統合失調症の母に育てられた“わたしちゃん”。思い出せる一番古い記憶は、幻覚や妄想で騒いでいる母の姿。病気のせいもあり、家の中は汚く、自分で食事を作り食べることもしばしば。唯一の理解者である、“今のわたし”が当時のわたしちゃんの気持ちに寄り添います。被害妄想からお隣さんを攻撃したり、自分の服をハサミで切り刻んだり、日常的に奇行が続いていた母は、治療のため入院。その後、退院した母は、以前より穏やかな姿が見られるようになりました。「このままよくなって、普通のお母さんになるかも……?」と期待していたわたしちゃんですが、そんな気持ちもすぐに裏切られてしまいます。服薬をきちんと続けられなかったせいか、被害妄想の症状が再発した母。期待していた分、再び奇行を繰り返す様子にショックが大きかったわたしちゃんは、「自分だけが不幸」という気持ちにさいなまれてしまいます。 不安定な病状の母に振り回されるわたしちゃんは……。 尋ねてきた友だちの母親に対して…!? ※訂正:(誤)気嫌→(正)機嫌 ※訂正:(誤)同志→(正)同士 不安定な母の病状。普通の日、無気力の日、被害妄想が激しい日など、ころころと変わる母の様子に、わたしちゃんは振り回されていました。 「友だちと遊んでくる」と出かけようとするわたしちゃんを普通に見送る日もあれば、泣いて止めてくる日もあり、日によって違う母の態度に疲れてたわたしちゃん。 「どういう反応されるかわからないから、なるべく関わらないように……」 そんな気持ちで過ごしていました。 自分を表現するのが怖くなってしまったわたしちゃんは、大人になってからも、他人の反応に敏感になります。 家庭環境が影響し、人に対して、“苦手なタイプ”と感じることが多くなってしまうのです。 ある日、よく家に遊びに行く間柄のお友だちのお母さんがわたしちゃん宅を尋ねてきました。 お互いの親も含めて出かけたことがあるような関係性でしたが、突然訪れた友人のお母さんに、キレた母。 「私の働くコンビニでクリスマスケーキを予約できるよ! いかがですか?」 「いらないっ!」 キレながら思い切り扉を閉めた母に、「わたしの友だちのお母さんなのに……断るにしてもなんであんな風に……!」と、母を責めるわたしちゃん。 しかし、母は反省する様子は全くありません。 「驚き……不信……悔しい……恥ずかしい……」 さまざまな思いが入り混じるわたしちゃん。大人になったわたしは、「自分の友人関係まで壊されるようで、本当に嫌だったよね」と振り返ります。 家庭環境が複雑な中、一生懸命探した自分の世界を壊されたようで、わたしちゃんはとても嫌な思いをするのでした。 自分の母が友人の母に、感情的にキレているところを目の当たりにしたわたしちゃん。病気の影響で不安定な精神状態にあった母ですが、思春期のわたしちゃんにとって、とてもつらい出来事ですよね。 冷静に過去を振り返れるようになった、大人になったわたし。幼少期につらい思いをしていた分、少しでも穏やかに過ごせていることを願うばかりです。 著者:マンガ家・イラストレーター HiKARi
2023年10月09日統合失調症の母に育てられた“わたしちゃん”。思い出せる一番古い記憶は、幻覚や妄想で騒いでいる母の姿。病気のせいもあり、家の中は汚く、自分で食事を作り食べることもしばしば。唯一の理解者である、“今のわたし”が当時のわたしちゃんの気持ちに寄り添います。被害妄想からお隣さんを攻撃したり、自分の服をハサミで切り刻んだり、日常的に奇行が続いていた母は、治療のため入院。その後、退院した母は、陽性症状(妄想や幻覚)がおさまり、陰性症状(元気がない、意欲低下など)が出ていました。甘えたい盛りの幼少期、母親とまともに意思疎通できない状況に、つらい思いをしてきたわたしちゃん。クラスメートとの家庭環境の差を実感したり、素直に気持ちを吐き出せない生活に、ストレスが重なります。 小学校高学年のころは、太っていること、歯並びが悪いこと、肌が荒れていること、分厚いメガネをしていること……。見た目に劣等感を持つようになり、「家庭環境も悪い上に、醜いなんて不幸!」と感じ、「世の中は不公平だ」という気持ちが強くなっていったわたしちゃんは……。 少女の淡い期待は… 母が退院後しばらくすると、以前までケンカばかりしていた父と普通に会話し、メソメソはするものの怒鳴ることもなく、家事もするようになります。 穏やかな母の様子に、「もしや……このままよくなって普通のお母さんになるかも……?」とわたしちゃんは、期待していました。 しかし、淡い期待もつかの間。「こうしないと地震が起きるんだ」と、険しい表情でテーブルを叩く母の姿を目にします……。 服薬を続けられなかったせいか、妄想などの症状があらわれ、病状が悪化した母。期待していた分、ショックも大きかったわたしちゃんは、期待すること自体が怖くなってしまいます。 このころわたしちゃんは、人は誰しも、“幸せのコップと不幸のコップ”を持っていると感じていました。 「わたしの不幸のコップは満タンなのに、幸せのコップは空っぽだ。他の人は逆なのに!」 誰かが請け負わなければならない不幸があるとするなら、「他の人の不幸のコップに入ってね」と思い、自分が見舞われた小さな不運に対しても、「他の人の不幸のコップがもう少し増えたっていいじゃない!?」と、考えるように。 大人になったわたしは、「毎日つらい気持ちを我慢してたから、自分だけが不幸で損をしている気分がしちゃうよね」と、当時のわたしちゃんに寄り添います。 「どんなふうに感じる気持ちも、わたしちゃんの気持ちだからね」 やさしいわたしちゃんも、黒い感情を抱くわたしちゃんも、どれもわたしちゃんの気持ち。 「そんなふうに思っちゃダメ!」と思わずに、認めてあげることでラクになったと、大人になったわたしは感じるのでした。 幼少期の経験から、黒い感情にも目を背けず、認めてあげることで気持ちがラクになったと話す、大人になったわたし。過去を振り返ることでさまざまな気づきを得て、自分を責めず、自分らしく生きていく糧を身につけていきます。 皆さんは、幼少期の苦い思い出から学んだことはありますか? ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:マンガ家・イラストレーター HiKARi
2023年10月08日なぜか便秘や下痢が続くとき、実は自律神経が乱れている可能性があります。今回は自律神経が乱れているときにどういった症状が現れるのか、どのような対策があるのか、医師の筆者が解説していきます。自律神経とはそもそも自律神経というのは、心拍数や消化活動など、私たちの体の機能を自動的に制御するものです。交感神経と副交感神経の2つがあり、お互いにバランスを取り合うことによって、身体の状態を保つ働きがあるんですね。一般的に、自律神経が乱れると、多くの健康問題が引き起こされる可能性があります(※1)。便秘や下痢に悩まされている人は…実は、自律神経の乱れが原因で「便秘や下痢」のような消化器系の問題が生じることがあります。これは、自律神経の働きのひとつに消化器官の動きをコントロールする働きがあるからです。便秘や下痢といった症状は、腸炎などの病気によって起こることがあります。ですが、腸炎などの病気がないにもかかわらず、便秘や下痢がある、便秘や下痢を繰り返している、人前で話すなどストレスのかかるイベントの前後で症状が強まるといった場合は、自律神経の乱れが原因である可能性も高いのです。自律神経の乱れと消化器系自律神経のバランスが整っていると、適切な消化活動が行われます。ですが、ストレス下などで交感神経と副交感神経のバランスの乱れが持続すると、便秘や下痢につながってしまうことがあります。一時的なものであれば問題ないですが、長期に渡って便秘や下痢を繰り返したり、腹痛を伴ったりする場合は、過敏性腸症候群(※2)のほか、何らかの消化器疾患の可能性もありますので、消化器内科を受診するのがいいでしょう。他の体調不良の予兆自律神経の乱れによる影響は、便秘や下痢だけではありません。例えば下記に挙げるようなものがあります(※1)。【全身的症状】だるい、眠れない、疲れがとれないなど【器官的症状】頭痛、肩こり、動悸や息切れ、めまい、のぼせ、立ちくらみ、冷えなど【精神的症状】情緒不安定、イライラや不安感、うつなど自律神経が乱れる原因自律神経の乱れは、ストレス、過労、睡眠不足、不規則な生活、栄養不足など、さまざまな要因があるでしょう。なお、女性のほうが男性に比べて自律神経が乱れやすいとも考えられています。これは、月経に伴う女性ホルモンの変化が影響を及ぼしてしまうことがあるためです。体調管理の重要性体調不良の予兆に気がついたときには、無理せずに十分な休息と睡眠をとり、適切な食事や運動を心がけることが重要です。また、特に朝~午前中に日光浴をして体内時計をリセットするといいですね(※3)。日中は適度に運動を取り入れ、速やかに入眠できるサイクルを作ってください。ストレスを感じたときには、できるだけ早く解消できるように、自分なりのストレス解消方法を身につけておきましょう。こういった対策をすることで、自律神経のバランスが整いやすくなり、健康状態の改善が期待できるはずです。体調不良のサインを見逃さないように、日頃から自分の体調を注意深く観察しましょう。また、普段からバランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレスをためない生活を心がけ、日常生活の中で健康管理をしていくことが大切ですよ。体調不良の予兆に気をつけ、健康を守ろう便秘や下痢を繰り返す場合は、自律神経が乱れているサインかもしれません。体調不良の予兆に気がついたときには、無理せずに休むようにして、バランスの取れた生活を心がけましょう。普段から健康管理を意識することで自律神経のバランスが整い、よりよい健康状態を保つことにつながります。また、ご紹介した対策を行ってもなお便秘や下痢の症状が続く場合は、消化器内科でしっかりと診察を受けるのがおすすめです。特に便が細くなってきた場合や、血便がみられる場合はすぐに受診しましょう。消化器系の病気があれば早めの診断・治療が大切です。特に病気がなく、自律神経の問題による過敏性腸症候群などの場合も、生活習慣の見直しとともに適切なおくすりを活用することで改善につながるはずですよ。【参考】※1 厚生労働省.e-ヘルスネット自律神経失調症※2 厚生労働省.e-ヘルスネット過敏性腸症候群※3 厚生労働省.e-ヘルスネット体内時計©kei907/Adobe Stock ©New Africa/Adobe Stock著者情報ママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこ産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2023年10月08日統合失調症の母に育てられた“わたしちゃん”。思い出せる一番古い記憶は、幻覚や妄想で騒いでいる母の姿。病気のせいもあり、家の中は汚く、自分で食事を作り食べることもしばしば。唯一の理解者である、“今のわたし”が当時のわたしちゃんの気持ちに寄り添います。被害妄想からお隣さんを攻撃したり、自分の服をハサミで切り刻んだり、日常的に奇行が続いていた母は、治療のため入院。その後、退院した母は、陽性症状(妄想や幻覚)がおさまり、陰性症状(元気がない、意欲低下など)が出ていました。今まで母の異常な姿ばかり見てきたわたしちゃんは、母を信頼することができず、態度が一変した母に、怒りを感じるように。小学5〜6年生のころ、家ではゲームをして現実逃避していたわたしちゃん。夏休みには明け方までゲームをしていたため、急激に視力が落ちてしまいます。 クラスメートが家族との夏休みの思い出を話し合う様子を横目に、「自分だけが不幸」と感じていたわたしちゃん。クラスメートとうらやむ気持ちを我慢したり、諦めたり……。 そして、「自分は悪くない。親のせい」と、母を恨まなければやってられない状況に陥っていました。 醜い姿の自分に… 小学校低学年のころ、唯一覚えている家族で外食した思い出。珍しくわたしちゃんのわがままを聞いてもらい、ファミレスに出かけました。 「私、これがいい!」 「え!? そんな高いもの頼むの!?」 入院する以前に陽性症状があった母は、メニューを見ながら驚き、わたしちゃんが選んだメニューを否定しました。 「自分はお金をかけてもらう価値ないんだって思っちゃうよね」 大人になったわたしは、当時のわたしちゃんの思いを振り返ります。 「いろんな思いを受け止めてほしかったね。自由にわがまま言っていいんだよ」 このころのわたしちゃんは、「他人に不満に思われない程度に、思いを抑えなければならない」と感じるように。 「『自分なんて……』という無価値感が植え付けられた出来事」と大人になってから振り返ります。 小学校高学年のころ、劣等感を抱くことが多くなったわたしちゃん。太っていること、歯並びが悪いこと、荒れている皮膚、分厚いメガネ……さまざまなことが重なり、「私って、すごく醜い……!」と思っていました。 「家庭環境が悪い上に、醜いなんてまさに不幸」 「親が生活や食事に気をつけてくれていたら、大丈夫だったかも」と悔しさを感じていたわたしちゃん。「自分は不幸、世の中は不公平だ」という気持ちが強くなっていくのでした。 「自分は醜い」と感じていた当時のわたしちゃんに、「そんなことないぞー! 絶望しないでー!」と語りかけた大人になったわたし。「どんな姿でも大事なわたしちゃんだよ」と、前向きな言葉をかけました。 大人になったわたしが当時のわたしちゃんを励ましたように、思春期に感じる見た目のコンプレックスは一時的なものなのかもしれません。もし、子どもが自身の容姿で悩むことがあれば、寄り添う気持ちを忘れずに、自分に自信を持てるような言葉をかけてあげたいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター HiKARi
