「療育手帳」について知りたいことや今話題の「療育手帳」についての記事をチェック! (1/5)
これまで健診でも発達に関して指摘されてこなかった長女が、療育手帳を取得することに。療育手帳とは、児童相談所または知的障害者更生相談所において、知的障害があると判定された方に交付される手帳のこと。母親が娘の療育手帳を取得するまでの体験談です。■娘の登校に付き添い3か月…育てやすい子だなと思っていました。でも保育園の参観日。お昼ご飯の時間。そんなある日のお迎え時、先生に「娘が今までできたことができなくなってきているんです」と相談すると…「赤ちゃんの時みたいにたくさん抱っこしてあげてください」とも言われたので…それからしばらく気になることがなかったので、単なる赤ちゃん返りだと思っていました。ところが、ゆいが小学校に入るとまた気になることが。それからというもの、登校の付き添いは日課に。一ヶ月も経つと付き添う親は数人に。ゆいの付き添いは3ヶ月後も続き、さすがに一学期が終わると限界に。娘の気持ちを考えていなかった、と反省。娘の不安を減らすために、正社員を辞めてパートで働くことに。効果があったのか、慣れただけなのか、二学期からは一人で登校できるようになりました。やがて三年生の二学期。遠足の前日、ゆいは「遠足に行きたくない。怖い」と言い出し、行く直前になると…辛そうだから休ませようか悩みましたが、学校からも連絡があり、娘を行かせることに。娘はなにごともなく遠足から帰宅。これからまた学校に行き渋るようになったら、それは自分が甘やかしたせいかもしれない、と思いました。かつて自分が描いた絵日記を読み返すとよくわかりました。でも当時はあまり気にせず、楽観的にとらえていました。■娘は発達検査を受けることに。ところが四年生のクラス替えで友だちと離れ離れに。人見知りの娘は新しい友だちを作ることができず、テストの点数もどんどん落ちていきました。そんなある日、小学校の担任の先生から、娘のことで話があると電話が。ドキドキしながら学校へ行くと… ノートをとるのも間に合わないことが多く、つまり授業の進度についていけていないとのこと。「このままではゆいさんも辛いと思います」と先生。最初は抵抗があったものの、先生からの勧めもあり、検査に申し込むことを決めました。娘の検査が終わると、入れ替わりで保護者がヒアリングを。そして検査結果は…そもそも療育手帳って?知的障害か…自分もいろいろ娘を追い詰めていたのかもしれない…。夜遅くまで働く父ちゃんと話せるのは朝だけ。この日はゆいの検査結果について話すことに。ところが「手帳を取るのだっていいことばかりではないでしょ」と父ちゃん。娘の療育手帳を申請することに決めたのです。こちらは実話を元に、2023年5月23日よりウーマンエキサイトで公開された漫画です。漫画に対する読者からのコメントを紹介します。■読者の体験談も。今回の実話には、共感する声や、続きが気になるといったコメントが多く寄せられました。・障害があるのではないかと感じ、不安になる気持ちわかります。身内にわかってもらえない場合は本当につらいと思います。行政に、気軽に相談できる場があるといいと思います。・ウチの子も軽い発達障害で療育手帳を持っています。無理をせずその子に合った子育てをお勧めします。・うちの子も発達障害ではないかと感じているので続きが気になります。・親の不安な気持ちを追体験できて良かった。・とても胸が苦しくなりました。ウチも、この話と全く同じだったので。・今の経緯、状況がピッタリ同じで驚きました。養育手帳がやっと貰えた段階で、今後どのように対応して行くか、試行錯誤です。・我が子も同じような感じです。 働きながらなので、主人公の気持ちが痛いほどわかります。・自分の子どもの頃を思い出して同じようだったなと今頃思いました。よく保健室で休んでたなぁ。・この話を読んでいると、私の経験と重なる部分が多くて、実は私は発達障害なんじゃなかろうか……?と思った(というか、ここ数年、発達障害のことが取り上げられるようになってからそう思うようになった)。とにかく症状が重なっている。 今、私は44歳で、私の時代にはこういった体制が整っていなかったので、今の子たちが羨ましい。もっと早くこういった体制が整っていれば、私も楽に生きられたかも知れないのに。・私も療育手帳所持者の40歳女性です。30歳を過ぎてから手帳を持ち、精神障害者手帳じゃないか? と今も思い生活してます。私にも当てはまるヒントがあればと思い見させていただいています。 ・我が子はまだ未就学児ですが、いらこさんの娘さんのエピソードと重なるところがあり、続きが早く読みたいです。・私も境界知能なので、娘さんの事が他人事ではありません。 続き読みたいです。・同じ軽度知的の子を抱えているので、気持ちを共有させて頂いています。・そもそも子どもの程度の問題もあるけど、やっぱり親が神経質か楽観的かかもでも全然違うのが現実だと思う。療育は学校などから提案することはできても、あくまでも最終的には親の判断に委ねられるから、どう見ても(黒に近い)グレーだよねっていう子でも親が療育には行かないと拒めばそれで終わり。その結果、先生方が大変な思いをされることになる。逆に軽度でも親が急いで対応して幼児期のうちに足並みを揃えられた人の話もたくさん聞く。とはいえ、我が子を障害児と認めて療育に通わせることのハードルの高さは計り知れない。良くも悪くも親次第だとつくづく思うし、デリケートで難しい問題だと思う。療育手帳の取得について、もう少し様子を見たほうがいいと提案した夫に対するコメントです。・旦那さんの反応はある意味正常なものだと思いました。育児の最前線にいないなら、その重要性もわからないだろうし、昔からそういう子は一定数身近に存在していたわけなので。旦那さんが単身赴任で育児にあまり関わっていない(関われていない)のであれば、最初から「こういう結果が出たから私はこうしたい」と話せばいいのにと思いましたが、そう言えない人もめずらしくないのかなと勉強になりました。ちなみにうちは療育手帳の話こそ出ませんでしたが、主人に何も言わずに療育を始めました。何となく主人は前向きに考えないと思いましたし、私の意志が固かったため、言っても言わなくても結果は変わらないと思ったからです。療育手帳が絡むと流石に話さないわけにはいきませんが、そのくらい強硬な姿勢を見せてもいいんじゃないかと個人的には思っています。・実は私は専門職として医療機関で働いていました。 結論として、この年齢で軽度知的障害があるなら追い付くことはありません。お子さんにとって適切な支援を受ける方が発達に望ましいです。こちらのお父さんのような親御さんはよくいらっしゃいます。でも結局、高校生や就職する段階になって困るので、早めに取得した方がいいですね。就労支援や年金など、様々なメリットがあります。また、手帳取得によって、きょうだいの結婚に影響が出ることを心配する親御さんもいらっしゃいますが、障害をもつお子さんが自立して生きていく(言い換えれば、兄弟の人生に影響を少なくする)ためには、やはり手帳取得はよい方法かと思います。・子どもの障害を認めたくないのは分かる気もするけど、子どもの生きにくさをいかに取り除くのが重要であって、そこを見抜かないと、この旦那さんのようなこうした考えになってしまうのは普通なのかなと。自分の旦那も似たような感じなので。・父親って大概がこう言う対応をとる。向き合う勇気がなかなか出ない。でも毎日毎日子どもとガチンコで向き合ってきた母親の意思を尊重してほしい。転勤で大変だろうが、有給を申請して対面で話し合ってほしい。 子どものこれからの長い人生の話なんだから。・すごく良く分かります! うちもこうやって押し通しました。その後数年ネチネチ言われましたが、その都度言い返しました。 結果的にその後、子どもが楽しく学校へ通うようになったので、夫は受け入れる気になったようです。・本当にこれ。我が子を障害児と認めなければいけない壁。でもそれって結局は子どものためではなく親のエゴなんだよね。子どものために親ができる事は「普通」という枠に押し込めることではなく、個々が過ごしやすい環境を整えることだと思う。そこを乗り越えたお母さんたちはみんなどこか清々しい表情をしているよ。また、同じような経験のある読者のコメントも紹介します。・私は小学校5年になる娘がいます。1年生の時から未だに送り迎えし、時には下駄箱までも行きますし、娘が私がついて行くことで安心するなら、娘が納得行くまで、中学校になっても本人が望むなら、学校についていくと決めてます。子どもはいつか離れていきますので、今しか出来ないことを本人が納得して、安心なら、よりそってあげるといいと思います。・うちには療育手帳が取れるギリギリの今年小1の子ども(弟)がいます。もう送らなくていいと言われています。 しかし、定型発達の兄(現在小2)の方が、ずっと途中までの見送りを希望していました。 定型か発達障がい等ではなく、子の個性として受け止めたらいいのではと思います。 定型発達の男の子で、本人希望のもと、昇降口まで毎日見送りに来ていたお母さんもいました。本人が納得して出来るようになるまで、が理想だと思います。 学校までの距離が遠く、兄が小1の時、弟が年長で、長男を学校まで送って自転車で大急ぎで戻ってきて、これまた大急ぎで次男の用意をして幼稚園バスにのせ、自分も仕事の用意をしてすぐ出るという生活で大変でした。しかも次男は軽度知的障がいがあり、なかなか自分で出来ることは少なくほぼ母の介助が必要でした。 長男には1人で行けないか何度か時期を見て促し、反応を見ながら対応しました。 最終的に本人が大丈夫!と思えるかどうかです。大変でも時間が無理でない限り、見守ってあげて欲しいと思います。そうしないと、どこかで無理して負荷がかかり、不登校などにつながるからです。小学校入学はそれほど環境変化が凄まじいと大人でも思います。・我が子のことのように読んでいます。 幼稚園のときから感じていた違和感。小学校に入学して、ノートを書くのが遅く授業についていけないのを参観日で目の当たりにして、小学一年生だからこんなものか、と思っていたのがうちの子が、他の子ができていることができていないんだと気づいたときの絶望感。それから少しずつできることが増え、安堵しつつ、担任の先生から勧められた発達検査。まったく流れが一緒です。そのあと検査結果もそこまであからさまに悪いものではなかったのですが、担任の先生から支援級への通級を進められ、そのときが私にとっては一番ショックでつらかったです。 そこまでしないとダメですか、と言ったことに対し「息子さんのいいところを伸ばして、困っているところはさっと助けてあげられるように学校としても対応していきたい」という旨を言われ、覚悟を決めました。 あのとき担任の先生がはっきり言ってくださらなかったら、息子の学校生活はもっと困難でつらいものになっていたと思います。 今は小4で支援級に通級しながらも楽しく学校に通っています。通常級だけでは絶対にもっと勉強に遅れを取ったりして苦しかっただろうと想像できるので、ゆいさんやお母さが療育手帳を取得することで特性と向き合いつつ、穏やかな日々を過ごせることを願います。・私も長男を小学1年より、療育手帳を取得するにいたりました。お気持ちは、わかります。保育園前より、療育機関へ勧めがあるのにも関わらず、一人目だし、男の子だし、素直だし、オムツ外れも早かったし、と生活がいっぱいで、作者さまと同じように思い返すとそうだなあと考えさせられます。療育手帳を取らせて悩んだこともあります。現在、18歳になり、小、中と、支援級と通級の二足わらじ、卒業後高等支援学校、職業訓練校に通ってます。支援級を卒業すると、普通の高校(全日、夜間)に行けない現実でした。通級で少し障がい者いじめにあっていた彼は、別にいいよといってはくれてますが。 高等支援学校は、高卒扱いでないのが、親として考えるところです。 実親に伝えると、残念がりました。しつけとか、関係ないですから、脳の神経伝達が上手く繋ぐことがでない、原因不明、遺伝etcなので、その子に合った教育が必要なのです。実は私は、ADHDで精神手帳を持ってます。 来年には息子の障害者年金の申請が始まります。娘さんはどれくらい成長されたか、わかりかねますが、末長く見守ってあげて下さい。お互い頑張りましょう。・私の息子も発達障害で受け入れるのに時間がかかりました。私は私で、たぶん学習障害があると思います。その時代には、発達障害や学習障害の言葉さえなかったのでできない私を叱り続けた母や教師にトラウマがあります。息子は加配の先生もいてくださって、おおむね順調な学校生活を送れています。やはり何事も認めないとその先には進めないって思うのです。今回は高学年になって手帳を取得したことは絶対に将来プラスになるし、生きやすさへの第一歩だと思います 最初認めるという覚悟が必要ですが、この先必然的に親の手が離れていくので、そのためにも手帳を取得して本当に良かったと思います。子どもの障害を認める勇気、そして夫との意見の食い違い…経験のある読者たちの言葉はいずれもとても重みがあります。▼漫画「療育手帳を取得した話」
