保育士の中田馨さんが、低月齢の赤ちゃんがまとめて寝てくれないときにできることをお話ししてくれました。赤ちゃんの寝ている環境の見直しや生活音への慣れさせ方などまとめて解説! こんにちは、保育士の中田馨です。低月齢の赤ちゃんを持つママのお悩みのなかでよくあるのが、「赤ちゃんがまとめて寝てくれない」ということ。やっと布団に寝かせてひと息ついたのに小さな物音で起きてしまったということはよくある話です。保育園でも、特に入園したての赤ちゃんにそういった傾向があります。 できれば、一度寝たらまとめて寝てほしいと思いますよね。今回は、低月齢の赤ちゃんがまとめて寝てくれないときにできるアプローチ方法を話します。 低月齢の赤ちゃんの睡眠まず知っておいてほしいことは、生まれたての赤ちゃんはまとめては寝てくれないということ。このころの赤ちゃんの睡眠時間は一定ではありません。昼夜の区別もついていないので、赤ちゃんが寝ている時間は昼間でもママも寝ると決めるなど、ママは育児に専念することが大切です。 生後1カ月ごろになると、昼間起きている時間が長くなりますが、まだ昼夜の区別はついていません。生後2カ月ごろに少しずつですが昼夜の区別がつき始め、夜にまとめて寝ることができるようになります。生後3~5カ月ごろになると昼夜の区別がつき、生活リズムが整い始め、寝る時間・起きる時間が一定になってきます。赤ちゃんの個性によって違いはありますが、このように低月齢の赤ちゃんは、寝たり起きたりを繰り返し、成長するにつれ徐々に続けて眠るようになります。 赤ちゃんの寝ている環境を見直してみる赤ちゃんが寝ているときの環境を見直してみましょう。まずは室温です。生まれたての赤ちゃんの体温は36.5~37.5度くらいですが、外気温の影響を受けやすく体温調節が未発達です。基本的にママが過ごしやすい温度でOKですが、温度でいうと25度前後に設定します。温度計は赤ちゃんの足元など、赤ちゃんに近い場所に置きましょう。 次に赤ちゃんを観察します。赤ちゃんが頭や背中に汗をかいている場合は暑いときです。衣服や寝具の確認もしましょう。分厚くないか、薄すぎないかを確認して、季節により入れ替えをします。赤ちゃんによっても、暑がりな子も寒がりな子もいますので、自分の子がどのタイプかを確かめてみましょう。 生活音などにも慣れさせていく赤ちゃんが物音で起きてしまうと、どうしても物音を立てないように生活をしてしまいがちです。「赤ちゃんが寝たら物音を立てない」という生活をしていたら、ママもパパもストレスが溜まってしまいます。そこで、徐々に生活音に慣れさせていきましょう。 まずは起きている時間に、ママやパパの話し声、ママが料理しているときの音、窓を開けたときの外の音、音楽やラジオの音など生活音を聞かせてあげます。寝ているときは、わざわざ大きな音を出すことはありませんが、普段と変わりなく生活をします。赤ちゃんが起きているときも寝ているときも、もし物音でビクッとしたら「大丈夫だよ」ということをわかってもらうために、やさしく背中などをトントンしてあげます。 寝ているときはそのまま再度寝かしつけましょう。それを繰り返しているうちに、赤ちゃんは集中してまとめて寝てくれるようになります。また、起きてしまったときに「ああ、起きちゃったのね」と目を覚まさせてしまうのではなく、もう一度寝かしつけることが集中して寝てくれることにもつながります。 起きているときにスキンシップを取り入れる赤ちゃんが起きている時間にスキンシップを取り入れ、十分に遊んで赤ちゃんを疲れさせることも集中して寝ることには重要なこと。赤ちゃんの顔やほっぺをツンツンとやさしく触れたり、手のひらをおなかや背中にふわりと当てたりなどのマッサージをするのも効果的。赤ちゃんが気持ちいい表情をする体の部位を、やさしく触ってあげましょう。 赤ちゃんが「気持ちいい」という表情をする体の部位は、寝かしつけや一度起きたときに触ることで入眠してくれます。このように、普段のスキンシップから赤ちゃんの安心する場所を探しておくと寝かしつけ時に役立ちます。ガラガラなどのおもちゃを使って、正面から左右にゆっくり動かし、目で追わせる「追視」をしながら遊ぶのもOK。 また、うつぶせ遊びも取り入れていきましょう。新生児のころは寝転んでいるママのおなかの上にうつぶせになり一緒にごろごろ遊びをします。生後1~2カ月ごろになったら、布団の上でうつぶせにします。最初は頭が上がらないのは当たり前ですので、頭を横にして息ができる体勢にしてください。嫌がったら10秒でおしまい。徐々に時間を増やしているうちに、自分で頭を上げてみようとする姿も見られてきます。うつぶせ遊びは、赤ちゃんにとってかなり疲れる遊びです。いっぱい遊んでしっかり寝てもらいましょう。うつぶせのときに寝てしまったら、そのままにはせずあお向けにして寝かせてください。 今回紹介した方法は、集中して寝れない赤ちゃん向けに、保育所で実践していることです。すべて始めるのは難しいですが、できることからスタートしてみてください。 イラスト/マメ美 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年10月17日保育士の中田馨さんが、保育園で実践している「安全対策」を教えてくれました。今回はイヤイヤ期でもある2歳児の安全対策についてです。自分でしたい、活発になる、興味関心がある時期だからこそ気を付けたいポイントを詳しく解説! こんにちは、保育士の中田馨です。「保育園で実践している安全対策」の第4回目になります。今回は、2歳児の赤ちゃんの安全対策について話します。 自分でしたい時期だからこそ気をつける2歳になると「自分でしたい!」という気持ちがグングン育ち始めます。自立への第一歩を踏み出そうとしているこの気持ちを、できる限り尊重してサポートしたいですね。でも、そんな時期だからこそ気をつけたいことがあります。 たとえば、椅子に自分で座りたがったり、トイレにひとりで行くと言ったり、手を自分で洗うと言ったり……。「ママはこないで! 自分でするの!」とサポートをさせてくれないこともあります。 踏み台などは安定したものを使用し、踏み台の端っこを踏んでバランスを崩しそうなときは、さりげなくママの足で踏み台を支えます。子どもの体に触れていなくても、いつでも支えられるように「じゃあ、ママ見ているね」と言ってそばで見守りましょう。 活発になる時期だからこそ気をつけること2歳になると、これまで以上に動きが活発になり、走って跳んでととても元気です。家の中がフローリングなら、靴下を履いていると滑って転倒することもあります。靴下を脱ぐことは大前提として、滑りにくいマットやカーペットなどを敷いて保護しましょう。テーブルや棚の角は保護してあると安心です。 また、ソファーやベッドの上で遊んでいたら転落して、そばのテーブルで頭を打ったという話もよく聞きます。安全な環境で遊ばせるようにしましょう。 興味関心が強くなる時期だからこそ気をつけること周りの物や大人が普段していることに、興味関心を強くもつ時期でもあります。たとえば、ママが毎日使っている化粧品、パパの髭剃りなどにも興味をもつので「私もやってみたい!」と思うことでしょう。特にカミソリは子どもが使ったら危険です。男性用だけでなく、女性用の眉毛そりなども子どもが触ると皮膚を傷つけてしまうこともあります。子どもに触ってほしくない物や危険な物は、子どもの手が届かないところに置くようにしましょう。 また、窓を開けて換気をしているときも要注意です。窓が開いていると、子どもはのぞき込みたくなります。安易に登ってしまえる踏み台は、窓から転落する恐れがあるので窓のそばには置かないようにします。ベランダも同様です。踏み台でなくても、植木鉢・脚立・段ボールなど、ベランダにあるものに登って、転落につながることもあります。ベランダは見落としがちになりますので、今一度、安全確認をしましょう。 2歳になったら外出先でも注意して外出先での転倒などは、大きなケガにつながることがあります。特に、交通事故は命の危険もあります。気をつけたいのは車道への飛び出しです。大人なら道を渡るときに、右左を見て確認するのが身についていますが、子どもはそうではありません。「あれ、おもしろそう!」と思ったら、一目散に向かって急に走り出します。そんな子どもの発達を知ったうえで、道路を歩くときは必ず手をつなぎましょう。 また、駐車場も油断できません。車のそばに子どもが立っていても、運転手からは見えない場合があります。車が発進したときなど大変危険ですので、駐車場でも子どもの手を離さないようにしましょう。 また、高い場所に上りたがる時期でもあります。自分の背丈よりも高い石垣に上ってみるチャレンジはとても楽しいことですが、必ず大人がすぐに支えられる距離で見守ります。「ここに登るときは、必ずママと一緒だよ」という約束もしましょう。 子どもによって興味関心はさまざまです。今回、一例としてお話ししたこと以外にも気をつけることがあると思います。子どもがケガをする前に、今考えられる大人ができる対策をもう一度見直してみましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年10月05日節約術や知育玩具に関する情報をInstagramに投稿する保育士ママ、@yume_399さん。今回は、簡単に作れる節約おもちゃや、遊びのアイデアを教えてもらいました! 節約おもちゃ①:ハテナBOX くじ引きやつかみ取り、箱の中身当てゲームなど使い方は無限大のハテナBOX。家にあるもの+100均の排水口カバーで手作りできます。 材料・空のダンボール・シリコン製の排水口カバー(切り込みが入っているものが◎)・ボンド 道具・ハサミまたはカッター 作り方①ダンボールの上部中心に、ハサミやカッターを使って排水口カバーよりひと回り小さく丸い穴をあける。②排水口カバーに切り込みがない場合は、手を入れられるように切り込みを入れる。③ダンボールの穴に排水口カバーをかぶせるようにボンドで接着する。 これだけでハテナBOXが完成! お好みで包装紙や画用紙、シールなどをダンボールに貼って飾り付けしてもいいですね。 節約おもちゃ②:知育玩具のひも通し 手指の知育につながるおもちゃ、ひも通し。こちらもホームセンターでホース、100均でひもを買うだけで作れます。 材料・クリアタイプのホース(ひもよりも直径が大きいもの)・ひも・テープ(今回はマスキングテープですが、ビニールテープでもOK) 道具・ハサミ 作り方①ひもの先端(片側)にテープを巻きつける。 ②ホースをハサミで短くカットする。 ③先ほどテープを巻きつけたひもの反対側の端に、切ったホースを結びつけストッパーにすれば完成。 ひもに、短くしたホースを通して遊びます。カットしたホースには、お好みでイラストが描かれたシールや数字のシールなどを貼ると良いそう。ホースを長く切ってしまうとひもを通しきれないので、初めのうちは短めの幅がおすすめだそうです。 @yume_399さんの上のお子さん(3歳)はスムーズにひもにホースを通すことができたそうです。単純な遊びですが、小さい子どもが手を使って細かい作業に集中できるのが良いですね。 遊ぶときには、必ず大人がそばで見守り、くれぐれも誤飲に注意するようにしてください。 節約おもちゃ③:お菓子釣り 100均で購入できるおもちゃの釣竿(磁石付き)とクリップさえあれば、魚釣りだけではなく、お菓子釣りも楽しめます!こちらもクリップの誤飲に注意し、3歳以上のお子さんと遊ぶようにしてください。 材料・おもちゃの釣竿(磁石付き)・クリップ 作り方①子どもが好きなお菓子にクリップをつける。 たったこれだけで楽しいお菓子釣りに変身。@yume_399さんは、子どもたちがおやつを食べ過ぎないように、「おやつの時間に食べたいものを釣竿でとってね!」と言って遊ばせているそう。 おまけ:絵本は図書館で借りて節約を! 節約おもちゃ以外にも、図書館で絵本を借りることもおすすめなのだとか。@yume_399さんが住む地域の図書館では、1人につき2週間で15冊まで借りられるため、子ども2人でMAX30冊借りているそう。新作絵本も借りられるので、ママも毎回ワクワクしながら読めますね。 また、図書館で絵本を借りることで、汚さないように物を大切にするようになったり、感謝する気持ちを養えたりといいことばかり! (図書館内で)小さな声で話す・静かにするといったルールなども、少しずつ学んでくれているのだとか。 @yume_399さんのInstagramには、保育士ママならではの手作りおもちゃアイデアや節約情報が満載! プチプラアイテムでおもちゃを作れたら、かなり節約になりますし、子どもがおもちゃに飽きてしまうこともなく一石二鳥ですね。 気になったアイデアがあったママは、ぜひ参考にして作ってみませんか? ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。紐通し(ホース)や魚釣りのおもちゃ(磁石やクリップ)で遊ぶ際には誤飲等にご注意ください。お子さまが遊んでいる間はそばで見守るようにしましょう。 この投稿をInstagramで見る ゆめの家計管理・たのしく子育て 協力/@yume_399さん取材・文/寺田 梓
2020年10月05日こんにちは、保育士の中田馨です。「保育園で実践している安全対策」の第3回目になります。今回は、1歳児の安全対策について話します。 テーブルや棚の上に危険なものを置かない1歳をすぎると、つたい歩きなどで行動する子が増えてきます。これまで座って過ごすことが多かった赤ちゃんの目線がグーンと上に変わります。赤ちゃんから見える景色も変わってくるのです。今までは見えなかったものが見えるようになるので、赤ちゃんの気持ちになってみると「アレなに? 触ってみたい!」と思うものがたくさんあることでしょう。そこで、赤ちゃんが毎日過ごす部屋の環境をさらに変える必要が出てきます。 テーブルの上にあるものには要注意です。ローテーブルの場合は、おいてあるものはすべて取られる可能性があると考えていていでしょう。ダイニングテーブルであっても、端にあれば手を伸ばして届く可能性があります。また、テーブルクロスやランチョンマットは引っ張ってしまうこともあるので注意が必要です。 熱いお茶や汁物でやけどをする、ぶどうやプチトマトなど丸い食べ物を丸飲みする、たばこやお酒があっても事故の原因になりますので注意です。 テーブル以外にも、棚などに細かいものを置かないようにしましょう。とくに、電池・クリップ・押しピン・小銭などは、赤ちゃんが口に入れるととても危険です。テーブル以外の場所で気をつけるのはキッチンです。キッチンには、赤ちゃんに触ってほしくないものや危険なものがたくさんあります。できる限り赤ちゃんが入ってこないように、ベビーフェンスをつけるなどしましょう。 トイレやお風呂などの水回りトイレやお風呂にも注意が必要です。赤ちゃんが横になり、口と鼻が水没する程度の水位があれば溺れる可能性があります。トイレやお風呂のドアは必ず閉め、お風呂の残り湯は流すようにします。 また、トイレやお風呂にあるのが洗剤や芳香剤。良い香りがするものもありますので、興味津々で口に入れてしまうこともあります。必ず赤ちゃんの手の届かない場所に置くようにしましょう。「薬品を口に入れたかもしれない!」と思ったときは、病院へ連絡をします。日本中毒情報センター(中毒110番)では、24時間電話対応も行っています。 机や棚などに頭をぶつけないようにする立って歩くようになるとよくあるのが、棚やテーブルの角におでこや頭をぶつけるとこと。歩けるようになったとはいえ、まだ足元はおぼつかないよちよち歩きの赤ちゃんです。ちょっとした段差や物などにつまづいて、棚にゴッツンとぶつけてしてしまうことはよくあること。赤ちゃんがケガをしそうな角のある棚やテーブルには、あらかじめケガ防止用クッションなどを取り付けていると安全です。 このケガ防止用クッションですが、赤ちゃんが興味をもってしまうと、懸命に触って、はがし取ろうとすることがあります。取れたクッションは「いつか付けよう」と思って忘れがちですが、すぐに取り付けるようにしましょう。 引き出しや扉などを開けさせないようにする赤ちゃんは引き出しや扉などが大好きです。大人が出し入れしているのを見て、「私も触ってみたい!」