子どもがいるとどうしても気になるのが、習い事の問題。小学校の勉強や部活ではできない体験をさせられますし、就学前にスポーツやアートに親しむことで、子どもの発達によい影響を与えたいと望む親御さんは多いことでしょう。とはいえ、「習い事なら何でもいい」と考えている人は、そういないのでは?最近は「東大生の多くが子どもの頃にやっていた習い事」が注目を浴びるなど、「脳の活性化」という観点で習い事を検討する保護者もいます。それに、「ほかの家庭ではどんな習い事をさせているんだろう?」と気になったり、勉強との兼ね合いも悩みどころです。そこで今回は、ちまたで人気の習い事と、習い事を選ぶ際のポイント、「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」編集部オススメの習い事をご紹介します。お子さんの習い事を決める参考になれば幸いです。子どもの習い事人気ランキングベネッセ教育総合研究所は2017年3月、「3~18歳(高校3年生)の子どもを持つ母親」16,170名を対象に「第3回 学校外教育活動に関する調査」を行いました。その結果によると、就学前の子どもの多くがやっている習い事などの活動トップ10は以下のとおり。なお文字をクリックすると、「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」の関連記事をお読みいただけます。幼児に人気の習い事などの活動ベスト10第1位 スイミング(23.0%)第2位 体操教室・運動遊び(15.5%)第3位 英会話・英語教室(10.5%)第4位 楽器の練習・レッスン(9.6%)第5位 音遊び/リズム遊び(音楽教室)(8.2%)第6位 リトミック(5.9%)第7位 サッカー/フットサル(4.5%)第8位 ダンス(3.3%)第9位 計算や漢字などのプリント教材教室(2.9%)第10位絵画/造形(2.5%)水泳が習い事として人気なのは有名ですが、小学校に上がる前の子でも5人に1人が習っているというのは驚きですね。スイミングが心身に与えるよい効果に期待を寄せる保護者が多いのかもしれません。英会話やプリントによる勉強をすでに始めている子が一定数いるというのも注目ポイントです。次に、小学生の習い事について見てみましょう。広告代理店の博報堂が2016年3月、「小学生の長子がいる母親」1,428名を対象に実施した「『子どもの習い事・身につけさせたいスキル』レポート」によると、多くの小学生がやっている習い事は以下のとおり。小学生に人気の習い事ベスト10第1位 水泳教室(31.1%)第2位 通信教育、宅配教材(29.3%)第3位 ピアノ、音楽教室(25.6%)第4位 そろばんなどの自習型学習塾(22.8%)第5位 野球やサッカー等の運動クラブ(20.9%)第6位 英語教室(20.4%)第7位 その他(13.7%)第8位 受験対策用の学習塾、教室(10.2%)第9位 水泳、ダンス以外の体育教室(9.5%)第10位ダンスなどのパフォーマンス教室(バレエ含む)(7.7%)水泳は相変わらず、圧倒的な人気です。そして、4人に1人が通信教育で勉強したり、音楽教室に通ったりしています。体や知能が発達したためか、就学前と比べて習い事にチャレンジする子が多いようです。習い事を選ぶポイントどの習い事が人気かは大体わかりましたが、こんなにも選択肢があると迷ってしまいますね。習い事を選ぶ際、どのような点を考慮して決めればよいのでしょう?ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと読売新聞が2006年、3歳〜中学生の子どもを持つ1,026名を対象に実施した「子どもの習い事に関する調査」によると、保護者たちは以下のような理由で習い事(学習塾含む)をさせているようです。習い事をさせる理由ランキング第1位体力や運動能力の向上(46%)第2位子どもが自分で行きたいと言ったから(45%)第3位音楽や美術、書道など文化的な能力の向上(30%)第4位受験を目的としない学力向上(29%)第5位受験対策(15%)子どもの意欲を重視しつつ、やはり「子どもの能力を伸ばしてあげたい」と考えて習い事をさせる親が多いのですね。ひととおりの運動や文化的活動は幼稚園や学校でもできますが、その時間はごくわずか。体育がずっと苦手だったという人や、音楽の授業をまじめに受けても楽譜が読めるようにならなかったという経験を持つ大人は多いはず。学校以外で何か特別な活動に取り組ませ、得意分野を作ってあげたいと思いますよね。さて、多様な習い事のなかから「これをやらせよう!」と決めたとしても、考慮すべきことはまだあります。世のなか、特に都市部にはあまたのスイミングスクールやピアノ教室が展開しているからです。どの施設・団体で習わせればよいのでしょう?ベネッセ教育総合研究所が2009年3月、「3歳~17歳(高校2年生)の子どもを持つ母親」15,450名を対象に実施した「第1回 学校外教育活動に関する調査」の結果によると、親たちは以下のことを重視しているそうです。習い事選びで重視することランキング第1位子どもが楽しんでいる(94.3%)第2位費用が安い(61.2%)第3位家から近い(57.3%)第4位指導者が信頼できる(53.8%)第5位子どものレベルに合っている(49.2%)やはり、子どもが楽しんで活動できることがいちばんのようですね。また、第2位~第5位の要素は、習い事の続けやすさに関わっています。これらの要素がひとつでも欠けると、習い事を続けるのが物理的に難しくなったり、子どもの意欲が低下したりしかねません。検討している施設・団体が上記の要件を満たしているか確かめるため、いくつか体験授業を受けて比較してみるのがよいのではないでしょうか。習い事を選ぶ際に考慮するポイントは、人によって異なります。「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」編集部が重視しているのは「脳の発達」という観点。子どもが小さいうちにさまざまな体験をさせると、脳の神経が刺激され、よりよく発達すると考えられています。脳の発達が大いに期待できる、オススメの習い事を3つ、ご紹介しましょう。おすすめの習い事1:そろばん日本人にとって定番の習い事、そろばん。地域にいくつか教室があるのではないでしょうか?そろばんは、右脳を刺激してくれる習い事として知られています。ふつう、私たちが計算をするときには論理的思考をつかさどる左脳を主に使いますが、NPO法人・国際総合研究機構の副理事長であり脳科学を専門とする河野貴美子氏によると、そろばんの有段者は暗算をする際、右脳を用いているのだとか。彼らの頭のなかではそろばんの珠(たま)が動いているので、イメージをつかさどる右脳が活発になっているそうです。右脳を活発にすると、記憶力や直感が磨かれると考えられています。ほかにも、そろばんには以下のようなメリットがあります。詳しくは「子どもにそろばんを習わせる5つのメリット。リーズナブルだけど脳への効果は抜群!」をご覧ください。●自信が養われる●集中力がつく●費用が安め●資格が取れるおすすめの習い事2:ピアノみんなが憧れる習い事・ピアノ。東大生の多くが習っていることでも知られるようになりましたね。一般社団法人・日本子ども音楽教育協会の理事長である滝澤香織氏によると、ピアノの演奏は右手と左手を同時に使うため、右脳と左脳の両方が活性化されるそう。これによって、右脳と左脳のあいだにある神経の束「脳梁」が太くなり、右脳・左脳間の伝達がスムーズになるそうです。また、精神医学を専門とするジェームズ・ハジアク教授(米バーモント大学)らの研究により、楽器を練習した子どもほど、集中力をつかさどる脳の部位が発達していることが明らかになりました。ピアノをはじめとした楽器を演奏するには、指先を精密に動かし、リズムを正確に刻み、楽譜を素早く読めなければいけません。多くのことを一度にこなさなければならないため、集中力がつきやすいのかもしれませんね。ピアノには以下のように、ほかにも多くのメリットがあります。詳しくは「ピアノは何歳から始めるべき?脳科学から徹底的に考えてみた。」をご覧ください。●音感が養える●外国語が得意になる●自己制御や問題解決能力など「人間指数(HQ)」が養えるおすすめの習い事3:スイミング子どもの習い事として人気ナンバーワンなのがスイミングです。最近は、ピアノと並んで多くの東大生が経験した習い事としても有名ですね。スイミングは体だけでなく、脳も鍛えると考えられています。特に育つとされているのが「空間認識能力」。方向や位置関係を正しく理解し、目の前にないものを頭のなかで再現できる力です。この能力が高いと、自動車を運転しやすくなったり、スポーツで活躍しやすくなったり、設計関連の仕事に就きやすくなったりします。心理学者のデイビッド・ルビンスキー氏によると、空間認識能力は「人間のなかで眠っている潜在能力のうち、最大の部分かもしれない」とのこと。創造力やイノベーションとも関係しているそうなので、スイミングを通して子どもの秘めた能力が開花するかもしれませんね。ほかにも、スイミングには以下のようなメリットがあります。詳しくは「東大生の幼少期の習い事の第1位は『スイミング』!そのメリットとは?」をご覧ください。●集中力がつく●風邪をひきにくくなる●全身の筋肉を鍛えられる●ケガをしにくい「子どもの習い事をやめさせたい」と思ったら子どもがやりたがったし、将来のためになれば……と思って始めた習い事。しかし、さまざまな事情により、「そろそろやめ時かな」と感じることがあるかもしれません。習い事をやめさせたいと思うのには、以下のような場合が該当するでしょう。-子どもの意欲がなくなり、練習しなくなった。-習い事よりも勉強に注力させたい。-月謝を払いつづけるのが厳しい。「子どもの意欲がなくなった(ように見える)」場合最初は楽しそうだったのに、今ではいやいや通っているみたい……。子どもがこんな様子だったら、まずは「最近、習い事はどう?」「今はどんなことをやっているの?」と話を聞いてみましょう。そしてもし、「先生が好きじゃない」「同じクラスに嫌な子がいる」のように環境に不満を持っていることがわかったら、別の教室を検討するか、大きなスクールであれば曜日・時間を変更してクラスを替えてみては。また、「今やっていることが難しすぎて、ついていけない」のであれば、先生と相談してみましょう。環境に不満があるわけではなく、「もう充分にやった」「ほかのことに時間を使いたい」と思っているのかもしれません。今の習い事について「次の目標はある?」「どれくらいまで上達したい?」と聞いてみて、あまりポジティブな答えが返ってこないのであれば、やめてしまってよいでしょう。「やめる」といってもけしてネガティブなことではなく、ひとつのことを終えて、次のことに挑戦するというだけの話です。友だちと遊んだり、別の趣味に熱中したりする時間が生まれて、それもまた素晴らしい経験となるでしょう。一方、楽器のように自宅での練習が求められるにもかかわらず、練習の意欲を失っている場合は、少し難しいです。練習したがらない理由が「その習い事に飽きた」というものであれば、やめてしまってもよいでしょう。しかし、習い事自体は好きなのに、地道な練習を面倒に感じてしまう時期はあるもの。練習しないからといってすぐにやめさせてしまうのは早計かもしれません。子どもを信じてしばらく様子をうかがってみましょう。その際、たとえば楽器の習い事なら「久しぶりに○○ちゃんの演奏聞きたいな」と促して、演奏が終わったら褒めたり、親子でコンサートに行ったりなどのアプローチをとってみてはいかがですか。「もっとうまくなりたい」と願う気持ちがよみがえるかもしれません。習い事より勉強を優先してほしい習い事をやめて、その分の時間を勉強に使ってほしい……。そう考える保護者は少なくないようです。上述したベネッセの「第3回 学校外教育活動に関する調査」によれば、「運動やスポーツをするよりももっと勉強してほしい」と考えている小学生の親は37.5%、「音楽や芸術の活動をするよりももっと勉強してほしい」だと45.2%でした。この割合は調査のたびに増えています。けれど、机での勉強では得られない経験ができるのが習い事ですから、できればやめさせたくないものです。「家でも学校でも全く勉強をせず、通知表の数字がひどい」といった極端な状況でなければ、習い事はぜひ続けるべきだといえます。子どもがなかなか勉強をせずに悩んでいる場合、「子供が勉強しないときの対策。イライラはNG、親子で勉強計画を立てよう!」を参考にしてみてください。子どもが勉強しないときに役立つ6つのアドバイスを掲載しています。金銭的に厳しい……最初の頃はなんとかなったけれど、今は習い事の費用を払うのが家計的に厳しい場合。弟・妹が生まれた、子どもの習い事が増えたなどの背景があるかと思います。子どもが続けたそうにしているのに、お金の都合でやめさせなければいけないのは辛いですよね。まずはできるだけ、習い事を続けられる方法を模索してみましょう。子どもが複数の習い事をしている場合、率直に家計の事情を伝え、最も続けたい習い事を1つに絞ってもらいます。「あれも、これもやりたい」と子どもは思うでしょうが、複数の物事を比較して決定するよい機会です。金銭教育だと思うことにしましょう。子どもの金銭感覚を養う方法については「『お金教育』は幼少期から。お金の大切さを知るための、最初の4ステップ」をご覧ください。習い事が1つでも、まだ厳しいという場合、今よりも安価に習える教室・団体を探してみるという手もあります。上に挙げた「第3回 学校外教育活動に関する調査」によると、小学生のスポーツ系の習い事に関して、「民間経営」の団体で習っている場合の平均費用は月に6,000円台でしたが、「地域ボランティア運営」だと2,000~3,000円台、「自治体・公益法人運営」だと3,000~4,000円台でした。習い事の教室を開いている団体の見つけやすさは地域によって異なりますが、諦めずにできるだけ安い運営母体を探してみましょう。***子どもの習い事について、悩みは尽きないかもしれません。「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」は今後とも、習い事に関する知見を発信してまいります。(参考)ベネッセ教育総合研究所|第1回 学校外教育活動に関する調査 2009ベネッセ教育総合研究所|第3回 学校外教育活動に関する調査 2017(データブック)博報堂|【博報堂こそだて家族研究所】「子どもの習い事・身につけさせたいスキル」レポートNTTコム リサーチ|子どもの習い事に関する調査StudyHacker こどもまなび☆ラボ|子どもにそろばんを習わせる5つのメリット。リーズナブルだけど脳への効果は抜群!StudyHacker こどもまなび☆ラボ|ピアノは何歳から始めるべき?脳科学から徹底的に考えてみた。StudyHacker こどもまなび☆ラボ|東大生の幼少期の習い事の第1位は「スイミング」!そのメリットとは?StudyHacker こどもまなび☆ラボ|空間認識能力を鍛える楽しい方法。ゲームとおもちゃが意外と使える!
2019年01月04日2020年に日本の教育が大きく変わると言われています。学習指導要領の改訂と大学入試改革が行われます。変わるとは知っていても具体的にどんな風に変わるのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。「うちの子はまだ小さいから早いな」と思う方もいるかもしれませんが、小学校の勉強がどう変わるのかを知って、早くから対策をすることは決して無駄にはなりません。まずは改革の概要をしっかり理解しましょう。1. 学習指導要領の大幅な改定学習指導要領とは、日本教育の大まかな指導目標です。都度見直されていますが、2020年には小・中・高校で全面的に見直されます。教科・科目面では、小学校3・4年生で「外国語活動」、5・6年生で「英語」教科化、高校では「公共」「歴史総合」「地理総合」「理数探求」などが新設されます。さらに学びの特徴として以下のようなものが導入されます。(1) アクティブラーニングの導入アクティブラーニングとは「主体的・対話的で深い学び」を示し、教科ではなく授業方法です。正解を先生が教える一方的な授業ではなく、解き方を班ごとに話し合ったり個々に意見を出し合ったり、という双方向、対話的な学びのスタイルを取ります。(2) プログラミング教育の実施小学校でプログラミングが必修化されます。プログラミング言語や技術を学ぶというよりは「プログラミング的思考」を学びます。プログラミング的思考とは、何か問題があるとき解決するための最適な方法を考え、予測し、それをトライ&エラーで解決することです。今までの、知識を詰め込みいかに覚えるかという教育から、覚えたことをどう使っていくかに重点が置かれていきます。解決力や、持っている知識をどう使うかが問われるようになります。2. 英語改革年々進むグローバル化に向けて、英語教育についても改革が行われます。使える英語力を目指し、学習開始年齢の前倒し・4技能(聞く、話す、読む、書く)の取得を求めての改革となります。・小学校3・4年生週1コマ程度の「外国語活動」年間35コマの授業聞く・話すことの言語活動・小学校5・6年生週2コマ程度の「英語」年間70コマの授業成績(数値による評定)がつく活字体の読み書き語順への気付き・中学生・高校生英語の授業は英語で行うことを基本とする高校では「論理・表現」の科目新設(スピーチ、プレゼンテーション、ディベート、ディスカッションなど)覚える単語数も、現状は中学で扱う英単語が1200程度ですが、小学校の間に600~700語学びます。現状の中学生レベルの半分以上を、小学校卒業までに学ぶということですね。そして英語についても、覚える授業から、コミュニケーションを重視とした内容に変わっていきます。より実践的な話す力が求められることになります。但し2020年に向けて既に任意で英語を取り入れる小学校も増えています。私の息子が通う小学校では、外国人講師を招いた外国語活動を隔週1回程度行っているようです。3. 大学入試も大きく変わる2020年の改革では、大学受験も大きく変わります。まだ幼稚園や小学校低学年だとピンとこないかもしれませんが、成長と共に関係してくる部分ですので今の内から理解しておきましょう。大きく変わるのはマークシート方式の「センター試験」が廃止となり、「大学入学共通テスト」に移行します。数学・国語で80~120字の記述があるなど、思考力・判断力・表現力も評価されます。英語についても、今までの「読む・書く」から「読む・書く・聞く・話す」を評価され、民間資格や検定試験も評価されます。活用できる資格・検定試験は「ケンブリッジ英語検定」「TOEFL」「TOEIC」「IELTS」「TEAP」「英検」「GTEC」で、高校3年生の4~12月に受検した2回までの結果が採用されます。今までの知識を詰め込む教育からどのように変わるのかお分かりいただけたでしょうか。ただ、思考・判断するためには当然知識が必要となります。知識があるのはあくまでスタートラインということになり、そこから考える・自分の意見を言う力が必要になってきます。それを試験やテストで発揮するためには、日頃からの勉強方法を少しずつ変えていく必要があるでしょう。大学受験を考えていない場合でも、こういった能力は将来社会で必ず必要となってきます。頭の柔らかい小学生の内から意識することで、無理なく少しずつ力がつくはずです。学校や塾の勉強も大切ですが、一番良いのは家庭でコミュニケーションを取っていくことです。是非会話の時間を多く持ち、子どもにたくさん質問を投げかけることを意識してみて下さい。教育改革に負けない地頭を作っていきましょう。
2018年12月21日キッズネットサポーター:ゆきこ過去問は、大切な予行演習多くの塾では6年生の秋から過去問を解き始めます。娘の塾では過去問の準備について特に指導はありませんでしたが、わたしは受験生の親のブログを参考に、準備しました。過去問の背表紙を裁断する。問題用紙も解答用紙も、本番のサイズに合わせてコピーする。娘が受験した入試の問題用紙のサイズは全てA4ですが、過去問題集はB5サイズのものがほとんどです。本番のように、考えるために書き込める余白は、問題集にはほぼありません。子どもには「入試の予行演習」として過去問を解いてほしかったので、問題集を本番と同じA4サイズに拡大してコピーしました。このように裁断したあとに、実際のサイズに合わせpて、A4サイズに拡大コピーしました過去問の裁断は、「ビジネスコンビニ」と呼ばれる店舗でお願いしました。裁断料金は1センチメートルあたり108円でした。裁断することでコピーする際に「紙送り機能」が使用できて、とても便利です。裁断をした店舗のセルフコピー機でコピーも行なったので、1カ所で作業を終えることができ、時間と手間がかなり省けました。参考にしたブログによると、カッターで裁断する方もいるようです。自宅でも撮影できる、願書写真「できるだけ塾に通わず」頑張ってきた我が家では、願書の写真も父親が撮影して家庭で準備しました。わたしたち親は「プロに撮ってもらったら」とも言ったのですが、娘が「パパでいい!家で撮る!!」と主張し、自宅での撮影となりました。コツは、「望遠レンズをつかって、遠くから撮る」です。これにより、実物より顔が膨らむことを避けられます。自宅撮影はプロに比べると照明などが劣りますが、忙しい受験直前期に「写真館に行く時間と手間」を省けることは大きなメリットです。自宅でも様々なアプリをつかえば満足いくまで調整できます。余談ですが、我が家はパスポートの写真も自宅で撮影しています。申請の際に「あごに影が若干あるので、外国では確認されることもあるかもしれませんが、日本では問題ありません」と言われたものの、出入国の際にトラブルが起こったことはありません。想定外のプレッシャー【第1回中学受験と、親ばなれ・子ばなれ】のとおり、「中学受験に向けてがんばることは、いい経験になる」が、「努力をしても報われない可能性もある」。つまり不合格の場合もあることは、本人とはよく話し覚悟はしていました。しかし、娘の小学校は中学受験をする子が少なく、関心も知識もが少なかったためか、同級生たちは「中学受験=志望校へ進学」と思い込んでいるようでした。不合格になるかもしれないので放っておいてほしかったのですが、試験を受ける前から「〇〇中学校に行くんだー、すごいねー」と合格を前提に話されるのには参りました。志望中学校が知れ渡った理由は、担任の教師が教卓に置きっぱなしにした中学受験の書類を見たクラスメイトが、それを黒板に貼ったことでした。中学受験関係の書類は封筒に入れて見えないようにして提出することをおすすめします。さらに、下の子とは「お姉ちゃんが第一志望に合格したら、最新ゲームを買おう。だから受験が終わるまで協力してね」と約束したはずが、いつの間にか「受験はどうせ合格する。だから今すぐ」という解釈にすり替わっていました。何度も何度も「受験というものは、不合格もある。結果が分かる前に『きっと合格するから買って買って』と言うのはやめなさい」と言い聞かせても、全く理解できないようでした。「いつ買ってくれるの?」と何度も言われるのには、閉口したものです。下の子も同級生も、受験を経験したことがないため「受験=合格」と思いこんでいたようでした。このプレッシャーはなかなか手ごわいもの。子ども自身も「クラスメイトに『頭のいい中学に行くんでしょ?!』って言われたー」などと愚痴をこぼすことも多々あり、担任の先生に相談しようと思いましたが、娘に止められました。また、娘には「中学受験をするとクラスで話さないほうがいい」と伝えていましたが、中学受験をする別の子が自ら「わたしは中学受験するから地元中には行かない!」と教室で宣言したり、自分の志望校の良いところを話したりということがあったそうです。受験する子もしない子も、心が乱れる時期だったのかなと今になって思います。入試当日の「花道」入試当日の朝の風物詩といえば、激励のために試験会場に来た塾講師による「花道」ですね。この花道、娘が中学受験で一番緊張した瞬間だったそうです。花道があることは知っていたのですが、いざ目の当たりにするとやはりビックリしてしまったそうです。塾に通っていないと、この花道は「完全アウェー」となります。また、通塾していてもほかの塾の人数が多くて圧倒されたり、担当の先生が当日に来られなくて子どもが動揺したりすることもあります。入試当日のシミュレーションでは、「花道を通る」こともぜひやってみてください。通塾していない場合は、気にせず通過できるように心の準備をしましょう。進学塾のウェブサイトには、入試日の写真が紹介されています。写真を見て当日をイメージして、「塾の先生や友だちが多くいる人は、そのときは安心できるかもしれない。けれど試験本番では一人で問題を解くことは全員同じ。先生や友だちがいなくても大丈夫!」と伝えてあげるとよいと思います。通塾している場合は担当の先生が来るか事前に確認して、来ないのならば当日か前日夜に電話をかけてもらえるようにお願いするのも一案です。中学受験に【成功】するためにさまざまな理由で、年明けから小学校を休むお子さんもいるようです。我が家は受験対策のために小学校を休むつもりはなく、試験日以外は登校する予定でした。しかし、例年より早いインフルエンザの大流行で、いつ学級閉鎖になってもおかしくない状況となり、「インフルエンザに感染するのが怖いから」という理由で入試直前は小学校を休むことにしました。こんなことになるとは、年明け前のわたしには想像できないことでした。試験直前には、思ってもいなかったいろいろなことが起こると思います。インフルエンザの大流行、まさかのケガ、体調不良、兄弟姉妹のワガママなどなど・・・。想定外のできごとが起こったときこそ、親のサポートが重要です。親だってドキドキ・ハラハラして、子どもといっしょに焦ってしまうこともありますが、そんなときこそハリウッド女優気分でポジティブ思考を演じ、子どもをサポートしましょう。中学受験は面倒なことも多くありますが、子どもをこんなにサポートする機会、タッグを組んで挑む機会は最後かもしれません。貴重な時間と考えて、頑張りましょう。志望者が募集人数を上回れば、全員が合格することはありません。一生懸命に挑んでも、辛い結果になることもあります。しかし、人生の最終目標が中学受験ではありません。親子で中学受験に取り組むことで、子ども自身が自分の人生を切りひらき、親が子どもの自立をサポートできれば、どんな試験結果でも大成功といえるでしょう。七転八倒、怒鳴ったり叫んだり、親が何を言っても子どもは馬耳東風だったりもありますが(全て我が家でのことです。笑)、「中学受験をしてよかった」と思える、幸せな体験となりますように、みなさんの【成功】をお祈りします。ゆきこ(ゆきこ)40代。夫と長男長女との4人暮らし。食生活アドバイザー2級、食育アドバイザー、幼児食インストラクターの取得の際に、「試験勉強を続ける辛さ」「受験のプレッシャー」を身をもって知りました。毎日、学校で授業を受けて、宿題やテストに取り組んでいるだけでも、子どもたちは精一杯頑張っているとリスペクトしたいです。が、ついガミガミやっちゃいます・・・。
