編集部:学研キッズネット編集部株式会社増進会ホールディングス(Z会グループ)のグループ会社である株式会社Z会の「中学受験コース」は、2020年5月より難関国私立中学入試対策に特化した小学6年生向けの3カ月完成講座「頻出分野別演習」(全7講座・41校対応)の開講を発表した。どの講座も、例年Z会員の難関中学合格者たちに「これさえできれば!」と言わしめる粒選りの問題ぞろい。通塾している方も自宅で取り組める短期集中の特訓教材として活用できます。開校講座概要なぜか最後の1行が埋まらない制限字数多めの記述問題、偶然のひらめき頼みになりがちな難度の高い図形問題など、難関中学入試頻出でありながら対策の立てにくい分野を厳選し、7つの講座を開講。いずれもさらなる得点アップのためのポイントを凝縮し、3カ月の集中演習でゆるぎない応用力を養成します。開講時期は、1期(5~7月)、2期(8~10月)、3期(11~1月)の3期制。いずれの期も同じ学習内容となっており、お子さまの学習の進捗状況に応じたより適切な受講時期をお選びいただけます。頻出分野別演習<1期>5月スタートのお申し込みは【2020年4月29日(水・祝)】まで。ライバルにさきがけ、志望校の出題傾向に合わせた学習に着手する絶好のチャンスです。◎開講講座〔4教科7講座〕・国語 超長文対策・国語 難関記述対策・算数 立体図形難問対策・算数 平面図形難問対策・理科 論理的思考問題対策・理科 複雑計算問題対策・社会 文章記述対策◎受講会費:1講座6,897円(1カ月あたり2,299円)※一括払いの場合▼全41校対応!志望校別のおすすめ受講講座一覧はこちらへ。▼資料のご請求は、以下のWebサイトよりお申し込みください。▼ご受講は、以下のWebサイトよりお申し込みください。<本件に関するお問い合わせ>株式会社Z会 幼児・小学生向けコースお客様センター通話料無料0120-79-8739※携帯電話からもご利用いただけます。※受付時間…月曜日〜土曜日午前10:00~午後8:00(年末年始を除く、祝日も受付)■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月16日編集部:学研キッズネット編集部「教育百年を創造する」学習塾事業の株式会社湘南ゼミナールは政府より発出された緊急事態宣言に伴う各自治体の学校休校の延長を受け、湘南ゼミナールの小中高校生を対象とした全コースを、映像授業の配信による指導に切り替えます。各コースの先鋭講師による高品質な授業をカリキュラム通りに映像配信するとともに、学習の遅れに不安を感じる小中高生が、自宅で安心して学習できる各種サポート体制を用意しています。湘南ゼミナール 小中部小中部では、湘南ゼミナール教務部の科目責任者による高品質な授業を映像化し、学習カリキュラムに遅れることなくリアルタイムで映像授業を配信。映像授業に加えて、授業内容の振り返りができる小テストの実施や、学習補助を行うプリントも連動している為、生徒は「いつもと同じ指導」を「ご自宅に居ながら」受けることができます。各教室の講師は、意欲喚起と質問対応等の学習管理を目的にご自宅へお電話を差し上げ、個別にフォローできる体制を整えている。また、2020年4月14 日(火)以降はZOOMを活用した自由参加のホームルームを設け、集団塾ならではの生徒さん同士が互いに高めあう環境も提供していく。湘南ゼミナール 小中部/神奈川< 対象> 小4~中3湘南ゼミナール 小中部/東京・千葉・埼玉< 対象> 小3~中3小中部【お問合せ】湘南ゼミナール難関高受験コース/公立中高一貫コース難関高受験コースおよび公立中高一貫コースでは、各コースのトップレベルの講師による 高品質な授業を映像化し、通常のカリキュラム通りに授業を配信。映像授業に加えて、授業内容の振り返りができる小テストの実施や、学習補助を行うプリントも連動している為、生徒さんは「いつもと同じ指導」を「ご自宅に居ながら」受けることができます。各教室の講師は、意欲喚起と質問対応等の学習管理を目的にご自宅へお電話を差し上げ、個別にフォローできる体制を整えている。湘南ゼミナール 難関高受験コース/神奈川 < 対象> 小6 ~中3湘南ゼミナール 公立中高一貫コース/神奈川 < 対象> 小5・小6難関高受験コース【お問合せ】公立中高一貫コース【お問合せ】湘南ゼミナール高等部高等部では、4月14日(火)よりライブ配信システムを活用したオンライン指導に移行します。生徒さんは「いつもと同じ先生によるライブ授業」を「ご自宅に居ながら」受けることができます。湘南ゼミナール高等部/神奈川 < 対象> 高1 ~高3高等部【お問合せ】湘南ゼミナール 個別指導コース個別指導コースでは、お電話で自宅学習の支援を行っております。また、4月13日(月)よりオンライン指導のトライアルを開始し、順次移行してまいります。湘南ゼミナール 個別指導コース/神奈川 < 対象> 小4 ~高3個別指導コース【お問合せ】現在は各コース授業の映像配信を行っておりますが、通常営業となりました際はご希望の教室での対面授業となります。どのようなコースが良いかお悩みの方はご相談をお受けしますので、お気軽に下記資料請求窓口よりお問合せください。【無料体験のお申込・ご相談はこちら】ホームページやパンフレットでは、伝えることが難しい「塾のリアル」。生徒さんの日々の通塾や結果を通じてしか伝わることが難しい「塾の活動」。おそらく全国で初めて、学習塾の「そのまま」をお届けします。<動画一覧はこちら>■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月13日編集部:学研キッズネット編集部HUSTAR株式会社が運営するオンライン学習コーチングサービス「スタディチェーン」はコロナウイルスの感染拡大防止に伴う全国臨時休校の状況を鑑み、自宅学習が強いられている受験生のために2020年4月11日から5月11日まで無料でオンライン自習室を開放することを発表しました。臨時休校による高校生の学習機会の損失3月2日より新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う臨時休校が急遽開始されました。さらに、緊急事態宣言を受けて休校期間の延長を余儀なくされている学校も多くあります。4月から5月というのは前の学年で習ったことを復習して弱点を克服しつつ、新たな学年の新しい範囲を学ぶ高校生、予備校や自宅で新しい生活が始まる受験生にとってはとても貴重な学習を行う期間です。その期間が休校となってしまうのは受験生の学習にとって大きな問題です。しかし、休校中に家で勉強をしようと思っても、なかなか勉強出来ないのが現状です。まず何をやればいいかわからない、朝起きれない、やらなきゃいけいのはわかっているがモチベーションがわかない、といった理由で多くの受験生は勉強することができません。そして今まで営業していた学習塾や予備校の多くが現在閉校しています。そんな日本全国の受験生を何としてでも救いたい、力になりたいという思いからオンライン自習室を無料開放することを決めた。オンライン自習室開放概要・期間:2020年4月11日~5月11日まで・時間:9時00分~23時00分(途中入退室可)・対象:新高1、新高2、新高3、既卒生・自習環境:ビデオ会議サービスZoomを活用・必要なもの:スマートフォンなどカメラ機能のあるもの(Zoomを使用するため)オンライン自習室では「Zoom」というオンライン会議アプリを使用し、自分の手元を映して勉強していきます。全国の受験生がお互いに勉強しているのを見ればやる気が湧いて勉強に集中できる、そう思って勉強してもらうことが狙いです。日本全国の受験生が自宅でも充実した自宅学習が行えるように最大限のサポートをしていきたいと考えている。▼オンライン自習室への参加はこちらから【スタディーチェーン公式サイト】■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月13日編集部:学研キッズネット編集部株式会社増進会ホールディングスのグループ会社である株式会社Z会は、「Z会の通信教育」中学生向けコースにおいて、入学したばかりの中学1年生の学習を応援する「中学入学学習応援キャンペーン」を実施中。所定条件のお申し込みでAmazonギフト券3,000円分を、Z会推奨のiPad端末をご購入の場合は、3,000円分の割引クーポンのプレゼントキャンペーンを実施している。中学入学により新たな生活をスタートされた方もいれば、昨今の新型コロナウィルスの影響で、想定していた中学生活をスタートできていない方も多くみられます。しかしながら、中学生に求められる学習は変わりません。勉強面では授業の内容が難しくなり、小学校ではなかった定期テストも始まります。どのような状況であれ、学習計画を立て、日々の学習に取り組んでいくことがとても重要です。中学を学年上位でスタートするためには今すぐ学習をスタートして、GW(ゴールデンウィーク)が終わるまでに、学習の基盤を確立しておきましょう。Z会では2つのプレゼントをご用意し、中学に入学したばかりの中学1年生の学習を応援します。■プレゼント1セット受講でバランスよく学習をスタートする中学1年生を応援!12カ月一括払いで、「高校受験コース」本科5講座以上、または、「中高一貫コース」本科3講座をお申し込みいただくと、3,000円分のAmazonギフト券をプレゼント!■プレゼント2Z会推奨のiPad端末を購入して学習したい中学1年生を応援!iPadスタイルを始めるなら今がチャンス!中学1年生には、Z会特別販売サイトで使える3,000円引きクーポンをプレゼント!「中学入学 学習応援キャンペーン」の詳細について▼主に公立中学にご入学の方▼中高一貫校にご入学の方ぜひ、この機会を活用して、中学初めてのテストで学年上位をめざしてみませんか。【2020年度申込受付中】Z会の通信教育 高校受験コース会の通信教育 中高一貫コース■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月12日編集部:学研キッズネット編集部株式会社受験ドクターは小学5・6年生向けの無料学習動画「無料でオンライン」を2020年4月3日に公開しました。公立小学校の生徒から中学受験生まで、単元の基礎学習に役立つ内容となっており、新型コロナウイルスの影響による休校が長引く中、子どもの自宅学習に悩むご家庭に向けての提供となっている。「無料でオンライン」とは中学受験専門の個別指導塾・家庭教師である受験ドクターが、小学5・6年生向けの無料学習動画「無料でオンライン」を4月3日に公開しました。新型コロナウイルスの影響で小学校の臨時休校が長期化する中、受験ドクターは全国の小学生の【学びを止めない】ために、各教科の単元の基礎を学べる「根本原理学習動画」を提供。動画は5分~15分程度のコンパクトな長さなので、まとまった時間がなくても空いた時間にパッと見て学習することが可能となっている。公立小学校の生徒から中学受験生まで、これからの学習の土台作りや過去に習った単元の基礎の確認などに役立てほしいと考えている。現在公開している動画・6年生 国語「あっという間!? 小学校6年間の漢字1026字が覚えられる!」・6年生 算数「つりあいのとれた図形~線対称と点対称~」・5年生 算数「少数のかけ算 ~小数点の動きに注目~」・6年生 理科「ものが燃えるしくみを理解しよう!」・5年生 理科「覚えておこう!植物の発芽と成長」・5年生 社会「地図で世界のすがたを知ろう!」今後も随時、各教科の動画を追加・公開予定。■受験ドクターについて「受験ドクター」は【目の前の1人を勝たせる!】をモットーに、お子さん一人ひとりの性格や学習状況に合わせたオーダーメイド授業の「個別指導塾」「プロ家庭教師の派遣」のサービスを提供しています。開成合格者数は2018年度~2020年度の3年連続で10名以上となり、個別指導No.1の高い合格実績を達成しています。【「無料でオンライン」公式サイト】【中学受験公式サイト】■「学研キッズネット」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月07日編集部:学研キッズネット編集部休校要請等により自宅学習に取り組んでいる小・中学生を応援するため、自宅学習に適した参考書・辞書・ドリル・問題集など約40冊を「受験研究社Virtual Library」にて期間限定(3月31日まで)で無料公開していた教育出版社「株式会社増進堂・受験研究社」は、現時点で新型コロナウイルスの影響による休校措置が全国的に収束に向かっていない状況に伴い、無料公開時期を2020年4月17日(金)まで延長することを発表しました。無料公開を延長するのは、創刊以来2600万部突破のベストセラー参考書「自由自在」をはじめ、学年の復習が一冊でできる人気の問題集「全科の復習テスト」など約40冊のラインナップ。延長期間は▪️2020年4月1日〜4月17日23:59までで、以下の申し込みページにて登録することで利用が可能となっている。小学生用書籍参考書:2600万部突破!基礎から難関校受験まで使える信頼の参考書「自由自在」。分からないことがあれば何でも「自由自在」で調べてみてください。新指導要領対応で先取り学習にも最適です。※ 小学生用「自由自在」につきましては、LINEで知りたいキーワードを質問すると、「自由自在」の該当するページをLINE上で閲覧できる新しいサービス“教えて!「自由自在」先生”も期間限定で無料でご利用頂けます。わからない用語を調べたい時などにはこちらもご活用下さい。新辞典:楽しく学べる工夫が詰まった定番新辞典シリーズ。読むだけでも楽しめます。総復習しよう!:主要科目の復習がこれ一冊でできる大人気問題集。進級前の総復習にご活用下さい。楽しく学ぼう!:クロスワードなどで楽しく学べる教材をラインアップしています。勉強の合間にご利用下さい。中学生用書籍参考書:2600万部突破!基礎から難関校受験まで使える信頼の参考書「自由自在」。家庭学習で分からないことがあれば何でも「自由自在」で調べてみて下さい。用語集:多くの高校受験生に愛用される用語集の決定版。分からない用語があればそのままにせず、用語集で確認しながら前に進むことで、確実に学力がつきます。総復習しよう!:各学年全教科の復習がこれ一冊でできる大人気問題集。進級前の総復習にご活用下さい。理・社の一問一答問題集もご利用頂けます。【期間限定無料申込サイト】【株式会社増進堂・受験研究社】学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月02日編集部:学研キッズネット編集部3月も終わりを迎え、いよいよ入学シーズンが近づいてきました。例年であれば受験生は試験を乗り越え、新入学・新学年に期待が膨らむ時期ですが、今年は新型コロナウイルスの影響もあり、卒業式もままならず落ち着かないまま春休みを迎えたお子さんやご家族の方も多いのではないでしょうか? そこで、「Campusノート」シリーズを販売するコクヨ株式会社は、新入学・新学年への準備やスタートの不安を少しでも減らすために、中学受験算数専門のプロ家庭教師でカウンセラーでもある安浪京子先生による、新入学の中学1年生を対象とした「子どものフォローとノート選びのポイント」を公開しました。そのポイントは、安浪先生のコメントともに紹介します!「うるせーな」 子どもの変化に、親はどう接するべきか「親離れ」が始まる中学1年生『学校だよりや授業参観が頻繁にあり、同級生の親から我が子に関する色々な情報が入ってきた小学校時代。子どもの「受験したい」いう気持ちが「勉強する」行動に結びつかず、つい「勉強しなさい」と声を荒げて親子関係が険悪になった中学受験。少しずつ反抗期が始まったとはいえ、まだまだ小学生。我が子が親の庇護下にいると信じて疑わなかった12年間。しかし中学に進学すると、行動範囲も人間関係も拡がり、まだまだ子どもだと思っていた我が子が、親が把握しきれない知らない世界をどんどん増やし始め、自立に向けて「親離れ」が始まります。必要とされなくなったように感じて寂しく思われるかもしれませんが、逞しく成長している証でもあり、子どもが親に求めるものが変わってくるだけで家族の形は変わりません。我が子の自立に向けて少しずつ、親の考え方、接し方を変えていく時期が訪れたのです』親子関係を良好にする子どもとの接し方『例えば生活態度。「早く寝なさい」といった、小学生時代のやり方はほぼ通用しません。むしろうるさい親から逃れたいがために早く布団に入り、その中でスマホをいじり続けます。勉強に関しても「勉強しなさい」といっても、「うるせーな」といった冷たい態度にショックを受ける機会が増えるだけです。これからは保護者としての正論をかざすのではなく、「パパも一回徹夜をやってみたくて、こっそり試した事があったなぁ」「ママも理科が大嫌いで10点を取った事があったんだ」という経験談を沢山してあげて下さい。中学生になってまだ日が浅いだけに、そんな親の武勇伝や経験話はとても新鮮です。また、中学の学習過程は小学校と比べると親にとってはるかに馴染みやすい内容です。方程式も解禁となり、数学や英語を教えられるようになって親子関係が良好になったという話を沢山聞きます。つまり、小学生の延長ではなく、「中学生になった」と一段ステージを上げて対等に接する姿勢を明確に打ち出す事が鍵です。中学生は自分の悩みをそのまま親に打ち明ける事はありませんが、「学校でこんな事があったけど、パパの場合はどうだった?」とアドバイスを求める体ならば、色々話をしてくれます』ノートは一緒に選び、書いて見せる。不安を解消するポイントとはノートの変化にも対応。チャットツールではできないコミュニケーションにも『今まで小学校では「方眼ノートと鉛筆」だった学習環境が「大学ノートとシャープペンシル」に代わります。マス目がなくなって不安を感じるお子さんに是非、次のような形で寄り添ってあげて下さい』①ノートを一緒に選びに行く『今までは一方的にノートを買い与える事が多かったかと思いますが、大学ノートには・A罫(普通横罫) 罫幅7mm・B罫(中横罫) 罫幅6mm・C罫(細横罫) 罫幅5mmの3種類がある事を教えてあげましょう。コンビニに行くと、大抵「A罫」「B罫」の2種類が売られていますが、中学生が使うのはA罫です。「たった1mmの違い」と思うかもしれませんが、使い勝手は全く異なります。実際に2種類購入し、その使い勝手を一緒に比べてみるのもお薦めです。また、一緒に買いに行く事により「ママもこれ使ってたよ!」「今はこんなに可愛い表紙があるんだね」など、話も盛り上がります』②具体的に書いて見せる『マス目がない大学ノートに子どもは不安を覚えます。しかし、1マスに1文字書いていた窮屈な小学生時代と異なり、マス目がないからこそ自分の書きたい文字のサイズで自由に書ける良さを教えてあげましょう。文字サイズなどは口では伝わりません。「こんな風に使っていたよ」と、実際にノートに数字や英単語、図などを書いて見せてあげる事がコツです。また、部活や塾、友達づきあいが忙しくて生活時間帯が合わない、親と顔を合わせる時間が短くなる、などすれ違いが出てくる事もあります。直接親と話をしたくない時期も出てくるでしょう。そんな時、伝言ツールとして「ノート」を使うのも手です。今は親子でもLINEで簡単にやりとりできますが、手書きの文字と電子デバイスのスタンプでは、伝わるもの、伝わり方も異なります』安浪先生直伝!入学直後から周囲と差をつける「数学ノートの作り方」『中学に入ると、どの科目も先生からガイダンス(授業の予習、復習の仕方、テストの臨み方、ノートの作り方)があると思います。そのガイダンスを踏まえ、さらに周囲に差をつける「数学ノートの作り方」を伝授します』①日付と単元、問題番号を書く『ないがしろにしがちですがとても大切です。どこに何を書くか、先生の指示があればその通りに、なければ自分でルールを作りましょう。日付は「いつ何を勉強したか」のバロメーター。同じ問題でも、GW前と夏休みでは理解度が異なります。あるいは「3か月前に同じ事を勉強していたんだな」と振り返り、より理解を深化する事もできます』②ノートをケチらない『数学に限らず、ノートはケチってはいけません。1ページにギッシリ詰め込んで書くと達成感はあるかもしれませんが、数学はミスした部分の間違い直し、大切なポイントを書き込むなどの「余白」が非常に大切です。具体的には・分数を一行で書かない・ミスを消さず残しておく・ポイントを書くスペースを作る事を意識すると、見やすく、勉強の積みあがるノートになります。もしスペースが足りなくなったときはノートふせんを活用するのもいいかもしれません』③図はフリーハンド&適切なサイズで『数学は、証明問題の図形や関数の放物線など、図をかく機会が増えます。そういった時に小さくチマチマかいたり、正確性を重んじるあまり定規で書くのはNG。適切なサイズ(問題にもよりますが、1ページの1/6~1/8)で、かつフリーハンドで書きましょう。また、美術のように線を重ねるのではなく、一本の線で潔くかくことが大切。沢山図をかいているうちに、ちゃんと書けるようになってきます』中学受験のプロ家庭教師・安浪先生が推奨する「子どもの接し方」と「ノート活用法」。新入学・新学年への準備の今、ぜひ参考にしてみてはいかかでしょうか。株式会社アートオブエデュケーション 安浪京子先生算数教育家中学受験専門カウンセラー神戸大学発達科学部卒。関西、関東の中学受験専門大手進学塾にて算数講師を担当、生徒アンケートでは100%の支持率を誇る。プロ家庭教師歴約20年。中学受験算数プロ家庭教師「株式会社アートオブエデュケーション」代表。きめ細かい指導とメンタルフォローをモットーに毎年多数の合格者を輩 出している。中学受験、算数、メンタルサポートなどに関するセミナー を多数開催、特に家庭で算数力をつける独自のメソッドは多数の親子から支持を得ている。中学受験や算数、親子関係に関する著書、連載、コラムなど多数。また、教育業界における女性起業家としてビジネス誌にも多数取り上げられている。安浪京子先生夢も、学びも。新学生応援サイト「you can pass」公開!学生のみなさんをいつもそばで見守る「Campus」シリーズ。