新潟大学は8月20日、若年性認知症の原因疾患である「HDLS」の診断基準案を策定したと発表した。同成果は同大学脳研究所神経内科の今野卓哉 医師、西澤正豊 教授、同遺伝子機能解析学分野の池内健 教授らの研究グループと厚生労働省の共同研究によるもので、第56回日本神経学会学術大会で発表した。HDLSは65歳未満で発症する認知症である若年性認知症の原因疾患の1つで、大脳白質が病変の主座となる。HDLSを診断するためには、病理組織学的な検索が必要とされ、診断が困難だった。2012年に原因遺伝子が発見されてからは遺伝子解析による診断が可能となったが、大脳白質が侵される白質脳症の原因疾患は多岐におよび、実地臨床における鑑別診断はなおも難しい現状がある。そのため、数ある白質脳症の中からHDLSの可能性を見出し、効率よく遺伝子診断につなげるためには、HDLSの臨床的特徴を反映した臨床診断基準が必要となる。今回、研究班でこれまでに解析した変位陽性22家系24症例と、文献検索によって得られた変位陽性50家系77症例の臨床像を解析し、HDLSの臨床像と画像所見の特徴を系統的に抽出した。その結果、発症年齢は43±7歳、死亡年齢は52±9歳、死亡までの罹患期間は5±3年と、比較的若年発症で進行が速く、初発症状は認知機能障害が最も多く、次いで精神症状、運動症状の頻度が高いことがわかった。また、頭部画像では白質病変のパターンや脳梁の菲薄化、脳内石灰化病変などの特徴が見られ、これらの特徴に基づき、definite、probable、possibleの判定基準を持つ、臨床診断基準案を作成した。同案を用いると、変位陽性例を95%以上の感度でpossible以上と診断でき、ほかの白質脳症との鑑別においては、解析に用いた変位陰性白質脳症53症例のうち42%を鑑別することができたことなどから、同案はHDLSの臨床診断に十分寄与しうると考えられるという。
2015年08月21日●病気150種の発症リスクと130体質項目を調べることができる当サイトの読者の中でも、遺伝子検査に興味があるという方は多いのではないだろうか。近年、遺伝子検査にかかる費用が下がり、検査時間も短くなったことで、遺伝子検査をサービスとして提供する事業者が増えており、病気のかかりやすさや体質などの遺伝情報を知ることができるため、病気の予防や効果的なダイエットにつながるとして人気が広がっている。DeNAが提供している遺伝子検査サービス「MYCODE」では、唾液を採取して送付するだけで、最大150種類の病気の発症リスクと130の体質項目を調べ、結果をウェブ上で確認することができる。今回、3種類ある検査コースのうち、最も多くの項目を調べることができる「ヘルスケア」を体験してみたので、その内容と検査の結果をご紹介する。○さあ、遺伝子を採取しよう!こちらがMYCODE「ヘルスケア」のキットである。早速唾液の採取に入る。ちなみに、検査前30分は水以外口にしてはいけない。ここで使用するのがキットに付属してくるレモンの写真だ。人は酸っぱいものを見ると唾液が出やすくなるため、眺めながら唾液を貯めることで採取がスムーズに行くようにというDeNAの配慮である。ただ、筆者の場合体質に合わなかったのか、さほど効果を得られなかったため、ほかの酸っぱそうなものも試してみたところ、冷蔵庫にあった梅干しの香りが一番効果があった。唾液を容器の線まで貯めたら、キャップをして振る。容器内の唾液が青色に変わったことを確認し、指定の封筒に入れて返送すれば、遺伝子の採取が完了したことになる。○結果の見方送付したサンプルに問題がなければおよそ2週間後、件名が「【MYCODE】検査が完了しました」というメールを受信する。マイページにログインして結果を見てみると、ずらーっとさまざまな病名がリストアップされている。各疾患には、日本人平均と比較した時の発症リスクを示す「日本人平均との比較」、公的機関・学会が調査した当該疾患の患者数を示す「患者数」、結果の根拠となる論文を4つの観点から評価した「論文評価レベル」という指標が設定されている。したがって、「日本人平均との比較」で数値が1を超えていれば日本人の平均より発症リスクが高く、逆に1未満であれば発症リスクが低いということを意味する。「論文評価レベル」は3段階あり、レベルが高いほどその結果の信頼性も高いということになる。なお、「患者数」に関してはデータがない場合もある。●発症リスク2位は1型糖尿病 - 1位は脳の血管に関わる疾患○発症リスクトップ5を発表! - 1位はなんと4.03倍さて、ここからは「MYCODE」によって判明した、筆者の疾患発症リスクを発表しよう。全150項目もあるので、ここではリスクの高い順にトップ5をランキング形式でご紹介する。第1位: もやもや病発症リスク: 4.03倍論文評価レベル:3全体を100人とした時、同じ遺伝子型の人数: 100人中13人2位に大差を付けて見事(?)1位になったのは「もやもや病」。「もやもや病」は脳の動脈が何らかの原因で細くなったり詰まったりする疾患で、太い動脈の閉塞を補って血流量を保つために拡張した細い血管の血管網が、煙がもやもやしているように見えることが病名の由来となっている。第2位: 1型糖尿病 末期腎不全発症リスク: 2.62倍論文評価レベル:2全体を100人とした時、同じ遺伝子型の人数: 100人中1人「1型糖尿病」は血液中のリンパ球が、インスリンを作るすい臓のランゲルハンス島にあるβ細胞を攻撃して炎症を起こし、すい臓自らインスリンを分泌できなくなることで発症する自己免疫疾患。第3位: 脳血管性認知症発症リスク: 2.33倍論文評価レベル:2全体を100人とした時、同じ遺伝子型の人数: 100人中13人「もやもや病」と同じ脳血管の疾患が3位に。「脳血管性認知症」は脳梗塞をはじめ脳血管障害によって発症する。記憶、言語、ものごとの認知などに関係する海馬や大脳皮質の神経細胞が脳血管障害により死んでしまうことが原因とされている。根本的な治療はなく、脳血管障害の進行を防ぎながら、症状を抑える治療を実施する。第4位: 心房細動発症リスク: 2.17倍論文評価レベル:3全体を100人とした時、同じ遺伝子型の人数: 100人中9人ここまでが2倍超え。「心房細動」は高齢者に多く見られる疾患で、心臓のリズムを調節する電気信号が何らかの原因で乱れて心臓本来の動きができなくなり発生する不整脈の一種。第5位: 胃がん(噴門部胃がん)発症リスク: 1.98倍論文評価レベル:3全体を100人とした時、同じ遺伝子型の人数: 100人中4人胃の入口にあたる部分(噴門部)にできるがんの一種で、食道胃接合部腺がんとも呼ばれる。噴門部がんはあまり多くはなく、胃がん全体の1~2割程度といわれている。また、胃酸の逆流が発症に関係している可能性がある。○遺伝子検査で疾患の発症リスクを知ることのメリット今回の結果は個人的にかなり意外だった。というのも、筆者はがん家系なので、何かしらのがんが1位にくると予想していたのだ。また、1位に「もやもや病」、3位に「脳血管性認知症」と、脳血管の疾患が上位に入ったことに遺伝子の力を感じた。一方、トップ5には入らなかったが、8位に胃がん(1.62倍)、10位に前立腺がん(1.49倍)が入っていたのでがんに注意しなくてもいいというわけではない。そもそもがんは、日本人の死亡理由1位に長らく君臨しているわけで、この場合「(がんの中では)自分は胃がんのリスクが高いんだな」と認識できたことに価値があるのだ。「脳の血管が弱い」「がんでは胃がんに特に気をつけよう」などは、「MYCODE」を受けて初めて気づいたことだ。唾液を採取するだけというシンプルな作業で、思いもよらなかった疾患への注意が喚起され、結果を生活改善の指針として病気の予防に活用できる点は、遺伝子検査の大きなメリットといえるだろう。●生活改善につなげるための具体的なアドバイスも○アドバイスを見る前にぜひアンケートに回答を遺伝子検査のメリットは、結果を病気の予防に活かせる点だと前頁で述べた。しかし、どのように生活習慣を改善すればよいのか、より具体的に知りたいところだ。MYCODEでは、「運動・生活」「栄養素」「食品・食料」という3つの観点から、検査結果に応じた、生活習慣改善へのアドバイスが提供される。筆者の場合であれば、喫煙が10個の疾患に関わっている(実際、吸っている)。当然、禁煙をしたほうが健康的にはベターなわけだが、そう簡単に禁煙できるものではない。これに対し「コーヒーを控えて紅茶やお茶にする」「熱いお茶や冷たい水を飲む」「禁煙開始から2週間は外での飲酒は控える」など、吸いたい気持ちを抑えるための具体的なメソッドが示される。また、禁煙に準備するための心得や、開始後の禁煙日記の付け方なども提示されるほか、禁煙に関するエピソードを持つ著名人のインタビューを読むことも可能だ。また、生活習慣に関するアンケートに答えておくと、生活改善アドバイスが自分の生活習慣を踏まえたものになるので、より効果的なアドバイスを得るためにアンケートに答えることをおすすめする。このほか、検査結果のページから「発症を予防するもの・促進するもの」をクリックすると、主だった疾患の発症予防や発症促進に関係する要因が色分けされたリストを見ることができるので、そちらも参考にしよう。○麦芽の香りが感じにくい体質だったとは…冒頭でご紹介したように、「MYCODE」では疾患の発症リスクのほかに遺伝的な体質についても知ることができる。尿酸値、骨密度からそばかすのできやすさまで、その内容は多岐にわたるので疾患の発症リスクとともに生活改善に役立てることができる。一方、中にはやけにピンポイントな項目もある。以下では全130の体質項目中から筆者が「こんなこともわかるの?」と驚いた項目をピックアップしてご紹介する。・麦芽の香りを感じとる能力ビールの原料である麦芽の芳しい香りは、麦芽を焙煎したり麦汁を発酵させたりする過程で化学反応が起こり、60種類もの成分が混じり合うことで生み出されているという。この香りを感じ取る能力は、実は遺伝的素因によって、ある程度左右されているのだそうだ。筆者は「麦芽の香りを感じにくいタイプ」と判定され、ほぼ毎日晩酌を楽しんでいる身としては少々ショッキングな結果に…・アスパラガスの代謝産物の臭いを感じ取る能力「アスパラガスを食べると尿が臭う」といわれることがあるが、これは、体内でアスパラガスの成分が消化酵素に分解されるときにできる化学物質メタンチオールが尿中に排出され、臭いを発するためと考えられてる。臭いの元となる成分を尿に排出する能力は、遺伝的に一部の人にしかないと考えられていた。しかし、実際には「一部の人の尿が臭う」のではなく、「一部の人が尿の臭いを嗅ぎ分けることができる」という嗅覚の問題であり、遺伝的な要因によって左右されることが近年明らかになってきた。・頸動脈の血管壁の厚さ頸動脈は心臓につながった大動脈から脳へと血液を送る血管で、気管の両脇を走っている。血管は内膜、中膜、外膜の3層構造になっているが、内膜と外膜を合わせて1.1mm以上だと動脈硬化と診断される。頸動脈の硬化は全身の動脈硬化を反映しているといわれており、動脈硬化になると、脳梗塞や心筋梗塞、大動脈瘤などを引き起こすリスクが高まる。動脈硬化は遺伝的要因も関係しているとされる。・苦味(PROP)の感じやすさ苦味の指標となる「プロピルチオウラシル(PROP)」と呼ばれる物質の感じやすさも、遺伝的な要因の影響を受けるとされており、PROPを感じるタンパク質に関わる遺伝子が苦味の感受性を決めていることが判明している。苦味の感じ方は食生活や健康にも影響することが分かってきている。・乳歯から永久歯への生え変わりの早さ永久歯は6歳頃から徐々に出てきて、初めに乳歯の奥に出てくる第一大臼歯や、中切歯と呼ばれる中央の前歯から生え変わり、12~13歳くらいにかけて28本の永久歯がそろう。一方、第3大臼歯(親知らず)だけは出てくる時期が異なり、通常18~24歳頃に生えてくる。乳歯から永久歯への生え変わりの時期は、遺伝子の影響を受けることが知られている。ちなみに、日本人では約94%の人が「乳歯から永久歯への生え変わりがやや早いタイプ」で、「乳歯から永久歯への生え変わりが遅いタイプ」は0.1%しかいない。○受けるだけでは意味が無い以上が遺伝子検査「MYCODE」の大まかな内容だ。初めての遺伝子検査だったので、検査結果を見るときは若干ドキドキしたが、前述したように自分が今まで知らなかった病気の発症リスクを知ることができて良かったと素直に感じる。ただ、注意しなくてはならないのは、例えば「もやもや病」が平均より4.03倍発症しやすくても、それが必ず発症するわけではないということ。なので、仮に何か重大な疾患の発症リスクが高いと判定されても気落ちせずに、「だったらどうすれば発症する確率を低くできるのか」という思考に切り替えないと、せっかく遺伝子を調べてもその意義が半減してしまう。もちろん、普段の食生活や住環境など、環境要因も病気には大きく関わることも忘れてはならない。自分でさえ知らなかった部分を明らかにしてくれる「MYCODE」は、受けることに意味があるのではなく、検査結果を見て何かを変えるきっかけとし、生活改善の方針を決めるのに役立てることが重要なのだ。
