緑黄色社会のニューアルバム『SINGALONG』は、とても華やかでパワフルなJポップアルバムだ。アルバム全体を通して、歌と楽器のキャッチーな鮮やかさが響く。「自分たちの武器をちゃんと理解して、自覚的にやるべきことを表現できたアルバムだと思います。いろんな音楽をひとつのアルバムに詰め込むっていう」(穴見真吾・Ba&Cho)「各々がやりたいことを実現できた。『Mela!』で初めてブラスアレンジを入れられたり。しかも、この曲は全員が詞曲に関わってて、全員がクレジットされてるなんてなかなかない。4人それぞれやりたいことがたくさんあるんですけど、全然かぶってないんです。ハチの巣の一個一個を埋めていってるみたいな(笑)」(peppe・Key&Cho)メンバー4人それぞれが詞曲を手がけているにもかかわらず、どの曲も誰も置いていかないポップさを宿している。「活動当初は詞は(小林)壱誓が書いてて、全員が“人と違うことしてやろう”って気持ちが前に出てて。曲も詞も斜めにいきすぎてたんです。誰かがわかればいいと思ってたんですけど、それじゃ駄目だなって気付いて、曲の作り方を見直したんです。そこから私も歌詞を書くようになって、たくさんの人に届けることを意識するようになりました」(長屋晴子・Vo&Gt)「テレビで歌唱してる方たちをずっと見て育ってきたから、お茶の間に曲を届けられる存在になりたいっていうのが4人の共通項として根底にあるんです」(peppe)「長屋以外の3人は、長屋の歌に導かれてると思います。長屋の歌を初めて聴いた時から、“この歌で売れたい”って思ってた。だから、リョクシャカの強みは歌とチームワークだと思ってます」(穴見)歌の表現力も豊かになり、全員が曲作りに密に関わるというチームワークも活かされたのが、『SINGALONG』といえるのでは。「やっぱり歌が真ん中にあって、それを邪魔しないっていうのが僕ら楽器陣。歌の鳴ってないところで、楽器陣がどう歌うかっていう努力はしています」(小林・Gt&Cho)「僕の場合、長屋がボーカルじゃなかったらもうちょっとシンプルめの静かなベースを弾いてるかなって思っていて。結構歌を聴いて弾いてるので、めちゃくちゃ影響されてるんです」(穴見)「最初は演奏もみんなやりたい放題だったんですよ。とりあえずやりたいことを詰め込んで、引き算も足し算もわからないまま作ってた。でも、歌が大事だってなって、みんなの意識が変わりましたね」(長屋)ニューアルバム『SINGALONG』。映画『初恋ロスタイム』主題歌「想い人」など、全13曲収録。【初回生産限定盤・リョクシャカ詰め合わせBOX仕様(CD+BD)】¥4,091【通常盤(CD)】¥3,000【初回生産限定夏を生きた盤(2CD)】¥3,545(ソニー・ミュージックレーベルズ)りょくおうしょくしゃかい左から、peppe(Key&Cho)、穴見真吾(Ba&Cho)、長屋晴子(Vo&Gt)、小林壱誓(Gt&Cho)。2012年結成。’13年、「閃光ライオット」準優勝を皮切りに活動を本格化。’18年、ミニアルバム『溢れた水の行方』でメジャーデビュー。※『anan』2020年10月7日号より。写真・小笠原真紀取材、文・小松香里(by anan編集部)
2020年10月06日結成20周年、メジャーデビュー15周年のタイミングでリリースされたベストアルバム『Perfume The Best“P Cubed”』を携えた4大ドームツアー。そのうち、2月25日に行われた東京ドーム公演が収録された映像作品だ。Perfumeだけが持ち得る唯一無二のアートの最高峰。ベスト盤に収録された54曲の中から事前にファン投票を募り、その結果を参考にして組まれた珠玉のセットリスト。ステージの装飾だけでなく、楽曲演出に膨大な意味がある、とてつもない情報量のライブだ。ファーストツアー「GAME」のオープニングと同じく、ライトセーバーを持っての「GAME」のパフォーマンスで幕開け。当時はアルバム『GAME』がオリコン週間チャート1位を獲得した直後であり、その勇ましいオープニングは“Perfume時代の到来”を印象付けた。8年ぶりの東京ドームで披露されたライトセーバー×「GAME」は長年のファンにとってはとても感慨深いし、何より単純に、鳥肌が立つほど、かっこいい。他にも、「だいじょばない」に「Coachella 2019」時のエフェクトがかかっていたり、「SEVENTH HEAVEN」が2008年のAXワンマン時のピアノバージョンだったり、「チョコレイト・ディスコ」でMVのカラフルなネオンが天井に映ったり。次々とこれまでのPerfumeの歴史が蘇っていく。一番多くライブで披露されてきたであろう「ポリリズム」は、様々なライブでの名シーンが映像で流れ、花火が上がるという2010年の初の東京ドーム公演へのオマージュ。この「ポリリズム」1曲だけでも、こめられた熱量が半端ではない。「edge」は最後に三角形を描くという直角二等辺三角形ツアーへのオマージュがありながら、3人それぞれが違うボックスの上に乗ってアリーナエリアを移動するという斬新さ。この演出に象徴されるように、「チャレンジャー」としてのPerfumeも全開だ。このライブの翌日のツアーファイナルは、政府の自粛要請により、中止を余儀なくされた。その前日、様々な感情が去来する中でライブに臨んだあ~ちゃん、かしゆか、のっちの3人は、相当の緊張と不安を抱えていただろう。だからこそ、最初のMCタイムで客席からの大歓声を浴びた時の安堵の表情が、はっきりと焼きつく。終盤のMCで、3人の口からいかにPerfumeが最高かということが告白され、何ものにも代えがたい幸福感が場内に満ちるところも、Perfumeならでは。Perfumeだけが持ち得る唯一無二のアートとしての最高峰と、Perfumeだけが持ち得るかっこよさととかわいさの最新形がたっぷりと味わえる作品だ。『Perfume 8th Tour 2020“P Cubed”in Dome』【初回限定盤(2BD+グッズ)】¥7,500【初回限定盤(2DVD+グッズ)】¥6,500【通常盤(BD)】¥5,000【通常盤(DVD)】¥4,000(UNIVERSAL MUSIC)パフューム2000年結成。あ~ちゃん、かしゆか、のっちによるテクノポップユニット。’18年、アルバム『Future Pop』が全世界20の国と地域のiTunesエレクトロニック・アルバム・チャートで1位獲得。’19年、日本人女性アーティストとしてコーチェラに初出演。※『anan』2020年9月9日号より。文・小松香里(by anan編集部)
2020年09月06日北村匠海、小松菜奈、吉沢亮が出演する、映画『さくら』(11月13日公開)の場面写真が4日、公開された。同作は、西加奈子による同名ベストセラー小説の実写化作。ハンサムで人気者の長男・一(吉沢)と、異常なまでに長男を愛する容姿端麗で破天荒な妹・ミキ(小松)。そして、平凡な次男のボクこと薫(北村)。風変わりだけど、幸せな家族だったが、一家のヒーロー的存在の兄が交通事故に遭ったことによって、運命が大きく変わっていく。そんな家族に愛犬のさくらはいつも寄り添っていた。この度、北村匠海、小松菜奈、吉沢亮、寺島しのぶ、永瀬正敏が演じた長谷川家の5人と、愛犬サクラを切り取った場面写真が解禁された。玄関先でサクラと戯れる次男・薫(北村)と、長男・一(吉沢)と妹・美貴(小松)の姿をはじめ、一家がリビングに集まり、寺島、永瀬が演じる両親の神妙なやりとりを、兄弟妹とサクラが見つめているシーンなどが切り取られている。また、本作が映画初出演となる欅坂46の小林由依演じる大友カオルの姿や、足をくじいた山谷花純演じる須々木原環に、同級生である薫が声をかける場面、水谷果穂演じる矢嶋優子が、恋人である一と見つめあう2ショット写真も。笑顔のサクラも原作の描写に忠実に作られた犬小屋とともに映る。また、ムビチケカードが18日より発売されることも決定した。
2020年09月04日andymori、ALといったバンド活動と並行してソロ活動を行ってきた小山田壮平さん。初のソロ名義でのアルバム『THE TRAVELING LIFE』のテーマは“旅”。移りゆく情景の中で、懐かしさや高揚感や切なさが、愛おしく去来するような作品だ。根っこはずっと歌なんだなって思います。「旅っていっても、海外旅行とかだけでなく、近所を散歩したり、世界の見方をちょっと変えてみる作業をした時に曲ができることが多いんです。強く心が動いて、自分の中で何か新しいと思う感情や感覚を掴み取るようにして曲を作っていくんですね。引っ越しが好きなんですけど、新しい街に家を構えたら、最初に周りのスーパーや公園を見て、『これからこういうライフスタイルになるんだな』ってことを色々考えるのが好きで。あと、前住んでた街にひとりでただ行ったりするんですよね。その場所に行くことで忘れてた思い出が蘇ってくるのが楽しい。それが音楽に繋がってもいますね。今回のアルバムも、“人生そのものが旅である”っていうものにしたかった。なんでもない日常も時間が経てば懐かしい思い出になったりするので、それもまた旅の一部だと思います」自身初の他作品への書き下ろし曲として、友人である松居大悟監督の映画『#ハンド全力』の主題歌「OH MY GOD」も収録されている。「“全力を出すってなんだろう?”っていうのがテーマになってる映画で。SNSに翻弄される高校生たちがいる一方で、ハンドボールに青春をかけるクラスメイトもいる。自分も、周りの目を気にしてしまって自分の表現を抑え込んでしまうっていうことがよくあって。それをどうするか、というのが自分の音楽活動の中でも、ずっと考えてきたことなんです。映画への書き下ろし曲だからといって書き方を大きく変えても成功しないだろうなって思ったので、他の曲と一緒で、自分の中で湧き出てくるものを大事にした。結局自分から湧き出てくるものしか好きになれないんですね。そうではないものはどうしてもエネルギーが淡いものになってしまう」小山田さんの音楽の軸にはずっと歌があり、そこにはきらめくようなメロディと深い情感を宿す歌詞が伴っている。「小さい時からとにかく歌に惹かれてましたね。人が歌ってるのが好きだし、自分も歌うのが好きで。アレンジにもだんだん興味が湧き始めて。今は鳴ってるすべての楽器を大切に思って作品を作ってるんですけど、根っこはずっと歌なんだなって思います。いろんな音楽のジャンルをやるのも肯定的なんですけど、自分の場合、“側(がわ)”から入ると失敗してしまう。やっぱりずっと内から発信するものを作ろうとしてますね」ソロアルバム『THE TRAVELING LIFE』。DVDにはライブとMV映像が収録。【初回限定盤(CD+DVD)】¥3,800【通常盤(CD)】¥2,800【アナログ盤(2LP)】¥3,500(SPEEDSTAR RECORDS)おやまだ・そうへい1984年、福岡県生まれ。2007年、バンドandymoriを結成し、’14年、日本武道館公演をもって解散。’15年、長澤知之らとALを結成。’16年からソロ名義での弾き語りツアーを行っている。※『anan』2020年9月2日号より。写真・内山めぐみ取材、文・小松香里(by anan編集部)
