「太陽の塔 1967 ー 2018 ー岡本太郎が問いかけたものー」展を、東京・岡本太郎記念館にて開催。第1期は、2017年10月13日(金)から2月18日(日)まで、第2期は2018年2月21日(水)から5月27日(日)まで。2018年3月、《太陽の塔》が完全な姿で”再生”する。今まで非公開のままになっていた太陽の塔内の耐震補強工事のついに終了し、展示施設に生まれ変わる。抽象的で真っ白な塔から1歩中に足を踏み入れると、そこにはまるで生き物の体内のような異質な空間が広がっている。無数の襞を打つ真っ赤な壁は「脳の襞」。そして中央にそびえ立つ「生命の樹」は、様々な色の枝をつけた樹木のようであり、一方で血管のようでもある。本展は、この太陽の塔の復活を記念し、「太陽の塔とはなにか」を再び今の時代に問いかける。大阪万博に参画した1967年から塔内が再生される2018年まで、半世紀にわたる岡本太郎と太陽の塔の軌跡を紹介。大阪万博テーマ館のミニチュア立体化も公開する。さらに、当時の展示空間を、”3次元”のリアルな再現で追体験できる企画も用意した。【詳細】「太陽の塔 1967 ー 2018 ー岡本太郎が問いかけたものー」展会期:・第1期 2017年10月13日(金)〜2月18日(日)・第2期 2018年2月21日(水)〜5月27日(日)※第2期では展示の一部を入れ替え、太陽の塔再生プロジェクトの一端を紹介。会場:岡本太郎記念館住所:東京都港区南青山6-1-19開館時間:10:00〜18:00 (最終入館17:30まで) 休館日:毎週火曜 ※2018年2月19日(月)は臨時休館入館料:一般 620(520)円、小学生 310(210)円 ※( )内は15人以上の団体料金【問い合わせ先】TEL:03-3406-0801
2017年09月23日くいだおれ太郎フルーツパーラー「たろうず パーラー(TARO‘s PARLOR)」が、大阪・道頓堀に2017年4月27日(木)オープン。「くいだおれ太郎の人形焼き店」の跡地に登場する「たろうず パーラー(TARO‘s PARLOR)」では、お好み焼きやたこ焼きなどの”粉もの”以外にスイーツも大阪名物として広げていきたいという思いから、ミックスジュース、フレッシュスムージーなどカラフルなメニューを用意。目玉となるのは、旬の果物を使用した約28㎝のフルーツ飴「キャンディーツリー」。サイズは大・小2サイズで、どちらもフルーツとマシュマロを組み合わせている。大迫力なビジュアルは、思わず写真を撮りたくなってしまうほどフォトジェニックな仕上がりだ。【ショップ詳細】くいだおれ太郎フルーツパーラー「たろうず パーラー(TARO‘s PARLOR)」オープン日:2017年4月27日(木)住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1丁目7-21営業時間:10:00~22:00<メニュー例>・キャンディーツリー大550円、小350円※大=フルーツ5個+マシュマロ1個、小=フルーツ2個+マシュマロ1個)・オオサカミックス400円・フレッシュスムージー600円・フルーツカップ680円※価格は全て税込価格。
2017年04月24日シンガーソングライターのピコ太郎が6日深夜、自身のツイッターを更新。初の武道館ライブ「ピコ太郎 PPAPPT in 日本武道館」の感想をつづり、ゲスト出演した仲間との打ち上げの写真も公開した。ピコ太郎は「言葉に出来ないピコ。武道館は広くて大きくて…皆様の愛や声援はもっと大きくて…最高のパーティーでしたピコ」と感無量の様子。ゲスト出演した爆笑問題の田中裕二、太田光、くりぃむしちゅーの上田晋也、歌手の五木ひろしらと打ち上げを楽しんでいる写真をアップし、「最高の仲間たちとですぴこ」とつづった。また、ピコ太郎のプロデューサー・古坂大魔王も「打ち上げ…とりあえず一言…俺とピコ太郎は本当にものすごい空間にいる事ができました。皆様のおかげでしかないです」とツイート。「ありがとうございます!!」と感謝の思いを伝えた。予定の1時間半を大幅に上回る2時間半のパフォーマンスで7,000人を魅了した同ライブには、豪華ゲストが多数駆けつけた。くりぃむしちゅーの上田晋也は自身初の前説で沸かせ、相方の有田哲平も高田延彦に扮して開会宣言。爆笑問題は、ネズミ姿の"爆チュー問題"に扮し、時事ネタを交えたトークで笑いの渦に。終盤の「ゲストとPPAP」コーナーでは、歌手の五木ひろし、ももいろクローバーZの派生ユニット・マス寿司三人前らが登場し、自身の楽曲を"PPAP"バージョンとしてパフォーマンスした。
2017年03月07日楽曲「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」で世界的にブレイクしたシンガーソングライター・ピコ太郎が6日、自身初となる武道館ライブ「ピコ太郎 PPAPPT in 日本武道館」を開催。ピコ太郎のプロデューサー・古坂大魔王と昔から仲の良いお笑いコンビ・くりぃむしちゅー、爆笑問題をはじめとする豪華ゲストも駆けつけ、笑いあふれるパフォーマンスで観客7,000人を魅了した。はじめに、くりぃむしちゅーの上田晋也が自身初の前説として登場。観客とゲームを交えて拍手や声援の練習をし、「拍手と大きな声援をお願いします。最後まで大いに盛り上がってください」と呼びかけた。その後、相方の有田哲平も高田延彦に扮して登場し、「『PPAPPT』ここに開催することを宣言します」と開会宣言。「ピコ太郎の中のピコ太郎、出てこいや~!」を名ゼリフで笑いを誘った。そして、大スクリーンにかわいらしいピコ太郎のアニメーションが流れた後、いよいよ本人が登場。「PPAP」で会場の熱気を急上昇させ、「ウェルカム武道館~! お客さん3人くらいかと思っていたんですけど、こんなにたくさん…ありが玉置浩二でございます」と喜んだ。中盤では、「でたらめな歌」の音楽が流れる中、爆笑問題がネズミ姿の"爆チュー問題"としてサプライズ登場。同じくネズミに扮したピコ太郎と爆笑トークを繰り広げた。"たなチュー"(田中裕二)も"おおたぴかり"(太田光)も「すげーな、ピコチュー!」「出世したな、武道館だろ? 紅白も出たんだろ?」と活躍を祝福。ぴかり(太田)は時事ネタ満載のトークで大暴れした。また、ピコ太郎がCMに出演した「高須クリニック」の高須克弥院長とのコラボレーションも披露。終盤の「ゲストとPPAP」コーナーでは、歌手の五木ひろし、ももいろクローバーZの派生ユニット・マス寿司三人前、東京スカパラダイスオーケストラらが登場し、自身の楽曲を"PPAP"バージョンとしてパフォーマンスした。フィナーレでは、ライブを盛り上げたゲストに加え、特等席で観覧していたアンジャッシュの児嶋一哉、AAAの宇野実彩子らピコ太郎とゆかりのある著名人もステージに登壇。お祭り騒ぎの中で、ピコ太郎がこの日10回目となる「PPAP」を披露し、「サンキュー武道館!」と感謝。最後は全員で「ウーン! ペンパイナッポーアッポーペン」と声を合わせ、予定時間の1時間半を大幅に上回る2時間半のライブは終了した。なお、古坂大魔王もスクリーンに登場し、ピコ太郎の新曲を紹介。「マンチャマンチャ・ポ・マンチャはロマンチスト」と「I LOVE YOU - アフリカダンスに乗せて-」の2曲の映像を初お披露目した。
2017年03月06日国際的な評価の高いダンサー大植真太郎を中心としたC/Ompany(シースラッシュ)の新作公演「忘れろ/ボレロ」が11月11日(金)より、DDD青山クロスシアターにて開幕する。ジャンルレスなダンスでシルクド・ソレイユの舞台にも立った辻本雅彦、モナコ公国を本拠地とするJAPON dance projectのメインメンバー柳本雅寛、本年度トヨタ コレオグラフィーアワードにて次代を担う振付家賞とオーディエンス賞のW受賞を果たした平原慎太郎といずれも国内外の第一線で活躍する気鋭のダンサーを集めた今回挑むのは、モーリス・ラヴェルの「ボレロ」。ダンス「忘れろ/ボレロ」チケット情報今作は、2016年3月、日本全国15箇所を駆け巡った、大植真太郎・森山未來・平原慎太郎によるダンス公演「談ス」の第2弾として発表される。コンテンポラリーダンス作品としては異例の大型ツアーとして話題になったその作品は、いつしか既存のダンスとも演劇とも違うジャンルとして、「談ス」という新たなジャンルを作り上げる。誰もが1度は聞いたことのある名曲は、4人の男たちによってどう表現されるのか。リーダーの大植真太郎からコメントが届いた。『最近、ダンス公演を見に行った時に、内容や踊りよりも音楽しか印象に残らない作品が多かったんです。そうなったときに、身体やダンスは意味があるのか?と思い始めてしまった。舞台上でダンスに付随するBGMのように音楽を使うことは、音楽に正面から向き合っているとは言えないと考えてしまったんです。そこで今回は、みんなが知っているボレロの、「1つの到達点があって、そこに到達した途端、また新たな目的が生まれる」というイメージを、ダンサーの身体だけで表現していきたいのです。この終わりのない旋律の終わりはどこなのか?作品が終わる瞬間に、ダンスは終わっているのか?果たして劇場を出るときに作品は終わっているのか?この作品はお客さんとのコミュニケーション型のダンスです』公演は11月11日(金)・12日(土)東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERにて上演。チケットは発売中。
2016年11月01日昔話の主人公たちが共演するauのCM"三太郎"シリーズの最新作「夢のスター」編が、1日から全国で放送される。今回は、桃太郎(松田翔太)、浦島太郎(桐谷健太)、金太郎(濱田岳)が幼少期に「俺、スターになる!」「俺も一緒になる!」「じゃ、ボクも!」と笑い合う回想シーンからスタート。桃太郎と浦島太郎が「なりたかったな…」と懐かしそうにする中、金太郎は「なろうよ!」と立ち上がる。浦島が「もう遅いよ~」とあきらめるが、金太郎はそんな声を遮り、「どんどんもらって、どんどん貯めてさ」「スターになって、どんどんもらってさっ!!」とヒートアップ。桃太郎と浦島は引いてしまい、その後金太郎は「どんどんっ!!どんどんっ!!」と激しさを増していくと、浦島は「カネ太郎になってるよ」とツッコミを入れる。幼少期の撮影は3回目で、子供時代の三太郎はすっかり仲良しになり、元気なあいさつで現場入り。ロケ地である山の山頂で夢を語る子供たちの姿に、スタッフは皆「この子たちはどんな大人になるんだろう?」と想像し、将来のスターになることを願って撮影していたそうだ。
