歌舞伎俳優の片岡愛之助が、2月26日に発売されるアクションRPG『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』(PS4/PS3)に登場するボスキャラ「ヘルムード」の声優を務めることが18日、明らかになった。昨年は『仮面ライダー鎧武』や『妖怪ウォッチ』などアニメ、特撮などにも出演している愛之助だが、「ドラゴンクエスト」は第1作からシリーズを通してプレイしているほどの大ファン。今回は「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親である堀井雄二氏から直接オファーを受けて実現し、闇の一族で最後の王「ヘルムード」を演じる。大の「ドラゴンクエスト」ファンであり、一緒に遊んでもらうためにゲーム機本体ごと後輩にプレゼントしたり、巡業先にも『ドラゴンクエストIX』を持参し、すれちがい通信をしていたという愛之助。今回のオファーについては「子供の頃からずっとプレイしている大好きな『ドラゴンクエスト』に出演させていただけるだけでもうれしいのに、まさかボス役だとは! 人生で一番うれしかったといっても過言ではありません」と喜びを爆発させながら、「ヘルムードは、冷酷・冷徹でありながら内に秘められたものを持っているボスです。彼の内側から湧き上がるようなものを、声の演技で表現できていたらうれしいです」と語っている。『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』は、『ドラゴンクエスト』シリーズのスクウェア・エニックスと、コーエーテクモゲームスで『無双』シリーズを手がけた開発チーム「ω-Force(オメガフォース)」がタッグを組んだ本格的アクションRPG。鳥山明氏がデザインしたキャラクターやモンスターが画面内で縦横無尽に暴れ回り、大迫力で爽快感あふれる呪文や必殺技がリアルなグラフィックで再現されている。公式サイトでは、愛之助のインタビュー動画も公開中。(C)2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/KOEI TECMO GAMES/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
2015年02月18日仕事柄、経営者やプロジェクトリーダーの方によくお会いする。新規ビジネスや新規プロジェクトについて、マーケティングや、広報/宣伝の視点からアドバイスをさせていただく。稀にではあるが、ビジネスモデルやマーケティング戦略を伺った後、「これはちょっと厳しいぞ」と思うことがある。○3つの視点明確な「ロジック」としてではなく、あくまで「直感」で感じる。後からこの直感が正しかったと分かることも多い。最近では、自分なりにではあるが自分の直感にある傾向が分かってきた。「どういうビジネスをするのか?」と聞かれた際、聞かれた人は次の3つのいずれかの視点で答えることが多い。(1) 「自分」の視点:英語でいうと「I think…」(2) 自分以外の「特定の人物(実在・架空)」の視点:英語で「He / She thinks…」(3) 「日本人」「女性」「団塊世代」といった抽象的な集合体の視点:英語で「They think…」もちろん、1、2、3の視点が入り交じることが普通だ。「I think…」と自分の視点だけで語ってしまっていないか。「特定の顧客像」の視点で(He/She thinks…)で語っているか。調査結果など客観的なデータを用いて「マス」(They think…)の視点でビジネスを語っているか。私が「これはダメなんじゃないか?」と感じるのは、「I think…」の視点しか会話に出てこない場合だ。ついつい自分のビジネスを語ることに熱くなってしまうのか「単視眼」になってしまうのは誰もが陥りやすい「ワナ」である。では、どうすればこの「ワナ」にハマらずに済むか?(1) 「言いにくいこと」を遠慮せずにあえて言ってくれる上司や同僚や友人を持つ(2) 外部コンサルタント等に仕事として助言を頼む(3) 自分の態度や言葉を映像等で記録・録音して、自分の話、態度、仕草などで自ら判断する(1)の場合は年上の「友」の方が良い。歳が近いとあなたの「視点」に気が付いてもつい遠慮してしまう。少し歳の離れた距離感がある人の方が指摘してくれやすいかもしれない。(2)の場合はドライに直言してくれる専門家がよい。普通は、いくら仕事とはいえ、言いにくいことを正面から相手に伝えることには少なからず抵抗を感じるものだ。(3)は他者と接している時の態度や話し方などをとにかく何らかの形で記録し、少し間を空けてから記録を自分で見なおしてみるとよい。顔から火が出るほど自分よがりな一方的な視点だったり、顧客の視点について無頓着だったり、客観的な市場分析などが至らなかったりすることに気づく場合には要注意である。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2015年02月05日社会人になって21年目に入った。その半分以上を外資系の企業や団体で働いている。たまに日本企業にお勤めの方から、「日本企業と外資系との違いは何ですか?」と、とてもバッサリとした切り口の質問を受けることがある。「日本企業といってもいろいろあるのと同じで、外資系にもいろいろあるので…違いを一言でなんか言えない」というのが本音だ。だが、それをそのまま言ってしまっては、会話がそこで終わってしまう。だから、「そうはいってもですね…」と、以下の話をする。○日本企業と外資系とのもっとも大きな違い日本企業の中にいると社内での議論や仕事仲間同士の会話で「誰が」「何で」といった「前提」を強く意識することが少ない。これは日本語独特の文法も関係してくるのかもしれない。例えば、「ランチ行かない?」と職場で誰かが私に言ったとする。この会話には「誰が」といった主語や、「何で」といった理由は含まれていない。だが、余程、私が「勘違い」な人間でない限り、「ランチに行く」のは、声をかけた人と、声をかけられた私である。他のメンバーが加わるのかもしれないが、そのメンバーが誰かは、「ふわっ」としている。曖昧であってもあまり問題にはならない。「特に重要な相談ごと」があるわけでもないことは「阿吽の呼吸」で分かる。ランチに行く「理由」については気にもならない。私の想像だが、日本人同士には「そこまで言葉で言わなくても、相手は分かってくれている」という前提と安心感がある。この点、異なる言語、宗教、文化で育った者たち同士のコミュニティの場合、「そこまで言わないと、相手は分かってくれない」というのが前提のことが多い。「ランチに行かない?」と声をかけると「君と僕と二人でかい?」と、日本人同士ではあまり交わさないような会話の流れになることもある。「今度、新しいプロジェクトを始めることになったから相談をしていいか?」と「何で」という「理由」が、会話上続くこともある。「言わなくても相手はすでに分かってくれている」という前提のあるなしは、社員同士のランチのような他愛のない話であれば大きな問題ではない。だが、これが外交問題や、ビジネス上の重要な戦略についての議論、あるいは大きな契約に関わる「前提」の場合、当事者同士の勝手なバイアス(思い込み・先入観)が重大な失敗を招くことがある。だから、特に重要な話の時には、相手から「しつこい」と思われるくらい、前提となる言葉の定義や具体的な意味を、繰り返し確認して聞くクセがついた。自分の「常識」というのをあまり信用しないことにしている。こうして、日本企業と外資系とのもっとも大きな違いを挙げるとするならば、「言葉(文字)で言わないこと(書かれていないこと)」の確認にいかに手間ヒマをかけるかだと感じている。一方、こうした前提(条件)についての「勘違い」「早とちり」は、必ずしも外国人相手や外資系企業などで起こるわけではない。日本に住む者同士でも地域や世代の違い、何よりも個人差によって「前提」のミスコミュニケーションはよく生じる。これは、どちらか一方に責任があるのではなく、双方に原因がある。「異なることが前提」の異文化間よりも、「言わなくても分かってくれている」と思っていた間柄でのミスコミュニケーションの方が、生じてしまった後からの痛手や影響は、双方にとって大きいこともある。親しくて大切な間柄にこそ、丁寧な説明、あるいは、意を察することの胆力が必要なのかもしれない。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2015年01月29日今からずいぶん前の話になる。