とじーっと見ているのでしょう。だからこそ、大人が目を離したすきに棚の扉を開けて、中のものをすべて出して満足そうな顔をします。引き出しや扉は、中のものを出すだけではなく、指を挟んでしまうこともあり危険です。開けさせないようにする工夫として、棚の前にベビーフェンスを設置し、引き出しに外付けのカギを取りつけるようにしましょう。 ベビー用品店やホームセンターに行けば、引き出しや扉用のベビー用の安全グッズなども販売されていますので、おうちの家具に合わせて取りつけてください。 15年ほど前ですが、保育所の赤ちゃんたちがタンスの扉が大好きなので、カギをつけました。しばらくは安泰だったのですが、赤ちゃんたちは研究熱心ですので、日々トライ&エラーを繰り返し、とうとうカギを開けることに成功しました。取り付けたカギは、そのときの赤ちゃんの発達には効果的だったのですが、成長と共に意味がなくなってしまったのです。ですので、おうちの安全対策も赤ちゃんの成長に合わせて変化させていきましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年09月29日多くのママが試行錯誤している「泣き止ませ」。そこで、0〜12カ月までの赤ちゃんの「泣き止ませワザ」を発達ごとに現役保育士の井上りな先生に教えてもらいました。泣いたら試してみて! 0歳代はちょっとしたことでグズグズ……なんてことが多いもの。泣かれると家事はできないし、外出先では、人目が気になってしまったり……どうしていいのか途方にくれてしまうなんてママも多いよう。そこで3人のお子さんのママでもある保育士の井上りな先生に、保育園や家で実践している泣き止む確率が高いワザを紹介してもらいました。ねんねちゃん、おすわり・立っちと発達別に紹介しているのでぜひ試してみて。 0〜5カ月:定番遊びもひと工夫すれば泣き止むワザに! 手や足を持って いないいないばあ自分では自由に手足をまだ動かせません。手や足を軽く握り曲げたり伸ばしたりすると気分が変わってご機嫌に。赤ちゃんの顔を覗き込んで「イッチニ」など楽しげに声かけするのがポイント。 こちょこちょ遊び赤ちゃんはママとのスキンシップが大好きです。おなかやくび、手や足の裏などをこちょこちょ〜。ママに触られていることと、くすぐったさから、赤ちゃんはニコニコに。 6~9カ月:お出かけに使える泣き止ませワザ! ハンカチで「いないいないばあ!」短期的な記憶がついてくるので、消えたものが現れる「いないないばあ」遊びが大好きに。赤ちゃんの頭から顔にハンカチやガーゼ、タオルなどをかぶせて「ばあ!」と言いながら取ってあげて。目の前にママの顔が現れて赤ちゃんは大喜び! ハンカチで引っ張りっこママとのやりとりが楽しめるようになります。ハンカチの端を持たせてあげて、反対側をママが握って引っ張りっこ。引っ張った時に後ろに倒れないように注意して! 顔に風がフーッ! フワッ!ママが赤ちゃんにフーッと息を吹きかけたり、ハンカチなどでパタパタとあおいで、風を顔に当てると「何だろう?」と一瞬キョトン! 「風さんが来たよ~」と声をかけてもいいですね。 10カ月〜1歳6カ月:イヤイヤ対策にも○ リズムに乗ってダンスダンス簡単な振りつけのある踊りが好きになってきます。「トントントンひげじいさん」などの手遊び歌なども効果的。自分でできない頃はママが手を持って一緒にやってあげると◎。 大好き探しへGO!おもちゃやぬいぐるみ、タオルなど自分のお気に入りができてきます。わかりやすい場所に隠して「○○ちゃんの好きなくまちゃん探しに行こう!」などと探索ごっこをしてみましょう。その場でハンカチなどで少し見えるように隠して「どこかな〜」と探させてもOK。 あやす前に まず確認を!赤ちゃんが泣くときは、不快な状況にあることも多いもの。赤ちゃんがぐずる主な原因は以下の6つです。あやす前にチェックしてみましょう。当てはまる項目があったら取り除いてあげます。 あやす前にまず確認すること□おむつが汚れていない?□おなかがへっていない?□暑くない? 寒くない?(体幹を触ってチェック)□眠くない?□服がチクチクするなど痛みはない?□汗をかいてない?(背中に手を入れてチェック) さまざまなワザにチャレンジしても、泣き止まないことも多いもの。ママがイライラしたり焦ると、赤ちゃんにその気持ちがうつってしまい、余計泣いてしまいます。赤ちゃんは泣くことでママやパパにいろいろなことを伝えようとしています。赤ちゃんからのメッセージだと思って、泣き止まなくてもいいやくらいの気持ちで接すると良いでしょう。わが子に合うようにアレンジを加えても楽しいですね!※あやしている間は赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。※赤ちゃんの手足を動かす際には無理のない範囲でおこないましょう。※赤ちゃんが誤飲する恐れがあるため、39mm以下のグッズを渡したり、近くに置くのはやめましょう。(トイレットペーパーの芯を通る大きさのものはNGです) 監修者:保育士 ライクアカデミー株式会社にじいろ保育園一之江 井上 りな聖徳学園短期大学部付属教員保母養成所(現:聖徳大学幼児教育専門学校)卒業。幼稚園での勤務後、保育園で10年以上にわたり乳児の保育を担当。現在はにじいろ保育園一之江で、保育補助として0歳児の保育を担当している。
2020年08月26日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが泣くことは、赤ちゃんにとって自分の気持ちを「お話ししている」ようなものです。とはいえ、あやしても、抱っこしても、授乳しても泣き止まないのに、保育所の先生に抱っこされたらピタリと泣き止む。「どうして?」と思ったことのあるママも多いはず。 今日は、保育士が現場で実践している「赤ちゃんがピタリと泣き止む方法」を話します。 赤ちゃんはなぜ泣くの?赤ちゃんが泣くのは何か理由があることが多いです。 例えば、おなかがすいた、おむつを替えてほしい、眠い、暑い、寒い、かゆいなど。赤ちゃんは不快や欲求を言葉で伝えることができないので、泣いて伝えるのです。まずは「赤ちゃんが泣くのは当然のこと」としてとらえましょう。 ワンクッションおけば気持ちがラクになる赤ちゃんがよく泣いているときの言葉で「火のついたように泣く」という言い方があります。その言葉通り、顔を真っ赤にして力いっぱい大きな声で泣く赤ちゃんを目の前にしたら、ママの気持ちはきっと「どうすれば泣き止んでくれるんだろう」と思ってしまいますよね。 私も、赤ちゃんがあまりに泣くので途方に暮れてしまった経験があります。「思いつくだけの、赤ちゃんの欲求を満たしているのに、どうして泣き止んでくれないんだろう」と思いました。 そのときの状況を思い出すと「赤ちゃんと心の距離が近かった」と感じます。赤ちゃんの泣き声がつらく感じるということは、それだけママが赤ちゃんと向き合っているということ。密接なコミュニケーションをしているということでもあります。でも、つらくなりすぎるのは、よくありませんので、まずは赤ちゃんとママの心にワンクッション置いてみましょう。 つまり、泣き止ますことに一生懸命にならなくてもいいということです。 保育士が実践している泣き止ませの方法では、赤ちゃんを泣き止ませるために保育士が実践している方法を紹介します。どの方法が赤ちゃんに合っているか、月齢や泣いている状況によっても違うと思いますので、いろいろ試してみましょう。 胎児のときと同じ姿勢で抱っこ新生児期~生後3カ月ごろの赤ちゃんは、胎児のときと同じ姿勢で抱っこするといいですよ。両腕はWのような形。両足はMのような形がこのころの自然な体勢。そのまま、背中を丸くしてママの両腕で包むように抱っこするのです。そうするだけで赤ちゃんは安心します。 話しかける泣いている赤ちゃんに話しかけます。「どうしたの?」「大丈夫よ。ママがいるよ」「大きな声が出るね」「泣いている顔もかわいいねえ」などなど。「泣いている顔もかわいいね」と思えたら、もうママの勝利です。ママが赤ちゃんを見てかわいいって笑い出したら、赤ちゃんも安心して泣き止みます。 場所を変えて気分転換場所を変えるというのも一つの方法。とはいっても「外に出ましょう」と言っているわけではありません。窓の近くに行って窓から入ってくるそよ風に当たってみる。ベランダに出て気分転換する。それだけでも赤ちゃんの気持ちが変わります。 マッサージ&コチョコチョをしてみるマッサージやコチョコチョなどをして赤ちゃんの体をやさしく触ってあげましょう。赤ちゃんは手のひらでさすってもらうと安心します。これは普段からのスキンシップに取り入れてみましょう。いつものマッサージやコチョコチョとわかると、泣き止んで遊びモードになることもありますよ。 おんぶ抱っこもいいですが、おんぶも効果的です。私は赤ちゃんが泣いているときはおんぶするほうが多いです。私自身が子どものころ、親におんぶしてもらったときに感じたことは、背中から聞こえる心臓の音や親の声がとても心地よかったということ。おんぶする機会が多い子は、特におんぶをするとピタリと泣き止みます。 遊びに興味を向ける月齢が大きくなると、泣く気持ちを遊びに向けてあげるのも効果があります。大好きな絵本やおもちゃを見せて興味を示したら、ママが率先して遊んでみましょう。2人で鏡を見ながら「いないいないばあ」をしてみるのも効果があります。 今日は、保育士が実際にしている方法の一部を紹介しました。上記の方法をしているときは、心にワンクッションを置くことが大切。一生懸命になってママが焦れば焦るほど、赤ちゃんにもその気持ちが伝わってしまいます。「いずれ、泣き止むから大丈夫! 大丈夫!」くらいに思いながら実践してみてください。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年08月23日保育士の中田馨さんが、保育園で実践している「子どもへのほめ方・しかり方」を教えてくれました。今回は食事編です。かたくなに食べてくれないとき、立ち歩いたりして食べてくれないときなど、シーン別に詳しく解説! こんにちは、保育士の中田馨です。子育てをしていると、ほめたりしかったりする場面がよくあります。できる限り子どもの心を傷つけず、子どもが気持ちよく動ける声かけをしたいものですね。 これから5回にわたって、保育士が現場で実際にどのような声かけをしているか、場面ごとに見ていきます。今回は食事のときのほめ方・しかり方です。 良かれと思って言ってしまう言葉を言い換える食事のときに、良かれと思ってこんな言葉を使っていませんか?例えば、「早く食べて!」。食事のあとにお出かけの予定があるときなどは大忙しです。それなのに、子どもはゆっくりゆっくり食べている。そんな姿を見ていると、思わず「早く!」と言ってしまうかもしれません。 「早く!」という言葉は、食事に限らず生活のなかで良かれと思って使っている言葉です。まずはこの「早く」という言葉を言い換える練習をしてみましょう。「早く」と言われると、何だか急かされている感じはするのですが、子どもは「早く」のイメージが具体的にわかりません。例えば、数字が読めるようになってきたら時計を指差し「今日はお出かけするから、長い針が6までに食べようね」。こう言い換えると、子どもに具体的なイメージが湧きます。 かたくなに口を閉じて食べないとき食事の場面でよくあるのが、子どもがかたくなに口を閉じて食べてくれないこと。用意した食事をたくさん食べてほしいのに、ひと口も食べてくれないとママもつらいものです。そんなときに、つい「全部食べて!」などの言葉を使ってしまうことがあると思います。子どもが出された食事を全部食べるのは、大人が思うよりもなかなか難しいものです。「全部食べて!」は「どれだったら食べられそう?」に換えて、子どもに選択肢を与えてみましょう。 もしかすると魚が嫌で、ムーっと口を閉じているのかもしれません。子どもも「どれだったら食べられそう?」と聞かれれば、魚は嫌だけどお味噌汁なら食べられると気付きます。お味噌汁を食べ始めたら、まずは「お味噌汁おいしいね。モリモリ食べてすごいね!」と、食べている姿をほめます。この声かけだけで、自分からご飯にスプーンが向き始めることもあります。 ママは子どもの食べている姿をそばで見守ることは大事ですが、100%子どもに集中して「全部食べて」オーラは出さないようにしましょう。ママも肩の力を抜いて「お味噌汁食べたら、まあいいか」くらいの気持ちで見守ってください。 行儀よく食べてほしいとき食事中に横を向いたり立ち歩いたり、食べ物で遊んだりしている子どもの姿を見ると「お行儀よくちゃんと食べてほしい」と思うものです。こんなとき、ついつい「ちゃんと食べて!」という言葉を使うことがあります。 「ちゃんと」という言葉は、食事以外にもよく使う言葉なのですが、子どもにはママの「ちゃんと」のイメージが湧きません。もし、ママの「ちゃんと」が、横を向かずに前を向いて食べてほしいことだったら「ママのほう(前)を見て食べようね」と、してほしい行動を言葉に言い換えてみましょう。 言葉が具体的になったら子どもも行動しやすいです。でも、相手は子どもです。さっき言ったところなのにまた横を向いて食べたりします。その場合は、くり返し「ママのほうを見て食べようね」と言ってください。横に気になるものがあるのなら、食事のときはそれが見えにくいところに座りましょう。ママが前に座って「にんじん甘くておいしいね」「この魚は鮭だよ」など声かけしながら前へ意識が向くようにするのもいいですね。 そして「ママ、〇〇ちゃんのおいしそうな顔見ていると幸せ!」「一緒に食べるとおいしいね!」とほめてみましょう。 食べこぼす、グチャグチャ食べるとき子どもが食べこぼすことやグチャグチャしながら食べることはよくあります。その際に「きれいに食べて!」「汚れるからやめて!」という言葉を使うことがあります。食べ物が机や床、子どもの体にべったりとつくと後始末が大変ですので、ママの気持ちはとてもよくわかります。 このときに大切なのは、ママの許せる範囲と子どもが食事から遊びに変わった瞬間を見極めることです。子どもが成長する過程で、食べこぼしたり、グチャグチャして食べたりしていることは通過点と考えます。対策として、食べ物を拾ってくれるポケットの付いたエプロンをする、床にはレジャーシートや新聞紙を敷くなど、多少汚してもいい環境を整えます。 食べこぼしている場合は、食べる意欲がありすぎて、慌てて食べている可能性もあります。「ゆっくり食べて大丈夫だよ」と伝えるだけでも変わってきます。そして、「しっかり噛めてるね」「お味噌汁、全部食べたね!」とできていることをほめましょう。 食事の場面での子どもの困った行動は、言葉を言い換えるだけで、子どもへの伝わり方が変わりますし、ママもイライラせずに声かけをすることができます。今回、紹介した言い換える言葉は一例ですので、「私だったらこう言い換えるかな?」「うちの子ならこう言うと喜びそう」と思いながら、いつもの言葉を言い換えるおもしろさにチャレンジしてみてください。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年08月10日こんにちは、保育士の中田馨です。今年もジリジリと暑い夏がやってきました。夏、子どもと遊ぶときに気を付けたいことは「暑さ」です。外に行けるのは早朝もしくは夕方くらい。さて、昼間はどうして過ごそうかと悩むところです。 今回は、私の保育所でも実践している、水を使った夏遊びを紹介します。水で涼みながら昼間に思いっきり遊んで、夜はぐっすり眠りましょう! お水の移し替え遊び子どもは水を移し替えることが大好きです。でも、その移し替えをテーブルでされるとビチョビチョになってママが大変なので、お部屋ではなかなかできませんよね。 お水の移し替え遊びは、ぜひお風呂でしましょう。ママと一緒にお出かけしたあとのシャワーのついででもOKです。濡れても大丈夫なテーブルなどがあるとさらに遊びやすいです。コップやペットボトルに入った水をこっちに入れたりあっちに入れたり。いろいろな形や大きさの容器を用意して、満足するまで好きなだけ遊んでもらいましょう。お風呂なのでこぼしても気になりませんし、こぼれないように移し替えられたら満足感を味わうことができます。 