2016年11月01日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。「若いうちから、会社の数字も意識して欲しい」「新人にも、財務諸表を読めるような研修をしたほうがいいのではないか」このような、いかにも正論に思えるコメントが、ビジネスの現場でよく聞こえてきます。しかし、私はここで正反対の主張をしたいと思います。「会社の数字なんて知らなくていい。その代わり、自分の半径1m以内の数字をきちんと使え」どういうことか、ご説明しましょう。■若手に求められるものはあくまで現場の数字!仮に若手に、会社の数字が読めたとします。いわゆるBS(Balance Sheet=貸借対照表)やPL(Profit & Loss statement=損益計算書)も読み解けるとします。しかし、会社の経営をするのはその若手ではありません。どれだけ会社の数字に関心があっても、現場の仕事で成果が出ていなければ、あるいは残業ばかりでは、まったくお話になりません。つまり、その若手に求められるのは現場の数字で仕事をすることであり、上司とも現場の数字で会話ができることなのです。この現場の数字とは何を指すか、具体例を挙げます。■冒頭の「半径1m以内の数字を使え」の意味おそらく、若手のパソコンのなかにはたくさんのデータがあるはず。キャビネットには、たくさんの資料が入っているでしょう。また、スマートフォンを使えば、世の中の動向や競合他社のサービスについて情報収集もできるはず。少しコスト意識を持てば、4枚のプリントアウトを1枚で済ますことも可能です。期待利益が計算できれば、営業の優先順位も簡単につけられますよね。納期の約束は「なるべく早く」ではなく「3日後に必ず」とすることで、事故は防げるでしょう。前述の「半径1m以内の数字をきちんと使え」というのは、つまりそういうことです。たとえば子どものころ、家の家計に関心があったでしょうか?親の収入がいくらか、1ヶ月の支出はいくらか、教育費はどのくらいかかるのか、比較的余裕があるのか苦しいのか……?そんなことを考えて過ごしていたでしょうか?おそらく、そうではなかったはずです(もちろん、YESという方は素晴らしいと思いますが)。少なくとも子どものころの私の関心事は、サッカーと初恋相手とマンガくらい。家のお金なんて、まったくといっていいほど興味がありませんでした。しかし、月に一度もらえるおこづかいは、“自分ごと”になるお金。いかにその金額のなかでうまくやりくりするかを考えるのは必然です。そうすることで、お金の大切さも学べます。■まずは自分の身近にある数字を使いこなすべし・会社の数字=家計・半径1m以内の数字=おこづかいおこづかいを自分ごとにするだけで精一杯の子どもに、家計を気にしなさいといっても、それは少々無理な話。また、そんなことを要求する必要があるのでしょうか?それより、おこづかいだけで得られること、学べることも、たくさんあるはずです。ビジネスパーソン自身も、ビジネスパーソンを教育する立場の方も、どうか優先順位を間違えないでほしいと思います。いきなり会社の数字を学ばせる前に、半径1m以内の数字で仕事を前に進められるようになる(させる)ことが先決なのです。家計を気にする前に、まずはおこづかいを上手にやりくりできるようになりましょう。これは、私がビジネス数学が極めて重要だと伝えている理由でもあります。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年09月11日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。きょうは、上司のタイプによって接し方を変えないといけないという話をしたいと思います。■映画のラストを知っても鑑賞するか突然ですが、想像してみてください。あなたの友人が、ある映画を鑑賞しました。その映画は、1週間後にあなたも鑑賞予定だったものです。ところがこの友人が、うっかりその結末をあなたに喋ってしまいました。さて、あなたは次のうちどちらのタイプでしょうか?(A)自分で見ないと気が済まない。それでも鑑賞する(B)もう結末はわかっているので、鑑賞しないちなみに、私ならBでしょうか。映画やドラマに対しては、結末がどうなるのかがもっとも高い関心事なので。でも、たしかにAタイプの方も実際いますよね……。■上司はAとBどちらのタイプなのかさて、そろそろ本題に入りましょう。このように、「とにかく自分で見ないと気が済まないタイプ」と「結論だけ伝えてくれればいいタイプ」がいるという事実は、ビジネスの現場にも当てはまります。前回もお伝えしたように、上司は部下に対して「数字」での説明を求めるものです。しかし、そこにもまた2つのタイプがいることをご存知でしょうか。(A)とにかく自分でデータを読み解きたいタイプ(B)結論だけわかりやすく数字で伝えて欲しいタイプAは、自分の分析力や数字力に自信のあるタイプなのでしょう。少々悲しいですが、部下の考察や分析内容をあまり信頼していないともいえます。このようなタイプの上司にいくら結論だけを端的に数字で伝えたところで、おそらく納得しないでしょう。■AとBどちらのタイプか見抜く方法「他の数字は見たのか?」「もっといろんな角度から分析したのか?」「◯◯◯分析もやってみたか?」もし、あなたの上司がこんな台詞をよく言うタイプなら、間違いなくAタイプの上司です。この上司は数字に強く、自分で見ないと気が済まないタイプですから、とにかく素材となるデータをたくさん用意して見せてあげるのがベストです。もちろん、あなたなりの考察も言えるようにしておく準備は必要ですが。一方、Bは自分で分析したり数字を読み解いたりすることが苦手、あるいは多忙を極め、とてもそんな時間はない上司でしょう。このようなタイプの上司にいくら素材となるデータをたくさん用意しても、それを見るはずがありません。「こんなの見せられてもわからん」「重要なデータだけ見せてくれ」「要するに結論はなんだ?」もしあなたの上司がこんな台詞をよくいうタイプなら、間違いなくBタイプです。なによりもまず、あなたなりの考察と結論を(わかりやすい数字で)簡潔に伝える必要があります。根拠を求められたり、もっと詳しいデータを見たいといってきたりしたら、そこで初めて細かい数字を見せてあげればよいのです。*つまり、ビジネス数学の観点で見ると、上司は2種類のタイプに分かれます。(A)自分で数字を読みたい上司(B)結論だけ伝えて欲しい上司あなたの上司はどちらのタイプでしょうか? そしてあなたは、それに適したコミュニケーションをとっているでしょうか?(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年08月22日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。リオデジャネイロ五輪での日本人選手の活躍、素晴らしいですね。私も感動とパワーをいただいており、4年後の東京五輪をとても楽しみにしているひとりです。そういえば、東京五輪の開催決定時のプレゼンテーションで話題になったのが、滝川クリステルさんのあの名言、「オモテナシ」でしたよね。日本はオモテナシの国である、そんな素敵なメッセージでした。……ではそろそろ本題に。そんな日本のビジネスパーソンに、はたして「オモテナシ」の心は本当にあるのでしょうか。■オモテナシの国なのにオモテナシ不足というのも、私が研修やセミナーでお会いする方々とお話しすると、どうもこのような悩みやストレスがあるようなのです。「私の上司はいつも数字で説明することを求める。それがすごくイヤ」「客先の担当者が数字アタマで……。データを揃えたりするのが面倒くさい」なるほど、気持ちはよくわかります。でも私は、「オモテナシの国のビジネスパーソンとしては、ちょっと寂しいコメントだな……」と思って聞いています。■上司が部下に数字で説明を求める理由そもそも、なぜ上司は「数字」を求めるのでしょう。上司は現場の細かい仕事まで常に把握しているわけではありませんし、そもそもそんなことは無理です。また、その上司はさらに上の人間(つまり上司の上司)に現場の状況を正確に伝える必要があります。だから、そのまま正確に状況を説明できる「数字」を部下に要求するのです。その客先の担当者は、自分が数字アタマだからデータでの説明を要求しているのでしょうか?私はおそらく違うと思います。その担当者も、社内で上司に決裁をもらう必要があるはず。つまり、誰かに説明し、納得させなければならない立場です。にもかかわらず、営業担当者が「モノはいいんです!」「必ずご満足いただけます!」だけでは、ハッキリいってお話になりません。いずれのケースも相手にそのようなインサイトがあることを認識できれば、数字で説明してほしいというリクエストは「面倒くさい要求」や「ワガママな要求」ではありません。大切な相手への「オモテナシ」のチャンスである、ということが理解いただけるのではないでしょうか。■手みやげより「オモテナシ」が大切!例えば、上司の誕生日にひとことお祝いの言葉をかけたり、客先に手みやげを持っていったりすることも、ちょっとした「オモテナシ」でしょう。誤解いただきたくないのですが、決して上司や客先の担当者に媚びなさいと申し上げているのではありません。しかし、このような気遣いがビジネスを円滑に動かすスパイスになることは、容易に想像できるはずです。にもかかわらず、なぜ日本のビジネスパーソンは数字を使った「オモテナシ」はしないのでしょうか。お祝いの言葉や手みやげより、はるかに必要な「オモテナシ」だと私は思います。……少し話が逸れますが、先日ある中華料理屋に入ったときのことです。私の服装が正装に近いものだったせいでしょうか。さりげなく店員さんが「紙エプロンご用意しましょうか?」と声をかけてくださいました。おかげで、私のスーツと白いシャツは汚れることなく無事でした。言葉にしていない相手がしてほしいことをキャッチし、それをさりげなくして差し上げる。「オモテナシ」とは、そういうものですよね。*いま、「オモテナシ」がただの言葉遊びにならないよう、ビジネスで数字を使うことの意義をあらためて考えてみませんか?(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年08月17日大植真太郎、森山未來、平原慎太郎の『談ス』全国縦断公演から6か月。今秋、大植を中心とするC/Ompany(シースラッシュ)が、ラヴェルの名曲「ボレロ」を題材に、三部構成の新作『忘れろ/ボレロ』を上演する。出演者は大植のほか、柳本雅寛、辻本知彦、そして『談ス』に続いての平原と、個性も実力も確かな顔ぶれだ。【チケット情報はこちら】「『ボレロ』というと、ダンスならモーリス・ベジャール版が有名ですし、音楽もあちこちでかかっているので、観客それぞれが『あの時のあの人』『あの風景』といった記憶を持っていると思うんです。そうした既存のイメージを一度“忘れ”させる作品にしたくて、このタイトルにしました」と、大植は語る。実は、今回の三部作のうち、第一部は、既に2014年、大植とスウェーデンのダンサーによって『BO.LE.RO』の名で初演され、コペンハーゲン国際振付コンクールで3位に輝いている。当時から、大植の中には三部作の構想があったという。では、どんな内容になるのか?「第一部は、音楽を一切かけず、身体だけで『ボレロ』を表現します。最初は音楽をかけるつもりで創っていたのですが、音楽に敬意を抱くからこそ、BGMのように流してしまっては、真に向き合うことにならないような気がして。逆に、第二部では音楽を流す一方、舞台上ではほぼ踊らず、『ボレロ』という曲の魅力や、架空の演奏者達の物語を語っていきます。この曲では楽器がどんどん増えていきますが、最後に登場するシンバル奏者をお父さんにもつ家族のお話を描きたい。つまり、音楽と言葉という、耳から入るものを通して、見えないはずのものを構築するのが狙いです。そして第三部は、音楽とダンス。ただし全曲は使わず、出だしのスネアドラムのみを繰り返します。音楽には失礼かもしれないけれど、録音をそのまま流すと、テーブルにぼんと置かれた大きなケーキのようになってしまうので、ダンサーである僕たちの間やライブ性を出すために、音楽にも一歩譲ってもらって。僕にとっては声も身体なので、歌うかもしれないし、音楽に頼ろうとする自分達を表現することもできそうです」『ボレロ』というと、全ての要素がフィナーレに向かって高揚していくイメージだが、大植が目指すのはもっと多様性に富む世界だ。「ベジャール版では、中央で踊るリズムと周囲のメロディーってまるで精子と卵子のようで、行き着く先は一つ。でも、人生はそうはいかないですよね。ひとつの頂点ではなく、どんどん目的地が増えていく世界を、僕は表現したい。心理学で言うならフロイトよりもユング派なんです。音楽は終わっても、終われなかった人がいたり終わりたくない人がいたり……。何が終わりなのか、“忘れた”果てにどんなことが起きるのか、生きるとは何か、そういうことまで、最終的には問いかけたいです」名曲を端緒にした、スリリングな問いかけが始まろうとしている。公演は11月11日(金)・12日(土)東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERにて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋彩子