2023年10月07日統合失調症の母に育てられた“わたしちゃん”。思い出せる一番古い記憶は、幻覚や妄想で騒いでいる母の姿。病気のせいもあり、家の中は汚く、自分で食事を作り食べることもしばしば。唯一の理解者である、“今のわたし”が当時のわたしちゃんの気持ちに寄り添います。被害妄想からお隣さんを攻撃したり、自分の服をハサミで切り刻んだり、日常的に奇行が続いていた母は、治療のため入院することに。その後、退院した母は、陽性症状(妄想や幻覚)がおさまり、陰性症状(元気がない、意欲低下など)が出ていました。騒いでいた母とは一変し、やさしく語りかけてくる母に、戸惑いを感じていたわたしちゃん。 涙もろくなっているようで、わたしちゃんが初潮を迎えたことを黙っていたと知り、「教えてよ……」と涙するほど。 今まで母の異常な姿ばかり見てきたわたしちゃんは、母を信頼することができず、態度が一変した母に、怒りを感じるようになっていました。 子どもらしく甘えたいだけ 夏休みのある日、顔が赤くなり、痛みを感じるようになったわたしちゃん。 「お願いだから病院に行って」と涙ぐみながら懇願する母に背中を押され、渋々病院に行くことに。 ひとりで訪れた病院で、医師から病状の説明を受けるも、小学生のわたしちゃんは理解することができませんでした。 「大人に一緒に来てほしかったよねー!! 子どもなんだからもっと大人に頼りたかったよね」 そう振り返る大人になったわたし。 わたしちゃんは、困っているとき、子どもらしく気持ちを出したり、頼ったりしたいと願っていました。 このころ、つらい状況から現実逃避をするため、ひたすらテレビゲームをしていたわたしちゃん。夏休みにいたっては、朝方までゲームをしていることも。 夏休み明けの教室では、「海に行った」「家族で遊園地に行った」など、クラスメートが夏休みの思い出を話し合っていました。 「いいなぁ。みんな夏休み楽しく過ごして……」 ゲームばかりしていたせいか、視力が落ち、黒板が見にくくなっていたわたしちゃん。 「視力が落ちているのもショックだったよね。皆んなの夏休み、うらやましくて、なんかずるいって思っちゃうよね」 大人になったわたしは、「自分だけが不幸な気がしてつらかったよね」と、当時のわたしちゃんに寄り添います。 クラスメートをうらやむ気持ちから、我慢、諦め、そして「自分は悪くない」とわたしちゃんは、周りを恨む気持ちが強くなっていくのでした。 小学生ながらひとりで病院を受診したわたしちゃんは立派ですね。しかし、「子どもらしく周りの大人に頼りたかった」と感じさせてしまう環境は、小学生には酷な現実です。 わたしちゃんがつらい状況で生活している中、家庭の外でサポートできる大人がいなかったのか、考えてしまいます。皆さんは幼少期のころ、家族以外に、心を許せて頼れる大人は周りにいましたか? ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:マンガ家・イラストレーター HiKARi
2023年10月06日統合失調症の母に育てられた“わたしちゃん”。思い出せる一番古い記憶は、幻覚や妄想で騒いでいる母の姿。病気のせいもあり、家の中は汚く、自分で食事を作り食べることもしばしば。唯一の理解者である、“今のわたし”が当時のわたしちゃんの気持ちに寄り添います。被害妄想からお隣さんを攻撃したり、自分の服をハサミで切り刻んだり、日常的に奇行が続いていた母。ある日、わたしちゃんが家に帰ると、母の姿がありませんでした。父方の祖母に迎えられ、「母が入院した」と伝えられます。「悲しいだろうけど、頑張ろうな」という祖母からの言葉に、複雑な心境のわたしちゃん。母がいない平和な生活をうれしく思ってしまったり、病気がよくなるのか期待したり……。 「『悲しい』のひと言で済ませないでよ!」と祖母に怒りすら覚え、さまざまな感情が渦巻いていました。 そんな気持ちのまま、尋ねた母の入院先で……。 母の変化に戸惑う少女 母の入院先にお見舞いに行ったわたしちゃん。 「早く退院して家に帰りたい。頑張るから待っててね」と母は、人が変わったように涙を流していました。 病状の変化で、不安定な状態の母。「わたしちゃん! 家にいられなくてごめんね……」とわたしちゃんを抱きしめます。 「なんか嫌……驚き……不満……心配……」 わたしちゃんは抱擁してきた母に対し、マイナスな感情を抱きますが、それを隠していました。 「わたしちゃんが抱きしめてほしいときに全然してもらえなかったのに……急にされても素直に喜べないよね」 そして、「母が病気なことに自体に、罪悪感を持っていた」と振り返る、大人になったわたし。 「母親が心身ともに元気でないと、自分を責めるような気持ちになるのでしょうか……」 当時のわたしちゃんは、罪悪を強く持っていました。 退院した母は、陽性症状(妄想や幻覚)がおさまり、陰性症状(元気がない、意欲低下など)が出ていました。 騒いでいた母とは一変し、わたしちゃんにやさしく語りかける母に、戸惑いを感じていたわたしちゃん。 「もう生理はきた?」と母に尋ねられますが、わたしちゃんは初潮を迎えたことを隠していました。 しかしある日、ゴミ箱をあさった母は、わたしちゃんに生理がきていることに気づき、「教えてよ……」と涙を見せたのです。 わたしちゃんは激怒。 「ゴミ箱あさって人のゴミ見んなよ! 信じられない! ほっといてよ」 生理のことを母に話したい気持ちがあったわたしちゃんですが、今まで母の異常な姿ばかり見てきたわたしちゃん。相談できるはずもありませんでした。 「それなのにゴミをあさられて、生理のことが突然バレたら、恥ずかしくて悔しくて、怒っちゃうよ」 大人になったわたしは、冷静に当時を振り返ります。わたしちゃんはこのころから、母に対して怒りばかり感じるようになっていったのでした。 幼いころから積もりに積もった母への負の感情。突然、母を信頼して心を開くようなことは難しかったのではないかと、容易に想像できてしまいます。 子どもは親の反応や、態度にとても敏感ですよね。子どもに真っ直ぐな愛情を注ぐことはもちろんですが、親子だからこそ、信頼関係を積み重ねていくことが大切なのかもしれません。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:マンガ家・イラストレーター HiKARi
2023年10月05日統合失調症の母に育てられた“わたしちゃん”。思い出せる一番古い記憶は、幻覚や妄想で騒いでいる母の姿。病気のせいもあり、家の中は汚く、自分で食事を作り食べることもしばしば。唯一の理解者である、“今のわたし”が当時のわたしちゃんの気持ちに寄り添います。被害妄想からお隣さんを攻撃したり、自分の服をハサミで切り刻んだり、日常的に奇行が続いていた母。夏休みに父とふたり、父の実家に帰省すると、静かで普通の生活を“天国”と感じるほどでした。母の病状が悪化していると感じたわたしちゃんは、「病院に行ったほうがいいのでは」と父に相談します。しかし、父は家族と向き合おうとせず、外で女の人を作り、あまり家に帰ってこない状況が続いていました。 夫婦ゲンカも増え、母の異様な絶叫が響くわたしちゃんの家。 「お父さんにどうにかしてほしい。でも信頼できない。母の病気だけではなく、頼れる大人がいないことがつらい」 わたしちゃんが自身の状況に絶望していると……。 突然、状況が一変…!? ある日、家に帰ると母の姿はなく、父方の祖母に迎えられたわたしちゃん。 「お母さんに入院したよ。わたしちゃんも今まで大変だったな。悲しいだろうけど、頑張ろうな」 祖母にイラッとするわたしちゃん。母が入院したと聞き、なんとも言えない複雑な心境でした。 「驚き、心配、安心、喜び、不満、嫌悪……」 母がいない平和な生活をうれしく思ってしまったり、病気がよくなるのか期待したり、さまざまな感情が渦巻きます。 「『悲しい』のひと言で済ませないでよ」 大人になったわたしが振り返るように、複雑な心中のわたしちゃんは、やさしくしてくれる祖母に素直になれずにいました。 小学校高学年になると、積み重なったつらい境遇は、わたしちゃんの考え方に影響を及ぼします。 テレビや友人の家庭での不幸話に、まったく共感できず、「病気だろうが、離婚だろうが、ちゃんと母親と意思疎通できることがうらやましい。かわいそうとか思えない」と、自身の不幸と比べるようになります。 「それくらいずっと我慢してたし、つらかったんだね」 大人になったわたしが、当時のわたしちゃんに寄り添いますが、成長しても他人と比べてしまう気持ちは残っていました。しかし、大人になった今は、その気持ちごと認めるしかないのだと、わかったのです。 周りの不幸話を聞いても、「うちよりマシでしょ」と感じてしまうほど、長くつらい状況が続いていたわたしちゃん。甘えたい盛りの幼い子どもにとって、近くにいる母親と心が通じ合えないというのは、子どもが追い詰められてしまうほど苦しいことですよね。 母の入院や、家を手伝いに来た祖母の助けにより、状況が少しでも改善し、わたしちゃんの心が軽くなることを願うばかりです。 著者:マンガ家・イラストレーター HiKARi
2023年10月04日統合失調症の母に育てられた“わたしちゃん”。思い出せる一番古い記憶は、幻覚や妄想で騒いでいる母の姿。病気のせいもあり、家の中は汚く、自分で食事を作り食べることもしばしば。唯一の理解者である、“今のわたし”が当時のわたしちゃんの気持ちに寄り添います。被害妄想からお隣さんを攻撃したり、自分の服をハサミで切り刻んだり、日常的に奇行が続いていた母。そんな母に、嫌悪感を抱きはじめていたある日、わたしちゃんは友人宅で初めてホットケーキを食べます。夢中で頬張りますが、ホットケーキを初めて食べるのは自分だけだと気がつき……。「恥ずかしい……うらやましい……ずるい……もっと食べたい……うちのお母さんと違う……」「キレイななお家も、やさしそうなお母さんも、全部うらやましい」と、みじめな気持ちにさいなまれていました。友だちの家に行くたびに、友だちの家庭が羨ましくて仕方ない気持ちになっていたわたしちゃんは……。 娘の気持ちに気づかないふりをする父 ※訂正:(誤)わずらわわし→(正)わずらわしい 毎年夏休みには、父と2人、父の田舎に1週間ほど帰っていたわたしちゃん。 生活の中に、突然の大声がなく、奇行をする人がいないとうだけで、天国のように感じていました。 平和な生活は、現実のみじめさを実感する時間でもあり、「家に帰るの嫌だな」とわたしちゃんは、夜な夜な涙を流してしまいます。 「なんでうちは平和じゃないんだ?」 泣いているわたしちゃんに気づく父ですが、無言のまま。わたしちゃんは、父から反応がないことに、がっかりしていました。 「お父さんになんで泣いているかわかってほしかったよね」「ずっと、周りの大人になんとかしてほしかったよね」 大人になったわたしが振り返るように、当時のわたしちゃんは、「わたしが毎日つらい気持ちでいることをわかってほしい」と期待しながら生活していました。 そして、いよいよ母の病状が深刻になっているように思えてきたころ。病院にかかる必要性を感じ、父に相談しますが、「行こうとしないんだよな〜」と父は、のん気に構えていました。 母から「お父さんは女の人のところに行ってるから帰ってこないんだよ」と言われたわたしちゃん。 いつもの妄想なのか、事実なのか、わからずにいるものの、わたしちゃんの心に暗い影を落とす言葉でした。 夫婦ゲンカが増え、母の異様な絶叫を耳にしながら、「お父さんにどうにかしてほしい」と思っていたわたしちゃん。しかし、「他に女の人がいる」と耳にしたわたしちゃんは、お父さんを信頼できず、悲しみに包まれます。 「ちゃんと自分たち家族と向き合ってほしかった」「お父さんには逃げる場所があるけど……ひとりぼっちのような気分で本当につらかった」 わたしちゃんが“つらい”と感じていた原因は、母の病気のせいだけではなく、家族に向き合わない父や、ケンカが絶えない両親、なんとかしてくれる大人がいないこと……さまざまな状況に、絶望していたのです。 精神疾患の母がいる家庭で、「自分や家族と向き合ってほしい」と父に求めるのは当たり前のこと。わたしちゃんと同じように、父もつらい思いをしていたかもしれませんが、大人と違い逃げ場がない子どもをフォローできるのは、周りの大人だけです。最も身近な父親が、子どもからも目を背けているようで、わたしちゃんを思うと胸が痛みますね。 「なんとかしてくれる大人が必要でした」と大人になったわたしが回想していますが、家庭環境に悩みを抱えている子どもに、外の人間が何かできることがないのか、考えさせられます。 著者:マンガ家・イラストレーター HiKARi