新入学・新学期の時期に合わせ、学生みなさんの夢も勉強も応援するコンテンツを集めた特設サイトを公開。君だけの青春シーンを人気漫画家がイラスト化!SNSキャンペーンも開始。Twitterで「○○も、○○も。」というテーマで青春エピソードを指定ハッシュタグをつけて投稿すると、選ばれたエピソードはSNS人気漫画家がイラスト化しプレゼント!Campusシリーズについて1975年の発売から今も進化を続ける学習ノートシリーズ「Campus」。 中でも代表的な「ドット罫」シリーズでは、 東大生の85%以上が使用経験があり、ノートを美しく書くためにこだわった特長が詰まっています。また、 Campusシリーズはノートだけでなく、 学生のみなさんの「計画」→「勉強」→「振り返り」までの学習サイクルをトータルサポート。 勉強のスケジュールを立てられるルーズリーフ「スタディプランナー」や、 ノートを振り返りやすい「チョイタス」「ノートふせん」といった商品も展開している。安浪先生の「数学ノートのつくり方」でもノートはケチらず、もし足りなくなった場合はノートふせんの活用を推奨しています。コクヨ「ノートふせん」は、ノートと同じ紙で見やすく、きれいに書ける両面ドット罫入りなど、すっきりまとめやすい工夫を詰め込んだふせんです。ノート配分に不安な人も、ひとつもっておくと安心です。【コクヨ公式サイト】【新学生応援サイト】学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年03月31日発達凸凹息子の中学受験、前回までのあらすじ2020年4月から私立中学に通うことになった長男。私立に進むのか、公立に進むのかに悩んだ小5、小6のころから入試までのあれこれをご紹介していきます。前回は、どのように志望校を決めたかについてご紹介しました。子どもの学校生活で大事にしたいことUpload By スガカズ前回は私立中学校に決めた理由や学校探しについてお話ししましたが、中学受験すると決めた小6の5月より半年以上前の、小5の10月から公立中学校選びもはじめていました。部活動体験や説明会は小6からですが、各中学校の希望者の内訳を小学5年生の10月に確認。通える4つの中学校のうち3つが受け入れ可能数を超えた申請だったようです。ただ、この中には「私立受験をする子ども」も含まれているため、なんだかんだ希望の中学校には通えると思いながらも、少し心配になったのは否定できません。小5の10月の時点では、まだどの公立中に通いたいかはっきりと決まっていなかったのですが、長男が小6になったころから、本人のためになる環境について深く考えました。校風、友達、家との距離などなど…どれも重要ですが、長男の学校生活に必要なのは「自分の居場所がある」ことだと思いました。そして長男にとっては、通級での時間が必要だろうと考えたのです。そのため公立中学校では、通級に通い続けられる環境にしようと決めました。受験勉強や私立中学校選びが本格的に始まったころに、長男に対して、公立中学校の話もしました。Upload By スガカズ本人との会話は「4つの学校の候補を減らしていく。減った候補から決める」という非常にざっくりとした内容でした。学習を定着させる時期だったので、勉強へのモチベーションが下がらない様に、公立中学校の話を必要以上にしないようにしていました。子どもは勉強をがんばり、親は学校選びをする…といった風に、役割を分けることに。とは言っても、公立中の部活体験や学校見学をしない事には話が進まないと思ったので、私立中学校に進学しない場合は公立中学校学校見学や部活体験は公立中学についても必要という事は本人に理解してもらいました。そして決めた中学校は…Upload By スガカズどうやら令和2年より4校全てで通級が受けられるようになるとの事でした(※見学した令和元年時点では、拠点校へ通級のために通う形でしたが、令和2年からは通学している学校に特別支援教室が設けられるようになるということ)。ですが、特別支援教室を新設する中学校は前例を聞くことができないため、見通しをつけづらい長男にとっては拠点校の特別支援教室で支援を受ける方が安心できそうだと感じました。実際に見学に行ってみると、設備が整っているし、特別支援教室の職員室があるので本人が相談をしやすい環境だと感じました。また、クラスの数も3クラスと、小学校と同じ数なので、比較的落ち着いて過ごせそうだと感じました。部活体験では在校生と話す機会がありましたし、特別支援教室の体験では、本人は落ち着いて行動できました。支援の先生方の進め方や話し方は穏やかで、大人しい長男に合っていそうでした。長男は「私立じゃなかった時、ここなら大丈夫そう」と言っていました。学校公開や説明会で事前に学校の様子を見ていたので、特に困る事もありませんでした。また、各中学校の希望者の内訳を見ても、A中学の立地から希望者が多くはない様で、希望通り通えそうでした。私立中学校に進学しなかった時のためにした事拠点校であるA校で特別支援教室の説明会があった時に、「中学受験をして入れなかった場合、4月から特別支援教室で支援を受けられるようにしたい」と相談しました。Upload By スガカズわが家は6月〜8月は私立中学校選びと塾に明け暮れた日々だったので、本格的に公立中学校選びをするまでに時間がかかってしまいました。(この辺りの時期は本当にドタバタでして、毎週何かしら学校、療育などの用事で私の仕事もセーブしました)2月の判定会議に向けて書類を準備しておけば、私立中学に合格せず、公立中に進学する場合でも間に合うとのことでした。Upload By スガカズこうして公立中学校が無事に決まりました。あとは前回決めた第1希望と第2希望の私立中学校どちらかに合格できるようにがんばるだけ…!なのですが…ADHDの子の勉強は、一筋縄ではいかないですよね。次回は、療育センターで言語の先生に支援していただいた受験対策についてお話しします。
2020年03月31日編集部:学研キッズネット編集部朝日新聞出版は、2020年3月19日(木)にAERA進学MOOK『カンペキ中学受験2021』を発売しました。首都圏334の国公立&私立中学の完全データを収録。最新の2020年度入試応募状況や学費情報も掲載した「どこよりも早い中学受験情報誌」です。 さらに巻頭企画では、タレントでクイズプレーヤーの伊沢拓司さんが 自身の中学受験経験について語っています。首都圏の国公立&私立中学334校のデータを完全収録首都圏の中学受験生数はここ数年増え続けており、中学入試の環境は年々厳しくなっています。大学入試制度改革の影響で、私学なら柔軟に対応してくれるという保護者の期待が高まっていることが中学入試過熱の一因です。知名度の高い難関ブランド校に加え、改革に取り組み結果を出している新進校も人気が上昇。大学に確実に進学できる付属校の人気も変わらず高く、これまで以上に学校選びに迷う時代となりました。どこよりも早い中学受験情報誌として毎年評価されている『カンペキ中学受験』の最新版では、首都圏の国公立&私立中学334校の入試難易度や進路状況、スクールライフや特色、カリキュラム、学費といったデータを完全収録。最新、2020年度入試の応募状況もしっかり掲載しています。難関大学や医学部への進学実績が一目でわかるランキング分析記事も充実。志望校選びの特集では、偏差値以外に着目すべき点をQ&A方式で解説。タイプの異なる3人の中学受験専門家が、受験生の家族の心構えについても指南します。巻頭企画では、タレントでクイズプレーヤーの伊沢拓司さんが自身の中学受験経験をもとに、受験生にエールを送るインタビューにも登場します。<主なラインナップ>• インタビュー伊沢拓司さん(タレント)• いま、 必要な力を育むわが校自慢の授業・講座(海城/麴町学園女子/東洋大学京北)• 効果的な学びを追究こだわりの新施設紹介(聖学院/青山学院/富士見)• こんな制服で登校したい!あこがれの制服スタイル2021• 首都圏中学入試速報今年の結果から2021年入試を予測• ランキングではっきりわかる中高一貫校の実力• 偏差値だけではわからない家族みんなを幸せにする学校選び• 首都圏国公立・私立難易度データ一覧表• 首都圏国公立・私立中学校MAP• カンペキ中学受験ガイド334中学校AERA進学MOOK『カンペキ中学受験2021』発売日:2020年3月19日(木曜日)定価:1900円+税学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年03月30日発達凸凹長男に合う中学校探しスタートUpload By スガカズ6年生になっていよいよ小学校卒業が近くなり、この子に合った学校はどこだろう?と考える様になりました。近くの公立中学校は、活発なお子さんが多く、またクラス数も多いため、もの静かなタイプの長男が通っているイメージがわきませんでした。そのため、通える公立(4校)に加えて、私立も候補に入れて考えはじめました。Upload By スガカズ長男の性格からすると私立の方が合っていそう…。ただ、親の希望が固まったとしても通うのは本人です。それに、希望の学校があったとしてもそこに通える保証はありません。ある程度のメリットデメリットを把握して、本人に選ばせることにしました。Upload By スガカズ大事な話し合いは紙に書くと、スムーズにいきますね。実はこういった話になる前に、長男はとあるフリースクールに興味をもっていました。そこでは普段何らかの理由で学校に通えないお子さんが、社会で働くためのスキルやコミュニケーション力を学べました。また、当時本人が気になっていたプログラミングも学べるとのこと。長男は通いたい!と言っていました。ですが毎日学校に通っている長男は入ることができません。残念そうにしていました。そんな経験からか、中学校ではやりたい事ができる学校に通いたいという想いがあった様です。Upload By スガカズどの学校を受験する?学校選びを本格化長男は、「残り少ない1年間で受験勉強をがんばるから私立中学に通いたい」と言いました。こうして、全てが初めての二人三脚が始まりました。長男が私立中学受験を決めたのは5月が終わる頃でした。受験本番まで8ヶ月しか無いため、私は中学受験に対応した個別指導の塾や学校選びに奔走しました。また、学校選びも本格的にスタートしました。息子のような特性があっても受け入れてもらえるのかという疑問があったので、一番気になる学校に入学が可能か確認を取りました。事前に合同相談会で子どもの特性を説明し、実際に足を運び再度確認を取ったり、過去の事例などを伺いました。情報を集める中で主に2つの学校に長男も私も魅力を感じました。Upload By スガカズ1つ目の中学校は…●個性や自立を大事にする校風●生徒と先生との距離が近い●個性的なお子さんが多く、人間関係が良さそう長男は1つ目の学校で「みんな楽しそうで自分に合っていそうだから、この学校に行きたい」と言っていました。説明会の時の副校長先生の話が印象的でした。「個性は“かっこいい”という意味を表現するために用いられる事もあるが、うちでいう個性とは、“変わり者として捉えられる”、“普通になれない”という意味です。そんな中で子どもたちがお互いの個性を理解し合う教育に力を入れています。」つまり、発達障害があってもなくてもそれをひとつの個性とし、特別な対応は取らないが、自分を理解してもらい、他人も理解する環境であるということでした。この学校に通うと、のびのびと自己肯定感が高い子に育つと感じました。2つ目の中学校は…●ものづくりが好きな子が多い●部活動が魅力的●親が学校での出来事を把握しやすい●勉強の進め方が合っていそう長男は2つ目の中学校に「ものづくりが好きな自分に合ってる。優しい子や先生が多い。この学校も通いたいなぁ。」と言っていました。長男は見通しをつけるのが苦手なのですが、この学校では、見通しや振返り、基礎学習能力を身につけるための工夫やツールが用意されていました。通級の個別で指導していただいたことと近いと感じました。こちらも特別な対応はありませんが、ゆっくり学ぶ長男に合っていそうでした。両校違った魅力ですぐに決められませんでしたが、1つ目を第1希望、2つ目を第2希望に選びました。長男の希望する学校はどちらも2科目受験が可能でした。2つ目の学校は、午前受験は国語・算数・理科・社会の4科目で倍率も午後受験に比べると低いのですが、4科目のうち点数の高い2科目の合計で決まります。受験勉強でも、苦手な教科を含めた4科目すべてに注力するのではなく、力を入れる教科を決めて取り組めばよいことで、受験勉強を小6になってから始めた長男にとっても負担が少なくて済むと感じました。Upload By スガカズとは言え、公立の学校選びも必要子どもが通いたい私立学校が決まったとしても、公立の学校に通う場合のことも平行して考えないといけません。次回はどのようにして(4つある)公立の学校の中から進学してもよいと思える中学校を選んだのかをお話ししたいと思います。
2020年03月02日2020年からの教育改革は、明治維新以来のもっとも劇的な改革であると言われています。新しい学習指導要領がめざすのは「十分な知識・技能」「答えがひとつに定まらない問題に自ら解を見出していく思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の育成です。これまでの知識偏重の教育から脱却し、「知識をどのように使うのか」に重点が置かれるようになるわけです。大学入試も大きく変わります。この大きな教育改革によって、「頭がいい子」の定義も大きく変わると予想されます。単にたくさんの知識を持っているだけでは不十分で、「自分以外の人ともうまく関わりながら豊富な知識を活用できる子」が高く評価される時代がやってくるのです。中には「うちの子勉強好きじゃないんだよね」「なんか読解力が低い気が......」「スマホばっかりしているんですけど」とお悩みの保護者の皆さんもいるかと思います。ですが、そんな親が心配する行動や変化こそ子どもが伸びるサインなのだそう。サッカーでも勉強でも、子どもが伸びるためには親のかかわりが重要です。今回は、入塾テストなしで難関校に続々合格する塾の先生で、アスリートと学習教育に共通する「成長プロセス」の体系化にも取り組んでいる進学塾VAMOS代表・富永雄輔さんに、子どもの伸びしろを最大限伸ばすヒントが詰まった最新著書「それは子どもの学力が伸びるサイン!」(廣済堂出版)のからいくつかのヒントをいただくこの短期連載。最終回となる今回は、子どもを賢くする「チャンス!」の事例をお届けします。子どもたちが夢に向かい、進路を決める時に納得した決断を出すために大事なことでもあります。「それは子どもの学力が伸びるサイン!」これからは「自分以外の人ともうまく関わりながら豊富な知識を活用できる子」が高く評価される時代がやってくるのです(写真は少年サッカーのイメージです)■日常の出来事は、子どもを賢くするチャンスにつながるこんにちは。私は東京・吉祥寺に本部を置く学習塾「VAMOS(バモス)」の経営者として、10年以上子どもたちの指導にあたってきた富永雄輔です。また、一方で日本サッカー協会登録仲介人として、サッカー選手のエージェント業務も行っています。私の塾では入塾テストを一切行っていませんが、ありがたいことに難関校と言われる学校に合格するお子さんたちが多くいらっしゃいます。そんなお子さんと親御さんのかかわりを見てきた経験から、子どもが気になる行動をしたときは、大人がそれを「サイン」とみなし、適切なタイミングでフォローしていけば、学力も思考力もぐっと伸びると実感しています。今日はこんな過ごし方は、子どもを賢くする「チャンス」!の事例をご紹介します。社会が多様化している今、子どもの生活は親が子どもだった時代とは違ってしまっています。それを踏まえて、日常のさまざまな出来事を子どもを賢くするチャンスにつなげましょう。そのための方法をお教えします。■お金の話をする-生きる力を育てるチャンス日本人はとかく、お金の話を避ける傾向があります。そのため、お金に関する教育も諸外国に比べ、かなり遅れているのが現状です。自己破産を多く扱う弁護士さんの話によれば、そもそも自分の収入に応じた生活を営むという当たり前のことができない若い世代が非常に多いのだとか。金融リテラシー、つまりお金に関する知識や判断力が身につかないまま大人になっているにもかかわらず、一方ではクレジットカード、モバイル決済などのサービスが気楽に利用できる社会は出来上がっています。便利さの裏にあるリスクをきちんと理解せぬまま安易に利用してしまった結果、金銭的な窮地に陥るケースが後を絶たないのだそうです。仮想通貨などの新しい金融商品も続々と登場しましたが、その仕組みを理解できなければ、その恩恵にあずかることはできません。年金などの社会制度の行く末も不透明な未来を生き抜くためには、お金に対する正しい知識と理解は欠かせないでしょう。そのためにも、家庭での会話において、お金の話をタブーにしないことはとても大事です。お金の話は成績の話に通じるものがあります。努力はもちろん大事ですが、受験生に必要なのは客観的な数字。いいか悪いかは別にして、定量的に数字を見せて、現実的かどうか子どもに判断させることが受験には必要です。最近の学校教育では、子どもに定量的な目標をあまりもたせないことが多いのですが、ただ「がんばる」だけでは、子どものモチベーションはなかなか長続きしません。数字で表す目標を掲げることで、それに向かって自分の勉強を続けられます。受験においては、「がんばる」「一生懸命」などの抽象的な言葉をなるべく使わない習慣をつけるほうがよいと私は考えています。■「キラキラした姿」ばかりでなく、現実をきちんと教えるですから、将来の職業の話をするときも、小学生くらいまでは、夢や希望がもてるキラキラした姿だけを話題にしていけばよいでしょうが、中学生以降のお子さんには、その仕事で具体的にどれくらいの報酬があるのかという、シビアな部分に触れておくのも大事だと思います。私はサッカー選手のエージェントの仕事もしているのですが、思うことがあります。小学生ならサッカー選手を無邪気に夢見るのもいいでしょう。でも、中学生くらいからは、海外のチームに所属し、日本代表に選ばれて、夢のような年俸を得られる選手はほんの一握りであること。さまざまな試練を乗り越えてJリーガーにはなれたとしても、J3の選手の場合はサラリーマンの平均年収を稼ぐのがやっとという金銭的な現実から目を背けさせてはいけません。もちろん、お金だけが大事なわけではないですし、「だからあきらめなさい」ではありません。たとえ、年収が高くなくても「夢を与える仕事を選びたい」という判断は尊重すべきだし、ひと握りの日本代表という夢を追いかけ続けるにしても、自分の実力を冷静に見たうえであれば、否定する必要はないです。その夢を肯定するか、調整するか、思い切ってあきらめるのかは、あくまでも本人の判断なのです。しかし、私が言いたいのは、その判断材料に「お金」の情報を与えないのは、大人として無責任ではないか、ということです。みんながお金持ちになれるかのようなイメージだけを抱かせ、現実を見せないのは、少なくとも中学生以上の子どもに対しては、むしろ酷だと思うのです。お金の現実を知り、そのうえで判断し、その夢に対して自分なりの着地点を見つけることも、大事な「生きる力」のひとつなのです。■親も子もスマホの画面にばかり夢中になっていない?コミュニケーション能力を「持って生まれたものだからしょうがない」と諦めないでください。親子の会話で身につけられる力です(写真は少年サッカーのイメージです)そもそも大規模な教育改革が実施される理由がまさに、「十分な知識・技能」「答えがひとつに定まらない問題に自ら解を見出していく思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を備え、自分以外の人ともうまく関わりながら豊富な知識を活用できる、そのような人材を社会が求めているからにほかなりません。これまで経験したこともない大きな改革ゆえに、いったい何が起こるのか、どういう準備が必要なのかと不安を抱えている親御さんも多いかもしれませんが、ひとつ間違いなく言えるのは、「コミュニケーション能力の高さ」はこれからますます大きな武器になることです。コミュニケーション能力を、持って生まれた才能のように勘違いする方が多いのですが、決してそうではありません。多くの子どもたちと接している中で私が強く感じるのは、優れたコミュニケーション能力を発揮する子には、ご家庭でたくさんの会話を重ねているという共通点があることです。ネット時代であろうとも、コミュニケーション能力は顔を突き合わせたコミュニケーションによって磨かれます。大きな力を発揮するのは、日常的な親子間のコミュニケーションなのです。しっかり顔を見て、表情の変化にも気を配りながら、お子さんと会話をしていますか?親も子もスマホの画面にばかり夢中になっていませんか?新しい教育システムであなたのお子さんがチャンスをつかむのか、ピンチに陥るのか──。その鍵を握るのは、新世代のお子さんの価値観に寄り添い、サインをキャッチし、理解しながら、コミュニケーションを図ろうとする、そんな親御さんの姿勢にあることをどうか忘れないでください。富永雄輔(とみなが・ゆうすけ)進学塾「VAMOS(バモス)」代表。京都大学を卒業後、東京・吉祥寺に幼稚園生から高校生まで通塾する進学塾「VAMOS」を設立。入塾テストを行わず、先着順で子どもを受け入れるスタイルでありながら、中学受験から高校受験、大学受験まで、毎年首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る。少人数制の個別カリキュラムを組みながら、子供に合わせた独自の勉強法により驚異の合格率を実現して話題に。小さな学習塾ながら、論理的な学習法や、子供の自主自立を促し、自分で考える力の育成に効果的と、保護者から圧倒的な支持を集めている。日本サッカー協会登録仲介人として若手プロサッカー選手の育成も手がけ、アスリートと学習教育に共通する「成長プロセス」の体系化にも取り組んでいる。主な著書に『「急激に伸びる子」「伸び続ける子」には共通点があった!』(朝日新聞出版)、『東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?』(文響社)、『男の子の学力の伸ばし方』『女の子の学力の伸ばし方』(共にダイヤモンド社)などがある。