2016年08月16日おとぎ話「浦島太郎」をミュージカル化した舞台「TARO URASHIMA」の囲み取材が8月10日(水)に行われ、出演する木村了、上原多香子らが出席した。浦島太郎役となった木村さんは、自身の子どもに「何度説明しても『お椀で鬼ヶ島に行くんでしょう』と言われて(笑)。『桃太郎』と『一寸法師』で、どこにも『浦島太郎』がいないんですけど」と、浦島太郎の存在の薄さをぼやいていた。「TARO URASHIMA」は日本で愛されているおとぎ話「浦島太郎」を、池田鉄洋による新解釈を加えリメイクした作品。なぜ竜宮城へたどり着けたのか、たまて箱とは何だったのか、浦島太郎はどうなったのかなどの謎まで解明する可能性を秘め、コミカルかつシュールな世界観で魅了する。1か月間みっちり稽古をしたというキャスト陣は、終始和やかなムードで取材に対応。木村さんは、「まとまりに欠けますけど、でもすごい楽しいんです」と仲の良さをアピールした。主演という立場ではあるが、「皆さん本当にやさしくて気づかってくれて、そんなに僕自身が頑張ってまとめようと思っていなかったです」と、柔和な表情で答えた。さらに、自分の子どもが浦島太郎を認識していないと話していた木村さんだったが、「でも、ちょっとだけ興味を持っています。この間某CMの歌を熱唱していました。教えているわけじゃないんですけどね(笑)」と、打倒“浦ちゃん”の存在をにおわせる。折しも現在、オリンピック真っ只中。日本勢のメダルラッシュが日々報道をにぎわせている。木村さんは、「応援してた同じ年の内村航平選手が金をとられて、本当にそれだけでテンションが上がって、舞台を頑張ろうと思いました」とパワーをもらったと発言。ヒロイン・乙姫役の上原さんも、「稽古中だったので、なかなか生で見ることはできていないですが、ニュースで日本選手がメダルをとっていると聞くとうれしいし、励みになります」と、熱く答えていた。ほか、囲み取材には斉藤暁、崎本大海、和泉元彌、とよた真帆が出席した。舞台「TARO URASHIMA」は8月11日(木・祝)から15日(月)まで東京・明治座にて上演。(cinamacafe.net)
2016年08月10日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。今回は「数学」と「伝える」という2つのキーワードを使って、ビジネスコミュニケーション力を高めるヒントをお話ししたいと思います。■池上彰さんの話がわかりやすい理由みなさんは、身近に「わかりやすい話」をする人はいませんか。上司、先輩、お客様、ご友人などなど。おそらく、「この人の説明はいつもわかりやすいなぁ」と思える人が、1人や2人はいることでしょう。テレビに出ている方であれば、池上彰さんや東進ハイスクール講師の林修さんなどはその筆頭かもしれませんね。さて、彼らの話はいったいなぜわかりやすいのでしょうか?ゆっくり話しているから?しかし、それだけはないと思います。アナウンサーのように滑らかに話しているから?正直、そこは本質ではないと思います。私の答えはこうです。「数学的に話しているから」■数学はただ計算をする学問ではない本来、数学とはいっさいの矛盾と無駄な論述を排除して構築していく学問です。もう少し噛み砕いてわかりやすくお伝えするなら、「数学の教科書に無駄な1文はひとつもない」ということになるでしょうか。実際、かつて学んだ数学の教科書に「ところで余談ですが……」とか「少し話が脱線しますが……」などという論述は、まずないはずです。数学の先生で、結論を伝える前に話がいろんな方向に脱線してしまう方がいたとしたら、失礼ながらその方はニセモノです。申し上げたいのは、数学とは単に計算をする学問ではないということ。一切の矛盾がなく、論理的かつ最短距離で結論を説明できる論法を身につける学問なのです。■数学ができるとわかりやすく話せるですから、数学を正しく勉強した方は、話し方がとにかくわかりやすい。先ほどご紹介した東進ハイスクールの林修さんは現代文の講師ですが、数学も大好きだったそうです。実は数学の講師になりたいと思っていたというのは有名な話であり、公式な場でも数学の重要性について発言されています。私から見れば、林修さんは極めて数学的な人物といえます。つまり、現代文が得意な方はおそらく数学も得意になれるのです。逆に、数学が得意な方なら、おそらく現代文も理解できるはずです。■文章も数学的に書くとわかりやすいその証拠に、手前味噌ですが私の文章は読者の方からいつも「読みやすい」とお褒めの言葉をいただきます。ビジネス数学の専門家であり、かつてはコテコテの理系だった私が、文章を褒められる。別に誰かに文章の書き方を学んだわけでもない私が、文章を褒められる。なんだか不思議な気がします。でも、その理由は私が考える限り、たったひとつしかありません。「数学的に文章を書いているから」つまり数学的とは、わかりやすさなのです。*もし誰かに「話がわかりにくい」とか「なにがいいたいのかわからない」といわれて悩んでいるのなら、かつての算数や数学の教科書を読んでみることをオススメします。問題を解いたり、学びなおしたりする必要はありません。とにかく読んでみる。すると、数学の論じ方が少しずつつかめてきます。それを実際のビジネスコミュニケーションのなかで使えば、話は必ずわかりやすくなります。数学そのものがわかる必要はないにしても、「わかりやすい伝え方」はできるようになりたいですね。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年08月07日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。研修やセミナーなどでお会いする方の悩みのひとつに、「仕事で必要な数字が頭に入らない」というものがあります。なるほど。たしかにビジネスにおいて、数字は切っても切り離せないもの。知識として持っておかないといけない数字もあるでしょう。しかし、そうはいっても人間です。必要な数字がすべて完璧に頭に入っているなんてことはあり得ません。そこで、私からの解決策のご提案です。数字は「覚える」のではなく、「つくる」のです。誰しも、興味のないものやイメージしにくいものを覚えるのは難しいものです。つまり、「覚えなきゃいけない」という発想自体を変えるということです。■売上はサッと出てこないとダメな数字たとえば靴でおなじみ「ABCマート」をテーマにしてみましょう。唐突ですが、ABCマートの年間売上高をご存知でしょうか?靴業界に興味がある方ならすぐに答えられるかもしれませんが、おそらくご存知ないでしょう。ところが、もしもあなたがなんらかの形で靴という商品に携わるビジネスパーソンだったとしたら、これはサッと口から出てこないといけない数字だということになります。もし認識していないのであれば、その数字をウェブで調べてつかむこともひとつの方法です。でも、そこで数字を知ることは、単なる暗記と同じです。時間が経つと忘れてしまう可能性があるのです。そうではなく、自分の頭でざっくりつくれるようにしておきませんか? たとえばこのように。■ABCマートの年間売上高はいくら?まず、国内の靴の市場規模はどのくらいだろうかと考えましょう。人口1.3億人のほとんどが靴を使っていますから、ざっくり平均で単価1万円として考えれば、1.3(億人)×1(万円)=1.3(兆円)となります。そのうち、ABCマートのシェアはどのくらいでしょう?国内には老舗の靴屋もありますし、大小すべて含めて考えれば、だいたい10%程度のシェアでしょうか?1.3(兆円)×0.1=1,300(億円)でも、たしかABCマートは海外展開もしていたはず。それも考慮すると、ざっくり2,000(億円)程度でしょうか。結論として、およそ2,000(億円)程度と推測できるわけです。■必要な数字は覚えないで「つくろう」実際、ABCマートの公開情報によれば、2016年2月期の数字は2,381億円を超える規模とのこと。中学生でも理解できそうな短時間の概算での割には、筋のいい推論だったようです。このように、ビジネスで必要な数字は「覚える」のではなく、「つくる」ようにしましょう。一方で、「考えるのが面倒くさいから覚えた方がラク」というご意見もあるでしょう(苦笑)。では、あなたの会社が属する市場の規模、顧客人口、平均単価、売上高、営業利益率、経常利益率、人件費、在庫回転率、これらの数字をすべて「覚える」ことができるでしょうか?いいえ、おそらく無理でしょう。しかも、これらの数字のなかにはおそらくGoogleで検索してもわからないものもあるはず。Googleに頼るのは、やはり間違っているのです。だからこそ、「覚える」のではなく、自分で「つくる」ことでその数字をつかめるようになっておくことが大切なのです。使うべきはGoogleではなく、自分のアタマであることをお忘れなく。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年08月03日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。さて、突然ですが「数字が読める人」とは、いったいどんな人のことを指すのでしょうか?決算書が読める人?データ分析が得意な人?それとも、日経新聞を読んでいる人でしょうか?数字に強いビジネスパーソンを育成する立場から、この問いに答えてみたいと思います。ズバリ、数字が読める人とは、数字から行動を導ける人です。これについて、簡単な例で考えてみましょう。■平均身長170cmはどう読むか仮にあなたが、アパレルブランドをプロデュースする立場にあるとしましょう。