残すところあと少しとなった19年。元号も「平成」から「令和」へと変わった激動の1年だったが、芸能界も大きく変化した1年だった。本誌が目撃した驚きのスクープから特に反響の大きかったものを今一度お届けしたい。18年に妻子ある豊原功補(54)との恋愛関係であることを公表した小泉今日子(53)。しかしその代償は大きく、豊原の仕事は激減。そんな恋人を支えるため、小泉は倹約生活を送る日々。さらに、小泉にとって“かけがえのないもの”まで手放していた(以下、2019年8月20日・27日合併号掲載記事)「つい先日、小泉さんと恵比寿駅で会ったんです」と語るのは、小泉今日子(53)の古くからの知人。現在は制作会社『明後日』の社長としても活動している小泉。恵比寿駅といえば、会社の最寄り駅でもある。知人が続ける。「久々に会ったので、すごく懐かしかったのですが、驚いたのは彼女が電車で移動をしていたこと。会社の社長さんになりましたし、昔とは経済感覚なども変わってきているのかな、と思いましたね」’18年2月に、事務所からの独立と、妻子のある豊原功補(54)との恋愛関係を公表した小泉。それから1年半が経過し、2人は新たな試みに挑もうとしている。プロデューサーとして映画の製作を手がけているというのだ。ある映画プロデューサーは言う。「豊原さんも小泉さんも映画のプロデュースは初めての体験だそうですが、なかなか映画がヒットしない時代に思い切った決断だと思います。昨年は製作費300万円という低予算映画『カメラを止めるな!』が大ヒットして話題になりました。でもお2人の映画『ソワレ』は主演の1人が若手人気俳優の村上虹郎さん(22)で和歌山県内のロケも1カ月弱おこなったそうですから、製作費用は少なくとも1~2千万円はかかるのではないでしょうか」彼らは製作費や広告費を集めるために、クラウドファンディングサービスを利用している。8月5日時点で支援金は350万円を超えており、かなり反響を呼んでいるようだが、小泉と豊原の“捨て身の作戦”も功を奏したようだ。「2人で経済誌のインタビューに応じ、豊原が“創造の世界はもっと自由であるべき”など映画製作について熱く語ったのです。2人で取材に応じたのは初めてのことで、7月末に配信された記事では和歌山県の海岸で撮影されたツーショットまで公開しています」(芸能関係者)豊原はインタビューではこんな発言も。《テレビに出られなくなる、CMに起用されなくなる、生活ができなくなる、映画が撮れなくなる。無言の圧力をみんな勝手に自分の中に感じてしまっているわけです。自分自身もそういう思いをすることはあるんですが》(『Forbes JAPAN』)現在の豊原は経済的に苦境にある。小泉への不倫愛を宣言して以降、テレビドラマや映画のオファーは激減しているのだ。ある舞台関係者は語る。「いまの収入の大部分が、『明後日』から支払われている演出料や出演料で、いわば小泉さんが捻出したお金です。その収入から、奥さんの生活費やお子さんの養育費を払っているわけですが、豊原さんも金欠状態に苦しんでいるのでしょう」この関係者は、2人のこんな場面も目撃したという。「楽屋で豊原さんが、ふと『飲み物がなくなったなぁ』と、つぶやいたんです。するとすかさず小泉さんが財布から千円札を渡して『私の分もこれで買ってきて』と……。すごく自然で、お金のことは小泉さんが全部面倒をみているんだな、と思いました」金欠苦に耐えながらも、“自由な創作”を目指し、映画製作という新たな夢に向かって走り出した恋人のために、実は小泉は大きな決断を下していた。“お気に入りの我が家”を売却したのだ。以前、小泉が住んでいたのは都心の一等地に所有するマンションだった。彼女を知る音楽関係者は言う。「小泉さんが50歳の誕生日を迎えたときに、『MEKURU』という雑誌が、彼女の大特集を組みました。すっぴんで撮影に臨んだことも話題になりました。広いリビングルームにたたずむ姿や、ソファに横たわる姿が印象的でしたが、その撮影現場となったのが、彼女の自宅マンションだったのです」部屋の広さは190平方メートル!その重厚なたたずまいが外国人にも人気の物件で、地元の不動産関係者によれば「売却金額は3億円と聞いています」とのこと。この決断の理由について、前出の知人は次のように語る。「女としての意地というのでしょうか。豊原さんを妻子から引き離し、公の場で“恋人宣言”もさせてしまったわけですからね。『彼の夢は私が支える!』という思いにとらわれているのでしょう。交際を公にしたころ、小泉さんは賃貸マンションに引っ越していました。所有している物件を売却して当面の活動資金を調達することで、豊原さんの創作を支えていきたいと考えていたのでしょう」“男の夢”と“女の意地”をかけた映画は、来年公開されるという。
2019年12月28日伝説のミュージカル女優ジュディ・ガーランドが亡くなる半年前に行われたロンドン公演の日々を鮮烈に描いた『ジュディ 虹の彼方に』から、予告編が解禁となった。今回解禁された予告編では、『オズの魔法使』のドロシー役でスターとなってから30年が過ぎ、借金を抱え住む家もなくなった、レネー・ゼルウィガー演じるジュディがロンドンでのショーを提案される姿が描かれる。迎えた公演初日、「口がカラカラ。歌えない」と弱音を吐くが、ステージの上では超一流のエンターテイナーの姿を見せ、公演は連日満席。しかし、愛する子どもたちと離れ離れになり、疲労が溜まっていくジュディは終いにはステージで倒れてしまう…。全てを失いつつあるジュディ。しかし、自分が愛される場所はステージしかないと、輝くために、生きるために思いを込め歌唱する「オーバー・ザ・レインボー」。最後は万雷の拍手が響き渡る最後のステージに涙ぐむ彼女の姿で締めくくられ、感動の物語を期待させる予告編に仕上がっている。彼女を演じ、自らもジュディ・ガーランドの大ファンと語るレネーは、正式なリハーサルの1年前からアメリカで歌のコーチとトレーニングを開始。その後、音楽監督のマット・ダンクリーと一緒に4か月のリハーサルを行い、ジュディの動き全てをマスターし、圧倒的な存在感を見せつけている。『ジュディ 虹の彼方に』は2020年3月6日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年12月25日「エロいですか?色気とか全く意識してないですが、大人っぽくなったと言われるのはうれしいです」映画『“隠れビッチ”やってました。』(12月6日公開)でバイセクシャルの青年役に初挑戦した村上虹郎(22)。今回のグラビア撮影の最中、スタッフから『エロい!』と声がかかると、快活に笑った。「役づくりはまず、カルバンクラインの色とりどりの下着を買うことから始めました。ゲイの友人とドン・キホーテに行って、“虹くんならいける~”とか言われながら(笑)。役のアイデンティティーを考えるうえでも、何を身にまとうかはとても大事で、撮影現場に入る日は、毎日新しいパンツを下ろしてはいていきました」新宿2丁目で会った美容師に髪の毛をカットしてもらったとも。実際、演じて感じたことは?「いろいろ調べたり、人から聞いたりしましたけど、入口に立っただけだなあという感じです。今回はステレオタイプな存在として演じたつもりなので、次回はもっとどっぷりつかって演じてみたいですね」現代女性のゆがんだ恋愛を描いている本作。女性の本音ってわかるほう?「どちらかというとわかるほうだと思います。母方に育てられたというのもありますし、おやじ(村上淳)が女性的な部分が強い人というか、意外におばちゃんっぽいので(笑)」では、理想の女性のタイプは?「顔が濃い人に目がいきます。母親(UA)に似てると言えばそうなのかもしれない(笑)。人としては、自分が生きている半径数メートルの世界だけでもいいから、ちゃんと問題意識を持っている人がいいなと思います」「女性自身」2019年12月24日号 掲載
2019年12月14日ポーター(PORTER)とアーティスト・村上隆のコラボレーションバッグから、新色のブラックが12月6日より順次発売される。© 2019 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.1983年に発表されて以来、ポーターの代名詞となっている「TANKER」シリーズをベースに、村上隆の代表的なアート“お花“を随所にあしらったコラボレーションバッグ。「セージグリーン」に続き、待望の「ブラック」が登場する。全型共通して“お花”のぬいぐるみを装着できる仕様や、外装の一部パーツには刺繍加工、内装生地と付属の巾着にも“お花”をプリントした特別な仕上がり。「TANKER」のディテールを踏襲しつつ、金具類は上品な光沢を出すため一つ一つを吊るしながら丁寧にメッキ加工を施したパーツを採用。ファスナーは入念に磨きをかけたYKKの高級ファスナー“エクセラ”を使用したコラボレーションアイテムならではの違いを演出している。© 2019 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.「リュックサック」(12万円)、「2WAYヘルメットバッグ」(11万円)、「ウエストバッグ」(8万円)がラインアップ。すべてに「お花」をプリントしたポーター製の巾着ポーチが付属する。コラボレーションバッグは数量限定につき、在庫がなくなり次第終了。取り扱いは、12月6日より、PORTER(OMOTESANDO・MARUNOUCHI・OSAKA)、PORTER EXCHANGE、PORTER STAND(品川駅店・東京駅店・京都店)、吉田カバンオフィシャルオンラインストア()にて。販売方法の詳細はオフィシャルサイト()をチェック。またTonari no Zingaroでは12月7日より発売となる。
2019年12月05日ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』が絶賛上演中だ。世界中を魅了したあの高揚感みなぎるナンバーと共に繰り広げられる、暴力と抗争の街で生まれた愛の物語。現在上演中のSeason1では、トニー役を宮野真守と蒼井翔太、マリア役を北乃きいと笹本玲奈が務め、連日、IHIステージアラウンド東京の客席を沸かせている。今回は、宮野がトニー、北乃がマリアを演じた11月19日13:30回の模様をレポートしたい。幕が上がって目を奪われるのが、精緻な舞台美術。1950年代後半のニューヨーク、多くの移民たちが暮らすウエストサイドの風景を、街の息遣いまで感じられるぐらい見事に再現している。客席がぐるりと回転すれば、そこはトニーが働くドラッグストアから、マリアが住むアパートへと早変わり。アジア初の360°シアターの舞台機構をフル活用し、セットチェンジなしに次々と場面が移行していくので、観客はシームレスに作品世界に没頭できる。特に圧巻なのが、決闘の舞台となる高架下。宙に架かるハイウェイが迫力たっぷりにつくりこまれており、そのスケール感は思わず息を呑むほど。(c)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀(c)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀もちろんダンスも見応え十分だ。『ウエスト・サイド・ストーリー』のトレードマークとも言える脚を高く上げるダンスや、ダンスパーティーでの対決など華やかな見せ場が続く中、第2幕のトニーとマリアが結ばれる「Somewhere」はまるでここだけ別の作品を観ているような不思議な世界観。豪華な舞台装置を排除し、群舞だけでふたりの愛を表現する。それは、霧の中に迷い込んだように幻想的で、そこはかとなく官能的。ふたりの心象風景を映し出したような演出が胸に残った。そして、この恋物語の中で最もロマンティックなシーンと言えば、トニーとマリアが歌う「Tonight」だろう。ふたりを乗せた小さなバルコニーが前方にせり出したと思ったら、一気に夜空へと駆け上っていく。スクリーンに投影された映像を用いた舞台ならではのマジックだ。胸の高鳴りを表したような疾走感溢れるデュエットが、観客に恋の魔法をかける。目の前に広がる夢の世界に、心ゆくまでうっとりしたい。(c)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀(c)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀(c)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀キャスト陣も実力派が揃い踏みだ。声優業から歌手業まで幅広く活動する宮野真守は、持ち前のパワフルな歌声でトニーの恋に情熱をもたらす。恋しいマリアを欲するさまは胸の鼓動まで聞こえてきそうなほど激情的で、それがトニーの青さと若さを強く印象づける。どんな台詞もクリアに届ける明瞭な発声と、舞台映えする182 cmの長身。ミュージカル界には多くのプリンスが活躍しているが、宮野にはその勢力図を塗り替えるだけのスター性がある。北乃きいのマリアも可憐だ。清純さもさることながら、恋に浮かれる年相応の愛らしさをコミカルに演じ、観客を虜に。バレエで培った身のこなしの美しさはこれまでの舞台でも証明済みだが、その歌声の伸びやかさはいい意味で想定外。特に高音部の透明感は、聴く者に心地よい陶酔感を与えてくれる。ミュージカル初挑戦ながらマリアという大役をオーディションで勝ち取った実力を舞台上でしっかりと示した。ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season1は2020年1月13日(月・祝)までIHIステージアラウンド東京にて上演。その後、トニー役を村上虹郎と森崎ウィン、マリア役を宮澤エマと田村芽実が務めるSeason2が2020年2月1日(土)から3月10日(火)まで上演される。さらにその後はSeason3(キャスト未発表)が控えている。(c)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀取材・文/横川良明
