【持続可能な恋ですか? 第9話 感想】林太郎が杏花に告げた家族の秘密
林太郎はこの思いに素直になることを決意し、前言を撤回し、交際を申し込むのだった。
「生きて行きたいんです。日向さんの生きる世界に、自分も生きることができたら、私は幸せなんです」
「そうなったら、私も幸せです。普通に幸せです」
辞書編纂者である林太郎が伝える「好き」という想いは、そんな簡単な二文字では収まらない、何があっても共に生きていきたいという強い思いが詰まった告白だった。
明里が欲しかった、優しさや理性を超えた想いそのものだ。二人はようやく、結ばれる。
「普通に幸せって何?」と、前はそう聞き返していた明里が、「うん、幸せ」とすぐ答える。
幸せを近くに感じているからこその答え。
それこそが『普通の幸せ』なのかもしれない。
交際を始めた林太郎を気遣い、実家を出て、一生結婚せずに一人で生きていくと決心する杏花に、林太郎は言う。
「決めつけなくていいんじゃないか?生きているということは、変化していくということだ」
結婚して幸せになって欲しいという一心のもと、半ば強引に親子で婚活を始めたわけだが、人生の選択は結婚することだけじゃないとわかっていた。
それでも、普通の幸せを願うのには理由があった。