「マイホーム購入=人生で一番大きな買い物」。その大きな買い物が自分のものとなるまでには、多くのことを準備し、決めなければなりません。そこで参考になるのが実際にマイホームを購入された方の話。購入のタイミングや頭金のことなど、皆さんどうされたのか気になりますよね。購入時期やローンの事情など、さまざまことを聞いてみました。ふじよ / PIXTA(ピクスタ)■ 半数以上の家庭が「子どもが2歳になる」までにマイホームを購入!不動産・住宅サイト『SUUMO(スーモ)』が、共働き世帯を対象としたアンケート調査によると、半数以上の夫婦が子どもが2歳になるまでにマイホームを購入しているよう。cba / PIXTA(ピクスタ)アンケートのトップが、「第一子が0歳~2歳のとき」(27.5%)なので、保育園などに通いだす前に生活拠点を定めておきたい、という夫婦が多いことが窺えます。さらにマイホーム購入にあたって、子育てに関することで重視したことを聞くと、以下が上位3位になります。1位「保育園、幼稚園、小学校までの距離」(38.0%)2位「周辺の治安が良いかどうか」(30.5%)3位「実家との距離」(30.0%)tkc-taka / PIXTA(ピクスタ)保育園や幼稚園、学校への距離だけでなく、登下校は安全にできるか、などの治安面もやはり重視しています。また、共働き世帯は、子どもの急な熱や、習い事の送り迎えなど親の協力が必要な場面を想定し、実家との距離を重視される夫婦の割合も多いですね。■ マイホームマネー事情。予算はオーバーするもの?頭金は誰が出した?マイホーム購入にあたって設定する予算。購入者は、オーバーしたのか、それとも予算内に納められたのか見てみると……、「予算よりオーバーした」人と「予算と購入金額がほぼ変わらなかった」人が37.3%で同率という結果に。freeangle / PIXTA(ピクスタ)予算をオーバーした人の多くは、注文住宅や新築分譲住宅が圧倒的に多く、天井、壁、床をはじめ、キッチンやバスルーム、トイレなどの設備を仕様決定をする際、こだわったり、グレードの高いものを選択した結果、予算オーバーになったとのこと。また、頭金については以下の結果。頭金を出すのは、「夫婦共同の貯蓄」が49.8%でトップ。また、その額は「200万円未満」が24.1%、「200万円~400万円未満」が13.7%、「400万円~600万円未満」が11.9%という結果が明らかになりました。Graphs / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?保育園に入りやすい自治体かどうかを重視する夫婦が11%にも上ることは、今の社会情勢を強く印象づけますよね。また、住宅購入にあたって重視した部分が、デメリットに転じてしまう可能性があることを忘れてはいけません。K-factory / PIXTA(ピクスタ)小学校の近くに家を建てたら、学校が近すぎるために朝起きる時間が遅く、いつも遅刻寸前という子は珍しくありませんし、実家が近すぎると、自分の親が過干渉気味になったり、トラブルの元になるかもしれません。また、予算については購入のタイミング、希望の立地、理想の間取り……、あれもこれもと言い出したら予算オーバーは避けられません。マイホーム購入にあたって、妥協することを最初から考えるのはちょっと気が引けますが、ちょっとした妥協で、予算オーバーを防ぐことは可能です。colors / PIXTA(ピクスタ)例えば子どもの遊びスペースとして設けたウッドデッキも、子どもが育てば使わなくなるかも……。マイホームの理想を書き出し、現実的でないもの、削っていいもの、将来的には不要になるものを見極めていくことが大切です。【参考】※共働き子育て世帯が物件探しで重視したことは「教育施設までの距離」 「周辺の治安」「実家との距離」が上位※共働き世帯のマイホーム購入、当初の予算より購入金額がオーバーした人は37.3%!ローンは夫名義が約7割!
2018年05月13日住宅コンサルタント兼住宅セカンドオピニオンである、寺岡孝さん著の最新刊『学校では教えてくれない!一生役立つ「お金と住まい」の話』を読んで、今後のライフプランニングに役立ちそうな内容をご紹介しています。最終回は、「保険」と「老後資金」の話を交えながら、住宅、保険など大きな買い物の際に必ずと言っていいほど遭遇する「ポジショントーク」についてです。kuro3 / PIXTA(ピクスタ)「貯金がしたい」「資産運用がしたい」「マイホームが欲しい」「安心な老後を送りたい」……。本書では、誰もが今もこの先も安寧な暮らしを送るために不可欠な「お金と住まい」の話について具体的にかつ分かりやすく教えてくれます。■ 様々な場面で遭遇する「ポジショントーク」は知識を持って対処をみなさんは「ポジショントーク」ということばを聞いた事ありますか。意味深な和製英語ですが「自分の立場で自分に有利(有益)になる発言」という意味です。もとは金融用語として使われてきたのですが、今は多くのシーンで使われています。sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)営業マンが自社の商品を売りたいがために本来比較すべきでない事例を引き合いに出して、論理立てて説明し、その論理に公平性がなくてもストーリーを成立させてしまいます。さもその商品が魅力的だ!お得だ!と勧めてくるのでついつい契約を結んでしまうのです。もちろん購入するのは自身の判断ですので、自分の選んだものに後悔なし!と胸を張れる人にはお節介な話に聞こえるかもしれませんが、自分にとって魅力ある商品はひとつではないこと。そしてどんな商品が自分にとって本当に魅力なのかは、家でも保険でも「仕組み」をきちんと知ることです。■ 「2人に1人はがんになる」のは80代以上の場合つい先日のことです。同世代で会社員の友人が「医療保険に入っていなかったから入った」というので、月額や詳細についてたずねてみました。ちなみに筆者は現在、掛け金の少ない医療共済保険に入っており月の支払額はとても少ないプランです。友人は筆者の2.5倍もの保険料を払っているので「結構高いね~」と言ったら「2人に1人はがんになる時代ですよ、言われて不安になって」と契約しました。Graphs / PIXTA(ピクスタ)寺岡さんも本書内でまさに同じ事例を述べていますが、正しくは80代以上の場合「2人に1人はがんになる」のが実状です。大事な主語を隠してのポジショントークだよ!と、思わず言ってしまいました。会社員の方は、万が一病気になった時、会社の制度を申請して給与補償や見舞金を受け取れます。自営業でも高額医療費制度などの社会保障を申請すれば医療費は一定額を超えないので、医療保険は保障でまかなえない分を補えばよいという事です。保険は自分や家族の日常活動に見合ったものを選ぶのが大切です。Graphs / PIXTA(ピクスタ)例えば高額のオーディオや家電を買って長く使いたいと強く思う場合は、家電は地震や火災保険で補償対象にならないため、「家財保険」に加入したり、筆者のように日々の移動は自転車が多いという方は「自転車保険」の加入をおすすめします。活発な男の子の母親である別の友人は、「お年寄りが多い街に住んでいるので、万が一息子が年配の通行人に自転車で怪我をさせてしまったら」という事態に備えて自転車保険に入ったと言います。心配性になると、あらゆるものに保険をかけたくなりますが、何が必要かを吟味し、保険に回す分を貯蓄するという手も有効だなと思いました。■ ポジショントークで加入してしまっても、ローン同様「保険も見直し」できる上記では友人の例を引き合いに出しましたが、筆者自身もポジショントークに乗ってしまったことがあります。親から「貯蓄保険」はお得ということを聞き、筆者は昨年、貯蓄型の保険に加入しました。親が現役時代に運用していた貯蓄保険は現在と金利がかなり違うので、運用に成功した方は多くいるようです。(しかし金利が高い時代に住宅ローンを組んだので、実際にはプラマイゼロなのかもしれませんが)Greyscale / PIXTA(ピクスタ)成功体験をもとに大きな買い物を我が子に勧める親のポジショントークというのもあります。筆者が入った保険は、加入後10年以降は、元金が割れずに年を重ねるたびに元金が増えていくという商品で、目的は老後資金を少しでも貯めることでした。普通預金に預けているよりはお金が増えますが、保険会社が万が一倒産してしまったら利率が減ることもあり得ます。メリットのことしか考えなかったのが今回の反省点です。もし寺岡さんの本を先に読んでいれば、老後資金を貯めるという目的なら個人型確定拠出年金(iDeCo)で長期運用することを選択していた気がします。しかし、ローンや保険は定期的に見直しが必要という事を本書で学んだので、昨年契約した貯蓄型保険を10年後に半分あるいは全額解約し、iDeCoで運用するという方法を知ることができ十分な収穫でした。iDeCoは60歳までなら加入できるので、今後もっと意欲的に学んで検討したいと思っています。SK Photo / PIXTA(ピクスタ)筆者は今すぐにローンを組んで持ち家を取得するぞ!とは行動に移せませんが、マイホームを持つことはメリットの方が多いということ、住宅ローンを組む際は、賢明な選択が大切ということを学びました。いち早く家を買いたい気持ちになりましたが、残念ながら十分な資金がありません。機が熟したら、寺岡さんが教えてくれたお金と住まいの話を念頭において行動に出ようと思います。(おわり)【参考】『学校では教えてくれない!一生役立つ「お金と住まい」の話』
2018年04月18日こんにちは。新宿に注文住宅を建てて暮らしている鳥と申します。スタイリッシュな注文住宅をイメージしているのに、よくわかっていないまま、建築条件付きへの自動エスカレーターに乗ってしまった鳥夫婦です。※過去の記事を読む■ 希望が確定していないと押しに弱くなるとりあえず契約を締結するにあたり、住宅ローンの仮申請を通す必要がありました。そのためには間取図のたたき台を作り、見積りを算出しなければなりません。この頃のことは、もう数年前のことですし、詳細なやり取りについては覚えていません……。ただ、自分だけが四ツ谷に執着しているまま、現実がどんどん新宿の建築条件付き物件に向けて進められていくのを傍目に見ながら、「引き返すなら今だ」「でも四ツ谷でいい土地が見つかるとは限らない」「この新宿の土地を選ぶ方がマトモな選択なのだろう」「でも本当にこの仕様の家でいいの?この仕様の家に大金を払うの?」と逡巡していた感覚は良く覚えています。鳥夫が興味あるのは土地(立地)だけだったので、家(上物)に対する希望イメージはありませんでした。だから家のイメージや仕様については、鳥の感覚にかかっていたのです。「建築条件付きだから、いざとなったら白紙解除できるし…」という甘えの気持ちがあり、結局、鳥は周囲に流されることを選択してしまいました。ただ関係者が動いてくれればくれるほど、「私のワガママで白紙解除なんてそう簡単に言えそうにない…」というプレッシャーが積み重なっていきました。そんなやる気のない状態のまま、とりあえずの間取図ができて、見積があがってきてしまいました。■ 建築条件付きの見積書にビックリ間取図たたき台のざっくりとした条件は以下です。3階建て+搭屋(ルーフバルコニー付き)延床面積は約30坪そして出された見積書がこれです。2行目以降はすべてオプション。つまりオプションなしで建てれば1,650万円で建つということです。やはり建売仕様(かつ数棟同時着工)ですから安いですね。ここに土地の利益も入っているのですから、実際はもっと安い見積書のはずです。…と、今でこそ感触がつかめますが、当時の鳥夫婦はこれが安いのか高いのかもわからない状態でした。でもこの見積書を見て唖然としました。「1.本体工事」が1,650万円という大金なのに、内訳がブラックボックスなの?キッチンの3枚引戸が40万円もするの?ユニットバスのサイズを上げるだけで35万円も変わるの?洗面化粧台をワンサイズ上げるのと、床暖房取りやめが、ほぼ同じ値段??ルーフバルコニーは雨漏りしやすいというけど、この175万円の仕様って、どのレベルの施工なの?とりあえずこの家の仕様でこの金額って、妥当なの??数百円の日用品でさえ、ネットで一番安いサイトを探して、送料もチェックして買うタイプの鳥夫婦にとって、この見積書はあまりに受け入れがたいものでした。■ 営業Sさんになけなしの抵抗ざっくりの間取図による見積額2,027万円に、消費税8%をかけると、2,189万円です。土地代約3,500万円に、この上物約2,200万円で、合計約5,700万円。諸経費を入れたら約6,000万円。もともとSさんには、「予算は諸経費入れて5,500万円まで」と伝えてあったのに……。不動産屋には、最初から1~2割引いた予算を言えと言われるそうですね。こうやって予算オーバーの物件を勧められてしまうから。無事ローンの仮審査は通ったので、いよいよ鳥夫婦は土地契約を迫られました。土地(立地)が強く気に入ったため契約したい鳥夫。契約を急かす営業Sさん。鳥だけが抵抗勢力。ああ、みんなに迷惑をかけている、どうしよう……と焦っていたのですが、ふと気づきました。四ツ谷じゃなくなっている予算から大幅にオーバーしている既製品だらけの建築条件付き…なんかSさんのシナリオ通りに進んでいるだけじゃん……?…なんかイライラしてきた……ということで、「土地代100万値引いてくれるなら、(どうせ白紙解除付きだし)契約するけどォ」とちょっと困らせてやることにしました。(鳥)■この連載の一覧を見る■
