毎日欠かすことのできない「食」。忙しい毎日の中、自分の食事はやっと出来た隙間時間でパパっと簡単に済ませてしまう事が多くても、子どもの食事はできるだけ栄養バランスを考えながら用意していますよね。でも、一生懸命用意しても思うようにはいかないもので、食が細かったり、好き嫌いがあったり、遊び食べが目立ったり…と悩みの多いお母様も多いのではないでしょうか。0歳からできる食育「どうしたら食べてくれるのかしら」「私の作り方が悪いのかな・・・」「離乳食の時間がストレスに感じる。」こんな風に感じてしまう事もありますよね。そんな時、お母様と子ども達にちょっぴりパワーを貸してくれるのが「食育」です。食育というと、保育所や幼稚園で教わるものというイメージが強いかもしれませんが、おうちでも簡単にできる事が多くあるんです!筆者は産前まで保育士として子ども達とたくさんの食育活動を行ってきました。「これをしたからすぐなんでも食べられるようになる」というものではありませんが、 私がおすすめする0歳からできるいくつかの方法を使い、日常の中で簡単なことから「食」に触れ、食材や食べる事への興味関心を育ててみませんか?きっと、子どもだけではなく大人にも新しい発見があり、「食」がもっと楽しいものになりますよ!絵本を活用しようお野菜や食事のマナー(挨拶など)がテーマの絵本は沢山あります。図書館へ行った際に是非探してみてください。絵だけでなく、実物と比べてみるのもおすすめですよ!食材の名前を知ろうスーパーへお買い物へ行ったら、子どもが興味を示した食べ物の名前を伝えてあげましょう。きっと、すでに行っている方が多いと思いますが、これだって立派な食育です!おうちでチラシに載った写真を見ながらお話するのもいいですね。お野菜に触れよう買ってきた食材。調理する前に少しだけ子どもに触らせてあげませんか?手をなめてしまうかもしれない小さなうちでも野菜なら大丈夫。「大根って大きくて重たいね」「きゅうりはボツボツしてるね」「中と外の色はちがうんだね」など、きっと沢山の発見があるはずです!育ててみようプランターで簡単に出来るお野菜を育ててみませんか?家事の負担にならず簡単に出来る物を選び、毎朝一緒にお水をあげてお世話をしてみましょう。花や実の生長を見ていると、大人も癒されるのでオススメです。つくってみよう少し大きくなってきたら、時間のあるときに一緒に調理に参加してみませんか?「野菜についた泥をおとす」「キャベツやレタスの葉をちぎる」こんな事から始めてみましょう。バンダナやエプロンをつけてあげると、気持ちは小さなママ!食への興味が広がっていきますよ!子どもの気分が乗らずほとんど食べられない時があっても大丈夫。ベビーフードに頼ってしまう日があっても大丈夫。堅く難しく考えず、笑顔で楽しむことを1番にいきましょう!お母様と子どもたちとの毎日にキラリと笑顔がひとつ増えますように…!
2016年06月01日■梅雨の季節は梅の季節今年も梅雨のシーズンがやってきます。梅雨は、「梅仕事」の季節でもありますね。この時期に旬を迎える「梅」は、梅干しや梅酒、シロップやジャムなど、いろいろ活用できて重宝です。毎年、自家製の梅干しや梅酒などを漬ける方も多いかもしれません。私が、ぜひともマスターしたいことのひとつに「梅干し作り」があります。わが家では毎年、祖父母が梅干しを作っていました。ご近所の方が分けてくださったお庭の梅の実を、庭先に広げたゴザの上に干し、畑のわきで育てた赤しそと一緒に漬け込むのが、わが家伝統のレシピ。祖父母が作る真っ赤な梅干しは、「保存が効くように」と、かなり塩分が強いのですが、その少々強めの塩気とキュッとした酸っぱさが、私の中での「梅干しの味」の基準となっています。90歳になる祖父が元気なうちに、おじいちゃんの梅干しレシピを教わって、娘と一緒に梅仕事を楽しみながら、その味を受け継いでいけたら…と、思い描いています。■梅には、酸性に傾いた体を整える効能が梅は、「医者いらず」と言われるほど、体に良い効能がたくさんあります。なんといっても、梅の特徴である酸味は、クエン酸などのさまざまな有機酸によるもので、疲労回復などに効果的です。また、果物の中でも、梅は栄養価がとても高く、タンパク質、カルシウム、カリウム、鉄などのミネラルや、ビタミンA・B1・B2・Cなども豊富。エネルギー代謝を高めるほか、老化防止や抗酸化作用、生活習慣病の予防などにも効果が期待できます。 ほかにも、ごはんやパンといった主食、肉や魚、お酒など、ふだん酸性に偏りがちな食事に対して、アルカリ性である梅は、体のバランスを整えるのによい食材といえます。小さな一粒に、たくさんの栄養や効能がぎゅっと詰まっていて、「医者いらず」と呼ばれるのも納得です。特にこれからの暑い季節には、さっぱり酸味のある梅が食欲を増し、胃の消化機能を助ける働きもしてくれます。梅干しなどは殺菌作用もあって、子どものお弁当にも加えてあげたいひと品ですね。梅は、青いうちは梅酒に、少し黄色く色づいてきたら梅干しに、完熟のものは梅ジャムに…と、熟し加減によって違った味わいが楽しめます。その時々の梅の様子を見ながら、子どもと一緒にいろいろな梅仕事をしてみるのもいいですね!
2016年05月31日子どもに苦手なものがあった場合、なんとかできるようにさせたいと思ってしまうのが親心というもの。子どものためだと思いながらも、できないとついしかってしまうこともあるでしょう。どうせやるなら、楽しく取りくめて、子どもの可能性を大きく広げられる方法を試してみませんか? おもちゃの片づけを例に紹介します。■片づけられないのなら手伝ってもいい苦手なことを、無理に克服させる必要はありません。「いまのうちに直さなくては」よりも「まだ小さいからできない」と考えてみてください。小さいころは苦手だったことが、大きくなったら楽にできるようになるケースもあるようです。また、子どもが簡単に片づけられるように工夫してあげるのもひとつの方法です。おもちゃを放りこむだけでOKの大きな箱を用意する、なにをどこにしまえばいいのかわかるように箱におもちゃの写真をはるなど、片づけやすい環境をつくってあげましょう。一生懸命がんばってもできない場合は、何度も「片づけなさい!」としかってお互いにイヤな時間をすごすより、親が手伝って短時間ですませる方がいいでしょう。苦手なことに対してマイナスの印象をすりこまないことが大切です。■楽しい努力なら、効率よく脳をきたえられる子どもの弱点を克服させるよりも、得意なことや好きなことに取りくませることをおすすめします。子どもの脳細胞や神経回路を増やして育てるためには、好きなことにとことん集中することがポイントだと言われています。車が好きなら一緒に乗り物図鑑をながめたり、外へ車を見に行ったりする。好きなアニメがあれば、映画やイベントに出かけてみて。大好きな親が一緒に楽しんでくれれば、さらに夢中になるでしょう。覚えた知識が将来役に立たなくてもいいのです。実際に体験することが、脳をきたえるトレーニングになるのです。好きなことに取りくむことで集中力を養い、わからないことはみずから調べるようになるでしょう。わからないことがわかるようになった喜びを味わうと、大きくなって勉強の壁にぶちあたっても、あきらめずに努力できるようになります。■将来役立つ力を育ててあげよう脳の機能がアップすれば、苦手なものへの対処法も自分で工夫できます。片づけが苦手なのは性格がだらしないのではなく、方法がわからないだけ。小学校高学年ぐらいになってから上手な片づけ方をレクチャーした本を読むと、あっという間に片づけ上手になることもあります。子どもの「好き」を応援することで、「親は私のことをよく理解してくれている」と感じてくれることでしょう。子どもが小さい間にこそ、はぐくんでおきたい関係性です。子どもが思春期に入り、接し方に悩むようになったとき、親のいうことに耳をかたむけてくれるかどうかは信頼感がカギです。おおらかな気持ちで子どもを育てることができたらいいですね。あとりゆうか(フォークラス)
2016年05月29日オバマ大統領の広島訪問が持つ意味伊勢志摩サミットが始まり、世界をリードする7カ国の首脳が8年ぶりに日本に集まるということで賑わっていますね。オバマ大統領がアメリカの大統領として初めて、第二次世界大戦で原爆を投下した広島を訪問することも、今回のサミットに続く重要な行事として話題となっています。戦後70年経っても原爆による心身の傷がいえない日本と、今でも原爆投下を正当化する声が根強いアメリカの国内世論とでは温度差がありましたが、それでもオバマ大統領が、同盟国である日本を大事にしていることの一つの表れとして、この広島訪問は日本としても歓迎すべきことです。しかし、そんなオバマ大統領の任期も今年いっぱい。アメリカでは次期大統領を決めるべく選挙が11月におこなれわれるため、今年初めから各政党が大盛り上がりです。大統領が変わると日本にどんな影響が起こるのかアメリカでは、共和党と民主党という二大政党のどちらかの候補者が大統領に選ばれることになるため、共和党では、実業家・不動産王と呼ばれるトランプ氏が、民主党ではクリントン元大統領の夫人でもあり、上院議員や国務長官を務めたヒラリー・クリントン氏ががぜん注目されています。中でも、ニューヨークのマンハッタンに金ピカのビルを構えるトランプ氏は大胆な発言で日本でも連日のように話題になりますね。不法労働者問題などで苦しむアメリカの国内事情からメキシコとの国境に壁を作るとか、テロへの対策としてイスラム教徒は入国させないなど、本当に大胆です。日本に対しても、日本にある米軍基地の費用は全部日本が負担せよと発言し、他人事ではなくなってきました。トランプ氏の意図は、何より「強いアメリカ」。これまでの政策や関係にとらわれずに、徹底してアメリカの国益だけを考えていくというものに聞こえてしまいます。大国・アメリカがどういう方向へ進んでいくのかとういことは、世界が注目していますが、米軍基地問題を抱える同盟国の日本は特に、次期大統領の候補になるかもしれない人の発言はが大きく影響してきます。改めて考える日米同盟の意味日米同盟は、「日米安全保障条約」というものによって結ばれていますが、その目的は、アメリカのアジア・太平洋地域における軍事的な拠点と、制限のある日本の軍事力を補完する役割として、米軍とともに日本の国を守るというものです。日米、両方にとって大事な関係ということになりますが、トランプ氏の頭の中には、「アメリカが日本を守ってあげている」という認識が強いのでしょう。アメリカの一般国民の中にもそうだと思っている人も決して少なくありません。逆に日本では、日本を守ってもらっているという認識よりも、「駐留させてあげている」と思っている人が多いように思います。日米の国民がもう少し理解し合うことが必要ですね。幼児教育無償化8000億円に苦労する日本は今後どうなる?トランプ氏の発言は、問題提起として意味のあるものともいえます。しかし、トランプ氏は公的な立場になったことが一度もないことから、政治手腕も行政手腕も未知数。経営者感覚は大事ですが、それだけでアメリカの大統領は務まりません。特に多民族国家であり、日本よりはるかに格差の大きいアメリカでは、万人に利する政策などあるはずがありません。その上、大国・アメリカの政策は、世界中に影響を与えます。例えば、以前オバマ大統領が「アメリカは世界の警察ではない」と発言したことから、世界の軍事バランスが崩れ、中国の南沙諸島海域における軍事拠点の不法建設や、イスラム国などによるテロの頻発などが引きおこされたと言われています。もし、トランプ氏が求めるように、日本にある米軍基地の費用の全額日本負担を拒否したら、どうなるでしょうか。沖縄での強い反基地運動なども相まって、もし米軍が日本からいなくなれば、それまでアメリカに頼っていたことを、日本がすべて自分たちの手でやっていかなければなりません。今、日本は防衛費約5兆円ですが、そんな額では済まなくなるのです。20兆、30兆円が必要だという人もいます。幼児教育の無償化のための8000億円の財源を出すことにも四苦八苦している日本で、財政的な面から見ても、非現実的な政策だと言わざるを得ません。そんなことを考えると、アメリカの大統領選は、日本にもとっても影響のあることだということがわかりますね。サミットで訪れている国々も、みな世界に影響のある国です。この機会に、世界の国々がどんな考えを持っているのか、興味を持ってみるのもよいでしょう。
