「絵本」について知りたいことや今話題の「絵本」についての記事をチェック! (10/15)
ウーマンエキサイトをご覧のみなさん、こんにちは。モチコです。赤ちゃんのときから指しゃぶりをしていたイチコ。そろそろやめてほしいなぁと思いつつ、精神安定効果もあるらしいし、本人も「やめない!」と言い張るし、大人の歯が生えるまではいいか~とのんびり構えていました。ところが、幼稚園の歯科検診で「今やめないと矯正コースやで!」と言われてしまい…。急きょ指しゃぶり卒業に取り組むことにしました。手始めに、ママ友から「上の子はこの絵本で指しゃぶりやめたよ!」と勧めてもらった絵本を読み聞かせてみることにしました。その絵本は、指しゃぶりをする女の子の指にできた「ゆびたこ」(顔あり)がしゃべりかけてくるというもの。さぁこの絵本で、ビビりのイチコは指しゃぶりをやめられるのでしょうか!?■ウワサの絵本「ゆびたこ」を読み聞かせてみた絵本の「ゆびたこ」を異様に怖がるイチコ。予想通りとは言え、そのビビりっぷり、若干めんどく…ゲフンゲフン。しかし「ゆびたこ」のおかげで、期待以上にすんなりやめることができました!おめでとうイチコ! ありがとうゆびたこ!指しゃぶりは精神安定効果があると聞いたことがあったので、「不安定になったらどうしよう」と少し心配しましたが、特にそんなことはありませんでした。ただ、思わぬ問題が…。■指しゃぶり卒業で、イチコが失ったものそう、指しゃぶりは入眠儀式だったので、寝つきが悪くなったのです…!お昼寝させなくてもダメ、ぬいぐるみを与えてみてもダメ、歌もトントンもダメ。結局イチコが眠くなるのを待つので、寝かしつけに1時間以上かかることも。そして私が先に寝落ちすることもたまに…いや、しばしば。指しゃぶり以外の入眠儀式を見つけることに必死な今日この頃です。
2017年09月25日絵本って、子供だけのモノと思っていませんか?―――いえいえ、大人だって十分楽しめるんです。■チェコは絵本大国って知ってた?意外と知られていないかもしれませんが、チェコは絵本大国。どこか懐かしいような素朴さや温かさ。色彩豊かなダイナミックなイラスト。洗練されたデザイン。さまざまなタイプがあり、そのどれもが人気です。かつて共産主義時代に、比較的表現の自由が許されていたのが、子供向けの絵本やアニメーションだったそうです。きっと、子供たちに向けた愛情で溢れているのでしょうね。日本でも、たくさんのコレクターがいるんですよ。■「ロボット」の生みの親、チャペック兄弟がつくる絵本チェコの国民的作家であるカレル・チャペック。「ロボット」という言葉を世界へ生み出した人物として有名です。その兄ヨゼフ・チャペックは、カレルが書いた作品の装丁や挿絵を描きました。カレルの『子犬のダーシェンカ』という写真絵本や、ヨゼフの『こいぬとこねこは愉快な仲間』などは日本でもよく知られています。他にも、たくさんの日本語版作品が出ています。ほのぼのとした素朴なお話は、大人の方にこそ手に取ってもらいたいものばかり。■チェコを代表するイラストレーター、ヨゼフ・ラダのつくる絵本続いて紹介するのは、チェコでは知らない人はいないほどの国民的イラストレータであるヨゼフ・ラダの作品。こちらも日本でたくさん目にすることができます。田園風景や動物など、素朴な絵柄と優しい色合い、チェコらしいなと思わせる作品です。彼の故郷、Hrusice(フルシツェ)はチェコの観光名所でもあります。■ズデニェック・ミレルがつくる絵本――日本でもお馴染みの「もぐらくん」もぐらの「クルテク」は、日本でも大人気ですね。「クルテク」シリーズは日本語版も出ていますし、アニメ化もされています。そんな「クルテク」の生みの親、ズデニェック・ミレルの作品は、世界中の子供に届けたい、という思いからあまりセリフが入っていません。その代わり、子供が大好きな色や音を作品に反映しています。かくいう私も、チェコ語がわからない頃から、子供たちと一緒に楽しんでいました。■幻想的な挿絵が美しいオタ・ヤネチェックの絵本こちらは、グリム童話『眠れる森の美女』のチェコ語バージョン。オタ・ヤネチェックの幻想的なイラストが美しいの一言。ふんわりとした独特の作風、日本にもファンが多いです。■おしゃれなタッチのアドルフ・ボルン画家としても有名なアドルフ・ボルンの作品は、ユーモラスでもあり、シュールさも感じさせます。モダンでおしゃれな絵をよく見つめていると、やっぱり大人向けのような気もしてきます。コミックスといっても、日本の漫画とは少し異なりますが、漫画家としても有名です。『ツォウルとツォウレック』という猫の漫画や『ビーテクとなかまたち』(日本語訳版あり)は、チェコでは知らない人はいないほど有名な作品です。■やみつきになるチェコ絵本こんなに愛らしいイラストを目にしてしまうと、大人でもつい手に取ってしまいませんか?その反面、チェコ絵本は、挿絵を画家が描いているものも多く、日本の絵本と比べるとリアルすぎてギョッとしてしまうものもあります。つい、目が離せなくなりませんか?チェコの絵本は、子供の絵本というより、まさに芸術本。お土産やプレゼントにもおすすめですよ。
2017年09月04日こんにちは、きたあかりです。ムスメと絵本の初めての出会いは、生後1ヶ月のころ。まだ目の焦点も曖昧だったムスメに、添い寝して一方的に語りかけるスタイルでした。最初は絵本を読むこと自体がなんだか気恥ずかしくて、定期的に中年男性ボイスを交えたり絵本をグリグリ動かしたり、ハイテンションに読み聞かせていました。ムスメも「どうしたんだろこの人…」くらいに思っていたかもしれません。それでも絵本って、自分が読んでもらった時のことを思い出したり、大人向けの本にはない奇想天外さがあったりして面白いんですよね。何よりムスメの反応の変化で成長が分かるのが嬉しかったです。最初は宙を眺めていても、次第に絵を目で追うようになり、笑うようになり、拳で感想を語るようになり…絵本を奪い取るようになり、折り、曲げ、かじるようになり…。今思うと、リビングに絵本を置いてたのが良くなかったです。一応上にものを置いたり手に取りにくい所に置いたりと防御策も取ってはいたのですが、完全にいたちごっこでことごとく突破されていました。 そしてある日、ついに恐れていた事態がおこります。デストロイ欲旺盛なムスメも、一応何かしてはいけないことをやっちゃった感は感じ取っていたみたいです。しばし散り散りになったページを無言で眺めたのち、そ…っと寄せ集めていました。まさか初めてのパズルが絵本になるとは…。 その後もしばらく破る以外の破壊工作は続きましたが、一歳になった頃ついに1人でも絵本を読むようになりました。ああ、あんなにひたすらかじってた絵本が…! 歯がためじゃなく! 読む対象になってる…! うん…よく見たらちょいちょいかじってるけど…でも読んでるー!今では絵本読むよー、と本を見せて呼ぶとぱぁっと笑顔になり、小走りで近付いてきてヤンキー座りした上で聴いてくれるようになりました。(三回に一回くらい)先のページのセリフを言ったり、読んでる最中に次のページをめくったりしてくれます。乱暴されて日に日にボロボロになっていく絵本ですが、私もムスメもいつも楽しませてもらっています。
2017年08月27日夏休みは普段より自然とのふれあいが多くなるシーズンですよね。私たちが開放的な気分になるように、夏に活動が活発になる生き物もたくさんいます。ちょっとした草むらの茂みや木々の周りを注意深くのぞいてみると、そこにいるのは元気な昆虫たち! 今回はそんな夏の昆虫をテーマにした絵本をご紹介します。「虫が苦手」というお子さんに読みやすい作品もあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。■ぞうきばやしのすもうたいかい作:広野 多珂子/絵:廣野 研一/出版社:福音館書店 「ぞうきばやしのすもうたいかい」 とあるぞうきばやしの切り株のうえ。ここでおこなわれているのは昆虫たちの相撲大会です。「みあってみあって」「のこったのこった」のかけ声はまさに相撲ならでは! カナブンとタマムシ、カマキリとダンゴムシ、クワガタとカブトムシなど現実的には目にするのが難しい虫たちの1対1の戦いを勝敗の行方を含めて観察できる絵本です。「絶対負けるでしょ」という虫が見事勝利をおさめる大どんでん返しもあり、親子ともども迫力ある昆虫バトルに熱くなってしまいそうですね。■むしとりにいこうよ!作:はた こうしろう/出版社:ほるぷ出版 「むしとりにいこうよ!」 大きな網をもって虫とりに出かける兄弟のお話絵本。虫とりの天才、お兄ちゃんから公園にいくまでの道にもさまざまな昆虫がいることを教えてもらう弟。葉っぱの上、石の裏、木の枝の先っちょなど、通いなれた道の途中もたくさんの昆虫が生きていることがわかります。絵本のなかでは弟の「ぼく」が語りべとなっていますが、モデルは作者のはたさん本人とのこと。実際、夏休みには毎日虫とりに没頭するお兄ちゃんの影響もあり昆虫さがしに夢中になっていったそう。登場する虫たちのイラストはやわらかいタッチで愛嬌たっぷり。虫が苦手なお子さんの、初めての虫絵本としてもおすすめです。■セミたちの夏写真・文:筒井 学/出版社:小学館 「セミたちの夏」 セミは夏の風物詩として広く知られていますが、つかまえて手にとったり、木にとまっている姿を間近で見たり、じっくり観察したことのある人は少ないかもしれません。みずみずしい卵から幼虫が顔をだす瞬間、土にもぐるためにトンネルをほっている様子、久しぶりに地上にでたときの表情…。特に圧倒されてしまうのは、一瞬一瞬のセミの輝きをとらえた写真です。成虫としての2週間の生を余すことなく映した写真は神秘的な美しさを秘め、絵本というより上質な写真集のよう。絵本をキッカケにわが子が昆虫に興味をもつようになった、というママの声も寄せられています。■バッタさんのきせつ作:エルンスト・クライドルフ/訳:佐々木 田鶴子/出版社:ほるぷ出版 「バッタさんのきせつ」 作者はクライドルフという詩人画家で、小さな生き物の世界を愛をもって見つめてきたそう。絵本では食べ物や人以外の生き物を擬人化したり、キャラクター化することが多いですが、こちらの絵本ではバッタを「人間」によせることはしません。もしも虫たちの声を耳にする力を手に入れたなら、きっとこんな風におしゃべりしているんだろうなぁと実感できる作品に仕上がっており、それは作者自身の観察眼によるものといえそうです。「ボールなげ」「みはりばん」「夜の音楽」など見開きごとにテーマ性をもってつづられるバッタたちのストーリーは、詩的で独特。自分も一緒にはいりこんでみたくなる世界観が広がっています。■おいでよ!むしのもり作:タダ サトシ/出版社:小学館 「おいでよ!むしのもり」 「すいえいたいかい」「まいごのヘラクレスくん」「あきのむしのもり」といった短編3本からなるこちらの絵本は、森に住む虫たちと子どもたちのあたたかな交流が丁寧に描きこまれています。ここでは人間の子どもと森の虫たちが友だちとして時間を共有しており、虫たちの世界を人間のままに感じられるのが新鮮! 互いを思いやる関係性を目にすることもでき、相手への優しい気持ちには人も虫も関係がないことに気づかされます。お話のなかでは「むしが4ひきかくれているよ。さがしてね」といったクイズも盛り込まれており、遊びながら虫たちの世界を体感できる一冊に仕上がっているようです。夏ならではの昆虫をテーマにした絵本をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。虫そのものの知識が深まる作品もあれば、引き込まれるような世界観を築いている作品も…。興味をもった一冊から、虫たちにふれあってみてくださいね。
2017年08月24日夏の風物詩といわれて思い浮かぶもののひとつに「怖い話」があります。話にでてくるお化けの存在は子どもにとっても不気味で、思い出したくないものだったりしますよね。でも、なかには人を驚かせるのが好きなわんぱくお化けや、人と仲良くしたいだけの陽気なお化けもいるようです。今回は苦手なお化けがいつの間にか好きになる、楽しいお化け絵本をご紹介しましょう。■角野栄子のちいさなどうわたち1作:角野 栄子/絵:佐々木 洋子/出版社:ポプラ社 「角野栄子のちいさなどうわたち1」 主人公はお化けのアッチ、コッチ、ソッチ。お化けというと怖がられる存在ですが、この絵本に登場するお化けはみんなから愛される人気者です。小さくて愛らしい3匹(?)がおりなすクスッと笑えるお話なら「怖いお化けは嫌い!」というお子さんも怖がらずに楽しめるはず。字も大きく見やすいため「絵本から童話への架け橋になる」といったママからの口コミも寄せられています。■おばけのはなし 1文:寺村 輝夫/画家:ヒサクニヒコ/出版社:あかね書房 「おばけのはなし 1」 「のっぺらぼう」「ひとつ目こぞう」「ばいろんばけもの」「ばけものたいじ」「ばけねこおどり」など、9つのお話が1冊で楽しめるこちらは挿し絵入りで臨場感もたっぷり。「お化けは苦手だけど、この絵本はなぜか好き」というお子さんもおり、どの話がいちばん好きかを親子でいいあうのも盛り上がりそうです。お話に慣れれば「今日はどれがいい?」と寝る前の読み聞かせ用絵本にしてもいいですね。■赤ちゃんおばけベロンカ作:クリスティーネ・ネストリンガー/絵:フランツィスカ・ビアマン/出版社:偕成社 「赤ちゃんおばけベロンカ」 気弱な男の子・ヨッシーは、怖いもの知らずな妹にいつもたじたじ。そこで妹を驚かせるために手作りのお化け人形をつくることにしました。ひょんなことから人形が動き出し、その人形をお世話することになる兄と妹の距離はいつのまにかちぢまって…。初めは不気味な赤ちゃん人形がだんだんかわいく見えてくるのが不思議! 人形も人間も、赤ちゃんのお世話は同じように大変… とほほえましくなる絵本です。■おばけやさん(1) これがおばけやさんのしごとです作・絵:おかべ りか/出版社:偕成社 「おばけやさん(1) これがおばけやさんのしごとです」 頼みごとをお化けが引き受けてくれる「おばけやさん」。お店のあるじはなんと小学生の男の子という特殊すぎる設定がおもしろい一冊です。本のなかにでてくるお仕事はなるほど、お化けでなくちゃできないなぁ… と妙に納得。困ったときはお化けをレンタルして手伝ってもらうことができるなんておもしろいし、夢がありますね。住んでいる町にこんなお店があったらいいね、と笑いあえるお化け絵本です。■おばけうんどうかい作・絵:矢玉 四郎/出版社:PHP研究所 「おばけうんどうかい」 『はれときどきぶた』でおなじみの矢玉四郎さんが描くお化け絵本の舞台は運動会! ある日、本物のお化けから運動会の「すけっと」を頼まれたしんちゃんはお化けぐすりを飲んで、自分もお化けに変身! 暮石運び、へびひき、くものすわたりといったお化け界ならではの競技に挑みます。どうあっても勝とうと卑怯な手を使ってくる赤組に、しんちゃんのいる白組ははたして勝てるのでしょうか…。とにかく楽しく競技に参加するお化けたちに、元気をわけてもらえる一冊です。「怖い話」が夏の風物詩になった理由は「暑くても血の気がスッと引くことで涼しくなるから」「死んだ人の霊が返ってくるお盆の季節だから」など諸説あるよう…。でも今回紹介した絵本は血の気が引くこともないし、幽霊ともまた違うお話ばかり。今年の夏は楽しいお化け絵本のなかからお気に入りの一冊を見つけてみてはいかがでしょうか。