2020年02月19日「褒めて伸ばす子育て」がいいといわれることが多い昨今。新著『それは子どもの学力が伸びるサイン!』(廣済堂出版)が好評で、首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る進学塾VAMOSの代表である富永雄輔先生は、「褒める」ことの一方で「叱る」ことの重要性を指摘します。そして、そもそもいまは、時代背景として「褒める」ことがより大切になってきているのだそう。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)子どもの精神状態を一定にすることが大切いま、子どもの力をしっかり伸ばしてあげるために、「褒める」ことが大切だとよくいわれます。でも、その反面、きちんと「叱る」ことももちろん大切。そして、子どもを褒めるにしても叱るにしても、そのタイミングこそが重要だとわたしは考えています。褒めることが大切だといっても、ただむやみに褒めるのではなく、適切なタイミングで褒め、逆に叱るべきタイミングにはしっかり叱るべきです。なぜかというと、子どもが勉強で成果を出すためには、精神状態を一定に保つことがなにより大切だからです。勉強ができる子どもには、いい精神状態を保っているという特徴があります。いい精神状態とは、学校や塾に通うこと、学ぶこと、勉強で結果を出すことが「楽しい」と感じる状態です。そういう子どもの学力が伸びることは、容易に想像できるでしょう。しかも、精神状態がいい子どもの場合、その伸び方は大人の想像を超えます。「飛び越し学習」といいますが、大人の勉強での伸び方が「1、2、3、4……」と一定のものだとすると、子どもの場合は、「1、2、7、12、20……」というふうに、飛躍的な伸び方をするということがよくあります。でも一方で、ちょっとした心の問題によって、「20、12、7、2、1……」というふうに学力が直滑降で落ちてしまうことがあるのも子どもの特徴です。褒めるも叱るも、子どもの精神状態次第子どもがなにか心の問題を抱えているような状態で、算数の問題を目の前にしても、気持ちを切り替えてしっかり勉強に取り組めるはずもありません。大人でもそうでしょう?たとえば、離婚したというようなネガティブな出来事を経験した直後に、気持ちを切り替えてしっかり仕事に取り組めといわれても、なかなかそうはできません。そういう状態では、仕事のパフォーマンスが上がるわけもないでしょう。まだ精神的に幼い子どもなら、なおさらです。そして、子どもの精神状態を安定させるために、適切なタイミングで褒めたり叱ったりすることが大切なのです。では、その「適切なタイミング」とはいつなのでしょう。それは、子どもの精神状態次第ということになるでしょう。たとえば、子どもがテストで70点を取ってきた。70点に対して子どもが自信を失って落ち込んでいるようなら、70点取れたことをしっかり褒めてあげるべきです。逆に70点で子どもが有頂天になっているようなら、足りなかった30点についてしっかりと叱るべき。精神状態が安定していることが大切だといっても、子どもが有頂天になっているような状態は問題です。有頂天とは油断以外のなにものでもなく、現状に満足して努力をやめるということもあるからです。褒め上手とは叱り上手――そう認識して、テストの点数などの基準ではなく、子どもの精神状態をきちんと観察して、適切なタイミングで褒めたり叱ったりしてもらいたいと思います。子どもができたことを褒めて自己肯定感を高めるまた、褒めることには、子どもの精神状態を安定させること以外にも子どもの自己肯定感を高めてあげられるというメリットがあります。いまの子どもたちは、たくさんの習い事をしています。しかも、わたしたちが子どもの頃の習い事と比べて、野球やサッカーなどスポーツの習い事も本格的ですし、英会話やプログラミングなど、かつてはあまり見られなかった習い事をしている子どもも多い。とくに都内では小学校受験も盛んですから、そういう傾向も強まっています。すると、子どもたちのなかでのヒエラルキーが早い段階ででき上がってしまうのです。小学校に入学した時点で、体操教室に通っていたために鉄棒で前回りが何回もできる子どももいれば、鉄棒なんて触ったこともないという子もいる。先取り教育によって小学校入学前に九九を覚えている子どももいれば、数字を覚えていない子もいます。しかも、幼い子どもは残酷ですから、「え?○○ちゃん、こんなことも知らないの?」「こんなこともできないの?」というふうに、まわりの子に劣等感を植えつけるということもある。そうして、ヒエラルキーの下位になってしまった子は、劣等感の塊になってしまいます。そして、劣等感の塊になってしまった子どもに起こりがちなのが、できないことや苦手なことを「嫌い!」と思ってしまうこと。まわりの子どもよりできないから「鉄棒は嫌い!」「算数は嫌い!」というふうに思ってしまうのです。「嫌い!」というのは“感情”ですから、親など周囲からの働きかけで解消させることは容易ではありません。だからこそ、たとえまわりの子どもたちから遅れていたとしても、なにかができたらしっかり褒めることが重要です。そうして子どもの自己肯定感を高め、「嫌い!」をつくらないようにしてください。子どもを褒めることが単純にいいわけではなく、いまの時代背景として、子どもの自己肯定感を高めるためにも、褒めることが必要になってきているのです。『それは子どもの学力が伸びるサイン!』富永雄輔 著/廣済堂出版(2019)■ 進学塾VAMOS代表・富永雄輔先生 インタビュー記事一覧第1回:子どもを「“エンジンがでかい”賢い子」にするための、親の心得第2回:“できない”意識を持つ子にすべき、超重要なこと「褒めて自己肯定感を高める!」第3回:「ゲームや漫画は禁止!」が、子どもの“集中力の育ち”を阻害する理由(※近日公開)【プロフィール】富永雄輔(とみなが・ゆうすけ)京都府出身。進学塾VAMOS代表。幼少期の10年間をスペインのマドリードで過ごす。京都大学卒業後、東京・吉祥寺に幼稚園生から高校生までを対象とする進学塾VAMOSを設立。現在、吉祥寺校に加え、四谷校、浜田山校の3校を開校。入塾テストを行わず、先着順で子どもたちを受け入れるスタイルでありながら、毎年、首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る。受験コンサルタントとしての活動も積極的に行っており、年間300人以上の子どもたちの家庭をヒアリング。その経験をもとに、子どもの個性に合った難関校突破法や東大生を育てる家庭に共通する習慣についての研究を続けている。主な著書に『男の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)、『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)、『東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?』(文響社)、『「急激に伸びる子」「伸び続ける子」には共通点があった!』(朝日新聞出版)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年02月10日思考力、判断力、表現力といった問題解決能力やコミュニケーション能力などこれからを「生き抜く」力。これからの「教育改革」ではこれまでのような知識偏重ではなく、知識をどう使うか、主体性を持って仲間と強調しながらやり遂げる力など、これまでの「頭の良い子」とは違った賢さが求められるようになります。中には「うちの子勉強好きじゃないんだよね」「なんか読解力が低い気が......」「スマホばっかりしているんですけど」とお悩みの保護者の皆さんもいるかと思います。ですが、そんな親が心配する行動や変化こそ子どもが伸びるサインなのだそう。サッカーでも勉強でも、子どもが伸びるためには親のかかわりが重要です。今回は、入塾テストなしで難関校に続々合格する塾の先生で、アスリートと学習教育に共通する「成長プロセス」の体系化にも取り組んでいる進学塾VAMOS代表・富永雄輔さんに、子どもの伸びしろを最大限伸ばすヒントが詰まった最新著書「それは子どもの学力が伸びるサイン!」(廣済堂出版)のからいくつかのヒントをいただくこの短期連載。今回は、保護者の関心も高い「習い事と塾の両立」についてお届します。「それは子どもの学力が伸びるサイン!」自分で決断できた子の方がモヤモヤがなく集中して取り組めるのです(写真は少年サッカーのイメージです)■習い事はいつ辞める?それとも続けた方が良いもの?こんにちは。私は東京・吉祥寺に本部を置く学習塾「VAMOS(バモス)」の経営者として、10年以上子どもたちの指導にあたってきた富永雄輔です。また、一方で日本サッカー協会登録仲介人として、サッカー選手のエージェント業務も行っています。私の塾では入塾テストを一切行っていませんが、ありがたいことに難関校と言われる学校に合格するお子さんたちが多くいらっしゃいます。そんなお子さんと親御さんのかかわりを見てきた経験から、子どもが気になる行動をしたときは、大人がそれを「サイン」とみなし、適切なタイミングでフォローしていけば、学力も思考力もぐっと伸びると実感しています。さて、受験のシーズンですね。毎年この時期が近づくと多くの保護者の方から寄せられる質問があります。「習い事と塾の両立について」の相談です。お子さんの受験が近づくと、保護者の方から「ほかの習い事はいつやめさせればいいか」「それとも続けたほうがよいのか」といった相談を受けることがよくあります。親としては、「スポーツも続けたほうが体力がついて、勉強にも集中できるのではないか」と思ったり、逆に、「習い事はさっさとやめるべきではないか」という心配も生まれてくるのでしょう。まず、無理に「文武両道」をめざす必要はまったくありません。本人が望んでないのに、親が「スポーツも塾もがんばりなさい」と無理強いするのはNGです。小・中学生はまだそこまで体力はありません。一方で、本人が両立できそうもないと感じているけど、その習い事は好きなので、悩んでいるケース。その場合は、たとえば、「2か月休めば、またチームに戻れるよ」とか「3か月後の試合には出られるように、コーチに話しておくから」とか、親が促すのがよいでしょう。受験が終われば再開できるとわかれば、本人は安心して受験に集中できます。このように本人が迷っているときは、優先順位は親がつけるのがベストです。■自分で決めた子の方が上手に切り替えられる。親が焦りすぎないで子どもが続けたがっている場合は?また、子どもが習い事を続けたいと思っているのに、親に習い事をストップさせられてしまった場合、モヤモヤしたまま、かえって勉強に集中できないケースもあります。そこは無理にやめさせたりはしないでください。「◯◯の大会が終わったら」などと自分自身でやめ時を決められた子や、「このまま両立するのは無理だな」といい意味であきらめられた子は、上手に気持ちを切り替えられます。夏休みが終わっても習い事をやめる気配が一向に見えないと、焦りはじめる親御さんも多いのですが、勉強のギアが一気に上がりはじめる受験直前の11月、12月あたりになると、習い事を一旦やめる決断をする子がほとんどです。中には、結局最後まで両立し続けて、限られた時間の中ですばらしい集中力を発揮し、よい結果をつかみとる子も珍しくはありません。仮に「第一志望校合格」の成功は手に入れられなかったとしても、好きなことに全力で取り組みながら受験にも挑んだ経験は長い目で見れば決してムダにはならないでしょう。そもそも、かんたんにやめる決断ができないほど、熱中できる何かがあるのは、とてもすばらしいことですから、その気持ちは十分に理解してあげていただきたいです。■子どもが無用なトラブルで傷つかないために事前リサーチも大事辞める時のゴタゴタでその後のつきあいが気まずくなったりしないためのリサーチや日頃のつきあいは大事です(写真は少年サッカーのイメージです)ただ、気をつけていただきたいのは、やめたいときに自由にやめにくい習い事もあることです。ここ数年、サッカーや野球、バスケットなどのチームスポーツに取り組んでいた子が、受験を理由にチームをやめようとしても、なかなかやめさせてもらえない話を耳にするようになりました。「1人でも欠けてしまうと試合に出られない」というチーム事情が絡む場合はさらに深刻で、慰留を振り切ってやめた結果、親子ともにその後のつきあいが気まずくなるケースもあります。やめる、やめないでトラブルになれば、子どもも傷ついてしまいますから、それを避けるためにも、野球やサッカーなどのチームに所属する場合は、やめやすいかどうかを事前にきちんと確認しておくと安心です。富永雄輔(とみなが・ゆうすけ)進学塾「VAMOS(バモス)」代表。京都大学を卒業後、東京・吉祥寺に幼稚園生から高校生まで通塾する進学塾「VAMOS」を設立。入塾テストを行わず、先着順で子どもを受け入れるスタイルでありながら、中学受験から高校受験、大学受験まで、毎年首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る。少人数制の個別カリキュラムを組みながら、子供に合わせた独自の勉強法により驚異の合格率を実現して話題に。小さな学習塾ながら、論理的な学習法や、子供の自主自立を促し、自分で考える力の育成に効果的と、保護者から圧倒的な支持を集めている。日本サッカー協会登録仲介人として若手プロサッカー選手の育成も手がけ、アスリートと学習教育に共通する「成長プロセス」の体系化にも取り組んでいる。主な著書に『「急激に伸びる子」「伸び続ける子」には共通点があった!』(朝日新聞出版)、『東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?』(文響社)、『男の子の学力の伸ばし方』『女の子の学力の伸ばし方』(共にダイヤモンド社)などがある。
2020年02月05日宿題をやったことがなかった小学校時代と将来のために本気で勉強した高専受験出典 : 私は昔から、興味がないことにはまったくやる気が出てこないという特性がありました。おそらく深くて狭い領域に興味を持つASDの特性と、自分にとって刺激的なものでないと集中できないADHDの特性がかみ合った結果なのかなと思っています。例えば小学校のころはよく宿題が出ていたのですが、そのほとんどは提出はおろか手すらつけていませんでした...。先生には毎回怒られ、宿題を集めるときに肩身が狭い思いもしていたので、たまに気が向いたときには誰にも読めなくてもいいからとにかく早く書いて宿題を片付けたりして、なるべく時間をかけずにこなしていた記憶があります。そんな私でも、高専の受験は本気で取り組みました。小学生のころは不登校にもなりましたが、中学生になった私はようやく「将来プログラマになりたい!」と思うようになり、その第一歩が地元の高専に進学することだったからです。それまでは宿題すらろくに取り組まなかった私でしたが、高専受験のときは家で参考書を見ながらほぼ毎日勉強をしていました。自分にとっての目的がはっきりしていれば家でしっかり勉強できることがわかり、自分でも驚きました。得意不得意がはっきり分かれた高専の成績出典 : 高専進学後は、小学校高学年のころからずっと勉強しようと思っていた、プログラミングの勉強ばかりしていました。夏休みのバイトで得たバイト代のほとんどを専門書につぎ込んでいたり、晩ごはんを食べて寝る準備をしたら寝るまでずっとパソコンや専門書とにらめっこしているような状態でした。そのおかげか、プログラミング関連の教科はいつもかなりいい点数を取ることができていました。強い興味がある教科だと、自然と集中して取り組むことができて、少ない時間でしっかり覚えることもできました。さらに意外なことに、プログラミングに関係がありそうだなと思っていた物理などの教科についてもそれなりにいい点数をとることができていました。まったく興味がなかった電気系の教科は、いつも赤点ギリギリのひどい状態でしたが...とはいえ得意なプログラミングを好きなだけできていたので、とても楽しい学生生活を送ることができていました。興味がないことでも成果を出さなければいけない...社会人生活で感じた困難出典 : 学校を卒業してシステムエンジニアとして就職、大好きなプログラミングを仕事にすることができたのですが、仕事の中ではまったく興味がない分野のタスクもこなすことが求められます。例えば説明用の資料作成だったり、他の人と協力してひとつのものを作り上げたり。仕事なので期日もあり、やらないわけにはいかないのですが、どうしても集中して取り組めず、「他の人の倍以上の時間をかけてようやく人の半分くらいのものができあがる」ということがよくありました。社会人になってすぐのころは、この「興味を持てないけれどもやらなければならないこと」へどう取り組むかがずっと自分の中での課題になっていて、数年間悩んでいました。それから色々と試してみて・・・出典 : 「興味を持てないけれどもやらなければならないこと」へどう取り組むかーーそのなかにはうまくいったものもあれば、まったくうまくいかなかったり、逆効果になってしまったりというものもありました。その一部をご紹介いたします。結論から言うと、私にとってこれは全然うまくいかないどころか完全に逆効果でした。思い込みで好きになろうとするのは、興味がないまま自分なりにやってみる以上に疲れるものでした。ただ、数年間試行錯誤してみて『そのタスクが好きな人にどこが好きなのか聞いてみること』は自分にとって少し効果があるように感じました。自分が興味を持てないことでも、得意だったり好きだなと思っている人は誰かしらいます。そういう人に話を聞いて好きなポイントを知ることで、自分の中でそのタスクへの見方が変わり、興味を持てるようになることがありました。興味を持てないタスクをこなしていると、集中できず周りのいろんなことが気になり、ますます作業が進まない...という悪循環に陥ります。そういうときには会議室を借りるなどして、”そのタスクしかできない状況”に自分を追い込んで何とかこなしていました。興味がないことに取り組むとかなりのストレスがかかるので、終わった後には好きなものを食べるなど、ストレス発散するイベントをセットで用意しておくのもポイントかなと思っています。ストレスが溜まる方法でしたが、とりあえず目先のタスクを何とかするためには多少効果がありました。高専のときにプログラミングと関連する教科を好きになったように、興味を持てないタスクについても自分が好きだったり興味があったりする分野と関連する部分を探してみるアプローチです。うれしいことに、これは自分にはある程度効果がありました。例えば興味がない分野の資料作成をするときには、「こういう風に表現するとプログラムの設計書を書くときにも使えそう」とか「もともとの資料のこの書き方、すごくいいな。次に技術系の資料書くときにマネしてみよう」というように、自分が興味を持っている分野に活かせそうなポイントを探しながらタスクをこなすよう意識してみました。この方法は興味があれば集中できる私にはピッタリでした。どうしても集中できなかった仕事もちょっとだけ楽しくなって、それまでよりも集中して取り組めるようになりました。いろいろと試行錯誤してみた結果、いまの私が心がけていること出典 : 十数年をかけて試行錯誤し、私の場合興味がないことに対してはかなりの工夫をしないと集中して取り組めないのだということがわかりました。色々と試してみましたが、興味がないことをやらなければならないときには、もともと興味を持っている分野に関連させて取り組むのが私には合っているようでした。もちろんどうしても難しいときもありますので、そういうときには他のことができない状況にして、無理やりなんとかする方法をとっています。もし私と同じような特性のある当事者の方は、興味がないことに取り組む際にはもともと興味を持っているものと関連する部分を探してみるのはいかがでしょうか。そしてどうしても関連するところが見つからないときには、周りの方を頼ってみると自分ひとりだけでは気づけなかった視点での発見があるかもしれません。サポートする側の方は、その方の興味に関連する部分を探す手助けをしていただけたらなと思います。今回のお話が、発達障害当事者の方とその周りの方のご参考になれば幸いです。
