■更年期になると、しっかり睡眠をとることが難しくなりやすい「しっかり寝たのに、眠気が強い」「疲れているはずなのに、これまでのように寝付けられない」睡眠不足だと、仕事をしているときや家事をしているときなどあらゆる場面で、心身に不調を感じることを想像することができますよね?睡眠は、日中の眠気やだるさなど身体の不調だけでなく、仕事の効率やモチベーションといった気持ちの不調や風邪を予防するための免疫、ダイエットや美容にも大きく影響しています。ですが、更年期女性の多くの方が睡眠障害を感じると言われています。これをきっかけに、睡眠へのこだわりが強くなったり、眠れないことが不安に感じてさらに悪化してしまうこともあるようです。更年期には女性ホルモンが激減するだけでなく、子どもの独立や身体の衰えなど多くのストレスに直面し、さまざまな更年期症状が出現する中で、睡眠をしっかりとることがより難しくなっている状況がみられるようです。■どうして更年期になると寝不足を感じやすいのか ?更年期の時期に寝不足を感じやすくなる原因としては、「更年期障害によるもの」と「加齢に伴うもの」の大きくふたつがあります。原因その1.更年期障害によるもの女性の身体は「月経」「妊娠・出産」「閉経」を通して、大きなホルモン変化があり、それに伴い睡眠も変調をきたしやすいです。ご自身でも振り返って考えてみたとき、これまで生理のリズムと眠気が連動していると感じてきた方も多いのではないでしょうか ? 更年期の時期になると、のぼせ・発汗・動悸・イライラなどの症状がきっかけとなり、睡眠の不調を引き起こす場合があります。また、更年期の時期に女性ホルモンの影響を受ける変化のひとつに「自律神経系の乱れ」があります。交感神経は、仕事をバリバリこなしているときや運動しているときなどに、優位になります。リラックスしているときやまったりしているときなどには副交感神経が優位になります。これらがバランスを保つことで、元気に頑張れたり、ゆっくり休息をとることができるのですが、更年期の時期は、このバランスが乱れやすくなります。・交感神経が勝手に優位になってしまう「夜眠りたいのに眠れない」「深夜のホットフラッシュで目が覚めてしまう」・副交感神経が勝手に優位になってしまう「日中なのに強烈に眠い」「朝起きたいのに起きられない」という状態になりやすくなり、より寝不足を感じやすくなるのです。原因その2.加齢に伴うもの加齢に伴い、夜中に目覚めてしまったり、熟睡感が減ることは自然なことです。睡眠には、レム睡眠・ノンレム睡眠のふたつがあります。・レム睡眠身体を休める眠り(浅い眠り)・ノンレム睡眠脳を休める眠り(深い眠り)一晩寝ている時間に、このふたつが交互に4〜5回繰り返されるのですが、加齢によってノンレム睡眠の最も深い部分が少なくなっていきます。また、年齢を重ねるごとに、レム睡眠・ノンレム睡眠のサイクルが不安定になっていき、「ぐっすり眠れた」と感じる「熟睡感」を低下させます。更年期障害の症状が出ていないのに、睡眠の不調がある場合は、加齢によるノンレム睡眠(深い眠り)の減少が原因のひとつかもしれません。■生活の中でできること厚生労働省が睡眠障害対処のために出している指針があります。ぜひこの機会に、日々の生活の中で当てはまるものがないかチェックして、今日から実践してみませんか ?1.睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分2.刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法を取り入れる3.眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない4.同じ時刻に毎日起床5.光の利用でよい睡眠6.規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣7.昼寝をするなら、15時前の20~30分8.眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに9.睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意10.十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に11.睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと12.睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全■睡眠薬って怖い ?日々の生活を見直しても、忙しいときはどうしても睡眠時間を確保することが難しかったり、なかなかすぐに改善できないときもありますよね。そんなとき、睡眠障害について、次の選択肢となるのは「睡眠薬」です。でも「なんとなく飲みたくないな……」と感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。癖づいてしまうなどの怖いイメージをもっている方もおられるかもしれませんが、また違った一面もあるようですよ。まず、実際に更年期障害と診断をされた女性のうち、どのくらいの方が睡眠薬を処方されていると思いますか ? 実は、40〜60代まで、おおよそ20%の方は睡眠薬を処方されています。5人にひとりの方に処方されているということを考えると、頻度は多いように思えるかもしれませんが、更年期女性の約半数が不眠といわれていることを考えると、更年期で不眠症状があっても、睡眠薬を飲まない選択肢を選ばれる方も多いようです。現在の不眠治療は、睡眠薬を用いた薬物療法が中心です。睡眠薬は一度使い始めると手放せなくなり、次第に量が増えていくので副作用が怖い。そう思い込んでいる方もいるかもしれませんが、最近の睡眠薬はそういう心配はありません。かつて用いられていた睡眠薬は効果が強力な反面、副作用も強く安全性に問題がありましたが、現在広く使われている睡眠薬は不安や緊張・興奮をやわらげて眠りに導くので自然に近い眠りが得られ、副作用も少なく安心して使えます。ただし長期にわたって漫然と使い続けるのはよくありません! 医師の指導の元に適切に使用することが大事です。また、ドラッグストアで購入できる市販の睡眠薬も売られていますが、あくまでも短期間の使用に限られています。不眠症に対する治療効果は確認されていないので、自己管理で長期間飲み続けることはおすすめできません。主治医の先生の元、適切なお薬で調整してあげてください。■病院に行くとしたら ?病院で睡眠障害について相談すると、基本的に不眠のタイプに応じた「睡眠薬」を使うことが多いです。また、更年期女性の不眠はうつ・不安との関係が強いため、併せて治療をおこなうことが重要です。不安やうつ傾向などがある場合には、「抗不安薬」や「抗うつ薬」を併用します。そして、のぼせなど血管運動神経症状が眠りを妨げている場合には、「ホルモン補充療法(HRT)」が有効といわれています。適切な処方と管理が必要ですので、婦人科医に相談しましょう。睡眠と関係のあるホルモンを調べた研究によると、更年期障害で行われるホルモン補充療法(HRT)により女性ホルモンのエストロゲンの投与をした人は、睡眠の質がよくなったという結果もあります。以前のようにぐっすり眠りたい……。そう感じたときは、日々の食事や運動、生活習慣を見直すチャンスかもしれません。その中で、睡眠薬を使って寝不足を解消することは、安心して使うことができる選択肢のひとつです。また、不安な気持ちがあなたの睡眠に影響を与えている可能性もあります。もし睡眠障害で悩んでいたら、まず最初にこれまでのご自分の様子を振り返り、医師に相談してみるのがおすすめですよ。医師監修プロフィール院長南 真実子祖父や父が産婦人科医であったことから医師を志し、自身も大阪医科大学医学部へ進学。卒業後、初期研修を経て大阪医科大学産婦人科教室に入局。主に腹腔鏡手術、不妊治療、周産期治療などに従事し、産婦人科専門医を取得。検診業務にも従事し、マンモグラフィー読影認定医を取得。女性がいつまでも健康で美しく輝いていられるよう、さらなる高みを目指して、美容医療、アンチエイジング医療を行う。大手美容クリニックで活躍後、2017年に大阪美容クリニックを開院。婦人科・美容皮膚科を通じて、女性をトータルにサポートできるよう診療を行っている。
2020年11月29日更年期症状は誰にでも起こるもので、症状の程度はさまざま。軽く済む人もいれば、日常生活もままならない状態に陥る人も。症状がつらく日常生活に支障を来すのなら、それは更年期障害です。我慢しないで医師の診察を受けましょう。ただ、更年期障害の症状はさまざまで、何科にかかればいいのかわからないということも。受診の目安や何科を受診すればいいのかを産婦人科医の粒来 拓先生に聞いてみました。更年期障害に我慢は無用。受診の目安は?更年期障害はさまざまなので、日常生活に支障が出るくらいひどいようなら我慢せずに医師の診察を考えましょう。まずは、更年期障害の全体的な不安を相談するという目的で、婦人科で相談してみてください。子宮がんや子宮筋腫、卵巣嚢腫など婦人科の病気の有無を確認し、月経の状態やホルモン値の結果などから更年期障害なのかを判断してもらいます。更年期には、実は更年期障害が原因ではなく、ほかの病気が隠れているケースもあるので、本当に更年期から来るものなのかをきちんと調べることも大切です。例えば、動悸・息切れは本当は心臓の病気かもしれません。めまいは耳鼻科疾患や脳梗塞のサインなんてことも。婦人科から症状に合ったほかの科での詳しい検査をするよう紹介される場合も多くあります。更年期障害は多岐にわたるので複数の科との連携で診察していくものなのです。自分と相性の良いクリニックの見つけよう更年期障害で複数の科を受診するようになったとしても、とりあえずなんでも相談しやすいホームドクターがいると心強いものです。それは婦人科に限らず、どんな科の医師でも自分との相性の良さを優先し決めましょう。つらい本音を話しやすく、何科で診てもらうべきか相談できるような医師を見つけられるといいですね。日本女性医学学会(旧日本更年期医学会)のホームページで、産婦人科の中でも特にホルモン関連に伴う不調を専門とした女性ヘルスケア認定医を検索できるので、それを利用してみるのもおすすめです。※日本女性医学学会まとめ更年期障害は程度の差こそあれ何年か続くケースもあるので、我慢しないで早めに受診を考えることは大切です。自分と相性の良い医師を見つけ更年期障害とうまく付き合っていくことができれば、ひとりでつらい思いをしなくても済みますね。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年11月25日更年期症状がひどくなり、更年期障害となる原因はあるのでしょうか? 実は更年期障害は、環境の変化や加齢などさまざまな要因が重なって起こるものだそうです。そこで更年期障害の原因を産婦人科医の粒来 拓先生に聞きました。更年期症状が現れる仕組み卵巣の寿命は50年前後といわれます。卵巣ホルモン(エストロゲン)の分泌は、脳にある視床下部と下垂体が卵巣を刺激するホルモンを使ってうまく調整されています。しかし、卵巣の機能が弱ってくると、エストロゲンの分泌量が不安定になり、脳からの刺激がうまく機能しません。そのゆらぎの結果、自律神経が乱れ体にさまざまな不調が現れるようになります。それが更年期症状です。更年期障害になりやすい人や環境要因はあるの?更年期症状は、程度の差や出る症状の違いはありますが、つらいと思わずにうまく付き合っていける人もいます。その症状がひどくなり更年期障害になってしまう場合、エストロゲンの分泌量の減少が第一の原因ではありますが、なりやすいタイプや社会的環境も影響しているといわれています。特に更年期障害になりやすいタイプは、“まじめ”“完璧主義”“神経質”な人が多いとされます。一方、なんでも「ま、いいか~」「なるようになる」などとおおらかに考えられる人は軽く済む傾向があるとされます。社会的環境の要因としては、育児、家事、仕事、親の介護など、自分の生活に大きな変化があり、それらのストレスが重なると症状をひどくする原因になります。症状を悪化させ更年期障害までいかないようにするためには、ひとりで問題を抱え込まず、できるだけ周りの人に相談したり、協力を得られるようにすることが大切です。まとめ更年期症状を更年期障害へと悪化させないためには、周りの人に協力してもらいながら、自分の不調を受け入れ、つらいときはつらいと声に出し、いつかは安定すると信じて過ごすことです。ただ、気軽に話せる人がいないと思うなら、婦人科、心療内科、精神科、内科など更年期の専門家に頼るのが症状軽減の近道です。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年11月24日誰にでも訪れる更年期。でも、更年期っていったいいつから? どんな症状が更年期症状なの?などよくわからない人も多いのでは。そこで産婦人科医の粒来 拓先生に更年期はいつから始まり、どんな症状が出るのかを聞いてみました。更年期っていつから?卵巣には寿命があり、50歳前後といわれています。その卵巣が弱ってきて、今まで規則的に分泌されていた女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌が減少し、その結果、月経が止まることを閉経と言います。この閉経の前5年、後ろ5年の合わせて10年間を“更年期”と呼びます。月経は突然パタッと来なくなる人はまれで、周期が短くなったり、だんだん間隔が空いたり、不順になったと思ったらまた順調に来たり。閉経までの過程はさまざまです。最終的に、最後の月経から1年間出血がなければ閉経と診断されます。日本人の閉経年齢の平均は50.5歳とされますが、実際には45歳から55歳までと幅があり、その人にとっての閉経年齢から前後5年間が更年期となります。ですので、40代に入れば誰しもが更年期である可能性があります。更年期症状ってどんなもの?更年期症状とは、更年期の期間に現れるさまざまな症状のことを言います。更年期に入ると女性ホルモン、特にエストロゲンの分泌量が減っていきます。脳の視床下部は頑張って分泌させようと指令を出し続けますが、それまでのようにはエストロゲンを維持できません。エストロゲンは子宮だけでなく体のさまざまなところに作用しているので、不足すると自律神経失調症に似た症状(のぼせ、ほてり、発汗など)をはじめ、さまざまな体の不調を引き起こします。これが更年期症状です。誰もが迎える更年期ですが、症状が軽く、生活に支障なく過ごせる人も多くいます。自分で心身の変化や状態を受け止めて、医療機関への受診を含め更年期症状とうまく付き合う方法を見つけていくことが大切です。よく現れる更年期症状とは?更年期によく現れる症状は、以下のものがあります。①血管運動神経症状(のぼせ、ほてり、発汗)②精神神経症状(イライラする、憂うつになる、不眠、不安感が強い)③頭の症状(頭痛、頭が重い)④末梢神経系(手足のしびれ、こわばり)⑤運動器系(肩凝り、腰痛、関節痛)⑥生殖・泌尿器系(頻尿、尿漏れ、性交痛)⑦皮膚の症状(乾燥肌、かゆみ)⑧消化器系(のどの違和感、おなかが張る、便秘)⑨循環器系(動悸、息切れ)⑩全身症状やそのほか(だるい、疲れやすい、冷え、めまい、ふらつき、ドライアイ、目の疲れ、においに敏感、物忘れが多い、指が太くなる、太りやすい)多く見られるのは、①血管運動神経症状ののぼせ、ほてり、発汗、次に多いのが②精神神経症状のイライラする、憂うつになる、不眠などです。現れる症状は人によってさまざま。症状に強弱はあるものの、いろいろ重なって現れることが多いとされます。更年期症状と更年期障害との違いひとえに更年期と言いますが、“更年期症状”と“更年期障害”は区別して考えると良いでしょう。更年期症状は、エストロゲンの分泌低下に伴うもので誰しもが通る道です。かといって、過度に不安になる必要はありません。実際に、生活に大きく支障が出ると“更年期障害”と言います。“更年期症状”の範囲内で過ごせるか、“更年期障害”となってつらくなるかは、エストロゲンの分泌低下だけでなく、精神面、環境面の要素が大事であるとされています。一般的には、頑張り過ぎて、更年期に戸惑いを感じている方がなりやすい印象です。