2019年12月04日「東京国際映画祭で無事上映されて良かったです!チケットも完売だったそうですし、お客さんの良い反応も感じることができて最高でした。映画化のお話を頂いた時は『盛大なドッキリなのかも…?』と夢見心地でしたが、完成された作品を見たときは涙が止まりませんでした。制作陣の方々の思いも感じまして、ただただ誇らしかったです」そう語るのは、12月6日から全国で公開される映画『“隠れビッチ”やってました。』の原作者・あらいぴろよさん。“隠れビッチ”とは普段こそガサツなものの、男性を前にすると清純派に擬態。そして好きにさせて、告白された途端に振る――。そうやって数百人もの男性を翻弄してきたあらいさんの自伝的エッセイを映画化した作品だ。主人公の荒井ひろみ役を演じるのは本作が映画初主演となる佐久間由衣(24)。さらに荒井に好意を寄せる三沢さんを演じる森山未來(35)を筆頭に、村上虹郎(22)や光石研(58)といった豪華キャストが顔を揃えた。ハードな自身の実体験を演じきった佐久間には、あらいさんも驚いたという。「佐久間さんは普段透明感が抜群な方ですから、『本当に佐久間さんが私に…?』と思っていました。しかし劇中で野太い声を出したり、鼻をほじったり……。『事務所は本当にOK出したの?』と笑っちゃうくらい私でした(笑)また、劇中のファッションも全部可愛くて、特に青いワンピース姿が『隠れビッチってコレ!』という感じでしたね。服装・メイク・アクセなど細かい所にもぜひ注目&参考にして欲しいです」また、あらいさんの実生活では夫にあたる三沢さん役の森山には意外な苦労話が。「そもそも、夫の希望で彼のバックボーンなどは描かないで、と言われておりまして。そのせいで夫の情報は全然なかったこともあって、森山さんは役作りをする際にすごく悩んだそうです。『ひろみを好きになる理由がわからない』と言われて……。そうですよね~、ごめんなさい、と思いました。そして表に夫の話を出さないことを条件に、夫のバックボーンを伝えたんです。それを森山さんと監督が話し合い、噛み砕いて役を作ってくださったそうです。この映画に携わった全ての方が、魂こめて作り上げてくださったのだと感じました」“隠れビッチ”の原点はあらいさんの中学時代にまでさかのぼる。「隠れビッチのキッカケは中学時代ですね。その時期は生きるので精一杯でしたが、色恋にも興味が出てくる時期で。色づき始める同級生を軽蔑しつつ、いざ自分に恋愛感情を向けられると『こんな私でも選ばれた!』とメチャクチャ気持ちよくなっちゃって。それから病みつきになっていきました」異性から向けられる愛情の快感に目覚めたあらいさんは、気づけば“隠れビッチ”となっていた。「隠れビッチの時は清純派に擬態していたので、服装が大事でした。顔や体型に合っている服をよく研究しましたね。あと一緒にいる男性を全然叱りませんでした。誉めて気持ちよくさせて『この子といると気持ちいい』って思わせるのがポイント。時間にルーズでも責めたりしないので『おっとりしてるんだね』って。当然心の中は『時間通りに来いや!』と思ってますけどね(笑)。これから先のことを考えてないので、いくらでも耳障りの良い事が言えるんですよね。その分、相手は私にのめり込み、より一層チヤホヤに磨きがかかるのでそこだけ見ればWIN WINな関係でした」明るく語るあらいさんだが、“隠れビッチ”になる原因を作った過去の暗い出来事が。8月に発売された『虐待父がようやく死んだ』でも描かれているように、父親から暴力や性的虐待を受けていたのだ。壮絶な体験によって自己肯定感を失ったあらいさんは、反動的に男性の愛情を求めていった。しかしいっぽうでパートナーには“愛されている証拠”を求め、大声で怒鳴るなど理不尽な言いがかりをしていたという。「私は大きな声を出すほど『気持ちが伝わる!』と思っていた時期がありました。もちろんそんなことないと後で気付くのですが、父親は酒乱で怒鳴り、母親も泣き叫んでいたので大人はみんな基本大声。それが日常だったの私の中の感覚はズレてたんです。また、一番はじめに出会う人間、親と信頼関係を築けないまま、他人を無条件に信じることはやはり不可能で。せっかく好意を持ってそばにいてくれる人のことさえも疑ってしまいましたね」あらいさんは、自分のなかで“ルール”を決めていたという。「ヤラせない、これにつきました。原作や映画に出てくる“アヤ”は寂しや急ぎ過ぎた愛情表現ですぐに体を重ねてしまうのですが、私はそうしませんでした。病気や妊娠が怖いという気持ちもありましたが、裸の体を見せることは、私からすると清純派の武装を解くこと。私が私に戻ってしまう。だからヤラせない隠れビッチとなりましたが、ヤラせないことで口説く側も本腰入れてチヤホヤしてきますし、私にとっては結果オーライとなりました」出版後、あらいさんのもとには『こんな状態で社会に出てくるな』『病院行けよ』といった厳しい声が寄せられることもあったそうだ。それでも、彼女は発信することをやめなかった。そして「自己責任」が声高に叫ばれる現代社会に対して疑問を呈する。「今の社会には『逆境に負けず、自分の力で乗り越えることは素晴らしい』という空気感がある気がします。それ自体は別に悪いことではありませんが、とても苦しい状況にある人が『辛いのは自分だけじゃないんだ』と自分を追い詰めてしまう人も少なくないんじゃないか?と感じますし、私自身結果的にいろいろな思いを「乗り越えた状態」になりましたけども、もっと早く人に助けを求められればよかったといつも思いますもん。世の中がもっとフランクに頼れるような環境になっていったらいいなと思っています」最後に映画を見る人に対してメッセージを送ってくれた。「監督は完成披露試写会のインタビューで『特別な事件がないこの話をまとめるのは大変だった』とおっしゃっていました。もうほんとその通りで、人生って大きな事件があるわけじゃない。でも本人としては辛かったり、苦しかったり、抱えているものがある。そんな人生の一瞬を監督は丁寧に切り取ってくださいました。それもあって、年代問わず刺さるものがある映画になったと思います!ぜひ皆さんエンドロールの後まで、楽しんで欲しいです」【PROFILE】あらいぴろよイラストレーター。”ゆるいかわいいおもしろい”をモットーに、雑誌や書籍、Web・広告など幅広くイラストや漫画を提供。2016年に「“隠れビッチ”やってました。」(光文社刊)で漫画家デビュー。著作に、「ワタシはぜったい虐待しませんからね!」(主婦の友社刊)、「美大とかに行けたら、もっといい人生だったのかな。」(光文社刊)、共著に「マンガでわかる 今日からしつけをやめてみた」(柴田愛子監修・主婦の友社刊)、「マンガでわかる 離乳食のお悩み解決BOOK」(上田玲子監修・主婦の友社刊)など。最新作は「虐待父がようやく死んだ」(竹書房)。映画「“隠れビッチ”やってました。」(配給:キノフィルムズ/木下グループ原作:『“隠れビッチ”やってました。』あらいぴろよ光文社刊)は12月6日全国公開!「“隠れビッチ″やってました。」(光文社刊)
2019年11月29日ペロタン東京で初開催となる村上隆の個展「スーパーフラットドラえもん」が、2019年11月19日(火)から2020年1月25日(土)まで開催される。「スーパーフラット」は、2000年から2001年に日本とアメリカで開催された村上隆キュレーションによる展覧会。後にシリーズ化され、世界各都市で開催されてきた。今回開催される「スーパーフラットドラえもん」では、藤子・F・不二雄の代表作品「ドラえもん」が美術史に落とし込まれた絵画作品14点を、日本国内で初めて展示する。村上の創作の根底にある江戸時代の奇想系画家たちの絵画や、マンガ・アニメといった二次元。概念が発展した先にあるサブカルチャーとハイカルチャー、ファインアートと広告の表現。村上は、そういった分類分けは本質的に意味がなく、等価であるという表現の平等性を訴えかけている。そういった村上の“フラット”な姿勢は、2017年に開催された「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」の作品に表れている。メインビジュアルにもなった作品は、抽象表現主義だけではなく、異時同図法やヌード表現など、美術史的な仕込みがたくさん存在する。このアートワークがきっかけとなり、2018年のユニクロとのコラボレーションや本展に繋がっていくこととなる。村上の色鮮やかな作品から、”フラット”な表現を感じてみて。【詳細】スーパーフラットドラえもん会期:2019年11月19日(火)~2020年1月25日(土)場所:ペロタン東京住所:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1階開館時間:11:00~19:00休館日:日、月、祝日TEL:03-6721-0687
2019年11月21日映画『ジュディ 虹の彼方に』が、2020年3月6日(金)に公開。主演を演じたレネー・ゼルウィガーは、第92回アカデミー賞受賞式において主演女優賞を受賞した。伝説のミュージカル女優、ジュディ・ガーランドの感動の実話『ジュディ 虹の彼方に』は、ハリウッド黄金期を支え波乱に満ちた人生を送り、わずか47歳で急逝した伝説のミュージカル女優ジュディ・ガーランドの知られざる感動の実話。ジュディがこの世を去る半年前、1968年の冬に行われたロンドン公演の日々を鮮烈に描き出す。ジュディ・ガーランドとは?ジュディ・ガーランドは、1939年の映画『オズの魔法使』で若くしてスターの仲間入りを果たし、ハリウッド黄金期を支えたミュージカル女優。レディー・ガガとブラッドリー・クーパーが出演した2018年の映画『アリー/スター誕生』の、1954年版リメイク『スタア誕生』で、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされている。アメリカやイギリスでは未だに根強い人気を誇るジュディは、圧倒的な演技力とステージパフォーマンスを数多く披露。また、プライベートでは5回の結婚、フランク・シナトラなど数多くのビッグネームとも浮名を流しトップスターとして頂点を極める。しかし、その一方では興奮剤などの薬物コントロールが原因で様々な不調に悩まされ、47歳で薬物の過剰摂取により波乱に満ちた生涯を閉じる。キャスト主演にレネー・ゼルヴィガー主人公のジュディ・ガーランドを演じるのは、『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズの主人公として知られるレネー・ゼルウィガー。「まるで命を燃やし尽くすようだった」と証言されている、ステージの数々を演じ切る。レネー自身がジュディの大ファンであり、なおかつ1969年当時のジュディとレネーの実年齢が同じという奇跡も重なり、レネーはリハーサルの1年前からトレーニングを開始する気合いをみせた。歌はもちろんのこと、ジュディの独特な訛りや声色、そしてステージパフォーマンスの動きもマスターし、圧倒的なカリスマ性を持つスターの姿を見事に体現。劇中の全曲を自ら歌い上げている。オスカー獲得!世界を魅了したレネー・ゼルウィガーまるで本人が乗り移ったかのようなプロフェッショナルな演技は、世界の映画祭でも数々の賞を受賞。第77回ゴールデン・グローブ賞授賞式においては主演女優賞(ドラマ部門)を、全米映画俳優組合賞でも主演女優賞を受賞。さらに日本時間2月10日(月)に発表された第92回アカデミー賞においても、主演女優賞に輝く快挙を遂げた。レネーが劇中で歌唱する「Come Rain or Come Shine」の本編映像も解禁。撮影リハーサルのさらに1年前からハードなトレーニングに挑んだという、レネー渾身の仕上がりとなっている。ステージ上をステップで縦横無尽に立ち回り、圧巻の歌唱力で歌い上げる姿からは、ジュディが完全憑依した様子を垣間見ることが出来る。主演の脇を固める実力派俳優勢その他キャストには、『ラ・ラ・ランド』のフィン・ウィットロックや、ジェシー・バックリー、「ハリー・ポッター」シリーズのダンブルドア役で知られるマイケル・ガンボンなど、多彩な演技派俳優が集結。また、ブラッド・ピット製作総指揮の『トゥルー・ストーリー』で評価された、ルパート・グールドが監督を務める。ストーリー1968年、ミュージカル映画の大スターとしてハリウッドに君臨していたジュディは、度重なる遅刻や無断欠勤により、映画出演のオファーも途絶え、巡業ショーで生計を立てている。住む家もなく借金も膨らんでいくばかりでどん底に立たされたジュディは、幼い娘と息子と暮らす幸せな生活のため、起死回生を賭けてロンドン公演に旅立つ──。詳細映画『ジュディ 虹の彼方に』公開日:2020年3月6日(金)原作:『End Of The Rainbow』監督:ルパート・グールド脚本:トム・エッジ、ピーター・キルター出演:レネー・ゼルウィガー、フィン・ウィットロック、ルーファス・シーウェル、ジェシー・バックリー、マイケル・ガンボン ほか原題:JUDY