そして、日本人の平均身長が170cmだとします。数字が読める人とは、この170という数字を文字どおり読むだけでは終わりません。この数字から、日本人の身長データは正規分布に従っていると仮説を立て、170cmあたりのサイズを多めに生産するべきだと考える人でしょう。ちなみに正規分布とは、確率論や統計学で用いられる代表的なデータ分布のことを指します。平均値の付近に集積するようなデータの分布を表した連続的な変数に関する確率分布です。■数字を読むときに考えるべきこと—————————————–平均身長170cm↓(つまり)日本人は170cm前後の身長が多いと思われる↓(なぜなら)日本人の身長データは正規分布に従っていると思われるから↓(したがって)170cm前後のサイズを多めに生産するべき—————————————–このように、数字を読むときのコツは、その数字を見たときに「つまり」「なぜなら」「したがって」を自問自答しながら考えること。そして、「◯◯◯しましょう」「◯◯◯するべき」といった“すべき行動”を導くことなのです。■3つの接続詞を自分に問いかける「先月の予算達成率は95%」という数字を見れば、予算未達だったことは誰にでもわかります。でも、それだけでは数字を読んだことにはならないのです。ビジネスにおいては、「で、どうすればいいの?」の答えがないといけませんよね。—————————————–「先月の予算達成率は95%」↓(つまり)5%ショート。これは、期待していた新製品の動きが鈍かったことが大きい要因である↓(なぜなら)他の製品は過去のデータを調べてみても、好調を維持しているから↓(したがって)早急に新製品の販売強化をするべきだ—————————————–この3つの接続詞を自分に問いかけることで、自然に数値分析をする思考回路になり、結論となる“すべき行動”も最短距離で導けます。しかも、それを上司やお客様など第三者に説明するときにこのまま使うことが可能。論理的でわかりやすい説明になっているはずです。数字が読める人とは、数字から行動を導ける人なのです。*どうかこの1行を頭の片隅に置いて、明日から会議資料やパソコンのなかにあるデータを眺めてみてください。「数字が苦手」と「論理思考が苦手」を一度に克服できる、一石二鳥の仕事術ですよ。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年07月29日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。私は多くの企業やビジネススクールなどで研修を行いますが、「数字が苦手なんです……」とおっしゃるビジネスパーソンが本当に多い。たしかに、「私は数字が大好きです」なんて人が少数派であることは事実でしょう。でも、それ以外の方は本当に「数字が苦手」なのでしょうか?この問いに対する私の答えは、「NO」です。いったいなぜなのか、ご説明しましょう。たとえば次の図をご覧ください。■2つのゲームが示すものここに描かれている数字を使って、2つのゲームを考えてみました。<ゲームA>「描かれている数字をすべて掛け算しなさい」<ゲームB>「描かれている数字をすべて掛け算しなさい。もっとも早く正解を出せた人には賞金100万円が進呈されます」もし、<ゲームA>をやれといわれたら、みなさんはどんな感情になるでしょうか。「なんでそんなことしなきゃならないの?」「あ~、計算って面倒くさい」恐らく、そんなところでしょう。ここに並んでいる数字の存在は、ストレス以外のなにものでもないかもしれません。では、<ゲームB>ではどうでしょう?現実離れした内容のゲームですが、もしも当事者なら夢中になって正解を追いかけるはずです。そして、そのときは決して「数字が苦手だからストレスを感じる」などとは思わないはずです。■数字が苦手な人はいないつまり、人間は「数字」そのものが不快なのではないのです。単に、意味づけされていない状態で数字を使うことを強要されるのが不快なだけ。おそらく多くの方にとってそれが、かつての算数や数学の授業だったのでしょう。「数字が苦手」な人など、本当はひとりもいません。数字という言語にきちんと意味づけさえできれば、数字を読んだり、口に出したり、サクッと計算することも不快ではなくなります。たとえば「営業利益率」という数字は、儲け方が上手か否かを測る数字ですね。そう意味づけをしてこの数字を読めば、自分のビジネスと世界中の企業とを比較することができます。またビジネスがうまく“まわっているか”を測る数字という意味づけをすれば、「在庫の回転率」という数字についても、前月や前年との比較がおもしろくなるかもしれません。*「数字の並んだ表を見ただけでクラクラする……」なんて人は、ちょっと考え方を変えてみてはいかがでしょうか。「意味づけをしっかりしてから、数字を使ってみよう」と。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年07月18日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。カッコいいけど冷たい人と、ダサいけど思いやりのある人。さて、最後に幸せになるのはどちらでしょう?今回は、そんなお話をしようと思います。■オシャレじゃないけど優秀なPOPの使い方先日、某アウトレットモールにあるアパレルショップに入ったときのことです。店内に、数字がビッシリ書かれたPOPが置かれていました。このPOP、よく見てみるとそのブランドの商品すべての定価に対して、「10%OFF」「20%OFF」などと割引率に対応させた実際の売価が細かく記載されているのです。パッと見は、たしかにやりすぎ感があります。アパレルショップなのに、オシャレ感はゼロ(笑)でも、私はこのPOPはとても「いい数字の使い方をしている」と評価します。研修やセミナーで、お手本としてご紹介したいくらいです。ここまで評価するのは、いったいなぜだと思われますか?もし、通常のビジネスシーン(たとえば会議資料、たとえばプレゼンテーション)でこのように数字の羅列を見せるようなことをしたら、さすがにそれはNG行為だと思います。とてもじゃありませんが、そんな数字をじっくり読みたいとは誰も思わないからです。なにがいいたいのか、ノイズカットしたうえで簡潔に資料にまとめるべきでしょう。では、このアパレルショップの場合はどうか?■お客様は割引後の価格を知りたがっている!アウトレットモールに来場されるお客様は、プライスにきわめて敏感です。そんなお客様がいちばん知りたいことは、いったいなんでしょう?そうです、「割引された後の価格がいくらか」です。少なくともこのお店は、お客様は「何%OFF」かどうかより「何円」になるかのほうが知りたい情報であることを理解しています。自分たちがカッコつけるのではなく、たとえダサくてもお客様のことを考えている証です。また、ビジネス数学の専門家の立場からつけ加えると、「○○%OFF」の計算がその場でサッとできる方はとても少ない。たとえば定価5,900円の30%OFFを計算するとき、ちょっとストレスですよね。特に、桁の繰り上がりとかあるとアタマの中で計算するのはちょっとシンドイかも……?————————————————————一般的な人の計算・・・5,900×0.7=4,130円深沢の計算(ご参考)・・・(6,000−100)×0.7=4,200−70=4,130円————————————————————そろそろまとめます。カッコいいけど冷たい人と、ダサいけど思いやりのある人。このお店は、どうやら後者だったようです。伝える相手や状況が違えば、数字を使った伝え方もまったく違う。会議室では不正解だけど、現場では正解な数字の魅せ方もあるのです。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年07月12日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。みなさんは、「決める」ことができていますか。たとえば、重要な取引先をどの企業にするかを「決める」、面接した人物のなかから誰を採用するか「決める」、新規事業にチャレンジするかを「決める」……など。ビジネスは「決める」の連続です。どんなに考えるセンスがあっても、どんなにコミュニケーションが上手でも、「決める」をしないことには仕事は前に進まないし、成果も出ません。しかし、どうもこの「決める」が苦手なビジネスパーソンが多いように感じています。■「どちらにすべきか」という悩みたとえば、こんな事例があります。ある企業の社員研修の後、参加者のひとり(仮に山田さんとしましょう)からこんな相談をされたことがあります。その内容は「重要な案件を任せるパートナー企業を2社のどちらにするかで悩んでいるんです」というものでした。なるほど、よくある悩みですよね。深沢「では、決めるにあたりなにを基準にしましょうか」山田「まぁ……、実績ですかね」深沢「では実績のあるほうを選べばよいのでは?」山田「いや、でもそんな簡単な話では……。他の要素もふまえて総合的に判断しないと」深沢「……そうですか。では他の要素とはなんですか?」山田「見積額とか……」深沢「……では、仮に判断基準が実績と見積額のふたつだとしましょうか。まず実績はどちらの企業があるのでしょう。そして、見積額はどちらが安いのでしょう」山田「どちらも同じくらいなんですよね…。見積額もほぼ同額なんですよ」深沢「でしたら、その実績という概念を無理矢理にでも数値化してください。全体を10としたら、その2社の比率は何対何ですか?5:5はダメです。絶対に差をつけてください」山田「え?そんなこと言われましても……。無理矢理にでも差をつけるなら、6:4でA社でしょうかね……」深沢「では、A社でよいではありませんか」山田「いや、でも……。そんな決め方でいいのでしょうか…?」■2択は無理矢理にでも差をつけるさて、みなさんはこの会話を読んでなにを感じたでしょうか。失礼ながら、この山田さんは典型的な「決められない人」でした。なぜなら、「そもそも本気で決めようと思っていないから」。複数のなかからひとつに決めるという行為の本質は、無理矢理にでも差をつけることです。上記のように、いつまでも「どれも同じくらい」なんて言っていては、何年経っても決めることはできないでしょう。■「決める勇気」をもつことが大切今回のケースは、見積額(数字)がほぼ同額なのであれば、実績という概念を数値化するしかありません。どう考えても、その大小で判断するのが筋でしょう。ではなぜこのような単純な論理で決めることができないか。なぜシンプルに考えればよい局面でもあえて複雑に考えようとするのか。それは、その人に「決める勇気がないから」です。私も経験があるのでよくわかるのですが、人は誰でも失敗したくないと思っています。しかし、「決める」をしてしまうとその失敗という体験をすることになるかもしれません。失敗という恐怖が、人を「決める」という行為から逃げさせるのでしょう。もちろんその気持ちはよくわかります。でも、決める勇気がない人はいつまで経っても仕事で成果は出せないし、仕事もおもしろくならないのではないでしょうか。