コント職人として圧倒的なクオリティを誇り、同業者からも愛されるお笑いコンビ、シソンヌ。ネタでは役に憑依するおふたり――長谷川忍さんとじろうさんの、いまだ多くの謎に包まれた、気になる素顔を覗きます。ライブの力を信じて、全国でコントを生披露。――コントのキャラの演じ方があまりに見事なので、プライベートがあまり見えないおふたりですが。結婚されているんですか?長谷川:僕は結婚して3年。嫁さんと猫2匹と暮らしています。じろう:僕は「結婚したい」とずっと思ってますけど、チャンスがなくて。5年ぐらい前に当時の彼女に出ていかれてから、以来おつきあいした人すらいないんです。長谷川:最近相方は、「外国人の方がいい」とか言いだしてます。じろう:言葉や国境の壁を乗り越える気がないと、真摯に向き合えない気がして、国際結婚がしたいって言ってるんですけどね。だから、東京五輪では出会いがあるんじゃないかと期待してたのに(笑)。長谷川:相方は芸人として100点だけど、ギャンブル好きでもあるし、人間としては0点だから、結婚は難しいかな。でも、こんな生活してるから、面白いネタを考えられるわけですし。普通の人生を棒に振っても、お笑いにかけ続けてもらいたいです(笑)。――2018年、’19年は47都道府県すべてで単独ライブを行うツアーを成功させ、本当にお笑いにかける人生ですね。今年はコロナ禍でツアーが始まってすぐ中止となってしまって残念でしたけど。長谷川:お笑いの単独ライブでそんなツアーは誰もやってないんで、千原ジュニアさんに「頭おかしいんか?」って言われました(笑)。褒め言葉として受け取っています。――単独ライブの前はどういう準備をされるんですか?じろう:1週間ぐらい休みをもらって僕がネタを書いて、それから3週間ほど稽古して練り上げます。――新しいネタを一から考える単独ライブはしんどくないですか?じろう:本番が始まるまでは本当にしんどいですよ。長谷川:狂いそうになってます。――行き詰まった時はどう解消するんですか?じろう:僕はもっぱらパチンコ。今までパチンコでいくらお金を捨てたかわからない(笑)。――苦しい思いをしても単独ライブを続けるのは、なぜですか?じろう:終わった時の達成感がたまらないんですよね。もちろんライブでコントをするのが好きだっていうのもありますし。ライブの力を信じてるというか、目の前のお客さんに笑ってもらうことができれば、次も来てくれるだろうし、ずっとお笑いの仕事をやっていけるじゃないですか。テレビの仕事は一時的に面白いというので呼んでもらえても、いつまで続けられるかわからないから。――そんなおふたりの「我が道を行く」姿勢がカッコいいと、憧れる芸人さんも多いですよね。じろう:僕らにはできないことも多くて、コントに特化していくことしかできないけど、そこを貫けば、自分たちの世界が確立できるんじゃないかと思うんですよね。長谷川:テレビで僕らの笑いに興味を持ってもらえたのなら、ぜひライブに来ていただきたいですね。じろう:ライブはテレビとは雰囲気が違うので、お客さんが吐いて帰っちゃうかもしれないけど(笑)。生で見て「お笑いっていいよなぁ」とぜひ感じてもらいたいです。シソンヌ2006年結成のお笑いコンビ。’14年『キングオブコント』優勝。『有吉の壁』(日本テレビ系)などで活躍中。ボケとネタづくり担当のじろう(左)は1978年生まれ、青森県出身。映画やドラマ脚本を書くこともあり。ツッコミ担当の長谷川忍(右)は1978年生まれ、静岡県出身。185cmの長身で、共演者からよくイジられる愛されキャラ。長谷川さんはファッションに関心が高く、特に眼鏡にはこだわりがある。じろうさんはボーダーが定番。ちなみに取材の日は麻雀牌の絵柄の靴下を着用でした。そんなふたりが単独ライブで披露したコントをYouTubeで公開中。シソンヌにしかできないロングコントが、じっくり楽しめます。※『anan』2020年8月26日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・伊藤愛子(by anan編集部)
2020年08月20日安藤裕子さんの10thアルバム『Barometz』は、アートとポップのバランスが心地いい仕上がりだ。とはいえ、前作からは4年半が経っている。短くはない時間の中には、実は彼女の再生への道のりがあった。「4年半前にavexを離れたんですけど、一番の理由が曲ができなかったからなんです。自分が枯渇してしまったイメージがあって。何をしたらいいのかわからない時間を過ごす中、2018年に『ITALAN』というミニアルバムを、自主制作盤として作ったんです。その時に一緒に作業をしてくれたのが(今作にもサウンドプロデューサーとして参加している)Shigekuniくんとトオミヨウくん。自宅でコップを鳴らしたり、クーピーの蓋をガチャガチャして、その音をふたりが整えたり、音を足す作業をしてくれて。彼らと爆笑しながら作業することで、音楽って楽しいんだって思い出したんですね。そこで彼らと2018年の秋から曲を作り始めて、ライブも一緒にやるようになって。そこで(今作収録の)『一日の終わりに』をやるように。これを人が弾いてくれる、そして聴いてくれることで感情が湧き上がったんです。この曲を作れたことで、私はまた音楽人としてスタートできたと思います」生活から聞こえてくるような、人懐っこい音。これは、今まで安藤さんが生み出してきた整然としたJ‐POPを思い返すと意外な気もするが、彼女は「もともとね、適当に鳴らした音が好きなんです」と言う。「ようやくシンガーソングライター然としたと思うんです。ずっと、私より年上で知識があるスタッフやミュージシャンと、背伸びした音をやっていたんですね。でも今回は、同世代や年下の人とセッションして、深めていった。デモも自分で詰めて作るようになったし。今まで出した作品の中で、一番自分らしく表現できたんじゃないかなって思います」その変化は歌声にも表れている。楽器のような美しさ、しなやかさの中に、強い意志を感じるのだ。「実は歌入れが大嫌いだったんですよ。なんでこんななんだよ自分の声って思っていて(笑)。私が作る曲は音階がややこしいし。でもトオミくんやShigekuniくんが作る曲は歌いやすいんです(笑)。しかもふたりが作ったのに、より安藤裕子っていう人間になりやすかった」歌詞も、誰もが日々の恋や生活に結びつけられるような身近さがある。「avex後期は死生観に囚われていたんです。明るい曲も作るけれど、ずーっと重苦しかった。だから、時間を空けることは自分が再生するために必要で。私、ほっといたら信じられないぐらい地味なんです(笑)。だけど、だからこそ、小さな日常に物語が欲しいなって。曲も、どう生き抜くかとかだけじゃなく、電車で隣に座る人に恋をしている、そんなことでいいんじゃないかなって」日常を鮮やかに彩るパレットのようなアルバムは、彼女と音楽との関係性とも直結しているようだ。「私、なぜ自分がミュージシャンなんだろうって悩んでいたんですよ。だってミュージシャンってみんなすっごく音楽好きなんですよ。でも、私はポカーンなんです(笑)。だけど、私の衣食住には組み込まれていて。ないのは想像がつかない。そんなもののような気がします、音楽って」10th Album『Barometz』¥3,300レコード会社の移籍などを経て完成。“羊のなる木”をタイトルに掲げた、日常と想像を繋ぐ12曲を収録。【Loppi・HMV限定盤】¥4,400(共に税込み)8/26発売(PONY CANYON)あんどう・ゆうこ1977年生まれ。2003年、ミニアルバム『サリー』でavex/cutting edgeよりデビュー。多くのCM、映画の主題歌を手掛け、様々なアーティストに楽曲提供も行う。モデルや女優としても活躍。※『anan』2020年8月26日号より。写真・小笠原真紀取材、文・高橋美穂(by anan編集部)
2020年08月19日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「和歌」です。NHKよるドラ『いいね!光源氏くん』の主題歌で「ニニニニニ」という曲を書かせていただきました。源氏物語といえば宇治、和歌といえば宇治なので、宇治出身のミュージシャンとしてはこの上なくうれしいお仕事でした。Aメロでは、紫式部の「世に知らぬ 心地こそすれ 有明の 月の行くゑを 空にまがへて」そして「めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に雲隠れにし 夜半の月かな」という有名な2つの短歌を使わせていただきました。カルタで百人一首を読み上げるときと同じような抑揚をつけて、メロディラインを考えて、それもまた楽しかったです。長い歴史をもつ紫式部さんからしても、自分の和歌にメロディをつけて一つの曲としてリリースされるというのは、今までなかった経験だと思います。こんなデブのシンガーソングライターが勝手に売り出しているという事実、どう思ってはるんやろか。でも、地元の先輩だし、笑って許してくれるはずです。「ニニニニニ」というタイトルは曲を聴いていただければ、どういう意味かわかると思います。古の人たちは、5・7・5・7・7という31音に乗せて、愛の気持ちを伝えていた。和歌とは、ラブレターのようなものであり、短いラブソングでもあります。でも、現代の若者にとって、31文字に自分の気持ちを込めるのって難しいこと。もう単純に「好き」の2文字だけで十分。それがつまり、字足らずの「ニニニニニ」です。サビでは「好きー好きー好きー好きー好きー」と「好き」を連呼しようと思いついたとき、めっちゃええのができたと思いました。のちに、いしわたり淳治さんが、この歌詞のコンセプトをめっちゃ褒めてくださっていてうれしかった。日本を代表する作詞家の方に、天才と言っていただいたので、あ、俺、天才なんだなって素直に思いました。ありがとうございます。時代が違えば「愛している」の表現もがらりと変わる。和歌について考えているときには、現代のラブソングの名手たちが和歌を作ったらどんな想いを31音に込めるのだろうと考えたりもしました。逆に、紫式部がいま生きていたとしたら、どんなラブソングを作るんやろうとも思います。時代ごとに、歌の表現ってルールや枠組みがある。その中で、それぞれが、ずっと変わらない普遍的な“愛”を伝えあっているのって面白いことだな、とあらためて思いました。おかざきたいいくスマホに振り切った演出が話題の『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。8/10(月)21:00~、BSテレ東特番『社歌で日本を元気に!シャカリズム』に出演。※『anan』2020年8月12日-19日合併号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年08月15日自分の才能を開き、人生を悔いなく生きたいと思うのは当たり前のこと。しかし、そう簡単には進まないのが人生。そんな悩める子羊に、Mattさんがアドバイス!自分の才能を信じ、思い切って好きな道を選んで進んだのはいいけれど…周りと比べて落ち込んだり、うまく実力を発揮できなかったり。そんな、才能の壁にぶつかってくじけそうな人たちへ贈りたいのが、心を癒し、お悩みを解決してくれる処方箋。そして、それを指南するのは、無限大の発想と言葉でみんなの心を晴れやかにしてくれるMattさん。音楽、美容、モデルなど、オリジナリティに溢れた幅広い才能を、自らの手で開花させた経験をもとに、それぞれの悩みの事例に向き合い、Matt流に解決します。「情報が多く、人の意見が耳に入りやすいこの時代だけに、迷いや悩みから抜け出せないあなた。自分の魂が喜ぶことをして、自分に自信を持つことが大事です」お悩み:人と比べて落ち込む(20歳・学生)。プロのカメラマンになりたいと考えています。いまは勉強の時だと思い、アシスタントについたり、積極的に作品撮りをして、SNSにポートフォリオをまとめたりもしているのですが、どうしても、すでに活躍している同世代のカメラマンと比べてしまい、自分は遅れているんじゃないかと焦って落ち込みます。Matt:比べなくてもいいんじゃないって思います。このような悩みって、カメラマンの世界だけではなくどの業界にもありますね。でも、世の中の全員が生きてきた環境が違う中で、もちろん個人のスピードも違うし、早咲き遅咲きというのもあるから、人と比べてもしょうがないんです。目指している夢とか目標に近づくための環境が、早くから整っているからって、咲けない場合もあるし…。人生は自分だけのもの。たとえば僕の場合は、芸能界で活動を始めて3年目。10代のうちから始めておけば…と考えなくもないけれど、逆に一般人として学生生活を送り、青春を楽しんできたという感覚を持ったまま芸能活動できることが、プラスになっていると思う。あなたはまだプロにはなれていなくても、だからこそ得られることがたくさんあると考えてみて。それにちゃんといま師匠のもとでアシスタントについているのなら、遠回りではありません。だから自分を信じて、いまは未来のためにたくさん勉強してほしい。20歳って、一番周りと比べたくなる時期だとも思うの。でもね、20代後半に近づくにつれ、年齢とか早い遅いってあまり関係なくなってくるもの。だからいまは焦ってしまうかもしれないけれど、そのうち方向性はちゃんと見えてくるはず。自分のスピードで人生を歩んだらいいと思います。落ち込んでしまう時って、ずっとその場所にとどまっているから落ち込みのループにハマってしまうんです。でもそこから一歩抜けてみると、もしかしたらその悩みって小さなことに感じるかもしれない。だから僕は、もし落ち込んだら、友達と飲んじゃいます(笑)。マット1994年7月18日生まれ。東京都出身。ミュージシャン、ブライダルモデル、タレント、レタッチャーなど、様々な分野で才能を発揮するアーティスト。父は桑田真澄。シャツ¥53,000ジャケット¥169,000パンツ¥59,000チーフ¥16,000(以上エトロ/エトロジャパン TEL:03・3406・2655)※『anan』2020年8月5日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・福田春美取材、文・若山あや(by anan編集部)
