4年目を迎えたLITALICO発達ナビ新編集長就任みんなでつくる発達障害ポータルサイトとして2016年1月26日にスタートしたLITALICO発達ナビ。会員さん同士が相談・交流できるQ&Aやコミュニティサービス、児童発達支援・放課後等デイサービスを中心に全国の社会資源とつながる「施設情報」、子どもの発達をサポートする企業さんとのタイアップ企画、編集部による子どもの発達やその支援に関するコラム発信など、さまざまなサービスをお届けしてきました。いつ、どこにいても自分に合った支援につながるように。地域・社会に働きかけた3年目のLITALICO発達ナビ本記事の書き手である私、鈴木悠平は創刊時から発達ナビ編集長として、会員のみなさんの声をお聞きしながら情報をお届けしてきましたが、この4月1日から、編集部デスクとしてともに働いてきた牟田暁子さんに編集長を引き継ぎます。自身も母親として発達ナビのサービスを積極的に利用していたユーザーだったという牟田さんに、これまでの仕事や子育てでの経験、これからの発達ナビの展望を語ってもらいました。Upload By 鈴木悠平「読者にいかに届けるか」出版社での編集者時代に学んだこと鈴木: 今日はですね、これから牟田さんが編集長ですということを、発達ナビ会員さんにもお知らせしたいなと思って企画しました。牟田さんっていう人がどんな思いで今までやってきて、これから発達ナビ会員のみなさんと一緒にどんな場をつくっていきたいか、みたいなことを、よもやま語る会です。牟田: よろしくお願いします。なんだか緊張しますね(笑)鈴木: まぁ好きにしゃべってください(笑)Upload By 鈴木悠平鈴木: 「私も発達ナビ使ってます!発達ナビで働きたくて、編集者を募集していないかな?と求人情報が出ないかずっと見ていました」と、2年ほど前に面接に来て入社してくれた牟田さん。「あぁ、もう絶対この人!」と思って採用しました。僕と違って出版社での雑誌・書籍の編集経験も長く、頼もしいなぁ、編集部をよりパワーアップさせてくれるだろうなぁと。これまでのお仕事の話も今日はお聞きできればと思います。牟田: 新卒の1社目は宝島社でした。隔週刊のファッション誌を担当していたんですけど、当時は今のようにネットも発展していなかったから、「雑誌」が最先端の一番新しい情報を集めて届けている、という自負や存在感がありました。ファッション誌で隔週刊っていうのは、当時でもほとんどなかったと思います。編集者7人で隔週刊の雑誌をつくるという体制でした。鈴木: なかなかハードだったでしょう。牟田: ハードでしたが、すごく楽しかったですね。自分がファッションとかカルチャーに関して一番新しいものを知っていたいっていう気持ちで、昼も夜も打ち合わせや執筆なんかでいつも忙しいかったんですけど、それでも時間をつくって業界の人と飲み歩いたりして。編集者としていろんな情報をキャッチするための、人とのつながりの大切さとか、その良い情報をどれだけ早く読者に届けるかということをすごく意識していました。2社目の主婦の友社では、女性向けファッション誌の創刊メンバーとして入社しました。この雑誌も、当時は隔週刊で。ファッション特集の担当者として、育休を挟みながら10年くらい携りました。ネットでインタビューなんてできない時代だったので、読者の方に会社に来てもらって100人インタビューをしたり、「47都市スナップ」という看板企画では、編集部員総出で47都道府県に取材に行って、その街のおしゃれな女の子を撮影したり、魅力的なお店やスポットについて聞いて回って紹介したり…とにかく「読者の立場に立つ」ということを徹底して行っていましたね。Upload By 鈴木悠平牟田: 2人目の育休あけに配属された書籍編集部では、書籍のほか、季刊のライフスタイルムックを出すタイミングだったので、それをメインで担当しました。社名が示すとおり、「主婦の友」として、生活の役に立つ情報を、「どれだけ噛み砕いてわかりやすく丁寧に細やかに伝えられるか」というところにすごくこだわっている会社でしたね。最新の情報をキャッチして、読者が夢や希望を持てるような情報発信をすることと、それを実際の生活に役立てられるように落とし込んでいくこと。2社それぞれで学んだことは、今でも発達ナビの編集をする上で意識していますね。希少疾患のある娘と歩んだ10年間。その子をその子として見つめてくれるセラピストと出会って鈴木: 牟田さんには二人のお子さんがおられて、僕も下の娘さんには何度か会わせてもらったのですが、牟田さんがこうした子どもの発達支援の仕事に関わるようになったのは、娘さんの存在も大きいのではないでしょうか。牟田: そうですね。娘はいま10歳。約2万人に1人の確率で生まれる希少疾患があります。発達障害のある子どもたちと特性や症状が重なる部分もかなりあります。Upload By 鈴木悠平鈴木: 発達障害に関しては、この10年で情報も支援環境もだいぶ変化してきたと思いますが、それでも発達ナビには日々たくさんのお悩みやご相談が寄せられていますね。10年前で、なおかつ希少疾患となると、より一層情報収集は難しかったでしょう。牟田: とにかく情報がなくて「この子に何をしてあげたらいいのか」がわからなくて…情報を探すところでものすごく労力を使っていたというのが大きいですね。今でこそ、発達障害の認知も上がってきましたし、発達ナビのようなサイトが月間100万人以上の方に使っていただけるような状況ですが、自分が出版社にいたときには、発達障害や障害のある子というテーマだけで成り立つような雑誌をつくるなんてことはちょっと考えられなかったですね。娘が産まれたころは、ネットを見てもブログを書いてる人はまだ多くなくて、自閉症やダウン症に関するブログが多少見つかった程度でした。でも、娘のような希少疾患のブログを書いている人は全然いなくて、そういう情報を知ろうと思ったらすごく難しい学術論文みたいなものを読むしかなかったんです。アメリカの文献を英語が出来る人に訳してもらったり、動画共有サイトに上がっている海外の動画を見て、一生懸命リスニングしながら「この子がやっている療育はなんだろう」と想像して、そこで拾ったキーワードをネットに入れてみて、そこで英語で引っかかってきたセラピーを調べたり…今みたいに翻訳ソフトの精度も高くなかったので、大変でしたよ(苦笑)比較的情報があった自閉症関連とダウン症関連の本、それから娘には身体障害もあるので脳性まひの本も読みながら、3つをミックスして「うちの子に一番合いそうな療育は何なのか」っていろんな情報にあたっていました。Upload By 鈴木悠平鈴木: それぐらい、海外情報も含めて、自分から「取りに行く」っていうのを頑張らないと、情報が見つからない時代だったんですね。牟田: ええ。でも、海外の動画を見てみると、アメリカの同じ疾患の子は私が思っていた以上にいろんなスキルを獲得できていたんですね。「この子、文字読んでるし、自分の思いを絵カードやサインで伝えてるじゃん!」って。だから、「できない」って最初から決めつけて何も教えないことは娘にとって失礼なんじゃないかと思って、とにかく日本で私にできることをやってあげたいなと思って駆け回っていました。私にとって大きかったのが、”りさせんせい”っていう、すごく力のあるアメリカ帰りのセラピストの先生との出会いでした。その先生は、娘のことを疾患名で見なかったんですね。娘を娘として見てくれて。それまで、どこかの先生のセラピーを受けに行くと、まず娘の疾患の説明をするだけで1時間ぐらいかかる、ということがほとんどだったんですね。全然知られていなかったので。りさせんせいと会う前も、私はそういう心づもりでいったんですけど、彼女は全然違ったんですよ。まずドアを開けた瞬間(※)に、「メリークリスマス!」ってパペットとともに入ってきて、もう娘は一瞬で心を鷲掴みにされてましたね(笑)※当時のセラピーは通所型ではなく訪問型が主流でしたUpload By 鈴木悠平鈴木: へええ、素敵。牟田: 私がいつものように娘の疾患や症状の説明をしようとしても、「お母さんそれは話さなくていいから!もう先に、お母さんのブログも見つけて全部読んできたの。私今日この子のセラピーしに来たんだから!」って言うんです。で、初回2時間のセラピーで、無発語だった娘から要求語の「あ!」を引き出して帰っていったんですよ。私が「この子喋れませんから」とか言っても「喋れないかどうか、まだわからないじゃない」って。これが私にとってすごい衝撃で。この先生はちゃんと娘を娘として見て、娘の中にある思いも全部汲んでくれてるんだなと思って、そこから娘との本格的な療育を始めんたです。鈴木: 疾患・障害の診断名ではなく、その子をその子として見る。発達ナビで一緒に記事をつくるなかでも、いつも大切にしていることですね。素敵な先生と出会いましたね。牟田: こういう自分の経験を、仕事や地域の活動にいかせないかという気持ちが、今の発達ナビの仕事にもつながっている気がします。出版社時代にも、障害のある子ときょうだい児のお話を描いた『イルカの子ーA Little Dolphin』という、当時絶版になっていた絵本を版元さんに提案して復刊させてもらったことがあるんです。無発語の重度の自閉症がある女の子とお兄ちゃんのお話で、うちの2人の子とも重ねてその本にすごく自分が救われたので、他にも悩んでいる保護者がいれば届けたいなと思って企画しました。Upload By 鈴木悠平他にも、地域の仲間と一緒に「プレーパーク」という活動も始めました。娘が成長したときにどこで暮らすんだろうということを想像したとき、どこか遠くの隔絶された場所じゃなく、地域の中で暮らせたらいいなと思って。それで、娘のように障害がある子もない子も、年齢も学校の垣根も越えて、たくさんの人とかかわれる場所、誰もが孤立せずにつながれる居場所をつくりたいなって思ったんです。一緒に活動している仲間たちとのつながりもまた、私たち家族を支えてくれています。和田堀プレーパーク鈴木: 発達ナビも、発達が気になる子どもの保護者さん同士が安心してつながれる居場所をインターネット上につくりたいと思ってはじめた経緯がありますね。牟田: 私もプレーパークを開いたり、他にも親の会に参加したりしてきましたが、そうしたオフラインの「地域」のつながりだからこそできることと、場所を問わずに、同じような特性がある子どものいる保護者同士がつながれるインターネットだからこそできること、両方が必要なんだなと感じています。思い描いていたものと違っても、この子にとって一番良い未来を鈴木: 年度末の1月〜3月には、発達ナビ会員さんにユーザーアンケートやインタビューをさせていただいて、改めてたくさんの会員さんのお話をお聞きしましたね。牟田: 本当に、いろんな地域、いろんな境遇の方に使っていただいて…日々忙しいなか、もっと使い易く、もっと一人ひとりに合った情報をお届けできるサイトにしていかないとなと感じました。Upload By 鈴木悠平鈴木: 3月にはチーム合宿もして、会員さんの気持ちや、日々の暮らしが発達ナビを通してどんな風に変わっていくといいんだろうって、みんなで話し合いましたね。牟田さんご自身も、娘さんが診断を受けてから今に至るまで、自分の気持ちや行動にはいろいろと変化があったと思うのですが、振り返ってみてどうですか。牟田: やっぱり一番最初に診断された直後は「何でこんなにかわいいわが子が、将来言葉も話せないの」っていうショックはありましたね、正直。今まで自分が思い描いていた「こうなるだろう」とか「こうなりたいな」という未来と、全然違う未来を急に突きつけられたような感覚で、どうしたらいいかわからない不安がありました。でも、たとえ思い描いていたものと違う未来であっても、その未来の中で一番良い未来…この娘にとって幸せな道を一緒に歩んでいってあげたいなって、家族で話すなかで思うようになったんですね。それで、先ほど話したようないろんな療育情報を探すようになりました。鈴木: 娘さんにとって、一番良い未来を。牟田: 将来が見えなくて不安でいっぱいだったときに、一番嬉しかったのは、通っていた保育園の園長先生のことばでした。あまりに重度の障害なので、診断を受けたあと、娘はもう保育園に通えなくなるのかなって思って、園長先生に相談に行ったんですよ。そしたら先生が、「自分は療育や医療の専門家でもないけれど、お母さんがいいって言ってくれるんだったら一緒に育てたい」って言ってくれて。先生、本気なんですよね。本気で寄り添ってくれるのがわかる言葉で。「やめないでいてほしいし、お母さんがいいって言ってくれるなら私達も精一杯勉強したいし、教えて」って。「とにかく一緒に、娘さんを真ん中に育てていこう」って、そうやって言ってくれたんです。Upload By 鈴木悠平牟田: やっぱり、一番最初に味方になってくれる人がいるっていうのは、障害のある子の親にとって、そこから元気になってまた歩いていく上での、大きなきっかけになると思うんです。鈴木: そうですね、本当に…牟田: 娘も他の子どもも一緒に過ごせるように、言葉だけでなく実際にものすごくいろんな工夫をしてくださったんですよ。たとえば、「山登り」の行事ひとつとっても、娘が車椅子でも参加できるケーブルカーのある登山先を探してくれて。みんなで「山に登る」っていう、ほかの子たちのやりたいことも達成しながら、うちの子も一緒に登れるっていう経験をすごく大事に考えてくれて、場所も選定してくれたんです。娘には睡眠障害もあるんですが、そういったいろんな先生方の工夫のおかげで、2泊3日の合宿行事にも参加できたんですよ!鈴木: 障害の有無にかかわらず、必要な支援をしながらみんなで同じ場で過ごせるようにする。まさに「インクルージョン」ですね。牟田: とにかく寄り添って、「子どもを真ん中に」というふうにかかわってくれた園だったので、私の気持ちが前向きになったきっかけは、この園の存在が大きいですね。園長先生は、向き合うというより、隣にいてくれて伴走してくれるような方だったんです。それから私の両親も夫の両親も、娘の診断のことを話しても「全然大丈夫よ」って、障害の詳しい知識や理解とかは難しくても、ただ孫のことを100%受け入れてくれて、救われました。一番身近な人たちに否定されなくて、みんなが本気で伴走してくれたから自分自身も歩いてこれたっていう経験を、どんな人にもしてもらえたら…発達ナビを、自分のことを肯定してくれる仲間と出会える場所にできたら…そんな思いでいまここにいます。10年前と比べて世の中も変化してきましたが、まだまだ周囲の理解を得られなかったり、身近な生活圏で仲間と出会いにくかったりして、孤独な思いをされている保護者さんも少なくないと思います。私が保育園で経験したように、ちょっとの工夫で多様な子どもたちがみんなで過ごせるようになる。そんな場所を社会の中にもっと広げていきたいですね。Upload By 鈴木悠平どんな状況の人にとっても「安心基地」となれるサイトに。会員さんと一緒につくっていきたい鈴木: これまで編集部のメンバーとして働いたりユーザーとして発達ナビを使ったりした上で、これから編集長を担っていくわけですけど、これからどんなことをやっていきたいですか。牟田: 最初にユーザーとして発達ナビを知ったとき、開かれた感じのメディア、媒体だなと思っていたんですね。子どもに障害や疾患があっても、悲観しなくてもいいと思えるような、いろんな情報や体験談があって。ユーザーさん同士のQ&Aコーナーなどでのやり取りも、本気で相手のことや状況を慮って考えられているな、本気で相手の困りごとに寄り添おうとされているんだなというのが伝わってくる投稿にたくさん出会いました。そういうサイトのあたたかさ、ここにくると安心と思える、包み込んでもらえる…そういう体験を一番大事にしたいなと思っています。紙媒体と違って反応がすぐ返ってくるのも、編集者としてこの仕事をはじめて新鮮だったところです。それぞれの会員さんの熱量だったり、心のひだみたいなところが伝わってくるのがすごくありがたいですね。鈴木: 先日実施したユーザーアンケート・インタビューも、改めて学びと発見、そして反省・改善点に気づかせてもらえる機会でしたね。たとえば、コラムの内容の詳しさやテーマの幅についてはご好評いただいているけれど、より「自分の境遇」に合わせて情報を探したり受け取ったりするには、まだまだ足りない部分がありますね。自分の住む地域ごとに情報を探しにくかったり、特性や悩みごとのキーワード検索のコツがわかりにくかったりという声がありました。より「個別最適」なサイトに向けて進化していきたいですね。Upload By 鈴木悠平牟田: はい。今年度は記事をこちらから一方的に出すだけじゃなくて、もっと会員さん同士の交流や発信を豊かにできるような機能を作りたいなと思っています。いまのQ&Aやコミュニティでも積極的に使ってくださっている人もいますが、一人ひとりの生活状況も気力・体力の状態もさまざまだと思うんです。「もう毎日暮らすだけで大変なの」という人でも、そんなに大変じゃなく情報を得られるしつながれる、もっともっと使いやすいサイトにしていきたいなと思います。鈴木: すでに開発チームのエンジニアとも、具体的な改善点や、新しいサービスについて議論が進んでいますよね。今後はそういったサイトの改善プロセスも、会員さんにより詳しくお伝えしたり、意見をいただけるような流れを作れると良いかもしれないですね。牟田: とにかく発達ナビが、ユーザーのみなさんにとって、ひとつの「安心基地」になってくれるといいなと思っています。便利であり心の支えであり、現実面でも精神面でも、いろんな面で安全で必要な場所にもっとなっていきたいなと思っていますね。そのためには何が必要なのかなって、常々考えています。情報発信についても、コンテンツの幅をもっと広げていきたいし、今までつくってきたコラムをもっと活用できるような仕組みも必要かもしれない。また、つながって交流するっていうだけでなく、誰かに聞かなくても自分でひっそりと思いを綴っているところに誰かがそっと寄り添ってくれるような、そういう仕組みが必要なのかもしれないし。あとは、発達ナビには全国の支援施設の情報も掲載しているのですが、施設の支援者の人たちともつながりやすくなるような仕組みとか…。例えば、発達ナビのマイページにお子さんの「サポートブック」を置いておいて随時更新しておける。それを支援者の人が見に来てくれると「今好きなこと」「学校で取り組んでいること」などを、都度連絡帳や面談などで伝えなくても、いっぺんに伝えられて、日々の支援につなげられるようなことができたらいいな、と。とにかくいろんな面で安心できる場所にしていきたいなと思っています。Upload By 鈴木悠平鈴木: いいですね。そのままの牟田さんで牟田さんらしく、4年目の発達ナビを作っていってほしいなと思います。やっぱり発達ナビは、会員さんと一緒に作っていく場所だと思うので、会員さんと対話しながら一緒につくっていく、そのプロセス自体を楽しんでもらえると嬉しいです。牟田: 新卒で宝島社に入ったとき、最初「週刊宝島」で研修していたんです。そのときの編集長が今でも大好きで。会議室に呼ばれて「君たちは編集者になれて自分は偉いと思っているかもしれないけど、編集者なんて自分一人じゃ何も作ることができないんだ。すごい力を持ったいろんなスタッフの人がいてこそ誌面を作ることができるんだから、いつも感謝や尊敬の念を忘れるな」って言われたのがすごく響いて。それがいつも心の中にあります。鈴木: まさにそのとおりですね。会員さんや、発達ナビの他のチーム、施設や企業の方々、みなさんの力を借りてこそ、サービスをつくっていくことができますからね。牟田: 悠平さんも、異動してからも助けてくださいね(笑)鈴木: わかりました、牟田さんの頼みなら(笑)Upload By 鈴木悠平
2019年04月01日自閉症の長男と、定型発達の次男。わが家の「翌日の準備」風景わが家の双子の息子たちは、4月から小学5年生になります。今思うと、これまで本当にあっという間でした。子どもたちが低学年のころ、私は毎晩2人のかばんの中身を点検していました。Upload By シュウママ定型発達の次男の場合、低学年のうちは先生が翌日の予定を細かく板書してくれていたようで、連絡帳を見れば次の日の必要なものがすぐわかりました。私は、連絡帳を確認して「あれを持っていって」「これを忘れないで」と次男に指示していました。そして自閉症の長男の場合は、連絡帳を見ながら私が必要なものを準備していました。中学年になってくると、次男は「習字の墨汁がないから補充してほしい。それから明日は4時間授業で、給食はないよ」というように、必要なことや予定など自分から私に伝えてくれるようになりました。しかし長男の方はまったく変わらず、今日あった出来事も明日の予定も、自分から教えてくれることはなかったのです。Upload By シュウママ明日は6年生の卒業式。連絡帳をチェックしていたら...。つい先日、6年生が卒業式を迎える日の前夜のこと。私は、いつものように長男の連絡帳を確認していました。「明日は、在校生はモノトーンの服で登校してください」という先生からのコメントを読み、それに合った洋服を出していたところ、長男が横から連絡帳を覗き込んできました。そして何を思ったか、私の服の袖をぐいぐい引っ張るのです。Upload By シュウママ母の袖をつかみ、長男が何度も繰り返した言葉「どうしたの?」と聞くと、長男は切羽詰った表情で繰り返しこう言いました。Upload By シュウママ「何のこと?」と思った私が首をかしげていると、長男はいら立ったように再び「あした、おべんとう!あした、おべんとう!」と大きな声で言いました。その瞬間「あっ!」と思い、私はあわてて学校から配布されている1週間の行事予定表を確認しました。すると…そこには、こう書かれていたのです。Upload By シュウママ前日の連絡帳には書かれていなかったけれど、1週間の行事予定にははっきり「お弁当が必要」だと書いてある!きちんと確認していなかった!私は大慌てで炊飯器のタイマーを設定し、冷蔵庫の中身を確認しました。大丈夫、お弁当の材料はある...。ほっとして振り返ると、長男がにんまり笑っていました。ゆっくりかもしれない。でも、確実に成長しているんだね「明日、お弁当の日だったんだね。教えてくれてありがとうね。ママ、忘れてたよ。」そう言うと、長男はうれしそうにどや顔をしていました。Upload By シュウママおそらく先生から、「明日はお弁当ですよ。おうちの人に伝えてね」などと言われていたのでしょう。それを長男は覚えていて、きちんと伝えてくれたのです。長男が学校からの連絡事項を教えてくれたのは、初めてのことでした。長男も、もうすぐ5年生。小さな成長が見えて、なんだかとてもうれしい1日でした。
