言葉が持つニュアンスの捉え方って、人によって違うから・・・・・・という国語の授業みたいな話を、今宵はすご~くやわらかくお話したいと思います。たとえば、片思いの彼と運よく飲みに行けて、それなりにうまく1軒目が終わりました。で、彼が「2軒目どっか行く?」とあなたに聞いてきて、あなたが「スイーツなら食べたい」と言ったとします。ありがちな光景ですよね。お酒はもういらないけど、甘いものならいくらでも、みたいな。■■セクハラ!で、そのとき彼が「甘いものか・・・・・・じゃあホテルに行って甘いものをオーダーして食べようよ」と言うと、あなたが「それセクハラだから」と言って、心のなかで「あ~あ、この彼もわたしのカラダだけが目当てでずっとわたしに優しくしてくれてたんだ。ショックだわ・・・・・・ほかにもっといい男っていないのかなあ」と思って、「わたし帰る」と言って帰っちゃう・・・・・・。セクハラ!男子が思うセクハラって、たとえばオフィスで「君がんばってるねえ」と言いながら女子の肩を揉むとか(キモイ)、深夜のオフィスで女子にキスを迫るとか(キモすぎる)、そういう「訴えられても弁解のしようのないアホな行為」を指します。女子に死んでしまえと言われても、反論の余地のないことを指します。これが、男の感覚。つまり男子は、ちょっと気がありそうな女子に対して、「ホテル」という言葉を発するだけでセクハラと言われるなんて、夢にも思っていないわけです。■■それを探るためにホテルという3文字を口にしたまでで・・・でも、ですよ、気になる女子に対して「ヤらせてくれそうかどうか」というのって、男子は女子に質問してみたいわけです。この場合の「ヤらせてくれそうかどうか」というのは、単純に体だけ・・・ということではなく、彼女が自分に対してどこまでの好意を持っているのだろうか?ということです。だからそれを探るためにホテルという3文字を口にしたまでで、なにもあなたのおっぱいがひたすら気になるという気持ちだけでホテルと言ったわけではないということです。こういうのって、広く言うと「付き合うまでは下ネタを言われたら虫唾(むしず)が走る」みたいな女子の気持ちに集約されてくる問題だろうと思います。付き合うまでは下ネタを言われたらホントにキモイとしか思えなくて、でも付き合ってしまえば、彼がビックリするようなこともやってあげる・・・・・・みたいな、女子特有の、男子にはうまく理解できない気持ちですね。■■男子の総意ありとあらゆるシーンで、女子からのセクハラという言葉って、男子にとってはアイスピックで胸を刺されるようなニュアンスを帯びています。女子は・・・・・・ちょっとした護身術的にセクハラという言葉を使いますよね。それが効果的な場面もあるでしょうが、お互いに「恋愛の場」として認識していたのなら、それは男子にとって、あまりにも急な攻撃となるわけです。*何回もこの『ハウコレ』に書きましたが、「ちょっといいな」レベルの男子って、あなたの身体だけが目当てじゃないんですよね。身体も好きだけど心も好きということなんですよ。そういうウブな男心は、「それセクハラだから」でぽきっと折れてしまう。だから、恋愛の場では、「付き合った人としかラブホに行ったことない」とか「付き合うまではヤラないと決めてるの」とか恋愛の言葉を使ってあげる。「ちょっと探りを入れたつもりだったけど、もうどうしたら良いかわからない・・・」彼はこう心の中で嘆きながら、ひとり帰路につくのです。(ひとみしょう/文筆家)(ハウコレ編集部)
2018年05月11日女優のケイト・ブランシェット(48)が、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインからのセクハラ被害を明かした。ケイト・ブランシェット(C)BANG Media International数々の作品でワインスタインと仕事を経験したケイトは、ワインスタインからは常に「嫌な雰囲気」を感じていたそうで、それは彼の要求を断ったせいで嫌われたからだと考えているようだ。ケイトはヴァラエティ誌に「セクハラはいろいろあるわ。もちろん、ずっと悩まされていたし、悩んでいる人はたくさんいると思う」と語り、ワインスタインからセクハラされたり、不適切な行動を取られたことがあるかと尋ねられると「私の場合、イエスね。彼は本当に、多くの捕食者がやるように弱者を主に餌食にしていたと思うの。彼には嫌な予感がしたの。よく『友達なんかじゃない』って言われてた」「それに、彼に要求されても従わなかったしね」と明かした。詳細は明かそうとしないケイトだが、ワインスタインが起訴されることで先例となり、今後権力を持たない人が同じような状況になった時に自分を守りやすくなるだろうとして、「ハーヴェイのように、タガが外れて罪を犯す人に本当に興味があるし、同じような男性は多くの業界にいるわ」「彼は残念なことにある種の典型的な男性だから、例として挙げられている。他に起訴された人にも興味があるし、判例を作る必要がある」「タイムズ・アップ運動の使命の一部は、自分を守るのに必要なお金を持たない人たちを助け、平等で公平かつ安全な職場を目指すことにあるの」「実際に有罪となった判例があれば、他の人もそれを利用する恩恵を得られるわ」と語った。ワインスタインは数々の訴えを否定し、性行為は全て合意の上だったとしているが、ケイトは実刑が下ることを望んでいるようで、懲役刑が下されると思うかと尋ねられると「そう願うわ。私が調べた限りでは、法定強姦は犯罪だもの」「司法制度を通し訴えることが本当に大切だと思う。様々な脅威があるから、司法制度という民主主義の方法を支持することが本当に重要なの」と話した。(C)BANG Media International
2018年05月04日福田財務事務次官が、女性記者にセクハラ発言した問題が話題となっていますね。「おしり触っていい?」「抱きしめていい?」など、女性にとっては聞くに耐えない言葉が飛び交う音声データが公開されました。福田次官は、自身の声か判断できないとしていますが、これが福田次官のものだった場合、当然セクハラ問題として取り上げられるべきものでしょう。しかし、音声データは、福田次官らしき男性の音声のみで、女性記者の音声は公開されていません。結局、辞任を決めた福田次官。不確定な音声データを公開されたとして、公開した雑誌社に対し、名誉毀損として提訴する意向を表明しました。 連日報道されるこの問題、さまざまな憶測を読んでいます。一体誰が言っていることが本当なのか…。間接的にしか把握できない私たちにとって、なんともモヤっとする問題ですよね。 では、法的に見ていくとどのような見解になるのでしょうか? 筆者の疑問を、虎ノ門法律経済事務所齋藤健博弁護士に直撃してみました。 Q.セクハラで訴える、となると、証拠が必須になりますよね。では、被害を訴える女性記者が、福田次官をセクハラとして訴えるとなった場合、今回のように女性記者の音声が伏せられた状態の音声データは証拠として認められるのでしょうか? A.結論から言いますと、証拠になり得ます。しかし、内容が人格侵害に至ったという証拠として価値がある音声であれば、です。もし、女性記者の音声が明らかになったとしても、全体の文脈から考えて、その会話が性的発言を助長するようなものではいなら、そもそもセクハラとして認められない可能性があります。もちろん、ことさら一方的に、女性に申し向けていれば、これはセクハラにはあたるでしょうね。とりいそぎ音声の同一性を争う以上は、これも争点になるとは思いますが。 Q.もし、福田次官の言っていることが事実であれば、女性記者を名誉毀損で訴えた場合、勝訴する見込みはありますか? A.「公務員の地位には公共性あります。公共性とは、国民の税金で運営されている公務員組織が、適切に運営されているのは正当な関心事だとの趣旨です。そうすると、名誉毀損罪が成立する可能性は私人に比較すると低いです。ただ、ことさらな公開の必要性がないなら、損害賠償の余地ありますね。」 Q.批判が殺到している、「女性記者は名乗り出てください」という、財務省の今回の調査。齋藤先生はどのような見解でしょうか? A.「名乗り出ること自体は義務ではありません。調査方法としては、他の効果的な手段が見出せないで困っているという印象を受けますね。」 大きく話題となっている、財務事務次官セクハラ騒動。真実が隠された現状では、どちらに正当性があるのか、判断できませんね。真実はどうであれ、『セクハラ』はセンシティブな問題。日本の社会を担う公人の方々には、国民からの信用を失いような、こういった報道をされないよう、日々十二分に気をつけて過ごしていただきたいものです。 *弁護士監修/ 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*執筆/シェア法編集部(編集者兼ライター。シャア法を盛り上げようと日々奮闘中。)*画像はイメージです(pixta)財務事務次官のセクハラ騒動について、弁護士に聞いてみた!はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。財務事務次官のセクハラ騒動について、弁護士に聞いてみた!はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年04月20日4月17日放送の「バイキング」(フジテレビ系)に出演した柳原可奈子(32)。財務省の福田淳一事務次官(58)の“セクハラ疑惑”についての発言が、話題となっている。 12日発売の「週刊新潮」によると、「森友問題」に関して取材を行っていた女性記者に対し「抱きしめていい?」「手、縛っていい?」などのセクハラ発言を福田事務次官が繰り返したという。その音声データを同誌では報道し、自社のニュースサイトで公開した。 