2020年08月08日これからの時代を牽引していく今の10代は、2000年以降に生まれたZ世代。早熟な才能と底知れぬ可能性。そんな次世代の注目株の一人、ジャズピアニストの甲田まひるさんにインタビュー!脚光を浴びるきっかけとなったエピソードとともにご紹介します。「好きなことをしている自分が、一番イキイキしてます」インスタをきっかけにファッショニスタとして脚光を浴び、現在はジャズピアニストとして活躍する甲田まひるさん。「最初は、コードのオシャレな響きや自由さに惹かれたんですけど、本格的に勉強するとコードを数字に置き換えたり、セッションでは、その場でストックしたものから引っ張り出さないといけなかったり、めっちゃ難しい!ゴールが見えないからこそ続けられていますね。2年前の初アルバム制作は、完全に苦でした。オリジナルの2曲は、約1年の制作期間中、作っては『これじゃない』とボツにする繰り返し。追い詰められてやっとレコーディング2日前にできたんです。やりたいことを実現するのって、眠れずおかしくなりそうなくらいツラい…。でも、やっただけ報われるんですよね。完成した作品には100%満足してます」制作中の新作ではボーカルにも挑戦!「これまでインストの曲ばかりやってきたので、自分の言葉が音にのる感覚が新鮮。私には常に“なりたい自分”が手ごわいライバルとして存在してるんです。その自分に辿り着けないのは悔しいから、やるしかない!新しいことを始める時に怖さはないです。できるかどうかなんて、やってみなきゃわからないじゃないですか。やらずに後悔したくはないし、ダサいと思ったことはやりたくない。どんな挑戦であっても、そこだけはブレません。やっぱり、好きなことをしてる自分が一番イキイキしてるから」【発掘秘話】小6からMappy名義でインスタをスタート。ファッションスナップサイトに掲載された初スナップが拡散され、一躍脚光を浴びる。ジャズピアニストとして17歳でメジャーデビュー。9歳からジャズを弾き始める。カフェでの演奏が関係者の目に留まりデビュー。「ジャズの魅力を同世代の子たちにも知ってほしい」演技にも挑戦!新たなフィールドへ。昨年公開された映画『台風家族』で女優初挑戦。「私は新しい刺激がないとダメ。お芝居は、自分と違う人になれるのが楽しいです」こうだ・まひる2001年5月24日生まれ東京都出身5歳でピアノを始める。2018年、ドラムスに石若駿、ベースにKing Gnuの新井和輝を迎えたアルバム『PLANKTON』を発表。翌年、第31回ミュージック・ペンクラブ音楽賞受賞。※『anan』2020年8月5日号より。写真・小笠原真紀取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2020年08月06日毎日忙しいママを支えてくれる時短レシピ。子どもが大喜びする、3つの簡単チャーハンレシピを、人気料理家・野口真紀さんに教えてもらいました。カレー風味の夏野菜チャーハンやがっつりステーキチャーハン、そして本格アジアンチャーハンまで。お家で簡単にプロの味が叶います。休日や夏休みなどのお昼ご飯にぴったり!チャーハン アレンジレシピ #01〈 夏野菜のカラフルチャーハン 〉ふわっと香るカレー風味が食欲そそる! カラフルな見た目とコロコロ具材が楽しくて、子どもも野菜を完食してくれるはず。[材料] 2人分・炊いたご飯……2膳分・トウモロコシ……1/2本・パプリカ……1/2個・ズッキーニ……1/2本・ベーコン……6枚・ソーセージ……3本・塩、胡椒……各適宜・カレー粉……小さじ1・オリーブオイル……大さじ2[つくり方]1.トウモロコシは横半分に切って、実を包丁でそぎ落とす。パプリカ、ズッキーニは1cm角に、ベーコンとソーセージは1cmに切る。2.フライパンにオリーブオイル、ベーコンを入れて炒め、1の残りの具材を加えて炒める。3.ご飯を加えて全体を炒め、塩、胡椒、カレー粉を加えてさっと炒める。おいしくなるポイント缶詰ではなく、フレッシュなトウモロコシを使うことで食感が良くなる。夏らしさもUP!チャーハン アレンジレシピ #02〈 ステーキチャーハン 〉スタミナ不足の時こそ、たっぷりガーリックが効いた贅沢チャーハンを。簡単なのにお腹いっぱいになって、夏バテ予防にも◎。[材料] 2人分・炊いたご飯……2膳分・牛肉(ステーキ用)……1枚下味用:塩、胡椒……各適宜・ニンニク(みじん切り)……3かけ分・パセリ(みじん切り)……適宜・塩、胡椒……各適宜・バター……大さじ2・オリーブオイル……大さじ4・パセリ(粗く刻む)……適宜[つくり方]1.牛肉は塩、胡椒をする。フライパンにオリーブオイルを大さじ1を入れて熱し、牛肉の両面をこんがりと焼く。中はレアにするとよい。フライパンから取り出し、粗熱を取って一口大に切っておく。2.同じフライパンに残りのオリーブオイル、ニンニクを入れて熱し、香りが立ったらご飯を入れて炒める。塩、胡椒をする。1のお肉を戻して炒め、パセリ、バターを加えて炒める。お好みでパセリを添える。おいしくなるポイント牛肉の焼き具合を、レアに仕上げること。バターでお肉にぴったりなコクを出す。チャーハン アレンジレシピ #03〈 ジャスミンライスのアジアンチャーハン 〉たまには気分を変えて、アジアン風のチャーハンはいかが? お家でも簡単に現地の味が叶います。お好みでパクチーを添えて、より本格的に。[材料]2~3人分・ジャスミンライス……1合分・鶏もも肉……1枚・長ネギ……1/2本・卵……2個・ナンプラー……大さじ1・塩、胡椒……各適宜・ニンニク(みじん切り)……1かけ分・油……大さじ3・お好みでパクチー(粗みじん切り、葉と茎に分けておく)……1束[つくり方]1.ジャスミンライスを表示通りに炊く。2.鶏肉は2cm角に切る。長ネギはみじん切りにする。卵は溶いておく。3.フライパンに油を熱し、鶏肉を炒め、塩、胡椒をし焼きあがったら一度取り出す。4.同じフライパンに卵を入れてざっと炒め、ジャスミンライスを入れて全体を炒める。5.2の鶏肉を戻し入れて、長ネギ、ニンニクを入れて炒める。ナンプラー、塩、胡椒をする。仕上げにパクチーの茎を入れてざっと炒める。器に盛って、パクチーの葉を添えて完成。おいしくなるポイントジャスミンライスを使うと、お米がパラパラのチャーハンに仕上がり、より本格的な味に。教えてくれた人料理家・野口真紀さん料理雑誌の編集者を経て、料理研究家の道へ。簡単ながら、栄養や健康に配慮した家庭料理や、センスの良いスタイリングに定評がある。著書「きょうのごはん」(主婦と生活社)シリーズが人気。recipe & styling/Maki Noguchiphotography/Aya Sunahara
2020年08月06日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「NG項目」です。よくタレントさんが「NG項目」があると話していますが、ミュージシャンにもそれぞれNGなことがあります。よく事務所に質問としていただくのが、食べ物で苦手なものはありますか?というもの。フェスやライブでは、お弁当やケータリングで食事を出していただけます。その際に、アーティストが食べられないものがあってはいけないという配慮から、わざわざ聞いてくれるんです。僕は苦手な食べ物はほとんどないです。まあ、ひとつだけ苦手な食材があり、そしてそれをマネージメントサイドにも伝えていて「もし、これが入っている料理が出てきたら、俺はちゃぶ台をひっくり返すで」と言ってありますが、普通にちょいちょい出てきてます。なので、がんばって食べています。それくらいNGはありません。……もうひとつあるとするなら、宿泊するホテルのトイレは温水洗浄便座がついているとありがたいというくらい。それも、まあどうしてもついている宿が見当たらないのであれば仕方ないよね、と思います。海外のミュージシャンともなると待遇や食事のこと以外にも、ベッドの硬さまで細かく指定してくる方もいるそうです。そういうことを言えるようになったら本物のアーティストなのかな、と思う一方で、他の同世代くらいのミュージシャンが、スタッフに「これはできない」「こうはしたくない」と強くあたっているのを見かけると、なんかもったいないなあとも思ってしまいます。だって、これが普通のサラリーマンだったら絶対にありえないことじゃないですか。同世代やもっと下の10代、20代の人間が「これがNGです」と言って、まかり通る世界は他にないと思います。これを、当たり前と思ってはいけないと思うので、僕はマネージメントに強くはお願いしない。もちろん、「NG項目」は音楽制作やライブでのパフォーマンスに影響が出ないように周囲のスタッフが配慮してくれた結果としてあるもので、必要なものだと思います。だけれど、それに甘えてアーティスト側が過剰になりすぎて、“面倒な人”になるのも違うと思う。だから、僕は正直言うとジェットコースターも嫌だし、高い場所もめちゃくちゃ怖い、お腹がつかえるので正座も苦手……と、実際はNG多めの人間。でも、これをNG項目とは言いません。必要であれば、高~い崖の上にも立ちますし、足が痺れまくっても、泣き事言いません!おかざきたいいくスマホに振り切った演出が話題の『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。8/10(月)21:00~、BSテレ東特番『社歌で日本を元気に!シャカリズム』に出演。※『anan』2020年8月5日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年08月03日幼い頃からネットを通じて海外コンテンツに親しみ、リアルタイムで世界のトレンドに触れてきた1990年代後半~2010年までに生まれた世代、Z世代。軽やかに、そして貪欲に未来を切り拓くZ世代の注目株に迫ります!ご紹介するのは、モデルの平田かのんさんです。「自信を持って、楽しんでお仕事をすれば輝けると信じてる」日本中が見守る中、『林先生の初耳学』内のコーナー「アンミカ先生が教えるパリコレ学」で、パリコレクションのランウェイを勝ち取った平田かのんさん。「180cmの身長を生かす職業に就こうと昔から考えていました。高校受験中、自由にファッションを楽しむことの貴重さが身にしみて、その勢いでモデルになろうと決意。今の事務所に入って初めてのお仕事が『初耳学』でしたが、もともと世界の舞台で戦うことに憧れがあったし、やるからにはトップに立ちたい、パリコレに出たいと思っていたので迷わず応募しました。当初から、絶対に最後の一人になると心に決めていたけれど、実際叶った時は嬉しかった。同時に、やっぱり自分はこうあるべきなんだと確信できました。初めてのランウェイは、お客様の反応を感じて興奮!モデルというお仕事が好きだとあらためて感じました」いろいろなプレッシャーもあったけれど、タフな精神力で乗り越えてきたそう。「中学時代のバレエや厳しい吹奏楽部で鍛えられたおかげで、精神的に強いほうだと思います。それに、表現者というのは、みなさんにいいものを見せるお仕事。自分に自信を持って、楽しんでやるということを大事にしています。たとえ技術が劣っていても、堂々としていれば輝けるんじゃないかなって。今後は、パリ以外のコレクションも歩きたい。でも、自分のペースを大事にして、焦らず、地道に階段を上っていきたいです」【発掘秘話】徳島から大阪に出てきた後、心斎橋で買い物中に今の事務所のマネージャーにスカウトされ、憧れだったモデルの世界に入った。パリコレのランウェイで堂々とウォーキング。『レオナール』『アフターホームワーク』『ポール&ジョー』『リウリジ』、4つのブランドのランウェイを美しく歩き切った。©LEONARD『初耳学』のコーナーで髪をバッサリとカット。写真家レスリー・キー氏の発案でカット。「切る最中からワクワクが止まらなくて!鏡を見るのが楽しくなり、自信もつきました」ひらた・かのん2002年10月10日生まれ徳島県出身『VOGUE TAIWAN』『FIGARO japon』など国内外のファッション雑誌に登場。飲料メーカーのCMキャラクターにも抜擢。食にまつわる資格の取得を目指す。※『anan』2020年8月5日号より。写真・小笠原真紀取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2020年07月31日今後、世界のトレンドを作り出していく世代として、大きな注目を浴びているZ世代。その多くは、現在まだ10代。幼い頃からネットを通じて海外コンテンツに親しみ、リアルタイムで世界のトレンドに触れてきた彼ら・彼女たちは、グローバルな視点を持っており、既存のルールにとらわれない。今回はそんなZ世代の注目株の一人をご紹介。『パーフェクトワールド』などのドラマに出演、資生堂「シーブリーズ」のCMにも今年から抜擢された宮世琉弥さんです。