2020年09月01日映画『糸』の初日舞台挨拶が21日に都内で行われ、菅田将暉、小松菜奈、斎藤工、榮倉奈々が登場した。同作は、中島みゆきの名曲「糸」をモチーフにしたオリジナル作。「糸」の歌詞を元に、平成元年に生まれた男女2人(菅田、小松)が、令和を迎える31年間の中で、出逢い、別れ、そして平成の終わりに再びめぐり逢うまでの18年間を描く。現在、興行収入20億円を狙える大ヒットスタートを切っているという同作。菅田は「いきなり金額言っちゃうんですね。お金の話」と驚きつつ、「狙って行きますよ。嬉しいですね」と感謝する。小松も先行上映後の観客の反応について「本当に真っ直ぐなコメントがいっぱいで、『これを伝えたい』ということが伝わっているんだなということがありがたい」と喜んでいた。菅田&榮倉、小松&斎藤はそれぞれ初共演となったが、菅田は「初めての父親役ということもあったので、家庭という部分では全のっかりというくらい榮倉さんを見ながら真似した」と明かす。榮倉は逆に「世代もちょっと離れてるし、すごく緊張していたんです。『今をときめく菅田将暉くん、どきどき』みたいになってて。だけど本当にのびのびとしてらっしゃる印象で、壁とかがなくて、最初からすごく楽しく撮影ができましたね」と互いに印象を語った。一方、斎藤は小松について「絵かと思いましたね。絵画が動いてるという印象でございます」と表し、小松は「独特〜! ほんとにそう思いました?」と苦笑する。小松は斉藤について「沖縄の海に馴染みすぎてて、そこにいる。タンクトップに釣竿を持って麦わら帽子かぶって、すごく大人な余裕のあるスマートな優しい風が吹いてました」と描写していた。
2020年08月21日映画『糸』×LINE LIVE 「糸」カラオケオーディションファイナリスト審査が15日に行われ、菅田将暉、小松菜奈、亀田誠治(音楽プロデューサー)が登場した。同作は、中島みゆきの名曲「糸」をモチーフにしたオリジナル作。「糸」の歌詞を元に、平成元年に生まれた男女2人が、令和を迎える31年間の中で、出逢い、別れ、そして平成の終わりに再びめぐり逢うまでの18年間を描く。3度目の共演となったが、パワーアップした点を聞かれると、菅田は小松について「方々で言ってるけど、差し入れ力。現場において差し入れって大事なんですよ。初めて会った時は10代とかで、自分のことだけで精一杯なんですけど、今回は俯瞰に見た視点を持ってた」と称賛する。一方、小松は菅田について「菅田さんは昔からキモが座ってる、あたふたしないんですよ」と紹介する。「そんなことない」と言う菅田に、小松が「しないよ!」と返すと、菅田は「そう? あなたが現場でトンボを捕まえてみた時『おおっ』て……」とエピソードを披露。小松は「素手で捕まえられますよ」とにやりとして見せた。小松はさらに「子供にも好かれてたし、動物にすごい好かれるんですよ! なんかむかつくなと思って」と指摘し、菅田は「なんでやねん!」と和気藹々とした様子。菅田は「映画の現場において動物ってすごい大事なんですよ。素敵なリズムの時って動物が近づいたり魚が跳ねたりする」と説明し、小松が「餌とか落としてない!?」と聞くと、「寄ってくるんだよ」と答えていた。オーディションでは、石塚利彦、久保侑大、いさな、加藤梨菜、下北姫菜、U-keyの6名が主題歌の「糸」を歌い、視聴者の投票でU-keyが優勝した。菅田は「嬉しかったですね。あったかい人たちが集まってくれたんだなという感じがしました。この映画の持ってるパワーのような気もするし、皆さんのおかげだな」と感謝する。小松は「生で聞きたかったな。すごくよかった。画面上でも一人ひとりのパワーや個性と、素敵な『糸』が私たちの胸に届きました」と感想を述べた。
2020年08月15日映画『糸』(8月21日公開)の完成報告会が11日に都内で行われ、菅田将暉、小松菜奈、瀬々敬久監督が登場した。同作は、中島みゆきの名曲「糸」をモチーフにしたオリジナル作。「糸」の歌詞を元に、平成元年に生まれた男女2人が、令和を迎える31年間の中で、出逢い、別れ、そして平成の終わりに再びめぐり逢うまでの18年間を描く。4月に公開予定だったが、新型コロナウイルスの影響で8月公開に延期となった同作。菅田は舞台挨拶への登壇について「すごい久々で緊張しますね。あんなに慣れてたはずなのに」と苦笑。「ずっと、ただただ家に居ただけですけど、そういうタイミングでこの『糸』という映画が公開するというのも、一つの巡り合わせ」としみじみする。小松も「人と人と会うことって当たり前だから、今会わなくてもいいやと思ってたけど、今は会いたくても会えない。それで、何が大切と言うことがシンプルにわかった。だから宣伝をしていても、自分の気持ちで言えます」と同作への想いを表した。『ディストラクション・ベイビーズ』『溺れるナイフ』から3度目の共演となる2人について聞かれると、瀬々監督は「そうですね、やはりそれはすごくツーカーという感じを受けたんですけど、待ち時間とかも親しそうにしてました」と振り返る。「ただ、いったん芝居を始めると馴れ合いにならないようにやっていて。新しいところを目指す感じが素晴らしいと思いました。いいなあって、おじさんながら思いました」と客観的な様子を説明する。菅田は「ツーカーはツーカーなんでね」と苦笑。「今回結構同じシーンが意外となくて、幼少期の頃の思い出ありきのお芝居なんです。だから初めましての人じゃなくてよかったなとも思いました。過去作で中学生とかも演じてるから、お互い、その頃に首絞め合ったり、顔面に唾かけあったりした思い出が効いてきたのかな」と過去の共演作を振り返る。一方小松は「今まで激しいものが多かったので」と思い出し、「今回は王道のラブストーリーで、逆にいろんな作品を経て私たちはどう変化してったのかな、どう見せるのかなというのも面白さでもありました。本当に縁。共演してきても長いので、またご一緒できてすごく嬉しかったです」と喜びを語った。
2020年08月11日『BOOTLEG』以来、約2年半ぶりの米津玄師のアルバム『STRAY SHEEP』。2018年2月に公開された「Lemon」のミュージックビデオは、日本人アーティストとして初めて3億回再生を突破し、現在では6億回に迫る数字を記録しており、長きに亙る日本の音楽史を代表する曲となった。『STRAY SHEEP』には、その「Lemon」以降のシングルがすべて収録されている。「Flamingo」「TEENAGE RIOT」、Foorinの「パプリカ」のセルフカバー、「海の幽霊」――。巨大な才能と才能が繋がり、時代を更新するアルバム。米津の10年来の愛読書であるマンガ『海獣の子供』を原作とした劇場アニメの主題歌として書き下ろした「海の幽霊」は、繊細で美しいアニメーションと、幽玄で深遠でシンフォニックな音像が高いレベルで融合した素晴らしいコラボレーションとなった。その後米津は、いったん燃え尽き症候群のような状態に陥ったという。そこからまた立ち上がり、ドラマ『ノーサイド・ゲーム』の主題歌として書き下ろした「馬と鹿」ももちろん収録されている。ストイックなビートとドラマティックなストリングスの中で、不屈の魂そのものが燃えるように歌われる“これが愛じゃなければなんと呼ぶのか/僕は知らなかった”“あまりにくだらない願いが消えない/誰にも奪えない魂”というメッセージは、未だに胸を打ってやまない。綾野剛と星野源の名バディぶりが話題で、そこに米津とも関係の深い菅田将暉までもが加わったドラマ『MIU404』の主題歌「感電」も聴ける。明朗なホーンに快活なコーラスが乗るとてもファンキーで艶っぽさもあるダンスナンバー。どこに流れ着くかわからない混沌とした世相が映し出されながらも、強く軽やかに生きていこうとする様がとても「今」を感じさせる。ボカロP・ハチとしてネットシーンのカリスマとなった後、2012年に米津玄師として活動をスタート。以降、音楽シーンのみならず、カルチャー全体を呑み込み、刷新するような活動を続けてきた。もはや、楽曲にビッグタイアップが付くことは当たり前になっているが、それによって表現の純度が薄れるどころか、さらに特濃になり、コラボレーション相手の作品やアーティストにも米津の研ぎ澄まされたクリエイティビティが跳ね返る――そんなふうに、どんどん渦が大きくなっていくようなムーブメントが続いている。『STRAY SHEEP』には米津が強く影響を受け、今ではプライベートでも親交が生まれているRADWIMPSの野田洋次郎とのコラボ楽曲「PLACEBO」も収録されている。こうやって、巨大な才能と才能が深く繋がっていくことで、時代はアップデートされていく。よねづ・けんし2009年より“ハチ”名義でニコニコ動画へオリジナル楽曲を投稿し始める。’12年、本名の米津玄師名義でアルバム『diorama』をリリース。’20年7月、YouTube公式チャンネル登録者数が日本人アーティスト1位の500万人を突破。『STRAY SHEEP』。【おまもり盤(初回限定 CD+ボックス+キーホルダー)】¥4,500【アートブック盤(初回限定 CD+Blu-ray/DVD+アートブック)】¥6,800【通常盤(CD)】¥3,000(Sony Music Labels)※『anan』2020年8月12-19日合併号より。文・小松香里(by anan編集部)
2020年08月10日DAOKOさんのニューアルバム『anima』は、エレクトロニカ、ヒップホップ、ドラムンベース、ゲームミュージック等、とても多様な音楽性に溢れている。様々な音楽に出合えるプレイリストのような感覚が、一枚にとじこめられている。10代の経験も経て、自分が本当に向いてることもわかってきた。「サブスクリプションで、勝手に好きな曲たちがまとめられてるみたいな感じかもしれないですね。自分がいろんな音楽が好きってこともあって、ひとつの音楽ジャンルに絞りきれない。私は元々ネットから出てきて、いろんなカルチャーの影響を受けてきた。ボカロやアニメはもちろん、クラブミュージックもバンドも好き。ストリートカルチャーもですし。今回は自分の好きな音楽を追求しようと思って作ったアルバムなので、自然とそういったところが総合して表現できてると思います」DAOKOさん自身も複数の曲で作曲を担っている。「元々音楽を始めたのも、『音楽で生活していくぞ!』っていう感じではなくて、感覚でやってきちゃったところがある。一回ちゃんと勉強しようって思って、DTMソフトでデモを作って、それをプロデューサーの片寄(明人)さんをはじめとする近しいアーティストの方々がとても音楽的に仕上げてくださった。自分でも0から1にする作業ができるんだっていう手応えがありましたね。そういうこともできないと、この先ミュージシャンとしてやっていけんぞと(笑)。そのタームが来た感じがしました。今回のアルバムからの3曲のMVの絵コンテも自分で描いたんです。曲を作りながら結構映像が浮かんでいるなと思って、絵コンテを描いてみたら意外と伝わるのかなって思ってやってみた。結果、血が通った映像作品になって良かったなって思っています」『anima』のジャケットは、DAOKOさん自らネットで連絡を取ったという始発ちゃんによるイラストが飾っている。これまでの歴史を象徴する街・渋谷の再開発が描かれているが、自身も新たなステップに向かっている。「10代の経験も経て、自分が本当の意味で向いてることもわかってきた。良い悪いの判断もつくようになってきました。その状態で作った『anima』は、ここからまた次の世界へ行く切符みたいな作品だなって思ってます。これからは場所を限定するのではなく、時代に合った生き方を自然と選択していくべきだと思っていて。好きなことをして不自由なく暮らせるっていうのが一番幸福度が高いと思うんです。時代に柔軟に適応することを楽しんでやっていけるほどの心の余裕を持っていたい。そのうえで、自分でできることは自分でやろうって頑張ってます」4thアルバム『anima』。先行公開された「御伽の街」「おちゃらけたよ」等を含む全12曲収録。DVDにはライブ音源を収録。【初回限定盤(CD+DVD)】¥3,800【通常盤(CD)】¥2,800(TOY’S FACTORY)ダヲコ中学3年生の時にニコニコ動画にラップを投稿し始め、高校入学と同時にインディーレーベルと契約。2015年、高校卒業と同時にメジャーデビュー。’18年、米津玄師との「打上花火」でNHK紅白歌合戦出場。※『anan』2020年8月5日号より。写真・黒川ひろみ取材、文・小松香里(by anan編集部)