2019年03月29日うつ病になって10年、同じように悩む人と「どうしたらいい?」を考えるために私がうつ病だということをカミングアウトした第1弾に続き、前回は、辛くても病院に行くことに躊躇してしまう人たちに知ってもらいたい、「受診のタイミング」について伺いました。今、一人で悩んでいる人と一緒に、「どうしたらいいのかな?」を考えるために。慶應義塾大学で精神・神経科学教室特任助教などを務める、増田史先生に伺ったお話を3回に分けて紹介しています。最終回の第3弾は、お母さんたちがシンドさから解放される、前に進むためにできることのヒントをお伺いしました。私も苦しんだ、「母親であることの呪縛」Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ*三歳児神話: 「子どもは3歳までは、家庭において母親の手で育てないと、子どものその後の成長に悪影響を及ぼす」などという考え。1998年の厚生白書で、「たいていの育児は父親(男性)によっても遂行可能である。」「合理的な根拠は認められない。」と退けられた。参考: 厚生白書(平成10年版)| 厚生労働省結果オーライでOK。「理想の母」のハードルを下げよう!Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ自分を大切に。そのために重要だったのは…Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ私が独身でバリバリ働いていたとき、結婚して子育てをしている人をみて、羨ましいと感じていました。会社での人間関係から解放され、温かい家庭づくりに専念すればいいのだから、「きっと彼女たちにはなんの悩みもないのだろう」と思っていたためです。それはもちろん、幻想だということをのちに知ることになったわけですが。子どもがどんな大人になり、どう社会を生き抜いていくか。それは、子どもが「どんな家庭で育ってきたか」が、かかわってくるという考えがあると思います。その家庭は、夫と二人で築くはずなのに、子どもの食育から身の回りのこと、勉強や進路までほとんどが母親の”仕事”。私の場合、夫に相談すると、なぜか逆切れされてストレスは倍増するばかり。孤独と葛藤の暗い日々が脳裏によみがえってきます。家事や育児について、自分の理想や周囲からの要求を、なんとかこなそうとがんばっていました。でも、思うように実行できなかったり、誰にも頼れなかったり…。そうした状況の中で、「他人の目」と「ダメ親のレッテル」が重圧となって、ますます私をナーバスにさせたのだと思います。増田先生のお話に「とにかく自分をご機嫌にさせる。自分がいい感情でいることが家族の幸せ・子どもの幸せ。自己中でよし!」という言葉がありました。ほかにも、「罪悪感は必要ない」など、なるほどと大きくうなずきたくなることばかり。「正々堂々と休む!そしてときにはリフレッシュ」は、最も私がしてこなかったことです。「もしかして、これが私の長患いの原因かな?」と気づけたことが、今回私の大きな一歩になりました。「自分に向いてる?」「時間をとれるかな」なんて考える前に、行動してみる!今、私は手探りしながら、自分をリフレッシュさせる方法を模索しています。LITALICO発達ナビでは、ライター・ひらたともみさんの連載の一環として、ユーザーのみなさまから、子育てや家事、仕事、体調のことで困った体験や悩んでいることなどのエピソードを募集いたします。みなさんの体験や相談が、同じように悩んでいる人の参考になるかもしれません。一緒に「これからどうしたら?」を考えてみませんか?ご応募をお待ちしております。
2019年03月29日ASD(自閉スペクトラム症)とは?withnews編集部の記者である筆者は、障害のある人の就労支援や学習支援などに取り組む「LITALICO」(東京都目黒区)を訪れました。 ASDのある人に多くみられるという、「視覚過敏」の症状について、VRで体験できると知り、取材をしたいと考えたためです。編集部注:このコラムは、withnewsの記者がLITALICOでASD視覚体験VRを体験し、そのルポをLITALICO発達ナビに寄稿したものです。参考:withnewsそもそもASDとはどんな症状なのでしょうか?LITALICO発達ナビによると、先天的な脳機能の凸凹により、以下のような特性があるといわれているそうです。・言葉のコミュニケーションが苦手言葉の裏にある意味をくみとるのが難しいなど・人と関わるのが苦手(対人関係や社会性の障害)目を合わせない、空気を読むのが苦手など・こだわりや興味に偏りがある予定が変わるとパニックになってしまう、同じ動きを繰り返すなどまた、ASDのある人のなかには、視覚や聴覚といった五感の一部が極端に過敏であったり鈍麻であったりといった、感覚の特異性(偏り)を伴う人も多いといわれています。ただ、過敏・鈍麻といった感覚の偏りには個人差があります。こうした感覚の特異性によって日常生活に困りごとがある方も少なくありませんが、目には見えにくい症状のため、周囲の人からの理解や共感を得にくいという問題があります。VRで自閉スペクトラム症の視覚世界を疑似体験「視覚過敏」の症状をVRで疑似体験できる機器「ASD視覚体験シミュレータ」は、情報通信研究機構と東京大学、国立精神・神経医療研究センター、LITALICOの四つの拠点が連携して研究を進めています。開発者は、工学が専門の情報通信研究機構主任研究員・長井志江(ながいゆきえ)さんです。参考:認知ミラーリング | CREST PROJECT体験できる世界は3つ。「コントラストが強くまぶしい世界」「色が消えてぼやけて見える世界」「たくさんの点が見える世界」です。映像はそれぞれ約3分間で、前半は視覚症状がない人の見え方、後半は視覚が敏感な人の見え方で構成されています。Upload By withnewsいざ、ゴーグルとヘッドフォンを装着です。早くも視界にはVR空間が広がります。3つの映像があり、体験したいものに頭を動かしてカーソルを合わせました。選んだのは、視覚症状が出る人の多くが経験するという「コントラストが強い世界」です。スタートボタンを押すと、目の前に広がったのはマンションの玄関でした。まずは症状がない人の見え方が映ります。少しだけ光が差し込む薄暗い玄関。晴れの日に照明をつけていない状況のようでした。ゆっくり外に通じるドアに近づき、ドアノブを押します。薄暗い部屋から明るい外に出たので少しまぶしさを感じましたが、2、3秒もすると明るさに慣れてきました。周辺の家の屋根や街路樹、車が通っている様子が見えます。頭を動かして周囲を見渡しましたが、違和感はありませんでした。Upload By withnews続いて、ASDのある人の見え方に変わります。場面は同じ玄関です。しかし、さきほど薄暗く見えていた影は完全に真っ黒。光は入っていますが、陰影がはっきりしています。ドアを開けると、辺りは真っ白。雪景色に光が反射するようでした。さらに、丸い光がちかちかして見えたあとに消えていきました。あまりにも視界が白すぎて、あるはずの街路樹も屋根も見えません。かろうじて影になっている部分が黒く見え、そこに何かがある、くらいは認識できました。車が通っている様子も、黒い線が動いている程度で、形まではわかりませんでした。コントラストが強く映る症状は、瞳孔の調整能力が弱いためと推察されるそうです。瞳孔が暗いところで拡大、明るいところでは収縮するという機能自体は同じで、決定的に機能が違うことはないといいます。Upload By withnewsUpload By withnewsその他のシチュエーションは、駅のホーム(色が消えてぼやけて見える世界)と学生食堂(たくさんの点が見える世界)でした。駅のホームでは、電車が入ってくる場面が映ります。症状がある人の世界では、電車が大きな音をたてながら高速でホームに入ってくるにつれ、周りの風景が全体的にモノクロでぼやけて見えました。電車が走ってくる音は聞こえるのですが、形が認識できたのは直前です。これは、「動きによる、無彩色化・不鮮明化」のためだそうです。Upload By withnewsUpload By withnews学生食堂では、人がいない状況から人がたくさんいる状況へ移ったとき、カラフルな丸い点がちかちかして見えました。これは、「動き・音の強さの変化による、砂嵐状のノイズ」が起こるためといいます。脳の特異的な活動によるもので、幻覚などではなく、片頭痛の患者さんにも同様の症状が見られる人がいるそうです。短時間でも視界に動くものが入ると気が散ってしまいました。Upload By withnewsUpload By withnews400人以上がVRで疑似体験。ワークショップ参加者が感じたことは?LITALICOでは、情報通信研究機構や東京大学と協力し、2017年から10回以上VR体験ができるワークショップを開いています。ASD当事者の家族や支援者、教育者や企業の人事担当を中心に、400人以上が体験したそうです。体験した方の感想・当事者の保護者「子どもは普段すごく刺激に溢れた世界にいて、それに伴う疲労感が強いんじゃないかなと思いました。今後は、安定できるところに過ごさせてあげたいと思いました」・児童・障害福祉分野の支援者の方「放課後デイサービスで子どもたちとの関わり方をより細かく考え、声のトーンや動き方など行動できるようにしたい。公園や特定の遊びを嫌がる子どもの原因と思われることが体験でき良かった。ASDの子どもと一緒に良い支援員になりたい」・企業の方「社内でASDの社員がより安心して働くことができるように生かしていきたい」「コミュニケーション以前の問題がある」 開発者・長井志江先生に取材シミュレータの開発者で情報通信研究機構主任研究員の長井志江さんに開発のきっかけを聞きました。Upload By withnews「8年ほど前、ロボットや人工知能の研究をしていく中で、アスペルガー症候群(※)の診断を受けている東京大学の女性研究者・綾屋紗月さんと会い議論をしたのがきっかけです。それまでASDはコミュニケーションの問題だと思っていました。綾屋さんの著書やお話から、コミュニケーション以前の問題が大きいことを知りました。著書では、綾屋さんが見ているコントラストの強い世界の写真があり、見え方が違うことに目からうろこが落ちました」(長井先生)「当時、見え方や聞こえ方が違うこと自体知られていない状況でした。エンジニアの立場から、知覚の世界でしたら映像技術を使っていろんな人に分かりやすく伝えられるのではないかと考え、綾屋さんたちと共同研究を始めました」(長井先生)VRの映像は、ASDの当事者22人の見え方をデータ化し、解析した平均値だといいます。22人のほぼ全員が、元々明るい場所がさらに明るく見え、約3分の1がちかちかした点が見えるという結果が出たそうです。VR体験をした当事者からは、「自分自身の経験を再確認できた」「周りに説明しても理解してもらえなかったが、共有できるようにしてくれた」という反応があったといいます。※診断当時の名称見える世界が違うことで、ASDがない人に「自分とは違う」「怖い」という印象を持たせてしまう可能性もあります。そのため、長井さんはワークショップなどで強調することがあるそうです。「ASDでない方もASDの方も、基本的に脳の中では同じ事が起こっていると伝えています。どのくらい敏感で、状態が長く続くかが分かれ目ではないかと思います」(長井先生)今後はさらに「教育機関と企業」に働きかけていく予定です。「教育機関では早い段階から発達障害を理解してほしいと思います。話し方一つにしても、抑揚をきれいに話されると聞き取りやすくなることがあります。どう接するか、環境を整えるかでコミュニケーションを取りやすくなります。授業の一環にワークショップを組み入れるような制度を作っていきたいです」(長井先生)「企業では、発達障害の方を雇用したいけど、その人たちのために何を用意したらいいかわからないという方もいます。人事課や周りの方に、ASDの人がどんな困難さを抱えているのかをきちんと理解してもらうように進めていきたいと思います」(長井先生)Upload By withnews取材を終えて感じた「思い込み」これまでも、視覚過敏のある人は見え方が違うという知識はありました。ですが、今回VR体験をしてみて、「自分が見ている景色は隣の人にも同じように見えている」という思い込みが強かったことに気づきました。コントラストが強い世界も、ちかちかが見える世界も、とてもストレスを感じました。電車が直前まで認識できないことは、恐怖でもありました。視覚症状は疲労度合いなどにも左右されるそうです。目に見えないことなので、周りの人が気づけないことも多いと思います。ただ、視覚症状がある人たちの世界を体験していると、違和感に気づけるようになるかもしれません。暗い空間から明るい空間へ移動したとき、一瞬まぶしくなるという体験は多くの人が共感できると思います。でも、感じ方は人それぞれです。隣にいる人が長時間まぶしさを引きずっているかもしれません。しんどそうにしていたら、室内で過ごすように声をかけたり、まぶしさを和らげる対策を取れたり、サポートできることはあります。多くの人が、体験を通して視覚症状のある人との距離が縮まることを期待しています。取材・文/withnews編集部隣の人が見ている景色は自分と同じ?ASDの人が見る世界を体験 | withnews
2019年03月29日夫に聞いてみた。発達障害育児、父親のホンネって?広汎性発達障害の娘を育てる私たち夫婦。これまで子育てと療育を話し合い、協力しあってきましたが、実は夫の気持ちについては面と向かって聞いてこなかった…そうだ、質問してみよう!と思い立った私。前回、娘の障害に気づくまでのことを聞いたところ、実は母親の私よりも先に気づいていたと、初めて分かりました。そしてそのことを言わなかったのは、私のことを考えてくれていたからだったのです…。夫婦でも、聞いてみないと分からないこと、あるなあ…と再発見した私。第2弾では、父親としての気持ちについて突っ込んで聞いてみました!Q4.娘の今後について、不安はあった?Upload By SAKURA聞いてみると、夫は父親として、娘の将来にかなり不安があったそうです。それは、この障害に対しての情報が無さ過ぎたからでした。私は…夫が不安を抱えていることに、恥ずかしながら、まったく気がつきませんでした。夫はいつも明るく、話もよくするタイプですが、基本的にネガティブな感情は外に出しません。娘の発達障害が分かってからもそれは変わらず、騒ぐのはいつも私で、夫はいつも冷静に私たちを見守ってくれていました。見た目には冷静であっても、心の中にはいろんな不安を抱え、それを自分の中に留めている夫。それは、私の不安を煽らないようにという、気づかいだったのかもしれません。Q5.わが子の療育に、腰が引けてしまう…ということはなかったの?Upload By SAKURA確かに…世の中には、障害に対して情報があまりなく、ネガティブなイメージがかなりあります。情報が少ないと腰が引けてしまう人もいるんじゃないかと思います。ただ…夫の場合、子どもの未来を考えたら、そんな感情はゼロとまではいきませんが、それに近いぐらい、どうでもよくなったそうです。それは「どれだけ早く、長く療育に取り組めるか」が重要だと思っていたからです。"障害を治す特効薬"と言うのは無く、時間をかけて、心(精神)と知識を育くんでいかないといけない、そんな風に思っていたのだと…。だからこそ「腰が引けてる場合じゃない!」「早く動かないと!」という気持ちが強く出てきたといいます。夫は、娘のことや療育のことで動く時、ネガティブなことはあまり考えないようにしているそうです。Q.「理解したり、自分ごととして考えるのが難しい…」と感じるパパもいるみたいだけど、夫の場合は?Upload By SAKURA父親と言う立場から考えると、子どもと少し距離があるお父さんもいるのかな~と感じるそうです。仕事で忙しく、夜遅く帰ってきて起きている子どもに会えなかったりすることもその原因かもしれません。夫の場合は、娘とよく遊んで、遊びながら行動を見るようにしていました。仕事で忙しい時は遅く帰ってからも、昼間、娘を一人で見ている私の話を、よく聞くように意識していたそうです。発達障害の特性ゆえに、いつも娘が苦手な言語関係やコミュニケーションに苦しむ姿を母親である私から見聞きしていたので、常に自分のことのように真剣に考えてくれていました。今回の質問で、子どもラブ♡な夫の秘密がちょっと分かった…(笑)第3弾では、さらに突っ込んで、これからのことについても聞いちゃう予定です!お楽しみに!Upload By SAKURA
2019年03月27日見知らぬ土地での、初めての子育て私は結婚してすぐに夫の転勤で引越し、実家から離れた土地で娘を育てていました。そこは社宅が多く、私のように実家が遠かったり、パパの帰りが遅かったりして、ワンオペ育児をしている家庭が多い地域でした。娘が1歳の頃、私は公園で知り合ったママ友と仲良くなり、お互いの家を行き来して過ごしていました。この頃の娘は同世代の子どもと一緒にごっこ遊びなどはせず、いつもマイペースに遊んでいました。それでも皆と同じ空間にいることを嫌がる様子はなく、気が向けば遊びに参加したりして、本人はそれなりに楽しんでいるようでした。2歳頃になると、私はママ友に誘われて、地元の子育てサークルが主催する読み聞かせの会や、自治体主催の親子体操、工作教室などに行くようになりました。お友達が楽しそうに参加する中、娘は何度通っても部屋の端っこに隠れたり、外に出ようとしたりして、活動に加わろうとしませんでした。音楽教室の無料体験レッスンに参加させてみると…?出典 : そんなある日のこと。友達に誘われて、音楽教室の無料体験レッスンに行ってみました。講師の先生は、並べられたタンバリンや鈴などの楽器を“順番に”鳴らしていくよう口頭で指示しましたが、娘にはそれが理解できませんでした。そして先生に「お嬢さんには、こちらの教室は無理のようですね」と入会を断られたのです。どうしても入会したいという気持ちはなく、友達に誘われて「無料お試しキャンペーン中だし、楽しめたら良いなぁ」くらいの軽いノリで参加したとはいえ、この言葉に私は大きなショックを受けました。親子の“居場所”を探し求めた日々その後も私は、親子で楽しめる場所はないかと児童館や保育園の園庭開放、短期保育体験、プレ幼稚園など、娘と一緒にいろいろなところに行って相談しました。ですがなかなか、居場所は見つかりませんでした。ある時、自治体の相談窓口で「子どもの発達の相談に乗ってくれるところが最近できたんですよ。よかったらそちらに電話してみてはいかがですか?」と、ある施設で行われている親子教室を紹介されました。そこは今でいういわゆる「療育センター」だったのですが、名称に「療育」の文字もなく(そもそも当時私は「療育」という言葉も知りませんでした)、私は「娘と一緒に体を動かしたり遊んだりできる場所があるなんて、ラッキー!」という気持ちで電話をしました。その親子教室に見学に行った時、娘は一瞬入室を一躊躇しましたが、実際に体験してみると、そこはやはり娘にぴったりの場所でした。嬉しいことがいっぱい。できることがいっぱい。仲間がいっぱい。私は娘が興味を持つ絵本や紙芝居、遊びや体操など、たくさんのことを知りました。毎回楽しく過ごせる上に、そこでおむつ外れもスプーンの使い方も無理なく身につけられたことを、本当に嬉しく思いました。娘と一緒に帰省した時の出来事私と娘が実家に帰省していたある時、親戚から食事に誘われました。キッズコーナーのないレストランでの食事は、娘にはまだ無理ではないかと躊躇したのですが、「せっかく久しぶりに地元に帰ってきたんだから、いらっしゃいよ。個室だし、同じくらいの年の子も来るから大丈夫。身内の集まりなんだから、もし子どもがぐずっても誰も気にしないわよ。」と言われ、私は娘を連れて行くことにしました。ところが、いざ行ってみるとそこはホテルで、個室といってもホールをパーテーションで仕切っただけの、円卓を並べた会場でした。娘が食べられるメニューも少なく、遊ぶものもほとんどありません。同じくらいの子どもといっても、年上の子どもが1人だけ。娘は徐々にむずがり始めましたが、他の利用客もいるので、ロビーに出て遊ぶこともできません。ある程度覚悟していた私は、自分の食事もそこそこに、会場の隅で娘の遊び相手に専念しました。そして食事会が終わるまでの2時間を、親子教室で身につけたスキルをフル稼働して何とか乗り切ったのでした。親戚からの電話で言われた、きつい一言実家から自宅に戻ったある日、食事会を企画した親戚から電話がありました。そしてこんなことを言われたのです。Upload By 荒木まち子私は言葉に詰まりまりながらも「娘については関係各所に相談などもしているし、やれることはやっています。」とだけ言って電話を切りました。実はこの頃、娘は医師から“自閉傾向”と言われていました。遠くに住む親戚、しかも数年に1度しか会わないその人は、普段の私たちの様子を知りません。医師でも支援者でない相手の言葉を気にする必要はなかったかもしれません。でも、私の心は深くえぐられました。それが子育ての先輩としての“親切心”で発した言葉だったとしても、私にはとてもきつい言葉でした。一人で抱えきれないショックと悲しみでいっぱいになった私は、親子教室の先生に電話をしました。「帰省した時、親戚に『あなたの子は施設に入れた方がいい』と言われました。娘はすぐにどこかの施設に入れなければならないほどなのでしょうか?」話をしている途中で何度も言葉に詰まってしまったので、私が泣いていることは気づいていたでしょう。でも、先生はじっと話を聞いてくれました。そして穏やかにこう言ったのです。「ここも“施設”なんですけどね。」私たちにとって、親子教室はどんな存在だったのか今思えば、親子教室で行っていた遊びや体操は、療育そのものでした。例えば、教室の時間中は、子どもが勝手に開けて出て行かないように、ドアには「×」マークの紙が貼られていました。口頭で「部屋の中で過ごします」「一人で外に行きません」と言うだけでなく、視覚的にも分かりやすい工夫がされていたのです。また、親子教室は、子ども達がおのおの好きなおもちゃ遊びを堪能した後に始まるのですが、そのためにおもちゃを片づける時も、次の「楽しいこと」に向けて見通しを持たせたうえで、親子で一緒に片づけをしていましたし、片づけが済んだらサッとおもちゃの棚を布で目隠しして、子ども達が次の活動に集中できるような工夫がされていました。始まりの会では、ピアノに合わせて名前を呼びます。子どもが返事をできると、自然と先生や参加している親子から拍手が沸き起こりました。昔ながらの童謡に合わせた親子体操では、普段は抱っこや手つなぎを嫌う子どもたちと自然に触れ合うことができました。紙芝居は、『じゃあじゃあびりびり』や『もこもこもこ』など、物語重視というよりも視覚優位の子どもの興味を引くものを中心に選ばれていました。先生は私が娘の行動への対応に困った時、さり気なくフォローをしてくれました。でも決して、「こうした方がいい」とか「こうしなければならない」などと言うことはありませんでした。だから私はプレッシャーを感じることなく、自分のできる範囲で先生のすることをまねたりしていました。親子教室で行われていることや工夫には、障害のある子どもとの接し方に悩む親へのヒントがたくさんありました。また、それだけでなく、教室ですごす時間は、純粋に親子で楽しく過ごせ、悩みを相談でき、元気をもらい、笑顔になれる、かけがえのないものでした。私が「療育」という言葉を知らなかったためか、はたまた大らかな土地柄のせいもあったのか、そこにはいつも穏やかな空気が流れていて、ほんわかしていました。通っている他の保護者も皆気負うことなく、お互いの子どもの成長を喜び合う優しい雰囲気がありました。子育てサークルや音楽教室、親戚との食事会…そこでは気をつかったり、落ち着かなかったりして、穏やかな気持ちで娘と接することができませんでした。ですが、親子教室では、自然と笑顔になれました。私にとって、療育センターの親子教室で過ごすひとときは、“外”の世界で傷ついた心を癒すオアシスだったのです。ひとしきり泣いたら、前へ進める親戚の言葉に傷つき「遠くの親戚よりも近くの他人」を実感した私。この経験をもとに、「障害の話はとてもデリケート。私は相手から求められない限り、自分の意見は言わないようにしよう」と心に決めました。とても辛かったけれど、そうやって気持ちを切り替えて前に進めたのは、やはり近くに「プロフェッショナルな理解者」の存在があったからだと思います。娘が小さい頃、私は本当によく泣いていました。年を重ね、心も体も(?)図太くなった今。振り返ると、あの頃は怒り、落ち込み、喜びなどのさまざまな感情すべてをひっくるめて、大きく見守られていたように思います。療育センターの親子教室で、私も娘と一緒に育ててもらったのだと感じています。