私がサラリーマンとして働いていたころの話だ。よく私のことを夕食に誘ってくれる年の離れた先輩社員がいた。仕事が終わった帰りのことが多かった。仕事の話題が多かったが、私にとっては先輩と1対1で色々な話ができる貴重な機会でもあった。○領収書の謎とはいえ、私には1つ気になることがあった。先輩は私とちょっとした食事をした際にも、いつも店から領収書をもらうのだ。業務に関する話ばかりだったので、あくまで「勤務の延長上」だということに違和感がなかったが、ラーメン店で定食屋さんで2人分の金額でアルコールもほぼなし。1,500円か2,000円程度である。私よりもずいぶん年上の先輩だったことを考えると、そんなにいつもいつも領収書を切らなくてもいいのになと、当時の私は正直なところ思っていた。それからしばらくしての話だ。これからお付き合いしていくことになるかもしれない企業の幹部の方々との重要な会食があった。その先輩と私と相手も合わせると6名だった。最初先方が用意した店におじゃましたが、もう1軒行きましょうということになった。2軒めは我々が"ホスト"となった。店を変えて程よく2時間ほど経ちお開きになった。先輩はなぜか自分のクレジットカードを切ると「領収書はいりません」と店員に伝えた。私はこの時も、あまり違和感は感じなかった。随分と年月が経った。3、4年前の話になる。その先輩はすでに定年退職されていた。私も当時の会社とは異なる企業にいる。久しぶりにお会いすることになった。当時とは違い、もう仕事の話を直接することもなかったが、数々の思い出話に花が咲いた。たまたま「交際費」の話が出たので、当時の「領収書」のことを聞いてみた。すると、先輩はそんなつまらないことをよく覚えているなと、笑いながら私に教えてくれた。私と行ったラーメンや定食屋の領収書は、一応もらったけれど会社に請求はしなかったという。もう1つのクレジットカードでの接待の件は、あの場では領収書をもらわず後から支払伝票で精算したという。それ以上の深い理由は語ってはくれなかった。それ以上、私が聞くのも先輩に野暮だ。平たく言えば広い意味での「領収書」の切り方を教えてもらっていたのだと思う。領収書を切っていたので私は遠慮せずに気軽にご一緒させてもらえた。「そういうものだ」と思って、以来、部下や後輩と接している。クレジットカードでもの会食の時に会社名での領収書を切らなかったのは、良からぬ空気を感じたからだという。先方の企業は、ずいぶん前に不祥事を起こして消えていた。鈍感な私は全く気が付かなかったが、先方様への含みのある何らかのメッセージだったのかもしれない。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2015年01月22日仕事に直結する「専門性」というものを、どうやって長期的に自分のキャリアに結びつけていくか考えてみたい。大きく分けて3つの考え方があると思う。(1)誰にも負けない専門分野を1つ持つ私は何よりもこれが1番良いと思っている。あえて話を分かりやすくするために例を挙げたい。例えば野球選手。「野球」という分野で専門性を高める。その分野でトップクラスの実力を持つに至る。これ以上の 「キャリア」はない。仮に現役を引退したとする。多くの場合「野球」という分野で、コーチや解説者として第二の活躍の場が与えられるだろう。重要なのは、自身が「トップクラス」であるか。そして、「野球」という分野に十分なビジネス規模(多数の人が生活していける)があるかどうかだ。(2)マネジメント(ジェネラリスト)に徹する前述の(1)と同じくらい重要な視点だ。「専門家」だけでは社会は回っていかない。経営やプロジェクトの目標を定める。各専門家や各セクションの全体を見回す。時に人的リソースを集める。時間や予算配分を最適化する。これらを単に「調整役」とは思わない。 こうしたリーダー層の役割は、今後ますます重要になる。言い換えれば「マネジメント(リーダー職)」のプロフェッショナルともいえる。もっとも、(1)(2)については、古くからよく言われているだ。あえてここで補足は加えない。そして、きょうは、以下の3つ目に注目したい。(3)複数の「専門性」を持つ。マネジメントが(も)できるこれも特に新しい視点ではない。(1)(2)と同じく古くからよく言われることだ。いわゆる「かけ算」の発想である 。「◯◯」×「◯◯」2つの専門性を掛け合わせる。例えば※法律実務を専門とする。※技術に詳しい。この2つを掛け合わせると「専門性」は、さらに高まる。「法律に詳しい」だけでは、他に何万人も類似の専門性を持つ人はいる。「トップクラス」を目指すことはできるが簡単ではない。しかし、「法律」に「技術に詳しい」が加われば、両分野に秀でた人は極端に少なくなる。できれば、 さらにもう1つ「専門性」を加えたい。例えば流暢な外国語。こうした人材はさらに希少となるだろう。専門性を活かしつつ、リーダー(マネジメント)として活躍できる 機会が(も)増える。最近はこうした選択をする人も増えてきた。ポイントは「◯◯」×「◯◯」の次にくる3つ目の「◯◯」だと私は思う。そして、最初の2つはあまりかけ離れていない方がいいが、3つめの「◯◯」は、前2つとは少し切り口が異なる方が良いと思う。仮に3つとも分野が近いと、外への広がりが狭くなり過ぎるからだ。マーケティング業界で例える。「PR」が得意な人は大勢いる。「広告」を専門とする人も多く世の中にはいる。では、この両方に秀でた人となると、これは意外と少なくなる。あるいは「インターネット」に詳しい人は多い。「マスメディア」に強いプランナーなども比較的多い。では、ネットとマスメディアの両方に精通する若手プランナーとなると、急に層が薄くなる。もっとも、世間一般的には「PR」も「広告」も、大した違いはない。「インターネット」と「マスメディア」にもそれほど違いはないものと思われるだろう。どちらも広義の「コミュニケーション」「マーケティング」であり、限られた業界でもある。この2つだけだと、「業界」を離れてしまうと使えない「専門性」になってしまうこともある。ここに3つ目の少し異なる視点が加わると面白い。例えば…「広報」×「広告」×「データベース」となると、「デジタル」「IT」の世界にも自分の「専門性」の可能性は見い出せる。「広報」×「広告」×「芸能」であれば、「エンタメ業界」に広がっていくかもしれない。他にも…「インターネット」×「マスメディア」×「地域経済」という視点や、「インターネット」×「マスメディア」×「学校教育」という切り口も、また魅力的だ。最初の2つだけとは異なる世界での可能性を秘めている。この時期には多くの社会人や学生の方々など、何らかの「選択」をすることも多い。「選択」するということは、言い換えれば「捨てる」ことでもある。「集中する」ということでもある。可能性(組み合わせ)は無限にある。まずは色々と自分の頭で考えてみるのも面白い。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2015年01月15日古くから、学生の就職について、「好きなことを仕事にしよう」とアドバイスする方がいます。一方で、「好きなことを仕事にしよう」はやめた方がいいという考えの方もいます。どちらが正しいのでしょう?○「好きなことを仕事に」には2種類ある「好きなことを仕事にしよう」と言う方の多くは、2つのことをよくおっしゃいます。1つは、「好きこそものの上手なれ」のことわざのように、「好き」であることの方が上達もするし、長くも続く。もう1つは、例え失敗したとしても「好き」なことに挑戦して失敗したならば後悔もしない。確かにこれは間違っていないと思います。一方で、「好きなことを仕事にしよう」はやめた方がいいとおっしゃる方の多くは、概ね次の2つのことをおっしゃいます。1つは、「好き」なだけでは食っていけないし成功しない確率の方がはるかに高い。またもう1つは、「好き」なことを仕事にしてしまうと「つまらなく」なる。これも間違っていないですし一理あると思います。後者の方の多くは、「好きなこと」よりも「出来ること」を仕事にすることを強調することが多いようです。確かに「自分には向いてない」と思っていても、やってみてうまく出来ると、意外な面白さに気が付き、好きになることもあります。さて、この両方の意見をうまく取り入れられないでしょうか?誰しも「好きなこと」が必ずしも得意だとは限りません。「できること」を必ずしも「好き」になるとも限りません。しかし、自分が「好きなこと」が同時に「自分ができること」であり、これを探し出し仕事にできれば、これにこしたことはありません。