2025年06月24日2025年4月から鉄道割引制度はどのように変更された?変更点や条件を解説以前は鉄道運賃の割引は主に身体障害と知的障害(知的発達症)のある方が対象でしたが、2025年4月より精神障害のある方にも拡充されました。割引を受けるには精神障害者保健福祉手帳を取得する必要があるため、順番に紹介していきます。精神障害者保健福祉手帳とは、発達障害を含む精神障害のある方が対象の障害者手帳のことで、障害の程度により1級から3級までの区分に分かれています。障害者手帳には精神障害者保健福祉手帳以外にも、身体障害のある方が対象の身体障害者手帳と知的障害(知的発達症)のある方が対象の療育手帳があります。療育手帳は自治体によって名称が異なる場合があり、愛の手帳や愛護手帳という名称で呼ばれることもあります。発達障害のある方は精神障害者保健福祉手帳が対象となるほか、知的障害(知的発達症)を伴う場合には療育手帳も対象となります。障害者手帳は一定の障害があることを証明する公的な手帳で、取得することで税金の控除や施設利用料の割引などを受けることができます。手帳の種類や障害の程度の違いにより受けることができる割引などは異なることがあります。参考:障害者手帳|厚生労働省2025年4月からJR各社をはじめとした各鉄道会社で、精神障害者保健福祉手帳を持つ方への鉄道運賃の割引制度が拡充されました。それまでも鉄道会社独自に割引を行っている場合がありましたが、今回はJR各社や主な私鉄などでほぼ同じ内容で実施されることとなりました。また、この割引は新幹線を利用する際にも適用されます。新幹線の利用には普通乗車券と特急券が必要となり、そのうち普通乗車券が割引になるためです。ただ、障害の程度や片道の距離などにより違いがありますので、詳しいことは次で説明します。割引が実施されているのは以下の各鉄道会社です。JR各社・JR北海道・JR東日本・JR東海・JR西日本・JR四国・JR九州主な私鉄(2025年以前から実施している場合あり)・東武鉄道・西武鉄道・京王電鉄・小田急電鉄・東急電鉄・相模鉄道・京浜急行電鉄・京成電鉄・名古屋鉄道・近畿日本鉄道・阪急電鉄・阪神電気鉄道・南海電気鉄道・京阪電気鉄道・西日本鉄道主な地下鉄(2025年以前から実施している場合あり)・東京メトロ・都営地下鉄・横浜市営地下鉄・名古屋市営地下鉄・大阪メトロ・福岡市地下鉄・札幌市営地下鉄・仙台市地下鉄・京都市営地下鉄精神障害者保健福祉手帳での鉄道運賃の割引は条件を満たせば、保護者にも適用されます。ここでは、割引対象者の基準について具体的に紹介していきます。割引は一律ではなく、障害の程度や本人の年齢などの基準によって変わってきます。障害の程度により「第1種」と「第2種」という区分があり、第1種の場合は本人の年齢関係なく、第2種の場合は本人が12歳未満の場合に介護者にも割引が適用されます。割引適用の条件は以下となります。第1種・単独乗車:片道100キロを超える場合に5割の割引・介護者同伴:本人と介護者1名に対し5割の割引(小児定期乗車券を除く普通乗車券、回数乗車券、普通急行券、定期乗車券)第2種・単独乗車:片道100キロを超える場合に5割の割引・介護者同伴:12歳未満の本人と介護者1名に対し5割の割引(小児定期乗車券を除く定期乗車券)第1種と第2種の基準は以下のようになっています。第1種:精神障害者保健福祉手帳1級第2種:精神障害者保健福祉手帳2級または3級割引を受けるには、第1種第2種の区分が精神障害者保健福祉手帳の「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄」に記載されている必要があります。2025年4月以降に発行された手帳にはあらかじめ記載がありますが、それ以前の手帳で記載がない場合は、自治体の障害福祉窓口でシールの貼り付けなどの対応をしてもらう必要があります。なお、鉄道会社によっては顔写真がない手帳では割引を受けることができない場合があります。その場合は再発行手続きが必要となりますので、障害福祉窓口にご相談ください。Upload By 発達障害のキホン参考:精神障害者に対する旅客鉄道株式会社等の旅客運賃の割引について|東京都福祉局参考:JR東日本|東日本旅客鉄道株式会社精神障害者旅客運賃割引規則割引が適用されるJR・私鉄・地下鉄など鉄道会社一覧Upload By 発達障害のキホンSuica、PASMO、ICOCAなどのICカードがさらに便利に!障害のある方を対象としたICカード乗車券である「障がい者用Suica」「障がい者用PASMO」も2025年4月から精神障害者保健福祉手帳が対象に加わりました。対象となるのは区分が第1種の方とその介護者です。第2種の方は対象外で、小児と大人の区別もありません。本人用と介護者用がセットになっており、「同時かつ同一行程で乗車される場合」に限り使用可能です。ただ、片道100キロを超える場合は、本人用のみで使用できる場合があります。購入の際は障害者手帳を呈示し、本人用と介護者用を同時に購入する必要があります。なお、ICカードには1年間という有効期限があり、更新するには再度障害者手帳の呈示が必要です。JR西日本で使われている「ICOKA」では、現在のところ精神障害者保健福祉手帳を持っている方は対象外となっています。ただ、身体障害者手帳または療育手帳を持っている方を対象とした「ICOCAのスルッとKANSAI特別割引用ICカード」があります。こちらも第1種に区分される方が対象で、基本的に本人と介護者が一緒に利用する必要があります。ICカードの対応は各鉄道会社で違いがあります。今後対象が拡大される可能性もありますので、公式サイトなどで情報を確認しておくといいでしょう。参考:関東 IC カード相互利用協議会|精神障がい者のお客さまにも障がい者用 IC カードをご利用いただけるようになります参考:JRおでかけネット|特別割引用ICカードのご案内その他精神障害者保健福祉手帳で受けられる割引一覧鉄道運賃以外にも精神障害者保健福祉手帳で受けられる割引はたくさんあります。主なものを紹介します。鉄道以外の交通機関の割引は以下となります。飛行機:本人と介護者に割引きあり:本人と介護者に割引きありスカイマーク:本人と介護者に割引きありタクシー各社:基本的に1割引路線バス東急バス:普通運賃は5割引、定期券は3割引(介護人の方は適用条件あり)名鉄バス:普通運賃・回数運賃につき1級・2級は本人と介護者が5割引、3級は本人のみ5割引神奈川中央交通:本人と介護者が5割引高速バス EXPRESS:特定のプランで5割引(必要性が認められると介護者も5割引)エクスプレス:本人と介護者が5割引そのほかの割引・駐車場の利用料・文化施設(水族館、動物園、美術館、博物館など)の利用料・レジャー施設、スポーツ施設、公園の利用料・テーマパーク等の入園料・携帯電話、通信サービスの料金・所得税や相続税など税金の控除・金融機関での貯蓄の利子への非課税(マル優)・NHK放送受信料や電話番号案内(104番)の減免(※電話番号案内は2026年3月31日をもってサービス終了となります)ここで紹介したのは精神障害者保健福祉手帳に関する割引きなどです。障害者手帳の種類や等級により内容が異なる場合があります。また、自治体独自に割引などのサービスを行っている場合がありますので、お住いの自治体の公式サイトや障害福祉窓口でご確認ください。参考:障害者手帳の等級・障害支援区分障害等級別サービス一覧表・各種早見表|江戸川区精神障害者保健福祉手帳で受けることができる制度を知って活用していこう2025年4月より精神障害者保健福祉手帳での鉄道運賃の割引が拡充されました。長い間身体障害者手帳と療育手帳のみが対象だったので、大きな転換点といえるでしょう。また、鉄道運賃以外にも割引や減免などの制度があります。医療や療育などにかかる費用の助けとなるため、どのような制度があるか知って活用していくといいでしょう。また、今後も精神障害者保健福祉手帳を持っている方への割引などは拡大していくことが考えられます。お住いの自治体や利用するサービスの公式サイトなどで情報を集めておくといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2025年06月21日就学・進路の大調査!発達特性のある子どもの就学先は?【未就学・小学校低学年編】2024年12月20日から2025年2月28日に、LITALICO発達ナビでは「就学・進学アンケート」を行い、発達障害のある子どもの保護者283名の声が寄せられました。アンケートへのたくさんのご回答、ありがとうございました。通常学級に通っている中で、特別な支援が必要だと考えられるお子さんの割合は2022年の文部科学省のデータで8.8%という結果も出ており特別支援の必要性も年々と高まっているのが現実です。参考:通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する 調査結果について|文部科学省発達障害のあるお子さんは一般的に就学相談で以下のような就学先を選択します。Upload By 発達ナビ編集部このコラムでは発達障害や特性のあるお子さんの選んだ進路、トラブル、悩み、進路先の合理的配慮など……アンケートの回答と併せて「就学・進学」にまつわる質問や思いなどもご紹介いたします。今回は「未就学・小学校低学年編」のアンケート結果になります。実際の経験談やデータは、就学先の検討をされているご家庭の皆さんの参考にもなるはずです。<調査対象について>「LITALICO発達ナビ」コラムや会員へのメールから、アンケートフォームにて回答いただいた発達障害の子どもをもつ保護者:283名の回答を集計しました。(調査期間:2024年12月20日から2025年2月28日)※設問によっては283名全員が回答していないもの、複数回答可のものがあります。※調査結果の構成割合は四捨五入をしているため、合計が100%にならない場合があります。就学・進学アンケート お子さんについてアンケートの結果、男の子が71%、女の子が27%と、男の子の保護者の方の回答が多い結果となりました。Upload By 発達ナビ編集部年齢については未就学児のお子さんが20%、小学生のお子さんが34%、中学生のお子さんが19%、高校生のお子さんが16%、18歳以上のお子さんが11%という結果になりました。Upload By 発達ナビ編集部診断名についてはASD(自閉スペクトラム症)が176名、それに続きADHD(注意欠如多動症)が105名となっています。ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と知的障害(知的発達症)など併存していることがデータから読み取れます。Upload By 発達ナビ編集部障害者手帳は「療育手帳」「身体障害者手帳」「精神障害者保健福祉手帳」の3種類があります。持っていない方151人に対して、持っている方は129人という結果になりました。一番多いのは療育手帳で73人の方が所持しています。また、昔持っていたが返還した、という方も3名いらっしゃいました。Upload By 発達ナビ編集部就学相談、いつからした?就学に向けて不安なことは?【未就学児のお子さんのいらっしゃる方へのアンケート】ここからは未就学のお子さんのいる保護者の方の回答とコメントをピックアップしてご紹介します。就学先は、多くの未就学児の保護者の方が不安を感じたり、悩むのではないでしょうか。現在考えている在籍クラスについては自閉症・情緒障害特別支援学級が43%と一番多い結果となりました。続いて通常学級+通級指導教室(17%)、特別支援学校(17%)、通常学級(11%)、知的障害特別支援学級(9%)となっています。Upload By 発達ナビ編集部・年長4月から。・年長の5月に説明会→その後夏までに個別相談、見学、体験を済ませた。・年長時の6月頃に直接小学校に電話してアポ取りして訪問しました。・自閉症・情緒障害特別支援学級希望本人が2つの教室を行き来することに納得してくれるか不安。・知的障害特別支援学級希望小学校ではどこまで支援体制を整えてもらえるのか。