騒動を振り返り、同番組のMCを務める坂上忍(50)は「女性記者からすると事務次官から情報を得られるとしたら、ある程度受け止めざるを得なくなってしまう」と女性記者の心情に配慮。しかし柳原は「もっとうまく切り抜けることはできなかったのか」と対応を疑問視した。 「私だったら、この流れで『おっぱい触っていい?』て言われたら「『どこがおっぱいでしょう』とか言って『それより森友の件どうなっていますか?』って」 続けて柳原は「切り返し、切り返しを学んで来たので、大変なセクハラだと感じなかった。私は(セクハラに)慣れてきちゃっているのかな」と漏らした。それに対し坂上は「福田さんの立場ってものは、絶対的権力の持ち主ですから、僕らと一緒にするべきではない」と芸能界と政界には“違いがある”と釘を差した。 Twitterでは、柳原の発言に対し賛否がわかれている。賛成派の意見は「普段からそんな発言が許される間柄だったのでは」というものだ。 《例えば、はじめて会ったひとにこんなこと言うかな?どんな関係でも言っていいことと悪いことがあるのは承知だけど、ある程度「こういう人だから」と受け入れなくてはならないってのもある気が》《軽口を聞ける間柄だから得られたものもあり、取引として等価交換で納得できるレベルじゃない?》《世の中のセクハラに真剣に対処しようとするなら、このような政治的な状況で(今回の事務次官の発言を)持ち出すのは、かえってセクハラの一般的な認識が後退してしまう恐れはないでしょうか?》 否定派からは「切り返しができるか否かの問題ではない」といった声があがっている。 《相手への取材で誰にも救ってもらえない状況で自分も同じ目にあって笑顔で仕事をしながら対処出来るかな?》《絶対的権力で性的圧かけられるのと、その辺の居酒屋にいそうなおっちゃんのエロ会話とは質が違うから!切り返しとかいう問題じゃない》《柳原可奈子も、自分の身をもっと大事にしてほしい》 17日の「ビビット」(TBS系)では、今回の音声データを解析。複数の音声が合成された「可能性もある」という指摘があり、再び波紋を呼んでいる。
2018年04月17日2014年に亡くなった名優ロビン・ウィリアムズが、過去のセクハラ行為を暴露された。1978年から1982年に放送されたロビン主演のドラマ「モーク&ミンディ」で共演したパム・ドーバーが、まもなく発売されるロビンの伝記「Robin」(原題)で明かしたという。「Robin」を執筆した「ニューヨーク・タイムズ」紙の記者デイヴ・イツコフが、過去にロビンとドラマで共演したパムにインタビュー。パムはロビンとの共演時、ロビンに胸やお尻をつかまれるなど、いまでいうセクハラを受けたものの「まったく腹が立たなかった」とふり返った。「彼は多分、たくさんの人にそういうことをしていたわね…でも、楽しかったわ」。セクハラ報道が続くハリウッドにおいて、セクハラ容認とも捉えかねないコメントではあるが、「(彼のセクハラは)マジックみたいなものだったのよね。文字にしてみたらゾッとすることかも。でも、ロビンには悪気がなかったし、あのキラキラした目が…」と無邪気なロビンのキャラクターを説明。「突然、子犬みたいに遊んでほしそうな目で見つめてくるんだもの。それで、私のおっぱいをつかんで逃げていくの。お咎めはナシ。70年代のことよ」。同ドラマの監督も、撮影の合間にパムにセクハラするロビンにしょっちゅう「それは台本にないよ!」と声を掛け、ロビンは「あー、そうだったっけ!」と答えていたというエピソードを語っている。プロデューサーの故ゲイリー・マーシャルも「ロビンはよくパムが演技をしている目の前で服を脱いで全裸になっていたよ。あの頃の彼はパムを赤面させることに人生を賭けていたね」と話していたという。(Hiromi Kaku)
2018年03月22日アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミー会長ジョン・ベイリー(75)に3件のセクハラ疑惑が浮上した。現在調査が進められているという。「Variety」誌などが報じた。ベイリーは『恋はデジャ・ブ』、『旅するジーンズと16歳の夏』などで知られるベテラン撮影監督で、昨年8月に新会長に選出されたばかり。前任のシェリル・ブーン・アイザックスは初のアフリカ系アメリカ人で30年ぶりの女性会長という、アカデミーに変化を起こした人物だった。それに比べ、75歳の高齢であり白人男性のベイリーは、“多様性”を推し進めるアカデミーのトップにはふさわしくないという声も就任時に挙がった。これに対し、ベイリーは「そんなくだらないこと…。私は白人男性として生まれた。75歳って事実は変えられない。それが(会長になる)制限因子になるかい?」と主張していた。セクハラの事実が確認されベイリーが会長の座から退く場合、7月に行われる選挙まで現副会長でベテランのメイクアップ・アーティスト、ロイス・バーネル(『ラストサムライ』、『リンカーン』)が会長を務めることになるそうだ。本来ならば会長の在任期間は4年。ベイリーは身の潔白を証明し、会長の座を守ることはできるのだろうか。アカデミーは、「徹底的な調査が完了するまでこの件に関するコメントはしない」とのことだ。(Hiromi Kaku)
2018年03月19日「フルハウス」終了から10年以上が過ぎた2016年、満を持して続編シリーズ「フラーハウス」がスタート。「フルハウス」時代からの製作総指揮ジェフ・フランクリンが成功へと導き、今年はシーズン4の製作も発表され絶好調と見られていた。しかし、なんとフランクリンが“不品行”により、ネットフリックスとワーナー・ブラザースからクビを言い渡されてしまった。「Variety」誌など複数メディアが報じている。問題となった“不品行”とは、フランクリンの「フラーハウス」の脚本家たちに対する暴言や不適切な発言。自身の性生活を語ったり、デートしている女性たちを撮影現場に連れてきて小さな役を与えるなどのあるまじき行動も明るみに出ている。ただし、「セクハラ」については直接的なクレームは出ていないとのことだ。製作会社のワーナーは2年前に初めて匿名によるフランクリンへのクレームを受け取っていた。ネットフリックスは「『フラーハウス』は予定通り、シーズン4を製作します。2、3か月後からスタートできればと思っています」とコメントを発表している。フランクリンの後任はまだ発表されていない。(Hiromi Kaku)
2018年03月01日映画界最大の祭典である第90回アカデミー賞が3月5日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。昨年は「作品賞の発表ミス」という前代未聞のハプニングがあったが、記念すべき第90回授賞式では、どんなドラマが生まれるか?GG賞、英アカデミー賞に続き、アカデミー賞でも「黒の抗議」となるか例年であれば、女優たちが最新トレンドのドレスに身を包み“美の競演”を繰り広げるレッドカーペットだが、今年は黒一色になる可能性が高い。その理由はもちろん、長年映画業界に横行したセクハラを含めた、女性への性暴力撲滅を訴える「#Me Too」及び「Time’s Up」キャンペーンへの賛同だ。すでに第75回ゴールデングローブ賞、第71回英アカデミー賞で同様の現象が起こっており、この流れはアカデミー賞にも引き継がれるはず。授賞式では、オスカーを手にした受賞者がスピーチの際に、セクハラ問題に対し自分なりの主張を述べるかもしれないし、昨年に続き、司会を務めるジミー・キンメルがこの件をいかに“料理”するかも注目だ。ガル・ガドット、プレゼンターとして授賞式に参加すでに、過去のセクハラ疑惑が表面化しているオスカー俳優のケイシー・アフレックが、今年のプレゼンターを辞退したばかり。アカデミー賞では伝統的に、前年の主演男優賞受賞者が、主演女優賞のプレゼンターを務めてきただけに、「今年は誰がオスカー像を手渡すのか?」と憶測が飛び交っている。そんななか、『ワンダーウーマン』の主演ガル・ガドットが、プレゼンターとして授賞式に登場することが発表された。現時点でどの部門かは不明だが、力強い女性賛歌を体現した彼女は、主演女優賞のプレゼンターに適任かも。ほかにも、2月21日(現地時間)アカデミー賞の公式Twitterにて、マーク・ハミル、アーミー・ハマー、オスカー・アイザック、リン=マニュエル・ミランダ、ジーナ・ロドリゲス、エヴァ・マリー・セイント、ウェス・ステュディ、ケリー・マリー・トラン、ゼンデイヤがプレゼンターとして参加を発表した。人種差別・DV・セクハラ…“ハリウッド事情”が波乱を起こすか今年は主要部門の受賞結果に、大きな波乱はないと予想する。作品賞は『スリー・ビルボード』で決まり(加えて主演女優賞、助演男優賞、オリジナル脚本賞も大本命)。監督賞は13部門にノミネートされた『シェイプ・オブ・ウォーター』のギレルモ・デル・トロが輝くはず。番狂わせがあるとすれば、主演男優賞か。現時点では『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』のゲイリー・オールドマンが本命だが、ここに来て元妻からのDV告発が…。影響は未知数だが、ぜひとも、同作でメイクアップ賞候補に挙がっている辻一弘氏とのダブル受賞を願いたい。本命が強すぎて、受賞には至らないかもしれないが、『ゲット・アウト』のジョーダン・ピール監督がアフリカ系アメリカ人として、史上初めて、作品賞、監督賞、オリジナル脚本賞の3部門に同時ノミネートされたことは、かつて「白すぎる」と批判されたアカデミー賞の歴史をふり返ると、非常に意味深い。メアリー・J・ブライジ、オクタヴィア・スペンサーが候補に挙がる助演女優賞は、主要部門で唯一の混戦だ。(text:Ryo Uchida)