2018年04月17日中古住宅を購入する場合、売りに出ている中古住宅の中でも少しでも“いい物件”を買いたいと願うのは当然のことです。その“いい物件”の意味や基準は、人によって違うと思いますが、構造的な安心感は多くの人が求めるところでしょう。住宅のプロでない限り、なかなか見極めが難しい部分ですが「築年数」からある程度の安心度を読み取ることは可能です。今回は筆者が1993年頃から取材してきた、中古の木造戸建て住宅を対象にお話ししたいと思います。HAKU / PIXTA(ピクスタ)■ ポイントになる年数は1981年と2000年たった2つだけ!freeangle / PIXTA(ピクスタ)中古住宅は建築の詳細がわかりにくいケースが多のですが、築年数から、どのような建築基準法のもとで建てられたのかをある程度知ることができます。建築基準法は何度も改正が行われていますが、木造の戸建て住宅ならば、まず「1981年(昭和56年)」がポイントになります。耐震性に関わる基準について、大きな見直しが行われた年だからです。ただし、1981年に建てられたものでも、改正前に建築確認申請を出している可能性もありますので注意してください。そして、さらに耐震性を向上させる内容へと改正されたのが、「2000年(平成12年)」になります。最初のポイントである1981年以降に建てられた住宅でも、2000年の改正以前に建築されている場合は、耐震性を高める補強などを検討したいものです。■ 「バブル期」の建物に要注意!cba / PIXTA(ピクスタ)特に1980年代後半~1995年頃の建物には、少し注意したいと筆者は思っています。この時期の前半に当てはまるのが、バブル期です。バブル期に建てられた住宅は、使う材料にもこだわって丁寧に建てられたものが多くあります。その一方で、「今こそ、マイホームを!」と住宅の着工件数が増えるなか、より多くの儲けを出そうとする業者も現れます。儲けを増やすために安価な材料を使い、さらに工期を短くして件数を稼ぐという方法が取られたケースもあるようです。工期が短くなれば当然手抜きが増え、いわゆる“欠陥住宅”が量産された可能性もあるのです。当時の業界内には、長く安心して住める住宅をつくるよりも「住宅をどんどん消費してもらったほうがいい」という空気があったように感じます。HAKU-No1 / PIXTA(ピクスタ)筆者は、バブル崩壊後の1993年に建築された一戸建てに住んでいたことがあります。取材でご一緒した建築士さんに自宅の建築年を言う機会があると「それは、お気の毒に」という声が聞こえんばかりのリアクションをよくされたものです。「あの時期の住宅は、マズかったね~」と、はっきり言われたこともあります。バブル崩壊直後に住宅の着工数が減り、経営が苦しくなった建築業者はやはり、安価な材料+工期短縮の傾向があったのではないかと筆者は推測します。■ 住宅の耐震性や構造への意識が高まった「阪神・淡路大震災」一本木 / PIXTAそして、1995年、阪神・淡路大震災が起きます。大きな住宅被害を目の当たりにして人々の間で耐震性や構造への関心が高まり、テレビのワイドショーでも「筋交い」「耐力壁」といった言葉を耳にするようになります。それまでは「業者にお任せ」「わからない」と思っていた住宅について、多くの人が疑問を持ち始め「うちは大丈夫なのかな?」という意識が生まれました。さわだゆたか / PIXTAその意識が住宅の不具合をあぶり出し、欠陥住宅について取り上げるテレビ番組なども増え、またインターネットの普及もあり、住宅に関する意識はより高くなってきています。その結果、「素人にはわかるまい」と思っていた建築業者は、襟を正すことになりました。一概には言えませんが、バブル期からこの時期までに建てられた中古住宅については、より注意が必要だと筆者は思っています。住宅のプロに診断をお願いするのも有効ですが、物件を探す際は、まず築年数で時代背景を読むことをオススメします。(written by いけだちよみ)
2018年04月16日住宅コンサルタント兼住宅セカンドオピニオンである、寺岡孝さん著の最新刊『学校では教えてくれない!一生役立つ「お金と住まい」の話』を読んで、今後のライフプランニングに役立ちそうな内容をご紹介しています。第2回は、「住宅ローン」の選択や知っておきたい仕組みのポイントについてです。hilite / PIXTA(ピクスタ)持ち家や車を所有しない筆者は「ローン」と無縁の暮らしです。よって返済プランや利息についてはまったくの無知でした。フリーランスで収入も一定でないため、ローン組めないね!と周囲からさんざん言われ、自覚しています。そんな筆者がローンについて述べるのはおこがましいのですが……。すぐに家を買うか買わないかはご家庭や個人の判断につきますが、ローンの仕組みは知っていて損はないことばかりだと思います。topic_ns / PIXTA(ピクスタ)余談ですが、当時はニュースを聞き流していたアメリカで起きた「サブプライムローン」についてあらためて調べてみました。原因が明確になり何とでも言えますが、極めてハイリスクなローンだったことを理解し、金融商品の怖さを知りました。高金利のローンは家計をひっ迫しかねませんが、現代の超低金利は借入金に対しての利息が低いので、家を買うのに好条件ということ。好条件だからこそ、さらに学んでローンの種類を知り、返済プランを立てることで支払い総額を抑えられる方法もあるのです。誰だって利息を多く払いたくはありませんものね。寺岡さんは本書内で住宅ローン返済に苦しまないための、最適と言える返済プランを提唱していますので一部ご紹介します。■ 頭金、ローンの種類の仕組みを知って賢い選択を家を買うことを決めたら、まず予算を決めます。「いくらなら払えるか」「定年(65歳目途)にはローンは完済しているか」今の暮らしを充実させて、かつ、老後の暮らしをひっ迫することなく、自分たちの収入に見合ったローン返済をすることがとても大切です。Graphs / PIXTA(ピクスタ)融資の際、世帯年収に応じて借入額(融資額)が決まるといいますが、ローン返済に後々息詰まる人は「いくら借りられるか」ということに重きを置いてしまうため、結果、家計に占めるローン返済の割合が高くなってしまいます。せっかく手に入れたマイホームをローン返済が滞り手放さなくてはならないという悲しい事態は絶対に避けたいものです。ローン返済を少しでも軽減するのは、やはり頭金がカギのようです。■ 頭金は住宅購入金の20%以上が望ましい頭金なしで家を買えるローンがありますが、寺岡さんの住宅購入時のアドバイスでは頭金は住宅購入金の20%以上が望ましいと言います。頭金が多いほど毎月の返済額の負担減、完済期間の短縮ができ、結果として支払う利息が少なくて済み、支払い総額を減らすことができます。頭金20%というのは、かなりまとまった金額になるので10%でも金利的に優遇されるといいます。MaCC / PIXTA(ピクスタ)住宅ローンの種類は返済期間のうち元金が変わらない「元金均等返済」はローンの支払い利息が少ないため「元利均等返済」よりもローン支払い総額が少なくなります。「元金均等返済」は初期の返済額が多くなる、毎月返済額が変動するというデメリットもありますが、長い目で見るとお得な返済方法です。ローン返済中にまとまった資金を調達できた場合は、繰り上げ返済すると利息が減り、支払い総額を抑えられるのでこちらも念頭に置いてください。頭金や元金均等返済ローンを組んだ場合の初期費用の出どころは貯蓄からですね。現代は普通預金ではほとんど利息が発生しないので、複利と呼ばれる元金についた利子にも利子が付く金融商品を選ぶのが賢明です。ひとつひとつの選択や、長い目でみると結果が大きく変わってくる金融の仕組み。知っておくと大事に貯めたお金がお金を呼ぶ良いサイクルに乗るチャンスがあります。■ 40代以降の住宅購入のおすすめローンとは?住宅ローンを組むなら定年の年齢から逆算すると、当然若い年齢に始めた方が良いに越したことはありませんが、40代、50代で住宅を購入する方も多くいます。その場合は、2本立てローンを利用する方法があります。freeangle / PIXTA(ピクスタ)1つのローンを定年までに完済する方法で組んで現役のうちに多めに返済すれば、定年後にもう1つのタイプのローン返済が残っていたとしても年金生活でも無理なく返済できるという方法です。筆者は現在すでに40代。2本立てローンについて知らなかったので、今から30年、35年も返済していくのは難しいと考えていましたが、今後家を購入する機会があれば2本立てローンは必須になってくるなと思いました。■ ローンも借換えができる!でも諸経費に注意住宅ローンの金利は低いことに越したことはありません。返済途中でより金利が低い住宅ローンがある場合、借り換えるという選択肢もあります。金利が0.5%下がるだけで支払い総額が百万円単位で変わってくるため、支払い総額を減らす、月々の返済費を減らすことができます。NOBU / PIXTA(ピクスタ)ただしローンの借換えには手数料から税金を含め多くの諸経費が掛かるので、経費を試算してかつ借換えの方が得なら見直しも有効です。ローンの計算式はややこしいですが、住宅を取得するには切っても切れない問題です。大きなお金が動くので、基礎を学び、ベストなプランを選ぶとトータルで見ると大きな節約につながりますよ。次回は、住宅、金融、保険の「ポジショントーク」の注意点についてご紹介します。(つづく)【参考】『学校では教えてくれない!一生役立つ「お金と住まい」の話』
2018年04月15日家を「借りる」と「買う」どちらが得か?という議論が、不動産業界には……いえ、世の中には昔からありますよね。この問題、筆者が不動産業界に入った19年前から(恐らくもっと以前からあったでしょう)盛んに議論されていましたが、いまだに結論が出たという話を聞きません。TATSU / PIXTA(ピクスタ)■ 「借りる」「買う」どちらが得か?問題のカラクリkou / PIXTA(ピクスタ)この問題のベースとなっているのは「“家賃”を払い続けるのと“住宅ローン“を払うのとどちらが得か?」ということで、大抵の場合、それぞれ発生する費用の合計をシミュレーションして比較しています。まだ紙の媒体が不動産情報の中心だった時代の話です。同じ出版社で賃貸向けと売買向け、2つの情報誌を出していましたが……、KAORU / PIXTA(ピクスタ)賃貸の情報誌では「借りる方が少しだけ得」、一方、売買の情報誌では「買った方が少しだけ得」というまったく異なる結論を出していました。一生の間に必要となる住宅関連の支出の合計は簡単にシミュレーションできるようなものではなく、前提条件を少し変えればまったく違う結論となります。つまり、立場が変われば結論も変わるのです。■ 設備やインテリアのグレードに大きな差はある?freeangle / PIXTA(ピクスタ)入居者が頻繁に入れ替わることを前提とした賃貸住宅に対し、分譲住宅は入居者が永住することが前提となります。そのため設備や内装等についていえば、分譲の方が長持ちする仕様となっていることが多かったように思います。特にクロスについては、ランクが全然違いました。賃貸の場合、入れ替わる度に何らかのリフォーム工事が入りますし、何かあれば退去した時交換すればいい、という意識がどこかにあるのかもしれません。■ 分譲マンションで発生する費用って?hug++ / PIXTA(ピクスタ)分譲マンションの場合、毎月発生する住宅ローン返済、管理費、修繕積立金等の他、故障等による設備の修理は当然のことながら全額自己負担です。分譲マンションには専有部と共有部があり、雑把に分けると玄関の内側で起こったことについては自己負担です。厄介なのは配管やインターホンといった、専有部と共有部両方にまたがる部分のトラブルで、原因がどちらにあるかによって負担額も変わってきます。専有部と共有部の細かい区分けについては管理規約に必ず記載がありますので、購入前にチェックしておくとよいでしょう。■ 賃貸住宅は、実は家主にとって厳しい時代にABC / PIXTA(ピクスタ)賃貸住宅の場合、賃料と共益費を毎月払いますが、消耗品関係を除き設備の故障については原則として家主負担となっています。また退去時における原状回復に際しても、「国土交通省ガイドライン」や「東京都住宅紛争防止条例(東京ルール)」により、自然損耗や経年劣化については借主は負担しなくてよいとされています。そのため、退去に伴うリフォーム工事についてもその大半を負担しなくてはならないなど、家主にとって厳しい時代となってきたように感じます。■ 賃貸住宅はまだまだ高齢者に厳しいのが現実foly / PIXTA(ピクスタ)賃貸住宅を語る上で、どうしても避けて通れない問題があります。賃貸物件の営業をやっていた時代に痛感しましたが、「高齢者に非常に厳しい」というのが日本の不動産業界の現状です。高齢者の場合、現役世代と違って収入が限られるということと、室内で万一のことが起きる可能性がある、ということが原因として挙げられます。高齢者を受け入れる物件はかなり限れられますし、仮にOKという場合でも内容のいい親族が保証人となり、かつ近くに住んでいなければならない、などといった厳しい条件が付きます。freeangle / PIXTA(ピクスタ)そして既にリタイアされた方の場合、年金だけが収入とみなされます(預金残高は考慮されないことが多い)。年金の金額だけで借りられるレベルの部屋というものは、高齢者が暮らしやすいようなものとは決して言えないでしょう。家は「買う」「借りる」どちらが得か、という問題は、おそらく今後も永久に決着はつかないでしょう。しかし「どちらがいいか」ともし聞かれたら、「リタイアするまでに、どこかで買っておいた方がいい」というのが筆者の結論です。(written by 鶴間正二郎)
2018年04月13日「住まい」のこと。「お金」のこと。日刊Sumaiでも様々な視点で2つの話題を常に取り上げています。住宅コンサルタント兼住宅セカンドオピニオンである寺岡孝さん著の最新刊『学校では教えてくれない!一生役立つ「お金と住まい」の話』を読んでの感想や、筆者の今後のライフプランニングに役立ちそうだなと思ったことを3回に分けてご紹介したいと思います。Graphs / PIXTA(ピクスタ)はじめに。筆者は40代前半のシングル女性、フリーランス。未婚。子どもなし。持ち家なしの賃貸物件住まいです。本の中では、具体的な数字や金額の例として、日本国内の一般的な就業及び家族形態がモデルとなっているので筆者が該当しない事がいろいろありますが、持ち家経験、ローン経験のない筆者でも知っていたほうが良いと感じたことばかりでした。■ トラブル相談の内容は20年前とあまり変わらない!?寺岡さんが長年の住宅コンサルティング業務に於いてつくづく実感しているのは、マイホーム購入時のトラブル相談内容は20年前とあまり変わらないということ。不動産トラブルの被害に遭っている方が多くいるにもかかわらず、法整備の遅れや、不動産業界の制度設計がなされていないこと、併せて不動産業に従事する人々の知識・経験・実務不足が原因とされています。KY / PIXTA(ピクスタ)家という人生で一番と言っていいほどの大きな買い物をするのに、消費者側の啓発教育も進んでいないため、トラブルを未然に防ぐことが難しいようです。日本の住宅事情や金融、保険、社会保障制度などは複雑な側面があり、事態に直面するまでよほど積極的に関心を持たない限り、知る機会がほとんどありません。Graphs / PIXTA(ピクスタ)なぜなら「学校では教えてくれなかった」から。お金と住まいは幸せに生きていくうえでなくてはならないもの。人生設計途上の筆者ですが、本書内で特に「ツボ」と思ったことを初心者目線で抜粋していきます。■ 家は買うべき?買うならいつ買うべきか?著者の寺岡さんは「家は買うべきか、買うならいつ買うべきか」という質問を多く受けるそうです。その時、寺岡さんが住宅購入を検討している数多くの相談者にとても良い答えを導き出しています。「買いたいと思ったタイミングで融資を受け、返済ができれば買った方がいい」家は自分や家族が住み、生命活動をおこなうために無くてはならないものです。msv / PIXTA(ピクスタ)家を買うことは、自分たちの人生にとって以下の大きなメリットがあると言います。とても楽しい行為確実に生活の質が上がる資産運用のスタート地点に立てる家を買って一定期間のローン返済をすれば、完済後は住宅の管理費と税金のみ。そして自分の資産になります。ですが賃貸の場合、定年を迎えても家賃の支払いは一生続きます。自分の(自分たちの)蓄えたお金をマイホームという資産にすると、生きていくうえで精神的にも物質的にも「強み」になるのだなと感じました。暮らす場所を確保でき、価値ある物件であれば資産になる!naka / PIXTA(ピクスタ)そして自分たちの好きなスタイルの居住空間で暮らす日々の喜びは、かけがえのないものですね。この考えは単身者にも当てはまるそうです。筆者はこれまで家は家庭を持ってからと思っていましたが、資産に余裕があれば、家を買うことはライフプランニングにおいて賢明な選択であると思うようになりました。家を買う、買わないは個々の判断ですが、一度予算のシミュレーションをしてみるのも良いと思います。■ マイホーム購入は「資産」という目で見るべきワトソン / PIXTA(ピクスタ)ひと昔前は「家は一生住むもの」というのが当たり前とされていましたが、現代はマイホームを資産と捉え、それを元手に家を貸す、住み替えるという暮らしの変化と共に家も替えていくというのが常識になっているということも大変興味深い話でした。自分たち家族が快適に暮らすマイホームということを大前提に、快適な周辺環境、暮らしやすい立地など家の付加価値を多角的な目線で考えていくことも重要です。自分の家を、「他人が住みたいかどうか」客観的に判断できる目線を持つことが大切なんですね。大切なことを決めるときほど、舞い上がらずに俯瞰することは大事ですが、住宅購入の際も大いに当てはまります。amadank / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか。蓄えたお金を家という1つの資産にすることは「今」を充実させ、「老後も安心」という人生の盤石な基礎を築くことなのかもしれません。寺岡さんの著書には消費者に寄り添った無理のないマイホーム購入プランが具体的に記されています。家を購入する際にあたり、切っても切れないお金の話。次回は「住宅ローン」のことやあらゆるシーンで遭遇する「ポジショントーク」についてご紹介します。【参考】『学校では教えてくれない!一生役立つ「お金と住まい」の話』