では、仮に、「好きなこと」であり、同時に「できること」を見つけることができたとして、本当にそれでよい結果になるでしょうか?実は私は職を選ぶ上で、「好きなこと」+「できること」だけでは不十分だと、本当は思っています。自分が「好きなこと」であり、自分に「できること」であっても、他の人や機械などが簡単に取って代わられるような仕事は、常に激しい競争にさらされてしまいます。ですから、単に「できること」ではなく、「自分にしかできないこと」が見つかると、よりよいのではないかと思います。もっとも、「好きなこと」「自分にしかできないこと」を自分の職業にできたとしても、そのことが社会に必要とされていないと職業としては成り立ちません。ですから「社会から必要とされること」という考えを3つめに加えて考えるとよいと思います。「好きなこと」「自分にしかできないこと」「社会が必要とすること」全部で3つになりました。「そんなことはムリ」「現実的ではない」とよく言われます。その通りです。「好きなこと」を見つけるだけでもかなり難儀なことだと思います。まして単に「できること」ではなく「自分にしかできないこと」を探せと言われても、無理だと思う人も多いでしょう。「自分に相応しい職業は簡単には見つからない」ということだけが、唯一、私がはっきり今言えることです。「社会から必要とされること」というのも常に変わり続けています。今社会が必要としていることが10年先20年先にも必要とされているとは限りません。「では、結局どうすればいいの?」と思われるかもしれません。自分自身が常に「バージョンアップ」して成長していくしかないのだと思います。そんな私も「好きなこと」を続けてきているつもりではありますが、果たして本当にこれが「自分にしかできない」ことなの? 「社会から必要とされている」ことなのか? と、日々自問自答する毎日です。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2015年01月08日「キャリア」に関係するコラムを書いていると、若手ビジネスマンの方から「キャリアアップ」についての相談をよく受ける。その相談の多くは「キャリアアップ=転職」だという前提の相談であることが多い。中には、もうほとんど本人の心のなかでは「転職」を決意している人もいる。最後の「ひと押し」を私にして欲しいのだろうと思うこともある。しかし、私は「キャリアアップ=転職」だとは少しも思っていない。だから「転職」を前提に「キャリアアップ」について相談された場合は、必ずといっていいくらい、引き止めモードに入る。○望んでいるキャリアアップの種類は?ところで、キャリアアップには大きく2つしかない。1つは「職種」を追求して 、異なる「組織」での経験を積み上げる場合。もう1つは「職種」は柔軟に考えて、同じ「組織」の中で経験を積み上げる場合。中には「職種」も「組織 」も同時に両方変わるケース もあるかもしれないが、それは良い意味での「チャレンジ」である。必ずしも「キャリアアップ」とは私は呼ばないことにしている。そういう意味では「キャリアアップ」とは、少なくとも現時点での何らかの「経験」を活かした上でさらに新しい経験を積むものだと思う。ある程度は成功の確実性がないといけない。話を元に戻す。私にもちかけられる相談の多くが「キャリア=転職」という前提なので、最初に、「本当に同じ組織の中ではキャリアアップを積めないのか?」と聞く。 まずは冷静に「本当に転職する必要があるのか?」と自問自答してもらう。どうしても「転職」をするというならば、「職種」は変えずに、新しい「組織」の中で 経験を積み上げることを進める。全く異なる組織の中で、全く異なる職種で新たな経験を積むことは、30代以上ではリスクの方も高い。ところが、矛盾するようなことを言うのだが、自分自身の「キャリア」を後から俯瞰すると、必ずしも「キャリアアップ」になるなどとは、その時は思わなかったが、実は「キャリアアップ」につながっていることがある。どういう時にそういうことがあり得るのか?それは、自分が経験してきた「職種」と新しい「職種」との間に、ちょっとした「ズレ」があった時だ。例えば、私自身の経験で言えば、私は長くテレビ局での広報宣伝の仕事をしてきた。主にマスメディアを活用したコミュニケーション方法だった。後にアップルに転職したのだが、 アップルで行ったメールやWebサイトやコールセンターを活用した既存ユーザー向けのコミュニケーション(今でこそ『ダイレクトマーケティング』や『CRM』などと呼ぶ)とでは、全く種類が異なるものだった。経験を活かしているように見えて、実は経験したことのない経験をしていた。このちょっとした「ズレ」が、今になって考えると大きな「チャレンジ」でもあった。スティーブ・ジョブズのスタンフォード大での卒業式での有名なスピーチに下記の名言がある。「点と点の繋がりは予測できません。 あとで振り返って、点の繋がりに気付くのです」しかし、実際には何年もあとになってからしかわからない「繋がり」を意識して新たな チャレンジをすることには リスクが伴う。 そう簡単にリスクある行動を人はとれない。(まして…相談された立場の私は、相談者にリスクをオススメはできない)だから必ず私は「リスクはなければない方がいい」「全く経験を活かせない転職なんてリスクが高すぎる」「だけど少しはズレがある方転職の方がいい」「今までの自分の経験を100%活かそうなんてセコいこと考えてるとチャレンジにならない」…などと言っては、いつも相談者をかえって惑わせてしまうのである。だから、あんまりムズカシイ人生の相談は、私になんてしない方がいいのかもしれない。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2014年12月25日今の就活生の就活解禁が、これまでの12月から3月に繰り下げられた。この繰り下げには学業優先や留学推奨という学生側の立場に立った事情もあるが、これによって、一部の有名大学以外の学生たちにとっては、かえって就活活動で大変な思いをするケースも出てくるのではないだろうか。なぜならば、採用する側の企業の採用担当者の時間や費用や労力は有限だからである。企業側の採用活動が3カ月、学生の就活が4カ月後ろ倒しになれば、企業が学生と接触できる期間は減る。「より効率的に、良い学生を採用したい」と思うのが企業側の実状だろう。企業側はこれまでよりも一層"効率的"に就活中の学生にアプローチするようになる。すると、いわゆる「有名大学」の学生にとって、より有利な状況になりかねない。特に文系の学生は、これまで以上に狭き門を乗り越え、早い段階で「他の人にはない自分」を積極的にアピールすることが必須となってくる。○他の人にはない自分らしさとはもっとも、すでに「他の人にはない自分らしさ」を計る手法として、非言語の選考方法を導入している企業も多い。例えば、ソニーミュージックグループでは、エントリー段階で、動画で応募を受け付けていた。ソニーミュージックグループは、「自分の能力・個性を発揮し、活躍してやるぜ!」という学生を求めていると採用ページに掲載している。まずは「他の人にはない自分らしさ」が不可欠で、エントリーの段階から学生の個性を"効率的"に採用できる仕組みを導入している。では、この「他の人にはない自分らしさ」を、アイドル戦国時代と言われる世界で生き残るアイドルは、どのようにアピールしているか。今年6月に結成され人気上昇中の、曲や衣装などをネットで募集をし、世界中のみんなでつくりあげるソーシャルアイドル、「notall(以下、ノタル)」の場合をみてみよう。彼女たちの人気の秘訣の一つは、「ファンによるSNSでの写真と動画の掲載が可能」という点だ。ファンは、スタッフが「このカットがいい」とは判断していないアングルや仕草の写真までみることができる。スタッフがセレクトしない写真が掲載されることで、メンバーのより素に近い個性的な表情をファンは見られる。ファンにとっても、スタッフが許可したのとは異なる自分だけのアングルや、自分だけの表情を撮って掲載できたことで親近感を得る上に、Twitterにハッシュタグをつけ投稿すると、ノタル本人達が直接コメントを返すので、「また投稿しよう」という気持ちにもなる。就活とは違うSNSという場で、ノタルはファンと一緒に自分たち自身をつくりあげることで、新しい時代の「自分らしさ」を表現し、"共感力"を高めている。最近では、300RTを達成すると初のワンマンライブを開催のところを8時間で達成し初のワンマンライブが開催される。