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障害児通所支援事業を行うアース・キッズ株式会社(R)(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:高見 裕一)は、マスセット株式会社と株式会社チャイルド社との3社連携による共同研究にて、「日本ストレスマネジメント学会 第22回学術大会」で研究奨励賞を受賞いたしました。本研究は、子どもたちの発達支援におけるバランス感覚の向上を介した療育が、ポジティブな感情を喚起する効果について検討したものです。今回の研究結果から、特に発達に課題のある子どもたちへの支援において、バランス感覚の向上を通じた療育が、楽しさや面白さなどのポジティブな感情を喚起し、それが持続的な療育実施につながるアプローチとして有効であることが示されました。特に、発達の特性に考慮して検討を行ったことで、よりよい支援に繋がると考えられます。研究奨励賞受賞■研究概要アース・キッズ株式会社・発達障害療育研究所の土屋 さとみ、同研究所および桜美林大学の小関 俊祐、マスセット株式会社の長尾 雄介による共同研究では、児童発達支援・放課後等デイサービス「スタジオそら」に通う57名の子どもたちを対象に、バランス感覚の向上を介した療育がポジティブ感情に与える影響を調査しました。方法としては、用具として「ロッキングボール・クリアー」および「ウェイブバランス平均台」(共にマスセット株式会社提供)を発達支援療育の中で提示し、子どもたち自ら使用するかどうかの判断を委ね、使用した場合にこれらを通じて楽しさや面白さ、気持ちよさ等を感じたかどうか評定を求めました。結果として、バランス感覚の向上を介した療育を実施するなかで、子どもの楽しい、面白いといったポジティブな感情を喚起させる効果が確認されました。その一方で、気持ちよさの感覚には、発達の特性ごとに差異が生じており、子どもの感覚の過敏さなども考慮する必要性が示唆されました。本研究は株式会社チャイルド社による三社連携調整により、実現に至りました。発表ポスターについては以下をご確認ください。バランス感覚の向上を介した療育のポジティブ感情喚起効果ー子どもの発達特性を考慮した検討ー_ポスター 論文については以下をご確認ください。バランス感覚の向上を介した療育のポジティブ感情喚起効果ー子どもの発達特性を考慮した検討ー_論文 出典:土屋 さとみ・小関 俊祐・長尾 雄介(2024).日本ストレスマネジメント学会 第22回学術大会・研修会抄録集, P14.■三社連携の経緯アース・キッズ株式会社が運営する、総合情報メディア「チャイルドラボ」創設にあたり、マスセット株式会社および株式会社チャイルド社とパートナー連携を行い、子どもたちの健やかな成長を支えるという目的で協働開始。展開する事業を相互に活用しあい、すべての子どもたちが安心して過ごせるより良い社会を目指します。アース・キッズ株式会社(R):「子どもたちのために。以上。」を理念とし、「すべての子どもたちが公平に可能性にチャレンジできる…。そんな社会を創る。」をビジョンに、児童発達支援・放課後等デイサービス「スタジオそら(R)」、子どもの健やかな成長を支える総合情報メディア「チャイルドラボ(R)」を展開。マスセット株式会社:「マスセットは地球環境に配慮した企業活動と環境保全に努力し、豊かな想像力と技術力を生かして、社会とお客様の信頼と満足度の向上をはかり、子ども達の未来社会に貢献します。」を理念とし、保育用品の設計・開発、製造及び仕入販売を行う。株式会社チャイルド社:「幼児の 美しいこころ すこやかなからだ ゆたかな夢 をそだてる」を理念とし、「園のお役に立つこと」「一人ひとりの子どもの最善の利益」の実現を目指して様々な教育・保育に関する商品やサービスを展開。グループ会社である株式会社三恭では保育園「パピーナ」を6か所で運営。■総合情報メディア「チャイルドラボ」育児×保育×療育をつなぎ、すべての子どもの健やかな成長を支える、アプリ・WEBサイトの総合情報メディアです。保護者と保育園や幼稚園、発達支援施設の先生などの子どもに関わるすべての人に向け、「育児・子育て」「暮らし」「心の健康」「身体の健康」「園・施設紹介」「エンタメ」「発達障害」「保育者」「児発・放デイ」の9カテゴリーにわたって、記事と動画で情報を提供します。WEBサイト: App Store: Google Play: ■会社概要商号 : アース・キッズ株式会社代表者 : 代表取締役 高見 裕一所在地 : 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-51-6 原宿MOA 2F設立 : 2000年1月28日理念 : 子どもたちのために。以上。ビジョン: すべての子どもたちが公平に可能性にチャレンジできる…。そんな社会を創る。事業内容: 児童福祉法に基づく児童発達支援、放課後等デイサービス「スタジオそら」子どもの健やかな成長を支える総合情報メディア「チャイルドラボ」URL : TEL : 03-3403-4389FAX : 03-3403-4388Mail : child-lab@earth-kids.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年09月17日アース・キッズ株式会社(R)(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:高見 裕一)が提供する総合情報メディア「チャイルドラボ(R)」が、BabyTech(R) Awards 2024(主催:BabyTech(R) Awards 2024 実行委員会)を受賞しました。チャイルドラボチャイルドラボは、「育児×保育×療育をつなぎ、すべての子どもの健やかな成長を支える」をコンセプトとし、保護者と保育園や幼稚園、発達支援施設の先生など、子どもに関わるすべての方に向けたアプリ・WEBサイトです。専門家監修のじっくり学べる記事と、数分から学べる動画で情報提供し、社会全体で子どもを育てる環境作りを推進します。■総合情報メディア「チャイルドラボ」育児×保育×療育をつなぎ、すべての子どもの健やかな成長を支える、アプリ・WEBサイトの総合情報メディアです。保護者と保育園や幼稚園、発達支援施設の先生などの子どもに関わるすべての人に向け、「育児・子育て」「暮らし」「心の健康」「身体の健康」「園・施設紹介」「エンタメ」「発達障害」「保育者」「児発・放デイ」の9カテゴリーにわたって、記事と動画で情報を提供します。WEBサイト: App Store: Google Play: 【アプリで学べて忙しい保育者に最適】WEBとアプリで、いつでもどこでも学べる。豊富な動画コンテンツは3分から、保育の隙間を学習時間に。【認知行動療法に基づいた最新情報を学べる】専門家監修の応用行動分析学を活用した3500人に実施した現場体験をコンテンツ化。毎週投稿される記事や動画には遊びや工作アイディアなどの情報も。【園独自の研修体系を構築 保育者のスキルアップに】400を超える記事と動画を活用し、保育者のスキルに合わせた園独自の研修プログラムとしてカスタマイズ。園・施設独自に作成した研修資料や動画も組み込める。【保育現場や家庭でも活かせる療育プログラム】350を超える支援プログラムは個別から集団まで対応可能で園環境に合わせやすい。お子さまの発達段階に応じて取り組みの内容をカスタマイズ。サポートポイント・楽しく行うコツつきで、初任者の先生でもわかりやすい。【専門家が監修したアセスメントシート】作成者によるばらつきを抑えられる標準化されたアセスメントシート。短時間で5領域分のアセスメントが可能。■サービス提供の背景2022年の文部科学省の調査によれば、通常学級に通う児童生徒の約8.8%が発達障害の可能性があることがわかりました。また、文部科学省は「特別支援教育に関する知識を持つ教員が少なく、適切な支援が十分に行われていない可能性がある」と指摘しており、発達支援の不足が社会的課題となっています。発達支援業界では、発達に課題がある子どもの数の増加と共に、児童発達支援および放課後等デイサービスの事業所数が増加傾向にあります。支援内容については具体的な定めがされていなかったため、それぞれの考え方や手法によって提供されてきましたが、一方で、適切な運営や支援の質の確保が課題とされています。こうした現状を受け、2024年の児童福祉法改正に伴い、発達支援の5領域を網羅したプログラム提供が必須となり、多くの事業所では発達支援プログラムの見直しを行わなければ存続が難しい状況です。保育業界においては、少子化の影響で閉鎖が今後増えると予測されており、選ばれる園になるための対策が急務です。保育の質を高めるという点では、保育者のスキル向上が大きな要素であると言えますが、まとまった研修時間が取れない・研修体系が確立されていない園が少なくない状況にあり、社会的に問題であると言えます。さらに、保育園・児童発達支援・放課後等デイサービス事業所では、保護者支援が最低限の対応にとどまっている課題があります。保護者と先生が十分なコミュニケーションが取れず、悩みを打ち明けたり、適切なアドバイスを受けられないと感じている保護者が多く見られます。これらの背景を踏まえ、保育と発達支援の相互理解を深め、保護者を含むすべての関係者に対するサポートを目的としたプロジェクトを開始しました。■チャイルドラボ・監修者小関 俊祐:桜美林大学准教授。「発達障害療育研究所」および「スタジオそら(R)」顧問。公認心理師、臨床心理士、認知行動療法スーパーバイザー。土屋 さとみ:発達障害療育研究所研究員。公認心理師、臨床心理士、専門健康心理士、日本ストレスマネジメント学会認定ストレスマネジメント実践士。発達障害療育研究所(R):発達障害や支援に関する情報収集や分析、専門家や関係機関との事例・情報共有を行い、より良い支援と人材育成を目的として、アース・キッズ株式会社により設立。国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究の他、育児・保育・療育に関するセミナー、支援に関する幅広い情報を学会や「そら通信」などで発信しています。■会社概要商号 : アース・キッズ株式会社代表者 : 代表取締役 高見 裕一所在地 : 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-51-6 原宿MOA 2F設立 : 2000年1月28日理念 : 子どもたちのために。以上。ビジョン: すべての子どもたちが公平に可能性にチャレンジできる…。そんな社会を創る。事業内容: 児童福祉法に基づく児童発達支援、放課後等デイサービス「スタジオそら」子どもの健やかな成長を支える総合情報メディア「チャイルドラボ」URL : TEL : 03-3403-4389FAX : 03-3403-4388Mail : child-lab@earth-kids.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年09月17日娘が両親(私たち)に借りた生活費の返済は『無利息の出世払い』発達障害がある娘は高等特別支援学校後、特例子会社に勤めていましたが、4年たった頃メンタル面の不調から休職。休職中、収入がないにもかかわらず、娘は買い物や携帯電話の課金でひと月に数十万円使ってしまいました。それまでの貯蓄も使い果たしてしまったので、グループホームへの支払いや生活費はしばらくの間は私たち親が立て替えることになりました。その際、パソコン作業が得意な娘自身に『返済は利息なし。収入が安定したら返す』という、いわゆる出世払いの借用書をつくってもらいました。娘の転職と就活その後も復職の兆しが見えず、彼女は昨年の春に6年間勤務した特例子会社を退職しました。高等特別支援学校在学中の就職活動には学校の先生や親が関わりましたが、現在はグループホームに入居し世帯分離しています。そのため、娘の退職・転職は、これまでチームで彼女を支えてきた相談支援センター相談員やハローワーク、ジョブコーチなどの支援者の方々がサポートしてくださいました(親はノータッチ)。『障害特性に合った職種』のイメージ面接と一週間の職場体験を経て、娘は就労継続支援A型事業所に通うことが決まりました。仕事内容はパソコンを使った事務業務や動画編集業務、通販商品の検品梱包作業など多岐にわたります。どうやらそれが娘には魅力的だったようです。「ASD(自閉スペクトラム症)にはルーチンが落ち着く・臨機応変が苦手という特性があるため、一日中同じ作業を繰り返す仕事が合っている」とイメージしがちですが、娘の場合は違っていました。思い返すと、高等特別支援学校在学中の職場実習で、パソコン検定の資格を持つ娘が企業のパソコンでの文字入力業務を行った際「一日中ずっとパソコンでの入力作業をし続けるのは嫌だ」と言っていたことがありました。娘のパソコンの知識や技術は、優れていると思います。