ドラッグストアに足を運べば、さまざまな生活用品があふれんばかりに並んでいます。テレビや新聞、雑誌でも、商品のすばらしさを強調する宣伝がたくさん。だからこそ私たちは、情報に惑わされず、より安全で役に立つ製品を買うようにする必要があるでしょう。そこで役立てたいのが、『使うなら、どっち!?不安生活用品見極めガイド』(渡辺雄二著、サンクチュアリ出版)。■使える製品・使ってはいけない製品日常生活でよく使われている代表的な生活用品を取り上げ、「使うならどちらが適しているか」という判断をしている書籍。危険度の高い、あるいは刺激性の強い成分を含んでいる製品を「こっちは、ダメ」、使っても害が出る心配がほとんどないものを「使うなら、こっち」と表示しているので、とてもわかりやすい内容です。具体的に、どんなことが書かれているのか、「洗面・入浴」という項目から、「ハンドソープ」についての説明を引き出してみましょう。■使っても無害なハンドソープはコレ本来、手についたウイルスや病原菌は、水道水で充分に手をこすり洗すればほとんど除去できるもの。しかし、それだけでは不安を感じる人が多いせいか、ハンドソープが注目されています。そんななか、ここでは『薬用せっけんミューズ』と『アラウ泡ハンドソープ』が比較されています。『薬用せっけんミューズ』(花王)には、旧・厚生省が、皮膚障害、アレルギー、がんなどを起こす可能性があるとしていたサリチル酸や赤202、黄203など、過去に「表示指定成分」であったものが含まれているとか。ですから、これらを含む製品は避けた方がよいそうです。また、『無添加 せっけん泡のハンドソープ』(ミヨシ石鹸)も、成分はカリ石ケン素地以外は水のみ。そのため刺激性が少なく、子どもにも安心して使わせることができるといいます。対する『アラウ泡ハンドソープ』(サラヤ)には、カリ石ケンの他に天然成分が多く含まれており、表示指定成分は1つも含まれていないそうです。BG(ブチレングリコール)はアルコールの仲間で、刺激性が低いもの。そのため、表示指定成分には指定されていないということです。■ハンドソープ内にある要注意な成分『キレイキレイ 薬用泡ハンドソープ』(ライオン)も、皮膚障害、アレルギー、がんなどを引き起こす可能性のある安息香酸塩、赤401などが含まれているため危険。このように、かなり具体的に、そして簡潔に「使っていいもの」と「使ってはいけないもの」が示されているので、実用性抜群。その他、「洗剤」「消臭・防虫・殺虫」「生活雑貨」「くすり・サプリ」についても解説されているため、とても利用価値が高い一冊だといえます。(文/印南敦史)【参考】※渡辺雄二(2014)『使うなら、どっち!?不安生活用品見極めガイド』サンクチュアリ出版
2015年06月09日タレントの松本明子さんは、40年以上も便秘に苦しんできたのだとか。ところが順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生の指導のもとで腸をキレイにする“腸活”に挑戦したところ、劇的に改善できたのだといいます。しかも、その方法は驚くほど簡単で、お金もかからないものばかり。『腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善されて40年来の便秘にサヨナラできました!』(松本明子著、小林弘幸監修)では、そんな腸活の方法がわかりやすく解説されています。「Chapter 2 カンタン&お金もかからない腸活はじめました!」から、いくつかのポイントを引き出してみましょう。■1:朝は1杯のお水で腸を刺激する!便秘解消に向けて最初にすべきことは“朝1杯の水を飲む”こと。便秘解消法の定番でもありますが、忘れるべきでないのは、“一気飲み”がポイントだという点。なぜなら一気飲みをすると、飲みものの重みで腸が刺激され、朝ほとんど動いていない腸が活動を開始するから。なおスイッチの役割を果たすことが目的なので、一気飲みできる程度に温めても、常温でも冷たいものでもなんでもOK。水ではなくお茶や牛乳、ジュースなど種類を問わないそうです。■2:簡単ストレッチでさらに腸を刺激便を詰まらせないようにするには、食べものや飲みものによる内側からのアプローチに加え、ストレッチなどで刺激を与える外側からのアプローチも大切。この2段構えが腸を刺激し、便を肛門へ運んでくれるというわけです。ちなみにストレッチは朝に限らず、1日のうちのいつやっても腸のためになるのだといいます。朝だけにこだわらず、やりたいときにやれる分だけやればいいということ。背伸びをするだけでもからだの側面が伸びて腸への軽い刺激になりますが、さらに両手を頭上でクロスさせてからだを左右に倒すと、腸への刺激がぐっと強くなって効果的。■3:朝食に乳酸菌を食べることも大事軽度の便秘の人なら早々に、極度の便秘の人はある程度排便してから、“1日1品、善玉菌のエサとなる乳酸菌(発酵食品)を摂る”生活をスタートさせるといいとか。乳酸菌を多く含む代表的な食品は、ヨーグルト、チーズ、納豆、キムチ、お漬物、味噌などの発酵食品。松本さんの場合は、1日3食のどこで摂ってもいいというゆるい設定にしながらも、できるだけ朝食で摂るように心がけたのだといいます。また、スーパーの安売りのときにまとめ買いしておいたヨーグルトドリンクをバッグに入れて出かけ、移動中に飲むこともあるそうです。「最初は“1日1品乳酸菌”のハードルがそれなりに高いように感じましたが、いまではパズルのピースをはめ込むように、1日のどこかで食べる生活を楽しんでいます」こういう話を聞くと、気軽に取り組めばいいのだということがわかるのではないでしょうか?(文/印南敦史)【参考】※松本明子(2015)『腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善されて40年来の便秘にサヨナラできました!』アスコム
2015年06月08日ビジネスパーソン、なかでも特に新社会人は、仕事や人間関係のストレスを抱えているのではないでしょうか?そこでおすすめしたいのが、『新社会人のための成功の教科書』(ジェフ・ケラー著、 弓場隆訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)。アメリカで絶大に支持される自己啓発のスペシャリストが、仕事への取り組み方、人間関係の築き方、人生を豊かなものにする方法などについての考え方を紹介した書籍です。著者自身の経験を軸に書かれているというだけあり、そのことばは自信に満ちています。そして、誰しもが直面する問題が取り上げられているので、親しみやすい内容でもあります。「Lesson 1自分の人生に責任を持つ」から、いくつかを引き出してみましょう。■1:まず自分が変わる「上司が無能だ」「親が理解してくれない」など、多くの人は、自分の仕事や人生がうまくいっていないことについて言い訳をする傾向がある。著者はそう指摘しています。けれど、言い訳や責任転嫁をしたところで、人生がうまくいくわけではありません。それどころか、自分が被害者だと思っているかぎり、悪い方向に行くばかり。だからこそ、言い訳や責任転嫁をするのはやめましょう。著者はそう提案しています。仕事や人生がうまくいくようにするためには、まず自分が変わらなければならないということです。(14ページより)■2:人生をうまくいかせると決める現在の自分の状況をつくり出したのは、ほかならぬ自分自身の思考と行動。したがって、現在と同じように考え、行動し続けるなら、いつまでたっても同じ結果になるだけ。でも、親の態度や上司の言動をコントロールすることは不可能ですが、「それらの状況に自分がどう反応するか」ということならコントロールできるはず。だとすれば、人生でなにが起ころうとも、その出来事を最大限に活用することを考えるべき。「ワクワクするようなことを考えましょう。人はみな、自分の運命を方向づける大きな力を持っているのです。その力を活用すれば、人生は確実に好転します」このメッセージは、記憶にとどめておきたいものです。(16ページより)■3:運を自分でつくり出す世のなかに、幸運に恵まれる人がいるのは事実。しかし、その人が幸運に恵まれたのは偶然ではなく、自分で運をつくり出したから。この事実を見逃してはいけない。だとすれば、運を正確に定義するなら「しっかり準備をしたうえで、めぐってきたチャンスをものにすること」ということになるはず。それを前提として、著者は次のように記しています。「成功者は常にポジティブな心の持ち方を維持し、明確な目的意識を持ち、目標の達成に向けて粘り強く努力して自分の道をつくり出しています。たとえ失敗しても、失敗の教訓を生かして前進し続けます」そして、幸運に恵まれるのを待っているだけの人は、永遠に待つはめになるかもしれないとも。つまり、運は待っていれば近づいてくるものではなく、自分の力でつくり出すものだということです。(18ページより)1項目1見開きのシンプルな構成なので、空いた時間に目を通すことも可能。バッグに入れておけば、なにかと役立つ一冊だといえそうです。(文/印南敦史)【参考】※ジェフ・ケラー、 弓場隆(2015)『新社会人のための成功の教科書』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015年06月07日『2%のエース思考 – あなたはいつまで「同期」の中に埋もれているのか?』(小杉俊哉著、ワニブックス)の著者は、長年にわたり多くの企業で次世代リーダー研修、キャリア開発研修などを行なってきたという人物。そして、数万人もの優秀な企業人と接してきた結果、ある気づきを得たそうです。それは、企業内には一定の割合で「紛れもなくエースだ」と思えるような人たちがいたこと。■エースの割合は50人にひとり!そんなエースの割合は、50人にひとりほど。たとえば企業で50人の社員研修を行なうと、そのなかにエースがひとりいるというわけです。あくまで実感値だそうですが、なんとなくわかるような気はします。接してきたのは、自身が所属していたNEC、マッキンゼー、ユニデン、アップルに加え、電機メーカー、自動車メーカー、鉄道会社、航空会社、広告代理店、電力会社、ハウスメーカー、食品メーカー、証券会社、保険会社、都市銀行・地方銀行など多種多様。その結果、わかったことがあるといいます。それは、エースと呼ばれる人の基準が、同じ業界のライバル会社同士であっても驚くほど共通しているということ。そして、それは業種や職種が変わっても同様なのだそうです。ただし、その基準は、多くの人が思い描いているようなエース像とは大きく異なっているのだとか。