2018年11月15日編集部:学研キッズネット編集部勉強も服の好みも価値観も、幼い頃から母の言いなりになってきた史織。中学受験に失敗し、友だちとの人間関係も壊れてしまった彼女が、父の実家であり転勤先でもある佐渡について行くことを決めるところから『君だけのシネマ』は始まります。「佐渡に行きたい!」でも母はどんな反応をするだろう、心が大きく揺れ動く史織の姿を想像しながら、わたしは白黒ハッキリさせることが極めて苦手だった自分の子ども時代を思い出しました。「アンケートの選択肢になぜ『どっちでもいい』という答えがないのかな」といつも思っていたわたしのような子どもが、圧倒的な自信で迫ってくる母親にあれこれ口を挟まれていたらどうなっていただろうと思うと、史織のことをとても他人事とは思えません。新潟から佐渡へ親子といえども人間どうし。相手が誰であろうと「嫌なことは嫌」と言いたいものですが、史織の母には、そう一筋縄ではいきません。母は、がんばって勉強していい中学に入り、レベルの高い教育を受けることが子どもの「将来」のためだと信じています。友だちと地元の公立中学に行きたいという史織の主張をねじふせたうえ、最後の小学校生活を楽しみたいとどんなに訴えても、受験直前には小学校を休むことを強要します。「六先生を送る会も来なかったの、史織だけだったよ」「いくら受験でも学校来ないのって、さみしくない?言えばいいじゃん。学校行きたいって」仲のいい級友からの一言に怒りを爆発させ、さらに9年間がんばったかいもなく中学受験に失敗して地元の中学に進学することになった史織は学校に通えなくなっていきます。そんな史織のようすを見て、はじめて子どもと向き合うことにした父は佐渡への転勤を決めてきます。「佐渡に行けば……絶対、学校に行く」ふりしぼる思いで母を納得させた史織は父についていくことにするのですが、そこで目にしたのは、周囲が何と言おうと夢に向かって邁進する大好きな祖母「さっこちゃん」の姿でした。さっこちゃんの夢は、映画館のない佐渡にミニシアターをつくること祖父の亡きあと、二間の和室を改造してミニシアターをつくりたいというさっこちゃんは、精力的で楽しそうです。門の色を塗り替えたり、庭を手入れして流木を置いたり、カフェコーナーで出すコーヒーのブランドにこだわったり、自由な態勢で映画が観られるように座席を工夫したり。映画館の立ち上げ、運営、お客さんの呼び込み。映画館を軌道に乗せるにはやるべきことがいっぱいです。そんなさっこちゃんの片腕となって活躍するのが、史織と、佐渡の中学に通う映画好きな史織の親戚・桐谷瑛太、モノを創るのがすばらしく上手な、しかしクラスでは「変わり者」として敬遠されている藤原一花でした。自分の世界をしっかり持っている瑛太や一花に比べて、史織はいつでも、何を決めるにも自分の感性を否定してくる母の心の声に縛られ苦しめられます。史織ほどではないにしても、自分の直感を信じきれない感覚はだれにでも思い当たる節があるのではないでしょうか。だからこそ、それを受け止めるさっこちゃんの言葉に少なからず勇気づけられるのかもしれません。「史織のセンスは、史織だけのものだよ。もし九十九人が、そのいすを選ばなくても、史織がステキって思ったら、たった一人でもそれでいいと思うな」「私は逃げることって……選ぶことだと思うんだ。……自分が心地好くいられる場所を選ぶことが逃げることなら、逃げるって悪くない。そう思わん?」自分の選択は、自分の心に聞いて判断する。だれかと本音で関わることで、相手にも自分の個性を発見してもらう。「自分が(・)やりたいこと」や「自分が(・)好きなもの」を「自分が(・)選ぶ」という経験は少しずつ史織に生きる希望をもたらし、彼女を明るい方へと押し出していきます。やがて迎える母親との対峙――。愛されたいから苦しんでしまう中学生の頃の自分がこの物語を読んだなら、間違いなく史織に肩入れし、「あなたのため」と言いながら子どもに依存する母親に憤慨していたと思います。けれども今のわたしは物語を読みながら、「自分も母親として子どもを縛っていないだろうか」「子どもにとって母親とは、かくも絶対的な存在なんだ」ということを痛感しました。史織は母親に認められたい。認められたいだけでなく、心から喜んでほしい。だからこそ限界までがんばってしまうのだし、母の良しとするものが自分にとっても良いのだと思い込もうとするのでしょう。そのうちに自分の本心がわからなくなり、自分がうまくいかないのは母親の言う通りにしなかったからだ、つらくても母親の言う通りにするべきなのだ、というように母親に支配されていく、その過程が本当に恐ろしいと思いました。親子関係に問題がなくても、何のために生きているのだろう、自分は将来どんなふうに生きていけばよいのだろうと考える中学生は多いでしょう。この作品は、そんな迷える中学生に生きるヒントを与えることと思います。同時に、大人が読むことで、わが身の2種類の親子関係を振り返るきっかけにもなるのではないでしょうか。この物語には、『人生フルーツ』と『ニュー・シネマ・パラダイス』という2つの実在する映画作品が登場します。特に『ニュー・シネマ・パラダイス』は物語の軸ともいえる存在です。この映画を観てから『君だけのシネマ』を手に取るのもおすすめです。DATA『君だけのシネマ』(高田由紀子・作PHP研究所)『君だけのシネマ』(高田由紀子・作PHP研究所)学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2018年11月12日トップライター:水野さくらこ春休みが明け、ハルカもいよいよ小学校も最高学年の6年生になりました。通学路を歩くピカピカのランドセルが誇らしげな1年生の姿を見かけ、ハルカにもこんなときがあったんだなぁ、としみじみしたことを思い出します。しかし、中学受験をひかえた親子には、そんな感慨に浸っている時間はありません!いよいよ怒涛の学校説明会めぐりが始まるのです。気になる学校の説明会には、まず母が。そのあとで子どもを連れて行く5年生の春休みにやっと本腰を入れて勉強できる塾を見つけ、さらに学校説明会は未経験という、超のんびり受験生のわたしたち一家。まだこれからでも間に合うと、6年生の新学期から母子で本気の受験モードに突入しました(遅!)。このころからハルカは本当に勉強をがんばり始めました。そのようすをみて、母も学校探しに本腰を入れようと説明会の日程チェックを始めたのですが……。中学受験先輩ママからのアドバイスやネット情報を見ると、まずは母親が説明会に行き、そこで気に入った学校に子どもを連れて行く。さらに文化祭や学校体験日にもぜひ参加するべきとのこと。でも、おもに平日の昼間に開催される説明会に参加するのは、わたしの仕事の予定もあるため簡単ではありません。それに、ハルカはまず勉強をがんばってみんなに追いつかなければならないため、連れ歩くのは最低限にしたいという思いもあります。さらに先輩ママからは、「偏差値で上下15の幅で説明会に行くといい」とのアドバイスもありましたが、様々な事情を考えるとすべてを理想通りにこなすことは、今からではとても無理。「4年生から準備を始める」と言われるのには理由があるのだと、心から後悔しました。でも、過ぎてしまったことを悔やんでも仕方ありません。これ以上後悔しないためにも、前に進むしかないのです。わたしは偏差値表とにらめっこで「よさそうかな?」と思う学校をピックアップして、学校説明会の開催日を探し始めました。学校説明会は先着順で予約が締め切られるサピックスや四谷大塚、日能研といった大手塾の場合は、学校説明会の日程などもきめ細かく案内があったり、塾主催の説明会などもあったりするそうですが、ハルカが通う個人塾ではそうした案内やイベントはありません。とにかく自分で動くしかないのです。そんなわが家で便利に使わせてもらったのが、大手塾のサイト。ありがたいことに学校説明会の日程がアップされていて、塾生以外でも見ることができます。表示されるイベントカレンダーから、自分の予定に合わせて気になる学校を探すこともできるし、学校名、偏差値帯、イベントなど条件別にも検索できます。このサイトから気になる学校を見つけてポチっとクリック。すると詳しいイベント情報の画面になり、そこには予約方法として学校のサイトのアドレスが記載されています。初心者のわたしは、学校説明会に参加するのに予約が必要ということに軽く驚きつつ、気を取り直して、学校のサイト→「受験生の方へ」→説明会日程へとジャンプして、さらに「ご予約はこちら」をクリック。やっと予約できるぞ、と思っていたところ、「はじめて手続きされる方へ」の表示が。初回はユーザー登録が必要とのことで、名前や住所といった情報のほかにログインIDやパスワードを設定しました。何事も最初は緊張するものですが、説明会の予約を完了するだけでもけっこう大変です。予約するたびにIDやパスワードが必要になるのも面倒でした。わたしは中学受験用に全部同じIDとパスワードを使いまわすことにしましたが、個人情報管理の観点からいうとNGだったのかもと、今さらながら思います……。説明会は先着順なので、人気校の場合は、あっと言う間に締め切られてしまうこともあります。しかも、いつから予約が始まるのかは記載がない場合も多く、「募集始まってないかな」と、気になる学校のサイトをチェックすることが、わたしの朝の日課になりました。すぼら母も変われば変わるものです!志望校が決まると、娘のやる気スイッチもONに!イベントカレンダーを見ると、5月になると毎日のようにどこかの学校でイベントが催されることがわかります。わたしも気になる学校を何校がピックアップして予約を入れ、説明会に行き始めました。最初は、学校説明会に行くのにとても緊張しました。何を聞いてくればいいのか、質問はした方が有利になるのか、さらには何を着て行ったらいいのかなど考えてしまって……。いずれも、まったく受験には関係ないことがわかった今では笑い話です。そんなわたしですが、だんだん予約もスムーズにできるようになり、2つの学校説明会をハシゴしたりするようになりました。気になる学校で、週末に催される説明会があったら、ハルカも可能な限り連れて行くようになりました。ハルカも学校見学をすると受験生の自覚が出るようで、「あの学校の生徒のあいさつがよかった」「トイレがきれいだった」とか、ハルカなりの視点を持って話す姿が印象的でした。5~6月で10数校の説明会に参加したでしょうか。気になる学校には2度3度と可能な限り足を運んだので、毎日本当に忙しかった。そのなかで、ハルカが「この学校に行きたい」と願う3つの学校との出会いがありました。1校は、偏差値で10以上離れたあこがれ校。次の1校は、第一志望にしてがんばれば合格も叶いそう。もう1校はこれ以上下がらなければ十分合格圏内と、いいバランスです。ハルカから塾の先生に「行きたい学校が決まった」と報告を済ませると、一気にハルカが本気モードになったのがわかりました。こうなると、母にできることは食事と健康面の管理くらい。あとは、もう少し学校説明会巡りを続けて、最終的にどの偏差値になっても困らないように情報を集めておくことぐらい。スタートで出遅れていたわが家も、やっと受験生としての体裁が整ってきて、なんだかわたしまでやる気満々になってきたのでした。水野さくらこ(みずのさくらこ)都内で夫、娘と3人暮らし。娘が中学生になり帰宅時間も遅くなったので、空いた時間にヨガを習いに行くことを画策中。いつかベターっと開脚できるようになるのが夢。
2018年11月08日トップライター:高橋すずコウタの志望校のここ数年の倍率は、約5倍です。私立中学では2倍以上だと高倍率と言われているので、公立一貫校の倍率はかなり高いと言えるでしょう。私立も1校だけは受験しますが、あくまでお試しのため、事実上は1校のみの受験になります。コウタは、この高倍率・1校狙いのプレッシャーをじょじょに感じるようになっていました。ベッドに入るとネガティブな言葉があふれて年明けくらいから「緊張してきた~」と言うようになったコウタ。 1月半ばになると、塾から帰ってきたばかりだとテンション高めなのですが、ベッドに入ると急に弱気になり、「落ちたらどうしよう」「2年間やってきたことが台なしだ」「受検に落ちたら恥ずかしい」などネガティブな言葉を口にするようになりました。 それで眠れないか、といえばそうではなく、そう言いながらすぐに眠りについてはいたのですが、わたしも気のきいた言葉をかけることができずにいました。夜の弱気発言はその後も続き、昼間に改めて話を聞くと、「今のままがいやなんだよ。適性検査Iがダメダメだから」とコウタ。「え?どこがダメダメなの?」とわたし。たしかに最終模試では、適性検査Iで読解問題を落としていましたが、1月に入ってからの過去問では、平均して7割以上はとれていました。過去問演習の結果を電話で報告してくれた塾の先生も、「いい感じに仕上がっている」と言ってくれていました。コウタは、なんとも処理できない不安な気持ちを、ああいうふうに表現したのでしょうか?合格のボーダーラインは6割と言われているので、このままの調子で本番に臨んでくれればいいなというのがわたしの気持ちでした。受検前のリラックス法あれこれそのころ塾からもらってきたプリントには、メンタルケアについての内容が書かれていました。かかりつけの小児科に「自信がもてる薬」といってビタミン剤を処方してもらう。先生や友だちからの励ましメッセージをながめる。志望校に入ったつもりで「今日の部活は楽しかった」などイメージトレーニングをする。志望校のパンフレットを見る。など、実際に受験生がやっていたリラックス方法が紹介されていましたが、どれもコウタにはいまひとつピンとこないようす。そこで、塾から電話をもらったときに「コウタが緊張すると言うので、なにか良いアドバイスをしてもらえませんか?」とお願いしてみました。数日後、コウタが塾の先生から教わってきたのは、「テキストを並べて、ながめてごらん。これだけやってきたんだから大丈夫!と自分に言い聞かせるんだよ」というアドバイスでした。それからコウタが、国語・算数・適性検査のテキストを1冊ずつていねいに机に並べてながめている姿を、何度か目にしました。その方法以外に、本人は無意識だったと思いますが、あれはコウタのリラックス法だったんだろうなと思うことがこれ。スターウォーズごっこ(剣を振り回して見えない敵と戦う)好きな音楽を聴くサンダーマン(アメリカの子ども向け番組)を見る入試まであと1カ月を切ったこの時期は、親のほうも神経質になるのは避けられません。次回は、思いのほか心が落ち着いた「お守りづくり」についてです。(次回へつづく)高橋すず(たかはしすず)夫と息子の3人暮らし。コウタの夢は、南の島のビーチに寝そべって、トロピカルドリンクを飲むこと……だそうです。いつか家族で。でもその前に「サクラサク」を叶えたい。
2018年11月08日「巧緻性(こうちせい)」という言葉を聞いたことはありますか?知っているという方は、お子さんの小学校受験を考えているのかもしれませんね。小学校受験をしなくても、巧緻性は子どもの発達に欠かせない大事な要素。今回は、巧緻性の意味と、子どもの巧緻性を伸ばす方法をご紹介します。巧緻性とは何か小学館の「デジタル大辞泉」によると、「巧緻」とは「精巧で緻密なこと」。そして「巧緻性」とは、一般的に指先の器用さを意味します。同時に、巧緻性は小学校受験で課される選抜試験のひとつでもあります。学校によって異なりますが、小学校への入学試験で行われるのは、筆記試験、面接、運動能力を見る試験など。そのなかに、子どもの巧緻性を見る試験もあります。ハサミを使って工作をさせたり、ひもを結ばせたりするのです。フォレスト幼児教室(東京都練馬区)の室長である武田澄子氏によると、巧緻性の試験では、以下の作業がスムーズにできるかどうかを見られるのだそう。「切る」「貼る」「折る」「塗る」「結ぶ」「巻く」「通す」「丸める」「包む」「ちぎる」(引用元:学研出版サイト|【連載コラム】『ゼロからわかる「お受験」講座』第14回 合格するための「行動観察」トレーニング—その(2)「巧緻性」)上記のような動作は、たいていの大人にとって難なくこなせるものでしょう。しかし、5~6歳の幼児にとってはどうでしょうか。自身が小学生だった頃を思い出してみてください。高学年になっても折り紙をうまく折れない子や、ちょう結びができない子はいませんでしたか。小学校に入る前の子どもにとっては、さらに難しいこと。高い巧緻性を獲得するには意識的なトレーニングが必要なのです。巧緻性を鍛える意味本記事は、子どもの巧緻性を育てることを推奨しています。しかし、それは受験のためではありません。手指の巧緻性を研究する川端博子教授(埼玉大学)らが2007年、小学6年生518名を対象に実施した調査によると、巧緻性を測定する「糸むすびテスト」で成績が上位だったグループは、そうでないグループと比べてさまざまな学習活動を楽しんでいたそう。「漢字練習」「計算練習」「リコーダー」「習字」「裁縫」「工作」の「好きな程度」を、糸むすびテストの成績別・男女別に集計したところ、男子の「リコーダー」および女子の「漢字練習」を除く全ての学習活動において、成績上位グループほど「好きな程度」も高い傾向にありました。この結果は、論文中で以下のように分析されています。即ち、手指の巧緻性は手指を使う学習・繰り返しを要する学習への好き・嫌いに影響し、種々の学習への取り組みと関連することが示唆された。女子の方で6学習の平均得点が有意に高く、これらの学習が好きであり、 学習面で手指を使い、 繰り返し練習することで手指の巧緻性を高めていると考えられる。(太字による強調は編集部で施した)(引用元:J-STAGE|小学生の手指の巧緻性に関する研究: 遊びと学習面からの一考察)手先が器用な子ほど裁縫や工作を好むのは自然といえますが、計算練習でもそうなのですね。小学校のうちは、漢字を何度も書いて覚えたり、似たような計算問題を何度もこなしたりして基礎的な学力を身につけるもの。巧緻性が高い子どもだと、鉛筆をカリカリと動かすことは苦にならないのかもしれません。また、工作をはじめとした巧緻性を養う遊びは、子どもに集中力をつけることにも貢献します。指先で部品をつまんだり、紙を丁寧に折ったり。このような動作には、目の前の対象物を見極め、自分の指先に意識をやることが要求されるもの。繰り返すうちに集中力が育つことでしょう。子どもの巧緻性を伸ばすことは、集中力をつけることにもつながるといえるのです。巧緻性のトレーニング:指回し体操では、巧緻性はどのような訓練によって養われるのでしょうか?子どもを幼児教室に通わせなくても実践できる鍛え方をご紹介します。「指回し体操」について耳にしたことはありますか?内科医の栗田昌裕氏が提唱した、10本の指を使う運動です。脳が活性化し、創造力や集中力が高まるとして、多くのメディアに取り上げられました。やり方は以下の通りです。まず、半球を包み込む感覚で両手の指先を互いにくっつけ、ふっくらとした円天井をつくります。その状態で、親指から、互いの指がぶつからないようにくるくると回します。回す方向は時計回りと反時計回り、交互に同じ回数だけ行います。最低でも各指20回、秒数で数えるなら30秒は回してください。(引用元:StudyHacker|受験の世界で注目!“指回し体操” が脳をフル稼働させる。速読にも効果が。)栗田氏によると、小学校低学年の子どもには難しいかもしれないけれど、練習によってうまくなるそう。そして、中指と薬指を触れ合わせずに回せる回数によって、巧緻性の度合いが測れるのだとか。ゲーム感覚で、親子でやってみるとよいですね。巧緻性を鍛えるおもちゃ折り紙巧緻性を養う代表的なおもちゃといえば、折り紙です。武田氏も、巧緻性を高めるおもちゃとして折り紙を推奨しています。紙を折ったり開いたりする行為には、指先の繊細な動きが要求されます。きれいな柄の折り紙と分かりやすい教本を買い、作品作りを楽しみながら巧緻性を高められるようにしてあげましょう。もちろん、お手本をよく見てその通りの作品を作ることには集中力も必要です。折り紙は幼児教育に最適なおもちゃだといえますね。ビーズネックレスやブレスレットを作れるかわいらしいビーズのセットが、おもちゃ売り場でたくさん売られていますね。小さなビーズを指先でつまみ、テグスを通すことを繰り返すビーズ遊びは、巧緻性を養うのに最適です。上で挙げた小学生の巧緻性に関する調査でも、ビーズ遊びを含む手芸をよくする子ほど、巧緻性テストでよい成績を出す傾向にありました。性別に関係なく、子どもが興味を持っているビーズのセットを買ってあげてはどうでしょうか。ペーパークラフト折り紙と異なり、ペーパークラフト作成の過程では、ハサミやノリといった道具を使用します。使い方によってはケガをしたり周囲を汚したりしてしまう可能性のある道具ですが、いずれは必ず使い方を覚えなければいけないもの。道具の特性を正しく理解して使えば、巧緻性をさらに伸ばすことができます。ペーパークラフトは書店でも売られていますが、プリンターなど電気機器を製造するキヤノン株式会社のWebサイトからダウンロードして印刷することもできます。保護者の皆さんも、大人向けの難しいペーパークラフトに挑戦してみてはいかがでしょうか。***幼児教育の話題で耳にしがちな「巧緻性」。工作の好きな子どもなら、自然に鍛えられそうですね。外遊びや勉強も大事ですが、手先を動かす遊びの大事さも無視できないといえます。(参考)日経DUAL|お受験の筆記試験考える力を見る問題が増えている学研出版サイト|【連載コラム】『ゼロからわかる「お受験」講座』第14回 合格するための「行動観察」トレーニング—その(2)「巧緻性」J-STAGE|小学生の手指の巧緻性に関する研究: 遊びと学習面からの一考察コトバンク|巧緻StudyHacker こどもまなび☆ラボ|頭が良くなるって本当?脳が育つ「指先を使った遊び」の効果。【幼少期におすすめの遊び3選】StudyHacker こどもまなび☆ラボ|子どもの「集中力」を養う方法。遊びや習い事を活用しよう!StudyHacker|受験の世界で注目!“指回し体操” が脳をフル稼働させる。速読にも効果が。PRESIDENT|テスト前は、指をグルグル回そう!
