岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「譜割」です。譜割とは音符に対して、歌詞の一音一音をどういう配分で置いていくかを考えていく作業です。基本は、メロディラインの音符ひとつに対して1文字。ですが、それに限らず音便(発音上、語中・語尾の音が他の音に変化すること)によっては2音、ときには3音流し込んだほうが気持ちいい場合もある。例えば僕の「なにをやってもあかんわ」を聴いていただくとわかりやすいと思います。冒頭の歌詞「もうなにをやってもあかんわ」は、単純に文字数で言えば13文字です。しかし、このメロディの音符の数は8音。「もぅ・な・に・を・やっ・ても・あかん・わ」と割っています。「っ」や「ん」などのほか、「かきくけこ/さしすせそ/たちつてと」などは子音である「k」「s」「t」の音だけでの表現も可能です。「く」=「ku」とはっきり発音すれば1音カウントになりますが、「クッ」と「k」の音だけで母音を崩し圧縮することが可能です。と、専門的になってしまいますが、僕はけっこうこの譜割にこだわるタイプです。でも、J‐POPでは譜割を意識せず無理やり言葉を入れたり、2音あるのに1文字しか入れていなくて気持ち悪い…と思う曲もたまにあります。でも気持ちよく譜割が入っていることが正解ではなく、逆にバランス悪くいびつに入っていることで記憶に残る場合もあるので、どれが正解ということはありません。僕は歌詞に意味を持たせず音運びの良さだけで歌詞を作ることがあり(「スペツナズ」「XXL」など)、そういう楽曲で「譜割が気持ちいいね」と言っていただけると、わかってもらえたとすごくうれしい気持ちになります。今、僕が耳にしてもっとも日本語の譜割が巧みやなと思うのは、R-指定さん。ダントツで流し込みがうまいです。ラップの部分もそうですし、サビでメロディをつけつつ言葉のフックを作るのとか、めちゃくちゃ気持ちいい音選びをされていて、これはテクニックというよりも元々持っている勘の良さ、センスではないかなと。あとは、SUSHIBOYSのファームハウスくんもいいなと思います。ラッパーの方々は日本語を既存の概念で捉えすぎないから、面白い表現がいろいろできるのではないでしょうか。洋楽にある音の取り方、韻の踏み方などを日本語の中にもうまく活かせている方々に魅力を感じます。言葉の選び方に興味を持って聴くと、また音楽の聴き方の幅が広がると思うのでおすすめです。おかざきたいいく『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。『おはスタ』(テレビ東京系 月~金曜7:05~7:30)の火曜レギュラーとして出演中!※『anan』2020年11月18日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年11月16日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「曲の終わり方」です。ひとつの曲はイントロから始まってアウトロで終わります。僕はこのアウトロを作ること=曲をどう終わらせるかに、むちゃくちゃコンプレックスがあります。なぜなら、僕の中で終わらせ方が2パターンしかないからです。ひとつが「ジャーーーーン」って終わるやつ。もうひとつが「ジャーーーーン、ダダン」で終わるやつ。この2パターンでここまでやってきました。あと、最近になってフェードアウトして終わるという手法も取り入れたので、やっと3つに増えました。メジャーデビューしてもう4年半。けっこう経ちましたが、これまでこの3つですべての楽曲を乗り切ってきました。なんで終わり方の手法が増えないかというと、僕はパソコンを使って、“DTM”で音楽を作っています。いつも作業の最初に、だいたいの絵コンテみたいなものを作るんです。簡単なイントロを作り、平メロ、サビ、落ちサビはこんな感じで…と全体の構成を考えて、終わり方はまだラフコンテやし、とりあえずドラムのキックとシンバルを置いとこか、となります。で、そこから肉付けをいろいろしていくのですが、サビをこだわって、イントロはもっと工夫して…とやっているうちに気づくと締め切り間近になっている。歌詞も考えないといけないし、譜割の調整もしないと…、と作業がどんどん追いつかなくなってくる。そうなると、アウトロにとりあえず置いといたドラムとシンバル、「最初のままだけどまあええか…」と、どうしてもなってしまうんです。ほかのミュージシャンの方、どうですか。そうなりませんか?個人的には、どうにかしたいと思っている案件です。また終わり方これやん…と自分でも呆れているんですが、これまで誰からも「岡崎くん、終わり方もっと工夫できないの?」とはわざわざ言われなかったので、手数が3つから増えません。かっこいい終わらせ方を開発したいと思う一方で、もういっそのこと終わらせない、というのはどうか?という考えにたどり着きました。曲はずっと続いていて、終わらせるのは聴き手の役割にしてしまうという、聴いている人がミュートするとか次の曲に飛ばすとかしないと終わらない。そんな曲があってもいいのではないか…。現実的ではないでしょうか。でも、それくらい曲の終わり方を考えるのは難しいです。おかざきたいいく『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。10月より、『おはスタ』(テレビ東京系 月~金曜7:05~7:30)の火曜レギュラーとして出演中!※『anan』2020年11月11日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年11月09日通算選抜回数トップを誇る乃木坂46の中心メンバー、高山一実さん。作家としても活躍する彼女の素顔に迫ります。乃木坂46の特徴は、中身も美しいこと。メンバーになって、それを知れたことがアイドル好きとして幸せです。――アイドルになる前は剣道一筋だったとか。その頃のことも少し伺えますか。高山:剣道は10年やっていました。太っていたし見た目も全然かまっていなくて、その反動でアイドルに憧れたっていうのはあると思います。稽古がほんっとにキツかったから、剣道に比べたらどんな仕事もツラくないです。当時は気づかなかったけど、今思えば「愛のあるムチ」でしたね。愛のない暴言とは違う、自分を鍛えて成長させてくれるものだったと、大人になってわかりました。ただ、そのムチがめちゃくちゃ痛かった(笑)。このあいだ、剣道部の友だちが「仕事でキツイことない?抱え込まないでね」と連絡をくれたんです。で、「掛かり稽古(2人一組で激しく打ち込む稽古)に比べたら、全然大丈夫」って返したら「たしかに~」って(笑)。――2年前に初めて執筆された小説『トラペジウム』はアイドルを目指す女の子の物語ですね。読みごたえがあって最後はグッときました。骨太な文体も魅力的です。高山:ありがとうございます。女の子たちが仲間を集める設定はざっくり決め、あとは書きながら進めて、完成までに2年以上かかりました。書き始めたのは4年くらい前。自分の思いを書き留めたメモを見たり、学生時代の出来事を思い出しながら書いていたんです。それで書き終えて読み返してみたら、文化祭の描写とか、けっこうよく書けているなと思って。その一方で、「せっかくなら難しい言葉を使いたい」というカッコ悪い幼さが見えて絶望もしたんですけど(笑)、それも含め、あの頃ならではの作品だと思いますね。今書いたらまた違うものになる気がします。――「アイドルで作家」という肩書を得たことについては、どう思われていますか。高山:時期も良かったし、アイドルだから書けたのだと思っています。書く機会をもらえたことも、内容もそうです。書きながら何度も壁にぶつかって「誰も読んでくれないだろうな…」と、ネガティブにもなりました。でもアイドルの自分が書くことで、本に興味のない人が本を手に取るきっかけになるかもしれないと思い直して、書き上げることができました。私、ずっと書くことに苦手意識があったんです。でも小説は、書いたものに共感できない人がいても、誰か一人にでも刺さってくれたらいい。そう思ったら気持ちがラクになって。私にとって、自分の思いや書きたいことを嘘をつかずに表現できるのが小説。自分らしい表現を見つけて「文章を書くのが好き」と言えるようになったのが、すごく嬉しいです。――作中の〈初めてアイドルを見た時思ったの。人間って光るんだって。〉という東ちゃんのセリフが印象的でした。あれは、高山さんの実体験ですか?高山:まさにそうです。シチュエーションも同じ感じですね。深夜、テレビでアイドルが歌っているのを見ていた時、本当に発光しているみたいに輝いていて「すごいものを見てしまった!」と。深夜だから伝える相手がいなくて、でもその気持ちを残したくてSNSに書いたと思います。高校生の時です。――アイドルが光を放つというのは、乃木坂46のメンバーを見ても思うものなんでしょうか。高山:今言った光とはちょっと違うけど、メンバーの光を一番感じるのは卒業ライブの時。同じステージに立って、卒業する子を斜め後ろから見ていると、その後ろ姿がめちゃくちゃ光る瞬間があるんです。顔は見えないけど、背中がすっごく輝いて、すっごく遠くに見える。その光は、肩の重荷が取れたきれいな光の子もいれば、葛藤した末の未来への意志を感じさせる強い光の子もいて、みんな全然違うから、それがまた良くて。あの景色はなんていうか本当に、毎回泣いちゃうんですよね。――一緒に頑張ってきた仲間だから見える光なんですね。もうすぐ白石麻衣さんも卒業されますね。(取材は10月中旬)高山:ほんとに、まいやんが卒業したらどんな気持ちになるんだろ…。想像もできないですけど、文章になら残せるかも。――ぜひ書いてください!高山さんは乃木坂46に入って、アイドル観って変わりましたか?高山:内側も美しいと知れたのが大きいですね。それまでアイドルの本当の姿は、仲が悪いとかぐちゃぐちゃしているとか(笑)、見せたらマイナスになるイメージを勝手に持っていたんです。でも、うちのグループはみんな本当にいい子で、「え、こんなに中身までもきれいなの?」って。それに気づけたことは、いちアイドル好きとして幸せなことだなと思います。――最後に、これから叶えたいことを教えてください。高山:やっぱり、いつか卒業ライブをやりたいですね。アイドルになってからずっと持ち続けている目標なんです。道重さゆみさんの卒業ライブに行った時、客席が一面ピンクのサイリウムの世界だったのがすごく印象に残っていて。私は水色が好きだから、サイリウムで水色に染まった景色が見たい。それが今一番叶えたいことです。たかやま・かずみ1994年2月8日生まれ。千葉県出身。1期生。最新の25thシングルまで、通算選抜回数トップを誇る乃木坂46の中心メンバー。2018年に『トラペジウム』で小説家デビューし20万部を記録。番組で乃木坂一のやさしい人に選ばれ、また滑舌の悪さをいじられる愛されキャラでも。今春からクイズ番組『Qさま!!』のMCに就任。レイヤードワンピース[WEBストア限定]¥24,000(ラグナムーン/ラグナムーン ルミネ新宿 TEL:03・3344・3223)左耳イヤカフ¥20,000右耳イヤカフ¥13,000(共にe.m./e.m.表参道店 TEL:03・5785・0760)※『anan』2020年11月11日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・高垣鮎美(LOVABLE)ヘア&メイク・江原理乃インタビュー、文・熊坂麻美(by anan編集部)
