観客1人の路上ライブから駆け上がり、メジャー初アルバム『開幕宣言』を発表したNovelbright。メンバーを紹介してもらうと、いきなり関西ノリが炸裂!路上からメジャーへ。ブレイク必至のバンドが“新章”の始まりを告げる!竹中雄大(以下、雄大):圭吾は超ビビりなベース。ツッコミ担当で、ボケは苦手やな。圭吾:1日1回は沸かしてるから!山田海斗(以下、海斗):それとチャコールグレーが好き。圭吾:なんやねん、それ(笑)。雄大は忘れ物が多い。今日はコンタクトを忘れてきたし、いつも寝てる。沖聡次郎(以下、聡次郎):楽屋も雄大くんのフィールドだけ汚い(笑)。圭吾:でも、そうしたマイナス要素をカバーする素晴らしいボーカル。雄大:MCでウケんかったライブは、たぶん歌も微妙やけど(笑)。ねぎ:海斗くんはファッショニスタで、ジェンダーレス系ギタリスト。雄大:最近、増量に成功!海斗:こうみえて趣味、筋トレ。聡次郎:ドラムのねぎは声が大きくて、ファミレスで注文する時の「すみませ~ん!」が得意(笑)。圭吾:あと、あがり症!ねぎ:「かっこいい顔見せんと」って思うと緊張…。海斗:ギターの聡ちゃんは、ゲームとアニメ好きで外に出ない。雄大:忘年会で鍋作ってくれたり、バンドのお母さんでもある。――バラバラな個性がバンドとしてまとまる理由は?圭吾:メンバー5人が全員、バンドがとんでもなく好きだから馴染むんだと思います。聡次郎:僕らはメンバーという以前にツレという感覚で、音楽面では遠慮なく言い合える関係なんです。ねぎ:自分たちで車を運転して回った路上ライブツアーで、毎日演奏して、1か月半生活を共にした時間の濃さも、絆を強めてくれましたね。海斗:ツアー初日、雄大が全所持金の入った財布をなくして、テンションの下がりようがすごかった(笑)。雄大:家賃2か月分なくして、めっちゃ萎えたわ~!――そんな状況からバンドが大きくなり、人気が高まっている実感は?雄大:微塵もないですね。「まだまだ全然やな」と思ってます。ねぎ:ライブができなくて、実感しにくいんです。コロナ前のライブは最多でお客さんが800人だったので、収束後に見る次の景色が楽しみ。――アルバム『開幕宣言』の制作現場はいかがでしたか?聡次郎:毎回、前作の自分たちを超えなきゃという意識で作ってるんですけど、今回はメジャー1作目というプレッシャーに対して、どういう音がリスナーに刺さるのか悩んだし、ディスカッションも重ねましたね。海斗:自分的には、「bedroom」で命について詞を書けた達成感が大きかったです。雄大:僕は「愛結び」の曲作りで既婚の友達に結婚についてインタビューしたのが楽しかったですね。ねぎ:ドラム的には曲ごとに太鼓やシンバル類を変えて、マイクを通した音の違いを知れて楽しかったです。圭吾:『開幕宣言』は、バンドの新章。メジャーという土俵に上がって、「さあここから行くぞ!」と力強く言えるアルバムになりました。メジャー1stアルバム『開幕宣言』。ドラマ『共演NG』主題歌「あなたを求めただけなのに」など全13曲を収録。【初回限定盤(CD+LIVE DVD)】¥5,280【通常盤(CD)】¥3,300(ユニバーサルミュージック)ノーベルブライト左から、沖聡次郎(Gt)、ねぎ(Dr)、竹中雄大(Vo)、圭吾(Ba)、山田海斗(Gt)。2019年、現体制になり路上ツアーへ。’20年、配信シングル「Sunny drop」でメジャーデビュー。「ツキミソウ」がロングヒット中。※『anan』2021年5月5日-12日合併号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・shuhei kai(雄大さん、聡次郎さん、ねぎさん)取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2021年05月08日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「怒ること」です。ミュージシャンは感性の仕事なので、感情の起伏も激しい方が多いイメージがあります。ここだけの話、楽屋などで大ゲンカをしているバンドの方たちに遭遇したことも多々あります。僕の場合は、仕事に対しては常に真剣ですが、気に入らないことがあって怒るということはほとんどありません。僕はソロアーティストなので、メンバー間でなにか揉めるとか、意見がぶつかるということもありませんし、スタッフに対してイライラをぶつける…というようなこともしないようにしています。スタッフの方々に、甘いものが食べたいとか、ホテルの部屋は“ウォシュレット”付きにしてほしいなど、甘えていろいろお願いしてしまうことはよくあると思います。でも周りから見て、岡崎体育めっちゃ偉そうにしてるやん、怒ってるやん…と見えるような言動は絶対しないようにしようと決めています。とは言いつつも、実は僕って、めちゃくちゃイライラしがちな性格なんです。家族と小さなことでケンカをしてしまったり、車の運転で自分の思い通りにならないと悪態をついてしまったり…。10代のころからその傾向があり、30代に入り、小さなことで躓いてしまう自分のその性格が良くないなと思うようになりました。そこで、最近話題の“アンガーコントロール”をやってみようと、自分で決めたんです。でも“アンガーコントロール”といっても、そんなに大げさなことをしているわけではありません。自分は何に対して怒りやすいのか、怒っている自分を客観的に見てどう思うか、などを考えるようにして日々過ごしています。ちょっと怒ってしまうようなことがあったら、その怒りをむやみに掘り下げるのではなく、できるだけいったんストップして小休止をとるようにしています。やり方としては、もし誰かに対して怒ってしまったら、誰とも話さずにちょっと外に出てみるといいです。5分くらい散歩するイメージです。それをすることによってクールダウンができて、自分が何に怒っているのか、相手がいる場合は、相手はどういう考えだったのだろうと、落ち着いて考えることができます。僕の場合はそれをするとすごく楽になれるんです。自分の考えはこうだったけど、相手はこう思ったのかもしれない…と考えることができる。それでだいぶイライラしないで毎日を過ごせるようになったので、怒りっぽい方はぜひ試してみてください。おかざきたいいく『おはスタ』(テレビ東京系)火曜日にレギュラー出演中。5/26に約3年ぶりとなるコンセプトアルバム『OT WORKS Ⅱ』をリリースする。※『anan』2021年5月5日-12日合併号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2021年05月06日ミュージカル『刀剣乱舞』(以下、刀ミュ)で、実体のない幽霊すら斬るという伝説が残る刀剣男士・にっかり青江を演じている荒木宏文さん。なんとこのたび「にっかり青江 単騎出陣」で、2年かけ全国47都道府県を回るという挑戦に出る。しかも、荒木さん自ら提案したこと。役をより深めるため、2年をかけ日本全国を巡る旅へ。「『三百年の子守唄』という作品で、’17年と’19年で計120公演以上をにっかり青江を演じてきましたが、この役をちゃんと理解するにはそれじゃ全然足りないなと感じたんです。何百年も歴史のある刀剣で、鍛刀されてから刀剣男士として顕現するまでにどんな時代を過ごしてどんな景色を見てきたのか、全然想像しきれていないし、それを勉強するにしても時間が足りない。この役を理解して演じるところにまでたどり着ける気がしないし、ゴールが見えない。そんな想いを(脚本の)伊藤栄之進さんに伝えたのがきっかけです」これまでさまざまな役を演じており、2.5次元作品では、キャラクター再現度の高さに定評があるが、「どの役もたどり着けたと思ったことはない」のだそう。それでもにっかり青江は群を抜いて「絶望的だった」。そして「焦っていた」とも。「1作限りの作品なら、どこかで割り切れていたとは思うんです。でもこれからもシリーズが続いていくことは予想できて。次にまた呼んでいただける可能性があるんだとしたら、もっとすごいものを見せなきゃって思うし、届かないまでも、突き詰めるならば徹底的にやりたいと思ったんです」そんな荒木さんの熱意を受けて公演が実現することに。脚本・演出を手がけるのは前述の伊藤さん。「これまでは、刀剣男士の元主の歴史にフィーチャーした作品が多かったと思うんです。でも今回は刀ミュのにっかり青江の目線で、ここまでの間に見てきた景色について掘り下げていく話になると思います。僕が作品を通じて追求したい役作りもそこにあるし、日本巡業でにっかり青江を知らない方や、演劇にあまり触れてこなかった方が観ても面白いと思っていただける気がして」旅が完全に終わるのは来年秋。「作品のなかでにっかり青江は刀剣男士として成長しますが、僕自身が成長するのはその後。やりきった時に、役者としてスキルアップし、人間として成長して、にっかり青江として深まっていたいですね」ミュージカル『刀剣乱舞』にっかり青江 単騎出陣今回、振付・ステージングを手がけるのは、俳優で振付師としても活躍している福澤侑さん。「エンターテインメントに対する考え方や芸術に関する感性が自分と近く、やろうとしていることを理解してくれている人です」。4月27日(火)北海道・函館市民会館 大ホールを皮切りに、5月14日(金)・15日(土)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティほか。’21年春・秋、’22年春・秋の計4回に分けて日本全国にて上演。原案/「刀剣乱舞-ONLINE-」より(DMM GAMES/Nitroplus)脚本・演出/伊藤栄之進振付・ステージング/福澤侑(REX)出演/荒木宏文ほか全席指定8800円ネルケプランニング©ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会あらき・ひろふみ1983年6月14日生まれ、兵庫県出身。最近のおもな出演作に、ドラマ『KING OF DANCE』、『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stageなどがある。※『anan』2021年4月28日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・中村美保ヘア&メイク・小林純子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2021年04月25日結成は2019年の12月。「まぁねー」などのギャグで、わずか1年あまりで人気が急上昇中!お笑いカルテット「ぼる塾」から、田辺智加さん、あんりさん、きりやはるかさんの3人がananに初登場。“ジワる”トークをぜひお楽しみください。私はコメの不一致でバイトを辞めてますから(笑)。(田辺)――最近はテレビで3人を見ない日はないぐらいの“売れっ子”ですが、自覚はありますか?きりや:3人で行動していると、この二人の魅力的なシルエットからすっかりバレるようになって。声をかけてもらえる回数が増えました。最近、田辺さんとルームシェアを始めて、二人で仕事帰りによくスーパーに行くんですが、この前も田辺さんを5度見してる人がいて(笑)。それでも田辺さんは全然気にしないんですが。あんり:田辺さんは食べ物のランクがどんどん上がってるんじゃないですか?この前も吉本本社にパティシエの鎧塚(俊彦)さんがいらして、田辺さんにって大量のクッキーを差し入れてくれて。きりや:酒寄(希望)さんのお子さんがあのクッキーを食べて初めて「うめえ」って言ったらしい(笑)。――えっ初めての言葉ですか?あんり:いや、初めての言葉はあたしを見て言った「アンパンマン」なんですけどね。アンパンマンよりも先に呼ばれちゃって、なんか申し訳ないです。田辺:その後、トシ ヨロイヅカとメールしましたよ。夢みたい。バレンタインには指原(莉乃)さんと田中みな実さんからチョコレートをいただいて、世のモテ男よりもモテてます。指原さんと水卜(麻美)さんとは、いつか3人でアフタヌーンティーに行きましょうねって約束もしていて。キラキラしてます、私。自分に起こっている出来事とは思えない。きりや:最近、うちの冷蔵庫はスイーツであふれてるよね。田辺:消費できなくて配ってる。あんり:周りの後輩たちがどんどん太ってきてるんです(笑)。――あんりさんも一人暮らしを始めたそうですが、3人で一緒には住まなかったんですね。きりや:誘ったんですけど、あんたたちと一緒にいたら結婚できなくなるからイヤだって。あんり:それと、もし一緒に住んだ場合、スベって帰った時に二人があたしの目の前でくつろいでいたら「反省しろよ!」って怒っちゃうと思って。二人には家ではくつろいで過ごしてほしいから。――2人暮らしでお互いに直してほしいところとかありますか?田辺:別にないけど、しいて言えばはるちゃんは音楽をかけながらじゃないと眠れなくて、無音じゃないと寝られない私は、その音がたまに気になるぐらい。きりや:音がないと怖いの。田辺:とはいえ私もイビキがすごいので…。あんり:田辺さんがイビキで音楽を奏でたらwin‐winですね。――ぼる塾の自己肯定感は今の時代に合っていて、すごく気持ちがいいです。