多様な経験を、支援に生かそう。福祉の仕事の基礎知識を得られ、複数の事業所と出会えるイベントを開催Upload By LITALICOキャリアLITALICOはこれまで、発達が気になる子どもの支援や、障害のある方の就職支援を通して、4万人以上の方に関わってきました。その中で感じたのは、支援する「人」の想いで、関わる人の可能性がひろがるということ。そして、支援する「人」が幸せでいることが、関わる人の幸せにつながるということ。だから私たちは、この業界で支援する「人」を増やし、想いがあって、多様な経験のある人に、この業界に関わり続けてほしいと思っています。もっと自分らしく働ける場所、困難のあるひとへのサポートが自分自身の幸せにつながる場所を見つけませんか?2019年2月に新たにオープンした、発達ナビの姉妹サイト「LITALICOキャリア」は、障害福祉・児童福祉分野に特化した求人サービス。ここでは、支援の仕事に新しく挑戦したい方、またこれから福祉業界に就職したい学生の方向けなど、「LITALICOキャリア」が開催するさまざまなイベント情報をご紹介します。【5・6月開催】LITALICOキャリア イベントラインナップUpload By LITALICOキャリア障害のある方の「働く」を支援する仕事って?LITALICOキャリアしごとフェスタ<イベント内容>・就労支援事業を展開する法人のブースを多数出展・就労支援の仕事についてゼロからわかる「まるわかりセミナー」/就職活動のコツがわかるセミナーなど、複数のセミナーを実施・業界専門のキャリアアドバイザーによる相談コーナーUpload By LITALICOキャリア発達が気になる子どもを支援する仕事って?LITALICOキャリアしごとフェスタ<イベント内容>・発達支援事業を展開する法人のブースを多数出展・発達支援の仕事についてゼロからわかる「まるわかりセミナー」/就職活動のコツがわかるセミナーなど、複数のセミナーを実施・業界専門のキャリアアドバイザーによる相談コーナーUpload By LITALICOキャリア【2020卒対象】フクシに興味のある学生大集合!LITALICOキャリアしごとフェスタ<イベント内容>・就労支援・発達支援事業を展開する法人のブースを多数出展・これで安心!福祉の就活まるわかり塾・新卒3年目以内の職員が語る!福祉のしごとのリアル・業界専門のキャリアアドバイザーによる相談コーナーUpload By LITALICOキャリア<イベント内容>・個別支援計画の考え方を知る/自分が実現していきたい支援や貢献について考えるワークショップ・児発管・サビ管として働く参加者同士でざっくばらんにお話しできる座談会・業界専門のキャリアアドバイザーに相談できるおしごと個別相談会「自分らしく働く」を考えるきっかけに発達が気になる子どもの「できた!」という笑顔を増やす。働くことに困難がある人の「働く喜び」を一緒に分かち合う。「LITALICO」キャリアで開催するイベントのテーマである発達支援・就労支援はそんな魅力ある仕事だと考えています。各イベントが「自分らしく働くとは?」を、一緒に考えられる機会になればと思います。みなさまのご来場をお待ちしております!▼LITALICOキャリアのサイトはこちら▼
2019年05月11日発達が気になる小学生の保護者の「知りたい」を詰め込んだ本に小学校生活では、勉強や友人関係、学校のきまりや行事など、さまざまな場面で「困った!」を感じるお子さんや保護者の皆さんも多いのではないでしょうか?出版社・すばる舎は、発達が気になる小学生の家庭生活から学習まで、さまざまな「困りごと」を解決するヒントを詰め込んだ本を制作しています。この書籍の制作にあたり、発達ナビ編集部も制作協力を、発達ナビのコラムの監修をしてくださっている井上雅彦先生も総監修としてかかわることになりました。Upload By 発達ナビ編集部そこで、発達が気になるお子さんを育てる保護者の皆さんから、子育ての中で感じている不安や疑問からご家庭での工夫まで、さまざまなご意見をいただき、よりニーズに合う内容の本にしたいと考えています。勉強・友達・家庭生活…どんなことに困っている?何が知りたい?アンケートを実施Upload By 発達ナビ編集部この本では、次のような内容について、具体的な困りごととその背景にあるもの、対応方法などを紹介していきたいと考えています。●家庭生活・身辺自立●学習・運動●学校・集団生活●人間関係●お金・時間・気持ちのコントロール「わが家では特にこれが困っている」「こんな風にしたらスムーズにできるようになった」といったさまざまな声を生かした本にしたいと考えています。ぜひ皆さんの声を寄せてください!【対象】5歳~15歳のお子さんを育てる保護者※該当するお子さんが2人以上いらっしゃる場合は、まずはお一人についてご回答ください。2人目以降のお子さんについては、お手数ですが再度フォームにご回答いただければ幸いです。【回答期限】2019年5月17日(金)本アンケートは、無記名で選択式及び記述式となっており、所用時間は15分程度です。
2019年05月10日出産前、私は子どもが生まれたら「布おむつで育てたい」と思っていました。エコだし、節約にもなる。何よりも、布おむつを替え、洗濯をするということ自体が、子育てならではの体験でおもしろそうだと思っていました。 現代は紙おむつが主流ではありますが、昭和40年代生まれの私にとって布おむつは身近でちょっと懐かしい育児アイテムです。そんな私が2人の子育てでやってみた、布おむつ育児のエピソードをお話ししたいと思います。 ゆる~い「布おむつ育児」布おむつ育児と言っても、完全布おむつ育児ではありません。外出時、下痢など子どもの体調の悪いとき、私が疲れているときは紙おむつで過ごし、家にいるときは布おむつ。紙おむつを併用しながら、ゆるく、ストレスにならない程度に布おむつで育児をする「ゆる布おむつ育児」という感じでした。そのほうが無理なく布おむつ育児を楽しめると思ったからです。 たまたま友人から使わなかった布おむつセットをもらったので、布おむつの初期費用はかかりませんでした。自分で買った物は、使った布おむつを入れるバケツだけです。 布おむつカバーを手作りしたい!布おむつ育児をするにあたって一番やってみたかったことは、布おむつカバーを作ることでした。私は裁縫は得意ではありませんが、市販の布おむつカバーで気に入った柄があまりなかったので、自分で作ってみたいと思ったのです。 長男を妊娠中に本を見ながら、家にある布と余っていたフリースで私が作った布おむつカバーは1枚。一生懸命作っている時間はとても楽しく過ごせました。さらに裁縫が得意な私の母が3枚作ってくれたので、長男の出産前には布おむつカバー4枚が用意できました。 生後2カ月後半から布おむつ育児スタート新生児のころはおむつを頻繁に替えるので、おしっこやうんちの回数が少し落ち着く生後2カ月後半から布おむつ育児を始めました。おむつ交換のときに、洗剤を入れて水を張ったバケツに交換した布おむつを入れておき、1日に1回布おむつを軽くゆすいでから洗濯機で洗濯するだけだったので、思っていたよりも楽でした。 うんちのときも軽くもみ洗いするだけで簡単によごれが落ちたので、洗濯が大変だとは感じなかったです。それよりもおむつ交換のたびに、手作りのおむつカバーを見て「かわいい」と思えることで、おむつ交換がとても楽しみな時間になりました。 長男・次男2人とも生後2カ月後半から2歳までゆる布おむつ育児をしたのですが、次男のときは布おむつカバーを作る技術も上がり、自分でも納得のいくおむつカバーを作れるようになりました。お金を払って布おむつカバーを買ってもいいのですが、自分の好きな柄の布で手作りをしたことで、とても愛着がわきました。布おむつ育児は、いい思い出の1つです。 著者:川本 千華発達障害の長男、兄が大好きな次男を育てる2児の母。元ピアノ講師。自身の経験を活かし音楽・発達障害に関するライターとして活動中。
2019年05月09日発達障害の娘が小学5年生から始めた、進路選び主治医から、小学校卒業後の進路選択についての話をされたことをきっかけに、いろんな可能性、選択肢を広げるためにも、調べて・考えておこうと決心しました。でも、いろいろと調べるうちに、頭の中は疑問でいっぱいに…。そこで、実際に学校を訪れてみよう、この目で見てみようと考えるようになりました。地元の公立中学の見学に行く主治医から進路について聞かれて暫くしたころ、近隣の公立中学校の文化発表会がありました。私たちの住む地域では小・中学校一貫カリキュラムの一環として、高学年になると校外学習で近隣中学の文化発表会を見に行くことになっています。中学校の部活の様子や有志生徒による舞台パフォーマンスを見た娘は「小学校との違いに驚いた!中学生ってスゴイ」と楽しそうに話しました。当時、家庭や学校での娘の障害に対する認識不足と、クラスメイトからのいじめなどで辛い毎日を送っていた娘が「中学は楽しそう」と前向きな気持ちになってくれたことを私は嬉しく思いました。また、私たちの住む地域では「学校へ行こう週間」というものがあり、期間中は公立校の生徒や保護者に限らず、地域の住民、これから入学を考えている子どもや保護者などが、学校を見学できるようになっています。これは教育委員会が「保護者や地域の住民の学校に対する一層の理解と支援の醸成を図り、開かれた学校づくりの推進に向けた、各学校の主体的な取組を充実するため」に設定したものです。娘の話を聞き、ちょうどその時期に実施されていた「学校へ行こう週間」を利用し、私も近隣中学校への見学に行ってみることにしました。生徒達の「普段の様子」を見る最初に訪れた公立中学校は、こぢんまりとした学校で、学年により多少の差はあれど比較的落ち着いた雰囲気でした。生徒が来校者に自然と挨拶する休み時間に、廊下に設置してあるベンチで生徒がくつろいでいるちょっとしたことですが、このような風景は実際足を運んでみないと分からないことです。特別支援学級を見学中学1年生から3年生までのクラスを一通り見学した後、私は特別支援学級の教室を訪ねました。担任の先生に見学できるか確認すると、大丈夫とのことだったのでしばらく授業の様子を見学しました。見学の後、先生は私とのお話(特別支援学級の説明)の時間を取って下さいました。その対応からも、その学級が落ち着いていることが見てとれました。私は「入級するかどうかは分かりませんが」と前置きをして、娘の様子を先生にお伝えしました。先生は「中学生は自我に目覚める時期なので、通常学級にするか特別支援学級にするかは本人の意思を大切にした方がいい」と仰いました。通級指導教室も併設されていた学校見学を終え、帰ろうとしたとき、私はある教室に気がつきました。そこは『通級指導教室』でした。「ここが、主治医が話していた”通級指導”をしてくれるところだ…!」地元の中学に通級指導教室があることを、このとき私は初めて知りました。「せっかく来たんだし」と私はダメもとで通級指導教室の職員室のドアをたたきました。特別支援学級見学のときと同様に、入級するかどうかは分からないのですが、と前置きをした後「学校に行こう週間」を利用して見学に来た事を伝えると、一人の先生が面談の時間を取って下さいました。知識と経験豊かな、通級の先生通級の先生とほんの少し話をしただけで、先生の「一を聞いて十を知る」様子に私は衝撃を受けました。私は娘の小学校入学時に今の地域に引っ越してきてから、療育センターの心理士さんや相談員さんをはじめ、担任の先生、スクールカウンセラー、校長先生などさまざまな人に娘について相談をしてきました。それでも娘の状態は悪化する一方でした。そのため、この頃私は「公的機関や教育の場では娘のようなグレーゾーンと言われる子どもの対応は限界があるのだ」と感じていたのです。でも通級の先生は初対面にも関わらず娘や私の悩みと苦労をすべて分かっていました。そこに高い専門の知識と長年培われた経験があることを感じ、私は(こんな近くにプロフェッショナルがいたなんて!)と心底驚きました。そして20分ほどの面談の間に(こんな先生がいる学校なら安心して任せられそう)そんな希望を抱いたのでした。娘の特性を考えると、通級教室はきっと対象外だろう…。そう思ってはいても、帰り際に言われた「いつでも相談にいらしてくださいね」という声掛けに安堵感を得ることができました。そしてまた、特別支援学級の先生に言われたのと同じく、「中学生は自我の目覚めの時期なので、進路は本人の意思を大切にした方がいいですね」という先生の言葉を重く受け止めたのでした。教育委員会の教育相談へ秋の公立中学見学から半年がたち、小学6年生になった娘は教育相談に行きました。学校の所属や進路を決める目安になるものに、教育委員会で行われる発達検査と教育相談があります。翌年の中学進学の参考にするため、数年ぶりの発達検査と教育相談を受けることにしたのです。検査後の教育相談時、私は相談員の方に「娘のようなタイプは中学卒業後、どのような進学先がありますか?」とたずねました。Upload By 荒木まち子主治医に「通級」という言葉を初めて聞いたときと同じように、私は最初「手帳」の意味がわかりませんでした。そして私の住んでいる地域では、特別支援学校は療育手帳がないと入学できない(※)ことを初めて知ったのです。※療育手帳の所持が特別支援学校入学のために必要な条件かどうかは、地域によって異なります。特別支援学校高等部は見学できず…「現時点で療育手帳は取得できないとしても、高校入学の頃は療育手帳が取れるようになっているかもしれない」そう考えた私は、相談員さんから聞いた特別支援学校高等部の見学に行こうと思いました。でも当時、特別支援学校高等部では、小学生の保護者対象の学校見学会は行っていませんでした(現在は小学校高学年の保護者向けの見学会を行っているようです)。それでも「軽度の知的障害がある生徒が対象」といっても実際はどのようなタイプの学生が通っているのか、生徒達は何を目標にしているのか、娘に合いそうな学校なのかなど、少しでも情報が欲しかった私は、その学校が「地域支援・センター校の活動」として行っている「教育相談」を受けることにしました。娘がいきいきと過ごせる場所のイメージが、まだわかない私は特別支援学校の「教育相談」で、相談担当のコーディネーターの先生に、娘の中学について迷っている旨を伝えました。「中学から特別支援学級に入級した場合、そこでリーダー性を発揮していきいきと過ごす生徒さんと、自分の居場所は特別支援学級ではないと感じて嫌がる生徒さんがいます」それは通級教室の先生と同様、多くの困り感を抱えている生徒達を見てきた先生の経験に基づいた言葉でした。娘はどちらのタイプだろう?それまで通常級で過ごしてきた娘が「周りのみんな」と一緒が良いと思っているのは確か――。でも「みんな」との違いを感じ悩んでいるのも確か――。娘がいきいきとを過ごせる場所はどこなのか、その時点ではやはりまだ判断ができませんでした。コーディネーターの先生に「この特別支援学校高等部では、小学生対象の見学会は行っていません。でも、「学校に行こう週間」であれば来場者の制限はしていませんので、ぜひお子さんと一緒に見学にいらしてくださいね」と言われた私は、それまでの半年の間に、近隣の私立中学と私立・公立の高校の見学することを決めたのでした。次回のコラムでは、私立中学や高校の見学で感じたことについて紹介したいと思います。