2020年11月09日トップアイドルで、作家で、人気番組のMC。華やかな肩書を得ても、いたって謙虚で誠実。剣道一筋の生活から一転、夢を叶えた高山一実さんがアイドルになって9年間で見てきた世界とは。アイドルとして輝くすべを模索してきたけど深く考えるの、もうやめました。ここ数年、アイドルの枠を超えた活躍を見せる高山一実さん。穏やかでちょっとおとぼけ、かつ凛とした輝きを放つ“かずみん”に迫ります。――今年はコロナ禍の影響が大きかったと思いますが、ご自身のなかで変化や気づきはありましたか。高山:26歳という自分の年齢を俯瞰して、今後を考えるきっかけになりました。今の状況でこれをするためには何が必要かとか、毎日あれこれシミュレーションして。乃木坂46に入って9年なのですが、年々居心地が良くなってきていて、無意識のうちに挑戦やリスクを避けていたなあとも気づきました。――そういう意味では、『Qさま!!』のMCになったのはいいタイミングだったかもしれませんね。半年ほど経ちましたが、感想を聞かせてください。高山:もともと私はクイズが大好きで『Qさま!!』は憧れの番組だったんです。だから最初の収録がもう、本当に感動して。出演者のみなさんの空気感、スタッフさんの熱量、作問システム、リハーサル風景…、すべてが想像以上でした。でも問題は2回目から。いろいろ考えすぎるようになってしまったんです。私のクイズに関するコメントはクイズファンからしたら「知ったかぶり」になるかもとか。各チームや対戦の見どころを伝える時は、たくさん出演者の方がいるなかで、どなたかに絞って話すのは失礼かなとか…。年上の方がほとんどなので、上から目線にならない言葉選びも難しくて詰まってしまうことがあって。――MCの立ち位置もですし、「好き」ゆえの難しさがありそうです。高山:もう純粋に「好き」だけじゃない気持ちです。クイズの世界は本当に奥が深くて、知れば知るほど魅力を感じます。まだ反省ばかりだけど、チャレンジしながら成長していけたらと思っています。あと『Qさま!!』をやらせていただいて気づいたことがあって。クイズに関わる人はクイズに詳しいほど、そしてそれを語るほどレジェンドになるんです。でも、アイドルはそうじゃないなあと。――どういうことでしょう。高山:たとえば、求められる要素を知り尽くしているアイドルがいても、その人が人気が出るとは限らないし、詳しいと語るほど「でも自分は売れてないよね?」みたいに突っ込まれると思うんです。知っていることが必ずしも武器にならないというか。――なるほど。では高山さんは「こうしたら人気が出る」みたいなことはあまり分析しない?高山:アイドルとして輝くには何をしたらいいか、ずっと考えながらやってきたので、ある程度はわかっています。でもわかったところで「自分にこれはできない」というのが結局出てきてしまうから、深く考えるのはやめました(笑)。昭和のアイドルは設定が細かく練られて好きな色まで決まっていたと聞いて、その時代がうらやましいと思ったこともあるんです。でもよくよく考えると、私は演技ができないし、本音が言葉にも態度にも出ちゃうから、キャラ設定を守れないだろうな、とか。――キャラといえば、高山さんはオーディションからかなり目立っていたと聞きました。巧みなトークで笑いをとったり、急に俳句を詠んで驚かせたり…。高山:あはは。私は変わったことをするのが昔から好きで。本当は、山口百恵さんや道重さゆみさんのようなアイドルに憧れていたんですけど、大人数のグループを考えた時、自分は王道でいっても無理かなというのもあって。オーディションの時は、周りと違うことをしようとしか考えていなかったですね。「この中の誰かがアイドルになるんだ!」と思ったら、ミーハー心がうずいて、みんなが自己PRの練習をしているなか話しかけに行って写メを撮ったり。ひとりだけおかしかったと思います(笑)。――その気負いのなさもよかったのかもしれませんね。高山:でも最初はそういうことを好きでやっていたのに、過剰になってしまった時期があって。本当はやりたくないのに、目立つために不本意だけどやる、みたいな。その時期は全然楽しくなかったし、うまくいかなかったですね。――今は素に近いですか?高山:そう思います。でも素に近いからこそ、振る舞いを批判するようなコメントを目にすると、けっこう傷つきます。キャラを演じていない分、本来の自分にダメ出しされた気になって落ち込んでしまうんですよね。たかやま・かずみ1994年2月8日生まれ。千葉県出身。1期生。最新の25thシングルまで、通算選抜回数トップを誇る乃木坂46の中心メンバー。2018年に『トラペジウム』で小説家デビューし20万部を記録。番組で乃木坂一のやさしい人に選ばれ、また滑舌の悪さをいじられる愛されキャラでも。今春からクイズ番組『Qさま!!』のMCに就任。レイヤードワンピース[WEBストア限定]¥24,000(ラグナムーン/ラグナムーン ルミネ新宿 TEL:03・3344・3223)左耳イヤカフ¥20,000右耳イヤカフ¥13,000(共にe.m./e.m.表参道店 TEL:03・5785・0760)※『anan』2020年11月11日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・高垣鮎美(LOVABLE)ヘア&メイク・江原理乃インタビュー、文・熊坂麻美(by anan編集部)
2020年11月09日共通の趣味であるオンラインゲームで親交を深めることおよそ2年。ついに待望のコラボレーションを実現したビッケブランカvs岡崎体育。岡崎体育(以下、岡):「いつか一緒にやりたいね」と言い合うのってけっこうミュージシャン同士の社交辞令あるあるなんです。でも、それをその場限りの言葉にしないで、行動に移してくれたのはビッケさん。ビッケブランカ(以下、ビ):僕、そういうのイヤなんです。やると決めたらちゃんと行動しないと。最初の一歩を踏み出すのは得意なのでレーベルと話して正式なオファーを体育さんにさせていただきました。岡:引っ張ってくれてありがとう。ビ:体育さんはいっつも空気を読みますからね。京都の方だから。壁が一枚二枚の先に障子が三枚も四枚もある。オンラインでサッカーゲームしている時だって、実際にフットサルやろうよって話になってから実現するまでに何年かかった?岡:……それも2年くらい?ビ:それだって僕が日時決めてコートを予約してやっと実現したんすよ。岡:でも僕、シューズと審判の笛も買ってちゃんと準備してたで。――互いのことを「きつね」「たぬき」と呼び、違う個性でありつつ音楽へのシンパシーをハッピーなダンスミュージックに落とし込んだ「化かしHOUR NIGHT」。昔話のように“同じ山を目指した”2匹のケモノは“まるで透明な鏡を見てるみたい”によく似ていた。茶化しながら、“こうやって何十年もばかしていたいね”と歌う二人の友情がくすぐったくも愛らしい。岡:聴き心地いいポップさと今っぽい四つ打ちテックハウス。その絶妙なブレンドはアレンジを担当してくれたビッケさんならでは。一緒に制作をして、いざやるとなったらの集中力のすごさに驚かされました。ビ:まず、体育くんが作曲してくれて、それを踏襲しながらトラックを作りました。ビッケブランカと岡崎体育、それぞれのらしさが出ていると思います。この二人でしかできないことができたよね。大きい音で聴いてほしい。デシベル勝負です。岡:ビッケさんはいつも全力、本気なのがめっちゃ素敵なんです。本当に熱い男。ゲームをしていてもめっちゃ熱い台詞言ってくれるし。ビ:ゲーム内で体育くんを助けられなかった時ね。思わず「守れなかったー!」って叫んじゃった。岡:それ、映画の主人公が言うやつやんと思いました。――当初、実は二人でバラードを作ろうとしていたという裏話もちらり。岡:なんとなく、卒業ソングを作ろうという話になったんだよね。ビ:だけど、持ち寄った曲が単独でよすぎて合わせられないぞって(笑)。岡:でも、いつかバラードもやってみたいよね。ビ:だから、正式に二人の活動名を決めてやっていこうよ。“ライクアニマルズ”っていうのはどう?岡:……なんか、プロレスラーのリングネームみたいでイヤ!楽しい二人の“ばかしあい”。まだまだ、当分は終わらなそうだ。ビッケブランカ1987年生まれ、愛知県出身。2016年メジャーデビュー。ドラマ挿入歌の「まっしろ」やSpotifyのTVCM曲「Ca Va?」が大きな話題に。得意のゲームを活かしたeSportsストリーマーとしての活動も注目を集めている。おかざきたいいく1989年生まれ、京都府出身。2016年、アルバム『BASIN TECHNO』でメジャーデビュー。TV、映画など俳優活動やバラエティ出演などマルチな活躍も。本誌で「岡崎体育の体育ですけど、オンガクです。」を連載中。ビッケブランカと岡崎体育それぞれのvocal onlyバージョンも収録。二人のトークを存分に味わうオーディオコメンタリーも。『化かしHOUR NIGHT』【CD+DVD】¥2,000【CD ONLY】¥1,000(avex trax)※『anan』2020年11月4日号より。写真・小笠原真紀取材、文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年11月03日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「誰かに歌ってもらうこと」です。すでにニュースにもなっていますが、12月25日に公開されるポケモン映画の最新作『劇場版ポケットモンスター ココ』のテーマソングを担当しています。全部で6曲も書き下ろさせていただき、映画のシーンに相応しいさまざまなアーティストの方々に歌唱のお願いをしています。なかでも、メインテーマである「ふしぎなふしぎな生きもの」は絶対にウルフルズのトータス松本さんにお願いしたい!これ、トータスさんに歌ってもらえないんだったら、俺はこの仕事を降りる!と、半分本気で思ったくらい、この人しかおらんと思ってお願いしました。快く引き受けてくださったトータスさんには本当に感謝しかありません。キャリアでいったら超がつくほどの大先輩です。こんな30そこそこの若造の曲を、よっしゃ、歌ってやろうと参加してくださったトータスさんの心意気、めちゃくちゃありがたかったです。なので、僕も120%の力で楽曲制作しました。僕のキャリアハイのひとつとなる楽曲になったのではないかと思います。今回、なぜトータスさんにメインテーマをお願いしたかというと、矢嶋(哲生)監督から、「この映画では、全国の父ちゃんを泣かせたいんだ」というのを伺っていたからです。僕の知る限りで、もっとも父ちゃん感のあるアーティストがトータスさんだった。男っぽさと包容力。まさに理想の親父です。なので、レコーディングのときも、監督の言葉をそのままトータスさんにお伝えしました。そして、さすがトータスさん、見事に歌ってくださり、僕の理想通りの一曲に仕上がったと思います。映画音楽を制作することは僕のひとつの夢でもありました。自分のやりたいことをやるよりも、ひとつの作品の一部分として裏方に徹する。監督が実現したい世界を音楽から手助けすること。それを素晴らしいミュージシャンの方々と一緒にできることは、本当に贅沢で幸せなことだなと思います。また、自分の名義で誰かに歌っていただくことは初めての経験でしたが、誰かに曲を提供するのとはまた違った感覚なのだなと改めて感じました。提供曲と違い、最終的なクレジットは岡崎体育です。最後の最後まで見届ける責任があるし、せっかく客演で参加してくださった方々の顔に泥を塗らないようにしないといけない。ひとりきりでやるのとは、また違うプレッシャーがあるんだなと勉強になりました。おかざきたいいく『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。10月より、『おはスタ』(テレビ東京系 月~金曜7:05~7:30)の火曜レギュラーとして出演中!※『anan』2020年11月4日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年11月02日「ずっと『お兄ちゃんか弟が欲しいな』とは思っていました。2人姉妹で育ったからか、男のきょうだいに憧れがあったんです。それが、まさか一気に3人もできるなんて。弟たちと一緒にテレビゲームやトランプをして遊ぶだけで新鮮ですし…もうかわいくてしょうがないですね」と、嬉しそうに話してくれた有村架純さん。地上波の連続ドラマとしては約2年ぶりに主演を務める『姉ちゃんの恋人』がいよいよスタートする。この作品で有村さんが演じるのは、女手一つで3人の弟を養う“肝っ玉姉ちゃん”という役どころ。とってもかわいい弟が、一気に3人もできました(笑)。「私の演じる安達桃子は、とにかく何事に対しても一生懸命な性格の持ち主。事故で両親を亡くしたその日から、『幼い弟たちをどうにかして育てなければ』という責任感を持って向き合ってきました。“肝っ玉”というと、気が強いイメージが最初に浮かびますが、その根底には愛情というものが必ずあるはず。だからこそ、家族のために生きていく決断をした桃子のことは一人の人間として尊敬できますし、とても筋の通った女性だという印象を持ちました」そんな桃子の愛する“イケかわ3兄弟”を演じるのは、高橋海人さん(King & Prince)、日向亘さん、南出凌嘉さん。クランクインから1か月以上が経ち、家族の息はすでにぴったりだとか!?「長男役の海ちゃんはいつも言い間違いが多いのが面白いですね。このあいだも、『心が折れる』を『鼻が折れる』と言っていて思わず笑いました。作品をきちんと成立させることはもちろんですが、『この子たちの役者としての未来のためにも、たくさんの人にドラマを見てもらわなきゃ…!』という、不思議な使命感すら今は芽生えてきています(笑)」仲良し家族の日常を描いたホームコメディであり、同時に恋愛ドラマでもある今作。いつも強気な桃子のどこか初々しい恋模様にも注目を。「桃子は恋の駆け引きは絶対にできないタイプですが、素直でまっすぐな姿に背中を押される人は多いはずです。ぜひ応援してください!」『姉ちゃんの恋人』ホームセンターで働く27歳の桃子はある日、職場で出会った吉岡真人(林遣都)に恋に落ちて…。連続テレビ小説『ひよっこ』を手掛けた脚本家・岡田惠和さんと有村さんの再タッグにも注目。毎週火曜21時~カンテレ・フジテレビ系にて放送。初回は10月27日。ありむら・かすみ1993年2月13日生まれ。兵庫県出身。2021年は主演映画『花束みたいな恋をした』をはじめ、『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』『太陽の子』など出演作の公開が多数控える。※『anan』2020年10月28日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・齋藤ますみヘア&メイク・百地優里子インタビュー、文・瀬尾麻美(by anan編集部)