2020年08月05日2ndアルバム『THE BAND STAR』をリリースしたハルカミライ。ボーカルの橋本学さんに、曲に込めた思いを聞きました。数をひけらかさない強さは、人間力に関わってる。生粋のライブバンド、ハルカミライの2ndアルバム『THE BAND STAR』は、生々しくアグレッシブな魅力が進化している。まっすぐで叙情的な歌と歌詞、美しいメロディとタイトな演奏という強みがパワーアップ。作詞・作曲を担当するボーカルの橋本学さんはこう語る。「今回、曲のアレンジも、歌詞もすごく良いものができたと思ってます。歌詞は自分が思ったことを素直に書きたいんですけど、例えば海を見て、“綺麗な海だ”って書くのか、“青白くて綺麗”って書くのか、“光ってるね”って書くのか、どれが自分にとって正しい海か、その都度選んでいくみたいな感じです。書いてる感情は一見ストレートなんですけど、自分のこだわりはかなりありますね。それを自分の中でクリアしていかないと、一曲が作り上げられない」最後の曲はアコースティックな弾き語り調から、アップテンポに展開される瑞々しい友情ソング「友達」。「世の中の音楽の8割9割をラブソングが占めてると思ってて。特に同年代のバンドの曲聴くと、“もうラブソングいいです”って俺は思っちゃうんですよ(笑)。それもあって、よく友達の歌を書くんです。もちろんラブソング自体を否定してるわけじゃなくて、まだ俺にはわからないことが多い。自分でもわかるラブソングが見つかるとすごく聴きます」コロナ禍によってライブ活動がままならない状況にあるが、通常盤には昨年行われた、ハルカミライ最大の観客数8888人を動員したワンマンライブのDVDがつく。「いわゆる数値って武器にならないと思ってるんです。“人がこれだけ集まりました”って一見すごく思えるんですけど、重要なのは中身。数をひけらかさない強さって、人間力に関わってるんじゃないかなって思います。例えば何万人ものフォロワーがいたらその数だけ見て“すごい”って言う人もいるけど、なんで何万人いるのかを見ないと、人対人の関係ではなくなってしまう気がする。もちろんバンド始めた頃はモテたいって気持ちもありました。今でも人気者になってみたい気持ちはあるんですけど、だんだん上っ面の下心みたいなものはなくなってきてますね(笑)。語弊があるんですけど、アイドルチックになりたくないというか(笑)。ムカついてる時はムカついてるような曲作るし、楽しい時は楽しい曲作るし。我慢しちゃうこともたまにあるんですけど、その気持ちを曲にしたり、ライブで話しちゃったり。かっこつけてたらかっこつかないって思い始めてます。泥にまみれてるかっこよさもある。めちゃくちゃ歌が下手で、ギターのチューニングも全然合ってなくてもかっこいい瞬間がある。それがバンドの魅力ですよね」『THE BAND STAR』【通常盤(CD+DVD)】¥4,600DVDには、昨年12月の幕張メッセでのライブがノーカット収録。【初回限定盤(CD)】¥3,100*共に税込み(UNIVERSAL MUSIC JAPAN)左から、須藤俊(Ba、Cho)、関大地(Gt、Cho)、橋本学(Vo)、小松謙太(Dr、Cho)。2012年、東京・八王子市で結成。‘19年、初のフルアルバム『永遠の花』発売、12月には幕張メッセ国際展示場1ホールにてワンマンを開催した。※『anan』2020年7月15日号より。写真・内山めぐみ取材、文・小松香里(by anan編集部)
2020年07月14日女優の小松彩夏(こまつ・あやか)さんが、2020年7月8日にインスタグラムを更新。かわいすぎるパジャマ姿でファンをメロメロにしています。小松彩夏のパジャマ姿に「やられた…」小松彩夏さんは最近のお気に入りだというパジャマを着用した2枚の写真をアップ。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 View this post on Instagram A post shared by 小松彩夏 (@official_ayaka_502) on Jul 8, 2020 at 6:11am PDT襟元のフリルやピンク地にハート柄のデザインがなんともキュートで、小松彩夏さんの雰囲気にぴったりです!投稿を見たファンは「かわいい!」「破壊力がやばい」と絶賛。プライベート感あふれる貴重なショットに、すっかりメロメロにされています。・はい、間違いなくかわいい!・天使すぎませんか!?かわいいの暴力!!・パジャマ、とっても似合ってますよ。大好きです。ほかにも、小松彩夏さんはインスタグラムにかわいい写真をたくさん投稿しています。 View this post on Instagram 今日は七夕 みなさんはどんな願い事をするのかな? #7月7日 #七夕 #七夕飾り #願い事 #平和 #浴衣 #浴衣 #今年は着られるかな #花火 #お祭り #行きたいな #浴衣女子 #浴衣ヘアアレンジ #お団子 #お団子ヘア #浴衣ヘア #浴衣コーデ #浴衣コーディネート A post shared by 小松彩夏 (@official_ayaka_502) on Jul 7, 2020 at 2:24am PDT View this post on Instagram 大好きなパンケーキと❤ #パンケーキ #パンケーキと私 #pancake # #幸せ #food #yummy #美味しい #カフェ #cafe #カフェ巡り #カフェスタグラム #カフェごはん #カフェ巡り好きな人と繋がりたい #カフェ部 #カフェ活 #カフェ時間 #カフェさんぽ A post shared by 小松彩夏 (@official_ayaka_502) on Jul 6, 2020 at 6:13am PDT View this post on Instagram 大好きなブーゲンビリアと #夏 #summer #ブーゲンビリア #花 #お花 #花好き #アロハシャツ A post shared by 小松彩夏 (@official_ayaka_502) on Jul 4, 2020 at 7:10am PDTこれからも唯一無二のかわいさで、ファンを魅了し続けてほしいですね。小松彩夏がブログで『結婚』を発表…!?インスタで公開した『戦士会』の写真に大反響[文・構成/grape編集部]
2020年07月13日先日、新型コロナウイルスの影響で公開延期を発表した菅田将暉&小松菜奈W主演『糸』が、新たに8月21日(金)より公開することが決定。菅田さん、小松さんからコメントが到着した。北海道・東京・沖縄・シンガポールを舞台に、平成元年に生まれた男女2人が平成の31年間の中で出逢い、別れ、そして再びめぐり逢うまでの18年間を描いた本作。主人公の男女を演じるのは、これが3度目の共演となった菅田さんと小松さん。さらに榮倉奈々、斎藤工、山本美月、倍賞美津子、成田凌、二階堂ふみ、高杉真宙など、主役級キャストの豪華共演も話題となっている。菅田将暉コメント運命はいつも残酷で僕らには何も教えてくれないこの数ヶ月世界中が人とのつながりに飢え一度立ち止まり考えましたそんな中公開出来そうだと聞いた時は純粋に嬉しかったですそれどころじゃないかもしれませんが一つでも日常が戻ってくることがぼくは純粋に嬉しかったですこの巡り合わせがまた小さな救いでありますようにこの映画が人と人とをつなぎますようにどうか宜しくお願い致します小松菜奈コメントいつもの日常が180°変わった今。会える事が当たり前で過ごしていた中で、会ってはいけないという選択肢に変わることってあるんだ。会わない事が相手を救える何度考えてもやっぱり不思議な日々でした。失うものあれば得るものもある色んな事を感じ、考える時間の中で改めて人と人のつながりこそが救いだと感じました。そんな中、映画糸公開される事が決まり素直にとても嬉しく思います。ありがとうございます。皆さんの今にどう映るのか、楽しみにしていて欲しいです。この’’糸’’が人と人との仕合わせにつながりますようにそう願っています。よろしくお願いします。『糸』は8月21日(金)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:糸 2020年全国にて公開予定©2020映画『糸』製作委員会
2020年06月30日1年間の活動休止後、4年ぶりのアルバム『Real』をリリースしたflumpool。活動休止で得たものや同アルバムへの思いを聞きました。イメージを取り払って弱さをさらけ出して楽になれた。ミニアルバム『Unreal』で12年前にデビューしたflumpool。1年間の活動休止を挟んだ4年ぶりのアルバムタイトルは『Real』。フロントマン山村隆太は、まずタイトルから決めたと語る。「自分の声が出なくなって活動休止を発表して、そこで楽になれたんです。それまで大事にしていた優等生的なイメージを取り払って弱さを見せたことで、いろんな人が救いの手を差し伸べてくれた。ありのままの姿を感じてもらってる今だからこそ、よりリアルな夢を追い掛けられる」全編にわたり、等身大の気持ちが綴られている。特に、幼馴染みとの思い出を素直に綴った「ほうれん草のソテー」は今作だからこそ。「ほうれん草のソテーって、僕の地元ではガストなんです(笑)。学生時代にその一番安いメニューを頼んで何時間もメンバーと喋ってて。35歳になってみると、それぞれの社会的立場とか家庭の事情で壁を感じて寂しくなることがある。それをフラットにしてくれるのが、10代の時からの友達。このソテーを食べてたあの頃の自分たちは絶対的に胸の中にいるよねっていう、誓いの象徴として書きました」今までのflumpoolのアルバムの中でも、随一の多彩な音楽性が溢れる作品でもある。「いろんなルールがある中で、自由に好きなことを貫くのは難しい。でもflumpoolの音楽性で言うと、メインのソングライターの(阪井)一生がflumpoolの枠も無視して自分の音楽を貫くところに一生のリアルがある。僕も、表向きの山村隆太とリアルな自分の間で葛藤するんですけど、自分の好きなものを貫くっていう思い自体がリアルなので、それを重視しました。大体の人って、毎日なんてことない日々を送ってますよね。0点の日も100点の日もそんなになくて、良いことも悪いこともあって大体60点くらいの毎日だったりする。僕たちはこれまで0か100かで、100点の自分しか許せなかった。でも、現在の自分を好きでいて、プラス1点できたらいいって考えるのが大事なんじゃないかなって。今が一番ってわけではなくて、今の自分たちを楽しみつつ前進していきたいんです」アルバム『Real』。ドラマ『知らなくていいコト』主題歌「素晴らしき嘘」を含む全14曲収録。【初回限定盤(CD+DVD+Special Booklet+おまけ)】¥5,000DVDには、2019年に行われた「Command Shift Z」ツアーのライブ映像を収録。【通常盤(CD)】¥3,000(A‐Sketch)フランプール左から、阪井一生(Gt)、尼川元気(Ba)、山村隆太(Vo)、小倉誠司(Dr)。2007年結成。’08年デビューシングル『花になれ』がau「LISMO」CMソングに抜擢され、大ヒット。’19年1月、約1年間の活動休止を経て活動再開。※『anan』2020年6月10日号より。取材、文・小松香里(by anan編集部)