2019年05月09日ついに始動!放課後等デイサービス利用への道娘の成長やきょうだいとの関係…最近、娘とのマンツーマンでの療育がスムーズにいかなくなってきたことに、私は悩んでいました…。そんな時、発達ナビのライター、シュウママさんの「放課後等デイサービス」のコラムを読んで、デイサービスの利用に興味を持ちました。夫も背中を押してくれたので、利用に向けて動き出すことにしました。Upload By SAKURA前回の失敗から学んで――今の私は一味違った!娘の療育関係の手続きとなると、自分で言うのはなんですが、すごくスピーディーな私。利用を決めた翌日に役場に電話しました。小学校への入学時、電話だけの対応や、人から聞いた情報で動き、結果行き違いを経験をした私。娘の学校には「通級しかない。特別支援学級はない」と勘違いしていたのです…。そこで今回は、直接役場の担当者へ会いに行きました。そして娘は、放課後等デイサービスを利用できそうだと分かりました。放課後等デイサービスの話をした時の、娘の反応は…?手続きに動き出す前に、私は娘に話をしました。Upload By SAKURA娘の前向きな言葉に、私の気持ちも固まり、それから申請…診断書…家庭訪問…面談…と慌ただしく動きました。そして、手続きのために動き始めて3週間ほどで、放課後等デイサービスの利用に必要な『受給者証』を取得することができました。私の期待以上に楽しみにしてくれた娘放課後等デイサービスの話を聞いてからというもの…Upload By SAKURA娘は、何度もデイサービスのことを聞いてくるようになり、楽しみにしてくれている気持ちが伝わってきました。そんな時、役場の担当者から連絡がありました。そして、まだ受給者証の取得前でしたが、見学ができるという話を聞き、私は娘を連れてデイサービスの事業所の見学に行きました。緊張の教室見学!心配はいらなかったようで…私たちが見学に行った時、部屋には4、5人の子どもたちがいました。学年はバラバラでした。私はドキドキでしたが、娘はわくわくした表情で教室の中に入り…Upload By SAKURA親の心配をよそに、娘は一瞬で馴染んでしまいました。その後娘は、教室内を確認するように、おもちゃや絵本を見ていました。そして娘からもらった、嬉しい言葉見学時間が終わり、帰る時…Upload By SAKURAその言葉に、罪悪感なんて感じる必要なかったんだ…と心が晴れた気持ちになりました。誰も特別ではなかった、放課後等デイサービス放課後等デイサービスは、とてもアットホームな雰囲気でした。療育施設…というよりは、クラブのような感じでした。特別支援学校に在籍している子もいるので、障害の種類もさまざま。そこではみんなが個性的。みんなが特別…だから誰も特別ではありませんでした。ここで過ごすことができたら、娘も個性豊かなお友だちとのコミュニケーションを楽しく学べるのではないか、そう感じました。Upload By SAKURA
2019年05月08日保育園の運動会3週間前に聞いた…”むっくんは、練習ができない”Upload By ウチノコ「実は運動会の練習に一度も参加できてなくて…」保育園の運動会3週間前、担任の先生は申し訳なさそうに私に告げました。当時むっくんは4歳11か月の年中さん、出場競技のかけっこ、障害物競走、ダンス全ての練習への参加を拒否しているとのこと。私と先生は話し合い、現状維持で見守ってもらいながら、原因を探っていくことにしました。特別な働きかけはせず状況を許容してもらうことにすると、運動会10日前頃からは得意なかけっこと障害物競走には参加するようになりました。参加していなくてもむっくんはしっかり先生やお友達を見ていたようで、段取りなどの理解ができたことで「できる!」と自信をつけたのでしょう。こういうケースのよくある子なので、まずは「待ち」の一手が大切なのです。ダンスは鬼門!Upload By ウチノコ一方ダンスには不参加を貫くむっくん。もともと模倣が苦手で、気が散りやすく先生をじっと見ることができないので、振り付けが把握できていない様子。さらに苦手意識のあるものは人前ではやらない、という美学を持っているので、ついにダンスの曲がかかるだけでその場から逃走するようになりました。でも、運動会当日は人出も多いので、逃走は怪我や事故につながる危険な行為です…。Upload By ウチノコ何か手を打とうと先生と相談し、誰にも見られない自宅で振り付けを教えることにしました。ダンスの動画と曲を準備して、先生から私が振り付けを教わり自宅練習開始です!しかし…やろうと言ってやる子ならこんなことにはなりませんので、もちろん簡単には踊りません。めげずに私が部屋で一人で勝手に踊り狂ったり…。Upload By ウチノコ振り付けをイラストにして貼ったり…とにかく、ダンスの振り付けが目に触れるよういろいろ頑張った結果、むっくんは徐々に振り付けを覚え、自宅であれば気分が乗ると踊ってくれるように!しかし、園では相変わらずダンス練習から逃走する日が続きました。「踊らない」ときの選択肢って?ついに運動会5日前になりました。でも、相変わらず続く逃走…。今まで参加を目標にフォローしてきたけれど、本当にそれでいいのだろうか?という疑問が私の中に産まれました。不参加でもいいじゃん?そのほうが本人も楽なんじゃないかな…とむっくんに相談してみるも、「運動会に全部出る!」という答え。そうは言っても、踊らないし、逃げ出すし、どうしたら…と悩むうち、ふと小さな疑問がうまれました。「そもそもダンスを踊らないときはどうしたらいいんだろう?」むっくんの選択肢をチャートにしてみると…Upload By ウチノコ「ダンスを踊る」の先にはさらなる選択肢があります。そのなかのどれを選んでも、きっと思い出に残る運動会になるでしょう。だけど、「踊らない」の先は選択肢がない。むっくんはダンスを求められている状況は理解しています。振り付けも覚えて踊ることもできます。でもコンディションによってはできないときもある。なのに、やりたくないときにどうすればいいのかの選択肢がないのです。どうしようと思いながら、たくさんの人の前で踊っているお友達の横で立ち尽くす。想像してみると、大人の私だって逃げ出したくなる場面です。Upload By ウチノコ踊りたい場合の選択肢は十分準備した。今度は踊りたくない場合の選択肢を作ろう!私とむっくんと先生は話し合って、「踊らないときのお約束」を決めることにしました。「約束、守ったよ!」むっくんの変化Upload By ウチノコ翌日、むっくんは逃走しませんでした。さらにむっくんの言葉は「今日も練習やらなかった…」から、「今日は先生との約束を守ったよ!」という、”できた!”の言葉に変化したのです。結局一度もダンスの練習に参加することなく、むっくんは当日を迎えました。一応逃走した場合の安全確保のため、園は先生をむっくんの近くに配置して下さいました。しかし!むっくんは本番で初ダンスを披露!!先生も私もびっくり!結局すべての競技に参加したむっくんは晴れ晴れとした笑顔を見せてくれました。Upload By ウチノコけれど、もし踊らなくても「できなかった運動会」になることはなかったでしょう。「踊らないときのお約束」があったのだから、どうやったって「しっかりがんばった運動会」になったと私は思っています。決断した勇気を大切にUpload By ウチノコ自分にも他人にも「やること」が「良い」で、「やらないこと」は「悪い」と思ってしまうことがあります。だけど「やらないこと」も立派な選択肢の一つで、決して否定されるものではないんですよね。どんな選択でも自分で決めたのならば、「良い」や「悪い」の評価は不要。決めたという事実、それが素晴らしいと私は思います。いつも個性的な選択をするむっくんですが、自分の選択に誇りを持ち、胸を張れ!と、これからも伝えていけたらいいなと思っています。
2019年05月07日休日出勤の土曜日。放課後等デイサービスに預けた長男に異変が…2月半ばの土曜日のこと。その日私は仕事、夫と次男は自宅、長男は放課後等デイサービスへと行きました。長男はいつもと変わらず食欲もあり、元気に放課後等デイへと向かったのです。私は繁忙期だったこともあり、会社へ行き仕事をしていました。Upload By シュウママところが昼すぎ、ちょうど職場でお弁当を食べているときのこと。夫から私の携帯に電話がかかってきたのです。夫が家にいるから大丈夫…そう思っていたら、大丈夫じゃなかった!「さっき放課後等デイから電話があってさ、シュウ、すごい熱が出てるから、今から家に送ってくるって。」Upload By シュウママ「じゃあ、病院連れてってね、私もなるべく早く帰る」土曜日の午後、診察してくれる病院は近所になかったのですが、たまたま放課後等デイサービスの近くにある病院を紹介してもらえたそうです。良かった…と思っていると、数分後、また夫から着信が!保険証はどこ?お薬手帳は?病歴書いたものってあるの?電話をとると慌てふためいている夫の声が聞こえました。Upload By シュウママ「えっと、寝室にある引き出しの一番上にあるよ」と伝えました。「お薬手帳も持って行ってね!」と言うと夫は分かったと言い、電話を切りました。その後、夫はすぐ長男を連れて病院に行ったのですが、母子手帳を忘れてしまった為、既往歴や出産時の体重などもわからず、かなりばたついてしまったようです。今までは私がほとんど長男の病院へと付き添っていたので、たいていのことは空で言えます。けれど夫が長男を一人で連れていくのは久しぶりだったので、すっかり忘れてしまっていたようです。加えて長男は自分の現在の状態を口で説明することができません。頭やのど、といった体の部位はわかっています。けれど、頭が痛いとかだるいとか、のどが痛いとか感覚的なものを伝えることは難しいので、その分手間どります。Upload By シュウママひとまずホッ。でも、いろんな状況をシュミレーションしておかないといけないなと気づいたその姿を見ながら、こりゃ普段からいろいろ教えておかないとな…とちょっと反省しました。常に母親である私が元気でいられるとは限りません。障害のない子どもであれば、5年生にもなると、なんでもほぼ一人でできるでしょうが、長男の場合、そうはいきません。学校には何を持っていくのか、着替えの服はどこにあるのか、クラスのお友達、先生の名前など…自分からパパに話して聞かせるのが困難な場合、私が長男の日常を夫へと伝えていくことが大事なのだと考えさせられた出来事でした。Upload By シュウママ
2019年05月05日いつから?何がいい?わが家の兄妹、それぞれの習い事選び春が近づくと、テレビやネットのポップアップでいろいろな習い事の広告が目に入ってきます。子どもに生きる力をつけさせたい!余暇時間に好きなことで有意義に過ごしてほしい!と考えていた私は、子どもにはぜひ習い事をさせたいと思っていました。でも、いつから始めるか?何をやらせたらいいか?についてはこれといった考えがなく、「まあ、同じ年齢の子どもよりのんびり育っているわけだし、小学校に入ってからでいいや。」と、ぼんやりしていたのでした。ところが…Upload By 寺島ヒロ娘がトリコになったのは、リンゴのキャラクターでおなじみの某有名音楽教室のCM。やはり音楽に感度の高い人には何か響くようなつくりになっているのでしょうか。あのソファミッソファミレッ♪というフレーズを繰り返し歌うようになりました。Upload By 寺島ヒロこの子は音楽に親和性が高いのかもしれない…と思い、本人の言うがまま、3歳3か月から音楽教室に入会しました。Upload By 寺島ヒロ現在、娘は中学一年生。ピアノの練習は面倒な時もあるけど、音楽や楽器がない生活は考えられないという感じです。小学校の6年生の頃は睡眠障害(概日リズム障害※)で朝どうしても起きられない日があり、学校も休みがちだったのですが、週一のレッスンには何とか皆勤できましたし、ピアノのクラスで一緒の友達とはいつもどおり接することができました。当初はもちろんそんなつもりはなかったのですが、大好きな音楽を介してつながれる人や場所が持てたことは、娘の心の安定にも寄与しました。学校以外に同じ年ごろの友達のいる居場所があるのは、逃げ場にもなるので良かったなと思います。※概日リズム障害…昼夜のリズムと体内時計がうまく合わず、調節できなくなって睡眠リズムがくずれてしまい、社会生活に支障をきたす状態のことです。子どもの場合、朝起きられないと園や学校にも遅刻してしまい、不登校につながりやすい傾向も指摘されています。Upload By 寺島ヒロ対して、お兄ちゃんのタケルは、あまりピアノなどの楽器には興味を示しませんでした。幼稚園の頃、同じ年ごろの子どもたちには当時Jリーガーが人気で、特に男の子たちはサッカーに夢中!でしたが、タケルは動物や虫の図鑑を見ているのが好きな子だったので、そういう子どもたちの輪にも入れなかったようです。音楽もスポーツも特に何もせず、小学生になってから、かかりつけのお医者さんの提案を受け水泳を習ってみることにしました。結局、この時入ったスイミングスクールに6年生まで通うことになりました。Upload By 寺島ヒロしかし、そんなに運動神経がいいわけではない息子…。一緒に入学した同級生たちは、3年生になるころには全員「上級コース」に進級してしまい、「基礎コース」にはタケル一人だけになってしまいました。「上級コース」に行った子どもたちは、どんどん泳ぐのが速くなり、全国的な大会に出るためバスで泊りがけで出かけたりするのですが、タケルはずっと「基礎コース」で小さな子どもたちや、新入会してきた大人たちと泳いでいます。タイムも大して伸びませんでした。体力づくりが目的とは言え、面白くはなかったのではないかと思い、「どうして辞めずに続けられたのか」と、聞いてみたことがあります。すると「いざというときの生存率を上げるためだよ!」と、決まってるじゃないかという顔で返されてしまいました。生物学者になってフィールドワークをする際、ジャングルや海で遭難しても生きて帰ってこれるようにだそうです。速くは泳げないけど、長く浮いているのはみっちりやったので自信があるとのこと。Upload By 寺島ヒロ子どもたちとスクールが教えてくれたこと目的のために黙って何年も頑張れるのはASD(自閉症スペクトラム)の特性的なところとも言えますが、スイミングスクールで、タイムを縮めることだけを良いこと、遅いのはダメなこととせず、速いことと、長く泳げること、どちらも良いと指導してくれたおかげで頑張れたのかもしれません。こういう視点を私自身忘れずにいたいものだと思います。