2015年08月05日明日香出版社はこのほど、書籍『「脳が若い人」と「脳が老ける人」の習慣』を発売した。同書の著者は、早稲田大学研究戦略センター教授で、脳の神経ネットワーク解析や行動解析を研究している枝川義邦氏。人間は年を取るとともに肉体が老いていくが、毎日運動を欠かさない人は、筋肉が落ちづらい傾向にある。それと同じように、「脳」にも衰えさせない行動があるという。書籍内では、「脳が若い人」になるために脳の働きをよくする習慣や、「脳が老ける人」にならないように脳を守るための習慣、うまくストレスをコントロールする習慣など、さまざまなメソッドを紹介。若い脳を保つため、生活の中で「やったほうがいい習慣」と「やらない方がいい習慣」を対比し45項目でまとめている。それぞれの項目は、仕事の現場や日常生活の中で取り組みやすいものになっているとのこと。価格は1,404円(税込)。
2015年08月04日情報通信研究機構(NICT)は7月28日、安静時の脳活動の脳画像データに対して脳内を活動の類似性で色分け(モジュール化)することで、統合失調症患者群と健常者群それぞれに特徴的な脳部位モジュールを推定する安定的な手法を開発したと発表した。同成果は、NICT脳情報通信融合研究センター(CiNet)の下川哲也 主任研究員と大阪大学大学院連合小児発達学研究科の橋本亮太 准教授らによるもの。詳細は「第38回日本神経科学大会」にて発表された。統合失調症は約100人に1人が発症する精神障害で、診断は医者が症状を診ることでなされ、客観的な検査などで判断する方法は確立していなかった。今回の研究では、統合失調症のデータ解析に向け、ネットワーク理論におけるモジュールに着目。従来、個人のモジュール構造のバラつきが大きいことから、集団を特徴付けるモジュール構造を推定することができなかったが、研究グループでは、統合失調症患者の安静時脳活動のfMRI(機能的磁気共鳴画像)データに対して、被験者間の差を考慮しつつ、従前の各個人でモジュール分け(色分け)する方法ではなく、新しい試みとして、平均化せずに、全員を一度に色分けすることで、モジュール解析する手法を新たに開発することで、結果のバラつきが少なく、安定的に、統合失調症患者群と健常者群それぞれに特徴的な脳部位モジュールを推定することを可能とした。今回の成果について研究グループでは、患者の主観的意見に左右されない、脳画像のデータに基づく客観的な診断法につながり、精神医学領域において注目される成果だとするほか、同手法を活用することで今後、医療の現場で実際に使えるような、医者の診断を補完する自動診断システムの開発に発展することが期待されると説明している。
2015年07月28日脳を育てることと、心を育てることは、なんとなく別のことに思えるかもしれませんが、「心=脳」ということが最近の研究の結果、明らかになっています。以前は、児童虐待の残す傷あとは、「心の問題」であると考えられていましたが、最近の脳科学の研究では子どものときに虐待を受けると、脳の一部に発達障害を起こす出典:日経サイエンス2006年12月号臨時増刊「インタビュー 熊本大学大学院医学薬学研究部小児発達社会学助教授 友田明美 子どもは親を選べない 脳科学は子どもの心を救えるか」ということがわかっているのです。近年話題になっている、突然感情を爆発させて暴力的になる「キレる子ども」になるかどうかも、脳の発達に関係があるそうです。脳の発達の基礎は、幼児期の親子関係の中で作られていきます。そこで今回は、脳科学で明らかにされてきた子どもの脳について紹介します。「キレない」ために大切なのは、脳の前頭前野言葉を覚え、計算し、人の気持ちを感じ取るときに重要な働きをしたり、「キレる」ことのブレーキ役となったりするのは、大脳の前頭前野です。前頭前野は脳の部位の中でも、もっともゆっくりと成長していきます。脳のおおよそは8~10歳くらいでほぼ完成を迎えますが、前頭前野だけは24~25歳くらいまで成長を続けるそうです。つまり、脳の構成がかたまる8~10歳までに脳の基礎を育てておく必要はありますが、大脳の発達は絶えず続き、足りないものがあれば補おうと変容したり、新たな刺激や発想があればいくらでも変わることができたりする柔軟性を持っています。つまり、8~10歳の時期を逃したら手遅れ、ということではありません。このことはしっかり覚えておいてください。「遊ぶことは学ぶこと」なのは、前頭前野の連携を鍛えるため前頭前野は知性を司る領域体を司る領域情動(感情)を司る領域の3つの領域に分かれています。そのうち、知性を司る領域は、体や情動を司る領域とうまく連携できて初めて、十分な発達をとげるのだそうです。脳科学者の篠原菊紀教授によると、ひと昔前は、子ども同士の遊びの中でこの結びつきが鍛えられていた出典:AERA with kids 2006年12月15日 「脳科学 発達行動学から見た早咲き脳 後のび脳」ということです。さらに、「今、ADHD(注意欠陥・多動性症候群)傾向や自閉傾向、LD(学習障害)といった子どもの増加が問題になっていますが、以前は子ども同士の遊びが、そうした障害の出現を抑制していたのではないか」と指摘しています。「子どもにとって、遊ぶことは学ぶこと」と、よく言われますが、先の指摘によるとこの言葉は理にかなっており、外で大騒ぎしながら遊ぶことは、子どもの脳が健やかに発達するために大切なことといえるでしょう。キレにくい子に育てるには、扁桃体の暴走をコントロールさせること前頭前野のある大脳の活動を支えるのは、脳全体の中心辺りに位置する大脳辺縁系です。記憶を司る海馬のほか、扁桃体(へんとうたい)があります。扁桃体は、生き物として「近づくべきか」「これは食べられるか」といった、危険性の判断や恐怖にかかわる部分です。幼児期に虐待されたり、愛情を与えられなかったりすると、この部分が育ち損なう可能性があるといわれています。扁桃体では、「好き」「嫌い」という感情も決めています。ここで判断された「嫌い」という感情が攻撃欲と結びつくと、扁桃体が暴走し、いじめや衝動的な攻撃が生じるのです。扁桃体を暴走させないためには、そのボリュームを増やしてしっかり攻撃欲をコントロールさせることが必要です。そして結果としてこれが、キレない脳、社会性を育てることにつながります。扁桃体は、幼児期に身近な人の笑顔、愛情表現を与えることで成長が促されることもわかっています。自分を育ててくれる親を見て「好き」になり、その好きな親が笑顔で自分を見ている、という経験は、お互いに「好き」という気持ちを共感することです。この体験が他人との信頼関係を築いていく原点となるのです。幼児期のやりたい気持ちを尊重することが脳の健やかな発達につながる子どものうちは、前頭前野が大人のようには完成していないので、大人よりも一時的な「好き嫌い」で物事を判断します。物事の重要性や優先順位を判断したり、本能的な欲望に理性的にブレーキをかけたりするのは前頭前野の活動です。子どもが「やってみたい」と思うことには、危なかったり汚かったり、眉をひそめたくなることもあるかもしれません。ですが、「やってみたい」気持ちをくじけさせてしまうと、せっかく芽生えた意欲をつぶしてしまいます。ルールに従い、我慢する、他人の意図や感情を理解するのは、ゆっくり時間がかかるもの。幼児期に大切なのは、しつけの前に、「やってみたい」意欲を出来る限り尊重し、挑戦させてあげることではないでしょうか。
2015年07月28日長さ16センチ、幅13センチ、高さ13センチ。重さは1.3キロでやわらかく、豆腐のような質感。これがなんだかわかりますか?答えは、私たちの脳。今回は、意外と知らない脳についての知識を『Live Science』より紹介します。■1:人類の脳はだんだん縮んでいる人類の脳はこの5000年ほどで、なんと150立方センチメートルも縮んでいるのだそうです。これは10%ほど縮んでいる計算になるのだと、ウィスコンシン大学マディソン校の古人類学者ジョン・ホークス氏はいいます。脳が縮んでいる詳しい原因はわかっておらず、研究者の間でも諸説あるのだとか。■2:脳は人体の中で最も大食い脳の重さは体重の2%にすぎませんが、血液中の酸素の20%と、糖分の25%を消費するといわれています。猿からヒトへ進化した際、この大食いの脳がなにを食べていたのかは専門家の間で議論になっていますが、最近は地中に埋まっていたじゃがいもなどの根菜を摂取していたのではないかという説が有力です。■3:脳のシワが多い人ほど賢い私たちの脳の表面はシワで覆われています。脳は表面に神経細胞(ニューロン)があるので、表面積が大きいほど、神経細胞の数が多く、賢くなるといわれています。しかし頭蓋骨内の限られた容積のなかで表面積を増やすためには、シワを増やすしかないわけです。ちなみにイルカの脳は、ヒトの脳よりもシワが多いのだそうです。■4:ニューロンは脳の10%しかない脳細胞と聞くとなんとなくニューロンをイメージしますが、実はニューロンは脳細胞全体のたった10%しかありません。では90%はなにでできているのかというと、神経膠(しんけいこう)と呼ばれる細胞。これはニューロン同士をつなぎとめる働きをしています。■5:脳腫瘍から救うナノテクノロジー脳内の毛細血管は、栄養素など特定の物質しか通しませんが、脳腫瘍の治療の際にはこの仕組みが仇となります。有効な成分が脳まで届かないため、薬を使って強制的に脳のガードを緩めなければならないのです。これを解決するのが、2009年に発表されたナノテクノロジー。治療に必要な成分をごく小さい分子にすることによって、薬を使わなくても脳まで届けることができる技術です。近い将来には、脳腫瘍も簡単に治療できるようになるかもしれません。■6:受胎後3週間から脳がつくられ始める胎児の脳は意外に早い段階で形成されます。なにしろ、受胎からたったの3週間で脳幹が形成されはじめるのです。脳幹は妊娠3か月で大きく成長していきます。4か月を過ぎたころにニューロンや神経膠が形成されますが、まだシワはありません。6か月を過ぎると、わずかにシワができはじめ、7カ月くらいでようやく脳らしい見た目になってきます。脳は意外と長い時間をかけてつくられるんですね。■7:10代独特の思考は脳のせい2006年に発表された研究では、10代の若者は、脳の仕組みが自己中心的になるようにできているといわれています。共感や罪の意識を感じる前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ)が、大人にくらべてあまり使われないのです。思春期の複雑な気持ちが、脳の影響だったとは驚きです。■8:大人になっても脳細胞はつくられる大人になってある年齢に達すると、もう新しい脳細胞はつくられないという話を聞いたことはありませんか?しかし、これは事実ではありません。2007年に発表された研究では、脳卒中になった女性の脳が、脳の似た部分の細胞を使ってダメージを受けた部分をカバーしはじめたとされています。また、大人のマウスの脳に新たな脳細胞がつくられたことも確認されています。脳は一生変化を続けているのです。■9:男女の脳はほとんど変わらない男性と女性とでは脳の仕組みが違うという話をよく聞きますが、必ずしもそうではないようです。2010年に、69か国のおよそ50万人の男女の計算能力を調査したところ、その能力の差はほとんどなかったというのです。まだまだわからないこともたくさんある脳。興味がわいた人は、さらに詳しく調べてみては?おもしろい発見がたくさんありますよ!(文/和州太郎)【参考】※10 Things You Didn’t Know About the Brain―Live Science
