と夫。また、リビングの変形間取りを考慮して、照明は様々な家具の配置に対応できるスポットライトを採用しています。結婚時に購入した2人掛けのソファは、いずれ大きなサイズに買い替えも検討したいとのこと。また、リビングは既存のカーテンボックスとともに、天井の板張りを残し、ダイニング側とは少し異なる雰囲気にして変化をつけました。現在はダイニングやリビングが子どもたちの遊び場。キッチンから見通しがいいので目が届きやすく、家族の会話も自然と弾みます。全体にシンプルな家具構成で空間をスッキリと。ダイニングのLED照明はアネスオワンのアンテナショップ「トリノス」で購入したものです。■ シンプルなLDKはオリジナルキッチンでメリハリをシンプルなLDKで存在感を放っているのは、このオリジナルキッチン。凹凸の表情がユニークな腰壁は、長さや厚みの異なる木の部材を組み合わせています。キッチンとダイニングの動線はシンプルなので、行き来がスムーズ。眺めがよくなかったキッチンの腰窓は、必要な光を取り込むだけの小窓に縮小しました。当初は、キッチン横に食器棚を造作する予定でしたが、予算の都合で今回は見送りに。その分、サービスバルコニーに続くキッチン裏側のスペースを広いパントリーにし、収納量を確保。キッチンまわりのストック品を、デッドスペースにうまく収めることができました。また、キッチン横の壁はタイル貼りにしてアクセントに。「こんなのがいいな、と思って選んだものがたまたま外壁用で、結果コストも安く抑えられました」と妻。■ やさしい風合いの寝室と子ども室寝室側へと続くLDKの漆喰壁は、やわらかな表情を演出するアールのデザインに。廊下側から見ると、空間が奥深く広がるような期待感を抱かせます。その壁の向こうにあるのは、大型のウォークインクロゼット。こちらは元々、書斎として使われていた個室だったそう。寝室は壁にグレーのアクセントクロスをあしらって、落ち着いた雰囲気に。ベッド側にはカーペット、通路部分にはフローリング調フロアタイルを採用しています。女の子2人なので、子ども室はあえて分けず、1か所にまとめました。白系のフローリング調フロアタイルとグレーのクロスで北欧風の内装に。ニュアンスのある型ガラス、ゴールドのレバーハンドルを付けたドアとお似合いです。スクエアなボウルを組み合わせて家具のように仕上げたオリジナル洗面台。娘たちが朝の同じ時間帯に使いやすいように、鏡は大きめにしたそうです。「オープンにしたシンク下は椅子や体重計の収まりがいいですね」と夫。右の写真は、サニタリーから廊下に出たところ。廊下にも漆喰壁やナラ無垢フローリングを採用しています。玄関は漆喰壁の保護を兼ねて、足元のみ土間と同系色のタイル貼りに。リノベーションを振り返って、「掃除がしやすいし、居心地がよくてリビングに家族が集まりやすくなりました。今後はもう少し家具を揃えたり、眠っている雑貨を飾ったりしたいですね。」と妻は話してくれました。過剰なものを省いたニュートラルな空間だからこそ、子どもたちの成長に合わせて柔軟に変えていく楽しみもあるといいます。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.19巻頭特集「8平米以上の家VS 50平米台の家」では105平米のヴィンテージマンションから38平米(夫婦ふたり住まい)のコンパクトなマンションまで、いろいろな広さのお宅をご紹介しています。「マンションで植物と仲よく暮らす方法」にもぜひ注目を!12軒のバラエティ豊かなグリーンショップガイドつき。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工アネストワン撮影山田耕司
2019年02月14日吉田さん夫妻は神奈川県川崎市宮前区で平成13年築、専有面積77.26平米の中古マンションを購入。リノベ-ションして暮らしています。以前は賃貸アパートに住んでいましたが、インテリア好きの夫が「家を好きなようにいじりたい」と考え始めたのが住み替えのきっかけだったとか。リノベ会社は勤め先から近いリビタに決めました。リビタには物件探しから入居まで同じコンサルタントがワンストップでサポートしてくれるサービス「リノサポ」があり、「効率がいい」とお願いすることにしたそう。設計・施工は、夫妻の好みに合う会社としてリビタから紹介された錬に依頼。工事費は1200万円(コンサル料、設計料含む)でした。夫妻はふたりとも食品関係の仕事をしていて、食べることが大好き。リノベでは「映画『かもめ食堂』のように」とリクエストするなど、キッチンにはとくに思い入れがあったようです。■ ホームパーティにぴったりのキッチン!完成したのは、存在感たっぷりのアイランドキッチン!キッチン右側がダイニングで、夫が座っているのはダイニングテーブルのベンチの役割も果たす小上がりです。リノベ前のキッチン既存では、LDとは離れた奥まったところにキッチンがありました。リノベではキッチンがLDKの主役に躍り出たわけです。料理は夫妻そろってするので、ふたりで立てる広さになっています。壁やカウンターのタイルは、何度もサンプルを取り寄せるなどして厳選したものです。ゲストをたくさん呼んでホームパーティーをするため、夫妻は大きなダイニングテーブルも要望。キッチンカウンターとダイニングテーブルの間に同じ素材の板を渡せば、ひとつの大テーブルとして使えるように工夫されました。ベンチ代わりにもなる小上がりの下は、引き出し式の収納になっています。リノベ前のLD「リビングを広くしたい」というのも夫妻のリクエストのひとつでした。既存ではLDと隣接していた和室と洋室をなくし、広々としたLDKを実現しました。■ スッキリと暮らせるのは収納のおかげ!キッチンとダイニングの間、アール壁の先にはパントリーがあります。収納量の多いパントリーは、キッチンと同様に夫妻が要望していたもの。このパントリーのおかけで、スッキリとしたキッチンをキープできています。棚はIKEAのものです。夫が床を塗装したときに余った塗料を塗ったら、まるで造作したような仕上がりになりました。洋服やアウトドアグッズなど趣味のものが増えたとのことで、W.I.Cも要望していた夫妻。左は以前キッチンがあった場所に設けたW.I.Cです。壁の両側にハンガーパイプを、上部に枕棚を設けて収納量を高めています。そして右は第2のW.I.Cです。洗面脱衣室の一部にハンガーパイプ、枕棚などを造作してW.I.Cにしました。洗面室とバスルームには寝室からしかアクセスできないつくりにして、プライバシーを高めています。洗面台の向かいは洗濯機置き場なので、家事動線にもムダがありません。■ キャットステップで猫も大満足!以前は玄関が狭く、廊下を挟んで物入れがありましたが、そこをすべてゆったりとした土間に変更しました。玄関ホールと寝室の壁は、Yさん夫妻と友人で塗ったものだそうです。リノベ当時は飼っていませんでしたが、設計では猫を飼うことも前提にプランニングしてもらいました。寝室にはリビングへ自由に行き来できる、猫用の出入り口を設けました。壁にはキャットステップをつくって、出入り口からやってきた猫が下りやすいよう工夫されています。リビング壁の天井近くにはキャットウォークも設置されました。ステンドグラスが入ったドアはリビング入り口、右側の引き戸がトイレの入り口です。トイレ内には換気扇付きの猫トイレスペースも設置しました。「やり残した感がまったくない。住んでいて大満足です!」と夫妻。リノベ後に迎えた2匹の猫ものびのびと暮らし、満足そうでした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。プロデュース/リビタ設計・施工/錬撮影/山田耕司リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい
2019年01月19日木の温かみを感じられる無垢フローリングをいつか住まいに取り入れたい。でも正直なところ、無垢フローリングって選び方やお手入れが難しそうだし、コストも心配……。そんな無垢フローリングにまつわるいろんな「?」を、無垢フローリング初心者ライター・カドカミとともにお勉強しませんか。レクチャーして下さるのは、全国に4店舗を展開する専門店「無垢フローリングドットコム」の代表取締役を務める中村有司社長。最終回となる第5回は、お金をかけてでも無垢フローリングにすべき人とは?その逆は?についてずばり聞いてみました。■ 「どんな人が無垢材に向いている?」ショールームではたくさんの種類のサンプルを、詳しい解説つきで見ることができるカドカミ(以下K)前回までのお話を聞くと、経年とともにつくキズを“無垢材ならではの魅力”と受け止められる、ある程度の大らかさが無垢を楽しむ上で必要なのかな〜と思いました。中村社長は無垢材を取り入れるのに向いている人ってどんな人だと思いますか?中村社長(以下N)経年変化を楽しめる人だと私も思います。やはり小さな欠けとかキズは時が経てばつくものですし、木材の隙間が盛り上がることもよくあります。あとは自然素材ならではの性質を大事にできる、自然素材そのものが好きな人ですね。自然木だから同じものは二つとなく、当然色ムラや木目の個体差などがありますが、それがあまり気になるようなら向かないかもしれません。Kナルホド……、いろんな樹種がありますが、特にその個体差が顕著なものって?N本カリンなんかは赤系の中に黄色系のものが入っていて、その意味では比較的目立つ方です。でもこれこそ無垢材の特徴ですから、インテリア上、色や木目をどうしても統一したいなら、無垢材ではなくプリント合板のフローリングが向いていると思います。■ 「経年とともに日焼けする樹種があるってホント?」入居当初は白っぽい無垢材もいつかは…?Kそういえば、人間と同じで木材も日焼けするって聞いたことがあるんですが……。N本当です!顕著なのはパインで、経年とともに白みがかっていた木材の色みがどんどん濃くなり、キャラメルのような飴色になるんです。Kこんなこと聞くと経年変化を拒んでるようですが……、色みをできるだけキープしたい場合はどうすれば?Nパインの色を変化させたくないなら、「WATCO(ワトコ)」オイルのホワイト色を塗ると比較的白っぽい状態を保てますよ。もちろん塗るときには事前に試し塗りすることをお忘れなく。どんなオイルで塗装するかで仕上がりは大きく異なる■ 「日に日に目立つ黒ずみは仕方ないの?」Kあとフローリングがどんどん黒ずんでいくのは、やっぱり気になる人もいると思います。そもそも黒ずみはどんな原因が考えられるんですか?経年変化といっても、気になる人には気になるはずN代表的なのは、以下の3つです。ウレタン塗装のワックス成分の劣化石鹸水などのアルカリ性の液体の付着カビの発生K1と2だとまだ自分でなんとかメンテできるんでしょうか。N1はワックスメーカーの指示に従って、ワックスを剥離・再塗装するという処置になりますね。2は植物オイルなどで表面を塗装している無垢材に起こりがち。当店のブログもご参考までに。そして3は……プロのカビ取り専門業者も100%除去はなかなかキビシいんです。こちらも当店のブログに詳しく記述があります。Kやはり第3回でおっしゃっていたとおり、水をこぼさないなど、カビが発生ないよう気をつけることが大事なのですね!撮影/山田耕司取材協力無垢フローリングドットコム 東京・渋谷ショールーム■住所東京都渋谷区渋谷2-11-6 ラウンドクロス1F■電話番号03-6418-5617(予約制)■営業時間10:00~18:00(土日祝日も営業)■休館日月曜日(祝日を除く)※本社が芦屋(兵庫県)にあるほか、横浜(神奈川県)、梅田(大阪府)にも支店あり。
2019年01月17日ともに仕事が忙しく、都心で駅近という条件が必須だったという千葉さん夫妻。夫妻揃って持ち物が少なく、40平米未満の家に妹と暮らしていた妻の経験から、立地を重視して38平米、築18年のマンションを購入。コンパクトなワンルームをうまく生かしてくれそうなクラシフォンにリノベーションを依頼し、工事費300万円(税込み、設計料別)で狭さを感じさせない住まいを実現させました。■ 狭さはアイデアで克服! 工夫あふれるLDK人を招くのが好きな千葉さんはキッチン中心の家をオーダー。プランニングはまずキッチンの配置から始めました。「できるだけデッドスペースをつくらず、視線を対角線上に通して広く見せる。空間を最大限活用するため、ミリ単位の調整を重ねました。」と話すのは、設計を手掛けたクラシフォンの瀧内未来さん。キッチンの主役は、変幻自在な造作テーブル。キッチンの側面に取り付けた折り畳み式の天板を起こせば、最大8人まで着席できるそう。また、ダイニングテーブルの足には、高さを変えられるガス圧昇降式を採用。ペダルを踏むだけでバーテーブルにも早変わりします。ダイニングテーブルの下には、キッチンの側面に取り付けた延長用の天板も。タテの空間を有効活用することで、LDKは狭さや窮屈さとは無縁。また、ちょっとしたスキマにも収納棚をつくるなどして、空間を余すところなく活用しています。シンク裏のデッドスペースにも棚を設けて収納にしました。「この棚のおかげで、テーブルの上が片付きます」と千葉さん。ダイニングの照明は「後藤照明」で見つけたものです。キッチンと玄関の間の壁はタイルで仕上げています。玄関からリビングに視線が抜けるよう、壁の量にも工夫を凝らしました。キッチンは作業効率を考え、テーブル、シンク、コンロを一列に並べました。動かせない排水管があったため、ミリ単位での配置がなされ、一番端の冷蔵庫は壁を削って収めたそうです。■ 寝室まわりはスペースを有効活用寝室はベッドに合わせて幅を決め、夫の身長から床の高さを割り出しました。開口部には、夫が壁と同じ色で塗装したアンティークの扉を設置。床のクッションフロアはシャビ―なテイストのものに。そしてそのベッド裏には、将来の書斎スペースも!今は来客時に物をしまったり、着替えをしたりと、多目的に使っています。当初は寝室を北側に寄せ、ソファスペースを広く取る予定でしたが、このように変更して正解だったと夫妻は言います。そして寝室の床下には、二方向からアクセス可能な収納を確保。キッチン側には棚を設け、食器棚として使っています。撤去した下駄箱の扉を再利用することで、自然な一体感を演出。また、寝室の壁にはニッチをつくり、ブックスタンドに。床面積がコンパクトで家具が置きにくい空間では、わずかな収納スペースが重宝します。寝室前には謎の白いボックス!こちらは寝室に上がるための階段です。テーブルやベンチにもなるという3WAYで、最上段のボックスを移動すれば、テーブルに早変わり。そこにストライプ柄のカバーをかけ、半円パラソルを開けば、あっという間に非日常の空間に。家にいながらリゾート気分を味わえます。■ 既存の設備や建具を上手に活用もともとキッチンがあった場所にはシューズクロゼットを新設。ガラスの扉は既存のもので、あえて中を見せることでショップのようなディスプレイ効果が得られました。シューズクロゼット右手の目隠し壁には小窓を設置しています。サニタリーは大理石の床や壁で豪華な印象。すでにリノベ済の物件だったため、便器とシャワーヘッド以外は、既存の設備をほぼそのまま利用しています。3面に窓がある物件なので、浴室も十分な明るさを確保できています。こちらは浴室方向からみたリビング。壁や建具は白やガラス、床は明るい色を選ぶことで広く見せています。ソファは1シーターと2シーターを組み合わせ、背を両脇に向けてアーム代わりにしているそう。週末にはパラソルの花が咲き、テーブルはバーカウンターに変身し、ゲストの笑い声が響く。狭さをネックととらえずポジティブな発想で住まいを楽しむ極意を、この家は教えてくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工kurachiffon(クラシフォン)撮影/山田耕司
2019年01月14日木の温かみを感じられる無垢フローリングをいつか住まいに取り入れたい。でも正直なところ、無垢フローリングって選び方やお手入れが難しそうだし、コストも心配……。そんな無垢フローリングにまつわるいろんな「?」を、無垢フローリング初心者ライター・カドカミとともにお勉強しませんか。レクチャーして下さるのは、全国に4店舗を展開する専門店「無垢フローリングドットコム」の代表取締役を務める中村有司社長。第4回は、マンションで無垢フローリングを取り入れる際の注意点についてお聞きしました。■ 「マンションでも無垢フローリングにできますか?」自分の家に合う樹種を選びたいカドカミ(以下K)マンションだけど床を無垢フローリングにしたいという人は多いのでしょうか。中村社長(以下N)もちろん、いらっしゃいますよ!マンションの管理規約で遮音規定(L45など)が無ければ、すべての無垢フローリングが使えます。K遮音規定がある場合は、諦めなきゃダメですか?Nいえ、規定がある場合でもいくつか方法はあります。例えば、無垢材の下に音を吸収する吸音マットを敷いたり、表面をウレタン塗装にして強度を高めるなど、いろんな方法があるのでご安心ください。ショールームでは二重床の構造をしっかり勉強できますKちなみに遮音に向いていない樹種ってあるのでしょうか。Nオークやアジアンウォールナットなど、伸縮が大きくて幅広なものはあまり向いていないですね。伸縮しにくく突き上げのリスクが低い樹種として、オススメしているのはバーチやアカシア、パイン、杉、ヒノキなどです。