さらに500RT、1000RT、2000RTと達成すると、初ワンマンライブのDVD発売、初CDアルバムの全国発売、ワンマンのチケットを半額など、ソーシャルだけではなく、リアルの場にも「自分らしさ」を展開しつつある。学生の就活においても、今後は一層「他の人にはない自分らしさ」を求める企業が増えていくことが予想される。「動画でエントリー」のような「個人」によるエントリーではなく、今後は、この「ノタル」のプロジェクトのように、みんなで一つのものを作っていく過程が選考対象として加えられるケースが増えていくのだろう。ソーシャル上の「合宿選考」のように、自分自身の「らしさ」が作られていく過程で、いかに個性を発揮するか。学生の持つ新しい形の個性の発揮を企業は求めていくのかもしれない。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2014年12月19日毎年、年末のこの時期になると、ごく日常的な会話の中で「お忙しいですか?」という言葉が飛び交う。ところが宣伝・広報という仕事をしていると、業界の習慣なのかは分からないが、この「お忙しいですか?」というフレーズをあまり使わない。特にタレントさんやフリーランスの方と接する時には、むしろ"厳禁"とされることもある。○相手が答えようもない質問忙しい相手に「お忙しいですか?」と聞いたところで、聞かれた方は「忙しいです」とも「忙しくないです」とも答えようがない。これは相手の立場で考えてみればよくわかる。フリーランスの人(のような立場の人も含む)が、仮に「お忙しいですか?」と尋ねられて「忙しいです」と答えてしまえば、「忙しいなら仕事はこれ以上お願いできないか…」と思われてしまう。せっかくの仕事が依頼されなくなるかもしれない。逆に「忙しくないです」と答えてしまえば、「あの人はこの忙しい時期にも仕事の依頼がないのか?」と人気に疑いを持たれてしまいかねない。つまり、「お忙しいですか?」と聞かれたところで、人気商売の人は、たとえ実際に忙しくても、忙しくなくても、本当のことはお茶を濁さざるを得ない。相手がどうにも答えにくい会話をあえて持ち出さないというのも、ある種の「お約束」だったりする。だからあまり「お忙しいですか?」とは著名人には尋ねない。これは「生活の知恵」でもある。もっとも、大阪の商人の人同士には、「もうかりまっか?」「ぼちぼちでんな~」という会話がある(もちろん、日常ではこんな挨拶はまずしないが)。本当に「儲かっているか?」と知りたいから聞くわけでもない。これは、少なくとも東京よりも古くから都市生活を営んできた生活者同士の知恵なのだと思う。互いに商売人同士であれば、相手の商売はうまくいっているのかは最大の関心事に決まっている。当然、相手に不躾に「儲かっているか?」などは、よほど仲が良い友人でもなければ聞けるわけもない。その核心に「触れない」のではなく、さらりと挨拶のような軽いコミュニケーションがお約束になっているところが、大阪人ならではの知恵と歴史が生む懐の深さでもある。(くれぐれも日常では使わない挨拶なので、大阪以外の土地の人が初対面の関西の人にむやみに使ってはいけない…)とかく我々は日常生活で相手が答えにくい質問をしてしまう時がある。よほど聞かねばならない事情がある場合以外は、これには気を付けたい。芸能人や大阪の商売人の例をあえて出したが、中小企業経営者に「今の景気はどうですか?」と聞けば、良くても悪くても「あまり良くはない」あるいは「まあまあです」としか答えようがない。「絶好調です」とも言えない。「倒産しそうです」とも言えない。事実とは違うと指摘するのは野暮なので、そこは空気をよみたい。就活生への面接で「当社は第一希望ですか?」というのも、いい加減にやめた方がいい。本当のことを答えたとしてどうなるのだろう。「御社が第一希望です」としか答えようがない。転職の面接の際の質問で「前職を辞めたいと思ったのは何故ですか?」という問い。まさか「ブラック企業だったから」「上司のパワハラが酷いから」「給料が安すぎて生活が苦しいから」…などは本当であったとしても絶対に言ってはならない。「御社にて新しいチャレンジをしてみたいと以前から思っていたが、やっと機会を得られた」などが模範解答なのだろうか。そして結婚式での神父さんの言葉。「あなたは永遠の愛を誓いますか?」もっとも、これは「はい」と答えるのが、今も昔も最善であろう。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2014年12月11日「2014年ベストドレッサー賞(日本メンズファッション協会主催)」の発表・授賞式が27日、都内で行われ、宮沢りえ、片岡愛之助ら7人が受賞した。同賞は、各界で活躍した著名人の中からその年を代表する「ベストドレッサー」を選び、表彰するもの。43回目となる今回はトヨタ自動車の豊田章男社長(政治・経済部門)、歌舞伎俳優の片岡愛之助(学術・文化部門)、放送作家の小山薫堂(同)、女優の宮沢りえ(芸能部門)、俳優の鈴木亮平(同)、プロ卓球選手の福原愛(スポーツ部門)、フォトジャーナリストの笹本恒子(特別賞)が選ばれた。また、ベストドレッサー賞受賞者の中からクールにウールが似合う人を選ぶ「クールウール賞」には鈴木亮平さんが選ばれた。宮沢さんは「素材の良いもの、着てハッピーになれるものにこだわっています」と笑顔。豊田社長は「ファッションに気を遣うようになって世の中や車のデザインの見方が変わった。自分の着るものは日本製にこだわっている」。片岡さんは「僕ではなく五大陸のスーツがいいのです」と話した。小山さんは「恥ずかしいの一言。今日の服は友人のチャーリーヴァイスにアレンジしてもらった。今日も会場のどこかにいると思う」とあいさつ。また、鈴木さんは「衣装は役になるためのトリガーのようなもの。僕の中でウールのイメージが新しくなった。来年は愛之助さんのようにスーツを着るような役もやってみたい」と各々コメントした。
2014年11月28日人の考え方などを示す際に「右脳で考える」「左脳を使う」と表現されることがある。実際の人間の脳の働きについては専門ではないので、こうした表現のどこまでは科学的に正しいのかは分からないが、私もよくこの手の表現を使う。右脳は、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の「五感」を司る動物的な脳とされ、これに対する左脳は、文字や言葉などを司り「理屈」などを考える人間的な脳だと言われている。○右脳と左脳のバランスまた、テレビのバラエティ番組やクイズ番組を視ながらも、「この番組は右脳を刺激する」と思うこともあれば、逆に「このクイズ番組は左脳で考えなくては」と思うことがある。もっとも通常は右脳と左脳の片方だけを要する場合は少なく、テレビ番組ひとつとっても、実際には右脳と左脳の両方が適度のバランスで刺激されているのだろう。この「右脳と左脳のバランス」という視点で、私はよく「旅」という行動について考えることがある。学生時代から旅好きだったので、国内、海外を問わずよく休暇などに旅に出る。私の学生時代の旅は、とにかく「右脳」を刺激した。どこに行くもあまり事前に計画を立てず、行った先々で計画を考えたり、次の行き先を考えたりをした。思いも寄らない出会いや発見があったこともある。まさかと思うような出来事やハプニングに遭遇したりもした。やがて社会人になると、どちらかというと「左脳」を使った旅をすることが多くなった。そもそも旅といっても、会議や視察などの目的のある旅が多くなった。事前に宿泊地やスケジュールや移動手段もかなり詳細に決まっていることも多い。一人旅ではなく複数で合流することも増え、完全に自由な旅というのは少なくなってきた。ちょうどきょうから、WEBバラエティ「Tプロデューサーと行く、海外! 究極アポなし旅~最終章~」がスタートした。「Tプロデューサー」といえば、「アポなし」「ヒッチハイクの旅」で一世を風靡した「電波少年」の土屋敏男さんである。土屋プロデューサーとは「電波少年」放送当時から現在まで本企画も含め広報宣伝などを担当させていただいている。きっと今回も、どちらかというと「右脳」メインの世界の旅が始まるのだろう。「仕込みなし」「台本なし」というコンセプトだけあって、参加者やスタッフも含、一体どこの国で何が起こるのかわからない。ついつい年末に向けて秒読みを開始するなど「左脳」を使いがちになる季節だが、こんな「アポなし」の旅は、きっと「右脳」をふんだんに刺激するのだろう。