2020年10月25日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「弟子」です。いつか弟子をとってみたいです。クラシック音楽の世界では誰かに師事するなどあると思いますがJ-POPでは弟子の概念はあまりない。だからこそ、岡崎体育がJ-POPにおける師弟制度を採用したい。イメージは、Jリーグの京都サンガ F.C.が実践する選手育成のためのスカラーアスリートプロジェクト。第一線で活躍するプレーヤーや監督、スタッフが高校生たちに直接指導をするプログラムがあるのですが、これを僕自身もやってみたいんです。本気でメジャーデビューしたい、音楽で生計を立てたいと思っている人に、今まさにミュージシャンとして活動している自分の姿を通して、その経験やノウハウを伝えられたらいいなと思いました。また、誰かに教えることで、自分のこれまでの活動や考え方を言語化できるのもいいなと思っています。そういう機会がないと、あらためて考えることができなそうなので。教えるために、自分の考えや取り組み方をまとめて、果たしてそれがちゃんと伝わるのか。それを受けて、デビューを迎える弟子が誕生するのか。やってみたいです。じゃ、どうやって弟子をとるのかというと、道場を構えるわけにもいかないですから、そこはソニーミュージックに新しい部門を発足させたいですね。あくまで窓口はソニーミュージックです。弟子の生活費とか鍛錬に必要な機材やステージなどもレコード会社側に支援いただいて。僕はできるだけ責任を負わないでいい立場で師匠としてどんと構えていたい。そして撮影現場などに弟子が来てくれて、僕の身の回りの世話などしてくれたらうれしい。お茶とかサッと出してほしい。憧れます。レコード会社がプロジェクトとして取り組めば、師弟制度がJ-POP業界でも当たり前になっていくかもしれない。僕の弟子は屋号の「岡崎」が使えますから、何十年後かには「今週のヒットチャート、岡崎が4人も入ってるやんけ」となるかもしれない。「いや、ビッケも6人おるで」とか「米津家も相変わらずすごいな~」とか。そういう家系図のようなつながりがオーディエンスに見えるようになるのも面白そうですよね。……って、米津くんは間違いなく弟子はとらなそうです。名前はもっとも師匠らしいんですけどね。おかざきたいいく『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。10月より、『おはスタ』(テレビ東京系 月~金曜7:05~7:30)の火曜レギュラーとして出演中!※『anan』2020年10月28日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年10月23日昨年メ~テレの深夜枠で放送され、カルト的人気を集めたドラマ『ヴィレヴァン!』は、あのサブカル書店・ヴィレッジヴァンガードを舞台にした青春コメディ。第2弾となるドラマ『ヴィレヴァン!2~七人のお侍編~』の放送開始に先駆け、まさかの!?映画も公開。そこで主人公の杉下啓三を演じる岡山天音さんに、映画版の魅力を直撃!サブカルに触れてこなかった人でも何かしらの出合いがあるはず。「ドラマのシーズン2放送決定と映画化の話を同時に聞いたんですが、ドラマは想像がついても、映画…はて?って感じでした(笑)。でも、ドラマのシーズン1が自分の中でものすごくいい思い出だったし、杉下はじめ一緒に働くみんながその後どうなったのかが気になっていたから、続くと知ったら嬉しくてしょうがなくて。“待望の”ではなく“まさかの映画化”と言われるぐらい、一見するとバカバカしくてニッチな内容ですが、ヴィレヴァンで扱っている漫画なんてまさに日本代表のカルチャーになりつつあったりして、もはやサブカルの線引きもわからなくなっていますよね。サブとはいえど、普遍的でもあるんじゃないかな」物語は、この世からサブカルが消えてしまったことに気づいた杉下が、バカバカしくて愉快な日常を取り戻すべく戦うという内容。「今までサブカルに触れてこなかった人でも、こんなカテゴリーに熱狂している人がいるんだと知ることで、何かしらの出合いに繋がるいいきっかけになるんじゃないかな」キャストはドラマに引き続き、店長の川上(滝藤賢一)、小松(森川葵)、今中(最上もが)、山本(本多力)、岩瀬(柏木ひなた)、権藤さん(平田満)などいつものメンバー。「みんなすごく優しくて、撮影でどんなにヘロヘロでも、隣の人は疲れていないかと意識を向けられる人ばかり。ふとした瞬間に『ねぇねぇ』って話しかけられるし、次の日にはその話した内容なんて忘れちゃうような心地のいい関係で、そして役も演じる本人たちもキャラが立っているので楽しいです。本多さんは圧倒的ムードメーカーで、なぜか本多さんに対しては全員オフェンスになるんですが、どんな球でも必ず打ち返してくる優しさとセンスを持っている。滝藤さんはセリフが多くて役でめちゃくちゃ喋るんですが、役じゃない時もそれ以上に喋って体力も半端なくて、3人ぐらいいるんじゃないかと思ってます(笑)」漫画好きの岡山さんは、そもそもヴィレヴァンが大好きだそう。「撮影中は、なんとか閉店までにあれを買う、というタイミングとの戦い。他では品切れになっていた漫画『バララッシュ』の最新刊がちゃんとあったりして、さすがヴィレヴァンでしたね。映画に登場するアイテムで気になったのは“池の水サイダー”かな。味は美味しいんだけど、めちゃくちゃ臭くて、しかもフタを開けて『クセっ!』てセリフがあったんだけど、フタをひねっただけでもう臭くて、はえーな!って戸惑いました。そんな面白アイテムが登場するのも見どころの一つです」『リトル・サブカル・ウォーズ~ヴィレヴァン!の逆襲~』バイト募集条件の“かめはめ波が撃てる人”が消えていることでこの世からサブカルが消えたことに気づく杉下。そして壮絶なバトルが始まる。監督/後藤庸介脚本/いながききよたか10月23日(金)全国ロードショー。©2020 メ~テレおかやま・あまね1994年6月17日生まれ、東京都出身。2009年ドラマ『中学生日記 転校生シリーズ』にて俳優デビュー。出演映画『おらおらでひとりいぐも』『ホテルローヤル』がこの秋公開予定。プルオーバー¥25,000パンツ¥25,000シューズ¥45,000(以上CULLIN/シアン PR TEL:03・6662・5525)※『anan』2020年10月28日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・稲田涼子ヘア&メイク・相川裕美インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2020年10月21日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「死ぬまでにやりたい100のことリスト」です。以前から作っていた「死ぬまでにやりたい100のことリスト」がついに完成したので先日、ツイッターで公開してみました。結構、反響があって63番目に書いた「岡崎慎司選手とサッカーをする」では、実際に岡崎選手からレスをいただいたり、48番目に書いた「ホストクラブに行く」でも、現役ホストの方から連絡があったりしました。そもそもは、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが共演した『最高の人生の見つけ方』という映画に出てきたバケットリスト。余命6か月の彼らが人生でやりのこしたやりたいことをリストにしていて、それを僕も真似して、短い人生の中でやりたいことは何かと考えてみることにしたんです。始めたのはデビュー前の2013年です。最初に書いた大きな願いは「作曲家になる」と「さいたまスーパーアリーナでワンマンライブをする」でした。その2つともすでに叶えているって、かっこよすぎると思いませんか?ほかにも「Eテレでレギュラー番組を持つ」とか「RIJF(ロック・イン・ジャパン・フェスティバル)のグラスステージでライブをする」なども、最初のころに書いていたので、すでに叶えていることが本当にうれしい。ここまで大きな願いを叶えていることで、俺はなんでもできるぞ!と自尊心を得られたこともあって、前向きにリストを追加していくことができ、今年ついに100個を考え切ることができました。リストを見た方々からは自分も真似してやってみたいと、たくさんのコメントをいただきました。実際、やって公開している人も多いです。自分がやりたいことに対してモチベーションを持って取り組めるようになると思うので、まだの方はぜひトライしてみてください。リストの作り方のコツは、できるだけ項目を抽象化せず具体的に書くことですね。たとえば「人に優しくする」だと、判断基準がどこにあるか難しくてどのタイミングで達成といえるのかわかりにくい。まず具体的なこと、さらに数字をつけると目標化しやすいです。リフティング100回とかアルバム30枚とか。あとは、1~20番は仕事のこと、21~40番は私生活、41~60番は行きたい場所とかカテゴリーを分けてみると作りやすいかもしれません。まあ、とにかくみなさんやってみてください。自分がやりたいことを100個見つけるって、意外とめちゃくちゃ大変ですから!おかざきたいいく『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。ビッケブランカさんとのコラボシングル『化かしHOUR NIGHT』(avex trax)が、10/28発売に!※『anan』2020年10月21日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年10月18日連続ドラマW『セイレーンの懺悔』でWOWOW“連続ドラマW”初出演にして初主演を務めた新木優子さん。報道のタブーに切り込み、真実を問うことをテーマにした中山七里による同名原作小説は、“ドラマ化は不可能”といわれてきただけに、注目が集まっている。自分と違う価値観や感覚でも、一度インプットすることが大事。「社会問題や事件の核心に迫るのが得意なWOWOW作品での主演は、期待に応えられるかの緊張や不安もある半面、やりがいも感じて嬉しかった。真実を追求することの奥深さや、そこに迫るためのダークな部分をしっかり演じて見せたいという一心でした」物語は、女子高生の誘拐殺人事件をきっかけに、新たな事件が巻き起こるノンストップサスペンス。「私が演じるのは、テレビ局の看板報道番組の記者で入社2年目の朝倉多香美。多香美は、必死ながらも新人として見られたくないとか、大先輩に食らいつき張り合いながら仕事をしたい、という強気な性格で正義感も強い。ただ、次第に多香美の過去の背景が明らかになっていき、その正義感はもとから持っていたものではないとわかった時は、正義にもいろいろな形があることを知りました。私自身、普段は報道の世界との接点がないので、報道記者ってきっと大変な仕事なんだろうな…ぐらいに思っていたんですが、演じてみると想像以上に大変で。スクープを取りに行くのはもちろん、現場から戻ったらすぐに原稿を書き、時には現場でマイクを手にレポートすることも。臨機応変に全ての仕事をしているとなると、寝る時間なんてなさそう。役作りはそういう生活サイクルも考えてまだ新人らしさが残るシンプルなメイクや、家に帰れない時のことまで考えた服のコーデなど、見た目のリアルにもこだわりました」リアルといえば、ライバル記者・三島奈那子(高梨臨)との間で繰り広げられる女同士の争いもかなり本格的なんだとか。「多香美がミスして奈那子に責められるというシーンでは、高梨さんの責め方がまるで実在する人物なんじゃないかってぐらいリアルでした(笑)。私自身、女同士のバチバチには立ち向かわずに『ああ、なるほど』って受け止めちゃうタイプなので…。でもお芝居をする上で、自分と違う新しい価値観や感覚でも、一度インプットすることを大事にしているんです」実力派俳優たちが脇を固めた上で、全4話というのは少々物足りない気もするが…。「原作と脚本を何回も読み返すと、この長さがバランスが良いと感じました。スピード感と緩急が大切なサスペンスだからこそ、4話が絶妙にしっくりくるんですよね」連続ドラマW『セイレーンの懺悔』10月18日22時より毎週日曜日、WOWOWプライムにて放送。原作/中山七里『セイレーンの懺悔』(小学館文庫)脚本/篠崎絵里子出演/新木優子、池内博之、高梨臨、甲本雅裕、濱田マリ、池田成志、高嶋政伸ほかあらき・ゆうこ1993年12月15日生まれ、東京都出身。モデル、女優として活躍中。代表作は主演ドラマ『モトカレマニア』やヒロインを務めた『トレース~科捜研の男~』、2シーズン出演した『SUITS』など多数。