2023年10月03日統合失調症の母に育てられた“わたしちゃん”。思い出せる一番古い記憶は、幻覚や妄想で騒いでいる母の姿。病気のせいもあり、家の中は汚く、自分で食事を作り食べることもしばしば。唯一の理解者である、“今のわたし”が当時のわたしちゃんの気持ちに寄り添います。仕事や不倫もあり、家にいないことが多かった父。母の精神疾患に理解がなく、夫婦は揉めてばかりいました。幼な心に、「両親の仲が良ければ、母の病気ももう少しよくなっていたかも」と感じていたわたしちゃん。小学3〜4年生のころには、ストレスから食に走ってしまい、だんだんと太っていきました。同じく太っていた母から、「太ってるんだから食べるのやめな!」と否定されたことで、悔しい思いをします。 太っている自覚はあったわたしちゃんは、母の言葉を受け、太っていることが“悪い、怖い”という感覚に悩まされてしまい……。 幼心に芽生える劣等感 小学校中学年のころ、母の行動に対して常に嫌悪感を抱くようになったわたしちゃん。 ある日、自分の服をハサミで切り刻む母の姿を見て、兄に愚痴をこぼしました。 「ねーあの人、自分の服をハサミで切りまくってるよ。変なのー」 すると兄からは「あの人とかそういう言い方やめろよ。あと、自分の服切ってても別にいいんじゃね?」と、母に理解を示すような言葉が返ってきました。 「もしかしてお兄ちゃんは、私と同じ気持ちじゃないの!? なんで?」 兄が味方をしてくれないことに驚き、モヤモヤするわたしちゃん。 「自分と同じように、母を責めてくれると思っていたから、お兄ちゃんから責められてショックで悲しかったよね」 大人になったわたしは、「むしろお母さんを悪く言う自分が悪い人間なのかと思い、つらかった」と振り返ります。 わたしちゃんは、同じ境遇で育つ兄に、母に対する気持ちを共感してもらいたかったのです。 また別の日、友人宅での出来事です。 友だちのお母さんからおやつを振る舞ってもらい、実物のホットケーキを初めて見たわたしちゃん。 「おいしい!」 夢中で頬張っている最中、周りの友だちが「ホットケーキ大好きー!」「わたしも! ママありがとう!」と言っている言葉を聞き、わたしちゃんは複雑な心境になります。 「恥ずかしい……うらやましい……ずるい……もっと食べたい……みじめ……うちのお母さんと違う……」 初めて食べるのは自分だけなんだと気づき、みじめな気持ちに……。 「キレイななお家も、やさしそうなお母さんも、全部うらやましかったね」 わたしちゃんは、友だちの家に行くたびに、友だちの家庭がうらやましくて仕方ない気持ちになるのでした。 自分と、友だちの家とのギャップに苦しんだわたしちゃん。大人になったわたしが、「この友だちの家のことは、強烈に覚えている」と語るように、幼いわたしちゃんにとって、とてもショッキングな出来事だったようです。 大人になっても、他者と自分を比べて、落ち込んでしまう瞬間があるかもしれません。皆さんは、幼いころや現在、友だちと自分を比べて「うらやましい」と感じるようなことはありますか? 著者:マンガ家・イラストレーター HiKARi
2023年10月02日季節の変わり目で朝晩と日中の寒暖差が大きい時期は、自律神経が乱れて眠りの質が落ちやすくなります。体調を崩さないためにも心地よく眠りたいところ。そこで今回は、ぐっすり眠るためのバスタイムケアをご紹介します。湯船に浸かっていますか?夏の暑さがまだまだ残るこの時期。毎日のバスタイムをシャワーで済ませてしまっている方も多いはず。しかし湯船に浸かる効果は、体を温めるだけではありません。お湯の優しい圧が体を刺激し、むくみのケアにつながることも。また、クーラー冷えで固まった筋肉をほぐして心身をゆるめる役割も期待できます。湯船に浸かるときは「ひじ」がキーワード汗をかいて循環を促すために半身浴をする方は多くいらっしゃいますが、湯船に浸かるときに「ひじ」を意識する人は少ないかもしれません。体の疲れが取れなかったり、だるさが残っていたりする人は、湯船に浸かる習慣を持ちましょう。そして湯船に浸かる際は、ひじを温めることがポイント。首や肩こり、背中の緊張などを感じているなら、ひじを温めてゆるめることがおすすめです。また、湯船から出る前に30秒ほどで良いので、首までしっかりお湯の中に浸かることも大切。満遍なく温めてケアしてあげましょう。湯船で「肋骨をゆるめる」簡単習慣1.湯船の中に座ります。正座でもあぐらでも良いので、腰がまっすぐ立つ座り方をしましょう。2.左の腕を頭上にあげて、右手で肋骨の横から後ろを優しく包むようにさわります。3.息を吸います。4.息を吐きながら左の肋骨を右方向へカーブさせていきます。このとき、左の二の腕を引っ張るようにするとよく伸びます。肋骨周りが伸びればOKです。腰まで伸ばさないように注意してください。5.息を吸いながら、ストレッチをゆるめます。6.スッキリするまで同じ方向を繰り返してから、反対側も同様に行います。呼吸が深くなりぐっすり眠れる!1日動いていると、どうしても姿勢が悪くなってしまい、重心が下半身に落ちて疲れやすくなります。そんなときは肋骨が下がり、お腹を潰している姿勢になっていることが多いもの。このストレッチで肋骨周りをスッキリさせると呼吸がしやすくなり、リラックスして眠れるはずです。季節の変わり目も心地よく過ごすために、湯船でひじを温めることと、肋骨ストレッチを試してみてくださいね。©New Africa/Adobe Stock筆者情報上村由夏「マナヨガ」代表。20代の頃、ストレス過多で喘息が再発。ヨガセラピーを学び始める。 現在はヨガで重要なエネルギーワークのエッセンスが残る古代ヨガをベースにした 【マナヨガセラピー】をホリスティックな視点で体系化し全国を出張しながらレッスンをしている。 2023年より植物療法とヨガセラピーを組み合わせ「心と体と性化学」講座として 女性の体の整え方、フェムケア、セクソロジーに特化した講座を開講。文/上村由夏
2023年10月01日統合失調症の母に育てられた“わたしちゃん”。思い出せる一番古い記憶は、幻覚や妄想で騒いでいる母の姿。病気のせいもあり、家の中は汚く、自分で食事を作り食べることもしばしば。唯一の理解者である、“今のわたし”が当時のわたしちゃんの気持ちに寄り添います。お隣さんへ「出ていけー!」と叫んだり、ブツブツ言いながら徘徊したり……奇行を続けていた母。ついに、訪ねて来たお隣さんから苦情を言われてしまいます。言い争う大人たちを前に、恐怖を感じていたわたしちゃん。自分の家が周りに迷惑をかけていることに罪悪感を覚え、常に非難されているような感覚におびえていたわたしちゃんは……。 母の精神疾患に理解のない父 わたしちゃんの父は、仕事と不倫でほとんど家にいませんでしが、基本的には穏やかでやさしい人。しかし、母の病気には理解を示さず、揉めてばかりいました。 あるとき、「お金盗まれたりするから、3万円ちょうだい」と父にお願いした母。 父は、「盗まれるわけないだろ。急に言われてもないよ」と断りました。 すると母は、「いいから早く金をよこせと言ってるんだ!」と言って、刃物を持ち出したのです。 母の様子に焦り、手持ちのお金を差し出す父。その様子を見ていたわたしちゃんは、恐怖でおびえていました。 「お母さんが本当に刺しちゃうんじゃないかって、すごく怖かったよね」「お父さんとお母さんが仲良くないこと、とても悲しかったね」 わたしちゃんに語りかける、大人のわたし。言葉はやさしい父でしたが、家族と向き合うことはしてくれませんでした。 小学3〜4年生のころ、ストレスから食べることだけが癒やしになり、太っていったわたしちゃん。満たされない気持ちを食欲に向けていました。 あるとき、家でロールパンを食べようと手を伸ばすと、「だから太るんだよ! やめな!」と母に怒られてしまいます。 太っている母に注意されたことで、モヤモヤを抱えるわたしちゃん。 「本当は自分でも太っていることが嫌だったから、親として太らないように気をつけてほしかったよね」「わかってもらえなくて、食べたいもの食べられなくて、悲しかったね」 太っているという自覚はあったわたしちゃんは、太っていることが“悪い、怖い”という感覚に悩まされることになるのです。 やり場のないストレスから太ってしまったわたしちゃんは、中学生になり、過激なダイエットをしてしまったそう。体形へのコンプレックスは、多かれ少なかれ誰しもが抱くものかもしれませんが、他人からのささいなひと言がコンプレックスを加速させる場合があります。「自分の一番の理解者」であってほしい母からの言葉は、わたしちゃんにとても大きな心の傷を負わせてしまったようです。 子どもが太っていることをコンプレックスに感じているのであれば、一番身近な存在である親が気持ちにが寄り添い、サポートしてあげられるといいですよね。 著者:マンガ家・イラストレーター HiKARi
2023年09月30日青春出版社は9月19日、『「シンプル」な選択が自律神経を整える理由』を発売しました。自律神経には、活動するときに働く交感神経と、休息するときに働く副交感神経があり、その2つがバランスを取りながら、心と体の安定を保っています。ところが、迷うと「決めなければいけない」という行為がストレスになって、交感神経が優位になり、そのバランスが崩れてしまうのです。決めたら決めたで、迷った末の選択なので、「本当にこれでよかったのだろうか」と不安になって、さらにストレスがかかり、自律神経を乱すという悪循環に陥ります。同書では、自律神経を整え、体も心もベストコンディションで過ごすには「シンプル」が一番とし、自律神経研究の第一人者が伝える“毎日をいい流れに変えていくヒント”を紹介しています。■書誌概要書誌名:「シンプル」な選択が自律神経を整える理由著者:小林弘幸発売日:2023年9月19日定価:1,100円(フォルサ)
2023年09月30日統合失調症の母に育てられた“わたしちゃん”。思い出せる一番古い記憶は、幻覚や妄想で騒いでいる母の姿。病気のせいもあり、家の中は汚く、自分で食事を作り食べることもしばしば。唯一の理解者である、“今のわたし”が当時のわたしちゃんの気持ちに寄り添います。テレビに出ている有名人を指差し、「夜になるとお母さんの首を絞めにくるんだよ」とわたしちゃんに話す母。「そんなことないと思う」とわたしちゃんが言い返すと、「本当に苦しいんだから」と、わたしちゃんの首を絞めるマネをしてきました。現実離れした母の被害妄想。わたしちゃんは、母と心を通わせることを諦め、どこか満たされない、寂しい気持ちを抱えるようになっていました。 母の奇行に心を閉ざし… 学校で運動会の玉入れに使用する玉を家庭で作ることになったとき。 病気のせいなのかは不明ですが、家事能力が低い母が作った玉は、俵型ではなく四角いものでした。 提出するのも恥ずかしさを感じていたわたしちゃんは、運動会当日、四角い玉が自分のものだとバレないかヒヤヒヤ。 「うちは、みんなと違うのかなぁ……って思うことがちょっとずつ増えたんだよね」 大人のわたしが、当時のわたしちゃんに語りかけます。 わたしちゃんは、自分の家は劣っている、恥ずかしい、知られたくないという感覚が強くなっていきました。 奇行を続けていた母の元へ、ある日、お隣さんが訪ねてきました。 「毎日毎日、いいかげんにしてください」 お隣さんからの苦情を受け、言い争いを始める大人たち。 「目の前で大人が言い合っていたら、それだけでも怖いよね。自分も含めて責められているような気がしちゃうよね……自分の家が迷惑をかけている罪悪感も、つらいよね」 大人のわたしが当時を振り返るように、わたしちゃんは、周りから非難される恐怖に常におびえるようになりました。 大人同士の口論に恐怖を覚え、「自分の家は周りに迷惑をかけている」と罪悪感を抱いたわたしちゃん。母は精神疾患を抱えているため、仕方のないことも多いのかもしれませんが、わたしちゃんは何ひとつ悪くありません。幼い子どもに罪悪感を抱かせてしまう状況に、心が痛みますね。このようなとき、周りの大人が、子どもの心をどのようにフォローすべきなのか、考えさせられます。>>次の話 著者:マンガ家・イラストレーター HiKARi