2019年05月04日【イベント】大きな紙に思いっきりペイント!横須賀美術館 障害児者向けワークショップ「みんなのアトリエ」(神奈川県)Upload By 発達ナビニュース横須賀美術館では、20歳以下の障害児者を対象に、障害児者向けワークショップ「みんなのアトリエ」を毎月第3土曜日に開催しています。このワークショップでは、障害の種類や程度にかかわらず、みんなでアートを体験することができます。毎月行われているワークショップですが、19年5月の活動内容は「みんなで大きな絵を描こう」。アクリル絵の具をつかって、10mの長さのロール紙に自由に絵を描きます。筆を使っても、身体に絵の具がついても平気なお子さまは手足を使ってもOK!自宅ではなかなか体験できない大胆な創作活動を思いっきり楽しむことができます。活動は事前申し込み制で、応募多数の場合は抽選となりますが、6月以降も毎月内容を変えながら開催予定。今後の活動内容もホームページにて確認できるので、ぜひチェックしてみてください。なお、この活動にはきょうだいや保護者も一緒に参加することができます。また当日は企画展「縮小/拡大する美術センス・オブ・スケール展」の開催期間となっているので、家族で訪れて、アートに触れる一日を楽しむことができますね。【日程】2019年5月18日(土)14:00~15:00(1時間程度)【内容】みんなで大きな絵を描こう【場所】横須賀美術館ワークショップ(神奈川県横須賀市鴨居4-1)【定員】10組程度【参加費】無料【参加方法】ハガキもしくはメールによる事前申込制。締切は活動の10日前。申し込み方法などの詳細はホームページをご確認ください。【セミナー】今年も開催!2019年夏のセミナー「自閉症スペクトラムの理解と支援」(東京都)Upload By 発達ナビニュース自閉症スペクトラムのある人たちが日々を安心して過ごせるように、そして自己肯定感をもって有意義な人生を送れるように。よこはま発達クリニックとよこはま発達相談室が毎年行っている夏のセミナー「自閉症スペクトラムの理解と支援」が今年も開催されます。セミナーは3日間にわたり開催されます。内容はそれぞれ、2日(金)『改めて基本特性から考える:理解と評価』、3日(土)『支援の原則と実際:構造化とコミュニケーション支援』、4日(日)『問題行動とそれへの対応』と、自閉症スペクトラムの基本特性を踏まえた支援や関わり方のアイディアから、問題行動への対応方法までを総合的に学べる内容になっています。講義は児童精神科医や公認心理師、言語聴覚士等が講師として行います。専門家から話が聞ける貴重な3日間。保護者、現在療育や支援に関わっている方はもちろん、これから発達障害の領域で仕事をしたいと思っている方も参加できます。【日程】2019年8月2日(金),3日(土),4日(日)10:00-16:45【会場】AP東京八重洲通り東京都中央区京橋1-10-7 KPP八重洲ビル【対象】保護者、実際に療育・支援に携わっている方、発達障害の領域で仕事をしたいと思っている学生などどなたでも【費用】各日10,000円(税込)※賛助会員の方は合計金額から2000円割引【定員】120名(先着順)【お問い合わせ先】一般社団法人発達精神医学・心理学研究会セミナールームseminar@ypdc.net【イベント】障害のあるお子さんとそのご家族をご招待!井の頭自然文化園「ドリームナイト・アット・ザ・ズー」(東京都)Upload By 発達ナビニュース2019年6月8日(土)、東京の井の頭自然文化園で閉園後の時間に「ドリームナイト・アット・ザ・ズー」が開催されます!ドリームナイト・アット・ザ・ズーとは、障害のあるお子さんとそのご家族を閉園後の動物園に招待し、 楽しいひとときを過ごしてもらう趣旨で開催されている国際的な取り組みで、1996年にオランダのロッテルダム動物園から始まり、現在では世界中で実施されています。井の頭自然文化園では当日、特別ガイド「飼育係にきいてみよう」、ヒツジと一緒に記念撮影、いろいろな動物たちに大接近、フェネックの着ぐるみと記念撮影など、さまざまな企画を実施します。視覚障害者向けプログラムや、聴覚障害者への手話対応なども行われるので、いつも以上に動物園を楽しむことができますね。【日時】2019年6月8日(土) 17:30~19:30【場所】井の頭自然文化園動物園(本園)【対象】「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」「小児慢性特定疾病の受給者証」をお持ちの方とそのご家族※申請中の方を含みます。【参加方法】事前申込不要※手話対応をご希望の方は、5月8日(水)までにご連絡ください。【問い合わせ】井の頭自然文化園 教育普及係(9時~17時)電話:0422-46-1100FAX:0422-46-1906Eメール:idream@tokyo-zoo.net井の頭自然文化園【ニュース】日本各地でさまざまなイベントも開催!5月5日から11日は「児童福祉週間」出典 : 厚生労働省が定める児童福祉週間についてご存知でしょうか。子どもや家庭、子どもの健やかな成長について国民全体で考えることを目的に、毎年5月5日の「こどもの日」から1週間を児童福祉週間と定めています。子どもたち自身が理想の社会や新しい未来を築く取り組みを進めていくことや、それを応援する環境を整備していくことも大切だという考えのもと、子どもたちから事前に児童福祉週間の標語を募集するなど、子どもも大人もいっしょに児童福祉について考える機会となっています。児童福祉週間の期間中に行われる運動には、「障害のある子ども等に対する理解の促進」も項目として含まれており、「障害のある子ども等に対する地域住民一人ひとりの理解を促進するとともに、障害のある子どもも障害のない子どもも日々の生活や遊びを通じて、共に育ち合うことが大切であり、障害のある子ども等があらゆる活動に参加できるように努める」と実施要領に記されています。期間中には、全国各地の国営公園等の入園が無料になるほか、各地でさまざまな子ども向けイベントが行われるので、近隣の情報をチェックしてみてはいかがでしょうか。児童福祉週間について(厚生労働省)
2019年05月03日見やすく分かりやすい工夫が詰まったユニバーサルなデザイン『みんなの地図帳~見やすい・使いやすい~』弱視をはじめとする視覚に障害のあるお子さん向けに、視覚に障害のある教員を含めた日本視覚障害社会科教育研究会の会員が集まり、約4年にわたる検討を経て作成された地図帳です。日本地図28枚、世界地図38枚の地図が収録されており、地図帳の使い方や記号の意味も見やすく分かりやすく説明されています。各ページで図の左上にタイトルが入るように統一されていたり、地図部分を枠線で囲ってその外側に緯度経度やページ数が配置されていたりと、レイアウトにも見やすい工夫が施されています。また各地図上に記載されている都市名や自然物は、小・中・高等学校での学習で必要な基本的な項目に絞られているので、1つのページに多くの情報が詰まっている従来の地図帳よりも探したい情報を見つけやすく、学びやすいデザインになっています。視覚に障害のあるお子さんだけでなく、学習に困難さを感じている多くのお子さんにとって学びやすいユニバーサルな地図帳です。自分の気分を楽にする方法を、分析して見つけてみよう!『ビジュアルブック ASDの君へ:ラクな気持ちになるためのヒント集』当事者のお子さん向けに描かれた本書は、自分の現在の気分を理解する方法、気持ちをラクにする身体の使い方や呼吸の仕方、自分なりの休憩方法や気分転換の仕方などを、イラストをベースに分かりやすく説明しているビジュアルブックです。具体例も多く記載されているので、お子さんが自身に当てはめて考えながら読み進めることができます。今まで知らなかった新しいリフレッシュ方法を見つけることができるかもしれません。また巻末には、気持ちをラクにするために自分にとって良い方法はなにかを分析するためのワークシート付き。嫌な気持ちになるのはどんなときか、楽な気持ちになったのはどんな活動をしたときかなどをワークシートに沿って書き出すことで自己分析ができます。本編を読んだらワークシートを使用して、自分にあった気持ちをラクにする方法を考えてみましょう。不登校時代、さまざまな知識や人との交流はすべてゲームを通して学び育んだ――『ゲームは人生の役に立つ。生かすも殺すもあなた次第』18歳で起業し、24歳の現在、地域活性化伝道師としても活躍している著者の小幡さんは、子どものころ、約10年間不登校で過ごしていました。そんな小幡さんの人生を豊かにしてくれたのはゲームでした。テレビやパソコン、スマートフォンでたくさんのゲームに触れることができる現代、お子さんがゲームばかりしていることに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ゲームを通した人との繋がりや、ゲームで積み重ねた成功体験による自己肯定感。ゲームを通じて好きになった日本の文化や歴史。ゲームを通して得た多くのことが、著者の現在の活動にいかされています。正しく遊べばゲームは人生を豊かにしてくれる。好きなことに没頭する子ども時代を経て今の人生を楽しく生きる著者の言葉は、不登校に悩むお子さんや親御さんにもヒントを与えてくれるはずです。患者と向き合い続ける医師が語る支援のあり方『ADHDとともに生きる人たちへ医療からみた「生きづらさ」と支援』本書は2017年と2018年に田中康雄先生が金子書房主催により開催したワークショップの内容を元に書籍化されたものです。ADHDの概念や診断基準の歴史から、現在の支援方法までが優しい言葉で書かれています。また、ただ診断結果をつけてそれに基づいた支援をするだけではなく、一人ひとり違う複雑な特性や多様な生き方に応じた支援のあり方や家族も含めた支援の大切さについて、多くの患者と向き合ってきた医師だからこその思いが垣間見える内容となっています。「生活の障害にならなければその発達障害の特性は良い特性だと思っている」と書かれているように、当事者とその家族の生活を知り、困っている部分を解決し、良い部分を伸ばすという田中先生の考え方は、ADHDの当事者にとっても支援者にとっても背中を押してくれるものとなるでしょう。インクルーシブな視点からみる発達障害支援『公認心理師・臨床心理士のための発達障害論インクルージョンを基盤とした理解と支援』主に公認心理師・臨床心理士などを志す学生や現場で支援に携わる専門職向けに書かれた専門書ですが、発達障害について初めて学ぶ人にも読み進めやすい、分かりやすく丁寧な内容になっています。内容は、発達障害の定義からライフサイクルに沿った支援のあり方までが記されています。中でも第8章から第12章には、発達障害のお子さんに対する発達支援、家族支援、学齢期の社会資源の活用や学習面のサポートなど、年齢に合わせて必要となっていく支援内容について書かれています。インクルーシブな環境での育ちを大切にしながらその子にとって必要な支援を取り入れていくという支援体制のつくり方は、発達障害のある子どもたちの支援に関わる人や、これから関わろうと考えている人にぜひ知ってもらいたい内容です。
2019年05月01日長男が生まれてからの生活のなかで、1番大変だと思った家事は洗濯でした。母乳を吐いてしまったり、おむつからうんちが漏れてしまったり、食べこぼしたりと、毎日洗濯をしても服が乾いていない……という事態も起こりました。洗濯の作業がすべて終わらずにたまってしまうことも……。今回は効率よく洗濯ができ、現在も実践している私流の時短テクをお伝えします。 洗濯の時間が取れなかった日々長男が生まれてから1歳くらいまでは、洗濯物との格闘の日々でした。子どもが小さいうちは、私が洗濯をしているからといって待っていてくれません。泣けばおむつを替えておっぱいをあげ、寝返りやハイハイ、立ち始めると目が離せなくなり、落ち着いて洗濯の時間を取ることが難しくなっていきました。 結果、毎日出る洗濯物と作業が追い付かず、山積みになっていく洗濯物。途方に暮れる日々を過ごすようになっていったのです。 洗濯作業の効率化を開始!時間がかかるのは、「洗濯機を回している時間」「干す作業」、そして「取り込み後に畳んで所定の場所にしまう」この3つの作業だと思い、そこを効率化してみることにしました。 まず、朝起きてから洗濯機を回していたのをやめ、夜タイマーをかけて朝7時に洗濯が終わるようにしました。 次に、ベランダで干し作業をやっていたのをやめ、部屋の中で干すようにしました。子どもの様子を見ながら作業ができるので、一時中断される回数が減りました。干し終わったタイミングで外に出せばいいので、最悪外に出せなくても干せないままの状態で中断してしまうことがなくなったのです。 取り込み後のひと工夫で効率化!最後に、取り込んだ後の作業を一度で終わるようにしてみました。取り込んだ洗濯物を1つはずしたら仕分けながら畳み、畳めた分だけ所定の場所にしまいます。取り込みから所定の場所にしまうまでを一度に済ませることで時短に繋がりました。 最も効率化できた作業は、取り込み後の作業だと思います。これで洗濯の作業時間が合計30分くらいで済むようになったのです。 家族全員分の洗濯を滞ることなくこなせるのは、とても気分の良いものです。家事は得意ではないですが、会社と同じように家事を仕事として考えて、効率化を図ることで大きな時短につながりました。今でも私はこの方法で洗濯作業をやっています。著者:川本 千華発達障害の長男、兄が大好きな次男を育てる2児の母。元ピアノ講師。自身の経験を活かし音楽・発達障害に関するライターとして活動中。
2019年04月30日発達特性は、仕事の武器になることも“失敗”につながることもある私はベンチャー企業で、社内プログラマとしてシステム開発の仕事をしており、現在は管理職にも就いています。前回の記事では、ADHD(注意欠陥・多動性障害)とASD(自閉症スペクトラム障害)があると診断されている私の発達特性が、仕事の場面でプラスに働いている部分についてご紹介しました。特性を活かすことで仕事上の武器となった経験もありますが、もちろんうまくいくことばかりではなく、さまざまな場面でたくさんの失敗もしています。 そこで今回は、特性が影響して失敗してしまった経験や、その乗り越え方についてご紹介したいと思います。出典 : 新卒で入った会社で、自分が作ったプログラムの説明をしていたとき、それを聞いていた先輩から「きみが言ってることはよく分からない」と言われました。私としては「なぜこのようなプログラムを組んだのか」が分かるように説明していたつもりだったのですが、周りの人たちにはまったく伝わっていない様子だったので、とてもショックを受けました。その後も同じようなことが続いたので、私は「なんであの人は、こんな簡単なことも分からないんだ!」「あの人たちは頭が悪いんだ!」というように、説明が伝わらないのは周りのせいだと思っていました。でも…何度か同じことを繰り返しているうちに、私は「これは周りが悪いのではなく、自分の伝え方がよくないのでは?」と思うようになりました。今振り返ってみると、私は「自分は知っているけども、相手は知らないこと」を説明しないまま、自分の考えを説明していたのだと思います。…と、ここだけ書くとよくあるビジネス書の一節のようになってしまいますが、私の場合はそもそも「自分と相手は違う考え方をしていて、知っている情報も、考えている前提条件も違っている」ということを、想像することさえできていませんでした。これは恐らく「自分の理解と相手の理解が異なっていることを想像できない」という私の特性のために起こっていたのだと思います。◇失敗からの学びと解決策◇この状況を何とかするために「自分と同じ考えをしている人が誰もいない環境で、自分の考えを意図通り伝えるためにはどうしたらいいか?」を考えながら試行錯誤し続けてきました。相手は、自分が知っていることを同じように知っているとは限らない。それに気付けたことで、何か説明する場面でもしっかり意識できるようになり、今では当時ほど「自分の考えが伝わらない」ということは少なくなりました。