シャツ¥184,000パンツ¥97,000(共にTHE ROW/ザ・ロウ・ジャパン TEL:03・4400・2656)イヤーカフ、左¥12,000右¥17,000(共にRieuk)ブレスレット¥15,000(VENDOME BOUTIQUE/ヴァンドームブティック 伊勢丹新宿店 TEL:03・3351・3521)リング(シルバー&ゴールド)¥23,000(IRIS 47/Hooves TEL:03・6447・1395)※『anan』2020年10月21日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・高野夏季ヘア&メイク・河嶋 希(io)インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2020年10月18日「稽古がめちゃくちゃ面白くて、お金を払って観たいくらいなんです」。開口一番、キラキラした瞳で語ってくれた北乃きいさん。現在、舞台『真夏の夜の夢』の絶賛稽古中。シェイクスピアの名作を野田秀樹さんが翻案した戯曲を、ルーマニアを代表する演出家であるシルヴィウ・プルカレーテさんが手がける。日欧演劇界のトップが初タッグ。「そこに立ち会えてすごく刺激的です」日欧を代表する演劇界の巨匠同士の初タッグだが、楽しくて仕方がない様子。「プルさん(プルカレーテさんの愛称)が来日できないため、稽古場はZoomで繋いでおこなわれているんですね。毎日課題を渡されて、それぞれが家に持ち帰って考えて、翌日お昼にキャスト同士で合わせたものを最終的に見ていただくのですが、みなさんのお芝居がすごいんです。言われたことをやるのに精一杯の私と違い、先輩方は同じ場面でも何通りもやってみせるし、そこに自分なりのアイデアも付け足される。勉強になることばかりで、自分のシーン以外の場面も台本にいろいろ書き込んじゃっています」嬉しそうに開いた台本には書き込みと付箋がびっしり。「書きすぎて、何が大事かわからなくなっちゃうんですけれど…」と苦笑い。「学生時代、仕事で忙しかったのもあって勉強の仕方があんまりうまくないんです。でも好きなものに関して勉強するのは好きなんですよね。台本はオフの日も持ち歩いていて、普段何気なくスマホを見る感覚で台本も気づいたら開いているくらい」今作は、原作の複雑に絡み合った恋模様に、人間が深層に隠し持つ嫉妬や憎悪を重ね合わせ、野田さんらしい遊びを交えた喜劇。しかし、プルカレーテさんはコメディではなく、「人間の抱えるセクシュアルでダークな部分を描きたいんだそう」。「プルさんと我々で戯曲についてディスカッションすることも多いんです。野田さんがプルさんを全面的に信頼しているからできるんでしょうけれど、いまの時代に合わせて言い回しをどう変えるかとか、書かれた当時のギャグや歌をもじったセリフをどこまでカットするかとか。普段、そこまで役者が携わる現場ってないので、そこに立ち会えてすごく刺激的です。しかもプルさんが、私にはまったく想像もつかなかったような解釈の仕方で戯曲を読まれていたりする。いろんな解釈ができる野田さんの脚本もすごいと思いますし、別の演出家がやるからこその違う魅力もあるんじゃないかなと思います」舞台『真夏の夜の夢』老舗割烹料理屋の娘・ときたまご(北乃)は板前のデミ(加治)という許婚がいるが、ライ(矢崎)との恋を諦められず駆け落ちを決行。二人を追いかけるデミと彼を愛するそぼろ(鈴木)に妖精たちが絡み…。10月15日(木)~11月1日(日)池袋・東京芸術劇場 プレイハウス原作/ウィリアム・シェイクスピア(小田島雄志訳「夏の夜の夢」より)潤色/野田秀樹演出/シルヴィウ・プルカレーテ出演/鈴木杏、北乃きい、加治将樹、矢崎広ほか全席指定S席8500円A席6500 円サイドシート5000 円ほか(すべて税込み)東京芸術劇場ボックスオフィス TEL:0570・010・296新潟、松本、兵庫、札幌、宮城公演あり。きたの・きい1991年3月15日生まれ。神奈川県出身。14歳より女優として活動する傍ら、2014~‘16年には『ZIP!』でMCなども務めた。主演映画『戦国ガールと剣道ボーイ』の公開も控える。ワンピース¥169,000(アクリスプント/アクリスジャパン TEL:0120・801・922)イヤリングはスタイリスト私物※『anan』2020年10月21日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・コンテンポラリーコーポレーション チーム西インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年10月15日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「やる気」です。制作期間が続いています。やらないといけないことが増えれば増えるほど、すべてのことができなくなるってありませんか?大きく気になることがひとつあると、友達へのメールの返事も、洗濯機を回すのもできなくなる。悪循環です。やりさえすれば、2~3分で終わることもあるのですが、どうしても実行に移せない。ああ、こうやってゴミ屋敷って生まれるんやなぁと思います。みなさんは、そういうときどうやって“やる気”を出していますか?僕は、やる気が出ないときは、とにかく寝るしかないなと思って、とりあえず寝てしまいます。音楽家の作業として、どこでやる気が停滞してしまうかというと、人によってそれぞれあると思いますが、僕の場合はいつも最初の最初で悩みます。着想がとにかく大事なので、アイデアさえ思いつけばそのあとはオケをつけるとか、肉付けする、歌詞を書く作業は、スルスルと軌道に乗るんです。でも、このアイデアを出すというのが本当にしんどい。ネタ曲を得意としているので、どなたかの依頼を受けるときも、ちょっと変わったひねったテーマをいただくことが多いです。まあ、たいてい無茶振りです。「こんな、あるあるできますか?」とか「こういうものをいくつかオムニバスで構成してほしい」とか。そういうときって、なぜか打ち合わせでは「できそうっすねー」と答えてしまうのですが、家帰ってから「え、あれ、どういう意味?」となることが多く、時間がかかります。そして、僕はソロアーティストなので、要求がどんなに難しくても自分ひとりで考えてアイデアを出す必要があります。レコード会社やマネージャーなど僕のチームとして働いてくれるスタッフはいますが、さすがに曲は書いてくれない。だから、ここは踏ん張って僕がひとりで乗り越えないといけないんです。やる気が出ないとしても締め切りはやってくるので、日々がんばっています。ここ最近、岡崎体育名義でのリリースはないですし、ライブもほぼない。だけど水面下でいろんなプロジェクトが進んでいて、それぞれに対してやる気を出そうと寝て、起きて…としていますのでそれはわかってほしいです。でも、納期に追われながら、ひいひい言いつつ作業をしていると、僕も本物のミュージシャンになったものだな…とあらためて実感できて、辛い半面ちょっとうれしくもあります。おかざきたいいく『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。ビッケブランカさんとのコラボシングル『化かしHOUR NIGHT』(avextrax)が、10/28発売に!※『anan』2020年10月14日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年10月13日女優の柴咲コウさんが、『35歳の少女』で約5年ぶりとなる民放連続ドラマの主演を務める。奇跡を信じたくなるような作品。脚本を読んで心を揺さぶられました。「脚本を読ませていただいて、心を揺さぶられました。現実にはなかなかない設定ではあるのですが、奇跡を信じたくなるようなお話だなって。これは第1話から目が離せなくなりそうだなという予感がしました」物語の中で柴咲さんが演じるのは、不慮の事故で10歳の時に長い眠りにつき、25年ぶりに目覚めた“35歳の少女”望美。「体は35歳、心は10歳という等身大の自分とは違う望美を演じるのは、お話をいただいた時からおもしろそうだなって。あえてじっくり考えたり、準備したりというよりは、もっと瞬発力や本能的なのもので表現していきたいと思っています」その設定だけでなく、望美の性格もまた、柴咲さんと差があるそう。「10歳の望美は心が外側に開いていて、クラスの中心人物のような存在。社交性があって、誰とでも分け隔てなく明るく話せる人です。でも私は真逆で、なるべく一人でコツコツ編み物とかしていたいタイプでした。なのになぜかうっかり、こんな仕事についてしまったんですけど(笑)」脚本を手掛けるのは、ドラマ『妻』以来、5年ぶりに柴咲さんとタッグを組む遊川和彦さん。「私はこのドラマのお話をいただいた時も今も、これから望美がどうなっていって、どういう結末を迎えるのかを知らないんです。だから出演を決める時の判断材料としては、遊川さんの文字の力しかなかった。遊川さんは自分が思うことをストーリーに仕立てて表現することが本当に上手な方なので、今のこの鬱屈とした世の中だったり、自分の抱えているストレスのようなものだったりを、うまく物語にのせて表現されるんじゃないかなと思います」柴咲さん自身、毎回次の台本が届くのを楽しみにしているという。「遊川ワールドというのは、人が言われたくないような核心をズバッと突いてくる。だから思い当たることがある人にとっては痛いんですけど、でもそれがいいなって。なるべくお互いを傷つけないように生きるのって、結構疲れるじゃないですか。そういう時にプシュッとガス抜きをしてくれるような感じがするんです」25年間、眠りについていた望美と違い、世の中の時間は進み、家族は離散。その時、望美は自らの周りに起きた変化とどのように対峙し、乗り越えていくのか。そんな望美の成長が物語の大きな見どころの一つ。「心は10歳というハンデを背負いながら25年分を取り返すように生きていくからには、絶対に受け身ではいられない。能動的にいろんなものを吸収しないといけないし、普通の人だったら失敗を恐れて躊躇するようなことも、望美はその知識がないぶん、飛び込んで失敗するようなこともある。でもきっとそういう経験を経て、生きていることを実感していくのかなと思います。そんなふうに成長していく望美の姿は、きっと見ている人の励みになるはず。日常の中で何かしら葛藤を抱えていたり、社会での生きづらさを感じている人にこそ見ていただきたいです」『35歳の少女』不慮の事故で長い眠りについた望美(柴咲)。25年の時を経て目覚めた彼女に突きつけられたのは、年をとった体と受け入れがたい未来だった…。出演/柴咲コウ、坂口健太郎ほかNTV系にて10月10日22時放送開始。しばさき・こう1981年8月5日生まれ、東京都出身。女優、歌手。レトロワグラース代表。山田孝之さんが発起人の短編映画製作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS」で初の映画監督を務めることが決定した。ワンピース¥39,000(MES VACANCES/MES VACANCES カスタマー)ピアス¥419,000ブレスレット¥1,200,000(共にDAMIANI/ダミアーニ 銀座タワー TEL:03・5537・3336)※『anan』2020年10月14日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・柴田 圭(辻事務所)ヘア&メイク・河村夏海インタビュー、文・菅野綾子(by anan編集部)
2020年10月10日緑黄色社会のニューアルバム『SINGALONG』は、とても華やかでパワフルなJポップアルバムだ。アルバム全体を通して、歌と楽器のキャッチーな鮮やかさが響く。「自分たちの武器をちゃんと理解して、自覚的にやるべきことを表現できたアルバムだと思います。いろんな音楽をひとつのアルバムに詰め込むっていう」(穴見真吾・Ba&Cho)「各々がやりたいことを実現できた。『Mela!』で初めてブラスアレンジを入れられたり。しかも、この曲は全員が詞曲に関わってて、全員がクレジットされてるなんてなかなかない。4人それぞれやりたいことがたくさんあるんですけど、全然かぶってないんです。ハチの巣の一個一個を埋めていってるみたいな(笑)」(peppe・Key&Cho)メンバー4人それぞれが詞曲を手がけているにもかかわらず、どの曲も誰も置いていかないポップさを宿している。「活動当初は詞は(小林)壱誓が書いてて、全員が“人と違うことしてやろう”って気持ちが前に出てて。曲も詞も斜めにいきすぎてたんです。誰かがわかればいいと思ってたんですけど、それじゃ駄目だなって気付いて、曲の作り方を見直したんです。そこから私も歌詞を書くようになって、たくさんの人に届けることを意識するようになりました」(長屋晴子・Vo&Gt)「テレビで歌唱してる方たちをずっと見て育ってきたから、お茶の間に曲を届けられる存在になりたいっていうのが4人の共通項として根底にあるんです」(peppe)「長屋以外の3人は、長屋の歌に導かれてると思います。長屋の歌を初めて聴いた時から、“この歌で売れたい”って思ってた。だから、リョクシャカの強みは歌とチームワークだと思ってます」(穴見)歌の表現力も豊かになり、全員が曲作りに密に関わるというチームワークも活かされたのが、『SINGALONG』といえるのでは。「やっぱり歌が真ん中にあって、それを邪魔しないっていうのが僕ら楽器陣。歌の鳴ってないところで、楽器陣がどう歌うかっていう努力はしています」(小林・Gt&Cho)「僕の場合、長屋がボーカルじゃなかったらもうちょっとシンプルめの静かなベースを弾いてるかなって思っていて。結構歌を聴いて弾いてるので、めちゃくちゃ影響されてるんです」(穴見)「最初は演奏もみんなやりたい放題だったんですよ。とりあえずやりたいことを詰め込んで、引き算も足し算もわからないまま作ってた。でも、歌が大事だってなって、みんなの意識が変わりましたね」(長屋)ニューアルバム『SINGALONG』。映画『初恋ロスタイム』主題歌「想い人」など、全13曲収録。【初回生産限定盤・リョクシャカ詰め合わせBOX仕様(CD+BD)】¥4,091【通常盤(CD)】¥3,000【初回生産限定夏を生きた盤(2CD)】¥3,545(ソニー・ミュージックレーベルズ)りょくおうしょくしゃかい左から、peppe(Key&Cho)、穴見真吾(Ba&Cho)、長屋晴子(Vo&Gt)、小林壱誓(Gt&Cho)。2012年結成。’13年、「閃光ライオット」準優勝を皮切りに活動を本格化。’18年、ミニアルバム『溢れた水の行方』でメジャーデビュー。※『anan』2020年10月7日号より。写真・小笠原真紀取材、文・小松香里(by anan編集部)
