中学からの在籍クラスの決定。現在、小学6年生の広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘は、小学2年生から特別支援学級に在籍しています。来年は中学生。中学からの在籍は、私たちの思いと本人の希望が一致し、特別支援学級を選択することにしました。特別支援学級の在籍を申請するため、発達テストを受け、病院で診断書ももらい…学校に提出。後日、教育委員会の先生との面談がありました。私たちの希望がはっきりしていて、診断書もあったため、面談は確認程度の軽いもので終わりました。最終的な決定はまだ先ですが、とりあえず中学からのことは決まり、ホッと一安心。反抗期にお手上げ状態の中に、夫から提案。実は、私たち夫婦は、娘の中学進学に向けて、小学4年生ぐらいから取り組んでいることがありました。遡ること、2年前…。私は当時、突如始まった、娘の特殊な反抗期に頭を抱えていました。・できないことが多いのに、何かと偉そう。・失敗をするとすぐパニックを起こし、「できない!」とくり返す。娘の発達の遅れが分かり、療育を開始し、長く娘の苦手に付き合ってきました。何が苦手か、どうすればスムーズになるか、母としては十分理解していますが、反抗期から、療育グッズも声かけもサポートも嫌がるようになった娘。Upload By SAKURA私は、もうお手上げ状態。毎日のように夫に愚痴を聞いてもらっていると、夫が…Upload By SAKURA「そろそろさ、あーさんに生活力を身につけてもらわない?」と言いました。生活力を上げる?Upload By SAKURAUpload By SAKURA現状をなんとかするため、娘の将来のため、私のため、家族のため、家事を教えて、娘の自立力を上げることで、きっといろんな効果が出ると予想した夫。そこから、娘の生活力向上訓練が始まりました。まずは洗濯から!Upload By SAKURA夫は、ゆっくり丁寧に、洗濯物の干し方を教えてくれました。私は、長いこと家事を一人でこなしてきたため、最初、娘にお願いするということがどうしてもできず、ついつい自分でやってしまうことがありましたが…Upload By SAKURA私がついつい教えるのがめんどくさくて自分でやろうとしてしまうときも、夫は「あーさんのためにならない!」と言って注意してくれました。時間はかかったけど・・・「洗濯物を干す」一般的に考えれば、すぐにできるようになりそうなものですが、娘には難易度が高く…Upload By SAKURAなかなかうまくできず、泣き出したり…それを見て、私の方が諦めそうになったり…娘のやる気がなく、適当にやってしまったり…本当にスムーズにいかない日々でした。しかし、2年経った今、娘は…Upload By SAKURA洗濯機を回す、洗濯物を干す、畳む、片付けるを、完璧に一人でできるようになりました。特に洗濯物の干し方は、夫よりも丁寧で、シワなく干してくれます。Upload By SAKURA娘には、時間をかけて教えることが必要だった。私は子どものころ、手伝いを率先してやった方ではありませんでしたが、小学生のころ、気がついたら洗濯はできたし、料理も自力でなんとかしていました。夫も両親が共働きだったため、一人でなんとかしていたタイプ。Upload By SAKURAそのため、私は子どもたちに「家事をさせる」「覚えさせる」という考えがなく、娘も、そのうちに身につくだろうと思っていました。しかし、夫の提案で、私たちと同じやり方では駄目だと気づかされました。家のことを娘にやらせるようになってから、自立力はかなり上がり、加えて、娘は私に何かをやってもらうとき、「お願いします」と自分から言うようになりました。家事を実際にやることで、大変さが分かったのか、何もしないで反抗するということもなくなりました。Upload By SAKURA何より私は家事が楽になり、心穏やかになりました。娘の場合、「勝手に」「要領よく」何かを身につけるのが難しいことが多く、なんでも時間がかかってしまいますが、時間をかけて教えることで、確実に身につき、自信にもなり、自立力も上がる。今回のことで、やはり娘には、時間をかけて教えることが大切だと分かりました。次は掃除と、料理。今は掃除に取り組み中。手始めに、掃除機から教えています。まだ部屋の真ん中だけかけてしまい、四隅のほこりが溜まったままになっていますが、洗濯も2年かけて、完璧になったので、気長に教えようと思っています。執筆/SAKURA(監修:井上先生より)あーさんが取り組まれたように小学校の後半から生活スキルの練習をされたのは素晴らしいことだと思います。コラムで書かれているように、生活スキルは簡単そうに見えても意外に難しいです。洗濯にしても、洗濯ものによって干し方を変えたり、天気によって干す場所を変えたり、畳み方もしまう場所も衣服によって異なります。身辺自立と違って、できなくてもいいやと思いがちになりますが、自立のためにはとても大事なことです。やりきるためにはご夫婦での協力なども大切になるんでしょうね。あと、重要な生活スキルとして「金銭管理」があります。お小遣いなど少額を扱ううちに身につけておくと良いかと思います。その他、「衣服や靴を購入する」というスキルも店員さんにサイズを出してもらったりというコミュニケーションの経験が重要になります。同様なパターンとして「美容院でカットしてもらう」や「病院で症状を伝える」などもあります。
2022年10月05日取得する?しない?夫婦でもめた日わが家が手帳取得したのは、ほぼ私の意思です。夫は「そんな大げさな」「別に急がなくても」と渋っていたので、いかに手帳を取るメリットがあるか力説して押し切りました。私は手帳取得のデメリットはないと考えています。手帳を持っていることはわざわざ他人に言わなくてもいいし、不要と感じればいつでも返還OKだし、障害があるとハッキリした証明になるのが日常生活において大きいなと感じています。Upload By 吉田いらこどんなメリットがある?ゆいが療育手帳を役所で取得した時、手帳と一緒に分厚い冊子を渡されました。これには手帳を持つ人が使えるサービスが載っています。娘の手帳の等級はB2で、三段階あるうちの一番軽いものとなりますが、一番等級の低い娘の場合でも受けられるサービスはありました(等級も地域によってそれぞれ形式が違います)。例えば文化施設や映画、テーマパークなどの利用料の割引サービスがあります。私は関西圏在住なので関西の大型テーマパークのパスポートが割引になるのはありがたいです。そのテーマパークに家族で遊びに行ったときに、窓口で療育手帳を提示するとチケットと一緒に「サポートブック」という冊子が貰えました。なんとそれが大活躍!これにはすべての乗り物の写真や演出効果が掲載されていて、何が起きるのか見通しが立てられるのです。私にとってはネタバレ冊子ですが、見通し不安のある娘にとってはかなりのお助けアイテムになりました。Upload By 吉田いらこさらに子ども向けですと就学支援のサービスもありました (自治体によって違います) 。娘はすでに小学校に入学していたので使えませんでしたが、ランドセルや学用品の購入に関して補助が出るそうです。障害についてネット検索しているとよく見かける「未就学児の保護者の方へ、入学用品の領収書を保管しておいてください」というメッセージもこのことを言っていたのだと分かりました。また、手帳の等級によっては年金受給や税金の減免など経済的なサービスを受けることもできます。少し先になりますが、中学卒業後の進路にも手帳の有無が影響する場合があります。Upload By 吉田いらこ冊子をパラパラとめくっていると行政サービスの多さに驚きました。特に手帳の等級が高い方に限りますが、多くの生活支援や自立支援が受けられます。障害がある子どもの保護者として一番不安なのは自分がいなくなったあとのことですが、行政の手を借りてなんとかやっていけるのでは?と心強さを感じました。ただ、これも自分から調べて問い合わせない限りどんな支援があるか分からないので、情報収集の大切さを感じます。Upload By 吉田いらこ迷っているなら手帳を取った方がいい?障害があると診断されても、障害者手帳を取得するかしないかは自由です。手帳を取得することでわが子が定型発達ではないと認めることになるのも事実です。けれども手帳の取得によって行政とつながり支援を受けられることは、私たち保護者に何かあったときに強力なサポートになってくれると感じています。Upload By 吉田いらこ執筆/吉田いらこ(監修:三木先生より)見通しの立てられる冊子、素晴らしいですね!テーマパークのサポートも素晴らしいですが、自治体のサポートにも目を見張るものがあります。文中にもあるように自治体ごとに詳細が違ってはいるのですが、どの自治体も基本的には障害のある方の暮らしが楽になるようなメニューを用意しています。手帳を取ることで「自分は/うちの子は障害なんだ」とより実感するという面があるのは確かですが、得られるメリットに目を向けてみるのも良いと思います。
2022年10月04日周りの忠告に耳を貸さない息子の七転八倒Upload By 丸山さとこ何かと「人の話を聞かない」と言われやすい息子のコウです。実際に音声としての話を聞いていない(耳に入っていない)ことも多いのですが、そうではなく「聞き入れない」という意味での「人の話を聞かない」ところも多々あります。実際に言われた通りになると「言われていたことは本当だった…何で早く聞いておかなかったんだ…!」と後悔しますが、次にまた別のことで先生や親などの他者から何か言われたとしても、再び聞き流してしまいます。コウは、先生や親などの周りの大人が言うことそのものは信じています。「提出物は成績に影響するよ」「定期テスト前は勉強した方がいいよ」などの言葉も、言われている内容は納得できるため、話を聞いても反発することはありません。Upload By 丸山さとこですが、「そうだね」と言っても提出物は出しませんし、中間テスト前も勉強はほとんどしませんでした。小学校のころに提出物を出さなくても(コウとしては)困ったことはないし、テストも高得点が多かったため、体験としてピンとこなかったのかもしれません。中学校は甘くなかった?コウにとっては予想外の結果に…「小学校に比べて特に授業が難しいとも感じないし、小テストもできてるし問題なくない?」とノンビリ考えていたコウでしたが、小学校と中学校は違いました。まず、中間テストではコウが想定していたほど高い成績ではなかったため、かなりショックを受けていました。一般的には高いと言える成績だったため、周囲のクラスメイトから「スゲーやん!」「天才か!?」と言われたことで、かえってコウにとっては苦い経験となったようです。Upload By 丸山さとこ「本当はこんな成績取りたかったんじゃないんだよ~!って思ってたけど、それはみんなには言えないじゃん!?だから笑ってたんだけど…くやしいよ~!次は絶対勉強する…!!」と語ったコウは、期末テストでは勉強時間を増やして希望通りの成績を取りました。そうして期末テストは希望通りの成績で終わったコウでしたが、一学期の成績表はほとんど4で埋まっていました。未提出の課題があまりにも多かったためです。私と夫は普段のコウの状況から予想がついていましたが、コウは「少しくらいは5があるのではないか」と思っていたそうで再びショックを受けていました。Upload By 丸山さとこ私も夫も、「なんで提出物がこんなに出てないのに5がとれると思っていたの?」と成績よりもコウの考えにビックリしました。「ここまで(提出物の影響がある)とは思わなかった」とうなだれたコウは、「二学期は5を取れるように提出物を頑張る」と決意を固めていました。「もう少し先の見通しが立つといいな」と思うものの…何かとパニックになりやすかった小学校中学年までと異なり、近年のコウは『事実として起きたこと』自体は受け入れるので、一見大きな問題はないように見えます。ところが、彼には「事実として起きるまでは受け入れない!」というところも強くあるため、前述のエピソードのように周囲の忠告を無視しては痛い目を見ることもしばしばです。Upload By 丸山さとこコウは、心身の痛みを感じている最中は「ちゃんと忠告を聞けばよかったな…」と後悔します。ですが、時間が経つと「やってみなければ分からないんじゃない?」に戻ってしまいます。痛みが消えたときには”今は全く痛くない”というリアリティーがあるからなのかもしれません。想像や予測自体はすることもあるコウですが、想像したものに強いリアリティを感じられないために結果として「想像力がない」かのような言動をとってしまうのかな?と考えています。(リアリティを想像できないことも含めて「想像力がない」と言えるのかもしれませんが…)「やってみなければ分からない」という言葉があるように、やらずに何でも拒否していては分からないことは多いと思います。やってみた結果失敗した場合もそこから学べることは多く、親が子どもから『失敗の経験』を奪う弊害については頭に置いておこうと意識しています。一方、交通事故や高所からの落下など「やらずとも結果は分かる上に、分かったときには大惨事」ということもたくさんあります。テストの結果や学校の成績は、事故や大けがのように取り返しのつかないことではありません。ですが、毎度同じようなパターンで後悔しているコウを見ると、『もう少し先の見通しが立つといいな』と思います。Upload By 丸山さとこ以前は「今できていないこと」に対して少し取り組んだだけで「これから先もずっとできないんだ!」と速攻で絶望していたコウでしたが、今では大分「できるようになるかもしれないから頑張る」を選べるようになってきました。できるようになるかもしれないという判断も『少し先の見通しを立てる』の一つであることを考えると、望ましくない結果を避けることもまた、少しずつ身に付けていける可能性はあるだろうと思っています。それまでは、「やらずとも結果は分かる上に分かったときには大惨事」が起きないように可能な範囲でサポートしつつ、繰り返し後悔しがちなコウを見守っていきたいです。(監修:三木先生より)まさに仰る通りだと思います。僕も基本的には「体験した方が本人にしっかり残る」派ではありますが、そうは言っても「経験しない方が良い経験」や「取り返しのつかない経験」もあります。これを彼らに実感してもらうためには、とにかく「自分の想像が外れてすごく痛い目を見た経験」をたくさんしてもらうことに尽きるかなと思います。そうすることで「自分の予測に対する信頼度の低下」を実感し、「自分の予測を疑う」という『メタ認知もどき』が働くようになります。そうすれば大きな事故は避けられるのではないかなと思っています。
2022年10月03日自閉スペクトラム症の息子がテレビのニュースを見て「気になるポイント」テレビから、JR山手線が止まっているというニュースが流れました。私はそのニュースを見ながら、予定外のことが起こるとパニックになりやすい息子に「もし、電車が止まってもパニックにならないでね」と伝えました。すると息子は、「夕飯は何時になるのか?」「お風呂は何時に入るのか?」としつこく確認してきます。電車が止まって閉じ込められること以上に、その後予定していたことがどうなるのかがとても気になるようです。電車が止まってどうすればよいのか、どうやって帰ったらいいのかといったことが不安になるのではなく、キッチリカッキリ決めていた予定が狂うことを恐れているようです。「心配するところはそこなのね。予定が崩れるのが不安なのね。」と思いました。さらに…電車が遅延する状況になったわけでもく、自分の身に起こったことでもないのに「夕飯は7時20分」「風呂は8時11分」と予定を組み直そうとしています。いつ電車が止まるかも予測できるものではなく、いつどのくらい止まるか分からないのにです。私はそんな息子の様子を見て、「視点が違うのね。面白いね」と思いました。自分に置き換えて言葉を変えられない自分が泣いたときも、他人を指して言うように「泣いている」と自分を指さして言います。「いってらっしゃい」「いってきます」のやり取りができないのと同じです。私はファミリーサポートの仕事で2歳の子どもを預かっているのですが、あるとき、その子が転びました。息子は「自動的に転んだ」と私に言いました。確かに息子から見たら、ひとりで転んだ様子を見て、自動的に転んだと映ったのでしょう。もしかしたら、自分が突き飛ばしたわけではないと言いたかったのかもしれません。表札への違和感3年前、私の父が亡くなった当日のことです。病院から実家に帰ってきたとき、表札を見た息子。その表札が私の父のフルネームであることに気づいて「(亡くなっていて)いないのに表札外さないのか」と息子から言われました。「みんなが悲しんでいるときに、そんなこと言わないで」と思いました。と同時に悲しみにくれながら息子の言葉を聞いて「そこか!これも息子らしいね。」とも思いました。Upload By 立石美津子同じ献立にこだわる息子の外食時のメニューは、いつも決まっています。どのファミリーレストランに行っても、たらこスパゲッティとほうれん草のソテーとポタージュを注文します。息子の場合は店が違うのはOKみたいです。表現の天才!息子に手伝いを頼んだら「僕は使用中だからダメ」と断られました。別のことをしているので手伝えないという意味です。「嫌だ!」と断られたら腹が立ちますが、こう言われるとそうでもないので不思議です。擬人化や見立て遊びができない幼いころ、ぬいぐるみに「餌をやる」と言っていました。ままごともできませんでした。擬人化したり、見立て遊びをするのは難しいようでした。ジャガイモを「この子」と言われて戸惑う料理教室で、先生から「この子を切ってください」と言われ、「この子」を探している風でした。「子」という表現から、野菜を指しているとは考えつかなかったからです。Upload By 立石美津子しばらくして、それがジャガイモを指していることが分かったのか、ようやくジャガイモを切りはじめました。Upload By 立石美津子殿様じゃないあるとき、威張っている息子に「あんた、殿様だね」と嫌みを言ったら、「殿様じゃない!立石○○だ!(←自分の名前)と言われてしまいました。比喩が分からないようです。まとめまだ息子が4歳ごろのことでしょうか、療育で窓越しに子ども達の様子を見学していたときのことです。隣にいた、あまり親しくない親御さんから「立石さん、今度、産むんだったら定型発達の子どもがいいよね」と同意を求められたことがあります。あのころは…「息子がいらないとは思わないが、普通の子になってほしい」「少しでも皆と同じようにできるようになってほしい」と思っていました。ですが今、私は声を大にして、「今度もこの子がいい」と答えたいです。自閉スペクトラム症の息子は、“普通”という呪縛から解放し、私を自由にしてくれた存在です。これは決して負け惜しみではありません。そして、変わった視点で楽しませてくれます。細かいことですが、息子と暮らしていると、いまだに面白い発見があります。そして、そのように思えるようになったことが、私の成長です。執筆:立石美津子(監修者・鈴木先生より)自閉スペクトラム症のある方は予定の変更が嫌いです。電車が時間通り来ないと時刻表を見せて駅員に苦言を呈すこともあります。自閉スペクトラム症がある人は、自分を基準にものごとを理解する傾向があります。例えば、自閉スペクトラム症がある幼児はバイバイするときにも自分に掌を向けて行うことがよくあります。これは、皆がバイバイするときに自分に掌を向けているからです。また、具体的に言わないと通じにくいため、「あれ取って、それ取って」では分からない場合が多いのです。「白いテーブルの上にある、黒いボールペンを取って、ここまで持ってきてください」と言わないとだめなのです。外来に来た患者さんに「Aくん、こんにちは」と言ったら、僕は「Aくん」ではありません。「A」ですと訂正されることもあります。こだわりや特有の感覚などをいかしてタレントとして活躍し、楽しませてくださっている方もいらっしゃいます。