プール遊び庭やベランダ、お風呂などに、ビニールプールやベビーバス、たらいなどに水(ぬるま湯)をはって遊びます。水につかっているだけでも楽しいのですが、コップやジョーロ、ペットボトルなどがあれば、水を入れたり出したりできるので遊びが広がります。 また、タオルやスポンジをつけて水が含まれる感触を感じたり、絞って水が出る様子見るのも楽しいです。水風船を作ると、目をまん丸にして大喜びしてくれます。見て、触って、感じて。全身で水を感じることができるプール遊びは、夏の遊びの王道です。 プール遊びをするときの注意点です。実は10~20cmほどの水深でも、子どもは溺れるといいます。ですので、プール遊びをするときは、子どもから目を離さないようにしてください。また、水温が32度以下になると体温が下がるといわれていますので、水温が冷たくなってきたらお湯を足すなどしてください。入水時間は0~1歳児の場合は、15分~20分程度。2歳児は、間に5分程度の休憩をはさんで40分程度を目安にしましょう。 色水遊び・氷水遊び透明のコップや容器に、赤、黄色、青などの色水を入れ、移し替えたり混ぜてみたりする遊びは、子どもの想像力を育みます。色水は絵の具や食紅で作ってもOKですし、花ビラをつぶして水を混ぜて作ってももちろんOK。色水の鮮やかな色は、子どもの興味・関心を高めます。それが花びらからできることを知ると、草花への興味にもつながります。色を混ぜ合わせ、新しい色ができた満足感や達成感は自己肯定感を育ててくれます。また、氷水遊びもおすすめです。バケツの中に水をはり、氷を入れてみましょう。その中に手を入れて「冷たい! でも、楽しい!」。氷をこんなに自由に触れることって、あまりない経験です。製氷機の氷もいいですし、タッパーで作った大きい氷も大喜びしますよ。 どろんこ遊び「よし! 今日は気合を入れて思い切り遊ぶぞ!」という日は、どろんこ遊びにチャレンジです。土(砂)に水を混ぜるとドロドロになる。最初はチョット触るのを躊躇していたのに、その手触りや感触が気持ちよくて豪快に遊び出し、ズボンもTシャツもドロドロに! 手で触ったり、スコップですくったり、カップに入れたり。団子を作ってみようとチャレンジする子もいるでしょう。最初はただ触っているだけだったけど、そのうちごっこ遊びが始まります。どろんこ遊びは、毎日はできないかもしれませんが、ぜひ経験させてあげてください。どろんこを触ることで、子どもの想像力、集中力や感性を育てています。ぜひママも一緒になってドロドロになりながら遊んでみてください。 夏だからこそできるのが水を使った遊びです。手を洗うとき、お風呂に入るときなど、水やお湯を触るときのキラキラした表情で遊ぶ子どもを思い出してください。そして、楽しい水遊びで必ず守ってほしいことは、そばで大人が見守ること。子どもから目を離さないようにしましょう。今年はお家の中でできる水遊びで、暑い夏を涼しく過ごしてみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年08月04日こんにちは。保育士の中田馨です。連載でお伝えしている「保育園で実践している自己肯定感を育てる遊び」ですが、今回は2歳児にスポットを当ててご紹介します。 2歳児と遊ぶときの基本2歳児というと「イヤイヤ期」の時期でもあります。「自分で何でもやってみたい!」と思うので、イヤイヤを言うことが増え、ママたちにとっては困ってしまうことも。「このままワガママな子になってしまわないか?」と心配してしまうかもしれませんが、このときに自分の気持ちを表現し、感情をコントロールしていきます。 手先はますます器用になり、ごっこ遊びもじょうずになります。足腰もしっかりするので、ダイナミックな遊びもできるようになってきます。とはいえ、まだまだ甘えたい年齢です。「自分でやりたい!」という気持ちを思う存分ほめて受け止めましょう。 そんな2歳児と遊ぶときに大切にしてほしいことは以下の3つです。 1.子どもに共感する子どものすることや言うことは、時にはママに理解できないこともあるかもしれません。でもまずは子どもに共感しましょう。2.ママがリードしながら会話をする少し言葉を話せるようになってくるのが2歳児。でも、まだ自分の気持ちをすべて話すことができません。子どもの様子を見ながら「何を作ったの?」「これは車?」など、会話をリードしましょう。3.ママも一緒になりきって遊ぶ2歳児になってもずっとひとりで遊べるわけではありません。子どもと遊ぶ時間は、ママも一緒にその遊びに集中し、パン屋さんやお寿司屋さんなどのごっこ遊びはなりきって遊びましょう。 手を使ったあそび「ブロック/積み木・ストロー落とし」手先が器用になってくるので、手を使ったあそびをしてみましょう。あそびを通して、自分でできたうれしさやママにほめてもらう経験が自信につながります。■ブロック/積み木遊び子どものおもちゃの定番のブロックと積み木。これまでは、積み重ねたりママに作ってもらって遊ぶものだったと思いますが、2歳児になると自分の想像するものを作れるようになってきます。手を使って、ブロックと積み木で想像力をはぐくみましょう。■ストロー落としペットボトルのフタを開け、3~5cmに切ったストローを入れていく遊びです。スムーズに入れられるようになったら、フタにストローが入るくらいの穴をあけて、さらに難しくします。集中して遊ぶことで、「自分でできた!」という自信を育みます。 想像力を育てるあそび「おままごと」おままごとは「誰かになりきってする遊び」です。誰かになりきるごっこあそびは、高度なあそびです。お料理するおままごとのおもちゃを用意することももちろんいいのですが、さらに子どもの想像力を育むためにも、こんなおままごと遊びはいかがでしょうか?■チェーンリングでお料理チェーンリングを3~4cmの長さにつなぎ合わせて、食べ物に見立てます。うどんになったり、ジュースになったり、ケーキになったり……。子どもの想像次第でいろいろな食べ物になります。■バンダナでごっこ遊びバンダナはいろいろな遊びにつながります。広げて人形を包んだら布団。体に引っ付けたらおんぶひもに変身。おもちゃを包めばかばん。広げて後ろの襟に差し込めばヒーローに変身します。 自然あそび「小石集め・生き物とのふれあい」子どもにとって自然の中は発見がいっぱい! 季節ごとに姿を変えていく自然のなかで、感受性を育てていきましょう。 ■小石や木の実・葉っぱ集め散歩中に小石を見つけたら、その都度拾って手に握りしめて……。なんてことを子どもは繰り返します。小石に限らず、落ち葉や木の実のこともあるでしょう。子どもにとって集めた小石たちは宝物です。お皿や瓶に入れて、子どものドキドキワクワクをさらに盛り上げてあげましょう。■身近な生き物との触れ合い道にはアリ、土にはダンゴムシやミミズなど、身近な場所にも生き物はいます。自分や家族とは違う生き物の存在は魅力的なものです。生き物と触れ合うとき、子どもはその動きをよく観察し、ソーッと触ろうとします。相手の動きに自分を合わせていることがわかりますね。生き物の動きをよく見ていないと、捕まえることも難しいのです。 今回は、保育所で実際にしている2歳児の遊びを3種類紹介しました。どの遊びも、正しい遊び方があるわけではありません。ママも子どもと楽しみながら、子どもの世界にどっぷり付き合ってみましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年07月30日人気イラストレーターのしばたまさんが、フォロワーのみなさんから募集した実話のエピソードを漫画化!今回は…「ゾッとするお話」です!※ちょっと怖ろしい話なので、苦手な方や過去に怖ろしい経験がある人はご注意ください。悪気があるない関係なくこれはヒドイ…それにしても、これはかなりゾッとしました。心的外傷…母親が悪びれる素振りも見せず、自ら笑って話してるところが私的には異常性を感じて怖かったです。。byしばたま\「しばたまさん」の記事が動画になりました!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪■「しばたまさん」の書籍! 書籍『1万人がいいね!した 心ゆさぶる本当の話』 イラストレーターしばたまさんのInstagramに集まった、ほんわかゆるーいストーリーから衝撃的なオチや深く考えさせられる話が書籍化。日常の中で起こる心揺さぶられる珠玉のドラマたち!
2020年07月28日こんにちは、保育士の中田馨です。最近では、「子どもの自己肯定感を育てよう」などという言葉をよく聞くようになったのではないでしょうか? この「自己肯定感」とは、自分のことを満足し、価値がある存在として受け入れることです。 自己肯定感を育てていくことで、「自分は愛されているんだ」と子どもは自分の存在価値を感じます。今回は、0歳児にスポットを当て、保育園で実際にしている自己肯定感を育てる遊びを紹介します。 0歳児と遊ぶときの基本0歳児と遊ぶときに大切にしてほしい基本がいくつかあります。 【1】目と目を合わせる一番大切なのは、遊ぶときに子どもの目とママの目を合わせることです。せっかく楽しい遊びをしているのに、ママと目が合っていなければその楽しさも半減してしまいます。まずは赤ちゃんの名前を呼びます。目が合うまで何度か呼びましょう。目があったら、お遊びスタートです。【2】赤ちゃんに話しかける「0歳児だから言葉を理解していないのでは?」と思う必要はありません。言葉の全てを理解できないでしょうが、赤ちゃんはママに話しかけられることが大好きです。「〇〇ちゃん、かわいいね」「大好きよ!」と愛情表現の言葉はもちろんのこと、「今日は、良いお天気ね」「ママは今日、焼き魚が食べたい気分だわ」なんて世間話でもOKです。たくさん言葉のシャワーをかけてあげてください。【3】遊びに集中する赤ちゃんと遊ぶときは、赤ちゃんとの遊びに集中しましょう。TVのスイッチOFFが基本です。スマホもマナーモードなどにしておきましょう。 体が触れ合う遊び赤ちゃんの体に触れる遊びは、親子の絆を深めます。赤ちゃんもママもお互いの体温を感じながら遊べる触れ合い遊びをすることで、心が穏やかになります。 ママの顔が見え、においがして、声が聞こえて、触ってもらって。五感をめいいっぱい使って遊ぶ触れ合い遊びは、赤ちゃんにとって心が満たされ、安心感や自己肯定感を得ることにつながります。 では、保育所で実際にしている遊びを紹介します。 コチョコチョ遊び定番の遊びです。赤ちゃんの体をコチョコチョして遊びます。 高い高い遊び高い高いは赤ちゃんの好きな遊びの一つです。ただし、勢いよくするのではなく優しく上げ下げしてください。 飛行機ブーンママは寝転んで、赤ちゃんを足にのせます。赤ちゃんの両手をもって足を上げ下げして「飛行機ブーン」と遊んでみましょう。 手を使った遊び手遊びも体に触れる触れ合い遊び同様に、赤ちゃんにとって心が満たされ、安心感や自己肯定感を得ることにつながる遊びです。特に歌いながら遊べるものは、親子の心のつながりを深めることができます。 保育所で実際にしている手遊びを紹介します。 いっぽんばしコチョコチョ歌に合わせながら、コチョコチョされるタイミングにドキドキするのがこの遊び。何度もしているうちに「ここで来る!」ということが分かってきます。そのドキドキ感を親子で一緒に楽しみましょう。 あたまかたひざぽん赤ちゃんの体を「あたまかたひざぽん~」と優しくさわりながら歌いましょう。年齢が上がるごとに、自分で頭、肩、膝と触って手遊びができるようになるので、長く遊べる手遊びです。 絵本の読み聞かせ絵本を読むときに大切なことは、子どもと親が一緒に絵本を楽しむということ。大好きなママやパパに読んでもらう絵本は、赤ちゃんにとってかけがえのないものです。このときに、たくさんの本を読む必要はありません。1冊でも、親子で読むというコミュニケーションがあることによって「自分は愛されている」と感じて、愛着関係を築きます。それが、自尊心を育てていき自己肯定感を得ることにつながります。 絵本を読むときに大切にしてほしいことは以下です。 絵本を楽しむ絵本は親子のコミュニケーションの時間です。「勉強の時間」ではなく、親子で楽しむ時間として遊びに取り入れましょう。 1冊の本を何度も読んでOKいろいろな絵本を読むのももちろんOKですが、赤ちゃんが好きな絵本1冊を何度も読むのもOKです。 しっかり理解する必要はなし!赤ちゃんと一緒に読む絵本は、しっかり理解することは重要ではありません。絵本の世界に親子で入ってみましょう。 絵本はいつ開いても同じ内容です。変わらないという安心感のある物語を何度も楽しむことができるのが絵本なのです。 今回は、保育所で実際にしている0歳児の遊びを紹介しました。遊びには「こうしなければいけない」というルールはありません。赤ちゃんとママが楽しい遊びであれば基本的にはOK! 親子でぜひ楽しんでくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年07月16日こんにちは、保育士の中田馨です。4回にわたりお届けする「実際に保育士がしている、イヤイヤ期のテーマ別の対応方法」ですが、今回は「食事でイヤイヤ星人」をお届けします。 食事でイヤイヤする子への対応方法1日3回やってくる食事。子どものことを考えていろいろな食材を使ったり工夫しながら料理を作るのに、ひと口も食べずに「イヤ!」と言ってプイっと横を向いてしまうなんて経験をしたことがあるのではないでしょうか? ひと口でも多く食べてほしいのが親心ですが、頑なに口を開いてくれないとどうすることもできません。無理やり口に入れるわけにもいきませんので、悩むママも多いことでしょう。 食事でイヤイヤ星人への基本的な対応方法は以下の4つです。1.食べない食材があっても良しとしよう!2.食事には決まりがあると伝える3.十分に甘えさせる4.ある程度子どもの思いを尊重するでは、実際に保育所であった具体例を挙げながら見ていきましょう。 苦手な食べ物をひと口も食べないイヤイヤ星人苦手な食べ物をひと口も食べてくれないイヤイヤ星人はとっても多いものです。私の保育所のイヤイヤ期の子どもたちは全員がそうと言ってもいいくらい。例えば、きのこが苦手な子の場合、きのこ単体ではもちろん食べません。えのきと一緒に数種類の野菜を汁物にしたら、じょうずにえのきだけをよけて食べます。ハンバーグにしいたけを練り込めば、その香りに感づいて食べてくれません。このようなイヤイヤ星人にはどうすればいいのでしょうか? まずは「食べない食材があっても良しとしよう!」と思うことです。苦手な食材の1つや2つ大人もあると思います。なので、苦手な食材が多少あっても問題ありません。まずは、えのきが入っているのに汁物を食べようという意欲がある子どもを認めます。「今は、きのこを食べなくてもいいや」と思いましょう。 とはいえ、将来的に食べてほしいと思うなら、子どもが苦手な食材も定期的に食卓に出して、その存在を見せ続けます。親が「おいしい!」と食べているところを見せることが大切です。 椅子に座らないイヤイヤ星人食事中にすぐに椅子から逃げ出したり立ち歩いたりする子がいます。つい追いかけてしまいたくなるところですが、それはNG。食事のマナーとして、立ち歩いて食べるのはよくありませんが、それよりも立って歩いて食べているときに、食べ物を喉に引っ掛けてしまうことのほうが怖いのです。このようなイヤイヤ星人には「食事には決まりがあるんだよ」ということを伝えます。例えば、食事は座って食べるということもその1つ。座らないと食べさせないという家ルールをつくってしまうのです。 追いかけて食べさせると「歩いて食べてもOKなんだ」という認識になりますので要注意です。また、椅子から逃げ出した子どもに対して「待て待てー!」など大きなリアクションで対応すると、子どもはママに反応してもらって楽しいと思ってしまいますので、座らせるときは「椅子に座るよ」っと淡々と対応しましょう。 自分で食べられるのに食べさせてほしいイヤイヤ星人手づかみ食べもスプーンやフォークなどを使って食べることもできるのに、急に「ママ、食べさせて!」と自分で食べなくなる子がいます。ママとしては、「もう、自分で食べられるでしょ?」と思うことでしょう。