2018年11月07日トップライター:水野さくらこ中学受験は娘との最後の共同作業になるかも。中学受験の先輩ママに教えられ、学校探しにもがぜんやる気が湧いてきました。そんなとき、各塾が開いているその年の「中学入試報告会」と「キリスト教学校合同フェア」なるものがあることを知りました。はじめてのイベントにドキドキしながらも、出かけてみることにしました。塾の個性が垣間見られる「中学入試報告会」その年の受験が終わると開かれる「入試報告会」。中学入試の概況のほか、科目ごとの問題分析や傾向、来年度の予想から入試で求められる力のトレンドといった、最新情報を得ることができるのだそうです。サピックス、四谷大塚、日能研、早稲田アカデミーといった大手塾がそれぞれ開催しているので、どこに行こうか迷いましたが、ハルカが教材を使っている四谷大塚と、難関校への合格実績がもっともよいサピックスの2カ所に行くことに。こうしたイベントもすべて事前にネット予約が必要なのですが、仕事の予定もあってギリギリまで予約できずにいたら、希望の日はすでに満席で受付終了に!予約が必要な場合は、とにかく先に予約を入れてしまう方が、今後はよさそうです。会場に着くと、すでに席はほぼ満席。子どもが低学年のうちからこうしたイベントに参加している意識の高い保護者もいるそうで、四谷大塚もサピックスも会場は熱気にあふれていました。手帳を開いて熱心にメモを取る方、ノートPCを膝に置き、先生の説明を素早く打ち込んでいる方もいました。どちらの報告会でも、その年の合格実績や全体の受験者数、人気校の傾向といったことの解説が行なわれるのですが、両者の違いはといえば、そのタイトルを見れば一目瞭然。四谷大塚が「中学入試報告会」と銘打っているのに対し、サピックスは「中学入試分析会(・・・)」です。はっきりと「分析」と掲げているサピックスは、入試に関わる様々なデータをもとに、〇%増えたとか減ったとか、数字の分析に終始していました。四谷大塚の会では冒頭に、難関校合格者の感動のインタビュー動画が流れるのに対して、ずいぶんとドライな印象です。情感にコミットしてくる四谷大塚と、エビデンス重視のサピックスといった感じでしょうか。でも、これは好みの問題。四谷大塚でもオリジナルの分析資料が配布されるし、客観的データや情報ももらえるので、どちらの報告会でも過不足はないように感じました。ただ、サピックスは難関校に強い塾という特色があるので、難関校を目指すのなら「中学入試分析会」を押さえておくべきだと感じました。ハルカの場合はサピックスには行かなくてもよかったかも?とも思いましたが、塾の方針が垣間見られたのはよい経験でした。キリスト教学校も視野に、学校選びをはじめる「キリスト教学校合同フェア」は、合同学校説明会のなかでもキリスト教学校にしぼった説明会で、青山学院を会場に行なわれます。こちらは事前予約不要。当日は、学校のカフェテリアも利用できるということで、ハルカや近所の中学受験友だち母子もいっしょに、気楽に出かけました。事前にイベントスケジュールを確認すると、キリスト教学校の多さにあらためて驚きます。首都圏には80校以上のプロテスタント・カトリックの学校があるそうです。キリスト教学校には女子校が多く、プロテスタントには青山学院附属校など共学がちらほらとありますが、カトリックは基本的に別学だということも、いっしょに行ったママ友から聞きました。このころには、ハルカもセーラー服へのこだわりは少し薄れてきていて、親のわたしたちも共学にこだわらなくてもいいかもしれないと、思い始めていました。夫がカトリックの中高一貫校出身ということもあり、キリスト教学校も視野に学校選びをしていくのもいいかもしれないと、家族で話すようになっていたのです。学校説明会の個人相談では、毎回同じ質問をするのがポイント「キリスト教学校合同フェア」では、各校がその魅力を5分間でプレゼンする5分間スピーチリレー、個別相談ブース、合唱祭などがありました。まずは気になる学校を中心に5分間スピーチリレーを聞き、その後は各校の個別ブースを巡ることにしたのですが、人気校では、会場の入りも全く違うことに本当に驚きました。特に個別ブースには、女子校ならフェリスや白百合、東洋英和、立教女学院、頌栄といった学校は長蛇の列で、とても話を聞くどころではありません。わたしとハルカは、これといって個別に相談したい話もなかったので、学校案内をせっせと集めることにしたのですが、各ブースで、みなさんがとても熱心に相談していた姿が印象的でした。今振り返ると、「大学の指定校推薦の規定」や「いじめがあったときの対応」、「高校に進学しない、あるいはできない生徒の数」、「成績は発表されるのか、順位は発表されるのか」など、聞いておけばよかったと思うことがたくさんあります。でも、当時のわたしには、中学生になったハルカのイメージが湧かなくて、質問は思いつきもしませんでした。いっしょにいったママ友は、「〈生徒さんのいいところと、悪いところを教えてください〉と、どこの学校でも同じ質問をしてるの。そうすると学校の生徒に対する目というか、そういうものがわかるようになっていいわよ」と言っていて、なるほどと思いました。たしかに、同じ質問をするというのは、学校を比較するときに役立ちそうです。ランチにカフェテリアでスパゲッティを食べたあとは、花の咲くテラスで友だちと記念撮影しつつ、「青学もいいかもねー」と、にこやかに友だちと話すハルカ。6年生にもなって、なんとものんきなハルカの姿に、これからがんばれ!という思いも込めて、「そうだね」と笑顔を返した母でした。水野さくらこ(みずのさくらこ)都内で夫、娘と3人暮らし。娘が中学生になり帰宅時間も遅くなったので、空いた時間にヨガを習いに行くことを画策中。いつかベターっと開脚できるようになるのが夢。
2018年11月01日キッズネットサポーター:ゆきこ予定より早く、算数のみ入塾子どもが小学5年生の11月。塾主催の適性検査型の無料模試を受けたら、答案返却の面談で冬期講習の受講をすすめられました。そのときは塾に入ることをまったく考えていませんでしたが、お試し価格でお得だったうえに、帰省の日程と重なっていなかったので何かの縁かなと思い、気楽な気持ちで受講することにしました。子どもはこの冬期講習を楽しんだものの、2月に習い事のイベントが続けて行なわれることもあり、けっきょく入塾はしませんでした。そうなんです、中学受験を考えつつ、小5の2月になっても2つの習い事を続けていたのです(2つのうち1つは6年生9月まで、もう1つは入試シーズンも休まず、小学校卒業の3月まで続けました)。そして習い事のイベント終了後、同じ塾で無料模試が行なわれることを知った子どもが、「また模試を受けたい!」と言い出しました。「お試し価格で冬期講習だけ受講して入塾は断ったのに、また無料の模試を受けるって・・・」と、さすがに図々しいわたしでもちゅうちょしたのですが、子どもがどうしてもというので渋々申し込むことに。2度目の答案返却では、さすがに塾側も勧誘作戦を変えてきて、「冬期講習は公立中高一貫・適性検査対策クラスを受講したので、春期講習では『国私立中学対策クラスの、まずは算数を受講しましょう。春期講習前の通常授業から体験してみませんか」と勧められました。そのクラスには、子どもが今まで出会ったことがないような、ケタ違いの天才・秀才たちがいました。当初の予定では志望校対策が始まる9月に入塾するつもりでしたが、毎日通う小学校とはまったく違った刺激を塾のクラスメイトから受けたこと、算数の学習の進め方に迷い始めた時期だったこともあり、塾側の言うとおり算数のみ入塾を決めました。中学受験に「先取り学習」は必須!子どもは算数が好きで、しかも得意科目と思っていましたが、先取り学習まではしていませんでした。入塾して間もなく、「え!中学受験をするのに、まだ円の面積の公式を知らないの?」と講師に絶句されたことも、今となっては笑い話です。入塾する前の算数の学習は、市販の問題集と通信教育のZ会の公立中高一貫校適性検査講座の受講でした。今思えば、“学力検査でなくて適性検査だから先取り学習は必要ないだろう”と判断した親の油断のせいで、学習内容も時間も足りなかったのではと反省しています。算数の進め方をもっと工夫できていたら、もっと入塾時期を遅らせることも、もっとスムーズに受験生活を過ごすこともできたのかもしれません。そんな反省だらけの算数の学習方法ですが、見つけてよかったと思う教材があります。出会いは子どもが小学校1年生のときのこと。年度末テストの算数がとくに高得点だったので「うちの子ってすごい?!」(笑)と浮かれたわたしが問題集選びを始めたときのことです。本屋の問題集売り場に行ってみたものの、あまりの種類の多さに、どれを選んだらいいのか途方にくれてしまいました。そんなとき、ある1冊の本に出会ったのです。宮本哲也先生との運命の出会い!?それが、『宮本算数教室の教材賢くなるパズル入門編』。はじめて買った、宮本先生の問題集「宮本算数教室の教材 賢くなるパズル入門編」宮本哲也著/学研プラス保護者向けの説明に「絶対に解き方を教えないでください」と書かれているのを見て「子どもの目の届くところに問題集を置いておくだけでいいんだー、解き方を教えなくていいなら親がラクでいいわー」と単純に考えて、購入しました。子どもには「答えが出なくてもいいから、自分で考えてごらん。すぐに答えが出ないとモヤモヤするだろうけど、答えが出なくても、答えを探して考えている時間に頭がよくなるから大丈夫。寝ている間に頭が整理されて、起きたらひらめくこともあるかもよ。だからよく眠りなさい」と伝えました。我が子が中学に入学してして間もなく、「すぐに解けなくてもいいから、まず自分で考える、考え抜くことが大切だと分かった」と言いました。そのとき、わたしは「宮本先生、ありがとう!!」と心の中で叫んでガッツポーズ!子どもは宮本先生の教材を全てやったわけではありませんし、わたしも宮本先生の著書を全て読んだわけではありません。けれども、「子どもは自ら学習しようとする本能がある、子どもが勉強嫌いになるのは親が邪魔をするから」といった宮本先生の言葉の数々や「子どもが本当に必要としている援助だけをして、信じて待つ」という姿勢は、わたしに大きな影響を与えました。今では、お会いしたことのない宮本先生を「我が心の師匠」とリスペクトしています。「焦らずじっくり」は自宅学習のメリット算数の学習方法については話題に事欠かない我が家ですが、焦らずじっくり時間をかけて算数の問題と向き合えたことは、できるだけ塾に通わずに自宅学習を進めたメリットだったと感じています。子どもが算数を好きで得意だと思い続けていられた助けになったのではと思っています。私立中学校の入試では、算数の配点割合を高くしたり、算数一科目だけに絞ったりといった算数重視型も増えてきました。算数重視型の入試は、公立中高一貫校の適性検査を目指しながら私立中学も受験したいと考える子どもたちの新たな選択肢になると思います。私立中学の入試の4教科を急いで仕上げるのは大変なことですが、算数だけなら間に合う可能性も高まります。実際に我が子も、私立中学校の算数重視型の入試を受けました。試験問題を解くのは時間との戦いになりますが、まずは土台作りとして、算数の問題にじっくり取り組むことが大切だと思います。算数を得意科目にできれば中学入試で有利になるのはもちろんのこと、中学から始まる数学にも、子どもが自らの将来を考えるときにも、心強い味方になるでしょう。ゆきこ(ゆきこ)40代。夫と長男長女との4人暮らし。食生活アドバイザー2級、食育アドバイザー、幼児食インストラクターの取得の際に、「試験勉強を続ける辛さ」「受験のプレッシャー」を身をもって知りました。毎日、学校で授業を受けて、宿題やテストに取り組んでいるだけでも、子どもたちは精一杯頑張っているとリスペクトしたいです。が、ついガミガミやっちゃいます・・・。
2018年10月12日トップライター:シラヤナギ リカ新学期が始まるときや、連休明けなど「学校に行きたくない」と感じる子が多いとよく聞きます。わたしも、ふだんから娘(小6)が「学校に行きたくない」と言ってきたらどうしよう、とドキドキしてしまいます。もし言ってきたら、学校に行きたくないくらいに辛い思いを娘がしていると知ることになり、親としてとても悲しいし、ショックだと思います。でも、きっとわたしは「じゃあ行かなくてもいいよ」と言うでしょう。一方で、「学校に行きたくないこと」を大人になかなか言い出せない子どももいることを、自身の苦い経験から感じています。言葉にできないけれど、気づいてもらいたい今から数十年前、小4のころだったでしょうか、わたしは学校に行きたくない時期がありました。理由は、クラスでいじめられていたからです。当時、わたしのクラスには、貧困家庭のクラスメイトがいました。今と違って100円ショップや、ファストファッションのお店はありません。昭和の貧困はひと目でわかるほど、はっきりとしていました。もちろん子どもだったので、そのクラスメイトの経済状況をはっきり理解していたわけではありません。でも、古びた半袖の体操服で、春も夏も秋も冬も登校してくる彼女は常にどことなく汚れていて、コンパスや習字道具などの文房具も学校から貸し出されるものを使っていました。成績もおそらくよくはなかったはずです。クラスメイトや先生が話しかけても声に出して返事をせず、曖昧に笑うだけの彼女は、中学年になるとクラスの中心となっている子たちから、避けられるようになりました。彼女が入ったあとのトイレには入らない、彼女が使った水道から水を飲まない、なぜなら菌が移るから。そんないじめがじわじわとクラスや学校に広がっていきました。わたしは、そういったナンセンスないじめを不快だと感じていました。そして、「正しいことは正しい!」という子どもっぽい正義感に満ちあふれていました。ある日、ついに菌が移る説を積極的に唱えていたリーダーの女子に向かって「そういうの、くだらないじゃん!菌なんてないし!」と言ってしまったのです。リーダーに意見した日から、廊下を歩いていると反対側から来る生徒が次々とぶつかって来たり、すれ違うときに小声で「バーカ」と言われたり、体育の時間、組んでくれる子がいなかったりするようになったのは、かなり辛いことでした。もともと人気者派閥ではなかったわたしに加勢してくれる子はおらず、わたしはぶつかってくる子をにらんでみたり、「バカって言う方がバカなんだよ!」と、言い返したりするのが精一杯でした。そんな毎日がどれくらい続いたのかはっきり憶えていませんが、しばらくたったころ、いじめに気がついた担任の先生に呼び出されました。そのときの会話は、なぜかまったく記憶になく、そこが誰もいない階段の踊り場だったこと、「これでいじめが終わる」と心底ほっとしたことを憶えています。期待した通り、その日を境にいじめは終わりました。どうやって収束させたのか、わたしにはわかりませんが、学校で悪口を言われることもなくなり、体育でペアを作れるようになりました。担任の先生は一度、家にも来て何やら母と話して帰りました。大人は子どものころの気持ちを忘れてしまう先生が臨時で家庭訪問したあと、母からは「なぜ、言わなかったの?」と問い詰められ、同時に「気がつかなくてごめん」とも言われました。もっと幼いころならすぐに言っていたのかもしれませんし、もう少し大きかったら親以外の誰かに相談したのかもしれません。ただ、そのころの自分を思い出してみると、わたしは「先生に言いつけるのは、告げ口だからずるいのでしたくない」と思っていたこと。そして「自分では言いたくないけれど、誰かが気づいて、解決してくれればいいのに」も思っていました。さらに言えば、いじめられていても、わたしはそのリーダーの子が大人や先生に怒られればいいとは思わなかったし、「また仲良くできればいいのにな」と考えていました。いくら「子どものときの気持ちをぜったいに忘れないようにしよう!」と思っていても、大人になると忘れてしまうもの。大人が子どものSOSに気づくことは本当に難しいことだと思います。元気よく学校へ出かけ、帰って来てもテレビを見ながら笑っている娘も、大人には言えない複雑な思いを抱えているかもしれません。もちろん娘だけでなく、今、困っている子どもはどこかにいて、かつてのわたしのように「誰か気がついてくれないかな」と思っているでしょう。かつて子どもだった大人が、「大人は子どもの気持ちに気づけないことがある」と、肝に銘じ、身近にいる子どもたちや、みんなの小さなSOSを見逃さないようにできたらいいのに……と思います。いじめられている子どもの揺れる思いを描いた短編集『ナイフ』いじめられている子どもの揺れる思い、また子どもがいじめられたときに感じる親の不甲斐ない、そして切ない気持ちに気づかせてくれる小説に、重松清さんの『ナイフ』という短編集があります。どの作品もいじめがテーマになっており身につまされる話ばかりです。テーマの重さに昔のつらい記憶を呼び起こされる方もいるでしょう。けれどもどのお話も結末には救いを感じさせます。また、いじめをめぐる微妙な、時に残酷なバランスのなかで生きる子どもたちの気持ちに大人が気づくきっかけになるかもしれません。ぜひ読んでみてくださいね。中学生のお子さんにもおすすめです。『ナイフ』(重松 清新潮文庫刊)『ナイフ』(著:重松 清新潮文庫刊)私はナイフを持っている。これで息子を守ってやる……。小さな幸福に包まれた家族の喉元に突きつけられる「いじめ」という名の鋭利なナイフ。日常の中のゆがみと救いをビタースイートに描き出す出色の短編集。第14回 坪田譲治文学賞受賞を受賞した秀作。シラヤナギリカ(しらやなぎりか)神戸に住んで6年目のエディター・ライターで、小学生の女の子の母。子育てフリーペーパー「リトルフロッグス」を不定期で発行しています。
2018年10月11日トップライター:やなへい高校生の息子1号、小学生の息子2号との悲喜こもごもを、ゆるいイラストと文章でお伝えしている、トップライターのヤナトモ改め、今回から「やなへい」です!息子たちの成長をつうじて「へえ~」とか「ほお~」とか、ジワジワくる学びを感じることが喜びの、わ・た・し♡そんなジワジワ好きのわたしのところへ、ドドーンと青天の霹靂が!なんと、息子1号が、数カ月の不登校期間を経て、県立の普通科高校から通信制の高校に転入したんですよ。「え?まさか?なんで??どうしたらいいのっ!」そんな衝撃の数カ月間から、「あの子どうすんだろ?(笑)」というボンヤリの極地にたどりついた(かもしれないし、そうでもないかもしれない)現在までの、愛と涙の物語を全7回シリーズ(たぶん)でお届けします!!「オレ、高校やめるわ!」県立高校2年の息子1号が軽く言い放ったのは、冬休み明け、最初の登校日だった。―――その日の朝。遅刻常習犯の息子1号。年明け最初の登校日だというのに、案の定、のらりくらり。彼を残して、わたしが先に家を出た。―――午後。担任教師から「登校していませんが、どうかしましたか?」とメールが。息子の携帯に電話をしてもメールをしてもリアクションなし。心配なので、早めに仕事を切り上げて自宅へ急いだ。「まさか家で倒れて息絶えた!?」という最悪のケースから、「宿題やってなさすぎてバツが悪すぎて学校をサボった?」という想定内のケースまで、何度もリフレインしながら自宅にたどりつくと、上半身制服、下半身パンツ一丁の息子1号が。のんびりと宿題のプリントをやっているではないか……。「無断欠席はダメだよ!休むなら休むって連絡しないと」「ああ」「宿題もやってないんでしょ」「ああ」「そんなんなら、もう高校やめれば!」「・・・オレ、高校やめるわ!」「なに言ってんの。宿題やってないから学校行きたくないだけでしょ」軽く叱咤して相手にしなかったけど、強気の真顔だったのが気になった。正月明けの部活の合宿から帰って以来、妙に元気がなかったし。―――翌日の夕食どき。「オレ、高校やめるって先生に言った」「は?」「親の承諾得てこいって。オレ、高校やめて通信制行く」来た……!不吉な予感が現実に。息子1号いわく、年末年始のほんの数日の休みの中で、これからについて考えたというのだ。年明け、ますます受験へのプレッシャーが強くなること(入学以来、【センター試験まであと○○日】と言われ続けている)。部活動も残り半年で終わってしまうこと。行きたい大学もなければ将来の目標もないこと。そんななか、毎日10時間近く、教室の席に座っているのがもったいない、というのだ。たしかに高校入学当初から、教室の雰囲気が苦手で居づらいと言っていた。数回見学に行ったことがあるが、評判の自由な校風より、「難関国立大学絶対合格!」という張り詰めた空気を感じるところだった。「オレ、部活がなかったら学校行ってない。部活があるから学校に行けてる」ともよく言っていた。「どうしてやめたいの?」「雰囲気がイヤ」「嫌だからやめるの?嫌なものから逃げるために通信制に行くんだ?」「うん」「雰囲気が嫌なだけなら、私立に転校する選択肢もあるんじゃないの?」「いや。私立に行っても受験に追い込まれるのは目に見えてる」「通信制に行きたいのはなぜ?」「さすがに高校卒業してないとダメだと思うし、通信制行ってバイトしたい。通信制ならバイトできるし。あと、動画編集とかしたい」(※我が県の普通科高校は原則としてアルバイト禁止)「本当にバイトがしたかったら学校に隠れてでもすればいい。動画編集がしたかったら今すぐすればいい」「まぁね」「大学はどうするの?行かないの?」「いまのところ、行くつもり」「行きたい大学はあるの?」「とくにない」「じゃ、無理して行かなくてもいいんじゃない?」「まだやりたいこと決まってないから、大学行って考えてもいいかなと」「大学行くなら、いまのままがんばったほうが楽なんじゃないの?」「とにかく嫌。逃げ出したい」息子1の話を要約すると一. 教室の雰囲気が逃げ出したいほど嫌い一. バイトがしたい一. 動画編集してYouTubeにアップしたいということのようだ……。OH、YouTube……。こんなあまくてぬる~い言い分では、高校をやめる必然性が感じられない。「はい、そうですか」とは簡単に言えそうにない。現実から逃げたいだけ?1年ちょっとがんばれば卒業できるのに。成績も悪くないのにもったいない。高校やめたらこの先どうなるの?彼のことだから、一度言ったことを簡単に覆すことはなさそう。わたし、育て方間違ったか。いろんな思いがグルグルグルグルするなか、オットが帰って来た。帰宅後間もなく、仕事部屋で持ち帰った仕事にとりかかるオット(いつもこうなのだ)。父親の帰宅に気がついているはずなのに、話しかける兆しのない息子。落ち着かないわたし。―――それから数時間後。話しかけることなく寝ちまった息子。自宅仕事を続けるオット。眠れないわたし。息子よ。やめたい気持ちが本物なら、親を説得しろ。自ら行動せよ!と心の中で叫んだものの、この突然のヘビーな事件をひとりで抱え込むのは無理。無理ですぅ~。せいぜい4~5時間が限界ですぅ~。こらえきれず、深夜、オットを寝室に呼び出して話してみた。「高校やめるって?めんどくさくなったんじゃねーの」たいして動揺することもなく、涙ながらに語るわたしをなぐさめるでもなく、あっさり受け流して仕事に戻ろうとするオット(あなたが一番めんどくさそうだよ)。「ねぇ、心配じゃないの?」「少しようす見るしかないだろ」「少しってどれくらい?」「え~?1週間……とか?」このあたしが、1週間も待てるわけがない。「パパに言いなさいって言ったら『ああ』って言ったから。朝、向こうから言い出してこなかったら、あなたから話しかけてよ」「ああ」そしてこのふたりは、翌朝以降も話すようすがないのだった。(泣きながら…続く。ああ。)やなへい(やなへい)宮崎県在住/40代高3、小5の男児の母。趣味は哲学。