2019年11月10日女優の佐久間由衣が4日、開催中の「第32回東京国際映画祭」で行われた主演映画『“隠れビッチ”やってました。』(12月6日公開)の舞台挨拶に、村上虹郎、大後寿々花、小関裕太、三木康一郎監督とともに登壇。異性に対して、「お酒の力を借りて甘えてみたい」という願望を明かした。映画初主演の佐久間が本作で演じたのは、誠実そうなバツイチ中年男性や自信家のIT系肉食男子、ノーマル系サラリーマン…男性のタイプに合わせたモテテクを駆使し、男性たちを次々と落としていく主人公のひろみ役。肥大化した「愛されたい」という気持ちを持て余し、もがき、成長するひろみを熱演した。舞台挨拶では、本作のストーリーにちなんで「これまでに試してみた or これから試してみたい“気になる異性への必殺モテテクニック”」をキャスト陣が発表。佐久間は「してみたいことです」と前置きした上で、「お酒の力を借りてみたい」という願望を告白し、「劇中で激しくひろみが酔っぱらうシーンがあるんですけど、あんな風にできたら楽だなと、どこかうらやましい気持ちもあり、普段あんまり飲まないんですけど、お酒の力を借りて甘えられたらいいなと思いました」とやや照れながら説明した。村上は「口数を減らす」と答え、「オーディションで頑張ってしゃべって落ちたときに、『あんまりしゃべらない方がかっこいいよ』って言われました」とエピソードを披露。大後は、転びそうになったときに「あっ」と言って異性の裾をつかむというテクニックをこれからやってみたいと話した。小関は「好きって言う」というテクニックを発表。「『I LOVE YOU』の好きではなく、『その色好き』とか、僕と同じ好きを持っているなと思った瞬間に、都度都度『僕それ好きだよ』って言うと、好きな魔法にかかる」と言い、「自分自身が実感したことがあったので」とその経験があると明かした。
2019年11月04日女優の佐久間由衣が4日、開催中の「第32回東京国際映画祭」で行われた主演映画『“隠れビッチ”やってました。』(12月6日公開)の舞台挨拶に、村上虹郎、大後寿々花、小関裕太、三木康一郎監督とともに登壇。映画のお披露目を迎え、感極まって目を潤ませる場面があった。映画初主演の佐久間が本作で演じたのは、誠実そうなバツイチ中年男性や自信家のIT系肉食男子、ノーマル系サラリーマン…男性のタイプに合わせたモテテクを駆使し、男性たちを次々と落としていく主人公のひろみ役。肥大化した「愛されたい」という気持ちを持て余し、もがき、成長するひろみを熱演した。佐久間は「タイトルの『“隠れビッチ”やってました。』というところだけ見たときに『あー私、お嫁に行けなくなるのかな』って思った」と打ち明け、「台本を読ませていただいたら、精神的なビッチさというか、承認欲求と向き合うお話だったので、ぜひ挑戦させていただきたいと思って受けさせていただきました」と語った。また、感情の起伏が激しいひろみ役は「終始大変でした」と言い、「監督から厳しいご指導があり、テンションを高く守ったまま、なんとか乗り切ったという感じでございます」と説明した。最後のあいさつで、「本日はこんなたくさんの方にお集まりいただきまして、本当にありがとうございます」と観客に感謝し、「撮影自体は1年前の12月にみなさんと一緒に乗り越えて、こういう風に…形になったのがすごくうれしいです。私自身、初主演映画ということもあって、できないこともたくさんあったんですけど、みなさんに支えてもらいながら一つの形になった作品です」と作品への思いを語って涙目に。「強烈なタイトルなんですけど、中身は愛が詰まった温かい作品になっています。苦しんでいる人たちにとって背中を押せるような作品になったらいいなと思っています。関係者以外の方に見ていただくのは今日が初めてなので、ちょっとでも心に響いたらおすすめしていただきたいなと思います」と呼びかけると、会場から温かい拍手が起こった。
2019年11月04日村上春樹の長編『ねじまき鳥クロニクル』が、イスラエル出身のインバル・ピントと藤田貴大の演出により舞台化。そこで主人公の岡田トオルを演じる、渡辺大知に話を聞いた。【チケット情報はこちら】ミュージシャンでデビューし、近年では俳優としてドラマ、映画と活躍の幅を広げている渡辺。舞台への出演は、『かもめ』(2016)以来3度目となる。「舞台の面白さといえば、やはり空気があるということだと思います。同じセリフを放つのでも、いい空気になったり、悪い空気になったり。映像の場合、カメラや照明がその空気をつくる面も大きいですが、舞台はそこに立っている人の息遣いがすごく重要になってくる。それが楽しいと思える反面、底知れない壁みたいなものも感じていて…。今回、その壁に少しでも足をかけられたらなと、覚悟をもって出演させていただこうと決めました」演出・振付・美術のインバル・ピントは、『100万回生きたねこ』(2013年、2015年)や百鬼オペラ『羅生門』(2017年)などを手がけ、近年日本でも非常に注目度の高いアーティスト。「今からすごくワクワクしています。原作を読んで、インバルさんにこそやってもらいたい題材だと思えましたし、普通にやっても小っちゃくなっちゃう話のような気がして。人間の外側よりも内側に、精神に迫っていく内容なので、そこをどうインバルさんが表現されていくのか。自分もどんどんアイデアを出しつつ、少しでもいいスパイスになれたらなと思います」また原作の魅力について訊ねると…。「自分の中のふたりが追いかけっこし続けているような、破壊と再生が繰り返されているような、そういう循環性が面白いなと思いました。そしてそれは自分にとってのスタートラインであり、自分がいいなと思ったぐらいのポイントはやれて当たり前。ここからどれだけ掘り進めることが出来るのか、それが肝心だと思います」音楽を手がけるのは、現在大河ドラマ『いだてん』も話題の大友良英。「もともとはノイズ畑の、クレイジーミュージシャンですからね(笑)。本当に“音楽”というか、“音”が好きで、人と楽しむことが大好きな方人。大友さんと一緒に楽しい音が出せたらいいなと思いますし、楽しい音を鳴らすことで、それがいつの間にか音楽になっていくと思います」かつてない才能の集結が、未知なる傑作を生み出しそうな予感。「普段の生活の中で観られないものを欲している人、とにかくヤバいものに出会いたい人は、全員観逃さないで欲しいなと思います」取材・文:野上瑠美子
2019年10月28日映画『楽園』(10月18日公開)の公開初日舞台挨拶が18日に都内で行われ、綾野剛、杉咲花、佐藤浩市、村上虹郎、ユップ・ベヴィン(劇伴作曲者)、瀬々敬久(監督)が登場した。同作は『悪人』『怒り』など映像化が続くベストセラー作家・吉田修一の『犯罪小説集』を、瀬々敬久監督が映画化。ある地方都市で起きた少女失踪事件をきっかけに知り合った孤独な青年・豪士(綾野剛)と、失踪した少女の親友だった紡(杉咲花)だが、事件から12年後に再び同じY字の分かれ道で少女が姿を消して、事態は急変する。金髪に胸元の開いた赤いスーツという格好で現れた綾野。村上は「このお三方がいつも黒い服を着て宣伝をしているので、僕は明るくする担当なのかな!? と思ってきたんですけど、そしたらなんか……あの、今日はライブですか?」とつっこむ。綾野は「虹郎! もうおれと虹郎にしかできない空気感よね」と苦笑しつつ、「記事になりそうだから言わないけど、大体金髪に赤いスーツと言ったらもう……。映画を観終わった方々が、僕たちのことも心配になる部分もあると思ったので、全く別人だな、違う人をいきてるんだなと思ってくれたらいいなという。今思いついたこじつけ」と説明した。イベントでは、劇伴作曲者のユップがピアノを生演奏する一幕も。杉咲は「今、ユップさんの曲聴きながらも感じたんですけど、撮影していた時は本当に苦しかったので、その日々が走馬灯の様に蘇ってきて。トラウマのような時間でも正直あったりして」と振り返る。綾野が「トラウマを作ってしまいました、我々」と受けると、杉崎は「映画を観て自分自身救われたので、一人でも多くの方々に観ていただけたらいいなという思いに改めてなりました」と思いを表した。また主題歌は野田洋次郎×上白石萌歌のタッグで作られたが、瀬々監督は「『一縷』というタイトルが素晴らしい。一筋の光、といったところにつながると思います」と感謝。ユップの劇伴曲も含め、「差別とか格差とかそういうことに対するおかしいんじゃないのということもあって作り始めた映画ですので、そういう共通の感覚を大切にしてできたということが素晴らしいと思います」と語った。
2019年10月18日「芸術の秋」で思い浮かべるものといえば、読書や映画鑑賞など。そこでご紹介するオススメの作品は、ベストセラー作家・吉田修一さんの「犯罪小説集」から2篇を組み合わせ、瀬々敬久監督によって映画化されたサスペンス大作『楽園』です。今回は、本作で重要なキャラクターを演じたこちらの方にお話をうかがってきました。写真・角戸菜摘(杉咲花)注目の若手女優・杉咲花さん!【映画、ときどき私】 vol. 270少女時代に経験したあるトラウマを抱えたまま大人に成長した紡(つむぎ)を演じた杉咲さん。映画やドラマなど、話題作への出演が続いている杉咲さんに、本作の現場で学んだことや共演者とのエピソードなどについて語っていただきました。―まずはオファーを受けたときのお気持ちから教えてください。杉咲さんこれまでに吉田修一さんの小説が実写化された作品はほとんど観ていたので、素直にすごくうれしかったです。もちろん、テーマは重いので、緊張感はありましたが、それに対する抵抗はありませんでした。むしろ重たい作品のときは、苦しいけれど、それ以上に終わったあとの達成感とかやりがいを感じることができるので、私にとっては喜びでもあります。―今回の紡は、繊細な演技が求められる役どころだったと思いますが、演じてみていかがでしたか?杉咲さん最初からすごく難しい役だと思ってはいましたが、実際に演じてみると、いままでで一番難しい役でした。というのも、どこにもぶつけられない紡の怒りや後悔など、頭では理解できているはずなのに、いざ演じようとするとわからなくなってしまったからです。そんなふうに、どんなに考えてもわからなくなってしまう瞬間が多かったのですが、ラストのほうで「わからなくたっていい」という紡のセリフがあったので、「私もわからないけど、このまま一度現場に行ってみよう」と思って、そうすることにしました。それまではちゃんと理解して、わかっている状態で現場にいかないとダメだと考えていましたが、わからないまま行くことに一回挑戦してみようと思って行ったら、自分では想像もしなかったところまで感情がたどりつきました。そこで、「わからないことは悪いことではないんだ」ということを知ることができて、すごく勉強になりました。この作品以降は、現場に行くのも少し気が楽になっています。感覚的に似ている人と共鳴し合いたい―そんな紡は闇を抱える青年の豪士(たけし)と出会うことによって、少しずつ心を開いていきますが、演じるうえで意識したことはありますか?杉咲さん台本を読んだときに、紡が豪士に対して抱く感情がLOVEなのかLIKEなのか、気になったので、そこは監督に確認しました。そうしたら、「どっちだと思う?」と聞かれたので、「どっちもですかね」と言ったら、「じゃあ、それでいいよ」と。そのように、監督も私にゆだねてくださる方だったので、自分のなかにある豪士への特別な感情を大事にしながら演じました。私も感覚的に自分と似ている人と出会うと一緒にいたいほうですが、紡も同じように豪士と共鳴したい、慰め合いたいという気持ちがあったのだと思います。―その豪士を演じたのは綾野剛さんでしたが、共演されてみていかがでしたか?杉咲さん綾野さんとのシーンで感じたのは、とにかく安心感でした。内容が内容なので、現場にいるだけでも苦しくなってしまって、「早くホテルに帰りたい」と思うこともありましたが、綾野さんはカメラが回っていないところでもすごく優しく接してくださいました。そのおかげで安心できましたし、助けていただいたと思います。―では、オフのときの綾野さんとの印象的なエピソードなどがあれば教えてください。杉咲さん撮影中に綾野さんが2回ほどご飯に連れて行ってくださったのですが、ちょうど私の誕生日が重なったときがありました。そうしたら、サプライズでお祝いをしてくださるだけでなく、なんとプレゼントの箱を2つも用意してくださっていたんです!そこで「どっちか良い?」と聞かれたのですが、「どちらも素敵です」と答えたら、「じゃあ、両方あげるよ!」と言って2つともくださいました。よくよく聞いたら、「どっちも似合うと思って選べなかったから両方買ったんだけど、いきなり2つもプレゼントしたらびっくりされちゃうと思ったから2つ用意した」、とのことでした。杉咲さんにとっての楽園とは?―今回、原作となった短編小説集のタイトルは「犯罪小説集」ですが、映画では『楽園』というタイトルになりました。最初に聞いたときはどう感じましたか?杉咲さん漠然とではありますが、とてもいいタイトルだなと思いました。紡は自分の楽園をずっと探しているようなところがありましたし、それを探す気力があったからこそ、明日が来ることをちゃんと受け入れられているのかなと感じられたので。―演じ終えたいま、紡にとっての楽園は何だったと考えていますか?杉咲さんおそらく、「自分自身」ではないかなと思います。―ちなみに、杉咲さんにとっての楽園は?杉咲さんおいしいご飯がたくさん食べられるお店です(笑)。―それは最高の楽園ですね(笑)。「楽園」と聞いて最初に思い浮かぶ場所はありますか?杉咲さん私の好きな場所は、代々木上原。オシャレなお店もいっぱいありますし、すごくいい空気が流れている気がして、ステキなエリアだと思っています。―もし、長期のお休みが取れて遠出できるとしたら、行きたいのはどこですか?杉咲さんスペインに行ってみたいです。本場の生ハムとか白ワインとかパエリアを味わいたいです!仕事とプライベートを切り替えることを意識した―では、杉咲さんが幸せを感じる瞬間はどんなときですか?杉咲さんおいしいご飯を食べているときと、大好きな人たちと会っている時間です。―杉咲さんにとっては、「食」が大きなポイントなんですね。そんなふうに、プライベートも充実した日々を過ごされていると思いますが、撮影中は役を引きずってしまうことはありませんでしたか?