2016年05月26日今は小さな子どもたちも、いつかは大人になり、社会へ出て行かなくてはなりません。しかし、子どもを取り巻く環境は大きく変化し、社会的・職業的な自立のためには、必要な能力・態度を育てる「キャリア教育」が必要ではないか…という考えが広まっています。この「キャリア教育」とは、一体どういうものなのでしょうか?■キャリア教育とは?文部科学省・中央教育審議会答申において、キャリア教育は以下のように定義されています。「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」この定義だけを見るとなにやら難しそうですが、子どもたちが将来社会に出て、しっかり働いて、自立してやっていけるように、子どものうちから「仕事をすること」「仕事に必要な能力」を学ばせようという取り組みが「キャリア教育」だと考えて良いでしょう。■キャリア教育はなぜ必要?家庭内には便利な製品がたくさんあり、地域のつながりも希薄になった現代社会において、子どもたちが「仕事」というものに触れる機会が減ってきました。また、情報化社会となり、組織や、そこで働く大人たちが起こす不祥事などの情報は、昔よりもずっと多く子どもたちの耳に入るようになっています。こういった状況下では、子どもたちの仕事に対するあこがれが育ちにくく、働くことに対する意欲の低下が危惧されるということで、今「キャリア教育」が必要だと考えられるようになりました。 ■具体的な取り組み・活動は?文部科学省ではキャリア教育の指針を定め、企業と学校が連携して専門分野に特化した授業を展開するなど、幼児期教育から高等教育に至るまでの体系的なキャリア教育推進に取り組んでいます。また、多くの企業やNPO法人などが、学校と連携しながら子どもたちのキャリア教育に関わり、さまざまなキャリア教育のためのプログラムを提案しています。自治体によっては「家庭でのキャリア教育」のためのパンフレットなどを作成し、保護者に配布しているところも。現在、学校が主なキャリア教育の場となっていますが、その土台となるのはやはり各家庭です。両親が積極的に仕事の話を子どもに聞かせるなど、ちょっとした工夫で家庭をキャリア教育の場にすることも可能。また、お手伝いをしてもらうときに、たとえば掃除なら「清掃会社の仕事」について話すというように、仕事につながる会話を日常に取り入れるのもキャリア教育だと言えるでしょう。子どものうちから具体的に将来について考えさせることは難しいですが、将来の選択肢を広げ、学びたい・働きたいという意欲を育てるために、「キャリア教育」について家庭でもしっかりと考え、実践できると良いですね。
2016年05月19日■子どもの台所デビューにぴったりすっかり初夏の陽気になり、夏日の日もチラホラ…。これからの季節におすすめなのが、「ぬか漬け作り」です。気温が高めの方がぬか床の発酵も進んで、おいしく漬かりやすいですし、何より夏場はぬか床のひんやり感もあまり苦になりませんよね。わが家の2歳の娘は、このごろ台所に来ては、「ねぇねぇ、なにしてるの?」と話しかけてくるようになりました。娘の最初の台所のお手伝いに、“ぬか床まぜまぜ”はちょうどよいかも!と思ったりしています。しばらく中断していたぬか漬け作りなのですが…、この夏は、私も再チャレンジしてみようと考えています!■栄養満点、ぬか漬けのすごいパワーぬか漬けは、ぬか床そのものに、ビタミンやカルシウム、タンパク質など豊富な栄養が含まれていて、それらが漬けた食材に移るのはもちろんですが、さらに、生の野菜を漬けることで、もともと野菜に含まれていた栄養価も何倍にも増やしてくれるという、すごいパワーがあるそうです。ぬか床が発酵することで、乳酸菌や酵素も豊富に含まれ、胃腸や肌の調子を整えたり、新陳代謝を助けて老廃物の排出を促したりする働きも期待できます。また、ぬか漬けは、とても栄養バランスの良い食品です。ぬか漬けの「ぬか」は、お米の精米過程で取り除かれる表皮や胚芽の部分ですが、その中には、お米が持っているビタミン、ミネラルの大半が含まれているといわれています。その「ぬか」を発酵させた「ぬか床」は、まさに栄養の宝庫! たんぱく質、脂質、食物繊維、ビタミン類、鉄、カルシウムなど、実に多くの栄養素が含まれているのです。そして、ぬか床に含まれてない栄養素である「ビタミンC」は、漬けた野菜から摂取できるので、ぬか漬け1品でほとんどの栄養素が偏りなく摂れるということに。加えて、乳酸菌に酵素…、これはぬか漬けを食べない手はありません!これから多く出回る夏野菜は、ぬか漬けにもしやすく、彩りもきれいで、ぬか漬け初心者さんにはトライしやすい食材。慣れてくると、野菜類だけでなく、豆腐やキノコ類、肉、魚などのぬか漬けを楽しむ方も。私はまだ、きゅうりやナスといった定番野菜しかチャレンジしたことがないのですが…、ぬか床ひとつでお料理のレパートリーや、味のバリエーションが広がるのも楽しいだろうなぁ…と、あれこれ夢見ています。 ■塩分が気になる場合は栄養たっぷりのぬか漬けですが、子どもには少し塩分が強すぎることもありますね。多少塩分控えめのぬか床にするには、冷蔵庫で管理するとよいそうです。ただし、あまり塩分が少なすぎても、漬かりにくかったり、ぬか床も傷んでしまったりするので、要注意。ぬか漬けは刻んで薬味として冷奴にのせたり、キュウリなどはポテトサラダに混ぜたりしても、子どもたちに食べやすいひと品になりますね。本格的なぬか床でなくても、ジップ付きパックの中でもみ込んで、簡単に始められるものもありますよ。野菜もたっぷり食べられて、栄養満点のぬか漬け。この夏に向けて、お子さんと一緒に始めてみてはいかがでしょう?
2016年05月17日海外で開催されるサマースクールは、英語を学べるだけでなく、その国の文化に触れられたり、現地の子どもたちとも交流が持てたりすることから、近年とても人気があります。就学前の小さなお子さんと一緒にプログラムに参加しようと検討しているお母さんやお父さんの中には、日本からの移動時間も短く、家族で旅行もできて半日もしくは1日から気軽に参加できるサマースクール&サマーキャンプに体験感覚で参加したいという方も多いのではないでしょうか。今回は、日本から飛行時間が4時間以内のリゾート地、「サイパン」&「グアム」で最短半日~短期でも受講できるサマースクール&サマーキャンプを紹介します。■日本から一番近いアメリカ「グアム」で、お手軽&リーズナブルに学ぶ日本からたった3時間40分で到着できるグアム。グアムといえば、各有名ホテルの敷地内で年間を通して開催される「キッズキャンプ」が有名です。最短で半日から受け入れてくれるほか、日本人スタッフが常任している場合も多いので、「英語では、まだコミュニケーションがとれないので心配」、そんなお子さんも安心して参加できそうです。アクティビティも豊富で、ホテルの敷地内のプールで遊んだり、工作や簡単なクッキングスクールを体験したりと、とにかくドキドキ、ワクワクすることばかり。すでに英語に十分に親しんでいるというお子さんは、1週間ほどの長さで開催しているサマーキャンプに参加してみてもよいでしょう。現在開催予定が確認できているのは、「ヒルトン・キッズキャンプ」。日程はまだ、6月分までしか出ていないようなので、詳細は直接ホテル側に問い合わせてみましょう(参加するには、24時間前までにホテルに直接申込む必要があります)。2016年は、毎年恒例であったグアム政府認可保育園「ハーモニーキッズ」主催のウェスティンキッズ・サマーキャンプが開催されないのが残念ですが、ホテルでの開催ではなく、ハーモニーキッズ独自のサマープログラムを現在検討中だそうなので、興味がある方は直接連絡をしてみては? なお、お問い合わせは日本語でOKです。・ヒルトン・キッズキャンプ(Hilton Kid's Camp)2016期間:2016年5月23日(月)~時間: 8:00~17:00(月)~(金)対象:5歳~12歳費用:$200/1セッション※料金にはランチとおやつが含まれます。お申し込み先:ヒルトンウェルネスセンターお申込み・お問い合わせ:671-646-1835 ext.5885 ヒルトン グアム リゾート&スパ(Hilton Guam Resort & Spa) ・ハーモニーキッズ(Harmony Kids)ウェスティン リゾート グアム内に位置する日系の託児所です。お問い合わせ: こちらのページ にあるEメールアドレスへ(日本語でOK) ■本格的に英語に親しみたいのであれば「グアム大学」「ちょっと長めにスポーツやドラマを通してしっかりと英語を学ばせたい!」という方には、グアム大学が開催している「アドベンチャースポーツキャンプ」にお子さんを参加させてみてもよいでしょう。年齢によってクラスは異なりますが、5歳~15歳まで参加が可能。一番早いセッションは6月上旬から始まりますが、セッション4は、日本の夏休みが始まる少し前の7月18日~29日まで、スペシャルセッションは、8月1日~5日まで開催されるようです。参加費もランチ、スナック、交通費そして遠出費を含めてなんと$500(別途登録費 25USD)と、とってもリーズナブルなところもおススメです。・ グアム大学「アドベンチャースポーツキャンプ2016」 開催時間:9:00~15:00対象年齢:5歳~15歳お申込み:直接大学にお問い合わせください(※英語推奨)料金:1セッション$500(ランチ、スナック、交通費そして遠出費込み)※別途登録費:$25 ■自然とのふれあいを大切にする「サイパン」東京からおおよそ3時間35分で到着するサイパンは、グアムに続く人気のリゾート地。ファミリートラベラーが多いサイパンでは年間を通して、宿泊客を対象に、各ホテルのキッズプログラムが開催されています。中でもアクティビティが豊富なPICサイパン「キッズクラブ」は、毎日営業中。言葉が通じなくても、心配は無用のようです。・ ハイアットリージェンシーサイパン「キャンプ・ハイアット」 ※参加の24時間前までにホテルへ申込み。開催時間:9:00~15:00対象年齢:3歳~12歳料金:1日コース $45(ランチ付き)半日コース(9:00~12:00/12:00~15:00) $25(ランチ付き)・ PICサイパン「キッズクラブ」 開催時間:午前コース 9:00~12:00/午後コース 13:00~17:00/1日コース 9:00~17:00対象年齢:4歳~12歳 ※3歳以下は保護者同伴料金:無料(ただし、PICサイパン宿泊者のみが対象)持ち物:着替え、水着、日焼け止めクリーム、帽子、ビーチサンダルまたは、スニーカー・ サイパンワールドリゾート「キッズカレッジ」 開催時間:午前の部 9:00~11:30/午後の部 13:00~17:00 対象年齢:5歳~11歳 料金:無料(宿泊客のみ)※1日参加の場合、ランチ代金別途$10 ほかのホテルとは一線を画す、自然に親しむオリジナルエコサマーキャンプを開催しているのが、島の最北端に位置し、自然溢れるエリアにたたずむマリアナリゾート&スパ。「エコサマーキャンプ」と呼ばれるキッズキャンプは、外国人インストラクターと地元の子供たちとサイパンならではの様々な体験をすることができます。・ マリアナリゾート&スパ「エコアドベンチャーキャンプ」 日曜日&繁忙期は中止になる場合があるそうなので、すでに日程が決まっている、もしくは参加を検討している方は、マリアナリゾート日本事務所に、直接日本語で問い合わせてみましょう。開催時間:8:30~15:00 (月)~(土)対象年齢:4歳~12歳 (おむつが取れない子どもは不可)料金:1日コース ホテルゲスト$45.00(8:30~15:00)半日コース ホテルゲスト$35.00(8:30~12:00 または 11:30~15:00)※ランチ、ホテル間送迎込み持ち物:日焼け止め、帽子、運動靴、水着、タオル、(水筒) 気軽に参加できそうなサマーキャンプ&スクール。お母さんやお父さんたちもこの期間にのんびりと大人のリゾート滞在時間を楽しんでみてはいかがでしょうか?
2016年05月15日■今年の小満は2016年5月20日!5月の下旬ごろ、二十四節気では「小さく満ちる」と書いて「小満(しょうまん)」と呼ぶ節目があります。2016年は、5月20日がその小満にあたります。小満は太陽の光を浴びて作物が成長し、大きく無事に育っていく時期。あらゆる生命が成長していくパワーみなぎる季節です!■農業では作物が育ってホッと一安心農業では、秋に撒いた麦穂が黄緑に色づき始めたり、梅の実が膨らんできたりする時期。「小満」には、順調に育ってきている作物を見て、ひと安心するという意味もあります。とくに麦は、二毛作で作る場合、梅雨入り前のこの時期が収穫時期。実が熟し、麦にとっての収穫の「秋」であることから「麦秋(ばくしゅう/もしくは、むぎあき)」という言葉もあります。熟した麦を取り入れる、初夏を指す季語です。■小満の日には、何を食べる?野菜では、さやえんどう・グリーンピース・空豆などの豆類がおいしい季節です。黄緑や緑などパステルカラーのお豆類を使えば、初夏らしい彩の料理が作れそうですね。さらにアスパラガス・紫蘇(しそ)・明日葉などの葉っぱ類も豊富です。皮がやわらかい新じゃがいも・新たまねぎも並びますね。果物では、枇杷(びわ)・夏みかんが走りの季節をむかえます。魚貝類では、鯵・鰹・鱚(きす)・きびなご・いさき・雲丹(うに)・さざえ・車海老・真だこ・烏賊(いか)など。こうした旬の食材が並ぶ食卓にすると、自然の実りを食事から学べるでしょう。 ■小満の時期の行事は?この時期には多少天気がぐずつくこともありますが、基本的に気候は穏やかです。まもなく、夏に入る準備「梅雨」がやってきます。そして、6月1日は衣替えです。梅雨に入る前、晴れた日に衣替えや虫干しを済ませてしまいましょう。また、お出かけするなら、潮干狩りはいかがでしょう? 潮の引く時間が徐々に長くなり、気温も水温も暖かくなってきます。産卵のシーズンを前に、栄養を蓄えてぷくっと太り出したこの時期のアサリをはじめとした貝類は味も良く、中身もたっぷり詰まっていて食べごたえがありますよ! 子どもにとっても、きっと楽しい思い出になることでしょう。今回は「小満」の季節についてでした。日本の四季を楽しむ節目、お子さんとの会話や料理の中に取り入れてみてはいかがでしょうか?