2018年04月12日リノベーションしたいけど予算がない、新生活のためになるべく予算を抑えたい。でも、実際にリノベをしてみると、「あれもしたい、これもしたい」と工費が膨らんで……。リノベーションと予算の関係はいつも悩ましいものです。2015年のリノベーション・オブ・ザ・イヤーで「カジュアルリノベーション賞」を受賞したMさんのお宅(30代・女性)は、あらかじめ予算の上限を決め、既存を上手く活用しながら280万円で理想の空間を手に入れました。低予算で思い通りのリノベーションを実現するための、ポイントが満載です。■ 中古マンション購入の段階から計画的に。総予算を組んでから物件探しある日、Mさんは父親から「資金を援助するから家を買わないか」と打診され、マンション購入の検討を始めました。予算は「住宅ローンの支払いが現在の家賃と同じかそれ以下」になるように、設定エリアと条件を絞って中古マンションを探し、見つけたのは、川崎市内の50㎡のリフォーム済み物件でした。50平米以上の物件としたのは、住宅ローン控除を受けるため(※専有面積が50平米以下のマンションでは住宅ローン控除が受けられません)。年末のローン残高に応じて、10年間一定額が所得税から控除されるという住宅ローン控除。専有面積のちょっとした違いで控除を受けられなくなるのはもったいないので、選ぶ際に気をつけてください。■ 予算の上限は300万円。やりたいことを明確にして優先順位を駅からやや遠いぶん、物件価格が低く抑えられたので、余った予算でリノベーションを施すことにしたMさん。予算を「300万円」に設定しました。Mさんはもともと家具や小物、食器など質のいいものを少しずつ集めるのが大好き。「せっかくなら集めたインテリアが似合う空間にしたい!」と、無垢材の床や珪藻土の壁は最優先に。またキッチンにカウンターを設けたい、などと、やりたいことをギュッと絞ったのです。その姿勢に賛同したのが設計を担当した空間社のデザイナー、宮本泰則さん。「要望が明確だったので、予算の中でできることと削る部分を分けるだけでした」と話します。リノベーション前丁寧に選んだ家具が映える空間にするために、素材感を整えることを優先し、建具とキッチン扉の変更を提案。例えば木の扉に替えたキッチンは、木目が主張しすぎないシナの板を2人でじっくり選びました。■ コストをかけるところはしっかりと。こだわりの「キッチンカウンター」中でも最もこだわったのは「キッチンカウンター」です。入れたいものすべての寸法を測って棚の幅や高さを決めたので、炊飯器や電子レンジもピッタリ。一部をガラス扉付きの棚にして食器のコレクションを収納しています。その一方でコストのために諦めたのは、現在納戸に使用している洋室の内装と、寝室の床をフローリングではなくカーペットにしたことですが、今はそれも気に入っています。寝室のクローゼットは既存を生かし、扉と枠を交換してスッキリとした印象に。壁の一面を、クロスの上からネイビーに塗装した寝室。マティスの絵がよく映えます。結果、リノベーションにかかった費用は全部で280万円。予定していた金額より少なく済みました。「先々のこともよく考えて予算を組んだ」というしっかり者のMさん。毎月の支払いは賃貸のときと比べて2万円ダウンし、その分をきちんと貯蓄に回しているそうです。賃貸料から総予算を決めて物件探しを始めたこと、リノベーションの予算にも上限を設けたこと、やりたいことを明確にして絞り込んだことなど、リノベ予算を抑えたい人にとって参考になるるポイントが盛りだくさんです。もっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.23』も参考にしてみてくださいね。設計・施工空間社撮影飯貝拓司
2018年04月04日家を購入する時は、売買契約書だけでなく登記関係、住宅ローン関連、保険など、様々な書類のやり取りがあってかなり頭がこんがらがる時期です。それがマンションならばさらに書類が増えて、「マンション管理規約」「管理委託契約書」などが配られます。ゆっくり目を通す時間暇も根気もなく、よくわからないままに印鑑を押した、という方もいるかもしれません。もとくん / PIXTA(ピクスタ)新築マンションに入居して間もなく、管理組合の理事をやらなければならなくなった人が「私は管理組合になんて入った覚えはない。だから理事になるのは断る!」と、管理会社に電話をかけてくるケースもあるそうです。管理組合に入った覚え……、みなさんにはありますか?「○○マンション管理組合の一員になります」といった書類にサインをした経験は?「ない」という人がほとんどだと思います。これはなぜなのでしょうか。■ 「区分所有」した瞬間に、管理組合の構成員になるチンク / PIXTA(ピクスタ)「マンション法」ともいわれる区分所有法では、管理組合に関して以下のような記述があります。第三条(※一部)区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。この条文によると、区分所有関係が発生したその瞬間から管理組合は成立するため、設立の手続きなどは必要ない、ということになります。区分所有者はその意思にかかわらず管理組合の構成員となり、区分所有をしている限り組合から脱退することはできない、という強制力を持っているのです。タカス / PIXTA(ピクスタ)よく管理組合を「自治会やPTAみたいものでしょ」という人がいますが、自治会やPTAへの参加は任意ですから、自ずとその性質が違うことがわかりますね。人づきあいなどの面倒がないことがマンションの魅力と考えている人にとっては、管理組合の理事などもってのほかといったところでしょうが、それほど簡単な問題ではないのです。■ マンション管理の主体は管理組合!業務も多岐にわたるところで、先ほどの条文にあった「規約」とは何でしょうか?これはマンションのルールブックともいえる「管理規約」のことを指しています。0829kt / PIXTA(ピクスタ)国土交通省が管理規約の標準モデルとして作成しているのが標準管理規約です。マンションはその規模や地域、住んでいる人によって千差万別。そのルールもまた様々なパターンがあっていいので、あくまで標準モデル、なのです。逆にいえば、この管理規約は住んでいるうちに不都合が生じてきたときや自分たちのマンションには合わないと感じた時、多数決によって変更をすることができます。また、その標準管理規約に書いてある管理組合の業務とは、全部で15項目にもわたります。例えば、管理組合が管理する敷地及び共用部分等の保安、保全、保守、清掃、消毒及びごみ処理組合管理部分の修繕修繕等の履歴情報の整理及び管理等共用部分等に係る火災保険、地震保険その他の損害保険に関する業務敷地及び共用部分等の変更及び運営修繕積立金の運用官公署、町内会等との渉外業務などがあります。YNS / PIXTA(ピクスタ)清掃やごみ処理などまで書いてあることに「マンションて、そういうことこそ、人任せにできるんじゃなかったの?」と驚いた人がいるかもしれません。ほとんどの管理組合は、これらの大部分を管理会社などに委託しているために人任せと感じるのかもしれませんが、区分所有法によると管理の主体は管理組合にほかならないのです。いかがでしたか?管理組合について理解すると、区分所有者である自分たちこそが管理の主体なんだ、と気付かされますね。「自分は入った覚えはない」「自治会やPTAみたいなもの。やりたくないからやらない」というわけにはいかないものなのです。ですが、それをネガティブにとらえるのではなく、大切な資産であるマンションを一緒に守る仲間であるとポジティブにとらえて、うまく関わりながら暮らしていきたいものですね。(written by 殿木真美子)【参考】※公益財団法人マンション管理センター※マンションライフ総合支援サイトマンションのWa※国土交通省区分所有法、マンションに関する統計・データ集※建物の区分所有等に関する法律
2018年03月30日婚姻期間中に購入したものは、共有財産として離婚の際に財産分与の対象となります。その中でも、高価なものは『家』ではないでしょうか。離婚する際に、両者とも購入した家から出て行く場合、その家を売却したり、賃貸にしたりするでしょう。賃貸にする際は、家の名義人が賃貸として家を貸していくことで、財産分与の対象からあえて外すことが大半です。しかし、売却する場合はどうなるのでしょう。虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士に監修いただき、■売却する場合発生するオーバーローン住宅ローンを支払いきっていない場合、売却したとしても、家の価値が購入時より下がっており、ローンの残債額が売却額を上回ってしまうことがあります。例えば、4,000万円の住宅ローンを組み、そのうちの1,000万円(利息は別)支払っていたとします。残りは3,000万円ですよね。その家を売却しようと査定して見ると、2,500万円という結果が出ました。つまり、ローンの残債を返済するには500万円足りないということ。これを『オーバーローン』と言います。 ■オーバーローンは一括で返済しなければならない任意売却などの場合を除き、基本的に家を売却すると、ローンの残債は全額一括返済しなければいけません。ほかにも、借り入れの名義人を変更すると、『期限の利益喪失』という現象が生じます。これは銀行が、お金を貸したのは、当初の借主を信頼していたからですよ、ということです。ほかにも銀行は、お金を借りる際、家と土地を担保としており、その担保がなくなってしまうのならもうお金は貸していられませんよ、ということですね。 ■家の名義人でなくても、残債は共有財産の対象になる?共有財産は『財産』として残るものを指します。つまり、負債しか残らない場合は共有財産とならず、住宅ローンの残債は名義人に支払いの義務があります。よく、家庭裁判所の調停などでも問題の議題になりますが、オーバーローンの対象物件は、財産分与の対象から外して考えます。しかし、元配偶者の名義で、自身が連帯保証人になっている場合、元配偶者の支払いが滞れば離婚後も連帯保証人に支払いの義務が発生します。離婚の際には連帯保証人から外れる手続ができればベストですが、銀行などの契約書を精査しなければ、期限の利益喪失のリスクを負ってしまいます。 ■請求されたら支払わなければならない?そんなことはありません。前項でも説明した通り、負債は財産分与の対象ではないので、元配偶者に支払えと言われてもその必要はありません。もちろん、離婚後も家には住み続け、その所有権を最終的には取得するという形で合意した場合には、別途考慮しなければなりませんが、基本的に請求にただちに応じる必要はありません。 ■さいごにお金の問題は、シビアですよね。誤解や思い込みがある状態で財産分与を決めてしまったらのちのち後悔するでしょう。住宅ローンがある場合の財産分与は、トラブルに発展したり、ややこしくなったりしがちです。何も知らずに銀行と話をしてしまい、あとあと支払えず…などの事態になることも想定されますね。そもそも、家は全部取得するんだ!と頑固に譲らない方もいます。 スムーズに話を進めるには、弁護士に依頼するのがおすすめです。 *弁護士監修/ 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士となってから、数々の不倫・離婚問題を解決。弁護士として働くかたわら、慶應義塾大学にて法務研究科助教も務める)*取材・執筆/アシロ編集部*画像pixtaから使用画像はイメージです離婚後に家を売却…オーバーローンは折半?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。離婚後に家を売却…オーバーローンは折半?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年03月30日先日、リーアム・ニーソンが13年ぶりの来日を果たしたことでも話題となった『トレイン・ミッション』。この度、“リーアム史上最も切ないシーン”を収めた本編映像の一部が公開された。本作は、長年勤めてきた保険会社を60歳で突如リストラされた不運な男・マイケル(リーアム・ニーソン)が、途方に暮れ帰路に向かう電車内、見知らぬ女から「乗客の中から<ある人物>を探し出せば、10万ドル支払う」と持ちかけられ、捜査を開始していくが…というストーリー。今回到着した映像は、マイケルが上司からリストラを告げられるシーン。リーアムといえば、『96時間』では娘を誘拐した犯人を追い詰める元CIA工作員の主人公を演じたほか、『フライト・ゲーム』や『アンノウン』でも見えない敵に立ち向かう勇敢な主人公熱演し、映画界きっての“最強の男”といっても過言ではない。しかし、本作では定年間近にリストラされてしまうこれまでとは違った不運な男に扮している。映像では、上司からの突然解雇に納得のいかないマイケルは、「住宅ローンと大学生を抱えている」「あと5年で定年。もう60歳なんだぞ」と必死に抗議するものの、言葉むなしく上司からは「君は真面目な企業戦士だったが、戦士に死傷はつきものだ」と痛烈なひと言…。彼の心情を表すかのような寂し気な音楽がまた切なさを際立てている。『トレイン・ミッション』は3月30日(金)より全国にて公開、3月29日(木)TOHOシネマズ日比谷にて特別先行上映。(cinemacafe.net)■関連作品:トレイン・ミッション 2018年3月30日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開© STUDIOCANAL S.A.S.