でも「コミュニケーションは苦手だけど、人が好きで常に人と関わりたい」と思っている娘にとって、一日のほとんどの時間を一人でパソコンに向かうような職場は合わないようです。パソコン作業中心の職場でも文字入力だけでなく動画編集や、通販の検品梱包作業なども行う就労継続支援A型事業所に通えることになり、娘は「人気がある事業所だから、採用されて良かった」と言っていました。今回は、自身が働きたいと願った職場ということもあり、娘はその後休むこともなく仕事を続けています。これは娘の意思だけではなく・数年の付き合いの間に支援者の方が娘の性格や特性、好きなことや得意なことを十分に理解したうえで、娘に合いそうな業務内容の事業所を選んでくれた・事業所の方も娘の課題点を把握し、それも含めた支援してくれているおかげだと私は思っています。両親への返済スタート転職から一年が過ぎた今年の春、グループホームで生活する娘から連絡が来ました。Upload By 荒木まち子そして月に一度の『自宅への外泊』のタイミングで一万円ずつの返済が始まりました。高等特別支援学校を卒業した同級生の中でグループホームで生活しているのは娘一人だけです。友達の中には車を買ったり、趣味に自分の収入を充てている人もいます。そんな実家暮らしの友達に比べると、娘が自由に使えるお金は少ないかもしれません。私自身、親子の間で“返済”だなんて冷たいかな?と思うこともあります。でも今までの経験があったからこそ、娘はお金の大切さやお金を稼ぐ大変さを本当に理解できたのだろうと私は思っています。そして、現時点で親以外の『相談できる支援者』がいることは、今後の彼女の人生にプラスとなっていくだろうと——。先見の明以前発達ナビのコラムで娘のことを書いた時、コラム監修の渡部先生が『必ずしも企業就労にこだわらず、就労継続支援A型やB型といった福祉的就労も選択肢になるかもしれません。大切なのは、本人が安心できる居場所であることだと思います。』とコメントされていました。その時の私たち親子は復職に向けて模索していた最中で、福祉的就労については考えていませんでした。でも娘はその後、渡部先生がおっしゃった通りの選択をし、現在、満足のいく職場で日々を過ごし、充実した余暇を過ごしています。娘に会ったことがないのに、娘の未来をズバリ言い当てた渡部先生の先見の明に脱帽です!!執筆/荒木まち子(監修:渡部先生より)娘さんが自分から返済したいと申し出たとのこと、素晴らしいです!休職中に課金で失敗した経験をしたことで、お金の大切さをご本人が理解できたのですね。前回のコメントが少しでもお役に立てたのなら、私としても大変うれしいです。娘さんには、相談支援センターの支援員さんや、現在通われている就労継続支援A型事業所の職員さんなど、特性を理解して適切なアドバイスをしてくださる支援者の方がいらっしゃるとのこと、とてもありがたいですね。将来、もしかしたら違う形で壁にぶつかることがあるかもしれません。そのときには親御さんもいらっしゃらないかもしれません。でも、理解のある支援者の方がいることで、その壁を乗り越えていけるのではないかと想像します。荒木さんも書かれている通り、娘さんと支援者のみなさんとのつながり、これからも大切にしてください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年09月15日小4「学習の壁」の苦悩…『マンガ発達障害の子どもと私たち』みき編がスタート!そのほか不登校や登下校トラブルエピソードなど【2024年8月】発達ナビでは発達ナビ読者から寄せられた「困った経験」「こうしたら良かったといった経験」などを読者体験談としてお届けしています。今月も、読者の皆さんからさまざまなエピソードが集まりました。そのエピソードをもとに漫画コラム化!8月は大反響のあった『マンガ発達障害の子どもと私たち』はるき編に続き、小4の「学習の壁」で悩む【みき編】がスタートしました。そのほか「不登校」や「登下校トラブル」の体験談なども紹介いたします。小学4年生のみきさんは5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。就学相談では通常学級判定となり、通級指導教室に通いながら楽しく学校へ行っていました。ですが、小学校3年生から勉強につまずきが見られるようになり……。専門家による「勉強の苦手さの背景にある書字困難」についての解説もぜひご覧ください。「学習の壁」にぶつかり、終わらない宿題に涙を流すようになったみきさん。「学校へ行きたくない」という娘の姿に母は苦悩しますが、学校公開でのみきさんの様子を見てある思いが芽生えます。専門家による解説「心理面の支援と通常学級の中での特性にあわせた支援」では担任・特別支援教育コーディネーター・通級指導教室の先生との連携についてなど参考にしたいアイデアも詰め込まれています。小4から不登校になりASD(自閉スペクトラム症)、反抗挑戦性障害(反抗挑発症)の診断を受けた現在中学1年生の息子さん。完全不登校となってからは家庭内での他害といったトラブルも多く、どうしたら外へ気持ちを向けてくれるか、中学校はどこへ進めばいいか悩みは尽きずで……。小学1年生の3学期にADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けた14歳の息子さん。小学1年生の運動会前から、登校班での登校渋りが始まり、なんとか登校するようにさせていたのですが、ある朝、担任の先生から「学校に通報があった」と連絡があり……!?ご自身のエピソードを投稿してみませんか?『発達ナビ 読者体験談』は皆さんのご経験を基に制作されています。ご投稿いただいたエピソードは、連載ライターさんのイラスト、専門家の先生からのコメントをつけた上で掲載させていただきます。「あの時は悩んでいたけれど、今はこうなった……」など、発達障害のあるお子さんを育児している皆さんへ、ご自身の経験をお届けいただけないでしょうか。ご応募は以下の応募フォームから受け付けております。皆さんのご投稿を、お待ちしております。【現在の募集テーマ】・障害告知・パートナー(夫婦) 関係・両親(義両親)、親族関係・進学・受験関係・冠婚葬祭関連・反抗期、思春期・自傷・学習関係・不登校、行き渋り・ゲームとの関わり・不器用さについて・ママ友や、ほかの保護者の方とのエピソード・ご近所関係(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年09月14日自閉症・情緒障害特別支援学級へ転学を希望するも判定委員会の結果は『不可』。「もう学校へ行けない」と泣きじゃくる娘ASD(自閉スペクトラム症)のある小学4年生のみきさん。学校の勉強についていけず、登校渋りが始まってしまいました。保護者とみきさんは少人数で見てもらえる自閉症・情緒障害特別支援学級への転学を希望したのですが、判定委員会の結果はなんと「不可」。転学できないと知ったみきさんは、「今のクラスだったらもう学校に行けない!」とパニックに……。果たしてみきさんはつらい思いを抱えたまま、学校へ行かなければいけないのでしょうか。以下からマンガ「発達障害の子どもと私たち」みき編 第4話(最終話)をお届けします。マンガ「発達障害の子どもと私たち」みき編 第4話(最終話)Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談教育委員会へ直接申請。判定は……?Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談担任の先生の言葉。くやしさ、悲しみで涙が止まらない……!Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談知的障害特別支援学級へ転籍がかなったみき発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたストーリー「発達障害の子どもと私たち」みき編第4話(最終回)をお届けします。みきさんは、5歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受け、小学校では通級指導教室へ通いながら通常学級に所属していました。ですが、学校の集団授業についていけなくなった小学4年生から登校渋りが始まり、特別支援学級への転籍を考えるように。しかし、希望した自閉症・情緒障害特別支援学級への判定は不可となってしまい、「クラスが変わればきっと楽になる」と思っていたみきさんは、その結果を聞いて取り乱してしまい――。知的障害特別支援学級への入級が許可されたみきさん。IQが境界領域でも通常学級判定になる場合もありますので、みきさんの場合はIQだけでなく得意不得意の差が大きいなど面接でのど総合的に判断されたのだと考えられます。「子どもに笑顔になってほしい」と諦めずにお子さんへの最適な環境を求め続けたご家族、そしてみきさんの願いが叶いました。少人数で対応してもらえるようになり、理解のある担任の先生のもと笑顔が増え、現在は生き生きと学校に通えているそうです。次回は「発達障害の子どもと私たち」のエピローグをお届けします。はるきとみきのその後をぜひご覧ください。自閉症・情緒、知的障害などの特別支援学級の種類について【専門家解説】一般的に自閉症・情緒障害特別支援学級では、通常の学年と同じように学習内容は進行していきますが、知的障害特別支援学級については、学習の進度は学年相応というよりは本人の発達や学力に合わせて行われます。ただし、みきさんのように自閉症・情緒障害特別支援学級の条件にも当てはまり、知的障害特別支援学級の申請条件にも当てはまる場合は、クラスの人数やメンバーとの相性なども考慮してより適切な環境で学習できるように相談していくことが大切です。Upload By ユーザー体験談特別支援学級についての他の体験談は以下をご覧ください。【マンガ発達障害の子どもと私たち】(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年09月12日勉強についていけない娘。特別支援学級への転学を考えるようになるも……5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けている小学4年生のみき。小学校へ入学する際は、就学相談で知的障害特別支援学級に入るか相談しましたが、IQが入級基準以上だったため通常学級に通っていました。しかし学校の勉強についていけなくなったみきの自己肯定感は下がるばかりで、追い詰められたみきは「学校へ行きたくない」というように。一方母は、学校公開でのみきの様子を見て、少人数で見てもらえる特別支援学級のほうがいいのではと考えるようになったのですが――。マンガ「発達障害の子どもと私たち」みき編第3話Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談教育委員会へ転学希望申請を提出。判定委員会の結果は?Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談ASD(自閉スペクトラム症)小4のみき。希望するも自閉症・情緒障害特別支援学級には入れなくて……発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたストーリー「発達障害の子どもと私たち」みき編第3話をお届けします。ASD(自閉スペクトラム症)のあるみきは、通級指導教室へ通いながら通常学級に所属しています。ですが、小学4年生になり学校の集団授業についていけず、登校渋りが出るようになりました。保護者は少人数で見てもらえる特別支援学級を考え、自閉症・情緒障害特別支援学級を希望したのですが、判定は不可。「クラスが変わればきっと楽になる」と思っていたみきは、その結果を聞いて大泣きしてしまいました。「今のクラスだったらもう学校に行けない」というみき、果たしてこのままみきはつらい思いのまま学校へ行かなければいけないのでしょうか。次回は第4話(最終話)「特別支援学級への転学は白紙に、娘は号泣…しかし「あること」に望みを繋げ教育委員会へ【マンガ発達障害の子どもと私たち/みき編第4話】」ぜひご覧ください。特別支援学級へ転籍するときの留意点は【専門家解説】在学中に通常学級から特別支援学級へ転籍するときには、実際に見学に行き体験してみることが大切になってきます。また、本人の希望や保護者の意見が分かれてしまうのはよくないので、どうしたいか考えを一致させていくことが大切です。通級指導教室は特別支援学級に行くと受けられませんので注意が必要です。一般的には学級を変えるチャンスは年度の始めしかないので、早めに相談を始めておくほうがいいと思います。特別支援学級へ途中で転籍するときには、本人の希望、実際に体験してみることが必要になってきます。もう一つ大事なことは、みきさんの事例のように、特別支援学級の種類に関するところです。