2016年05月15日「夢はオリンピック選手!」とはいわないまでも、かけっこや逆上がり、でんぐり返しなどなど、親としてはせめて小学校で習うことがスムーズにできるようにサポートしてあげたいですよね。子ども1人ひとりの運動能力をアップさせるためには、小さなころからさまざまな刺激を与えてあげることがよいとされています。特に運動神経に関係が深いとされているのは脳の神経系統なのだとか。その成長は12歳ごろまでに100%に達してしまうため、それ以降の向上は難しいとされているようです。では、「運動のできる子」にしたいとき、親はどんなサポートができるのでしょうか?■赤ちゃん時代から刺激のある毎日を抱っこが多い赤ちゃんの時期は「気持ちいいなぁ」「楽しいなぁ」と赤ちゃんが感じそうなことを積極的におこないましょう。季節に応じた草花とふれあったり、一緒にベビー体操を楽しんだり、絵本を読んだり、手先を使うおもちゃを与えてみたり…。そうすることで興味の対象がどんどん広がっていくようです。■幼児期は自分の体を使い、いろんな動きを歩けるようになれば、できる動作も増えることでしょう。走ったり、ジャンプしたり、踊ったり…。遊びながらそれぞれ異なる体の動きをすることで「どう体を動かせば楽しめるのか」が分かるようになり、動きに対するコントロールもできるようになります。ここでも子ども本人が「楽しそう」であることに注目し、過剰な制限を設けることなく自由に遊ばせてあげましょう。■ルールや道具を使った遊びと基礎的な動き友だちとルールにそった遊びができるようになってくる時期は、好きなスポーツができる子もいるかもしれません。それでもひとつのスポーツに集中することなく、ボールやフリスビー、自転車やスケートボードなど道具も交えていろんなスポーツを楽しみましょう。この時期は体の動きに加えて、協力して遊べる力も身に付きます。■12歳まではいろんなスポーツに挑戦させて小学校に入学して勉強に遊びにと忙しくなってくると、本人の意思を尊重して「好きなスポーツだけ」に特化させてしまいがちですが、12歳になるまでは、なるべくいろいろなスポーツを挑戦、経験をさせましょう。習い事をしている場合は、それとは別に休日に家族でプールに行ったり、アスレチックのある公園や施設に出かけたりするのもおすすめです。ひとつのスポーツだけの動きではなく、さまざまな動きの基礎を12歳までに体験させることで、他のスポーツへの応用も比較的楽にできるようになるでしょう。大事なことは、子どもみずから「やりたい!」と思ってもらうことです。そのためには親が楽しそうにやってみせるのもいいですね。また「そんなこともできないの?」とできないことに目を向けるのではなく「ここをこうすれば次は必ずできるよ!」とポジティブな声がけを心がけましょう。「早めに得意そうなスポーツを…」と気持ちが急いてしまいますが、12歳までは基礎の準備段階。こうした動きをきちんと経験させておけば、きっとほかのスポーツでも役立つときがくるはずです。
2016年05月08日新年度を迎え、子どもたちはどっさりと新しい教科書を持ちかえってきます。その際、前年度の教科書やノート、どうしていますか? また教科書以外にも、書き初めや図工の作品、自由研究…想い出に残したいけれど、中には立体のものもあり収納スペースを圧迫します。そこで、教科書や作品の上手な整理の仕方をご紹介します。■教科書は1年間とっておき、必要なもの以外は捨てる小学校の教科書は義務教育のものなので、新しいものが毎年無料で配布されます。そのため、兄姉が使ったものをおさがりにする必要がありません。どんどん捨ててかまわないのです。そこで注意するのは、捨てるタイミング。高学年に上がるほど、特に算数などは難しくなってきて、「ちょっと前のを見直したい」ということもでてきます。そのため過去1年分は取っておいてください。あまり奥底には入れず、取り出しやすい所にしまっておきましょう。また、図工や生活の教科書は、学校によっては年をまたいで使うものがあるので注意が必要です。次の学年でも使うのに、3月の終業式が終わった途端に捨ててしまい、進級してから大慌てすることのないよう、どの教科書を次年度でも使うのかは確認しておきましょう。そういった理由で、1年間はとりあえず保管していれば安心です。■ノートは捨て、連絡帳はとっておく教科書は一年間保管ですが、ノートはすぐに処分してしまってかまいません。もし、ページが余ったものがあればもったいないので破いて計算用紙やお絵描き用紙に使いましょう。宿題プリントやテストも、あまり見返すこともないと思うのですが、例えば「クラスで1人だけとった100点」や「びっくりまさかの0点」など、思い出になるようなものは取っておいてもよいかもしれません。作文や日記はその年の出来事や成長がよくわかる貴重な宝物です。ぜひ、とっておきましょう。また、連絡帳は、先生とのやりとりが書かれている場合、何か困難に陥った時に以前相談していないかを確かめたり、学校や先生の対応に疑問を抱いた時に、これまでの対応はどうだったのかを見返すことができます。卒業するまではとっておくといいかもしれません。■かさばる図工の作品は? 小さな手で一生懸命、二度と作れない作品は、処分するのに躊躇するものだと思います。けれど、実は子どももそこまで執着していないものも数多くあるのです。どうしてもとっておきたいというもの以外は、写真を撮って処分しましょう。学年ごとにフォルダをつくってパソコンに保存しておきます。おそらく多くの作品は、プリントアウトもせず、見返すこともないかもしれません。それでもただ捨ててしまうより、なんらかの形で「残っている」という状態が大切なのです。何か賞をもらった作品は、特にいつまでも残しておきたいと思うもの。才能溢れるお子さんだった場合はうれしい悲鳴です。賞をもらった作品については、作品・お子さん・賞状の3点セットで一緒に写真を撮るのがおすすめです。この写真だけはプリントアウトしてアルバムに入れるか飾っておき、実物はお子さんが納得してから処分します。栄誉輝く記念写真に残った方が、納戸の奥底で眠ってしまうより、作品が喜ぶ方法です。
2016年05月05日気づかぬうちに、大人の真似をしている子どもの観察力に驚くことはありませんか。教えたつもりはないのに、子どもたちは大人の行動を良く見ています。特に毎日一緒に過ごすことが多い食事の時間。大人の食事マナーがそのまま伝わっていると言っても過言ではありません。子どもに正しい食事のマナーを教えるためには、きちんと見本を見せてあげることが大切。特に注意したい基本的なポイントを紹介するので、普段の食事を思い出しながらチェックしてみてください。■お椀とお箸、先に取るのはどっち?まずは、基本中の基本、箸の正しい持ち方から。下の箸を薬指の先と、人差し指・親指の股で固定します。そして、上の箸は親指・人差し指・中指の先を使ってはさみます。箸を動かすときは、下の箸を固定したまま、上の箸だけを動かすのがポイントです。この箸の持ち方まではマスターしている人が多いと思いますが、その使い方や扱い方はいがでしょうか?たとえば、置いてある箸を持ち上げるとき。右利きの人なら、まずは箸の真ん中あたりを右手で取り、左手を下から添えて、それから食べるときの形になるよう右手に持ちかえます。この順番を心がけると、箸を持つ動作がとても美しく見えます。食事中に話をしたり、お茶を飲んだりするときは、一旦箸を置くのが正しいマナー。その習慣を身につけるためにも、箸置きを使うことをおすすめします。お味噌汁のお椀を持つときも、箸より先にお椀を取るのが正しい所作とされていますので、それを実践しようと思うと、箸を一旦おかなくてはなりません。食器の上に箸を渡して置きたくなりますが、これは「渡し箸」と言って正式にはマナー違反です。箸置きがあれば、そこに箸を置くことができます。この習慣は、正しい箸づかいへの近道です。■「袖越し」には気をつけて食事中に飲みものを取ったり、醤油を使ったりするときには、自分より右にあるものは右手で、左にあるものは左手で取るように心がけましょう。これは、膳の上を手で覆う「袖越し」というマナー違反を避けるためです。手や腕が食器にあたって倒すのを防ぐことにもつながりますので、ぜひ家庭の食卓で実践したいマナーです。■いずれは三角食べができるように特定のものだけを集中的に食べるのも、マナー違反とされています。ご飯、お味噌汁、それにおかずが数品といった場合は、バランスよく配分しながら、少しずつ食べるようにしましょう。ご飯と汁物は、できるだけ一口ずつ交互に食べるようにします。子どもは嫌いなものを最後に残してしまいがちなので、まんべんなく食事を進めていく三角食べを見せてあげられると良いですね。もちろん、食事は楽しいのが一番。子どもが上手に食べられなかったり、マナー違反をしたりするのは当然のことですし、マナーに固執しすぎる必要はありません。ただ、成長するにしたがって、子どもにも食事マナーが問われるようになってきます。小さなころから正しいマナーで食事をする両親の姿を見せておけば、大きくなってから「お行儀よく食べなさい!」と怒らなくて済むはず。子どものためにも、そして自分のためにも、普段の食事マナーを見直してみてはいかがでしょう。森川ほしの(OFFICE-SANGA)
2016年05月01日■子どもとの会話に、自然に旬の食材や行事食の話題を取り入れよう突然ですが「二十四節気(にじゅうしせっき)」を知っていますか? 日本には四季があり、それを24等分して、約15日に1回訪れる節目の日に季節を表す名称をつけたもの、それが二十四節気です。正確な時計やカレンダーがなかった時代には、農作業の目安にしていたとも言われています。現代は毎日が慌ただしく、あっという間に過ぎてしまうからこそ、四季の移り変わりを楽しむために、また子どもの食育に、二十四節気を日々の話題に挙げてみるとよいでしょう。そして、節目の日には「旬食材を使って何か1品作ってみる」「子どもと行事について会話してみる」と決めてしまうのもよいかもしれません。子どもにとっても、春夏秋冬それぞれの食材を味わったり、日本の行事の話を一緒にしたりすることで、自然と食の知識と理解を深めることにもつながります。そこで今回は「立夏」について紹介しましょう。■今年の立夏は2016年5月5日5月に入ると、二十四節気では「立夏」の季節。2016年の立夏は「こどもの日」と重なっています。桜が終わり、一気に葉が育って新緑に。夏の気配が感じられ、ツツジ、菖蒲、藤が咲き始める頃でもあります。初夏と混同しがちですが、初夏は6月に入ってからを指す言葉です。立夏は、すがすがしい風がちょうど心地良く感じる季節。田植えや種まきが始まり、秋の豊作を祈って「お田植え神事」「御田植祭」が行われたりします。 ■立夏の日には、何を食べる?春の名残の食材と、夏の走りの食材、新緑をイメージした緑の食材を使うと、立夏らしい献立になります。春の名残の食材だと、筍や菜の花、山菜など。春キャベツや芯玉葱が出回り、グリーンピースやそら豆、スナップエンドウなどお豆類がおいしい季節でもあります。海産物では、ホタルイカやワカメ、ヒジキなどの海藻類も旬を迎えます。こどもの日と合わせて、柏餅や粽(ちまき)を取り入れてもよいですね。なお、こどもの日に柏餅を食べるのは、柏の葉が、次の新芽が出るまで落ちないことから、家督が絶えないことの象徴とされ、縁起の良いものとされているからです。■そのほかの「立夏」前後の行事は?立夏の時期は、ゴールデンウイークの名称が浸透しすぎて、元々が何の日だったのかが薄れている気もしますが、日本の古き良き行事が満載です。 2016年5月1日:「夏も近づく八十八夜~」の歌でおなじみの八十八夜。立春を起算日として88日目、茶摘みなどの農作業がピークの時期です。5月3日:憲法記念日。日本国憲法の施行を記念する日です。5月4日:みどりの日。元々は昭和天皇の誕生日。2006年までは4月29日が「みどりの日」でしたが、現在は昭和の日となっています。5月5日:こどもの日。端午の節句(菖蒲の節句ともいいます)五節句の一つです。日本では端午の節句に男の子の健やかな成長祈願の行事を行う風習があります。 二十四節気をさらに細かく分けた、七十二候というものもあります。気象や動植物の変化を知らせる短文になっていて、立夏の期間ならば以下の通りです。・初候:蛙始鳴(かえる はじめて なく) : 2016年5月5日。蛙が鳴き始めるころ。田んぼに水が引かれると、蛙の泣き声も聞こえるようになります。・次候:蚯蚓出(きゅういん いずる) : 2016年5月10日。蚯蚓(ミミズ)が地上に出てくる頃。畑を耕すとミミズも出てきますね。・末候:竹笋生(ちくかん しょうず) : 2016年5月15日。筍が生えるころ。筍というよりは若竹がズンズン生えてくる頃です。 今回は「立夏」について取り上げましたが、日本の四季を楽しむ節目、お子様との会話や料理の中にちょっとだけ取り入れてみてはいかがでしょうか?