むしろ「きみの話は分かりやすいね」と言ってもらえることもあり、うまくやれるようになってきたと思っています。出典 : 以前、とあるECサイトの改修を行う際に、稟議を通すための資料を作るよう依頼されたことがあります。そのとき「前に作った資料があるから、それと同じように作って」と言われました。指示を出す側としては「同じようなレイアウトで、同じようなデータをまとめてほしい」という意図なのだろうと理解したのですが、そもそも何を説明するための資料なのかという“目的”が分からなかったため、どこから手をつければ良いのか分かりませんでした。これは「あいまいな状況では、すべての可能性を考えてしまう」という私の特性によるものだと思います。データ項目が同じならいいのか、フォーマットが同じならいいのか、フォントまで一致させなければいけないのかなど、「何をどこまで同じにすればよいのか」「どの情報が必要で、どの情報が不要なのか」が分からず、あらゆる可能性を想像しすぎてしまったのです。◇失敗からの学びと解決策◇そこで、このようなあいまいな指示を受けた場合には「同じフォーマットで同じデータ項目を用意するイメージですか?」「少し作ってみたんですけど、このような感じでよろしいでしょうか?」というようにこちらから確認するようにしています。出典 : 新卒の頃、その部署にかかってくる外線電話の電話番を担当していました。もうご想像いただけるかもしれませんが、電話番をするのがとても苦手でした。電話をとって「電話をかけている人の名前」や「電話の宛先の人の名前」を聞き取ろうと思うのですが、うまく聞き取れず、何度も聞き返すことになってしまいます。そして相手の声がどんどんイライラしてくるのが伝わってきて…。電話がかかってこないことを祈る毎日でした。なぜ電話番が苦手なのかを考えてみたのですが、プログラミングにのめりこんでいるときに電話がかかってくると、それまでやっていたことを頭から追い出して、相手の話を聞きながらメモを取らなければなりません。一度にやらなければならないことが多すぎて、「何かひとつのことに集中しているときに、他のことを並行してこなすことが難しい」という特性がある私にはとても難しかったです。これまでご紹介した事例では、試行錯誤しながら自分なりの対応方法を見つけていて、現在はほとんど問題がなくなったものばかりでしたが、電話対応の難しさについては未だに解決策を見つけられていません…。職場の同僚に電話対応が苦手なことを伝えたりして、なるべく電話に出なくてもよい状況を作っている、というのが精一杯です。自分でもどうしようもないこともある。でも、何とかなる!出典 : 私は、自分の特性について「工夫で何とかなる特性」と「自分ではどうしようもない特性」があると思っています。自分の力で特性をうまくコントロールできなくても、代わりの方法を見つけることで何とか切り抜けられることもありますし、その特性があっても失敗しない状況を作るように働きかけることもあります。もちろん、それでも失敗することだってあります。そんなときは「次は何とかしたい!」と思いながら改善策を試していくことで、何もしないよりは失敗する頻度が減るかもしれませんし、それでもどうしようもないことは受け入れるしかない場合もあります。そんなことを繰り返しながら、私も何とか30年以上やってこれました。今は新年度が始まり、環境が変わった人も多い時期です。新しい環境では、普段以上にいろいろな失敗をすることもあるかもしれませんが、参考にしていただければ幸いです。
2019年04月26日何の心配もなく、すくすく育った長男。気軽に受けた2歳児健診で、言葉の遅れを指摘されました。一歩を踏み出し、発達の専門医の診察を受けて、前向きに考えられるようになった私の体験談を紹介します。 とても育てやすい、ママ思いのいい子初めての妊娠で育児の右も左もわからず、大きな不安を抱えたまま長男との生活が始まりました。ところが、そんな頼りないママを思ってか、長男は何の問題もなく育ちました。毎月の身体測定でも、成長曲線のド真ん中を走り続け、発育もまったく問題なし! 離乳食にもすぐに慣れ、よく食べてくれました。 1歳児健診では、「順調です!」と先生のお墨付きをもらい、母子手帳にも「何も悩みはありません」と、自信を持って書いたことを覚えています。 かかりつけの小児科で2歳児健診を受けて……2歳を目前にして、かかりつけの小児科へ任意の2歳児健診を受けに行ったときのことです。これまで通り「順調です!」で、すぐに終わるものと思っていました。少し長い健診ののち、先生から「目は合うし、こちらが言うことはわかっているようだけど、もし2歳半になっても二語文が出なかったら、一度専門のところで診てもらいましょうね」と言われたのです。 言葉は交わさなくても、長男とのコミュニケーションはできていたので、先生からの言葉にとても驚かされました。 焦らず、温かく見守ること確かに同じ月齢の子どもに比べ、長男は言葉が出ていませんでした。2歳半になっても二語文がほとんど出なかったため、子どもの発達の専門機関である療育センターを受診しました。発達のテストの結果、発達障害とまではいかないグレーゾーンの診断。 もうすぐ3歳になる長男は、その後も定期的に専門医のサポートを受けながら、マイペースに成長中です。最初は心配しましたが、専門医からアドバイスをもらい、安心して育児に向き合えています。 周りの子どもと比べたわけではありませんが、長男の発達状況を素直に受け止め、プロに相談したことはよい判断だったと思います。長男の特性をより理解できたことで、以前より楽しく育児ができるようになりました。著者:鍜治すみの生後6カ月と2歳、2男の母。長男妊娠時の切迫早産により、9年続けた製薬会社のMR職を退職。前職では主に産婦人科領域製剤を担当。培った知識をフルに活かし執筆活動や育児に奮闘中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年04月25日ASD(自閉症スペクトラム)のある人の理解と支援を広げるために毎夏、よこはま発達クリニックとよこはま発達相談室は、一般の方向けに、ASD(自閉症スペクトラム)に関するセミナーを行っています。どうして、セミナーを始めこれまで続けてきたのでしょうか?私たちは1997年に当時としては珍しい発達障害を専門にする「仲町台発達障害診療所」を立ち上げ、2000年に現在のよこはま発達クリニックに改称し、以来20年以上にわたってASD(自閉症スペクトラム)を中心に発達障害の医療と支援を行なってきました。初代の院長は故佐々木正美先生にお願いしました。私たちはTEACCHプログラムの創始者であるエリック・ショプラー先生、アスペルガー症候群と自閉症スペクトラムの概念を提唱したローナ・ウイング先生を始めとして多くの先生から自閉症について学んできました。参考:『本当のTEACCH―自分が自分であるために』私たちがクリニックを受診される方々を支援するときに常に大事にしてきたのは「自閉症でok」、「親子で穏やかな生活を目指す」、「家族と協力して子どもを支援する」、「一人ひとりの特性や興味・関心に合わせた無理のない設定をする」、「環境を整える」ということです。そのためには、より多くの人たちの理解が必要となります。仲町台発達障害診療所を開設以来、私たちは毎年「夏のセミナー」を行ってきました。そしてセミナーでは、ASD(自閉症スペクトラム)についての基本的な知識や支援の方法を紹介してきたのです。ASD(自閉症スペクトラム)がある人の生活を支援するには出典 : 「構造化」という言葉をお聞きになられたことのある方は多いのではないでしょうか?私たちは、無理に“普通”に近づけようとしたり、周囲にあわせるのではない。環境を整えて、本来持っている能力を発揮しやすくすることを目指してきました。そのためには、自閉症スペクトラムの特性を理解することが大切だと考えました。そして、支援を考える際には「構造化」を大切にしてきました。クリニックを立ち上げた頃には「構造化」の考えを取り入れる学校や福祉機関は少なかったのですが、徐々に日本でも浸透してきました。しかしながら、ASD(自閉症スペクトラム)の方の支援を考える際には大切で、有益な考え方ですが、誤解や誤用も多いのが現状だと思います。「構造化」する背景には自閉症の特性が深く関係しています。その理解をせずに、とりあえず「やってみる」ではうまくいかないことも多いのです。「なぜやるのか」を支援者一人ひとりが考えることが大切です。そこで、「構造化」についての正しい理解と、その理解に裏打ちされた「支援」の実現の一助となるよう、毎年セミナーを開催しているのです。2019年夏のセミナーでは、具体的なアイディアを紹介しつつも、「なぜやるのか」「どうして必要なのか」に焦点をあてながら、支援のエッセンスについて共有していこうと思っています。ASDについて、基本的な知識や支援の方法を紹介するセミナーを開催出典 : 「令和」最初の『夏のセミナー自閉症スペクトラムの理解と支援』は、東京駅前で開催することになりました。セミナーの内容について、簡単に紹介したいと思います。セミナー1日目となる8月2日には、児童精神科医の蜂矢と公認心理師の北沢が自閉症スペクトラムの基本特性について解説します。自閉症特性は年齢や認知水準によってさまざまな表れ方をします。発達特性に基づいた正しい評価とは、子ども一人ひとりの発達特性や認知特性、興味や関心のあり方を把握することから始まります。心理検査データのパターンだけで支援方法が決まるわけではありません。発達特性の理解に基づいた適切な評価を通じて、一人ひとりの支援プランと具体的な対応を考えましょう。2日目は公認心理師の佐々木と言語聴覚士の飯塚が担当します。自閉症スペクトラムの方々への支援は、一律の方法があるわけではなく、それぞれの方に合わせた支援・関わり方が大切だと考えています。今回はそのためのアイディアの一つとして、「構造化」と「コミュニケーション支援」についてお話をさせていただきます。午前中は、なぜ構造化をするのか、構造化の意味を共有させていただいた上で、さまざまな知的レベルや年齢の方への具体的な方法を紹介いたします。午後は、穏やかに、そして充足感をもって暮らすためのコミュニケーション支援について、さまざまな発達段階の幼児〜大人の事例のビデオをお見せしながら解説いたします。3日目は児童精神科医の宇野と内山が問題行動について背景や対策を考えます。ASDの問題行動は、かんしゃく・自傷・他害行為、多動や不注意などの衝動的行動、ひきこもりや昼夜逆転などに加え、いわゆる触法行為、さらには自殺企図やうつ・不安などの精神科的問題など多岐にわたります。その多くが、自閉症特性への配慮不足から生じていると考えられます。この講座では、ASDにみられやすい問題行動を解説し、その対応の方法を、海外での研究動向なども含めて紹介します。3日間のセミナーで、さまざまなことをお伝えしたいと思っています。ぜひ日々の支援に生かしてもらえたらと願っています。日時:2019年8月2日(金)~4日(日)場所:AP東京 八重洲通り(東京都中央区京橋1-10-7 KPP八重洲ビル8/2(金)7階 / 8/3(土)8/4(日)13階)プログラム:◇8月2日10:00~16:45 『改めて基本特性から考える:理解と評価』◇8月3日10:00~16:45『支援の原則と実際:構造化とコミュニケーション支援』◇8月4日10:00~16:45 『問題行動とそれへの対応』講師:蜂矢百合子(児童精神科医、よこはま発達クリニック/相談室)北沢香織(公認心理師・臨床心理士、よこはま発達クリニック/相談室)佐々木康栄(公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士、よこはま発達相談室/クリニック)飯塚直美(言語聴覚士、よこはま発達相談室/クリニック)宇野洋太(児童精神科医、国立精神・神経医療研究センター)内山登紀夫(児童精神科医、よこはま発達クリニック院長/よこはま発達相談室代表、大正大学 教授)対象:保護者、実際に療育・支援に携わっている方、学生など(中学生以下の参加はできません)料金:各日10,000円(税込)定員:120名(先着順)事務局:よこはま発達相談室(www.ydc-r.com)seminar@ypdc.netよこはま発達相談室よこはま発達クリニック
2019年04月25日Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみそして10年以上前にうつ病となったとき、通っている精神科の主治医に「趣味や余暇を大切にして」と、リフレッシュをオススメされました。でも…。Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみすっかり俳優のK田くんに心を奪われた私は、彼の情報収集が毎朝のルーティーンになりました。彼の出演作を毎日繰り返し見続け、研究することが私の趣味になったのです。Upload By ひらたともみ映画に出れば主役級のK田くん。映画には一般向けに試写会や初日舞台挨拶で出演者が登壇するのですが、このチケットをとるのはいつも争奪戦です。前列ともなるとプラチナチケットといってもいいほど。舞台挨拶の日はもちろん朝からスタンバイ!だから前乗りは必須です。前日夜から会場近くのゲストハウスに泊まります。ちょっとしたプチ旅行気分にもなれます。ちなみに、ゲストハウスでのお楽しみは、同じ宿に泊まっている外国の方との会話。(某オンライン英会話で勉強中なものの、なかなか上達しない)英会話の勉強も兼ねて積極的に外国人に話しかけるようにしています。日本にいながら、海外旅行気分も味わえるんです。Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみうつ病になって、一番困ったのが「リフレッシュ法」でした。私の場合、相手が知っている人だと、コミュニケーションするときにいろいろ考えてしまったり、頑張りすぎてしまう傾向があります。本当に疲れているときに友だちとお茶するとなると、ものすごいエネルギーが必要になり、ストレスフルに。どんどん心が疲弊してしまいます。対して、初めまして!の外国の方とのコミュニケーションは、ウエルカム。英語もろくに話せないのにストレスにならないか…と言われるのですが、外国を知らない私の異文化交流は、もっと知りたい、もっと話したい!という好奇心でいっぱいにしてくれます。K田くんの舞台を見て、娘とはしゃぎながら乗り継ぐ車窓からのネオンは、「ここには私に声をかけてくる知り合いがいないんだ」という安心感でいっぱいになります。知り合いがいない、いつも過ごしている場所とはちがう街での時間は、心を解放してくれる…からかなと思っています。私の場合、K田くんを追いかけることとゲストハウスの組み合わせが元気の源。私に限らず、いま、うつに悩んでいる人、苦しいなと感じている人は、好きなことをどんどん見つけて行動してみると、リフレッシュできるんじゃないかなと思います。行動するのは、最初はちょっとしんどいかもしれないけれど、試してみてもらえたらなと思います!のびのびと頑張らない自分でいられる場所こそが、今の私のリフレッシュ法。あとはコンビニのお惣菜とビールがあれば、最高です!