■ 無垢フローリングにしたい場合、最初に調べることは?アクセスの良い東京・渋谷ショールームK遮音規定があるけれど無垢フローリングに変えたいと思ったら、一番に何を調べればいいのですか?Nまず最初に、床下の下地の高さがどれくらい取れるかを、リフォーム会社などの専門家に問い合わせていただく必要があります。遮音規定をクリアした二重床のタイプ二重床ではないけれど下地の高さをある程度確保できるタイプ二重床にはできないが若干なら高さを取れるタイプ下地の高さをとれないタイプ大まかに分けてこの4タイプですね。K高さをまったくとれないとなると、無垢フローリングは諦めるしか?N木材は限られますが、当店では0.6mmの無垢突板を使ったL45直貼り遮音フローリングの取り扱いがあるので、こちらを使うことをオススメしています。下地の高さによって樹種を使い分けることになりますから、専門家にいろいろ相談してみてください!撮影/山田耕司取材協力無垢フローリングドットコム 東京・渋谷ショールーム■住所東京都渋谷区渋谷2-11-6 ラウンドクロス1F■電話番号03-6418-5617(予約制)■営業時間10:00~18:00(土日祝日も営業)■休館日月曜日(祝日を除く)※本社が芦屋(兵庫県)にあるほか、横浜(神奈川県)、梅田(大阪府)にも支店あり。
2019年01月11日親族が所有していた、環境、アクセスともに良好な築30年のマンションをリノベーションして住むことにしたOさん夫妻。リノベーションを依頼したのは、エム・デザイン。「工事費を安くするのではなく、適正価格で提供したい」という、代表の藤原真紀子さんの考え方に共感したそう。設備の施主支給やDIYも取り入れ、工事費630万円(税・設計料込み)でラフでカッコいい住空間を手に入れました。■ 男前でインダストリアルなLDKもともとは地下で薄暗かったという室内。ベランダ側の2室を撤去し、奥のキッチンまで光を取り入れることで明るいLDKに一新しました。床は小学校の床をイメージし、ダメージ加工を施したオーク材を使用しています。また、LDKにはやや目立つ梁がありますが、モルタルでの補修と黒い塗装をすることで、インテリアにスッと溶け込むアクセントに。壁はモスグリーン、建具はネイビーで統一しています。壁付けだったキッチンは、コンロだけを切り離して2列配置に。「横移動より、振り向いた方が効率的」と妻。LDKのラフな空間に馴染むよう、システムキッチン側面の化粧板をはがし黒く塗装しました。また、洗面台の移動により置き場がなくなった洗濯機は、キッチンへ。台所仕事をしながら洗濯がこなせて便利で「ベランダに近いので、干すのもラクチン」とのこと。洗濯機左手のドアの先はサニタリースペースです。ダイニングは躯体や配管を現しにし、インダストリアルな雰囲気に。家電棚はダルトンのガレージ用。テーブルは集成材にオイルステインを塗り、アイアンの足を付けたオリジナルです。ラフでカッコいい空間に、男前テイストの家具がよく似合っています。■ LDKの一角を書斎や収納に有効活用明るいベランダ側には、ブックシェルフで間仕切りした書斎を設けました。小さな空間ですが、書類の整理やパソコン作業など、ひとりの時間を確保できる貴重なスペース。シェルフは木製で、フレームをツヤ消しの黒で塗装してアイアン風に仕上げています。リビングの一角には、シェルフを組み合わせたショップのストックヤード風の収納スペースが。天井の撤去で現れた天井吊り用の穴にボルトを差し込んで板を渡し、ハンガーバーをDIYしています。また、壁はトイレと洗面所以外、5日かけて自分たちで塗装。家具の多くもカスタマイズして、好みのテイストに仕上げています。■ オープンクローゼットでゆとりある寝室に8畳の洋室の壁もモスグリーンに塗装。LDKより明度を下げて落ち着きを演出しています。寝室にもともとあった壁一面の収納は、思い切って撤去。天井からガス管を吊り下げ、壁際をオープンなクローゼットスペースにすることで、広々とした寝室になりました。既存の洗面台を取り外し、洗濯機置き場だった場所に洗面台を新設。床はユニットバスの壁面に合わせて、モザイク柄のフロアタイルを採用しました。トイレの壁は明るいグリーンで爽やかな雰囲気に。また、玄関は既存の下駄箱を撤去し、たたきを拡張しました。それに伴い、隣接する洗面所の出入り口も移動。家全体の建具やクロスの統一感にもこだわり、玄関ドアの内側もネイビーに塗装しています。「素材や設備を自分で選べる自由度の高さは、リノベならでは。予算という制限はありますが、空間を一から作る作業は本当に楽しくって。予想以上の出来栄えで居心地がよく、家で過ごす時間が増えました」とOさん夫妻はうれしそうに語ってくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工エム・デザイン撮影/山田耕司
2019年01月10日木の温かみを感じられる無垢フローリングをいつか住まいに取り入れたい。でも正直なところ、無垢フローリングって選び方やお手入れが難しそうだし、コストも心配……。そんな無垢フローリングにまつわるいろんな「?」を、無垢フローリング初心者ライター・カドカミとともにお勉強しませんか。レクチャーして下さるのは、全国に4店舗を展開する専門店「無垢フローリングドットコム」の代表取締役を務める中村有司社長。第3回は無垢材を少しでも長持ちさせるために知っておきたい基礎知識についてお聞きしました。■ 「無垢材の寿命は、どれくらい?」ショールームでは様々な樹種、貼り方を見ることができるカドカミ(以下K)お金をかけてお気に入りの無垢フローリングにするからには、一日でも長く美しい状態を保ちたいもの。そもそも無垢材には寿命ってあるんですか?中村社長(以下N)木材自体には無いといってもいいでしょう。昔からあるお寺などからも、ご存じのとおり、ぎしぎし音を立てていても、よっぽどのことがない限りは。ただし別の観点では、無垢フローリングは実質50〜60年とも言えます。Kその実質的な話を聞かせてください!Nたとえば無垢材を使用していても、下地に合板などを使うと、合板が先にやられてしまう。目安となるのは、ズバリ踏み心地で、ふかふかした感じなら寿命が近いと思った方が良いです。■ ペットがいる家庭はどうすればいい?Kたとえば犬や猫がいる家庭だと、どうしても床にキズがつきがち。それでも無垢フローリングを取り入れたい場合、どう選べばいいんでしょう?Nこの場合に一番に考えるべきは、同じ空間に住む人間とペット、どちらに比重を置くのかということですね。もしも「ペットが一番!」なら、パインなどのやわらかめの木材の方が、ペットにとっては断然快適です。Kかつては土などを踏みしめていた動物ですものね。Nただし当然ですが、やわらかい木材だとぼろぼろになりやすいです。人間に重きを置くのなら、オークなどのキズがつきにくい堅めの木材がおすすめです。ペットにとってのデメリットは、滑りやすくなることですね。Kいずれにせよ、多少のキズも経変化として楽しむような、大らかな気持ちが大事なのかもしれませんね。■ 無垢フローリングで要注意なのは、アレ!気付いたときに手持ちのケア用品でメンテするくらいで十分K無垢フローリングを取り入れた場合、自分でできるメンテナンスはありますか?Nう〜ん、実はあんまり無いんですけど、強いて言えばオイル系の塗装を1〜3年に一回行うことくらい。それ以上に普段の生活からとにかく要注意なのは、水ですね。Kみ、水ですか?N木材は水分を含むと伸びてしまうんです。たとえば複合でも下はベニヤですので、水分を含むとボコボコに変形してしまう。だから水をこぼしたりひっくり返してしまうことが一番危なくて、もしもこぼしたら、すぐに拭くなど処置することが大事。K想像以上に身近な落とし穴でした。たかが水、と侮れないですね。撮影/山田耕司取材協力無垢フローリングドットコム 東京・渋谷ショールーム■住所東京都渋谷区渋谷2-11-6ラウンドクロス1F■電話番号03-6418-5617(予約制)■営業時間10:00~18:00(土日祝日も営業)■休館日月曜日(祝日を除く)※本社が芦屋(兵庫県)にあるほか、横浜(神奈川県)、梅田(大阪府)にも支店あり。