2015年07月25日「私たちの脳は、『楽をする』ことを忘れてしまったのです」『考えすぎる脳、楽をしたい遺伝子』(長沼毅著、クロスメディア・パブリッシング)の著者は、冒頭部分でそう主張しています。他の動物は、眠くなったら寝て、疲れたら休む。腹が減れば食べるし、からだの欲求に忠実に生きている。しかし人間は、先天的にからだの欲求に背いてしまう脳のトラブルを抱えているのだというのです。無理をする。疲れる。見栄を張る。ストレスがたまる。我慢する……。そんな困りごとが生まれるのは、あまりに高度に発達した脳があるから。だから本書では、「脳に振り回されずに生きる方法」を、生物学的な視点から考えているということ。■6,000年前よりも劣化した脳スタンフォード大学のある研究者によると、脳という臓器がもっともいいコンディションだったのは、いまから6,000年前。つまり文明ができたころだったのだとか。それどころか、実は文明の発達とともに、人間の脳は劣化しているというのです。これは文明の進化が、人間を自然から切り離し、城壁のなかへ閉じ込めてしまったから。私たちは脳を自然に対して使うのをやめた結果、その能力を人間関係に対して使うようになったという考えです。■脳の「どうしようもない部分」人間の脳の特徴な点は、抽象的なことを考えることができる能力。「メタ組織」といって、いろんなことを脳内宇宙で組み居合わせ、いままでになかったことをつくり上げられるということ。たとえば弓矢の発明がそうであるように、自然に対してこの能力は有効に発揮されていたといいます。そのように、建設的な方向へと広がるぶんにはいいのですが、「悩み」や「不安」など負の要素が脳のなかで堂々巡りしてしまう状態になると、一転して人を苦しめることに……。しかし現状では、脳の構造は遺伝子で決まってしまっているもの。だから、どうしようもない部分がある。いわれてみれば、たしかにそのとおりです。■少しでも楽しましょう人間の脳は進化の過程で、さまざまな遺伝子が誤用され、転用され、流用されるなかで偶然生まれたもの。だから、不都合がいっぱいあるわけです。いわば、「いろんな遺伝子の寄せ集め」でつくられたものだとも著者はいいます。ポイントはここ。「もともとからだの作りからしておかしいのだから、少しでも楽しみませんか」という考え方。それこそが、読者に訴えかけたいことの趣旨だということです。この点を踏まえて読み進めると、本書のメッセージをストレートに受け止めることができるでしょう。■楽になれるように生きよう私たち生物は、普通の状態がいちばん楽。健康も普通の状態をさすわけで、無理に働いたりしてからだを壊すなど異常なことだというわけです。からだが普通の状態でいたいと願っているのに、そうでないことをしたがるのが人間。しかし、そんな無理をせず、楽になれるように生きよう。著者は本書を通じ、そんなメッセージを投げかけているのです。*以後も、自分の個性を知る方法、群れのなかでの働き方など、知っておくと便利な脳の情報が満載。ぜひ一度、手にとってみてください。(文/印南敦史)【参考】※長沼毅(2015)『考えすぎる脳、楽をしたい遺伝子』クロスメディア・パブリッシング
2015年07月22日脳トレがもてはやされたのは、かれこれ十年ほど前のこと。しかしここ最近、再び脳トレの効果に注目が集まっています。年齢を重ねるごとに物忘れがひどくなり「脳が退化しているのかも?」と悩むアラサー女子も多いのではないでしょうか?そこで今回は、医学博士であり脳研究者の加藤俊徳先生のお話を参考に、脳を鍛えるトレーニング法をご紹介します!心が踊るような妄想をする!お給料が大幅にアップしたり、好意を寄せている男性から告白されたりなど、何でもいいのでハッピーになれる妄想をしてみましょう。好きな芸能人とデートするなんて妄想は、かなり幸せな気分に浸れそうですよね。妄想することで魅力的な表情になったり、豊かな感情を育てられるようです。モノの見方を変えて、色々な考え方を!「A=A」と決めつけるのでなく「A=B」にも「A=C」にもなるのでは?とモノの見方を変えるだけで、脳を柔らかくすることができます。一つに固執した考え方しかできないと、脳はどんどん劣化していきます。常に柔軟な考え方をするように意識しましょう。相手のいいところを見つけて、褒める!人に褒められると、誰でも嬉しくなりますよね。褒めることは他人を喜ばせる以上に、自分を幸せにしてくれる行為なんだそうです。自分の言葉や行為で相手が喜ぶと、それだけで嬉しくなりますよね。常に相手のいいところを探すように努めれば、脳がフルに働き、いい感情が生まれます。脳が若返れば、見た目も若返る?お酒やたばこに走ったり、ネガティブな考えをするのは脳にとって良くないこと。嫌なことがあった日こそポジティブな考えをするように心がければ、おのずとポジティブ脳になっていくそうです。たとえば、自分は28歳だと思い込んで暮らすだけでも効果があるのだとか。脳の若返りは見た目の若返りにも効果的なのです!単純なようで奥が深い脳トレ。あなたも今日から始めてみてはいかがでしょうか?
2015年07月13日「タバコの害」と聞くと、真っ先に「肺の病気」を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、実はタバコが心臓や血管の疾患とも深い関係があることをご存じでしょうか? 正しい知識を持つことが禁煙への第一歩です。そこで、内科・循環器科ぴあーすクリニック院長、ピアス(大貫)洋子先生に、喫煙と心臓・血管疾患の関係や禁煙外来について話を聞きました。○タバコと心臓疾患の関係――まずは喫煙と心臓・血管疾患との関係について教えてくださいピアス先生「タバコに含まれる主な有害物質は、ニコチン、タール、一酸化炭素の3つ。このうち、特に一酸化炭素は動脈硬化を促進します。動脈硬化が進むと狭心症や心筋梗塞といったリスクが高まりますので、喫煙と心臓・血管疾患は密接な関係にあるのです。中には、狭心症の治療を行っていた方が、タバコを吸った途端に心筋梗塞になったというケースもありました」――喫煙によって、どの程度リスクが高まるのでしょうか?ピアス先生「喫煙によって、肺がんを発症する確率は非喫煙者の4.5倍に、また心筋梗塞・脳卒中には2-3倍にリスクが高まるという研究データがあります(※)。また、たとえ禁煙しても、非喫煙者と同程度のリスクに戻るまでには15年かかると言われているのです。本数を減らせば病気になる確率は多少左右されるかもしれませんが、リスクが大幅に軽減されることはありません。やはり、病気のリスクを減らすためには、できるだけ早く禁煙するのがベストです」(※)日本がん疫学研究会発行の『生活習慣と主要部位のがん』より――よく「血管年齢」という言葉を耳にしますが、これはどういったことでしょうか?ピアス先生「血管年齢とは、動脈硬化の度合いのことです。動脈硬化が進む、つまり血管年齢が高くなるというのは、血管が硬くなったり、内腔が狭くなったりして、つまってしまいます。そして狭心症などの心臓・血管疾患をはじめ、脳梗塞などのリスクも上がります」○禁煙外来は保険適用が可能――ぴあーすクリニックでは禁煙外来に力を入れているとのことですが、その理由を教えてください。ピアス先生「私は心臓血管外科医師として、多くの患者さんの治療にあたってきました。しかし、大変な治療を経て治っても、しばらくすると心筋梗塞になったり、脳梗塞になったり、肺がんになったり……というケースが非常に多いのです。せっかくの治療が無駄になってしまいます。これは、根本から変えていかなくてはならないと感じました。『病気にならないように、指導、管理、治療ができないものか?』と。こういった疾患には、喫煙習慣が大きく関わっていますので、禁煙外来はその方法の一つ。禁煙外来は私のライフワークです」――患者さんはどのようなきっかけで禁煙外来に来られるのでしょうか?また、どのような治療をするのですか?ピアス先生「会社や家族に禁煙を促され、来院する患者さんが多いです。中には、『孫に臭いと言われて……』というおじいちゃんも。禁煙外来ではまず、タバコの害や禁煙のための心得などを説明し、吸いたくなったときの対処法をお話します。具体的には、薬を出しますので、それを利用するという流れです」――禁煙外来の効果について教えてください。ピアス先生「当クリニックでは、7割程度の患者さんが治療によって禁煙に成功しています。タバコがやめられない大きな原因は、実は『記憶』なのです。タバコを吸うと『よろこび』を与えるドーパミンというホルモンが出ますので、一時的にストレスが解消された感覚を味わえます。そして、この『スッキリした感じ』が記憶に残っているため、ストレスを感じるとタバコが吸いたくなってしまう。そんな場合に禁煙外来ではタバコを吸いたいという衝動を、 和らげる手伝いをします」――最後に、マイナビニュースの読者にメッセージをお願いします。ピアス先生「現在喫煙者でないのなら、まずは手を出さないこと。また、身近な人が喫煙者なら、タバコの害についてぜひ説明して、禁煙を促してあげてください。身近な人から言われると、それがきっかけとなって禁煙に取り組めるかもしれません。実は世界的に見ると、日本は禁煙後進国です。ずいぶん前からアメリカなどでは、禁煙は当然のこととして扱われていました。しかし、日本で禁煙外来が広く知られるようになったのはごく最近のこと。東京オリンピックも控えていることですし、ぜひ若い人たちから禁煙の和を広げていってほしいと思います」○今回お話を伺ったピアス(大貫)先生のプロフィール千葉大学医学部第一外科入局国立循環器病センター実験治療開発部研究員千葉県緊急医療センター心臓血管外科医長アメリカシアトルHope Heart Institute research fellow千葉大学医学部第一外科助手千葉県立循環器病センター心臓血管外科医長千葉県立循環器病センター心臓血管外科主任医長ぴあーすクリニック開設
2015年06月29日「痩せたいけど、ダイエットは苦痛」「いつもダイエットに失敗する」・・・そんなあなたは、脳を「ダイエット脳」に切り替えてみませんか?ダイエット脳で、楽しくダイエットを乗り切りましょう!■なぜ太ったのでしょうか?まず、自分の行動習慣・思考習慣を書き出してみましょう。自分の生活全体を振り返ることが「ダイエットの秘訣」です。現在の自分は、今までの生活習慣が作ったのですから、生活習慣を変えない限り痩せることはありえません。■なぜダイエットは失敗するのでしょうか?生活習慣を書き出すことで、太った原因がわかってくると思います。わかっちゃいるけど、やめられないお菓子。わかっちゃいるけど、運動なんてめんどくさい・・・。わかっちゃいるけど、ダイエットは続けられない・・・。どうしてでしょうか?それは、ダイエットが楽しくないから。好きでダイエットしているわけではないから、続けるのが難しいのです。では、どうしたら楽しくダイエットできるでしょうか?■なりたい自分を書き出す脳は現実と仮想の区別がつきません。そんな脳の特性をダイエットにも活用しましょう。なりたい自分の姿を書き出します。それも「なったらいいな~」ではなく、完成形・過去形で書きます。例えば、私の体重は45kg。7号サイズの赤いワンピースをきて、7月30日友人の結婚式に参加した。今年の夏はビキニで泳いだ・・・等。すべて、「なったらいいな~」ではなく、過去形で書くことがポイントです。そうすることによって、すべて現実化したこととして脳に暗示をかけることができます。■ビジョンマップを作る理想体型の芸能人の写真と自分の写真を並べて、「必ずこうなります。」と書き、芸能人の写真から自分の写真に向かって、矢印マーク(→)で結びます。さらに、痩せた後に自分がおこなう出来事をその周りに書き込んで、一枚のマップを作ります。「こんなことをして何になるんだろう、ばかばかしい」と思うかもしれません。しかし、これも重要なことなのです。脳は目から入る情報を現実化しようとします。いつも見えるところへマップを貼ったり、携帯の待ち受け画面にするなどして常に目に付くようにしていると、脳は現実化に向けて動いていくようになります。■具体的な予定をたてるいつまで、なんの為に、誰のために痩せたいのか?そのためには何をすべきなのか?等を書き出します。例えば、お腹を引っ込めたいなら、どんなエクササイズが有効か?グッズは?ダイエットサプリメントは?・・・などを本・ネットなどで調べます。ここを深掘りすると、「そもそも何故痩せる必要があるのか」が明確になります。調べない段階で、本当は痩せる気がないことに気づくからです。そして集めた情報を一枚の紙にまとめます。スマホにアプリを入れておき、いつでも開けるようにしておきましょう。■まとめダイエット情報は溢れていますから、ノウハウは無料でいくらでも手に入ります。でも継続ができず、ダイエット難民よろしく次々と新しいダイエット法に飛びつくのです。そして、結局痩せないというループ・・・。まずは、楽しいダイエット脳に変えては如何でしょうか?痩せた自分をニヤニヤ想像しながらダイエットできたら、幸せですよ。(林田玲子/ハウコレ)