■本当に決めようと思っているのか先ほどご紹介した「無理矢理にでも数値化してください」という私の投げかけは、実はこういうことを尋ねていることと同義なのです。「そもそも、本当に決めようと思っていますか?」決める気がある人は、シンプルに考えるし、数値化する勇気もある。だから、決められます。そもそも決める気がない人は、あえて複雑に考えようとし、数値化する勇気もない。だから、決められない。そういうことです。お仕事をしていて、「決める」ことができず悩んでいる方は、ぜひ自問自答してみてください。「私はその選択肢を数値化する勇気があるか」と。仕事は成果が出るからこそ、楽しいはず。数値化する勇気(=決める勇気)、持ちたいですね。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年07月07日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。この『Suzie(スージー)』は文字どおり、数字に関する情報を提供するサイトです。しかし実際のところ、「数字の大切さ」を正しく伝えることは困難でもあります。そこで、ビジネス数学の専門家として、今回はこのテーマを真正面から論じることにします。「不倫」「ダイエット」「お金」といったネタを楽しみにしている方にとっては、おもしろいものではないかもしれません。しかし、もしなんらかのお仕事をしている方であるならば、ぜひご一読くださいませ。■なぜ数字が大切なのか言える?私は初対面の方と名刺交換をすると、よくこんなことを相手から言われます。「深沢さん、数字に強くさせる専門家ですか?いや~、数字!大事ですよね~!」そこで、私はこのような質問をしてみるのです。「そうですね。ところで、なぜ数字って大事だと思うのですか?」すると、ほとんどの方が絶句します。その表情には「なぜ……?なぜと言われても……。ビジネスで数字は大切だよな。なぜといわれても……」という心の声が表現されています。「ビジネスにおいて、数字は極めて大事だ」「デキるビジネスパーソンは数字に強い」「やっぱり数字だよね」多くのビジネスパーソンが、このような台詞を考えもせずに“雰囲気”で語っています。しかし、不思議と「なぜ?」に明確に答えられる人がとても少ない。「なぜ?」に答えられないということは、厳しいいい方をすれば本当はそう思っていないか、本質を理解できていないのです。■スリッパはなんのためにある?では、私からその答えを申し上げます。「数字は、人の行動を決めるから」これが私の答えです。もちろん、説明が必要でしょう。少し唐突ではありますが、その説明に「スリッパ」を使います。屋内で履く、あのスリッパです。もし私がスリッパを渡されたとします。もしそのスリッパがちゃんと左右ともに重ねてあれば、私は無条件で「履くもの」と認識し、なんの疑いもなく履こうとするでしょう。しかし、もしそのスリッパが片方しかなかったとしたら、私は「履くもの」とは認識せず、誰かのアタマをパコーンと叩きたくなるかもしれません(笑)。そのような衝動にかられるのは、果たして私だけでしょうか……。■人は数量で行動を決める生き物私はこの話を通じて、こういうことが申し上げたいのです。「何事も最適な数量というものがあり、その数量を間違えると人の行動は変わる」「人は感情だけではなく、数量で行動を決めることも多々ある」私たちは間違った行動をしたくないし、してはいけません。これがビジネスならなおさらです。だから私たちは数量というものに敏感にならなければなりません。だから私たちにとって、数字は大事なのです。ランチの予算を1,000円と決めれば、オシャレなイタリア料理店の前では立ち止まるかもしれません。しかし、その予算が500円だったら、その店は間違いなく素通りするでしょう。人は、数量で行動を決めるのです。*文系とか理系とか、数字が好きとか嫌いとか、そんなことをいっている場合ではありません。そんな次元で考えてはいけないほど、私たちにとって数字というものは大事なものなのです。どうかその重要性を正しく理解したうえで、これからも数字とつきあっていってほしいと思います。そして、これまでは私の記事に興味が湧かなかった方も、この『Suzie(スージー)』を通じてこれから私の発信する情報にぜひ注目していただけたらうれしく思います。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年07月05日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。この記事を読まれている方のなかには、講師やライターなど、“なにかを伝えること”を仕事にしている方もいらっしゃることでしょう。そんな方々とお話していると、ある共通の悩みがあることがわかります。それは、「話す(書く)ネタがなくて困っている」というもの。なにを喋ったらよいかわからない。なにを書いていいかわからない。私もそのような仕事をしているので、気持ちはよくわかります。しかし、私はこれまでネタに困ったことはほとんどありません。実際、よく周囲の人にも「深沢さんはなぜそんなに本を書き続けられるのですか?」「よくそんなにコラムのネタがありますね?」という言葉も頂戴します。そこで、そんな私がどうやってネタをつくっているのかをご紹介したいと思います。ビジネス数学の専門家ですから、たとえばここでは「方程式」を例に説明してみたいと思います。■1つのテーマにネタを最低3つつくるなぜ「方程式」を勉強するのか?これがテーマだとします。多くの方が、1つテーマを決めたら、それについて話すことや書くことは1つだと思ってしまうようです。しかし、私はそう考えません。私は1つのテーマを設定したら、最低3つはネタをつくるようにしています。いったいどのようにつくっているのか?その答えはとても簡単。着地を変えるのです。どういうことか、ご説明しましょう。■1テーマにつき3つの着地点を考えるたとえば、このテーマをいろんな角度や切り口で眺めてみるのです。次の方程式を解きなさい「X+5=10」仮にこんな問題があったとします。中学校で学ぶ数学、懐かしいですね。もちろん正解はX=5となります。しかし、実はこの「方程式」にはいろんな側面があります。たとえば筋道を立てて結論を導く行為、ミスなく正確に作業する行為、いつか理系ビジネスパーソンとして活躍するための基礎固め……。(1)筋道を立てて論述し、結論を導く論理思考のトレーニング(2)正確に作業をするトレーニング(3)ビジネスの問題解決に使われている思考法のトレーニング要するにテーマは「方程式」であっても、その定義や意味づけはいかようにもできるということ。つまり、伝える内容の着地のさせ方も複数あるのです。私が普段ネタを増やすときに、1テーマにつき複数の着地点を考えています。具体的には、1テーマにつき3つの着地を考えます。「1×3=3」というわけです。どんなテーマでも、ひとつネタを考えたら、次はまた別の視点を考えてみたり、違う切り口で取り上げてみたりすれば、ネタがどんどん増えていくものなのです。*このようにしてネタを増やすことで、伝えられる側も「なるほど。前に聞いた方程式の話は、そういう解釈もできるのか。おもしろいな」と感じることができます。実際、物事には表があれば裏があります。いろんな角度から見ることで、新たな発見や気づきが得られるもの。そして、人はそのような話を「おもしろい」と感じるのです。テーマは同じでも、着地を変えれば違うネタになる。言い換えると、かけあわせるものが大きく変われば、同じテーマでも全く違う内容になる、ということ。「ネタ欠乏症」になりがちな方は、ぜひ試してみてください。かけ算とは、こうやって使うものなのです。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年06月27日こんにちは、深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。私の周囲に「かつて算数や数学で苦労したし、いまも数字が苦手。だから、子どもにはそういう苦労はさせたくないんですよね……」とおっしゃるパパやママが、たくさんいます。そんな悩みを持つご両親に、ぜひ実践していただきたいことがあります。それは、塾や学校に頼るのではなく、ご家庭のなかで数字を使って会話をすること。私はこれを、「親子で『数会話』」という言葉で表現し、推奨しています。■親子で「数会話」をしよう!数字を使って会話をしなさいといわれても、おそらくピンとこないでしょう。でも、たとえばこういう会話を子どもと日常的にしてみればいいのです。少し長くなりますが、おつきあいください。ママ「今日の算数はどんなお勉強をしたの?」子ども「たしざん」ママ「じゃあママからも問題を出すよ。□+△=10になるような、□と△をぜんぶいってみて」子ども「えっと~……(□、△)=(1、9)(2、8)(3、7)(4、6)(5、5)(6、4)(7、3)(8、2)(9、1)、これでぜんぶ」ママ「あら、なにか大事な数を忘れていないかしら?」子ども「……あ!(□、△)=(0、10)(10、0)」ママ「ピンポ〜ン!すごいじゃない!ぜんぶで11個もペアがあるのね。じゃあ、□をパパ、△をママとしたら、このなかでどのペアがパパとママになる?」子ども「え?わかんないよ」ママ「いいから考えてごらん。理由はなんでもいいから」子ども「……(□、△)=(1、9)かな」ママ「へえ、なんで?」子ども「パパとはほとんど話さないけど、ママとはよく話すから」ママ「なるほど(笑)。きっとパパはもう少しあなたとお話したいと思っているわよ」子ども「……じゃあもっとお話してみる」ママ「じゃあ、□と△がいくつくらいになるようにしようか?」子ども「(□、△)=(5、5)」ママ「いいじゃない。きっとパパもうれしいと思うよ」■「数会話」の2つのポイントこれは、あくまでも一例。要するになんでもアリです。ただ、2つほどポイントがあります。(1)とにかく数字で表現させる(2)どのくらいかをたずねる上記の数会話では、(1)は「じゃあ、□をパパ、△をママとしたら、このなかでどのペアがパパとママになる?」ですが、「パパとママはどの数字?」でもOK。パパママ以外でも、身近なものを数字で表現させてみましょう。また、(2)は上記で「じゃあ、□と△がいくつくらいになるようにしようか?」となっていますが、「じゃあ、□と△はいくつくらいが目標?」と聞くのもいいです。他には、「アンパンマンはどれくらい好き?」なんて質問もアリでしょう。■数字を身近な言葉と思うべしご存知のように、優秀なビジネスパーソンは例外なく、定量化して数字で議論することが得意です。今回ご紹介した親子の数会話は、まさにそんな大人に育てるための入り口になるのです。子どもに「数字」で苦労させないためには、まず幼い時期に苦手意識を持たせないことが重要になります。もしそこで「数字=キライ」になってしまうと、後から克服するのはかなり大変なことです。実際、私も大学で若者に数字の教育をしていいますが、強烈な苦手意識を持つ学生がいます。そんな学生への指導は、プロの私でも骨が折れます。そうさせないためにも、幼いころから「数字=普段の会話の中によく登場する身近な言葉」であると認識させ、親子の会話に「数」を持ち込むようにしてみてください。