2020年01月31日専修学校卒業間近!と思っていたら...先生からの電話で顔面蒼白にUpload By かなしろにゃんこ。車の整備士を目指し専修学校に通っていたリュウ太は、高等課程から専門課程に進み、専門的に自動車整備について学んでいました。リュウ太20歳の頃のこと。半年後にはいよいよ卒業、そしてついに社会人へ!という、将来の目標に向かって期待を膨らませている時期...のはずでした。しかし、そううまくはいかないのがわが家のリュウ太です。高1でアルバイトを始めて自由に使えるお金を手にしたことで夜遊びが多くなり、結果翌朝登校できない日が増え、卒業が難しくなってきたのです。そのことを知ったのは秋のこと…「リュウ太君はこのままだと卒業できませんよ」と学校の先生から電話がありました。母「えーーー!?補習25時限分ですか!!それと再試も!」実技の実習が多い学校です。サボりは命取りなのです。出席日数不足のため、卒業するまでもう1日も休むことはできません。遅刻もできませんし、通常の授業の後に補習を2時限ずつ受けなければ卒業はできなくなりました。Upload By かなしろにゃんこ。確かに毎朝寝坊はしていたけど、学校にはちゃんと行っていると思っていたのに…20歳になっても学校からの電話に悩まされるなんて…「どうなってんのよっ!まったくもうっ!(怒)」と、リュウ太を問いつめてみると…「朝起きたときは元気なんだけど、車で学校に行く途中に眠くなって…」リュウ太の学校は車通学ができます。就職に免許が必須なこともあり、生徒の半数近くがバイクか車の通学です。「渋滞で眠くなってきた…ヤバイこのまま運転したら危険だ」と、車を停められる場所で仮眠をとり...「ハッ!今何時だ!?」慌てて起き上がると、すでに陽が傾いて学校の授業が終わる時間。「またやっちまった…寝すぎた!部活(カート部)だけ顔出していくかな」と学校には一応向かうけれど、授業は受けられない日が続く...ということだったようなのです。どうにもならないくらい成績も最悪で順位は後ろから数えてすぐでした。(涙)母は「バカたれ――――!!遊びはほどほどにして毎日早く寝なさい!」と息子にカンカンに怒りますが、「そうしたいんだけど…遊びたいんだ。みんなが遊んでるのにオレだけ家に居るのはイヤなんだよ」と言います。目の前の楽しいことに全力な息子。気持ちはわかるけど、学校をおろそかにしてまで遊ぶのは良くないですよね。バイトもしていて体が疲れているんだから休まなくちゃ。Upload By かなしろにゃんこ。卒業したら整備士としての就職を視野に入れており、そうなると整備士資格が必須です。卒業認定証をもらえないと整備士の国家試験の受験資格は得られません。学校には奨学金制度を利用して通っていたので、資格が取れず就職できない場合、奨学金返済にも影響が出かねません。こんなことを親子で話し合い、卒業と資格取得を再度目指していくこととなりました。遊ぶの禁止!アルバイトは週1日!補習を毎日受けて、なんとか卒業へUpload By かなしろにゃんこ。周りの子はアルバイトもして国家試験対策もして就職活動もして、すでに内定をもらっている子もたくさんいましたが、リュウ太は補習や日々の授業をこなしていくことだけで精一杯です。卒業するまで遊びに行くの禁止!アルバイトは週1日だけ!と約束しました。そこからは毎日放課後に補習を受け、補習のあとには夜間に開いている試験対策の特別授業を受けて、帰宅するのは11時。そこまでしても万年落ちこぼれな子ですから整備士試験問題集はわからないものだらけです。試験前の合宿で3日間ぶっ続けで勉強して、ようやくみんなに追いついたようです。そして卒業2日前にギリギリ補習を終わらせ卒業できることになりましたが、結局就職活動ができないまま卒業式を迎えることになってしまいました。あとは国家試験を突破するのみ!しかし、ここで大きなハプニング...Upload By かなしろにゃんこ。卒業式2日後、整備士の国家試験の日。「大丈夫?受験票はしまったの?時間は間に合うの?」心配な母はソワソワ。母の心配をよそに、リュウ太は「受験票はカバンに入れたよ!大丈夫だって、いってきまーす」と元気に出発していったのです。…が!! 「ヤダ―――大事なもの忘れてる!」廊下に、そこにあってはいけないものが置いてありました。試験に必須の電卓と筆箱です。「まぁここまで頑張っただけでヨシなのかな?リュウ太だもんね、無事に済むわけないじゃない!大事な場面でやらかすのがあの子よ…」と母は諦めムードでした。試験会場前のコンビニで、リュウ太は青くなっていました。「やべー筆箱忘れてきた...電卓もない」と大慌て。「弁当買うついでにカバンの中確認してよかった。気づかず試験会場に入っていたら終わってたな...とはいえ所持金が800円しかないのにどーする…」Upload By かなしろにゃんこ。結局筆記用具は友だちに借りて、昼飯をオニギリ1つにして残金で電卓を買ったのでした。本当は11桁電卓が必要なところ、お金が足りなくて8桁電卓を購入。試験中に「わー計算できないっ」と少しパニックになりつつ、アナログで計算して乗り切るというスリル満点な1日だったようでした。それでもなんとか、自己採点では、多分…合格?と思っていたそうです。大丈夫でした。ちゃんと合格していました。うっかりハプニングも、乗り越えて強くなる!ADHD息子流の成長Upload By かなしろにゃんこ。息子はハプニングとお友だち。いつも何かが起きる、でもその度なんとか乗り越える。そうやって土壇場に強くなっていってるのかもしれません。それがADHD!と感じる母でありました。ちなみに忘れっぽくウッカリな特性がありますが、好きなものや得意なものでは集中力を発揮するので、仕事ではウッカリ整備不良ということはないように気をつけられるのでした。
2020年01月29日現代人は多くのストレスを抱えていると言われていますが、子どもも例外ではありません。株式会社セガトイズが行なった「7歳〜12歳のストレスの実態とライフスタイル調査」では、7歳〜12歳の子どもたちの67%が癒しを求めているという結果が出ました。こうした現状を知り、「我が子にはなるべくストレスと無縁でいてほしい」と考える親御さんも多いことでしょう。しかしながら、その考え方は見直したほうがいいかもしれません。じつは、子どもにとってストレスは必要不可欠なものなのです。なぜ、子どもにストレスが必要なのでしょう。また、親として子どものストレスにどう向き合えばいいのでしょうか。今回は、子どもとストレスの関係性について詳しくご説明します。人間はストレスがないと生きられないストレスとは、心身に何かしらの負荷がかかって生じるゆがみのこと。また、その負荷のもととなる刺激を「ストレッサー」と呼びます。ストレッサーは暑い・寒いなどの物理的なものから、疲労や睡眠不足といった肉体的なもの、友人とのトラブルをはじめとした人間関係的なものなど、さまざま。単純に考えれば、ストレスと無縁の生活を送るには、これらのストレッサーをすべて排除すればよいのです。では、実際にすべてのストレッサーを排除し、ストレスをなくすとどうなるのでしょうか。それを試した、アメリカの心理学者による興味深い実験があります。温度が一定で、匂いや音もなく、薄暗い個室——つまり、まったく刺激(ストレッサー)のない環境で一定時間過ごすという内容です。結果、被験者たちの多くは、しばらくの間「寒いところでは鳥肌が立つ」「暑いところでは汗をかく」といった体温調整がうまくできなくなったといいます。また、暗示にかかりやすくなり、「あなたは転ぶ!」と大声で叫ばれたら転んでしまう被験者もいたそうです。この実験からわかったのは、人間はストレスを失うと、生命を維持するのに必要な機能に支障をきたすということ。日常に置き換えてみれば、もっとよくわかるでしょう。たとえば、「お腹がすく」というのも日常によくある小さなストレスですが、これがあるからこそ人間はご飯を食べようとします。逆に言えば、「お腹がすく」というストレスがなければ、必要なエネルギーが摂取できないということ。つまり、ある程度のストレスは、「自分が生きていくために、するべきことをしないといけない」という危機感を与えてくれる、非常に大切なものなのです。良いストレス・悪いストレスとは?ストレスは生きていくのに必要不可欠であるとお話しました。しかしながら、読者の皆さんもご存知のとおり、ストレスはイライラや胃痛などの困り事を引き起こすこともあります。長期化すれば、深刻な病気につながることも。生きていくのに必要でありながら、不要な事態を引き起こす原因にもなりうる——こうした矛盾が生じるのは、なぜなのでしょうか。多摩大学大学院客員教授の水木さとみ氏は、ストレスについて、「良いストレス」と「悪いストレス」のふたつが存在すると説明します。まず、「良いストレス」とは、どんなものなのでしょう。水木氏いわく、ひとつは、先ほどご紹介した「お腹がすく」などの日常的に感じる小さなストレス。もうひとつ、何かをやり遂げようと目標を持ち、挑戦するときに感じる適度なストレスも、その人のエネルギーを高めたり、成長につながったりする良いストレスと言えます。一方、自分の意思とは無関係に、過剰な行動を続けた延長線に生じるストレスは、「悪いストレス」です。「やらなくてはいけない」「頑張り続けなくてはならない」と自分を追い込むような状況が続くと、心身が悲鳴をあげ、腹痛や胃痛、不眠、肌トラブルなど、さまざまな症状となって現れてしまいます。こうした現象は、カゴに入れられた輪の中をクルクル走り回るネズミを使った実験でも証明されています。そのネズミは、自らの意思で走っているぶんには、1日8キロメートル走っても問題ありませんでした。しかし、こちらが動かした輪の中を強制的に走らせると、わずか2キロメートルの時点で高血圧を起こしたのだそう。人間も同じです。たとえば、「残業」を例に挙げてみましょう。自ら達成可能な目標を持って仕事に取り組み、その達成のために残業しているときは、多少ストレスを感じても平気な人が多いでしょう。しかし、「不当にやらされている」「自分にはこの仕事をこなす能力がない」と感じている場合はどうでしょうか。「やりたくない。でも、やらなくてはならない」という状況のなかでの残業が続けば、体調を崩すのも無理ありません。子どもの「受験勉強」などにも置き換えられます。自分の行きたい、かつ能力に見合った受験校を設定し、その合格に向けて勉強をしているなら、多少のストレスを感じてもヘッチャラでしょう。しかし、「本当は行きたくない」「自分には絶対無理だ」と感じながら、長時間の勉強に耐えている状況であれば、心身のバランスを崩してしまう可能性が大いにあるのです。ストレスとの付き合い方を教えてあげよう!では、子どもを悪いストレスから守るために、親として何ができるでしょうか。それは、子ども自身が自分のストレスに対処できるよう導いてあげることです。子どもがストレスを感じた際、親にできることをご紹介しましょう。「こう言えば伝わるよ」と教えてあげるみなさんは、ストレスがたまったら自分で対処しているのではないでしょうか。日本ストレスマネジメント学会事務局長である桜美林大学の小関俊祐氏は、それは対処法が身についているからこそできることだと言います。たとえば、大人は、他人から嫌なことを言われても反論する知恵がありますよね。一方、子どもは、お友だちから嫌なことを言われても、語彙が足りなかったり、すぐに言葉が出なかったりして、上手に対応できません。そういうときは、「こうしたらいいんだよ」「こう言えば伝わるよ」と保護者が教えてあげましょう。小関氏は例として、“お友だちのおもちゃで遊ぼうとしたら「ダメ!」と言われ、どうしたらいいのかわからずお友だちを叩いてしまった” なんてことがあれば、「そういうときは、ちゃんと『貸して』って言うんだよ」と何度も教えることが大切だと述べています。また、お友だちに悪口を言われて落ち込んでいるとしたら、「○○ちゃんは自分のこと、そんなふうに思う?思わないでしょう?それなら気にする必要ないよ」と丁寧に伝えましょう。大人であれば、当然のように解決できる些細ないざこざでも、子どもにとっては大きな問題になりかねないもの。上記のように、大人ならではの視点で対処法を教えてあげることが大切です。ストレスの発散法を提案するたまったストレスを発散するにも、初めは親のガイドが必要です。たとえば、子どもが勉強に煮詰まってストレスをためているようなら、「ちょっと一緒に散歩しない?」「休憩がてらおやつ食べたら?」といった声かけをしましょう。このとき、子どもの好き嫌いに合わせて提案してあげるのがポイント。当然ですが、運動が嫌いな子に、「気分転換に走りに行こう」と提案しても意味がありません。「気分転換にしたいこと、ある?」と聞いてみるのもひとつの手ですよ。また、日常的にできることを提案するのも重要です。子どもが喜ぶからといって、「高級なチョコレートを食べる」「遊園地に行く」などといった行為は、日常的なストレスを発散するのに適切ではありません。加えて、選択肢を複数用意することも大切なポイント。「散歩してリフレッシュしよう」と考えていても、雨が降ってしまうこともあります。そんなとき、「じゃあ家の中でゲームしよう」など、代案に切り替えられると良いですね。小関氏は、子どもが中学生になる頃までに「自分はイライラしているとき、こうすると楽になるんだ」と自覚できるようになることを目指すべきと述べています。大切なのは、ストレスをなくすことではなく、ストレスとうまく付き合うスキルを身につけることなのです。***大人であれば、誰もが多くのストレスと戦ってきた経験をお持ちでしょう。そのストックが、お子さんへのガイドに役立つはずです。人生の先輩として、ストレスとの付き合い方をぜひ一緒に考えてあげてくださいね。(参考)株式会社セガトイズ|イマドキの小学生は疲れている!?67%が癒されたいと回答藤元メディカルシステム|先端医療講座「ストレス(第2回)…ストレスとは何か日経ビジネス|良いストレスと悪いストレスStudyHacker こどもまなび☆ラボ|ストレスと無縁の人生を送ることは不可能。教えるべきは「転んだときの起き上がり方」StudyHacker こどもまなび☆ラボ|高学年までに身につけさせたい、ストレスに対抗する“セルフコントロール”の力StudyHacker こどもまなび☆ラボ|子どものストレスを軽減させる“ストレスコーピング”。選択肢は多ければ多いほどいいベネッセ教育情報サイト|友だちから悪口を言われたと落ち込む子どもには、こんなフォローがベター
2020年01月20日「東大生の8割がリビング学習をしていた!」といった見出しの記事を読んだことがある人も多いでしょう。2010年に上梓した著書『わが子を天才に育てる家』(PHP研究所)が高く評価された一級建築士の八納啓創さんも、リビングやダイニングで子どもに勉強させることをすすめるひとりです。でも、ただ単にリビングやダイニングで勉強させればいいというわけではないようです。リビング学習、ダイニング学習が持つメリットと注意点を教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)もともとなかった、子どもが子ども部屋で勉強する習慣いま、「リビング学習やダイニング学習が学習効果を上げる」といったことがいわれますが、ただ単にリビングやダイニングで子どもに勉強をさせればいいわけではありません。その本質的な答えは、「親のそばがいい」ということ。その象徴が、親、とくに母親がいることが多いリビングやダイニングというだけなのです。子どもは、親のそばでお絵描きや宿題をやりたがるものですよね。なぜなら、親のそばにいることで得られる安心感と、自分がやっていることを親に見てもらいたいという気持ちによってモチベーションが保たれているからです。みなさんも、あたりまえのように「勉強は子ども部屋でやるもの」と思っているかもしれませんが、そもそもその習慣が根づいたのはここ数十年の話。いわゆる学習机が日本で生まれたのは1950年代後半です。それまでは、他の先進国も含めて、子ども部屋に学習机を置いて子どもに勉強をさせるという習慣はなかったのです。でも、先に述べたように、宿題も子どもは親のそばでやりたがります。そのとき、親が「せっかく学習机があるんだから」と、子ども部屋で宿題をさせようとしたとします。すると、子どもは「勉強=ひとりきりでやらないといけないもの」と考えてしまう。勉強はつまらなくてつらいものと認識して、勉強に対する興味や熱意を失ってしまうのです。人とのかかわり、喧騒のなかで勉強をする重要性勉強も子どもは親のそばでやりたがるというのは、「人とつながっていたい」という人間の本能なのでしょう。そう考えると、親がいるリビングやダイニングで勉強することこそが自然であって、子ども部屋にこもってひとりで勉強することは不自然ともいえます。しかも、その後の人生を考えてみても、人とかかわりながら必要な勉強や仕事をできることが重要です。社会に出たあと、果たして本当にひとりきりでできる仕事はどれくらいあるでしょうか?仕事をして対価を得る以上、必ず他者とかかわることになる。そう思えば、将来、社会でスマートに生きていける社会性を持った人間に子どもを育ててあげるためにも、リビングやダイニングで家族とかかわりながら勉強をさせることが重要だとおわかりになるかと思います。また、リビング学習やダイニング学習には、喧騒に対する耐性をつけるという効果もあります。とくに子どもにきょうだいがいるような場合なら、弟や妹が大きな声を上げて遊んでいるような状況で勉強をするということもある。似たようなことは、社会に出たあとにも多いのではないでしょうか。オフィスの隣の席では先輩が大声で電話をしていてる。上司に呼ばれれば、すぐに仕事の手を休めて駆けつけないといけない。そういったなかでも、自分がやるべき仕事に集中できる必要があります。そういう力、喧騒に対する耐性が、リビングやダイニングで勉強する経験によって培われるのです。もし、いつも静かな子ども部屋でだけ勉強していたとしたら、どうでしょうか。その子が大人になったとき、他人がたくさんいるオフィスの喧騒のなかでは仕事に集中できないということになってしまうでしょう。このことは、大学入試などの受験のときにもいえます。試験がはじまってまわりから聞こえるカリカリという鉛筆の音が気になって、実力の半分も発揮できないといった受験生もいるのです。リビング&ダイニング学習の注意点あれこれそう考えれば、子どもの性格にもよりますが、基本的にはリビングやダイニングでの勉強がベースと考え、子ども部屋で勉強するのは特別な場合だけと考えていいでしょう。みなさんにも、本当に集中しないといけない仕事は、静かな場所で誰にも邪魔されずにやりたいということもあるでしょう。子どもの勉強もそれと同じことだと考えるべきです。とはいえ、リビング学習やダイニング学習を子どもにさせるにはいくつか注意点もあります。まずは、発達障害の傾向がある子どもの場合です。そういう子は、リビングやダイニングなどまわりにものが多い環境では、すぐに気が散ってしまいます。そのため、机のうえにパーテーションのような仕切りをつくって、勉強に集中できる環境をつくってあげてください。そういう状況でも、顔を起こせばお母さんやきょうだいがそばにいてコミュニケーションを取れますから、リビング学習やダイニング学習の効果はしっかり得ることができます。また、照明にも注意が必要。ダイニングは料理が美味しそうに見えるように、リビングはリラックスできるようにと、照明は暗く設定されていることがほとんど。そのため、調光機能のある照明にしたりスタンドライトを置いたりして、子どもの目に悪影響を与えないようにしてあげてください。それから、椅子にも要注意です。学習机の場合は天板の高さを調節できますが、一般的なダイニングテーブルはそうではありません。大人用の椅子を使わせては、姿勢は悪くなりますし、勉強にも集中できません。そこで、「ストッケ」というブランドの製品など、足を乗せる板も座面も高さを調節できる椅子を用意しましょう。そして、なにより親がリラックスしておくことが大切です。とくに綺麗好きな母親の場合、ダイニングテーブルに消しゴムかすが散らかったりすると、ついイライラしてしまうもの。でも、「そんなに散らかして!」なんて叱ってしまっては、子どもは萎縮してしまいますし、「ここで勉強したら駄目なのかな」と思ってしまう。そうしないためにも、汚してもいい子ども専用のカウンターテーブルを用意するなどして、穏やかに子どものそばにいてあげてください。子どもにとって、勉強に対する最大のモチベーションは、大好きなお父さんやお母さんがよろこぶ顔を見たいという気持ちなのですから。『なぜ一流の人は自分の部屋にこだわるのか?』八納啓創 著/KADOKAWA(2015)■ 一級建築士・八納啓創さん インタビュー記事一覧第1回:子どもの人格形成への影響力大!リビングとダイニングが極めて重要な場であるわけ第2回:一級建築士が語るリビング学習のメリット。「子ども部屋で勉強」ではなぜいけないの?第3回:「日本の子ども部屋」に欠けている大事な思想。子どもの個室が持つ本質的な役割とは(※近日公開)第4回:子どもが賢く育つ家はどうつくる?一級建築士がアドバイスする家とインテリアの使い方(※近日公開)【プロフィール】八納啓創(やのう・けいぞう)1970年6月15日生まれ、兵庫県出身。一級建築士。株式会社G proportionアーキテクツ代表取締役。「孫の代に誇れる建築環境をつくり続ける」を100年ビジョンに、一般建築ではデザイン性と省エネ性能、快適性を追究。住宅設計では、「笑顔があふれる住環境の提供」をコンセプトに、年齢層は20代から80代、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。また、現在では、これまで携わってきた公共・商業建築設計の経験と住環境ノウハウを生かして、商業建築プロジェクトや建物環境再生による商業施設の活性化プロジェクト等にもかかわっている。著書に『「住んでいる部屋」で運命は決まる! 心も空間も、スッキリさせる方法』(三笠書房)、『住む人が幸せになる家のつくり方』(サンマーク出版)、『わが子を天才に育てる家』(PHP研究所)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年01月16日授業中は床にゴロン!気が向いたときしか勉強しなかった息子Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子のリュウ太は小学校では勉強らしい勉強をやらずにきました。なにせ授業中は廊下が友だちでゴロンですから、やってもいいかな~♪と気分がのったときだけ授業を受けるという気ままな子です。そんな状態ですから、中学に進んでなんでも自主的!に行うことを求められるようになると、勉強についていくことができなくなっていきました。テスト勉強ももちろんほとんどやらず、テストで平均点を取ることも難しくなりました。テスト前、「勉強しなさいよ」と声をかけると、部屋の中から「今やってるよ!」と返事が返ってきていました...が、本当はやっていなかったと思います(笑)周囲は受験対策を始める時期...うちの子のやる気スイッチが見つからない(涙)Upload By かなしろにゃんこ。中1のときだけ理科担当の担任の先生がテスト前に朝の特別授業をしてくれたので理科だけは平均点を獲得しましたが、他の教科はボロボロですよ…あはははは…(涙)テスト前に息子は「寝る間も惜しんで勉強しないといけないなんてオレにはムリ!勉強はやらない!」と”勉強を一生懸命やらない宣言”をしやがりまして、以後本気で勉強に向き合うことを避けていました。とは言っても、中2の冬頃になると周りは少しずつ高校受験の準備をはじめます。一緒に遊んでいた子も塾に通いはじめるし、家庭教師をつける子もいたり...うちも受験前に何もしないのはさすがにマズイだろうと家庭教師や英会話教室なども挑戦しましたが、やる気スイッチが発動しなくてどれも長続きしませんでした。勉強が面白くないのは先生の教え方が悪い、教材がわかりにくいなどと難癖をつけ...やる気がないときは全身の力が抜けて床に寝転がり、数時間充電しないと何もできず...好きなことでは記憶力が良くても、その他のことでは短期記憶も苦手で...Upload By かなしろにゃんこ。塾に通わせようにも、こんな息子の特性を理解してもらわないと授業にもならないので、大手の素晴らしい個別指導塾でもダメなんじゃないかしら?どうやって受験対策をしたらいいのやら...と悩んでいました。そこで地域の先輩ママに相談したところ、個人宅で小さな塾をしている方が近くにいることを知りました。息子の同級生のママが先生をしている塾でした。Upload By かなしろにゃんこ。落ち着きのない子でも見てくれるというので、見学に行って息子が発達障害であることや特性を話して相談したら、「それでも大丈夫ですよ!本当は男の子は小学校5年生から受験の準備をはじめたほうが受験問題をきちんと理解できるようになるんですけど、受験までにやれるところまで頑張りましょう!」と言ってくださり、通ってみることになりました。救世主は意外にも近くに...!Upload By かなしろにゃんこ。その個人塾は、息子にはぴったりの塾でした。静かな場所だとそわそわしてしまい、誰かと話したくなってしまう息子。授業中に他の子に話しかけてしまうことが度々あったのですが、個人塾の先生はそんな息子の特性に合わせ、プリントをする間はイヤホンで音楽を聴いて良いという特例のルールを設けてくれました。Upload By かなしろにゃんこ。それに、何かやらかしたときに感情的に話す息子に対して、先生は落ち着いた口調で必要なことを短く言葉にして伝えてくれる方だったので、イライラした気持ちが打ち消されていったと息子は言います。力を力で返すのではなく吸収してくれるような先生で、息子にぴったりでした。あぁこの塾があって良かった、ADHDの気性の荒い子でもなんとかなった!と思えました。テスト前は臨時で授業を開いてくれたり、塾をさぼっていないか親が確認できるようにメールもいただけたりして、親子でなにかと助かりました。親も子もストレスフルな受験期...理解ある先生にお任せできてよかったUpload By かなしろにゃんこ。おかげで苦手感があった数学に自信がついてきて、その後、車の整備士を目指すための専修高校に進んだ息子は、必須の数学を学ぶ際に挫けないですんだようです。大手の有名塾にも憧れましたが、息子には個人塾が合っていたのかもしれません。いろいろ悩みましたが、口コミから息子にぴったりのところに出会えて、本当によかったなと思います。今は発達障害がある子を専門にみてくれる塾もできてきました。いい塾が増えましたね♡反抗期の子どもと受験のアレコレでぶつかって疲れる毎日です。親子だけでどうにかしようとせず、理解のある先生にお任せすることで心の負担が軽減できました。