2022年10月02日中高時代、反抗期がなかった私多くの若者が反抗期を経験する中高時代、私には反抗期が訪れませんでした。今思えばそれは、親との関係性が緊迫していて、安心して反抗できるような安定と信頼感のあるものでなかったことによると感じます。当時、父と母の関係は良くありませんでした。共働きだったわが家では、母は都内でのフルタイムの仕事から帰ってくると仕事着のまま腕まくりして夕食を作ります。このときの母の機嫌はたいてい悪く、皆が母の機嫌を伺ってビクビクしている状態でした。父は家族に対して冷淡で拒絶的。母はそれに対して常に愛情や絆の確認を求めている感じで、このやり場のない母の愚痴は娘の私に向かいました。私は母の感情のはけ口のようにされていたわけですが、当時母に抱き込まれすぎていた私にはその自覚がありませんでした。「弱々しくてかわいそうなお母さんを私が守ってあげなければ!」と、母のための小さなナースやナイト(騎士)のようになっていたのです。中学生の頃、庭先で母の首を締めようとする悪夢を見ましたが、何かとんでもないものを見てしまったと恐怖した私は、この夢のことを必死に忘れようとしました。私はなんて血も涙もないひどい子なんだと…。親が、成長途中の子どもが安心して反抗できるだけの自立した強さを持っていない。このような状況で、私に反抗期が来るはずがありませんでした。ルーズソックスに茶髪が全盛期だった当時、私はルーズソックスを履くことも髪を脱色することも、母を「クソババア」と罵ることもなく、極めてまじめな優等生として中高生活を終えました。私が「悪い子」になったりしたら母がどれだけ動揺するかと思うと、怖くて何もできなかったのです。大学入学後、世界が広がって… 親への激しい拒絶大学入学後、私は校則の厳しい中高一貫の女子校の環境から解放されて自由な環境に身を置くようになり、一挙に生きる世界が広がりました。恋人もできたりして、ようやく親と学校の勉強以外の世界に居場所を感じるようになると同時に、母の私への執着や束縛を生理的に受け入れられないほど気持ち悪く感じるようになりました。母は、私が大学をさぼった日などは、私をつかまえて半日でも話につきあわせ、陶然とした顔で「ああ、こんな時間がいつまでも続けばいいのに。このまま一生一緒に暮らそうよ」と言うのです… そう言われた瞬間には背中にぞわーっと悪寒が走り、吐き気を覚えました。これからの新しい人生を控えた若い女の子をつかまえて、どれほど異常なことを言っているのか自覚がないんだろうか…。母はだんだん私に対する家庭内ストーカーのようになり、出かけていると今どこにいて誰と何をしているのか、いつ帰るのかと、何十回と電話をかけてくるように。帰ってきたら帰ってきたで家の中で私を追い回して、夜中の2時3時でも話しかけてきます。私は母から逃れたい一心で家出をし、一時期、母からの電話を着信拒否して、当時つきあっていた人の下宿に転がり込んでいたほどでした。「安心して反抗できる関係性」は大事今となっては、私は母に「安心して反抗できる相手」でいてほしかったなあと思います。反抗というのは、「この人はちょっとぐらい攻撃しても崩れないぐらい強い」という信頼、「この人になら甘えを攻撃という形で出していい」という安心がなければ成り立たないものだと私は自らの経験からも思います。反抗期は親にとってはちょっと怖いものでしょうし、程度にもよるとは思うのですが、反抗期が来たらむしろ「私は子どもから信頼され甘えられている、子どもは健全に順調に育っているし、親子の関係性も健全だ」と思って安心してもいいのかもしれません。文/宇樹義子(監修・鈴木先生より)神経発達症の二次障害である反抗挑発症は周囲の無理解や保護者の過干渉からくることが多くみられる傾向がありますが、今回のケースは大学に入学後に母親の過干渉が起因となり、家出までした反抗につながってしまったのでしょう。小学生で少し早い反抗期と心配される親ごさんがいますが、適切な手段を講じないと反抗挑発症という二次障害に陥っている場合が少なくありません。それを放置するとさらに素行症という二次障害へ進展していきます。父親にASD傾向があり家族に対して冷淡、母親にADHD傾向があり父親からDVを受けたり子育てを一切任されたりされている、といったケースをみることがあります。そういう場合、母親がカサンドラ症候群となってうつ状態になっている場合が少なくありません。宇樹さんが、弱弱しく見えたお母さまの気持ちをカウンセリングのように傾聴し、ナイトのように救ってあげたことでお母さまのうつ病への進行を防いだのだと思います。
2022年10月01日食べる・飲み込む力はどう成長していく?食べる(摂食)という行為は、噛むこと(咀嚼・そしゃく)と飲み込むこと(嚥下・えんげ)がセットになっています。実はダウン症のある人は、噛まずに飲み込んでしまう「丸のみ」が習慣化している場合が少なくありません。では、丸のみするとどのような問題があるのでしょうか?詳しく解説をしていきます。私たちは普段、食べるときに、その一つひとつの行動を確認しながら食べることはないかもしれません。だから、正しい食べ方を子どもに伝えようとしても、何からどう伝えていいか分からないことが多いものです。まずは栄養源を体の中に取り込むための「食べる」という行為は、どんなプロセスを経るのかをみてみましょう。1. 食べ物が口に入るまえに、食べ物を認知します。目で見ることで多くの情報を処理して、手や食具を使って食べ物を口に運びます。2. 次に、食べ物を口に取り込み、かみ砕き、だ液とまぜて「食塊」にします。3. この食塊を、舌を使ってのどのほうへと送り込みます。このときは口が閉じています。4. ごっくんと飲み込むことで、のどから食道へ送り込みます。このときに気道が閉じていないとむせてしまいます。5. 食道に入った食塊は胃へと送られていきます。このプロセスが「摂食」と「嚥下」です。食べる・飲み込むという行為は、練習しなくても誰もが獲得できる機能にみえますが、ダウン症のある子どもや障害のある子どもの場合、正しい食べ方を獲得するためにさまざまなトレーニングが必要になることがあります。摂食嚥下は、口の中だけの課題ではなく、全身の成長・発達が大きく関係しています。まず首が座っていることが重要です。頭がぐらぐらしていると、食べ物に目の焦点を合わせて見ることができないので、口にものを入れることが上手にできません。また、原始反射が消えていることが摂食には必要です。哺乳のための一連の反射の1つである乳首を吸うための吸てつ反射が残っていると、スプーンを口に入れようとしたときに口を閉じてしまいます。舌の挺出反射が残っていると舌で押し戻してしまう、といったことが起こります。ほかにも、鼻呼吸がうまくできるようになること、食べ物を舌と歯と頬でバランスを取りながら噛んだりつぶしたりするという動作ができることなど、成長・発達していくことで、摂食・嚥下はできるようになっていきます。なぜダウン症のある子どもは摂食嚥下機能が弱いの?それではなぜダウン症のある子どもは、食べたり飲み込んだりがうまくいかないのでしょうか。ダウン症の特性と合わせてみていきましょう。まず、発達がゆっくりであることがあげられます。食べ物をあげようとしても、舌が前に出やすいために、食べ物をのせたスプーンを舌で押し戻そうとしてしまいます。これは、発達がゆっくりなため原始反射が消えていくのもゆっくりだからということもあります。まずは原始反射が消えるのを待ってから、離乳食を開始します。全身の筋力の緊張が低いために、噛む力が弱い場合もあります。ダウン症のある人は筋の緊張が弱く、噛む力も強くないこともあります。このため、口に入った食品をよく噛んで食べるということがむずかしく、食べたものをそのまま飲み込んでしまうことが起こります。噛み合わせの問題がある場合もあります。ダウン症のある人は、上下の前歯が噛み合わず、開いた状態(開咬・かいこう)や受け口(反対咬合)などの歯並びになりやすく、上下の歯のかみ合わせが悪いことがあります。口の中の形状的な理由がある場合もあります。上あごがせまくて高いということから、舌がうまく使えないことも多くあります。通常は、飲み込むときに舌は上あごに接触しながら食べ物をのどの方へと送り込みます。しかしその舌の動きがうまくできなかったり、上あごが高くて舌が十分に届かなかったりする場合があります。すると、上あごに食べ物が残っていたり、食べるときに空気を一緒に飲み込んでしまったりすることがあります。鼻で呼吸ができずに、口呼吸になってしまうのも原因の一つです。摂食嚥下のプロセスの中で、大事なことは、食べ物を口の中で噛んで飲み込むまでの間、上下の口唇が閉じていることです。食べ物を口の中で噛むときに口が開いていると食べこぼしの原因となります。また、のどへと送り込むことやごっくんするときは、口が開いたままではできません。一口量の認知の問題もあります。身体面の特性だけでなく、認知力も食べ方に影響します。一口サイズがどのくらいなのかがよく分からないために、大きく食べ物をかじりとり、そのままよく噛まずに食べてしまうということがあります。こうした特徴から、食べ物を大きい塊のまま口の中に入れて、筋力が弱いためにうまくかみ砕くことができず、食べ物をそのまま飲み込んでしまう「丸のみ」をしやすいことが、ダウン症のある人の摂食嚥下の特徴となります。ダウン症のある人に多い、丸のみはなぜいけないの? デメリットについてよく噛まずに、食べ物を丸のみすることが、なぜよくないことなのか、もう少し詳しく見てみましょう。食品を一口大に噛みちぎることができたとしても、そのまま噛まなければ大きすぎるので、のどに詰まってしまうことがあります。のどの奥で、呼吸をするための気道と食べ物を胃に送るための食道に分かれていますが、丸のみした食べ物がのどでつかえてしまうと、その気道をふさいでしまい窒息してしまいます。食物は、本来は口の中でこまかく噛み砕かれ、消化酵素を含む唾液とまざった状態で胃に運ばれます。ところが、丸のみしてしまうと食べ物はそのまま胃に運ばれてしまうので、胃腸での消化に負担がかかります。胃でもよくこなれないまま腸へと進むと、下痢や便秘の原因にもなります。こうして消化器に負担がかかると、栄養が体にうまくとりこまれなくなり、長期的には栄養障害を起こすことになります。ごくたまに、よく噛まないで呑み込んでしまうこともあっても仕方ありませんが、それが毎食のことになると、健康状態を損ねることにつながってしまうのです。丸のみしないためにできることは?丸のみしないようにするためにできることとは、どのようなことでしょうか。成長発達に合わせてのステップをしっかり踏むことが重要です。ダウン症のある人の成長・発達はゆっくり進みます。口の中の発達も同様です。離乳食の進め方もその子のお口の成長をよく観察して、ゆっくり進めてください。歯の生え方と同時に、舌の動きをよく観察しましょう。舌が乳首を吸うときのように前後にだけ動いているうちは、うまく咀嚼ができないということでもあります。また、首がすわり、おすわりが少しずつ安定してくる様子、姿勢の観察もしてください。そして、「おいしいものを食べたい」という積極的な意欲があることが大切です。心身ともに成長している様子をよく観察して、離乳を進めて、よく噛んで飲み込むというプロセスを練習していきます。このことが、丸のみを予防することにつながっていきます。成長、発達に合った離乳食を用意することも重要です。離乳初期は、唇をしっかり閉じてごっくんができることを確認しましょう。口に入った食べ物を舌で前から後ろへ送り込んで食べます。なめらかにすりつぶした状態のものが適しています。トロトロしたおかゆやポタージュ状のものから始めます。離乳中期は、ごくやわらかい食べ物を唇を使って口の中に取り込み、舌を上あごの前のほうに押しつけてつぶして食べます。あごを上下に動かして「もぐもぐ」できるようになります。やわらかく茹でたにんじんや豆腐などが適しています。離乳後期になると、歯ぐきによるすりつぶしができるようになります。唇・舌・歯・あご・ほおの動きが上下左右と複雑に動かせるようになっていきます。なめらかな肉団子やご飯粒などを一口ずつ咀嚼することができます。離乳後期のころには、自分で食べたいという意欲も出てきて、いわゆる「手づかみ食べ」が始まりますが、このことは道具を使って食べるようになるための大事なプロセスでもあります。自分で食べたいという意欲を伸ばしてあげましょう。歯ぐきによる噛める程度のかたさのものが適しています。このときに、食べ物に夢中になって丸のみしていないかよく見て上げて、「カミカミしてね」と声をかけ、大人も一緒に口を動かして食べる様子を見せるといいでしょう。食事をあげるときには、スプーンの上手な使い方があります。間違ったあげ方をすると食べづらいためにうまく咀嚼ができなくなってしまいます。スプーンを使う時の理想的なプロセスをご紹介します。① 食べ物を見せて、口に近づけます。口を開けてくれたら、下唇にスプーンの底面をつけて、上唇がしっかり下がってくるのを待ちましょう。② スプーンの前のほうに乗せた食べ物を赤ちゃんが口で捉えたと感じたら、すっとスプーンをまっすぐにして引きます。このときスプーンに食べ物が残っていてもかまいません。スプーンのボールの部分が平らで、口の大きさに見合ったスプーンを選ぶことも大切です。③ 口を動かしてごっくんと飲み込むのを待って、次のひとさじを与えます。飲み込まないうちに次のスプーンを出すことはやめましょう。気をつけたいのは、口からスプーンを引き抜くとき。スプーンを上唇になすりつけるように上のほうに向かって引き抜くのはやめましょう。あごがあがって飲み込みにくくなります。もう一つ大切なのは姿勢です。前のめりになったり、仰向けに寝過ぎた姿勢にならないようにしてあげましょう。まだ体を自分で支えられない子どもには、座位保持椅子などの背もたれや頭頸部が安定する椅子で、前のめりになったり、首が後屈した姿勢にならないようにしてあげましょう。一人で椅子に座れるようになったら、椅子に深く座り、足が床や足乗せ台についているようにします。足がプラプラしていると力も入らず姿勢も崩れやすくなります。筋力が弱いダウン症のある子どもの場合は、支えて上げることも必要ですし、普段から体をよく動かして腹筋をはじめとする筋力をつけることも大切です。こうして食べるときには、話しかけながら楽しく食べさせましょう。一方的に食べさせるばかりでなく、大人が食べる様子を見せ、一緒に楽しむのも良い方法です。そのときには少しオーバーな動きで口を動かして見せてあげるとより良いです。実際に食事をするとき以外に、舌やあごの動きをトレーニングすることも大切です。間接的な訓練として、バンゲード法などがあります。バンゲード法は、子どもの口の周り、すなわち頬、唇、舌の筋肉を手で伸ばしたり、縮めたりして動きをよくしてあげる方法です。食べるための必要な筋肉の働きを促すことができます。食べるという行為を、あらためて教えることは難しいかもしれません。細かいプロセスに分解して子どもに伝えることが必要ですが、考え過ぎるとかえって混乱することもあるでしょう。一度、専門家による摂食指導を受けることをおすすめします。まとめ丸のみしないで食べられるようになるためには、まず正しい食べ方を覚えることから。適切なひと口とはどのくらいの量なのか、毎回よく噛んで飲み込めているかを確認して、上半身を起こして食べましょう。食べ方を教えてあげることも大切ですが、「もぐもぐ」「かみかみ」「ごっくん」という声かけは笑顔で、「楽しく食べる」ことも忘れずに。丸のみを習慣化しないことで、健康においしく食事ができるようになれるといいですね。
2022年09月30日脳性まひとは?脳性まひは、妊娠中、出産前後もしくは生後4週間以内のあいだに、なんらかの原因で生じた脳の損傷が原因でおこる運動と姿勢の障害のことを指します。脳性まひの症状は、動きにくい様子がかろうじて分かる軽度から、身体の動きが制限され車椅子などの補助器具を必要とする状態、寝たきりで医療ケアが欠かせない最重度の状態など、人によってその症状はさまざまです。知的障害、行動障害、視覚障害、難聴、けいれん性疾患などがみられることもありますが、ない場合もあります。世界脳性まひの日〜Warm Green Day〜とは?Upload By 発達ナビニュース2012年に各国の支援団体らが10月6日を「世界脳性まひの日」としました。日本ではまだ、あまり知られていませんが、毎年この日、世界各国で脳性まひについての理解が進むように啓発のイベントなどが行われています。そして今年、東ちづるさんが代表を務める一般社団法人Get in touchが中心となり、日本でもさまざまな取り組みが行われます。緑をテーマカラーに「Warm Green Day(WGD)」(ウォーム・グリーン・デー/あたたかなみどりの日)と名付け、企業・行政・団体や個人の方々と一緒に緑色にちなんだ企画を開催します。「世界脳性まひの日〜Warm Green Day〜」の緑をテーマにランドマークのライトアップやデコレーションが行われます。・東京都庁(10月6日)・神奈川県庁(10月6日)・平塚市(平塚駅南口の広場噴水「海の讃歌」、10月6日)・小田原城(10月6日)・世田谷区庁舎(10月6日)・フジテレビ社屋イルミネーションAURORA∞(10月6日~8日)・セルリアンタワー東急ホテル(10月6日)・分身ロボットカフェDAWN(10月3日〜10月5日)・アルケア株式会社(9月30日~10月6日)・東急歌舞伎町タワー(10月6日)・東京ダイバーシティライオンズクラブ(10月2日 ※障害当事者のライオンズ会員が、新宿駅東口でWGD街頭募金実施予定)などUpload By 発達ナビニュース10月6日に向けてグリーンのアイテムやグリーンを身に着けたり、グリーンにデコレーションした施設などの写真をSNSに投稿してみませんか?以下のハッシュタグをつけてぜひ投稿してください!#WGD106#脳性まひ#世界脳性まひの日#worldcpday #getintouch #まぜこぜ2022年10月6日(木)に開催されるのは、参加型のイベント「生きづらさだヨ!全員集合」。脳性まひのある4名が登壇し、「生きづらさ」を発表します。観客のみなさんも一緒に考える、参加型のイベントです。司会は一般社団法人Get in touchの東ちづるさん、コメンテーターは、NHKEテレ「バリバラ」でおなじみの玉木幸則さんです。「生きづらさだヨ!全員集合」概要【日時】10月6日(木)14時〜16時終了予定(開場13時半)*手話通訳付き【場所】東京都港区西麻布3-5-5 dōTERRA Japanビル B1ホール*館内バリアフリー、障害者トイレあり*キッズスペースあり【登壇者】コメンテーター:玉木幸則(福祉番組ご意見番、社会福祉士)登壇者:川端舞(NEWSつくばライター)醍醐(ダイゴ)(タレント)千葉絵里菜(元NHKリポーター)寺田ユースケ(YouTuber、元車イス芸人・車イスホスト)司会:東ちづる【料金】大人1,000円、大学・大学院生500円(税込)高校生以下は無料※クリックすると発達ナビのサイトから「生きづらさだヨ!全員集合」申し込み用Googleフォームに遷移します脳性まひのアーティストやアスリート、パフォーマーが登場、音楽はROGUEの奥野敦士さんが作詞・作曲した、ROGUE『GET THE GLORY!』ぜひご視聴ください!「脳性まひ」と「世界脳性まひの日」をもっと知ってほしい世界ダウン症の日(3月21日)、世界自閉症啓発デー(4月2日)は国連制定された記念日ですが、「世界脳性まひの日」はまだ国連に制定されてはいません。しかし、脳性まひのある人は世界で1,700 万人以上いるといわれています。まだ理解されないことで困っている人がたくさんいるのです。脳性まひがある人だけでなく、どんな人もさまざまな個性をもっています。誰もが自分らしく日々を過ごせるように「脳性まひ」についてぜひ知ってください。「世界脳性まひの日」をきっかけに多様な社会について考えてみませんか。
2022年09月30日診断が出てから、3年生への進級このときはちょうどコロナ禍で、私たちの住んでいる地域では3~5月まで緊急事態宣言で学校もお休み。長女はこの期間、ストレスによると思われる蕁麻疹が出たりして通院していました。ただ、次女に限っては、この3ヶ月のお休みが良い影響を与えたようで、傍から見ていて、少し不安が減ったようで元気に過ごせていました。学校が始まって「ちゃんと学校に行けるのか…?」と心配していましたが、問題なく学校に行くことができました。3年生初めての保護者会で見たクラスの様子例年より遅くに開催された保護者会。そこで、先生がクラスの様子を映した動画を見せてくれました。コロナ禍で外出もできず、この年は雨も多かったので、休み時間に音楽を流して、ダンスタイムを設けて体を動かしてもらっているとのこと。やりたい子だけ参加してもらっているとのお話でした。このとき、まず思ったのが、次女がこの時間をどうやって過ごしているかということでした。Upload By まりまり教室から場所を移すことも、人よりハードルが高い次女…。カーテンの後ろにいたその動画で教室全体を映してくれていたのですが、よくよく観察していると、見たことのある服の子がカーテンの後ろに…。Upload By まりまり次女でした。一人でカーテンの後ろに隠れていました。正直、教室で一人でいる次女を見るのは、親としてつらいものがありました。分かっているものの、「あ~みんなの中にいてくれたらな~」などと思ってしまうのでした。なんでカーテンの後ろにいたか家に帰ってから、次女と動画について話してみました。次女からは「ダンス嫌だから、見えないようにカーテンの後ろに隠れてたの」とのこと。最初は一人の次女を見るのはつらい気持ちだったので、参加できない次女に対して、ついつい「みんなやってるんだから…」とか「見てるくらいできるでしょ」とか言いたくなってしまう母。でも、落ち着いて考えてみると、次女は「それでも何とか教室にいることができている」状態でした。苦手な状況に、「カーテンの後ろに隠れる」ことで、自分で対処しようとしている…?Upload By まりまりきっとこんな感じで、カーテンの後ろに隠れることを否定したら、それこそ教室に居場所がなくなってしまうのではないかと気づいたのでした。そこが次女の安心できる場所だったなので、なんとか工夫して教室にいる次女の行動を褒めてみることにしました。Upload By まりまりUpload By まりまりするとこんな答えが返ってきました。次女は、このときだけでなく、休み時間に教室が騒がしいときなどは、カーテンの後ろにいることが多いとのことでした。カーテンの後ろにいて、いろいろなことを想像していると怖くないんだと。Upload By まりまりカーテンの後ろは次女にとって大事な居場所で、必要な場所だったということが分かったのでした。むしろ、その対策を自分で考え出していて偉かったなと…。ついつい、「みんなと同じに…」とか思ってしまうこともある母。でも、次女と話したことで、このとき、自分の焦りから、教室で次女が安心していられる場所を奪うことにならなくて良かった…と思ったのでした。執筆/まりまり(監修:初川先生より)次女さんの工夫を「工夫」として受け止めることができたというエピソードをありがとうございます。みんなが踊って楽しんでいる中で、一人隠れて外を見ているわが子を見たら、親としてうろたえる思いがするのはある意味自然なことです。せっかく学校に行っているんだし、みんなと楽しく過ごしてほしいという思い、保護者会でその映像をほかの保護者も見ていて、わが子が一人でいるところを見られるのがちょっと恥ずかしく思う気持ちなどもあってもおかしくないと思います。帰宅後にその話をするにあたって、まりまりさんは自分の気持ち(焦り、不安、ちょっとした怒りなど)をちょっと横に置くことができ、次女さんの気持ちに思いを馳せたうえで、言葉をかけることができたのですね。子どもの行動には子どもなりの理由があり、それは往々にして、子どもなりにその環境に適応しようとした工夫の結果であることが多いです。逃げようとしている、さぼろうとしているということは、大人が想像するよりもずっと少ない印象があります。大人が自分の気持ちをちょっと横に置いておくことも、慣れるまでは覚悟と少しの忍耐が必要なこともありますが、しかし、こうして一度、(自分の思いを横に置くことで)お子さんなりの努力・工夫に出合えたといった経験などをすると、お子さんの思いをまずは「聞いてみる」ことがやりやすくなりますね。次女さんなりに、苦手な教室場面や、休み時間というフリーな状況への苦手さなどがある中で、自分の居場所を教室の中に作り出そうとしている姿を、まりまりさんの話の振り方によって知ることができ、よかったですね。
