ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Akemi Kibe[PEACE MONKEY])「ペーパードライバー講習【前半】」「休みの日とかって何をしているんですか?」よく聞かれる質問だけれど、いつも返答に困る。だって、ただダラダラしているだけだから。朝起きた格好のまま、家でずっとドラマやら動画やらを見たり、本を読んだりするのが私の至福の時である。次のページ、次のエピソードと、どんどん物語の中に入っているうちに、気が付いたら日が傾き始めている。ああ、このままじゃいけないと、とりあえずアイスでも買いに外に出るあの感じ。この2年間で、隠し持っていたインドア・マインドが発達したのかもしれない。どこにも出かけない、誰にも会わない日々って意外と性に合っているのかも…。仕事のスケジュールが出た瞬間に遊びに出かける予定を立てて、毎晩のように誰かとごはんを食べていた日々を送っていたのが、何だか自分じゃないみたいに思える。そんなに誰と会っていたんだろう? それで何がしたかったんだろう? 不思議に思うくらいだ。わざわざ人混みの中に出て行かなくても、一人で好きなことをして、自分を甘やかしている時間を大切にしたい。と、まあこんな具合に自分の中でこのライフスタイルに腹落ちしているところはありつつ、さすがにそろそろ世の中に合わせてアクティブに動き始めなきゃという自分もいて、重い腰をあげて申し込みました! ペーパードライバー講習! (アーカイブの67回を読んでくださればより分かると思います!) そもそもは友達に誘ってもらった乗馬クラブで馬と触れ合ったところ、何故か私の心にクリティカルヒットし、「私も乗馬やる!」と意気込んでいた今年の初め。やりたい気持ちは良いのだけれど、いかんせん乗馬クラブは郊外にあるため、都内から電車などの公共交通機関で行こうとするとなかなか時間がかかってしまう。馬に乗っている時間よりも、電車に揺られている時間の方が何倍も長い、なんていう非効率な休日になってしまう。一方で、車で高速道路に乗ってしまえば案外そんなにかからずに着いてしまうという現実もある。乗馬を始めるにはまず、クラブに行くまでの足の確保=車を運転できるようにならないといけないというミッションが私に課せられていたのである。とはいえ、運転免許を取得した当時から「IDとして取る」「取っても乗らない」「運転は怖い」と宣言していた私。その宣言通り、免許を取ってから今まで車を運転したのは旅行先で1、2回ほど。地方ののどかな道で、対向車も歩行者もいないようなところだったら、という条件付きでの運転だった。もちろん、ピカピカのゴールド免許である。そんな状態から乗馬クラブまで高速に乗れるのか? 駐車、出来るのか? 正直不安しかなかったけれども、ミッションのために行動しなければならない。ペーパードライバー講習について色々と検索して、こちらのやり方が一番私に合っているかも?というものを見つけた。【弘中のひとりごと】茂みとかくれんぼしてくださいとサンペイさんに言われたんです!!本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。ワンピース 45,100円(エボニー info@ebony00.com)/スカート39,600円(コンフォートエンブレイスメントジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム03-3401-5001)/ピアス 各51,700円(プライマル support@primal.com)/サンダル37,400円(セレナテラホールバイセレナテラ03-6419-7732)過去の連載はこちら弘中綾香の「純度100%」一覧
2022年06月24日婚活リアリティー番組『バチェラー・ジャパン』シーズン4(Prime Video)に参加し話題を呼んだ中野綾香が、22日放送の日本テレビ系バラエティー『上田と女が吠える夜』2時間SP(後9:00)に出演する。トークテーマ「恋愛のアレコレ」では中野のほか青木愛、荒川(エルフ)、板野友美、大久保佳代子、清水あいり、新山千春、ファーストサマーウイカ、藤本美貴、MEGUMI、SPゲストに藤木直人を迎え、恋愛にまつわるモヤモヤに女性タレントたちが吠えまくる。20代の頃は恋に盲目だったという大久保は、当時付き合っていた彼が電話に出てくれず、浮気していると疑ったことから「多摩川の上流に彼氏の家があって、下流に私の家があったので…」と浮気現場を押さえようと出た仰天行動を回想する。そんな大久保の行動に首をかしげる中野は「追われることはあっても追うことはない」「17歳から恋人は途切れたことがない」と強気な発言を連発。初デートで最高のお店に連れて行く男を、「最初からピークを見せられちゃったらおもしろくない」とバッサリ。むしろ初デートで連れて行ってほしい店を明かす。さらに、ロマンチックなセリフで男性のスイッチを押すことが最近のマイブームだと言い、藤木を相手に実践する。そんな女たちに囲まれた藤木は、言葉のチョイスを誤った結果、「すごいヤダ~!」「最低~!」と大ブーイングを浴びて「ヤバイ、ヤバイ」と大慌てとなる。このほか、新企画「オンナの恋愛50年史」では浅香唯、大久保佳代子、岡田結実、加藤夏希、平野ノラ、MEGUMI、momo haha、若槻千夏、SPゲストに長嶋一茂が登場。20~50代の女たちが各世代の恋愛を語り尽くす。VTRでは、街ゆく10~70代の女性にインタビュー。通称ナンパ島や、合コンの起源、バブル期のクリスマス、さらには現代の公開告白まで、各世代の恋バナが続々と明かされる。「女が吠える『距離感バグってるヤツ』」ブロックでは、いとうあさこ、イワクラ(蛙亭)、大久保、仲宗根梨乃、ぱーてぃーちゃん、原田ちあき、最上もが、ゆうちゃみ、爛々、若槻、SPゲストに河合郁人(A.B.C-Z)が登場。「アメリカではこれが当たり前!」と自由すぎる発言連発の仲宗根や、初対面のアフリカ人と家で酒を飲んだこともある萌々(爛々)、「1日で100人くらいマブダチができる」と言うぱーてぃーちゃん・信子ら、コミュ力高すぎる女たちから“人生得する生き方”を学ぶ。
2022年06月22日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Akemi Kibe[PEACE MONKEY])「とある3月の火曜日【後編】」今回、本当に急転直下の体調不良にもかかわらず、私の上司にあたる部長・デスク、現場の皆さんは嫌な顔をせずスケジュールの調整にあたってくれた(泣)。ただでさえコロナでバタついている中、「てめー!仕事を増やしやがって!」と言われてもおかしくない状況ではあるのだが、本当に私のことを気遣ってフォローしてくださって、素敵な同僚の皆さんに囲まれているなあと改めて感謝する私。声が出ないとにっちもさっちもいかないのと、このコロナ禍でピリピリしている中こんな声の状態の人が会社にいるのも皆さんを心配させてしまうので、仕事はお休みさせていただいた。あくる日もボイスクリニックに行き、診察ののち点滴。声を遣わなくていい仕事だけやらせてもらうことにする。薬もうがいもシップもちゃんとしているのだけれど、劇的な変化が見られない。翌日はまた違うクリニックに向かう。ここはアレルギー反応を止めるブロック注射を打ってくれるクリニックで、口コミで行きついた先生である。とても人気のクリニックなので前々から予約していた。私がこんな状態だとは露知らず先生が出てきたのだけれど、私の声を聞いたとたん、「これじゃいけない。」と一言。またもや点滴を受けることになった。この時点で3日連続の点滴!もはや何を打たれているのか分からない状態だったけれど、無知な市民は医師の皆さんに頼るしかない。それからずっと、色んなクリニックからもらった大量の薬をちまちま飲んでいた(ちゃんとおくすり手帳を渡していますからね、大丈夫ですよ)。極力喉を休ませて声を使わないようにして、人にも会わず、ただ回復を待つ時間を過ごした。毎月通っている鍼灸院にも行って、漢方薬をもらったりもした。まったく声が出なかった時よりは徐々に良くなってきているのだけれど、いつも通りに仕事が出来るようになるまで10日ほどかかり、非常にもどかしかった。伝えたいのに話せないもどかしさ、ストレス、休むことで多くの皆さんに迷惑をかけているという申し訳なさ、色んなものが心に負担をかけて、体ももちろんだけれどもそちらもとっても辛かった。なんだか春は私にとって鬼門の季節である。今日の調子はどう?と自分の体調と日々向き合っているだけで、あっという間に3月は過ぎ、意識する暇もなく入社10年目という節目を迎えた。【弘中のひとりごと】チャームポイントのおでこ全開!本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。ワンピース 45,100円(エボニー info@ebony00.com)/スカート39,600円(コンフォートエンブレイスメントジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム03-3401-5001)/ピアス 各51,700円(プライマル support@primal.com)/サンダル37,400円(セレナテラホールバイセレナテラ03-6419-7732)過去の連載はこちら弘中綾香の「純度100%」一覧
2022年06月10日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Miyuki Nakamura)「とある3月の火曜日【中編】」声が出なくなるという、この体験は生涯で3度目である。1度目は入社してまだ数カ月の頃。研修中に無理な発声方法で気力ばかりの練習をしていたら、1週間ほど声が出なくなってしまった。もともとそんな大きな声を出したり、長い時間話す練習をしてきた人間ではなく、練習方法も自己流の闇雲だったのが良くなかった。ある時プチンと糸が切れたかのように声が出なくなって、指導役の先輩たちを困らせたことがある。2度目は忘れることが出来ない。2017年の年末Mステスーパーライブ中である。当日のリハーサルまでちゃんと声は出ていたのだけれど、リハで力を使い切った私の声帯はあれよあれよと元気を失い、本番ではかすれて聞いたことのないような声になってしまっていた。少し熱っぽさもあったので、ウイルスの仕業だろう。年に一度のスペシャルで気合を入れなくてはいけない大事な日に、スタッフにもゲストの方々にも会う人会う人皆さんに心配をかけてしまうような事態に本当に心苦しくて、本番が終わった瞬間に悔し涙が止まらなかったのを覚えている。そして今年の3回目。重ねた歳のせいか、治りが遅い。いよいよ声が出なくなってしまったその日、私はレギュラー番組の仕事があった。ただの風邪だったらいいけれど、新型コロナウイルスに感染しているという可能性も捨てきれない。すぐにPCR検査の予約と、上司に現状の体調を報告・相談、そして近しい先輩にここぞという時に頼れる病院と先生を紹介してもらった。この時点でもう2つの病院にかかっているのだが、なんとここから更に3つも病院に行く!さすが前厄!医療費がかさんでしょうがないぞ!まずプロレス実況でいつも満身創痍!の野上慎平先輩に教えてもらったボイスクリニックに行く。こちらのクリニックは総合病院に入っていて、プロの歌手や声優さんが通う名門病院らしい。総合病院なんて久しぶりに行ったので、色んなシステムに驚いた。野上さんが長年お世話になっている先生ということで、ご厚意で急な診察をしてもらえることになった。ここでは血液検査と点滴と…、なんでもいいから先生よろしく頼みます~という感じだったので正直オペレーションの内容は覚えていない。言われるがまま処置を受け、1時間ほど点滴を打って、薬をわんさかもらってこの病院を後にした。その足でPCR検査に向かう。ただ声が出ないだけ。熱もない。タクシーの運転手さんに何度も目的地を聞かれる。行先はいつも何かあると駆け込む近所の救急診療所。めまいで苦しんだ時も頼りにしたクリニックである。この2年間、ここでPCR検査を何回受けただろうか?「あ~!心配ですもんね!すぐやりましょう!」と、お医者さんもスタッフの皆さんもこの世の人とは思えないくらいいつも親切である。本当にピンチの時の医療従事者の皆さんは聖人に見える。この数時間後、無事にPCR検査の結果が陰性であることを確認できた。【弘中のひとりごと】秘密裏に新規プロジェクトが進行中です!本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。ジャケット 99,000円(タリアトーレトレメッツォ03-5464-1158)/ワンピース 26,400円、トップス 9,900円(共にメゾンスペシャルメゾンスペシャル 青山店03-6451-1660 http;//maisonspecial.co.jp)/ピアス 6,600円(レイ ビームスレイ ビームス 新宿03-5368-2191)/イヤカフ 29,700円(ルフェールワームス ルミネ 新宿店070-4405-5705)/シューズ 35,200円(スペルタフラッパーズ03-5456-6866)/ソックス スタイリスト私物過去の連載はこちら弘中綾香の「純度100%」一覧