このようなイヤイヤ星人には、十分に甘えさせましょう。ママに「食べさせて!」と言ってくるのは今だけの話です。子どもが成長するなかでは、心の充電がたくさん必要な時期があります。充電の方法はその子によって違います。この子の場合は、食事の時間に出てきたのかもしれません。ママが食べさせてあげたとしても、「じゃあ、自分でもひとさじ食べてみよう」と誘うのはもちろんOKです。 スプーンもまだなのにお箸で食べたがるイヤイヤ星人まだ、手づかみ食べがメインでスプーンすらうまく使えないのに、パパやママの様子を見て「お箸が使いたい!」と言ってお箸を持ちたがる子がいます。持たせなかったら大泣きするので、持たせていいものか悩むところです。 このようなイヤイヤ星人には、ある程度子どもの思いを尊重しましょう。ある程度というのは、子ども用の短いお箸を用意して持たせるのはOKです。食具に興味を持つことは頼もしいものです。ただ、お箸は子ども用のものを必ず大人がそばで見守りながら食べてください。 イヤイヤ期全般に言えることですが、子どもがイヤイヤ言い出したらすぐに解決することはできません。いつもの3〜4倍は時間がかかるかなと大らかな気持ちで対応しましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年06月27日保育士さんが実際におこなっていて効果が高いと人気の「泣き止ませワザ動画シリーズ」から、新たに「寝かしつけワザ動画」の登場です! 0〜1歳6カ月までの赤ちゃんの「寝かしつけワザ」を、発達ごとに現役保育士の井上りな先生に教えてもらいました。今日から早速、トライしてみて! 赤ちゃんの脳や体は未発達なため、じょうずにまだ眠ることができません。さらにコロナ禍や梅雨時で外出もままならず、体力も持て余しぎ気味。なかなか寝つけない子も多いよう。でも、ママやパパがちょっとサポートをしてあげるとすんなり眠れることも。そこでママが簡単に試せるワザを人のお子さんのママでもある保育士の井上りな先生に紹介してもらいました。いくつか試してみて、わが子にあうワザを見つけてくださいね。 0〜5カ月:やさしい触れ合いに安心して眠れるように おでこや眉間をやさしくなでなでお布団に寝かせたあと、赤ちゃんのおでこや眉間をやさしくゆっくりなでると、気持ち良くなって寝つく赤ちゃん多し。ただし、触られるのが苦手な場合も。嫌がるようなら無理強いはしないで。 耳元でハミング♪赤ちゃんはママの声が大好き。耳元で囁くようにハミングをしてみましょう。安心して赤ちゃんはスヤスヤ夢の中へ。歌は声がハッキリするため楽しくなりテンションが上がってしまうことも。ハミング程度が効果的です。 手と足を曲げて伸ばしてねんねの赤ちゃんも疲れていないと寝ないことがあります。手や足を持って軽く曲げたり伸ばしたり……体操してあげて。適度に疲れて眠りにつきやすくなります。 6〜9カ月:ママとスキンシップが効果的 たて抱っこでギュッママへの愛着が強くなってくるころ。やや強めにギュッと抱きしめて、ママの体温を感じさせてあげると安心して眠りにつきやすくなります。この時期は横抱きよりもたて抱きを好む赤ちゃんが多いです。ただし、抱っこは意外と負担になるもの、ママは座椅子などに座ったり壁によりかかかるなど、ラクな体勢でトライして。 おなか&背中をなでなでおなかをゆっくりとなでてあげると、ママの温もりを全身で感じやすく安心できます。横向きで寝るのを好む赤ちゃんは、横向きのまま背中をさすってあげると良いでしょう。ただし、寝たらあお向けに戻して。 10カ月〜1歳6カ月:自分だけの空間にテンションアップ! ママが寝たフリこの時期になると、ママともっと遊んでいたい!という思いからなかなか寝ようとしない子が出てきます。ママが寝たフリをすれば、起きていてもつまらない……と寝てしまうことが多いです。 暗くして一緒にお布団に入るママと一緒にいるのが楽しい時期。一緒にお布団に入って電気をオフ。今日あった出来事をお話ししたり、トントンしたり……。安心感に包まれていつの間にかスヤスヤ。 ルーティーンを作る少し時間がかかりますが、ごはん→お風呂→絵本の読み聞かせ→一緒にねんねなど毎日同じ繰り返しを。次第に夜の流れがわかってきて、自然と流れに沿って寝るように。 ワザを試す前にまず確認を!まずは赤ちゃんが安心して快適に眠れるように、環境や生活リズムを整えることが大事です。ワザを試す前に、次の項目ができているかチェックしてみて。 □部屋は電気を消して暗くしている□快適な温度や湿度だ(温度は50〜60%、室温は26〜28度が目安)□静かで落ち着ける環境だ□おなかが満たされている□おむつが汚れていない□毎朝決まった時間(遅くとも8時ごろ)に起こしている□日中適度に運動している さまざまなワザにチャレンジしても、寝ないことも多いもの。ママがイライラしたり焦ると、赤ちゃんにその気持ちがうつってしまい、余計寝なくなってしまいます。どれか効果があったらいいな、くらいの気持ちで試して見て。わが子に合うようにアレンジを加えても楽しいですね! ※寝かしつけ中は赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。※窒息の恐れがあるので、赤ちゃんの 枕元や赤ちゃんの顔の近くに ぬいぐるみなど置かないようにしましょう。※うつ伏せで寝ていたら、あお向けに戻してあげましょう。 監修者:保育士 ライクアカデミー株式会社にじいろ保育園一之江 井上 りな聖徳学園短期大学部付属教員保母養成所(現:聖徳大学幼児教育専門学校)卒業。幼稚園での勤務後、保育園で10年以上にわたり乳児の保育を担当。現在はにじいろ保育園一之江で、保育補助として0歳児の保育を担当している。
2020年06月20日こんにちは。保育士の中田馨です。1歳ごろから徐々に表れ、2歳ごろにピークを迎え、3歳ごろに卒業へと向かっていく「イヤイヤ期」。私の保育所は0~2歳が対象ですので、1年を通して毎日「イヤイヤ期」の子どもと生活しています。 今回から4回にわたり、実際に保育士である私がしている、イヤイヤ期の対応方法を話します。今回のテーマは「お着替えでイヤイヤ」です。 お着替えでイヤイヤする子への対応方法朝起きてパジャマから洋服へお着替え、汗をかいたり外遊びで汚れたらまたお着替え、お風呂後にパジャマにお着替え……と1日数回訪れる衣服の着脱の場面。イヤイヤ言いながら、着替えを全身でイヤがるので、うまく着替えることができないこともあります。 衣服の着脱のイヤイヤ星人への基本的な対応方法は下記の3つ。1. 子どもの思いを尊重し、さりげなくサポート2. 着替えが終わらなければ、次の行動ができないことを伝える3. ママ的に多少違和感があっても服を着たならOK では、実際に保育所であった具体例を挙げながら見ていきましょう。 少しでもサポートしたら怒るイヤイヤ星人何でも「自分でしたい」お年ごろのイヤイヤ星人。まだひとりでうまくズボンを履けないのに自分で履こうとします。片方に両足を入れて、違うと脱いで、また両足を入れて……を繰りかえすのを見ていると、つい「こっちに足入れて」と手を添えてしまいたくなります。でも、少しでもサポートすると「触らないで!!」と怒るのがこのタイプ。このような姿が見られたら「子どもの思いを尊重し、さりげなくサポート」をするようにしましょう。ズボンを自分で履きたいと思うその意欲、失敗しても何度も繰り返すその集中力を応援するのです。 もし、できそうなら「ママがここ持っとくね」とさりげなくサポートします。先回りして手伝ってはいけません。何日かじっくり付き合って、脱ぎ着を繰り返しているうちに、一人でできるようになります。着るより脱ぐほうが簡単なので、「自分で着たい脱ぎたい」と言うときは、とことん自分でさせてみるのもいいでしょう。 このタイプは、ある日突然「自分で着たい!」という思いが落ち着いて「ママが手伝って〜」と甘えモードになることもあります。そのときは、ママが手伝ってあげましょう。 「服を着たくない」とすっぽんぽんでいるイヤイヤ星人「服を着たくない!!」と言ってイヤがるタイプもいます。夏ならまだしも、冬の寒い日でも「服を着るのはイヤだ!」と言うので、ママとしては「風邪ひくから、服を着てほしい」と思うのですが、すっぽんぽんのまま遊びだすことも。このような姿が見られたら、「着替えが終わらなければ、次の行動ができないことを伝える」ようにしましょう。ただ、言葉で言ったところでまだ伝わりませんので、ママが体も使って伝えます。 「服を着てから遊ぼうね」と言って、子どもをひざに抱っこします。もしかすると、のけ反って嫌がることもあると思いますが、ママが伝えるのは「服を着てから遊ぼうね」ということだけ。生活には順番があるんだよ、ということを伝えるのです。いろいろ言わなくて大丈夫。子どもはじっとママのひざに座りながら考えています。 そして、子どもが落ち着いたら「さぁ、服を着よう」と声をかけてみてください。「うん」と言って、納得して着てくれることが増えると思います。「服を着なさい!」と注意したり、追いかけて服を着せるよりも効果的です。 「上下ピンクコーデがいい!」と譲らないイヤイヤ星人「自分で服を決める!」と言って、ママが決めた服をボイコットするイヤイヤ星人もいます。普段なら「まあ、良いか」と思えても、お出かけするときに、全身シマシマや上下ピンクのコーディネートをしたいと言い出したら、ママも「今日だけは、それはやめて!」と思ってしまいます。とはいえママの選んだ服は着てくれない。こんなときはどうしたらいいでしょうか。このような姿が見られたら「多少違和感があっても服を着たならOK!」にしましょう。子どもにしてみれば「僕、一番かっこいい!」「私、最高にかわいい!」と思って着ているのです。子どもの自分で選ぶ意欲を尊重します。そして、今しかしないこの姿を写真やビデオに収めてママも楽しみましょう。 「この靴下が好き!」穴が開いても履き続けるイヤイヤ星人「この靴下が好き! 毎日履きたい!」と穴が開いている靴下を履き続けるイヤイヤ星人もいます。他の靴下を出しても「NO!」と言ってボイコット。洗濯物の中から、お気に入りのくつ下を探し出してきてそればっかり履きます。ママとしては、できれば捨てたいけれど、捨てたことがばれたときが怖いので、どうすればいいか悩んでしまいます。このような姿が見られたら「履きたいだけ履かせる」と思ってください。きっとその靴下を履いていると安心するんです。破れている場合は、縫うこともできますし、満足いくまで履いたところで、「そろそろ新しい靴下履こうか?」と誘ってみます。新しい靴下を一緒にお店に選びに行くのも1つです。 その子によって現れ方が違うイヤイヤ期。全身で「イヤイヤ」いう子どもの姿に疲れてしまうこともあると思いますが、そんなときほど、心と心の間にワンクッション置いてみましょう。そうすると「こんなに必死に嫌がって……うちの子、かわいいな」と思えます。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年06月18日こんにちは、保育士の中田馨です。6月も中旬になり、全国的に梅雨入りの季節になりました。雨の日が続くと外にお出かけができず「子どもと何して遊ぼう」と悩んでしまうと思います。今日は、保育所で雨の日にしている定番の遊びを紹介します。 1.新聞を使った遊び まずは身近な廃材である「新聞」を使った遊びをいくつか紹介します。 新聞チョップ「新聞チョップ」は、まずママが新聞を広げて、新聞がピンと張るくらいに両端を持ちます。そして、子どもが新聞を上からチョップします。子どものチョップの力が弱くてなかなか破けない場合は、少し切れ目を入れておくと破けやすくなります。 新聞ビリビリ「新聞ビリビリ」は、新聞チョップで破けた新聞を子どもと一緒に細かくビリビリする遊び。細かくなった新聞を束ねて持って、子どもの頭の上から落としてみましょう。洗濯カゴなどに全部入れて豪快に落としても楽しいです。 新聞ボール「新聞ボール」は、新聞ビリビリの新聞をビニール袋に詰めてボールにして遊びます。小さい袋でも大きい袋でもOK。新聞をビニール袋に詰める際も、袋を口に見立てて「新聞食べたいよおお。入れてほしいな!」と言いながら、細かく散らばった新聞を入れてもらうと、お片付けついでに楽しく遊べるのでママとしては一石二鳥です! 新聞ままごと「新聞ままごと」は、最近私の保育所で流行っている遊びです。例えば、新聞を丸めて赤い折り紙を巻き付けてセロテープで止め、緑の葉っぱをくっつければ、りんごのできあがり! こんな感じで食べ物を新聞と折り紙で作ります。子どもには年齢に応じて、できる範囲で一緒に作ります。 目の前でいろいろな食べ物ができることに、子どもたちは目をまん丸にして大喜びしてくれました。手作りの食べ物は、想像が膨らむようで、最近は一日中おままごとを楽しんでいる子もいます。 2.段ボールを使った遊び 段ボールも雨の日の遊びにかなり活躍する廃材の1つです。 段ボールカー「段ボールカー」は、小ぶりな段ボールで作ります。フタの部分を内側に織り込んだら完成です。段ボールの中に子どもが入り、前へ後ろへと動かしてみましょう。時間があれば、段ボールにお絵描きしても楽しいです。 段ボールトンネル「段ボールトンネル」は、小ぶりな段ボールを重ね合わせて作ります。フタと底の部分を広げ、段ボール同士をガムテープでつなぎ合わせます。ひとつでももちろん楽しいですが、3~4個あると長くなるのでいいですよ。途中、小窓を作ってみたり、入り口やゴールにスズランテープですだれを作ったりするだけでも、子どものテンションはグーンと上がります。 段ボールハウス「段ボールハウス」は、大きめの段ボールが届いたらぜひチャレンジです。段ボールにドアや窓を作ります。天井が開くようにしてもいいですね。以前、段ボールトンネルと合体させたら大喜びしてくれました。子どもにとって秘密基地になるので長く遊んでくれます。 3.風船を使った遊び 風船は、ポーンと手ではねて遊ぶのも楽しいですが、工夫次第で別の楽しさも味わえます。 風船タッチ風船の口にひもをくくり付け、天井からぶら下げます。子どもはその風船にジャンプしてタッチします。 風船玉入れ風船を何個も用意します。大きめの段ボール(かご)を用意し、部屋中に散らばった風船を段ボールに入れます。軽快な音楽をかけ運動会のような雰囲気にすると、子どものテンションも上がります。 風船クッション最近ネットやTVで紹介されているので知っているママも多いと思います。風船を衣類など大きめの圧縮袋に平らに入れて掃除機を使って圧縮します。すると、大人がのっても風船が割れないクッションになります。上に乗って寝転んでもOK。2歳児がジャンプで上にのっても割れにくいです。 4.パズル遊び 体を使った遊びをしたあとは、じっくりと椅子に座って遊んでみましょう。パズルは年齢によって用意するものが変わります。その子の年齢、発達に合わせたものを準備しましょう。 また、お家で手軽に作れるパズルもあります。A4用紙に絵をプリントし、段ボールに貼り付けます。それをカッターナイフで好きな形に切り込みを入れます。切り口で手を切らないようにテープなどで補強すればOK! そうすると、わが家だけのオリジナルパズルのできあがりです。最初は1ピースを大きめに切ります。その大きさを子どもが簡単にできるようになったらさらに小さく切ってもいいですね。用意する絵は、子どもが好きなキャラクターや乗り物、食べ物でもいいですし、私は絵本の表紙を使ったりもします。 雨で外に出られないと、子どももママもなかなか発散できない日が続きますが、ほんの少しの工夫で、親子で楽しく遊ぶことができます。ぜひ取り入れてみてください! ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。手作りおもちゃで遊ぶ際は誤飲等にご注意ください。お子さまが遊んでいる間はそばで見守るようにしましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年06月12日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは、保育士の中田 馨です。赤ちゃんを寝かしつけのために抱っこし、やっと寝たと思って布団におろすとすぐに起きて泣き、また抱っこをする。