杉咲さんいままではすごく引きずってしまうタイプだったので、自分自身が苦しくなることもよくありました。ただ、そういうことがあるからこそ、より役に近づけている気がしていましたし、切り替えないからこそ、現場に入ったときに楽だと思っていました。ただ、その代わり肉体的、精神的な負担が大きかったので、「これでいいのかな?」と考えてしまうことが最近増えていたんです。そんなときに、「仕事もプライベートも一生懸命がんばることが自分にとっての幸せなんだ」と思えるようになり、今回の作品ではあえて切り替えることを意識しようと心がけました。―実際、それはどのくらい実行することができたと感じていますか?杉咲さん仕事とプライベートを切り替えるために、友達と連絡を取ったり、会う時間を大事にしているので、今回も撮影がないときは、東京に戻って友達と遊ぶようにしていました。ただ、どうしても「こんなに苦しい役を演じているのに、私はこんなに楽しくていいのかな?」という気持ちになってしまうこともありました。そういうときは、「いや、これでいいんだ」と自分に言い聞かせるように意識していました。とはいえ、演じているだけでも自分自身の体を通して体験したことになるので、いまでも思い出すだけ苦しくなります。実際、トラウマになっていたのか、一時は撮影中の記憶が飛んだような状況に陥ってしまったこともありました。それが役に入り込んでいたということなのかもしれませんが、自分にとっては、嘘のない時間だったと思っています。ただ、今後も切り替えはできるようにしていきたいです。もう媚びるのはやめようと思った―瀬々監督とは初めてとなりましたが、監督の言葉から学んだことなどはありましたか?杉咲さん打ち上げのとき、「私、どうでしたか?」と監督に聞いたことがありました。そしたら、監督から「どうだったとかではなくて、もう撮ってしまったものはしょうがないんだよ」と言われました。そのときは、「ああ、ダメだったんだ」とちょっと落ち込みそうになったのですが、確かに撮影していたころには戻れないですし、それを聞くことで安心したいだけの自分や嫌われたくないという思いがあっただけだったことに気がつきました。これまでの作品でも監督に同じ質問をしてしまったことが何度かありましたが、それを聞いて「そんなふうに媚びるようなことはもうやめよう。嫌われてもいいから、現場でそのときそのときにちゃんとかけよう」という気持ちになったんです。恥ずかしさもなくなり、楽になれたので、これは瀬々監督のおかげだと思います。―とはいえ、本作の紡も含めて過去には戻れないとは知りつつも、「あの瞬間に戻れたら」と思ってしまうことは誰にでもあると思います。ちなみに、杉咲さんにも戻りたい時代はありますか?杉咲さんそれは、高校時代ですね。実は、当時はあまり学校を楽しもうという思いがなかったのですが、卒業間近になって友達の大切さや学校の楽しさがわかり、「もっと早くに気がつけばよかった!」と後悔しました。なので、戻れるなら高校のころに戻りたいです(笑)。―それでは最後に、これから作品を観る方に向けてのメッセージをお願いします。杉咲さんこの作品は観客にゆだねている部分が多いからこそ、私が言ったことに囚われてほしくないので、具体的なメッセージはあえて言わないことにしますが、私は最初にお話した「わからなくたっていい」という紡の言葉に救われました。なので、すべてをわかっていることが決して正解ではないですし、わからないからこそ見えてくるものや逆にそれが自信になることもあるというのを感じていただきたいです。インタビューを終えてみて……。ananwebではちょうど1年ほど前にもインタビューをさせていただきましたが、そのときと比べるとさらに大人っぽくなっている杉咲さん。これからは役の幅もどんどん広がると思いますし、この作品を通して女優としても得たものは多かったようなので、今後もますます楽しみです!実力派俳優陣の熱演にも揺さぶられる!現代が抱えるさまざまな問題を背景に、それぞれの人生が交錯していくさまを描いた衝撃のサスペンス。些細なことがきっかけで大きく運命が変わってしまう人々の姿に、あらゆる感情が心に湧き上がるのを感じるはずです。ストーリーとある地方都市のY字路で起きた少女失踪事件。事件は未解決のまま12年の時が過ぎ、少女と失踪直前まで一緒にいた紡は、罪悪感を抱えながら成長するのだった。そんななか、孤独を抱える青年の豪士と紡が出会い、同じ痛みを抱える者同士いつしか共感し合うようになる。ところが、事件の容疑者として疑われた豪士は追いつめられ、新たな悲劇が起きてしまう。その様子を見ていた男・善次郎もある出来事をきっかけに村で孤立してしまい、徐々に正気を失っていくのだった。そして、ついに想像を絶する事件へと発展してしまうことに……。衝撃の予告編はこちら!作品情報『楽園』10 月 18 日(金)全国公開出演:綾野 剛 / 杉咲 花村上虹郎片岡礼子黒沢あすか石橋静河根岸季衣柄本明佐藤浩市配給:KADOKAWA©2019「楽園」製作委員会
2019年10月17日村上虹郎と森崎ウィンが、ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season2の主演を務めることが決定(Wキャスト)。ほか、Season2に出演するキャストも発表された。本作は、世界中で再演を重ねているミュージカルの金字塔「ウエスト・サイド・ストーリー」の日本キャスト版。アジア初の没入型エンターテインメント施設「IHI ステージアラウンド東京」で本年11月から2020年5月まで、7か月にわたるロングラン公演を3シーズンに分け、異なるキャストで上演する。この度、来年2月から始まるSeason2のキャストが発表!メインキャラクター(トニー、マリア、アニータ、リフ、ベルナルド)は各シーズンそれぞれWキャストとなっており、主役のトニーは、『ディストラクション・ベイビーズ』「仰げば尊し」に出演、ミュージカル初挑戦となる村上虹郎と、『レディ・プレイヤー1』への出演が話題となった森崎ウィン。ヒロイン・マリア役は、多数のミュージカル作品に出演する宮澤エマと、ミュージカル女優として活動中の田村芽実に決定。「『大丈夫かな?』っていまだに思っているくらい、僕にとっては大挑戦」と心境を明かした村上さんは、本作への参加について「この作品のファンの方も、ミュージカルファンの方も、僕みたいに普段あまりミュージカルに触れていない方々も、映画や舞台もそんなに見たことないという方々にも、本当に大満足していただいてそこからミュージカルおたくになるくらいハマっていただけるように、僕がまずその努力をしてみなさんに心底楽しんでいただけたらいいなと思っています」と力強い意気込みを見せる。また同じくトニー役の森崎さんは「ちょっとずつプレッシャーを感じている自分がいます。一方で、こんなに大きなミュージカル作品は初めてなので、楽しみでしかないという想いもあります。“初”ってわくわくするのですが、その分緊張もします。でも、まさに人生の新たな一歩を踏み出そうとしているこの感じがなんとも言えない。言葉では言い表せない興奮と緊張とわくわくが止まらない、そんな感覚です」と様々な感情が入り交じる現在の心境を語った。さらに、ヒロイン役の宮澤さんと田村さんは「マリア役をやらせて頂くなんて未だに夢の様ですが、無垢な優しさの中に凛とした強さを持つ、ヒロインの中のヒロインに全身全霊で応えたいと思っています」(宮澤さん)、「オーディションには“何としてでもこのチャンスを掴みたい”という強い気持ちで挑みました。数日後、マネージャーから、『マリア決まったよ!』と言われた日は発熱してしまう程嬉しかったです。この作品に出演できる喜びを噛み締め、マリア役を演じる責任を受け止めながらステージに立ちたいと思います」(田村さん)とそれぞれ思いを明かしている。また、アニータ役は本作が女優デビューとなるMay J.と元「AKB48」宮澤佐江。リフ役は舞台を中心に活動する上口耕平と声優で俳優の小野賢章。ベルナルド役は舞台「逆転裁判2」の渡辺大輔と舞台 「戦国BASARA」の廣瀬友祐が演じる。そのほか、田山涼成(ドク役)、山口馬木也(シュランク役)、辰巳智秋(クラプキ役)、岩崎う大(グラッドハンド役)も本作に参加する。ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season2は2020年2月1日(土)~3月10日(火)IHI ステージアラウンド東京にて上演。(cinemacafe.net)
2019年10月02日ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー Season2』のキャストが2日、明らかになった。同作は1957年に初演を迎えて以来世界中で再演を重ねているミュージカルの金字塔。1950年代のアメリカを舞台に、人種問題や移民同士の対立など社会問題を盛り込んだ同時代版「ロミオとジュリエット」となっている。360°回転するエンターテインメント施設「IHIステージアラウンド東京」にて、11月から2020年5月まで7カ月にわたるロングラン公演を3シーズンに分け、異なる日本キャストで上演。メインキャラクターであるトニー、マリア、アニータ、リフ、ベルナルドは各シーズンそれぞれダブルキャストとなり、今話題の豪華俳優たちが出演する。Season2はIHIステージアラウンド東京にて、2020年2月1日〜2020年3月10日に上演される。主役のトニーを演じるのは、ミュージかつ初挑戦となる俳優の村上虹郎と、俳優でダンスボーカルユニット・PRIZMAX の森崎ウィン。ヒロインのマリア役は、女優の宮澤エマと、ハロー! プロジェクト・スマイレージ(のちにアンジュルムに改名)卒業後ミュージカルで活躍していた田村芽実に決定した。アニータ役は本作が女優デビューとなる歌姫・May J.とAKB48卒業後に数々のミュージカルに出演する宮澤佐江が、リフ役は上口耕平と小野賢章が、ベルナルド役は渡辺大輔と廣瀬友祐が演じることが決定。加えて田山涼成、 山口馬木也、辰巳智秋、岩崎う大(かもめんたる)が出演する。○村上虹郎 コメント「大丈夫かな?」っていまだに思っているくらい、僕にとっては大挑戦です。ダンスの基礎もなく、自分が立っているところの景色もわからなくて身構えている状態ですが、その新鮮さが爆発すればいいかなと思っています。様々なジャンルの共演者と一緒にやることで、僕にしかない視点で「これは素敵だな」とか「この人には敵わないけど何か盗みたいな」 と思う部分があるでしょうし、自分の知らない自分が見られるんじゃないかなと思っています。これまでの舞台でも毎日 スタッフやキャストの方々と過ごして、自分の恥ずかしい部分やできない部分をさらけ出してきました。今回もかなりご迷惑をおかけすると思うんですけど(笑)この作品のファンの方も、ミュージカルファンの方も、僕みたいに普段あまりミュージカルに触れていない方々も、映画や舞台もそんなに見たことないという方々にも、本当に大満足していただいてそこからミュージカルおたくになるくらいハマっていただけるように、僕がまずその努力をしてみなさんに心底楽しんでいただけたらいいなと思っています。○森崎ウィン コメント世界中でたくさんの人々に愛されているこの『ウエスト・サイド・ストーリー』に出演させていただくことになり、ちょっとずつプレッシャーを感じている自分がいます。一方で、こんなに大きなミュージカル作品は初めてなので、楽しみでしかないという想いもあります。”初”ってわくわくするのですが、その分緊張もします。でも、まさに人生の新たな一歩を踏み出そうとしているこの感じがなんとも言えない。言葉では言い表せない興奮と緊張とわくわくが止まらない、そんな感覚です。 歌も好きなので、この作品に取り組むことで次に繋がるような頑張りを見せていきたいという気持ちです。努力だけは誰にも負けません。また、360°回転する劇場に立てる機会はそうそうないと思うので、そういったことへの感謝を忘れ ず、とにかくがむしゃらにやっていきたいです。とにかく見にきてください。待ってます!○宮澤エマ コメント私と『ウエスト・サイド・ストーリー』の出会いは中学三年生の時。学校の催し物でAnybodys役を演じました。その時は背伸びしてもなれる訳がないと思っていたマリア役のオーディションに躊躇しましたが、ミュージカルの金字塔ともいうべきこの作品に出演できるかもしれない機会を逃して後悔するくらいなら、と挑ませて頂きました。マリア役をやらせ 頂くなんて未だに夢の様ですが、無垢な優しさの中に凛とした強さを持つ、ヒロインの中のヒロインに全身全霊で応えたいと思っています。暴力に愛のみで立ち向かおうとする彼女、彼らの姿は、今回1950年代後半のニューヨークの街並みに入りこんだかの様なセット、常に動き続ける転換によって、より美しく、より希望に満ち溢れている印象を受けました。遠い過去の、外国の話ではなく、今もなお私たちに語りかける強さを持つこの作品を今、東京で上演出来ること、出演できる事を心から嬉しく思います。○田村芽実 コメント幼い頃から大好きだった『ウエスト・サイド・ストーリー』にマリア役で出演できること、未だに信じられません。オー ディションには“何としてでもこのチャンスを掴みたい”という強い気持ちで挑みました。数日後、マネージャーから、「マリア決まったよ!」と言われた日は発熱してしまう程嬉しかったです。この作品に出演できる喜びを噛み締め、マリア役を演じる責任を受け止めながらステージに立ちたいと思います。 そして先日、来日公演を拝見しました。360°回転するIHIステージアラウンド東京での『ウエスト・サイド・ストーリー』は圧巻です。ご来場下さるお客様にも作品の一員となっていただけたら嬉しいです。精一杯努めさせていただきます!