2022年09月30日学習障害がなくても、聴覚過敏が原因で学習に困難を感じている子どもは多くいる?勉強に集中できない、勉強をしているとなぜかすぐに疲れてしまう…など、子どもの学習に関連する困りごとがあると、「限局性学習症(学習障害・LD)」があるのではないかと考える方も多いのではないでしょうか。しかし、そのほかの発達障害の特性から、限局性学習症がなくても学習に困難を感じる場合もあります。特定の領域の学習ができない限局性学習症とは異なり、環境に左右される原因によって学習困難が起こることがあります。このコラムでは「聴覚過敏がある子どもの学習の悩み」について、原因や解決方などを解説します。Upload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホン聴覚の過敏さによる困りと対処法聴覚が過敏だと、意識しなくても小さな音まで聞こえやすかったり、特定の音に対するつらさが強まったりすることがあります。また、必要な情報だけ音を拾って感知するという情報の選択ができず、たくさんの音が同時に耳に入ってきて、肝心な情報がかき消されてしまう場合もあります。教室の中がうるさいと集中できない場合があります。聴覚過敏の場合、たとえば先生が話していることに集中したくても、そこに誰かの話し声、衣擦れの音、窓の外の音や空調の音などが重なり合って、どの音に集中したらいいのかが分からなくなってしまいます。また、椅子と床がこすれる音や、特定のお友達の話し声など、苦手な音がつらく、疲れやすくなることもあります。解決策:教室の雑音は多くの子どもにとって気が散る原因となります。椅子の脚にカバーをつける(使い古しの硬式テニスボールを切って脚にかぶせるなど)といった工夫をしましょう。また、イヤーマフや耳栓をうまく活用するのもよい方法です。大きな音が苦手な場合があります。急に大きく響きわたるような音、たとえば陸上競技のスタートのピストル空砲、避難訓練のサイレンなどが鳴ると、誰でもびっくりするものです。元々、その音自体や音量に対する苦手さがあり、それに加えて予告なく音が鳴るような状況だと、周囲の想像以上につらく感じている場合があります。その結果としてその音に対する過敏さが強まってしまい、そのあといつまでも気持ちの切り替えができなくなってしまう場合があります。解決策:学校でも家庭でも、予測できない音はしかたありませんが、大きな音が出る場合にはこれから何が起こるのかを説明しましょう。説明を受けてもやはりその音を聞くのがつらい、という場合には我慢をせずに、大きいサイレンの音が鳴る避難訓練の時間だけ休む、運動会のピストルを旗に変えてもらうなどの配慮をしてもらうことを検討しましょう。また、イヤーマフや耳栓をうまく活用することもつらさの軽減に有効です。たくさんの音が全て聞こえてしまって疲れてしまう場合があります。自分が必要な情報に集中してほかの音を小さくするような脳の機能がうまく働かないと、教室のさまざまな音を聞き取ってしまいます。そんな状況でも特定の音声、授業中なら先生の声だけになんとか集中して聞こうとすることで、疲れてしまう場合があります。また、聞き取ることに努力が必要な子どもの場合、疲れてぼんやりしてしまうことで、集中していないという誤解を受けることがあります。解決策:生活音などの騒々しさが原因の場合は、ノイズキャンセリングイヤホン/ヘッドホンが有効です。耳栓、イヤーマフなども一定の効果があります。音に対する直接的なアプローチだけではなく、帰りのホームルームで明日の持ち物を口頭だけではなく黒板にも書いてもらうなど、聞きとりにくさを前提とした視覚的なサポートを受けられると困りごとが減るでしょう。イラスト/taeko
2022年09月29日千葉県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報てらぴぁぽけっと 新浦安教室は教室の窓からは境川と遊歩道が見え、海まで約1キロののんびり穏やかな街並みにある児童発達支援事業所です。「言葉がでない」「急に走り出してしまう」「椅子にすわっていられない」「大声をあげてしまう」「手をつないで歩けない」「ほかのお子さんと遊べない」などの悩みに、さまざまな分野の資格を持った職員がABA(応用行動分析学)による科学的アプローチを用いて、一人ひとりのお子さんに合わせた療育プランを提案し、必要なことをひとつずつ確実に習得していけるよう、お子さんの成長を見守っています。千葉県の児童発達支援事業所をもっとみる愛知県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報五感脳トレーニングは10月金山駅近くにオープン予定の児童発達支援・放課後等デイサービスです。思考力・判断力・想像力・文章力・表現力・記憶力などをゲーム感覚で取り組むことができる五感脳トレーニングや、リトミック、アート、クッキング、英語、体幹トレーニングを、療育の研修を受けた専門の講師が楽しく行っています。一つひとつできたことを褒めて認め自己肯定感を高め、お子さんが一斉に同じことをするのではなく、選択をしてもらい、自分で考えて行動出来る10の力を育てることを大切にしています。愛知県の放課後等デイサービスをもっとみる大阪府放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報Pitago Labは事業所名の由来である、数学者で哲学者であるピタゴラスから「ヒラメキ」や「発想」を連想し、子どもが本来持っている「柔軟で独創的な発想」をサポートし、育むことを目的としている児童発達支援と放課後等デイサービスを提供している多機能型事業所です。生活習慣の自立と習得を目指した生活面での支援や、協調性や挨拶、ルールを守ることなど社会性での支援を行っています。また、学習支援や土日祝日を利用して、プログラミングや運動、料理、制作、外出支援などのさまざまな支援を行っています。大阪府の放課後等デイサービスをもっとみる大阪府児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報ステラ幼児教室 新大阪校は関西地方初出店10月開講予定の児童発達支援事業所です。自閉スペクトラム症・学習障害・ADHDなどの発達障害や発達の遅れが気になる未就学のお子さんに対し、1コマ50分のマンツーマン授業・小集団授業を提供し、お子さんの「できた!」につながる支援をしています。療育方法や支援方法などの研修を受けた専門のスタッフが丁寧にアセスメントし、一人ひとりの発達に合わせた個別の支援計画を作成し、完全オーダーメイドのカリキュラムで授業を進めます。Upload By 発達ナビ施設情報2022年2月にオープンしたBEAR KIDSはお子さんが少しでも楽しく社会で生きていけるよう一人ひとりにパーソナライズされた療育を提供している児童発達支援と放課後等デイサービスの多機能型事業所です。就学前トレーニングや、応用行動分析(ABA)をベースとした個別療育、小・中・高、その先に待つ長い社会生活、将来を見据えた学習支援・集団療育のほか、未就学のお子さんも、簡単に遊びながら指先や脳に良い刺激を得られる、レゴ社が提供している教材「LEGO SPIKE」を使用した支援を行っています。大阪府の児童発達支援事業所をもっとみる兵庫県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報きらきら放課後等デイサービスは2022年8月にオープンした、就労準備型放課後等デイサービスです。SST(ソーシャルスキルトレーニング)やパソコン、学習、習字、制作活動などのプログラムのほか、基本的マナーの取得や子どもの自立、進学のサポートを行っています。SSTではワークシートやゲームなどを用いてコミュニケーション能力の向上を目指し、作業訓練では個人の特性に合った職業を一緒に考え、就労準備にむけてのサポートを行っています。また、自己表現や余暇活動の一環として水墨画などにも挑戦しています。兵庫県の放課後等デイサービスをもっとみる「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、WEBからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。
2022年09月29日脳には「発達黄金期」があるのをご存じですか?じつは、脳の発達は能力によってピーク期が異なります。親がその発達黄金期に合わせたアプローチをすることで、お子さまの脳はどんどん刺激されていくようです。脳医学者で東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之氏は、脳の成長段階の黄金期をふまえた子育て法を「脳育て」と呼んでいます。今回は、脳の発達黄金期について考えてみましょう。脳の発達ピーク1:オキシトシンの分泌量は1歳頃に “ほぼ決まる”!?脳の発達ピーク2:「おりこうさん脳」が育つのは1~18歳脳の発達ピーク3:指先は第二の脳!「巧緻性」は3~5歳に高める脳の発達ピーク4:脳の成長の原動力「知的好奇心」は3〜6歳頃に伸ばす!脳の発達ピーク5:絶対音感は4~5歳まで。聴覚は8歳までに完成する脳の発達ピーク6:運動神経が伸びる黄金期は12歳頃まで!?脳の発達ピーク7:13歳までに「脳をつくる栄養素」をしっかりとろう!脳の発達ピーク1:オキシトシンの分泌量は1歳頃に “ほぼ決まる”!?身体心理学者で桜美林大学教授の山口創氏の研究から、「スキンシップが子どもの脳を育てる」ということがわかっています。スキンシップをすると、脳内にはオキシトシンというホルモンが分泌されます。「愛情ホルモン」とも呼ばれるオキシトシンは、ストレスへの反応をやわらげ、情緒を安定させる働きがあるのです。たとえば、子どもが不安を感じているとき、親が抱きしめてあげると、泣き止んだり、安心した様子を見せたりすることがあると思います。これはオキシトシンが分泌されている証拠です。山口氏は、幼児期に「添い寝などを通じて肌にたくさん触れられて育った子どもは、成長してからも情緒が安定しており、社交性が高く、他人を攻撃する傾向も低い」としています。一方、スキンシップ不足で育った子どもは、「人間不信や自閉的傾向が高く、自尊感情も低い」のだそう……。そしてなんと、オキシトシンの分泌量は脳の発達が著しい1歳頃に “ほぼ決まる” とのこと。でも、ご心配なく!山口氏は、1歳を過ぎても、スキンシップの効果は大いにあると話していますよ。「ハグをする」「手をつなぐ」など、子どもとしっかりスキンシップをとるよう心がけましょう。脳の発達ピーク2:「おりこうさん脳」が育つのは1~18歳青山・表参道睡眠ストレスクリニック院長の中村真樹氏は、日本人の睡眠時間は世界的に短いとし、「寝不足の子どもは前頭葉の働きが低下する」と述べています。前頭葉は、思考、感情、コミュニケーションなど社会性に関わる脳の部位です。そこが未発達だと、集中力・意欲の低下、認知能力の遅れ、イライラしやすい、落ち着きがない、周囲に対して攻撃的になるなどの弊害があるのだそう。睡眠の専門家で文教大学教授・成田奈緒子氏も、慢性的な睡眠不足が子どもたちの脳に悪影響を及ぼしていると危惧するひとり。子どもの脳をきちんと育むために、親は以下の「脳の発達3段階」と、それぞれの「発達ピーク」を知っておいたほうがいいと話します。第1段階(発達ピーク→0~5歳頃):【体の脳(脳幹、間脳、小脳)】「起きる、寝る、食べる、体を動かす」といった、生きていくために最低限必要な機能第2段階(発達ピーク→1~18歳頃):【おりこうさん脳(大脳新皮質)】「言葉、微細運動、知識、スポーツ」などをつかさどる第3段階(発達ピーク→10歳以降):【心の脳(主に前頭葉)】「感情のコントロール、思考、判断」などの機能 そして一番重要なこととして成田氏は、「これらの発達は1~3の順番でしか進まない」と断言しています。どういうことかと言うと、「体の脳」が育たないと「おりこうさん脳」は育たず、「おりこうさん脳」が育たないと「心の脳」が育たないので、結果的に自分の感情をコントロールして生きていくことができなくなってしまうのです。まずは、「体の脳」を育てるため、5歳までの睡眠には特に気を使いたいですね。脳の発達ピーク3:指先は第二の脳!「巧緻性」は3~5歳に高める巧緻性とは、指先の器用さ。ハサミやヒモなどを使った工作がテストに取り入れられるなど、小学校受験でも重要視されている能力です。長年、指と脳の関係性を研究している医学博士の長谷川嘉哉氏も「指先は第二の脳」と言うほど、巧緻性は脳と密接な関わりがあります。前出の瀧氏によると、巧緻性は脳の頭頂葉の運動野がつかさどっており、その部分の発達のピークは3~5歳。積み木やお絵かき、楽器の演奏などの指先を使う遊びが、巧緻性の発達に効果的とされています。また、巧緻性が育まれ、指先を自由に使えるようになると、自分でできることが増えるため、なんと学習効果にも好影響を及ぼすとのこと。埼玉大学教育学部教授・川端博子氏の調査で、巧緻性テストで上位だった子どもは、学力テストの結果でも上位だったことがわかったのです。脳の発達ピークに向けて、どんどん指先を鍛えていきましょう!脳の発達ピーク4:脳の成長の原動力「知的好奇心」は3〜6歳頃に伸ばす!「知的好奇心は、脳の成長の原動力になる」と明言するのは、瀧氏。知的好奇心が高いとポジティブな感情になりやすく、そのポジティブな感情は、記憶力や集中力を高め、考えたり判断したりする情報処理能力をも向上させるそうなのです。たしかに、イヤイヤやったことよりも、ワクワクしながら取り組んだことのほうが、はかどるし、記憶に残りますよね。では、子どもの知的好奇心を伸ばす最適な時期はいつなのでしょう?瀧氏によると「3〜6歳頃の未就学時期は知的好奇心を伸ばすのに最適」とのこと。そして嬉しいことに、6歳を過ぎてしまったとしても、刺激を与え続ければ人間の脳は成長すると、瀧氏は言います。何歳になっても、大人であっても、脳は成長するのです。ですから、子どもの知的好奇心を伸ばしたいのであれば、親御さん自身も「大人だからできない」と思わずに、子どもと一緒にさまざまな活動にチャレンジしてみてくださいね。脳の発達ピーク5:絶対音感は4~5歳まで。聴覚は8歳までに完成する日本こども音楽教育協会によると、絶対音感とは「音を聞いて即時にドレミの高さが判別できる力」のこと。絶対音感がある人は、生活音も正確に言い当てられるのだそう。すごいですね。絶対音感は、脳の発達を促すことがわかっています。ドイツのハインリッヒ・ハイネ大学の研究で、絶対音感をもつ人と、絶対音感をもたない人の脳を比較したところ、絶対音感がある人のほうが、左脳にある側頭平面(言語の理解や数学的能力に深く関係していると考えられている箇所)が約2倍大きく発達していたのです。「先天的に絶対音感がある人は20万人に1人」と日本こども音楽教育協会ウェブサイトにはありますが、幼少期に適切なトレーニングをすれば誰でも絶対音感を身につけることができるようです。脳科学者で『ピアニストの脳を科学する』著者の古屋晋一氏は、特に4~5歳の時期に絶対音感は獲得しやすいと述べています。8歳までに人間の聴覚は完成してしまうようなので、音感トレーニングはできるだけ早く始めたほうがよさそうです。脳の発達ピーク6:運動神経が伸びる黄金期は12歳頃まで!?「運動神経とは運動の指令が脳から筋肉まで送られるときの “情報の通り道” 」と定義するのは、日本女子体育大学学長の深代千之氏。そしてなんと、運動神経の伝導速度に生まれつきの個人差はないと話します。大切なのは、幼少期の「運動環境」。多種多様な動きを経験すればするほど、脳の神経回路が発達して運動神経がよくなるのだそう。また深代氏は、運動神経を伸ばすには「最適な時期」があるとしています。3~5歳頃の「プレゴールデンエイジ」と6~8歳の「ゴールデンエイジ」です。しかし、ゴールデンエイジ期の定義には、専門家によってばらつきがあるようです。『子どもの身体能力が育つ魔法のレッスン帖』著者・髙橋宏文氏は、プレゴールデンエイジを5~9歳、ゴールデンエイジを9~12歳としています。とはいえ、どの専門家も「12歳までに神経系の発達が完了する」としていることから、運動神経を伸ばすには、12歳までの運動経験が大切だと言えるでしょう。■以下の記事で【プレゴールデンエイジ期】【ゴールデンエイジ期】におすすめの運動遊びを詳しく紹介しています!↓↓↓『子どもの運動能力が上がる!ゴールデンエイジとプレゴールデンエイジの過ごし方』『「運動神経のいい子」特徴6つ。12歳までに運動神経はもっと伸ばせる!』ゴールデンエイジは一生に一度の「運動神経が伸びる黄金期」。この時期は、動きがすぐ身につき、覚えた動作は一生忘れないそう。貴重な成長期をしっかり活かして、運動経験を積ませてあげたいですね。脳の発達ピーク7:13歳までに「脳をつくる栄養素」をしっかりとろう!「育脳レシピ」を開発する管理栄養士・小山浩子氏は、遺伝子の影響が表れる13歳頃までに “脳をつくる・働かせる・動かす栄養素” をしっかりとることを強くすすめています。脳も体の一部です。小山氏の言うように、脳が食事の影響を受けるのは当然ですね。では、 “脳をつくる・働かせる・動かす栄養素” を摂取するために、子どもには何を食べさせたらよいのでしょう?小山氏がすすめる食材を紹介します。「脳をつくる」栄養素:DHADHAは脳にとっての最重要栄養素。小山氏が「DHAの摂取量が十分な子どもとそうでない子どもでは、脳の神経回路の発達に違いがある」と言うほどです。また、DHAは体のなかでつくることができません。サバやイワシなどの青魚、サバの水煮缶やツナ缶、魚肉ソーセージを積極的に摂取しましょう。アマニ油やエゴマ油にもDHAは含まれているので、ドレッシング代わりに使うのも◎ですよ。「脳を働かせる」栄養素:レシチン小山氏によると、IQが高い子どもの脳には、脳を「働かせる」アセチルコリンという神経伝達物質が多いそう。このアセチルコリンの材料となるのが、卵や大豆に含まれる栄養素のレシチン。卵は「子どもには1日1個食べさせてほしい!」と小山氏が言うほどなので、毎日食べさせてあげましょう。豆腐や油揚げ、枝豆などの大豆製品が苦手なお子さまには、ヨーグルトやトーストにきな粉をプラスするのもひとつの手です。「脳を動かす」栄養素:炭水化物炭水化物(ブドウ糖)は脳を「動かす」ガソリンです。小山氏によると、「脳が消費するエネルギーは、体全体の消費量のなんと20%」とのこと。脳のために、エネルギーとなる炭水化物をしっかり食べることが大切です。特にエネルギーが必要となる朝は、ご飯やパン、麺類などをきちんと食べさせてください。カリウムや食物繊維を含む、野菜や果物、ヨーグルトと一緒に食べましょう。***能力ごとの発達ピークを意識すると、子どもの脳はもっと発達することでしょう。お子さまが18歳以下であれば、まだまだ能力が伸びる可能性がありますよ!(参考)瀧靖之(2016),『「賢い子」に育てる究極のコツ』, 文響社.クレア・ルウェリントン 著, ヘイリー・サイラッド 著, 上田玲子 監修, 須川綾子 翻訳(2019), 『人生で一番大事な最初の1000日の食事』, ダイヤモンド社.深代千之(2018),『子どもの学力と運「脳」神経を伸ばす魔法のドリル』, カンゼン.高橋宏文(2018),『子どもの身体能力が育つ魔法のレッスン帖』, メディア・パル.九州電力 キレイライフプラス|子どもを伸ばす「脳育て」新興出版社|頭のよさにつながる幼児期の遊ばせ方ふとん・寝具の西川|「寝る子は育つ」は本当︎睡眠専門医に聞く「眠りと発育・成績」の関係性致知出版社|「スキンシップ」が子どもの脳と心を育てるー山口創が語る最新科学が明らかにした子育のヒントSony life|特集「子ども脳も大人脳も『好奇心』で成長する脳に効く習い事」ベネッセ たまひよ|3~6才ごろの未就学時期が「知的好奇心」を伸ばすのに最適!その理由と上手な伸ばし方は【脳科学者】ベネッセ教育情報サイト|脳の成長の原動力とは?保護者に何ができる?ヤマハ音楽教室|久保純子さんがナビゲート 4・5歳が分かれ道。幼児期に音楽を始めると獲得できる様々な能力とは?NKO 一般社団法人 日本こども音楽教育協会|プログラムについてSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもの脳をきちんと育てる「正しい睡眠」STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもの脳は“親の愛情”と“食事”で育つ!「育脳」に効く食材の選びかたSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|“パン&〇〇”で最高の朝食になる!脳が育つ食べ合わせ「5つの黄金ルール」アイ・シー・イー幼児教室|【無料動画配信】小学校受験対策講座「制作」「生活巧緻性」J-STAGE|小学生の手指の巧緻性に関する研究―遊びと学習面からの一考察―