2018年10月02日8月も終わり、ほとんどの学校で新学期が始まったことと思います。長い休み明けは休みの癖が残りダラダラしてしまいがちですね。なかなか勉強する意欲が沸かないというお子さんと一緒に、子ども新聞を親子で読む習慣をつけてみてはいかがでしょうか?新聞というと難しそうなイメージがあるかもしれませんが、各社から子供向けに様々なタイプのものが出ており低学年でも楽しんで読めるものもあります。どんな種類があるのか、見てみましょう。1. 子ども新聞ってどんなもの?子ども向けの新聞で使われている漢字や表現、写真などは全て子ども向けに作られています。内容は主に時事・経済・社会・芸能であり大人が読む内容とそんなに変わりはありません。しかし子どもが恐怖を感じるような写真を掲載しない、難しい内容はわかりやすく図解されて書かれている、特に政治・経済などは簡単な表現が使用されるなどの工夫がされています。さらに、漢字の成り立ちやことわざ、古典などが紹介されているコーナーがあったりして、受験対策に役立つような内容のものもあります。小学校低学年には難しいかなと思いがちですが、始めは写真や絵を見ながら気になる大見出しを眺めるだけでもよいと思います。「新聞を読む(開く)習慣」をつけることから、徐々に興味をもってもらえるでしょう。発行頻度も、月間・週刊・日刊などがあるので子どもが読むのに無理のない頻度の物を選ぶことが可能です。試読できるサービスがあるものも多いので、まずはお試しを取ってみるのもいいですね。2. 子ども新聞を読むメリット (1) 語彙力と漢字力の向上子ども新聞では基本的に漢字にふりがながふってあるため、読むうちに自然と漢字を覚えることができます。また限られた紙面で内容を伝えるため、文章が分かりやすく簡潔です。習慣的に読むことで読解力が養われます。高学年になったら、新聞に書かれた表現を使って作文を作ってみると文章力も向上するでしょう。 (2) 社会に興味を持つ新聞を読み時事ネタに触れていくことで、社会で起こっている問題に関心や興味を持つようになります。自分に関係ないと思っていたようなことでも、社会と自分の関係について身近に感じ、考えをめぐらせるようになります。 (3) 親子のコミュニケーションにTVのニュースを見た時などに、馴染みのある話題があると子どもが聞いてくるようになります。何かの価格が高騰したという記事を読んだ子が、スーパーでそれについて教えてくれるなどということもあります。そこから親子の会話のきっかけがうまれコミュニケーションを図ることが出来ます。親が教えるだけではなく、子どもがどんなことに関心を持ち、どんなことを考えているのかを知る良いきっかけになります。子どもが聞いてきたら積極的に会話を広げていきましょう。 (4) 中学受験に役立つ中学入試で、子ども新聞で取り上げられている時事ニュースや社会ネタが出題されることが増えています。子ども新聞でも意識して、実際に入試で出題された問題や解説を掲載したり、入試のポイントや最新ニュースを扱ったりなどしています。こういった内容がなくても、習慣的に読むことで身についた読解力は中学・高校入試に必ず役立っていきます。3. 大手3紙を比較子ども新聞は地方紙などでも発行がありますが、ここでは全国紙の大手3社から発行されているものを発行部数が多い順にご紹介します。 (1) 読売KODOMO新聞読売新聞の子ども新聞は週刊(木曜)で、大人の新聞の半分サイズです。カラーで20ページ、発行回数が少ない分月額500円(税込み)と他社に比べてリーズナブルです。小学校1年生の漢字と2回目以上出てくる言葉にはふりがなをふっていないので、低学年だと最初は読むのが難しいかもしれませんが、ポケモン・名探偵コナンなどとコラボしたりエンタメ色を強くしているので子どもからの人気が高いです。 (2) 朝日小学生新聞朝日新聞から発行されている子ども新聞は日刊で、大きさは大人の新聞と同じ、カラーで8ページです。全体的にカラー写真やマンガが多めですが、中学受験の教材として親に人気があります。月額1,769円(税込)です。 (3) 毎日小学生新聞毎日新聞の子ども新聞は、日刊ですがサイズは大人の新聞の半分。月~木曜、日曜日は8ページ、金、土曜は12ページです。サイズが小さいので、手が小さい子どもにもめくりやすいです。人気のコンテンツとして、時事ニュースコラム「教えて!池上さん」、科学好き向けの「銀河教室」、歴史・文化を学べる「おもしろ古典塾」などが人気が高く、工作ページなどもあり親子で楽しめる内容となっています。月額1,580円(税込)です。読売新聞を購読していた際、子ども新聞の試読案内があり、試しにとってみて子どもに見せましたが、子どもが全く興味を示さなかったので購読は見送りました。しかし最近朝日新聞に切り替えると、ドラえもんが登場するので少し一緒に見てみようとする姿勢が見られました。最初は興味をあまり持っていなくても新聞を一緒に開く習慣をつけることが大切だと感じたので、まずは週刊で子どもに人気の高い読売KODOMO新聞を購読してみようかなと考えています。読解力の向上だけではなく、少しずつ世の中の動向にも目を向ける癖をつけてくれたらとても良いと感じます。まずはお試しで各紙を比較してみてはいかがでしょうか。
2018年09月27日自分の通う小学校は、自分で選ぶんだ!! だから、いこい ゆうた(4歳)お受験はじめます!!コンテンツ提供: ベビモフ 電子書籍はコチラ
2018年09月21日中学進学の時にぶつかった「発達障害と成績表」の問題。出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』著者、楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回は、うちの長男の中学受験の経験をもとに、発達障害のある子の進路に関する少々シビアな現実をお伝えします。うちの長男は私立中学受験という選択をしました。その理由のひとつは、学区の公立中学の支援学級・通常学級からの卒業後の進路に親子で不安を感じたからです。うちの学区の公立中学は超マンモス校。「人が多いと集中できない」長男には、通常学級では少々負担が大きいように感じられたので、それまでは、中学では支援学級進学ものんびりと考えていました。ところが、5年生の時、学区の中学の見学会で支援学級を実際に見てみると、「この支援学級を卒業した後、長男の進路は一体どうなるのだろう」という疑問に、全く答えが見えなかったのです。学区の中学の特別支援学級に在籍する生徒さんの大部分は、卒業後は、特別支援学校へ進学されるようでした。つまり、長男が希望する普通高校進学を前提とした生徒さんはその特別支援学級では見当たらず、卒業後の進路について何の情報も得られませんでした。また、小学校では柔軟に対応して頂けた、支援学級の子が通常学級でも授業を受ける「交流級」や、通常学級から特別支援学級へ、特別支援学級から通常学級へ、という「転籍」も、うちの地域の中学ではあまり行われていないようでした。学区の中学の支援学級からは「卒業以降」の普通高校進学の道がプッツリと途切れていたのです。今後、公立中学の特別支援学級から、公立高校の通級・支援学級への道が拓かれてゆく期待もありますが、うちの長男には間に合いませんでした。現在、こういった状況は地域・学校ごとで大きく違うようなので、まずは、お子さんが小学校卒業後、学区の中学の支援学級進学をご希望の場合は、早めに見学・相談等をされることをオススメします(正直、うちはかなり遅い例です)。中学の一斉公開日などもチェックしておくといいでしょう。出典 : 地域の中学の支援学級の現状に不安を感じた私が資料を調べたところ、うちの県では公立中学の支援学級から、全日制普通高校への進学率は公立・私立合わせても、わずか2%程。定時制・通信制の高校を含めて、ようやく20%弱(某県教育委員会のデータより)。「たった2%!? そんなマサカ…」と、文部科学省による全国統計「特別支援教育資料」を見ると、平成28年度の中学校特別支援学級卒業者の状況(国・公・私立計)は、支援学級在籍者19,135人に対し、「高校等」の進学者は約35%にあたる6,842人。その内、全日制の普通高校に進学した生徒が一体何人いるのかは、このデータからは分かりませんでした。特別支援教育について「特別支援教育資料(平成28年度)」|文部科学省では、特別支援学校に進学しない・できないタイプの発達障害のある子は、一体どうしているのかというと、うちの自治体では今のところ、普通高校への進学を希望するならば、中学では通常学級に在籍せざるを得ないようです。勿論、通常学級でもうまくいく場合もあるでしょう。でも、長男も私も、学区の中学の通常学級は様々な面で、彼にとってかなりハードルが高い環境のように感じていました。また、仮に公立中学の通常学級で、勉強を精一杯がんばれたとしても、高校入試に影響する中学の内申書は「学力以外」の面での評価も大きく、長男の現状では内申点はほとんど期待できません(理由は後述)。ですから、中学の通常学級から高校進学を希望しても、内申重視の傾向が強い公立・私立高校や、「内申点が○点以上から」と条件のある推薦入試は、かなり厳しくなるでしょう。それすらも、負担の大きな環境の中、「長男が中学にちゃんと通えたら」という前提での話。そして長男は「学区の中学に行くなら、おれは不登校する」と、キッパリ宣言しました…!そこで、遅まきながら、公立中学以外の選択肢を模索し始め、親子で私立学校等の見学会や説明会などに参加してみると、「自分に合った、小規模の私立中高一貫校に行きたい」と、本人が強く希望するようになりました。長男は学ぶ意欲が強く、自分の意思で決めたことなら人一倍がんばれるタイプです。でも、ここでも「成績表」の問題が。出典 : 私立中学各校の募集要項を見ると、中学受験でも、願書提出の際に成績表のコピーや調査票が必要になる場合があります(必要ない学校もあります)。ただしその場合も、内申重視の高校入試と違い、「小学校の成績表は参考程度」という私立中学も多いようです。それでも、推薦入試を行うある中学の説明会では、小学校の成績表に「最低評価が1つでもあるとダメ」「年間の欠席日数が○日以下」などの条件があると聞きました。私立中学でも成績表によって受験資格が左右される場合もあるようです。4年生までの長男の通常学級の成績は、C評価の「がんばりましょう」ばかり。そして、5年生の特別支援学級の成績評価は「言葉による表現」で記載され、「みんなと同じ」段階別の数値によるものではありません。長男の志望校の出願に必要なのは6年生の成績表なので(※5年生からの成績表が必要な学校もあります)、合格・不合格以前に、今の特別支援学級在籍のままでは、必要書類を揃えて願書を提出できるのかすら分からない状況でした。(ちなみに、「特別支援学級の言葉による評価の成績表を、そのまま受験用に提出した場合どうなるのか」は、いろいろと調べてみたものの、ほとんど前例がないようで、結局分かりませんでした…)ただし、私がネット上などで目にした「特別支援学級では、成績評価・内申点がつかない」なんて話は、本来はあってはならないことのハズです。ですが、現実的には信じがたいことに今だに「地域・学校によって、対応してもらえない場合がある」ようなのです。特別支援学級からの進学ーあまりに大きな地域差の現状|togetterうちの自治体の場合「特別支援学級の成績表は、ご希望があれば段階別の評価でも出せます」と、小学校の特別支援コーディネーターの先生はおっしゃってました。しかし、地域の受験事情に詳しい方のお話では「○○市では、特別支援学級でもお願いすれば、みんなと同じ形の評価で出すことはできます。ただし、その内容が問題なのです」とのこと。つまり、書類として揃えることは可能だけれど、いくら「成績表は参考程度」であっても、内容が殆ど「がんばりましょう」ばかりでは結局厳しいことには変わりない…のだそうです。出典 : 一見これは、「成績が悪いのは、本人の実力なのだから仕方ない」とも思えますが、特別支援学級在籍で「みんなと同じ」評価を受けるために、通常学級の「みんなと同じ」テストや宿題の提出が必要、となれば、実質本人にかなりの負担がかかります。「おれは、人が少なければ、集中できる!」と、自分のペースで学ぶために希望して特別支援学級に転籍した長男ですが、特別支援学級は授業の進度が通常学級とは違うため、そのままでは「みんなと同じ」単元のテストができません。実質、自力で相当な努力をして通常学級との進度の溝を埋めるか、毎日のほとんどを交流学級で授業を受け、同じテスト・同じ課題をこなさなくては、マトモな成績がつかない…ということになります。「自分のペースで学べばできる」「落ち着いた環境で学べばできる」という子も多い中、「○年生の○学期までにココの単元まで終わる」と学習指導要領で決められた中でしか段階別の評価ができなければ、特別支援学級でしっかり学んでも「みんなと同じ」基準での成績評価は難しくなります。つまり、現行の成績評価の仕組み自体が、特別支援学級の児童・生徒の多様な学び方に対応できていないのです。こういった「特別支援学級からの受験」の厳しい現状を、私は長男に噛み砕いて説明しました。すると彼は「じゃあ、おれ、6年からは元のクラスに戻ってがんばる」と通常学級への復籍を決意。そして、小学校の学習とは別の努力が必要な中学受験用の勉強と並行して、5年生の特別支援学級では交流学級を増やしながら全科目学年相応まで学習を進め、6年生からは通常学級で進学に備えることになりました。…要するに「個人の努力と根性で乗り越えた」のです。正直、11歳12歳の子には、かなり負担が大きかったと思います。長男の場合、本人の強い意志と興味のあることへの過集中、そして、周囲の理解・サポートで頑張れたのだと思います。でも、さまざまな課題を抱えながら特別支援学級で学ぶお子さん達に、ここまでの努力や負担を強いなければ「皆と同じ土俵にすら立てない」というのは、私は甚だ疑問です(仮に、学区の公立中学の特別支援学級に進学したとしても、高校受験の際、長男は同じ経験をしていたことでしょう)。そして、発達障害への理解・支援体制には地域・学校ごとで格差があり、その子の進路まで大きく影響されてしまう現状にも、大きな問題を感じます。こういった状況の中で、本人・親が希望する・しないに関わらず「受験を希望するなら、現実的には支援学級を選択できない」地域・学校もあるのです。とにかく、小中学校の特別支援学級からの受験を希望する場合、早めに在籍・進学先の学校や教育委員会などに、成績評価への対応についても、正確な情報を問い合わせておく必要があるでしょう。尚、論外ではありますが、万が一、在学中の小中学校で「特別支援学級では、みんなと同じ形式の成績評価・内申点は出せない」などと言われた場合や、正当に受験し合格しているにも関わらず、発達障害があることや元の在籍級を理由に合格を取り消された場合などは、障害者差別解消法違反に該当する可能性があるため、法的に対応していく必要があるでしょう。また、在籍校から受験校・進学校に提出される内申書や指導要録で、もしも、不当な評価や事実に反する記載・入力ミスなどがあり、受験資格の有無や合否、入学後の対応等に本人に不利益な影響を及ぼした可能性が疑われる場合などには、自治体に対し「自己情報の開示請求」ができます。発達障害児進学に苦悩私立中高一貫校入学辞退迫られ両親「多様性認めて」|西日本新聞(2013.6.11)内申書や指導要録を見せてほしい(ふらっと相談室)|ふらっと人権情報ネットワーク出典 : そして、「絶対行きたい!」志望中学のためにガムシャラになった長男は、小学校のテストの点も急上昇。ところが、オールCから脱出したとはいえ、実力に対して、成績評価は思ったようには上がりませんでした。それは、例え学習内容を十分理解している子や、真面目に勉強に取り組んでいる子であっても…・課題や宿題に取り組んでも、提出し忘れる。忘れ物が多い。・ノートや提出物の字が汚い。読み書きに時間がかかり、板書を写しきれない。・先生の指示を聞き逃したり、授業の準備や片づけに時間がかかる。・不器用さや局所的な苦手さ等から、体育や音楽などの副教科が努力だけではどうにもならない。・コミュニケーション面の苦手さにより、授業中の挙手の回数や発言内容が不十分。・学校自体の負担が大きく、欠席等が多くなりがち。…などの理由から、どんなに学ぶ意欲が強くても、本来の学力以外の「意欲・関心・態度」などの面で、成績評価が低くなってしまう傾向があるためだと思われます。でも、「態度」の評価が低くても、長男は決して不真面目なワケではありません。発達障害があっても、まじめな子、おとなしい子、ガマン強い子、人一倍優しい子は沢山います。そして、適切なサポート・療育や環境の工夫、または自然な成長によって、落ち着いていく子も沢山います。長男の場合、空気を読めないが故に、自習中クラスの皆が騒いでいる中でも同調せず「マジメにやってたのオレだけだった」なんてこともありました。ですから、ここでいう「態度」とは、「先生に言われたことを、言われた通りにできる力」のことなのです。集団行動に遅れたり、先生の意図を察して動けない子は評価が低くなりがちなのだと思います(親としては、書字に困難さのあった長男がノートを必死で書こうとする姿は、例え黒板を写しきれなくても、涙が出そうなくらい「意欲・関心・態度」が高いように思えますが…)。字のキレイさや挙手の回数で、「どれだけその子が学ぶ意欲を持っているのか」を、客観的に評価できるのでしょうか。また、発達障害のある・なしに関わらず、公立小の担任の先生に「中学受験への理解があるか」や、先生との関係性によって、「学力的に十分でも、厳しめに評価をつけられた」なんて話も聞き及びます。高校入試の際も、評価の甘い中学と厳しい中学での格差により、同じような学力の生徒間でも「A中学の子は推薦もらえたけど、B中学の子は内申点が足りず、〇〇高校の推薦入試が受けられない」のもよくあることでしょう。そして、先生の「内申に書くぞ」の一言が、生徒を従わせるための安易なツールとして広く普及していること自体にも、そろそろ社会全体で疑問を感じたほうがいい時期なのかもしれません。現在、学校の成績表・内申書は相対評価から絶対評価へと変わり、子ども達にプラスになった面もありますが、実質「先生の主観」に影響される部分もあり、成績表・内申書自体の客観性・信頼性・妥当性が問われています。中学校における指導と評価の一体化をめざす学習評価の在り方 -目標分析からすすめる学習展開例-(京都市総合教育センター)|国立教育政策研究所未来を拓く扉が、挑戦する前に閉ざされないために…出典 : 結局、中学受験での小学校の成績表への不安点・疑問点を、うちではどうクリアしたか、というと…まず、志望校の説明会で、私は「小学校の成績表は、どの程度合否の参考にされるのでしょうか?」と思い切って質問し、成績表は本当に「参考程度」なことを直接確認しました(ただし、「出席日数と諸活動・所見欄だけはチェックする」学校は多いようです)。また、記載内容で特に気になる点については、個別相談会で本人同席の上、成績表と普段のテストを持参し、具体的に相談していきました。また、何度も志望校の体験授業などに親子で足を運び、面接でも彼の全体像を知って頂けたので、入試本番の結果は勿論、長男のことを十分理解して下さった上で「合格通知」を頂いたもの、と思っています。(ちなみに、公立・私立問わず入学手続きには、在籍校最終学年の担任の先生が記入する「指導要録抄本(指導要録の写し。原本は在籍校保管)」が必ず必要となります。これにより、受験の際に成績表の提出が必要なくても、学籍の記録や全学年の成績評価、出席日数、所見等が記録された書類が進学先に学校経由で送付されます。)指導要録(参考様式)|文部科学省それでも私は、「発達障害と成績表」の問題は、子ども自身の努力と根性だけで全て解決できるとは思えません。新しい学習指導要領で「主体的な学び」の必要性が叫ばれ、また、大学の推薦・AO型入試の増加傾向など、多様な人材が求められるように世の中が変化している中、成績表や内申書のあり方も、早急に見直す必要があるのではないでしょうか。発達障害のある・なしに関わらず、本当に学びたい意欲と可能性にあふれた子ども達が、たかが成績表や内申書の印象で、未来を拓く扉の前で門前払いされないよう、私は心から願っています。大場美鈴/著『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』2017年/刊/ポプラ社
2018年09月20日自分の通う小学校は、自分で選ぶんだ!! だから、いこい ゆうた(4歳)お受験はじめます!!コンテンツ提供: ベビモフ 電子書籍はコチラ