・通常学級+通級指導教室希望全てが不安です。恐らく通常学級+通級指導教室になるのではと思いますが、自閉症・情緒障害特別支援学級のほうが良いのか、放課後等デイサービスもどうするか迷っています。就学相談エピソードや進路決定の決め手は?【小学校に通っているお子さんのいる保護者の回答/小学校1.2.3年生保護者のコメント】ここからは小学校に通っているお子さんのいる保護者の方の回答と、その中から小学校1.2.3年生のお子さんのいる保護者より寄せられたコメントをピックアップしてご紹介します。現在小学校在籍中のお子さんのいる保護者が選んだのは、自閉症・情緒障害特別支援学級(27%)が一番多い結果となりました。その後通常学級(24%)、通常学級+通級指導教室(21%)、知的障害特別支援学級(16%)、特別支援学校(8%)と続きます。就学相談を行い、通常学級、特別支援学級、特別支援学校とそれぞれ見学などを重ね、最終的に在籍クラスを決めた方が多いようです。Upload By 発達ナビ編集部・通常学級通級指導教室の希望を年長の夏頃に教頭先生に出していましたが、教頭先生が忘れていて空きがなく、通級指導教室に通えませんでした。ですが、通級指導教室に通うとなると送迎や授業を抜けなくてはいけなかったり大変だったので、その代わりに担任の先生や、スクールカウンセラーの方や担当医の先生、子育て相談員の方に相談に乗っていただき逆に助かりました。・自閉症・情緒障害特別支援学級夫婦で揃って面談に出向き、心配されること、不安なことを全て吐露してきた。春頃と秋頃に、子どもを連れて、小学校見学に行き、本人に、通常学級と特別支援学級、どちらがいいか尋ねた。・特別支援学校へ就学特別支援学級、特別支援学校どちらがよいか悩ましいと担任の先生にも言われており、保護者としてもどうしてよいのか分かりませんでした。教育委員会の就学相談会では子どもの描いた絵や文字なども見ながら、なるべく多面的に娘の進路を考えようとしてくださってると感じました。なので、特別支援学校判定が出た際、娘にとって一番良い選択肢だと納得できました。・通常学級に就学本人にとってどこが合っているのか悩みました。診断がないので特に支援は受けられないということもあり、思い切って通常学級にしました。・自閉症・情緒障害特別支援学級に就学本人がみんなと違うクラスで落ち込まないか悩みました。・知的障害特別支援学級に就学少しでもできることを増やして自信をつけてほしい、本人の気持ちを最優先にした。実際に決めた就学先については、合っていたと感じた方が67%と一番多い結果になりました。どちらともいえない方は26%、合っていなかったと感じた方は5%でした。合理的配慮などを受けることで安心して通うことができたり、交流学級での体験が良い経験になっていることもあるようです。Upload By 発達ナビ編集部・合っていたと感じる(通常学級)少人数学級なので小回りがきき、子どもがしんどくなった時に「先生、ちょっと休んできます」と申告すると、10分ほど別室で休憩ができたりするので。・合っていたと感じる(自閉症・情緒障害特別支援学級)年を経るごとに、自分の状態に合わせて通常学級と特別支援学級を行き来できるようになった。学校も友だちも勉強も好きでいてくれた。・どちらとも言えない(通常学級)通級指導教室に通っていないので、なんとも言えませんが子どもは子どもでちゃんと成長していっているので、通常学級を選んでよかったです。療育にも通っているので、そちらのサポートはかなり大事だと思っています。就学先の支援や合理的配慮に満足をしている(25%)、おおむね満足している(52%)という結果となり、合わせて77%の方が満足していると回答しています。あまり満足していない(15%)、不満がある(4%)は合計19%と全体の約1/5は課題があるとの結果に。お子さん一人ひとりに合った支援がより一層求められています。Upload By 発達ナビ編集部・満足している(自閉症・情緒障害特別支援学級)1クラス9人に先生2人なので目が行き届いていると感じる。体育の授業で自転車に乗れるようになるまで指導してくれたり、お買い物の仕方など生活に必要な技術を身につけさせてくれるので助かっている。・満足している(特別支援学校)非常に手厚いと感じています。一人ひとりにあった学習内容を考えてくださるので、ゆっくりではありますが確実に成長できていると感じます。・おおむね満足している(自閉症・情緒障害特別支援学級)学校でのことを話さないので、状況が伝わってこない。特別支援学級でのことは連絡帳や先生との話からある程度知れるが、通常学級でのことは分からない。・おおむね満足している(通常学級)担任の先生によって配慮や手厚さが異なる。学校にWISCの結果や配慮事項は共有をお願いしているものの、個人情報すぎて金庫に収納されているらしく、校長等の管理職から担任へ共有されていないことも。結局毎回同じものをお渡しし、説明している。【未就学のお子さんの保護者】就学についての悩みや入学後の合理的配慮について専門家が解説!Q:今後子どもの就学相談を控えています。障害のある子どもの就学先はどのように決定されるのでしょうか。A:就学先決定までの簡単なプロセスを紹介します。まず、アンケートにあるように、年長児になってから園の先生、就学先の学校などと就学に関する支援会議が持たれます。この間、いくつかの学校や学級を見学したり体験入級をしてみたりして情報を集めていきます。いろいろな先生の話を聞いたり、パートナー同士で意見交換をしながら現時点での選択肢を固めて、希望を提出します。自治体での就学支援委員会によって望ましい就学先が決定され、通知されます。もし親の意見と合わない場合は、教育委員会と相談することになります。(回答:井上 雅彦先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授))Q:小学校入学後に合理的配慮を受けたいです。就学前に準備したほうがいいものや受けたほうがいい検査などを知りたいです。A:小学校での合理的配慮は主として通常学級で行われることが多いです。具体的にどのような場面で配慮が必要かは入学してからでないと分からない部分もありますが、園や保育所などで個別的な配慮を必要としている場面があれば同様の場面でどのような配慮が必要かを入学前に学校と話をしておいてもよいでしょう。配慮の内容によっては主治医からの診断書や意見書などがあったほうが良い場合もあります。検査などの具体的データがあると配慮も受けやすくなるので学校に相談してみて頂ければと思います。(回答:井上 雅彦先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授))(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2025年04月20日当時1歳、おとの障害に気づくUpload By ほかかほ1歳頃のおとは、目が合わず、模倣せず、一緒に遊びたがらず、こだわりが強く、指差しせず、クレーン現象で要求を伝え、親への愛着が見られないなど、ASD(自閉スペクトラム症)によく見られる特徴を網羅していました。1歳3か月で歩き出すようになると、多動と衝動性も目立つようになってきました。道で手を繋いでいても、私の手を振りほどいて気になる物のほうへ突っ走って行くので、当時外を歩くのは命がけ。家の中でも家具や家電に登ったり倒したり、破壊行動や危険行動が止まりませんでした。私は当時、転勤帯同で周りに頼れる人もいなかったことから、おとを連れて近所の児童館や子育て支援センターによく行っていました。そこでもおとはドアを開閉し続けたり、フラフラになりながら階段昇降をし続けたりと、不思議なこだわり行動を繰り返していました。また読み聞かせ・体操・リトミック・キャラクターショーなど、参加したあらゆるイベントでその場から脱走。まともに参加できたことが一度もありませんでした。当時のおとは、とにかくその場に短時間でも留まっていることができなかった思い出です。このようなおとの特性が強く表れた行動に、転勤帯同の孤独も重なり、私は心身ともに追い詰められていきました。転機となった1歳半健診Upload By ほかかほ私の父はアスペルガー症候群(※)の診断を受けており、また私は大学生の時に心理学を専攻していたことから、元々発達障害について何も知らないという状態ではありませんでした。そのためおとが1歳前半の頃は、日ごろの様子から「おとは発達障害だろう」と認識しており、1歳半健診で発達の相談をしようと心に決めていました。当日1歳半健診の会場で暴れ、泣きわめき、嘔吐したおとを保健師さんが心配し、自宅での健診を提案して下さいましたが、私は「発達相談を受けたい」と強く希望しました。すると保健師さんがすぐに発達相談会場に通してくださり、その相談会場にいた医師から「息子さんは早く医療につながったほうがいいと思います」と言われました。この1歳半健診を契機に、発達外来のある病院への受診に繋がります。※以前は、言葉や知的の発達に遅れがない場合「アスペルガー症候群」という名称が用いられていましたが、アメリカ精神医学会発刊の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)において自閉的特徴を持つ疾患が統合され、2022年(日本版は2023年)発刊の『DSM-5-TR』では「自閉スペクトラム症」という診断名になりました。適切な支援につながるUpload By ほかかほ1歳半健診で紹介された病院での診察と発達検査を経て、療育やOT(作業療法)、発達障害者支援センターなど各機関にスムーズに繋げていただき、適切な支援を受けられるようになりました。後にさらに転勤帯同して気づくのですが、当時これほどスムーズに適切な支援につながったことはとてもラッキーな出来事だったと思っています。その後も夫の転勤帯同の度に、各地で福祉・医療現場の皆さまに支援をしていただきました。小学校に入学してからは学校の先生方にも支えていただき、今に至ります。適切な支援を受けたおかげでおとはとても成長し、私も相談先や休息の時間を確保でき、追い詰められていた気持ちは消失していきました。おとの現在の様子Upload By ほかかほ現在のおとは小学3年生。昨年の秋に転勤に伴う転校をし、転校前と同様、公立小学校の特別支援学級に通っています。おとは未就学児時代と比べて格段に成長しました。長年私を悩ませた多動はほぼなくなり、破壊行動は一切せず、親への愛着が生まれ、愛情表現を毎日してくれるようになりました。おとは学校の先生を信頼しており、授業を楽しみにし、苦手なことも素直に頑張っています。そして、いつもニコニコ楽しそうにしています。しかしおとは知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)。脳の機能障害であり、治ることはありません。現在おとが抱える問題は「言語」と「他者との関わり」の2点が主だと思っています。「言語」は知的障害(知的発達症)もあるため、複雑な会話、自分の心情・出来事・状況を詳細に語ること、また複雑なストーリーを理解・表現することが難しいです。本人もうまく伝えることができず、もどかしく、しくしく泣く時があります。「他者との関わり」は、おとは大人にはよく話しかけるのですが、同年代の子どもに対する関心がほとんどなく、自分からはほぼ話しかけません。お友だちから話しかけられても無視してしまうことが多く、転校前はそれが原因でお友だちとのトラブルに発展したことも何度かありました。この主な2つの問題以外にもおとは、完璧主義・こだわりの強さ・偏食などさまざまな問題を抱えています。しかしおとは毎日ニコニコして課題に素直に挑戦し、頑張っています。今私にできることは、毎日おとと向き合い、おとが適切な支援を受けられるようにし、自立に向けてスモールステップで一緒にコツコツ課題に取り組んでいくことだと思っています。そしておとを見習い、毎日笑顔で素直な気持ちでいること。そんな私たちのこれまでの、これからの経験がもしも誰かのお役に立てたならとてもうれしいです。今後もコラムをお読みいただけましたら幸いです。執筆/かほ(監修:室伏先生より)かほさん、おとさんのお困りに気づかれてから、医療に繋がり、支援を受けられるようになるまでの経緯を、かほさんのお気持ちを交えながら詳しくお伝えいただき、ありがとうございました。医療や福祉に繋がって、さまざまな情報や支援を得ることはとても大切なことですよね。