■現実とは異なる一般的なエース像一般的なエース像とは、上司から与えられた課題を効率的にこなし、動機よりも入社早々から業績が高く、上司から高い評価を得ている、といったものであるはず。しかし、いまの時代において、将来の会社を担って立つエース像とはかけ離れているというのです。そしてもうひとつのポイントは、一流企業だけでなく、中小企業やベンチャーにも同じ割合でエースがいるということ。一流企業を出ているわけでも、特別な資格を持っているわけでもないけれども、間違いなくエースであるといえるタイプ。■中小企業でもエースは全体の2%そして、実体験に基づく裏づけがあるからこそ、著者は「ある集団が形成されるとその中で2%程度のエースが出現する」と結論づけています。逆にいえばそれは、たとえ一流大学を出て一流企業に入社したとしても、そのなかでエースとなるのはやはり2%程度だということ。ましてや「一流企業だけでなく、中小企業やベンチャーにも同じ割合でエースがいる」のだとすれば、それが男性である場合も、女性である場合も考えられるのではないでしょうか?つまり著者は本書において、そのような観点に基づき、エースたちの考え方、行動の仕方の基準を明らかにしているのです。しかもその基準は、“人生”“働き方”“仕事術”“コミュニケーション”“メンタル”とカテゴリーごとに分けられているため、とても理解しやすいと思います。エースを目指すために、あるいはエースとうまくコミュニケーションをとるために、読んでみてはいかがでしょうか?(文/印南敦史)【参考】※小杉俊哉(2015)『2%のエース思考 – あなたはいつまで「同期」の中に埋もれているのか?』ワニブックス
2015年06月06日『骨格診断(R)とパーソナルカラー診断で見つける似合う服の法則』(森本のり子著、日本文芸社)は、自分にぴったりのシルエットと色で着こなすための理論を解説した書籍。といってもイラストが中心で、さらには自分色をつかむための「パーソナルカラータイプのセルフ診断」、自分シルエットをつかむ「骨格タイプのセルフ診断」などチェックリストも豊富。もちろん「『自分色』×『自分シルエット』でつくるコーディネート」など実用的な解説も多いので、気軽に読み進めることができ、毎日のコーディネートに活用できるはずです。きょうは、同じく興味深いコラムのなかから、「ショッピングで失敗しないための3つの心得」をご紹介したいと思います。■心から満足できるショッピングのためにショッピングはとても楽しい時間ですが、あれこれ迷って購入後、家に帰って冷静な状態で合わせてみたら、「これは買わなくてもよかったかも」などと後悔することも少なくないもの。そのため著者はここで、失敗を避けるためのポイントを紹介しているわけです。■ショッピングで失敗しないための心得(1)お気に入りのコーディネートで出かけるまず、ショッピングに出かける前の服装は、自分に似合ったお気に入りのコーディネートできめていくことが大切だといいます。なぜなら、どうしてもほしい好みのアイテムを見つけてしまうと、似合っているかどうかの判断基準が甘くなってしまうものだから。しかし自分色&自分シルエットの似合う服を着ていれば、それがモノサシになるというわけです。(2)誰かと一緒ではなくひとりで出かける著者は、買いものにはひとりで行くことを勧めています。自分ひとりであれば、同じアイテムもサイズや色違いを揃え、納得がいくまで試着を繰り返せるから。また、ひとりなら、気になったお店にまた戻れるなど、マイペースに行動することも可能。些細なことではありますが、時間を気にせずじっくりチョイスをする際に、これは大切ですね。(3)気になる部分があれば買うのをやめる最後の大事なポイントは、少しでも心に引っかかる点があったとしたら、いったん買うのをやめること。改めて考えてみたら「似たような服を持っている」「手持ちのアイテムと合わない」「値段ほどよくは見えない」「着る機会が思い浮かばない」などということはよくあるもの。お店で「似合っている」と感じても、自分には必要のないアイテムだということもありうるということです。これまで、このような失敗してきた人は多いはず。カラーのイラストも、コーディネートの参考になってくれそうな一冊。手元に置いておいて損はなさそうです。(文/印南敦史)【参考】※森本のり子(2015)『骨格診断(R)とパーソナルカラー診断で見つける似合う服の法則』日本文芸社
2015年06月05日『外資系OLは見た!世界一タフな職場を生き抜く人たちの仕事の習慣』(ずんずん著、KADOKAWA/中経出版)の著者は、シンガポールで活躍するOL生活。そう聞くと、帰国子女で慶應SFCを出ているようなバイリンガルなどを想像したくなりますが、実際はまったく違うのだとか。日本生まれの日本育ちで三流大学卒。しかも新卒で就職したのは埼玉のブラック企業。ところがその後、外資系投資銀行への転職に成功したことから人生が変わったというのです。そんな経験からいえるのは、外資系に転職すること、または外資系で働くということには、英語も学歴もあまり関係ないということ。大切なのは、どうやってチャンスを掴むか、そしてどうやってキャリアを磨いていくのかだそうです。そこで本書では、「死ぬほどキツいけど死ぬほど楽しい外資系」の実態を明かしているわけです。第1章「採用三流大卒でも外資系金融に入れる!」から「外資系で採用される人、3つのタイプ」を見てみましょう。■1:本当に優秀な人採用これは、東大・京大卒、帰国子女の慶應・早稲田卒など、学歴、実力も兼ね備えた人たち。将来の会社業務をリードするために、新卒から採用されるタイプです。■2:ルックス採用当然ながらこれは女性社員に適用されるもので、著者によれば才色兼備なこのタイプは、手強い男性顧客への切り札として活躍するのだとか。ちなみに採用される女性社員のルックスは、綾瀬はるか似だったり、北川景子似だったり、そのときの面接官の好みに左右されることに。外してしまうと他の男性社員からブーイングがくるため、面接官も命がけだそうです。■3:キャラ採用「なんかおもしろそうだし、ガッツもありそうだから採用しておこう」といった具合に、なにかしらが面接官のハートに刺さって採用されるタイプ。著者もこれに当たるのだといいます。(1)や(2)などは予想どおり、もしくは予想を超えた感じでもあるので、「なんだかな~」という気持ちを否定できない部分もあります。が、その反面、超難関の外資系といえども、著者を救った(3)のように、高学歴の人間以外にも文句が開かれているというのは意外。もちろん入社してからは弱肉強食なので、(他の社員と同じく)いつクビになるかはわからないそうですが。でも、面接官に好かれて面接を突破するために有効なキャラとはなんなのでしょう?この点について著者は、ヒューマンスキル、すなわち「オフィスで円滑な人間関係を築き上げるスキル」だと指摘しています。初対面の相手ともすぐに打ち解けられ、自分の考えを伝え、相手の考えを引き出し、相手の立場になれるということ。つまり外資系金融であっても、高い人間性が求められるわけです。幸いにも外資系で活躍できているとはいえ、基本的に著者はコンプレックスの塊。だからこそ憎めない部分が多く、楽しく読み進めることができます。(文/印南敦史)【参考】※ずんずん(2015)『外資系OLは見た!世界一タフな職場を生き抜く人たちの仕事の習慣』KADOKAWA/中経出版
2015年06月04日“きれいごと”は、仕事力、思考力、人間関係力、行動力、お金を稼ぐ力などの能力の発揮を阻害する要因。だから、きれいごとと決別すれば、能力が飛躍的に高まり、仕事で結果を出すことができるようになる。『仕事で結果を出す人はこの「きれいごと」を言わない!』(上野光夫著、フォレスト出版)の著者はそう断言しています。では、なぜきれいごとをなくせば上記“5つの能力”が一気に高まるのでしょうか?この理由は以下の通りです。■1:仕事力たとえば意思決定をするときの稟議書がそうであるように、ホワイトカラーの職種では、仕事を進めるうえで非効率になるきれいごとがはびこっているもの。ミスをなくすためのマニュアルに忠実に仕事をすべきだというきれいごとも、かえって結果につながらないことが多いとか。しかしきれいごとをやめれば、結果につながることだけをできるようになるといいます。■2:思考力よくお客様の視点に立って考えることの重要性が強調されますが、それだけに縛られると画期的な商品やサービスは生まれません。むしろヒット商品を生み出すのは、お客様の期待を裏切るような仕掛け。きれいごとから解き放たれることで、考える力、判断力、発想力などの思考の幅が広がるというわけです。■3:人間関係力仕事において大きな割合を占めるのが、人間関係に関する悩み。でも「人間関係にヒビが入らないように」と気を使いすぎ、余分な時間を取られたり、心を消耗させたりしては本末転倒。しかし、人間関係でありがちなきれいごとを知り、不要なコミュニケーションをなくせば、やるべきことに集中することが可能に。結果を出す人のまわりにこそ、人は集まってくるものだといいます。■4:行動力きれいごとを守ることによってチャレンジ精神が削がれ、きれいごとにとらわれることで、仕事のスピードが落ちるというのはよくあること。常識を守ることばかり考えてしまうと、本当に有効な行動ができなくなるからです。そんなとき、きれいごとをやめれば行動へのハードルは下がり、何事にも積極的に取り組めるようになるそうです。■5:お金を稼ぐ力稼ぐということに関するきれいごとの代表的な例が、「お金より大事なことがある」という表現だと著者は指摘しています。お金で買えない崇高なものがあるのは事実。しかし、お金を稼がなければ、いい人生を送るのは困難。きれいごとをやめ、いかに収入を高めていくか、知恵と能力を高めることも大切だという考え方です。つまり別な表現を用いるなら、きれいごとをやめるとは、「強い信念を持つ」と同義だともいえそうです。(文/印南敦史)【参考】※上野光夫(2015)『仕事で結果を出す人はこの「きれいごと」を言わない!』フォレスト出版