一般的に自閉症・情緒の特別支援学級では、通常の学年と同じように学習内容は進行していきますが、知的障害の特別支援学級については、学習の進度は学年相応というようりは本人の発達や学力に合わせて行われます。ただし、みきさんのように自閉症・情緒の学級の条件にも当てはまり、知的の申請条件にも当てはまる場合は、クラスの人数やメンバーとの相性なども考慮してより適切な環境で学習できるように相談していくことが大切です。一般的には学級を変えるチャンスは年度の始めしかないので、早めに相談を始めておくほうがいいと思います。Upload By ユーザー体験談発達が気になるお子さんの就学先、所属クラスなどについて詳しくは以下をご覧ください。【マンガ発達障害の子どもと私たち】ぜひご覧ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年09月05日秋冬は忘れ物の季節…こんにちは!ASD(自閉スペクトラム症)&ADHD(注意欠如多動症)の中1長男、ADHD小3次男、母である自分もADHDグレーゾーンのよいこです。さて、ADHDの特性が強めのわが子たち、そして私には、もうすぐ受難の季節がやってきます……。そう、秋冬は手袋、マフラー、帽子など、防寒のために身につけるものが多くなります。例えばここに座ろうか、ごはんは何にしようか、電車から降りようか……と意識をほかに向けたそのほんの一瞬で、手品のようにモノを失くしてしまうのです……!手袋が片方ない、帽子をどこで脱いだか忘れたなんてのは日常茶飯事。怒るのにも疲れて、失くしたら新しいものを買う、の繰り返しで増える片方の手袋たち……。ため息しか出ません(笑)。Upload By よいこ『忘れ物防止ゴムホルダー』をモニターしてみた!(開発中)そんな中、LITALICO発達ナビ×フェリシモC.C.Pのコラボ企画で開発中の『忘れ物防止ゴムホルダー』の試作サンプルを使わせていただきました。手提げカバンやリュックなどにキーホルダーのように取り付けて1.帽子やマフラーなどを挟んで2.ベルトを引っ張って固定して使用するたった2ステップ、しかも工程がとても簡単なので、手先が不器用な小3次男でもすぐに使いこなすことができました。おかげさまで、注意力散漫でモノを失くしやすい一家が、モノを失くさず秋冬を乗り越えられそうな予感です!Upload By よいこ執筆/よいこ発達ナビ×フェリシモC.C.Pの、発達が気になるお子さまやご家族が快適に過ごせるための商品づくり第6弾が進行中です。今回よいこさんにモニターいただいた『忘れ物防止ゴムホルダー』について簡単なアンケートを行っていますので、ぜひご協力をお願いします!お寄せいただいた回答を参考に、2025年2月リリースを予定しています。お楽しみに!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年09月04日個と環境の相互作用とは「個と環境の相互作用」とは、個人の特性と、場所や人、物といった環境が相互に影響することで、障害や困りごとが現れるという考え方です。また、この考え方のもとでは、それら両方向の視点で働きかけることで、障害や困りごとの軽減を目指していきます。Upload By LITALICO発達特性検査 編集部LITALICO発達特性検査※でも、この考え方を大切にしています。お子さまの生きづらさや困りごとが「お子さま」と「環境」の相互作用で生まれると考え、監修を担当した検査結果のレポートでも、その立場から環境を調整する方法や、本人のスキルを獲得する方法といったサポートの方法を提案しています。※LITALICO発達特性検査は、お子さまと保護者さまが感じている困りごとに対して、その特性の現れ方や背景、具体的なサポート方法が分かる検査です。オンラインで検査に回答するとすぐに結果が得られ、検査結果によって、お子さまの特性の現れ方の傾向や困っている事柄への対応方法のヒントが得られます。「個と環境の相互作用」の視点で困りごとを捉え、軽減する手段について、いくつか具体例をご紹介します。課題への対応は環境調整や個人のスキルを獲得するなどの方法が考えられます。【個】視力が弱い【困りごと】裸眼で周りのものがよく見えない【環境調整】メガネをかける/文字を大きくする/黒板から近い席にするなど裸眼だと視力が弱くて見えにくい状態でも、メガネをかけて視力矯正したり、見えやすくなる工夫をすることで、困りごとや障害を軽減できます。発達特性に関しても同様の考え方ができます。【個】聴覚過敏があり、ざわざわした音が苦手【困りごと】授業中の周りの音が気になって、教室を飛び出してしまう【環境調整】音が気にならない位置に座席を変える/ノイズキャンセリングイヤホンやイヤーマフを使って苦手な音を軽減する/苦手な音が多い授業では休憩を入れるなど【個人のスキル獲得】苦手な音源から距離を取る/好きなことや集中できることをするなど、苦手な音から気を紛らわす方法を見つけるなど「医学モデル」・「社会モデル」と「個と環境の相互作用」いわゆる障害についてのアプローチには、大きく2つの立場があると言われています。その一つが、本人への治療や働きかけによって困りごとをなくそうという考え方で、これを「医学モデル」と言っています。一方で、障害が周囲の環境によって作り上げられるものと捉え、社会の環境を変えることが障害をなくすことにつながるというのが障害の社会モデルの考え方です。「個と環境の相互作用」は、医学モデルと社会モデルを統合したもので、個人の問題と社会の問題、どちらかだけではないという立場の考え方です。つまり、障害を個人と周囲の環境双方から捉え、状況を全体的に理解することで困りごとや生きづらさを軽減していくということです。これは2001年に世界保健機関(WHO)によって採択されたICF(国際生活機能分類)での主な考え方でもあります。「個と環境の相互作用」を具体的に活かすポイント家庭や園・学校でのお子さまの困りごとに対しても「個と環境の相互作用」の考え方を使って工夫できる場合があります。まずは、個人の特性と環境それぞれを知り、それらの両面から、対応方法を検討します。困りごととなって生じている具体的な行動をピックアップすると、どのように対応するとよいかを考えやすくなります。課題が複数ある場合でも、ある特定の場面の具体的な行動に絞って一つずつ取り組むことをおすすめします。その際のポイントとしては、本人のスキル獲得も合わせて検討することです。前述の聴覚過敏の例のように、環境調整だけでは難しい場合もあるので、双方から考えるといいでしょう。お子さまの特性や状況について、洗い出したり保護者の方が自分で判断したりするのが難しい場合や、対応方法が分からない場合もあるかもしれません。そのような時にはLITALICO発達特性検査を活用すると、理解しやすい情報がまとまって提示されます。Upload By LITALICO発達特性検査 編集部LITALICO発達特性検査の検査結果レポートを使って、「個と環境の相互作用」の視点で対応を考える方法を具体的にご紹介します。LITALICO発達特性検査では、検査結果の回答から、お子さま一人ひとりに合わせたレポートが出されます。そのレポートも「個と環境の相互作用」の考え方でフィードバックされるものが多くあります。例えば、以下のようなお子さまの困りごとを例に考えてみましょう。・いつもと違うことがあると、パニックになりやすい・スケジュールの変更を受け入れられずに癇癪を起こすなど生活する上では、思い通りにならないことや、予定などの変更が必要になることもあるので、うまく受け入れられるようになってほしい、パニックや癇癪を起こす場面を減らしたいというお悩みのある保護者の方も多いと思います。上記のような困りに対して、LITALICO発達特性検査で表示されるレポートの一例をご紹介します。Upload By LITALICO発達特性検査 編集部このように、まず、お子さまの特性や、困りごとの現れやすい背景要因が提示されます。ここでは、個の特性と、環境や条件などの相互作用によって困りごとが起きやすいことが分かりやすく紹介されています。Upload By LITALICO発達特性検査 編集部検査結果レポートでは、単にお子さまの支援目標が提示されるだけでなく、その困りごとが「個と環境の相互作用」によって生じるという基本的な考え方に沿って、お子さま個人のスキルへの働きかけだけでなく、環境調整も視野に入れた対応方法も提案されます。上記のように、環境を調整することで困りごとが起きにくくなる方法など、特性に合わせ、うまくいきやすい対応方法に取り組むヒントが得られます。環境と個の双方向の視点で、お子さまの行動にアプローチ「個と環境の相互作用」の視点で捉えると、お子さまの特性を「いい・悪い」で評価したり、周りの環境を責めたりすることなく、どうしたら困りごとが生じにくくなるかという点に集中して考えやすくなるのではないでしょうか。それが本人と周囲の人、みんなで前向きに考え、困りごとが軽減できるヒントにつながります。お子さまの困りごとについて、実際の場面で具体的に対処法を考える場合、特性と環境のどちらかだけに原因があるかを追及することはあまり意味がないとも言えます。「なぜできないのか?」と責められているように感じたり、お子さま自身も否定されたと感じてやる気や自信を失ったり、逆に頑張りすぎたりして、問題の解決から遠ざかることもあります。それよりも、お子さまにどのような特性があるかを把握し、困っている行動の一つひとつについて、それらの特性と、どのような環境が相互に作用して困りごととして現れるかを考えていくことが、日々の取り組みでは有効です。その際には、環境をお子さまに合うように整えていくことと、お子さまがうまくできるような「個」に働きかけるサポートの両面からのアプローチが大切です。保護者の方が自分で分析するのが難しい場合もありますが、その場合にはLITALICO発達特性検査や専門家への相談などを活用し、できそうなところから少しずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。
2024年09月03日科学への憧れ身も心もボロボロになるほど受験勉強に明け暮れた私ですが、受験のための勉強以外で、大好きだったものがあります。それが理系の分野の学びです。思い返せば、小学生の頃から科学の本が好きでした。母が毎月とってくれていた学習雑誌の科学編を3学年上の兄のぶんまで奪って読むほど、科学に夢中。科学分野かどうか明記のない学習雑誌でも、より熱心に読んだのは物語よりも科学の分野のものだったように思います。身の回りのちょっとした自然現象にも強い興味を持ち、いつも「なぜだろう」と考えていました。中学校の理科で湿度について学んだ時、「なぜ冷たい飲み物を入れたグラスの表面に水滴がつくのか」「なぜ冬の寒い日、窓に結露が浮かぶのか」について初めて納得のいく答えを得て、ものすごく興奮したことを今でも覚えています。鼻血が出るほど科学が好き科学は、一見バラバラに見える世界が、整然とした、そして途方もなく大きな時間的空間的スパンの法則のもとに動いていることを教えてくれます。ASD(自閉スペクトラム症)の少女だった私にとって世界は、いろいろなことがランダムな脅威に感じられる、怖いところでした。自分のことも、まるで「世界からぽっかり浮いた正体不明の宇宙人※」のようで、とても怖かった。※宇宙人という感覚はASD(自閉スペクトラム症)の人がよく抱くといわれていますが、「世界からぽっかり浮いた」というのは、私の二次障害である解離の傾向と関わっていたのかもしれません。その恐怖から逃れたくて、理解可能な規則に基づく安心や納得感、見通し、コントロール感を強く求めていました。そんな私にとって、科学は救いに近いものだったのです。中学に入って最初の理科の授業で先生がしてくれた、位置エネルギーについての話は今でも強烈に心身に残っていて、思い出すと身体中がゾクゾクします。先生が語ってくれたのは、こんな感じの話でした。(私に物理の専門知識はないですし、細かいところは忘れているので、誤った内容が含まれるかもしれません)今、あなたたちはそこに存在して座っているだけで、大きなエネルギーを抱えているのよ。たとえば、私達は今2階の教室にいるけれど、ここの床が急に抜けたらどうなると思う?あなたたちは1階の床に落ちるわね。床に落ちた瞬間、ドーンと大きな音もするかもしれない。落ちた衝撃で1階の床に傷がつくかもしれない。あなたたちがもし、何トンもある重たい物体だったらどうかしら。クレーターができるかもしれない。衝撃波が出て周りのものが吹っ飛ぶかもしれない。落ちたときの強い摩擦で煙や火が出るかもしれない。これが位置エネルギー。あなたたちがそこに静止していられるのは、床があなたたちの体重を支え続けているからにすぎないのよ。私は、周りからぽっかり浮いた存在だと思っていた自分が、宇宙を貫く大きな大きな物理法則に「縛られて」ここに存在しているのであり、まったくもって「世界と無関係」などではなかったのだ、と思い、たいへんに感激しました。