地域にもよりますが、医療機関の受診がなくても療育を受けられる場合もあり、療育を受けていらっしゃるお子さんの中でも、医療に繋がっている方、発達の相談については医療機関を受診をしたことがない方がいらっしゃると思います。療育手帳の取得にも必ずしも医療機関の受診は必要はなく(療育手帳の発行でも児童相談所での検査や面談等は必要。精神障害者保健福祉手帳の発行には受診が必要です)、発達検査については発達支援施設でも受けられる場合があります。医療機関を受診された場合のメリットの一つとして、診断を受けることがあります。発達支援施設では、そのお子さんの得意なことや苦手なこと、特性についてお伝えすることはできても、診断することができるのは医師のみです。診断を受けることで、お子さんの困りごとや気になる行動について、親御さんの理解が進み関わりやすくなることもありますし、園・学校の先生、発達支援施設の支援者などとお子さんの特性や支援の仕方を共有しやすくなります。ほかには、睡眠や癇癪、多動などのお困りについて、薬物治療を受けることで、お子さんが過ごしやすくなり、発達、生活能力が伸びることもあります。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2025年03月10日知的障害(知的発達症)とは?知的障害(知的発達症)とは、発達期(おおむね18歳まで)に知的機能の遅れと、適応能力の低さによって、日常生活や社会生活に困難が生じる障害のことです。知的障害(知的発達症)のある方は自己管理やコミュニケーション、学校での学習、仕事などで困りごとが起こりやすく、何らかの支援が必要になると言われています。知的障害(知的発達症)は程度によって種類が分かれており、それぞれ軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と分類されています。知的障害(知的発達症)が生まれつき生じていたとしても程度によって気づかれる時期には違いがあり、重度の場合は発話の遅れなどにより乳幼児期に気づかれることがありますが、軽度の場合は小学校に入学して学習が本格化してから気づかれることもあります。知的障害(知的発達症)の診断は知能検査や保護者への問診、子どもの様子の観察のほか、原因となる疾患の検査などさまざまなことを通して行われます。参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:知的障害(精神遅滞)|e-ヘルスネット知的障害(知的発達症)の種類は?知的障害(知的発達症)の基準は、行政や医療などによって違いがありますが、多くの場合、障害の程度によって軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と4つの種類に分類されています。・厚生労働省の基準による知的障害(知的発達症)の程度区分厚生労働省の基準では知的障害(知的発達症)の程度を知能指数(IQ)と生活能力(適応能力)の両方を評価したうえで判定します。以下の表にあるように、知能指数(IQ)がⅠからⅣに、生活能力(適応能力)はaからdとどちらも4段階に分けられており、その兼ね合いによって程度が決まります。例えば知的指数(IQ)が軽度相当の51だとしても生活能力(適応能力)が最も困難を示すaの場合は「中度知的障害」と判定されることもあります。Upload By 発達障害のキホン引用:知的障害児(者)基礎調査:調査の結果|厚生労働省知的能力はIQ(知能指数)によって次の4つに分類されます。I :おおむね20以下II : おおむね21~35III :おおむね36~50IV :おおむね51~70適応能力は次のような判定表を用いて、a~dの4つに分類されます。・食事:一人でできる/介助があればできる/できない・用便(月経)の始末:一人でできる/介助があればできる/できない・衣服の着脱:一人でできる/介助があればできる/できない・簡単な買い物:一人でできる/介助があればできる/できない・家族との会話:通じる/少し通じる/通じないここに挙げたのは基準の一例です。療育手帳を取得する場合は各自治体で別途基準を設けていることもあります。・DSM-5-TRの基準による知的障害(知的発達症)の程度区分医学的な診断基準である『DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版』では軽度・中等度・重度・最重度と4つに区分されていますが、知能指数(IQ)での目安は明示されていません。知的機能と適応能力について、概念的領域(記憶や言語、論理的思考など)、社会的領域(対人コミュニケーションなど)、実用的領域(生活における能力など)の3つの領域の状態から重症度を特定します。参考:対象者(愛の手帳Q&A)|東京都福祉局参考:日常生活能力判定表|宝塚市知的障害(知的発達症)は遺伝する?知的障害(知的発達症)が遺伝するのか気になる方もいると思います。知的障害(知的発達症)はさまざまな要因が重なった結果生じるもので、遺伝もその一つの要因と考えられています。しかし、知的障害(知的発達症)が遺伝による場合はまれだと言われています。知的障害(知的発達症)は遺伝のほかにも、妊娠中の母体の低栄養、感染症、薬の影響、脳の異常発達、出産後の子どもの低栄養、頭部の損傷、感染症などが要因として考えられています。ただ、多くの場合には原因は特定できないとも言われています。また、先天性の遺伝子疾患、染色体疾患などがあるために知的障害(知的発達症)の症状が表れる場合もあります。なお、上記のような疾患がある場合も、必ずしも知的障害(知的発達症)があるというわけではありません。参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版2歳頃の知的障害(知的発達症)の症状は?軽度知的障害も分かる?知能検査は受けられる?2歳の子どもは、「おはよう」「さようなら」などの日常の挨拶をするようになったり、積み木や簡単なブロックを組み合わせて遊んだり、スプーンを使ってごはんを食べるようになったりする頃です。ただ、知的障害(知的発達症)のある子どもの場合は、以下のような様子がみられる場合があります。・人見知り、場所見知りがない(またはひどい)・発語が遅れている(またはない)・言葉の理解が遅れている・コミュニケーション能力の発達の遅れから、衝動を抑えることが難しく、癇癪を起こしやすい・意思の発達の遅れから癇癪をほとんど起こさない・積木やブロックなどが積めない・クレヨンでぐるぐるとした曲線が描けない・簡単なごっこ遊びが難しい・スプーンを使えないなどの不器用さがある・運動面・知的面含め全体的に発達の遅れがみられる※上記は一例です知的障害(知的発達症)のある子どもには以上のような様子がみられることが多いと言われていますが、軽度知的障害(軽度知的発達症)の場合は学齢期までは目立った兆候が表れないことも珍しくありません。また、子どもの発達は個人差が大きく、上記のような様子がみられたからと言って必ず知的障害とは限りません。子どもの発達について不安がある方は、自己判断せず専門機関に相談するようにしましょう。参考: 0歳児から2歳児の発達過程|東京都教育委員会参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版知能指数(IQ)を測るための検査として知能検査があります。検査の種類ごとに受けることができる年齢が異なっていますが、その中で2歳から受けることができるものもあります。代表的なものの一つは田中ビネー知能検査で、2歳から受けることが可能です。もう一つはWPPSI(ウイプシイ)知能検査で、2歳6ヶ月から受けることができます。知能検査の結果は知的障害(知的発達症)の診断や療育手帳の取得のために使用されるほか、得意や苦手な領域が分かるため子どもへの関わり方や支援の参考としても活用されます。知能検査が受けられない場合には、新版K式発達検査を受けることもあります。知能検査・発達検査は発達外来を行なっている小児科、児童精神科などの医療機関、自治体の教育支援センター、民間の実施場所などで受けることができます。参考:知能指数 / IQ(ちのうしすう)|e-ヘルスネット参考:田中ビネー知能検査 V(ファイブ)|SACCESS・BELL参考:WPPSI™-III知能検査|日本文化科学社2歳頃に表れる知的障害(知的発達症)の症状チェックリストUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐに知的障害(知的発達症)と診断されるわけではありません。発達の遅れが気になる……どこに相談をすればいい?言葉をなかなか話さないなど、子どもの発達の遅れが気になる場合の相談先を紹介します。かかりつけ医子どもの発達や育児について気になる場合は、予防接種や診察で行っているかかりつけの小児科に相談してみましょう。普段から子どもの様子を見てくれているので相談もしやすいです。保健所/保健センター保健所や保健センターは自治体ごとに設置されており、保健衛生に関する業務を行っているほか、医師や保健師などの職員が子どもの発達を含めた健康相談なども行なっています。保健センターでは子どもの定期健診も行っているため、その際に相談してみてもいいでしょう。児童相談所児童相談所は18歳未満の子どもに関するさまざまな相談を受け付けている機関です。児童福祉司、児童心理司、医師、保健師などの専門的な職員がいて、子どもの発達の遅れについても相談が可能です。また、療育手帳取得のための判定も行っています。児童家庭支援センター児童家庭支援センターは家庭と子どもの問題に関する総合的な窓口として、地域に設置されている機関です。相談・支援を担当する職員と、心理的な援助を行う職員がいて、相談対応や児童相談所と連携しての対応を行っています。児童発達支援センター児童発達支援センターは未就学児に対して、日常生活や社会生活に適応するための児童発達支援を提供している機関です。そのほかにも子どもの発達に関する相談を受け付けています。発達の遅れを相談できる窓口は以上のようなものがあります。ほかにも自治体に地域の子育て相談窓口が設置されていることもあるので、身近な相談先を探してみるといいでしょう。まとめ2歳頃になると、子どもは簡単な挨拶や積み木遊びなどをし始めます。しかし、知的障害(知的発達症)の子どもの場合は、発話や言葉の理解、手を使った動作などに遅れがみられる場合があります。ただ、子どもの発達には個人差が大きいため、このような様子がみられたからといって知的障害(知的発達症)があるとは言えません。発達の遅れが気になる方は、かかりつけ医や保健センター、児童相談所などに相談してみるといいでしょう。知能検査や発達検査を受けたいと考える場合も、医師や保健センター、児童相談所などに相談をしてみましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月29日障害者手帳には3種類ある「障害者手帳」とは、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の3種類の手帳の総称です。身体障害者手帳は、身体障害者福祉法に基づき、身体の機能に一定以上の障害があると認定された方に交付される手帳です。障害の種類や程度によって1級から7級の等級が定められています。療育手帳は、知的障害(知的発達症)があると判定された方に交付される手帳です。自治体によって名称が異なる場合があり、例えば東京都や横浜市では愛の手帳、青森県や名古屋市では愛護手帳という名称で療育手帳が発行されています。知的障害の程度によって手帳の等級が判定されますが、判定基準および等級に応じた支援サービスの内容などは、各自治体によって運用が異なっています。精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることが認定された方に交付される手帳です。手帳の交付は精神疾患(機能障害)の状態と能力障害(活動制限)の状態から総合的に判断され、その程度によって1級から3級に等級が定められています。参考:障害者手帳|厚生労働省上記のいずれの障害者手帳も、取得することでさまざまな支援や福祉サービスをうけることができますが、手帳の等級(障害の重さの程度)などによって、その内容は変わります。このコラムでは、・障害者手帳取得のメリット、デメリット・障害者手帳がない場合に、将来受けられる支援や合理的配慮についてなど、障害者手帳についてのギモンから、将来に役立つかもしれない情報まで専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【専門家が回答】障害者手帳取得にはメリットがある?