2016年05月01日今年の桜は、かなり長い期間楽しむことができましたね。東京の桜はそろそろ葉桜モードですが、お花や葉っぱが色づくこの季節は、やっぱり心はウキウキして、色々なことが「始まる」ことを実感します。子どもたちも新年度になり、進学・進級を迎えて、クラスが変わったり、担任の先生が変わったりで、まだペースがつかめない毎日を送っているご家庭も多いことでしょう。わが家も早起き、そして私はお弁当作りの毎日に、学期の最初はなかなかペースがつかめず、なんとなく寝不足気味…。そしてこの4月、子どもたちを取り巻く環境で、今年大きく変わったことがあります。それは、これまで義務教育として位置づけられていた小学校、中学校の他に、今年度から義務教育学校というものが、法律で正式に位置づけられ、新たな学校としてスタートすることになったのです。今年度スタートした「義務教育学校」って?この義務教育学校というのは、義務教育期間である小中学校9年間を一つのまとまりとして学校を設置し、教育内容も9年という期間で編成するというもの。これまでも行われてきた小中一貫教育が、一つの学校になったとイメージするとわかりやすかもしれません。これまでの小中一貫教育は、「特例校」として、毎年度、文部科学大臣の指定を受けなければなりませんでしたが、その必要はなくなり、小中学校の設置者である市区町村の裁量で設置することができるようになったのです。それでは、小学校と中学校が分かれているのと、一貫教育として行うのとは何が違うかといと、小中一貫教育導入にはさまざまな子どもを取り巻く問題がその背景にあります。 思春期にやってくる問題も緩和する?一つは「中一ギャップ」という問題です。小学校と中学校とでは、勉強の仕方も学校生活も大きく変わります。うまく適応できない子どもが多くなり、不登校の子どもの数も中学一年生が一番多く、またいじめという問題も多発します。また、子どもの成長の早期化も近年著しく、思春期も30年前と比べると、だいたい2~3年早まる傾向にあります。30年以上前に中学校生活を送っていた自分自身を振り返ってみても、一般に反抗期といえば、中学2年生ころから始まったように思うのですが、今は早いと小学校4年生ころから、だいたいの子は小学校卒業する前には反抗期に突入するのが実態。体の成長も、1年間で一番身長が伸びるのは、30年前なら男の子は中学2~3年生、女の子は中学1~2年生だったのが、今では、男の子は6年生、女の子は5年生と、これも2~3年早まる傾向にあります。つまり、心も体も大きな変化のさなかで中学受験や進学を迎え、それらに影響される心身のアンバランスが、中学校生活に影となって表れてくるという問題は、もう10年以上も前から指摘されてきました。そこで、小学校から中学校への接続をできるだけ滑らかにすること、これが小中一貫教育の最大の目的であるのです。学習面でこの制度がもたらす効果は?また外国語教育、情報教育など、学校で教える内容も増え、カリキュラムの見直しなども大きな課題でした。小中一貫教育では、義務教育9年間をひとまとまりとして考えますから、その中で、カリキュラムの前倒しや、中学校の理科などの専科の先生が小学校で教えることができるなど、授業の充実にも大きく寄与することになります。すでに平成18年度には、東京都品川区で、公立では初めてとなる小中一貫校「日野学園」(この4月からは義務教育学校・日野学園)を開校し、大きな成果が得られてきました。特に生活面で言うと、思春期や反抗期の中学生が小さな小学生と日々触れることは、大人には想像もできないような効果が生まれるようです。例えば不登校がなくなったり、反抗期の時期にある子どもでも、自分たちが小さかったころを思い出すことで、生活態度そのものが変わってくるといいます。そもそも、義務教育が小中と分かれているのは、戦後、それまで日本では、義務教育は小学校だけだったものに、GHQ(連合国最高司令官総司令部)の政策によって3年間の中学校が足されただけであり、合理的な意味はありませんでした。私立のみならず、最近では、公立の中高一貫教育も増えています。本来なら、そもそも義務教育とは、何を目的に、何を学ばせるのかなど、戦後70年経った今、改めて根本からの改革を行わなくてはならないのですが、ひとまずは、子どもたちの現実の姿に合わせ、国の制度としての義務教育学校が位置づけられたことは、とても大きな一歩であったと思います。私は品川区の教育委員として、この小中一貫教育の制度化に携わってきましたが、国が「義務教育学校」として学校教育法の中に正式に位置づけるまでには、日野学園の開校からちょうど10年、品川で小中一貫教育の制度化を含む教育改革を始めてから実に17年の歳月を要しました。すでに、この間に、義務教育を終えてしまった子どもたちがたくさんいるとうこと。子供の成長はあっという間ですから、今の子どもたちに、「間に合わなかった」ということがないように、制度を作る大人たちには、スピード感こそが求められていることを自覚して欲しいと思っています。
2016年04月19日2002年にドイツのチュービンゲン大学ではじまった「子ども大学」は、子どもたちが大学に登校し、日ごろから疑問に思っているテーマについて、大学教授による授業を受けるというもの。現在、ドイツを中心に、欧州各国で開校されています。そして近年、日本でも「子ども大学」に取りくむ大学や企業、地方自治体が増えてきました。子どもたちの新たな学びの場ともいえる「子ども大学」について紹介します。■「子ども大学」ってどんなもの?「子ども大学」の大きな特徴は、子どもたちの「なぜ?」に対して、その分野の専門家がわかりやすく答えてくれるという点。講義を受けられるのはもちろん、子どもたちが体験をしたり、自分で考えたりしながら学べる学校もあります。日本ではNPO法人「子ども大学かわごえ」が2009年にはじめて「子ども大学」として授業を行いました。現在は、日本各地に「子ども大学」の取りくみが広がっています。大学が設けている「子ども大学」から、企業・地方自治体が大学と連携して開催しているもの、NPO法人が運営するものなど、その形態はさまざま。内容にもそれぞれ異なる特徴があります。日本でもどんどん広がっている「子ども大学」の取りくみには、どのようなものがあるのでしょうか? 実際に開催されている「子ども大学」を紹介します。■「子ども大学かわごえ」(NPO法人 子ども大学かわごえ)地元大学の教員と連携し、子どもたちの素朴な疑問について、大学レベルの授業体験を提供。純粋科学的な疑問を追求する「はてな学」、キャリア教育の「生き方学」、郷土を知って地域に貢献する「ふるさと学」という3つの教育プログラムが柱となっています。対象学年は小学4、5、6年生です。■「子ども大学水戸」(特定非営利活動法人 子ども大学水戸)身のまわりで起こる「自然現象」や「社会現象」についての素朴な疑問を題材に、大学教授や地域のプロフェッショナルなど、その道の専門家による講義やワークショップを体験できます。対象学年は小学3年生から中学2年生まで。キャンパスとなるのは地元の高校や大学、専門施設で、年5~6回の授業が行われます。■「こども芸術大学」(京都造形芸術大学)3歳から小学校入学前までの子どもと親を対象とした、新しいタイプの通学型教育機関(許可を受けた幼稚園とは異なる)として、京都造形芸術大学が運営。「自然と芸術」を通じて「感じる力」「工夫する力」「伝える力」を育むための教育を行っています。このように、さまざまな教育方針、カリキュラムを持つ「子ども大学」が、ほかにも多数開催されています。子どもたちの興味の幅は広く、「なぜ?」のなかには私たち大人が答えに詰まってしまうものも。そんな疑問に専門家がわかりやすく答えてくれる「子ども大学」は、子どもたちはもちろん、親にとっても貴重な「学びの場」となりそうです。
2016年04月19日■あなたのふるさとの味は何ですか?私のふるさと、福井県では、春のこれからの時期、「ほうば飯(めし)」が食べられます。熱々のごはんに、甘く味付けたきな粉をまぶし、朴葉(ほうば。ホオノキの葉っぱ)で包んで、重しをしたもの。きなこおはぎに近い味わいですが、もち米ではなく、あくまで普通のごはんを使います。 隣の岐阜県などでは、押し寿司のように、しめ鯖や錦糸卵などを彩りよくのせて朴葉で包んだ「朴葉寿司」が食べられるそうですが、福井のそれはいたってシンプルに、ごはんときな粉だけ。ですが、きな粉の香ばしさに朴葉の香りもほんのり移って、なんとも素朴でやさしい味わいなのです。古くは、田植えが終わった後のお祝いに食べたものだそう。甘いきな粉はごちそうでもあり、また、黄金色に実る稲穂を思わせることから、豊作への願いも込められていたと言われます。朴葉には殺菌作用もあるとされ、昔の人の知恵がつまった郷土料理のひとつです。私も子どもの頃、「ほうば飯」を食べるのがとっても楽しみでした。2枚の葉っぱを十文字に重ねて、真ん中にきな粉とごはんを置いて包む…。作るのをお手伝いするのも楽しかったし、大きな葉っぱを広げて甘いきな粉ごはんをほおばるのも、なんともワクワクする瞬間でした。我が家では毎年、お隣のおじいちゃんが山に入って採ってきてくれる朴葉で、ほうば飯を作っていました。が、今は山に入る人もなく…、もう何年も、ほうば飯を食べていません。同じように、わらびやぜんまい、ふきのとうなど、様々な山菜が、春のこの時期は食卓に並んだものです。どれも、私の祖父や親戚やご近所のおじいちゃんなど、誰かが山に入って摘んできてくれたものでした。■自然の恵みを食卓に取り入れることの大切さ昔はそんなふうに、身近にある自然の恵みを食卓にとりいれることが、どの家でもごく普通のことだったのではないでしょうか。 いまは山に入るにも制限があり、難しいのかもしれませんが、でもそうした、自然と共にある暮らしや、そこから受け継がれた知恵や手仕事、郷土の味など、いろいろと知って、体験しておきたいなと考えます。おじいちゃん世代ができていた、昔ながらの家仕事。孫世代の私はほとんど身につけられていないのですが、あらためて、子どもたちと一緒に学び、感じる機会を作っていきたいと思っています。ということで、この春は、家族みんなで「山菜採りツアー」に参加してみるのはいかがでしょう?専門のガイドさんと一緒に、見て聞いて感じながら山の恵みを味わうのは、子どもたちにも貴重な体験になるはずです。山に入って山菜採りを楽しみ、その後、山菜料理が食べられるツアーもありますよ!春の食材には、苦みやアクのあるものが多いのですが、この苦みには、冬仕様だった体を目覚めさせてくれる働きがあるそうです。また、芽吹いたばかりの山菜は、生命力にあふれ栄養もたっぷり! 旬の恵みは、私たちの体にもうまく働いているんですね。各地の山菜採りツアーは、4月下旬から6月中旬ころに開催されるものが多いようです。生き生きと輝く新緑の中、自然の楽しさ、おいしさを再発見しに、お出かけしたいですね!(参考リンク)・ 山菜採りハイキング|長野県、黒姫、妙高で山菜採りハイキング|サンデープラニング ・ 全国 山菜採り 子供の遊び場・お出かけスポット | いこーよ
2016年04月19日子どもは学校へ行って当たり前と思っていませんか? でも、もし突然子どもが「学校へ行きたくない」と言い出したら、あなたはどうしますか? 不登校は誰もが直面し得るもの。そのとき、親はどうすればいいのでしょうか?実際にわが家で起こった体験をもとに、前兆から不登校、そして再び学校へ行くようになるまでを振り返り、その時々の子どもとの接し方や、親としての気の持ち方についてお伝えします。■前兆は「お腹が痛い」わが家は共働きです。息子が0歳の頃から保育園に預け、私はフルタイムで働いていました。今思えば、前兆は保育園の頃からありました。息子はもともと集団に馴染めない性格で、1人でいるのが好き。とは言え、誰とでも別け隔てなく遊ぶこともできました。しかし、その反面、神経質なところもあり、何かあるとお腹が痛くなったり、微熱が出たり。そのため、たびたび会社にお迎え要請の電話がかかってきました。私はその都度、息子を病院に連れていっていましたが、そのうちに、「これは本当に体調が悪いのではなく、かまってほしいのだな」と気づき、それからは、そういうことのあった日は半日休むようにしました。働くお母さんがたぶん、みんなそうであるように、子どもと一緒にいる時間が少ない分、密度の濃いコミュニケーションを心がけるようにしていたのです。「お腹が痛い」は小学生になってからも、時々ありました。小学校1年生の後半からたびたび起こる息子の朝の腹痛。痛みに歪んだ顔で私を見上げ「お母さん、お腹いたい…」。病院も何ヶ所も行きました。いろんな検査もして、レントゲンも取りました。しかし、どれも「異常なし」。イベントや行事などのいつもと違うスケジュールには特に弱く、楽しみな気持ちと同時に、不安も大きくなってしまい、ドキドキが体の症状=腹痛として出てしまっていたのです。そのため、遠足や運動会は、いつも途中参加かお休みでした。 ■体の症状はSOSのサイン進級し、小学3年生になってからは、今度は「頭痛がひどい」と言い出し、神経内科にも行きました。起立性障害と診断されたことも…。そして、ついに頻繁に学校を休むようになりました。でも、学校からは「なんとか登校させてください」と言われ、プレッシャーがかかります。私も「学校だけは行かせなければいけない」と思っていたので、なだめすかして、なんとか登校させようとする日々。学校とも連携を取り、息子をあの手この手で説得しようとしました。息子も理屈ではわかってくれますが、やっぱり腹痛が起きてしまいます。むしろ、親がムキになればなるほど、病状は悪化する一方です。そして、子どもは親の期待に応えられない自分を責め始めます。そのうち、頭痛以外に、別の症状も現れ始めました。