「学校へ行きたくない」を受け入れ続けて大丈夫?不登校や子育ての転機など2024年3月に公開した読者体験談『発達ナビ 読者体験談』は、会員のみなさんからご投稿いただいたエピソードを元にした記事です。発達ナビの連載ライターさんなどにイラストをつけていただき、コミックマンガエッセイ化しています。今回は、2024年3月に公開した読者体験談をまとめてご紹介いたします。3月に公開された体験談のテーマはコチラです。・不登校・発達障害子育て、わが家の転機・重度障害のわが子の困った行動みなさんのリアルな声と、それに応えた専門家の先生方のコメントにご注目ください!読者体験談を一気にご紹介!【2024年3月】「学校を休みたい」と言われたら「いいよ」と受容すればいいことは分かってる……けれど、本当にそれでいいの?このままだと子どもの将来はどうなるの?不登校のお子さんを持つ保護者さんは「このままで大丈夫なのか」といつも葛藤しているのではないでしょうか。そんな保護者の不安、疑問に、専門家が詳しくお答えしています。不登校を受容することは甘やかしなのか?ぜひご覧ください。DQ(発達指数)が境界域の息子さんを育てながら正社員としてフルタイムで働いていた保護者さん。キャリアアップのため転職をしたタイミングで、息子さんの登園渋りが始まってしまって……。発達障害のあるお子さんの子育てと仕事の両立、多くの方が悩まれているのではないでしょうか。投稿者さんの選択、そして決断後今思っていることについてまでご共有いただきました。3歳でASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)と診断を受けた息子さんは、幼稚園から理解されず、親子ともどもつらいご経験をされました。そんな中、幼稚園の年中から通い出した児童発達支援とそこで受けたペアレントトレーニングで、育児に転機が訪れて……。「迷惑をかけないように……」そう思って気を張り、あやまってばかりいた重度知的障害(知的発達症)とASD(自閉スペクトラム症)の息子さんを育てている保護者さん。ですが、3つの転機をきっかけに考え方が変わったそうです。「迷惑をかけないにしないと」と思って子育てをしている方にぜひ読んでいただきたい1本です。小学1年生の時にASD(自閉スペクトラム症)、中学1年生でLD・SLD(限局性学習症)と診断されたお子さんの転機は、小学2年生の時に先生に言われたとある一言でした。小学校で荒れていたお子さんが、前を向くことになったきっかけは?先生方の支援に胸が熱くなるエピソードです。重度知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)で、無発語の息子さんは、飼っている猫のことを不思議な存在と感じ、少し恐れているようで……。保護者さんから見た、息子さんと猫のやりとりに、なんだかほっこりです。現在12歳で重度の知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)と診断さたお子さんは、お風呂が大好き。そしてあるこだわりがあるそうで、そのなかにはちょっと困ることもあって……。困ったルーティンにどう対応すればいいのでしょうか?つらかった、楽しかった……発達障害のお子さんを育てた経験談は、きっと誰かの役に立ちます!エピソード募集中!『発達ナビ 読者体験談』では、発達ナビユーザーのみなさんからのご投稿を募集しています。現在の募集テーマはこちらです!・障害告知でのトラブル・パートナー(夫婦) との間でのトラブル・両親(義両親)、親族などの間でのトラブル・進学・受験関係でのトラブル・冠婚葬祭関連でのトラブル・お子さまの反抗期、思春期でのトラブル・お子さまの自傷でのトラブル・お子さまの学習関係でのトラブル・不登校、行き渋りでのトラブル・お子さまとゲームの関わりでのトラブル・子さまの不器用さでのトラブル・ママ友や、ほかの保護者の方とのトラブルでのトラブル・ご近所関係でのトラブルご投稿いただいたエピソードを基に、発達ナビの連載ライターさんなどのイラストによってコミックマンガエッセイ化、監修の先生からエピソードについてコメントをいただいたものを発達ナビ上でお届けします。共感や気づきを得られるようなエピソード、誰にも相談できないお悩みや、ママ友トラブルまで、さまざまなエピソードをぜひお寄せください。ご応募は以下の応募フォームよりご投稿いただけます。みなさまのご投稿お待ちしております!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月06日学校から帰ると泣き出した自閉症長男。同級生の女の子とトラブルがあったようで……Upload By taekoある木曜日のことです。学校から帰宅したミミがポロポロと泣き出し、学校で嫌だった出来事を話してくれました。保育園から一緒だった同級生の女の子にフラフープをぶつけられたのだそうで「泣くほど痛かった」と。心配したほかの友達が駆け寄ってきてくれたそうです。また、ほかの場面でもその女の子に「どけ」と言われたそうで、「生きるのつらい。消えちゃいたい……」と涙のミミ。私は自分の小学生時代を思い出し(4年生の女子は強かったな……。そんなこともありそうだな……)と考えたりしつつ、「それは悲しかったね」とミミを抱きしめました。それから、学校から配布される電話相談カードを見せて、「いつでも電話で相談できるよ。電話してみる?」と伝えると、ミミは「どうせ意味ない」と拒否。さらに「そのカード捨てて!」と不機嫌になってしまいました。「先生に電話して何があったか言えるなら、明日学校休んでいいよ」と言っても、ミミは電話しようとはしませんでした。担任の先生への信頼が薄い長男私は、もちろんミミから言われた話をいつも信じるようにしています。ですが、事実かは分からない、とも思っています。担任の先生に私から事実を確認したり相談するか考えましたが、ミミは担任の先生があまり好きではなく、「聞き取れなかったから先生に聞きに行ったのに『一度で覚えろ』って言われた」、「授業中も分からないから手をあげていないのに、指してくるんだよ!」と怒って先生への文句をよく言っています。ですので、「先生に話しても無駄」だと思っているのでしょう(私は「学校はいろんな人がいることを学ぶところだから、合う人・合わない人がいるんだよ」といつも伝えています)。少し迷いましたが、ミミも4年生なので、嫌なことがあってもそれに自分で対応することも必要でしょう。また嫌なことがあったらきっと話してくれるはず、次なにかあったらまた考えようと思い、私は、私から先生には伝えず、見守ることにしました。渋りながらも学校へ行ったけれど、学校は大丈夫かな……翌日の金曜日、ミミは渋りながらも学校へ行くことはできました。なんとか登校してくれたけれど大丈夫かな、またあの女の子ともめていないかな……と心配していたのですが、1日学校で過ごし帰宅したミミは、インターネットである曲を検索してノリノリで聞いています。「学校のお友達に聞いたんだ!」と嬉しそうなので、私がその歌の歌詞をプリントして渡すと覚えて楽しんでいました。そのあとの土日は休みだったので、ミミは自分で好きなことをやっていました。歌を歌う、ペットの猫と遊ぶ、叔父さんからもらった図書カードで好きなマンガを買って読破!この充実した休日でよく気分転換もできたし、元気も蓄えられたのでしょう。週明けの月曜はスムーズに登校できました。Upload By taekoいつのまにか自分で切り替えられるようになったんだねUpload By taeko月曜日、学校から帰宅すると「今日は少しだけ楽しかった」と学校のことを話してくれました。例の女の子とはどうなったんだろうと思いつつも、あえて私からは触れませんでした。それから1週間後、ミミとの会話の中でその女の子の名前がでたので、「そういえばあれからどうなった?」と聞きました。すると物を投げられたりはなく、言葉で言い合っているようです。それを話す時のミミの様子は明るくて、怒っている様子は皆無。よかった!先週の木曜日のことからミミは自分で切り替えることができたんだ!と安心しました。1年生の時だったら考えられないことです。すごく成長したんだなと思いました。私は、笑顔で「言い返したんだ~」と明るく相槌をうちました。これから、嫌なことを自分だけで消化することが増えるかもしれないけれど、嫌なことがあったら一人で抱え込まないで私に言ってね、なにかあったら助けるからね。話してくれてありがとう。執筆/taeko(監修:鈴木先生より)今の日本の教育では、学校や担任の教師の神経発達症に対する理解の乏しさが問題となっています。各市町村の教育委員会や医師会の学校医委員会などで現場の先生方と定期的に神経発達症に関する勉強会ができればいいのですが、教育現場の多忙さなどもあり、なかなか実現が難しいのが現状です。本人から親御さんへ学校の出来事を話すのが困難な場合は、連絡帳を通して伝えてあげればいいのですが、神経発達症に対する理解が乏しい担任の教師だとなかなかそれができていないことが多いのです。校長先生や支援の先生など誰か一人でも子どもに耳を傾けて聴いてくれる先生がいればいいのです。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月06日たくさんの困り事スバルは3歳で自閉スペクトラム症と診断されました。スバルは小さなことから大きなことまでたくさんの困り事を抱えていました。なかには成長や経験によって解決することもありました。しかし困り事は次から次へと現れ、なくなることはありませんでした。何度も「『コレ』ができるようになれば世の中で言うところの『普通』に追いつけるのに……」と思っていました。その考えは経験と共にゆっくりと溶けていき「スバルはスバル」と思えるようになるのですが、小さな頃は「追いつかなければ」という焦りが常にあった気がします。悩んだ末、特別支援学級(自閉症・情緒障害学級)へ幼稚園年長時のスバルの進路をどうするかという時期に、さんざん悩み、納得がいくまで何度も見学し、わが家はスバルの就学先として特別支援学級の自閉症・情緒障害学級を選びました。そして就学相談を経て無事に特別支援学級の自閉症・情緒障害学級への就学が決まりました。この頃のスバルは幼稚園の中で集団への指示が通らなかったり、指先や運動面で先生の補助が必要なほど不器用だったり、ちょっとずれたコミュニケーションを取ってしまったりという困り事を抱えていました。家や公園など少人数で過ごす時と比べて、集団の中に入ると爆発的に困り事が増えるスバルをずっと見てきたので、少人数で過ごせる特別支援学級はスバルに合っていると思いました。ただ自分自身が経験したことがない「特別支援学級」に少なからず不安はありました。その不安を解消するために何度も見学を重ねたのですが、実際に入学して、学校での様子を見ないことには完全に安心することはできませんでした。入学式前日、特別支援学級(自閉症・情緒障害学級)に入る新1年生のみ体育館へ集合入学式の前日の夕方、特別支援学級に入る新1年生は体育館に集合しました。翌日の入学式のために会場の準備が終わった体育館で、担任の先生から「明日ここで入学式をするんだよ」と説明がありました。「あそこの入り口から入ってきてこの椅子に……」と説明は続きましたが、スバルと新しいクラスメイト達はソワソワして集中していませんでした。我慢できなくなった1人がその場を離れたのを皮切りに、蜘蛛の子を散らすように数人がその場からいなくなりました。彼らが体育館の中で散り散りに何をしていたかというと、会場のチェックです。スバルも今がチャンスとばかりにその場でゆっくりと回転しながら、会場の全体の風景を360度目に焼きつけていました。新しいクラスメイトたちは、体育館の椅子を重点的にチェックする派、ステージのカーテンの裏をチェックする派、体育館をぐるりと一周する派、そしてそんな新しいクラスメイトの動きを観察する派がいるようでした。先生は焦ることなく「こっちにピアノもあるよ」なんて案内をしてくれました。しばらくして先生が声をかけると1人、また1人と戻ってきて説明が再開されました。先ほどの様子とは打って変わって、集中して説明を聞いていました。もしこれが幼稚園の頃で、スバルが私の目の前で会場のチェックを始めたら慌てて止めていたと思います。「みんな座って先生の話を聞いているのに、何で1人回転してんの!」と……。スバルの回転のその先に、安心と集中があるのだとしても、私は1人だけ違う行動をするスバルを止めない訳にはいかない小心者なのです。ずっとそうしてきたのです。新しいクラスメイトの保護者たちはわが子が会場チェックを始めた時、一瞬焦り止めようとしましたが、先生も一緒に会場チェックをし始めたので「おたくも?」「あらおたくも?」と顔を見合わせ、そのまま見守る流れになりました。ほかの保護者が止めていないので、私もスバルを止めることはしませんでした。小心者なので。Upload By 星あかりその後は教室に移動し、自分の教室と自分の席をチェックしました。今度は先生が「先に教室を見て良いよ」と言ったので、それはそれは、くまなくチェックしていました。そして自分の席に着き、先生の話を真剣に聞きました。翌日の入学式で「途中で退出したくなったとき」「式の流れが分からなくなったとき」「じっとしていられなくなったとき」どうしたら良いかの説明がありました。「じっとしていましょう」「座っていましょう」「静かにしてましょう」ではない説明に驚くと共に、心が軽くなりました。先の見通しが立たないと不安になるスバルは、会場のチェックやもしものときの対応法を聞くことで安心を得たと思います。はたから見れば少し変わっている「スバルが安心できる行動」が許される環境に、私は安心しました。小学校の入学式当日そして迎えた入学式当日。スバルも新しいクラスメイトたちも拍子抜けするほど落ち着いて過ごし、無事に入学式は終わりました。入学式の後、保護者は体育館に残り、新1年生は体育館から教室に移動しました。通常学級と特別支援学級は校舎が違うので、それぞれの校舎へとつながる別の扉から退場していきました。Upload By 星あかり大多数の子とは別の扉から、ホッとした表情で退場するスバルの後ろ姿を見ながら「追いつくとか追いつかないとかではなく、そもそも別の道を歩いていたんだな」と妙に納得しました。それは悲観やあきらめではなく、これから始まる新生活への期待と安心でした。面白そうなクラスメイトと理解ある先生と一緒に、私たちが選択した安心できる環境でスバルはスバルの道を歩いていくんだな……と、感じた入学式でした。執筆/星あかり(監修:初川先生より)特別支援学級(自閉症・情緒障害学級)へ入学するスバルくんの、入学式準備・本番のエピソードをありがとうございます。新しい環境だと落ち着かない、不安で(体育館などに)入ることすらできないといったお子さんには、事前に会場や使用するトイレ、靴箱を見せていただいたり、段取りを説明していただいたりすることがよくあります(通常学級に入学する場合も学校によっては対応してくださいますので、お問合せしてみてください)。スバルくんのクラスでは、皆さんまとまって下見・事前説明が行われたのですね。クラスメイトとも顔を合わせる良き機会になったことと思います。新しい場所について、ひとしきり気になるものをチェックすることで、場自体や気になるものが何であるかを探索的に理解することができるので、安心でき、一度その探索を終えていれば本番の式では探索する必要もないので落ち着いて過ごすことができたのでしょう。保護者の方からすると、そうした前日の指導をする先生方の様子を見ることもでき、安心してお任せできそうだと感じられたことと思います。「途中で退出したくなったとき」「式の流れが分からなくなったとき」「じっとしていられなくなったとき」の説明もされたとのこと、何よりです。“礼儀正しくおとなしくしていなければならない”では、不安と緊張でいっぱいの新入生にはとてもつらいですね。そうした困ったときにどう先生にサインを出すか、どうすればいいかの説明があるのはさすがだなと感じました。小学校の入学式は一生に一度のものですし、それまでの園生活よりも児童や保護者、先生方がたくさん集う機会かもしれません。お子さんらもそうした晴れやかな場にわくわくすることもあるでしょうし、保護者の方にとってはいよいよ小学校入学ということで感慨もひとしおかもしれませんね。多少のトラブルがあっても、あとから振り返ればほほえましい思い出になるかもしれませんが、きっとその瞬間はひやひやハラハラされることでしょう。式自体はこのように予習・下見したり説明を受けたりすることで、少し心に余裕をもって臨めるといいですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月05日3歳まで自宅保育のみで育った長男が、とうとう幼稚園入園Upload By プクティわが家の長男が2歳になった頃、ちょうど新型コロナウイルスのパンデミックが起こり、不要不急の外出はできなくなりました。それまでたまに行っていた児童館には行けなくなり、誰かと遊ぶこともほとんどできなかった長男。基本的にずっと自宅で過ごしていて、プレ幼稚園などに通うこともありませんでした。そんな長男が3歳になった4月、とうとう幼稚園に入園し、初めての集団生活を経験することになりました。第一難問「制服」Upload By プクティ長男が入園した幼稚園は、制服で登園することになっていました。長男は洋服の素材に人一倍敏感だったので、果たして幼稚園の制服を着てくれるのか非常に心配でした。入園前に慣れておいてほしいと思った私は、制服が届いた時から、何度か着てもらおうと試してみましたが、長男は断固拒否で全然着てくれず……。しかし一度だけ、入園前に写真を撮るためになんとか無理矢理着せることに成功しました。制服を着るまでは大泣きでしたが、いったん着てしまった後は嫌がることなくノリノリで写真を撮ることができていた長男。その姿に少し安心していたのですが、いざ幼稚園が始まると、やはり制服を着るまでに毎朝大苦戦しました。第二難問「バス乗車」Upload By プクティ制服をなんとか着られた後は、幼稚園バスが迎えに来てくれるバス停へ歩いて行きます。初めて登園した日は、幼稚園に行くこともあまり理解できていないようでしたが、バスが到着し、ママと離れてバスに乗らないといけないと気づいた瞬間大泣き!暴れる長男をなんとか先生にバスに乗せてもらい、出発していきました。さらにこの時期はコロナ禍ということもあり、マスク着用も必須。マスクなんか普段絶対つけてくれなかった長男は、マスクに慣れるのにも非常に苦労しました。幼稚園から帰ってくる長男は毎回ボロボロの状態。幼稚園生活に慣れたのは……Upload By プクティこんな調子で毎朝何とか幼稚園に送り出しますが、あっという間に帰宅時間はやってきます。バス停へ迎えに行くと、まだ完全にトイトレも完了していなかった長男は毎回お漏らしをして、制服がびっしょりの状態でした。さらにはマスクも嫌がって咥えてしまうようで、びっしょりのマスクと共に帰ってきました。しかも、疲れて帰りのバスの中で眠ってしまうようで、バス停に着き起こされて不機嫌になった長男を、毎回抱っこして帰っていました。Upload By プクティ私は毎日毎日制服を手洗いしつつ、そんなボロボロの状態で帰ってくる長男が気の毒で罪悪感に包まれ、早く幼稚園生活に慣れて楽しんでくれる日が来てほしいと願っていました。しかし、慣れてきたかな?と思うと週末や連休でリセットされ……ということを繰り返し、結局長男が幼稚園生活に慣れるまでには、入園から2ヶ月くらいかかったのでした……。執筆/プクティ(監修:森先生より)どんな子どもでも新しい環境に入る時は期待半分、不安半分で戸惑うものです。プクティさんがお子さんの様子をあたたかく見守りながら適切なサポートをしてくれたので、お子さんは、はじめのうちは苦労しながらも、しっかりと幼稚園に慣れていくことができましたね。発達に偏りのあるお子さんの場合、聴覚過敏などの感覚過敏があったり、集団行動をしなければいけない理由が分からなかったりすることや、自分の気持ちを表現するのが難しく、困った時に先生に助けを求められないといった傾向があります。そのため、幼稚園に慣れるのに時間がかかることも少なくありません。どうしても行けなくてお休みする日もあるかもしれません。家庭でも習い事でも療育の場でもいいので、「幼稚園以外のコミュニティ」でのびのびと過ごせる場所を確保することがとても大切です。お子さんにとって精神的な安全基地があると、新しい環境で感じるストレスを乗り越えるための気力が出てくるのです。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年04月05日発達に悩みつつも、プレ幼稚園に通うことにたーちゃんが2歳になってすぐ、プレ幼稚園に申し込みました。その頃の私は、たーちゃんの発達について悩んでいたこともあり、年少でいきなり幼稚園に入園して、たーちゃんが一人で集団生活になじめるのか不安でした。すでに通っていた市の親子教室での様子を見ても、たーちゃんにとって集団生活が難しいことは、一目瞭然でした。そのため、年少で入園する前の一年間、親子通園のできるプレ幼稚園に週に一度通うことにしたのです。プレ幼稚園に通えば、場所見知りと人見知りのあるたーちゃんも環境に慣れて、スムーズに年少をスタートできるのではないかと期待していました。プレ幼稚園に提出する書類には発達について気になっていると書き、初回のクラスでも担任の先生に相談していました。それでも「大丈夫ですよ」と温かく受け入れてくれて、安心したのを覚えています。Upload By みかみかんしかし、通い始めてすぐに問題が……まず幼稚園に入ることができませんでした。初めての場所や大勢の人がいるところへの不安感が強いたーちゃんは、幼稚園の門をくぐることも難しかったのです。担任の先生がなだめてくれてなんとか教室まで行けましたが、その後もずっと帰りたがって、そんなにつらいなら本当に帰ってしまおうかと思うほど、ぐずり続けていました。結局、私にしがみついた状態で初回の2時間を過ごしました。次に大変だったのは、椅子に座っていられないことでした。たーちゃんは集中が切れたり興奮したりすると、教室の中をぐるぐると走り回ってしまい、その度に先生から注意されました。ふらふらと離席したり、ふざけて床に転がったりすることも多く、私は背後から腕を回すようにして、たーちゃんを椅子に座らせていました。ほかのお子さんは椅子に座っていられるし、走り回ったりもしないのに……と、どうしても比べてしまいました。ほかの保護者の方からの、大変そうだな……という視線が、その通りなのですが、つらく感じました。Upload By みかみかんそのほかにも、遊びを中断できずに癇癪を起こす、教室から出て行く、ドアの開け閉めに固執する、お友達の玩具を取るなど困った行動が続きました。そのため、私はたーちゃんにつきっきりでお世話をしていました。座っての活動が多いこともあり、私は「動くことが好きなたーちゃんには、プレ幼稚園の活動はつらいのではないか?」と感じ始めていました。Upload By みかみかん親子でつらいプレ幼稚園……辞めることを決意プレ幼稚園では、一年間プレに通った後はそのまま年少に持ち上がるのが基本的な決まりでした。プレに通うのは年少で正式に入園する気がある方でお願いします、とも事前に言われていました。しかし、このまま通い続けるのは難しいと思った私は、悩んだ末に、夏休み前の面談で、プレを辞めることを担任の先生に話しました。幼稚園が悪いわけではなく、たーちゃんと私に合っていなかったということ、たーちゃんも私も無理をしない環境で年少になる準備をしたいことを伝えました。さらに、ASD(自閉スペクトラム症)と診断されたこともその時に話しました。Upload By みかみかん引き止められるか、何か注意されるかと身構えていましたが、担任の先生は快諾してくれました。「たーちゃんの様子をよく観察して、発達について調べて行動して、すごいと思います。たくさん考えてくれてありがとうございます。」と、先生は優しい言葉を私にかけてくれました。途中でやめる本当の理由の半分は、「私がつらいから」なので、少し申し訳なかったです。しかし、たーちゃんも私ももう無理しなくていいのだと思うと、ほっとしました。夏休み前の最後の日に、同じクラスの保護者の方にも、辞めることを話しました。伝える前はドキドキしましたが、穏やかにお別れすることができました。通っていてつらいな、と思ったこともたくさんありましたが、今思えば優しくて温かい人たちばかりでした。プレ幼稚園を辞めてからの生活夏休みは、預かり型の児童発達支援に週に2回ほど通いました。特性に理解のある支援員さんが見てくれるので、安心してたーちゃんを預けることができました。その後、近所の別の幼稚園に満3歳児クラスがあったので、誕生日を迎えてからその園に通うことにしました。児童発達支援のおかげで集団活動をする自信がついてきたことと、よく公園で遊ぶお友達がその園にいたことが理由です。発達については入園前から相談しており、手がかかるだろうし、やはり迷惑かもしれないとも思いました。しかし、もし問題があれば辞めればいいのだと少し肩の力を抜いて考えていました。幸いその幼稚園はたーちゃんに合っていたようで、大きな問題もなく満3歳児クラスと年少を過ごし、今も通っています。頑張りすぎない選択をできて良かったと考えるプレ幼稚園を途中で辞めなかったら……と思うこともありますが、後悔はしていません。子どものためだから、プレに入ったら入園する決まりだから……と頑張りすぎてしまいそうになりましたが、思い切って辞めたおかげで、たーちゃんも私も気持ちに余裕ができたと思います。そして結果的に、たーちゃんに合った幼稚園に通うことができました。幼稚園や保育園は一ヶ所だけではないので、合わないなと思ったら途中で辞めても良いと私は思います。お子さんと保護者のみなさん、どちらも無理のない生活を送ることが大事ではないかなと思います。執筆/みかみかん(監修:新美先生より)プレ幼稚園を途中で辞めて、別の幼稚園に入園したエピソードを聞かせていただきありがとうございます。幼稚園や保育園は、園によって活動内容や、方針、規模などさまざまです。発達特性の偏りのあるお子さんにとっては生活環境によって楽しめること・困ることががらりと変わることもしばしばあるので、合わなかったら思い切って別の環境に変えてみるのはありかもしれません。とはいえ、環境を変えるのは、保護者としてもたくさん迷いが湧いてきますし、気力も手間もかかることですよね。