2020年06月03日この終わりの見えない状況の中、どうやっていち早く作品を届けようか。くるりが全国ツアー中止とともに急遽リリースすることにしたのは、1997年から現在までの未発表曲を中心に収めたニューアルバム『thaw』だった。CDにはボーナストラック含めて15曲、配信は11曲。約24年間の歴史の中から厳選した曲が収められている。どこかで見たことのあるくるりも、まだ見たことのないくるりも詰まった裏ベスト的な作品になった。1曲目の「心のなかの悪魔」は2009年制作。アルバム『魂のゆくえ』のレコーディングのため、ニューヨークのスタジオで録られた一度きりのリハーサルテイクにミックスダウン等も施していないそのままの音源だそうだ。シンプルで隙間の多いアンサンブルと岸田繁の優しく物憂げな歌声と世武裕子の美しいピアノ。ざらりとした生っぽい手触りは、目の前で親密な演奏が繰り広げられているかのような臨場感がある。長いアウトロのピアノアンサンブルは、当時のニューヨークの空気に想いを馳せるには十分な芳醇さだ。最古の曲のひとつである「Giant Fish」は1998年に制作された。とても粗削りでグランジーなアンサンブルとブルースを叫ぶような岸田の歌は、同時期に作られ、くるりのメジャーデビューシングルとなった「東京」を想起させ、胸が掻きむしられる。2011年3.11の直後、恐怖に怯えながらも、新たな一歩を踏み出すべく行ったセッションから生まれた「ippo」。岸田と佐藤征史、後にメンバーとして加入する吉田省念が分担して作曲し、セッションに参加した全員で作詞をしたという。未曽有の大災害を受け、振り切れたような楽天性かつ全能感に溢れたサイケデリックな民謡調の曲だ。2012年、アルバム『坩堝の電圧』の制作に向かう中で生まれたという「evergreen」は、ボーカルの録音とミックスを今年3月に行い、8年の歳月を経て完成した曲。たおやかなバロック・ポップで、脈々と続く時間の流れの中で、本当に大切なものを抱きしめるかのような気持ちが漂っている。たくさんの出会いと別れを経験しながら、その土地の匂い、時代の空気を豊潤な音楽にとじ込め続けてきたくるり。2007年、ウィーンに滞在しながらアルバム『ワルツを踊れ』の制作を行う時期に作られた佐藤によるインストゥルメンタル「Hotel Evropa」や、マサチューセッツ州でアルバム『NIKKI』に向けてのレコーディング中に生まれたという、驚くほどパンキッシュなロックンロール「さっきの女の子」も聴ける。森信行も大村達身も田中佑司も吉田省念もいるくるり。唯一無二のくるりの神髄が込められている。くるり左から、佐藤征史(Ba & Vo)、ファンファン(Tp & Key & Vo)、岸田繁(Vo & Gt)。1996年京都で結成。1998年シングル「東京」でメジャーデビュー。2016年バンド結成20周年を記念したオールタイムベストアルバム『くるりの20回転』をリリース。未発表曲を中心に収録したコンセプト・アルバム『thaw』。2006年リリースのアルバム『TOWER OF MUSIC LOVER』初回盤収録の4曲を含む、配信は11曲、CDは15曲を収録。【CD】¥2,700(スピードスターレコーズ)※『anan』2020年6月3日号より。文・小松香里(by anan編集部)
2020年05月27日【宇月田麻裕コラム:宿曜占星術で読む「相性」vol.43】先日、菅田将暉さんと小松菜奈さんの熱愛報道が出たときには、「お似合い」と日本中が祝福していましたね。その際、SNS上で同じような空気感を持つ“エモいカップル”として、柄本佑さん&安藤サクラさん、松田翔太さん&秋元梢さんの名前も挙がっていました。こういった“絵になる2人”には、特別な絆があったりするのでしょうか?占いサイト『魔性の宿曜』を監修する宇月田麻裕先生に3組の相性を占っていただきました。■感性が違う分、新鮮で魅力を感じる菅田将暉(1993年2月21日)×小松菜奈(1996年2月16日)菅田将暉さんは奎宿、小松菜奈さんは虚宿。この2人の相性は「危成」の近距離になります。菅田さんとって小松さんは、成功に導いてくれる人。小松さんにとって菅田さんは危険な相手。ですが、感性を刺激してくれる相手でもあります。この2人の相性を見ると長い時間を過ごすのは難しいようです。今は感性が違う相手として新鮮で、とても魅力を感じていますし、「エモいカップル」だと世の中から祝福もされています。ただし、この相性は結婚となると瞬発力が必要。お互いに刺激を得ている間が勝負なのです。いっそのこと、電撃結婚の流れになれば、結婚というゴールが見えてくるでしょう。しかしながら時間が経つと、徐々に一緒にいることに違和感を覚え始めるのです。特に小松さんの虚宿は、つかみどころがなく、移ろいやすい性格。そんな彼女を菅田さんは、会ったことがないタイプだと感じて刺激をもらっていますが、やがては振り回されるようになります。そして、交際を続けるのは大変だと気づくでしょう。成功に導いてくれる相手であっても、交際となると宿の特性からして関係が逆転してしまいます。彼女のほうも少しずつ熱が冷めていきそう。電撃婚、もしくは授かり婚をすれば、現実的な生活になるため不安材料が消えますが、そうでない場合は、いずれ自然消滅になりそうです。2020年は小松さんは「親」の運気。恋人と一緒にいたいという気持ちが高まります。菅田さんは「危」の年。結婚をするのに悪くありません。これからの2人が、どんな道を進み、結論を出すのか注目していきたいところです。■理想的な相性のエモいカップル柄本佑(1986年12月16日)×安藤サクラ(1986年2月18日)柄本佑さんは鬼宿、安藤サクラさんは井宿。2人の関係は「栄親」の近距離となります。見るからに「栄親」という、仲のいい相性であることが伝わってきます。まさにエモーショナルを感じるご夫婦です。この2人は、共に芸能人一家で育った二世俳優同士。会ってすぐの段階で共感を覚えたことでしょう。もちろん悩みも共有できたはず。そんな共通点の多い2人は、理想的な相性のカップルと言えます。2人は2008年に映画祭で知り合い、2010年の共演をきっかけに、柄本さんが安藤さんにアプローチを開始。その後、交際に発展し、2012年にめでたく結婚したそう。柄本さんは2010年は「危」の運気の年、2012年は「壊」の年。どちらも運気がいいとは言えません。一方の安藤さんは2010年は「成」の運気の年、2012年は「友」の年。どちらもいい運気でした。柄本さんの一途な想いからの結婚ですが、実は運気から見ると、安藤さんが柄本さんをサポートして、結婚に至ったと言えそうです。なお、鬼宿は感性豊かで、これだ、というものがあるとのめり込むタイプ。同じく安藤さんの井宿も、一つのことを探求していきます。その点でも波長が合うのです。性格的には、柄本さんは陽気でフレンドリー。自由な時間と彼の感性を大切にしてあげたら、それで満足できる人です。安藤さんは、理路整然としているクールなタイプで論破好き。柄本さんといるときは、彼の穏やかさや優しさに包まれ、その特性が、まるで夫婦漫才のようにユーモア―な形へと変化するのが不思議なところです。それは、この相性のよさがなせる業と言えそう。いつまでも、夫婦漫才的なエモい夫婦関係は続いていくでしょう。■会った瞬間から波長が合う2人松田翔太(1985年9月10日)×秋元梢(1987年7月27日)松田翔太さんは柳宿、秋元梢さんも柳宿。同じ宿同士の相性「命」になります。「命」の相性は同じ宿なので、会った瞬間から波長が合うのは当然でしょう。ただし、それゆえに反感を覚えることも少なくありません。「柳」の特性としては、熱中するものを見つけると、熱狂的になるほどのめり込んでいきます。そんなことより、2人の恋は一気に燃え上がっていったに違いありません。恋人時代は、結婚に向かうプロセスの中で、その熱い気持ちがお互いに向けられて、ラブラブな時間を過ごしてきたはずです。ただし、結婚して一緒にいる時間が長くなると、夫婦の形は変わるもの。熱い想いから家族愛へと変化していくのです。そうしたときに、2人だけの関係を続けていくのは厳しくなっていきます。家庭生活のみになったなら、一緒にいるためにはどうしたらいいのだろうか?そんなことに時間を費やしてしまうかもしれません。このカップルの課題は、結婚後に起きる燃え尽き症候群的な部分をどうしたらいいか。ベストなのは、2人で共に熱狂できるものを見つけることです。あるいは、2人とも家庭に収まるタイプではないため、家庭外で活躍の場を持つのもいいでしょう。それをしないと、やがて衝突をすることになりかねません。もしこの2人がケンカをしたら、かなり激しい争いになるだろうと想像できます。もともとエモい感性を持つ2人なので、夢中になれる何かを探すことが大事。そうすれば素敵な結婚生活が続いていきそうです。■あなたと彼の相性は?見るからに仲良しの柄本佑さん&安藤サクラさん、会った瞬間から波長が合ったという松田翔太さん&秋元梢さん…どちらの相性もイメージ通りですね。菅田将暉さん&小松菜奈さんは「お互いに刺激を得ている間が勝負」とのこと。今後がどうなるのか気になります。ずっと、お似合いのエモい2人でいてくれたらいいのですが…。あなたと好きな人の相性は?占いサイト『魔性の宿曜』でチェックしてみてはいかがでしょう。監修者宇月田麻裕皇室関係の家庭で育つ。学生時代から東洋・西洋の占いに関心を持ち、特に宿曜経の研究を積み重ね、「宿曜占星術」の若き第一人者として知られるようになる。現在、開運研究家、タレント、作家としてマスコミで活躍、読売新聞日曜版連載、TBSテレビ「はやドキ」(ぐでたま占い)を監修中。