2023年09月29日統合失調症の母に育てられた“わたしちゃん”。思い出せる一番古い記憶は、幻覚や妄想で騒いでいる母の姿。病気のせいもあり、家の中は汚く、自分で食事を作り食べることもしばしば。唯一の理解者である、“今のわたし”が当時のわたしちゃんの気持ちに寄り添います。母の病状で特に目立っていた被害妄想により、毎日のようにお隣さんを攻撃していた母。あるとき、物干し竿に、「◯◯◯◯(お隣さん)出ていけ!」と書いた紙を吊るし、母は警察から注意を受けていました。「お母さんも自分も捕まっちゃっうんじゃないかと、怖かったんだよね」当時を振り返る、今のわたし。 警察に注意された出来事は、わたしちゃんの記憶に鮮明に残っており、母の言動は他の人から非難されることだとはっきり認識しました。 周りの目を気にするようになったわたしちゃんは……。 母の現実離れした被害妄想 現実離れした被害妄想も多かった母。 テレビに出ている有名人を見て、「寝てるときにお母さんの首を絞めに来るんだよ」と、わたしちゃんに話します。 「この人、すごく有名な人だよ。うちに来たりしないと思う」 あるとき、どう考えてもおかしいと思い、言い返したわたしちゃん。 すると母は、「わたしちゃんはまだ小さいからわからない! こうやってお母さんの首を絞めてくるんだよ」と言って、わたしちゃんの首を絞めるマネをしました。 「お母さんには話が通じないと思って、悲しかったよね」 大人になったわたしが振り返るように、わたしちゃんはこのころから、母と意思の疎通や心を通わせることを諦め始めました。 小学生に上がる前の記憶。 「お母さんのおっぱいを触ってみたい」 母に甘えたい気持ちから、母のおっぱいを頻繁に触っていたわたしちゃん。 「ちょっと! しょっちゅう胸を触りに来るのやめて!! うっとうしい」 わたしちゃんは、母の言葉にショックを受けます。 「お母さんに甘えたい」という当たり前の欲求が満たされないことが多く、わたしちゃんは、常に寂しい気持ちを抱えるようになっていました。 幼い子どもにとって、「母親と触れ合いたい」と感じるのはごく当たり前のこと。拒絶されてしまったわたしちゃんですが、大人になった彼女が振り返るように、このような出来事は、子どもの自己肯定感の低さにつながるのかもしれません。 家事、育児、仕事と忙しく動き回ることが多く、余裕がなくなってしまうことも多いですよね。しかし、幼い子どもとのスキンシップの時間は、何ものにも代え難いものであることも事実です。そのことを忘れないようにしたいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター HiKARi
2023年09月28日統合失調症の母に育てられた“わたしちゃん”。思い出せる一番古い記憶は、幻覚や妄想で騒いでいる母の姿。病気のせいもあり、家の中は汚く、自分で食事を作り食べることもしばしば。母の病状で特に目立っていた被害妄想により、毎日のようにお隣さんを攻撃していて……。統合失調症の母。被害妄想から、いつも騒いでいる母の元で育った、わたしちゃんの日常は……。 毎日お隣さんに攻撃する母 わたしちゃんが物心ついたころにはすでに、統合失調症を患っていた母。幻覚や被害妄想で騒いでいる姿が、思い出せる一番古い記憶なのだそう。 母の病状で目立っていた被害妄想により、お隣さんへの攻撃が日常的におこなわれていました。毎日、風呂場の窓からお隣さんに向けて大声で怒鳴る母。 「誰にもわかってもらえない、助けてもらえない」 そう感じていたわたしちゃん。唯一の理解者といえる、大人になったわたしが当時のわたしちゃんにやさしく寄り添います。 「つらかったね。平和に静かに暮らしたかったよね」 さまざまなかたちでおこなわれる母の攻撃。物干し竿に、「◯◯◯◯(お隣さん)出ていけ!」と書いた紙を吊るした日、母は警察から注意を受けていました。 「おまわりさん来てる! お母さんが注意されてる! え、お母さん捕まるの?」 わたしちゃんの記憶に鮮明に残っている出来事です。このことで、母の言動は他の人から非難されることだと、はっきり認識しました。 そしてわたしちゃんは、周りの目を気にすようになるのでした。 幼少期の記憶をたどり、大人になった自分が当時の感情に寄り添う、わたしちゃん。「唯一の理解者である、今の自分」という言葉があるように、本当の意味で自分のことをわかってあげられるのは、自分しかいないですよね。 幼少期のつらい記憶にはフタをしてしまいがちですが、大人になった今、振り返り、当時の気持ちに寄り添ってみることも大切なのかもしれませんね。 著者:マンガ家・イラストレーター HiKARi
2023年09月27日季節の変わり目は、朝スッキリ起きれないという人も多いのではないでしょうか。それは、寒暖差による自律神経の乱れや睡眠ホルモンの低下により、睡眠不足になることで起こると考えられます。今回は現役ヨガ講師の筆者が、スッキリとした寝付きや寝起きを目指す、ベッドの上でできる簡単ストレッチをご紹介します!朝のストレッチはこんなメリットがあります!自律神経を整える私たちの身体の内臓器官をスムーズに働かせてくれている「自律神経」。主に昼間に活発になる「交感神経」、そして夜に活発になる「副交感神経」、この二つのバランスを取ることが心身の健康においてとても大事なことだと言われています。夜寝ているときは副交感神経が優位に働いていますが、季節の変わり目は特に自律神経の乱れが起きやすく、朝になってもすんなり起きれなかったり、日中眠くなってしまったりと、様々な不調に繋がる原因になる可能性が。朝のストレッチで筋肉を緩める事で、交感神経のスイッチが入りやすく、自然と活動モードに導いてくれるでしょう。全身の代謝UP寝ている間に凝り固まった筋肉をほぐすことで、全身の血流を促し、体温を上昇させ、身体の基礎代謝を向上させる効果が期待できるでしょう。基礎代謝を高めることで1日のエネルギー消費量が増え、痩せやすく太りにくい体質を目指すことにも繋がるはずですよ。首肩こり、腰痛などの不調を軽減凝り固まった身体は首肩や腰に負担が起きやすく、放っておくと痛みや慢性的な不調に繋がります。ストレッチで筋肉をほぐすことで、首・肩こりや腰痛などの予防や軽減にも期待ができるでしょう。ベッドの上で簡単ストレッチそれではいくつかのストレッチを組み合わせてご紹介していきます。ぜひ覚えて毎日チャレンジしてみてくださいね!\動画でトレーニングを確認!/やり方をチェック!1.仰向けになり両足を揃え、手の指を組んで大きく全身を伸ばす2.膝を立て、左右にゆっくり倒す3.両手で右足(スネもしくは太もも)を抱え、左足を前に伸ばす4.右足を身体の左側に倒して捻り、右手を横に、顔を右に向ける5.反対の足も同様に行う6.足裏を合わせ、膝を外に開き、頭の上で両肘を掴む7.最後にまた両足を伸ばし手の指を組んで、大きく全身を伸ばしてストレッチ朝の目覚めは夜の眠りから!朝ストレッチだけ行うのも良いですが、更に目覚めを良くする為に、眠りの質を高めることを意識してみましょう。・朝、太陽の光を浴びて、ホルモンバランスを整えやすくする・湯船に浸かって身体を温める・室内の温度や湿度を快適な状態にする・運動を定期的に行う・寝る前もストレッチを行う・深呼吸をする無理のない範囲で、ご自身が気楽にできるものから意識して取り組んでみてくださいね。©︎Rido/Adobe Stock筆者情報NATTY/池田夏子YES TOKYO STUDIO中目黒スタジオマネージャー兼インストラクター。 2014年ヨガインストラクターとして活動開始。翌年2015年インド・ケララ州にあるアシュラムにてヨガ哲学を深める。帰国後都内スタジオでグループレッスン、パーソナルレッスンを中心に、オフィスヨガや企業主導型のイベントなどでも活動中。2019年インドにてRYT500トレーニングを終了。ヨガインストラクターとしての実績はもちろん、雑誌や広告のヨガポーズ監修、ヨガモデルの活動も多く、数々のメディアに出演中。 近年はモデル単体の活動も増え、ご当地ビールのポスターやアウトドア雑誌の表紙などにも出演。文/NATTY
2023年09月19日交感神経と副交感神経の両方に作用するのが、背骨をねじる動き。集中力が続かない、イライラする、感情が不安定だと感じる時などは、気持ちをリセットしてニュートラルに戻すために、ねじりを取り入れてみましょう。理学療法士インストラクター・Ayakaさんが伝授。自律神経の土台作り1、交感神経優位【反る】2、リセット【ねじる】3、副交感神経優位【曲げる】交感神経は朝や昼など活動的に過ごす時間に優位になり、副交感神経は夜やバスタイム、就寝時などのリラックスしている時に優位に。背骨の中を通っているこの2つの神経は、背骨を動かして刺激し、血流をよくすることでそれぞれの役割をサポートできるため、時間帯に応じて3つの動きを使い分けることが大事。「背骨を“反る”動きは、交感神経を優位にして活動的なモードになるので、朝昼向けの動き。“ねじる”は、交感神経と副交感神経のどちらにも作用するため、リセットしたい時やニュートラルを保ちたい時に。“曲げる”は、背骨を湾曲させることで副交感神経を優位にするため、夜におすすめです。どれも“イタ気持ちいい”程度の強度で、またすべての呼吸は、鼻から吸って口から吐く腹式呼吸でおこないましょう」【昼】ねじる座りツイスト腰の筋肉や腹斜筋、脊柱起立筋を伸ばして、自律神経をリセット!1、椅子に骨盤を立てて浅く座る。ひざをつけて両足をそろえて座り、手はひざの上に置いてスタンバイ。2、手を反対側のひざに置き、もう一方の手は後ろについて、息を吐きながら背骨をねじる。息を吐ききったら、再び息を吸いながら1の位置に戻し、反対側も同じようにおこなう。これを3セット。背もたれストレッチ椅子に座ったついでに自律神経のバランス調整!1、足の裏を全部つけて椅子に浅く座り、あごを引く。後頭部で手を組み、息を吐きながらひじを顔の前に寄せて、視線はひざのあたりに。2、息を吸ってひじを開きながら胸を開き、背もたれに寄りかかる。上半身を一直線にして、視線は斜め上に。3、さらに背骨を反らして息を吸いきったら、吐きながら1の位置に戻す。これを10回。Ayakaさん理学療法士として病院に勤務したのちハワイに留学。ヨガとピラティスのインストラクターの資格を取得。現在はフリーで、姿勢改善・体質改善のレッスンなどをおこなっている。※『anan』2023年9月20日号より。写真・中島慶子取材、文・若山あや(by anan編集部)
2023年09月13日この時期毎年悩まされるのが、酷暑で溜まりに溜まった様々な疲れと、乗り越えた先に待っている、季節の変わり目由来の負担。そんなゆらぎを払拭すべく!ダイレクトにアプローチできる背骨ケアをルーティンに取り入れ、鉄壁の自律神経を手に入れよう。季節の変わり目は自律神経の乱れに注意。「呼吸や排泄、睡眠サポート、体温管理など生命維持に関わるカラダの働きを支配しているのが、交感神経と副交感神経からなる自律神経。双方は連動していて、時間帯、行動、季節や気温などで優位と劣位を交互に繰り返しています」(理学療法士インストラクター・Ayakaさん)2つの神経は、バランスよく波形を描いて連動しているのが理想。「起床30分以内に朝日を浴びることで交感神経が働きやすくなり、その反動で副交感神経も正常に働いて波を作り始めます。ただ、スマホの光によって夜でも昼と勘違いするなど、行動次第では簡単にバランスを崩してしまうことも。また、気温の高い夏は交感神経を優位に、気温の低い秋~冬は副交感神経を優位にしてカラダを適応させますが、夏の冷房で体感温度が変わることでメカニズムが崩れ、自律神経を乱すきっかけにもなるため、季節の変わり目は要注意です。背骨の中を通っている自律神経は、背骨ストレッチにより血流を促し、正しく整えましょう」自律神経の土台作り“背骨ケアルーティン”“反る”“ねじる”“曲げる”が、基本の3つの動き。それぞれの作用を理解しつつ、背骨ケアを習慣化し、心身ともに健やかなカラダを手に入れましょう。自律神経の土台作り1、交感神経優位【反る】2、リセット【ねじる】3、副交感神経優位【曲げる】交感神経は朝や昼など活動的に過ごす時間に優位になり、副交感神経は夜やバスタイム、就寝時などのリラックスしている時に優位に。背骨の中を通っているこの2つの神経は、背骨を動かして刺激し、血流をよくすることでそれぞれの役割をサポートできるため、時間帯に応じて3つの動きを使い分けることが大事。「背骨を“反る”動きは、交感神経を優位にして活動的なモードになるので、朝昼向けの動き。“ねじる”は、交感神経と副交感神経のどちらにも作用するため、リセットしたい時やニュートラルを保ちたい時に。“曲げる”は、背骨を湾曲させることで副交感神経を優位にするため、夜におすすめです。どれも“イタ気持ちいい”程度の強度で、またすべての呼吸は、鼻から吸って口から吐く腹式呼吸でおこないましょう」【朝】反る背骨を反らす動きは、交感神経を優位にさせます。朝起きてすぐにベッドの中でおこなえば、副交感神経が優位の睡眠モードから一転、カラダを目覚めさせ、一日の活動を始めるための準備にもなります。猫の伸びポーズ胸椎と頸椎を伸ばし、肩甲骨の下側と首をほぐす。猫背の改善にも。1、手を肩幅に広げ、ひざは握り拳1個分あけて四つ這いになる。2、直角に曲げたひざの上に骨盤があることを確認し、その位置をキープしながら、両手をできるだけ前につく。3、息を吐きながら、手を伸ばすのと同時に胸を床に近づけて、背骨を反らす。視線は指先に。そのまま自然に呼吸を続けて20秒キープ。これを5回。コブラのポーズ胸椎と頸椎を伸ばして反らすことでスイッチON!活動モードに。1、うつ伏せに寝て、両手のひらは広げて胸の横に置く。指先は正面に向ける。2、息を吸いながら床を手で押して上半身を反らす。3、さらに余裕があれば、首を伸ばしたまま上に引き上げて反らす。首を反らす時はあごだけを上げずに、首の付け根から反らすこと。そのまま自然に呼吸を続けて、20秒キープする。これを5回。胸反らしストレッチ大胸筋をほぐして巻き肩や肩甲骨の開き、猫背を予防&改善!1、ひざを立てて床に座り、両手を肩幅に開いて後ろにつく。指先はカラダ側に向ける。ひじは緩めて、リラックスした状態でスタンバイしながら息を吐ききる。2、息を吸いながらひじを伸ばして、同時に胸を斜め上に突き出す。視線は斜め上に。息を吸いきったら、再び息を吐きながら1の位置に戻してひじを緩める。視線はひざに。これを10回。Ayakaさん理学療法士として病院に勤務したのちハワイに留学。ヨガとピラティスのインストラクターの資格を取得。現在はフリーで、姿勢改善・体質改善のレッスンなどをおこなっている。※『anan』2023年9月20日号より。写真・中島慶子取材、文・若山あや(by anan編集部)