2015年06月03日『お金持ちはなぜ、お金持ちになれたのか 元銀行富裕層担当が教える3000人のお金持ちから学んだ50のこと』(掛越直樹著、SBクリエイティブ)の著者は、大手都市銀行の富裕層担当営業として、3000人のお金持ちと面談してきたという人物。本書ではそんな経験をもとに、「お金持ちの考え方」「勉強法」「人づきあいの仕方」などを公開しているわけです。きょうは第5章「お金持ちの『人生への考え方』」から、「『3』という数字にこだわりを持て」を見てみましょう。■数字の3を意識する新しいことを始める場合に大切なのは「続ける」ことですが、それはなかなか難しくもあります。だからこそ大切なのは、「最低限、これなら続けられる」という目標日数を設定すること。そしてそんなとき、「3」という数字を意識して設定するといい。著者はそう記しています。いわれてみればたしかに、「石の上にも三年」「桃栗三年柿八年」などのことばもありますが……。■まずは3日を目標に事実、お金持ちはこのことをよくわかっていて、なにかを始める際には「3」を意識し、そこにこだわるのだとか。そして「3」を意識した場合、当然ながら最低の日数は「3日」ということになります。まずは3日を目標にして始め、3日続いたら次は「3週間」、その次は「3カ月」と、「3」を意識して続けるかどうかを考えてみるべきだということ。しかし、どういうことでしょうか?これだけでは、少しわかりにくいですね。そこで著者は、ひとつの例を持ち出しています。経営者のお金持ちが、社員向けに日々の行動や気づきに対するブログを書くことを決意した場合の話。開始するにあたり、お金持ちがまず設定した目標日数は3日間。そのくらいなら続けられますし、もしできないようなら、ブログを書くことは無理だと思うはずだからという考えです。■3日間~3ヶ月~3年そして、お金持ちは翌日からブログをスタート。最初は社員に向けて、その次の日は自分の健康管理について、その次の日は自分の趣味について……と話題を変えながら、3日間ブログを更新。3日間続けることができたので、次の目標を3週間に延長。こうして続けていくうちにリズムがつかめてきて、ブログの更新日数は3カ月に。そしてそれを達成すると、次は3年を目指そうと気持ちを新たに。あくまでこれは一例ですが、なにかを続けるためにはこのように、常に数字を意識することが大切なのだということです。なにを続けるにしても、これはすべての人に当てはまる考え方なのではないでしょうか?(文/印南敦史)【参考】※掛越直樹(2015)『お金持ちはなぜ、お金持ちになれたのか 元銀行富裕層担当が教える3000人のお金持ちから学んだ50のこと』SBクリエイティブ
2015年06月02日『歯医者が病気をつくる』(篠原裕之著、あさ出版)の著者は、スポーツ選手や経営者などからも高く評価されているという現役の歯科医。しかしそんな立場から、「私に言わせれば、日本の歯科治療の9割は、正しく行われていない」と断言しています。そして歯科医師の間違った治療が、様々な病気やからだの不調を引き起こすケースもあるのだとか。だとすれば、適切な歯科医師選びはもちろん、それ以前に日ごろのケアにもより気を配りたいもの。そこで本書のなかから、基本中の基本である歯磨きのポイントをご紹介します。■ポイントは“エナメル質”健康な歯と口を維持するためには、毎日のケアが大切。そして、その中心となるのが歯磨きです。ところがほとんどの人が、間違った歯磨きをしていると著者。ゴシゴシと磨いて汚れを落とすことが大切なのではなく、丈夫な歯を保つためには、表面のエナメル質を守ることがポイント。そして、歯磨きの7つのポイントは次のとおりだそうです。■歯磨きの7つのポイント(1)硬くない&ヘッドが小さめの歯ブラシを選ぶ(小児用でもOK)(2)自分に合った歯磨き粉を選ぶ(3)起床後(朝食前)にも磨く(寝ている間に細菌が増えるため)(4)毎食後磨く。ただし、食事直後より10分待つこと(唾液の力を借りる)(5)うがいは、唇をしっかり閉じて「ブクブク」と(唇や頬の筋肉を鍛える)(6)歯間ブラシ、糸ようじは、できれば毎食後、難しければ寝る前に(7)週に1度は舌磨きを。舌磨き用のブラシ(または柔らかな歯ブラシ)やガーゼを使い、できるだけ奥から前(先端)に向かってやさしくこする■歯磨き粉は2種類使う次に、歯磨剤(以下、歯磨き粉)について。著者は「研磨剤が入っていないもの」と「研磨剤が入っているもの」、2種類の歯磨き粉の併用を勧めています。普段使いには、なるべく天然素材の「研磨剤が入っていないもの」を。市販されている歯磨き粉のほとんどは研磨剤入りですが、効果が強すぎるため、毎日使っていると歯のエナメル質を傷つけてしまう恐れがあるからだそうです。そこで、天然素材のものを日常的に使った方がいいということ。■2種の併用がいい理由ただし、研磨剤が入っていない歯磨き粉は、汚れを落とす力に限界があるのだとか。食べ物や飲み物に含まれている色素が、次第に歯の表面に付着し、黄色や茶色などに着色してしまうわけです。だから、(1)日常は研磨剤が入っていないものを使って歯の汚れを落とし、(2)週に1、2回は研磨剤入りの歯磨き粉を使って色を落とす、というサイクルがいいということ。そうすることで、歯の健康も、歯の白さも維持しやすくなるそうです。ただし、どんなにいい歯磨き粉を使っても、正しく磨かなければ無意味。食事をとるたびに、飲み物を飲むたびに、歯は汚れていくもの。日常的なケアがなによりも大切だということです。(文/印南敦史)【参考】※篠原裕之(2015)『歯医者が病気をつくる』あさ出版
2015年06月01日女性リーダーとしてバリバリ活躍されている方も多いかと思いますが、現実問題として、人を使うのはなかなか難しいもの。特にチームをまとめ、一人ひとりをやる気にさせるのは大変です。そこでご紹介したいのが、『その仕事のやり方だと、予算と時間がいくらあっても足りませんよ。』(降籏達生著、クロスメディア・パブリッシング)。長い間、予算と時間に追われて仕事をしてきたという著者が、「どんな人が集まってきたチームでも、予算と時間を守ってプロジェクトの成果を出す流儀」を紹介した書籍です。きょうはそのなかから、「部下を見れば上司がわかる」という項目に焦点を当ててみたいと思います。■7つのインプット上司やリーダーのちょっとしたひとことで、チーム全体が活気づいたり、逆に沈んでしまったりもします。だからこそ気づかいが必要となるわけですが、組織の熱意を高めるために大切なのは脳の働き。脳になにをインプットしているかが、大きな影響を与えるということです。では、脳にどのようなインプットをすればいいのでしょうか?著者によればそれは、「ことば」「動作」「表情」「イメージ」「感謝」「夢」「目標」の7つだそうです。特に重要なのは、どんな「ことば」「動作」「表情」がインプットされるかということ。それによって、脳には大きな影響があるといいます。プラスの「ことば」「動作」「表情」がインプットされると、自分の人生がプラスに変わり、相手の人生がプラスに変わり、チームの状態がプラスに変わることに。■具体的なポイントしたがって、次のようにするといいそうです。・プラスのことば(やれる、できる、ワクワクする)を使い、マイナスのことば(無理、できない、疲れた)を使わない。・プラスの動作(握手、拍手、ガッツポーズ)を使い、マイナスの動作(無視、うなだれる)を使わない。・プラスの表情(笑顔、元気)を使い、マイナスの表情(暗い、いらいら)を使わない。子どもを見れば親がわかり、部下を見れば上司がわかり、社員を見れば社長がわかる。つまり、目上の人のことば、動作、表情には影響力があるということ。だからこそ、プロジェクトの成功のためには、たとえマイナスのことばを使いたくなっても、プラスのことばに置き換えて使うことが大切。著者は、そのように主張しています。(文/印南敦史)【参考】※降籏達生(2015)『その仕事のやり方だと、予算と時間がいくらあっても足りませんよ。』クロスメディア・パブリッシング
2015年05月31日『絶対的な自信をつくる方法—「OKライン」で、弱い自分のまま強くなる』(森川陽太郎著、ダイヤモンド社)というタイトルからもわかるとおり、「OKライン」とは「自分が『ここまでできたらOK』と思える基準のこと。つまり本書では、自分の「OKライン」を活用することによって自信をつけるための方法が紹介されているのです。なんでも、OKラインが設定できた時点で、目標達成できたも同然だとか。とはいえ、どうやったら「OKライン」を見極めることができるのでしょうか?「自分に合った『OKライン』設定・3つのステップ」を見てみましょう。■ステップ1:自分の感情を評価しない「頭にきた」「怒りが湧いた」ということは誰にでもあるものです。しかし、そもそも感情とは、刺激に対する心の自然な反応。自分の中から勝手に湧いてくるものだからこそ、それをコントロールできないわけです。ところが、思考によって感情にフタをしようとするのが人間。「そんなことを思っちゃいけない」と頭で考え、感情を抑え込むということです。しかしそんなときは、自分の素直な感情と向き合うことが大切なのだと著者。頭で考えているだけでは、「自分」を知ることは不可能。しかし、コントロールできない「感情」をウォッチし、「そういう感情が自分にあるのだ」と気づき、そのまま受け入れる。それが、等身大の自分を知るいちばんの近道だといいます。■ステップ2:リアリティのある目標設定をするOKラインを設定する際、いまの自分に見合った「リアリティ」のある目標を立てることが大事。著者はそう提唱しているそうです。理由は、「目標を達成して結果を出す」ことの積み重ねによって、人は自分に自信を持てるようになるから。そしてそのためにはまず、目標の立て方、設定の仕方が重要になってくるといいます。「なれたらいいな」という夢ではなく、「いまの自分ならできる」という現実感=リアリティのある目標を立てるということ。どれくらいなら実現可能なのかをよく考え、「0.5キロでもいいから、1ヶ月でいまの体重よりも減らす」というようなリアリティのある目標にすればいいという考え方です。最終的な目標が大きかったとしても、いますぐクリアできる「ひとくちサイズの目標」に切り分けられる人が、目標を達成できる人。■ステップ3:成功体験を積み重ねる自信を積み上げるステップとして、「失敗した」という事実はもちろんのこと、「成功した」「結果が出た」「目標達成した」という「うまくいった事実」を認めることも重要。そこに至る過程がどうであれ、自分ができたことを素直に受け入れる気持ちは、自信を持つためにとても大切なのだと著者は断言しています。しかし、なにより重要なのは、「自分が」できたこと。他人と比較したり、「この程度で喜んではいけない」と自己否定するよりも、「できた」という事実を認めることが重要だということです。現実的に、なかなか自信を持てないという人は少なくないはず。本書は、そんな人になんらかのヒントを与えてくれるかもしれません。(文/印南敦史)【参考】※森川陽太郎(2015)『絶対的な自信をつくる方法—「OKライン」で、弱い自分のまま強くなる』ダイヤモンド社