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2014年11月27日有名人ブログのアクセスランキングをみると、元女子プロレスラーでタレントの北斗晶さんが常に上位にある。一見、見ただけでは、ご家族との何気ない日常が綴られ、楽しげな写真などがアップされているだけのようにも思える。仮に、私がアクセス数を日々稼がなくてはならないアフェリエイト狙いのブロガーだったならば、何で北斗さんのこうした日常の生活を綴ったブログのアクセス数が多いのか不思議に思うのかもしれない。単にアクセス数を狙うだけであれば、文章やデザインといったテクニックを駆使し、小技に徹すれば、ある程度の「数字」は稼げる。○コミュニケーションのツールとしての成功一方で、企業のマーケティング責任者(特に大手企業)の視点で考えると、ブログの広告的価値を考える上でアクセス数というのは必ずしも最優先として考える事項だとは思わない。単にアクセス数の多さを求めるのであればネット上ではブログよりも費用対効果の高い広告手法はある。またネット上でのコミュニケーションにこだわらなければ、他のマスコミュニケーションツール(メディア等)を活用すればよい。その点、北斗さんのブログをみると、アクセス数だけでは計ることのできない価値を感じることだろう。例えば、ブログでは「ファミリー層」を対象に「鬼嫁キャラ」という自分のキャラを前面に出しつつ、ブログだけではなく、マスメディアへの出演情報やマス媒体出演時の話題なども盛り込んで、しっかりとブランディングを行っている。「見た目」は非常に"ほんわか"とした手作り感のある作りだが、コミュニケーションのツールとして、見事に固定ファンの気持ちを掴んでいる。これこそ「質」の高いコンテンツだと思わず感心してしまった。もちろんブログにはさまざまなタイプのブログがある。基本的には自分の思ったことを思ったように書けばよい。(もちろん他人の名誉をむやみに傷つけてはいけないことは当然だが…)また、必ずしも「価値」がある必要もなければ、ムリに「質」の高さを追求しなければいけないことはない。同時に、それなりの多くのアクセスがあり、かつ継続して人気を得ているブログには、一目見ただけでは分からない工夫やこだわり、あるいは、そのブログ運営者ならではのこだわりがあったりもする。これは単に「炎上狙い」の投稿や、「釣り」の記事、あるいは他人の記事やコンセプトの「寸借」(場合によっては盗作)などとは根本的に異なる次元でのクリエイティブ性の高さがある。デビューから30年、引退から10年以上、一線で活躍しているからこそ、今、自分が、誰に向けて、どういうイメージで、どういうツールを使ってコミュニケーションをしていけばよいのか、肌で感じてきたからこそ、できる広義の「芸風」であり、「自分ブランディング」でもあるのだ。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2014年11月21日このところ私のtwitterやFacebook上では就職活動の際に着る黒系のリクルートスーツが「画一的」であることが是か非かのような意見が目立つ。「個性がない。画一的で気持ち悪い」という趣旨の意見。「就活は内定をとるための活動なのだから企業の求める服装で面接を受けるのは当然」といった意見もある。また「個性の強要で苦しむ若者たちをリクルートスーツが逆に救っている」という視点などもある。○内定を得る「手法」としてのスーツ私は普段はあまり自分が着るものにこだわりがないせいか、正直なところ「就活生が悩むほどのことだろうか?」と思ってしまう。というのは、普段は着るものにあまりこだわりがなくとも、その場の雰囲気に合わせた服装というのは大切である。だから、冠婚葬祭などでの服装には当然、気は遣う。冠婚葬祭の中でも特に「葬」は余程の事情がない限りは最も「保守的」であるべきだ。基本、常に「黒」である。「婚」の場合は多少の自由が利く。披露宴だけでなく挙式から列席する場合や、来賓や上司という対場でご招待頂いた場合にもなるべく礼服を着る。一方、比較的「カジュアル」なレストランでのパーティー形式の披露宴や、古くからの友人知人のプライベートな祝宴などでは、平服(もちろん"普段着"という意味ではない)を着ることや、あえてマオカラーのスーツなどを着ることもある。ちょっとしたオシャレで多少の個性を出す。さらに砕けた雰囲気の「二次会」だけの場合は、場合にもよるが仕事場からそのまま駆けつけることもある。ジャケットくらいは着て行くことが多いが、「駆けつけること」が大切で、必ずしも特別な服装ではないこともある。就活において、服装が原因で「内定が取れない」などということがあれば本末転倒である。「画一的なリクルートスーツ」を「ドレスコード」として暗黙のうちに定めて、「そうでない」服装の学生をそれだけの理由で「落とす」企業にはあまり感心しないが、そういう企業はしょせんそういう企業でもある。そういう企業にでもどうしても入りたいのであれば、求められている画一的なスーツで面接に臨んだ方がよい。その企業を批判することは簡単で自由だが、「内定を取ろう」と思うのであれば、スーツのカラーや形や着こなしで「個性」を表現しようと思ったり、あえて企業の意に沿わない服装で臨んだりしても意味がない。「心意気」や「個人的な事情」はともかく内定を得るための「手法」としては間違っている。一方で、アパレル企業、エンタメ企業、クリエイティブ系の職種での採用の場合、話は違ってくる。カジュアルウェアのアパレル企業の面接で、黒や紺のリクルートスーツでないと「落とす」という企業はあまりないだろう。画一的なリクルートスーツは就活を行う上で「無難」ではあるが「万能」ではない。そこは子どもでないのだから「うまく」立ち振る舞わねばならない。○相手によってPRを使い分ける金融系企業だけを受ける、商社だけを受けるというならばともかく、黒のスーツ一着で金融からアパレル、エンタメまで様々な全ての異なるタイプの企業の就活に対応できると思うのは少し考えが甘いのではないかと思う。「信頼感」「協調性」「同調性」が重視される業種や社風の企業の「内定を取りたい」と思うのであれば、その企業に相応しい服装を選べばよい。面接時の服装自体が「個性」とみなされ、「そこ」(服装)が他の就活生との「差」を生み出す要素になると思うのであれば、存分に「そこ」で「個性」を発揮すればよい。何も考えずに「個性」を発揮すべきタイプの企業に、安易に黒のリクルートスーツを着ていけば、恐らくその企業は「そういう(あまり考えない)学生なのだな」と思って評価をするのだろう。話を若干膨らます。これは面接などの広義の自己PR(自己表現)の場だけでなく、企業等の広報活動にも言える。ダメな広報では、各媒体事に適した対応をしない。例えば「プレスリリース」などの画一的な切り口の情報を、テレビ局、ラジオ局、ネットメディア、週刊誌、ファッション誌…などに送ったり、持ち込んだりする。テレビ局で報道してもらうには、それに適したストーリーの組み立て方がある。ファッション誌にはそれに適したストーリーの組み立て方がある。「就活力」というのは自分自身に対する「広報力」でもある。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2014年11月13日友人のフリーアナウンサーとの会話。仕事柄、忘年会などのパーティーや披露宴などの司会を友人知人から頼まれることが多い季節らしい。仕事であれプライベートであれ、声をかけてもらえることはうれしいとのこと。たとえノーギャラのプライベートの依頼でも協力したいものはスケジュールさえあえば協力するという。たとえギャラがいくらであっても協力できない内容の依頼は、スケジュールの調整がつかなくて…とタテマエを言って丁重に断るか、正直に断る理由を依頼者に告げるという。とても誠実な対応だと思う。○困る依頼は?一方で、1番困るのが仕事なのかプライベートなのか最後まではっきりしない依頼だという。例えば友人の親族の結婚式の司会や個人的な友人からのイベント出演依頼など。こうした依頼の多くは、「もし都合がつくようならば、ちょっと顔を出していただき司会進行をお願いしたい」的に、ゆるゆるとお願いされるという。事前の準備や段取り確認もせず、前日まで行くか行かないかはっきりさせず、当日も入り時間を決めず、本当に行けたら行く程度のコミットでよく、服装も普段着でよく…そんないい加減な司会でよければ参加するのも苦ではないが、まさか披露宴の司会や友人主催のイベントがそれでよいわけがない。引き受けたら引き受けたで、プロの司会者である以上は、ギャラの有無には関わらず、事前にしっかり段取りを確認し、新郎新婦や親族や来賓の名前を読み間違えないように一字一句確認する。