2017年08月09日ひとつのストーリーの中で喜怒哀楽を感じたり、さまざまな"体験"をすることができる「絵本」。あなたのお気に入りの絵本はありますか? 気になるあの人のおすすめの絵本、子育てについてインタビューします!■芸人 北陽 虻川美穂子さん(1児のママ)プロフィール1974年、埼玉県北葛飾郡生まれ。高校の同級生でもある伊藤さおりさんと「北陽」を結成。バラエティを中心に、CM、ドラマなど多方面で活躍中。2010年、恵比寿のイタリアンレストラン「オステリア ルッカ」のオーナーシェフでテレビや雑誌などでも活躍する桝谷周一郎さんと結婚。2015年男児を出産、1児のママ。ブログでの泣き笑い育児がママたちの共感を得て、度々話題に。虻川さん、伊藤さんが子育てについて語った北陽初の子育て本『 北陽の母ちゃん業まっしぐら 』(主婦の友社)が好評発売中。Blog: 「はれ 時々 あぶ」 HP: 北陽プロフィール (プロダクション人力舎)■ユーモラスな絵本が好きだった少女時代―― まず、幼少時代について教えてください。やはりみんなを笑わせるようなお子さんだったんですか?虻川:それが全然なんですよ。おとなしくて引っ込み思案でしたね。何かで列に並ぶのも一番最後……って感じでした。それに、バービー人形で遊ぶのが好きな子どもでした。―― なんだか意外ですね(笑)虻川:そうですか!? 松田聖子さんの「夏の扉」が好きで、あの頃は、聖子ちゃんカットをして、私もぶりっこしてたんです(笑)。―― 子どもの頃、読んだ絵本で印象に残っているものってありますか?虻川:悲しいお話よりは、ユーモラスなものとか楽しい絵本が好きでした。リズムがよかったのとお遊戯でやったこともあって 『おおきなかぶ』 は印象に残ってますね。―― 『おおきなかぶ』は小学校の教科書で習った人も多いかもしれませんね。虻川:そういえば、小学校の頃、絵本をつくる授業があったんですけど、雲のところに綿をつけたり、銀紙を貼ったりして作りました。楽しかったなぁ。最終的には製本までしてもらったので、うれしい思い出です。―― それは楽しそう! もし、大人になった今、絵本を作るとしたらどんなストーリーにします?虻川:うーん、迷いますけど、男の子が主人公のちょっとトボけたSFみたいな話がいいかなぁ。―― ちょっとトボけたSFとは! 気になりますね(笑)、大作の予感! いまは、息子さんに絵本を読んであげることもありますか?虻川:読みますね~。夜、寝る前に息子が「読んで」と絵本を持ってくるんです。本の楽しさは伝えつつ、子どもの想像力を大切にしたいなと思いながら読んでます。 ■虻川美穂子さんのおすすめ絵本3冊虻川さんがご自身やお子さんと一緒に読む絵本の中から、お気に入りの3冊を教えていただきました。子どもの頃から、ユーモラスな絵本が好きという虻川さんが選んでくださったのは、やはりシュールでちょっと笑えるもの、そしてその中に結構深いテーマが隠れているものでした。▼1:『はれときどきぶた』主人公の則安君が「あしたの日記」をつけるのですが、そこに書いたでたらめのことが本当に起こるというお話。私が小学生の頃に読んで、面白さに衝撃を受けました。続編もすべて好き!(虻川さん) 『はれときどきぶた』 作・絵: 矢玉四郎出版社: 岩崎書店 明日は「はれ、ときどきぶたがふるでしょう」。則安君が書いたでたらめの日記。ところが本当にぶたが! 大人気ベストセラー童話。(岩崎書店サイトより)▼2:『しげちゃんとじりつさん』甘えん坊で怖がりのしげちゃんは、それまではバアちゃんと一緒に寝ていたのですが、ある時ひとりで寝てみた時に、天井にふたつの目が現れて……というお話。親目線で読むと、子どもながらにいろんなことを考えるんだなぁと思います。同時に、自分の子どもの頃のワクワクやドキドキがよみがえったりもします。(虻川さん) 『しげちゃんとじりつさん』 作: 室井 滋絵:長谷川義史出版社: 金の星社 しげちゃんは甘えん坊で怖がりだ。バアちゃんと一緒に寝て、首からお守りを下げている。成績表に「自立を」って書かれ、お母さんは今夜から一人で寝なさい! と言う。ちょっと怖いけど、おもしろい! ユーモア満載の絵本。▼3:『もうぬげない』ようふくが脱げなくなった……その時、男の子がいろいろな妄想をするのですが、その主人公の男の子がかわいい! ストーリーもほほえましくて、思わず笑ってしまいます。息子も好きな本。ラストまで面白いです。(虻川さん) 『もうぬげない』 作・絵:ヨシタケ シンスケ出版社:ブロンズ新社ふくがひっかかってぬげなくなって、もう どれくらいたったのかしら。このままずっとぬげなかったらどうしよう。このままおとなになるのかな。ぬがないまま、工夫しながら生きる? ぬげない仲間をみつけて、たのしく生きる? あれこれ考えるうち、だんだんおなかがさむくなってきて......。(ブロンズ新社サイトより)■虻ちゃん流子育ては「シリアスになりすぎない」こと―― もしかして、息子さんはそろそろイヤイヤ期突入ですか?虻川:2015年2月生まれなので、もうすぐ2歳半。まさにイヤイヤ期ですね。あと、運動量が増えてきて、もうついて行けないんですよね、親が(笑)。でも、かわいくて仕方がないです~。―― 確かに「イヤイヤ」することもかわいいですが、イラッとしたりしませんか?虻川:もちろんあります! 泣きたいことも多いけど、子育ての中には、その分、笑いもたくさんあるので、あんまりシリアスにならないようにしています。子どもを育てることは初体験の連続ですし、自分の生活や考え方なども180度変わりましたね。―― 最後に、まだ少し先のことですが、息子さんには将来どんな大人になって欲しいですか?虻川:よい仲間に出会い、心身ともに柔軟なおもしろ味のある人になって欲しいです! ―― ありがとうございました! ママがよい仲間と一緒に楽しく過ごしている姿を見て、息子さんもきっと虻川さんのように素敵に成長していきそうですね。■育児はキラキラしているばかりじゃない!「妊娠中は出産をすることだけを考えていたので、産んでからこんなにひっちゃかめっちゃかになるとは思ってなかった!」と語る虻川さん。家事が大の苦手な虻川さんは離乳食づくりに失敗したり、初めての育児に戸惑ったり、アクシデントは日常茶飯事なのだとか。そして、同時期にママになった相方の伊藤さおりさんと綴った『 北陽の母ちゃん業まっしぐら 』には、”いわゆる素敵で理想的な子育てとは異なる泣き笑いエピソード”がたくさん詰まっています。虻川さんは「私たちのキラキラしていない育児本を読んで、少しほっとしてください(笑)」とおっしゃっていました。虻川さんのブログ「 はれ 時々 あぶ 」では、愛情いっぱい、育児に奮闘している姿も。ぜひチェックしてみてくださいね!
2017年08月04日2015年に発行された絵本『ママがおばけになっちゃった!』(講談社刊)。シリーズ累計55万部を記録するベストセラー絵本。事故で突然死んでしまったママが、おばけになって4歳の息子のもとへ現れ、ママがいなくなってさみしがる息子を励ましながら、じっくりと大切なことを伝えていく絵本です。発売当初から「ありえないストーリー」「子どもがショックを受ける」など、賛否両論あり話題になりましたが、「子どもに“大好き”と伝えることの大切さを知った」や「泣けて、なぜか笑ってしまう絵本」など多くのファンから支持されている絵本です。その人気絵本の世界が楽しめる展覧会『ママがおばけになっちゃった! 絵本作家のぶみの世界展』が8月3日(木)から、二子玉川ライズのiTSCOM STUDIO&HALLで開催されます。半年以上前から準備をしてきた絵本作家のぶみさんに展覧会への意気込み、作品への思いをインタビューしました。子どももママも、おばあちゃんも。3世代がそれぞれ楽しめるイベントに昨年、阪急うめだ本店でも開催され、大盛況のイベントだったそうですね。今回はどんな展示になっていますか?「一番の見どころは、このイベントで初公開する『ママがおばけになっちゃった!』の最新作『ぼく、ママとけっこんする!』です! 9月15日に発売なのですが、ひと足早く読み聞かせをします。この最新作も含めて、これまでのシリーズの原画を一同に展示しますよ。原画展というと、ママや大人は楽しめるけど子どもは退屈…ということが多いのですが、今回は子どもが楽しめて、ママやおばあちゃんもくつろげるような空間づくりをしました。子どもには、巨大なママおばけとボールプール、自由に作ったり描いたりできる粘土コーナー&落書きコーナーで、たっぷり遊びながら、『ママが〜』の世界を楽しんでもらう。ママには原画やインタビュー映像がじっくり楽しめるように、おばあちゃんのためには椅子を増やし、そこに絵本を置いて、休みながら読めるように工夫しました。コーヒーが無料で飲めるコーナーもあるんですよ。昨年は“子どもが帰らない展覧会”と言われましたが(笑)、それ以上に楽しめる展覧会になったはず」新作『おこらせるくん』『このママにきーめた!』も新作「『おこらせるくん』(KADOKAWA刊)は、全国のママから聞いたお悩み第1位「子どもにすぐ怒ってしまう」の理由を絵本にしたもの。なぜママが怒るかといえば、子どものことが好きすぎて、自分より幸せになってほしい・成功してほしいという思いが加熱するからなんです。でも子どもは、怒っているママが嫌い。絵本を通じて、ママはなぜ怒るかの理由を冷静に判断できるし、子どもはママが怒る理由を知り、お互いの絆がきっと深まるはずです。『このママにきーめた!』(サンマーク出版刊)は、体内記憶がある子どもたち100人から話を聞いて作った絵本です。体内記憶がある子どもになぜ産まれてきたかを聞くと、『ママを選んで産まれてきた。ママを喜ばせるために』とみんなが答えました。子どもはママを喜ばせたい一心で、ふざけたり、バカなことをやってしまう。しかしママは、子どもを思って怒ってばかり。この関係性のズレを知ることで、少ししつけや子育ての概念が変わると思います。他にも、『おにごっこできるえほん』(幻冬舎刊)、うんこちゃんシリーズ最新作『うんこちゃんけっこんする』(ひかりのくに刊)、『あくまちゃんとてんしちゃん』(幻冬舎刊)は2017年8月発売です。展覧会に行けない方は、ぜひ書店でチェックしてみてください」“究極の絵本”と実体験がミックスして完成した『ママがおばけになっちゃた!』話を聞いていると、ママの本音や夫婦のあり方、子どもの興味深いデータなど、まるで“歩く子育て分析家”のように情報が満載ののぶみさん。『ママがおばけになっちゃた!』は、どんなきっかけでできた絵本なのでしょうか?「究極の絵本が作りたかったからです。ある日、僕の奥さんが『あたしが死んだら、みんなどうなるんだろうね』と言ったんですね。それがきっかけで、『ママがおばけになっちゃた!』は生まれました。話の最後に、おばけになったママが『新幹線が好きなあなたが好きよ、ブロックが好きなあなたが好きよ、友達に優しくできるあなたが好きよ』と言う場面があるのですが、これは僕の奥さんが息子に言っていた言葉です。『いいところも好きだけど、ダメなところが好きだった』というセリフも実は深くて、みんな悪いところがあるのが普通で、それを認めてあげることが、子どもにとって一番の癒しになる。良いところ以外は嫌いとなると、子どもがウソをついたり、苦しくなってしまうんですよね。『ママが〜』の最新作『ぼく、ママとけっこんする!』(講談社刊)は、3歳の男の子がママと結婚したいというシーンからはじまり、実際に大人になって結婚するまでの話です。前2作が悲しすぎて読めないという人にも、こちらはおすすめ。とてもあたたかい気持ちになれるはずです」「化学実験みたいに作る絵本」と語るように、のぶみさんの絵本には、ママ本人でも気づかないような、小さな心の動きや迷い、ふと忘れてしまいがちな一瞬の喜びが散りばめられています。ただ感覚で描くだけでなく、たくさんのママや子どもたちの声を聞きながら、分析しながら作る絵本だからこそ、心が動かされる瞬間が多くあるのだと思いました。シリーズ最新作が初公開! 親子で楽しめる、絵本作家のぶみさんの展覧会原画をはじめ、のぶみさんが描く世界をより深く感じられる期間限定の展覧会は、2017年8月3日(木)から8月18日(金)までの開催です。また 8/3 (木)、6 (日)、13 (日)それぞれ14時から、のぶみさん本人による『読み聞かせ会』も開催します。のぶみさんの気さくな人柄や作品の魅力を直接感じられる貴重なチャンスです。------------------------------------『ママがおばけになっちゃった! 絵本作家のぶみの世界展』日程2017年8月3日(木)~8月18日(金)時間10:00-18:00(最終入場 17:30)※ 最終日 8/18(金)は17時まで(最終入場 16:30)料金大人(中学生以上)800円こども(3歳~小学生) 500円※ 税込。3歳未満無料。問い合わせ 事務局(株式会社 第一通信社内)TEL: 03-3237-4131---------------------<写真・文:フリーランス記者武田由紀子>
2017年08月03日ひとつのストーリーの中で喜怒哀楽を感じたり、さまざまな"体験"をすることができる「絵本」。あなたのお気に入りの絵本はありますか?気になるあの人のおすすめの絵本、子育てについてインタビューします!■タレント ユージ さん(3児のパパ)プロフィール1987年、アメリカ合衆国フロリダ州マイアミ生まれ。映画「アカルイミライ」でデビュー。ファッション誌のモデル、役者として活躍し、現在ではバラエティ番組に活躍の場を移す。コメンテーターとしても活躍中。2014年に一般女性と結婚、3児のパパとして育児に奮闘中。2016年には、第35回『イエローリボン賞(ベスト・ファーザー賞)』芸能部門を最年少で受賞し、自身のブログでも度々お子さんとの日々を綴っている。Benesse「サンキュ!」にて、2017年5月号より連載開始。「ミキハウス ~出産準備サイト ユージの子育て Do It Yourself~」にて、Web連載中。Instagram: @yujigordon HP: (レプロ)■仕事から帰ったら「ユージ」から「パパ」に変身!―― 2016年には「ベスト・ファーザー賞 芸能部門」を受賞され、テレビではいつも笑顔で元気なユージさんですが、おうちではどんなパパなんでしょうか。 ユージ:僕が働いている間は妻に家の事をやってもらっているので、帰ったら、子どもたちの世話や家事は、なるべくバトンタッチするように心がけています。家族サービスとしてやっているつもりはなくて、人と共同生活をする上で当たり前のこととしてやっています。 ―― すばらしいですね。そのほか、お子さんが生まれて、ユージさんの中でなにか変化はありましたか? ユージ:ガラッと変わりましたね。とにかく何事も自分よりも子ども優先になりましたし、仕事への向き合い方も変わりました。テレビでの発言や行動によっては、子どもたちが学校で嫌な思いをするかもしれないので、その辺りは気をつけています。あとはたくさん勉強して、バラエティだけではなく、コメンテーターの仕事もするなど仕事の幅も広がりました。 ■読み聞かせのキーワードは「リアルさ」と「オーバーアクション」 次女&ユージ。