2022年09月29日特別支援教室を嫌がっていた、ASDのある長男ASDの特性がある、わが家の長男ミミ。1年生のころから特別支援教室に通っています。小学3年生になって2回目の特別支援教室を終えたころ、ミミと教室について話したことがあります。「特別支援教室楽しい?」「楽しいけど、(通常学級を)抜けた分のプリントが宿題になるからイヤだ」特に大きな問題はなく通えているようでしたが、通常学級の宿題が増えることが大変のようでした。以前から宿題が増えることを嫌がっていて、欠席した分のプリントは手つかずのままでした。Upload By taekoそんなに毎回嫌がるなら、試しに特別支援教室を休んでみようかな。そう考えた私は、ミミと相談した上で特別支援教室の先生に次回の授業を休むことを伝えました。すると先生はこうおっしゃっられたんです。「特別支援教室を休むという判断については、もちろん尊重させていただきます。ただ、できれば休まずに通わせて欲しいので、自分で特別支援教室を休みたいと担任の先生に言えたら、休んでも良いということにしましょうか」そう提案してくれました。加えて先のことを見通したルールも考えてくれました。「その次の週は登室することを約束して、続けていけるようにしましょう」そこで私は、通常学級の担任の先生には手紙を書き、ミミには「先生に特別支援教室を休みたいことを、何で休みたいのか理由も伝えてね。それができたら休んでいいよ、でも次の週は行こうね」と伝えました。Upload By taeko「休みたい」と伝えたミミ。そのとき、通常学級の先生は…先生に自分から伝えると約束をした次の日、帰宅後のミミと話しました。しかしどうやら、先生に休むことをちゃんと言わなかったようでした。理由を聞くと、「ママの手紙があるから言わなくてよいと思った」と。なるほどな、と思いました。こんなことなら手紙書かなければ良かった…。そこで再び、「直接ミミが言えるなら休んでも良いんだよ、明日言えなかったら休まずに行こうね」と、2人で約束をしました。ミミは「うん」とうなづいてくれました。Upload By taekoそして次の日の夕方。通常学級の先生に電話すると、特別支援教室の先生と連絡してくれていたようでした。ミミから行きたくない理由を聞き取ってくれて、ほかにも特別支援教室ではどんな活動をしているのかも聞いてくれていました。そこでミミは、最近の活動として、新しく入ってきた1年生のために歓迎会の招待状とクイズを用意したことを話したようでした。それを聞いた先生が、ミミにあることを伝えてくれたんです。「1年生は招待してくれた先輩のきみと、会うことを楽しみにしてくれているんじゃないかな?」ミミも一緒に居た方が良いのではと、促してくれました。それを聞いたミミはハッとした様子だったようで、特別支援教室に対しての前向きな気持ちが改めて湧いてきたようでした。その後も先生は、通常学級での授業をなるべくプリントが少ない授業にしてくれるなどの配慮をしてくれました。ミミも納得して、特別支援教室に行くことができました。Upload By taeko特別支援教室から帰宅したミミに、どうだったか聞きました。「楽しかったけど…」煮え切らない様子で、やっぱりちょっと休みたかったという気持ちが見えて、少し笑ってしまいました。それでも楽しかったというのは本当だということが伝わってきて、私はミミが登室できたことをいっぱい褒めました。そして後日談。特別支援教室の連携のノートには、こう書かれていました。「1年生がミミが作った招待状を持って来てくれてとても嬉しそうでした」きっとミミも、嬉しそうにしてくれる1年生を見て、嬉しかったはずです。そんな風に、とても丁寧に対応してくれる先生方のためにも、これからもミミのことを積極的に相談をしようと思いました。執筆/taekoUpload By taeko(監修:初川先生より)特別支援教室は楽しいけれど、特別支援教室に行くことで抜けてしまった授業のプリントが宿題になるのがつらい…ミミくんの葛藤が伝わってきますね。抜けた分のプリントもしっかりやりたい真面目さがあるのはとても良いことですが、そのぶん、負担感が増してしまうのですね。特別支援教室での取り組みの楽しさや充実よりも、「通常学級での宿題が増える」方に目が行くのも仕方のないことのように感じます。今回、担任の先生が特別支援教室での授業時間中の課題を工夫して減らしてくださったのはありがたいですね。さて、このエピソードのもう1つのテーマは「自分で申し出る」ということですね。子どもたちは保護者が「先生に言っておいてくれる」ことの恩恵を受ける経験を多くしてきていることと思います。ですが、いつまでも保護者がそこを肩代わりするわけにもいかないですし、自分の意思を伝えるということはとても大切なことです。今回のように、先生と保護者の間で話をしておき、そのうえでお子さんが先生に申し出るといった、「申し出る練習」のセッティングを整えておくこと、とてもよいと思います。練習は、はじめは不意にやるものではありません。練習するためのセッティングをして、大人が見守りながら、子どもが安心して練習すること。はじめは何事も緊張し不安もあるでしょうが、「大丈夫だった、うまくいった」という経験をすることでその行動が次につながります。だからこそ、ちょっと勇気の必要な新しいことをする際は、大人が話を通したうえで、、ハッピーエンドで終われる「練習」をできるとよいのです。
2022年09月29日「インクルーシブ教育システム」のよいところインクルーシブ教育とは、障害のある子どもと障害のない子どもに別々の教育を行うのではなく、全員が共に学べるような形で教育を行うことを意味しています。文部科学省では、障害のある子どもと障害のない子どもが共に学べる環境と、障害のある子どもが個別に学べる環境をどちらも整備し、すべての子どもがどちらの環境も活用できるようにしていこうと提唱しています。これは合理的な考え方で、そのような環境設定をすることに対して、私は全面的に同意しています。学校に多様な学習環境が用意されていて、子どもたちが自分の状態に合わせて環境を選べるようになれば、誰もが学びやすくなるでしょう。「一度しか言わないから」は多様性を否定する指導方法文部科学省はインクルーシブ教育システムの確立に向けてさまざまな取り組みを実施していますが、現在の学校教育にはまだ課題もあります。例えば、学校で先生が子どもたちに「いいですか、一度しか言わないからよく聞いてくださいね」と呼びかけることがあります。これは、インクルーシブ教育システムの定義にある「人間の多様性の尊重」を否定する指導方法です。このような指導では、「口頭の指示を一度で完全に理解できる」という子どもしか学習できません。それ以外の子どもは、学習する機会を失います。現在の学校教育にはまだ課題がある人間には、口頭の指示を理解するのが得意な子どももいれば、聞くことよりも視覚的な文字などの指示を理解するのが得意な子どももいます。それ以外の方法が得意な子どももいるでしょう。どのようなタイプの子どもも学習できるように指導方法を工夫するのが、先生の仕事であるはずです。指導が上手な先生は、口頭で一度指示するだけではなく、黒板に同じことを書いて示したり、指示を繰り返したり、手本を見せたりして、子どもたち全員が学習できるように工夫しています。そのようなちょっとした工夫で、学習環境を整えていくことは大切なことです。「学校の標準」をゆるやかにして、みんなが学びやすい環境をつくっていくのです。出典 : 「学校の標準」が狭すぎるのではないか?発達の特性がある子どもは学校生活において、何かと困りごとに直面しがちです。ほかの大多数の子どもよりも、困難が多いように感じます。それはなぜでしょうか。私はその要因の一つに「学校の標準が狭すぎること」があると考えています。いまの日本の学校には、子どもが「標準的にやるべきこと」が多すぎます。私は、いまの学校では子どものやるべきこと、守るべきことが多すぎて、「標準」が狭くなっているように感じます。その「標準」をこなせる子どもはよいのですが、発達の特性がある子どもは、すべての活動を「標準」に合わせるのは難しい場合もあります。ローカルルールは少ないほうがいい学校には多くの子どもたちが集まっています。集団で活動するためには、一人ひとりが一定のルールを守ることが欠かせません。ですからなんらかの「標準」は必要です。子どもたちが学校で集団行動のルールを学ぶことには、意味があると思います。しかし、ルールが細かくなりすぎると、それがいじめの温床になることもあります。例えば「校舎内の廊下は左側を歩きましょう」という決まりをつくることは、衝突を避け、人の流れをスムーズにするためには有効です。しかし、それを破ったら罰を与えるような厳しいルールにしてしまうと、ある子どもが右側を歩いたときに、ほかの子どもがそれを強く注意したり、先生に言いつけたりすることが出てきます。ルールから少しはずれただけで、非難するような風潮ができていくわけです。私は、学校内のローカルルールは、少なければ少ないほどよいと思っています。「学校の標準」に苦しむ子どもたち「学校で、みんなと同じようにできない」ということに悩み、登校できなくなった子どもたちを、私は大勢みてきました。私は「学校の標準」が狭いこと、大人たちが学校をきっちりとつくりすぎてしまったことが、一部の子どもたちを苦しめているのではないかと思っています。また、学校のように大勢で集まって活動する場所では、「一緒に遊ぶと楽しいよ」「全員一丸となってやれば、必ずうまくいく」というふうに、「みんなで一緒にやるのがいいこと」という価値観を強く押し出し、しかもそれを目標にしてしまうことがあります。出典 : 学校で「みんなで一緒に」を目標にしないグループをつくってお互いに協力し、それぞれの長所を生かして一人ではできないことをするというのは、よいことだと思います。しかし、そこで大事なのは「なんらかの成果を上げる」ということであって、「みんなで一緒に」「全員一丸となって」行動することではないはずです。集団に対して「みんなで一緒に」という目標を立てると、その集団に「標準」が生まれ、そこから外れることをよしとしない風潮ができていきます。学校のように、子どもたちが一人ひとりのびのびと学習していく場には、そぐわないものだと思います。学校を小さな「共生社会」にするために私は社会全体が、多種多様な人たちが共存できる「共生社会」になっていくことを願っています。学校も一つの小さな共生社会になっていってほしいと思います。ただし、私が共生社会としてイメージするのは、先ほど述べたような「みんなで一緒に」を目標とする社会ではありません。世の中には「みんなで仲良くできるように努力しよう」「立場が違っても分かり合える」と考える人もいますが、私は現代の社会をそんなに甘いものではないと思っています。「相性が最悪の人とも共存できる社会」に私が思う共生社会とは、「相性が最悪の人とも共存できる社会」です。そのくらいのことができないと、本当の意味での共生社会はつくれないと思います。人間誰しも、「この人とは合わないな」という相手がいます。見るのも嫌だという相手もいるわけです。共生社会をつくるためには、きれいごとではなく、そういう相手とどうやって共存できるかを考えていくことが必要です。自分とは違う人への恐怖心や攻撃心を認めたうえで、その人とも共存できる仕組みを、理性的な社会の枠組みとしてつくっていく。それが、共生社会をつくる道です。「理解しきれない相手もいる」という現実多くの場合、人は他人のことを理解しようとするとき、過去のさまざまな経験から相手の立場や考えなどを想像します。しかし、人のあり方は多様です。自分が「ふつう」だと考えていることが、相手にとっては「ふつう」ではないこともあります。だからこそ、人が分かり合うのは難しいわけです。「世の中には、自分には理解しきれない相手もいる」という現実をきちんと認識し、そういう相手がいることを認めたうえで、その人とどうやって共存するのかを考えること。それが共生社会をつくるということだと思います。「みんなで一緒」よりも「お互いにリスペクト」私は、共生社会をつくるために必要なのは「みんなで一緒に」ではなく、「お互いにリスペクト」という姿勢だと考えています。相手の考えをすべて理解できるわけではないけれど、認めてはいる。けっして無視をしない。そのような関係性をつくっていけば、どのような相手とも共存していけるのではないでしょうか。学校のように大勢が集まる場でも、発達障害のある子どものような少数派の論理を認め、けっして軽視しないこと。その姿勢が共生社会や真のインクルーシブ教育の実現へとつながっていくはずです。
2022年09月28日学習障害がなくても、視覚過敏が原因で学習に困難を感じている子どもは多くいる?ノートが上手く取れない、計算や漢字の書き取りが不得手、授業に集中できない…など、子どもの学習に関連する困りごとは、「限局性学習症(学習障害・LD)」が原因なのではないかと考える方も多いのではないでしょうか。しかし、限局性学習症とは異なる特性が理由で学習に困難を感じている子どももいると考えられています。特定の領域の学習ができない限局性学習症とは異なり、環境に左右される原因によって学習困難が起こることがあります。今回は「視覚過敏」が原因で起こる学習困難についての原因や解決方法などをイラストと共に分かりやすく解説します。Upload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホン目の感覚、視覚が過敏な場合は光を過度にまぶしく感じることがあります。視覚の過敏さがある子どもの場合、ノートをまぶしく感じる場合があります。一般的にノートの紙は明るい白のためノートが照明の光を反射して、まぶしくて板書がしにくかったり、書いた字が読みにくかったりすることがあります。また、タブレットを学習に活用している場合、明るさの調節をしないと、画面がまぶしすぎることがあります。解決策:ノートの紙にほんのりと色がついているものを選ぶだけでもまぶしさは軽減します。色つきのクリアファイルや下敷きを重ねることで見やすくなることもあります(※)。また、机の配置が照明の真下にならないようにしましょう。タブレットについては、画面照度を子どもが見やすく感じる明るさに調整しましょう。機種によってはアクセシビリティの機能によって色つきの画面に設定できることもありますので、こうした機能を活用することもおすすめです。(※)子どもによって見やすい色合いや彩度は異なります窓が近い日当たりのいい席は、黒板や先生の姿だけでなく、教科書が日光を反射して見づらくなる場合があります。また、照明の種類や光が当たる角度によっては、同じような状況になります。また、本を読んでいる最中に文字が追えなくなる、ズレたりにじんだりして見える、文字がチカチカと光るように見える、文字が流れてしまうなど、光の感受性が高いために起こる視知覚の困難は一見、ディスレクシア(読み書き障害)と症状が似ているように見えますが、異なるメカニズムで起きる可能性が指摘されています。解決策:窓辺を避けた席や、照明の真下を避けるなどの机配置をしてあげましょう。もし、あまりにもまぶしい場合には、色つきメガネやサングラスの使用を検討してください。また、カラーレンズやフィルムを通してみることで、目に入る光の量を調節することができ、文字が見やすくなる場合もあります。蛍光灯の光のチラつきが気になる場合があります。蛍光灯は、実は常に光っているわけではなく、通常は人の目で感知できない速さの周期で点滅を繰り返して光っています。蛍光管が古くなると、この速度が落ちてくるためにチカチカ光って見えるようになりますが、視覚過敏がある場合には新品の蛍光灯の光でもチカチカしているのを感じてしまうことがあります。解決策:家庭ではできるだけ蛍光灯をやめて、白熱電球に替えたり、蛍光灯カバーをつけたりといった対応が効果的です。視覚情報が多いと気が散って集中できない場合があります。例えば、黒板のまわりなどに掲示物がたくさん並んでいると、掲示物が気になって肝心の授業の内容に集中できなくなることがあります。また、ADHDがある場合も、不注意の特性から揺れるカーテンや校庭の様子など、注意が逸れやすいことが理由で集中できないこともあります。単に集中できないだけでなく、情報過多になって気持ち悪くなるなど体調に影響してしまうケースもあります。解決策:黒板の周りに授業と関係のない掲示物がたくさんある状態は、学習困難がなくても気が散る原因となるので、片づけたり視界に入らない後ろの方に置くようにしたりしましょう。家庭では、学習するときには関係ないものはできるだけ片づけるのもよいでしょう。使わないものには布をかけて隠しておいたり、パーテーションを利用したりするのも有効です。イラスト/taeko
2022年09月28日安全のためにもルールを理解してほしい。でも理解は難しいほぺろうUpload By ぼさ子ぼさ子(以降ーー): わが家の息子ほぺろうは特別支援学校の一年生。自閉スペクトラム症と知的障害があるためか「一人で遠くに行ってはいけない」などの理解が難しく、手を繋いでいないと衝動的に走り去ってしまいます。「親の側にいる」「敷地から出てはいけない」などルールを分かってほしいのですが…。三木先生:ほぺろう君がルールを理解できているのが理想ですが、理解の難しい現時点では物理的に阻止することからアプローチすると良いかも知れませんね。ただ、理解していなくても、ルールの説明は一応浴びせ続けたほうが良いかなと思います。理解できないから言わない…のままだと「親が黙認している」と誤解されるかもなので。しかし言い続けるのも果てしない作業なので親がつらくない程度に。親が「やるべき」と思うようなことでも、疲れてお子さんとの関わりの質が落ちるようであればやめちゃっていいと思います。難しい多動問題。時には割り切りも大切Upload By ぼさ子三木先生:ぼさ子さんの相談は、ルールの理解が目的ということだったので、理想を言えば「自分の行動が損に繋がる」と思ってくれるような利害関係をつくれたらいいとは思います。例えば、(見守りながら)わざと迷子になったと感じる状況をつくってみるとか。でも、情緒的に良くなかったりするのであまりオススメとは言わないかな。多動に関しては「安全に損を感じてもらう」のがなかなか難しいです。ぼさ子さんは外出のとき、どうしているんですか?ーーわが家はなるべく夫婦でほぺろうに付き添っています。ほぺろうの両手を父母で繋ぎ、もし逃げられたら夫に追いかけてもらうという感じで。あと、遊びに行くときはなるべく人が少ない場所を選んだりしています。でも私一人で外出に連れて行く必要があるときは不安です…。三木先生:指を絡めてガッチリホールドする手の繋ぎ方もありますが、その子どもの勢いによっては腕が脱臼する可能性もあるので絶対オススメとも言えないです。でも、現時点では「手繋ぎ前提で接する」「ハーネスなど道具を使用する」など物理的に対応するのが現実的かなと思います。ハーネスだと周りの目が気になる場合もあるかもしれませんが、命綱だと割り切る。もしくは人目が気になるなら無理して外出しないと割り切る…など親の負担が少ない方法で。Upload By ぼさ子親が頑張らなくても事故にならない方法を考えてみる三木先生:考えるとするなら、いかにラクして目的を達成するかが良いと思います。「ずっと手を繋ぐ→頑張り続けなくてはいけない→外出が億劫になる」という負のスパイラルになりがちなので、頑張らなくても目的を達成できる方法を見つけられたら、ストレスが減って親も子どもも暮らしやすくなります。ーー確かに。工夫できるところを工夫すれば、全部を頑張らなくても良さそうですね!三木先生:逆の発想で、叫ぶ・ダッシュOKの場所を探すのも良いかもしれませんね。親がラクになると子どもを含めて可能性が広がります。「頑張るのではなく、頑張らないための方法を探す」です。Upload By ぼさ子感想ほかの対談でも全てを通して三木先生が仰っていた「頑張らないための方法を探す」という言葉が深く響いています。確かに、ほぺろうに「できるようになる」を求めるより、成長をのんびり待って「できる範囲で無理しない」ほうが、一見遠回りなようで、親も子もニコニコしながら進んでいける気がします。私自身も「もっとできるように頑張れ」と強制されるとつらいし、その人と信頼関係という「関わりの質」を深められるかはチョット分かりません(笑)。今はできる範囲で無理をせず、40代の体力でほぺろうを制御できなさそうな外出はしなくてもいいやと、堂々と割り切りたいと思います。Upload By ぼさ子執筆/ぼさ子
2022年09月28日睡眠時間がどうしても一定しないわが家の凸凹兄妹の妹、いっちゃんは小さいころから眠るのが苦手で、眠ってもしばしば些細な物音などで目を覚まします。小学生になると、入眠に苦労するのは変わらずですが、一度眠ると深く眠り込むようになりました。一旦眠り込むと起こしても起きないのです。当然、学校は遅刻してばかりです。Upload By 寺島ヒロ睡眠の記録を取ってみると…実は母親である私自身、睡眠障害があり毎日覚醒する時間が遅れていく睡眠サイクルがあります。それで「もしや」と思い、いっちゃんの睡眠記録をつけ始めました。実際に眠った時間だけではなく、眠いと言い出した時間、眠ったがちょっとだけ起きた時間、起床した時間を詳細に記録していくと、「1〜2時間ずつ睡眠時間が後ろにずれていく」ことが分かりました。Upload By 寺島ヒロ小学校5年生から不登校に小学校低学年のうちは、起きると学校に行っていたのですが、4年生ぐらいになると、「11時を過ぎるとお昼ごはん食べに来たの?と、からかわれるから行かない!」と言って昼からは行こうとしなくなりました。いっちゃんの睡眠時間は9時間。朝から活動しているのは月の半分ほどです。5年生から次第に行かない日が増え、6年生のときにはついに1/3ほどの出席率となり「不登校」となりました。また中学校も、コロナで休校が続いたこともあり、ほとんど行くことができませんでした。「勉強は好き」進学先を探すけど…高校へは進学したいと希望していたいっちゃん。睡眠時間を固定しようと試みましたがうまくいかず、結局、通信制の高校に通うことにしました。志望校はいっちゃん自身がネットで検索していくつかの学校と比較検討して決めました。通信制の高校、実際に通ってみるとUpload By 寺島ヒロ部活動も部活ごとにslackがあって、娘は美術部に入っています。slackではお題を出し合ったり、作品をアップしたり、絵を描くときのツールの使い方など交流も盛んで「Twitterとかより突っ込んだ感想をもらえる!」と、喜んでいました。通信制の学校というと、家で1人でテキストを開いて…というイメージだったけど時代は変わったな…と思います。睡眠サイクルは固定できないまま「通信の学校いいなー」「大学もこうだったらいいのにー」という娘。高校生活を心から楽しんでいるようです。睡眠の問題が解決したわけではないので、これから進学や就職をどうするかなど、悩みは尽きませんが…今あっての未来。心配し過ぎることなく、今を大切に過ごしたいと思います。執筆/寺島ヒロ(監修:井上先生より)学校の始業時間は決まっているので、睡眠に問題のある子どもさんの場合、それに合わせようとすると、本人だけでなく親御さんもとても苦しくなってしまうと思います。高校では、始まりの遅い昼夜間の高校や通信制などが選択肢になってくると思いますが、いっちゃんには通信制がすごく合っていたようですね。通信制も学校によってはさまざまな活動をオンラインで提供しているところもあります。また対面出席を重視しているところもあります。子どもさんに合った学校を選択するため、オープンスクールや説明会に子どもさんと一緒に参加してみるのもよいかもしれません。