2020年10月06日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「SNSからメジャーへ」です。このところCDデビューやリリースをせず、YouTubeやTikTokなどSNSでの発信から話題になるミュージシャンが増えています。それをひとくくりに「SNSから生まれた」と言うのはもはやナンセンスなくらい、当たり前のことになってきていると思います。10代、20代からしてみたら、この時代、自己表現したかったらそりゃ誰でもSNSで発信するやろ、と思うので、「SNSから生まれる」というのはもうごく普通のこと。それをことさら強調するのは、単純に「若者に人気がある」ということの言い換えでしかないと思います。確かに20~30年前と比べると、音楽の流行の仕方ってまったく違うのではないかと思います。従来、ミュージシャンはレコード会社がオーディションやライブ、ストリートなどでスカウトCDデビューTVやCM出演ヒットが順当な流れでしたが、今はSNSなどでのミュージシャンの発信が、直接リスナーに届いています。そこで多く反響のあったもの、話題になっているものをレコード会社があとから追って契約し、CDリリースしたりTVに出たりする。レコード会社とリスナーの順番が逆になっているんです。リスナーは、これまではTVで見たり、CDを買ったりという受け身でしかなかったけれど、今はSNSやサブスクで、自分でいいと思うものを能動的に探して、見て、聴ける時代。それがリツイートやコメントなど口コミで広がってムーブメントになっている。これは、レコード会社の在り方が問われることだと思います。だって、リスナーより耳の遅いレコード会社ってどういうことやねん、と思いますから。そして、それはレコード会社だけでなくミュージシャン自身にも言えることです。レコード会社におんぶに抱っこでは売れない時代。自分で考えて、発信をしていかないと置いていかれる。これは、前からこの連載でも言っていることですが念押しで、“今はミュージシャンが自分で自分の売り方を考える時代”になっているんです。…と、偉そうに言ってる僕ですが、僕自身は今のマネージャーの松下にライブハウスでスカウトされてレコード会社に入ったので、古い方のスタイルにギリギリいた世代。だけど、ゲーム配信やインスタライブなどSNS発信は、デビュー以降も僕が勝手に考えて自由にやらせてもらってます!おかざきたいいく『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」の新コンテンツ「THE FIRST TAKE FES」への出演が話題に!※『anan』2020年10月7日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年10月03日“女子キャンプ”という言葉の生みの親、イラストレーターのこいしゆうかさんが、ご自身の体験から導き出した、女性による女性のためのキャンプスタイルを提案!「女の子だけでキャンプをしてみたい!」と活動を開始し、ここ数年は、キャンプコーディネーターとしてTVや雑誌などで活躍する、こいしゆうかさん。「まずは、“キャンプ”に対するこれまでの古いイメージは思い切って捨ててほしい」と、アドバイス。「キャンプってどうしても汚い、重たい、つらいと思われがち。でも、最近のアウトドアブームでキャンプ場はめちゃくちゃ進化しているんです。温水洗浄便座のトイレがあったり、温泉付きだったり、道具のレンタルが充実しているなど、とても高規格で環境が整っています。また、ギアも女の子向けのアイテムが充実してデザインもかわいいし、軽量化されてコンパクト。今回紹介した私の基本のキャンプ9点セットは全部、一つのバックパックに収まります」本当の女子キャンプを味わいたいなら、体験の入り口で“お客さん”にならないでと、こいしさん。「キャンプ上級者に道具を全部用意してもらって、車にも乗せてもらって、テントも立ててもらって…とお膳立てされていたら、いつまでたっても招かれる側で自分で動けるようにならない。本当のキャンプの楽しみは、行く場所や、やりたいことを自分たちでゼロから百まで考えて実践すること。女性が“自立して”やるから面白いんです。自分ひとり分の荷物なら背負えるから、なんなら車がなくたってへっちゃら。電車やバスで行けるキャンプ場もたくさんあります」ソロキャングッズを揃えたら、さあ、まずはどこへ行く?「初心者向けのキャンプ場も多いです。まず、女子だけで行くのが不安なら、女性エリアが用意された長瀞オートキャンプ場がおすすめです。電車で行くなら鬼怒川温泉オートキャンプ場もいい。駅から歩いて行けますし、温泉地ですからキャンプ場が温泉付きなのも高ポイント。関東エリア以外だと青川峡キャンピングパークも推したい。こちらはキャンプ道具のレンタルが充実。熟練のスタッフさんが親切に教えてくれるので、ひとりでテントを立てるのが不安なら助けてもらったり、試したい道具について聞いたりもできます。秋は、虫も減りますし、焚き火をしても心地いい季節。キャンプを始めるには、今が絶好のシーズンなんですよ!」フィンランド製のケトル。かわいい道具で気分を盛り上げる!スパイスを小分けにして持参する。野外での料理も意外と楽しい!こいしゆうかさんイラストレーター&キャンプコーディネーター。共著の『私でもスパイスカレー作れました!』(サンクチュアリ出版)が、紀伊國屋書店の料理レシピ本大賞コミック賞に。※『anan』2020年9月30日号より。写真・小笠原真紀取材、文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年09月29日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「歌入れ」です。普段のレコーディングでは気に入った音が録れるまで何度もテイクを重ねます。とくに歌入れでは、僕はまあまあテイクを録るほうだと思います。歌がうまくないので、ピッチが外れていたとか、タイミングが合ってないなどテクニック的なところで納得するまで歌入れをします。歌入れをするときは、一気に歌うのではなく、まずAメロ、次にBメロと区切って入れていきます。細かく区切ったほうが、さらに丁寧に間違いなく歌うことができるからです。ひとつのラインにつき、だいたい10テイクずつくらいは録ってます。時にはこれが、15とか20くらいになるときも。そうなるとだんだん何が正解かわからなくなってきます。僕の場合は、周囲のスタッフをとても信頼しているので彼らのジャッジが頼り。チームみんなでいいテイクを選んでいます。こんないい環境で歌入れができるようになったのは、当然、メジャーデビューしてからです。インディーズ時代は実家でひとりで歌入れをしてました。実家で歌入れができるのは11時~14時の3時間だけ。パソコンで作業できるオケ作りはヘッドホンをしていれば深夜でもできますが、歌入れはできる時間が限られています。音を出すから夜中はできません。かといって日中も、余計な音がしない時間帯を選ばないといけない。11時ごろまでは洗濯物を干したり、掃除したりと家族の生活音が気になるし、それが落ち着いても14時を過ぎると小学生の下校が始まるのでその音に邪魔される。だから、だいたい11時から14時までがもっとも静かに音入れができる時間です。そこで急いでレコーディングするので、インディーズ時代はそんなに丁寧にテイクを重ねるなんてことはなかったと記憶しています。歌入れにもっともこだわったのは、最初のアルバム『BASIN TECHNO』ですね。こだわったというか、本格的なレコーディングが初めてだったので、慣れるまですごく時間がかかった記憶があります。このアルバムではMISIAさん、加藤ミリヤさん、AIさんなどを手がける与田春生さんとレコーディングをしたんです。ディーヴァ系を得意とする名プロデューサーの方です。歌もうまくない、田舎から出てきたようわからん兄ちゃんが歌う歌に根気よく付き合ってくれた。あらためて、歌姫要素ゼロの僕に奇跡のディレクションをしてくれたな、と思います。おかざきたいいく『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」の新コンテンツ「THE FIRST TAKE FES」への出演が話題に!※『anan』2020年9月23日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年09月20日結成20周年となるサンボマスター。大きな節目を迎えた印象があるが、山口隆さん(唄とギター)は「3日ぐらいしかやっていないような感覚です、あまりに楽しくて」と笑う。結成20周年を迎えてもフレッシュに突き進む、3人の今をパッケージした最新EP。「20年前のことを思い出すと、テクノロジーは進化しているじゃないですか。でも、バンドの変化はないですね(笑)。相変わらずです」(近藤洋一・ベースとコーラス)「でも、続けることに意味があった感じは、今しています」(木内泰史・ドラムスとコーラス)サンボマスターの揺るがなさは、9月9日にリリースされた『はじまっていく たかまっていく E.P.』にもメッセージとなって詰まっている。特に表題曲にある《呪いを解きにきた》というリフレインの力強さには、救われる人も多いだろう。「ずっと歌詞について聞かれてきたんですけど、最近思うことがありまして。“僕たちが衝撃を受けた音楽の国”にずっと暮らしているからなんじゃないかなって。ロックも、パンクも、ソウルも、ヒップホップも、ジャズも。だから、そこから変わらないんじゃないんですかね」(山口)幅広いジャンルに影響を受けている彼ら。「はじまっていく たかまっていく」では、様々な音楽に向けた愛情も、めくるめく展開の中から感じられる。メッセージは不変ながら、アレンジは広がりを増しているのだ。「いつも古いものから新しいものまでレコードを買っているのが、いいのかもしれないですね。まあ、努力でもなんでもなく、バンドを組む前からやっていることですけど。あとは近藤くんと木内くんが、社会と接点を持ってくれているのがいいんじゃないんですか?僕だけだったら、原液で濃すぎるので(笑)」(山口)「この曲、こうなったらめっちゃヤベーじゃんっていう、ワクワクを求めて作りましたね」(近藤)「型にこだわりもないし、サンボマスターだからこうしなきゃいけないっていうのもなくて、今こういうことがしたい、じゃあこういう形にしたら面白いんじゃないかっていうことを、迷わずにやりたいんですよね。自分たちにブレーキをかけてしまったら、面白くないから」(木内)フレッシュな音楽性を更新しながらも、バンドらしいぬくもりが損なわれないところも彼ららしさだ。今作に収録されている「忘れないで忘れないで」も、終盤にシンガロングが響き渡る流れがたまらない。「ロックバンドをやっていたら、スタジアムでシンガロングが起きる光景を思い浮かべるじゃないですか。ずっと、そういう曲が欲しいと思っていて、やっと形になりました。でも、今はお客さんが目の前にいないから、寂しいですよ」(木内)「作為的なことは言いたくないっていうのが正直あります」と語る山口さんの言葉が頷ける通り、まっさらな思いを届けてきた彼らにとって、ライブは特別なもの。今作収録のライブ音源からも、それは感じられる。「サンボマスターは、僕の想像した遥か上を行ってしまっているので。フジロックのGREEN STAGEや、横浜アリーナに立てるなんて、3人とも思っていませんでしたからね。現実に追い付いていないところはあります。売れよう!と思ったこともないから。だから、展望としては、これからも感謝です」(山口)CDには新曲2曲に加え、「日本列島ルーツの秘蔵音源」と題したライブ音源を収録。EP『はじまっていく たかまっていく E.P.』【完全盤(CD+DVD)】¥1,980【通常盤(CD)】¥1,200(Getting Better Records)左から、木内泰史(ドラムスとコーラス)、山口隆(唄とギター)、近藤洋一(ベースとコーラス)。2000年結成、’03年にメジャーデビューし、数々の名曲を生み出してきた。’21年1月9日に「ラブ フロム サンボマスターat横浜アリーナ」開催予定。※『anan』2020年9月23日号より。写真・小笠原真紀取材、文・高橋美穂(by anan編集部)