2歳まで2ヶ月切ったぞ?? #次女 #一歳10ヶ月 #次女が1番僕に似てる #らしい #汗かくと子犬みたいな匂いがします ユージさん(@yujigordon)がシェアした投稿 - 2017 5月 31 7:52午後 PDT―― お子さんと触れ合う時間には、絵本は欠かせないとのこと。絵本はどのように選んでいるのですか? ユージ:僕は内容よりも、どちらかというと絵のインパクトがあるものを選びます。下の娘たちはまだ2歳と1歳なので、リアルな描写のものよりもアニメタッチのもの、カラフルなものが好きなんです。 ―― なるほど。読み聞かせも工夫されているとか。 ユージ:はい。例えば、ライオンが出てきたら「ガオー」とリアルな鳴き声をしてみせたり、声に強弱をつけたり、オーバーなリアクションや顔芸で喜ばせたりしています。まだストーリーをちゃんと理解できていないので感覚で楽しんでもらえるように工夫しています。なので、「絵本の読み聞かせ」といっても、かなり体力を使いますね。読み終わった後に「もう一回」と言われると苦笑いしてしまいます(笑)。―― ユージさんおすすめの絵本を3つほど教えてください。 ▼1:『きのこのおうち』この絵本はサイズが大きくて、1ページの中にたくさんの絵が描かれています。しかもめくり仕掛けがたくさんあるので何度読んでも違った楽しみ方ができていいですよ。最後のページは、お楽しみです!(ユージさん) 『きのこのおうち』 作・絵: ベンジー・デイヴィス訳: 上野 和子出版社: 大日本絵画きのこのまちにくらす、アリやテントウムシの家族を描いたとってもかわいい絵本です。たくさんのめくりをめくると、アリのアーチーや素敵な仲間たちが現れます。最後のページにはきのこのおうちが立体的に立ち上がります。きのこのまちで、何がはじまるのか、お楽しみに! (大日本絵画サイトより) ▼2:『COLORS with little KOLORO and his family(ゾウのコローロシリーズ「COLORS」)』ゾウが赤、緑、黄色などの色を紹介する、とってもシンプルな絵本ですが、小さい子どもには色と英語の学習にぴったりだと思います。例えば、白なら雪、ピンクならフラミンゴとその色を連想させる絵が描かれているので、ストーリー系の絵本がまだちょっと早いお子さんにはぴったりだと思います。小さな本なので、持ち運びしやすいのもオススメです。(ユージさん) 『COLORS with little KOLORO and his family(ゾウのコローロシリーズ「COLORS」)』 制作: コローロ出版社: 赤ちゃんとママ社こんな絵本:小さなゾウの「コローロ」とパパの「パローロ」、ママの「マローロ」。仲良しの3人家族が11色のCOLORSを紹介する赤ちゃん絵本 ▼3:『はらぺこあおむし』表紙の「あおむし」の絵をはじめとして、1ページ1ページがアートとして完成されていると思います。見開きのページがあったり、仕掛けのページがあったりと飽きない作りになっているところが魅力ですね。曜日、数、果物の名前、あおむしの成長などのストーリーが盛り込まれていて、色も鮮やかなので、子どもも大人も楽しめます。(ユージさん) 『はらぺこあおむし』 作・絵:エリック・カール訳: もり ひさし出版社:偕成社こんな本:小さなあおむしは、もりもりと食べつづけて美しい蝶になった。数や曜日の認識をおりこみ、穴あきのしかけをこらした斬新な絵本。(偕成社サイトより) ■理想は引っ張っていくよりも後ろで見守り支えるパパ GWにイオンモールへ行くなら親子でリンクコーデがオススメです??? #イオンモールリンクコーデ #Righton #長女 #2歳11ヶ月 #次女 #1歳9ヶ月 #手つなぎデート ユージさん(@yujigordon)がシェアした投稿 - 2017 4月 28 7:24午前 PDT―― 3人のお子さんとは、どんな親子関係が理想だと思いますか? ユージ:今、上の息子とは絶妙な関係を作ることができていると思うので、この関係を保っていきたいです。下の娘たちはまだ小さいのでこれからどうなるかわかりませんが、基本的には、上からものを言うという感じではなく、子どもたちの意見や行動を尊重したいと思っています。どちらかというと、引っ張っていくパパというよりは、後ろで見守っていて倒れそうになったら背中を支えてあげられるパパになりたいですね。 ■「ユージ」は家族からのパワーでつくられている!ユージさんに、「子育てを漢字一文字で例えると?」という質問をしたところ、「陽」という回答が。太陽のように明るいお子さんたちからパワーをもらい、そしてユージさん自身も子どもたちに「陽」を当てる役割を果たしたいから、と教えてくださいました。ユージさんおすすめの絵本は、仕掛けでワクワクしたり、アートとしても楽しむことができたりと、まさに「陽」のイメージのポップなものが多くありましたね。 明るく元気になれそうなユージさんおすすめの絵本の数々。みなさんもぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
2017年07月24日子どもの好き嫌いに悩んでいる… そんなママ、少なくないですよね。でも、無理やり「食べなさい!」というのは気がひけるし、だからといって食べ残しを黙認するのもなんだかモヤモヤ…。「がんばって自分から嫌いなものを食べてほしい」それがママの本音ではないでしょうか。今回は子どもの嫌いな食べ物の代表格「野菜」をテーマに夏が旬の夏野菜を中心にした絵本を選んでみました。■ピーマンマンの いただきますって いえるかな作:さくら ともこ/絵:中村 景児/出版社:PHP研究所 「ピーマンマンの いただきますって いえるかな」 マントをはおった主人公のピーマンマンは、みんなのヒーロー。でも、お菓子ばかり食べているせいでいつもの力が出せません。好きなものだけ食べているのは、実は体によくない。そんなことが絵本を通して理解できる一冊です。お菓子っておいしいですよね。でもお菓子だけじゃ元気に過ごせません。絵本のなかには好きなものしか食べないピーマンマンがやせ細ってミイラのようになるシーンもあり、印象深く感じる子も。「なぜ好き嫌いをしてはいけないのか」をわかりやすく知ることができる絵本です。■ジャッキーのトマトづくり絵:あだち なみ/文:あいはら ひろゆき/出版社:ブロンズ新社 「ジャッキーのトマトづくり」 愛らしいルックスの人気キャラクター、ジャッキー。いつもはいたずら好きなところばかりが目立ちますが、今回はトマトを育てようと畑しごとに挑戦! 一生けんめいトマトと向き合う姿にキュンとしてしまいます。タネをうえると小さな芽がぴょこん。ここから空にむかってどんどん葉をしげらせ、大きくなっていくトマト。でも突然、嵐がおそってきて…。はたして、ジャッキーのトマトは大丈夫でしょうか? 心をこめてつくった野菜は「いただきます」と、感謝の気持ちが自然に生まれます。読めば「僕も(私も)育ててみたい!」と、子どもの食育にもつながる野菜絵本です。■つやっつや なす作:いわさ ゆうこ/出版社:童心社 「つやっつや なす」 なすには紫以外に白いものや、変わった形のものがあること。どうやってつくられるのかという疑問や意外な親戚の存在など、とにかくなすに関する知識がぎっしりつまったのがこちらの絵本です。印象的なのは、写真のように本物に忠実に再現されたなすの描写! みずみずしくハリがあり、色つやの良さを感じさせるものだけでなく、変色してでこぼこしたものなど、まるでお店に並んだものを見ているようなリアルさがあります。でも、どれもおいしそう…。あまり好きじゃないというお子さんも、なす博士になった気分になれる一冊。■なつやさいの なつやすみ作:林 木林/絵:柿田ゆかり/出版社:ひかりのくに 「なつやさいの なつやすみ」 まちにまった、夏休み。畑でプールにいく相談をし始めたのはナス、オクラ、トウモロコシ、プチトマト、ゴーヤ、キュウリといった野菜たちです。次々にとびだす「だじゃれ」の言葉遊びと「すごく楽しいんだろうなあ」と感じさせるワクワクした表情がとても魅力的! 今では季節に関係なく野菜を手に入れることが簡単になり、旬の食材を感じにくくなりました。でもこの絵本を読めば「夏野菜」がどんな野菜なのかを知ることができます。最後に完成する野菜たっぷりのカレーライス。野菜たちのだじゃれで楽しんだあとなら「食べてみたい!」といってくれるかもしれません。■やさいぺたぺたかくれんぼ作:松田 奈那子/出版社:アリス館 「やさいぺたぺたかくれんぼ」 切った野菜に絵の具をつけてスタンプにし、紙にポン。野菜の切り口スタンプでつくるイラストを楽しめるのがこちらの絵本です。このスタンプは、いったいどんな野菜…? と謎解き気分で野菜に親しむことができます。毎日料理で使っている野菜も、いざスタンプを目にすると意外とわからなかったりとママも楽しめる内容。さかなやのりもの、人の顔などいろんなものに変身する野菜スタンプに興味をもち、自由研究のテーマにするお子さんも多いようです。子どものやる気ならぬ「食べる気」をひきだすような絵本をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。わが息子は小学生になってからだいぶ好き嫌いが減りましたが、それでもトマトとピーマンだけは食べれません。嫌いを好きに変えられなくても、せめて「普通」に食べてもらえるようなキッカケづくりは大事かもしれませんね。
2017年07月22日ひとつのストーリーの中で喜怒哀楽を感じたり、さまざまな “体験” をすることができる「絵本」。あなたのお気に入りの絵本はありますか?気になるあの人のおすすめの絵本、子育てについてインタビューします!■タレント 関根麻里 さんプロフィール1984年、東京都出身。インターナショナルスクールからアメリカのエマーソン大学に進学。飛び級し、優秀な成績にて首席で卒業。大学卒業後、芸能活動を本格的に開始。明るく元気なキャラクターと英語が堪能な語学力とマルチな才能でバラエティ、ラジオ、ナレーション、舞台などで活躍中。2015年女児を出産。1児のママ。父はタレントの関根勤さん。Instagram: @marisekine HP: (浅井企画)■子どもの頃は「おふざけ」が大好きな活発少女―― 麻里さんといえば「元気で明るい」という印象があるのですが、小さい頃はどんなお子さんだったのでしょうか? 関根麻里(以下:関根):元気で活発な子どもでしたね。おふざけが大好きで、父としつこく遊んでは母に「落ち着いて!」とよく言われていました。 ―― 想像通りのとても楽しい親子関係ですね(笑) 関根:なんだかんだいつもふざけていました。よく「かえるのうた」を父と一緒に歌ったのですが、父が「合唱しよう!」というと、私はわざとずらしてうたい出し、父が「輪唱しよう!」というと、わざと一緒に歌い出したりして。―― 一方で、図書館に足繁く通う「絵本大好き少女」だったとお聞きしました。絵本にまつわる想い出はありますか? 関根:いろいろな絵本を読みました。図書館で絵本や紙芝居も借りていました。寝る前には、父や母に昔話などをよく読んでもらいました。私がふざけて自分の手を絵本の文字の上に重ねると、父が「すると、そこに手がありました……って、ちょっと! お話と関係ないじゃない!」などとツッコミを入れながら、脱線しつつ楽しく読んでもらいました。 ―― その中でも、印象に残っている絵本やお話はありますか?関根: 『もちのまと』 という絵本です。余るくらいのお米を収穫できる村があって、だんだん稲を大切にしなくなり、最後には餅を作って的にして矢で射てしまうんです。そうすると、その餅が白鳥になって飛び去り、やがてその村や長者は滅びてしまったというというお話です。お米を粗末にしてはいけないという大切な教訓を学べる話なのですが、これを読むと、なぜか途中で眠くなってしまい、最後まで読むのに何日もかかかりました。それ以来『もちのまと』というキーワードを聞くだけで、反応して笑っちゃいます(笑)好きな絵本はたくさんあるんですが、その中から挙げると、加古里子さんの 「だるまちゃんとてんぐちゃん」 シリーズは、いろいろな種類の道具が出てきて、絵を観察するのがおもしろくて好きでした。―― 麻里さんは語学がお得意ですが、絵本を通じて外国語にも触れていたのでしょうか。 関根:英語の絵本は、学校の図書館で毎日借りて読んでいました。あと、当時はカセットテープ付きの本を借りて、音楽と絵本を楽しんでいました。とても気に入った英語の歌の本は、図書館で借りて全ページをコピーして、色を塗って楽しんでいたほどです。 ――絵本が大好きだったという麻里さんですが、いまはもうすぐ2歳になる娘さんと図書館のおはなし会にも行かれるとか。 関根:季節にあった絵本や、大型絵本、紙芝居やエプロンシアターなど、さまざまな種類の絵本やお話に触れることができるので、おはなし会にはよく参加します!図書館にお出かけして、お嬢さんと一緒に色々な絵本に触れているという麻里さん。ご自身の少女時代、そして、大人になった今もたくさんの絵本を読んでいるという絵本ツウです。 ■関根麻里さんの「おすすめ絵本」3冊麻里さんが普段からお子さんに読み聞かせている絵本の中から、お気に入りの3冊を教えていただきました。▼1:『だるまさん』シリーズ今、娘が好きなのが、かがくいひろしさんの『だるまさんが』『だるまさんの』『だるまさんと』 です。体を横に揺らしながら、娘と一緒に読んでます。娘は「手」「目」「毛」をこの絵本から覚えました。『だるまさんと』の中に「いちごさんとペコッ、メロンさんとギュー」という場面が出てくるのですが、ペコッ、ギューと読みながら、一緒にやってます。(麻里さん) 『だるまさんシリーズ「が・の・と」(3点セット) 』 作・絵: かがくい ひろし出版社: ブロンズ新社こんな絵本:ページをめくると......あらら、びっくり! 大わらい! さて、おつぎは......? 0歳の赤ちゃんから大人まで、ページをめくるたびわらいの渦に引きこまれる、とびきりゆかいな「だるまさん」シリーズ。(ブロンズ新社サイトより)▼2:『Dr. Seussシリーズ The Cat in the Hat』子どもの頃、英語の本は、Dr. Seussの本をたくさん読みました。おサルやゾウなど動物たちが登場することが多いのですが、言葉のリズムとコミカルな絵がとても面白いです! (麻里さん) 『Dr. Seussシリーズ The Cat in the Hat』 作・絵: Dr.Seuss出版社: Random House Books for Young Readersこんな絵本:楽しいストーリーとライムの効いたリズム感あふれる文章が、アメリカでも大人気。全61ページ、220語の重要単語を使った文章でつくられた子どもはもちろん大人でも楽しめる英語絵本。▼3:『キャベツがたべたいのです』図書館のおはなし会で、この本に衝撃を受けました! ストーリーの展開がシュールで、私は声を出して笑ってしまいました。大人も楽しめる絵本だと思います。(麻里さん) 『キャベツがたべたいのです』 作・絵:シゲタ サヤカ出版社:教育画劇こんな本:忘れたくても忘れられないあの味をもう一度! チョウチョたちが、たどりついたのは一軒の親切な八百屋さん。果たして彼らの願いはかなうのでしょうか?!めくるめく展開、面白さいっぱいの絵本。(教育画劇サイトより) ■尊敬する母のような「母」になりたい ―― 子育てをする日々で「大切にしていること」とは何でしょうか? 関根:娘が生まれて、生活が子ども中心になり、なんでも娘のことを第一に考えるようになりました。そんな中で、家族みんなが毎日元気に楽しく過ごすことが大切だと実感しています。―― ご自身が母という立場となり、お父様やお母様との関係に変化はありましたか? 関根:そうですね、父との間で変わったことは、呼び方くらいです。「じいじ」と呼ぶようになりました。父は孫にデレデレで、すでに娘にコントロールされているんです。じいじは、なんでも言うことを聞いてくれると見抜かれてます(笑) 尊敬する母は、私の目標ですね。どんな時でも支えてくれる、私もそんな「母」になりたいです。娘ともお互いに尊敬しあえる関係が作れたらいいなと思います。■「育児」は「育自」! 子育てから自分も学ぶ麻里さんは、「育児」は「育自」でもあると、助産師さんに教えてもらったのだと言います。日々の子育ての中で、いまそのことを強く実感しているのだとか。 最近娘さんは、何かをすると必ず「できたー!」とうれしそうに言い、でんぐり返しをひとりでした時も「できたー!」と言って、何度も繰り返してやっていた、という可愛らしいエピソードも教えてくれました。 子育てをしながら日々経験すること、その中で気がつくことのすべてが学びだという麻里さん。さらに素敵な女性へと変化する麻里さんに注目です。