2015年06月07日国立がん研究センターは5月7日、多目的コホート(JPHC)研究から、緑茶摂取と全死亡リスクおよびがん、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患および外因死を含む5大死因死亡リスクとの関連を検討した結果、緑茶を習慣的に摂取する群において、男女の全死亡リスクおよび心疾患、男性の脳血管疾患および呼吸器疾患による死亡リスクの減少が示されたと発表した。同成果は、40~69歳の男女約9万人を対象に行った多目的コホートの成果の1つで、1990年または1993年の研究開始から2011年まで追跡した調査結果をもとに、緑茶の習慣的摂取と全死亡・主要死因死亡リスクとの関連を検討したものとなっている。詳細は疫学会誌「Annals of Epidemiology」に掲載された。その結果、研究開始時に緑茶を飲む頻度に関する質問への回答から、1日1杯未満、毎日1~2杯、毎日3~4杯、毎日5杯以上飲むという4つの群に分けて、その後の全死亡およびがん、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患、外因による死亡との関連を分析したところ、緑茶を1日1杯未満飲む群を基準として比較した場合、1日1~2杯、1日3~4杯、1日5杯以上の群の危険度(95%信頼区間)は、それぞれ男性の全死亡で0.96(0.89-1.03)、0.88(0.82-0.95)、0.87(0.81-0.94)、女性の全死亡で0.90(0.81-1.00)、0.87(0.79-0.96)、0.83(0.75-0.91)となっていることが確認されたという。また死因別では、がん死亡の危険度には有意な関連がみられなかったものの、心疾患脂肪、脳血管疾患死亡、呼吸器疾患死亡については、緑茶摂取による危険度の有意な低下がみられ、中でも男性では脳血管疾患と呼吸器疾患、女性では心疾患と外因死において、緑茶摂取量が増えるにつれ死亡リスクが低下する傾向がみられたとする。これは、研究開始から5年以内の死亡例を除いた場合も同様の関連がみられ、統計学的に有意に低くなっていることが示されたとする。一方、同研究ではコーヒーの摂取との関係性も調査しており、コーヒーをほとんど飲まない群を基準として比較した場合、1日1杯未満、1日1~2杯、1日3~4杯、1日5杯以上の群の危険度(95%信頼区間)は、それぞれ全死亡で0.91(0.86 ~0.95)、0.85(0.81~0.90)、0.76(0.70~0.83)、0.85(0.75~0.98)となっており、飲む量が増えるほど危険度が下がる傾向が、統計学的有意に認められたとする。死因別では、がん死亡の危険度には有意な関連がみられなかったものの、心疾患脂肪、脳血管疾患死亡、呼吸器疾患死亡については、コーヒー摂取による危険度の有意な低下がみられたとしている。なお、研究グループでは、緑茶やコーヒーの摂取による死亡リスク低減について、緑茶に含まれるカテキンやコーヒーに含まれるクロロゲン酸の効能のほか、カフェインによる血管内皮の修復や気管支拡張作用などが作用している可能性があるとしている。ただし、今回、用いられた質問票では、缶およびペットボトル入り緑茶を含む緑茶全般の摂取頻度、ならびに缶コーヒー、インスタントコーヒー、レギュラーコーヒーを含むコーヒーの摂取頻度を尋ねており、淹れ方やカフェイン/ノンカフェインの有無などで分けていないことに留意してもらいたいとコメントしている。
2015年05月07日国立がん研究センターはこのほど、コーヒーと緑茶摂取に関する全死亡リスクおよびがんや心疾患、脳血管疾患などの死亡リスクとの関係について明らかにした。同センターは、コーヒーと緑茶摂取と死亡リスクについて検討するため、多目的コホート研究を実施。多目的コホート研究では、40~69歳の男女約9万人を対象として1990年または1993年から2011年まで追跡調査した。調査から得られた結果をもとに、緑茶とコーヒーの習慣的摂取と全死亡およびがんなどの主要死因死亡リスクとの関連を調べたという。約19年(平均)の追跡期間中に1万2,874人が亡くなったが、その内訳は5,327人ががん、1,577人が心疾患、1,264人が脳血管疾患、783人が呼吸器疾患、992人が外因による死亡だったとのこと。結果を解析したところ、緑茶を一日1杯未満飲むグループを基準として比較した場合、一日5杯以上摂取したグループの全死亡リスクは、男性が「0.87」、女性が「0.83」となっており、それぞれ13%、17%もリスクが低下していることになる。また、摂取量が増えるにつれてリスクが下がる「負の相関」が見られていた。死因別では、がん死亡との関連は男女とも見られなかったが、心疾患による死亡は男女ともリスクが低くなっており、脳血管疾患と呼吸器疾患については男性でのみ低いという結果だった。緑茶摂取で心疾患などによる死亡リスクの低下が確認された理由について、同センターは緑茶に含まれ、血圧や体脂肪、脂質の調整作用があると言われる「カテキン」の効果によるものではないかと推定している。コーヒー摂取と死亡リスクの関連についても、同コホート研究による追跡調査から明らかになっている。研究開始時のコーヒーを飲む頻度に関する質問への回答から、調査対象者をコーヒーを飲む量に応じて5グループ(「ほとんど飲まない」~「一日5杯以上飲む」)に分類し、その後の全死亡およびがんや心疾患などによる死亡との関連性を調べた。その結果、コーヒーをほとんど飲まないグループを基準として比較した場合、一日3~4杯飲むグループの全死亡リスクが最も低くなっていた(0.76)。すなわち、コーヒーを1日3~4杯飲む人の死亡リスクは、全く飲まない人に比べ24%低いことになる。また、飲む量が増えるほど死亡リスクが下がる傾向があることも統計的に有意だった。死因別についても心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患については、コーヒー摂取による有意なリスク低下が見られた。同センターは、血糖値を改善し、血圧を調整する効果があるとされているクロロゲン酸や、血管内皮の機能を改善する効果があるとされているカフェインがコーヒーに含まれていることが、今回の結果につながったのではないかと推測している。ただ、同センターは「一日4杯までのコーヒー摂取は死亡リスク低下と有意な関連があることが示唆されました」とする一方で、「この研究で用いた質問票では、缶コーヒー、インスタントコーヒー、レギュラーコーヒーを含むコーヒーの摂取頻度を尋ねており、またカフェインとカフェイン抜きコーヒーを分けてはいませんので、この点をご留意ください」としている。なお、詳細は国立がん研究センターのホームページで確認することができる。※画像はすべて国立がん研究センターより
2015年05月07日島津製作所は4月14日、血管撮影システム「Trinias series MiX package」を同日より発売すると発表した。なお、出荷開始は8月となる予定。同システムは、術前のCT画像と術中の血管撮影システムを連動させる3Dアプリケーション「SCORE Navi+Plus」や、血管壁輪郭のみを自動抽出するトレースマッピング機能「SCORE MAP」、ステントをリアルタイムで固定表示可能なPCI支援アプリケーション「SCORE StentView+Plus」などの機能強化により、治療時間の短縮と造影剤の軽減を実現した。また、2014年6月に発売した画像処理エンジン「SCORE PRO Advance」を搭載したことで、低被ばくで患者に負担の少ない治療が可能となる。価格(税別)はシステム構成によって異なるが、シングルプレーンシステムが3億円~、バイプレーンシステムが4億5000万円となっており、発売後1年間で100台の販売を目指すとしている。
2015年04月14日新潟大学は4月2日、脳梗塞に対する画期的治療薬を開発したと発表した。同成果は新潟大学脳研究所神経内科の下畑享良 准教授を中心とする研究グループによるもので、4月2日付け(現地時間)の英国科学誌「Brain」に掲載された。脳梗塞の治療に有効とされる「組織プラスミノゲン・アクチベーター(tPA)」を用いた血栓溶解療法は脳出血、脳浮腫といった副作用のリスクがあることから、治療可能時間が発症後4~5時間以内と極めて短いことが課題となっている。今回の研究では、プログラニュリンというタンパク質をtPAと一緒に投与すると、血栓溶解療法の副作用を抑制するだけでなく、神経細胞を保護し、炎症を抑え、脳梗塞のサイズを縮小することを動物モデルを用いて確認した。同薬剤が実用化されれば、治療可能時間を8時間程度まで延長することができ、従来の3倍の患者がtPA治療を受けることができるようになるほか、脳梗塞自体の症状も軽くなる可能性もあるという。同研究グループは「このような多彩な効果をもつ薬剤は、世界で初めての報告で、画期的なものと考えられます」とコメントしている。
2015年04月06日「糖質制限」系ダイエットでも、群を抜いてメディアに取り上げられることが多い「ケトジェニックダイエット」。何かとセンセーショナルなイメージで紹介されることが多いのは、一見ダイエットとは関係ないようなメリットが数多く報告されているからに他なりません。ちょっと舌を噛みそうで名前も覚えにくいですが、どんなダイエットなのか、一度きちんと知っておきましょう。明日からでも、すぐに実践してみたくなること請け合いです!「ケトジェニックダイエット」のメリットとは?■肉や魚もおなかいっぱい食べられる■食後、眠くならない■肌にハリが出て若々しく見える■むくみが取れる■運動をしなくても脂肪が燃える■極力筋肉量を減らさずにダイエットが可能■面倒なカロリー計算をしなくてよい■イライラしなくなる■頭がはっきりして集中力がアップする■長寿遺伝子がスイッチオンする■メタボリックシンドロームが改善されるこれらが、よく挙げられるケトジェニックダイエットの特長です。なんだかいいこと尽くめだと思いませんか? 一体どんなダイエット? 他の糖質制限とは何が違うのでしょう?「ケトジェニックダイエットは、ズバリ “食べて痩せて健康になる” 食事法です。ダイエットという言葉は、日本では『減量』さらには『痩身』の意味でも使われていますが、本来は『健康になるための食事法』という意味。ケトジェニックダイエットも、まさにこれです。別名『ケトン体ダイエット』とも呼びますが、ケトン体という耳慣れない言葉のせいか、間違った理解や、誤解を招くような紹介のされ方も少なくありません。もともとこの食事法は、薬では治らない小児てんかんの治療として、1世紀も前から使われてきたもの。近年それが、ダイエット効果があることがわかってきた。しかも、アンチエイジングやその他の効果もあるというデータが続々出てきたんです。それを健康増進を目的としたダイエット法に結びつけたのが我々の協会です」そう語るのは、アンチエイジング・機能性医学のドクターで「一般社団法人 日本ファンクショナルダイエット協会」副理事長の斎藤糧三先生。ケトジェニックダイエットを体系立てて提案し、実践ノウハウを確立、教える側の人間(アドバイザー)を育成しています。単純な糖質制限には、異議を唱える方もいます。それは、お菓子やご飯などの糖質だけでなく、野菜などあらゆる食材に含まれる糖質を控えることは、当然栄養不足を招いてしまうからです。その点、ケトジェニックダイエットは病気を治療する目的から始まった食事法であり、機能性医学に基づく栄養指導で成り立っています。正しく実践すれば、健康にこそなれ、栄養不足に陥ることはなく、筋肉の減少も最小限にとどめることができます。「ケトン体」って何? その驚きの正体が明らかに!昔から、「脳のエネルギーは、糖質(炭水化物)だけ」と言われてきました。仕事や勉強中に集中力が欠けてくると「甘いものを食べれば頭が冴える」ともよく言います。ところが、これ、間違いであることがわかってきたのです! まずこのことをしっかりと理解しましょう。小学校でも習うように、体のエネルギー源となるのは、「糖質・脂質・タンパク質」の三大栄養素です。脳には、血液脳関門(ブラッド・ブレイン・バリア)という関所のような場所があり、異物が侵入できない仕組みになっていますが、ここを通れるのはブドウ糖だけ。脂肪やタンパク質は分子量が大きすぎて通過できません。そのため、「脳は糖しか使えない、糖質は必ず摂取しなければならない」という俗説が生まれたのです。通常、私たちは食物から摂った糖質を分解して使う「解糖系」の回路でエネルギーを得ています(第1の回路)。糖質を毎食欠かさず食べていると、体内には糖質がたっぷり蓄えられるので、体は優先的に糖質を使います。使い切れない分は中性脂肪として蓄えられるため、運動もせずに糖質をとり続けていると太るのは当然のこと。でも実は、私たちの体には糖質が入って来ないとき(いざというとき)、自力でエネルギーを生み出す回路も備わっています。その1つが「糖新生」。これは筋肉を分解し、アミノ酸の一部など 糖以外の物質から糖エネルギーを作り出す回路(第2の回路)のことです。さらに糖新生と同じく、糖質がないときに働く回路もあります。これが中性脂肪を分解して使う第3の回路、まさに「痩せる」回路です。この回路では、分解された脂肪酸は肝臓へ運ばれ、そのままでもエネルギーになりますが、一部の脂肪酸は「ケトン体」という物質をつくり出します。これをケトン体回路(ケトジェニック回路)と呼び、この回路が活発になることをケトジェニック状態と名付けています。糖に変わるエネルギー、それが「ケトン体」さあ、ここからが注目すべき「ケトン体」のお話です!