「表現力を学んで身につけ、目を生かした演技をしたい」「小学生の時に東日本大震災で被災したのですが、復興支援としてももいろクローバーZさんが来てくださり、ステージを観た人が元気になる瞬間を見て、僕もエンターテインメントの仕事をしたいと思いました。僕の特徴は目の力だと思うので、俳優として、それを生かした表現に挑戦しています。ぱっちりさせたらキラキラ系、ダルッとさせるとサイコパス系など、いろいろな表情が作れると気づきました。役者さんの声の表現やジェスチャーを勉強するために、洋画は字幕と吹き替えの両方を観ます。そうして、監督さんと会う時に、少しでも多く表現のバリエーションを持っていけたら。あと、僕、新しいお仕事やオーディションの日は早起きして、顔のむくみを取ったり朝風呂に入ったりして気合を入れます。ただ、1日にお風呂が2回の日が増えるとガス代が高くなり、“あ~!”ってなることが、悩みどころです(笑)」目標を尋ねると、2つ教えてくれた。「一つは、いろいろな作品に出て、いろいろな役を演じて、幅が広い俳優さんになること。そして、もう一つが、自分が制作側となって映画を作ることです。『Fukushima 50』を観た時に、自分が経験したことが描かれていて衝撃を受けました。そうした人の心を打つ作品を、いつか、手がけてみたいと思っています」【発掘秘話】「人を元気づける仕事がしたい」と思っていた10歳の時に、地元である宮城県のショッピングモールでスカウトされた。ブレイク俳優の登竜門「シーブリーズ」に抜擢。資生堂「シーブリーズ」のCMに出演中。高校生の青春を描いた胸キュンストーリーを演じる宮世さんの爽やかな姿は必見です。ファッションショーのランウェイに登場!「Tokyo Virtual Runway Live by GirlsAward」に出演、バーチャル空間のランウェイを歩いた。モデルとしても表現力を存分に発揮!©Tokyo Virtual Runway Live by GirlsAward©AbemaTV, Inc.みやせ・りゅうび2004年1月22日生まれ宮城県出身俳優。ドラマ『パーフェクトワールド』、映画『夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風』などに出演。今後も待機作が多数。趣味はファッションと一眼レフカメラ。※『anan』2020年8月5日号より。写真・小笠原真紀取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2020年07月29日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「BTSが好き」です。ここ半年くらいさらにどっぷりBTSの魅力にハマっています。最初は、YouTubeでMVを観る程度だったのですが、この4月にリリースされた大阪・ヤンマースタジアム長居公演のブルーレイも購入しまして。以前は、まだメンバー全員の顔と名前が一致しない…くらいの感じだったのですが、今や全員の個性までしっかり把握しています。BTSは、ラップやダンスがうまいメンバーもいれば、歌がうまい、芝居ができる、曲が作れるなどそれぞれの個性がめちゃくちゃしっかりある。それが素晴らしいです。まるで少年漫画です。「こいつにはこんな特殊能力があるんや!」と、登場人物それぞれのキャラクターにワクワクするように、メンバーの個人個人の魅力を堪能することができます。とくに僕が大好きなメンバーは、J-HOPE。彼はBTSのダンス番長。ダンス初心者の僕から見ても、そのすごさがよくわかります。筋肉のしなやかさ、ずば抜けた表現力に見惚れます。また、もうひとつ魅力なのは彼の人柄の良さ。すごくキャッチーな方でファンに対するサービス精神もすごい。個性がそれぞれ異なるBTS。メンバーの中にはクールな方もいるわけです。そんな中で、彼はムードメイカー的な役割でグループ内のバランスを見事にとっています。実は、BTSのメンバーには以前、Mステスーパーライブでお会いしています。そのとき、僕は口パクで水を飲むというパフォーマンスをしたのですが、終わった後、彼らから「(歌っている途中なのに)水を飲んだ!」「すごく面白かった!」と褒めていただいた。もう、彼らは覚えてないと思いますが、あらためてうれしかったですね。彼らのライブ映像を観ていて勉強になるなと思うのは、ステージに立つ者としての矜持。僕は、観客のみなさんに「きゃー!」と歓声をあげていただくと、「俺なんかにええて」「そんなん言わんでええよ」と、つい照れてしまう。でも、彼らはそういう中途半端な感情は一切持っていない。動きひとつ、目線ひとつが完璧で、本気でファンの方々を楽しませよう、愛そうとしている。そこに一番、痺れています。僕も見習って、次ライブをやるときには、照れずにめちゃくちゃファンの方々を愛そうと思います。おかざきたいいくスマホに振り切った演出が話題の『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。8/10(月)21:00~、BSテレ東特番『社歌で日本を元気に!シャカリズム』に出演。※『anan』2020年7月29日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年07月25日定評のあるネタはもちろん、最近はそれぞれの個性あるキャラクターにも注目が集まる、かまいたち。お茶の間への浸透率も絶賛急上昇中。そんな中、「かまいたちチャンネル ねおミルクボーイ」を開設。YouTubeらしい企画動画から、かまいたちの真骨頂といえるロケ動画までYouTuber並みのハイペースでお届け中。すでに登録者数は50万人を突破。これから目指すは金の盾!かまいたち「かまいたちチャンネルねおミルクボーイ」チャンネル登録者数:51.8万人濱家隆一:僕ら芸歴16年目で、これまでキングオブコントやM-1という賞レースを目標にずっと活動をしていたんです。それが昨年のラストイヤーで全部終わってしまった。そしたら何もやることないな、となったんです。だったら新しいことやりたいとYouTubeを始めることにしました。山内健司:チャンネル名は『ダウンタウンDX』の番組内で松本さんに命名してもらって。その場にいたYouTuberのねおちゃんとミルクボーイからいただきました。濱家:だから、ねお師匠とミルクボーイ師匠には足を向けて寝られません。山内:チャンネル開設にあたっては、ねおちゃん……あ、ねお師匠に、どんなことやったほうがいいか相談もしたんです。濱家:モーニングルーティンやったほうがいいよ、と言われて実際にやったら120万回再生を超えて、めっちゃ驚きました。山内:それで調子に乗って、ねお師匠のアドバイス無視して濱家のバスタイムルーティンやったら、そっちは全然再生数伸びなくて。濱家:なんでやろな……。今のところ何が当たって何がハズれるのかわかってない。だからこそ手当たり次第やりたいな、と。山内:地雷メイクとか、流行ってることをド直球でできるのも楽しい。あと、登録者数が50万人を超えたので僕と濱家それぞれ個人のチャンネルも開設したんです。そちらも、ぜひ見てほしいです。濱家:個人の得意なことを自由にやったらええかなと思ってます。僕だったら酒と料理。山内のチャンネルでは、主に猫のことをお伝えするそうです。山内:「ニャンチューバーねこうちさんの部屋」です。最終的には、そうですね、猫に見てほしい。濱家:……何言うてんの?かまいたちチャンネルは登録者数100万人を目指したい。金の盾をいただけるまで、がんばります!山内:金の盾もらったら、その喜びを特別に生配信します!濱家:そこは普通なんや……。かまいたちボケの山内健司(やまうち・けんじ)とツッコミの濱家隆一(はまいえ・りゅういち)によるコンビ。キングオブコント2017で優勝。M-1グランプリは3年連続決勝進出。昨年ミルクボーイに敗れ準優勝に終わるも、強い印象を残す。衣装協力・KOH’S LICK CURRO TEL:03・6427・1405※チャンネル登録者数、視聴回数は、6月25日時点のものです。※『anan』2020年7月15日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・嶋岡 隆(Office Shimarl)ヘア&メイク・藤井陽子(cheeks)取材、文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年07月16日人情時代劇×妖怪ファンタジーのドラマ『大江戸もののけ物語』で、妖怪・天の邪鬼を演じた本郷奏多さん。人間の願いを叶えるべく、妖怪と人間が行動を共にし絆を深めていくという物語は、岡田健史さん演じる武士の一馬とタッグを組むという一風変わったバディものでもある。「岡田さんとは初共演。いつでも誰にでも丁寧な振る舞いと謙虚な姿勢で、イメージ通りの好青年でした。お芝居への集中力も高く、空き時間にはセリフ回しを繰り返していて、常に高みを目指している素敵な役者さんだと思いました。人間と妖怪のバディというのも、エンターテインメントでこそ実現できる面白さ」日本では古くから伝承されてきた天の邪鬼の役作りも気になるところ。「天の邪鬼って、ずる賢いみたいな“超小物感”なイメージだったけど、この物語の天の邪鬼は、周りの妖怪たちのことをいつも気にかけているような優しさや正義感もあって、かっこいいんです。しかも戦うと強い。今まで僕は人間じゃない役も多かったので、妖怪役だからって構えたりはしませんでした。でも戦闘能力は著しく低い役ばかりだったので、強い人の戦う姿を見ながら、すごいなと思っていたんですが、実際に強い役を演じてみるとなかなか大変ですね。鉄の塊から彫り出して特別に作った、金属バット5本分ぐらいの重さの武器を持って、かっこよく構えようとするだけでもう腕がプルプル。戦いのシーンのあとにはスタッフさんが『大丈夫ですか?』なんてお水を持ってきてくれたりして、体力のなさが露呈してしまいました(笑)。でもアクションって、改めて難しいお芝居だとも思いました。勢いだけじゃない動きの見え方、撮影を安全に進めるための役者同士の距離の取り方など、一瞬で同時にいろんなことを考えなければならなくて、単純に運動神経があればいいとかお芝居の熱量が高ければいいわけじゃない。じつはクレバーさが求められるのがアクションなのかな、と改めて気づかされました」妖怪監修は知の巨匠・荒俣宏さん、妖怪デザインは漫画家の井上淳哉さんが手がけ、こだわり抜いた世界観もまた、見どころの一つ。「毎朝、他の役者よりも2時間早く現場入りして天の邪鬼の特殊メイクをしました。横になって、顔に模様の入った皮膚みたいなものをおじさんたちにペタペタと貼られるのはすごくしんどかったんですが、そんな僕を支えてくれたのが河童(青山美郷さん)の存在。河童の特殊メイクは全身に施されるため毎日4時間ぐらいかかっていて、嘴があるのでごはんもまともに食べられない感じで。上には上がいる…と、河童さんに毎日勇気をもらっていました(笑)」『大江戸もののけ物語』NHK BSプレミアムにて7/17(金)20:00スタート(全5回)。出演/岡田健史、本郷奏多、山田杏奈ほか語り/美輪明宏取り柄のない旗本の次男坊・一馬(岡田健史)が勾玉を手にすると妖怪・天の邪鬼(本郷奏多)が現れた。ふたりは行動を共にすることになり…。ほんごう・かなた1990年11月15日生まれ、宮城県出身。大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK)に関白の近衛前久役で出演するほか、ドラマ『56年目の失恋』(NHK BSプレミアム)にも出演した。シャツ¥28,000(アンダーソン ベル/HEMT PR TEL:03・6721・0882)シューズ¥32,000(メゾン ユー/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)その他はスタイリスト私物※『anan』2020年7月22日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・川地大介ヘア&メイク・福田純子(ネステーション)インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2020年07月16日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「グループの人数」です。BTSが好きです。ハマっていて動画配信サイトなどで彼らの韓国のバラエティ番組を見たり、ツアーのDVDを買って見たりしています。それを見ながら、もし自分がアイドルやダンスユニットなどをプロデュースするとしたら、何人組がいいのだろうかと無駄に考えています(とくに今現在プロデュースをする予定はありません)。まず、20人を超えるような大人数グループは無理。ひとりひとりを丁寧に見たいので、少人数がいい。そして、やっぱり偶数がいいのかな?と思います。BTSは7人です。奇数だと、ステージのフォーメーションを考えるときにセンターに1人おいて左右対称に広がる形が美しいのですが、それ以外のときには、割り切れるほうがいいことが多いように感じます。アイドルなどチーム制のグループが売れるためには、僕はレギュラーのバラエティ番組が必須だと考えています。そこで音楽やダンスだけではない、個々それぞれの魅力や面白さを知ってもらうことが大事だと思うんです。そうなると、例えばジェスチャーゲームしますよーとなったときに、8人グループで4対4とか、パッキリ分けられる人数がいい。握手会とかでもそうです。2人ずつとか3人ずつとか、きれいに分けられるほうが、ファンの方々から見ても不平等感がなくていいですよね。