残念ながら20代・30代のバリバリ元気な世代とは体が異なります。エストロゲンの分泌量が不安定になり、そのゆらぎが体につらくこたえるのが更年期です。ひとりの社会人であり、妻であり、嫁であり、娘であり、母である。女性を称する言葉はたくさんあります。ひとりでいろいろな役割をこなして休みがない世代と言えるでしょう。更年期とうまく付き合うためには、ほかの誰かのためではなく自分優先、自分のペースを探る必要があります。まとめ更年期は“更新する”時期です。気張らずに自分のペースでうまく付き合う姿勢が良いですね。更年期のどの症状がどの程度強く現れるかは本当にさまざまです。そして、いつか終わりがあるものです。症状がさまざまであれば、治療もさまざま。サプリや漢方薬といった比較的取り組みやすいものから、ホルモン補充療法や安定剤といった治療まであります。「更年期かしら?」と悩んだら、気軽に婦人科で相談をしてくださいね。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年11月23日50歳のころ、閉経という人生の境目に近づき、精神的にも落ち込むことが多い時期でした。ただ、それが更年期障害というものなのか実感としてわかなかったことも事実。しかし、月経の大量出血が起き、生活にも支障を来してしまったのです。いつどこで出血が起きてしまうかわからないので、レストランでゆっくり食事もできない状態でした。それではっきりと、もしかしてこれが更年期障害というものなのかと気付きました。そのときにおこなった解決方法などについてお話しします。閉経前の大量出血の原因は?50歳の誕生日を迎えるころから、月経のときの出血に違和感を覚えるようになりました。最初はタンポンから血が漏れていることが多いなと不思議に感じましたが、タンポンの入れ方が悪かったのだろうと気にしないようにしていました。しかし、友人の車に乗せてもらった際に大量出血。これはちょっとおかしいと感じました。そこでネットで月経の出血が増える原因を調べてみたのです。大量出血が起きる可能性を調べると、次のようなことが見つけられました。ホルモンバランスの乱れ子宮筋腫子宮腺筋症子宮内膜ポリープ子宮内膜増殖症病気がある場合は早期発見、早期治療が大切。そこでネットを参考に次のことをチェックしました。また、チェックしておくと婦人科に行って説明がしやすかったこともメリットでした。出血の量血液のかたまりが出る鈍痛月経期間の延長月経ではないときの出血排尿が苦痛腹部のしこり私の場合は、タンポンから漏れるほどの大量出血、レバーのような塊が見られる、月経が少し長いことを伝えました。月経があるときには婦人科に行かないほうが良いと思っていましたが、医師に「必ずしもそうではないよ」と言われました。出血しているときの受診のほうが、医師が判断しやすいこともあるそうです。まず電話で相談して、医師にどのような状態で診察してもらうのが良いのか聞いたほうが良いのだなと思いました。ホルモン補充療法はリングで診断の結果、病気は見つからず更年期障害と診断されました。更年期障害ということで、ホルモンのバランスを整えることになりました。基本的には、年に2回必ず婦人科でチェックをしてもらっているので、病気になることはないと思っていましたが、それでも心配でした。ホルモン補充療法の方法はいろいろありますが、もともと私は避妊のためのリングを使っていたので、更年期用に変えることにしました。更年期用のリングはリングにホルモンが付けられており、少しずつ体内に吸収されていくというものです。大量出血以外にも、疲れやすさや気持ちの落ち込みなどもあったかと思います。忙しくしていたため、自分では気付かなかったのですが。リングを入れたあとの月経ではまったく問題がなくなりました。タンポンから出血が漏れることがなくなり、安心してどこにでも行けるようになりました。若い人たちに混じって大学生をしていて授業中に漏れてしまったらどうしようかと思っていたのでとてもうれしかったです。54歳になってから月経がないので、多分閉経したのだと思います。このまま様子を見て、1年以上月経がない場合はリングを除去するそうです。リングを利用するメリット・デメリット医師によると、リングを使用するメリットは、経口タイプの薬より副作用が少ないこと、飲み忘れがないこと、直接作用するため効果がすぐに期待できることだそうです。ホルモンを定期的に体に補充するために、飲み忘れをしては効果が期待できません。私はほかの薬も忘れがちなタイプなので、子宮内に入れたらそのままという方法がぴったりでした。デメリットは合わない人もいることだそうです。私の場合は41歳の3人目の妊娠で腎臓の機能が低下したため、4人目の妊娠は絶対無理と言われリングを入れました。リングを入れる際に痛みがある人も多いそうですが、私の場合はリングを入れることだけを専門にしている医師に頼んだので痛みはありませんでした。ただし、その後数カ月は違和感があり、数回の受診をしています。なかには痛みや違和感に我慢できず、途中で外してもらう人もいるほど、合わない人は本当に合わないようです。私の場合、半年ほど過ぎたころからまったく違和感がなくなったので、ある程度の時間は必要なのではないかと思います。まとめリングを入れることで大量の出血がなくなり、更年期障害の時期を気持ち良く過ごしました。精神的な問題もなく過ごせたのはリングのおかげだと思います。ちょうどその時期学生だったこともあり、学校を続けていけるのかとても心配でしたが、婦人科医に相談し、面倒なこともなく55歳までとても気持ちよく過ごしています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年11月04日■いよいよ突入した更年期。汗で仕事に取りかかれないことも——更年期を自覚するようになったのはいつごろですか?まず40代後半に、小さな字が見えにくくなり老化現象を自覚しました。そのころから生理周期が乱れてきて、貧血の症状も出てきましたね。「そろそろ更年期に突入なのだろう」と覚悟しましたが、はっきり自覚したのはその後ホットフラッシュの症状が出たときです。もともと汗をあまりかかない体質だったのですが、スタジオに着くと汗が吹き出し、少し時間をおかないと仕事に取りかかれないということもありました。正直に伝えて、汗が引くまで待ってもらっていましたね。また、夜ベッドに入る前に首の後ろがカーッと熱くなるのを感じたこともあります。——ホットフラッシュ以外に悩まされた症状はありましたか?当時は頻繁にパーティーのお誘いがあり、できるだけ出席するようにしていたのですが、メイクもしてドレスに着替え、「さぁ、出かけよう」というときに急に人混みに行くのに気後れがして、ドタキャンなんてこともありました。当時はそうとは思っていませんでしたが、今思うとそんな心のゆらぎも更年期のせいだったかもしれません。あとは、朝起きてベッドから立ち上がるときに、かかとに痛みを感じることも。ドライマウスになって、レコーディングのときにリップノイズが気になるようにもなりました。■心身の不調を支えてくれた「植物療法」と「MY婦人科」——野宮さんは体の不調を改善するにあたって植物療法(フィトテラピー)の勉強を始められたそうですが、どういったものなのでしょうか?フィトテラピーは、植物が持つ薬理効果を利用して、症状を緩和させる療法です。植物のなかには女性ホルモンに似た作用を有するものがあり、更年期の心身の変化を穏やかにしてくれるんです。私はホットフラッシュに悩まされていたころに、ペパーミントのエッセンシャルオイルから手作りしたクールダウン用のスプレーを使ったりしていました。フランスでは、街の植物薬局(※1エルボリステリア)でサプリメントが簡単に手に入るので、パリへ行くたびに購入して飲んでいましたね。今では日本でも簡単に手に入れることができますよ。ハーブティーやチンキ剤、アロマなどで取り入れる方法もあります。※1:ヨーロッパの人々の暮らしに根ざしている、ハーブ薬局。身体の不調を感じたとき、相談に行くと植物の知識が豊富な薬剤師が親切丁寧に個人個人に合ったハーブやケアを提案してくれる。——ほかにも症状を改善するために実践していたことがあれば教えてください。エストロゲン(※2)に似た作用のある大豆製品を食べたり、、細胞や血管の若返りのためにオメガ3(青魚、くるみ、亜麻仁油など)、ホルモンを作る材料になるオメガ6(紅花油など)は体内で作り出せないので意識して取るようにしています。それから一番大切なことは、信頼できる「MY婦人科」を持つこと。ホルモン療法や漢方薬を組み合わせたりと、さまざまな提案をしてくれます。私もかかりつけの婦人科に定期的に通い健康管理をしています。婦人科は更年期に限らず、思春期から老年期まで幅広い世代の女性が健やかに幸せに暮らすためのアドバイスをしてくれるところ。思春期の女の子を持つ方はぜひ一緒に行ったり、信頼できる情報をシェアしてあげることをおすすめします。※2:女性ホルモンのひとつ■更年期は、誰にも訪れる「第二の思春期」——更年期障害は、周囲の理解を得ることで避けられる苦しみや悩みがあると思います。野宮さんは、症状の悩みを打ち明けられる相手は身近にいらっしゃいましたか?夫とは一緒にフィトテラピーを学びましたが、同世代の女性同士ではあまり話題にならなかったのが不思議でした。同級生に質問をしても、更年期について話すのはタブーのような雰囲気がありましたね。——今でも更年期にまつわる不調は、話題にしづらい「デリケートなもの」という空気があるように感じます。どうすればもっと気軽にシェアできるのでしょうか。更年期は女性ホルモンが激変するので、第二の思春期とも言われます。心身がゆらぐのは仕方がないこと。思えば、思春期の息子が急に口を聞かなくなったり、イライラしていたときには「これは君のせいじゃないよ。ホルモンのせいだよ」と息子にも自分にも言い聞かせ、その時期が通り過ぎるまではそっとしておきました。更年期もそれと同じ。時期が過ぎれば、さまざまな不調からは開放されます。そのことを周りにも理解してもらうことが大事だと思います。今は、渡辺満里奈さん(50)、松本孝美さん(55)、私(60)という5歳違いの3人で「大人の女史会」を結成して、活動を開始したところです。「ひとりで悩んでいないでみんなで解決!」をモットーに、女性の身体や心のこと、更年期のことなどを、同じ悩みを抱えている女性に発信していけたらと思っています。■女性であることをあきらめないで。ポジティブな更年期を送るための視点——更年期の前後で、大きく変わったと実感されていることがあれば教えてください。更年期とは、生理が止まり子供を産める身体ではなくなるというですから、そういった意味での女性としての寂しさというか、喪失感が私にはありましたね。それはしょうがないことなんです。でもそれは一方で、”子供を産む役割を持った女性の性”から解放されることを意味します。また、来るべき老い、そして死を意識することで、「今を大切にすること」をこれまで以上に学ぶことができました。これまで自分は何を大切にして生きてきたのか、そしてこれから何を目指して生きていくのか。更年期は、それを考えるためのかけがえのない時期だと思います。ほかにもおしゃれの観点からいうと、更年期を過ぎるころにはこれまで難しかった派手なアイテムが似合うようになります。トーンの落ちた髪や肌には、ダイヤモンドや赤い口紅が似合うんですよ! 白いパンツもいつでも着られますし、おしゃれな老眼鏡がファッションアイテムに加わります。そうやって更年期による変化をポジティブな視点で見ていくことが大切ですし、それが女性として成熟するということだと思います。——これから更年期を迎える方、今まさに症状に苦しんでいる方にアドバイスをお願いします。更年期は、「自分の身体がどう変化するのだろう」ととても不安ですよね。でも安心してください。更年期のトンネルを抜けたら、女性ホルモンに左右されず気分が安定し、新たなステージを謳歌できるときが来たと実感できるものです。それまでどうか、ご自身の身体を大切にしてほしいと思います。一番大切なことは「女性であることをあきらめる必要はない」ということです。加齢や老化、更年期に押しつぶされて、“女性”であることの楽しみや喜びをあきらめない。これからも人生はまだまだ続きます。美しく健やかに幸せに生きることを願い、好奇心を持って楽しみながら暮らしていけば、おのずと成熟した素敵な女性になれると信じています。◼︎野宮真貴さんのプロフィール歌手、ミュージシャン。ピチカート・ファイヴの3代目ボーカルとして、90年代の渋谷系ムーブメントを巻き起こす。現在も圧倒的な存在感と歌唱力で、音楽業界に留まらずカルチャーやアート、ファッションなど多方面で活躍中。
2020年10月31日座談会に参加していただいたDRESS会員さまプロフィール白石 美亜 さん10代の頃からプロモデルとして各種スチールやショーで活躍。エステシャンやアロマセラピストとしての経歴もあり、美容家として、最近はインフルエンサーとしても活動の幅を広げている。DRESSの大人のための美容部の部長。プライベートでは男の子3人のママ。鈴木 久美子 さん普段は商社にお勤めのDRESS会員。現在は「DRESS大人のための美容部」に所属し、主に美容系のイベントを中心に参加する。千葉 まお さん外資系ラグジュアリーブランドのファッションアドバイザーとして銀座にて5千人以上の富裕層の接客をし、総合商社の秘書を10年以上務める。現在は30歳以上の女性に向けライフデザインスクールとマナースクールを主宰。プライベートでは2児の母。監修医師プロフィール院長南 真実子祖父や父が産婦人科医であったことから医師を志し、自身も大阪医科大学医学部へ進学。卒業後、初期研修を経て大阪医科大学産婦人科教室に入局。主に腹腔鏡手術、不妊治療、周産期治療などに従事し、産婦人科専門医を取得。検診業務にも従事し、マンモグラフィー読影認定医を取得。女性がいつまでも健康で美しく輝いていられるよう、さらなる高みを目指して、美容医療、アンチエイジング医療を行う。大手美容クリニックで活躍後、2017年に大阪美容クリニックを開院。婦人科・美容皮膚科を通じて、女性をトータルにサポートできるよう診療を行っている。■「更年期」はデリケートでネガティブ!?――今回は更年期座談会ということなんですが、そもそも身近な人と更年期の話をすることはありますか?白石さん(以下敬称略):ほとんどないですね。前に40~50代くらいの理不尽に怒る男性が職場にいたとき、女性のあいだで「男性更年期じゃない?」って話をしたことはあるくらいかも。千葉さん(以下敬称略):私の知人にも、急に気持ちが不安定になる方がいて、周りから「更年期みたいだ」と言われていたことがありました。でもそれは本当に更年期による不調のあらわれなのか、その人の性格なのかわからないですし、ホルモンバランスの乱れによるものだったとしたら、その人はすごく苦しかったと思います……。私も上司に冷たくしたら「千葉さんは更年期だから」って陰口言われたんだろうなって思ったりもします。鈴木さん(以下敬称略):私の職場でも、感情の起伏が激しい人がそのくらいの年齢にさしかかっていると、もしかしたらって思いますが、失礼にあたるから言えないし、どうコミュニケーションをとったらいいかわからないんですよね。たとえば「インフルエンザのときは、病院にいってこの薬を飲んで、少なくとも1週間は安静にして……」みたいに、対処法が明確に決まっているじゃなですか。でも更年期障害となると情報が不足していて、どうしようもないと思ってしまうのが現状というか。白石:周りはどうしたらいいかわからないですよね。場合によってはセクハラみたいに受け止められやすいのかなって。南先生からのアドバイスたしかに周りがどうしていいかわからない……というのはありますよね。更年期障害の主な原因は女性ホルモンの急激な低下ですが、それに加え、心的ストレスや職場や家庭における人間関係などさまざまな誘因が関わっているとされています。周囲の人間が正しい知識をもって、サポートできるような環境作りができると理想ですね。■これって更年期? 疲労? PMS? 女性は不調の原因が多すぎ!——更年期について話せる機会って全然ないですね……。実際、更年期ってどういう印象がありますか?鈴木:病気じゃないけど不調が続くって感じですかね。体調不良だったり、感情の起伏だったり。