モーニングなりタキシードなり礼服を用意せねばならない。何より当日はどんなに他の重要な仕事が後から入っても、それを断らねばならない。プロの司会者であれば当然だ。だからこそ、軽くは受けられない。が、断れば断るで、あいつは「ケチだ」ということになる。「ケチ」なわけではなく、「プロ」として仕事をしなくてはいけないのか、あくまで「素人」として自由参加でいいのか、その違いだ。○求められているクオリティーは何なのかそういう私もPRの仕事をしていると、いろいろと頼まれ事をすることがある。ちょっとしたイベント開催やら、メディア絡みのお話など。もちろん、受けられるものは受けたいと思うが、求められている「クオリティー」がわからないのが1番お受けしにくい。PRの仕事をしている人だから…というだけの理由で、イベント関連の音響機器やら、受付周りの人員やら、司会者のブッキングやら、集客活動やら何でも「自前」でタダでできるものだと思われていることがよくある。最初から、手作り感いっぱいのレベルで良いと言ってくれれば、自宅にあるような家庭用の機器などを持参する。司会も自分がやる。集客もネットの個人アカウントで呼びかける。集まりが少なければ少ないで「おやおや、思ったよりも集まりが少なかったわ~」で笑って済む話ならばそれでいい。「私人」として手弁当でできることは少なからずある。仮に「プロ」の品質を求められているのであれば、少なくとも自宅の機器を持ち出したり、自分で司会をやったりしない。プロにはプロの仕様がある。ましてや、集客のための告知を中途半端に自分の個人のアドレス帳から行ったりしない。計画的、組織的に再現が可能な施策のみを行う。これは最低限のPRの仕事の基本である。結果として、当日になってモニタが小さいだ、音響が悪いだ、人の集まりが少ないなど、素人のようなミスがあれば、プロとしては大きな失態である。「私、失敗しないしないので」というセリフは、フリーランス医師の大門未知子だけの架空の話ではない。司会者であれPRの仕事であれ「失敗しない」のはプロとしては、当然のことで、失敗したら「クビ」にされても致し方ない世界である。決して個人的な依頼はしてはいけないという話ではない。あくまで個人的な依頼であれば、個人的に可能な範囲での依頼を。プロとして依頼するのであればプロにふさわしい条件と環境での依頼を。小さいことではあるが、とても重要なことでもあるのだ。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2014年11月06日これからハロウィン~クリスマス~年末・新年と多くの忘年会やパーティーなどが催される。その一方で仕事でも年末に向けて忙しさも佳境に入ってくるだろう。社会人にとっても就職活動を行う学生にとっても、会合や商談、それに面接の場などでの「自己紹介」が重要となる。しかし、誰だって相手に少しでも良い印象を持ってもらいたいと思えば思うほど、「自己紹介」では緊張してしまうものだ。今回は「自己紹介」のテクニックというよりも、自己紹介の場でなるべく緊張しないための「考え方」について考えてみたいと思う。○まず、「自己紹介」を大きく4つの切り口に分類してみたい。(1)自分の「能力」について自己紹介する場合(2)自分「性格(キャラクター)」について自己紹介する場合(3)「ありのまま」を自己紹介する場合(4)多少の「背伸び」をして自己紹介する場合この4つの切り口を意識しながら話すだけでも、だいぶ緊張せずに自分(たち)を、しっかりアピールすることができるのではないだろうか。例えば、仕事などでクライアントに対し、自分自身や自分の会社が提供する仕事内容を「自己紹介」する場合を考えてみる。この場合は主に、(1)×(4)となる。ポイントは、自己紹介の全体としては、その他の要素も含まれてくるだろうが、あくまで中心的な要素だけに絞って考えることである。一方、自分が結婚する相手のご両親に初めてお会いして自己紹介する場合を想像してみる。この場合は、(2)×(3)の組み合わせとなる。こういう時は、(3)ではなくて、多少の「背伸び」をしたいものだから、(4)だという人もいるかもしれない。しかし、親戚関係になる結婚相手の両親を相手に、あまり「背伸び」はしない方がよい。悪びれる必要は全くないが、これから始まる長いお付き合いを考えれば、できれば「ありのまま」の方がよい。○プレゼンの際などでは、謙虚になりすぎてはいけない間違ってはいけないのは、例えば、自分や自分の会社の「能力」を少しでも高く評価されねばならない競合他社との「コンペ」でのプレゼンの際などに、妙に謙虚になりすぎてしまい、(3)のありのままを語ってしまうこと。これだけでは、「本当にこの人(会社)で大丈夫だろうか?」と、相手から少し頼りなく思われるかもしれない。また同じような状況で、何を間違えたか、自分や会社や商品の能力(機能)を丁寧に紹介せずに、代わりに自分の「性格」や「キャラクター」ばかりをいくら巧みに売り込んだとしても、逆に「能力や製品や会社の実力に自信がないのだろうか?」と信頼を失う結果になるかもしれない。いずれの場合も、ある程度、「型」を知って身につけておくと、大きな間違いだけはしないですむ。自己紹介の「ストーリー」を組み立てる前に、「一番大切なことは何か?」ということを意識するだけでも十分である。これから長く付き合うことになる新しい職場の上司や同僚の前では、たとえ少したどたどしくても、ヘタな背伸びをせずに、ありのままの自分を自分の言葉で話せばよい。たくさんの競合の中で、自社の魅力を短い時間で紹介するには、インパクトがある「ニュース性」のある自社の話題などを、いわゆる「ツカミ」として入れるなどして、多少は「背伸び」をした紹介をするのも"あり"だろう。大切なのは、今から行う「自己紹介」には、どの「型」がふさわしいのか、事前に落ち着いて「ストーリー」を考えることだ。必ずしも饒舌でロジカルなスピーチが相手から好感を持たれるとも限らないのが、「自己紹介」ならではの、もっとも難しい点でもある。相手が1番知りたいのは、自分の能力なのか、キャラクターなのか? 自分の等身大の素の姿をありのままに伝えるべきか、少し背伸びした立派でがんばり屋の自分を知ってもらうべきか。決して「ウソ」があってはならないが、人には誰でも多面性がある。その多面的な自分のどの「切り口」をクローズアップするべきか。「自己紹介」で緊張しない方法は、事前の分析と準備によるものが多い。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2014年10月30日9月の内閣改造で起用された小渕経済産業大臣と松島法務大臣が10月20日、相次いで辞任した。本コラムを書いている時点では、小渕氏の政治資金、松島氏のいわゆる「うちわ」に関する公職選挙法との関連のいずれも最終的な決着はついていない。すでに多くのニュースやコラムが掲載されていることもあり、今回は「キャリア」という切り口で、私が感じたことを書かせていただく。○重大な責任にある人が気を付けるべきポイントまず、小渕氏の件で私が最初に感じたのは、「責任の取り方」についてだ。今回のケースも含め、不祥事により自ら責任を取らざるを得ないことは閣僚として望ましいことではない。これは言うまでもない。しかし現実には、閣僚に限らず一般のビジネスパーソンであっても、故意の有無には関わらず自ら責任を取らねばならない状況に陥ることがある。自らが事業を経営していたり、企業や組織内でのポジションが高くなるに連れて、この責任は重くなる。社会的に重要なポジションにある者が、自らの進退に関わるような重大な責任をとらねばならない窮地に陥った時、気をつけるべきポイントが3つあると思う。・「地位に恋々としている」と周囲に思われてはいけない。・他人に「責任をなすりつけている」と思われてはいけない。・「実は反省していない」と思われてはいけない。今回の件で小渕氏自身がどこまで関与していたのか、あるいは管理責任のみだったのかは現時点ではまだ分からないが、上記の3つのポイントについて、どのように思っただろうか。辞任をしたからといって自らの責任の全てが許されるわけではないことは当然だが、本件での辞任の決断は、私が想像していたよりも早く、そのことが印象に残った。○「付け込まれる」隙をつくってはいけない一方、松島氏の件で私が感じたのは地位のある者は「付け込まれてはいけない」という視点だ。法務大臣というのは日本の司法行政のトップである。法律に違反し罪を犯した者を、法律に基づいた裁判の結果、死刑に処する場合、死刑執行命令を発する権限と義務を持つ。