2018年09月20日トップライター:高橋すずコウタが持ち帰った冬期講習の時間割を見ると、1日2コマ(1コマ90分)と予想より楽なスケジュールです。私立受験の子は、朝から夜まで塾に缶詰という話も聞くけど……。とのんびりしていたのも束の間。冬期講習の前日に持ち帰った模試の結果によって、冬期講習のコマ数が倍増することになるのです。模試の結果にいびつなヘキサゴン塾に行く直前に、前回の模試の結果をサラッと置いていったコウタ。コウタを送り出してから目を通すと、なんともいびつなヘキサゴンが目に飛びこんできました。ヘキサゴンは、問題に取り組むプロセスで必要とされる力を6つにわけ、その達成率を六角形のチャートで表したものですが、とくに凹んでいたのが「数の操作」。模試を始めたばかりの頃は、確かに苦戦した項目ですが、回を重ねるごとに得点できるようになっていたので、この時期にどうして?さらに、総合順位も落ちています。ちなみに公立中高一貫校の受検は、適性検査I~IIIと分かれています。でも、学校によって違いがあり、コウタが受験する学校は適正IとIIのみです。適正検査I……文章、表、データなどの情報を読み解き、分析し、表現する力をみる。適正検査II……自然科学的な問題や数理的な問題を分析し考察する力や、解決に向けて思考・判断し、的確に表現する力をみる。しかし、速さと正確さを求める学校もあれば、読解力を求める学校など、学校によって問題の傾向が少し違うようです。さて、コウタの成績表を見て、わたしは肩を落としたと同時に受話器に手が伸びていました。そして、電話に出た塾長先生に、コウタの成績のことをたずねると、「適性Iで読解を落としたんです。適性IIは今まででいちばんとれています」とのこと。“数の操作”がとくに悪かったので、適性IIで失敗したと思ったのですが、たしかに、これまでの模試の結果を見直してみると、今回の適性IIの得点は悪くないのかも。落ち着いて細かく見ていくと、適性Iで、得点率の高い問題を2問、落としていたのです。2問で、総合順位がこんなに下がってしまうなんて……。「解き直しの結果を見て、冬期講習の個別授業の内容を再考します」と、塾長先生。その日、塾から帰ったコウタが、黄色の蛍光ペンで塗られた冬期講習の時間割・パート2を持ち帰りました。塾長先生が、さきほどの電話の内容をさっそく反映してくれたようで、コマ数がかなり増えています。自習では読解問題を中心に勉強当初は、1日2コマ(1コマ90分)の授業のみでしたが、そこに必修自習が3コマプラスされていました。もともと、お正月休みは12/31~1/2の3日間のみだったので、それ以外の日は、お昼の12時から夜8時過ぎまで塾で勉強することになります。タイムスケジュールはこんな感じです。1コマ目11:55~13:25自習2コマ目14:00~15:30自習3コマ目15:35~17:05適性検査対策4コマ目17:10~18:40国語5コマ目18:45~20:15自習適性検査対策では、「銀本」と呼ばれる全国の公立中高一貫校の過去問を解き、間違えた問題を先生が指導してくれます。国語では、記述問題や作文が中心となります。自習では、コウタが苦手だったり、理解不足だったりする単元について先生が用意してくれたプリントを解いて、自己採点し、解き直しをします。前回の模試で読解問題を落としたことから、コウタに用意されたのは、論説文や物語文の読解問題を中心としたプリントのようでした。ちなみに、12月と1月は、グループ授業から、ひとりの先生が生徒2名を指導する個別授業のスタイルに変更されました。コウタは、なるべくお気に入りの先生に指導してもらえるように事務の方にお願いしていたせいか、長時間の塾通いも、それほど文句も言わずにこなしていました。冬期講習の成果が、今後の過去問講座の結果につながってくれればよいのですが。次回は、面接練習についてお伝えします。(次回へ続く)高橋すず(たかはしすず)夫と息子の3人暮らし。コウタの夢は、南の島のビーチに寝そべって、トロピカルドリンクを飲むこと……だそうです。いつか家族で。でもその前に「サクラサク」を叶えたい。
2018年09月11日実際のところ、成績優秀なお子さんたちは、小学校の低学年から一定した学習習慣をキープしているのでしょうか? 一流大学の付属や名門私立など、超難関中学の入学試験に合格したお子さん、そして公立中学でトップの成績をおさめるお子さんのママたちへの聞き込み調査を行ってきました。第一弾<学校の宿題編>、第二弾<学習系習い事編>では、皆さん小学校低学年や幼稚園の頃から、毎日の学習がすでに習慣化されていたという結果がすでに明らかに…。では、そもそもどうしたらお子さんが学習をやる気になるのか? お話を聞いてきました。小学校に入学したらまず、学習するための場所を設ける自分だけの場所があることを好むお子さんが多いのではないでしょうか?「手に取るべきものがわかりやすく整理されている自分のスペースがあれば、自然とそこに足が向くようになる」と教えてくれたママがいました。さまざまな生活用品やおもちゃが混沌としている中では、自分がやるべきことがはっきりとは見えてこないようです。ダイニングテーブルの脇に、小さなサイドテーブルを設ける程度でも十分。お子さんが、学習習慣を持ちやすいスペースを確保するように心がけましょう。学習机をリビングに置く、またはリビングの近くに置くある名門私立校に合格されたお子さんの学習机は、小学校低学年から中学受験の直前までリビングに置いてありました。そうすることによって、学校から帰った後や夕食後、お風呂上りなどに、自然と机に向かって学習するようになったそうです。また、ママがTOEICや資格試験などの勉強を一緒に始めることも効果的なようです。中学年以上のお子さん向き。あえて下の学年のドリルをやらせるだんだんと学習の内容が進んでいく中で、やる気がなくなってしまう日がいつしかくるかもしれません。そんな時は、投げ出すことがないように、あえて解ける問題を渡して自信を取り戻させることが有効なようです。例えば、より基礎力を強化するためには、1つ下の学年の基礎ドリルを、さらに発展問題を解答する学力を身につけるためには、1つ下の学年の難問レベルのドリルをやらせてみるのが効果的です。ゲームやスマホ動画、テレビの制限を徹底実際のところ、“学習のやる気”や“学習時間の確保”に関わってくるだけに、ほとんどのママがこの点で悩んでいるようです。「成績が下がったら取り上げると約束した」といった回答も多く耳にしました。いっそ、はじめからゲームやスマホは持たせないという方法もありますが、今やゲームは子ども同士のコミュニケーションツールでもあり、それもなかなか難しいですよね。お子さんに渡してしまわずに管理は保護者の方が行って、使える時間を制限するという方法が有効なようです。それもなかなか難しいかもしれませんが、ご家族で相談し合って、なんとか時間制限を徹底するように心がけましょう。まずは、お子さんが少しの時間でも自然と学習習慣を持てるような環境づくりが、将来の好成績への近道だということが、中学受験に成功したお子さんやママたちのお話からわかりました。お子さんの中学受験を考えているママは、ぜひ、参考にしていただければ幸いです。PHOTO/Fotolia
2018年09月10日「教育ライター」という名刺で仕事をしている筆者は、常に「客観的な視点での取材」を心がけているつもりです。それでも花まる学習会の取材のあとは、いつも、「やっぱり、そうだよね。これからの教育は、そういう方向だよね!」と、つい感情移入してしまいます。そんな花まる学習会を率いている高濱正伸(たかはま まさのぶ)さんが、「これからの教育について語る」というので行ってきました!高濱正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。■日本の教育は、何が問題か?高濱さんは、言います。「いまの日本の教育の問題点は、何か? ひと言でいえば、もう古いんです」。尾木ママこと尾木直樹先生が「博物館」、映画『みんなの学校』の木村泰子先生が「化石時代」と表現する、いまの日本の教育。それは、高濱さんの言葉で言えば、「粒のそろった兵隊を作る教育」なのだとか。それでは、もう古いそうなんです。具体的に、どんな感じで古いのでしょうか? 「たとえば、スポーツ。いまの日本の部活動は、『生涯スポーツを楽しめる人を育てる』という方向ではありませんよね? 『大会で勝つ』『いい記録を出す』ということが良しとされている。そもそもの方向性自体が、ずれてしまっているんです(高濱さん)」そもそものゴール設定が根本的にずれてしまっている…。そう「解説」してもらえれば、「そうかもしれない」と感じますが、「そういうこと、自分では気がつけないよな」と思いました。高濱さんは、「上の言うことを忠実に聞く兵隊を作るのではなく、これからの教育では『自走する人間』を育てていく必要があるんです」と、言います。■「家庭の力」があれば子どもは伸びる「そのために必要なのは、言葉です」(高濱さん)。言葉の力は、つまりは「本質をとらえる力」ということ。「何千という家庭を見てきて、言葉がしっかりした家の子は伸びるというのは確信を持って言えます」(高濱さん)。家庭の力…。そう言われてしまうと、「やっぱり、母である私がちゃんとしなければ!」と緊張を強いられるような気分になってしまいます。でも、高濱さんは「各家庭で、しっかりとした教育をしてください」と、突き放しはしません。「親ごさんが変われば、子どもは変わってきますよ」と、まるで悩んでいるお母さんたちを「抱きしめる」よう。そういえば。私が初めて高濱さんを取材させていただいた日のこと。取材前の雑談で、「ママたちがテンパってしまうのは、あたり前のことなのですよ」と励ましていただいて、「そうか、キーキーと子どもを怒鳴ってしまうのは私だけではないんだ」と、心がスッと楽になりました。このときの様子は、 「つい子どもを叱り過ぎてしまうママに伝えたいこと」 をぜひお読みください。ちなみに、高濱さんが開催する「お父さん講座」では、お父さんたちを800人を集めて、妻の話を聞くときの「うなずき方」の練習をしているのだとか(笑)。高濱さんの本質を突いた取り組みに頭が下がります。■「自分はこれだ!」の芯を見つけるためには「自走する人間」を育てるために必要な、もうひとつ大切なことは、「『自分は、これだ! という芯』を子どもの中に見つけてあげることです」(高濱さん) そのために必要なことは、子どもを感じること。「感じる」というのは、人工知能にはできないことですものね。「目の前の子どもを感じることを大切にできるか。教育者としての力量の違いは、結局感性の差だなと思うことが多いんです」(高濱さん)。いま、アメリカでMBAをとるような一流のビジネスパーソンたちの間では、こぞって絵を描いたり、音楽に親しんだりなど、アートへの関心が高まっているそう。イギリスでは、教科のなかに国語や算数と並んで演劇もあり、先生になるために演劇学を学ぶところもあるのだとか。高濱さんのエネルギッシュなお話しを伺って、「これからの教育」に対しての「希望」「熱さ」を感じました。ひとりの母親として、まずはわが子を感じることから始めよう。そのためには、親子でたくさんの芸術に触れ、心のあかを落とし、感性を研ぎ澄ませたいと思いました。
2018年09月06日専門家・プロ:中曽根陽子すぐキレる問題児。どうしたらいい?近ごろ、子どもの教育にたずさわる人たちから、「キレやすい、人の話を聞けない、すぐあきらめる、まわりの子に手をあげるなど、気になる子どもの割合が増えている気がする。」という話をひんぱんに聞くようになりました。公的な調査などで明らかになっているわけではありませんから実際に増えているのかははっきりとわかりませんが、子どもと直接ふれあう立場の人たちの生の声ですので、気になりますね。小学4年生のA君もその一人。「授業中に立ち歩く」「宿題をしない」「まわりの子に手をあげる」など、学校の先生からいつも怒られる問題児でした。お母さんはなんとかしなくては! と、A君が学校から帰ったらすぐに、お母さんが宿題の有無をチェックして、つきっきりで宿題をさせました。すぐに飽きてしまうA君をきつく叱るお母さん。宿題が終わらないと夕食の支度もできないので、食事の時間が遅くなることもたびたび。宿題が終わったら制限なしにゲームをしてもいいことにしていたので、寝るのも遅くなりがち。朝はぎりぎりまで寝かせてお母さんが起こす。忘れ物をしてはいけないので学校の準備はお母さんがする。という対応をしていたそうです。果たしてうまくいくようになったのでしょうか?結果は×。少しも良くならないどころか、どんどんひどくなり、家でもキレることが多くなっていきました。さて、このお母さんの対応のなにが問題なのでしょうか?生活習慣の乱れから悪循環にこのお母さんの対応で問題だったのは、宿題をさせることを優先順位の一番にしてしまったことです。その結果、日によって夕食や入浴、寝る時間がまちまちになり、朝起きられないという生活習慣の乱れにつながりました。また、宿題ができなければ感情的にきつく叱り、反対に学校の用意など子どもが自分でやるべきことを親が代わりにやって甘やかすというように、子どもの自律を妨げる対応をしていました。その結果毎日の生活が落ち着かず、子どももお母さんもイライラがつのり、きつく叱るとA君はますます反発するという悪循環に陥ってしまっていたのです。これは発達脳科学の専門家、成田奈緒子先生のところに訪れた実際の親子の話です。実は、このコーナーの第2回「キレる子どもたちの原因は眠りにあり」で紹介したように、規則正しい生活を送らないと、さまざまな問題が起きてきます。そこで成田先生は、①夕食は19時にとる。②21時までに寝る。この2つだけを守るようにA君に約束させて、宿題はできてもできなくても気にしないでいいと伝えました。さらに、お母さんにはときおり、わざと食事の支度が間に合わない事情をつくってA君に手伝ってもらって、できたら必ずありがとうと言う。お父さんにはできるだけいっしょに食事をする機会を増やし楽しい会話をするなど、親の関わり方を変えるようにアドバイスしました。すると2カ月後、A君はすっかり落ち着き、問題児どころか、やり残した宿題も、朝自分で起きてやるようになったそうです。よい脳が育つ環境を用意すれば、何歳からでも脳は育て直せるそんな魔法のようなことがどうして起こったのでしょうか。そのかぎを握るのが生活環境を整えることです。成田先生は次の6つを「親など周囲が子どもに与える、脳を育てる生活環境」として整理しました。ブレない生活習慣を確立する。調和がとれたスムーズなコミュニケーションを図る。親子がお互いを尊重して協力しあう体制をつくる。怒りやストレスへの適切な対処法を共有する。親子が楽しめるポジティブな家庭の雰囲気をつくる。親はブレない軸を持つ。 これは、わたしがこれまでいろいろなテーマでお伝えしてきた6つの栄養素とも共通することが多いなと思います。(6つの栄養素については第1回をご参照ください)脳を育てる生活環境をつくるには、まずは、起きる時間、寝る時間、食事の時間といった基本的な生活リズムを整えること。そして、子どもを感情的にコントロールしたり、反対に手を出して甘やかしたりせず、共同生活を送る一員として尊重しあうことが大切です。成田先生は、何歳からでも、どんな子でも脳は育て直せると言います。もし、困ったなと思うことがあってもあきらめずに、やってみてくださいね。※脳を育てる6つの生活環境を生活にとり入れるための具体的な方法は、『子どもの脳を発達させるペアレンティング・トレーニング』(成田奈緒子上岡勇二著、合同出版)で紹介されています。子どものよい育ちは、よい脳の育ちから関連記事失敗力第1回失敗できない人は、成功できません失敗力第2回 キレる子どもたちの原因は眠りにあり中曽根陽子教育ジャーナリスト教育雑誌から経済誌、紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。子育て中のママたちの絶大な人気を誇るロングセラー『あそび場シリーズ』の仕掛人でもある。 “お母さんと子ども達の笑顔のために”をコンセプトに数多くの本をプロデュース。近著に『1歩先行く中学受験成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(共に晶文社)『子どもがバケる学校を探せ』(ダイヤモンド社)などがある。教育現場への豊富な取材や海外の教育視察を元に、講演活動やワークショップもおこなっており、母親自身が新しい時代をデザ インする力を育てる学びの場「Mother Quest 」も主宰している。公式サイト
2018年09月04日キッズネットサポーター:ゆきこ我が子の中学受験を母親であるわたしが意識したきっかけは、小学校1年生の年度末のテストの点数が思っていたよりも良かったことでした。といっても、そのときにわたしがやったことは家庭学習のための問題集やドリルを、ネットの口コミを参考に探す程度でした。4年生になり、今度は子どものほうが友だちの影響で中学受験をしたいと言い出しました。本気なのかどうか半信半疑でしたが、「たとえ不合格や受験を断念して地元中学校に通うことになっても、勉強をするのはいいことだ」と考えて、通信教育や塾、模試を調べたり、志望する中学校の文化祭に行ったりしました。塾に通わなくても、模試は受けまくる!通塾には消極的だったわたしですが、だからこそ模試は重要と考えました。通塾経験が少ない我が子は他の受験生に比べて実践的に問題を解くことが少ないので、模試こそ実践の貴重な機会になると思ったからです。我が子の実力の把握や、本番の試験会場で緊張しないための場慣れにも役に立つはずです。5年生までに調べた結果、通塾していなくても家の近所の塾に申し込めば、適性検査型では最大手の模試を受けられることが分かりました。しかも、「通塾生の中に、ポツンと外部生がひとり」という完全アウェー状態、場慣れには最高の環境!また、自分自身の高校・大学受験の経験から、1つの会社の模試を年間で通して受ければ試験範囲を網羅できると考えたので、子どもが6年生になったら実践しようと思っていました。全範囲をもれなく問題演習できるので、苦手分野を見つけるのにもおすすめです。受験学年になると、いろいろな出費が増えました。何度も受ける模試の出費も痛かったです。それに、申し込みの手間もかかるし、親子ともに時間もとられます。でも、ここはお金も時間も惜しまない!と決意し、6年生の初回から受験直前まで1つの会社の模試を通して受けました。さらに我が子は私立中学校も受験したいと急に言い出したので、ギリギリ間に合った四谷大塚主催の合不合判定テストを一度だけ受験しました。四谷大塚のほかにも、サピックスや日能研などでも合格判定を行なう模試を実施しています。いろいろな私立中学校が会場となりますので、志望中学校で模試を受ければ、入試の予行練習として最適です。ほとんどの模試では、子どもが模試を受けている間に保護者説明会が開催されます。主催の塾による受験情報に加えて、会場である中学校の紹介も行なわれます。塾の説明会や面談は、情報を引き出す絶好のチャンス!5年生のときにも、何度も模試を受けました。有料のものは1回だけで、あとは全て無料の模試でした。5年生で何度も模試を受けた理由は、これだけは受講させたいと考えていた「志望校特訓」で通う塾を探すためでした。実際に通った塾は、この無料模試を受けた塾のひとつです。塾がなぜ無料で模試を実施しているのか、それは模試を受けた子どもが通塾することを期待しているからだと思います。ほとんどの無料模試では、子どもが試験を受けている時間に保護者向けの説明会を実施し、採点が終わった答案を返却する際には面談を行ないます。「勧誘されると断りにくい」と説明会や面談を敬遠する方もいますが、わたしは「ここで情報を引き出す!いただく!」と気合を入れてのぞんでみました。「カモがネギ背負ってやってきましたよー!」気分(笑)で、志望校や入試問題について、塾に通うメリットについて、気になることは全部聞き出そうとして、実際に、いろいろな有益な情報を入手することができました。塾から得られる情報といえば、毎年2月後半から3月にかけて開催される、その冬の中学入試の報告会も要注目!です。参加費は無料で、その塾に通っていなくても参加することができます。入試問題の傾向や人気を集めた中学校についてなど、その冬にあった中学入試に関わるあらゆることを教えてもらえます。年明けから、開催日時などが発表されますので、是非チェックしてください。合格を目指して受験勉強に励み、入学試験を受けるのは子どもですが、模試を選び受験の情報を入手するといったサポートは、親の大事な役目だと思います。それが「中学受験は親の役目が大きい」と言われる理由のひとつではないでしょうか。「目的を達成するためには、みずから動く。情報はみずから動いて手に入れるもの」という親の姿勢から、子どもが何かを感じてくれたらいいなと、今は思っています。「ガッツリし過ぎは、恥ずかしい」と、反面教師として認識されているかもしれませんが……、それもまたいいかな(笑)。ゆきこ(ゆきこ)40代。夫と長男長女との4人暮らし。食生活アドバイザー2級、食育アドバイザー、幼児食インストラクターの取得の際に、「試験勉強を続ける辛さ」「受験のプレッシャー」を身をもって知りました。毎日、学校で授業を受けて、宿題やテストに取り組んでいるだけでも、子どもたちは精一杯頑張っているとリスペクトしたいです。が、ついガミガミやっちゃいます・・・。
2018年08月29日実際のところ、成績優秀なお子さんたちは、小学校の低学年から一定した学習習慣をキープしているのでしょうか? 一流大学の付属や名門私立など、超難関中学の入学試験に合格したお子さん、そして公立中学でトップの成績をおさめるお子さんのママたちへの聞き込み調査第二弾として「小学校の低学年の時に、公文などの学習系習い事、通信教育はやっていたか?」そして「進学塾へはいつから通っていたか?」という質問を投げかけてみました(第一弾はコチラ)。実際どうなのかを聞いてみた! 公文は?通信教育は?ちゃんとやっていた?第一弾の質問「学校の宿題はやっていたか?」に対して「やらないことはなかった。」との回答がほぼ100%でした。では、公文などの学習系の習い事、通信教育はどうなのでしょう? ざっくばらんに本当のところを聞いてみました。結果…みなさん「こどもちゃれんじ」などの通信教育は幼稚園・保育園の頃からやっていて、進学塾に通うまで続けていたそうです。幼稚園で提携している「計算」や「ひらがな・漢字」の教室に継続して通っていたという回答のほか「公文に通わせていた」という方が多く、なかには「そろばん教室」に通っていたというお子さんも。みなさん、学校の宿題だけではなく、お教室の宿題やドリルを毎日のようにやっていたそうです。もちろん、通信教育や公文をやっていれば、必ずトップの成績や難関中学合格という結果を出せるものではありません。でも、学習習慣がなくて難関私立に合格したという方が「ゼロ」だという事実は、とても興味深いと思いませんか? つまり、幼稚園や小学校低学年の頃からの積み重ねは、難関中学合格実績に大きく関与していることは確かだと言えそうです。中学受験用の塾にはいつから?「中学受験用の塾にいつから通っていたか?」という質問に対して、一番早かったのは小学校3年の新学期からという回答で、多くの方は小学校4年から通われていたようです。小学校5年の新学期からという返答も数名からありました。このお子さんたちは、それぞれ都内一流大学の付属中学に合格されています。そして、先述のように、それまでは公文、または通信教育の中学受験講座を受けていたそうです。つまり、お子さんがすでに学習習慣を持っていて学力を発揮しているのであれば、進学塾に通い始めるタイミングは遅めでも十分であると言えそうです。今回、筆者の娘の同級生に、都内有数の難関中学に合格された方がとても多かったので、その結果からなにか見えるかもしれないと、聞き込み調査をしてみました。もちろん、今回の結果が学習法の正解なのかどうかはわかりませんが、中学受験を考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