2019年03月25日学校から「物を持ち帰ること」が苦手だった息子Upload By かなしろにゃんこ。小学校に入学後、リュウ太は元気に通学していましたが、学校からのお手紙や教科書、ノート、筆箱のような「毎日持ち帰るもの」を持って帰ることができませんでした。毎日のように「机の中の物は全部持って帰ってきてね」と声をかけても、やっぱり忘れてきてしまう毎日…。Upload By かなしろにゃんこ。さらに、通学帽子や体育の授業で使う赤白帽子、靴下や水筒も学校に置き忘れていました。先生も声をかけてくださっていたようなのですが、息子はそれでも持ち帰ってくることができず、失くした物が学校の落とし物箱から見つかることもよくありました。保育園時代は親が持ち物の準備をしてきましたから、小学校に入学したからと言っても、急に1人で全部やるのは無理だというのも分かります。でも「物を持って帰る」という行為をそんなに難しいことだと思っていなかった私。「今日は必ず持って帰ってね」と声をかけては期待して、でもやっぱりダメで…ということの繰り返しでした。よく観察すると…問題は「物を持ち帰るかどうか」だけじゃなかった!Upload By かなしろにゃんこ。息子の小学校ではPTAでの集金があり、集金日になると、担当のお母さんたちが教室にお金を集めに行っていました。そのため、その日は所定の封筒の中にお金を入れて学校に持たせる必要があったのですが、息子がこの集金袋を持って帰らなくて困ることがありました。「先生からクリーム色の封筒を預かってるよね?机の中に置いてきたのかな?」と聞いても、リュウ太は「そんな封筒知らないよ、本当だよ!もらってないよ!」の一点張り…。これでは集金日にお金を持たせられないので、机の中を確認するために一緒に学校に行くことにしました。すると…集金袋は、やはり机の中にありました。そして私はようやく気づいたのです…。・息子はそもそも集金袋がどんなものなのか知らなかった・集金袋をPTAのお母さんたちが集めに来ると説明しても「そんな人来ないよ」と言っていた息子。そもそも、教室に先生以外の大人がいても気にとめず、何をしているかも気にしていなかったこれでは、持ち帰ることも提出することもできません。さらに、息子の机の中は、持ち帰るはずのお手紙や先生が作ってくれたプリント用紙、教科書などでゴチャゴチャ!机の周りにもいろいろなゴミが落ちていて、その汚さに愕然です。うちの子は、こんなに整理整頓や物の管理ができないなんて…と落ち込みました。担任の先生から、息子の学校での様子を聞いてショック!Upload By かなしろにゃんこ。そんな時、担任の先生からこんなお話がありました。「リュウ太くんは、学校で物を失くすと『お母さんに怒られる』といってパニックになります。物を失くしても、怒らずに注意するくらいにしてあげてください。」どうやら息子は、学校で失くし物をすると「色えんぴつなくなっちゃった、お母さんに怒られる~」と泣きながら先生にすがり、一緒に探してもらっていたそうなのです。きちんと物を管理してもらいたいがために、私が息子にきついことを言い過ぎて、追い詰めていた…。この時、それを初めて知りました。叱るのではなく、一緒に、繰り返してUpload By かなしろにゃんこ。この頃の息子は、小学校生活をスタートしたばかり。慣れない環境の中、よく分からない新ルールばかりで、毎日頭がいっぱいいっぱいだったと思います。それを考えると、息子が脅えてしまうほどきつく怒るのはやめよう。そして、何度言ってもなかなかできないのであれば、親が定期的に学校に行って机の中を確認するしかないと、考えを改めました。物の管理について悩んでいた小学校入学当時、息子はまだ発達障害の診断を受けていませんでした。物を大事にする心があってもなくても、気をつけて管理することができないのがADHDの特性なのですが、当時の私はそういった背景も分からずに、ただただ困っていたのです。まだ1年生の小さな息子を怒りすぎてしまったな…と、今となっては申し訳なく思います。小学校4年生でADHD、特に注意欠陥の傾向が重度だという診断を受けてからは、見方が大きく変わりました。物を管理することができなくても仕方がないし、これは息子の特性なのだから、無理して「変えるべきもの」ではないのだと考えられるようになりました。そして、親と一緒にくり返し行動しながら言い聞かせていれば、何でも少しずつ1人でできるようになるということも分かりました。20歳になった息子の毎日は?Upload By かなしろにゃんこ。息子がようやく1人で物の管理をできるようになったのは、高校生になってからでした。ふふふ…中学校ではまだまだできませんでしたよ(涙)。それに20歳になった今でも、たまに「わー、財布無くしたー!」とパニックになることもあります。でも、少しずつ成長しているのも確かです。最近、財布の位置をアプリで特定できるGPSがあると知り、息子に「買ってみる?」と聞いてみたのですが、本人はまだ迷っているとのこと。GPSを使えば便利になる点もあると思いますが、息子はまだこれには頼らずにいたいらしいのです。ひょっとすると息子は、自分の力を信じたいのかもしれません。私も息子の力を信じて、これからも長い目で見守っていきたいと思います。
2019年03月21日児発管・サビ管フォーラム開催!これからの教育や福祉について考えませんか?4月2日からの1週間は「発達障害啓発週間」です。今回、この啓発期間に合わせて開催するイベントを紹介します!2019年4月7日(日)、児童発達支援管理責任者・サービス管理責任者をつとめる方や、教育・福祉分野での実務経験のある方が集うイベントが行われます。こうした仕事につく皆さんが全国から集まり、課題や悩みを共有したり、果たすべき役割や今後のキャリアについてヒントを探る場です。イベントでは福祉に関する業界の第一線で活躍するゲストの方々をお招きした講演やワークショップなど、全11のプログラムを用意しています。プログラム終了後には交流会も開催予定ですので、支援者同士のネットワークを作ることも可能です。具体的には、次のような内容の講演やワークショップなどをラインナップしています。・これからの子どもの支援・青年期以降の支援・「発達が気になる子」の支援の重要性・これからの支援機関に求められること・他事業所の支援事例・計画・就労支援・定着支援の望ましい在り方や、企業との連携の仕方・スタッフ育成・チームづくりこれからの業界や支援という大きなテーマの知識から、実務に役立つ具体的なアイデアまで、現在の課題や興味関心から参加するプログラムを選ぶことができます。「これからの教育・福祉のあり方について学びたい」「児発管・サビ管としての学びを深めたい」「これまでの実務経験を活かして、キャリアアップを目指したい」「教育・福祉・介護領域の支援者同士交流したい」こんな思いを抱いている人にとって、出会いや、同じ志の仲間とともに学び、考える機会が得られるはず。ぜひ参加してみてくださいね。全11の講演・パネルディスカッション・ワークショップをご用意!児童発達支援管理責任者の方に向けて、各回60分~70分程度のプログラムをご用意しています。講演・パネルディスカッション・ワークショップなど、プログラムは全部で11ありますが、その中から一部を紹介します。◆これからの児童福祉に求められること~報酬改定と支援現場への期待~ (14:20~15:30)登壇:鈴木 久也氏(厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児発達障害者支援室 障害児支援専門官 )◆子どもの発達支援の青年期への影響(15:45~16:50)登壇:金子 訓隆氏(特定非営利活動法人輝HIKARI代表理事)障害児通所施設「輝HIKARI」を4施設運営。自身も発達障害のある子どもの父親であり、父親視点からの支援活動として、42都道府県、130団体の施設見学と、2500名の保護者・支援者と交流した「おやじりんく活動」を行っている。◆隣の支援事例のぞき見〜私たちはこう子どもに向き合ってます〜(17:05~18:10)登壇:深町 優氏(放課後等デイサービス アトリエほんちょう 管理者/児童発達支援管理責任者)子どもたちが"なりたい自分"を見つけられることを目標に、学校・地域関係者を集めた「支援会議」や、独自のメソッド「SLP(Social Life Practice)」等を実践している。◆管理者としてのステップアップ・キャリアとは?言語化ワークショップ(15:45~16:50)登壇:眞嶋すみれ(LITALICOキャリア)◆明日から実践!スタッフ育成を目指した関わり方のコツ ワークショップ(17:05~18:10)登壇:恒吉 麻実子(LITALICOワークス HRグループ)社会福祉士。児童相談所で1年勤務後、2007年より障害者の就労支援を専門に、現場での支援を8年、その後は、大学院で臨床心理学を学びながら、スタッフの向け・サービス管理責任者向けの研修の設計や実施、ケースのスーパーバイズの業務に従事して4年目に入る。◆「たまたま残念な支援者にあたりました」を無くすために〜チーム支援のすすめ〜(18:25~19:30)登壇:野口 晃菜(LITALICO研究所所長/筑波大学大学院人間総合科学研究科博士(障害科学))公教育におけるインクルーシブ教育システムの構築を専門に、すべての子どもにとっての学ぶ権利が保障される社会の構築を目指す。小学校講師を経て、株式会社LITALICO入社。LITALICOジュニアにて指導員を経験し、スーパーバイザーとして研修制度の構築等に関わる。現在はLITALICO研究所所長。◆交流会(19:30~21:00)参加者の皆さまと一部登壇者を交え、プログラム終了後に交流会を開催いたします。(※詳細は後日ご予約いただいた皆さま宛のメールおよび本ページにてご案内いたします)※講演内容や時間、登壇者は変更になる場合がございます。児発管・サビ管フォーラム開催詳細■会場大田区産業プラザPio東京都大田区南蒲田1丁目20-20アクセス:京浜急行「京急蒲田」駅より徒歩約3分JR京浜東北線、東急池上・多摩川線「蒲田」駅より徒歩約13分■参加資格・サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者として働いている方・サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者を目指している方・介護福祉士/保育士/社会福祉士/PSW/教員免許等の資格をお持ちで、教育・福祉・介護分野にて5年以上実務経験のある方・その他本イベントに興味をお持ちいただいた方■参加費【一般】3,500円【2名以上でご参加の方】3,000円/1名★LITALICOキャリアのSNSをフォローしている方は500円割引させていただきます。(例)ご友人とご参加かつLITALICOキャリアのSNSをフォローをしている方は、参加費2,500円となります。※当日会場でのお支払いとなります。※ご友人とご参加の方は、お待ち合わせの上一緒に受付をお願いします。※LITALICOキャリアのSNSをフォローしていただいている方は当日画面をお見せください。※途中参加・退出もOKです。■主催・お問い合わせフォーラム実行委員会:info_event@litalico-c.jp※取材をご希望の方につきましても、上記問い合わせ先までご連絡下さい。*4月2日~4月8日は「発達障害啓発週間」と位置付けられています。本イベントを通し、発達障害のある方々の困難さや生きづらさの解消により近づくことができましたら幸いです。
2019年03月20日ADHDとASDの診断を受けている私の特性出典 : 私はベンチャー企業で、社内プログラマとしてシステム開発の仕事をしており、現在は管理職にも就いています。そんな私が「仕事上、特性が役に立っている」と感じる場面について書こうと思いますが、まずはその前に、私自身の特性について簡単に紹介します。私はADHD(注意欠陥・多動性障害)とASD(自閉症スペクトラム障害)と診断されていて、自分としては特にASDの特性が強いと感じています。普段自覚している特性は以下の通りです。・感覚過敏(聴覚・視覚)・過集中・感情よりも論理を重視する(ひとの気持ちを想像するのが困難)・自分の興味が狭くて深い・興味がないことは全然覚えられないけれど、興味があることはすぐ覚える感覚過敏に関しては、以前別の記事で詳しく書いていますので、気になる方はご参照ください。仕事の場面で「特性が役に立っている」と感じること私がやっているシステム開発の仕事は、おおまかに以下のような流れで進めています。①お客様が現在抱えている課題をヒアリングしながら、どこをどう自動化するのが効果的かを考える②自動化する内容についてお客様と合意が取れたら、具体的にどう作っていけばうまく自動化できるのかを考える③実際にプログラムを組んで自動化するためのシステムを作っていくこのような仕事をする中で、自分の特性が役立っていると感じることについてご紹介します。出典 : 会社で仕事をしていると、他人の感情に配慮して振舞いを変えなければいけない場面がよくあります。一方で、データや状況を客観的に分析した上で、感情を抜きにして何か厳しいことを決断しなければいけない場面もあります。それぞれの場面でうまくバランスをとるのが仕事の難しさだと思いますが、私の場合、「感情よりも論理を重視する」という特性が役に立つことがあります。特に業務改善や“あるべき論”を考える時に、力を発揮します。例えば以前、5人で実施している事務処理の業務改善を行うために、その事務処理を自動化するためのシステムを作ったことがあります。このようなシステム開発を行う場合、まずは「現在どのように事務処理を行っているのか」を担当者の方々にヒアリングしながら、どこをどう自動化するのが最適なのかを検討していくのですが、その中で以下のような問題が見つかりました。【自動化できそうだと分かった仕事】・大量の売上金額を手動で計算する・お客様に送付するものを大量の書類の中から選別し、手書きで書き写す【これらの仕事の現状】・担当者の作業スピードが早いため、現在は問題になっていない・その担当者は仕事に誇りや自信を持っており、他メンバーもこれを効率化しようという発想がなかった・今は良くても、今後担当者が変わったりお客様の数が増えたりすると、業務がたち行かなくなる可能性があるこの作業を自動化することで、現在の担当者からは「今は問題になっていない」「私の仕事をなくさないでほしい」といった反発が考えられましたし、他メンバーもこの担当者の気持ちに配慮して、自動化に賛成しないだろうとも思いました。でも、こんな時に「感情より理論を重視する」という特性が活きてきます。私は、それでもこれらの作業を自動化した方が全体としての業務効率が上がると考え、すべて自動化することに決めました。その代わり、今までこの業務を担当していた方には、その経験を活かして、事務処理全体の統括をするという新しい仕事を提案したのです。もちろん、現場の反発が大きかったり、他の要因があったりして、提案通りにならないこともあります。それでも、特性ゆえに「全体としての最適案を考えることができる」のは、システム開発の仕事にとても役に立っていると思います。出典 : 私は自分が興味のある分野であれば、仕事の時間外であっても、本を読んだりして勉強することが苦になりません。私が新卒から脱却して一人前のプログラマになったころ、「まったく使ったことがないプログラミング言語を使って、2ヶ月でアプリを作らなければいけない」という仕事がありました。実は私たちが話している日本語や英語のように、プログラムにも色々な言語があります。その時私がお願いされた仕事というのは、普段日本語を使っているひとが「明日から2ヶ月間、イタリア語で生活をして仕事を完成させてほしい」と言われるようなものでした。正直無茶な仕事だな…とは思ったのですが、そのプログラミング言語に関する本を買って通勤時間中に読んだり、既存の似ているプログラムの中身を読んだりして、自分なりに勉強をしながら開発を進めていきました。締め切りが厳しいプレッシャーはありましたが、そもそもプログラミングに興味があるので、勉強自体は楽しく取り組むことができました。そして結果的に、かなり大変ではありましたが、なんとかアプリ作成を終えることができたのです。その後も、一度も使ったことがないツールを使った開発や、業界でその時に流行っている技術を使った開発など、さまざまなことにチャレンジして成功してきました。日進月歩で新しいことが増えていくプログラマの業界では、継続して勉強し続けることがかなり大事なので、この特性にかなり助けられています。出典 : 社会人として仕事をするようになってから、失敗して自信を失った時期もありましたが、そんな時も含めても私が特に自信を持っているのが、過集中という特性ゆえの「集中力」です。時には作業に没頭するあまり、周りの人から話しかけられてもすぐに反応できないこともありますし、隣の人がトイレ休憩のために席を外したことに気づかず、戻ってきた時に驚いて大きな声をあげてしまったこともありました(笑)。それでも、プログラミングやシステム開発に関わることであれば、かなり興味をもって取り組むことができるので、周りから驚かれるくらい作業を進めることができます。その分、家に帰るとぐったりして、1時間以上何もできないということもありますが…。出典 : 「興味が狭くて深い」という特性のおかげなのか、それとも過集中だからなのかは分かりませんが、私は自分が書いたプログラムを覚えておくことができます。プログラムとは「このシステムはこう動くものですよ 」という説明書のような文章になっています。以前仕事で、半年くらい前に作ったプログラムを修正するということがありました。この状況を例えるなら、「半年前にSNSでつぶやいたこと」について、もう一度整理して議論しなくてはならなくなったようなものです。そういった状況では、当時の自分がどんな意図で、どんなことを考えてその文章を書いたのか、すぐには思い出せない人も多いと思います。そのため、上司からは「かなり前に作ったものだし、修正に1週間かかっても仕方がない」と言われていました。しかし私はこの時、30分ほどプログラムの全体を見ているうちに、作った当時の記憶がよみがえってきました。そして何をすればいいかがはっきり分かったので、上司から伝えられた期限の半分で対応を終えることができました。私としては、やれることを普通にやっただけのつもりでしたが、上司からはかなり驚かれ、ほっとしたのと同時に誇らしい気持ちになったことを覚えています。発達障害の特性は、悪いことばかりじゃない!出典 : 発達障害の特性は個人ごとに異なりますし、日常生活を送る上で大変な部分ばかりが目立つこともあると思います。でも、自分の特性とうまく付き合っていけば、“クセが強い”からこそ“特化された武器”として、様々な場面で活かすことができると思っています。今回の記事でご紹介した内容は、「やっぱりそうなんだ」というものから「ちょっと意外だった」というものまで、いろいろあるかもしれません。私の個人的な経験談ではありますが、さまざまな仕事をされる中で参考にしていただければと願うとともに、私が誇りを持って取り組んでいるシステム開発の仕事についても、発達障害当事者の職業選択のひとつとして興味をもっていただけたら嬉しいです。
2019年03月19日【ニュース】4/2は国連が定める「世界自閉症啓発デー」!東京と大阪でシンポジウム開催Upload By 発達ナビニュース毎年4月2日は国連が定める世界自閉症啓発デー。世界中で自閉症を知ってもらう・理解してもらうためにさまざまなイベントがあります。今回は、東京・大阪で行われるシンポジウム、各地のランドマークで行われるライトアップやイベントを紹介します。地域、TVの中、暮らしの中といった切り口から「輝く人・照らす人」をテーマに、広く「自閉症」について理解を深める内容になっています。発達ナビで記事の監修なども行っている臨床心理士で鳥取大学大学院教授の井上雅彦先生もご登壇されます。自閉症について、共に暮らしやすい社会について考えるきっかけとして足を運んでみてはいかがでしょうか。【日時】2019年4月6日(土) 10:00〜16:30【場所】全社協・灘尾ホール(東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル)【定員】250名(事前予約必要)【参加費】無料【内容】総合司会 国沢真弓(一般社団法人発達障がいファミリーサポート Marble)<午前の部>・開会式・シンポジウム①「地域を照らす人」司会: 西牧謙吾、田中尚樹登壇者: 秀島敏行(佐賀市長)、染谷絹代(島田市長)、高橋陽子(神奈川県中小企業家同友会 ダンウェイ株式会社代表取締役社長)・東京タワー啓発イベントのビデオ上映<午後の部>・シンポジウム②「TVの中で輝く人・照らす人」司会: 小林洋志、加藤永歳登壇者: 齋藤真貴(NHK制作局 生活・食料番組 「あさイチ」チーフ・プロデューサー)長岡学(セサミワークショップ ヴァイス・プレジデント エクゼクティブプロデューサー兼日本代表)、井上雅彦(鳥取大学 大学院医学系研究科臨床心理学講座 教授)・シンポジウム③「暮らしの中で輝く人・照らす人」司会: 加藤潔、上江昇一登壇者: 嶋田知詠子(特定非営利活動法人障がい児者ライフサポートたんぽぽの会 理事長)、松尾浩久(特定非営利活動法人HEROES理事長)【申込み】締め切り 2019年3月18日(月)登録フォーム・FAXにて申し込みが必要です。【問い合わせ】一般社団法人日本自閉症協会電話: 03-3545-3380FAX: 03-3545-3381メール: asj@autism.or.jp*世界自閉症啓発デー日本実行委員会〈公式サイト〉へ遷移します世界自閉症啓発デー2019・啓発イベント | 世界自閉症啓発デー日本実行委員会〈公式サイト〉Upload By 発達ナビニュース教育現場の先生の経験に基づく関わり方を知り、専門的な医師の知見による特性の理解を深める内容です。当事者の方の困りごとや特性、関わり方をわかりやすく扱うため、幅広い方々におすすめです。【日時】2019年4月5日(金) 14:00〜16:30(開場13:30)【場所】大阪府立男女共同参画・青少年センター「ドーンセンター」7Fホール (大阪市中央区大手前1丁目3-49)【定員】定員500名(事前予約必要)【参加費】無料【内容】<第一部>「子どものやる気を引き出す子育て・関わり方を考える~一人一人の特性をとらえよう~」登壇者: 山田充(廿日市市教育委員会 特別支援教育アドバイザー・堺市教育委員会 特別支援教育アドバイザー)<第二部>「発達障がい(発達症)の現在(いま)」登壇者: 十一元三(京都大学大学院医学研究科 教授)【申込み】締め切り 3月28日(木)※申し込みが定員に達した場合には申し込みを締め切ります。登録フォームにて申し込みが必要です。※インターネットで申し込みができない場合はFAX・メールでの申し込みも可能です。【問い合わせ】府民お問合せセンター「ピピッとライン」電話: 06-6910-8001大阪府福祉部障がい福祉室地域生活支援課発達障がい児者支援グループFAX: 06-6944-2237メール: chiikiseikatsu@sbox.pref.osaka.lg.jp*大阪府のページに遷移します発達障がい講演会「世界自閉症啓発デー in OSAKA2019」を開催します! | 大阪府ライトアップや展示など、関連イベントも各地で盛んに!(東京・大阪・京都)世界自閉症啓発デーには全国各所がテーマカラーの「青」に染まります。ライトアップに加えて日中のイベントもチェックしてみてください!Upload By 発達ナビニュース【日時】2019年4月2日(火)日没(午後6時30分頃)より午後11時まで※大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)は午後9時半、天保山大観覧車は午後10時まで【会場】・大阪城天守閣・大阪府咲洲庁舎・大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)・通天閣・天保山大観覧車・万博記念公園太陽の塔(50音順)【主催】大阪自閉スペクトラム症協会、大阪府、大阪市【共催】日本発達障害ネットワーク大阪【協力】塩野義製薬株式会社Upload By 発達ナビニュース<イベント>【日時】4月2日(火)18:15〜19:30【場所】京都駅ビル駅前広場(ホテルグランヴィア前)【内容】16:30〜18:30京都市障害者相談員(発達)による相談コーナー写真(フォトプロップス)コーナー18:15〜19:30京都女子大学チアリーディング部GALAXIE京都府自閉症協会青年成人部ダンスサークル「Kirala」音楽サークル「The BEAT(We Love Music!)」京都府立桃山高等学校吹奏楽部<ライトアップ>【日程】4月2日(火)【場所】・京都タワー(2日、3日両日ライトアップ)・福知山城・中丹東保健所・二条城西南隅櫓・京都府庁・丹後王国「食のみやこ」(3月31日にライトアップ)Upload By 発達ナビニュース【日時】2019年4月2日(火) 13:00〜18:30【場所】東京タワー広場・特設ステージ(東京都港区芝公園4丁目2-8)【内容】13:00~17:00各種イベント18:15~18:30厚生労働省主催啓発イベントUpload By 発達ナビニュース板橋区にある放課後等デイサービス、ドリームボックスときわ台が手がける作品展です。自閉症啓発デーのテーマカラーである青を用いて子ども達がつくった巨大な竜が展示されています!他にも先着50名でハーバリウムやせっけんづくりの体験コーナーもあり、親子で楽しめるイベントになっています。【日時】2019年3月23日(土)11:00〜16:00【場所】常盤台地域センター レクリエーションホール第一(板橋区常盤台4-14-1 教育科学館)【参加費】入場無料、体験コーナーのみ有料(100円)【内容】<展示>①日々の制作②利用児童21名、保護者(両親、兄弟、祖父母)54名、利用児童が通う小中学校の担任の先生8校15名、職員10名の総勢100名が書いた「百福」③青い巨大な竜④子どもたちの手形で作成した花火<体験コーナー>ハーバリウムとグリセリンソープづくり【申し込み】不要【問い合わせ】ドリームボックスときわ台TEL 03-6789-1260【イベント】生きづらいけど生きのびたい!「発達ハック」コンテスト(東京)Upload By 発達ナビニュース『私たちは生きづらさを抱えている』著者・姫野桂さん、OMgray事務局代表・オムさん、発達障害バー「The BRATs」代表・光武克さん、発達ナビ編集長・鈴木悠平がゲスト審査員のコンテストイベントです。発達障害の人たちが実践している、日常のお困りごとを楽にするちょっとした工夫・ライフハックをコンテスト形式で紹介します。事前にツイッターで「#発達ハック」のハッシュタグとともにライフハックを募集しています!参加者と一体となった雰囲気のなか、気軽に楽しくためになる時間が過ごせます。【日時】2019年3月31日(日) 開演 13:00(開場 12:00)【場所】LOFT9 Shibuya (東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 1F)【参加費】前売: 1,700円 / 当日: 2,200円(税込・要1オーダー500円以上)【内容】発達障害のライフハックを事前に公募し、ゲスト審査員がコンテスト形式で紹介します。また、私の「やっちまった」エピソードや質疑応答の時間などもあります。<ゲスト審査員>姫野桂(ライター/『私たちは生きづらさを抱えている』など著者)オム(OMgray事務局長)光武克(発達障害バー「The BRATs」代表)鈴木悠平(「LITALICO発達ナビ」編集長)生きづらいけど生きのびたい! 「発達ハック」コンテスト | LOFT9 Shibuya*イープラスのページに遷移します【ニュース】介護者と二人三脚、自閉症・知的障害のある人たちの一人暮らしとは。ドキュメンタリー映画『道草』上映中!Upload By 発達ナビニュース自閉症・重度の知的障害のある人たちはどのような生活を送っているのでしょう。少しずつ暮らしの場が広がりつつある昨今ですが、入所施設や病院、親元で過ごす方がほとんどです。そんな中、介護者と二人三脚をしながら一人暮らしをしている方もいます。暮らしのリアルな様子がつまったドキュメンタリー映画です。各地で公開が始まっており、これから上映される地域もあります。お近くの地域の上映日をご確認ください!【公開日】2019年2月23日(土)から全国順次公開【上映地域】北海道・東京・横浜・名古屋・大阪ほか【作品データ】監督・撮影・編集: 宍戸大裕音楽: 末森樹、永原元音響構成・整音: 米山靖宣伝・配給: 映画「道草」上映委員会2018年/95分/16:9/カラー/日本映画『道草』公式サイト