国を当事者とする訴訟においては、法務大臣が国の代表となる。また、非常に稀ではあるが、個々の事件の取調べや処分において、検事総長に対して指揮権を発動するという絶大な権力を持つ重職でもある。従って他の大臣ポスト以上に法令順守という点では潔癖でなくてはならない。なぜならば自らの法令順守の姿勢に少しでも疑わしき事実があれば、その一点をもって他人から「付け込まれる」可能性があるからだ。他人から「付け込まれる」可能性がある者が国家権力を握っている状態というのは、社会的なリスクが非常に高いといえる。かつてアメリカにおいて、現職の大統領がホワイトハウス内で女性と「不適切な関係」を持ったと告白したスキャンダルがあった。大統領が引き起こしたスキャンダル自体が望ましいことでないのは当然だが、アメリカ国民に対して説明責任を果たすことで、国家にとって望ましくない勢力や個人によって大統領が「付け込まれる」隙を排除したという面もあると考える。「付け込まれる」ことのリスクというのは、普段我々が日常生活を送る上では、あまり意識をしないことだが、大統領や現職大臣に限らず、社会的な地位が高い人であればあるほど、より強く意識するべきである。たかが「うちわ」だが、されど「うちわ」だ。この「うちわ」の一件を国民が知る前に、良からぬ人物や勢力や国家が先に知り得てしまった場合にどのよなリスクがあるかと考えてみれば、大臣職の辞任もしくは、全ての事実を明らかにした上で、国民の審判を仰ぐことは不可避だったと思う。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2014年10月23日「私、失敗しないので」「いたしません」等の決め台詞で知られる米倉涼子主演のテレビ朝日系ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の第3弾が10月9日にスタートし、初回視聴率が21.3%と今回も好調だ。○何が合理的なのか?神業ともいえる高度な手術技術を持つフリーランスの女性外科医が、大学病院の権威ある医師らによる院内のカネや権力闘争にまみれた組織にメスを入れる。登場人物たちのキャラクターの強さ。「私、失敗しないので」「いたしません」「御意!」といった繰り返し使われる独特の台詞。そして、胸のすくような勧善懲悪の展開…好視聴率を獲得するドラマは必ずこのようないくつかの特徴を持つ。中でも私が気になったのが、「胸のすくような」というドラマをみた後の爽快感である。企業や組織の中で日々働く者たちは、TBSの大ヒットドラマ「半沢直樹」とも違った「ドクターX」の視聴後の爽快感に酔いしれるのではないだろうか。もっとも「ドクターX」「半沢直樹」も、それぞれ「病院」「銀行」といった、私達に馴染みはあるがその内部の確執などはあまり表面には出てこない閉ざされた世界を描いている点では共通している。半沢直樹はそうした「銀行」というドロドロした世界の「中の人」として、時に屈辱を受け、耐え忍びながら、最後まで立ち振る舞い闘い続ける。一方、「ドクターX」の大門未知子は、「医師免許を必要としない雑務は一切しない」というアウトサイダーとしての立場で、組織や組織に阿る者たちに対して、終始一貫、立ち向かう。日頃、ビジネスマンは組織の中にいる。誰もが多かれ少なかれ人間関係や組織のしがらみに気を使う。そして、半沢直樹のように我慢や苦しい思いをすることが少なからずある。その「痛み」に視聴者は共感を覚えるのだろう。高度な医療技術を持ちながらも、フリーランスとして「一匹狼」を貫くアウトサイダーの大門未知子にとって、そもそも組織のしがらみや権力闘争は関係ない。「私、失敗しないので」「いたしません」といった、組織内にいては(仮にどんなに言いたくても)決して言えない一言が言い切れてしまう。この一言が言いたくても言えないのが組織の「中の人」にとっては、この歯切れの良さに、ある種の「憧れ」を感じるのではないだろうか。実際に銀行や病院の内部がドラマで描かれるようなドロドロした世界なのか、私には分からないが、組織の「中の人」である半沢直樹と、「外の人」である大門未知子との、視聴後の爽快感の質の違いは、きっとこのような理由からではないだろうか?<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2014年10月16日就職活動を行っている学生や転職活動中の若い世代の方に「一般常識や時事問題については、どの程度、準備しておけば良いのですか?」と尋ねられることがある。それだけ、一般常識や時事問題いうのはアタマの痛い問題なのかもしれない。○何が合理的なのか?一般常識テストやSPI試験の結果が選考の材料にされることも多いので、勉強しないわけにはいかないが、「就職活動を有利に導くため」という目的だけであれば、「日々ニュースをチェックする」「毎日、新聞を隅から隅までよく読む」という習慣を課して生活することは非効率かもしれない。就職活動のために必要なビジネスパーソンとして押さえておくべき情報と、必ずしもそうでない情報とが混在しているからだ。普通に講座を受けるなり問題集や参考書で勉強するなりしたほうが、よほど合理的だと思う。とはいえ、自分が希望する業種のトレンドや業界動向などについては常にアンテナを張っておく必要がある。それこそ、その業種に関するニュースをチェックしたり、ブームを把握したり、今後の展開を自ら考えたりするなど「先読み」する習慣が必要となる。面接の担当者はその業界で実際に仕事をしている人なので、付け焼刃の知識では一瞬で見透かされてしまう。ある程度早い段階から継続して情報収集し「業界に注目」する必要がある。○「お客様」目線だけではいけないとはいえ、所詮はその業界に直接関わっているわけではないので、現場で働いている社員には知識と経験でかなうはずがない。従って「どれだけ知っているか」という知識ではなく、「どれだけ興味をもってその業種を注目しているか」という切り口とモチベーションが、時事問題、一般常識を学ぶ上で必要になる。「今、自分はここでどう働きたいか」という意思が何より大切だ。あるテーマパークへの就職を志望した学生が、「自分はこのテーマパークが大好きだ」、という切り口で、このテーマパークに関する時事ネタや一般常識に関する豊富な知識のアピールを熱烈に行った結果、「ありがとうございます。今後共よろしくお願いします。」と言われ、落とされてしまったという話を先日聞いた。会社の採用する立場から見たら、その学生は「お客様」だったのだろう。もちろん「お客様目線」は重要だが、あくまでも「売る側」を会社は必要としている。「その業界で仕事をしよう」としているのであって、「その業界のお客さんになろう」としてはいけないということだ。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2014年10月09日フジテレビのドラマ『ファーストクラス』の続編が10月15日からスタートする。"マウンティング"=女同士の"格付け地獄"という煽り文句…怖い怖い。ところで、もともとの"マウンティング"の意味は哺乳類の雄などのオスが交尾のときにとる背乗りする行為のこと。その行為から転じて、日常生活において「自分の立場が相手よりも上と示す態度」として使われることになった。ドラマでは主演の沢尻エリカをめぐり女性同士のマウンティングが繰り返されるが、男性の方はどうだろうか?○男性同士にこそ、格付けは存在してきたもちろん男性同士にも「格付け」は存在する。むしろ、「歴史=男たちの格付けの歴史」と言っても過言ではない。(決して女性を差別する意図ではなく、過去の歴史においては男性が中心だったという意味で)例えば、戦国時代。農民の出身ながら織田信長に仕え、才覚を現し、みるみるうちに天下人になった豊臣秀吉だが、織田家譜代の家臣らの視点からみればどれだけ「マウンティング」された感があったことか。いままで「サル」と呼び捨てにしていた秀吉にひれ伏せざるを得なかった柴田勝家などは、後に秀吉と賤ヶ岳の戦いで争い滅びる。一方、徳川家康は、後に関ヶ原の合戦を経て、大阪冬の陣、夏の陣で意趣返しし豊臣家を滅亡させて江戸幕府を開く。日本史に限らず、世界史においても、歴史というのは格付け地獄の繰り返しだったのだとつくづく思う。ところで「格付け」というのは、どのような状況下で起こるのだろうか?例えば、私と男性アイドル歌手の間では、当たり前だが、「格付け」は発生しない。基本は同じ時代、同じ世界(特に狭い世界)、そして高いプライド。この3つの要素が最低限、そろわないと発生しない。