2018年08月28日毎日のようにTVで塾のCMを見かけます。高校・大学受験や浪人している人向けだけではなく、最近では小学生の通塾率が増加しています。自分の子どもは通わせた方がいいのか、通わせるならいつからがいいのか。また塾の種類はどんなものがあるのかなど、疑問がたくさん浮かびます。最近の小学生の塾事情はどうなっているのでしょうか。1. 小学生の通塾率とは小学生の通塾率は、平均50%となっていて、都心部に近い程高くなる傾向にあります。その中で、公立小学校に通う小学生の割合は41%、私立小学校に通う小学生の割合は71%となっています。これは、授業内容が公立では比較的易しく塾に通わずついていけるのですが、私立では塾で補強を行わないとついていけないほどハイレベルであるということが一因です。さらに公立に通う子は中学受験をする子どもがそこまで多くないため通塾率も下がります。さらに学年別で見てみましょう。・一年生公立:27%私立51.8%・二年生公立:27.4%私立60.5%・三年生公立:32%私立67.2%・四年生公立:36.8%私立72.7%・五年生公立:40%私立72.8%・六年生公立:49.8%私立76.6%※文部科学省「子どもの学習費調査平成26年」私立では一年生でも半分以上が塾に通っているということになります。公立でも、四年生からはほぼ4割が、六年生には半数が通うようになっています。2. 塾のタイプを知ろう一口に“塾”と言っても、小学生が通う塾には3タイプあります。通わせる場合には目的を持ち、タイプを把握して選ぶ必要があります。 (1) 進学塾中学受験を見据えて、入試問題で点数を取れるようにする塾です。三年生の冬からカリキュラムをスタートする塾が多く、大手進学塾の場合は入塾テストに合格する必要もあります。比較的受講料が高い場合が多いです。(2) 補修塾学校の授業内容を理解し、試験で点数を取れるように指導する塾です。学校の授業についていけない部分があるが特に中学受験を考えているわけではないという場合は補修塾に通うことが多いようです。不得意な教科を強化して教えてくれたり、学校の授業をスムーズに受けられるように教えてくれるので、勉強の楽しさを知ってほしいと思う親が選ぶことが多いです。低学年のうちは補習塾、高学年になるタイミングで進学塾へ切り替えるという場合もあります。(3) 専門塾最近人気が高まっている個別指導塾です。マンツーマンか生徒2~3人という少人数の授業となるため、子どものレベルに合った授業を受けることができます。他の習い事とのスケジュール調整がしやすいというのも利点です。進学塾の中で個別指導コースを設けているという場合も最近ではあります。3. 小学生に塾は必要なの?特に低学年は遊び盛りの時期で、塾に通わせるかどうかは意見が分かれると思います。本当に小学生に塾は必要なのでしょうか?答えは「その子と状況によって異なる」ということで、一概には言えません。● 塾が必要な子・中学受験を考えている・高学年で学校のテストが60点以下中学受験をする場合でも必ず塾が必要というわけではありませんが、難関中学や公立の中高一貫などを考えている場合は入試対策に沿った授業を行ってくれる塾を選ぶことが合格への近道でしょう。また、義務教育である小学校では成績の優劣をつける必要がない為80点前後を取れるようなテストが作られています。そこで60点以下しか取れていないのであれば、中学校でついていけなくなる可能性もあるため、塾で補強を行う方が良いでしょう。● 塾が必要ない子・中学受験をしない・学校のテストで80点前後を取れている・勉強する時間を確保できている塾に通わないとしても、高学年になったら自宅で勉強する習慣を身につけておく方がよいでしょう。ちなみに、小学生に必要な勉強時間は「学年×10分」です。一年生だと10分、三年生だと30分という感じで、最低でもその時間は机に向かう習慣をつけておきましょう。塾が必要かな、と親が思った場合でも子どもの意見は欠かせません。無理やり通わせても長続きはしません。しっかりと親子で意思疎通を行い、意思を尊重しましょう。通わせる時期についても意見は様々ですし本人の意見もあるので一概には言えません。しかし一般的には、受験を行う場合は三~四年生から通うというケースが多いようです。4. 塾選びで聞いておくこと塾に通うとなった場合、塾はどのように選べばよいのでしょうか。まずは塾の雰囲気がとても大切です。気になっている所には必ず訪問し雰囲気を見ましょう。パンフレットをもらいに行くだけでも、雰囲気や対応方法などが分かります。数軒見てみると良いでしょう。気になることは事前に聞いておきましょう。聞いておいた方が良い項目は「月謝」「振替可否」「クラスの人数・クラス分けの基準(集団の場合)」「使用する教材」「宿題の量」「担任制かどうか」「実績」などです。塾側からここまで説明してくれることはそうありませんので、これ以外にも気になることがあれば事前にメモをしてしっかり確認しておきましょう。現在6年生の子がいて塾に通っているママが、今の塾は方針が合わずに変えたいが本人が気に入っているので迷っているという話をしていました。通ってみないと分からない部分もあり、塾選びは本当に難しいと感じます。私の息子は叶えたい夢のために中高一貫校に通いたいと言っています。受験や通塾は考えていなかったのですが、高学年になっても同じ考えでいるのなら四年生くらいから塾に通わせることも考えています。小学校は公立ですが、通塾・受験率が高い学校なので周囲とのバランスも多少は考える必要があるのかなと思います。どちらにせよ、本人の意見も尊重しながら、慎重に考える必要がありますね。
2018年08月03日ウーマンエキサイトで人気連載中のちゅいママさんの記事 「小学生の進学塾通いは“かわいそう”!? 教育ママはつらいよ」 で、進学塾通いに関するアンケートを実施。小学生に「進学塾に通わせること」について、さまざまな意見が集まりました。■子どもの塾通いを考える人が多数今回のアンケートで一番多数だったのが、お子さんを塾に「時期がきたら通わせるつもりがある」と答えた人の37%。そして、実際に「通わせている」と答えた人と合わせると68%にのぼり、塾に通う、通わせたいと考える人が多いことがわかりました。しかしながら、ちゅいママさんのエピソードのように、アンケートでも塾通いしている子に対して「かわいそう」と言われた経験があるママが多く存在。子どもが塾に通っている人が多いなか、なぜ世間からは「かわいそう」と言われてしまうのでしょうか?Q.子どもを塾に通わせてますか?時期がきたら通わせるつもりがある 37%通わせている 31%通わせてない 22%通わせるつもりがない 6%その他 4%■塾に通わせるのはかわいそうなこと?ちゅいママさんが周囲から言われた「塾に通わせるなんてかわいそう」という意見。「勉強ばっかしていないで運動したほうがいいぞ」「子どものうちに遊ばないでいつ遊ぶの」などと声を掛けられたそうです。ちゅいママさんは記事のなかで、「例えば毎週末野球の練習に明け暮れていると聞くと、“健全な子”という印象を誰もが抱きますが、毎週末進学塾で勉強していると聞くと、とたんに違った印象になってしまうのはどうしてでしょう」と、疑問を投げかけます。そんな彼女の声に共感するコメントが、アンケートからは多数集まりました。同じ習い事でもサッカー、野球、水泳などに力を注いでるのと、勉強に力を入れているのとでは、周りからの反応が違うように感じられました。なぜか、塾に行かせてる、勉強をさせていることは「かわいそう」というようなこともよく聞きました。机に向かうことより、体を動かす方が良いと認識されているようで塾通いさせている親としては肩身が狭い思いです。「自分たちが決めたことだから」と心に強く思っていても、どうしてもネガティブに受け取ってしまった言葉にママも子どもも傷ついてしまうことがあります。そんな孤独な気持ちはなかなか紛らわせないのかもしれません。■塾に対してなぜ反対なのか小学生が塾に通うことに対して、反対の立場をとる人はどういった意見なのでしょうか。小学生のうちから、帰宅が22時、それからご飯にお風呂、塾の課題をすませ、寝るのが1時2時なんて話を耳に挟み…。脳も体も成長期するときに睡眠時間が足りないのはいかがなものかと。塾に通うならば、子どもが無理せず、本人が自分の時間を持てる範囲が良いと思います。子どもだってストレスがたまりますから。勉強も大事ですが、友達とのふれあいも大事だと思います。勉強も遊びも、程よくが良いと思います。塾に通い始めたら「塾がないと勉強できなくなってしまう」のでは、と思います。家でもじゅうぶん学校以上の学習はできるかなと。「塾で追い込んで偏差値高い学校に入っても、結局塾に行き続けないと学校の勉強に追い付けないよね」と主人と話しています。塾だけで多感な時期を終わらせてほしくないなと思っています。さらに、身体を動かすことについては、スポーツ系の習い事までする必要はないけれど、「やったほうがいい」という意見も。勉強は基礎が大事だと思うので、必要であれば塾など活用して勉強ができる環境を作ってあげることは大切だと思います。ただ、外で遊ぶことは丈夫な身体を作ったり心身ともに成長する上で大切だと思うので、バランスよくできるのが理想だと思います。子どもの個性や環境など難しいとは思いますが。塾に対して否定的というよりは、「適度に勉強と運動、そして遊び、睡眠といったことが子どもの成長には必要」という考えを持っている人が多いことがわかります。■子どもと親にとって、塾の利点とは?一方、塾に通わせているママや、これから塾に通わせたいと思っているママは、どんな部分に「塾の利点」を感じているのでしょうか。また、どのような目的や位置づけで利用しているのでしょうか。都内在住、1人娘で現在5年生。私とダンナの意見はまったく違います。私は中学受験する、しないに関わらず、高学年になったら塾に通わせる考え。ダンナと意見が衝突して勝手に塾に申込み通わせて早2年目に。娘は、学校とは違う環境で学べて、目標を持っている人と関わるのことで刺激があって楽しそうです。成績上昇の成果は出ていないですが。最初は勉強でつまずくと学校がつまらない場所になってしまうから、「わからないを作らない」を目的に始めました。わからないがなくなると、子どもは「もっと先へ行くとどうなるんだろう?」と興味があることは「自分のわかる範囲で突き詰めよう!」に変わっていきました。勉強をさせるために通わせていると思われがちですが、わからなくてつまらない学校の授業をずっと受けている子どもたちの方がかわいそうだ、と私は思います。うちは転勤族で都会と田舎をいったりきたりしています。子どもがこれからの人生を選択するときの選択肢を狭めないためにどこの町に行っても一定の学力を保つために学習塾を役立てたら良いなと思います。上記以外にもママの考える塾のメリットは次のようなものがありました。・他人に合わせず自分のペースで勉強を進められる・ほかの学校の友だちができ、学校以外に世界を広げられる・学校の勉強のフォローができる塾に通わせる理由は、「中学受験」だけが目的ではないようです。■塾通いを躊躇してしまう理由塾通いに魅力を感じるものの、行かせることを躊躇(ちゅうちょ)するという意見もありました。子どもの体力と、送迎する私の体力、下の子とのバランスの取り方ができるか心配です。塾に通うこと自体は、中学受験をするなら必須だと思うので、かわいそうとか言っていられないですよね。今小3です。地域的にまわりのお友だちはほぼみんな中学受験をする予定で塾に通っている。けれど、うちは経済的な余裕がなく通わせてあげられないし、中学受験もさせてあげられない。「中学受験しない子はまともな人生歩めない?」みたいな気分になってしまって、子どもに申し訳なく思ってしまいます。塾に通わせてあげられる家庭がとてもうらやましいです。小学生の塾通いはお金がかかるだけでなく、送迎や子どもへのフォローなど、親の負担がかなり大きく、そのため行かせるのを迷うママも多いことがわかります。なかには「塾開始の年齢を遅らせる」、「家庭で勉強をフォローする」といったことで家計、ママ、子どもの負担を少しでも減らすことを考えているママも。小学生の塾通いは子どもだけではなく、親もそれなりの覚悟を持って臨まないと続かないのかもしれません。■塾に通わせることになったキッカケ塾通いをいつから開始するかも悩むところ。実際に子どもを塾に通わせているママは、どんなキッカケで始めたのでしょうか? また、塾を始めようとしているママはどんな見通しを立てているのでしょうか。小2の算数でつまづき始め、私も本人も「これじゃいかん!」と思った矢先だったので、やる気のあるうちに始めました。私自身が算数が本当に苦手だったので、通わせて良かったと思うことが多々あります 最近の小学校の算数は昔より考える記述式が多く、また中学校の内容を6年生でやるので難易度が上がっています。わからなければ先生に聞けるし、お友達と競いながら成長できるからメリットはたくさんあると思います!うちの地域では、小学4年生にもなると塾に通い出す子がたくさんいるようです。とくに中学受験するわけではなくてもみんな通わせていたりします。わが家はいま小学2年生の子どもがいて、中学受験も視野に入れているので後々塾に通わせようと思っています。私の意見としては、最近の子は習い事の数がとても多いなぁとは感じています。今回のアンケートで意外に多かったのが、「本人が希望したら行かせる」という意見。「本人がやる気にならないと…」という思いがあるようです。一方で塾通いに関しては、子どもの勉強の様子を見て「わからないことが増えてきたな」と感じたタイミングや、中学受験を見据えた時期に、「親が決める」という意見も。親が決めることに難色を示す人もいるなかで、一番子どもの様子をわかっている「親が必要と判断したら必要だと思う」という意見もありました。もちろん、塾に行ってみて本人がどうしてもイヤな場合は、子どもと話し合うことが必要となってきます。塾の何がイヤなのか。ほかの塾ならいいのか。ちゅいママさんの長男くんのように、「最初はイヤがったのに、楽しくなってきた」ということもあります。よく子どもの様子を見ながらどうするか家族で考えていけたらいいですね。■「かわいそうかどうか」は誰が決める?アンケートをとおして、小学生の塾通いについてはいろいろな意見があることがわかりました。しかし、ママたちを悩ませるのは、「賛成」「反対」といった白黒ハッキリと分けることができるものではないようです。塾に反対だからといって、それは「勉強することに反対」なのではありません。塾に通うことで生活リズムが崩れるのではないか、子どもが好きなことをする時間がなくなるのではないか、といった心配が“かわいそう”という言葉に結び付いているようでした。塾通いが結果的に良かったかどうかは、今すぐに結論が出るわけではありません。子どもがかわいそうかどうかは、周りが決めることではない。幸せかどうかの基準がそうであるのと同じで、周りの反応は気にしません。私は、習い事(スイミング、そろばん、習字、ピアノ)に行き、学習塾に2ヶ所通っていましたが、そんなに嫌ではなかったですし、いまでは感謝しています。自分で行きたいと言ったから、行きたくないときも休ませてもらえませんでした。でも、継続する事の大切さ、自分の責任というものがよくわかった気がします。子どもの頃の私からすると、塾に行かせてもらえるなんて、うらやましいです。もしかしたら、きちんと親に気にかけてもらえる、将来を考えてもらえている、それが一番うらやましいのかもしれません。教育ママと言われようが、ガリ勉に見えようが、家族が笑って幸せに暮らしていることが、一番良いことだと思います。いろいろなことがあっても、自分を嫌いにならず、家族のことも大好きであれば、他人からの意見は気にしなくてもいいと思います。親も子どもも迷ったり悩んだりしながら、前に進んでいくんだと思います。周りからの意見によって悩んでしまったとしても、子どもの気持ちや夫との方針をすり合わせながら、それぞれの家庭ならではの方向性をもっていけばいいのではないでしょうか。「何を」「どういった手段で」がんばるのか。子どもの個性も、親の考え方も、それぞれ違っていてあたり前で。それを忘れずに、相手に寄り添い意見も参考にしつつ、適度な距離感で付き合っていけるといいですね。Q.子どもの塾通いについて、ご意見があれば教えてください回答数:92(アンケート集計期間:2018/7/12~2018/7/15)
2018年07月26日社会福祉士とは出典 : 社会福祉士とは、身体や精神の障害などにより、日常生活を送ることが困難な方を支援する専門職で、別名ソーシャルワーカーとも呼ばれます。相談や指導などの直接的な支援に加え、福祉・医療サービスとの連携などの間接的な支援も行います。また、社会福祉士は「社会福祉士及び介護福祉士法」に定められた国家資格です。福祉系の大学で指定科目を履修するなど、指定の受験資格を満たした上で国家試験に臨み、合格してはじめて社会福祉士を名乗ることができます。介護福祉士、精神保健福祉士とともに国家資格として認められ、社会福祉分野の高い専門性をもつことを表す資格です。社会福祉士は、同法に基づく名称独占の国家資格であり、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者をいう。(厚生労働省「社会福祉士の概要について」より引用)社会福祉士は、医療・福祉の専門知識によって、困っている人を支援できる仕事出典 : 社会福祉士は、相談に来る方が「どのように困っているのか」を丁寧にヒアリングし、困っている状況を解決する手立てを提供します。一人ひとり症状も困りごとも違い、解決の手立ては多岐に渡るため、医療や福祉に関する専門知識を要します。ですが、専門知識があるからこそ、多様なニーズに応えることができます。相談者の相談に応じ、アセスメントを通じて一緒に解決方法を探ったり、必要な支援機関につなげたりすることで、相談者が生活の安心を得たり、目標へ向かって前進するための支援をします。社会福祉士の資格取得試験出典 : 社会福祉士の資格・試験について詳しく見ていきましょう。まず、社会福祉士の資格は名称独占の国家資格ですので、国家試験に合格する必要があります。名称独占というのは、資格を得た人のみが肩書きとして名乗れるタイプの資格です。つまり社会福祉士の資格を取った人だけが、社会福祉士を名乗れるということです。社会福祉士国家資格試験は筆記形式で年1回(例年1月の下旬)実施され、出願は9月ころから始まります。出題範囲は相談援助や制度についてなど合計19科目になります。試験の合格率の推移や、受験者の属性を見てみましょう。平成30年に実施された第30回社会福祉士国家試験を受験した4万3,937人のうち、合格者数は1万3,288人でした。合格率は約25%〜30%程度で、受験者の3分の1程度が男性、3分の2程度が女性となっており、20代の受験生とそれ以外の世代の受験生で約半数ずつとなっています。今では、20万人以上の方が、試験を合格し社会福祉士の資格を持っています。出典:厚生労働省「第30回社会福祉士国家試験合格発表」社会福祉士国家試験の受験資格出典 : 社会福祉士国家試験を受けるためには、法律に定められた受験資格を満たす必要があります。受験資格取得のルートは、学ぶ場所や履修科目、実務経験など以下の4項目の組み合わせによって12種類あります。・福祉系大学・福祉系専門学校履修科目・一般大学履修科目・実務経験・社会福祉主事養成機関福祉系大学などで4年間学び、18の指定科目を履修した場合、そのまま受験資格を得られます。その他どんな教育機関で学んだか、指定科目・基礎科目の履修状況、実務経験の長さなどによって、養成施設に通う必要の有無や学ぶ期間が決まります。養成施設は短期: 6ヶ月以上、一般: 1年以上に分かれ、通信課程のところも多いようです。実務経験のみで教育機関での指定科目・基礎科目の履修がない場合も、更生相談所などの指定機関での実務経験が4年以上あれば、一般養成施設を経て受験資格を得ることが可能です。まずは自分がどこに当てはまるか、履修・実務状況を確認してみてください。受験資格別に受験者数の割合を見てみると、第30回の福祉系大学等卒業者(養成施設が不要だった方)は57.3%(7,617人)、養成施設卒業者は43.3%(5,670人)でした。社会福祉士を目指すまでの背景が多様であることが読み取れます。参考:厚生労働省「社会福祉士の資格取得方法」参考:厚生労働省「第30回社会福祉士国家試験合格発表」社会福祉士国家試験に向けた勉強方法出典 : 社会福祉士になるためには、相談者を支援するための専門知識を身につける必要があります。そのため、社会福祉士国家試験では幅広い知識を問われることになります。前章で触れた通り、受験する人のキャリアや生活背景はさまざまなので、各自のスタイルに合った勉強法を選ぶことが重要です。ここでは、選択肢のいくつかをご紹介いたします。特に、福祉系の大学を卒業した時点で受験資格を得られる方などは、卒業を間近に控えた時期に国家試験を受ける例が多いかと思います。通っている大学で受験に向けた講座や試験対策の講義などがある場合もあります。自分で教材選びから、学ぶスケジュールまで自由に決めることができます。科目や学習量を自身で選び調整したい方、仕事の隙間を縫って学習する必要がある方などは、学習を続けやすいかもしれません。一人で学ぶのが難しい箇所は、短期講座や模試の併用で補うことも可能です。家で自由な時間に学べる点は独学と同じですが、教材やカリキュラムが用意されています。試験科目を網羅的に学べ、専門家による添削システムがある場合が多いので、家にいながら学校に通っているような学習サポートを受けることができます。資格取得対策スクールなどが実施している受験直前講座や季節講座などを利用する手段もあります。