励まされている女性たちも多いと思いますよ。田辺:ありがとうございます。あんり:そういう言葉を「ぼる塾チャンネル」から集めてカレンダーを作ったんです。ぼる塾のいいところが詰まっています。――どの言葉も面白くて笑顔になれました。3人のお気に入りは?あんり:田辺さんの「私、一年中甘酒飲むんだ」に対して「知らねーんだけど」って私が言うやつ。きりや:私が「ハンバーガー2個買ってたの!?ヤバ!」って言ったら「あんたの価値観のヤバいは知らねーよ」ってあんりが怒ってるやつ。そんなに怒る?(笑)あんり:こんなに怒ってないけどと思って動画を見直したら、もっと強く怒ってて反省しました。田辺:私はあんりの「生きてて天ぷらいらないようなことある?」かな(笑)。でも女子って集まると語ったり悪口になると思われがちだけど、そんなドロドロしてないよって、これを通して伝えたい。きりや:くだらなくていいね。田辺:仕事で辛いことがあるかもしれないけど、私は店主の米への愛が感じられず、“コメの不一致”でバイトを辞めてますから(笑)。あんり:そんな人もいるんですから。毎日頑張りすぎている人にはもっと自分らしく、肩の力を抜いて生きてもらいたいですね。ぼるじゅく(1枚目写真)右から、田辺智加(たなべ ちか)1983年10月18日生まれ、千葉県出身。あんり1994年10月7日生まれ、東京都出身。きりや はるか1995年1月28日生まれ、東京都出身。育休中の酒寄希望(さかより のぞみ)1988年4月16日生まれ、東京都出身の4人組。YouTube「ぼる塾チャンネル」も話題。田辺さんのメイク動画には130万回再生突破した動画も!「まぁねー」が2020年流行語大賞にノミネートされ、YouTubeでも数々の名言を残しているぼる塾初の日めくり『みんな違ってそれでいい ぼる塾の毎日まぁねー 日めくり』が4/24に発売。田辺さんの“まぁねー語録”や、はるちゃんの“激失言”、あんりの“食レポ名言”まで笑いが満載!¥1,320(ヨシモトブックス)※『anan』2021年4月28日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2021年04月24日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ドッキリ」です。デビュー以降、1回だけですがドッキリにかけられた経験があります。それは、AbemaTVの石橋貴明さんの『石橋貴明プレミアム第3弾 急募!石橋貴明と友達になりませんか?生放送SP』という番組で、仕掛け人の綾小路翔さんと音楽について話すトーク番組だと聞いて行ったら、実は石橋さんがやってくる…というものでした。とんねるずの大ファンだという、マキシマム ザ ホルモンのナヲさんたちと一緒にドッキリを仕掛けられたのですが、これは誰かにいきなり怒られるとか、落とし穴に落とされるとか、ショッキングなものではなかったので、本当に僕が「びっっっくりしたー!」となる感じではなかったかもしれません。とはいえ、ここ2年ほどの間で何度か僕のスタッフから「岡崎くんってドッキリとか興味ある?」と聞かれたりしているので、まあ、なにかしら岡崎体育をドッキリに引っ掛けたいというオファーがきていたりするのかな?と思っていますが、こればっかりは「いつドッキリですか?」とは聞けないので、日々ソワソワしています。機嫌悪い人がいたりすると、こいつ、俺のこと騙そうとしてないか?と猜疑心がちょっと強くなっていますね。でもこういうのって、疑っていると来ないものですよね。きっと、忘れたころにやってくるんでしょうね。僕は普通に怖がりなので、ドッキリにかかればいいリアクションができそうです。でも、めちゃくちゃ客観視できるタイプなので、対人のドッキリは冷静に見抜いてしまうかも。チンピラに絡まれるとか白装束のおばけが出てくる系のドッキリは、引っかからない自信があります。いや、これは絶対役者さんやん…と冷静に判断してしまいそう。ではどんなドッキリが苦手かというと、先輩のミュージシャンにキレられる…とかはマジでビビってしまいそうです。先ほど仕掛け人でも名前が出ましたが、綾小路翔さんとかめっちゃ怖いですね。怒らなそうな人が怒るとか、逆に怖くないですか?その方向で言うと、ヤバT(ヤバイTシャツ屋さん)のこやま(たくや)とかにも怒られたらパニックになりそうです。こやまは後輩的存在ですが、長く大事に付き合っていきたい仲間なので、何か怒らせるようなことをしてしまったらマジで僕は焦ってしまうはず。どんなリアクションをしてしまうか、自分でも想像できません。おかざきたいいく『おはスタ』(テレビ東京系)火曜日にレギュラー出演中。5/26に約3年ぶりとなるコンセプトアルバム『OT WORKS II』をリリースする。※『anan』2021年4月28日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2021年04月24日ありのままの自分を受け入れ、漫才の最後には「あんたたち、幸せのカタチは人それぞれよ!」という決めゼリフで締める。生きにくさを感じる人も多い時代の中で、見る者に自信を与えて笑顔にしているのが、ぼる塾だ。いつでも笑顔全開で個性を放つ、この3人のことが気になっていた人も多いのでは。田辺智加さん、あんりさん、きりやはるかさんにお話を伺いました。――4人組「ぼる塾」の結成までの経緯を教えてください。あんり:もともとあたしとはるちゃん(きりや)が「しんぼる」、田辺さんと酒寄(希望)さんが「猫塾」という別のコンビで、猫塾さんは2年先輩。しんぼるが結成5年目のある日、ステージ上ではるちゃんがネタを飛ばしてしまい、私もフォローできずにグシャグシャになって二人でお客さんに「すみませんでした」と頭を下げて袖に戻ったことがあって。謝ってステージ降りるなんてプロとしてヤバいな。あたしじゃもうはるちゃんと一緒にやれない、お笑いを辞めよう、と思ったんです。はるちゃんはイヤだって止めてくれたんだけど。田辺:猫塾も実は同じ頃に限界を感じていて、マネージャーさんに辞めたいって言ってて。――そんなに大きな挫折が…。あんり:それで最後のライブをやるのに、しんぼるだけじゃお客さんを呼べないからってことで、猫塾さんと「ぼる塾」というライブタイトルで2マンライブをやることになった。それが今のグループ名になっているんですが。田辺:ところが、直前で酒寄さんの妊娠がわかり、酒寄さんだけ出られなくなってしまったんです。あんり:急きょこの3人でネタをやることになって。もともとのしんぼるは、はるちゃんの夢みがちな発言を否定するというネタだったんですが、そこに田辺さんが入り、田辺さんにだけは肯定するという今のスタイルになりました。でもそれが今まで経験したことがないぐらいウケた。きりや:初めての3人の漫才で、本当にあれは気持ちよかった!あんり:そう!その一発で、この世界にとどまりたくなったんです。演出家さんからのアドバイスもあり、酒寄さんは育休のまま4人で「ぼる塾」を結成しました。――あんりさんときりやさんは小学校からの幼なじみだそうですが、田辺さんと酒寄さんはどんな関係ですか?田辺:出会いはNSCです。――その前、田辺さんは…。田辺:私、無職でギャルやってて。渋谷の路上でパラパラを毎日踊っていただけ。実家の祖父と弟のお金で、クラブ通いしてました。本当にあの2年間は楽しかった(笑)。きりや:当時は田辺さん、めっちゃ痩せてたんですよね。田辺:今より40kgぐらい痩せてました(笑)。でもギャルの次にK‐POPにハマって、新大久保に通うようになったんです。そのうち、ごはん屋さんの店員さんに恋をして、毎日お店に通ってサムギョプサルを食べてたら太っちゃったの。あんり:サムギョプサルってヘルシーって聞くのに。どうせつまみもいっぱい食ってたんでしょ?田辺:トッポギも食べたし、お酒も飲んだわよ(笑)。当時は「私なんて」が口癖で、今のように自分を肯定なんてしていなくて。それをNSCで出会った酒寄さんから「田辺さんはあまり自虐的なこと言わない方が面白いよ。自分のこと面白くないと思うなら、芸人なんて辞めた方がいい」って言われたんですね。そこから「田辺さんは面白い」って毎日言い続けてくれた。私が考え方を変えられたのは、酒寄さんのおかげ。同期にはガンバレルーヤとか、ゆりやんレトリィバァなどがいるんですが、まずはコンビが仲良くならないといけないと思って、同期が飲み会をやっていても私たちはずっと二人だけで毎日ごはんに行って。きりや:へぇ~、知らなかった。――田辺さんと酒寄さんは、一日中LINEしているとか。田辺:はい。さっきも「サブレってただのクッキーのでかい版だと思ってたけど、ちゃんと美味しいね」って話をずっとしてて(笑)。あんり:酒寄さんって普段は寡黙なのに、田辺さんの話になるとめちゃくちゃ喋るんです。田辺さんも、酒寄さんとスイーツのことだけは本当に楽しそうに喋る。この二人の関係性はすごいですね。普段はあたしと酒寄さんでネタを書いてるんですが、田辺さんの部分だけは酒寄さんが絶対に書く。田辺:酒寄さんは、私が何を言ったら一番面白くなるかを、出会った時から今もずーっと考えているんです。出会って8年ぐらいですけど、2年目ぐらいにはもう私のすべてをわかっていました。――田辺さんにとって、酒寄さんはどういう存在ですか?田辺:もはや、私ですよね(笑)。あんり:あはは(笑)。でも田辺さんってすごい素直な人。だから酒寄さんの言葉を信じて自分を変えられたんですが、あたしは田辺さんによって自分を変えられた。というのも、それまであたしは誰かに褒められたら「ありがとう」でいいのに「そんなことないですよ」って否定していて、せっかく褒めてくれたのに変な空気にしちゃっていて。でも田辺さんに出会って「田辺さんって本当に面白いですよね」って言ったら「まぁねー」って返ってきて、あ、気持ちいいって思ったんです。褒められて肯定したことで自分を面白いと認めたら、もう自分にも周りにも言い訳できないじゃないですか。そのスタンスがすごいカッコいい。田辺:「まぁねー」。あ、今ベストタイミングでしたね。あんり:初めてベストが出ました。ぼるじゅく写真右から、田辺智加(たなべ ちか)1983年10月18日生まれ、千葉県出身。あんり1994年10月7日生まれ、東京都出身。きりや はるか1995年1月28日生まれ、東京都出身。育休中の酒寄希望(さかより のぞみ)1988年4月16日生まれ、東京都出身の4人組。YouTube「ぼる塾チャンネル」も話題。田辺さんのメイク動画には130万回再生突破した動画も!「まぁねー」が2020年流行語大賞にノミネートされ、YouTubeでも数々の名言を残しているぼる塾初の日めくり『みんな違ってそれでいい ぼる塾の毎日まぁねー 日めくり』が4/24に発売。田辺さんの“まぁねー語録”や、はるちゃんの“激失言”、あんりの“食レポ名言”まで笑いが満載!¥1,320(ヨシモトブックス)※『anan』2021年4月28日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2021年04月23日飾らない自分の言葉で、なんと豊かに表現できる人なのだろう。松井玲奈さんの食にまつわる初のエッセイ集『ひみつのたべもの』は、世代・性別を問わず、多くの人に彼女の魅力を届けるに違いない。本誌で連載した25回分に加え、25本を書き下ろした贅沢な一冊だ。「エッセイを書くことが好きで、連載を持つことは夢のひとつだったので、お話をいただいた時は“あ、実現する”と嬉しかったです。食べ物にまつわる話が大好きなので、私から食に関するエッセイにしたいとお願いしました」幼い頃から現在までの様々な食の思い出。小さい頃の食の思い出から一人暮らしでの自炊、友人との食事、旅先の食べ物、さらに……語る内容のバリエーションの豊かさと、話の広げ方の上手さに驚く。「生きていく上で食は切り離せないものだから、いろんな切り口がある。公開日記みたいな感じで届けることができたら、と思っていました」松井さんは小説執筆ではあえて自分とは異なる人たちを描いている。だがエッセイとなると、まさに自分自身を書くことになる。「小説は自分とは切り離して楽しんでもらいたいと思いますが、それとは別に、長いことブログを書いていて、それも好きだったんです。何かを伝えたい気持ちもあったし、私自身が記憶力がよくないので書き留めておきたいという気持ちもありました。今回はエッセイという形で、自分という人間にもいろんな面があって、こういうことを感じているんだなって、受け取ってもらえたら嬉しいです」というように、松井玲奈という多面体が見えてくる本作。もちろん、料理をする話も多い。白菜餃子やホイル焼きなど、作り方にも簡潔に触れられていて、これなら読者もすぐ真似できる。そのなかで意外なメニューが、「ランチパック」の深煎りピーナッツ味で作ったフレンチトースト。「家にあるもので何が作れるのか考えるのが好きで、これはある日ひらめいたんです。すごく美味しいですよ(笑)。ランチパックは優秀で、中のピーナッツクリームがとろっと溢れ出て、お店の味みたいになる。後で知ったのですが、前にSNSで話題になったらしくて、知っている人は知っていたみたいです」高級食材ではなくランチパックというところに親しみをおぼえるが、コンビニの話題も結構出てくる。