2020年04月29日俳優の林遣都と小松菜奈が、映画『恋する寄生虫』(2021年公開)にW主演することが8日、明らかになった。同作は作家・三秋縋の同名ヒット作を原案にした映画化作。極度の潔癖症から誰とも人間関係を築けずに孤独に過ごす青年・高坂(林)は、視線恐怖症で不登校の少女・佐薙(小松)の面倒を見ることに。露悪的な態度をとる佐薙に辟易していた高坂だが、それが自分の弱さを隠すためだと気付き共感を抱くようになる。クリスマスに手をつないで歩くことを目標にリハビリを始めた2人はやがて惹かれ合い、初めての恋に落ちていく。林が極度の潔癖症から誰とも人間関係を築けずに孤独に生きる青年・高坂に、小松が視線恐怖症に苦しむ不登校の女子高生・佐薙に扮し、繊細で儚い恋物語を紡いでいく。監督を務めたのは、CMやミュージックビデオを中心に多岐にわたり活躍を広げる柿本ケンサク。TOYOTA、コカ・コーラ、ユニクロ、Kanebo、Panasonicなどの企業CM、近年では、長澤まさみ出演の「UNDERARMOUR」や、菅田将暉と中村倫也が共演した「アサヒスーパードライ」など話題作を手掛ける。さらに、脚本は『長い散歩』『眉山―びざん―』『トワイライトささらさや』などの山室有紀子が手がける。○林遣都 コメント『恋する寄生虫』は普通の恋愛映画ではないファンタジックな要素もありつつ、軸として描かれるのは人の心の変化です。人生に行き詰っていた人間が、誰かと出会って感じたことがない喜びを味わい、思いがけないところにたどり着く。この映画も、誰も想像出来ない世界が広がっている新しいラブストーリーになっていると思います。撮影もこれまでに味わったことがない印象的なものでした。物語は高坂と佐薙の2人の関係性をメインに進んでいきますがさらに内容や設定にも一癖あり難しい役柄です。毎回想像を超えるアイディアをくださった柿本監督に出会えたことは、大事な出会いになりました。小松さんは、自分の役の気持ちを大事に演じられる印象があり、とてもストイックで、しっかりお互いの心を通わせながら気持ちをぶつけ合うことが出来ました。きっと今まで見たことのない恋愛映画になっていると思うので、観ていただける皆さんには登場人物それぞれの感情の変化を想像しながら楽しんで頂ければ嬉しいです。世の中がいつ抜け出せるか分からない大変な危機に瀕していますが、細心の注意を払い、一刻も早く穏やかな日常が再び訪れることを心から祈っています。○小松菜奈 コメント“寄生虫”がキーワードになるラブストーリーという今までにないユニークな作品で、柿本監督と林さんとこの作品でご一緒出来たことは非常に光栄でした。社会に馴染めない不器用な二人の恋愛は初々しく新鮮で、佐薙ひじりを演じる日々はとても愛おしく楽しい時間でした。視線恐怖症に苦しむ繊細なキャラクターである佐薙ひじりを演じるうえで、迷いや不安もありましたが、撮影が進んでいく中で彼女を理解していき、最後には素直に感情をぶつけられたと思います。林さんの現場に挑む姿勢は勉強になることばかりでした。演じる役や作品に対する姿勢やアプローチがとてもカッコ良く、そしてセリフや演技について相談すると倍にしてアドバイスを返してくれました。今回ご一緒出来てとても嬉しかったです。素敵な物語に柿本監督の個性が混ざり合い、きっとこれまでにない新しい作品になっていると思うので、ぜひみなさんにも楽しんで観て頂けたら嬉しいです。今や明日何が起こるか分からない不安定な状況が続いていますが、一日も早く世の中に明るい光が差す 事を心より願っています。○監督:柿本ケンサク コメント・『恋する寄生虫』をどのように映画化したいと考えたか僕は『恋する寄生虫』というラブストーリーを通しての在り方についてを描きたいと考えました。人間の心はどこにあるのか? 心は目にも見えないし形もないけど確かにそこにある。主人公の2人は虫に寄生され、そのせいでこの社会に馴染めずにいます。社会不適応に苦しむ2人こそが弱さを知る者なのです。今、社会全体が大変な状況に置かれている中、自分を含む多くの人が未来への希望を失う危機に瀕しています。こういう状況だからこそ、本当に大切なものが何かを見失わないよう常に自分自身の心に耳を傾けたい、そんな思いを込めて現場に臨みました。・林遣都、小松菜奈について林さんが、この映画に心を、小松さんが命を与えてくれました。主人公2人が抱える不安や悩みは目に見えるものではなく、心の奥の方に隠れています。そんな弱さを演じるのは簡単なことではない。その弱さに真剣に向き合ってくれたことに僕は日々、学びを得ました。結果、僕が想像していたものを遥かに超え、新しい物語へと成長させてくれました。(C)2021「恋する寄生虫」製作委員会
2020年04月08日人懐っこく遊び心溢れるポップなメロディとアレンジで、「全年齢対象ポップスロックバンド」を掲げるバンド、マカロニえんぴつ。日々悩み、報われなさを感じている人に希望を与える歌詞に共感者が増え、ライブチケットが取りづらくなるなど、人気が急上昇している。「お客さんとの関係性のピントが合ってきたって感じてます。『ヤングアダルト』って曲の“ハロー、絶望”っていう歌い出しの歌詞は、“絶望の裏側に希望は隠れてるもんだ”っていうメッセージを提示したんですが、自分たちが吐き出してる音楽が誤解なく伝わっていってるなって」(はっとり・Vo&Gt)「全公演ソールドできるようになったのはつい最近。観に来たくても来られないお客さんがいるのが活力になって、もっと大きい会場でライブをやりたいと思ってます」(高野賢也・Ba&Cho)セカンドフルアルバム『hope』は、恋の始まりと終わりという、曖昧な時期における葛藤を描いたラブソングが多く収録されている。「この曲を聴いたら気持ちがだいぶ楽になるだろうなって思って作るので、不安定な恋の曲ばかりですね。“たまには幸せになっていいんじゃないの?”ってコメントがネットにありました(笑)。でも表題曲の『hope』は、“恋の最中でなんとなく幸せなんだけど、やっぱり人は違う個体同士。でもそれをひとつにするために、とりあえず手をつないでいたい”っていう感じの歌詞で、これまでのラブソングと比べると異質かもしれないです。僕たちの曲の絶望と希望の割合は7:3ぐらい。3の部分に気づけた時に幸福感がある。肩を抱いて励ますみたいな物理的な温もりじゃなくて、死んだばあちゃんからの助言が降ってくるみたいなバンド(笑)。自分がそういう歌に救われてきたんです」(はっとり)特に今回は、「あまり重いアルバムにならないよう、全部の曲で“余計”なアレンジをした」のだそう。「僕が作った『Mr.ウォーター』は、一曲の中でセクションごとにジャンルが違うんです。フレンチのアコーディオンのイントロから、どんどん世界一周して、最後、夢の国に行くみたいな構成です(笑)」(長谷川大喜・Key&Cho)「『たしかなことは』では、オールディーズ(’50~’60年代にヒットした洋楽のジャンル)な匂いの曲に挑戦してみました。その曲もアウトロで突然フュージョン(ジャズにロックや電子音楽等を融合した音楽)になる(笑)」(田辺由明・Gt&Cho)「解散前のユニコーンイズムというか。『人生は上々だ』って曲でどんどんキーが上がっていくような遊び心を入れたくて。結果的に、シングル曲とのバランスもとれたアルバムになったなって思います」(はっとり)2ndフルAL『hope』。「恋人ごっこ」や「ヤングアダルト」「レモンパイ」等、多くのタイアップソングを含む全14曲収録。4/1発売。【初回限定盤(CD+DVD)】¥3,454【通常盤(CD)】¥2,727(TALTO/murffin discs)写真左から、高野賢也(Ba&Cho)、長谷川大喜(Key&Cho)、はっとり(Vo&Gt)、田辺由明(Gt&Cho)。2012年、神奈川県で結成。メンバー全員が音大出身。4月18日から全国14か所を回るワンマンツアーがスタート。ファイナルは6月13日豊洲PIT公演。※『anan』2020年4月1日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・奥冨直人(BOY)取材、文・小松香里(by anan編集部)
2020年03月30日エレファントカシマシの宮本浩次さん初めてのソロアルバム『宮本、独歩。』。椎名林檎さんとの「獣ゆく細道」、東京スカパラダイスオーケストラとの「明日以外すべて燃やせ」といったコラボ曲も収録された全12曲。大半の曲がタイアップ曲ということもあり、非常に華やかでエネルギッシュな一枚だ。ポップロック、パンク、ヒップホップと、バラエティ豊かな音楽性に溢れ、齢53歳にして、これまで見たことのなかった宮本さんが全開になっている。「最初はソロアルバムを作るにあたって、散歩したり、『源氏物語』や途中で止まっちゃってる『論語』も全部読んだりしながら作ろうと思ってたんです。でも、2018年のエレファントカシマシの「Wake Up」ツアー中にスカパラからコラボの話が来て、その後に林檎さんからも話があって。そうこうしているうちに、どんどんドラマやCMのタイアップの話が来た。だから俺自身は何も考えてなくて(笑)。元々、子供の頃に合唱団に入っていてテレビに出たり、『みんなのうた』の『はじめての僕デス』って曲を歌ったり。学芸会では自分が主役じゃなきゃ嫌な子で。要するに、子供の頃から人前ではしゃぎ気味っていうかね。人を楽しませるのが好きだったし、歌うこともすごく好きだったから、いろんな新しいオファーが嬉しくて、自然とこういうアルバムになったというか」自由で開放的な言葉が並ぶ中、最後にできたという「旅に出ようぜbaby」では“いつか終わりが来るその日まで僕ら陽気な冒険者でいよう”と、たくさんのミュージシャンと出会い、パワフルな今作が生まれたことへの想いが歌われている。「ディズニーランドとか、ハリー・ポッターとか、そういうメルヘンの世界って、実は大人に必要なものだって今の年齢になってわかったんです。俺がドラゴンクエストVを13回か14回やるほど好きなのは、仲間たちとの旅や冒険が繰り広げられる“メルヘン”があるからで。『旅に出ようぜbaby』の、“いかした旅人でいよう”って歌詞は、『宮本、独歩。』っていうメルヘンの入り口だと思って作ったんです。仲間ができて一緒に歩んでいく。そうやって人生は進んでいくわけで。この曲のバンドメンバーはみんな俺より年上で、長い間音楽界に君臨している人ばかり。その人たちが想いをストレートに乗せて演奏しているから、すごく説得力がある」バンドでデビューしてから32年。そのみなぎる創作意欲の源には何があるのだろうか。「やっぱり、自分が元気だと元気な友達ができるよね。孤独になるのが良い時もあるから、どっちが良いとか悪いとかじゃないんだけど。ビクトル・ユーゴーが『40代は青年の老年期、50代は老年の青年期』っていう言葉を残してますが、実感してますよ。いろんなことを受け入れて、むしろ余裕ができたのかもしれないね。40代だと抗っちゃうところもあるけど、受け入れると逆に元気になれるんじゃない?でもこれからもっと受け入れることが増えるんだろうね(笑)。その分、音楽を作ったり歌ったりすることは充実させていきたいですね」ソロアルバム『宮本、独歩。』【初回限定612バースデーライブatリキッドルーム盤(CD+DVD)】¥5,000【初回限定2019ライブベスト盤(2CD+DVD+ブックレット)】¥5,000【通常盤(CD)】¥3,000(UNIVERSAL MUSIC)みやもと・ひろじ1966年生まれ。’88年、エレファントカシマシのボーカル&ギターとしてデビュー。2018年、ソロシンガーとして椎名林檎、東京スカパラダイスオーケストラの曲に参加。3月13日から全国13か所14公演の初のツアーを開催予定。※『anan』2020年3月18日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)ヘア&メイク・茅根裕己(Cirque)取材、文・小松香里(by anan編集部)