2015年05月30日cuteとprettyはどちらも「かわいい」だし、smallとlittleは同じく「小さい」。でも、同じように思えるそういうことばにも、きっと微妙な違いがあるはず!そう感じてはいても、そういうことは現実的に、なかなか人に聞きづらかったりもしますよね。そこで活用したいのが、『cuteとprettyはどう違う?』(ジェリー・ソーレス著、青春出版社)。NHKラジオ『基礎英語』などの監修に携わる著者が、日本人が見逃しがちな「ちょっとした違い」を解説した文庫です。きょうはそのなかから、「感想を正しく伝えたいなら違いを知ろう!excellent~badまでの5段階評価」を見てみたいと思います。■感想を伝える単英語が持つ意味と点数意見や感想を求められたとき、返事として「excellent」「good」「fair/OK」「poor」「bad」が用いられることがありますよね。しかし実際のところ、その差を理解している方は少ないのではないでしょうか?著者によれば、それぞれの意味と点数は次のとおり。・excellent・・・10点(素晴らしい!)・good・・・8~9点(いいね)・fair/OK・・・4~7点(まあまあ、微妙)・poor・・・2~3点(よくない)・bad・・・0点(最悪!)excellentは、いうまでもなく最高評価。Goodといわれても上等で、自分を褒めてもいいそうです。ただし、fairやOKになると、正直なんところ微妙な評価になるといいます。もちろん、それ以下は……と、著者はにごしています。とはいえ私の知る限り、badには「最高」とする逆説的なスラングも(マイケル・ジャクソンのアルバム『Bad』がいい例)。では具体的に、excellentとfair/OKの例文を見てみましょう。■「excellent」と「fair/OK」の例文・excellentの例文Your work has been excellent!(あなたの仕事ぶりは非常に高く評価されていますよ)・fair/OKの例文The service was fair and the food was OK.(サービスも食事も特筆すべきものはなかったです)いかがでしょうか?こんなに差があるとは驚きですよね。他にも「えっ?」と思えるような単語の意味が紹介されていますので、きっと楽しめるはず。文庫なので、持ち歩くにも便利です。(文/印南敦史)【参考】※ジェリー・ソーレス(2015)『cuteとprettyはどう違う?』青春出版社
2015年05月29日『20代のあなたに、会社が期待していること』(相原孝夫著、ダイヤモンド社)は、ビジネスパーソンにとって大切なことを解説した書籍。序章「社会人としておさえておくべき『5つのポイント』」をご紹介しましょう。■ポイント1:スキルよりも、「目の前の仕事」が大事企業内には、スキルアップに熱心な人たちがいるもの。しかし、ビジネスパーソンにとって最も必要なのは、「スキルの習得ではない」と著者は断言しています。重要なのは、目の前の仕事に集中すること。特に、サポートを受けながら仕事をする20代にとっては、「先輩、上司の教え」の方がはるかに大事だとか。■ポイント2:資格取得よりも、「社長賞」を目指す「とりあえず資格でもとっておこう」という人は少なくありません。が、やりたい仕事があるならともかく、「いざというときのために」という程度の考えの人には、著者は「時間の無駄だからやめた方がいい」と答えるそうです。なぜならそれは、大切な時間の浪費にすぎないから。それに「転職の際、履歴書に資格の記載があれば有利なのではないか」という意見もよく聞きますが、著者によれば、むしろ不利に働くことも会社は、その人の採用を真剣に考えれば考えるほど、「自社に入った場合にどのような活躍をしてくれるだろうか」と考えるもの。であれば、仕事にとことん打ち込んでもらいたいのは当然です。なのに、人事や採用担当者に対して「資格をとるのが趣味なのか」「仕事が暇だったのか」という先入観を植えつけていたとしたら、実にもったいないわけです。■ポイント3:交流会の「人脈」はいますぐ捨てる20代社員が異業種交流会などに出向き、人脈づくりに精を出す姿に、著者は違和感をおぼえるそうです。なぜなら、人脈はそれほど簡単にできるものではないから。むしろ大切なのは、「一緒に仕事をしてみないと人脈にはならない」ということ。■ポイント4:すべての仕事は、「社会の役に立っている」自分の仕事が社会の役に立っていると思えず、「人の役に立つ仕事がしたい」という願望が高まる風潮を著者は「少々理解に苦しむ」と書いています。なぜなら、すべての仕事は人の役に立ち、社会の役に立っているから。たしかに感謝されれば、「人の役に立っている」という思いを持てますが、そもそも現状においては“役立ち感”を得にくい状況にあるのが20代の若手社員。でも“役立ち感”が得られるからといって、他の仕事より価値が高いとは限りませんし、間接的にではあっても、働いている以上は必ず社会の役に立っているもの。■ポイント5:「やりたいこと」に、こだわらない「やりたいことをやりたい」という考え方がありますが、仕事はつらいことの方が多く、「やりたい仕事など、業務経験がないなかで見つかるものではない」と著者。「やりたい仕事などは見つからなくて当然、向いている仕事などはすぐにはわからなくて普通」と思っているくらいでちょうどいいといいます。それよりも、いま目の前にある仕事に集中しつづければ、いつかおのずと「どうすべきか」がわかるということでしょう。このように、社会人として、会社との関係性のなかで忘れるべきでないことを説いているわけです。以後の章も、ひとつひとつがきっと役に立つはずです。(文/印南敦史)【参考】※相原孝夫(2015)『20代のあなたに、会社が期待していること』ダイヤモンド社
2015年05月28日『21世紀の資本』(みすず書房)がベストセラーとなり、今フランスの経済学者であるトマ・ピケティが話題になっています。とはいえ、『21世紀の資本』は700ページもあり、内容も決して理解しやすいものではありません。そのため、手っ取り早く理解するためには、多くの“ピケティ解説本”を利用するのもいいと思います。そこでご紹介したいのが、『マンガですぐわかる!ピケティと21世紀の資本論 格差の本質とこれからの私たちがやるべきこと』(安部徹也著、SBクリエイティブ)。『21世紀の資本』の要点を、平易な文章とマンガによって解説した書籍です。6章「ピケティ教授の『21世紀の資本』を読んで私たちができること」から、個人的な格差を解決するための方法を探ってみましょう。■他人よりも高い成長率を実現する現代社会においての問題点は“格差”で、『21世紀の資本』においてもそこが大きな論点になっています。そんななか、広がり続ける格差を縮めるための方法のひとつが、“自分が他人よりも高い成長率を実現すること”。ピケティの研究はあくまで平均であり、個別に見ていけば事情は大きく変わるもの。つまり、平均を大幅に超える高い成長率を実現できれば、個人的に格差問題を解決できるということ。そのためのポイントは次のとおりです。■格差を解決できる3つのポイント(1)高い成長率の企業で働く他人より高い成長率を実現するシンプルな解決策は、高い成長率の企業で働くこと。就職活動の際、売上の成長率や給与の伸び率などを調べ、希望職種のなかでより高い成長率を記録している企業に就職する。ピケティが導き出した有名な式“r>g”とは、資本収益率“r”が経済成長率“g”よりも高いことを示したものですが、高い成長率の企業で働けば、“r”を上回る“g”を実現することも不可能ではないと著者は説明するわけです。(2)個人で高い成長率を実現する個人の努力によって、人より高い成長率を実現することは、格差問題解決の対策として有効。そして『21世紀の資本』にあてはめれば、人口が増えるというのは、労働に従事する人が増えるということ。つまり、個人レベルでは労働時間を増やすということ。一方、ひとりあたりの産出像とは生産性の向上なので、個人が生産性を高めていけばいいということに。つまり、労働時間の増加と生産性の向上で、平均よりも高い成長率を実現していけばいい。具体的には、1.労働時間を多くする、2.生産性を高くする、この2点がポイントだそうです。(3)自分という“資産”に投資するもっともリスクが低く、最も高いリターンを実現する投資は、自分を資産に見立て、自分自身に投資していくことだと著者は解説しています。すなわち、学び続けること。ピケティも『21世紀の資本』のなかで、「(格差の)収敏に向かう主要な力は、知識の普及と訓練や技能への投資だ」と語っているそうです。解釈に多少の疑問も残るとはいえ、ピケティの基礎をさらっておくには適した内容かと思います。興味のある方は、ぜひ手にとってみてください。(文/印南敦史)【参考】※安部徹也(2015)『マンガですぐわかる!ピケティと21世紀の資本論 格差の本質とこれからの私たちがやるべきこと』SBクリエイティブ
2015年05月27日『商品ストーリーから学ぶ戦略の教科書』(安部徹也著、KADOKAWA/中経出版)は、ヒット商品がどのようにして生まれたのか、具体的な事例を交えて解説している書籍。iPhoneからスターバックスまで、紹介されている商品や企業もさまざま。ビジネス戦略を学ぶことができるだけでなく、読みものとしても楽しめます。Chapter 4「価格を決めるなんとなくで価格は決めるな」から、「1箱1500円のティッシュ!!超鼻セレブの非常識高価格戦略」に焦点を当ててみます。■こだわり抜いた3つの特徴王子ネピアが発売した2箱3000円の超高額ティッシュ『超鼻セレブ』が、異例の大ヒット商品となったことは有名です。しかし、ボックスティッシュが5箱200円で買える時代に、なぜそのような商品が売れたのでしょうか?著者によれば、それは“こだわり抜いた3つの特徴”のおかげだそうです。(1)2枚重ね+1枚まず、ひとつ目の特徴は、ティッシュを3枚重ねたこと。普通のティッシュは2枚重ねが主流なので、さらに1枚追加したことで、ティッシュの柔らかさが強化されたわけです。何回鼻をかんでも、3枚重ねのティッシュの弾力が鼻を優しく包み込んでくれる。つまり、肌を傷めない配慮がなされているということ。(2)魅惑のアロマの効果ふたつ目の特徴は、大人のアロマと呼ばれるヴァーベナを配合したこと。その昔、魔女が媚薬に入れたという伝説もあるヴァーベナは、非常に採油の難しい“幻のアロマ”。効能としては、リラックス作用やリフレッシュ作用に加え、気管支炎や鼻づまりなど呼吸器系の症状に効果を発揮するのだとか。そんな魅惑のアロマをティッシュに染み込ませることにより、鼻にティッシュを近づけるたびに癒されるアロマテラピー効果が期待できるということ。(3)ダブル保湿そして最後の特徴は、ダブル保湿。ソルビットと天然グリセリンという2つの保湿成分が空気中の水分をティッシュに取り込み、パルプ本来の柔らかさを最大限に生かしているわけです。だから、これまでの乾燥したティッシュと違い、いつ使用してもしっとりとした潤いを保つ究極のティッシュとなりえたということ。■非常識な価格設定で大成功また、もうひとつ加えるとすれば、非常識な価格設定もヒットの要因。これが話題を呼び、多くのマスコミがこぞって報道したことが、大きな宣伝効果を生み出したということです。このように、商品が成功に至るまでのプロセスが、わかりやすく解説されています。読んでみれば、意外な気づきが得られるかもしれません。(文/印南敦史)【参考】※安部徹也(2015)『商品ストーリーから学ぶ戦略の教科書』KADOKAWA/中経出版