「愛知の実家から東京に通ってホテル生活をしている頃、忙しくてコンビニの新商品を見ることしか楽しみがないという、闇が深い時がありました(笑)。これは新しいなとか、これは愛知では売っていないなと確認していました。今でもコンビニに新商品が入る火曜日は楽しみです」『ひみつのたべもの』目玉焼きの食べ方、家族との食事、苦手な食べ物、好きなお店……。幼少期から現在に至るまでの食にまつわるエピソードを素直な言葉で綴り、飾らない人柄と文才がにじみ出るエッセイ集。マガジンハウス1540円まつい・れな芸能界で幅広く活動するなか、2019年に短編集『カモフラージュ』で小説家デビュー。第2作となる連作集『累々』(共に集英社)が今年刊行されたばかり。主演映画『幕が下りたら会いましょう』がこの秋公開予定。ワンピース¥34,100(フィーニー TEL:03・6407・8503)※『anan』2021年4月28日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・山口香穂ヘア&メイク・白石久美子インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2021年04月22日YouTubeチャンネル「ゆきりんワールド」では、メイクテクを惜しげもなく披露し、ますます美しさに磨きがかかっている柏木由紀さん。自分のコンプレックスと向き合い、美容が与える心の変化を実感し、自分史上最高のハッピーな美しさを手に入れた柏木さんの美容連載がスタート!記念すべき連載第一回目は、メイクの変遷や美容論についてお話を伺いました!−10代でデビューして以来、トップアイドルとして駆け抜けてきた柏木さんですが、29歳の今が最もナチュラルで美しいのでは思います。えー!嬉しいです。甘やかしの現場ですね(笑)。お仕事ではセルフメイクが基本なんですが、デビューして10年間くらいはメイクにあまり興味がなくて・・・。髪型もずっと一緒だったし、メイクの仕方もよくわかってなかったんです。ファンデーションも、皮膚呼吸できないほど塗り重ねていたかも(苦笑)。だから昔はメイク時間に、マックスで2時間以上かけていたこともありましたね。−そんな時代があったなんて驚きです!現在のメイクのポイントは?ヘルシーなツヤ肌に仕上げたいので、ベースはクッションファンデにし、部分的にハイライトで光をプラス。以前の、パウダーをつけすぎて、ツヤ感ゼロの能面みたいな肌から卒業しました(苦笑)。アイラインもペンシルで仕上げて、やわらかい印象に。昔に比べると、劇的に引き算のメイクができるようになったし、以前はメイクに2時間かかっていたんですが、最近は35分くらい!−自分に似合うメイクを見つけるにはどうすればいいでしょうか。自分の顔をちゃんと見ることが大事ですね。ひたすら鏡と向き合って、気になるところをどう解決するかを考えます。あと憧れの人だったり、好きな芸能人の方の顔を観察して、新しいアイテムや塗り方にトライしてみたりするのもおすすめ。たとえば私だったら、「私よりこの人は目の横幅が長いから、じゃあアイラインをここまで引いてみよう」とか、「眉毛と目の距離が私より近いから、ノーズシャドウで眉下に窪みを入れて狭くみせよう」とか、「この人の厚い唇が可愛いから、リップを思い切ってオーバー気味に描いちゃおう」とか、ゲーム感覚で楽しみながらやります。その人になろうとするんじゃなくて、自分の顔にその人の良いところを取り入れる意識で、おそろいの色のリップをつけてみようとか、真似しやすいところから始めるのもいいと思います。なかなかメイクを変えるタイミングってないかもしれませんが、試したことのない色に挑戦してみて刺激をもらうのもいいですよね。−コンプレックスと上手に向き合ってきたようですが、マインド面での変化はありましたか?私って、マインドがメイクに直結するタイプなんです。だから昔は、AKB48としての私の見られ方を気にしてメイクをやってたり、少しでも目立ちたいからと、コンプレックスを濃いメイクで隠そうとしたりと迷走していたんです。そんなだから、メイク自体も全然楽しくなかったし。でも結局それって、人の目線を気にしていたり、自分に自信がなかったからなんだと気づいて・・・。今は、キャリアも重ねて心に余裕も出てきたし、メイクでごまかすのはやめて、自分の個性を生かした、素顔の延長線上のメイクができるようになりました。今は、完全に自分のためだけのメイクだから、心から楽しい!自分とだけ向き合っているメイクだから、気分も上がるしポジティブになれます。−柏木さんにとって美容とは?美容って本当に終わりがないと思っていて・・・。新商品はどんどん出てくるし、そのたびに進化しているし、新しい発見があるんです。今まではメイクって、“やらなきゃいけない”というものだったんですが、“純粋に楽しいからやるもの”に変わりました。自分が持っている素敵なところを引き出してくれるし、健やかなマインドにもつながるもの。「今日はラメ塗ってテンション上げようかな」って、日常に彩りとときめきを与えてくれるのも、美容のチカラだと思います。−今後の連載への意気込みを教えてください。ananは昔からずっと読んでいましたし、連載自体も初めてなので感激です!しかも美容は大好きでもちょっと前まで、私は美容のプロではないですし、私が商品紹介やメイク動画を上げたところで需要なんてないって思っていたんです。だから、美容のことを発信していけるのは嬉しいですね。「コスメが本当に好きなんだね」って言ってもらえると嬉しいし、「ゆきりんのおすすめを教えてほしい」なんて言われちゃうと、ますます励みになります!コスメは自分で買って試して本当にいいと思っているものしか紹介していないし、それを共有したいって気持ちが大きいので、「使ってみてよかった!」って言われたら幸せです。皆さんに役立つ情報をシェアできるよう頑張りますね!かしわぎ・ゆき1991年生まれ、鹿児島県出身。AKB48。7年5か月ぶりのシングル『CAN YOU WALK WITH ME??』が話題に。30歳を迎える7月15日に写真集発売が決定。衣装はすべてスタイリスト私物YouTubeチャンネル「ゆきりんワールド」はコチラ!写真・小笠原真紀 スタイリスト・伊東牧子 ヘア&メイク・猪股真衣子(TRON) 取材、文・岡井美絹子
2021年04月21日テンポよく繰り出される膨大なセリフ。笑いを含んだ軽快な会話のなかに切っ先鋭い刃が交じり、ふいに世の本質を問う言葉でずばりと観客に切り込んでくる。そんな野田秀樹さんの傑作戯曲『パンドラの鐘』が、熊林弘高さんの手により上演される。出演する門脇麦さんが作品について語ります。熊林さんの演出で、よりストレートに本題に向き合う作品になる気がします。「熊林さんが野田さんの戯曲を演出するって聞いたとき、少し意外だと思いました。これまで西洋の翻訳劇を演出している印象があったし、どちらも肉体先行型の演出をされる方だと思いますが、その方向性がまったく違うんです。たとえば野田さんの場合は、体を動かしながら早口で喋ることで、あの大量の言葉たちを転がしていく感じがあって、言葉と体が相乗効果を生んでいく演出なのかなって気がします。でも熊林さんは、言葉を転がしたり説明したりする動きというよりは、愛してるって言いながら殴り合う…といったような体と言葉が相反する動きをさせることが多いと思います。言葉にたくさんの意味が生まれるし、強い言葉を発せられる。そんな感覚です」そう話すのは、舞台『狂人なおもて往生をとぐ』で熊林演出を経験した門脇麦さん。過去には野田作品への出演も果たしているが、今回の作品は「難しくてまだ語れるところまではいけていなくて…」とぽつり。物語は、太平洋戦争開戦前夜の長崎と、遥か遠い昔の古代王国の2つの時間軸で展開されていく。そこに長崎の原爆や天皇制などのモチーフが複雑に絡まり、時空を超えて描かれるのは重厚で壮大な世界。「日本の演劇は、小さな空間で見せる物語に魅力的なものが多いと思うんです。でも、野田さんの舞台の特徴のひとつは、大きな空間をめいっぱい使っても広さを感じさせないこと。それだけスケール感のある作品を生み出せる方って、あまりいないと思います」それが熊林演出によって、「艶っぽくなるし、重心が重くなって、よりストレートに本題に向き合う作品になるんじゃないかと思う」と話す。「熊林さんが描く女性って、どこか生々しさがあるんですよね。野田さんとの一番の違いはそこだと思います。私自身はたぶん艶っぽくない人間ですが、言葉の重力と相反する肉体の動きを取り入れることで、逆の効果が生まれる気がするんです」さまざまな映像作品で引っ張りだこの門脇さんだけれど、数年に一回は舞台に立つ機会を作っているそう。「舞台に立つと、自分の実力不足を映像よりダイレクトに感じられて、とても貴重な時間です。映像の現場は撮り終えたら次のシーンに進むけれど、舞台は毎日同じシーンと向き合わなきゃいけない芝居の訓練って感じ。でも、いろんな試みができる嬉苦しい作業でもある。私、出番直前の、袖に立つ瞬間が好きなんです。ジェットコースターに乗っているときのゾワゾワッてする感覚に似た高揚感があるんですよね」『パンドラの鐘』太平洋戦争開戦前夜の長崎で、考古学者のオズ(金子)は巨大な古代の鐘を発掘。一方、古代王国では兄の死によりヒメ女(門脇)が王位を継承。王の埋葬を依頼された葬式屋のミズヲは、棺の中に隠された死の秘密を知ってしまう。彼は、処刑される代わりにヒメ女にある任務を命じられる。長年隠されてきた古代王国の謎が長崎の地で明らかに…。4月14日(水)~5月4日(火)池袋・東京芸術劇場 シアターイースト作/野田秀樹演出/熊林弘高出演/門脇麦、金子大地、松尾諭、柾木玲弥、松下優也、緒川たまきほか一般7000円ほか(4月13日にプレビュー公演あり。一般6500円ほか)東京芸術劇場ボックスオフィス TEL:0570・010・296大津、西宮、金沢、水戸、名古屋公演あり。かどわき・むぎ1992年8月10日生まれ、東京都出身。最近のおもな出演作に、大河ドラマ『麒麟がくる』や映画『さよならくちびる』など。出演映画『あのこは貴族』が公開中。また、今年冬に全世界同時配信予定のNetflix映画『浅草キッド』にも出演。ニットベスト¥35,200Tシャツ¥18,700(共にキャバン/キャバン 代官山店 TEL:03・5489・5101)プリーツスカート¥33,000(エストネーション TEL:0120・503・971)イヤリング、ベルトはスタイリスト私物※『anan』2021年4月14日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・吉田 恵ヘア&メイク・石川奈緒記インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2021年04月12日あるときはスティールパン奏者として音楽仲間とのセッションに心を震わせ、あるときはコンポーザーとして劇伴、広告音楽などを理知的に制作する。そして、ソロ作ではクラシック音楽を長く嗜んできた経験に裏打ちされた、神秘的なムードを醸した物語性のあるトラックメイキングでリスナーを惹きつける――。そうした多面的な才能を持つUtena Kobayashiの楽曲に心酔し、共鳴するアーティストや音楽ファンが、続々と増えている。心に刻まれた悲しみに向き合い、今を生きる。昨年は3か月連続、デジタル配信で3枚のEPをリリース。異世界の神話を思わせるような独自の空想世界を構築した「耳で読み、耳で視る」ことの楽しさを内包した作品群。第1弾は“飽和から再生”。第2弾は“悲しみ”。第3弾は“門”。物語性の強い連作の“結び”として制作されたコンセプトアルバムが本作『6 roads』。一般的なCDの形態とは一線を画す、物語と絵画が共に楽しめる絵本仕様となっている。「作曲をするときには、ほぼ90%の割合で『物語』が付随しています。例えば、あらかじめプロットを練ってから曲を作るのではなく、作っている間に『これは、田園風景で死者を弔っている葬式の歌だな』と、断片的なシーンが生まれます」自身の心の奥底に向き合い、一つ一つのシーンを大切に紡いだ本作の物語は、ある2つの惑星で暮らす悲しみを背負った2人の少女たちの人生が描かれているという。「私が作る楽曲は“悲しみ”がひとつのキーワード。生きていたら誰しもが抱く普遍的な感情ではあるけれど、悲しみを感じるトリガーは人の人生の数だけある。他者の悲しみと自分の悲しみは比べることができないし、計り知れない。そうした想像力を持つことの大切さを自分への戒めとして、心に刻み込みたくて作った楽曲もあります。“悲しみ”と“記憶”は深く繋がっていて、過去の記憶をふと思い出して悲しくなってしまうことがあるけれど、突き詰めて考えると、その記憶を忘れてしまうことがいちばん悲しい。これまでに感じた痛みを乗り越えて、今の自分を肯定し、自分の殻を破る精神の在り方を、アルバム制作を通して見つけたかったんです」Utena Kobayashiのスペクタクルサウンドにどっぷりと身を浸す。ある種の瞑想的な行為が、過去に置き忘れてきたものを浮かび上がらせ、今を生きるエネルギーをもたらしてくれるかもしれない。アルバム『6 roads』は全7曲をセルフプロデュース。Utena Kobayashiが書いた物語に浮かび上がる情景をアーティストのsemimarrowが描きおろし、「絵本」を付随した作品として発売中。5280円(Caroline International)うてな・こばやし実力派バンドD.A.N.、気鋭のラッパー KID FRESINO、蓮沼執太フィルなどのライブメンバーのスティールパン奏者として、幻想的な音色を繊細に紡ぐ。ソロアーティストとして“希望のある受難”をテーマに楽曲を制作している。※『anan』2021年4月14日号より。写真・小笠原真紀取材、文・矢島聖佳(by anan編集部)