2022年09月27日株式会社voice and peace(本社:東京都千代田区、代表:赤平 大)が運営するgifted・発達障害支援者向け動画メディアincluvox《インクルボックス》を、東京大学大学院ギフテッド創成寄付講座(東京都目黒区、特任准教授:池澤 聰)が導入しました。最適な動画を視聴することでギフテッドや保護者などとの意見交換を効率化し質の向上を図ります。また動画を活用し関係機関や企業へのギフテッドの啓発に役立てます。東京大学がincluvoxを活用■《東京大学大学院ギフテッド創成寄付講座 特任准教授 池澤 聰》当研究室では、「1つまたは複数の領域において、同じ年齢、経験、環境の人と比べて、より高い水準の能力を発揮している、または発揮する能力を持つ(定義:National Association for Gifted Children)」といった“ギフテッド”の特徴を持ち合わせるものの、多様な背景因子の影響により潜在能力を十分に発揮できない状態にある人々の心理社会的機能を検証し、将来的には、個々の強みを生かす支援方法や環境を整える方法を開発することを目指しています。この度、incluvoxを導入し、(1)当事者や家族にとっての心理教育資材、(2)当事者が利用する教育機関や企業などへの啓発資材等として利用させていただき、個々のニーズにあわせて、視聴を推奨するコンテンツの選定をさせていただくことも検討中です。■《incluvoxとは》incluvoxは、ギフテッドや発達障害の支援方法を視聴できる動画メディアです。incluvoxは発達障害を巡る以下2点の課題を解決します。(1) 発達障害の対面型研修は効果が出ない2004年の発達障害者支援法以降、保育者・教育者は発達障害の知見向上が責務となり「対面型研修」が行われました。しかし2010年代「教育者は発達障害の対応が不十分」「対面型研修の効果が出ていない」という論文が頻出します。文科省も「喫緊の課題」と回答し、2022年7月のいわゆる「ギフテッド支援」有識者会議の中で「教育者研修には動画コンテンツが適切」と明記されました。参考 p24 (2) 日本は発達障害人材の未活用で損失2兆3,000億円海外で発達障害は、周辺社員の知見を高めることでイノベーション人材として活躍しています。日本では発達障害の雇用者数が増加する中、周辺社員の発達障害の知見が向上しておらず有効活用が出来ていません。企業内で知見を高めることで、イノベーションが促進され業績が向上します。参考 incluvoxはテレビクオリティの動画をスキマ時間で視聴し効率的に発達障害のリテラシーを向上させます。incluvoxはマルチメディアで視聴可能incluvoxは2022年1月にサービスを開始し、バンダイナムコHD、グローバルキッズなど約4,000人の利用者がいるgifted・発達障害の支援者に向けた動画メディアです。辞書のように使える「1分で支援方法がわかる動画」300本に加え、「10分で専門知識・最新情報などを見られる動画」を週に2本配信しています。giftedや発達障害の支援でお悩みの保護者や教育者、人材活用や合理的配慮でお悩みのビジネスパーソンが、対面型研修より「効率的・効果的・低価格」なコンテンツを、いつでもどこでもスキマ時間に「時短・ながら聴き・ながら見」でご利用いただいています。incluvox動画 工藤 勇一校長incluvox動画 入山 章栄教授アニメーションでわかりやすく豊富なカテゴリーincluvoxは現役アナウンサー(元テレビ東京)でgiftedと発達障害の子供を持つ代表の赤平と、現役テレビスタッフ、発達障害支援有識者たちが運営しています。動画400本を配信済み(2022年9月時点)で登録後は全て見放題。無料サンプル動画、登録後1カ月間は全動画視聴無料、いつでも解約可能です。代表 赤平の略歴■《代表:赤平 大(あかひら まさる)》略歴元テレビ東京アナウンサー。現在はフリーアナとしてWOWOW「エキサイトマッチ」「ラグビーシックスネーションズ」ジェイ・スポーツ「フィギュアスケート」など実況、ナレーターとしてテレビ東京「モーニングサテライト」、NHK BS「晴れ、ときどきファーム!」「ザ少年倶楽部プレミアム」など担当。2015年から工藤 勇一校長(当時)のもと千代田区立麹町中学校でアドバイザー。2022年から工藤 勇一校長の横浜創英中学・高等学校でサイエンスコース講師を担当。2E(発達障害とギフテッドを併せ持つ)の子供の親。■《incluvox~インクルボックス~》サービス概要《価格》月額770円(税込)※初期費用0円、いつでも解約可能、契約後30日間無料※法人契約は割引料金でご利用いただけます《販売方法》incluvoxサイトで「新規登録」 ※決済はクレジットカードのみです※法人契約の際はお問い合わせください 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年09月27日保育園の転園息子は去年まで0~2歳児のみ預かり可能な小規模の保育園へ通っていた。その園へ通っていた約3年間は毎朝楽しそうに行き渋りをすることなく登園していた。そして今年度の4月、3歳児となったため保育園を転園。公立の0~5歳児までが通う人数の多い保育園に加配保育の枠で入園することになった。Upload By まる元々人見知りや場所見知りをあまりしない息子なので、新しい保育園でも初日だけ泣いたものの2日目から泣くことなくすんなり通えるようになった。慣らし保育中も「リュウちゃんお昼ご飯完食しましたよ」や「ちゃんとお昼寝できましたよ」など先生からの伝言もあり『やっぱりすぐ慣れてくれたな、よかった』と私も安心していた。行き渋りが始まった!Upload By まるところが、慣らし保育も終わり通常の時間帯の預かりをお願いするようになったころ、朝自転車で登園途中に「ナーイ、ナーイ」と嫌がる声を出すようになった。今まで行き渋りをしたことがなかったし、まだきちんとした発語もないので私自身『なんだ?』と思いながら自転車を漕いでいた記憶がある。保育園に近づくに連れて泣きそうな声を出すので『あぁ、これは行きたくないということか...』と初めて行き渋りだと分かった。前の保育園のときはなかったのに、転園してから行き渋りが始まったことに『新しい園の居心地が悪いのかな...馴染めないのかな...嫌な思いしていないかな...』と私も不安になっていた。嫌な気持ちを表現Upload By まる保育園の登園前に行き渋りをするのは毎日ではないが、最近は朝に保育園用のリュックが玄関に用意されているのを見つけるとわざわざ部屋に隠しに行って、お出かけ用のリュックや療育用のリュックを持ってくる(どこに行くか分かりやすいように保育園、療育、お出かけでリュックを分けている)。療育へ通うのは好きなようで療育用リュックを背負い「バスーバスー(に乗っていく)」と訴えてきたりする。多分、療育はママが一緒に登園する場所だから安心しているのかと思う。朝は時間がなくて私も急いでいるので保育園用リュックを無理やり持って家を出ようとするが、ひどいときはリュックをつかんで引っ張ってきたり、泣きながらなかなか靴を履いてくれなかったり、車で保育園に着いたと思ったらなかなか車から降りなかったり…などさまざまなやり方で拒んでくる。忙しいときにやられると大変だが、いろいろ表現できるようになってきたなと感心もしていた。人数が多い空間は苦手。それでも息子なりのペースで生活に慣れてきたかなUpload By まる多分息子は人数が多い状況があまり好きではない。今までの少人数の小さい子ばかりのゆったりした環境の保育園から、公立の人数の多い 0〜5歳児のいる保育園に変わったことにまだ慣れなくて居心地が良いとは感じていないのかも、と行き渋りが始まったころに保育園の先生と話した。転園して最初のころは、大きいホールに園児みんなが集まっている状況だとその場にいられず部屋から出たい素振りをしていたそうだ。加配保育の先生方もリュウをよく見て判断してくれて、そんなときは先生とリュウの2人だけで誰もいない部屋でお絵描きや絵本を読むなどしていてくれたらしい。よくお迎えに行ったときにホールに息子がおらず、あれ?と思っていると別の部屋から先生と出てくるなんてこともよくあった。ここ最近、行き渋りが少し減りホールでみんなと一緒に待てる日が増えてきている気がしている。まだお友達と遊ぶということはできないので基本的に先生にべったりしているが、先生からも「しっかりお部屋で待てるようになってきた」と連絡を受けた。それでも気分じゃないときはあるようで「(外に)デルー」など言葉で訴えるらしく先生もそれをくんで対応してくれているようだ。最近コロナに罹患してしまい2週間ほど保育園をお休みした。久々の登園は行き渋るかなと思ったが、すんなり登園してくれたので徐々に環境に慣れていっているのかなと思っている。執筆/まる(監修:初川先生より)転園きっかけの行き渋りエピソードをありがとうございます。乳児期から保育園に通っていたけれど、3歳から転園する方だと結構渋りを呈するお子さんもいるのではないでしょうか。環境の違いをうまく言葉にはできずとも、なんかしっくりこない!という体験レベルで感じ取り、渋りをしているという意味では、成長しているからこそそういう展開になっているともいえますね。お子さんなりに、体当たりで出してくる「渋り」を、ご家庭と園とで共有し、今回の場合には「人が多い場面が苦手」ということ、その苦手さの度合いが逃げ出したくなるほどであることが分かったので、園の先生方はそこに手立て(静かな環境に一時的に移る、そして、おそらく徐々に慣らしてゆくなど)を取ることができました。新しい環境に慣れることは誰しも多かれ少なかれ大変で、特に子どもの場合には、環境の変化自体も数えるほどしかない状態だと一つひとつの環境の変化(転園や就学など)の持つインパクトが大きいです。大人が引越しや職場の異動などでストレスを感じてもそれなりに何とかやれるのは、最初はしんどいけれど、慣れれば何とかなるという経験則や見通しがあるからとも考えられます。それのない子どもたちはかなり大変なことに見舞われているのです。そういう意味で、環境調整や園の先生方との密なやりとりがとても大事です。また、環境の変化のある時期には、ほっとできる場である家庭での穏やかな時間や楽しい時間もとても大切です。家でぐずぐずすることが増える場合もあるかと思いますが、大変な局面に立ち向かっているからこそという面もあります。そういうことに大人が気がつくだけで、大人の言葉かけや心持ちも変化し、お子さんに伝わることと思います。
2022年09月27日夫が単身赴任中の生活娘が幼稚園年少の一年間、夫が単身赴任となり、私と娘は二人きりで過ごしていました。夫は月に1、2回ほどのペースで赴任先から自宅に泊まりに来ていましたが、近くに親戚もいないなか、私は孤軍奮闘の日々を送っていました。ずっと家にいると煮詰まってしまうので、平日は幼稚園のあとはそのままの流れで近くの公園で遊んだり、お友達を家に呼んだりお呼ばれしたりしていました。週末は娘と二人で電車に乗って、娘の好きなキャラクターグッズが並ぶお店巡りをしたり、子ども向けの無料遊園地などに行っていました。夫が帰省中に起きたハプニングある週末、単身赴任先から帰ってきていた夫が、娘と二人で映画に行くと言いだしました。夫は私をねぎらうつもりだったのかもしれません。夫と娘二人だけの長時間のお出かけは初めてで、少し心配ではありましたが私は二人を見送りました。子ども向けとはいえ、映画なら帰ってくるまで二時間ぐらいはかかるかな?さて何をしよう?久しぶりに座ってゆっくり紅茶を飲む?ゴロゴロしちゃう?掃除する?いやいや、それはないな…降って湧いた一人の時間をどう過ごすかを考えていた私。でも二人は一時間もしないうちに帰ってきました。何があったのか夫に尋ねると「映画館の駐車場で車を降りるように言ったら“降りないっ!”って大暴れしてさ。車のダッシュボードを蹴って壊したから映画を見るのはやめてそのまま帰ってきたんだ」ばつの悪そうな顔で話す夫を横目に、急いで娘の様子を確認すると、涙の跡が残る頬が、うっすら赤くはれていました。Upload By 荒木まち子たまにしか娘に会わない夫が、一人で娘の癇癪(かんしゃく)の対応ができるわけがなかったのです。夫は娘を叩いてしまったことに、とても落ち込んでいました。私は自分が一緒に行かなかったことを後悔しました。Upload By 荒木まち子先生の顔色が変わる翌日は幼稚園でした。幼稚園の入り口で娘の頬を見た担任の先生は間髪入れずに私に尋ねました。「お母さん、これはどうしたのですか?」先生は娘の特性のことをよく理解していました。そして夫が単身赴任でたまにしか娘に接する機会がないことも知っていました。私と先生は、お迎えの時や連絡帳、電話や面談などの頻繁なやり取りによって、すでに何でも気さくに話し、相談できる間柄になっていました。なので私は前日の出来事も包み隠さず先生に話しました。そして「娘本人にも話を聞いてみてください」とも伝えました。それは見守りの証--時間をかけて培った信頼関係があったからこそ娘が幼稚園でお友達とトラブルになったり、癇癪を起こしたりすることがあると、担任の先生と私は連絡を密に取り合い、娘にどう接するのが良いのかを一緒に考え、試行錯誤してきました。以前もコラムで書きましたが、私は入園前からプレ幼稚園の先生にも子育ての相談に乗ってもらっていました。幼稚園と療育先の連携もとれていて、担任の先生だけでなく主任先生や補助の先生など、園全体で娘を見てもらえていました。それらの積み重ねによって私たちの間には深い信頼関係ができていました。私にとって子育ての協力者はまさに『遠くの親戚よりも近くの他人』でした。あのとき、いつもニコニコしている先生の表情が一瞬で変わったことを、私は20年経った今でも鮮明に覚えています。そしてそれは先生が私たち親子を注意深く見守ってくれている証だと感じ、とても心強く思ったことも――。後日談Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子執筆/荒木まち子(監修:初川先生より)癇癪やパニックがある、障害の特性によって育てづらさがある、そうなるとどれだけお子さんのことを大切に思っていても、子育てで煮詰まってしまったり、お子さんに対して不適切なことをしてしまう場合がある……。幼稚園の先生方はそのあたりも分かってお子さんの様子をよく見ていてくださったのですね。つまり、お母さん・お父さんとの関係も含めて見守っていてくださったということ。これはとても心強いですね。お子さんと大人が2人きりでいると、どうしても煮詰まりやすいです。大人の目が複数あると不適切な関わりを避けやすい面もありますが、単身赴任であるとか、単身赴任中だからお子さんとの関わりに空白の期間があるとすると、誰のせいでもなく、やむなく大人一人で対峙する時間が多かったり、久しぶりに会うお父さんとだとお子さん側も安心できる「いつも通り」に事が運ばず戸惑ったりします。先生方がそうした中で、冷静にお子さんの様子を見てくださり、そこについて避けることなく言及し、保護者と話し合える関係性を築いてくださっているのはとても大切なことです。読者の方にとっても、そうした支援者がお近くにいらっしゃるといいなぁと思います。
2022年09月26日ASDがあり、不器用さから運動が苦手な息子。縄跳びが跳べなくてーー3歳4ヶ月のときにASDの診断がおりたわが家の小2息子。感覚過敏もあり、物事を0か100かで考える白黒思考なところがあります。目の前にあることについ夢中になってしまい、感情コントロールが難しく、自分の予想と少しでも違うとすぐに泣いたり怒ったりしてしまうこともありますが、だじゃれと本を読むことが好きで、甘えん坊なところが可愛いです。発達性協調運動症(発達性協調運動障害)の診断はおりていませんが、息子は不器用さのため運動が苦手です。そんな息子が学校の授業で特に苦戦していたものがあります。それが、縄跳びです。わが家では、入学式の翌日から母子同伴登校をしています。登校初日から教室にいられなかった息子を見て、先生に母子同伴登校をお願いしました。息子が小1のときのある日、息子が体育の授業を受けている様子を見ていたときのことです。その日は音楽に合わせて縄跳びをする授業。しかし準備運動中に「できない!もうやだ!」と縄跳びを地面に投げつけて泣いてしまう息子の姿がありました。Upload By ユーザー体験談運動が苦手な息子は縄跳びを回しながら跳ぶことがまだできません。その上、息子は、失敗することや人よりできていないことへの抵抗が強く、「跳べなくても大丈夫」と先生が言っても納得できず癇癪につながってしまっているようでした。それに加えて、全校で行う『縄跳び集会』の日も迫ってきていました。朝の時間の20分ほどで行う、5・6年生が主催の「みんなで縄跳びを楽しみましょう」という会なのですが…このままでは息子は跳べないままその日を迎えてしまいます。見かねて縄跳びの特訓を始めたけれど…跳べずに癇癪をおこす息子を見かねて、その日から家でも縄跳びの練習を始めました。息子は幼稚園年長のときにOTの先生から教えてもらった、持ち手の長い縄跳びを使って跳んでいました。市販の縄跳びの持ち手に、ラップの芯を継ぎ足したものです。回した縄を跳び越えることはできるのですが、体全体に力が入っているので、練習を始めても10分ほどですぐに疲れてしまいます。「あーもうだめだ。疲れたー」となってしまい、できるようにはなりたいけれど、跳び始めると疲れて諦める、という様子でした。特性から先の見通しを持ちづらいので、縄跳び集会の日に向けて練習を重ねるというような意識もなかなか持てません。ただ、ルーティンになると、毎日10分くらいの練習をコツコツ続けることができるので、毎日縄跳びの特訓を行いました。ですがやはりなかなか跳べるようにはなりませんでした。考えた末に編み出したのは…「エアー縄跳び!」どうしたらいいのか…考えた私は、縄跳びの持ち手から縄の部分をはずし、持ち手だけを息子に渡しました。名付けて『エアー縄跳び』!縄がないので絶対に引っかかりません!先生にお願いして学校でも使わせてもらうことに。先生も「すごくいい!それもちゃんと手首の練習になってます!」とほめてくれました。息子は喜んでエアー縄跳びを手に、縄跳び集会に参加することができました。目立ってしまうかな?と心配をしていたのですが、クラスメートからからかわれたりすることもなかったようでした。Upload By ユーザー体験談不思議そうに見ている子はいましたが、特に声をかけられることはなかったようです。上級生の中にも、縄跳びを忘れてきてジャンプだけをしている子もいたので、あまり目立たなかったのかもしれません。ただ、あとから「それなあに?」と私に聞いてくるお友達がいました。そんなときは、息子を知ってもらうチャンスなので、縄跳びが苦手でこれを使っていること、跳べないと悲しくなって泣いてしまうことなどを話しました。そして「いつも○○さんが、そうやって気に掛けて優しくしてくれるから、本当に助かる」と感謝を伝えました。あれから1年たち、小学2年生になった息子。今年も全校で『縄跳び集会』がありました。やっぱり今も縄跳びは苦手で跳べない息子に、「またエアー縄跳び使ったら?」と提案すると、「大丈夫大丈夫!跳べるふりをしてジャンプしてるから!」と言い、普通の縄跳びを持ち、跳べないながらも曲に合わせてリズムよくジャンプして笑顔で参加できました。「跳べなくても大丈夫」と自分で納得することができるようになったのです。小学校入学のころから今を振り返って小学校に入学し、4月にあった最初の全校集会のとき、息子は図書室の前の廊下の窓から、みんなの様子を見るだけでした。私はその姿を見て「息子は、この学校の中でたったひとり、校庭に並ぶこともできない子どもなのだ」と、切なくなりました。1年生の夏までは、付き添い登校はするものの、息子が教室に入ると私は別室で待機していました。息子は、感情コントロールがうまくいかずに途中で教室を飛び出してしまうことも多くありましたが、教室で付き添っているわけではないため、その理由や様子が分からず対応に困っていました。Upload By ユーザー体験談そこで担任の先生にお願いすると、私が教室に入ることを快諾くださり、2学期ごろからは息子の隣で一緒に授業に参加できるようになりました。できないことはサポートしたり、イライラしたり過敏になっていたりして無理そうなときは教室を退室させてもらったりし、先生と友だちには息子の思いを代弁して関わりを支えたりしてきました。2年生の今では、ほぼ教室で過ごし、出られない授業は別室で課題をこなしたり図書室で本を読んだりして、授業選択制のようにさせてもらっています。教室では、私が息子の隣に座ってノートをとる手伝いをすることもあれば、教室の後ろの椅子に座って、見守るだけのこともあります。教科やその日の息子の気分によります。縄跳びを跳べなくても、楽しそうな息子の姿を見て、そんな日々のことを思い出しながら、校庭でみんなと一緒に同じ場所にいられること、楽しんで活動をできていることに感動しました。先生方の言葉を胸に。息子の成長と母の願い。学校の先生方が繰り返し私におっしゃる言葉があります。「人とくらべない。前の自分とくらべる」です。通常学級での日々、定型発達のクラスメイトの中で息子と過ごしながら「人とくらべない」ことは、私にとってときに修行のようでした。それでも、先生方はいつも息子の「今」を見てくださいます。「今、つらくないか」「今、安心して過ごせているか」「今、サポートできることはないか」私は就学前は、息子の将来のことばかりを心配する母親でした。成長が1ミリずつのような歩みに感じてしまい、くじけることも多い日々でした。しかし、先生方が息子の「今」を大切にしてくださるので、「今」がずっとつながってこの先の未来があることに気づくことができました。息子には、「人が好き」と思えるように成長していってほしいです。それから、みんなよりできない自分に落ち込むことも多いのですが、苦手なことを気にするのではなく、「これもできる」「あれもできる」と、できるコトに目を向けて、自分に自信を持ってほしいと願っています。Upload By ユーザー体験談イラスト/keikoエピソード参考/たいせーママ(監修:三木先生より)「エアー縄跳び」からのご本人の適応具合が素晴らしいですね!子どもが気になっている部分は外から見ても分からないことも多いので、このようにどんな方法でも一度試してみることはとても大事です。また「将来」は「今」の積み重ねですので、「今」を大事にする目線も持ちたいものです。周りの大人がしっかりそこにフォーカスすることで、子ども自身も「今」の大切さを感じられるようになると良いですね。あなたのエピソードもコラムになるかも?体験談募集中!保護者の方が日々子育てをする中で「こんなトラブルがあった」「こんなハプニングがあった」など悩みはつきないと思います。そんな発達ナビユーザーのみなさんの「困った」エピソードを募集しています。テーマは新たに「パートナー(夫婦関係)」「進学、受験」などを追加しました!その他「祖父母や親戚関係(帰省含)」「ゲーム」「不器用」「ママ友・保護者」「ご近所トラブル」「自傷」「学習」「不登校」なども引き続き募集中です。パートナーなどとの意見の相違、受験や進学での予期せぬトラブル、反抗期による親との言い争い、癇癪を起こして自分の頭を叩く、地団太を踏むなどの自傷行為…読み書きや計算の困りはもちろん、授業を落ち着いて受けられないなどの学習の悩み…行き渋りや不登校などの悩み…いろいろなお悩みエピソード、お待ちしております。お寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんにコラムとしてコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開いたします!あるあるのエピソードからヒヤリとしたエピソード、SNSなどではなかなか言えないような家族やママ友とのトラブルまで。いろいろな「困った」エピソードをぜひ教えてください。