分かりやすく解説!ここからは障害者支援制度に詳しい行政書士の渡部伸先生に、障害者手帳取得についての質問にお答えいただきます。(質問)子どもに知的障害(知的発達症)があり、「療育手帳」を取得できる可能性があると言われました。取得のメリットやデメリットを知りたいです。また、取得できないのはどういう場合でしょうか。取得できないと療育が受けられないのではないかと不安です。(回答)療育手帳を取得することには、さまざまなメリットがあります。たとえば、働く場面での選択肢が広がります。企業などで働くことを希望する際に、一般の人と同じ方法での採用が難しい場合、障害者雇用の枠で働くという可能性が生まれます。障害者雇用で働くためには、手帳があることが条件となります。またそれ以外の場面でも、医療費の助成や公共交通機関の割引、NHKや携帯電話料金などの割引、映画館などレジャー・スポーツ施設の割引、所得税など税金の控除など、多くの経済的なメリットもあります。これらは、手帳の等級や自治体などで異なる場合があります。デメリットは基本的にはありません。周囲に手帳を持っていることを知られたくない、といった心理的な負担を感じる人はいるかもしれませんが、サービスを利用するとき以外、他人に持っていることを知られることはありませんし、普段はしまっておけば大丈夫です。療育手帳が取得できるかどうかは、18歳未満の場合、児童相談所でIQや日常生活の動作などから総合的に判定されます。なお療育についてですが、療育を行っている公的機関や民間の障害児通所支援などを利用する際には、「受給者証」が必要になります。こちらは手帳とは別の制度なので、療育手帳がないと受けられないものではありません。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもが療育手帳(愛の手帳)を取得していましたが、更新できず返納しました。発達障害がある場合、精神障害者保健福祉手帳は取得できますか?取得の目安の年齢があれば知りたいです。また、取得するとどんなメリットがあるでしょうか?(回答)発達障害がある場合は、精神障害者保健福祉手帳の対象となる可能性があります。目安の年齢は特にありません。最初に精神科を受診してから6ヶ月経過していれば申請可能です。医師の診断書など必要な書類をそろえて、役所の障害福祉窓口で申請します。精神障害者保健福祉手帳は、ほかの障害者手帳と異なり、取得後も2年ごとに更新する必要があります。メリットですが、療育手帳や身体障害者手帳と比較すると、受けられる支援は限られる場合があります。例えば、各自治体で行っている重度心身障害者への医療費助成は、重度の身体障害者手帳や療育手帳の所持者はほとんどの自治体で対象となりますが、精神障害者保健福祉手帳の所持者は1級のみ、あるいは対象外としている自治体もあります。そのほか各種の割引や減免など、手帳の等級や自治体などによって受けられるサービスもあります。障害者雇用については、2018年から精神障害者も対象となっていますので、将来の進路の選択肢が広がるという意味で、大きなメリットがあると思います。Upload By 発達障害のキホン(質問)障害者手帳がなくても、将来的に、高校や大学などの受験や、就職する際など、支援や合理的配慮を求めることはできるのでしょうか?(回答)合理的配慮とは、障害のある人が教育や就業、その他社会生活において障害のない人と平等に参加できるよう、それぞれの障害特性や困りごとに合わせて行われる配慮のことで、行政や学校・企業などの事業者には、この合理的配慮を可能な限り提供することが求められています。この合理的配慮の対象となる障害者は、障害者手帳を持っている人に限定されません。手帳がなくても、障害により日常生活に困難のある方も含まれます。受験に際して合理的配慮を求めるためには、医師の診断書や個別の教育支援計画、学校内で行ってきた支援の実績など「配慮の必要性」を示したうえで、事前に申請をする必要があります。具体的な配慮の内容としては、集中しやすいように別室受験やイヤーマフの持参、拡大文字の問題冊子の配布など、本人の困りごとに応じた支援を依頼することができます。ただし、学校などによって対応できることは異なるようです。就業の場においては、募集や採用の時点で、本人や支援者などから必要な配慮についての意思表明を行います。そのうえで本人と企業の間でどのような配慮ができるかを相談、検討し、合意したうえで配慮を行います。就業の場合は受験と異なり継続的な支援になりますので、定期的な見直し、改善が行われることになります。Upload By 発達障害のキホン障害者手帳についての関連コラムはこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年02月04日早期療育とは?療育とは、障害のある子どもや、発達の遅れや偏りのある子どもに対して行われる支援です。それぞれの子どもの発達状況や特性などに応じて今現在の困りごとの解決や将来の自立に向けて支援を行います。知的発達症やASD(自閉スペクトラム症)の子どもが早期に療育を始めることで、社会的コミュニケーションの能力などが伸びるとも言われています。参考:就学前早期の自閉症児への療育介入は、社会予後を改善させる可能性|国立成育医療研究センター3歳児健診で「要観察」。療育に通うのは早い?Q:子どもが3歳児健診で「要観察」となり、療育機関を紹介されました。まだ要観察なので療育に通うのは早いのではと悩んでいます。「早期療育」のメリットなどが知りたいです。A:子どもに合った早期療育を行うことで、子どもにとって発達を促進し、困難を減らしていく可能性が高まり、保護者にとっても子どもに合わせたかかわり方が相談できるというメリットがあります発達障害者支援法においても早期支援の重要性が示されています。診断がなくても主治医の意見書によって早期から児童発達支援が受けられるようになってきました。早期療育にも個別支援や集団支援などさまざまな形態があります。子どもの発達や特性には個人差があるので、一人ひとりの子どもに合わせたプログラムが必要です。自発的、意欲的に周囲とかかわれるような環境を作り、自信や意欲、コミュニケーション能力の向上、自己選択、自己決定などを伸ばす支援を行います。子どもに合った早期療育を行うことで、子どもにとって発達を促進し、困難を減らしていく可能性が高まり、保護者にとっても子どもに合わせたかかわり方が相談できるというメリットがあります。Upload By 発達障害のキホン(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年01月27日療育手帳って?発達障害娘は取得できるの?中学1年生の娘は、4歳の時に広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)と診断されました。コミュニケーション能力が低く、情報を聞き取ること、自分の考えを口に出してしゃべることが苦手な特性があります。発達障害の診断を受けている娘ですが、療育手帳は持っていません。というより、取得することができませんでした。※「療育手帳」とは、知的障害がある人に発行される障害者手帳です。自治体によっては「愛の手帳」「緑の手帳」という名前で発行されています。療育手帳を持つことで、療育や支援をはじめとしたさまざまな障害福祉サービスを受けることができます。娘は2歳から療育畑を歩いてきました。Upload By SAKURAしかし、恥ずかしながら私は、療育手帳の存在を、娘が小学生になるまで知りませんでした。放課後等デイサービスに通うために必要な「受給者証」というものが、療育手帳と似たようなものだと勘違いしていたこともあります。Upload By SAKURA小学生になると「療育手帳持ってる?」と聞かれることが増え、「あれ?持っていないとまずいものなのかな?」と思い始めました。Upload By SAKURA療育手帳の取得方法を調べてみると……療育手帳の存在をちゃんと知らなかった私は、「取れるものなら取ろうかな」とその時は軽く思いました。Upload By SAKURAあとから知ったのですが、この療育手帳の取得は、親御さんにとって、「障害を認めたことになるようで、取得を躊躇する」ということがあるようでした。Upload By SAKURA私は、グレーゾーンの時から「早く診断名がついてほしい」と思っていましたし、療育手帳の存在は、診断を受けて3、4年経ってから知りました。躊躇することはまったくなく、前向きな気持ちでした。Upload By SAKURAそれから私は、療育手帳を取るため、取得方法を調べました。しかし、知的障害がない場合、療育手帳は取得はできないということが分かりました。※療育手帳は、各自治体によって療育手帳の取得基準や、受けられるサービスが違います。Upload By SAKURAそれ以降も、療育手帳について聞かれる場面はありましたが、「娘の場合、取れないみたいです」と答えていました。その後、娘が小学6年生の時、中学に向けて発達テストを受けることになり、テスト結果と(特別支援学級の在籍に必要な)診断書をもらうため、発達外来の受診をした時、療育手帳について確認してみると……Upload By SAKURA娘は療育手帳も精神障害者保健福祉手帳も取得はできないと言われました。やっぱり……。事前に調べていたので、確認のため……という感じの質問でしたが、帰宅後、私はふと思いました。障害者手帳が取得できない=困りごとがない訳ではないのに……Upload By SAKURAじゃあ……障害者手帳を取得できない娘は……どの位置にいるのだろうか。昔……まだ娘に診断がついていないグレーゾーンの時、発達障害なのか、そうではないのかという、中途半端な位置がとても嫌でした。その時のことを思い出しました。娘は知的障害がありません。IQも通常範囲内。しかし、しゃべれば、言葉の並びがぐちゃぐちゃだし、出てこない言葉も多い。口頭の指示は、一度では絶対に聞き取ることができないし、言われたことを覚えるのもとても苦手で、すぐに忘れてしまいます。Upload By SAKURA相手の立場になって考えることが苦手で、空気が読めないため、信じられないタイミングで、とても感じが悪いことを言ってしまうこともよくあります。自分の中の感情や、思いついた言葉を頭に留めておくことができないので、叱られているのにニヤニヤしてしまったり、一人でぶつぶつと独り言を続けてしまうこともあります。Upload By SAKURA娘は発達障害ではあるけど、障害者手帳を取得する基準にない……。今まで、手帳を持っていなくて、損したことや、受けたいけど受けられない福祉サービスがあったわけではありません。しかし、娘には、苦手なこと、困りごとが多くあります。それを証明する代わりになるような手帳は、持たせてもらえないのか……と思いました。知的障害がなくても、困っていないわけではありません。どうやってもできないことがあります。娘が大きくなった時、コミュニケーション面でなにか困ったら……。Upload By SAKURAなんてことにならないか……。考えすぎかもしれませんが、言葉で説明できない娘が心配になりました。知的障害がなくても、困ってること、助けて欲しいことはあります。日常生活に支障をきたすほどのパニックがなくても、冷静に対応できるわけではありません。そのことを証明するような……それぞれの特性や、困りごとにそった手帳があるといいのになーと思います。執筆/SAKURA(監修:新美先生より)療育手帳取得にまつわる、いろいろな思いを聞かせてくださりありがとうございます。あまりいいことではないと思いますが、療育手帳や精神障害者保健福祉手帳の取得基準については、地域による違いがあったりして、なかなかコメントがしにくいところがあります。多くの自治体において、療育手帳は原則として知的障害のある方が対象ですが、地域によっては発達障害がある場合、知的障害の基準が緩和されることもあるようです。知的障害を伴わない発達障害の方の場合、コラム内の漫画にも書いてありましたが、精神障害者保健福祉手帳が取得できる場合があります。これについても地域による基準がまちまちだったり、時代によって変化してきていることもあります。発達障害特性があって、生活面で何らかのサポートが必要な場合、精神障害者保健福祉手帳は取得できる可能性は十分にあります。