2018年03月26日購入予算の設定を考える際、同じ毎月返済額でも金利によって借入額が大きく変わります。これは金利が低ければ低いほど借入金が増えるということでもあります。一般に金利が低いのは変動金利です。「じゃあ金利の低い変動金利のローンを利用すれば予算が増やせるのでは?」と考える人もいるでしょう。はたしてそれは正しい考え方なのでしょうか。1.変動金利の分かり過ぎるほど明確なリスク将来の毎月返済額を見通せない変動金利や固定金利期間選択の金利を使って購入予算の設定はしづらいものです。しかしながら予算設定の際の使用を推奨したい全期間固定金利と変動金利では、金利にして0.7~0.8%程度の差があります(※1)。仮に毎月返済額を10.0万円とした場合、金利の低い変動金利で設定すれば、借入額は440万円近く増える計算です(※2)。机上で金利をちょこっと変えるだけで労せずして購入予算が増やせるこの方法は、一見すると非常に魅力的に映ります。しかし、いったん金利が上昇し始めると、この方法が悪魔のささやきであったことに気がつきます。変動金利が上昇した場合の毎月返済額シミュレーションしてみましょう。※1フラット35(借入期間:21年以上35年以下・融資率:9割以下)で取扱金融機関が提供する金利の最も多い金利と、主な都市銀行等の変動金利を比較。2017年12月現在。※2各種数値は次の条件をもとに設定しています。全期間固定金利:1.37%、変動金利:0.625%/返済期間:35年/返済方法:元利均等返済。分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。(図1)変動金利が上昇した場合の毎月返済額シミュレーション図は借入額3,500万円で、当初金利0.625%が6年目、11年目にそれぞれ金利1%上昇したと想定した場合に、毎月返済額がどれだけ変わるのかを計算したものです。返済6年目に金利が1%上昇すれば、毎月返済額は約1.4万円増え、返済11年目にまた1%上昇すれば毎月返済額はさらに1.3万円(当初からは約2.7万円)増えることになります。軽い気持ちで購入予算のアップを目的に変動金利を利用してしまうと、あまりに簡単に予算が増えてしまうので、その後に本来必要なリスク検証をせずに、変動金利へと流れてしまう人がいます。変動金利は低金利というメリット相応のリスクがあることを忘れないでください。2.変動金利のリスク・仕組み購入予算の設定や、購入予算アップを目的に変動金利を使うのはNGという話をしてきましたが、変動金利の住宅ローンを選んではいけないということではありません。大切なのはリスクや仕組みを正しく理解していることです。ここでは多くの変動金利で採用されている独自の返済ルールを説明します。①金利の見直し……半年ごと②毎月返済額の見直し……5年ごと③毎月返済額の変動幅……従前の1.25倍まで返済額のイメージを図にすると以下のようになります。(図2)変動金利独自の返済ルール金利の見直しは半年ごとに行われる(図中の期間①)けれども、毎月返済額は5年間据え置かれる(図中の期間②)ということと、毎月返済額が変わる(アップする)場合は、その前の金額の1.25倍までにとどめる、ということがその特徴です。少なくとも5年間は毎月返済額が変わらないことによる家計への安心感と、変わる場合でも極端な上昇にならないための配慮がなされていると見ることができるでしょう。一方でこのルールは、金利の動きと毎月返済額が正確に連動しないことから、金利上昇時などには、同じ毎月返済額でも、利息への支払い分が増えていて、元金が減っていかないという「見えない」リスクを生じさせるマイナス面も指摘されています。特に未払利息については、変動金利の最たるリスクとして、十分な注意が必要です。3.固定金利期間選択の金利引き下げタイプに注意固定金利期間選択も変動金利と同様、購入予算の設定や、購入予算アップを目的とした計算用に使用するのはNGです。一方で、実際に固定金利期間選択を利用する人も一定数はいますので、固定金利期間選択の住宅ローンを選ぶ可能性も踏まえて、押さえておきたい点を紹介します。リスクは、選択期間が短いタイプであれば特に、変動金利と同様のリスクがあります。固定金利期間選択の場合は、変動金利のように毎月返済額の上限がない商品のほうが多いので、急な金利上昇があった場合は、毎月返済額もそれに応じる形で際限なく増えますので、場合によっては変動金利以上にリスキーな点があります。また、固定金利期間選択の商品のなかには、引き下げ金利幅が途中で変わるものがあります。当初期間引き下げタイプと呼ばれるもので、この商品は固定金利期間終了後の引き下げ幅が当初より小さくなり、店頭金利が変わらない場合でも適用金利は上昇し、毎月返済額がアップします。こうした商品も、ホームページなどでは引き下げ幅の大きい当初金利のみが、大きく謳われていますので、くれぐれもその金利で返済期間中すべての毎月返済額を計算したり、それに基づく形での借入額の安易な増加をしないよう、注意してください。
2018年03月22日住宅の購入を考えている方の中には、やはり一から自分の思い通りに建てることができる注文住宅にしたいとお考えの方も少なくないと思います。しかし、注文住宅では住宅ローンの利用ができないからと諦めている方もいるのではないでしょうか?諦める必要はありません。建売住宅や分譲マンションの購入時より多少複雑になりますが、土地の購入時からローンを利用することが可能です。今回は注文住宅を建てる際の住宅ローンの利用方法をご説明します。住宅ローンは建物が完成していないと組めない!?住宅ローンは基本的に建物が完成していないと利用することはできません。住宅ローンは高額な融資となりますから、借りた人がローンを返済できない場合に備えて、金融機関は住宅ローンを組む際に、土地と建物を担保とするための抵当権設定登記を必須としているからです。土地と建物をセットで販売する建売住宅や分譲マンション購入の場合は、決済時に建物が完成しているため、住宅ローンが組みやすくなりますが、注文住宅の場合、建物の完成前に土地の購入費用や、建築費の着工金・中間金の支払いが必要になるため、建物完成後の融資実行では間に合いません。そのため、「つなぎ融資」や「土地先行融資」と呼ばれるローンを利用することになります。正式な住宅ローンが実行されるまでの「つなぎ融資」つなぎ融資とは、正式な住宅ローンの融資が実行されるまでのつなぎとして利用するローンです。このため住宅が完成し、正式な住宅ローンの融資が実行された時点で、つなぎ融資分を清算します。つなぎ融資で注意する点は、つなぎ融資が実行される際に金利と事務手数料が借入額から差し引かれるため、不足する金額は用意しておく必要があること。また、無担保ローンとなるため、金利が高くなることです。つなぎ融資の金利は金融機関によって異なりますが、2.5%~3%程度が多いようです。つなぎ融資の利点は、必要に応じて土地購入時や建築費の着工金・中間金と3回程度融資が可能なことです。※事務手数料は金融機関によって異なりますが、新生銀行・楽天銀行では108,000円になっています。土地代だけ先に融資を受けたい人は「土地先行融資」土地先行融資とは住宅を建てる際、土地代だけを先に融資が受けられるローンです。建物への融資は建物が完成した時点で実行されます。融資の条件は金融機関によって異なりますが、工務店の正式な見積書や図面などの提出を求められることもあり、ある程度建築プランが決まっていなければならい場合が多いようです。また、土地と建物で2回のローン契約(事務手数料が2回かかる)をすることになります。注意点は住宅ローンよりも金利が高く設定されていること(契約時点の金利が適用される)、土地先行融資分の返済は建物が建つ前から始まるため、家が建つまでに賃料(賃貸住宅に住んでいる場合)とローンの返済が重なってしまうことなどです。土地先行融資の場合、土地の購入費を融資してもらえる制度のため、建築費の着工金や中間金は自己資金が必要になります。土地は所有しているけれど建築費用の融資を受けたい人は「すまいとマネープラン」既に土地は所有していても、建築費用の着工金や中間金の支払いに融資を受けたい場合に利用できるローンが「すまいとマネープラン」です。「すまいとマネープラン」は株式会社ERIソリューションが金融機関と提携し、工事の着工前に融資が実行される制度です。融資されたローンは信託口座に預けられ、工事の進捗状況を調査して出来高払いで支払われます。出来高払いのため、請負業者の了承を得ることが必要になります。つなぎ融資が不要なため、金利や事務手数料は発生しませんが、信託口座設定料60,000円と支払いごとに支払い金額の1%の手数料が必要になります。メリットは建物の完成保証が付いているため、請負業者にトラブル(倒産など)があっても安心なこと。注意点は、融資が実行された翌月からローンの返済が開始されることです。「すまいとマネープラン」は一般的に建築費の融資を目的に利用する制度ですが、土地を購入する場合は、土地先行融資をセットにすることも可能になっているようです。土地購入費用は信託銀行を通さず土地の売主に直接支払われます。条件などは各銀行によって異なるため、提携銀行に確認が必要です。※「すまいとマネープラン」の提携金融機関は、埼玉りそな銀行・スルガ銀行・ソニー銀行・千葉銀行・八十二銀行・三井住友銀行の6行。以上のように、注文住宅を建てるため利用できるローンはいくつかありますが、金融機関によっては扱っていないこともあり、利用条件も様々です。目的に合ったローンの方法を選び、利用可能な複数の金融機関をリサーチして、条件や金利・事務手数料などを比較検討し、ご自分に合った無理のないローンを選ぶようにしましょう。
2018年03月10日住宅ローンを借りるとき多くの人はメガバンクやネットバンク、住宅金融支援機構などで金利面などを比較して住宅ローンを検討する人が多いでしょう。しかし、多くの人が見過ごしている住宅ローン借入先があります。実は、見過ごされがちなのは「地方銀行」なのですが、地銀で契約すると、人によってはメガバンクやネットバンク、住宅金融支援機構などよりも有利に住宅ローンを契約することができます。地銀は見過ごされがちな、優良な住宅ローン提供業者そもそも地方銀行とは、そのそれぞれのエリアに本社を構える銀行となっており、「横浜銀行」や「千葉銀行」「京都銀行」や「静岡銀行」など銀行の名前にも地域名が付されているような銀行になります。これらの地方銀行から住宅ローンを借りる場合には、他のメガバンクなどと同様に、まずは銀行の窓口に赴き、そこで住宅ローンの相談を行うことができます。実はファイナンシャルプランナーである筆者も関西の地方銀行である「京都銀行」で自身の住宅ローンを契約しています。筆者の例ではネットバンクはもちろん、メガバンクから住宅金融支援機構まで様々な銀行や金融機関の住宅ローンを検討しましたが、総合的に最も良いと考えたのが地方銀行である「京都銀行」であったため、京都銀行で契約をすることになったのです。それでは、具体的に地方銀行の住宅ローンがどのような点でメリットがあるのかをご紹介します。【メリット1】対面でコミュニケーションができるので、安心&便利地方銀行の一つ目のメリットとしては対面でのコミュニケーションが出来る点です。もちろん、これはメガバンクや住宅金融支援機構などでも同じように対面でコミュニケーションができるため、地方銀行に限ったメリットではありませんが、これは大きな点です。特に住宅ローンの契約などの場合、審査に必要な書類だけでなく、抵当権を入れる際の手続きや火災保険に関する書類など住宅ローンを契約する際に必要な書類は非常に多くなっています。これらの膨大な書類を一つ一つ揃え、確認をするためには対面でコミュニケーションをする方が便利です。ネットバンクの場合には、郵送などで書類のやりとりをすることが多くなりますが、「どこに判子を押すのか」「どの書類が必要なのか」を随時メールなどで確認をするのはストレスにもなります。そういった意味ではまず、対面で住宅ローンのやりとりが出来るという点が大きなメリットとなります。【メリット2】臨機応変な対応をしてくれるそして、二つ目のメリットが地方銀行ならでのメリットである「臨機応変な対応をしてくれる」という点です。具体的な臨機応変メリットとしては、不動産会社などへの支払いのタイミングを分けて融資をしてくれる点にあります。特に筆者の場合だと注文住宅を建築したため、支払いのタイミングが数多く分断されてしまっていました。まず「土地を購入したとき」に土地の支払い、注文住宅を契約したときに「契約金」を払うだけでなく、住宅が半分程度できあがったときに「上棟金(中間金)」。そして、建物が完成したときに支払う「完成金」、庭などの外構を作ったときに支払う「外構費」そして最後に引き渡しを行うときの「引き渡し金」と合計で6回も支払いを行わなければならなかったのです。このような場合、メガバンクなどの場合には建物に抵当権を入れてからでないと、住宅ローンを下ろせないため、最後の「引き渡し時」しか住宅ローンを支払ってくれなかったのです。そのため、メガバンクで契約を行う場合には、正式な住宅ローンが決裁される前に各支払毎に「ブリッジローン」が必要となり、そのブリッジローンの金利や手数料などが割高となってしまったのです。しかし、地方銀行であれば全ての地方銀行が対応してくれる訳ではありませんが、住宅ローンに積極的な地方銀行であれば、ブリッジローンの必要がないようにその都度ローンを決済してくれる銀行もあります。実際に筆者はこの地方銀行の柔軟な対応のおかげでブリッジローンの会社に支払う手数料や割高な金利分を含めて100万円近くの金額を圧縮することに成功しました。【メリット3】金利も低めで手数料も安いまた、柔軟な対応だけが地方銀行のメリットではありません。実際に金利も低めで手数料も安くなっていました。筆者の例ではメガバンクの提示してきた金利や手数料よりも地方銀行の方が安くなっていました。ただし、ネットバンクの金利や手数料と比べるとネットバンクの方が安かったのですが、中間金決裁などの臨機応変な対応や対面で住宅ローンの手続きが出来る手軽さを考慮して、地方銀行と住宅ローンを契約することになりました。最後にこの記事では、多くの人が見過ごしがちな「地方銀行」の住宅ローンについてを解説しました。地方銀行の場合、銀行によっては住宅ローンなどに力を入れていないような銀行もありますので、本記事で紹介したメリットを全ての地方銀行が実現出来るわけではありません。ですが、地域によってはメガバンクよりも強い地方銀行などであれば、この記事で紹介をしたようなメリットを得ることができるケースもあるため、現在住宅ローンを検討している人は地方銀行も選択の一つに検討してみはいかがでしょうか。