近年の研究で、このケトン体は前述の “脳の関所” を通過できることがわかってきました。脳の神経細胞のエネルギー源として利用されるほか、ケトン体はあらゆる細胞のエネルギー源としても使われます。特に24時間フル稼働している脳、心臓、腎臓は、休みなくケトン体を使うため、ケトジェニック回路が活発になり、中性脂肪はどんどん燃えていく。それがケトン体を出して痩せるというしくみです。脳も体も、糖質がなくてもエネルギー不足にはならないこと、わかりましたよね? そこで「あえて体内に糖が足りない状態をつくり、脂肪をメラメラ燃焼させ、ケトジェニック回路を回す食べ方をしよう!」これがケトジェニックダイエットの考え方なのです。「ケトン体は長い間、悪者だと誤解されていました。糖尿病の検査項目のひとつになっているからです。医学部では、血液中や尿中にケトン体が出ているときは、糖尿病が悪化した“ケトアシドーシス”と教えられる。でもそれは糖質が細胞に取り込めなくなったために、代替物質としてつくられたケトン体が過剰になってしまう症状であり、ケトン体が健康に悪影響を及ぼしているわけではありません。さらに、ケトン体についての研究が進むにつれ、ケトン体は悪者どころか、抗酸化物質であることもわかってきました。体のサビとも言われる活性酸素を無害にしてくれる酵素を活性化する働きがあるのです。さらには、アルツハイマー病や認知症の予防・改善にも効果が期待できるとのデータも。最近になって、がんの再発予防に効果が認められたとの報告も増え始めているんです。今後ますますケトン体は、いろいろな分野で注目されることは間違いありませんよ」(斎藤先生)脱・糖質中毒!「ケトジェニック回路」をスイッチON!歩いているときに、どこからか漂ってくるパンやスイーツの焼けるいい匂い、無視できない人も多いのでは? おなかが減っているいないに関わらず、糖質が食べたくてたまらない人がたくさんいます。糖質を控えれば痩せる、ケトン体をつくろうと頭でわかってはいても、糖質がやめられずに、なかなかケトジェニック回路にスイッチできない人が多いのも事実。糖質とは砂糖などの甘い物だけではありません。主食にしているご飯、麺類、パンなどの炭水化物を日常的に大量に摂取しているために、「糖質依存」状態になっているのだと斎藤先生は言います。「まさに『糖質中毒』です。煙草がなかなかやめられない、というのとまったく同じ症状。だから、食べないでいるとイライラする。ヒトが米などの穀類を食べるようになったのは、人類史600万年のうちわずか1万年前。250万年間に渡り、ヒトは肉食でした。約1万年前に農耕が始まり穀類を食べるようになりました。さらに、精製された炭水化物や砂糖などが広がったのはたった200年前です。日本が米食になったのなんて150年前ですよね。日本人はお米を食べてきたと言われますが、私達は日本人である前に人間。消化器官の構造からして、草食ではなく肉食動物に近いんですよ」まさに、目からウロコの事実。甘い物だけでなく、炭水化物を摂らずにいられないのは、日本人が150年間摂り続けてきたことによる習慣によるものだったとは?!肥満ホルモン「インスリン」を刺激しないのもポイントところで、血液中にはブドウ糖が含まれていますが、その量がどのくらいなのか知っていますか? それが血液検査でわかる「血糖値」です。糖質の多い食事を摂ると、血液中のブドウ糖濃度=血糖値が急激に上がり、バランスを取ろうとしてすい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは血管の外に糖を出して血糖値を下げてくれますが、外に出た糖の多くは脂肪細胞に取り込まれ、中性脂肪に変わってしまいます。これこそ、インスリンが「肥満ホルモン」と呼ばれ、ダイエットには大敵だと言われるゆえんです。また、大盛りのごはんを食べたはずなのに、すぐにおなかが空いてしまうこともあります。空腹を感じるのは、インスリンによって血糖値が急激に下がるとき。血糖値を急上昇させなければ、急に下がることもないので、よけいに食欲が湧くことがなくなります。実は、糖質は「必須栄養素」ではありません。意外だと思われた方も多いかもしれませんが、国の指針である厚生労働省の「日本人の食事摂取基準 2015年版」にも書かれている事実です。まずは、「人は必ず食事から糖質を摂取しなければならない」という思いこみをやめましょう。糖を摂らなくても糖新生によってブドウ糖がつくられること、脳はブドウ糖の代わりにケトン体を使えること、これを覚えておくことが大切なのです。「なかなか糖質がやめられない」と嘆く人も、そこから抜け出す第一歩になります。何を食べたらよい?「ケトジェニックピラミッド」の考え方ケトジェニックダイエットは、21世紀の新しい栄養学「ファンクショナル栄養学」に基づいた、健康を実現するための食事の摂り方です。糖質を制限すると言っても、食べないダイエットとは根本的に違い、モリモリ食べられるのが特徴。ベースとなるのは、栄養素を7つのグループにわけた、ピラミッド。これを守って食べることで、インスリンを刺激しない低糖質、脂肪を燃焼させるケトジェニック状態をつくっていきます。底辺のグループほど、しっかり摂るべき重要な栄養であることを表しています。とはいえ、細かい計算をするわけではなく、見たままを目安に食材を選んでOK。特に重要なのは「毎日必ず摂るべき食材」となる1~3のグループです。【毎日必ず摂るべき食材】▼グループ1 肉、魚、卵、大豆 タンパク質の確保▼グループ2 野菜(葉野菜)、きのこ、果物 食物繊維とミネラルの確保▼グループ3 オメガ3系脂肪酸、中鎖脂肪酸グループ1のタンパク質は、ケトジェニックダイエットでは最も欠かせない栄養素。自己流の糖質制限などでは、例外なく筋肉量が減ってしまうもの。筋トレのような運動なしではなおさら、ダイエット中は筋肉量が保てません。ケトジェニックダイエットでは、驚くほどのタンパク質量(1日あたり1.2~1.6g/kg)を摂ることを推奨しています。そのため、ケトジェニックダイエットは、別名「肉食ダイエット」などと呼ばれたりするのです。 野菜の中でも「葉野菜」は必ず摂るべきグループ2ですが、「イモ類・根菜類」は「摂ってもよい」として別のグループに分類。これらは糖質が高いためです。残念ながら、糖質は「避けるべき食材」として最初から例外チーム。「グループ8」に分けられています。ここで、もう一度、糖質や炭水化物の定義をおさらいしてみましょう。「糖質」と「炭水化物」の違いとは?まず、炭水化物とは、小学校でも習ったように三大栄養素(タンパク質・炭水化物・脂質)のひとつ。炭水化物と糖質は同義語のように扱われることが多く、それも間違いではありませんが、わかりやすいのは・・・炭水化物 = 糖質 + 食物繊維糖質 = 炭水化物 ー 食物繊維こう覚えておくと、食品表示などを見る際にも理解しやすくなります。食物繊維は、体に吸収できない炭水化物のことで、カロリーはゼロ。体から排出されるので便秘解消のお話によく出てきます。ここで“糖類ゼロ”や“糖質オフ”などの表示があるものなら安心だと思う人もいるでしょう。でも、糖質と糖類は意味が違うことに気をつけて。「糖質 > 糖類」と覚えておきましょう。“糖質ゼロ” なら確かに糖質は入っていないかもしれませんが、 “糖類ゼロ” には、糖類以外の糖質が含まれている可能性大。たとえ “無糖” と書かれていても、でんぷんなどの多糖類が山盛り入っているかもしれないのです。「人工甘味料にもだまされないで。合成甘味料や糖アルコールは、確かに血糖値を上げにくくインスリンの追加分泌を促さないので、摂ってもよいイメージがあります。ただ、人工甘味料を口にして、あなたの脳が『あ~甘い♪』と感じた瞬間に、体内ではインスリンの追加分泌が始まってしまいます。実際には血糖値が上がらなくても、パブロフの犬のように、条件反射が起こることも考えられるんですから」(斎藤先生)また、表現自体にも注意が必要。厚労省の栄養成分表示では、以下のようにちょっとゆるい決まりしかありません。◆含まないという表示 [無、ゼロ、ノン、レス、0]食品100g当たり0.5g未満、または飲料100mL当たり0.5g未満の場合に表示してよい。◆低いという表示 [低、ひかえめ、小、ライト、ダイエット、オフ]食品100g当たり5g以下、または飲料の100mL当たり2.5g以下の場合に表示してよい。「無糖」と表示されていても、決して糖質ゼロではないのがわかります。食べ物を口に入れる前に、そんな目線で見てみると、いろいろ発見があって新鮮。楽しみながら糖質コントロールができそうです。「ココナッツオイル」と「ケトジェニックダイエット」のイイ関係今年、テレビ番組でケトジェニックダイエット中に、ココナッツオイルを取り入れている様子が放送されました。番組を見た人の中には「ココナッツオイルはケトン体を出すから、脂肪を燃やす効果がある」と理解した人が少なくなかったようです。実際はどうなのでしょうか? 答えは、YESでもありNOでもあります。バージン・ココナッツオイルは約60%が「中鎖脂肪酸」でできています。これは飽和脂肪酸のひとつで、MCTオイルとも呼ばれるもの。体に蓄積しない特徴を持っています。一般的な植物油の多くは分子をつなぐ鎖が長い「長鎖脂肪酸」ですが、「中鎖脂肪酸」は鎖の長さがその半分程度で、何倍ものスピードで消化吸収されると言われます。ココナッツオイルを摂ると、腸で吸収された後すぐに肝臓へ運ばれ、なんと「ケトン体」をつくることがわかってきました。前述のように、ケトジェニックダイエットで言うケトン体は、糖質をあえて枯渇させ、体脂肪を燃やしたときにその証として出る物質。でも、口から摂った脂肪、中でも中鎖脂肪酸からもケトン体はつくられるのです。「ブドウ糖が体内にあるときでも、ココナッツオイルを食べればケトン体をつくれるわけです。その意味では、残念ながらココナッツオイルが直接的に体脂肪を燃やすわけではありません。でも、ケトン体をつくるケトジェニック回路が活性化し、体脂肪を燃やしやすくすることは十分考えられます。ちょうどいま、我々の協会でも、その検証を進めているところです」と斎藤先生。「しかも、中鎖脂肪酸は他の油脂よりはるかに体内に留まらないので、他の油やバターなどの代用として日常的に使えば、体脂肪が貯まりにくく、ダイエット効果は期待できるでしょう。もちろん、置き換えなければだめですよ。ココナッツオイルも、普通のオイルと同じカロリーはありますから、今使っている油類はそのままに、追加でココナッツオイルをたくさん摂ったのでは、ダイエットどころか太ってしまう人もいます。ココナッツオイルはブームのように扱われていますが、アルツハイマー病の予防・改善に効果があるデータは数多く上がってきています。1日大さじ2杯で、みるみる改善される例も見られるほど。ブームだから使うのではなく、効果を上手く実感できるように、正しい方法で取り入れてほしいと思います」(斎藤先生)これが真実。ココナッツオイルは熱に強く、酸化しにくい性質を持っているため、炒め物はもちろん揚げ物に使うなど、どんなオイルの代用にもなります。冬場や冷蔵庫内では固体に変わるため、バターのような使い方もOKです。エネルギーを糖質から脂肪に切り替え、ケトジェニック回路にシフトするべく、ココナッツオイルを一度試してみるのも手です。いまの食生活をあらためて見直して、美と健康のためにも「ケトジェニックダイエット」の考え方を取り入れてみてはいかがでしょう。斎藤糧三先生 プロフィール日本機能性医学研究所CMO、ナグモクリニック アンチエイジング・機能性医学 外来医長、「一般社団法人 日本ファンクショナルダイエット協会」副理事長。1998年日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年、「機能性医学」の普及と研究推進のため「日本機能性医学研究所」を設立。著書に『サーファーに花粉症はいない』『腹いっぱい肉を食べて1週間5kg滅! ケトジェニックダイエット』。