2017年07月12日肌や瞳の色が自分と違う。聞きなれない言葉を話す。テレビで変わった街並みや自然を目にする。そうした経験から、子どもたちは自分たちの住む日本以外にもたくさんの国があること、そしてそこで暮らす人々がいることを知ります。「どんなところ?」「どのくらいあるの?」など興味がむくむくとわきあがってくる子もいるでしょう。そこで今回は外国をテーマにした絵本をピックアップ! 地図や旅行記、国旗に探し物などバラエティにとんだ5冊の絵本をご紹介しましょう。■たびネコさん ぐるりヨーロッパ街歩き作:ケイト・バンクス/絵:ローレン・カスティーヨ/訳:住吉 千夏子/出版社:きじとら出版 「たびネコさん ぐるりヨーロッパ街歩き」 ローマからマルセイユ、バルセロナ、パリ、ロンドン…。旅と絵本のかけあわせが新鮮なこちらは、ネコさんと一緒にのんびりヨーロッパ旅行をしている気分にひたれる一冊。訪れる先はさまざまですが、画集のようなイラストにヨーロッパ独特の美しさを感じることができます。「イラストでも十分、現地の雰囲気が味わえる」とママからも好評。本の最後には、たびネコさんが訪れる名所の解説がついてくるので旅の計画をたてたくなってしまうかもしれませんね。■シティ・アトラス 絵地図でめぐる世界の街絵:マーティン・ハーケ/文:ジョージア・チェリー/出版社:日本文芸社 「シティ・アトラス 絵地図でめぐる世界の街」 ベルリンに住む、世界的に有名なイラストレーターが手がけたこちらの絵本は、30の大都市をめぐることができるイラスト・ブック。その都市を象徴する建築物や歴史上の偉人・遺跡、珍しい伝統料理や文化の最先端がスタイリッシュなイラストで表現されています。見開きの2ページで1つの都市が紹介されているのでとてもみやすく、使われている色にもその国らしさがあふれています。切手がならんだ特徴的な表紙もステキです。■国旗のえほん編集:戸田やすし/出版社:戸田デザイン研究室 「国旗のえほん」 ユニークな世界の国旗がページいっぱいに楽しめる国旗絵本。その国が世界のどこにあるかと、首都の名前も一緒に覚えることができます。国旗絵本はたくさんありますが、この絵本が人気なのは印象に残るよう配置された国旗の構成と、色のあざやかさ! まだ字が読めない子も色の組み合わせや描かれたモチーフなどをみてお気に入りの国旗がみつかるようです。普段、まじまじとみることのない国旗もよく観察してみると細かな絵や模様が描きこまれていることに気づきます。子どもが世界に興味をもつキッカケづくりにも役立ちそうです。■シモンのアメリカ旅行作・絵:バーバラ・マクリントック/訳:福本 友美子/出版社:あすなろ書房 「シモンのアメリカ旅行」 うっかりやのシモンは落し物の天才。前作ではパリでたくさんの落し物をしていましたが、今度の舞台は20世紀初頭のアメリカ! 絵本ではアメリカ中にちらばったシモンの落し物を探しながら、ついでに国の歴史まで楽しむことができます。探し物絵本ではありますが、各ページで描かれる旅先の景色もなかなかの見もの。今とは違う時代にタイムスリップしたような、不思議な気分を味わえます。巻末には各ページの風景解説もあるので、再度読み返せばまた違った感想を抱きそうですね。■WORLD ATLAS 世界をぼうけん!地図の絵本文章:ニック・クレイン/イラスト:デビッド・ディーン/翻訳:柏木 しょうこ/出版社:実業之日本社 「WORLD ATLAS 世界をぼうけん!地図の絵本」 世界地図を思い浮かべたとき、その中心は日本である人が多いはず。でもイギリス生まれのこの絵本で世界地図の中心にあるのは、ヨーロッパやアフリカです。日本は東の端にとても小さく描かれています。読んでみると、名前のついた海や大陸も実はまるい地球の上でつながっていることがわかります。地球上に生きるもの、人が生んだ文化のすばらしさ、そして避けられない環境破壊の現実といったメッセージが込められ、絵本ながらに地球で生きることの意味を問う、奥の深い一冊となっています。小学校から英語教育をとりいれるところも増え、小さなうちから外国の言葉や文化にふれあう機会も多くなりました。世界には自分とは違うたくさんの人がいて、その場所の言葉で、その国らしい生活をしている。絵本を読み終われば、ここから広がる世界のことをもっと知りたくなるお子さんもいるかもしれませんね。
2017年07月06日世界中で親しまれているおさるのジョージ。幼いころ、「ひとまねこざる」の絵本を読んでもらったという人も多いのではないでしょうか。そんな絵本の原画やスケッチなど約200点を集めた「おさるのジョージ展」が、8月9日(水)より松屋銀座で開催されます。絵本「ひとまねこざる」シリーズとは絵本「ひとまねこざる」シリーズは、アメリカの絵本作家マーガレット・レイとハンス・レイの夫妻によって生みだされました。本国アメリカでは1941年に「CuriousGeorge」というタイトルで発刊。日本では1954年の発刊以来、およそ550万部を売り上げました。身の周りのあらゆることに対し好奇心をもち、愛らしい騒動や冒険を巻き起こすおさるのジョージは、多くの人々に愛されてきました。2008年には、NHK EテレでTVアニメーションシリーズがスタート。アニメ版のジョージは、さらに多くの子どもたちから支持を得るようになります。●日本初公開の絵本原画も『ひとまねこざるときいろいぼうし』のカラー原画©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『ひとまねこざるときいろいぼうし』のカラー原画©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『ひとまねこざる』の表紙4色版©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『ひとまねこざる』の2色原画©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『ひとまねこざる』の見返しカラー原画(絵本は逆版)©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『ろけっとこざる』の表紙ラフ・スケッチ©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『たこをあげるひとまねこざる』の表紙ラフ・スケッチ©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『たこをあげるひとまねこざる』のラフ・スケッチ©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『ひとまねこざるびょういんへいく』のラフ・スケッチ©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『ひとまねこざるのABC』の表紙ラフ・スケッチ©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>今回の展覧会では、日本初公開を含む約200点の絵本原画や制作のためのスケッチを中心に、おさるのジョージの作家であるレイ夫妻の、制作にまつわる様々な資料が公開されます。原画ならではの美しい色彩や、色鉛筆や水彩の筆致を間近で見ることができる、またとない機会ですね。《展覧会詳細》名称:おさるのジョージ展「ひとまねこざる」からアニメーションまで会場:松屋銀座8階イベントスクエア会期:2017年8月9日(水)~8月21日(月) 会期中無休時間:10:00~20:00(入場は閉場の30分前まで。最終日は17時閉場)入場料金:一般1,000円(700円)、高校生700円(500円)、中学生500円(400円)、小学生300円( )内は前売り料金問合せ:松屋銀座03-3567-1211(大代表)
2017年07月03日夏の気配を感じたら、もう七夕の季節。おりひめとひこぼしのお話を聞いたことのある子もいることでしょう。でも七夕のお話にはテーマやストーリーが違うものもあるようです。そこで今回は七夕にちなんだ絵本をご紹介! 満天の星空を想像しながら読むと、よりいっそう楽しむことができますよ。■もうおねしょしません作:寺村 輝夫/絵:いもと ようこ/出版社:あかね書房 「もうおねしょしません」 保育園に通っているねずみのちゅうこ。七夕の飾りをつくる前の晩におねしょをしてしまい、しょんぼり…。お願いごとを書けずにいましたが、その晩におほしさまがあらわれて、ちゅうこはある決意をします。机にむかっての作業や友だち同士のやりとりなど、幼稚園や保育園に通っている子どもたちには身近に感じられるシーンも多くあって共感しやすい内容も好評のようです。ふんわりとした愛らしい動物たちのイラストにも癒されますね。■たなばたまつり作・絵:松成 真理子/出版社:講談社 「たなばたまつり」 近づいてきた七夕まつり。たんざくに願いごとを書こうとやってきた、たーくんとお姉ちゃんのさきちゃん。まだ字が書けないのでたんざくにお姉ちゃんの顔を書いた、たーくん。それをみて「いいねえ」とうれしくなるお姉ちゃん。ほほえましい2人のやりとりは、胸をあたたかくしてくれます。町のみんなは広場にある笹の枝にたんざくを飾ります。みんなの願いごとは空にとび、星にとどく… というストーリーはとてもロマンチック。こんなおまつりがあったらぜひ参加してみたいと思える作品です。■七夕の月作:佐々木 ひとみ/絵:小泉 るみ子/出版社:ポプラ社 「七夕の月」 作品の舞台は仙台の七夕まつり。飾りをつくることで、長くおまつりを見守ってきたおばあちゃん。その孫・和也と同級生のアキは2人で「仙台七夕まつり」を調べることにしました。そしてむかえたおまつり当日の朝、少年たちはある奇跡を目の当たりにすることに…。毎年おこなわれているおまつりには実はさまざまな人々の想いが込められていて、長く受け継がれてきたものであることに気づかされる一冊です。小学生になってからの読み聞かせにおすすめ!■たなばたプールびらき文:中川 ひろたか/絵:村上 康成/出版社:童心社 「たなばたプールびらき」 「天の川で泳いでみたい」という願いをかなえるべく、おりひめとひこぼしが空へ子どもたちをご招待…!? 天の川でプール開きという前代未聞な経験ができるなんて、うらやましい…! 子どもたちは流れ星にのって天の川までひとっとび。いよいよ… となっても、その前にしっかり準備体操をおこなう様子に思わず笑みがこぼれます。子どものやわらかい頭にぴったりな、スケールの大きいユーモアあふれる七夕絵本です。■たなばた再話:君島 久子/絵:初山 滋/出版社:福音館書店 「たなばた」 七夕といえば年に一度しか出会えないおりひめとひこぼしの切ない恋愛ストーリーが一般的には知られていますよね。けれど、中国の話をもとにしたこちらの七夕絵本は家族の絆をテーマにしています。もの悲しさもあり、小さなお子さんにはちょっと難しい内容かもしれませんが、美しく幻想的なイラストには心動かされるものがあります。天の世界の神秘的な雰囲気のなか、親子でしっとりと物語にひたれる絵本です。七夕絵本といっても込められたメッセージはさまざま。スタンダードなお話とは少し異なる、印象的な内容の絵本をご紹介しました。今年は絵本を片手に、夜空をながめてみるのもいいかもしれませんね。
2017年06月30日スポーツが上手になるために、必要な要素とはなんでしょう。古くから武術の場では「心技体(しんぎたい)」という言葉が用いられ、今ではサッカーや野球でもこの言葉をよくつかうようになりました。本領発揮するにはテクニックや身体能力と同じように、集中力が大事! 今回は子どもの集中力を高める絵本を厳選してご紹介しましょう。■みつけてかぞえて どこどこどうぶつ うきうきうみのなか絵:ガレス・ルーカス/文:カースティーン・ロブソン/訳:小林 美幸/出版社:河出書房新社 「みつけてかぞえて どこどこどうぶつ うきうきうみのなか」 クジラ、ペンギン、イルカ、カメ…。あらゆる海の生き物たちが登場するイギリス生まれの絵探し絵本がこちら。ひとつひとつのイラストは密集しているのに、どこか計算されたようにスッキリ!「絵画を見ている感じ。額に入れて飾りたい」「夢のような海のなかの世界にひきこまれる」とママたちからも絶賛されている一冊です。海にすむ生き物たちへの興味がわいてきたら、海遊びや水族館へのお出かけも楽しみになるかもしれませんね。■どこ? どうぶつたちと さがしもの作:山形 明美/出版社:講談社 「どこ? どうぶつたちと さがしもの」 手作りの立体ジオラマを使ったこちらの絵探し絵本では、1から10まで番号のついた部屋に音楽家のリスや絵描きのゾウ、かき氷屋のシロクマなど、さまざまな動物たちが住んでいます。彼らの部屋からさがすのはフルーツや楽器、バケツにハブラシ、月と太陽などさまざまなアイテム。絵のような美しさを表現すべく立体ジオラマにこだわる作者さんは撮影後、せっかくつくりあげたジオラマをすべて解体してしまうそうです。集中力を高めると同時に、夢見る気持ちにさせてくれる一冊。■恐竜とあそぼう!作・絵:黒川みつひろ/出版社:小峰書店 「恐竜とあそぼう!」 ステゴサウルスやティラノサウルスなどが登場するこちらは、従来の恐竜絵本とはひと味違います。たとえば恐竜の体のところどころに穴があいており、ぴったりはまるイラストを選ぶパズルや、どの恐竜の足跡かをあてるクイズ、2枚のティラノサウルスのから異なるところをさがす間違いさがしなど…。始めから終わりまでゲーム感覚でたっぷり遊べるから、絵本好きなお子さんでなくても時間を忘れて楽しめます。「今まで恐竜系の絵本は図鑑や迷路でしか見たことがなかったからうれしい」と恐竜好きのお子さんを持つママたちからも好評です。■どこにいるかわかるかな?作:ブリッタ・テッケントラップ/訳:木坂 涼/出版社:ポプラ社 「どこにいるかわかるかな?」 ずらっと並んだ青や緑のカメさんたち。そんなカメさんたちのなかに1匹だけ、甲羅のなかにかくれている子がいます。かと思ったら次は1匹だけ歩いてる子も! 黄色のページには赤やオレンジ、黄土色など絶妙な色の鳥たちが並び、そのなかに1匹だけミミズを加えている鳥がかくれています。色の美しさと愛らしいイラストがマッチし、おしゃれなインテリアにも見えてくる一冊。豊かな色彩に心を満たされながら、お目当ての動物をさがしてみましょう!■おつかいくん作:鈴木 のりたけ/出版社:小学館 「おつかいくん」 かいがらをかぶったユーモアたっぷりのおつかいくんが主人公の迷路遊び絵本がこちら。登場する8つの迷路は膨大な情報がつまった笑えるイラストの宝庫です! さまざまなキャラクターが違った場所で起こす行動に思わずクスリと笑ってしまいます。おつかいくんはみんなから「おつかい りょうかい!!」と頼みごとをひきうけて迷路へと迷い込んでいきますが「お母さんからのおつかいは大丈夫?」と読者が心配し始めたところで、ちゃんと頼もしさを見せてくれます。最後にはきちんとオチのある、遊び心のつまった一冊です。子どもに集中力をつけたい、高めたいと思っても「なにをどうすれば」で悩んでしまうこともありますよね。そんなときに役立つのが今回の絵本! 楽しみながら集中力を養うことができるので、子どもたちも目を輝かせながら読んでくれるはずです。