2018年02月25日女優のエマ・ワトソンが、セクハラ被害者をサポートする新規の団体に100万ポンド(約1億5,000万円)を寄付した。エマ・ワトソン(C)BANG Media Internationalエマは英国アカデミー賞(BAFTA)に先駆けて、レベル・ウィルソン、エミリア・クラーク、オリヴィア・コールマンら約200名の女性スターたちによる「タイムズ・アップ」運動支持のオープンレターに参加していた。そして今回、仕事場での脅しや不平等に関する被害者たちへのアドバイスとサポートを提供する英ジャスティス・アンド・イクアリティ基金に多額の寄付をした。また、そのオープンレターの中身がザ・オブザーバー紙に発表されている。「この運動は我々の業界の変化に収まりきるものではありません。パワーバランスの不均衡を巡り、人種、階級、コミュニティ、能力、仕事環境を超えてあらゆる分野を交差しながら対話するものなのです」「ついこの間まで世界ではセクハラが不快なジョーク、そして少女や女性にとって不可避なものという考えが横行していました」「確実にいえるのは議論したり、単独で問題を取り上げるような類のものではなかったのです。2018年、変化の時期も熟し、私たちは目覚めたのです。本気で私たちがこの瞬間を受け入れれば、一筋の砂は石と化すでしょう」(C)BANG Media International
2018年02月20日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「セクハラで泣き寝入りするケースが多いのは、写真をばらまかれるなど二次被害があるからです。パワハラがらみも非常に多い。『仕事をくれるんじゃないか』は逆に言えば『仕事を失うんじゃないか』という恐れにつながる。それで私のようなカウンセラーに相談に来られるわけです」 そう話すのは、男女問題研究家の山崎世美子さん。先日は、女子中学生の母親が相談に訪れたという。 「娘がSNSで社会人男性と知り合い、ラブホテルに連れ込まれて、最悪のことは避けられたが、写真を撮られ『誰かに言ったら、写真をばらまくぞ』と脅された。警察に行ったが、3,000円を受け取っていたため『事件としては扱えない』と。私は、そういう男はロリコン趣味だと踏んで、ウチ(山崎探偵事務所)の女性スタッフを囮にして接触させて、逮捕にこぎつけました」 そこで、こうした事件を未然に防ぐ方法、また反撃する方法を山崎さんが教えてくれた。 【1】食事の約束をしても2人きりにならない 「誰かを連れていくのが最善策。『◯◯先生と食事に行くと言ったら、大ファンで行きたいというんで、連れてきちゃいました』と、友達を連れていっちゃえばいい。障壁が多い女性はターゲットから外されるという水際作戦です」(山崎さん・以下同) 【2】お酒を勧められても「飲めない」ことにする 「『体質に合わない』『目上の人の前では飲まないと親に教わった』などを理由に。飲酒しなければ、味覚もしっかりしたままなので、ソフトドリンクに何か混ぜられれば、すぐに気付けます。飲めないのを無理やり飲ませようとする相手はおかしいし、女性が飲んでいなかったことは、のちのち『その気もなかった』ことの証明にも」 【3】写真はあからさまに拒否せず“顔をそむけて”意思表示 「『一緒に撮ろう』と言われたら顔をそむけて『NO』の意思を証拠として残しましょう。笑顔も必要ありません」 【4】“ややこしい”彼氏や友人の存在をほのめかす 「権力で人が動くと知っている相手には“力”で対応。『私の彼は弁護士なんです』『週刊誌の記者と仲よしで』といった“面倒なことになるかも”と思わせるプロフィールの男性を、会話に登場させてください。そこで相手の態度がガックシとなったら魂胆もわかろうというもの。彼、親、きょうだいの順がお勧めです」 【5】危険を感じたらSNSにすぐさまアップし記録 「食事中に、あやしいと感じたら『SNS映えするので、アップしちゃいました』と先手を打って経緯がわかる写真で記録を残します」 それでも万が一、被害に遭ってしまったときはーー。 【6】場所など状況がわかる写真を撮っておく 「セクハラ訴訟は微妙な境界線の事案なのでその“背景”を撮影しておいてください。風呂、トイレ、脱いだ服など」 【7】SNSによる誘導尋問やリマインドメールで相手を特定 「悔しいかもしれませんが、相手からのメールなどの連絡には、証拠保全の意味もあり、対応を続けてください。『先日は、ごちそうになりました。こないだは、どういうお気持ちだったんですか。もしかして私に好意を持ってくださっているんでしょうか』などと振ると、男は次に期待して、ほぼ間違いなく『好きに決まっているじゃないか!』と返事が来ます。これで加害者を明白にできます」 【8】再会時に内ポケットに録音機器を忍ばせておく 「泣いたり騒いだりは警戒されるもと。カウンセラーに相談してから反撃に出ましょう。男性と会う場合は、録音は相手に告げて行う場合と、黙ったまま行う場合とがありますが、ジャケットに小型録音機を忍ばせておいてください。ここで加害者の名前と行為を言葉にさせるのです」 この8つのスキルを身につけて、セクハラを回避し、いざというときには闘おう!
2018年02月19日ファッション業界で活躍する25人の写真家のセクハラ行動が暴露された。「ボストン・グローブ」紙が伝えている。同紙は綿密な取材により、ボストンに蔓延していたカトリック教会の神父による児童への性的虐待を暴き、2015年に『スポットライト 世紀のスクープ』として映画化されたことがある日刊新聞。今回、セクハラ加害者として摘発された中でも目を引くのはパトリック・ドゥマルシェリエだ。現在74歳、フランス出身のパトリックはファッション業界で数々の功績を残してきた。『プラダを着た悪魔』ではメリル・ストリープとアン・ハサウェイ演じるミランダとアンディのセリフの中に登場し、『セックス・アンド・ザ・シティ』ではサラ・J・パーカー演じるキャリーを撮影する『VOGUE』誌の写真家としてカメオ出演も果たした。また、故ダイアナ妃自らのリクエストにより、1989年から亡くなるまでの間ダイアナ妃の写真家として活躍したことでも名前を馳せた。王室がイギリス人以外の写真家を起用したのはパトリックが初めてだった。そんな有名写真家のパトリックが、少なくとも7人の女性からセクハラ被害を訴えられている。1人は元アシスタントの女性で、パトリックの“要望”に応えなければクビにすると脅されていたという。中にはモデルもおり、ほかのモデルの胸をつかむことや自分の性器を無理やり触れさせるなど、嫌がることを強要してきたと言われている。これらの話に対し、パトリック本人は完全に否定している。(Hiromi Kaku)
2018年02月19日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「性暴力被害に遭った女性は、忌まわしい記憶と直面するのもストレスなのです。それに目を背けてきたのに、カウンセリングで『ひどい犯罪ですね』『暴力ですね』と言われると、一気にトラウマ化することもあります。ですから私は『よく思い出してくれました』や『お仕事の頑張りがすごいですね』という言葉で、まずは安心させることから始めます」 こう語るのは、精神科医の香山リカさん。性暴力被害に遭った場合、心のケアがまずは大事。とくに避けなければいけないのが自己嫌悪に陥ることだと香山さんは言う。 「“私はレイプされた女”と自分自身に間違ったレッテルを貼ってしまう方も多いのです。ときには医師としてではなく、『姉の立場として考えれば』と慎重に語りかけ、『あなたの存在のすばらしさは変わらない』ことを強調。自分が傷ついた人間ではないということを彼女が理解して、それが警察に訴えるという動きに変わっていければいい」(香山さん) その後は自治体にある性被害支援の女性センターや、知人の女性弁護士を紹介することもあるそう。 「NPOでは警察の取調べに付き添ってくれるスタッフもいますが、警察の担当者が理解ある人ばかりとは限りません。『女性のスタッフを準備してください』と依頼してもいいでしょう」 性暴力事件が起きると、被害者の家族もまた心を傷つけられる。 「『まさか自分の家族が』と認めたくないとの思いもあるでしょう。でも最後まで味方でいられる存在は家族だけ。まずは『私たちがいるから』という安心感を与えられるように接してください。『体は大丈夫だった?』『ケガはない?』など基本的なことから気遣うといいでしょう」 災害時のケアのように、食事や寒さなど身の回りのことから声をかけてあげるほうが、特別な意識をさせないですむ場合もあるという。 「また被害者の家族は、怒りや恨みから、逮捕や裁判とあらゆる手段で“被害の回復”を考えると思いますが、最初に考えてほしいのは被害に遭った本人の回復です」 そして心配されるのが、話を聞く前から「被害者に落度があるんじゃないか」と思いたがる人が周囲にいることだろう。 「性被害の対処法は、世代によっても考え方が違うことが多いので、これを機会に、一度家族全員で確認し合っておくとよいと思います。とくにこの新年度から社会に出る方がいるご家族には、それをお勧めしたい」