2015年05月26日営業職に就いてはいるけれど、実は営業が苦手。それどころか、営業なんて好きじゃない。そんな方は、少なくないのでは?そこできょうは、『営業が死ぬほど嫌いでもラクに結果を出せる36のコツ』(嶋津良智著、ダイヤモンド社)をご紹介したいと思います。大学卒業後に入社したIT企業でトップ営業マンとして活躍したという著者が、タイトルどおり「営業で結果を出せるコツ」を紹介した書籍。第2章「ノルマなんて怖くない!最速最短で結果を出すコツ」内の、「条件が3つ当てはまれば、G0!契約が取れる4つの共通法則に照らし合わせる」を見てみましょう。■早い段階で見極めることが大事新規開拓営業を行なう営業にとって大切なのは、ムダな時間を減らし、効率的に契約につなげること。そのためには、「契約が取れそうな見込み客」を早い段階で見極めることが重要だと著者はいいます。そして、商談の際に次の4つの条件が揃っていると、その商談は受注に結びつきやすいといいます。■契約が取れる4つの共通法則(1)決裁者と直接会うことができているまず重要なのは、最終的に商品の購入を決めてくれそうな人に早い段階で会うこと。なぜなら早くに会って直接商談することができると、のちに契約に結びつく可能性が高いから。ポイントは、「誰が決裁者なのか」ということ。それは社長や役員であったり、会社によってさまざまですが、決裁者と話ができなければ契約には結びつきにくいということです。そこで商談の最中に「誰が決めるのか」をさりげなく聞き出し、できるだけ早くその人につないでもらえるよう、担当者にアプローチするといいそうです。(2)座って話ができている飛び込み営業先では、応接室や家のなかに通してもらえず、玄関先で立ち話のまま商談をしなければならないようなケースも。そんなときはお客様側もじっくり話が聞けないため、次の商談につながる確率は低いもの。逆に最初から座って話ができれば、受注に至る可能性は高いわけです。(3)お客様にニーズもしくは問題意識がある売り込みたいと考えている製品について、お客様がなんらかのニーズを持っていたり、それに関連する問題意識があったりすると、話は早く進むもの。そういう場合、あとは製品を選ぶか問題解決する手法を選択するだけだからです。(4)古い製品を使用しているたとえば事務機や通信機など、お客様が古い機器を使用していたとしたら、買い替えのニーズがあるかないかは別としても、契約に結びつく可能性は高いもの。■3つ以上の条件が揃えばOK!著者によれば、商談の最中に「このお客様は、“4つの条件”のなかの3つ以上が揃っているな」と感じた場合は契約に結びつく可能性が高いそうです。他にもわかりやすいコツがたくさん紹介されているので、営業の仕事で悩んでいる方は手に取ってみてはいかがでしょうか?(文/印南敦史)【参考】※嶋津良智(2015)『営業が死ぬほど嫌いでもラクに結果を出せる36のコツ』ダイヤモンド社
2015年05月25日『普通の人がお金持ちになりたくなったら』(井口晃著、ワニブックス)の著者は、中学、高校ではいじめにあって5回も転校し、引きこもりが原因で大学を2度も中退。さらには就職経験もないという人物。にも関わらず、現在は会社経営者として活躍中。人生が180度変わり、お金に困らない理想のライフスタイルを手に入れたのだそうです。でも、なぜそんなことが実現できたのでしょうか?◼︎「お金持ち思考」って?著者によれば、答えはシンプル。それは、お金持ちが必ず持っている、お金に関しての正しい思考法である「お金持ち思考」を身につけたから。お金持ちになる人は「お金持ちの思考法」を、そして貧乏になる人は「貧乏人の思考法」を持っているということ。つまり「お金持ち思考」を身につければ、必ずお金持ちになれるというわけです。しかし、そもそも「お金持ちの思考法」と「貧乏人の思考法」はどう違うのでしょうか?◼貧乏人が︎アイスを買う理由人の人生は、その人がいままで下してきた決断の連続で成り立っているもの。そしてお金持ちと貧乏人では、決断の仕方が大きく変わると著者はいいます。たとえばスーパーで、貧乏人はこう考えるのだとか。 「いまこのアイスを買うと、もう1個ついてくるのか。しかも今日だけのキャンペーンだって!? よし、買っちゃおう!」著者によれば、このように貧乏人が目先の損得勘定によって行動を左右されやすいのは、判断を下すときに明確な基準を持っていないため。◼︎お金持ちが野菜を買う理由一方、同じスーパーでも、お金持ちはこう考えるといいます。「1個無料キャンペーンまたやってるのかよ。仕入れ値と在庫処分のこと考えたら驚くことでもないだろ。そもそもダイエット中だからこんな砂糖の塊は放っておいて、おいしい野菜を買おう」自分に思考の軸があれば、判断に際しても考えはブレないもの。目の前にニンジンをぶら下げられて前進してしまうのは貧乏人だけで、「ニンジンより欲しいものがあるからニンジンはいらない」とはっきりいえるのがお金持ち発想だそうです。◼︎最終的な判断は自分で下すつまり、思考の軸と目的意識を持ち、仮説と検証を通して目的に近づくため、いちばん正解に近いと思える決断を下すことが大切。そのためには、若いうちから判断力や問題解決能力を磨くための努力を惜しんではいけない。そして先人の知恵を活用することも成功への近道。そこで、読書やアドバイスを通して学びを得ることは積極的に行なうべき。しかし、どんなときでも最終的な判断は自分で下す習慣を身につけることが大切。著者はそう記しています。お金持ちと貧乏人というシンプルな分け方に抵抗を感じる人も少なくないでしょうが、読んでみればこのように、至極真っ当な内容。興味をおもちになったら、ぜひ手にとってみてください。人生を180度変えるためのヒントが見つかるかもしれません。(文/印南敦史)【参考】※井口晃(2015)『普通の人がお金持ちになりたくなったら』ワニブックス
2015年05月24日メールやSNSでのコミュニケーションは、なかなか難しいもの。ちょっとした誤解が、思わぬトラブルに発展することも決して珍しくありません。そこで参考にしたいのが、『だから、読み手に伝わらない!(もう失敗しない文章コミュニケーションの技術)』(山口拓朗著、実務教育出版)。「モメない」「誤解させない」「伝わる」コミュニケーション技術について解説された書籍です。きょうは第3章「だから、モメないメールのコツ」から、「2つの質問技法を使い分けよう」を引き出してみます。■2つの質問技法質問には「クローズド・クエスチョン(以下CQ)」と「オープン・クエスチョン(以下OQ)があり、メールを書く際には、この2つの質問技法を上手に使い分ける必要があると著者。では、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか?(1)クローズド・クエスチョンCQは、「はい/いいえ」「A/B」という具合に、相手に択一で答えさせるかたちの質問。回答範囲に制限を設けることにより、考えや都合、事実、話題などを絞り込むことが可能になるわけです。(2)オープン・クエスチョン一方のOQは、回答に制約がなく、相手が自由に答えられるかたちの質問。話題やアイデアなどを広げたいとき、あるいは意見や情報を引き出したいときなどに有効だといいます。■CQとOQの実例CQ:和食と中華なら、どちらがお好きですか?OQ:どんな食べものがお好きですか?CQの場合、答えは和食か中華のどちらか。対するOQの場合は、好きな食べものについてより自由に答えられるということ。ただし優劣をつけられるものではなく、どちらが適しているかは状況によるといいます。CQでは、相手が「イエス/ノー」や「A/B」を答えやすい反面、TPOを間違えると、「どうしてこの選択肢しかないの?」「こちらの意見を聞く気はないの?」といぶかしがられる危険性も。同じようにOQでは、相手が自由に回答できる反面、TPOを間違えると、「こちらの都合など聞かずに、そちらでまず候補を挙げてほしい」と思われてしまうかもしれません。つまり、大切なのは「使い分け」。メールの目的や相手との関係性、その場の状況などを見極めながら、CQとOQのどちらがふさわしいか、その都度、よく考えて使うべきだということです。(文/印南敦史)【参考】※山口拓朗(2015)『だから、読み手に伝わらない!(もう失敗しない文章コミュニケーションの技術)』実務教育出版