2017年06月22日練馬区は独立70周年を記念し、2015年から実施している練馬区広報プロジェクト「Yori Dori Midori 練馬」の一環として、区民の練馬区への愛着を“絵本”で育む『I♥練馬あるある』キャンペーンをスタート。合わせて、区内在住の人気絵本作家のぶみさんとコラボレーションし、練馬区の“あるある”を描いたオリジナル絵本の製作を開始した。この絵本を通じて区の魅力を区外の方々に伝えるだけでなく、区民の方々、そして子ども達の区に対する愛着をより一層育んでもらう広報キャンペーンとなっている。「ママがおばけになっちゃった!」で人気の絵本作家「のぶみ」さんが制作絵本『I♥練馬あるある』は、練馬区大泉学園在住の「のぶみ」さんが制作。のぶみさんは、55万部突破の人気絵本シリーズ「ママがおばけになっちゃった!」をはじめ、170冊もの絵本を出版している人気絵本作家だ。今回の絵本は「練馬区はオーストラリアの形に似ているけど、大きさが全然違う」、「練馬スパゲッティは給食で人気だけど、具材の練馬大根は抜きにくい」など、練馬区の“あるある”を少し自虐的に表現しつつも、どこかクスっと笑えて、最終的には区への愛着が自然と湧いてくるような、のぶみさんらしい絵のタッチと内容になっている。「I♥練馬あるある」キャンペーンムービー公開中!※I♥練馬あるある」キャンペーンムービー ~ほとんどオーストラリア篇~絵本の完成(実物化)に先がけ、2017年6月15日(木)17時より、キャンペーンムービーを公式YouTubeチャンネルにて公開。さらに、西武池袋線池袋駅のサイネージやトレインチャンネルにて放送を開始する。絵本の完成(実物化)は、2017年7月下旬を予定。絵本が完成次第、区内の保育園・幼稚園や小学校、図書館などに絵本を配布し、完成に合わせて読み聞かせムービーを公開する予定だ。練馬区民のみならず、のぶみさんのほんわかとした絵本に癒やされたいという方もぜひチェックしてみてほしい。【参考】※『I♥練馬あるある』キャンペーン特設サイト※YouTube「練馬区公式チャンネル」
2017年06月16日1年のなかで、雨の多い季節。それが「梅雨」ですよね。じめじめしてるし、洗濯物は乾かないし… とぼやくママのよこで、窓をぬらす雨のしずくや、しとしと、ザーザー、ぽたぽたなど音の変化を楽しむ子どもたち。子どもたちにとって梅雨は、いつもは出会えない生き物と出会える特別な季節です。今回は、かえるやかたつむり、あじさいなど梅雨ならではの生き物が登場する絵本をご紹介しましょう!■なけない ちっちゃい かえる作:エクトル・シエラ/絵:やまうちかずあき/出版社:鈴木出版 「なけない ちっちゃい かえる」 主人公のちっちゃいかえるは、上手に鳴くことができなくて自信がもてずにいました。でも、池の外で初めて動物にはそれぞれの鳴き声があることを知ります。ちっちゃいかえるは「自分は自分でいい」と自信をもって鳴くことができるように…。この絵本は作者の「上手じゃなくても自己流に外国語を話してみてほしい。恥ずかしがることなんてなにもない」という思いが込められているそうです。完ぺきであること、上手であることもいいけれど、「自分らしい」ことも同じようにいいことだよ、と教えてあげられる絵本。■紫陽花さんとお話しているよ作:滝口 龍/絵:中村 陽子/出版社:しおり書房 「紫陽花さんとお話しているよ」 ちょうど梅雨の時期に青や紫色の見事な花をさかせるアジサイ。自分の背丈と同じくらいのアジサイにやさしく話しかけるぼく。絵本には「ぼくだって休んで元気になるんだ。お花さんも休まなければね」というセリフがでてきます。その言葉を聞いて、自分の子育てについて考えさせられた、というママもいるようです。「あせらなくて大丈夫」「息抜きはゆっくりと気持ちよく」おおらかな気持ちを保てるよう、休むことはとても大切。そんなことに気づかせてくれる一冊です。■あめがふってよかったね作:よしいたかこ/絵:石倉 ヒロユキ/出版社:佼成出版社 「あめがふってよかったね」 幼稚園の運動会を明日にひかえたけんちゃん。「あめ、ふるなー!」と叫んでいたら「あめ、ふれ!」と小さな声…。声の主はかたつむりのデンデン。かたつむりの運動会は雨で決行! 晴れじゃダメなんですね。それでも、けんちゃんとデンデンの間に芽生えた友情に心があたたかくなります。雨ふりが誰かの願いになっていることもある。相手の願いを同じように願う思いやりの気持ち。それがステキな結末を呼んでくれるのかもしれませんね。■かえるのじいさまとあめんぼおはな作:深山 さくら/絵:松成 真理子/出版社:教育画劇 「かえるのじいさまとあめんぼおはな」 ふとったイナゴ5匹とやせたあめんぼ2匹を食べた、かえるのじいさま。イナゴはおいしかったけど、あめんぼは食べるつもりがなかった…。そんなじいさまの前にあらわれた、あめんぼおはな。実は食べたあめんぼ夫婦のむすめで…。出会うべきではない2匹が出会い、生きるために食べることの切なさを痛感させられます。素直で前向きなおはな、本能と後悔の間で苦悩するじいさま。生き物の世界の深みを感じさせる、嘘のない絵本です。■オタマジャクシのうんどうかい作:阿部 夏丸/絵:村上 康成/出版社:講談社 「オタマジャクシのうんどうかい」 タマはしっぽの短いオタマジャクシ。かけっこすれば、いつもビリです。そんなタマのことを気遣ったみんなは、運動会で特別にハンデをつけてあげることにしたけれど…。その子のためと思って考えたことが、その子のしてほしかったことだとは限らない。でも、そうやって考えることが大事なんだ。そう思える一冊です。タマはみんなのやさしさがわかるから、いいだせずにいました。でも本当はみんなと同じように挑戦したい、やりとげたいと思っていたんですね。読みやすい文章で「ひとりよみ」できる絵本としてもすすめられています。梅雨がくるのを心待ちにしている生き物たち。雨の日も傘をひろげてお散歩すれば、絵本で親しんだ生き物たちの生き生きした姿を目にできるかもしれませんね。
2017年06月16日子どもたちは知りだがり。だからどんな疑問だってすぐに口にします。「どうやって赤ちゃんはできるの?」「どうしてママにはおちんちんがついてないの?」そんな性にまつわる問いかけに困ってしまったことはないでしょうか。正しく、わかりやすく伝えたい。でもまだ早いかな? さまざまな気持ちが交錯しますが、そんなときはぜひ絵本の力を借りてみてください。今回は子どもたちに「やさしく性を伝えてくれる」をテーマに絵本を選んでみました。あかちゃんはこうしてできる作:ペル・ホルム・クヌーセン/訳:北沢 杏子/出版社:アーニ出版 「あかちゃんはこうしてできる」 デンマークの性教育絵本であるこちらは、なんと世界35ヵ国で翻訳出版されています。内容は受精、妊娠、胎児の成長、出産といったどれも説明が難しいものばかり。知らなければ当然のように疑問を抱く子どもたちに、この絵本はありのままの真実を素直に届けてくれます。「小さなころに母が読んでくれたおかげで、保健の授業で性教育について教わるときにもとまどいを感じることがなかった」というママもいるように、わかりやすく正しい性の知識を楽しみながら身につけられると評価も高いようです。おちんちんの話作:やまもとなおひで/絵:ありた のぶや/出版社:子どもの未来社 「おちんちんの話」 先生やママたちからの「男の子の性教育の絵本がほしい」という声をもとにつくられたのがこちらの絵本。思春期直前までの男子に「自分の体に目を向け、責任をもってほしい」という願いが込められ制作されました。性別の差となるペニスの存在、その機能。さらには自慰といった大人への成長過程にまつわる性情報も網羅されています。小さなうちは理解するのが難しい内容ですが、思春期前の息子をもつ親にとっては大きなサポートブックとなってくれそうです。性とからだの本(5) 女の子のからだ、男の子のからだ監修:大島 清/構成:本田睨/文:本田睨/構成:久道 健三/文:久道 健三/出版社:偕成社 「性とからだの本(5) 女の子のからだ、男の子のからだ」 小学校高学年からおすすめしたい性の絵本。生物の体は女であるメスが基本となっています。では、基本となるメスからどうやってオスができたのか。性はそもそもどうやって決まっているのか。基本がメスである理由は…? など、次から次にわいてくる疑問のひとつひとつをしっかりと解消してくれる一冊。思春期におこる心と体の変化や避妊、病気のことまで多岐にわたって性教育を学ぶことができる、貴重な性教育本です。女の子のからだの絵本文:北沢 杏子/絵:今井 弓子/出版社:アーニ出版 「女の子のからだの絵本」 それほど男女の見た目に違いのなかった幼少期。それが思春期になると女の子の乳房はふくらみ、わき毛や性毛が生えてきます。外だけじゃなく、体の内側でも変化が起こるこの時期の子どもに、この絵本は「大丈夫」「なにも恥ずかしいことなんかないんだよ」とやさしくささやいてくれます。Q&A形式で聞いてみたいと思う疑問にしっかり答えていくので、友だち同士で見るのもおすすめ。成長にともなう体の変化やしくみをすんなり受け入れ、理解するのに役立つ本です。男の子のからだの絵本文:北沢 杏子/絵:今井 弓子/出版社:アーニ出版 「女の子のからだの絵本」 「女の子のからだの絵本」の男の子バージョンがこちら。男の子は思春期になると声変わりがスタートします。それからわき毛や、性毛が生えてきて女の子とは違った変化を感じることができます。外性器とぼっきのしくみや射精のこと。体のなかで起こる変化を女の子バージョンと同じくQ&A形式で紹介。なぜ体は成長にするにつれ変わっていくのかといった大きな疑問も含め、性を意識し始める子ども自身の不安をやわらげてくれる…。そんな絵本です。性が違うことは、とても不思議なことですね。「なぜだろう?」という子どもの疑問によりそいながら絵本を読み、一緒にお話ししてみましょう。そうした親子の時間は性に対するとまどいや恐れをなくし「大丈夫なんだ」という安心感を子どもに与えてくれるはずです。
2017年06月08日ママと比べてパパが子どもたちとふれあう時間はそう多くない、というご家庭も多いのではないでしょうか。仕事が忙しいときこそ、一緒にいる時間は大切にしたいものですよね。そこで今回は、父と子のふれあいをテーマにした絵本を集めてみました。過ごす時間が短くても、子どもはパパからの愛情をきちんと受け取っています。この絵本を読めば今以上にパパのことが大好きになるかもしれませんね。うちのパパは ウルトライックメン作:きむら ゆういち/絵:にしうち としお/出版社:小学館 「うちのパパは ウルトライックメン」 うちのパパはなにかに似ている。もしかして、パパはウルトラマン!? いつでも一生けんめいなパパは「ウルトライックメン」として今日も地球… ではなく、ぼくたち家族を守ってくれています。家族のみんなが熱を出してしまったときもパパはずっと看病して、バイキンたちと戦ってくれました。ウルトラマンじゃないけれど、子どもにとってパパは誰よりもかっこいいヒーロー! 「いつもありがとう」をいいたくなる絵本です。 みてろよ!父ちゃん!!作:くすのき しげのり/絵:小泉 るみ子/出版社:文溪堂 「みてろよ!父ちゃん!!」 今度の運動会は活躍できる気がする。だから父ちゃんに見にきてほしい。でも棟梁のお父さんは仕事で見にいくことができません。やるせない、くやしい、どうして? いじけるアキヨシでしたが、運動会の前日にテントを点検するお父さんの姿を見て、気づくものがありました。もやもやをバネに「みてろよ!」と走るパワーにかえたアキヨシ。父と子の絆を感じられる一冊です。えいっ作:三木 卓/絵:高畠 純/出版社:理論社 「えいっ」 ポップコーンを買いにまちへとやってきた、くまの親子。お父さんが赤い信号にむかってステッキをふりあげ「えいっ」というと、なんと信号が青に! ほかにも信号が黄色になったり、空に星が出たり…。お父さんのステッキは魔法の杖みたいです。でもくまの子はそのからくりに気づきます。そしてお父さんにむかって「ぼくのいちばんすきなひとをだすよ」と玄関のベルをならして…。なんともほのぼのとした親と子のストーリー。お父さんのオシャレな洋服にも注目してみてくださいね。あそぼう あそぼう おとうさん作:浜田 桂子/出版社:福音館書店 「あそぼう あそぼう おとうさん」 「ねえねえ、お父さん。遊んで」といわれ、なにをしようか考え込んでしまうお父さんも多いかもしれません。こちらの絵本はそんなときにぴったり! 両足でたって足の間に子どもをねかせたら、両手をつかんで「5、4、3、2…」のかけ声でグーンと子どもの体をひきあげます。おんぶにだっこ、かたぐるま…。小さなうちだからこそできるじゃれあいを思い切り楽しめる一冊。新しいおもちゃを買ってあげたり、時間をとってお出かけしたりしなくても家のなかで十分に子どもとふれあうことができると教えてくれる絵本です。パパ、かばになる作:安江 リエ/絵:飯野まき/出版社:偕成社 「パパ、かばになる」 今日はお母さんがお出かけしているから、ごはんもお風呂も寝るのもパパと一緒。夜ごはんを食べておふろにはいっていたら、突然お湯がもりあがり、ざばっとダイナミックにでてきたのはなんとカバになったパパ! 背中に子どもたちをのせて大きな口をあけてみせたり、でんぐりがえししたり…。カバになったパパと遊ぶお風呂時間は、最高に楽しそうです。「明日はパパとお風呂にはいる!」なんて子も増えるかもしれませんね。父親は母親とはまた違う愛情表現で子どもたちを楽しませたり、はげましたりしてくれます。大好きなパパと一緒に絵本を読む時間を、子どもたちはきっと楽しみにしてくれるはずです。