最近では、WEBで受けることができる講座も用意されています。講座の選び方によっては、試験の傾向や解法のコツなど、実践的な知識を学ぶことも可能です。社会福祉士国家試験の模擬試験では、本番に近い試験内容・環境を経験できます。模擬試験を受けることで、学習の進捗を確認するとともに、試験会場の雰囲気に慣れておくことも重要です。社会福祉士の就職出典 : 社会福祉士の就職先は多様です。福祉施設、医療施設、教育施設に分類されることが多いですが、それぞれの施設の中にもたくさんの種類があります。近年、司法分野、ひきこもり支援などの関連分野にも社会福祉士の活躍の場が広がっています。社会福祉士の資格がなくても就職できるところもありますが、福祉分野の行政機関や社会福祉施設、事業所など、社会福祉士が任用要件や必置規定として定められているところも少なくありません。例えば地域包括支援センターでは社会福祉士を必ず置かねばならないと定められています。有資格者として、相談員や管理者、施設長などの職につくこともできるなど、より任用のニーズが高くなることもあります。就職先を選ぶときには、どういうことに困っている人を主に支援したいのかを考えておきましょう。社会福祉施設・児童福祉施設ー障害児通所施設(児童発達支援事業、放課後等デイサービスなど)、児童養護施設など・老人福祉施設ー養護老人ホーム、老人福祉センターなど・障害者支援施設ー各種障害者支援施設、地域活動支援センターなど医療施設・医療機関(医療ソーシャルワーカー)教育施設・学校(スクールソーシャルワーカー)参考:厚生労働省「平成28年社会福祉施設等調査の概況」社会福祉士の資格を使って働きたいと思った場合、実際にどのような行動をすればいいでしょうか。求人を探す方法をいくつかご紹介します。・ハローワーク(公共職業安定所)を利用する厚生労働省が運営する職業安定施設です。お住いの地域のハローワークに直接足を運んでも構いませんし、インターネットサイトを利用することも可能です。地域に根ざした情報が多く、サポートも丁寧です。ハローワークインターネットサービス・求人情報誌求人情報誌で探すことができます。こちらも地域に根ざした情報が掲載されている傾向があります。・新聞新聞の求人欄をチェックする方法もあります。地域に根ざした情報、新聞でのみ掲載している情報などがあります。・転職エージェント経歴や適性、働き方の希望に合わせ、転職のプロが就職先を提案し、活動の一部を代行してくれます。転職エージェントを行なっている企業は複数あるので、自分に合うエージェントを探し、インターネットから登録する流れが一般的です。・インターネット求人サイトインターネットの求人サイトは多数あり、情報量も多いです。求人の種類・量はサイトによってさまざまですので、希望に近い求人を多く扱っているサイトを探してみましょう。発達ナビの求人検索サービスからは、児童発達支援事業所・放課後等デイサービスの求人情報を地域別・職種別に検索することができます。ハローワークのサイト社会福祉会の求人ページ発達ナビの求人ページ(児童福祉施設)社会福祉士の具体的な仕事内容出典 : 次に、実際に社会福祉士として働く方の様子を見ていきましょう。社会福祉士の就職先は、障害者施設や児童福祉施設、医療施設など幅広く、多方面から社会的な困りごとを抱えている方を支援しています。ここでは、地域住民の福祉に関する相談窓口である、地域包括支援センターで働く社会福祉士の一日のスケジュール例をご紹介します。8:30…出勤。朝礼。1日のスケジュールを確認。相談者情報の引き継ぎなども行います。9:00…地域の方からの電話相談。悩み事を聞き、支援センターでできるサービスの説明などをします。10:00…相談者宅を訪問。本人や家族と、最近の様子を確認したり、今後の支援の方向性を相談します。悩み事に耳を傾け、助言、関係機関の紹介連携まで、幅広い支援を行います。12:00…昼休み。13:00…市役所訪問。関係機関の連携担当の方と会い、紹介した相談者の現状報告を受けます。15:00…センターで相談者の方の来所対応。先日、電話で相談をくれた方と約束の日時です。初回はより丁寧に悩み事に耳を傾け、信頼関係を築いていきます。16:00…定例会議に出席。さまざまな専門職の方の意見を取り入れながら、支援方針をブラッシュアップしていきます。17:00…デスクワーク。公的書類の作成、夜勤者への引き継ぎ準備等を行います。18:00…退勤。働く施設や業務内容などによって違いはありますが、相談者の方やその家族とのやり取りや支援、関係機関連携、必要書類の作成などが主な業務です。社会福祉士と介護福祉士・精神保健福祉士との違い出典 : 「社会福祉士」、「介護福祉士」、「精神保健福祉士」の3種類の福祉に関する国家資格(名称独占)は三福祉士と呼ばれています。いずれも困りごとがある相談者の支援を行う資格ですが、支援対象者や支援方法が異なります。違いを知っておきましょう。社会福祉士は、身体・精神に障害がある方、日常生活を送るのが難しい方に対し、相談・助言・指導・関係機関連携などを行います。支援対象者は幅広く、日常生活を送るのが難しい状態であれば、障害や病気などの種類などは問いません。支援内容に関しても、相談・指導などの直接支援から、関係機関連携までの幅広いものですが、医療関係の行為が含まれていないことがポイントです。参考:厚生労働省「社会福祉士の概要について」介護福祉士は、身体・精神に障害がある方、日常生活を送るのが難しい方に対し、介護(喀痰吸引などの医師の指示に基づくもの)を行います。支援対象者は、社会福祉士と同様に、日常生活を送るのが難しい状態であれば、障害や病気などの種類などは問わず、幅広いですが、支援内容が医師の指示の元に行われる、喀痰吸引などの介護となり、社会福祉士と比べより介護への専門性が高いサポートです。参考:厚生労働省「介護福祉士の概要について」精神保健福祉士は、精神に関する医療機関や福祉施設を利用している方に対し、相談・助言・指導・日常生活への適応のために必要な訓練などを行います。資格名にも表されていますが、支援対象は“精神”に関する医療機関や福祉施設を利用している方です。支援内容は相談・助言・指導から、日常生活への適応のために必要な訓練などで、介護行為は行いません。参考:厚生労働省「精神保健福祉士について」「社会福祉主事」との違い出典 : 社会福祉士と似た名称の資格に「社会福祉主事」があります。社会福祉士と名称は似ていますが、資格の種類が異なります。まず、社会福祉士は“名称独占の国家資格”であり、この試験に合格するレベルの知識・経験を有したものが「社会福祉士」という肩書きを名乗るに値する、国が定めた資格になります。一方、社会福祉主事というのは、国の福祉施設などで現業員(訪問・面接・調査・生活指導などを行う)などとして働く際に必要な資格です。資格区分としては「任用資格(その職種につく場合に取得が必要な資格)」であり、国の福祉施設などでは設置義務がある職種です。社会福祉士の資格そのものが、社会福祉主事の任用資格を満たしているため、社会福祉士の方は別途科目を履修する必要なく、国の福祉施設の現業員などの職種に就くことが可能です。逆に社会福祉主事の資格を持っているだけでは、“社会福祉士”と名乗ることはできません。それぞれの違いを理解し、自分が必要としている資格が「社会福祉士」なのか「社会福祉主事」なのか、両方なのか明確にしておきましょう。出典:厚生労働省「社会福祉主事について」まとめ出典 : 社会福祉士は、病気や障害などの理由で困りごとがある方を支える、非常に大切な職業です。資格取得までに学習や経験を必要とするため、難しく感じてしまうかもしれませんが、間近で相談者の方の笑顔や成長を見ることができ、人の役に立っているという実感を得やすい職業ではないでしょうか。また国家資格であり、様々な相談機関や福祉施設などで設置義務が盛り込まれていることから、社会から常に必要とされている職業ともいえます。社会福祉士の方が増えることで、一人でも多くの方が支援と繋がりやすい社会が作られていくといいですね。
2018年07月07日「ちょっと勉強してみようかな」、「何か資格でも取ってみようかな」。ふと芽生える気持ち、ありませんか?でも家事育児に忙しく、結局何もせずに過ぎてしまう…。そんなママにお勧めしたい、ちょっと珍しい「調味料検定」。第1回の中上級(名人)合格者でもある筆者が紹介します。「調味料検定」ってなあに?「調味料検定」は、しょうゆ・みそ・酢・塩・砂糖など、調味料の種類や効果、活用法、文化や歴史にいたるまでを網羅した検定試験。今年9月に第3回を迎えるこの検定は、誰でも受験可能で、会場は東京・大阪・名古屋の3カ所。初回の協力企業が成城石井(第3回は北野エース)ということもあり、受験者には食品業界の方も含まれていたようですが、受験会場には、まさに“あんふぁん世代”の主婦層も見受けられました。“通”(初級)・“名人”(中上級)の2レベル制、合格すると立派な賞状がもらえます。予想以上に大きかった3つのメリット「資格を取る」という目的以外に、この検定を取得して得たメリットを紹介します。1)料理の腕があがること間違いなし料理のキーポイントととも言える調味料。正しい知識を持って使うと、素材を生かしたおいしい料理に仕上げられるようになります。また、調味料というとその"味"ばかりに注目しがちですが、もうひとつ大切なのは、その"効果・効能"。いわゆる「さ・し・す・せ・そ」の順番は、調味料の基本特性を反映したもの。調味料検定の勉強をすれば、食材を早く柔らかくしたい、上品な照りを出したい、そんな時のベストな使い方をマスターできるようになります。おうちの料理が格段においしくなって、家族みんなが笑顔に。2)家事効率アップが実現できた塩・酢や麹などの調味料をうまく使いこなし、下ごしらえの効率化や保存食の活用ができるようになって、料理の時短に成功。勉強したことよって、こういう改善が実感できるのはとても嬉しいこと。浮いた時間に、ご褒美のコーヒータイムができました。3)調味料の細かな違いを説明できるようになった幼い頃、母とスーパーで買い物中、本みりんを探していた母に、「あったよ~!」とボトルを抱えていった私。でも、「これはみりん風調味料、本みりんとは違うの。ほら、お値段も違うのよ」と、さらりと言われてがっかりした記憶がよみがえってきました。当時は「え?何で?」とほとんど理解できませんでしたが、このテキストを読んで納得。他にも、干ししいたけの「どんこ」と「香信」の使い分け方、市販のコーヒー飲料の「無糖」「低糖」「微糖」の表記基準などまで、知っていそうで実は曖昧な認識も正しく説明できるようになりました。試験が終わってもずっと愛用できる「公式テキスト」受験対策は、よくまとまった内容のテキスト一冊のみで対応可能。調味料に関するトピックスやコラムも充実していておもしろいです。コンパクトなA5サイズで持ち運びも楽々。子どもの習い事を待っている間や小児科の待ち時間など、すきま時間を有効活用しましょう。試験に合格した後も、ずっと手元においておきたいと思うほどお気に入りの本。キッチン脇において料理中にちょっと見返したり、家庭の本棚に置いて実用本として共有しても良いですね。娘にも引き継いでいきたい一冊です。ママ業に役立つ資格は他にもたくさん!忙しい子育ての合い間にも、資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。<文・写真:フリーランス記者石川友美>
2018年05月04日自立が求められる大学生活...発達障害の傾向がある大学生が直面する問題とは?受験勉強を終え、待ちに待った大学生活。入学直後は新歓期で食事会に誘ってもらえたり、クラスの友達ができたりと楽しいことも多いですが、新たな環境の変化にともなって、さまざまな悩みも生じてくる時期です。高校までは先生や保護者が学業や生活を指導してくれますが、大学入学後はひとり暮らしが始まったり、履修登録をしたりと、自分で自分を管理する度合いが増えていきます。それに伴って発達障害の傾向がある学生は、履修計画が立てられない、対人関係がうまくいかない、講義ノートがうまくとれないなどの困難に直面してしまいがちです。その結果、大学に通うのが億劫になってしまい単位の取得が難しくなったり、気分が落ち込んでしまいうつ病などの二次障害が生じてしまう可能性もあります。このような深刻な状況におちいる前に、身近なところで悩みを解決できればいいですよね。今回は学生にとってはもっとも足を運びやすい相談機関であり、学生生活をサポートするために設置されている学生相談室について紹介します。学生相談室ってどんなところ?出典 : ほとんどの大学において、学生相談室や学生相談センターなどの名称のもとに、学生が困ったときに相談する機関が設けられています。今回は、こうした学内の相談機関について説明していきます(以下、学内の相談機関を「学生相談室」と統一表記します)。学生相談室では、履修関係の困りごとなど学内のことだけでなく、勉強の仕方や恋愛の悩みごとまで、さまざまな困りごとに対応してくれます。障害の有無に関係なく、学生なら誰でも相談可能です。大学によっては臨床心理士や弁護士による無料相談を行っているところもあります。学生相談室の特長としては、基本的にはキャンパス内にあるため公的な相談機関や病院などと比べると足を運びやすいこと、無料で相談できること、多くの学生の悩みに対応してきた蓄積があることなどが挙げられます。合理的配慮とは、障害のある人が障害のない人と平等に人権を享受し行使できるよう、一人ひとりの特性や場面に応じて発生する障害・困難さを取り除くための、個別の調整や変更のことです。合理的配慮の提供は「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(通称「障害者差別解消法」)により、国立大学では義務、公私立大学では努力義務となりました。そのため、発達障害の傾向やその二次的障害による困りごとがあり、大学側になんらかの合理的配慮を求めたいときは、その窓口としてまず学生相談室に相談することをおすすめします。場面別の困りごとと、学生相談室の対応例出典 : ここでは、日本学生支援機構が公開している情報をもとに、発達障害の傾向のある学生が直面するよくある困りごとと、学生相談室の対応例を場面別に紹介します。■進級・卒業のための適切な履修登録ができない【対応例】優先度の高い必修などの講義から優先的に割り当てていくようにそのつど指導をする■無理な時間割を組んでしまい、結果的に講義に出られなくなってしまう【対応例】支援担当職員などが余裕をもった時間割を組むようにアドバイスをする■文字を読むのが困難【対応例】資料の電子データを提供する■文字を書くのが困難【対応例】パソコンの持ち込みを許可する■講義に注意を向け続けること・ノートとることが困難【対応例】講義の録音を許可する、配布資料の受け渡しをする■講義に遅刻してしまう【対応例】ビジネス手帳などの手帳、スマートフォンのスケジュール管理機能やアラーム機能の利用などによる時間管理スキルを指導する■文字が読めない【対応例】試験時間を延長する、問題文の電子化をする■文字が書けない【対応例】パソコン筆記での解答を許可する、口述試験に変更する、レポートなどの代替課題を出す■試験日時を間違える【対応例】個別に注意を喚起・伝達する■期限までに課題提出できない【対応例】提出期限を延長する■試験中に集中できない【対応例】別室受験を許可する■自分に必要な支援を説明できない【対応例】本人の同意のもと、どのような支援をどのように要請すると良いのかを指導する■サークルや下宿での人間関係に問題が生じる【対応例】本人の同意のもと、障害を公表し周囲に理解を求める。カウンセラーなどによる心理カウンセリングをする■その他日常生活で生じる問題【対応例】定期的な面談を継続することで、カルト被害や健康管理などが適切に行われているかを確認する。学外の専門家や発達障害者支援センターなどの専門機関を紹介する。保護者との連携をする参考:「教職員のための障害学生修学支援ガイド(平成26年度改訂版)」(PDF版)|日本学生支援機構HP以上の対応は、あくまで対応例であって、全ての大学で同じように対応するとは限りません。必要な支援や具体的な方法は一人ひとり違います。また配慮をする側にも人手が足りなかったり、金銭的資源に限界がある場合もあります。過度な負担とならないよう、実現可能な配慮を検討していく必要があります。そのため、具体的にどんな合理的配慮が必要かつ実現可能か、本人と周りの人たちが対話をしながら決めていくことが大切です。配慮を求めるにあたって、障害者手帳や医師の診断書などの根拠資料を提出すると支援がスムーズです。とはいえ、根拠資料がない場合も配慮が受けられることもありますので、まずは学生相談室に相談してみましょう。その他、具体的な対応例については以下のリンクで確認できます。参考:発達障害・LD及びADHD|日本学生支援機構HP学生相談室以外の相談場所出典 : ■障害学生支援課大学によっては、障害学生支援課などの名称で、障害がある学生の対応に特化した機関がある場合があります。学生相談室のなかに組み込まれていることも、学生相談室とは別に設置されていることもあります。もし、ご自身に発達障害の傾向があり、所属する大学に障害学生支援課が設置されている場合は、より専門的な支援を受けられる可能性があるので、こちらに相談されることをおすすめします。■地域の発達障害者支援センター発達障害者支援センターとは発達障害のある子ども、大人、またその関係者をサポートするための専門機関です。現在は全国に67のセンターがあり、保健・医療・教育・福祉などの機関と連携を取りながら、発達障害のある方やご家族からの相談に応じています。以下のリンクから、全国の発達障害者支援センターを検索できます。相談窓口の情報/#_928リンク:相談窓口の情報|発達障害情報・支援センターHP発達障害者支援センターについての詳細は以下の記事をご覧ください。■学生団体大学によっては、障害がある学生が集まるコミュニティやサークルがあることも。当事者ならではの目線からアドバイスしてもらえます。学内にそのようなサークルがあるかどうか、サークル一覧の冊子や学生相談室に聞いて探してみるのもひとつの方法です。参考までに、大学生の発達障害当事者コミュニティBeU(ビーユー)では、発達障害の当事者の交流会や啓発活動、勉強会を行っています。Upload By 発達ナビ編集部参考:誰もが個性を最大限発揮できる社会を作る|BeU HP参考:BeU@大学生発達障害当事者コミュニティただし、当事者団体等のコミュニティの中には、マルチ商法などの勧誘目的の団体が混ざっている場合もあり、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあります。少しでも違和感を感じたら、学生相談室や周りの人に相談してみましょう。■患者会・当事者会同じ病気や障害がある人たちが集まり、情報交換や交流などの活動を行います。悩みの共有や症状への対処法などをシェアできる場は、精神的な支えにもなります。医師や発達障害者支援センターが患者会を紹介してくれることもありますが、インターネットで探してみてもよいでしょう。■LITALICO発達ナビ内のQ&Aページやコミュニティコーナー当サイトのQ&Aページでは投稿者の一つひとつの相談に対して他のユーザーさんから回答が集まります。コミュニティコーナーでは、共通点のあるユーザーが集まり気軽に色々な話題で話ができます。ご自身のアカウントをつくることで、無料ですべてのページを閲覧できます。発達ナビ|コミュニティまとめ出典 : 自発性が急に求められるようになる大学生活にとまどう方も多いのではないでしょうか?学生相談室では、なんとなく漠然とした不安があるけれども自分では説明が難しいという場合でも、その旨を伝えれば自分が一体何に困っているのか、どうすれば解決できるのか一緒に考えてくれます。まずは足を運ぶことが、解決に向けてのきっかけにもなりますので、悩みごとがあるときは学生相談室に相談してみましょう。