変わってうまくいくという保証もない中でなかなか簡単に決められることではなかったと思います。ただ、発達特性の偏りのある人にとって、自分に合った環境を選んでいくことはこの先年長しても大人になってもずっと、大事なことです。お試しで飛び込んだ環境で、合わない時に、その環境を調整して過ごしやすいように工夫することと、いろんな人に相談しながら状況によっては場所を変えてみるということは両方ありだと思っていくとよいと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月04日3歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けたハジュ現在小学3年生、特別支援学級に通う長男のハジュは、3歳の時にASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。1歳を過ぎた頃から、乳児健診での様子や長女の時と比べて、ハジュの成長に「なにか変だぞ……?」と思い始めました。そして、1歳半健診で心理士さんからすすめられたグループ療育に通いつつ、幼稚園に入園し、3歳を過ぎた頃にやっと自分の言葉を話し始めました。そのような中で、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた時には、ショックというよりも「ああ、なるほど!」と、むしろ私のなかで合点がいったという感じでした。そんなハジュの成長の中で欠かせない『相棒』のお話をしたいと思います。ぬいぐるみの、『いつもちゃん』ハジュが1歳の頃に、おばあちゃんが手づくりしてくれた軍手でできたぬいぐるみ。顔はフエルトと刺しゅうで描かれており、とても味のある表情で、子どもの小さな手にちょうどフィットする大きさと形でした。もらった瞬間からハジュはそのぬいぐるみが大のお気に入りになり、片時も離そうとはしませんでした。寝ても覚めても、どこへ行くにもいつも一緒。お風呂に入る時ですら離れたくない!と、ハジュがいつも持っているので、そのぬいぐるみを『いつもちゃん』と呼ぶようになりました。『いつもちゃん』がいれば、ハジュの癇癪やパニックが落ち着く時もあり、『いつもちゃん』は私にとっても、育児中の心強い相棒でもありました。Upload By スパ山幼稚園には持っていけないのよ……『いつもちゃん』と片時も離れることなく、3歳になったハジュ。いよいよ幼稚園に入園することになりました。しかし、さすがに幼稚園にぬいぐるみは持っていけない……。ほかのお友達とのトラブルの原因になってしまうし、もしなくしたりでもしたら大事件!さあ困った。私はまずハジュの説得から始めました。ハジュは、耳で聞いたことより目で見たことのほうがよく伝わったので、絵に描いて紙芝居のように伝えてみることに。そして、いつもちゃんの家や布団をつくっておままごとをして、少しずつ離れられるような練習をしました。しかし、結果は撃沈。絶対に手を放しませんでした(泣)。むしろ、「お母さんは、いつもちゃんに何か良からぬことをしようとしている……?」とハジュに不信感を抱かせてしまいました。Upload By スパ山ぬいぐるみについて、思い切って園長先生に相談入園予定の幼稚園で行われた入園前面談の際に園長先生に思い切って相談してみることにしました。2歳から幼稚園のプレ教室に参加していたので、ハジュの様子や『いつもちゃん』のことも園長先生は知ってくれていました。園長先生に、どうしたらぬいぐるみを家に置いて離れられるのかと相談したところ、「置いてこなくてもいいですよ。一緒に登園して、帰りまで職員室で預かっておきます」と言ってくれたのです!優しい配慮をしていただいて、もうこれで安心!と思ったのですが、そんな一筋縄ではいかないのがハジュです。登園後、いくら説得されようとも、絶対に『いつもちゃん』を離そうとはしません。1歳から肌身離さず持っていた相棒ですし、そう簡単にはいくわけもなく……。「初めての幼稚園生活、ハジュにとっての安心材料である『いつもちゃん』と離れたくないのは、当たり前なのでは……?」という思いが私の頭をかすめましたが、ほかの園児たちも、『いつもちゃん』の存在に気づき始めていました。トラブルになってはいけないと思うあまり焦ってしまい、周りの大人たちがあの手この手で、『いつもちゃん』を職員室に置いてもらおうと説得したので、ハジュは『いつもちゃん』にますます執着するようになってしまいました。私も、インターネットやSNSなどを活用したり、発達センターや主治医の先生に相談したり、幼稚園の先生方も何度も話し合ってくれて、対策を考えてくれました。楽しいはずの幼稚園生活が、『いつもちゃん』についての説得により職員室の中で1日が終わってしまうのはもったいないし、どうしよう……と毎日頭を抱えていました。あきらめた?いや、シフトチェンジ!あらゆる方法を試してみても、ハジュの警戒心は強くなるばかりで、この攻防戦にだんだん大人たちも疲れが見え始めました。万策尽きるとはこのことで……何度目かの園長先生と担任の先生との作戦会議の中で、「いつもちゃんを引き離そうとするのを、もういっそやめてみよう!」と「押してダメなら引いてみよう」作戦を試してみることになりました。Upload By スパ山同じクラスの子どもたちには、先生と私から、『いつもちゃん』はハジュの大切なものだと伝えました。ハジュと同じように大切なものと離れるのを我慢して登園している子はほかにもいるんじゃないか、「うちの子だけこんなことしていいのかな……」と、さまざまな考えが頭をグルグルしましたが思い切って保護者の方にも、ハジュと『いつもちゃん』のことを知ってもらうことにしました。ぬいぐるみの『いつもちゃん』と一緒に幼稚園周りの皆さんの協力のおかげで、『いつもちゃん』と一緒に過ごせるようになったハジュは、やっと幼稚園生活を楽しめるようになりました。そんなある日、担任の先生のエプロンのポケットの中に、ハジュが『いつもちゃん』を自分で入れたと聞きました。ほんの数秒でしたが、ハジュが自分から『いつもちゃん』を手放したのです。先生のエプロンがとても気に入ったようで、その年の運動会にはいつもちゃんをその先生に預けて参加することができました。Upload By スパ山小学3年生になったハジュと『いつもちゃん』の今は……結局、小学校に入学してもハジュは『いつもちゃん』と離れることはなく、一緒に登校していました。それが、3年生に進級したその日に、突然「いつもちゃんは今日からねんねして待っていてね」と、自分の布団に寝かせて登校したのです!ハジュいわく、「ハジュは3年生のお兄ちゃんになったから」とのこと!私も先生もクラスメイトたちも、急なハジュの決断にびっくり!逆に私のほうが「いつもちゃん、いなくて大丈夫なの?」とオロオロしてしまいました。もうすぐ4年生に進級するハジュですが、毎朝「いつもちゃん、待っててね」と優しく布団に寝かせて、帰ってきたら「いつもちゃん、ただいま」とギュッと抱っこしています。周りを巻き込んで申し訳ないと思ったこともありますが、みんなが協力して見守ってくれたからハジュが自分でこのような選択を見つけられたんだと思います。今これを書いている横で『いつもちゃん』を抱っこしているハジュを見て、「あの時、勇気を出してたくさんの人に知ってもらってよかったな」と、思っています。Upload By スパ山執筆/スパ山(監修:初川先生より)ハジュくんの大切な相棒、ぬいぐるみの『いつもちゃん』と幼稚園生活、その後についてのエピソードをありがとうございます。どこに行くにも持っていく、寝る時も一緒に過ごすようなとても大切なぬいぐるみやタオルがあるお子さんは多いですね。スパ山さんが最初にされたように、園生活では持っていけない(持っていかないほうが大切にできる)と説明したり、紙芝居のように目で見て理解できるように伝えたり。そうした工夫でお子さんの同意を得る方法がまずありますね。それでうまくいくならそれで良いと思いますが、そこで納得しない、あるいはむしろ意固地になってしまうような場合は、スパ山さんがされたように園や学校の先生に相談するのが良いですね。どうにかして持っていかないで済むような方策を考える方向もありますが、今回のように周りのお子さんらにも説明して、持っていく方向もあります。園や学校の先生とよくご相談いただければと思います。ハジュくんは持っていってよい事となり、ハジュくんのペースで『いつもちゃん』と離れるプロセスができました。「3年生のお兄ちゃんになったから」と自ら機をとらえて離れ始めたのはとても成長を感じますね。さて、大切なぬいぐるみなどを家に置いておくことはできるけれど、寝る時はそれがないと不安だというお子さんもいると思います。そうしたお子さんが小学校高学年になって移動教室(宿泊を伴う行事)の際に、ただでさえ保護者と離れて寝なければならないのに大切なぬいぐるみもないなんて……!と、とても不安に感じる場合もあります。その場合も同様に担任の先生とご相談していただければと思いますが、「ぬいぐるみを家においておけるよう本人が納得する(家の中でも離れる練習をしてみるなど)」「ぬいぐるみを写真に撮って、写真を持っていく(お守りなどの形にする、アクリルキーホルダーにするなどさまざまアレンジできます)」「ぬいぐるみを持っていく」などいろいろな方法があると思います。どうしたら安心して過ごせるかと現実的に可能な方法はどこかというところで接点を見つけられると良いでしょう。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月04日空気を読む、察する、ということが苦手な広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘は、中学1年生。空気を読む、察する、ということが苦手です。また、相手の気持ちを想像することも難しいため、「言われてないけど、やったほうがいい」というような部分が理解できません。例えば……Upload By SAKURAカップ麺を作るように頼むと、自分の分だけを作り、食べ始めてしまいました。Upload By SAKURA娘には、それが周りが求めていた行動と違うことが理解できません。なぜなら……Upload By SAKURA「みんなどれがいいかは、ちゃんと聞いた。みんなの分を作ってとは言われていない。だから、私は自分の分だけ作った」娘の言い分は、分かります。言われていないことは、やらなくていいはず。そっちがちゃんと言わないから、分からない。確かにそうかもしれませんが、親としては……ちょっと周りを見渡し、みんな大変だから私が作ろう!と思ってほしいところ。こういう時の、察する力が弱いのが娘の特性ではありますが、暗黙の了解的なことはこれから社会に出たら、山ほどあります。絶対できるようになって!とは言いませんが、今やれることをやる!が私たちの考え方。今、苦手レベルが10だとしたら、7か……8ぐらいになってほしい。察する事が苦手な娘には、こういう経験を通して、パターンを教えています。Upload By SAKURAパターンを教えても、ちょっとでも状況が変わると……次回からはどうするかを伝え、次に同じ事があった時、対応できるようにします。しかし、ちょっとでも状況が変わると……Upload By SAKURA言葉通りに行動します。Upload By SAKURAパターンの応用が利かない娘。カップ麺の時の状況は、パターンとして覚えているだけなので、本質を理解できていない娘は、物が変わると当てはめることが難しくなります。今度は新しいパターンとして、どうしたらよかったかを教えます。「人の気持ちを想像して、その人が助かったり、ありがとうと思う行動をとる」と考え方を教えてはいますが娘には難しいようでした。Upload By SAKURA娘の場合、人の気持ちを考えることの必要性を感じていないので、この気持ちの部分は、何度説明しても、娘の中で納得できていないからか、なかなか浸透していきません。それでも、やらない、教えない選択はない。教え続けて……早11年。しっくりきていない娘に私は、毎日のように相手の気持ちと、最適な行動パターンを繰り返し教えています。いつか……どこかで娘の中で、理解できればいいと思い、続けています。執筆/SAKURA(監修:森先生より)「自分がされてイヤなことは他人にしてはいけません」というフレーズは、幼稚園や学校などでよく耳にしますよね。まず、「相手の立場に立って考える」こと自体は、「この人の立場ならこう感じるだろう」という「心の理論」が育ってはじめてできるようになります。定型発達の方ですと4歳くらいからできるようになると言われています。ただ、実はこの考え方には限界があります。人によって、喜ぶこと、イヤがることが違うからです。お子さんが「別に私は気にならないよ」と思ってしまうのであれば、この伝え方は意味をなさないのです。「こうしてくれると私は嬉しい。ほかの人もそうかもしれないよ」という伝え方をして、場面場面のパターンを覚えてもらうほうが、お子さんにとっては混乱も少なく、結果的に近道となるケースが多いのです。「私はこう思う」という伝え方を、アイメッセージといいます。「I=私は(が)」を主語にして、自分の意思や要望を伝える方法です。そのように伝えると、言われたほうもすんなりと聞き入れやすくなるのです。反対に、「あなたは自分勝手だ」というように「あなた」を主語にすると、言われた側も受け入れにくくなります。「こんな場合はこうしてほしい」と、シンプルに自分の気持ちとして伝えるといいのではないでしょうか。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月03日小学校1年生の終わりに発達障害の診断を受けましたUpload By もっつん息子のタクは小学校1年生の終わりに発達障害の診断を受けました。精神障害者保健福祉手帳は2級です。タクは在胎30週で産まれてきた極低体重児で、赤ちゃんの頃はとても心配しましたが、元気すぎるほど元気いっぱいに育ってくれました。現在は中学3年生!義務教育も終わりに近づいてきて、これからの生き方を模索中です。人の話を最後まで聞くのが苦手で、後先考えずに衝動的に動いてしまう……などの特性はまだまだ色濃くありますが、とっても優しい息子です!今ハマっていることは、卓球と小説を読むこと。個性豊かな家族を紹介しますUpload By もっつん妹こっちゃん・定型発達です。いわゆるきょうだい児です。私はもっつん・大人になってから発達障害と診断されました。精神障害者保健福祉手帳は3級です。学生時代はずっと天然ちゃんと呼ばれていて、自分ではポンコツ人間だと思っていました。時間管理が特に苦手!!!旦那パパもつ・ハチャメチャな私と子どもたちを受け止めてくれる頼りになる夫。ポジティブなんだけど、考え方が固くて発達障害への理解はまだまだ……。常に走り回って騒がしい…激しすぎる幼少期で、母のメンタルは限界でしたUpload By もっつん初めての子育てで毎日疲労困憊でしたが、「あれ?この子って育てづらい?」と思ったのは2歳頃。2歳頃はイヤイヤ期と言われているので、ある程度覚悟はしていましたが、・5cm程の段差を怖がる・三輪車を後ろから押そうとするだけで泣きさけぶ・ごはんを食べる手伝いをしようとすると猛烈に怒る・後追いがなく、すぐ迷子になるなど、私は悩みに悩む日々でした。そんな時にインターネットで見た「発達障害・多動児」という言葉が気になり、もしかして……と思うようになりました。しかし周りに相談できる人がおらず、1人で悩む日々。3歳児健診で保健師さんに相談したところ「考えすぎですよ、本当の多動の子はもっと大変ですよ」とアドバイスが。そのタイミングでたまたまタクはイスに座って遊んでいたのです。それからは、どこかに相談しようと考えなくなりました。私生活では離婚や引越しなども重なり、息子の発達障害のことをじっくりと考える余裕がなくなっていきました。あの時、保健師さんがおっしゃった「もっと大変な人がいる」その言葉が心に引っかかったまま数年過ごしました。精密機械や鉱石が大好き!ガラクタは彼の宝物Upload By もっつん小学1年生で発達障害の診断を受けたあとも、特性ゆえの行動なのか、悪いことと知っていてわざとやってる行動なのか判断が難しいことが多々ありました。精密機械が好きだから、壊れた家電を分解用に与えると大喜び! しかし、だんだん壊れていない家電にも手を出すようになってしまい大変な目にあいました。しつけが足りないんだと周りから叱咤されたことも。私は、どうにかして息子をきちんと育ててあげたい! という思いが強くて感情が暴走したこともあります。思うように行動してくれない息子に対して、強烈な怒りが抑えられなくなったのです。それがキッカケになり、児童相談所のお世話になった時期もあります。あの頃は本当につらくて……思い出すだけでも涙が出てきます。それらのお話は今後、紹介させていただきますね。つらい日々もあったけど、過去があるから今があるUpload By もっつん子育ては大変なことも多く、発達障害があるとさらに何十倍も悩むことがあると思います。1人で抱え込まずに、たくさんの人に相談することや助けを求めることがとても大切だと私は思います。私自身の失敗談ですが、以前は実親には心配をかけたくないと思って相談をしていませんでした。「うまくやってるよ」「楽しくやってるよ心配しないで」と良い面ばかりを見せて自分にも言い聞かせていました。しかし強がっていても問題を解決することはなく、どんどん悩みは大きくなる一方でした。人に弱音を吐くのは、決して悪いことではありません。むしろ助けを求めることは、状況を改善する第一歩! 現在の私は、実親を始め、学校の支援の先生や県の家庭支援センターに定期的に面談に行っています。人の助けを借りながら、子育てを楽しいものにしていきたいですね。執筆/もっつん(監修:藤井先生より)初回のコラムありがとうございます。現在は中学3年生になるタクさんの育児を通して、さまざまな経験をされたと思います。一人で抱え込まず、相談すること、大切と分かっていてもなかなか行動しにくかったり、以前嫌な思いをすると行動に移すのを躊躇されることもあるかと思います。「もっと大変な人もいる」の言葉にひっかりながらも、再度相談され、発達障害と診断された経緯なども今後お伺いしたいなと思いながら読みました。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月03日学校、教育委員会と交渉し、5年生まで探し続けた息子の居場所現在11歳の息子は、6歳でADHD(注意欠如多動症)、軽度知的障害(知的発達症)と診断を受けました。就学相談では特別支援学級を勧められましたが、近所に友達を作りたいからという希望があったため、1年生のうちは通常学級に、2年生からは特別支援学級で卒業までお世話になる形でという話になりました。ですが息子のが落ち着ける居場所を見つけるまでには困難があったのです……。明るくて元気で人懐っこい性格の息子なので、たくさんの友達と楽しく過ごしてくれたらと思ったからでしたが、入学後は、学校で癇癪を起こされては対応できないと言われ、限られた時間の登校、オンライン授業や放課後登校という生活をすることになってしまいました。息子の居場所がない……悩み、試行錯誤しましたが、現在はその生活から抜け出すことができています。癇癪を起こすと強制帰宅のルール1年生の時「急に暴れます」と先生から言われました。かかりつけ医からは、暴れるのには必ず理由があると聞いていたので、「なにかきっかけはありましたか?」と聞いても先生からは思い当たりませんと言い切られてしまい……。学校の対応に不安を覚えましたが、2年生になれば特別支援学級に移るので支援していただけるだろうと思っていました。2年生になり特別支援学級へ移ったのですが、学校の統廃合によって場所が変わり、校長先生も変わりました。当然クラスメイトも変わりましたので、その変化に適応するのが大変だった息子は、夏休み前に学校で癇癪を起こし、先生にものを投げてけがをさせてしまいました。そして2学期からは、「落ち着かないのでお迎えにきてください」という急な連絡が頻繁に入るようになりました。10月になると給食をひっくり返すなどの行為が出るようになり、それをすると強制帰宅のルールができました。私は給食前後の時間になると、手元のスマホの着信音にびくびくするようになりました。かかりつけ医からは息子が『給食をひっくり返したり癇癪を起こせばお迎えに来てもらえる』という誤学習してしまっていると指摘されましたが、学校へ相談しても呼び出しは変わらず続きました。Upload By ユーザー体験談3年生にあがってからは、特別支援学級の主任の先生から私立の特別支援学校の見学を勧められました。ただ、息子のIQ(知能指数)だと特別支援学校に通うには高く、難しいかもしれないとも言われました。先生から「親御さんが『癇癪を起こしても学校で面倒を見てくれ』と言ったら我々はやるしかないんです」と言われたことがあったのですが、この言葉は学校で対応できないから移ってほしい(でも移るのは現実的に難しい)としか聞こえませんでした。私は(もう学校は息子をみてくれる気持ちはないのかもしれない)と感じました。ケース会議では『息子のニーズに合う受け入れ先の学校は現状はないのが現実』3年生の11月から付き添い登校をすることに決まりました。私がいることによって息子が安心し、癇癪を起こさないのではないかとの学校からの提案で、3、4時間目と給食だけ参加し、途中癇癪を起こすようなら帰宅してほしいと言われました。そんな中、学校、教育委員会、区の職員などでケース会議がありました。ですが結論はでず、ただ『息子のニーズに合う受け入れ先の学校は現状はないのが現実』と告げられました。そうすると、なおさら今いる特別支援学級にお世話にならないといけません。でも特別支援学級からは特別支援学校を勧められ……。うちの子の居場所はどこにもないの?と途方に暮れました。Upload By ユーザー体験談4年生になっても、3、4時間目と給食、そして放課後登校が続きました。それ以外の時間は犬の散歩やサイクリングをしていたのですが、息子は学校へ行くことができないことにストレスを貯めているようでした。ある日先生に「なぜオンライン授業はできないんでしょうか」と聞いたところ「そういう方法がありましたね」と言われやっとオンライン授業が始まりました。ですが、オンライン授業をしても息子の存在を忘れられていることや、教材を事前にもらえないこと、手を挙げているのに分かってもらえないことが頻繁に起き、この方法では……と限界を感じていました。また、学校に問い合わせても回答が2週間かかるなど対応が後手後手になっていると感じ、包括的に担当してもらうべくスクールソーシャルワーカーに介入してもらうことになりました。学校(担任、主任、管理職)、医者、訪問看護、SSW、区の担当、相談支援専門員でケース会議が行われました。医師のもう少し長い時間学校へ行かせてあげてほしいとの訴えは、他の児童の安全確保、本人が穏やかに活動を進めることが最優先とのことで退けられる形となりました。進展がないまま冬休みとなりました。4年生最後になると、最後の授業+帰りの会+放課後の時間を数回過ごすことができましたが、癇癪などが起きるとそれについて指摘され、まだ学校で長い時間過ごすのは不可能と判断されました。このまま息子の小学校生活を終わらせたくない5年生、3年ぶりに担任の先生が変わりました。新しい先生はしっかりした先生で、今までの対応が一変しました。まず、オンライン授業の質が格段に上がり、連絡や相談事なども管理職にすぐ伝わるようになりました。本人も学校が楽しそうな様子をみせるようになったのですが、ただ、先生は放課後に会議があることが多く、そういう時は放課後登校がなしになりました。どんどん学校へいる時間が減ってしまう……これに限界を感じ、どうすればよいか本当に悩んでいました。この頃から同じ世代の子たちと関わって過ごさせたいという親の気持ちが強くなりました。友人に特別支援学校の先生がいるのですが、相談したところ、今のクラスでこれからも放課後登校を続けるよりも、支援の手厚い特別支援学校に転校したほうが本人も安心して楽しめるのじゃないかとアドバイスをうけ、ダメもとで特別支援学校への転校を目指すことにしました。このまま、息子の小学校生活が終わってしまうのが心配だったのです。Upload By ユーザー体験談医師を含めた関係者でのケース会議が行われました。医師は朝から学校に行きたい息子にとって特別支援学校はベターな方法であると伝え、SSWも同意してくれました。困難を極めた年度途中での特別支援学校への転校。「僕も毎日朝から来て良いの?」と不安げな息子に涙しかし、年度途中での特別支援学校への転校は困難を極めました。私は各所へ相談、交渉しましたが「前例がない」の一言で退けられました。それと同時に、特別支援学校への見学も始めました。息子は全ての学校に対して「行きたい」と前向き。息子が学校へ行きたがっていることを胸に私は交渉を続け、ついに年度途中に転校した前例を見つけ、そのことをケース会議で伝えると、ついに転校が許諾されたのです。転校することになった特別支援学校で入学前面談をしたとき、「どうだった?」と聞かれた息子は「すごく楽しかった!また来たい!」と前のめり。それに対して先生が「来週から来るんだよ」と言うと、「僕も毎日朝から来て良いの?」と不安げに、でも期待をもったまなざしで先生を見つめていました。学校に毎日行くなんて許可をとるまでもなく当たり前のことなのに、来て良いのか確認をするほど不安になっている様子に、親として涙が出そうになりました。先生は「そうだよ!毎日来るんだよ。来週からは給食も食べるよ。スクールバスにも乗ってくるんだよ!早起き頑張るんだよ」と温かい声がけをしてくださいました。そして5年生の10月、ようやく特別支援学校での生活がスタートしたのです。Upload By ユーザー体験談「学年で1番楽しそうにしていますよ」ついに見つけられた息子の居場所転校後は不適応行動も癇癪もほとんどなく、楽しく通えるようになって、まるで夢のようです。学校も癇癪を起したら帰宅なんてことはもちろんないですし、そもそもそうならないような環境作りがなされています。不安になった時や疲れた時、イライラした時にどう気持ちを表現するかといった練習をしているのですが、少しずつできるようにもなってきました。学校のお友達のことを細かく報告してきたり、みんなで取り組む体育のダンスや音楽の演奏が楽しいということも口にします。担任の先生との面談では、「学年で1番楽しそうにしていますよ。居場所ができて、自分が求められている、大切にされているというのを感じていると思います」とも言われました。