2017年06月02日誰かに伝える感謝の気持ち。「ありがとう」は人をあたたかく、やさしい気持ちにする魔法の言葉ではないでしょうか。けれど、まだ小さなうちは「ありがとう」がどんなものか、どんなときにいえばいいのか、いまいちピンとこないこともありますよね。そこで今回は「ありがとう」にちなんだ絵本を集めてみました。絵本の登場人物たちと一緒に、ありがとうの気持ちを感じてみましょう!ありがとまと作:わたなべ あや/出版社:ひかりのくに 「ありがとまと」(絵本ナビ紹介ページ) 水色のアイマスクと手袋に黄色のマントをひるがえし、困っている野菜たちを助けるニューヒーロー。それがトマトマン! 泥だらけになってしまっただいこんちゃん、木から降りられなくなってしまったブロッコリーちゃん、池におもちゃを落としてしまったたまねぎちゃん。ピンチを救ってくれたトマトマンにみんなは感謝の言葉を伝えます。「ありがとう」ってどんな気持ちかな? を考えるのにピッタリな一冊。野菜の名前もついでに覚えることができますよ。おさるのジョージ イルカさんありがとう原作:マーガレット・レイ&ハンス・アウグスト・レイ/訳:山北 めぐみ/翻案:ボラナ・グレク&アレッサンドラ・プレジオーシ/テレビアニメ脚本:ジャスティン・トリー& レイ・ランクフォード/出版社:金の星社 「おさるのジョージ イルカさんありがとう」(絵本ナビ紹介ページ) 仕草が愛らしいおさるのジョージシリーズの一冊。海へやってきたジョージは友だちのマルコと一緒に砂浜に宝物をうめることに。でも潮が満ちてきて、宝物は海の底へ…。「ひきしお」「みちしお」「月のいんりょく」といった説明が難しい話も自然にストーリーに盛り込まれているのがうれしい! 知りたがりのジョージと一緒なら、遊びながら世の中の不思議を感じることができそうです。ありがとうっていいもんだ作:森山 京/絵:ささめや ゆき 「ありがとうっていいもんだ」(絵本ナビ紹介ページ) 公園にいく途中、ころがってきたボールをひろってあげたブタの子。いわれた「ありがとね」の言葉がかっこよくて、自分もマネしてみたくなりました。でもうまくいかず、行き違いで友だちにそっぽをむかれてしまって…。「ありがとう」をかっこよくいいたかっただけのブタの子。やさしいイラストとほっこりするストーリーに、子どもではなく自分があたたかい気持ちになれたという人も。自分が伝えたい「ありいがとう」の気持ちが見つかる一冊。ありがとうもぐらのゲンさん作:内田 麟太郎/絵:古川 麻澄/出版社: 童心社 「ありがとうもぐらのゲンさん」(絵本ナビ紹介ページ) 自信がなく、恥ずかしがり屋の子牛のモー。そんなモーの前にあらわれたもぐらのゲンさん。遠くにいるお母さんが病気だと知ったモーは会いにいきたいと願いますが、道中通らなければならない夜の森はとってもおそろしい。でもモーは決心します。ゲンさんはモーをそばではげまし、ずっと声をかけ続けてくれました。頼もしく、動じないゲンさんと一緒に過ごしたことで自分に自信がもてるようになったモー。子どもの「自己肯定感」を高めるにもおすすめの一冊。あいしてくれてありがとう作・絵:宮西 達也/出版社:ポプラ社 「あいしてくれてありがとう」(絵本ナビ紹介ページ) 涙なしに読めないと話題の「ティラノサウルスシリーズ」第7弾がこちら。穴のなかに閉じこもっていたひとりぼっちのティラノサウルスのもとへ、ある日あらわれた目の見えないパウパウサウルス。2匹の間には確かな友情が芽生え、楽しい時間を過ごします。けれど、パウパウサウルスの目が見えるようになって…。愛されるだけじゃなく愛すること。先入観なく人をみること。気持ちを伝えること。一瞬の出会いで人生はかえられること。絵本から受け取るメッセージは人それぞれですが、誰しも胸に残るものがあるはずです。助けてくれてありがとう、そばにいてくれてありがとう、愛をありがとう。いったほう、いわれたほう。その両方を幸せにしてくれるのが感謝の言葉なのかもしれませんね。データ協力: 絵本ナビ
2017年05月18日いろんな方向におりまげていくことで形になる「おりがみ」。好きな色紙で子どものころたくさん遊んだという人も多いかもしれません。今回は「おりがみ」にちなんだ絵本を集めてみました。小さな子でも理解できるよう、おりかたも丁寧に紹介されているのでぜひ参考にしてみてくださいね!おりがみにんじゃ作:つきおかゆみこ/出版社:あかね書房 「おりがみにんじゃ」(絵本ナビ紹介ページ) 物語の舞台は殿さまも家来たちも「おりがみ」でできた、おりがみ城。お宝を見つける任務をせおったおりがみ忍者は隣の国の姫のもとに忍びこみ、さまざまな術を使ってお宝を見つけようとしますが…。子どもたちの大好きな忍者と知恵を働かせて応戦する姫のやりとりがかわいくておもしろい! 最後には登場人物たちのおり方ものっているので、絵本を読んだあとに登場人物たちと遊ぶこともできますね。親子で楽しむおりがみずかん作:小林 一夫/出版社:学研 「親子で楽しむおりがみずかん」(絵本ナビ紹介ページ) 一冊あれば、どれも上手におれるようになるおりがみの指南絵本。かわいい動物や暮らしに役立つ生活アイテムなど約120点のおりがみとおり方がわかりやすくオールカラーの写真で紹介されています。「遊べるおり紙」では動物の口が動かせるようになっていたりなど、1人でもみんなでも楽しめる要素がつまっています。「これがいい!」と自分で選んだものをおれるようになるのがうれしいですね。へんしんおりがみぐみ作:真木 文絵/絵:石倉 ヒロユキ/出版社:ひさかたチャイルド 「へんしんおりがみぐみ」(絵本ナビ紹介ページ) 飛行機になって窓から飛び出したのは5枚の「おりがみぐみ」。そこから花になって、蝶になって、船になって… と変身を繰り返します。たった1枚からつむがれる形の多様さに世界の広さや明るい未来をイメージさせるような絵本です。おり紙自身が意思をもち、変身を楽しんでいる様子にもわくわく! 場面ごとに穴があいた仕掛けも楽しいですね。鮮やかな色彩も美しい一冊です。たのしいおりがみ編:幼児ソフト企画開発部/出版社:学研 「たのしいおりがみ」(絵本ナビ紹介ページ) 全23点のおり紙とおり方がのっているこちらの絵本は、昔からあるメジャーな作品が中心となっています。この絵本に習えばママも「知ってるけど折り方は知らなかった」ものがおれるようになりそう! 絵本を買うと5色25枚の色紙がついてくるので、その場ですぐに楽しめるのもうれしいですね。ひとつひとつ、丁寧におり方を説明してくれるのでしっかりおり方を覚えられそうです。 折ってあそぶ作:大橋 晧也/絵:笹川 妙子/出版社:星の環会 「折ってあそぶ」(絵本ナビ紹介ページ) 「おしゃべりカラス」「バスケット」「鬼のお面」「ゆきんこかぶと」などのおり方が学べるのがこちら。とても簡単におれるものばかりなので、初めておりがみに挑戦するお子さんにもおすすめです。完成したらそのまま遊べるものもあるので、ママだけじゃなくおじいちゃん、おばあちゃんと一緒におりがみを楽しむのもいいですね。なつかしく、あたたかい気持ちになるおりがみ。最近では小学校受験の勉強として用いるなど、おりがみが子どもの将来に役立つことも…! 遊びでも勉強の一環でも、ひとりでおれるようになったら「すごいね!」とたっぷり褒めてあげたいですね。
2017年05月11日いつの時代も愛される、日本の国技「すもう」。すもうをとる「おすもうさん」は体が大きくて、強くて、力持ち! いうイメージをもっている子も多いかもしれませんね。そこで今回は、すもうにちなんだ絵本を集めてみました。読めばきっと、はっけよいのこったとカラダが動くはず…!スモウマン作:中川 ひろたか/絵:長谷川 義史/出版社:講談社 「スモウマン」(絵本ナビ紹介ページ) 弱いものを助け、悪ものをやっつけるヒーロー、それが「スモウマン」です。幕下力士のスモウマンは困っている人がいると稽古中でも「ドスコーイ」のかけ声で大変身! 空を飛んで助けにやってきます。単純明快なストーリーのなかにひそむダジャレの数々、背景まで綿密に描きこまれたイラスト、そして多彩な決まり手。ページを開くごとに手がとまり、読み手の笑いを誘う一冊です。えんぴつのおすもう作・絵:かとう まふみ/出版社:偕成社 「えんぴつのおすもう」(絵本ナビ紹介ページ) 闇にうかぶスポットライト。浮かび上がるのは… えんぴつ!? 夜中におこなわれていたのは電気スタンドの灯りを土俵がわりにした、すもう大会。真剣勝負を繰り広げるえんぴつたちに予期せぬハプニングが起こって…。眠っている間に文房具たちが動き出すという設定が斬新! えんぴつだけでなくハサミや消しゴムも登場するので、入学前や低学年の読み聞かせにもいいですね。はっけよい作・絵:菊池 日出夫/出版社:福音館書店 「はっけよい」(絵本ナビ紹介ページ) 「おすもうとろうか」「うんいいよ」で始まったアリくんとテントウムシくんの勝負。力に自信のあるアリくん、奥の手をもつテントウムシくん。はたして勝負の行方は…。2匹が向き合う「のこった! のこった!」のシーンは迫力があり、お互い必至にふんばっている様子には思わずググッと力がはいってしまうかもしれません。文字が少ないのでイラストに集中でき、小さなお子さんもぐんぐん引き込まれます。持ち歩き用にもおすすめです。ちびすけ どっこい案:こばやし えみこ/絵:ましま せつこ/出版社:こぐま社 「ちびすけどっこい」(絵本ナビ紹介ページ) リズミカルな文章で、はずむように読むことのできる、わらべうた絵本。歌を知らないママでも「ちびすけどっこい はだかでこい ふんどしかついで はだかでこい」と言葉の繰り返しが心地よく、いつの間にか歌っているような感覚に…。歌に合わせて土俵にあがるクマやウサギ、タヌキといった動物たちと男の子の元気な勝負もほほえましい! 最後に優勝するのは誰かな? 親子の会話を交えたスキンシップにも活用できそうです。ねずみのすもう文・絵:いもと ようこ/出版社:金の星社 「ねずみのすもう」(絵本ナビ紹介ページ) ちびねずみは、でかねずみにすもうの勝負を挑みますが、なかなか勝つことができません。不憫に思ったおじいさんは、大切な餅をちびねずみとでかねずみ、両方にわけてやりました…。おじいさん、おばあさんの気持ちに応えて力を発揮できたちびねずみ。強いけれど愛情に飢えていたでかねずみ。どちらも同じ優しさで包み込むおじいさん、おばあさんの優しさを感じられる一冊です。すもうが勝負事なのはもちろんのこと、物語のなかには人を思いやる気持ち、誰かを応援する気持ち、本気でぶつかっていく気持ちなど、さまざまな心情が言葉なく語られています。本を読んだ後は早速「はっけよーい!」。親子で、すもうをとってみてくださいね。
2017年05月01日何世代にもわたって語り継がれる絵本、というものが存在します。両親が小さいころに読んでいた絵本に自分も親しみ、今度はわが子のお気に入りに…。そんな名作はそう多くありません。今回は20年以上愛され続けるロングセラー絵本を厳選して紹介します。しょうぼうじどうしゃじぷた作:渡辺 茂男/絵:山本 忠敬/出版社:福音館書店 「しょうぼうじどうしゃじぷた」(絵本ナビ紹介ページ) はしご車ののっぽくん、高圧車のばんぷくん、救急車のいちもくさん。そして古いジープを改良した、ちびっこ消防車のじぷた。小さいじぷたをみんなはバカにします。けれどあるとき、隣村の山小屋が火事になって…。誰でも自分にないものを嘆き、誰かをうらやましくなることがあります。でも自分だけができることが、きっとある。そのままの自分で大丈夫、とささやいてくれる名作乗り物絵本です。三びきのやぎのがらがらどん(大型絵本)絵:マーシャ・ブラウン/訳:せた ていじ/出版社:福音館書店 「三びきのやぎのがらがらどん(大型絵本)」(絵本ナビ紹介ページ) 体の大きさが違う3匹のヤギが草を食べて太るため、山へ出かけることに。でも途中の橋の下には不気味なトロルが…。はたして3匹のヤギは無事に橋をわたることができるのでしょうか。北欧の民話をもとにつくられたこちらの絵本は、あらあらしさとユーモラスといった相反する要素がこれでもかとつまっています。ハラハラ・ドキドキの展開はいつの時代も子どもたちを虜にしてしまうようです。かいじゅうたちのいるところ作:モーリス・センダック/訳:じんぐう てるお/出版社:冨山房 「かいじゅうたちのいるところ」(絵本ナビ紹介ページ) マックスはおおかみのぬいぐるみを着てイタズラし放題。お母さんはそんなマックスを寝室に放り込みます。するとそこはいつの間にか違う世界。かいじゅうたちの王さまになったマックスは、個性的なかいじゅうたちと一緒に楽しく過ごしていましたが…。少ない文章だからこそ活きる月の光やかいじゅうたちの表情がとても印象的。親に怒られてくやしい、さみしい、悲しい…。そんなときほんの少しの間だけ、違う世界へつれていってくれる子どものための絵本です。スイミー 小さなかしこいさかなのはなし作:レオ・レオニ/訳:谷川 俊太郎/出版社:好学社 「スイミー 小さなかしこいさかなのはなし」(絵本ナビ紹介ページ) 兄弟たちはみんな赤いのに自分だけ真っ黒のスイミー。ある日兄弟の魚たちはみな大きなマグロに飲み込まれてしまいます。逃げたスイミーは海の中にいるいろんな生き物と出会いながら、自分とそっくりな赤い魚を見つけて…。学校の教科書で読んだことのあるこちらは「1人ではできなくても、みんなとならできる」と力強く勇気づけてくれる名作。「虹色のゼリーのような」「ドロップみたいな岩から」といった表現も想像力をかきたててくれますね。おおきな木作・絵:シェル・シルヴァスタイン/訳:村上 春樹/出版社:あすなろ書房 「おおきな木」(絵本ナビ紹介ページ) 少年のそばにはいつでも木があった。木は見返りを求めない、惜しみない愛情を少年に与え続ける…。シンプルな言葉、シンプルなストーリーは読み手によってさまざまな感情を呼び起こします。リンゴの木に自分を重ね、わが子に無償の愛を与え続ける幸せを感じるのか。少年に自分を重ね、甘えてばかりだった親にしてやれたことはあるのかと自問自答するのか。「与える」ことの意味を、静かにやさしく語りかける名作絵本。誰しも読んだことのある一冊があるはず。読み返し、あのころとは違った感じ方をする人も多いようです。ぜひ、親子で不朽の名作を楽しんでみてくださいね。