2018年02月19日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「厚労省HPにもあるように何より『セクハラは犯罪』なのです。毅然とした態度で対処しましょう」 こう話すのは、弁護士の打越さく良さん。では、セクハラ被害に遭ったとき、どう対処すればいいのか。打越さんが解説してくれた。 「勤務中や仕事に関する範囲内でセクハラ被害に遭った場合は、記録やメモを取っておくべきです。自分の手帳でかまわないので、日付や細かいシチュエーションを書いたうえで『◯◯をされた』と具体的な記載を心がけてください」(打越さん・以下同) また上司と部下、対クライアントなど、NOと言えない立場だからこそおとしめられる。もとから支配されていて断わりにくいという図式は、裁判になっても考慮されるそう。 「『嫌だ』と言ったのに、され続けている場合も、完全なセクハラです。声を上げにくい関係性だからこそ起こりやすいのがセクハラですが、できればそのつど、相手に対して、『それはセクハラです』とはっきり言っておいたほうがいいでしょう」 会社側が「酔った席での与太話を本気にするなよ」というように、のらりくらりの姿勢のこともある。しかし、「酔った席での軽口」といった言い逃れで見過ごされることを許してはいけない。 「会社に相談しても、会社側も相手の肩を持つ、つまりグルだという場合には、各自治体の労働局に相談を。それでもらちが明かない場合は労働弁護団のホームページにも窓口があり、必要な場合は代理人にもなってくれます」 ただし法廷までいっても、日本では、慰謝料もアメリカの懲罰的な高額に比べて高くはなく「裁判をしてまで」となってしまいがち。かといって我慢していればすむという問題ではなく“被害が繰り返される”危険もある。 「また、実際に性暴力を受けて妊娠などの恐れがある場合には、すみやかに産婦人科に行くべきです。被害届を提出するために警察にも相談を。ワンストップ支援センターは現在、全国41自治体にあり、相談しやすいと思います」
2018年02月18日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「ネットの時代が来たことで、テレビをはじめ、旧メディア側は『世論』を知ることになりました。視聴者や読者にどう伝わっているかが、ネットの反響という形で直に見られるようになったのです。悪気なく作った番組でも配慮に欠ければ批判される。価値観が多様化した時代に合わせた変化球が求められています」 こう話すのは、元アナウンサーで現在はエッセイストとして活躍する小島慶子さん。マスコミに携わる小島さんが、テレビ業界のセクハラ事情を明かしてくれた。 「大手放送局のアナウンサーは、いわば会社の“箱入り娘”。守られた立場でもあったので、私は性行為を強いられた経験はありません。ただ、『出演者の男性からセクハラされています』と、会社に訴え出た女性アナウンサーもいました」(小島さん・以下同) それを機に社内のセクハラ通報窓口の開設や実態調査が行われたが、残念ながら“そこまで”で、当の男性出演者には触れずじまいだったという。 「少しずつ変わってきてはいますが、まだテレビ業界には、セクハラに限らず『耐えてなんぼ』のような空気があります。セクハラやパワハラ行為を愛情表現や破天荒な才能の証しと考えたり、そうした上司や先輩などからの“いじり”に対して、面白い返しや愛嬌のある反応をすることが、デキる業界人だと評価されます」 ハラスメントをなくすには、知識を広めることと、対話の場を増やすことが必要だと小島さんは言う。 「『悪気がない』ことこそが問題。『細かいこと言うなよ』とか『目くじら立てるな』ですませてしまう人が困る。『#MeToo』は反男性運動ではなく、暴力に泣き寝入りするしかない社会を変えようという動きです。ハラスメントにNOと言えない社会は暴力の連鎖を生み、その最も弱いところから上がってきたのが『#MeToo』の声。だから夫や息子、男性たちもこの運動に関わってほしい。たとえば『#HeForShe』で『MeToo』の声を上げた女性をサポートする=『セクハラを見たら止める』という価値観のシェアです」 米国では、トランプ大統領に対する「ウィメンズ・マーチ」に始まり「#MeTooキャンペーン」「タイムズ・アップキャンペーン」へと広がっていき、運動を一過性でないものにしている。 「私はいま日本のメディアの最前線にいる女性たちの“危機感”に期待しています。彼女たちは長くセクハラやパワハラの渦中にいました。だからこそ後悔している。『自分たちが黙ってきたことが、セクハラを助長してきたのかもしれない』と。彼女たちの尽力で『#MeToo』がニュースになり、次のアクションへの模索も始まっています」 先日、テレビの収録でこんな場面があったという。ある熟年の男性出演者が、ミニスカート姿の若い女性タレントにこう言った。 男性「お前そんなスカートはいてくるなよ、見ちゃうだろ」女性「それセクハラですよ」男性「俺はそのセクハラって騒ぐのが気に入らないんだよ」女性「いいえ、そういう言い方は『女は好きな服を着るな』と言っているのと同じですよ」 「編集でカットされたのが残念ですが、若い世代の意識はちゃんと変化しています。みんなが自分の半径2メートルから『もうそんなのやめにしよう』を始めれば、世の中は変わります。男性も女性も、一緒にハラスメントにNOを」
2018年02月18日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「日本では、性暴力被害に遭っても、被害者が警察に相談したり、裁判で加害者を訴えたりということは、とても少ないのが現状です。加害者側が、職場の上司や取引先、師弟といった上下関係を利用したケースが多いので、訴えることで報復を受けたり、職を失ったりすることを怖れて、我慢せざるをえないことがあるからです」 そう語るのは、弁護士の太田啓子さん。太田さんはセクハラ裁判における「日本の司法」に限界を感じている。 「勇気を出して警察に相談しても、性犯罪の捜査の過程で「どこをどう触られたのか」「そのとき、どのような体勢だったのか」など詳細に説明させられ、精神的に耐えられなくなってしまうことも。そのうえ、刑事事件として起訴するには、被害者の体内から、加害者の体液や、デートレイプドラッグなどが検出されるという客観的証拠が必要です。これを得るためには、被害を受けてすぐ警察に行かなければ証拠が採取できず、結局、証拠不十分で起訴に至らないことも多いのです」(太田さん・以下同) 起訴されたまれな事例では、元柔道金メダリストの内柴正人氏が、当時18歳だった部員に酒を飲ませてレイプに及び、準強制性交等罪(旧・準強姦罪)に問われた事件。 「この裁判では、同じ柔道部員が、内柴氏が酩酊状態の被害女性を背負って帰るところを目撃していたことなどから立証され、有罪になりました。性犯罪被害に遭ったらどうすべきか、という情報がもっと広く共有されることが、被害者を救う第一歩です」 刑事裁判に訴えられない場合は、損害賠償を求めて民事裁判を起こすが、ここで問題になるのが、性交の際の“合意の有無”。 「加害者側からは、『確かに性的関係はあったが、彼女も合意していたのだから違法ではない』という反論が、よく出ます。それまでの人間関係がどのようなものだったのか、性的関係の強要はなかったのか等について、いろいろな証拠から判断されることになります」 被害者と加害者が面識のある人間関係の場合、事件があった後も、いつもどおりにふるまわざるをえないこともある。 「うっかり、被害者側が『先日はありがとうございました』などとお礼のメールやLINEを送ってしまい、『性被害を受けた直後の被害者が、加害者に対してこんなことを言うはずはない』などと加害を否定する証拠として利用されることもあります。今後は、『すぐに抗議できなかったとしても不思議ではない』という認識を社会的に広げ、裁判官にも理解を求めていくことが重要です」
2018年02月17日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「昨年10月の『Black Box』の出版を機に、アメリカの『ニューヨーク・タイムズ』はじめイギリスのBBCやフランスなど海外メディアからの取材が殺到しました。『#MeToo』運動のうねりのなかで、各国の女性が声を上げ始めていますが、やはりアジア圏からの実名での声はまだ少ないからでしょう」 こう話すのは、元TBSテレビ報道局ワシントン支局長の山口敬之氏からのレイプ被害を記者会見で訴えたジャーナリストの伊藤詩織さん。著書『Black Box』(文藝春秋)も出版され、“顔の見える”被害者の訴えに社会的関心が集まっている。 「運動の発祥の地のアメリカは当然として、私が驚いたのはスウェーデンの反響のすさまじさ。人口はそれほど多くないのに、インタビューが掲載されたとたん、多くのメッセージが私の元に届きました。激励に加えて、同じサバイバーの方からの『勇気をもらった』という声も多かった。わざわざスウェーデンから日本の性犯罪救済センターに寄付を送ってくれた方もいました」(伊藤さん・以下同) 伊藤さんがインタビューのなかで、「日本では性暴力救済センターやスタッフの数が足りていない」と話しているのを読んでくれての行動だった。 「私は、自分が性被害に遭って以来、海外の性犯罪被害のサポート体制を取材し続けています。特に、イギリスのサポートの厚さには驚かされることの連続でした。現地の警察では、日本と違って、性犯罪専門のトレーニングを受けた捜査員がいます。しかも、ほとんど女性だから話しやすい。人形を相手に、被害状況を再現させられるなどの、セカンドレイプに当たるようなことは決して行われません。イギリスでは、被害者が事件の状況を説明するのは最低限少なくし、大体3回にするように努力しているそうです」 1度目は罪名を決めるために概要を、2度目は捜査のためにビデオカメラの前で、そして3度目が法廷だ。 「また、性犯罪救済センターなども、おもに寄付などで運営されてきた日本とは違い、政府が資金を出しています。ここでは被害届を出すかどうか決めていない段階でも、捜査員が匿名で話を聞いてくれます。そのうえで、どんなサポートを受けられるのかアドバイスをもらえます」 一度、話ができたことでとハードルが下がるのか、その後、被害届を出す人は約7割にも上るという。 「性被害を受けたあとのPTSDは私も体験していて、加害者と同じ背格好の男性を見ると体が震えたり、彼が働くオフィスの近くに行くことも怖くて、仕事に支障をきたしたりすることもありました」 イギリスでは、そうした性犯罪を受けたあとの精神的なケア、いち早く社会に復帰できるようにサポートしてくれる体制が整っているそう。 「大学のキャンパス内でレイプされたある女子学生は、大学に通えなくなり、単位を落としたんですが、スタッフが代わりに大学側に説明して、再度テストを受けられるようになりました。また、大学から紹介を受けて入居したアパートも追い出されそうになりましたが、それも交渉してくれたそうです」