2015年03月23日■左? 右? 子どもの個性を観察するライフオーガナイズでは「利き脳」を元にした収納方法を提案しています。利き脳とは、いわゆる「右脳派か、それとも左脳派か?」というもの。右脳=感覚的なタイプか、左脳=論理的なタイプかで、適切な片付けの方法に違いがあるのです。今回は、利き脳と収納方法についてお話ししましょう。■左脳派はきっちり収納、右脳派はざっくり収納利き脳の違いによる収納の違いの例として、本棚を挙げて説明しましょう。利き脳が左脳、つまり論理的なタイプの場合、大きさや種類、色などを揃え、きっちり収まっているのを好むことが多いです。一方、利き脳が右脳の感覚的なタイプの場合は、種類や色や大きさがバラバラでも全然気にならず、本棚に入って入ればオッケーというケースが多く見られます。子どもさんのお片付けの様子をご覧になって、どうでしょうか? おもちゃをしまうのに、1つ1つを引出しにしまえるタイプですか? それとも、大きな箱にぽんぽん投げ込むタイプでしょうか。子どものタイプを観察して収納に活かせば、お互いにストレスの少ない仕組みを作ることができます。■利き脳別、ベストな収納方法右脳派か左脳派か、利き脳のタイプ別、おすすめの収納方法の一例をご紹介しましょう。・左脳タイプ種類ごとに細かく管理、ラベリングし、物の住所設定を明確にするのがおすすめ。論理思考の左脳派は、ラベルの文字を読んだり、箱を開け閉めしたり、定位置管理をするのが苦ではなく、むしろそのほうがやりやすいことが多いので、きちんと分けられるようにしておきましょう。・右脳タイプファイルボックス1つに1教科分まとめて入れればOK、といったように、収納の際、細かく分け過ぎないことがポイントです。ラベリングする場合には、色や絵、写真などを活用し、イメージがパッと伝わるようにしましょう。使ったものを戻すまでのアクション数を減らすことも重要です。大人であれば、右脳派か左脳派か、チェックリストでわかるのですが、子どもはそれがなかなか難しいところ。ママが子どもの様子を見ながら、左脳派と右脳派、どちらの収納方法が合いそうか、見極めてあげてください。最後に付け加えておきたいことが1つ、収納は上手な人が苦手な人に合わせたほうがうまくいきます。上手な人(大人)に比べると、苦手な人(子ども)は、まだできないことや難しいことも多くあります。子どものお片付けに関しては、「この辺に戻せたらOK」くらいに考えておくと、ママも気持ちに余裕ができるのではないでしょうか。
2015年03月15日私たちは体内で起こっている変化を、目で見て確認することはできません。そこで今回は、睡眠が脳にどのような影響を与えているのか、海外の研究結果から見ていきたいと思います。睡眠不足が悪影響をもたらす神経特異エノラーゼ(NSE)とS100カルシウム結合タンパク質B(S100B)――なんとも難しい名称ですが、これらは血液に含まれる物質で、脳損傷などで脳がダメージを受けた際に増加するものと考えられています。この物質が睡眠不足の際も同様に増加するというデータが実験で判明したそうです。その実験は健康な人達を「8時間睡眠をとるグループ」と「徹夜をするグループ」の2つにわけ、その後、血液を採取して調べるというもの。結果、眠らなかったグループの血液には、この物質が増加していたことから、睡眠不足でも脳はダメージを受けると考えられています。脳に睡眠は不可欠日本では「俺、3時間しか寝てなくて」とか「昨日も徹夜で仕事してた」などと、なぜか短い睡眠時間を自慢する傾向があるように思います。これは睡眠不足を深刻なものととらえている人は少ないことの表れなのかもしれません。しかし、ある神経科学者は「十分な睡眠は脳の健康に不可欠で、睡眠が不足すると神経変性を促進する可能性があるらしい」と唱えています。前述のように脳損傷などで脳がダメージを受けたときに増加する物質が睡眠不足でも現れることから、決して無関係ではないでしょう。これからは「8時間も眠れた」「朝まで一回も起きなかった」と、熟睡を自慢できる文化に変わっていくとよいですね!快眠で脳を守ろう!アメリカの科学誌に、脳細胞にたまった老廃物に含まれるアミロイドβというタンパク質は睡眠中に脳から多く排出されるという論文が掲載されました。この物質が脳に蓄積すると、アルツハイマー病の発症につながる可能性があるそうです。別のアプローチでも、やはり睡眠が脳を助けるということが証明されているということですよね。さぁ、睡眠不足気味の人は脳を守るために、今日からしっかり睡眠をとるようにしましょう!Photo by Send me adrift.
2015年03月01日みなさんは、普段見ている夢の意味を考えたことがありますか?なんと、睡眠中の脳の画像から夢の解読ができるというのです。自分が寝ている間に、脳の中で何が起こっているのか、どんな動きをしているのか、知りたくありませんか?今回は、夢の研究についてご紹介します。睡眠中の夢を言い当てられる!?夢の研究睡眠時に夢を見ることはだれにでもあるでしょう。自分でもどんな夢を見たか忘れてしまうことも多いですが、最近の脳の研究では、脳を見ることで夢に何が出てきたか言い当てられるそうです。では、実際にはどのように解読しているのでしょうか?まず、夢でどんなものをよく見るのか調べ、カテゴリごとにグループ分けします。その後、カテゴリごとにその物体の写真を見た時の脳の動きをデータとして集めます。これらのデータを使うことで、夢を見ている最中に何が出てきているか言い当てることができるというのです。たとえば、「車」の写真を見ている時の脳の動きをデータとして蓄積していきます。夢解析のためには、データの蓄積が必要夢を解析するときに重要なカギとなるのはデータの蓄積と分析です。多くのカテゴリの脳波を集め、さらに異なるカテゴリを見た際の、脳画像のわずかな差異を分析する技術も重要となります。さらに細かい解析を要する場合は、より細かいデータを集めていく必要があります。また、「顔」であっても、動物を見るときと、人間を見るときで反応する部分が違うというデータもあり、完璧に判断するにはまだまだ時間がかかりそうです。脳と機械による最先端技術近年、脳と機械をつなぐことで、思い通りに機械を動かすことができるまで技術は発達しているそうです。思いどおりにロボットを動かすことができれば、医療分野での実用化が実現するかもしれません。アメリカでは、サルの脳に電極を刺して考えていることを読み取り、食べ物を口に運ばせることに成功しています。日本では、電極を刺さずにこういったことを可能にする研究が進められているのです。睡眠時の夢の研究が、こういった形で医療分野で活かされていくのです。睡眠時の夢から、現実の夢を叶えていくような、非常に希望有る研究が日本で行われているのです。
2015年01月27日私たちが眠っている間、脳はどのように動いているのでしょうか。脳と睡眠の関係は、なかなか見ることができないので興味深いテーマのひとつかと思います。今回は、その関係についてご紹介します。脳と睡眠の関係脳と睡眠--この2つには深い関係があると言われています。たとえば、睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシーなどの睡眠障害、うつ病などの精神疾患、認知症などの脳の病気は、睡眠との関わりが深いそうです。具体的にどのようなことなのか一緒に見ていきましょう。脳内には「オレキシン」という物質があります。これは、依然は食欲を増進する物質だと考えられていましたが、突然、強烈な眠気に襲われるナルコレプシーとも関係があるということが判明しました。オレキシンをつくる遺伝子を破壊したマウスを使った実験で、突然眠り込む睡眠発作を繰り返しているところが観察できたそうで、このことからナルコレプシーとの関係が突き止められました。マウスを使った実験他にも興味深い実験があります。マウスを2つのグループに分けて、1つは睡眠を妨害し、ずっと起きている状態にします。もう1つは飼育用の箱をときどき替えて、マウスが自発的に起きている状態にします。これは環境変化が起きると周囲をチェックするというマウスの修正を利用しているそうです。しばらく経ってから、両方のグループを眠らせました(妨害などをストップ)。すると、早く眠りについたのは睡眠を妨害されたグループで、後者の自発的に起きていたグループはなかなか眠りにつけなかったそうです。オレキシンの働きを模倣した薬の開発もこの実験から「眠気」と「睡眠を必要とする量」はそれぞれ独立して制御されているということが判明しました。つまり、この2つに関連性はなく、別々にコントロールされているということがわかったそうです。2つめのグループのマウスは脳内で何かしらの効果が働いたため、起きている必要がなくなっても眠りにつけなかったと考えられています。このように、脳と眠りの間にはとても深い関係があるのです。冒頭で紹介したナルコレプシーと関係があると言われている脳内物質「オレキシン」の働きを模倣した薬の開発が現在進められているそうです。さらなる睡眠の謎の解明が進むことを期待したいですね。photo by Moyan Brenn
2015年01月22日テルモは12月25日、膝下などの末梢血管内治療に用いるPTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty:経皮経管的血管形成術)バルーンカテーテル「Tercross」を開発し、欧州で販売を開始したと発表した。PTAは、動脈硬化などで狭くなった足や手などの末梢血管を、カテーテルで押し拡げる血管内治療法である。従来の薬物治療や外科手術に加え、PTAバルーンカテーテルやステントを用いた血管内治療は、患者の身体への負担が少ないことから、今後広がることが見込まれている。同製品は、病変部での通過性を高めるため、血液に触れると潤滑性が増す親水性ポリマーを表面の一部に施している。また、バルーンの種類を、硬い病変部の拡張に適した耐圧性の高いバルーンと、狭窄した病変部での通過性を重視し、柔軟性を高めたバルーンの2タイプから選択できる。さらに、バルーンの長さも20mm~200mmで6品種がラインナップされており、膝下に多い長い病変部への対応を図っている。この他、カテーテルのシャフトに剛性の高い材料を用いることで、操作性も向上させたとしている。
2014年12月26日慶應義塾大学(慶大)は12月24日、ヒトの皮膚細胞を血管内皮細胞に転換する遺伝子を同定したと発表した。この成果は慶大医学部微生物学・免疫学教室の森田林平 専任講師と吉村昭彦 教授、久留米大学医学部心臓・血管内科学の安川秀雄 准教授、佐々木健一郎 講師らの共同研究によるもの。12月24日(現地時間)に米科学雑誌「アメリカ科学アカデミー紀要」のオンライン版で公開された。血管内皮細胞は、発生の初期に、血液細胞と共通の前駆細胞から作られることがわかっている。同研究グループは今回、血管内皮細胞だけでなく血液細胞の発生にも重要な転写因子18種類をスクリーニング対象とした結果、ETV2という遺伝子を、健常人から採取しヒト皮膚線維芽細胞に導入することで、血管内皮細胞に3~4%と高効率で転換することを見出した。また、ETV2が細胞内の別の転写因子と共役的に作用し、血管内皮細胞の分化に重要なさまざまな遺伝子の発現を誘導していることも突き止めた。実験ではさらに、このヒト皮膚線維芽細胞から転換させた血管内皮細胞を免疫不全マウスの皮下に移植したところ、1.5カ月後に成熟した血管の形成が観察されたという。また、下肢の血管を閉塞させて壊死を起こさせる下肢虚血モデルマウスに移植した場合、有意に虚血を回復させることが分かった。これらの実験により同方法で作成された血管内皮細胞は、生体内でも機能的な血管を形成でき、虚血性疾患の治療に使用できることが確認された。この「人工的」血管内皮細胞はETV2が発現し続ければ安定するが、発現しないと血管内皮細胞のままでいる細胞と、ヒト皮膚線維芽細胞に戻る細胞に分かれるため、今後、これらの細胞集団の違いをもたらすDNAレベルでの分子メカニズムを明らかにし、「ETV2フリーの安定な血管内皮細胞」を誘導する方法を開発できれば、安全で臨床応用可能な血管内皮細胞の開発につながると期待される。
2014年12月25日あなたの脳、疲れていませんか?脳の疲れをとるには、質の高い睡眠が必要です。質の高い睡眠の条件は、眠っている間に睡眠ホルモンといわれる「メラトニン」がしっかりと分泌されることです。今回は、この眠っている間のメラトニン分泌を増やすための方法を紹介します。疲れているのは体ではなく脳!現代で問題になっているのは、肉体的な疲れよりも、ストレスによる脳の疲れだといわれています。現在のワークスタイルで多いのはデスクワークなので、肉体的な疲れはさほど気にならないはず。もしかすると神経が疲れるという方もいるかもしれません。それも脳の疲れを示しているのです。脳が疲れると、まず寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりと、不眠を引き起こすといわれています。脳の疲れをしっかりとる睡眠とは?では、脳の疲れをとるためにはどうすればいいのでしょうか?ただ単に睡眠時間を長くとればいいというわけではありません。大事なのは睡眠の中身。つまり、「質の高い睡眠」をとればいいわけです。質の高い睡眠をとるためには、睡眠の質を高める「メラトニン」というホルモンを十分に分泌させる必要があります。このメラトニン分泌に欠かせないのが、昼間、セロトニン神経を活性化することです。セロトニン神経とは、脳を目覚めさせる作用や、心を安定させる作用などがある神経のことで、一言でいえば活性化されると元気になるもの。このセロトニンをしっかりと活性化させることが、脳の疲れをとってくれるメラトニンを活発に分泌させることにつながるといわれているのです。メラトニンを増やすために昼間行っておくべきこと脳の疲れをとる眠りのためには、昼間にセロトニン神経を活性化させることが大事。具体的には、まず朝一番で太陽の光を浴びること、そして「リズム運動」がいいといわれています。リズム運動とは、規則的に体を動かす運動のことで、ダンスや体操、ウォーキングがあります。軽快な音楽を聴きながらウォーキングをすると、歩行だけでなく呼吸までリズミカルになってきて、セロトニン神経の活性化にいいといわれています。セロトニン神経を活性化させてメラトニンをたっぷり分泌させて、ぐっすりと心地いい眠りを手に入れれば、脳の疲れはすっかりとれることでしょう。Photo by Avenue G