白石:でも自分が怒りっぽくなっているときに、それが更年期なのか、単なる疲れが原因なのか自分ではわからないんですよね。ピキッときて子どもに怒ったときに、これが更年期なのか自分が疲れてイラッとしちゃったのか、それとも生理前のPMSなのかがわからない。千葉:それ、私もあります!「こんなに自分は怒りっぽかったっけ?」と思うときに、果たしてこれはただイライラなのか、それとも更年期の始まりなのかなって。更年期の始まりは個人差があると伺っているので、どうやったら判明するんだろう。白石:しかも対処の仕方もわからないので、自然に治まるまで待つしかないって印象です。前に「更年期にはプラセンタは効く」って聞いて、私も予防的にプラセンタ注射をやっていたときがあったんですよ。でも週1でやらなきゃいけないから面倒臭くなって行かなくなっちゃって(笑)。南先生からのアドバイス40歳を過ぎると、イライラしたり怒りっぽくなったりすることがあると、これって更年期かな? と思われている方も多いかもしれません。そもそも更年期とは、閉経の前後5年間と定義されています。日本人の閉経は平均50.5歳ですので、45~55歳頃に相当します。40代になってすぐ症状を自覚される方もいらっしゃいますが、規則的に月経がある45歳未満の方で更年期症状が起こることはほとんどないとされています。更年期障害の症状は大きく3種類に分けられます。1.ほてりやのぼせなどの血管運動神経症状2.めまいや動悸、冷え、関節痛、肩こり、腰痛などの身体症状3.気分の落ち込み、イライラ、情緒不安定、不眠などの精神症状です。これらの症状を組み合わせた、簡易更年期指数(SMI)という日本で広く使用されている更年期障害のチェックリストがあります。更年期障害は病気ではないと思われている方も多いですが、点数によっては治療が必要な場合もあります。簡単なチェックリストなので、更年期かな? と思った場合はチェックしてみてください。更年期だから仕方ない、とつらい症状を我慢するのではなく、治療すれば良くなる可能性がある病気だと考えて、専門医にご相談されてください。また、プラセンタ注射は更年期障害に対して保険適応でも使用される薬で、更年期症状の改善効果が認められています。注射なのでクリニックに通わなければいけないため、続けるのが難しいこともありますよね。続けやすいという面で考えると、エクオールなどのサプリメントを取り入れると良いと思います。エクオールは大豆イソフラボンが腸内細菌によって代謝されることにより産生される女性ホルモンと似た構造をしている成分です。日本人の場合、エクオールを作る腸内細菌を持っているのは2人に1人とされており、2人に1人は体内でエクオールを作ることができません。エクオールはほてりや肩こりなどの更年期症状に対する効果も認められており、また骨密度減少の抑制や悪玉コレステロールを減少させる効果もあるとされています。ただし、乳癌などの女性ホルモン依存性の疾患のある方には注意が必要ですので、主治医と相談して服用するようにしましょう。食生活や運動など生活習慣の是正は更年期症状の改善において基本です。早いうちからバランスの良い食事を心がけ、有酸素運動を積極的に取り入れるようにしましょう。■更年期=女性の後半?——更年期はほとんどの方にやってくるものだと思うのですが、それに比べるとなかなか話題にしづらいテーマであるなと感じます。鈴木:個人差がありすぎて共感しづらいのもひとつの理由なのかなと思います。40を過ぎたら更年期って大まかには言われていたりするじゃないですか。私もそろそろなんだろうとは思うんですけど、なんとも言えない微妙な感じがあるというか……。千葉:それに自分から更年期の話をするのって、女性としての後半に差し掛かっていることを宣言しているようなイメージがあると思うんです。だから自分からも言いづらくて…。鈴木:たしかに。自分の年齢を公表してしまっているようなものというか。「この人もうこのゾーン以上の年齢なのは確定なんだ」っていう線引きをされそう。白石:おばちゃん認定みたいなね。私も自分からは言いにくいですね。千葉:もし自分が相談したときに、友だちに「私はまだ(更年期障害とか)そんなことないよ」って言われたら、「あ、私の方が先におばさんになったのかな」って気になりそう(笑)。勝手にその友人との間に格差を感じてしまうかもしれません。白石:「え、私だけ?」みたいなね。第一声を言い出しづらいですよね。直接言えないぶん、みんなこっそりネットで調べたりして対策してるのかもしれないです。更年期のことを調べたことはないのですが、たとえば子育てのことでいうと、ほかの方の体験談が読みたくて「子育て 反抗期 イライラ 口が悪い」みたいにめちゃくちゃ単語を組み合わせて近い状況にいる人を探します(笑)。千葉:私もそういう体験談が集まる場所とか覗きそう(笑)。育児中で大変なときも「同じようにつらい人いないかな」って見ていたので。やっぱり同じような悩みがある人がいると自分だけじゃないってホッとするんです。きっと更年期コミュニティがあるとすごく盛り上がる気がします。南先生からのアドバイス更年期や閉経をマイナスのイメージでとらえている方が多いですが、前向きに考えてみることも大切です。50歳をこえてイキイキされている方もたくさんいらっしゃいます。毎月あった生理がなくなると、月経痛や貧血症状などがなくなり体はラクになります。ホルモンの変動がなくなり、不安定だった体が安定すると考えてみると捉え方が変わるかもしれません。正しい知識を積極的に取り入れることも非常に大切ですね。更年期の症状のひとつに動悸がありますが、更年期症状と思っていたけれど実は甲状腺の病気や不整脈だった、ということもあります。つらい症状がある場合は我慢せず、専門医に相談されてください。また、厚生労働省の研究班が作成している「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」という女性の健康を支援するためのWebサイトもあります。更年期だけでなく、女性の体の悩みについて知ることができるので、活用されても良いと思います。■オープンに話す選択肢がもう少しあってもいいよね千葉:それこそCMで「こういう症状があったら婦人科にいきましょう」「病院に行くことは悪いことではありません」とか更年期について紹介してくれたら、もっと話題になりやすいんじゃないでしょうか。——でも、その方がずっと話題にしやすくなりますよね。千葉:年上のママ友さんに話を訊いてみたい気持ちもあるんですが、デリケートな話題なのでやっぱり訊きづらい。私、出産後にホルモンバランスが崩れて抜け毛や肌荒れを経験したんです。だから更年期にホルモンバランスが崩れたときにはどんな症状がでるのかも気になるんですけど……。体験談をリアルに訊けない不安はありますね。——更年期は必ず終わりがあるし、そのあとには「黄金期」と言われる時期がやってくる人もいると言われています。そういう明るい更年期の話も聞いてみたいです。千葉:えっ、黄金期? そうなんですか?白石:それ聞いたことあります! 私の周りも、それくらいの年齢の方で人生を楽しんでいるマダムたちが多いんですよ。50代後半だけどものすごく元気で楽しそうで。ランチ行ったり海外旅行行ったり、若い人たちよりも一層アクティブな感じ。鈴木:へえ~! そんな時期が待ってるなんて想像もできなかったです。出口が見えないイメージしかなかった!——もっといろんな世代の人たちの更年期トーク、聞いてみたいですよね……! 今日はありがとうございました。南先生からのアドバイス日本人女性の平均寿命は87歳です。閉経するのはまだまだ人生の中間地点です。閉経後の人生を楽しめるかどうかは自分次第です。更年期を期に、食生活を見直し、積極的に有酸素運動を取り入れて、心身ともに健康に黄金期を楽しみましょう。
2020年10月31日50歳のときに「これは更年期である」と自覚してから3年半が経ちました。更年期になった当時に書いたnote「生理よ、さようなら、永遠に。更年期になって、つらいやら苦しいやら。」(※)は読まれ続け、「スキ」(いいね! みたいなもの)されたという知らせが頻繁に届きます。なぜでしょう? それは、多くの女性が経験することなのに、更年期に関する情報は少ないままだからです。そして、いまだに更年期の体験は大きな声では口にできない話題とされています。今も孤独な戦いに立ち向かっている大勢の女性たちのために、そしてこれから訪れる更年期について不安に思っている人のために、少し先に体験した者として「更年期の後にくるもの」について考えてみたいと思います。■ホットフラッシュから始まった更年期症状まず私が体験した更年期症状についてお話ししましょう。50歳になり、月経が止まっていることに気がついて2~3カ月後。繰り返しびっしょりとかく汗とその後に来る寒さを、更年期によるホットフラッシュなのではないかと気がつくまでさらに数か月かかりました。ところ構わず大量の汗をかくので、ビジネスバッグにもハンドタオルを2〜3枚入れておくことが習慣になってきた頃、今度は強烈な気分の乱高下がやってきました。人様や世間に激しく暴力的な態度をとりたくなったかと思えば、次にはすさまじいまでの自己嫌悪がやってくる。ジェットコースターのように急変化する気分にぶんぶんと振り回され、本気で自分の精神が狂ってしまったんじゃないかと苦しみました。このまま私はおかしくなっていってしまうんじゃないか。そういう不安で身も心もすくみ、自分を責めてますます落ち込んでいたある日。カンファレンスの仕事で出かけたラスベガスのストリップで信号待ちをしているとき、急に背中から汗とほてりと悪寒が同時にやってきて、恐怖で叫び出したくなりました。このままでは仕事も生活も成り立たなくなると追い詰められ、初めて病院に行くことを思いつきます。検査してもらったら「女性ホルモンの分泌がほぼなくなっています、更年期ですね」との結果。なるほど、私がおかしくなってしまったのではなく、これは更年期障害なのだ、ホルモンのせいなのだ、とわかったことで、ようやく納得できました。よく、月経が止まると「女じゃなくなる」といった偏った言説にショックを受けるという世間の話を聞いていましたが、不思議にそうは思いませんでした。子どもを産む機会もなく迎えた50歳。ようやく、抱え続けた重い荷物をそっと降ろしてもいいよと言われたような、もう十分だよ、と言われたような。そういう安堵さえ私は覚えたのです。■その苦しさはあなただけのものじゃない医師に診断を受けたことで気持ちが落ち着いた私は、知ることは力になると感じ、更年期に関する情報を探し始めました。しかし、検索してもヒットするのは一般的な症状の説明と標準的な対処法ばかり。いくつか見て、「同じことが書いてあるだけだな」と検索をやめました。そこで始めたのが、自分の体験をオープンにすること。まずは同世代の女友達に話してみたところ「実は私の場合は……」とぽつり、ぽつりと体験や症状を話してくれる人が現れました。わかったことは、更年期の症状や感じ方、治療法は一人ひとりまったく違う、ということでした。そして、苦しんでいる人が私以外にもたくさんいる、という事実。だから、私はまずみなさんに言いたいのです。「あなたのその苦しさは、あなただけのものじゃない」と。孤独な戦いを続けている人は、他にも同じように戦っている人がいると知ることで、もう孤独ではなくなるのです。「私、生理終わっちゃったし、更年期だし」と話すと「そんなこと、人に話すものじゃない」と言う方も少なからずいらっしゃいます。もちろん話したくない人の意思は尊重されるべきです。無理にオープンにする必要もありません。ただ、私が更年期にまつわる体験をオープンにすることで不安やつらさを話すことができる人もきっと出てくる、お互いの対処法について話し合うこともできる。それで楽になれる人がひとりでもいるならと思い、この活動をこれからも私は地道に続けていくつもりです。ちなみに私はホルモン補充療法ではなく、漢方と抗うつ剤による対処法を選びました。サプリメントを飲んでいる人も多くいます。どれが正解ということはありませんので、医師のアドバイスなどに従って、ご自身で納得いくものを選ぶといいと思います。■更年期の後に来るもの一般的には45〜55歳が更年期と言われる期間です。ではその期間が終わったらどうなるのだろう。これについては更年期以上に情報がありません。身近な先輩である母親に聞いてみたのですが、なんと彼女は更年期の症状がほとんどなかったというのです。このように、母と娘でもその体験の仕方が違うということも更年期のやっかいなところ。家族内での知恵の継承ができないのですから。私より上の年代の女性達は更年期の話をタブーとされてきたからか、口が重い傾向にあります。それでもさりげなく話題を向けてみると「必ず抜けるときが来る」と言います。つらい時期はいつの間にか終わっているそうです。「終わった後は天国」と表現した人もいました。私たちは、“女性”であるということで不利を強いられることが多い世界を生きてきました。初潮が始まってからかわれたり。愛や性のなんたるかも知らないうちに性交をして望まぬ妊娠をしたり。性を商品にされたり。「産む機械」と揶揄されたり。つらい不妊治療をしたり。石女と言われたり。私はそんなあれこれから解放されるような感覚が訪れることを期待しています。当然、どう感じるかも一人ひとり違ってくるでしょう。私はその時が来たら、自分が新しい人類に生まれ変わっているのではないかと思うのです。これまで背負ってきた重い荷物をようやく下ろし、つらい通過儀礼を経てたどり着く、まだ見ぬ世界。そこが軽やかで楽しい場所でないはずがないと信じているのです。今から楽しみで仕方ありません。更年期は生理以上に個人差が大きいと聞いたことがあります。ですから、個々の事例を集めることでしか更年期を理解し、乗り切ることはできないような気がしています。今、孤独に苦しんでいる人の助けになれば、そしてこれから更年期を迎える後輩世代たちの道筋を照らすことができれば、と、私は今日も「私、生理終わっちゃったし、更年期だし」と話し続けています。
2020年10月22日東洋医学とヨガを融合したメソッドで不調改善10月19日、東洋医学とヨガを融合したメソッドにて、さまざまなからだの不調を改善しようという新刊『からだ巡りヨガ大全』が発売された。著者は「ヨガの解剖学.com」代表で、ルーラル鍼灸整骨院院長、ルーラルヨガスタジオオーナー、鍼灸師、ヨガ解剖学講師、インド政府公認ヨガ療法士の高村(たかむら)マサ氏。A5判、160ページ、発行元は日経BP社であり、価格は1,650円(税込)である。肩こり・冷え・便秘・むくみ・シワ・乾燥肌などに東洋医学といえば、なんとなく昔からあるただの民間療法のような印象があるが、世界保健機関(WHO)は、東洋医学を治療法として認めている。近年は西洋医学の知見と共通する部分も確認され、高村氏によれば、鍼灸治療の基本となる経絡の走行は、筋膜のラインに酷似しているという。新刊では、まずオフィスでもできる座って行う簡単なポーズにて「東洋医学×ヨガ」の効果を体感。経絡のうち、特にエネルギーが集中するとされる特効ツボで、さらなる巡り改善を図る。続いて東洋医学の叡智とヨガの効果を融合した「経絡ヨガ」と、疲れたからだと心を解き放つ「お灸ヨガ」を紹介する。肩こり、冷え、便秘、むくみ、シワ、乾燥肌といった悩みや不調別に対応するポーズがすぐわかるようになっている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※日経BP SHOP - からだ巡りヨガ大全