2021年04月11日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「サイン」です。僕にもオリジナルのサインがあります。まず岡崎の“岡”の字を丸く書いてその中を顔みたいにしてニコちゃんマークっぽく書きます。そのあとはむちゃくちゃ適当に書いています。で、最後の体育の“育”の字の下半分、月だけ読めるように書きます。はじめと終わりが読めたら、まあこれ岡崎体育のサインやなとわかるやろ、と思ってこのサインにしています。途中はかなり適当です。同じものは二つとないと思います。このサインが生まれたのはいつごろだったでしょうか。うーん、あまり覚えてないです。最初、サインくださいと言われたときは、普通に楷書で“岡崎体育”と書いていたんです。でも何回か書いていたら、これを毎回書いていたらすごい時間がかかるな……と気づき、今のサインを考案したという流れです。できたのはおそらく、デビュー前のことだったと思います。サインをくださいと言われることも多いですが、最近は色紙とかじゃなくて、ファンの方のスマホに直に書いてと言われることもあってびっくりします。スマホのような日常的に使うガジェットにサインを書いてしまっていいのかな?と思うのでいつも躊躇しますが、お願いしますと言われるとイヤとは言えないので、スマホの裏にサインを書かせていただいています。そういうときは、思わずいつもよりちょっと丁寧に書いてしまいますね。逆に僕が誰かにサインをいただいたことは、あまりないんです。とくにデビューしてからで考えると、自分から「サインをください!」と言いに行ったことはないのでは?と記憶しています。僕は、滅多に会うことができない方と会えるなら、サインをしていただく時間より少しでも長く話を聞きたいと思うタイプなので、今まで誰かにわざわざサインをお願いしたことはありません。思い返してみると、唯一サインをもらったことがあるのが小学生の頃。野球教室でうちの小学校に来てくれた元横浜大洋ホエールズの大門和彦さん。でも、そのときも野球教室のときは「もらわんでいいわ」とかっこつけていたんですけど、みんながグローブとかエナメルの野球バッグにサインしてもらっているのを見て、うらやましくなってスポーツショップへ駆け込んでボールを買ってきました。そしてお母さんに頼んでサインボールをもらいました。だから、これも結局、僕が自分でいただきに行ってないんですよね。おかざきたいいく『おはスタ』(テレビ東京系)火曜日にレギュラー出演中。5/26に約3年ぶりとなるコンセプトアルバム『OT WORKS II』をリリースする。※『anan』2021年4月14日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2021年04月11日サッカーU-24日本代表やJリーグで活躍中の若き司令塔・田中碧選手(川崎フロンターレ)。3月29日のアルゼンチン戦でさらに存在感を強めた田中選手の『anan』独占インタビュー(2019年)を特別公開致します。一昨年、昨年とJ1リーグ2連覇(2019年当時)を達成した常勝軍団・川崎フロンターレ。田中碧選手は、何十倍もの競争率を勝ち抜いた強者が集う同クラブアカデミーからの生え抜きだ。トップチーム昇格後はデビュー戦で初得点し、記念グッズも発売され、まさに「エリート街道」をひた走る。だが、順風満帆かといえば、「18歳の時に引退を考えるほど追い込まれた」そうで、「先輩の助言が重荷に感じた」時期も。自分に打ち克つべく、課題を書き出し試合で成功体験を重ね、今や東京オリンピックを担うU‐22(2021年現在はU-24)日本代表になるほどの存在に。「MFという役割は、FWのような派手さはありませんが、僕を起点としてゴールが生まれるので、パス回しなどを見てほしい」努力家で負けず嫌い。アスリートならではの性格が垣間見えるが、自称「恥ずかしがり屋」。「点は決めたいけれど、目立ちたくないんです。友達がわちゃわちゃしてるのもそっと見ていたいし、休日はずっと家にいたい」とはいえ遊びに誘われれば全力で楽しむ。今は先輩とのゴルフが「超面白い」し、同期とは「恋バナで盛り上がる」と頬を緩ませる。「デートはどこがいいとか、そんな話題です(笑)。尊敬できる女性に惹かれますね。たまに天然なところがあると、キュンとします」夢を尋ねると「フル代表はもちろん、いずれはヨーロッパに移籍し、チャンピオンズリーグで優勝すること」と即答。チームカラーのサックスブルーから代表の藍色、そして未知なる色へ。変わりゆく「碧」を見守り続けたい。©KAWASAKI FRONTALEたなか・あお1998年9月10日、神奈川県生まれ。ポジションはMF。U‐22日本代表(※)。自慢のパーツは「大きなお尻!」。「ぜひ注目してください(笑)」※2021年現在は、U-24日本代表。※『anan』2019年11月6日号より。写真・小笠原真紀取材、文・伊藤順子(by anan編集部)
2021年04月10日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「髪型」です。バンドマンをはじめミュージシャンは奇抜で個性的な髪型をしている方が多いです。身近な方々のさまざまなスタイルを見るのは面白くて、「ええなあ」と思いますが、僕自身は前髪を縮毛矯正しているくらいで、髪色もほとんど手を入れたことないです。茶髪にしていた時代もありますが、ファンの方々の間でも賛否両論でしたし、僕もそんなに似合っていると思えず、すぐにやめてしまいました。なので、もともとの髪色でごく普通の髪型をずっとしています。とはいえ、ちょっと変わった、奇抜な髪型にすることへの憧れもずっとあります。今、もしやってみるなら金髪にしてみたいですね。しかも角刈りにしたい。襟足も伸ばして、プロレスラーの天山(広吉)みたいにしたい。これを言うと、男子からは「それ、かっこいいね!」と好リアクションをいただくのですが、マネージャーをはじめ女子受けはどうもイマイチです。これ、どうですか?anan読者のみなさん、もしご存じなかったら「プロレスラー天山広吉髪型」で画像検索してみてください。……どうですか?めっちゃかっこいい髪型だと思うのですが、僕には似合わないですかね?顔の系統的に大陸的なモンゴル系なので襟足が長いのは似合うんじゃないか?と自分では思っています。ただ、この髪型は、襟足にしろ、角刈りにしろ、ネオチンピラ的なオラオラした系譜のスタイルなので、僕の斜めに下がる眉毛とはかなり相性悪いと思います。絶望的にダサくなる可能性があります。やっぱりヤンキーの覇気を持たせるためには、つりぎみの眉毛でないといけないと思うので、もしこの髪型にチャレンジする場合は、眉毛も全剃りにしてヤンキーに寄せていかないといけないですね……。それに、僕はかなりのくせっ毛なので角刈りもうまくいくかわかりません。四角く刈ろうとしても、ふわっと仕上がってしまうかもしれない。でも、今ちょっとブームがきているネオチンピラ系のスタイルには憧れがあります。King Gnuの勢喜(遊)さんのような雰囲気と思ってもらえるとイメージしやすいでしょうか。ヒップホップ系ミュージシャンの方でも、海外のスタイルというより日本独自のヤンキーカルチャーを感じるヘアスタイル&ファッションの方も増えてきた。それも男っぽい系譜を感じます。受け継がれるスタイルに僕も影響を受けたいです。おかざきたいいく『おはスタ』(テレビ東京系)火曜日にレギュラー出演中。5/26に約3年ぶりとなるコンセプトアルバム『OT WORKS II』をリリースする。※『anan』2021年4月7日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2021年04月03日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「プロデューサー」です。以前に、A&Rとは何かという話をしたかと思います。アーティストの活動を音楽制作からプロモーションまでサポートしてくれる“縁の下の力持ち”的存在ですが、それとは別にプロデューサーという役職名をみなさん、よく耳にするのではないかと思います。では、プロデューサーとは一体、何をする人なのか?これを今回は考えたいと思います。A&Rと同様に、この役職の定義はとても難しいです。音楽業界において、やり方、進め方が人それぞれ違うからです。でも、まあ、ざっくり言うと、プロデューサーとはそのアーティストの活動全般を仕切ってくれる総指揮者のような存在です。モーニング娘。などのつんく♂さんやPerfumeの中田ヤスタカさんが、まず思い浮かぶのではないかなと思います。楽曲の制作を手がけることにはじまり、どのスタジオで録音するか、どんな奏者に演奏してもらうかなど、特に音楽制作の面を重点的に見るのが音楽プロデューサーです。そういうことを専門にする方もいれば、もっと広くアーティストのキャラクターやイメージ作りだとか、どんな雑誌やテレビに出るか、どんな衣装を着てどういうライブをするかまで、全体の方向性を見てどう活動していくのかを決めるプロデューサーもいます。ちなみに、岡崎体育の活動においては、僕がプロデューサーのような役割をしていると自負しています。そもそも、「プロデューサーをつけないこと」が、僕がデビューする際の約束の一つでした。当時、セルフプロデュースができるという自信があったわけではないんですが、漠然とプロデュースは自分でしたいなと思ってました。自分の考え方ややりたいことをねじ曲げられたくない、という思いが強かったんだと思います。その結果、今は好きなように自分のやりたいことをやらせていただいているので、とてもよかったなと思っています。なので、岡崎体育はこれからもノー・プロデューサー制でいきたいと思います。もし、つけるとしてもすっごい優しい方でないと無理ですね。「こうしたいんだけど」って言われて「いや、そうじゃないっすね」と僕が言ったら、「OK、OK、じゃ、別の考えるわ」と笑顔で言ってくれる人でないとイヤです。でも、それはもはやプロデューサーではないですね。やはり僕にはプロデューサーは必要ないのかなと……。おかざきたいいく『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:35~)、『おはスタ』(テレビ東京系)火曜日、『ヒャダ×体育のワンルームミュージック』(NHK Eテレ 毎週火曜22:50~)にレギュラー出演中。※『anan』2021年3月31日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2021年03月30日「昔から、絵描きは身近な対象をモチーフにすることが多いんです。伊藤若冲が庭先の鶏を描いたように、港区のオフィス街で育った僕はおじさんを描くようになりました」そう語るのは19歳の芸大生、RYO OGATAさん。初めての著書『おじさん日記』は、57歳の男性・竹田大(以下、まさる)を主人公にした創作絵日記。高校時代からアーティストとして活動を続けてきたOGATAさんの処女作は、なぜにおじさんの、しかも絵日記なのか。19歳のアーティストが描く57歳サラリーマンの空想絵日記。「両親に連れられていく銭湯や、家族で食事に行く居酒屋で日常的におじさんを観察しているうちに、もしその人たちが絵日記を描いたらどんなものになるかと気になって…。自分で描いてみることにしたんです」デジタル世代のど真ん中ながら、今作はジャポニカ学習帳の日記帳に色鉛筆で一日一枚。そのアナログ感は小学生の夏休みの絵日記さながら。「機械が苦手なんです(笑)。それにずっとサッカーをやってきたせいか、体を使って表現することが僕にとっては自然。絵を描く時も実際に手を動かすことで初めて、その質量や描く意味を感じられるんです」ページをめくれば大迫力の画風に圧倒されつつ、まさるの日常に引き込まれる。自分の前を歩く女性が小走りで去ることに傷つき、通勤中に出くわす自由すぎる人々に戸惑う。家では軽く踊るだけで腰を痛め、腐りゆくバナナの皮に自分を重ねる。見た目は中年だけど心は多感。そんなアンビバレントな姿に年齢・性別を超えて思わず共感してしまう。「確かに『おじさん』は誰の中にもいるのかもしれません。僕も最初は街で観察したことをもとに描こうと思っていたんですが、いざノートを前にすると全く違う内容が浮かんできて、まさるになりきって描くことも多かった。ある日はまさるに描いてもらったり、別の日は僕が描いたり。だからこれは二人で描いた一冊なんです」19歳の感性と、空想上の57歳のおじさんによる奇跡のコラボ。そしてOGATAさんの次なる作品は?「人間観察を軸にしつつ、インスタレーションなど絵以外の表現にも挑戦してみたい気がします。…とはいえ飽きるまで『おじさん』を追求してもいいのかな。もしかしたら僕がまさる世代になるまでライフワークとして続けているかも(笑)」『おじさん日記』田町のいまだ昭和なオフィスワーカー・まさるの平凡で不思議な日常を描いた絵日記。ジャポニカ学習帳のフォーマットそのままのページも注目。上はまさるの自画像。小学館集英社プロダクション1200円リョウ・オガタ2001年、東京都港区生まれ。日本画の技法に親しんで育ち、東京藝術大学に在学中。地元酒場や寺での個展に映画のキャンペーンアート制作など広く活躍。大学ではサッカー部所属。※『anan』2021年3月24日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・大澤千穂(by anan編集部)