2022年09月25日実際どうなの?特別支援学級の見学へ自閉スペクトラム症のある長男けんとは、集団行動が苦手、授業中じっとしていられない、集団指示が入らないという「こども園」での様子から、通常学級は難しいと思っていました。特別支援学級とはどういうものなのか、私はほとんど知識がなく、全く見当がつかなかったので就学相談に行き、実際に通う予定の学校に連絡を取り見学させていただくことに。Upload By ゆきみ小規模の小学校で全体の生徒数が少なく、特別支援学級は情緒クラスと知的クラスが1クラスずつということでした。けんとの入る予定になっていた情緒クラスは、担任の先生が1名、サポートの先生が1名、小学4年生以上のお兄さん、お姉さんが在籍していました。特別支援学級に入ると、学校ではずっと特別支援学級で過ごすのだと思っていたのですが、その子どもの特性によって、参加できるところは交流級(通常学級のこと)で授業を受けるとのこと。なんとなくの雰囲気も分かり、質問したいことは全部させていただき少しだけ安心できました。通っている特別支援学級の授業の進め方4月に入学。特別支援学級の1年生はけんと1人でした。最初の1ヶ月ほどは新しい生活に不安定になり疲れやすくなっていましたが、学校自体は楽しんでいた様子。交流級の同級生にも、特別支援学級の子どもたちにも興味を持っていないようで、交流級へ行きたがることはほとんどなく、ほぼ特別支援学級で過ごしていました。学年が違う子どもたちが集まる特別支援学級。その子どもにとっての交流級と同じ時間割で進んでいくため、時間割は子どもによって違います。特別支援学級の教室の側面の黒板に、その日1日の全員の時間割が書いてあり、それに沿って進んでいきます。Upload By ゆきみそれぞれの交流級の授業がけんとは国語、4年生の子が算数、5年生の子が音楽、6年生の子が算数だった場合、まず、交流級で授業を受ける子どもは、交流級へ行きます。サポートの先生がついて行き、人数が多い場合は順番にサポートの先生が回って行くそうです。特別支援学級で受ける子どもは、プリントを解いている間に、担任の先生が順番に教えていく授業スタイルでした。勉強の内容は、その日の交流級と同じものをします。本人に合わせて量などを変えたりすることもあるようです。交流級のお友達に支えられて過ごす授業5月ころ、帰り道に交流級のお友達がけんとに声をかけてくれました。すると、それがうれしかったのか、次の日から「交流級にいきたい」と言いだし、急に授業のほとんどを交流級で受けるようになりました。それと同時にお友達にも興味を持ち、名前や出席番号を覚えだしました。一方的な遊び方ではあるけれど、好きなお友達も数人できたようです。Upload By ゆきみ構音障害で何を言っているのか分かりにくいけんと。先生が聞き取れなかったとき、交流級のお友達が「けんとくん、〇〇って言っているよ」と先生に教えてくれたり、先生のお話しをけんとが理解していないときは「次は体育館に行くんだって」などとお友達が教えてくれたりするそうです。交流級の子たちも慣れてきてくれたようで「けんと君はこういう子ども」という感じで、先生も子どもたちも優しく接してくださっているとのことです。サポートの先生は立ち歩いたときに座るように促してくださったり、今やることを伝えてくださったりしています。まだサポートの先生なしでは交流級で過ごすのは難しいですが、「交流級とはこういうもの」というのを少しずつでも理解してくれたらうれしいです。交流級のスタイルが変化が少なく安心?Upload By ゆきみ現在は、朝の会、休み時間、給食、掃除、帰りの会は特別支援学級で過ごし、サポートの先生がついてくださるときは、ほとんどの授業を交流級で受けています。どの時間をどこで過ごすのかというのは、特別支援学級に在籍する子ども、それぞれで違うそうです。けんとは視覚的に、ほかの人が食べているものに自分の苦手なものがあると具合が悪くなってしまう子なので、給食の時間は必ず特別支援学級でパーテーションをしていただき、外を向いて食べています。休み時間は6年生のお兄ちゃんが遊んでくれているそうで、その子どものお世話になりながら特別支援学級で過ごしています。なぜ、急に交流級で授業を受けるようになったのかな?と疑問に思っていたら、保育所等訪問支援の担当の方に「交流級のスタイルの方が、入れ替わりがない分、変化が少なく安心しやすいのかもしれない」と言われました。確かにそうかもしれない…と納得。まだ小学1年生で始まったばかりの学校生活。本人、学校と相談をしながら、学業だけではなく集団行動や人との関わりかたも学んでいけたらいいなと願っています。※地域、学校の制度によって異なるようです執筆/ゆきみ(監修:井上先生より)小学校1年生から特別支援学級を就学先に考える場合、親御さんもずいぶん悩まれたと思います。他者から情報を聞くだけではなく、自分自身で就学先の学校・学級を見学することはとても大事です。見学は、指定された日もありますが、多くの学校はそれ以外の日も受け付けてくれると思います。担任の先生だけでなく、教頭先生や校長先生に学校の支援体制について質問しておくのも良いと思います。けんとくんの学校のように、特別支援学級に在籍していてもお子さんの状態に合わせて、交流級と特別支援学級との時間の割合を柔軟に対応してくれるところもありますが、先生の人数やサポートの先生の配置などによって困難な学校もあります。学校ごとに異なる場合もありますので、見学に行った際に聞いてみると良いかと思います。
2022年09月24日年少さんのころと比べて減った、娘の自由すぎる行動年中さんになった娘は激しい登園拒否もなくなり、私自身朝が憂うつになることはなくなりました。とはいえ、毎朝「幼稚園やだ!」と床にゴロゴロ転がり、結んだ髪がぐちゃぐちゃになることは日常茶飯事。それでも玄関や教室の前で泣き喚くことは一切なくなりました。あるとき娘はこう話していました。Upload By とまぱんUpload By とまぱん年中さんになって床にゴロゴロしながら自由に歌ってはいけないと気づいたのか、集団生活によってとまちゃんの自由さが控えめになったのかは分かりませんが、今は大人しいそう。以前は娘が自由な行動をしていると、なるべく目立たないようにしてくれ!と祈っていましたが、それが減った今、安堵と同時に少し寂しさも感じ、複雑な気持ちになりました(笑)。被害妄想が強い?娘の考え方に新たな不安が年中さんになってたくさん成長した娘ですが、新たに少し気になることが出てきました。それは娘の被害妄想。とある遊び場のボールプールで子どもが何人か遊んでいました。娘もボールプールに入ろうとし...。Upload By とまぱんUpload By とまぱんとまちゃんが入ったタイミングで、ほかの子たちは別の遊び場へ行ってしまいました。娘が来たから行ってしまったのではなく、たまたまだったのですがとまちゃんは「なんでみんな行っちゃったのかな」と不安そうな顔になりました。恐らく娘は「みんな自分のことが嫌いでどこかに行ってしまったんだ」と思ったのでしょう。その後もそのような場面が何度かあり、娘はその都度不安になっていました。発達障害グレーゾーンの子どもは状況を読む力が弱い?以前読んだ本に、境界知能や発達障害グレーゾーンの子どもは「周囲の状況を読み取る力が弱い傾向がある」と書かれていて、たしかに当てはまるかもしれないと思いました。例えば先ほどのとまちゃんの場合。たまたまとまちゃんが来たタイミングで、みんながほかの遊び場へ行っただけなのですが、とまちゃんは自分が来たからみんな逃げたと思い込んでしまいました。状況を読み取る力が弱い傾向があるとまちゃんは「ほかのお友達はボールプールでたくさん遊んだので、次は別の遊び場へ行った」など行ってしまったほかの理由が考えられなかったのでしょう。「みんな私が嫌いなんだ」という一択しか考えられていませんでした。とはいえ、まだ4歳。状況を読み取るのはまだまだ難しいのかもしれません。むしろ大人な私でさえもついつい被害妄想をしてしまいます。幼稚園で挨拶を交わすお母さんや先生たち。私は嫌われてるのでは、と度々思ってしまうのでとまちゃんの考え方は全く他人事ではなく(笑)。娘の発達について勉強していると、よく「あれ、私もグレーゾーンかな」と思うことが多々あります。状況を読み取る力を育むには?本にはアドバイスが書かれていました。何かあったときには「自分の勘違いかもしれない」ともっと考える習慣をつけさせるといいそうです。お友達が行ってしまったのはほかに理由があったのでは、と一緒に考えてあげる。もしくは日記などに出来事や気持ちを書かせて確認させるとよいそう。書かせるのはまだ難しいので、今度娘が偏った考えをしたときは一緒にほかの理由を考えてあげようと思いました。そして、自分自身が被害妄想をしてしまったときは文に書いて見ようと思います(笑)。Upload By とまぱん参考:境界知能とグレーゾーンの子どもたち|宮口 幸治 (著), 作画 佐々木昭后(著)執筆/とまぱん(監修:初川先生より)とまちゃんが被害的に受け取ってしまう傾向を感じ取り、そこに心配されているのですね。とまちゃんはまだ4歳ですので、周囲の状況を客観的に理解することに難しさがある段階ではあります。ただ、傾向として、“自分が嫌われているから”が第一選択肢に上がりやすいのでしょう。とまぱんさんが試みようとされているように、違う理由を考えてみることは、視野を広げ、さまざまな可能性を案出する力を育むという意味で、とても良いはたらきかけです。とはいえ、まだまだ幼いので、とまちゃんがほかの選択肢を思い浮かべることが難しいとは思います。まずは大人の側が、「こうかもしれないし、こっちかもしれない」とさまざまな可能性を教えてあげるつもりで案出のお手伝いをするのが良いでしょう。長期的な視点に立つと、大人になればなるほど、対人関係の状況は複雑化し、相手がどんな思いで何をしているかは相手に聞いてみないと分からない(どれほど考えても、こちら側からは分からない)ことも多くなってきます。そういう意味で、自分がつらくなりすぎない捉え方というものを自分で案出できることは大切なことです。そのための準備としても、「そうとは限らないよ、例えばこんなこともあるかも!」とさまざまな可能性を教えてあげてください。
2022年09月23日「ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所」(※以下、IBS)ではグローバル化社会における幼児期からの英語教育の有効性や重要性に関する情報を定期的に発信しています。今回は、バイリンガル児の言語発達、発達障害児のバイリンガリズムについて研究されている、イタリア、ウルビーノ・カルロ・ボ大学のMirta Vernice(ミルタ・ベルニーチェ)教授にインタビューを行い、記事として公開しました。今回のインタビューは、第二言語を学んでいる小さなお子さんや発達障害のあるお子さんについて親御さんや先生が抱えるかもしれない疑問にお答えできる内容になっています。■ <インタビューサマリー>・ヨーロッパでは、0〜6歳の子どものマルチリンガリズムを支援する研究プロジェクトが進んでいる。・乳幼児期からほかの言語を学ぶことに対する教育関係者や保護者の誤解を解くためには、一人ひとりと対話することが有効。・子どもが外国語を学ぶときには、「0~3歳」「4~6歳」それぞれの時期に重点的に伸ばすべき能力を意識する必要があり、研究結果に基づいたアクティビティは効果的であることがわかった。・バイリンガルであることが、ディスクレシア(発達性読み書き障害)の結果として生じる特定の認知機能の低下を防ぐことが明らかになった。・子どもをバイリンガルに育てると、言語的な観点だけではなく、認知的な観点からもメリットを得られる。■ ヨーロッパ各地の幼稚園におけるマルチリンガル教育を支援Vernice教授は、EU主催の「EDUGATE プロジェクト」に参加し、0~6歳の子どもに適したマルチリンガル(多言語使用)教育について研究・促進する活動をしています。大学のあるウルビーノという地域は、モノリンガルとして育つ人が多く、多くの親が外国語(特に英語)を子どもに学ばせたいと思う親御さんたちが多いとのこと。多言語社会と言われているヨーロッパであっても、日本の状況と似ている地域があることがわかりました。「EDUGATE プロジェクト」の目的は主に二つ。一つは、ヨーロッパ各地の幼稚園の先生や親御さんが「バイリンガリズムに対してどのような意識をもっているか」を明らかにするための調査。二つめは、小さいころから第二言語に触れることの効果について、研究結果に基づく情報を提供すること。 そして、研究結果に基づいた教材やアクティビティを開発して、実際に幼稚園で使ってもらったそうです。■ 乳幼児期の英語学習に対する誤解を解くためには、対話が効果的幼稚園の先生のアンケート回答の中には、「まだ小さい時期に、どうしてわざわざほかの言語に触れさせる必要があるのか?」といったびっくりするような回答もあったそうです。「子どもは第二言語に触れ始める前に第一言語が完全に発達している必要はない、ということを理解してもらうのは、一番難しかったですね。子どもたちが複数の言語で混乱したり、ことばの発達が遅れたりするのではないか、という点は、先生たちが一番心配していることの一つだったんです。」とVernice教授は言います。そこで、Vernice教授たちは、科学的知見を説明する前に、先生たちが質問したり経験談を話したりできる機会を設定。すると、バイリンガルの子どもに関して何か苦労した経験があると、そのたった一度の経験がバイリンガリズムに対するネガティブなイメージを定着させてしまうことがわかりました。先生たちの個人的な質問に耳を傾けて答えることが、バイリンガリズムに対する誤解について伝える上で一番効果的だったそうです。■ 子どもの言語が発達していくプロセスを考慮したアクティビティは効果的EDUGATE プロジェクトでは、科学的文献で発表されている情報を幼稚園の現場で実践できるようなアクティビティに落とし込んで教材を開発したそうです。多くのアクティビティが研究の実験で使われたものが基になっています。Vernice教授によると「実験で効果的だったアクティビティが、実際の教室でもうまくいくかを確かめます。また、子どもの第一言語に関係なく、あらゆる国での実施や組み入れが可能な内容に開発をしました。このアクティビティは、外国語(英語など)のさまざまな要素を習得させるうえで有効であることがわかりました」とのことです。0〜3歳と4〜6歳の子どもでは言語発達面で大きな違いがあり、「3歳までは『理解』に重点を置いた活動 (ことばの音声やリズムを聞かせる)、4歳以降は『産出』に重点を置いた活動(語彙や構文を口に出させる)を行わなければなりません」と言います。言語に含まれる一つひとつの音を意識する、聞き分ける、リピートする、というような能力が十分になければ、その後、読み書きを学ぶときに苦労する傾向にあるそうです。さらに、幼児がどのように新しいことばを獲得していくか、ということを考えると、「完全な英文を文脈や状況・場面とともに提示して、子どもたちが単語に気づき、その意味を推測できるように手助けすることが重要」とVernice教授。インタビューではVernice教授たちが開発したアクティビティの事例を、実際に使用するイラストなどとともに紹介してくださいました。(アクティビティの詳しい内容は本文をご覧ください)■ 学習障害のある子どもが外国語や第二言語を学ぶメリットVernice教授は、モノリンガルだけではなくバイリンガルの子どもも対象としたディスレクシア(発達性読み書き障害)の診断方法について研究されています。そこで、学習障害のある子どもは外国語や第二言語の学習からどのような影響を受けるのか、という点についてお話をうかがいました。「私たちは、言語聴覚士のみなさんと『戦って』います。なぜなら、子どもが学習障害や言語障害、注意欠陥障害などの診断を受けた親御さんに、ほかの言語に触れさせるのをすぐにやめるようにアドバイスする方々がまだいるからです。」とVernice教授。バイリンガルは、状況に応じて一方の言語を抑制して、もう一方の言語を選択する、という作業を脳が常に行うことにより、脳の実行機能(※1)が高まることがわかっています。そこで、イタリアの小学生を対象に共同研究を行ったところ、「ディスレクシアのあるバイリンガルの子どもは、ディスレクシアのあるモノリンガルの子どもよりも、実行機能を調べるテストではるかに良い成績だった」そうです。さらに、バイリンガリズムがディスレクシアの子どもたちにとって認知的な負担になるどころか、認知機能を強化し、子どもを障害による困難から守る(保護因子になる)ことも明らかになりました。「子どもをバイリンガルに育てると、二つの言語を知っているという言語的な観点だけではなく、認知的な観点からもメリットを得られる、と言えるかもしれません」、「ですから、特に学習や発達面で困難を抱える子どもの親御さんには、第二言語に触れる環境を継続することをお勧めします」とVernice教授は言います。Vernice教授のインタビューからは、イタリアの人々も、日本人と同じように「子どもに英語を学ばせたい」と考えている一方で、「早くから英語を学ぶことで何か悪影響があるのではないか」という心配しているものの、何度も議論を交わすことで科学的な知見を理解してもらえることがわかりました。また、Vernice教授の発見は、「言語をもう一つ学ぶことは、学習障害や発達障害のある子どもにとって負担がかかる」という一般的な認識に反し、発達段階にある子どもはバイリンガリズムによって認知機能が強化される、ということを裏付けるものです。(※1)あらゆる認知機能(情報の知覚や記憶、推理、判断など)の働きをコントロールしながら複雑な状況下で目的を実行することを可能にする高次脳機能の一つ。目標の設定、達成方法の考案、必要な作業の維持、状況への柔軟性、効果的な戦略の選択などに関わる(福井, 2010)。詳しい内容はバイリンガル サイエンス研究所で公開中の下記記事をご覧ください。■ ■イタリア、ウルビーノ・カルロ・ボ大学のMirtaVernice氏へのインタビュー前編: 後編: ■ワールド・ファミリーバイリンガル サイエンス研究所(World Family's Institute of Bilingual Science)事業内容:教育に関する研究機関( )所 長:大井静雄(東京慈恵医科大学脳神経外科教授/医学博士)所 在 地:〒160-0023 東京都新宿区西新宿4-15-7パシフィックマークス新宿パークサイド1階設 立:2016年10 月URL: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年09月22日都市部はとにかく施設の数が多い!