2020年09月18日日本酒「獺祭」を使用したパフェ「獺祭のエスプーマが薫る、シャインマスカットと和梨のパフェ」が東京・小笠原伯爵邸にて、2020年10月31日(土)までの期間、事前予約制で提供される。今回登場する「獺祭のエスプーマが薫る、シャインマスカットと和梨のパフェ」は、日本が世界に誇る日本酒「獺祭」と小笠原伯爵邸のコラボレーションによって誕生する限定パフェ。小笠原伯爵邸のペストリーシェフ・四方裕次郎が考案し、フルーティーな味わいの「獺祭」に、岡山県産シャインマスカット「晴王」と千葉県産和梨を併せた贅沢な一品だ。グラスの中には、フレッシュシャインマスカットと和梨、和梨のソルベ、和梨のパンナコッタ、「獺祭」のアイスクリームをセット。「獺祭」のアイスクリームには「獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分」、獺祭の酒粕、酒米・山田錦を使用した。また、食感のアクセントとして、酒米・山田錦の甘く炊いたリオレとチップをプラスしている。さらに、提供する直前に、ゲストの目の前で「獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分」を泡状に仕立てたエスプーマをトッピング。一口頬張ると瑞々しくフルーティーな獺祭ならではの香りが鼻を抜ける、大人のパフェに仕上がっている。【詳細】獺祭のエスプーマが薫る、シャインマスカットと和梨のパフェ ※事前予約制提供期間:2020年9月12日(土)~10月31日(土)提供時間:12:00~19:00提供場所:OGA BAR by 小笠原伯爵邸住所:東京都新宿区河田町10-10価格:1,650円+税【予約・問い合わせ先】OGA BAR by 小笠原伯爵邸TEL:03-3359-5830
2020年09月17日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「一発録り」です。「レコーディングで一発録りをした」なんていうコメントを雑誌のインタビュー記事などで見かけることがあると思います。みなさん、「一発録り」とは、どういうものを想像されますか?言葉の通り受け取るとバンド全員で一斉に演奏して、それ一発で決めることのように思いませんか?僕もずっとそうだと勘違いしていました。ライブのように一発で決めることを指すのだと。ディープ・パープルの名曲「SMOKE ON THE WATER」で有名なギターリフをリッチー・ブラックモアがミスピックしたけど、そのまま収録された音源があります。ああいうのを「一発録り」やなと思っていましたが、あれはライブ盤であり「一発録り」とは違うそうです。実際の「一発録り」とは、メンバー全員が同じ空間で同時に演奏していることは間違いないのですが、その演奏がたった一度きりとは限りません。僕がバンドをやっている友達に素朴な疑問として「この前、一発録りしたって雑誌で読んだけど、そんなにうまいこと演奏できるもんやねんな」と感想を述べたところ、「いや、確かに一斉に演奏はしてるけど、それを何回も録ってるんやで」と教えてもらったことで、そのことが判明しました。ファーストテイクで決めなくてはいけないわけではなく、何テイク録るかはうまくいくか次第なんです。だから、正確に言うと「一発録り」とは「一斉録り」または「一気録り」のことなんですね。ちなみに「一発録り」の対になるのが「バラ録り」です。これは、ひとつずつ楽器の演奏を録音していって、音を重ねていきます。「一発録り」のメリットとしては、一体感があるということでしょうか。バンドとしてのグルーヴを出したいなら、一斉に演奏したほうが、それが醸し出されるはずです。デメリットは、録音の難しさがあると思います。バンドの形態に合わせてマイクもたくさん立てないといけないですし、ギターとベースはめっちゃうまくいったけど、ドラムがイマイチだったから録り直ししないとあかんとか、全員の息が合ってないと難しい。バラ録りなら、それぞれのベストテイクを使えばいいわけですから、それぞれにいいところ、難しいところがあります。とはいえ、僕は常に一人きりなので、ある意味何やっても「一発録り」です。常に緊張感を持って、一人でレコーディングしております。おかざきたいいく『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」の新コンテンツ「THE FIRST TAKE FES」への出演が話題に!※『anan』2020年9月16日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年09月14日内気な青年ボブが、一目惚れした女性ドリーンをディナーに招待したところから始まる舞台『わたしの耳』。アパートの一室で起こる、男女3人の一夜のドラマだ。「ラストまで嘘なく役の感情や感覚を持って走り抜けたい」「イギリスの戯曲だけに最初読んだ時はピンとこない部分もありました。でも、人間の感情や距離感の取り方だったり、男同士の友情に女性が入った時の感じ、そこに渦巻く感情には普遍性がある。人間の深みを描いた濃密な三人芝居で、演劇好きとしてはぜひやらせていただきたいと思いました」そう話すのは、紅一点の出演となる趣里さん。ボブは、英国での演劇留学を終えたウエンツ瑛士さん、女性慣れしていないボブが助っ人として呼ぶ先輩のテッドを、かもめんたるの岩崎う大さんが演じる。「ウエンツさんはとてもチャーミングな方だし、う大さんはすごく面白い。そこに演出のマギーさんが加わって、普段の会話からとても楽しくて居心地のいい稽古場です。この戯曲は生の感覚が大事だと感じています。マギーさんも、毎回芝居が変わってもいいから、リアクションが嘘にならないようにとおっしゃるんですが、皆さんが作ってくださる空気感が、芝居に生きてくるのでありがたいです」なかでも、ボブとテッドという真逆の男性ふたりに挟まれ、くるくると感情を変化させてゆくドリーンの様子が見どころだ。「相手の芝居を受けていく側の役でもあります。おふたりから自然に受け取るものを意識しつつ、普通の20歳の女の子の、感情が行ったり来たりする危うさを表現できればと思っています。ただ、ドリーンは、ふたりに巻き込まれながらも自分の意見を通す強さもある人。そこも日々見つけていきたいです」普段は「ちょっと変わった女の子の役が多い」という。それは、役のどんなに突拍子もない発言や行動も、そこに至る空白部分を丁寧に埋めて演じる人だからだろう。「なんでこのセリフを言うんだろうっていうのは、できるだけないようにしたいとは思っています。作家さんが書いた理由が何かしらあるはずで、そこを自分の中ですり合わせてちゃんと理解したいんです。この作品では、最後に経験したことのない感情がドリーンの中に押し寄せてきます。そこに辿り着くために、最後まで嘘なく役の感情や感覚を持って走っていきたい。このラスト、観た方によって解釈も感想も全然違ってくると思います。さすが巨匠ピーター・シェーファーだなと思います」シス・カンパニー公演『わたしの耳』クラシック音楽を愛する内気なボブ(ウエンツ)は、演奏会で一目惚れしたドリーン(趣里)を自宅のディナーに招待することに成功。女性に不慣れな彼は、社交的なテッド(岩崎)に助けを求めるが…。9月9日(水)~18日(金)初台・新国立劇場 小劇場作/ピーター・シェーファー上演台本・演出/マギー出演/ウエンツ瑛士、趣里、岩崎う大(かもめんたる)S席6500円A席4500円(共に税込み)シス・カンパニー TEL:03・5423・5906 9 月22 日(火)からは、同じくピーター・シェーファー作の三人芝居『あなたの目』も上演。しゅり1990年9月21日生まれ。東京都出身。2018年の主演映画『生きてるだけで、愛。』で日本アカデミー賞新人俳優賞など数々の賞を受賞し注目を集める。近作にドラマ『私の家政夫ナギサさん』がある。トップス¥38,000スカート¥63,000シューズ¥56,000(以上TOGA PULLA/TOGA 原宿店 TEL:03・6419・8136)ピアス¥24,000(siki/siki TEL:03・6885・7489)※『anan』2020年9月16日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・岡村春輝ヘア&メイク・内田香織インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年09月11日出演の話を聞いてすぐに「やりたい!」と返事をしたという池田エライザさん。物語の核でもある“絶対に譲れない自分の好きな世界観”に惹かれたという。真夜中ドラマ『名建築で昼食を』は、流行りのサウナやキャンプに続く趣味系ドラマで、美味しいランチがいただける日本屈指の名建築めぐりがテーマ。池田さんが演じるのは、カフェ開業を夢見るOLの春野藤(ふじ)だ。「今まで私が演じてきた中でもめずらしく、人間性や女性像が明確にされていなかった役なんですが、藤は休みの日にカメラを手に趣味の写真を撮り歩き、気に入った写真を手間をかけてプリントして、可愛い額縁に入れてニコニコして満足するタイプ。それにより自信を持ったり何かビジョンを定めるというよりは“好きなものは好き”をただ貫いている女性です」そんな藤がある日、SNSでフォローしている建築模型士の植草千明(田口トモロヲ)と名建築でランチをすることに。それをきっかけに、藤と千明は名建築を次々と訪れてはランチを共にし、お互いの世界観を高め合っていく。名バイプレイヤーの田口さんを「おじさん」と呼ぶのは申し訳ないが、おじさん×OLの新鮮なコンビにも注目したい。「実は私はよく“おじさん”とコンビを組みがちで(笑)。でもトモロヲさんはすごくおしゃれで、いつもフラットに接してくださるからすごく居心地がいいんです。話すことがなくても、ただぼーっと一緒にいてくださるし、そうかと思えば目の前の建築についての意見を言い合ったりと、平和に時が流れている現場です。ドラマは半分ぐらいドキュメンタリー仕立てになっていて、アドリブも多い。窓枠はどんな素材なのか、あの石にどんな意味があるのかなど、直接、建物の館長さんに聞けることもあるから、カメラを忘れている瞬間が、私にも、おそらくトモロヲさんにもあるんじゃないでしょうか。撮影でいろんな場所を訪れるたびに、名建築まじでヤバいし楽しい!(笑)と実感しています。この国際文化会館の存在も全然知らなかったし、いまレストランで食べたカルパッチョもめっちゃ美味しかった!これを知らないのはもったいないので、アンアン読者のみなさんにもぜひ知っていただきたいです」そんな池田さんがプライベートでハマっているのは、家具なんだそう。「いつもかなり熟考して買っているんですが、気がつけば家に椅子が14脚も…。でも、好きなものは好きなんですよね(笑)」『名建築で昼食を』毎週土曜24時~BSテレ東にて放送中。原案・監修/甲斐みのり出演/池田エライザ、田口トモロヲほか今後は「東京都庭園美術館」や「ビヤホールライオン銀座七丁目店」「山の上ホテル」などが登場!©「名建築で昼食を」製作委員会文筆家の甲斐みのりさんによる、歴史的建築とそこで食べられる名物を紹介する『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』を原案にドラマ化!エクスナレッジ1400円©甲斐みのり/エクスナレッジいけだ・えらいざ1996年4月16日生まれ、福岡県出身。女優、モデルとして活躍。昨年は映画監督デビューも果たした。放送中のドラマ『きょうの猫村さん』(テレ東系)に出演、ドラマ『FOLLOWERS』(Netflix)が配信中。ブラウス¥18,000スカート¥36,000(共にpolka dot soielle TEL:045・242・0085)ロングピアス¥28,000(HASUNA/HASUNA表参道本店 TEL:03・3409・1847)※『anan』2020年9月9日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・宮本茉莉ヘア&メイク・大江一代インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2020年09月07日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「旅の準備」です。なかなか自由に旅行もできないいま。だからこそ、行ってみたい場所のことをよく考えています。ヤバT(ヤバイTシャツ屋さん)と一緒にやっているNHKのレギュラー番組『よなよなラボ』で、自分にフィットする国を探すという企画をやりました。そのとき、僕の希望にもっとも適している国はフィンランドだという結果が出た。それ以来、フィンランドに行ってみたいと思い、いろいろ調べたり学んだりしています。まず、手始めにフィンランド語のドリルを購入しました。