2020年10月22日■私たちは、そう簡単に老いを受け入れられないあれは、昔からの女友達とランチをしていたときのこと。20代後半で出会った女性社長友達4人は、皆それぞれ40代後半から50代前半になったというのに、会えば仕事の話や美容の話、20年前と変わらない熱量で毎回情報交換が止まらない。その席で誰かが突然つぶやいた。「サザエさんのフネさん、アラフィフだって知ってた?」百物語のようにその場は静まりかえり、フネさんのおばあさん然としたたたずまいを各々が思いめぐらせる。サザエさんが昭和の設定だからとは言え、いまの方が平均寿命が延びているとは言え、あのフネさんの「まるっと老年期を受け入れている姿勢」は現代アラフィフにとってはある種の脅威。カラーリングで白髪を隠し、エステやクリニックに通って肌の老化を多少防ぎ、爪にはネイル、ダイエットサプリで体形を保っている自分の悪あがきぶりが否応なしに露呈してしまうからだ。悪あがきといえば、私たちは「フネさんと同世代」以外にも認めたくないことがある。それは、更年期。閉経前後に訪れる「更年期障害」については、今まで多くの人が悩まされてきたはずなのに語り部は少ない。女性ホルモンが減少することによって引き起こされるそれらは、卵巣の変化も含めて「女性性リタイア?」みたいな印象があるのか、いまだセンシティブな話題ではある。少なくとも、「今日、生理何日目?」と、若い頃友人に聞いた気軽さで、「いつから更年期始まった?」とは聞けない程度には。実際、SNSでの同世代女性の書き込みに、「めまい? 更年期障害ですか?」と聞かれたことに対する相手の非礼さを責め、聞かれた自分を嘆いているものを見つけたことがあって、そのあまりに執拗な長文に、それこそ更年期障害の影響ではないかと勝手に心配したことがある。カジュアルに聞く方も聞く方だが、彼女はもともとこざっぱりとした性格だった故、同世代としては他人事と到底思えなかった。やはり私たちは、美容の側面でも、生物としてのステージ的にも、そう安々と“老い”を受け入れられないのだ。医療やテクノロジーがこれからも発展してゆけば、さらに私たちのような女性が増えてゆくのだろう。■更年期障害、私の場合更年期とは一般的に、閉経の前後10年の期間を言うらしい。私は44歳のときに乳がんが発覚し、右乳房全摘出後にホルモン治療を開始して閉経したので、人よりも少し早く更年期を迎えたことになる。乳がんの顛末を綴った本『我がおっぱいに未練なし』にも書いたが、ホルモン治療を提案されたときには、すぐに閉経するということや、多岐にわたる更年期障害の症状を聞いておののいた。イライラやめまい、突然の発汗、体重増加、髪や肌のパサパサ化、やる気の低下、などなど、全部ごめんこうむりたいラインナップ。中でも「やる気の低下」に至っては、「やる気」だけで生きてきた私としてかなりの致命傷に思われた。しかし、命には代えられないし、更年期障害は放っておいても数年後には経験することだと考えた。そしてなにより、先生の言った「症状が全部出る人もいるし、まったく出ない人もいる」という言葉の「まったく出ない方」に希望を託し、私はホルモン治療かもーん! 更年期ばっちこーい! と閉経したのだった。それから半年が経ち45歳になった私は、正直浮かれていた。あんなに心配した更年期障害は、突然の発汗は多少あるけどそれくらいで、他にはなんの不自由もなかった。「私は“まったく出ない人”だったのね~」と、なにかの賭けに勝ったような高揚感があったし、生理のない人生がこんなに快適だったとは! と驚いていたのだ。あの毎月の腹痛やら倦怠感やら不快感がない世界は本当にハッピーで、こんなことなら若い頃からピルを飲んでいればよかったと後悔しつつも、来月再建する予定の「新しいおっぱい」に気をとられ、終始ワクワクしていた期間だったのをよく覚えている。なんだか最近イライラするなぁ、と感じるようになったのはそれから3年後の48歳、今年の4月のこと。新型コロナウイルスの影響による自粛期間中だったので、原因はコロナのストレスだろうと疑わなかった。6月には露骨な体力の衰えを感じる。これも、続けていた水泳がジムの休業により断たれたせいだと思った。で、7月にはめまいがきて、8月にはだるくてやる気が起きない感じになったのだが、それでも私は今年の猛暑のせいだと思っていた。コロナも猛暑も多少落ち着いた9月になっても症状は続き、私はやっと、自分にとっての不都合な真実に目を向けることとなる。「これ、更年期障害フルコースやん!」と。そうと決まれば話は早く、更年期障害にいいと聞いていた水泳をがっつり再開し、いろいろなサプリを試しまくる。私の場合は友人に紹介してもらった、医者に処方してもらえる漢方が一撃で効いた。ここ半年苦しんでいた症状が一掃されたわけで、生活はバラ色に、仕事も精力的にできるようになったのだ。■まずは「更年期を疑ってみる」選択肢を持って私の愚かすぎる更年期障害エピソードから、40代以降の女性たちにはぜひ、「まずは更年期を疑ってみる」という選択肢を持ってほしい。そして、クリニックなどに気軽に相談するのをおすすめしたい。敵は、「おばさんと認めたらおばさん臭くなる」みたいな精神論で太刀打ちできる相手ではない。思春期にも我々を荒ぶらせ、妊娠時には不安をあおり鬱々とさせたあの「ホルモン様」なのだ。私の場合、「更年期を認めない」と自分につっぱってよかったことはひとつもない。聞くところによると、閉経や更年期という概念が広まったのは19世紀後半以降らしい。そう考えると、更年期もその後の老年期も、現代に生きる人たちへのギフトみたいなものだ。せっかくのギフト期間をよりハッピーに過ごすために、私たちは健康に留意し、医療を頼り、アンチエイジングを楽しんでいいのだ。そして、より幸せでパワフルな更年期人口が増えるように、更年期障害をもっともっと気軽にシェアできる世の中になるといいな、と思っている。
2020年10月21日「自分が“更年期”といわれる時期に入ってきて、更年期という言葉に私自身、重苦しい、ネガティブなイメージがありました。でも、ある専門家の方の公演で、更年期のことを英語で“change of life”と言うと聞いて、なんてすてきな言葉なんだろう!って。“人生の転機”という意味で捉えると、とたんにポジティブな印象に変わったんです。だから、みなさんにも知ってほしくて……」そう語るのは、エッセイ本『羽田さんに聞いてみた、小さな幸せの見つけ方』(宝島社)を出版した羽田美智子(52)。本を出そうと思った理由を尋ねると、「52歳になったからです!」と明るくほほ笑んだ。「昔から、52歳は人生の大きな転機だと私は考えてきました。52歳までは先祖から受け継いだ恩恵や天分で生きられるけれど、52歳からは自分の力で歩み出す年齢だと。私もその年齢になって、ひとつお役目が終わったと感じつつ、これからは自分の好きな種をまいて、キレイな花を咲かせたいなあと思っています」本書の中で「日々の生活をいとおしむことで幸せの発見につながる」と語る羽田。本誌の取材では、同年代に力強いエールも送ってくれた。「50代って、けっこう過酷だと思います。自身の体調の変化、親の介護、お子さんのいる人は最高にお金がかかる時期にもなる。でも、私たちの世代って欲張りだから、なんだかんだといっても幸せを求めると思うんですよ、自分を含めて。それに、欲求がダイレクトに脳に伝わるのは50代からだと聞いたことがあります。大義名分とか、人の評価とか、これまで捕らわれていたものから解放され、本当の自分の欲求と向き合える時代に入ってくるそうです。それって、すごくわくわくするし、人生の本当の勝負は案外、50代から始まるのかもしれないなあって。われわれの世代は力を抜くことも知っています。休み休み欲望と向き合って、真の幸せを見つけられたらいいですね」「女性自身」2020年10月27日号 掲載
2020年10月18日更年期に入ってからというもの、白髪や老眼などの老化現象に悩んだり、さまざまな体の不調にさいなまれたりしながら、憂うつな毎日を過ごしてきました。なかでも、最近経験した症状は強烈でした。左肩から腕にかけて原因のわからない激痛に襲われたのです。それは、これまでの人生で経験したことのないほどの痛みでした。私がその痛みに打ち勝つためにおこなったことと、現在の状態についてお話しします。突然の激痛!左肩が動かないいつものようにスーパーで会計を済ませ、買い物袋に品物を詰め終えた直後のことでした。「さあ、帰ろう」と買い物袋を左手で持った途端、左肩に激痛が走ったのです。思わず「痛い!」と大声を上げてしまいました。周りの買い物客が皆私のほうを振り返って見ています。いたたまれなくなった私は、急いで右手に荷物を持ち替え車に向かいました。家に戻り左腕を恐る恐る動かしてみると、自分の物であるはずの左腕が別の独立した物体のように自由に動かせません。これで私のはつらつとした人生は終わってしまうのだろうかと思うと、切なくてショックでした。あまりの痛みと自分の体が思うようにならないもどかしさで涙を流す日々が続きました。整形外科での治療を開始したものの…激痛に涙しながらもなんとか自然に治癒することを期待しているうちに日にちが過ぎていきました。しかし、痛みは一向に引かず、発症後約3カ月たったころ、痛みの原因を突き止め治療をするために整形外科を受診しました。レントゲンや診察の結果、いわゆる五十肩(肩関節周囲炎)と診断され、痛み止めの服用と、週に1回ずつ理学療法士によるリハビリテーションを受けることをすすめられました。そして、リハビリと服薬による治療が始まったのです。リハビリでは理学療法士の指導のもと、温熱湿布や軽い筋トレをおこないました。そのかいあって約2カ月後には、症状はわずかに緩和されたように思えました。しかしある日、激痛が再発。医師に別の治療を求めたところ「今おこなっている治療のほかは痛み止めの注射しか残されていない」と伝えられました。さらに「このまま放っておくと、関節が硬くなり正常に動かなくなってしまう拘縮(こうしゅく)という状態に陥ってしまうだろう」と付け加えられました。ホットヨガと糖質制限で症状が緩和医師に告げられた拘縮という言葉は、ちょっと前まで体が自由に動いていた私にとって絶望的な響きでした。いてもたってもいられない気持ちになり「自分でできることをしてみよう」と思いました。そして、人生で最高に肥えて重くなってしまった体が少しでもラクに動くように「筋力を付ける努力しよう」と決意し、休会していたホットヨガ教室に再び通い出しました。かつては週に2回ずつ通っていたホットヨガでしたが、再開してからは毎日通うようにして徹底的に自分の体に向き合いました。再開当初はヨガのポーズをまともに取ることもできず悔し涙を流しましたが、筋力を付けるために頑張り続けました。同時に体が軽くなるように糖質制限をおこない、減量につながるような食生活に変えてみました。それから約2カ月が経過した現在、約3kgの減量に成功。また、そのおかげもあるのか体が軽く動かしやすくなって、日常生活に支障がないほどに痛みは軽減され、まったく痛み止めを服用せずに過ごしています。まとめ今は肩の痛みが軽減しただけでなく、筋力が付き体重が減ったことで、体全体が軽く動きやすくなりました。私は今回のできごとを通じて、体が自由に動かせるありがたさをしみじみ感じました。これからも加齢に伴う体の変化に負けずにはつらつと暮らしていけるように、ホットヨガをはじめ、日常生活のなかで体をいたわるためにできることはしていこうと思いました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年10月06日自分らしく過ごすための不調解消テクニック9月29日、オトナの女性の不調を解消するコツなどが紹介されている新刊『【お得技シリーズ185】オトナ女子の不調ケアお得技ベストセレクション』が晋遊舎から発売された。同書には自分らしく過ごすための不調解消テクニック、アイテムなどを掲載。女性医師や美のプロが疑問に答えており、B5変形判で96ページ、780円(税別)の価格にて晋遊舎ムックとして発売中である。なお、晋遊舎はテストする女性に関するモノの批評月刊誌『LDK』と、コスメなどをテストしている美容月刊誌『LDK the Beauty』を刊行しており、新刊はこれらに掲載された内容を再編集したものとなっている。今すぐまねできる200種類以上の不調ケア病院に行くほどではないものの、疲れやすくなった、なんとなく体調がよくない。誰しも経験する悩みではあるが、オトナ世代の女性はホルモンやストレスの影響を受けやすく、不調は体、外見、心に現れる。新刊では薬だけに頼らず、自分自身の体に備わっている本来の力を取り戻す方法が掲載されている。「だるさ・疲れ」のページでは体力低下、冷え性、むくみ、肌トラブル、不眠などの対策を掲載。「痛み・未病」のページでは肩こり、頭痛、腰痛、不眠、関節痛、生理痛、便秘、下痢、肌荒れなどの対策を掲載する。そのほか、シミやシワなどの「体の老い」対策や「女性ホルモン・生理」に関する不調対策、イライラ、モヤモヤなどの「気持ち」、目覚めの悪さなどの「眠り」、気圧の変化や花粉症、風邪など「季節の悩み」の対策についても紹介されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※【お得技シリーズ185】オトナ女子の不調ケアお得技ベストセレクション - 晋遊舎ONLINE
2020年10月06日【今週の悩めるマダム】最近、更年期なのか無性にイライラしてしまいます。多分、コロナによる、先の見えない不安感のせいだと思います。以前は何も思わなかったようなことなのに、主人の帰りが遅かったり子どもたちがご飯を少し残したりしただけで、怒鳴ってしまいます。感情のコントロールができません。(神奈川県在住・50代女性)いやぁ、よーく、分かります。男性にも更年期があるようですが、僕も還暦ですからね。ときどき、叫びたくなるんです(笑)。しかし、どうも更年期だけが原因ではなく、奥様のおっしゃる通り、コロナの影響もあるでしょう。ご存じのように、僕はシングルファザーで息子と2人、パリで暮らしております。フランスは3月17日から2ヶ月間、外出が制限されるロックダウンに入りました。宣伝するようで恐縮ですが、最新刊『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』に当時の日々を詳しく書きましたので、参考にしてみてください。このロックダウンの経験は、本当に過酷なものでした。これも貴重な経験だと考え、その日々を日記に綴って残したのですが、読み返してみますと、「よく頑張ったなぁ」と自分のことながら褒めたくなります。ロックダウンが解除されてから4ヶ月ほどが経ちましたが、ロックダウンの後遺症なのか、心の不調が消えません。日本も緊急事態宣言などがありましたから、同じような後遺症を抱えている方がいらっしゃるかもしれませんね。男性更年期&ロックダウン後遺症のダブルパンチで、僕はズタズタ。で、たまらなくなり、昨日もパリを逃げ出し、ブルターニュの海辺に泊まって、一晩中、暗い海を眺めて過ごしておりました。先ほどパリに戻りましたら、担当編集者さんから、「センセー、お原稿!来週分まだです!」と多分、彼女が担当になって初めての催促をいただくことに(笑)。というわけで、慌てて奥様のご相談にお答えしておるわけですが、実に、僕もまったく同じ精神状態なのです。さて、ずばり申し上げます。お子さんたちも自炊できる年齢でしょう。だから、「私、ちょっと心の洗濯に行ってまいります。あとはよろしく」とメモを残して、静かな温泉街にでも逃避すればいいのです。「失踪のススメ」です。1日2日失踪しても、家はなんとかなるものなのですよ。僕も昨日、日帰りのつもりで出かけたのですけど、気が付いたらパリから400キロも離れた浜辺にぽつんと立っており、帰れなくなってしまいました(笑)。海を見ながら美味しいものを食べて、カフェで夕陽を見ながら飲んで、沈む夕陽を見送って、暗くなった浜辺に座って大声で『知床旅情』を歌い、友だちに電話しまくり、真夜中に宿に戻って、ゆっくり起きて、ホテルの美味しい朝食を食べてから、戻りました。息子は16歳ですが、料理を覚えてきたので、こういうときの危機管理能力は万全。「パパは心折れたから、海見て明日帰る。自炊よろしく」と電報のようなメッセージを送ったところ、「OK」と返事が戻ってきて、それでおしまい。ね、簡単でしょ?もう、みんな自分でやれます。更年期まで頑張ったんだし、コロナを乗り越えたんですから、ちょっと自分を甘やかしてあげてください。【JINSEIの格言】日常に疲れ切ったら、「失踪ごっこ」がおすすめです。これ、マジで効くんです。完全な失踪はよくありませんが、居場所を伝えてくださいね。ご主人もお子さんも理解してくれますよ。この連載では辻さんが恋愛から家事・育児、夫への愚痴まで、みなさんの日ごろの悩みにお答えします!お悩みは、メール(jinseinospice@gmail.com)、Twitter(女性自身連載「JINSEIのスパイス!」お悩み募集係【公式】(@jinseinospice)、またはお便り(〒112-0811 東京都文京区音羽1-16-6「女性自身」編集部宛)にて絶賛募集中。※性別と年齢を明記のうえ、お送りください。以前の連載「ムスコ飯」はこちらで写真付きレシピを毎週火曜日に更新中!