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年06月19日「学生時代に数学が好きだった」と胸を張っていえる人は、どのくらいいるでしょう?OECDが15歳(日本では高校1年生)を対象に実施した学習到達度調査によると、調査対象となった34か国のうち、日本の学生の科学的リテラシーは1位、数学的リテラシーは2位という堂々たる結果でした。しかし、IEA国際数学・理科教育動向調査によると、「数学の勉強は楽しい」と答えた日本の中学生は全体の48%。国際平均の71%を大きく下回っています。テストでは高得点だけれど、勉強は好きではない――そんな人が多いということなのかもしれません。■1日1分で数学的センスは身につく「だからこそ、社会に出てからもう一度、数学を学んだ方がいいと思うんです。それは学生時代の試験勉強とは違う、ビジネスに生かせる数学的センスを養うためです」そう話すのは『Suzie』でもおなじみの、ビジネス数学を提唱する教育コンサルタントの深沢真太郎さん。企業研修やセミナーで「数学的な思考がいかにビジネスに役立つか」を説く一方で、たった3年ほどで数学的な思考にまつわる本を多数出版されています。6月6日に発売された『10戦9勝の数字の使い方』(小学館)は、12冊目の著作。「でも多くの人が、『えっ、社会人になってもまた数学を勉強しなおさなくちゃいけないの?』って誤解をするんですよね。数学的センスを身につけるには、日々のわずかな時間、たとえば1日1分でいいんです。ちょっとしたスキマの時間に数学的なことを毎日続けて、少しずつ時間をかけて数学脳になっていくのがいちばん簡単です」(深沢さん)公式や定理を覚えなおしたり、難しい問題をたくさん解いたりするのは大変ですが、1日1分程度でいいなら、なんとかなりそうな気がします。■数字も漢字もひらがなも全部同じ!でも、「数学的なこと」って?いったい、なにをしたらいいのでしょう?「企業研修やセミナーの最初に、受講者にいつも数字の言葉遊びをしてもらいます。たとえば、『数字を使って自己紹介をしてください』『あなたが恋人のことをどれくらい好きなのか、数字で表してみてください』というふうにね。そうすると『私の身長は160センチです』とか『私は彼のことを90%愛しています。ここからもっと増えていく可能性があります』なんていうふうに話してくれるんです」(深沢さん)なるほど。そう考えてみれば、数字は「数学で使用する特別な記号」ではなくなりますね。「数字って、なにかを表現する“言葉”にすぎないんですよ、なにも難しくないでしょう?『数学が苦手だな』という感覚を克服する第一歩は、数字も漢字もひらがなも全部同じ、いずれもなにかを表現する言葉なんだと認識するところからはじめるといいでしょうね」(深沢さん)数字も言葉。このような考え方をすれば、確かに苦手意識はなくなりそうです。■ビジネスではアタマの使い方が必要深沢さんの新刊『10戦9勝の数字の使い方』には、文系人間にこそ身につけてほしい「ビジネス数学思考」や「論理思考のセンス」のヒントがたくさん。それらが身につけば、ビジネスのさまざまな場面においての問題解決や、議論を展開する際に役立ちそうです。「数学とは、アタマを使うセンスを磨く“スポーツ”だと私は考えています。テストでいい点を取ることが、数学を学ぶゴールではありません。ビジネスに微分積分などの数学的な知識を直接必要とすることも、きっとほとんどないでしょう。ビジネス数学に必要なのは、そういった『知識』ではなく、算数や数学でトレーニングした『アタマの使い方』なんです」(深沢さん)この本を読んでもっと数学脳を鍛えたいなと思ったら、ぜひ『Suzie』のバックナンバーにある深沢さんのコラムを、遡って少しずつ読んでみてください。ジムでトレーニングをするような感覚で数学に取り組めるはずです。(取材・文/宮本ゆみ子) 【取材協力】※深沢真太郎・・・BMコンサルティング株式会社・代表取締役/教育コンサルタント/多摩大学非常勤 講師/理学修士(数学)公益財団法人日本数学検定協会「ビジネス数学検定」で国内最上位を獲得。ビジネスパーソンの思考力や数字力を鍛える「ビジネス数学」を提唱し、様々な大手企業の人財育成をサポートしている。『「仕事」に使える数学』(ダイヤモンド社)、『数学女子智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。』(日本実業出版社)など著書多数。 【参考】※深沢真太郎(2016)『10戦9勝の数字の使い方』小学館
2016年06月18日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。今回は「%」(割合)について、コミュニケーション視点で考えてみたいと思います。結論から申し上げると、「%」には伝わりにくいという側面があります。なぜなら「%」は、相手に考えさせる単位からです。ひとつ、簡単な例を挙げましょう。「2,000円の商品、今日だけ300円引き!」「2,000円の商品、今日だけ15%引き!」さて、値引きした金額をすぐに計算できたのはどちらでしょうか。答えはどちらも、1,700円です。でも、おそらく前者のほうが簡単に金額を把握しやすかったのではないでしょうか。■キャンペーンでも割合より実数が使われるこのエッセンスは、商売でも活用されています。たとえば某ファッションブランドで実際に行っていたキャンペーンをご紹介しましょう。その内容とは、次のようなものでした。「Tシャツ2枚購入すれば、安いほうを1枚無料にします!」1枚が無料になるとは、魅力的なキャンペーンですよね。しかし、もしこれが以下のようなオファーだとしたらどうでしょう。「Tシャツ2枚購入すれば、お会計40%OFF!」このブランドのTシャツは2,000~3,000円程度の価格ばかりでした。もし2,000円と3,000円のTシャツを1枚ずつ購入するとしたら、前者の「無料パターン」ですと、3,000円+0円=3,000円。後者の「40%OFF」ですと、(3,000円+2,000円)×0.6=3,000円。つまり、どちらでも購入金額はほぼ変わらないことになります。でも、このファッションブランドは「無料」という概念でキャンペーンを設計しました。いったいなぜでしょうか?■消費者は計算させられることがストレス!消費者の視点で考えれば、Tシャツやショーツなんて安い商品で、「◯%OFF」といわれてもおトク感は少ないはず。「別に2枚もいらないし」なんて思われてしまうかも。「0円(無料)」といわれて、ようやくおトクかもと思えるかもしれませんね。また、ビジネス数学の専門家としての視点で考えると、一部を除き、ほとんどの人は「計算させられること」に強いストレスを感じます。「◯%OFF」よりも、「1枚は0円」と伝えてくれたほうがはるかに気分いいし、スッと頭に入ってくるのです。■苦手な人のインサイトを考えることが大事たかが「%」の計算。小学生の算数です。数字に強い人ほど、「そんなところまで考慮してコミュニケ−ションを考えなければならないのか」と思うかもしれません。しかし実際は、「%」の計算ができない、またはピンとこない人はたくさん存在します(私はそういう学生やビジネスパーソンを教育していますので、事実だといい切れます)。数字に強いひとほど、数字が苦手な人のインサイトを想像して数字を使いましょう。このファッションブランドでも議論があったのだろうなと想像しますが、そういう意味ではこの訴求は「正解」だと思います。みなさんは勝負どころで、そこまで考えて数字を使っていますか?(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年06月12日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。以前、ある企業の研修に講師として登壇したときの話です。休憩時間に、参加者のひとりからこのような質問をされました。「深沢先生のような“数字アタマ”になるには、いったいどうしたらいいですか?」おもしろい表現をするなと思いました。“漢字アタマ”とか“ローマ字アタマ”なんて表現、まずしませんからね。にもかかわらず、私にもすぐにニュアンスが理解できました。それだけ私たちは、数字で考えることを特別な能力だと思っているのかもしれません。しかし、私は決してそんなことはないと思っています。どんなに数字が苦手な人でも、“数字アタマ”になることは可能だからです。今回は、そのためのアプローチ方法と実際の思考トレーニングをひとつご紹介しましょう。安心してください。誰でも1分間でできる、とても簡単なものです。■クイズの作成が数字アタマになる近道さっそくですが、次の質問に1分間で答えてみてください。Q.あなたは昨日、階段をぜんぶで何段上り下りしましたか?概算でお答えください。……もちろん、1段ずつ数えているなんてことはないでしょう。仮に万歩計を持っていたとしても、上った(下った)階段の段数だけを測ることはでいないはずです。ということは、この質問に答えるためにはアタマを使う必要があるということです。要するに、数字とアタマを使わないと答えられないようなクイズを考え、スキマ時間に遊ぶことが“数字アタマ”になるための最短距離だということです。さて、上記の質問ですが、私ならこう答えます。A.最寄り駅の階段が仮に50段だとしたら、行きと帰りで2回。(50×2=100)さらに打ち合わせに出向いた企業の最寄り駅の階段も利用。(50×2=100)そのあと移動する際に歩道橋をいちど渡ったので、その歩道橋の階段も50段だと仮定。(50×2=100)ここまでで合計すれば、100+100+100=300(段)「思っていたより少ない」というのが私の所感です。いずれにしても、このような数字があると、健康と体力向上のためにエレベーターやエスカレーターのある場所でも、あえて階段を使ってみようかなと思えます。つまり、気づきと改善策を得ることができたわけです。・数字で測るから具体的な情報になる・具体的な情報になるから、気づくことがある・気づけるから、改善もできるビジネスにおいても、まったく同じことがいえますよね。■1日1分の習慣で数字アタマになれる普段からほんの少しのスキマ時間(1日1分間で十分)を使い、アタマのなかで数字を使って測る習慣をつけてみましょう。すると、ビジネスの商談やミーティングなど、サクッとアタマのなかで概算する必要があるときにも、簡単に数字をつくれるようになります。少なくとも、日本でただ1人の「ビジネス数学の専門家」は、いまもそのようにして“数字アタマ”を鍛えています。日々の1分間の使い方を変えれば、“数字アタマ”は簡単につくれるのです。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年06月07日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。突然ですが、「あいうえお作文」という言葉遊びをご存知でしょうか。これは、頭文字「あ」からはじまる言葉をつなげ、最後は「お」からはじまる言葉で結んだ作文のことです。たとえばこのように。