そして、「あなたたちはそこに存在して座っているだけで大きなエネルギーを抱えている」という表現は、単に物理的な話としてだけではなく、比喩的な、詩的な話としても響きました。「私は存在しているだけで大きなエネルギーを抱えているんだ、良くも悪くも世の中に影響しているんだ」と思うと、自己否定感の強かった私は、何か強烈に鼓舞されるような感覚を覚えるのでした。マッドサイエンティストになりたかった学校では理科の実験用にお揃いで白衣を買うことになっていたのですが、私はこの白衣が大好きでした。高校の頃、用もないのにそれを羽織ってノシノシと校内を練り歩き、何をするともなく理科室に入り浸っていました。クラスメートが「異常に似合う!」とか言ってくれて、それで気をよくしていた思い出があります。言い伝えられている強烈なキャラクターも合わせて、相対性理論のアインシュタインが憧れの人。理系雑誌を愛読し、実験器具をインテリアとして集め……そんな自分にある種のアイデンティティを感じていて、いつかマッドサイエンティストになりたいと思っていました。あるとき、愛読していた科学雑誌で「誰でも分かる!特殊相対性理論特集」みたいな記事があり、それを血眼になって読んで特殊相対性理論の概要を理解しました。面白すぎていてもたってもいられなくなって、特に仲がいいわけでもないクラスメートをつかまえて30分間かけて一方的に講義したことがあります。もうこの特殊相対性理論の一方的な講義については、何度思い返しても本当に、ASD(自閉スペクトラム症)の私らしい言動だったなと思います(笑)。当時は「クラスメートは面白いと言ってくれた!よいことをした!」とご満悦でしたが、よく思い返せば彼女は断りきれずに我慢して聞いてくれたんだと思います……。泣く泣く文系へそんな私でしたが、高2の時の文理選択ではなんと文系に進み、大学も文系を選びました。だって、絶望的に数学ができなかったんです。物理、化学、生物……誰よりも前のめりで、目をギラギラさせて、鼻血が出そうなほど興奮して授業を聴いているのに、あまりに数学ができないため、テストでは点がとれない。数学、泣きながら必死で勉強して13点をとったことがあります。こんなことでは、仮になんとか受験では受かっても、その後ついてまわる数学に苦労したり、挫折したりするに違いない。悩んだ末、国語や英語は成績がよかったため、文系に進むことに決めました。進んだのは文学作家になるコースでしたが、授業が始まった瞬間、自分には文学に全く興味がない、ということに気づいてしまって愕然としました。同時に二次障害が悪化したのと、家庭環境の悪化も顕著になったのとで、結局勉強にはほとんど集中できないまま4年間の大学生活を終えてしまいました。私は「どの有名4年制大学に行くか」みたいな話しか出てこないような進学校にいたので、高等専門学校というものを知らなかったのですが、30代になって自分の発達障害を自覚したあと、初めて知ることになりました。文系の大学に進まず、理系の高等専門学校に進むなどしていたら、もしかするともっと社会適応できていたかもしれない、と思うことがあります。それでも、今はこれでいいけれど、人生は効率ばかりではありません。私は理系に進まずに人生を「遠回り」したことで、人生をより深めることができたのではないかと思っています。たまたまですが、結果的に今、文章を書くにしろ日本語を教えるにしろ、「言葉を扱う」という人文的なことを仕事にしていることもあり、私の人生はこれでよかったのかもしれないな、と思っています。理系の世界への憧れは、化学の構造式をモチーフにしたアクセサリーを身に着けてニヤニヤするとか、変わった温度計をしげしげと眺めてしきりに感心する、生成AIの活用に没頭する、化学の知識を家事に活かす、などといったことに残っています。文/宇樹義子(監修鈴木先生より)一般的にASD(自閉スペクトラム症)の方は理系に進む方が多いのが現状です。小学校の時は国語が苦手で算数が得意だというのがASD(自閉スペクトラム症)のお子さんにはよく見られる傾向です。例外は限局性学習症(算数不全を伴う)の計算障がいです。国語が苦手なお子さんは算数の文章題が苦手になりやすいですが、算数が苦手なお子さんは計算自体が苦手なので算数の成績だけが悪くなります。そういうお子さんがIQテストを受けると、知覚推理のところだけ数値が低く出るかもしれません。数学が不要な理系もないこともないのですが、科学が好きなら、科学に関した言葉を扱うような文系の仕事が向いているのかもしれません。大学入試も理系から文転する人も多いですが、その逆は理数系教科の影響のため難しいことが多いです。理系っぽい文系がいても悪くはありません。むしろそういう人だからこそできる仕事もあるのではないでしょうか。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年09月01日「学校に行きたくない」と子どもに言われたら、多くの親御さんにとっては青天の霹靂です。本連載の最終回は、ママやパパがテンパらないために大切なことを3つにまとめてお伝えします。引き続き、花まるエレメンタリースクールの校長“はやとかげ”こと、林隼人先生にお話を伺いました。ヒント1.不登校の相談する先は学校以外にもある不登校が増加の一途を辿る中、関連情報は刻一刻とアップデートされています。楢戸:国の登校支援の考え方は「学校復帰が前提」から、学校以外の場での多様で適切な学習活動の重要性を認める方向に変化しています。学びは「(地元の)学校に行く」の一択ではないことを頭に入れ、フリースクールなど別の居場所についての情報もインプットしておくと選択肢が広がります。 【「国の登校支援の考え方」について詳しくはコチラ】また、そもそも不登校について相談する場所は、学校以外にもあるという「他の相談先の存在」を知っておくことも大切です。情報収集をするときに役立つサイトをピックアップして記事の最後につけておきました。情報収集をする中で、「こんな考え方があるんだ」「こんな場所があるんだ」「こんな活動をしている人たちがいるんだ」と知ることも閉塞感を和らげる一助になると思います。【POINT1】(地元の)「学校に行く」一択ではなく、「いろんな場での学び方を試してみる」という選択肢を国が認めていること、「学校以外にも相談先として頼りになる場所がある」ことを知っておく。ヒント2.「勉強の遅れが心配」で勉強させても意味がない楢戸:学校を休むとなると、「勉強が遅れてしまわないかが心配」というママも多いと思います。そこは、どんなふうにお考えですか?はやとかげ:不登校だった子が登校できるようになると、勉強の遅れが気になりはじめる方も多いです。そのときは、「もう(心配性や欲が)出ちゃっていますよ、お母さん」という話をします。保護者の方が、勉強のことを心配するのは当たり前のことです。けれども、「今、保護者が勉強のことを考えたからといって、彼ら・彼女たちの心のエンジンが動き出すのか?」という話です。心のエンジンは、ガソリンが満たされてから動くんです。勉強とは異なるモチベーションからでもエンジンが回りさえすれば、ボンと勢いがついて巻き返すことができます。だから、心のエンジンが回っていないのに、「勉強が遅れるのが心配だから」という理由で勉強をさせようとしても、正直なところ、あんまり意味がないというか…。楢戸:そうは言っても、周りに遅れを取っているのが不安になってしまうんですよね…。はやとかげ:保護者の切実な心配も理解できますから、面談で対話をしながら時間をかけて丁寧に伝えていくこともよくあります。たとえば、本を読み出すタイミングって、人それぞれです。小学校のときから読んでいるからOKという訳でもなくて、高校になってから急に読みはじめる子もいます。それは、なぜか? といったら、自分で「これだ!」と思ったからなんですよね。「宇宙飛行士になりたい」という目的が見つかって、「この中学に行くんだ!」「この高校に行くんだ」となれば、本人に「何のために勉強するのか」というモチベーションがしっかりあるので、必要だと思えば勉強はします。実際に、入学当初は勉強に強い拒絶反応を示していてプリントにはまったく見向きもしなかった子が、「ここに行きたい!」という中学校を見つけたことがきっかけで夢中になって勉強をするようになったということもありました。そういった内なる動機づけがなく、「心配だから勉強をやる」というのは大人でも難しいと思います。勉強は、「その子のヤル気スイッチが、いつONになるか?」という話です。楢戸:「ヤル気スイッチ」は、保護者の永遠のテーマです。はやとかげ:スイッチがいつONになるのか? ということで言えば、いろんな機会、いろんな体験をする中で、心が本当に「私、これやりたいんだ!」に出会うかなんだと思います。気になったことを調べてすぐ芽が出ることもありますが、それだけでなく、大人になってから「こういうことだったのか」と面白さに気づくこともとても大切です。芽を出すタイミングはその子によってバラバラですが、見たり、聞いたり、触れたり、感動したりしたものは、その子の心の中に種がまかれています。今、私たち大人が子どもたちにできることは、できるだけ多くの種をまくことだと思って、いろいろな体験の機会をつくるようにしています。■ひとりの友だちがいればすべてを超えるはやとかげ:不登校の場合は、それ以前の話として、その子が悩んで、心のエンジンが動かなくなっていないかを考える必要があります。そう考えていくと、根本は「人生、今、楽しいな」って思えるか? 1番は、そこの部分です。そして、それは何かといったら、「ひとりの友だちがいるかどうか」なんです。信頼できる仲間と出会えれば、すべてを超えてしまうんです。心のエンジンさえ動けば、彼ら・彼女らは、僕らが想像しないことを成し遂げていく…。僕らは、そんな卒業生を見てきました。楢戸:花メンの第1回の卒業式に臨席しました。卒業証書を受け取った後、卒業生がひと言ずつ話す場面がありましたが、みんな自分の言葉をしっかりと持っていました。はやとかげ:うちには、3~4年間くらい学校に行っていなかった子も多数在籍していますが、勉強についてはまったく問題ないです。これは、全員に断言できます。【POINT2】勉強は心のガソリンを満たして動き出してから! いろんな体験をして、ひとりでいいので信頼できる友だちを作ることが大切!ヒント3.子どもが変わるきっかけは家の中にはない…!?楢戸:最後に、ママたちに「これだけは伝えたい!」ということはありますか?はやとかげ:不登校が長引いてしまった場合、彼ら・彼女らが変わるときは、おそらく家の中ではないんです。変わるときは、何か機会が与えられて、「きっかけ」が生まれたときです。たくさんの不登校の子どもたちと出会ってきた僕は「不登校が長引いてしまった場合は、放っておいて治るということはない」と考えています。そのまま放っておくだけだと、「ただ家にいる」という状態が年単位で続くこともあります。「トラウマだから家で休んだ方がいい」と勧める医師がいたり、勇気を出してバスに乗ったら、やっぱり怖くなってパニックになってしまったり…ということもあるでしょう。でも、やっぱり僕は人が変わるときは、家の外で何かが起こっているときだと思うのです。「今日を凌ぐこと」だけに終始していたら、子どもはあっという間に大きくなります。気がつけば数年経っていた、となったときに、「家で休んだ方がいい」と言っていた人が責任を取ってくれるのだろうか? そこは冷静に考えた方が良いと思います。焦る必要はありませんが、このことは忘れないでいて欲しいです。【POINT3】焦りは禁物! でも、今の状況を変えるきっかけは「家の外にある」というのを頭においておくこと。■不登校の子どもの課題がわかる…花メンの学び楢戸:花メンには、数年単位で不登校だった子どもたちが毎日楽しそうに登校しています。どのような学びが行われているのでしょうか?はやとかげ:漢字や計算といった基礎学習の時間は、全体の20%くらいです。その他の比重イメージとしては、PBL(プロジェクトベースドラーニング・課題解決型学習)が20%、体育が20%、畑が20%、宿泊学習といった野外学習が20%といった学びの中で子どもたちは育っています。いろんなタイプの授業をやってみると、その子が抱えている課題がわかるんです。ある長期不登校の子は、1年生からまったく学校に行っていませんでした。中学年になった今年から花メンに通うようになりましたが、その子の今の課題は、(PBLの一環である)フリマ(フリーマーケット)で見えたんです。課題が見つかったら職員室の全員で、その子のことを話し合います。■多種多様な生きた学びを子どもたちに!楢戸:花メンの職員室に伺うと、いつもいつも、子どもたちのことを話し合っています。はやとかげ:花メンをつくる前に、みんなで「どんな学校をつくりたい?」ということを話し合いました。結論、「職員室を、日本一子どもたちのことを話している職員室にしたい!」となりました。花メンは、不登校に特化した学校としてつくった訳ではないんです。そうではなく、「(既存の学校にはない)独自の子どもの伸ばし方をガンガンやろう!」という気持ちで、毎日子どもたちと向き合っています。