2018年05月01日Upload By 楽々かあさんこんにちは。『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』著者、楽々かあさんこと、大場美鈴です。まずはご報告。うちの「あの」長男が、無謀にも約一年間の自宅学習で中学受験に挑戦し、第一志望の中高一貫校に無事、合格しました!小学校時代、字を書くのが苦手で、ノートもロクに書けなかった長男。漢字は何回書いても覚えられないし、得意なハズの算数もミスばかり。折角やった宿題は提出し忘れ、持ち帰ったテストはくっちゃくちゃ!成績表はC評価の「がんばりましょう」ばっかり…。そんな発達凸凹男子の彼の強い希望が叶ったこと、そして、受験勉強をきっかけに「おれ、勉強好き〜」と、今は言えるようになったことが、私は何より嬉しいんです。今回、親子で一緒に歩んだ日々を振り返りながら、「みんなと同じ」学び方が合わない子や、発達凸凹の差が大きい子が「勉強が好きになる」勉強法…そして、しんどい時期の乗り切り方などを、息子にインタビューを敢行!前・後編の2回に分けて、彼自身の言葉で語ってもらいました(文責・インタビュアー:製造責任者・母)。好きなことを入口にした、ボクの勉強法出典 : かあちゃん(以下、母):まずは、第一志望合格おめでとうございます。長男・◯太郎(以下、長男):Thank you!母:(笑)じゃあ、まずは志望校に合格した、今の素直な気持ちは…?長男:1つは嬉しいという気持ち。もう一つは「勉強大丈夫かなぁ」という不安もある。母:なるほど、中学での勉強に対する不安もあるんだね。第一志望の学校、すごく気に入ってたけど、どういうところが良かったの?長男:教育に新しい方法を取り入れてるトコと、明るい感じがしたこと。あと、おれの好きなカレー屋さんが近くにあったから!母:…いや、確か校則で「買い食い禁止」だから、まっすぐ帰ってネ(汗)。でも、かあちゃんも、小規模校でチャレンジ精神を大事にする校風だし、全校でICT導入済みで、すごくキミの個性にピッタリだと思う。自分に合った学校への希望が叶って、本当に良かった。Upload By 楽々かあさん母:じゃあ、具体的に勉強のことを聞くよ。キミは受験勉強を始めたのが正直かなり遅かったけど、そこからすごくがんばれたし、勉強楽しそうになったよね。「勉強ができるようになった」「楽しくできるようになった」その理由は…?長男:…とにかく歴史が楽しかったから。歴史に興味を持てたのは、かあちゃんが買ってくれたPCゲーム「信長の野望」とかがきっかけで!母:(笑)ソレだね。キミは元々PCゲーム大好きだから、「信長の野望」にすぐハマったよね。自分の好きなことからまず入っていって、そこから他の勉強にも広がっていったね。長男:他の普通のゲームでも、例えば、おれが前から大好きな「マインクラフト」でも、世界遺産の歴史的な建造物を再現して作ったりすれば、それは立派な学習になる。母:なんでも工夫次第で活かせるよね。それに、自分の好きなことや興味のあることだと、結構集中できるかな?長男:うん!母:でも、これだけだとゲームで遊んでるだけになっちゃうでしょ?ただのゲーム好きな子が「もっといろんなことを知りたい」って思えるには何が必要?長男:やっぱり、最初のうちは、興味を持てそうなところからやって…興味の輪を広げる!母:「興味の輪を広げる!」いい表現だね、これ。長男:おれは、歴史で興味を持ったけど、これはあくまで一例だから。例えば、算数の分数が好きな子もいれば、理科の元素記号とかが好きな子もいる。だから、まず自分の好きなことからやる!それで、自分の形に合うものからはめていく。母:ほうほう、ちょっとイメージを図に書いてくれる?Upload By 楽々かあさん長男:それぞれの子でいろんな形と穴があって、自分の持っているピースもそれぞれ違うから。だから、自分の好きなものから、ドンドン順番にはめていって、そして最後に、最初はあんまり興味持てなかったことも、埋めていくっていうか…。母:好きなものが広がると、興味も広がっていくよね。キミの場合は「信長の野望」が入り口で、そこから歴史全体が好きになって…長男:そう、戦国時代から…次が同じ武士つながりで、室町・鎌倉・幕末と明治維新とか、プラス江戸時代とかって感じで、次に日本の地理とか…。最初は1コだった「勉強の拠点」が、どんどん広がっていって…。母:なるほど!「信長の野望」と同じで、自分の拠点が増えて領土が広がっていくんだね。まずは歴史を一国制覇したら、地理でも「信濃川」「越後平野」とか、旧国名に因んだ地名は自然と覚えちゃうし、戦国モノは漢字もいっぱい出てくるもんね。長男:そう、漢字も見慣れる。社会を制覇したら、他のところにも勢力を広げる。母:興味が持てれば、勉強は全然苦にならない?長男:うん。母:でも、やっぱり問題集解いたり、「墾田永年私財法」とか覚えることも必要でしょ?(笑)それも嫌じゃない?長男:うん!興味持てれば!「マインクラフト」公式サイト「信長の野望」30周年記念サイト:GAMECITY(コーエーテクモゲームス)Upload By 楽々かあさん母:あとは「体験する」っていうのが、大事だよね。長男:そう!実際に見て、やってみる!まずは、地元の城とか、近所の郷土資料館とかでもいい。それで、実際に体験したら、思ったことをまとめる。ただ見ただけだと「楽しかった〜」で終わっちゃって、ただの観光になっちゃう。母:じゃあ、更にそれを勉強に活かすにはどうしたらいいの?長男:家族に「こういうところが面白かったんだよ」って話す!これだったら家族も、お土産より喜ぶ。母:人に話すって凄く大事だね、アウトプットするの。長男:そう、ノートに絵を入れて描いたり、家族に話して、外側に自分の考えをまとめる。母:実際に甲冑着てみると「もし戦場に出たら、こんな凄い重いのを着て、素早く動けないな」みたいなことも分かったよね。長男:映画だと、普通に歩けているように見えるけれど、あれはプロだから。それか、軽い素材でできてるのかも。実際の戦国時代で身軽に動けてるのは、相当鍛えてるからだと思う。だから、「実際どうなのか」自分で確かめる。火縄銃の実演見学も、空砲でもあんなにすごい音がしたらねえ…実際の戦場では火薬バンバンつめてさ、もっともっとスッゲー音がすると思う!!(瞳キラキラ)Upload By 楽々かあさん母:ああいう音は、体験しないとわからないね。長男:「どんくらい凄い音なのか」とか、まず行く前に予想立てる。母:おお、いいね。長男:城の天守閣からの景色はどんなか…「めちゃめちゃキレイだろう」みたいな予想。火縄銃の音は「スピーカー音30くらいかな」とか。で、実際見た後で、やっぱり「景色高くて怖かった」とか「スピーカー音50位だった」とか。あと本の図では、城のお堀があんまり深くなさそうだったけど、実際は予想以上にめちゃくちゃ深かったとか。実際に感じたことをまとめるといい。母:感覚が敏感なキミは肌で感じ取るのが得意だろうし、更にそれを人に話すのは、すごく◯太郎に合った勉強法だと思う。自分で体験してみないと分からないことは沢山あるよね。それからキミの場合、実際体験したことは、テストでも結構覚えてられるんじゃない?長男:そう結構覚えてる。本だけだと受験用の勉強はなおさら難しい。YouTubeとかの面白動画だったら、覚えるのはカンタンだけど。母:(笑)。やっぱり「楽しい」と思えるかどうかが大事かな?理科の実験もいろいろやってみたけど、家ですべての実験ができるわけじゃないよネ。長男:例えば爆発の実験とか、危険なのは動画で見る。でも、スチールウール燃やす程度だったら、ウチでスグできる。母:そうだね。スチールウール燃えるの、キレイだったね。あとは、YouTubeで塾の先生とかが、面白く分かりやすい解説動画を沢山UPしてたよね。そういうのも含めて「ひたすら問題集を解く」じゃなくて、自分に合った方法で勉強したのがすごく良かったなと思う。長男:結局、勉強の中で一番大事なのは、「興味の輪」を広げられるか、広げられないか、だとおれは思う。受験勉強中に本当につらかったのは、過去の記憶。出典 : 母:じゃあ逆に、この一年間で一番つらかったことを聞いてもいい?長男:……学校。母:うーん、やっぱりそうかあ。学校の何がつらかったかな?長男:もう、ずーっと前に、他の子に言われたヤなこととか…。母:そうだね。何年も昔のことを、ちょっとしたキッカケで何度も思い出しちゃうんだよね…。かあちゃんも、見ててつらかったけど、勉強してる最中に急にイヤな体験を、よく思い出してたよね…。長男:イヤな体験は「忘れようとしても忘れられない」みたいな、そういうのがある。母:そうだね。特に、受験勉強を始めて最初の三か月くらいは、ヤなことしょっちゅう思い出して、一旦ストップしたり…◯太郎にはつらい時期だったと思う。やっぱり、勉強に興味が持てても、いろいろ気になる事があると、余計に集中力が落ちたり、ミスが増えたり、ぼーっとするのが増えちゃうように思うんだよね。長男:うん…。出典 : 母:でも、多分◯太郎と同じように、学校でイヤなことがあって、勉強に集中できなかったり、「学校行きたくないなあ…」なんて思ってる子は結構いると思うんだけどネ。かあちゃんはネガティブなことも、決して思っちゃダメなワケじゃなくて「そういう時どうしたらいいか」が大事だと思う。キミはどうしてきたっけ?長男:うーん。おれは「スクールカウンセラーの先生に話す」とかした。母:そうだね。スクールカウンセラーの先生と、何度も相談させてもらったよね。長男:思い切って話した。母:そうすると、少しスッキリしたりする?長男:する。母:じゃあ、カウンセラーの先生は、どんなカンジで話を聴いてくれたのかな?長男:フレンドリーに話してくれた。あと、相談しながら一緒に給食食べてくれたし。だから、相談するのは「ちょっと恥ずかしい」とか、「初めてだから、よく分かんない」って利用しない子は多いかもしれないけど、友だちだと思って一回やってみるといいと思う。それでも不安な時は、親にも一緒について行ってもらうとか。母:慣れるまでの最初の何回かは、かあちゃん隣にいたもんね。それだと安心して相談できたかな?家の中だけじゃなくて、学校にも味方がいたのは、キミに取って大きいことだったかな、と思う。長男:そう、そう。一緒に勉強してくれた母と、いつも通りにしてくれた家族。出典 : 母:では、キミが勉強してる時、家族や周りの人が「してくれてよかった、助かったこと」ってある?長男:まず、かあちゃん。ずっと一緒に毎日勉強につき合ってくれてありがとう。母:そっか(照)。一緒にやったこと自体が、よかったんだね。長男:それから、弟と妹ととうちゃん。一緒にゲームしたり、フツーに息抜きしてくれて、今まで通りに接してくれたこと…うん。そしてMy dog は癒し。ぺろぺろしてね、おやつをねだってきてね、カワイイ。母:そうか。他の家族はいつも通りだったのが、かえって気が楽だったかな?長男:うん!それから勉強も、休憩を挟んで、朝・昼・夜に分けて、ちょこちょこやるのがいいと思う。母:まぁ無理しすぎないと言うか…集中できる時間も個人差あるもんね。キミはあんまり、毎日何時間も続けて勉強だと、ちょっと負担が大き過ぎるから「それはやめよう」って思ってた。成長期にしっかり睡眠を取るのも大事だしね。長男:それに、遊ぶのも大切なことだから。おやつ食べたりさ。そういう時間を作る方が、より集中しやすいと思う。母:うん、そうだね。じゃあ一旦、おやつタイムにしよう!(笑)その子に合った学び方なら、できる子は沢山いる…!出典 : この一年間での、自分の学び方に合わせた主体的な勉強は、多感な少年の心も成長させてくれました。そして、例え今、お子さんの学校の成績がイマイチでも、それはその子の本当の「学力」を表しているのではないと思います。「自分に合った学び方なら、勉強ができる子は沢山いる!」…私はそう、心から確信しています。☆次回「後編」では、長男が生意気にも、現在の日本の教育制度について思うことを正直に語ります。お楽しみに〜!大場美鈴/著『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』2017年/刊/ポプラ社
2018年04月29日思いついた。アメリカに行こう。出典 : 成人になってからADHDと診断された私は、言葉で語りつくせないほどの生きづらさを抱えて日々を過ごしてきました。中でも生きづらさのピークだったのが大学生時代です。厳しい受験勉強を乗り越えて、やっと掴んだ自由な生活だと思ったのに、その自由に翻弄されることになりました。私が通っていた大学では、「変わっている」ということが許されないという暗黙の了解をひしひしと感じる日々でした。そこで私の特性(周囲の話を聞かずに喋ってしまう、思ったことをそのまま口に出してしまう等)は周囲から嫌われる原因となり、いつしか「マシンガントーク」「毒舌」「言葉のナイフ」といったあだ名をつけられ、人間関係が良好とは言い難い日々が続きます。当時の私は、大学を中退したいと思うほどに追いつめられていました。けれども、中退して何をするのか、別の大学を受験し直したとしても、またうまくいかないに違いない…と、鬱々とすることになります。そして考え抜いた私は、一旦学生生活の仕切り直しをする決意をしました。アメリカの大学に、1年間留学することに決めたのです。異国の地で周りにかけられた言葉は…出典 : 私のアメリカ留学生活は、大学寮でスタートしました。大学寮では2人部屋になり、ルームメートと寝食をともにすることになります。今まで一人部屋で自由気ままに生活してきた私にとって、ルームメートが常にいる生活はなかなか大変でした。四六時中一緒に生活していると、当然お互いに不満や要求も出てきます。ルームメートは遠慮なく不満や要求を私に言ってきましたが、私はグッと我慢して言わないようにしていました。日本の大学で「言葉のナイフ」というあだ名をつけられ、散々嫌われた思い出がどうしても引っかかっていたのです。しかし、ある日、どうしても我慢ができないことがあり、「前から思ってたんだけど…」とおそるおそるルームメートに話をしました。そのときのルームメートの言葉が忘れられません。"I can’t read your mind!!" (私、あなたの心は読めないわよ!)そのとき、初めてルームメートと深く話をしました。そして、彼女が言ったのです。「言わないで分かってもらおうとするのは、日本の文化なのかもしれない。でも私は、口に出して言ってもらわないと、何も分からない。約束してね、ここにいる間は、心にためないで、全部話して。さっきも言ったけど、私はあなたの心は読めないから。」このときの私の衝撃たるや凄まじいものがありました。それまで「思ったことを言い過ぎる」と注意され続けて嫌われてきたのに、ルームメートは私に「思ったことは全部話して」と言うではありませんか。このときの彼女の言葉。"I can’t read your mind!!"は、今でも私の中で鮮明に記憶しています。日本では散々だった私が、「社交性がある人」と言われて出典 : 自分のマイナスの特性が、ここではプラスに評価される!?私はしばらく混乱しました。世界がまるであべこべになってしまったのです。「だからダメなんだ」と日本の大学でダメ出しをされ続けてきたことが、アメリカでは「そういうあなたが好きよ」と言われることが多かったのです。その後も、同じ授業を履修していたクラスメイトに、こんなことを言われました。「あなたは表情が豊かでとても可愛い。」これも私には衝撃でした。小学校の頃から、私は「感情がすぐに顔に出るから良くない」と周囲から注意され続けてきたのです。けれども、自分を客観的に見る力に欠けていた私は、「感情が顔に出る」という状態が良く分かりませんでした。心の底から、どうやったら感情を隠すことができるかも分かりませんでした。他人からそう言われるのが嫌で、作り笑いをするようになり、怒っているときに限ってゲラゲラ笑っていたりしたものです。けれども、クラスメートはそんな私に、「表情が豊か」という言葉をくれたのでした。今まで忌み嫌われ、治せ治せと言われてきた特性が褒められる滑稽さ。常にカルチャーショックを受ける続ける日々が続きました。そして、ある授業で、教授が私についてこう話したのです。「彼女は、"sociable"の代表みたいな人だからね」クラスメートたちも、うんうん、と頷いて笑っています。"sociable" とは「社交的な」という意味があります。そうです。 「マシンガントーク」で「毒舌」で「言葉のナイフ」と言われて嫌われ続けた私は、「社交的な人の代表」とまで言われるまでになりました。そして帰国までの1年間、私は素晴らしい仲間と先生たちに囲まれて留学生活をおくることができたのです。世界は広い。日本のあの大学の小さな仲間内の評価が全てではない。日本に帰国する飛行機の中で、ただそんなことを考えていました。そして、母になった今。出典 : 悩みで押しつぶされそうだった私にとって、あの1年間の留学生活はその後の人生の大きな支えとなりました。周りのネガティブな評価にくじけそうになったときには、アメリカ人の友達が言ってくれた言葉を思い出し、ポジティブな言葉に置き換えてみました。20歳のときの経験が、その後の20年を支えてくれたのです。そして先日、ある大学教授の発達障害に関する講演会に行ったときのことです。講演者の先生がこう言ったのです。「相手が年長であろうと偉い人であろうと、ズバズバと思ったことを言ってしまうのがASDの方の特性なわけですが。この特性は、アメリカなどでは、割とウェルカムなんですよね。ですから、問題になりにくいし、ご本人もそれが原因で生きづらさを感じることはあまりない。つまり、発達障害は実は社会との関連なんですよ。」この講演を聞いたときに、私は自分を支え続けてくれた20年前のアメリカでの経験が蘇ります。発達障害は社会との関連。まさにこの言葉を、私は20年前に体感していたのでした。だからこそ、今、発達障害児の息子を育てていても、私は全く悲観的になることはないのです。 それは、息子が心地よいと感じられる場所は、この世界には必ず存在していると信じているから。そして、私たちの周りも、今や教育環境も発達障害への理解も大きく変わりつつあるから。今この場所が辛いとしても、それを全てだと思わないことの大切さを、私はあのとき学んだのです。
2018年03月29日子どもが入学、進級するとすぐに直面するのがPTAの役員決め。どうやって決めるの?どんな役員や委員があるの?学校に行く頻度は?など心配なお母さんも多いのでは?小3・小1の子どもを持つ筆者が、今年度経験した「学年委員」についてお話しします。小学校のPTA役員の決め方役員の決め方は、くじ引き・立候補・互選など学校によってさまざまですが、私の子どもの学校は入学時の「事前登録制」。入学式後、児童と先生が退場したのと入れ替わりにPTA本部役員(会長・副会長・書紀・会計)が体育館に来て「登録用紙」が配られました。娘の学校は子ども1人につき1回(=1年)各種委員会の役員をすることになっているため、「何年生で何の委員をするか」をその場で記入し、提出。そのような手続きがあることは事前には知らされていませんでした。「何の委員をしますか?」と聞かれても、それぞれの委員が具体的にどのような仕事をするのか、学校に行く頻度は?求められるスキルは?などサッパリわからず、新1年生の保護者は困惑。子どものクラスごとに決められた場所に座っていて、立ち歩ける雰囲気でもなかったため、ママ友と一緒に同じ委員をやりたいと思っているお母さんは慌ててスマホを出して連絡を取り合っていました。登録した学年になると「あなたは今年度○○の委員を希望されています」というお手紙がきます。そして、年度初めの学年懇談会で対象者が前に呼ばれ、定員に対して希望者多数の場合はジャンケン(負けた人は登録し直し)、定員に満たない場合はその場で追加募集があり役員が確定、という決め方でした。私は現在1年生の息子の分として、学年委員をしています(ジャンケンで勝ちました)。3年生の娘の分が残ってしまっているため、4・5・6年生のどこかで消化しなければなりません。子どもが高学年になり、役員と受験が重なると大変ですし、仕事を始める方も多いため、低学年で済ませたい、というお母さんがほとんどです。実際にどんな仕事がある?学校に行く頻度はどの程度?つい先日、息子の分の「学年委員」の活動が終わりました。PTA役員で学校に行ったのは1年間で全8回、それぞれ1〜3時間程度でした。まずは4月に学年委員の顔合わせ。1年生の先生方も同席し、自己紹介後、委員長より活動内容についての説明がありました。その他、年に2回のPTA総会(5月と2月)に出席。1年生対象の「交通安全教室」、1年生の保護者対象に行われる「給食試食会」の主催が年に1回ずつ。学校近隣の清掃、ベルマークの分別、各学年の図書コーナーの本の整理整頓を年に3回行いました。PTA役員のメリットとデメリット実際にPTA役員を体験したことのあるお母さんにメリットとデメリットを聞いてみました。メリットについては、「学校で思いがけず子どもに会った時にとても喜んでくれた」「学校での子どもの様子を見られるので安心」「先生と話す機会も多く、学校が身近に感じられた」「他の学年のお母さんとも知り合えたので、これから経験する修学旅行、塾選び、中学受験のことなど相談できるようになった」「お世話になっている学校やママ友の役に立てたと思うと嬉しい」という声が聞かれました。本部役員をしていた高学年ママからは「運営委員会では校長先生をはじめ職員のお話を直接聞ける機会も多いです。改善してほしい自分の意見を言ったりもできます」という声も。デメリットについては、「特にデメリットはなかった」という回答が多数でビックリ。「強いて言えば…」と前置きしたあとで「緊張しやすいので、行事の司会など人前でしゃべるのは大変でした」「一度も集まりに来ないし、最初から最後まで連絡がつかないメンバーもいました」とのことでした。小学校のPTA事情は各学校によってさまざま。入学予定の小学校に知り合いの先輩ママがいたら、事前にアドバイスをもらっておくと安心ですね。<文・写真>フリーライター:森藤理絵
2018年03月15日突然襲ってくる、負の感情の波に翻弄されるリクUpload By ひらたともみ少し前のことですが、高校が決まりつつある頃、リクはまた独り、うつうつとした感情の渦の中にいました。時々、なにかに取りつかれたように、不平不満を吐き出すのは体調のせい。突然、ケガした際に接触した同級生を逆恨みしだすことも…!いつもは恨んだりしていないのに、急に負の感情の大きな波に襲われてしまうのです。頻繁にある激しい頭痛と疲労感からか、リクは寝言でまで「どうしてこんな体になっちゃったんだ…」と言うほどでした。Upload By ひらたともみ中学も残すところ1カ月…というとき、リクの周りの友だちは、目の色を変えて受験に取り組んでいました。親から期待され、塾で喝を入れられ、目指すものに近づこうと、皆、必死の形相です。そんな時期だというのに、リクは、早々に受験勉強ができなくなり、思っていた未来に向かう切符すら手にいれることができなくなりました。イライラするのは後遺症のせいだとわかっていても、口からでてくる悪態は、本心ではなく、なにかスッと別人格に取りつかれてしまう瞬間があるようです。でも、少し時間が経つと、憑きものが取れたかのように「自分はなにを言ってしまったのだろう」と自己嫌悪を繰り返す日々。「自分の言葉で、周りの人たちは傷ついたり怒ったりしている?おかしい、変だ、なんだ?こいつらなんで怒ってるんだ?」と、自分の放つ言葉や態度に不安を感じていたのです。心のモヤモヤを学校の先生に打ち明ける…「みんなに僕の後遺症を知ってほしいんだ!」Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみ病気や障害に、なんら恥ずかしいことはないと思ってはいるものの、思春期の受験真っ只中で、周囲に公表するのはどうだろうか…迷惑ではないだろうか…と、私ひとりで躊躇していたのですが、リクは誰にも促されることなく、ストレートに「知ってほしい」と学校に告げました。「ありのままの自分を受け入れてもらえる」ことが、リクの心の支えにUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみさて、後遺症を公表したリクですが…リクの言う通り、なにも変わっていない様子です。嫌悪されることも特別扱いもなく、「今まで通り」でいてくれています。つまりそれはリクの言う「本心ではないことを言ってしまうこともある」という特性をわかってくれているんだと思います。リク自身、後遺症があることをすべて受け入れられているわけではありません。でも、どんなに嘆いても体の状態が変わるわけではない…。そんな自分を丸ごと認めてもらえる友達の存在が、リクを支えています。友だちに、ありのままのリク受け入れてもらえている…それが、母としても、心からうれしいのです。
2018年03月13日やっぱり家が好き〜おっとぅんとみったんと私〜
子育ては毎日がたからもの☆
メンズかーちゃん~うちのやんちゃで愛おしいおさるさんの物語~