2020年01月14日子どものことを真面目に考える親ほど抱えがちなのが、「こうしなければならない」「こうしては駄目」という強い思いです。でも、気鋭の教育ジャーナリスト・おおたとしまささんは、「もっと肩の力を抜いていい」といいます。子ども教育において「やらなくてもいいこと」を、あえて逆説的に挙げてもらう短期連載最終回の「やらなくてもいいこと」は、「いい教育を与えなくていい」「自分で選ばせなくていい」「心配しなくていい」の3つです。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)【やらなくてもいいこと10】いい教育を与えなくていいここでいう「いい教育」とは、偏差値が高いなど世間一般に「いい学校」といわれる学校に入学させるといった教育のことを指します。わたしも教育ジャーナリストという立場上、「中学受験をさせたいのですが、どの学校がいいですか?」といったことをよく聞かれます。でも、受験をしないと入学できないような中学というのは、よほどのはずれを引かない限り、どこもいいのです。また、偏差値とは別に、「モンテッソーリ教育、シュタイナー教育、イエナプラン教育のどれがいいですか?」というふうなことも聞かれます。それに対するわたしの答えは、「どこでも大丈夫」になるでしょう。そもそも、子どもには自分で学んでいく力がある。ですから、どんな学校に行ってもそのなかで自分に必要な栄養を取って成長していけるのです。また、「与える」という発想になっている時点で、その親には危険性を感じます。これは、教育虐待をしている親に多い発想です。そういう親は、子どもは真っ白なキャンバスのようなもので、いい教育を与えればいい人間に育つが、悪い教育を与えれば悪い人間に育つと信じ込んでいます。子ども自身を見つめる視線が抜け落ちいていて、教育環境に対して過剰な期待を持っているのです。もちろん、どの学校の水が合うといった相性は多少あるでしょう。でも、子どもにはそれ以上に高い適応力がありますし、教育環境のちがいがその子の人生をまったく別のものにするといったことはまずないこと。たとえば、わたしが別の高校や大学に行っていたとしても、わたしは「いまのわたし」になっていたと思います。そして、忘れてほしくないのは、「決断の良し悪しというのは、決断したときに決まるものではない」ということ。東大に入ってまったく勉強をしなかった人間と、偏差値は高くなくても入った大学で精一杯勉強をした人間なら、後者のほうがよほど多くのものを大学から得ることになります。なにかを決断したとき、その道を最善のものにする努力をいかに続けられるか、その環境を最大限に利用するかということこそが大切なのです。【やらなくてもいいこと11】自分で選ばせなくていいこれは、どんな場面でなにをするにも子どもに選ばせている、子どもに対して理解のあるリベラルな親でありたいと考えている人に向けての言葉です。たしかに、子どもが思春期に差しかかって徐々に自我が目覚めて自己主張をするようになれば、そういう考え方も大切かもしれません。でも、幼い子どもの場合ならどうでしょうか?幼い子どもにはまだはっきりした自我も判断力もありませんから、なんでもかんでも子ども自身で選ぶことはできません。幼い子どもなら本気で、「お父さんとお母さんに選んでほしい」と思っていることもあるでしょうし、子どもが「どっちでもいい」といったらどっちでもいいのです。そういうときは、ある程度、親が決めてしまっていいとわたしは考えています。子どもが自分で選びたいというときだけ選ばせてあげればそれでいい。子どもになにかスポーツをさせたいと思うのなら、周囲の環境のなかで、「ちょっと水泳教室を見てみようか」「野球チームの体験練習に参加してみる?」というふうに、いくつかの選択肢を示してあげる。それで、子どもが選べないようだったら、子どもは親を信頼しているので、「じゃ、水泳を習ってみようよ」というふうに選んであげていいのです。もちろん、無理強いしてはいけません。子どもに「お父さんとお母さんがそういうなら、やってみようかな」という気持ちがあることが大前提です。そのうち、子どもが成長して自分の意志が出てきたら、そのときは子どもの意志を尊重すればいいのです。このことには、わたしからひとつ注意してほしいことが含まれます。子どもに選ばせることにこだわる親のなかには、無理に子どもに選ばせたにもかかわらず、子どもが習い事をやめたいということになった場合などに、「あなたが選んだんでしょ!」というふうに子どもの責任にする親もいます。それでは子どもが追い詰められてしまいます。そんな事態を招かないためにも、子どもの自我が目覚めるまでは、親が選んでもいいというふうに考えてみましょう。【やらなくてもいいこと12】心配しなくていい最後にわたしから伝えたいのは、「心配しなくていい」ということ。よほど間違ったことをしない限り、子どものことを真剣に考えている親の子どもであれば、その子はちゃんと育っていきます。ですが、子どものことはどんな親でも心配してしまいますよね。そういう場合は、「心配しなくていい」なんて強く考えすぎる必要はありません。「心配しなくていい」とは、「心配しては駄目だ」というわけではないのですからね。「心配しなくていいですが、心配してもいい」。わたしはそうみなさんに伝えたいと思います。『大学入試改革後の中学受験』おおたとしまさ 著/祥伝社(2019)■ 教育ジャーナリスト・おおたとしまささん インタビュー一覧第1回:いちばんのしつけとは、子どもに〇〇を見せること。親はそんなに頑張らなくていい!第2回:いまの時代、「絵本の読み聞かせ」にこだわらなくてもいいんです。第3回:才能さがしのための「たくさんの習い事」より、もっと大事にすべきこと第4回:なんでも「自分で決めさせる」親が、子どもを追い詰めているかもしれない理由■ おおたとしまささん 過去のインタビュー記事はこちら過当競争極まれり。難関中学への“逆転入学”が子どもに弊害をもたらしている「間に合わせの学力」では人生厳しい。「本質的な学力」を伸ばす“1日10分”の学び学力は人並程度あればいい。「新たな時代」を生き抜くためには“3つの力”が必要だ「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには“決定的に足りない”時間がある教育虐待をする親とその学歴。その教育、本当に子どものためですか?教育虐待は教育という大義名分のもとで行う人権侵害。でも親の多くは無自覚である失敗経験から学ぶ、学力とは異なる力がものをいう時代。受験勉強で「失うもの」とは?心が折れて立ち上がれなくなってしまう、自信家なのに自己肯定感が低い人【プロフィール】おおたとしまさ1973年10月14日生まれ、東京都出身。教育ジャーナリスト。雑誌編集部を経て独立し、数々の育児誌、教育誌の編集に関わる。中学高校の教員免許を持っており、私立小学校での教員経験もある。現在は、育児、教育、夫婦のパートナーシップ等に関する書籍やコラム執筆、講演活動などで幅広く活躍する。『新・男子校という選択』(日本経済新聞出版社)、『新・女子校という選択』(日本経済新聞出版社)、『世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方 最高の教科書』(大和書房)、『いま、ここで輝く。超進学校を飛び出したカリスマ教師「イモニイ」と奇跡の教室』(エッセンシャル出版社)、『中学受験「必笑法」』(中央公論出版社)、『受験と進学の新常識 いま変わりつつある12の現実』(新潮社)、『名門校とは何か? 人生を変える学舎の条件』(朝日新聞出版)、『ルポ 塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体』(幻冬舎)、『ルポ 教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年01月09日先行きが見えないといわれるいまの時代、「子どもの将来のために」と考え、多くの「こうしなければならない」「こうしては駄目」といった思考に縛られてしまっている人もたくさんいるようです。そこで、気鋭の教育ジャーナリスト・おおたとしまささんに、子ども教育において「やらなくてもいいこと」を、あえて逆説的に挙げてもらいました。短期連載第3回目の「やらなくてもいいこと」は、「習い事をたくさんさせなくていい」「子どもの疑問に答えなくていい」「未来を予測しなくていい」の3つです。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)【やらなくてもいいこと7】習い事をたくさんさせなくていいいまの子どもたちは、本当に多くの習い事をしています。でも、それが子どもの大切な時間を奪っていることをどれだけ意識していますか?小さい子どもにとって必要なのは、習い事でなにかができるようになることより、「ぼーっとする時間」だとわたしは考えています。ぼーっとする時間のなかで、子どもは退屈し、「なにをしようか」と考えはじめます。その思考こそが、子どもの自発性や主体性を育むことになるのです。多くの親は、子どもにどんな才能があるかわからないからと、たくさんの習い事をさせようとします。そもそも、子どもがもっとも才能を発揮できる「ベスト」の習い事を見つけてあげたいなんて考えても、なにがベストなんてことはわかりようがありません。でも、本当に才能があることに対してなら、子ども自身が自分で反応し、「これをやってみたい!」と目を輝かせるはずです。親としての役割は、その目の輝きを見逃さないことではないでしょうか。そうして子ども自身が選んだ習い事なら、そこから子どもは、その後の人生を歩むにあたって重要なものを得ることができる。だって、「好き」ではじめたことなのですから、子どもは夢中になって取り組むでしょう。そうすれば、どんどん上達するなど成果を出すことができ、強い達成感を得られます。でも、そのうち必ず壁にぶつかって挫折を味わうことにもなる。ただ、好きなことなのですから、そこで簡単に「もうやめたい」とはいいません。そうして必死に取り組むうち、ぶつかった課題を克服して挫折を乗り越えられるはずです。その一連の経験は、生きていく過程での大きな武器になると思います。【やらなくてもいいこと8】子どもの疑問に答えなくていいかつてのわたし自身もそうでしたが、「いい親でありたい」と考える親は、子どもからなにかを聞かれると、わかりやすく教えてあげたいと考えます。でも、それでは親がただ「Google」になっているに過ぎません。いまは、なにかわからないことが出てきたら、ネット検索すればすぐに答えにたどり着く時代。親までGoogleになってしまっては、子どもが自分で考える機会を奪うことになるのです。また、「子どもが疑問に思ったことについて、親も一緒に調べてあげましょう」ということがよくいわれます。でも、多忙な毎日を送っていて、そうする時間がないという人も多いでしょう。そういう場合、子ども自身に調べさせればいいのです。子どもが庭で見つけた虫の名前を知りたいというのなら、図鑑を手渡して、「これに載っているから、調べてごらん」といえばいい。ただ、子どもに対して無関心でいてはいけません。子どもがなにかに関心を持っているということに対して親は関心を持ち、「わかったら教えてね」といってあげることも大切です。実際に子どもが教えてくれたら、「ありがとう」と伝えて、その話題をどんどん深堀りしていきましょう。また、この方法には別のメリットもある。それは、子どもが自分で疑問を解決しようと調べているうち、「寄り道」をすることです。名前を知りたい虫について調べるうちに、好奇心をくすぐられた他の虫の知識を得るといったこともあるでしょう。これは、書店で本を探すことに似ています。いまはネット通販ですぐに本を手に入れることができますが、書店に行けばお目当てのものとちがう本に興味を引かれるということもありますよね。そんな寄り道が、子どもの知識の幅を広げてくれます。【やらなくてもいいこと9】未来を予測しなくていいこれまでの人生の成功モデルが崩壊したといわれるいま、親は「子どものため」と思い、「これからはグローバル社会だから、英語力を身につけることは必須だ」といったふうに、さまざまな未来予測をしています。ですが、これだけ時代の変化のスピードが増しているのですから、正確に未来を予測することなんて不可能です。それなのに、限られた自分の知識の範囲で親が未来を予測し、「こういう力をつけておいたほうがいい」というふうに損得勘定をする。でも、そんな損得勘定に基づいて子どもを教育することは、一種のギャンブルだと思いませんか?しかも、おそらく高い確率で外れるギャンブルです。そんな危ない橋を子どもに渡らせるべきではありません。では、どうすればいいのでしょうか?それは、どんなに世の中が変わったとしても力を発揮する、汎用性の高い基礎的な力を身につけさせておけばいいのです。どんな力かといえば、それぞれの時代における自分の立ち位置やまわりの状況を観察し、「これからはこういうスキルが必要だ」と判断し、その必要なものを自分で得ていく力です。スマホにたとえれば、スマホ自体が必要なアプリを感知してダウンロードする力を持っているような状況です。それこそが、どんな時代にも通用する、「生きる力」なのではないでしょうか。『大学入試改革後の中学受験』おおたとしまさ 著/祥伝社(2019)■ 教育ジャーナリスト・おおたとしまささん インタビュー一覧第1回:いちばんのしつけとは、子どもに〇〇を見せること。親はそんなに頑張らなくていい!第2回:いまの時代、「絵本の読み聞かせ」にこだわらなくてもいいんです。第3回:才能さがしのための「たくさんの習い事」より、もっと大事にすべきこと第4回:なんでも「自分で決めさせる」親が、子どもを追い詰めているかもしれない理由(※近日公開)■ おおたとしまささん 過去のインタビュー記事はこちら過当競争極まれり。難関中学への“逆転入学”が子どもに弊害をもたらしている「間に合わせの学力」では人生厳しい。「本質的な学力」を伸ばす“1日10分”の学び学力は人並程度あればいい。「新たな時代」を生き抜くためには“3つの力”が必要だ「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには“決定的に足りない”時間がある教育虐待をする親とその学歴。その教育、本当に子どものためですか?教育虐待は教育という大義名分のもとで行う人権侵害。でも親の多くは無自覚である失敗経験から学ぶ、学力とは異なる力がものをいう時代。受験勉強で「失うもの」とは?心が折れて立ち上がれなくなってしまう、自信家なのに自己肯定感が低い人【プロフィール】おおたとしまさ1973年10月14日生まれ、東京都出身。教育ジャーナリスト。雑誌編集部を経て独立し、数々の育児誌、教育誌の編集に関わる。中学高校の教員免許を持っており、私立小学校での教員経験もある。現在は、育児、教育、夫婦のパートナーシップ等に関する書籍やコラム執筆、講演活動などで幅広く活躍する。『新・男子校という選択』(日本経済新聞出版社)、『新・女子校という選択』(日本経済新聞出版社)、『世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方 最高の教科書』(大和書房)、『いま、ここで輝く。超進学校を飛び出したカリスマ教師「イモニイ」と奇跡の教室』(エッセンシャル出版社)、『中学受験「必笑法」』(中央公論出版社)、『受験と進学の新常識 いま変わりつつある12の現実』(新潮社)、『名門校とは何か? 人生を変える学舎の条件』(朝日新聞出版)、『ルポ 塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体』(幻冬舎)、『ルポ 教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年01月08日過去には考えられなかったほどの大量の情報に触れる現代社会において、さまざまな教育情報に触れるうち、たくさんの「こうしなければならない」「こうしては駄目」という思い込みを抱いている人も少なくないようです。そこで、気鋭の教育ジャーナリスト・おおたとしまささんに、子ども教育において「やらなくてもいいこと」を、あえて逆説的に挙げてもらいました。短期連載第2回目の「やらなくてもいいこと」は、「好き嫌いをなくさなくていい」「読み聞かせしなくていい」「子どもの問題に介入しなくていい」の3つです。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)【やらなくてもいいこと4】好き嫌いをなくさなくていい小学校での給食の時間、苦手な食べ物をなかなか食べられなくて苦しんだ経験がある人は多いでしょう。もちろん、健康な体をしっかりつくるためには、好き嫌いなくなんでも食べられることが大切です。ただ、小学校で子どもたちに給食を全部食べさせようとしたのは、「なんでも受け入れられなければいけない」とか「苦手なものも我慢できないといけない」といった、精神修業的な意味合いがあったように思います。そもそも、健康な体をつくるために必要な栄養を取ろうと思えば、無理やり苦手な食べ物から取らなくても、別の食べ物からだっていくらでも取ることができますよね。たしかに、好き嫌いなくなんでも食べられるのはとてもいいことです。でも、本当に苦手なものを無理やり食べさせるようなことをする必要はないはず。というのも、そういうことを繰り返せば、子どもにとって食事の時間が楽しいものではなく、つらいものになりかねないからです。その子が、食事に対して苦い思いを持ったまま成長したとしたらどうなるでしょう?家族団らんの場の中心は食卓ですよね。でも、その子は、大人になって家庭を持っても、家族と食卓を囲む時間を楽しいと感じられない……。そんな家庭では、どこでどう家族との絆を深めるというのでしょうか。無理をして苦手な食べ物を食べることなんかよりも、「家族との食事の時間は幸せだ」と思えることのほうが、その子の人生にとってはよほど重要であるはずです。【やらなくてもいいこと5】読み聞かせしなくていい絵本や本の読み聞かせについては、教育界においていまもむかしもとても重要なものだとされています。たしかに、幼少期の読み聞かせは、子どもの世界を大きく広げる可能性が高い、親子でできるおすすめのアクティビティです。でも、なかには読み聞かせに反応を示さないという子もいるでしょう。一部には、「ディスレクシア」という識字障害の子どももいます。そういう子どもに無理やり読み聞かせをしたとしても、そこから得られるものはそう多いわけではありませんし、読書が好きになるという可能性も低いでしょう。そして、時代はどんどん変化しています。これまで読み聞かせが大きな力を発揮したのは、ペーパーテストが人生の大半を決めるという時代だったからです。文字からなんらかの情報をインプットし、文字としてアウトプットするという力が問われたのがこれまでの時代でした。