2019年04月25日娘の成長とともに、変わってきた親子関係小学2年生になってから、私への反抗が少しずつ強くなってきた娘。少しずつ、少しずつ…私たち親子の関係は悪くなっていきました。日常生活のいくつかのシーンで、険悪ムードになることもしばしば…。Upload By SAKURAこれが成長から来るものだと分かってはいました。私の指示にただ従うのではなく、自分で考えるようになってきたことで「私はこうしたいのに…」というような自我が出てきたんだ、と。だから、宿題や片づけに関しては、無理強いすることはないと捉えていました。でもその反抗は、わが家の「療育」にも影響してしまうようになってきたのです。忘れられないあの日のできごと宿題の間違いを正そうとしない娘に、その気持ちを聞こうと試みても…Upload By SAKURA私と面と向かって座ることも嫌がり、その後も私の言葉に耳を傾けてくれませんでした。さらに、「ママは私を可愛がっていない」という言葉は、私の心に突き刺さりました。そして私の心をえぐる言葉が…すかさずフォローしてくれた夫…しかし私は、娘の言葉がショックすぎて、放心状態でした。Upload By SAKURAその日から、私の悩める日々が始まりましたこの「療育」の日々は…私の独りよがりなのだろうか…。娘にとってはありがた迷惑なのだろうか…。今まで歩んできた日々が全部否定された気がしました。Upload By SAKURAそれから、私たちの関係は少しぎこちなくなりました。私が出合った、ある一つのきっかけそんな時、私は発達ナビで、とあるコラムを読みました。『自閉症長男を預けてラクしていいの?放課後等デイが母に教えてくれた「前向きな理由」』という、シュウママさんのコラムです。Upload By SAKURA現在私は在宅で仕事し、息子(下の子)を保育園に預けています。それもあって、娘は私が見なければ!預けるなんて、そんな楽をしてはいけない!と、このコラムを読むまで、思っていました。しかし、シュウママさんのコラムにあった「預けることで、母親は子どもに対して、心にゆとりを持って接することができる」という文章を見て、ハッとしました。親としての私を振り返ってみると…私は普段、娘が帰宅するまで仕事をし、娘の帰宅後は、宿題を見ながら、家事・炊事・宿題・療育を終わらせて、息子を保育園に迎えに行きます。思い返せば、娘と衝突することが多いのは、この夕方の時間帯。常にバタバタしていて、余裕をもって娘に接していなかったかもしれません。Upload By SAKURAそれでも私は、やっぱり放課後等デイサービスに頼っていいかわからず、できる限り余裕を持てるように、仕事や家事のやり方を試行錯誤してみました。しかし、どうしてもスムーズにいかず、子どもたちの病院まわりが入ると、私の一日はいくら時間があっても足りません。夫に話してみると、意外な反応が返ってきました!迷った私は、夫に「放課後等デイサービス」について相談しました。Upload By SAKURA夫は即答で賛成してくれました。そして、「あーさんが俺たちのいないところで、いろんな人と関わりながら学んでいるステップに来てるんだよ」と言いました。一番身近な人が、放課後等デイサービスでの人との関わりが娘の成長の過程にきっと必要なんだよ、そう背中を押してくれた――。「自分が楽をしていいのか」という自分基準で考えていたことを、夫は娘の成長を基準にとらえ、賛成してくれたのです。きっと夫は、娘の成長のことも、私と娘の関わりがうまくいっていないことも、私の悩みも、さまざまなことに思いをめぐらしたうえで、そう言ってくれたのでしょう。娘基準で考えたらいい、そう思えたとき、私の罪悪感は消え、「放課後等デイサービス」の利用へと、動き出す決意ができたのです。次回は、放課後等デイサービスを利用するまでのこと、どういう基準で利用する施設を選んだのかについて、ご紹介したいと思っています。
2019年04月24日自閉症の娘・サンちゃんの証明写真撮影はじめまして!たなかれもんと申します。娘のサンちゃん(自閉症で重度の知的障害あり)と、息子のワッくん、旦那さんと、日本の真ん中あたりで4人暮らしをしています。サンちゃんがもうすぐ5歳になる頃、証明写真を撮ることに。証明写真といえば、カメラ目線がマストです。それに、せっかくなら笑顔で可愛い写真が撮りたい…。いつも動き回っている娘、ブレずにカメラ目線の写真は撮れるの?娘の自然な笑顔を引き出せる場所って?大丈夫、とっておきの場所があるんです。今日はそんなある日の、たなか家の様子を紹介します。Upload By たなか れもんUpload By たなか れもんUpload By たなか れもん2年後…次の手帳更新に向けて、早くも動き出すわが家なのでした。
2019年04月23日小5なのに、もう中学校のことを考えるの?娘が小学5年生の秋のことです。その頃娘は、通常学級に在籍していましたが、主治医から「小学校卒業後の進路についてどう考えているか」と問われたのです。Upload By 荒木まち子それまでわが家では、毎年度末に「来年は通常学級にするか?特別支援級にするか?」ということを、本人も含めた家族で話し合って決めていました。そのため、主治医からこの話をされた当初は「まだ小5なのに、今から中学校のことを考えるなんて早すぎるのでは?」と思ったのです。でも…よく考えてみると、すぐに「決める」というのではなく、早いうちから「調べて」「考えておく」ことは、娘の将来の選択肢を広げる上で確かに大切なことかもしれないと思うようになりました。発達障害の子どもの進路は「分からないこと」だらけ!この出来事をきっかけに、発達障害がある娘の進路についてあれこれ考えてみました。すると、たくさんの疑問が浮かんできたのです。・中学校から特別支援学級に入級すると、特別支援学校高等部しか選べないの?・知的・身体障害がない場合、中学で特別支援学級に通っていても、特別支援学校高等部には入れないの?・特別支援学級に在籍していても公立高校を受験できるの?(内申書はどうなるの?)・地元の中学校に進学しない場合、その他の選択肢は、私立中学やフリースクールになるの?・高校ではなくフリースクールに進学する場合、高校卒業資格は取れる?取れない学校もあるの?・高校卒業後の進路ってどうなるんだろう?考えれば考えるほど、疑問は増していきます。そして小学校卒業後に通う中学校を決めることは、その先の高校や、さらに先の進路にも影響してくるのだということに気づきました。娘がこれからどう成長していくのかはまだイメージできないけれど、とりあえずどうなっても対応できるように、たくさん情報を集めよう。そして選ぶのは子ども自身だとしても、親がある程度は情報整理しておくようにしよう。私は、そう考えるようになったのです。いざ、情報収集スタート!当時娘は小学校の通常学級に在籍していたため、障害のある子どもに配慮された中学や高校の情報は入手することが難しく、自分たちで積極的に調べて探すしかありませんでした。そこで、娘の学習支援とSST(ソーシャルスキル・トレーニング)をしてくれていた家庭教師の先生に、中学や高校について尋ねてみたところ、さまざまな資料を持ってきてくださいました。そして、私が思っていた以上に多様な学校があることを知ったのです。例えば、通信制高校は学校教育法により「高等学校」と定められているので、一定の条件を満たせば高校卒業資格を取得することができます。でも似た名前の「通信制サポート校」は、通信制高校に通う生徒に対して勉強や精神面での支援を行っているので、通信制サポート校で勉強したとしても、高校卒業資格を取得することはできません。東京都の例だと、小・中学校で不登校になったり、高校を中退したりした子どもを受け入れる総合学科・定時制の「チャレンジスクール」や、小・中学校で十分能力を発揮できなかった生徒が、社会生活を送る上で必要な基礎的・基本的学力を身に付ける「エンカレッジスクール」という取り組みもあります。「え?通う日数を選べるの?」「受験に内申書が不要の学校もあるんだ」「芸術に特化した学校?」「そういえば、こっちの学校はテレビ番組で見たことがあるかも」資料を読みながら、私は自分の知識の無さを改めて感じました。こうした取り組みをしている学校は首都圏に多く、わが家からは距離的に厳しいケースもしばしばありましたが、それでも障害のある子どもにもさまざまな可能性や選択肢がいろいろあることを知り、驚いたのです。参考:これまで設置してきた多様なタイプの学校|東京都教育委員会資料やネットの情報では分からないこともあるこうした学校で、障害がある子どもにどのような配慮や支援をしているのか、具体的な内容を知りたいと思い、ネットのクチコミなども調べてみました。でも、ネットには「偏差値は〇〇」「芸能人の△△が通っている」「設備が充実している」「制服がかわいい」といった表面的な情報しかなく、私が本当に知りたかった情報を得ることはできませんでした。その学校が自分の子に合うかどうかは、やはり直接学校見学や説明会に行って、自分の目で確かめるしかない。そう感じた私は、早すぎるかもしれないと思いつつも、少しずつ学校見学をスタートすることにしたのです。次回コラムでは、実際に学校見学をして感じたことや、私たち親子が大切にした視点などについて紹介したいと思います。
2019年04月22日障害がある子が利用できるサービスの基礎知識から申請方法までが詰め込まれた1冊『障害のある子が将来にわたって受けられるサービスのすべて』障害がある子が産まれてから、親なきあとのことまで利用できるサービスを広く紹介されているので、今利用できるものの理解から、将来に向けて準備しておくことまでを1冊読むことで理解でき、漠然とした不安をを解消できそうです。1章は「保育・教育」に関するサービスについて。通所サービスの利用まで種類や利用までの流れ、多様な学びの場についてなどが紹介されています。2章では就労について、3章では障害者手帳によるサービスが、4章では障害者総合支援法に基づくサービスとして、ショートステイや同行援護、相談支援などさまざまなサービスや申請、費用などについての詳細を知ることができます。5章では、障害年金についての基礎知識や請求方法が、6章では親なきあとに向けてどのような制度が活用できるかが紹介されています。親子の視点で振り返る、0才から24才までの発達障害のある子どもの軌跡『ADHDと自閉症スペクトラムの自分がみつけた未来』ADHDと自閉症スペクトラムがある著者のこれまでの軌跡を、自身と母親2人の視点で振り返った一冊。生まれてすぐの様子から、幼稚園、小学校、中学、高校、大学、そして就職までがまとめて書かれています。多動、不登校、就活など、それぞれの時期にある困りごとや葛藤、乗り越えるまでがリアルな感情とともに綴られているため、描かれる場面の様子が鮮明にイメージできます。またこの本の特徴ともいえるのが、当事者である本人の声だけでなく、母親の声が共に紹介されていること。同じ時期に母親が考えていたこと、思ったことも記されているため、保護者としての気持ちに共感したり、こんな捉え方もあっていいんだ、と感じられるはず。子どもの感情を育てるヒントが盛りだくさん!『イラスト版子どもの感情力をアップする本 自己肯定感を高められる気持ちマネジメント50』嬉しい、楽しい、困った、悲しい、毎日たくんさんの気持ちがあふれる子どもたち。その一方で上手くそうした感情とつき合うことができない子どももいます。どのように感情を言葉にすれば良いかが分からなかったり、感情のコントロールが苦手であったりと、一人ひとり困りごとは異なります。この本では、場面ごとに子どもの気持ちを育くみ、自己肯定感を高めるヒントをワーク形式で紹介しています。心理学の専門家であり教育学博士でもある渡辺弥生先生が監修を務めます。イラストが主体のワークに加えてポイントで解説も書かれているので、子どもと一緒に取り組むのにぴったりな一冊です。3つのステップで友達や先生との関わり方を解説する『ソーシャルスキルトレーニング絵カード 小学生低学年版』①こんなとき②こうするよりは③こうしてみてはの”3つのステップ”で、場面ごとに人との上手なやり取りが分かる絵カードです。小学生低学年でよくある状況、お友達とのやりとりなどがかわいらしいイラストで描かれています。3つのステップを効果的に子どもに伝える使い方のヒントも紹介されているので、初めてでも取り組みやすいつくりです。また別売りの「アクトボイスペン」という音声ペンと連携しており、絵カードのセリフを読み上げてくれる仕様になっています。同じ言葉でも声色の違いを直接耳にすることで感情を読み解くヒントに繋がったり、実際の状況に近い練習としても使いやすそうです。教科別サポート方法も!発達に凸凹がある子どもの支援が分かる『小学校特別支援教育 指導スキル大全』発達障害のある子どもは小学校にあがると日常生活だけでなく、国語、算数、理科、社会など勉強で困ってしまう場合があります。教科ごとに必要なスキルが異なるため、学校や家庭での勉強のサポートにも工夫が必要です。この本には日常生活での場面に加えて、教科ごとのサポートのアイデアが沢山載っています。音楽や図工、体育や道徳などバリエーションに富んだ内容になっています。写真や例を沢山用いているため、すぐに実践することができそうです。
2019年04月20日こだわりが強いのぼる…。ADHDとASDがある長男の「好きなもの」の幅を広げたい長男・のぼるにはADHD(注意欠陥・多動性障害)と軽度のASD(自閉症スペクトラム)があります。4歳の頃は、いまよりこだわりも強く、特に踏切が大好きでした。でも、踏切のまわりで遊ぶのは危険が多すぎる…。私は、のぼるの「好き」の幅を広げられないかと、いろいろなところに出かけてみることにしました。Upload By ちちゃこUpload By ちちゃこUpload By ちちゃこ砂浜に行ってみようかな?ふと思い立ち、週末に家族で海に出かけてみたのですが…Upload By ちちゃこ海は、のぼるだけでなく、ひとしも楽しく遊べる場所でした。それ以来、海遊びは、わが家の定番になりました。Upload By ちちゃこ最後に、わが家の「海に遊びに行く時の必需品」をご紹介します。海水浴シーズン以外の静かな海での砂遊び、磯遊びもおすすめですよ。Upload By ちちゃこ
2019年04月19日Upload By 発達ナビニュースディック・ブルーナと、株式会社フェリシモの障害のある人たちを応援するCCP(チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト)が、「ブルーナ バリアフリープロジェクト」をスタートさせました。ブルーナ バリアフリープロジェクトは、フェリシモが車いすの女の子を家族にもつママ「meetme.egao」の想いと経験に共感して生まれました。ディック・ブルーナの絵本に出てくる車椅子に乗った女の子ろってちゃんをモチーフに、すべての人が共存する優しい環境を目指す、バリアフリーを広げるためのプロジェクトです。今回、「ろってちゃんふわふわワッペン」がプロジェクトの一環として発売されます。ベビーカーと間違われ、公共の場などでその使用について理解が得られにくい子ども用車いすに対して、一目でわかるようなマークをつけることで周囲への理解を広げる、心のバリアフリーを促進する商品です。ワッペンはディック・ブルーナの絵本「ろってちゃん」をモチーフに、カラフルな色合いとウレタンフォーム入りのコットン素材で優しい手触りに仕上げてあり、また福祉事業所で障がいのある方々が織った”さをり織り”のタグもついています。4月13日に販売がスタート!フェリシモのオンラインショップにて購入できるので、ぜひチェックしてみてください。【名称】ろってちゃんふわふわワッペン【価格】¥1,300+税【販売元】株式会社フェリシモ障害のある人の社会参加を応援することを目的として、2003年から活動しているCCPプロジェクトについて | フェリシモUpload By 発達ナビニュースわたしも、あなたも、赤ん坊も、おじいさんおばあさんも、障がいのある方も、 すべての人々が、日々の生活のなかで、新しい痕跡をつくっています。風景にかかわる表現との出会いを通して、 「いま」を、そして「あした」をどう暮らしていくかを考えるきっかけになることを願います福島県にあるはじまりの美術館。今回の企画展では、「風景」をテーマに8組の作家の作品を展示しています。クワクボリョウタさんによる日用品が風景のように見える光と影を用いたインスタレーション作品や、ハンセン病により故郷に帰ることが叶わなかった作家が故郷の思い出を表現した国立療養所菊池恵楓園絵画クラブ金陽会による平面作品、気に入った写真を何年も触り続けたことにより写真の形が変形した杉浦篤さんの作品など、それぞれの作家の目にうつる風景を表現した作品が並びます。谷川俊太郎さんの書き下ろしの新作の詩の展示も見所の1つです。また期間中は展覧会以外にも、使い捨てカメラで写真を撮り、撮った写真が後日小冊子担って手元に届くワークショップ「一瞬のヒント」、花の顔出し看板に自由に色を塗った蝶々を貼ったり写真を撮ったりできるアート企画、美術館周辺を歩いて地域の歴史を学ぶイベントなど、「風景」の見え方の変化を体感できるさまざまな企画も実施されます!お子さまも一緒に楽しめるものもあるので、開催日時を確認の上、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。【日時】2019年4月6日(土)〜2019年7月7日(日)、10:00〜18:00※火曜休館、4月30日は開館、6月22日は16:00閉館【会場】はじまりの美術館(福島県耶麻郡猪苗代町新町4873)【入場】一般500円、65歳以上250円、高校生以下・障害者手帳を持っている人および付き添い(1人まで)は無料【出展作家】クワクボリョウタ、国立療養所菊池恵楓園絵画クラブ金陽会、杉浦篤、鈴木のぞみ、 瀬尾夏美、高橋和彦、谷川俊太郎、ハナムラチカヒロ【問い合わせ】社会福祉法人安積愛育園 はじまりの美術館TEL/FAX 0242-62-3454Upload By 発達ナビニュース「親子の未来を支える会」が、チャリティーTシャツブランドJAMMINより、1週間限定でTシャツを販売します。「親子の未来を支える会」は、病気や障がいがある子供の将来について、他の家族や医療者にインターネットを通じて無料で相談できるピアサポートシステム「ゆりかご」や、胎児医療サポートなどの事業を通して、誰もが暮らしやすい未来を作るために活動を行うNPO法人です。今回発売されるTシャツのデザインでは、親子の未来を支える会のコンセプト「多様な命」が表現されています。描かれたさまざまな大きさや模様のタマゴたちが、1つひとつの命や家族が歩む道の多様さを表しています。今回のチャリティにより集まる金額は、現在親子の未来を支える会が設立を目指す「胎児ホットライン」の資金として使われる予定です。販売されるTシャツは色や形も豊富なので、お気に入りの一枚が見つかるかもしれません。【名称】Tシャツ【価格】3,400円(税込)〜【販売元】JAMMIN合同会社法人 親子の未来を支える会TシャツブランドJAMMINは、ファッションを通じて社会に貢献する「チャリティーブランド」です。Tシャツ1枚の購入につき、700円が団体に寄付されます。チャリティー先は毎週変わり、その団体のオリジナルデザインTシャツが販売されるのは1週間のみ。社会が現在抱える問題とそれに対して活動している人たちのことをより多く知ってもらいたいという思いが仕組み化されています。Tシャツを販売すると同時に団体の活動内容をわかりやすくまとめて発信しているので、今まで知らなかった団体の活動を知り、応援するきっかけも提供してくれます。