2019年10月02日日本の映画づくりのシステム、エンターテインメント界の変革を志し、小泉今日子らと共に映像制作プロダクション「新世界合同会社」を設立し、映画『ソワレ』で初めてプロデュース業に挑戦している豊原功補。インタビュー【後編】では、クリエイティブ面からスケジュールの管理、資金調達に至るまで、プロデューサーとしての仕事について、さらに“黒船”と呼ばれるNetflixなどの配信事業が興隆する中で、日本映画のクオリティを世界に伍するものとするためには何が必要なのか? その可能性についても話を聞いた。村上虹郎、芋生悠(いもう・はるか)という若き2人を主演に据え、この夏に和歌山で撮影が行われた映画『ソワレ』。撮影自体は無事クランクアップしたものの、2020年秋の公開に向けて、やるべきことは多い。予算面でも、既に600万円を超える金額がクラウドファンディングサービス「Makuake」で集まってはいるが、劇場での上映や宣伝活動などに必要な費用も多く、現在もなおサポーター募集が行われている(締切は9月27日)。作品づくりの土台は「支援者ひとりひとりの気持ち」豊原さんはプロデューサー、そして小泉さんはアソシエイト・プロデューサーとして本作に携わっているが、プロデューサー・豊原功補の具体的な仕事は?「まず自分が知ってる範囲での『プロデューサーはこれをやるべき』ということをひとつずつやってる状況なんですが、やること多くて驚いてます(笑)。重圧もすごいです…」。「お金のことに関しても『こんな大変なのか!』と身をもって知っている最中で、そのことを考えると、恐ろしくなって夜、眠れないですよ(苦笑)。巻き込んでいる人も多いし、自分ひとりが借金を背負って何とかなるもんじゃないわけで」。「クラウドファンディングの利用に関しては、映画を作るにあたって、いろんな人と話をする中で、ごく自然に幾人もの方から『クラウドファンディングはどうでしょう?』という言葉が出てきました。いくつかある中で、どこがいいのか? ということを考える中で、Makuakeさんの名前が出てくることが一番多かったんですが、実際に見てみるとシステムが非常にちゃんとしているし、僕が当初、非常に原始的な“寄付”のようなものとして考えていたものよりも、ずっと顧客目線で作られていて、“支援”がしやすいんですよね」。「いい意味で“重み”を感じ過ぎずに、自分の生活の中で『あんな映画があったらいいな』『これくらいの金額でいいかな?』くらいの感覚で支援してもらえるんじゃないかなと」。「とはいえ、そうやっていろんな方からお金を出していただけることに、ありがたさと共にプロデューサーとして恐ろしさも感じています(苦笑)。制作費に宣伝、デジタルプリント…本当に流しそうめんのように、すごい勢いでお金が流れて消えていくんですよ。もちろん、作品づくりに関して、僕らは自分たちの“主観”で決断していくわけですけど、その決断を支える土台になっているのは、支援してくださったひとりひとりの気持ちであって、そういう方々のメッセージを読むと『絶対に侮っちゃいけないな』と思います」。大事なのは「作り続けること」資金面やスケジュールの管理などだけでなく、豊原さんは積極的に作品の中身そのものにも関わっているという。自らを「うるさい、古いタイプのプロデューサー(笑)」と語る。「自分が俳優として現場にいたら、確実に『うるさいヤツだなぁ』って思ってるでしょうね(笑)。もちろん、外山監督が自分で脚本を書かれていて、やりたいことのベースはあるので、それをどうやって形にするか? こちらにそれがどう伝わっているのか? 伝わっていないのか? 『こういうことをやりたいのかもしれないけど、そうなってないよ』といったことをどんどん口出ししていますね。そこはやはり、質のいいものを作っていかないと、自己満足になってしまうのでね」プロデューサーという立場として当然、具体的な「観客動員数」や「興行収入」といった数値が頭をよぎらないわけではない。だが、何より大事なのは「作り続けること」だと考えている。「単なるマスターベーションで終わらせないためにも、事業として見合うか? という考えは常について回っていて『これは善をなそうとして悪に組み込まれていく一歩なんじゃないか?』って思ったりもしてます(笑)。いまのは岩松了さんの戯曲のセリフなんですけど」。「やっぱりこの1作で何かを変えられるほど簡単じゃないですから、さっきも言いましたが、いくつもの『点』のひとつになれたらいい。それがいくつもつながって『波』を起こせたら…ホントにね、1回じゃ変わらないですから」。「今回、こうして新世界合同会社を作ったけど、『ソワレ』の公開は2020年の秋の予定だからまだまだ先です。じゃあこの1年、答えが出るまで黙って見ているかと言えば、それじゃきっと心が離れちゃう。この映画を見届けるためにも、“次”を始めないといけない。この場所に立ち続けるには、ここで遊び続けなきゃいけないと思っています。もちろん、この作品に関してやるべきこともまだまだ残ってるんですけど(笑)」。日本映画の質を高めるには?その1「技術」近年、日本映画の「ガラパゴス化」が指摘されている。一方、つい最近の話だが、ひとつの光明と言うべきか、“黒船”と呼ばれるNetflixの台頭の中で「全裸監督」のような作品がそこにラインナップされ、地上波ではできない作り方、表現方法なども含め、業界内でも注目を集めている。「僕もNetflixはよく見ますし『全裸監督』も見ました。面白かったです。日本の作品の質をどう上げていくか?という点に関しては、2つの方向性があって、ひとつは“技術”の部分、もうひとつは“マインド”の問題になってくると思います」。「技術に関して言うと、まだまだ日本に、世界で通用する技術を持ったスタッフはたくさんいますよ。ただ最近は便利な機材のおかげで、カメラ技術や編集ひとつとっても、楽にできることが多くなり過ぎちゃったと思います。撮影後に寄りや引きを調整できるようになったりして、現場での能力というのが落ちているのかなと」。「そこはもう少しアナログな感覚で『いまあるものが全てだ』という感覚でやっていかないと技術は下がっていってしまう。それは俳優も同じで、デジタル化によって、以前のような『いまあるロールの中のフィルムに収めなきゃ』という気合が以前と比べると全然違う。そういう細かい部分での技術力って日本の武器だったはずなのに、それを自分たちで手放してるところがある」。「でもそこは、ちゃんと頑張れば取り戻せると思います。それこそ、昔の怖い先輩を現場に呼び戻して、きちんと技術を継承していけば、まだ間に合うと思っています」。日本映画の質を高めるには?その2「マインド」「厄介なのはもうひとつの“マインド”の部分ですね。それは作り手や観る人の社会との距離感の問題と言えるかもしれませんが、例えばNetflixの欧米を見ると、やはり、日本の社会とは宗教や人種問、貧富といった問題が比較にならないほど大きくて、それが日常と混じり合っているからドラマが生まれるんですね。逆に日本は日常の非常に狭い部分を描くことになってしまって、だから四畳半の物語ばかりになっちゃう」。「『全裸監督』はその点、村西とおるという独特の人物を主人公にしていて、セックスが題材のひとつとして扱われているという点で特別といえるかもしれないし、すごく面白いなと思います」。「そういう社会との距離感を意識して作っていかないと、単に海外の作品のマネをしてもダメだし、そういう意味で今後もNetflixの欧米のオリジナル作品と肩を並べるって、大変だとは思います。ただ、先ほども言いましたが、日本の社会もいろんな問題がいま、露わになってきているわけで、そういう意味では描くべきドラマが増えていると言えると思います。そこで本当に恐れずに自由度の高い作品を作れるか?『日常の苦労を忘れられるようなドラマ、エンターテインメントが見られる』と思ってもらえる器(プラットフォーム)を作ることができれば、見てくださる方々の意識も変わってくると思います」。そしてもうひとつ、豊原さんが指摘するのは“俳優”のマインドである。「平成という時代、俳優が俳優としてあるべき“鍛錬”の時間から離れてしまった部分があって、それこそ演技というもの、俳優という立場がコマーシャルにたくさん出たりするためのものになっていたり、ドラマや映画にたくさん出演することがゴールになってしまっていたりする」。「どこかの時期からか、俳優の仕事が事務所に入って、車で送り迎えされて、終わりの時間を気にしながら演技して…という“形”になり過ぎて、イージーなものになってしまったというか。僕自身、そこには憤りを感じていたし、言ってしまえばいまやっている活動は全て、自分が俳優として現場で感じていたことから派生しているんです」。「演技をしていて時折、自分が志しているものと求められているものの“出口”が全く違うことが多くて。俳優の演技だって求められれば求められるほどよくなるはずなんです。ただ、最近は20代の若い俳優さんでも勉強している人は多いし、少しずつまた意識が変わってきていると思います」。「僕自身、こんな風にえらそうなことを語ってて、いま作ってる映画をその言葉や志とかけ離れた作品にするわけにはいかない。まだほんの第一歩であり、わかんないことだらけですが、もっと“嫌われる勇気” を持って、やっていきたいと思ってます」映画『ソワレ』Makuakeクラウドファンディングは9月27日(金)まで実施中。(text / photo:Naoki Kurozu)
2019年09月25日「もっと“嫌われる勇気”を持ってやっていかないといけないなと思ってます」――。豊原功補はそう言って笑みを浮かべる。ここ1年半ほど、何かと芸能界を騒がせている“渦中の人”である。ひとつ何かアクションを起こすたびに――それが純粋に映画や舞台の作品に関することであっても――よくわからない「関係者」のコメントや憶測を伴ったいわゆる“芸能ニュース”として世に拡散されていく。そんなウンザリするような状況にあっても、豊原功補は歩みを止めない。日本の映画界、エンターテインメントの世界を変えるために何ができるか?自らの“志”を実現すべく、何が必要かを考え続け、行動し続ける。現在、和歌山を舞台にした映画で村上虹郎、芋生悠(いもうはるか)をW主演に据えた『ソワレ』の制作にプロデューサーという立場で携わっており、クラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」にて、本作を支援してくれるサポーターを一般から募集している。そして、本作の制作にあたり、小泉今日子と共に新たに映像プロダクション「新世界合同会社」を設立。「より純度の高い映像作品を追求」(HPより)を目指し、具体的には特定の女優・俳優ありきではなく、作品に最適のキャスティング、コンプライアンスにとらわれ過ぎない自由な映画作りなどを掲げている。俳優としての十分に安定した地位を捨ててまで、多くの“敵”を作りながら、彼は何を変えようとしているのか?どうしたら日本のエンターテイメントのクオリティを上げることができるのか?たっぷりと話を聞いた。作品に携わった経緯「目の前のチャンスを放っておく余裕がない」まずそもそも、なぜ豊原さんと小泉さんが和歌山を舞台に制作される『ソワレ』に関わることになったのか?「きっかけは本当にシンプルです。和歌山を舞台に映画(『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。』、『ちょき』など)を作ってきた前田和紀と『わさび』や『春なれや』といった短編映画を作ってきた外山文治監督が新たな映画を和歌山でつくることを考えていて、偶然なんですがウチのスタッフが外山監督と知り合いで、顔を合わせる機会があったんです。それから少しして『一緒にやってもらえませんか?』とお話をいただきまして」。「当時はまだ『新世界合同会社』も存在していませんでした。舞台制作に関しては別の会社(※小泉さんが立ち上げた『株式会社明後日』)でやってましたが、そろそろ映像作品も手掛けてみたいとか、いろんな思いがあった中でちょうどお話をいただいて、これもひとつのきっかけなのかなと、いっそ組織を作って映像制作会社をやってみようとなりました」。「いっそ組織を作って」とさらりと言うが「豊原功補と小泉今日子が映像制作会社をつくる」となると、世間は様々な受け止め方をする。もちろん、Makuakeで支援を募るにあたって、話題を呼ぶという点でポジティブに捉えることもできるが、会社という組織を作って、これまでの映画作りの常識を変えると宣言することは、相当な覚悟が要ったはずだ。「会社を作るということに限らず、何か一歩踏み出そうとすれば、いろんなネガティブなことが頭をよぎりますし、障害が目に見えたりする部分はあります。逆に後押しをいただける部分もあります。ただ、総じて鈍感になっていくといいますか(笑)、目的以外のことはどうでもよくなってくるんですよね」。「あとね、乱暴な言い方ですけど、自分の人生の残りの時間を考えた時に、目の前のチャンスを放っておく余裕がないんです。いまやらなきゃ、本当にやる時間がない。結局、何をやってもプラスとマイナスの側面はついて回るものだし、人間はどうしても自分の経験の中から『あんなことになったらどうしよう?』『こんなこと言われるんじゃないか?』って過去の嫌な思い出に自分を縛り付けちゃうんですよね。でも、実際にそうなるとは限らないし、映画なんて作ってみなくちゃわかんないですから。