あ・・・明るくてい・・・いつもキラキラう・・・美しくえ・・・笑顔が素敵なお・・・お母さんきょうは数字を使って、これと本質がまったく同じことをやってみます。私が「カウントダウンスピーチ」と命名した、オリジナルの言葉遊びです。■1分でできる「カウントダウンスピーチ」次の「」のなかに、ご自身の個性や強みを入れて、自己紹介文を完成させてください。ただし、「」のなかにはそれぞれ必ず3から0までの数字を使うこと。そして、1分間で実際にスピーチしてみましょう。3・・・「」2・・・「」1・・・「」0・・・「」実際、私は企業研修などの冒頭で自己紹介する際に、このカウントダウンスピーチを披露することがあります。おそらく、こんなスピーチから研修をはじめるコンサルタントは日本で私だけだと思います。例としてご紹介しましょう。(以下、スピーチ例)「いまから、カウントダウン形式で自己紹介させていただきます。ビジネス数学の専門家、深沢真太郎です。3・・・“私の提唱するビジネス数学は、数的思考、論理思考、数学的問題解決スキルの3つを鍛えるプログラムです”2・・・“2位ではダメだと思って、生きています”1・・・“第1人者と呼ばれることの誇りを胸に、今日もここに立っています”0・・・“数字が苦手な人を0(ゼロ)にすることが、私の使命です”本日は、宜しくお願い致します」■カウントダウン形式の自己紹介がいい理由なぜこの「カウントダウンスピーチ」を勧めるのか、ご説明しましょう。別に数字を使わなくても、自己紹介はできます。でも、あえて数字を使ってみることで、短い時間(この場合は1分間)でたくさんの情報を具体的かつシンプルに伝えることができるのです。自己紹介が変わるだけでなく、日々の会話も具体的かつシンプルになるようなヒントも詰まった言葉遊びなのです。遊びですから、エンターテイメント性を少し入れるためにカウントダウン形式にしています。ぜひ実際にスピーチの内容を考え、客先での自己紹介や飲み会での自己紹介などで使ってみてください。もちろん、最高の笑顔もお忘れなく。強烈なインパクトとともに、あなたのことを100%覚えてもらえる自己紹介になっていることをお約束しましょう。数字とは、あなたの素晴らしさを世の中に知ってもらうために使う「最強の言葉」なのです。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年05月27日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。■女性はギャップに弱い私は男性ですが、かつて女性の友人が複数いる食事会に参加したとき、彼女たちがこんな話題で盛り上がっていたことを記憶しています。「ギャップに弱い」みなさんも心当たりがあるのではないでしょうか。恋バナ(恋の話)においては、定番なのかもしれませんね。「遊び人に見えるのに、意外とマジメだった」「仕事ができなさそうなのに、実はエリートだった」「おとなしそうなタイプに見えたけど、意外と積極的だった」「実はいい年齢なのに、とても若々しく見える」などなど……。私は心理学の専門家ではないので学術的な説明はできませんが、少なくとも恋愛においては「ギャップに弱い」というのは事実かもしれません。■数字を使ったギャップそこで、ビジネス数学の専門家である私は、このようなテーマでお話をすることにします。ビジネスパーソンならば、意図的に「数字を使ったギャップ」を演出せよ。どういうことか、説明しましょう。実は「ギャップに弱い」は、ビジネスコミュニケーションにも当てはまります。たとえばこんな表現で伝えられると、思わず「すごい!」と思ってしまいませんか。・入社わずか1年で、営業成績は第1位を獲得した。・コストは20%カットしたのに、売上は30%もアップさせた。・たった1人で、従業員1,000名分の勤怠管理をしている。実際、これらがもし本当ならすごいことです。そしてこれらに共通するのは「ギャップ」があること。「差」と表現してもいいでしょう。ならば、ビジネスにおける「差」は数字で表現できるものがほとんどのはずです。すごいこと=ギャップ=差=数字で表現できることしかし、もしこれらの「すごいこと」がこのような表現で伝えられたらどうでしょう。・入社してからすぐに、すごい営業成績を残した。・コストは減らし、売上は増やした。・すごい人数の勤怠管理を任されている。そのすごさは伝わってきませんよね。つまり、せっかくのすごさ(=ギャップ)も、数字を使わなければまったく伝わらないのです。なんともったいないことでしょう。人はギャップに弱い。それはビジネスコミュニケーションにおいても同じです。だからこそ、そのギャップをきちんと数字で表現しましょう。最後に、今回のエッセンスが見事に体現されていたビジネス書のタイトルをご紹介します。当たり前ですが、本は買ってもらわないといけないものです。だから、そのスゴさをうまく伝えないといけません。このふたつは、ギャップを上手に数字で表現していますね。・言葉ひとつで儲けは10倍・99%の人がしてないたった1%の仕事のコツちなみに後者はある年もっとも売れたビジネス書といわれ、大ベストセラーとなったそうです。たとえばプレゼンで使うメッセージを考える際の参考になるのではないでしょうか。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年05月18日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。■「数字で報告してくれ」の真意上司に、こんなことをいわれた経験はありませんか?「ちゃんと数字で報告してくれ」「資料にはちゃんと数字を入れてくれ」いわれた瞬間に「数字?めんどくさいな~」と憂鬱な気分になって、どんな資料を見せてどんな報告をすればいいのか途方に暮れる……。そんなビジネスパーソンも決して少なくないでしょう。しかし、ここで間違えてはいけないことがひとつだけあります。この上司のリクエストは「数字を伝えてほしい」ということではなく、「ポイントとなるメッセージを数字で伝えてほしい」ということだとういう点です。■「文章1と文章2」の違いとはたとえば、次の2つの文章を読んでみてください。<文章1>先週の数字ですが、売上高は500万円であり、営業利益は145万円。営業利益率は29%でした。ちなみに先々週は売上高が400万円であり、営業利益は100万円。営業利益率は25%です。つまり、営業利益は45万円増加し、営業利益率は25%から29%へと4ポイント増加しました。参考までに、先週の客数は250人、先々週は200人です。つまり、客単価は先週も先々週も2万円と変わりませんでした。<文章2>先週のトピックスは営業利益45万円増と営業利益率4ポイント増の2つです。その要因はプロモーション強化による客数増(50名)と、利益率の高い新製品がよく動いたことと考えられます。■ストレスを感じるのはどちら?さて、読んでいてストレスを感じる文章はどちらだったでしょうか。あるいは想像してみてください。ご自分がこの文章を耳で聞く立場だとしたら、どちらの伝え方のほうが状況を理解でき、最後まで聞けるでしょうか?答えはおそらく、<文章2>でしょう。上司もおそらく同じだと思います。いくら数字に強い人であっても、たくさんのデータを眺めたり、たくさんの数字が登場する会話を聞くのはストレスなのです。でも立場上、状況は正確に把握し、正しい指示をしなければなりません。あるいはその上司は、その状況をさらにその上司に説明しなければらないかもしれません。ですから、当然こういう思考回路になるのです。「ポイントだけでいいから、極めてわかりやすい言葉で伝えて」■上司への報告は数字で伝えよう上司が求めている「数字」は、メッセージが込められていない無機質な数字ではありません。もしそれを求めているのなら、ITで自動化でもしてパソコンの画面で数字の羅列をいつまでも眺めていればいいのです。きちんとメッセージが込められた、人の血が通った数字が求められているのです。どの職場でもソツなく仕事をこなしながら上司ともうまくやっていける人は、みんなこのことがわかっています。決して上司に媚びなさいといいたいわけではありませんが、ストレスなく仕事をしていくためには、上司とのコミュニケーションは避けて通れません。ならば、上司にできるだけストレスをかけずにコミュニケーションできたほうがトクですよね。「数字を伝える」ではなく、「数字で伝える」。つくった報告資料、きちんと血が通っていますか?(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年05月17日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。ビジネススクールの講義などで扱われるテーマに、「愛の値段は、いくら?」といったものがあります。「そりゃプライスレスでしょ!」といいたくなりますが、ちょっと待ってください。実は、数字に強い人はこういう難題に対しても次のふたつの思考回路を働かせ、そして見事に数値化してみせるのです。その思考回路は、(1)定義する、(2)くらべる、のふたつ。どういうことか、ご説明しましょう。■定義と比較の参考例まず、「愛」という概念が極めて曖昧です。いくら考えても、値段など計算できないのではないでしょうか。そのため、たとえば「愛」を「夫婦関係を維持するエネルギー」と定義しましょう。次に、なにかとなにかをくらべる発想を持ちます。このケースでは、「夫婦関係を維持しているふたり」と「夫婦関係が破綻したふたり」をくらべることにします。そこに、金額で表現できるものはないでしょうか?たとえば慰謝料などはいかがでしょう。もちろん慰謝料が発生しないケースもあるかと思いますが、ここはシンプルに考えましょう。「愛」がある → 夫婦関係を維持しているふたり → 慰謝料は不要「愛」がない → 夫婦関係が破綻したふたり → 慰謝料が発生あるデータによれば、離婚原因などによってその金額は100万円~1,000万円と幅があるそうですが、ここではざっくり平均として500万円程度としておきましょう。夫婦「愛」の値段=500万円そんな結論が考えられます。■親子の愛の値段は?また、私であればこんな考え方で「愛の値段」を計算するかもしれません。たとえば「愛」を親と子どもという視点で考え、「愛」の定義を「子供が0歳から成人になるまでの間に与えたもの」としてみましょう。すると「愛の値段」は、その子どもにかけた金額ということになります。一般的には、ひとりの子どもを成人まで育て上げるのに1,500万円はかかるといわれます。そこで、私なら子どもを持つ親に、こんなアンケートをするでしょう。—————————————————————————<アンケート>自分の子どもが成人になるまで1,500万円かかるとします。もし、あなたにとってはまったく見ず知らずの子ども(0歳)が成人するまでにいくらか援助して欲しいといわれたら、いくらまでなら出せますか?ただし、あなたはそれを考えるに十分な経済的余裕があるとします。—————————————————————————「愛」がある → 自分の子ども → たくさんお金を使ってあげたい「愛」がない → まったく見ず知らずの子ども → 正直、あまりお金を使えない人それぞれ、考え方は違います。