2022年05月27日アダストリアが展開する「Andemiu(アンデミュウ)」は5月27日、Andemiu×中野綾香 コラボウエア「“ふわっとHUG♡ワンピ”」を発売します。同商品は、恋愛リアリティー番組『BACHELOR Season4』に出演し、20代、30代を中心に人気を博している起業家の中野綾香さんとコラボレーションした、“思わずハグしたくなる”ワンピースとアクセサリーです。■“女性の魅力を最大限に引き出すアイテム”が誕生今回、Andemiuのターゲット層である20代後半~30代女性の恋愛観や美に着目。起業家としてまつげ&ネイルサロンを経営、Amazonプライム・ビデオにて配信されている人気番組『BACHELOR Season4』に出演していた中野綾香さんとのコラボレーションで実現した、“女性の魅力を最大限に引き出すアイテム”が誕生しました。「バックオープンOP」は、誰でも気になる第三者からの好印象を持ってもらえるファッションをベースに、美人の象徴のバックデザインでさりげなく肌見せ。気になる二の腕は隠しつつも、透け感のある素材で軽やかに。足首の見え方の絶妙なサイドスリットと前後の裾丈に差をつけてスタイルアップを演出しています。顔回りを華やげる「チャームフープピアス」は、動く度に揺れるチャームが大人の上品さをプラス。しっかりとした存在感で、リゾートライクなワンピースやカットソーなどと合わせて使うのがおすすめなのだとか。繊細なビジューがポイントの「ヘアピン3PSET」は、おろし髪をラフに留めたり、アップヘアのポイントにしたりと、アレンジに重宝するアイテム。華やかなのでパーティーシーンのヘアアレンジにもおすすめです。経営者としても、一人の女性としても努力を惜しまない中野さんだからこその、輝く女性になるためのこだわりを詰め込んだアイテムとなっています。また、公式WEBストア「.st(ドットエスティ)」では、特設ページを公開。女性の強さと上品さを併せ持つ綾香さんの素敵な世界観を楽しめますよ。ぜひチェックしてみてくださいね。■商品概要「バックオープンOP」13,200円「チャームフープピアス」2,750円「ヘアピン3PSET」2,200円特設サイト:(エボル)
2022年05月23日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Miyuki Nakamura)「とある3月の火曜日【前編】」とある3月の火曜日、声が飛んだ。なんとなく嫌な予感はしていたのである。その前の週末からぐんと気温が高くなって、花粉襲来。あっという間に鼻水ぐしゅぐしゅ、くしゃみ止まらない状態で一気にアレルギー症状が出てきた。小さい頃から数多のアレルギー持ちで苦しめられている私。すこし埃っぽいところに行っただけですぐに鼻がムズムズしてくるし、犬や猫など毛のある動物を飼っているお宅にお邪魔するだけでも、体中の粘膜がすぐに反応するので、行くのを躊躇するくらいだ。花粉に至っては、スギ、ヒノキ、ブタクサとほぼオールシーズン網羅するほど。そろそろ来るなあと思っていたところに、奇襲をかけるようにやってきた花粉シーズン。この時、もうすでに勝負は決まっていたのかもしれない。あぐらをかいて、春が来る前に先手を打っておかなければいけなかったのに…。鼻水が止まらないので、いくら鼻をかんでもそれが喉に落ちてくる。となると、喉にたんが絡まったりイガイガしたりして、なんとなく声が出しづらい感じがある。起きてすぐにその異変を感じたので、朝いちばんで近くの耳鼻科に駆け込んだ。その週の土曜日は朝から重ための収録が入っていたので、仕事が出来る状態にしなくてはいけなかったから。初診で駆け込んだ病院だったけれど、とても親切な先生だった。そこでの診断は、言うまでもなく花粉症。そこから起きた声帯の腫れ。アレルギー反応を抑える薬や炎症を抑える薬をもらって、仕事へと向かった。その日の仕事はなんとかだましだまし終えることが出来たのだが、収録の最後も最後、ちょうど締めのコメントを言うあたりでなんだか目の前がホワイトアウトするような気分の悪さを覚えた。あともう2分で終わるというところで、耳鳴りと動悸がいっしょくたにやって来た。振り返っても貧血だったのか、めまいが再発(ちょうど1年前のこの頃はめまいで苦しんだ)したのか定かではない。収録後、座って落ち着くと自力で帰れるまでになったので、その日は無事に終えることが出来た。次の日は休み。ゆっくりしていたのだけれど、まだ喉に違和感。明らかにずきずきとした痛みを持って、存在を主張している感じがある。その次の日あたりから徐々に声がかすれて出なくなってしまった。今度はかかりつけの耳鼻科に向かう。信頼している先生だ。この時点で、先生が驚くほど声帯が腫れていた。【弘中のひとりごと】またぶり返して今週ずっと鼻声です〜泣本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。ジャケット 99,000円(タリアトーレトレメッツォ03-5464-1158)/ワンピース 26,400円、トップス 9,900円(共にメゾンスペシャルメゾンスペシャル 青山店03-6451-1660 http;//maisonspecial.co.jp)/ピアス 6,600円(レイ ビームスレイ ビームス 新宿03-5368-2191)/イヤカフ 29,700円(ルフェールワームス ルミネ 新宿店070-4405-5705)/シューズ 35,200円(スペルタフラッパーズ03-5456-6866)/ソックス スタイリスト私物過去の連載はこちら弘中綾香の「純度100%」一覧
2022年05月13日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Miyuki Nakamura)「ピンチヒッター・後編」もちろん、いきなり突拍子もないことをおっしゃるのではない。話の流れで気になったこととか、ごく自然に心に湧き出たことを質問される。それに対してどう答えるのか、どう振る舞うのか、というのがこちら(と出演者の皆さんの)の腕の見せどころなのだが、これは本番でしか経験できないことなので場数を踏むしかない。3年4カ月ぶりの今回も「ああ!この感じ!そうだった!」と思うような会話がいくつかあり、頭ぐるぐるフル回転で内心シビれていた。こうなってくると、出演者の皆さんも何だか一発カマしてやろうという空気が出てきて(あくまでこちらから見た印象ですけどね!!汗)、だいたいこんな風に話が進むんだろうなあ~と思っていたこちらの思惑と全く違う方向に話が進んで行ったりだとか、いきなり他のゲストに話を振ったりだとか、予想にない展開にコロコロ向かっていったりするのが生放送の常である(これはこれでとっても面白いんですけどね!こちらは白目をむいたりもします!)。パフォーマンスでもこの「本番カマシ」は往々にして起こる。というか、やっぱりトップアーティストとうたわれ、世の最前線を駆け抜けている方たちは、本番になると一味違うのだ。オンエアになると、ギアが何段階も上がる。何回も本番前に行ったリハとは比べ物にならないほどの気迫とパワーが出てくる。ひとたびお客さんの前に立つと存在感がどこからか湧き出てくるし、驚くほど輝きを増したステージを見せてくださる。その時代をけん引するカリスマたるゆえんであろう。どのアーティストさんも一様にこのパワーを持っていると私は感じた。今回のこの出演は、卒業し、少しの期間離れていたけれど、一回限りのピンチヒッターで戻って、という聞いたことのないオーダーである。私なりに離れていた期間でどこか成長したところをスタッフや皆さんにお見せしたいと思って頑張ったものの、なんだかMステならではの空気に圧倒されてあっという間に終わってしまった。コロナ下で感染対策を徹底的に行っているスタジオでは、出演者の皆さんと話すのもリモートだったり、アクリル板があったりして、私がいたころとは様変わりしていて正直やりにくいところも多々あった。ぎゅっと皆さんがスタジオに一堂に会して、もっとワサワサしていて、何だか何かが起こりそうな空気というのが大好きだったのだけれど、そうとも言っていられない現実がある。もどかしい気持ちもあったし、もっとやれたなと思う部分もあるけれど、やっぱりMステって素敵な番組だな、こんな番組を担当できて本当に良かったな、と何だか胸の奥がツンとするお仕事だった。【弘中のひとりごと】いまの時期から日焼け止めをちゃんと塗りましょう!本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。シーアートップス 29,700円(ニアーニッポンニアー0422-72-2279)/スカート 39,600円(エボニーinfo@ebony00.com)/サンダル 49,500円(ネブローニデミルクス ビームスデミルクス ビームス 新宿03-5339-9070)/リング 8,580円(マムレイ ビームス 新宿03-5368-2191)/ピアス 18,700円(シンパシー オブ ソウル スタイルフラッパーズ03-5456-6866)過去の連載はこちら弘中綾香の「純度100%」一覧
2022年04月22日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Miyuki Nakamura)「ピンチヒッター・前編」先日、古巣の『ミュージックステーション』を一日だけ担当させてもらった。イレギュラーな事態が起きてしまい、今の担当者を出せないと決まったのがオンエア数日前。なりふり構ってはいられず、前任者である私のところにお鉢が回ってきたという次第である。勝手を知っているだろうということで任されたんだと思うが、2018年の9月にMステを卒業しているので、かれこれ3年3カ月ぶり。しかも肩を温める間もなくの登板でかなり緊張した。たま~にABEMAで生配信の番組に出演することはあったけれど、バリバリの回し役で地上波の生放送を担当するのは本当に久しぶりだった。いつもとは違う頭の使い方にかなりシビれる展開になることは自分でも予想していたが、シビれもしたし、期待を上回る楽しさがそこにはあった。生放送の何が良いって、出演者の皆さんもスタッフも本番となると「カマしてくる」ことに尽きると思う。生放送はだいたいリハーサルをきっちりする(情報・報道番組は時間がギリギリだからしていないかも…。Mステは色々と調整があるので、しっかりリハーサルの時間をとっている)。歌唱・パフォーマンス部分はもちろん入念にだけれども、トークの部分も一応さらっとリハーサルはする。スタッフと私と出演者の方で、「だいたい今日はこんなテーマですね~」という感じに。出演者の皆さんもこの時は「ふんふん」と言った感じで聞いていて、そんな本腰でしゃべることはない。本番のお楽しみ。リハをみっちりやった後に、タモリさんもいらっしゃって本番を迎える。タモリさんは生放送を1万回近く経験していらっしゃる権化みたいな方だ(こんな言い方していいのかしら。とにかく生放送のエキスパートだということが言いたいだけです)。どんなトラブルもどんなアクシデントもタモリさんがいれば怖くないと全出演者とスタッフが思えるほど、いつも泰然と構えていらっしゃるお方である。ただこれだけキャリアを積んでも、いたずら心をお持ちのチャーミングな方なので、本番でこちらの想定していないことをおっしゃることもある。【弘中のひとりごと】この衣装かわいくて、お買取りしました!本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。シーアートップス 29,700円(ニアーニッポンニアー0422-72-2279)/スカート 39,600円(エボニーinfo@ebony00.com)/サンダル 49,500円(ネブローニデミルクス ビームスデミルクス ビームス 新宿03-5339-9070)/リング 8,580円(マムレイ ビームス 新宿03-5368-2191)/ピアス 18,700円(シンパシー オブ ソウル スタイルフラッパーズ03-5456-6866)過去の連載はこちら弘中綾香の「純度100%」一覧