2019年03月15日小中学生のための障害用語集――みんなに優しい学校と社会を願って「障害」に関する用語を取り上げ、一つの用語について1見開きで、分かりやすく説明していく本書。取り上げられている用語はさまざまですが、例えば・「自閉スペクトラム症」「学習障害」などのように、障害名について・「車いす」「コミュニケーションボード」「手順表・スケジュール表」など、障害がある人が使う機器やツールについて・「共生社会」「環境調整」「ユニバーサルデザイン」「合理的配慮」「障害者差別解消法」など、社会の在り方や配慮、障害にまつわる法律について他にも、「生きづらさ」「2E」といった言葉など、全部で66の用語が紹介されています。巻末には障害があったり、障害のある人のために尽力した「人物」についても紹介されています。例えば、全盲のミュージシャン、スティービー・ワンダー氏、日本で初めて知的障害者施設を設立した石井夫妻、ダウン症者として初めて大学を卒業し数多くの著書がある岩元綾さんなど12名が取り上げられています。用語の意味が分からないときに辞書的にも使うこともできますが、読み物として読んでもよいつくりになっています。個人で読むだけでなく、学級文庫に置いたり、授業などで活用することもできそうです。「あの子の発達障害がわかる本」シリーズ「あの子の発達障害がわかる本」シリーズの第1弾として、『ちょっとふしぎ自閉スペクトラム症ASDのおともだち』『ちょっとふしぎ学習障害LDのおともだち』『ちょっとふしぎ注意欠如・多動症ADHDのおともだち』(ミネルヴァ書房)の3冊が発売されました。本シリーズでは、「なんでこうなるの?どうすればいいの?」として、小学校生活で起こりがちな「ちょっと困った」場面が紹介されます。よくある事例を取り上げ、・まわりの友達の気持ち(なんでこうなるの?)・発達障害がある子の気持ち(どう思っているのかな?)・行動の背景と、今後の手だて(こうすればうまくいきそう)を紹介しながら、具体的な手立てまで示される実践的な内容です。事例も豊富な上、本の後半では障害特性について分かりやすくまとめたページもあるので、学校や学童の先生に子どもの特性を伝えるときなどにも使いやすそうです。うちのでこぼこ兄妹 発達障害子育て絵日記人気ブログ「でこぼこ兄妹日記」で紹介されたエッセイに、大幅な書きおろしを加えたコミックエッセイが発売されました。私立高校に通う兄・タケルくんと、小学生の妹・いっちゃんは、ASD(自閉症スペクトラム障害)と診断されています。IQは高く発語にも問題はないけれど、こだわりの強さ、感覚過敏や睡眠障害などがあります。著者である母親も発達障害傾向や睡眠障害、父親にはADHDがある、でこぼこ家族です。得意なことと不得意なことの「でこぼこ」だらけの寺島家の子どもたちは、突然大泣きしたり、真夜中すぎても寝てくれなかったり、朝まったく起きられなかったり…。でも、兄は数学で、妹はピアノでその才能を開花させています。兄妹の得意なことも苦手なこともそのまま受け入れているご両親の姿もまた印象的。子どもたちの特性を受け入れ、驚いたり楽しんだりするからこそ、子どもたちも自己肯定感高く、家族みんな無理せず暮らしていられるのではないかと感じられます。発達障害のある女の子・女性の支援: 「自分らしく生きる」ための「からだ・こころ・関係性」のサポート16の事例と解説、当事者や保護者、支援者の声からなるこの本は、「からだ」「こころ」「関係性」を軸に女の子の発達障害を理解し、支援していく方法を探ります。発達障害のある女の子を支援するとき、「こころ」にフォーカスしがちですが、本人が感じているストレスの背景に「感覚の過敏さがある」「自分自身の体の不調を自覚できない」「からだのコントロールが苦手でつかれてしまう」といった「からだ」の問題がある場合も多くあります。また、人との関係を結ぶときには、「こころ」や「からだ」が安定していることが大切です。つまり、それぞれが相互に関係しているので、どれか1つの側面だけ支援しても、生きづらさは解決されないのです。いままであまり重視されてこなかった、「からだ」「こころ」「関係性」という切り口で、発達障害がある女の子の困難を解決するための具体的なアプローチが紹介される本書は、お子さんに寄り添い、サポートするときのヒントを教えてくれるのではないでしょうか。最新図解 ADHDの子どもたちをサポートする本図を多用し、ADHDについての基礎知識から支援の方法までを、分かりやすく伝える『最新図解 ADHDの子どもたちをサポートする本』。この本では、・ADHDの基礎知識: 行動特性・診断の流れ・治療と支援のしかたまで紹介・さまざまな療法: 環境変容法、行動療法、ペアトレ、薬物療法も詳しく紹介・家庭・園・学校での対応例: 支援に役立つケース別の対応例とポイントを紹介のように、ADHD(注意欠陥・多動性障害)に関する基本的な知識から、具体的な手立て、生活する中でありがちな困りごとへの対応方法までを紹介しています。とくに「園・学校や家庭でできるサポート」の章は、”着席する”、”すぐにとりかかる”、”さいごまでやり遂げる”、”整理整頓する”など、身につけたいことがらごとに、スモールステップでのサポート方法が提示されているので、家庭や学校で具体的にどんなかかわりをすればいいのかが分かりやすいつくりとなっています。
2019年03月15日ぬいぐるみとおしゃべりできる!「ペチャット」による発達支援効果の共同研究を開始しますUpload By 発達ナビ編集部発達障害のあるお子さまの中には、発語やコミュニケーションの面で発達がゆっくりだったり、強い特性があらわれたりするお子さまもおられます。そうしたお子さまのコミュニケーション支援の方法として、ぬいぐるみやロボットなどの活用が有効ではないかという仮説があります。ぬいぐるみという存在を介することで、人との会話に抵抗があったり、不安が強かったり、興味・関心が薄かったりするお子さまでも、スモールステップで会話の楽しさを経験していくことができるのではないか、と考えられています。そこで、LITALICO発達ナビでは、ぬいぐるみにつけるおしゃべりボタン「Pechat(ペチャット)」の企画・製造・販売を行う株式会社博報堂と、「ぬいぐるみとのおしゃべり」体験がもたらす発達支援効果に関する共同研究を行うこととなりました。ぬいぐるみにつけられるボタン型スピーカー「ペチャット」は、スマートフォンのアプリを操作することで、ぬいぐるみとのおしゃべりを実現してくれます。セリフリストを使って、ぬいぐるみからお子さまに話しかけることができ、文字入力や吹き込みでセリフを追加することも可能です。ほかにも、お子さまの話した言葉をまねするモードや、『どんぐりころころ』など20曲を収録した「うたリスト」、『赤ずきん』など20話を収録した「おはなしリスト」など、お子さまが楽しめる機能がたくさんあります。そして今回の共同研究では、発達障害のあるお子さまの、日々の育児に役立つ活用方法や、「発語」「コミュニケーションスキル」などの発達を促す可能性を研究する予定です。発語やコミュニケーションの面で発達がゆっくりなお子さまにとって、いきなりほかの人とお話することが難しくても、ぬいぐるみというおもちゃを介することで、スモールステップで発達をサポートできるのではないか、と考えています。研究プロジェクトには、監修者として鳥取大学大学院 医学系研究科 臨床心理学講座教授・LITALICO研究所スペシャルアドバイザーの井上雅彦先生にも参画いただきます。この記事では、発達障害のあるお子さまのご家庭でのペチャットの活用方法や研究概要についてご紹介するとともに、研究にモニターとしてご協力いただけるご家庭の募集を行います。ホームページ研究所保護者の子育てサポートを目指した開発Upload By 発達ナビ編集部ぬいぐるみとおしゃべりすることを叶えてくれたペチャットですが、おもちゃという役割を超え、子育てシーンで保護者の役に立つことも目指し、既に子育てのサポートとなる機能がたくさん開発されています。たとえば、お子さまがなかなか泣き止まないとき、セリフリストの「あやす・なぐさめる」カテゴリーが役立ちます。・「えーんえーんえーん」と共感して一緒に泣く・「悲しいね」「痛いねー」と気持ちの代弁をしてもらう・「お話しよう!なんでも聞くよ」と声をかけて、お話しながら気を紛らわせるなど、泣き止んでもらうための活用方法が豊富です。ハミガキや寝かしつけ、といった日々の習慣の促しに役立つ、たくさんのセリフや機能を活用することもできます。保護者から直接伝えても伝わらない場面で、子どもがだいすきなぬいぐるみが、家庭生活をスムーズに進めるサポート役を担ってくれるのです。使い方のヒント今回の研究開始に先立ち、発達ナビスタッフでもペチャットを使用しました。実際に使ってみて子育ての中で便利だった活用方法をいくつか紹介します。・家事で手が離せないとき、外出先や移動中に「おはなしリスト」や「うたリスト」から選んだ物語をきいて待っていてもらう・お子さまの切り替えが難しいとき、ペチャットが「だっこして~」と話しかけることで、切り替えのきっかけになってもらう・登園を渋っているお子さまに「幼稚園いいなぁ」とペチャットに羨ましがってもらうことで、登園を促してみるなどまた、お子さまにスマートフォンで動画を観てもらうことが多い保護者さまにとっては、ブルーライトなど目への影響が気になるケースもあると思いますが、ペチャットだと音声だけなので安心!その間、保護者がスマートフォンを触れないという不便さも解消できます。今回の共同研究では、子育ての中でも、発達障害のあるお子さまの困りごとに対して、効果的な活用方法や機能の開発を目標にしています。発達が気になるお子さまへの「ペチャット」の活用可能性Upload By 発達ナビ編集部発達ナビでは、発達が気になるお子さまのご家庭にとって、ペチャットを活用することで日々の子育てやお子さまの発達のサポートにつながる可能性があるのでは、と考えています。考えられる活用シーンの例として、3つご紹介します。ペチャットの「まねっこモード」では、自分のいった言葉をペチャットの声でまねしてくれます。発語が気になる小さなお子さまに、まねっこモードで遊んでもらうことで、まねされることが楽しくて、発語が促される可能性があるかもしれません。保護者との会話ならできるけれど、他の人とお話するのが難しいお子さまには、おしゃべりするぬいぐるみの存在を介することで、他者への意識が芽生えるかもしれません。何気ない質問をペチャットから投げかけてみたり、「ペチャットにきいてみたら?」と保護者さまが提案し、お子さまからペチャットに話しかけてもらうことで、会話の練習に活用できるかもしれません。「ペチャットに教えてあげる」という楽しさを活用して、その日、園や学校でどのように過ごしたのか、振り返って説明する練習ができるかもしれません。ほかにも、発達障害のあるお子さまの家庭でペチャットを活用できるシーンについてリサーチを進める予定です。そこで、共同研究の取り組み第1弾として、発達障害のあるお子さまの保護者100名に、モニター調査を実施いたします。発達障害のあるお子さまの保護者100名のモニターを募集中今回、ペチャットの活用可能性に関する研究にご協力いただける、発達障害のあるお子さまの保護者さまを100名募集いたします。ご家庭でペチャットを使っていただき、どのような活用が役立ったか教えてください。皆さんが見つけた活用方法を参考に、より詳細な研究を進める予定です。ペチャットには、保護者の皆さまにとって便利な活用方法や楽しい機能がたくさんあります。モニター調査期間にペチャットをフル活用して、ぜひ家事・育児のサポート役をさせてあげてください。【対象】発達障害のあるお子さまの保護者【人数】100名程度【ペチャット使用期間】2019年4月上旬~中旬の2週間程度※期間は変更する場合がございます【お子さまの条件】・障害:自閉スペクトラム症、ADHD、LDなどの発達障害の診断がある・年齢:2歳~小学2年生相当【調査の流れ】ペチャットを郵送にてお送りいたします。受け取られましたら、ご自宅にあるぬいぐるみに装着してご使用ください。調査期間終了後にWEBアンケートへのご回答をお願いいたします。多くの方々のご協力をお待ちしております!【応募〆切】2019年3月25日(月) 15:00※応募者多数の場合、応募時に頂いた情報を基に選定させていただく場合がございます※締切後、4月2日(火)までにモニター参加可否の結果ご連絡をいたします
2019年03月14日子育てをする中で、母親と父親の関わり方や考え方は違う?発達障害の子にとって、親の理解と協力は不可欠です。その子の特性を理解し、療育に取り組むことが重要になってくるからです。とは言え、実際、育児をしている母親の方が負担が多いのが現実…。普段仕事をしている父親は、子どもと関わる時間も少なく、つい楽観視してしまうのかもしれません。子どもの特性や、母親の負担を理解するのが難しい、そんな話も聞きます。Upload By SAKURAうちの夫は、そこのところ(妻の私が言うのはなんですが…)完璧です。わが家の場合、どうして発達障害を理解できたのか…療育に協力的になったのか…夫に聞いてみました。Q1.娘の発育遅れがわかった時、どう思った?Upload By SAKURA初めて発育の遅れを指摘された時、夫は驚かなかったそうです。Q2.どうして驚かなかった?Upload By SAKURA昔、接してきた子どもたちとは少し違う行動をしていたので、気になり、行動パターンをネットで調べた夫。障害のある子どもたちと似ている行動だったので、薄々「障害があるのではないか…」と感じていたといいます。それを聞いて、「知らない間に、この人はこの人で悩んでいたんだ…」と、私は気づけなかったことを少し申し訳なく感じました。Q3.妻が動揺して、落ち込んでる姿を見てどう思った?Upload By SAKURA夫が、娘の障害に気づいた時、私に相談せずに黙っていたのは「医者による正式な診断結果が出るまでは、余計な事を言って落ち込ませたくない」という思いからだったのです。娘の障害の可能性に悩みながら、私のことを考えてくれていた夫。素直に嬉しく思いました。Upload By SAKURA次回に続きます。
2019年03月13日むっくん、保育園にゲタで行く!?Upload By ウチノコむっくんはゲタが大のお気に入り!昨年の夏はほぼゲタで過ごしました。歩きにくそうな気もするのですが、鼻緒をしっかり指に挟みゲタを飛ばすこともなく器用に走り回っています。家族で過ごす時間にゲタをはくのは構わないのですが、ついにゲタで保育園に行きたいと言い出したから、さぁ大変。ゲタはダメ!ゲタをはく!!平行線の母子Upload By ウチノコさすがに保育園でゲタは色々と危険な気がする私。走り回って脱げたり飛ばしたり。しかもゲタで踏まれるとかなり痛い(体験済み)。本人だけでなく、お友達にけがをさせることも考えられる…。今はまだ私の目の届かないところで履くことは受け入れられません。けれども「ダメ」と言って「わかりました、お母さん」なんて言う子ではありません。平行線をたどる私たち。どうやって納得してもらおうか…。むっくんを説得しようとしたけれどUpload By ウチノコむっくんは何事も理由や理屈を知りたがります。というよりも、そこを理解しなければ基本的に人の意見に従いません。私が力で押さえつけたら、押さえつけた分のエネルギーがそのまま跳ね返ってくるタイプ。そこで、なぜはいていくのは困るのか、やめてほしいのかという理由を話して、説得してみることにしました。むっくん、癇癪をおこすUpload By ウチノコしかし玉砕…結局うわーっと癇癪を起こしてしまいました。散々暴言を吐いたものの、しばらくしたらクールダウンしてその日はあきらめて保育園に行ってくれました。渋々ながらも理解してくれたかなと私はほっとしました。ところが3日後、むっくんから提案がUpload By ウチノコ再びゲタで行きたいと言い出したむっくんに私は焦りました。また朝から癇癪ですか…。うんざりしかけた私に、むっくんは思いもよらない言葉を続けました。Upload By ウチノコむっくんからの提案は私の思いを理解して、さらに自分の欲求も大切にするものでした。そして私とむっくんの意見の対立を見事に解決する譲歩案だったのです。意見が対立したって、二人とも笑顔でいられる解決方法も必ずあるUpload By ウチノコ私はそもそもゲタを許可するか否かの2択でしか考えていませんでした。簡単に2択で結論を出した私と違い、むっくんは3日間、どうすれば良いのか考えていたのだと思います。私の思いに耳を傾け、考えてくれたむっくん。一方彼の思いを100%否定し、尊重できる方法を考えようともしなかった私。むっくんの思いを嬉しく思いながらも、自分の行いを恥ずかしく思いました。自分で考えて、自分で決めるUpload By ウチノコ私たちはこの件以降、行先に応じてゲタをどうするか話し合うようになりました。長時間歩く日はそのことを伝えて、「足が痛くなって歩けなくなることが心配」など私の気持ちを指示や説得にならないよう気をつけて伝えます。すると靴にはき替える日もあるし、靴を持っていく日もある。痛くてもはきたいと自分で決断すると足が痛く赤くなっても一生懸命歩きます。その日の気持ちや体調に応じて落としどころを考えているようです。意見が対立したとき、許可や指示、脅しに強制、説得などを使い、私の意見を通すと癇癪を起こすむっくんでしたが、自分でどうするか考え、決めてもらうと穏やかに過ごせます。小さな出来事でも親の意見に従わせるのではなく、メリットもデメリットも理解した上でどうするのかを自分で考え、自分で決めることは、子どもをうんと成長させるのだと感じました。私とむっくんの意見の対立は日常茶飯事ですが、できるだけむっくんの声に耳を傾け、話し合うように心がけています。もちろんうまくできない日もあるし、親の力を使ってしまう日もあります。それでも二人で考えて、それぞれの気持ちを大切にする、二人とも笑顔でいられる折衷案を見つけていけたら素敵だなぁと思っています。
2019年03月11日就職に向けて、自分で銀行口座の開設をした娘2018年4月に就職した娘。昨年の今頃は、入社に向けてさまざまな準備をしていました。その一つが、給与振り込み用の銀行口座の開設。お年玉などを貯めておく娘名義の口座はありましたが、就職先指定の銀行には口座を持っていなかったのです。新規口座の開設にあたり、私は「娘からヘルプを求められたら助ける」というスタンスで同行しました。口座開設用フロアは、パーテーションで区切られた個室仕様。緊張している娘を、私は後ろで見守っていました。口座の種類やインターネットバンキングの説明など、少し難しいかもと思う箇所もありましたが、娘は行員さんの話を聞きながら自分なりに考えて選択していました。Upload By 荒木まち子そして手続きの中で必要なのが、本人確認書類の提示。この時娘は、家にある本人確認書類をすべて持参し、並べて提示していました。1枚で本人確認書類になる「マイナンバーカード」をつくろう!銀行口座の新規開設に限らず、これからも「本人確認書類」が必要になることがあるでしょう。娘は運転免許証を持っていないので、本人確認のために複数の確認書類が必要になるケースもあります。過去には障害者手帳が「本人確認書類」として使えないこともありました。そこで今後のことを考えて、1枚で本人確認書類として使うことができる「マイナンバーカード」を作ることにしました。現在マイナンバーカードは、街中の証明写真機やスマートフォンから交付申請することができます。娘は、自分のスマートフォンで写真を撮って申請を完了しました。私たちが住んでいる地域の自治体では、申請から交付まで2カ月ほどかかります。交付通知書が自宅に届いたら、本人が役所に受け取りに行くのですが、月曜から金曜まで仕事をしている娘は、土曜日にしか取りに行けません。自治体のルールに従って、月2日の土曜開庁日に前もって電話予約をし、カードを取りに行きました。受け取ったマイナンバーカード、どうやって保管する?マイナンバーカードは、頻繁に使うものではありません。物をよく失くす娘は、マイナンバーカードを持ち歩くことはせず、必要な時以外は『大切なものファイル』と命名したカードポケット付きバインダーに入れて、自分の部屋に保管しました。先日ある申請で、マイナンバーカードが必要になった娘。『大切なものファイル』を開いてみると…そこにあるべきはずのマイナンバーカードがありません。部屋のあちこちを探しても見つからず、娘はついに私にヘルプを求めました。私「カードを最後に使った時はいつ?」娘「いつだったかなぁ…。」私「この間、銀行に自動積立貯金の申込みに行った時じゃないの?」娘「あ、そうだった!」私「使った後、どこにしまったか覚えてる?」娘「『大切なものファイル』に入れたはず…。」私「“はず”…ありがちだよね(笑)」その時娘の部屋はどういう状態だったかというと、相変わらず…Upload By 荒木まち子カオス状態な娘の部屋で一緒に探した結果、マイナンバーカードは『大切なものファイル』付近の堆積物の中から発見されました。『大切なものファイル』の中の物の多くは、ファイルポケットの中には入っていませんでした。娘は、バインダーの間にただ“挟んだ”だけだったのです。そのため、大切なカードも書類も、ファイルの近くの堆積物の中にうずまってしまっていたのです。大切なマイナンバーカードをなくさないために…私「バインダーの間に挟んでいるだけじゃ、落ちるよね。落ちたマイナンバーカードの上に乗ってた堆積物の量からすると、落としてから相当時間が経ってるようにも感じるけど…。」娘「2週間前に一度掃除したよ。」私「2週間でこれぐらい散らかるわけね。まあ、いつかは失くすだろうとは思っていたけど、失くすまで10ヶ月なら持った方かな?で、これからはどうする?」娘「『大切なものファイル』の周りだけは物を置かないようにする!」娘は、もしカードがファイルから落ちても『大切なものファイル』の周りさえ片付いていれば見つけやすと考えたようです。確かに、部屋中を常にきれいにしておくというのはハードルが高いよね。娘の自己理解に免じて、「落とす前提かーい!」というツッコミはやめておきました。