ネガティブな感情がつい付きまとうけど、それを上回るポジティブな思いを抱いてからこそ、踏み出せたのかなと思いますね」変わりゆく日本映画「景色が変わってきている」実際に足を踏み出してみた結果は「いろんな意味で予想通りでした」とのこと。「ポジティブなこともネガティブなことも思っていた通りに両方、やってきましたね。ただ、どんなことでもそうなんでしょうけど、ポジティブな面や喜びって見えづらいし、後からやって来るものなんですよ。まずはネガティブな面がどんどん押し寄せてくるものなので(苦笑)、そこでいかに挫けずに立っていられるか。感情面もそうですし、実際の制作プロダクションという仕事の大変さは本当に予想以上の大変さで、『これだけのことが押し寄せてくるのか!』と挫けそうになりましたが、もう走り出しているわけですから、逃げ出すわけにはいかないんでね。『しょうがない』という気持ちで(笑)、やってます!」繰り返しになるが、この1本の映画『ソワレ』を完成させ、世に送り出すことがゴールであるなら、わざわざ「会社」を作って、“敵”を増やす必要はない。この1本だけではない、“先”を見すえているからこそ、こういう形を選んだのだ。「こうやって取材を受けて、ご質問をいただくことで、改めて対峙すべきことが明確になった気がします。いや、“敵”という言葉をあんまり使うと叱られそうですけど(笑)、(会社組織にしたことで)そういう対象がよりハッキリ見えるようになったのかなと思います」。「映画というのは大きくて歴史の長い、世界的なマーケットです。現状、いま、日本の映画界が何か大問題を抱えて映画が作れないような状況かと言うとそうではないし、動員数だって伸びているという話もあるわけです」。「でも、『日本映画』に限って捉えると、僕が俳優を始めた10代の頃、もう30~40年前の時代にワクワクしながら背伸びして、大人の世界を覗き見ていた時代とは、ずいぶんと景色が変わってきているということは感じていました」。「(映画のターゲットとなる)対象が若いというか、1人よりも2人、2人よりも3人、4人、5人で見に来られるような内容を目指している作品が大部分で、そうなると最大公約数的な映画というか“簡単な映画”になってしまうのは必然ですよね。自分のような人間が楽しめるような映画が確実に減っているんです」。苦難の道を選んでも歩みを止めない理由観客の減少に伴い、かつて隆盛を誇ったミニシアターが次々と閉鎖されていく。映画が巨大なシネコンに集約されるようになり、そこでは初動の数字で「入らない」と判断された映画は容赦なく切られていく。数字の読めないオリジナル脚本の映画は敬遠され、数字の見込める人気原作の映画化、旬の人気俳優ありきのキャスティングの作品が幅を利かせるようになったのはまぎれもない事実。「そうなるともう、小さな映画はどこで上映されているかという情報すらままならなくなって、そんな映画は『存在しない』ものになってしまうんです。俳優のモチベーションも下がるし、作り手も夢が持てなくなってきている」。「そういう映画界の一面を目の当たりにしてきて、おこがましいんですが、僕だったり小泉だったりという、世間の耳目を集めるであろう人間が動くことで、何かが変わったらいいなと。なれるのであれば“人柱”でも いいので、何か少しでも変えていけたらという思いです」。「さっきも言いましたけど、この歳になると、そういうことができる時間って限られてるんですよ。若かったらまた違った方法があったかもしれない。 『あと何年、身体がバリバリ言うこと聞くのか? 脳が立派に働いてくれるのか?』って考えると、いましかない。ネガティブな部分を含めてでもいいから、(自分たちの行動が)何かしら気に留めてもらえたらいいなと。そりゃみんな、家族がいたり、上司や部下がいたら、簡単にはハミ出さないですよ。物事は簡単に変わらない――それは今回、本当に実感してます(苦笑)。でも、僕らの思いの10歩、20歩先、1年か2年先に『あんなこと、できるかも』という可能性を残すことができたらと思っています」。「昨今、芸能プロダクションと所属俳優の問題だったり、政治やスポーツの世界のいろんな問題の所在が露わになってきてますよね?YouTubeやSNSというツールが一般化されたことで、可視化されるような部分もある。ちょっと乱暴過ぎるきらいはありますけど。そうやって『あの業界も変わったらしいよ』というひとつひとつの『点』が結びついて、やがて大きな変革につながっていくかもしれない。そのひとつの『点』になれればと思います」。【後編に続く】映画『ソワレ』Makuakeクラウドファンディングは9月27日(金)まで実施中。(text / photo:Naoki Kurozu)
2019年09月24日今、Twitterで話題のハッシュタグ「#村上春樹で語る育児」をご存知ですか? このハッシュタグと共に、村上春樹氏を思わせる文体で綴られた「子育て中の出来事」が続々と投稿されています。ハイクオリティな“作品”の数々に、「特徴をよく捉えている」「パパママたち文才ありすぎ」「じっくり読んでしまう」と注目が集まりました! 今日は、そんな人気投稿の一部をまとめて紹介します。 離乳食を食べてくれない「ここに暖かな離乳食がある。鮭を柔らかく煮てあるんだ。」僕が言うと彼女はほんの少し首を傾げた。「どうかしら」という風に。「カブとそぼろの中華風は?ブライアン・ウィルソンだってこれを食べたらウクレレを弾きだす」でも彼女は口を2ミリくらいすぼめただけだった。#村上春樹で語る育児— maitake55 (@maitake55) August 29, 2019 おむつ替え「何故こんなになるまで放っておいたのよ」「慣れちゃったんだ。おむつが重い事にも、泣かないでいる事にもね。それに遠くから見れば」僕は言った。「大抵のものは綺麗に見える」「ねえ」彼女は器用に僕のおむつを替えながら首を振った。「一生そんな風に生きていくつもり?」#村上春樹で語る育児— 雅樹 (@masazeroque) August 29, 2019 抱っこの嗜好「嫌よ」「どうして?君が好きなのを選んだつもりなんだけど」「それはいつの私の話?」「いつのって、君は君だろ?」気怠げな視線が、僕を見る「横抱きはもう卒業、今は縦抱きが一番なの。いつまで赤ちゃんと思ってるのかしら」君はそう言うが、その姿は赤ちゃんそのものだった#村上春樹で語る育児— ちぃ®︎@5m (@pefupefuchi_san) August 29, 2019 こんなことになるなんて「それで」妻は言った。「どうして貴方は寝かしつけもせずに際限無くあの子と歌っていたのかしら」「それは見解の相違さ」僕は控えめに言葉を紡いだ。彼女にとってこれはすでに弾劾裁判なのだ。「僕だって知らなかったよ。夕食後に一緒に歌を歌うだけで興奮して眠らないなんて」#村上春樹で語る育児— 月光ほろほろ (@horohoro_g) August 29, 2019 最初からなかったのかもしれない「できる事ならそうしていたさ、もちろん。」僕は言った。その声は自分のものとは思えないほど疲れ切って聞こえた。「けれど、売り切れていたんだ。夏の働きアリのようにそこらじゅう探したけれど、どこにもなかった。」特売の粉ミルクなんて最初からなかったのかもしれない。#村上春樹で語る育児— たかざと @8M 保育園 (@takazato3) August 28, 2019 クレヨンが浮き彫りにしたこと「それで」と妻は部屋を見回して言った。「あなたは何を見ていたのかしら」壁に広がったクレヨンは、ジャクソン・ポロックの前衛絵画に似ていた。「見ていたよ、ずっと」「いいえ、見ていないわ。結局のところ、あなたは何も見ていないのよ」妻の言うことはもっともだった。#村上春樹で語る育児— ぐでちちwith6y♀1y♀ (@gude_chichi) August 28, 2019 いかがでしたか? 子育て中の日常の様子が文学的に綴られていて、何だか新鮮に感じられますね。子育てに家事に仕事に……と息つく間もなく多忙な方も、このツイートを思い出すとちょっと冷静になれるかも!? Twitterで「#村上春樹で語る育児」と検索すると、文才に富んだ作品がたくさん見つかります。子育ての息抜きにぜひ読んでみてください♪
2019年09月10日第76回ヴェネチア国際映画祭(8月28日~9月7日)にて初めての開催となる「ジャパン・フォーカス」が開幕。選出された『楽園』『人間失格太宰治と3人の女たち』『カツベン!』『蜜蜂と遠雷』の関係者が現地時間9月2日に行われた合同記者会見に出席し、『楽園』からは村上虹郎と二宮直彦プロデューサーが参加した。今回が初開催となるプレス・業界関係者向けの日本映画特集上映&交流イベント「ジャパン・フォーカス」。記者会見の場には各国から多くのメディアが集まり、本イベントに対する現地の期待の高さが感じられた。「日本を代表するキャスト陣が魂と心を削りながら演じてくれた」映画『楽園』からは、杉咲花演じる紡に思いを寄せる幼なじみ・野上広呂を演じた村上さんと二宮プロデューサーの両名が記者会見に出席。村上さんは「映画祭は色々な人と出会える、ご縁のある場所だと思っていて、僕もデビュー作で海外の映画祭に行かせていただき、様々な映画監督や俳優さんと出会えて、今もそのご縁が続いているのがありがたい」と語り、「こういった海外の映画祭で日本という国、そして日本映画の良さをもっともっと伝えて行きたい」と由緒あるヴェネチア国際映画祭への参加を真摯にコメント。二宮プロデューサーは「全世界共通だと思いますが、映画が完成するのは小さな奇跡の連続だと思っています」と前置きしながら、「『楽園』が完成したのは2つの奇跡がありました。一つは瀬々(敬久)監督の脚本。この脚本無くしてはこの企画は成立しませんでした。そしてもう一つは、主演の綾野(剛)さんやここにいる村上さんを始めとした、日本を代表するキャスト陣が魂と心を削りながら演じてくれたことです」と世界に向けて堂々と作品をアピールした。ヴェネチアは「日本と密接にある映画祭」蜷川監督と2ショット取材もまた、合同記者会見と同日に行われたレッドカーペットセレモニーには、「ジャパン・フォーカス」に選出された蜷川実花監督ら各作品の面々が登場すると会場は拍手喝采。レッドカーペットを囲うようメディアが溢れかえっており、様々な言語が飛び交い国境を越えた映画の祭典を盛り上げていた。レッドカーペットを歩いた村上さんは各国のメディアからのリクエストに丁寧に答え、ときには蜷川監督と2ショットでの取材に応じる姿も。村上さんは「今回は是枝裕和監督、塚本晋也監督、オダギリジョーさんなど日本映画界の先輩方が数多く来ており、改めて日本と密接にある映画祭だと感じました」と映画人としてヴェネチアの地に降り立った喜びを噛みしめていた。世界三大映画祭の一つで歴史あるヴェネチア国際映画祭にて、日本映画の最新話題作を集めた上映会の催しは今回が初めてであり、イタリアの映画業界並びに欧州で日本映画のプレゼンスをより高めることが期待されている。なお、日本での公開に先立ち、『楽園』は現地時間9月3日17時より公式上映される。『楽園』は10月18日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:楽園(2019) 2019年10月18日より全国にて公開© 2019「楽園」製作委員会カツベン! 2019年12月13日より全国にて公開©2019「カツベン!」製作委員会蜜蜂と遠雷 2019年10月4日より全国にて公開(C)2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会人間失格 太宰治と3人の女たち 2019年9月13日より全国にて公開© 2019「人間失格」製作委員会
2019年09月03日小坂涼太郎が客演する、theatre PEOPLE PURPLE『STRANGE CLAN』の開幕が迫る。初日を約1週間後に迎えたある日、稽古に臨む小坂に話を聞いた。【チケット情報はこちら】TVドラマ『99.9 刑事専門弁護士』シリーズの脚本などで知られる劇作家の宇田学が作・演出を手がける本作。第二次世界大戦中のイギリス・ロンドン郊外を舞台に、戦争孤児の少女・オリヴィアの視点を通じて、タイトルの和訳でもある“奇妙な一族”の秘密が描かれる。小坂は街でオリヴィアと出会う心優しい一族の青年、ノア・アトウッド役を演じる。近年、演劇『ハイキュー!!』シリーズをはじめ、舞台『刀剣乱舞』や『BRAVE10』など、2.5次元作品への出演が続いた小坂。久しぶりのストレートプレイにあたって「ワクワクしています!」と喜びつつ、「宇田さんや他のキャストとたくさん会話して、ノアとして生きようと思っています」と意気込む。作品の魅力を「予想もつかない展開」と「個性豊かなキャラクター」とする小坂に、ノアをどうやって演じるか尋ねると「常に明るく存在して、感じたままに反応しようと思っています」。宇田から「小坂くんの持っている優しさが、この舞台には必要」と期待されているように、自身の持ち味を生かした自然体の演技が求められている。劇団公演にキャスティングされたのは初めて。作品ごとに集まる公演と比べて「すでに集団としてまとまっている中に入るので、最初のうちは戸惑いがありました」と率直な気持ちを述べる。しかし最近はSNSに稽古場のにぎやかな様子をアップ。「いろいろな人たちと触れ合えてすごく楽しい」と刺激を受けている様子だ。初顔合わせとなる宇田の印象については「役者の気持ちや意向を汲みながら演出してくださる優しい方」とコメント。『探偵が早すぎる』など、過去に彼が手がけたTVドラマを動画配信サービスで“一気見”するほど作品に魅了されている近況を紹介しつつ、「いつか宇田さんのドラマに関われるよう、この作品をがんばっていきたい」と抱負を述べた。theatre PEOPLE PURPLE『STRANGE CLAN』は、8月29日(木)から9月1日(日)まで東京・あうるすぽっとにて上演される。チケット発売中。取材・文:岡山朋代