2022年04月08日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Miyuki Nakamura)「いわゆる日本人的順応グセ」最初は面倒だと思っていたことも頑張って習慣化していくと、いつの間にか何も思わずに自然なことだと捉えるようになる。例えば、スーパーのレジ袋。あれが有料化されると聞いたとき、その意義や目的を十分に理解した上でも「ちょっと面倒くさいな…」と思ってしまう自分がいた。エコバッグを持つという習慣がそのときの私にはなかったし、今まで無料だったものが数円であっても有料になることに対して、みみっちくも「ずっとタダだったのに…」と思ってしまうところがあった。自宅ではもらったレジ袋をすぐに捨てることなく取っておいて、ペットボトルやプラスチックを分別するときのゴミ袋にしていたから、それもこれからどうしようかななんて思って、頭では環境問題への意識を高めるために大事なことだと分かっていても戸惑う部分があった。けれども、今となってはもう何も思わない。買い物に行こうと決めて出かけるときは必ず買い物用のバッグを持つようになったし、小さいバッグで出かけるときは畳めるエコバッグをコートのポケットに入れるようになった(バッグに入らないから)。毎回持ち合わせていたいものの、もちろん忘れてしまうこともある。エコバッグを持っていなくてレジ袋を買わなくてはいけないときは心が痛むようにもなったし、少しの量なら袋に入れずにそのまま持ち歩くようになった。買い物の内容によっては、すこし恥ずかしいけれど。スーパーの作荷台においてある半透明のうすーいポリ袋も必要最低限しかもらわなくなった。レジ袋の有料化が始まって、たった半年である。半年で「おっくうだな」と思うところから当たり前になった。そんな風に周りを見渡すと、いっせーので義務化されると、最初はブーブー言っていたわりに意外とすんなり世の中になじんでいることが沢山ある。後部座席のシートベルト、子供が自転車に乗るときのヘルメット、義務じゃないけれど時世柄の検温や手指消毒など。みんながやっているからしょうがなく…で始めたけれど、もう身に染みついちゃったなあ~、なんていういわゆる日本人的順応グセ、私は全然嫌いじゃない。【弘中のひとりごと】な、な、なんと!この春入社10年目です!!本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。ワンピース 19,800円(メゾンスペシャルメゾンスペシャル 青山店03-6451-1660)/ベスト 14,300円(レイ ビームスレイ ビームス 新宿03-5368-2191)/イヤリング 33,000円(ルフェールワームス ルミネ 新宿店070-4405-5705)/ネックレス 13,200円(デミルクス ビームスデミルクス ビームス 新宿03-5339-9070)過去の連載はこちら弘中綾香の「純度100%」一覧
2022年03月25日歌手の平原綾香が17日に自身のアメブロを更新。トークバラエティー番組『アウト×デラックス』(フジテレビ系)の最終回でタレントのマツコ・デラックスとの2ショットを公開した。この日、平原は「まさか!アウトデラックスが最終回を迎えます」と同日の放送で『アウト×デラックス』が最終回を迎えることを報告。「アウトファミリーとしてはホームが無くなった気持ちでとてもかなしいです」と心境を吐露し、マツコとの2ショットを公開した。続けて「アウトを超えたコスモの称号はもしかしたら、私だけかもしれません」とコメント。最後に「ぜひご覧ください私もしかと、見届けます」と呼びかけ、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「この番組が、なくなるのはさみしい」「最終回…残念です…」「マツコさんて素敵ですよね」などのコメントが寄せられている。
2022年03月18日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Miyuki Nakamura)「風物詩のような存在」私にとって「今年も春が来たなあ~」と思うのは、自分のスケジュールに『映画ドラえもん』の名前が目に入ってきた瞬間である。毎週土曜日の夕方にアニメを放送している『ドラえもん』だけれど、毎年子供たちの春休みに合わせて3月の初めごろに映画を封切りする。その映画の公開に合わせて、2月の後半ごろから完成披露試写会や子供たちに向けてのお披露目会が予定され、私はその司会を任せていただくことがここ数年続いていた。年が明けてあっという間に2月。そろそろかなぁと仕事のスケジュールを見てみると『映画ドラえもん』の文字が目に入ってくる。「今年もやらせてもらえるんだー!」という気持ちと「またドラちゃんたちに会えるー!」といううれしさと同時に、「ああもう春なんだなあ」という季節の流れを感じる。私にとって、春や新生活を感じさせてくれる風物詩のような存在なのである。1980年という、私の生まれるもっと前から始まったドラえもんの映画。一昨年は新型コロナウイルスの影響で公開が8月に延期された。そして、昨年公開予定の作品も1年の公開延期となり、それを乗り越えての今年である。ファンの皆さんはもちろんだと思うが、私も去年はとっても寂しかった。毎年楽しみにしている作品を見られないのも残念だったけれど、わくわくしながら待っている子供たちの前でドラちゃんやのび太くんたちとお話しするのは、ほかの仕事にはない楽しさを感じていたから。子供たちのキラキラした眼差しによって自分も童心に戻るような気持ちがしたし、何十年という長い間、様々な世代に愛されている作品に関われることがとってもうれしかった。誇らしく思う時間でもあった。3月には公開記念舞台挨拶が予定されている。久しぶりに全国のスクリーンにドラえもんたちが帰ってくる。一人のファンとしてそのうれしさを噛みしめながら、ドラちゃんたちやキャストの皆さんと楽しくお仕事が出来ればと願う。【弘中のひとりごと】暖かい日が増えたので、しょっちゅうお散歩をしています。本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。ワンピース 19,800円、シューズ 22,000円(共にメゾンスペシャルメゾンスペシャル 青山店03-6451-1660)/ベスト 14,300円(レイ ビームスレイ ビームス 新宿03-5368-2191)/イヤリング 33,000円(ルフェールワームス ルミネ 新宿店070-4405-5705)/ネックレス 13,200円(デミルクス ビームスデミルクス ビームス 新宿03-5339-9070)過去の連載はこちら弘中綾香の「純度100%」一覧
2022年03月11日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Miyuki Nakamura)「趣味というか試み」日々めまぐるしく変わるウイルスの脅威に不安を感じているのは、みな同じのはず。「いつまで続くんだろう」という心配と苛立ちを抱えながら、ゴールの見えないマラソンをただひたすら走らされているようだ。いかんせんこのゲームはいたちごっこから抜けられない様子で、私たちは更新される情報に右往左往する毎日をいたずらに過ごしている。ついこの前の原稿を書いていた時は、光が見えていたのに。あれも光のようで本当の光ではなかったのかも。こんな風に弱気になってしまうくらい、今の状況は予想を上回っている。番組を収録するには、カメラマン、照明、音響、大道具など大勢のスタッフが必要である。出演者が多いとそれだけ演者さん周りの、メイクさんやスタイリストさん、マネージャーさんというスタッフの数も増えていくし、なんだかんだミニマムの人数としたって数十人はスタジオにいることになる。感染対策として検温、消毒や換気には細心の注意をみんな払っているけれども、人と人との接触は避けては通れぬ仕事である。したがってこのような状況では、色んな番組が収録を延期したり中止にしたりしている。今のところ私は元気に過ごしているので心底運が良かったと思うけれども、動けるのに時間を持て余しているのも何だか、頑張ってこんな中でも働いている色んな人たちに申し訳ないような気がしてくる。そんな罪悪感を抱えつつも、自分に出来ることはじっとしていることだと言い聞かせて、しこたま本を買ってきて読んだり、配信のドラマを見たりしながらダラダラと過ごしているのだけれど、最近人から聞いて「良いな、それなら出来るかもしれない」と思った趣味というか試みに挑戦しようと思っている。それはとってもシンプルなものだ。まず、自分が作りたいなと思う料理本を一冊手に入れる。この本は好きな料理研究家さんのものでもいいし、初心者の人はオーソドックスな料理が載っている本でもいい。その本に載っている料理をひとつずつ作っていき、一冊まるまるコンプリートするという挑戦である。聞くだけだとものすごく面倒くさそうなのだけれど(笑)、もうこの自炊生活も3年目に差し掛かろうという中で自分のレパートリーに飽き飽きしている人も多いはず。私もその一人。なんだかんだいつも買うお肉や野菜が同じになってしまうし、鮮魚コーナーに行ったとしても買うのはお刺身くらい。切り身はどうやったらおいしくなるのかわからない…、困ったら鍋ばかり…、などなど。1週間に1度の自炊なら全く問題ないのだけれど、これが毎日と来たものだから、完全にカード不足が顕著になってきた。毎日ごはんやお弁当を作っている方…、本当に頭が下がります。そんな私が抱えるマンネリを打破してくれそうなのが、この「一冊まるごと作ってみようチャレンジ」である。あり合わせでササッと終えたい、という日には全然向いていないのだけれど(材料をそろえに買い物に行かないといけないから)、いつもの自分なら飛ばしてしまうような料理を「これはチャレンジだから」と作ってみると意外と楽しい。私は挑戦したいと思うわりにものすごく面倒くさがりなので、出来るだけ家にありそうな材料で作れる料理が載っている本を探した。横文字のハーブとか、調味料とかいきなり出てこないやつ…。すると、『土井善晴のレシピ100』という私にも挑戦しやすそうな本を見つけた。自分ひとりでは絶対に作ることのないハンバーグに挑戦し、思ったよりも上手くできて調子にのった私。あと99個…、頑張ります!【弘中のひとりごと】水をいれずに作る肉じゃがもすごく美味しくできました!本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。オールインワン 26,400円(ティッカ http;//ticca.jp/)/シャツ 26,400円(ティッカアッシュプラスエリオトローブ http;//hplusheliotrope.jp)/ソックススタイリスト私物過去の連載はこちら弘中綾香の「純度100%」一覧
2022年02月25日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Miyuki Nakamura)「値の張るお買い物」この前、友人と2021年は何に一番お金を遣ったか、という話になった。大きな買い物をしたという子はほとんどおらず、みんな日々ちょこまかと使っていった結果、積もり積もってなんだかんだ大きな額になっているという感じだった。洋服や化粧品代、美容院やネイルのお金、ゴルフや旅行に行くお金、習い事や趣味のお金、数え上げればキリがない。私もそういう一人である。趣味というものがないから交際費はかからないけれど、洋服やコスメの流行りものに目がないし、衝動買いもしてしまう。ジムも複数掛け持ちしているからお金がかかる。これに遣った!とはっきり言えるものはないんだけれど、なんだかカードの請求はいつも減らない。そんな感じだ。そこで、ちゃんと自分の支出を振り返ってみることにした。大きな買い物なんてしていないと思っていたけれど、とっても身近に存在していたことに気づく。歯の矯正である!中学生の時に親がワイヤー矯正をさせてくれていたのだけれど、大きくなるにつれ色々問題が見つかり、もう一度矯正することを決意したのだ。一度目の矯正でレントゲンを撮って初めて分かったこととして、私は生まれつき永久歯が何本か足りないということがある。まず、大人になると皆さん悩まされる親知らずが一本もなかった。これはまあいいとして、問題なのが上側の歯だけが足りないということである。バランスよく右側も左側も1本ずつないとかならまだよかったのだけれど、私の場合は上の右側の歯が2本ばかりもともと少なく生まれてきてしまっている。そのため左右のバランスが悪く、どうしても笑った時に真ん中がズレて見えてしまう。学生の時にした矯正のおかげで噛み合わせはよく、日常で困ることは何もないのだけれど、笑った時のズレが一度気になり出すと、それ以降ものすごく目につくようになってしまった。映像はまだしも、写真だと鮮明に写ってしまうのでどうしたもんかとずっと悩んでいたのである。かといって、ワイヤー矯正をやっていた時の痛さや話す時のもごもごした感じが記憶に残っていたので、この職業をやっている以上は無理だろうと勝手に決めつけてしまっていた。その時に歯医者さんに教えてもらったのが、マウスピース型の矯正だった。これは取り外しが出来るので、仕事や収録の時は外してストレスなく話すことが出来る。マウスピースならではのデメリットもあるのだけれど、背に腹は代えられないと思ってやることにした。この買い物が2021年でもっとも値が張ったものである。正直、だいぶ勇気のいる値段だった。まだやり始めたばかりなので目に見える変化はこれからだけれど、うじうじと悩んでいる時間がなくなったことを思えばよかったのではないか、と自分に言い聞かせているところである。【弘中のひとりごと】子供の頃に戻れるならば、バレエやダンスを習いたいなぁ。動きが…(笑)本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。オールインワン 26,400円(ティッカ http;//ticca.jp/)/シャツ 26,400円(ティッカアッシュプラスエリオトローブ http;//hplusheliotrope.jp)/ソックススタイリスト私物過去の連載はこちら弘中綾香の「純度100%」一覧