そんな経験があるママも多いはず。赤ちゃんの背中は、「スイッチがあるんじゃない?」と思うくらい敏感です。私の息子も生まれてから1カ月はセンサーが強く、私の腕枕がないと寝てくれない子でした。 どうして赤ちゃんには背中スイッチがあるの?どうして背中スイッチが発動するのか? その理由をそのときに知っていれば、私の子育ては少しラクだったのになと思います。そこで、赤ちゃんに背中スイッチがあるいくつか原因をお伝えします。 モロー反射の影響生まれて数カ月の赤ちゃんには、モロー反射という生まれ持った反射があります。モロー反射は大きな音がしたときや上体が不意に傾いたときに手がパッと開く反射です。この反射は大昔に人間が木の上で生活してきたとき、母親や木から落ちそうになった際にしがみつこうとした名残だと言われています。抱っこから降ろそうとするそのちょっとした振動でこのモロー反射が起きてしまうことがあるのです。 姿勢の変化新生児の赤ちゃんの手足を見ると、足はM型、腕はW型になっています。そして、背中はCの形をしています。この形の姿勢がこのときの赤ちゃんの安心できる姿勢。布団に寝たことで、安心できる姿勢ではなくなり起きてしまうことがあります。 ママの抱っこが安心ママの抱っこが安心という子がいます。ママの体温やにおい、声を聞くことで安心して寝ているのです。ママが離れることに気づいて起きてしまうこというがあります。 敏感な背中スイッチをOFFにする方法では、具体的にどうすれば背中スイッチのセンサーをOFFにすることができるでしょうか? ■頭から降ろす背中が急に伸びないように頭から順にゆっくりと床におろします。 ■ママの体ごと布団に寝かせる赤ちゃんを布団に寝かせるときに、ママの体と赤ちゃんをくっつけたまま布団に寝かせて布団におろしたら、そーっと手を引き抜き、ママの体も離していきます。 ■おくるみに包むおくるみに包んであげると赤ちゃんんは安心して寝てくれます。手足をおくるみやバスタオルで包んであげましょう。寝かしつけの抱っこのときからおくるみで抱っこし、寝たらおくるみのまま布団に寝かします。赤ちゃんが寝たらそのまま布団に寝かせます。布団に寝かせたらおくるみを少し緩めてもOKです。おくるみはきつく包みすぎないようにしましょう。 ■赤ちゃんの安心する体制で寝かせる前にも書きましたが新生児の赤ちゃんの脚はM、腕はW、背中はCの形。この姿勢を崩さず寝かせてあげると不安にならずに寝ます。ですので、敷布団の形を工夫してみましょう。以下の方法などがあります。 ・敷布団の頭と脚の高さをあげて背中をCになるように寝かせる・バスタオルを棒状にして円を作り、その中に赤ちゃんを寝かせる 背中スイッチはいつまでも続くものではありません。その子その子によって背中スイッチをOFFにするコツも違います。赤ちゃんの特徴にあったコツを見つけて、ストレス少なく乗り越えられるといいですね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年06月09日子どもにどんなおもちゃを与えればいいですかとよく相談されます。特に低年齢の子ほど悩んでしまうようです。世の中にはたくさんのおもちゃがあります。木のおもちゃからキャラクター遊具、電池で動いたり、音や光のでるものなどなど。今回はおもちゃを選ぶときのポイントや遊びの原点についてお伝えします。 おもちゃが「遊ぶチカラ」を伸ばすことも奪うこともある保育士は、子どもには「遊ぶチカラ」というものがあると考えます。そしてこのチカラは、環境や配慮によって大きくもなれば、小さくもなると理解しています。子どもの個性によって、興味を示すおもちゃや遊びはさまざまですが、低年齢のときほどこの遊ぶチカラを奪わずに伸ばしていってあげたいものです。 そうなんです。実は与えるおもちゃによってはその遊ぶチカラを奪ってしまうこともあるのです。ここに気をつけることで、子どもの将来的な姿が変わってくるかもしれません。 おもちゃを選ぶときのポイントおもちゃを選ぶときのポイントになるのは、刺激の強さです。濃い味に慣れたら、薄味のものをあまりおいしいと感じられなくなりますよね。おもちゃもそれと同じで、小さいころから刺激の強いものに慣れてしまうと、あまり刺激を発しないたぐいのおもちゃを楽しめなくなることがあります。 そして、刺激というのは慣れによって、だんだんとおもしろさを感じられなくなってくるので、それまで遊んでいたものもだんだんそこに楽しみが見いだせなくなってしまいます。 つまり、絶えず刺激を欲するように、いつのまにか子どもがなっていってしまいかねません。 今、赤ちゃん向けや乳幼児向けでも、電気的に音や光を発するおもちゃが普通にたくさん売られています。一見、これらは子どもの興味をひきやすいので、よく遊ぶことから一般にはよいおもちゃなのだと思われることもあるようです。しかし、これらは短期的には興味をひいても、遊ぶチカラという観点からはむしろそれを奪ってしまいかねないものともなり得ます。絶えず、より強い目新しい刺激がないと遊ばなくなってしまうことがあるからです。 赤ちゃんにあげる離乳食でも最初は薄味ですよね。おもちゃも同様に、シンプルなものから提供していくほうが良いと考えられます。 赤ちゃんの遊びには意味がある!? 発達との関係遊びには実は大きな意味があります。それは個々の子どもの発達段階と呼応しているということです。子どもは発達が進み、それまでできないことができるようになると、そこにおもしろさを感じます。 例えば、それまで歩けなかった子が歩けるようになると、歩くこと自体が楽しくなります。楽しいので、それを盛んにします。すると、その獲得された能力は経験の機会が多くなることで、より発達が進むようになります。そのとき、その発達段階に合ったおもちゃがあると、その獲得された機能を使うことはさらに楽しくなります。すると、楽しみながらより発達することになりますね。 このメカニズムが実は遊びの原点です。 発達段階に合ったおもちゃとは・物を握れるようになった子→ガラガラ、にぎにぎなど ・歩けるようになった子→引き車、手押し車など ・指先で物をつまめるようになった子→ストロー落とし、ペグ(棒)さしなど ・イメージを持って見立てることができるようになった子→ミニカー、お人形、ごっこあそびなど ・イメージを持って構成することができるようになった子→積み木、ブロックなど 子どもの困る行動、実は発達のサインかもしばしば、こんな子育ての悩みを聞きます。 「食事のとき、テーブルから食器や食べ物を落とそうとします。止めてもおもしろがるばかりでやめてくれません」(1歳) 「なんでも物を投げようとします。何度注意してもやめてくれなくて困っています」(1~2歳) 「固い物でいろいろなところを叩いてばかりで困ります」(2歳) こういった子どもの姿に直面すると、大人はそこを注意したり止めたりすることで、なんとかやめさせようとするケースが多いです。しかし、それで解決したということにはなかなかならずに、怒ってばかりになってしまったり、何度も注意することでイライラしたり、へとへとになってしまったりします。 実は、これらは発達段階が進んだことによる自然な姿かもしれません。 物をつかんだり、押して動かすことができるようになった子は、それをすることで落ちるということに楽しみを見いだします。その対象が食器や食べ物ということになるので、大人としては困惑してしまいますが、遊びとしてその発達の機能、楽しさを十分に満たすことができれば、何度も注意するという場面を回避できるかもしれません。 どうやって満たすの? どのような遊びを取り入れたらいい?例えば、丸や四角、三角の穴が空いている箱に対応する積み木を入れて遊ぶ「型落とし」というおもちゃがあります。 もっとシンプルに、空いた育児用ミルク缶にボールや積み木を落とすといったものでもいいでしょう。この段階の子に、こういったおもちゃを提供すると、楽しみながらその獲得した能力を発揮することができ、同時にその能力を存分に使いたいという欲求も満たされます。そこでその気持ちが満たされれば、多少なりとも食事のときにわざと食器を落とすといったようなことを減らせるかもしれません。 物を投げたくなるという発達段階も同様です。お手玉やボール、またそれらを投げて遊べる場所などを用意してみます。遊びとしてその能力、欲求を満たしてあげることで、その獲得されたチカラを使って楽しく遊べ、同時にその能力をより伸ばすことができます。 意外と知られていませんが、2歳前後には叩くという能力が獲得されて、それが楽しくなってしまう時期があります。このとき、叩くおもちゃがあると実によく遊びます。しかし、そういった物がないと、周りにある物で手当たりしだいに叩く姿が出てしまうことになるので、大人としては困ってしまうということが起こりやすいです。 これら例で挙げたものに限らず、子どもの遊びというのは、実はこのようにほぼすべてが発達に即して発展していきます。 室内での遊びにしても、戸外での遊びにしても同様です。それまで「できなかったことができるようになった」というのは、子どもにとって新鮮な経験であり、楽しみとなります。こういうことが子ども自身の成長の喜びというものかと思います。 まとめ刺激により子どもをおもしろがらせてしまうおもちゃというのは、こうした遊びの原点とはまた別の所にあるものです。しかし、今はそうした刺激を発するものがおもちゃに限らずあふれています。それらが絶対に良くないというわけではありませんが、そればかりになってしまうのも考えものです。また、なかなかそれらを避けて生活することはできないでしょう。 だからこそ小さいときに与えるものを、大人がよく考えていくことは大事なことかと思います。 著者:保育士 子育てアドバイザー・保育士 須賀義一子育てアドバイザー/保育士。大学時代はドイツ哲学を専攻。人間に携わる仕事を志し保育士になる。子育てのポイントや育児相談。保育士としての知識、主夫として子育てした経験を綴ったブログ『保育士おとーちゃんの子育て日記』が人気を博す。著書に『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』『保育士おとーちゃんの「心がラクになる子育て」』(PHP研究所)がある。現在は子育て講演や座談会、保育研修・監修、コラム執筆などをしている。
2020年06月05日この春から保育園デビューをした人は多いと思いますが、私も1歳から子どもを預けて働いていました。でも、最初の数カ月間は毎朝登園するたびに子どもが大泣きをして、「ずっと一緒にいられなくてごめんね」と落ち込むことも度々ありました。そんな私の心がすっとラクになった言葉を紹介したいと思います。 「3歳児神話」に振り回されないで「子どもは3歳まで母親の手もとで育てるのがいい」。一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。私も、そのような言葉をかけられて落ち込んだことがあります。 そんな悩みを知人に打ち明けたら、このように言われました。「でも、昔だってお母さんはひとりで育児をしていたわけじゃないよね」と。 まだ保育園などなかった昔も、一緒に暮らす祖父母やきょうだいがいたり、子守りをしてくれるご近所さんがいたりと、たくさんの人の手によって赤ちゃんは育てられてきました。現代では、それが保育士さんの手に変わるだけのこと。 3歳までという年齢にかかわらず、子どもに愛情を注いで育てるのはとても大事なこと。でも、それは母親ひとりに限ったことじゃなく、父親でも、祖父母でも、もちろん保育士さんでも、小さいうちからたくさんの人に愛情を注いでもらえるのは幸せなことだと思うようになりました。 子どもには「ごめんね」より「ありがとう」保育園に預け始めたころは、よく泣いていたわが子。お迎えに行って泣き顔を見るたびに心が痛んで、「ごめんね」と言っては抱きしめていました。 でも、あるとき保育士さんに言われたのです。「そういうときは“ありがとう”と言ってあげてください」と。 ママに悲しい顔で「ごめんね」と言われると、意味がわからないにしても子どもは悲しい気持ちになります。でも、笑顔で「頑張ってくれてありがとう」と言ってもらえると、子ども自身も前向きな気持ちになれるというのです。 それを聞いてからは「ごめんね」は封印。子どもだって保育園で頑張ってくれているのだから、「いつもありがとう」と声かけをするようになりました。そして、それは子どもにも伝わっていたような気がします。 子どもにさみしい思いをさせているんじゃないかという罪悪感は働くママなら一度は持つかもしれません。でも、「いつも保育園で頑張ってくれてありがという」という前向きな気持ちで保育園に送り出してあげたいですね。 イラスト:manami.koiso監修/助産師REIKO著者:高橋じゅんこ一児の男の子を育てるワーキングマザー。病気ネタやママ友ネタなど、ペンネームでリアルな体験談を執筆中。
2020年06月03日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは、保育士の中田馨です。子どもがトイレに座ることができたら「そろそろパンツをはいてもいいのかな?」と考え始めると思います。最近では、子どものトイレトレーニング用のパンツにはいろいろな種類があるので、「どれをどの時期に履かせればいいのかしら」と思う方もいるでしょう。 今日は、子どものパンツデビューについて話します。 子どものパンツデビューの目安おむつからパンツになると、おむつ代もグンと減りますし、ママにとってはありがたいことがいっぱいです。 【子どものパンツデビューの目安】・トイレでおしっこを成功することが多くなった・トイレに行く時間帯が大まかに決まってきた こんな姿が見られてきたらはじめどきです。 練習用のパンツはおしっこをしても漏れないように、防水性のある素材が3~6層になっているものもあります。心配な場合は練習用のパンツから初めてもOK。ですが、練習用パンツは、価格が高く乾きにくいため何枚も必要になってしまいます。また、ずっと使っていると防水をあまりしてくれなくなり、洋服を汚してしまうことも……。 私の経験から言うと、子どものパンツデビューは焦らないで、しっかり目安が見えてきてからでも遅くありません。練習用パンツは抜かして、普通のパンツからスタートする子もいます。 50%成功すればOK!失敗しても絶対叱らないいざ、パンツデビューしたものの、やはりパンツの中でおしっこをしてしまうことがあります。おしっこの量とパンツの種類によっては、床までおしっこが垂れ流しになることもあります。「どうしてパンツでするの!」とつい叱ってしまいそうなところですが、「おしっこが出てスッキリしたね。お風呂で洗おうね」と、お風呂場に連れて行ってあげましょう。 このときに「おしっこはトイレでしないとダメよ!」なんて声かけはしないでください。子どもなりに「あ、しちゃった」と不快感を感じていますので、できるだけプレッシャーにならないような言葉を選ぶことが大切です。 おもらしが頻繁にあって、ママが「しんどいな」と思うなら、しばらくの間は紙おむつに戻っても問題ありません。頃合いを見て、またパンツにしてみましょう。 外出先ではどうすればいい?パンツデビューをしたときに不安なのは外出するときです。家ならいつでもトイレに行けるけれど、外は行きたいときにトイレがあるわけではありません。外でおもらしをしてしまった場合、その後の処理も大変です。なので、外出時は家以上に意識的にトイレのことを考えるようにしましょう。 家を出る前に必ずトイレに行き、外出先でトイレを見つけたら少し早い段階でもトイレに行くと良いでしょう。着替えは、パンツやズボンを普段よりも多めに入れておくと、もしものときに助かります。保育所では、お散歩に行くときに、子どものおむつはずれの段階によって対処方法を変えています。トイレの間隔が短い子や不安が大きい子はおむつに履き替え、外遊びの時間におしっこが出ないことが多い子は、子どものおしっこ専用のパッドを入れるだけなど、その子の成長や性格に合わせてあげてくださいね。 パンツをはきたがらなくなったら?保育所でもよくある話なのですが。昨日まで喜んではいていたパンツを、突然「イヤ!」と言ってはきたがらなくなることがあります。