2018年02月17日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「私は、日本でまだ『セクハラ』という言葉が誕生する以前の『性的嫌がらせ』と呼ばれていた時代から、この問題に深く関わってきました。最初は、’89年のセクハラ裁判の第1号となった福岡セクハラ訴訟でした」 そう語るのは、大阪大学人間科学研究科教授の牟田和恵さん。“セクハラ”誕生から30年。意識改革はどこまで進んだのか。牟田さんに話を聞いた。 「その後もおよそ30年の間、少しずつ社会状況は変わりつつあるとはいっても、まだまだ被害を口にできず、自分を責め続け、我慢している人が多い現実を思えば、現在もセクハラを取り巻く状況は課題が山積みのままです。そんなとき「#MeToo」の世界的な波及によりセクハラへの意識が高まり、女性たちが『悪いのは自分じゃないんだ』と自覚し、声を上げ始めたことはうれしい驚きでした」(牟田さん・以下同) 世界経済フォーラムが毎年発表するジェンダー・ギャップ指数では、日本は’13年には136カ国中105位、’16年も144カ国中111位と、先進国でも順位が低いままだ。 「これらの解決策としては、社会にもっと決定権を持つ女性が増えることが重要だと思います。最も期待するのは女性議員ですが、それは企業の管理職でも、メディアでも同じことが言えるでしょう」 今後は、女性の権利はもちろんだが、LGBTや高齢化社会のなかでのお年寄りなど、弱い立場の尊厳や権利が守られる社会にしていかなければならない、と牟田さん。 「セクハラに対する第1の防衛法は、ふだんから“シミュレーション”をしておくことでしょう。ただし、現実問題として、最初から思うようにサポートしてもらえるとは限りません。大事なのは、あきらめないこと。世の中は確実に変わりつつあります」 ’99年施行の男女雇用機会均等法改正法で、企業はセクハラの防止に配慮することが定められた。 「その後、セクハラ防止規定や相談窓口が設けられています。また、会社外にもセクハラ問題に詳しい弁護士が大勢います」 同時に、日本中に性犯罪・性暴力の被害者に対して総合的な支援を行うワンストップセンターが開設されたという動きもある。 「必ず、あなたをいろんなかたちで助け、支えてくれる人はいますから、あきらめないで声を出し続けてほしい。いちばん避けるべきは、我慢してしまうことです。その場ではトラブルを回避できたようでも、その後も被害が繰り返されると、自分を損なう気持ちが澱のようにたまっていくのです」 それに打ち勝つためにも、常に情報を集めておくことが大切だと牟田さんは言う。 「ニュースをチェックしたり関連本を読んでもいい、セクハラ問題に関心をもって情報を集め、もしものときに駆け込める場所や相談できる人を想定して、準備しておくことです。そうしてシミュレーションすることこそが、自分をセクハラから守ることになります。ふだんから『自分を大切にして生活する』ことを考えてください」
2018年02月17日“独立の洗礼”で片付けていいものか。 世界的に今、セクハラ被害への見方が変わりつつあります。ハリウッドセレブたちがこぞって抗議の声をあげ、日本でも「#MeToo」というセクハラ告発運動が盛んに行われています。 そんななか“麿サマ”の愛称でおなじみの元NHKアナウンサーの登坂淳一さん(46)にも疑惑が。「週刊文春」により同僚へのセクハラが告発され、キャスター就任が決まっていた番組も降板することを発表しました。 セクハラはあくまでも“疑惑”ということでしたが、これをキッカケに過去の噂が多数報告される始末。大々的にテレビで報じられることはありませんが、登坂さんはある意味社会的に“抹殺”されようとしています。 就任後にスクープが発覚し、番組内定辞退が決まる。この流れは、経歴詐称疑惑が浮上したタレントのショーン・マクアードル川上さん(49・以降、ショーンKさん)と同じ。そのためさまざまな比較をされていますが、実際は同じとはいえません。 ショーンKさんはもともと異業種からの大抜擢でしたが、登坂さんはNHKアナウンサーとしての確固たる実績と実力が評価されて抜擢されました。また事前に見抜けなかったテレビ局側の甘さを指摘する声もありますが、セクハラ被害は目に見える証拠が残りにくいもの。改めてセクハラ問題の扱いについて、難しさも感じます。 登坂さんは独立後の大きなチャンスを失ったことになりますが、セクハライメージのついた彼は今後どうやって活躍の場を作っていけばよいのでしょう。 実はそのチャンスが、すでに目の前まで迫っています。そう、平昌オリンピックです!実は登坂さんの趣味の1つはカーリング。豊富な知識とアナウンス力、そして熱い熱量をオリンピック中継で伝えられれば……。もう一度実力が認識され、風向きも変わってくると思います。 今やネットを駆使すれば、個人でなんでも発信可能な時代。お膳立てされた舞台はないものの、実力を示す技術とチャンスはあまた用意されているのです。 セクハラは当然ながら、許されない問題です。ただ登坂さんを擁護するわけではありませんが、あくまでも“疑惑”の段階なのに、社会的に“抹殺”してしまうのは少し悲しい気もします。 それと同時に、不倫報道に匹敵する世間の強烈な熱量も感じます。日本人はもともと誠実で潔癖な人を好む傾向がありますが、現実問題としてはどんな人にも“そうじゃない部分”があります。 登坂さんは上品なイメージが先行していますが、地方局時代はおちゃめでユーモアあふれる姿がファンを喜ばせていたそうです。 アナウンサーとしてキャリアに傷はついてしまいましたが、もしその傷が謝罪してすむ程度なら……。そのときは彼のつまずきを許し、独立という大きな決断をもう一度応援する“正しく”優しい日本でありたい。 この一件は世界のトレンドをふまえたうえで、日本人として今いちど考えていくべき問題だと思うのです。
2018年02月06日アンソニー・ラップから「未成年の頃にセクハラ被害を受けた」と暴露され、主演ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」を解雇されたケヴィン・スペイシーが、今度は人種差別主義者であることも指摘されている。「私はケヴィンの大ファンだったのですが、いまじゃ大っ嫌いですね」と「Daily Mail」紙に語るアール・ブルーさん。2012年、彼が経営する警備会社は「ハウス・オブ・カード 野望の階段」の撮影現場の警備担当として製作会社に雇われた。彼を含む黒人警備スタッフのグループがキャストたちのトレーラーを監視していたところ、アールさんはケヴィンが自分の個人的なセキュリティースタッフに「俺のトレーラーをニガー(※黒人に対する差別擁護)なんかに見ててほしくない」と言っているのを聞いてしまったという。これを受けてアールさんは撮影マネージャーに抗議したものの、「お偉方だから。あれが彼なんだよ。ぼくらは彼をとにかくハッピーでいさせなきゃならないんだ」と取り合ってもらえなかったそうだ。また、アールさんとチームを組んでいたほかの黒人スタッフもケヴィンが「握手を拒否した」と語っている。結局、製作会社はアールさんの警備会社の仕事ぶりに「満足している」と言いながら、シーズン1以降契約を更新してくれなかったとのことだ。(Hiromi Kaku)
2018年01月16日ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門で主演男優賞に輝いたジェームズ・フランコが、5人の女性からセクハラ行為を告発された。ジェームズはゴールデングローブ賞授賞式で、ハリウッドの多くの女優たちが支持しているセクハラ撲滅運動「Time’s Up」のピンバッチを身につけていた1人であった。このピンバッチをつけていたことがセクハラ被害者たちの感情を逆なでし、告発に至ったようだ。「The Los Angeles Times」によると、5人のうち4人はジェームズが経営し教鞭をとる演劇学校の学生だというのだから驚きである。ジェームズが監督した『The Long Home』(原題)に出演したサラ・タイサー=カプランは、フルヌードでの出演は承諾していたものの、セックスシーンでジェームズにプラスティックの前張りを取られたと憤っている。2016年にジェームズと交際していたヴァイオレット・パレイは、ツイッターに車の中でオーラルセックスを強要されたこと、ジェームズがヴァイオレットの友人で17歳の少女をホテルに呼び出そうとしたことを激白。ジェームズはもちろん全否定しており、「ねえ聞いてよ。ぼくはいままでの人生で、自分の行いすべてに責任を持ってきたし誇りに思ってる」と言い、「ツイッターに書かれてることは正しくない。でも、ぼくは何かを告白する人や声を上げることについては完全に支持するよ。だって、長い間声を上げられなかったんだからね」と語った。(Hiromi Kaku)