病院もいくつも変えました。けれど、なかなか良くなりませんでした。息子も登校したい意志はあるのに、朝になるとひどくお腹を壊すという、体と心が分離しているような状態。もう息子本人もコントロールできない、心の底からのSOSのサインでした。 ■やっと待望の心療内科へ小学5年生になったとき、都立総合小児病院に初めて行き、体の異常がないことを入院検査で確認し、3ヶ月予約待ちをして、やっと待望の心療内科にかかることができました。その頃には、息子の口からついに「学校に行かなきゃダメ?」という言葉が出ました。私も「嫌な体験をずっと繰り返すより、一度じっくりまとめて休ませたほうがよいのでは?」と思っていたので、ひとまず1ヶ月間休ませることにしました。その後、心療内科の先生と相談し、学校に関しては無理強いせずに、家でゆっくり治療に専念することになりました。まずは、「家は安全、家は本当の自分を出せる場所」という体験をさせ、そのあと少しずつ外(学校や社会)へ出ていくという手順が必要だったのです。先生から「1年~2年かかることは覚悟して、じっくり治療しましょう」と言われました。私は会社に相談し、勤務時間を減らしてもらい、週に一度は息子と一緒にカウンセリングに通いました。親の私がすることは、無条件で子どもを受け入れること。甘えてきたら「もう大きいんだから」と突き放さず、幼児から育てなおすくらいの気持ちで接すること。それが治療方針でした。同時に、学校を思い出すようなことも一切排除することになりました。心療内科の先生から学校に電話してもらい、直接本人に接しないように徹底してもらいました。経験豊富な専門家がついているおかげで、私も落ち着きを取り戻し、ときには不安を聞いてもらうこともありました。子どもの心が不安定なとき、親が慌てたり不安がったりすると、それが子どもにも伝わってしまいます。自分だけで解決しようとせず、心の専門家に介入してもらい、親自身の心を安定させることも大切です。 ■長い目で見守る、そして信じる自宅療養を始めてから最初の数ヶ月間は外にも出たがらず、ゲームばかりしていた息子でしたが、ゆっくりゆっくり休んだ後、やがて自分から生活のリズムを管理しだし、遅れを取り戻すように本を読んだり勉強をしたりするようになりました。その後は誘うと徐々に外に出るようになり、休日は一緒にランチを食べに行ったり、サイクリングに出かけたりしました。しばらくすると学校の友だちとも休日になら一緒に遊べるようになり、6年生の3学期は放課後に学校へ勉強をしに行けるようにもなりました。そして、卒業前何日かは登校もできるようになったのです。卒業1週間前には毎日、卒業式の練習に参加するまでになり、無事、卒業式に出られたのです。息子を見守ってくれた友だちや、学校の存在は、とてもありがたいものでした。こればかりは親だけではどうすることもできません。現在では何事もなかったかのように、元気に中学校に登校しています。新しい友だちもでき、部活動も楽しんでいます。■子どものことをわかっているつもりで、わかっていなかった息子が学校へ行かなかった1年半、私が主にしたことは、ただご飯を作って一緒に食べること。そして、息子の話をとことん聴くことだけでした。子どもは親にわかって欲しいのです。私は、息子のことをわかっているつもりで、何年もわかっていなかったのでしょう。小学校くらいなら1年~2年の勉強の遅れは、すぐに取り戻せます。けれども、心の問題を取り戻すには、たくさんの時間がかかります。親が悲観的にならずにゆったりと構えると、子どもの情緒も次第に落ち着いてくるようです。 ■子どもが「学校に行きたくない」と言い出したら=私の体験から子どもが学校に行きたくないと言い出したら、原因探しをするよりも、まずは子どもの話をじっくり聴いてあげてください。問い詰めたり責めたりせずに、お母さんが子どもの心の逃げ場所になってあげてください。学校に行けなくなった息子のために私が意識してやったこと、それは「息子の気持ちに添う」ことです。学校に行きたくない原因は人それぞれ。単純なことではありません。逆にしないように注意していたのは、問い詰めたり、攻め立てたりすること。子どもが学校へ行かないと親も焦りますが、そこは我慢。子どもは家庭という絶対安心できる場から、ミリ単位で成長を始めるのです。親にできることは、子どもを信じて見守ること。何があっても親だけは味方だということを、心の底からわかってもらうこと。まずはそれが大切です。そしてもちろん、子どもを支える保護者にも支えが必要です。保護者の支えになるもの、それはプロの指導です。経験豊富なプロは、子どもだけではなく、保護者の心も支えてくれます。学校のスクールカウンセラーでもよいですし、信頼できる心療内科を探してもよいです。親が「この人は本当に信頼できる」というプロを探してください。「家庭の問題だから」と抱え込まず、適切にプロの助けを借りながら、子どもの成長を見守るのがベストだと、私は考えます。
2016年04月13日海外旅行というよりも、その土地で生活をしている感覚で休暇を過ごす人が増えているようです。滞在中は語学学校に通ったり、ローカルのような生活を体験したりできる親子留学で、プチ海外生活を楽しんでみませんか?■旅行とはひと味違う、海外生活を味わえる親子留学とは旅行でリゾートや観光に行くよりも、何かのきっかけづくりや、普通ではできない経験をしてみたい。そんな方にオススメするのが、「親子留学」というスタイルです。たとえば、親は語学学校や各種専門学校といったスクールに通い、子どもは年齢に応じてチャイルドケアや幼稚園、小学校への体験入学をするというように、親子で海外の生活や文化を学ぶ――それが親子留学です。期間は約1週間~。現地での滞在も、ホテルではなくホームステイやサービスト・アパートメント(簡易キッチンや洗濯機などがついている宿泊施設)を利用し、ローカル目線で生活をすることで、普通の旅行では得られない体験や思い出ができます。■親子留学におすすめの国は? 選び方のポイント1週間の親子留学を予定している場合、「時差が少ない」「フライトが短い」の両方、あるいは少なくともどちらかに絞ったほうがよいでしょう。語学留学で人気のある渡航先は、オーストラリア、ニュージランド、ハワイ、カナダなどですが、時差のことを考えると、もう少し候補が限られるかもしれません。また、比較的安く気軽に行けるアジア圏も注目されています。アジア圏ではフィリピン、マレーシアなどがおすすめです。留学先を選ぶ上で注意したいのが治安です。海外では日本よりも安全な国は、なかなかありません。留学エージェントなどを通じて手配する場合でも、自分で現地の情報などを事前に収集しましょう。公共交通機関が整っていない滞在先にでは、自分で車を運転しなければならない場合もあるので、そうしたことも考慮に入れておきましょう。 ■旅行会社の親子留学プログラム、留学エージェントを頼ろう海外在住の経験があったり、何度かその土地に旅行経験があったりする一部の人を除き、ほとんどの場合、親子留学をする際は、旅行会社の親子留学プログラムを利用する、もしくは留学エージェントに手配を依頼することをおすすめします。通常の旅行とは異なることが多いので、どこまで対応してもらえるのか、現地のフォロー体制はどうなっているのかなどを事前にしっかりと確認しておきましょう。なお、主な費用の内訳は、渡航費、現地滞在費、スクール受講料、チャイルドケアや体験入学費用、生活費などです。単純に金額だけを見るのではなく、さきほども言ったように現地でのフォロー体制も確認しておかないと、結局コストがかかってしまう場合もあります。まずはさまざまプランを見て、おおまかな予算や場所、期間を決め、親子で目的をはっきりさせておくことが大切です。1週間というと短く思えますが、学びを目的として海外を訪れることで、思ったよりも多くの経験を得ることができるものです。知的好奇心を刺激し、リフレッシュもできる親子留学をこの夏検討してみてはいかがでしょう。(逗子マリナ<フォークラス>)
2016年04月12日思春期に子どもから激しい反抗をされると、親は戸惑います。どうしたらよいのかと、うろたえます。脳科学から思春期の反抗について考えてみましょう。「なぜこんなに反抗するの?」という疑問が、すっきりと解消すること間違いなしです!■反抗の激しさは脳が求めていた!思春期は、第2反抗期が訪れるものとされています。ただし、反抗の度合いは人それぞれです。上の子は反抗期の訪れがはっきりしていてすぐわかったけど、下の子は「後から振り返ってみたら、あのときが反抗期だったのかな」という感じだったなど、同じ血を分けた兄弟でも反抗の度合いが違っていたということがあるのです。始まる時期についても同様です。ですから、「ほかの子に比べて反抗がひどすぎるのでは」「反抗期がいつになってもやってこない」といった親の心配は無用です。なぜなら、反抗の度合いや時期については、その子の脳が決定していることであり、脳は子どもによってみんな違うからです。親が心配してもどうにもなりません。反抗期が過ぎ去るのを、あるいはやってくるのを待つしかありません。親に「イヤだ」と反抗することをきっかけとして、前頭前野(※)は働き始めます。でも、前頭前野が働くのにどれだけ強い刺激、つまり反抗が必要なのかは、脳によって違います。逆に考えてみれば、反抗が強いということは、それだけ強い刺激を脳が求めているからにほかなりません。脳が求めた刺激が反抗というかたちで出ているなら、脳は正常に発達しているのです。反抗を続けていくうちに、言葉や態度による反抗をしなくても前頭前野が働いて、自分の力で何でもできるようになります。自分がそんな力を得たと脳が判断したとき、反抗期は終わります。なんでもそうですが、習得するには反復練習が必要です。脳が学習するにも、繰り返しが絶対に必要なのです。子どもの反抗は、脳が学習を終えるまで続きます。その終わりの時期も人によって違っていて、大学生でも、まだ反抗期にいると感じられる人もたくさんいます。(※)前頭前野とは、大脳の前頭葉の中に存在する領域で、「記憶」「思考」「創造性」「感情コントロール」などを、つかさどる脳内の最高中枢です。人間と他の動物の脳を比較した場合、大きく違うのが前頭前野で、人間の脳の部位でもっとも発達している部分です。従って、頭の良い人、発想が豊かな人、新しい物を造り出す人などは、前頭前野が発達していると考えられています。■長い反抗期、親が乗り越えるにはわが子への信頼と心の余裕が必要子どもの反抗は、脳が成長のために求めている刺激なのだ、それほど子どもの脳は成長してきているということなのだ、とわかってはいても、反抗期の子どもに毎日接していると本当に大変です。「ご飯できたよ」と声をかければ「食べない」と返される。「出かけるの?」と尋ねれば「ほっといてよ」と言われる…。まったく会話になりません。友だちとの電話中に親が通りかかれば、すっとその場からいなくなってしまう。これでは子どもが考えていることも、今置かれている状況もわかりません。そのような時親は、不安でいてもたってもいられなくなるのです。そんなとき、親はどうすればよいのでしょうか? 答えは、今まで育んできたはずの子どもとの信頼関係を信じて、ひたすら今のわが子を認めることです。何を考えているの、何をしているのと迫りたい気持ちを我慢することです。わが子を信用していればこそ、心の余裕が持てて、今の子どもの姿を受け入れられるのです。果てしなく続くように思われる思春期ですが、わが子を信じていれば、きっと乗り越えられるはずです。
2016年04月09日「怒る」ことと「叱る」ことは、まったく違います。子どもは怒られても、何について怒られているのか、実はわかっていません。どうしたら子どもにわかってもらえるでしょうか? 感情に任せることのない、上手な叱り方について考えていきましょう。■子どもを怒っていますか? 叱っていますか?(A)「うちの子ったら、何度言っても同じことを繰り返すし、言うことをぜんぜん聞いてくれない」。そんなママはもう、イライラは頂点に達して、大声で怒鳴りつけるばかり。スーパーでも、公園でも。そういった光景を昔から見かけることがあります。(B)いつも元気な子がしょんぼりしてうなだれていたり、はしゃいでいた子が急に何かを思い出したように神妙な態度をしてみたり。よくよく事情を聞いてみると、お母さんに叱られた…と。この違いは大きいですよね。(A)のお母さんは怒っています。(B)の子どもは叱られました。では、(A)の子どもはどうでしょうか?小さな子なら泣き叫んでしまいますし、ある程度成長し、怒られることに慣れている子なら、嵐が通り過ぎるのを待つように、黙って下を向いていたり。(B)のお母さんはどうでしょう?恐らく、けっして大声を上げることなく子どもに反省を促し、二度と間違ったことを繰り返さないようにしっかりと言い聞かせたのではないでしょうか。■怒っても子どもの心には響かない子どもは親の感情にとても敏感です。特に接触する時間、一緒に過ごす時間が長い母親に対して、その傾向が強くなります。小さな子ほど母親への依存が強いですし、その顔色をうかがって、感情を推し量る知恵も備わってきます。母親が感情をむき出しにして怒った場合、子どもは「自分が怒られている」ことよりも「母親が怒っている」ことを認識します。そうなると、なぜ怒られているのかがわからなくなってしまうのです。人は、強い怒りの感情を向けられると、パニック状態に陥ってしまいます。耳には届いていても、その言葉をなかなか理解することできません。子どもが怒られて泣くのは、怒られることが不快か、大きな声に驚いたか、怒りの矛先から逃避するかのどれかです。「怒り」を「暴力」に置き換えてみれば明らかです。しつけと称して子どもに手をあげる人がいますが、論外です。子どもは殴られたことで理解するのではありません。理解はしていないけれども、殴られたくないから言うことに従っているだけなのです。■叱っていることを理解させる叱る場合は、子どもに「どこが間違っているのか」をきちんと理解させましょう。そのとき、母も子もお互いに冷静でなければなりません。真っ直ぐに向き合って、きちんと話をするという場を設定しましょう。できれば声を低めにして、なるべくゆっくり話してみてください。そのほうが、いつもと違う状況であることを子どもが察しやすくなります。そして、しっかり話を聞こうとします。そのような状態になってから、何がいけないのか、何が間違っているのかをわかりやすく、かみ砕いた平易な言葉を使い、ゆっくりと説明していきます。ときどき質問を交え、確実に理解をしているかどうかを確認してみてください。しっかり理解してくれたと判断すれば、くどくならないように、そこで打ち切ります。ただし、十分な理解をしていないうちに途中で止めるべきではありません。わかるまで粘り強く話していくしかないのです。世の中に完ぺきな親などいません。その子が最初の子(第一子)であれば、あなたは初めて親になったのです。初心者なのですから、間違うことがあって当たり前です。思い通りにならないことなどいくらでもありますが、これから親子ともども学んでいけばよいのです。けっして子どもを怒ってはいけないのではありません。叱ることと混同しないということです。むしろ感情をぶつけ合うからこそ、親子関係が深く築かれていくものでもあるのです。(DENT.たいろう<フォークラス>)