しかし、2020年の大学入試改革が象徴するように、ペーパーテストで高得点を取るという能力が人生に有利に働くということは、これまでよりも減っていくとも考えられます。また、いまはインターネットの普及やIT技術の進歩により、スマホやタブレット端末用のアプリなど、これまでになかったさまざまなメディアが生まれている時代です。つまり、文字だけに頼らずとも情報をインプットできる機会が増えているのです。いまなら「YouTube」をはじめとした動画共有サイトで情報を得ることもできるでしょう。もし、子どもが読み聞かせに反応を示さないのであれば、絵本や本にこだわらず、子どもに合ったメディアをチョイスしてあげることも、これからはひとつの方法だと思うのです。あるいは、小さい子どもに対してなら、そういったメディアに頼らずともできることがあります。それは、読み聞かせではなく「語り聞かせ」です。これは、有名なシュタイナー教育で行われるものです。シュタイナー教育では、子どもたちに絵本の読み聞かせをするのではなく、先生が子どもたちの目を見ながら、物語をそらで話して聞かせるのです。そうして言葉のシャワーを浴びせることも、十分に読み聞かせの代わりになる。それどころか、絵本ではなく先生の目を見て話を聞くことで、人の話をきちんと聞く姿勢を育むことになるのです。【やらなくてもいいこと6】子どもの問題に介入しなくていい親というのは、自分の子どものこととなると、ささいなことでも心配してしまうものです。子どもが幼稚園や小学校で友だちと喧嘩したとなったら、「早く解決してあげなければ」なんて考えて、つい介入したくなるものです。もちろん、子ども同士のトラブルが長引いて、いじめにつながるような危険性があるとか、子どもが本当に深く落ち込んで心が折れているような場合であれば、親が介入することも必要でしょう。でも、そうではない多くの場合においては、子ども同士に任せておくことが大切です。というのも、それは子どもにとって大きな学びの場面だからです。コミュニケーション能力が未熟な子ども同士は、小さなことでもトラブルを起こします。そして、コミュニケーション能力の未熟さゆえに、なかなか仲直りできないということもある。でも、時間が経てば、未熟ながらも子ども同士で折り合いをつけていく。それは、社会で生きていく大人になるための大事なステップであり、コミュニケーション力を向上させるための、最良の教材です。そういった大切な機会を、「子どもが心配だから……」と、親が簡単に奪ってしまわないように気をつけてください。『大学入試改革後の中学受験』おおたとしまさ 著/祥伝社(2019)■ 教育ジャーナリスト・おおたとしまささん インタビュー一覧第1回:いちばんのしつけとは、子どもに〇〇を見せること。親はそんなに頑張らなくていい!第2回:いまの時代、「絵本の読み聞かせ」にこだわらなくてもいいんです。第3回:才能さがしのための「たくさんの習い事」より、もっと大事にすべきこと(※近日公開)第4回:なんでも「自分で決めさせる」親が、子どもを追い詰めているかもしれない理由(※近日公開)■ おおたとしまささん 過去のインタビュー記事はこちら過当競争極まれり。難関中学への“逆転入学”が子どもに弊害をもたらしている「間に合わせの学力」では人生厳しい。「本質的な学力」を伸ばす“1日10分”の学び学力は人並程度あればいい。「新たな時代」を生き抜くためには“3つの力”が必要だ「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには“決定的に足りない”時間がある教育虐待をする親とその学歴。その教育、本当に子どものためですか?教育虐待は教育という大義名分のもとで行う人権侵害。でも親の多くは無自覚である失敗経験から学ぶ、学力とは異なる力がものをいう時代。受験勉強で「失うもの」とは?心が折れて立ち上がれなくなってしまう、自信家なのに自己肯定感が低い人【プロフィール】おおたとしまさ1973年10月14日生まれ、東京都出身。教育ジャーナリスト。雑誌編集部を経て独立し、数々の育児誌、教育誌の編集に関わる。中学高校の教員免許を持っており、私立小学校での教員経験もある。現在は、育児、教育、夫婦のパートナーシップ等に関する書籍やコラム執筆、講演活動などで幅広く活躍する。『新・男子校という選択』(日本経済新聞出版社)、『新・女子校という選択』(日本経済新聞出版社)、『世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方 最高の教科書』(大和書房)、『いま、ここで輝く。超進学校を飛び出したカリスマ教師「イモニイ」と奇跡の教室』(エッセンシャル出版社)、『中学受験「必笑法」』(中央公論出版社)、『受験と進学の新常識 いま変わりつつある12の現実』(新潮社)、『名門校とは何か? 人生を変える学舎の条件』(朝日新聞出版)、『ルポ 塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体』(幻冬舎)、『ルポ 教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年01月07日「子どもの将来のために、いい親でありたい」と考える真面目な人ほど、「こうしなければいけない」「こうしては駄目」といった家庭教育に関する多くの情報にがんじがらめになっています。そこで、気鋭の教育ジャーナリスト・おおたとしまささんに、子ども教育において「やらなくてもいいこと」を、あえて逆説的に挙げてもらいました。短期連載第1回目の「やらなくてもいいこと」は、「ガミガミ叱らなくていい」「朝は起こさなくていい」「夫婦の意見はそろえなくていい」の3つです。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)【やらなくてもいいこと1】ガミガミ叱らなくていい真面目な人ほど、「きちんと子どもにしつけをしないといけない」と考えます。もちろん、それはそれで正しいことですが、注意してほしいのは「しつけ=叱る」ではないということ。どうも、厳しく叱らないと「しつけができない」と考えている人が多いようです。でも、ガミガミと叱らなくてもしつけはできる。だいたい、子どもができないことは、強い口調で伝えたからといってできるようになりません。どんなに親が「ああしなさい、こうしなさい」といってもできないのなら、「このことは、この子にはまだできないんだな」と考えるべきです。まさに成長の真っ只中にある子どもにとっては、いまはできなくても、そのうちできるようになることもたくさんあるのですから。そして、口で伝えることだけがしつけではないと思うのです。わたしが考えるいちばんのしつけとは、子どもに親が手本を見せること。あいさつなんてそれこそ手本を示しやすいものでしょう。たとえば、子どもと散歩中に幼稚園の先生など知り合いに会ったとします。子どもがあいさつをできなかったからといって、「ちゃんとあいさつしなさい」というのではなく、親が「こんにちは」と先生にあいさつをすればいい。そういう親を見て育てば、子どもは自然に「そういうものなんだな」と思ってあいさつができるようになるはずです。普段から親がそういう手本を示していれば、もし子どもがやるべきことを忘れたような場合にも、その親の手本を思い出せるはずです。あいさつのケースなら、普段からあいさつができているような子どもも、たくさんの人が集まっているような場では、その状況に驚いてあいさつを忘れてしまうこともあるでしょう。そういうときも、まずは親がまわりの人にあいさつをする。そして、「こういうときはなんていうんだっけ?」と子どもに伝えてあげれば、子どもは「そうだ!」と思い出して、あいさつできるでしょう。そういった経験の積み重ねこそが、子どもにとって最善のしつけになると思うのです。【やらなくてもいいこと2】朝は起こさなくていい「朝は起こさなくていい」といっても、誤解はしないでください。小さい子どもに、自分で目覚まし時計をセットさせ、ひとりで起きるようにしたほうがいいというわけではありません。自分ひとりで起きられるようになるのは、やはり思春期頃からのことでしょう。もちろん、小さい子どもなら親が起こしてあげる必要があります。でも、小学生にもなれば、子どもに何度声をかけても起きないのであれば、そのまま放っておいてもいいと思うのです。なぜなら、子どもに「失敗の経験」をさせることも重要だからです。ご自身がはじめて小学校に遅刻したときのことを思い出してみてください。廊下には誰もいなくて、もうすでに授業がはじまっている教室に入るだけでも緊張したものですよね。そして、教室に入ろうとしたら、友だちの注目を一身に浴びる……。その恥ずかしさといったらないでしょう。そういう失敗によって痛い目を見れば、その子は緊張感を持ってきちんと起きようとするはずです。もちろん、学校には親としてきちんと連絡しておく必要があります。まずは担任の先生に子どもが遅刻することを謝罪し、「あえて遅刻をさせるから、しっかり叱ってください」と、今後のために意図的に失敗をさせたい旨を伝えれば、先生もきっと理解してくれるはずです。【やらなくてもいいこと3】夫婦の意見はそろえなくていい夫婦というのは、とくに子どもの教育方針については互いの意見を一致させたいと考えるものです。でも、他の多くのこともそうであるように、それぞれ別の人間である夫婦の意見が完全に一致するということはあり得ないといっていいでしょう。そこで無理に意見をそろえようとすると、夫婦関係がうまくいかなくなるということにもなりかねません。もちろん、夫婦で話し合うことは大切。でも、夫婦円満のためにも、相手を論破してでも意見をそろえようとするのではなく、結論については「遊び」を持たせておくべきではないでしょうか。「こういう生き方をする人間に育ってほしい」というふうな、大まかな方向性が合っていれば十分だと思うのです。その方向性を考えるうえでのアドバイスとしては、固有名詞を使うなどあまり具体性を出さないようにすること。「東大に行くような人間に育ってほしい」「最低でも偏差値60以上の大学に行く人間に育ってほしい」といいはじめては、それこそ夫婦の意見はなかなか一致しません。そして、むしろ夫婦の意見に「幅」があることのほうが、子どもにとっては大切なことだとわたしは考えます。というのも、その幅のなかで子どもの個性が育っていくからです。実際にはあり得ませんが、仮に夫婦のあらゆる意見が一致しているという場合、子どもはその狭い価値観のなかでしか生きられないということになります。でも、夫婦の意見に幅があるほど、子どもは「このことに関しては、お父さんはこういうけど、僕の意見はお母さん寄りだな」といったふうに考えることができます。あるいは、人にはそれぞれ異なる価値観と意見があるということを知ることもできる。夫婦の意見の幅が子どもの視野を広げ、世の中の見方をつくっていくのです。そう考え、仮にシングルの人であっても、子どもの祖父母など自分以外の大人と接する機会をなるべく増やしてあげることが大切なのではないでしょうか。『大学入試改革後の中学受験』おおたとしまさ 著/祥伝社(2019)■ 教育ジャーナリスト・おおたとしまささん インタビュー一覧第1回:いちばんのしつけとは、子どもに〇〇を見せること。親はそんなに頑張らなくていい!第2回:いまの時代、「絵本の読み聞かせ」にこだわらなくてもいいんです。(※近日公開)第3回:才能さがしのための「たくさんの習い事」より、もっと大事にすべきこと(※近日公開)第4回:なんでも「自分で決めさせる」親が、子どもを追い詰めているかもしれない理由(※近日公開)■ おおたとしまささん 過去のインタビュー記事はこちら過当競争極まれり。難関中学への“逆転入学”が子どもに弊害をもたらしている「間に合わせの学力」では人生厳しい。「本質的な学力」を伸ばす“1日10分”の学び学力は人並程度あればいい。「新たな時代」を生き抜くためには“3つの力”が必要だ「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには“決定的に足りない”時間がある教育虐待をする親とその学歴。その教育、本当に子どものためですか?教育虐待は教育という大義名分のもとで行う人権侵害。でも親の多くは無自覚である失敗経験から学ぶ、学力とは異なる力がものをいう時代。受験勉強で「失うもの」とは?心が折れて立ち上がれなくなってしまう、自信家なのに自己肯定感が低い人【プロフィール】おおたとしまさ1973年10月14日生まれ、東京都出身。教育ジャーナリスト。雑誌編集部を経て独立し、数々の育児誌、教育誌の編集に関わる。中学高校の教員免許を持っており、私立小学校での教員経験もある。現在は、育児、教育、夫婦のパートナーシップ等に関する書籍やコラム執筆、講演活動などで幅広く活躍する。『新・男子校という選択』(日本経済新聞出版社)、『新・女子校という選択』(日本経済新聞出版社)、『世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方 最高の教科書』(大和書房)、『いま、ここで輝く。超進学校を飛び出したカリスマ教師「イモニイ」と奇跡の教室』(エッセンシャル出版社)、『中学受験「必笑法」』(中央公論出版社)、『受験と進学の新常識 いま変わりつつある12の現実』(新潮社)、『名門校とは何か? 人生を変える学舎の条件』(朝日新聞出版)、『ルポ 塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体』(幻冬舎)、『ルポ 教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年01月06日来年度から保育園・幼稚園入園予定のキッズ&ママたち、ひとまず申し込みやお受験おつかれさまです。入園が決定したお子さん、これから決定が出るのにドキドキなママたち、いろいろな立場のキッズ&ママがいると思いますが、いずれにせよ来年度から新学期がやってきます。今回は、私が身をもって経験した幼活について、すこしお話します。保活だけじゃなくって、幼活も大変だった…!今年無事入園を果たした娘は、毎日元気に幼稚園に通っています。巷で“保活は大変”と聞いていたけれどまさか“幼活”もこんなに大変だとは思ってもおらず…… 。幼稚園って簡単に入れるもんだと思っていた我が家は完全に出遅れていました。さらに我が家は幼稚園に入るタイミングで引越しし、土地勘も知り合いもほぼいない中で幼活がスタート。入園試験のある年の春あたりからインターネットや本屋にある地域の幼稚園ガイドをもとに、「その地域にどんな幼稚園があるのか」「どんな特色があるのか」などを探し始めました。幼稚園は何を基準に選ぶ?幼稚園は、園ごとにカラーが全然違います。まずは誰しもそうだと思うのですが、「自宅からストレスなく通いやすい地域であること」を最優先事項にいろいろ特色を見ていきました。まずは「一斉保育がいいのか自由保育がいいのか」「お勉強はあるのか」など、幼稚園の方針を見て、パパと相談。さらに幼稚園選びでママたちが特に重視するという3つのポイント「園バスがあるのか」「給食(or弁当)なのか」「預かり保育はあるのか」の点をチェック。そして、「園での習い事はあるのか」を追加で見ていきました。絞った中でいくつかの園の見学会に参加し、その後、2つの園まで絞り、各2〜3回見学へ通ってみることに。しかしなかなか決めることができずギリギリまで悩み、夫婦でとことん話し合いました。ギリギリまで悩んだ原因は? 幼稚園情報は、どこから仕入れる?幼稚園は教育機関で、各園がいろいろな特色を打ち出しているので、「どういう過ごし方が娘には合うのか」「自分たちが育てたいスタイルに園のスタンスが合っているのか」をジャッジするのがなかなか難しかった…。ギリギリまで悩んだ要因としては、“絶対にここ!” という決め手がどちらにもなかったこと。説明会だけではどちらもいいところしか見えないし、どっちもそれなりにいいな〜という感覚がずっとありました。さらに引越し後、少しずつお友達や知り合いが増えるなかで、インターネットでは拾いきれなかった幼稚園情報が明らかに…。やっぱり生の声を聞くと、評判の良い先生・悪い先生ひとりの口コミや、ママ同士の関わり合いのエピソードで、園のがらりと印象が変わってしまいがち。それをどこまで情報として入れるのか考えどころですが、ネットや見学だけではわからない幼稚園事情を知るのは大切だと思います。入ってからわかったこと、◎◎は参加すべき!口コミをどこまで鵜呑みにするかもありますが、やはり周辺ママたちの口コミは大事。これは入ってから知ったのですが、娘の幼稚園は親の関わりが思ったより少なかった!私は育児や保育にもっと参加したかったなぁというのが本音。もちろん逆の意見を持っているママもいると思います。親が関わることはどれだけあるのか、園の行事での親参加はどの程度なのかなど、入園説明会ではイメージしきれなかった「園生活のリアルな情報」を、事前に知ることは重要だなと思いました。さらに我が家はタイミングが合わなかったこと、幼活が出遅れたことにより、園の行事の見学を一つもしていませんでした。運動会やバザー、造形展など園によっては未就園児や一般開放される行事も様々あります。未就園児向けのイベントや催しもあるし、やはり入園試験のある1年前には、気になる園や近くの園の行事はチラッとでも見に行った方が良いと思います。また、幼稚園のプレに通うと優先的に入園ができたり、園の雰囲気がわかったり、運動会など園の行事にもしっかり参加出来たり、親も子もお友達があらかじめできたりといいことがメリットも多いように感じました。我が家はプレは行くことができず、娘は問題ないようでしたが、私はすでにできているお友達の輪に入れず、情報も入って来ず孤独に…。プレスクールへの参加が入園の条件で、プレスクール申し込みも激戦…という園の話もたまに聞くので、やはり幼活は早く、やる気があるに越したことはないと思います。でも、今思い返せば、私自身はスケジュールにとらわれることなく入園前の娘との時間を満喫できたので、あまりお受験にとらわれる一年でもな…というのが本音です。幼稚園は、選べるからこその戦いがある幼活をして思ったこと。それは幼稚園は選ばなければ、ほとんどの場合どこかに入れるような印象だったということ。でも選べるからこそ、納得した園に入れたいと思うのが親心。教育方針も全然違うし、園と親の関わり方、親への考え方も全然違うのでやっぱり納得した園に入れたい!悩みに悩んで、選んだ園。娘は楽しそうだけれど、行事での園への参加を楽しみにしていた私にとっては思ったより親の出番が少なく、ちょっと物足りなさを感じてしまいました。しかし、先生もやさしく園も雰囲気もよく、幼稚園が大好きな娘。のびのびと毎日を過ごせる今の園がとても合っていたのだな〜と思うと、通うのは子どもなのに、「こんな経験もしてほしい」「こういう教育を受けてほしい」「私も保育に参加したい!」など親のエゴが出ていたなと反省。やっぱり子どもが楽しく通えるのが一番!入ってみるまではわからないこともたくさんありますが、子どもにとっては大切な幼児期の過ごす幼稚園、そして初めての社会。後悔や失敗をしたくないと意気込みすぎず、早めに動きつつも縛られず、未就園児の期間を一緒に楽しみながら、入園までの日を過ごしてくださいね♪
2019年12月18日英語なんてまだ早い……。検定試験なんて、うちの子にはまだ無理!そう考えている親御さんも多いかもしれません。しかし今、小学生以下の英検志願者数がどんどん増えているのをご存じでしょうか?公益財団法人 日本英語検定協会によると、英検、英検 Jr.、英検IBAの志願者は毎年のように拡大しています。なかでも、小学生以下の志願者数は、2014年から2018年にかけて、約25%も増えているのです。(受験の状況|英検|公益財団法人 日本英語検定協会を元に筆者が作成)小学生以下の子どもたちの間での英検の拡大に伴い、英検を受ける前の導入として注目を集めているのが「英検 Jr.」。いったい、どのようなテストなのでしょう?英検 Jr.とは?一番多く受験しているのは◯歳英検 Jr.とは、公益財団法人 日本英語検定協会が主催する、子どものための「育成型」英語テストです。英語学習を始めたばかりの子どもたちが、英語や異文化への興味・関心を広げ、英語でコミュニケーションすることへの親しみや楽しさを知ることを目的としています。1994年に作られ、その後2009年に「オンライン版」がスタートしました。当初は「児童英検」と呼ばれていましたが、2015年に「英検 Jr.」という名称に変わっています。幼児から小学生を対象としたテストですが、小学生の志願者が中心で、一番多く受けているのは8歳(小学2年生)です。英検 Jr. 3つのレベルと6つの特徴英検 Jr.には、ペーパー版・オンライン版・学校版がありますが、個人で受ける場合は「オンライン版」を利用します。そのため、本記事でもオンライン版についてお話ししましょう。オンライン版は、児童向けの英語テスト「英検 Jr. 」とテスト対策のための学習教材が一体となった、日本英語検定協会公式のサービス。子どものための英語リスニング教材も豊富で、試験の枠を超えておうちでの英語学習にも活用できます。ブロンズ、シルバー、ゴールドの3つのグレードが用意され、学習レベルに合わせて受けることができるようになっています。英検 Jr. オンライン版の特徴はこの6つ。リスニング特化型オールカラー!イラストが豊富で、ゲーム感覚で取り組める好きなときに好きな場所でテストを受けられる小学校の外国語活動に対応合否のない育成型カラフルで可愛らしい個人成績表とかっこいい成績証明書がもらえる(画像出典:REPORT CARD(個人成績表)|英検 Jr.|公益財団法人 日本英語検定協会)(画像出典:CERTIFICATE(成績証明書)|英検 Jr.|公益財団法人 日本英語検定協会)慶應義塾中等部でも導入!テスト一体型のリスニング教材英検 Jr.オンライン版は、慶應義塾中等部の中学1年生の英語学習にも導入されています。音声学習の補完、そして家庭学習の活性化を目的に採用されました。慶應義塾中等部英語科の江波戸愼先生は、次のように語っています。英検 Jr.オンライン版の利用は、語彙力アップに間違いなく貢献すると思います。ドリルでたくさんの語彙や表現を聞き、ゲームできちんとかつ楽しく点検をすることで、計画的に確実に学習が進んでいきます。結果、学習の効率があがり、特に音声での語彙の習得スピードはかなり早いと思われます。(中略)しっかりとした語彙の基盤をつくる手助けになっており、生徒もそれを実感しているようです。(引用元:特集 オンライン版の活用事例(4)|英検 Jr.|公益財団法人 日本英語検定協会)名門中学でも導入されている「英検 Jr.」ですが、レベルに合わせて幼児から小学生まで楽しく挑戦できますよ。ご家庭での英語学習の一環として取り入れてみてはいかがでしょうか。【関連記事】■子どもには○○中心の学習が一番! 専門家に聞いた、英検 Jr. の5つのメリット■幼児〜小学生にぴったり! 英検との比較と「英検 Jr.」おすすめ勉強法■「はじめての検定試験」デビュー!小学生の英検受験の3つのメリットと注意点■小学生以下の受験が25%アップ!子どもに合った英検の級の選び方とおすすめ学習法■小学1年生は55%、2年生は43%アップ!?増える「小学生の英検受験」■あなたのお子さんの年は移行期?全面実施期?3分でわかる「小学校英語教育」■授業のスピーキングは5倍、英語入試実施中学は8倍!現代の小学生にマストな「英語力」■知らないと損をする!親世代の感覚では危険な、現代の子どもの英語学習事情(参考)公益財団法人 日本英語検定協会|英検Jr.公益財団法人 日本英語検定協会|英検 Jr.「オンライン版」がスタート!公益財団法人 日本英語検定協会|検定・テストの特徴と比較公益財団法人 日本英語検定協会|受験の状況こどもまなびラボ|小学1年生は55%、2年生は43%アップ!?増える「小学生の英検受験」