私と男性アイドル歌手は、同じ時代、そして高いプライドが仮に共通したとしても、「同じ世界」でない。一方、狭い世界であれば、多少、時代が異なっても、格付けが生じることもある。例えば日本の相撲界。有名なのは、先代の大関・貴乃花を千代の富士が名勝負の結果、破ったことで新たな時代が始まった。そして、その千代の富士を、貴乃花の次男の貴乃花(光司)が再び名勝負で破ることで、さらに次の新しい時代へと変わっていった。「相撲界」という狭い世界の中での「世代交代」に「格付け」はつきものである。時に「金銭」を媒介した形での「格付け」もある。例えばプロ野球選手。何億円も年俸を稼いでいる選手たちの年俸からしてみれば、大した額ではないとも思われるような50万円程度の額にこだわり、年俸交渉が決裂することも多々ある。当の選手にとってはどうしても譲れない額なのだろう。年俸100,000,000円(1億円)の選手と、年俸100,500,000(1億50万円)の選手では、選手としての成績、獲得タイトル、ファンからの人気に関わらず、たとえ50万円であっても前者の選手の方が球界の中では「格が上」となる。もっとも1年後には逆転するかもしれないが、その1年に命をかけるのが「プロ」が「プロ」たるゆえんでもある。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2014年10月02日「あきらめかけた頃に久々の同窓会の通知が届いたような気持ち」。実に11年ぶりにモンスターたちの世界への帰還となった、石塚英彦(ホンジャマカ)はそんな風に表現し、久しぶりにコンビを組むことになった田中裕二(爆笑問題)も、我が意を得たりとばかりにその言葉に頷く。ディズニー/ピクサーの名作『モンスターズ・インク』の前日譚となる『モンスターズ・ユニバーシティ』がついに公開!前作に続いて日本語吹替え版のボイスキャストを担当した石塚さんと田中さんが、サリーとマイクになりきって(?)登場してくれた。前作では、モンスター界のエネルギー源となる子どもたちの“悲鳴”を集める会社「モンスターズ・インク」の最強の怖がらせ屋コンビである2人の活躍が描かれたが、本作で描くのはこの2人の出会い。いかにして2人は黄金タッグを組むに至ったのか?怖がらせ屋を養成するエリート機関である“モンスターズ・ユニバーシティ”での青春が綴られる。石塚さんが本作の製作を知ったのは、制作・配給関係者からでも事務所からでもなく、「田中くんから聞いた(笑)」。ちなみに、田中さんのニュースソースも仕事の関係者ではなく、インターネットのニュースだったとか…。当初、石塚さんは、前作の純粋な続編としてマイクとサリーの“その後”が描かれるものだと思っていたという。「そうなんです。前作で子どもたちの“悲鳴”ではなく“笑い”をエネルギーにするというところが描かれたので、今回はいよいよ本格的に笑わせに入るのかと(笑)。これは『ホンジャマカ』と『爆笑問題』としても黙って見過ごすわけにはいかないぞ。ホントに面白くないとエネルギーが集まらないからシャレにならないなって思ってたんです(笑)」。「夢」というのは本作の大きなテーマの一つ。小さな頃から怖がらせ屋になるという夢を持ち続けてきたマイクは、大学でも誰よりも勉強と努力を積み重ねるが、体が小さくて見た目が可愛らしいという、怖がらせ屋になるには致命的な欠点を抱えている。理想と現実。自分がなりたいものと、自分に適していることの違い。マイクもサリーも自分、そして夢と向き合いながら、答えや自らの進むべき道を探していく。現在、芸能界で確固たるキャラクターと地位を確立している石塚さんと田中さんだが、2人にも若い頃に、なりたい自分と現実のギャップや挫折を味わったことや、壁にぶつかることで、逆にこれまで知らなかった新たな自分の個性や強みを発見した経験はあるのだろうか?石塚さんは「僕はね、そもそも最初から全てがスムーズに行くなんて思ってないんだ」と語り、柔和な笑みを浮かべつつこう続ける。「この世界(=芸能界)、どこがゴールなのかって分からないんですよ。僕が最初に考えていたのは、映画の主役をやりたいってこと。バラエティに出たり、食レポ(グルメ・レポーター)をやりながらも、少しずつ芝居のお仕事ももらって、いつになるか分からないけど死ぬまでにできたらいいな、という思いでいまだに『映画の主役をやる』という夢を追い続けてるんです。そういう意味で僕自身は挫折を感じたことはないし、別の仕事に関しても通過点であり勉強だと思ってるから、『オレはこれがやりたいわけじゃないのに』とも思ったことはないんです」。田中さんは野球選手にアナウンサーなど、叶わなかった夢を列挙し「挫折の連続だった」と明かしつつも、「叶わなかったことに対して全く悲観していない」と付け加える。「マイクと同じでクラスで一番小さいから、野球選手になりたいって言っても『そんな奴になれるわけない』って言われちゃう。おまけに中学に行ったら肝心の野球部がない(笑)!次にアナウンサーになりたいって思って放送部に入って、日本大学の放送学科に進もうとするんだけど落ちちゃって演劇学科しか受かんなかったの(苦笑)。アナウンサーも無理かなと思ったら、そこで出会ったのが太田(光)で、そこでまたいろいろ予期せぬことがあって大学も中退したりしつつ、コンビ組んでお笑いを目指すことになったんです」。最初に思い描いていたものとは違う道筋かもしれない。だが予期せぬ形でかつての夢が実現することも…。「そう。なりたかったアナウンサーにはなれなかったけど、いろんな番組で司会をやったりラジオをやらせてもらえたり。こうやって声の仕事までさせてもらえてる。野球選手は無理だったけど、スポーツ番組を通していろんなアスリートや指導者の方に貴重なお話を伺えたりもしている。予定とは違うけど、でも石塚さんが言ったように『ここが終わり』という地点がないからね。今後、どうするかも決めてないし、予想がつかない。(石塚さんを指して)この人なんて、アイドルの後ろでバックダンサーとして踊ったりしてたんだから(笑)!」。2人に共通しているのは「楽天的なところ」(田中さん)。そして、自分や環境が変わっていくことを怖れないことも、新たな道を切り拓く上での大きな強みとなっている。「最近、2人で話しててよくテーマになるんだけど、1個の夢に限定することはないんだよね。ずっと『ナポリタンが食べたい』って思ってたけど、実は煮込みの方が美味しかったってこともあるじゃん」(石塚さん)。「そうそう『ナポリタン一つ!えっ?ない?マジかよ…じゃあ煮込み』って言って、食べてみたらムチャクチャうまかったり(笑)。夢なんて叶う方が珍しいんだし、その過程で別の夢も生まれてくるものだからね」(田中さん)。「それでも――」と石塚さんが笑みを浮かべつつも真剣なまなざしで付け加えたのが、「踏み出すこと」の大切さ。「いま持ってる夢に向かって踏み出さないと何も始まらない。僕もただ『映画に出たい』って言ってるだけじゃしょうがないから勇気を振り絞って、20歳のときに大学を休学した。そこで振り絞った先が『劇団ひまわり』だったんですが(笑)。この映画を観た子どもたちにも『なれっこない』なんて思ってほしくないですね。親の立場からしたら心配で『公務員になってほしい』って思うものかもしれないけど…(笑)」。最後に“相方”の存在について。サリーにとってマイクがかけがえのない相棒であるように、石塚さんには恵俊彰さん、田中さんには太田さんという、切っても切れないパートナーがいるが、夢を追いかける上で相方ってどういう存在なのだろうか?「僕は何も考えないタイプなので…」と切り出したのは田中さん。「コンビを組むということも、そもそもお笑いをやるってことも相方が誘ってくれたからこそのもの。あいつがいなかったら僕の人生、何も起こってなかった。本当にさっき言ったように、昔から夢見ていたことがいろいろと叶ってるけど、相方がそういう風にしてくれたようなもので感謝してますね」。一方、石塚さんは「うちの相方はまさにマイク」と頷く。「『ライブをやろう』って言い出すのも恵だし、日程を決めたり『この劇場だとお笑い色が強いから、こっちの役者さんが使う劇場を借りよう』とかプランを立てるのもあいつなんです。攻め方や細かいことを積み上げていってくれるから、まさに映画の中のマイクそのものですね」。これぞベストキャスティング。前作から10年以上を経て、改めてそう感じる。(text:cinemacafe.net)■関連作品:モンスターズ・ユニバーシティ 2013年7月6日より全国にて公開(C) Disney/Pixar.All Rights Reserves.
2013年07月10日