2016年04月09日前編 では、なぜ思春期が社会の道徳意識を教える時期なのかについて、脳の成長のしくみから解説しました。後編では、社会モラルを教えるための具体的な方法を紹介します。■思春期の子どもにはこうやって社会の道徳意識を教えよう!社会的な道徳意識(社会のモラル)を脳に植え込むのにふさわしい時期は、思春期です。でも、これは決してたやすいことではありません。親だけの力では不足と感じることもあるでしょう。どうやったら思春期の子どもに道徳意識を教えられるのか。それをご説明しましょう。これまでのしつけのように、社会的な道徳意識を試行錯誤で身につけさせる?それはいけません!というのも、たとえば「やってみたら誰かにけがをさせちゃった。ごめんなさい。今度からこれはしちゃいけないな」というのは許されませんよね。試行錯誤している間にたくさんの人が傷つけられたり、不幸になったりしてしまいます。思春期の子どもに道徳意識を教えるには、上手に言葉を使って何度も説明するしかありません。つまり、理性に訴える、理屈でわからせるという方法になります。というよりも、その方法以外にありません。前頭前野にとっては、社会的な道徳意識というのは「理性」として入っていくのです。■子どもとの積極的な話し合いをでも、このやり方は、とりわけ日本人にはとっては困ってしまう方法かもしれません。日本の子育てはつい「親が正しい姿を見せればいい、それを見て子どもが育ってくれれば」となってしまいがちです。「親の背を見て」的なしつけは、日本人は得意な傾向にありますが、面と向かって子どもとうまく話し合うのは苦手な傾向にあるようです(むろん家庭によっていろいろですが)。子どもとしっかり向き合って、話し合いが持てない親たちは、学校で教えてくれないかな、なんて考えてしまうこともあります。でも、親がやるべきしつけを、ほかの人に転化してしまって、果たして効果が出るものなのでしょうか?なんとなく、でやってしまっていては、親の意思が子どもに伝わらず、子どもの脳に社会的な道徳意識を定着することはできません。タイミングを見て何度でも、真面目に、この世の道徳について語りかけてください。そのためには、子どもとの話し合いの場を、日常的に作っていくことが必要でしょう。そしてもうひとつ大切なポイントがあります。思春期の子どもにこういった話を真剣に語るのは、家族において誰が適任か? それを考えておくことです。道徳意識を教えるのは、子どもにとってもっとも身近な社会人が適任です。家庭によってはそれが父親のこともあるでしょうし、母親のほうがふさわしいこともあるでしょう。いずれにせよ、親が逃げずに子どもとしっかり向き合って、話し合う場を作ること、それが重要です。
2016年04月08日思春期の子どもの扱いは難しく、これまでのようなしつけがしづらくなります。ですから、子どもに何をどう教えたらよいかわからなくなって、何となく子どもとの関係が薄くなってしまいがちですね。でも、この時期だからこそ教えるのに適したこともあります。それは、「社会における道徳意識(モラル)」です。どういうことなのか少し詳しく見ていきましょう。■なぜ思春期は社会の道徳意識を教える時期なの?12歳~13歳頃といえば、思春期真っただ中。この時期には、前頭前野がすごいスピードで発達していきます。この頃になると、前頭前野にある細胞が突然大きくなるのです。前頭前野とは、大脳の前頭葉の中に存在する領域で、「記憶」「思考」「創造性」「感情コントロール」などをつかさどる脳内の最高中枢です。人間とほかの動物の脳を比較した場合、大きく違うのが前頭前野で、人間の脳の部位でもっとも発達している部分です。従って、頭の良い人、発想が豊かな人、新しい物を造り出す人などは、前頭前野が発達していると考えられています。前頭前野はこの時期になると、何もしなくても成長するのかというと、それは違います。前頭前野の急成長をもたらすきっかけ、それは「反抗」です。反抗期は「これから前頭前野が活性化するよ、大人になるための訓練が始まるよ」という合図でもあるのです。大人が言うことに対して反発をします。するとその次には、「ではどうしたらよいのか」ということを自分で考えなければならなくなります。このことこそが、前頭前野にとっての大きな刺激となるのです。脳の成長は、反抗なしには始まらないのです。前頭前野が急成長するということは、脳が何かを会得しやすくなっているということです。そんな脳の成長時期であり、子どもから大人へとポジションが移っていく時期だからこそ、社会における道徳意識(社会のモラル)をしっかりと脳に叩き込むべきなのです。そしてこの時期を逃してしまったら、もう脳に道徳意識が定着することはないとも考えられています。■「子どもだから」では済まされない年齢思春期以前は、子どもは何と言っても「子ども」です。仕方ないね、で済まされてきたこともあったかもしれません。しかし、これからは「子どもだからね」とは思ってもらえない年齢になっていきます。仮に中学卒業後、すぐに仕事についたとすれば、もう自分1人の力で、社会において立ち回っていかなければなりません。そのために必ず必要になるのが、社会的な道徳意識です。だから、思春期の子どもには、親が責任を持って道徳意識を定着させてやらなければならないのです。時期からしても、これが最後のしつけになるのではないでしょうか。ぜひきちんと行ってあげましょう。< 後編 に続く>
2016年04月08日前編 では、脳が子どもから大人へと成長していく段階について説明しました。後編では、子どもが思春期の反抗期を迎えるとき、親としてどのような心構えをしておけばよいのかについて解説します。■思春期は親としての責任から解放される兆しあらゆることに反抗し、親も何かと悩む思春期ですが、この思春期にも必ず終わりが来ます。そうなってみると初めてわかることですが、思春期を通り過ぎたわが子は、もう「子ども」ではありません。ですから、思春期の終わりとともに子育てが終わると言ってもよいでしょう。とはいえ、日本では成人するのは20歳ですし、成人した後もしばらくは親元で学生を続けていることが多いでしょう。そうなると、実質は、子どもが自分の力でお金を稼げるようになるまでは、親は責任を持たなければなりません。でも、わが子がどんどん成長・発達していくに伴って、子ども自身が自分の行動に責任を持たなければならなくなってくるはずです。それと比例するように、親としての責任を少しずつ、子ども側へ移行していかなければなりません。言い換えてみれば、子どもの脳が大人になればなるほど、子育ての責任がなくなってくるということです。そう考えてみたら、思春期は親としての責任の終わりが近づいている時期とも言えますね。思春期真っただ中のわが子を見て思い悩むなんて、もうしなくていいのです! むしろ「もうすぐこの責任から解放されるのね!」と喜んでもいいくらいです。昔はよく、初潮を迎えた女の子のために赤飯を作り、みんなでお祝いをしたと言います。脳が最後の転機を迎える思春期は、まさに初潮を祝うように喜びたいものなのです。それほど、脳にとっては大切で、大きな転機だと言えます。思春期の反抗は、それまでの変化とは違って、夫婦ともにつらく感じることが多いでしょう。そんなとき、ぜひ思い出してほしいのです。「思春期が来るということは、もう子育てのゴールが近づいているということなのだ」と。きっと「思春期、反抗期が来てよかったね」という気持ちになれることでしょう。■子どもが思春期を迎える前に、見直すべきは夫婦関係余談ですが、この思春期の時期に夫婦間でトラブルが起こることも多いようです。「これまでお前は何をしてきたんだ!」と夫が妻を責めるわけですね。こうならないようにするためには、子どもが生まれたと同時に、夫を父親へと育てていく妻の努力が必要なのです。思春期にあるこのような夫婦のトラブルは、これまでの夫に対する教育がうまくいかなかったということを表しているのです。思春期には、子育てに関して夫婦がどうやって力を合わせていったかを問われる時期とも言えますね。世の中のお母さんたちにはぜひ、思春期の厳しいときになって夫に心外な言葉を言われないよう、子どもが幼いうちから、父親育てを頑張っていってもらいたいと思います。
2016年04月07日親の仕事はいつでも大変ですが、もっとも試練と感じられるのが思春期の反抗の時期でしょう。今までは素直だったのに、この頃は親のいうことになんでも反抗して、扱いづらい…そんな悩みを誰もが抱えています。ちょっと視点を変えて、脳科学から思春期に訪れる反抗を考えてみませんか? 理屈がわかれば、子どもの反抗に悩むことがなくなり、むしろ喜べるようになるかもしれません。■大人になるまでに脳は3回の転機を迎える子どもの脳は、生まれてからずっと休むことなく、大人の脳へと成長していきます。でも、ただ少しずつ成長していくだけでなく、周りから見ても「おや? 今までと違うぞ」と感じるような転機が訪れるときがあります。脳の転機と言われる時期は、以下の通りです。・反抗期と呼ばれる2歳頃・何となく不安定になる9歳~10歳頃・第2反抗期と呼ばれる思春期これら3回の転機を経て、脳は大人になるのです。つまり、脳の成長は一定速度ではなく、3回の転機には急激で大きな変化が現れるのです。脳の成長は、カニの脱皮に似ていると言われることがあります。カニは大きくなるために脱皮を繰り返しますが、脱皮中や脱皮したばかりのカニの味はあまりおいしくない、ということをご存じですか?カニは甲羅のまま大きく成長するのではなく、成長するときに脱皮して一回り大きくなります。従って、脱皮中や脱皮したばかりのときは、甲羅だけサイズが大きくなっているため、中身はスカスカ状態で、あまりおいしくないのです。子どもの脳の転機はちょうどこの脱皮に似ていて、脳が転機の真っただ中、あるいはその直後であるとき、子どもは大人にとって、ちょっと扱いづらくなるのです。■脳の転機を経て、心と体は大人へと近づいていくとはいっても、この転機は、脳にとっては必要不可欠です。カニの身がおいしくなるために脱皮が必要なように、脳にとっても転機は必要で、それを経て子どもの心と体は大人へと近づいていくのです。2歳の頃に起こる反抗期は、ほかの人と違う「自分」を自覚することができた証です。9~10歳頃に起こる不安定さは、脳が大人の脳へと移行していることを表しています。そして、思春期と同時に起こる反抗期は、心も体も大人になる時期になったことを意味しているのです。親にとってもそうですが、子どもにしてみてもこの3回の転機は、なかなかにハードなものです。それでも子どもは全力でそれにぶつかって、確実に大人に近づいていくのです。反抗期を含めた3回の脳の転機には子どもが扱いづらくなりがちで、親としてはイライラすることもあるでしょう。しかし、脳も体も心も成長しているシグナルであり、成長という視点で見ると喜ばしいことと言えます。< 後編 へ続く>