2018年01月12日俳優のマイケル・ダグラス(73)が、32年前の元職員にセクハラ行為をはたらいたとする疑惑が浮上する可能性があると知り、事前にその疑惑を否定した。マイケル・ダグラス(C)BANG Media Internationalマイケルはその女性を触ったり、友人たちと下品な会話をしたり、脅迫したなどという件についてコメントを求められたことを受け、公になる前に自ら否定コメントを出すことが必要だと感じたという。マイケルはデッドラインにこう語った。「その女性からは、まず始めに、僕が彼女に対して、ではなく彼女の前で下品な言葉を使ったと言われた」「2番目に僕が彼女の前でしていた電話の最中、そのプライベートな会話で友人に対していやらしい発言をしていたと」「結局、その女性は仕事ぶりが理由で解雇したんだけど、3番目として彼女は僕がこの業界では2度と仕事がもらえないようにすると自分を脅したと言ってる」「そして4番目、僕が彼女の前で自慰行為を行ったと」マイケルはその女性の前でひどい言葉を使用したことを謝罪したものの、脅迫したことや、自慰行為を行ったことなどないと断言した。「どこから始めればいいかも分からないよ。これは完全な虚偽で、全く持って事実無根だ」ザ・ハリウッド・レポーターからこの件について連絡を受けたというマイケルは「とても心が痛いね。僕は父(ーク)の長年の歴史などは言うまでもなく、この業界での自分の評判に誇りを持っている」「下品な言葉を使った点については認めるよ。でも彼女の前で自慰行為をしただって? そんなの去年に初めて聞いたような話さ。80年代に使われたような表現ではないね。だからおかしいと思った。それでなぜ、こんなことをしようとする人がいるのか考えたよ」「一番辛いことと言えば、こんなことを妻や子供たちと共有しなくちゃいけないことさ。うちの子供たちはすごく落ち込んでいる。僕がセクハラ人間だというニュースが出るんじゃないかと心配しながら学校に通わなければいけないんだから」と話した。妻キャサリン・ゼタ=ジョーンズとの間に2人と前妻の間に1人の計3人の子供を持つマイケルは、今回自らの潔白を宣言すると共に、セクハラ抗議運動である「#MeToo」を支援すると続けた。(C)BANG Media International
2018年01月11日今年で記念すべき90周年を迎えるアカデミー賞レース。今回の「入門編」では、作品賞候補の声が高い作品の中から、確実にノミネートされそうな厳選5作品を分析してみた。■確実にノミネートされそうな5作品『ダンケルク』まずはクリストファー・ノーラン監督の戦争映画『ダンケルク』。とにかくこの作品はテンションが高い。だが戦争映画でもっとも血糊が少ない映画と言ってもよく、映像とサウンドのみで観客を矢継ぎ早に窮地、また窮地に追い込み、戦地の兵士同様に絶体絶命な気分に追い込んでいくノーラン監督の手腕は凄い。映像も素晴らしくこの作品はノミネートほぼ確実いえる。『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』次に作品賞ノミネート必至と思われるのが、スティーヴン・スピルバーグ監督・主演トム・ハンクス&メリル・ストリープの『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』。実話を基にしたサスペンス・ドラマで、ベトナム戦争激化の当時に、女性経営者のワシントン・ポスト紙が政府の脅迫、出資者の反対、世間の性差別に屈せず、当時の米国政府がいかにアメリカ国民を嘘で操って泥沼化していたベトナム戦争を30年間にも渡って長引かせてきたかを暴露するまでの壮絶な“バトル”が描かれている。現在、トランプ政権で大揺れに揺れているアメリカ、そして様々なセクハラ問題などから女性の社会立場が何かと話題になる最近の世相において、まさにタイムリーな映画で、作品賞候補にノミネートされること請け合いの作品だ。『ゲット・アウト』そして次のノミネーション確率大の作品は、こちらも世相を反映したユニークなエントリーでホラー映画『ゲット・アウト』。アカデミー賞候補にホラー映画のタイトルが挙がるのは非常に珍しい。アカデミーは「ホラーとSFが嫌い」という定説はいまだ根強いのだが、この『ゲット・アウト』の強みはただのホラーではなく、ここ数年アメリカに吹き荒れている人種問題に、非常に賢い風刺を効かせたストーリーであるという点だ。黒人監督、黒人ライターそして黒人男優主演による本作は、現在ハリウッドで注目されている業界での多様性を具現化している作品ということでも特出している。これまであまりに白人優位で問題になったアカデミーにとって本作をノミネートすることは、心機一転・汚名挽回のいいチャンスとなるだけに候補確率はかなり高い。『レディ・バード/Lady Bird』(原題)今年のダークホースで、こちらもノミネーションほぼ確実と思えるのが『レディ・バード/Lady Bird』。これまで女優業中心だったグレタ・ガーウィグの監督デビュー作で、自分がティーンエイジャーだった頃の経験を基に執筆したストーリーとのことで、映画祭などでこの作品をすでに見た人々からはその質の高さに新米監督の作品とは思えないと言う声が上がっているほどの話題作だ。主役クリスティーヌこと“レディ・バード”を若き演技派シアーシャ・ローナン(『ブルックリン』)が演じ、彼女の名演もアカデミー賞主演女優部門でノミネーション間違えなしとの下馬評が高い。『シェイプ・オブ・ウォーター』5本目にご紹介の『シェイプ・オブ・ウォーター』も以前であればアカデミー賞候補になるには少々異色すぎると言われていたかもしれない。日本ではまだ未公開の本作だが、ギレルモ・デル・トロ監督が製作・脚本も兼ねたこの作品は、彼お得意の美しくもダークなファンタジー・ドラマで、謎の人魚男と口のきけない女性とのロマンスを描いている。ひと昔前に人魚姫がトム・ハンクス演じた普通の男性に恋をしてしまう映画『スプラッシュ』を男女逆にしてもっとダークにしたのがこの作品である。口のきけないヒロイン(サラ・ホーキンス)が、愛する人魚を邪悪な科学者から守ろうと、命がけで救出を試みる様には思わずエールを送ってしまう。■今年のアカデミー賞は女性主人公の作品がポイントに?今年のアカデミー賞作品部門のノミネーション予想をしていて気がつくことは、女性を主人公にした作品がこれまでになく目立つことだ。2017年はハリウッド映画業界で「セクハラ」に苦しめられた女性被害者たち立ち上がり、権力乱用の大物を次々に暴露していったたことがキッカケで、ある意味で女子パワーの年となった。現在、オンラインでもアカデミー賞レースの上位を走っている上記5作品中、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』、『レディ・バード』、『シェイプ・オブ・ウォーター』の3作品が女性を主人公にした映画で、これは特筆に値する。ここ数年において、会員の年齢、性別、人種が多様化したと言われるアカデミーだが、『シェイプ・オブ・ウォーター』のような作品をノミネートしてしまうかもしれない新世代アカデミーには、これまでにはなかった新しい何かを期待できるかもしれない。(text:Akemi K. Tosto)(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2018年01月04日ハーヴェイ・ワインスタインの長年に渡るセクハラが明るみになってから、女優たちによるセクハラ事件の暴露が後を絶たないハリウッド。ワインスタインのみならず、次から次へと著名な俳優たちの蛮行も明らかになってきた。「People」誌によれば、1月7日(現地時間)に開催されるゴールデングローブ賞授賞式では、エマ・ストーンやメリル・ストリープら女優たちが、ハリウッドに蔓延しているセクハラへの抗議として全身黒ずくめで出席するという。彼女たちに賛同しているドウェイン・ジョンソンらも同様の服装で出席する。ドウェイン、アーミー・ハマー、トム・ヒドルストンのようなハリウッドのトップ俳優を担当しているスタイリストのイラリア・ウルビナーティがインスタグラムで明かした。「みんな私に聞いてくるのよ…。ええ、ゴールデングローブ賞では、男性陣が女性陣と団結して立ち上がり、黒ずくめの服装で女性軽視に対する抗議を行うわ。少なくとも、私のクライアントの男性たちはね」。華やかなファッションが見どころの1つである授賞式だが、ファッションによるこの抗議は、ゴールデングローブ賞だけでなく賞シーズンを通して続くかもしれないとのことだ。(Hiromi Kaku)
2017年12月25日BIGLOBEはこのほど、「セクハラに関する意識調査」の結果を明らかにした。同調査は11月18日~24日、全国の20代~50代の社会人男女800人を対象にインターネットで実施したもの。セクハラをされたことがあるか尋ねたところ、女性の39.0%が「ある」と回答した。男性も8.5%が「ある」と回答している。このうち、20代および30代男性でセクハラされたことがある人は、どちらも1割以上になり、現代のセクハラは若い男性にも拡大していることがわかった。セクハラをされたことがあると回答した人に、誰からセクハラをされたか聞くと、82.6%が「上司・先輩」と回答した。2位は「取引先・お客様」(27.9%)となっている。セクハラをされたことがある20代に限定すると「友人」からのセクハラ経験が15.9%と、他の年代より高かった。20代は「上司・先輩」(70.5%)のほか、「同僚」(29.5%)も多かった。セクハラをされたことがあると回答した人に、どのような場面でセクハラをされたか聞くと、「食事・飲み会」(53.2%)が多く、次いで「通常業務時」(48.4%)、「会社行事の飲み会(新・忘年会、歓迎会など)」(42.6%)となった。セクハラをされたことのある20代女性では、「食事や飲み会」(65.6%)、「残業時」(18.8%)が全体よりも高かった。特に「食事や飲み会」は、全体の結果よりも10ポイント以上も高くなっている。