2022年02月11日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Miyuki Nakamura)「念願叶って」ひょんな理由から馬への興味がうなぎ上りの私。実際に馬を見てみたい!私も乗ってみたい!乗馬したい!と、うずうずしていた。そんな時、なんの気なしに久しぶりに会った友達と話していると、なんと彼女が乗馬クラブの会員であることが分かったのである。もう付き合いの長い友達なのだがそんな趣味を持っていたとは露知らず、渡りに船とはこのことである。思わずガッツポーズの私。彼女の口からポロッと出た「乗馬」という単語を聞き逃さずに突っ込んだ私の底意地もすごいが…。一緒にクラブに入会した旦那さんとレッスンに通っているということだったので、お二人にお供させていただく手筈をすぐに整えた。初心者がすぐにレッスンに参加することは出来ないので、「会員様ご紹介体験レッスン」というお試しクラスを受けさせてもらえることになった。都心から車を走らすことしばし(旦那さんの運転である、感謝感謝)、乗馬クラブに着くと、そこには私が競馬中継で目を凝らして見ていた馬たちがたくさんいた。間近で見てみると、想像していたよりも背も高いし、体も大きいし迫力がある。それでいて動作はゆったりとして、クリクリの目がなんとも愛らしい。ここにいる馬たちはもちろん人に慣れているので暴れたりすることもなく、みんなゆったりと穏やかに厩舎でレッスンの時を待っている。そんな馬たちの周りを歩きながら、どんな馬がいるのか二人が説明してくれた。頑張り屋な子、マイペースな子、性格も外見もさまざまで見ているだけで楽しい。元競争馬も何頭かいて、おもわず「お疲れ様でした」と声をかけたくなる。スタッフの方もとっても丁寧で、初心者の私に細かくイチから教えてくれる。体験レッスンで最初に行うことが、自分が乗る馬を厩舎から馬場まで引いていくことなのだが、普段あんなに大きい動物と触れ合うことがないのでそれだけでも緊張してしまう。馬はゆったりと私のペースに合わせてくれるのだが、まだまだおっかなびっくりの私。少し肩に力が入りながらも、自分の何倍も大きい馬を引き連れていく。馬場に入って、先生に教えてもらいながら騎乗すると目線がいつもより何倍も高くて、なんだかとっても気持ちいい。背筋がしゃんと伸びる気がする。馬も不慣れな人間を乗せているにもかかわらず、急に動くこともなく、こちらが合図をかけるまでどしんとその場で待ってくれている。怖いと思うことは一切なかった。そのあと先生の指導の下、歩きの練習から少しテンポを上げるところまで、乗馬のきほんのきを楽しんだ。私が乗っていた時間は正味30分ほどだと思うが、姿勢がぶれないように内ももと腹筋と背筋で体を支えるので多少の疲れは出る。友達夫婦のレッスンを見学して、その日は帰った。友達はライセンス取得を目指して頑張って通うとのこと。羨ましい。私も気軽に行ける足さえあれば通いたいのだが…、いかんせん免許を取ってから一度も運転していないので、自力で通うのはかなり厳しい。ということで、今年はまずペーパードライバー講習に行きたいと思います。【弘中のひとりごと】普段は上下ゆるっゆるのジャージで寝ています。本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。オールインワン 26,400円(ティッカ http;//ticca.jp/)/シャツ 26,400円(ティッカアッシュプラスエリオトローブ http;//hplusheliotrope.jp)/ソックススタイリスト私物過去の連載はこちら弘中綾香の「純度100%」一覧
2022年01月28日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Shiho Kato[PEACE MONKEY])「一月」年末年始にまとまったお休みを頂くことが出来た。これはアナウンサーとしてはかなり稀有なことである。毎年、帯のニュース番組は年末ぎりぎりまで放送を続けるし、年始も生放送でスペシャル番組をやったり、仕事始めの日には必ず番組がスタートするから、休めても3、4日というのが当たり前なのである。ただ、ここに一人、アナウンサーにもかかわらず帯番組を担当していない人がいる。私だ。例年であれば、年末年始に定時ニュースを読む仕事をやっていた。大晦日の深夜だったり、元日の朝だったり。帯番組を放送していない年末年始だからこそ、イレギュラーで放送される定時ニュースがあり、それを担当することが多かった。勝手に予想する理由としては、帯を普段担当しているメンバーが休むとなると消去法で私のような人間にバトンが回ってくる、というのと、私は実家が近いので帰省する必要もなく、アサインする方も気兼ねがないということだと思う。普段入らないニュースフロア(これまたかなりレアだと思うのだけれど、ここ2、3年は年末年始にしかニュースフロアに足を踏み入れていない。私はいつも地下のスタジオで収録をしていて、番組のジャンルによって働くスタジオがまったく違うのだ)に行き、原稿をもらい、下読みをし、本番でニュースを読む。あんなに緊張することはほかではない、というくらい本当に緊張する。カメラの前に立つことは慣れてきているのに、やはり生放送+普段やらない仕事、というのが余計にプレッシャーになる。本当に毎年毎年寿命が縮まるような思いでニュースを読んでいた。年末年始はバラエティのスペシャルに出演していることも多く、「あの番組でも見たし、そのあとニュースもやっていたよね?違和感ありすぎて二度見したわ」なんて友人から驚きの報告が入ったりもする。そんなことも今年はなかった。「休める時に休め」という管理職側からのメッセージなのだろうし、私が担当しなくとも後輩ちゃんたちに任せられるようになったのだろう。おかげ様で入社して以来久しぶりにまとまったお正月休みを過ごすことが出来た。一言で表すと最高だった。お店もどこもみんなが休んでいるから、ダラダラしていても気持ち的に罪悪感がない。年末は実家に帰ったりしていたけれど、年が明けて1日は自分の部屋から一歩も出ず、ただただテレビの前でパジャマ姿で布団をかぶり、ぬくぬくしていた。なんとなく「一年の計は元旦にあり」という言葉がちらついたりはしたのだけれど無視することにした(笑)。一人暮らし上、お雑煮もおせちも作ることも食べることもせず(厳密にいうと実家で食べたい種類のものだけ、おせちを2、3種類頂いた)、とにかく怠けて過ごしたお正月。毎月あってもいいくらいだなぁ。【弘中のひとりごと】この間の開運日。私は前から狙っていたピアスとバッグを買いましたぜ。本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。ドットTシャツ 9,900円、ニットカーデ 52,800円、スカート 33,000円(ビリティス・ディセッタンビリティス03-3403-0320)/ネックレス 9,460円(ニンファシップス 有楽町店03-5252-7748)過去の連載はこちら弘中綾香の「純度100%」一覧
2022年01月14日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Shiho Kato[PEACE MONKEY])「生で走りを見てみたい」私が犬嫌いだというのは再三にわたって強調していることではあるが、もうすこし突っ込んで言うと、人に飼われている愛玩動物が苦手ということになる。ペットショップのショーウィンドウに並ぶ動物たち。人が近寄ると尻尾を振り振り駆け寄ってくる。スーパーやお店の前に繋がれて飼い主を待つペットたち。行き交う人たちにクンクンクンクン鳴いて、全身でアピールする。どうしても人間に媚びを売っているようにしか思えなくて、私にとってtoo muchなのである(私は生まれてからカブトムシとデジモン以外、ペットというものを飼ったことがないので、偏った意見であることは間違いないと思います。すみません)。ペットとしての役割というものが「癒し」なのであるとするならば大いにまっとうしているのだろうけれども、「お前はそれでいいのか!もっと自分を持てよ!」と要らぬカツを入れてしまいそうになる。(東京にはあまりいないけれども、郊外でときたま見られる飼い主とどっちが引かれているんだろう?と思うくらい大きな犬が悠々と歩いているのはすごく気持ちがいい)。あまりこの考え方を理解してくれる人はおらず、「犬が嫌いってことは、動物全般が嫌いなの?」と言われることが多い。ノンノン。そういうわけではない。愛玩動物以外は好きである。アフリカに野生動物を見に行くのは長年の夢だ。動物の中で特に好きなのは、馬!今もいるのか分からないけれど、私が小さい頃は多摩川の河川敷に馬が何頭かいた。河川敷に突如として現れる大きな柵の中を馬たちはゆったりと歩いていて、誰でも自由に近くに寄ることが出来たような記憶がある。小さかった私はよく父とニンジンを持っては河川敷まで見に行ったものだった。あれは一体なんのための、どこの馬だったんだろう…、もう20年以上前のことである。馬は穏やかでいい。中学校に馬術部という、中学にしては珍しい部活があったので入ろうか悩んだこともあったのだが、結局入部することはなかった。多摩川にも行かなくなり、馬との触れ合いは全くなかったのだけれど、このコロナ禍がきっかけで私の馬への熱は日に日に上昇しているのである。きっかけは、何の気なしに見た競馬中継である。日曜の午後に放送しているあの番組。もちろん前から放送しているのは知っていたが、コロナ禍で家にいる時間が格段に増えたことで初めてちゃんと見た。とにかく、馬が走る姿がカッコいい。惚れ惚れする。全身の躍動感、隆々とした筋肉、つやつやした毛並み、ほんの数分のことなのだが、全速力で走る馬は目を奪う美しさがある。迫力と気品を同時に感じるのはなぜだろう。「え、、、めちゃめちゃカッコいいんだけど…」という心の声が口から出てしまう。最初の入り口はそこだった。日曜の午後はあの番組、と視聴習慣がつくと、だんだんと前知識がゼロだった競馬全体のこともなんとなく分かってくる。大きなレースと小さなレース、馬の名前、活躍している有名騎手の名前、競馬特有の単語などなど。馬券を買わずとも、好きな馬を見つけて「行けー!」と応援しているだけで楽しく、なかなかハマってしまっている。これから年末にかけて色々と熱くなるようなレースがある。中継も良いのだけれど、ぜひどこかのタイミングで競馬場に行き、生で走りを見てみたい。今年やり残したことはそれくらいかも…。【弘中のひとりごと】赤いニット欲しくなりました。笑本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。ドットTシャツ 9,900円、ニットカーデ 52,800円、スカート 33,000円(ビリティス・ディセッタンビリティス03-3403-0320)/ネックレス 9,460円(ニンファシップス 有楽町店03-5252-7748)過去の連載はこちら弘中綾香の「純度100%」一覧
2021年12月24日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Shiho Kato[PEACE MONKEY])「またもや、友人A子から【後編】」おじさんはここに来て急に右手に何かを持った。20センチほどの紐の先にようなものがくくりつけられている。お守りで5円玉に紐がついているやつを想像していただくと分かりやすいと思う。おもむろにそれを身体の前でゆらゆら振り出すと、私の方を見たり、手元の紙を見たりしながら、あれやこれやと話し出した。つまびらかにその内容をここに書いてしまうのはさすがに気が引けるので(合っている、合っていないということではなく、体裁的に)、そこでおじさんに言われたことで「おー!」と思ったことだけを書こうと思う。問診が始まってすぐ「あなたの行動の根源になるエネルギーは怒りですね~」と言われた。おじさん曰く、感情で人間は動いていると。感情の種類、たとえば喜怒哀楽といったように色んな種類があるけれども、みんなが各々に持っている基本的な感情は違う。悲しみの感情から動く人もいれば、私のように怒りが全てのモチベーションになる人もいると。怒りっぽいということですか?と聞いてみると、そういうことでもないらしい。怒りが行動に繋がることが多い、ということなのだ。少し振り返ってみると、たしかにそうだなと思うことが多い。私は何よりナメられるのが嫌いで(笑)、「あんたには出来ない」とか「そんなの無理だから、やめておきなさい」と言われれば言われるほど「なにくそー!」と思って燃えるタイプなのだ。プライドが高いというのか、自意識過剰なのか分からないけれど、それを言ってくる周りの人を見返してやりたいという気持ちでギアを上げることが、この人生の節目節目に幾度もあった。「じゃあ、やってやんぞ!」の精神が強いのである(もしかしてヤンチャな人?と思われるかもしれませんが、喧嘩はしたことないです)。負けず嫌いでもあるし、自分の頑張ったことで結果が出なかったときは悲しみよりも自分に対して腹立たしくてしょうがなくなる。ヒステリックになったり怒鳴り散らしたりすることはないけれども、自分の腹の底でふつふつと湧き出る怒りの感情を飼いならして、そのエネルギーを「見返す」という行動に持っていく。何かに対して努力するモチベーションが「あのときを思い出せ…」なのである(笑)。思えばこの連載を始めたときも、「勝手に言いたい放題、私のことを決めつけて言ってくるやつに一矢報いたい」という気持ちが一番強かった。「怒り」と聞いてしまうとネガティブなイメージばかりつきまとうけれど、私には燃料になっている。読者の皆さんはいかがだろうか。どんな感情が自分を突き動かしているだろうか。【弘中のひとりごと】君に夢中~と気が付いたら四六時中、鼻歌を歌っています!本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。白ニットタートルベスト 35,200円(チノデミルクス ビームス 新宿03-5339-9070)/シャツチュニック 36,300円(フィルザビルフィル ザ ビル マーカンスタイル 青山)/スカート 12,100円(レイ ビームスレイ ビームス 新宿03-5368-2191)/ピンクブーツ 56,100円(セレナテラホール バイ セレナテラ03-6419-7732)過去の連載はこちら弘中綾香の「純度100%」一覧