2019年12月13日睡眠障害のいっちゃん、中学校では通常学級に在籍5年生の春ごろから睡眠時間が1~2時間ずつ後ろにずれこんでいくようになったいっちゃん。6年生の後半はほとんど学校に行くことが出来ていませんでした。でこぼこ兄妹の兄のほうは静かに勉強が出来る環境を求めて中高一貫校を受験をしたのですが、いっちゃんは受験勉強の時間を取るのも難しかったし、そもそも通常学級に通えるかもわからない状態だったのです。なので進学先としては、公立中学の通級指導教室の利用か、不登校のサポートをする私立中学のいずれかでと考えていました。調べてみたところ私たちの住む地域では、学区選択制で選べる公立中学のうち、校内に特別支援学級と通級指導教室があり、カウンセラーと特別支援スタッフが常駐しているところはA中学ひとつだけでした。他の中学校で通級指導を受けている子どもたちは通級のときだけその学校へ行くのだそう。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ入学時、校長先生には面談の際に睡眠障害について伝えていたのですが、担任や通級指導教室の先生には詳細に共有する機会はありませんでした。しかし、いっちゃん登校初日の授業中、突然寝落ち!実際に様子をみたことで、いっちゃんの睡眠の状態について先生方も理解してくださったようです。簡単に相談をして、普段は通常教室で授業を受け、必要に応じて通級指導教室で補習や宿題をするというかたちにしていただきました。学校とも連携しながら、行ける日に学校に行くいっちゃんを見守る日々睡眠障害については決まった治療もなく、外から働きかけるのも限界があります。今の段階では無理なく登校するように見守ってくれているという感じです。先生方とは、寝落ちしたいっちゃんを私が学校まで迎えに行ったときに直接話したり、連絡帳を交換したりして、家庭と学校での様子などを共有しています。Upload By 寺島ヒロ中学入学より半年ほど過ぎた今も、やはり学校へは行ったり行かなかったり...やや行かない日が多いかな...という感じですが、始業時間に間に合うように起きたときには自分で身支度をしてサラッと出かけていくので、学校自体はいっちゃんも楽しく通えているようです。ところで少し話は戻りますが、実はどうしても通えないとなったときのことも考えて、A中学に入学する前に不登校のサポートをする私立の中学校にも連絡をしていました。こちらの中学は自分で出る授業を決めることができ、例えば今日は3~6限、明日は4~7限といった授業の取り方ができるのです。これならいっちゃんも無理なく通学できるのではないかと考えたのです。しかし、6年生の中ごろから月の2/3欠席しているので十分不登校の資格(?)はあると思ったのですが、よくよく聞くと小学校の分はノーカウント、一旦公立の中学校に入学して半年間不登校であったと認められると入学を許可できるとのこと。制服などを揃え直さないといけないことを考えると憂鬱になりましたが、4月からの入学は見送らざるを得ませんでした。校長先生によれば、あくまでここでは不登校の子どもが元の中学校に戻れるようサポートをするという考え方でやっており、サポートの内容も、不適切な養育やいじめなどで傷ついた心のケアに重点を置いている。もちろん不登校による勉強の遅れをフォローするという意味はあるので受け入れないということはないが、いっちゃんの場合はまず公立の中学校に通ってみてはとのことでした。なるほどなあと思ったものです。親としては先が不安ではあるけれど...中学生になって早や6ヶ月、とはいえまだ6ヶ月です。体調任せなので、これからも不登校が続くかもしれません。でも、担任の先生や支援スタッフの方々も優しくしてくださいますし、わたくし自身も睡眠のことでは悩んでいたので、あまり登校についてはうるさく言わず見守っていく方向で考えています。無理をさせて健康を害しては仕方ないですからね。とはいえ、成績表を見るとうわーと頭を抱え、学校行ってくれないかなあ(平常点が付くから)と思ってしまうのですが...ここは親が精神力を試される場面と心得て、「あえて働きかけない」ことを頑張っています。親も日々修行です。
2019年11月22日学校選びで後悔しないために…出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回は、発達障害&グレーゾーンの子が中学受験を考え始めた時のご参考に、うちの経験を元にした、「発達障害目線」からの志望校選びのポイントを2回に渡ってお伝えするコラムの<後編>です。<前編>では、「その子に合った環境なら、多少の個性の違いは気にならない」ことだってあるので、その子の個性を活かしやすい、前向きな環境選びのポイント4つをお伝えしました。ただし、どんなに素晴らしい学校に出会ったとしても、受験期も入学後も「現実の壁」に突き当たることもあります。特に、人一倍感受性の強い子や、真面目で思いつめやすい子なら尚更影響が大きいでしょう。万が一、入学した後で「学校に行くのがつらい」「やめたい」となった場合、そこからリカバリーし軌道修正していくのは、親子共に多大なエネルギーと時間が必要になってしまう可能性も(でも、もし、そうなったらなったで「なんとかなる」と親子で思えることも大事です!)。今回の<後編>では、入学後に「こんなハズではなかった」「知らなかった、聞いてなかった」と親子で後悔するリスクを減らすために、事前によく調べた上で、親子でじっくり話し合い検討しておいたほうがいいと思う、現実的なポイント3つを中心にお伝えします。出典 : もし、お子さんが希望の学校に合格しても、満員電車や遠距離通学の負担等が大きくて学校に通えなかったら、つらい想いを経験してしまいます。どんなに素晴らしい学校でも「現実的に我が子が自分で通えるか」は、よく検討したほうがいいでしょう。うちでは早い段階から、「ドア・ツー・ドアで片道1時間以内、電車の乗り換えは1回まで」の学校にまず絞ってから、志望校選びをしました(また、現在長男は「通勤通学の混雑時間帯を避けて、早めに登校する」などの工夫もしています)。感覚過敏があり身体接触が苦手な子や、自律神経や思春期のホルモンバランスの乱れから、起立性調節障害、自律神経失調症、過敏性腸症候群などの傾向がある子は特に、毎日の通学負担は無視できないポイントです。また、発達障害のある・なしに関わらず、特に思春期の女の子は、混雑路線の電車通学や、部活動等で帰宅時間が遅くなるのも心配でしょう。・自転車通学やスクールバスなど、電車以外の通学手段もあるか・電車通学でも「乗り換えが少ない」「混雑路線や混雑駅を避けられる」等のルートがあるか・体調に不安のある子は、途中駅に寄りやすいトイレがあるか・学校・駅周辺の夜間の街灯の設置や治安はどうか・万が一の災害やトラブルなどの時に、親が迎えに行くまでどのくらいかかるか(自宅・職場からの距離など)…などをチェックし、できるだけ負担の少ない通学手段・時間を選べるといいでしょう。併発している疾患がある場合には、主治医ともよく相談し「どの程度の負担までなら大丈夫そうか」意見を聞いてみるのも大事です。また、通学の負担の「体感での」確認は、見学会・文化祭等で学校に足を運ぶ度に、「実際に使用する通学手段・ルートで(できれば、同じ通学時間帯で)」親子で何度も体験・確認するのがいいでしょう(この過程で、子どももある程度慣れることもあります)。出典 : 発達障害のある子の中には、IQ(知能指数)の非常に高い子や、寝食を忘れて勉強に没頭できる子、人並み外れたガッツがある子などもいて、いわゆる「超難関校・超進学校」の中にも「入学してみたら、類友ばかり」なんて話も…。でも、そういったタイプ以外の子には、ただでさえ中学受験勉強は、まだまだ幼い小学生には負担が大きなもの。ましてや、過度なストレスやプレッシャーに弱い子は特に、精神的に不安定になったり、余計に集中力や注意力が落ちてしまう可能性も(特に、現在二次障害があるお子さんは、受験勉強を始める以前に、まずはそのケアと解決が最優先でしょう)。子どもの健全で健康な発達には、十分な睡眠やあそびの時間も大切な栄養なんです。そして、発達障害に限らず、過剰な受験勉強を強いられて、心身の健康のバランスを崩し、その後の学校生活や思春期の人格形成に影響したり、燃え尽きて生きる意欲を失ってしまう…などの教育虐待や、過剰な受験競争・学歴偏重社会の影響も、昨今、国内外問わず問題視されてもいます。偏差値や知名度だけを見ていたら、「その子にとって」本当にいい学校・合っている環境が見えにくくなるかもしれません。それに、少し先の大学受験を視野に入れる場合も、近年の大学入試での推薦・AO型入試の増加傾向等から、「より偏差値の高い学校が、より偏差値の高い有名大学に入りやすい」とも限りません。世の中の価値観が多様化していく中で、学校・大学の偏差値順のランキングも存在意義が薄れつつあるようにも思えます。また、正直な話、進学校で学力的にギリギリ合格ラインだと、入学後に中高一貫校の進度の早い授業スピードについていけなかったり、大量の宿題がこなせなくて、不登校になるお子さんも少なからずいるようです。ですから、あくまで1つの考え方ではありますが、その子のペースで無理のない受験勉強をし、入学後も余裕を持って勉強に励むことができる、「背伸びし過ぎない」難易度の学校を選ぶのも、私には賢い選択のように思えます。苦手なことや失敗が多くて自信をなくしがちな子でも、比較的上位合格できる学校や、得意分野の強みを活かせる学校で、「できる子」として扱われて自信をつけるのもアリでしょう。こういった受験生の過剰な勉強の負担を考慮し、1科目・2科目入試、選択科目入試、推薦・AO型入試等、多様な入試方式を採用する学校も増えていますので是非、早めのチェックを。そして実は、「中高一貫」だからと言って、無条件に全員が高等部に進学できるとは限らない場合もあるのは、注意したい点です。高等部進学に際して、「成績評価に1がないこと」「進学試験にパスすること」などの一定の条件が課せられる学校もあるからです。また、学校によっては、成績不振の生徒にはさりげなく転校や、他校の高校受験を勧められる…なんて話も時々あるようです。その子の進路に関わる大事なことなのに、入学後に「聞いてなかった」「知らなかった」というリスクは大き過ぎます。こういった情報は説明会ではどの学校でもあまり触れられませんでしたが、もし、学習面で不安がある場合、在校生や保護者の方に実情を訊ねてみるといいでしょう(高等部進学に関する規定は、生徒手帳の校則等に書いてある場合もあります)。記事 「教育虐待をしないために親に心がけてほしいこと」おおたとしまさ出典 : そして最後に、いじめの予防と対応です。特に、発達障害のある子は「みんなと違う」ことで、いじめの対象になりやすく、また、親や先生に上手に相談できるスキルが弱くて深刻化しやすい傾向があると私は思っています。特に思春期は、その子の人格形成においてとても大事な時期なので、「いじめのない学校を」と希望されるご家庭も多いでしょう。でも、残念ながら、「家庭環境に恵まれた子が多いから」「この学校は優秀なお子さんが多いから」…等の理由で、私立中学にいじめがないとは言い切れません。また、学校の口コミサイトなどに「いじめはありません」等と書かれていても、鵜呑みにしないのが賢明です(状況は日々変化する上、書き込んでいる人の立場によって「いじめの事実」が見えないこともありますから…)。つまり、どんな学校でも「いじめは起こるもの」を前提に、事前にできる予防の対策をし、発生後に迅速に対応できる体制があるか、を見るといいでしょう(特に私立は、教育委員会などの上位組織もなく、何かあった時に学校内で収めてしまいがちです)。・校舎の造りや雰囲気(照明や採光の明るさ、防犯設備の有無、掃除や掲示物の状態など)・スクールカウンセラーの配置や外部機関との連携体制があるか・先生と生徒、先生同士のコミュニケーションが取れているか(職員室の配置や様子、先生の親しみやすさなど)・情報の公開性(学校に不利・不都合な情報でも公式HP等で公開し掲載されているか、など)…などの「風通しの良さ」が、いじめ対応のポイントだと、私は思います。こういった雰囲気は、なかなか外からはハッキリと見えにくいものですが、全体的に明るくオープンで「空気が軽い」印象がする学校は、ある程度いじめに対して、心理的な予防効果があるように思います。また、先生方のコミュニケーション力は、いじめ対応においても、とても大事な要素でしょう(特に管理職)。見学会や説明会の際、挨拶程度でもいいので、校長先生や教職員を見かけたら話しかけてみるといいでしょう。また、文化祭や最寄駅などでの、在校生同士の様子や表情の豊かさなども参考になると思います。子ども自身の意思がなければ、どんな環境でも適応が難しいから…出典 : 最後に…もっとも大切なのは、やはりお子さん自身の意思です。そしてご承知の通り、現実的には受験は合格・不合格があり、必ずしも希望が叶うとは限りません。それでも、第一志望以外の学校でも気持ちを切り替えて前向きになれる子はいいのですが、それがなかなかできなかったり(親のほうが結果を受け容れられない場合も)、親や塾から無理矢理勧められた学校に不本意ながら通うお子さんは、その後の学校生活への適応が難しくなる傾向があると聞きます。実際、長男の中学でも、入学直後から情緒が不安定だったり、数ヶ月で不登校になるお子さんも何人かいました。どんな学校でも、どんな環境でも、本人の意思を伴わなければ不満やストレス、環境への違和感を、より強く感じやすくなるのだと思います。ですから、元々気持ちの切り替えが苦手な子や、真面目で思いつめやすい子は特に、お子さんが本心から「行きたい学校」「行ってもいい学校」しか基本的に受験しないことを、私はオススメしたいです。うちの長男の場合、中学受験以外の選択肢も含めて、小学校卒業以降のあらゆる進路の可能性を親子で検討しましたが、結局、本人が気に入った第1志望1校だけを一般入試とAO型入試の複数回受験し、他校は受験しませんでした(もし、不合格だった場合は、「公立中学に在籍しつつ、自治体の教育支援センターとホームスクールの併用で前向きな不登校」という選択が、うちの「滑り止め」でした)。ここまで2回に渡って、うちの経験から私立中学の志望校選びのポイントを「発達障害目線」でお伝えしましたが、なかなか、ご家庭の全ての希望を満たし、尚且つ、現実的に合格可能な学校と出会うのは難しいかもしれません(特に、うちのような地方在住の場合、私立学校の選択肢も少ないでしょう)。その子にとって「絶対に外せないこと」「ある程度妥協できること」「そんなに気にならないこと」などの優先順位をつけながら、親子でよく話し合って志望校を比較検討されるのがいいでしょう(一覧表にして点数などをつけるのもいいですよ)。でも、中学受験に限らず、「どんな環境でなら、その子らしく生きていけるのか」その子の個性と相談しながら、親子で一緒に探っていくこと自体が、自立に向かうための大事なプロセスだと私は思っています。大場美鈴/著『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』2017年/刊/ポプラ社
2019年10月02日最新ガジェット無料体験やプログラミング体験コーナー、そして子どもの成長が詰まった発表が見どころ前回約1万人が来場し、大好評を博した「ワンダーメイクフェス」。6回目となる「ワンダーメイクフェス6」は、11月9日(土)・10日(日)の2日間、日本科学未来館7階で開催されます。「ワンダーメイクフェス」は、プログラミングやロボット、デジタルファブリケーションといったテクノロジーを活用したIT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」が主催するイベントです。子どもたちと社会との接点を増やすことを目的に、通塾生の作品発表会として、年に1回開催されています。2015年の初開催から回を重ねるごとに内容・規模ともに大きく進化しており、通塾生に限らずたくさんの子どもたちが楽しめる子ども体験型プログラムも盛りだくさん。当日は、・ITやものづくり系企業によるワークショップ・展示・プログラミング体験コーナー・子どもたちによるゲームやロボットのプレゼン発表など、休日に親子で気軽に楽しめ、ためになるコンテンツが盛りだくさんのイベントです♪「ワンダーメイクフェス6」特設サイトワンダーメイクフェスへの参加を通じて学んだことを活かし、AO入試に合格前回大好評だった、注目のIT企業による最新ガジェット体験・展示だけでなく、LITALICOワンダー通塾生の作品発表も見どころのひとつです。LITALICOワンダーへの通塾やワンダーメイクフェスへの参加を通じて学んだことを活かし、AO入試で大学に合格。現在大学生活を楽しんでいる睦さんへ取材しました。Upload By 発達ナビニュースプロフィール:睦(さとし)さん現在大学1年生。2018年6月から約2年、LITALICOワンダー蒲田に通塾。たまたまワンダー川崎の前を通った睦さんのお姉さんが、「ブロック好きな睦にぴったりの場所かも!」と当時高校2年生だった睦さんに紹介したことがきっかけで入塾。好きが高じて制作したロボットのコマ撮りアニメーションを大学のAO入試で発表し、見事合格しました。「大学はパソコンの授業が面白いです。ソフトウェア上の楽器を使って、プログラミングで音楽をつくったりすることもある」と大学生活について慎重に言葉を選びながら説明してくれる睦さん。これから挑戦してみたいことを聞いてみると、「ロボットのデザインと、そのアニメ化をやってみたい」と返ってきました。そんな睦さんにLITALICOワンダーと出会う前のことを聞いてみると、「数字の理解が苦手だったので、そこの部分に自信がなかった。できないことが多かった」と話してくれました。小学5年生のときの先生との出会いで、少しずつ睦さんは変わっていきます。睦さんのこだわりのロボット作品をはじめて見た先生はすぐに「美術クラブで作品をつくってみたらどう?」と提案。はじめは戸惑うことも多かった睦さんでしたが、大好きなロボットの作品を通して、次第に周りの子どもたちとも打ち解けていきました。高校受験は、学力試験がない代わりに面接や自己アピールをする受験方法で入学。高校の先生も睦さんのものづくりの才能を認め、以前から興味のあった映画制作にも挑戦。そしてLITALICOワンダーに出会ってからさらにものづくりへの情熱は加速していくようになります。Upload By 発達ナビニュース高校2年生でLITALICOワンダーに入塾した睦さん。ロボット制作への探求心はロボットプログラミングへも派生していきます。そして睦さんのつくったロボット作品を起点に、同年代の子どもたちやスタッフとも活発にコミュニケーションをとっていきます。苦手だった企画や言葉の整理などは、大好きな本やネットで調べたり、自分から周りの人の助けを借りてどんどん自分で解決していけるようになりました。LITALICOワンダーでは、興味やスキルを生かした進路の相談をしたり、制作のアドバイスをもらったり。「パソコンの専門用語が多くて、大学の授業は難しい。ワンダーでは分かりやすく教えてもらえていたが、大学だと1度でやらないといけないこともあったりして…。」と睦さんの本音も聞こえてきました。睦さんがはじめてワンダーメイクフェスに参加したのは高校2年生のとき。大好きなアニメのキャラクターの動きを再現したロボットを展示しました。「睦は末っ子なので、普段小さいお子さんと話す機会はほとんどありません。正直、発表当日に小さなお子さんたちがワッと睦の作品にかけよったときは、どんな対応をするのかと心配で仕方ありませんでした」とお母さん。それまで学祭などでは展示していたものの、ワンダーメイクフェスのように一般人も来場する1万人規模のイベントで展示するのは初めての経験。結果的に発表は大成功。小さな子どもたちにも自分から積極的に作品の説明をしていた睦さんを、お母さんは頼もしく感じたと話してくれました。「ブース発表は、高校受験のときと同じくらい緊張しました」と笑う睦さんからは、照れながらも自信がのぞいています。Upload By 発達ナビニュース幼いころから話すことが得意ではなかったという睦さん。ワンダーメイクフェスに向けて準備をする中で、LITALICOワンダーの教室で制作を進めたり、図書館やネットで調べたり、大好きなブロックのテーマパークへお兄さんと2人だけで旅行したり。「さまざまな出会いと経験を積み重ねる中で、着実に成長し人とのつながりがゆるやかにひろがっていっています」とお母さんは嬉しそうに話されていました。「LITALICOワンダーで、先生や友だちと大好きなロボットの話ができて楽しかった。小さい子もいたし、同年代の友達もできた。もともと苦手意識のあった数字は、プログラミングの調整をしたり、ワンダーの先生が言っていたことをひとつずつ思い出したりした。そうやって繰り返し覚えることが自分にあった方法だと気づいた」苦手な計算も、自分らしく吸収するコツを身につけ、LITALICOワンダーで出会った人たちの助けを借りながら解決していきました。ロボット制作への探究心をどんどん派生させ、得意なロボットの作品を通して、応援してくれる仲間を見つけ、一歩ずつ成長してきた睦さん。そしてそんな睦さんの挑戦をあたたかく見守るお母さん。別れ際に「僕にはまだ分からないことがある。また遊びにくるよ!」と言う彼の背中は頼もしく見えました。ワンダーメイクフェスは見どころいっぱい!ワンダーメイクフェスは、通塾生以外にとっても見どころが盛りだくさんです。・無料で最新のガジェットに触れて、遊べる「企業コーナー」ITやものづくり関連の企業などによる、テクノロジーツールの展示や体験があります。子ども向けのIT教材やツールの最新事情をいち早く体験することができます。・プログラミングをプチ体験できる!「ワンダーコーナー」LITALICOワンダーによる、遊べて学べるコンテンツが盛りだくさんのコーナー。初めてプログラミングに触れるという子どもたちでも楽しめる、ゲームプログラミングやロボットプログラミングのプチ体験をご用意しています。・プロのコメントも聞ける「プレゼン発表・ブース出展」年長・小学生~高校生の子どもたちによる、プログラミングやロボット制作などのプレゼンテーションや展示は見どころのひとつ。ITやものづくり系のクリエイターの方からの作品へのフィードバックもあり、プログラミングを学ぶ子どもたちにとっての社会への発表の場となっています。◇開催日時2019年11月9日(土)・10日(日)10:00~17:00(9:30開場・17:00最終入場)入退場自由◇開催場所東京都江東区青海2-3-6日本科学未来館7階新交通ゆりかもめ「テレコムセンター駅」下車、徒歩約4分◇参加費無料※日本科学未来館の常設展・企画展をご覧になる場合は別途入場料が必要です。◇参加・申し込み方法下記の特設サイトより入場申し込みをお願いします。当日は混雑が予想されるため、事前に入場申し込みをするとスムーズに入場できます。※当日参加も可能です。「ワンダーメイクフェス6」特設サイトはこちら