2018年03月07日賃貸併用住宅は住宅ローンを利用しながら収益用物件を購入することができるので、一般的な投資用のローンを使って購入するアパート経営よりも金利が低い分、毎月のローン返済が少なくなるというメリットがあります。しかし賃貸併用住宅は建築費がかかるため、自分で新築から建てようとすると、初期費用が非常に高くなってしまいます。そんな時に考えたいのが中古の賃貸併用住宅の購入です。中古物件の賃貸併用住宅を購入することで、購入額を抑え、各種のリスクを減らせるでしょう。しかしなかなか市場には出てこない希少価値の高い物件でもあります。では中古の賃貸併用住宅物件は一体どのように探せばいいのでしょうか。(1)専門の収益物件サイトで探すまず最も手軽な方法として考えられるのは収益物件を多数掲載している専門サイトで探すことです。収益物件を専門として掲載しているサイトと、一般的な住宅情報サイトの何が違うかというと、収益性を表す数字である「利回り」が掲載されている点になります。利回りが掲載されている物件は、以前から賃貸物件とし運営されていたということです。物件の内装や設備に関しては、事務所向け、店舗向け、また普通の賃貸住宅としてのものなど様々ですが、中には入居者に貸し出すだけではなく所有者の自宅も兼ねている物件も掲載されています。こういった専門サイトであれば一般的な住宅情報サイトで検索するよりも手早く収益性のある物件を見つけられ、さらに利回を見ながら比較検討できます。(2)二世帯住宅を購入して改装する賃貸併用住宅は建築費がかかるためにどうしても絶対的な数が少ないです。そこで既存の一般的な物件を賃貸併用住宅として活用することを考えてみましょう。最も賃貸併用住宅に転用しやすいのは二世帯住宅です。二世帯住宅は一つの建物内に2つの世帯がそれぞれ生活できるように独立して造られています。玄関、風呂、キッチン、トイレなどの日常生活を送るために必要な設備が別個設けられているのです。そのため自宅として利用する部分と賃貸物件として利用する部分、それぞれ特に設備追加やリフォームなどを行うことがなく、そのまま別の世帯に貸し出せます。特に完全分離型式の二世帯住宅であれば購入して即座に貸し出すことができるでしょう。一方で二世帯住宅の中にも玄関を共有しているもの、風呂を共有しているもののなど、一部の設備を二つの世帯で共有しているものもあります。そういった物件の場合はリフォームをしないと建物内に別の世帯に住んでもらっても、自宅と完全に隔離できません。購入前にはきちんと他人が自分の同じ家の中に住むということを意識して、それぞれのプライバシーの確保に気を配るようにしましょう。(3)アパートを改装して、一部を自宅にする二世帯住宅の場合は普通のファミリー向け物件を改装して賃貸物件に転用する形式になりますが、逆に今度は賃貸物件であるアパートを一棟購入し、その一部を自宅として活用する方法を考えてみましょう。この場合既存の賃貸用の部屋は特にリフォームする必要もなく、スムーズに貸し出せます。例えば1階に4部屋。2階に4部屋の賃貸物件が入っている場合、1階の4部屋はそのまま貸し出し、2階部分は自宅として活用することになります。中古の一棟アパート物件は非常に数が多く市場に出ているため、賃貸併用住宅を探すよりも選択肢が豊富であり立地や価格帯など自分たちの条件にあったものを選べます。ただし自宅部分に関しては、不要なキッチンや風呂、壁などを取り除き大幅な間取り変更などリフォームが必要になります。そのためある程度の改装費用は用意しておかなければいけません。賃貸部分はそのまま貸し出せるのですぐに家賃収入を得られることもありますが、大幅なリフォームが必要な場合は下の住人に迷惑がかかります。そこでどの程度のリフォームを予算内でできるか、また物件内の住人に迷惑をかけずにリフォームが行えるのかなど、しっかりとチェックしてから物件を購入しましょう。さらに賃貸併用住宅で住宅ローンを使うには自宅部分が建物全体の面積の50%以上ではないといけません。家賃収入を増やすために賃貸物件部分を多く残しておきたいという人もいますが、自宅部分を建物面積の50%パーになるように、リフォームプランを練りましょう。賃貸併用物件はそれほど数が多くないために、自分の条件にマッチする物件がなかなか見つからない時もあります。そういった時は二世帯住宅や一棟アパートを賃貸併用住宅に転用するといった方法を考えてみましょう。そうすればぐっと選択肢の幅が広がります。
2018年03月04日共有持分・共有名義とは?共有持分とは、複数の人が1つの不動産を共同で所有している時に、それぞれの人がその不動産について持っている所有権の割合のことをいいます。たとえば夫婦で1つの不動産を2分の1ずつ共有している場合は、夫と妻それぞれが持っている所有権の割合(2分の1ずつ)のことをさします。そしてこの割合を登記所に登記しなければなりません(持分登記)。登記とは、第三者に「これは私の所有権だ!」と主張することです。さて共有持分といったワードを聞くと、セットのように「共有名義」といった言葉を耳にすると思います。共有名義とは、その不動産の所有権を持っている人のことをいいます。たとえば3000万円の住宅をあなた(妻)と旦那さん(夫)で購入するとしましょう(共有名義はあなたと旦那さんになります)。出資額で持分割合が決まりますので、2,000万円分を旦那さんが、残りの1,000万円をあなたが出したとしましょう。するとこの住宅の持分割合は、旦那さん:3分の2あなた:3分の1となります。共有持分のメリットとデメリットは?「これから結婚して新居で夫婦生活を始めるんだ」といったご夫婦は、上記のように不動産を共有の持分とすることもできるわけですね。または年収や貯金を考慮すると2人でお金を出す方が良いかもしれない、といった人も少なくはありません。しかし「共有名義・持分にするとなんだか面倒なことにならないかな?」と懸念を抱いてしまうもの。まずはデメリットについてみてみましょう。デメリット夫(共有者)の承諾がないと、売却できない!ご夫婦2人の持分なので、当然にご自身の判断だけでは不動産を売却することはできません。旦那さんの承諾がないと売却できないわけですが、ここで夫婦喧嘩が起きることも・・・・。離婚した場合、売却を視野に考えたくはありませんが、夫婦喧嘩の火が広がって離婚することとなった場合、売却の可能性が高まります。住宅購入の資金に余裕がないから住宅ローンを組んだり、共有名義での購入を検討したはずです。つまり、片方がいなくなればその分を補填しなければならず、それは現実的に難しいので結果的に売却せざるをえなくなるわけです。夫(共有者)が他界した場合、相続の対象となる不動産は相続の対象となります。多くの場合、配偶者であるあなたかもしくは子どもが相続の対象となります。しかしほかに相続人がいたりすれば、遺産分割の対象となり、話は少し面倒になります。贈与税の対象となるもし旦那さんの方が先にお仕事を辞めた場合、住宅ローンが残っていればその分はあなたが支払うことになります。この場合名義人はあなたのみとなるので、旦那さんからあなたに不動産が贈与されたこととなり、贈与税が課せられます。逆もしかりです。メリットデメリットでは少々暗い話を考慮する必要がありましたが、メリットは明るい話です。なんと税制において2つもトクするのです!住宅ローン控除を二重に受けられる住宅ローン控除は、購入価格の一定割合を所得税から税額控除できる制度で、年末の住宅ローン残高の1%が税控除できます。住宅ローン控除は夫婦それぞれが、自身の住宅ローンの残高に対して利用できます。しかし夫(共有者)が病気などで仕事を辞めざるをえなくて収入が無くなるようなことや将来的にあなたが出産などで仕事を辞めるなど、ライフスタイルの変化も考えられます。この場合、住宅ローン控除は使えなくなる可能性があるので要検討です。売却時の特別控除を二重に受けられる不動産を売却するときには、なんと3,000万円が控除されます(居住用財産の買換えの特例)。通常だと3,000万円しか控除できませんが、不動産を夫婦2人の名義で購入した場合は、これが6,000万円となります。不動産を売却した時に利益が出れば、税金がかかります。この際にかかる税金6,000万円分のは支払わなくて済むといった制度です。まとめいかがでしたか。共有持分にする場合、片方が病気になって収入減がなくなるなどといったことを考慮しなければなりません。しかし将来(さき)のことは分かりません。デメリットなどを考慮して不動産を選ぶよりも、購入資金や住宅ローンの支払いに少しでも余裕が持てる物件を選ぶことが肝心だといえるでしょう。
2018年03月04日「この4月から、生命保険などの保険料の基準となる『標準生命表』が11年ぶりに改定されます。標準生命とは、1年間に亡くなる人の割合を性別や年齢別に予測して『標準死亡率(以下・死亡率)』を定めるものです」 そう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。たとえば、女性が50歳で亡くなる割合は、’07年には1,000人中2.16人だったが、今回は1.97人になった。寿命がさらに延びたことで、死亡率も下がったのだ。生命保険は、この死亡率を基に保険料を決めている。 「死亡率が低下すれば、保険期間に亡くなる人が減り、保険会社が払う死亡保険金は減ります。このため、たとえば10年定期の保険料は5〜10%下がると予想されています。実際、日本生命は保険料を最大2割、引き下げる方針です」 ただ今回の改定は、新規加入か、契約更新の人が対象。本誌読者世代で、影響を受ける人は少ないと思われる。そこで、本誌読者世代のライフイベントである“子どもが社会人になる”タイミングで、比較的簡単に保険を見直す方法を荻原さんが教えてくれた。 【1】生命保険は定期保険を解約 「現役会社員の夫が亡くなった場合、残された妻には遺族厚生年金が支給されます。支給額は、夫が受け取るはずの厚生年金の4分の3相当です。また、住宅ローンも保険で完済されます。妻が多少働けば、生活は問題ないでしょう。しかし、これだけでは足りないのが教育費です。そのための生命保険ですが、子どもが就職したら教育費はもう要りません。すなわち、大きな保障も不要になります。そこで、『定期保険付き終身保険』の定期保険だけを解約しましょう。これで、月々の保険料がぐっと安くなります。残した終身保険は、死亡保険金が300〜500万円だと思います。葬式費用などには十分な金額ではないでしょうか」 【2】医療保険は入院日額を再考 「老齢になるほど病気がちになるので、大きな医療保険が必要ではと考える方がいます。しかし、国の高額療養費制度も、老齢になるほど負担が減る設計になっています。高額療養費制度は、年齢や収入などによって、月々の医療費の負担上限が決められており、それを超えて支払った医療費は、申請すれば払い戻しが受けられます。負担上限は、70歳未満の一般的な収入の方なら、月約9万円です。ところが、定年退職し、収入がなくなって住民税が非課税になると、上限は月3万5,400円に引き下げられます。さらに、70歳以上になると、一般的な年金額の方なら、入院も含む負担上限は月2万4,600円。通院だけなら、月8,000円までの負担です」 こうした国の制度を利用する前提で、「入院日額を見直しましょう」と荻原さん。 「高齢になるほど大きな額は要らないと思います。保険は一度見直すと、節約効果が長く続きます。大きすぎる保障は外し、老後のための貯蓄に回しましょう」
2018年03月02日もしかして、定期預金を放置していませんか?超低金利時代にそれは「もったいない」の極致。高リスクの投資でなくても“価値を上げる”方法はあるのです。仮に100万円があったとしたらーー。 「現在、空前の低金利です。一昔前の金融商品のように、複利計算で年利3%あれば、お金を預けただけで、24年後には倍に増えていました。ところが今の普通預金の金利は、わずか0.001%です。預けたお金が倍に増えるまでに、なんと7万2000年もかかってしまいます。たとえ100万円というまとまったお金を預けても、1年の利息はわずか10円。“これでは預けても意味がない”と、タンス預金にする人も多いでしょう。しかし、お金は手元に置くだけでは“成長”しません。工夫が必要なのです」 そう力説するのは、『図解でわかる!投資信託』(秀和システム)など多数の著書がある、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんだ。生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんは、このようにアドバイスする。 「お金は、預け場所を変更するだけ、まとめて払うだけで、得するケースが多い。今は元本割れをしない金融商品や投資といっても、安全に運用できる投資信託商品もありますので、まずはそういった情報を得ることが大事です」 そこで今回、手元に“100万円のへそくり”があると仮定して、柏木さんに実利重視で考えたその「お金の生かし方」を解説してもらった。 住宅ローンを組んで10年以内であれば、まだまだ月の返済額のうち、元本よりも利息に支払う率が高い。 「繰上げ返済は、支払額がそのまま元本に充てられ、その期間の利息は免除されるしくみ。100万円ほどの繰上げ返済は、条件によっては、どんな金融商品よりも割がいいと言えます」(柏木さん・以下同) では“期間短縮型”の元利均等方式で、どれほど得をするのか、柏木さんに試算してもらった。 「2,500万円で、35年、金利2.5%の住宅ローンで、借り入れ3年後に100万円を『期間短縮型』で繰上げ返済したケースでは、毎月の返済金額は変わりませんが、2年間も返済期間が減り、支払い利息が約115万7,000円も減額になりました」 当然、多くの金融機関ではその手数料も考慮しなければならないが……。 「新生銀行やソニー銀行など、今は手数料が無料の金融機関もあります。とくに楽天銀行は、手数料が無料なうえに、10万円という無理のない少額から繰上げ返済が可能です」