学年の先生方がチームとなって支えてくれています。ぐっと落ち着いた息子を見て、医師が言っていた「環境設定の大切さ」とはこういうことかということを実感しています。小学生の大切な時期に、集団に関われなかった息子ですが、現在人との関りを増やし大きく成長中です。もともと人が大好きな性格を生かして、得意なところをたくさんのばしていってほしいと思います。特別支援学校に転校してから「みんな仲間」という意識が生まれています。そのような経験をいかし、人を大切にするという気持ちが育っていってほしいです。でも、一歩一歩ゆっくり元気に成長してほしい……それに尽きるかもしれません。イラスト/まるエピソード参考/お気楽ママ(監修:初川先生より)通常級で入学し、特別支援学級に移ったものの癇癪が続き、安定した登校が叶わず、特別支援学校に移ってようやく“居場所”と感じられるようになられたエピソードをありがとうございます。お子さんの障害や特性によって、環境になじみにくい、安心感を得づらい面はあるのかもしれません。ただ、それはお子さんだけの課題なのではなく、それをふまえて学校側がお子さんを理解し、見通しや予告を伝え、つらくなったときはどうするかについて一緒に検討し、仮に短時間からの登校であったとしても、少しずつ時間を伸ばしていくための長期的な方針によるものとして実施するなど、環境側の受け入れを整えていく。そうした相互作用の中で、教室や学校が落ち着いて過ごせる場所、居場所となり、お子さんも安心感を得てゆくものだと思います。ただ、通常級、特別支援学級、特別支援学校それぞれ児童の数に対しての教員数が決まっているので、特に通常級では多くの児童を一人の先生が見ているがゆえに、「急に暴れます」(きっかけを気づくことが難しかった)ということが起きてしまうなど、できることには限界があります。5年生の時に担任された先生によって、だいぶスムーズに進む面も出てきたように、良くも悪くも担任の先生とのめぐり合わせという要素もあります。完全にフィットする場を見つけるのは確かに難しい場合も多く、関係者が集まっての支援会議やケース会議など、知恵を持ち寄る面ではよいものの、なかなか好転しない場合は保護者からするととても疲弊されたろうと思います(※スクールソーシャルワーカーにも入っていただいたとのことですが、自治体によってスクールソーシャルワーカーの申請・活用方法が異なることがあります。このあたりは担任の先生や特別支援コーディネーターの先生にお問合せください)。とても大変な道のりの末に特別支援学校への転籍が認められ、今はとても充実した学校生活が過ごせているとのこと、何よりです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月02日大学入学で早速つまずいた「履修登録」入学してすぐにバタバタと始まるのが履修登録。これが最初のつまずきでした。まず、「自分の生活について自分で決める」ことに慣れていませんでした。高校までは、ルールでガチガチに縛られた生活は息苦しくはあったものの、慣れてしまえば受動的にルーティーンをこなせばいいだけなので、私のようなASDの私にとっては楽な面もあったのです。百科事典並みに分厚いシラバスは、めくっても圧倒されるだけで、自分が何年次に何をどのぐらい履修したらいいものか、まったくイメージがわきませんでした。今のようなSNSのなかった当時、やりくりのうまい学生ならだいたい何単位ぐらいとって卒業するのか、やる気のある学生ならどれぐらいか、という情報もありません。就職や資格取得のためにこれをとっておいたらいい、逆にこれはとるとコスパが悪い、みたいなことも分かりません。いま思えば、周囲の学生は、早くも仲良くなったほかの学生や、先生や学生課の人たちとうまくコミュニケーションをとって情報収集をしていたようですが、ASD(自閉スペクトラム症)の自覚のなかった当時の私には見えていませんでした。コミュニケーション障害や社交不安のあった私には、「人に聞く」がうまくできませんでした。そもそも、「分からないことは人に聞くものだ」という選択肢があまり頭にのぼりませんでした。それまで友人も頼れる大人もほとんどいなかったし、「すべてのことは自分で努力して解決しなければならない」と思い込んでいる部分がありました。結局、分からないことは分からないまま、唸りながら長時間考え込んだり、疲れてやけになって半ばあてずっぽうに決めたりして、最初の履修登録は終わりました。学年を重ねても毎度つまずいた履修登録には、2年になっても、3年になっても慣れませんでした。4月、一生懸命履修登録をし、そのまま新しい学年の授業が始まる環境変化で、緊張や疲れがたまってしまい、5月の大型連休が始まると糸が切れてしまったようになって、休み明けにはもううまく通学できない状態になっていました。私は徐々に昼夜逆転を起こして引きこもりがちになり、ほとんど大学に行けなくなりました。履修登録では頭が真っ白になりながら、なんとか時間割のパズルを埋める計算をしていたような気がしますが、この頃は心身ともにつらすぎて、記憶がおぼろげです。親には役立つ単位や資格を取れと言われたが…両親は私に、学生なのだからもっといろいろな勉強をしなさいと言い、教員、図書館司書、学芸員、速記などの資格取得を勧めました。しかし、学校にほとんど行けないような調子では、プラスアルファの資格取得など無理でした。心身の調子が悪すぎて、毎日を過ごすだけで必死だったため、そんなモチベーションもわきませんでした。結局私は、履修登録を象徴とする「自由な大学生活」に慣れることなく大学4年間を無為に過ごしてしまいました。今の時代は別の方法や選択肢がありそう今の時代なら、別の方法や選択肢があったかもしれないと思います。合理的配慮が義務化される中、学生課や就職課では、コミュニケーション障害や社交不安がある人でも相談しやすい配慮があるかもしれません。履修登録時の情報収集にSNSの力を借りることもできるでしょうし、AIに計算を手助けしてもらったり、プランを提案してもらったりすることもできる可能性があります。そもそも私のようなタイプには、自由度の高いマンモス大学ではなく、アットホームでこぢんまりした専門学校という手もあったのかも、とも思います。今の大学生や、高等教育過程の学生には、私よりももう少し楽に学生生活を過ごしてほしいと願っています。文/宇樹義子(監修・鈴木先生より)ASD(自閉スペクトラム症)の特性として「自由が苦手」があります。小学校の休み時間は自由で外で遊んでもいいし、教室で友人としゃべってもいいのです。しかし、ASD(自閉スペクトラム症)の子は「休み時間難民」と言われるように、何をしていいかが分からず、一人でできることをしていることが多いのです。読書、お絵かき、折り紙工作などです。でも、ASD(自閉スペクトラム症)の場合、授業中みんなと同じ教科書を開いていれば皆と同じように過ごせるから不安がないのです。まさに今回の「私」は高校までは受動的にルーティーンをこなしながら同化できていたのでむしろ楽だったのです。大学でも文系は履修登録で大変かもしれません。理系、特に医学部の場合、一般教養は選択しますがそれ以外は6年間びっしりと授業が決められています。理系はASD(自閉スペクトラム症)の人には過ごしやすいのかもしれません。文系でも理系でも自分に合わなかったらほかの大学または学部へ移ることも一つの方法です。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月02日地元の公立中に行くのはつらい。でも、ハードな中学受験勉強はちょっと…こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回のコラムは、中学受験を考え始めたご家庭に向けて。特に、公教育がお子さんの体質的に合わなかったり、小学校時代にいじめ・不登校などのつらい経験があったりで、「とにかく地元の公立中には行きたくない」という場合や、「小学生に過剰な受験勉強をさせたくないけど、もし、うちの子が楽しく過ごせる学校があるのなら……」などと考えているご家庭に向けて、うちの3兄妹の私立中高一貫校、3回の「塾なし」中学受験を踏まえた私の経験を元に、お話しします。・中学受験を決めた時期・全体のスケジュール・塾なし中学受験について、ご参考になれば幸いです。難関校じゃなくていいのなら…うちの子たちが受験・進学した私立中高一貫校(以降、「A中学」と表記)は、いわゆる超難関校ではありません。私は子どもたちの志望校を探す際に、偏差値や知名度は参考にしなかったので、A中学の偏差値を正確に把握しないまま受験に臨みましたが、学校がWebサイトなどで公表している入試情報などと過去問の内容から「まあ、中堅校と言われるグループなのかな?」と推測します。とはいえ、コロナ以降も中学受験は過熱気味の傾向が続き、受験者数は増加傾向にあるようで、地方の私立中高一貫校であるA中学でも、年々志願者数が増加し(特に、ここ数年で急増)、1年前に長女が受験した時には、倍率が6年前の長男の受験時の倍以上になっていました。ですので、難関校の受験でなくとも、早めに動くに越したことはないとは思いますが、かといって、あまりに早くから塾通いなどでお子さんに受験勉強の負担を過剰にかけたり、保護者の方が必要以上に不安に感じることもないと思います。以下は「難関校じゃなくていいのなら……」という前提でのお話ですが、背伸びしない志望校での中学受験の全体像がイメージできるよう、保護者の方の疑問や不安にお答えする形で、うちの実例を交えたポイントをお伝えします。いつごろ中学受験することにしたの?中学受験をすることを決めたのは、それぞれ、長男は小5の秋、次男は小6の春、長女は小4の秋くらいでした。……遅いですよね(笑)まあ、中学進学に関して子どもの意志を尊重しようとすると、これぐらいの年齢になるまで分からないのは当たり前だとも思います。一般的には「中学受験は小3から塾通いが常識」などと聞きますが、難関校を目指すのでなければ、小5からでも十分間に合うと思います(小6からではかなり遅いですが……)。ただ、6年生で受験勉強と並行して複数の学校のオープンキャンパス、説明会や体験授業などに参加するのは大変なので、「まだ中学受験するか分からない」「志望校がはっきりしない」というご家庭も、できるだけ4・5年生のうちに、気になる学校のオープンキャンパスや説明会には参加しておいたほうがいいでしょう。受験を迷っている子も、一応小学校レベルの基礎学習だけでも、苦手なところがあれば学年をさかのぼって、穴埋めしておくのがオススメ。ちなみに、うちの3兄妹が中学受験することにしたのは、それぞれ理由が違います。発達障害のある長男は「地元の公立中に行くなら、不登校する!」と宣言し、私立中学以外の選択肢も考慮に入れつつの進学先選びに。5年生から体調不良で小学校を休みがちだった次男は、私立入学後にすぐに友達ができた長男の姿を見ているうちに「おれも」と希望。4年生でコロナ休校となった長女は、自宅でプリント学習をする傍らで、兄たちがオンライン授業を受ける姿を目にしたことなどが影響しました。結局3人共、A中学1校のみを受験。もし不合格だった場合、長男は、公営フリースクール(自治体の教育支援センター)+ホームスクールが"滑り止め”で、次男と長女は「公立中に進学する」とのことでした。併願せずに「本命一校しか受けない」のはかなりハイリスクなので、皆さんにオススメはしませんが、その分、その学校のみに絞った受験勉強・対策ができるので、子どもの負担は減ると思います。「万が一不合格でも、フリースクールや公立中でOK」と考えられるご家庭なら、有りかもしれません。全体のスケジュールはどんな感じ?うちの例は、あまり一般的ではないかもしれませんが、おおまかなスケジュールをご参考程度まで。志望校のA中学1校のみを、総合型選抜(専願のみ、算国+面接)と、一般入試(併願可、算国理社)の両方の入試方式で受験した場合です(ただし、それぞれの子によって、勉強の内容やスケジュールなどは個別に調整したので、以下はあくまで私が思う"理想的な”目安です)。<小4〜小5>・学校案内などの資料請求・オープンキャンパス、見学・説明会、文化祭などへの参加・総合型選抜対策として、自己PRポイントの実績づくり、体験授業への参加など・体感/体験型の自宅学習(理科実験や城巡りなど)・小学校レベルの基礎固め、さかのぼり学習、テスト直しなど<小6・夏ごろまで>・体験授業への参加(2回目)・中学受験用の基本問題集・検定試験の受験(算数検定、漢字検定など。自己PRと試験慣れするため)<小6・秋ごろ>・A中学で特によく出る分野を重点的に学習・過去問、時事問題・A中学主催の模擬試験・面接対策講座の参加・出願書類(志望理由書、自己PR文などの専用フォーマット)の入手<小6・12月〜1月上旬>・志望理由書などの出願書類の準備・面接練習(毎日10-15分)・苦手分野の特訓、暗記系の復習<小6・1月中旬〜>・出願(一般入試=インターネット出願、総合型選抜=出願書類の郵送)・過去問をひたすら繰り返し解く・総合型選抜入試(2科目+面接)・一般入試(4科目、A日程/B日程)<合格発表後>・入学手続き・制服のオーダー、指定体操服などの購入・小学校卒業式・入学説明会、新入生クラス編成テスト塾に行かなくても大丈夫?うちでは、塾なし自宅学習✕3回の中学受験(4教科と面接・総合型選抜対策)を、親子でなんとか乗り切りましたが、親の負担が大きく「誰にでもオススメ」とは言えません。でも、中学受験でも入試方式が多様化しているので、自宅学習でも十分大丈夫なことも。塾に通わなかったのは節約の意味もありますが、うちの子たちは小学校に行って帰って宿題をやるだけでもピーピー言っていたので、帰宅後さらに大手塾などに夜遅くまで通って大量の課題をこなすなんて、到底「無理ゲー」だと判断したからです。小学校自体の負担が大きな子の場合には特に、一般的な中学受験塾は、心身に過剰なストレスやプレッシャーが長期的にかかってしまうように思います。そんなワケで(半分やむを得ず)、私がマンツーマンで子どもの受験勉強に付き合うことになりましたが、子どもの負担を3分の1にしようとすると、親がその3倍の時間と労力を使うことに……。特にうちの子たちは、公教育の学び方が合わないタイプだったので、4教科を一人ひとりの子に合わせた内容・学び方で対応したため、私は数年間かかりきりで疲労困憊。その間きょうだいにも寂しい思いをさせたかもしれません。私は個人事業主なので仕事量の調節が可能でしたが、夫婦で正社員・フルタイムで働くご家庭などには「塾なし」は親の負担が大きいと思います。特に、公教育の学び方が合わないお子さんは、親が勉強に十分付き合えない場合、経済的に可能であれば、丁寧に個別対応できる家庭教師や個別指導塾などを頼るのがいいでしょう。とはいえ、難関校を目指すのでなければ、自宅学習でも十分対応可能だと思いますよ。昨今、大学入試同様、中学受験でも入試方式が多様化してきているので、特に、専願での自己推薦・総合型選抜入試や、1科目・2科目入試を実施する私立中学は多いですし、中には、得意なことを活かせる独自入試などを行う学校や、不登校・発達障害のあるお子さんを積極的に受け入れている学校もあります。ですので、志望校や受験方式によっては、必ずしも「中学受験の常識」通りに小3から塾通いして、膨大な知識と努力を必要とする4教科をまんべんなくできるようになる必要はないでしょう。背伸びしすぎない志望校で、受験科目を絞ったり、その子に合った入試方式で受験したりすれば、自宅学習でも十分大丈夫(親のフォローは必要ですが……)。また、試験の空気感に慣れるために塾の外部模試に参加したり、短期集中的に通塾したり、面接対策だけお願いするなど、ピンポイントで賢く受験塾を活用するのもいいと思いますし、オンライン学習や通信教育、動画学習などを併用して、親の負担を減らす方法もあります。うちの中学受験時代を振り返ってみると、確かに「塾なし」で親が根気よく付き合うのは大変ではありましたが、本格的な思春期になる前の子どもたちそれぞれと密に過ごし、親子でいろんな体験を一緒にしたり、たくさん雑談したり……と、貴重な時間でもありました。文/大場美鈴(楽々かあさん)(監修:井上先生より)楽々かあさんの書かれているように、志望校選びは頭を悩ませる大きな問題になります。できるだけ早めに情報収集をしていくことと、実際にオープンキャンパスなどに行って学校の現状を知っておくことが大事だと思います。大切なのは何より本人の意思が重要なので、本人の意見を聞きながら絞り込んでいくことです。1クラスの人数が多いところや少ないところがありますが、相性の悪いお子さんがいた場合の配慮や授業の進め方、合理的配慮、先生との相談のしやすさなどもポイントになるのではないでしょうか。入学したけれど学校の勉強についていけなかったというお子さんもいるので、受験をクリアするだけでなく、学習のスピードや教育課程が比較的ゆるやかに組まれているかなども確認できるとよいですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年04月01日知的障害(知的発達症)とは?知的障害(知的発達症)とは、知的機能と適応能力に遅れがあり、生活や学習において困難が生じやすい障害のことです。知的障害(知的発達症)の特徴としては、言葉の遅れや着替えなど自己管理の困難、学校の勉強の遅れ、コミュニケーションの困難などがあります。知的障害(知的発達症)は程度によって軽度から最重度まで4つの種類に分けられており、それぞれ症状や困ることも変わってきます。保護者や周りが知的障害(知的発達症)に気づく年齢にも違いがあり、最重度の場合は生まれてすぐに気づかれることもありますが、軽度の場合は、乳幼児期には特徴が表面化せずに学齢期になってから気づかれることもあります。子どもが知的障害(知的発達症)の診断を受ける場合には、知能検査や保護者からの聞き取り、子どもの様子の観察などを行うとともに、原因となる疾患についての調査も行われます。参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:知的障害(精神遅滞)|e-ヘルスネット知的障害(知的発達症)の種類は?知的障害(知的発達症)の定義は一つだけではなく、行政や医療などさまざまな機関が定義を作成しています。多くの場合、症状の程度によって、軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と4つに区分されています。Upload By 発達障害のキホン引用:知的障害児(者)基礎調査:調査の結果|厚生労働省厚生労働省の基準では知的障害(知的発達症)の程度を知能指数(IQ)と生活能力(適応能力)の両方を評価したうえで判定します。上記表にあるように、知能指数(IQ)がⅠからⅣに、生活能力(適応能力)はaからdとどちらも4段階に分けられており、その兼ね合いによって程度が決まります。知的能力はIQ(知能指数)によって次の4つに分類されます。I :おおむね20以下II : おおむね21~35III :おおむね36~50IV :おおむね51~70適応能力は次のような判定表を用いて、a~dの4つに分類されます。・食事:一人でできる/介助があればできる/できない・用便(月経)の始末:一人でできる/介助があればできる/できない・衣服の着脱:一人でできる/介助があればできる/できない・簡単な買い物:一人でできる/介助があればできる/できない・家族との会話:通じる/少し通じる/通じないここに挙げたのは基準の一例です。療育手帳を取得する場合は各自治体で別途基準を設けていることもあります。また、医学的な診断基準である『DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版)』では軽度・中等度・重度・最重度と4つに区分されていますが、知能指数(IQ)での目安は明示されていません。知的機能と適応能力について、概念的領域(記憶や言語、論理的思考など)、社会的領域(対人コミュニケーションなど)、実用的領域(生活における能力など)の3つの領域の状態から重症度を特定します。参考:日常生活能力判定表|宝塚市知的障害(知的発達症)は遺伝する?知的障害(知的発達症)の原因は遺伝要因や環境要因などさまざまな要因が絡んでいると考えられており、明確に特定できないこともあります。遺伝以外の要因としては、妊娠中の風疹などの感染症や低栄養、分娩時の低酸素症、出産後の感染症や低栄養、頭部への損傷などがあると言われています。子どもに先天性の遺伝子疾患、染色体疾患などがあり、併存して知的障害(知的発達症)の症状が表れる場合もあります(上記のような疾患がある場合も、必ずしも知的障害(知的発達症)があるというわけではありません)。参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版3歳頃に知的障害(知的発達症)は分かる?軽度知的障害(軽度知的発達症)の特徴や知能検査、診断について3歳児になる前後には、自分の姓と名を合わせて言える、手を使わずに階段を登れる、人形などを使ったごっこ遊びをするといった様子が見られると言われています。また、幼稚園に入るのも3歳頃が多く、友達や先生と一緒の活動をし始める時期でもあります。その頃に見られることの多い知的障害(知的発達症)の兆候は以下となります。・人見知り、場所見知りがない(またはひどい)・発語が遅れている・自分でトイレを知らせることができない(おむつ外れが遅い)・先生の指示が分からず、集団行動などが難しい・癇癪の頻度が多く、激しい・おもちゃなどへのこだわりの強さ※上記は一例です3歳頃になると幼稚園などで集団生活をおくる場面が増えてきますが、指示理解の困難や癇癪などによって園でトラブルになる可能性もあります。ただ、子どもの発達は個人差があることや、3歳児ならほかの子とけんかするのも珍しいことではないため、ここで書いてあることに当てはまったからといって知的障害(知的発達症)とはかぎりません。一つの目安として、心配な方は専門機関や次で紹介する3歳児健診の際に相談してみるといいでしょう。参考:子どもの発達の目安|宇都宮市参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版3歳児健康診査とは3歳~4歳の間に受けることのできるもので、身長体重、視力などとともに子どもの発達のチェックも行います。3歳児健診の確認内容一例・言葉の遅れはありますか・同年齢の子どもと会話ができますか・ほぼこぼさないで一人で食べますか・何でも自分でしたがりますか・よくかんで食べる習慣はありますか・昼間のおしっこを前もって知らせますかなど参考:乳幼児健診における標準的な項目一覧|厚生労働省参考:3歳児健康診査|奈良県ほかにも検査が行われ、クレヨンで丸がかけない、片足立ちができない、姓名が言えないといった様子が見られる場合は発達の遅れとして指摘される可能性があります。ただ、それだけで知的障害(知的発達症)などの障害があるかは判断ができません。その後に医師や保健師と相談することができるため、知能検査を受けるかも含めて今後の対応を検討していくようにしましょう。知的機能を測る検査として、知能検査があります。知能検査は年齢によって受けることができるものが変わってきますが、3歳で受けることができる検査の代表的なものとして、田中ビネー知能検査とWPPSI(ウィプシ)知能検査があげられます。知能検査自体は医療機関や自治体の教育支援センター、民間の実施場所などで受けることが可能です。検査を受けるだけでも子どもの得意や苦手なことが客観的に把握でき、その後の関わり方や支援の計画作成にも役立ちます。ただ、知的障害(知的発達症)の診断を受けるには知能検査だけではなく適応能力検査も行われるとともに、子どもの様子の観察などさまざまな過程を経る必要があります。知能検査を受けることが難しい場合、新版K式発達検査にて発達指数を確認することもあります。参考:田中ビネー知能検査 V(ファイブ)|SACCESS・BELL参考:WPPSI™-III知能検査|日本文化科学社3歳頃に表れる知的障害(知的発達症)の症状チェックリストUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐに知的障害(知的発達症)と診断されるわけではありません。発達の遅れが気になる……どこに相談をすればいい?ほかの子どもと比べて発達の遅れが気になる、知的障害(知的発達症)の可能性を考えているという場合に相談できる窓口を紹介します。かかりつけ医まずは普段から受診をしているかかりつけの小児科に相談してみましょう。お子さんの発達の様子や、支援などについても相談できます。保健所/保健センター保健所と保健センターは地域に設置されていて、健康診査や健康相談の受付などを行っている機関です。子どもの発達の遅れについても、医師や保健師などの専門の職員が対応に当たっています。児童相談所児童福祉法に基づいて設置されている行政機関で、18歳未満の子どもに関するさまざまな相談を受けつけています。児童福祉司や児童心理司などの職員がいて、言葉の遅れなどの発達に関する相談にも対応しています。児童家庭支援センター児童家庭支援センターは地域の子どもの福祉に関する相談を受けつけている機関です。発達の遅れなどの相談に対して、自治体や児童相談所と連携して支援を行っています。児童発達支援センター障害のある子どもに対して、さまざまな支援を提供している機関です。日常生活や集団生活に適応するための支援を行うほか、発達に関する悩みの相談対応も行っています。参考:子育てに悩んだらご相談ください|府中市まとめ3歳頃は保護者以外の大人や同年代の子どもたちとの触れ合いが多くなる頃です。知的障害(知的発達症)のある子どもの場合は、発話の遅れや相手の言葉の理解の困難、癇癪などの特徴が見られ、幼稚園などでトラブルや困りごとが生じることもあります。ただ、言葉を含めた発達には個人差が大きく、そういった様子が見られたとして知的障害(知的発達症)とは言い切れません。発達の遅れがあると不安だと思いますが、家庭だけで抱え込んだり決めつけたりせずに専門機関に相談するようにしましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月31日進級時の引継ぎは、かつてないほどスムーズだった以前の記事でも書きましたが、4年生から5年生への進級時は、新しい担任の先生との引継ぎがかつてないほどスムーズにいきました。