2021年12月10日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Shiho Kato[PEACE MONKEY])「またもや、友人A子から【前編】」以前もこの連載の数秘術の回(第35回)で触れた、「数秘術」という占いを教えてくれた友人A子から、またしても面白い話を聞いた。A子のおばあちゃんが数秘術のプロであることから、本人も占いやスピリチュアルの分野に慣れ親しんでいて詳しい。加えて「あの人はすごい!」「ここはすごい!」と聞いたらすぐに自分で確かめに行くような行動力を持っている、なかなか面白い人だ。彼女はそういうところに行くだけでは飽き足らず、このコロナ下のおうち時間でタロット占いを猛勉強し、自分でも出来るようになったというから、もはや私としては眉唾ものから一転して一目置く存在である。好きこそものの上手なれ。とはいえ、心底傾倒して我を忘れるほどではなく一種のエンタメとして楽しむ程度で、しっかり平日は会社員としてバリバリ働いている。彼女の趣味であるスピ活(彼女は占いに行くとか神社仏閣に行くなどの活動を総じて「スピリチュアル活動」と呼んでいる。略してスピ活)の話は、ごく限られたシャレが分かる人間にだけ話すトピックなのだ(ちなみに私はそういったことに関して割とフラットな考え方をする方だと思う。何億人もいる人間の中には恐ろしく足が速いとかずば抜けた歌唱力を持つなどのギフテッドの人が、どんな種類の力であったとしてもいるんじゃないかなあと思う。もうここはロマンの範疇だけれど)。今回彼女が行ってきたのは、知り合いに教えてもらった都内のマンションの一室でやっている、看板もHPも出していない整体だという。整体といっても、私たちが体験したことがあるような押したり揉んだりするような施術ではなく、手を身体にかざすだけだという。気功の一種なのか定かではないが、彼女自身は終わったあとに身体がものすごくスッキリした感覚があったらしい。そして何より誰にも話していない過去のトラウマや今の職場の人間関係についてバシッと言い当てられたことが驚きだったようで、いつになく興奮して連絡をしてきた。普段なら「へえ~面白いね~」で終わるところなのだが、なんとなく私も「触らない整体」というフレーズが気になってきて、怖いもの見たさでA子の次回の予約について行ってみることにした。場所は聞いていた通り、表通りの一本裏にある年季の入ったマンションの一室である。本当にココ?とA子に何度も確認しながら、おそるおそるドアを開けてみる。中には初老のおじさんがひとりちょこんと座っていた。広くはない室内だが、インテリアはオシャレにまとめられていて、うさん臭さは感じられない。おじさんも飴玉ほどありそうなパワーストーンをつけているわけでもなく、服装も小綺麗にしており、至って普通だ。まだ緊張の抜けない私に対して、ひとまず自己紹介を始めた。もともとはサラリーマンとして一般の企業で働いていたこと、言葉にすると怪しいので紹介でしか予約を取っていないということなどを聞いた。早速、問診にはいる。【弘中のひとりごと】急に寒くなって、びっくり。いつからヒートテック着ようかな。本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。白ニットタートルベスト 35,200円(チノデミルクス ビームス 新宿03-5339-9070)/シャツチュニック 36,300円(フィルザビルフィル ザ ビル マーカンスタイル 青山)/スカート 12,100円(レイ ビームスレイ ビームス 新宿03-5368-2191)/ピンクブーツ 56,100円(セレナテラホール バイ セレナテラ03-6419-7732)過去の連載はこちら弘中綾香の「純度100%」一覧
2021年11月26日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Shiho Kato[PEACE MONKEY])「見るもの」「出るもの」「テレビは見るもんじゃなくて、出るもんだ」昔タモリさんがおっしゃっていた。出た方が面白いという意味なのか、それとも出ることを生業(なりわい)にしているという気概から出た言葉なのか、どちらともなのかどちらでもないのか。真意を聞くのも無粋かと思えて、結局聞けずじまいで今日まで来ている。成り行きながらテレビに出ることを仕事に選んで、少なからずキャリアを経た今でもカメラの前に立つとまだまだ緊張する。と、同時に気合も入る。やるぞ!という気持ちもあるし、失敗しませんように!上手く行きますように!という願いもある。チームプレーの仕事なので、レギュラー番組や、何度かご一緒したことがある方がいると安心できるのだが、新しい番組や初めましての方がいると、場を掴むまでとても緊張する。とはいえ、スタジオに入ると自分の中で自然とスイッチも切り替わって、普段過ごしているテンションよりもずっと高いハキハキした明るい自分が出てくるし、出演者の皆さんについていこうと頭もフルスピードで回転しているのでアドレナリンも出まくりだ。この後どんな質問をしよう、こう聞かれたらこう言おう、と次の手札を考えながらも、口では別のことを話している。もしかしたらほかの方たちはここまで先の手を考えなくても、瞬間的に面白くて気の利いたことを言えているのかもしれないけれど、私はあいにくそういったタイプではなく、色々と先回りして考えておかなくてはいけない。自分の中にちょっとしたプランがあったとしても誰かの一言で流れが大きく変わることも大いにあるし、予期せぬタイミングで「そこ?」ということを聞かれたりしてドギマギすることも沢山ある。毎日頭の中はてんやわんやだ。放送されるのは編集の手が入って無駄なものを落とした後だから、小手先ちょいちょいで仕事をしているように見えても(見えているのか?)、収録の後は疲れがドッと押し寄せてくるようなことがある。バラエティの収録は面白いし、楽しいし、収録の最中は疲れを感じるなんてことはなく、時間もあっという間に過ぎていく。「は~い、OKです~!」とフロアのスタッフから声がかかって、スタジオを出て楽屋に帰ってきて衣装から私服に着替えた瞬間にやってくるものがある。番組でご一緒しているような皆さんと比べたら私なんて全然忙しくもないし、まだまだ精神修行が足りないと思うのだけれど。気疲れとはまた違う、頭疲れとでも言えるのかな。帰宅し、部屋着に着替えて、ソファに座る。至福の時間の始まりだ。テレビをつける。なんとなくザッピングして面白そうな番組を見たり、TVerで見逃し配信を見たり、サブスクのドラマを見たり、自分が出ている番組を見たり。「何を今夜は見ようかな」と考える時間も楽しみである。なんだか考えてみると一日中テレビとは切っても切れない生活を送っている。「見るもの」「出るもの」私にはまだ全然割り切れないけれども、なんだか今日も収録に行くのは楽しみだし、リビングのソファが一番好きな場所なのだ。【弘中のひとりごと】喉にささった小骨が抜けません…本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。ストライプシャツ 16,500円(ラポドゥジェムレザボア03-6712-5812) /ニット 6,600円(レプシム フォーアイシリーズアダストリア0120-610-162)/イヤリング 3,520円(シップスシップス 渋谷店03-3496-0481)/ブーツ 11,000円(アパートバイローリーズアダストリア)過去の連載はこちら弘中綾香の「純度100%」一覧
2021年11月12日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。季節の変わり目はおしゃれが楽しいですね。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Shiho Kato[PEACE MONKEY])「着たい服を着るのだ」秋が好きだ。過ごしやすい気候、大好きな芋栗かぼちゃスイーツが沢山出てくるところ、スーパーに並ぶ食材の豊富さ、サンマ、紅葉、空が高く澄んでいるところを含め、季節の中で一番好きかもしれない。たまらなく秋服も好きだ。暑さもまだ残っている頃に街中のショーウインドーの装いがガラッと変わる。コットンなどのサラッとした素材の服やラフィアのバッグが並んでいたのが一転、レザーやニットなど温かみのあるものに変わる。一番寒い時季に冬服の重い色味から春の明るい雰囲気に変わるあの高揚感も好きだけれど、夏から秋にかけての時季も胸が高鳴る。半袖のニット、生足で履くブーツ、うっすーい生地のワンピースにライダースジャケットを羽織るというあのアンバランスさ。暑くも寒くもない今の時季だけ出来る格好こそがファッションなんだなあと思う。ハイレベルなコーディネートは出来なくとも、気兼ねなく洗えるとか着心地がいいとか、そういった視点で仕方なく選んでいた夏の頃とは大きく心持ちが変わってくる。気温を気にせず、着たい服を着るのだ。これはヒートテックを着ないと過ごせなくなるまでが勝負。一度着たら手放せなくなって、ヒートテックが響かない洋服ばかり選ぶようになるから(笑)。なぜか昔から襟が付いているアイテムが大好きでよく着ているのだが、そんな襟好きにとって今年は願ってもない当たり年である。なんでも襟がトレンドアイテムらしく、どのブランドからも可愛い襟付きの服が例年以上に出ていて豊作なのだ。大きな襟付きのブラウス、襟付きのリブニットを2枚、取り外しのできる襟の付いたニット、ニットとドッキングしているシャツワンピース、もはやとりつかれたかのように襟の付いたアイテムばかりゲットしている。襟付きは試着したら終わりなのだ。買ってしまう。ニットも大好きでまだ狙っているものがある。チェック柄にも目がない。ベージュや茶色のこってりとした色とかくすんだ水色も大好物!クローゼットを開けてみると、同じようなシャツだってブラウスだってワンピースだってなんだってあるのに新しいのが欲しい。自分の物欲の強さと自制が保てない心にへきえきする。でも一方で、自分の心躍る何かを惜しみなく買えるという経験が出来ているということに感謝する自分がいる。家族がいたら、そうじゃなくなるかもしれない。健康じゃなくなったら、もし仕事が出来なくなったら。考えるとキリがないように思える。お金を使うことが働くことのモチベーションになっている自分もいる。自転車操業にはならないように十分気を付けているが、毎朝パンパンのクローゼットの前に立って、チョイスの多さに圧倒される時になんだか「今日も頑張るか」と思うのだ。【弘中のひとりごと】秋はメイクも可愛いですよねぇ〜ん本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。ストライプシャツ 16,500円(ラポドゥジェムレザボア03-6712-5812) /ニット 6,600円(レプシム フォーアイシリーズアダストリア0120-610-162)/イヤリング 3,520円(シップスシップス 渋谷店03-3496-0481)/ブーツ 11,000円(アパートバイローリーズアダストリア)