2016年04月07日■子どもをきちんと叱れない親が増えている最近、子どもをきちんと叱れない親が増えています。たとえば、危ない場所で、危ない遊びをして、ケガをしそうなとき。たとえば、ほかのお友だちをケガさせてしまいそうなとき。あるいは、幼稚園や保育園、小学校の職員室に、誰もいないときに、子どもがこっそり入ったとき…。このようなどう見ても「ダメ」なことを子どもがしているときでも、子どもに「ダメ!」と禁止することができない親が増えているのです。なぜ、このようなことが起きているのでしょうか。それは「子どもとの関係をこじらせたくない」と考える親が増えているからです。「ダメ!」「それをしてはいけません!」と厳しく禁止すると、子どもによっては、「どうして? いいじゃないか!」「だって、したいんだもん」などと反発して、親の言うことを聞きません。すると、親としては、ますます厳しく叱らざるを得なくなります。それに対して子どもは反発する…。こうやって、子どもの扱いがますます難しくなってしまうのをおそれます。そして、「友だち親子」のような仲良し関係でいられるために、子どもの行動を厳しく禁止することのできない親が増えているのです。■禁止すべきは子どもの「行動」また、子どもを厳しく叱ることの弊害を論じるメディアも増えています。たしかに、子どもに対して「おまえは、だめな子だね」「まったく、何度言ってもわからないんだから」「バカなんじゃないの」などと親から否定的な発言をされ続けると、「そうか、ぼくはダメな子なんだ」と、自己否定感を募らせていく子どももいます。そして「どうせぼくは、何をやっても、無駄なんだ…」と、意欲を失ってしまう子どももいます。電車などで、子どもをヒステリックなまでに、大声できびしく叱り飛ばす親の姿を見ることもあります。「ほんと、あんたはどうしてまたそんなことするの!バッカじゃないのぉ!」と、大声で怒鳴るのです。これは叱っているというよりも、「プチ虐待」と言ってもいいと思います。子どもの心に傷がつき、前向きに生きる意欲を失います。その結果、大事なときにも頑張ることのできない子どもになってしまうのです。では、子どもに「ダメ!」と言ってはダメなのでしょうか。私の答えは、ノーです。つまり、子どもが禁止すべき行動をとったときに、親は「ダメ!」と言って、行動を押さえるべきなのです。これをしないと、自分をコントロールできない子どもになってしまいます。重要なのは、「行動の禁止」と「人格の禁止」を区別することです。「人格の禁止」は×です。「あなたは、まったくダメな子ね!もう!」などと厳しく叱り続けると、子どもの中に「ぼくはどうせダメな子なんだ」と、自己否定感を募らせ、生きる意欲を奪ってしまいます。一方、「行動の禁止」は〇です。してはいけない行動を抑制するしつけは重要です。このとき、大切なポイントは、「人格を否定された」と子どもが感じないように、穏やかに、説明的に「なぜ、〇〇をしてはだめなのか」を理性的に子どもに、それがダメな理由が理解できるように、説明しながら、語りかけることです。「だめでしょ、それは! あんたはまったくもう!」などと、大声で怒鳴りながら叱っていると、親の側は「行動の禁止」をしているつもりでも、子どもの側からすると「人格を否定された」と感じて、生きる意欲を奪うことになってしまうのです。■いい子育て=手間ひまかけた子育てここまで、読まれて「なんだか。たいへんだな」「説明するって大変なんだよな。面倒くさい」と思った方もいることと思います。そうです。いい子育てには「手間ひまかける」ことがいちばん大切なのです。子どもと「友だち親子」になって、ダメなことも「ダメ」と言わない子育ては省エネ子育て。逆に、いつも「あんたはダメな子ね!」と感情的に怒鳴り続けるのも、省エネ子育て。一見、真逆でも、どちらも「手抜きの子育て」なのです。子どもに、なぜそれがダメなのかをわかるように、ていねいに説明するのは、かなり骨の折れる作業です。時間もエネルギーもかかります。しかも、「人格の否定」と伝わらないように、穏やかに、かつ、真剣に、話してわかってもらう必要があります。もう一度言います。よい子育ては「手間ひまかけた子育て」です。
2016年04月06日小学3年生~4年生というと、年齢にすれば9歳~10歳になりますね。実はこの頃の子どもたちの脳は、あるポイント地点に到達しています。この時期を境として、その前と後とでは、脳が少し違ってくるのです。いったいどう違ってくるというのでしょうか。それを知ると、わが子への働きかけをどうしていったらよいのかが、よくわかるのです。■9歳~10歳で大人の脳へと切り替わる!生まれてから3歳くらいまでは、脳の発達の度合いはとても急激です。そして3歳過ぎになるとややゆっくりとした速度で脳は発達していきます。そのまま行くのかというとそうではなく、子どもの脳は9~10歳ころにもう一度変化をみせるのです。学校での実例から見ても、9~10歳ころ、つまり小学3~4年生の頃というのは、子どもの学習という視点から見ても変化の兆しが表れる時期です。また、発達心理学の立場からは、このころを「9歳半の節」と名付けています。つまり、この頃の子どもたちはそれまでとはどこか違った様子を見せるようになるというのです。この時期の子どもたちの脳は、大人の脳に移行していく時期を迎えているのです。■子どもの脳と大人の脳の違いでは、大人の脳と子どもの脳というのは、どう違うのでしょうか。そもそも脳にとってのエネルギーは、血液から来ています。脳を使うと血液循環のスピードが速まり、それに伴ってエネルギーもたくさん脳に取り込めるのです。エネルギーを脳に取り込むには、酸素が必要です。大人の場合、血液循環のスピードが上がったとき、それに準じて酸素もたくさん取り入れられるようになるかというと、実はそうではないのです。ですから、エネルギーが脳に取り入れられる量が一定に決まっているということになります。なぜこんな仕組みになっているのかは定かではありませんが、突然血液量が増えてしまうことによって血管に圧力がかかり、詰まりを生じたり切れたりしないようになっているとも考えられています。しかし、この仕組みは、子どもの脳には当てはまりません。子どもの場合は、血液循環のスピードが上がるに従って、取り入れられる酸素の量も増えていきます。ということはつまり、脳を使えば使うほど、脳に必要なエネルギーをどれだけでも得ることができるということになります。子どもの脳はこのような素晴らしい仕組みになっています。ですから、子どもの脳である時は、どんどんと脳を鍛える学習(漢字の書き取り、音読、計算問題など)をするのにもっともふさわしい時期と言えるのです。では、いつまでが子どもの脳と言えるのか。それがズバリ、9歳~10歳ころ、学年で言えば小学校3~4年生の頃なのです。移行の時期には男女差があり、女子は男子より6ヶ月ほど遅れてやってきます。■9歳~10歳くらいの子どもの変化に対して心の余裕を持つ方法小学校3年生~4年生のころになると、脳はもう子どもではありません。大人の脳へと移行していくのです。まだまだ子どもに思える小学校3年生~4年生ですが、脳は確実に大人へと切り替わっていくのですね。さて、この時期の子どもたちを見ていると、それまでとはちょっと違うように見えることがあります。「何だか最近、生意気な口を利くようになってきた」「どうも落ち着きがないのよね」などと、どことなく漂う不安定感に気づかれる方もいるでしょう。それはもしかしたら、大人の脳へと移行していくことから来るのかもしれません。反抗期を迎えた子どもも、今までとはちょっと違った様子を見せますが、それとこの時期の変化とは、少し異なっています。いつも一番近くで子どものことをよく見ている親であれば、きっとその違いがわかることでしょう。さあ、ここまで読んでいただければ、あなたの子どもが小学校3年生~4年生になり、今までとはちょっと違った雰囲気を見せ始めた時、「大人の脳へと変化しているのだ、確実に成長しているんだな」と、少し余裕を持って受け止めてあげられるでしょう。大人の脳へと順調に移行していけば、脳の働きはより潤滑なものとなり、ついに思春期へと向かっていくのです。
2016年04月05日■目下の悩みは子どもの「食べムラ」と「ながら食べ」子どもとの食事の時間、どのように過ごしていますか?私の娘は、先日2歳になりました。おしゃべりも上手になり、ごはんも自分で食べてくれて、赤ちゃんからすっかり「子ども」という感じになってきましたが、食事の悩みは尽きないものですね。私の目下の悩みは、「食べムラ」と、「食べながらテレビを見たがってしまう」こと。娘は、主食のごはんだけ食べて、おかずを食べないことが多々あります。しかし、日によってはごはんもおかずもしっかり食べてくれることもあり、食べる量や内容にムラがあるのが悩みです。毎食、試行錯誤しながら食事を作っています。そして、その食べムラともつながってくるのが、「ながら食べ」です。食事が始まってすぐは、調子良くパクパクしているのですが、ごはんを食べて終えてしまうと、「テレビ見たい~」と、グズることもしばしば。「テレビは食べ終わってからね~」と言い聞かせてもダメなときは、根負けしてテレビを見ながら食べさせてしまうこともありますます。おそらく、同じような悩みを抱えているママさんは決して少なくないでしょう。そこで今回は、私自身の反省+「少しずつでも良い食習慣を子どもに身につけさせていきたい」という目標の意味を込めて、「心と体のためになる食べ方」についてお伝えします。■「何を食べるか」と同じくらい「どのように食べるか」は重要食事では「何を食べるか」という栄養面と同じくらい、「どのように食べるか」という、食事の仕方も大切です。これは、子どもだけでなく、大人にとっても言えること。「人は脳で食べている」とも言われます。 食べ物を体に取り入れるの、食事の第1段階。そこから、咀嚼して、胃や腸といった消化器官を働かせ、体にとって本当の栄養になるように、しっかり消化吸収していかなくてはなりません。このときに大切なのが、「きちんと意識して食べる」こと。そして、「楽しく、おいしく、豊かな気持ちで食べる」ことです。食べることに意識を集中させると、唾液が分泌されて消化も良くなります。テレビを見たり、スマートフォンをいじったり、考え事をしたりしながら食べると、十分に唾液が分泌されません。また、こうした「ながら食べ」は、噛む回数も少なくなりがちです。しっかり食事に集中して、よく噛んで食べることで、唾液も分泌され、脳も消化モードに入って、食べ物をきちんと栄養にすることができます。■嫌いな食べ物を無理に食べても身にならないさらに、「おいしいなぁ」とか「ごはんの時間が楽しいなぁ」といった、リラックスした豊かな気持ちで食事をすることもポイントです。楽しい気持ちでおいしく食べると、体の消化機能もしっかり働かせることができますし、食事による満足感も得られます。たとえば、いくら「健康に良い」と言われる食べ物でも、食べる本人が好きでなければ、あまり唾液が分泌されず、消化不良を起こしてしまうそうです。無理に食べても、脳と体がしっかり反応して消化し、栄養にするということができないのですね。もちろん、極端な偏食はよくありません。しかし、まだまだ味覚や食経験が発達中の子どものうちは、嫌いなものを無理強いし過ぎたり、食べないことを叱ったりするよりも、食べられたときに褒めてあげたり、パパやママがおいししそうに食べる姿を見せたりして、苦手な食材にも興味を持たせてあげることのほうが大切です。「いろいろな食べ物があっておいしそうだな」とか、「食べてみたいな」という気持ちをなくさないよう、「食事は楽しく味わう!」という習慣をつけてあげられたらいいですね。楽しくおいしく、しっかり味わい、食べ物に感謝する。シンプルで当たり前のことですが、それが何よりも、心と体を強くする食事になります。私も、「せっかく作ったのに食べてくれなかったなぁ…」などと、あまり気に病み過ぎず、娘と一緒にモグモグおいしくごはんを食べよう!と、リラックスして食事の時間を楽しんでみようと思います。
2016年04月05日東京では桜の開花が進み、すっかり春。そして新年度ですね! 気がつけば、始まったばかりと思っていた平成28年も、もう4分の1が終わってしまい、子育てにアタフタとしている間に、どんどん時は過ぎていきます。子供も進級の時期を迎え、新しい学年、新しいクラス、大丈夫かしら…と、母親としてもちょっとドキドキのこの季節。でも、無事に新年度が迎えられた人はとても幸せなのかもしれませんね。産休・育休から仕事復帰を希望しても、保育園への入園がかなわず、復帰が遠のいたり、退社せざるを得ない人も少なからずいるということを考えると、つくづく子育てをしながら、自分のキャリアを築いていくことは本当に大変なのだと気づかされます。安倍政権でも、3年前の発足当初から「女性の活躍推進」を大きな政治目標にし、女性の採用率や管理職への登用率などに企業が数値目標を立てるよう進めてきたけれど、女性の立場からすれば、社会にでる以前の問題があり過ぎて「まずそこを何とかしてよ!」と思ってしまいます。そこで、国は「一億総活躍推進」を掲げました。「50年後も人口1億人を維持し、一人ひとりが自ら、家庭で、職場で地域で生きがいを持って、充実した生活を送ることができる社会」と“定義”される「一億総活躍社会」は、女性という枠にとらわれず、もう一歩進めようというものです。そのために、「新三本の矢」を放つというのが、安倍政権の方針。それに沿って、この4月からの平成28年度予算にも、重要な柱の一つとして「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」関連予算が組まれています。その額、合わせると約2兆円! 教育や防衛費が約5兆円であるのと考えると、結構な額。それだけ国も力を入れているということですね。確かに、「一億総活躍社会」は理想的。でも現実とはあまりにかい離していて、少々反発も起きているのは、皆さんもご存じの通りでしょう。とはいえ、それだけ国が力を入れる「一億総活躍社会の実現」のために、具体的にはどのような対策を進めているのか、私たちも知識としてインプットしておきましょう。「アベノミクス新三本の矢」で、直接私たちに関係してくるのは、主に「第二の矢・夢をつむぐ子育て支援」と「第三の矢・安心につながる社会保障」です。目標は「希望出生率1.8の実現」と「介護離職ゼロ」。具体的には下記などの政策があります。・待機児童対策(平成29年度末までに受け皿50万人増)・保育士の確保(待遇の改善等)・教育費の負担軽減(大学生等向け無利子奨学金の充実)・三世代同居の推進(住宅改修等の費用の補助)・介護人材の確保や施設・在宅介護サービスの充実残念ながら、私自身は、これらが“効果バッチリ”の策だとは、実は思っていないのです。その理由を、いくつかの例で挙げてみましょう。実は待機児童問題よりも深刻な高齢者問題まずは、待機児童対策。今、全国で4万人ほどいると言われているけれど、一番多いのが、東京都の8000人弱。