2015年05月23日『気のない彼、無理めな彼、マンネリな彼、 どんな彼でも、自然とあなたに恋する本』(立川ルリ子著、SBクリエイティブ)の著者は、かつてラウンジを経営していた10年間に、のべ7万人の男性を接客し、男性心理に精通したという人物。つまり本書ではそんな実績を軸に、好きな相手との恋愛を成就させるための考え方やテクニックを紹介しているわけです。きょうはChapter 2「恋愛のマインドを準備して、『男性の正しい愛し方』を身につける」のなかから、「『オレ、なかなかやるな』男性を心地よくさせる3つのこと」に目を向けてみたいと思います。■キーワード1:認めてほしい、わかってほしい会話のなかで自分の考えなどを口に出した場合、それを受け入れてもらえることは意外に少ないのが現実。多くの場合、「でもさ」「そういうけど」など相手の意見、価値観、評価などが返ってくるからです。けれど人は、意見、考え、感情、価値観、評価を加えずに「そうなんだね」と受け入れられると、「わかってもらえた」「自分のことを認めてもらえた」と心地よく感じるもの。彼が彼女にいちばん求めているのもここで、つまりは「いいところも、悪いところも、そのままの自分を受け入れてほしい、わかってほしい」と思っていたりする。だからこそ、「『彼をそのまま受け入れる』をコミュニケーションのベースにし、彼の発したことばや感情、行動をそのまま受け入れるのがいい」。著者はそう主張しています。(59ページより)■キーワード2:存在意義を感じたい「自分は役に立っている」「必要とされている」と感じられることは、男性にとってとても重要。いつでも「影響力を発揮したい」と思っているということ。たとえば仕事が忙しくてもやり抜くのも、「自分は必要とされている」と感じることができるから。また、頼りにされるのも、男性にとってはうれしいこと。女性から頼りにされたり、必要とされたりすると、自分の存在意義を感じることができるからです。そして自分の力を発揮した結果として「ありがとう」「助かった」「あなたのおかげ」「すごいね」などといわれることが、男性の自信になる。そこで、「ありがとう」「頼りになるね」など感謝を伝え、「お願い上手な人」になることが大切だと著者は記しています。(67ページより)■キーワード3:ステイタスを感じたい「あなたは特別です」「誰よりもすぐれています」「唯一無二の存在です」などといわれて、うれしくない男性はいないと著者は断言しています。だから、このような部分を伝えることで、男性にステイタスを感じさせることが可能に。つまりは、「持ち上げ上手」になることがポイントだといいます。(74ページより)私は男なので、読みながらちょっと気恥ずかしくなり、「これはありえないな!」と感じたりもしました。が、よくよく考えてみると、それは書かれていることが図星だから。というわけで、男性の目から見ても的を射ていると認めざるを得ない内容ではないかと思います。(文/印南敦史)【参考】※立川ルリ子(2015)『気のない彼、無理めな彼、マンネリな彼、 どんな彼でも、自然とあなたに恋する本』SBクリエイティブ
2015年05月22日「あなたの人生は、あなたがしてきた無数の選択の結果です。もし、人生の方向性に少しでも疑問を感じるなら、今日から新しい選択をしよう。それが、新しい人生を築く出発点となります」『あなたがなりうる最高のあなたになる方法』(ジェリー・ミンチントン著、弓場隆訳)の冒頭には、このような一節があります。つまり本書は、過去の自分を否定するのではなく、気持ちを切り替えて「新しい人生」をスタートさせるための手助けになってくれる書籍だというわけです。きょうはそのなかから、「目標をかなえる方法」をピックアップしてみます。■欲しいものが手に入らない人の共通項人生に失望するのは、夢や希望を実現するためになにもしなかった人たち。彼らが失望しているのは、自分自身に対してであり、欲しいものが手に入らない原因は、・目標を設定していない・目標が漠然としている・目標達成のための計画を立てていない・計画は立てたが行動が伴っていないのいずれか、または、すべてだといいます。人生が望みどおりに動き出すのを待っていてはいけない。著者はそう記しています。つまり、そうなるように、積極的に努力することが大切だということ。そして、次の7つが、目標を達成するために重要なステップだそうです。■目標達成のために最も重要な7ステップ(1)自分にとって大きな意味を持つ具体的で現実的な目標を選ぶ(2)それを達成する決意をする(3)それを達成するために必要なプロセスを把握する(4)そのプロセスの一つひとつをうまく実現していく計画を立てる(5)目標に向かって努力している人たちと交流する(6)最後まで目標に意識を集中する(7)目標を達成したらお祝いする!(127ページより)目標達成に真剣に向かうと、目標達成に役立つ出来事が続発するようになるのだそうです。たとえば、テレビやラジオや人の会話から、欲しい情報が突然飛び込んでくる。新聞や雑誌から、助けになる記事が目に入ってくる。チャンスの神様というべき人と出会ったり、素晴らしい思いつきを夢で見たり……。まるで魔法のようですが、これは成功者が共通して語ることだと著者は記しています。決して難しくはない精神論がベースになっているため読みやすく、疲れたときなどには力を与えてくれそうです。ぜひ、ページを開いてみてはいかがでしょうか?(文/印南敦史)【参考】※ジェリー・ミンチントン(2015)『あなたがなりうる最高のあなたになる方法』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015年05月21日以前、『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく』(鳥原隆志著、KADOKAWA/中経出版)を紹介しましたが、そこでも触れたインバスケットは、時間内に多くの判断を行っていくビジネス・シミュレーションゲーム。ゲームと言っても、制限時間内に架空の人物になりきって課題を解決していく、真剣なものです。きょうご紹介する『ビジネス偏差値70の人の答え 40の人の答え』(鳥原隆志著、朝日新聞出版)もまた、この手法について詳しく解説した書籍です。その第一人者である著者によれば、インバスケットの目的は、次の10の能力を測定・育成することにあるのだとか。人材育成に有効だというわけですが、そのメリットを確認してみましょう。■1:問題発見力目標と現状とのギャップや、本質的な問題、組織の課題を形成する能力。■2:問題分析力仮説を立て、それを立証するために必要な情報を効果的に収集。そして問題を究明する能力。■3:創造力従来の枠組みを破る考え方や、さまざまな情報を組み合わせた対策、アイデアを出す能力。■4:意思決定力的確に判断を下し、その理由を論理的に説明できるだけの能力。■5:洞察力全体の流れや他の案件との関連性などを把握し、意思決定や明確な計画を形成する能力。■6:計画組織力部下や組織を有効に活用し、効率的・効果的に組織を運用する能力。■7:当事者意識自ら主体的に意思決定を行ない、自分またはチームになにが求められているのかを察知する意識■8:ヒューマンスキルコミュニケーション能力、感受性、コーチング能力などの対人関係能力。■9:生産性限られた時間のなかで、効率的に多くの案件を処理する能力。■10:優先順位設定業務の重要性を考慮して、処理すべき案件の順番を考える能力。これらについて、各個人の正確なデータが割り出せるからこそ、部下の能力を知り、効果的に働いてもらうためのツールとして注目されているというわけです。さらに本書では新たに、行動を点数化する「スコアリング」も取り入れられているため、インバスケットの効能をより活用することが可能。「結果を出す人」に共通する思考と行動プロセスをより的確に学べます。具体例も数多く紹介されており、とてもわかりやすい内容。部下を持つ人は、きっと円滑なコミュニケーションのヒントがつかめるはずです。(文/印南敦史)【参考】※鳥原隆志(2015)『ビジネス偏差値70の人の答え 40の人の答え』朝日新聞出版
2015年05月20日『100%、「好き!」を仕事にする人生』(小澤良介著、日本実業出版社)の著者は、家具販売サイトやインテリアショップを運営する「リグナ」創業者。人脈もノウハウもゼロの状態から、「家具が大好き! 」という思いだけで起業したのだそうです。しかし結果的には、高級レストランのインテリア監修、ホテルの総合プロデュース、上場企業のブランディングなど多彩な業務に携わることに。「『仕事が楽しい』という状況は、特別な才能のある人間だけが手に入れられるものではない。誰にでも実現可能なことなのだ」といいますが、では、そのためにはどうすればいいのでしょうか?CHAPTER 0「誰だって『好きなこと』を仕事にできる」から、「好きなこと」を仕事にするための3ステップに注目してみましょう。■ステップ1:自分の幸せを改めて定義する最初にすべきは、「本当に幸せな状況とはどんなものか」、自分なりの答えを出すこと。著者にとってそれは、本当に好きな仕事をして、自分の価値観を共有できる仲間がまわりにいることだといいます。忙しくても、会いたいときに会いたい人に会える程度の自由があること。自分のした仕事を他人から評価されること。気の合う仲間と会話を楽しめること。常にワクワクして、楽しく生きていくことだとか。自分の幸せとはなんなのか、自分が幸せを感じるのはどんな瞬間か。自分という人間を振り返り、できるだけシンプルに定義するべきだと主張しています。■ステップ2:納得がいくまで「好きなこと」を探す本当に「好きなこと」を見つけるためには、ある程度の時間が必要。少しだけ考えて」これかもしれない」という程度の気持ちで取り組むと、途中で軸がブレて挫折してしまうことも。だからこそ、このステップには特に時間をかけた方がいいそうです。そして、日常生活のなかで自分はどんなことが好きなのかをよく考え、50個でも100個でも「好きかもしれないこと」の候補を挙げる。「もう思いつかない」というレベルまで考え抜いてから絞り込みの作業をすると、「自分にはこれしかない!」という確信が生まれるそうです。■ステップ3:「お金」より「好きなこと」を優先する自分の「好きなこと」が見つかったら、すぐに行動。できるだけ早く夢に近づける方法(就職先)を探そうと、著者は提案しています。もちろん、生きていくためにはお金が必要。でも、せっかく「好きなこと」を仕事にしようと踏み出したのに、「好きなこと」を二の次にして、収入や条件面での満足度を優先させては意味がありません。「A社の方が楽しい仕事ができそうだけど、B社の方が福利厚生が整っているから……」と、条件重視で仕事選びをしてはいけないということ。これから先の人生、一生の幸せに関わるのだから、そういう場合は迷うことなく、いい仕事ができそうなA社を選ぶべきだということ。もちろん、すぐに楽な生活が手に入ることは少なく、大変なことも多いかもしれません。けれど、「好きなこと」なら苦にならないという考え方です。著者の考え方はとても男性的なので、女性のなかには「そのまま応用するのは難しい」と感じる方もいるでしょう。しかし、本書の主張の一部でも生かせれば、なにかを変化させられるかもしれません。(文/印南敦史)【参考】※小澤良介(2015)『100%、「好き!」を仕事にする人生』日本実業出版社