2021年10月22日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。すっかり秋の気候になってきましたね。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Shiho Kato[PEACE MONKEY])「とにかく焼けたくないという思い」ほかの家がどうだかは分からないが、うちの母は私たち姉妹が幼い頃から「絶対に日に焼けちゃダメ。シミになるから。」と口酸っぱく何度も言っていた。おそらく母自身が若い頃に海やらスキーやらで肌を焼いてしまったことによる後悔や弊害が大人になって出てきて、その教訓を娘たちに伝えたかったのだろう。あいにく私はもともとインドア傾向が強いので、日焼けをするなと言われなくても、自ら文化系の部活を選択するし、アウトドアスポーツを自ら進んでするようなタイプではなかった。だからおおむね心配は要らなかったのだけれども、運動会、修学旅行での山登り、旅行、どこか外に一日中いるとなったら、折に触れてそんなことを言われた記憶がある。そんなおまじないのような言葉が大人になっても残っていて、今でも日に焼けることに対しては気を遣っている方ではあると思う。春から夏は紫外線の量が多いので、なるべく日が昇っている時間の外出は控え、やむを得ず外に出るときはUVカットの眼鏡をして日傘を差す。遠回りをしてでも、日陰の多い道を選ぶ。いつでも塗れるようにどのバッグにも日焼け止めを常備しておく。そもそも日差しの中を歩きたくないがためにタクシーを使ってしまうことも多い。(日中に外へ出ないというのは、日焼け対策もあるけれども、まあ普通に暑いのが苦手プラスかなりの出不精ということも大いに理由としてあるのだが…)。どんなに誘われてもゴルフには行かないし、もし万が一海に行くことになったとしても海女(あま)さんのように全身が隠れるウエットスーツを着て、パラソルの下に身を潜めているだろう。春から夏にかけての私は、とにかく焼けたくないという思いでいっぱいいっぱいなのである。すっかり秋になって日差しも和らぎ、紫外線量も落ちてくる季節になった。太陽から逃げる生活を卒業し、ようやく私も活動的に外に出られるようになる。夏のあいだハマっていた夜の散歩を朝にしてみてもいいかもしれない。ゴルフの打ちっぱなしなら行ってみてもいいかもしれない。そんなことを考える。一方で、肌ケアという視点から見ると、これまで夏はとにかく焼かないという守りの姿勢で来たのが、ここからは一転攻めの姿勢に移る時期でもある。レーザー治療など、肌に刺激や負荷がかかるようなケアを躊躇しなくてもいい。と、個人的に思っている。新しい施術がどんどん増えている今、どれに手を出そうか夜な夜なネットで情報を集める秋の夜長を過ごしている。【弘中のひとりごと】オッドタクシーにハマりました…本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。シャツ、パンツ 各12,980円(ラポドゥジェム レザボア03-6712-5812)/スカーフ 12,100円(メゾンナンバーエイト×シップスシップス 渋谷店03-3496-0481)/シューズ 41,800円(セレナテラホール バイ セレナテラ03-6419-7732)
2021年10月08日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。今回は、図らずもデジタルデトックスをすることになったお話。(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Shiho Kato[PEACE MONKEY])「流行りのデジタルデトックス」これを書いているのは8月中旬なのだが、最近はとにかく暑い。暑すぎて本当に何もする気が起こらない。ひとたび外に出ると、湿気を含んだムワっとした熱気がまとわりつき、照りつく日差しは肌をジリジリと焼くようだ。いつから日本はこんなにも夏が過ごしづらくなったのだろう。梅雨が終わってほっとしたのもつかの間、今年も容赦なく猛威を振るうこの暑さにうんざりを超えて恐怖まで感じる。予想がつかない雨もよく降って心配なニュースはひっきりなしに入ってくるし、なんだかアンコントロールなことが増えた。ただでさえ出不精な私にとって、夏はますます外に出たくなくなる季節だ。日差しが落ち着く夕方ごろまでは、出来るだけ家でひっそりと過ごしていたい。ひとたびテレビの前のソファに座れば、ボタンを押すだけで面白そうなコンテンツが雪崩のように押し寄せてくるのだ。話題になっていた番組を全録レコーダーで、流行りのドラマを動画配信プラットフォームで、好きなYouTuberの新しい動画も見ないと!韓国のオーディション番組も始まっているんだった…、やばい!時間が足りないくらいだ!と思っていると、スマホがブルブルと震えだす。友達からのメッセージ、インスタグラムの通知、フィード、あれもこれもと目を通していると本当に収拾がつかない。別に知らなくても私の生活には関係ない情報なのだ。海外セレブが今日何を着ていようと、友達がランチに何を食べていようと、どこかでお気に入りのブランドのセールが始まろうと。明日にはすっかり忘れているようなことでもなぜか頭はその情報を追っていて、目はまばたきを忘れて血走っている。あっという間に時間が経っていて、ああ私は何をやっていたんだろう、とすっかり西に沈んだ夕日を見ながら思う。流行りのデジタルデトックスをした方がいいかもしれないな、なんて思っていたら、予期せぬ機会が訪れた。その日は私の中でかなり仕事が重い日で、2週に一度やってくるレギュラー番組の収録日だった。だいたい9時くらいに現場に行くと、準備なりリハなりがずっと詰まっていて、長い食事休憩みたいなものもなく夜8時くらいまでバタバタと収録しているなんていうスケジュールだ。そんな日だから朝から慌てていて、合間に食べるおやつ(こういう長い仕事の日は決まって、甘いものとコーヒーを持参するようにしている)とメイクボックスを忘れないように、と気を取られているうちに、スマホをカバンに入れるのをすっかり忘れてしまった。気づいたときにはもう遅く、現場入り時間も近づいていたために取りに引き返すことも難しい。私に何か緊急の連絡をしてくる相手といえば、仕事関係で会社しかない。会社にはいるのだから、どうにかして連絡が来るだろう、と腹をくくって、その日一日はスマホ無しで過ごすことを決めた。現場に入ってから色々やることをこなしていると、スマホを触る暇がなく、不便だなと思ったのは、ある言葉の意味を調べたいなと思ったときに調べられなかったことと、着た衣装のブランド名をインスタグラムに載せるために毎回撮っている写真をどうしよう、というくらいだった。それも周りの人のスマホを借りたり、聞いたりすればすぐに解決することであって、ずっとスタジオにいる分には全く問題はなかった。無事に収録が終わって家に帰り、スマホをチェックしてみると、友達からメッセージが数件来ているくらいでなんてことないものだった。それはそれでホッとしたのだけれど、なんだか何にいつもそんなに自分の時間を奪われているのか拍子抜けしてしまった感もあった。【弘中のひとりごと】雨の日は人も少ないし日にも焼けないし、個人的には好きなんです~本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。シャツ、パンツ 各12,980円(ラポドゥジェム レザボア03-6712-5812)/スカーフ 12,100円(メゾンナンバーエイト×シップスシップス 渋谷店03-3496-0481)/シューズ 41,800円(セレナテラホール バイ セレナテラ03-6419-7732)
2021年09月24日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。今回は雑誌の撮影について。(photo : Yasutomo Sampei styling : Yui Funato hair&make : Akemi Kibe [PEACE MONKEY])「手元に置いておきたくなる」2年ほど前から、雑誌のお仕事をやらせていただくようになった。こういったテレ朝以外のお仕事は会社が私を売り込んで仕事を持ってきてくれるわけではなく、オファーを頂いて出来るものなので、色んな雑誌からお声掛けいただいてとてもありがたく思う。こんな風に外のお仕事が出来るようになったきっかけは、Hanakoのメイク企画ページだと私は踏んでいる。ウェブでの連載はその前からやっていたけれど、そのページで誌面に初めて登場した。おととしの秋口発売の号である。秋冬に向けたメイクの企画で、メイクアップアーティストの河北裕介さんにとびっきりお洒落なメイクをしてもらった。いつもテレビの仕事のときはセルフメイクなので、プロにやってもらうというだけでも特別な体験だし、それがあの有名な河北さんだなんて夢みたいな話だった。カメラマンはこの連載の写真も撮ってくださっている三瓶康友さん。とってもユニークな方で、何をどうしたらいいかわからず棒立ちの私にポージングを自らやって教えてくれた。そんな素材をおしゃれな誌面に仕上げてくれたのはもちろんHanakoチームの皆さんで、出来上がりのページを見て、色んな分野のプロが力を尽くすとこうも素敵なページになるんだなあと思ったのを覚えている。そんなHanakoの出来が良かったのだろう(自分で何度も言うな!)。そこから色々な女性誌や美容誌にお声がけいただくようになって、ファッション企画から仕事に関するインタビューや対談まで様々なページに参加させていただいている。最初はもちろん緊張していたけれど、どこの現場に行っても女性の割合が多く雰囲気が良いので、すっかり居心地よく思えるようになってきた。皆さん和気あいあいとお菓子を食べながら他愛のない話に花を咲かせていることもあり、私にとっては最新の流行りの情報をゲットする格好のチャンスであったりもする。テレビの現場はもうちょっと殺伐としているというか(笑)、制作のスタッフも撮影のクルーも大人数で男性が多いことがほとんどだし、時間にも追われているし、もうちょっとサバサバした感じなのである。ほかに細かいところで言うと、お弁当が全然違う。テレビは揚げ物とか中華とかガッツリ白飯を食べられるようなおかずがどーんとのったお弁当が用意されているのに対して、雑誌は野菜やフルーツがてんこ盛りの見るからに体に優しそうなケータリングを用意してくださっている。飲み物も見たことのない洒落たお茶が置いてある。どちらもおいしいのだけれど、それぞれのキャラクターが出ていて面白いのだ。今の10代の子たちは雑誌を読まないと聞くけれど、私が高校生や大学生だったときは毎月のように何冊も雑誌を買って、載っている情報を抜け目なくすべて頭に入れるように隅から隅までくまなく読んだものだ。雑誌に載っているアイテム=オシャレ、というのは私たちの揺るぎない価値観で、親からの誕生日プレゼントとかお年玉で買うものといえば、誌面で見つけた流行りのものだった。なりたいアイコンは〇〇専属モデルの誰々、に出てる誰々、ってクラスメイトのみんなが憧れるようなメディアだった。そんな思い出があるからこそ、雑誌に自分が載っているのを見るとなんだか気恥ずかしさでいっぱいになる。オファーをいただくたびに私でいいのかしら?と不安になる。でもやっぱり、ものすごくうれしい。インターネットとデジタルデバイスで色々な情報を知ることが出来るような時代にはなったけれど、1ページ1ページめくるたびに何が書いてあるんだろう?とワクワクするような気持ちと、読み終わったのに手元に置いておきたくなる気持ちは若い子たちにも味わってもらいたいと思うのだ。【弘中のひとりごと】タッカンマリにハマってます…!色々取り寄せて、吟味中です!本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。松煙染小紋 75,900円、麻市松半巾帯30,800円、うちわ 2,200円(すべて竺仙 03-5202-0991)/その他スタイリスト私物
2021年09月10日弘中綾香アナテレビ朝日のエースアナウンサーのプライベート画像が流出した。9月1日に『デイリー新潮』が、同局の弘中綾香アナが慶應大学時代の同窓生の誕生日パーティーに参加したことを、その時に撮影された写真とともに報じたのだ。「現在は日本テレビに勤めているという主役の男性を含めて、他にも男性1人、女性1人の4人が写っています。テーブル上には食べ物やお酒が並び、記事では弘中アナが着ていたのは黒いワンピースとありますが、ショートパンツにも見えますね。いずれにせよ、生足を出した彼女のリラックスした表情から、気を許したメンバーなのでしょう。それでも外食ではない“宅飲み”とはいえ、緊急事態宣言下において日々コロナ報道をするテレビ局社員として少々ハメを外しすぎたということか、局内で“注意”を受けたようです」(スポーツ紙芸能デスク)とはいえ、自宅内における少人数でのパーティー、記念撮影のために一時的にマスクを外していたとも考えられる。8月に同局の東京五輪番組担当スタッフらが深夜のカラオケ店で飲酒を伴う宴会を開き、女性局員が転落して左足を骨折した事故とくらべたら、弘中アナらの行為はかわいいものにも思える。ただ、気になるのは「なぜ、流出したのか」だ。記事によれば、問題のパーティー写真が投稿されたのは非公開のSNSアカウントで、仲間内でしか見られないものとされている。つまりは弘中アナを含めた、ごく親しい友人同士で共有された流出するはずのない写真だったのだ。■NHKのエースアナが晒されたかねてより芸能界、テレビ業界において珍しくはない“流出”劇は、アナウンサーとて標的にされることが多い。小澤征悦と結婚を発表したばかりのNHK・桑子真帆アナも被害者のひとりだ。今年1月に過去のプリクラ画像が、彼女に“弄ばれた”という男性からの告発記事とともに『フラッシュ』に掲載された。情報番組のディレクターが解説する。「かつて日テレの人気アナが同様の“被害”を受けたように、桑子アナのケースはいわゆる“リベンジポルノ”に近いもので、交際していた“元カレ”が絡んだと見られる流出でした。別れた彼女たちへの当てつけ、もしくは金銭目的でもあったと推測できます。ところが、弘中アナの件は男性絡みではなく、目的は明らかに違いそう。そこまで責められるべき流出ではないのですが、それでもテレ朝の看板アナである彼女を“どうにかして陥れたい”、そんな嫉妬にも似たような動機も絡んでいるのでは?」昨年9月には、テレビ東京のアナウンサー2人と思われる会話の音声が、ツイッターの匿名アカウントから流出した。いずれも若手の女子アナで、会話が録音された場所はアナウンス室内に設けられた発声室とされる。■同僚アナによる内部犯行か「“結婚して、適当な事務所に所属して”“実績をテレ東で作って”などとキャリアに関する話から、“(あの人)仕事ないじゃん”“辞める気ないよ”などと先輩アナの陰口ともとれる発言まで公になってしまった。事態を重く見たテレ東は、2人に聞き取り調査を行った上で厳重注意をしたそうです。この盗聴騒動の犯人は闇の中とされていますが、限られた人物しか出入りしない場所での“犯行”だけに、同僚アナを含めた制作スタッフたちが疑われたそうです。アナウンサーは人気先行の面が強く、聞くところによると若手や人気アナへの嫉妬から、陰では足の引っ張り合いもあるとか(苦笑)」(前出・情報番組ディレクター)では、弘中アナの写真流出もまた、彼女に不満や嫉妬を覚えた者による内部犯行なのだろうか。「その類の恨みを買う人物ではないでしょう」とは、芸能ジャーナリストの佐々木博之氏。「“あざとい”キャラでお馴染みですが、実際の彼女は他者に媚びへつらうことないハッキリしたタイプで、局内で彼女を嫌う人はいないと言います」そして、今回の犯行動機はというと、「親しい仲間内で見るSNSに、わざわざ“慶應時代の同窓生”といった紹介を書き込むとは考えにくいですし、局内の同僚は知り得ない情報でしょう。やはり、グループから流出したと考えるのが自然ですね。例えば、弘中アナに密かに思いを寄せていた、もしくはパーティーに呼ばれなかった友人が、後に写真を見て“おもしろくない”となったら……。いずれにせよ、今回のような危ない写真は未公開だろうと、“カギアカ”だろうとネット上にアップしない方がいいでしょう。身近な人間でなくとも、第三者がパスワードなりを解いて覗き見していることも十分に考えられますからね」(佐々木氏)便利になったネットツールだが、それ以上にプライベートが晒される危険も増したということか。