2019年03月07日細かいことは気にしないADHD息子Upload By かなしろにゃんこ。ADHD(注意欠陥・多動性障害)と広汎性発達障害がある息子リュウ太は、とてもおっちょこちょい。髪に寝ぐせがついていても、洋服の着方や襟が乱れていても、細かいことを気にしない男子です。そんな息子が、晴れの日にとある“失敗”をしてしまいました。小学校の卒業式で、“珍事件”が!Upload By かなしろにゃんこ。小学校最後の日のこと。晴れやかな朝、卒業式用に正装した息子を送り出しました。慣れないシャツやジャケット姿の息子に、「お手洗いに入った後は、必ずシャツをズボンの中にしまいなさい」と注意していたのですが…。Upload By かなしろにゃんこ。いよいよ式が始まりました!一人ずつ卒業証書授与のために順々に呼ばれ、壇上に上がる卒業生たち。息子の名前が呼ばれて、元気よく返事をしたかと思ったその時、目に飛び込んできた姿は…。ジャケットの下から白いシャツがベロ~ンっと丸出しじゃないですか!「コレ、わざと着くずしてんだ」っていうオシャレ上級者だったとしても…、卒業式にそれはない!私と夫は「アイツやりやがった…」と赤面。そして、「まぁ、リュウ太らしいか…」と2人で顔を見合わせて笑ってしまいました。卒業式後、息子に聞いてみると…Upload By かなしろにゃんこ。このことを息子本人に聞いてみると、意外な言葉が返ってきました。卒業証書授与の後に、先生からシャツが出ていたことを教えられた息子は、恥ずかしくってたまらなかったそうなのです。シャツが出ていても気にしていないと思っていたのですが、そうではありませんでした。「体育館に行く前に、服装の乱れを全員でそれぞれ確認したのに…。急いでトイレに行ったときにしまい忘れた。恥ずかしい~!」と、本人も落ち込んでいました。これまではそんなことを気にしなかった息子に「恥ずかしい」という感情が芽生えた!そのことに、私は成長を感じたのでした。卒業式で垣間見えた、息子のもうひとつの「成長」Upload By かなしろにゃんこ。小学校の門を出る際に、4年生の時に担任だった先生にお別れのあいさつをしました。発達障害の診断のために提出する書類作成に協力してくれた先生です。厳しく怒るけれど、励ましてくれたり褒めてくれたりする熱血先生。何かと面倒を見てくれる先生が大好きで、4年生の頃の息子は先生にベッタリでした。一見恐く見えるけれど、息子はなぜか子猿のようになついていたのです。きっとそれは「先生は真心で怒ってくれているんだ」と、感じていたからなのかもしれません。6年生にもなると、母親に側で見守られるのも照れ臭いだろうと思い、私は息子の様子を少し離れたところで見ていました。息子があいさつに行くと、先生の横にはやっぱり先生にベッタリな男の子がくっついていました。それを見た息子は、「先生ありがとうございました」と泣きながらさよならを言ってお別れしました。「もう自分はベッタリできないな~」と思ったのかもしれません。「中学生になっても、こんな風に熱血な先生にまた巡り合えるといいね」と私までホロリと涙しました。小学生から中学生へ。それは「成長」の時期でしたUpload By かなしろにゃんこ。その後、中学生になった息子。担任の先生は熱血先生!熱い指導をしてくださり、息子はその先生が大好きになりました。身だしなみの意識の方はというと…。毎朝スプレーで寝ぐせを直して、シャツの襟を直したりと、少しは自分で整えるようになりました。心の成長がゆっくりな息子も、小学生から中学生になったこの時期は、人の目を気にするようになり変化が見られました。自分以外の人のことを意識することができるようになったなんて、成長だわ!と思った出来事でした。
2019年03月06日3月26日(火)に発達ナビが「子育てフェスタ」を開催します!Upload By 発達ナビ編集部3周年を迎えたLITALICO発達ナビは、ユーザーの皆さまの「リアルで交流できる場がほしい」という声にお応えし、2019年3月26日(火)に初のユーザー参加の大型イベント「LITALICO発達ナビ子育てフェスタ2019」を東京都大田区で開催します!テーマは「子どもの将来」。お子さまの将来を前向きに考えられる1日になるような企画をご用意しました。■子どもの発達やその支援についての理解や知識を分かりやすく得られる「講演会」■発達ナビユーザーにぴったりの商品・サービスを提供する企業・団体の「ブース」■子育てに役立つさまざまな「ワークショップ」など内容盛りだくさん!お子さまと楽しめるコンテンツもあります。今回は、イベント情報のお知らせコラム第2弾!「講演会」「ブース」「ワークショップ」それぞれの内容の一部と、各ワークショップの事前予約についてご案内します!「講演会」子どもの発達やその支援についての理解や知識を分かりやすく得よう!発達ナビが行う講演会は、発達が気になるお子さまを育てる保護者の皆さんが知りたいテーマを掘り下げ、分かりやすい解説を専門家から聞ける機会だとご好評をいただいています。これまでも多くの方々にお申込みいただいてきました。子育てフェスタの講演会は3部構成となります。今回は第1部の基調講演についてご紹介します。基調講演は、鳥取大学大学院教授の井上雅彦先生が登壇。発達が気になる子どもの学級選びや進級・進学、家庭での関わり方、思春期のケアやきょうだい児の関わりといった、学童期の子どもの保護者の方々が抱える悩みについて、井上先生のこれまでの研究や相談・支援の事例を交えながらお話いただきます。子どもの将来に向けて、いま保護者としてできることは何なのか。具体的なアドバイスや考え方のヒントが得られる基調講演となります。ご期待ください!講師:井上雅彦先生鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授/応用行動分析学自閉症支援士エキスパートUpload By 発達ナビ編集部「ブース」発達ナビユーザーにぴったりの商品・サービスを提供する企業が出展ブースエリアでは、発達が気になるお子さまと、その保護者にとって嬉しい商品・サービスの展示や販売を行います。前回ご紹介していないブースをご紹介します!・ハグされているような感覚で不眠解消「チェーンブランケット」(ラーゴム)発達障害があるお子さまの中には、「寝つきが悪い」など不眠に悩む方が多くいると言われています。「チェーンブランケット」は、眠る際に「重さ」を感じさせたり、「体をぎゅっと抱きしめるような圧力」をかけることで、不安感が不眠につながっている人に、効果があると言われています。ブースでは、実際にベッドに横になってお試しいただけます!参考:発達障害がある子の不眠、寝具で解消!? 体と心に「ぴったり」寄り添うチェーンブランケットを紹介!・発達ナビユーザーにぴったりの書籍を販売!(スペース96)発達障害に関する書籍や、子育てフェスタ登壇者の著書、子育てコミックなど、発達ナビユーザーの関心が高い書籍を取り揃え、即売します。気になる書籍を手に取り、中身をチェックしてから購入することができます。参考:スペース96・米国発の集中トレーニングソフトを体験!(ニューロネット・ジャパン)アメリカで開発された最新のトレーニングソフト「NeuroTracker(ニューロトラッカー)」を体験できるブースです。ニューロトラッカーは、視覚訓練によって、神経回路を活性化する集中力トレーニングです。3Dメガネをかけて、パソコンの画面内を動き回る8つのボールを追いかけるゲームを通して、集中力のトレーニングをすることができます。年齢、発達障害の有無を問わず利用可能なソフトですが、アメリカやカナダではADHDのある子どもの注意集中力の発達をサポートする目的からも実験・実証が進められています。参考: カナダケベック州の学校に通う生徒を対象に、ニューロトラッカーの利用による 集中力の改善効果を測った実証研究「ワークショップ」子育てに役立つ企画をご用意ワークショップエリアでは、アットホームな雰囲気でさまざまなテーマのワークショップを行います。お子さま連れ向けの内容から、保護者にとって子育ての学びになる内容まで、いろいろなワークショップを準備しています。事前予約のご案内をさせていただくために、すべてのワークショップの詳細をご紹介します!Upload By 発達ナビ編集部・ASD知覚体験ワークショップ自閉スペクトラム症(ASD)の特徴の一つとして、知覚過敏や知覚鈍麻といった非定型な知覚があることが分かっています。ASD当事者の方がどのように世界を見て、どのような困難を感じているか理解を深めることができる「ASD知覚体験ワークショップ」。VR装置を用いてASD当事者の知覚パターンを疑似体験することができます。Upload By 発達ナビ編集部※15歳未満の方は体験できませんが、近くに座ってお待ちいただくことができます。その場合、お子さまが楽しく過ごせるように、お気に入りのおもちゃや、音の出ないゲームなどご持参ください参考:自閉スペクトラム症の知覚をVRで疑似体験・すららの勉強ペアレントトレーニング「うちの子は何度言っても勉強しない…」と悩む保護者向けに、勉強ペアレントトレーニングを行います。ペアレントトレーニングとは、保護者が子どもとの関わり方を学びながら子育ての困りごとを解消し、楽しく子育てができるよう支援する保護者向けプログラムです。無学年式教材で知られる株式会社すららネットが、”勉強”におけるペアレントトレーニングをご提供します。Upload By 発達ナビ編集部※本ワークショップは、お子さまのほめ方などについてお話しする保護者さま向けセミナーとなります。年齢問わずお子さま連れでのご参加はご遠慮しております。参考:すららの勉強ペアトレ・療育アロマを使ったワークショップ[C]アロマでリラックスして遊ぼう睡眠障害、情緒の不安定、感覚過敏(鈍麻)などによる困難の改善方法の一つとして、アロマテラピーが役立つと言われています。触覚過敏で砂遊びやねんど遊びを嫌がる子どもも、アロマオイルをねんどに混ぜると、いい香りによって緊張が緩和され、触れられるようになることが多いそうです!※お子さま向けのワークショップです。必ず保護者も同席ください。(お子さま複数に対して、保護者1名の参加で問題ございません。)[D]アロマの香りを楽しみながら、参加者同士でハンドマッサージ体験療育アロマを開発した先生によるアロマオイルのセミナーを実施します。tobiracoのアロマオイルを使い、アロマテラピーの効用やハンドマッサージのやり方を体験しながら学べます。お子さまや、参加する保護者同士でマッサージしあって、リラックスタイムに。※親子参加・大人のみ参加、どちらも可能ですUpload By 発達ナビ編集部※11:00~12:00の時間帯は、アロマねんどで自由に遊ぶことができますが、必ず保護者同伴でお願いいたします(託児サービスではありません)※[C]は、必ず保護者も同席してください。一人につき1枚ずつご予約ください※[D]は、親子参加、大人のみ参加、どちらも可能です。一人につき1枚ずつご予約ください参考:トビラコの療育アロマ | トビラコ・発達が気になるお子さまの「親なきあとのお金」セミナー保護者が子どもの日常生活のサポートをすることができなくなった後も、子どもが一人で暮らしていくためにはお金が必要です。今からできる備えとは?について、「障害のある子の家族が知っておきたい『親なきあと』」の著者・渡部伸先生と、三菱UFJ信託銀行トラストファイナンシャルプランナー小谷亨一氏による「親なきあとのお金」セミナーを提供します。Upload By 発達ナビ編集部※座席が必要なお子さまもいらっしゃる場合は、お子さまのチケットもご予約ください。その場合、お子さまが楽しく過ごせるように、音の出ないおもちゃや絵本、こぼれにくいおやつなどご持参ください参考:親なきあと、障害のある子はどう暮らす?お金は足りる?行政書士・渡部伸先生×立石美津子さん対談【前編】・発達が気になる小中学生の進路・進級と、教育資金セミナーお子さまとご家族が「自分らしい人生」を歩んでいくために、「福祉」と「ファイナンス」両方の専門家として、ライフプランニングをサポートする株式会社LITALICOライフによるセミナーです。当日は、小学校とその先の進路の選択肢やそれぞれの特徴、今から備えておくべき教育資金について分かりやすくご紹介します。Upload By 発達ナビ編集部※座席が必要なお子さまもいらっしゃる場合は、お子さまのチケットもご予約ください。また、大人向けのセミナーになっておりますので、お子さまが楽しく過ごしていられるよう、音の出ないおもちゃや絵本、こぼれにくいおやつなどをご持参ください参考:LITALICOライフ・出張カンドゥー「カンドゥー」はモデルや警察官、パイロットをはじめ、30種類以上の仕事が体験できるテーマパーク。今回のフェスタでご体験いただくのは「魔法使い」のお仕事です!魔法使いになって「ねるねるねるね」の色の変化や、膨らむ仕組みを研究・実験します。あなただけの「ねるねるねるね」をつくってみましょう。※「卵」「乳成分」にアレルギーがある場合、お子さまご本人は召し上がらず、保護者さまに召し上がっていただくか、参加をお断りしております。予めご了承ください。くわしくは事前予約ページに記載いたしますUpload By 発達ナビ編集部※お子さまのチケットのみご予約ください(託児サービスではございません。保護者さまには近くでお子さまの様子を見ていただきますようお願いいたします。)参考:カンドゥーワークショップ事前予約のご案内当日大勢の方が参加されるため、皆さまが希望のワークショップに参加ができるよう、事前予約をお願いしています。ワークショップは全て無料、事前予約制です。当日参加枠はキャンセル等が出て空きがある場合のみとなりますので、お目当てのワークショップはお早めにお申し込みください。※ワークショップの事前予約フォームは、本イベントのチケット購入者のみにご案内します。ワークショップへの参加を希望される場合は、「LITALICO発達ナビ子育てフェスタ」のチケットをご購入くださいチケット購入時に登録したメールアドレスに予約ページとパスワードをお送りします。チケットを購入した方が、同行者の分もご予約ください。今回のフェスタでは、チケットご購入者お一人につき(お子さまチケット含む)1~2回のワークショップに無料で事前予約できます。先着順になりますので、お早めにお申し込みください。<初回予約期間:3月8日(金)19:00~3月11日(月)24:00>予約ページから希望するワークショップにお申し込みください。ワークショップの予約対象が大人か子どもかなど、条件をご確認の上、必要な枚数をお申し込みください。また購入したフェスタのチケット枚数以上のお申し込みは無効になりますのでご注意ください。※先着順となっているため、アクセスいただいた際に予約可能なワークショップのチケットのみ表示されます<追加予約期間:3月15日(金)19:00~3月18日(月)24:00>空きがあるワークショップに、参加者1人につき1枚まで予約チケットを申し込めます。購入したフェスタのチケット枚数以上のお申し込みは無効になりますのでご注意ください。※初回予約時に別のワークショップを予約した方は、空きがあれば2つ目のワークショップを予約できます。その場合、1回目の予約済みチケットと時間の重複がないように、細心の注意をお願いします。※初回予約期間と追加予約期間では、予約ページが異なります。都度、期間開始に合わせてメールでご案内いたします。開催概要/お申込みUpload By 発達ナビ編集部【日程】2019年3月26日(火)10:00~17:00【対象】発達の気になるお子さまの保護者(お子さま連れOK)【定員】300名程度【会場】大田区産業プラザPiO(京急蒲田駅より徒歩3分)東京都大田区南蒲田1-20-20大田区産業プラザPiO【参加費】通常チケット:1,500円※中学生以下のお子さま無料【企画協力】朝日新聞withnews朝日新聞withnews
2019年03月05日障害のある方の就職をサポートする「就労移行支援事業所」を知っていますか?Upload By 発達ナビニュース就労移行支援事業所とは、障害のある方の就職をサポートする通所型の福祉サービスです。18歳以上65歳未満の身体障害、知的障害、精神障害の他に発達障害や難病の方も対象とし、手帳の有無にかかわらず、医師の診断や自治体の判断など就職に困難が認められる方が利用できます。サービス内容は事業所によって異なりますが、仕事に関する知識やスキルアップと就職活動のサポート、就職後も長く働き続けられるよう職場への定着支援も行っています。また、一定の条件を満たす場合、4年生大学のほか、短期大学、大学院、高等専門学校を含む在学者も就労移支援事業所の利用が認められる場合があります。例えば、このような悩みはありませんか?・「自分に合う仕事が分からない」・「働くことに不安がある」・「障害を開示して、働くかどうか悩んでいる」・「働ける場所があるかどうか、不安」などこのような時は「就労移行支援事業所」という選択肢があります。LITALICOワークスでは、このような悩みを解決するためには何が必要なのかを一緒に考え、そのひとりの「働きたい」をサポートしています。LITALICOワークスは北海道から沖縄まで全国74拠点に就労移行支援事業所があり、これまで累計6,000名以上の方の就職をサポートしてきました。企業への求人開拓も積極的に行ない、職種や職域も広がってきています。また、就職後の定着支援にも力を入れ、就職後も86.1%の方が働き続けています。見学・相談は随時受付中 |LITALICOワークスUpload By 発達ナビニュースUpload By 発達ナビニュース「就労移行支援事業所」について詳しく知りたい方、まずプログラム体験会へ参加してみませんか?Upload By 発達ナビニュースこのたび、より「就労移行支援事業所」について詳しく知りたい方のために、特別にプログラム体験会を開催します。就労移行支援は18歳~64歳までが主な対象となりますが、このプログラム体験会では、18歳になる前から地域の福祉サービスや支援を知っていただく機会として、年齢設定を「17歳~」にしています。高校や特別支援学校高等部卒業後の進路を検討している親子にもおすすめです。体験会は本人だけでなく、家族や支援者の方も一緒に参加できます。ぜひこの機会に「就労移行支援事業所」の内容を体験してみてください!Upload By 発達ナビニュース■東京都LITALICOワークス蒲田(蒲田駅5分 / 京急蒲田駅10分)企業に障害を伝える就職活動の進め方3/24(日)12:00~15:00合理的な配慮を得て働くための職場マッチングや企業連携について説明します。LITALICOワークス秋葉原(秋葉原駅5分 / 岩本町駅2分)就職活動プログラム「働くとは?」3/30(土)13:00~15:00これから働き始めるために「働くとはどういうことか」「何のために働くのか」を考えるプログラムです。■神奈川県LITALICOワークス川崎(川崎駅6分 / 京急川崎駅6分)すごろくコミュニケーション3/21(木)9:00~12:00すごろくゲームを通して楽しくコミュニケーション力を養うプログラムです。LITALICOワークス横浜西口(横浜駅5分)質問なんて怖くない!3/30(土)9:00~12:00質問することに苦手意識や不安のある方へ、座学・ロールプレイからポイントを紹介します。■埼玉県LITALICOワークス大宮(大宮駅6分)障害者雇用の動向と対策3/9(土)15:00~17:00障害者雇用の現状や対策、企業が求める人材ポイントを紹介します。LITALICOワークス大宮(大宮駅6分)当事者講演会「ピアトーク」3/23(土)12:30~14:30聴覚障害のあるスタッフが、障害や仕事について講演します。トークタイムも設けています。■北海道LITALICOワークス新さっぽろ(新さっぽろ駅1分 / 新札幌駅3分)休憩上手になろう3/16(土)10:10~11:30疲れのサインを意識し体調管理をしながら働くために、上手に休憩をとる方法を考えます。LITALICOワークス新さっぽろ(新さっぽろ駅1分 / 新札幌駅3分)質問なんて怖くない!3/23(土)10:10~11:30質問することに苦手意識や不安のある方へ、座学・ロールプレイからポイントを紹介します。LITALICOワークス札幌大通(大通駅3分)すごろくコミュニケーション3/16(土)10:25~11:30すごろくゲームを通して楽しくコミュニケーション力を養うプログラムです。LITALICOワークス札幌大通(大通駅3分)自己理解プログラム「認知特性編」3/30(土)10:25~11:30視覚優位・聴覚優位について学び、周りに求める配慮や自身ができる工夫を考えます。■大阪府LITALICOワークス大阪梅田(梅田駅5分 / 大阪駅8分)オープン就労とクローズ就労3/9(土)13:00~15:00障害を企業に開示して働く場合と、非開示にする場合のメリットデメリットを事例を通して考えます。LITALICOワークス大阪心斎橋(心斎橋駅6分 / 長堀橋駅3分)あがり症のメカニズムと対処法3/16(土)10:00~12:00「緊張してうまく話せない」といった緊張場面を脳のメカニズムから説明し、対処方法を紹介します。■京都府LITALICOワークス京都駅前(京都駅10分)話しかけるタイミングをはかる3/9(土)9:00~12:00周囲とより良い関係づくりができるように「話しかけるタイミングを計る方法」を学びます。LITALICOワークス四条河原町(河原町駅3分 / 祇園四条駅7分)ソーシャルスキルトレーニング3/30(土)9:00~12:00場面に応じたコミュニケーションや表現について、参加者で意見を出し合いロールプレイを行います。■広島県LITALICOワークス広島紙屋町(本通電停7分 / 紙屋町電停4分 / 立町電停1分 / 八丁堀電停4分)就職活動の進め方3/9(土)14:00~16:00就職活動の全体像がイメージできるよう自己分析や企業研究、書類作成の方法を説明します。LITALICOワークス広島(広島駅5分)就職活動の進め方3/16(土)14:00~16:00就職活動の全体像がイメージできるよう自己分析や企業研究、書類作成の方法を説明します。■福岡県LITALICOワークス博多(祇園駅2分)困りごとに対する対策を学ぼう3/9(土)9:00~12:00職場で起こるかもしれない「さまざまな困惑場面」をいくつか想像しておくことで事前対策を学びます。【対象】17歳~64歳の発達の気になるご本人様、就職を目指す障害や難病のある方を対象※ご家族や支援機関の方の同伴も可能です【参加費】無料【申込方法】下記のリンクからフォームに入力をしてお申し込み下さい。各プログラムは定員10組となります。申込が随時締め切られる可能性がありますので、予めご了承ください。【お問い合わせ】0120-951-712(受付時間 平日10:00〜17:00)※LITALICOワークスの説明会・セミナーのお申し込みフォームに遷移します。ワークス全国一覧|障害者就労移行支援事業所見学・相談も随時受付中|LITALICOワークス就労移行支援とは?