2020年09月29日加齢とともに減少する女性ホルモン。その急激な減少は、さまざまな心身の不調を引き起こすと言われています。気分のイライラや落ち込み、のぼせや目まい、疲れが取れないなどその症状や程度は個人によって違いますが、なかには生活に支障を来す場合もあるようです。私の場合は、激しいホットフラッシュと不眠でした。ホットフラッシュは自律神経の乱れから去年の12月、私は学習塾のバイトと在宅ワークをかけ持ちし、帰宅後に深夜2時ごろまでパソコンで仕事をしていました。頻繁に体がカーッと熱くなり、顔と首周りに汗が噴出。動悸も始まり、床についても明け方まで眠れない日々が続きました。自分の体の変調に不安になって精神科を受診すると、原因はパソコンのブルーライトによる自律神経と内分泌系の乱れとのこと。のぼせと血の滞り(於血)、足の冷えに効くという漢方の「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 」を処方され、それを服用して深夜のパソコン作業を中止すると症状が治まりました。アロマ&ハーブ、リラックス音楽で不眠解消ところが、喜びもつかの間、コロナ禍でバイト先の学習塾が閉鎖になり、自粛期間中に自律神経が乱れてホットフラッシュと不眠の症状が再発。私はネットと本でホットフラッシュなどの更年期の症状に何が効くのかを調べて、就寝前にハーブティーとアロマを活用することにしました。ハーブティーは催眠作用があると言われているバレリアンと抑汗に効果的とされるセージ、ほうじ茶のブレンド。アロマは更年期の症状を緩和すると言われているネロリやベチバー、鎮静作用があると言われているベルガモット、オレンジのブレンドです。また、波の音や鳥のさえずりなどの自然音を交えたリラクゼーション音楽を聴いて深呼吸をすることで、気持ちが落ち着きリラックスして眠りにつくことができました。漢方、エクオールのサプリ、ツボ刺激も有効小康状態がしばらく続きましたが、再び悪化したのは緊急事態宣言の解除後です。仕事が再開し、汗が止まらなくなりました。婦人科を受診し、漢方の服用かホルモン補充療法(HRT)を受けるか、どちらかをおこなうようにすすめられ、再度漢方を服用することになりました。今度は、のぼせのほかに不眠や抑うつに効果があるという「加味逍遙散(かみしょうようさん)」を処方されました。そして、女性ホルモンの代替効果を期待して、エクオールのサプリメントも自分で購入して併用。さらにホルモンの分泌や自律神経を整えると言われている照海、神門、陽池などのツボにシール状の置き鍼を貼りました。それらの治療を1カ月ほど続けたところ、1日に12~14回あったホットフラッシュが1~3回になり、大幅に減少しました。まとめ今回、私はホルモン補充療法や睡眠薬、抗うつ薬を選択しませんでしたが、ホットフラッシュや不眠がさらに悪化した場合は、それらの使用も考えています。更年期障害に効くとされる漢方やサプリメントもたくさんの種類があるので、自分の心身症状が改善するまでは専門家にアドバイスをもらいながら、根気よくいろいろ試すことも必要かなと思っています。とにかく適切な療法を選択し、1日でもラクに過ごせるようにしたいです。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年09月16日更年期や甲状腺ホルモンによる不調などに集英社が年3回発行しているムック本『MyAge』の最新号が発売された。今号では更年期不調や甲状腺ホルモンによる不調、頭痛など「なんとなく不調」を解決する方法を大特集する。集英社ムック『MyAge』は大人の女性たちが生き生きと魅力的であり続けるための情報を掲載しており、3月、7月、11月に発売。最新号の表紙と巻頭ファッションページには、モデルでタレントの黒田知永子さんが登場している。「しみ&シワに今すぐできること全部!」もさまざまな不調に悩まされている女性は多い。これまで大丈夫だったからと考えてしまうかもしれないが、30代までとは違い、40代、50代の女性の体は大きく変化しており、注意が必要となる。しかし、あきらめるのではなく、早い段階で予防や対策を行うべきである。『MyAge 2020 秋号』では、「なんとなく不調」対策や、実は隠れた病気の兆候かもしれない不調についても紹介。リフレクソロジーによる「手もみケア」も紹介している。そのほか、「しみ&シワに今すぐできること全部!」が第2特集。「タンパク質のとり方、これが新常識!」や「実録 初めての“HRT”やってみた!」、女性に多い骨粗しょう症の対策「死ぬまで歩ける“骨”になる!」なども掲載されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※MyAge 2020 秋号
2020年09月08日40代後半から多くの女性たちが、肩こりや頭痛、発汗、動悸、息切れ、倦怠感といった更年期障害の症状に悩まされる。「更年期に現れる症状は人によって違います。40~50代で体の不調を感じると、なんでも『更年期だから』と決めつけてしまいがちですが、更年期とは別の病気が原因で、不調が出ている場合があります。自己判断をしないで病院で診てもらったほうが安心です」そう語るのは、『オトナ女子あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)の著者で、常喜医院の常喜眞理院長。特にコロナ禍の今は、一日のうちに何度も体温を測り、家族の体調の変化にも気を使うので、精神的にも不安定になっている人が多く、強い倦怠感を訴える人が増えているという。「『この症状は更年期?』『コロナうつ?』と思ったら、違う病気の場合もあります」(常喜院長・以下同)女性ホルモンには血管を広げる作用やコレステロールの代謝を改善するといった作用があるが、閉経を迎えると、高血圧症や高コレステロール血症などの生活習慣病にかかりやすくなり、虚血性心疾患など「心臓疾患」のリスクが高まる。「更年期になると胸痛の原因として微小血管狭心症の場合があります。運動をしていないのに急に胸痛やみぞおちの痛みに見舞われるときには、『心臓疾患』を疑います。不規則な生活が続き、心臓に異常がなければ、『自律神経失調症』を疑います」更年期で「めまい」や「ふらつき」の症状を訴える人は多いが、椅子から立ち上がるとめまいが起こるのは「良性発作性頭位めまい症」の可能性も。「耳の中にある三半規管にはがれた耳石が入り込むと、リンパ液の流れが乱れて実際の体の動きと合わなくなり、めまいが起こります。椅子から立ち上がるときや頭を後ろに倒したときに目がまわる場合は、『良性発作性頭位めまい症』かもしれません」季節の変わり目や気温や湿度の差によって、症状が出やすいのが「頭痛」。片頭痛は女性に多い病気だが、ひんぱんに起きる人が鎮痛剤に頼りすぎると、かえって頭痛を慢性化させてしまう「薬物乱用頭痛」になっていることがある。「頭痛持ちの人は、鎮痛剤を予防的に飲んでしまうこともあり危険です。『薬物乱用頭痛』の診断基準は、月15日以上、鎮痛剤を飲んでいる場合となっていますが、実際は月に10日以上飲んでいる場合も注意しましょう」更年期になるとカルシウム不足や筋肉の衰えから節々が痛む「関節痛」が起こりやすくなるが、一日中指のこわばりが取れないときは「関節リウマチ」、脚のしびれや歩くと腰の痛みを感じるときは「脊柱管狭窄症」。階段の上り下りでひざが痛むときは「変形性ひざ関節症」にかかっている恐れもあるので、早めに整形外科で診てもらおう。「ささいな体調の異変から病気を見つけるためにも、40代半ば以降はなんでも相談できるホームドクター“かかりつけ医”を探しておくことをお勧めします。特にコロナ禍の今は、体調が優れないときに無理に通院しなくても電話やオンラインで相談することもできるので安心できますよ」忙しいからといって体調が悪いのをがまんしたり、通院を後回しにしたりせず、自分の体を大切にしよう。「女性自身」2020年9月8日 掲載
2020年09月02日「やたら汗をかく」「イライラする」など更年期障害と甘く見ていた症状が、実はバセドウ病だった……。そんな事態に陥らないように早期発見&治療のポイントを知っておこうーー。40代後半から多くの女性たちが、肩こりや頭痛、発汗、動悸、息切れ、倦怠感といった更年期障害の症状に悩まされる。「更年期に現れる症状は人によって違います。40~50代で体の不調を感じると、なんでも『更年期だから』と決めつけてしまいがちですが、更年期とは別の病気が原因で、不調が出ている場合があります。自己判断をしないで病院で診てもらったほうが安心です」そう語るのは、『オトナ女子あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)の著者で、常喜医院の常喜眞理院長。特にコロナ禍の今は、一日のうちに何度も体温を測り、家族の体調の変化にも気を使うので、精神的にも不安定になっている人が多く、強い倦怠感を訴える人が増えているという。「『この症状は更年期?』『コロナうつ?』と思ったら、違う病気の場合もあります。その最たるものが甲状腺の病気です。甲状腺は首の前側中央、喉仏の下あたりにある臓器ですが、ここから分泌される甲状腺ホルモンは体の発育や代謝機能に大きく関わっています。女性の約10人に1人、中年女性に多い『橋本病』は、甲状腺ホルモンの分泌が低下したときに、一日中足がむくんで、声がかすれる、冷え性に便秘、頭がボーッとするといった症状が出ることがあります」(常喜院長・以下同)これとは反対に、甲状腺ホルモンが過剰に出ることで、発汗、動悸、息切れ、イライラする、不眠、疲れやすいなどの症状が出るのは『バセドウ病』。甲状腺機能の異常は血液検査でわかるので、気になったら検査を受けよう。一日中倦怠感があり、意欲が低下するのは「コロナうつ」や更年期ではなく、「かくれ貧血(潜在性鉄欠乏症)の恐れがある。「体内にある鉄の60~70%は血液に含まれるヘモグロビン、30~40%は肝臓や脾臓などに貯蔵鉄として蓄えられています。食事などから得る鉄分の量が不足してくると、貯蔵鉄から不足分を補い、『潜在性鉄欠乏症』となってしまいます。血液検査ではフェリチン値をみていきます」常喜院長は、ささいな体調の異変から病気を見つけるためにも、40代半ば以降はなんでも相談できるホームドクター“かかりつけ医”を探しておくことを勧める。「特にコロナ禍の今は、体調が優れないときに無理に通院しなくても電話やオンラインで相談することもできるので安心できますよ」「女性自身」2020年9月8日 掲載
2020年09月02日■更年期になると起きる動悸について走った後、久しぶりに身体を動かした後、会議前に緊張しているとき、ホラー映画で恐怖を感じたとき……。誰もが「心臓ドキドキ・脈打つ」感覚を感じます。思い出すことができませんか?これは、心拍が交感神経と副交感神経からなる自律神経によってコントロールされているためです。不安や緊張などを抱えたストレス状態にあるときは、交感神経が活発になり動悸を感じやすく・呼吸は浅くなります。逆にリラックスしているときには、副交感神経が活発になり、動悸はしにくく・呼吸は深くなります。一方で、何も特別なことがないのに「心臓がドキドキする」「心臓が脈打つ」「胸に違和感がある」と感じる症状を「動悸」といいます。つまり、いつもは意識することのない心臓の拍動に違和感をおぼえたり、強く・早く感じたりする症状です。場所やシーンも問わず寝ているときに症状が出るケースも……。■どうして更年期になると動悸が出るようになるの?更年期で動悸が出る原因としてはっきり分かっているわけではありませんが、原因として考えられているものをご紹介します。動悸の原因その1.更年期障害などによるホルモンバランスや自律神経系の乱れ更年期の時期では、卵巣の機能が衰え女性ホルモンの分泌がうまくできなくなります。女性ホルモンは脳の視床下部によってコントロールされています。そのため、いつもより体内の女性ホルモンが減ったとき、視床下部は「女性ホルモンが減った」という情報をもとに女性ホルモンをいつも通りに出させようと信号を送ります。しかし、いくら信号を送っても卵巣からは上手く女性ホルモンを作り出すことができません。この変化に、視床下部はパニックに陥ってしまいます。視床下部は、女性ホルモンだけでなく、自律神経や免疫系の信号も送る仕事があるため、パニックを起こした状態になると、そちらにも影響が出てきます。先ほどのご紹介した通り、自律神経は交感神経と副交感神経のふたつからなり、以下のような影響があります。動悸と感じるのは、交感神経の方に偏ったときです。更年期となったときは、通常は何かあったときに交感神経に偏るものが、何も特別なことがないときに交感神経の方に偏りやすい状態といえます(ストレスや社会的、環境的な要因も関係していると言われています)。そのため「自律神経失調症状」として動悸や息切れなどの症状が引き起こされてしまうのです。動悸の原因その2.不安神経症やうつ病などの精神的な要因精神的なストレスが蓄積されることでストレスホルモンが増加したり、自律神経が乱れて不安に感じたりすると普通に打っているはずの心臓の鼓動を「大きく感じさせてしまう」ことがあります。更年期の時期は仕事や家庭でもストレスを感じやすく、また抑うつ感、いらいら、不安感など精神的な症状を感じる方も多いです。もしも、動悸が起こる場面が、「悩み事をモヤモヤと考えてしまっているとき」「苦手な場所や人間関係の中にいるとき」「緊張する場面にいるとき」などのような場面であったら、それは精神的なものも原因となっているかもしれません。■動悸の予防にできること自分でできることとして、日頃からリラックスしたり、ストレスや疲れを溜めないようにしたりすることが、交感神経ではなく副交感神経に偏らせることとなり、更年期で感じられる動悸の予防につながります。①適度な運動運動によって心臓や肺を健康に保ち、運動不足による動悸や息切れの予防にも繋がります。ストレス解消や質の良い睡眠、脳の活性化など、良い効果がたくさんあります。②健康的な食事もちろん、食事も大切です。バランスよく健康的な食事を心がけたいですね。③質の良い睡眠睡眠も大切に。睡眠時間の確保が難しい場合は、寝る前のストレッチ・スマートフォンは使わないこと・寝る2〜3時間前までの夕食などで、睡眠の質を上げるという方法もあります。④深呼吸・マインドフルネス深呼吸の中でも、「腹式呼吸」にはよりリラックス効果や自律神経を整える効果があることが分かっています。たくさんある呼吸法の中から、「4-7-8呼吸法」をご紹介します。一緒にトライして見ましょう !1:息を完全に吐き切ります。2:鼻から息を吸いながら4つ数えます。3:息を止めて7秒数えます。4:8つ数えながら息をゆっくり吐き出します。これを2〜4回繰り返します。行ってみて、いかがでしたか ?あなたの日々の意識が、感じている症状を楽にしてくれるかもしれません。