英語、スポーツ、農業と、僕らが今までやってきたことすべてを注ぎ込んだ学校で、いわば「日本版インターナショナルスクール」というイメージです。花メンの開校時間から考えると、不登校の子どもたちが通ってくれることは僕たちの思惑通りです。楢戸:取材当日、商店街で「一番好きな夏の歌」について街頭インタビューをしている花メンの子どもたちにばったり会いました。子どもからお年寄りまで世代の違う人に声をかけるのは勇気がいることだと思いますが、臆することなく話しかけていく姿に人間としての力強さを感じました。こうした多種多様な生きた学びで個性がどんどん発揮されていくのだなと感じました。いかがでしたか? 長年、花まる学習会の高濱先生を取材してきました。花メンを運営している花まる学習会グループは、「新しい学びを追求しよう!」というエネルギーに満ち溢れていますが、そのエッセンスを濃縮したのが、花メンだという気がします。子どもが不登校になるかもしれないという状況に動揺する親御さんもいらっしゃるかもしれません。しかし、 発達障害と診断された息子を育てた筆者 は、子どもが「ふつう」から外れたときこそ、親子ともども世界が広がるチャンスなのだと実感を込めて思います。ぜひ、多くの学びの選択肢にアンテナを伸ばしてみてくださいね!■不登校に関する情報収集で役立つサイト【学校以外の子どもの居場所】● フリースクール全国ネットワーク 日本全国の子どもの居場所・フリースクールをつなぐネットワークのサイト。「加盟団体一覧」を見てみると、「新しい学びの可能性に挑戦している団体が、こんなに世の中にあるのか!」と驚く。地域毎に分かれているので最寄りのフリースクール探しに役立ちそう。【学校以外の不登校についての相談先】● こころもメンテしよう(厚生労働省) 国が作った若者を支えるメンタルヘルスサイト。「困ったときの相談先」をクリックすると、若者向けのサイトなので「どんなふうに相談すればいいの?」と初めて相談をする時の心の持ち方を知るコンテンツもある。「こころの相談窓口」には、地域の保健所や保健センターなど、公的な相談先が多数紹介されている。● 児童相談所一覧(こども家庭庁) 不登校の相談は、児童相談所でも受け付けている。都道府県別の対応窓口の電話番号が出て来るのでアクセスしやすい。● カタリバ相談チャット 不登校支援の名著「不登校親子のための教科書」を作ったNPOカタリバのサイト。他の保護者の話が聞けるオンライン(Zoom)でゆるやかにおしゃべりする会を定期的に開催して」いるそう。不登校傾向で悩んでいる保護者を対象に、30分のオンライン面談も行っており、利用は無料。【花まるエレメンタリースクールとは?】花まるエレメンタリースクール(通称・花メン)は、学校に行かない選択をした子どもたちのためのフリースクールです。写真は実際の花メンの子どもたち。全員が不登校の経験があるとは信じがたい、生き生きと自信にあふれた表情です。●「花メン」の日々の様子: インスタグラム 林 隼人(はやし はやと)プロフィール花まるエレメンタリースクール校長、ファッションブランド「ノットイコール」代表、農業×ビジネス教室「みんなビレッジ」主宰。元中学校教諭、サッカー日本代表 川島永嗣と立ち上げたグローバルアスリートプロジェクト学長を経て、高濱正伸との運命的な出会いがあり現在に至る。親と離れて暮らす社会的養護の子どもの人権活動にも取り組んでいる。
2024年08月30日近年は、「(地元の)学校に通うことだけが選択肢ではない」といった視点が主流になりつつあると話すのは、花まるエレメンタリースクールの校長“はやとかげ”こと、林隼人先生。子どもが学校に行かなくなった時に親がどうすればいいのかお話を伺います。■子どもが学校に行かないのは母親のせい?楢戸:子どもが「学校に行きたくない」と言いはじめたとき、ママは「私の育て方が悪かったからではないか」とか「辛い気持ちに気がついてあげられなかった私が悪い」と、自分を責めてしまうことも多いと思います。はやとかげ:そんなことは、全然思わなくていいですね。まったく‼ こう僕が声を大にして伝えたいのは、「学校に行けない子どもに遠慮している親御さん」に数多く出会ってきたからなんです。「学校に行きたくない」と言われれば、誰もが不安になるでしょう。でも「学校に行けない」という問題はあるかもしれないけれど、卑屈になる必要はまったくありません。「そうか、学校に行きたくないんだね」と、落ち着いて事実を受け止めて欲しいと思います。不登校の根底の原因は、多くの場合は人間関係です。人間関係での傷は、人間関係でしか癒やせないんです。だから、お母さんひとりだけで抱え込んでどうにかなる話ではないということは、心しておいて欲しいと思います。楢戸:では、親は何もできないのでしょうか?はやとかげ:何かできるとすれば、お母さんの失敗談や辛かったときのことを話すのがいいと思います。たとえば、「お母さん、小学校のときにグループのなかで仲間外れにされたことがあってね。そのことを高校生のときまで誰にも言えなかったんだ」。こんな話をしてあげられたら、子どもは安心して、もしかしたら本音が出てくるかもしれません。■不登校の理由に嘘をつく子どもはやとかげ:一方で、もうひとつお伝えしたいことがあります。それは、子どもの言うことをすべて真に受けないということです。楢戸:子どもが言うことを真に受けてしまうのは、良くないのでしょうか?はやとかげ:時にはクリティカルシンキング(批判的思考)も必要だという話です。たとえば、不登校の「表向き」の理由で多いのは、「うるさい音が苦手」や「先生と合わない」といったことです。音に対しての感覚過敏や先生という理由は、子どもにとって言いやすいんです。「何と言えば大人が納得するのか」ということを、子どもは真剣に考えています。僕らは子どもたちと接するときに多大なリスペクトを持っていますが、「子どもは嘘をつく」という大前提も忘れてはいません。だから、「これは、嘘だな」とわかるんです。楢戸:子どもは嘘をつく!?はやとかげ:僕も「元・子ども」なので、よくわかります。子どもの頃は、その場逃れの大嘘をよくついていました。僕の周囲にいた友だちだってそうです。そして、(嘘をついていることを)気づいてもらえると、じつはホッとしたりもしていました。だから僕らは子どもと接するときに、本当にド直球で「それ、違うだろ」と真実を突いて、彼ら・彼女らを解放してあげることもあるんです。これは、子どものためです。子どもの側も、嘘を見抜いてもらえないと大変です。最初は少しごまかすつもりが、気づいてもらえないと、雪だるま式に嘘をつき続けなければなりません。想像してみてください。嘘に嘘を重ねていく時間の重さを。真実を突いてもらえれば、そんな時間からは解放されます。だから、僕らが気づいてあげて、「いや、お母さん。これはそんな大きな話ではなくて、シンプルな話です」と実情を話しつつ、状況を整理していくこともあります。昔は、子ども同士で結構そういうことをやっていたんです。リーダー格の子が、「お前、嘘つくなよ」などと言ってくれた。それに似た感覚で、真実を突き、本人を解放してあげることで状態が良くなる子もいます。■学校を休む目安は?楢戸:今みたいなエピソードを伺うと、「たしかにママだけでは難しいな」と感じます。「(学校以外の)他の選択肢を探す」という段階と、「ちょっと学校を休ませて、少し様子をみてみる」という段階。この時期の見極めは、どうしたらいいでしょうか? はやとかげ:1ヶ月半をひとつの目途にしてください。学校を休んでゆっくりさせたのは良かったけれど、1ヶ月半を過ぎてくると、「ここからはコンディションが下がってしまう一方」みたいな段階が来ます。楢戸:学校に行かない期間が長引くと、保護者にも焦りが出てくると思います。はやとかげ:1ヶ月半が経ってしまう前から、(学校以外の)他の選択肢に目を向けはじめるという感覚を持てていると、楽ですね。「地元の学校に通う」ということが野球だとしたら、スポーツはサッカーやバスケット、バレーやテニスなどいろいろある、そんな感覚です。継続的に通うかどうかは一旦置いておいて、学校以外の居場所に見学に行ってみることもおすすめしています。学校に「行く」「行かない」という2択の中で子どもを追いつめるのではなく、他の選択肢があることを知るだけで、「やっぱり学校に行くわ」と言い出す子どももいます。「海外に行ってみたら、日本の良さがわかった」というのに似たイメージかもしれません。 視野を広げるという意味でも、家に閉じこもりっきりになるのではなく、さまざまな教育機会に触れるのは良いことだと思います。【POINT】不登校はけっして本人やママのせいではない! 学校に行きたくない理由は嘘をつくこともあるので、クリティカルシンキング(批判的思考)も忘れずに。最初の1ヶ月半の間に学校以外の居場所を探してみよう!経験値に基づいたはやとかげ校長の言葉には、説得力がありました。次回は、ママやパパがテンパらないために大切なことをまとめてご紹介します。【花まるエレメンタリースクールとは?】花まるエレメンタリースクール(通称・花メン)は、学校に行かない選択をした子どもたちのためのフリースクールです。写真は実際の花メンの子どもたち。全員が不登校の経験があるとは信じがたい、生き生きと自信にあふれた表情です。●「花メン」の日々の様子: インスタグラム 林 隼人(はやし はやと)プロフィール花まるエレメンタリースクール校長、ファッションブランド「ノットイコール」代表、農業×ビジネス教室「みんなビレッジ」主宰。元中学校教諭、サッカー日本代表 川島永嗣と立ち上げたグローバルアスリートプロジェクト学長を経て、高濱正伸との運命的な出会いがあり現在に至る。親と離れて暮らす社会的養護の子どもの人権活動にも取り組んでいる。
2024年08月29日子育てアイデアが満載!『子どもが発達障がいだとわかったときパパがやること全部』Upload By 発達ナビBOOKガイド著者の橋謙太さんの娘さんは、3歳のときに発達障害があることが分かりました。本書は、現在22歳になった娘さんを育て上げた橋さんご自身の経験から、父親が主体的に子育てするための「仕事・家事・育児」のアイデアをたっぷり盛り込んだ、発達障害児の父親による育児本です。娘さんの障害が分かった時から就職するまでを振り返りながら、家計のやりくり、保育園・幼稚園・地域との関わり方、母親や祖父母とのコミュニケーションのコツ、小学校選びのポイントまで、具体的に解説しています。橋家の子育ての様子がマンガで紹介されているほか、6つの家庭の体験談も掲載。リアルな子育ての情報を参考にすることができます。園や学校とのやり取り、療育や病院の利用など、まだまだ母親の出番が多くなりがちな発達障害児の子育て。仕事が忙しい父親の育児参加はあきらめている……というご家庭もあるかと思います。しかし、本書をきっかけに、一度立ち止まって「なんのために働くのか?」を考えてみることで、生き方や家族のあり方まで変わるかもしれません。「親なきあと」の課題に向き合う渡部伸先生の新著『Q&Aと事例でわかる障害のある子・引きこもりの子の将来のお金と生活』Upload By 発達ナビBOOKガイド発達ナビでも多くの記事をご執筆・ご監修くださっている渡部伸先生は、行政書士や社会保険労務士などの資格を持つ専門家として、障害のある方やそのご家族を支える”「親なきあと」相談室”を主宰されています。渡部先生のもとには年間100件以上の相談が寄せられると言います。相談者は障害のある子どもを持つ親だけでなく、きょうだいや親族、本人である場合もあるそうです。そんな渡部先生のご経験をもとに書かれた本書は、障害のある子や引きこもりの子の将来を支える制度や仕組みに関するギモン、本人の年代別に取り組んでほしい対策、具体的な親なきあとの相談事例とアドバイスなどを紹介しています。わが子の将来に漠然とした不安を抱えているけれど、どのように動いていったらいいのか分からない……と悩んでいらっしゃる方も多いと思います。そんな不安を和らげる道しるべのような本書を通じて、まずはどんな準備が必要なのか知ることから始めてみてはいかがでしょうか?主役は全員!個性バラバラの7人組が事件に挑むミステリー小説『転ぶ。凸凹探偵チーム』Upload By 発達ナビBOOKガイド個性バラバラの7人組が、それぞれの得意を活かしながら事件を解決していく「凸凹探偵チーム」シリーズの第2作です。ASD(自閉スペクトラム症)のアルトと、朝が弱い理人は同じ中学校に通う、同い年のいとこ同士。アルトには「理人といつも一緒にいる」「毎日同じルーティンで行動する」など、いろいろなルールがあります。そんなアルトのこだわりに困ってしまうこともあるけれど、アルトの記憶力は抜群で、事件を解決に導いてくれることもあるのです。アルトと理人と共に活動する「虹中新聞チーム」の7人のメンバー達も、苦手なことや得意なことはバラバラ。お互いの違いを自然に認め合いながら、力を合わせて身の回りに次々に起こる事件に立ち向かっていきます。個性的で魅力いっぱいの登場人物に自分自身を重ねたり、スリリングな展開にハラハラしたりと、親子で一緒に楽しむことができる作品です。