トイレでのおしっこも順調だし、パンツにおもらしすることもほとんどない場合、ママもどうすればいいかと悩むところです。 パンツをはいていたのに紙おむつに戻ってしまうことに不安になるかもしれませんが、後戻りしてOKです!私は潔く、紙おむつに戻ることをおすすめします。ここで「パンツをはきなさい」と子どもとすったもんだのやり取りをするよりも、「分かった。今日は紙おむつの気分なのね」と受け入れるほうが親子共にラクチンです。そして、「パンツも待ってるから、明日ははこうね!」と気軽に誘っておきましょう。きっと、パンツをイヤがる時期はしばらく続くでしょう。しばらくは、パンツをはいたり紙おむつをはいたりしながら進めていきましょう。 また、パンツに変えたころからママがルールを決めてもいいですね。「紙おむつは、夜にはくもの」と言って日中はパンツをはくと、子どもも納得するのでスムーズに進みます。わが家はこの方法でパンツに移行しました。 おむつはずれ全般に言えることですが、ママの思う通りには進みません。子どもの様子を見ながら子どもに合わせて無理せず進めていきましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年05月26日こんにちは、保育士の中田馨です。前回は1歳代のおむつはずれのお話をしました。1歳代のおむつはずれは、トイレのイメージづくりの時期でトイレに興味を持ってもらうことがメインでした。2歳代になると「トイレに誘い始める時期」がスタート。ママが誘ったときにトイレに行けるようになってきます。今回は、そんな2歳代のおむつはずれのコツを話します。 おむつはずれを本格的に始めるタイミングと期間1歳代のときにもお話しましたが、おむつがはずれる時期には個人差があります。スタートする時期は、個人個人で違うことを知っておきましょう。 【おむつはずれを始める3つの目安】 ・ひとりで立って歩けるひとりで立って歩けるようになると、手足のコントロールをある程度することができるようになります。・大人の言うことを理解している「おしっこ」や「トイレ」という言葉を理解していたり、自分で言えることも大切な要素。 ・おしっこの間隔が2~3時間空くようになってきた膀胱の機能が発達して、ある程度の量をためられるようになってきます。おしっこがたまると尿意をしっかりと感じることができます。例えば、お昼寝から起きたときに、おむつにおしっこをしていなければトイレに誘うチャンスです! これらの様子が子どもに見られるようになってきたら、おむつはずれを本格的にスタートしてOKです。おむつが完全にはずれるのは、2歳代の子もいますし、4歳代の子もいます。ママが焦ると子どももその気持ちを察知しますので「一日の遊びの中のひとつ」と思って取り組みましょう。 トイレに誘うのは毎日同じペースでおまるや便器に座ることがスタートします。最初は1日1回からでOK。トイレに座ることに慣れるところからスタートさせます。最初からおしっこが出るとは思わないでください。しばらくの間は「ただ座るだけ」です。まずは、おしっこが出ても出なくてもいいのです。トイレに誘うタイミングは、起きている時間ならいつでもいいのですが、生活の節目節目で意識的にリズムをつくっていくと、ママも子どももラクです。例えば、朝起きたとき、食事の前後、外遊びの前後、お風呂の前、寝る前などが誘いやすいです。毎日同じペースで誘って習慣にしましょう。トイレに誘うときは「トイレに行く?」と聞くのではなく、「トイレに行こう!」と、ママが主導することも大切です。私の保育の経験から、「トイレに行く?」と尋ねると「イヤ」と言われる確率も多くなります。スムーズにトイレに誘うためには「トイレに行こう!」と言うことも実は大切なのです。 トイレに行くのを嫌がったら?最初は機嫌よくトイレに座っていたのに、何があったのかトイレを嫌がることがあります。やっとトイレに座って時々おしっこができるようになってきていた場合、「どうして? 順調だったのに!」とママはショックを受けることもあると思います。あと戻りしているのではないかと不安にもなるでしょう。でも、多くの子どもが途中で「トイレ、イヤー!」という時期があるので心配しないでください。トイレに行くのを嫌がったときの対策は、スパッと諦めるに限ります。「じゃあ、またあとで行こうね」と言って終了です。と言っても、スパッと諦めにくい場合は、1〜2回であれば、再度誘うチャレンジをしてももちろんOK。 私が保育所でしていることは「トイレさんが待ってるよ」「おしっこしたら気持ちいいよ」と、子どもがイメージできる声かけをすること。トイレの絵本を読むのもいいですよ。子どもの心が落ち着いてから「トイレ行こう!」と再度誘うと、「うん」と言ってトイレに座ってくれることもあります。嫌がるのを引っ張って無理強いするのは、後々に響くのでやめましょう。 夜のおむつはいつ取れる?日中、ほとんどトイレでおしっこができるようになって、布のパンツもスタートしているけれど、夜のおむつがなかなか取れないというのはよくある話。実は、夜のおむつはなかなか取れないものです。昼と夜のおむつはずれは「別物」と思ってよいでしょう。 子どもはまだまだ膀胱の大きさが十分ではありません。体の機能が整って初めて、夜もおしっこをせずに過ごすことができます。「夜中に起こしたほうがいいですか?」と質問されることがありますが、子どもの睡眠を優先したほうがいいと私は思います。体の機能が整うまでは、夜はおむつでOK。恥ずかしいことではありません。 ちなみに、わが家の場合。息子は5歳まで夜のおむつがはずれませんでしたが、娘は3歳になりたてではずれました。夜のおむつも個人差の幅が広いことを知っておきましょう。 今回は2歳代のおむつはずれの話でした。ママが焦ったり怒ったりすると、子どもがナイーブになる可能性もありますので「子どものペースに合わせる」ことを最優先して進めていきましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年05月20日こんにちは、保育士の中田馨です。1歳過ぎて暖かい季節が近付くと「そろそろトイレトレーニングをスタートしたほうがいいかな」と思う人もいるのではないでしょうか。よく「夏におむつをはずすとラクよ!」なんて先輩ママから言われることもありますよね。夏にトイレトレーニングをすると、冬よりも洗濯物がよく乾いてラクというメリットがあります。 さて、本題に入る前に最初にお話ししておきたい大切なことがあります。それは、トイレトレーニングは「○歳になったらスタート!」というものではないということ。体の成長と共に膀胱も大きくなってきて、ある程度のおしっこをためておけるようになってからのスタートが理想です。このことを念頭に置きつつ、今回は、1歳代にできるトイレトレーニングのコツをお話しします。 おむつはずれをスタートする3つの目安これまでおむつの中におしっこやうんちをしていた子どもが、トイレに座っておしっこやうんちができるようになるための準備段階の期間をトイレトレーニングと言います。トレー二ングというと「やらなければいけない!」という思いが強くなってしまうので、ここから「おむつはずれ」と言うことにしますね。おむつがはずれる時期には、個人差があります。月齢よりもその子の成長を見てスタートしましょう。 【スタートするための3つの目安】・ひとりで立って歩ける・大人の言うことを理解している・おしっこの間隔が2~3時間空くようになってきた おおよそ1歳半ごろになると、膀胱におしっこがたまる感覚やおしっこが出た感覚がわかるようになってくるので、遊んでいるときにもじもじしたり、おしっこが出たときにおむつを触るしぐさをすることもあります。また、家族がトイレに行く様子に興味を持ち始めることもあります。そんな子どもの様子を見ながら「そろそろスタートさせようかな?」と思ってもいいでしょう。 次から、具体的な1歳代のおむつはずれのコツについてお話しします。 1. まずはトイレのイメージづくりから「よし、3つの目安もクリア! 今日からスタートするぞ!」と、突然トイレやおまるに座らせると、子どもはビックリしてしまいます。何をすればいいかわかりませんし、トイレに座るのを嫌がることもあるでしょう。そもそも、まだ子どもは「おしっこ」や「トイレ」のことを知りません。 1歳代のおむつはずれのポイントは「トイレでおしっこをするイメージづくり」をすることです。まずは、おしっこやうんちがおむつで出たときに「おしっこが出てスッキリしたね! おむつを替えて気持ちがいいね!」と子どもの気持ちに共感することです。そして、おしっこなどを題材にした絵本などを遊びに取り入れます。 ここで注意することは、絵本を教科書にしないこと。あくまで遊びのなかで自然に興味を持ってもらえるよう強制はしません。 2. ママがトイレに行くときに誘ってみようトイレに座るタイミングは、子どもにトイレのイメージづくりができてからでOK。ママがトイレに行くときに誘ってみてもいいですね。子どもはママのマネが大好き! トイレの一連の流れを見せつつ「〇〇ちゃんも座ってみる?」と言って誘ってみましょう。 誘ってみて「うん」と言ったら座らせてみるのですが、私の保育所での経験上、半分くらいの子は、いざ座る!というときに「いや!」と嫌がります。嫌がったらそこで終了。「じゃあ、また今度にしよう」と潔く諦めることも大切です。 子どもが嫌がっては先に進みませんので「座れるときに座ればいい」くらいのラクな気持ちで取り組みます。「トイレに行くと、楽しいことが待っている!」と思ってもらうためにも、トイレに好きなキャラクターの絵を貼っておくなどして、楽しい雰囲気づくりもしてみましょう! 3. お昼寝のあとにおしっこが出ていなければチャンストイレに行っても、すぐにおしっこが出るようにはなりません。結論から言うと、1歳代はおしっこが出れば「ラッキー」くらいに思って座らせましょう。「この夏で何が何でもおむつをはずすんだ!」という思いは少し横に置いてください。ただ、一度おしっこが出れば、その感覚を覚えてくれることが多いもの。保育所では、お昼寝から起きたときにおしっこが出ていなければチャンスと思ってトイレに誘います。このときに座ることができれば、かなりの確率でおしっこが出ます。なかには、これまでご機嫌でトイレに座っていたのに、おしっこにビックリして、その後しばらくトイレに座るのを嫌がる子もいます。ママとしては「ああ、もったいない!」と思うところですが、ここで「こないだまで座れてたじゃない!」と無理させるのはNG。それよりも「今は休憩期間」と思って、スッパリとトイレのことを忘れることが、近道になります。その後は、子どもの様子を見つつ、またトイレに誘っていきましょう。 おむつはずれは、どの子も行きつ戻りつしながら進んでいきます。ママは慌てずドーンとかまえて、遊びの一環として取り組んでみましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年05月17日こんにちは、保育士の中田馨です。保育園で子どもたちと過ごしていて、自然に口ずさむのが「歌」。今回は、私の保育園で子どもたちに人気の歌をいくつかご紹介します! 歌を選ぶときに大切にしていること保育園で子どもたちと歌を歌うときに大切にしているのは「一緒に楽しむ」ということ。身振り手振りで全身を使って歌うこともありますし、静かに口ずさむときもあります。どのようなシチュエーションでも大人が楽しみながら歌います。子どもが歌わなくてもOK。大人が楽しく歌っているうちに、いつの間にやら子どもも歌えるようになってきます。 今回ご紹介する歌は童謡が中心ですが、必ず童謡じゃないといけないわけではありません。子育てには、ぜひいろいろな歌や音楽を取り入れてみましょう。クラシック音楽や邦楽、洋楽なんでもOKです。以前、保育園でロック音楽をかけたら、1歳になりたての子どもが足踏みをしてノリノリになったこともあります! 1. 昔から歌いつがれている歌昔から歌いつがれている歌は、やはり子どもたちに大人気です。 「ぞうさん」 歌詞とメロディーが心をほんわかとさせてくれます。ぞうさんの鼻が長いこと。ぞうさんのお母さんの鼻も長いこと。お母さんと一緒ということをぞうさんが喜んでいるこの歌に、私はいつも子どもとそのお母さんを重ねながら歌っています。 「おかあさん」お母さんに抱っこされたときの優しく甘いにおいを思い出させてくれる歌です。ふわっと、お母さんの温かさに包まれることをイメージしながら歌っています。 「ぞうさん」も「おかあさん」も、私たちが幼少期から慣れ親しんできた歌です。きっと、急に「歌って」と言われても悩むことなく歌えるパパ、ママも多いはず。この2つの歌は遊びの中でも歌いますが、私は寝かしつけのときにもよく歌っています。 2. 年中行事の歌日本の年中行事では、さまざまな歌が歌いつがれています。その中から2つをご紹介します。 「うれしいひなまつり」全部で4番まである「うれしいひなまつり」。歌に出てくる言葉や人物は、ぼんぼり、五人ばやしなど、子どもたちにとっては耳慣れないものも多いです。それでも歌っているうちに子どもたちが覚えてしまうから不思議。私が子どものころは、7段飾りのひな人形のあるおうちも多かったので「たのしいひなまつり」を歌いながら、「コレが赤いお顔の右大臣!」なんて実体験できたのが懐かしい思い出です。 「こいのぼり」都会ではなかなか屋根より高いこいのぼりが泳いでいる風景に出合うことも少なくなりました。もし、歌を歌っていて子どもたちがイメージしにくい場合は、写真や絵本を見ながら歌を楽しむ方法もあります。 昔と今では、年中行事の風景や在り方も少しずつ変わっていますが、この2つの歌は今でも子どもたちに人気の曲です。年中行事の意味や歌を大切にして、子どもたちに伝えることも私たちの役目だと私は思っています。 3. 手遊びの歌手遊びをしながら歌う歌は、子どもたちが全身を使って楽しんでくれます。 「げんこつやまのたぬきさん」手遊び歌でおなじみの「げんこつやまのたぬきさん」は、手をグーにしてトントンと叩きながら歌います。おっぱいを飲むしぐさやねんねするしぐさなど、子どももまねをしやすい振り付けの歌です。 「さかながはねて」魚がはねて体のいろいろなところにくっついて、さらに変身もするという歌詞なので子どもは大喜び! 特にぴょーんと跳ねる表現が楽しいです。この手遊び歌はアレンジもできます。耳にくっつくと「イヤリング」、手首にくっつくと「とけい」、おしりにくっつくと「パンツ」や「しっぽ」にして楽しむことも。 生活の中で、歌を歌うシチュエーションはいろいろあります。私は子どもの機嫌が良いときにはもちろん歌いますが、泣いているときも抱き上げて歌って、気持ちを落ち着かせます。特に子どもにとって、普段聞き慣れた歌は心地良いもの。ぜひ、親子で歌って楽しんでくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年05月14日長女は卵と乳製品にアレルギーがあり、今は除去食の給食を食べることができていますが、1歳までは弁当を持参していました。他にも育児用ミルクやおやつなど、保育園で口にするものすべてを持参しなければならず、日々の着替えやおむつの準備に加え、働きながらの毎日の弁当作りはとても大変でした。 医師からの弁当持参の指示娘が生後4カ月ごろ、顔と体の湿疹がひどかったことから受けたアレルギー検査で、卵と乳製品にアレルギーがあることがわかりました。その後保育園への入園が決まり、保育園での食事について医師に相談に行きました。 すると、「卵のアレルギーがひどいので保育園には弁当を持って行ってください。その他、育児用ミルクやお茶も含め、口にするものはすべて持って行ってください」と言われました。 保育園に通い始めたのが生後5カ月で、それから2歳の誕生日直前まで、約1年半の弁当持参の日々が始まりました。 大変だった弁当作り大人の弁当は作ったことがありましたが、子どもの弁当は作ったことがありません。しかも離乳食期の弁当なんて、何をどうしたら良いのか手探り状態で始めました。 保育園での給食のように栄養バランスも考えなければという気持ちと、わが子だけ周りの友だちと違うごはんはかわいそうかなという思いから、その日の給食のメニューと似たものを作ろうと頑張ったこともありました。しかしそれはとても大変で、働きながらとなると私には無理だったので、それからは自分なりに栄養バランスを考えた弁当を作りました。 保育士からのうれしい言葉2歳になる直前、医師から保育園で作った給食を食べてもいいと許可が出たことで、約1年半の弁当作りは終了しました。 給食を食べるようになって半年ほどたったある日、ある保育士さんと話をしました。その保育士さんは長女が生後5カ月で入園したときからずっと担任をしてくれている方でした。 「お弁当作りお疲れ様でした。給食もおいしそうに食べていますが、お母さんのお弁当のほうがうれしそうに食べていましたよ。お母さんが作ってくれたんだと友だちに自慢していましたよ」と。その言葉を聞いて涙が溢れました。 毎日の弁当作りはとても大変でした。しかし1番の気がかりは、長女の気持ちや様子でした。 そのときの保育士さんからの言葉でわかった長女の様子をうれしく思ったのと同時に、弁当作りを頑張ってよかったという気持ちでいっぱいになりました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO作画/はたこ 著者:松裏幸恵二男(二卵性の双子)一女の母。薬剤師として働きながら子育てをしている。自身の妊娠・出産・育児に関する体験談を中心に執筆中。