あれ?となると、3・3・3で分けることができる9人でもいいことになりますね。うーん、少し考え方が間違っていたかもしれません。……均等に割ることができる数字、つまり素数以外の数字がいいですね。6とか8とか9とか10人、それ以上なら15人くらいまでならいけそうです。って、別にプロデュースしてくれとは誰にも言われていませんが……。ついでに言うと、アイドルとして考えたときに僕はグループにセンターは必要ないけれどリーダーは必要かなと思っています。グループをひとつにまとめてくれる責任感のあるリーダーは、苦労も多いだろうし、憎まれ役になることもあるかもしれない。でも、グループを応援する方々から見たら、“彼・彼女がいたからこのグループは大きくなれた”と、ひとつの物語の柱になってくれる。そういう存在がいることで、応援したいという気持ちって強くなると思うんです。って、僕BTSのグループ論に影響受けすぎですか?おかざきたいいくスマホに振り切った演出が話題のヤバTとの番組『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。NHKよるドラ『いいね!光源氏くん』の主題歌「ニニニニニ」が配信中。※『anan』2020年7月15日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年07月14日地震や台風…災害がいつ起こってもおかしくない日本に住む私たち。備えあれば憂いなし、ということで、見落としがちだけど必ず用意しておきたい防災グッズを紹介した記事をまとめました。停電、断水に役立つのは?まとめ構成・小田原みみ地震や台風などの自然災害に備えて、防災グッズを準備している方も多いのではないでしょうか?普段私たちは便利な生活をしているのでなかなか気づきませんが、いざ災害が起こってしまうと準備していた防災グッズだけでは困ることも。そこで、プラスで加えておくと役立つグッズを紹介します。災害時は困ることばかりですが、その中でもトイレ問題はかなり深刻。毎日当たり前のように新しい下着に着替えていますが、災害時はそうとも限りません。トイレにまつわる防災グッズ「無理に使用すると、トイレが詰まったり、汚水が逆流する可能性も。復旧するまではトイレは使わず、携帯トイレなどでしのいで。1日3回使用と考え、3日~1週間分を用意。ただし頻度は人それぞれ。普段のトイレ回数を思い出して、数の調整を」(「一般社団法人 防災ガール」代表理事・田中美咲さん)下着は使い捨てがベター。飲み水もままならない状況下では、入浴や洗濯は困難。「被災時、下着の替えがなく、デリケートゾーンのかぶれに悩んだ人が多かったそうです。使い捨てが一番衛生的。パンティライナーやペーパーショーツなら、肌に触れる部分が清潔で安心」(元小誌編集部・中島千恵)。「抵抗がある人もいるかもしれませんが、大人用紙おむつも便利です」(危機管理アドバイザー・国崎信江さん)ニオイ問題もぬかりなく対策を。自宅だけでなく、避難先のトイレが正常に使えるとは限らない。被災地では仮設トイレが設置されるものの、気になるのはそのニオイ。「男性に比べ、女性はニオイに敏感です。できる限り使いたくなくて我慢したのが原因で、具合が悪くなる人も。消臭除菌スプレーを用意しましょう。トイレットペーパーも忘れずに備蓄を」(田中さん)国崎信江さん 危機管理アドバイザー。「危機管理教育研究所」代表。女性の視点で防災・防犯対策を提唱。防災にまつわる著書も多数。田中美咲さん 「一般社団法人 防災ガール」代表理事。“防災をこれからのフェーズへ”をモットーに全国の仲間と活動。中島千恵 小誌編集部。3.11の被災後、女性が本当に必要だったものを取材し、『anan特別編集 女性のための防災BOOK』を手掛ける。※2017年2月3日作成。『anan』2017年2月8日号より。写真・小笠原真紀 イラスト・徳丸ゆう 文・野村紀沙枝防災グッズの中に非常食を準備している方も多いと思います。そこに買い足したいおいしい防災グッズのご紹介。食にまつわる防災グッズ朝昼晩違うメニューで、3日間飽き知らず。雑炊やにゅうめんの朝食、シチューやリゾットの昼食、丼物・パックご飯と汁物が一緒になった夕食のセットが1つのボックスに。フリーズドライだからお湯をかけるだけ。普段の食事にプラスしても使えそう。ローリングストックBOX¥4,630(アマノフーズお客様相談室 TEL:0120・988・668)調理不要! すぐに食べられる手軽さが評判。水も使わずそのまま食べられるので、ガスや電気がストップした場合でも安心な保存食。缶入りのプレーンデニッシュに、おでんと肉じゃが、たまご粥などの、ダシの効いた優しい味わいにほっとします。500mlの水もセットに。イザメシ スピードセット(1日セット)¥2,000(杉田エース)※2017年2月2日作成。『anan』2017年2月8日号より。写真・小笠原真紀 文・野村紀沙枝災害時、一番困るのが水問題ではないでしょうか? いくら用意していても足りないといっても過言ではありません。水にまつわる防災グッズ「一般的に、1人当たり1日2〜3Lがガイドライン。喉が渇いたな、と感じたときにはもう脱水症状が始まっています。命を守るためにも、飲料水は最優先に考えて用意してください。大量の水の確保もさまざまな方法で無理なくできます」(危機管理アドバイザー・国崎信江さん)冷蔵庫、冷凍庫にも水をストック。ひとり暮らし女子の部屋に、ペットボトルを大量に備蓄するのはスペース的にも大変。「製氷機の氷や、ペットボトルの水を冷凍庫で凍らせていれば、停電のときは保冷剤の代わりに。解ければ飲料水として使えて、一石二鳥」(国崎さん)よく飲むジュースなども多めにストックし、切らさないように。これも立派な備蓄です。これ便利! どんな汚水も飲み水にします。飲み水を作ってしまうのも手。どんなに汚れた水も、特殊なフィルターで浄水して飲み水に。フィルター1個で約380l分浄水が可能。セシウム除去にも対応。セイシェル サバイバルプラス携帯用浄水ボトル¥7,800(ヴォーテックス TEL:03・6451・0644)国崎信江さん 危機管理アドバイザー。「危機管理教育研究所」代表。女性の視点で防災・防犯対策を提唱。防災にまつわる著書も多数。※2017年2月作成。『anan』2017年2月8日号より。写真・小笠原真紀 イラスト・徳丸ゆう 文・野村紀沙枝最後は軽くてかさばらないからいつも持ち歩きたい「防災ポーチ」。常に携帯したい「防災ポーチ」入れたいグッズとりあえず買った防災キット。一度も開けてないうえに、何が入ってるかも確認してない…なんて、防災準備としては不合格。重要なのは、自分が本当に必要なものだけを厳選すること。パーソナルな生活必需品、コンタクトや眼鏡は絶対。コンタクトレンズは貸し借りができない唯一無二の相棒。だからこそスペアを。「すぐに帰宅できる保証もないため、視力に不安のある人は、コンタクトの予備や眼鏡はマスト」(国崎さん)お気に入りの生理用ナプキンを準備。災害のショックで急に生理になることも。「使い慣れたナプキンが手元にあるだけで安心。防災リュックに用意する場合は1周期分を目安にしてください」(中島)ロリエ しあわせ素肌 オープン価格(花王 TEL:0120・165・695)いつものお薬が、非常時のお守りに。普段は元気でも、非常時は体調もダウンしがち。「避難所には薬の備えはあるものの、その薬が自分の体に合うとは限りません。持病の薬はもちろん、普段から飲み慣れた鎮痛剤や風邪薬、整腸剤があると安心」(国崎さん)国崎信江さん 危機管理アドバイザー。「危機管理教育研究所」代表。女性の視点で防災・防犯対策を提唱。防災にまつわる著書も多数。田中美咲さん 「一般社団法人 防災ガール」代表理事。“防災をこれからのフェーズへ”をモットーに全国の仲間と活動。中島千恵 小誌編集部。3.11の被災後、女性が本当に必要だったものを取材し、『anan特別編集 女性のための防災BOOK』を手掛ける。※2017年2月2日作成。『anan』2017年2月8日号より。写真・小笠原真紀 文・野村紀沙枝意外な盲点、多くなかったでしょうか?備えあれば憂いなし。今すぐ防災グッズを確認して備えておきたいですね。
2020年07月11日YouTubeにエガちゃん降臨!彗星のごとく登場した「エガちゃんねる」は、瞬く間にチャンネル登録者数を伸ばし、驚異の200万人を突破。すでにレジェンドと化しているエガちゃんだが、チャンネルではらしさ爆発のお尻書道や股間爆破という体を張ったものから、エガちゃんのソウルを感じるザ・ブルーハーツの歌唱動画や生真面目な素顔がのぞく語りなど、ハード系からほっこり系まで縦横無尽にYouTubeを駆け回る。痛快にもほどがあるこの快進撃、一体どこまで続く?江頭2:50「エガちゃんねる」チャンネル登録者数:208万人抱かれたくない芸人とはもう言わせないぜ?そもそも、俺はYouTubeなんて知らなかったんだよ。ただ、始める前にFischer‘sのチャンネルに出たことあるんだよ。その時にそいつらがいい奴だったんだよな。だから悪いものじゃないとは思ったな。で、そのあとYouTubeは好きなことができる、世界中で見てもらえるって聞いたんだよ。それで面白そうだって思ってやることにした。けど、実際やってみたら男の乳首もNGでびっくりしたぜ。これって、オレの存在自体を否定されているのと一緒だろ?けど、逆に今となってはこのNGテープが「エガちゃんねる」の印みたいになってるから、ちょっとおいしかったな。企画は基本俺がやりたいことをやってる。でも、本当に俺がやりたいネタはだいたいCMの審査に落ちるんだよ。で、モーニングルーティンだとか、俺が風呂入っているのとかが人気になって……。みんな何求めてんだよ!アンアン読者もそっちのほうが興味あるのかよ?できれば「お尻から粉吹いて絵を描く」とか「ペットボトルロケットを口でキャッチする」とかを見てほしいんだけどな。これからはコラボをがんがんやっていきたい。この前、別の雑誌のインタビューで、「ダルビッシュ!オレのキンタマを握って、変化球の投げ方、教えてくれ」って言ったら、ダルビッシュがTwitterで「キンタマ握るのは全然いい」って言ってきたんだよ。これって完全にコラボのオファーだよな?あとは草なぎ!これ見てるか?早くコラボしようぜ!お前が飼ってる“くるみ”とも仲良くなれるように今度、犬を克服する企画をやる予定なんだからな。あとは出川さんだな。アンアンの奴らに散々「抱かれたくない芸人」ってディスられた同士だよ。出川さんとコラボしてあの地獄の時代を語り合いたいぜ。お前らの悪口も言うから覚悟しとけよ!で、アンアンで、その様子を取材してくれよ。伝説になるぜ~。全然、売れないと思うけどな!えがしら・にじごじゅっぷん1965年7月1日生まれ、佐賀県出身。1988年、芸人デビュー。『「ぷ」っすま』『めちゃ2イケてるッ!』『アメトーーク!』などで伝説的な活躍を残す。サブチャンネル「エガちゃんねる~替えのパンツ~」もあり。※チャンネル登録者数、視聴回数は、6月25日時点のものです。※『anan』2020年7月15日号より。写真・小笠原真紀取材、文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年07月08日ラストショウを終えたダンサーの女が、観客の前で自らの人生を語りだす。舞台『殺意 ストリップショウ』は、戦前戦後の激動する時代の影や、深遠な人間の本質を描いてきた作家・三好十郎作のひとり舞台。ひとり舞台は、いま乗り越えるべきハードルなんだと思います。「演出の栗山民也さんは、私…役者・鈴木杏に対して、いつも予期せぬところから予期せぬ重さのものをポーンと投げてくださる方。その栗山さんがやれとおっしゃるならば、やりませんとは言えないです。きっといまの私が乗り越えるべきハードルなんだと思いますが、それにしても大変なものが来たな、と(笑)」なんと台本は100ページ超え。「人生のなかでこんな量のセリフを覚えることになるとは思わなかった」と苦笑。しかし同時に、三好十郎のセリフを口にする喜びも。「以前、三好先生が書かれた『浮標(ぶい)』という舞台を拝見したことがあって、そのセリフの素晴らしさに胸を打たれたんです。戯曲を買って家に帰って声に出して読んだりして。いつか自分もできたらいいなと思っていましたけれど…まさかひとりでやることになるとは、です」実際に稽古で口にし、その言葉の深さや重さに驚かされる日々。「役者の力とか演出の力みたいなものにへんに委ねられていない、甘えのないホンだなと思います。まるで三好先生が作品の責任をすべてご自身で背負おうとしているくらいの鋭さで書かれている。戯曲自体が素晴らしいから、私は安心して言葉に潜っていける。自然と役の声になり、感情が流れていくんです」そう感じられるのは、鈴木さん自身が優れた戯曲の読み手だからだ。インタビュー中、「私、ストリッパーとか娼婦とか、あまり幸せそうじゃない役が多いんですけれど、なんでなんだろう…」と首を捻る場面があった。しかし理由は明確。鈴木杏という女優は、台本に書かれたセリフから、役の背負ってきた重みや苦み、喜びや切なさを読み取り、体現できる人だからに違いない。「戯曲に描かれた時代の空気、匂い、音…そこにできるだけ近づけるよう資料を読んで想像はしますけれど、どこまでできているかわからない。ただ、その人がどういう景色を見ていたのか…自分も同じ景色を一緒に見ようとしている感覚です」『殺意 ストリップショウ』兄の勧めで上京した緑川美沙(鈴木)は、左翼の社会学者・山田のもとに身を寄せる。