2014年11月23日アジレント・テクノロジーは11月14日、疾患に関係のあるDNA領域のみを詳細に解析できるターゲットエンリッチメント(DNA濃縮)ソリューション「SureSelect XT Focused Exome」を発表した。同キットのターゲットサイズは16Mbとなっており、3Gbのシーケンス量で、ターゲットの98%を20倍以上のカバレッジでシーケンスすることが可能である。また、少ないシーケンス量でも、高い感度と正確さで変異コール(変異の発生箇所とその種類の特定)が可能になる。さらに、HGMD、OMIM、ClinVarといった公的データベースに登録のある疾患関連領域に特化したデザインとなっている。効率的なデザインとしたことで、デスクトップシーケンサでも、稀な疾患の原因となる変異の特定が可能となる。そして、エクソーム全体の30%弱の領域に特化したデザインにすることで、スループットの面でも柔軟性を兼ね備え、疾患関連領域のみを効率よく解析する手法が提供される。加えて、カスタムデザイン用ソフトウェア「SureDesign」を用いることで「Focused Exome」をカスタマイズすることも可能。これにより、個々の臨床研究における特定のニーズに特化したデザインにすることもできる。さらに、今回発表の「SureSelect XT Focused Exome」と、既存の「SureSelect QXT Reagent」キットを組み合わせて使用することで、ハイブリダイゼーションにかかる時間を90分程度に短縮することができ、1日でシーケンス用のDNAライブラリの作製が可能となる。この包括的なターゲットエンリッチメントソリューションにより、体質性疾患の研究効率の改善に貢献していくとしている。なお、アジレントの「SureSelect」製品群のうち、今回発表の「SureSelect XT Focused Exome」は、エクソームシーケンシング製品の最新版となっている。このエクソームシーケンシング製品には、「SureSelect Clinical Research Exome」や「SureSelect QXT Reagent」がある。これらの製品を組み合わせることで、臨床研究において、迅速なハイブリダイゼーションと高い疾患関連領域カバレッジを得ることが可能となる。また、「SureSelect」はさまざまなシーケンスアプリケーションに対応する試薬を提供しており、ゲノム、トランスクリプトーム、メチロームの特定領域を迅速かつ容易に解析することができる。さらに、「SureDesign」の他、再現性高く、高スループットでサンプル処理を行うための自動化ロボット「Bravo」、ターゲットとするゲノム領域を簡単・迅速・的確に解析できるソフトウェア「SureCall」と組み合わせ、トータルソリューションを構築することも可能となっている。
2014年11月17日(画像はプレスリリースより)トレッドミルで脳血流量が増加2014年10月14日、ドイツ神経変性疾患センター、マクデブルク大学(独)は共同で肉体運動が記憶に関連する脳の血流を改善することを発表しました。この研究はドイツ神経変性疾患センター、マクデブルク大学、ライプニッツ神経生物学研究所(独)、カロリンスカ研究所(スウェーデン)およびマックスプランク研究所(独)の共同研究。この研究成果はMolecular Psychiatry誌で10月14日からオンライン版で公開しています。研究内容参加したのは60から77歳のその年齢で健康なボランティア40名。3か月間トレッドミルを用いた運動を行った群と単にマッサージだけを受けただけの群の2群で研究を実施。70歳未満の運動群の9例中7例はトレーニングによって肉体的に鍛えたれただけでなく、記憶に重要な役割を果たす脳の海馬部分の血流量が増加していました。この血流量の増加は絵の記憶テストでの検討による視覚記憶の改善を伴っていました。海馬の血流量の増加と記憶の改善は70歳以上の運動群とコントロール群では認めませんでした。今回の研究では核磁気共鳴画像法(MRI:magnetic resonance imaging )検査も実施。研究の意義と今後今回の研究は初期のアルツハイマー型認知症に対する治療方法の検討から出てきたものです。運動により、記憶能力の改善が示唆されましたが、視覚記憶という短期間の記憶であり、限定的なものとのこと。マクデブルク大学では、さらにトレッドミル運動中の脳の変化を検討しています。アルツハイマー型認知症に対して症状の進行を遅らせたり、進行を止めたりするために運動療法は一つの選択肢になり、薬剤治療によりさらに効果が高まることを期待しているとのことです。【参考】・ドイツ神経変性疾患センター、マクデブルク大学プレスリリース
2014年10月26日脳科学は今、もの凄い勢いで進んでいる。アメリカの著名な脳科学者が約20年前に「脳科学は物理学で言えば15~16世紀。まだまだ初歩的な段階」と言っていたのに、「これまで科学で答えられなかった領域に今、どんどん突っ込んでいる。非常に面白い段階」とジャーナリストの立花隆氏は興奮を隠さない。脳科学の中で今もっともホットな分野である「記憶」について、第一線の科学者らが最新の研究成果を一般向けに話す第17回自然科学研究機構シンポジウム「記憶の脳科学~私たちはどのようにして覚え忘れていくのか」が9月23日、東京で開催された。その内容を数回に分けて紹介しよう。○行動しながら記憶する - ワーキングメモリの容量は3つ!?多くの人が日常生活で不便を感じ、役立てられることがあるのでは? と感じたのが大阪大学・苧阪(おさか)満里子教授の「ワーキングメモリ:脳のメモ帳」の講演だ。記憶というと「暗記能力」を思い浮かべがちだが、日常生活で暗記に集中する場面はそれほど多くない。それよりもスーパーに買い物に向かいながら夕飯の材料を覚えておく、など何かをしながら短時間だけ記憶することのほうがずっと多い、と苧阪教授はいう。このように行動しながら記憶することを「ワーキングメモリ」と呼ぶ。たとえば普段の会話でもワーキングメモリを使っている。相手に聞かれた質問を覚えておくことで質問に答えられる。読書でも登場人物や、前の頁の場面を覚えていることで、文脈が理解できるのだ。ワーキングメモリがうまく働かない例には、「2階に本を取りに行ったのにベランダの洗濯物に気づいて取り込むうちに、何をしに来たか忘れる」、「買い物に行ったのにセール品に気をとられて目的の物を買い忘れる」などがあげられるが、誰でも似たような経験があるのではないだろうか?では、なぜ私たちは頻繁に目的を忘れるのか。苧阪教授によれば「ワーキングメモリには制約がある。一度に使える情報処理の量は3つぐらい」とのこと。人は同時に多くの物事を処理することはできないのだ。だが、ワーキングメモリを働かせるのが得意な人とそうでない人がいるらしい。いったいどこが違うのか?講演ではここで、来場者にワーキングメモリの容量をはかるテストが行われた。複数の文章を読みながら、文章中の1つの単語だけを覚えていくテスト(リーティングスパンテスト:RST)だ。以下の文章が1枚ずつスライドで投影され、来場者は声を出して読みながら、強調された単語(ターゲット語)だけを覚えるよう促された(実際のテスト場面では、ターゲット語には赤線でアンダーラインがついている)水泳をしているためか、母は最近とても元気である。その花は熱帯の植物なので、北国の寒さには弱い。雷のため、電車の切符の販売機が故障した読み終えた後、文章を見ずに記憶しているターゲット語(上の文章では元気、北国、電車)だけを列挙する。つまり、単に単語を覚えるだけでなく、文章を読みながら単語を覚えるという二重課題が課されているわけだ。3つの文章では正解できる人が多いようだが、5つの文章中の5単語まで増やすと難しくなる。苧阪教授の研究室では大学生50名を対象にRSTを行い、高得点者と低得点者を比べたところ、興味深いことがわかったという。○高得点者は「読解力」に長け、「注意」を正しく向け、「方略」をもつ大学生にはRSTの他に読解力テスト(大学入試センター試験に準じる長さ)も行っており、相関を調べたところ、高得点者は「高い読解力」があることがわかった。文中にこのような単語や文章が出ていたという記憶力よりも、文章全体で何が書いてあったかという「文脈をとらえる能力」に長けていることがわかったそうだ。またRSTを実施中の眼球運動を測定したところ、高得点者はターゲット語に視線が集中していたが、低得点の人は文の中の色々なところに目がいく。つまり何を覚えるべきか、何をおぼえなくていいか、注意が向けられるべき言葉に向けられていない。さらに文が4つ、5つと増え、覚える単語が増えると、何らかの「方略」を使わないと覚えられなくなるという。たとえばターゲット語を意味的につなげたり、イメージ化したりして覚えるのが方略の例だ。高得点者は、方略を何種類かもっていて1つの方略がうまくいかないと判断したら、途中で他の方略に変えることができる。つまり自分で自分のやり方が正しいかどうか「自己モニタリング」できるのだという。○ワーキングメモリで働くのは、脳のどの部分?ワーキングメモリを支えるのは、脳のどの部分のどんな働きによるのだろうか。RSTを実施中の実験参加者の脳をfMRI(機能的磁気共鳴画像)などで調べると、脳のどの領域が活発に働いているかがわかる。苧阪教授が2003年の実験で「意外だった」というのは「ACC(前部帯状回)」が高得点群の人に顕著な活動が見られたことだ。その後の研究で、「DLPFC(背外側前頭前野)」、「SPL(上部頭頂小葉)」の3カ所がワーキングメモリの要となる中央実行形系のネットワークを作っていると考えられている。SPLは注意の焦点を特定の対象に向ける「注意の切り替え」を担い、DLPFCは「注意を保持」する。そしてACCは注意を向けるべき対象をうまくキャッチしてそうでない対象を「抑制する」働きをする。苧坂教授が強調するのは「注意の向け方」だ。ワーキングメモリの点数が低い人は決して覚えるのが苦手なのではない。「注意の移動」が苦手だということ。覚えなくていい対象に注意が向けられていたりして、覚えるべき対象に正しく注意が向けられていないようだ。○高齢者の特長 - ワーキングメモリを鍛える方法ワーキングメモリは20~30代がピークで年齢が上がるに従って機能が衰えていくという。高齢者にRSTを行うと、ターゲット語と違う単語を覚えてしまったり、ターゲット語だけ覚えればいいのに文章全部を覚えようとしたりする傾向が見られる。「つまり焦点化、覚えなくていいことに対する抑制制御がうまく働かないのです」と苧阪教授は指摘する。脳の働きを調べるとACCがほとんど活動を見せない。では、低下したワーキングメモリの機能は鍛えることができるのか?苧阪教授は「通常の日常生活を送っていれば、十分にワーキングメモリは鍛えられるので、むやみに鍛える必要はありません」という。会話したり、料理をしたり、買い物に出かけたりする行動のすべてでワーキングメモリを使っているのだと。しかし、加齢に伴って著しく低下しているときには「イメージング」が効果があるそうだ。覚えるべき単語をイメージして下さいと伝え、絵に描いてもらった。その後では脳内でACCの活動しているのが見られるようになった。イメージングするということは、「頭の中に表象を形成する訓練をする」ということ。その意味では本を読むのも効果的だ。またワーキングメモリで一度に情報処理できるのは3つと書いたが、その「3つ」はイメージ化によって充実させることが可能だ。たとえばカレーの材料をじゃがいも、にんじん、玉ねぎと1つずつ覚えて「3つ」でなく、カレーをイメージ化することですべての材料を「1つ」にまとめて思い出せるようにする。そして楽しい目的を持つときも、ドーパミンが出てDSPFCが活性化するという。日常生活を楽しく送り、時々は好きな本を読み、余計なことに気を向けず、注意をやるべきことに集中する。これがワーキングメモリを鍛える方法の1つかもしれない。写真出典苧阪満里子著 「もの忘れの脳科学」講談社ブルーバックス、2014.苧阪満里子著 「読書における文の理解とワーキングメモリー」苧阪直行編『小説を愉しむ脳』新曜社、2014