2019年01月09日木の温かみを感じられる無垢フローリングをいつか住まいに取り入れたい。でも正直なところ、無垢フローリングって選び方やお手入れが難しそうだし、コストも心配……。そんな無垢フローリングにまつわるいろんな「?」を、無垢フローリング初心者ライター・カドカミとともにお勉強しませんか。レクチャーして下さるのは、全国に4店舗を展開する専門店「無垢フローリングドットコム」の代表取締役を務める中村有司社長。第2回は樹種の特徴と選び方について、聞いてみました。■ 人気の樹種は…オークとチーク!棚にサンプルがずらりカドカミ(以下K)第1回では無垢材の魅力について学んだので、いざショールームで無垢フローリングを検討!……したいのですが、樹種が多くて、見れば見るほど深みにはまって、一つだけ選ぶなんてとてもできないです。中村社長(以下N)当店でしたら樹種と塗装の種類、木の切り方なども含めると全部で500パターン近くありますから、無理もないでしょう。お客さんを見ていると、今ご自宅にある家具をイメージしながら、空間に合う無垢フローリングはどれかという視点で選ばれる方が多いですね。もちろん予算も含めてですけれど。Kよく売れる、人気の樹種ってありますか?Nずばりオークとチークです。オークは中間色のブラウンでどんな空間にもマッチしやすいのと、丈夫で傷がつきにくいのが人気の理由。チークは木の伸縮が少ないので、施工した後のトラブルも少ないですし、値段も比較的お手頃なのがポイント。K人気の張り方ってありますか?(私、ヘリンボーンしか知らないんですけど……)人気の高いヘリンボーン張りN張り方はコスト最優先で選ばれる方が多い傾向がありまして、最近弊社でよく出るのは「ユニフローリング」です。「ユニフローリング」とは、施工しやすいように工場であらかじめジョイントした商品。写真中央二列がユニフローリング乱尺張り(同じ幅で長さの違うフローリングを 、木口のつなぎ目が隣の板と重ならないように張る手法)より手間がかからないのが特徴です。施工のしやすさや値ごろ感が人気の理由だと思います。■ 床暖房と無垢フローリングは共存できる?東京・渋谷ショールームの受付カウンターK床暖房を入れる場合、無垢材は諦めなきゃいけないんですか?Nいえいえ、無垢フローリングでも対応するものはありますよ。熱に対する伸縮ができるだけ少なく済むように、我々業者が塗装や加工をほどこします。したがって、先ほど申し上げたチークのような、もともと伸縮性の少ない樹種をオイル塗装したものが向いています。Kオイル塗装すると丈夫になるのですね。ただ、ざらっとしたというか、木の質感を思わせる手ざわりがそれほど……。N床暖房にするならオイル塗装が必要ですし、結局は何を優先させるかということになりますね。床暖房の種類によっても、向いているものとそうでないものがありますので、詳しくはご相談いただければと思います。撮影/山田耕司取材協力無垢フローリングドットコム 東京・渋谷ショールーム■住所東京都渋谷区渋谷2-11-6ラウンドクロス1F■電話番号03-6418-5617(予約制)■営業時間10:00~18:00(土日祝日も営業)■休館日月曜日(祝日を除く)※本社が芦屋(兵庫県)にあるほか、横浜(神奈川県)、梅田(大阪府)にも支店あり。
2019年01月07日東京都品川区に住むKさん夫妻。夫が独身時代に3,100万円(購入時)で購入したマンションを、工事費700万円をかけてリノベーションして暮らしています。立地がよく、眼下に桜並木が広がる都内でも人気のヴィンテージマンション(昭和45年築)です。専有面積は51.09平米とややコンパクトで、直角三角形のような変形のワンルーム。本当は結婚を機に、住み替えを考えていました。ところが、なかなか気に入る物件に出会えないうちに、この部屋の素晴らしさを再認識したといいます。「とにかく桜が見事なんです」と妻。リノベーションは何社か選んだ中から、対応がスムーズだった空間社に依頼しました。夫婦ふたりで快適に住めるように計画が進むなか、急きょ子猫を家族に迎えることになったそうです。■ 猫トイレの置き場所に技アリ!「猫を飼うことはまったく考えていなかったのですが、ぱんちゃんに出会ってしまって……」と、Kさん夫妻。空間社は柔軟に対応し、猫の快適さもプラスした住まいになるよう工夫しました。今ではバターくん、みるくちゃんも加わり、夫妻は3匹の猫とともに暮らしています。猫を飼うにあたって、まず悩むのが猫トイレの置き場所ではないでしょうか。K邸の玄関からLDKへ向かう廊下の壁には小窓があり、そこを抜けると洗面台の下を利用した猫のトイレスペースになっています。洗面台の下の扉を閉めれば見えなくなるので、来客時も気になりません。猫トイレは下足棚の下にもあり、ぱんちゃんが乗っているものがそれ。深型で、砂が飛び散りにくいタイプです。下足棚は斜めの壁を利用していて、収納量を十分確保しつつ、オープンにすることで圧迫感をなくしています。リビングのドアには、キャットスルーを設けています。設計を担当した空間社・宮本泰則さんが、猫が通りやすい素材を厳選してつくった自信作です。リビングの壁面には、猫が大好きなキャットウォークを設置しました。夫愛用のオーディオ機器が収まるように造作された、テレビボードから上っていけるつくりです。■ 変形のワンルームを機能的に、暮らしやすく!キッチンは玄関の近く、壁が斜めになった部分にありましたが、明るい南側に移動してリビングと一体化。ダイニングテーブルを兼ねるアイランドキッチンとしました。10センチ角タイルや見切りのオーク材、腰壁の羽目板にレトロ感が漂うキッチンです。壁側にはIKEAのキャビネットを設置しました。扉の色と取っ手は空間に合うよう変更しています。キッチン隣の窓際は、妻のデスクコーナーです。春になると、この窓から桜並木が見下ろせます。以前は玄関土間に置いていたという洗濯機は、左手の白い扉の中に収めました。家事動線もスムーズです。unicoのソファを配したリビング。床にはオークの無垢フローリングを張りました。白い引き戸の先は寝室で、リノベ前は防音室があった部分を利用しています。寝室には内窓が設けられています。キッチンがあった場所には、本やCDがたっぷり収納できる書斎もつくりました。夫が趣味の楽器演奏を楽しむスペースになっています。トイレは床の白いタイル×黒い目地の組み合わせがアクセントになっています。洗濯機スペースだった玄関土間には、この空間のサイズに合わせてオーダーした収納家具とベンチを設置しました。夫妻にとって機能的で生活しやすく、猫たちも快適に暮らせるご機嫌な住まいとなりました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.27』も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/空間社撮影/山田耕司
2018年12月30日Iさん夫妻は東京都内で中古マンションを購入後、リノベーションして暮らしています。「雑誌やネットで見た施工例がおしゃれだったので」というnu(エヌ・ユー)リノベーションに依頼しました。また、物件探しから設計・施工まで、ワンストップでサポートしてもらえるところにも魅力を感じたといいます。購入したのは昭和59年築、専有面積66.08平米の物件です。広さや価格が希望通りで環境もよく、住みやすそうでした。リノベーションは1,200万円(税・設計料込み)で行いました。■ シンプルでナチュラルな北欧テイストに!北欧インテリアの特徴のひとつは、アクセントカラーを効果的に使うことです。I邸ではDK側の壁にブルーを使用しました。ディスプレイしたコーヒーグッズや北欧の雑貨が、ブルーの壁によく映えますね。リノベ前のLDと和室既存の間取りは3LDKで壁が多く、各部屋が薄暗かったそう。リノベではLDに隣接した和室を取り払って空間をひとつにまとめ、LDK一体型に変更しました。開放的で明るく、ぐんと広くなったLDK。床には、無垢で無塗装、幅広のオークフローリングをチョイスしました。北欧テイストにぴったりのナチュラルな雰囲気です。ソファーはイデー。ダイニングテーブルと椅子は、アアルトの代表作のひとつです。「買うならこれと、前から決めていました」(妻)。書斎コーナーのデスクや収納は、スウェーデンの建築家ニルス・ストリングがデザインした収納システム、string shelf(ストリング シェルフ)のパーツを組み合わせたものです。キッチンのバックカウンターはあとから変更しやすいように、無印良品の収納家具で構成しました。シンプルで北欧テイストにもフィットしています。「夫婦揃って植物を育てるのが好きなので、植物を飾りやすい空間にしたいとお願いしました」(妻)。インナーテラスをつくることは、nuリノベーションから提案されたそうです。LDKの一角をコンクリートブロックの腰壁とフレームで囲み、塩ビタイルを張りました。LDKの開放感や明るさは、リビングドアの大型ガラスを通して玄関側にも伝わります。■ 収納をたっぷり設けながら光と風を通す!玄関から見たリノベ前の様子リノベにあたって、いちばん叶えたかったというのが明るさです。「光が入ること、風が抜けることが基本。玄関に入ったときから明るい家がいいな、と思いました」(妻)。