2021年09月03日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。今回は怒りの感情について。(photo : Yasutomo Sampei styling : Yui Funato hair&make : Akemi Kibe [PEACE MONKEY])「あんたに何がわかるん」あまり頭に血が上らないほうだと、自分では思っている。いや、正確に言うと頭に血は上るけど、それをその場ではどうにかやり過ごすことが出来ている。何かトラブルが起きて誰かを攻撃的に罵ったり、大きな声を出して怒りをぶつけたりした経験はない。意識的にそうしようとしているわけでも、流行りのアンガーマネジメントの講習を受けたわけでもなく、もともとそういう表現方法しか持ち合わせていないのだ。立ち向かって口論するよりは、一人にしてくださいと布団をかぶって泣く。感情のベクトルが外ではなく内に向いてしまうタイプ。だから何かの拍子に導火線に火がついてしまって抑えきれずワーッと発散するタイプの人を見ると、あまりにも自分とは感情表現が違うので驚くのと同時に、よくこんなにストレートに表現できるなと感心してしまう。もちろんそんな状態の人に対峙するのはすごく嫌だし、そんなトラブルには巻き込まれないように注意しているけれど。というかそもそもそういったヒステリックな人をこの頃はあまり見かけなくなりましたね。ただ、海外ドラマを見ているとそういった激しい口論のシーンが沢山出てくる。家族、恋人、職場の同僚、近所付き合い…、どんな立場どんな間柄だとしても、みんな思ったことをそのまま口にする。「あなたのそこがダメなのよ!」「こういうことはやめて!」「私はあなたのことを思って言っているのよ!」ドラマの中とはいえ、なんでそんなに相手に素直に思ったことをぶつけることが出来るんだろうって、あそこまで言えたらスッキリするだろうなあと思う。私みたいな人間は表立って発散できない分、すごくモヤモヤしたり、時間が経ってもそのことが頭の中に残っていて、何かしらの消化不良感を抱え続けるなんてことがある。ベクトルが内向きに働いているから仕方ない。友達に話して聞いてもらうことで気持ちが和らぐことはあるけれども、根本的な解決には至っていない。相手に対して「私はあなたのこの言動に気分を害された」という事実を伝えようとしないから。伝えない分、向こうも何が悪いのかはおろか、私が引っかかっていることさえも気づいていない人もいたりする。ひっそりと怒りを持ち帰り、一人グツグツと心の中で煮込む。ひとしきり怒りの感情を噛み締めたあとに、「ああ、こんなに怒っているのも馬鹿らしい。この人とは深く関わらないようにしよう」と心に決めて、なるべく距離を取って表面的な付き合いに限るようにする。自分の話をしない、当たり障りのない会話に留めるなど、不快に思われないくらいの線引きをしつつ…。お互い歩み寄るどころか、ずっと永遠に平行線のままだ。きっと「ここが違うと思う」「ここは直してほしい」と伝えた方がお互いのために良いことなのは頭で分かっている。けれども、言ったところで人間すぐに考え方は変わらない、という諦念が私の足に絡みつく。そんな私が最近持ち帰った怒りは、私よりだいぶ年上のおじさまに「バラエティばっかやってて何になるん。スポーツやったらええのに」と言われたこと。その時ばかりは「あんたに何がわかるん」って言ってやれば良かったと心底後悔している。【弘中のひとりごと】『Girls Planet 999』面白い……。本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。松煙染小紋 75,900円、麻市松半巾帯30,800円、うちわ 2,200円(すべて竺仙 03-5202-0991)/その他スタイリスト私物
2021年08月27日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。前回、前々回と続いた「先輩と後輩」、完結編です。(photo : Yasutomo Sampei styling : Yui Funato hair&make : Akemi Kibe [PEACE MONKEY])「背中で見せるという方法もあるんだ」どこの業界でもきっと似たような流れを受けているとは思うけど、テレビの世界も昨今の時勢を鑑みて、上下間のコミュニケーションのとり方にかなり気を遣うようになった。それこそ私のちょっと上の世代では、まだ怒号や罵倒がそこら中で聞かれたなんていう話も残っていたりするのだけれど、「頭ごなしに否定しない」「まずちゃんと相手の話を聞く」「個人の人格を否定するようなことは言わない」などなど現場に根差した指導の仕方が様々書かれたハンドブックをもらったり、必修のコンプライアンス講習を受けて、価値観のアップデートを図っている。その中には、たかだか30そこらの私でさえ、「この発言がこんな風に捉えられてしまう時代なのか」と驚くこともあった。自分の受けてきた教育と、今の時代に許容される教育のギャップを感じているのは私だけではないはず。私はまだ管理職でもないし、たかだか9年のキャリアで偉そうに指導をしたりするような身分ではないのだけれど、でもたまに新人たちの研修や、私よりまだ経験が浅い後輩たちの指導を頼まれることがある。その時には自分の経験の中から言えることや、自分だったらこうするというようなアドバイスをして真剣に向き合ってはいるのだが、なんとなく消化不良で終わることが多い。この言い方はダメ?これは?と、なんとなく口ごもっている自分がいるから。彼ら彼女たちのために、本当はもっと強く言いたい。でも、それって…。ぐるぐると頭の中で、言いたいこととハンドブックが回り出す。こういった自分の逡巡のせいで、せっかくの機会があってもあまり踏み込んだアドバイスが出来ず、かといって自分から後輩に「ココはこうだよ」と教えるような積極性も持てなかった。そんなこともあって、自分が先輩たちに教えてもらってきたことの半分も伝えることが出来ていないんじゃないか、差し当たりの表面上は良くても後々困るのはあの子たちじゃないか、と最近思いあぐねていたのである。加えてコロナが収まらないこの状況で、同じ部でも、顔と顔を合わせてコミュニケーションをとることが少なくなっている。フィードバックがなくて大丈夫なのかな…?気になってはいた。とはいえ、日々の仕事に追われる中でちゃんとした答えが出ることもなく、カレンダーは早くも7月へと変わっていた。テレビ朝日では毎年7月に人事異動があり、なんとなく節目といった雰囲気が会社に流れる。今年アナウンス部にも異動をする方がいたので、久しぶりに部会兼送別会が開かれた。送別会といってもこのコロナ禍においては簡略化し、出勤していて部に集まれる人だけ集まり、代表して一人がこれまでの感謝を伝えるというものだった。いわゆるスピーチである。部員の前で話すなんてプレッシャーで震えるほどの大役だが、その役を任せられたある先輩の送る言葉が本当に素晴らしかった。その先輩が、異動する方のキャッチコピーを作り、その言葉を使った理由と付随するエピソードを時折ユーモアを交えながら話す。そのキャッチコピーはとてもキャッチーな言葉で、初めは「どういうことなんだろう?なんでだろう?」と思いながら、エピソードを聞くと「なるほど」と納得出来るし、分かりやすく、そしてより深く、その方の人となりを知ることが出来た。このスピーチで初めて知ったこともとても多かった。送る言葉として、とにかく素晴らしかった。この先輩の姿を見て、胸の中にスン、と「ああ。こうやって背中で見せるという方法もあるんだ」という思いが落ちてきた。直接あーだこーだ言わなくとも、自分の仕事ぶりや行動で「こんな風になりたい」って思わせることも出来るんだ、と。もしかしたら一連のモヤモヤからの逃げかもしれない。でも、なんか腑に落ちたのだ。【弘中のひとりごと】麦わら帽子を実生活でかぶる勇気はない私…。持ってるんですけどね!本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。トップス 5,940円、スカート 13,200円、靴14,300円(全てユー バイ スピック&スパンユー バイ スピック&スパン 渋谷パルコ店03-5422-3911)帽子 8,800円、スカーフ 3,960円(共にカオリノモリカオリノモリ ハラジュク03-5786-4442)リング 169,400円(チェリーブラウン03-3409-9227)バングル 198,000円(カラットアーイセタンサローネ東京03-6434-7975)
2021年08月13日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。「先輩と後輩」、第2篇です。(photo : Yasutomo Sampei styling : Yui Funato hair&make : Akemi Kibe [PEACE MONKEY])「怒る方がもっと大変だ」入社9年目、30歳。仕事にも慣れて、一通りのことは任されるようになり、仕事もより面白くなってきた。けれども立場としては上と下に挟まれて、今まで経験してこなかった悩みに直面するような時期である。私もその一人。特に後輩に対しての指導やコミュニケーションの仕方について正解が分からないと、同年代の友達と侃々諤々(かんかんがくがく)意見を交わすことが多い。曲がりなりにも『後輩』を通ってきたから、身をもって分かっていることは沢山あるのだ。「私の若い時は」という言葉を使うと煙たがられること。自分だってそうだった。「今とは時代が違います」と喉まで出かかったこともある。けれども立場が逆転して、不意に使ってしまうことがある。それしか記憶の中にないから、実体験として伝えられないから、つい昔話をしてしまうのだ。ふと口から出てしまい、慌てて訂正することがある。一対一のコミュニケーションでは使わないようにしているが、この連載の場で使うのは許していただきたい。新人だった頃、先輩たちのことが怖かった。研修中はもちろんだが、普段の話し方からメールの書き方、電話の取次ぎ方など細かなところまで指導してもらっていたから、存在を確認しただけで背筋が勝手に伸びてしまった。先輩が電話を取る前のワンコールで受話器を取って応対しなくてはいけなかったし、電話を取ったら取ったで用件をコンパクトに分かりやすく大きな声で、取次ぎ先の先輩へ伝えなくてはいけなかった(正確に言うと、そんな決まりも、しなくてはいけないというような教えもなかったのだけれど、未熟な自分たちが出来ることといえば電話の取次ぎとか雑用くらいだったから、そこに全力を注いでいたのだ)。色々と気をつけることがありすぎて、アナウンス部にいる時間はミスをしてはいけないというプレッシャーと緊張で落ち着かなかった。実際の業務にあたるようになってからも、声が小さい、滑舌が悪い、伝わらない話し方だと、技術面で指摘されたことを書き出したらキリがない。何度やっても進歩が見られず、「やる気がないなら、その椅子を譲りなさい」と言われた時の会議室の張り詰めた空気、口の中がカラカラに乾いていく嫌な感じは今でも覚えている。令和のこの世の中ではもう死語だが、私が新人の頃は『怒られるのが仕事』だった。今になって、やっと気づく。怒られるのはもの凄く大変だったけれど、怒る方がもっと大変だと。どれだけ余分なエネルギーを使うのかと。自分の仕事の最中に新人たちの電話の取次ぎに聞き耳を立て、気づいたことを注意する、こんな面倒なことはない。気づかなかったことにしてスルーするか、はなから聞かない方が、よっぽど楽。後輩のオンエアを見て、アドバイスをする。その時間は、自分のするべきことを犠牲にして捻出した時間だ。「後輩?教育?知りません。私は私の仕事ちゃんとやっているんで」というスタンスの方がどれほど簡単か。誰に頼まれているわけでもなく、細かく指摘し続けてくれた先輩たち。当時は怖くて仕方なかったけれど、先輩たちに厳しく言われたことで「このままじゃいけないんだ。プロってこういうことなんだ」と気づいて腹を決めたところもあるし、「負けてたまるか!」と思ったことも一度や二度じゃない。私という人間に限って言うと、あの教育法は今になって生きている、と。ただ、二つ気に留めなくてはいけないポイントがある。一つ目は個人差があるということ。私に合ったものであっても、ほかの人も合うとは限らないということ。二つ目は時代の流れだ。(続く)【弘中のひとりごと】想像していた夏にはなりませんでしたが、のんびり過ごすことにします!本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。トップス 5,940円、スカート 13,200円、靴14,300円(全てユー バイ スピック&スパンユー バイ スピック&スパン 渋谷パルコ店03-5422-3911)帽子 8,800円、スカーフ 3,960円(共にカオリノモリカオリノモリ ハラジュク03-5786-4442)リング 169,400円(チェリーブラウン03-3409-9227)バングル 198,000円(カラットアーイセタンサローネ東京03-6434-7975)