一方、待機児童ゼロというのも、11県あるのです。保育園の不足は、大都市部の問題でもあるわけです。同じように、介護施設も特に都市部を中心に不足していますが、高齢化問題は実は待機児童の問題より深刻なんです。というのも、いま、65歳以上の高齢者は3500万人いると言われていますが、そのうち半数は高齢者のみの世帯。さらに、550万人は要介護者で、1割は認知症です。これが、2020年には、85歳以上の高齢者の約半数は認知症になると予測されています。 国が掲げた三世代同居の補助にも疑問点が国は、介護政策の方針として在宅介護の充実を進めていて、保育士同様、介護士の確保のための待遇改善も急がなくてはなりませんが、これだけの高齢者、ことに認知症が増えていく中で、ヘルパーさんを中心に在宅介護で進めるのはかなり難しいこと。かといって、このままの予算や方針では、特に都市部での施設の増加は期待できません。子育ても介護も、東京や都市部への人口集中がもたらした問題の一つでもあるのです。そこで肝入りで打ち出されたのが、「三世代同居」の推進。ところがこれ、三世代同居を要件とはしておらず、玄関、キッチン、トイレ、お風呂のうち2つが2か所以上ある家を木造で新築した場合、補助がでるというものなんです。つまり、比較的広めの家を建てる場合には、誰でもこの補助が使えるので、子育てや介護を家族で支え合うということとは違うものが、あたかも一億総活躍社会実現に効果があるかのように予算計上されることは問題と言わざるを得ません。これらを見てみると、必要とされるところに、きちんと予算が組まれることはとても大事だし、そのために、何を必要としているのかのニーズの吸い上げが、まだまだ足りないのも事実でしょう。そして何より、「一人ひとりが生きがいを持って充実した生活を送ることができる」という一億総活躍社会のためには、国に頼るだけでなく、社会のあらゆる発想の転換が重要です。要介護者にならない努力や働き方や生き方そのものを考え直す、都市部への様々な機能の集中を地方へ分散するなど、今までの発想の延長では解決できないということを、国全体でもう少し理解する必要がありそうです。
2016年03月30日はじめまして、この度ウーマンエキサイトで政治のコラムを担当させていただくことになりました、政治ジャーナリストの細川珠生です。私生活では一児の母として、子育てに悩み、苦しみ、笑いながら毎日を過ごしています。突然ですが「政治」と聞くと、ちょっと戸惑ってしまいますよね。政治のニュースは小耳にははさむけれど、なんだかよくわからない…、なんてついつい縁遠くなってしまっているのではないでしょうか。お金の問題、女性問題、失言でもめてばかりいるし…と、政治の印象って、あんまりよくないですよね。そうはいっても、確か、「国会は国権の最高機関」なんて学生時代に勉強したことを断片的に思い出しては、政治のことがわからないままでいいのかしらとか、突然不安になったりもするでしょう。しかし、子どもを前に「政治のことはよく分からない!」と声を大にしては言うのもちょっと恥ずかしいと感じる人も多いのでは。子どもを育てる環境がどう変化しているのか、政治を通して知っていくことはとても大切です。そういえば、「主権在民」なんていう言葉も習った記憶がありますね。つまり、国会は国権の最高機関ではあるけれど、そこには国民から選ばれた代表者が、国民に代わって議論をし、さまざまなルールや制度をつくっているということ。だから私たち国民がどんな代表者を送り込むのかがとっても大事なんです。特に今年から、選挙権が18歳以上になって、高校では、いわゆる「主権者教育」というものが行われるようになるのに、気がついたら、「ママだけ何にも知らなかった!」なんていうことになったら大変! そうならないためにも少しずつお勉強を重ねていくことをおススメします。この連載では、ママ目線で気になる政治の話題をみなさまにお伝えしていきますね。気が付けば「あなたも政治博士!」となるのを目指して頑張りますので、引き続きこのコラムを読んでいただけたらと思います。育休制度は今後良くなるの?さて、記念すべき第一回目のテーマは、「男性の育休」について。「育休宣言」をした(今となっては“前”となってしまった)国会議員が出てきて、「いよいよ国政も!」風穴が開くことを期待したのも束の間、自身の女性問題で、「男性の育休」「国会議員の育休」ということ自体、すっかり吹っ飛んでしまったかのような感があります。しかし、女性側からは期待大だったのですよね。私は、英国のウイリアム王子が、シャーロット王女の誕生の時に、6週間の育休を取るということで大いに注目をしました。日本で育休というと、何か1年単位の長期間を想定してしまいますが、いえいえ、そんなに長くなくてもいいのです。出産直後に1ヶ月でも良いからお休みをとってくれた方が、出産直後のママには何かとありがたい。初めての子であれば、不安いっぱいの中、長時間眠れないママの大変さをわかってもらえるだろうし、第二子、第三子であれば、上の子たちの育児に大きな助っ人となります。例えば幼稚園や習い事の送迎など、それから買い物にだって行ってもらえます。以前は、実家の母親や、お姑さんがやってくれていたことも、核家族化、出産の高齢化の流れの中では、自分たちで何とかするしかないのに、パパは相変わらず、残業や飲み会三昧では、ママとしては、「いくら仕事だから」と言われてもやり切れない思いがフツフツとつのるものです。ちなみに、現在、日本の男性の育休取得率は2.8%(厚労省調べ、2012年10月~2013年9月までの一年間)。女性の86.6%に比べるとあまりの少なさです。 そこで、政府も「女性の活躍」を掲げる以上、男性の育休取得率向上に本腰を入れています。以前からあった「育児休業・介護休業法」で、ママが専業主婦でも取得できるようになり、男性が産後8週以内に取得しても、再度取得することができるようにするとか(合算して1年以内)、中小零細企業では、代替従業員の確保などで経済的負担が大きかったことから、男性社員が育休を取った場合、最大で120万円の助成を行うなど、4月から雇用保険法施行規則の変更を行う予定です。「育休議員」で注目された国会議員の育児休業については、現在は制度としては男女共にありません。あるのは女性議員の産休制度だけ。産休明けには、委員会や本会議などその都度、欠席届を出さなければなりません。国会議員は、朝の8時ごろからの部会に始まり、夜の会合をはしごするなど、育児との両立はほとんど不可能といってもいい「勤務実態」があります。「女性の活躍」のためには、国会だけでなく、社会全体の長時間労働の是正なども行わない限り、なかなか難しいのではないかと思います。しかし、良い夫婦関係を築くためにも、男性も取得を工夫しながら思い切って「育休」にチャレンジしてほしいですね。
2016年03月17日今やメディアに引っ張りダコの思想家・内田樹さん。『街場の教育論』(ミシマ社)や『14歳の子を持つ親たちへ』(名越康文との共著/新潮新書)など、家族や教育に関する著作も数多く世に送り出しています。一緒に過ごす家族との問題に、日々頭を悩ませている人も多いはず。家族の人間関係は、距離が近いだけになかなか客観的に考えられませんよね。どうすれば良好な家族関係が築けるのでしょう? 内田樹氏の主張をわかりやすく紹介します。何よりもまず、「儀礼」が大事みなさんは家族において最も大事なことは何だと思いますか?「愛情」や「理解」?あるいは「価値観」?内田樹氏は、家族においてもっとも大事なことは「儀礼」だといいます。家族の条件というのは家族の儀礼を守ること、それだけである。それがクリアーできていれば、もうオッケーである。朝起きたら「おはようございます」と言い、誰かが出かけるときは「いってきます」「いってらっしゃい」と言い、誰かが帰ってきたら「ただいま」「おかえりなさい」と言い、ご飯を食べるときは「いただきます」「ごちそうさま」と言い、寝るときは「おやすみなさい」と言いかわす。家族の儀礼のそれが全部である。それができれば愛も理解も要らない。私はそういう意見である。出典: 内田樹の研究室 愛情と思いやりがあふれる家族は都市伝説では、なぜ内田樹は「儀礼」こそが大事なことだと主張するのでしょうか。それは、内田氏の以下の発言に表れています。「愛だの理解だの共感だの思いやりだのとよけいな条件を加算するから家族を維持することが困難になってしまったのである」出典: 内田樹の研究室 家族みんなが全員への愛情に溢れ、その胸中の隅々まで理解しているような家族というのは一種の理想に過ぎなく、それを追い求めるがゆえに不満が生まれるという現状があると、内田氏は言っているのです。家族みんながお互いへの愛情や思いやりにあふれている――そのような家族は理想でしかなく、なかなか存在しうるものではありません。それは、ある種の都市伝説のようなものです。フィクションに近いと言っても過言ではありません。家族というものに「愛情」や「理解」や「価値観の一致」を条件付けるのは、あまりに要求が高すぎると内田樹氏はいうのです。高すぎる理想は、自分の首を絞めることになります。「家族」をもっと気楽に考えよう内田樹の指摘はつまり、「家族については、肩肘張らずにもっと気楽に考えよう」ということだと思います。家族同士の愛情が薄いと感じたり、理解が足らないと感じたりすることがあっても、挨拶などの「儀礼」さえきちんとできていれば、それはとりあえず「よい家族」なのだと思ってよいのではないでしょうか。高い理想を追うがゆえに不満顔で生活する人と、現状にある程度満足し、ニコニコして暮らす人。どちらが家族によい影響を与えているかを考えてみましょう。それが内田樹の言いたいことなのだと思います。(サカマキ貝<フォークラス>)
2016年03月14日子育てにおいて、「ほめることが大切!」とわかっているものの、実際にどんなことで、どうやってほめたらいいのか、どんな言葉を使ってほめたらいいのか、と迷ってしまうことはありませんか? そんなママたちに「ほめる達人=ほめ達」の、ピンチをチャンスに変えるほめ方を紹介します。子育てにはもちろん、夫婦間や職場でも活かせる「ほめるコツ」をこの機会に身につけてみませんか?ほめる達人=価値を発見する達人つい最近の私の経験です。唐揚げをつくったところ、いつもの味付けより薄くなってしまいました。「今日の味付けは失敗しちゃった…」と息子にぼやくと、息子は「それってヘルシーってことだよ!!」と言ってくれたのです。私は失敗した気持ちで落ち込んでいたのですが、息子のこのひとことで一瞬にして嬉しい気持ちになりました。息子は「ほめる達人=ほめ達」だったのです。最近、テレビでよく登場する「一般社団法人 日本ほめる達人協会」。私は、初めてこの協会の名前を聞いたとき、「こんな面白い協会があるんだな~」と驚いたものです。このほめる達人協会は、ただ「ほめる」のではなく、あらゆるものから価値を発見できる「ほめる達人」を輩出することを目的とし、その先に笑顔あふれる社会づくりを目指しているのだそう。私たち人間は、人や物などに接したとき、プラスよりマイナスな面についつい目がいってしまいます。しかし、ほめる達人は、どんなマイナスな面もすべてプラスに変換する達人です。ほめる達人式ほめるコツとはほめる達人協会には、「ほめ達検定」というものがあります。ほめるコツをその検定試験から読み解いてみると…まず、自分が言われて嬉しい言葉を思いつく限り思い浮かべてみてください。このことで、どんなことを言われると嬉しいのかが明確になります。そして、自分が言われて嬉しい言葉を、誰かに言えているかを考えてみます。そして、自分が言われて嬉しい言葉を、誰かに言ってみましょう。 そして一番重要な価値を発見する方法とは…「気が弱い」「落ち着きがない」「短気」などのマイナスな言葉をプラスに言い換えてみます。想像力や想像力を働かせてみましょう。「気が弱い」は、やさしい・思いやりがあるに。「落ち着きがない」は、元気がいい・行動力があるに。「短気」は、情熱的・まっすぐに。 ついつい目につく相手の短所も、その裏側には長所が隠されています。毎日の生活の中で、「ダメ」と注意してしまう子どもの性格や行動も、その裏側には子どもの良さがしっかりとあるのです。そんな良さのほうに目を向け、言葉にしてほめる。そのことで相手の笑顔に出逢えることが多くなり、同時に自分も笑顔になります。ほめた人もほめられた人も元気になったり、嬉しくなったりします。なかなかマイナスな面をプラスに変換できないという場合は、「すごい」「さすが」「すばらしい」という言葉を意識して使ってみましょう。この3つの言葉は、誰でも笑顔にしてくれます。「頑張ってね」より「頑張ってるね」子どもに、「頑張ってね」と伝えていませんか? 私も、よく「頑張ってね」と子どもに声をかけていました。でも、よく考えてみると、子どもたちはいつも頑張っています。それに、子どもは自分の親に一番認めてほしいという気持ちを持っています。そこで、「頑張ってね」ではなく、「頑張ってるね」という言葉に変えて、「あなたが頑張っていること、努力していることを知っているよ」というメッセージにして伝えてあげましょう。「頑張ってね」と応援されるより、「頑張ってるね」と言われることで自分が認められていると実感し、さらなる大きな力へとつながります。言葉ひとつで、相手が受け取る感情も大きく変わります。そしてプラスの言葉を使うことで、はかり知れないパワーが生まれてくるのです。言った自分も、言われた相手も嬉しくなる言葉、マイナスをプラスに変える言葉をみなさんもたくさん使って、子育てにおいても、ママ自身の毎日も、嬉しい時間を増やしてくださいね。(谷本まゆみ<フォークラス>)
2016年03月03日ぽこちゃんです&どんちゃんです
子育てはフリースタイル
両手に男児