「自分の子どもと同じだけ出せます」と答える方もいれば、「1円も出したくない」という方もゼロではないでしょう。もしこのアンケートの平均値が500万円という回答であれば、「愛」の値段は1,500万円−500万円=1,000万円、ということになります。つまり、親子「愛」の値段=1,000万円です。■定義と比較で計算をそろそろまとめましょう。ここまでふたつほどロジックを考えてみましたが、どちらにも共通するのはふたつの思考回路が働いたということです。(1)定義する(2)くらべる数字に強く、なんでも数値化することにチャレンジできる優秀な人は、このようにして数字をつくっていくのです。正解がないからこそ、アタマに心地よい汗をかける問題でもあります。みなさんなら、どのようなロジックを組み立てて「愛の値段」を計算しますか?「プライスレス」という便利な言葉に逃げず、ぜひチャレンジしてみてください。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年05月15日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。先日、スポーツジムでトレーニングしたあと、体重計に乗ったときのことです。デジタルの体重計に表示された数字は以下のとおりでした。55.55kg「おぉ、ゾロ目だ!」と、思わず喜んでしまいました(笑)。「だからなんだ?」といわれてしまうと、それまでのお話です。55.55kgも48.32kgも単なる体重という数字であり、なんら変わらないのですから。しかし、この「ゾロ目」という数字は、なぜか人の心をちょっとだけ動かすチカラを持っているようです。■なぜゾロ目の数字は魅力的なのかたとえば、ふと見た瞬間のデジタル時計の表示が「11:11」だったら、なにか特別な瞬間を目の当たりにしたような感覚になりませんか?たとえば、ナンバープレートが「33-33」の車を見かけたら、ちょっと「おっ!」と思ってしまうのは、おそらく私だけではないはずです。不思議ですよね。数字が揃っているだけで、ちょっと特別なことが起こったような気がするのです。私は心理学者ではありませんから学術的なアプローチはできませんが、とにかく私たちはゾロ目の数字には特別感を感じてしまうようです。これを私なりにいいかえて表現すると、こうなります。「人は、『数字が揃っている』という現象に特別感を持ち、意味づけをしやすい」■数字が揃うと謎の説得力がある!この人間の習性を、普段のコミュニケーションでも役立てられないでしょうか?私の答えは「YES」です。具体的には、誰かに「なるほど~」「へぇ~」といってもらえるような説得力ある話をしたいときに、このエッセンスが活用できるのです。たとえば、ビジネス。過去3年間の売上高はバラバラだけど、営業利益率はずっと5%で推移してきたとします。これはいわば、「555」というゾロ目の状態であり、おそらくあなたもデータの中で「555」を特別な数字と認識し、いまのままでは来期も営業利益率5%程度の着地になるという意味づけをするでしょう。2013年:売上4,200万円/利益210万円/利益率5%2014年:売上3,500万円/利益175万円/利益率5%2015年:売上6,400万円/利益320万円/利益率5%2016年:売上???/利益???/利益率???そして、そこには説得力が生まれます。なぜなら、人は「数字が揃っている」という現象に、特別感を持ち、勝手に意味づけをするからです。■マジカルナンバーもゾロ目と同じあるいは、こんな身近なテーマでも同じことがいえます。あるダイエット商材を試したAさんが、「1ヶ月で3kg、Bさんも1ヶ月で3kg、Cさんも1ヶ月で3kg痩せました」といわれたとしたら、「私もきっと1ヶ月で3kg痩せられる!」と思ってしまうかもしれません。それは、「333」というゾロ目に対して勝手に特別感を持ち、意味づけをするからです。心理学には、「マジカルナンバー7」などという言葉もあります。一度聞いただけで直後に再生できる記憶容量は、数にしてだいたい7つだという説です。その真偽はさておき、1週間が7日であることや、郵便番号が7桁であること、七福神、七不思議といった言葉の存在は、この話に信憑性を持たせますよね。ストレートにいえば、人間はこういう話が好きなのです。*裏を返せば、なにかを伝えたいとき、特に強力な説得力が欲しいときには、「数字が揃っている現象」をネタにすると威力を発揮することになります。誰かに「なるほど~」「へぇ~」といってもらえるような説得力ある話は、ゾロ目と同じ構造になっているのです。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年05月06日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。おいしい話に騙されたり、判断を間違えたりすること、ありますよね。そうならないためには、どんなときも「裏を読む」ことが大切です。これを常日頃から習慣にすれば、他にもさまざまなメリットがあります。では、裏を読むにはどうすればいいのか?具体例を挙げて、説明していきましょう。■相手の言葉に隠された「裏」の意味女「ねえ、のど乾かない?」男「え?別に乾いていないけど」女「……」もしかしたら、この女性は飲みものが欲しいわけではないかもしれません。しかし、高いヒールをはきながら長時間歩いているとしたら……?そう、彼女の言葉の裏には「ちょっと脚が痛いから休憩したい」というメッセージが隠れているのです。しかし、男性はこのように相手の言葉の「裏」を読むことが苦手だといわれます(私も含めて)。男女に限らずこのような局面で相手の言葉の「裏」まで読める人は、ビジネスも恋愛も“うまくやる”タイプなのでしょう。私も見習わなければいけません。■最大で「50%OFF」の裏の意味こうしたエッセンスは、恋愛に限らずさまざまな場面で大切です。たとえばそのひとつが、ビジネスシーンや普段の生活のなかで数字を読むシーン。<最大50%OFF>高級ブランド店の店頭に、「最大50%OFF」の赤い文字。なんとも魅力的な数字ですね。しかし、ちょっと考えてみましょう。高級ブランド店でメインの商品が50%も割引されていたら、商売にならないのではないでしょうか。おそらく50%OFFは革小物やスカーフなどだろうと、すぐに察しがつくでしょう。売り手の心理をちょっと読めば、この「最大50%OFF」を正しく読むことができるはずです。■社員満足度「100%」の裏の意味<満足度100%>新入社員に、会社に対する満足度調査をしたとします。その結果が、満足度100%!さて、みなさんの会社は新入社員にとって本当にいい会社なのでしょうか?もし私なら、その調査の時期を気にします。入社して1年くらい経過したタイミングで調査をしたのなら、「100%」という数字には意味があるかもしれません。しかし、もし入社してすぐに行った調査だとしたらどうでしょう?「この調査でネガティブな回答をすると、それがなんらかの理由で人事に伝わってしまい、自分の配属に影響するのでは……?」なんて邪推をしてしまうかもしれません。新入社員の心理をちょっと読めば、この「100%」を正しく読むことができるはずです。*そろそろまとめに入りましょう。冒頭の男女の会話は、女性の言葉の「本当の姿」をつかめなかった例ですが、同じように数字の「裏」を読むということは、その数字の「本当の姿」をつかむことです。数字の場合は、必ず「産みの親」がいます。突き詰めていけば、人間がいなければ数字というものは存在しないのです。ですから、その「産みの親」の心を読むことが、数字の裏を読むことになるのです。人の心の「裏」を読める人が、数字の「裏」も読むことができる。もしかしたら、恋愛上手な人は数字を読み解くことも得意かもしれませんね。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年05月04日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。この記事を執筆しているのは2016年4月27日ですが、本日の日経新聞を読んでいて感心したことがありました。さすが、日経新聞の編集者さんはよく考えて記事を書いているなと。記事に使う資料のなかで使っている数字のチョイスが、とても「読者想い」なのです。■なぜC社だけ「3.3倍」なのか今朝の日経新聞には、国内の自動車メーカーに関する記事がありました。トヨタ、日産などが昨年度とくらべてどういう状況にあるのか、数字を使って説明している記事です。いま、そのなかの3社をピックアップし、仮にA社、B社、C社としましょう。記事にあった数字をそのまま、一部だけ抜粋します。<輸出台数の前年増加率>A社:-1.4%B社:-2.2%C社:3.3倍私が感心したのは、C社データの伝え方です。ご覧の通り、C社だけ「%」を使っていません。いったいなぜ、C社だけ「3.3倍」という伝え方なのでしょうか?■読者へのやさしさがつまっている「えっ、そんなこと?」と思われたかもしれませんが、まあ聞いてください。もし、私が預かる企業研修や公開セミナーなどで、このデータを新聞の読者にどう伝えるかを演習として課したら、おそらくほとんどの方がこう表記すると答えるでしょう。<輸出台数の前年増加率>A社:-1.4%B社:-2.2%C社:330.0%その理由はおそらくこうです。「A社もB社も「%」で表記しているのだから、C社だって「%」で表記するのが当然」。あるいは、「C社だけ『◯倍』という表記では統一感がなくて、なんとなく気持ち悪い」というところでしょう。しかし、残念ながらこの回答には「読者へのやさしさ」がまったくありません。■大事なのは「身近な表現」か否か増加率300%などという表現を、この1年で何回目にした(あるいは口にした)ことがあるでしょうか?ビジネス数学の専門家である私ですら、一度も口にした記憶がありません。一方、3倍という表現はこの1年で何度も目にしましたし、口にしたこともあります。要するに、申し上げたいのは「伝える側は、相手にとってなじみ深く、より身近な表現で伝えるべきだ。そのようなちょっとしたやさしさが、伝え上手か否かを決めるのだ」ということです。■伝えるときはやさしさを込めよう事実、私のセミナーにおいても「1.4%」は「ほんのちょっと」と認識できるけれども、「300%」と聞くと、一瞬「?」と思考が停止してしまう方がいます。極端な例を挙げれば、「8%」は消費税の存在によりイメージできる数字ですが、「8000%」ではイメージしにくいでしょう。人は、普段から使っていない表現で伝えられても、ピンとこないのです。「日経新聞の編集者さんはさすがプロだな」と感心した理由はそこにあります(決して上から目線で申し上げているわけではなく、心からの敬意です)。このエッセンスは、ビジネスパーソンなら誰もが自分ごとにしなければなりません。みなさんの伝え方には、「相手へのやさしさ」が込められていますか?(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年04月29日