2015年05月19日「必要なことは、皮脂の状態を整えること。そのためには、皮脂に限りなく近い性質を持ったオイルで補えばいい」そう考えた結果、「椿オイル」に着目したというのは、『美人は「ツバキ」でつくられる。』(スカーレット西村著、総合法令出版)の著者。そこで本書では、著者が考案したという椿オイルと洗顔法だけのシンプルな「カメリアオイルメソッド」を紹介しているわけです。なおカメリアオイルメソッドでは、「こする・とかす・日焼けする」をしないことが鉄則。そこできょうは、「肌を傷める3大要素『こする・とかす・日焼けする』を防いでお肌を守る」に着目してみましょう。■1:こする(ひっぱる)むくみが出ている朝などは、鏡を見ながら気になる部分をこすったり、ひっぱったりしたくなるもの。しかし、それは肌に悪い影響しか与えないそうです。理由は、肌をこすると角質層を荒らしてしまうから。角質層が荒れると保水力が落ち、乾燥が進むことに。そして、バリア機能も弱まってしまうというのです。だから、もし目のまわりのくすみに悩んでいるなら、目をこするクセを見なおすべき。こするのをやめるだけで、ずいぶんと目のまわりの肌のトーンが明るくなるといいます。■2:とかすクレンジング剤や洗顔料に含まれている「合成界面活性剤」は、うろこ状になっている肌表面のうろこを徐々にはがし、とかしていくのだと著者は説明しています。毎日使っていれば、角質層は荒れ、薄くなってしまうことに。そうなると水分も皮脂も失われ、常に乾燥した肌になってしまいます。しかし肌が荒れると、常在菌も失うことになるそうです。バリアが弱い肌環境で、常在菌の働きもなければ、肌トラブルだけでなく、風邪や食中毒などの危険も高まることになるわけです。そこで、「まずは日々使っているクレンジング剤や洗顔料を見なおしましょう」と著者は提案しています。特に市販のメイクアップリムーバーは油分が多く、合成界面活性剤を含んでいることも多いので、避けた方がいいそうです。■3:日焼けする紫外線は、身体によい面と悪い面をあわせ持っているもの。紫外線は丈夫な骨をつくるために欠かせないビタミンDを生成するので、完全に日差しを避けようとするのは反対。でも日焼けすると、肌が赤く腫れたり、皮がむけたりし、角質層のダメージは避けられないもの。それがシミ、シワ、腫瘍の原因になるのだといわれているとか。過度に恐れる必要はないとはいえ、最低限の意識は持っておいた方がいいという考え方です。こうした基礎知識からはじまって、本書では椿オイルの効能やマッサージ法、さらには、美しくなるために意識したいことなどが紹介されています。目を通してみれば、新たな気づきが得られるかもしれません。(文/印南敦史)【参考】※スカーレット西村(2015)『美人は「ツバキ」でつくられる。』総合法令出版
2015年05月18日『300人の達人研究からわかった上達の原則』(北村勝朗著、CCCメディアハウス)の著者は、「才能」について研究している東北大学教授。本書では、15年の歳月をかけて見出したという「質の高い練習とやる気を無理なく持続させるコツ」を紹介しています。では、具体的にはどうすれば上達できるのでしょうか?第4章「すぐに使える上達のコツ」から、4つのポイントを引き出してみましょう。■ポイント1:やる気にスイッチを入れる才能を伸ばす最大の武器はやる気。そこで、まずは「やる気のスイッチが入った状態」をつくり出すことが大切だといいます。具体的な手段は、以下のとおり。(1)将来なりたいイメージを描く(2)やる気が起こる仕掛けを考える(3)一緒にやる仲間を見つける(4)お気に入りの用具や文房具を使うやる気スイッチを入れるために、さまざまな角度から自分を刺激するわけです、■ポイント2:「できる」という自信を持つ上達は、練習や学習などの苦しいプロセスを乗り越えた先にあるもの。そして、それらを長時間継続するために大切なのが、「自分ならうまくできそうだ」という成功の見通し(効力予期)や、できたときの喜びへの期待(結果予期)。では、「自信をつける際に役立つこと」「注意したい点」「自信をつけようとする場合に邪魔になる不安を減らす手立て」をご紹介しましょう。(1)ポジティブな言動を心がける(2)成功した人を真似てみる(3)成果が出たら自分をほめる(4)不安な要素を減らす努力をする■ポイント3:質の高い練習ができる状況をつくる気持ちよく目覚められたり、「今日は体調がいい」と感じたときがあったら、その前の数日間にどのような生活をしていたか思い出し、それを再現してみる。それを繰り返していくうちに、自分に合った生活リズムや生活環境が見つかるといいます。■ポイント4:自分を外から見てみる上達のためには反復練習が不可欠ですが、その結果を注意深く見て、いまの練習法や学習法にフィードバックすることが重要。練習や学習の効果と実効性を、「もうひとりの自分の目」で、そのつど振り返ってみるのが大切だという考え方。「気づくこと」「振り返ること」が、質の高い練習につながるということです。第3章では、著者がインタビューしてきた各界の達人たちが教える「上達のヒント」も紹介されています。全体を見ても実践的な内容なので、なにかを上達したい人は読んでみて損はないと思います。(文/印南敦史)【参考】※北村勝朗(2015)『300人の達人研究からわかった上達の原則』CCCメディアハウス
2015年05月17日『インターネットは永遠にリアル社会を超えられない』(古谷経衡著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)には、インターネットを日常的に利用している人々、つまり多くの現代人が意識すべき大切なことが書かれています。私たちはつい、フェイスブックについた「いいね!」の数や、YouTubeでの動画の再生回数などに惑わされがち。そこに大きな数字が出てくると、あたかも世のなかの大半の意見であると勘違いしてしまうわけです。■ネットの世界は細分化が進行中!しかし、「インターネットがこれほどまでに普及したにもかかわらず、日本におけるインターネット世界の特徴は、『マス』が存在しないことだ、といわれている」と著者は記しています。「マス」とは「大量」「群集団」のことですが、分化が進んでいるのが日本のインターネット社会。横断的な「マス」と目されるような、また「マス」を対象としたようなサイトや共通言語は、ほとんど存在していないといいます。■ネットの世界は「亀の甲羅」状態亀の甲羅を見てみると、小さな六角形のブロックが隣接しながら、ぐるりとひとつの大きな甲羅︎になっていることがわかります。著者によれば、この甲羅全体がインターネット世界そのもの。そして、それぞれの1ブロック=甲羅の断片が、「クラスタ(集団)」や「島宇宙」。すなわち、趣味、話題、思想、製品、年代、その他もろもろで細分化された、「それぞれが同じような性質・性向を持った人々=ユーザー」が暮らす、ネット上での空間。ここで重要なのは、「マス」が存在しないネット空間にあっては、「1枚の亀の甲羅」のなかの世界こそがすべてであるということ。だから、「1枚の亀の甲羅」を飛び越えて、「亀の甲羅同士」が横断的に結びつけられる「マス」的ななにかは、ほとんど存在していないといいます。■ネットの世界に「マス」は不在インターネットのどこかに自分が共感できる「1枚の亀の甲羅」を見つけ、そこに入り込むと、そこが「大多数」の住処であると思ってしまいがちだということ。しかし実際には、ネットの世界には「マス」は存在しない。そこで共感している人たちは、ネットの外ではまったく無名であり、認知されていない。だからこそ、インターネットのなかから発せられる声(書き込みなど)は世論を代表しているのではなく、あくまでもその「島宇宙」、つまり「1枚の亀の甲羅」というムラ的なコミュニティを代弁しているにすぎないと意識すべき。このように本書は、つい忘れてしまいがちなことを再認識させてくれるのです。(文/印南敦史)【参考】※古谷経衡(2015)『インターネットは永遠にリアル社会を超えられない』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015年05月16日『ほんとうの贅沢』(吉沢久子著、あさ出版)は、今年で97歳になる家事評論家・エッセイストである著者が、「自立」をテーマに自身の考え方を記したエッセイ集。年齢を重ねてきただけあって、温かく柔らかなことばの裏側に、しっかりとした芯を意識させてくれます。特に印象的なのは、ひとりで暮らすということについて、確固たる信念を持っていること。というわけで、1章「いくつになっても『自分の足』で立つ」から、「老いて『ひとりで暮らす』ということ」を見てみましょう。■ひとりでも生活のリズムが大切ご主人が亡くなり、著者がひとり暮らしをはじめてから、もう30年だそうです。97歳でひとり暮らしをしているというと、「寂しくありませんか」「大変ではありませんか」と心配する人もいるのだとか。たしかに老いてひとりで暮らしていると聞けば、つらく寂しいことのように思えなくもありません。しかし著者は、「ただ、私はひとりがいいから、それを選んでいるだけなんです」と記しています。また、ひとり暮らしは気ままですが、やるべきことはしっかりとやり、生活のリズムは大切にしているのだとか。だからやることはたくさんあり、あっという間に時間が過ぎてしまうといいます。そのため、ひとりが寂しいなんて思う暇もないそうです。■自立したいなら人も認めること先に触れたように、著者が意識しているのは「老いてこそ自立して生きたい」ということ。ただし、そこで自分の権利だけを主張してもうまく生きてはいけないもの。自分が自立したいのなら、人のことも認めるべきだと著者は主張しています。■自分に厳しくできることも自立人にはお節介を焼いて厳しいのに、自分に甘かったとしたら、それは自立とはいえません。人はどうしても自分に甘くなるもの。だからこそ、いつも自戒が必要。もちろん、自分に甘くなるというのは、ある程度は仕方がないこと。でも、すべてがそうではまずい。自分に厳しくできることも、自立のひとつではないかと、著者は思っているのだといいます。これだけでもわかるように、著者のいう「自立」についての考え方は、どの世代にとってもあてはまるはず。だからこそ、深みとともに説得力を投げかけてくるのです。しかも文体が柔らかなので、読んでいるだけで温かい気持ちになれるでしょう。(文/印南敦史)【参考】※吉沢久子(2015)『ほんとうの贅沢』あさ出版