そこで山田の弟・徹男と運命的な出会いを果たすが、世の中が右傾化し…。7月11日(土)~26日(日)三軒茶屋・シアタートラム作/三好十郎演出/栗山民也出演/鈴木杏全席指定一般6000円、高校生以下3000円(当日要証明書提示)、U24チケット(前売りのみ)3000円(すべて税込み)世田谷パブリックシアターチケットセンター TEL:03・5432・1515(10:00~19:00)すずき・あん1987年4月27日生まれ、東京都出身。映像で活躍する一方、故・蜷川幸雄をはじめ、様々な演出家の舞台に出演。’16年には読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞。衣装協力・AOI WANAKA TEL:03・6805・0029※『anan』2020年7月15日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・和田ケイコヘア&メイク・菅野綾香(ENISHI)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年07月08日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「自己プロデュース」です。浜崎あゆみさんの誕生秘話をモデルにしたドラマ『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日系)が話題です。ミュージシャンにしろ、アイドルにしろ、どんなに原石が優れていてもプロデュース次第でうまくいく、いかないがあると思います。それは、浜崎あゆみさんほど才能も実力も持っていてもです。ドラマからは、敏腕プロデューサーがいたからこそ、日本を代表する歌姫になれた、ということがよくわかります。プロデューサーによって、魅力を伸ばす、底上げしてもらうことは、日本のエンターテインメント業界では必要なことなんですね。でも、プロデュースには大きく分けて、浜崎あゆみさんのような他者に演出をしてもらう他者プロデュースと、自分で自分自身をプロデュースしていく自己プロデュースがあると思います。僕、岡崎体育は完全なる自己プロデュース型です。自己プロデュース型は、他者によいところを引き出してもらうのとは真逆で、自分でまったく別の自分を見出す行為だと僕は思います。自己プロデュースでやっている人のほうが、本当の自分と表に出る自分を分けて考えてる人が多いんじゃないんでしょうか。たとえば、バンドを組んでいた大学時代の僕は、自分が心から作りたい、好きなものだけ演奏してやっていました。でも、それでは全然芽が出ず、就職後、退路を断った状態に自分を追い込んで、ネタ曲で勝負をするという“岡崎体育”のスタイルを生み出しました。自分に合っている表現、求められていることは何かを客観的に見ることが自己プロデュースでは大事なんです。そして、この自己プロデュースの発想は、エンタメ業界だけでなく、働く人だったら、みんな考えるべきことじゃないかなと思います。仕事をやっていく上で、自分のポジション、立ち回りはどうあるべきか客観的に考える。その上で、パスをもらいやすい隙間はどこか探して、自ら動く。居場所を見つける。僕の場合はそれが、“ネタ曲をやる”だったわけです。今の若い人たちはSNS世代ですから、そもそも自己プロデュース力に長けているはず。さらに、それを伸ばすためには、続けることも大事と伝えたい。続けてないといざというときに見つけてもらえないですから。居場所を見つけたら、難しいけど、そこにずっといることも大切です。僕もネタ曲という音楽業界の隙間、大事にしてます。おかざきたいいくスマホに振り切った演出が話題のヤバTとの番組『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。NHKよるドラ『いいね!光源氏くん』の主題歌「ニニニニニ」が配信中。※『anan』2020年7月8日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年07月07日坂井真紀(50)が写真家の鈴木心氏(39)と離婚したと7月5日に発表された。09年10月に結婚した2人。各メディアによると所属事務所は「6月末に離婚が成立した」といい、長女の親権は坂井が持つと述べたという。「鈴木さんは坂井さんのウェブサイト用の写真を撮影していたカメラマンで、彼女の主演映画『スープ・オペラ』でスチールカメラマンも担当していました。同作の撮影中にはすでに交際関係にあったようです」(スポーツ紙記者)10年5月に挙式をした際、鈴木氏が親族同士の仲を取り持つなどしてくれたため「絶えず笑顔で、本当によく動いてくれました」とブログで讃えた坂井。「手前みそを並べるようでお恥ずかしいですが、本当に、わが夫に感謝です」とも表していた。さらに「スープ・オペラ」が公開された10年10月、本誌に登場した坂井は「一緒に食事をしているときに結婚を実感する」とコメント。「誰かと一緒に食事をするって気持ち的にだいぶ違いますね」と続けていた。鈴木氏との生活を謳歌しているように見えたがーー。しかし、坂井には結婚への躊躇いもあったようだ。「坂井さんは、もともと結婚願望がなかったんです。彼女のお父さんは亭主関白で、それに堪えるお母さんの姿に子供の頃から疑問を覚えていた。そのため、『結婚には覚悟が必要だ』と考えていました。それでも結婚したのは2人の意思だけでなく、周りの状況などを鑑みた結果だったといいます」(坂井の知人)そんな彼女は、11歳年下の夫を懸命に支えていたという。「鈴木さんは健康志向が強いので、坂井さんは料理に使う食材をこだわるようになりました。また彼は、自分の意見を強く主張するタイプ。結婚してからは坂井さんの言うことをあまり聞かなくなったそうで、次第にそんな彼に抗うのを止めてしまいました。納得がいかないまま我慢することもあったそうです」(前出・坂井の知人)また10年5月、坂井はブログで“子供が2人欲しい”と鈴木氏が懇願しているとも明かしている。当時彼女は40歳。不惑での妊活挑戦について、その不安をこうつづっている。「果たして、これから子供は授かるのでしょうか?二人欲しいね、という夫の希望を私の体は叶えてあげられるのでしょうか」「いくらでも弱気になれるぞ!ダメ!ダメ!よっ、よっ、よんじゅうー!頑張らなければ」不安を吐露した坂井だが、11年8月に念願の第一子となる長女が誕生。結婚生活は順調かと思えた。しかし今年1月、「FLASH」で“鈴木氏が突然家を出ていった”との報道が。同誌は、彼が19歳の女子大生カメラマンと親密な関係にあるとも伝えていた。そして、今回の離婚発表。2人の結婚生活は10年8ヵ月で終止符を打つこととなった。
2020年07月06日爽やかな日差しが差し込むスタジオで、じゃれ合いながらカメラにおさまるのはデビューシングルをリリースしたばかりの@onefive。モデルとしても活躍するSOYOさん、快活な“トーク担当”MOMOさん、キレキレのパフォーマンスが注目のKANOさん、大人っぽい美貌のGUMIさん。個性豊かな4人で結成した同級生ユニットだ。前に進んでいくポジティブパワーを新しい世界に向かう人に届けたい。「小学生の時から一緒にいるので絆は人一倍。そのチームワークでいい曲を作れた気がします」(MOMO)CDデビュー曲「まだ見ぬ世界」は、エレクトロポップにラップを織り交ぜて。かわいさとクールさを併せ持つサウンドに4人の透明感ある歌声が重なり、心地よく響く。「ラップ部分は初体験。繰り返し練習したよね?」(GUMI)「何度も噛んで、録り直して…の連続でした(笑)」(SOYO)さらにステイホーム期間には自らスマホで撮影したダンスPVを配信するという異例の挑戦も。「届いた衣装を家族に見せて『これが本物だよ!』なんて誇らしげにしてみたり(笑)」(KANO)「レッスンもテレビ電話で一緒に。普段からテレビ電話でよく話してるからそれも楽しかったです!」(SOYO)思いがけないできごとも楽しみながら乗り越えるその姿は、この曲が持つポジティブパワーそのもの。「何かを始める時に聴くとテンション上がります!私は学校に行く時に聴くんですけど、後半テンポが速くなるところでワクワクします」(GUMI)未来への期待が膨らむメロディは、自粛生活を終えて新しい生活を迎える人々へのBGMにも聞こえる。「明るくて力強い曲で『前に進むぞ!』という私たちの元気を届けたいです」(MOMO)“まだ見ぬ世界”に踏み出した4人。次なる挑戦は?「まずは初めてのライブをしてみたいですね。こういうかわいい曲はもちろん、赤リップでかっこよく!とかギャップのある姿も見せたいな」(MOMO)デビューシングル『まだ見ぬ世界』¥1,300(アミューズ)15歳のシンガーソングライターYURAによる、まっすぐな歌詞にも注目。カップリングには先行配信された「Pinky Promise」を収録。ワンファイブ令和元年に結成した、全員2004年生まれのガールズユニット。愛らしいルックスに加え、確かな歌唱力とパフォーマンス力にも期待が集まる。普段は「覚えたてのメイクやおしゃれに興味津々」の高校1年生。左からMOMO、SOYO、GUMI、KANO。※『anan』2020年7月8日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・冨永朋子坂本怜加取材、文・大澤千穂(by anan編集部)
2020年07月01日箱を開けると彩りに歓声が起こり、やがてその料理を囲んで会話が盛り上がる。噂のケータリングの作り手、田中美奈子さん初となるレシピブック『ケータリング気分のBox Food』が出版された。雑誌撮影の現場やブランドの展示会で大人気、そしてアンアンでもたびたびお世話に…。そんな“予約の取れない料理家”がケータリングを始めたのは、カフェを切り盛りしていた5年前のこと。「もともとこの世界に興味があってお店に来る編集者さんに相談したところ、『できるよ!』と背中を押されたんです。クチコミで受注を始めたらそこから一気にオーダーが…」人気の秘密を尋ねると、「特別なことは何も」と笑う田中さん。「でも毎回、モデルさんやタレントさんの好きな食べ物を調べてメニューに取り入れるように心がけています。あと、できる限り品数を増やしたいので、時間がギリギリでも『もう一品いける』と思ったら作る。喜んでもらいたいから“ほどほど”で済ませるわけにはいきません」そんな食べる人を思う“心意気”は、本書のレシピの中にも。「見た目だけでなく味でも少し驚いてもらいたいから、安心できる味の中にも新鮮さを意識しています。例えば、アボカドはごま和えに、きんぴらはサンドイッチに。和風、洋風といった型にはめ込まず、定番から少しずらしてみるとか」そして、ファンの多い特大スコーンのレシピも本邦初公開。「私自身スコーン好きなんですが、なかなかしっくりくる味に出合えなくて。でも、自分で作ってみたら簡単で、以来20年は作ってます(笑)。外はサクッ、中はふんわり。その食感を求めると自然とこのサイズに」彩り豊かで、目にも舌にも驚きがある。そんなケータリングの技は、ホームパーティに、お弁当に…と、さまざまな場面で活躍しそう。何より、どの料理も身近な食材で作れて、手順も驚くほどシンプル。「あまりに簡単で『うそ!』って驚かれますけど、全部そのままです。巻末の食材別インデックスは、冷蔵庫にある食材で一品作りたいという時にも便利。これを見れば、ほんとにどこでも手に入る素材しか使ってないことがわかります。実際、発売してすぐ『作りました』という声が届いて…。つくづく簡単なんだなあ、と実感しているところです(笑)」カフェ時代からファンの多い定番「じゃがいものオムレツ」の作り方も掲載。photo by Masahiro Tamuraインスタでも話題になったスコーンを盛り込んだホームパーティレシピ。photo by Masahiro Tamuraたなか・みなこ料理家、カフェディレクター。東京・北参道にあった『LIFE KITASANDO』オーナーシェフとバリスタを経て料理家に。ケータリングが評判。『ケータリング気分のBox Food』田中さんが実際のケータリングで作っているレシピ123品を、お弁当仕立てに組み合わせて公開。「この一冊があれば、誰でもケータリング屋さんが始められるんじゃないかな(笑)」。文化出版局1500円※『anan』2020年7月8日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・大澤千穂(by anan編集部)