2023年09月13日フォレスト出版株式会社(所在地:東京都新宿区、代表取締役:太田 宏)は、『自律神経のなかで最も大切な迷走神経の整え方』(小林弘幸・著)を2023年9月12日に発売いたしました。『自律神経のなかで最も大切な迷走神経の整え方』(小林弘幸・著)詳細URL: 近年よく耳にする、「自律神経を整える」というキーワード。わたしたちにとって、自律神経がいかに大切な神経であるかは、よく知られるようになりました。自律神経は、「交感神経系」と「副交感神経系」の2つの神経で構成されています。自律神経を整えるには、この2つの神経のはたらきがどちらも高く、ちょうど良いバランスで釣り合っていることが理想的だとされています。しかし、残念ながら、現代のストレス社会では、“交感神経が過剰にはたらいている人”が急増しています。副交感神経のはたらきを高め、バランスを保たなければいけません。そこで、重要となるのが、本書でお伝えする「迷走神経」を活性化させる方法です。迷走神経は、自律神経のなかでも、副交感神経を支配している重要な神経です。脳と臓器の「直通回線」とも呼べる、体のなかで最も大きな神経です。本書では、迷走神経と腸、呼吸、睡眠、生活習慣、ストレスとのかかわりから、「なぜ、今迷走神経に頼ることが必要なのか」「迷走神経をはたらかせると、どのような効果があるのか」「迷走神経が整うためにはどうすれば良いのか」を、自律神経研究の第一人者・小林弘幸医師がわかりやすくまとめています。新たなキーワード、「迷走神経を整える」生活を始めることで、何を試しても良くならなかった頑固な不調もスッキリ解消していきます。最近不調を感じ始めた方にはもちろん、「自律神経を整えるためにいろいろ試したけれど、なかなか不調が改善しない……」という悩みを抱えている方にも、ぜひお読みになっていただきたい1冊です。■主要目次はじめに――自律神経のなかで最も大切な神経がある第1章 自律神経を整える切り札「迷走神経」のはたらき第2章 迷走神経を整える腸活第3章 迷走神経を整える呼吸法第4章 迷走神経を整える睡眠第5章 迷走神経を整える生活習慣第6章 迷走するストレスとの付き合い方おわりに■著者プロフィール小林 弘幸1960年埼玉県生まれ。1987年順天堂大学医学部卒業。1992年同大学大学院医学研究科を修了し、ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した「腸のスペシャリスト」でもあり、みそをはじめとした腸内環境を整える食材の紹介や、自律神経と腸を整えるストレッチの考案など、様々な形で健康な心と体の作り方を提案し ている。『医者が考案した「長生きみそ汁」』『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(以上、アスコム)『整える習慣』(日経ビジネス人文庫)などの著書のほか、メディア出演も多数。■書籍概要書名 : 自律神経のなかで最も大切な迷走神経の整え方著者 : 小林 弘幸ページ数: 208ページ価格 : 1,815円(税込)出版社 : フォレスト出版株式会社ISBN : 978-4-86680-240-4発売日 : 2023年9月12日URL : ■会社概要商号 : フォレスト出版株式会社所在地 : 〒162-0824 東京都新宿区揚場町2-18 白宝ビル7F設立年月日: 1996年4月1日代表取締役: 太田 宏業務内容 : 出版物の企画・制作及び販売URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月12日7月、8月に比べると過ごしやすくなってきたものの、夏の疲れがどっとでてくる時期。気候の変化や自律神経の乱れから、疲れを感じたり、やる気喪失してしまう人が多いそう。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、必要な栄養素を消耗させ、自律神経を乱してしまうNG習慣と対策を教えてくれます!真夏の後遺症でぐったりしていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 230まだまだ暑いですが、灼熱の夏と比べると外を歩くのも少しずつ楽になってきましたね。エネルギーを吸い取られるような日差しを見上げる回数は減ってきましたが、今度は真夏の後遺症が少しずつ表面化し始めている人も多いのではないでしょうか。カップ麺やレトルトなどインスタント食品に頼りきりになったり、暑苦しくて睡眠が十分にとれなかったり、運動量が減ったりという行動が習慣となっている人はとくに注意が必要です。夏バテだと言い訳してだらだらと過ごし続けていると疲労感、だるさ、やる気喪失、風邪の後の長引く咳、自律神経の乱れなどを感じてしまうこともあるかもしれません。数週間前と比べると、体を動かしやすい環境になっているので、今週はぐったりしてしまう疲労感の対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、疲労感の対策となる食薬習慣あー疲れた、あーだるい、めんどくさい…などの言葉、クセになっていませんか?本当は、やることはたくさんあるはずなのに、心と身体はついていかず、楽なほうへとどんどん現実逃避してしまい、最終的に自分で未来の自分を追い込むことになっているということもあるかもしれません。過酷な7、8月の生活環境を乗り越えてきた今、私たちの体が疲弊し、疲れを感じてしまうことは、仕方ないことです。自分に「お疲れ様!」と応援の言葉を投げかけながら、気持ちを切り替えていくことも大切。夏の疲れに対して、そっぽを向いていられる時間はもうおしまいです。疲れを解消したい人は、今週から早速食薬を実践してみてくださいね。漢方医学では、疲れがたまりやすい人を『気虚』といいます。そして、慢性疲労で、横になりたいくらいだるいという状態を『腎虚』といいます。そこで今週は、『気虚』や『腎虚』にならないよう、『補気』する食材を取り入れつつ、『気』を消耗してしまう食材を控えてみましょう。今週食べるとよい食材は、『気』を補う【キムチと納豆の玉子焼き】。逆にNGな習慣は、『気』の材料にもなるビタミンBを消耗してしまう【カップ麺などインスタント食品】です。食薬ごはん【キムチと納豆の玉子焼き】今回のレシピに使う食材は、コンビニで買うことのできるもの。材料を全部まぜて、単純にチヂミのように焼き上げたら完成という、超絶簡単レシピです。購入から調理して食べるまで時間は、インスタント食品と大きな差はないかと思います。少しだけ意識を変えることで、インスタント食品で不足しがちなタンパク質や食物繊維もしっかりと摂ることができるので、寝不足ぎみで疲労がとれないという人はぜひお試しください。<材料>納豆1パック玉子2個キムチ50g醤油小さじ1あれば大葉6枚(刻む)<作り方>全部混ぜて焼いたら完成。盛り付けるときにキムチと大葉を添えてもキレイ。NG行動【疲労感MAXなときのインスタント食品】疲れた、気力がない、面倒…という日には、すぐに味覚とお腹を満足させてくれる、カップ麺などのインスタント食品を手にする機会が増えますよね。おいしい食事を瞬時に食べることができる画期的な食品です。ですが、疲労感がMAXなときこそ、体がエネルギーを作り出すことができるようにさまざまな食材を取り入れることが大切。また、インスタント食品は糖質が多く、必要な栄養の補給は不十分、さらには代謝ビタミンとも呼ばれるビタミンBを消耗してしまいます。必要な栄養を補えず、消耗されてしまうのは死活問題。疲れたときだけでも気をつけてみてくださいね。夏の終わりが見えてきましたが、今まで暑さで睡眠の質が落ちていた人は、夏の疲れを強く感じていることだと思います。異常で強烈な暑さは収まりつつあるので、そろそろ重い腰をあげ、食事内容の見直しを始めても良い時期だと思います。元気になるための第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©VectorRocket/Adobe Stock文・大久保愛
2023年09月08日まだまだ残暑が厳しい9月前半。夏の疲れがたまるピークの時期でもあります。夏バテを感じる方が増えているのではないでしょうか?そもそもこの時期に夏バテを起こしたり、夏の疲れがたまりやすいのは何故なのでしょうか。大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区社長:上原 茂](以下、当社)が運用する健康情報サイト「大正健康ナビ( )では、季節やトレンドに合わせて、あなたのお役に立つコラムを随時更新しています。9月6日に新着更新した「夏バテの原因は、自律神経の乱れ⁉ 自律神経を整えて健やかな秋を迎えよう」では、小林 弘幸 先生監修のもと、夏バテの原因となる自律神経の乱れに着目し、なぜ乱れるのかや食事や運動など日々の生活に取り入れやすい自律神経を整える方法などを解説しています。◆新着情報コラム「夏バテの原因は、自律神経の乱れ⁉ 自律神経を整えて健やかな秋を迎えよう」 ◆目次・そもそも自律神経とはどんなもの?・夏に自律神経が乱れやすくなってしまうのはなぜ?・夏の疲れをとるのにおすすめの、自律神経の整え方・アスリートの自律神経の整え方、疲れの取り方は?自律神経は自分でコントロールすることは出来ないですが、自律神経のバランスが整うように働きかけることは可能です。日々の生活に取り入れやすい自律神経を整える方法を身につけて、夏バテを解消し、来るべき本格的な秋を元気に過ごしましょう。大正健康ナビは、生活者の日常生活に寄り添い、「人生100年時代をサポートする健康情報発信基地」として、みなさまの健康の維持・増進にお役立ていただけるサイト運営を目指しております。当社は、これからも健康と美を願う生活者に納得していただける優れた医薬品・健康関連商品、情報及びサービスを、社会から支持される方法で創造・提供することにより、社会へ貢献してまいります。【監修者プロフィール】順天堂大学医学部教授小林 弘幸(こばやし・ひろゆき)先生1987年順天堂大学医学部卒業。同大学大学院医学研究科(小児外科)修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科などに勤務後、順天堂大学医学部小児外科学講師・助教授などを歴任し、現在に至る。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。自律神経研究の第一人者であり、多くのアスリートの指導にかかわっている。また順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した‟腸のスペシャリスト“としても活躍。著書に『一流の人をつくる 整える習慣』『自律神経を整える「あきらめる」健康法』(KADOKAWA)、『自律神経が整う時間コントロール術』(小学館)、『聞くだけで自律神経が整うCDブック』(アスコム)、『小林弘幸式2週間プログラム 朝だけ腸活ダイエット』(ワニブックス)など多数。YouTubeチャンネル「ドクター小林の健康塾」で健康情報を発信している。■ご参考●大正健康ナビ 大正健康ナビでは、お悩みの原因、症状、対策や予防法などをご紹介しています。いろいろな疑問に専門家が分かりやすくお答えしています。【大正健康ナビ】夏の疲れの原因は、自律神経の乱れ⁉自律神経を整えて健やかな秋を迎えよう.pdf : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年09月06日9月といっても、まだまだ続く暑さ。室内外の気温差や寝苦しい熱帯夜、突然の気象変化などから、自律神経の乱れや喉の不調を訴える人が多いそう。そこで中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、つい取り入れがちだけど実は自律神経を乱すNG習慣と対策を教えてくれます!