2020年05月13日子どもたちから長年絶大な人気を誇るおもちゃ「レゴ」。私も子どものころにレゴでよく遊んでいました。想像力がたくましい子どもたちにとって、ブロックはぴったりのおもちゃですよね。今回は、元保育士の私が長く遊べて魅力的だと感じたおもちゃ「レゴブロック」についてお伝えします。 レゴは耐久性抜群私が幼稚園の年長のときに買ってもらって遊んでいた「レゴデュプロ」ですが、今は息子が使っています。購入から約15年ほど経っていますが、きょうだいとたくさん遊び倒したにもかかわらず、まったく劣化していない点がレゴのすごいところです。 レゴと似ていて互換性のあるブロックを、あとから買い足して同じケースに入れてあったのですが、色あせ、角も丸くなっているなど、劣化の差は歴然でした。ちょっと先の話になりますが、もしかすると自分の孫も同じレゴで遊ぶかもしれないと思うと感慨深いです。 年齢に合わせて選べるブロック「レゴデュプロ」は、対象年齢1歳半から遊べる大きめのブロックです。「レゴクラシック」はとても小さいブロックで、デュプロよりさらに手先が器用になってから遊び始めました。誤飲を防ぐために、口に入れる心配が完全になくなってから使いました。 実はデュプロとクラシックは大きさがまったく違いますが互換性があり、同様にくっつけて遊ぶことができます。デュプロからデビューし、クラシックをあとから買い足しても一緒に遊べるところがよかったです。 保育現場での子どもたちの反応私が保育士をしているとき、保育園で「レゴクラシック」を使っていました。ひとつの遊びでは集中力が続かない子どもたちでしたが、レゴクラシックには驚くほど食いついて真剣に遊んでいました。 レゴは子どもの想像力をかきたて、集中力を高めてくれる点においても一役買っていました。細かい作業なのでほかの遊びより集中して遊んでいました。子どもたちの遊び方の個性が顕著に出て、レゴブロックは大人が見ていても楽しいです。なかには、おままごとでレゴを料理に使っている子も。想像力次第で何にでもなるところがおもしろいですね。 レゴは、家庭に1つあると親子で楽しむことができます。わが子はデュプロからデビューして、クラシックをあとから買い足してさらに遊びの幅が広がりました。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。レゴブロックで遊ぶ際は誤飲等にご注意ください。お子さまが遊んでいる間はそばで見守るようにしましょう。※直径39mm以下(トイレットペーパーの芯を通る大きさ)のものは、誤飲の恐れがあります。赤ちゃんに渡したり、そばに置いたりしないように注意しましょう。 監修/助産師REIKO著者:白岩愛実子育て中のママ。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
2020年05月11日私は5歳の男の子を育てています。夫の転勤のため、息子は保育園を退園して新たな幼稚園へ移ることになりました。以前の保育園にも異年齢との関わりはありましたが、少人数だったので常に先生の目があり、お友だちとの目立ったトラブルはあまり起きませんでした。 しかし、転園先の幼稚園は縦割り保育かつ大人数のクラス編成です。きょうだいがおらず、ひとりっ子の甘えん坊息子が、異年齢クラスに入ったことで精神的に成長していった様子をお伝えします。 少人数保育園から大人数幼稚園へ少人数保育は先生の目が届きやすく、より手厚い保育が受けられることがメリットだと言われています。フルタイムで働いていた私は、平日ゆっくりと息子に向き合う時間がなかったので、キメの細かい保育を期待して少人数保育園へ預けていました。その結果、息子の自主性は育まれ、とても探究心の強い子に育っていきました。 一方で、少人数のため大勢で協力して物事に取り組む機会がなく、かつひとりっ子の息子は協調性や他者への思いやりに欠けているのではと不安でした。そんなときに訪れたのが夫の転勤です。やはり不安は的中。集団行動が苦手な息子は、大人数幼稚園へ転園して間もなく、とても目立つ新入園児となります。 大人数保育で培われる協調性集団行動や協調性を重んじる大人数保育では、協調性のない子は先生の手がかかり、目立ってしまいます。入園当初、息子はあまりに協調性がなかったので、病気なのではと疑ったほどです。しかし、先生はもちろんお友だちからの注意もあり、徐々に集団行動ができるようになってきた息子。私の不安は次第に消えていきました。 そして、入園後半年以上が経過して参加した発表会。少人数保育園では大きな舞台で発表する機会がなく、初めて大勢の保護者を前に劇を演じる息子の姿を見て感動しました。こうしてお友だちと協力して何かに取り組み、周りの「空気を読み」、行動することが、協調性を身につけるうえで必要な手段だと学びました。 縦割り保育はひとりっ子にもってこい大人数幼稚園へ転園してからというもの、息子は毎日のように、年下のお友だちとおもちゃを取り合ったり、喧嘩をしたりしていたそうです。私は、やさしくしてあげようねと促しましたが、「(まだ言葉がじょうずでない年下のお友だちに)話してもわかってくれない」と話す息子。しかし日々の遊びのなかで、思いきっておもちゃを譲ってみたら、お友だちが泣かなかったこと、一緒に遊べばもっと楽しいことに自ら気づいたそうです。 いくら口で教えても経験に敵うものはありません。こうして自らトラブル解決法を学ぶと同時に、年下のお友だちのお手伝いもできるようになり、ひとりっ子の息子にとって縦割り保育はとても良い経験となりました。 ひとりっ子ゆえにマイペースな息子にとって、大規模保育の幼稚園へ転園したことは社会性を身につける良いチャンスでした。大勢のお友だちと接することで、頭で考えるだけでは身につかない自然な形で、思いやりや協調性を身につけることができました。「経験は財産」とはまさにその通りだと、まだ5歳の息子から日々学んでいます。 イラスト/塩り監修/助産師REIKO著者:川口ゆう5歳の男の子の母。看護師・保健師・助産師資格を取得。現在は夫の駐在のため、海外在住。自身の経験をもとに、育児・医療などをテーマに執筆している。
2020年05月08日外出自粛が続いて、ぐずぐずしがちな赤ちゃんに困っているママも多いよう。お家の中で過ごしているから、刺激が少なく、体力を持て余して赤ちゃんたちも「退屈~!」となるのは仕方ないこと。そこで簡単に試せる泣き止ませワザを、3人のお子さんのママでもある保育士の井上りな先生に教えてもらいました。今回は特に低月齢ちゃんにぴったりなワザを集めました。いくつか試してみて、わが子に合うワザを見つけてくださいね。 スキンシップとママの声かけで楽しい気分に! 手や足を持って いないいないばあ自分では自由に手足をまだ動かせません。手や足を軽く握り曲げたり伸ばしたりすると気分が変わってご機嫌に。赤ちゃんの顔を覗き込んで「イッチニ」など楽しげに声かけするのがポイント。 こちょこちょ遊び赤ちゃんはママとのスキンシップが大好きです。おなかやくび、手や足の裏などをこちょこちょ~。ママに触られていることと、くすぐったさから、赤ちゃんはニコニコに。 適度な刺激を与えるワザが有効的! 縦抱き&風さんそよそよ~ねんね時期は横抱きが基本ですが、縦に抱っこしてあげると視界が変わるので楽しい気分に。新しい世界にキョロキョロ。さらに外に出て風に当たると心地よさを感じて気分が変わり、ご機嫌に! 窓を開けたり、うちわで扇ぐだけでも効果的です。 抱っこで軽~くスクワット赤ちゃんを抱っこして、軽くスクワットを。上下にふわっと揺れる不思議な感覚が大好き。思わず泣き止んじゃいます。首や腰がすわってきたら、少し動きを大きくすると、スリルを味わえて大喜び。 カラフルな色と高い音に興味津々! ペットボトルのマラカスでガラガラ♪この時期の赤ちゃんはガラガラとした音を聞くのが大好き。また、2カ月頃から目の前で動くものに興味を示して目で追うように。振ると音がなるものを振って見せてあげると◎。乳酸飲料などの小さめのペットボトルに、ビーズを入れて口をしっかりテープで止めます。あとは好きな飾り付けをして、目の前で左右にフリフリ♪ リズムをつけるとさらにGood! あやす前に まず確認を!赤ちゃんが泣くときは、不快な状況にあることも多いもの。赤ちゃんがぐずる主な原因は以下の6つです。あやす前にチェックしてみましょう。当てはまる項目があったら取り除いてあげます。 あやす前にまず確認すること□おむつが汚れていない?□おなかが減っていない?□暑くない? 寒くない?(体幹を触ってチェック)□眠くない?□服がチクチクするなど痛みはない?□汗をかいてない?(背中に手を入れてチェック)さまざまなワザにチャレンジしても、泣き止まないことも多いもの。ママがイライラしたり焦ると、赤ちゃんにその気持ちがうつってしまい、余計泣いてしまいます。赤ちゃんは泣くことでママやパパにいろいろなことを伝えようとしています。赤ちゃんからのメッセージだと思って、泣き止まなくても良いやくらいの気持ちで接すると良いでしょう。わが子に合うようにアレンジを加えても楽しいですね!※あやしている間は赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。※赤ちゃんの手足を動かす際には無理のない範囲で行いましょう。※赤ちゃんが誤飲する恐れがあるため、39mm以下のグッズを渡したり、近くに置くのはやめましょう。(トイレットペーパーの芯を通る大きさのものはNGです) 監修者:保育士 ライクアカデミー株式会社にじいろ保育園一之江 井上 りな聖徳学園短期大学部付属教員保母養成所(現:聖徳大学幼児教育専門学校)卒業。幼稚園での勤務後、保育園で10年以上にわたり乳児の保育を担当。現在はにじいろ保育園一之江で、保育補助として0歳児の保育を担当している。
2020年05月02日こんにちは、保育士の中田馨です。私は毎日保育所で、1~2歳の子どもと過ごしています。元気いっぱいの子どもたちと一緒にいかに楽しく遊べるかを、毎日試行錯誤しながら過ごしています。 今回は、数多くある遊びのなかで、私の保育所で室内でできる人気の遊びを紹介します。特別な道具を用意しなくてもできる遊びばかりですので、ぜひ試してみてください!子どもと遊ぶときに大切にしていること1~2歳の子どもと遊ぶときに私が一番大切にしていることは「大人も一緒になって楽しむこと」です。体を使った遊びをするときは全身で楽しみますし、手先を使った遊びをするときは声かけをしながら一緒に楽しみます。 その上で、やはり大切なことは「安全であること」です。今回いくつか遊びを紹介します。例えば台の上からジャンプするなら、台は頑丈か、子どもがのってもバランスは崩れないか、ジャンプする先の周りの環境は整っているか、ぶつかったり、踏んで困るものはないかなど配慮します。何人かで遊ぶなら順番を守って遊ばせるのか、どこまでしてもOKにするのかなど、遊びのルールも必要になってきます。 子どもは大人の思う以上の思いがけない行動をとります。「ヒヤリ」としたらその都度遊び方を改善して、ケガのリスクをできる限り排除することが必要です。 1. 手を使って楽しめるリズム遊び親子でできる手を使うリズム遊びです。 「手をたたきましょう」「手をたたきましょう」の歌に合わせて手拍子などして楽しみましょう。大げさに手をたたいて、「わらいましょわはは」も大げさに笑って。大いに楽しみます。子どもが振付に慣れてきたら「じゃあ、今度は早く歌ってみよう!」とスピードを早めたり、逆にゆ~っくり歌ったりすると子どもは大喜び! また、鈴など音の出るものをひもにくくり、手首、足首に巻き付けて「手をたたきましょう」をすると、シャンシャン鳴って、さらに楽しいです。 「おすわりやす いすどっせ」次は「おすわりやす いすどっせ」という歌遊び。大人は脚をのばして座り、太ももの上に子どもが座ります。そして「おすわりやす いすどっせ あんまりすわるとおちまっせどすん」と歌いながら「どすん」と同時に大人は脚を広げます。脚を広げたら当然子どもは落とし穴にはまるかのように床にドスンと落ちます。落ちること期待して「やっぱり落ちた!」と大笑い! 何度も何度も繰り返し遊べます。 2. お部屋を広く使う運動遊びお部屋を少し広げて、運動遊びをしてみましょう。工夫次第でサーキット遊びのようにもなります。 「台からジャンプ」台からジャンプする場合、保育所だったら跳び箱などからジャンプができますが、家には跳び箱はありませんので、低めのソファーや椅子でもOK。ママと手を繋いで遊ぶとより安心です。ただし、「普段はジャンプはダメ。ママと遊ぶときだけ」という約束は必要です。 「トンネルくぐり」トンネルくぐりも楽しいですね。市販で販売されているトンネルでももちろんいいですし、段ボールで代用もできます。ママの脚もトンネルになりますよ。 台からジャンプの次はトンネルくぐり。さらに、布団のお山など3〜4つの運動遊びを組み合わせてサーキットにしてみます。元気な音楽をかけてみたり、ママが声かけすることでやる気アップになります! 3. 廃材を使った遊び新聞や段ボールなどの廃材は工夫次第で子どもと楽しく遊べます。 「新聞ビリビリ」まずは「新聞ビリビリ」。新聞を広げて豪快に破きます。両手を使ってビリビリするのも気持ちいいですが、私のおすすめは「チョップ破り」。ママは新聞の両端をピン!と張って持ちます。子どもはその新聞の上からチョップをして新聞を破きます。1歳代の子どもはまだ力が弱いのでそれだけでは破きにくいので、新聞の真ん中に少し切り込みを入れておきましょう。「お! 強い! カッコいい! さすが!」というママの声かけで子どもは、ヒーローになりきります。 「段ボールのおうち」次に「段ボールのおうち」。大きめの段ボールが手に入ったときにおすすめです。1つの段ボールで作るのももちろん楽しいですが、いくつか段ボールが集まってから大きな家を作るのも楽しいです。 先日、保育所で作った段ボールのおうち。大きめの2つの段ボールを重ねて1つの部屋を作り、小さな段ボール2つで作ったトンネルと重ねてみました。部屋には玄関と窓があり、天井にはフタがあって上から顔を出すこともできるようにしました。入り口にポンポンなどを作るときに使うスズランテープでのれんも作りました。子どもたちは大喜び! 作ったその日は楽しすぎて、一日中遊んでいました。おうちの中で絵本を読んでくつろぐ子、玄関から入ってトンネルくぐって外に出るを繰り返す子、お人形と中に入っておままごと遊びをする子など、遊び方はさまざまです。 家の中でも、工夫をすれば子どもと体をいっぱい使って元気に遊ぶことができます。ぜひ、取り入れてみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年05月01日新型コロナの影響でどこにも出かけらない日が続いていますね…。毎日子どもたちと何をして過ごそうか悩んでいる保護者の方達も多い思います。