玄関にはもともと窓がありましたが、生かされていなかったのです。設計デザイナーの田村優樹さんが解決策として提案したのは、玄関土間と収納エリアとキッチンをオープンにつなげるプランでした。まず、玄関側にあった個室のひとつを土間とW.I.Cに変更。玄関窓を生かした土間は明るく、ゆとりのあるエントランス空間になりました。土間からW.I.Cへはそのまま入れるつくりです。靴を脱いだらW.I.Cでコートを脱ぎ、キッチンやリビングへ直行できます。W.I.Cは腰壁と内窓をパーティションに使ったセミオープンスタイルに。光を遮らない内窓効果で、住まい全体が明るくなりました。W.I.Cを抜けるとパントリー、さらにキッチンへと続きます。「動線がスムーズなので家事もしやすく、暮らしやすいです」と妻。ここは玄関窓とLD側の窓からの光と風の通り道でもあるため、ほどよい明るさが確保できました。パントリー内は奥行きの深い造作棚に収納グッズを組み合わせて整理整頓しています。洗面所はあえて隠さず、オープンなつくりにしました。「オープンにすることでいつもキレイにする習慣がつくし、ものが増えないからいいですね」(妻)。洗面所の背面にはトイレがあります。シンプルの極みのようなミニマムな個室空間に仕上げました。「住み心地はとてもいいです。明るくて暖かくて」(妻)。好きな植物や家具に囲まれた暮らしを楽しむ夫妻でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/nu(エヌ・ユー)リノベーション撮影/山田耕司
2018年12月27日夫の谷章生さんが設計事務所を設立するにあたり、仕事場を兼ねた住まいづくりを考えていた谷さん夫妻。もともと中古不動産の活用に興味があり、UR都市機構の築18年(取材時)の賃貸物件を気に入ってセルフリノベへの挑戦を決意。解体からスタートして、約3か月。工事費約90万円(税・材料費込み)で、素材にこだわったセルフリノベ空間を作りあげました。■ 勾配天井のLDKは解放感たっぷり間取りでこだわったのはLDKを広く取ること。もともと和室だった場所の天井を撤去したことで、LDKには勾配天井が出現しました。一番高いところで4mもあるというのは、最上階物件ならではの恩恵。そのおかげで、58平米とは思えないほどの開放的な空間を演出できています。リビングの壁は少しくすんだブルーが印象的。環境に配慮した珪藻土塗りで、色を混ぜて夫妻で仕上げたというオリジナルです。インテリアのアクセントになるうえ、空間にメリハリを生み出しています。リビングのシンプルなテレビ台の上には、お気に入りの雑貨を並べて賑やかに。国内外の旅先で買ったものも多いそう。そして、塗りムラがかえっていい味を出している、LDKのデスク側の珪藻土の壁。「手づくり感いっぱいですが、愛着が湧きます」と夫妻は笑って話してくれました。■ 環境や素材にこだわった床材やテーブル床材には、FSC(森林管理協議会)認定を受けた間伐材の檜を使用。「三重県の尾鷲(おわせ)まで行き、持続可能な森林づくりをしている速水林業を見学して、床材を注文しました」と谷さん。そこに合わせたのは、反りにくい足場板でつくった4mのダイニングテーブル。長〜いテーブルを生かして長〜い手巻き寿司をつくるホームパーティも楽しみました普段の食事はもちろん、打ち合わせやホームパーティの際にも活躍しているそう。また、そのテーブルに平行して、壁際にはデスクを造作してワークスペースに。ごくシンプルなデザインなので、デスク下は収納スペースとしても使えます。既存のキッチンは面材だけをリフレッシュ。toolboxの味のあるオークの挽き板を張っています。コンロ回りの壁のタイル貼りもDIYで。そして、キッチン側のテーブルの下は、家電などの収納スペースに。床の端材と無印良品のケースを組み合わせてつくりました。「家電やカトラリーなど、よく使うけど生活感が出やすいものをしまっておけるので助かっています」と妻。■ クロスや塗装で既存のものをリフレッシュエントランスの右手にある収納は既存のもの。扉に個性的な柄のクロスを貼ってリフレッシュしました。また、床はフローリングの余りを裏返して使用し、変化をつけています。DIYでつくった棚に写真やグリーンを飾ることで、ゆとりを感じられるスペースに。コストダウンも兼ねて、味のある既存建具は塗装して再利用。リビング扉はガラス入りなので、LDKの光を廊下まで届けてくれます。「古いものはよく見るとかわいいデザインだったりしますよね。塗装したらかなり印象が変わりました」と妻。無垢のフローリングにもしっくり馴染んでいます。寝室は既存の間取りのまま、内装だけを変更。LDK同様、壁は珪藻土塗りで、一面だけ色を入れてアクセントに。リラックスできそうな優しいニュアンスのグリーンが、コンパクトな寝室に広がりを感じさせてくれます。「表面的な仕上げの変更だけでなく、空間や間取りを自分たちの手作業で再編集する取り組みが、もっと増えたらいいと思います。中古不動産の活用や建築材料の再活用は、持続可能な都市づくりにつながるし、これからの時代の暮らし方に最適だと思うんです」と、谷さんは力強く語ってくれました。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計SUMIT(スミト)撮影山田耕司
2018年12月24日木の温かみを感じられる無垢フローリングをいつか住まいに取り入れたい。でも正直なところ、無垢フローリングって選び方やお手入れが難しそうだし、コストも心配……。そんな無垢フローリングにまつわるいろんな「?」を、無垢フローリング初心者ライター・カドカミとともにお勉強しませんか。レクチャーして下さるのは、全国に4店舗を展開する専門店「無垢フローリングドットコム」の代表取締役を務める中村有司社長。第1回は無垢材の魅力について、お聞きしました。■ 無垢フローリングが人気なのはなぜ?東京・渋谷ショールームへお邪魔しましたカドカミ(以下K)「日刊Sumai」や「リライフプラス」でいろいろなお宅やインテリア通の方を取材するたびに無垢フローリングの人気の高さを実感しています。ただ正直なところ、無垢材の定義がよく分からなくて……、無垢フローリングとそうでないフローリングは、結局のところ何が違うんですか?中村社長(以下N)合板や集成した木材ではなく、天然の丸太から切り出した木材が無垢材です。Kより人の手が加わっていないのが無垢材、ということですね。だから「ナチュラルさ」「木のぬくもりや質感」といった点をアピールして紹介されることが多いんですね!Nでも見た目や雰囲気だけでなく、無垢材は機能面も優れているんです。■ 無垢フローリングのメリット、デメリットとは?店内にはキッズルームもあるので安心してじっくりと見ることができるN当然ですが無垢材は人間の身体に優しいことが大きな特徴でして、一つはダニの繁殖やカビの発生を抑える湿度にキープする機能があります。木には調湿作用があり、室内の空気中の水分を吸っては放出するんですね。また木の香りにもダニの繁殖を抑える効果があるといわれています。K木の香りは癒やし効果だけじゃないんですね!木造建築ってサラサラしていて夏を快適に過ごせるというイメージもありますが。Nそのとおりですし、同時に断熱性も高いので、冬も快適に過ごすことができます。また疲れ目や冷え性にも良いと言われています。K本当ですか? ちょっと「木」とは遠いよいに感じてしまいますが。N無垢材の紫外線吸収作用によって紫外線の反射を少なくする効果が期待できるので、目が疲れにくくなると言われています。また先ほど申し上げた断熱性があることと、弾力性があるために、床を踏んだときの足への衝撃を吸収してくれるんです。したがって足裏をはじめ全身の血行促進にも繋がるとされ、血流不足による足の疲れは軽減されると言われています。Kフローリングを無垢にするメリット、いろいろありますね。日当たりの良い場所にサンプルを並べて、日焼けによる色の変化を観察、記録しているNあとは基本的に丈夫なのと、床の表面が削れても、補修等のメンテナンスが意外と簡単なのこともメリットだと思います。強いてデメリットをあげるなら、自然の木なので、色ムラなどの個体差がどうしてもあること。当店の商品はインターネットでもご注文いただけますが、基本的にはショールームに来ていただくようにおすすめしているのは、そういう理由からです。Kたしかにフローリングは広い範囲に使うものだし、コストもかかるから、リアル店舗に行く方が確実ですよね。無垢材のメリットとデメリット、かなり分かった気がします!撮影/山田耕司取材協力無垢フローリングドットコム 東京・渋谷ショールーム■住所東京都渋谷区渋谷2-11-6 ラウンドクロス1F■電話番号03-6418-5617(予約制)■営業時間10:00~18:00(土日祝日も営業)■休館日月曜日(祝日を除く)※本社が芦屋(兵庫県)にあるほか、横浜(神奈川県)、梅田(大阪府)にも支店あり。