気温差や気象の変化で体調を崩していませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 229体温と変わらないくらいの暑さが強烈な毎日、目が痛くなるような強い紫外線、睡眠の質が低下する熱帯夜、そして突然の雨、雷。気分屋な夏はいつまで続くのでしょうか。起きているときも、寝ているときも常にエアコン完備がスタンダードであるこのシーズンは、自律神経の乱れや喉のトラブルなどに悩まされる人が激増します。何かしら、不調を抱えている人は多いのではないでしょうか。とくに、些細なことで傷ついたり、イラっとしてしまったり、やる気が喪失してしまったりと、プチストレスが積み重なり、なんとなく感じる不調が強固なものへと進化していくこともあるかもしれないですね。自律神経の乱れに伴い月経前の胸やお腹の張り、便秘、イライラ、過食、頭痛などの不調もいつもより強く感じる人もでてくることでしょう。ということで、今週は自律神経を整え、気候や空調が作り出す環境に負けない食薬習慣を紹介していきます。今週は、自律神経を整える食薬習慣いよいよ9月。9月といえば、もう少し過ごしやすかった印象がありますが、現実は大きくかけ離れ、体温に近い気温を観測する地域もいまだに多いですよね。ということは、室内と屋外の気温差を強く感じることにもなり、睡眠時の空調管理にも難しさを感じる人が多いと思います。そろそろ、睡眠不足、疲労感、ふらつき、月経不順、イライラ、気分の落ち込み、注意力散漫、頭痛などの自律神経にまつわる不調で悩む人が増えてくることでしょう。漢方では、自律神経が乱れやすいときの状態を『肝血虚』と呼び、実際に自律神経が乱れた状態を『肝気鬱結』、気分が落ち込みやすくなっている状態を『胆虚』などと呼んでいます。そこで、今週は、気候変化や空調による影響に負けずに自律神経を整えるために『肝血』を補い、『肝胆』を支えることで『気』の巡りを改善する食薬を紹介します。今週食べるとよい食材は、【モロヘイヤと舞茸の玉子炒め】。逆にNGな習慣は、気分転換に取り入れがちな【コーヒーとクッキーでのひと休み】です。食薬ごはん【モロヘイヤと舞茸の玉子炒め】モロヘイヤは、自律神経を安定させるうえで欠かせない腸内環境のケアに役立つペクチンやマンナンなどの食物繊維を多く含み、ネバネバした特徴があります。腸内環境が悪化している状態は、肝臓や胆のうへも悪影響を与えてしまうため、『肝胆』を支えるために、胆汁の分泌を促し、腸内環境を整える水溶性食物繊維をとるのがおすすめです。また、βカロテンやビタミンC、ビタミンE、葉酸なども豊富で、その栄養価の高さから王様の野菜とも呼ばれているほどです。さらに、キノコ類には、心を落ち着かせるGABAが含まれているので、自律神経が乱れがちなときにおすすめな食材です。これらの食材をアミノ酸スコアが100で『肝血』を補うことのできる玉子と炒めることで、心の安定をサポートしていきましょう。<材料>Aマイタケ1パック(ちぎる)モロヘイヤ1束(3センチくらいに切る)ニンニク1片(スライス)B溶き玉子2個醤油小さじ2みりん小さじ1水大さじ1<作り方>フライパンでAを炒める。Bをまぜあわせ、フライパンに加える。玉子が固まるまで炒めたら完成。NG行動【コーヒーとクッキーでひと休み】イライラしたり、だるくなったり、気分が落ち込んだり、やる気がなくなったりと気分が乗らないときには、コーヒーとクッキーなどの甘いもので気分転換をする頻度が増えてしまうことがあるかもしれません。もしくは、休憩ではなく、コーヒーと甘いものを口にしながら仕事を続けることもあるかもしれませんね。ですが、いつの間にかカフェインや糖質をとりすぎてしまうと、自律神経が乱れているときには逆効果となってしまうことも。カフェインで交感神経が優位になったり、甘いものでビタミンB群が消耗したり、血糖値が乱高下することで、心が不安定になることもあるのです。ながら食べによる食べ過ぎ、飲み過ぎのないようにコントロールしたり、調子の悪いときだけでも、おやつを小魚アーモンドやミックスナッツに変更するなど、おやつの内容の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。今の時期、何かしら不調を感じる方は多いと思います。ですが、暑さや気圧の大きな変化は、9月後半の秋分の日あたりまで続くことが予想されます。途中でギブアップしないようにコツコツメンテナンスをして、健康維持をしていきたいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©ayakono/Adobe Stock文・大久保愛
2023年09月01日数年ぶりにアクティブな夏を過ごした人は多いでしょう。そこに強烈な紫外線に室内外の気温差、台風や低気圧による気圧の変化等も加わって、8月終盤のいま、疲れやだるさ、めまいなど、自律神経の乱れによる心身の不調を感じている人も増えているよう。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、自律神経の乱れを長引かせるNG習慣と対策を教えてくれます!最近、心身の調子が乱れていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 228だるい、眠い、何もやりたくない…と夏の元気はつらつのイメージとは真逆の境地へと陥っている人は多いのではないでしょうか。例年、お盆がすぎると秋分の日まで、7月や8月前半に比べ台風やゲリラ豪雨の頻度が増える傾向があります。酷暑に耐えていたと思えば、激しい雨がやってきて、外に出ることすら危うい状況になることもありますよね。室内外の温度変化、高い湿度、強い紫外線など、地球がもたらす大きな変化は、心とカラダの平和を保つ自律神経を乱す要因となることでしょう。自然の極端な変化は年々その激しさを増し、頻度高くやってくるようになってきています。自然界に存在する私たちは、その変化を許容できるくらいの体力と柔軟性を備えておくことを求められています。そんななか、日ごろの食事、運動、睡眠などの習慣が、私たちのカラダを頑丈に構築するうえで必要なものだと思いますが、とくに食習慣の改善がもっとも初歩的で、重要なものです。そこで、今週は夏の気候に負けないように自律神経をサポートし、シャキッとした自分を取り戻す食薬紹介していきます。今週は、自律神経を整え、シャキッとした自分を取り戻す食薬習慣8月も終盤ですが、今年の夏にやり残したことはないでしょうか?夏祭りや花火大会は、もうしばらく各地で開催されることだと思います。やりたいこと、行きたいところなど夢と希望であふれる夏ですが、それを全部実現するためには、どうしても健康な心とカラダが必要となります。また、気分が高まり、いつも以上にアクティブに動き回ったあとには、ヘビーな疲労感、頭痛、めまい、睡眠の質の低下など、複数の不調が同時多発的におこり横になりたいと感じることもあるかもしれません。漢方医学では、このように変化が多いため自律神経が乱れている状態を『肝気鬱結』と呼びます。また、紫外線や多汗による疲労感なども感じることもあると思いますが、その状態を『気陰』が消耗していると考えます。そこで、今週は『肝気』の巡りを改善する香の高い野菜と、紫外線や汗による後遺症をサポートするミネラルやβカロテン、ビタミンCを含む野菜、エネルギー代謝をサポートするクエン酸を含む野菜などをミックスしたサラダをおすすめします。食べるとよい食材は、【夏野菜の簡単レモンサラダ】。逆にNGな習慣は、心底疲れ切っているときにでも、元気の前借をすることで動けてしまっているかもしれないカフェインの摂り過ぎです。疲れたなと感じたら、【エナジードリンクやコーヒー】とパターン化してしまっている人はビタミンB群やミネラル、タンパク質を補い、根本的に元気になれるような対策も一緒に取り入れるのが得策ですね。食薬ごはん【夏野菜の簡単レモンサラダ】香り成分、色の成分などは、抗酸化作用が強い成分でファイトケミカルといいます。特に強い太陽を浴びて育った旬の野菜に含まれるファイトケミカルは、私たちが元気に過ごすために取り入れると良いものとされています。また、セロリやバジル、大葉など香りに特徴のある野菜には、『肝気』の巡りを促す働きがあるため、今回はセロリを活用しました。また、クエン酸やビタミンCの多いレモンは、皮をむいて粗みじん切りくらいに細かくすることで、刺激物ではなく、アクセントとして丸ごと食べることができます。オリーブオイルと塩、刻んだレモンを混ぜるだけで、疲労対策で『補気陰』できるおしゃれなドレッシングが完成しますよ。<材料>トマト1個(さいの目)アボカド1/2個(さいの目)セロリ1/2本(葉も一緒に小さく刻む)レモン1/2個(皮をむいてさいの目)すりゴマ・オリーブオイル大さじ1塩適量<作り方>材料を和えたら完成。NG行動【エナジードリンクやコーヒー】だるい、眠い、何もしたくない、横になりたいというときには、食事がおろそかになり、エナジードリンクやコーヒーで元気を補給し、空元気のまま活動する人も少なくありません。ですが、夏バテのなか麺類やパンなど手軽な食事が増え、自律神経が乱れることで、夜には目が冴えて、暑いから運動量は激減しやすい今の気候の中で、頻繁にカフェインを多く含むものばかりに元気をもらってばかりいたら、朝から元気はつらつで、日中の眠気も少なく、集中力も抜群といった本来私たちがもつ快適さからは、かけ離れてしまうかもしれません。エナジードリンクやコーヒーなどのカフェインに適度に頼りつつも、食生活をはじめとした生活習慣の見直しもできる部分から整えることも同時に行うようにすると良いと思います。もうすぐ9月です。そして、あっという間に今年も終わっていくのだと思います。自分の思い描く未来へと近づくことができるように、カラダを作っている食事への意識を今よりちょっと良いものへとシフトしていけるよう簡単な食薬を取り入れてみてくださいね。そのほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Vadim Pogrebetskiy /Getty Images文・大久保愛
2023年08月25日暑さは当分続くかもしれませんが季節的には夏ももうすぐ終わり。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、室内外の気温差や気圧の変化により自律神経が乱れ、なんとなく憂うつになったり、調子が悪くなったりする人が増えているそう。愛先生がメンタル不調になるNG習慣と対策を教えてくれます!最近、心が不安定になっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 227例年お盆が明けると、夏の本気な熱烈なパワーが9月末の秋分の日ころを目途に少しずつ和らいでいく傾向があります。ですが、今年の夏はまだまだ暑さが続きそうですよね。さらにこれからの時期は、台風やゲリラ豪雨などが頻発し、低気圧がたくさんやってきています。私たちは、お盆明けとともに日常の生活へと戻っていきますが、やはりどうしても楽しかった、ゆっくりできたという思い出が強いと、日常のルーティンを憂うつに感じてしまうことがあります。急にイライラしたり、落ち込んだり、憂鬱になったり、悲しくなったりすることもあるかもしれません。気温が高い日は室内の設定温度が低くなりがちなので、室内外の寒暖差によって自律神経が乱れたり、気温が低い雨の日には低気圧が来ているので自律神経が乱れたり…どちらにせよ自律神経が乱れ、メンタルが安定しづらい時期であることは確かです。ということで、今週は長期休暇明けのこれからの時期、精神的に強くいられるように食薬習慣を紹介していきます。今週は、気分が憂うつなときの食薬習慣楽しかったなという思い出があるほど、現実に戻ることに憂うつさを感じることがあります。嫌だなと感じると同時に、それだけ心が休まったり、楽しかったんだなと思い出を振り返ることができると良いですよね。そして、このタイミングに月経前のタイミングが重なってしまった場合には、憂うつさが倍増されてしまうことになるかもしれません。いつもよりさまざまな環境に敏感に反応し、怒ったり、傷ついたり、落ち込んでいるなと感じる人は、よりメンタルのコントロールが難しくなると思います。漢方では、この状況を『肝気鬱結』といいます。この状態になると、寝ている間にもカラダに力が入り、歯ぎしりをしたり、朝から肩こり、頭痛を感じたり、カラダの不調が現れてしまうことがあります。そこで今週は、『肝気』の巡りを解消する食薬を取り入れることがおすすめです。食べるとよい食薬は、【魚介入りラタトゥイユ】。逆にNGな習慣は、【つまみ食い】です。食薬ごはん【魚介入りラタトゥイユ】ストレスが多く自律神経が乱れているときには、色や香りに特徴のある野菜がおすすめ。特に、漢方医学では、セロリやバジルなどの香りが高い野菜は、『理気』作用が強いといわれています。また、海老、イカ、アサリなどが入ったシーフードミックスを使うことで『肝』の働きを支えるタウリン、ストレスで消耗するミネラルなども補うことができるためおすすめです。<材料>aトマト1個ナス1個玉ねぎ1/4個カボチャ1/8個セロリ1本ニンニク1片(みじん切り)bシーフードミックス100g(解凍しておく)バジル10枚塩適量<作り方>aをさいの目切りして、フライパンに入れ塩を加え、オリーブオイルでしんなりするまで炒める。味が整ったらバジルを加えて完成。(野菜はお好みで好きなものを加えてください)NG行動【つまみ食い】甘くて美味しいいただきものが増えるこの時期。家にいるときは特に、暇なとき、集中できない時、イライラしたときなど、ふとした瞬間にすぐに食べ物を手に取ることができてしまいます。冷蔵庫や戸棚の前を通るたびに、頻繁につまみ食いしてはいないでしょうか。普段の自分の生活と比較して、過剰に甘いものを食べていると実感する場合には、甘いものを冷凍庫など、取り出しにくいところにしまっておくのが得策。甘いものは、血糖値の乱高下や腸内環境の乱れを招きます。この状態は、メンタルに直結してしまいます。心の状態が不安定なときには、なるべく甘いものは控えて、食物繊維やタンパク質、ビタミンB群、ミネラルの摂取を心がけましょうね。長かった夏も後半戦突入です。最後まで心とカラダの元気を保ったまま最後まで走り抜けたいものですよね。そのためにも、カラダを構成するための食事管理は重大な役割を担っています。なんとなく調子が悪いなと感じた時には、食薬を取り入れてみてくださいね。そのほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。© ILLUSTRATION * STORE /Adobe Stock© andromedicus /Adobe Stock文・大久保愛