2020年03月11日最新映画『糸』で共演している菅田将暉と小松菜奈が出演する「niko and ...(ニコアンド)」春の新WEBムービー「進化」が公開。昨秋の“森”の中とはガラリと趣が変わった、“水の上”で共演を果たしている。アートディレクションは、松任谷由実、「Mr.Children」、「ゆず」などミュージシャンのアートワークから、映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』、NHK大河ドラマ「江」、連続テレビ小説「半分、青い。」など、多岐にわたり手掛けている森本千絵が担当。何の変哲もない日々に光が射して、走らざるをえないほどに心が動きだしてしまう瞬間、そして1人で進化していくところから出会い、2人だからこそ進める、進化する喜びをかみしめる、開いていく心を可視化することで“春の小さな進化”を描いていく。また、アーティストには、2013年以来7年ぶりとなる「otto&orabu(しょうぶ学園)」を起用。社会福祉法人太陽会「しょうぶ学園」のパーカッショングループとヴォイスグループである彼らが奏でる音は、生命力があり、本能が喜ぶ力強さを有し、進化する喜びをかみしめ開いていく心を伝えるためにぴったりであることから再起用された。今回の撮影は、横幅約40m、背景は職人による手描き、床には実際に水を張るなど、こだわりのセットで行われた。静かでないといけない水面に気泡ができてしまうと、菅田さんは息を吹きかけたり、小松さんは指で突いたりしてこまめに消すなど、自然な気遣いを見せる2人。ブランドアンバサダーとなって3年目、映画での共演も多い菅田さんと小松さんは、お互いの影を踏む追いかけっこのような演出では、水上を激しく動き回らなくてはならないにも関わらず、息がぴったりの動きを披露。その名コンビぶりにカットがかかった後、スタッフからは感嘆の声と拍手が起きていた。その後、菅田さんが自分のジャンプで顔に水しぶきを浴びてしまい、髪から水が滴るほどびしょびしょに。驚いて目をぱちくりとさせる菅田さんを、心配しつつも思わず笑ってしまう小松さんだった。撮影を終えた2人は、一番楽しかったシーンを「影を踏むところ」(小松さん)、「あの追いかけっこが一番楽しかったね、びっしゃびしゃになって」(菅田さん)とふり返り、「体力がいる撮影だった」(小松さん)と言いながらも「でもいいよね、濡れてもいいやーっていう感じ」(菅田さん)と童心に帰ったかのよう。「小さいころにさ、水溜まりの所にあえて行ってたりしてた?」と小松さんが尋ねると、「してた!横の溝で帰ってた」と菅田さん。「そういうのしなくなったもんね」と菅田さんが言うと、小松さんも「うん、ちょっと懐かしい感じ」と応じていた。なお、中島みゆきの名曲を映画化した『糸』で菅田さんと小松さんが主演を務めることから、「niko and ...」とのコラボ企画も予定されている。「niko and ...」新WEBムービー「進化」は3月5日(木)より公開。TVCMは 3月6日(金)より放送開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:糸 2020年4月24日より全国東宝系にて公開©2020映画『糸』製作委員会
2020年03月05日AKB48の柏木由紀、SKE48の須田亜香里、NMB48の白間美瑠、HKT48の田中美久、 NGT48の本間日陽、STU48の瀧野由美子が16日、東京・秋葉原のAKB48劇場で「AKB48グループのVRライブ配信開始に関する記者発表会」に出席した。AKB48グループを運営するAKSは、ソフトバンクが提供するVR(仮想現実)プラットフォームアプリ「LiVR(ライブイアール)」で、AKB48グループの劇場公演のVRライブ配信を開始。最前列より前の"超神席"にカメラを置いたり、劇場公演を視点と劇場を⼀瞬で切り替えて高画質でリアルタイムに視聴できる。同企画の話を聞いた時のことを柏木由紀は「ビックリしました。VRはゲームのイメージが強かったので、劇場でVRを楽しんでいただけるなんてうれしいですね」と笑顔を見せ、「48グループは"会いに行けるアイドル"をコンセプトにしていて劇場を大切にしています。足を運んでくださっているファンの方はもちろん、来たことがないファンの方にもVRで臨場感を味わいながらたくさんの方々に楽しんでいただける機会になるんじゃないかなと思います」と満足げ。イベント中には実際にLiVRを体験することになり、代表して臨んだ柏木は「おー近っ! 立体感がすごいですね。触れそう!」と思わず手を伸ばして「上手下手も見られるのはすごいです。映像なのに本当に立体感があるから、そこにメンバーがいるように感じて結構興奮しますね」と感想を語り、柏木の姿を間近で見ていた須田亜香里は「ステージに立つ側より見る側の気持ちに感情移入しちゃって見たくなっちゃうかも!」と興味津々の様子だった。劇場の最前列の前に設置されたカメラから撮影した映像を、自宅でも楽しめる今回のLiVR。メンバーにとっては全方位でファンから見られることについて、須田は「映像は高画質になればなるほど意気込んじゃうというか、毛穴ケアが今まで以上に大変ですよ」と現在28歳ということで肌ケアの重要性を感じているようで、「(同い年の)柏木さんはメイクに数時間かかると仰っているようですが」と同い年の柏木が気にしていることを暴露する場面も。すると柏木は「みんなより2時間早く入ろうかな(笑)。生配信なのでどうしようも出来ないんです。努力を重ねたいと思いますよ」とメイクの時間で乗り越えるといい、須田も「私も美容代は今まで以上にお金を掛けたいと思います(笑)」と話して、笑いを誘っていた。「LiVR」の提供開始は2月3日からで、東京・秋葉原のAKB48劇場、愛知・名古屋のSKE48劇場、新潟のNGT48劇場で行われる3公演が視聴可能。AKB48チャンネル、SKE48チャンネル、NGT48チャンネルはそれぞれ月額3,300円(税込)で、すべて視聴可能なAKB48グループチャンネルは8,400円(税込)となる。
2020年01月17日神聖かまってちゃんが10枚目のアルバム『児童カルテ』をリリース。実際の出来事も交えて、10代の傷を描いた一枚だ。テーマはダークだが、キャッチーなメロディとアレンジ、そして多彩なサウンドアプローチでフレンドリーな手触りのある快作。「学生の時って、実はすごく小さい世界なのに、それが全世界の出来事だと思っちゃう。本当は逃げ場はいっぱいあるのに。そういう曲が詰まったアルバムですね」(みさこ・Dr)「10代の少年少女が曲のテーマになってても、(曲を作ってる)の子の今の気持ちにシンクロする部分は多いんだと思います」(ちばぎん・Ba&Cho)「10代のダークな闇の部分にずっと取りつかれてる部分はありますね。好きなのか恨みなのかわかりませんが(笑)。逆に僕は、20代後半からライトになってきて、今人生で一番楽しいんです(笑)。だから、イマジネーションを働かせて、絞り出して歌詞を書いてます」(の子・Vo&Gt)「ネタ切れって言うんですけど、今回ミニアルバムのつもりだったのが、曲がたくさんできて、フルアルバムになったんです(笑)」(みさこ)このアルバムのツアーを最後に、ちばぎんが脱退してしまう。「ちばぎんが抜けてしまうのは大きいですけど、『俺たちはそこにとどまらないぞ!』っていう気持ちが強かったんです」(mono・Key)「私は名前変えて3人で別のバンドになるのもありなのかなと思いました。でも思ったより、の子さんの中で“かまってちゃん”っていう存在が大事だった」(みさこ)「表現の核について考えた時に、“神聖かまってちゃん”でやることの意味を強く感じたんです。このバンドで何をこの世界に叩きつけてやろうかっていう」(の子)10年間で10枚のアルバムを発表するモチベーションはどこにあるのか。「ちばぎんが辞める理由のひとつでもあるんですけど、今バンドでごはんが食べられることは相当ありがたいこと。音楽業界は厳しい部分もある。だから、相当の『これがあるからやれる』っていう気持ちがないとできないんですよね。私の楽しさはずっと続いてるんです」(みさこ)「音楽でステージに立たせてもらってる姿を、学校の人気者だった奴らに見せつけてやりたい。僕は刺激があって、好きなことを仕事としてやらせてもらってる。ゲーム中継もダンスも(笑)」(mono)「僕、『家があればいい』っていう初心を忘れないようにしてるんです。22~23歳くらいまで、このままコンビニのバイトしながら音楽をやってく可能性もあるなって思ってて。その気持ちが軸にあるから、余裕でいられるんだと思います(笑)」(の子)デビュー10周年10thアルバム『児童カルテ』。実際にあった10代の少女の自殺配信をテーマにした「るるちゃんの自殺配信」や周囲に馴染めない少年の気持ちを歌った「バイ菌1号」等、少年少女の抱える闇を歌った楽曲が並ぶ。¥3,000(Warner Music Japan)しんせいかまってちゃん写真左から、ちばぎん(Ba&Cho)、mono(Key)、みさこ(Dr)、の子(Vo&Gt)。2010年アルバム『つまんね』と『みんな死ね』を同時発売しメジャーデビュー。ツアーファイナルの1月13日Zepp DiverCity公演がちばぎんのラストステージ。※『anan』2020年1月15日号より。写真・岡本 俊取材、文・小松香里(by anan編集部)
2020年01月09日アイドルグループ°C‐ute解散後、ソロシンガーとしていきなり武道館に1万人を集め、鮮烈なスタートを切った鈴木愛理。1年半ぶりのセカンドアルバム『i』は、クールなダンスチューン、ハードなバンドサウンド、切ないラブバラード等、様々な鈴木愛理の表情が溢れている。自身が作詞作曲に参加した曲も増えて、より素顔が見えるのも魅力だ。「ドラマに出演させてもらったことがきっかけで、感情を表に出すことは恥ずかしくないんだって思ったんです。あと、『i』にも収録されているwacciさんの『別の人の彼女になったよ』をツアーでカバーさせてもらって。どうしてもライブでは着飾っちゃうんですが、泣きながら歌う日もあったくらい、歌の世界に深く入り込む感覚を覚えたんです。それで、自分を削って音楽をやることがソロシンガーとしての宿命なのかなって思ったんです」自身の歌詞では、弱さや孤独感を素直に吐露している。「インタビューではポジティブ発言するくせに、歌詞にするとこじらせてばっかなんです(笑)。悩んだ時や涙が出た時にメモを取っていて。この前ファンの方に『寂しいか辛い歌詞しかないので幸せな曲を書いてください。結婚するんで!』って言われて、『すいません~』って(笑)」モデル業や女優業にも積極的に取り組んでいる鈴木さん。5年後にはどういう存在になっていたい?「“手が届きそうで届かない存在であり続けたい”というのがアイドル時代からの目標なので、共感してもらえる存在でいたいです。いちばん憧れるのは、自分自身にしっかり向き合って、研究を重ねた輝きを持ってる方。コンプレックスこそが最大の武器だと思っているので、メイクにせよ健康法にせよ、自分自身を実験台にして、実績のあるものだけを周りに勧めたいんです。それもあって最近お休みの日は、自分でマッサージしたり、お金をかけずに家の中にいながらできることをやってるんです。人間ってもともとは原始人なわけだから、何にも頼らなくてもできるんじゃないかっていう境地にたどり着きました(笑)」先行シングル「Escape」「IDENTITY」収録のセカンドアルバム『i』。【初回生産限定盤(CD+パシフィコ横浜公演Blu‐ray+プレイパス封入)】¥6,500【通常盤(CD+プレイパス封入)】¥2,500(zetima)すずき・あいり2017年に解散した°C‐uteのメインボーカル。’18年6月アルバム『Do me a favor』でソロデビュー。12月21日から東名阪Zeppツアーを開催。’20年4月21日に横浜アリーナで単独公演を行う。※『anan』2019年12月25日号より。写真・的場 亮スタイリスト・浅野実希ヘア&メイク・高橋 綾取材、文・小松香里(by anan編集部)