2019年03月04日3歳児健診での出来事ADHDと軽度の自閉症スペクトラムと診断されたのぼる(7)と、自閉症スペクトラム中度と診断されたひとし(4)を育てています。2018年の春頃からTwitterやnoteなどで、子どもたちの漫画を描いて載せています。前回、発達特性に気づくきっかけになった次男ひとしの3歳児健診の様子をご紹介しました。ひとしに発達の特性があるのではないかと指摘された3歳児健診の帰り道。何が普通で何が障害なのか、考えれば考えるほどわからなくなってしまいました。■前回までのお話改めて子どもたちの様子を振り返るとニコニコ教室と半年後の再検査を勧められ、改めて子どもたちとの様子を振り返ってみると…Upload By ちちゃこUpload By ちちゃこUpload By ちちゃこひとしのお手伝い、優しさだと思っていたけれどひとしの「お手伝いをしてくれる」行動は、当時ひとしの「優しさ」だと思っていました。だからこの優しさを大事にしようとも思いました。でも、発達障害についての知識がついた今、振り返って思うことがあります。この「お手伝い」は、私の毎日繰り返されている家事の見本があったから、ひとしも真似事をしたんだと思います。もちろん優しさもあるかもしれませんが、自閉症スペクトラムの特性にイマジネーションの欠如というのがあります。遊び方などを自分で思いつくのが難しいひとしにとって、私の行動は恰好の見本になったんだと思います。そしてもう一つ、ひとしが自分から動かなかった理由に思い当たることがあります。この頃、兄ののぼるは子ども特有の、「オレの方がすごいだろ!」の自慢がピークでした。のぼるがひとしに無理難題をふっては私が「まだひとしには無理」と、ひとしの前でのぼるにいさめることが度々ありました。私のこの言葉は、思い込みやすいひとしにとっては「ぼくにはまだできない」という呪いの言葉にもなったのではないかと思っています。ニコニコ教室に行くことで何かが変わるならと、藁にも縋る思いで通うことを決めた一方、私のひとしへの関わり方を改めて見直さなければと気づいた3歳児健診でした。成長しない子どもはいない、その言葉を信じてあの頃を振り返って、3歳児健診で発達の遅れに気づいてから早2年目がこようとしています。後にひとしの主治医の先生と出会って、私はお守りにしている言葉があります。「お母さん、どんな子どもでも、成長しない子どもはいません。」その言葉通り、ひとしは毎日成長しています。ひとしは今、私の手伝いをすることはほとんどありません。自分のしたい遊びを熱心に頑張っています。その「自分のしたい遊び」をすることがどれだけ凄いことで、大切なことか、この2年で学びました。成長のスピードは子どもによってさまざまです。でもどんな子どもでも沢山の可能性を秘めてると、私は改めて感じています。これからいろんな問題がまだまだ出てくると思います。諦めずに寄り添いながら、手を貸さなくてもいいところはほっときながら、私たちのペースで歩いていこうと思っています。読んでくださり、ありがとうございました!
2019年03月04日『発達障害の人の「片づけスキル」を伸ばす本』 の著者・村上由美さんは、実はASD(自閉症スペクトラム障害)を持つ発達障害当事者。発達障害の特性としてよくあげられるように、以前は、本当に片づけが苦手だったそうです。本書では、そんな発達障害当事者ならではの工夫によって編み出された片づけのコツがつまっています。第3回インタビューでは、「片づけが苦手な夫や子どもへの対処法」についてうかがっていきます。お話をうかがったのは…村上由美(むらかみ・ゆみ)さん言語聴覚士。上智大学文学部心理学科、国立身体障害者リハビリテーションセンター学院(現・国立障害者リハビリテーションセンター学院)聴能言語専門職員養成課卒業。重症心身障害児施設や自治体などで発達障害児、肢体不自由児の言語聴覚療法や発達相談業務に従事。著書に『アスペルガーの館』(講談社)、『声と話し方のトレーニング』(平凡社新書)、『ことばの発達が気になる子どもの相談室』(明石書店)、『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に暮らすための本』(翔泳社)などがある。■「片づけなさい!」子どもに通じないのは、どうして?――今までは、自分の片づけについてでしたが、今回は「片づけが苦手な家族(夫や子ども)についての対処法」をうかがいます。人の片づけに口をはさむのは、非常に難しいことだと思うのですが、まず何から手をつけたら良いのでしょうか…?村上由美さん(今、村上さん):まず、片づけが苦手な夫や子どもが、片づけのどのステップでつまずいているのかを見極めることが大切です。例えば、モノを大量に買ってきて貯め込んでしまうタイプなのか、捨てられないタイプなのか、使ったモノを戻さないタイプなのか…などですね。――子どもの場合は「使ったモノを戻さない」タイプなんかが多そうです。村上さん:子どもの片づけには、まずは、親が環境設定してあげる必要があります。具体的な方法としては、引き出しや棚に何が入っているか、一目でわかるような写真や絵のラベルを貼ったり、所有者がはっきりするように、きょうだい別にマークや色で分けたりですね。ちなみに、片づいている状態を写真に撮り、子どもに「これと同じにしてね」と伝えるようにしたら片づけられるようになった、という方もいましたよ。――確かに、「これと同じにしてね」と写真で教えてあげれば一目瞭然ですね。村上さん:しまう「場所」のサイズにも工夫しましょう。子どもが小さいうちは、おもちゃのサイズも大きいので、何でも大きい箱に片づけがちですが、成長にともなって小さなおもちゃが増えてからも大きな箱にまとめてしまっていたら、モノが埋もれて探せなくなってしまいますよね。子どもが使っているモノのサイズによって、大きいモノは大きい箱に、小さいモノは小さい箱にしまえるよう、親が見極めて「場所」を設定してあげることが大事です。――子どもの使っているモノに合わせて、随時、しまう「場所」の見直しすることが大事なのですね。村上さん:今までと同様で、子どもの片づけのコツもやはり、最初に「場所」を決めることです。子どもの生活パターンを観察していると、だいたいどこで何をしているかがわかってくると思います。例えば、おやつを食べる場所はこのあたり、おもちゃで遊ぶ場所はあのあたり、勉強するのはこのあたり…というふうに。それがわかったら、遊んでいる場所のすぐそばにおもちゃを入れる箱を置いたり、勉強をする場所のすぐそばに文房具など勉強道具をしまうトレーを置いたり、モノをしまいやすいように「場所」を決めます。そして、 連載第1回 でもご紹介したように、「場所」が決まったら、次に「量」、そして「入れ方」の順で決めるのです。――「使う場所のすぐそばに」というのがポイントなのですね?村上さん:そうです。なぜなら、子どもは使い終わった瞬間、モノが意識の中から消えてしまうから(笑)。なので、子どもが作業していて、「〇〇がない」と言ったら、まずは近くにある箱やトレーなどの中を探させる習慣をつけましょう。そうすると、だんだんそこに自分の必要なモノが入っていることがわかってきて、使い終わったら元に戻すようになると思います。 ――「使い終わった瞬間、モノが意識から消える」は、まさにあるあるですね(笑)。村上さん:伝え方にもポイントがあります。子どもに「片づけなさい」という言葉は通じにくいのです。なぜなら、「片づける」という言葉には、「集める、分ける、捨てる、しまう」など、いろいろな意味がまとまって入っているから。そのときの状況や前後の文脈によって、「片づけなさい」の意味が変化するので、子どもはどうしたらいいかわからなくなるんですね。つい便利だから、まとめて「片づけなさい」と言ってしまいがちですが、いかに漠然とした言葉を使っているかということを、親が自覚することも大事だと思います。■「誰かが片づけてくれる」丸投げ夫にはどう対処する?――片づけが苦手な夫の場合は、どう対処したら良いでしょう?村上さん:ウチの夫も片づけがやや苦手で…(笑)。夫は、ASDに加えてADHD(注意欠如・多動性障害)やLD(読み書きの学習障害)の傾向があり、しまった場所も忘れてしまうし、どこに片づけるというルールも忘れてしまうのです。だから、わが家では、先ほどお話しした写真ラベルを貼って対応しています。こうすると、中には「子ども扱いするな」と機嫌をそこねる夫もいるかもしれませんが、「あなたじゃなくて、子どものためよ」と、しらんぷりしておけばいいのです(笑)。――そもそも、夫が片づけの意味を感じていなかったり、結局、最後は誰か(妻)がやってくれると甘えている場合もありそうです。村上さん:以前の私ですね(笑)。片づけって、少し先の未来ですから。少し先の未来と今とを天秤にかけて「どっちを選びます?」という話で、片づいた状態の心地良さが少し先の未来にあることがわかっているからこそ、目の前の面倒臭い片づけを乗り越えていくことができるのです。そこがつながっていないと、目先の楽しさを優先してしまいますよね。特に、子どもは基本、快楽主義者ですし、ADHD傾向が強い子などは、特にそうでしょう。これは、勉強でも同じですよね。「今ちょっとがんばって勉強する」と「そうすれば成績が上がる」ということがつながっていればがんばれますが、そこがつながらない限り、目先の快楽に流されてしまうのではないでしょうか。それは、子どもに限りません。――では、どうしたら、頭の中でそこが「つながる」のでしょう?村上さん:まず、スモールステップで、少し先の未来の状態を体験させてあげることです。例えば、財布や引き出しなどの小さなスペースで、「片づくとこんなに快適なんだ!」という成功体験を少しずつ積み重ねてあげる。そのために、最初の一歩は本人に合わせたハードル設定が必要です。そこからスモールステップで少しずつ引き上げる…まさに、子育てと一緒ですよね。村上さんの片づけメソッドは、ASD当事者ならではの視点と工夫で、同じように片づけが苦手な人のために、片づけのステップを非常に具体的な行動に落とし込んでいました。これだけ具体的に提示された方法なら、さまざまな片づけ術で挫折してきた方でも、片づけができるようになるでしょう。また、片づけができない原因を本人に求めるのではなく、環境設定を見直したり、本人に合わせたハードル設定をしたり、スモールステップで対応する…。そんなやり方に、村上さんの本業である、発達支援でご活躍される様子も透けて見えるのでした。参考図書: 『発達障害の人の「片づけスキル」を伸ばす本』 (講談社)片づけや整理整頓についての本を読んでその通りにやってみたけれど、どうもうまくいかなかったという人、現状を変えたいけれど、どこから手をつければいいのかわからないという人へ。アスペルガー症候群の当事者である著者ならではの工夫によってできあがった、挫折しない「片づけのしくみ」を作るコツがつまった一冊。取材・文/まちとこ出版社N
2019年03月02日特別支援教育のくふうを取り入れると、どんな子どもにもわかりやすくなる『発達障害に生まれて』(松永正訓著/中央公論新社)ノンフィクションのモデルとなった立石美津子です。「特別支援教育は、発達に課題や凸凹がある子だけが受ける特別な指導」であると、一般的には思われているかもしれません。でも、私はそうではないと考えています。私は30年間、幼児や小学生を指導する現場で仕事をしていました。そこでさまざまな子どもたちと接してきました。また、自閉症のある息子は小学校入学時から特別支援教育を受けてきました。そしてその中で、できることが増えていったことを実感しています。その経験から、どんな子どもにも有効なくふうが、特別支援教育の中にはあるのではないかと感じています。そこで、「子どもが大人の話に集中できる環境づくり」「子どもを飽きさせないための“演技力”」「子どもに指示を出す時のくふう」の3つの観点から、特別支援教育のさまざまな場面での有効性を具体的にご紹介します。子どもが大人の話に集中できる環境づくり例えば、狭い喫茶店にいる時、隣の席に座る見知らぬ人の会話が丸聞こえ…ということがあります。でも、目の前の友人と話を始めたとたん、隣の席での会話は不思議と気にならなくなりますよね。私たちには、自分に向けられている声の主の言葉を「選択的に拾おう」とする脳のシステムがあるようです。ところが、これが難しく、自分に関係のない音がドンドン入ってきてしまうという特性がある子どももいます。例えば、教室で窓際の席に座っていると、校庭で行われている体育の授業での号令が聞こえてきてしまい、気になって仕方がありません。でもこれは、気になる程度は違っても、障害がない子どもにだって同じことが言えるのではないでしょうか。私は保育園の中でひらがなを指導する仕事をしていました。授業中、隣のクラスから音楽や歌い声が聞こえてくると、字の練習をしながら歌を歌う子がちらほらいました。こんな時は指導者側が「隣のクラスが静かな学習をしている時は、歌ではなく絵画制作をする」などのくふうをする必要があると感じました。このことは、家庭生活にも応用することができます。例えば子どもに何かを伝えたい時、兄弟姉妹が遊んでいる声やテレビの音が耳に入ってくると、子どもは集中して話を聞くことができません。こういう時は、テレビを消して物音がしないところに行き、子どもが話だけに集中できる環境を用意するとよいでしょう。聴覚だけでなく、視覚にも同じことが言えます。視界に関係のない情報が入ってくると、子どもは「今はどれを見なくてはならないのか?」と迷ってしまいます。例えば、これは小学校1年生に算数を教える時に使ったホワイトボードの画像です。どちらが集中できますか?Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子後者ですよね。「ホワイトボードを見ましょう」と言われても、そこに関係ないたくさんの情報があると、子どもたちは意識して「今、見るべきもの」を探さなくてはなりません。ADHD(注意欠陥・多動性障害)の傾向がある子どもは、さまざまな刺激に影響されやすいという特性があります。関係ない情報がたくさんある中から、必要な情報を選び取ることが難しいので、「ここを見ましょう」と言われても、全く違う場所を見てしまうこともあります。でも、障害の有無に関わらず、子どもは低年齢であるほど、興味があること以外には集中が続かないものです。教室の壁面や黒板いっぱいに飾りつけをしている学校・幼稚園がありますが、その中で何かを指示しても、子どもは選択的に見るべきものを探せないかもしれないので、くふうが必要です。必要のないものはかくし、必要なものだけにして見せる。シンプルであることが大切です。この考え方も、家庭生活に応用することができます。机の上に物が散乱していたり、部屋に子どもの好きな玩具が散らかっていたりする中で、何かを伝えようとしても、子どもは話に集中することが難しいかもしれません。そういう時は、普段は使っていない(ものが少ない)部屋に連れて行くなどして、気が散らない環境をつくったうえで子どもに話をするほうが話に集中してもらえるでしょう。子どもを飽きさせないための“演技力”幼稚園・保育園時代は、保育者がピアノを弾いて歌を歌ってくれたり、手遊びをしてくれたりします。けれども、小学校ではそういう訳にはいきません。1クラス35名程度の大勢の子どもたちを集中させるには、内容そのものよりも、教師の声の出し方や身体の動き、小道具の使い方などがポイント。ここで「飽きさせないくふう」が必要になります。どんなに良い内容の授業をしていても、モゴモゴ話していたり、話し方にリズムテンポがなかったりすると、集中の続かない幼い子どもにはうまく伝わりません。それでも子どもたちは「授業中45分間はじっとしていなくてはならない」とがんばるのですが、だんだん集中が切れて、よそ見をしたりモゾモゾ動き出したりします。こういう時は、子どもたちに「真面目に授業を受けなさい」と言うよりも、まずは教師側に「退屈させないくふう」が必要だと思います。「発達障害がある子どもは扱いにくい」と言われることもありますが、私はむしろ「こういう子どもたちを集中させることができる教師は、指導力や技量もきっと高いのだろう」と感じます。これも、家庭で取り入れることが可能です。言葉の内容だけで言うことを聞かせようとするのではなく、声のトーン、スピード、テンポにも気を配る。服装も、エプロンを外したり、きちんとした格好をするなど、「いつもと違う」という雰囲気を出すと、子どもは「ああ、聞かねばならない」と察するのです。Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子子どもに指示を出す時のくふう「早くしなさい」「きちんとしなさい」日常生活の中でこうした言葉を発する場面は少なくありませんが、この曖昧な言い方も、もっとわかりやすく変えることができます。例えば大人だって、病院が混雑している時に「もう少しお待ちください」と言われても、10分なのか30分なのかもわからず、すごく待たされている気持ちになってしまいます。でも「診察まで待ち時間あと20分」と言われたら、見通しが立ってわかりやすいので、待つことができます。まだ人生経験が浅い子どもには、漠然とした言い方では伝わりません。「早くしなさい」と言うよりも、具体的にいつどんな行動をするのか写真で示すと伝わりやすくなります。自然と時計も読めるようになり、親に「早く、早く」と急かされなくても自主的に行動するようになるのです。Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子部屋が散らかる原因のひとつは、物の指定席が決まっていないことにあります。片づけをしていない子に「ちゃんと片づけなさい」と言うのではなく、入れてほしいおもちゃの指定席の写真を貼って「同じように入れてね」と伝える方が、どの子にとっても断然わかりやすいと思います。これは、ある保育園でされていた道具箱のくふう。中身が整理整頓された状態の写真を、箱の裏に貼ってあります。保育士がいちいち指示をしなくても、子どもたちが自分で写真を見て整理整頓できるようくふうされています。このように見える化すると、やるべきことがわかりやすくなり、子どもは自分で考えて行動することができるようになります。Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子どんな子どもにもわかりやすく、伝わりやすいくふうを「住みやすい社会を作るためには、社会的立場の弱い人に話をきくのが一番確実」だとよく言われますが、私も子どもや障害がある人が安心して暮らせる社会は、どんな人にとっても快適で、安心して暮らすことができると思います。特別支援教育の中で使われる方法には、さまざまなくふうが織り込まれています。それは、障害がある子どもだけでなく、どんな子どもにとってもわかりやすいものです。幼児教育に携わり、また障害がある子どもを育てる中で、その実感は確かなものになっていきました。ぜひどんな子どもに対しても、活用してみてください。
2019年03月02日『発達障害の人の「片づけスキル」を伸ばす本』 の著者・村上由美さんは、実はASD(自閉症スペクトラム障害)を持つ発達障害当事者。発達障害の特性としてよくあげられるように、以前は、本当に片づけが苦手だったそうです。本書では、そんな発達障害当事者ならではの工夫によって編み出された片づけのコツがつまっています。第2回インタビューでは、「片づけが苦手な人は、どこから手をつけたら良いのか?」をテーマに、具体的な片づけ方法についてうかがっていきます。お話をうかがったのは…村上由美(むらかみ・ゆみ)さん言語聴覚士。上智大学文学部心理学科、国立身体障害者リハビリテーションセンター学院(現・国立障害者リハビリテーションセンター学院)聴能言語専門職員養成課卒業。重症心身障害児施設や自治体などで発達障害児、肢体不自由児の言語聴覚療法や発達相談業務に従事。著書に『アスペルガーの館』(講談社)、『声と話し方のトレーニング』(平凡社新書)、『ことばの発達が気になる子どもの相談室』(明石書店)、『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に暮らすための本』(翔泳社)などがある。■片づけ下手「一番最初に手をつけるのは“財布の中身”から」――片づけが苦手な人は、まず、どこから手をつけたら良いのでしょうか?村上由美さん(以下、村上さん):最初に手をつけるべきところは、財布です。なぜなら財布は、お札やカードなど、入れるモノのサイズがだいたい決まっていて整理しやすいから。ほかにも、スペースが小さいので早く整理が終わって達成感が得やすいというメリットや、毎日使うモノだからこそ、片づけの効果を感じやすいというメリットもあります。――財布って、意外と私の中ではブラックボックスで…。領収書やスタンプなどがどんどんたまってしまい、すぐ散らかってしまうのですが(苦笑)。村上さん:財布の中身は、定期的に見直す必要があります。レシート類などは、最低でも週2回見直したいですね。買い物に行く曜日は、たいていの方がだいたい決まっているものなので、「○曜日と△曜日にやる」というふうに、あらかじめスケジュールに組み込んでしまうと良いですよ。――財布の中身を整理する時のポイントは何でしょう?村上さん:使用頻度を見極めることです。一度、財布の中身を全部出してみて、使用頻度ごとに分けてみましょう。「毎日から週に数回」「週1回~月数回」「1~2カ月に1回」「それ以下」というふうに。そして、使用頻度の高いモノは財布にしまい、それほど使用頻度の高くないモノは財布とは別管理にします。ちなみに、私の財布は、現金と最低限のカード類のみでコンパクトに。保険証や診察券といった、それほど頻繁には使わないカード類は、財布とは違うカード入れで管理しています。カード入れは、1枚ずつ入れられる仕切りがついているものが、探しやすく便利ですよ。――なるほど。使用頻度によって、別管理にしているのですね。村上さん:中身を整理すると、自分にとって選ぶべき財布は、次の3つのどれかになると思います。1. 現金と必要最低限のカード類だけが入るコンパクトな財布。2.現金とカード類のほか、一時的に保管するレシートやクーポン券を入れるポケットがついている財布。3.1.のコンパクトな財布と、頻繁には使わないカード類を入れるカード入れの組み合わせ。ちなみに、私は3.なのですが、どれが正解というのではなく、大切なのは、どれが自分にとって心地良いかを見つけることです。■「財布が終わったら次は?」片づけステップの順番を知る――財布が整理できたら、次はどこでしょうか?村上さん:財布の次は、ポーチです。ポーチは財布と違って、入れるモノのバリエーションが幅広いので、まずは、中に何を入れるかを見極めることから始めます。ポイントは、ポーチの用途を明確にすることです。化粧品だけ入れるのか、化粧品+よく使う小物を入れたいのか、というふうに。ポーチの用途が明確になりにくい場合は、ポーチをバッグから取り出すのはどんな時で、その時何を使っているかを具体的に思い返すと良いでしょう。――モノが決まったら、しまうワケですが、しまい方のポイントは?村上さん:縦に入れることがポイントです。原則的に、モノは立てて入れたほうが中身が見えやすく、出し入れしやすくなります。ですから、内側に仕切りがついているモノがおすすめです。そして、ポーチの次はバッグというふうに、小さなステップアップの積み重ねで、だんだんと片づけの範囲を広げていきましょう。――ちなみに、私はよくバッグの中をごちゃごちゃにしてしまい、すぐに必要なモノが取り出せずに焦ってしまうことが多いのですが…。村上さん:それは、モノの定位置(入れる「場所」)が決まっていないからです。これを解決するために、バッグの中身はまず大きいモノから入れて、モノの定位置を決めましょう。例えば、ノートPCやタブレットを入れれば、自然とバッグの中が2つのゾーンに仕切れますよね? また、小さいモノは、バッグインバッグのような小分けの仕切りを利用して、モノが動かないように入れることがポイント。こうすることで、バッグの中でモノが行方不明になることを防げます。また、入れ方はポーチの時と同様に、立てて入れること。モノが見やすくなり、出し入れもしやすくなります。■家の片づけ「引き出し、棚、箱など小スペース」からスタート――これらの片づけを、家の片づけに応用するにはどうしたらいいのでしょう?村上さん:家に応用する時も、すぐ完結できるような小さなスペースから始めましょう。例えば、引き出しや棚、小さな箱の中、などがおすすめ。「できた!」の達成感を積み上げることが大切です。――引き出し以外に、片づけやすい場所はありますか?村上さん:人にもよりますが…例えば、食品は賞味期限があり捨てる基準が明確なので、片づけやすいかもしれません。でも、食品庫や冷蔵庫全体とするとハードルが高すぎるので、「まずは食品庫のこの棚だけ」とか「冷蔵庫のドアポケットだけ」というふうに、範囲を限定しましょう。そして、だんだんと広げていきます。――小スペースから広げること以外に、片づけにおいて気をつけるべきことはありますか?村上さん:片づけは1回で終わることではない、ということです。よく、片づけが苦手な人は1回片づければそれで全部終わる、と思いがちですが、片づけはずっと続くことなので、むしろ片づいた状態を維持する方が大変です。最初にお話しした財布の整理のように、「場所、量、入れ方」の3つの片づけステップを、いかに日々の生活のルーチンに組み込めるか。片づけ成功の秘訣は、そこにかかっているのだと思います。確かに、どんなにキレイに片づけても、家は片づいたそばから、どんどんと散らかっていくもの。まずは、無理ない小さなスペースから始め、それを日々のルーチンに組み込んで、片づいた状態を維持してみる。そして、少しずつ範囲を広げていくことが大切なのだと教えていただきました。次回は、「片づけが苦手な家族の対処法」ついておうかがいします。参考図書: 『発達障害の人の「片づけスキル」を伸ばす本』 (講談社)片づけや整理整頓についての本を読んでその通りにやってみたけれど、どうもうまくいかなかったという人、現状を変えたいけれど、どこから手をつければいいのかわからないという人へ。アスペルガー症候群の当事者である著者ならではの工夫によってできあがった、挫折しない「片づけのしくみ」を作るコツがつまった一冊。取材・文/まちとこ出版社N