理由としては、・通級指導教室に行き始めたことで、個別指導計画が作成されていた・通級指導教室の先生と新しい担任の先生の連携がうまくいっていた・新しい担任の先生が、場面緘黙について調べてくれていたという感じだと思います。毎年、どこから説明しようか、どこまで配慮を求めていいのか……と、気を遣いながら新しい担任の先生との面談に挑んでいましたが、次女の特性や場面緘黙について先生に予備知識があることで、とても連携が取りやすく感じました。新学年開始時から担任の先生がいろいろ配慮してくれていた進級から1ヶ月半ほど経った頃、担任の先生と私との間で面談を実施したのですが、それまでにも先生は次女に対していろいろと配慮をしてくださっていました。例えば、次女がみんなの前で発言や発表等をする時はその都度どうしたいか確認してくれていたり、次女が積極的にクラスメイトの輪の中に入れるような関わりをしてくれていたりしました。Upload By まりまり家での次女の様子もポジティブに見えた先生の関わりもあって、次女も、何かできた時などには、「自己紹介でちゃんと声出して言えたよ!」とか「今日友達にありがとうって言えた!」など、その都度私に報告してくれていました。Upload By まりまりできたりできなかったりはあるものの、先生に応えるように、次女なりに頑張っているのが分かり、私もうれしく思っていました。今年は環境も良いし大丈夫かも!そういった担任の先生との関わりや、その前の学年から開始した通級指導教室での支援もあり、次女の頑張っている姿を見ながら「今年は学校のサポートも充実しているし、次女も頑張っているし、いろいろ大丈夫かも!」と、私はホッとしていました。Upload By まりまり校外学習を経て……そうして環境にも恵まれて頑張っていた次女ですが、5年生の5月頃に宿泊を伴う校外学習(1泊2日)があり、その後から急に学校に行けなくなってしまいました。いじめなど嫌なことがあったという訳ではなかったのですが、朝起きると「疲れた」「だるい」と言って起き上がれなくなってしまったのです。Upload By まりまり現在6年生の次女ですが、この時のことを改めて聞いても、特に理由はなくてとにかく疲れてだるかったのだそうです。それから次女は少し学校をお休みして、その後はしばらく五月雨登校が続きました。今考えると……次女が休み始めたきっかけは校外学習でしたが、今考えると、進級してしばらくの間頑張りすぎていたんじゃないかな?と思います。次女はもともと、自分でも気づかないうちに無理をしてしまうという傾向があります。Upload By まりまりこの時は、進級時の環境が良かったことで私も安心し、次女の変化に期待もしてしまいましたが、もう少し、次女の様子を注意深く見て、積極的に休ませてあげるなどできれば良かったのかもしれないと、今は思っています。執筆/まりまり(監修:新美先生より)学校は、年度ごとに担任が替わることがあり、担任が替わったときに、どれだけ新旧担任間で引継ぎをしてくれているのか、新しい担任に保護者からどこまで改めて情報を伝えるのがよいのかは毎年本当に悩みますね。サポートブックなどのツールもありますが、そういうものを使うべきかどうかも迷います。エピソードにあるように、通級指導教室に在籍になり、個別の支援計画が作成されたことにより、新しい担任にも支援情報が引き継がれ、年度スタートから必要な支援・配慮が行われたことはうれしかったですね。支援や配慮があったとしても、学年が上がってくることで、お子さんが気を遣いすぎる場面、頑張りすぎる場面が増えるなどもあったのかもしれません。学校を数日休んだり、五月雨登校ぐらいの距離感で通うことが許容されたことで、それ以上疲れをため込みすぎなくてよかったと言えるのかもしれませんね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年03月31日「世界自閉症啓発デー」とはUpload By 発達ナビニュース2007年の国連総会で、毎年4月2日を「世界自閉症啓発デー」とすることが定められました。国連加盟国では、自閉症(自閉症(※以下、ASD/自閉スペクトラム症)についての理解が進むように意識啓発の取り組みを行うよう求められています。日本では、4月2日から4月8日は発達障害啓発週間となっています。ASD(自閉スペクトラム症)や発達障害についての認知は、日本でも近年急激に高まってきています。しかし、今もなお偏ったイメージを持っていたり、正確ではない情報が存在しています。ASD(自閉スペクトラム症)を含む発達障害の研究は現在も続いていますが、はっきりとした原因はまだ特定されていません。何らかの脳機能の障害であると考えられており、しつけや愛情不足など育て方が直接の原因ではないことは分かっています。ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもは、さまざまなこだわりを持っていることが多いです。また、感覚過敏や感覚鈍麻などの特性がある場合も多くあります。そのため、育てにくさを感じたり、適切な接し方が難しいと感じる保護者も少なくありません。しかし周囲のASD(自閉スペクトラム症)についての理解や支援が十分であれば、ASD(自閉スペクトラム症)があっても住みやすい環境で、その人らしく充実した生活を送ることができます。「世界自閉症啓発デー」は、この社会で、多くの人が自閉スペクトラム症(ASD)への理解を深めることで、ASD(自閉スペクトラム症)のある人を含めたすべての人が過ごしやすい世界を実現していくための日です。「Warm Blue2024キャンペーン」に参加しよう!Upload By 発達ナビニュース「世界自閉症啓発デー」には、シンボルカラーがあります。「癒し」や「希望」などを表すブルーが、その色です。毎年4月2日は、ナイアガラの滝やピラミッドなど、世界中のさまざまなランドマークが青に染められ、また青い服を身に着けるなどの青をテーマにした啓発イベントが各国で行われます。日本でも、東京タワーやスカイツリーをはじめ、各地のシンボルとなっている建物などが、例年、青く染め上げられています。Upload By 発達ナビニュース4月2日には、シンボルカラーである「青い」ものを身に着けたり、ブルーにデコレーションした施設などの写真をSNSに投稿してみませんか?以下のハッシュタグをつけてぜひ投稿してください。世界自閉症啓発デー #WB_2024 #2024TT #2024blueart#発達ナビ投稿したブルーの写真やメッセージは、下記のSNSアカウントなどでシェアされる予定です。東京都自閉症協会X(旧twitter)東京都自閉症協会facebook Blueギャラリー | 東京都自閉症協会Upload By 発達ナビニュース発達ナビでは、コラム連載陣に「青」をテーマにイラストを書き下ろしてもらい、SNSで発信中です。イラストは、発達ナビのSNSアカウントや各連載ライターのアカウントから、リポストやシェアもOK!みなさんのメッセージを添えて、ぜひSNSでシェアしてください。多くの人たちに届くことを願っています。Upload By 発達ナビニュースWarm Blueをコンセプトにした絵画やイラスト、写真などのアートコンテストも開催されます。参加方法は、X(旧Twitter)に「#2024blueart」のハッシュタグをつけてブルーをテーマにした作品を投稿するという方法が採用されています。画家やデザイナーなど各界で活躍する審査員が選考し、入選作品は、ギャラリーサイトに展示されるほか、オンラインイベントなどでも紹介される予定です。Upload By 発達ナビニュース世界自閉症啓発デー当日の4月2日には、さまざまなブルーアクションを紹介するオンライン生配信が企画されています。今年で4回目を迎える同イベントの司会は、発達障害当事者の不破ふわおさんと、2024ミス日本「海の日」の有馬佳奈さんが務めます。日時:2024年4月2日17:30配信スタート(予定)司会:不破ふわお(発達障害当事者)、有馬佳奈(2024ミス日本「海の日」)協力:明治安田こころの健康財団イベントの詳細は東京都自閉症協会X(旧twitter)をチェックしてみてくださいね!東京都自閉症協会X(旧twitter)(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月30日発音が不明瞭、吃音……。発達障害、グレーゾーンのお子さんのことばの悩み、どうすればいい?発達ナビのQ&Aコーナーは、子育てに関する疑問や知りたいことなどを気軽に質問し相談し合える場所です。ここには「ことば」に関わるお悩みも多く寄せられています。発音についての悩みです。「き」を「ち」と発音してしまっています。例えば、鳥の「とき」が「とち」になっていても本人は変だと思わないのです。ゆっくり話させると問題ないのですが、今後どう働きかけて行くのがよいでしょうか?(中略)現在小学校1年生です。歳半過ぎたあたりから「あ、あ、あ、あ、、あー」「きーきーきーきー」「…これ…い…」などなかなか言葉が出て来ない事が増え、こちらで他の方の投稿やコラムを見たりするうちに【吃音】という言葉を知りました。本記事は、ことばの支援の専門家、言語聴覚士(ST)の日本福祉大学中央福祉専門学校言語聴覚士科学科長 大岡治恵先生にご回答いただく第2弾。発音がしっかりしていない、出だしが詰まってスムーズにお話できないなど、発達ナビのQ&Aコーナーや「みんなのアンケート」に寄せられている代表的なお悩みについてご回答いただきました。ことばについての年代別の相談内容や、月齢・年齢によっての発達の目安、「ことば」に困難さを抱えている子どもに対する接し方や声掛け、言語聴覚士(ST)へ相談したいときなどについて知りたい方は、ぜひ第一弾の記事をご覧ください。Q:発音が不明瞭で、親や友達が聞き取れない。何もしなくていいの?(5歳)5歳の子どもですが発音が不明瞭でなにを言っているか親でも聞き取れないことが多々あります。とくにナ行とラ行の発音が悪く、幼稚園の友達に話しかけても意味が通じていないことがありました(その場面を見てショックでした)。幼稚園の先生に「うちの子はことばが遅いので……」というと、「そのうちはっきりしゃべれるようになりますよ」と言われ何もしていないのですが、どれくらい発音が悪ければ発達相談などにいっていいのでしょうか?A:2歳くらいの小さな子どもが、「つみき」を「ちゅみき」などと発音していると、かわいらしくほほえましく思えます。では幼稚園の年長さんではどうでしょう?子どもの発音がはっきりしないという場合、何歳まで様子を見ていてよいのでしょう?はっきりと大人と変わらない正確な発音ができるようになるためには、子どもの体のさまざまな部分が発達してくる必要があります。舌や唇、喉の奥などの筋肉が正確に素早く協調して動かせるようにならないと、正確な発音をつくることができません。また「らいおん」と「だいおん」が違う音であると聞き分けることができる耳の力も必要になってきます。これらの発達にはかなり個人差があり、3歳くらいで大人と変わらない正確な発音ができる子もいれば、小学生になっても「ちゅみき」になってしまう子もいます。4歳くらいでは約2割に発音の未熟さが残っているといわれています。5、6歳くらいまでにおおむね正確に発音できるようになってきますが、小学生でも「つ」やサ行、ラ行などの発音しにくい音で歪みが残っている子が2~3%くらいいるといわれています。これら小学生以降に残っている発音の歪みは、自然に治りにくいといわれています。何もしないでいると、大人になっても残ることが多い傾向にあります。つまり様子を見ていてよいのは幼稚園の年中さんくらいまでで、年長さんになってもあまり変化がなく同じ音の誤りが残っていたら、ことばの専門家のところへ相談に行くとよいでしょう。合併する問題や通える頻度などにもよりますが、適切にトレーニングすれば数ヶ月できれいな発音になります。なかには、耳の病気の後遺症により高い音が聞こえにくいのが原因で、発音が悪い場合もあります。また、かみ合わせや口腔内の形の問題でうまく発音できないこともあります。そういった可能性がある場合は、早めに耳鼻科や歯科へ相談に行きましょう。Upload By 発達障害のキホンQ:イントネーションが覚えられない。注意してもいい?(小1)小1の娘はイントネーションが覚えにくいようで、何度教えても正しい発音を覚えてもらえません。そしてその都度注意したり言い直していると娘も嫌がってしまいます……。注意しないほうがいいのでしょうか?A:「イントネーション」というのは“発音”を意味しているでしょうか。発音のことだとしたら、その都度注意をし言い直しをさせるのは、あまりよいことではありません。「ゆっくりいってごらん」などの声掛けも同様です。先ほど説明したように、発音が悪い場合はさまざまな原因があり、どれも「注意をする」「ゆっくり言う」ことで解決するものではないからです。発音に必要な運動機能や耳の聞き分け力が育っていないのですから、何度言われても子どもはどう直してよいのか分かりません。たくさんお話をしようと思ってお母さんに話しかけているのに、いつも話の内容は聞いてもらえず、発音の悪さだけを指摘され言い直しを強要されると、子どもはたくさんお話をすることをやめてしまいます。自分の発話に注意が向きすぎて、吃音やチックなどの症状が出てしまう場合もあります。正しい発音の指導は言語聴覚士などの専門家に任せましょう。トレーニングの仕方を指導してもらって家庭でも毎日練習します。最初は1音だけ、次に単語や短文と段階を踏んで練習をしていきます。最終的に「日常会話の中で指摘して修正してよい」と指示を受けるまでは決して会話の中で注意をしたり言い直しをさせたりしないようにしましょう。このことは、園や学校の先生とも情報を共有して協力していただきましょう。発音のトレーニングの適期は5歳~6歳くらいといわれています。小学生になっても少し時間はかかりますがトレーニング可能です。ただし年齢があがるにしたがい治りにくくなりますし、学校が終わってからトレーニングに通おうと思っても、夕方の時間帯は混んでいて予約が取りにくい場合が多いようです。言語聴覚士のいる病院や施設は、以下のページで検索できます。また、各都道府県言語聴覚士会のホームページでも探すことが可能です。一般社団法人日本言語聴覚士協会病院・施設検索一般社団法人日本言語聴覚士協会都道府県士会一覧Upload By 発達障害のキホンQ:吃音の息子に家庭でできることは?(3歳)3歳の息子の吃音についてです。出てこない言葉や何を話したいかは、その時の行動や状況で分かるので、ゆっくり待ったり、言葉を導いたりするのですが、最近では本人もスムーズに言葉が出てこないのを自覚しているようで、笑いながら「でなかった~」「わかんな~い」と言っていて、そんな時は一緒に笑って「言いたいこと分かってるよ」と安心させるようにしています。言葉が出なくても家族みんな気にしないで待っていますが、時には本人が大きく溜息をつくこともあり……。吃音の息子に対して、家庭で日常的にできること、また吃音に対してどのような言語療法をしていただけるのか教えていただけないでしょうか。※発達ナビQ&Aに寄せられた質問より抜粋して紹介A:2歳から4歳くらいの幼児期には「お、お、おはよう」のようにことばの出だしの音を繰り返す、「あっ……そぼう」などのように詰まって出にくい、などの症状がみられることがよくあります。そのうち7割くらいが自然によくなっていきます。5、6歳くらいになっても音の繰り返しや、力の入った非流暢な話し方が残っている場合は、その後自然に治癒しにくいといわれています。この非流暢な話し方が正常な範囲の頻度や長さを超えて生じている場合のことを吃音といいます。時には話し方以外に、腕や肩に力が入る、顔をしかめるといった随伴する運動がみられることもあります。幼児期の吃音は、本人があまり気にしていない場合が多いのですが、このお子さんのように気づいている場合もあります。学童期から思春期にかけて、からかいやいじめなど周囲の反応によって、吃音は「恥ずかしいもの」と捉えるようになると、話す場面に対して緊張や不安が強くなる場合がありますが、幼児期には気づいていてもあまり不安はなく、自由におしゃべりすることが多いようです。吃りやすい何らかの神経学的な基盤があると考えられていますが、吃音の原因はまだよく分かっていません。言語獲得期である幼児期には、話したいことがたくさんあってもまだことばを想起し発語器官を動かすなどの能力が未熟であるため、そういった負荷がひとつの要因になっているのではないかと考えられていますが、情緒面の状態や環境的なストレスも影響があるといわれています。ですから、このご家族のようにお子さんが安心してお話できる、ゆったりとした雰囲気で聞いてあげることは、大変良いことです。お子さんの表現の言語的な負荷を減らすように、複雑な説明を求めるよりも、簡単な語彙で単語や短文で答えられるような聞き方を心がける、ゆったりと話しかけ、ゆったりと聞いてあげるなどの対応が望ましいと考えられています。話し方だけでなく、スケジュールや行動全般もゆったりと余裕を持たせるとよいでしょう。3歳くらいですと、まだ自然に治ってくる可能性も高いため、直接的なトレーニングなどはせず経過を観察することが多いのですが、日常の関わり方などの助言指導をしてもらうこともできるため、一度専門家に相談してみるのもよいでしょう。就学1年前くらいから実施できる効果的なトレーニング法がいくつか研究され報告されています。幼児期の吃音に関する情報は下記サイトに詳しく掲載されています。発達性吃音(どもり)の研究プロジェクトUpload By 発達障害のキホンQ:息子の様子、吃音の症状によるもの?(小3)小学校3年生の息子がいます。言葉が詰まってしまい「あの」、「その」、「あれ」というような指示語がいくつか続いたり(例えば「あのあのあのあの……」)、助詞を連続して繰り返したあとに(例えば「これは、は、は、は、は……」)やっと言葉が出てくるので、会話がスムーズにいきません。こうした症状も吃音なのでしょうか?どうすれば改善することができるのでしょうか。A:ことばがスッと出ないときに「あの」などの語句を挿入する、同じ語句や助詞を繰り返すなどの行為は、吃音のない人でも見られます。ただその頻度が一般的な頻度を超えている場合、吃音の中核症状ではありませんが吃音に伴う非流暢性の可能性が考えられます。頻度だけでなく、その時身体に力が入っているかどうか、発話についてお子さん本人はどのように捉えているのか、どういった場面でそのような発話になりやすいのかなど詳細に調べていって判断する必要があります。特に学童期以降、吃ることを「恥ずかしいこと」と考え、吃らないようさまざまな工夫をした結果、そのような話し方になっている場合があります。本人が自覚して意図的にやっている場合もありますが、小学生の場合、自分でその時の気持ちをうまく説明できない場合もあります。吃音のことについて触れるのをタブー視するのではなく、お子さんとオープンに話ができるとよいのですが、どのように触れてよいのか分からないというご家族も多いのではないでしょうか。学童期には音読や発表、日直など大勢の前で発話しなければならない活動が増えますし、周囲からのいじめやからかいなども増える時期です。そのため幼児期よりも、吃音に対する不安や困りごと、悩みが大きくなっている可能性が高いと考えられます。こういった場合は専門家と発話症状への直接的なアプローチが必要かどうか相談するだけでなく、心理面への対処の仕方について助言を受けることが望ましいでしょう。発表や音読などに対する配慮や、いじめ、からかいへの対応などは、学校とも連携を図っていくことが大切です。Upload By 発達障害のキホン発達障害のある子どものことばにまつわるエピソード発達ナビライターの方々のことばにまつわるエピソードをご紹介します。発達ナビ「Q&Aコーナー」にあなたのギモンをぜひ投稿してください今回は発達ナビQ&Aコーナーや「みんなのアンケート」に寄せられた言葉にまつわるギモンについて大岡先生からのアドバイスをご紹介しました。発達ナビのQ&Aコーナーに気になることを質問するとユーザーの方が経験をもとに答えてくれます。話題の質問に専門家からアドバイスともらえることも!ぜひチェックしてみてください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年03月30日息子はお風呂好き!そしてこだわりもあって……息子は、3歳の時に重度の知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。賑やかな場が苦手で、いつもマイペースを貫いている穏やかな性格です。そんな息子はお風呂が好きなのですが、いくつかのこだわりがあります。本人はとっても楽しそう!浴槽のふちを平均台のように歩く息子10歳になった頃のことです。息子がいつのまにか浴槽のふちを歩くようになりました。息子はどちらかというと臆病で失敗を恐れるタイプなのですが、身体が大きく腕も長くなったため、そんなに広くない浴室では、ふちから落ちそうになっても少し手を伸ばせばつかまる所があることをなんとなく察して、始めたような気がします。Upload By ユーザー体験談初めて見たときは「危ない!」と思ったのですが、慎重に歩き、少し体を傾けると浴室の壁に手が届くので、意外にも落ちないのです。意外と落ちないな……と見守っていると、なんとも本人は楽しそうで、満足気に歩いています。息子の心地いい行動なんだなと思い、今は落ちないようにしっかりと注意しながらも見守るようにしています。それはちょっとやめてほしい……!シャンプーボトルたちへのこだわり平均台よりちょっと困ったのがシャンプーボトル類へのこだわりです。息子はシャンプーだけでなくコンディショナー、入浴剤といったボトルの中身を全部浴槽に流してしまうのです。始まったのは8歳だったと記憶しています。突然始めたので、こちらが気づくのがやや遅くなり、何とも言えない混沌とした色になった湯舟の湯の色を前に呆然としてしまいました。なんだこれ……と驚きしかありません。Upload By ユーザー体験談お湯を入れかえるのが面倒だなという気持ち、そして(あー、また新しい変なイタズラが始まった!)という今後の対策を練らなければいけないことへの憂鬱さ、このイタズラが頻繁に起こって上手く防げない場合、しょっちゅうシャンプーなど買うことになるのでは⁉という金銭面への負担……こんな時はどっと疲れてしまいます。ほかにも、ボトルをいつも同じ位置、同じ順番に並べ替えることにもこだわっていました。浴室に限らず所定の位置に物がないと落ち着かない息子は、ボトルが所定の位置にあることを好み、そろっていないと急に整理整頓を始めます。その日その日で、気持ちの許容量が違うようで、楽しそうにそろえている時と、怒りながらそろえる時があり、今日は機嫌がよくなかったんだなというバロメーターにもなります。Upload By ユーザー体験談家族の中で一番几帳面な性格なので、誰かが置きっぱなしにした物を片付けることに関しては、正直助かってもいます。ただ、湯舟に流すのはいただけない……。そこで防止策を取ることにしました。息子にあわせた対策を!結果は大成功!息子は、湯舟に「ボトルに入っている液体を流し入れること」が楽しいようだったので、シャンプーボトルの代替品としてペットボトルを何本か用意しました。それにお湯を入れおき、シャンプーボトルなどの代わりにそれを流すよう促しました。息子は、このペットボトルで満足してくれたようで、楽しそうにお湯を湯舟に流し込むようになりました。大成功です!Upload By ユーザー体験談このように何か良くない癖がつきそうな時は、うちの子の場合は以下のステップで対応しています。1.短い言葉で注意する2.代わりにそれに似たやっていいことを提案する3.癖が定着しないよう早いうちに止めさせることを心掛けるこのシャンプーボトル事件については、1、2の対応で尾を引かず収まることができました。息子も少しずつコミュニケーション能力が上がり、人に頼む、頼ることを覚えてきました。シャンプーボトルも自分で並べ直さず、きちんとそろえるよう周りの人に要求することも増えています。ただ、日によっては所定の位置に物がないことを不安に思うようです。「直して」と要求してくることがあったときは、必ずいつもこちらがその要求を叶えてあげられるわけではないことも覚えてほしいので、「大丈夫だよ」と声をかけ、妥協を知ってもらってもらえるようにしています。これからも息子のこだわりは新しくでてきたり、姿を変えたりと続いていくのでしょう。その都度、息子にあったやり方でこちらも声がけしていけたらなと思っています。イラスト/ネコ山エピソード参考/あきこ(監修:藤井先生より)子どもの困った行動は程度がさまざまです。気になる行動があった時、危険で怪我につながることは禁止・静止させ、やめるように伝える必要はあります。しかし、困った行動の多くは、危険で怪我につながることではないけれど困るということが多くを占めていると思います。息子さんのシャンプーボトル事件も、ペットボトル作戦で代替えすることができ、効果がありましたね。全ての行動を禁止するのではなく、やめさせるべき行動と、減らすべき行動と分けて考えると対応の仕方が分かりやすいですね。素敵な体験談を読ませていただきありがとうございました。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月30日北海道児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス清田教室は、札幌市営地下鉄東豊線「福住駅」から北海道中央バス「清田団地入口停留所」より徒歩5分の通いやすい場所にある教室です。コペルプラス清田教室のスタッフは全員が児童指導員の資格を持った専門家。「子どもの可能性は無限大」をモットーに、「できないことの訓練」ではなく、楽しい遊びを通して「内なる能力を引き出すための発達支援」を心がけて日々の支援を提供しているとのことです。そして、楽しく元気な先生たちが、お子さんやご家族が笑顔で過ごせるサポートをしてくれます。無料体験レッスンで、明るく楽しい雰囲気を体験してみてはいかがでしょうか。北海道の児童発達支援をもっとみる東京都児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス新富町教室は、東京メトロ有楽町線 「新富町」駅より徒歩5分の場所にある教室です。お子さんの「もっとやりたい!」「もっと学びたい!」