2018年12月19日お笑い芸人の今田耕司が5日、都内で行われた「Yahoo!検索大賞2018」発表会でMCを担当。2日に放送された『M-1グランプリ2018』で審査員を務めた上沼恵美子に対して、お笑いコンビ・とろサーモンの久保田かずのぶとスーパーマラドーナの武智正剛が暴言を放った騒動について言及した。女優・上戸彩とともにM-1の司会を担当した今田。報道陣が騒動について触れると、関係者が止めようとするも、今田は「あかんのですか? 今から久保田の悪口を、上沼さんの分も言おうと。本当にあの男だけは。改めてお酒は怖いなと」と自由に話し出した。そして、上沼に対して「引退せず来年もやっていただきたい」とメッセージ。さらに、「お酒は気をつけな。あれはダメだ。怒っておきますから」と言い、「代表いたしまして、上沼さん申し訳ございませんでした。うちの後輩がすいません」と頭を下げた。
2018年12月05日このシリーズでは「え、なにそれ?」と思わず二度見したくなるユニークなネーミングの建材・設備をご紹介していきます。取材させていただいたのは、”A Better Life, A Better World”をモットーに掲げ、今年100周年を迎えた「パナソニック」。「オフローラ」という神々しい名前をもつ設備の正体に迫ります。■ 美しくなるカギはバスルームにありきっとあの女神を意識して名付けたのであろう「オフローラ」とは、システムバスのシリーズ名。「本シリーズは、特に女性をメインターゲットに絞ったもの。“ゆっくりお風呂でくつろぎ、一日の疲れをオフしてさらに美しさに磨きをかけてほしい”という思いが名前の由来です」(パナソニック・奥瀬史郎さん)。一見オーソドックスな浴室に見えますが…?入浴大好きなライターの門上。展示に入って浴槽より先に目をつけたのが、グッドデザイン賞受賞の説明が目を引く「エステケアシャワー」。2014年グッドデザイン賞受賞!このシャワーの蛇口をひねると、マイクロバブルが溶け込んだ、肌あたりやわらかな水が噴射!なんと毛穴や角質の皮脂汚れをしっかりクレンジングしてくれるという優秀ぶり。肌あたりを妄想してニコニコのライター・門上また握りやすく疲れにくいグリップ形状に仕立ててあり、ストレスフリーなのも魅力です。さあ、大好きな浴槽を見つけたので入ってみましょう。広々〜としてます131cm×48.4cmの浴槽内は身幅もゆったり、脚もラク〜に伸ばせます(ちなみに筆者の身長は164cm)。全体のアーチ型の構造や底にかけてのなだらかなカーブのおかげで、全身もすっぽり包まれるような体感を得られます。美容好きなら、パナソニックから展開されている、保温効果もあるといわれる「酸素美泡湯」をあわせて設置するのもオススメ。ホームエステとして日々自分の身体をケアできる「オフローラ」なら、神話のフローラさながらにヘルシーな美しさを手に入れられるかもしれません!撮影山田耕司(扶桑社)取材協力パナソニック【パナソニック リビング ショウルーム 東京】東京都港区東新橋1丁目5番1号営業時間10:00~17:00休館日水(但し、祝日は開館)、夏季、年末年始
2018年11月30日11月15日発売の『住まいの設計12月号』では、家好き芸人、アンガールズ・田中さんが建築家の自邸を突撃取材する連載の2回目が掲載しています。アンガールズ・田中さんは広島大学工学部第四類建築学部卒業。大学では建築の構造を研究し、得意分野は日本建築だそうです。今回は東京・北区で築18年、470.00平米(142坪)、鉄骨造5階建てのビルをリノベーションしたSTARの佐竹永太郎さん宅を取材しました。■ だ円形の「吹き抜け」と有機的な「螺旋階段」が美しい空間JR東十条駅から徒歩2分の場所にある5階建てのビルが、佐竹永太郎さんが代表を務める「STAR」の事務所兼自宅。ビルの入り口には明治16(1883)年製という趣のあるくぐり戸が設置されており、独特の世界観があります。この入り口には田中さんも驚いた様子でした。このビルは18年前にオーナーの依頼により佐竹さんが設計し、15年後に自身が買い取りリノベーション。1階はラウンジ、2階はオフィス、3階は倉庫、4・5階が自邸という構成になっています。さっそくエレベーターで4階に向かうと、中心に螺旋階段が設置されたLDKが。ソファに座って吹き抜けを見上げ、「螺旋階段って、もっと単調なイメージだったけど、こんな変わった形もできるんですね。計算は難しそうだけど」「はい、難しく計算すればできます(笑)」と、田中さん。建築談義に花を咲かせるふたりでした。■ 最上階のガーデンと寝室はまるでリゾートホテル!螺旋階段を上っていくと、寝室の外に広がる屋上ガーデン。「朝はまぶしくて自動的に目が覚めます」(佐竹さん)という寝室は、庭に面したホテルライクな空間になっていました。4・5階とも床暖を採用しているため、冬も快適に過ごせるそうだ。5階ホールの床にはアズサ、寝室には杉を採用している。「いろんな素材を使っているけど、ちゃんと調和している。個性派集団をうまくまとめる名監督みたいだな」(田中さん)。寝室からデッキテラスにそのまま出られるのも佐竹さんのこだわり。「駅前だけど、ここなら外からの視線を気にせずに過ごせますね。土があって、外の空気も感じられて…都会ではなかなかこういう空間を持てないですもんね」(田中さん)と、屋上ガーデンの開放感を満喫していました。■ 1階のラウンジは、能舞台の襖を設置したこだわりのおもてなし空間1階のラウンジは、バーカウンターのあるラグジュアリーなおもてなし空間だ。カウンターは大谷石、カウンターの天板にはアフリカンチークを使用。奥のミーティングスペースには、旧家の能舞台の襖が扉になっている豪華版です。「すごいな。設計事務所とは思えないですね。何でもやってくれそう(笑)」と、圧倒される田中さん。「“正しく古いものは、常に新しい” というのが僕の信念です。正しく時を重ねてきたものは、時を経ても古びない。そういうものの力を借りながら、オーダーメイドのスーツのように、住む人の体に馴染む空間をつくっていきたい」と佐竹さん。まるで、おしゃれカフェみたい!まさに、建築家の美意識を体現した住まいとなっていた佐竹さん邸。もっと詳しく見たい方は、「住まいの設計2018年12月号」をご覧ください!【取材協力】STAR(エスティエイアール)「クライアントの課題を美しいデザインで解決する」をミッションにデザインチームという独特の設計スタイルで活動。個性的なホテルや商業施設など企画より幅広く手掛ける。撮影山田耕司住まいの設計2018年12月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「だから選びました!ハウスメーカーで建てたこだわりの詰まった家」 【第二特集】「毎日緑に触れられる幸せ…ガーデンハウスで暮らそう!」
2018年11月15日このシリーズでは「え、なにそれ?」と思わず二度見したくなるユニークなネーミングの建材・設備をご紹介していきます。取材させていただいたのは、”A Better Life, A Better World”をモットーに掲げ、今年100周年を迎えた「パナソニック」。システムキッチンの人気シリーズにある「ラクシーナ」という、なにやら素敵な響きの商品をチェック!■ 「ラクシーナ」は、家事を頑張る人の味方!ラクシーナ CV30シリーズ価格/1,239,000円(税抜、ベースプランの価格、工事費は別途)共働き世代をターゲットとして展開されているシステムキッチン「ラクシーナ」。言葉のとおり、「楽(ラク)しいな」と忙しい私たちをいたわってくれる、とってもありがたい仕組みがありました。隅々までぱぱっと掃除できそう「まず一番大きいのは“スキマレスシンク”。シンクと排水口が一体成型でスキマをつくらない構造により、ゴミが溜まりにくく、簡単なお手入れで清潔感をキープできるようにしています」(パナソニック・奥瀬史郎さん)。水回りが汚れているのを見ては、掃除が行き届いていない自分にため息……。しかし「ラクシーナ」なら、そんながっかりした気分とも無縁です。作業中でもスムーズに手元で抜き差し可能また、キッチン自体にコンセントプラグがあるのもとっても便利。これなら、キッチン周辺のプラグから延長コードでつないで、ミキサーやハンドブレンダーを使うなんてこともなくなりますね。複数の鍋を一度に置けるのも嬉しい「キッチン自体の幅は2m57㎝ですが、シンクそのものの奥行を広くとっているので、大きなフライパンなどの鍋も余裕をもって置けますし、ストレスなく洗い物もできるはず」(奥瀬さん)ターゲット層を対象とするアンケート調査により、キッチン周りのストレスをヒアリングした結果として生み出された「ラクシーナ」。かゆいところに手が届く、そんなシステムキッチンを賢く選べば、毎日の台所作業ももっと快適になりそうです。撮影山田耕司取材協力パナソニック【パナソニック リビング ショウルーム 東京】東京都港区東新橋1丁目5番1号営業時間10:00~17:00休館日水(但し、祝日は開館)、夏季、年末年始