2021年03月23日小笠原伯爵邸併設のカフェ&バル「オガバル バイ 小笠原伯爵邸」よりアフタヌーンティーが登場。通年で提供し、メニューは季節によって変更する。小笠原伯爵邸内で提供する初のアフタヌーンティーとなる今回は、16種類のスイーツと3種のセイボリーをラインナップ。ペストリーシェフ・高橋草哉によるオリジナルスイーツとシェフのゴンサロ・アルバレスによるスパニッシュなセイボリーを楽しむことが出来る。2021年春のスイーツは「レモンのババロアケーキ」「30年熟成のシェリー酒が薫るバスクチーズケーキ」「ラズベリーロリポップ」「ペルー産シングルオリジンチョコレートのミニパフェ」などを用意。セイボリーは「イベリコ豚プレサのトースト」「ミニサーモンバーガー」「樹齢500年のオリーブ」を展開する。なお、アフターヌ―ンティーを提供する席は、カフェ席のほか、中庭のパティオ席、暖かい日差しが降り注ぐ2階席、小笠原伯爵邸のシンボルツリーのオリーブの樹を見下ろす屋上庭園席をセッティング。歴史的建造物の小笠原伯爵邸ならではの空間で優雅なひと時を過ごすことが可能だ。【詳細】小笠原伯爵邸 カフェ&バル「オガバル バイ 小笠原伯爵邸」アフタヌーンティー提供時間:平日 15:00~19:00(最終入店17:00)、土日祝 15:00/16:45の2部制提供場所:オガバル バイ 小笠原伯爵邸住所:東京都新宿区河田町10-10料金:6,600円(税込)※平日は1名より、土日祝は2名より予約可能。平日は2時間制、土日祝は各部90分制。※アフタヌーンティーは通年で提供。メニューは季節により異なる。<メニュー例(2021年春)>■スイーツ願いが叶うポルボロン、レモンのババロアケーキ、チョコレートケーキ・オレンジのアクセント、フィナンシェ・エスペシャル フランス産レモンツリー蜂蜜とタヒチバニラの香り、パッションのゴミノラ(ゼリー)、ラズベリーロリポップ、ミニシューいちご/ミニシューレモン、桃の生マシュマロ、30年熟成のシェリー酒が薫るバスクチーズケーキ、モンブラン・ユニーク 愛媛産中山栗とフランス産マロンペーストに赤スグリジャムを忍ばせて、ラズベリーとホワイトチョコレートのムース、ペルー産シングルオリジンチョコレートのミニパフェ、オオカミぐちのブリティッシュスコーン(長野県安曇野ピンクレディーりんごのジャム/ラズベリージャム/クロテッドクリーム・トラディショナルをそえて)■セイボリーイベリコ豚プレサのトースト、ミニサーモンバーガー、樹齢500年のオリーブ■ドリンク・紅茶/ハーブティーダージリン、アッサム、セイロンオーガニックウヴァ、ティータイムブレンド、キームントップクオリティダージリンアールグレイ、ベリーローズティー、カモミール、レモンバーベナ・コーヒーブレンド、エスプレッソ、カプチーノ、カフェラテ・ソフトドリンクアイスティー、綾部茶、アイスコーヒー、アイスカフェラテ、オレンジ、クランベリー、パイナップル【予約・問い合わせ先】小笠原伯爵邸TEL:03-3359-5830
2021年03月22日今や全国区の冠番組を持ち、MCクラスの実力派となったかまいたち。YouTube「かまいたちチャンネル」もチャンネル登録者数100万人に迫る人気を獲得。そんなお二人にとって、千鳥の存在が大きかったそうで……。千鳥さんが荒野を開拓して道の歩き方を示してくれた。――関西の芸人さんが関西ローカルから東京に進出して、全国区でもう一回売れる、というのはもはや芸人出世コースの定型になっていると思います。お二人は、今まさにそのルートを着実に上っていらっしゃっていて。そのことについては、今、どのように感じていますか?山内:ステージが10まであるとしたら、やっと6まで来たな、という感覚。でもやることは東京に出てきたころから変わらなくて、ひな壇で呼んでいただいても、冠番組でも、どちらもフルスイングでいくだけかな、と思ってます。濱家:山内が大きく振ってホームランを狙いにいってくれるから、僕は僕で全力でミートできる。全部外さずに、慎重にミートするだけ。二人のそういう関係性はずっと変わらないですね。山内:東京に進出した時に、千鳥のノブさんに言われたんです。「全番組でちゃんとフルスイングしたほうがいいよ」って。それをめちゃくちゃ大事にしています。――お二人にとって、やはり千鳥さんの存在は大きいんですね。山内:そうですね。それこそ、千鳥さんが関西から先に乗り込んでくれて、荒野を開拓して、道の歩き方を示してくれている。だから、後輩の僕たちは自由にどこへでも歩いていける。そこは天才2人が先頭を行ってくれたことが本当に大きくて。僕たちが、そのすぐあとについていけたことは、本当にラッキーだと思っています。濱家:僕たちって、ほんまに強運なんですよ。トップになるってめちゃめちゃしんどいことだけど、なんとなくそれをスルーしてここまできている。キングオブコントの時も、にゃんこスターがでっかくブレイクしてくれて、優勝したけどおいしい立ち位置をもらえたし、M-1も準優勝だけど面白かったと言ってもらえた。東京進出では「千鳥の次は、かまいたち」と言っていただける。こんなにラッキーなことってないと思います。山内:今は、千鳥さんにずっとスリップストリームしてもらっているようなものです。――そうなると、“風除け”になってくれている千鳥さんの脇から、かまいたちさんがどう先頭に躍り出るのかも気になるところです。山内:それは本当にこれからですね。僕らのピークとなる2021年で全てお見せしていきたいです。濱家:山内曰く、今年、僕たちピークらしくて。不安しかないです。山内:やっぱ、ずっと売れ続けるというのはないと思うので。ある程度スピードに乗れれば、あとはその余力で走っていけると思うんです。だから、今年やりきって燃え尽きて。で、終わります。濱家:今の俺らがピークで、そのあとは余力でいくとしたら、今後2年くらいしかもたへんで。山内:いや、今年のピークの余力で、その後70歳までもたせたい。濱家:……やっぱり不安しかないです。――(笑)。濱家さんは、どういう考え方なのでしょうか?濱家:僕は逆で、このままじゃ終わってしまうと焦るから、今こそあれこれなんでも試したい。欲張って仕事したいってなってます。本当に考え方が逆なんですよ。でも、山内がこうどっしりしたこと言っていてくれるほうがいいです。僕が心配しすぎるタイプなんで。――山内さんが流れとかにあまり動じず、濱家さんのほうが心配性。性格が真逆だと、かまいたちとして、方向性で対立することなどはありませんか?濱家:それはないです。僕たち、“人生の第一目標”はビタッと合っている。だからぶれないんです。――それは、どんな目標で?山内:スーパー金持ちになる、ですね。このゴールが一緒だから、どうすればいいか意見が食い違っても、金持ちになれるほうを選べばいいのでケンカになりません。濱家:これマジで僕ら大金持ちになりたいんです。年収7億欲しい。――……それ、大御所芸人さんのリアルな数字なんですか?山内:いや、そんな人見たことないです(笑)。濱家:でも、言っておかないと絶対にできないと思うからバンバン大声で言っていきたいと思います。かまいたちは、絶対に二人でスーパー金持ちになります!『かまいガチ』(テレビ朝日)、『千鳥vsかまいたち』(日本テレビ系)、『かまいたちの知らんけど』(MBS)などレギュラー番組多数。YouTube「かまいたちチャンネル」もチャンネル登録者数100万人に迫る人気を獲得。また、お笑いのこと、家族のことなどを赤裸々に綴った山内さん初のエッセイ集『寝苦しい夜の猫』(扶桑社)も好評発売中。写真左・山内健司1981年1月17日生まれ、島根県出身。ボケ担当。右・濱家隆一1983年11月6日生まれ、大阪府出身。ツッコミ担当。共にNSC大阪校26期生。卒業後の2004年5月にコンビ結成。‘17年、キングオブコント優勝。‘17年から3年連続でM-1グランプリ決勝に進出。ラストイヤーの‘19年、ミルクボーイに敗れ惜しくも準優勝に。※『anan』2021年3月24日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・梅原加奈(by anan編集部)
2021年03月20日漫才、コントでは誰もが認めるネタクオリティ。今や全国区の冠番組を持ち、MCクラスの実力派となったかまいたち。賞レースで華々しい活躍を見せてきた二人が今、目指す頂とは?現在、テレビ・ラジオ・ネット番組など合わせてレギュラーは15本以上。漫才、コントの実力はもとより、最近はトーク番組やMCとしての顔を見ることも全国区で当たり前になってきた、かまいたち。キングオブコントを制し東京進出、そして伝説となったラストイヤーの2019年M-1グランプリを経験し、たどり着いた彼らの現在地点、そしてこれからについて、ざっくばらんに語っていただきました。――最近、TV番組を拝見していても、「僕らがいる“ステージ”が変わった」と、よく山内さんがおっしゃっています。昨年あたりから、お仕事の方向性に変化があったと感じていますか?山内:確実にMC仕事が、しかも急に増えたと思います。濱家:そうですね。今までなら東京ではやらせてもらえなかった仕事をやれるっていうのが、昨年どっとやってきて。僕たちがMCの番組だとか、僕たちがメインの特番をやっていただけたりとか。山内:最初におやっ?と思ったのは昨年6月にあった日テレの『クイズ!その時スーパースターは?』という番組。特番だったんですけどMCが僕たちと亀梨(和也)くんというキャスティングで。え、これ絶対どっきりやんって思いました。僕たちでええの?と。濱家:亀梨くんの横に並ぶとか、どうしてええかわからんもんな。現場でもずっとそわそわしてました(笑)。でもこの番組を見て、かまいたちはこういう立ち位置なんや、こういう使い方をしていい芸人なんやって、多くの制作サイドの人に思ってもらえたように感じています。だから、今のかまいたちがあるのは横に立ってくれた亀梨くんのおかげですね(笑)。――その変化のきっかけは、やはり2019年のM-1でしょうか。山内:そうですね。やっぱりあの、史上最高の大会だった2019年のM-1が大きかったです。濱家:勝手に史上最高って……。山内:まあ、そのインパクトが想像以上に大きくて。いろんな先輩方がラジオやトーク番組で「優勝はできなかったけれど、かまいたちがよかった」と言ってくださったんですね。テレビで第一線張っている方々にそう褒めていただくと、やっぱり世間の印象は大きく変わりますから。僕は、2018年の時点でM-1でやれることは出し切った、もう卒業やと思っていたんです。でも、濱家はそう思っていなくて「ラストイヤーも出たい」と言われた。僕は、もうええやろ、すでにステージは1つ上がっていると思っていたけど実は全然そうじゃなかった。そのことを2019年大会の結果で思い知らされました。結果、出てめちゃくちゃよかったです。マジでかまいたちの天下分け目の年でした。濱家:2018年大会での山内のパフォーマンスは完璧やったんです。悪いところがなかった。問題は僕の個人的なこと。自分の間や声のボリュームが全然ちゃうかったな、と感じていて。もっと面白いのに、かまいたちの漫才はもっと面白いんやからそれを見せたいと思って、やっぱり2019年も出たいとお願いしました。――山内さんは、出たいと言われて、すぐOKされたんですか?山内:いや、すごく悩みました。濱家:わかってたから出たいって言い出すのがめっちゃ怖かったのよ。めちゃめちゃ覚えてるわ。タクシーの中やで、最初に言ったの。山内:全然、覚えてない。濱家:なんか、マネージャーが、村上ショージさんが作ったでっかい陶器を風呂敷に包んで運んでた時。届けないといけないとかで。でっかいツボ持ってタクシーに乗って、それ抱きながら「出たいんやけど」って話したんやけど、覚えてない?山内:まったく。陶器のことしか覚えてない。――山内さんが出場するか迷われた理由はなんだったのでしょう。山内:やっぱり、それはしんどいからです。出るとなったら優勝しないと意味がないと思ったし、優勝するためには急ピッチでモチベーションを上げないといけない。10何年もずっとやってきたことではあるんですが、やっぱりM-1に出ている時の夏場過ぎからの焦燥感ってすさまじくて。やらなあかんことがずっとある感覚。