2019年12月20日「別の人の彼女になったよ」がサブスク総再生4000万回を超えるなど、いま注目のバンド、wacci。AL『Empathy』は、印象的なメロディと開かれたアレンジとリアルな歌詞で、共感度が高い一枚に。「結成から10年。普通の日常を生きてる人に寄り添えるような音楽を作りたくて活動してきたことを考えた時に、『共感=Empathy』って言葉が浮かんだんです」(橋口洋平・Vo&Gt)「ここにいる」では、wacciが音楽を作る理由が歌われている。「初めて自分たちが歌ったり演奏することについて書いてみました。王道の“良い”メロディで、誰にでもわかる歌詞で、自分たちの意志がしっかり伝わるように書いた。〈なくても生きていけるけど あるから生きてこれたって〉という歌詞がありますが、災害のたびに、歌って無力だなと思う。でも何年か後に辛かった時を振り返ると、歌があったから生きてこられたって思わせる力はあると思ってるんです」(橋口)『Empathy』ははっきりと情景が浮かぶ曲ばかりだが、メンバーそれぞれの共感ポイントというと?「『足りない』。別れようとしている相手に対してこういうことを思ってしまうっていう黒い部分が出てて、すごく好きです」(村中慧慈・Gt)「『太陽みたいに』。もう会えなくなってしまった人のことを思いながら、自分がこう生きたいと祈るような歌で。運転しながら歌ってたらひとりで号泣してました(笑)」(横山祐介・Dr)「『Buddy』は新しいwacciのサウンド像を提示できた。生きていたら誰でも感じる“ひとりじゃないんだ感”も共感できる」(因幡始・Piano&Key)「『どうかしている』は、周りに馴染めずにひとりで過ごしていて、それを良しとしている面もあれば寂しい面もあって葛藤していた学生時代を思い出させられました」(小野裕基・Ba)「女性がどう感じるか特に気になるのが、『三日月』と『足りない』という女性目線の曲。『足りない』の、“強がり”と“好き”のせめぎ合いを、わかると思ってもらえるのか。『三日月』は片思いの歌だけど不倫とも取れる。共感するかしないか教えてもらいたいです(笑)」(橋口)4thアルバム『Empathy』【初回生産限定盤A(CD+DVD+フォトブック)】¥4,600【初回生産限定盤B、C(共にCD+DVD)】各¥3,600【通常盤(CD)】¥3,100*すべて税込み(EPIC Records Japan)ワッチ右から、横山祐介(Dr)、村中慧慈(Gt)、橋口洋平(Vo&Gt)、因幡始(Piano&Key)、小野裕基(Ba)。47都道府県ツアー中。ファイナルは2020年7月19日の神奈川県民ホール公演。横山さん・上に着たシャツ¥22,000(イチエフ/ファクトタム ラボ ストア TEL:03・5428・3434)パンツ¥39,000(08サーカス/08サーカス 08ブック TEL:03・5329・0801)村中さん・ジャケット¥26,000パンツ¥20,000(共にジョンブル/ジョンブルカスタマーセンター TEL:086・470・5770)ハット¥12,000(CA4LA/CA4LA ショールーム TEL:03・5775・3433)橋口さん・ジャケット¥58,000(ファクトタム/ファクトタム ラボ ストア)因幡さん・ニット¥38,000パンツ¥28,000(共にタクタク/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)ニットの下に着たカットソー¥26,000(シャリーフ/シアン PR TEL:03・6662・5525)小野さん・シャツ¥46,000パンツ¥36,000(共にアトウ/アトウ 青山店 TEL:03・5474・1748)その他はすべてスタイリスト私物※『anan』2019年12月11日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・ホカリキュウ取材、文・小松香里(by anan編集部)
2019年12月10日小松台東の新作『ツマガリク〜ン』が本日11月28日(木)から12月8日(日)まで、東京・三鷹市芸術文化センター 星のホールで上演される。2010年旗揚げの小松台東。その劇団名は作・演出の松本哲也の出身地である、宮崎県の地名からとったもので、こまつだいひがし、と読む。全編宮崎弁で描かれる、日常のささやかなできごと、なにげない会話を繊細にすくいとる作品で評価を獲得している。ここ最近、『山笑う』『消す』『仮面』など、落ち着いたタイトルの作品が続いていた彼らだが、今回は一転、4コママンガのようなコミカルな雰囲気を漂わせる作品名だ。宮崎県に多くいるという「津曲(つまがり)」という苗字からとっているという。『ツマガリク〜ン』の舞台は、建設現場で使われる電気関係の材料を扱う「電材屋」。20代の頃、東京での仕事に挫折して故郷に戻った松本自身が3年ほど働き、あまりの忙しさから逃げるように辞めて再び東京へと向かった思い出の仕事場だ。そこで忙しく働く社長の息子ツマガリ君と、彼の会社の人々を描く。小松台東は今年、松本が公演のたびにキャスト・スタッフを集めるひとり体制から、4人体制へと変化を遂げた。松本に加え、これまでも彼の作品によく出演していた役者の瓜生和成、今村裕次郎、音響の佐藤こうじが小松台東所属に。番外公演を経て、今作が新体制で初となる本公演だ。松本作品ではおなじみの山田百次や荻野友里のほか、ナイロン100℃の廣川三憲も出演する。新しい局面を迎えたこの劇団が描き出す地方のある一日、その丁寧な筆致を味わいたい。文:釣木文恵
2019年11月28日約10年前、椎名林檎は竹内まりやからベスト盤を出すことを勧められ、すぐに納得し、出すことを決意したという。しかし、まだそれにふさわしい曲が揃っていないということと、新曲を入れたかったという理由で延ばし続けてきたそうだ。つまり、ここにきて初のベスト盤『ニュートンの林檎~初めてのベスト盤~』が出るということは、完璧なものができる手応えがあったということだ。豊かさを生み出し続けてきた21年間の闘争史。2枚組の冒頭には、1998年、共に東芝EMIからデビューし、公私ともに親交の深い戦友・宇多田ヒカルを招いた新曲「浪漫と算盤 LDN ver.」。ジャズテイスト溢れる、たおやかでゴージャスなサウンド・デザイン。日本の音楽界の至宝ふたりによる、現代社会における「浪漫」と「算盤」を解いていくようなボーカルの掛け合いは、ゾクゾクするほどスリリングで美しい。そこからは、ほぼ時系列に沿って、曲が収められている。椎名林檎の名を日本中に知らしめた「ここでキスして。」に代表される、「あなた」を強烈に求める煽情的なギターロックで多くの名曲を生んだ初期。バンド東京事変を経て、その音楽性はどんどんしなやかに変化していく。DISC2の1曲目のもうひとつの新曲「公然の秘密」も、また然りだ。大衆音楽は文化的でなければならない。人々の欲望が反映され、時代を映すものでなければならない。それでもって、人々になんらかの力を与えるものでなければならない―。宇多田ヒカルをはじめ、宮本浩次(エレファントカシマシ)、トータス松本(ウルフルズ)、Mummy-D(ライムスター)、浮雲等、多くの敬愛するアーティストを招き、その思想を具現化し続けた全30曲(通常盤は28曲)。「豊かな価値」を音楽で描き、気高く発信してきたその21年間の闘争史に心底感服させられる。ライブの人気曲、カップリング曲も収録した初のオールタイム・ベストアルバム『ニュートンの林檎~初めてのベスト盤』。【初回生産限定盤2CD ボーナストラック2曲入り】¥3,300(ユニバーサル ミュージック)しいな・りんご’98年、東芝EMIからシングル『幸福論』でデビュー。12月11日にMV作品集Blu-ray/DVD『性的ヒーリング ~其ノ伍~七~』と『The Sexual Healing Total Orgasm Experience』が発売される。※『anan』2019年11月27日号より。文・小松香里(by anan編集部)
2019年11月22日夏フェスで欠かせない人気を誇るロックバンド、KEYTALK。6枚目のアルバム『DON’T STOP THE MUSIC』は、バリエーション豊かなダンスチューンがずらり。特に、アルバムのラストを飾る「少年」は、甘酸っぱい青春感を放ちながら、「夢の続きを追いかけよう」と歌うエモーショナルな曲。KEYTALKの魅力であるツインボーカルの掛け合いも堪能できる。「『少年』は、巨匠(寺中)の歌がハマりそうな曲というテーマで作り始めたんです。でも思った以上にエモくなっちゃって、俺もたくさん歌いたいなと(笑)。レーベルを移籍して、新しいスタート地点に立った今の僕たちにもあてはまる歌」(首藤義勝・Vo&Ba)「自分たちのことを歌ってるような印象を受けた。ライブで演奏するのが楽しみな曲です」(八木優樹・Dr&Cho)「今までの曲にはないくらいの低いキーから始まってサビで盛り上がる流れが歌詞ともリンクする。アルバムの最後の曲にふさわしい」(小野武正・Gt&Cho)下北沢で結成してから約10年間、一貫して抜群のメロディのダンスロックでリスナーを楽しませている。「メジャーで活動している以上は、ライブにお客さんが来てくれて成立していると思っています。だから、求められているものは大事にしたい。でもそのまま与えるのではなくて、プラスでもっと驚かせることは絶対必要だと思っています」(寺中友将・Vo&Gt)「ライブで新しい曲を演奏して、そこでお客さんからフィードバックをもらうことで成長してきた」(小野)メンバー4人がとても仲が良く、またお酒が好きなことでも知られる。飲みながらのシリアスなミーティングがあったりするのだろうか。「たまにはサイゼリヤとかでまた4人で集まりたいんです(笑)」(小野)「この前久しぶりに一緒に行って小野君に煽られてかなり飲んだら、次の日めちゃくちゃ頭痛くて。それがフェスの本番日でした(笑)。ライブはちゃんとできましたけど」(寺中)「(笑)。それはただ飲んだだけですけど、節目節目で4人だけで今後について話すことはあります。でも改めて集まらなくても逐一共有はしているので、ぶれたりもしないんだと思います」(小野)6thアルバム『DON’T STOP THE MUSIC』【初回限定盤A CD+DVD】¥3,800【初回限定盤B/完全数量限定 CD+ラバーバンド】¥3,000【通常盤CD】¥2,600(UNIVERSAL MUSIC/Virgin Music)キートーク左から、小野武正(Gt&Cho)、首藤義勝(Vo&Ba)、寺中友将(Vo&Gt)、八木優樹(Dr&Cho)。11月8日の北海道Zepp Sapporo公演を皮切りに、全国6か所のツアーを行う。※『anan』2019年11月13日号より。写真・内山めぐみ取材、文・小松香里(by anan編集部)