2017年12月06日ハリウッド大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ問題が露見してから、問題の火の手は収まるどころか悪化しておりハリウッドのエンタメ業界はパニック状態となっている。■ケヴィン・スペイシー事件のあとには…ワインスタイン事件以来、セクハラ問題がまるで異常乾燥注意報時の火災がごとく映画業界の至る所で火の手をあげて俳優やセレブ監督にも飛び火しており、人気海外ドラマ「ハウス・オブ・カード野望の階段」などで日本でもお馴染みの俳優ケヴィン・スペイシーが30年前、26歳のときに14歳の俳優アンディー・ラップに対して性的行為を試みようとしたというニュースはアメリカ内外でも大変な話題となった。今週に入り、映画『テッド』のガールフレンドを演じたジェシカ・バースが2012年に当時のマネージャーでハリウッドの大物であるデヴィッド・ギルロッドから性的暴行を受け、ロス市警に届けたもののその後ギルロッドから脅迫され恐ろしくなり、訴訟を取り下げざる得なかった、と大手業界サイトの「the Wrap」に暴露してこれも大変な騒ぎとなった。とにかく連日のように、新しい有名人の名前が「セクハラ事件」という見出しの横に並ぶ、とんでもない状況のハリウッド。セレブ監督のブレット・ラトナーも6人の女性からセクハラで槍玉に挙げられている。ブレット・ラトナーといえば、アクションコメディー映画『ラッシュ・アワー』シリーズ(ジャッキー・チェン&クリス・タッカー主演)で一躍人気監督となり、近年では自ら設立したプロダクション・スタジオより大ヒット作『ワンダーウーマン』や『X-MEN: ファイナル ディシジョン』などを産出してノリに乗っていたハリウッドの大物である。ラトナーは、問題発覚後に里親的存在だったワーナー・ブラザーズ映画から縁を切られている。■ハリウッドで崇拝されているアノ俳優まで!?今回のセクハラ問題で周囲を一番ショックに陥れたのが、今年で御年80歳の大御所名優ダスティン・ホフマンである。『卒業』や『トッツィー』などの名作をはじめ、メリル・ストリープと共演した『クレイマー、クレイマー』と、トム・クルーズ共演の『レインマン』ではアカデミー賞主演男優賞受賞歴もある、あのダスティン・ホフマンである!時をさかのぼること32年前。ダスティン・ホフマンが1985年に手がけていた芝居のプロジェクトで、当時17歳だったインターンのアンナ・グラハム・ハンターさんにセクハラをしたのだという。このショッキングなニュースに周囲が愕然とするなか、どうやらダスティンの“素行の悪さ”は、それに始まったことではないということが明るみに出はじめた。1979年に『クレイマー、クレイマー』でダスティンと共演したメリル・ストリープは、撮影前に初めてダスティンと対面したときに、なんと胸を触られて非常に不快な思いで撮影に臨んだというのである。この打ち明け話はメリルのインタビュー記事として当時のタイム誌に掲載されており、これがいまになって浮上し、ダスティンにとっては非常に不利な話題となっている。■セクハラ問題の波紋セクハラ問題は、関わった俳優や監督たちのキャリアを崩壊に追い込むばかりでなく、その周囲にもひどい打撃を与えている。増え続けるスキャンダルに伴い、暮れのホリデーシーズン公開予定作品が目まぐるしく変更されているのがその一例だ。たとえば、TWC(ザ・ワインスタイン・カンパニーの略)の手がけたホラー映画『ポラロイド』(原題)は、かなりのヒットが見込まれていたものの、セクハラ事件が露見したことで、ほとぼりが冷める来春ころへの延期が決定している。被害を被っているのは劇場側だけではない。一連のセクハラ問題は、アカデミー賞を筆頭とする映画賞レースへの影響も必至とみられている。前出のケヴィン・スペイシーは、Netflixより「ハウス・オブ・カード野望の階段」の打ち切りを命じられただけでなくアカデミー賞シーズンに向けてノミネート必至とされていた新作スリラー映画『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド/All The Money In The World』(原題)が受賞作戦のPRから外されることが決定している。この映画は『エイリアン』シリーズのリドリー・スコット監督作品で、ケヴィン・スペイシーの共演者にはミシェル・ウィリアムズとマーク・ウォールバーグも参加している話題作だったのに、ケヴィンが昔に犯した軽率な過ちのせいでとんだ迷惑を被っていしまった形だ。■ハリウッド・メンタリティとその対策「お金があってパワフルならばどんな振る舞いをしてもいい」という暗黙の了解がまかり通っていたハリウッド。…というよりは、どこの業界でもパワーを持っている者が下のものを足蹴にしたり酷い扱いをしたりということは往々にある。その頂点にあるのがセクハラだ。映画業界にセクハラが横行している理由に、「何が何でも俳優になりたい」という若者が溢れているという事実がある。だが、いくら相手がどんなにデスパレートでも、分別のある人間であればセクハラに及ぶなどということはない。長いことハリウッドにいて学んだことがある。自分の心の声はうそをつかない。少しでも妙な気配を相手から感じ取ったら、自分の心がザワつき出したらその場から素早く身を引くことが肝心だ。どんな業界に居ようが、上に立つ相手が自分の価値観や信条に反するようなことを提案したり押しつけたりして来たら、相手が誰であろうが「NO」と言って、毅然とした態度でその場を離れる勇気を持つことが大切なのだ。(text:Akemi K. Tosto)(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2017年11月10日今年3月、『プリズン・ブレイク』シーズン5の上映会に登場したロバート・ネッパー(写真:Richard Shotwell/Invision/AP/アフロ) ハーヴェイ・ワインスタインに関する報道に端を発したセクハラ告発の連鎖が止まらない。ケヴィン・スペイシーやスティーヴン・セガールら大物俳優の名が次々と挙げられる中、日本でも人気のあの人にも疑惑が持ち上がった。『プリズン・ブレイク』のセオドア・“ティーバッグ”・バッグウェル役で知られるロバート・ネッパー(58)だ。 衣装デザイナーのスーザン・バートラムは1991年、映画『Gas Food Lodging』の撮影クルーとして働いていた。ニューメキシコ州での撮影中、ネッパーのトレーラーに衣装を運んだ際に事件は起こった。The Hollywood Reporterにバートラムが語ったところによると、入室するやネッパーはすぐさま立ち上がり、彼女の股の部分を思い切りつかんできたという。ネッパーはそのまま壁に彼女を押し付けて、「あんたをめちゃくちゃにしてやろうか」とささやいた。「すぐにもがいて彼の腕を振りほどき、トレーラーから飛び出しました。外に出ると、あまりの恐怖に膝から崩れ落ちてしまいました」とバートラムは当時の記憶を掘り起こした。 ネッパーはこの告発を受け、Instagramに反論メッセージを掲載。 「ここ数週間にわたり、女性たちが経験した痛みと、彼女たちが前に進むために見せた勇気について妻と私は語り合ってきました。私はある女性から暴力について誤った告発をされ、非常にショックを受けています。言われているのは私ではありません。今回のことで私を支え、元気づけてくれた人々に心からの感謝を送ります」
2017年11月10日いい音楽、いい雰囲気、そのなかで楽しい時間を過ごすための夜の外出=ナイトアウト。それなのに、もしもこちらが望まないかたちで体を触られるような「セクハラ」を受けたりしたらせっかくの夜は台なしになる。しかしイギリスの世論調査会社YouGov(ユーガブ)の調査では、実に女性の35%、男性の9%が「ナイトアウト中にセクハラを受けたことがある」と回答したという。そんなお酒によるトラブルは避けて楽しもうと呼びかけているイギリスのボランティア団体「Drinkaware」(ドリンクアウェア)は、夜間の外出におけるセクハラについて警笛を鳴らしている。※動画が見られない方はこちら誘ってもないのに体を寄せてくる、避けてもしつこく近づいてくる、こちらが嫌がっているのにやめないなど、万が一セクハラ被害にあってしまった場合、ほかの誰かが気づいてくれたらどれほど心強いだろうか。「大丈夫?」と一言かけてくれる人が来たらハラサー(ハラスメントをする人)が離れてくれるかもしれないし、少なくとも、過度に騒ぐことなく拒否の意思を伝えるきっかけになりやすい。It’s #oktoask someone being sexually harassed on a night out if they’re ok. Make sure 2 spot it, check it, speak out pic.twitter.com/MudiBexran— drinkaware (@Drinkaware) September 28, 2017 とはいえ、セクハラを避けようとするがあまり「出会い」や「お誘い」を楽しめなくなるのでは、せっかくのナイトアウトの楽しみが半減するのも事実。ナイトアウト先で出会った「すてきな相手と距離を縮めること」と「セクハラ」の間にハッキリと明確な境界線を引き、万が一望んでもいないの触られたり、断ってもしつこくつきまとわれたり、ましてや一方的にキスされるようなことがあれば立派なセクハラ行為だと主張するべきだが、自分ではどうしようもないシチュエーションもあるだろう。だからこそ、少し様子が変に見える人がいるときは、友だちだろうとまったくの他人だろうと、一言「大丈夫?」と声をかけ合おう。 ドリンクアウェアは、ハッシュタグ・アクティビズム「#oktoask」(直訳:聞いてもいい)を通して、そんな呼びかけをしている。