一般的に、義務教育年代は、障害者手帳がなくても多くの福祉サービスは、コラムにあったように受給者証があれば利用できることが多いので、必要性をそこまで感じないかもしれません。ですが義務教育年代以降、福祉サービスを利用するためには、障害者手帳が必要になる場面が多くなります。こうしたことから義務教育年代を主に担当する支援者が精神障害者保健福祉手帳の取得は重度なケースのみと認識している地域でも、成人期にはもう少し柔軟に取得できる幅が広がるということもあるかもしれません。この先義務教育年代以降、就労などにあたって、精神障害者保健福祉手帳があったほうがいいと考える場合は、改めて地域の相談窓口等に当たってみてもいいかもしれません。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年10月04日発達支援センター2回目の相談Upload By プクティ初めての発達支援センターへ相談に行った日から2ヶ月後、2回目の相談日がやってきました。この日もまた、臨床心理士の方が長男を見てくださっている間に、私たち夫婦は療育に通うまでの流れを説明してもらいました。通う療育のタイプによって異なる場合もあるようですが、私たちが住んでいる地区の発達支援センターの療育に通うには、まず先に「通所受給者証」を取得することが必要とのことでした。その日は療育開始までの流れを聞いた後、次回受ける知能検査の予約を取って帰りました。診断書の取得から受給者証の申請へUpload By プクティ受給者証取得には、基本的には医師の診断書の提出が必要でした(このあたりはお住まいの自治体によって異なる場合があります)。しかし、専門病院へ受診の予約をしたところ、初診の予約日が数ヶ月先になってしまったので、とりあえず、かかりつけの小児科で、支援が必要との意見書を出してもらい、すぐに受給者証の申請を出すことができました。初めての知能検査Upload By プクティ2回目の相談日から1ヶ月後、ついに知能検査を受ける日がやってきました。この日は私の都合が悪く、長男は夫が一人で連れて行ってくれました。発達支援センターに到着すると、長男は別室に案内され、夫は検査が終わるまで、長男が見えないところで待機することになりました。Upload By プクティ検査は臨床心理士の方と長男の一対一で行われたのですが、別室で待機していた夫のところに聞こえてくる声の様子だと、長男はなかなか集中できず、違う話ばかりして手こずっているようでした。そして約1時間ほどで検査が終了。検査結果は後日ということで、その日は終わりとなりました。気になる検査結果は…1ヶ月後、検査の結果ができたということで、今度は夫婦そろって再び発達支援センターへ行きました。そして気になる結果は……Upload By プクティ長男の実年齢4歳に対し精神年齢は2歳と、発達が2歳遅れという結果が出ました。臨床心理士さんからは、ボディイメージが弱く、手足を使っての行動が瞬時に取れないことや、人より物への興味のほうが強く、興味があることへの集中力はあるが、興味がないことへは集中できないことなどを指摘されました。IQに関しては、臨床心理士さん曰く「集中力の問題で実際より低めの数字が出ている」とのことで、また数ヶ月後、検査内容を忘れた頃に再度検査を受けることをすすめられました。執筆/プクティ(監修:初川先生より)療育を受けるためには(プクティさんの地域では)受給者証の取得と知能検査の受検が必要だったのですね。受給者証は福祉サービスを自費でなく受けるためには必要ですし、お子さんのアセスメントとして知能検査やそれに付随する行動観察などはあったほうが支援の精度があがりますね。さて、知能検査に関してですが、「そこまで発達の遅れはなさそう」とこれまで言われてきたこともあり、想定外の結果だったかもしれませんね。ただ、知能検査で大事なのは、数値もそうですが、そこに至るまでの行動面でのアセスメントも同じくらい大切です。注意集中の苦手さや、理解したことを行動で答えることの苦手さ、また、好きな話は上手にできるがゆえに遅れを感じさせない様子がありそうですが、聞かれたことに適切に答えるという面では苦手だったのかも……など、さまざまな特徴、つまり、得意不得意が見えてきそうな感じがしました。そうした数字に表れきらない面もとても大事な知見となります。再検査の提案もあったとのことですが、まずは、今回の結果からも、標準化され客観的な検査(今回は田中ビネー知能検査)に対して、長男くんがどう反応したのか。そこから得られるものがたくさんあるので、そこを活かして療育の内容の工夫や日常生活での支援がより長男くんにフィットしたものになってゆくといいなと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2023年09月03日家族の休日の過ごし方が豊かに!困りごとも解消!Upload By べっこうあめアマミ私の息子は重度知的障害として、東京都から「愛の手帳」の2度の判定を受けています。「愛の手帳」というのは東京都が交付する療育手帳の呼称で、障害の程度を示す等級は、・軽度4度・中度3度・重度2度・最重度1度となっています。「A1」「B1」などとアルファベット付きの等級名を使う地方自治体が多いことを考えると、少しめずらしいかもしれませんね。息子が初めて手帳を取得した年長の時は中度の3度でしたが、小学校入学後に再度判定を受けに行くと、重度である2度になっていました。就学前の就学相談の時点で教育委員会から「重度知的障害」と言われていたので、最初に判定を受けた時は幼かったのもあり、少し軽めに判定されたのかもしれません。手帳の等級が重くなればなるほど、受けられるサービスは手厚くなります。特に私の経験上、中度から重度に変わるところで、支援内容が大きくランクアップしたように感じました。中度の手帳を持っていた時から手帳の便利さは感じていましたが、重度判定の手帳をもらって、その存在感はより大きくなったからです。息子を含めた家族の毎日が、以前より過ごしやすくなり、困りごとの多くが解消されたと感じています。具体的に何が助かっているの?Upload By べっこうあめアマミ療育手帳を持っていると助かるとか、いろいろなメリットがあるという情報はよく出回っていますが、具体的に何がどう助かっているのか?イメージしづらい人もいると思います。なぜなら、療育手帳制度は地域差が大きいので、インターネットで調べても具体的なことは断定しづらいからです。そこで、あくまでわが家の息子が利用しているサービスや支援について、具体的にお伝えしたいと思います。実際に手帳で受けられるサービスは、分厚い冊子1冊で語られるほど種類が多く、対象者の規定も細かいです。そのため、その全てを理解し、利用するのはかなり難しいのではないかと思います。本人の年齢や家庭環境によっても必要な支援やサービスは変わるでしょう。あくまで一例ではありますが、小学生の息子がいるわが家が今、「これは助かる!」と思って利用しているサービスのみに絞ってお伝えしたいと思います。息子が、私たち親の代わりにヘルパーさんに付き添ってもらって外出する、移動支援の利用。そして、夜間の宿泊込みで息子を預かってもらう短期入所の利用。これらは手帳とは別にそれぞれ受給者証の取得も必要になりますが、非常に助かる福祉サービスです。移動支援も短期入所も施設を探すハードルが高く、利用までは時間がかかりますが、障害がある子どもの付き添いや預け先を確保しておく安心感ははかりしれません。手帳を提示すると、駐車場料金が無料になる都立公園は非常に多いです。公園以外でも、都立のレジャー施設の入場料などが同伴者含め無料になったり割引になったりします。民間のレジャー施設の入場料も手帳の提示で割引になることが多いため、休日のお出かけに手帳は必須の持ち物です。知的障害や発達障害などがある子どもとのお出かけでは、レジャー施設に行っても何かしら本人にひっかかるところがあって入れなかったり、癇癪を起こして早々に出ることになる場合もあるでしょう。しかし、入場料が無料であれば、親としても気軽に「行ってみようか」と誘えますし、無理せずサッと帰ったり、何度も入りなおしたりできるのが非常に助かります。・タクシー券の配布(重度から)※所得額などにより支給制限があります・駐車禁止等除外標章の交付(重度から)・都営地下鉄、都営バスなど都営交通の利用料が無料・有料道路の通行料金割引(ETC利用も)・JR、私鉄の旅客運賃の割引などの移動の際に使えるサービスも助かります。これらのサービスは、レジャー施設と同じように、本人の気分が乗らなければサッと移動しようというフットワークが軽くなるのがうれしいところです。駐車禁止等除外標章をもらえると、いくつかの定めに沿った場所であれば路上に車を停めておけるので、子どもの送迎などの際に助かります。東京は駐車場が少なく、学校、放課後等デイサービス、福祉施設や病院も駐車場がないところがほとんどなので、持っておくと特にありがたみを感じます。手帳を持っていると、等級に応じてさまざまな手当を申請できます。所得制限の基準などもあり、必ずしももらえるとは限りませんが、何かとお金がかかる障害児育児を金銭面で助けてくれます。自動車税や軽自動車税の減免や、所得税や住民税の障害者控除などが受けられます。どこまで受けられるかは障害の等級によりますが、手帳を取得したなら申請しておくに越したことはありません。注意!手帳は地域差が大きい&障害の程度でサービス内容が大きく変わるUpload By べっこうあめアマミここまで療育手帳について詳しく書いてきましたが、ここで書いているのは、あくまでわが家の息子の場合です。具体的には、東京都が交付する療育手帳、「愛の手帳」の2度(重度)判定で受けられる支援やサービスの中で、息子の家庭環境や状態に適応しているサービスです。そして、わが家もすべてのサービスを利用しているわけではなく、必要なものを選択して利用しています。療育手帳の運用は地方自治体に任されているため、先にもお伝えした通り、療育手帳は障害者手帳の中でも特に地域差が大きいです。そのため、すべての地域で同様のサービスが保証されてはいません。その上、障害の程度によっても状況は全く変わります。ただ、おおまかな内容は似ていると思うので、「こんなことはできるのか?」と気になることがあれば、ぜひご自分の地域の障害福祉課などにお問い合わせください。手帳がないと、障害児育児はより一層ハードモード…持っていて損はないUpload By べっこうあめアマミちなみに、はじめて息子の手帳を取得した時は、不覚にもショックで涙した私でしたが、重度判定を受けた時は特に何も出てこず、無の感情でした。しかし、「実際の障害の程度は重度なのに受けられる支援は中度」なんていう不条理な状況を脱することができたことには心底安心しました。もちろん、両手をあげてバンザイ!と言えるほど喜べるわけではありませんでしたが、今以上に障害児育児が楽になると思うと、それは喜ばしいことだったのです。とはいえ、障害の等級が重くなったことに変わりはありません。息子が重度判定を受けた日、なんともいえない複雑な空気で児童相談所をあとにした私たち。そんなモヤモヤを察した夫が、「じゃあ景気づけに焼肉行こう!」と言って空気を変えてくれたのがなんとなく救いでした。夫の一声で、家族みんな楽しくわいわいモードになり、ポジティブな気持ちで一日を締めることができました。その後の毎日も、息子が重度判定になって受けられるようになった支援を存分に使って生活しています。障害児育児は大変です。でも、手帳を持っていないとその毎日はより一層ハードモードになるでしょう。少しでも負担を減らして生きていくために、使えるものは使ったほうがいいんじゃないか、手帳は持っていて損はないものなんじゃないかというのが、私の気持ちです。執筆/べっこうあめアマミ(監修:初川先生より)療育手帳の活用法を具体的にシェアしてくださりありがとうございます。手帳取得をめぐっては葛藤を感じられる方も多いので、手帳取得の思い、判定が変化した際の思いも含めて聞かせていただき、とても参考になりました。さまざまなサービスを受けられるからぜひ取得したらとすすめられることが実際には多いのではと感じますが、アマミさんが書かれていたようにお子さんの気分が乗らない、癇癪を起こしたなどでも、心の面からしてもさっと引き上げられるというメリットがあるのですね。さまざまなところでお子さんにとって良い経験をさせてあげたいと思って外出されたり、療育や通院で必要に迫られて移動したりする際に、移動(交通費、駐車料金)や入場料などの負担が少ないのは長期的に見て、また外出しようという行動を維持しやすいですね。