2019年11月12日基本コミュ障&ちょっと頑張るひきこもりを自称するシンガーソングライター、ナナヲアカリ。ダメダメな自分へのイライラをぶつけた曲は、アッパーなエネルギーが渦巻いていてとてもキャッチー。7曲入りプチアルバム『DAMELEON』のテーマは“ナナヲアカリの七変化”だ。“ナナヲアカリ”自身をエンターテインメント化したい。「集団の中での『あの子変わったよね』って言葉って、ネガティブな意味合いを持つこともあると思うんです。そういう空気があるから、変わることに勇気がいることになるのかなって。でも私自身は東京に来てから、変わることは怖くなくて楽しいって思えるようになってきたので、そんな気持ちを曲に乗せました」最近になって一番変わったことは前向きになれたこと。それが『DAMELEON』にも反映されている。「自分自身がそうなので、楽曲の主人公たちもやっぱり何かを抱えています。それでも、前を向くようになったのが、大成長を遂げた部分な気がしてます(笑)。自分で作詞作曲を手がけた『イエスマンイズデッド』とかは、今までだったら社会のヘイトを言い散らかして終わってたんだろうけど、自分に勇気を与える曲になった。東京に来てたくさんの人に出会ったことが大きいと思ってます。いろんな価値観に触れて、いろんな生き方ってすごく素敵だなって思えたんです。グジグジしてる時間が長すぎました(笑)」’17年には舞台『Fate/Grand Order THE STAGE』で主役級の役を務めるなど活動の幅は広がっている。「様々な経験をさせてもらうなかで、表現すること全般が好きだと感じてます。自分が一番伝えられるのは音楽なんですけど、いろんなものを盗みたいし、実現させたいって気持ちが年々強まってる(笑)。舞台での葛藤も財産になってますね」今後やりたいことについて聞くと、ひときわ目を輝かせて、次々とビジョンを語ってくれた。「幕を立てて、映画みたいに凝ったライブをやりたい。自分も演出に携わって、ひとつの作品のようなライブを作ってみたいって気持ちもあります。ナナヲアカリのライブは総合エンターテインメントって思えるライブをいつか作りたい。ナナヲアカリ自身をエンターテインメント化する。あぁ、大きく出てしまった(笑)」プチアルバム『DAMELEON』【期間生産限定盤 詰め込みすぎちゃいまみた盤】¥7,700【初回生産限定盤 ライブいっぱい盤】¥3,600【通常盤 じっくりご静聴盤】¥2,100(Sony Music)2016年、ニコニコ動画で発表した「ハッピーになりたい」が話題になり注目を集める。’18年、TVアニメ『ハッピーシュガーライフ』の主題歌に起用され、メジャーデビュー。※『anan』2019年10月16日号より。写真・岡本 俊(まきうらオフィス)取材、文・小松香里(by anan編集部)
2019年10月15日女優の小松菜奈、門脇麦、俳優の成田凌、塩田明彦監督が31日、東京・TOHOシネマズ新宿で映画『さよならくちびる』の初日舞台あいさつを行った。『さよならくちびる』は、『害虫』(02)や『どろろ』(07)などで知られる塩田監督が脚本・原案を務め、小松演じるレオと、門脇演じるハルのインディーズデュオ・ハルレオが、ローディーとして2人を支える元ホスト・シマ(成田凌)と共に解散ツアーを巡る日々を描く。小松は、「北海道の最後のライブシーンで空き時間があって3人でなんとなくギター演奏して歌を歌って。気持ちもリラックスした中でやっていたので、3人がそろって何でもない空間で曲を弾いた時にすごく感動したというか。最初の頃は何もできなかったのに。うれしいというか感動して、頑張ってよかったと純粋に思いました」と楽器を懸命に練習して臨んだことも達成感につながったようだ。一方の塩田監督は、「ハルさん、レオさん、シマさんはそれぞれ歌いながら心を通わせて、歌いながら反発し合ったり、共感し合ったり」「歌のシーンであると同時に芝居のシーンだと思って、この人たちの歌詞をセリフをしゃべっているように撮ればいいと思って撮っていました」と説明し、「小松さんがインタビューで……」と取材時の小松の言葉を思い返した。小松がインタビュー時に語ったのは、「セリフを言うように歌えばいいんだと思ったら歌いやすくなった」。この言葉に塩田監督は、「思いは同じだった」と救われたという。ところが、このエピソードを終えた塩田監督から「何か一言」とコメントを求められた小松は、「怒られるのかと思いました!」と驚いた様子。塩田監督の“小松さんがインタビューで……”に身構えたようで、会場が笑いで包まれる中、司会も「お褒めの言葉でございました」とフォローしていた。イベントの締めくくりには、「この映画は秦基博さんとあいみょんさんのお二人が台本を読んでいただいて、一から書いていただいた曲。本当にすばらしい曲で、聴いた時は最初の感動が本当に忘れられなくて、その曲があってこの作品ができました」と2人の存在もしっかりとアピールした小松。「いろいろな年齢で感じ方も違うと思うので、淡々としている話の中にリアルな感情だったりとか、3人の愛おしい姿だったり、前向きになれる映画だと思うので、気に入っていただけたらうれしいです。何回も見てください」と観客に呼びかけていた。
2019年05月31日女優の小松菜奈と門脇麦が映画『さよならくちびる』(5月31日公開)で演じたギターデュオ・ハルレオの楽曲「さよならくちびる」が、音楽ストリーミングサービス・Spotifyの国内ウィークリーバイラルチャート(5月16日付)で2位になった。ハルレオは、門脇演じるハルと小松演じるレオで結成されたギターデュオ。孤独だった2人が出会い、路上から始めた活動はライブハウスを埋めるまで人気を獲得するが、やがて2人は解散を決断。映画では、解散ツアーで全国を巡る日々と葛藤を描いている。「さよならくちびる」は同作の主題歌で、シンガーソングライター・秦基博がプロデュースした楽曲。MVは、米津玄師「Lemon」やあいみょん「マリーゴールド」も手掛けた山田智和監督が担当し、ハルとレオ、マネージャー・シマ(成田凌)の3人で過ごす「最後の時間」をテーマに撮影した。バイラルチャートはSpotifyが独自の調査に基づき、SNSで話題の曲をランキング化したもの。同曲は「そうだ、映画行こう」「Buzz on TV」「演者、歌う」などのプレイリストにピックアップされ、再生数を伸ばしている。
2019年05月29日小松菜奈と門脇麦。初共演となった映画『さよならくちびる』では人気デュオ“ハルレオ”に扮し、初挑戦とは思えないほど流暢にギターをかき鳴らし、繊細なハーモニーを響かせた。フレッシュな魅力あふれる若手女優ながら、どこか肝が据わったような、凛とした佇まいのふたりだからこそ、「自分たちで演奏して歌い、演じる」という離れ業さえ、やり切れたのだろう。若手トップ女優の共演が実現「絶対にやりたい」『さよならくちびる』は『害虫』や『黄泉がえり』などで知られる塩田明彦監督によるオリジナル映画。アルバイト先のクリーニング工場で、ハル(門脇さん)に声をかけられ音楽を始めることになったレオ(小松さん)が、“ハルレオ”というデュオを結成する。やがて、ローディ兼マネージャーのシマ(成田凌)の支えもあり、インディーズ界で人気を博すようになったふたり。しかし、それぞれが一方通行に芽生えた恋心が火種となり、3人の仲はこじれ、とうとう解散ツアーが始まってしまう。出演の経緯を尋ねると、「塩田監督×オリジナル」、さらにはお互いの存在に強く惹かれたと、ふたりは声をそろえた。「オリジナルで音楽ものを、麦ちゃんと一緒にできる作品があると聞いたときに、私はもう、絶対にやりたいと思いました。関係性や設定もすごく素敵でしたし、とにかく惹かれましたね」と小松さんが告げると、門脇さんも「そうだよね、そうだよね」と相槌を打ちながら、「菜奈ちゃんと何か作品をやりましょう、というところから企画が始まっていたので、私も台本が来る前から楽しみで」と、打ち明けた。互いにトップ女優として多くの作品に出演してきた。共演前から「こうなる」予感のようなものはあったのかもしれない。「麦ちゃんとは、いつかはガッツリと共演できたらいいな、と思っていたんです。麦ちゃんは、いつもドンと構えている方で、すごく落ち着いているし、頼りがいがあるので、安心感がすごくて。作品を観ていると、自分にはないものを持っていて魅力的だな、と思うんです。そこは…だから役と一緒なんですよね。レオも自分にないものを持っていると、ハルについて思っているし。そういう部分で、すごく共感できました」とは、小松さんの弁。悩みを分かち合い、本物の“ハルレオ”が生まれた小松さんのラブコールに、さらに愛情を込める形で打ち返したのが、門脇さん。「私も、菜奈ちゃんとずっと仕事がしてみたくて。そもそもお客さんとして作品を観ていて、すごい好きな女優さんだったんです。実際、撮影の初日は、ふたりで部屋でギターをポロンって鳴らすところから始まったんですけど、その瞬間に“今日が初日じゃない感じ”だったというか…“初めましてな感じ”じゃなかったというか。菜奈ちゃんとは、すべてにおいて何の無理もない人だったので、すごく居心地がよかったんです。菜奈ちゃんは私を『落ち着いている』と言ってくれましたけど、菜奈ちゃんは私にはないエネルギーがある。本当に伸びやかで軽やかなので、私にはもっていけない何かがあったから、何度も何度もすごく助けられました」。特に、劇中で披露することになる、ふたりが初めて挑戦するギターに関しては、お互いの支えなしにはできなかった、とふり返る。門脇さんが「最初はまさか、正直、音楽物になるとは思ってもいなかったんです。だから、すごく予想外な形ではありました」と苦笑すれば、小松さんも「ギターに歌…初めてのことだらけで、すごい最初は戸惑いましたけど、いまとなってはすごくいい思い出で、巡り会えた作品だったと思います」とした。在りし日には、自主練を重ねた末、どちらからともなくマイクスタンドのあるカラオケを探して、ギターを背負い、渋谷の街を彷徨ったそう。その姿こそ、まさに “ハルレオ”といえそうだ。「そこで、いろいろ打ち解けたんです。『いまここで悩んでいて、突っかかっていて、うまくいかないんだよね』みたいなことを、麦ちゃんに自然に言えました。人によっては、ライバルというか…、負けたくないから(言わない)とかも、もちろんあると思うけど、素直に気持ちを伝えられることが、私には大事でした。すごくいい時間でした」(小松さん)。「家でギター練習をしても、なかなか思うようにうまくならないときもあって、本当に孤独な闘いなんです。そんな中で、初めてふたりで合わせたとき、お互いに『不安だよね』『つらいよね、練習』とか言うだけで、ひとりで闘っているわけじゃないんだな、共に闘っているんだなと思えて。私はますます頑張ろうと思えたので、あの時間は大きかったです。何かがいい方向に変わるターニングポイントだった気がします」(門脇さん)。劇中披露の楽曲「この素敵な曲をどう真摯に伝えられるか」ふたりが劇中で歌う楽曲に関して、シンガーソングライター・秦基博が主題歌「さよならくちびる」を、あいみょんが挿入歌「誰にだって訳がある」、「たちまち嵐」を提供している。豪華なラインナップには、歌う側のプレッシャーという受け止め方よりも、いかに“ハルレオ”として届けるかに、彼女たちは心を砕いた。「それぞれご本人の声でデモテープに吹き込まれていたので、それがある意味、完成形なんですよね。私が“素敵だな”と思った魅力をいかに減らさずというか、伝えられるかということなんだと思いました。音楽家ではない私たちだから、申し訳ないけど、どうやったってうまくはないので、この素敵な曲をどう真摯に伝えられるかを大事にしました。ライブ会場での歌唱も、エキストラの方とはいえ聴いてくださっているから、自然と楽しんでもらいたいなとか、少しでもいい時間だったな、と思って帰ってもらいたいなという気持ちが生まれてくるものでした」(門脇さん)。「私は、歌が苦手なので、いままで歌に関わるのが“恥ずかしい”みたいなコンプレックスがあったんです。でも…今回は役だし、ふたりのデュオだったからこそ楽しんでやろうと吹っ切れた感じになりました。お客さんが受けてくれるので、撮影の間だけはアーティストさんになった気分でいましたね(笑)。曲も本当に素敵でしたし、“これは自分たちだけの歌なんだ”って特別感みたいなものがあって、歌っていてもすごく気持ちよかったです」(小松さん)。心地のよい空気、やわらかにシンクロするような雰囲気があたりを包み、ふたりの呼吸が交わる。小松さんと門脇さんが“ハルレオ”として生きた時間は、スクリーンに誠実に刻み込まれている。(text:Kyoko Akayama/photo:You Ishii)■関連作品:さよならくちびる 2019年5月31日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開(C)2019「さよならくちびる」製作委員会
2019年05月27日