あれをもう1年やるかどうかって、やっぱり即決はできなかったですね。濱家:ずっと期末テストが続いているみたいな感じやもんな。山内:そう考えると、それがなかった2020年はそれだけで、めちゃめちゃ楽やったな。濱家:そうやな。ネタやっている時も、舞台であれこれ試さないといけないというのがない。――ネタへの向き合い方もM-1 以降、変わりましたか?濱家:基本は変わらないと思います。でも、M-1の時の思考って、どうしてもボケの回数とか、4分という制限時間でどう構成するかということに頭がいっていたので、ここでボケて、ここでツッコんでをきちっとできないといけないからずっと計算で。でも、今はそれがないから、なんか楽しいです。山内:漫才、楽しいよな。濱家:本当に今は劇場でも、二人で楽しくやっている感じしますね。アドリブ入れるのとかも、昔だったら内輪ノリっぽい雰囲気になっていたけど、今は、その雰囲気をお客さんとも共有できてる感じがします。僕たちのそういう楽しさをいい感じで漫才に乗せられる余裕が出てきたんだと思います。『かまいガチ』(テレビ朝日)、『千鳥vsかまいたち』(日本テレビ系)、『かまいたちの知らんけど』(MBS)などレギュラー番組多数。YouTube「かまいたちチャンネル」もチャンネル登録者数100万人に迫る人気を獲得。また、お笑いのこと、家族のことなどを赤裸々に綴った山内さん初のエッセイ集『寝苦しい夜の猫』(扶桑社)も好評発売中。写真左・山内健司1981年1月17日生まれ、島根県出身。ボケ担当。右・濱家隆一1983年11月6日生まれ、大阪府出身。ツッコミ担当。共にNSC大阪校26期生。卒業後の2004年5月にコンビ結成。‘17年、キングオブコント優勝。‘17年から3年連続でM-1グランプリ決勝に進出。ラストイヤーの‘19年、ミルクボーイに敗れ惜しくも準優勝に。※『anan』2021年3月24日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・梅原加奈(by anan編集部)
2021年03月20日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ハイブランド」です。思い返してみると僕はブランド物の洋服を何も持ってないなと気づきました。持っているブランド物はラコステくらいです。でも、それも財布どまりです。これまで、洋服はブランドを意識して選ぶことはありませんでした。それより、とにかく着られるものを、と。僕が着られるサイズであることがまず第一なので、ブランドよりサイズ優先で選んでいました。でも、ミュージシャンとしてまあまあお金をいただけるようになりましたし、ここはひとつハイブランドのアイテムのひとつくらい持っておきたいです。最初に買うならどこがいいかな、と考えた時に“GUCCI”の文字が頭に浮かびました。「死ぬまでにやりたい100のことリスト」にも“GUCCIの服を買って着る”という項目を掲げているので、まず買うならGUCCIの洋服かなと思いました。ファーストGUCCIのシミュレーションをしてみたいと思います。まず、行く店舗はアウトレットでもなく免税店でもなく、できれば本店的なところがいい。買うものも、コラボレーション(いま発売しているTHE NORTH FACEとのコラボとかめちゃくちゃかっこよくて好みですが……)ではなく、ストレートなGUCCIのアイテムが欲しいです。で、何を買おうか……と考えると、パッと思いつくのはやっぱり“羽織り物”ですね。GUCCIを羽織りたい。コートでも、カーディガンでもいいです。いちばん外側にくるものをGUCCIにしたいです。間違ってもアンダーウェアとかではないですね。そして、買う時には必ずカメラを回したい。GUCCIの店内は撮影可能なのでしょうか。わかりませんが、レコード会社を通してオファーをしてみたいと思います。どうなるかわかりませんが、僕がGUCCIを買うところはなんらかの形でみなさんにご報告できたらと思っています。音楽で稼いだお金でハイブランドのものを買う。それを達成できた自分を認めてあげたいですし、みなさんにも見ていただきたいです。まだまだ、心はファストファッションですが、近いうちに初めてのGUCCIを買った僕をお見せできたらと思っています。……でも、よく考えたらGUCCIを買いに行く時に着る服がない。何を着ていけばいいんでしょう?あえて上下スウェットで行ったら一周まわってセレブ感が出ないでしょうか?それしかないので、それでいきたいと思います。おかざきたいいく『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:35~)、『おはスタ』(テレビ東京系)火曜日、『ヒャダ×体育のワンルームミュージック』(NHK Eテレ 毎週火曜22:50~)にレギュラー出演中。※『anan』2021年3月24日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2021年03月20日世の中にあるさまざまな“まっとう”を、ちょっとクスッとしてしまう視点で観察し、レトロでチャーミングな絵と言葉で表現するのが得意な、五月女ケイ子さん。今回久しぶりに、その得意技をふんだんに使った“ネタ本”『乙女のサバイバル手帖』を上梓。この不安定な世の中を明るく楽しく乗り切るための、女性たちの心強いバイブルになる一冊です。全部冗談に見えるかもしれませんが、実は結構“本当”が詰まっています。「実は、16年前…自分で言ってて怖いですが(笑)、に出した、女性が世の中を渡るためのエチケットをまとめた“ネタ本”『淑女のエチケット』があり、それを小学生時代に読んでいたという20代の編集者さんからご連絡をいただき、今回の本を作りました。日常に潜むいろんな問題を、華麗におもしろく乗り越えるエチケットを、真実と冗談を交えて書いた内容だったんですが、今の世の中の感覚で、またそういう本を作りたいとおっしゃっていただいて…」五月女さんがおっしゃるネタ本とは、世の中のさまざまなことを冗談で斬っていく、虚実ないまぜの笑える本のこと。読むとニヤニヤやクスクスが止まらないのが特徴で、’90年代後半から’00年代中頃くらいまで、多数出版されていたのだそう。「そういう本を読んで育った世代なので、個人的に今でもそういう感覚は大好きなのですが、でも社会の雰囲気も時間とともに変わってきて、昔は通じた冗談が、今は通じなくなっているということも、理解しています。なので、最初にお話をもらったときは、『え、今!?大丈夫?』と思ったのは事実です(笑)。でも、そもそも私の絵自体が冗談みたいな作風だし、個展に来てくださった方などの反応を見ていると、温かく受け止めてくださる印象があるので、あえて今、やってみようかと。ただ、出す以上は、内容にも責任を持たなければならない自覚はあるので、冗談のような視点は昔のままで、表現方法はちゃんとアップデートさせたいと思いながら、描き上げました」悩む乙女からの質問に、人生の酸いも甘いも味わい尽くした乙女の先輩であるミロ子さんが答えてくれる、お悩み相談スタイルで展開されるこの本。恋、仕事、暮らし、そして自分に対して、愛と冗談が溢れる回答が満載です。「昔は、同世代の女性に向けて描いていたところがありますが、私自身、娘を育てる母親でもあるので、今は20~30代の女の子たちを応援したい気持ちがどんどん強くなっています。なので今回は、自分より若い女の子を中心に、男性も含め、乙女心を持つ全人類の人生に役立ててもらいたい、と思って描きました。と言いつつ、内容はかなりくだらないんですけどね(笑)。サバイバル手帖と言ってますが、本当にサバイバルに使えるかどうかは…。ただ、悩んだりつらい思いをしたとき、冗談で考えてみると、バカバカしいと思いながらも結構軽やかに乗り越えられたりするんです。40代も半ばを過ぎた今、改めてそう思います」つまらない合コンから逃げ出すための、壁や赤ちょうちんに擬態をする方法や、ゆとりっぽく見られるのを避けるために、首を太くする筋トレを、などなど…。どこまでが本当でどこまでが冗談なのか、玉虫色の世界をニヤニヤ楽しむのが乙な一冊。「全部まやかしだと思うかもしれませんが、例えば首を太くする筋トレの方法は本当ですし、花言葉なんかも実際にあるものなんです。おそらく6割くらいは本当のことが書いてあると思うので(笑)、いざとなっても、結構本当に使えると思います(笑)。コロナが終息し外に出られる日まで、おうちでこれを読み、胆力をつけてください(笑)」『乙女のサバイバル手帖』「部屋が片付けられないときは…」というお悩みへのミロ子先輩からの回答は、“浮袋にできるか”と“再利用できるか”の2つを軸に、断捨離せよというもの。「乙女の豆知識」に記されているズボンを浮袋にする方法は、実際に使えるそう。豆知識のコーナーは、リアルに役立つ内容多し。平凡社1300円そおとめ・けいこイラストレーター、エッセイスト、漫画家。広告や雑誌をはじめ、さまざまなジャンルで活躍中。小誌では、ジャーナリストの堀潤さんと共に、コラム「社会のじかん」を連載中。※『anan』2021年3月17日号より。写真・小笠原真紀(五月女さん)中島慶子(本)インタビュー、文・河野友紀(by anan編集部)
2021年03月16日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ヒャダ×体育のワンルームミュージック」です。一昨年、特番としてヒャダインさんとご一緒した、パソコンひとつで音楽制作をする「DTM(デスクトップミュージック)」について深掘りしていく番組『ヒャダ×体育のワンルームミュージック』(NHK Eテレ)が、今年からレギュラー番組としてオンエアされています。自宅の部屋からネットを通して音楽を発信したら、それが世界中で聴かれるようなムーブメントを生み出すこともある。そんな可能性を持った音楽の作り方「DTM」について、身近で気軽に始められるものとして捉えてもらえたらうれしいなと思ってやっています。スタジオもなんか実際に家にいるようなセットだし、僕たちも気軽におしゃべりしている感じでやっているので、それも新しいスタイルだなと思います。今までにない音楽教養番組ではないでしょうか。実際に、見てくれたミュージシャンや音楽関係の友人・知人たちからも、むちゃくちゃいい番組と言ってもらえてありがたいです。個人的にも、いろんな人の機材や制作環境を見ることができるのは、とても面白いです。第1回にはゲストに『夜に駆ける』が話題のYOASOBIのAyaseさんが来てくれましたが、その制作環境がかなり劣悪なのもちょっとネットをざわつかせました。僕も、実家時代は子供部屋の勉強机で作業をしていたので、劣悪ぶりには自負があるのですが、Ayaseさんは丸テーブルにノートパソコンだけ。スピーカーもMIDIキーボードもなしで制作している。そんな圧倒的に不利な環境で音楽を制作していて紅白にも出場しているって、むちゃくちゃ夢があるなと思いませんか。僕も、子供部屋で作った音楽だけで、さいたまスーパーアリーナのステージに立てたことを誇りに思っていますが、Ayaseさんもきっと同じはず。お金がなくても、パソコンひとつあれば自分の夢は叶う、すごいことが成し遂げられるという事実は、お小遣いやお年玉でやりくりしているような10代のキッズたちの希望になると思います。これからもいろんなゲストを招いて、みなさんのワンルームをのぞいていきたいと思います。最終的な目標は、ビリー・アイリッシュさんに実際にお話を伺うことですかね。この番組のひとつの肝となっている存在がビリーなので。ベッドルームで作った曲でグラミー賞を獲った時、どんな感動があったのか。話を聞いてみたいです!おかざきたいいく『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:35~)、『おはスタ』(テレビ東京系)火曜日、『ヒャダ×体育のワンルームミュージック』(NHK Eテレ 毎週火曜22:50~)にレギュラー出演中。※『anan』2021年3月17日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2021年03月15日暴漢に襲われ殺されたサムが、恋人のモリーに命の危険が迫っていることを知り、ゴーストのまま現世にとどまり彼女を守るため奔走する。大ヒットした同名映画を舞台化したミュージカル『GHOST』。2018年の日本初演に続き、再びモリーを演じる咲妃みゆさん。初演が宝塚歌劇団退団後1作目のミュージカルだったこともあり、「自分のなかでとても大切な作品」だと語る。「モリーとして、言葉や動作に酸素が行き届き始めた気がします」「何より、演出家のダレン・ヤップさんに巡り会えたことがとても大きかったです。それまで私は、舞台は苦労に苦労を重ねて成り立つものだと考えていたんです。でもダレンさんが『もっと心を解放して、ありのままの自分の自由な感情でやってごらん』と声をかけてくださいました。目の前の稽古を素直に楽しんでいいんだと思ったし、役者さん同士がリアルに向き合うなかで生まれる化学反応を信じていいんだということが、私にとっては新感覚でした」心を解放して舞台に臨むうち、自然とモリーの感情が見えてきたそう。