2019年03月01日ダウン症のある人たち、みんなさまざまな個性がある!Upload By 発達ナビ編集部2019年2月11日、新宿・四谷区民ホールで「世界ダウン症の日キックオフイベント2019」が開催されました。国連制定の「世界ダウン症の日」である3月21日に向けて、全国各地でさまざまなイベントが予定されています。そのまさにキックオフとなるイベントです。ところで、なぜ3月21日が世界ダウン症の日なのか知っていますか?ダウン症がある人は「21番目の染色体が3本ある」ということから定められました。ダウン症のある人には、知的な発達はとてもゆっくり、筋力が弱め、心臓病など合併症がある場合もある、といった特徴があります。かつては短命といわれていましたが、医学の進歩に伴って、今では60歳代になっても元気に生活をしている人もいます。おおらかで人懐こく、ダンスや歌が大好き。就労している人もたくさんいます。もちろん、個性はさまざまなので、そうではない人もいます。Upload By 発達ナビ編集部そんなダウン症のある人たちについて、一般的にはまだ知られていないことがたくさんあります。ダウン症のある赤ちゃんや小さい子どもを育てているママやパパにとっては、「これからどんな大人になっていくんだろう?」という思いもあります。赤ちゃんから大人までたくさんの人たちが集まり、ステージやブースでの活躍の姿が見られるイベントは、ただ仲間が集まるお祭りではなく、さまざまな人同士の交流の場ともなっていました。ロビーでプログラムなどの資料を配るのは、ダウン症のある成人した人たち。お客様を迎えるのがうれしい彼らは、来場者に積極的に近づき、にこやかに手渡してくれました。ステージではダウン症のあるたくさんの人たちの「今」が見られましたUpload By 発達ナビ編集部ステージで繰り広げられるプログラムの司会は、フジテレビアナウンサー・笠井信輔さんと、「ダウン症のイケメン」タレント・あべけん太さん。このペアでのキックオフイベントの司会はすでに3回目。息もぴったりで、「まるで漫才コンビみたいになっているよね」と笠井アナ。けん太さんが突然アドリブをはさみこむと、「台本にないことやってる!」と盛り上げます。Upload By 発達ナビ編集部チーム・ラミ・ドリームチームによるチアダンスから、プログラムがスタートしました。知的障害のある若者たちのビューティーコンテスト「スペシャル・ビューティー・ジャパン」の参加者と、チアダンスチーム「柏ゴールデンホークス」とが一緒になって結成されたダンスチームです。このチームをサポートしている横浜DeNAベイスターズのアレックス・ラミレス監督からもメッセージが届きました!元気な音楽で力いっぱい踊るドリームチームのメンバーたち。ステージで踊った感想を聞かれると、「楽しかったです」「はじめてでしたけど、本番でもがんばりました」「家ではいっぱい練習しました」と、ハキハキと答えていました。Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部毎年発表されている、ダウン症をもっと知ってもらうためのポスター。この日、2019年版が発表されました!ステージ上のスクリーンにあらわれたのは、着物も所作も美しい、茶道のお点前をする女性の姿。モデルに選ばれた澤田仁美さん(33歳)は小学校4年生の頃から茶道を習い、熱心に練習を重ね、今は裏千家の準教授の許状も取得しました。この日は、仁美さんとご両親そろってステージに登場。母・博子さんが、仁美さんの小学生だったころのエピソードを披露しました。Upload By 発達ナビ編集部第一部の締めくくりに、JDSアピール文の採択がされました。これは毎年、ダウン症のある本人たちに読み上げてもらう「宣言」です。ダウン症がある9人の20代の若者が壇上に上がり、アピール文を読み上げたあと、会場からの大きな拍手で「採択」されました。**************「Leave no one behind.」(リーブ・ノー・ワン・ビハインド)私たちはみんな学んだり働いたりがんばっていますそれぞれ好きなことを楽しんでいますもっともっと幸せになりたいです私たちは考えていますだれひとりのこらずみんなが その人らしく 安心してくらしていけるように!Leave no one behind(リーブ・ノー・ワン・ビハインド)**************ダウン症のある本人たちが、自分たちの言葉で生活を語る!休憩をはさみ、第2部の始まりは「ダウン症のあるご本人3人の発表とトークセッション」からスタートしました。埼玉県の戸田萌葉さん、佐賀県の西村嘉浩さん、神奈川県の香川真穂さんが、今の暮しについて、自分の言葉で発表。各自の発表のあとに、日本ダウン症協会の玉井代表理事と笠井アナウンサーとのトークセッションという形式で進行しました。Upload By 発達ナビ編集部最初に登場した戸田萌葉さんは18歳。趣味は歌うことと踊ることだそう。エレファントカシマシと忌野清志郎が大好きで、カラオケで歌うのが楽しみ、と発表しました。玉井代表理事「歌、好きなんですね。どうやって歌を覚えるの?」戸田さん「ウォークマンでよく聞きます。学校では聞いてはいけないので、もっていきません」笠井アナ「カラオケは誰と行くんですか?」戸田さん「カラオケは、おかあさんといっしょに行きます。時間は1時間と決められています。ダンスも大好きで、『ポップコーン』(ヒップホップ系のステップのひとつ)を踊ってます。テンポが速くて、ステップがいいんです。先生に教えてもらえるし、みんなで新しい曲を踊ったりするのが楽しい」トークのあとに、エレファントカシマシの「今宵の月のように」を歌いました。Upload By 発達ナビ編集部次に登壇したのは、佐賀大学附属特別支援学校高等部2年生の西村嘉浩さん(17歳)。バドミントン、空手、水泳、絵、買い物・料理、さまざまなことにトライしている様子を「自分ができたこと、これから頑張ること」としてまとめ、自作のパワーポイントのスライドを使って発表しました。そして、「ぼくたちはいろいろなことにチャレンジして、将来の夢のためにつないでいきたいです。仲間と仲良くしていきたい。夢は独り暮らしです」と力強い言葉で締めくくりました。玉井代表理事「いろいろなことにトライしていますね。いちばん好きなのは?」西村さん「大きな絵を描くこと。みんなと活動するのが楽しい」笠井アナ「ダウン症のある人は、ひとつのことに熱中する人が多いと聞いたけど、いろいろなことにがんばっていますね。いろいろ習っていて忙しいでしょう?」西村さん「はい、ばたばたしています」発表の中でも、佐賀支部に所属する女の子とSNSや電話で連絡を取り合っているという話がありました。そのことを聞かれた西村さんは、しっかりと結婚観も語ってくれました。「ぼくは彼女と結婚したいです。でも、彼女は結婚はしたくないっていう。だからもっと説得しないと!(彼女は)僕と同じ高校生なので、大人になってから結婚するんだと決心しています。まず一人暮らしをして、給料をもらえるようになったら、二人で暮らしたいです」Upload By 発達ナビ編集部3人目は、24歳の神奈川県の香川真穂さんです。ハンバーガーショップで働くようになって3年になりますが、就職が決まるまでの紆余曲折について発表しました。就労支援の勉強会で企業合同面接を受け、現在働いているハンバーガーショップを含めて3社を受けた結果は、全て不採用。がっかりしたけれど、かえって勇気が湧き、やはり「どうしてもハンバーガーショップで働きたい!」と、職業訓練などを受けて再度チャレンジしたそうです。そしてとうとう、夢だったハンバーガーショップに入社しました。「働くことができてうれしいです。あったかいハンバーガーをつくりたい」と、香川さんはにこやかに語ります。笠井アナ「スマイル、すてきですね」香川さん「まわりの方にもそう言っていただきました」玉井代表理事「学校のときの友だちが食べにくることもありますか?」香川さん「高校時代の友だちは、また別のところで働いているので、なかなか来てはもらえないんです。もっとたくさんハンバーガーつくって、たくさんのお客様に食べにきてほしいので、がんばっています」3人の発表のあと、笠井アナはけん太さんにも質問をしました。笠井アナ「けん太の就活はどうだったの?」けん太さん「11社受けて全部落ちて、やっと最後、今のところに決まったんですよ」笠井アナ「働けるって、どう?」けん太さん「働けるって気持ちいい!」と、高らかに宣言したけん太さんは、とてもたくましく見えました。3人の発表の後、ステージにはダンスミュージックがかかり、華やいだ雰囲気に一転。今年のダウン症啓発チャリティTシャツのお披露目ファッションショーがはじまりました。このパートの司会は、笠井アナから、フジテレビの上中勇樹アナウンサーにバトンタッチ。上中アナの妹さんにはダウン症があります。この日は客席で、ステージにいる兄の姿を見守っていました。日本ダウン症協会は、チャリティTシャツのブランドJAMMINと一緒に、4年前からTシャツを作っています。「23個並んだモチーフの21番目だけが、ほかと違ってどこかが3つある」というのがデザインのテーマ。これまで、葉っぱ、自転車と三輪車、おうちの窓がモチーフになりました。今年のTシャツのモチーフは「時計」。日本ダウン症協会の会員にアイディアを募集。「『誰にも24時間は平等だよね』と思い、どんな人も一瞬を大切にして人生をまっとうできたらという意味も込めています」(アイディアを寄せた会員さんの言葉)。※Tシャツの販売は、2019年2月24日までで終了Upload By 発達ナビ編集部ファッションショーのモデルは、ダウン症のある子ども・大人と、そのサポーターの方たちです。ステージには、さまざまな組合せのモデルが登場しました。親子、きょうだい、祖母も含めて3世代家族で。中学校が別々になるお友だちと小学校卒業記念に。引っ越す前に保育園のお友だちと。担任の先生と。家族ぐるみのお友だちグループも。ラストには、知的障害のあるファッションモデル「スマイルモデル」として活躍している方や、スペシャルビューティーコンテスト(知的障がいのある方のビューティコンテスト)ファイナリストも登場しました。ショーモデルに公募で選ばれたメンバーは、この日の午前中、ウォーキングの特別レッスンを受けました。レッスン指導は一般社団法人スマイルウォーキング倶楽部が行いました。代表理事の髙木真理子さんは次のように話しました。「はじめからこんなに格好よくポーズを決められたわけではありません。立ち姿はトレーニングで変わります。人前に立つのが楽しい、見られてうれしいと体感することで自信がつき、外に出ていきたい気持ちが強くなるんです。これから、もっともっと社会に出て、可能性を感じて世界へもチャレンジしてほしいです」イベントに出かけてみると、何かがわかる、何かが変わるUpload By 発達ナビ編集部イベントに参加していた、渡辺楓香ちゃん(3歳)のママ、渡辺かなこさんにこの日の感想を聞きました。「こうして、大人になった人が夢を語ってくれると、可能性を限定してはいけないと、あらためて思います。ダウン症のある人は、こういうものだと、どうしても決めつけがちになりますが、親の私たちの意識も変えていかなくちゃと思います」たくさんの個性が披露された1日。ダウン症のある人たちの今と未来がいっぱい詰まっていたイベント。このあと全国各地でのイベント情報は、「世界ダウン症の日」2019のサイトに掲載されています。近くのイベントに足を運んでみては?また、2019年11月には、日本ダウン症会議の開催が予定されています。ダウン症に関する最新の研究の報告のほか、ダウン症のある本人たちによる生活についての発表も予定しています。日本ダウン症会議|日本ダウン症協会たくさんの家族やお友だち同士が、イベントに参加していましたUpload By 発達ナビ編集部写真は、ロビーで行われたハンドスタンプアートプロジェクトに参加した2歳の男の子とご両親(右上)、ファッションショーに参加したお友だちの応援に駆けつけた2歳の女の子とご両親(右下)、「休憩時間、ロビーでの出展ブースも楽しかった!」という2歳半の女の子とママと、あべけん太さん、日本ダウン症協会理事・水戸川真由美さん(左上)、22歳と25歳の女性は同じ作業所で働くお友だち同士(左下)。みなさんの笑顔が印象的でした!日本ダウン症協会では、ほかのさまざまな障害者の親の会や支援団体とも交流しています。参加して、知ることでわかる、ということを体感しに出かけてみませんか?取材・文/関川 香織(K2U)写真提供/日本ダウン症協会取材協力/日本ダウン症協会参考:日本ダウン症協会
2019年03月01日最近、さまざまな片づけのメソッドが巷にあふれています。「断捨離」に「ときめき」、「ミニマリスト」など…日本の片づけメソッドは、アメリカで一大ブームを引き起こすほどにもなっています。しかし一方で、いろいろなメソッドを試してみたものの、うまくいかなかったという人も多いのではないでしょうか?そんな方におすすめしたいのが、 『発達障害の人の「片づけスキル」を伸ばす本』 。実は、著者の村上由美さんは片づけの専門家ではありません。本業は言語聴覚士で、主として発達障害や知的障害を持つ子どもたちやその家族を対象に、発達支援の仕事に20年近く従事しています。そんな村上さんもASD(自閉症スペクトラム障害)を持つ発達障害当事者で、発達障害の特性としてよくあげられるように、以前は、本当に片づけが苦手だったそうです。本書には、そんな発達障害当事者ならではの工夫によって編み出された片づけのコツがつまっています。一体どんな方法なのでしょうか? お話をうかがってきました。お話をうかがったのは…村上由美(むらかみ・ゆみ)さん言語聴覚士。上智大学文学部心理学科、国立身体障害者リハビリテーションセンター学院(現・国立障害者リハビリテーションセンター学院)聴能言語専門職員養成課卒業。重症心身障害児施設や自治体などで発達障害児、肢体不自由児の言語聴覚療法や発達相談業務に従事。著書に『アスペルガーの館』(講談社)、『声と話し方のトレーニング』(平凡社新書)、『ことばの発達が気になる子どもの相談室』(明石書店)、『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に暮らすための本』(翔泳社)などがある。■「片付けはしないとダメ?」片付けるメリット、片付けないデメリット――以前の村上さんは、本当に片づけが苦手だったそうですが、どんなことがきっかけで片づけに目覚めたのでしょう?村上由美さん(以下、村上さん): 私は30歳くらいまでは、片づけが大嫌いでした。実家で暮らしていた頃は、床一面にモノを散らかしていて、母によく「片づけなさい!」と怒られましたね(苦笑)。なぜ片づけなかったかと聞かれれば、そもそも、私自身が片づけの必要性を感じていなかったのです。――散らかっている状態でも、村上さん自身には、特に支障はなかったのですね?村上さん:「片づけなさい」と怒られて、嫌な気持ちになることばかりに気をとられてしまって…。でも、さすがに自分自身も薄々わかっているのです。いつかは片づけなくてはならないということは。それで部屋がどうにもならない状況になってから、年に2回くらい重い腰をあげて片づけるワケですが、そういう状況になってからの片づけはものすごく大変で…。とにかく、片づけに対して、ネガティブなイメージしか持てなかったのです。――でも、「このままではマズイ」と、ある時気づいたのですよね?村上さん:私の場合、私が片づけないことで、職場のほかの人が困る事態が発生して…。上司から注意を受けたことがきっかけでした。自分ひとりの問題ならともかく、他人の迷惑になるとわかった時点で、「こりゃ、片づけないとまずいぞ!」となったワケです。――以前の村上さんのように、片づけが苦手な人には、「そもそも、その必要性を感じていない」という人も意外と多いように思います。村上さん:そういう場合は、本人が我に返らないとなかなか難しいと思います。私もそれまで、「片づけ」は自分の好きなことができる時間を犠牲にしてやらなければならないこと、と思っていましたから。まるで、良いことと嫌なことをトレードオフするようなイメージ。で、片づけで得られるメリットと、片づけないままのメリットを比べた時、片づけないままでいるメリットの方が、私の中では大きかったのです。でも、それが一気に逆転して、デメリットが増えてしまったワケ(苦笑)。また、最近よく思うのは、片づけって結局、他人との円滑なコミュニケーションのためでもあると思うのです。――どういう意味でしょうか?村上さん:きちんと片づけていれば、他人に用事を頼めるんですよ。例えば将来、私に介護が必要になった時、ヘルパーさんに「〇〇は△△に入っているからお願いします」と頼めます。ですが、もし家の中が、自分でも何がどこにあるのかわからない状態だったら伝えられませんよね?よく「なんで片づけしなくちゃいけないの?」と嘆く人もいるのですが、片づけって、ゆくゆくは自分のためになるのです。結局、コミュニケーションのためのインフラなのです。■片づけ下手はまず最初に「しまい場所決め」から手をつける――村上さんは片づけの必要性に目覚めたわけですが、30年ほど片づけをしていなかった(?)状態から、どうやって一気に巻き返したのでしょう? 村上さん:いったんスイッチが入ると、ASDならではのモノごとをとことん突き詰める特性が発揮されたのだと思います。まず、「片づけとはどういうことか?」を考え、次に片づけに必要な行動を分析し、「自分がどこでつまずいているからうまくいかないのか?」を洗い出しました。――そこで洗い出された、つまずきとは?村上さん:私がつまずいていたのは、次の3つでした。1.モノの出し入れを面倒に感じていること。2.片づけが苦手なのに「その気になればすぐできる」と自分の能力を過大評価していたこと。3.「そもそも何のために片づけをするのか」をよく理解していなかったこと。いろいろ調べるうちに、自分が片づけをする目的は「仕事と家庭の両立のために、家の中を使いやすくすること」と明確になりました。理由がわかったので、次は具体的な行動に落とし込むスキルを研究しました。――そこで、この本で紹介されている3つのステップを編み出したワケですね?村上さん:片づけに必要なのは、次の3つのステップです。1.場所:目的にあったしまい「場所」を決める。2.量:しまい場所に入りきる「量」を決める。3.しまい方:しまい場所に合った「入れ方」を決める。まず、一番最初に決めるべきは、モノのしまい「場所」です。すぐ出せる場所、簡単にしまえる場所を決めることで、使いやすく散らかりにくくなるからです。次に、「量」を決めます。すでに「場所」が決まっているので、そこに入るだけの量に減らします。最後は、「入れ方」。どう入れると出し入れしやすいか考えます。――まず、はじめに「場所」を決めるのですね? よく言われる「量」の方ではなく?村上さん:まず量を減らそうとすると、モノの「要・不要」を決めることになり、片づけが苦手な人にとっては、なかなかむずかしいのです。判断に迷うばかりで、挫折してしまいがちです。例えば、量を決めるにしても、決められた場所に入りきる量、というような目に見える尺度に沿って進めていく方が、片づけが苦手な人にはわかりやすいのです。ですから、最初に場所を決めることが大事。――村上さんは、この3つのステップで、長年苦手だった片づけが得意になっていったのですね?村上さん:片づけができるようになってから、モノが思った通りの場所にあり、やりたいことがすぐできる生活はなんて快適なんだろう! と感動したくらいです。逆に、「今までの私はどんだけ損していたんだ!? と後悔しきりでしたね(笑)。もちろん、どちらの生活を選ぶかは個人の自由ですが、どちらも経験している私からすると、もう以前の生活には戻りたくない、というのが素直な実感ですね。村上さんに、「片づけはコミュニケーションのためのインフラ」と言われて、妙に納得してしまいました。確かに、介護までは想像できなくても、例えば、自分が病気で寝込んだ時、家の中が片づいていれば親やヘルパーさんに手伝ってもらいやすいですね。さらに、わかりやすくラベリングされていれば、熱に浮かされながら、いちいち人にモノの場所を説明せずにすみそうです。次回は、「片づけが苦手な人はまず何からはじめるべきか?」をテーマに、具体的な片づけ方法をうかがっていきます。参考図書: 『発達障害の人の「片づけスキル」を伸ばす本』 (講談社)片づけや整理整頓についての本を読んでその通りにやってみたけれど、どうもうまくいかなかったという人、現状を変えたいけれど、どこから手をつければいいのかわからないという人へ。アスペルガー症候群の当事者である著者ならではの工夫によってできあがった、挫折しない「片づけのしくみ」を作るコツがつまった一冊。取材・文/まちとこ出版社N