2019年08月29日主演・綾野剛、共演に杉咲花、佐藤浩市、柄本明、村上虹郎で贈る映画『楽園』。本作の本予告と本ポスターとともに、「RADWIMPS」の野田洋次郎の作詞・作曲・プロデュースのもと、女優としても歌手としても人気と実力を誇る上白石萌音が歌唱を担当する主題歌「一縷(いちる)」が明らかになった。世界三大映画祭の一つ、第76回ヴェネチア国際映画祭公式イベント「ジャパン・フォーカス」の正式出品も決定し、10月の日本公開を前に海外からも熱い注目を集めている本作。この度、解禁された本予告映像では、殺人の容疑をかけられ罵声を浴びる豪士(綾野剛)、「どうしてお前が生きてる」と心ない言葉をかけられる紡(杉咲花)、そして集落の人間から村八分にされる善次郎(佐藤浩市)、運命に翻弄された3人がもがき苦しみ、涙し、感情をむき出しにする姿が描き出される。そして、新たに発生してしまった事件。信じた人は殺人犯なのか、ひとすじの光を求める彼らの運命が交錯していく。解禁された本ポスターでも、“楽園”を求める者たちの運命、物語の結末が気になる仕上がりとなっている。さらに、これまでの特報映像でも起用されていた主題歌が明らかに。『君の名は。』(‘16)公開当時、主人公・三葉の声を演じた上白石さんが、主題歌のひとつであり空前のヒットを記録した「RADWIMPS」の「なんでもないや」をカバーし大きな話題となった。以来、約3年ぶりとなる本作では、野田さんが初めて上白石さんに楽曲を書き下ろした。「一縷」というタイトルのとおり、登場人物たちが探し求めたひとすじの光のように響き渡る美しい旋律と上白石さんの透明感溢れる歌声が本作の人間ドラマをさらに盛り上げる。上白石萌音「なんという名曲を歌うことになってしまったんだろう」初めてこの楽曲をいただいた時、部屋にこもって正座して聴いたのですが、気づいたら泣いていました。まさに、小さい光が差したような気がしたんです。洋次郎さんが、映画を観終わった人の小さな“救い”や“光”になればという気持ちが、もう最初に私の“光”になっていて「なんという名曲を歌うことになってしまったんだろう」と思ったのを覚えていますし、洋次郎さんに曲を書いていただくことが、私の夢のひとつだったので、今回それが叶ってとても幸せです。「初めて歌うように、この曲を歌って欲しい」とアドバイスをいただいて、洋次郎さんの前で一度全部捨てて、まっさらな気持ちでレコーディングに臨みました。映画をご覧になる方にとっても、日常に寄り添う曲という意味でも、大切にしていただける曲になったら嬉しいです。野田洋次郎「自分の声を知り尽くしていて緻密さ、大胆さも、縦横無尽に表現できる」楽曲提供のお話しをいただいて、映画の脚本を読ませてもらい、映画も観させていただきました。悲しみの中にいたり、もがき苦しんで生きている人たちがたくさん出てくる映画で、その一人一人が必死に、一生懸命生きていている。その先に“救い”や“光”があって欲しい、その人たちがどうか幸せであって欲しいという想いが、まず一番にありました。萌音さんには、今回初めて楽曲を書かせていただきましたが、声優もされていて、もちろん女優としての表現力もあるからこそ、自分の声を知り尽くしていて緻密さ、大胆さも、縦横無尽に表現できる。僕も学ぶことが多いレコーディングでした。『楽園』という映画によって、萌音さんとまたこうして引き合わせてもらえたことがうれしいし、この曲が制作できたことが幸せです。僕にとっても大事な曲になると、この手応えを感じながら制作していました。聴いてくれる方々の人生と、一緒に育っていってくれたらうれしいです。『楽園』は10月18日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:楽園(2019) 2019年10月18日より全国にて公開© 2019「楽園」製作委員会
2019年08月28日関ジャニ∞・村上信五(37)が20年に開催される東京オリンピックのメインキャスターをフジテレビ系で務めると8月15日に発表された。大役を務める村上に、ネットでは祝福の声が上がっている。各メディアによると村上は今回の大抜擢について「うれしさ半分、やはりドキドキ半分。いつもとは違うプレッシャーを抱えながらの挑戦ではあるのかなと思っています」とコメント。さらに「アスリートの方が少しでもホッとできるようなインタビューや、リラックスした表情を引き出せるようなキャスターになれるといいなと思います」と意気込んでいるという。「村上信五∞情熱の鼓動」や「村上信五のスポーツ奇跡の瞬間アワード」(ともに同局)といったスポーツ番組に出演し、体操・内村航平選手(30)やゴルフ・錦織圭選手(29)といった数々の名アスリートたちを取材してきた村上。特にサッカー好きで知られており、「2018FIFA ワールドカップロシア」のプレゼンターをテレビ朝日系で務めた際も大きな話題となった。Twitterでは「村上信五」だけでなく、村上のニックネーム「ヒナちゃん」もトレンド入り。さらに祝福する声が上がっている。《世界の村上信~~~!!!!!おめでとう村上くん!!!!!》《村上さんすごくない?どこまでBIGになれば気が済むの彼は笑 とにかくおめでとう!!》《ヒナちゃんおめでとう日本で開催されるオリンピックでメインキャスターとかほんっとすごい!ヒナちゃんの今までの努力の賜物ですね》
2019年08月15日オダギリジョー初監督の長編作品として、ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門に正式出品されている『ある船頭の話』。この度、舟を漕ぐようにゆったりとした船頭の日常を映す映像から一転、ある時点をきっかけに不穏な空気が漂う予告編が解禁となった。明治と大正のはざま。文明の波がひたひたと押し寄せ、時代の移り変わりに直面した山あいの村を舞台に、「本当に人間らしい生き方とは何か」を世に問う本作。主人公の船頭トイチには日本を代表する名優・柄本明。ヒロイン役には川島鈴遥を抜擢。そのほか、村上虹郎をはじめ、伊原剛志、浅野忠信、村上淳、蒼井優、笹野高史、草笛光子、細野晴臣、永瀬正敏、橋爪功といった超豪華なキャストがオダギリ監督のもとに集結。さらに撮影監督には、独特な色彩を映像に落とし込む名匠クリストファー・ドイル、衣装デザインには『乱』でアカデミー賞を受賞したワダエミ、そして世界を舞台に活躍するピアニスト、ティグラン・ハマシアンが映画音楽に初挑戦している。様々な人たちの喜びと悲しみ、生と死を乗せて舟を漕ぐ船頭…予告編では、村と町をつなぐ渡し舟の船頭・トイチとその客人たちが、まもなく完成する橋の建設について会話を交わし、少しずつ日常が変わっていく様子が映し出されている。クリストファー・ドイルによって切り取られた美しい日本の原風景、そしてトイチが様々な客人のよもやま話に耳を傾けながら川の渡しをする様子は、舟の上で起こるドラマを期待させる。橋の完成が近づき、“役に立たないものはみんな無くなっていく”という会話は、日々めまぐるしく進化していく現代で何か大切なものを失っていないかと考えさせられる言葉。やがて渡し舟を漕ぐようにゆったりと流れていく映像から一転、突然現れた少女、聞こえてくる“一家皆殺し”のうわさ、凶器を持った男などによって不穏な空気が漂い始める。美しい映像に魅せられながらも、この村に、そして時代に取り残された船頭・トイチに、何かが起こることを予感させる予告編となっている。『ある船頭の話』は9月13日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ある船頭の話 2019年9月13日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2019「ある船頭の話」製作委員会
2019年08月14日「つい先日、小泉さんと恵比寿駅で会ったんです」と語るのは、小泉今日子(53)の古くからの知人。現在は制作会社『明後日』の社長としても活動している小泉。恵比寿駅といえば、会社の最寄り駅でもある。知人が続ける。「久々に会ったので、すごく懐かしかったのですが、驚いたのは彼女が電車で移動をしていたこと。会社の社長さんになりましたし、昔とは経済感覚なども変わってきているのかな、と思いましたね」’18年2月に、事務所からの独立と、妻子のある豊原功補(53)との恋愛関係を公表した小泉。それから1年半が経過し、2人は新たな試みに挑もうとしている。プロデューサーとして映画の製作を手がけているというのだ。ある映画プロデューサーは言う。「豊原さんも小泉さんも映画のプロデュースは初めての体験だそうですが、なかなか映画がヒットしない時代に思い切った決断だと思います。昨年は製作費300万円という低予算映画『カメラを止めるな!』が大ヒットして話題になりました。でもお2人の映画『ソワレ』は主演の1人が若手人気俳優の村上虹郎さん(22)で和歌山県内のロケも1カ月弱おこなったそうですから、製作費用は少なくとも1~2千万円はかかるのではないでしょうか」彼らは製作費や広告費を集めるために、クラウドファンディングサービスを利用している。8月5日時点で支援金は350万円を超えており、かなり反響を呼んでいるようだが、小泉と豊原の“捨て身の作戦”も功を奏したようだ。「2人で経済誌のインタビューに応じ、豊原が“創造の世界はもっと自由であるべき”など映画製作について熱く語ったのです。2人で取材に応じたのは初めてのことで、7月末に配信された記事では和歌山県の海岸で撮影されたツーショットまで公開しています」(芸能関係者)豊原はインタビューではこんな発言も。《テレビに出られなくなる、CMに起用されなくなる、生活ができなくなる、映画が撮れなくなる。無言の圧力をみんな勝手に自分の中に感じてしまっているわけです。自分自身もそういう思いをすることはあるんですが》(『Forbes JAPAN』)現在の豊原は経済的に苦境にある。小泉への不倫愛を宣言して以降、テレビドラマや映画のオファーは激減しているのだ。ある舞台関係者は語る。「いまの収入の大部分が、『明後日』から支払われている演出料や出演料で、いわば小泉さんが捻出したお金です。その収入から、奥さんの生活費やお子さんの養育費を払っているわけですが、豊原さんも金欠状態に苦しんでいるのでしょう」この関係者は、2人のこんな場面も目撃したという。「楽屋で豊原さんが、ふと『飲み物がなくなったなぁ』と、つぶやいたんです。するとすかさず小泉さんが財布から千円札を渡して『私の分もこれで買ってきて』と……。すごく自然で、お金のことは小泉さんが全部面倒をみているんだな、と思いました」金欠苦に耐えながらも、“自由な創作”を目指し、映画製作という新たな夢に向かって走り出した恋人のために、実は小泉は大きな決断を下していた。“お気に入りの我が家”を売却したのだ。以前、小泉が住んでいたのは都心の一等地に所有するマンションだった。彼女を知る音楽関係者は言う。「小泉さんが50歳の誕生日を迎えたときに、『MEKURU』という雑誌が、彼女の大特集を組みました。すっぴんで撮影に臨んだことも話題になりました。広いリビングルームにたたずむ姿や、ソファに横たわる姿が印象的でしたが、その撮影現場となったのが、彼女の自宅マンションだったのです」部屋の広さは190平方メートル!その重厚なたたずまいが外国人にも人気の物件で、地元の不動産関係者によれば「売却金額は3億円と聞いています」とのこと。この決断の理由について、前出の知人は次のように語る。「女としての意地というのでしょうか。豊原さんを妻子から引き離し、公の場で“恋人宣言”もさせてしまったわけですからね。『彼の夢は私が支える!』という思いにとらわれているのでしょう。交際を公にしたころ、小泉さんは賃貸マンションに引っ越していました。所有している物件を売却して当面の活動資金を調達することで、豊原さんの創作を支えていきたいと考えていたのでしょう」“男の夢”と“女の意地”をかけた映画は、来年公開されるという。
2019年08月06日吉岡秀隆が金田一耕助を演じる単発ドラマ「八つ墓村」の放送日が10月12日(土)に決定。村上虹郎、真木よう子、蓮佛美沙子ら第2弾となる出演者も明らかになった。昭和24年発表の「八つ墓村」は、横溝正史作品としては最多9回も映像化された人気作。すでに、訪れた村で事件に遭遇する名探偵の金田一役に吉岡さんが決定しているが、このほど新たに7名の俳優の出演が決定。田治見家の跡取りとして呼び戻され、事件に巻き込まれる井川辰弥役を「この世界の片隅に」『銃』の村上虹郎。都会から嫁入りした未亡人で辰弥に寄り添う森美也子役を現在放送中のドラマ「ボイス 110緊急指令室」が話題の真木よう子。田治見家の長女で辰弥の姉・田治見春代役を連続テレビ小説「べっぴんさん」の蓮佛美沙子。また、辰弥のいとこで彼に好意を寄せる里村典子役を佐藤玲。今回の事件の発端を作る田治見要蔵役と辰弥の兄・田治見久弥の2役を音尾琢真。そのほか、金田一とは旧知の磯川警部を小市慢太郎。美也子の亡き夫の兄・野村荘吉を國村隼が演じる。あらすじ戦国時代に村人が8人の落武者を惨殺し、大正時代に旧家の当主が32人の村人を殺害した過去を持つ、八つ墓村。その旧家・田治見家に長らく縁が途絶えていた井川(原作:寺田姓)辰弥が跡継ぎとして戻ってくる。だが、それこそが悲劇の発端だった。祖父、異母兄、僧侶、尼僧…次々と殺害される関係者たち。だが、真相はようとして分からない。そんな中、辰弥は巨大な鍾乳洞へと迷い込む。そこで見たものは、落武者の鎧を身につけた田治見家当主の死蝋だった。大伯母の老婆、異母姉、村の医師…殺人は留まるところを知らない。辰弥の出生の秘密を探り当てた金田一だったが、その頃、当の辰弥はたたりを恐れる村人によって鍾乳洞の奥に追いつめられていた。スーパープレミアム「八つ墓村」は10月12日(土)21時~BSプレミアムにて放送。(cinemacafe.net)