「1幕のラストで、サムはまだこの世にいるかもしれない、と思うシーンがあります。その瞬間の、周りに何を言われようが止まらない一点集中の強い望みみたいなものが、大千秋楽前くらいに見えたんです。あと、一番最後にゴーストのサムを目視できるようになる瞬間があるんですが、実際、自分の視界にサムを演じる浦井さんの姿がだんだん見えてくるように感じられて、そこは何回演じていても涙が止まらなかったです」あれから2年半。「さまざまな舞台に立ち、いろんな方と共演させていただき、濃厚な時間を過ごし」てきた今、再び同作に向き合う。「私のなかで“芯の強い女性”の捉え方が変わってきました。以前は、エネルギー溢れる女性のイメージでしたけれど、今は、しなやかさこそ真の強さじゃないかというところに思い至って。モリーとして発する言葉や動作に酸素が行き届き始めた気がしています」ブロードウェイではイリュージョン的演出も話題だったけれど、日本版はドラマに重点を置いた演出に。「人の温かみが感じられる作品です。わずかでも観てくださった方の元気の源になればと思っています」ミュージカル『GHOST』銀行員のサム(浦井)は、恋人・モリー(咲妃/桜井)との道中、暴漢に襲われる。逃走する男を追うが取り逃がしてしまったサムがモリーの元に戻ると、血だらけで倒れる自分の姿があり…。3月5日(金)~23日(火)日比谷・シアタークリエ脚本/ブルース・ジョエル・ルービン音楽・歌詞/デイヴ・スチュワート&グレン・バラード演出/ダレン・ヤップ出演/浦井健治、咲妃みゆ/桜井玲香(Wキャスト)、水田航生、森公美子ほか全席指定1万2500円(税込み)東宝テレザーブ TEL:03・3201・7777愛知、大阪公演あり。さきひ・みゆ1991年3月16日生まれ、宮崎県出身。宝塚歌劇団雪組トップ娘役を務め、2017年退団。近作に映画『窮鼠はチーズの夢を見る』やミュージカル『NINE』などがある。※『anan』2021年3月10日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・本名和美インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2021年03月09日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「TATTOO」です。みなさんもご存じかと思いますが、日本でもタトゥーを入れているミュージシャンの方はけっこう多いです。僕のミュージシャン仲間でも入れている人がたくさんいます。だから、僕にとってはけっこう普通のことで、タトゥーに対してなにか特別な感情があるかというと、特にはありません。まず、マイナスな印象はないですね。日本では、どうしても反社会的なイメージがあり、ポジティブに受け止められることが少ないと思います。温泉やプールに入れなかったりとか、不自由な思いをすることも多い。でも、僕は信念を持って入れているのであれば、「いいのでは」と思います。逆に、タトゥー文化への理解の低さ、疎さのほうが気になります。タトゥーって、高校球児が、自分がかぶっているキャップのツバの内側に“感謝”って書くような、そんなものだと思うんですよね。忘れたくない言葉とか、人とか、思いとか、そういう大切に思っているものを体に刻むというのは、別に悪いことではないかなと思います。パーソナルな問題なので、個人個人の判断でそこはやればいいと思います。ただ、こと自分が入れるかというとそこはまだわかりません。なぜなら僕は、痛いのがとにかくイヤだからです。痛いのはどうしても耐えられない。タトゥーは痛みに耐えてこそ、みたいな部分もあるかと思いますが、僕にはそういう根性論みたいなものは、必要ないです。痛いのは単純にイヤです。痛くないタトゥーが開発されるとか、麻酔をしてからタトゥーを入れることができるとか、そういう感じにならないと僕はタトゥーを入れることができないと思います。もし、今入れたとしても痛みに耐えきれず途中でやめてしまって、残念な結果に終わりそうです。まあ、そんなわけで実際にはなかなか難しいと思いますが、もし僕が入れるとしたら何がいいかと考えると、祖父の名前とか入れておきたいですね。昨年、僕の祖父が亡くなりました。ずっと実家で同居していた祖父。僕にとっては、父親代わりのような大切な存在でした。そんな祖父のことを忘れないために、体に名前を刻みたい。海外のサッカー選手でも、子どもや家族の名前を腕とかに入れている。そういうイメージです。でも、やっぱり痛いのには耐えられないので…心の中に思い出を刻んでおくだけにしたいと思います。おかざきたいいく『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)、『おはスタ』(テレビ東京系)火曜日、『ヒャダ×体育のワンルームミュージック』(NHK Eテレ 毎週火曜22:50~)にレギュラー出演中。※『anan』2021年3月10日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2021年03月07日噂の“美容男子”に会いた~い!各所で「超絶美」と話題沸騰中の美容男子の一人、小林大輝さんにインタビューしてきました。指先や髪の毛など、先端が美しい人に見惚れちゃいます。「中学の頃にニキビができ始めて、外に出るのもイヤになったことがあったんです。それで当時、母親と一緒に百貨店のコスメカウンターに行き、スキンケアシリーズをそろえてお手入れを始めたのが、美容に目覚めたきっかけ。肌もキレイになって気持ちが前向きになれたことが嬉しかったですね」だから今でもデパートのコスメカウンター巡りは大好きだそう。「今はこういうご時世なので控えていますが、BAさんにも相談したり、どんな商品が出ているのか、どの色が売れているのかなと、自分の足で調べています。美容に詳しい人が多い職場ですけど、異業種の友達と情報交換することも多くて、コスメが好きな男性が増えているなと感じています」こだわりパーツは、眉マスカラだけで仕上げる左右対称に美しく整えられた眉毛。男性が装うということに、今でこそ好意的にとらえてくれる人が増えたが、学生時代には悔し涙を流した日々も。「僕はフェミニンな顔立ちだし、高校生のときから眉毛も手入れしていたから、同性から気持ち悪いとか、そこまでやるなよとか、何万回と言われてきました。否定的な言葉をかけられ落ち込んで、トイレの個室で声を殺して、涙の跡がつかないように泣いたことも。まぁ、今は何を言われてもビクともしなくなりましたけど(笑)。何でも認めることが正義だとは思わないけど、みんな価値観が違っていいし、その違いをポジティブに認め合える社会になればいいな」スキンケアは自社製品を愛用。「乾燥肌なのでもっちりとしたとろみのあるテクスチャーが好み」。「ポーチにはメイク道具一式入れています。万が一に備えてお泊まり用スキンケアセットも。でも使うシチュエーションになったことはないです(笑)」。週2ペースでジムへ。「太りやすい体質なので、20時以降は水以外の飲食をしないと決めています」。一人クルマを走らせ、お気に入りスポットの静岡県富士市の工場地帯へ。「工場夜景を見ながらドライブデートしたいです」小林大輝さん20代前半にしか見えない奇跡の31歳。スキンケア、メイク全般の商品企画を担当。より良い商品作りのために、研究所とやりとりしたり、自らコスメをお試しする毎日。※『anan』2021年3月3日号より。写真・小笠原真紀取材、文・岡井美絹子(by anan編集部)
2021年02月28日ホメ言葉だったら“肌キレイだね”が一番嬉しい!」と話すのは、乙女な三上大進さん。各所で「超絶美」と話題沸騰中の「美容男子」の一人です。「二度見したくなるような透明感のある白肌だが、なんとノーファンデ!美容って心のドレスみたいなもの。キレイになれるし、自信をくれるから。「大切にしているのは、素肌です。最近、男性からもファンデの塗り方の質問を頂きますが、米粒くらいの分量でいいよって伝えます。毛穴もシミも生きている証拠だから、完璧に隠さなくてもいいと思うし、そのほうが抜け感も出せていい気がします。私も目のまわりは色素沈着してたり、赤ら顔なのですが、逆に目元に陰影ができていいし、血色感があって生き生きしているなって思って。マイナスにとらえるんじゃなくて発想を変えると生きるのがラクになるんじゃないかな」ケア方法もアイテムも、“出合い”だから、デパコス、ドラコス問わず様々なものを試すそう。「その日の肌の状態や気分に合わせて、使用する製品も変えています。各アイテム10~20くらいストックがあって…本当にスキンケアオタクなのです」自身は美容が好きだが、人に求めることはしないし、美の基準もそれぞれでいいと語る。「男性がピンクのリップをつけてもいいし、スカートをはいてもいい。日本人“らしく”とか、女性“らしく”とか、好きじゃないんです。“らしく”って“自分”以外の言葉にはつけなくていいんじゃないかな。本当に大切なのは、自分らしくいられるかということだから」手作りの有機白米味噌。売り物のようなクオリティ。「発酵の力で内側から美しくがモットー」。朝起きた瞬間、真っ先に目に入る場所に飾っているのは、お花。「おうちのいたるところに飾っています。目からキレイになりたくて(笑)」。スキンケアは摩擦をしないことを徹底。「化粧水は手のひらで入れ込んで、乳液ものばさずやさしくハンドプレス」。白魚のような美しい手の秘密は、乾くヒマを与えないこと。「ハンドクリームは家にも会社にもあちこちに置いていて、目についたら塗るように」三上大進さん外資系コスメメーカー勤務後、現職へ。日本化粧品検定1級、コスメコンシェルジュの資格を持つ。夜寝る前には自家製甘酒を飲むのが習慣。@daaai_chan※『anan』2021年3月3日号より。写真・小笠原真紀取材、文・岡井美絹子(by anan編集部)
2021年02月27日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「手嶌 葵」です。手嶌葵さんの音楽は僕の心の拠りどころです。3~4年前から聴くようになりました。以前もこのコラムでご紹介したかと思いますが、僕は癒し系コンピレーション・アルバム『image』シリーズが大好き。その中に、手嶌さんの楽曲が収録されていて、それがきっかけでアルバムも聴くようになりました。歌声がやっぱりすごく素敵です。歌声を聴くだけで、こんなに心が落ち着く、内面が浄化されていくような気持ちになれる方ってほかにいないと思います。移動中はたいてい、手嶌さんのアルバムを聴いてリラックスしています。新幹線の中とかで、ちょっといやな感じの人とかがいてもまったく気になりません。手嶌さんの音楽から、何かしら体に良い成分が出ているので、その作用でイライラしないでいられます。と、手嶌葵さんのファンであることをラジオや雑誌などで公言していたら、スタッフの方からお声掛けいただき、なんと岡崎体育が手嶌さんの楽曲を手がける機会をいただきました。僕は「死ぬまでにやりたい100のことリスト」の中にも、「手嶌葵さんに楽曲を提供する」という項目を作っていたので、これは本当にうれしかったです。やっている音楽性がまったく違うし、僕に声を掛けてくれるのは、なかなか勇気がいることだったのではと思います。それでも、こうやってオファーしてくださった。手嶌さんご本人やスタッフの方々が、岡崎体育に対してポジティブな印象を持っていてくれたことが、まずうれしかったです。実際に、曲を書くときに何を考えたかというと、とにかく今回は僕が聴きたい手嶌葵の曲を書こうということ。いつも楽曲提供をするときには、その方のファンのみなさんが喜んでくれそうなものにしたい、と考えるのですが、今回は僕がいちばんのファンです。だから僕が聴きたいものを書けば、おのずとファンの方々にもいいなと思ってもらえるんじゃないかと思いました。実際に、手嶌さんが歌ってくださっているのを聴いたときは感無量でしたね。自分の好きな人に関われる、協力できるというのはミュージシャン冥利に尽きます。コロナの影響でお会いすることはまだできていないのですが、僕のラジオ番組にZoomでゲスト出演していただけて、お話もしました。「岡崎くん」とあの声で呼んでいただけたときには、ちょっと震えました。おかざきたいいく『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)、『おはスタ』(テレビ東京系)火曜日、『ヒャダ×体育のワンルームミュージック』(NHK Eテレ 毎週火曜22:50~)にレギュラー出演中。※『anan』2021年3月3日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2021年02月27日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「A&R」です。音楽業界を目指す人などは知っているかもしれませんが、レコード会社にはA&Rという役職があります。CDや映像作品のスタッフクレジットで見かけた方もいるかもしれません。僕は、デビューをして初めてその存在を知りました。ウィキペディアによると「レコード会社における職務の一つ。