また、本書は『歩く。凸凹探偵チーム』の続編となっています。登場人物たちの成長がより感じられるので、ぜひ合わせてご覧になってみてくださいね。豊富な図解で分かりやすい!『発達障害や身体障害のある子どもへの摂食嚥下サポート 「食べる喜び」を支える!! 園や学校でできる!!』Upload By 発達ナビBOOKガイド私たちが生きるために欠かせない「食べる」という行為。当たり前のことのように考えがちですが、子どもにこだわりや感覚過敏があってなかなか食べてくれない、スプーンやフォークをうまく使えない……などのお悩みがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。長年障害のある子どもたちの「食」をサポートしてきた島田療育センターの中村由紀子先生と稲田穣先生が書かれた本書には、障害のある子どもの摂食嚥下にまつわるさまざまな課題に関する解説と、実践的なサポート方法が随所に盛り込まれています。摂食嚥下や発達に関する医学的知識のみならず、食事の姿勢や食具の使い方のサポート、栄養のこと、医療的ケアから口腔ケアまで、豊富な図解で分かりやすく解説されている本書。あらゆる方向から障害のある子の「食べる喜び」をサポートするヒントが満載です。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年08月29日勉強についていけず自己肯定感は下がるばかり。ついに「学校へ行きたくない」と言い出した娘発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたマンガ「発達障害の子どもと私たち」。今回はみき編 第2話をお届けします。5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた小学4年生のみきさん。小学3年生から勉強に困難さを感じるようになり、「学校へ行きたくない」というほどに苦しむようになりました。そんなみきさんを見守る保護者は、どうすればいいのか迷っていて――。マンガ「発達障害の子どもと私たち」みき編第2話Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談「授業についていけないのは私だけ」という娘に母は――Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談勉強についていけなくなったASD(自閉スペクトラム症)小4のみき発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたストーリー「発達障害の子どもと私たち」みき編第2話をお届けします。5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けているみきは、就学相談で知的障害特別支援学級に入るか相談しましたが、IQが入級基準以上だったため通常学級と判定されました。今は通級指導教室へ通っています。小学4年生になったみきは学校の勉強にだんだんとついていけなくなり、自己肯定感は下がるばかり。頑張っているのに上手くいかない状況に追い詰められていきます。一方母は、みきの様子を見て、集団授業についていけないなら少人数で見てもらえる特別支援学級を考えるように。次回、第3話では学校との転籍への話し合いが始まります。第3話「「学校がつらい」娘の心が壊れそう…!特別支援学級へ転学希望も、担任は反対で…」ぜひご覧ください。心理面の支援と通常学級の中での特性にあわせた支援【専門家解説】小学校中学年になって学習内容も複雑になり、一部の授業での理解が困難になってしまうことに加え、そのことが大きなストレスや不安につながり、みきさんはとても苦しんでおられます。お母さんは、みきさんの自己肯定感を上げようと社会や理科は頑張れているという話をされていますが、本人はできないところに注目してしまっているようです。お母さんや通級の先生だけでなく、通常学級の担任の先生が普段の授業の中でみきさんの頑張りを認めていくことが重要になっていきます。通常学級の授業の中で、例えば「主人公の気持ちを理解する」という課題は、ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもにとって難しい課題だと思いますし、グループの話し合いに積極的に参加することはなおさらです。こうした特性を担任の先生が理解し、適切なヒントや援助を出せるかどうかが通常学級の中での本人の学びに大きく影響します。担任の先生だけで困難な場合は、特別支援教育コーディネーターや通級指導教室の先生に親や本人の間に入ってもらうことも考えられると思います。通級指導教室の先生に通常学級での授業を見学してもらったり、担任の先生と情報交換をしてもらうことも一つのアイデアです。Upload By ユーザー体験談発達障害のあるお子さんの学習を含めたサポート方法について詳しくは以下をご覧ください。【マンガ発達障害の子どもと私たち】ぜひご覧ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月29日再登校にチャレンジ!…だけどまた行けなくなった中学3年生の春特別支援学校中等部に進学した息子は1年生、2年生と登校できない日々が長く続きました。しかし、3年生の新学期、突然「学校へ行く!」と宣言し登校し始めたのです。2年間、息子の成長を見守ってきてくださった先生方も、この変化に驚きつつもすぐに万全のサポート体制を整えてくれました。久しぶりの学校生活を全力で楽しむ息子の姿は、私たち家族にとっても大きな喜びでした。クラス写真では、恥ずかしがる他の生徒を気遣って自ら中央に立ち、係の仕事にも率先して取り組み、クラス委員に立候補するなど、これまでからは考えられない新たな一歩を踏み出し始めました。きっと3年生は、これまでと違う1年になるかもしれないと誰もが淡い期待を抱きましたが、やはり無理があったようでしばらくすると再び布団から起き上がれなくなりました。Upload By 花森はな息子にとって、体の不調以上につらいものがありました。それは、スクールバスでした。当初は我慢して乗っていましたが、次第に「バスの匂いがキツくて吐きそう」「逃げ場がないからパニックになる」と訴えるようになり、乗ることができなくなってしまいました。スクールバスに乗れない時はタクシーを利用していましたが、こちらも同様の理由で利用を断念せざるを得ませんでした。わが家は普段から車に乗る機会が少ないため、息子は車に慣れていないということもありますが、車が苦手な子どもというのは一定数いるはずです。こういった状況を担任の先生に相談したところ、「車酔いをする子は毎年いるけれど、大抵は1ヶ月ほどで慣れてしまうんですよ」との回答でした。しかし、息子のように長期間にわたって車に強い拒否反応を示す子は、先生の経験上これまでいなかったようです。いっそ就職!?再び立ちはだかる進路選択の壁特別支援学校は高等部まで設置されており、息子も当然のように内部進学を予定していました。しかし、スクールバスへの強い抵抗感から、高等部での学校生活が送れるのかという不安が頭をよぎり始めたのです。そんなある日、息子は思わぬ言葉を口にしました。「高等部に行っても高卒の資格取られへんのやったら、就職したらあかんのかなぁ?」特別支援学校の高等部を卒業した場合、学歴は「高卒」ではなく「特別支援学校高等部卒」となり、制度上は大学入学資格は得られますが(実際に希望する大学の受験が可能かどうかは履修単位などの確認が必要)、一般企業への就職活動など他のことでこの先不利になることがあるのではないかと、息子は入学時からずっと気になっていたようです。そこで夏休みに、特別支援学校内で開催される「福祉事業所合同説明会」に参加してみることにしました。Upload By 花森はな就労継続支援って?福祉事業所合同説明会当日を迎えました。どのような感じか全く想像がつかなかったのですが、体育館のような大きな会場で行われるのではなく、地域別で教室が区切られており、事業所ごとのブースが設けられていました。あらかじめ人が多いことが予想されていたので、混雑しているところではパニックが起きやすい息子の参加は難しいだろうと判断し、今回は私一人で参加することにしました。まず自分が住んでいる地域の教室に行きました。各ブースを回る前に、受付で説明会全体の概要や、就労継続支援A型とB型の違いについて教えていただきました。就労継続支援A型とは、障害のある方が一般企業などでの就職が困難な場合に、一定の支援がある職場で雇用契約を結んだうえで働くことができる障害福祉サービスのことです。働く時間は事業所によりさまざまなパターンがあります。基本的に4時間以上〜6時間未満の事業所が多くなっています。働く日数は「週3~5日程度」という事業所がほとんどで、週の出勤日数を相談しながら決められる事業所もあります。就労継続支援B型とは、障害のある方が一般企業などでの就職、また雇用契約に基づく就労が困難である場合に、雇用契約を結ばずに働くことができる障害福祉サービスです。就労継続支援B型では、福祉的就労の中で障害や体調にあわせて自分のペースで働きながら、就労に必要なスキルなどを習得することも可能です。説明が一通り終わった後、早速、一番近くの事業所のブースへと向かいました。どの事業所の方も、質問に丁寧に答えてくださり、それぞれの事業所の特色や魅力について丁寧に教えてくださいました。グループホーム一体型の事業所では、グループホームで暮らしながらそのまま事業所に通えるというシステムで、母子家庭であるわが家がもしもの時に息子を安心して任せられる手段の一つとして、教えていただいてありがたく思いました。また、別の事業所では、現在心の拠り所に困っている息子に、まず居場所として18歳以上65歳未満の方が利用できる就労移行支援を提案してくださり、将来自立した生活を送るためのサポートについて話をしてくれました。就労移行支援ってなんだろう?障害のある方の社会参加をサポートする、国の支援制度で障害者総合支援法という法律があります。就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく就労支援サービスのひとつです。一般企業への就職を目指す障害のある方(65歳未満)を対象に就職に必要な知識やスキル向上のためのサポートをおこないます。歳に達する前5年間障害福祉サービスを利用された方で、65歳に達する前日において就労移行支援を利用されていた方は引き続き利用することは可能です。また18歳未満の方でも、児童相談所長や自治体の判断によっては利用と認められる場合もあります。 By 花森はなこんなにあるんだ!?多種多様な事業内容地域の事業所は参加されている数が少なく、別の地域のブースも回ってみることにしました。同じ市内でも場所によって事業所の数が全然違います。こちらの会場内は活気にあふれ、通路を歩いているだけでも「チラシだけでもどうぞ!」「SNSあるんでよかったら見てくださーい!」とたくさん声をかけられました。その中でパソコン関係の事業所があったので、説明を聞いてみることにしました。パソコンの修理や解体、組み立てなど、実際に手を動かしながらパソコンの仕組みを学べるというところが、パソコン好きな息子に合いそうだなぁと感じました。「いつでも見学に来てくださいね!」と事業所の方もとても親切でした。ほかにもさまざまな事業所がありました。カブトムシや熱帯魚のお世話を自宅で行うという事業所では「温度管理やルーティンワークが得意な方に向いているんですよ」と、具体的な仕事内容について説明がありました。カフェを運営する事業所では、実際に販売されているメニューや店内の写真を見せてもらい、カフェ運営を通しての地域の人との交流を伺いました。さらに、野菜栽培、ネイルチップ制作、グラフィックデザインなど、多岐にわたる分野の事業所があり、就労支援の幅の広さに本当に驚きました。特に、野菜栽培の事業所のSNSでは、丁寧に野菜を育てる様子が写真や動画で細かく紹介されており、笑顔で楽しそうに仕事に取り組んでいる様子が伝わってきました。Upload By 花森はな福祉事業所合同説明会で開けた未来への扉説明会にいざ参加してみると、高校2年生や3年生の保護者ばかりで、中等部からの参加は少数派でした。特別支援学校高等部では、在学中は就労に向けた実習を積極的に行っているため、高等部を卒業してから就労支援を利用するのが一般的です。就労支援の利用はA型B型共に原則は18歳以上の成人なので、相談支援の方からも、「残念ながら中等部卒業直後の就労支援の事例は聞いたことがないです」と言われてしまいました。このまま高等部に進んで就労支援を目指すのか、この先も就職への道を模索するのか、私たちはもう一度進路についてよく考えてみることになりました。しかし、今回の説明会を通して、就労支援に対する認識が大きく変わりました。就労支援というと軽作業のイメージがありましたが、自分に合った仕事を見つけて「社会参加」できると感じました。