2019年04月16日4月2日は「自閉症啓発デー」4月2日は国連が定めた「世界自閉症啓発デー」です。3月21日の「世界ダウン症の日」とともに、世界中で想いを込めた啓発がおこなわれます。「希望」「癒し」といった意味をもつ「青」をテーマカラーに、啓発イベントでは参加者の洋服や持ち物から世界中のランドマークまでもが青く染まります。日本でも各地でイベントを目にした方もいるのではないでしょうか。日本では、さらに4月2日から8日までの一週間を「発達障害啓発週間」と定めています。自閉症のみでなく、発達障害に関して理解を深め、当事者やそのご家族への暖かな支援に繋げていく契機として取り組みがなされています。さまざまな支援の輪を広げる啓発イベントは日本の各地で開催されています。町中を歩いていて、またニュースなどでも目にした方も多いのではないでしょうか。今回発達ナビ編集部では、2019年4月2日に行われた東京タワーブルーイベントを取材してきました!当日の様子から開催者のイベントにかける想いまでをレポートします。東京タワーブルーイベントUpload By 発達ナビ編集部毎年行われる東京タワーでの自閉症啓発デーイベントも今年で8回目を迎えました。個性豊かなブースやステージに道行く人々も思わず足をとめてしまうほど、会場は賑わいを見せていました。自閉症をはじめとして、発達障害にまつわるさまざまな活動や支援を知ることのできるブースや日中のイベントは、当事者の方々やご家族・関係者、東ちづるさんが理事をつとめるGet in touchや自閉症協会などの団体から成る「TT2019実行委員会」が、日没後に行われる点灯式は厚生労働省が主催。盛り上がりを見せたブースやステージは、寒さや雨も吹き飛ばすような終始パワフルな雰囲気で、会場を包み込んでいました。体験型ブースには、子どもから大人までたくさんの人が真っ先に目の前に広がるのはブースの数々。青のパーカーや洋服を着た人々が多く集まる光景に思わず目を惹かれました。ブースでは"体験型"のものが多くありました!こうしたブースでは、知識として知ることだけでなく、実際に自閉症の感覚を体験してみたりゲームや作品を通すことでより身近に感じることができます。体験型ブースに参加している子ども達も楽しみながら知識や理解を深めていましたよ!Upload By 発達ナビ編集部写真は、2013年から自閉症啓発のイベントを行なっているGet in touchのブースです。当初は数十人規模ですべてを手がけていましたが、今では(Get in touchに関わる)さまざまな団体が積極的に参加し、それぞれが「自走」できるようになりました。「今回のイベントのメインである自閉症や発達障害だけでなく、話せない、聞こえない、歩けないなどいろいろな障害や病気の有無など関係なしにすべての人がもっと気楽に、自由に暮らせる”まぜこぜ”の社会を"エンターテイメント"を通してつくっていきたい」(Get in touch担当者)と言います。会場では、青い服を着てない人も顔認証技術によって画面上で青いものを身につけることができるという映像体験や、かわいらしいデザインのグッズなども販売されていました。「日本では”大変そう”といったイメージのある福祉ですが、人のためになるというかっこよさや、アートや映像を用いて楽しそう、スタイリッシュというイメージに変えていきたい」(Get in touch担当者)とも話してくれました。Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部こちらはADDSによる”自閉症の特性を体験”できるブースです。自閉症がある人には、視覚、触覚、聴覚と感覚の過敏さがある場合が多くあります。頭では理解しているつもりでも、どのような感覚なのかを知ることは難しいもの。視界が狭くなるメガネをつけたり、手先の感覚がわかりにくくなる手袋や聴覚過敏を再現する集音器を装着し、簡単なゲームをします。実際に感覚を体験することで、身近にいる自閉症のある人たちへの関り方のヒントを得られるようになればと、体験型のブースで啓発を行っているそうです。小さな子どもでも体験することができるので、多くの人が参加していました。Upload By 発達ナビ編集部おうちdeタッチケア ぐるーみんのブースでは、体をほぐす体験ができます。この団体は、自閉症の子どもを2人育てるお母さんが立ち上げたそうです。最初は母親自身の体が辛かったことから学び始めた体のケアでしたが、子どもたちに試してみると体が休まるだけでなく睡眠にも良い効果があったそう。「自閉症がある子どもは体が緊張し、硬直している場合が多くあります。そんな体をほぐしていくマッサージを、自宅でも簡単にできるように広めていきたい」(ぐるーみんの担当者)との思いから活動を始めたそうです。感覚過敏などもあり外でプロに施術してもらうのが不安な場合も、保護者がケアできる環境は安心できます。絵本の読み聞かせのような、心地の良い親子のコミュニケーションにもつながるホームケアです。歌やダンスのステージで会場が一体に!夕方になるとステージでパフォーマンスが行われました。「ダンデライオンゴスペルクワイア」の元気な歌声、「チームカラフル」の楽し気なダンスから始まり、演奏や歌を披露した「ミス日本」や「Necco楽団」も出演しました。Upload By 発達ナビ編集部「晋平太」さん、「SOCIAL WORKEEERZ」、「MUKU」のみなさんからなる、「STREET FUKUSH!」はダンスとラップでオーディエンスを惹きつけます。音楽やダンスを通じて会場にいる人たちが通じ合う空間になっていました。話すことが難しい人たちにとっての大切なコミュニケーション手段でもある”手話やジェスチャー、ハンドサイン”などを織り交ぜたダンスを披露。ラップでは「話せない」「伝えられない」という悩みや葛藤をリズムに乗せ、まっすぐな言葉で表現されていました。途中から2人の女性が壇上に上がり、ダンスで想いを伝えてくれました。Upload By 発達ナビ編集部シンガーの清貴さんはじめ「WE ARE ONE クワイア」のみなさんが素敵な歌を披露してくれました。清貴さんはリオ、平昌パラリンピックのフジテレビ系列テーマソングを手がけています。「一人一人がもっと自分らしく、好きなことを好きと言って生きられる世の中になっていってほしい」という思いで音楽を続けているそうです。希望を与えてくれるような歌詞や歌声に、観客の中には涙する人も…。心が温まるステージパフォーマンスの締めくくりとなりました。自閉症のあるキャラクター・ジュリアも参加!青い光に包まれる点灯式Upload By 発達ナビ編集部厚生労働省主催の点灯式では、今年は東京タワーが工事中のため、ハート型の巨大モニュメントがブルーにライトアップされました!この作品を手がけたのは、マスキングテープを用いたハートの作品を展開する作家の西村公一さん。会場に集うみんなの心に青い光が灯るようで今回のイベントにぴったりの作品です。また、点灯のボタンを押す際には、自閉症のあるセサミストリートのキャラクター・ジュリアと仲間たちも加わりました!会場に集う人々がひとつのモニュメントを見つめる中、光が灯りブルーに輝くハートのモニュメントはとても幻想的でした。もっと生きやすい社会へ。知ること、伝えることを広げていこうUpload By 発達ナビ編集部イベントには大人から子どもまで多くの方が参加していました。また、道を歩いていた人たちもブースやパフォーマンスに足を止め、当事者や関係者はもとより幅広い人々を巻き込んだイベントとなりました。啓発イベントを始めた頃は参加者も少なかったそうですが、回を重ねるごとに認知の輪は広がってきました。生きづらさを抱えた人々が自由に、自分らしく生きられる社会をつくるには、多くの人が力を合わせて取り組む必要があります。変化は行動の積み重ねによって少しづつ現れるものですが、今回のように、さまざまな人が参加しやすい啓発の機会をつくり、多くの人に自閉症をはじめ、さまざまな障害を伝え、理解を広げていくことの大切さを感じられるイベントでした。取材協力:日本自閉症協会、TT2019実行委員会
2019年04月16日大きなお兄ちゃんと小さな妹の発達凸凹ライフ!Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ発達障害の特性ってこんなに幅がある!検査結果はほぼ一緒の兄妹を育てる中で、感じていること「発達障害があるとどうなるの?」「発達障害がある子ってどんな行動をとるものなの?」発達凸凹兄妹を育てていると、こんな風に聞かれることもよくあります。でも、同じ診断名だったとしても、わが家の子ども達のように検査結果が似ていたとしても、一人ひとり違う人間。似ている部分ももちろんあるけれど、それ以上に、困りごとも、やることも、好きなことも、それぞれ違うのです…。だから「症状も行動もいろいろです」としか言えなかったりします。特性があっても、日々の生活の中で困りごとが出てくれば障害になるけれど、困らなければ障害ではなくなります。同じような特性を持って生まれてきても、行動への現れ方はそれぞれ。幅がある。発達ナビでの連載コラムでは、そんなわが家の兄妹の生活ぶりをつづっていく予定です。「(診断名も検査結果も)おんなじなのに、こんなに違うの!?」という実例として、見てもらえたらうれしいです。Upload By 寺島ヒロ子どもたちは発達凸凹、得意なことも苦手なことも振れ幅大きすぎ!でも、どこかほのぼの明るい寺島家の毎日がつづられています。発達が気になる子どもと暮らすヒントがぎゅっと詰まった一冊!
2019年04月15日3部構成の講演会で語られた、学校選びと子どもの「好き!」の伸ばし方Upload By 発達ナビ編集部コンベンションホールで行われた講演会は3部構成。まずは第1部、井上雅彦先生の基調講演からスタート。井上先生は鳥取大学大学院 医学系研究科 臨床心理学講座教授、子どもから成人期までの心理臨床が専門。学童期の子育ての悩みに答え、鳥取大学の相談室では大学生のカウンセリングをしています。講演の内容は「学童期の⼦育ての悩みに応える⼦どもの将来に向けて今親ができること」。たくさんの事例も交えて話してくださいました。親にできる大切なことは「子どもの好きなことをたくさん見つけて言葉にしてみること」。大好きなことを続ける中で自己肯定感・自己管理力が育ち、自己肯定感はやる気につながるという話題は、このあと2部、3部のパネルトークの中でもたびたびテーマとして上がりました。「好きなことを見つけてあげて、というと、保護者からは、『好きなことでは食えない』といった否定的な意見が出たりします。でも、好きなことは将来の役に立ちます。気分を変えたいとき、趣味があることが、生きていくエネルギーになるんです。カウンセリングをしていてしんどいと感じるのは、『好きなものはなくなりました、かつてはあったけど』とか『何もしたくありません』という言葉です」(井上先生)たしかにお金を稼ぐことにはなかなか直結しないことだけれど、「好きなこと」があるおかげで、不登校だった中学生が高校へ行き始めたという例もありました。在籍学級は、何度でも選び直しができる。ベストよりベターを選ぼうUpload By 発達ナビ編集部新1年生は、今まさに入学式シーズンですが、7月には、来年度の就学相談が始まります。通常学級なのか、特別支援学級なのか、特別支援学校なのか、どういう選択肢がわが子に合うのか、その選び方で迷う保護者も多いところです。「まず情報集めですが、これは住んでいる地域によっても差があるし、情報を集めれば集めるほど、それぞれにメリット・デメリットがあると分かります。そうすると、かえって追い詰められる気分になってしまうこともあるでしょう。でも、覚えておいてほしいのは『選び直しはできる』ということ。ベストよりもベターを選ぼう、と考えてほしいです。6年間は長いのですが、その間に変えることができるんです。合わなかったら変えてもいい、そんな風に思っていてください。」(井上先生)学校だけでない学びの場や方法について、パネルトークUpload By 発達ナビ編集部講演会第2部は、「発達が気になるお子さまの学習について」と題し、子どもの学習に関する新しいサービスを展開している2社の代表によるパネルトーク。株式会社すららネット佐々木章太さん、株式会社WOODY中里祐次さんが登壇しました。すららネットは、発達が気になる子どもの家庭学習の困りごとを解決するサービス。学習塾や放課後等デイサービスへも教材提供をしています。学年の枠にとらわれない「無学年式」の学習教材がメインですが、それだけでは解決できない問題について、新しいサービスをリリースしたのだそう。それは、学習指導の困りごとを解消し、保護者の方々が子どもとの関わり方を学びながら楽しく子育てができるよう支援する”勉強”におけるペアレントトレーニング(通称:勉強ペアトレ)です。どんな風に関わることで、子どもの自己肯定感を育み、勉強への意欲につなげられるかなどを学ぶことができる、オンライン型のサービスです。すららネットの「勉強ペアトレ」は、子どもだけでなく保護者の自己肯定感にも向き合うプログラムで、第1部の井上先生の話とも共鳴する内容でした。参考:すららネットWOODYは、「好きで自信をつくり、好きで社会とつながる」ために、好きなことを見つけるマッチングサービス「Branch」を提供。好きなことをどう極めていくかを教えてくれる「メンター」と、親子をつなぐのがブランチの役割です。例として、ある小学生のケースが紹介されました。小学校1年生のころに学校の先生に怒られ続けて不登校になり緘黙になったその子は、小学校6年生のころに「メンター」と出会いました。数学、物理、サッカー情報、債券市場などが好きな子で、気になると何時間でも調べているそう。親以外との社会とのつながりがなかったその子は、初めてメンターとつながることにより社会との接点ができ、今は他の国で学校に行っているそうです。学校の成績を上げるということも大切ですが、子どもが「家庭以外にも安心できる場所を作ることも大切」と中里さんは話します。好きなことを言語化する手伝いをしていくのがBranchというサービス。これも、「好き」を軸にしていくことが大切という井上先生の話ともリンクしていました。参考:ブランチインクルーシブ教育を進めるための「戦略」とは?専門家と保護者がディスカッションUpload By 発達ナビ編集部第3部は、発達障害のある子どもを育てている保護者2人と、星槎大学大学院准教授阿部利彦先生によるパネルトーク。まずは2人の保護者の自己紹介から。白砂ゆき子さんは、長男が小学校1年生で通常学級に在籍しながら特別支援教室を利用しています。古山真紀子さんは、中1の長女(ASD・ADHD・LD)、小4の長男(ASD・ADHD・LD)、3歳の次男(グレーゾーン)の3人を育てていて、「どれだけ親子で楽にいられるか」をテーマに発達障害の啓発活動をしています。続いて「発達が気になる子どもの学級選びと進路・小中学生編」と題して、阿部先生の講演。第1部の井上先生の学級選びの考え方の話に、さらに具体的な考え方、行動のしかたについて言及されました。長く相談支援員として活動してきた阿部先生ならではの切り口で、通常学級の担任の先生のタイプによって、合理的配慮をしてもらうための「戦略」をどう練るかといったかなり実践的なことにまで言及されました。Upload By 発達ナビ編集部白砂さん、古山さんは深くうなずきながら聞き、その後ディスカッションに。