2020年07月01日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ライブハウス」です。新型コロナウイルスによって、ミュージシャンたちもライブ活動を自由にできない中で、自分たちの音楽活動をどう持続するかを考えています。そんな中、メジャーなアーティストたちが、弾き語りなど自宅からの演奏を届ける生配信という分野が、着実に市民権を得ています。音楽の楽しみ方、聴き方の選択が増えることはとてもいいことです。そう感じる一方で、ライブはライブでちゃんと戻ってくると僕は信じています。まだまだ時間はかかるかもしれませんが、新型コロナウイルスが終息したあかつきには、ライブハウスは以前と何の変化もなく同じ顔して戻ってくる。僕はそう思っています。なぜなら、ライブってそれだけで特別なものだからです。やはり、CDで聴く、パソコンやテレビの画面を通して観るものとは違う感動がある。それだけは何があろうと絶対に変わらないと思うんです。生の強さははかり知れないものがあり、それがなくなることは決してない。だから、帰ってくるのを待つだけです。僕の周りでも、営業できないライブハウスは多いです。お世話になっていたライブハウスが経営困難になっているという話を聞くのは辛いし、僕だって微力ながら協力していきたいと思っています。なくなることは絶対にないんだから、とにかく笑ってライブができる日まで、一緒に乗り越えていきたいです。不思議なもので、こういう状況になると自分でライブをやることより、誰かのライブに行きたいという思いが強くなりました。僕はミュージシャンの中では、他人のライブに行かないほうで知られていますが、そんな僕でさえ「ライブに行きたい」「誰かのライブを観たい」と、今、めちゃくちゃ思っています。おっきい音で聴いて「この曲かっこええな」と肌で感じたい。みなさんも、そう思っていますよね?もちろん、自分のライブをしたいと思う気持ちもあります。やるとしたら、思い切りさりげなく戻りたいです。コロナの前と後で何かを変えるとか、変わったとか、そういうギミックは入れなくていいと思うんです。僕のキャラ的になんか変わったことするのを期待されそうですけれど、最初のライブは、今まで通りの、変わらない岡崎体育のライブをみなさんにお見せしたいです。大きな音で。おかざきたいいくヤバTとの新番組『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が好評放送中。NHK総合で放送されていた、よるドラ『いいね!光源氏くん』の主題歌「ニニニニニ」が配信中。※『anan』2020年6月24日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年06月21日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「リモートワーク」です。全国で緊急事態宣言が解除され経済活動の再開が進んでいますが、世の中ではリモートワークがすっかり浸透していますね。外出自粛要請の際には、僕もレコード会社との打ち合わせや取材、ラジオの収録なんかもリモートで行っていました。家にいながら何でもできる。これ、まさに僕が望んでいた世界がついにきたぞ、と思いましたね。だって、めちゃくちゃエコで節約にもなるじゃないですか?これまでは、レコード会社で打ち合わせとなったら、そこに行くまでの電車賃とか、向かうための時間とかを使っていたわけで。在宅でできることなら、リモートで済ませたほうがよっぽどいい。経済的にも時短にもなります。まあ、もちろん現場で顔を合わせて話すことで生まれることや、発想もある。一概に全部を全部、在宅でしよう!と言いたいわけではないです。ただ、これからの世の中の流れとして、こういう方法もあり、リモートで事足りることはこれでいいんじゃないかな、と個人的には思います。特にミュージシャン同士の打ち合わせにおいては、実はリモートはとても便利なんです。基本、パソコンの置いてある部屋=作業部屋なわけで、DTMの機材なども置いてある。話し合いをしながら「こういう感じどうですかね?」とキーボードなんかで音を出すことが可能なわけです。そうすると、会議室で会話だけをしながら進めるより、具体的でイメージも共有しやすい。これは、在宅だからこその利点だと思いました。あとは、みなさんもやっているかもしれませんが、俗に言う「Zoom飲み」というのもやってみました。小学校時代の少年野球のメンバーと年に2回、新年とGWに集まっているんですが、今年はリモートで飲み会を開催したんです。本当だったら関西在住メンバーだけで集まって飲んでいたので、今東京に住んでいる僕は参加できなかったかもしれないんですが、今年はこういう状況ですからがっつり参加することができました。これもリモートだったから可能になったことですよね。で、せっかくなのでZoomの機能をフル活用。チャットを使って「小学校時代の同級生のフルネームを漢字で書けるかクイズ」とかして、めちゃくちゃ盛り上がりました。リモートにはリモートの工夫や楽しみ方、利用の仕方がある。それがもっともっと定着していく世の中がいいですね。おかざきたいいくヤバTとの新番組『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が放送中。NHK総合で放送されていた、よるドラ『いいね!光源氏くん』の主題歌「ニニニニニ」が、好評配信中。※『anan』2020年6月17日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年06月16日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「関西弁」です。歌詞の中で使われている言葉は、そのほとんどが標準語です。僕は京都出身なので、当然ふだん使っているのは関西弁。東京に出てきてもうすぐ1年経ちますが、言葉のスタンスはそうそう変わるものではないので関西弁を使っています。歌詞で関西弁を使うミュージシャンでまず思いつくのはウルフルズさんですね。関西弁は、ソウルミュージックにすごく合うと思います。生まれ育ったところの言葉はなんだか素のままの自分が出せるので、ソウルにめっちゃハマる。僕の「なにやってもあかんわ」という曲もそういう感じしませんか?曲の中にパーソナリティを出すなら、距離感が縮まったり親近感を持てるので、関西弁に限らず地元の言葉を使うとリアリティが増して良いのだと思います。これは、ひとつの武器ですよね。文学的だったり、シリアスにしたいときには標準語を使えばいいし、くだけた感じや柔らかなニュアンスを足したいなって曲のときにはあえて関西弁を使う。そういう使い分けができる。これ、関東出身の人たちは標準語だけなわけやから、そういう方々よりも僕たちは表現の幅がひとつ広いのではないか、と思います。でも、関西圏以外でもテレビのバラエティ番組などで関西弁が溢れているわけで、みなさん関西弁慣れしているんじゃないでしょうか。耳馴染みあるはずです。逆に、僕なんかは標準語がいまだになかなか上手に操れずに苦戦することがあります。以前、テレビドラマで実写版の『サザエさん』に参加させていただきました。カツオの親友の中島くんが大人になった姿を演じたのですが、彼はバリバリの世田谷育ちですから、めっちゃ標準語口調なわけです。イントネーションとかどうすればいいのか、けっこう迷ってしまいました。あと、こっちに来てからホームセンターとかスーパーに行くと子どもたちが標準語なのには、結構びっくりさせられます。僕の中ではやっぱり子どもはバリバリの関西弁。標準語でお母さんとしゃべっている子を見かけると、全員、少し前の芦田愛菜ちゃんや鈴木福くんに見えます。僕にとっては標準語の子ども=子役のイメージなんです。でも、これから東京にずっと住むとして、もし、もしも、子どもを持ったとしたら僕の子は何弁をしゃべるのでしょうか。やっぱり標準語なんですかね?そしたら僕も影響を受けて、めっちゃ標準語で会話してしまいそうです。おかざきたいいくヤバTとの新番組『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)が放送中。よるドラ『いいね!光源氏くん』(NHK総合 毎週土曜23:30~)の主題歌「ニニニニニ」が好評配信中。※『anan』2020年6月10日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年06月09日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ファンレター」です。応援してくださっている方々から手書きのお手紙をいただくことがあります。結構、年齢男女問わずで、小さい子どもたちから僕よりも上の世代の方からのお手紙まであります。うれしいです。ファンレターって家で想いを込めてしたためてくれているのかと思いきや、ライブ会場で、ライブ終わりの熱気をそのまま書いて、スタッフに渡してくれることもあり、ホカホカの状態でのお手紙に感動することも少なくないです。こんな時代ですし、手書きの手紙なんて重たく思われそう…とか、邪魔にされそう…なんて思うかもしれませんが、まったくそんなことないですね。まず、ミュージシャンからしたら手紙を書こうと思ってくれたその気持ちだけでうれしいです。伝えたいこと、想いがあれば、ぜひ書いてほしいと思います。手紙を書くときのコツ、というかおすすめしたいのは、「好き」という気持ちを熱心に語っていただくのはうれしいですが、わざわざ手紙を書いていただいている時点で「好きでいてくれてるんやろな」ということはわかるので、まあそこまで書くことないかもしれません。それより、書いている自分自身のことも、ちょっと語っていただけるといいかなと思います。どういう人が僕のことを好きになってくれて、どういう毎日の生活の中で僕の音楽を聴いてくれているのか知りたいし、それがわかるとお手紙の重さやリアリティも変わってきます。受け取る人の印象にも残ると思います。これから誰かにファンレターを書こうと思っているならぜひ、自分のことも積極的に書いてみてはいかがでしょうか。逆に僕自身は、これまでファンレターというものを書いたことがないですね。子どものころに好きな漫画家にファンレターを送ったとかもないです。『少年ジャンプ』の投稿ページに2~3回投稿をしたことがあるくらい。自主的に手紙を書こうと思ったことはないかもしれません。…あ、思い当たるとしたら、ラブレターくらいですかね。ラブレターっていっても、積極的に自分から書いたわけではなくて、もらったラブレターに「ありがとうね」とお返事の手紙を書いたことがある…くらいの話です。小学生のときですかね、書いたの…。なんか、思い出したらめちゃくちゃ恥ずかしくなってきました。照れるのでもう終わりにします。おかざきたいいくヤバTとの新番組『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)がスタート。よるドラ『いいね!光源氏くん』(NHK総合 毎週土曜23:30~)の主題歌「ニニニニニ」が好評配信中。※『anan』2020年6月3日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年06月01日“化粧品がちょっぴりしか載ってない美容本”を書き、大ヒット中の美容ライター・長田杏奈さん。「美容は楽しく、夢があるもの」と語る彼女の言葉には、女性への愛がたくさん詰まっています。美容本といえば、キレイなモデルさんを使った、スキンケアやメイク、マッサージの方法、またおすすめの化粧品など、いわゆる“ハウツー”がたくさん載っているというのが一般的なスタイル。そんな中、昨年出版された長田杏奈さんの『美容は自尊心の筋トレ』は、写真ゼロ、文字のみ、しかも化粧品はちょっぴりしか出てこず、表紙はあぐらをかいてメイクをする女性のイラストという、前代未聞の美容本でした。多くの女性に勇気を与え、美容の方向性に一石を投じたともいわれるこの本を書いた長田さんとは、いったいどんな人?否定やダメ出しから入らない美容の楽しさを伝えたい。――他者からキレイに見られたい、ということが目的の美容を決して否定するわけではないのですが、それと、長田さんが著書でおっしゃっている“自尊心を上げるための美容”は、同じ美容でもベクトルが違いますよね。どういうところから、そういった考えが生まれてきたのでしょうか…?長田:美容ライターの仕事に慣れて、少し余裕が出てきた頃…、35歳くらいのときでしょうか。美容業界って夏は美白、晩夏は夏疲れ肌のケア、秋はエイジング、冬は保湿、春はゆらぎ肌のケア…というように、わりとカレンダー通りに動いているんですが、余裕が出てきたおかげで、カレンダー以外のテーマに目が行くようになったような気がします。取材で読者さんに会うと、「ここがコンプレックスだ」とか、「私はかわいくないから」とか、自分の顔にNGを出している人が多くて、実際はただ理想が高いか偏っているかしているだけで、普通に素敵な人ばかり。で、雑誌を開けば、「小さい目をデカ目に見せるテクニック」「低い鼻を高く見せよう」とか、生まれ持ったものを否定して、別の顔にする方法が載っている。小手先のコンプレックス解消が、根本的なコンプレックスを募らせているというか……。――長田さんがその昔感じた、ワクワク感とは真逆ですね。長田:はい。あと、「メイクするにも買い物するにも失敗したくない」「イタいと思われたくない」「正解が知りたい」っていう声が強くなってきた感じもありましたね。誰に何を言われたわけじゃなくても、“私、イタくない?”と、自分で自分を監視しちゃう人も増えた気がするし…美容って、もっと楽しくて、自由で夢やときめきがあるものじゃなかったかな?ずいぶん離れたところに来ちゃったな…と。目先のコンプレックスを解決する文脈で美容法や商品を溢れるほど提案することも、カリスマを唯一神みたいに持ち上げるのも、結局女性を悩みのループに閉じ込めている気もしましたし。もうそういうのにほとほと疲れて、とうとう養命酒を飲み始めちゃったんですよ、私(笑)。――養命酒を…。長田:そう。でも私は、雑誌に書く記事は、自分の主義主張を入れず、雑誌のトーンに合わせたものを書く、というのを美学としていたので、代わりにSNSに、少しずつ自分の思いや考えを書くようになったんです。でも些細なことですよ、「落ち込んだときに好きな色のリップを塗って、“好きな感じの顔”にすると、なんか励まされる」とか。そういうことをつらつら書いている中で、“私にとっての美容って、自尊心を育むためのトレーニングだな”と気がついて。