2018年11月14日このシリーズでは「え、なにそれ?」と思わず二度見したくなるユニークなネーミングの建材・設備をご紹介していきます。今回、取材させていただいたのは、”A Better Life, A Better World”をモットーに掲げ、今年100周年を迎えた「パナソニック」。「畳が丘」という、部屋の一角のアクセントにぴったりな商品を見つけちゃいました。■ 昔なつかしの“和”空間を部屋にプラス畳コーナー 収納ユニット価格/203,100円(税抜)和室がない家も少なくない今、畳に触れるとなんとなく落ちつく……というふうに誰もが思った経験があるはず。そんな人にもオススメなのが収納ユニットの「畳が丘」です。「部屋に畳が丘を置くと、床より少し高いところに新しい空間が生まれますでしょう?それこそ“丘”、名前の由来です」(パナソニックの奥瀬史郎さん)。ゆったり座れる大きさこれなら洋間しかない家にも最適ですね。例えば、ダイニングチェアを「畳が丘」で代用すると和モダンな空間に早変わりします。背もたれがないので、座る向きを自由自在に変えられるのもポイント。また、4つの「畳が丘」を正方形状に並べて、中央にこたつを置くと、簡単に“掘りごたつ”のできあがり。「畳が丘」がおじいちゃんやおばあちゃんと三世代で暮らす家庭にも人気がある理由に、納得せずにいられません。収納スペースは高さもしっかりあるのがポイント収納スペースもたっぷりなのがまた嬉しいところ。座面を持ちあげると、1700cm×850cmに高さ40cmほどの収納ユニットに変わります。側面から引き出しのようにして取り出すこともできて、使い勝手もバツグンです。家の収納スペースが少なくても安心組み合わせ次第で、広さや形も自由自在。部屋の一角を異空間に変える「畳が丘」は、インテリアのアクセントにもお役立ちの商品です。撮影/山田耕司取材協力パナソニック【パナソニック リビング ショウルーム 東京】東京都港区東新橋1丁目5番1号営業時間10:00~17:00休館日水(但し、祝日は開館)、夏季、年末年始
2018年11月10日Iさん夫妻の住まいは、世田谷区にある3階建て集合住宅の1階。妻の亡き祖父が持ち主であったこの集合住宅は、祖父の自宅も兼ねていました。その祖父の住居部分と隣の賃貸部分をつなぐことで、96平米という大空間が出現。リノベーションは空間社に依頼し、工事費1,650万円(税・設計料込み)で夫妻の希望であった「楽しくホームパーティできる空間」を実現させました。■ キッチンはホームパーティを楽しめる空間に玄関を入ると、奥行きの深いLDKが目の前に広がります。祖父の住居部分を丸ごとLDK空間にあて、大きなアイランドキッチンを設置。そしてダイニングは、8~10人が余裕で使えるテーブルがゆったりを置けるほどの広さを確保しました。また、西側を書斎とカウンターで仕切り、ワークスペースとパントリーを設けてあります。ダイニングテーブルの先にはアイランドキッチンが。「料理していると、みんな自然とここに集まって手伝ってくれるんです」と妻。対面からもサイドからも調理に参加できて、ホームパーティを存分に楽しめます。幅2840mmというワイドサイズのキッチンの背後には、色鮮やかなカウンター。調理が効率よくはかどるレイアウトです。通路の幅は950mmを確保し、料理好きな夫妻が同時に作業してもラクにすれ違えます。また、キッチン通路の延長線上、書棚の奥にはパントリーがあります。1坪強の空間には、ストック食品や酒類のほか、掃除機や外出用の衣類なども収納されています。キッチンに立って玄関側を向いてみるとこんな景色。正面の玄関ホールの左右にリビングと多目的ルームを配置しました。ともに南側に面していて、日当たりは抜群。同一空間なのでキッチンまで光が届くそう。リビングはダイニングキッチンとひとつながりの空間にありますが、隣接するエントランスの奥行きを利用したゾーニングに。ほどよいこもり感のあるつくりになっています。ソファで読書やテレビにじっくりと集中できそう。■ つながり感も、こもり感もあるワークスペースLDKの一角には夫専用のワークスペースを実現。カウンターには夫の祖母の家で使われていた青森ヒバが使われています。オープンなつくりでありながら、中に入るとほどよいこもり感もあり、なんとも落ち着ける雰囲気です。こちらには造作のオープン棚を設置。「空間に背を向けていることに違和感があるので」という夫の希望で、デスクはLDKに面して付けられているのも特徴です。大空間の一角だから解放感があり、LDKにいる妻とのコミュニケーションも取りやすいそう。こちらはLDKとは引き戸で仕切られている多目的ルーム。引き戸の開閉により、LDKとのワンルームにも、個室にもできるフレキシブルな空間に。幅広の無垢ラスティックオークのフローリングからは木の美しさが感じられます。もともと賃貸部分だった空間の約半分を使い、ゆったりとした寝室に一新しました。大容量のクロゼットを置いても余裕の広さを確保。残り半分は水まわりにあて、相互の行き来を良好にしています。壁の一面だけミントグリーンの塗装を施してアクセントに。■ ゲストが多くても大丈夫!ゆとりのエントランス寝室の前から玄関側を向くと、右手には書棚が連なっています。エントランスは既存の2倍近く広めに取ったことで、ゲストが多い日でもゆったり。靴収納も扉のないオープンなつくりにしたため、空間がより広々と感じられます。玄関を入ると目の前がすぐ生活空間なので、必要に応じて引き戸を開閉して使っているそう。寝室と至近距離の位置に水まわりを配置。天井にはワークスペースにも使った夫の祖母宅の青森ヒバを。水に強いヒバの適材適所の再利用となりました。洗面台の壁面には、かわいい柄クロスや個性的なタイルなどで遊び心をプラス。タイルは「バティック」(名古屋モザイク)というシリーズの柄をランダムに組み合わせたそう。こうした仕上げや水栓、スイッチプレートなどは、妻がインスタグラムなどで探したイメージ画像をもとに、空間社がセレクト、提案をしました。祖父の計らいでつくられた2戸をつなげて、大胆にリノベーションをしたI邸。余裕の広さに加えて、夫妻の気さくで大らかな人柄が、訪れる人をもてなしてくれます。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工空間社撮影山田耕司
2018年11月09日都内の便利な場所に中古物件を買って、リノベーションして住みたい。そんなNさん夫妻が選んだのは、東急線の3駅が徒歩圏内の住宅街の一角。建物の雰囲気や管理状態のよさを気に入り、見晴らしのよい52平米の角部屋を購入しました。設計は、アパレル会社で店舗ディスプレイの仕事をしている妻がベースを手がけ、コンパクトな空間を無駄なく使えるプランに。リノベーションは大和工芸に依頼し、妻の設計をベースに工事費800万円(税・設計料込み)で理想をすべて詰め込んだ空間を手に入れました。■ オープンスタイルのキッチンで開放感あるLDKに物件の専有面積は約52平米。もうすぐ第一子が誕生する夫妻にとっては決して広い面積ではありませんでしたが、コンパクトな空間を無駄なく使えるよう知恵を絞りました。玄関を入ってすぐの場所にあるキッチンは、吊戸棚をつくらずオープンスタイルに。その代わりにザ・コンランショップで購入したバスケットやイケアの棚を壁に取り付けて、見せる収納で収納量を確保しました。ヘンリボーンの床にマッチしたダイニングセットは、北欧のデザイナー 、イルマリ・タピオヴァラのヴィンテージ品なのだそう。既存の天井を抜いて高さを出し、躯体現しにすることでさらに広さを感じられる空間に。梁には薄いグレーのクロスを張ってアクセントにしました。「この梁がリビングとダイニングを緩く分けてくれて、結果的に空間にメリハリが生まれました」と夫。入居当初はテレビを置く予定はなかったそうですが、妻の妊娠を機に購入。飾り棚を利用して、AV機器をうまく収めています。LDKには、妻が「絶対確保したかった」という待望のウォークインクローゼットを設置。ゲストルームを最小限の広さに抑えたことで、約50平米の間取りでもこのスペースを実現できました。■ 寝室はあえてつくらず、唯一の個室はゲストルームにあえて寝室をつくらず、リビングの一角をベッドスペースにしました。