2019年09月30日小学生の息子に発達障害のこと、伝えるべき?Upload By かなしろにゃんこ。息子がADHDと広汎性発達障害の診断を受けたのは小4の春でした。発達障害の検査や医師との面談に何度もクリニックに通いました。その度に息子は「ぼく何で病院に行くの?」と謎に感じていたようでした。「発達障害の検査をするからだよ」と言っても理解できないかもしれないな~と思って、その頃人間関係からくるストレスで胃痛があった息子だったので、とっさに「お腹の検査だよ」と言って誤魔化しました。子どもに発達障害について伝えるときって、どう言えばいいんだろう?…というか、伝えていいんだろうか?その頃はまだ何も分からない発達障害の子の母1年生の私でした。Upload By かなしろにゃんこ。診断を受けたクリニックの先生や心理士さんに「子どもには発達障害のことを話した方がいいですか?」と聞いたところ、「子どもにカミングアウトをする時期は物事の道理が理解できるようになってきた中学~高校生頃が良いです。また受験のシーズンと重なって気持ちが揺れ動くのを避けるために、受験の前か後がいいですよ」とアドバイスされました。しかし私は反抗期を前に、いやすでに始まっていた反抗期の中、発達障害があると分かった息子にさまざまなことを伝えていかなければならないのに、発達障害のことに触れないでいくことはできないな~と感じました。発達障害の特性によって、周囲の人たちと考え方の違いが生まれていることが息子には多くあったため、一般的にはこうするよ!こう考えるよ!と教えたり話し合ったりした方が良い、そのためには発達障害があることを隠すのはどうなんだろう?とも考えました。息子小5の冬、発達障害について本人に伝えることに。息子の反応は...Upload By かなしろにゃんこ。「発達障害が悪いわけではないし、発達障害があることは強みでもある!」そう言って伝えようと、リュウ太小5の冬のある日、学校から帰ってきたリュウ太に話をしたのでした。なんともいえない複雑な、悲しそうでもある表情で息子は黙って聞いていました。「障害」という言葉がとてもショックだったのだと思います。言わないほうがよかったかな…とも思いましたが、息子の表情をみて、「発達“障害”という名称だけれど、個性だし、脳の機能が他の人と少し違うだけ。ほら障害物レースってあるでしょう!何かに邪魔されてうまく走ってゴールできないやつ!」と、障害という言葉についてフォローをしました。Upload By かなしろにゃんこ。“障害=悪い”というイメージではなく、一つの特性として考えてくれたんじゃないかなと思います。また、リュウ太はADHDだけれど、嫌なことは早く忘れてワクワクすることにすぐシフトできたり、思いついたヒラメキをすぐに形にしようと行動したりするところが、起業する社長さんのような能力なんだとポジティブな面についても話しました。ADHDとは何かなんてよく分からなくても、僕は僕のままでいいんだって思ってくれたら嬉しいなと思いました。そこからは息子に「ADHDの特性で足元を見ないで歩いてケガしやすいから、オモチャはこまめに片づけようね」とか、「忘れやすい特性があるから持ち物はドアノブに引っ掛けるようにしようね」、「思ったことをそのまま友だちに話すと本当のことでも友だちが傷つくから、黙っていたほうがいいこともあるよ」など、原因と結果と工夫の提案を伝えやすくなったのでした。Upload By かなしろにゃんこ。こうして早い段階で発達障害について本人に伝えたわが家でしたが、本人が自分の特性について理解できるようになったのは、中学生のときに学校の図書室にある発達障害の本を読んだときだそう。「コレ、オレと同じだ」と実感したと言います。手に取った本に載っている注意欠陥や衝動性についての解説を読んで「こういうことか~!」と納得したんだとか。そこから自分の特性を受け入れていこうと変わったのかもしれません。中学のときには発達障害やADHDといった単語に対して悲しそうにすることもイヤそうにすることもありませんでした。「ADHDだから楽しいと思ったらすぐやるんだよな、オレ」と、発達障害について受け入れている言葉も発していました。発達障害の告知は専門家に任せたほうがいい場合も!フライング気味で伝えたわが家だったけれど...Upload By かなしろにゃんこ。息子の言葉を受けて私も「そこがADHDのイイところ!どんどんオモシロイことに興味を持って冒険してネ!」と言います。この言葉を額面通りに受け取って本当に遠くに遊びに行っちゃう子です、ハラハラ(汗)ただ…私の本に監修をしてくださった児童精神科医の田中康雄先生は「子どもに障害名を伝えるのは医師の役目」とおっしゃっています。そうか!「あなたには発達障害があります」と告知するのは専門家の仕事だったのか!と、あとから気がついた私。幼児・児童期に診断を受けたとしても、大きくなってから告知する際は子どもと一緒に医師のもとで告知を行ったほうが子どもも理解しやすいでしょうし、親が勘違いしていたりうまく説明できなかったりすると、混乱させてしまうかもしれませんからね。わが家は告知がちょっと早すぎだったかもしれませんが...コレでよかったかな(笑)と、今は笑って息子と話せています。
2019年09月26日自分に合った環境なら、「みんなと違う」は気にならないUpload By 楽々かあさんこんにちは。「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。私は、発達障害の「障害」とは、その子の「個性」と「環境」の間にある…と考えています。ですから、本人側から環境に合わせる努力や工夫も大事ですが、自分が適応しやすい環境を選ぶことでも、「みんなと違う」が気にならなくなる場合もあると思います。現在中学2年生の長男は、私立中高一貫校を受験し、第一志望校に無事合格。自分の個性に合った環境で充実して過ごせるようになり、私はそこに「障害」を感じなくなりました。中学受験は、あくまで「環境選び」の1つの選択肢に過ぎませんが、独自の校風や教育方針などの「環境」が、その子の「個性」とぴったり合っていれば、少々個性的でも学校生活を楽しく過ごせるお子さんは結構いるように思います。ただし、私立中学の場合、特別支援学級設置校は現在全国で1校のみ(文部科学省H29年度資料より)ですし、障害者差別解消法による「合理的配慮」も「努力義務」の範囲になるため、基本的に「特別支援教育」や「特別な配慮」は、現状あまり期待できないと思っていた方がいいでしょう(※ただし、発達障害・不登校対応ができる学校や、公言せずとも一定の理解や配慮がある学校もあります)。そのため、まずは、入学の前提条件として、お子さんがある程度、特別な配慮がなくても教室で落ち着いて過ごせ、通常学級での授業や学級活動への参加に大きな支障がないことが必要な場合が多いと思います。また、将来の自立に向けて必要な、ソーシャルスキルや生活スキルを身につけるための発達支援(療育)・トレーニングは、必要に応じて医療・支援機関の手も借りながら、家庭が主体となって学業と並行して継続的に取り組んでゆく必要もあるでしょう(これは、公立中学の通常学級、フリースクール・ホームスクール等で学ぶ場合や、高校進学〜それ以降の進路を選択した場合も同じです)。その上で、もし、中学受験をお子さん自身が強く希望したり、ご家庭の教育方針と合うのであれば、様々な学校を実際に見学し、比較検討してみるといいでしょう。その際、うちの経験上、発達障害傾向のある子の場合、志望校選びの段階で偏差値や知名度などよりも、ずっと優先して考えた方がいいことがあります。環境の影響を受けやすい発達障害傾向のある子は、毎日の小さな負担の積み重ねが、いつの間にか、「適応できない」「努力では乗り越えられない」大きな障害物となってしまうこともあるからです。発達障害&グレーゾーンの子が中学受験を考え始めた時に、志望校選びのポイントを7つ、ご参考までに独自の「発達障害目線」で、2回に渡ってお伝えします。今回の<前編>では、その子の個性を活かしやすい、前向きな志望校選びのポイント4つです。文部科学省「特別支援教育資料(平成29年度)」より出典 : まずは校風です。校風とは「学校の雰囲気」という漠然としたものですが、校訓や募集要項やアドミッション・ポリシーなどで、「こういう子に来て欲しい」と学校側は意思表示していますから、学校の公式HP・資料請求などで、すぐに確認できます。そして、教育方針。私立学校は特色ある独自の教育を打ち出していることが多く、「サイエンス教育に重点を置いている」「国際教育に力を入れている」「スポーツの強豪校である」「情操教育を大事にしている」…などなど、学校自体も個性的です。つまり、「学校の個性」と「その子の個性」がピッタリ合っていれば、同じ子の同じ部分が短所から長所に変わることも。例えば、うちの長男の「空気が読めない」という部分を、現在の中学では「積極的に自分の意見が言える」と肯定的に高く評価してくれます(こういった学校の考え方は、建学の精神、校訓や募集要項、過去問等にもハッキリ表れていました)。そして、凸凹差が大きくても、特定の分野に興味関心が高い子、一芸に秀でた子、一つのことに集中できる子等を歓迎し、得意分野を伸ばしてくれる教育方針とマッチすれば、「できる子」として扱ってもらえる可能性も高いでしょう。また、留学生や帰国子女を積極的に受け入れるなど、多様な個性や文化背景のある生徒が集まる学校や、博愛精神を大事にする学校などでは、多様性を認める教育がなされ、多少の個性やものの感じ方・考え方の違いは、大らかに受け容れてもらえることも。こういった、個性的な生徒を求めている学校は、「推薦・AO型入試」などを実施している場合も多いので、入試方式も早めにチェックしておきたいところ(推薦・AO型入試は、説明会への参加、事前の資料準備や面談、面接練習などが必要なことが多いです)。出典 : 学校の規模も、発達障害傾向のある子にとっては、大事な要素だと思います。感覚過敏があると、教室でのザワザワ音や他の人の動きなどが気になってしまい、負担が大きくなります。うちの長男は「人が多ければ多いほど、集中できない」とのこと。また、グレーゾーンの次男も人の顔と名前が覚えにくく、学級数が多い小学校ではクラス替えによる負担が大きく、対人関係でなかなか自信が持てませんでした。こういった子は、小規模校や少人数クラス編成の学校のほうが負担が少なく、落ち着いて過ごせる可能性が高いでしょう(ただし、クラス数が少ないと、いじめやトラブル等の際にクラス替えによる解決が難しくなることも。また、少人数でも静かとは限りません)。そして、中学では小学校と違い、担任の先生がずっと同じ教室にはいないので、大人の目が届きにくくもなります。また、集団の規模が大きくなればなるほど、「個別に、柔軟に」は、物理的に難しくなるでしょう(ただし、「干渉されない大規模校のが気が楽」「ビシッと管理されるほうが落ち着く」という子もいると思うので、一概に大規模校が合わないとは言えません)。そのため、小規模校や少人数クラス編成の学校は、アットホームな雰囲気で先生方も生徒一人ひとりの顔を覚えやすく、目も届きやすいでしょう。また、大規模校でも、副担任制の採用や少人数授業や補習制度など、教員の配置が手厚く面倒見の良い学校も。生徒数・クラス数・教員数も、学校の公式HPや学校案内・募集要項等に大抵記載されています(ただし、入試の際の募集定員数と実際の在籍生徒数がかなり違う学校もあるため、「実際のところ」も、よくご確認を)。出典 : 思春期は、いわゆる「フツーの子」でさえ、身体面・精神面で不安定になりがちです。ましてや発達障害傾向のある子は、環境の変化に敏感なことも多く、心身に大きな負担のかからない、安定した生活環境が大事だと思います。ただし、設備の「体感」は公式HPや学校案内だけでは掴めないので、実際にお子さん自身が見学会や文化祭・体験授業等に足を運んで確認してくるのがいいでしょう。学校の設備面のチェック・ポイントは…・エアコンの設置・稼働状況(各教室の他、体育館や部活動の施設なども)・教室環境(教室の広さ、机と机のパーソナルスペース、教室前方のモノや掲示物の配置など)・教室の照明、黒板・ホワイトボードの色(視覚過敏やLDのある子に見やすい色・明るさか)・個人ロッカーの有無(忘れ物の多い子、体力に不安のある子等は、「置き勉」の可否)・保健室や図書室、自習室やオープンスペースの有無(静かに休息できる場所はあるか)…など、「その子にとって特に負担がかかりやすい部分」を重点的に、よく見ておくべし!また、味覚や触覚過敏で偏食傾向のある子は、食の選択肢がある、弁当持参や学食・購買が充実している学校などが、負担が少ないでしょう。その中学のランチはどうなっているか、学園祭などで在校生に「お昼、どうしてますか?」って聞いてみるのもテ。それから、一般的には楽しいハズの行事・イベントも、「いつもと違うこと」が多いと負担になる子もいるでしょう(ただし、私立は運動会や各種セレモニーなどの事前練習等はほとんど行わないか、あっても効率的な場合が多いと思います)。年間行事予定も、学校HPや学校案内に大抵写真付きで載っていますから、一緒に眺めて「こんな行事があるんだね」「修学旅行はここに行くんだね。大丈夫そう?」等、親子で話し合いながら、お子さんの反応を見ておくといいでしょう。出典 : 傾向のある子は特に、ICTの導入状況はよく確認しておきたいポイントです。ICTが全校で導入され、iPadやPCが一人一台使える環境なら学習への負担が減りますし、特別な許可も必要ないので「〇〇くんだけズルイ」だなんて思われることもありません。また、ICTが普及していれば、校内の無線LANや電子黒板等も整備され、先生方もデジタルツールに慣れているので、デジタル教科書や電子辞書の使用、作文・課題のワープロ提出、ノート代わりの黒板の撮影なども、柔軟に理解されやすいと思います。長男の学校の場合、全校生徒1人1台iPadを所有し、授業中の電子辞書アプリの使用や、課題のワープロ打ち提出などは、特に先生の許可も必要なく、発達障害のある・なしに関係なく「みんなフツーにそうしてる」とのこと。そして、学習面では、授業内容やレベルなど「何を学ぶか」も大事ですが、「どう学ぶか」の学習手段・方法のほうが、より重要なポイントだと私は考えます。先生が一方的に話して、ひたすら黒板を写す…という伝統的な講義型の一斉授業だけでは、負担が大きかったり集中できなかった子も、「その子に合った学び方」なら、学習意欲と学力を大きく伸ばしてもらえる可能性も。多様な学習手段・方法の例は、ICTの活用の他にも…・実験やフィールドワークなどの体験型・探求型の学習・教科を越えた問題解決型の統合的な学習・言葉で学びをアウトプットするプレゼンテーションや、ディベート形式の学習・少人数授業、習熟度別クラス編成、個別課題や補習など、それぞれのペースや到達度に合わせた学習…など、近年様々に試みられていますが、その学校で取り入れている中で「その子に合った学び方」があるか、じっくりチェック。学校側が柔軟に新しい方法を取り入れてアップデートし、「学び方」の選択肢が多ければ、その子の凸の強みが活かせるチャンスも増えます(「その子に合った学び方」は何かが分からなければ、事前に専門家に相談し把握しておくといいでしょう)。また、柔軟性・合理性の高い学校なら、個別の事情に合わせて、ちょっとした私物の持ち込みや学用品のカスタマイズ程度なら、気軽に理解が得られることも。学習環境の確認は、小学生向けに体験授業などを行う学校も増えているので、気になる学校があれば参加してみるといいでしょう。その子の個性を活かしやすい環境を…出典 : 今回の<前編>では、「発達障害目線」から「こんな環境なら、その子の個性を活かしやすい」という、私立中学の志望校選びの前向きなオススメポイントを中心にお伝えしました。次回<後編>では、入学の学校生活を考えると「ちょっと不安な点・心配な点」に対して、押さえておきたい現実的なポイントを中心にお伝えします。大場美鈴/著『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法』2016年/刊/ポプラ社
2019年09月20日今回は中学受験を無事に突破した長女のその後のお話です。お受験シリーズラストでも書きましたが…本当に大変だったのは入学してからだったと思います。2018年4月。長女、中学1年生に。背はいつの間にかママよりも10センチ近く大きくなり、制服も相まって何だかお姉さんに見えました。ついこないだ生まれたばかりな気がするのに、ホント子どもの成長は早いなと感じましたね。そして、入学してからまず驚いたことが…。長女、サイエンティストになってしまいました( ゚Д゚)…いやあ。色々な部活があるものです(笑)まぁ彼女が自分から決めたことですからね。応援することにしました。どんな活動をしているかはイマイチ謎ですが、結構真面目に、そしてたまに大会に出たりと忙しいようです。さて。地元の公立学校に進学しなかったことで、大変なことも多いようです。その一つが…通学ですね。学校はうちからかなり遠いので道中は公共機関での移動となります。しかも途中は自転車にも乗らないとたどり着けないという、なかなかのハードさです。朝6時台に起きて帰宅は19時というのがザラになりました。これまでの小学校生活は7時起きの17時には帰宅だったので変化が大きかったですね。この環境に慣れるまでがやはり大変だったように見えました。そして、他には宿題なんかも。宿題も山のように出て大変なことになるのだろうなぁ…と思っていましたがこれは違いました。まさかの1ページのみ!?予想外でしたね、これは。宿題が膨大な量になると思っていましたが…しかし、これはつまり。この部分で差が出てくるのだと思います。とくに塾に通っていない我が家の場合、ここが顕著になってくるのではないかと。なので自主勉強でちょっと工夫をしていこうかとお話をしたんですけどね。案の定聞きいれてはくれませんでした(笑)そして2018年7月。それまでの日々とは打って変わって凄まじい量の宿題が出た中学校生活初の夏休み。トータル100ページ以上でしょうか。ここにきて遂に小学校時代との大きな違いが出てきました。そして、2018年8月。事件勃発!!わが家をまた包み込もうとする不協和音。だが、しかし!今回はそうはさせません。僕も色々と思うところはありましたが、ここでは1歩下がることにしました。前年までに”長女とぶつかってからの家庭崩壊への道のり”はイヤと言う程経験しましたからね。このタイミングで思いをぶちまけても何の解決にもつながりません。こうして長女さんは自身の思うように過ごすようになり、僕はその姿を遠目に見守るようになりました。(結局膨大な量の宿題は、最後の数日間、朝から晩までかけてひたすらこなし、どうにか形だけは終わらせた様子でした^^;)そこから文化祭等で忙しくしていましたね。長女以外にも秋には次女の保育園の運動会があったり、僕の職場でも祭りのイベントがあったりでそれぞれが忙しく過ごし…決して離ればなれになったわけではありませんが、家族4人は良い塩梅で距離感を保ちつつ生活をしていたのだと思います。もちろん、その間僕が長女に言うべき言葉を忘れていたわけではありません。ただ、ひたすらその時を待っていました。そして…2018年12月。想像以上の出来事がおきて僕の待ちかまえていたチャンスが到来しました(;^ω^)長くなったので今回はここまでです。次回もまたどうぞよろしくお願いいたしますm(__)m
2019年09月11日あり子のワーママ奮闘記
PUKUTY(プクティ)只今育児奮闘中!
たんこんちは ボロボロゆかい