白砂さんからは「一人だと分からないままで不安だから、同じような悩みを持つ人とつながることが大事だと痛感しています。少し先輩の存在の大切さですね」という意見が。古山さんからは、「ずっと『この子の秀でたところを探さなきゃ』と思っていましたが、そうじゃなくて、この子の好きなことを探せばいいと分かりました。好きなことだったらがまんもできるし、伸びるんですよね。漠然と『この先どうなるの?』と大きな風船を抱えていた感じだったのが、一つひとつ不安の中身が分かったら、小さい風船がいくつもあるような感じになりました。これを一つずつつぶしていこうと思います」という感想が上がりました。展示・販売ブース、ワークショップも充実!Upload By 発達ナビ編集部講演会と別のフロアでは、発達障害のある子どもや、その保護者のニーズに合う商品・サービスの展示や販売、ワークショップが行われました。出展していた7つのブースは、ただ商品を紹介するだけでなく、さまざまな実体験ができるコーナーもあり、親子で楽しめる工夫がいっぱい。コープみらいのプリンやヨーグルトの試食コーナー、睡眠障害が軽減されるというラーゴム社の「チェーンブランケット」を実際に試せたり、書籍販売、デザイン性と軽さ、機能性を両立させた「ふわりぃランドセル」を背負って写真ができるフォトブースも。ピーエーエス社の「pinto」シリーズの商品の展示もありました。学校や家の椅子に取りつけることで正しい姿勢を保つサポートができる座位保持シートの展示コーナーでは、実際に座ってみる親子の姿が見られました。ニューロネット・ジャパンでは、「ニューロトラッカー」をミニ体験できるコーナーを設けていました。ニューロトラッカーは、視覚による知覚認知能力を活性化することで、脳の高次機能注意力を鍛えるメンタルトレーニングツールです。3D眼鏡をかけて、画面のボールを追います。実際には、ボールはただ画面の上下左右に動くだけでなく、遠くなったり近くなったりして見えています。ターゲットに決めたボールを記憶して目で追いかけ、ターゲットを正解して、ステージをクリアしていきます。トライした4歳の男の子は、「面白かった」と話してくれました。会場ではワークショップも。「お金」のセミナーは注目の的Upload By 発達ナビ編集部予約制で開催された5つのワークショップにも多くの方の参加がありました。すららネットによる「ペアトレ」体験、仕事体験テーマパーク「カンドゥー」による、魔法使いになって”ねるねるねるね”をつくる体験、ASDの特徴のひとつ「知覚過敏」を体験できるVRなど、見る・聞くだけでなく体を使って、親子で学び・遊べるワークショップ。tobiraco(トビラコ)のブースでは、子ども向けと保護者向けのワークショップが開催。アロマ粘土を使ったワークショップに参加した子どもたちは、思い思いの作品を自由に作って楽しんでいました。保護者向けには、アロママッサージが行われました。また、保護者にとって気になる話題、「発達が気になるお子さまの『親なきあとのお金』セミナー」では、参加者が熱心にメモをとる姿も。講師の行政書士・渡部伸先生と三菱UFJ信託銀行の小谷亨一氏の分かりやすいお話は、聞くと安心できる内容で、「子どものためにいくらのこすか、よりも、どうのこすかが大切」と、実践的な話題がいっぱいでした。ゆったり広々した会場で、たくさんの人がそれぞれに楽しむことができる「発達ナビ子育てフェスタ」。「子どもの将来へのヒントが見つかりますように。そして日常を離れて少しでもリラックスして過ごしてもらえたらうれしいです。またぜひ、会員同士の交流の場にもしてほしいです」という、開会の言葉通りのイベントとなったのではないかと感じられました。イベントのスポンサー紹介今回のイベントには、多くの企業の皆さまにご協賛いただきました。以下では、スポンサー企業のみなさまのサービスをご紹介します。発達が気になるお子さんにも合いやすい学習・トレーニングサービスや、生活の困りごとを解消するサービスをご提供されています。ぜひご覧ください!Upload By 発達ナビ編集部LIFULL HOME’S 住まいの窓口は、住まい選び・家づくりの無料相談窓口です。発達が気になるお子さまをお持ちのご家族向けにも、住宅購入に関する相談を承っております。ハウジングアドバイザーがご希望の条件を整理し、あなたの要望に沿った会社をご紹介します。店舗は首都圏27店舗ございます(※2019年4月1日現在)。詳しくはサイトよりご確認ください。Upload By 発達ナビ編集部「個別指導のコーチング1」は発達障害・グレーゾーン専門の個別指導塾・家庭教師を提供しています。自立して学習を行うためのコーチングのノウハウを発達障害のあるお子さまの学習指導に応用しています。授業中だけでなく、授業外での週間計画を作成し、お子さまの学習習慣を築き上げていきます。中学受験・高校受験対策を行う発達障害専門の進学塾です。Upload By 発達ナビ編集部「ラーゴム・ジャパン」が手がける、スウェーデン生まれの”チェーンブランケット”は、適度な重みがあり、まるでハグされているような感覚をつくることで、不安感が不眠につながっている人に効果があると言われています。チェーンが内蔵されたこのブランケットには、4キロから14キロまで6タイプの重さのバリエーションや、キッズ向けタイプもあり、好みに合わせて選ぶことができます。Upload By 発達ナビ編集部「ニューロトラッカー」は、北アメリカで生まれた、脳トレ・ツールです。アメリカでは、発達障害がある子どもの注意力・集中力・作業メモリーなどの向上のために活用されているほか、アスリートのメンタル・トレーニングとしても取り入れられています。パソコンを使って、ゲーム感覚でトレーニングに取り組むことができます。上記のサイトをご覧になって、ニューロトラッカーに関心を持たれたご家庭向けの、モニター募集も実施中。以下のフォームからご応募ください。ニューロトラッカー体験モニター応募フォーム取材・文:関川 香織撮影:鈴木 江実子
2019年04月11日発達が気になる子どもにかかわる仕事って?必要な資格や仕事内容、働く人の本音まで知ることができる!発達が気になる子どもにかかわる仕事について「資格要件・仕事内容などの基礎を学べる」「大手法人と、仕事内容やキャリアに関してフランクに話せる」という、魅力たっぷりのイベント「LITALICOキャリアしごとフェスタ」を開催します。出典 : イベントでは、発達支援の事業所を運営する大手法人が個別ブースを出展。気になる法人と仕事内容・働き方・キャリアに関してフランクに話をすることができます。同時に「業界に関する知識や経験がなくて不安」「どのようにキャリアを積んでいくか知りたい」という声にこたえ、児童福祉分野で働くうえでの基礎知識がわかる「気になる福祉のお仕事まるわかりセミナー」や、「福祉業界のキャリアの歩み方」といった、どんな方にもきっと役立つプログラムも実施!会場には児童福祉分野に詳しいキャリアアドバイザーによる無料相談コーナーを設けます。「保育士や幼稚園教諭、学校教員の資格や経験って活かせるの?」「私に合った働き方を知りたい」といった疑問も気軽に相談できるので、疑問を解消することができます。現在児童福祉業界(児童発達支援・放課後等デイサービス)で働いている方、保育や教育・福祉の経験を発達支援に活かしてみたい方、児童福祉業界での働き方を知りたい方はぜひこの機会に、話を聞いたり、相談してみたりしてはいかがでしょうか。参加希望の方は、以下の概要を確認のうえ、申し込みフォームからお申し込みください。「LITALICOキャリア しごとフェスタ」開催概要【日時】4月14日(日)14:00~18:00※途中参加・途中退場可【会場】YCC ヨコハマ創造都市センター横浜市中区本町6-50-1▷アクセス■みなとみらい線 馬車道駅 1b出口(野毛・桜木町口・アイランドタワー連絡口直結)■JR・市営地下鉄線 桜木町駅 徒歩5分■JR・市営地下鉄線 関内駅 徒歩7分【日程】4月20日(土)14:00~18:30※途中参加・途中退場可【会場】生涯学習センター東京都八王子市東町5-6▷アクセス■JR八王子駅北口から徒歩4分北口駅前、桑並木通りクリエイトホール内■京王八王子駅から徒歩4分***********《2会場共通》【参加費】無料【参加特典】①参加者全員にQUOカード1000円プレゼント!②さらに、2名以上でご来場いただくと、追加でQUOカード1000円分プレゼント!「LITALICOキャリア しごとフェスタ」の見どころ紹介発達が気になる子どもの支援事業(児童発達支援・放課後等デイサービス)を運営する大手法人が、支援の特徴や、仕事内容、職場環境等について、説明いたします。アットホームな雰囲気の中、法人の担当者の方とフランクに話すことができます。【横浜会場】参加法人・株式会社フロンティア(e-キッズひろば)・.Connect 株式会社(このこのリーフ)・有限会社エスエヌ企画(ライズ児童デイサービス)・介護福祉サービス株式会社(放課後等デイサービス夢門塾)・社会福祉法人県央福祉会・合同会社らしさ・アイビートーク株式会社(すてっぷわん)・株式会社LITALICO(LITALICOジュニア)ほか【八王子会場】参加法人・特定非営利活動法人ひの・I-BASYO・株式会社LITALICO(LITALICOジュニア)ほかみなさまの知りたいことに合わせた約30分のセミナーを開催いたします。出典 : 【A】気になる福祉のお仕事まるわかりセミナー福祉業界について、知識・経験がない方もご安心ください。・発達が気になる子どもの支援の仕事とは・「児童発達支援」「放課後等デイサービス」とは・どうやったら福祉業界ではたらけるの?資格は必要?(児童指導員・児童発達支援管理責任者など)など、わかりやすく解説します。【B】福祉業界のキャリアの歩み方「いま子どもの支援の仕事をしているけれど、この経験を活かせる他の仕事ってあるのかな?」「今いる事業所とは別の支援の方法も挑戦してみたい」などと思っていらっしゃる方はいらっしゃいませんか?福祉業界のキャリアの歩み方や考え方について、さまざまなキャリア例をもとに、解説いたします。※内容は変更になる可能性がございます。福祉の仕事全般に関する疑問点、転職の不安・悩み等、ぜひ何でもご相談ください。「私でも発達支援の仕事ってできるのかな?」「これまでの経験を活かしてキャリアアップしたいけどどうしたらいいかわからない」そんなあなたの悩み・不安・疑問を児童福祉・障害福祉分野専門のキャリアアドバイザーが一緒に解消します。「LITALICOキャリアしごとフェスタ」は、発達が気になるお子さまへの支援にかかわる仕事について、一日で理解を深められるイベントです。ぜひご来場ください!【本イベントに関する問い合わせ先】LITALICOキャリア事務局info_event@litalico-c.jp
2019年04月11日夫に聞いてみた。発達障害育児、パパとしてのホンネって?広汎性発達障害の娘を育てる私たち夫婦。これまで子育てと療育を話し合い、協力しあってきましたが、実は夫の気持ちについては面と向かって聞いてこなかった…そうだ、質問してみよう!と思い立った私。前回、冷静に見えた夫が実は不安な気持ちでいたことに初めて気づきました。それを前向きに変えるために、いろいろ考え、子どもにも私にも心がけていたことがあることも…じゃあ、あの時は、あのことはどう思っていたんだろう?この際、気になったこと、夫にどんどん聞いていきます!Q.広汎性発達障害の診断がついた時、どう思った?まずは、娘の診断について。私は最初から、グレーンゾーンでどっちつかずな状態が中途半端で嫌だったので、「診断名がつくなら早くついてほしい」と思っていましたが…。Upload By SAKURA発達障害とは思っていたけど、どのタイプの発達障害かはわからなかった夫。正式に病名がついて、この発達障害について自分自身も調べることができ、娘の「できる」「できない」の理由も分かったので、診断がついて良かったと思ったそうです。私も、診断名がついた時、これからのことに身が引き締まる思いだったので、夫以上に「良かった」と感じていました。Q.特別支援学級への進級についてどう思った?娘は小学校入学時に通常学級に進学しましたが、昨年から特別支援学級に通うことになりました。娘の学び成長する大切な場所。在籍の変更にあたっては、夫婦であれこれ悩み…学校と話し合いもしました。Upload By SAKURA「娘が対象かもしれない」となった時、特別支援学級のことをどういう場所なのか、夫婦でいろいろ調べました。特別支援学級の、正しい現状を知ってからは、いいところばかりが見えてきました。特別支援学級に進級したことで、娘は…書けなかった作文が特別支援学級の先生の手助けで書けるようになったり、先生からの口頭の指示が、先生と一対一になることで聞き取れるようになったり、できることの幅も広がったので、今はとてもいい判断だったと思っているそうです。Q.娘の苦手(コミュニケーション・言葉)について、どう思っている?Upload By SAKURA言語や、相手の状況を考えて判断することが苦手な娘。娘自身も「自分がしゃべることが苦手」だということを知っているので、娘が苦しむ姿を見るのは心が痛くなるのだそうです。と、同時に、娘の将来のために、今、苦手にしている部分を少しでも克服できるよう、私たちでできる限りのことをしておこうと改めて思うそうです。Q.二人目ができた時、不安はあった?私たち夫婦には娘の他に2歳になる長男がいます。二人目の妊娠時、私は…「赤ちゃんの泣き声が苦手なあーさんは、大丈夫だろうか…」「あーさんの療育の時間、ちゃんと取れるだろうか…」と不安たっぷりでした。夫はどう思ってたのでしょうか?Upload By SAKURAしかし夫は、不安はなかったようです。逆に2人目ができたことで環境が変化するので、その刺激で、更に娘が成長できるのではないかという期待をしたといいます。夫婦で分かっているようで、初めて知った夫の気持ち。「パパに質問」意外といいかも♡今回、普段しないいろんな質問をし、夫が過去に思っていたこと…今思っていること…を知りました。聞きながら、そしてコラムを書きながら、正直泣きそうでした。療育に協力的なだけでなく、夫の考え方は、私よりはるかに進んでいるところにあると分かりました。私はこの夫がいなければ、娘の療育に積極的に取り組むことはできないでしょう。毎日、朝から夜まで仕事をし、子どもたちと遊んでくれる。私が娘のことで悩んだ時は、私の気が済むまで話を聞いてくれ、私が娘とぶつかった時は、仲裁に入ってくれる。夫は夫で思うところがあっても、私たちのために明るく振舞ってくれる。娘の発育の遅れが発覚してから、わが家が一度も暗くならなかったのは、いつも明るい夫のおかげだと、私は思っています。ただ夫が、わが子の障害を認め、寄り添ってくれるだけで、どんなに力になったか…Upload By SAKURA夫を改めて見直したのでした(笑)
2019年04月10日神奈川県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報ヨリドコロ横浜は、「ギフト=天性の才能や能力、神様からの贈り物」に満ち溢れている子どもたちが、もっともっと可能性を発揮できる世の中にしたい、という思いを胸に、2019年4月にオープンした事業所です。「アートデザイン療育」という、色彩をベースとしたカリキュラムを通して、子どもたちの表現力や創造力を養い、子どもたちの可能性を信じ、引き出し、将来の選択肢を広げるサポートをしているそう。お子さまの現状をしっかりと把握したうえで、「現段階での子どもたちの成長にとって何が一番よいのか」をご家族と一緒に追求し、楽しく個性を伸ばせる環境づくりを心がけています。ベテランの児童発達支援管理責任者をはじめ、小学校教諭、絵を極めてきたアーティスト、スポーツが大得意なお兄さんなど、さまざまな資格や特技をもつ専門スタッフが在籍しています。神奈川県の児童発達支援事業所をもっと見る通所支援施設とは?このコラムで紹介した「ヨリドコロ横浜」は児童発達支援を行う施設です。児童発達支援とは、障害児通所支援のひとつ。この4月から、新たにこのような通所支援施設を利用したいと考えている方も多いのではないでしょうか?そこで、通所支援施設とはどういうものかについて紹介します。これは、障害がある子どもを支えるための児童福祉法に基づく制度です。自宅から施設に通ってサービスを受けるタイプの事業の総称で、未就学児を対象とした児童発達支援、就学児が授業後や休みの日に通う放課後等デイサービスのほか、医療型児童発達支援や保育所等訪問支援などもあります。それぞれのサービスについて、詳しく紹介しているコラムもぜひ参考にしてみてください。施設の情報を探すには「施設情報」ページが便利!Upload By 発達ナビ施設情報LITALICO発達ナビの「施設情報」ページでは、放課後等デイサービス・児童発達支援施設を中心とした、お子さんの発達を支援する施設の情報を掲載中!お近くの施設を希望の条件に合わせて検索することができます。所在地や施設区分での検索のほか、受け入れ障害種別や受け入れ年齢、送迎や土日祝日の営業の有無など詳しい条件での絞り込みも可能になるなど、よりニーズに合った施設が探しやすいページへと少しずつパワーアップしています。また、新しく利用する施設を探すだけでなく、すでに利用中の施設があれば「利用者の声」を投稿することで他のお子さんの施設探しの参考になることも。ぜひお住まいの地域の施設を検索してみてください!