を引き出し、通うのが楽しいと思える場所をめざして、一つひとつの取り組みを大事にしているそうです。スタッフは充実した支援を届けるための研修を通し、支援を届けるための理念を心に刻み、お子さんの成長をサポートするために必要なスキルを日々磨いています。「子どもの可能性は無限大」をモットーに、お子さんの持っている力を、最大限発揮できるように日々研鑽を積み続ける教室です。東京都の児童発達支援をもっとみる神奈川県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報コペルプラスジュニア鎌倉教室は、江ノ電バス 「手広」 停留所より徒歩2分の場所にあり、駐車場も2台完備されています。同教室では、「できないことをなくす」のではなく「できることを伸ばす」ことで、お子さんが自分の個性を認め、何事にも前向きに取り組む姿勢を目指しています。レッスンでは2000種類以上のオリジナル教材を用意。さまざまな感覚や幅広い認知を育てるための多種多様な教材を通じ、お子さんの集中力を高め、楽しく学んでいけるよう工夫がされています。Upload By 発達ナビ施設情報施設の名前は「世界記録」から名付けたもので、目標を持って先を見据え、自分自身の記録を超えていってほしいという思いからつけているそうです。今日より明日、明日より明後日、一歩一歩更新していけるように頑張る姿を応援するスタッフたちが、運動や料理、学習のプログラムを実施。さまざまなプログラムに取り組み、楽しみながら成長していけるような施設ではないでしょうか。神奈川県の放課後等デイサービスをもっとみる神奈川県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス逗子教室は、京浜急行電鉄逗子線 「新逗子駅」より徒歩2分、JR横須賀線 「逗子」駅 東口より徒歩4分の教室です。お子さん一人ひとりに寄り添いながら、個々の発達を理解し、成長につなげていく支援を提供しています。そして、お子さんの自己肯定感を向上させ、持っている潜在能力を出すことを目指し日々の支援を行っています。お子さんが笑顔になり、保護者の方もお子さんの成長を感じることができ、その瞬間をともに喜ぶことができるよう丁寧に向き合うことを心がけているそうです。教室のブログでは、レッスンで行われている取り組み内容も確認することができます。Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス中田教室は、ブルーライン「中田駅」から徒歩2分の場所にある、未就学のお子さんが対象の教室です。近隣に提携駐車場があるため、車でも公共交通機関でも通所も可能です。コペルプラス中田教室では、「できないことに対する訓練」ではなく、できないことの背景に存在する課題に焦点をあて「能力を引き出すための発達支援」を実施。 楽しく遊びながら学ぶ中でできることを増やし、園や学校、家庭で自分らしく過ごしてしていくためのスキルを身につけられるようにサポートをしてくれます。Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラスたまプラーザ教室は、東急田園都市線「たまプラーザ駅」から徒歩10分の教室です。幼児期の可能性を重要視し、学ぶ環境を意識的に設定。お子さんが自発的に取り組むような工夫を凝らした課題を行うことで、より高いスキルを身につけてほしいと考えているそうです。そして、楽しく遊びながら学ぶ中で、将来の自主性・自発的行動をお子さんが習得できることを目指しています。「子どもの可能性は無限大」一人ひとりの特性を理解し、お子さんが持つ力を最大限に発揮できるようにサポートしている教室です。Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス横浜上郷教室は、2023年9月に開所した教室です。コペルプラス横浜上郷教室では、瞳が輝くような楽しい発達支援を通して、自発的に取り組み、自ら能力を発揮していく姿をサポートしています。得意なところを伸ばし、「できることが増えるのは世界が広がること、楽しいことが増えること」を合言葉に、スタッフはお子さんや保護者の方と一緒に歩んでいけるようなレッスンを心がけているそうです。神奈川中央交通バス「光明寺停留所」から徒歩2分の場所に位置し、駐車場も3台分用意。車でも公共交通機関でも通所できる教室です。Upload By 発達ナビ施設情報フォレストキッズこどもの国教室は、オーダーメイドの発達支援を取り入れています。スモールステップで楽しみながらできることを増やしていき、『自己肯定感』や『自尊感情』を養い、お子さんが持つ可能性を広げていくことを目指しています。また、アセスメントにも力を入れており、保護者の方からの情報や指導員とのやりとりをもとに、一人ひとりに応じた課題の設定や到達目標を設定しているそうです。保護者の方には、家庭でも簡単に取り組める支援のアドバイスに加えて、困り事や悩み事に対する個別相談も実施しています。Upload By 発達ナビ施設情報てらぴぁぽけっと横浜戸塚教室は、0歳から未就学児までを対象とした児童発達支援事業所です。保育士や幼稚園教諭、特別支援学校教諭、社会福祉士、児童指導員などの資格を持った職員が、これまで培った経験や専門知識を用いて、ABA(応用行動分析)という科学的なアプローチを使った支援をしています。「たくさん」「ちいさく」「確実に」、小さいものを積み上げて大きい目標を達成しようという方針で支援を提供しています。レッスンは、おもちゃやルール遊び、小さな集団の中での約束や、友達と関わることの楽しさを学べる小集団での支援と、一人ひとりの発達に合わせた個別支援を組み合わせて行っています。Upload By 発達ナビ施設情報てらぴぁぽけっと中山駅前教室は、2024年4月にオープンする新しい施設です。お子さん一人ひとりの性格や困り事が違うなかで、応用行動分析学に基づいた【ABAセラピー】 を、2時間の個別支援の間、完全マンツーマンでレッスンを実施。また、お子さんのことを第一に考えたうえで、楽しい支援が提供できるよう、経験豊富なスタッフたちが一人ひとりに合った計画を立ててくれます。そして、お子さんだけでなく保護者の方にも温かく寄り添っていきたいという想いも大切にする教室です。神奈川県の児童発達支援をもっとみる埼玉県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報お子さん一人ひとりの興味関心や個性・特性に合わせて「あなただけの支援」を提供するポラリスステップ東大成教室。プログラムはすべて臨床発達心理士が監修し、ABA(応用行動分析)をベースに科学的根拠に基づいた発達支援を行っています。また、丁寧なアセスメントで、お子さんが一歩一歩それぞれのペースで着実にステップアップしていける支援計画を、保護者の方と共に考えていくそう。そして、お子さんが将来の自立のために必要な3つの力「生活する力」「社会や他者と関わる力」「自分と向き合う力」を伸ばしていけるようにサポートをしています。埼玉県の放課後等デイサービスをもっとみる埼玉県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス武蔵藤沢教室は、西武鉄道池袋線「武蔵藤沢」駅から西武バス「藤沢保育所入口停留所」より徒歩3分の場所にあります。のどかな住宅街のなかにあり、駐車場は7台分確保されているので、車での通所も安心です。2000種類のオリジナル教材が用意され、個別または小集団のレッスンを提供。楽しい発達支援を通して、自発的に取り組み、自ら能力を発揮していく姿をサポートしてくれます。そして、「できないことをなくす」のではなく「できることを伸ばす」ことで、お子さんが何事にも前向きに取り組めるようになることを目指しています。Upload By 発達ナビ施設情報HERO ISは児童発達支援、放課後等デイサービスを運営している多機能型事業所です。就学後の通所理由で多い「座れない」「指示が通りにくい」「学習が不安」「コミュニケーションが不得意」という悩みを、就学前に、リトミック・運動・就園前・就学前準備を基本とした「椅子に座って、先生の話しを聞く」ことを小集団の発達支援のなかで学んでいきます。放課後等デイサービスを運営している事業所だから分かる、そして、できる、就学の際の困り事にスポットを当てた支援を提供しています。スタッフは、臨床心理士や臨床発達心理士、特別支援学校教諭、児童指導員など全員が有資格者でさらに現場経験者だそう。経験と知識が活かされた細やかな支援も同施設の特徴ではないでしょうか。Upload By 発達ナビ施設情報ポラリスステップ東大成教室は、2024年4月に開所予定の児童発達支援事業所と放課後等デイサービスを運営する多機能型事業所です。「楽しいのに伸びる!楽しいから伸びる!今日のできたを明日の笑顔に」をモットーに、お子さん一人ひとりの興味関心や個性・特性に合わせた支援を目指しています。プログラムは全て臨床発達心理士が監修。丁寧なアセスメントでお子さん一人ひとりに最適な支援プランを提供。スタッフは臨床心理士や臨床発達心理士、保育士、幼稚園教諭、社会福祉士、児童指導員など異なる資格を持ち、保育士による創作や児童指導員による小集団活動など、スタッフの得意分野も活かしながらお子さんの支援に臨む予定だそうです。埼玉県の児童発達支援をもっとみる千葉県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス千葉おゆみ野教室では、心の育ちを大切に、お子さんの自信を育む支援を提供しています。専門の講師が、2000種類以上のオリジナル教材を用いて楽しいレッスンを行うことでお子さんは無理なく学んでいくことができるそう。そして、お子さんの良い所を見つけて伸ばしていくことで、お子さんの持つ100%の力を引き出すサポートをしているそうです。レッスン中のお子さんの取り組みや表情は、マジックミラー越しに保護者の方は確認することができます。また、大型駐車場も完備されているので、車で通所がしやすい環境が整えられています。Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス八柱教室の支援で大切にしていることは、「訓練」ではなく「楽しい遊び」であり続けること。「いやでもがんばる」ものではなく「楽しいからやりたい」ものであること。そして、目が輝くような楽しい遊びを通じて、お子さんたちが自発的に取り組む姿勢を身につけ、自ら能力を伸ばていく姿を目指しています。レッスンでは、2000種類以上のオリジナル教材を使用。さまざまな感覚や幅広い認知を育てるための多種多様な教材を通じ、お子さんの集中力を高め、豊かな学びの環境を届けています。千葉県の児童発達支援をもっとみる栃木県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス宇都宮駅前教室は、JR「宇都宮駅」東口より徒歩8分の場所にある教室です。駐車場は教室の隣に5台分用意があり、車での通所も可能です。個別支援をベースに、豊富な教材によるテンポとリズムのあるレッスンを実施。たくさんの教材で遊びながら、お子さんの「もっとやりたい!」「楽しい!」を引き出し、通うのが楽しいと思える教室づくりを心掛けているそうです。スタッフは、発達支援、保育や教育と、さまざまな分野でキャリアを積んだ人材ばかり。これまでの経験を活かしながら、チーム一丸となってお子さんをサポートしています。Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス宇都宮いちょう通り教室は、 東武鉄道宇都宮線「東武宇都宮駅」東口より徒歩5分の場所にあり、公共交通機関からアクセスがしやすい教室です。個室でスタッフとマンツーマンのレッスンを行う個別支援を軸に、小集団支援や地域支援にも取り組む教室です。小集団の支援では、集団の中で社会性を育むためのコミュニケーショントレーニングクラスや、ソーシャルレッスンクラスを用意。また、地域支援では、お子さんの在籍する幼稚園や保育園などと連携し、支援対象のお子さんはもちろん、ほかの園児も過ごしやすい環境をつくることを目指しサポートをしています。教室のプログラムの様子などはブログでも紹介されています。栃木県の児童発達支援をもっとみる新潟県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラス新潟駅前教室は、JR 「新潟駅」万代口より徒歩5分の場所にある教室です。駐車場は、近隣に3台分用意されているので、公共交通機関でも車でも通所しやすい環境が整えられています。教室のドアを開けて入室すると、広々とした玄関や多目的ルームがあり、初めての場所が苦手なお子さんも安心して入室できるような雰囲気づくりを大切にしているそうです。レッスンでは、お子さんの「やりたい!」を引き出し、頭と心と体の栄養になるようなテンポやリズム感のあるプログラムを用意。そして、お子さんだけでなく、保護者の方にとっても、レッスンが楽しみになるような支援を心がける教室です。新潟県の児童発達支援をもっとみる大阪府放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービスPerch(パーチ)は2024年4月に都島区都島本通に新規オープンする施設です。施設名のPerchは英語で「止まり木」という意味。お子さん、そして保護者の方の止まり木になりたい、そんな思いが込められているそうです。スタッフは、児童発達支援管理責任者や作業療法士、保育士、特別支援学校教諭など、高い専門性と長年の経験を持ち、作業療法などの専門的な支援と集団支援により、日常生活動作の自立や集団での関わり方を育んでくれます。また、Perchを運営する株式会社はなまるグループはこれまで12の施設を展開し、スタッフ研修にも力を注いでいます。Upload By 発達ナビ施設情報エミュールは、大阪市内で5施設を展開するグッドフレンズグループが2024年6月にオープンする新しい施設です。キャッチコピーは「あなたのみせる温かい微笑みをもっと輝かせるために」。スタッフは臨床心理士や臨床発達心理士、保育士、幼稚園教諭、言語聴覚士、児童指導員などの専門資格を持った人材が在籍予定。それぞれの長所を活かし、日々の活動やイベントの企画を行い、集団支援により生活習慣・社会性を育んでいきます。施設見学会は2024年5月より実施される見込みです。フロアを広くとり、ゆったりとした空間を体感してみてはいかがでしょうか。大阪府の放課後等デイサービスをもっとみる大阪府児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報お子さん一人ひとりに応じた個別プログラムを実施し、「できた!」の経験を重ね、自信を育むことを大切にしているハビー京橋教室。教室には理学療法士、臨床心理士、保育士、小学校教諭、特別支援学校教諭といった専門性の高いスタッフが在籍しています。お子さんの支援に対して、スタッフ間でのミーティングの場をしっかりと設け、教室全体でお子さんの成長を見守る環境が整えられています。教室にはモニタールームが設置され、保護者の方は支援の様子を見学することも可能です。また、地域との関わりも大切にしているため、希望に応じて園や他機関との連携も行っているそうです。Upload By 発達ナビ施設情報施設名の『Perch』とは英語で止まり木という意味。「教室に通うお子さん、そして保護者の方の止まり木になりたい」、そんな思いが込められているそうです。日々のレッスンでは、日常生活動作の自立や、お子さんたち同士で集団での関わり方を学び、社会性を育むことに重点を置いた支援を提供。お子さんの「できた!」が、少しずつ増えていけるよう、ニーズや特性に合わせてサポートをしています。また、同施設では研修に力を入れており、発達障害の知識を深めていく社内研修や外部研修にも積極的に参加しているとのことです。Upload By 発達ナビ施設情報エミュールは、2024年6月に新規オープン予定の児童発達支援事業所です。「あなたのみせる温かい微笑みをもっと輝かせるために」というキャッチコピーのもと、友人関係の構築が苦手、生活の中で困りを感じているなど、さまざまな悩みを持つ子どもたちが社会生活するうえで必要なスキルを獲得できるよう、サポートをしていきます。新しい教室となりますが、運営会社内でこれまで勤務経験のあるスタッフを配属し、多種多様な経歴と職種などスタッフの長所を活かして日々の活動やイベントの企画を行う予定です。また、2024年5月より見学会を実施予定。気になる方はお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。Upload By 発達ナビ施設情報こどもサポート教室オレンジでは、個別支援から集団支援、運動支援まで多様なコースがあり、お子さんに合った支援内容を提案してくれます。個別支援クラスでは、マンツーマンで発達段階や課題に合わせた支援を実施。3人までの小集団の支援では、指示やルール理解のゲームに取り組みます。また、自己主張や傾聴など、コミュニケーション能力を高めることを目的とした「ソーシャル活動クラス」、身体を使ったゲームや製作活動に取り組む「みんなで活動クラス」、シンプルなルールの集団スポーツを通じて、自分で決断することや仲間と協力する力を養うサッカークラスなど、さまざまな支援を通じて一人ひとりの成長を応援している教室です。大阪府の児童発達支援をもっとみる奈良県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報スワールキッズ奈良教室は2024年4月にオープンする放課後等デイサービスです。学習支援では、読み・書き・計算を軸に、お子さんの長所を伸ばし、苦手に対する向き合い方を学んでいきます。また、ソーシャルスキルトレーニングでは、他者との関わり方や援助の求め方を、生活力の面では、手先の動きが求められる微細運動や身体全体を使う粗大運動、調理実習、計画の立て方などを学び、将来どのような環境や立場でも活かすことができるポータブルスキル(持ち運び可能な能力)の獲得を目指していきます。送迎は奈良市内の方を対象に実施予定です。奈良県の放課後等デイサービスをもっとみる奈良県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報2024年4月にオープンするスワールキッズ奈良教室は、主に未就学児や小学生に特化した支援を提供する児童発達支援及び放課後等デイサービスです。スワールは英語で「渦」という意味で、渦の中心にお子さんたちがいて、 家族や仲間、スタッフ、地域を巻き込みながら、つながりを大切にしたいという想いを込めて名付けられたそうです。支援なかでも特に力を注ぐのは、就学に向けて。名前の読み書き、簡単な数の認識、探索力の向上など就学時に習得していると有効であることを伸ばし、将来どのような環境や立場でも活かすことができるポータブルスキルの獲得を目指していきます。奈良県の児童発達支援をもっとみる福岡県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報フレデリック西新は、お子さんが安心して集い、「遊びと生活を通じて力をつける」お子さんのための居場所です。生活体験のなかで「できる」を増やし、将来の自立につながる生活スキルや社会性が身につくようにサポートをしています。日々の支援では、小集団での育ち合いを基本に、学習・生活スキル・ソーシャルスキルの習得においては、個別対応も可能。また、お子さんの発達段階や学習状況を保護者にとともに丁寧に確認しています。個性豊かなスタッフは経験も豊富で、学校や地域との連携も得意だとか。ブログのスタッフ紹介も読んでみてはいかがでしょう。福岡県の放課後等デイサービスをもっとみる「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、Webからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。
2024年03月29日知的障害(知的発達症)とは?知的障害(知的発達症)とは、発達期(おおむね18歳まで)に知的機能の遅れと、適応能力の低さによって、日常生活や社会生活に困難が生じる障害のことです。知的障害(知的発達症)のある方は自己管理やコミュニケーション、学校での学習、仕事などで困りごとが起こりやすく、何らかの支援が必要になると言われています。知的障害(知的発達症)は程度によって種類が分かれており、それぞれ軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と分類されています。知的障害(知的発達症)が生まれつき生じていたとしても程度によって気づかれる時期には違いがあり、重度の場合は発話の遅れなどにより乳幼児期に気づかれることがありますが、軽度の場合は小学校に入学して学習が本格化してから気づかれることもあります。知的障害(知的発達症)の診断は知能検査や保護者への問診、子どもの様子の観察のほか、原因となる疾患の検査などさまざまなことを通して行われます。参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:知的障害(精神遅滞)|e-ヘルスネット知的障害(知的発達症)の種類は?知的障害(知的発達症)の基準は、行政や医療などによって違いがありますが、多くの場合、障害の程度によって軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と4つの種類に分類されています。・厚生労働省の基準による知的障害(知的発達症)の程度区分厚生労働省の基準では知的障害(知的発達症)の程度を知能指数(IQ)と生活能力(適応能力)の両方を評価したうえで判定します。以下の表にあるように、知能指数(IQ)がⅠからⅣに、生活能力(適応能力)はaからdとどちらも4段階に分けられており、その兼ね合いによって程度が決まります。例えば知的指数(IQ)が軽度相当の51だとしても生活能力(適応能力)が最も困難を示すaの場合は「中度知的障害」と判定されることもあります。Upload By 発達障害のキホン引用:知的障害児(者)基礎調査:調査の結果|厚生労働省知的能力はIQ(知能指数)によって次の4つに分類されます。I :おおむね20以下II : おおむね21~35III :おおむね36~50IV :おおむね51~70適応能力は次のような判定表を用いて、a~dの4つに分類されます。・食事:一人でできる/介助があればできる/できない・用便(月経)の始末:一人でできる/介助があればできる/できない・衣服の着脱:一人でできる/介助があればできる/できない・簡単な買い物:一人でできる/介助があればできる/できない・家族との会話:通じる/少し通じる/通じないここに挙げたのは基準の一例です。療育手帳を取得する場合は各自治体で別途基準を設けていることもあります。・DSM-5-TRの基準による知的障害(知的発達症)の程度区分医学的な診断基準である『DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版』では軽度・中等度・重度・最重度と4つに区分されていますが、知能指数(IQ)での目安は明示されていません。知的機能と適応能力について、概念的領域(記憶や言語、論理的思考など)、社会的領域(対人コミュニケーションなど)、実用的領域(生活における能力など)の3つの領域の状態から重症度を特定します。参考:対象者(愛の手帳Q&A)|東京都福祉局参考:日常生活能力判定表|宝塚市知的障害(知的発達症)は遺伝する?知的障害(知的発達症)が遺伝するのか気になる方もいると思います。知的障害(知的発達症)はさまざまな要因が重なった結果生じるもので、遺伝もその一つの要因と考えられています。しかし、知的障害(知的発達症)が遺伝による場合はまれだと言われています。知的障害(知的発達症)は遺伝のほかにも、妊娠中の母体の低栄養、感染症、薬の影響、脳の異常発達、出産後の子どもの低栄養、頭部の損傷、感染症などが要因として考えられています。ただ、多くの場合には原因は特定できないとも言われています。また、先天性の遺伝子疾患、染色体疾患などがあるために知的障害(知的発達症)の症状が表れる場合もあります。なお、上記のような疾患がある場合も、必ずしも知的障害(知的発達症)があるというわけではありません。参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版2歳頃の知的障害(知的発達症)の症状は?軽度知的障害も分かる?知能検査は受けられる?2歳の子どもは、「おはよう」「さようなら」などの日常の挨拶をするようになったり、積み木や簡単なブロックを組み合わせて遊んだり、スプーンを使ってごはんを食べるようになったりする頃です。ただ、知的障害(知的発達症)のある子どもの場合は、以下のような様子がみられる場合があります。・人見知り、場所見知りがない(またはひどい)・発語が遅れている(またはない)・言葉の理解が遅れている・コミュニケーション能力の発達の遅れから、衝動を抑えることが難しく、癇癪を起こしやすい・意思の発達の遅れから癇癪をほとんど起こさない・積木やブロックなどが積めない・クレヨンでぐるぐるとした曲線が描けない・簡単なごっこ遊びが難しい・スプーンを使えないなどの不器用さがある・運動面・知的面含め全体的に発達の遅れがみられる※上記は一例です知的障害(知的発達症)のある子どもには以上のような様子がみられることが多いと言われていますが、軽度知的障害(軽度知的発達症)の場合は学齢期までは目立った兆候が表れないことも珍しくありません。また、子どもの発達は個人差が大きく、上記のような様子がみられたからと言って必ず知的障害とは限りません。子どもの発達について不安がある方は、自己判断せず専門機関に相談するようにしましょう。参考: 0歳児から2歳児の発達過程|東京都教育委員会参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版知能指数(IQ)を測るための検査として知能検査があります。検査の種類ごとに受けることができる年齢が異なっていますが、その中で2歳から受けることができるものもあります。代表的なものの一つは田中ビネー知能検査で、2歳から受けることが可能です。