2023年08月16日脱水症や熱中症対策として、フレーバーも機能もさまざまなドリンクが発売中。シーンごとに上手に使い分けて、日々効果的な水分補給を!水分、塩分、ミネラル摂取にうってつけ。脱水症・熱中症対策ドリンクいろいろ。汗でどんどん失われていく体内の水分。補給しないと、脱水によって血液の循環が悪くなり、体温調節に悪影響が出て、熱中症リスクも高まる。「日常生活では、喉が渇いたと感じる前に、ミネラルウォーターや麦茶などを摂取。一気に摂ると、尿によって排出されやすくなるので、こまめに少しずつがポイントです。大量の汗をかくスポーツ時は1プレーごとなど、ジョギングやウォーキングなら信号で足を止めるたびに飲むくらいがちょうどいいでしょう。水分と同時に塩分も摂れるドリンクもおすすめです」(医師・久手堅司先生)汗をかくことに抵抗を感じて、水分を摂らないのはNG。「汗をかくことは体温調節に必須。また乳製品を摂っている人のほうが汗をかきやすいというデータが。飲むヨーグルトを日常的に摂るのもよいでしょう」【夏フレーバードリンク】塩分やミネラルをおいしくチャージ。季節にぴったりのフルーツフレーバーから、体にやさしいトマトジュースや甘酒など、夏ならではのドリンクが勢ぞろい!【森永製菓】冷やし甘酒酒粕のコクと米麹のやさしい甘さを活かした、冷やしておいしい甘酒。熱中症対策に欠かせないナトリウムが含まれている。隠し味の黒みつなどから、エネルギーとなる糖分も補給できる。190g¥135*編集部調べ(森永製菓お客様相談室 TEL:0120・560・162)【アキュアメイド】塩&柑橘“和製グレープフルーツ”とも呼ばれる愛媛県産の河内晩柑の果汁を使用。さっぱりとした甘さが特徴。後味には、伯方の塩の苦みをほのかに感じられる。アキュアの自販機などで販売。500ml¥160(アキュアメイド)【キリン】世界のKitchenから ソルティライチ旬の果物を塩漬けにして、氷と自家製シロップで作るタイのデザート“ローイゲーオ”がヒントに。沖縄の海水を使い、伝統の平釜製法で作った塩が、手摘みライチのおいしさを引き出す。500ml¥177(キリンビバレッジお客様相談室 TEL:0120・595・955)【伊藤園】冷梅ナトリウム量と、1800mgのクエン酸が含まれた清涼飲料水。梅の名産地・和歌山県産の南高梅の果汁を使用。アウトドアやスポーツシーンで、冷凍して持っていくのにもぴったりで、冷たさをキープ。500g¥172(伊藤園お客様相談室 TEL:0800・100・1100)【ダイドードリンコ】さらっと。トマトトマト果汁30%のエキスを使い、トマトのコクが感じられながらもフルーティでさらっとした口当たりで飲みやすい味わい。熱中症対策になる食塩量と、トマト1個分のリコピンが含まれる。350g¥151(ダイドードリンコお客様相談室 TEL:0120・559・552)【アサヒ飲料】カルピス THE RICH北海道産乳原料をリッチに使ったカルピスに、焦がし砂糖をプラスした上質な濃さがポイント。熱中症対策に対応する食塩量が含まれているので、暑い時もこの贅沢なドリンクでほっと一息ついて。490ml¥173(アサヒ飲料お客様相談室 TEL:0120・328・124)【タブレット】「水しかない!」時の優れもの。軽くて持ち運びがラクなタブレット。水しかない状況でも手軽に塩分を補給できるので、上手に活用しよう。【カバヤ食品】塩分チャージ タブレッツ1粒当たり食塩相当量0.11g、カリウム15.7mgを配合。クエン酸も171mg含まれているので、長時間の運動にも。日本学校保健会推薦商品。スポーツドリンク味の他、塩レモン味も。81g(個包装込み)オープン価格(カバヤ食品お客様相談室 TEL:0120・24・0141)【無印良品】ソルティタブレット グレープフルーツ今年4月から、無印良品の塩分補給アイテムの新作として加わったソルティタブレット。酸味と苦みが効いて、さっぱりとしたグレープフルーツ味のタブレットに、塩をプラス。食べやすく、1粒ごと個包装されている。50g¥190(無印良品 銀座 TEL:03・3538・1311)【水分補給ドリンク】炎天下での外出や作業のお供にも。糖質やカロリーオフの商品も続々登場中。大量に汗をかくシーンや、炎天下では、汗で失われた成分を効率的に補給できるドリンクを選んで。【日本コカ・コーラ】アクエリアス NEWATER(ニューウォーター)水分吸収のメカニズムから見直した新商品。水分やミネラルを効果的に浸透させるためアミノ酸を使用、糖質&カロリーゼロを実現。優れた水分補給が可能に。500ml¥176*編集部調べ(日本コカ・コーラお客様相談室 TEL:0120・308・509)【赤穂化成】熱中対策水 レモン味赤穂の天塩や、海洋深層水ミネラルで汗に近い成分を調整。失った塩分や水分を補給でき、体内のイオンバランスをキープ。マグネシウムも120mg配合。カロリーゼロ。500ml¥173(赤穂化成株式会社お客様相談室 TEL:0120・40・4139)【サントリー】グリーン ダ・カ・ラ白ぶどう、レモン、トマト、みかん、シークワーサー、ゆず、塩の7種類の素材が1本に。汗で失われるカリウムの量を増やし、補給感アップ。日本健康スポーツ連盟推薦。600ml¥162(サントリーお客様センター TEL:0120・139・320)【経口補水液】水と電解質を速やかに吸収!医学的知見から、水、電解質、糖質がバランスよく配合された経口補水液。水と電解質を吸収するスピードが速いので、軽度から中等度の脱水症や、脱水を伴う熱中症時などの対処に。【大塚製薬工場】経口補水液オーエスワンスポーツドリンクよりも電解質濃度が高く、水と電解質を素早く吸収するために糖濃度が低い組成の、軽度から中等度の脱水症に適した飲料。高血圧や腎機能が低下している人は、飲む前にお医者さんに相談を。500ml¥216(大塚製薬工場 TEL:0120・872・873)久手堅 司先生せたがや内科・神経内科クリニック院長。気圧予報を踏まえた体調管理アプリ「頭痛ーる」を監修。著書に『気象病ハンドブック 低気圧不調が和らぐヒントとセルフケア』(誠文堂新光社)など。※『anan』2023年8月2日号より。取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年07月30日重度になると命の危険さえある脱水症&熱中症。体温調節を担う汗との付き合い方、こまめな水分補給や外出時の服装&アイテム選びなど、どの対策も欠かせない!1、日頃から暑さに体を慣らし、汗をかきやすい体に。運動が苦手な人は、シャワーで済ませず、湯船に浸かり、汗をかくようにしよう。38~41°Cのお湯に首まで浸かり、15分ほど入り、じんわり汗を出して。長すぎると血圧が下がるので注意を。汗をかくのは体内の温度調整にとって大切なポイント。気温や湿度が上がりすぎない時間帯を選び、週4~5回、30分ほどウォーキングやジョギングを2週間ほど続けると汗をかきやすい体質に。2、エアコンを工夫して、温度と湿度をキープ。温度設定は28°Cを上回らないように、真夏は夜も切らないで。ただ、25°Cを下回ると、体が冷えすぎるので注意を。エアコンの風に直接当たるのも、体温が奪われて不調の原因に。風向きを工夫して。湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体から熱を放出する力が弱まってしまうので、温度だけでなく湿度対策も重要。適切な湿度は40~60%。65%を超えると、熱中症リスクが高まる。3、物理的に直射日光をあびない格好を。差すと日陰ができ、暑さをやわらげてくれる日傘は、できるだけ遮熱&遮光機能の高いものを選んで。ただ、紫外線対策としては、地面からの照り返しなどがあるので、日焼け止めの併用を。真夏の外出時は、できる限り帽子をかぶって、直射日光が頭に当たるのを阻止!紫外線を反射する、通気性の高い素材で、つばの広いものがおすすめ。時々脱いで、汗を蒸発させて。服は綿や麻などの自然素材の他、通気・吸湿性に優れたものを選んで。屋外イベントやアウトドアなどで長時間外にいる時は、通気性の高い長袖で、強烈な日差しから肌を守るのも一手。4、汗をこまめに拭き体温をコントロール。汗をかきっぱなしにしていると逆に体を冷やす原因に。ハンカチやタオルなどで軽く抑えて拭き取って。汗拭きシートは、含まれるアルコールの気化熱によって、涼しく感じられる効果も。5、“ちょこちょこ”水分を摂るクセをつける。屋外でアルコールを飲む機会も増える夏。利尿作用が非常に強く、脱水状態になりやすい。ビールなら飲んだ量と同量、ハードリカーであれば、倍の量の水を一緒に飲むのを忘れずに。涼しい室内にいて、汗をかいていなくても、体内の水分は常に奪われている。喉の渇きを感じた時以外に、1時間に1~2口ずつ、水分を摂るクセをつけ、トータルで1日1~2L飲むように。コーヒーに含まれるカフェインは利尿作用があるので、脱水症予防のための水分補給には不向き。お茶ではミネラルが豊富でカフェインレスの麦茶がいいが、濃すぎなければ緑茶も問題なし。※『anan』2023年8月2日号より。イラスト・たきたて玄米取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年07月30日高温多湿の日本の夏で、脱水症や熱中症になってしまう人が年々増加中。脱水症や熱中症って一体どんなもの?しっかり学んで対策しよう!誰もがかかるリスクあり。対策&処置はぬかりなく!気象庁によると、8月の気温は全国的に平年より高く、厳しい暑さとなる見込み。9月の気温も平年より高い所が多くなるそうで、脱水症や熱中症の対策がますます重要に!「これだけ蒸し暑い環境下では、体力に自信がある健康な大人も含めて、誰がどこでなってもおかしくない状態。自分だけは大丈夫という油断は禁物です。特に、以前、熱中症になったことがある人は、交感神経と副交感神経のスイッチの切り替えが上手くいかず汗をかきにくいなど、熱を放出しにくい体質の可能性があります。入念な対策を」と、気象病や自律神経に詳しい医師の久手堅司先生。脱水症も熱中症も、放っておくと危険な状態に陥ることも…。「脱水症なら口や皮膚の乾き、熱中症ならめまいや筋肉のしびれなど、初期のサインは意外と気づきにくいもの。なんとなくこのくらいなら大丈夫…と放置した結果、あっという間に症状が進むことも。室内でも不調をキャッチしたら、素早く処置を」【脱水症】汗をかかなくても、無意識の内に体内の水分は抜けていくと心得て。脱水症とは、体内の水分が足りず、日常生活や生命活動に支障をきたしている状態。汗をかくと水分とともにミネラルも抜けて、だるさを感じてくる。「体内の水分は、排泄や汗以外にも、皮膚や呼気などから気づかないうちに蒸発していきます。その量は、成人では900~1000mlにも及びます。夏は気づかないうちに軽い脱水になっていることも多いので、渇きを感じる前から水分補給するクセをつけましょう」CHECK・喉が渇いている。・唾液が出ず、口がパサパサしている。・体がだるく、脈が速くなっている。・尿の色が濃く、少量しか出ない。もしなってしまったら…【ACTION1】水分と塩分を速やかに補う。【ACTION2】湿度が低く、涼しい場所に移動。【ACTION3】吐き気や下痢などを起こし、体調が回復しない場合は医療機関へ。喉やくちびる、皮膚に乾きを感じたら、何はともあれまずは水分の補給を。