2018年02月28日39歳でがんのため亡くなった息子の死から8年、息子が借りた奨学金の一括返還を求める督促状が、保証人だった父親に突然届いた。死後にも延滞金が加算され、請求総額は265万円に――。 奨学金が返済できず、「自己破産」する人が過去5年間で延べ1万5,000人にのぼったと、2月12日「朝日新聞」が報道した。破産した人のうち半数は、保証人の親や親族だった。 「学生の2人に1人が利用しているといわれる『日本学生支援機構』の奨学金は、大部分が『貸与型』。つまり返済が長期にわたる“借金”です。また住宅ローンなどと違い、返済能力がわからないときに借りるため、返済不可能となるリスクがとても高いんです」 そう語るのは、’13年「奨学金問題対策全国会議」を設立し、著書に『「奨学金」地獄』がある岩重佳治弁護士だ。 「『借りたら返すのが当然』という声もありますが、この問題は個人の力で解決できるものではありません。『学費の高騰』『親の収入の減少』『雇用崩壊』といった、社会的要因が引き起こしているのです」(岩重さん・以下同) 文部科学省のデータによると、約40年前と比較して国立大学の初年度費用はおよそ73万円、私大は85万円も高騰している。いっぽうで、親からの仕送りは減少しているという。 「’00年から’12年の間で仕送りの額は、年間30万円ほど下がっています。仕送りのない学生は、何らかの奨学金を利用しないと暮らせません。学費を払うためバイトに明け暮れて体を壊す人、風俗で働く女性もいます」 なんとか大学を卒業しても、もし奨学金を最大月に12万円を4年間借りていた場合、金利を上限の年3%とすると、負債総額は883万円に。巨大な負債を抱えて、社会に出ることになるのだ。 「正社員になっても、過酷な労働環境や低賃金で不安定な仕事につくしかない人も多い。返済を延滞する人たちの8割が年収300万円以下。それで毎月数万円の返済を迫られるのはたいへんきついんです」 さらに追い打ちをかけるのが、日本学生支援機構からの厳しい“取り立て”。もし返済の延滞が4カ月になると債権回収業者による回収が始まり、9カ月を超えると、督促という裁判所からの法的手続きに入る。 「本人が返せないなら、冒頭の例のように連帯保証人へ取り立ては続きます。支払いができない人が自己破産をしようとしても、保証人へ請求がいってしまうことをおそれて、無理な支払いを続けるケースが後を絶ちません」 のしかかり続ける“返済”の重荷。こうした事態を避ける方法はあるのだろうか。岩重さんはこう語る。 「『自己破産』も人間らしい暮らしを続けるためのひとつの手段です。ただ奨学金を利用する際は、返済の必要がない『給付型奨学金』と、『機関保証』の検討が大事です。自治体や志望校、民間企業が取り組む『給付型』は、『成績優秀者』『指定校のみ』など条件が厳しいものが多く“狭き門”というのが現状ですが、自分に合うものがないか探してみてください」 給付制度の多くは月2万~3万円と、食費程度の給付額だが、助けになることは事実。なかには、「朝日奨学会」による「4年で最大520万円給付」など、大きな額を補助してもらえるものもある。経済状況によっては「給付型」と「貸与型」を併用する必要がある人も多いだろう。 「『貸与型』の奨学金を申し込むときは、連帯保証人と4親等以内の親族の保証人を立てる『人的保証』と、返済できない場合、保証会社に肩代わりしてもらう『機関保証』のどちらかを選びます。その際、親や親戚が保証人になる『人的保証』を選ぶのは避け、『機関保証』を選んでほしい。それは、家族や親族まで共倒れしてしまうことを防ぐためです。甥や姪、また子どもの結婚相手になる人が返済に困っているかもしれない。その人たちが『人的保証』を選んでいた場合、取り立てが自分のところまでやってくる可能性はゼロではないんです」 また救済措置のひとつとして、地元に“Uターン就職”した人に対し「奨学金返還助成制度」をもうける地方自治体もある。「Uターン」だけにとどまらず、出身県ではない地方への移住者も対象の場合があるので、各自治体の取り組みを調べるのも有効だ。 「奨学金を借りる場合には、子どもとよく話し合い、総額いくらになるか、卒業後、毎月の返済がいくらで何年続くのか、きちんとリスクも話し合ってほしいと思います」 これらの救済制度は、まだまだ認知度が低いと岩松さんは語る。「給付型」の拡充も含め、既存の制度を見直していかなければ、“奨学金地獄”の根本的な解決は遠いようだ。
2018年02月25日奨学金が返済できず、「自己破産」する人が過去5年間で延べ1万5,000人にのぼったと、2月12日「朝日新聞」が報道した。破産した人のうち半数は、保証人の親や親族だった。 「学生の2人に1人が利用しているといわれる『日本学生支援機構』の奨学金は、大部分が『貸与型』。つまり返済が長期にわたる“借金”です。また住宅ローンなどと違い、返済能力がわからないときに借りるため、返済不可能となるリスクがとても高いんです」 そう話すのは、’13年「奨学金問題対策全国会議」を設立し、著書に『「奨学金」地獄』がある岩重佳治弁護士だ。 「『借りたら返すのが当然』という声もありますが、この問題は個人の力で解決できるものではありません。『学費の高騰』『親の収入の減少』『雇用崩壊』といった、社会的要因が引き起こしているのです」(岩重さん) “奨学金地獄”という事態を避ける方法として、岩重さんは返済の必要がない「給付型奨学金」を勧めている。「給付型」の奨学金は、おもに民間企業や記念財団などが行っている。 《トヨタ女性技術者育成基金》では、将来ものづくりに関わるエンジニアをめざす女子学生(理系1年)に月5万円を、《鷹野学術振興財団》は、科学技術関係の学部や大学院生に向けて年60万円を給付している。 体育学を専攻し、スポーツ種目で自他ともに認める力量を有していることなどを条件に、月5万円以内(1年)を給付しているのは、《ヨネックススポーツ振興財団》。外食、ホテル、観光、医療・福祉などのホスピタリティ産業に就きたい学生に月2万円の給付をする《江頭ホスピタリティ事業振興財団》もある。 50年を迎える歴史がある《朝日奨学会》。新聞配達をしながら最大4年で520万円(ほかに給料を支給・冷暖房完備の部屋を無料で提供)を給付するという制度で、これまで9万3,000人もの学生が制度を利用しているという実績も。 いずれも条件が付いているが、国内には1万を超える独自の奨学金があるので、自分に合った制度がある可能性は高い。 また、地方自治体のなかには、“奨学金地獄”問題を解決するため、独自の支援策を展開しているところがある。 支援策の多くは、大卒者などの地方定住による“地域創生”を狙った「奨学金返還支援制度」で、現在、20県が運営している。 たとえば、富山県では《富山県奨学金返還助成制度》を’16年にスタート。県内の指定企業に就職することを条件に、奨学金を最大全額肩代わりしてくれる。ただし、その対象は理工系の大学院生や薬学部生にとどまる。 対象者の条件をぐんと広げたのが、秋田県の県内就職者(’17年4月以降)に向けた《奨学金返還助成制度》。 「県内の民間企業に就職する奨学金を返還する学生のほぼすべてに対して、最大で3年間60万円を援助します。他県の制度よりも、条件がゆるく、募集人員の制限がなく、正規雇用以外の方や既卒者も対象にしているのが特徴です」(あきた未来創造部担当者) 前出の岩重さんは、「給付型奨学金」についてこう語る。 「自治体や志望校、民間企業が取り組む『給付型』は、『成績優秀者』『指定校のみ』など条件が厳しいものが多く“狭き門”というのが現状ですが、自分に合うものがないか探してみてください」
2018年02月25日「リンネル」が住宅をプロデュース株式会社宝島社が発行する女性誌「リンネル」が、住宅のプロデュースを行うことが発表されました。南欧風住宅メーカー、カーサプロジェクト株式会社からの依頼を受け実現したものです。「心地よい暮らしと装い」をメインテーマに、背伸びをせずに自分らしく暮らすための情報を発信する同誌が、その世界観を詰め込んだ住宅を作るプロジェクト。北欧のデザインと機能美が散りばめられた、誰もが快適に暮らせる住宅を目指しています。目指すは人が集う家「リンネルコラボハウス」には、水回りに施されるタイルやフリースペース、多機能な広いエントランスなど、これまでの住宅の概念にとらわれない「リンネル」らしさが満載。家族や友人がついつい集まりたくなる、居心地の良い家を理想としています。コラボハウスの詳細については、2018年2月20日発売の「リンネル」4月号に掲載中。今後の展開にも注目です。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社宝島社のプレスリリース(PR TIMES)
2018年02月24日家族が増えるタイミングで賃貸から家を購入する人は多いようです。家を購入するにあたり、マンションかそれとも戸建てかを選択するのも大事な検討事項ですね。ここでは、賃貸から戸建てを購入した男性に決め手や妥協点をお聞きしました。家購入の参考にしてみてはいかがでしょうか。賃貸から戸建ての購入した理由私が戸建てを購入することにしたのは30歳を過ぎて子供ができたことです。今まではずっと社会人になる前から賃貸で暮らしていました。大学生の時も賃貸、社会人になってからも賃貸、同棲、結婚とずっと賃貸で住んでいました。戸建てを購入することになったのは、祖父が亡くなって、家が取り壊しになり、土地だけ余っていたことも大きな要因です。親から土地を借りて、自分は上物(建物)だけを建てればよい状況だったので、一つそれはメリットでした。初めにお伝えした通り、子供ができた事が何よりのきっかけです。子供がいるのに当時は、家賃5万8千円払って駅から近い40平米の部屋に住んでいました。これは1LDKだったので、なかなか狭いです。子供が1歳でばたばた走り回るときでしたが、なかなか部屋のなかを走り回れる状況でもありませんでした。このまま大きい部屋に超すなら、賃貸よりも購入したほうがメリットが多いのではないかと考えたのがそもそもの始まりです。低金利の現在は住宅ローンにメリットが多い私がローンを組んだ平成30年は低金利の時代です。昔、父親が住宅ローンを借りたときの金利を見せてもらいましたが、3.5%でした。これはフラット35という全期間固定ローンを組んだ時の金利のようですが、非常に比べると高いと思います。例えばの試算で出してみましたが、35年間のローンを1つは1.1%の全期間固定金利、もう1つは3.5%の全期間固定金利で3000万円を借りた場合の総支払額を計算してみました。なんと総額1千300万円も支払額が違いました。もちろん3000万円も借りない人もいると思いますし、途中で繰り上げ返済をする人もいると思います。大きく金額は変動すると思いますが、大体子供1人育てるのに1千万円かかるといわれていますよね。これだけ違えば、給料も違うかもしれませんが住宅ローンを今借りるのは昔と比べるといいと思えるのではないでしょうか。マンションではなく戸建てを選んだ理由住宅を購入するにあたって、マンションではなくて戸建てを購入しました。はっきり言って、将来売却することを考えたら、戸建てより駅に近い築浅のマンションを買ったほうが良いと思います。将来的に資産として必要なくなった時、子供が大きくなってそんなに大きい部屋はいらなくなった時にマンションであれば値段もそこまで下がらず転売することができます。もちろん戸建てもできますが、値下がりがあまりしないのはマンションでしょう。ただ、戸建てはメリットも人によってはあります。何より、庭を持てること、音を気にしないで生活できることです。購入の仕方にもよりますが、注文住宅であれば戸建てなら自分の好きなように設計できます。私は土地があったので戸建てがベストの選択でしたが、どちらを選ぶかはその人によって変わってくると思います。子供にとって良い環境で育てたい戸建てやマンションを購入する場合には、生活環境をしっかりと検討してから購入に踏み切ったほうがいいと思います。まずは、治安。まったく知らない土地であれば難しいかもしれませんが、例えば警察などの友人がいれば聞いてみるのも手です。市役所などに治安について、検討しているエリアを聞いてみるのも必要です。家は一生で一番大きな買い物なので、不動産会社の言う通りに進んでいって、買った後に後悔するのはよくないです。私は子供を良い環境で育てたいと思って戸建てに庭付きを検討しました。子供の時からのびのびした環境で育てたい。そうゆう思いで戸建てを購入することになりました。意外とかかる諸経費が多いのは注意が必要購入するにあたって最も注意してほしいのは、住宅ローンをどうゆう考え方で借りるかということです。単純に今の家賃が5万円だから月額の返済は6万円ならそこまで変わらないから返済できるだろう。という安易な考え方は非常に危険です。これは、仕組みを考えればよく分かるのですが、ローンを組んで家を購入した後は必要なのはローンの返済だけではありません。例えば、固定資産税、修繕費用の積み立てです。これらは賃貸で入居している場合は必要ありませんが、戸建てもマンションも必要になる金額です。月々にすると大まかにそれぞれ1万円位でした。私の場合はこれも考慮して、ローンの金額を組みました。不動産会社に言われるままにローンを35年で借りられる額を全部借り入れしていませんか。非常に危険な考え方になるので、住宅ローンを借りて返せないという事がないように注意が必要です。家電なども購入することになってかなりの費用がかかりますので注意が必要です。妥協した点妥協したポイントはいくつかありますが、まずは建物の大きさです。土地の大きさに対して建物を大きくすればするほど、床面積がおおきくなるので高い建物になります。また、維持費もかかるのでそこを抑えるためにも小さめの家にしました。また、車庫も建物と一体化した場合を想定していましたがその場合は金額が高くなるということで外付けの車庫にしました。カップボードも既製品の高いのをあきらめてDIYすることにしました。自分で作れば安くなります。お金がない人も色々と妥協することで、良い家を建てられると思います。