2017年04月29日2002年に刊行された、絵本シリーズ『くまのがっこう』。11匹のお兄ちゃんを持つ、おてんばで泣き虫な、くまの女の子ジャッキーを主人公に、山のてっぺんにある「くまのがっこう」に暮らす、12匹のくまの子たちのあたたかな日常の世界が描かれています。兄弟が助け合い、なにげない日常の中にある幸せを教えてくれるストーリーは、子どもはもちろん、絵本を読むお母さんたちの共感を呼び、累計発行部数220万部を超えるベストセラーになっています。そんな『くまのがっこう』が誕生して、今年で15周年を迎えるのを記念し、松屋銀座で現在開催されている「くまのがっこう」展。展示開催前に取材した模様をリポートします。『くまのがっこう』ができるまで絵本シリーズ『くまのがっこう』は、あいはら ひろゆきさんが文、あだち なみさんが絵を手がけています。このシリーズの原点になった絵本『くまのがっこう』の構想には、4ヶ月かかったのだそう。「あいはらさんと出会って、絵本を作ろうということになったとき、私が好きだったテディベアをヒントに、くまのラフスケッチたくさん描いたんです。そのスケッチを二人で見て、たくさんいるのがいいねということになって。そうしたら学校だねとコンセプトが決まっていきました」とあだちさん。あいはらさんのインスピレーションの元になったのは、当時保育園に通っていた娘さん。「保育園で見た子どもたちがそこにいる」と、ストーリーを考えていったそう。その当時の、貴重なアイデアメモやラフスケッチ約20点は、本展の見どころのひとつ。くまたちのそれぞれの名前や姿、表情などはどのようにして生まれたのかがわかります。原画を通して見る、『くまのがっこう』の世界観次のコーナーでは、各作品の原画やスケッチを紹介。シリーズ全15作品のなかから、選りすぐりの原画、約200点が一挙に展示されています。あだちさんが絵を描くとき、最も気をつけていることは色使いだといいます。「それから、絵本は子どものためのもの、こういうものだと決めつけて考えないようにすることですね。昔はあいはらさんの作ったストーリーに沿って描いていましたが、今はそこに自分の世界観をちゃんと入れて、一枚の絵として仕上がるように描こうと心がけています。2012年に刊行した『ジャッキーのゆめ』あたりからは特に、1ページずつ、自分の部屋に額に入れて飾りたくなるような絵にしようと、意識しているんです」原画は、スケッチから輪郭線をトレースし、水彩絵の具で着彩しているというあだちさん。見ていると、一枚一枚に思いをこめて、丁寧に描かれていることが伝わってきます。また今年発売されたばかりの、最新作『ジャッキーのしあわせ』の原画も。子うしのミルクちゃんという、新しい命の誕生のストーリーは、15周年のメモリアルな1冊のテーマにぴったりです。絵本の作り方について、あだちさんはこう語ります。「ほかの絵本とは違って、あいはらさんのお話が来たら、私がちびラフ(縮小サイズのラフ)をたくさん描きます。それをあいはらさんに見せて、出版社さんに見せる前に二人で何度もやり取りをして、一度固めます。そこから出版社さんに見せて、アドバイスをもらい、さらにアイデアを練る、という進め方をしています。テーマはあいはらさんが決めるので、私はちゃんと「くまのがっこう」の世界を作り上げて、見てほしいなという気持ちでいますね。あいはらさんと私は役割が違うので、そこが上手く重なって、膨らんでいっていると思います。まだたったの15年ですが、確実にこの時間の積み重ねは、ちゃんと私の味方になってくれています。これからも続けていく過程にいますが、物語もきちんとあるキャラクターとして、もしかしたらミッフィーやスヌーピーみたいな存在になる可能性を持っているんじゃないかな、そうなったらいいなと思っていますね」展示の最後にある黒板に、ライブペインティングをしてくださったあだちさん。会期中に絵がどんどん増えていくそうなので、ぜひお楽しみに。400アイテムを越える圧巻のグッズコーナーグッズコーナーに並ぶ、400アイテムを越える、オリジナルグッズやコラボレーショングッズは圧巻。ぬいぐるみやお菓子などのオリジナルグッズのほか、おすすめは、「コズフィッシュ」のデザイナー・祖父江慎さんが手がけたグッズコーナーです。「白と黒をテーマにした、普段は見られない、原画展ならではのジャッキーになっています。私の好きな色を使ったアイテムや、印刷会社さんの技術によって、限りなく原画に近い形で再現したポストカードなど、こだわりのアイテムばかり。印刷好きにはたまらないと思います」とあだちさん。「シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン」展も同時開催会場では同時開催として、「シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン」展も開催しています。絵本「ミッフィー(うさこちゃん)」の生みの親である、オランダの絵本作家ディック・ブルーナさん。グラフィックデザイナーとして、ペーパーバックシリーズ「ブラック・ベア」など、2000冊にも上るペーパーバッグのデザインを手がけました。本展では、そんなデザイナーとしての作品を中心に、絵本の原画約30点、ポスターの複製など、ブルーナさんが約60年の創作活動で作り上げた約500点の作品が紹介されています。ブルーナさんの絵本やデザインに共通する特徴は「シンプル」。デザインするときに心がけていたのは、「短時間で見る人の心をとらえること」だったといい、余分なものをそぎ落としたなかに、ユーモラスな線や効果的な色使い、大胆な省略、リズミカルな反復といった、独自のユーモアが織り込まれています。また今回の見どころのひとつが、初公開となる最新作『クマくんが死んだ』。ブラック・ベアの絵を使い、読書が好きだったくまの死をテーマにしたこの絵本は、2011年に制作されましたが、死後に出版されるのがふさわしいと、出版が見送られたもの。今年2月16日、ブルーナさんが89歳で逝去したのを機に、関係者に向けて刊行されました。残念ながら市販される予定はないそうなので、必見です。ブルーナさんは、1953年に絵本『りんごぼうや』を作って以来、120冊以上の絵本を制作しました。赤、青、緑、黄、グレー、茶の6色しか使わず、感情を限られた色に置き換えて表現。シンプルながら、動き出しそうな絵など、展示を通して改めてデザイン性の高さを感じさせられます。もちろん、こちらもグッズ満載。ポーチやマグカップ、Tシャツなど、会場でしか買えないオリジナルグッズ含む150点以上がそろいます。ゴールデンウィーク、大人も子どもも一緒に楽しめる、二つの展示に出かけてみてはいかがでしょうか?「誕生15周年記念 くまのがっこう展」 入場料:一般 1,000円(700円)、高校生 700円(500円)、中学生 500円(400円)、小学生 300円 公式サイト 「シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン展」 入場料:一般800円、高校生600円、小中学生400円 公式サイト 会期:2017年4月19日(水)~5月8日(月) ※会期中無休。 会場:松屋銀座8階イベントスクエア 東京都中央区銀座3-6-1 時間:10:00~20:00(入場は閉場の30分前まで。最終日は17:00閉場) 【問い合わせ先】松屋銀座 TEL:03-3567-1211(大代表)※今回は、内覧会で特別に撮影許可をいただいております。
2017年04月22日表紙、イラスト、ストーリー、文章…。絵本を選ぶときはさまざまな要素が決め手になりますよね。けれど「いつも似たような本を選んでしまう」という人はたまには変わった基準で本選びしてみるのもおすすめです。たとえば「製作者」に注目してみるのはいかがでしょうか。今回はラインナップのなかから有名人が製作にたずさわった絵本を厳選して紹介していきましょう。ブーアの森作:せがわきり/絵:忌野 清志郎/出版社:TOKYO FM出版 「ブーアの森」 ロックミュージシャン・忌野清志郎さんがイラストを描いたこちらの絵本は環境保護がテーマ。木登りが好きなしょうくんは危険に応じて目の色が変わる不思議な生き物ブーアに出会い、人間がしてきたこと、これからしなければならないことを知ります。環境がテーマでありながら、かたくるしさはなく少年と森の精とブーアの会話で物語が進行していくため、小さな子どもたちにも理解しやすい内容です。危機感をもちにくい環境問題について、親子で話してみるキッカケになるかもしれませんね。オルゴールワールド著:にしのあきひろ/出版社:幻冬舎 「オルゴールワールド」 舞台は700年後の地球。空に住むカンパネラ少年は地上に住む少女に恋をしたけれど、それが叶わぬものと知る。でも諦めきれない少年は50年かけてラッパをつくり続け…。お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣さんがつくったことで話題となったこちらの絵本は、なんとペン1本で描かれています。目をみはる精密なタッチのイラストと、ちょっぴり切なくてやさしさにあふれたストーリーは大人をも魅了してしまうはず!マボロシの鳥作:太田 光/影絵・文:藤城 清治/出版社:講談社 「マボロシの鳥」 お笑いコンビ・爆笑問題の太田光さんのベストセラー小説『マボロシの鳥』を影絵と融合させた人気絵本。ストーリーは5部構成になっており2つの異なる世界を軸に展開されていきます。人間の欲望、他人と自分との関わり…。内面的な部分がテーマになっていますが、そのイメージを具現化したような影絵はとても美しく、まるで画集をみているよう。藤城さんは40枚の影絵をなんと約3ヶ月で製作したという裏話もあとがきで楽しめます。お話自体は少し長めなので小学生以上のお子さんの読み聞かせにおすすめです。(デジタル)パパコ絵本 バイバイねこバイ作・歌・朗読:博多 華丸(博多華丸・大吉)/構成:川端 明成/絵:大嶌 美緒/出版社:アイフリーク 「(デジタル)パパコ絵本 バイバイねこバイ」 「パパが本当に子どもに読みたい絵本をつくろう!」という思いから生まれた、吉本興業のパパ芸人&電通クリエーターの「パパコ絵本」シリーズのひとつ。親元を離れて自分探しにでかけた「ねこまる」は「○○になれたら、よかろうもん!」と叫びながら、変身を繰り返します。「ねこまる」のモデルと朗読はお笑いコンビ・博多華丸・大吉の華丸さん。方言を使った内容に「どれだけ子どもたちに届くかなと思うところもありますが、マネしやすいフレーズなので楽しんで頂けると思います」と語っています。まわりもステキだけど、自分もステキ。そんなことを伝えてくれる絵本です。南の島の星の砂作・絵:Cocco/出版社:河出書房新社 「南の島の星の砂」 歌手、Coccoさんが製作、イラストを手がけた一冊。小さな島の暗い夜空にかがやく無数の星たちはうさぎの形をしていたり、さかなの形をしていたり…。無限の色をたたえる星たちはいつしか地上に落ちて、砂になってしまいます。けれど砂になった星たちはとてもキレイで…。Coccoさんが12色のクレヨンで描く自然の豊かさはどこかなつかしく、そして幻想的です。文章は子守唄のようにやさしく「素直な気持ちになれる」と感じる人も。子どもたちのなかには「星の砂って本当にあるの?」と思う子もいるよう。本物の星の砂をみせてあげれば、絵本のことがもっと大好きになりそうですね。有名人が製作にたずさわった絵本はまだまだたくさん! テレビなどで日ごろから親しんでいる人がつくる絵本は、読むことでその人の人間性を垣間見ることもできそうです。いつもとは少し違った選び方で絵本を楽しんでみるのもいいかもしれませんね。
2017年04月20日ひねりのきいた問題で回答者を困らせる「なぞなぞ」。小さなころに親しんでいた、という人も多いのではないでしょうか。発想力や想像力の向上が期待できるなぞなぞは、頭のやわらかい子どもたちだからこそ、存分に楽しめるものかもしれません。今回は 絵本ナビ 協力のもと、おすすめの「なぞなぞ絵本」を選んでみました。なぞなぞのみせ作:石津 ちひろ/絵:なかざわ くみこ/出版社:偕成社 「なぞなぞのみせ」(絵本ナビ紹介ページ) 文房具屋さん、本屋さん、ケーキ屋さん…。昔なつかしい挿絵のなかに迷い込み、1人のお客さんになった気分にさせてくれる絵本。50問のなぞなぞの答えも、実は挿絵のなかにあります。大きなヒントが難しい問題にも挑戦しやすくしてくれるので、幼稚園の年長さん~小学校低学年のお子さんのなぞなぞデビューにもおすすめ。おばあちゃんと買い物した「あのころ」を思い出すママもいるかもしれませんね。なぞなぞえほん 1のまき作:中川 李枝子/絵:山脇 百合子/出版社:福音館書店 「なぞなぞえほん 1のまき」(絵本ナビ紹介ページ) ぐりとぐらシリーズの生みの親であるふたりがつくったこちらの絵本は、リズムを刻むような文章に、思わず歌いだしたくなります! 衣類や、衣類をしまうタンス、めだまやきといった卵料理が登場し、まるでおうちにいるかのようなリラックスした雰囲気で「なぞなぞ」とふれあえる一冊。ふわっとしたやさしい言葉と挿絵の虜になる親子も少なくありません。シマウマしましまなぜあるの?作・絵:リラ・プラップ/訳:松田 素子/出版社:アノニマ・スタジオ 「シマウマしましまなぜあるの?」(絵本ナビ紹介ページ) 登場するのは14種類の動物たち。「なぜかな? なぜかな?」と繰り返されるなぞなぞには珍解答がどんどん飛び出して、子どもとおしゃべりしながらなぞなぞを楽しめる絵本です。あくまでも、なぞなぞに読み手が参加することを大事にしており、答えは次のページではなく巻末に。読後は「子どもの意外な発想力に驚いた」なんてママもいるようです。なぞなぞのたび作:石津 ちひろ/絵:荒井 良二/出版社:フレーベル館 「なぞなぞのたび」(絵本ナビ紹介ページ) 100問のなぞなぞの答えを指し絵のなかから見つけだす『なぞなぞのみせ』と似たタイプの絵本ですが、こちらは不思議な世界に迷い込んだような雰囲気。なぞなぞがとけなくても、答えを知ったあとで挿絵から探し出す作業が楽しい! というお子さんも多いようです。絵から答えを探し出せるなぞなぞは、案外、難しさは関係ないのかもしれませんね。絵本からなぞなぞを覚えて、友だちやパパに披露してみるのもいいですね。おいしいなぞなぞ作:片山 令子/絵:久本 直子/出版社:教育画劇 「おいしいなぞなぞ」(絵本ナビ紹介ページ) ストーリー仕立てになっている絵本の主人公は、クマのハニーちゃん。誕生日のお祝いに3人の友だちがプレゼントをもってやってきて…。「いいもの もってきたんだ」「おいしい なぞなぞ あててごらん」実はこれ、お菓子のなぞなぞなんですね。ふんわりした砂糖菓子のようなやわらかいタッチの挿絵に、親子で「ほぅっ」とうっとりしてしまいそうです。なぞなぞが大好きだったママも、苦手だったママも、わが子と一緒に楽しむ絶好のチャンスです。ぜひ家族みんなで、ステキな「なぞとき」に挑戦してみてくださいね。データ協力: 絵本ナビ
2017年04月20日春の到来を確かに感じる桜。満開の時期は、桜色にうめつくされる空に無意識に癒されてしまうものですよね。大人と同じく、はらはら落ちる花びらをうけとめようと手をのばしたり、追いかけたりして楽しむ子どもたち。桜の季節をもっと楽しむために、今回は「桜が登場する絵本」を選んでみました!はなさかじいさん作・絵:いもと ようこ/出版社:岩崎書店 「はなさかじいさん」(絵本ナビ紹介ページ) いわずとしれた名作昔話を、とことんシンプルに楽しめるのがこちらの絵本。いもとようこさんのあたたかいイラストも人気です。やさしいおじいさんに「ここほれワンワン」という犬。ほると中から小判がザクザク。それを見た欲ばりじいさんは…。小さな子にもわかりやすい内容は、ポイントを押さえているとママたちからも好評です。満開の桜を咲かせるラストシーンはとてもきれいで豪華! 厚紙なのでじょうぶ、コンパクトで持ち歩きにも便利です。赤ちゃんの初めての昔話にもいいですね。ほわほわさくら作:ひがし なおこ/絵:きうち たつろう/出版社:くもん出版 「ほわほわさくら」(絵本ナビ紹介ページ) 「ほわほわ ふわん」「ほろ ほろ ほろ ほろ ほろり」という少ない文章でつづられる花びらたち。手のひらに落ちてきては風に吹かれ、まるで木の下に自分がいるような感覚に…。表現が秀逸とママからも絶賛されるこちらの一冊は春がやってきた心地よい空気感と、桜の木から舞いちる桜に四季の美しさをしみじみと感じることができそう。舞いちる桜が記憶に残る、あの日の思い出。ママにとっても懐かしく感じる一冊かもしれませんね。たろうのひっこし作:村山 桂子/絵:堀内 誠一/出版社:福音館書店 「たろうのひっこし」(絵本ナビ紹介ページ) たろうがつくった、赤いじゅうたんの自分の部屋。そこにはたくさんの友だちが遊びにきます。友だちの要望にこたえて、部屋のおひっこしをすることにしたようで…。この絵本を読めば、ダンボールや布団で空間をつくり、秘密基地として遊んだ昔を思い出すママもいるかもしれません。じゅうたんひとつで世界をつくる子どもの想像力はすごい! 自分の部屋ながら、みんなのお気に入りの場所におひっこしして「みんなの部屋」にするたろうも、自分の部屋がほしいというたろうにじゅうたんをわたすお母さんも、どちらもステキですね。さくらとふじお作・絵:しもぞの まゆみ/出版社:白泉社 「さくらとふじお」(絵本ナビ紹介ページ) お隣さん同士のさくらとふじお。いつでも一緒の仲良し2人はある日、ちょっとしたことでケンカをしてしまいます。頭に桜が生えているさくらと、富士山の形の頭をもつふじお。奇想天外な設定にびっくりするけれど、ケンカをすれば早く仲直りしたいしたいし、大好きだからこそ見せてあげたいものがある。相手を思う気持ちは変わらないことが伝わってきます。「ゆびきりげーんまん」でした2人だけの約束は、はたしてどうなるのでしょう。のんびり、ほのぼのとしたストーリーと2人の住んでいる自然豊かな景色に癒される一冊。さくらのもりのものがたり作:マオアキラ/絵: ささめや ゆき/出版社:小学館 「さくらのもりのものがたり」(絵本ナビ紹介ページ) 桜はいつも美しいものですが、ときとして妖しさを感じることもあります。魔法使いが住んでいるという「さくらのもり」の近くに住んでいる5人の子どもたちが主人公のこちらは、1話完結のお話が5話収録されています。でも、冬に突然花が咲いたり、夏に葉っぱが落ちたりと不思議なもりの妖精たちに手をさしのべられ、希望を心にともしていく子どもたちの様子からは、妖しさは感じられません。不思議な世界へ迷いこんでしまったあとで、心にあたたかな灯を宿らせて帰ってくるような、そんな一冊となっています。いかがでしたか? 桜が登場する良作絵本5冊をご紹介しました。読んだあとにはきっと、親子でお散歩に出かけてみたくなるかもしれませんね。