ベッドは無印良品のスモールサイズを2つ並べて配置。レイアウトによって分けて置いたり、子どもが成長したら買い足したりできるなど、自由度を考えてのこと。床はナラの無垢フローリングをヘンリボーン張りにして、通常のフローリングよりも空間が表情豊かな仕上がりに。床材はショールームで確認し、幅や長さにもこだわっています。また、ベッドサイドの高い位置にコンセントを取り付け、スマートフォンの充電がしやすいように工夫。スイッチ類も、空間に似合うシンプルなデザインにこだわって選んでいます。室内のアクセントにもなっているグリーンのディスプレイ。ベッドスペースにまとめておくことで、大ぶりな鉢植えでも圧迫感がありません。ベッドスペースのとなりにある、唯一の個室はゲストルーム。親族や友人など来客が多いため、コンパクトながらもベッドを置いて泊まれるようにと、約3.5畳の空間を確保しました。「この部屋だけ、かわいいインテリアにして楽しんでいます」と妻。■ 省スペースを追求した玄関と水まわり玄関は限られたスペースを活用するために下駄箱はあえて造作せず、オープンな収納棚に。玄関の先にあるキッチンの対面には、キッチンと同じ高さの棚を購入して設置。ダイニング側からは見えないようになっていて、ごみ箱や食器類はこちらに収めています。サニタリースペースへはLDKからアクセスしやすい位置に。アメリカンな雰囲気が気に入っているというドアノブは、輸入建材ショップ、ジェイマックスで購入しました。インターホンは壁の色に合わせて黒をチョイス。洗濯機、トイレ、洗面台はひとつの空間にまとめることで、ゆったりしたスペースを確保。収納は造作せず、棚や収納ボックスを活用しました。3in1のサニタリーに続く浴室は、パナソニックのシステムバスの中でも最もコンパクトなタイプを採用しています。実際に住んでからのインテリアは、妻の膨大な情報収集の賜物。仕事柄、普段から「ピンタレスト」や「インスタグラム」などを活用して国内外のインテリア画像を収集しているという妻が先導して、夫妻好みのインテリアに仕上げています。工務店とそのイメージを共有しながら、ニューヨーク風リビングと北欧風ゲストルームを実現。約52平米というコンパクトな箱に、叶えたい事すべてを詰め込んだN邸でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工大和工芸撮影山田耕司
2018年11月01日東京都・新宿区にお住まいのSさんは、所有するマンションに空きが出たのをきっかけに、1・2階の3室をリノベーションして家族(妻、長女)と母の2世帯で住むことに。リノベーションを依頼したのは施工例が気に入ったというフィールドガレージ。「無骨で男っぽいだけだなくぬくもり感もある、バランスの取れた空間」を、工事費1,000万円(税・設計料別)でつくり上げました。■ バランスの決め手は、重厚感のあるブリックタイルの柱フィールドガレージから提案されたのは、ブリックタイル貼りの柱や壁付けの本棚がある、このラフスケッチ。「見た瞬間に気に入り、空間のイメージが固まりました。今ではこの家の象徴的な風景になっています」とSさん。Sさんはモードの最先端をいくアパレル会社の社員。部屋も洋服も自分を演出するという意味ではよく似ているそうで、店づくりの経験がリノベにも役立ったといいます。まずLDKは広く取り、大好きなヴィンテージ雑貨が自在に飾れるスケールを確保。古着屋や展示会の装飾をイメージし、壁は家具や雑貨が映える白をメインとしました。ローテーブルは「GALLUP」(東京・目黒)のもの。壁を飾るブリックタイル貼りの柱は、インテリアの一部のようです。レトロなポスターのモデルは、グラフィックデザイナーだったSさんの実父なのだそう。壁を撤去した際に現れた鉄骨を生かし、グレーに塗装をしました。メタリックな家具や雑貨と共鳴して、空間に一体感を生み出しています。手前に飾っているクジラモチーフのオブジェは、外国のフィッシュマーケットのサインプレート。出窓には車のパーツなどを入れるのに使われていたツールボックスを置き、名刺など小物の収納に活用しています。室内のいたるところで、古いタイプライター、オールドルアーコレクション、ミリタリーフィギュアなど、Sさんが長年かけて集めたヴィンテージ雑貨が棚や壁を彩っています。ダイニングテーブルのマガジンラックは、実は煙草の販売ツールで、アメリカの古いものなのだそう。「調理中も家族との会話を楽しみたい」という妻の希望から、キッチンは対面式に。造作したキッチンカウンターは、通路の邪魔にならないよう奥行きを浅くしました。前面は、家具との馴染みを考えてグレーに塗装。床には幅広のナラ材を使っています。■ 既存を活用しながら ”らしさ” をプラス玄関ホールは、隣接する個室の収納を取り払って拡張し、ゆとりある空間に。奥行きのある靴箱を新設しています。階段の壁と天井は白いクロスに交換。ヴィンテージのポスターを飾るうってつけの舞台となりました。2階は子世帯の寝室となっています。建具は既存を利用していますが、青銅色に塗装してイメージを一新しました。■ サニタリーのインテリアにもとことんこだわって手前から、ランドリー、洗面、キッチンと一直線に並んでおり、動線を短くしたことで家事効率がアップ。ミラーキャビネットの扉は、妻が「どうしても使いたかった」というインドネシアの古い窓枠を使っています。広々としたトイレには棚を造作し、雑貨を飾るディスプレイスペースに。照明の青銅色に合わせ、窓枠も同色で塗装しています。リノベーションを振り返り、「ヴィンテージのよさって、〇〇風など ”なんちゃって” にはない、時を経た味のようなもの。家も同じで、垂れたペンキで床が汚れてしまったり、オイルを塗って風合いを出すなど、すべてをつくり上げてしまうのではなく、長く住みながら手を加えることで味が出る。そうするうちに、全体がしっくりなじんでいくんじゃないのかな、と。リノベーションの楽しさは、そんなところにもあるように思います」と、Sさんは話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.18」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工フィールドガレージ撮影山田耕司
2018年09月25日今田耕司とモデルで女優の中条あやみがMCを務め、毎回ゲストが自分だけの第2の故郷“アナザースカイ”を訪れる日本テレビ系「アナザースカイ」。その9月7日(金)今夜放送回に映画『愛しのアイリーン』で主演を務める俳優の安田顕がゲスト出演する。大泉洋、戸次重幸、音尾琢真、森崎博之と組んだ演劇ユニット「TEAM NACS」のメンバーとして多数の舞台経験を持ち、「みんな!エスパーだよ!」や『HK 変態仮面』『女子ーズ』などでみせるキャラクター性と「下町ロケット」『不能犯』などでみせる重厚な演技まで巧みに演じ分け、多くの作品で存在感を放つ安田さんは、なんとファン暦30年、レコード、CDは全制覇という熱狂的ビートルズファン。今回はビートルズファンの安田さんにとって“心の故郷”でもあるイギリスへ。ジョンとポールが出会った場所に名曲「ペニー・レイン」の舞台、伝説のアビーロードまでビートルズゆかりの地を巡る旅を繰り広げる。そして北海道での「TEAM NACS」メンバーとの出会いから、役者として歩む“その先”まで。安田さんにとって憧れの場所であるイギリスで見つけた夢の答えと涙の理由をお見逃しなく。また番組MC・今田さんとの共演秘話もお楽しみに。今回のゲスト、安田さんの最新作となる『愛しのアイリーン』は9月14日(金)から全国公開。新井英樹の傑作漫画初の映画化となる本作、原作「愛しのアイリーン」を“最も影響を受けた漫画”と公言し、『ヒメアノ~ル』で日本を震撼させた吉田恵輔がメガホンを取り、安田さんのほか木野花、伊勢谷友介、フィリピン人女優、ナッツ・シトイらが共演する。久方ぶりに岩男(安田さん)が帰省すると、死んだことすら知らなかった父親の葬儀中。しかも岩男はフィリピンで買ってきた嫁、アイリーンを連れていた。42歳まで恋愛を知らずに生きてきた岩男に無邪気にまとわりつくアイリーン。騒つく参列者たちの背後から現れたのは、ライフルを構えた喪服姿の母親ツル。いま、戦慄の来訪記が幕を開ける――感動のラブ&バイオレンスが展開する。「アナザースカイ」は9月7日(金)23時~日本テレビ系で放送。(笠緒)■関連作品:愛しのアイリーン 2018年9月14日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開Ⓒ 2018「愛しのアイリーン」フィルムパートナーズ
2018年09月07日