実際の活用法は自治体によって、障害の度合いによっても違うと思います。お住まいの自治体の障害福祉課にまずは話を聞きに行くところから情報収集していだければと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年08月23日「手帳は持っていますか?」何のことか分からずポカーン…初めて知った療育手帳の存在私が初めて療育手帳の存在を知ったのは、息子が3歳のときでした。引っ越し先の発達支援センターに、療育を受けたいと相談しに行ったところ、相談支援員の先生から、サラッと「手帳は持っていますか?」と聞かれたのです。先生は、何てことない質問の1つとして聞いただけのようでしたが、当時の私が「手帳」という言葉で連想するのは「スケジュール帳」。あまりピンとこず、ポカーンとしてしまったのを覚えています。息子は1歳半から発達相談に行っており、2歳から療育にも通っていたため、引っ越し前の自治体でも発達支援センターには何度も足を運んでいました。しかし、引っ越す前の自治体では、どこにも私に療育手帳の存在を知らせてくれる人はいなかったのです。このように対応に差があったのは、息子の年齢が幼かったこと、自治体ごとの方針の違いなど、理由はいろいろあったのだろうと思います。しかし私はその日、療育手帳にまつわる多くの福祉関係の情報を、一気に知ることができたのです。引っ越し先の自治体の発達支援センターの相談支援員さんからは、「息子さんくらいの発達の遅れだと、療育手帳がとれないことはないと思う」とはっきり言われたのを覚えています。そのくらい、息子の発達は遅れていました。しかし、すぐに療育手帳の取得を決めることもできず、とりあえず保留の状態で数ヶ月を過ごしました。Upload By べっこうあめアマミ療育手帳って何?取得するメリットは?療育手帳は、3種類ある障害者手帳の中の1つです。障害者手帳は、・身体の機能に一定以上の障害がある人が取得できる「身体障害者手帳」・知的障害のある人が取得できる「療育手帳」(名称は自治体によって違うことがあります)・一定の精神障害の状態にある人が取得できる「精神障害者保健福祉手帳」(発達障害も対象になります)の3種類あります。息子が取得を検討していたのはこのうちの「療育手帳」でした。療育手帳制度は自治体ごとに運用しているので、取得の流れや等級の判定基準、名称、受けられる支援など、地域差が大きいです。しかし、いずれにしろ、取得しているとさまざまな福祉サービスを受けられることに変わりはありません。療育手帳を持っているかどうかで線引きされてしまうので、同じくらいの困りごとを抱えていても、持っているかどうかで受けられる支援に大きな差が出てしまうのです。そのため、療育手帳を取得するメリットは大いにあると思います。療育手帳のデメリットとは?Upload By べっこうあめアマミでは、逆に療育手帳を取得するデメリットはないのでしょうか?実は、私は息子が療育手帳を取得することになかなか踏ん切りがつかず、「療育手帳の情報を得たい」と言いながら、デメリットを探しにいっていたような時期がありました。しかし、どんなに探しても、療育手帳を取得することにこれといったデメリットはなかったのです。しいて言えば、「息子の障害を認めること」。これに尽きると思います。療育手帳を持っていることは自分から言わなければ誰にも知られませんし、使わなければ提示を求められることもありません。しかし、公的に「障害者」だと証明されることに違いはないのです。ですから、手帳の取得に躊躇してしまうのは、主に気持ちの問題かと思います。息子に障害の診断が出たときが、手帳取得のきっかけになったUpload By べっこうあめアマミすぐには息子の療育手帳の取得に動き出せなかった私ですが、その年の12月、息子が4歳になったとき、きっかけになる出来事がありました。息子が、発達検査で医師から正式に、「知的障害を伴う自閉スペクトラム症」と診断されたのです。息子が1歳の終わりころから通っていた病院の主治医の診断でしたし、私も薄々、「何もないわけではないだろう」とは思っていました。しかし、まだどこかで「障害」という言葉を受け入れられない自分がいたのです。それが、白黒はっきりしてしまいました。当時はものすごく落ち込み、将来への不安で頭がいっぱいになりました。しかし、ちょうどときを同じくして、私には同じ療育に通う、息子と同じような障害がある子どもを育てるママ友ができたのです。同じ立場にある仲間と過ごす時間の中で、自然と気持ちも和らいでいきました。さらにママ友同士で話す中で、私が躊躇していた療育手帳も、意外とみんな持っているんだということも知りました。このように、私はタイミングよく人に恵まれて、幸運だったと思います。ショックが大きかった障害の診断も、「息子に知的障害があることは変わらない事実なのだから、息子のためにできるだけのことをしよう」と切り替えられるようになりました。そして、療育手帳の取得に向けて、前向きに検討しだしたのです。療育手帳が手元に届いた日、突きつけられた現実に涙「息子は障害者なんだ」Upload By べっこうあめアマミ息子に障害の診断が出てから約4ヶ月後の4月、ようやく私と息子は療育手帳の判定を受けに、児童相談所に行きました。療育手帳は、18歳未満の子どもの場合は児童相談所で発達検査や診断などを受け、取得の可否や障害等級の判定がなされます。私も児童相談所に予約を取り、指定された日に息子と一緒に出かけました。息子はその日の時点で「中等度知的障害」を示す等級で、療育手帳の交付の判定を受けました。息子に知的障害があることは、すでに知っていたことです。そのため、私もその日はそこまで落ち込まずに帰ったのですが、その後、意外な感情の起伏がありました。療育手帳はその場でもらえるわけではなく、判定を受けてしばらくしてから自宅に届きます。児童相談所に行ってしばらくたったある日、わが家にも息子の療育手帳が届きました。すると、初めて息子の顔写真が載った実物の療育手帳を見たとき、私の目からふいに涙がこぼれたのです。頭では分かっていても、実際に手にすると、「息子は障害者なんだ」という現実を突きつけられたようで、複雑な気持ちを抑えきれなくなってしまったのを覚えています。手帳の取得に後悔はゼロ!息子と私たち家族を助ける後ろ盾のような存在息子は今8歳になりました。特別支援学校に通う小学3年生です。障害の診断が出て、療育手帳の取得を決め、手元に届いた療育手帳に涙した日はもはや4年前。今の私たち家族の生活にとって、息子の療育手帳はなくてはならない存在です。療育手帳によって受けられる福祉サービスで、息子も私たち家族も、安定した生活を送ることができています。療育手帳の取得に迷ったこともありましたが、今の私がはっきり言えるのは、「療育手帳の取得に後悔はゼロ!」だということです。もし、少しでも手帳に興味がある方がいたら、まずは自治体の障害福祉課や、発達支援センターなどに問い合わせてみてください。このコラムが、誰かの困りごとを少しでも減らす後押しになったらうれしく思います。執筆/べっこうあめアマミ(監修:藤井先生より)療育手帳は、療育などの児童発達支援を受けている方の全てが取得しているわけでもないので、ご存知ない方も多くいらっしゃいます。べっこうあめアマミさんが、療育手帳について書いてくださったことで、取得に迷われている方や、知らずに福祉サービスが受けられないと困っている方にとって、後押しになったと思います。ありがとうございます。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年07月23日最初は学校の先生に指摘されゆいが発達の検査を受けたきっかけは、小学4年生のころに担任の先生にすすめられたからです。それまでの私は、ゆいが勉強や新しい環境が苦手なことを、本気で個性の範疇だと考えていました。本人には「気にすることないよ、そんなこともあるよ」と言い、成長していけば「そのうち何とかなるだろう」と呑気に構えていたのです。そんな考えでいたところ、担任の先生に発達の検査をすすめられたので、頭を殴られたような衝撃でした。まるで「母親失格」と言われたように感じてしまいました。わが子がこんなにも困っていたのに、なんで私は呑気に構えていたのでしょう。猛省しましたが今までの時間は戻ってはきません。ここから私は「何かしなきゃ」と焦ることになります。Upload By 吉田いらこそして母は「検索魔」になるそこからは、インターネットで検索を繰り返す日々でした。そのときにLITALICO発達ナビにもたどり着きました。当時の私は子どもと向き合うよりもスマホとにらめっこしていた時間の方が長かったと思います。どんな福祉制度があるのか、ほかの人たちは子どもとどのような関わり方をし、子どもはどんな進路を選んだのか。社会に出てからはどうしているのか、40代、60代になったころは…。当時夫は単身赴任中で、いつでも連絡が取れる状況とはいえ全部を私一人で背負っている感覚になっていました。「別にそこまで気にするほどではない」というスタンスの夫に対して「この人は何も分かっていない」と腹が立ち、一人ですべてを決めて突っ走っていたと思います。Upload By 吉田いらこ発達障害のセミナーを受講してみたけれどもっと知識をつけなければとインターネットで検索を続けていたところ、発達障害のある子どもを育てる保護者向けのセミナーを見つけ受講しました。検索していたとき、知的障害に関するセミナーは見つけられなかったのですが、発達障害に関するセミナーはたくさん見つけることができました(それだけ需要が多いのかもしれないと感じました)。そのセミナーでは障害にまつわる特性の具体的な対処法を学ぶのではなく、受講者(保護者)の意識改革をメインにしているようでした。育児の最終目標は何か、そこに到達するには今までの考え方をどう変えていくか…といった話が続きます。ビジネスセミナーのように目的が明確で勉強になると思ったのですが、そこで「こういう育て方だから特性が出てしまったのだ」という話題が出て、その例がまるで自分に言われているような気がして落ち込み、1回で受講をやめてしまいました。Upload By 吉田いらこわが子の障害との向き合い方、答えは身近にあったセミナーを受講しては落ち込み、「夫は分かっていない」と腹を立て、「何かしなきゃ、何かしなきゃ」といつもせき立てられるような気持ちでいました。完全に子ども本人を置いてけぼりにしていました。そんなときに私の妹に言われたことがあります。「お姉ちゃんは先回りしすぎてゆいちゃんの可能性をつぶしているような気がするよ。もっと気楽に構えてもいいんじゃない?」第三者から見ると、私が最初に自分自身が気を抜きすぎていたことを恥じて、今度は逆に縛りをきつくしすぎているように感じたようです。私は数年先のゆいの進路を見すえすぎて、通える可能性のある学校をピックアップしたり、教科をチェックしたりしていました。ゆいはまだ中学校にも通っていないのに、本人の希望は全く無視をして…。そんな私の気持ちを妹が落ち着かせてくれた気がします。それからは、現在の状況も見つつ本人と相談しながら進路を探したりしています。あのころから4年たった今も模索中ですが、これから「ちょうどいいところ」を見つけていけたらと思っています。執筆/吉田いらこ(監修:新美先生より)自分の子どもに、いきなり何らかの「診断名」がついたとき、親としてびっくりしてしまい、何かできることがないかと焦ってしまうことはありますよね。インターネットで検索を始めると、キリがないぐらいさまざまな情報にあふれていて、何がわが子にとって適切な情報なのか取捨選択が難しいこともあります。セミナーなどを受講されるとは、吉田さんはとても勉強熱心ですね。わが子のためにできることは何があるのかという強い思いがあふれています。セミナーや学習会であっても必ずしも適切な内容でないこともあるし、また講師と受講者の相性やタイミングが合わなくて、かえって苦しくなったりつらくなったりすることもあるものです。いろいろな情報を集めよう、学ぼうという姿勢はとても素晴らしいと思いますが、聞いてみてなるほどと思い、元気になれる前向きになれる情報だけを受け取っていきましょう。吉田さんが、「答えは身近にあった」と書いていただいているように、まずは診断や検査結果を一つの観点として、お子さんが何をすると元気になり、笑顔になり、何をすると大変そうにしているかなとよく見ていきながら、お子さんのことを知っている専門家(医師など)に、具体的に相談していくというのも大切にしていくとよいと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年07月10日■前回のあらすじ義父も義母もゆいの診断結果を受け入れてくれて、私は安心する。しかし、義母から「うちの家系にはそういう人はいなかった」と言われ、私は「全部自分のせいなんだ」と自分を責めてばかりいました。■私ができることは…■よし、頑張っていこうこれで療育手帳を取得した話は終わりです。現実はいろんなことがスッキリしないし、感動的なことも何もない…。これからもいろいろあると思いますがとりあえず次へ進んで行こうと思います。