意外なことに、そこに結構反応があったんです。「長田さんのツイッターやインスタを見て、化粧品を買おうと思った」「鏡を見られるようになった」「自分の顔が好きになった」みたいな声がちらほら出てきた。王道とされる美容に乗り切れない独り言にすぎなくても、それによって誰かが苦手なことが大丈夫になった、というのが嬉しかったですね。『美容は自尊心の筋トレ』も、私のSNSを見た編集者さんが声をかけてくれて、書くことになった一冊です。――ここ数年、社会の中での女性のあり方や、生き方に変化が起きていると思いますが、美容の世界でも変化はありますか?長田:少しずつ、特集のテーマが変わってきている気がします。例えば、“夏の体特集”みたいなテーマでも、昔なら「痩せてなきゃキレイじゃない」というような画一的なものでしたが、「私らしい体」みたいなひと言が付くようになったような気がします。――今を生きる女性たちに、美容を通して、長田さんはどんなことを伝えたいと思っていますか?長田:美容というツールを使ってセルフケアを習慣にしたり、自己表現を楽しんで、最終的には自信を持ってほしいです。ドヤ顔で威張りくさるパフォーマンスとしての自信じゃなくて、自分の姿や振る舞いに対して、身構えずリラックスできるような自信。自分に寛ぐことができれば「私なんか」と萎縮して感情や可能性にフタをせずに済むし、やりたいことにもっと踏み出せるようになると思う。自分をなおざりにして、人にいいように使われても仕方ない、これが現実だから、みたいな呪縛から離れるだけで、視界が開けると思う。美容のいいところは、化粧品という“モノ”があるから、入りやすいし実感しやすいところ。「とにかく自信を持ちましょう!」という精神論でも机上の空論でもない。好きな色と一体化して「なんかいいじゃん」、いい香りのスキンケアで「気持ちいい!」とかすぐに感じて動く何かがある。そういう体験を重ねると自分への愛着も深まるし、マインドを変えるスイッチにもなり得る。美容というミーハーでキャッチーでアガるチャンネルを通じて、女の人に課せられているいろんな“枷”を無力化するのが私が果たすべき役目だと思っています。とりあえず、現世は女性に尽くそうと思ってるんです。長田さん責任編集の雑誌『エトセトラVOL.3私の 私による 私のための身体』(エトセトラブックス)が発売中。1334人のアンケートをもとにした、女性の体への思いをまとめたレポートや、松田青子のエッセイ、はらだ有彩のマンガなどが詰まった一冊。6月には『あなたは美しい。その証拠を今からぼくたちが見せよう。』(大和書房)が発売予定。おさだ・あんな1977年生まれ、神奈川県出身。化粧品会社の美容部員をしていた母の影響もあり、10代の頃から美容に興味を抱く。大学を卒業後、IT系企業の広告営業を経て、週刊誌の契約編集者に。フリー転身後は、女性誌をメインに活躍。2019年に上梓した初の著書『美容は自尊心の筋トレ』(Pヴァイン)が話題となり5度の重版が決定。※『anan』2020年6月3日号より。写真・小笠原真紀(by anan編集部)
2020年05月30日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「フィーチャリング」です。よくミュージシャン同士が一緒に音源を出すときに使われる“フィーチャリング”とは何か、コラボ(レーション)との違いは何なのか。みなさん、疑問に思われるかもしれません。フィーチャリングは“客演”のことで、メインとなるアーティストの人が招いた相手を特色として際立たせたり、特徴づけたりするような作品作りをすることを指します。主体はメインのミュージシャンにあります。歌わないトラックメーカーの方がボーカリストを招いて自分の曲として発表するのは、まさにフィーチャリング。一方で、“&”とか“×”と表記するようなものはコラボで、一方の人が主導権を持つフィーチャリングよりもう少し、アーティスト同士の立場や意識がイーブンで、お互いがお互いの作品としてやっていることが多い。一から一緒に作っていくイメージです。だいたいこういうことだと思いますが、これに当てはまらない制作スタイルや考え方もあると思います。なので、フィーチャリングやコラボというワードが出てきたら、そんなに深く考えずに「あ、あの人とあの人が一緒にやってんやな」くらいの感覚で理解いただけたら、それで十分なのではないかと思います。岡崎体育としては、フィーチャリングに呼んでいただく機会が結構多く、ありがたいなあと思っています。でも、何ででしょうね?一人だから呼びやすいのでしょうか。バンドよりスケジュール取りやすいし、お弁当も一つでええし、使い勝手がいいんでしょうね。ネタ曲などおふざけも得意なスタイルでやっていますが意外とコミックソング的な同ジャンルっぽい方より、真摯に音楽と向き合っているような方々からお声掛けいただくことが多い感じがします。味を変えたい、ちょっとアクセント利かせたいというときに岡崎体育はちょうどいいのかもしれません。普段、音楽制作を一人でやっているので、呼んでいただくととても新鮮な気持ちで、僕としても毎回楽しくやらせていただいています。一緒に一つの作品を作り上げるわけですから、お互いの距離感も縮まります。それもまたいいです。学生時代、バンドを組んでいたときは協調性がなく、誰とも共同作業ができなかった僕ですが、今や、そうそうたるアーティストたちと対等にやり合えるようになっています。自分で自分に「大人になったもんやな…」と感心しています。おかざきたいいくヤバTとの新番組『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)がスタート。よるドラ『いいね!光源氏くん』(NHK総合 毎週土曜23:30~)の主題歌「ニニニニニ」が好評配信中。※『anan』2020年5月27日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年05月26日主演ありきで企画が立ち上がることの多い日本のエンタメ界において、いまミュージカルの世界は比較的フェアになっているのではないかと思う。要は、歌えるか否か、そして、観客の心を掴む芝居ができるか否か。海宝直人さんという人こそ、まさにその象徴的存在だろう。子役時代からのキャリアを考えれば、いまの活躍ぶりは当然のことかもしれない。それでも大人の俳優としてミュージカルの舞台に立ち始めた当初は、ソロパートがまるでないアンサンブルのひとりだった。そんな海宝さんが一躍注目を集めるようになったのが’15年の『レ・ミゼラブル』だ。オーディションによりヒロインの恋人となるマリウスを演じたが、幕が開くなりミュージカルファンの間で海宝マリウスが大きな話題に。そこからは、『アラジン』日本初演でのアラジンや、『ライオンキング』のシンバ、『ノートルダムの鐘』のカジモドなど、超有名大作の主役を次々と射止めている。その快進撃も、彼の歌を聴けば納得のはず。楽曲の音の輪郭を細かく丁寧になぞりながら、そこに役の心情を描写してみせる。その圧倒的な歌唱力と表現力には、ただただ脱帽するばかりだ。「姉が4歳の頃に『アニー』に出演したりして、物心つく前から、自然に歌ったり踊ったりしていたんです。この間、昔のホームビデオを見ていたら姉と競うようにアニーの歌を歌っていて、本当に好きだったんだなって(笑)」そんな海宝直人さんの初舞台は8歳の時にチップ役で出演した劇団四季の『美女と野獣』。その後には、『ライオンキング』でヤングシンバも経験した。「当時は学校とミュージカルとの両輪で生活していた感じでした。でも、どちらかというとお仕事の方が楽しくて、自分としてはそっちがメインみたいな感覚でした」そんな少年がミュージカルの道を選択したのは、ごく自然なこと。大学への進学も考えていた高校卒業間際に『ミス・サイゴン』のオーディションの存在を知る。「いま思えば、あれが大人の俳優としてやっていこうと決めた瞬間だったと思います」と振り返る。「『ミス・サイゴン』はアンサンブルにソロの場面があったりするんですが、僕にはなくて。そこから多くの作品に出させていただきましたが、やはりメインでお芝居がしたい思いがありました」ターニングポイントは’15年の『レ・ミゼラブル』マリウス役。その歌唱力だけでなく、役柄への深い解釈に評価が集まり、注目度が一気に増した。その後、『アラジン』『ライオンキング』『ノートルダムの鐘』と大作ミュージカルの主役を次々と演じている。「幼い頃から出会ってきた方や作品にずっと恵まれてきたんだと思います。それこそ、子役時代にご一緒させていただいた劇団四季の方々は、素晴らしい俳優さんばかり。そういうなかで、自分が何をいいと思うか、どんな俳優になりたいかといったものが形成されていったような気がします」役を表現するツールとしてテクニックは必要なんです。海宝さんの魅力といえば、確かな歌の実力はもちろんだけど、何よりその歌の表現力の豊かさだろう。これまで何度となく聴いていた曲なのに、海宝さんの歌で“ああ、こういう曲だったんだ”と気づかされることも多い。「もともと僕は、この役の心情でこのメロディならばこう表現したいというのが、結構はっきり自分の中にあるほう。それを表現するツールとして、どうしてもテクニックが必要なんです。ただ20代前半の頃は、こういう表現がしたいのにできないとか、こういう音色を出したいのに出ないとかで苦悩していて。例えば高音でメロディが書かれている曲があって、それを歌おうとすると声が細くなってしまったり柔らかい音色になってしまったり、歌のエネルギーが落ちてしまうことがあるわけです。でもそれでは、自分が思う役の心情が表現できない。だとしたら、出せるようにするしかないですよね。苦悩する場面で歌うなら、もっと声帯を閉じた、ガツンと当たった音でちょっと歪みを出したいとか。そのためにボイストレーニングに通うようになったんです」テクニックを磨くことは、つまり表現の幅を広げるということ。そして、いざ舞台に立った時に歌から自由になるためのもの。「歌っている時、思うように声が出ないとか何か引っかかりがあると、そっちが気になって役に集中できなくなっちゃうんですね。それが自分の中のストレスになるし、お客様にも伝わってしまう。だから舞台上で余計なことを考えずに済むためのものなんです」なんと’18年には世界的演劇都市ロンドンのウェストエンドで舞台デビューも果たしている。しかもそれが、舞台で海宝さんの声を聴いたロンドン・ロイヤル・オペラハウスのコンサートマスターのヴァスコ・ヴァシレフさんからのオファーだったというからすごい。「最初は詐欺じゃないか、と(笑)。でも、こんなチャンスはなかなかないし、飛び込んでみようと思って。右も左もわからないなかでしたが、すごく新鮮な体験でした」世界も認めたその人は、いまどこを向いているのだろうか。「この間、『アナスタシア』という日本初演の作品に携わらせていただいたんですが、自分でイチから作っていけるというのは、すごく価値のあることだなと思ったんです。プレッシャーもありますが、やりがいを感じますよね」転機となった出演作苦悩しながら成長していく人間味が共感を呼んだ。’15年を皮切りに、’17年、’19年の『レ・ミゼラブル』でマリウスを好演。「けっしてヒーローではなく、乗り越えられないものの前で苦悩したりする人間くささが魅力的な役です」制約の多い難役に挑戦。深く丁寧な役づくりが光る。’16年に日本初演となった劇団四季『ノートルダムの鐘』で、公開オーディションにより主人公・カジモド役を獲得。「肉体的にも精神的にも、自分の極限を試された作品でした」かいほう・なおと1988年7月4日生まれ、千葉県出身。舞台を中心に活動する傍ら、ロックバンド・CYANOTYPEのボーカルとしても活動している。※『anan』2020年5月27日号より。写真・小笠原真紀取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年05月25日いい意味でミュージカル俳優らしくない。それが柿澤勇人さんの魅力ではないだろうか。ミュージカル界に身を置く俳優の多くは、幼い頃からミュージカル好きだったか、もしくはずっと歌かダンスが得意でミュージカルにたどり着いた、というパターン。しかし柿澤さんは、ミュージカルに出合う高校時代まで、ずっとサッカー一筋でやってきた人。それゆえか、“王子感”を感じさせる多くの同世代のミュージカル俳優のなかにあって、ちょっとしたヤンチャさや屈託のなさは、彼の個性として確立しているように思う。もちろん歌はうまいし、声もよく声量もある。でも舞台を観終わると、歌や曲というよりも、演じるキャラクターの人間味が強く印象に残るのだ。観客に夢を見させるキャラクターというより、身近でリアルな人物を立ち上げる。とくにそれを感じさせたのが『デスノート THE MUSICAL』の夜神月役。名前を書いた人を死なせるノートを手に入れたことで、自らの能力に溺れていく役だが、彼の秀才ぶりよりも、ひたむきな愚かさや精神的幼さを感じさせる月だった。人間くささ。それこそが柿澤さんの役に共感してしまう理由なのだ。幼い頃からずっとサッカー漬けの日々を送っていた柿澤勇人さんの人生を、一本のミュージカルが一変させた。それが高校1年生の時の課外授業で観た劇団四季の『ライオンキング』だ。「それまでミュージカルにまったく触れたことがなくて、観る前は正直ナメてた部分もあったんです。でも、始まって1曲目で心を掴まれて、『俺、これやるわ』って、劇場を出た瞬間に担任の先生に劇団四季の入り方を聞いてました」ここまではよくある話。でも、すごいのは3年後に超難関のオーディションを突破し、劇団四季の研究所に入ってしまったこと。