2019年08月01日俳優・オダギリジョーが長編初監督を務めた映画『ある船頭の話』から、オダギリ監督らを写したメイキング写真と、美しい日本の原風景を写し出した劇中カットが到着した。山奥の村を舞台にした“本当に人間らしい生き方”を世に問う問題作『ある船頭の話』。主人公の船頭トイチ役を名優・柄本明が演じるほか、村上虹郎、伊原剛志、浅野忠信、村上淳、蒼井優、笹野高史、永瀬正敏、橋爪功ら豪華な面々が参加している。監督・脚本はオダギリさんだが、撮影監督はクリストファー・ドイルが担当している本作。ドイル監督作品(ジェニー・シュンと共同監督作)『宵闇真珠』の撮影時に運命的な出会いを果たしたこの2人。「ジョーは監督しないのか?ジョーが監督するときは俺がカメラをやるから、何でも言ってくれ」と声を掛けられ、今回のタッグが実現したという。今回到着したメイキング写真では、そんな2人が仲良さげにふざけあうオフショットや、本番撮影時の真剣な表情などが切り取られている。オダギリ監督の期間限定映画公式Instagramでは、「いっぱいいっぱいな僕の代わりに、ムードメーカーとなり、みんなを引っ張っていってくれました。常識なんて気にしない、最高の翁ですよ。笑」というコメントと共に写真を投稿しており、今回の写真からも信頼で結ばれた固い絆が垣間見えるようだ。ほかにも、永瀬さんや川島さんと監督として向き合う姿も公開された。さらに併せて公開された場面写真では、川島さん演じるヒロインの少女が妖しげに岩場に佇む姿をはじめ、ただならぬ表情で叫ぶ源三(村上虹郎)。村と町を繋ぐための河渡しを生業にしている船頭・トイチの客人として、牛と一緒に河を渡る客(笹野高史)や、故郷を懐かしむ客(草笛光子)などの姿も切り取られている。なお、本作は8月28日より開催される第76回ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門(コンペティション)への出品も決定している。『ある船頭の話』は9月13日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ある船頭の話 2019年9月13日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2019「ある船頭の話」製作委員会
2019年07月30日俳優の豊原功補と女優の小泉今日子が立ち上げた制作会社の初プロデュース作品で、村上虹郎・芋生悠が主演する映画『ソワレ』。現在、その制作応援サポーターを募集するクラウドファウンディングがMakuakeにて実施されている。2020年秋公開を目指す和歌山県を舞台にした『ソワレ』のサポーターを募集するための本プロジェクト。『ソワレ』は短編映画『春なれや』の外山文治監督作品で、村上虹郎・芋生悠主演、若きふたりの逃避行を追ったロードムービー。豊原氏、小泉氏ら数人で昨年立ち上げた、映画製作会社「新世界合同会社」の第1作目の作品となる。支援枠は3,000円~50万円まで。本プロジェクトを支援したサポーターには、ロケ地・和歌山や東京で行われる試写会に参加できる権利や、ホームページ/映画エンドロールへの名前記載、豊原氏・小泉氏によるクリエイターズトークイベントへの参加権など、様々なリターンが用意され、集まった資金は製作費およびPA(プリント+広告)費として活用していくという。豊原功補&小泉今日子、初プロデュース作に込めた映画業界への思いとは…我々は、もとより日本映画の興行システムにおける大小の差に疑問を感じておりました。よく耳にし、実感としても伴っていたのはオリジナル脚本の企画の通りづらさ、また、キャスティングにおける発想の自由度の狭さです。映画事業、ビジネスといったところをからすれば、国内でのヒットとその中での製作と回収を考えることは至極当然のことなのでしょうが、そこで後回しになるのは国内のみの需要にとどまらぬ作品の質の追求や、認知優先ではない本当に役柄に適したキャスティングの追求なのでないかと思うところがあります。しかし、独自性を打ち出し、自由度を求める企画にはなかなか資金が集まりません。結果インディペンデントの精神を持ちながら小さな映画を目指すことになります。決して悪いことではありません。目指すべき映画を作り公開して観ていただくという点では、映画作りをしている者すべてなんら変わりはありません。ただ、これからはもっとアジアや世界に広がる独自性と作家性を感じる作品を、日本のいろんな映画館でたくさんの方に観てもらえる環境になればと思うのです。日本には本当に優れた俳優や監督、技術スタッフがたくさん存在します。その一人一人にもっと多くの創造する機会、場所を作り、色とりどりの新たな映画が生まれることを願い、はじめの一歩を踏み出してみました。初プロデュースは初めて知り得ること、困難の連続を思い知りながらの日々となることとは思いますが、覚悟を持って、精一杯頑張ります。注目の若手俳優2人のキャスティング理由主人公の翔太役には、瞬時に村上虹郎くんの姿が浮かびました。外山監督とも『春なれや』という短編で組んでいた経験もあり、彼の内面から発する危うげながらも繊細かつ熱量のある躍動感はこの役に不可欠だと感じました。タカラ役の芋生悠さんは100人を超すオーデションからの抜擢となりました。監督が台本を書き上げる上で想像力を膨らませる大きな要因ともなったようです。今作の直前に作・演出した舞台での仕事が初の顔合わせでしたが、彼女の瞳の奥にある儚くも憂いのある光と、大きく飛躍する演技への底力をとても強く感じました。この二人でしか作り得ない時間が生まれるだろうととても期待しています。ストーリー東京で役者を目指す翔太は、噛み合わぬ実人生に自分を見失いそうな日々の中にいた。そんな中、小さな劇団のツテから、演劇を通したレクリエーションを行うために向かった先は、故郷の和歌山にある老人養護施設。終の住処になるであろうその施設に住む老人たちの中で、自分と変わらぬ年若いタカラは働いていたが、彼女は何か失い切って諦めたように佇んでいた。数日後、一緒に祭りに行こうと誘ったタカラを迎えに行った翔太は、そこで驚くべき光景を目にし、2人は事件を起こしてしまう。タカラの手を取り駆け出した翔太。そして2人は“かけおち”とも呼べる逃避行の旅を始めることになる――。『ソワレ』は2020年秋、全国にて公開予定。(text:cinemacafe.net)
2019年07月30日村上春樹作家活動40周年となる今年、公開が決定している『ドリーミング村上春樹』。ちょうど40年前(1979年)の本日7月23日、村上氏が小説「風の歌を聴け」(講談社)で鮮烈な作家デビューを飾ったことを記念し、本作の予告編が解禁された。デンマーク出身、今年6月より群馬県桐生市に在住する翻訳家のメッテ・ホルム。1995年に「ノルウェイの森」と出会って以来、「海辺のカフカ」「1Q84」「騎士団長殺し」など、20年以上にわたり村上春樹の作品をデンマーク語に翻訳してきた。村上春樹の作品はこれまで世界50言語以上に翻訳されてきたが、そのほとんどが英語からの翻訳、メッテのように“日本語から直接翻訳”することは珍しかった。本作は2016 年、村上春樹がアンデルセン文学賞を受賞し、デンマークを訪れて王立図書館でメッテと対談する瞬間と、同時期にメッテが村上春樹のデビュー小説「風の歌を聴け」の翻訳に挑む貴重な姿を捉えていく――。本作では映画のカメラとは別に、村上春樹の短編小説「かえるくん、東京を救う」(短編集「神の子どもたちはみな踊る」に集録)の“かえるくん”の視点で追うメッテ・ホルムの姿も捉えており、この度解禁となった予告編にも“かえるくん”が登場する。監督のニテーシュ・アンジャーンは、村上春樹の「1Q84」の世界観を例えに、人が誰かを愛し、誰かに愛された瞬間に世界が変わって見えるという。映画では、メッテが村上春樹の翻訳に没頭すると“かえるくん”が現れ、村上春樹との対談が近づいた瞬間に2つの満月が現れることに。本作品で使用されているビジュアル・エフェクトは、デンマークの鬼才ラース・フォン・トリアー『ハウス・ジャック・ビルト』や、ニコラス・ウィンディング・レフン『ネオン・デーモン』のビジュアル・エフェクトを制作した北欧最新のVFXチーム「TGBVFX」が手掛けている。また、本作の公開を記念し、公開劇場である新宿武蔵野館で、村上春樹原作の初めての映画化となった『風の歌を聴け』35mm版(大森一樹監督作品)の一夜限りの特別上映会の開催が決定。当日はメッテ・ホルム本人とスペシャルゲストを招いた上映後イベントも実施される。『ドリーミング村上春樹』は10月19日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年07月23日ポーター(PORTER)と、アーティストの村上隆による初のコラボレーションバッグ「村上隆×ポーター」が数量限定で登場。ポーター 表参道・丸の内・大阪、ポータースタンド 品川駅店・東京駅店では、7月16日(火)21:00まで事前応募を受け付け、抽選販売される。「村上隆×ポーター」は、ポーターの代名詞であるバッグ「タンカー(TANKER)」の発表35周年を記念したコラボレーション。村上隆の代表的なアート“お花”を融合させた、ダイナミックでポップなデザインが特徴だ。「タンカー」と同様にナイロンツイルを採用したリュックサック、2WAYヘルメットバッグ、ウエストバッグの3型を用意し、それぞれに立体的な“お花”のぬいぐるみを装着することができる。また、本体のフラップやポケット部分には、刺繍で“お花”を表現し、ポリエステルタフタで仕立てられた内側と付属の巾着にはプリントが施されている。また、高級感のあるエクセラファスナーもこだわりのポイント。歯の部分を1つ1つ研磨することによって、滑らかな開閉を実現している。【詳細】村上隆×ポーター・リュックサック 120,000円+税・2WAYヘルメットバッグ 110,000円+税・ウエストバッグ 80,000円+税※完全数量限定につき、在庫がなくなり次第終了。予約、取り置きなし。展開店舗:・ポーター 表参道・丸の内・大阪、ポータースタンド 品川駅店・東京駅店/事前抽選販売※入場整理券の抽選販売は、デジタルチケットサービス「PassMarket」より申込。応募締切は、7月16日(火)21:00まで。※入場整理券は購入を約束するものではなく、来店時に希望商品が完売している場合もある。※抽選参加条件に「ドレスコード」あり。当選の場合は「ポーター製品(コラボレーションアイテムを含む)」を持参の上、当該店舗に来店のこと。※1人1店舗のみ、各アイテム1点までの購入制限あり(1人最大3点まで購入可能)。※複数店舗・複数回の申込みをした場合は、抽選対象外。・吉田カバンオフィシャルオンラインストア/2019年7月20日(土) 12:00~発売・Tonari no Zingaro/2019年7月27日(土)~発売【問い合わせ先】ポーター 表参道TEL:03-5464-1766
2019年07月19日ポーター(PORTER)が、ブランドの代名詞である「TANKER」の発表35周年を記念し、日本を代表するアーティスト・村上隆との初となる「村上隆×ポーター」コラボレーションアイテムを発売する。今回のコラボコレクションには、「リュックサック」(12万円)、「2WAYヘルメットバッグ」(11万円)、「ウエストバッグ」(8万円)がラインアップ。村上隆の代表的なアートである“お花“を融合し、それぞれに“お花”のぬいぐるみが装着できる仕様が特徴的。本体のフラップやポケット部分には、非常に細かな刺繍で表現し、さらに内装と付属の巾着にもプリントを施したスペシャルアイテムだ。ファスナーパーツには高級感があり、ムシの1つ1つを研磨して滑らかな開閉が特徴のエクセラファスナーを使用した。「リュックサック」(12万円)販売は、店舗ごとに発売日や販売方法が異なり、PORTER OMOTESANDO・MARUNOUCHI・OSAKA、PORTER STAND 品川駅店・東京駅店は、事前抽選での販売。7月16日の21時が応募締切となっている。申し込みや詳細は、ウェブサイト()にて確認できる。また吉田カバンオフィシャルオンラインストア()では7月20日の12時より、Tonari no Zingaro()では7月27日より発売する。いずれも数量限定につき、在庫がなくなり次第終了となる。©︎2019 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
2019年07月16日