2018年02月24日住宅ローンの繰り上げ返済とは、住宅ローンを契約していた返済計画を前倒して返済をすることで利息の支払額を抑える方法のことです。 この住宅ローンのの繰り上げ返済の方法には2種類の方法があります。それぞれの方法によって、利息の削減の効果が異なる一方で、今後の返済計画も大きく変わりますので、自分自身のライフスタイルにあった方法を選びましょう。まず、一つ目は、月々の返済額は同じ額のまま、残りの返済期間を短くすることによって利息の支払い額を抑える「期間短縮型」があります。 そして二つ目が、残りの返済期間は同じ期間のまま、月々の返済金額を少なくすることで利息の支払額を抑える「返済額軽減型」の2種類があります。どちらの場合でも、当初住宅ローンを契約していた際に予定されていた支払利息よりは金利負担を減らすことができます。それでは具体的に「期間短縮型」と「返済額軽減型」のそれぞれの繰り上げ返済の方法を解説し、どちらの方がより多くの利息の支払い額を減らすことができるのかや、それぞれの繰り上げ返済の方法のメリット・デメリットを解説していきます。月々の返済額がラクになる「返済額軽減型」返済額軽減型は、繰り上げ返済をした金額を毎月の返済額に充当する方法になります。つまり、毎月の返済額が少しずつ安くなるようになるため、利息の減少額も少なくなるのです。例えば、住宅ローンの金額が1,000万円で10年のローンがあった場合、100万円の繰り上げ返済を返済額軽減型で行ったとします。その場合1年目の返済額から10年目の返済額までが毎月均等に安くなるのです。そのため、実質的に「前倒し」で返済できている期間や金額としてはあまり多くはありません。返済額軽減型のメリットとしては、やはり月々の返済が楽になるという事で生活面が楽になるのが最大のメリットです。特に住宅ローンの返済は毎月固定の金額になるため、その返済額を少しでも低くすることができれば生活面でも余裕が出てきます。また、繰り上げ返済を行ったばかりの場合は貯金を取り崩しているケースもあるため、生活に余裕がないケースが多くなっています。そのようなことを踏まえると、返済額軽減型は月々の返済額をラクにしてくれながら、住宅ローンの利息の総支払額も軽減される、バランスの良い繰り上げ返済の方法といえます。大きく返済額を減らせる「期間短縮型」次に月々の返済額は変えずに期間を短縮する期間短縮型について解説をします。期間短縮型については繰り上げ返済分を残りの借入期間から短くする方法です。例えば、住宅ローンの金額が1000万円で10年だと仮定した場合、繰り上げ返済で100万円を「期間短縮型」で返済した場合には、毎月の返済額は変わらい代わりに約1年ほど返済期間が短くなります。つまり、この「期間短縮型」の場合は繰り上げ返済を行った100万円の金額の約10年分の金利を丸ごと支払う必要がなくなるのです。その結果、小分けで毎月少しずつ安くする「返済額軽減型」と比べると利息の支払い額を大きく減らせるため、期間短縮型の方が有利になるのです。次に期間短縮型のメリット・デメリットについて解説します。期間短縮型のメリットについては何といっても金利の削減効果が大きいことです。大きく利息の支払い額を減らすことができるため非常に有利に住宅ローンの返済を進めることができます。一方で期間短縮型のデメリットとしては、月々の返済額は変わらないことから繰り上げ返済をしているにもかかわらず生活面での余裕はあまり生まれてきません。むしろ、住宅ローンの繰り上げ返済をする際に貯金を取り崩すことがあるため、期間短縮型で返済をすると一気に家計に余裕がなくなってしまうデメリットがあります。繰り上げ返済をするときは住宅ローン減税のタイミングも考えよう!また、繰り上げ返済をするときにはここで紹介をした繰り上げ返済の方法だけではなく、繰り上げ返済のタイミングも考えましょう。というのも、繰り上げ返済を行った場合には期間短縮型や返済額軽減型のどちら場合でも「住宅ローン減税」の減税額が少なくなってしまうため、注意しましょう。住宅ローン減税は、その年末の住宅ローンの残額が減税の基準になります。そのため住宅ローンの残高が多ければ多いほど減税額も多くなり、住宅ローンの残高が少なければ少ないほど減税額も少なくなるのです。これらの点を踏まえて、住宅ローン減税を使うといくら減税されるのか、そして繰り上げ返済をすることでいくら金利の支払額が減るのかをシミュレーションを行って、繰り上げ返済を行うようにしましょう。また、一般的には住宅ローン減税には10年間という期間がありますので、その10年を超えたタイミングで一気に繰り上げ返済をするのが最も有利なタイミングと言われています。ただし、人によっては住宅ローン減税の減税額をフルに使えていない人などもいるため、自身がどれだけ住宅ローン減税の恩恵を享受出来ているのかなどを確認するようにしましょう。最後にこの記事では繰り上げ返済の方法である「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類を解説しました。また、「期間短縮型」の方が金利の支払いを大きく減らせて有利に繰り上げ返済ができると解説してきました。ただ結局のところ、期間短縮型の方が支払計画が大変になりますので、どちらの方法がトクするのか、損をするのかと言うわけではありません。「期間短縮型」の方が早く多額の住宅ローン分を返済しているため、利息の減少額も多額になっているに過ぎません。そのため、どちらがトクなのか、損なのかではなく、自分の人生設計においてどちらが良いのかという軸で「期間短縮型」と「返済額軽減型」を選ぶようにしましょう。
2018年02月23日サラリーマンは「年末調整」をしているから「確定申告」は関係ないと考える人も多くいますが、実はサラリーマンでも「確定申告」をすることで税金が戻ってくることがあります。そこで、この記事ではサラリーマンが忘れがちな「確定申告」について解説をします。【1】 医療費控除1年間(1月1日〜12月31日までの1年間)のうち、病気や怪我、手術などで病院へ支払った治療費が一定金額以上を超えた場合に、所得から差し引くことによってその分税金が戻ってくる制度が医療費控除です。この医療費控除は自身だけでなく、生計を共にしている家族が支払った医療費もまとめて対象となるため、医療費の明細書や領収書などは取っておくようにしましょう。所得から差し引かれる医療費の目安は「1年間の医療費が10万円を超えている」か「医療費が10万円以下だが、医療費の金額が所得の5%を超えている」かのどちらかとなります。目安としては1年間の医療費が10万円程度支払った人であれば医療費控除の対象となる可能性がありますので、自分が対象になるのか、いくら返ってくるのかが気になる人は確定申告の時期(2月中旬〜3月中旬)に税務署へ相談すると良いでしょう。【2】 セルフメディケーション税制また、医療費控除の特例として平成29年から新しい制度である「セルフメディケーション税制」が導入されました。この制度は今まで医療費控除の対象とならなかったドラッグストアなどで販売されている「市販薬」の年間購入額が1万2,000円を超えている人が利用できる制度となっています。この市販薬の定義には決まりがありますので、該当する「市販薬」かどうかは確認する必要がありますが、「市販薬」を年間1万2,000円以上購入している人であれば、この制度の対象となる可能性があるため、確認をしましょう。また、セルフメディケーション税制においては、従来の医療費控除制度と同時に利用することはできませんので、注意が必要です。【3】 初回の住宅ローン控除サラリーマンが住宅ローン控除を行う場合、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除を行う事ができますが、初回の住宅ローン控除の手続きだけは確定申告を行わなければなりません。必要な書類としては「住宅ローンの年末残高証明書」と「住民票の写し」「土地や建物の契約書のコピー」「土地や建物の登記事項全部証明書」となっています。このうち、「住民票の写し」以外は銀行や不動産会社などから貰う書類となっています。基本的には住宅の購入時に営業マンなどから案内があるはずですが、案内などがない場合には自分で必要書類を確認して、確定申告の時期に税務署へ相談をするようにしましょう。また、上記の他にも購入した住宅によって、証明書などが必要になるケースがありますので、その場合には不動産会社に確認をするようにしましょう。【4】 投資での損失その他にサラリーマンが忘れがちな確定申告の項目としては「株式」や「投資信託」などで損失が発生した場合、その損失を翌年以降に繰り越して「株式等譲渡所得」から控除することが出来る制度です。これは、「株式」や「投資信託」などで損失を出してしまったときに確定申告をしっかりとしていれば、翌年に「株式」や「投資信託」などで利益が出た場合、その損失の分を控除することができる制度となっています。投資をする場合に利益が出た場合には、確定申告をしなければいけないと考えている人は多くいますが、損失を出したときに確定申告をする人はそこまで多くはありませんので、忘れがちな項目といえます。また、注意点としては、3年間損失を繰り越すことが出来るのですが、その間に取引が行われていない年があったとしても、その年も確定申告を行うことが必要ということです。【5】 年末調整をしていない人また、年末調整を忘れていた人や転職などの事情があり年末調整が出来なかった人も確定申告をすることによって、税金が戻ってきますので確定申告をしましょう。通常、年末調整で手続きを行っている「生命保険料控除」や「地震保険料控除」「住宅ローン控除」などは全て確定申告でも申告できますので、年末調整を忘れてしまった人は確定申告をするようにしましょう。特に年末調整が終わった後に「保険料の控除証明書が後日出てきた」というケースなどの場合でも年末調整では間に合わなくても確定申告で控除できるため、そのような場合には確定申告をしましょう。また、サラリーマンが忘れがちなのが「無職やアルバイト期間中などで国民健康保険や国民年金などを自分で支払った場合」は控除が漏れるケースが非常に多くなっています。特に確定申告の前年に転職をした人は、よく確認をしましょう。【6】 自然災害や盗難などの被害に遭った人地震や集中豪雨、台風などの自然災害に遭った場合や空き巣などの盗難被害に遭った場合も、その損失額を確定申告によって申告をすることによって所得が控除され、税金が返ってくることがあります。また、火災や盗難などでも控除されますので、そのような被害にあったのであれば確定申告をして少しでも税金を安くして被害を和らげるようにしましょう。最後にこの記事では、サラリーマンが忘れがちな確定申告の項目について取りあげました。「サラリーマンだから確定申告は関係ない」と考えるのではなく、サラリーマンでも確定申告に興味をもって、確定申告の時期には自分自身が確定申告によって、税金が戻ってくるかどうかを確認するようにしましょう。
2018年02月22日「念願だったマイホームをいよいよ購入したい!」そんなときに考えるのが住宅ローンですよね。もともと、住宅ローンの借り主の多くは夫でした。しかし共働きが一般的である今、さまざまな借りかたがあるのをご存知ですか?今回は「共働き夫婦のため」の住宅ローンについてご紹介します。 1. 共働き夫婦の住宅ローンは3種類共働き夫婦の住宅ローンには、「連帯保証」・「連帯債務」・「ペアローン」があります。主の債務者を「夫」としたこの3つの特徴は以下のとおり。連帯保証夫婦の収入を合わせた「収入合算」で、夫が住宅ローンを組む債務者となり、妻が連帯保証人になります。夫の返済が滞った場合は、妻に返済の義務が生じます。連帯債務夫婦の収入を合わせた「収入合算」で、夫が主債務者となり、妻が連帯債務者となります。住宅ローンを夫婦で借りる形になるので、夫婦どちらも同額の返済義務を負うことになります。ペアローン夫婦がそれぞれ別の住宅ローンを組みます。夫のローンの連帯保証人は妻となり、妻のローンの連帯保証人は夫となります。返済が滞った場合は、連帯保証人に返済の義務が生じます。 2. それぞれのメリット・デメリット3種類の借りかたのメリット・デメリットをご紹介します。 連帯保証メリット一人では借りられない額の住宅ローンも、収入合算することで借りられるデメリット住宅ローン控除は債務者だけが受けられる団体信用生命保険は債務者だけが加入できる住宅ローンを借りた分の所有権は債務者のみ※団体信用生命保険とは、住宅ローン専用の生命保険のことです。債務者が返済中に死亡したり、高度障害状態(介護が常に必要など、日常生活が極めて困難になった状態)の際に、保険金として住宅ローンの残額分が金融機関に支払われます。つまり、この場合は連帯保証人に万が一の事があっても、保険金は支払われません。 連帯債務メリットひとりでは借りられない額の住宅ローンも、収入合算することで借りられる住宅ローン控除が夫婦ともに受けられる所有権はそれぞれ持つことができる必要な書類や手数料は1人分だけデメリット団体信用生命保険は債務者だけが加入できる(夫婦加入が可能のローンもある)民間金融機関では取り扱っている金融機関が極めて少ない ペアローン メリット夫婦それぞれ住宅ローン控除が受けられる団体信用生命保険も夫婦それぞれ適用される所有権はそれぞれ持つことができるデメリットローンを2本組むため、作業と諸費用が倍になる離婚したときに、名義や残高処理等が複雑・片方が死亡した場合、自分の分のローンは残る(※ただし、団体信用生命保険に特約をつけることで、夫婦どちらかが死亡した際に住宅ローンの残高がなくなることも可能。金利等や名称は取扱金融機関によって異なります) 3. 「片方の収入がなくなった」「離婚した」ときは住宅ローンは30年近くも一緒に払っていくもの。一方で、暮らしていく上で必ずしも収入が一定とは限らないのが「夫婦」ですよね。夫婦で住宅ローンを考えているのなら、必ずそういったことも話し合った上で決めるようにしましょう。子育てに専念したいから仕事をお休み、またはパートなどにしたいとき、はたまた離婚したら、それぞれの借りかたはどのように変化するのでしょうか。妻が育休・仕事を辞めた「連帯債務」と「ペアローン」の場合妻が税金を納めていないと住宅ローンの控除が受けられません。育休の場合は復帰すれば再び受けられるようになりますが、仕事をセーブすると控除額も少なくなります。さらに妻が退職した際には、夫が妻名義の分も返済することになるため、贈与税の課税対象となる恐れも。それを避けるために登記の持分変更をしたり、住宅ローンの借り換えをすることも可能ですが、手間も費用もかかります。離婚した離婚をしても、住宅ローンの契約に変更はありません。連帯保証の場合元夫の支払いが滞ると、連帯保証人である元妻に返済請求が届きます。連帯債務の場合元夫と元妻どちらも、借り入れ全額の債務を負うことは変わりません。また住宅ローン名義は解消されないため、家を独断で売却できません。ペアローンの場合自分がローンを支払っていても、元夫もしくは元妻の住宅ローンの返済が滞ると、連帯保証人である自分に返済請求が届きます。離婚が決まったら、上記のことを避けるために家を売却して住宅ローンを完済させる、ペアローンは1つのローンに借り換えをするなど、夫婦で話し合っていく必要があります。 ひとりでは希望額が借りられなかったとしても、共働き夫婦で住宅ローンを契約することで借入額を増やすことができます。ただし、「妻が働けなくなる」「離婚する」などの理由で、多く借りられたローンによって支払いが苦しくなってしまうといったリスクがあることを忘れてはいけません。「夫婦で住宅ローンを」と考えているのなら、さまざまなパターンを想定しながら、夫婦に合った借り入れ方法を選択してくださいね。 参照: 共働き夫婦のための住宅ローン講座(1)我が家はどうする?基本編共働き夫婦が賢く住宅ローンを借りる方法団体信用生命保険(団信)の特約は付けるべき?扶養に入っても住宅ローン控除は受けられる?退職の可能性視野に選択共働き夫婦の住宅ローン共稼ぎ世帯に人気の収入合算・ペアローン。デメリットが多いって本当?