2019年04月09日発達障害の娘についてコラムを書くとき、心がけていること私はコラムで娘のことを書くときには、内容を娘本人に読んでもらってから完成させるようにしています。そうすることで私の記憶に間違いや思い違いがないかを確認できますし、また、本人の口から当時のことを聞くことで「え?あのときはそんなふうに考えていたの?」と、新たな気付きを得ることもあるからです。過去の出来事を振り返る作業は、ときには辛いこともありますが、娘の反抗期もある程度落ち着いた今「あぁ、あのときはそうだったよね~」と、笑って話せることも多いです。そんな娘の「原稿チェック」の様子は…Upload By 荒木まち子娘は一見、私が書いた原稿を最後までしっかり読んでいないように見えることもあるのですが、実際にはそんなことはありません。娘は幼い頃から「目からの情報」が入りやすい子どもでした。学校では言葉での一斉指示が入りづらく、廊下に気になる掲示物があると立ち止まって見入ってしまうこともしばしばありました。娘は読書も大好きで、放課後等デイサービスでは休憩も取らず何時間も本を読みふけってしまい、体調を崩してしまったこともあります。年齢とともに読む本のジャンルも広がりましたが、読むスピードも年々速くなっているようで、「ほんとに“読んだ”の?」「“見た”だけじゃないの?」と思うほど、あっという間に読み終えてしまうのです。娘は数年前にあるワークショップに参加して、認知特性を調べたことがあるのですが、そのときに「視覚優位の“カメラアイ”の特性が強い」「聴覚からの情報を処理することが苦手なタイプ」という結果が出ました。カメラアイとは、視覚優位の中でも物事を「写真」として記憶するタイプのことを指すのですが、これには本人も私も心底納得したものです。娘にとって「カメラアイ」は、うれしい特性ではないこのカメラアイによって速読することができるため、一見役に立ちそうな特性であり、定型発達の弟にうらやましがられることもあります。でも本人にとっては…Upload By 荒木まち子娘にとっては、カメラアイはそれほどうれしい特性ではないそうです。娘は、体調を崩したり不安が強くなったりすると「フラッシュバック」を起こすことがあります。これは過去の辛かった出来事や誰かに言われたことなどが、あたかもその場で再び起きているかのように鮮明に思い出される症状で、カメラアイという特性ゆえに起こります。娘はこのフラッシュバックに苦しめられており、その様子は傍から見ていてもとても辛そうです。娘なりのフラッシュバックとのつき合い方「フラッシュバックが起きたらコレ!」というような、即効性のある解決方法や特効薬は残念ながらありません。娘の場合は趣味の絵を描いたり、好みの音楽を聞いたりするなど、自分の好きなことに意識を向けると落ち着くようです。また、現在は「辛い」という事実を専門家や本人が信頼する人に話すことも実践しています。娘は今年で社会人2年目を迎えます。「大人の世界」では学生時代のようにいじめられたり、心無いことを言われたりすることはありません。それでもこの厄介な特性はいまだに娘を悩ますことがあります。幸いにも娘は特性に理解がある環境で働くことができています。でもそうはいっても「職場」は物事を教えてくれる「学校」でも、日常生活の困りごとを相談する「相談センター」でもありません。労働に対する対価を得るところです。この一年でそれを実感した娘は、自分の特性に向き合いつつ、困った時の対処法や相談先を日々模索しています。フラッシュバックへの娘なりの対応も、そのひとつです。最近では娘が悩みつつも学生時代のように受動的ではなく、自ら障害に関するセミナーに参加したりと、主体性をもって自分の特性について学び、自己理解を深め、解決策の工夫を考えるようになってきたことを私はうれしく感じています。
2019年04月08日自閉症の息子ができることを増やしたい『発達障害に生まれて』(松永正訓著/中央公論新社)ノンフィクションのモデルとなった立石美津子です。息子が特別支援学校高等部3年生だった時のこと。私はリンゴの皮むきをしていて、ふとこんなことを思いました。「親である私がいつまでも切ってやるのでは、息子の自立を阻んでしまうのではないか?将来グループホームに入るにしても、これくらいは1人でできるようにならないと困るだろう。」そう考えだすと、居ても立ってもいられなくなり…。私は、息子にリンゴの皮むきの練習をさせることにしました。リンゴの皮むき、どうしたらできるようになる?リンゴの皮むきを練習させるにあたり、私にはひとつ心配事がありました。それは、「息子が練習の途中で上手くできず、私がダメ出ししたなら、パニックになってしまうだろう」ということです。それはそうですよね。できない課題を与えられて、一生懸命に取り組んでいるのにダメ出しされてしまうのでは、人間誰しも心が折れてしまうと思います。「今度は失敗しないように頑張ろう!」という前向きな気持ちには、なかなかなれないでしょう。そこで私は、いきなり高い目標を掲げるのではなく、スモールステップで成功体験を積みながら次の課題へと進んでいけるよう工夫してみました。わが家で実践したリンゴの皮むきの練習法Upload By 立石美津子「〇月になったらリンゴの皮むきを練習しよう」と、1ヶ月前から予告しました。わが家の場合、息子は学校生活最後の高等部3年生でしたので、「就労の実習も始まるし、だんだんと大人に近づいてきているから、リンゴの皮むきを練習しよう」というように話をしました。まず、リンゴを半分に切る練習をしました。リンゴが大きすぎたり形がいびつだったりするとうまく切れないので、同じ種類で、なるべく切りやすそうな形のものを買ってくるなど、準備にも気を配りました。ここでのゴールは、とにかく「2つに切る」ということだけです。大きさがバラバラに切れてしまったりしても何も言わず、ただ切れたことだけをオーバーに褒める。そして翌日からは「昨日よりも上手く切れたね!」と褒めちぎることを心がけました。Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子半分に切ったものを更に半分に切って、4分の1にする練習をしました。 この時も「昨日よりも上手に切れているね!」と褒めるようにしました。Upload By 立石美津子4分の1にした後、両端の芯を切り落とす練習をしました。Upload By 立石美津子芯を切り取る練習をしました。一気に進めないで、あくまでも「少しずつ次のことに取り組む」のがポイントです。Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子ここでいよいよ、最終ゴールである「皮をむく」に挑戦しました。Upload By 立石美津子分厚く切っても、逆に実が薄くなってしまっても、決してダメ出しはしません。そして「昨日よりも上手にできたね」とだけ言うようにしました。Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子こうしてスモールステップを積み重ねていくことで、無事にリンゴの皮をむけるようになりました。ひとつひとつのステップにじっくり取り組み、5週間という時間をかけましたが、おかげで息子は失敗してもパニックになることなく、リンゴの皮むきができるようになったのです。Upload By 立石美津子スモールステップを積み重ねる方法は、さまざまな場面で有効今回リンゴの皮むきを練習させる際に意識したのは、この3つのポイントです。1. あくまでもスモールステップを積み重ねる。前の週にやらせたことを必ず新しい練習の中に組み込み、「前より上手になったね」と褒めることを忘れない。2. 連続して毎日取り組む。3. 失敗したとしても、本人のがんばりを決して否定しない。今回わが家ではリンゴの皮むきの練習をしましたが、この方法はさまざまな場面で活用することができると思います。私は昔、特別支援学校教諭免許を取るための実習で、「シャツの5個のボタンをとめる練習」を特別支援学校の生徒と行ったことがあります。実はこのときも、1週間ごとに課題を増やすやり方をしていたのです。具体的には次のような手順で練習をしていました。Upload By 立石美津子●1週間目1番下のボダンだけ自分でとめます。1番上のボタンは首元にあるため、自分の目で確かめながらとめるのが難しく、下のボタンから練習をする方がやりやすいのです。●2週間目下から2番目までを自分でとめます。●3週間目下から3番目までを自分でとめます。●4週間目下から4番目までを自分でとめます。●5週間目5個のボタン全部を自分でとめます。もっと小さな子どもの場合、すべり台の練習をする時にもこの方法を試してみたらどうでしょう。子どもがすべり台を怖がっている時、いきなり上まで登らせてしまうとこわくなってしまうかもしれませんから。●1週間目親はすべり台の横に立ち、下から3分の1くらいのところに子どもを座らせる。そこから、親が脇を持ってあげてすべらせる。●2週間目同じ要領で、今度は下からちょうど半分くらいのところから、親が脇を持ってあげてすべらせる。●3週間目同じ要領で、今度は上から、親が脇を持ってあげてすべらせる。●4週間目上から親と一緒にすべる。●5週間目1人ですべる。時間がかかってもいい。急がば回れ!息子がリンゴを切れるようになるのに1か月以上かかりましたが、これだけ時間をかけたからこそできるようになったのだと思います。最初から完璧にやらせようとしすぎてダメ出しをし、親子喧嘩になるということも避けられました。良かった良かった!まさに「急がば回れ」です。今では、リンゴの皮むきは完全に息子に任せていて、私よりも上手にむけるようになりました。「自分は果物をむける」ということが自信になったようで、柿や梨をむく係も率先してやってくれます。私も「できてあたり前」だと思わず、「ありがとう、今日もうまくむけているね」の言葉を忘れないようにしています。
2019年04月05日むっくん一家の「旅行の心得 8ケ条」みなさん、ゴールデンウイークはお出かけの予定はありますか?ちょっと先の夏休みの予定もそろそろ立て始めるころでしょうか。ですが、発達凸凹ちゃんに限らず、小さな子ども連れの旅行ってものすごく大変です。わが家の暴れん坊たちも、もちろんすっごく大変です。それでも何とか楽しい旅行にしたいですよね。そこで、わが家の宿泊の心得をまとめてみました。わが家の家族旅行は、事前準備がキモなんです…!Upload By ウチノコ宿泊ってとってもワクワクします。洋室かな、和室かな。どっちに泊まろう?なんて言いながらステキなお部屋を探しますが、ふと冷静に考えてみると、洋室はベッド…。寝具がやたら好きなわが家の2人。家でさえ布団を敷くだけで運動会です。ベッドと2人のコラボを想像してみると地獄じゃないか!!和室だ、和室!!ベッド常設の洋室の場合、部屋に入った瞬間から親子の戦いが始まるけれど、和室であれば布団が敷かれてから寝るまでの短期決戦で済みますから。そんなわけでわが家では、宿泊の際はできる限り和室を予約するように心がけています。Upload By ウチノコ宿泊先とは、電話でコンタクトをとることを意識しています。子連れであること、子どもは2歳と5歳の男の子であること。ものすごく賑やかであることを必ず伝えるようにしています。インターネット予約では2人の賑やかさを伝えることを難しく感じることもあり、電話で声で、真剣にこちらの状況を伝えておくことを心がけています。お伝えしていないよりも、きちんとお伝えしておいた方が、宿泊先の方にとっても好ましいのでは?と考えているのですが、実際どうなんでしょう…。Upload By ウチノコいよいよ旅・当日です。わが家では子どもを部屋に入れる前に、夫婦どちらかが先回りして、息子たちの興味を引きそうなものを隠すようにしています。とくに電話は対策がマスト。息子たち、電話を見つけたら、絶対にかけちゃいます。緊急用の懐中電灯に、靴ベラも戦いごっこの武器になり危険です。床の間の壺に枕もとのランプも、一度目に入ってしまったら、彼らは忘れません。見つかった後に隠しても、出してくれ!と大泣きになることが目に見えています。そんなわけで入室時は気が抜けません。Upload By ウチノコ部屋に入った2人はまず探検をはじめます。開けられるところはすべて開けます。押し入れの中身やクローゼットを物色、金庫に冷蔵庫のチェック。靴箱のスリッパはぜーんぶ試し履き。2人は初めての場所に不安を感じているようで、すべて自分の目や手で確認すると安心できるようです。2人に危険が及ばないよう見守りつつですが、「安心する儀式」を止めてしまわないように気をつけています。Upload By ウチノコ早く座ってゆっくりしたいなーと思いつつも息子たちの探検を見守りますが、机上のおやつを見つけたところで終わりを迎えます。ごはん前だってかまいません。それで落ち着けるならそれでいい、どうぞ召し上がれ!旅行先で楽しそうにしていても、2人には環境の変化というストレスがかかります。お家ルールをいつもよりゆる~くしてあげることが旅行先で親子うまくやるコツな気がしています。Upload By ウチノコ「子ども用浴衣用意しています」と宿の案内に書いてあったとしても、いつものパジャマは必ず持参します。繰り返しますが、環境の変化は2人にとってストレスです。ストレスでいつもより扱い辛くなる2人は、宿泊先の見慣れない、着慣れない子ども用の浴衣は拒否!野生動物かのような鋭い感覚を持つ2人には、いつもと違う場所で、いつもと違う衣類を身につけるなんて命にかかわるほど危険な行為に思えるのかもしれません。運よく袖を通してくれても、それで眠ることは無理。いつものパジャマであることが安眠につながるのです。Upload By ウチノコ宿泊予約時の話に戻りますが、わが家は食事場所は個室もしくは部屋食をお願いするようにしています。食事処だと、ひとしきり自分の食事を食べ終えたら走り回りはじめてしまう2人…。ですから、大人はコース料理2品目のお刺身が出たところで引き上げることになります。食事処ではゆっくり最後の料理まで食べられないのです。そんなわけで予約の時に食事場所の希望も念入りにお伝えしてます。多少の追加料金は目をつむろう、食事くらいゆっくりたべたいじゃない…。Upload By ウチノコスマホを大いに利用して、食事だけはゆっくり食べます。そう!このための個室か部屋食!部屋食だと尚、気持ちが楽。元気いっぱいの子どもと一緒に1日お出かけしたんだもん。温泉だって駆け足入浴だもん。食事時間くらいは死守したって、きっとバチは当たりません!子どもたちだって、自分たちは食べ終わっているのに、大人の食事が終わるまで「静かにしろ」だの「じっとしてろ」だの言われず、のんびり過ごせてお互いハッピーなんじゃないかなと思っています。ご家庭ごとにいろんな心得があるかと思いますが、わが家の場合いかに入念に準備計画するかが旅行の命運を分けます。最近ではキャンプ場が気が楽でお気に入りですが、子どもが乳児のうちはキャンプは難しいし、たまには奮発して旅館も楽しみたい!楽しい思い出づくりのため、しっかり準備して、わが家も皆さまにとっても楽しいゴールデンウィークになることを願っています!
2019年04月04日