自分の子どもが不登校になって、精神障害福祉手帳を取得し、この先どういった未来が待っているんだろうと不透明だったところに、こんな仕事もあるんだ!あんな仕事もあるんだ!とたくさんの可能性を見せていただき、希望の光が見えた気がしました。執筆/花森はな(監修:初川先生より)特別支援学校中等部に適応できず、中3になり進路を考える中で中等部卒業直後に就労する(あるいは就労支援を受ける)選択肢について考えるために福祉事業所合同説明会に参加されたエピソードをありがとうございます。特別支援学校にうまく適応することができなかったり、あるいは障害の種別にうまく合致していなかったり(知的に低くない場合など)すると、中学(中等部)卒業後の進路選択は一筋縄ではいかない面がでてきます。学校の先生や主治医の先生、地域の支援者などと相談しながら検討していかれると良いでしょう。さて、地域の福祉事業所の合同説明会に参加されたとのことですが、就労継続支援A型、B型など地域にある福祉事業所はさまざまな業種、作業を担っています。その地域に長く住んでいても、どの事業所が何をしているのかということはあまり知る機会がないのが実情かもしれません。このように事業所が集まって説明会をしてくださるのはとても素敵で貴重な機会だと感じました。その地域に根差して活発に活動している事業所さんは結構あるというのが私の印象です。息子さんが車やバス移動が苦手となると居住地域に近い事業所がゆくゆくは就労支援をお願いする事業所になるかもしれません。説明会や地域の福祉祭りなど、さまざまな機会に知ることから始めたいですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年08月28日新章「みき」編がスタートします!マンガ「発達障害の子どもと私たち」は、発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたセミフィクションストーリーです。はるき編に続いて、今回から新章みき編がスタートします。5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた小学4年生のみきさん。就学相談では通常学級判定となり、通級指導教室に通いながらトラブルもなく学校へ通っていました。ですが、小学校3年生から勉強に困難さが見られるようになってきて……。マンガ「発達障害の子どもと私たち」みき編 第1話Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談宿題が終わらず、毎晩親子関係は険悪に。配慮を受けるも漢字テストの点数は……Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談勉強について行けなくなったASD(自閉スペクトラム症)小4のみき発達ナビユーザーからの体験談を元にしたストーリーマンガ「発達障害の子どもと私たち」第2章みき編がスタートしました。みきは、5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。小学校入学の就学相談の際、通常学級へ進学するか知的障害特別支援学級に入るか相談しましたが、IQが入級基準以上だったため通級指導教室へ通いながらの通常学級と判定されました。小学校2年生まではつまづきもなく学校へ通えていたのですが、小学校3年生から勉強に困難さを感じるようになり、小学校4年生になると「学校へ行きたくない」というほどに……。今は学校へ行くように促している保護者さんも、葛藤があるようです。勉強についていけないと訴えられた場合、保護者はどうすればいいのか――。次回第2話「授業についていけないのは私だけ。自信をなくす娘、担任からもまさかの言葉が…」ではみきの気持ち、そして学校での様子に迫ります。勉強の苦手さの背景にある書字困難【専門家解説】学校へ行きたくなくなるほど勉強のつらさがでてきたということについて、本人も親御さんも非常につらいと思います。知能検査で通常の知的発達の程度という判定を受けた場合も認知能力の凹凸があるお子さんも多いと思います。また、ASD(自閉スペクトラム症)のある人はかなりの割合でDCD(発達性協調運動症)の併存もあることが最近の研究結果で指摘されています。ASD(自閉スペクトラム症)という側面からの支援だけでなく、書字の苦手さを本人の特性として共通理解し、必要であれば合理的配慮を検討することも考えられます。参考: By ユーザー体験談発達障害のあるお子さんの学習を含めたサポート方法について詳しくは以下をご覧ください。【マンガ発達障害の子どもと私たち】是非ご覧ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月22日漢方薬「柴胡加竜骨牡蛎湯」は不眠やイライラに処方?特徴、効果、副作用や子どもへの処方についても解説柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)は、不眠や不安、ストレスによるイライラ、子どもの夜泣きなどがある際に用いられる漢方薬です。柴胡加竜骨牡蛎湯には身体の炎症を鎮める柴胡(さいこ)や気分を落ち着ける竜骨、牡蛎などが配合されています。漢方医学には体内をめぐる「気」と呼ばれる生命エネルギーの概念があり、気が乱れることで神経が過敏になり、不安やイライラなどの症状が表れるとされています。漢方薬を服用することで気の流れに作用し、自律神経を整え症状を落ち着ける効果があると考えられています。柴胡加竜骨牡蛎湯は子どもから大人まで服用できる漢方薬で、場合によっては0歳児から処方されることがあります。しかし、子どもへの市販薬の使用を考えている場合には、医師や薬剤師にあらかじめ相談するようにしましょう。柴胡加竜骨牡蛎湯は即効性のある漢方薬ではないため、効果を実感するまでにある程度の期間が必要です。一般的には1ヶ月程度で効果が表れてくると言われており、子どもの夜泣きや便秘に用いられる場合は1週間程度で効果が表れるとされています。個人差はありますが、上記の期間服用を続けても症状が緩和されない場合は医師や薬剤師に相談してみるといいでしょう。柴胡加竜骨牡蛎湯の用法、容量は?病院で処方してもらえる?柴胡加竜骨牡蛎湯は薬局やドラッグストアなどで市販されていますが、病院で処方されることもあります。15歳以上(成人)の場合は7.5gを一日2~3回に分けて服用します。年齢によって用法・用量は異なり、以下の基準が厚生労働省から示されています。・2歳未満:成人用量の1/4以下・2歳以上4歳未満:成人用量の1/3・4歳以上7歳未満:成人用量の1/2・7歳以上15歳未満:成人用量の2/3実際には体重や症状、そのほかの要素によっても変わってきますので、病院で処方された場合は医者の指示に従って服用するようにしましょう。柴胡加竜骨牡蛎湯は食前または食間に水か白湯(さゆ)で服用します。なお、「食前」とは食事の30分~1時間前で胃の中に食べ物が入っていない状態を指し、「食間」とは食事と食事の間のことで、前の食事から2時間後が目安です。食間と言っても食事の最中ではありません。また、漢方薬を服用するのが苦手な子どももいると思います。そういったときは、オブラートで包む、医療補助ゼリーに混ぜる、白湯で溶くなど工夫してみましょう。どうしても嫌がる場合は、子どもが好きなジュースやヨーグルトなどに混ぜる方法もありますが、成分に影響が出る可能性もあるため、あらかじめ医師と相談してから試してみてください。参考:都道府県知事が承認する漢方製剤の製造販売承認事務の取扱いについて|厚生労働省柴胡加竜骨牡蛎湯は発達障害の症状に効果があるの?柴胡加竜骨牡蛎湯は発達障害(発達神経症)のある方へ処方されることもあります。発達障害は生まれつきの脳機能の偏りによるもので、ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)などの種類があります。なお、柴胡加竜骨牡蛎湯は発達障害そのものの治療ではなく、発達障害に付随した不安や不眠、夜泣き、神経過敏などの周辺症状の緩和を目的に使われます。また、発達障害のある方に処方される漢方薬は柴胡加竜骨牡蛎湯だけではありません。困りごとに合わせて、抑肝散(よくかくさん)などが処方されることもあります。発達障害による困りごとの緩和には、環境調整や療育などさまざまな取り組みがあり、薬の服用だけでなくほかの方法も合わせて行っていくことが大切です。医師や支援機関などと連携しながら、それぞれに合った取り組みを行っていくといいでしょう。参考:発達障害(神経発達症)|国立精神・神経医療研究センター柴胡加竜骨牡蛎湯の使用はハイリスク?副作用について漢方は副作用が比較的少ないと言われていますが、全くないわけではありません。柴胡加竜骨牡蛎湯にもいくつか副作用が報告されています。柴胡加竜骨牡蛎湯の副作用としては、・発疹、発赤・かゆみ・腹痛や下痢・胃の不快感などが表れることがあります。また、重大な副作用として肝機能障害と間質性肺炎が生じる可能性があるとされており、それぞれ・肝機能障害:身体のだるさ、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)、茶褐色の尿・間質性肺炎:から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱などの症状が表れることがあります。重大な副作用が出るのはまれであり、柴胡加竜骨牡蛎湯が特別ハイリスクな薬というわけではありませんが、自身や子どもが服用して気になる様子があれば直ちに医師に相談するようにしましょう。まとめ柴胡加竜骨牡蛎湯は不眠や不安、イライラ、子どもの夜泣きなどに用いられる漢方薬です。薬局やドラッグストアなどで市販されているほか、医師から処方されることもあります。子どもから大人まで服用することができ、発達障害の周辺症状の緩和のために使用されることもあります。まれにですが、重大な副作用が生じることもあるため、気になることがあればすぐに医師や薬剤師に相談するようにしましょう。参考文献:柴胡加竜骨牡蛎湯|おくすり110番(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月20日「とにかく学校へ行かせなくては」焦った私現在14歳(中3)の息子がいます。7歳(小学1年生の3学期)のときにADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。聴覚過敏、偏食があります。幼稚園に通っている時から「あれ?」と思うことがあり、児童発達支援センターへ通っていました。特別支援学級の見学もしましたが、就学相談の結果通常学級で大丈夫と言われ、小学校へは児童発達支援センターから連絡が入っていた状態での入学でした。入学式、初めての班登校など心配だらけで始まった小学校生活。でも、息子は駄々をこねることも周りを困らせることもふざけることもなく、静かに淡々とこなしていきました。今思えば、本人は相当頑張っていたのだと思います。春の運動会の練習が始まる頃に、行き渋りが始まりました。その時の私は『とにかく学校へ行かせなくては』と必死で、なだめたり、ひどい時には登校班の集合場所が家の前だったこともあり、息子に行くように告げドアを閉めてしまったりしたこともありました。そしてある朝、学校から電話がかかってきたのです。Upload By ユーザー体験談「近所の人から通報された」担任の先生から電話が朝、息子を送り出してしばらくしたあと、担任の先生から電話がかかってきました。先生はイライラした様子で「息子さんが登校途中で動けなくなってしまったと、近所の人から通報がありまして……」と告げました。登校途中で動かなくなってしまった息子は、登校班において行かれ(仕方がなかったと思います)、近所の方に発見されて学校に連絡が入ったとのことでした。Upload By ユーザー体験談わが家は、学区の端のほうなのですが、動かなくなった場所は学校のほど近くのところ。息子は、もうどうしても学校へ行きたくなかったのでしょう。2日後に先生と面談をしたのですが、「これからは班登校ではなく、保護者と一緒に登校してください」と有無を言わさない様子で言われたため、この日から息子が小学3年生になるまで、私は幼稚園児の下の子を連れて毎日一緒に登校することになりました。弟も連れた母子登校。つらいことが多かったけれど、幸せな思い出も保護者も一緒に登校するようにと言われた私には、正直(困ったな……)という思いがありました。息子より3歳下の弟は、幼稚園が始まったばかり。息子の送り迎えをすると幼稚園バスの時間に間に合いません。でも、仕方がありません。バス送迎を辞め、私が車で下の子を連れて行くことでそこは解決しました。また、学校が少し遠かったので、弟は一緒に歩くことはできないだろうと思いました。そこで、少し遠回りになりますが、まず私の両親の家まで行き、下の子を預けてから小学校まで息子と歩きました。息子は、登校中何度か止まってしまったことがありましたが、対処できないようなことはありませんでした。