■病院に行くとしたら ?動悸には、更年期だからこその原因の他にも、さまざまなものがあります。ここでは、あなたの「動悸」の原因をはっきり突き止めることはできません。ですので、可能であれば病院に行き、検査を受けていただければと思います。ここでは、病院への行き方についてご紹介していきます。ステップ1心臓や肺など呼吸・循環器系の病気がないか、まずは呼吸・循環器内科を受診して検査をしましょう。甲状腺疾患の可能性もあります。受診された医療機関でご相談ください。ステップ2ステップ1で、心臓や肺など呼吸・循環器系の病気ではないことが分かったら、ストレスの影響や精神疾患などがないか、精神科や心療内科などの医療機関で相談してみましょう。産婦人科外来もしくは更年期専門外来にて対応が可能です。■その他が原因の場合も更年期だけでなく、複数の原因が関係してくることもあるので、ぜひ一緒にチェックしてみてください。その他の原因その1.心臓の拍動の異常によるもの心拍数が急に速くなったり遅くなったりするなど、心臓のリズムが乱れたとき、または心臓の収縮力が強まったときに、動悸として感じられます。心臓の病気(不整脈や心不全など)が隠れていることがありますので、胸の痛みがともなう場合や呼吸困難もしくはふらつきがある際は、医療機関へのご相談を検討してください。その他の原因その2.貧血血液に含まれる赤血球の成分である、ヘモグロビンが不足することで、「動悸」「息切れ」「めまい」などの症状が現れやすくなります。また、その前段階となる「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)」でも、身体に必要な鉄分が不足してしまうことで、さまざまな不調を感じることがあります。その他の原因その3.バセドウ病バセドウ病が原因で起こる動悸は、手の震え・体重減少・発汗多量・頻回の便・疲れやすくなる、などの症状 をともないます。その他の原因その4.肺の疾患による酸素不足慢性の肺の病気が進行するにつれて徐々に動悸も現れてくることがあります。他にも、「蜂に刺される」「薬の副作用による急性の重症アレルギー症状」「ぜんそく発作」「食中毒」「熱中症などによるひどい脱水」「急性アルコール中毒」など、動悸の原因は本当にたくさんあります。あなたはどれが当てはまりますか?ひとつだけとは限りません。年齢に合わせた変化以外にも思い当たるものがあったら、それだけ対策できることの幅が広がるということですよね。その中で、背景に重大な病気が隠れている場合があることを忘れてはいけません! もし動悸で悩んでいたら、まず最初に身体の病気について検査をすることがおすすめですよ。医師監修プロフィール院長南 真実子祖父や父が産婦人科医であったことから医師を志し、自身も大阪医科大学医学部へ進学。卒業後、初期研修を経て大阪医科大学産婦人科教室に入局。主に腹腔鏡手術、不妊治療、周産期治療などに従事し、産婦人科専門医を取得。検診業務にも従事し、マンモグラフィー読影認定医を取得。女性がいつまでも健康で美しく輝いていられるよう、さらなる高みを目指して、美容医療、アンチエイジング医療を行う。大手美容クリニックで活躍後、2017年に大阪美容クリニックを開院。婦人科・美容皮膚科を通じて、女性をトータルにサポートできるよう診療を行っている。
2020年09月01日大人気漢方カウンセラー 大久保愛氏なんとなく体調が優れない女性や、女性特有の生理にまつわる不調、更年期に関する悩みを持つ人などに向けた新刊『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』が発売された。著者は漢方薬剤師で食薬アドバイザー、薬膳料理家、国際中医師、国際中医美容師の大久保愛氏である。A5判、224ページの単行本で、KADOKAWAより1,650円(税込)の価格で発売中となっている。今の自分に必要な食べるべき「食薬」月経前症候群(PMS)や更年期などの悩みを抱えている女性は少なくない。病院で診察を受けるという方法もあるが、病院に行くほどでもない「なんとなく不調」「未病」の状態は食べる薬「食薬」で改善できるかもしれない。発売された『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』によれば、女性の不調の原因は「ストレス」「血行不良」「冷え」「便秘」「不眠」の5つのタイプに分類して考えることができるという。新刊では五感を刺激しつつ漢方、栄養学、腸活を楽しく取り入れられるよう解説。乾燥肌、むくみ、アレルギー、雨の日の体調不良、不安などについても対応。不調や基礎体温から悩みを検索して、今の自分に必要な食べるべき「食薬」がわかるようになっている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典 大久保 愛:生活・実用書 - KADOKAWA
2020年08月25日女性ホルモンが乱れて起こる体の不調とは?出典:byBirthシミ・シワ・たるみ…。女性を悩ませるお肌トラブルは、30代からどんどん減っていく女性ホルモンが関係しています。お肌の健康を保つためには、女性ホルモンを正しく理解して、ホルモンバランスを整えていく必要があります。まずは、女性ホルモンが乱れることで起こるトラブルを解説します。肌荒れホルモンバランスが乱れ、女性ホルモンの分泌が減ることで、お肌の皮脂を過剰に分泌する男性ホルモンが活発になります。この皮脂が原因で、ニキビなどの肌荒れができます。生理不順や生理痛女性ホルモンには、「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンがあります。この2つのホルモンが少なくなると、無月経や過少月経など生理不順が起きます。月経が8日以上続く過多月経もホルモンバランスの乱れが原因と言われています。また、生理中に分泌される「プロスタグランジン」というホルモンには、痛みや炎症を起こす作用があると言われています。このホルモンが多く分泌されると強い生理痛となります。PMS【月経前症候群】排卵後にホルモンバランスが変化することで、頭痛や肩こり、便秘、イライラなど様々な心身の不調が起こります。これが原因で暴飲暴食し、お肌トラブルの原因となることもあります。その他にも、「自律神経失調症」や「不正出血」、「不妊」「更年期障害」など、女性ホルモンの乱れによって引き起こされる不調は沢山あります。心身共に健康に過ごしていく為には、この女性ホルモンと上手く付き合い、ホルモンバランスを整えていくことが必須です。生理周期で変わるお肌の調子…その理由は?出典:byBirth女性のお肌は、生理周期と女性ホルモンによって大きく左右されます。この生理周期による女性ホルモンの変化を無視してお肌のケアを行ってしまうと、逆にお肌に負担をかけてしまうこともあります。ご自身の生理周期を把握し、ホルモンの変化に気づき、その時期に気を付けるべきことを理解しましょう。排卵日後~生理期間中のお肌はとても敏感?排卵日後から、生理期間中は、お肌が敏感になっている時期です。いつも使っている化粧品が合わなかったり、シミてしまったりする場合は、その時期のお肌にあっていない証拠です。従って、生理前~生理期間中に刺激の強いピーリング剤でのケアや、新しい化粧品を試すことは辞めましょう。生理が終わってから、排卵日までの期間は、お肌のバリア機能が一番高まっている時期です。排卵日は、お肌の調子がよくツルツルでメイクノリもよいと感じるでしょう。スマホのアプリやカレンダーでご自身の生理周期を今一度確認し、お肌のケア方法を見直しましょう。ホルモンバランスを整えるカンタンな方法を解説!出典:byBirthホルモンバランスを整えていく為には、まずはご自身の体の状態を把握することが必要です。基礎体温を測って、ホルモンの状態をチェックしましょう。ホルモンバランスのチェック方法!毎日起床時に体を動かさず、安静にしている時の体温を婦人用体温計ではかる。毎日同じ時間に測るようにする。おりものや、性行為、経血の量、不正出血などを体温と一緒に記録する。最低でも3か月は継続して測定する。この基礎体温は、高温期と低温期の2相に分かれます。この差が0.3度以上あれば排卵があり、ホルモンバランスが正常であるという証拠になります。 この方法で、まずはホルモンバランスをチェックしましょう。ホルモンバランスが乱れていたら?ホルモンバランスの整え方!心身を休めるしっかりと休息をとったり、ぬるめのお湯につかって体を休めたりすることがホルモンバランスの乱れを整えます。自分のペースでマッサージやストレッチを行ったり、ウォーキングをしたりすると心も体もリフレッシュすることができます。ダイエットを一度辞める無理なダイエットは、ホルモンバランスが乱れる原因となります。その結果、生理周期が乱れたり、月経異常が起きたりすることがあります。ホルモンバランスが崩れている時は、ダイエットを一度お休みし、ホルモンバランスを整える為に、規則正しい食生活を心がけましょう。大豆を摂取し、バランスの良い食事にする大豆イソフラボンは、女性ホルモンと同じ働きをしてくれます。納豆や豆腐、豆乳を積極的に摂取しましょう。早寝早起きをする誰もが知っているように、成長ホルモンは、睡眠中に作られます。睡眠時間をしっかりと確保することが自律神経を整えます。早寝早起きをする習慣をつけましょう。ホルモンバランスを整えて美肌に!体を見つめ直そう出典:byBirthいかがでしたか?今回は、女性ホルモンと美肌の関係について解説しました。一見遠回りのような方法に思えますが、女性ホルモンの働きを正常化させることが美肌への近道です。今一度、生活習慣を見直し、ホルモンバランスを整えていきましょう。体もお肌もきっと応えてくれますよ。
2020年08月23日更年期を迎える45~46歳ころから急に抜け毛・薄毛が気になるようになりました。これほど急激に起こるとは予想もしておらず、一時はとても悩みました。しかし私の場合、これらに対するストレスを解消することで薄毛の進行を止めることができたのです。今では髪にボリュームが出てくるまでに改善した体験談を紹介します。恐ろしくなるほどの抜け毛におびえた日々私はもともと髪の毛が太く多いタイプでした。しかし、45~46歳ごろから急激に抜け毛が目立つようになったのです。シャンプ-のときに指に驚くほど抜け毛が絡まったり、普段でも髪をかき上げるとパラパラッと抜け落ちるといった具合でした。その結果、自分でもはっきり確認できるほど短期間に髪のボリュームが減っていきました。髪が長いと抜け毛も多く感じられショックが大きいため、思い切って短めにカットしました。すると髪自体も細くなりコシがなくなってきたので、全体がペッタンとしたイメージに。そして、いつも抜け毛が気になっていたせいか、朝起きると髪がすべて抜けていたという悪夢を何回か見たこともありました。美容師さんにも相談しましたが、やはり更年期に入りエストロゲンが低下することで急激に薄毛になる女性もいるとのこと。そんな状態でなんとかしなければと思うようになったのです。もしかしたらストレスが原因かも?だんだん心が折れそうになり、まず考えたのが髪専門クリニックでの治療でした。しかし、料金が高いというイメージがあり、あまり積極的になれませんでした。そこで敵を倒すにはまず敵を知ることが大切だと考え、ネットや本で原因を調べました。その結果、遺伝、更年期などによる女性ホルモンの低下、シャンプー剤やシャンプーの方法の問題。さらに、食生活、睡眠、血流、ストレスなどさまざまな要素が深くかかわっているようでした。自分なりに改善できることはすべて実践してみようと思いましたが、シャンプー剤をはじめ食生活、睡眠、頭皮マッサージなどは自分なりにどれもこだわって、すでに実行していたことだったのです。遺伝や女性ホルモンの低下などに対しては簡単に自分で改善することはできません。ただ、ストレスという言葉がやけに気になりました。私にとって抜け毛・薄毛の悩みはとても大きなストレスだと感じていたからです。とはいっても心のコントロールは簡単ではありません。しかし、このストレスを解消する努力をしてみようと考えたのです。ストレスの解消は意外なことだったストレス解消のためアロマオイルを利用したりいろいろ試してみましたが、抜け毛・薄毛に対する不安や恐怖は根本的なところを解決しない限り解消されないのだと感じました。そこで自分は何がそんなに不安や恐怖を感じているのかということを自問自答したのです。結局、私の不安や恐怖は髪が薄くなった自分の姿に対してだということに気付きました。そこから発想をガラッと変えて、気に入った部分ウィッグを使ってみようと思ったのです。現在の技術は非常に進んでいるため、とても自然にボリュームアップをすることができました。すると今まで家に閉じこもりがちだった私が、外出したいと思うようになったのです。そして抜け毛・薄毛に対する不安や恐怖はどんどん消えていき、「もし全部抜けたって、どうってことないわ」という気持ちにまでなれました。すると、1カ月ぐらいの短期間で抜け毛が急激に減りました。抜け毛に対するストレスがより抜け毛を加速させていたようです。それから3年ほどたち、現在では抜け毛はまったく気にならないレベルとなり、髪のボリュームも出てきて部分ウィッグが必要なくなってしまいました。まとめ今回のように更年期に起こる女性ホルモンの低下は特に異常なことではないそうです。そして、それに伴ういろいろな症状に対してもあまり不安を持つと、逆にその不安で押しつぶされてしまい、実際に体調の変化も出てしまうことがあると痛感しています。今まで私はストレスというものを「気の持ちよう」と軽視していましたが、今回のことで体にも影響を及ぼすものだということも学びました。そして、ガラッと発想を変えることでストレス解消ができることも知ったのです。これからも更年期でいろいろな変化が出ることもあると思いますが、それは自然の流れと受け止め発想を転換しながらうまく乗り越えていきたいと考えています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年08月12日私は学生のころからコンタクトを使用していましたが、1年ほど前から使用中の違和感やトラブルが度々起こるようになりました。その原因には、更年期や老化が深くかかわっていると眼科で診断されました。今はさまざまな面から、この状況をうまく乗り越えています。そんな私なりの乗り越え方を紹介します。度重なる目の違和感や痛み私は中学生のときから視力が0.1以下だったこともあり、ハードコンタクトをずっと使用していました。コンタクトを外さずにうっかり寝てしまったときなどは眼球に傷がつき、激痛で病院に飛び込んだことも。また、風の強い日などは細かい砂ぼこりが目に入り、やはり眼球を傷つけてしまうこともありました。しかし、それは多くても年に1回程度で常時起こることではありません。