私もその1人で子どもたちに少しでも楽しんでもらえるように試行錯誤しています。今日はそんなArare家の1日の流れやおすすめの遊びを紹介したいと思います。■保育士流!? 我が家の1日のスケジュールお家にいるとついつい私も子どもたちもゴロゴロダラダラし続けてしまい、気がつくともうお昼近くの時間に…、ということも。本当だったら今ごろ子どもたちは保育園や小学校で活動してるはずなのに、こんなにだらけてていいのだろうか、と罪悪感を抱いてしまうこともしばしばありました。そんなときに思いついたのが、それなら我が家も「園や学校と同じようなスケジュールで動いてみよう!」 ということです。幸い私は保育士を仕事としており(現在は育休中ですが)、何となく1日の流れは分かっているので、簡単に1日の計画を立ててみました。●AM9:00~ 子どもたちだけでできる遊び園での活動が始まる時間はだいたい9時ごろから。小学校の活動時間はもっと早いですが、次男や赤ちゃんの娘もいるので下の子にも合わせられるように、9時にスタートする事にしました。9時前は、朝ごはんを食べて着替えが終わったら好きな事をしていい時間とし、テレビやゲームもオッケーにしています。9時からは園や学校で過ごしているならテレビやゲームはできないので、それ以外で子どもたちの好きな遊びを決めてもらい、遊んでもらっています。この時なるべく子どもたちだけでできる遊びをしてもらうようにしています。●AM10:00~12:00 頭を使った遊び・体を使った遊び1時間ほど好きな遊びをした後は、今度は私が提案した中から選んでもらうようにしています。この時意識してるのは、・ちょっと頭を使った遊び・体を使った遊びの2つを取り入れることです。はじめに工作やお絵かき、トランプや迷路、文字のワークなどの中から選んでもらい、ある程度飽きてきたかな? という頃に縄跳びやボール遊び、ダンスタイムや隠れんぼなど、体を使った遊びを選んでもらい、一緒に遊んでいます。●PM1:00~3:00 お昼寝 or 静かな遊びお昼ごはんも食べ、頭も体も使って遊びまくったせいか子どもたちは疲れるようで、長男も次男とお昼寝をしてくれることが多いです。毎回お昼寝してくれるわけではないですが、赤ちゃんは寝てしまうので、眠たくない時は起こさないように本を読んだりパズルをしたり、なるべく静かにできる遊びをしてもらっています。●PM 3:00~ おやつ&自由時間そして3時のおやつを食べた後は、何をしても自由、テレビやゲームも再開オッケー! という事にしています。もちろん日によっていろいろ変更する時もありますし、疲れて今日はもうダラダラ過ごしたーい! と言う日もあるので毎日、という訳ではないですが、こんな風に過ごしてみるのも結構新鮮で楽しいです。次のページでは我が家のおすすめの遊びをいくつか紹介してみます。 ■我が家で人気の遊び BEST4我が家で子どもたちに好評な遊びをいくつか紹介します!●まねっこ遊び私が先生になり、ホワイトボードやお絵かきボードに文字や数字を書いて答えてもらったり、次男でも分かるように、今日の天気や今日のお昼に食べたい物を手をあげて言ってもらったりと、授業のようなやり取りをしてごっこ遊びを楽しんでいます。長男次男もママの事を「先生!」と言うのが面白いようです(笑)●廃材で工作遊び廃材を使った遊びが大好きな2人。トイレットペーパーやラップの芯、牛乳やティッシュ、お菓子の箱など捨てるはずだった物を使って子どもたちはいろいろなものに変身させて遊んでいます。後はガムテープやのり、ハサミ、マジックなどセットでまとめて置いておき、切ったり貼ったり塗ったりして好きに作れるようにしてあります。●宝探しゲーム星(★)のシールやハートなどの形にきった折り紙を子どもたちバレないように、椅子の裏やおもちゃ箱などに貼り付けて、それを探してもらうゲームです。結構盛り上がって必死に探しまくってくれます!一部屋だけで飽きてきたら、家中の部屋を使って隠しても面白いです。何枚見つけられたらお菓子と交換などしても楽しいです。●体操教室ごっこ2人が通っていた園では体操教室があり、体操の先生がいろいろ体を使った遊びを教えてくれるようで、2人にどんな事をしていたのか聞いて、その真似(狭いスペースでもできそうな遊びを中心に)をして遊んでいます。その中でも2人が大好きなのが手押し車! 1人は手を床について、もう1人が床に手をついてる子の足首をもち、2人で力を合わせてゴールまで歩く運動遊び。兄弟で交代してやっていて、盛り上がっています。●玉入れゲーム箱の中にボールやいらなくなった紙を丸めて作った玉を入れるゲームです。私が箱を持ち、わざと動かしたり、逃げたりして簡単に入らないようにしてみたりすると、子どもたちは夢中で追いかけて玉を投げまくって遊んでいます。親子でいい運動になります(笑)この他にも椅子取りゲームやものまねゲーム、親子でクッキングなど、お家で楽しめる事は色々あると思います。自粛生活はストレスもたまって本当に大変ですが、なんとかみんなで乗り越えられたらと思います!少しでも参考になれば嬉しいです。
2020年04月30日こんにちは、保育士の中田馨です。前回は、保育所で1~2歳に人気の絵本を紹介しました。遊びには、手遊びやリズム遊び・運動遊び・外遊びなどいろいろありますが、今回はお家で楽しめる「おもちゃ」に注目。私の保育所の1~2歳児に人気のおもちゃを紹介します。おもちゃを選ぶときに大切にしていること1~2歳は自我が芽生える時期。「好き嫌い」や「イヤイヤ」が出てくる時期でもあります。自分が遊びたいものへの集中はすごいけれど、興味のないものは見向きもしないこともあります。そんな1~2歳児のおもちゃを選ぶときに、私が気を付けていることは以下の4つです。 1. 子どもの発達に合わせる背伸びしすぎて難しすぎるおもちゃだと飽きてしまうこともあります。逆に簡単すぎてすぐにできてしまっても飽きることにつながります。大人が「かわいい!」と思って選ぶことももちろん大切ですが、子どもが興味を持っていることが最重要。おもちゃ売り場や児童館など、実際におもちゃを触れることで何に興味を持っているか見てみるのもいいですね。 2. 安全性を考える例えば、なんでも物をなめる時期ならなめても大丈夫か、飲み込んでしまわないか、とがった部分はないかなどを確認します。また、物を投げる時期には、投げて危ないおもちゃはNGです。使っているうちにひび割れしたりした場合は処分しましょう。 3. 遊びが広がるおもちゃを選ぶワンパターンにしか使えないおもちゃではなく、発達に応じて遊び方を変化できるおもちゃだと長く使えるのでいいですね。特に2歳になると見立て遊びもできるようになってくるので、子どもの想像力を膨らますことができるおもちゃを準備します。 4. シンプルなおもちゃを選ぶキャラクターのおもちゃなど、さまざまな機能がついているものももちろん楽しいのですが、保育所では想像力でいろいろとイメージが膨らむおもちゃを選ぶようにしています。 積み木ならコレ!まずは、おもちゃの定番「積み木」。1歳のときは、なめたり触ったり積み木を両手に持ってカチカチと音を鳴らしてみたりして、その感覚を楽しみます。その後、並べたり積み上げて崩してみたりしているうちに、お城を作ったり、坂道に車を走らせてみたりと遊びが広がります。今回紹介する積み木は2つです。 「シンプルな積み木」 木の温かみを感じることができるシンプルな積み木です。箱に積み木がパズルのように入っているので、箱から出して箱に入れるまで一連の流れで遊べます。 「カラフルな積み木」 原色を中心としたカラフルな積み木。ところどころ模様があって積み重ねるとお家や電車などになって想像力をかき立てます。 ブロックならコレ!こちらも定番のおもちゃ。保育所にはいろいろなタイプのブロックがありますが、今回紹介する2つのブロックがうちの保育所では根強い人気です。 「レゴブロック」 緑のコンテナのサイズのレゴです。最初は、大人が重ねたブロックを取ることが楽しみます。そのうち自分で積み重ねることができるようになり、想像しながらお家や車、ロボットなどを作り始めます。動物や人が入っているとさらに想像が膨らみごっこ遊びにつながります。保育所では、赤・青・緑など色分けしてそれぞれの箱に片付けをしています。そうすることで片付けまでが遊びになります。※写真のレゴは現在15歳の息子の時代のレゴなので、今とはデザインが多少違います。 「学研 ニューブロック」 このブロックは工夫次第でさまざまなものを作れ、想像力をかき立てます。はめ込むのがなかなか難しいので、自分ではめ込むことができるのは2歳ごろからです。1歳の間は大人が作ったものを使って遊びます。保育所でよく作っているのが、救急車、消防車、ブルドーザー、ロボットなど。平面につなげれば線路になって、電車を走らせることもでき、遊びがグ~ンと広がります。 指先を使うおもちゃならコレ!1歳になると、物をつまんで遊ぶこともできるようになってきます。はじめは大きいものからスタート。2歳に近付くと、徐々に指先でつまめるくらいの小さいものがつまめるようになります。指先を使って遊ぶことは、集中力が必要でかなり疲れるものです。指先を使った遊びを十分にしたあとは、給食の食べっぷりも良いものです。 「はじめてのつみき RING 10」 輪を棒に入れていく単純な遊びですが、入れたり出したりしながら遊びます。色の種類がわかるようになると、色分けして入れる楽しさも味わえます。また、2歳ごろになると、付属のひもに通して遊ぶことができます。ひもに通すためには、指の入れ替えをしなければいけないため、子どもにとってはなかなか難しいチャレンジになります。最初は親が一緒に指の使い方を教え、徐々に補助なしでチャレンジしてみましょう。できた喜びを一緒に分かち会えるのも楽しいです。 「型はめ 動物パズル」 子どもが最初に出合うパズルの1つです。つまんで同じ形の動物にはめ込みます。このパズルには動物の絵が描いているので、親子で動物の名前を言いながら、ごっこ遊びをしながら遊べます。完成したらもう一度崩して再チャレンジ! 「モンテッソーリ 円柱さし」 穴の大きさ、長さ、円柱の色がそれぞれ違います。穴の大きさにあった円柱を指先でつまんで穴に入れて遊びます。一度入れて「あれ? ここじゃない」とわかったら、横の穴にもチャレンジ。試行錯誤しながら穴の中に円柱を差し込みます。完成したら全部出してもう一度チャレンジです。最初から4種類すべて出すと子どもが混乱して「できない!」と思ってしまう原因になります。1種類からスタートし、慣れてきたら2〜3種類出してあげるとスムーズに遊べます。 遊びで大切なことは「1つ終わったら1つ片づける」です。出しっぱなしにしているとおもちゃがごちゃ混ぜになって、本来の遊びではなくなることがあります。ひとつの遊びを楽しんで飽きたら、片付けてから次の遊びに移る習慣にしましょう。最初の片づけはブロック1個箱に入れるだけでもOK。あとはママが片付けます。おもちゃ売り場に行くと、たくさんのおもちゃが販売されています。どのおもちゃが良いのか悩むところですが、子ども目線に立って選んであげてくださいね。 ※おもちゃで遊ぶ際は誤飲等にご注意ください。お子さまが遊んでいる間はそばで見守るようにしましょう。※直径39mm以下(トイレットペーパーの芯を通る大きさ)のものは、誤飲の恐れがあります。赤ちゃんに渡したり、そばに置いたりしないように注意しましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年04月26日こんにちは、保育士の中田馨です。子どもとの触れ合い遊びの1つが「絵本」です。私は保育士という職業柄、毎日子どもたちと一緒に絵本に触れ合っています。今回は、数ある絵本のなかで、子どもたちに人気があり、私もおすすめする絵本を6つご紹介します。 絵本を選ぶときに大切にしていること私が1〜2歳児の子どもたちに絵本を選ぶときに大切にしていることは、・年齢にあった話の長さであること・読んだときに子どもの喜ぶ顔が想像できるものこの2つです。そして、子どもと絵本を読むときは絵本を読むことに集中しましょう。子どもに「絵本読んで」とお願いされたら、家事やスマホはいったん横に置きます。保育所では、子どもをひざに座らせてお互いの体温を感じながら、やさしく心を込めて読みます。そして「もう1回」と言われたらもう1回読みます。ふれあいの時間が楽しければ楽しいほど子どものリクエストも増えますが、できる範囲で答えてあげましょう。また、絵本はお勉強をしているわけではありませんので、文字を覚えさせたり、感想を聞く必要はありません。読んだらそれで終了。感想を聞かなくても、子どもは心の中に温かい感情をたっぷりため込んでいます。 では、次から具体的におすすめする絵本を紹介します。 1. リズムで楽しめる絵本まずは、リズムを楽しめる絵本を紹介します。 『だるまさんが』(ブロンズ新社)1ページ目は、赤い愛嬌のあるお顔のだるまさんが「だるまさんが」と揺れながらリズムよくスタート。そんなだるまさんがころぶのは大人なら誰もが予想できますが、その後もだるまさんは予想外なさまざまなことをします。大人も思わず「クスッ」と笑ってしまう楽しい絵本です。親子で体を揺らしながら、だるまさんのまねっこして読んでも楽しいです。 『きんぎょが にげた』(福音館書店)きんぎょが水槽から逃げて、おうちのさまざまなところにかくれんぼするお話。「にげた」と「こんどはどこ」が繰り返される言葉のリズムの楽しさもありますが、毎ページ毎ページきんぎょを探す楽しさもあります。最初にこの絵本を読んだ子は、一生懸命きんぎょを探します。何回も読んでいるうちに、きんぎょの行方はわかるんだけど「パッ!」と見つけることを楽しむ子、周りの絵を見始める子と1回目とは違う楽しみ方を始めます。 2. 親子で食べたくなる絵本続いて、読んでいて思わずおなかが「グー」っとなってしまうような絵本を紹介します。 『しろくまちゃんのほっとけーき』(こぐま社)こぐまちゃんシリーズのなかの1冊。今回は、しろくまちゃんがママと一緒にホットケーキを作ります。材料を混ぜて焼いていくのですが、フライパンで焼くときの描写が何とも言えずおいしそう。できあがったホットケーキはふっくらとして甘い香りがただよってきそう。最後はお皿を洗っておしまい。読むと大人でもホットケーキが食べたくなります。 『ごはん』(福音館書店)ページをめくると、ずらーっと「ごはん」が並んでいます。こんなにもたくさん「ごはん」があるんだと読むたびにビックリします。一つひとつのごはんを指さしながら「たけのこごはん」「さつまいもごはん」「おせきはん」と、子どもはつまんで食べるまねをします。まさにおなかがグーっとなるおいしい絵本です。 3. 不思議な世界がおもしろい絵本最後は、不思議な世界に入ってしまう絵本です。 『もこ もこもこ』(文研出版)「もこ」と出てきてどんどん大きくなって「ぱちん!」とはじけて。きっと読む子によって感じ方が違うんだろうなと思う絵本です。目をまん丸にしながら真剣に読んでいる子どもの表情を見るのも楽しい絵本です。 『ねないこだれだ』(福音館書店)せなけいこさんの不思議な世界。「こんなじかんにおきているのはだれだ?」から始まり、出てくるのは表紙にもなっているおばけ。何度も読んでいるうちに、おばけが出てくると「きゃあああ!!」と言って大喜びする子どもたち。子どもによっては本当に怖がって嫌がる子もいますので、そんなときはそっと隠している絵本でもあります。 心にポッと温かいものを与えてくれる絵本。親に読んでもらったり、自分でも何度も読み返したりした絵本は、大人になっても心の宝物になりますよね。子どもにとって「絵本」の時間は、絵本の内容が楽しいこともありますが、ママやパパとのスキンシップの時間でもあります。義務に感じる必要はありませんが、余裕があるときには絵本の時間を取り入れてみてください。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、商品によっては現在と異なる場合があります。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年04月23日こどもと見つけた小さな発見日誌
育児に遅れと混乱が生じてる !!
ムスメちゃんとオコメちゃん