さらに、フィンランド語が学べるアプリにも1450円も課金し、本気で勉強しています。フィンランド語って、世界の中で難しい言語トップ5に入るらしいです。ただ、基本的にローマ字読みで発音できるので、日本人には比較的呑み込みやすい言語かもしれません。とはいえ、おはようが「Hyvaa(※aのウムラウト) huomenta!(ヒュヴァーフオメンタ)」と何一つ馴染みのない言葉なので、呪文を覚えるように、ひとつひとつ丸暗記しながら覚えています。何年後かに岡崎体育がフィンランド語ペラペラになったら面白くないですか?日本から意外と近いところもいいなと思っています。ヨーロッパの中では近いほうで、直行便なら10時間前後で到着します。飛行機が苦手な僕もギリギリ耐えられるライン。がんばって耐えたいと思います。じゃあ、実際に行けることになったら何をしたいかというと、地平線を見たり、自然に触れたりしてのんびりしたいです。何もないシンプルな国というところに惹かれているので、情報過多な日本から離れ、気疲れの多い日常を癒したい。季節は夏がいいと聞くので7月とかに行ってみたいですが、僕の「死ぬまでにやりたい100のリスト」に「オーロラを見る」という項目があるので、冬に行ってオーロラを見たいなとも思います。音楽的にも、訪れたことで何か刺激を受けたいですよね。雄大な自然の景色とか、その地で出会った人々や街の様子から、何かインスピレーションを得られたら最高。これまでと違う感性で曲を書くことができそうです。以前、僕はモンゴルに行きましたけど、モンゴルでは大自然の中に浸りすぎてしまって、気づけばひとフレーズも出てこなかった。もったいないことをしたので、フィンランドでは感性を研ぎ澄ませ、何節かは思いつきたいところです。おかざきたいいくスマホに振り切った演出が話題のヤバTとの番組『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。※『anan』2020年9月9日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年09月04日新聞や雑誌、SNS…。文字メディアでも、膨大な数の媒体から発信される、大量のニュースや情報。時代が大きく変わる中で、その情報との付き合い方を間違えると、知らぬ間に思考が凝り固まったり偏ってしまう危険が!そこで、新聞12紙を読み比べるプチ鹿島さんに、ニュースとの向き合い方、読み取り方を伺いました。時事問題をネタにする芸人のプチ鹿島さんは、まずは“野次馬精神や単純な好奇心”でニュースを読んでみてとアドバイス。「権威があるように思える全国紙も『今日の朝日(新聞)師匠はどんなお小言を話してるのかな』くらいの気軽さで読んでOK。話題の本『女帝 小池百合子』から入るのもアリ!政治ネタって、政治家たちの関係性をドラマの相関図的に眺めると、すごく面白い」ただ、真偽不明の情報が多様なメディアから膨大に流れているこの時代。意識すべきこともある。「“もしかしたら、その情報も自分も間違っているかもしれない”というのが大前提。その上で情報に触れることが、思考が偏りすぎたり、誤情報を発信したりするのを防ぐ、大切な防波堤になります」ニュースの読み方“自分に直結する問題”としてニュースを捉えてみる。政治ニュースは難しくて敬遠しがちでも、コロナ関連のニュースは追いかけるという人も多いはず。「コロナのニュースは、自分自身に直接関係する問題として、ほとんどの人が関心を持っていますよね。一方で、森友・加計問題はよくわからないという人も多いのでは。でも、公文書・議事録の改竄や破棄という点で、2つのニュースは繋がっています。森友・加計問題の時にクリアにしておかなかったから、今、同じことが繰り返され、コロナの専門家会議の議事録がないという事態に…。一見自分と無関係そうでも、政治家って実は明日の自分に直接影響する。ニュースはテレビやネットの向こう側ではなく、僕らの生活の中にこそあるんです。そう考えると、興味が湧くでしょ?」まずは、新聞を“見”よう。新聞に比べて、速報性で勝るネットニュースやSNS。「僕もネットやSNSも活用しています。ただ、情報は、必ずしも早く知る必要はないと思うんです。SNSには“最初に発信した人がエラい”という空気があって、競うように発信された情報がデマということもありますし、ネットからは際限なく情報が入ってきて、処理しきれません。一方で、裏付けがちゃんと取れたニュースを詰め込んでくれているのが、新聞の朝刊。一面トップでは何が報じられているのか、どのニュースにどのくらいのスペースが割かれているのか、紙面を見ればニュースバリューが一目瞭然!最近なら大阪の吉村知事が会見で発表したうがい薬の件。SNSでは話題でしたが翌日の新聞ではかなり小さな扱いでした。つまり慎重な対処が必要なことが“読めます”。なので僕は、デジタル版の新聞でも紙面ビューアーを必ず見るようにしています」POINT1:新聞にも個性がある。ざっくりと各紙の論調の違いを知っておくと、ぐっと新聞が読みやすくなる。「保守系の読売・産経、リベラルの朝日・毎日・東京。どちらを選ぶかは好みですが、考えが偏らないように、好みと反対の新聞も読むのが理想!」POINT2:文化面、家庭欄を味わう。新聞は政治や社会面だけにあらず。「文化や家庭欄などにも各紙の特色があります。一面コラムも社説より柔らかくて読みやすい。そうした堅苦しくないコーナーを起点に、新聞を読む習慣を身に付けていくのもいいですね」「安倍政権を野球のプレーヤーにたとえると、読売・産経はホームチームの一塁側から報じている。朝日・毎日・東京はビジターチームが入る三塁側。日経は、ちょうど真ん中のスコアボード裏というイメージ」ゴシップやSNSでの噂話は鵜呑みにしない。有名人の不倫など、つい追いかけてしまいたくなるゴシップ記事との付き合い方は?「僕も、プロの野次馬を自任するほど、大のゴシップ好き。堅いニュースでも、下世話な目線から見えてくることもあります。ただ、噂を噂として仲間内で楽しむ分には問題ないですが、面白おかしく書かれた憶測記事も多い中、すべてを鵜呑みにするのは危なっかしいですよ。特に、SNSで裏取りされてるか定かでない情報を安易に発信・RTするのはやめるべき。僕は、ゴシップ記事はいったん心の中にスクラップします。ただ、10あるゴシップのうち、1つは本当だったりするもの。その1つがどれなのか、時間を経てわかるまで、発信するのは待って」プチ鹿島さん芸人。時事ネタを得意とする。『サンデーステーション』(テレビ朝日系)などにレギュラー出演中。「文春オンライン」など連載多数。著書に『芸人式新聞の読み方』(幻冬舎)。※『anan』2020年9月2日号より。写真・小笠原真紀イラスト・ネコポンギポンギ取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2020年08月31日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「天気」です。雨が苦手です。低気圧で頭も痛くなるし、肩も凝るので制作にも影響が出ます。ずっと家の中で作業をする日々なので、疲れた時、晴れていれば気分転換に散歩がてら近くのコンビニまで飲み物を買いに行くこともできますが、雨だとそれもできません。太陽の光を浴びる、外の匂いをかぐだけでリフレッシュできますが、雨だとなんかずっと家で、じとじとじめじめしてしまいます。でも、それがいいというミュージシャンの方もいると思います。雨のほうが、しっとりとして情緒ある曲が書けるとか、集中できるとか…。天気や気温、気候は確実に音楽制作に影響しますよね。音楽制作は、室内にこもる作業とはいえ、やっぱり夏の暑い日と冬の寒い日では作る曲に差が出ると思います。これが、ライブとなるともっと明確に雨がイヤです。今でこそ、レコード会社に車移動させていただいていますが、インディーズ時代やデビュー当初は、基本電車移動でした。僕は、機材をキャリーケースで持ち運んでいます。雨だと駅からライブハウスまで歩いて行かないといけない。機材を濡らすわけにはいきませんから、自分は雨ざらしでびちゃびちゃになりながら、傘で機材を守って歩くのは、本当にストレスが溜まる。会場に着くころには気分は最悪になっています。雨のライブは憂鬱です。デビューから1年間くらい、なぜかライブを開催すると雨になることが多かったんです。ライブ当日が75%くらいの確率で雨。その頃はちょっとしんどかったですね。だから、もし僕がフェスを主催するとしたら、絶対に屋内フェスにします。雨だと本当にテンションがだだ下がりになるので、主催者としてみなさんをお迎えする気分にはとてもなれない。それは避けないといけないので、やるとしたらきっと屋内フェスでしょう。とはいえ、僕は「雨女」とか「晴れ男」みたいな考え方は採用していません。どんな天気に恵まれるかは、これ、単純な運ですから。ときどき「俺が行ったら、晴れるから大丈夫」的なことを自信満々に言う方がいますが、お前どの目線で話しとんねん、と正直思います。気軽に、天気を操ってる側に立つなよ、と。僕は、さきほど話した雨が多かったデビュー1年目以降は、ライブは好天に恵まれがち。でも、それを自分が「晴れ男」だからとは申しません。晴れの日がたまたま多いだけです。おかざきたいいくスマホに振り切った演出が話題のヤバTとの番組『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。※『anan』2020年9月2日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年08月31日情報を得るための“ニュースの読み方”とは?新聞12紙を読み比べるという、プチ鹿島さんにお聞きしました!ツイッターなどのSNSは、反対の意見を見に行こう。自分にとって心地のいい、意見が似た人ばかりフォローしがちなSNS。するとアルゴリズムによって、TLに並ぶニュースやそれに対する考えも偏ってしまう…。「メディアの特性上、SNSは偏りが強まる可能性が高い。だからこそ僕は、あえて自分と違う意見を聞くのも大切だと思います。どうも今のSNSは、意見を同じくする人だけで集まってシャッターを下ろし、異なる意見を遮断した状態で盛り上がっているように見えます。そこは“自分以外、みんなバカ”といった上から目線の姿勢の方も。むしろ自分以外は、みんな利口ぐらいの態度でいいと思う。SNSには特に“間違っているかもしれない”と自分を疑う用心深さが必要。“自分以外は、みな利口”と目を配りながら使いたいものです」過去からも情報を取ろう。現在進行形のニュースに目が奪われがちだが、過去に遡ることで理解を深めることもできるそう。「たとえば’15年にジャーナリストがシリアで拘束された時、SNSで『自己責任だ』と猛批判されましたよね。その時僕は“自己責任”という言葉を使い始めた政治家が気になったんです。’04年に小泉(純一郎)さんが、イラクで日本人3人が拘束された時に言った記憶があり、その年の新聞を全部調べたら、最初は小池百合子さんだった。彼女は、世の中の空気をいち早く察して発言する能力に長けていて、今のコロナ対策でもそう。過去の点と繋がるんです。今日の政治家の言葉を1週間後に見返すだけでも、発言のズレだとか、きっと新しい発見がありますよ」ネタ元を複数持つ。「人は公正中立ではいられない」とプチ鹿島さん。「ゆえに、人が発信する情報にもさまざまなバイアスがかかっていると思っていたほうがいい。僕の基本姿勢は、どんな情報に対しても“半信半疑”。それでも、信じる方向に傾いたり、疑いのほうが強まったりするのが人間です。だからこそ、複数の情報源から多角的に判断しないと、フェイクニュースに騙されてしまう。昔、学校のクラスで『あの二人は付き合っている』と噂が流れると僕は、『ウソかもしれない』と疑いながら、隣のクラスまで足を運んで情報を集めてました(笑)。情報は、話を聞く人数、つまりネタ元が多いほど精度が高まり、デマを流して恥をかく可能性も減るんです」自分なりの疑問を持って読んでいく。「深掘りすると、面白みが増していく」というニュース。「受け身でニュースを読むのはもったいない!Go Toキャンペーンなら『誰がなぜ言いだしたのか?』など、自分なりに感じた疑問に対して調べてみる。このひと手間を加えるだけで、推進派の政治家の思惑が見えてきて面白くなるし、本質も見えてきます。ただ、深掘りして辿り着いたことでも、それは“真実”ではありません。相撲の取組が、東と西の席とでは真逆の見え方をするように、すべての物事は見る角度によって、まるで異なります。唯一無二の“真実”に見えることも、実は“真実らしきもの”にすぎません。ニュースも少数派の視点や逆側からも見ることが非常に重要です」プチ鹿島さん芸人。時事ネタを得意とする。『サンデーステーション』(テレビ朝日系)などにレギュラー出演中。「文春オンライン」など連載多数。著書に『芸人式新聞の読み方』(幻冬舎)。※『anan』2020年9月2日号より。写真・小笠原真紀取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2020年08月28日同級生からの嫌がらせが原因で家に引きこもってしまった主人公・安西こころが、部屋の鏡の向こうの世界に引き込まれる。