ところが1年ほど前からコンタクトを使用するとゴロゴロしたり違和感があったり、眼球が傷ついたときのような痛みを感じたりするようになったのです。痛みがひどくなって眼科に行くと眼球に傷がついていると言われ、症状が軽いときは処方してもらった抗生剤が入った目薬を差し、痛みが取れるまで数日コンタクトをお休みしていました。しかし、痛みがなくなってコンタクトを使用すると、すぐにまたチクチクと痛くなってしまうということの繰り返し。揚げ句の果てには裸眼のときでも同じような症状が起きるようになったため、何が起こっているのだろうと不安に思い眼科医に相談をしました。医師から出た言葉は更年期と老化!眼科医に相談したところ、カルテに書かれた私の年齢を確認して出た言葉は更年期でした。そして、このような連続的なトラブルの原因はドライアイだろうと診断され、更年期や老化が深くかかわっていると言われたのです。エストロゲンの分泌が低下すると目の粘膜細胞が減少し潤い不足が起こり、それが原因でドライアイになるという説明を医師から受けました。更年期が目にまで影響があるなんて、自分としては初めて聞いたことだったのでとても驚いてしまいました。また、このような医師の話から、更年期であっても老化であっても、40代後半の私がドライアイを発症することはまったく不思議ではないことがわかったのです。そしてこのとき、しっかりと自分の年齢と向き合うことが更年期をうまく乗り越え、年齢を受け入れるために必要なことなのだと考えました。生活習慣の改善と眼鏡にチャレンジ眼科で今の私の状況を診断してもらったことで、これからはできるだけ目をいたわり、この状況をうまく乗り越えようと決心しました。このままコンタクトを続けてもトラブルが起こりやすいため、まずコンタクトをやめて眼鏡にしたのです。今まで人前で眼鏡姿を見せなかった私は、眼鏡をかけることに強い抵抗がありました。しかし、おしゃれなものをいくつか購入し服に合わせて眼鏡を楽しむようにしました。一方で、エストロゲンの分泌を増やす方法の1つであるホルモン治療に関しては、以前子宮筋腫の治療をしたときの副作用がつらかったため積極的になれませんでした。そこで、少しでもエストロゲンを増やすために食生活を見直したりサプリを取り入れるようにしました。ほかにも眼科で注意されたパソコンや携帯の見過ぎにも注意し、もちろん眼科で処方された涙と同様の成分の目薬もきちんと差すようにしています。また、夜は私にとって一番の自由時間なので、つい遅くまで本を読んだりテレビを見たりしていましたが、目の健康のために早めに寝ることも心がけています。このようにできるだけ努力をしたこともあってか、今は以前のような痛みが起こることはなくなりました。時々ゴロゴロした違和感やべたつきを感じたときには、洗眼用洗浄液でパチパチと目を洗っていますが、とてもすっきりして良い気持ちです。まとめ更年期が目にまで影響してドライアイを引き起こすとは思ってもいなかったので、医師から診断されたときはとても驚きました。今回のことで自分の気付かないところで、老化が進んでいることも自覚しました。そこで元気な老後を送るためにも更年期の症状としっかり向き合い、ケアしていこうと決心したことが今の安定した状態につながったのではないかと思っています。今はあれほど嫌いだった眼鏡姿にもだいぶ慣れ、自分なりの眼鏡ファッションを楽しんでいます。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年08月10日プレ更年期や更年期世代はホルモンバランスの変化から血行が悪くなったり、加齢によって筋力が低下したりして、リンパの流れが悪くなったり体にゆがみが出てきたりすることも。そのため水分や老廃物が体内に滞り、太りやすくやせにくい体になることがあります。そこで産婦人科の善方裕美先生に体内環境を整えて、やせやすく太りにくい体につながる巡りの良い体づくりの方法を聞きました。リンパマッサージで巡りを良くするリンパマッサージには代謝の改善、むくみや冷えの解消、老廃物の排出を促す、疲労や凝りの解消などの効果が期待できます。さらに筋肉がほぐれることで正しい姿勢になり代謝がアップします。リンパマッサージは、下の図の矢印の方向に軽く圧をかけながらやさしくさすりましょう。また、内臓の動きも良くなるので太りにくくなるという効果が出ることも。セルフマッサージでも効果が得られるので取り入れてみましょう。ゆがみを正してスリムな体型をキープ加齢や運動不足、筋肉の衰えで、体のゆがみがどんどん出てくることがあります。ゆがみがあると体型が崩れ、姿勢も悪くなり、それが太りやすい原因になります。特に気を付けたいのは上半身と下半身をつなぐ骨盤のゆがみ。骨盤がゆがんでいると下半身がポッコリ出たり、おしりが大きく平たくなりやすくなります。さらに内臓が下がり内臓自体もゆがんでしまうことが。そうなると代謝機能が衰え、脂肪や老廃物をため込んでしまいます。下記のような習慣がある場合は改善しましょう。・足を組んだりあぐらをかくことが多い・ハイヒールで出かけることが多い・バッグなど重い物を片側だけで持つことが多い・うつ伏せで寝ることが多い・体の重心を左右どちらかにかけることが多い体を温めることで代謝機能をup体が冷え、血流が滞った状態では、必要な栄養や酸素が体のすみずみまで届かず、さまざまな機能が低下します。老廃物も排出できず代謝も低下するため、やせにくい体になるのです。代謝を上げるために冷えを予防する食材を積極的に取り入れてみましょう。根菜類、しょうがや唐辛子、鶏肉、かぼちゃ、玉ねぎなどは体を温める食材です。また冷たい飲み物は控え、温かい物か常温の物を飲むようにしましょう。筋肉は熱産生を持っているので、筋肉量を増やすことも体を温めることにつながります。また筋肉には細い血管がたくさん通っているので、運動して筋肉を動かすと血流も良くなります。日常的に服装などで気を付けたいのは、体表近くに動脈が通っている首、手首、足首を冷やさないこと。また、太ももやおしり、二の腕は大きな筋肉が付いているので温めると全身の血流が良くなります。おなかや腰周りも臓器や器官が集中しているので冷やさないようにしましょう。腹巻きなどで保温しておくと内臓の動きが活発になります。まとめプレ更年期、更年期世代は心身ともに体に変化が現れることが多いので、ダイエットのためだけでなく、健やかな体をキープするためにも自分の体や生活習慣を改めて見直すいい機会かもしれません。リンパマッサージで自分の体を触ったり、ゆがみを改善するために足を組むなどのクセをやめる努力をしたり、体を冷やさない生活を実践してみたり。結果的にやせやすく太りにくい体を作るため、できるものからトライしてみませんか。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年08月06日「寝ることがダイエットにつながるなら、こんなにラクでうれしいことはない」と思いませんか? 実はプレ更年期、更年期世代は良質な睡眠が取れていなくて、睡眠不足から太りやすい体になっていることも考えられます。では良質な睡眠ってどんな睡眠なのでしょうか? 産婦人科の善方裕美先生にダイエットにもつながる良質な睡眠の取り方を聞きました。睡眠時間が短いと太るの?ただ眠るだけでもカロリーは消費されるものですが、寝ている時間が短いとカロリーがあまり消費されず、そのまま蓄積されていきます。7時間以上の睡眠が適切ですが、プレ更年期、更年期世代以降は量より質ともいわれており、良質な睡眠が求められます。翌朝、すっきりとした熟睡感があり、倦怠感や意欲減退、食欲低下などの不眠症の症状がないようなら良眠と思って良いでしょう。しかし、睡眠不足(4時間未満)の場合、食欲増進のグレリンというホルモンが増え、高カロリーの食べ物を食べたくなる傾向があり太りやすくなることがわかっています。睡眠は体を休めるだけではなく、基礎代謝を高め、心身をリセットし、自律神経のバランスも整えるという働きがあります。このような体の修復がされやすいといわれているのが22時~2時。この時間に眠っているのが理想的です。良質な睡眠でやせやすい体づくり良質な睡眠を得るためには、夕食は消化に時間がかかる脂質や糖質を控えめに、寝る2~3時間前まで済ませましょう。寝る直前に食べると眠っている間も内臓で消化活動がおこなわれるため、眠りの質を下げてしまいます。入浴は寝る30分から1時間前に済ませ体を温めておきます。体が温まった状態からだんだん冷えていくことでスムーズに睡眠モードに入れます。また、寝る直前はスマホやパソコンのブルーライトを浴びるのはNG。光の刺激は体が夜になったことを認識できず目が覚めてしまいます。睡眠前にはストレッチをストレッチは日中の凝り固まった筋肉をほぐし、体をリラックスさせます。寝る前は腕を回したり伸ばしたりする簡単なストレッチを、布団に入ってからは深呼吸をしながら両足首の曲げ伸ばしをおこなってみましょう。副交感神経が優位になり気持ちよく寝られます。まとめ睡眠の質も加齢とともに低下する傾向があります。だからこそ就寝前の生活習慣を見直して、スムーズに入眠し熟睡感がある良質な睡眠を手に入れるのが大切です。毎日のちょっとした心がけで続けられることもあると思いますので、早速実践して、やせやすい体を手に入れませんか。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年08月05日ダイエット中でも、友だちとの付き合いや気分転換にお酒を飲みたくなることはあるでしょう。我慢は長続きしませんし、楽しい時間や気分転換はプレ更年期、更年期世代にはダイエットよりも大切かもしれません。そこで産婦人科の善方裕美先生にじょうずなお酒の飲み方を聞きました。ダイエットに影響が出にくい飲み方を覚えて、楽しい時間を過ごしましょう。お酒を飲むと太るの?アルコール自体は1gあたり7kcalで、脂肪として蓄えられることはほとんどありません。ですが、飲み過ぎるとアルコールの代謝に消化酵素やエネルギーを使ってしまい、一緒に摂取したおつまみの脂質や糖質が代謝されずに残り、蓄えになってしまいます。それが太る原因になります。お酒自体の糖質量がダイエットに影響大アルコールは原料や作り方によって糖質量が変わり、ビールや日本酒は糖質を多く含む原材料が使われ、製品にも糖質が残るのでダイエット中には控えたいお酒と言えます。ウイスキーや焼酎は蒸留酒で糖質が含まれていないため、太りにくいといわれています。飲むお酒の種類と量を考えてお酒を飲むときは種類と量を考えれば、ダイエットにあまり影響が出ずに楽しむことができます。お酒は蒸留酒を選び、割り物に甘いジュースなどを使わないのが鉄則です。●OKなお酒ハイボール(ジンジャーエールやコーラ割りはNG)ウイスキー(ロックや水割りで)焼酎(割り物は砂糖が入っていないものに)ジン(ソーダ割りはOK。でもトニックウォーターは砂糖が含まれるのでNG)ウォッカ(割り物は砂糖が入っていないものに)ワイン(白は糖質が多いので飲むなら赤を2~3杯)まとめ飲み過ぎは厳禁ですが、無理にやめる必要はありません。ダイエットに影響が出ないお酒を選び適量を飲むようしましょう。おつまみはチーズなどのタンパク質やサラダがおすすめです。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年08月04日更年期と上手く付き合っていくために「更年期の症状は人それぞれ」辛い症状を感じていても、これは本当に更年期の症状なの? と悩んだことはありませんか?もしも、心身の不調に困っているなら、この記事を読むことであなたに合った改善方法のヒントを見つけられるかもしれません。「更年期障害」とは、更年期の症状を抱えながら、日常生活に支障をきたす状態のこと。12カ月以上生理がこなくなると閉経となりますが、閉経を挟んで前後5年ずつ約10年ほどは、少しずつ生理や体調に変化が出てくる「更年期」の時期です。更年期の症状で一番の悩みは「疲れやすさ」更年期障害の症状で辛い思いをしているのは、あなただけではありません。25%以上の女性は、「疲れやすさ」「肩こり」「頭痛」など、たくさんの症状を実感しています。参考:ドコモ・ヘルスケア株式会社(以下ドコモ・ヘルスケア)2018年8月働く女性の更年期症状について調査結果より特に多い症状は、「疲れやすさ」。90%の女性が抱える悩みです。同世代のほとんどが抱える悩みであると考えると、なかなか多いですよね。疲れやすさがあると、デスクワークなど仕事をするときやスポーツをするとき、家のことをするときなど……あらゆる生活シーンの中で辛さを感じます。ただし、更年期を生きるすべての人が疲れやすさで悩んでいるわけではありません。その症状は人それぞれ違います。「肩こりと腰痛がひどいなぁ」「ほてりと汗をかくことが大変」「めまいや頭痛が辛いなぁ」などなど。不調の症状には個人差があります。あなたは、どの症状を一番に感じていますか?更年期症状の原因は、ひとつじゃない更年期障害による不調には個人差があるとお伝えしましたが、その原因にもさまざまな要素が存在し、複雑に絡み合っているのです。どの症状を一番に感じているかは、どの原因に強く影響されているか? ということに繋がってきそうです。「原因」は、大きく3つ。それぞれの概要を今から紹介していきますが、症状に個人差が生まれるのはこの3つの原因が複雑に絡み合っているから。「私はこのくらいの症状だったから、あなたも仕事ができるはず」「私はこんなに辛かったけれど、どうしてあの人はあんなに元気なんだろう?」と同じ“女性”でも相互理解が及ばないことがあるのはこのため。もし、辛い症状に悩んでいる人をみたら、自分とは違う原因を抱えているのかも……。更年期の不調原因その1.身体的因子閉経する数年前から女性ホルモンであるエストロゲンは大きくゆらぎ、閉経とともに急激に減少します。のぼせなどの症状がなぜ生じるのかはっきり分かっているわけではありませんが、エストロゲンを投与することで症状が改善することが分かっており、エストロゲンの急激な減少が更年期症状と深く関わっていることは明らかです。更年期の不調原因その2.心理的因子更年期障害は一種のストレス性疾患とも考えられています。その人の性格や、仕事、家庭などにおける生活環境でのストレス。例えば、几帳面、真面目、穏和、責任感が強い、内向的、自責的、犠牲的など。その人の考えの特徴が症状に影響してきます。更年期の不調原因その3.社会的因子家族の問題(夫、子ども、母、嫁姑など)、親の介護、職場での立場、知人の病気など。この時期に生じやすい対人関係や家族の問題なども、更年期の症状に影響しています。更年期の症状を改善する方法更年期の症状を改善する方法もたくさんあります。多くの場合には、「生活習慣の改善」や「心理療法」を試み、それでも改善しない症状に対して「薬物療法」を行います。【生活習慣の改善】食事は、バランスのとれた食事を摂ることと、野菜・果物から必要な量のビタミン類をとることが大切です。