でも、子どもの数も多くて…Upload By べっこうあめアマミ息子が3歳のとき、私は娘の出産のため、実家に里帰りをしました。その里帰り中の5ヶ月ほどの間、息子は私の地元の発達支援施設に通っていたのですが、里帰り後は自宅がある東京に戻らなければなりません。里帰り中は、妊娠後期の動きづらさと産後の新生児育児であたふたしながら、東京に戻ってから通う療育先探しをしていました。私の実家がある自治体には、未就学児の療育を行っている発達支援施設は1ヶ所しかありませんでした。でも、里帰り後に暮らす東京の自治体は、調べても調べきれないほど、たくさんの発達支援施設があったのです。「これならどこかに入れるだろう」と思いましたが、現実はそんなに甘くありません。東京に限らず都市部はどこもそうかもしれませんが、施設の数が多いということは、それだけ必要とする子どもの数も多いということです。施設の数が多くても、空きがある施設はなかなか見つかりませんでした。「里帰り後、息子はどうしたらいいのだろう…」半分泣きながら、児童発達支援センターに電話で相談しました。すると、そこの相談支援員さんがすごく親身になってくれて、片っ端から心当たりのある施設に受け入れの相談をしてくれたのです。それでも、なかなか希望条件に合う施設は見つかりません。ですが、最終的にその相談支援員さんが在籍している発達支援施設で、なんとか枠を確保し、息子を受け入れてくれることになりました。療育を続けられることに感謝し、相談支援員さんが神様のように思えました。息子が通った発達支援施設、どんなところだった?Upload By べっこうあめアマミ息子が通うことになった発達支援施設は、児童発達支援を行う施設としては、おそらくその地域で最も大きな規模の施設でした。障害の程度や年齢などによっていくつかのクラスに分けられており、息子が通うことになったのは、中でも最も長時間を過ごせる、手厚いクラスです。療育は親子分離だったので、乳児を連れて療育に付き添うことが難しい私には、とても助かりました。そして、おそらく息子と同じくらいの発達段階のお子さんたちで構成されたクラスだったため、親同士の会話でも共通する悩みが多く、親子共にすぐに打ち解けることができました。臨床心理士さんや作業療法士さんなどのリハビリ専門職の先生が多く在籍しており、クラスで日常的に子どもと接してくれます。療育スケジュールや各種療育のねらいなども、おたよりで丁寧に教えてくださり、定期的に「言語・コミュニケーション」や「認知・行動」の個別指導も入りました。面談もけっこうな頻度でありました。子育てや息子の発達についての悩みを悶々と抱え続けることなく、すぐに気軽に相談できる専門家がいてくれる、という安心感は大きかったです。息子のことだけでなく、私の精神状態なども気にかけてくださり、とても行き届いた支援を行っている、良い施設にご縁をいただいたと思っています。幼稚園と療育の併用で、大きく成長した息子Upload By べっこうあめアマミ息子は幼稚園との並行通園で、この発達支援施設に通いました。幼稚園と療育に通う生活を卒園まで続ける中で、できることがたくさん増えました。中でも目覚ましい成長を見せたのは、身辺の自立に関することです。この施設に通いはじめた当時4歳だった息子は、靴や衣類の着脱を自分でやろうとすることはあるけれど、消極的で、完璧にはできない状態でした。排泄はほぼオムツで、パンツへの移行は全く考えられない状態でした。でも卒園のころには、靴の脱ぎ履きは完全に自立し、衣類の着脱も簡単な声掛けでできるようになったのです。排泄の面でも、トイレでの排泄にかなり慣れ、調子がよければ幼稚園や療育に行っている間だけパンツで過ごせる日もありました。Upload By べっこうあめアマミ人とのコミュニケーション面でも、大きな成長が見られました。息子は結局卒園まで言葉を発することはありませんでしたが、お辞儀や手をたたく、といった簡単なジェスチャーで自分の意思を示すことができるようになりました。そして、人に対して極端に興味が薄かった息子が初めて、「お友達」を意識するようになったのです。関わり方は不器用ですが、「同じクラスのお友達」と認識してじっと目で追ったり、手をつないだりすることができるようになりました。さまざまな療育プログラムに取り組む中で、「実は手先が器用」という息子の得意分野にも気づくことができました。親の私も気づけなかった息子の長所を、先生たちが見つけてくれたのです。ゆっくりだけど確実に成長していった息子の姿に、 うれしさがこみあげました。都市部の療育、ネックになるのは施設の狭さと送迎手段?Upload By べっこうあめアマミ息子が通った発達支援施設は、その地域では規模が大きな施設でしたが、駐車場はありませんでした。その施設に限らず、都市部の発達支援施設で送迎のために使える駐車場があるところは、非常に少ないのではないかと思います。私の経験則になってしまいますが、息子はこれまで、東京で4ヶ所の児童発達支援に通ってきましたが、そのいずれの施設にも駐車場はありませんでした。これは後に利用することになる放課後等デイサービスにも通じますが、自家用車で送迎という選択肢は、基本的に考えられません。そのため、徒歩や自転車で通えるか、送迎サービスが利用できる施設しか、選ぶことが難しかったです。また、先に通っていた地方の発達支援施設に比べると、どうしても敷地の狭さは否めません。広い園庭がある施設はなかなか見かけることがありませんでしたし、お散歩や公園遊びもあるとはいえ、室内活動が中心でした。療育に限らず、幼稚園や保育園、学校などもそうですが、敷地の狭さや駐車場がないところが都市部の施設のデメリットと言えるかもしれません。多彩な療育の種類と選択肢の多さ、人が集まる場所の利点東京で暮らしていると、日常的に通える範囲に発達支援施設が多数あることが多いです。専門的な病院でのリハビリや、専門家の個別療育を受けようと思えば、選択肢はいくつもでてきます。療育の種類もさまざまで、その選択肢の多さは魅力的です。冒頭に書いたように、子どもの数も多いことから利用待機になることもありますが、「選べる」ことは人が集まる場所の利点だと感じます。本来であれば、どこに住んでいても等しく選択肢があるべきだとは思いますが、実際はそうもいかないのかもしれません。もっと世の中に療育の必要性が広がり、より多くの子どもたちが、求めるような支援サービスにつながりやすくなるといいなと思います。執筆/べっこうあめアマミ(監修:初川先生より)地方と都市部、両方の療育機関を利用されたご経験からの都市部での療育機関の特徴をお知らせくださりありがとうございます。東京は特に選択肢の多いエリアです。交通網も発達しているので、遠くから通う方もいらっしゃり、いつも満員御礼状態で稼働している機関も多くあるのが現状ですね。アマミさんがされたように、まずは居住する自治体の発達支援センターなどに問い合わせ、地域の似たようなお子さんを持つ方々がどのような機関を使っているかを聞いてみることが良いかと思います。民間機関の情報は最終的には保護者の方が動いて情報を集めることも出てきますが、地域のつながり、横のつながりからそうした情報が入ってきやすくなるようにしておくと良さそうです。アマミさんのお子さんは幼稚園との並行通所で、出来るようになったことがたくさんあったとのこと、何よりです。子どもの発達が著しい時期に、専門家の働きかけや助言を活用しながら子育てできることはとても心強いですね。
2022年09月22日子どもに「学校行きたくない!」と言われたら……こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・大場美鈴(楽々かあさん)です。今回のコラムは、子どもに「学校行きたくない!」と言われたときの第一段階の対応、話の聴き方について。子どもが朝なかなか起きてこなかったり、身支度がちっともすすまなかったりして、「もう、早くしなさい!」なんて急かした途端に「行きたくない!」と頑なに返されたら……。親にだって、仕事や下の子のお世話など事情や都合があり、「急にそんなことを言われても困る」「熱がなければ行ってほしい」と思うのは、私も気持ちとしてとてもよく分かります。でも、大人だって、ときには「仕事行きたくないな」と思うこともあるように、子どもの口から「学校行きたくない」という言葉が出るのは、ちっともおかしなことではありません(むしろ、自分の気持ちを正直に言葉にできたことは、ほめてあげたいところです)。「そんなに簡単に休ませていいものだろうか」「でも、もしも、いじめられていたら……」などと、内心では葛藤しながら親子で押し問答を続けていると、不毛な時間だけが過ぎてしまいますよね。こんなときは、とにかくまずは、子どもの話に丁寧に耳を傾けることが大事なのです。とはいえ、話を聴いてあげてたつもりなのに、なぜか、いつの間にか言い争いになっていたり、「もういい!」なんて部屋に閉じこもられてしまったり……「子どもの話を聴く」って、案外難しい気がしませんか。かつては、毎日のように子どもに「学校行きたくない」と言われ続けた私の豊富な経験から、こんなときにスグに役立つ話の聴き方のコツを具体的にお伝えしたいと思います。子どもに急に「学校行きたくない」と言われたら親は焦ってしまいがちですが、夏休みなどの長期休暇明けは特に、「ダルい!暑い!メンドクサイ!」など、どんな子どもでもただでさえ登校ハードルが上がりますし、それぞれの子どもに、学校生活の中でちょっとした不安や不満を感じることがあったり、さまざまな負担感や疲労感から体が思うように動かなかったり、あるいはもっと深刻な理由でかなり思いつめていたりすることも。つまり、「行きたくない」という一言にもさまざまなニュアンスが含まれ、その子どもの心身の状態も段階があるので、親の対応も「これが正解」という一律のものはないと思いますが、どんな理由であれ、その子どもが今どんな気持ちでそう訴えているのか、理解してあげる必要があるでしょう。そのためには、まずは、子どもの話を否定せずに、丁寧に聴いてあげるといいでしょう。できるだけ、話の最後まで根気よくつき合ってあげられるといいのですが、朝の登校前などは親も余裕がありませんよね。ですから、こういったときのためにも、日ごろの子どもの様子から「最近、ストレスがたまってそうだな」と感じたら、早めに時間のあるときにグチを聴いてあげてガス抜きしたり、雑談しながら沢山親子のコミュニケーションをとっておくといいでしょう。そうすると、子どもも親に本音を話しやすくなる上、「何を不安・不満・負担に思っているのか」などの見当もつけやすいと思いますよ。また、思春期などで子どもが親とあまり話したがらない場合や、子どもが周りを気遣って「行きたくない」と素直に言えない場合でも、日ごろから子どもの様子をよく観察し、「フツーのとき」の状態を分かっていると、「いつもと少し、様子が違う」と、直感で気がつきやすくなります(場合によっては、こちらから「今日は休もう!」と、ビシッとストップをかけることも必要です)。では、子どもの話の聴き方の具体的なコツとは?それはズバリ「あいづち名人になる」こと。もし、話の途中で気になることがあっても、「でもさー」「ちょっと待って」などと口を挟まずに、ただひたすらに「うんうん」「そっかそっか」「なるほどね」と、あいづちを打ちながら聴いていくといいでしょう。これって一見誰にでもできそうなシンプルな方法ですが、案外奥が深いんですよ。言葉だけでなく、時々軽くうなずいたり、子どもの背中に触れながら聴いたり、表情でも今の気持ちに共感してあげると話しやすくなると思います(参考までに、著書より「あいづちバリエーションの例」の一覧表を掲載します)。Upload By 楽々かあさんそして、子どもの話を聴く上で大事なのは、「なぜ行けないのか」を探ることよりも「今のその子の負担感を理解してあげる」ことです。もちろん、明確な理由が分かれば解決できることもありますが、触れてほしくないこと、言いたくないこと、親にも知られたくないこと、相手の負担になるのが心配なこと、口にするのさえすごく怖く感じること、自分自身でもよく分からないこと……など、子どもにもいろいろと事情があります。事態の解決を焦ると、つい語気を強めて「なんで行けないの!?」「どうしてイヤなの!?」と、詰問・尋問調になりがちですが、そうすると、せっかく開きかけた心の扉が「ウザい!」「うるさい!」と、閉じてしまうかもしれません。とはいえ、理由が分からなくては、親だって、どう対応したらいいのか分からない場合もあると思います。こんなときは理由よりも気持ちに注目して、丁寧に話を聴いていくといいでしょう。例えば、子どもが「勉強やだなー」と言ったら「どの教科が一番しんどい?」とか、「あーあ、学校ってメンドクサイなぁ」と言ったら「どういうとき、特にそう思う?」……というように具体的に聴きながら、子どもが自分の気持ちを言葉にできるまで待ってあげるのがコツです。すると、実は「国語の時間にみんなの前で音読するのが苦手」とか、「〇〇先生が、忘れ物した子を怒ってるのを見るのが怖い」とか、「休み時間のドッヂボール強制参加がつらい」など、思わぬことが子どもの心身の大きな負担になっているのが分かることもあります。子どもの「特に負担を感じる時間・場所・人」などが分かった場合も、親世代の「昔はもっと厳しかった」といった価値観は一旦置いて、「そうだったんだね。話してくれてありがとう」と、今の子どもが置かれた状況を理解してあげるといいでしょう(ただし、先生やクラスメイトの悪口を親が一緒になって言うのは、ネガティブな感情が煽られて問題解決をより難しくする可能性があるので、基本的にはオススメしません)。こうして話を肯定的に聴いていると、ときには子どもが、「学校なんてバクハツすればいいのに!」とか、「あんなヤツ、XXXのXXXだ!」なんて、道徳的な観点からは「それは、いかがなものか」と思えることを口にすることもあるかもしれません。そんなときも「そんなこと言うもんじゃない」などといった正論は一旦置いて、たとえ本心から同意できずとも、「それほど、イヤだったんだね」「そりゃあ、腹ぐらい立つよね」などと、気持ちには共感し、親は子どもの味方になってあげることを優先するといいでしょう。(ただし、子どもが極端な受け止め方をしている場合、落ち着いてから「こう考えることもできる」「こういうものの見方もある」などと、多様な考え方の例を示して、軌道修正できるといいでしょう)そして、たとえ子どもが親にうまく言葉で伝えられても、伝えられなくても、「そっか、そっか、しんどかったね」「ずっと、つらかったんだね」「いっぱいガマンしてたんだね」……などと声かけして、ヨシヨシしながら共感してあげると、心が少しだけ軽くなると思います。否定せずに話を聴けば伝わる親のメッセージここまで、子どもに「行きたくない」と言われたときに、親ができる話の聴き方のコツをお伝えしてきましたが、もしも、子どもの感情が強すぎて親が受け止めきれない場合や、状況が複雑で深刻な場合、親の側が丁寧に話を聴く余裕がない場合などは、遠慮なく「話を聴くプロ」を頼りましょう。こんなとき、私は主にスクールカウンセラーを活用しましたが、一般のカウンセラーや自治体・大学の相談室など、学校とは無関係の外部の相談機関のほうが話しやすいこともありますし、近頃ではオンライン診療を行う心療内科なども増えているようです。また、思春期にある子どもは特に、親以外の人にも、いつでも自分で相談できるようにしておくといいでしょう。無料の電話相談・SNS・掲示板などの相談先をスマホの連絡先やお気に入りに登録したり、相談先カードをさり気なく見える場所に貼っておく……など、子どもが「相談してみようかな」と思ったときに、すぐに自分でアクセスできるように予め備えておくのも、大事なことだと思います。こうして、親や周りの大人に、子どもが今の自分の気持ちを言葉で表現し、状況を一歩引いて客観的に見ることができると、気持ちが落ち着いて前向きになれる場合もあれば、「やっぱり、どうしても無理」という場合もあると思います。それでも、否定せずに子どもの話を聴いてあげることで、「私はあなたの味方ですよ」というメッセージが伝わるだけでも充分です。親も子も、お互いに人間なんですから、ちょっと疲れちゃったり、あんまり前向きになれない日があるのは当たり前です。それでも、おうちの人が自分の話に耳を傾け、気持ちに寄り添って、どんなときも味方でいてくれるという安心感があれば、学校に行けても行けなくても、その子どもはきっと大丈夫です。文:大場美鈴(楽々かあさん)(監修:井上先生より)「学校に行きたくない」と言われたときに、まずその気持ちを受け止め、その理由に耳を傾けていくということはとても大事なことですね。長期的な視点で見ると、その日学校に行くか/行かないかという問題よりも、「困難なときに誰かに相談できる」、ということの方が大事になってくるかもしれません。楽々かあさんのように、上手にカウンセリングのテクニックを使うことで、お子さんが何を困難に思っているかをうまく引き出し、そして整理して、困難な問題について一緒に考えてあげる、このようなプロセスとそれによる成功体験が思春期において、とても大事になってくると思います。大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2022年09月21日もしコウが「学校に行きたくない」と言い出したらどうする?Upload By 丸山さとこ息子のコウは小学4年生で診断を受けましたが、3歳児健診の時点で神経発達症(発達障害)の可能性は指摘されていました。そのころはASDの可能性が高いと言われており、実際に保育園での様子などを見ていると、社会性の低さを感じることはしばしばありました。小学校に入学してから人間関係などのトラブルが起こりそうな予感もあったため、小学校入学前には「もしコウが『学校に行きたくない』と言い出したらどうする?」と不登校についての話し合いを夫としていました。「学校に行きたくない」とコウが言うときは、まずは理由を聞いて対応するように努めています。ですが、「難しい状況が長く続くなどして見通しが持てないようであれば、コウの心身の状態を見つつ不登校を選ぶ可能性はあるだろう」と、夫と私は考えました。学校に通うことで得られるものは、大雑把に分けて二つあると思います。一つは学習の機会。もう一つは他者と関わり社会性を育む機会です。小学校の時間割や教科書を見ると、小学生は本当に忙しいなと感じます。これだけの密度を家庭で再現したら、バトルに次ぐバトルで生傷が絶えない毎日になりそうなのでそこはあきらめるとして、近いものを用意することはできるかと考え、いくつか案を用意しました。学校に行かないことを選んだとしたら?まず、学習は通信教育(タブレット学習アプリ)と簡単なドリルを利用すると、親子共々負担が少なく続けやすいのではないかと考えました。通信教育であれば全教科通塾するより費用が抑えられます。授業動画は停止したり繰り返し視聴したりすることが可能なため、コウもマイペースに理解を進められそうです。Upload By 丸山さとこ候補としていたいくつかのタブレット学習アプリでは、回答の答え合わせが自動で行なわれるのもよい点だなと思いました。私もコウも負担が減りますし、答え合わせのミスもなくなります。また、コウは視線を往復させて物を見たりノートに字を書いたりすることが苦手なのですが、その点でもタブレット学習は助けになると感じました。苦手なことをさせようとすると毎日バトルが絶えなくなるだろうことは予想がついたので、学習に関してはとにかく『コウも私も無理なく、できる範囲で』をモットーに進めていこうと思いました。もしコウと私に余力があれば、通信教育と合わせて1教科だけ個別指導の塾に行くのもよいかと思い、数か所で体験授業を利用してみました。自習室がある塾の場合は、手の空いている先生がいらっしゃれば質問もできるため、自宅学習で分からなかったことも聞けるのがよいなと思いました。比較的手段が数多く用意されている学習機会に比べると、『同世代の子どもの中でコミュニケーションなど社会性を学ぶ機会』は用意するのが難しいなと感じました。集団の中にいたとしても、集団塾のような環境では横の繋がりが生まれにくいかもしれません。かといって、テーブルゲームなどを通じてコミュニケーションを学ぶ場のようなものは通える範囲にありませんでした。そのため、コウが好きなことの中で比較的ほかの子どもとの関わりも生まれそうな、プログラミング教室や英語教室を候補としました。Upload By 丸山さとこまた、『登下校での徒歩移動や体育の授業がなくなることで運動不足になるのではないか』と思ったことから、当時通っていたスイミングスクールも継続して通うとよいのではないかという話になりました。もし「同級生に会うから嫌だ」ということであれば、やや遠方のスイミングスクールに週1で通おう…と決めました。定期的に通える習い事の場を用意することで、私とコウが離れる時間を持つことも大事だろうなと思っていたのもあります。Upload By 丸山さとこまた、社会科見学や家庭科などの主要5教科以外の学習や体験については、レジャー施設やイベント会場へ行くほか、家事の手伝いをするなど日常生活を通じて補うことにしました。優先したいことは何だろう?私は小学生のころ、いじめやからかいなどのトラブルにより学校へ行くのがつらいときがありました。両親はそんな私を見て「しばらく学校お休みする?」と言ってくれましたが、「学校は行くものだから」と言って通い続けました。当時の私は登校することの苦しさと同時に、学校を休むことへの不安も抱えていました。「もし休んだとしてその間の学習はどうする?休んでいる間に問題が解決する手立てもないのに休んで、事態は良い方に変わるのかな…」という不安や疑問を解消できないまま不登校を選ぶことは、そのときの私にはできませんでした。Upload By 丸山さとこそのため、コウが学校生活でつらそうなときには『しばらく学校お休みしてみる?』の提案ができるよう、「安心して学校を休むための対処」について大まかに案を出しておきたいなと考えています。それらの案が、親子共に安心材料になればいいなと思います。コウは小学校中学年のころに行き渋りが続いたことがありました。朝からあまりにも暗い顔をしてぐったりしている日は、「熱はありませんが疲れが溜まっているようなので、今日は休養させたいと思います」と学校に電話してお休みすることもありました。そうしてたまに休んだりしつつもゆるっと登校を続けたコウは、現在中学生になりました。今のところ「中学は楽しい!」と言い毎日元気に通っていますが、いつ調子を崩すか分からないなと思っています。場合によっては『元気だけど学校は合わないので行きたくない』というケースもあるかもしれません。Upload By 丸山さとこ学習アプリ・習い事・体験施設・家事など、『不登校を選んだとき』を想定して候補にあげた活動は学校に通いながら行えるものがほとんどです。そのため、学校に通っていた今までの間にもいくつか生活に取り入れています。今後コウが不登校を選んだ際は、学校に通わない日常を「今の生活の延長上にあるもの」として移行していけるといいなと思います。そして、もしその選択が「学校に通えないほどコウが疲れた結果」なのだとしたら、まずはゆっくり休むことを優先できたらいいのかな?と思っています。執筆/丸山さとこ(監修:鈴木先生より)不登校のお子さんのほとんどは音に対する不安があります。特に自閉スペクトラム症で音過敏のあるお子さんは教室がうるさいとそこにいるだけで苦痛なのです。学校の先生と相談してイヤーマフや耳栓など音に対する工夫をするといいときもあります。さらに喘息・アトピー性皮膚炎のようなアレルギーや、朝起き不良・立ち眩み・車酔いなどの症状がある起立性調節障害を併存している場合は不登校になる率が高くなります。これらは投薬によってコントロールできるのでかかりつけ医に相談して早めに対処することをおすすめします。自閉スペクトラム症に対して先生や生徒が無理解だと学校へ行く楽しみがなくなるばかりか、いじめのターゲットにもなりうるので、校長先生や教育委員会とも連携して早めの対策が必要です。不登校の初期はなるべく行かせるようにしますが、慢性的になった場合は無理やり行かせずオンラインや習い事でサポートし、できるだけ学習をおろそかにしない工夫が必要となります。高校へ入学できて最終的に自立・就職できればいいわけですから…。