2021年07月23日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。「先輩と後輩」、どちらもいろいろ考えちゃいますよね。(photo : Yasutomo Sampei styling : Yui Funato hair&make : Akemi Kibe [PEACE MONKEY])「私は先輩として、後輩をちゃんと見てあげているのか」数ヵ月前のことになるが、今年の春で入社9年目を迎えた。もうここまで来ると何年目かなんて数えないとわからないくらいだけれども、一応区切りということで指折り数えてみた。私の個人的な感覚で言うと、若手とはもう言えないけれど、自ら中堅と言うのはおこがましいような微妙な年代。上と下に挟まれて、なかなか身のこなし方が難しい年代だなあと思う。テレビ朝日アナウンス部の壁には大きなホワイトボードが貼ってあって、ボードの一面は上から下に向かって5センチほどの幅に長細く区切られている。その各コマの上部にそれぞれの名前が書かれたネームタグが貼ってあって、各自そこに自分の予定を書くことになっている。何時にどこに行って何時戻りとか。アナログ時代の名残がまだそこにはある(ちなみにスケジュールはオンラインでチェックできるようになっているが、それとホワイトボードが併用されている形である)。入社して人事研修が終わり、アナウンス部に配属されると、まず自分の名前が記載されたネームタグを部長から手渡される。なんの変哲もない、ペリッとホワイトボードに貼りつくタイプの薄いタグであるが、なんとも恭しい扱いを受けている。それを右からずらっと入社順に並んだ先輩方のネームタグを目で追いながら、新入りの自分に割り振られたスペースである左の一番端っこに貼るのが習わし。2013年の春に、私も例にならってそれを経験した。正直貼る際には何とも思わなかったけれど、貼った後遠くからホワイトボードを見てみると、テレビで見ていた先輩方と並んで自分の名前があるのがなんだか不思議な気持ちがした。しばらくして、ああ本当にアナウンス部に配属されたんだな、とこの先待ち受けている想像もつかない世界に思わず身震いしてしまうような瞬間でもあった。そんな時から月日が経ち、今年9回目の春を迎えた。これだけ長く時間が過ぎると、私のネームタグも壁一面の大きなホワイトボードの真ん中くらいまで動かされている。私の右側に名前を連ねていた先輩方の中には、アナウンス部を離れた方も少なからずいらっしゃって、その方のネームタグは外れ、私たち後輩の名前は右にずれる。春には、毎年2人から4人は新しい仲間が入ってくる。自然と左から右へとネームタグは移動され、気付くと真ん中に差し掛かっており、そうかこんなところまでやってきたのか、と感慨深くなった。私の左側にはずらっと二十人弱の後輩の名前が連なっている。こんなに先輩になったんだ、と思うと同時にフツフツと私の中に湧き上がってくるのは、「私は先輩として、後輩をちゃんと見てあげているのか」という疑問である。(続く)【弘中のひとりごと】最近はお魚料理に挑戦中で、昨日は舌平目をムニエルにしました!本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。ワンピース 19,800円(ユー バイ スピック&スパンユー バイ スピック&スパン 渋谷パルコ店 03-5422-3911)/リング 33,000円、イヤーカフ 19,800円(共にルフェールUTS PR 03-6427-1030)/その他スタイリスト私物
2021年07月09日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。礼儀作法、気をつけなきゃって思います。(photo : Yasutomo Sampei styling : Yui Funato hair&make : Akemi Kibe [PEACE MONKEY])「人の振り見て我が振り直せ」言われることを嫌がっていた言葉たちが、自分の口から自然と出てきたときに、ハッと我に返って驚くことがある。気付かないうちに刷り込まれていた言葉たち。私の家は礼儀や行儀に対して厳しかった方だと思う。机に肘をつくのは行儀が悪い、誰かのおうちにお邪魔するときは必ず靴下をはいていきなさい、お茶碗のご飯粒を残したままにしない、お金は渡すときももらうときも両手にしなさいなどと、言い出したらキリがないくらい、細かく立ち居振る舞いを注意されてきた。何かそういった行儀の悪いことをすると、「みっともない」とか「だらしない」がすぐさま飛んできて、正しいとされる形にただちに直さなくてはいけなかった。ただ正直なところ、一応従うものの、いちいちうるさいなあ、と思っていたのが事実である。そんな風に右から左に受け流してはいたものの、いくらかはいつの間にかしっかり私の中に根付いていて、年齢を重ねるにつれて「思う側」になってきたのだから驚きである。言われる側から、思う側へ。もう一歩で指摘する側に来てしまうかもしれない。自分もまだまだ出来ていない部分が多々あると分かってはいるのだが、社会に出て、周りの人たちのそういった部分を見つけてしまうと、おのずと「あ、残念」と思ってしまうのだ。実際に仲の良い友達の中にひとり、箸の持ち方が変わっている子がいる。一目見ただけで「おや?」と思ってしまうような持ち方、握り拳でお箸を握っているような持ち方をしている。気の置けない友達なので「その持ち方、直した方がいいよ~」と会話の中で何回か指摘したこともあるし、その子自身、自分が正しくない箸の持ち方をしているのは十分自覚済みだと思う。けれども今まで30年近くもの間この持ち方でやってきてしまったから、今さらわざわざ直すのも面倒くさいらしい。今の今までそのスタイルを貫き通してきた。そんな友達に対して、心の底から「ちょっと頑張って直せばいいだけなのに、もったいないなあ」と思ってしまう。別にその子が間違っているからといって仲間外れにすることもないし陰口を叩くこともないけれど、素直にただ残念、と思うのだ。ほんの少しの努力で他の人からの見る目が変わるのに、と。素敵な子なのに、そこだけ切り取られて「行儀が悪い」なんて言われるのは友達として納得できない。いや、そもそも箸の使い方ぐらいでゴタゴタ言ったり思ったりするのも、もう古いのかしら?箸の持ち方だって、多様性の時代なのかしら?なんてことをモヤモヤと思っていたら、家族から「(私から)お祝いでもらったお金のお札の向きがそろっていない。こんなことを外でやったら恥ずかしいから、これから必ず気を付けるように」とお叱りの連絡が入った。急いでいたので、銀行で下ろしたままついそろえずにお祝い袋に入れて、渡してしまった。人のことをとやかく言う前に、自分の身の回りをもっとキチンとしなければ…。「人の振り見て我が振り直せ」とは本当によく言ったことわざだ、と身をもって感じた出来事だった。次回:2021年7月9日更新予定【弘中のひとりごと】最近ストレスがすべて買い物欲に向かっていて、たかが外れたように買い物をしています。笑本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。ワンピース 19,800円(ユー バイ スピック&スパンユー バイ スピック&スパン 渋谷パルコ店 03-5422-3911)/リング 33,000円、イヤーカフ 19,800円(共にルフェールUTS PR 03-6427-1030)/その他スタイリスト私物
2021年06月25日ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。人生初のMRI検査。どうなっちゃうの!?(photo : Yasutomo Sampei styling : Yui Funato hair&make : Akemi Kibe [PEACE MONKEY])「月日は誰にでも平等にやってくる」次の日、ぐるぐるする頭をなんとか動かしながら、まずかかりつけの耳鼻科に行った。聴力検査をしたり、目をゴーグルのような装置で見てもらったり、色んな角度から先生に診察してもらうと、なにやら左耳が原因らしいということが分かってきた。左耳の聴力も若干だが落ちているらしい。先生が言うには、細菌やウイルスが入ったとかではなく、疲れやストレスで内耳がむくんだりすることによって三半規管の調子が悪くなってしまっているとのこと。その影響で平衡感覚が正常に働かないために、ふらつきが出てしまっている(こちらもうろ覚え…)。こちらの先生には数年お世話になっているのと、会社の先輩も多々通っているということもあって、私のこともよく知っている。「忙しいからじゃない?」という質問に最近は特によく休んでいることを伝えるも、「休みで気が抜けて、一気に疲れが出てきたのかもしれないね」と一言。不調の原因が少し掴めたのと、薬とめまい体操なる目のトレーニング方法を教えてもらい、少し安心することが出来た。そのあと予約してもらったMRIの検査場に向かった。頭の周りを機械がゴゴゴゴゴという大きな音を立てて回るだけでもっとめまいがひどくなるような気もしたが、無事に終わり、結果も明日には分かるという。単純なもので、何事も理由が分かってくると前向きになるというか、不思議と悪い方向に考えないようになってくる。MRIの結果もまだ出ていないのに、「耳だな」とこの時点で確信めいたものを持った。小さい頃からバスでも車でも電車でもすぐ乗り物酔いをしていたし、元々三半規管が強くない。何かの拍子でまた耳の調子が悪くなったのだろう、とそう考えることにした。翌日MRIの結果を持って、最初に行ったお医者さんへと向かう。画像を見てもらうと脳には問題なく、耳鼻科の先生の所見で間違いないだろうというお話だった。「薬で完全に治るというよりは、一時的には回復しても、また疲れや体調で出てくることもあるかもしれません。長い目で付き合っていかれる方が多い症状です」というお話も聞いた。正直に言うと、ずっと自分のことを若いと思っていた。だから30代に入っても今までと同じペースでずっと動いてきたのだが、やはり月日は誰にでも平等にやってきている。丈夫さが取り得だった私でも、今回初めて持病なるものが出来た。コロナ禍で環境が一変し、体の不調を訴える人が少なくない、との話も聞く。ぐるぐるした視界の中で私が思ったことはものすごくシンプルに、病院へはすぐ行った方が良いということと心身の健康が一番大切ということだ。昔、両親に弘中家の教育方針を聞いて、「まず、健康第一」と答えられた時、「え?自主性を重んじるとか、他人への思いやりとかじゃなくて?」と戸惑いを隠しきれなかった。けれども今になって、「たしかに一番大事なことは健康だな、何事もその土台の上に成り立つものだな」と改めて理解する。当たり前過ぎて忘れがちなことではあるが、自戒の念を込めて、30代は初心に帰り、健康第一でやっていきます!とここに宣言します。次回:2021年6月25日更新予定【弘中のひとりごと】プデュ、シーズン2ももちろん見ていますよん本連載をまとめた初のフォトエッセイ『弘中綾香の純度100%』は絶賛発売中!購入予約可能な書籍紹介ページはこちらから。トップス 36,300円、パンツ 30,800円(共にミュラー オブ ヨシオクボ 03-3794-4037)/リング 12,000円、イヤーカフ 12,000円(共にアンセムフォーザセンセス/ラブティックボンボン ︎03-6855-0801)/パールネックレス 27,500円(カラットアー/イセタンサローネ東京 03-6434-7975)/ゴールドネックレス 158,400円(チェリーブラウン 03-3409-9227)
2021年06月11日