Artists and Repertoire(アーティスト・アンド・レパートリー)の略。アーティストの発掘・契約・育成とそのアーティストに合った楽曲の発掘・契約・制作を担当する」とのことです。音楽制作のサポート(どんなスタジオで録音をするか、どんなアレンジャーに依頼するかなどを考える)から、イメージ戦略やプロモーション(どんなテレビ、ラジオ、ライブに出演するか、話題になるためにどんなマーケティングが必要か考える)など、担う領域がとても広いようです。人によっては、音楽制作をフォローするのが得意な方や、宣伝が得意な人もいる。どこまでをA&Rの役割とするかは、さまざまなようです。個人的には、A&Rは、担当するアーティストをサポートするアーティストの一部のような存在という認識。僕の意見を聞きながら、困った時に助けてくれて、意見を出して正しい方向に導いてくれる方というイメージです。僕にもソニーミュージックのA&R担当がついています。というか、僕のチームはかなりの少数精鋭なので、マネージャーの松下とA&Rを担当してくれている井上と僕の3名で、どのような音楽を制作し、岡崎体育というアーティストを売り出していくかを日々考えています。僕は、SNSでの発信など自由にさせてもらっていて、岡崎体育というアーティストのあり方というのは、基本的に自分発信でやらせていただいています。今のアーティストの方々というのは、だいたいそうだと思いますが自己プロデュース力に長けている。だけれど、制作とか流通、PRなど自分だけではどうすることもできないことがある。メジャーだと特にその規模が大きくて手に負えません。そこを的確に手助けいただき、本当にありがたいと思っています。この関係は、他に例えると漫画家と担当編集者に近いかもしれませんね。制作や活動にめちゃくちゃ介入していただく役割なので、信頼関係や相性もすごく大事だと思います。また、A&Rは本人自身がアーティストでないとできない仕事だなと思っています。おかざきたいいく『よなよなラボ』(NHK総合 毎月1回土曜24:05~)、『おはスタ』(テレビ東京系)火曜日、『ヒャダ×体育のワンルームミュージック』(NHK Eテレ 毎週火曜22:50~)にレギュラー出演中。※『anan』2021年2月17日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2021年02月14日映画『あの頃。』の原作者・劔樹人(つるぎ・みきと)さんとその妻である犬山紙子さん。結婚前から共に“ハロプロ”に魅了されているお二人にその熱き胸の内を語っていただきました。“ハロプロ愛”とその深すぎる世界。モーニング娘。(以下、モー娘。)の誕生を機に、つんく♂さんが手掛けた女性アイドルグループの総称“ハロー!プロジェクト”(以下、ハロプロ)のファンこそ“ドルオタ”(アイドルオタクの略)の先駆け。劔:僕がハロプロにハマっていったのは‘03年頃。いろいろあって落ち込んでいた僕を元気づけようと友達が持ってきた松浦亜弥さんのMVを見たことがきっかけ。犬山:私がハマったのは約8年前、YouTubeでモー娘。の「One・Two:Three」というMVを見て。なんじゃこりゃ!って衝撃を受けてたった一晩ですっかりファンになってしまった。それで当時まだ友達だったつるちゃん(劔)が昔、ハロプロが好きだって言ってたのを思い出して。劔:一緒にCDを買いに行ったね。犬山:その時つるちゃんは一度ファンを離れていたから、私が「なんで今も追いかけてないんだ!」って説教した気がする(笑)。劔:‘07年頃に上京して生活が変わり、ハロプロオタクの仲間たちともバラバラになってしまったこともあって…。でもそのあと「What is LOVE?」という曲にバチンときて、また出戻ったけど。結構いるんだよね、1回お休みしてたけど戻ってきましたというファンは。犬山:最初はとにかくほとばしる魅力にやられたの。ただただ、多幸感に溺れている感じ。そこから、このメンバーが気になるとか、このグループの歴史は…と探り出すうちにどんどんハマってた。あとになって俯瞰したら、ハロプロに夢中になることで元気をもらっていたんだなって思うんだけど。劔:落ち込んでいる人に限らないけど、何かが突然刺さるというか個々にホームランが出るんだよね。犬山:武道館とか中野サンプラザのハロコン(ハロプロのコンサート)にも一緒に行ったよね。初めて観た時は、モー娘。が登場しただけで号泣(笑)。ひたすらYouTubeで見てきた人たちが実在するっていう喜びなのかな。つるちゃんもよく泣いてたよね。劔:僕もそうだし、メンバーの誰かが辞めちゃう時とか、おじさんたちめちゃくちゃ泣いてるよ。犬山:彼女たちが背負っているいろんな気持ちや空気感までファンは一緒に受け取るから、感極まってしまうのかな。劔:歴代メンバーの中でも欠かせない人はたくさんいるけど、高橋愛さんはすごかったな。パフォーマンスも超人的なスキルで、しかもモー娘。の歴史の中でもメディアに露出が少ない時代のリーダーだったんだけど、ライブばかりしていたからレベルが高い。犬山:ぽわんとしていると思いきや、ステージに立つとめちゃくちゃかっこいいし、歌もうまいね。劔:歌って踊りながら、高いヒールでも足元を見ずにステージ上の階段を下りるということを徹底していたのもすごい。犬山:そんな先輩がいたら、後輩たちはレベルを上げるしかないね。劔:道重さゆみさんは一時期はぶりっ子キャラでバッシングを受けたりもしてたけど、リーダーでアジテーターとしての力が強く、彼女の功績は大きいと思う。譜久村聖さんは、道重さんが抜けた18歳から、そして24歳になった現在もリーダーを務め、その歴も最長で。今のモー娘。は全体野球のようにみんなで戦ってる感じがするね。犬山:そしてファンは、未完成なものから努力を重ねて成熟していく過程をリスペクトしつつ応援しているところが素晴らしいと思う。劔:彼女たちとファンは、共にハロプロ誕生からの23年間を一緒に歩んできた仲間のような感覚なんじゃないかなと思うんだよね。つるぎ・みきとベーシスト、漫画家、元マネージャー。バンド・神聖かまってちゃんを見出し、マネージャーとなってムーブメントを起こした、音楽業界では名の通った存在。いぬやま・かみこコラムニスト、エッセイスト、ラジオパーソナリティ。『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(扶桑社新書)ほか著書も多数。映画『あの頃。』神聖かまってちゃんの元マネージャー、劔樹人による2014年に発売された自伝的コミックエッセイ『あの頃。男子かしまし物語』(イースト・プレス)を映画化。彼女なし、金なしでどん底生活を送っていた劔が、松浦亜弥の「桃色片想い」のMVを見たことで、ハロー!プロジェクトのアイドルたちにどハマり。ヲタ活の日々を描いた。監督:今泉力哉©2020「あの頃。」製作委員会※『anan』2021年2月17日号より。写真・小笠原真紀イラスト・劔 樹人犬山紙子取材、文・若山あや(by anan編集部)
2021年02月13日小笠原伯爵邸よりバレンタイン限定ケーキが登場。2021年2月6日(土)から2月14日(日)までの期間、事前予約制にて販売される。小笠原伯爵邸がバレンタインケーキを販売するのは今回が初。アジアを中心に長年星付きレストランでキャリアを積んだ新ペストリーシェフ・高橋草哉の独自レシピによる、こだわりの一品を用意する。多層構造のケーキは、ペルー産シングルオリジンのチョコレートの華やかな香りと味わいが特徴。表面はチョコレートのグラサージュでコーティングし、中にはチョコレートのムースをセット。さらにその中では、濃厚なチョコレートのビスキュイ、果実を丸ごと使ったフルーティなラズベリーゼリー、ラズベリー風味のチョコレートクリームなどを層にした。【詳細】小笠原伯爵邸 バレンタインケーキ予約販売期間:2021年2月6日(土)~2月14日(日)販売店舗:OGA BAR by 小笠原伯爵邸営業時間:11:30~19:00住所:東京都新宿区河田町10-10価格:12cm 4,500円+税※予約販売のみ。【予約・問い合わせ先】OGA BAR by 小笠原伯爵邸TEL:03-3359-5830
2021年02月08日ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』の安達役で大注目された赤楚衛二さん。表情や動きから醸し出される絶妙な仔犬感と、情感あふれる表情や佇まいに心を奪われた人は少なくないはず。今回は、そんな赤楚さんの素顔に迫りました。町田くんは役者としても、人としても尊敬できる人。――赤楚さんがどんな生活をおくっているのか気になります。赤楚:堕落した生活をしています(笑)。たとえば洗濯が苦手だし、料理も苦手でコンビニで買ったものを食べたりしてますし。趣味で言いますと、スーパー銭湯が好きなので、こういうご時世になる以前は、お休みの日にたまに友達と行ったりしていました。スーパー銭湯って、いろんなお風呂があるじゃないですか。熱いお湯は苦手なんですけど、炭酸泉がめちゃくちゃ好きで電気風呂も好きで。あとサウナも大好きです。――一緒に行かれるのは…。赤楚:地元というか、上京してきている名古屋時代の友達だったり、東京でバイトしていた時代の友達だったり、役者の友達だったり。大きく分けて3つありますね。――いまは難しいとは思いますけれど、集まって飲み会みたいなこともされたりするんですか?赤楚:大学生くらいまではそういうこともあったんですけれど、上京してきて地獄の1年を味わってから、そういうことできなくなっちゃいました。上の方には、26歳なんだからもっと遊んでもいいんじゃないって言われるんですけれど、体力的に無理で。でも、ふざけるとなったら全力でふざけます。――ファッションとかに興味は?赤楚:あ~…それなりにあります。どういう系が好きとかじゃないんですけれど、基本、古着が好きだったりするので、休みの日に古着屋巡りすることもありますし。――散財するほう?赤楚:あんまりお金は使わないんですけれど、使うってなったらどんと使います。しょっちゅう買い物するタイプではないんですが、たまにふらっと出かけた先で気に入ったものがあると、ちょっと高くてもためらわず、みたいな。旅行も好きなんですけれど、行くとなったら宿は妥協したくないし。でも基本、貯めるほうだと思います。――あと、人としてこれだけは許せないとか、これだけは守りたいと思っていることは何でしょう。赤楚:これ、ほんっとひとつだけなんですけど、人によって態度を変える人がめちゃくちゃ苦手なんです。しかもそれが、純粋にその人自身というより、背中に背負っている肩書だったり立場だったり…というのが。だからこそ僕も、相手がどんな年下の子だったりしても、ちゃんと“人対人”として接しようと思っています。結局この仕事って人と人との仕事ですし、人が人を見て思い合うものなので、人としてどうあるかが大事なんじゃないかなと。だからなるべくフラットでいようと思っています。――そろそろ年齢的に30代が視野に入ってきています。どんな30代を目指していますか?赤楚:いろんなことを経験して、いろんなものを見て、いろんな人に会って、ちゃんと年相応の人間的深みが出てきたら嬉しいかなというところです。――意識的にそういうことをされていらっしゃるんですか?赤楚:いまはちょっと難しいですが、以前はしてました。本当はずっと家にいたいんですけど、もったいなくて意識的に人に会うようにしていました。人に会うって楽しい半面、しんどさもあるんだけど。――憧れる大人像って、どなたかいらっしゃいますか?赤楚:たくさんいますが、最近会った方のなかでいうと、町田(啓太)くんは素敵だなと思います。役者としてもですが、人としても尊敬できるんです。物事の捉え方とか考え方、役に向き合う姿勢もですし、周りへの気遣いもできる、本当にジェントルマン。しかも、世界情勢や社会のことなどもよくご存じで、それに対する自分の視点や意見をきちんと持っているところも素敵だなと思います。赤楚さんのファースト写真集『A』が好評発売中(ワニブックス)。また、主演ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』のBlu-ray BOXが3月24日に発売予定。そして次号のanan2237号では、共演の町田啓太さんと2ショットグラビアで登場!多くの人々をときめきと幸福の渦に巻き込んだ“チェリまほ”の魅力に迫ります。あかそ・えいじ1994年3月1日生まれ、愛知県出身。2013年にサマンサタバサ・メンズモデルオーディションでグランプリを受賞。‘15年に俳優デビューし、『仮面ライダー』シリーズなどで注目を集める。昨年、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』で連続ドラマ単独初主演。映画『思い、思われ、ふり、ふられ』などにも出演。※『anan』2021年2月10日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・小松嘉章ヘア&メイク・廣瀬瑠美インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2021年02月04日