一方で安全の確保も忘れてはならない。目の前で行われていることがセクハラなのかどうか。自分だけで判断できないと思ったら、他の誰かに意見を聞いたっていい。助けに入っても安全か、必要に応じてセキュリティガードに頼むなど、冷静な判断をすることが大切だともいえる。Fulling loving the drinkaware #oktoask advert. SEXUAL HARASSMENT IN CLUBS IS NOT OKAY.— Billie May ✨ (@billiemayr) October 29, 2017 「ドリンクアウェアの#oktoaskのキャンペーンいいね。クラブでのセクハラがOKなわけない。」We worked with @Drinkaware to craft the message & guidance behind their #oktoask Bystander Intervention campaign Good Night Out (@_goodnightout) October 3, 2017 満員電車の痴漢行為や合意なしの性行為といったわかりやすい性犯罪と異なり、クラブのような場では、ある程度の接触も”お楽しみ”に含んでいいもんだと思われがちだが、被害者が不快に感じたり、やめてほしいと思った時点でセクハラ行為なんだと認識していい。また、ナイトアウトという”楽しい場に来ている負い目”を感じる必要はまったくない。シラフの状態で”やってはいけないこと”は、酔っているときだってするべきではないのだ。Photo by Yuri Catalanoナイトアウト先でのセクハラがまるで当たり前のようになってしまった背景には、ナイトカルチャーを形成する”猥雑さ”という魅力があるからだと想像するが、誰かの尊厳が傷つくような文化はいずれ衰退するもの。多様を肯定しようとするこの時代に目指すべきは、性的なダンスは表現として認められるが、勝手に相手の体に触ることは許されない”健全な猥雑さ”ともいえるような本物の文化の確立ではないだろうか。嫌がっている人にたった一言「大丈夫?」と聞くことで、性別も年齢も関係ない、人として当たり前ともいえる配慮をどんな場にいても忘れてはいけないという意識を広められる。そんな小さな心がけには、セクハラを容認してきた社会を少しずつ変えていくの可能性があるのだ。Text by Madoka YanagisawaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!レイプ防止!「飲み物に入れられたドラッグ」を検出できるストローを開発した、3人の女子高生。 「デートレイプ」という言葉を知っているだろうか?デートレイプとは、友人や知人など顔見知りの人の犯行によるレイプのことを指す言葉。これによく使われるというのが、相手の意識を失わせ...
2017年11月07日『プラネット・テラー in グラインドハウス』のローズ・マッゴーワン(写真:Everett Collection/アフロ) 長年ハリウッドを牛耳っていたハーヴェイ・ワインスタインのセクハラスキャンダルが露見してからひと月以上。未だに彼の悪行を告発する声が後を絶たない。その手口は共通しており、駆け出しの新人女優を「打ち合わせ」と称してホテルの部屋に呼び出し、マッサージを強要。合意を装って性的関係を結び、いくばくかの口止め料と映画出演と引き替えに沈黙を強いるという非常に卑怯なものだった。 セクハラの域を超え、レイプされてしまった女優も既に何人か名乗り出ている。そのうちの1人、ローズ・マッゴーワンが9月に「レイプについて黙っていれば100万ドル(約1億千万円)支払う」という申し出を受けていたことをTIMES紙に明かした。 マッゴーワンは『プラネット・テラー in グラインドハウス』(2007)で、ゾンビに食いちぎられた太腿の下に義足代わりにマシンガンを装着して戦うセクシーダンサーを演じ、世界的に知名度を上げた。しかし、彼女がこの役を獲得した裏には、ワインスタインによる“買収”があった。ワインスタインにレイプされるも、映画出演と10万ドル(約,1100万円)の和解金を差し出され、黙らざるを得なかったのだ。 TIMESによると、今年9月に記事が出ることを知ったワインスタインは、弁護士経由でマッゴーワンに連絡を取り、100万ドルと引き替えにレイプの事実を隠し通すよう依頼したという。 「あいつをじわじわ苦しめてやりたくて、600万ドルじゃないと応じない、と返答したけど、その後に『もううんざり。あんたのお金なんか欲しくない』って言ってやったの」。 『プラネット・テラー in グラインドハウス』では、マッゴーワン演じるダンサーが自らをレイプした男を惨殺するシーンがある。この作品を監督したロバート・ロドリゲスは、当時マッゴーワンと交際しており、このシーンをワインスタインへの意趣返しとして撮影したと先週Variety誌に語っている。
2017年10月30日30年間にわたる多数の女性へのセクハラ疑惑が告発されたプロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン(65)が、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)から追放された。アカデミー賞を主催する同団体が、ワインスタインを除名することを声明で発表した。「理事会は早急にワインスタインをアカデミーから除名することに決定しました。単に彼のような、同僚からの尊敬に値しない人物を追放しただけでなく、我々の業界での性的暴力や職場でのハラスメントに対し、見て見ぬふりをしたり、恥ずべき加担行為を働いたりする時代は終わったというメッセージでもあります」「ここで問題となっているのは、我々の社会において許されることのない深い問題です。理事会は今後も、全てのアカデミー会員が例示することが期待される、倫理的な行動規範を確立するため努力を続けていきます」スティーブン・スピルバーグやトム・ハンクス、ウーピー・ゴールドバーグらを含む理事会の幹部らが今回の追放を決定したと報じられている。同団体においては、理事会は3分の2の投票によって会員を正当な理由として除名できる決まりとなっており、今回の件に関しては「3分の2を優に超える」投票を得たという。アカデミー追放に先立っては、ワインスタインの弟ボブが、ワインスタイン・カンパニーの株主持ち分をワインスタインが失う可能性があると明かしていた。また、ワインスタインはフランスの名誉であるレジオンドヌール勲章をはく奪されることが発表された。エマニュエル・マクロン仏大統領は、2012年にニコラ・サルコジ元大統領によってワインスタインに授与されていたその栄誉をはく奪することに向けて動き出したことを、広報担当を通じて発表していた。(C)BANG Media International
2017年10月16日就職率は上昇中であるものの、自分の希望する企業に内定を貰うのはやはり難しい。余裕をかましているうちに「内定が取れなかった……」と嘆く人も多い。就活生はとても難しい立場にあります。そんな女子就活生に対して、弱みに付け込む輩もいるとか……。今回は、就活女子大生に届いた大企業男子からのセクハラLINEをご紹介します。文・塚田牧夫「業界の人ならみんな持ってる本をあげる」「私はどうしても広告業界に就職したかったので、広告系に就職した1個上の先輩にお願いして、採用に携わっているという人を紹介してもらいました。私の初歩的な質問にも丁寧に答えてくれて、とても親切なんですが、毎回直接会わないと話を聞いてくれないんです。電話やメールでも済むようなことでも、直接話したほうが伝わると言って。そのうち、就活に関係ない飲みの席にも呼ばれるようになりました。あるとき“業界の人ならみんな持ってる本をあげる”というLINEが来ました。私は“郵送じゃダメですか?”と送ったら、会って渡したいと。紹介してくれた先輩の手前もあったのですが、ちょっと行き過ぎていると思い“セクハラじゃないですか?”に近い文面を思い切って送ってみました。そうしたら“うちそういうの揉み消せるから”と開き直る始末。頭にきて、連絡を絶ちました」アヤメ(仮名)/23歳「君を試したんだ」「就職説明会で、何度か顔を合わせた人がいて友だちになったんです。その人に、私が希望している会社を伝えたら、ある男性を紹介してくれました。その人は採用担当者で、面接官もしているという人でした。まずはLINEだけ交換して、やり取りするようになりました。最初のうちは必要事項や心構えなんかを教えてくれていたんですが、ちょいちょい“恋人はいるの?”とか“合コンとかするの?”とか、関係ない質問も挟んでくるんです。それがだんだんエスカレートしてきて“今度食事に行かない?”と、誘うような内容に変わってきました。はぐらかしてはいたんですが、“この日空いてる?”と、どんどん具体的に責めてくるんです。私はさすがに“申し訳ありません”とお断りしました。すると、“君を試していたんだ”と返事が来ました。『圧迫面接』というのがあるというのは知っていました。それは、面接の際に、面接官がわざと否定的な態度を取ったり、意地悪な質問をしたりすること。その人は、圧迫面接に対応できるかどうかを試してたと言うんです。ホントかよ……と思いましたけど。まあ、少しは有益な情報が聞けたから良しとしました」ミカコ(仮名)/24歳就活女子大生に届いた大企業男子からのセクハラLINEをご紹介しました。どの世界にも、弱みに付け込む輩はいるようです。そういった行為に流されないよう、明確な意思を持って対応して欲しいですね。就活応援しています!(C) Dorota Zietek / Shutterstock(C) ImYanis / Shutterstock
2017年09月26日