もう一つはWPPSI(ウイプシイ)知能検査で、2歳6ヶ月から受けることができます。知能検査の結果は知的障害(知的発達症)の診断や療育手帳の取得のために使用されるほか、得意や苦手な領域が分かるため子どもへの関わり方や支援の参考としても活用されます。知能検査が受けられない場合には、新版K式発達検査を受けることもあります。知能検査・発達検査は発達外来を行なっている小児科、児童精神科などの医療機関、自治体の教育支援センター、民間の実施場所などで受けることができます。参考:知能指数 / IQ(ちのうしすう)|e-ヘルスネット参考:田中ビネー知能検査 V(ファイブ)|SACCESS・BELL参考:WPPSI™-III知能検査|日本文化科学社2歳頃に表れる知的障害(知的発達症)の症状チェックリストUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐに知的障害(知的発達症)と診断されるわけではありません。発達の遅れが気になる……どこに相談をすればいい?言葉をなかなか話さないなど、子どもの発達の遅れが気になる場合の相談先を紹介します。かかりつけ医子どもの発達や育児について気になる場合は、予防接種や診察で行っているかかりつけの小児科に相談してみましょう。普段から子どもの様子を見てくれているので相談もしやすいです。保健所/保健センター保健所や保健センターは自治体ごとに設置されており、保健衛生に関する業務を行っているほか、医師や保健師などの職員が子どもの発達を含めた健康相談なども行なっています。保健センターでは子どもの定期健診も行っているため、その際に相談してみてもいいでしょう。児童相談所児童相談所は18歳未満の子どもに関するさまざまな相談を受け付けている機関です。児童福祉司、児童心理司、医師、保健師などの専門的な職員がいて、子どもの発達の遅れについても相談が可能です。また、療育手帳取得のための判定も行っています。児童家庭支援センター児童家庭支援センターは家庭と子どもの問題に関する総合的な窓口として、地域に設置されている機関です。相談・支援を担当する職員と、心理的な援助を行う職員がいて、相談対応や児童相談所と連携しての対応を行っています。児童発達支援センター児童発達支援センターは未就学児に対して、日常生活や社会生活に適応するための児童発達支援を提供している機関です。そのほかにも子どもの発達に関する相談を受け付けています。発達の遅れを相談できる窓口は以上のようなものがあります。ほかにも自治体に地域の子育て相談窓口が設置されていることもあるので、身近な相談先を探してみるといいでしょう。まとめ2歳頃になると、子どもは簡単な挨拶や積み木遊びなどをし始めます。しかし、知的障害(知的発達症)の子どもの場合は、発話や言葉の理解、手を使った動作などに遅れがみられる場合があります。ただ、子どもの発達には個人差が大きいため、このような様子がみられたからといって知的障害(知的発達症)があるとは言えません。発達の遅れが気になる方は、かかりつけ医や保健センター、児童相談所などに相談してみるといいでしょう。知能検査や発達検査を受けたいと考える場合も、医師や保健センター、児童相談所などに相談をしてみましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月29日花粉症(アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎など)の原因とは?子どもの花粉症が増えている!?花粉症の原因は、スギやヒノキなどの植物の花粉(抗原)が体内に入ることで起きる抗原抗体反応です。花粉を体内に取り込むと、それを排除するために抗体(IgE抗体)がつくられます。その抗体が蓄積されると、花粉と反応することによって「ヒスタミン」などの化学伝達物質が産生され、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎などを発症します。代表的な症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどですが、頭痛や肌荒れ、熱っぽさ、のどの痛みといった症状もみられます。近年、大人だけでなく子どもの花粉症も増えているといわれています。この原因として、花粉の飛散量の増加や食生活の変化、空気汚染の悪化などとの関連が指摘されていますが、明確にはなっていません。ハウスダストアレルギーなど、すでにほかのアレルギーがある子どもは、花粉症にもなりやすいということが分かっています。参考:「花粉症環境保健マニュアル2022」|環境省参考:アレルギーについて|国立成育医療研究センター子どもの花粉症(アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎など)、検査や治療にはどんな方法がある?花粉症の症状は、風邪の症状との区別が難しいこともあります。診断は、問診(症状が始まった時期や持続期間、症状、ほかのアレルギー疾患の有無や家族歴の有無など)、血液検査・鼻汁検査(お子さんの負担を考えて行わない場合もあります)などを行い、総合的に判断されます。花粉症の治療には、大きく分けて対症療法、根治療法があります。対症療法は、点眼薬や点鼻薬、内服薬のほか、抗IgE抗体治療薬の注射やレーザー治療(重症例のみ)などがあります。根治療法は、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法、皮下免疫療法)などがあります。どのような治療が受けられるのかは病院によっても異なりますので、耳鼻咽喉科や小児科などに問い合わせてみましょう。参考:大久保公裕(日本医科大学耳鼻咽喉科)監修『的確な花粉症の治療のために(第2版)』平成22年度厚生労働科学研究補助金 免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業 公益財団法人日本アレルギー協会事業より|厚生労働省花粉症(アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎など)と発達障害の関係は?花粉症(アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎など)と発達障害には直接的な関係はありませんが、感覚過敏などの特性により症状が悪化したり、逆に花粉症の症状の影響から精神的に不安定になったりすることも考えられます。・感覚過敏でマスクがつけられない、どうしても薬が飲めないなど・花粉症の症状でイライラしやすいなど・不器用さから鼻がうまくかめないなど病院で治療を受けるだけではなく、花粉の飛散量が多い日にはできるだけ外出しない、帰宅前に衣服や髪についた花粉をよく払う、洗顔やうがいをする、掃除をこまめに行うなどの工夫で、花粉との接触を減らし、花粉症の症状を軽減できる可能性があります。花粉症の薬を飲まない、マスクを嫌がる、かゆみでイライラ、鼻がかめない……発達障害や発達に特性のある子どもへの対処法【医師QA】ここからは、小児科医の室伏佑香先生に、発達障害や発達に特性がある子どもの花粉症についての質問にお答えいただきます。(質問)子どもにASD(自閉スペクトラム症)と花粉症があります。薬を処方してもらおうかと思ったのですが飲みたくないの一点張りです。服薬以外の対応方法はありますか?(回答)内服薬以外のお薬には、鼻水や鼻づまりの症状を緩和してくれる点鼻薬(鼻に噴霧して使用します)や、眼のかゆみの症状を和らげてくれる点眼薬などがあります。ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんは、感覚過敏があることも多く、薬物治療を嫌がる原因の一つともなりえます。花粉症の治療に関わる感覚として、口腔内感覚(内服薬の味や風味、食感など)、嗅覚(薬のにおい)、鼻腔内の感覚(鼻腔内噴霧の刺激)、眼表面の感覚(点眼による刺激)、触覚(薬の投与のために介助者が体を押さえることによる刺激)などがあげられます。人それぞれに苦手な感覚が違いますので、お子さんが許容できるお薬を選べるとよいですね。内服薬を選択する場合も、内服回数の工夫(1日1回の内服でよいものもあります)、剤型の工夫(粉薬や一般的な錠剤以外に、OD錠と言ってラムネのように口の中で速やかに溶けて服用できる錠剤などもあります)、味や食感の工夫(薬によって味や食感も違いますので数種類試してみるのもよいでしょう)などを、お子さんと相談しながら行い、できるだけ苦痛を減らしてあげたいですね。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもにASD(自閉スペクトラム症)があり、感覚過敏の特性からマスクを嫌がります。無理につけなくていいとは思いますが花粉の季節は顔全体がかゆそうでイライラしています。どのように対応したらよいでしょうか。(回答)お子さんがマスクを嫌がってしまうというご相談はよくいただきます。花粉症の症状のせいでイライラしているのに、その上にマスクによる苦痛な感覚にさらされ、余計にイライラしてしまいますよね。かゆみを含めた花粉症の症状については、内服薬や点鼻薬、点眼薬による治療で軽減することもできます。お子さんにとって許容できる感覚、許容し難い感覚は異なりますので、お子さんと相談しながらより許容できる方法を選んでいくことができたらよいですね。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもに不器用さがあり、小1になってもうまく鼻がかめません。鼻がうまくかめるようになるコツや声掛けなどあれば教えてほしいです。(回答)鼻をかむ動作、なかなかコツを掴めないということも少なくありません。大人が鼻をかむ動作を見せても、空気は目に見えないので分かりにくいですし、お子さんは鼻から空気を出すという動作自体を意識して行うことも難しいためです。まずは、鼻から空気を出す練習として、ティッシュなどの目に見えるものを鼻息で吹く練習をしてみましょう。その時には口をしっかり閉じて行うということがポイントです。これができるようになったら、ティッシュを鼻に詰めて鼻息で飛ばす練習をしてみましょう。片方の鼻の穴に、軽くこより状にしたティッシュを詰めます。この時、ティッシュをちぎって小さな丸い塊にするのではなく、一枚のティッシュの端をこより状にしていただくことで、鼻の中にティッシュが入ってしまって取れなくなってしまうことを防ぎます。次にティッシュを詰めていない方の鼻の穴を指でふさぎます。しっかり口から息を吸い込んで、勢いよく鼻から息を出してティッシュを吹き飛ばす練習をします。これらの練習は、お子さんと楽しくゲーム感覚で取り組める工夫ができるとよいですね。Upload By 発達障害のキホン(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月28日太郎が自宅で過ごす場所ASD(自閉スペクトラム症)の太郎は、主に2つの部屋で過ごしている。1つは学習用品を置く場所で、ばあばと共同の部屋。もう1つは完全に太郎専用の部屋で、太郎の好きな物がたくさん置かれている部屋だ。そこに、勉強机とパソコンも設置されている。ちなみに太郎の寝室はまた別の部屋であり、完全に1人の寝室である。Upload By まゆん太郎専用の部屋を用意した理由太郎専用の部屋は、プライベートを大切にさせたいと思い、太郎が9歳の頃に用意をした。最初の頃、太郎はあまり利用していなかったが、徐々にブロックや駒で遊ぶ場所として、思考が停止した時などの切り替え部屋として利用する時間が長くなっていった。ばあばと共同の部屋は6畳の小さな部屋であり、テレビも置かれている。なので広いリビングよりも家族全員がそこに集まってテレビを観ることもある。太郎はそこで宿題をする日もあれば、もっと集中力を高めたい時などはもう1つの太郎専用の部屋に移動して宿題をしている。太郎専用の部屋は5畳と狭いが、逆にその閉塞感が太郎には落ち着くのではないかと推測している。長い時では1日の半分をその部屋で過ごし駒を回したり宿題をしたりねんどで何かを作成したりして過ごしている。環境調整には第三者が必要太郎は集中しすぎてお腹がすいていることに気づかないことがあるので、私から声かけを行うことも多い。また、寒い日でも遊びに集中しすぎてエアコンもつけずに半袖で数時間遊んでいることが何回もあった。身体は冷たくなっていたが本人は鈍感なのか「寒くない」と言っていた。逆に夏の暑い日も集中しすぎてエアコンをつけずに汗だくで遊んでいたので、私がこまめに気をつかい、エアコンの状況を見に行くようにしている。環境や服装の調整も難しいのだなあと感じる日々だ。Upload By まゆん小学校の頃、太郎は特別支援学級に通っていて、教室の中には切り替えの場所が設けられていた。教室の隅にパーテーションで狭く区切られた2~3畳ほどの広さの空間には、ブロックや跳躍器具、本などが置かれていた。そして机は、一人ひとり隣が見えないように仕切りが立て付けられていた。Upload By まゆんわが家はそれを意図していたわけではなく、たまたま部屋があっただけだが、太郎には良い環境になっているのではないかと思えている。以前は分からない宿題があればすぐに私や祖母にヘルプを出しに来ていたが、最近はそういうことが減った。部屋に引きこもってなにやら集中力を高めている(のか、何をしているのか……)。空調の調整は、温度計と湿度計を部屋に置き、それを確認しつつ太郎の感覚と意見を確認しながら行っています。太郎はだいたいが「NO」とは言わないため、結果的に私の判断で調整することが多いです。いまだに、自分で時と場合に応じた服選びも行いません。したくないから行わないのではなく、環境に応じた服選びというものが難しいようです。寒いから厚手の服を着る、暑いから冷房をつけるなど物事と物事を結びつけることも苦手としているようです。以前、専門家の方から受けた社会的年齢の低さの指摘はこういう日常生活を1人で行えるのか?というところからの指摘でもありました。4月からは中学3年生。先のことをいろいろ考えています。(執筆:まゆん)(監修:鈴木先生より)温度環境に応じた服選びが難しい場合、温度帯ごとに服を並べてその中から選ばせるという支援方法があります。例えば室温が17℃なら15℃から20℃の間にある服を着て、外が8℃なら外出するときは5℃から10℃の間にある服を選ぶということです。気温の数字を見える化し、視覚的に訴える方法です。また、知的障害のあるお子さんには感覚鈍麻の傾向がみられることもあります。もし気になる保護者の方がいらっしゃいましたら、IQ検査を受けてみるのもよいと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月28日不登校になったASD(自閉スペクトラム症)、DCD(発達性協調運動症)の小2息子Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談8歳の息子は3歳でASD(自閉スペクトラム症)、DCD(発達性協調運動症)と診断を受けています。小学校2年生の春から登校渋りが始まり、だんだん登校できる日が減って3学期にはほぼ不登校状態になりました。ごくまれに頑張って登校をしてみても、すぐに具合が悪くなり、保健室で寝ている息子をお迎えに来るようにという要請の電話が学校からかかってきます。DCD(発達性協調運動症)の書籍を読み「僕も体育の時間は地獄なんだ」と話し、学校でお腹が痛くなったことがトラウマになり「また同じことがおきたらどうしよう」と布団からでてこなくなることもありました。母子登校や特別支援学級への転籍を勧めても「母子登校は恥ずかしい」「今のクラス(通常学級)のままがいい」と断固拒否……。息子は感覚過敏などは大きいと思いますが自閉傾向は比較的少なく、知的障害(知的発達症)ではないので、福祉にもつながりにくく、将来は自分で稼いで生きていかねばならないと思っています。無理に登校させることは避けさせたほうが良いと書籍やテレビ、発達ナビのコラムでも読んで頭では理解はしています。でも本当にそれが息子のためになっているのか確信がもてません。甘やかしているのではと、不安になります……。行き渋り、不登校の不安に専門家が回答!Q:つらい気持ちは分かるから無理はさせたくない、でも平日の昼間から自宅でしょんぼり過ごしている息子を見ると不安に……親にできることはある?A:行き渋りや不登校というのは、お子さんと学校との関係性の中で生じているとも言えます。なので、家庭でだけ何かしたところでお子さんにとって、学校という環境はつらいままです。家庭でできること、学校に関して働きかけができることをそれぞれやっていく必要があります。まずは担任の先生と面談できるとよいでしょう。学校でのお子さんの様子をうかがいましょう。家でお子さんが語ること、家での様子を保護者から学校に伝え、両方の話をすりあわせながら、どのように学校で過ごしたらつらくなさそうかについてさまざまな案を持てると良いと思います。そのうえでお子さんと話をしましょう。例えば、お子さんが登校したいという気持ちがある場合、基本的には、できるところから、つらくない程度から参加できそうなものに参加することを目標とし、1つずつ「できたね、つらくなかったね」を積み上げていくような関わりになります。このお子さんの場合、学校でのさまざまな苦戦があり、身体症状が出たり、(お母さんが一緒がいい、でも実際には恥ずかしいから一緒じゃなくていいなど)心細くなったりしています。学校での苦戦に関して、担任の先生らと相談しながら環境調整や合理的配慮ができるとよいでしょう。お子さんが学校は(現時点で)しばらく行かなくていい、もう行きたくないという場合には、学校との関わり方(担任の先生とどのくらいの頻度で保護者もしくは本人が会うか、お便りや配布物などの扱いをどうするかなど)を改めて担任の先生などと検討します。また、日中の過ごせる場所として地域の教育支援センターやフリースクールなどを検討するのもよいでしょう。そうはいっても、実際に家でしょんぼりしているお子さんにずっと対応していると保護者の方の気持ちも落ちてくるものですし、担任の先生らと話し合うにしても多少は緊張され疲れる面もあるでしょう。そういう保護者の不安、負担感といったところを例えばスクールカウンセラーや地域の教育相談室などで相談すると、両者の架け橋になってくださったり、保護者の気持ちの整理を手伝ってくださったりすると思います。Upload By ユーザー体験談Q:負荷をかけすぎて発達障害の二次障害などが起きてしまったらと思うと受容と甘やかしのさじ加減がつかめない。将来は自立してほしいと思っているけれど……。A:まずはお子さんの声を中心に支援を組み立てましょう。保護者や学校が良かれと思ってあれやこれやと作戦を練って対応すると、ときどきお子さん本人の意志や意向が置いてけぼりになることがあります。これまで学校生活の中でたくさん苦戦してきたがゆえに、行き渋りや不登校を呈しているという状態なのであれば、もしかしたらまずは休養を取るところから始まることもあります。「先生にもお願いして環境を調整したから、さあ学校に行きなさい!」とすぐに切り替わるものでもないのです。これまでのつらさを癒す時間も必要かもしれないと理解しつつ、しかし、一方で、失敗したり大きく傷ついたりすることなく頑張れそうな手頃な選択肢(例えば好きな授業にだけ出る、数時間だけ授業に出るなど)も用意しておき、本人の気が向いたらチャレンジできるようにしておくなど、動き出せそうなときには動き出せる道があり、休むときには休む道がある、そんな状況を作れると良いでしょう。大事なことは、「できた」「大丈夫だった」の積み重ねでしか成長はしないということです。成長は負荷をかければするというものではありません。できそうな何かがあって、取り組んでみて、実際できるから成長するのです。負荷をかけるかどうかというのは大人が考えることではなく、うまくいっていることが続いて、本人が「もっとやってみたい」と思ってはじめて、少し負荷をかけてみようかという話になります。お子さんが行き渋りや不登校の場合、将来に関しての漠然とした不安についてを相談場面などで保護者の方はよく語られます。このあたりはお子さんとの間で解消しようとしないことがまず大事です。保護者が感じる将来の不安(「このままじゃ将来生きていけないよ」など)をくれぐれもお子さんには話さないでください。自分の将来がどうなるかなんて子どもには分かりませんし、そうした言葉のインパクトは強く、まるで呪いのようにお子さんに伝わることもあります。お子さんには自分の未来は明るいと感じていて欲しいところです。だからこそ、そうした将来への不安等の話は大人の間で扱ってほしいと思います。担任の先生はお子さんの今の生活を支えてくださるパートナーですが、もう少し長期的な視点で相談ができそうな相手としてスクールカウンセラーや地域の教育相談、教育支援センター、また不登校のお子さんの親の会などでそのあたりを話題にするとよいでしょう。進路についての情報を正しく知るだけで、この先どうなっても大丈夫だなと感じることができることもあります。お一人で情報収集していると、ネット上の情報が玉石混交なため不安も増大するかもしれません。ぜひ相談機関を活用していただければと思います。Upload By ユーザー体験談(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月27日毎日の通学、クラスメイト、教壇に立つ先生、ぜーんぶなし!17歳のわが家の娘いっちゃんが通っているのは、生徒数が多いことで有名なある通信制の高校です。登校して授業を受けることもできますが、いっちゃんは、ASD(自閉スペクトラム症)に加え、非24時間性睡眠覚醒症候群と呼ばれる睡眠障害もあるため、日中登校することが難しく「通信コース」と呼ばれる完全在宅のコースに在籍しています。在宅なので、通学・クラスみんなで一斉に座る机・目の前にいる先生……など、学校と言われて思い浮かべる光景は当然ありません。「さーて、やるかあ」と言って、パソコンの前に座るだけです。Upload By 寺島ヒロオンラインでのリアルタイム授業やメタバースHRも!普段の授業は、録画ビデオを見てレポートを提出する形式で行われますが、週に1~2回程度、オンラインやメタバースを使ったリアルタイムの授業やHRもあります。その日に授業を受けられない場合は、あとでアーカイブを見ることもできます。アーカイブは大体動画サイトにアップロードされるのですが、視聴可能な人を生徒用アカウントに制限し、アクセスを管理しています。この柔軟な授業形式は、いっちゃんにとっては良い環境のようで、今のところ大したつまずきもなく、着々と単位を取得しています。予定変更に弱い特性のある子には意外と良い!?録画授業録画ビデオでの授業は、すでに用意された授業を公開するシステムなので、予定は早めに(1学期の分が2月中には!)全て提示されます。余程のことがなければ時間通りに実施されるため、急な予定変更に不安を感じやすい娘には大変都合がいいみたいです。Upload By 寺島ヒロゲームのクエストのように次の課題を教えてくれるまた娘の学校では、生徒用アカウントと共に「マイページ」と呼ばれるシステムがWeb上にあり、まるでシミュレーションゲームのホーム画面のような分かりやすいUI(ユーザーインターフェース)で、取得した単位や授業内容をいつでも確認できるようになっています。それはまるでロールプレイングゲームで次のクエストを確認するような感覚。「次に何をやればいいのかな?」と迷いがちな娘には大変うれしいシステムなのです。イベントは数多く、課外授業も充実しているけれど……娘の通っている高校は生徒数がとにかく多いので、さまざまなイベントや課外授業が毎日のように開催されています。学校が主催するものはもちろん、生徒会、部活、生徒の有志が主催になるものもあります。いっちゃんは、イラストやデザインの課外授業やイベントに積極的に参加しています。ただ実際は、こういうイベントが好きでいろいろ参加しているという人は、生徒さんの中では少数派なのではないかと思います。課外学習とか、学校全体で2万人も生徒がいるのに30人とかの募集ですしね……。そのあたりは、やはりどこかに集まって何かをするということが難しい通信制の一面が表れているのかもしれません。同調圧力をかけられるのも、かけるのもキライ!な娘しかし、いっちゃんは「集まらないからこそ、クラスメイトの『やりたくない』という雰囲気に巻き込まれることなく、自分の好きなことに好きなだけチャレンジできるから良い」と言います。「逆になんか私がやる気になって、それほどでもない人が協力してくれるみたいになるのも嫌だ」「やっても良い、やらなくても良いって雰囲気だから楽」なのだそうです。人目があると伸びる人、縮む人人目があったほうが頑張れる、人目があるから勉強しなければいけないと思えるという人もいますが、人目があると遠慮してしまう、思うように行動できないという子もいます。うちでは娘がそうでした。Upload By 寺島ヒロ通信制高校というと、就職率が……とか、大学進学率は……とか、気になる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、通信制の学校というものを、そういう「縮むタイプの子」が伸びる(かもしれない)場所として捉え直してみても良いのかもしれないと私は思います。執筆/寺島ヒロ(監修:室伏先生より)通信制高校の日常のリアルを共有してくださり、ありがとうございます。通信制高校を希望される方も増えていますので、通われている方の生の声はとても貴重な情報です!通信制高校は、基本的には遠隔で行われる授業を元に自身で学習を進め、レポートやスクーリング、テストなどにより単位を取得していくというスタイルをとっています。自分のペースで学習を進めることが苦手な方にとってはデメリットとなってしまう懸念もありますが、いっちゃんにとっては、人目を気にせずに自身の能力を伸ばす場所になっているだけでなく、自己管理能力をさらに鍛える機会になっているようにも思います。実際に登校すべき頻度や、イベントや課外活動の活発さなどは学校により異なりますので、ご自身の希望に合う学校を見つけられるとよいですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月27日スキルアップを目指し転職!境界域の息子の育児と両立できると思っていたけれど……私は息子が生まれる前から正社員として働いていました。