2018年02月20日連日ニュースなどで騒がれている「不倫」ですが、自分の身に起こらないとは限りません。考えたくないけど、もしかしたら夫が不倫しているかも……なんとなく女の勘が働くときってありますよね。もしも怪しいことがあったら、「夫に不倫されたら別れるか・別れないか」を今のうちから考えてみましょう。 1. 本当に夫が不倫していたらもし本当にそんなことがあった場合、自分が別れたいかどうかを今のうちに考えておきましょう。具体的に「別れる・別れない」をイメージして、これからの生活を思い浮かべてみると、わかりやすいかもしれません。子どものこと別れたら子どもが悲しむ、でも別れず喧嘩ばかりしたら子どもに悪影響かも。お金のこと別れたら子どもを引き取ってシンママでやっていけるか。将来子どもの希望する進路まで行かせることができるか。養育費は払ってくれるだろうか。世間体別れたら離婚歴ができてしまう。両親や友人はどんな反応をするか。苗字や住所を変えなければいけない。自分の幸せのこと別れて自由になったほうが幸せか、許して一緒に暮らしたほうが幸せか。しかし、自分と子どものことを裏切った人と一緒になれるだろうか。ストレスはどのように解消される?別れたらこのストレスもスッキリするのだろうか。別れず夫婦でぶつかり合えば、いつかは許せる日が来るだろうか。冷静なときだからこそ考えられることはたくさんあります。 2. 「もし不倫していたら別れたい」と思った場合さまざまなことを考慮した上で「別れたい」と思ったら、万が一のときのために、今のうちにできること、準備できることを考えておきましょう。子どもを引き取った場合育てられる?まずどこに住むかがポイントですね。頼れる実家があるのか、それとも子どもを転校させないためにも近場で暮らすのか。また、子どもが「父親」の存在を求めたときにどうするのか、どう説明するのかも考えておく必要があります。財産の整理はできている?離婚をしたら、共有財産を清算する「財産分与」を行います。これをきっちりしておかないと、もらえるはずのお金ももらえなくなります。夫婦どちらかの名義の口座や車・家電や家具などが対象なので、整理しておきましょう。住宅ローンがある場合、誰が払うのか、名義は誰にするのかも問題になってきます。自分に安定的な職はあるかこれからは一馬力で子どもを養わなければいけません。専業主婦のかたや扶養内のパートのかたは、これから安定した職に就けるかが非常に重要です。土日祝が休みかどうか、融通か利くかどうかもチェックポイント。条件の良いところがなければ、子どもの預け先も確保する必要があります。公的支援について子どもをひとりで育てるとなったときには、さまざまな公的支援を受けることができます。お金・就職・住む所・生活のことなどあるので、ぜひそういった支援について勉強しておきましょう。 3. 「別れたくない」と思った場合現実的に離婚は難しい、まだ夫に情があるなどで「別れたくない」と思ったときは、自分の気持ちの整理をする必要があります。不倫は、なかったことにできませんよね。イチから夫婦関係を作り直していくことになります。もしかしたらマイナスからかもしれません。夫とは毎日顔を合わせるので、日々ストレスも積み重なりますし、ふとした瞬間に思い出してしまうことも。そんな「夫から裏切られた」という思いを、癒やすことはできるのでしょうか。また、夫への愛情を保つことができるのでしょうか。仮面夫婦とならないのでしょうか。他の人たちはどのように精神的なケアをやってきたのかご紹介します。どこかに吐きだすカウンセラーなどの第三者やノートに、自分の気持ちを吐きだしてみてはいかがでしょうか。相談や解決策などを求めず、今の気持ちを吐露していっぱい泣きましょう。「夫を許すことができない」という自分の心情を、正直に話すことも大切です。時間が薬「早く立ち直らなきゃ」「今まで通りにしなきゃ」と焦っても、気持ちがついていかないと苦しいだけ。いつかまた夫婦で笑い合える日がくることを願って、今は自分を大切にしましょう。当時は心に響かなかった言葉やアドバイスも、月日が経ってから聞いてみると気持ちが落ち着くこともあります。気分転換をするなにか夢中になれるものが見つかると良いですね。裁縫やゲーム、スポーツなど。ぼーっとしていてもできるものや、時間を忘れられるほど熱中するものに出会えると、嫌なことを考えてしまう時間を少しでも減らすことができます。子どもを愛する子どもの存在は大きいですよね。それはきっと夫も同じはず。子どもから癒しパワーをたくさんもらいましょう。子どもの笑顔を見ると、前向きな気持ちになれるかも。 別れると決めたのなら、その覚悟と準備がなによりも大切です。考えることや決めることはたくさんあるので、漏れのないように念入りにしましょう。別れないと決めたのなら、自分の気持ちとどう向き合っていくのかを考えて。どちらにしても、納得のいく形で解決すると良いですね。 参考:財産分与公的支援など
2018年02月17日家を建てる際には、建物本体の建築費の他に「別途付帯工事」と「諸費用」が必要になります。家づくりの予算にも大きくかかわるこの費用はどのような内訳でどれくらいかかるものでしょうか。ここでは、別途付帯工事、諸費用の主な内訳と費用の目安について紹介します。家を建てるには本体建築費以外にも必要な費用がある家を建てようと計画したら、家づくりのためのおおよその予算を計画することになりますが、家の予算額=本体建築費と単純に計画することはできません。なぜなら、家を建てるには、本体の建築工事費用の他に「別途付帯工事」と「諸費用」と言われる費用も百万単位で必要になる場合があるからです。それぞれの内訳や費用の目安を確認していきましょう。●別途付帯工事別途付帯工事とは、建物本体工事以外にかかる工事費になります。例えば、土地の地盤補強工事や古い建物の解体工事、照明やカーテン工事、外構エクステリア工事、冷暖房工事などになります。別途付帯工事費の目安としては、家づくり全体のおおよそ2割前後を予定しておきたいところです 。2500万円が家づくり全体の予算と考えた場合、約500万円の費用がかかる可能性があります。しかし、別途付帯工事は、その全てが必要な費用となるわけではありません。例えば、古い建物の解体工事費は、建て替えなどで古い家がある場合に必要な費用であり、更地の土地に住宅を建てるなら必要のない費用です。また、地盤補強工事も土地の地盤調査の結果により補強工事が必要であると判断された場合であり、盤石な地盤では必要のない費用になってきます。このように別途付帯工事は、家を建てるための条件がひとつひとつ違うことがあること、また、照明器具やカーテン、外構エクステリア工事などは予算内でまとめるためにグレードや範囲などを選択することもできるため、ある程度費用を抑えることもできます。●諸費用諸費用とは、家を建てる過程で必要になる直接的な工事とはまた違う種類の費用になります。例えば、契約印紙代や登記の費用、火災保険料、住宅ローンの手数料、仮住まい費用などになります。諸費用の目安としては、家づくり全体のおおよそ1割前後を予定したいところです。 2500万円が家づくり全体の予算と考えた場合、約250万円の費用がかかる可能性があります。諸費用に関しては、仮住まいが必要かどうか、住宅ローンを組むかどうかによっても変わりますが、申請料や、印紙代、登記料などはある程度固定的な費用になるため、この部分で費用を抑えることは難しいでしょう。本体建築工事以外におよそ3割が必要家づくりの際には、別途付帯工事、諸費用あわせておおよそ3割程度の費用が必要になると想定されます。住宅ローンを計画する際にも、このような費用が必要になることを覚えておき、自己資金とあわせて組み立てていくことをおすすめします。別途付帯工事を本体建築費に含む場合もある住宅の見積書の書式は、各住宅会社によってオリジナルで作成されています。そのため、別途付帯工事が本体建築工事の内訳に含まれていることもあります。例えば、照明器具やカーテン工事は、それぞれ電気工事、内装工事に含んでいる会社もあります。また冷暖房工事は本体の住宅設備機器工事に含んでいる可能性もあります。このように、別途付帯工事については、建築費の中に含まれているケースもありますので、見積りや資金計画書を提示された場合は、「他に必要となる費用はないか?」ということをしっかりと確認することをおすすめします。
2018年02月15日三菱東京UFJ銀行と三井住友銀行、みずほ銀行が、個人向け預金口座の口座維持手数料検討を進めていることが報じられている。この結論は2018年度中に出るということだが、もし、口座維持手数料がかかるようになれば、「メガバンクに預け入れする意味って…?」と疑問に思う人もいるだろう。では、今後、メインバンクを乗り換えるとしたら、どんな基準で選べば良い?ファイナンシャルプランナーの馬場聡子さんは次のように説明する。「今後はメガバンクに限らず、口座を持つことで手数料が発生する可能性は十分にあります。費用面でも、財産を自分で管理・把握するという面でも、クレジットカードと同様に、たくさん持ちすぎないこと。必要な口座数に絞り込む必要があると思います」面倒なようでも、不必要な口座があるなら、解約の手続きをしたほうが良いそう。特に忘れがちな独身時代の口座などは、実家に帰省した際の平日に解約手続きを行うのがおすすめだ。●銀行口座の最適な口座数って?では、どのくらいの数、どんなところに絞れば良いのだろうか。「口座でどんな取引をしているかによって、選択の基準は異なります。例えば、住宅ローンを支払っている口座があれば、削れないですし、手数料などの優遇がある可能性も高いはず」財産をどれだけ持っているかにもよるが、できれば「普段使い」「一時置き(普段は使わず、年に数回程度利用の予備金)」「将来のため」の3つくらいに絞るのがおすすめだとか。また、手数料には「振込」「両替」「振替」「ATM利用料」などがあるが、日々使う部分、特にATM手数料の見直しが重要だそう。「ATMや提携コンビニでの無駄遣いは、実は意外と多いもの。かつては夜9時まで無料だったところが、夜6時まで無料に時間変更されているといった具合に、制度が細かく変わっていても、現場に行くまで気づかないのです」●銀行選びのポイントは費用と「よく行く場所」馬場さんが勧める「銀行選び」のポイントは、以下の通り。1、費用面ATM手数料などが無料、あるいは安いところを選ぼう。2、大型ショッピングモールなど、よく行く場所にATM機があること自宅の最寄りの銀行を選びがちだが、銀行では駐車場に車が停められないこともある。子どもを抱っこしながらATMの操作をするのは、結構大変。屋根のある立体駐車場があるなど、子ども連れで行きやすい場所なら、最寄りの銀行よりも便利。3、ネット銀行家計簿のアプリを使っている人なら、ネット銀行は便利。また、ネット通販をよく利用する人なら、利用が多ければポイントがたまるメリットも。ただし、子育て中は親に相談(物件購入など)する機会が多く、親世代はネット銀行に躊躇するケースがあるので、注意が必要。「メガバンクのリストラのニュースで衝撃が走ったように、銀行はここ数年でどんどん変わっていっています。マイナス金利も続いています。大切なのは、自分で『変化』を知る、信頼できる情報を入手できる環境を整えておくこと。自分の目を肥やしていくことです」今はもう「銀行に預けておけば安心」ではなく、「知らないと損をすることもある」時代。手数料などの小さな積み重ねが、大きな差になることもあるだけに、自分でアンテナをはっておくことも大切だ。(取材・文:田幸和歌子編集:ノオト)
2018年02月15日私がマイホームの購入を意識し始めたのは、2人目を妊娠中のときです。結婚後に住んでいたマンションは、独身時代から夫が一人暮らしをしていた賃貸のマンションでした。広さも3DKとちょうどよく、引っ越しの費用などを考えて住み続けていました。その後、長男を出産。続いて翌年には、次男を妊娠しました。そのとき初めて、「広い家に引っ越したい」と思ったのです。賃貸の3DKは3人ではちょうどいいのですが、年子の男児2人と過ごすには手狭だと感じたのです。そして何より、男児2人が下の階の人に迷惑をかけないように静かに暮らせるとは、到底思えなかったのです。購入の決め手となったのは、敷地の圧倒的な広さ実際の我が家の写真です。車を2台置くことのできる駐車スペースと庭、リビングの広さに一目ぼれしました。数件見て回ったのですが、築年数が短く、広い敷地。他にはない物件でした。私の1番の優先事項である、「子供たちがのびのびと暮らすことのできる家」にぴったりだったのです。男の子2人が走り回っても、物を落としても、にこやかに見ていることのできそうなこの家で、「子育てをしたい」と強く思ったからです。子供が小さい頃は、夏に水遊びができるスペースもあって、本当に良かったと思いました。マンションや庭の小さな家の場合では水浴びをさせてあげたいが、風呂場ではすぐに飽きてしまいます。プールに連れて行っても、小さい頃は泳ぐこともできません。「水遊び」というこのレベルが、とてもちょうど良かったのです。この庭のおかげで、子供が小さい頃は、ストレスなく水遊びをさせてあげることができました。小学生になった今は、縄跳びや野球の素振りなどにも活躍するスペースとなっています。リビングからの風景です。リビングは、LDKでキッチンからすべてが見渡せるようになっています。広さは約30畳。この広さのおかげで、子供たちが暴れても気にならずに済んでいます。家の購入にあたって逆に我慢したこと、妥協したこと私たち夫婦が妥協したことは「2つ」です。まず1つ目は、「新築」をあきらめたこと。マイホーム購入を検討していたときの夫婦の年齢が、私が29歳、夫は38歳でした。年齢的なことを考えて予算を組んだ場合、この広さの家を購入するためには新築は難しいと感じたのです。住宅ローンを30年組んだ場合、退職後もローンを払い続けなくてはならないことになります。その間、子供たちが大学へ進めばお金もかかります。子供たちが大学へ進学するときにはローンが終わっている状態を理想として、マイホームの購入を検討したのです。2つ目は、交通の便が少し悪くなることです。2㎞ほど行けば、バスや電車、モノレールがあり、とても便利な立地です。しかし、そのあたりに戸建ては少なく、マンションが多い地域。戸建てもあるものの、利便性の良い地域は家の広さが私の理想ではありませんでした。妥協のなかでもちゃんと考慮したこと妥協のなかでも、生活していくうえで考慮したことがあります。小学校に通う道のりが、徒歩で15分ほど。一番心配な小学生の間は、安全に通うことができる距離感は、マイホーム選びの大事なポイントになりました。家自体が理想的な物件であったとしても、家族が生活するうえで小学校に通う道のりが遠すぎては、毎日の生活のなかに苦痛が生まれてしまいます。また、同じように利便性は我慢したとはいえ、JRの駅が徒歩5分(※30分に1本しか電車がない)であることや、バス停が同じく徒歩5分であることは、生活していくうえで不便すぎない妥協点となりました。今後、家をリフォームする予定は……中古住宅の購入でしたので、入居時に内装はリフォームしました。そして、入居後にもトイレと浴室(※脱衣場洗面も含む)のリフォームは完了しています。また近々、勝手口のストックヤードの設置なども検討しています。現時点での我が家は、夫婦2人で働きながら、理想の家を作り上げていくことを楽しんでいるというところでしょうか。こんな体験談ですが、少しでも誰かの参考になれば嬉しいです。
2018年02月13日「このたび、私は『老前破産ー年金支給70歳時代のお金サバイバル』(朝日新書)を出版しました。この本では“普通の人”が借金地獄に陥る現実に触れ、その対策を提示しました」 そう話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。結婚して子どもを産み、マイホームを手に入れる。子どもを大学まで進学させ、幸せな老後を送るーー。これまで“人並み”と思われていた人生から転落する人が増えているという。 「実は『自己破産』が最多なのは40代で27.02%。次が50代で21.05%。40代と50代で約半数を占めているのです(日本弁護士連合会’14年調査・以下同)。また、借金の理由は『生活苦・低所得』が最多で60.24%、次いで『病気・医療費』『失業・転職』など、“生活苦型破綻”が上位を占めます」(荻原さん・以下同) これに対し、「浪費・遊興費」「ギャンブル」などの“遊興型破綻”は少数だそう。 「しかも、自己破産した人の約半数は、負債額が500万円未満。さらに、100万円未満の人が6.61%もいて、’05年以降、増え続けています。この金額が返せないほど、余裕のない人が増えているのです」 【ケース】住宅ローンで老前破産! 会社員のAさん(53)は、35歳のとき、頭金ゼロで新築マンションを購入。当初10年間の金利は2%。11年目以降は4%という住宅ローンを組んだ。10年もたてば、給料も上がるだろうと楽観的だった。 だが実際は給料は上がらず、マンションの価値も下がるいっぽう。妻は、息子が通う塾の月謝の足しにとパートを始めたが、返済11年目からの家計は困窮を極めることに。 そのうえ、勤め先が業績不振に陥り、虎の子のボーナスはカット。貯金も底をつき、大学に進学した息子の進学費用は教育ローンでかき集めた。その結果、今はダブルローン地獄。 自宅マンションもすでに築20年が近いが、修繕積立金が不足し、老朽化が止められない。売るに売れないマンションとローンを抱え、悪夢にうなされる日々が続いている……。 「真面目に生きていても、何かのきっかけで、一気に借金地獄に転落してしまうーー。よく『老後破産』が問題だといわれますが、本当に怖いのは、40代、50代での『老前破産』なのです」
2018年02月09日