夏場の脱水は、発汗によって水分とともにミネラルも奪われるので、何も入っていない真水よりも、ナトリウムやカリウムが入ったスポーツドリンクや、水分吸収が早い経口補水液がおすすめ。めまいやふらつきなどの不調を感じたら、水分補給後に涼しい場所で安静に。“ペットボトルのふたを自分で開けられない”“水分を補給し、涼しい場所で安静にしていても、だるさや吐き気などの症状がやわらがない”といった時は、迷わず医療機関へ。【熱中症】体温調節ができなくなり熱っぽく感じたら要注意。体温の調節機能が上手く働かなくなり、体内に熱がこもって、さまざまな症状が出る熱中症。「私たちの体は、汗によって体温調節を行っており、サラサラした汗がかける状態が理想的。しかし、高温多湿の環境によって、汗では対処しきれなくなり、体に熱がこもってきた感じがして、立ちくらみやこむら返り、頭痛などさまざまな症状が現れます。炎天下の屋外でなく、家の中でじっとしていてもなってしまうことがあります」CHECK・体に熱がこもっている感じがする。・頭痛やめまいがある。・大量に汗をかいている。・意識が混濁している。もしなってしまったら…【ACTION1】横になり、襟を開いたり熱を逃がしながら、安静にする。【ACTION2】水分と塩分を速やかに補給。それでも回復しない時は、医療機関へ。熱中症らしき人を見かけたら?・呼びかけに応えない場合、救急車を。・意識があれば、屋内や日陰に避難。症状や重症度にかかわらず、熱中症が疑われる時は、風通しのいい日陰や、クーラーのきいている室内など、涼しい場所へ移動しよう。さらに服や下着をゆるめ、濡らしたタオルや氷、保冷剤などで体を冷やすのが基本の処置。水分を補給し、安静にして、それでも症状が回復しない場合は病院へ。もし熱中症と疑われる人がいて、呼びかけに応じないなど意識がはっきりしない場合は救急車を呼ぼう。また、水分を自力で摂取できない状態の人に無理に飲ませるのは、気道に流れ込む可能性があるのでNG。医療機関で点滴などの処置を受けて。久手堅 司先生せたがや内科・神経内科クリニック院長。気圧予報を踏まえた体調管理アプリ「頭痛ーる」を監修。著書に『気象病ハンドブック 低気圧不調が和らぐヒントとセルフケア』(誠文堂新光社)など。※『anan』2023年8月2日号より。イラスト・たきたて玄米取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年07月29日すぐに実践できる最高の食事術7月3日、自律神経の観点からおすすめの食生活を掲載する新刊『自律神経を整える最高の食事術』が発売された。著者は日本スポーツ協会公認スポーツドクター、順天堂大学医学部・大学院医学研究科教授(併任)、自律神経の研究で知られ、数々のテレビ番組出演でもおなじみの小林弘幸氏である。宝島社から宝島SUGOI文庫として770円(税込)の価格で発売。なお、同書は2018年6月に発売された同名の単行本を改訂して文庫化したものである。美味しいものを食べて自律神経を整えるやせたいと考え、ダイエットに挑戦するものの、リバウンドしてしまったり、体調を崩してしまったりすることがある。美しくなるためのダイエットが逆効果になり、さらに仕事などの効率も悪化させることになりかねない。ダイエットには、好きなものを食べられない、食べたくないものを食べなければならないといった我慢が付きものだが、継続的な我慢には必ず無理が生じる。我慢によるストレスは腸内環境を乱し、心身のパフォーマンスに悪影響を与えてしまうという。新刊では、美味しいものを食べて自律神経を整える「最高のチカラめし」の摂り方について解説する。疲れない、太らない、病まない、老けないというシンプルな食事術が紹介されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※自律神経を整える最高の食事術 ‐ 宝島社の公式WEBサイト 宝島チャンネル
2023年07月22日漢方相談薬局、鍼灸院を東京・千葉で20店舗展開している株式会社 誠心堂薬局(本社:千葉県市川市、代表取締役:西野 裕一、以下 当社)では、2023年6月から自律神経をテーマとしたオンラインセミナーをスタートし、6月19日「自律神経失調症と漢方薬」、7月18日に「めまいと漢方」を開催しました。月曜日と火曜日という平日開催にも関わらず、合わせて50名近くの方にご参加いただき、関心の高さがうかがえます。心身への不調をもたらたす自律神経は各方面から注目が集まっています。当社では8月以降も継続して自律神経のオンラインセミナーを月1回開催していきます。オンライン自律神経セミナー■自律神経とは自律神経とは、交感神経と副交感神経のことで、意識とは関係なく自動的に働いて全身を調整しています。基本的に交感神経は日中活動時に、副交感神経は休息時に活発となり、互いに拮抗してバランスを保っています。通常このバランスは、一定の状態に保たれており、生命維持に欠かせないものですが、何らかの要因によりバランスが崩れた状態を自律神経失調症といいます。季節の変わり目、過労やストレス、生活リズムの乱れなどから起こるといわれ、交感神経あるいは副交感神経が過剰に緊張することによって起こります。■自律神経と中医学の結びつき中国伝統医学であり漢方や鍼灸の理論である中医学では、自律神経は“肝(かん)”が司っていると考えています。“肝”とは五臓六腑の一つで、西洋医学の臓器とは異なり、機能としても捉えるため、自律神経失調症は“肝”の働きが上手くいかないことによる不調と考えます。五行“肝”の働きが乱れる原因の一つに感情があります。イライラ、激しい怒り、思い通りにならない不満などが“肝”に負担をかけます。ほかにも、季節の変わり目や環境の変化といった外的要因や、身体的な負担、栄養不足、睡眠不足などの内的要因によっても“肝”の働きが乱れやすくなります。また、身体は他の臓腑を含めた全体でバランスを保っているため、“肝”に不調が現れることで、他の臓腑の働きにも負担がかかり、様々な不調が現れやすくなります。例えば食欲の異常や便秘や下痢、睡眠障害、動悸などです。このように自律神経と中医学の結びつきは独自の視点から体全体のバランスを考え、一つひとつの症状に対処します。当社オンラインセミナーでは、自律神経に関連する不調を緩和するための漢方薬の使い方や、日常生活での養生法についてお話ししています。■自律神経セミナー参加者の声・説明が分かりやすかったです。お話の仕方に安心感があって心地良かったです。(43歳女性)・大切なポイントがわかりやすい説明で、西野先生の明るい話し方が良いですね。また参加したいです。(41歳女性)・今悩んでいる自律神経系の不調について知ることが出来ました。次はもっと詳しく知りたいです。(46歳女性)・西洋医学と東洋医学の両方から症状をみて、漢方や鍼で体質改善していくことの大切さをより感じました。(50歳女性)参加者の声の多くでは「大切なポイントが分かった」「内容が分かりやすい」などとご好評頂きました。自律神経という漠然とした症状の中で、自分が何に悩んでいるのかを紐解いていけるセミナーでもあったのではないかと考えています。現代医学においては自律神経失調症という正式な疾患名はなく定義や診断基準がありません。また症状がさまざまであり、複数の診療科にまたがることもあります。一方、東洋医学では、季節の変わり目や気圧、感情の変化は“気(き)”というエネルギーの流れを乱し、乱れやすい原因の一つに“五臓”の不調があると考えています。東洋医学でご自身の体調を考えてみることは自分の状態を知る一つの方法になります。セミナーへの参加がそのきっかけとなったのではないでしょうか。■2023年8月21日開催オンライン自律神経セミナー「不眠と漢方」次回は第3弾として、睡眠障害をテーマとしたオンラインセミナーを開催します。夏は不眠のお悩みが増える季節です。年齢のせいかな、暑いせいかな、などと考えがちですが、体質を整えることで不調を解消できることもありますので、気になっている方はぜひご参加ください。不眠と漢方<セミナー開催情報>〇日にち:2023年8月21日(月)13~14時〇当日スケジュール12:50 Zoom会場オープン12:55 注意事項アナウンス13:00 講演スタート14:00 講演終了予定〇ツール:Zoomウェビナー(要事前予約)※申込者に当日の参加URLをメールにてご連絡いたします。※参加者の氏名やビデオは見えませんので、ご安心ください。〇参加費:無料※参加特典あり(お身体のことがよくわかる「無料相談券」をプレゼント)〇参加条件:自律神経の不調でお悩みの方※18歳未満の方の参加はお断りしています。※お悩みの方以外の参加はお断りしています。▼詳細 ▼お申込 Zoomウェビナー機能を利用してセミナーを開催いたします。事前申込が必要ですので、お早めにお申込ください。【会社概要】会社名 : 株式会社誠心堂薬局本社所在地: 千葉県市川市南行徳3-18-23代表者 : 代表取締役 西野 裕一設立 : 1987年3月URL : 事業内容 : 薬局の経営、医薬品及び医薬部外品の販売、鍼灸治療院及び接骨院の経営、化粧品の輸入及び販売、前各号に附帯する一切の業務 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年07月21日夏の季節、冷房の効いた屋内と暑い屋外を頻繁に行き来することが多い人は、「冷房病」に注意が必要です。女医の筆者が、女性が気を付けるべき「冷房病の特徴と対策」について詳しく解説します。冷房病とは医学的に病名があるわけではないのですが、冷房によって冷やされた空間に長時間いたり、暑い屋外と冷やされた屋内の気温差を頻繁に感じたりした場合に起こる不調が「冷房病」とされます。一般的に自律神経の乱れによって起こると言われています。私たちの身体は自律神経の働きによって体温調整をしています。気温が高いときには副交感神経が優位になり、汗をかいたり血管を拡張したりすることで体温を下げるように働きます。逆に気温が低いときには、交感神経が優位になって血管を収縮させることで、体温の低下を防いでいます。冷房環境によってこの自律神経が乱れると、様々な症状が現れます。冷房病の症状冷房病の症状には、次のようなものが挙げられるでしょう。・頭痛やめまい・不安やイライラ・疲れやだるさ・手足の冷え・食欲不振・下痢もしくは便秘・睡眠障害・足のむくみ糖質が大好きな人は要注意!?糖質を摂りすぎると、体を冷やしてしまう可能性が。糖質を摂取すると、まずは血糖値が上昇します。これに対して体は、インスリンという血糖値を下げるためのホルモンを分泌します(※1)。インスリンの作用により、交感神経が活性化して体温が上昇しやすい状態に。ところが、食べたものの消化が進んでくると、インスリンの分泌が減るとともに、体温が下がりやすくなります。このときに冷房の影響が合わさると、いわゆる冷房病の症状が強く出やすいと考えられています。冷房と糖質摂取のダブルパンチで体温の調整がうまくいかなくなると、体調を崩しやすくなってしまうでしょう。冷房病の対策冷房病は、自律神経の乱れにより多様な症状を引き起こします。さらに、糖質の多い食事は食後しばらくすると体温を下げてしまい、その症状を悪化させる可能性があります。このような事態を防ぐためには、冷房の適切な使用と食事の見直しが有効です。冷房の適切な使用冷房の設定温度は28度程度に設定しましょう。外部との温度差が大きすぎると、体調を崩しやすくなります。オフィスや喫茶店などで空調設定を自由にコントロールできないときのために、ひざ掛けや羽織などの体温調整ができるアイテムを常備して、冷えすぎないように気をつけましょう。自然の風を取り入れて、定期的にしっかりと換気を行いましょう。食事の見直し糖質を多く含む食品の摂取は控えましょう。お菓子やジュースなどの糖質を多く含む飲料は、血糖値の急上昇を起こしやすいので注意しましょう。仕事など、毎日冷房がしっかり効いた場所で過ごす場合は、体を温める食品を摂取するのもおすすめです(例:生姜や唐辛子など)。血糖値の急激な上下を防ぐために、サラダや小鉢などから食べ始め、ご飯などの糖質の摂取はそのあとにすると良いでしょう。早食いも避けてください。適切な対策で冷えない体づくりを!暑さを我慢して熱中症になってしまうのは避けたいものの、冷房の使いすぎによって夏バテを引き起こしてしまうこともあります。暑さ対策として適切に冷房を使うのは大切なことですが、使用方法や食生活に気をつけることも重要です。適切な対策を行って、暑い夏を健康的に過ごしましょう。【参考】※1 厚生労働省.e-ヘルスネットインスリン©izzetugutmen/Westend61/yuruphoto/eternalcreative/Aja Koska/gettyimages筆者情報ママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこ産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2023年07月17日