また、女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きをしてくれる「大豆イソフラボン」が含まれた食品も積極的に!(大豆イソフラボンを多く含む食品:納豆、豆乳、豆腐、油揚げ、きな粉、味噌など)また、定期的な運動も大切です。運動は、ストレス解消に効果的であり、気持ちを前向きにする効果があります。厚生労働省の健康づくりのための身体活動基準2013では「息が弾み汗をかく程度の運動を毎週60分行う」という運動の基準があるので、ひとつのポイントに。運動の種類は、ボウリング、社交ダンス、ゴルフ、ピラティス、ウォーキング、犬の散歩などが基準になっているので、通勤時間やお買い物の時間での歩く時間も十分な運動に含まれます。【心理療法】多くの人が抱えるストレスや心配事、問題が複雑に絡まっているため、メンタル面の不調のために、適切な薬物療法とともに、カウンセリングや心理療法が必要になる場合があります。【薬物療法】薬物療法は、「ホルモン補充療法(HRT)」「漢方薬」「向精神薬」を使うことが多いです。ホルモン補充療法(HRT)は、卵巣機能の低下により不足するエストロゲンを薬で補う治療法です。ほてり・のぼせ・ホットフラッシュ・発汗など血管の拡張と放熱に関係する症状に特に有効です。エストロゲン製剤の単独療法や黄体ホルモン(プロゲスチン)製剤の併用がありますが、ホルモン補充療法(HRT)には飲み薬、貼り薬、塗り薬などいくつかのタイプがあり、またその投与法もさまざまです。まずは、医師と良く話し合いながら自分に適した治療法を選択していくことが大切です。漢方薬は、症状の緩和を目的としていくつかの漢方薬が用いられます。漢方療法の基本的な考え方は、心身のバランスを整えて、さまざまな症状を改善することです。体力が低下しており、冷え症で貧血傾向がある人には、「当帰芍薬散」を、体質虚弱で疲労しやすく、不安・不眠などの精神症状を訴える人には、「加味逍遥散」を、軽い運動でのぼせの症状があり、下腹部に圧痛がある人には「桂枝茯苓丸」をそれぞれ処方します。向精神薬(こうせいしんやく)は、気分の落ち込み・意欲の低下・イライラ・情緒不安定・不眠などの精神症状が最もつらい場合には、症状に応じて抗うつ薬、向精神薬などが用いられます。症状の程度によって処方されるお薬も変わってくるので、医師にしっかり自分の症状や様子を伝えられるようにしておくことがオススメです。まずは、自分を大切に見つめてみて現代の女性の平均寿命より考えると、閉経後の人生は35年以上もあり、更年期は人生の折り返し地点といえます。まだまだ続く人生。充実した楽しい時間を過ごしたいという人も多いかと思います。更年期の症状がひどい場合は治療対象となりますが、生活習慣の改善等にて次第に順応していくところもポイントです。今の自分を、しっかり大切にすることはできていますか?更年期の症状とうまく付き合っていくためにも、今後の人生をより充実したものにするためにも、自分自身を見つめることが大事になってきます。この機会に、自分の身体の変化を見つめて、自分に合うコントロールの方法を見つけておきましょう!さっそく、自分の症状をチェック✔️簡略更年期指数を使って、自分の更年期の症状をチェックしてみましょう。自分の症状を、「強」「中」「弱」「なし」で答えてくださいね。そして、当てはまる項目の数字を足していってください。点数を合計したら、自分の点数のところをチェックしてみましょう。0〜25点:異常なし26〜50点:食事、運動に気を付け、注意を51〜65点:更年期・閉経外来を受診しましょう66〜80点:長期間にわたる計画的な治療が必要かもしれません81〜100点:各科の精密検査にもとづいた長期の計画的な治療が必要かもしれません参考:簡略更年期指数・小山ら1992最近話題のエクオール更年期による不調に対する新しい治療法のひとつとしてエクオールがあります。エクオールを産生できる腸内環境を持つのは、日本人女性の全世代を通じて約30%。この「エクオール」を直接摂ることで、更年期の症状が改善する効果については以前から注目が高まっていました!現在までに効果があると報告されている症状は、・ホットフラッシュ(顔や胸元などがいきなりカーッと熱くなり、ほおが赤くなったり大量の汗をかく症状)・首こり・肩こりといった、更年期の症状だけでなく、・肌のシワ・骨密度の減少を抑制・悪玉コレステロールの減少・糖代謝の改善・動脈硬化の予防など多岐に渡ります。選択肢のひとつに、プラスして考えておくことも良いかも。医師監修プロフィール院長南 真実子祖父や父が産婦人科医であったことから医師を志し、自身も大阪医科大学医学部へ進学。卒業後、初期研修を経て大阪医科大学産婦人科教室に入局。主に腹腔鏡手術、不妊治療、周産期治療などに従事し、産婦人科専門医を取得。検診業務にも従事し、マンモグラフィー読影認定医を取得。女性がいつまでも健康で美しく輝いていられるよう、さらなる高みを目指して、美容医療、アンチエイジング医療を行う。大手美容クリニックで活躍後、2017年に大阪美容クリニックを開院。婦人科・美容皮膚科を通じて、女性をトータルにサポートできるよう診療を行っている。
2020年07月31日ダイエットと聞いて最初に食事制限が浮かぶ人も多いと思いますが、プレ更年期、更年期世代にとっては体調不良の原因になるなどリスクが高いものです。この世代には、必要な栄養素をしっかり摂る質のいい食事や食べ方でダイエット効果を引き出すのがおすすめ。産婦人科医の善方裕美先生にダイエット成功へ導く食事のしかたを聞きました。糖質を少し減らしタンパク質をじょうずに摂る極端にカロリーや糖質を制限するダイエットは、プレ更年期、更年期世代にとって体調悪化につながり、体の機能や免疫力を低下させる原因に。この世代のダイエットの食事の基本は3食をバランスよく食べること。ただ、以前と比べ必要なカロリーは変わってきていますので、糖質の量を減らし、筋肉のもととなるタンパク質をじょうずに摂ることで体重のコントロールをしていきましょう。糖質量を減らすには白米を雑穀米に、うどんをそばに、菓子パンを全粒粉パンに変えることでも有効です。タンパク質は肉や魚、大豆製品や卵、乳製品などから摂ります。特に大豆製品は、減少している女性ホルモンに似た働きをするフィトエストロゲン(エストロゲン様物質)が含まれるので更年期のおすすめの食材です。体の酸化を食い止める抗酸化栄養素を摂ろうまた、40代以降から心配なのが体の酸化。呼吸によって取り込まれた酸素の一部がさまざまな成分と反応し活性酸素に変わり、活性酸素が必要以上に増えてしまい体の細胞に入り込むとタンパク質、脂質が酸化(錆びる)し、細胞の動きが低下し老化や肥満が進むことがあります。もともと体には活性酸素を毒性の低い物質に変え消去してくれる抗酸化酵素(SOD=スーパーオキシドディスムターゼ)を持っていますが、40代からその酵素も減っていきます。そのため意識的に抗酸化栄養素を摂るようにするのが大切です。抗酸化栄養素とはベータカロテン、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、アスタキサンチンなどをいいます。食べる順番に気を付ける食べる順番もダイエット効果に影響があります。食事は食物繊維を最初に摂ると糖や脂肪の吸収を緩やかにすることができるので実践してみましょう。「食物繊維(野菜、きのこ、海藻類など)」→「タンパク質(肉・魚・大豆製品・卵など)」→「炭水化物(米・パンなど)」→「糖質(ジュース・ケーキなど)」という順番で食べるのが理想です。また、血糖値が急激に上昇すると体に脂肪をため込みやすくなります。それを避けるためにもこの順番は有効です。よくかんで食べるのも糖の吸収を抑えることにつながります。まとめ今までの食生活をガラッと変えるのは難しいですが、上記に挙げたものは比較的取り入れやすく、負担もあまり感じられないで済みそうです。習慣にできればだんだんと効果も出てきますので、ぜひすぐに始めてみませんか。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年07月30日プレ更年期、更年期世代のダイエットは、太っていない体を手に入れるだけでなく、やつれて見えない、健やかな体を保つことが重要です。そのためには年々衰えていく筋肉を落とさないようにして基礎代謝をアップさせ、脂肪が燃焼しやすい体をつくり、筋肉量も体力もキープするようにしたいものです。そこで、産婦人科医の善方裕美先生に更年期世代のダイエットの方法を聞いてみました。筋肉量を増やす運動を始めよう更年期は閉経の前後5年間と定義され、一般的に日本人の閉経が50歳前後に多いため、45歳から55歳くらいの10年間が更年期に当たります。ただ、閉経に向けて心身の変化が現れ始めるのは30代後半から40代半ば、その時期はプレ更年期といわれています。このプレ更年期に入った40歳ごろから基礎代謝が急激に落ち、さらに筋肉が衰え筋肉量も減ってくるのが太りやすくなる原因の一つです。筋肉は基礎代謝の40%を消費するといわれているので、筋肉量を増やすことで基礎代謝をアップさせ、効率よくカロリー消費するやせやすい体をつくることができます。筋肉はトレーニングで鍛えれば、量を増やすことも維持することもできます。年齢は関係なく、40代でも50代でも可能。むしろ何もしないと加齢とともにどんどん筋肉がなくなってしまうので、40代からの筋肉トレーニングはダイエットのためだけでなく、筋力を落とさず健やかな体をキープするためにも必要不可欠なものだともいえるでしょう。無理をしないで続けやすいものを選ぶ筋肉トレーニングは続けることが大切なので、自分の生活習慣に取り入れやすく、無理のないものを選びましょう。取り入れる時間は朝でも夜でも構いません。朝におこなえば1日の始まりに代謝を上げることができます。夜なら睡眠の妨げにならないよう就寝の2時間前を目安におこないましょう。取り入れやすいものとして、体幹トレーニングがあります。体幹は簡単に言うと胴体全体のこと。ここには6つの筋肉(胸筋、腹直筋、腹斜筋、僧帽筋、脊柱起立筋、広背筋)があり、体幹トレーニングとはこれらの6つの筋肉を鍛えることです。同時に複数の筋肉を鍛えることができるのでとても効率的です。簡単にできる体幹トレーニング例<プランクの方法>①ひじを直角にして手のひらは軽く握り小指のほうを床につけた状態でうつぶせになる。②足はつま先で支え、体を一直線にした状態を30秒キープする。2~3セットを目安におこなう。有酸素運動で脂肪を燃焼させようダイエットのためには、筋肉量を増やし代謝をアップさせた上で、さらにおこないたいのが脂肪を燃焼させる効果がある有酸素運動です。始めやすいのはウォーキング。背筋を伸ばし、ちょっと息が上がるようなペースで歩きます。最初は10分程度からスタートし、だんだん時間を伸ばし1日30~60分程度歩けるようになるといいでしょう。ただ、どうしても時間が取れないなら、日常生活で動きを増やすことを意識します。例えば買い物や通勤で歩く時間を増やす、エスカレーターではなく階段を利用する、その場で、もも上げをおこなうなどでも有酸素運動になります。まとめ加齢は止められませんが筋肉量を増やしたり、脂肪を燃焼させたりすることで太りにくい体をキープすることはできます。それが更年期の健やかな体をつくることにもつながるので、毎日無理なくできることから続けてみてはいかがでしょうか。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年07月29日若いころキャベツダイエットやリンゴダイエットなど、無茶なダイエットをしたことがある人は多いかもしれません。でも、プレ更年期、更年期世代は無茶な食事ダイエットをすると健康を害することも……。やせたい願望はキープしつつ健康的に更年期太りを解消するにはどうすればいいのか、産婦人科医の善方裕美先生にうかがいました。更年期ダイエットは“食べてやせる”ダイエットで一番てっとり早いのが、食事量を減らすこと。たしかに摂取するカロリーが減れば脂肪が燃焼してやせていきますが、過度に食べないダイエットは必要な栄養素が不足して体調を崩す恐れがあります。更年期太りを解消するのに必要な筋肉がやせて締まりのない脂肪だけが残ったり、更年期の女性ホルモン低下による骨粗しょう症へのリスクが高まったりすることも……。更年期のダイエットは食べないのではなく、必要なものをしっかり食べてやせることが最重要課題!筋肉量を増やすタンパク質を年齢を重ねると筋肉量が低下。筋肉が減ってしまうと脂肪が燃えにくくなり、代謝も悪くなって太りやすくなってしまいます。その筋肉を作るもとになるのがタンパク質です。ゆで卵やチーズ、豆腐などが手軽に食べられるタンパク源ですが、脂質が気になるならメインデッシュに鶏のささみや胸肉を使った料理を取り入れるのがおすすめです。骨を元気にする栄養素は不可欠更年期になり女性ホルモンのエストロゲンが減少すると、骨を壊す破骨細胞が増えて、骨を作る骨芽細胞の働きが追いつかなくなり、骨がもろくなっていきます。ダイエット=脂肪のイメージですが、骨もダイエットに密接な関係があるのです。骨は代謝臓器と呼ばれ、腎臓や糖の代謝、血管などと関係し、骨を元気にすることで動脈硬化が予防でき、シワもできにくくなり、姿勢も良くなり、元気に歩くこともできます。ダイエットで目標の体重まで下げられたとしても、肌はシワシワ、元気もない……ではダイエット成功とは言えません。骨に必要なカルシウム、ビタミンD、ビタミンKを意識して食べましょう。動脈硬化を促進する悪玉コレステロールを下げる閉経後の女性の血液中では、総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪が増加し、逆にHDL(善玉)コレステロールは減少します。これは動脈硬化を促進し、心臓や血管に悪影響を与えます。野菜に含まれる食物繊維にはコレステロールの吸収を抑えてくれる働きがあります。毎食の食事で意識して食物繊維を多く含む野菜(ブロッコリー、キャベツなど)、海藻、きのこ、こんにゃくなどを摂りましょう。年齢が上がるにつれ、体調のリカバリー力が低下してきます。無理なダイエットは骨や血管、そして肌の潤いなど、後々までダメージを引きずることになりかねません。プレ更年期、更年期に必要な食材を積極的に取り入れながら食事量をコントロールしていきましょう。まとめダイエットだけではなく、健康維持も気になってくるプレ更年期、更年期世代。食事ダイエットは健康維持にも役立つので、ぜひ健康的でおいしいダイエットレシピを始めてみてはいかがでしょうか?取材・文/井上裕紀子(54歳)読モを経て、ファッション誌、情報誌などのフリーライターへ。しわ、肝斑、たるみ、更年期太りと苦しい戦いを続けつつも、その先にいったい何があるのか見えない迷える五十路女子。
2020年07月28日