2014年10月08日日中、頭がぼーっとして仕事にならないということはありませんか?異常な眠気を伴うときは、脳疲労の可能性があります。この脳疲労の原因やメカニズムを知れば、自らの対策に役立てることができます。異常な眠気、頭がぼーっとする原因は?仕事中に襲われる異常な眠気。どう対処していますか?眠気がそれほど強くないときも、頭がぼーっとしてしまうことってありますよね。そんなとき、脳はある状態に陥っている可能性があります。それは、脳疲労。過剰なストレスが長時間続くと、脳の働きが低下するといわれているのです。この脳疲労の原因といわれているのがアンモニアです。脳は酷使し続けると、アンモニアが大量に発生し、脳にどんどんたまってしまうのだそうです。アンモニアは、脳を酷使するだけでなく、イライラすることによってもたまってしまうそう。アンモニアは体にとって毒です。それがどんどんたまっていくなんて、想像しただけで恐ろしいものですね。アンモニアでやる気が下がる!?脳にアンモニアがたまるとどうなるのでしょうか。本来、アンモニアは有毒なので、肝臓で無毒化されてから最終的には尿素として体外へ排出されます。しかし、大量発生した毒であるアンモニアに対して危険を察知した脳は、アンモニアをこれ以上増やさないために、脳を疲れさせることでやる気を低下させるのだそうです。なんだかぼーっとする、やる気が起きないというときはアンモニアがたまっているのかもしれないですね。また、血糖値が下がり、脳にエネルギーが足りないときにも脳疲労は起こります。その他、眠気や生あくびが多くなる場合は、酸欠状態が疑われます。脳疲労の対策は?脳疲労には色々な原因がありますが、中でもアンモニアがたまっていることが疑われる場合、どのような対策があるのでしょうか。アンモニアをグルタミンというものに変換して解毒してくれるのは、アミノ酸のグルタミン酸だといわれています。このグルタミン酸を供給するのが、BCAAと呼ばれる分岐鎖アミノ酸。肉や魚、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれているそうです。また、アンモニアが無毒化されて体外へ排出されるのを助けるアルギニンというアミノ酸も大事です。肉や魚、大豆製品などに多く含まれているので、意識的に摂取してみてください。また脳の機能を復活させるために必要な、エネルギーの源であるビタミンB群を補給するのも忘れずに。脳疲労が疑われる人は、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。Photo by UGL_UIUC
2014年09月21日「歴史は繰り返す」という言葉があるけれど、これは脳科学的にも証明されていること。「ヒトの脳には一定の刺激に対し、7年で飽きる」というクセがある。一方で、大衆と呼ばれる単位=「同時期に、同じような事象を見聞きし、味わい、触れる集団」がある。この7年の周期と同時期に同じ事象に触れる大衆連動(ブレインサイクル)を研究し、トレンドをドンピシャに予測し続けているのが脳科学者の黒川伊保子さん。今年からの流行予測をズバリ聞いてみました。(c)yo- - Fotolia.com人の脳は7年経つと飽きて気分を変え、それを8回繰り返すと元の感性に戻ります。つまり、56年軸で歴史が繰り返されるので、56年前に起こった社会現象をみながら、政治やビジネス、ファッションが来年、再来年どうなるかという予想を立てることもできます。政治で言えば、1953年、吉田茂首相がバカヤロー解散をし、翌年、民主党の鳩山一郎首相が「友愛政権」を掲げて総理に就任。その後短命政権が続いて、1955年に政界大編成が行なわれて自由民主党が誕生、ようやく1957年に岸信介首相が就任して、政治が安定しました。1953年のちょうど56年後、吉田茂首相の孫の麻生太郎首相がバカみたい解散をし、ほどなく鳩山一郎首相の孫の鳩山由紀夫氏が「友愛政権」を掲げて、民主党が第一党に。その後短命政権が続いて、1955年の56年後=2011年には東日本断震災後の失態によって民主党が自滅、結局自民党の安定政権に戻りました。1957年の56年後の2013年には、岸信介首相の孫の安倍晋三首相が就任、政治経済が安定傾向に入りました。56年前と、非常によく似ていますね。そして、1956年に東京タワーが出来て、人々は空を見上げました。1958年6月には、岩戸景気と言われた長い好景気期に入りました。55年後、東京スカイツリーが誕生、今年は大阪にはあべのハルカスが、東京には虎門ヒルズがオープン。人々は空を見上げました。岩戸景気開始のちょうど56年目に当たる2014年6月は、消費税で一度落ち込んだ消費が再び活性化し、長い好景気に入ったことが予感されます。また、1957年は長嶋茂雄監督が巨人軍にデビューした年。そして今年は、人が伝説になりやすい周期にあります。112年前もシャネルが孤高で世の中に登場し、毅然と逆風を受け伝説になりました。ちょっと前までは「人を癒したい」という社会起業家が多かったのですが、これからはもっともっと上をめざし、「本物」に踏み込んで行った企業が勝ちます。値段が安く、インターネットで広くではなく、高くても本当にいいものが売れるようになるのです。ファッションは、1959年にスッキリとしたシルエットのシャネルスーツをケネディ夫人や世界中のセレブが着て大流行。今年は、長いこと続いてきたセクシーグラマラス系の息の根が止まり、エレガントで上質なファッションへ移行していきます。モノトーン系も流行りそうな予感がしますね。ユニクロやZARA、H&Mなどファストファッションの人気はそのままに、値段が高くても質のいいもの選ぶ消費者が増えるでしょう。メイクはつけまつ毛で盛って目を大きく見せるよりも、アイラインでもともとの目元を引き締めて、美しく見せる傾向にきています。また、世の中は弱いものを守り、頼りがいのあるヒーローがもてはやされる時代に入ります。覚悟と凛々しさ、そして使命感があるということに、人々は心踊らされるのです。モテる男子の傾向も、小柄でカワイイ、ジャニーズ系の草食男子よりも、しっかりとした男らしいタイプが人気に。1957年は石原裕次郎さんがデビューした年。56年後の去年NHKの朝の連ドラ「ごちそうさん」のヒロインの夫役で話題をさらった東出昌弘さんは、190センチの長身。骨格のしっかりした顔は、石原裕次郎のデビュー当時の顔にそっくりです。ちなみに、今期のNHKの朝の連ドラ「花子とアン」で、ヒロインの夫役として人気急上昇中の鈴木亮平さんも、187センチの長身に、しっかりしたお顔。ここ1~2年で、モテ男子傾向は大きく変わってきているのです。56年前の周期には、「小さな恋の物語」という長身男子と小柄な女性の恋物語がベストセラーになりました。ごつい男子、よかったね!「孤高である」ことがテーマになるので、24時間SNSで自分のランチの情報なんか垂れ流してたらだめ! それは女子も一緒で、仲間でたまって女子会をするよりも、ひとりで行動できる「おひとりさま」になりましょう。孤高になり、高嶺の花になり、周りに敵をつくり、バッシングに耐えるほうが周りの好感度は上がります。ひとり旅をして、自分を孤独な環境に置いてみることもおすすめです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年07月18日カルピスは7月14日、「カルピス酸乳」の発酵過程で生じる乳由来の2種類のペプチド「VPP」および「IPP」に、更年期に起こる血管内皮機能および血管柔軟性の低下を改善させる効果があることを動物試験で確認したと発表した。同成果は、同社発酵応用研究所ならびに国立循環器病センター心臓血管内科部長の北風政史氏らによるもの。詳細は、7月10日~11日にかけて開催された「第46回 日本動脈硬化学会」にて発表された。これまでの研究から、「VPP」と「IPP」は、血管内皮機能改善、動脈硬化抑制、血管年齢の若返りなどの可能性があることが報告されており、研究グループではこれらのペプチドを「年齢ペプチド」と名づけ、有用性の実証を進めてきたという。血管機能は加齢に伴い低下するが、中でも女性は45歳頃を過ぎ更年期に入ると血管内皮機能が低下し、その状態が続くことで血管が硬くなり、動脈硬化の発症が加速することが知られている。今回の研究では、「年齢ペプチド」が更年期に起こるそうした血管機能障害に与える影響の評価を行ったという。具体的には、更年期の症状を示す卵巣摘出ラットを3群にわけ、それぞれに、水、水に「VPP」、「IPP」を溶解したものを、また対照群として更年期の症状を示していない健常なラットに水を24週間自由に飲水摂取させた後、血管内皮機能の指標である、血管拡張度と血中NO濃度、また血管の硬さの指標である脈波伝播速度(PWV)の測定を行ったという。その結果、モデルラット群では、更年期障害に伴い血管拡張度が有意に低下したものの、「VPP」、「IPP」を摂取させた群では、血管拡張度の低下が有意に抑制されたほか、血中NO濃度も同様の結果を示すことが確認された。また、モデルラット群では更年期障害に伴い脈波伝播速度(PWV)が有意に上昇し、血管が硬くなったが、「VPP」、「IPP」を摂取させた群では、脈波伝播速度の上昇が有意に抑制され対照群と同程度の柔軟性を示すことも確認されたという。研究グループでは今回の結果について、ヒトにも応用が可能であり、更年期を迎えた女性の動脈硬化や循環器疾患の予防に役立つ可能性が考えられるとコメントしている。
2014年07月17日(画像はイメージです)サントリー健康科学研究所がスペインの学会で発表サントリー健康科学研究所はオリーブとブドウ種子抽出物摂取が健常人の血管内皮細胞機能を改善することを欧州動脈硬化学会(スペイン)で発表した。試験方法クロスオーバー法にて試験食品(オリーブOPX(50mg/日)、ブドウ種子OPC(75mg/日)とビタミンC(100mg/日)を含む食品)とプラセボ食品を比較した。摂取期間は4週間、ウォッシュアウト期間は3週間。測定項目は摂取期間前後の血管内皮機能と酸化ストレスマーカー。試験結果血管内皮機能はFMD(血管の柔軟性の指標)、酸化ストレスマーカーは尿中8-OHdG(活性酸素の影響を鋭敏に反応する指標)で検討。FMDの投与前後の差(平均値)は食品群+0.52、プラセボ-0.09で有意(対応のあるt検定)に血管の柔軟性を改善。尿中尿中8-OHdGの投与前後の差(平均値)は食品群-1.50、プラセボ+2.12で有意(対応のあるt検定)に酸化ストレスマーカーを改善。以上の結果から、試験食品は健常者の血管内皮機能を改善することが明らかになった。これは血管の酸化ストレスから血管を守ることが、その理由と推定。心血管疾患のリスクとされている動脈硬化は血管内皮機能の低下によって発生率が上がるとされている。【参考】・サントリーウエルネスプレスリリース
2014年06月18日(画像はニュースリリースより)発芽米パワーのPSGを使った、血管が詰まらない、健康な体へと導くサプリメント発売!株式会社ファンケルは「発芽米パワーPSG」を2013年11月20日から新発売する。東海や中京地区の、通信販売や直営の店舗で販売される。ファンケルは、心も体も健康な状態が継続することを意味するGood Agingが現実になるために、調査を日々重ねている。そして、詰まらない血管を保つことの大事さに注目して、ファンケルならではの発芽玄米についての調査によって、発見されたPSGを使ったサプリメントが誕生した。「PSG」は血液の流れをスムーズに維持するための環境を調整する作用があることが、ファンケルならではの研究によって、証明されてきている。パッケージは鮮やかな桃色で「PSG」の大きなロゴ文字が消費者の興味を抱かせる、シンプルで、上品なデザインとなっている。発芽玄米に含まれる、貴重な「PSG」が調合されたサプリメントファンケルならではの研究によって発見された「PSG」は発芽玄米に0.02%しか保有されていない、とても貴重な原料だ。このサプリメントには、「PSG」が50mg調合されている。これは、ファンケルの発芽米のおよそ「10杯分(発芽米1:白米2で炊いた場合)」もの量に相当する。これにより、日常の食生活の中では、豊富に体内に取り入れることが難しい成分を、簡単に摂取できる。また商品には「トコトリエノール」「玄米ポリフェノール」「ポリコサノール」の3つの成分が調合されており、「PSG」の作用をサポートしてくれる。また体内で能率的に働くように「体内持続製法」が用いられている。具体的には、1日の、目安の6粒中の3粒に対しては「プロテクトコーディング」をしている。そしてコーディングなしの、残りの3粒との時間の差を持ちながら、体内で溶けるように、こだわりの工夫がされている。<参考】▼株式会社ファンケル(ニュースリリース)肌荒れ、倦怠感、貧血・・・原因不明の「ちっちゃい体トラブル」は、まとめてポイ! 再び注目されている成分とは?
2013年11月12日