私は仕事が好きで、プライベートでも仕事のことを考えている傾向があり、今後の人生もずっとそう過ごしていくんだと思っていました。そんな中、息子が年少の終わり頃に「もっと経験を積んで成長したい」という思いが湧き、年中の春、別の会社に正社員として転職しました。年少のときの検査で息子のDQ(発達指数)が80で境界域であることは分かっていたのですが、こども園に楽しく通ってくれていたので、特に不安は感じていませんでした。ですが転職後、すぐに問題が起きたのです。「もうこども園に行きたくない」突然始まった登園渋りUpload By ユーザー体験談息子は、園で仲良しの男の子「Aくん」と2人で遊ぶことが多かったのですが、年中になるとAくんに「ほかのお友達とも遊びたい」という意欲が芽生え始めました。Aくんとの交友関係は広がっていく一方で息子は「Aくんがもう僕と遊んでくれなくなった」「Aくんは僕のこと嫌いなんや」とネガティブモードに……。私も担任の先生も息子に「『僕も仲間に入れて』とお友達に働きかけてみたら、楽しく一緒に遊べるよ」と伝えていたのですが、「どうせ僕は仲間外れだし」と言うばかりで、一人で過ごす時間が増えていたようでした。そして、「もうこども園に行きたくない」と言うことが増えていってしまったのです。脳みそがフル回転!仕事に頭が回らない……。発達に特性がある子どもの育児と仕事の両立はとてもとても大変で……転職直後だった私は、それまでに培ったスキルが思った以上に生きず、周囲からの風当たりも強く、精神的に追い込まれていた時期でした。20代、30代の転職では、苦労しながらも適応できていたので今回も乗り越えられるだろうと思っていたのですが、よく考えたら、20代・30代で転職したときは独身で、プライベートのすべての時間を仕事に全投入していた状態。今とは全く環境が違いました。仕事と育児を両立させようとして強く感じたのは、息子のように特性がある子どもの子育てをしていると、注意しておかなければならないことや、知恵を絞らなければならないことが特に多いということです。例えば、息子と過ごしているといつも先回りしていろいろなことを注意、準備しています。「服や靴が濡れるのが嫌いな割に水たまりに入りたがるので、替えの靴下や着替えを用意しておかなければならない」「急な予定の突然の変更を嫌って大騒ぎするので、外出の際には事前に行き先を決めて伝えておかなければならない」「何かに執着して癇癪を起こしたときは、別の好きなもので気を逸らさなければならない」常に「あれをこうしなきゃ……!」と頭はフル回転です。Upload By ユーザー体験談また、年中になった息子は「○○くんが意地悪する。僕のことが嫌いなんや」「○○ちゃんが僕のことを笑ってくる。僕を馬鹿にしてる」といった被害妄想的な発言が増加。ですが、園の先生に確認したり、お迎えのときの様子を見たりしていると、実際にはそんなことはなく、お友達は息子を手伝おうとしてくれていたり、仲良くしようと冗談を言いながら声をかけてくれていたりしている様子で、息子はそうした子たちの行動を誤解しているようでした。息子がそうした被害妄想を主張してきた際には、まずは息子の話に耳を傾け、なぜそう思うのか、何が嫌だったのかを聞き取って、「お友達は○○くん(息子)を手伝おうとしてくれていたんだよ。○○くん(息子)のことが好きだから、そうしたんだよ」などと修正はしましたが、一回で話が通じることはまずないので、同じことを何度も伝えてみたり、言い回しを変えてみたり、園の先生にも相談したり、試行錯誤しました。これが私の転職の時期と重なったので、本当に大変でした。頭のリソースはほぼ息子への対応に割かれてしまっている状態で、一日が終わる頃にはグッタリ。息子が寝てから持ち帰った仕事をする体力を無理矢理振り絞り出していました。Upload By ユーザー体験談このような生活をしていたら、心身共に病気になってしまう……。40代で子育て中の私にはこのやり方はもう無理だ……と悟りました。私は思い切って転職した会社を入社2ヶ月で辞め、働き方をフリーランスに変えました。ともかく息子と向き合う時間を増やしたら……フリーになってからは、今の息子と向き合うことを第一に考えました。まずは、仕事に割く時間を大幅に減らしました。お迎えの時間も以前より1~2時間早くできたので、その頃を境に、イライラしがちで常に自信なさげでネガティブ発言が多かった息子は穏やかになり、コミュニケーションが取りやすくなりました。また半年ほどたつと、ようやく息子の交友関係も広がってきました。もともと仲の良かった男の子が遊びに誘ってくれるようになったり、別のお友達が声をかけてくれるようになったりし、ほかのお友達と遊べるようになりました。また、ちょうど小学校の進級先を考えないといけない時期だったこともあり、こども園の先生や発達支援センターの専門員さんと相談をしたり、小学校の見学に行って話を聞いたり、私自身も子どもの発達についていろいろな本を読んで勉強したりといったことに時間をかけられました。正社員の肩書きを手放すことになったのは痛手ではありましたし、うまく適応できなかった自分をふがいなくも感じましたが、完全に心身の健康を損なう前に辞められて、ほっとしたというのもあります。「これが今の私なのだ」ということを受け入れて、今の自分に合った働き方を模索しようと思いました。Upload By ユーザー体験談これでよかったんだと納得できた。せっかくの人生、与えられた状況を味わい尽くしたい!正直、会社員時代に貯めた貯金がものすごい勢いで減っているのは不安でしかありませんが、必要な時期に息子にしっかり向き合えたという納得感はあります。この4月から息子は小学生なので、まだ当面は子育てに余力を残しておける働き方を続けたいと思っています。もちろんいろいろな働き方があると思いますが、私の場合はこの転職の失敗で、今の自分には以前と同じやり方がもう通用しないのだと分かったので、会社員時代の貯蓄がなくならないうちに無理のない範囲で一定の金額を投資に回すための勉強をするとか、これまでとは別の視点からいい方法を探していかないととも思っています。そういう意味で、自分のキャリアに関しては「一から出直し」の時期なのかもしれません。20代~40代前半の間、私は仕事が好きで、プライベートでも仕事のことを考えている傾向があって、今後の人生も自分はずっとそうなんだと思っていました。ですが、転職と息子の育児を機に、知力と体力を仕事に全投入するといった自分のこれまでのやり方に限界を感じました。働き方については、まだまだ改善の余地がありそうですが、息子への関わり方に関しては、いろいろな支援とつながれたことで視野が広がったことは大きな経験です。自分のキャリアについても、子育てについても「せっかくの人生、与えられた状況をいかに味わい尽くすか」は一つのテーマのような気がしています。子育てで一番大切なことは親の健康(心身の)ではないかと思うので、まずはそこを守りつつ、息子にとっても自分にとっても良い形をもう少し試行錯誤したいと思います。イラスト/カタバミエピソード参考/苗(監修:藤井先生より)息子さんとの関わりを考える中で、育児と仕事のバランスを整えられた経験のコラムをありがとうございます。子育てとキャリアアップの時期が重なったために、お子さんのために仕事を辞めたほうが良いでしょうか、と外来で質問される方もいらしゃいます。私自身も3人の子どもを育てながら仕事をしておりますので、悩むお気持ちは想像ができます。しかし、バランスの取り方はお子さんの様子、親御さんのいる環境などによってさまざまですので、明確な正解は分かりにくく、迷いながら探っていくしかないかなと思っています。何よりも大切なのは、お子さんと親御さんの関係がこじれないこと、親御さんが心身共に疲弊しないバランスを探ることです。それを軸に、これからも子育てをしていけたら良いですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月26日いよいよ発達相談。悩める母の救いの手となるか!?保健師さんによる発達相談……相談したいことだらけ、分からないことだらけで毎日闇の中を手探りで進んでいた私たち親子にとって、唯一の救いの手のように思えました。この子の未来を、私たちの毎日を明るく照らせるような方法を、道を教えてほしい……。わらにもすがる思い、だったんです。その時は。Upload By よいこ「この子は普通の幼稚園で大丈夫なんでしょうか?」「家でできる療育はありますか?」 相談室に通されるなり矢継ぎ早に質問した私にも問題はあったのかもしれないし、今思えば無責任に答えられない側面はあったのでしょう。Upload By よいこけれど、対応してくれた保健師さんは戸惑いながら「それはちょっと分かりませんね」「あまり分かりませんね……」を繰り返すばかり……。のれんに腕押し感というか、発達相談に来た意味とは?と思わざるを得ませんでした。発達相談に来た意味はあったの?とりあえず児童精神科の予約を取ったけれど……思うような答えを得られないまま、発達相談の時間は終わりに近づいていました。保健師さんのすすめで、とりあえずその場で児童精神科の予約を取りました。半年後の……。いや、そこまで何もできず手をこまねいているのか!?こんなに不安を煽っておいて放置とかちょっと……。と軽い苛立ちと焦りを抱えつつ、結局ほとんど何も相談できずに発達相談を終えたわけです。この時の心境は……割と絶望寄り。あら、もしかして誰に聞いてもこの解像度?私の不安や苦しみってすくい上げてもらうことはできないの?言葉を尽くして説明しても伝わらない?響かない?……発達相談への期待が大きかった分、失望も大きかったんですよね。Upload By よいこ大きな失望の中、かかってきた一本の電話。そんなこんなで一週間ほどモヤモヤした気持ちのまま過ごしていたところ、一本の電話が鳴りました。それは前回とは異なる保健師さんからの電話でした。曰く、「あーくんの様子をお聞かせいただきたいので、一度お宅に伺ってもよろしいですか?」そう、保健師さんによるお宅訪問の予定伺いだったのです。「そんなのあるんだー」と承諾はしたものの、私の本当の気持ちは、めんどくさい、嫌だなあ……でした。そもそも前回の発達相談で、保健師さんに対して期待を裏切られたと感じていたので、何か解決策が得られるとも思えず、片付けるのも手間だし……と後ろ向きになっていたからです。でもまあ仕方ない。来るものは来るのだから。と半ばヤケクソ気味で迎えた保健師訪問。まさかこの時はこれが救いの一手になるとは1ミリも想像していなかったのでした……!Upload By よいこ執筆/よいこ(監修:室伏先生より)よいこさん、発達相談にまつわるエピソードを共有いただき、ありがとうございます。親御さんとしては、発達の今後の見通しや通園に関すること、療育に通う必要があるのか、どんな療育が合うのか、ご自宅でお子さんに対してしてあげられることは何か、とっても知りたいですよね。よいこさんがされていたご質問は、発達外来でもよくご質問いただく内容です。そこで、分からないですね、お答えできません、ひとまず様子をみましょう、という返答ばかりでは不安になってしまいますよね。確かに、これらのご質問のお答えはお子さんによって異なりますので、発達外来の医師であってもお会いさせていただいたばかりでこれらの質問にお答えさせていただくことは難しいかもしれません。でも、その疑問の答えをどこで聞けるのか、今何かできることがないのか、そして今後のおおまかな方針だけでも聞くことができたら、安心できたかもしれませんよね。発達外来では、まずは親御さんのご質問内容をお伺いした上で、お子さんの評価を行い、それからご質問にお答えをさせていただくようにしています。とはいえ、この評価にはそれなりに時間がかかります。親御さんから困りごとや生活のご様子、これまでの発達のご様子をお伺いして、実際にお子さんのお話している様子や遊んでいる様子を観察し、診断、見立てをしていく必要があるからです。ですので、受診していただいた当日にはクリアな回答をお出しできずに、複数回の診察を重ねて少しずつお答えさせていただくことも多いです。保健師さんの訪問がどのようによいこさんを救ってくださったのか、よいこさんがまた別の機会に書いてくださるのを楽しみにしていますね。前の記事はこちら
2024年03月26日ADHDだけど公立中学校に通っているコウですUpload By 丸山さとこ現在中学生のコウは、神経発達症(発達障害)があります。ADHDの特性から話の聞き漏らしや忘れ物が多かったり、ASDの特性によりコミュニケーションでつまずくことがあったりします。そんなコウが現在通っている中学校はごく一般的な地域の公立中学校です。それについて、コウの神経発達症のことを知る人からは「どうして中学受験しなかったの?」と聞かれることがあります。初めてそのように理由を聞かれた私が感じたことは、「え!?中学受験って『しなかった理由』を聞かれるものなの?」という驚きでした。Upload By 丸山さとこわが家の地域では、大半の小学生は中学受験をしません。自宅から通学できるエリアに私立中学校と公立の中高一貫校が、併せて20校ほどしかないからです。受験を経験する小学生は、1つの小学校の1学年に1~3人いるかどうかだと思います。そのため、中学受験を選んだ家庭が『する理由』を聞かれることはあっても、中学受験をしない家庭が『しない理由』を聞かれるということは、わが家の地域ではまずありえないことなのです。とはいえ、全国的に見れば今や中学受験は珍しい選択肢ではないことも分かります。都市部の私立中学校や公立中高一貫校の数はとても多いですし、東京に住む友人からは「クラスの約半数が中学受験をしてる感じだよ」と聞いたことがあります。ほかの都市部に住む友人の話を聞いても、一学年の生徒の内1~3割は中学受験をしているようです。地方在住の小学生であっても、選択肢に入り始めた「中学受験」このような理由で、中学受験が全国的には珍しくないものだと知りつつも「うちには関係ないかな」とフワッと考えていたコウと私でしたが、小学校高学年の時には「中学受験も視野に入れたほうがいいのかな?」と迷ったこともありました。ケースワーカーさんから「中学受験をするのも選択肢の一つです」と、提案していただいたことがきっかけです。ケースワーカーさんは、地域の状況についても「課題の未提出や聞き漏らしの多い小学生で、かつ学力が高い場合は、私立中学校を選ぶ家庭が増えています」と詳しく教えてくれました。Upload By 丸山さとこ中学受験の悩ましいところは、「しなくてもいいものだけれど、『したほうがいい理由』はある」ところだなと私は思います。しなければならないことであれば迷う余地はありませんが、地域の公立中学校に通うこともできるため、積極的に選ぶには動機の後押しが足りない状況ではあります。とはいえ、高校受験には内申点が影響してきます。課題の提出や話の聞き取りに心配があるコウが、公立中学の通常学級に入学しても大丈夫なのか。(内部進学にある程度の内申点は必要だろうけれど、高校受験がない)中高一貫校を選択した方がよいのではないか。中学受験は『したほうがいい理由』もハッキリしていました。中学受験をするべきか、見送るべきか……「どっちでもいいよ~」と言うコウの意見を受けて夫と2人で考えたものの、なかなか答えは出ませんでした。Upload By 丸山さとこ「学校見学に行く?」と提案しても、「しんどいし、家でノンビリしたいから今はいいかな」と言うコウです。そんな彼を見ているうちに、私は「地域の公立中のほうがよいのかもしれない」と考えるようになりました。当時のコウは気力体力共に低い状態が続いており、小学校に対しても「行きたくない」と登校渋りが見られていたためです。これまで家庭学習をほとんどしていないコウが受験勉強をすることは負担が大きいだろうと感じました。仮に合格したとしても、毎日バスや電車を乗り継いで遠くの私立中学校に通うことを考えると、その通学時間の長さもコウにとっては負担になるのではないかと感じました。「もしかしたら」は尽きないけれどもしかしたら、中学受験に乗り気ではなかった当時のコウも、車で学校見学に連れて行ったら「ここに通いたい!」という意欲が湧いたかもしれません。そうして、中学校生活に対して「こういう学校生活を送りたい」「こんな学びをしたい」というコウからの強い要望が生まれたとしたら、中学受験を選択していたかもしれません。Upload By 丸山さとこですが、毎日家でダラダラごろごろと過ごしていた当時のコウに受験勉強をさせようとしたら、かなり大変だっただろうと思います。学習時間やモチベーションのアップダウンに振り回される毎日が目に浮かびます(実際に、現在高校受験でそうなりつつあります)。仮に中学受験に合格したとしても、私立中学に通っているコウが登校渋りを続けたとしたら、心の狭い私は心配しつつも「高い学費を払っているのに!?」などの思いを隠し切れなかったかもしれません。そこのところ、公立中学校は通うのに時間もお金もかからないため、コウの朝の支度がダラダラしていようが「眠い~、今日学校休もうかな~」と床に突っ伏していようが、広い心で「そっか~、お母さん仕事あるけど、1人で寝ていられる?」と聞くことができます。Upload By 丸山さとここうして、わが家なりの理由によって、コウは地域の公立中学校に通うことになりました。入学前の予想通りに聞き漏らしや忘れ物が多い状態のまま、もうじき中学3年生への進級を迎えようとしています。高校受験のための内申点のことを考えると胃がキリキリしそうですが、毎日ニコニコと登校していくコウを見ていると「今の環境が合っているようでよかったな」と思います。コウの話を聞くと、先生方から「宿題出せよ~!」とマメに声をかけられつつも、「お前はすごいヤツだって、先生たちは知ってるからな!」と励まされていることが分かります。そんな先生方の関わりにより、コウも前向きな気持ちを保てているそうです。部活動も楽しいと言っています。(「部活動へ行くために登校しよう!」と気力を保つ日もあるようです)Upload By 丸山さとここれは、コウの通っている公立中学校が現在たまたまそのような状況にあるだけなのだろうと思います。先生方の移動や、その年度のクラスメイトのめぐり合わせによってはつらい中学校生活になった可能性もありますし、残り1年間もどうなるかは分からないと考えています。ですが、私はそこに関してはあまり心配をしていないところがあります。手を尽くしても学校という環境が合わないようであれば、いつでもホームスクーリングに切り替えてよいと考えているためです。わが家は「登校渋りや不登校のことを考えて公立中学校にしよう」と決めましたが、「リスク低減のために中学受験をして環境を整えよう」という選択肢もまた、意義のある選択だと思います。そのときどきの状況に合せて、『正しいかは分からないけれど、今はこれがいいと思える選択肢』をコウと一緒に探していけたらいいなと思います。執筆/丸山さとこ(監修:森先生より)「正しいかは分からないけれど、今はこれがいいと思える選択肢を探していく」と考えられるのは素晴らしいですね。「もしこうだったら?」とシミュレーションすることも大切かもしれませんが、それが「後悔」となってしまうと、「現在のお子さんの姿」を否定することにつながってしまうかもしれません。保護者にできることは、判断材料も体力も時間もお金も限られた中で、その時点でのお子さんにとっての最善の道をお子さんと一緒に考えることだけです。良い先生、良い部活仲間にに恵まれている今があるのであれば大正解です。もし仮に学校生活が合わずつらい環境であれば、ホームスクーリングにするのも手ですね。選択肢はいつでも複数あり、分岐点も思っているよりもたくさんあることを忘れないようにしましょう。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年03月25日「大事な書類が見つからない」「やることを忘れてしまう」発達ナビユーザーの声から新アイテム2つが誕生!第5弾では、発達ナビ「みんなのアンケート」、オンライン座談会、サンプルモニターなどを経て、「大事な書類が見つからない」「やることを忘れてしまう」というお困りごとを解決する2つのアイテムが完成しました。Upload By 発達ナビ編集部※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します商品企画のプロセスは、主に3ステップ。1.「みんなのアンケート」候補アイテム10点から「あなたの欲しいものはどれ?」とお聞きして商品化候補を絞りました。2.オンライン座談会支援者の皆さん(特別支援教育に携わる先生や保育士、放課後等デイサービスの指導員の皆さんなど)にお集まりいただき、支援者ならではの視点でご意見をいただきました。3.さらにサンプルモニターや追加アンケートで改良を重ねました。Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部ご協力くださった皆さん、ありがとうございました!それでは、新アイテム2つについて詳しくご紹介します。プリントやパンフレット、DMなど、紙類の収納が視覚的に分かりやすく色分けされた紙製の収納トレイです。A4ファイルが入るサイズで、ミニトレイも1つ付いているので、ペンや消しゴムなども収納できます。Upload By 発達ナビ編集部【商品の特徴】・色分けされた引き出しで仕分けしやすい・中身が見やすいハーフタイプの引き出し・引き出しは、反対側を表にして、すっきり見せることもできる・A4サイズの引き出しの中に入れられる、小物収納に便利なミニトレイが付いている・底面に滑り止めシールを付けて2個重ねたり、棚に並べたり、使い方もいろいろ・カットして引き出しに貼れるアイコンラベルシート付きUpload By 発達ナビ編集部「欲しいものはどれ?」のアンケートで、2番目に人気のあった「引き出し部分を色分けし、ハーフタイプで中身も見やすい引き出しBOX」(200名以上が回答)。「お手紙やプリントをどこにしまったか分からなくなる……」というお声から商品企画をスタート。具体的な商品化に向けて、追加アンケートとサンプルを試していただくモニターも募集しました。・中が見えると入れたことが確認できていい・引き出しの色は分けてあった方が本人が分かりやすく、支援者も指示がしやすい・A4の紙を入れたら手先が不器用な子が取り出しにくかった・段ボール素材なのでものを入れたときにたゆまないようになどの意見を参考に、天板の強度をアップしたり、中が見やすい引き出しの深さ、A4より少し大きめのA4ファイルが入るサイズに……などの仕様を、より使いやすくなるように調整しました。色も「青色の引き出しに〇〇を入れて」など指示が分かりやすく、お部屋にもなじむカラーを選びました。Upload By 発達ナビ編集部【NEW】LITALICO×C.C.P カラフルに色分け 中身が見やすいA4トレイ3段引き出しBOXの会月1個 ¥2,900(+10% ¥3,188)→うち20円は「C.C.Pチャレンジド応援基金」として運用されます(基金部分は非課税)※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します組み立て済みのものはこちら(就労支援継続B型事業所「ハッピーエリア」で組み立ててお届けします)【NEW】LITALICO×C.C.P カラフルに色分け 中身が見やすいA4トレイ3段引き出しBOXの会〈組み立て済み〉月1個 ¥3,200(+10% ¥3,518)→うち20円は「C.C.Pチャレンジド応援基金」として運用されます(基金部分は非課税)※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します「タスクチェッカーを持たせていても、失くしてしまう」という声から生まれた、紙製のリストバンドです。裏面の粘着面同士を合わせるだけで、簡単に取り付けができて外れにくいのも特徴です。油性ペンで文字が書けて、タスク管理はもちろん、忘れ物対策やちょっとしたメモとしても重宝します。Upload By 発達ナビ編集部【商品の特徴】・ノリもテープも使わずに装着できて、簡単に外れにくいから、うっかり失くすことを防げる・腕に巻くリストバンドなので、予定が目に入りやすい・▲マークや罫線のようなドット柄など、タスクを時間分けや種類分けして書きやすくなっている・1回使い切りで、30枚巻き・文字が見やすいやさしいカラーUpload By 発達ナビ編集部デザインは〈ピンク〉〈ブルー〉〈グリーン〉の3種類。Upload By 発達ナビ編集部座談会の中で、支援者の方から「タスクチェッカーを持たせていてもすぐに失くしてしまう」というお声が。タスク管理のためのツールが増えれば増えるほど、管理するものも増えて悪循環に……。そこで「タスクをいつでも確認でき、外れにくく失くしにくいタスクリストバンド」を企画しました。・子どもが着けても取れにくいようにサイズ調整できるといい・汗や手洗いで粘着部分がはがれてしまう・他人から見えにくい工夫があるといい・ファッションになじむデザインがいいなどの意見を参考に、子どもでも扱いやすいようにサイズを調整し、文字を書いても外から目立ちにくい淡いカラーを選びました。Upload By 発達ナビ編集部【NEW】LITALICO×C.C.P 腕に巻いていつでもやること確認 文字が書ける外れにくいタスクリストバンド〈紙〉の会月1個 ¥700(+10% ¥769)→うち10円は「C.C.Pチャレンジド応援基金」として運用されます(基金部分は非課税)※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します第6弾もまもなく始動!発達が気になるお子さまやそのご家族により便利に使っていただけるアイテムの発売を目指しています。アンケート調査などを実施する際は、ぜひご協力をお願いします!また、フェリモC.C.Pのサイトでは、これまで発売したコラボ商品をご紹介しています。ぜひチェックしてくださいね!※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します