2019年02月28日今できなくても、大人になれば「帳尻」が合うこともある出典 : 人の「発達」は、必ずしも連続的に右肩上がりに伸びるとは限りません。ある時期まで全くできなかったのに、ある時期から急にできるようになる、ということがあります。たとえば、排泄の自立を考えてみましょう。読者のみなさんの中には、オムツを1歳で取ってしまった人もいれば、4歳頃まで取っていなかった人もいると思います。もし4歳までオムツが取れなかったとしても、大人になってそのことを恥だなどと思っている人はまずいないでしょう。ところが、4歳までオムツが取れなかった人の場合、2歳でまだオムツが取れていなかった頃、その人の親はとても心配していたかもしれません。オムツが取れている子が周りに着々と増えてきているのに、「うちの子はまだ取れていない」と焦るわけです。でも、大人になってから振り返れば、オムツがいつ取れたかなど、どうでもいい話。後になって考えるとムダな焦りだったと言えるかもしれません。同じようなことが、発達障害の人の場合にもあるのです。あいさつできない発達障害の子どもたちは問題なのか出典 : たとえば、あいさつを考えてみます。発達障害(とくに自閉スペクトラム症)の人たちの多くは、4〜5歳だと、まだ自発的にきちんとあいさつすることはできません。しかし、大人になると、職場などでのあいさつはある程度上手にできるようになります。いったんできるようになってしまえば、いつからできるようになったかは問題になりません。ところが、まだあいさつができない時期に、親や周囲の人たちは、それを問題にしがちです。私の印象では、発達障害の人が周りに目を向けて、社会的に行動することに気を配り始めるのは、中学生以降であることも珍しくありません。5歳頃、ほかの子どもたちがにこやかにあいさつを交わしている中で、発達障害の子どもはあいさつを無視してしまったり、あいさつなどしないで、いきなり本題に入ってしまったりするわけです。そうすると親は気にして、「きちんとあいさつをしなさい!」と言って、頭を押さえつけてあいさつさせようとしたりします。時間が経てば、できるようになるはずなのですが、ほかの子どもたちと同じ時期にできるようになっていないと、親はとても不安になります。これは、オムツと同様にムダな焦りなのではないでしょうか。発達障害の人たちには、特有の発達スタイルがある。それをきちんと理解しておくことが大事です。「この子は、いまはあいさつをしないけれども、発達の特性があるから、あいさつを身につける時期が通常とは違う。いま無理に教えなくても、いずれできるようになるのだ」という見通しさえ持っていれば、別に焦らずにすむわけです。4~5歳の発達障害の子どもに「大人へのあいさつ」を教え込むことは、難しい場合が多いでしょう。でも、小学校中学年から高学年にかけて丁寧に指導すれば、比較的簡単に定着します。もちろん、すべての領域が大人で帳尻が合うわけではありません。たとえば、微妙な空気を読むことを教えても、残念ながら限界があります。発達障害の特性には、大人になって困りごとが軽減するものもあれば、困難がなくならず支援が必要な領域もあります。身長の伸びはもともとの素質による出典 : さて話は変わりますが、私の身長は164cmです。身長がどの程度まで伸びるかは、遺伝でかなり決まっています。子どもの頃から身長が低かった私は、思春期には、「どうすれば身長がもっと伸びるのだろう?」と悩んだ時期もありました。周りの人からは、「もうあと1cmだから、そのうち165cmは超えるよ」などと慰められたこともありました。しかし、結局 164cmで身長の成長は止まり、そのまま数十年が経過しています。おそらく私は、一生165cmに達することなく人生を終えるでしょう。身長の伸びと同様に、精神機能のさまざまな領域の発達においても、個人差は存在します。それぞれの発達スタイルがあり、中には成人期までに帳尻が合う領域もあれば、残念ながら、平均的な水準に達することのないまま終わるものもあるかもしれません。このあたりのことは、とても難しい問題です。遺伝的に身長が低い人でも、児童期のうちに成長ホルモンを人工的に投与すれば、もっと伸びることがあります。実際、著しい低身長の子どもでは、そのような治療を行う場合もあります。私も、もし、子どものときに成長ホルモンの治療を受けていたとしたら、いまよりも身長が高くなっていたかもしれません。平均値に届く・届かない能力は必ず存在する出典 : しかし、もし、世の中の身長の低い人がみんな成長ホルモンを使ったら、どうなるでしょうか?平均身長が上昇して、その中で、また平均値に届かない低身長の人が出てくるだけのことです。同様のことは、知能や学力についても言えます。数値化できませんが、「空気を読む」「微妙な対人関係の調整をする」などの能力についても相対的なものですので、周囲の人よりも苦手なことが多く、生きづらいと感じる人は、どうしても出てくる可能性はあります。人に多様性がある限り、社会的に不利な少数派の人たちは、必ずある一定の割合で存在します。そのような場合には、福祉的支援を受けることをためらってはなりません。苦手の克服が美徳とは限らない出典 : 教育界にしばしば見られる幻想ですが、「どんな人でも時間をかけて繰り返し量をこなせば、必ずできるようになる」という考えを持つ教師がかなりいます。また、何かを目指すときには、苦手なことを克服することが美徳だと、私たちは思いがちです。漢字が苦手なら、ドリルを30ページやればよい。そんなふうに量をこなして時間をかければ覚えられるはずと考えがちです。しかし、それがうまくいかないのが発達障害の人たちなのです。苦手の克服を最優先課題にするのは、発達障害の人たちにとってはしばしば逆効果となり、特訓すればするほど嫌いになってしまいます。発達障害の人の特性について、広く知っていただきたくて、『発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』『自閉症スペクトラム』(いずれもSB新書)という本にまとめました。発達障害の特性について関心のある方には、ぜひお読みいただければ幸いです。
2019年02月28日ご飯が熱い!癇癪をおこした長男ある日、夕飯を食べていたときのことです。炊きたてのご飯をほおばった長男は、思いのほか熱かったのでしょうか。私が目を離したすきに、あろうことかご飯の入った茶碗をテーブルにひっくり返しました。Upload By シュウママ振り返ると、長男は怒ったような顔をしながら固まっていました。長男は、癇癪をおこすとよく物に当たります。やってしまった直後はだいたい硬直しています。衝動的に動いてしまって、後で反省するというのがパターンですが、そもそもひっくり返しちゃダメです。私は長男に向き合って叱ろうとしました。叱ろうとした瞬間、長男が発したひとことすると長男は大きな声で言いました。Upload By シュウママ私は一瞬耳を疑いました。先に食べ終わって本を読んでいた次男も一瞬意味がわからず、ぽかんとしていましたが「いや、オイラやってないし」と抗議しました。ところが長男はさらに「おとうとくん、やったねえ」と言うではありませんか。一度ならず二度までも…。バレバレではあるものの長男が初めて嘘をついたのです。初めての嘘に感心…している場合じゃなかった!そのとき、私が一瞬思ったのは、「嘘をつけるようになるなんて、成長したな…!」でした。ついこの間まで、単語もろくに言えなかった長男が、自分の行為について考えを巡らせ、自分を守ろうと言葉を選んで話したということが、なにか感慨深かったのです。イヤイヤ!もちろん、自分を守るためとはいえ、他の人がやったことにするのは、ついてはいけない嘘です。ここはきちんと説明して叱らなければいけません。けれど説明して長男に伝わるだろうか…?どうやったらわかってもらえるだろうか…。そう考えたとき、ふとある考えを思いつきました。どうやって「それはダメ」を伝える?私は次男にこっそり耳打ちしました。Upload By シュウママ私が作戦を説明すると次男もノリノリで参加してくれました。そして、私は次男に向かって「ご飯をひっくり返すなんて、なんてことするんだ!」と言って次男を叱っているふりをしました。「えーん。オイラやってないよ」と次男が泣き真似をしても「嘘だ。認めてちゃんと謝るんだ!」と、続けて怒りながら横目で長男の反応をうかがいました。Upload By シュウママ効果てきめん!反省した長男すると長男は自分がついた嘘で弟が理不尽に怒られている…という状況を理解できたのでしょうか。口を開けてすくみあがっています。Upload By シュウママ私は長男の方に向き直り「茶碗ひっくり返した人は誰?」と聞きました。すると長男は泣きながら手を挙げました。Upload By シュウママ十分反省しているように見えました。「嘘をついたらいけないよ」と私が言うと、長男はこくりと頷きました。その日以来、長男が自分でやったことを次男のせいにしたことはありません。子どもの心や言葉の表現力が成長していくことはとても幸せなことです。けれど、発達障害であってもそうでなくても、悪知恵も同時に育っていくので、気をつけていかないとな…と思った出来事でした。
2019年02月28日発達障害のある長女と5歳年下の長男、どこが違う?広汎性発達障害のある7歳(小2)の娘には、2歳の弟がいます。おしゃべりも上手で、着替えや食事といった自立も早い息子。5歳の歳の差がある二人ですが、息子がすごい勢いで娘に追いつきつつあります。同じことを何度も教える必要がある娘と、気がついたらできるようになっている息子…。Upload By SAKURA何故ここまで違うのか…普段の過ごし方に、何か基本的な違いがあるのではないか…そこから娘に何か活かせることはないか…。そう思い、現在7歳の娘と、2歳の息子の違いを、よく観察してみると、あることに気がつきました。マイワールド全開な娘、一方息子は?普段娘は…Upload By SAKURA目線は、テレビや本、ゲーム機にあり、用事があるときか、呼ばれた時しか私のことを見ません。さらに、何かを教えている時も私の手元を見ていなかったり、違う方を見ているので、「こっちを見ないとわからないよ?」と促さなければいけません。一方息子は…Upload By SAKURAテレビがついている時も絵本を読んでいる時も、私をチラチラ確認していて、私が何かを始めると「なにしてるの?」と聞いてきます。そして私の動きをじーっと見つめるのです。そうやって息子は、吸収しているのです。わからない言葉に出会った時、二人の反応はさらに言葉に関しても二人には大きな違いがありました。Upload By SAKURA娘は、質問しても聞くまでで満足しているのか、私の答えをほとんど聞いていないことがあります。結局、教えた言葉は使うことはなく、その後もまた同じことを聞かれることもよくあります。Upload By SAKURA一方息子は、教えた言葉を必ず繰り返し、その説明を最後まで聞きます。そして教えた言葉を、不確かな状態でも使おうとします。そこで私がまた訂正して教えることで、息子はどんどん言葉を覚えていくのです。コミュニケーションが苦手な娘に、ちょうどいい見本娘は、人とのコミュニケーションや言葉が苦手な特性があります。自分以外の人の動きに目を向けないのも、説明を最後まで集中して聞くことができなかったり、教えた言葉をなかなか覚えられないのも、その特性からくるところなのでしょう。それは十分理解している私ですが、だからと言ってこのままでいいというわけではありません。他の人がなぜ、色んなことを自分よりも覚えるのが早いのか…それを意識させ、学ばせる必要があります。その他の人…として、身近で、ちょうどいい見本になるのが息子です。Upload By SAKURA今はなるべく意識して、息子の行動を見せるようにしています。「あぁ!そうやるんだ!」と思ったり「悔しい!私もできるようになりたい!」という気持ちが生まれたり、少しでも成長する刺激になるかもしれない…と思ったのですが…きっといい影響がある!今はきょうだいの成長が楽しみ今はまだ、弟の行動を見ても悔しいという気持ちにはならない様子の娘。これからどんどん息子の言葉が成長して、もしかしたら娘の言語能力を追い抜く日も来るかもしれません。でも私はその日が怖いとは思っていません。私は、息子の存在はきっと、娘に必ずいい影響を与えてくれると信じています。だから、追い抜かれそうになった娘がその時どう感じるのか、ちょっと期待しているのです。姉として弟の見本になろう!って思ったり、弟の行動からヒントをもらえたりする関係になればいいな~と思っています。今は娘同様、息子の成長も楽しみにしています。
2019年02月27日うつ病になって10年、同じように悩む人と「どうしたらいい?」を考えるために前回、私がうつ病だということをカミングアウトしました。少し前の私のように、人知れず悩んでいる人は、きっといっぱいいるんじゃないかと思います。今、一人で悩んでいる人と、一緒に「どうしたらいいのかな?」を考えるために、慶應義塾大学で精神・神経科学教室特任助教などを務める、増田史先生に伺ったお話を紹介します。第1弾では、私が一番気になっていた「うつ病の治癒」について聞いてみました。今回は、引き続き増田先生にうつ病のサイン、そして受診のタイミングについてお伺いしました。根性でなんとかなると思っていた!Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみあのとき布団の中で感じていた不安や恐怖こそが、パニック障害の発作でした。息子もまだ小さく、仕事も多く抱えていたこの時期。うまくいかないのは努力が足りないからだと思い込んでいたせいで、自分をいたわることも、誰かに泣きつくこともありませんでした。自分の不調にたまらなく不安を抱えていたのに、夫に冷たくされたときは心から悲しくなりました。家族がいるのに頼れない状況に「頑張らなきゃ」、「ちょっと疲れていただけだろう」と、自分に言い聞かせていました。それも限界に達したとき、突然、目の前が真っ暗に。まっすぐ歩けないし、子どもの声もよく聞こえない、食べ物の味もわからない状態に…。他に頼れるところがなく、自ら病院に行くことにしました。Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみあなたの周りにもこんな人いませんか?Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみ病院に通うようになって10年ちょっと。薬のおかげで眠れるようになり、パニック障害の発作もほとんどなくなりました。仕事、家事、子育てと、ストレスのない人はいないんじゃないかと思うほどに、女性は多くの役割と重要な立場を担うようになりました。「ワンオペ育児」という言葉があるくらい、まだまだ子育ては、ブラックな労働環境と同じ…。母親たちのイラ立ちのほとんどは、家族や周囲の人を含め、社会が「わかってくれないこと」だと思います。その「わかってくれない」ことの積み重ねか否かはわかりませんが、私はうつ病になりました。症状はシンドさだけではなく、命の危険を感じて、病院に行きました。増田先生のお話から、改めて自分自身の異変だけでなく、周りの人が気づいてあげられる変化のサインがあることがわかりました。そして、そのSOSにきちんと気づくことが重要なんだと思いました。まずは自分の異変に気づいたら、早めに病院の門を叩いてみてください。風邪と同じく、心の風邪もこじらすと私のように長引く可能性もあります。LITALICO発達ナビでは、ライター・ひらたともみさんの連載の一環として、ユーザーのみなさまから、子育てや家事、仕事、体調のことで困った体験や悩んでいることなどのエピソードを募集いたします。みなさんの体験や相談が、同じように悩んでいる人の参考になるかもしれません。一緒に「これからどうしたら?」を考えてみませんか?ご応募をお待ちしております。
2019年02月25日「なんで同じようにできない?」まわりと比べて自信をなくした子ども時代出典 : 私は物心ついたころからまわりと違う自分が嫌いでした。例えば、真夏の晴天の日。元気に外で遊ぶほかの子に対して、まぶしくてほとんど目も開けていられない私。プールで遊ぶときに、楽しそうなほかの子たちと、水に顔をつけるのが怖い私。当時は、みんな自分と同じ感覚なのだと思っていました。なので、「みんなこんなつらい状態で頑張ってるのにどうして自分は同じようにできないんだろう」と考えてしまい、どんどん自分がダメな人間だと思うようになっていきました。小学生で不登校になってからは自分の将来を悲観してしまい、さらに自分を嫌いになっていきました。そんな私も中学校に入ったころに、プログラマになりたいという気持ちを強く持ちました。「こんなに楽しくて、ずっとやり続けたいことが見つかるなんて!」。将来を悲観していた私にとって、大きな前進です。このとき、少し自分を好きになれました。それからは、もう自分を嫌いにならないよう、プログラミングに関してかなりの勉強をして努力してきました。…一見とても前向きな話のようにも思えるかもしれません。でも、今振り返ってみると、「こんなにダメな自分が唯一、人並み以上にできるのがプログラミング。これを頑張らなかったら自分には価値がなくなってしまう」と思い必死になっていた気がします。そんな気持ちでいたためか、相変わらず、まわりと自分との比較は続き、気分が落ち込んだり、ちょっと褒められると嬉しくなって調子に乗ってしまったりを繰り返していました。社会に出てうつ病に…。同業種への転職で「まわりからの評価」に変化出典 : 社会人になって、ずっとやりたかったプログラミングの仕事に就くことができました。でも、同期の人たちや先輩たちとは馴染めず、せっかく鍛えたプログラミング能力を活かすこともあまりできませんでした。当然、会社からの評価も散々でした。その後、うつ病になってしまったこともあり、失意のうちに退職。それでも、中学生のころから努力してきた思いは捨て切れません。しばらくの療養を経て、「これでダメならプログラマをやめよう」と思い、同業種の会社に転職。するとその会社では、それまでの経験からは想像できないくらい高い評価をしてもらいました!私がやっていることはそれほど変わっていないのに、周囲の反応や関係については本当に劇的な変化があったのです。■例1: 自分が最善だと思うプログラムを組んだとき1社目の場合: 「勝手なことをするな!」とか「ほかのところと同じようにすればいいから」と言われた。転職後の場合 : 「おお!その手があったか!」とか「神!」「先生!」みたいなことを言われた。■例2: 飲み会の場であまり話さなかったとき1社目の場合: 「なんだよあいつ、愛想悪いな」と先輩が言っているのを耳にした。転職後の場合: 特に陰口を言うわけでもなく、たまに話をしてくれるくらいでそっとしてくれた。これらの経験から、同じような対応や行動をとっていても、環境によって人が言ってくることや反応が全然違うんだ!ということに気づきました。「不確かなまわりの評価をずっと気にして自分を嫌いになってしまっていたのか…。なんだかバカバカしいな」と思うようにもなりました。それからは徐々に、自分が人と違うことや、どう思われているのかを気にしないようになりました。いつの間にか自分を好きになっていた出典 : 「人の評価を気にしなくていいや」と思えるようになってから、いろんな面で自分がやりたいように振る舞えるようになってきました。(まわりの人を不快にさせる言動を意図的にするようなことはもちろんありませんが。)例えば、職場の人たちからランチに誘われたとき、気分が乗らなかったら断れるように。また、自分の意見を話すとき、堂々と言い出せるようになりました。これらは単に、社会人になってから経験を積んだことで、私自身の振る舞いが、人に受け入れてもらいやすいものになっていったという側面もあるかとは思います。いろいろな歯車がようやく噛み合ってきただけなのかもしれません。でも、こうして自分が自然に振る舞える時間が増えてきたら、いつの間にか、まわりと違う自分を認めることができるようになり、自信が持てるようになっていました。自信を持てた今の私が、かつての私に伝えたいこと出典 : ありのままの自分が受け入れられていると確認できたり、自然なままの自分を誰かに否定されないことで自分は自分のままでいいんだと感じることができました。これが、自分を好きになり、自信を持てるようになった理由だと考えています。自分のことが嫌いで自信も持てなかったころの私に対して、今の私から何か伝えることができるなら、「自分が嫌いでいろいろともがいているかもしれないけど、自分が自然なままに振る舞っても普通に接してくれる人たちはいるよ。今磨いている技術力を高く評価してくれる環境がみつかるよ」と言葉をかけたいです。
2019年02月24日3歳で号泣の耳鼻科デビュー!Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子娘が初めて耳鼻科での治療を受けたのは、3歳の時でした。風邪から中耳炎になり、小児科の先生から耳鼻科の受診をすすめられたのです。近所の人から評判を聞いて向かったのは、子どもに人気があるという耳鼻科。院内にはキッズコーナーがあり、おもちゃや絵本も充実していて、確かに大人よりも子どもの患者の方が多い様子でした。(診察室からは、ひっきりなしに子どもの泣き叫ぶ声が聞こえていましたが…。)キッズコーナーのおかげで、待ち時間は大人しく過ごせていた娘ですが、いざ診察が始まると予想通りに大暴れ。私は身をよじる娘を膝に乗せて診察台に座り、鼻を吸引してもらっている間は、泣き叫ぶ娘を後ろからずっと羽交い絞めにしていました。結局娘は鼻血が出るほど暴れ、治療が終わる頃には私も汗だくに…。それからも耳鼻科通いは続き、「待合室のキッズコーナーで楽しく遊び、診察中は大暴れする」というパターンが10日間ほど続いた後、娘の中耳炎は完治しました。「治療が終わったらお菓子」で乗り切った幼稚園時代娘は幼稚園に通っている間も、何度か中耳炎になりました。赤ちゃんの頃から家でも鼻水吸引器を使っていたのですが、やはり中耳炎になると、病院で吸引してもらった方が断然治りが早い。そのため、娘が中耳炎になる度に、私は毎回汗だくになりながらも耳鼻科に通いました。すると何度も通っているうちに、娘は耳鼻科での治療の見通しを立てられるようになりました。そして年長になる頃には、治療を嫌がりはするものの、泣き叫ぶことは無くなっていったのです。娘に「治療が終わったら、好きなお菓子を一つ買ってあげる」と伝えていたので、この作戦の効果もあったのかもしれません。小学校に入学後、花粉症での耳鼻科通院がスタート出典 : 娘の幼稚園卒業と同時に、我が家は主人の転勤で引越しをしました。しばらくすると、娘に花粉症のような症状があらわれるように…。耳鼻科で検査をして、スギ花粉のアレルギーがあることが判明しました。それ以来娘は、花粉の時期になると定期的に耳鼻科通院をするようになりました。でも以前通っていた耳鼻科とは違い、強く吸引することもなかったようで少しずつ安心できるようになったためか、娘は一人で椅子に座って治療を受けられるようになりました。小学校高学年からは、少しずつ「一人で」できるように出典 : 娘が4年生になったある日のこと。耳鼻科の医師が、子ども用の吸引器ではなく、大人用の長いノズルがついた吸引器を初めて取り出してきました。それを横で見ていた私は驚いて、娘が怖がるのではないかと心配していたのですが、なんと普段と変わらない様子で治療を終えることができたのです。娘が小学校高学年になる頃には、私は最初に症状や経過だけ医師に伝えて診察室を後にし、待合室で娘の治療が終わるのを待つようになりました。中学生になると、症状を書いたメモを娘が自分で医師に見せるようになり、私は診察室に入ることはなく会計だけするように。そして高校生になると、受付から診察、会計までのすべてを娘一人で済ますようになったのです。こうした段階を踏みながら、花粉の季節がやってくると自分で耳鼻科に通うようになった娘。通いはじめの頃を振り返って考えると、ずいぶん成長しました。娘が耳鼻科に慣れていったのは「あるテクニック」のおかげだった!娘はこうしてだんだん耳鼻科に慣れていったのですが、その理由が、息子との会話の中で明らかになりました。現在小5の息子は花粉症こそありませんが、鼻風邪を引いた時などに耳鼻科を受診しています。0歳の頃から娘の通院に同行していたので、耳鼻科には慣れっこ。それでも治療に慣れない息子に、先日娘がこんなアドバイスをしていたのです。息子「俺、大人用の長いノズルの吸引器、痛くて苦手なんだよね。」娘「それ、力んでるからだよ。」息子「どうしても力が入っちゃうんだよ。」娘「ボーッとすると痛くないよ。」息子「それができないんだよな~。怖いと緊張する。」娘「ほら私、普段も結構ボーッとしてること多いじゃん?ボケーッとするの得意だからさ、力を抜けば痛くないと気づいてからは意識的に”ボケー”を発動してるの(笑)。この方法、実は注射の時にも使えるんだよ。」息子「マジか!」発達障害の娘には、自分の世界に入ってボーッとしやすいという特性があるのですが、それがこんなところで役に立っていたなんて(笑)。耳鼻科通いを通して感じた娘の成長。だから…私自身も花粉症なので、定期的に耳鼻科に通っています。そして治療がいやでむずがる子どもや、それをなだめる親御さんを見かけると、娘が小さかった頃のことを思い出すのです。声こそ掛けませんが、いつも心の中で密かにエールを送っています。
2019年02月23日