2017年04月15日子どもがどうやら、いつもの絵本の読み聞かせに飽きてしまった様子。そんなときは、迫力の「写真の紙芝居」で親子のコミュニケーションを図りませんか?紙芝居といえば、かわいいイラストや昔話系の絵が一般的。しかし、虫や動物の写真を使ったリアルな作品もあるのです。自然とふれる機会が少ない都会の子どもに、動植物の迫力を体験させてあげたい! というママに、自然科学系の紙芝居がおすすめです。■『かおかお だあれ?』『虫ってこんなにオモシロい!―栗林慧の虫の目カメラ写真紙芝居』のなかの1作品。虫の顔のドアップが映し出されていて、その写真から「これは誰の顔?」と、子どもに名前を考えてもらうことができます。目や口の形などがとてもリアルに写し出され、虫の観察にも最適。大人には衝撃的なビジュアルかもしれませんが、子どもたちはふだん見ることのできない細部をチェックできるからか、食い入るように見つめています。虫の写真は、ストーリーが理解できない乳幼児にもおもしろく感じるようで、私の姪(9か月)は手で触りながら楽しんでいるといいます。セット商品のなかの1作品ため、この作品だけ購入するのは難しいようですが、1巻ずつ貸し出している図書館も。私の弟は、紙芝居コーナーではなく自然科学コーナーで見つけたそうなので、そちらもチェックしてみるといいかもしれません。■『マングローブは海の森』マングローブの成長過程を、美しい石垣島の背景とともに紹介。「生態系」や「熱帯」など、小さな子には難しい言葉も登場しますが、その解説がついているので安心です。また、「マング」「グローブ」の意味なども教えてくれるので、ママやパパにも興味深いことでしょう。未就学児には、美しい風景と動植物の鑑賞をメインに、小学生以上には環境の話なども盛り込みながら読んであげると、自然への関心を育めそうですね。自然科学系の紙芝居は、いつもの読み聞かせには飽きてしまった子どもの興味を引くことができます。また、顔や模様からその動物などの名前を考えていくことは、観察力や思考力を高めるためにも役立つはず。さまざまな作品にふれることで、子どもの能力を引き出してあげたいですね。参考サイト・ 『かおかお だあれ?』(作・写真:栗林彗/教育画劇) ※虫ってこんなにオモシロい!―栗林慧の虫の目カメラ写真紙芝居(全8巻)内の1作品・ 『マングローブは海の森』(赤木かん子/埼玉福祉会)
2017年04月09日子どもの好き嫌いはママにとって悩みのタネ。バランスよく食べる子になるには、子ども自身が食事の大切さを実感できることが大事。絵本『 こども栄養学 どうして野菜を食べなきゃいけないの? 』(新星出版社/監修:川端輝江)には、子どもに食べる楽しさや意味を伝えるヒントがたくさんありました。その一部をご紹介します。■どうして、ごはんを食べなきゃいけないの? 「どうして、野菜を食べなきゃいけないの?」「どうして、おやつばかりじゃだめなの?」そんな疑問をもっているお子さんは意外に多いものです。まずは、子どもの食に関する素朴な疑問に答えながら、食への興味を引きだしてあげるとよいでしょう。たとえば、私たちがごはんを食べなければいけない理由は、生きるために食べ物に含まれる「栄養素」が必要だから。食べ物によって含まれる栄養素はちがい、それぞれ別の働きがあります。野菜にしかない栄養素もあれば、魚にしかない栄養素もある。だから、どんなにおいしくてもおやつばかり食べるのはだめで、バランスよく食事をすることが大切なのです。■緑黄色野菜は病気をふきとばすスーパーマン!野菜嫌いな子どもには、野菜の働きをわかりやすい言葉で伝えましょう。たとえばピーマンは、「病気をふきとばすスーパーマン」。緑色が濃いほど栄養素が濃く、体が酸化(さびつく)するのを防いでくれるので、子どもはもちろんママもたくさんとりたいところです。また、ニンジンも抗酸化作用をもつα-カロテンを豊富に含み、風邪にかかりづらくしたり、活性酸素をやっつけてガンなどを防いだりしてくれます。子どもには「ピーマンやニンジンを食べると、こわい病気が防げるよ。病気にならなければ、毎日公園で元気に遊べるね」など、食べることによってどんないいことがあるのかも伝えると、食べる意欲のアップにつながります。■子どもが大好きおやつにも栄養はあるおやつにも栄養があります。たとえば、ショートケーキの材料である小麦粉や砂糖は炭水化物なので、エネルギーになり、つかれをとってくれます。また、生クリームは牛乳からつくられるのでカルシウムもおぎなえます。そんな話をしながら食べると、おやつタイムも楽しくなるし、子どもが食べ物の栄養に興味をもつきっかけにもなります。■のどがかわくのは、体から水分がなくなったサインのどがかわくのは、体から水分がなくなったサイン。「人の体の半分以上が水でできている」と聞くと、驚く子も多いようです。体の水が減りつづけると、つばやおしっこが減り、20%を切るといのちも危なくなります。子どもには「のどがかわいたらすぐに水分をとろうね」ということもあわせて伝えておくと、脱水対策になり、暑くなるこれからのシーズンにも安心です。■うんちの色や形を毎回チェックしよう!うんちを見れば、健康がわかります。コロコロかたいうんちは野菜が足りない証拠。ドロドロやわらかいうんちは脂肪分のとりすぎかも。そんなふうにうんちの見方を教えてあげると、子どもは毎回はりきってチェックしてくれるはず。理想のバナナうんちを出すために、苦手な野菜もがんばって食べてくれるようになるかもしれません。■親子で一緒に栄養を学べる絵本この記事で紹介した内容は、すべて『 子ども栄養学 どうして野菜を食べなきゃいけないの? 』に書かれています。野菜やおやつのほか、肉、魚、くだもの、乳製品など80品目の食材が、かわいいキャラクターとして描かれ、身近な食べ物への理解を楽しく深められます。また、栄養素や体のしくみの説明もあります。字は小さめですが、ふりがながあり、イラストもかわいいので、小学生以上なら一人でも読めそうです。栄養素の説明などすこし難しいところもあるので、最初は親子で、いずれは一人で……と成長につれて長く読んでいける一冊です。子どもがごはんを食べてくれないと、ついイライラして「はやく食べなさい!」なんて怒ってしまうこともありますよね。こうした絵本を使いながら、楽しい会話のなかで食事の大切さを伝えていけば、子どもの食べる意欲も自然に高まりそうです。
2017年03月31日透きとおった瞳と小さな耳。ごろごろとのどを鳴らしながら甘える「ねこ」。ペットとして飼われている人も多いことでしょう。その愛くるしさは、絵本の世界でも健在です。今回はねこの魅力をこれでもかと味わってもらうため 絵本ナビ 協力のもと、さまざまな「ねこ絵本」を選んでみました。ねこが好きな子もそうでない子も、ぜひ楽しんでみてくださいね。11ぴきのねこ作:馬場 のぼる/出版社:こぐま社 「11ぴきのねこ」(絵本ナビ紹介ページ) おなかがぺこぺこの11ぴきのねこは、ひげの長いじいさんねこに山の向こうの湖に怪物のような大きな魚がいると聞き、湖めざしでかけます…。みんなの力をひとつに合わせて大きな魚を捕まえる姿にびっくり! 読み聞かせをしたことのあるママは「最初に小さな魚を11ぴきでわける姿」が印象に残っている人が多く、ほほえましく感じるシーンも。ちょっとユニークで、かわいらしいねこたちの冒険劇。お魚を食べた日に読んでみてくださいね。ちいさなねこ作:石井 桃子/絵:横内 襄/出版社:福音館書店 「ちいさなねこ」(絵本ナビ紹介ページ) 部屋からとびだした「ちいさなねこ」。自動車にひかれそうになったり、大きな犬に追われて木の上に逃げたり…。まるで本物の子ねこの1日を追いかけているかのよう。次はどこにいっちゃうの? とハラハラドキドキの連続です。子ねこをわが子のように感じてしまうママ、子ねこを自分とおきかえるわが子。人間の親子もねこの親子も、似たようなものかもしれませんね。丁寧で力強いイラストにも注目です。ねこだらけ作:あき びんご/出版社:くもん出版 「ねこだらけ」(絵本ナビ紹介ページ) 一見すると、ねこ図鑑。でも普通の図鑑とはなにかが違う…。ギラギラと輝きを放つ目をしたねこたちが表紙のこの絵本は、ロシアンブルーやペルシャ、アメリカンショートヘアなど世界各地の個性的なネコたちが400匹登場します。存在感の強いねこたちばかりなので、誰しも惹きつけられる1匹が見つかるはず。ぼくや私、パパやママ、友だちに似ているねこを探してみるのもいいですね。ぼくのにゃんた作:鈴木 康広/出版社:ブロンズ新社 「ぼくのにゃんた」(絵本ナビ紹介ページ) にゃべ、まにゃいた、バニャニャ、ニャッフル、ドーニャツ、ビスキャット。いつも仲良しのにゃんたは、少し風変りのねこ。でもある日、友だちがぼくにいった言葉に驚き、いなくなってしまった…。ユーモラスたっぷりでちょっと切ない少年とねこのお話は、気持ちをゆる~くさせる不思議な世界観をかもしだしています。人気現代アーティスト、鈴木康広さんの初めての絵本です。ヨクネルとひな文:LEE/絵:酒井 駒子/出版社:ブロンズ新社 「ヨクネルとひな」(絵本ナビ紹介ページ) ひなちゃんの家にやってきた、やせほそったのらねこ。からだをきれいにふいてあげると、あらわれたのは大きな青い瞳。ひなちゃんは、子ねこをそうっとだいてみます…。絵本のなかから抱き上げ、やさしく包んであげたくなる子ねこが愛らしく、自然と顔がほころびます。「ヨクネル」の名づけにもほっこりしますね。絵本なら「ねこ」の特徴や習性、種類もすんなり頭にはいってきそうです。ストーリーを読み進めるうちに「自分と似ているなぁ」と感じたり、危なっかしさにはらはらと心配になったりすることもあるかもしれませんね。魅力たっぷりのねこたちに、ぜひ会いにいってみてくださいね。
2017年03月29日今年のGWは親子で絵本の世界を楽しみませんか?4月28日(金)~5月7日(日)の期間中、福音館書店「こどものとも」創刊 60 周年記念イベント「絵本とおともだち」が開催されます。会場は世田谷の玉川高島屋S・Cで、入場は無料。家族のお出かけにピッタリのイベントです。「絵本とおともだち」はどんなイベント?絵本や児童書でおなじみの福音館書店は、1956年から月刊絵本シリーズ「こどものとも」を発行しています。「こどものとも」からは700冊以上の絵本が生まれました。創刊60周年を記念し、今回のイベント「絵本とおともだち」が開催されます。絵本を読むだけでなく、さまざまな角度から体験して楽しめる企画が盛りだくさんです。大人も思わず夢中!見どころをチェック●ふれあい&体験コーナー●絵本の世界体験コーナー誕生50周年を迎える『だるまちゃん』の等身大ぬいぐるみが登場!全長約4mの『しょうぼうじどうしゃ じぷた』の実物大再現車両も展示され、いつも読んでいる絵本の世界に入り込んだ気分を味わえます。「なりきり写真館」では、大人気絵本『グリトグラ』の「たまごのくるま」に乗って撮影できますよ。●読書コーナー親子でのんびり絵本を読めるコーナーです。約500冊もの絵本がそろっていますよ。読み聞かせステージも設けられ、「多言語による読み聞かせ」や本ではなく語り手による「昔話の素話(すばなし)会」がおこなわれます。●ワークショップコーナー●絵本の工作で遊ぼう!会期中は毎日、ワークショップが開かれます。かわいい絵本キャラクターを使い、オリジナルTシャツやバッジを作りましょう。親子で工作をしませんか?※ワークショップは有料です。●ギャラリーコーナー●「こどものとも」の記念原画展示2016年度に出版された、絵本作品の原画が展示されます。原画だから分かる、優しい色合いやタッチを間近で鑑賞できます。●特別書き下ろし色紙ギャラリー人気絵本作家20人が特別に描き下ろした色紙が、作家紹介とともに展示されます。参加する作家は、『はじめてのおつかい』の林明子さんや筒井頼子さんなど。「ありがとう、子どもたちへ」をテーマに描かれた色紙は、作家たちの想いがあふれる貴重なものばかりです。●『ぐりとぐらとすみれちゃん』ものがたりができるまでステキな絵本がどのようにできあがるのか、興味がわきますね。『ぐりとぐらとすみれちゃん』(こどものとも 2000年4月号掲載)のストーリー直筆原稿、ラフ画から製本までの過程をパネル展示で解説します。子どもにも分かりやすい展示なので、親子で一緒に楽しみましょう。●イベントあの絵本作家に直接会えるかも!?人気絵本作家を招き、トークショーやサイン会、ライブペインティングをおこないます。ぜひ日程をチェックして、会いに行ってくださいね。<来場作家と日程>4月29日(土)本館 1F グランパティオ「なかのひろたか トークショー&サイン会」 ※『ぞうくんのさんぽ』の作者4月30日(日)西館1F アレーナホール(絵本とおともだち会場内)「きくちちき ライブペインティング」 ※『もじもじこぶくん』などで知られる画家・絵本作家5月5日(金)本館 1F グランパティオ「西内ミナミ トークショー&サイン会」 ※『ぐるんぱのようちえん』の作者子どもも大人も夢中になれる、絵本の世界が待っています!参加すれば、どこか懐かしく温かい気持ちになるイベントです。開催概要福音館書店「こどものとも」創刊60周年記念「絵本とおともだち」開催日時:2017年4月28日(金)~5月7日(日)10:00~19:00 ※最終入場は閉場の30分前まで)会場:玉川髙島屋 S・C 西館1Fアレーナホール料 金:無料 ※ワークショップは有料主催:玉川髙島屋 S・CURL:(玉川高島屋S・C)
2017年03月26日