2024年03月25日母子共に強迫性障害(強迫症)私は23歳の時、強迫性障害(強迫症)を発症して入院していました。現在23歳の息子も23歳、ASD(自閉スペクトラム症)、知的障害(知的発達症)のほかに強迫性障害(強迫症)があり通院中です。私が実際に行った強迫性障害(強迫症)の治療には、薬物療法だったり、認知行動療法だったり、認知行動療法の中の暴露法だったり、森田療法などがあります。私は患者の会である自助グループに参加しているのですが、良い意味でとても凄く理屈っぽい議論が交わされ、多くの学びを得ています。ます。ただ、知的障害(知的発達症)のある息子には理解しにくい内容なので一緒には連れて行っていません。不安という感情を抱えながらなすべきことをなす私はある自助グループに通うようになり、このようなことを学びました。不安があったとき、みなさんはどのように考えますか?例えば飛び込み台から飛び込まなくてはならない状況の時、A.飛び込むのを止めるB.「怖くない、怖くない」と不安をかき消す言葉をかけながら飛び込むC.「怖い」と思いながらも、行動する。飛び込こんでみる飛び込み台の例は極端ですけれども、A.飛び込むのを止めると、これ以降も飛び込むことができできなくなります。B.怖くないという感情に意識が行きすぎてしまうと、反対に「怖い」という感情が強化されてしまいます。不安をかき消そうと不安にスポットを当てれば当てるほど、不安が増大してしまうからです。C.のように自分の自然の感情に蓋をしないで、その思いを持ちつつもともかく行動してみます。すると飛び込めた事実によって自信がつきます。このことを他のケースに当てはめてみたいと思います。私は著者で講演依頼を受けることもあるのですが、依頼を受けた時、とても苦しく不安な気持ちになります。というのも、緊張しすぎてお腹が痛くなるからです。過敏性腸症候群です(身体的には病気ではないのに、腸がギュルギュルしてしまう)。これを先ほどの例に当てはめると3つの方法があります。人前でスピーチをしなくてはならない時、A.話をすることをやめて、依頼を断るB.「あがってはならない」「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせてスピーチに臨むC.不安、恐怖を抱えながらなすべきスピーチを行う人は自分の感情を自分の気合や努力で何とかできると思ってしまいますが、心臓や胃の動きを自分でコントロールできないように、自然に沸き起こる恐怖を自分の力でなくすことはできません。不安という感情はそのままにして、なすべきこと(飛び込む、スピーチをする)に意識を向け、それを行う。飛び込めた、スピーチできたという体験を通して自信になり、そのことによって不安という感情を抱えながらなすべきことをなせるようになるのです。このように考えながら、強迫性障害(強迫症)とつきあっています。定型発達の子とわが子を比べてしまう“比べる病”もコントロールできない感情。自分を責めてはいけないこの考え方は、発達障害のある子どもの育児でも参考になります。パートナーがいない時結婚式に招かれて、幸せな友人を見て素直に喜んであげられない自分を責める。妊活仲間が妊娠しても、自分の不妊治療がうまくいかないと「おめでとう」と素直に喜べない。これらも自然な感情です。「こんな風に思ってしまう私はなんて器が狭いんだろう。ダメな人間だ」と自分を責めてはならないと思うのです。同様に定型発達の子を見ては比べてしまい、「羨ましい」と思う。これも自然な感情、自分ではコントロールはできません。抑えつけてしまい「他の子をうらやむ自分はなんてダメな母親なんだ」と自分を責めないでほしいと思います。責めれば責めるほど、ますます、自分を追い込んでしまうからです。強迫性障害(強迫症)での体験を通して、自分の心から湧き上がる感情はコントロールできないことを私は学んでます。自分を責めない……まずそこを前提として、発達障害があるわが子と向き合うことが大切だと思っています。執筆/立石美津子(監修:森先生より)「自分の感情を否定しない」ということは大切ですね。人間誰しも、時にネガティブな考えが頭に浮かぶことはあります。そんな時に自分の感情に蓋をしてしまうと、後々になって感情が爆発したり、うつ病や心身症などの問題となってしまうことがあります。また、つらい状況であることが周囲からもわかりにくく、周囲から手を差し伸べることが難しくなってしまいます。不安、恐怖、嫉妬などなど……ネガティブな感情も、自分自身の心を構成する要素のひとつです。立石さんのように、ネガティブな感情も含めて受け入れて、感情とうまく付き合っていく方法を探していけるといいですね。前の記事はこちらUpload By 立石美津子Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月25日京都の保育園の挑戦ーー『保育園に心理士がやってきた 多職種連携が保育の質をあげる』Upload By 発達ナビBOOKガイド京都市にある認可保育所「みぎわ保育園」は、全国でも珍しい常勤心理士がいる保育園です。本書には、9年前まではごく一般的な保育園だったみぎわ園が、保育園に心理士を導入し、現在の「ユニバーサルデザイン保育」にまでたどり着いた道のりと共に、心理士や保育士など多職種の専門家たちが連携し、保育の質の向上をめざした同園の取り組みが紹介されています。「保育園で常勤の心理士を雇用する」、この理想を実現するにはたくさんの試行錯誤、汗と涙と、そして笑顔がありました。同園が発達支援分野に力をいれるようになった経緯から、保育現場に心理士の存在が受け入れられるまでのストーリー、保育園心理士の基本姿勢と専門性の活かし方や、みぎわ園における保育園心理の具体的な役割などが、数々のエピソードと共に記されています。そして、保育士と心理士だけではなく、保護者も地域の人々も、多くの目と手が関わり、連携することによって、障害があってもなくても、子どもをみんなで受け入れて育てていく社会を実現する。その方法の一つを、この本は提示してくれています。だれでも楽しく取り組めるーー『絵をみてまねっこ!いっしょにできたねおしゃべりカード』Upload By 発達ナビBOOKガイド本書は、言語聴覚士の寺田奈々先生が相談室でおこなっている言葉の練習を、だれでもどこでも取り組めるように考案した言葉の発達支援教材です。「言葉を理解しているけれど、おしゃべりが苦手」「言える音が少ない」「おしゃべりが著しく不明瞭」「断片的・部分的なおしゃべりが多い」「身振りで伝えることが多い」など、このような悩みがあるお子さんに向けてつくられています。企画・監修の寺田奈々先生は、子どものことばの発達全般・吃音・発音指導・学習面のサポート・大人の発音矯正を専門とし、総合病院や区立障害者福祉センターなどに勤務。年間100症例以上のことばの相談・支援に携わっています。臨床のかたわら、「おうち療育」を合言葉にこれまでも数々の教材を発表しています。子どもが絵を見てまねをすることで言葉の発達を促すことを目的とした本書は、言語聴覚士の視点で選んだ言葉の練習に用いりやすいフレーズが書かれた50枚の「おしゃべりカード」、動物のイラストが描かれた5枚の「お口のたいそうふだ」、ガイドブックで構成されています。ガイドブックには、カードの使い方や練習方法だけではなく、発音の仕組みなど言葉の発達に関する基礎知識もやさしく解説されています。かわいいイラストが子どもの興味を引き、おうちで楽しみながら取り組めるように工夫された本書。「いっしょにできたね」と、わが子の成長を感じられるひと時も与えてくれるのではないでしょうか。2つの障害はどう関連するのかーー『知的障害と発達障害の子どもたち』Upload By 発達ナビBOOKガイド令和4年度の文部科学省の調査では、小・中学校の通常学級では特別な配慮が必要だと思われる子どもは8.8%いるという報告がされました。発達障害の特性がある子どもが多く含まれると考えられますが、そのなかには軽度知的障害や境界知能に該当する子どもが見逃されている可能性もあります。さらに、知的障害(知的発達症)のある子どもが在籍している特別支援学級・特別支援学校を合わせると、義務教育期間中の全体の一割以上は特別な配慮が必要な子どもたちなのです。本書では、発達ナビにもご寄稿いただいている精神科医の本田秀夫先生により「知的障害とは何か」「知的障害と発達障害にはどのような関連があるのか」「知的障害がある子をどうやって育てていけばいいのか」が分かりやすく解説されています。さらに、気づかれにくい軽度から境界知能についても言及されています。知的障害がある子どもの支援において大切なことは「早く」と「ゆっくり」であると本書では記されています。「早く」早期発見・早期支援を指しますが、「ゆっくり」も支援において重要なキーワードとのこと。前半では、発達障害と知的障害の基本を、後半では「ゆっくり」の意味の解説と、「ゆっくりな子どもをどう育てていくのか」が丁寧に紹介されています。本田先生の豊富な臨床経験から紹介されたさまざまな事例と、医学的知見に基づいたよりよい接し方を盛り込んだ本書。保護者はもちろん、園や学校の教育現場、支援者や医療関係者など、日々子どもたちと接する方にとって、手元に置いておきたい一冊となるのではないでしょうか。この街で生活していいんだと思えるためにーー『地域で育ち、地域で暮らすを支える発達支援』Upload By 発達ナビBOOKガイド本書は、「障害がある子どもたちが地域で育ち、地域でくらすことを支援するためにどうしたらよいか」ということを、編著者の社会福祉法人青い鳥川崎西部地域療育センターが、これまでの数々の実践とエビデンスに基づく支援の方法をまとめた一冊です。川崎西部地域療育センターの開所は平成22年ですが、運営している法人「青い鳥」は50年以上の歴史があります。法人の設立当時は発達について継続して相談するところもなく、障害がある子どもをどのように育ててよいものなのか保護者たちは途方に暮れた時代でした。そのような中、法人「青い鳥」は、長きにわたり、子ども・家族・地域と向き合い、試行錯誤を重ねてきました。本書の特徴は教科書的な内容ではなく、これまで職員たちが出会ってきた子どもや家族との実践が、その温度感や手ざわり感と共に届けられていること。また、子どもたちのために開発された教材や、支援の具体例などがたくさんの写真や図表を用いて紹介されています。子どもを一人の人間として尊重し、専門職が家族と協力して、地域でその子ならではの生き方を貫くためのヒントがぎっしりと詰まった本書。子どもの支援に関わるすべての人に習得してほしい知識や技術、そして感動までもが満載です。親も子どもも笑顔になれる子育てのヒントーー『育ててわかった 発達障害の子の就学・就労・自立の話』Upload By 発達ナビBOOKガイド本書は発達ナビでライターとしてコラムを執筆中の立石美津子さんが、ASD(自閉スペクトラム症)のある息子さんを出産し共に歩んだ23年間をまとめた一冊です。障害がある子どもを出産し、たくさんの壁を乗り越えてきた立石さんが伝える、親と子どもも笑顔になれる子育てのヒントがまとめられています。発達障害を理解し、親として子どもとの向き合い方を学べる一冊です。障害受容、療育選び、カミングアウト、学校選びなど、子どもの将来を左右する大切な分岐点で、親としてぶつかるさまざまな悩みと解決方法を、立石さんと息子さんのエピソードを交えながら具体的に記されています。第1章ではASD(自閉スペクトラム症)の息子さんの体験から綴られた「発達障害がある子の特徴」について、第2章では障害と向き合う心構えについて、第3章では子育てで気をつけたいことが、自身の体験をベースに記述。さらに第4章では学校選びのポイントや、第5章では大人になってからの向き合い方についてなど、成人した子どもをもつ保護者ならではのエピソードが共有されています。最後の第6章では、保育者や支援者との関わりの中で感じたことなど、発達障害の理解を深めるために保護者として今感じることが書かれています。発達に課題があるお子さんのことで悩んでいる保護者の役に立ちたいという想いを込めて執筆された本書。同じ立場だからこそ伝えることができる子育てのヒントや、発達障害がある子どもを育てる気持ちなど、共感しながら学べる一冊ではないでしょうか。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年03月24日とにかく遅い運動発達。首が据わらない・お座りできない・立っちできない……Upload By 鳥野とり子わが家の息子ねこ太は現在小学校1年生。ADHDグレーゾーンで特別支援学級に在籍しています。ねこ太は在胎27週930グラムで産まれた早産児で、NICU(新生児集中治療室)・GCU(回復治療室)で約3ヶ月間の入院を経験しています。NICUを卒業する時に主治医から「ねこ太くんは運動発達が遅いと思います」と言われていました。NICUで教わった運動発達を促すマッサージを毎日行いながら様子を見ていたのですが……私の想像していた以上に運動発達が遅い!あまりにも首がグラグラしているので、何度も主治医にいつ頃首が据わりそうかを聞いていました。結局首据わりは生後9ヶ月、自力で座れるようになったのは生後11ヶ月、ハイハイし始めたのは1歳0ヶ月の時でした。早産児は本当に運動発達が遅いんだなと実感しました。「いつになったら歩けるんだろう?」運動発達の遅れに不安が増す日々Upload By 鳥野とり子ねこ太は、1歳2ヶ月の時につかまり立ちができるようになりました。平均より少し遅いけど、ようやく立てるようになったと安心したのを覚えています。あっという間につたい歩きもできるようになり、もうすぐ1人で歩けるようになるんだなと思っていました。でも、そこからなかなか歩けるようにならず3ヶ月に1度の早産児健診のたびに主治医に相談をしました。主治医からは「もうすぐ歩けそうだから、もう少し様子を見ましょう」と言われたので、私はできるだけねこ太が体を動かせるよう、支援センターやショッピングモールのキッズコーナーに連れて行きましたが、あまり効果は得られず。周りの子に触発されて歩かないかな? という期待とは裏腹に、何ヶ月経ってもねこ太は歩けるようにはならなかったのです。歩けないまま2歳を迎え……Upload By 鳥野とり子ねこ太は、歩けないままついに2歳の誕生日を迎えました。同じくらいの月齢で歩けない子は周りに1人もいなくて、さすがに不安でいっぱいでした。主治医からも「そろそろPT(理学療法)リハビリを開始しましょう」と言われ、医療型児童発達支援センターを紹介されました。ねこ太が紹介された施設は幼児の機能訓練に特化した施設です。とても人気で予約がかなり先まで埋まっている施設なのですが、運良く1枠空きがありすぐに通えることになりました。幼児の気持ちに寄り添ったリハビリで、息子のヤル気を引き出してくれたPTの先生に感動!Upload By 鳥野とり子PT(理学療法)の先生と1対1でリハビリが始まりました。手を繋いで歩いたり、跳躍器具を試してみたり、滑り台を滑ったりして軽く体を動かしたあと、1人歩行を促す訓練をしました。訓練と言ってもまだ2歳なので大人のリハビリのような訓練はできず、自分のやりたい事しかやってくれません。そのため、先生は幼児でも楽しみながらリハビリをできるように工夫をしてくれました。ネコ太が受けた訓練の一つを紹介すると……台を2つ用意して50センチほど離して置きます。1つの台の上に、ボールが入ると音が鳴るおもちゃを置き、もう1つの台の上にはボールを置きます。そうすると、子どもはおもちゃにボールを入れたくてボールを取りに行き、そして、おもちゃの台まで移動するという仕組みです。その移動の際に、絶対にハイハイをしないように先生が少し補助しながら立って歩くように働きかけるのです。単純な仕組みですが、ねこ太はとても楽しそうにリハビリを受けていて感動しました。衝撃!通い始めて2回目で歩けるように!!Upload By 鳥野とり子初回のリハビリはとにかく楽しく終えて、1週間後に2回目のリハビリをしました。なんと驚くことに、2回目のリハビリでねこ太が歩けるようになったのです!今までどれだけ歩行を促しても歩けなかったのに、リハビリに通ってたった2回で歩けるようになるなんて信じられませんでした。「こんなことならもっと早くにリハビリを受けていたら良かった」と思いましたが、歩けるようになるタイミングもあるでしょうし、この時はこれが良いタイミングだったのかもしれません。PTの先生の指導が本当に上手だったことと、ねこ太が歩けるタイミングが重なったことでこんなに早く成果が出たのだと思います。歩けるコツを掴んだねこ太はあっと言う間にグングン歩くようになり、今まで行けなかった公園にも行って世界が広がりました。そして世界が広がったねこ太の多動が始まるのですが、それはまた別の機会にお話ししたいと思います。執筆/鳥野とり子(監修:室伏先生より)ねこ太くんが歩けるようになるまでの発達過程と、理学療法のご様子を共有くださり、ありがとうございます。ねこ太くんが動き回れるような環境に連れて行ったけれど、あまり効果がなかった、と書いてくださっていますが、とり子さんがしてくださっていたことは実はとっても大事なことです。「はいはい」をたくさんすることで、歩くための筋力、腕と脚の協調運動、地面から受け取る触覚などの感覚、バランス感覚などが養われます。ですから、こういった経験を通して、ねこ太くんは歩く準備を着々と進められていたのだと思います。理学療法士さんは、ご本人にとって少し難しいこと、でも頑張ればできることを課題として設定し、お子さんを楽しませながら、上手に本人の頑張りを引き出してくれます。実際にリハビリを行う時間だけでなく、ご自宅で実践できる訓練のアドバイスもとても貴重だと思います。リハビリ開始の年齢は、運動発達の状況や、リハビリのできる施設の受け入れ状況によっても異なりますので、運動発達で気になる点がある場合には、地域の発達センターや保健師、小児科医などに相談してみてくださいね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年03月24日知的障害(知的発達症)とは?知的障害(知的発達症)は論理的思考力や計画、判断など勉強に必要となる知的能力と、社会的なコミュニケーションなどの適応機能の遅れが発達期(おおむね18歳まで)に見られる障害です。知的発達症などと呼ばれることもあります。継続した支援がない場合、知的障害(知的発達症)のある人は、家庭や学校、職場などさまざまな状況において、コミュニケーション面や行動面、学習面などで困り事が多く表れると言われています。参考:知的障害(精神遅滞)|厚生労働省 e-ヘルスネット参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版知的障害の種類は?知的障害(知的発達症)の基準は、行政や医療などによって違いがありますが、多くの場合、障害の程度によって、軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と4つの種類に分類されています。分類はIQで表される知能指数と、社会的な能力である生活能力(適応能力)の両方を考慮したうえで行われます。厚生労働省の基準では知的障害(知的発達症)の程度を知能指数(IQ)と生活能力(適応能力)の両方を評価したうえで判定します。以下の表にあるように、知能指数(IQ)がⅠからⅣに、生活能力(適応能力)はaからdとどちらも4段階に分けられており、その兼ね合いによって程度が決まります。例えば知的指数(IQ)が軽度相当の51だとしても生活能力(適応能力)が最も困難を示すaの場合は「中度知的障害」と判定されることもあります。Upload By 発達障害のキホン参考:知的障害児(者)基礎調査:調査の結果|厚生労働省厚生労働省での知的障害(知的発達症)の程度ごとの状態の目安は以下のようになっています。I :おおむね20以下II : おおむね21~35III :おおむね36~50IV :おおむね51~70適応能力は次のような判定表を用いて、aからdの4つに分類されます。・食事:一人でできる/介助要 /できる・用便(月経)の始末:一人でできる/介助要/できる・衣服の着脱:一人でできる/介助要/できる・簡単な買い物:一人でできる/介助要/できる・家族との会話:通じる/少し通じる/通じないここに挙げたのは基準の一例です。療育手帳を取得する場合は各自治体で別途基準を設けていることもあります。なお、医学的な診断基準である『DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版』では軽度・中等度・重度・最重度と4つに区分されていますが、知能指数(IQ)での目安は明示されていません。知的機能と適応能力について、概念的領域(記憶や言語、論理的思考など)、社会的領域(対人コミュニケーションなど)、実用的領域(生活における能力など)の3つの領域の状態から重症度を特定します。参考:日常生活能力判定表|宝塚市知的障害(知的発達症)は遺伝する?知的障害(知的発達症)が親から子へ遺伝するのか気になる方もいると思います。知的障害(知的発達症)の原因は一つだけでなく、さまざまな要因が重なっている事が多い傾向があります。遺伝も要因の一つですが、まれだと言われており、ほかの原因により知的障害(知的発達症)が生じる場合もあります。知的障害(知的発達症)の原因としては、遺伝以外にも妊娠中の感染症、母体の低栄養、アルコールや薬物の影響なども考えられています。また、出産時や出産後の低酸素症や脳感染症、頭部への負傷なども原因となり得るとされています。遺伝子疾患、染色体疾患など、先天性の疾患が原因で知的障害の症状が表れる場合もあります。なお、上記のような疾患がある場合も、必ずしも知的障害があるというわけではありません。このように、知的障害(知的発達症)には遺伝的な要因もありますが、遺伝以外の要因によっても生じる可能性もあります。参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版1歳ごろに知的障害の症状は表れる?発達の遅れ、違和感、1歳半健診などここでは、知的障害(知的発達症)のある1歳児に表れる症状について紹介します。1歳頃の赤ちゃんは簡単な言葉を発したり、一人でおもちゃ遊びをしたり、いないいないばあをして笑ったりといった様子が見られ、食事の面では離乳食から普通食へ変わり、スプーンも使えるようになってくる頃と言われています。知的障害(知的発達症)のある子どもは以下のような様子が見られることがあります。・おもちゃで遊ばない・あまり笑わない・あまり泣かない/いつも泣いている・つかまり立ちをしない・歩かない・喃語を話さない・保護者の言葉に反応しない・かむ力が弱く離乳食が進まない・全体的に発達の遅さが見られるただ、上記のような様子が見られるからといって、必ずしも知的障害(知的発達症)というわけではありません。赤ちゃんの発達は個人差があることや、ほかの病気や障害が背景にある可能性もあります。心配な様子がある場合は、後ほど紹介する相談窓口に問い合わせてみるといいでしょう。参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版参考: 0歳児から2歳児の発達過程|東京都保健福祉局保健センターで行われる乳幼児健診に1歳半健診があります。1歳半健診では子どもの発達について詳細な質問項目が用意されていて、発達が年齢相応かどうかを測ることができるようになっています。1歳半健診における質問項目をいくつか抜粋して紹介します。・絵本を見て知っているものをさしますか。・周りの人の身振りや手振りをまねしますか。・自分の好きなおもちゃで遊びますか。・かんしゃくをよく起こしますか。・手をひかれて階段を上がることができますか。・手足の動きがぎこちなく突っ張った感じがありますか。・鉛筆を持ってなぐり書きをしますか。・スプーンを使って食事ができますか。・大人の言う簡単な言葉が分かりますか。(おいで・ねんね・ちょうだいなど)・何かに興味を持った時に、指さしで伝えようとしますか。などこういった項目にはい/いいえで回答していき、発話や人への興味、指さし、運動面などで発達の遅れが見られる場合は、医師からアドバイスなどがもらえることがあります。また、気になることがあれば保護者から医師や保健師などに相談することも可能です。参考:乳幼児健診における標準的な項目一覧|厚生労働省1歳ごろに表れる知的障害の症状をチェックUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐに知的障害(知的発達症)と診断されるわけではありません。発達の遅れが気になる……どこに相談をすればいい?普段の様子や周りの赤ちゃんと比較して、うちの子は発達が遅れているのではと心配な保護者もいると思います。また、1歳半健診では「様子見」と言われたが、やはり気になるという場合もあるでしょう。そういったときに相談できる窓口がありますので紹介します。かかりつけの小児科予防接種や健診で定期的にみてもらっているかかりつけの小児科にまずは相談しましょう。定期的にお子さんの発達をみてもらいながら、必要だと思われる福祉的な支援などについても相談してみても良いでしょう。保健所/保健センター保健所も保健センターも、地域における保健衛生を担当する専門機関です。子どもの発達に関しても相談でき、医師や保健師など専門的なスタッフが相談に対応しています。児童相談所18歳未満の子どもに関するさまざまな相談を受けつけている機関で、発達の遅れについても相談することが可能です。児童福祉司、児童心理司、医師、保健師などのスタッフが対応しています。児童家庭支援センター身近な地域で子どもに関する相談を受けつけている機関です。発達の遅れに関してもアドバイスがもらえるほか、児童相談所などと連携した対応も行っています。児童発達支援センター障害のある子どもが通いながら、日常生活や集団生活への適応を目指してさまざまなサポートを受けることができる場所です。児童指導員、保育士、医師など専門のスタッフもいて、発達の遅れなど気になることを相談することもできます。まとめ知的障害(知的発達症)は知的能力と適応能力に遅れがあり、支援を受けていないと身の回りのことや学習などで困り事が生じる場合があると言われています。知的障害(知的発達症)の子どもは、1歳頃から今回紹介したような様子が見られる場合があります。しかし、子どもの発達は個人差が大きいものです。子どもの発達が遅いなど気になることがある場合は、不安を抱え込まずに1歳半健診の際に相談したり、そのほか相談できる専門機関に問い合わせてみたりするといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月23日たんこんちは ボロボロゆかい
ぽこちゃんです&どんちゃんです
子育てはフリースタイル