2023年07月07日■前回のあらすじゆいのことを話すと、義父から「もっと早くわかってたらいろいろ対処できたんじゃないか」と言われ苦しくなる私。しかし、意外にも「できることをやっていかないと」と受け入れる姿勢を義父が示し…。■あの子は何も変わらない■うちの家系にはいない!?義両親の、ゆいへの想いに涙が出そうになる私だったが、そのあと義母が発した言葉に凍りつき…。しかし、そのときの私は「全部私のせい」と、なんの知識も根拠もなく感じていました。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年07月06日■前回のあらすじ夫の親族は有名大学を出ている人ばかり。義父は教育熱心で、ゆいの出産後、「絵本1万回読み聞かせのススメ」という資料を渡されたことも。しかし、私はここまで教育に熱心になろうとは思えず…。■成績が下がるのは誰のせい?■義母からフォローを受け…思い返せば、こんなこともありました。ゆいの成績が下がった頃、成績表を見た義父から「もっとちゃんと勉強させた方がいい」「落ちこぼれるのは親のせいだ」と言われたのです。義母は「気にすることはない」と言ってくれましたが、こんなエピソードがあったからこそ、義父にゆいが療育手帳を取得したことを話すのは不安で…。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年07月04日■前回のあらすじ義両親にもゆいの発達検査の結果を報告しようと、私は義実家を訪問。私の話を聞いた義母は「ウソでしょ?」と驚きすぐには真実を受け入れることができない様子だったが、私が怖いのは義父の反応で…。■夫の家系は優秀で…■特に義父とは温度差があり…夫側の親族は優秀な人が多く、有名大学を出ている人ばかりでした。中でも義父は教育熱心な人で、ゆいを出産後、私は義父から「絵本1万回読み聞かせのススメ」という資料を見せられたことがあり…。私は義父との間に、子育てに対する考え方について温度差を感じ、苦手意識を持っていたのでした。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年07月03日■前回のあらすじゆいのことが心配でたまらない私に、母は「子どもって大切に守るだけじゃダメかも」とアドバイスした上で、「何があっても大丈夫」と言ってくれる。私はこの「大丈夫」の言葉がうれしくて、肩の力が抜けるのだった。■義両親に話してみると…!?■怖いのは義母ではなく…ゆいのことを義両親にも報告。「ウソでしょ?」と信じられない様子の義母だが、義父は…!?次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年07月02日■前回のあらすじゆいの発達検査結果について母と妹に報告すると、妹が自分がかつて0点を取ったときの話をする。そのとき母は何も気にしなかったそうで、「あのとき大切に守られてたら、今の私はいないかも」と妹は言うのだった。■守るだけじゃダメ!?■母の言葉に…悩む私に母が掛けてくれたのは、「絶対に大丈夫」という言葉。私はなんだか肩の力が抜けた気がして…、心が軽くなったのでした。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年07月01日■前回のあらすじ療育手帳のメリットを夫に話すが、「もう少ししたら周りに追いつくかも」という夫。我が子の障がいを認めなくてはならないつらさはあるけれど、ゆいのために行動することが大事だと強い想いを伝えるが…。■長女のことを思う気持ちは同じ■普通って何!?夫から出た「普通のルートから外れて将来どうなる?」の言葉。普通のルートって何なの!?長女の将来を思う気持ちは一緒だけど、私は今のこの時期だって大事だと思う。だから「絶対今のあの子のためになるから手帳の申請をする」と、押し通すのでした。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月29日■前回のあらすじ単身赴任中の夫に、ゆいが軽度知的障がいで療育手帳の取得を勧められたことを報告。すると夫は「様子見でいいんじゃない?」と言うが、ゆいが高学年であることが引っ掛かり…。■もう少ししたら追いつく!?■長女のために私たちがすべきこと様子見にしたい気持ちはわかる。障がいを認めたくない気持ちも…。でも、私たちがそういう気持ちを乗り越えて行動できたら、ゆいが生きやすくなると思ったのです。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月28日■前回のあらすじ療育手帳の取得を勧められるも、療育手帳とは何なのかわからず混乱する私。帰り道に調べると、療育手帳は知的障がいと判定された人の手帳であることがわかり、これからどうすればいいのかと頭を抱えるのでした。■やさしくされていたら…■私じゃなかったら…私じゃなくて、もっとしっかりした人がゆいの母親だったら…。そしたらもっと早く気付いて適切な対応ができていたはず。私は自分を責めることしかできなくて…。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月26日■前回のあらすじ検査結果によると、ゆいは実年齢より2歳ほど発達の開きがあるそうで、療育手帳の取得を勧められる。これまでの対応に後悔する中、「この結果を見てどう思われますか?」と問われるが混乱して答えられず…。■ADHDや場面緘黙は?■障がいについては…?実年齢に比べ発達に開きがあることはわかったものの、私が調べて疑ったADHDや場面緘黙については児童精神科などを受診しないとわからないとのこと。では一体、療育手帳は何を証明するもので、何に使えるものなのか?調べると「知的障がいが判定された方に発行される手帳」と書かれていて、私はショックを受けながらも、これからのことをちゃんと考えねばと思うのでした。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月25日■前回のあらすじ発達検査の日。緊張した表情のゆいを見て、検査に答えられるのか不安になる。その後は保護者のヒアリング。そこには現状を伝えながらも、少しでもフォローを入れてしまう自分がいた。そして検査結果が…。■長女、緊張してる!■次は保護者のヒアリング成績が気になって勉強系の習いごとをさせていたけれど、まず検査をやるべきだったんだ…。いつか本人にやる気が出たら変わるものだと思っていたのです。検査結果を受けて意見を求められましたが、状況を受け入れるのが精一杯でした…。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月24日■前回のあらすじ3ヶ月待った発達検査が近づいたある日。娘のゆいに検査を受けることを告げると、ゆいは「私がバカで勉強ができないから?」と聞いてくる。長女がそんなふうに思ってしまうのは、母である自分のせいだと痛感し…。■長女、緊張してる!■次は保護者のヒアリング緊張する長女を見て、人見知りなので検査でちゃんと話せているか心配になりました。検査が終わると、次は保護者のヒアリング。そして、「ゆいさんしっかり話してくれましたよ」と言って出された検査結果は…!?次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月23日■前回のあらすじ先生の話によると、ゆいは授業について行けない様子。先生に発達検査を勧めてもらうが、素直に受け入れられず…。すると加配の先生から長女を「普通という小さい箱に入れようとしていませんか?」と言われたのでした。■長女のためになることを■私の気のせいではないんだ…先生から、発達検査でゆいが困っていることの手がかりがわかるかもしれないと言われ…。「やっぱりゆいには何か問題があるんだ」「私の気のせいじゃないんだ」と、ショックを受けながらもそれを受け入れ、検査を受けてみようという気持ちになっていったのです。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月21日■前回のあらすじ加配の先生同席のもと、担任の先生からゆいの様子を聞くと、授業中「スイッチが切れている状態」で、授業の進度についていけていないとのこと。一体どういうことなのか…。■先生が勧めたのは…■突然のことで受け入れられない発達検査を勧められたことを、すぐに受け入れられなかったのだと思います。そして加配の先生から「お子さんを『普通』という小さい箱に入れようとしていませんか?」と言われ、私は…。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月20日■前回のあらすじゆいの人見知りが不安になった私は「何かあるのかも」と思いネットで検索をしてみると、HSC、場面緘黙は当てはまることがあるように感じる。そんなとき、担任の先生から話したいことがあると連絡があり…。■不安を抱え学校へ■そこにいたのは…ゆいのことで話したいことがあると担任の先生から呼び出された私は、何を言われるのかと緊張しながら学校へ。するとそこには、担任の先生と加配の先生がいました。そこで私は、先生から呼ばれた理由がわかった気がして…。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月18日■前回のあらすじ4年生になったゆいは、クラス替えで仲良しの友だちと別クラスになってしまう。人見知りが強いため、新しい友だちもなかなかできない日々。やがて、今まで以上にテストの点数が低くなっていき…。■検索して調べてみるが…■学校から連絡が!ゆいに何かあるのかも…。そう思った私は、ネットで調べてみることにしました。HSCは、「High Sensitive Child」の略語で「非常に繊細な子ども」という意味。大人の場合「HSP」(PはPerson)と言われ、刺激に敏感すぎて不安やストレスを抱えやすく、最近では「繊細さん」と呼ばれることも。また場面緘黙は、他の状況で話しているにもかかわらず特定の社会的状況において話すことが一貫してできない状態。私は「繊細」で、「自宅では普通に会話できても学校では極度の人見知り」というゆいの特徴を手掛かりに調べたもののハッキリせず…。そんなある日、学校からゆいのことで話したいことがあるとの連絡を受けるのでした。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!参考: HSP・HSCについて/The Highly Sensitive Person 場面緘黙(かんもく)とは?/NHK福祉情報サイト ハートネット
2023年06月17日■前回のあらすじ長女が低学年の頃を思い出してみると、学校から持ち帰ったプリントでは漢字が苦手なため平仮名ばかり、テストは低い点数で、ずっと勉強が苦手だったと思う。しかし、当時の私はこのことをあまり気にしていなくて…。■クラス替えがキッカケに■新しい友だちができず…クラス替えで仲良しの友だちと離れてしまったゆいは、極度の人見知りのため新しい友だちができませんでした。すると、さらにテストの点数が下がっていき…。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月16日■前回のあらすじカウンセリングで自分だけが焦っていたのだと気づいた主人公(母)は、今度行き渋りがあったら休ませようと思うが、それ以降長女ゆいの行き渋りはなくなる。どうやらゆいはこの件で、「親に言ってもムダ」と思ったようで…。■思えば勉強が苦手だった…■でも私は…思い出してみると、ゆいはずっと勉強が苦手で…。しかし、学校から持ち帰ったテストやプリントを見ても私は、「困った子だねぇ」と言いながらもあまり気にしてこなかったのです。次回に続く「療育手帳を取得した話」(全38話)は12時更新!
2023年06月15日子育て楽じゃありません
細川珠生のここなら分かる政治のコト
私の愛すべき家族