2022年09月21日くるくる回る自閉スペクトラム症のある太郎。回るときはほぼ無言。ときにはスローモーションで回ったりもする。寝る前にはくるくる回り、その後はコミック本をひらいて数分で眠りにつく。それが太郎のここ数年のルーティンだ。くるくると回ってるときの太郎はだいたい穏やかな顔をしている。ときには汗も出るほど回っている。Upload By まゆんあまりにも穏やかな表情で回るものだし、それがもう私たち家族の中では当たり前となっている。発達検査を受けた際、心理師さんやほかの専門家の方から「常同行動を止めたりすることはありますか?」と聞かれたことがある。この質問があるということは、止めてはいけないってことだなと先を読めた。それは私も分かっていたし、ほぼ止めることは今までもしなかった。過去に一度、激しく高速で回ってたときは流石に落ち着くように声がけはした。表情も強ばってたし、心の整理がついてないのが丸見えだったからだ。太郎は大人なしで友達と外で遊ぶことをしなかった。理由は私にもハッキリとは分からないが、外への不安があるのか、家が好きなのか、太郎にしか分からない理由がたくさんあるのだろうと思った。Upload By まゆんくるくるを解釈するある日の休日、家のインターホンがなった。ピンポーン。モニターに写ってたのは太郎の友達だった。私は太郎に声をかけた。「太郎、○○君だよ、対応してー」太郎の顔がこわばった。そして高速でクルクルと回り出した。「太郎とりあえず、ほら、インターホンに答えよう」太郎はカチンコチンにかたまりながらインターホン越しに友達の対応をした。「は、、は、、はいーー!」「太郎ちゃん、遊ぼーー公園行こーー」太郎はしばらくかたまった…。「む……無理!!!」Upload By まゆん友達は少し残念そうな顔をしたが「OK!分かった」Upload By まゆんそう言ってインターホン越しの会話は終わった。くるくるくるくる。くるくるくるくる。どんどんどんどん加速する。太郎はリビングをくるくる高速で回った。いろいろな感情が私には見えた。友達と遊びたい、外へ出るのが不安、遊び方が分からない、突然の誘いで驚いた、友達の誘いを断ってしまった。太郎は口にはしないが私にはそんな風にそのくるくるから勝手に解釈した。あまりにも表情が強ばってるし、高速くるくるだったものだし、見るに見兼ねて太郎に声をかけた。「太郎、急な誘いはびっくりしちゃうから、学校で友達と約束してみたら?準備とかしたら大丈夫かもだよ?」この声掛けに太郎のくるくるがピタッと止まった。「約束!!!してみる!!」名案だ!!的な表情を太郎はした。それからくるくるはゆったりとなり表情も穏やかになった。そして数時間後に太郎はこう言った。「お母さん、チャレンジのチャンスはまだあるよね」なんだか心が癒された。あとがき太郎のくるくるは、寝る前や手持ち無沙汰なときに見かけます。何かに集中してるときは静止してますが、なにをしていいか分からないときや空いた時間にはくるくるくるくると回ってます。本人は「落ち着くのと、回りたいから回る」と言ってました。もう一つのパターンが、イレギュラーな何かが起きたときもくるくると回ります。心の整理をするためなのか気持ちが行動にあらわれてるのか、突然の出来事をその場で言葉にすることが苦手なため、くるくると回るのかなぁと母の私は思いました。常同行動にはさまざまな説がありますが、ホントのところは本人にしか分からないわけで…私にも本当のところは分かっていませんが、私から見た太郎のくるくるはこんなところです。何度か一緒にくるくる回ってみましたが、目が回って気持ち悪くなりました(笑)ある意味すごいと感心しました。執筆/まゆん(監修:鈴木先生より)自閉スペクトラム症のあるお子さんは自己刺激としてくるくる回ったり、ジャンプしたりすることがよくあります。手をひらひらさせる常同運動のあった成人の自閉スペクトラム症のある方は何かを話すタイミングでやっているので止めないでほしいと以前話されていました。よほど他人に迷惑をかけていない限り止める必要はないようです。自閉スペクトラム症・発達性協調運動症の診断の一つとして、OT(作業療法士)が、お子さんを回転盤に乗せて左右に回すことがありますが、自閉スペクトラム症のあるお子さんは回転後に眼振が見られず目が回らないことが多いようです。
2022年09月20日長女ゆいの進学先、どうする?以前から中学校は地元の公立中学に行こうかなと考えていました。理由はまず近いこと、次に小学校のメンバーの多くが進学するため環境の変化で受けるつらさが少しは軽減されること、そして支援が手厚いということを小学校の先生に聞いていたからです。そして小学6年生の1学期、小学校の特別支援学級に在籍している児童に対して、個別で中学校の特別支援学級の説明会が開催されました。夫にも娘の通う学校のことや特別支援学級のことを見てほしかったので夫婦で参加しました。Upload By 吉田いらこ夫婦で中学の特別支援学学級の説明会へ参加してゆいの通う予定の中学校の自閉症・情緒障害特別支援学級は、小学校のときと同じで、基本は通常クラスにいて、授業を受け、苦手な科目のみ特別支援学級で指導を受けるという体制でした。中学選びで私が一つ不安に思っていたことが、特別支援学級に在籍すると内申点がつかないのではないかということでした。もしそうなると、就学先の選択肢が狭まるのではないかと不安だったのです。しかし、この中学校では自閉症・情緒障害特別支援学級在籍の子どもにも内申点がつくという説明を聞いて安心しました。夫もふんふんと説明を聞き納得しているように感じました。※地域や学校によって特別支援学級の体制や内申点の詳細は違います。Upload By 吉田いらこ説明会の最後に、中学校の特別支援学級に入るにあたって入級申請書というものにサインをすることになりました。担当の先生は「まあ形だけみたいなものですけどね。ご希望であればいつでも退級、再入級ができますよ」と笑顔で書類を私たちの前に差し出されました。夫も「分かりました」とその場では何も問題なくサインをしましたが…。Upload By 吉田いらこ不満そうな夫の言った言葉とは説明会の帰り、夫はずっと不満げでした。「説明を一通り聞いたけどさあ、うちの子に特別支援学級なんて必要なくない?あの子は普通だよ。別に特別な支援なんて必要ないんじゃないかな?」と言っていました。この夫の一言で、私は「分かってないな…」と思ってしまいました。ゆいが小学校中学年あたりから勉強についていくのが難しくなって悩んでいた時期、ちょうど夫は3年間の単身赴任中だったのです。Upload By 吉田いらこ発達検査を受けたときも、学校での毎日がしんどくなって児童精神科に通院したときも、小学校の先生と支援について何度も打ち合わせをしたときも、私一人だったなとぼんやり感じました。夫に連絡はしていたけど、仕事が忙しい上に一緒に暮らしていないので当事者意識は低かったのかもしれません。たまに単身赴任先から帰ってきたときも、自宅で過ごしたり一緒に遊んだりする分には、場面緘黙や障害の特性など実感することはなかったと思います。ゆいの生きづらさは外の社会の中で他人と接するからこそ生まれるものなのです。Upload By 吉田いらここれから夫婦で考えていきたいこと単身赴任が終わった夫には、仕事が大変なのも十分承知していますが、これからしっかり子どものことにも関わってもらおうと思いました。正直なことを言うと、私一人で全てやるのは精神的にもういっぱいなのです。中学校の特別支援学級の説明会も私一人で行っても良かったのですが、夫に仕事を休んでもらって一緒に行ったのはこのためです。説明を聞き、書類に夫自身がサインをしたことで少しは意識を向けてくれたかもしれません。私はゆいのことに関しては不安ばかりなのですが、夫はおおらかなところがあるので今後夫婦でお互いに補い合って子どものことを考えていけたらうれしいなと期待しています。執筆/吉田いらこ(監修:井上先生より)就学先の決定に際して、学校見学や説明会にご夫婦で出かけられたのはとても良かったと思います。実際の授業を見たり、担任の先生に質問をしたり何よりも生の学校の様子に触れられることで就学のイメージが得られやすくなると思います。地域によっては実際に子どもさんに体験してもらう機会を作っているところもありますが、お子さんの意見なども参考になると思います。お父さんの理解がお母さんとずれることはあるかもしれませんが、実際に見学に行ったり先生たちと話をして頂くことで少しずつ変わっていけばよいかと思います。中学の特別支援学級では、通常学級で受ける授業の割合や内申点に関しては地域や学校ごとに事情が異なる場合がありますので、おのおのの就学先の学校で詳しく聞いてみられると良いと思います。
2022年09月19日てんかんの診断方法、治療方法は?Upload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンてんかんの診断方法は主に問診と検査の結果によって診断されます。てんかんの診断の上で、もっとも重要なのは問診です。発作がどのようなものだったのかによって、てんかんの分類が決まってきます。てんかんの治療を行うためには、発作型と原因が何なのかを把握し、それぞれの発作症状に見合った治療を行います。発作が起こった際には冷静になって、発作症状の全体が映るように動画を撮影するなど、よく観察することが重要です。発作時の動画は、医療機関受診の際に症状を説明しやすいため、撮影されることをおすすめしている医師も多いです。問診では次のようなことを中心に本人または保護者へ聞き取りを行います。【問診の主な内容】・小児の場合:出生時の様子や、出生後の発達の経過・発作時の詳細な様子:いつ、どこで、どのような、どれくらいあったか・随伴する症状:よだれが垂れていた、失禁があった、記憶がなくなっていたなど・てんかんの家族がいるか・頭に大きなケガをしたことはあるか・熱性けいれんを起こしたことはあるか・脳梗塞など、脳の病気をはじめ、治療中の病気はあるかなど、そのほかにもさまざまなことを問診によって聞き取ります。主に脳波測定や脳画像検査の結果も、診断の根拠となります。外来で行う短い脳波検査を行うこともありますが、より詳細に発作時の脳波を検査する「長時間ビデオ脳波モニタリング検査」を行うこともあります。脳波の計測を1日~数日間をかけて継続して測定し続け、同時にそのときの様子をビデオに録画しておきます。脳波と映像を解析して発作症状と発作の原因部位を見極めていきます。なお、てんかんの診断は次のような手順で行われています。Upload By マンガで分かる発達障害のキホンてんかんかも…?と思ったらてんかんの大発作が初めて起こった際に、驚いて救急車を呼ぶ方は多いと思います。一方で小さな部分発作や、会話の途中にぼんやりとしてしまうなどの症状がある場合「もしかして、てんかん?」と思うことがあっても、数分でもとに戻ることから日常生活にさほど支障を感じないことがあります。しかしてんかん発作を放置してしまうと、大きな事故につながりかねません。できるだけ早期からそういったリスクを避けるため、医療機関を受診するようにしましょう。◆乳幼児から中学生・小児科または小児神経科◆中学校卒業後・神経内科・脳神経外科・精神科を受診してください。なお、次のリンクにてんかんについての相談窓口が掲載されておりますので、受診する際の参考にしてみてください。参考:てんかん対策 4.てんかんについての相談窓口|厚生労働省てんかんのさまざまな治療方法てんかんの治療は主に薬物療法によって行われています。そのほかにもホルモン療法や手術などの治療法がありますが発作の種類によって使用する薬の種類や治療法も異なりますので、医師の指示に従って治療を進めてください。医師による診断・指導のもとに、抗てんかん薬を用いた薬物療法を行います。発作型に合わせた抗てんかん薬の服薬を続け、抗てんかん薬の使用量の調整を行います。抗てんかん薬治療は原則薬を飲み続けなくてはいけません。ただし、3年〜5年程度、発作症状を抑えられ、再発のリスクが少ない場合には、減薬を試みていきます。ウエスト症候群への代表的な治療法の一つで、ACTH療法(副腎皮質刺激ホルモン)といわれています。ACTHとは、脳下垂体から生理的に分泌されるホルモンで、副腎に作用して副腎皮質ステロイドホルモンの分泌を促す動きがあります。ウエスト症候群の治療では、40~80%の発作が抑制されると報告されています。外科療法が可能なてんかんであれば手術によって治すことができます。てんかんの原因がはっきりしている脳の病変部を切除することによって、てんかん発作を改善することができます。薬をつかっても発作が抑えられないときや、副作用が強いときがあります。その場合に食事療法としてケトン食療法を用いることがあります。ケトン食療法とは体内にケトン体を増やすために、脂肪が多く、炭水化物が少ない食事を摂る治療法です。日本ではあまり普及していませんが、アメリカや韓国では治療が難しいてんかんがある患者さんに対しての治療法として利用されています。まとめてんかんは年齢や性別に限らず発症し、多種多様な発作を起こします。場合によってはてんかんと気づかれにくい発作もあります。医師の指示に従った治療を行っても発作が良くならないなど、困ったことがあれば、原因について再検査 検査をしてみたり、セカンドオピニオンを求めたりすることも一つの手段です。ぼんやりしてしまう意識障害が伴うてんかんの場合は、本人に発作が起こったことに気がつかないこともあります。そのようなときは周りの人が本人や保護者に教えてあげましょう。てんかんは発作によっては周囲の協力や助けが必要になる場面が、多々あります。そのときに助けを求めたり、サポートをしたりといった相互の協力が大切になってきます。
2022年09月18日「娘は話せるようにならないの?」娘に先天性の重度障害があると宣告されて「一生意味のある言葉を話せるようにはならないでしょう」「歩けるようになるかも分かりません」大学病院で、娘に先天性の重度障害があると宣告されたのは、2歳になる少し前のことでした。突然の診断に、母である私はなかなか受け入れることができませんでした。そのころの娘は、地域の保育園に通っていました。障害が分かったころに思ったことの一つに「運動会に出るのが嫌だな」ということがありました。娘の通っていた保育園は、一人ひとりに見せ場をつくるとても素敵な運動会を行う園でした。それゆえに、上手く歩けるようになるかも分からない娘が、たくさんの保護者の前で見世物にされるような気持ちになってしまったからです。Upload By ユーザー体験談保育園でのあたたかい対応。だんだんと心に変化がそんな否定的な気持ちになっていた私ですが、障害が分かったあとも、保育園で分け隔てなくあたたかく育てていただいている中で少しずつ思いが変わってきました。同じ疾患のお友達の中には「運動会に出ないでほしい」「遠足には連れていけない」と園から拒否されてしまうとか、幼稚園などでは「階段を一人で登れない子どもは受け入れられません」と入園自体拒否されてしまったという話しを聞くこともありましたが、娘の通っていた園は「どうすれば娘も一緒に参加できるか」を考えて遠足や宿泊学習の行き先も調整してくれました。例えば、園では幼児クラスになると山登りに行くのが恒例でしたが、山道を歩くのが難しい娘のことを考えて、ケーブルカーのある山に行き先を変えてくれたので、車いすでも参加できました。クラスのお友達とは山頂で待ち合わせて一緒にお弁当を食べたり散策ができました。睡眠障害があるので宿泊学習はいけないのではないか、と思っていたのですが「お母さんは付き添わないで大丈夫です」と断言され、安心して預けることができました。時には、担任の先生の何気ない「娘には無理だろう」という考えが前提の行動に対して、ほかの保護者が保護者会で問題提起をするなど…ママ友たちにも恵まれました。意味のある言葉は話せず喃語だけの娘に対し、仲良しのお友達は、娘が「ままままま」というと「ままままま」と逆模倣をしてくれ、なんだか楽しいらしく笑いあっていたりもしました。特別支援学校に入学後は、発語自体あまりしなくなってしまいましたので、保育園時代、逆模倣をしてくれるお友達に恵まれていたころが一番宇宙語を話していた気がします。Upload By ユーザー体験談数年前の気持ちが嘘のように。年長になった娘の運動会を見て娘の障害が分かって4年、年長さんの運動会のときは、数年前に「運動会に出したくない」と思っていたことが嘘のように楽しみにしている私がいました。リレーに出場するのは(歩行が安定しないので)難しい娘には、「白と赤のバトンを第1走者に渡す」係を与えてくれ、娘が渡したのを合図にリレーがスタートするという演出!年長組の徒競走は100メートル走のコーナーありのコースなのですが、娘は特別に50メートル走の直線コースにしてもらい、(一度自分の回は走り終えたあと)一緒に走りたいと言ってくれたクラスメート数名と走り(歩き)、一緒にゴール。観客の保護者からも園児からも盛大な拍手をもらい、ニコニコの娘の姿が輝いて見えました。Upload By ユーザー体験談現在の気持ちと支えになった園長先生の言葉今は、すっかり図太くなった私。障害が分かってすぐのいちばん落ち込んでいた時期に、たくさんの人が支えてくれ、一緒に育ててくれたからこそ、闇におちることなくすぐに浮上し、ゆっくりだけど愛しい娘の成長を味わえるようになったのだと思います。保育園の園長先生に言われた「一緒に育てていきたい」という言葉。勤務先の人事の人から言われた「私たちは〇〇さん(私)の応援団です」という言葉。そして、言葉だけでなく、行動でも実践し、支えてくれたこと。その恩に報いるよう、これからも前向きに、そして人に役立つことをしながら生きていきたいな、と日々思っています。Upload By ユーザー体験談イラスト/taekoエピソード参考/あっきー(監修:井上先生より)医師から診断を告げられたことはとてもショックだったと思います。しかし、園の先生方を中心にさまざまな配慮や工夫の中で子どもさんの可能性を引き出してくれたことがクラスメイトの関わり方にも周りの保護者たちにもそして何より親御さんたちに前向きな気持ちと勇気を与えてくれたのだと感じました。子どもの障害をどう捉えるかによって周りの人たちが大きく変わっていくことを実感されてこられたのだと思います。娘さんがクラスにおられたことが娘さん自身にも、そして周りの子どもたちにもお互いに大きな成長に繋がったのではないでしょうか。あなたのエピソードもコラムになるかも?体験談募集中!保護者の方が日々子育てをする中で「こんなトラブルがあった」「こんなハプニングがあった」など悩みはつきないと思います。そんな発達ナビユーザーのみなさんの「困った」エピソードを募集しています。テーマは新たに「パートナー(夫婦関係)」「進学、受験」などを追加しました!その他「祖父母や親戚関係(帰省含)」「ゲーム」「不器用」「ママ友・保護者」「ご近所トラブル」「自傷」「学習」「不登校」なども引き続き募集中です。パートナーなどとの意見の相違、受験や進学での予期せぬトラブル、反抗期による親との言い争い、癇癪を起こして自分の頭を叩く、地団太を踏むなどの自傷行為…読み書きや計算の困りはもちろん、授業を落ち着いて受けられないなどの学習の悩み…行き渋りや不登校などの悩み…いろいろなお悩みエピソード、お待ちしております。お寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんにコラムとしてコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開いたします!あるあるのエピソードからヒヤリとしたエピソード、SNSなどではなかなか言えないような家族やママ友とのトラブルまで。いろいろな「困った」エピソードをぜひ教えてください。
2022年09月18日