そこには、似た境遇の6人が集められていて――。2018年に本屋大賞を受賞した辻村深月さんの同名小説が生駒里奈さん主演で舞台化される。本屋大賞を受賞した辻村深月さんの人気小説が舞台化。「自分が安西こころを演じることが決まってから原作を読んだんです。私も小中学校時代にいい思い出があまりなかったので、こころが学校で経験するトラブルだったりモヤモヤした気持ちがダイレクトにきてしまって…。だからこそ、より自分がきちんとこの物語を届けなければという気持ちになりました」(生駒里奈さん)ただ、当初は「こころの視点だけで読んでいた」のが、稽古が進むうちに違う視点も見えてきたそう。「いじわるをしていた側である真田美織のことも描かれているんですが、稽古してみて、彼女は彼女なりに苦しんでいたのかもしれないと思ったんです。こころ側の苦しみや許せない気持ちしか知らなかったけれど、もしかしたら相手はこんなふうに思って人に当たっていたのかなって、少し理解できた気がします」観るお客さんに楽しんでもらえる舞台を目指す演出家の成井豊さんとのお仕事は、「演劇の授業を受けているよう」だと話す。「リアルに役の気持ちに入り込むことより、この作品の中で役としてどう立っているべきかを求められているというんでしょうか。こころが主人公ではあるけれど、登場するみんなの物語でもあるし、こころの気持ちを周りが代弁してくれる場面もあって、そこに心が動かされたり。それがすごく演劇的な感じがして、すごく面白いんです」鏡の中に入っていくファンタジーな世界観が舞台でどう表現されるのかも気になるところ。「小説で読んでいるよりも、ちょっとポップな感じになっている場面があったり、狼とか子ヤギとかはかわいいし。ドールハウスでお人形が動いているのを見ているような感覚になったりするんじゃないかな、と思います。私が踊る場面もあるとか…。ガッツリ踊るのは下手したら1年ぶりくらいになるので、それも楽しみですね」乃木坂46を卒業して約2年。「アイドルって、自分のリアルを出していくのがお仕事だと思うんです。お芝居はリアルな私とは違うんですけれど、役に一生懸命向かっていくことでリアルが生まれる瞬間がある。とくに舞台は、その場でお客さんからもらって出せるパワーがあって、そこが好きなんですよね。ただ、いまの時代、エンターテインメントを届けたい気持ちだけで向かっていってはいけないとも思っています。本当はもっといろんなことに挑戦したいし、この先の自分のためにもいまが大事な時期だっていう気持ちもあるので、だからこそ、いま舞台に立てる機会をいただいた責任をしっかり考えていきたいと思っています」家に引きこもる日々を送っていた安西こころ(生駒)。ある日、部屋の鏡がまばゆい光を発し、こころはそこに引き込まれてしまう。8 月28 日(金)~9月6日(日)池袋・サンシャイン劇場原作/辻村深月脚本・演出/成井豊出演/生駒里奈、溝口琢矢、野田裕貴、木津つばさ、前田航基ほかS 席9000 円(税込み)ほか9月1日にディレイ配信、9月6日に生配信あり。大阪、愛知公演も。いこま・りな1995年12月29日生まれ、秋田県出身。2012年に乃木坂46としてデビュー。数々の楽曲でセンターを務め、‘18年の卒業後は女優として活躍中。出演映画『光を追いかけて』は来年公開予定。シャツ¥30,000サロペット¥54,000(共にLIMI feu/リミ フゥ TEL:03・5463・1500)ブーツ¥28,500(DIANA/ダイアナ 銀座本店 TEL:03・3573・4005)ピアス¥18,000リング¥16,000(共にe.m./e.m.表参道店 TEL:03・5785・0760)※『anan』2020年9月2日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・津野真吾(impiger)ヘア&メイク・スズキユウジインタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年08月26日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「バースデーソング」です。先月、7月3日に誕生日を迎え、31歳になりました。そのときに、みんなが歌えるような僕なりのバースデーソングを作ってみたいとふと思ったんです。誕生日の歌ってやっぱ「ハッピ バースデー トゥー ユー」と歌う「Happy Birthday to You」が定番ですよね。最近、僕がハマっているBTSの動画を見ていたら韓国語版の「Happy Birthday to You」を歌っているシーンが出てきた。韓国では「センイル チュッカ ハムニダ~」と、韓国語で歌うんです。日本は英語のまま歌うから、その違いが面白いなと思いました。日本語でも「たんじょうび~ おめでと~」と、言葉数からいくとハマりそうなものですが、英語バージョンが一般的ですね。あと、リズムの取り方が違うんです。日本だと3拍子のリズムだけど2拍で刻むから、「こそばゆ!」ってなります。バースデーソングを歌うタイミングはやはりケーキを運んでいるときとか、ロウソクを吹き消す前でしょうか。だからあまり長すぎずにコンパクトに歌える曲がいいですよね。コロナの影響で、手を洗いながら「Happy Birthday to You」を2回歌うとちょうどいいと言います。だいたい30秒くらいだそうです。バースデーソングで有名な曲というとスティーヴィー・ワンダーの「Happy Birthday」もありますが、この曲はサビにたどり着くまで1分半くらいある。TV番組など編集してうまく使えるときはいいですが、サブスクで流すとかカラオケで歌うときは、“ハッピー バースデー”ってワードにたどり着くまで少しだけ時間がかかるので要注意です。個人的な誕生日の思い出はそんなに派手なものはないですね。家族からプレゼントもらって、夕ごはんがいつもより豪華になる。最近では、マネージャーとディレクター、そして僕の“岡崎体育チーム”の3人で誕生日にプレゼントを贈り合っています。僕はソロなので、バンドやグループ内でメンバー同士でプレゼントを贈り合うみたいなやつができない。なので、事務所やレコード会社の人に付き合ってもらっています。毎年、プレゼントには“しばり”を設けます。足元のモノとか、電池で動くとか。今年は色しばりです。僕はオレンジ、マネージャーは蛍光色、ディレクターはグリーン。さらにファッションアイテムは禁止という厳しいルールも上乗せしたので、モノ選びが難しくて全員で苦労しました。おかざきたいいくスマホに振り切った演出が話題のヤバTとの番組『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。※『anan』2020年8月26日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年08月24日独創性あふれるネタと確かな演技力で、“コント職人”として評価の高いシソンヌのじろうさんと長谷川忍さん。最近ではテレビでの活躍も増え、人気上昇中。時代に媚びず、自分たちの笑いを追求し続ける、シソンヌの世界に今、注目です。――4月からレギュラー化された番組『有吉の壁』では、大活躍ですね。子どもや女性の新しいファンも増えたんじゃないですか?長谷川:番組がレギュラー化した頃に、ステイホーム期間に入っちゃったんで、人気の実感があまりないんです。――『有吉の壁』はお笑い好きが集まって懸命にやっている感じが楽しいですよね。長谷川:やっている僕らとしては、楽しい半分、ツラい半分(笑)。ウケなかったらどうしようという不安はあります。そこは過酷なんで。じろう:『壁』は芸人として、がっつりお笑いに取り組める番組なので、僕はストレスないですね。長谷川:僕の場合は、ネタが終わった後に、有吉弘行さんとフリートークのやりとりがあるんで、その緊張もあるんです。最初の頃、いい感じで話をふっていただいたのに、うまく返せなかったことがあって。それから、反省ノートつけるようになったんですよ。チャンスもらえてるうちに結果を出さないとっていう思いはあります。――でも少年とゴリラに扮した「こうへいくんとゴンちゃん」など、有吉さんも、「声出てるなぁ」とか言って、喜んでますよね。じろう:あれは、僕が昔から「ちっちゃいお友達」というフレーズとイメージが気に入っていて、それが発展しただけなんですけどね。長谷川:少年役の相方の声がウケたんで、さらにデカくなってるところがあります。僕の声がこもってるから、バランスがいいのかもしれないですね(笑)。――ドラマに俳優として出演されることも増えましたよね。じろう:出演しながら、いまだにドラマに関してはよくわかってない(笑)。僕はふだんから笑いにつながらないことはやらないので、普通の役をもらった場合、不安に思っちゃうんです。――ドラマ『今日から俺は!!』は笑いもある作品で楽しかったんじゃないですか?じろう:あれは、福田雄一監督から“おふざけ要員”として呼ばれたんで、自由にできましたね。ボケがワンパターンにならないようにだけは気をつけてましたけど。長谷川:僕はつい相方にばっかりツッコんじゃうので。他の若い俳優さんたちにも、まんべんなくツッコむことを心がけてました。27歳の時にコンビ結成、若手の波に乗れなかった。――コンビを組まれたきっかけを教えてください。じろう:吉本の養成所NSCで出会ったんです。長谷川:僕はそれまでちょっとだけお笑いをやってはいたんですけど、26歳の時に、ここでダメなら田舎に帰ろうぐらいの気持ちで養成所に入所したんです。じろう:僕はコント劇団にしばらくいた後、養成所に入って。ふたりとも27歳というのもあって、意気投合しました。まわりはもっと若い人が多かったから。長谷川:しばらくは別でコンビを組んでたんですけど。じろう:僕は声をかけられると断れない性格で、何回かコンビを組んでは解散してたんですよ。長谷川:じろうは、僕には考えられないようなネタの発想ができる人だと思ったので、声をかけて2006年にコンビを組んだんです。――ふたりで「イケる!」と思ったのは、どのぐらいからですか?長谷川:最初のネタ見せ会の時には、もう手ごたえがありました。このままイケるかなぁって僕は思ったけど、甘かった。養成所を出てからは、劇場のオーディションに全然受からなかったんです。じろう:ウケてはいたんですけど、若手中心の劇場に出るメンバーになかなか入れなくて。「その年じゃあね」と言われて年齢を理由にハズされた時は、特にムカつきました。それを言ったスタッフの顔はいまだに覚えてます(笑)。長谷川:ネタをじっくりやれる場があったら絶対面白いのにと思いながら、イライラしてた時期が5~6年ありましたね。僕は相方が「辞めよう」と言ってきたら、芸人の道を諦めようとすら思ってました。自分で言いだす勇気がなかっただけで。じろう:僕ら単独ライブをやらせてもらったのも、遅かったんです。30歳過ぎてからだったかな。長谷川:しかも初めての単独ライブは、2組合同で、おためし単独みたいな形でやっとできた状態でした。でもライブをやったら、他の芸人さん目当てで来たお客さんも笑ってくれて。お客さんは嗅覚がいいんですよね。それから、僕らだけで単独ライブもできるようになったんです。――2014年の『キングオブコント』優勝は大きかったですね。じろう:あれは一生の財産です。僕らテレビでウケるタイプではないと思ってたけど、コントのチャンピオンにはなりたかったので。――決勝ファーストステージではトップバッターで登場して勝ち進み、最終ステージでは大トリ出番で優勝というのも、劇的でした。長谷川:優勝できたのは、相方のくじ運のおかげでもありますね。じろう:僕はふだんパチンコで鍛えてるんで、出番のくじでいいところを当てるなんて、安いもんですよ(笑)。――優勝で状況は変わりました?長谷川:それほどテレビには呼ばれなかったんです。フリートークが下手ってバレてたのかなぁ?じろう:コント中心の芸人って本性がわからないから、扱いづらいってイメージがあるんじゃないですか。ネタ番組に呼ばれるぐらいでしたね。長谷川:たまにトーク番組に呼ばれても、はりきってボケて、シーンとされるとか(笑)、苦戦してました。ライブのお客さんは増えたので、よかったですけど。シソンヌ2006年結成のお笑いコンビ。’14年『キングオブコント』優勝。『有吉の壁』(日本テレビ系)などで活躍中。ボケとネタづくり担当のじろう(一枚目写真・左)は1978年生まれ、青森県出身。映画やドラマ脚本を書くこともあり。ツッコミ担当の長谷川忍(右)は1978年生まれ、静岡県出身。185cmの長身で、共演者からよくイジられる愛されキャラ。長谷川さんはファッションに関心が高く、特に眼鏡にはこだわりがある。じろうさんはボーダーが定番。ちなみに取材の日は麻雀牌の絵柄の靴下を着用でした。そんなふたりが単独ライブで披露したコントをYouTubeで公開中。シソンヌにしかできないロングコントが、じっくり楽しめます。※『anan』2020年8月26日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・伊藤愛子(by anan編集部)
2020年08月23日