2015年05月15日『家族のお金が増えるのは、どっち!?』(菅井敏之著、アスコム)というタイトルを見て思い出すのは、2014年のベストセラー『お金が貯まるのは、どっち!?』。つまり本書は、その第2段ということになります。25年のメガバンク勤務を経てアパート経営に転じ、年間7,000万円の不動産収入を得ているという著者が、ここでは家族が安心して暮らすために知っておきたい「お金の話」を紹介しているわけです。きょうはPart 3「お金を増やす『夫婦』はどっち?」に焦点を当ててみます。■共働き夫婦のブラックボックス状態は危険夫婦どちらかが家計を管理しているため、パートナーがその内容を全く知らないというのはよくあるケース。たとえば妻が家計を管理し、夫は毎月おこづかいをもらっているとしたら、夫は家計の全体像をまったく把握していないことが多いとか。一方、夫が毎月、決まった額を妻に渡し、残りのお金を自由に使っているとしたら、妻は夫の正確な収入を把握できないことに。共働きの場合も、見えない部分は多いものです。つまり、一部のお金がブラックボックスになっていて、預金がいくらあるのか、収入がいくらあるのか、片方だけが把握し、片方はまったく知らないということがよくあるということ。しかし著者は、「あなたの預金総額はどのくらいですか?」とたずねられても答えられない人が多いことを、「きわめてキケンな状態」だとしています。そしていちばん怖いのは、すべてを夫、もしくは妻に任せていた結果、「老後のための貯蓄をまったくしていなかった」という事態。そして、たとえばカードローンに手を出したり、生活費を湯水のように使ったりするのは、「自分だけ」がお金の管理をすることによって陥る罠。お金に関し、相手が「大丈夫、任せておいて」というときは、あまり信用しない方がいい。それが、長年の銀行員経験から得た著者の持論だそうです。■理想の状態はお互いの情報を開示すること家計管理の理想は、お互いの収入と支出を把握し合うこと。簡単なことではありませんが、それでもひとつだけ、オープンにすべきものがあるといいます。それは、お互いの貯蓄額もしくは貯金。家計全体でいくら貯まっているかを明らかにするということ。具体的には月1回くらいの頻度で、おもに家計管理をしている側が、もう一方に現状を明らかにし、お互いに確認するといいそうです。共働きの場合は天引き預金の通帳をつくり、お互いがそこに、たとえば収入の20%ずつ貯めるようにする。そして月に1回、「合計いくらあるか」を確認しあう。これだけのことで、お金の最悪なトラブルを避けることができる。著者はそう説明しています。(文/印南敦史)【参考】※菅井敏之(2015)『家族のお金が増えるのは、どっち!?』アスコム
2015年05月14日『食べるだけで、若くキレイになる方法』(小針衣里加著、サンマーク出版)とは、なかなか魅力的なタイトルです。でも、そんな都合のいいことが本当にあるのでしょうか?もちろんそれは、むやみやたらに食べればいいという意味ではありません。野菜、肉、ご飯などをバランスよく、本書で紹介されているコツを取り入れながら、無理なく楽しく食べればいいということ。2章「体を温めれば、キレイにやせはじめる」から、「朝食のとり方」に焦点を当てた項目を引き出してみたいと思います。■おいしい朝食は脂肪をため込まない私たちの体温は一定ではなく、1日を通し、約1時間前後の範囲で、高くなったり低くなったりしているもの。体温が高くなるのは、体が活発に活動している昼過ぎから夜にかけてだそうです。そして夕食後しばらくたったころから体温は徐々に下がりはじめ、いちばん低くなるのは明け方3~5時ごろ。そして、朝7時すぎからまた上がってくるわけです。つまり体温の変化に応じて、ホルモンの分泌量も増え、体温が上がれば血行もよくなることに。体全体が活動を始めるということ。だから、せっかく体温が上昇しようとしている時間帯の朝食に、体を冷やす食べものを食べてしまうと逆効果。体温の上昇を妨げるばかりか、ホルモン分泌や血行も悪くしてしまうそうです。そして朝食を抜けば、基礎代謝も低下し、体の冷えを招き、脂肪をため込みやすい体になるので注意が必要。それどころか当然のことながらエネルギー不足となり、集中力が続かず、疲れやすくなることに。つまり朝食を抜かず、体を温めることを意識した食事をとることが大切なのです。■朝食にするといい食べ物は発酵食品そこで「朝食に是非食べていただきたい」と著者がおすすめしているのが、発酵食品。温かい味噌汁や納豆、チーズトーストなどがいいそうです。発酵食品は、体内に入る前から酵素や微生物の働きによって、消化のよい状態になっているもの。体内を改善する乳酸菌などの善玉菌も多く含まれているので、腸内の環境を整え、消化から排泄までの流れをスムーズにしてくれるというわけです。なお、夕食を控えめにすれば、朝起きたときにお腹が空いているので、朝食をしっかりと食べることになります。朝と昼にしっかり食べて、夜は軽めにする食べ方は、ダイエットにも効果的だといいます。他にも、マイナス5歳に見られるための知識がぎっしり。「キレイにやせられる」レシピも数多く紹介されているので、きっと役に立つと思います。(文/印南敦史)【参考】※小針衣里加(2015)『食べるだけで、若くキレイになる方法』サンマーク出版
2015年05月13日仕事であれなんであれ、ほとんどの人は、なにかの行動をする時に「めんどくさい」と感じるもの。それは人間の身体に生まれつき備わっているメカニズム。だから、なにかに「めんどくさい」と思う気持ちは100%正しい。『めんどくさいことの9割は捨てていい』(松田元著、KADOKAWA/中経出版)の著者は、そう断言しています。しかし、だからこそ「無視」するのではなく「整理」することが大切。事実、「めんどくさいなあ」と思ったことを詳しく見ていくと、「めんどくさい」ことの9割は捨てていいということに気づくといいます。そんなことに気づいた著者はさまざまな経験を経た結果、「『めんどくさい』から宝物を見つけ出す4つのステップ」にたどり着いたのだとか。それは、どのようなものでしょうか?■ステップ1:「めんどくさい」を分ける(因数分解する)まずは、なんとなく感じている「めんどくさい」を細かい要素に分けていくことで、自分がめんどくさいと思う本当の対象を浮き彫りにする。それが、このステップの目的。具体的には、まず「めんどくさいシート」をつくり、そこに「めんどくさい」と感じていることを書き出してみる。つまり、「めんどくさい」という感情を細かく分解し、パーツに分けていくのです。ちょっと分ける作業を行っただけで、いろいろなことが見えてくるといいます。◼︎ステップ2:分けた「めんどくさい」をさらに色づけする(可視化する)ここでは、めんどくさいシートに書き出したことがらの「めんどくささ」を測るため、最高100%として、「めんどくさい指数」をつけていくのだそうです(その理由も考えること)。つまり、一番めんどくさい指数が高いものは赤、二番目がオレンジ、最もめんどくさい指数が低いものは黄色など、指数の大きさに合わせてシートを塗り分けていく。結果、カラフルになった「めんどくさいシート」を見れば、直感的に「めんどくさい」と感じていたことにも、それぞれ濃淡があることがわかるわけです。◼︎ステップ3:9割の「めんどくさい」を捨てるそして次は、1割の「めんどくさい」と向き合う前の最終段階として、「9割のめんどくさい」を捨てる。この場合の「捨てる」とは、「めんどくさい」ことから逃げて忘れ去るのではなく、「めんどくさい」という気持ちと向き合い、咀嚼し、交通整理をすることだそうです。◼︎ステップ4:残った1割の「めんどくさい」と向き合う最後の「向き合う」というステップは、自分の人生に関係することは自分で決めるという、本来ならば当然のこと。だからこそ、この「めんどくさい」には勇気を持ってトライすることが大切だという考え方です。たしかにこのようなステップを踏んでいけば、無駄な9割の「めんどくさい」を捨てたうえで、効率的に動くことができそうです。(文/印南敦史)【参考】※松田元(2015)『めんどくさいことの9割は捨てていい』KADOKAWA/中経出版
2015年05月12日『お金に愛される人のルール――マネーセンスを鍛える10のステップ』(ドクター・ジョン・F・ディマティーニ著、ユール洋子訳)の原書を読んだとき、翻訳者は「この本を絶対に日本で広めたい」と心から感じたのだそうです。なぜならここでは、「お金とどうやってつきあっていけばいいのか?」という精神的な部分と、「具体的にどうやってお金を貯めて、さらにどう増やしていけばいいのか?」という物質的な側面の両方を伝えているから。そして翻訳者は本書を通じ、次の3つの「お金の本質的な学び」を体感したといいます。■1:お金に愛される人はある共通の目的を持って行動している目的の有無が、「ずっと豊かな状態を継続できるのか」、それとも「状況の変化や時代の流れによって左右されてしまうのか」を決めてしまうのだそうです。古今東西のあらゆる資産家は、ほとんどの場合、この目的のもとに行動していると、翻訳者は説明しています。■2:目先の利益を追求して行動するとお金は貯まらず増えない多くの人が「お金を貯めたい」「お金を増やしたい」と思いながらも、「理想どおりに貯蓄や資産運用をできない」という悩みを抱えているもの。心当たりのある方は少なくないのではないでしょうか?しかし本書の著者は、人間行動学という学問的観点から「なぜ、貯蓄や投資を思いどおりにできないのか?」という根本的な理由と、対処法を教えてくれています。それによると、貯蓄や資産運用が思いどおりにいかないのは、決して私たちの心が弱いからではないのだとか。原因は、未来の自分の成長とお金の状況を見通す想像力を無意識に排除し、目先の利益を追求して行動していること。■3:感情に左右されない方法論で貯蓄や資産運用をすればいい本書は、その内容が具体的かつ実践的であるところが特徴的です。3ヶ月ごとに金額を10%ずつ引き上げて貯金する「不滅口座」、2ヶ月分の所得をカバーできるぐらい貯金する「クッション預金」、「ピラミッド式資産運用」など、さまざまな方法論やツールを学ぶことができるのです。そして本書のもうひとつの特徴は、自己啓発的な色彩も強いこと。だからこそ、そこに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、先入観を排除して読んでみると、「響くことば」が随所に盛り込まれていることにも気づくはず。金銭的な富を築く能力と人生の可能性を実現する能力は、直接結びついています。(36ページより)そして人生の主要な7つの領域は「精神性」「知的活動」「職業」「お金」「人間関係」「家族」「身体」なのだとか。価値が置かれず、尊重されない領域は、人生における弱点か欠落部分になるといいます。ということは、欠落した部分を埋めていけばいい。そしてお金の運用をマスターすることは、最高の自分になるための決定的な要因なのだそうです。とても個性的な内容ですが、その個性を受け入れられるなら、役に立つ書籍だといえるでしょう。(文/印南敦史)【参考】※ドクター・ジョン・F・ディマティーニ(2015)『お金に愛される人のルール――マネーセンスを鍛える10のステップ』フォレスト出版
2015年05月11日