「運が良かったんですよね。その頃ちょうど四季が全国各地の劇場でロングラン公演を打つようになっていた時期で、ちょっとでも可能性があると思われたらチャンスが回ってくる。ただ、その時の僕はダンスも歌もド素人。当時、研究生は毎日朝から夕方までバレエや日舞のレッスンや発声練習がありましたが、終わってからいったん帰宅して仮眠をとった後、夜中にレッスン場に行って自主稽古をしていました。ダンス経験者の同期に教わったり、音大のやつに歌を聴いてもらったり。あの時期が一番たくさんのことを学んだし、吸収させてもらったと思います」厳しい練習を続ける努力や向上心は、サッカーで身に付けたこと。「自分のマインド的に、下手くそだったら練習するしかないっていうのがあります。そもそもミュージカルって技術が必要で、本来1か月や2か月で習得できるもんじゃない。でも、じゃあどうするかといったら、結局やれるのは練習とか努力とかしかないんです」そして入団から半年で舞台デビューし、翌々年にはミュージカル『春のめざめ』日本初演で主役に抜擢。しかし、なんと柿澤さんはその年に四季を退団してしまう。「『春のめざめ』ではクリエイティブのスタッフが海外から来たんですが、それまでの四季のメソッドとは全然違う作り方をしたんですよ。毎日、感情を出せ、叫べ泣け、怒りなんてそんなものかと言われて…。でも、それが面白かったんです。ミュージカルって何なんだろう、舞台って、芝居ってと考えるうち、もう一度演技を勉強し直したいと思うようになって」いまも大切にしている蜷川幸雄さんからの教え。俳優として大きな転機となったのは、故・蜷川幸雄さん演出のストレートプレイ『海辺のカフカ』。「蜷川さんは、つねに芝居とは何かを考えていた人。その方と一緒に作品を作れたことは、すごく大きな経験です。だって、たった1シーンのセリフを実感のこもったものにするために、稽古場に生肉の塊を買ってこさせたりするんですよ。そんな演出家、他にいないですよね。セリフは腑に落ちてないとダメなんだと教えてくださった方です。ミュージカルも根底は芝居。歌をきれいに歌うことより、作品のなかで役として筋を通すことを大事にしています」もうひとついまも大切にしている蜷川さんの言葉がある。それは、「つねに自分を疑え」ということ。「周りに何も言われなくても、これで本当にいいのか、つねに自分でちゃんと考えろとおっしゃっていました。実際、蜷川さんは一度成功を収めた作品の再演の稽古でも怒鳴ってましたしね(笑)」そんな柿澤さんに、目標を伺うと「俳優という仕事でいえば…この先も芝居って何だろうっていう答えを探しながらやっていくだろうと思います」と前置き。「ミュージカルに関していえば、誰もが知ってるような人気作もやりつつ、日本でこれから作られていくオリジナル作品にもどんどん挑戦していきたいと思っています。海外にはすばらしい作品がたくさんありますけれど、日本の作品にだっていいものはある。いま韓国はミュージカルブームですが、負けてられないですよね。日本オリジナルの『デスノート THE MUSICAL』という作品で台湾に行ったんですが、あれが第一歩。すぐには無理でも50年後、ブロードウェイで上演されるきっかけになるような日本発の作品に携われたら嬉しいし面白いなと思っています」夏にミュージカル『スクールオブロック』の主演が控えている。「日本での上演は今回が初。観た方に、いい作品だと思ってもらえるよう臨みたいです」転機となった出演作役の感情から歌に繋げていくことを学んだ作品。劇団四季退団後の最初の舞台が’11年の『スリル・ミー』。「ミュージカルではあるけれど、作品の軸は心理劇。うまく歌うことよりも、役の感情を通すことを大事に演じました」韓国や台湾でも評判を呼んだ日本発のオリジナル。大人気漫画『デスノート』がミュージカルに。’15年の初演と’17年の再演で、主人公の夜神月を演じた。「作品の立ち上げに携われたことは、自分にとって大きな経験でした」かきざわ・はやと1987年10月12日生まれ、神奈川県出身。ミュージカルのみならず、ストレートプレイや映像でも活躍。連続テレビ小説『エール』に出演。シャツカーディガン¥34,000パンツ¥32,000(共にヨーク/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)シャツ¥39,000(08サーカス/08ブック TEL:03・5329・0801)シューズ¥23,000(トス/HEMT PR TEL:03・6721・0882)ソックスはスタイリスト私物※『anan』2020年5月27日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・藤長祥平ヘア&メイク・松田蓉子取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年05月24日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「睡眠」です。寝ているときに歌詞やメロディが降りてくるというような話をよく聞きます。枕元にメモ帳を置いておき、起き抜けに夢で見たアイデアを書き留めておくようにしている、なんていうエピソードもよく聞きますが、僕、岡崎体育はそういうことが一切ありません。そもそも、音楽に関する夢をまず見ません。夢には深層心理が反映されている、などといわれていますが、プレッシャーがかかる大舞台の前とか大事な収録の前などでも、僕はそれに関する夢を見たことがありません。よく見る夢は、歯が抜ける夢。それがダントツで多い。1本だけとかでなく、ボロボロ抜けて驚くという夢です。だから、先に書いたような音楽の睡眠学習ができる方、うらやましくて仕方ありません。そういう方は天性の才能なんでしょうね。睡眠の導入について考え直してみても、寝ることと音楽は結びついていません。寝る前に音楽を聴くことはないですし、寝る前に音楽のこともあまり考えないようにしています。寝る前は、たいてい何か活字を読んでいますね。よくないのかもしれませんけど、スマホで時事的なニュース記事などを読んでいます。つらつらと読んでいると眠くなってきて、寝ます。音楽を作っている立場で考えると、睡眠と音楽は分けておきたいのかもしれません。中田ヤスタカさんは、新幹線や車など移動中は音楽を聴かないとお話しされていました。同じように音楽プロデューサーの蔦谷好位置さんも、ごはんを食べに行ったときのお店のBGMがいつも気になってしまうとおっしゃっていました。プロの音楽家は、音楽が流れるとその音楽についていやでも考えてしまうのでしょう。このコード進行はなんだ?とか、このフレーズ違うほうがいいんじゃない?とか。音楽理論的に考えてしまうのだと思います。僕もそう……と言いたいところですが、僕の場合はそこまでシリアスなものではないような気もします。どちらかというと、テスト前の中高生と同じようなノリ。試験勉強したくない、考えたくないと逃避したくて、寝る前はわざと考えないだけのような気がします。だって、納期が迫って制作に向き合わないといけない状況になると、逆にめちゃくちゃ眠くなりますからね。机に向かっていても、午前中でも、めっちゃ眠い。テスト勉強のために机の前に座ると途端に眠たくなるのと、まったく同じ仕組みです。おかざきたいいくヤバTとの新番組『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)がスタート。よるドラ『いいね!光源氏くん』(NHK総合 毎週土曜23:30~)の主題歌「ニニニニニ」が好評配信中。※『anan』2020年5月20日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年05月18日美しく澄んだ声と演技力の高さに定評があり、アニメファンのみならず幅広い層に人気の花澤香菜さん。声優は天職に思えるものの、決して平坦な道のりではなかったようで…。声優でなかったら夢は絶対にパン屋さん。――子どもの頃から芸能界で活躍されていますが、どういう経緯で声優になったのでしょう。花澤:そもそも芸能界に入ったのは、子役のオーディションのチラシを持ってきた母に「やる?」と言われて、即答したのがきっかけです。お遊戯会や学芸会が大好きで、目立ちたがり屋だったんです。お仕事をしながら、習い事などもやらせてもらいましたが、やっぱり自分の中で芸能活動は特別感がありました。でも高校卒業と同時に、一度はやめようと思ったんです。そんなに活躍できていたわけでもないし、大学に入ってやりたいことを見つけようかなって。当時、レギュラーのアニメの仕事があったのですが、そのキャスティングをしていた今の事務所のマネージャーにやめることをお伝えしたら、「声がいいからやめないでほしい」と言ってもらって。お芝居や声を褒められたことがなかったので嬉しくて、必要としてくれるなら続けようと思ったんです。――それまでご自身の声の魅力に気づいてなかったのが意外です。花澤:声優の仕事に自信が持てるようになるのも時間がかかりました。子役事務所から声優事務所に移ってからも、自分は棒読みだという自覚があったので。今振り返ると、たしかに技術はないけれども、キャラクターには合っていたのかもしれないなと思ったりもするのですが、当時はほかの人と全然違うことに悩んでいました。そんななか『ぽてまよ』という作品で、冷蔵庫から生まれた謎の生物「ぽてまよ」の役をやらせてもらったんです。2頭身で「ほにほに」とか「にゃー」とか「ぱん」とかしか言えない子だったんですけど、台本に「アドリブ」と書いてあるところがたくさんあったんですね。決まったセリフを言うだけではなく、自分で想像して表現してもいいんだってわかったらすごく楽しくなって、能動的にやってみようと思えるようになったんです。――先ほどのお話から察するに、棒読みで悩んでいた頃も練習をたくさんしていたのでしょうね。花澤:してましたね。『ゼーガペイン』というロボットアニメで、機体に乗って攻撃を受けて「ギャー!」などと悲鳴を上げるシーンがあったんですけど、ロボットに乗ったことなんてないし、攻撃されたらどうなるのかもわからなくて。こんな感じかな?って、家の壁に激突してみたりして(笑)。――すごい(笑)。そのくらい共感や体験は大事なんですね。花澤:アニメは特に普段言わないようなセリフも多いので、見る人が少しでも作り物だと感じると、入り込めなくなってしまうじゃないですか。リアリティを出すためにも、自分の体験から似たような感覚を探すことが大切なんです。――経験を重ねてきたからこそ感じる、声優の楽しさや難しさは?花澤:やったことのない役をいただくと意欲が湧きますし、反対にやったことのあるような役でも、そのキャラクターに合ったものを今の自分が出せているか気になります。それと最近はナレーションのお仕事が増えてきているのですが、キャラクターを演じるわけではないので、制限があるようでないところが難しいんですよね。聞きやすさや伝えたいポイントはもちろん考えますが、悩んでなかなか進まないときは第三者の目がとても頼りになります。本当に終わりがないところが、この仕事の難しさであり、楽しさでもありますね。ちょっとは成長したかなって思える瞬間があったらやっぱり嬉しいし、作品や番組を見た方から「よかったよ」って言われると、すごくやりがいにつながります。――違う職業に進むことも考えたそうですが、もし声優でなかったら何をしていたと思いますか?花澤:絶対にパン屋さんです!母がパン屋さんで働いていたこともあって、小さい頃からパンで育ってきましたし、高校時代に私もパン屋さんでアルバイトをしていました。基本的にへっぽこで、レジ打ちとかはすごく苦手なんですけど、パンの名前と値段だけはすぐに覚えられる(笑)。立ち仕事だったり力仕事だったりで大変だとは思うのですが、焼きたての香りの中で一日中お仕事ができたら、幸せだろうなあと思います。――声優として、またお仕事以外でチャレンジしたいことは?花澤:ナレーションのお仕事や今までとは違う役をいただくことが増えてきて、今は進化のチャンスだと感じています。本当に遅ればせながらですが、最近ボイトレを始めたんです。次の段階にステップアップしたいので、自分の殻に閉じこもらず、いろんな人にアドバイスをいただきながら成長していければいいですね。プライベートでは、こんなご時世でもパン屋さんは開いてくれているので、引き続き買い支えていきたいです!はなざわ・かな東京都出身。2003年、声優としての活動をスタート。『化物語』『3月のライオン』『鬼滅の刃』『マギアレコード 魔法少女まどかマギカ外伝』など出演作多数。2012年に歌手デビューを果たし、これまでにアルバムを5枚リリース。ラジオ『花澤香菜のひとりでできるかな?』(文化放送 超!A&G+)でパーソナリティを務めている。『青い花』に出演して以来、志村貴子さんのファンだという花澤さん。『どうにかなる日々』は元恋人の結婚式、男子校の先生と生徒、思春期の幼馴染みの男女を描いたオムニバスショートストーリー集で、花澤さんは最初のエピソード「えっちゃんとあやさん」に出演。監督を佐藤卓哉さん、主題歌・音楽をクリープハイプが担当。近日公開予定。ビオラ刺繍チュールコート¥77,000(MUVEIL/ギャラリー・ミュベール TEL:03・6427・2162)その他はスタイリスト私物※『anan』2020年5月13日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・山本香織ヘア&メイク・宇賀理絵インタビュー、文・兵藤育子(by anan編集部)
2020年05月08日