また、途中までとはいえ弟が一緒だったので、お兄ちゃんとして頑張れた部分もあると思います。小学1年生の時は、校門まで行けばそこから一人で行ける日もあったり、教室まで一緒に行く日もありました。また、一度連れて行っても再度学校に戻って下校時刻まで待機したり、学童を使っていたので、夕方にお迎えに行くなどしていました。家→両親の家→学校→両親の家→幼稚園→学校で待機という日が続きました。正直、私もつらかったですし、学校でつらそうにしている息子を見るのも苦しく、もうどうしたらいいのか分からない日々でした。Upload By ユーザー体験談でも、つらいことばかりではありませんでした。息子は、学校で先生にいろいろ言われると扉を閉じたように何も話さなくなると言われていたので、語彙が足りないからうまく話せないのかと思った私は、弟と3人で歩きながらしりとりをしたり、簡単な看板を読んだりしながら歩きました。幸いにも子どもたちはそれを楽しんでくれました。1番楽しかったのは、雪が積もった日にみんなで歩いたことです。雪というだけで子どもたちはテンションが高く、雪を触りながら楽しく通学できました。学校にはいつもより遅れて着きましたが、今となればいい思い出です。また、学校の側に住んでいる方が、きっと登校渋りの子どもを何度も見ているのでしょう、「おはよう!いってらっしゃい!頑張ってるね!」など毎朝優しく声をかけてくれて、1度はお庭のお花までいただいたりしました。優しさが本当にありがたかったです。Upload By ユーザー体験談そして小学3年生になった息子は……小学1年生の3学期、息子はADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の診断が出て、2年生からは通級指導教室に通うようになりました。また2年生の時の担任の先生は、息子のことをよく見てくれ、さまざまな配慮をしてくださり、息子自身少しずつ自信がついてきたようでした。また、息子も学校という新しい環境に、やっと慣れきたのかもしれません。おそらく当時の私は、学校にいる時間が一番長い保護者でした。教育相談の際「いろいろな先生に挨拶したほうがいい」とアドバイスをいただいたので、先生たち、図書室の司書さんや事務の先生など皆さんに「見守りをお願いします」「ありがとうございます」と挨拶をしました。それほど息子は学校で目立つ生徒だったとも言えますが、たくさんの先生方から、温かく見守ってもらえたと感じています。そして息子が小学3年生になった初日のことです。突然「登校班で行く」と本人が言いました。そうは言うも心配だった私は、登校班から少し離れてついて行きました。それから少しずつ、私が班との距離をとるようになり、とうとう本人が「一緒に来ないで」と言うまでになったのです。こうして1年半を超える母子登校が終わったのです。やがて小学6年生になった息子は登校班の班長になり、うしろを歩く新1年生に気を配りながらゆっくり歩き、お休みの子の連絡帳を職員室に届けたり、しっかり務めを果たすまでになりました。現在は中学生。今は今で大変だけれど、あの頃を振り返ると、成長したと思えます中学校への進学の際は、本人と話し合い特別支援学級を選んだのですが、息子にはフィットしなかったようで中学2年生からは不登校を選んでいます。心の健康が1番と考え、今は無理な登校刺激はしていません。学校に行っていない間は、英検などに挑戦しています。息子は高校進学を希望しているので、次こそ息子に合う場所をと高校探しの真っ最中です。今は今なりの悩みがありますが、小学校の頃のことを振り返ると、あの頃も大変だったけれどこうして成長したのだ……と思います。手伝えるうちは私たち親が手伝って、いずれ(できれば近い将来)は、自分で自分に合った環境を見つけて、そこで頑張れるようになってほしいなと思っています。イラスト/マミヤエピソード参考/エマ(監修:森先生より)母子登校をされていた期間の体験談をありがとうございます。下のお子さんもいて大変な中、お子さんの学校生活を支えてこられたのですね。実際、お子さんの登校がスムーズにいかずに悩まれる保護者の方は少なくありません。発達障害の傾向があるお子さんは、感覚過敏があって疲れやすかったり、同級生と行き違いが起きてしまったり、見通しが立てにくくて不安になってしまったりといったことで、学校に行くときに気が重くなってしまうことがあります。行き渋りが出た時、「学校に行きなさい!」と頭ごなしに叱っても、お子さんの不安は解消されません。保護者の方と一緒になら安心して登校できるというケースは多いのです。お仕事や下のお子さんの育児など、保護者の方にもいろいろな事情があるので、大変なことも多いでしょう。でも、母子登校は悪いことばかりではありません。学校のお友達との様子や、近所の方、いろいろな先生方の様子も知ることができます。お子さんがどんなことに不安を感じているか、肌で感じて気持ちに寄り添うことができるようになるというメリットは大きいのではないでしょうか。今回のケースでは、1年半の母子登校を経て、お子さんは自分で登校したいと思うまでに自立しましたね。また、登校がつらいときにお母さんが寄り添ってくれた経験があったからこそ、お子さん自身が最高学年になったときには、下級生たちにも気を配る優しい班長さんになれたのではないでしょうか。お子さんの登校渋りでは、保護者の方も先が見えない不安で頭がいっぱいになってしまうかもしれませんが、お子さんの不安に寄り添って今できることをしていきましょう。これからも、お子さんが自分に合った環境で頑張れるよう、応援しております。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月15日わが子の就学先、選択のポイントは?進路選択にまつわるコラム子どもの幼児期に発達障害や発達に特性があることが分かった場合、多くの保護者が小学校入学前から悩み始める「わが子の進路」問題。先輩保護者の皆さんが、迷いながらも就学先を決断したポイントはどんなものだったのでしょうか?また、わが子の障害について周囲の理解を得ることに苦労した……という方も。発達ナビライター陣や読者の皆さんから寄せられた体験談をご紹介します。4歳でASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)と診断を受けた息子さん。小学校入学後「特別扱いや配慮はできない」と言われ、小学1年生の2学期に自閉症・情緒障害特別支援学級のある学校へ転校する決断をしました。不安もあったものの、そこで転機が訪れて……。中高一貫校に通う中学2年生の息子さん。幼稚園年中の時にASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。おだやかでおっとりした性格の彼が中学受験にチャレンジしたきっかけ、勉強の様子や進学先選びについて教えていただきました。現在6歳の息子さんは、3歳9ヶ月でDQが80で境界域といわれました。就学相談の結果、小学校では特別支援学級へ就学することを伝えると、実母に反対されてしまい……。小さい頃からの困りが、やがて勉強のつまずきに繋がって……。中高生の勉強にまつわるコラム子どもが成長するにしたがって、困りごとの性質も変わってくるもの。ご紹介するコラムは、小さい頃からの困りごとが、中学生・高校生になった時に勉強のつまずきとして表れたというエピソードです。高校1年生でASD(自閉スペクトラム症)と診断された息子さん。診断の時期が遅かったため、合理的配慮のない中で学校生活を過ごしてきました。中学から勉強につまずき、高校3年生になって就職を目標に頑張ることにしましたが……。寺島ヒロさんの長女・いっちゃんは、小学5年生から中学時代まで不登校でした。発達障害と睡眠障害(非24時間睡眠覚醒症候群)があり、朝決まった時間に登校することが難しかったため、通信制の高校に進学しました。大学受験にチャレンジしたいと決意を新たにしましたが、小学4年生の学習範囲からの遅れはいかんともしがたく……。子どもが「園や学校に行きたくない」きっかけは?行き渋り・不登校にまつわるコラムわが子の行き渋り・不登校にお悩みの方も多いのではないでしょうか。園や学校に行きたくない理由はお子さんによってさまざまですが、発達ナビライターや読者の体験談がお子さんの気持ちを知る手掛かりになるかもしれません。keikoさんの息子・しのくんは発達障害グレーゾーンの男の子です。しのくんが5歳頃、突然保育園に行き渋るようになりました。行き渋りの原因はなんと「ゲーム」?毎朝トイレに立てこもり号泣するしのくんに、keikoさんは「与えるのが早すぎた?」と後悔しますが……。スパ山さんの長女・姉子さんは、小学2年生の時にASD(自閉スペクトラム症)と母子分離不安と診断され、小学4年生の時に知的ボーダー、場面緘黙と医師から言われました。姉子さんの発達の凸凹が分かったきっかけは、小学校に入学したと同時に始まった行き渋りでした。10歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けた息子さんは、現在14歳の中学2年生。小学校、中学校と不登校、行き渋りを経験していますが、不登校の理由はそれぞれの時期で違ったそうで……。ケガをさせて謝罪、受け入れ先なし、家庭内暴力も……他害にまつわるコラムお友達や周囲の人たちを傷つけてしまう「他害」。傷つけてしまった相手への申し訳なさはもちろん、わが子が加害者となったショックで、保護者もつらい気持ちになりますよね。実際にわが子の他害行動に悩んだ連載ライターや読者の体験談をご紹介します。星河ばよさんの息子さんは発達障害グレーゾーンで、現在は中学校の特別支援学級に通っています。小学生の頃は切り替えが苦手で、癇癪を起こすことも多かったそうです。ある日、通っている放課後等デイサービスで大きなトラブルを起こしてしまい……。6歳でADHD(注意欠如多動症)、軽度知的障害(知的発達症)と診断を受けた息子さん。小学校入学後は、癇癪が激しく学校では対応できないと言われ、ごく限られた時間のみ登校するような毎日でした。小学1年生のときADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けた息子さん。小学5年生の終わりから昼夜逆転生活、家庭内暴力が始まりました。中学1年生で不登校になり、ますます生活は荒れ、児童相談所へ相談した結果……。まだまだあります!そのほかのヒットコラムはこちらから!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月14日『マンガ発達障害の子どもと私たち』はるき編が完結!「親なきあと」に備えて今からできることや幼少期の「もしかして発達障害?」など【2024年7月】発達ナビでは、発達ナビ読者の困った経験、こうしたら良かったといった経験を読者体験談としてお届けしています。今月も、読者の皆さんからさまざまなエピソードが集まりました。そのエピソードをもとに漫画コラム化!7月は障害のある保護者の方なら皆さん気になる「親なきあと」に備えて今からできることについてや、幼少期に「もしかして発達障害かも?」と悩んだ双子の息子さんのコラムを公開しました。また、『マンガ発達障害の子どもと私たち』シリーズはるき編が完結!子どもの不登校、保護者の苦悩……保護者である「私」の決断は必見です。RINRINさんの息子さんは現在33歳。4歳で知的障害(知的発達症)と診断されました。中学生からレスパイトを利用し、20歳でショートステイに登録、現在はグループホームで暮らしているとのことです。「親なきあと」に備えて今からできることのヒントが詰まったコラムです。現在小学校5年生の一卵性双生児(男の子)の母くまごろうさん。診断はありませんが、二人ともADHD(注意欠如多動症)、さらに次男の方にはASD(自閉スペクトラム症)の傾向があると感じているそうです。1歳の頃から集団行動を全拒否の息子さんたちに、「もしかして発達障害?」と不安を感じ……。運動会が終わった5月の下旬頃から学校への行き渋りが始まったはるきさん。お母さんは「不登校を責めずに受け入れる」対応をとりました。ですが、完全な不登校になってしまったらどうしようと焦りは募る一方で……。学校への行き渋りが始まったはるきさん。頑張って久しぶりに学校へ行ってみたら身体症状が出てしまいます。学校の先生と相談してもはるきさんが学校へ行けない理由や、どうすれば学校へ行けるのか、はっきりした答えは分からずで……。不登校になってしまった小学校2年生のはるき。不登校のはっきりした理由は分からないまま、母は一人悩み、苦しんでいました。そして家族で出した答えは――。はるき編、最終回です!『マンガ発達障害の子どもと私たち』プロローグと1話は以下からご覧いただけます。8月下旬からは新シリーズ「みき編」が連載スタート。お楽しみに!ご自身のエピソードを投稿してみませんか?『発達ナビ 読者体験談』はみなさんのご経験を基に制作されています。ご投稿いただいたエピソードは、連載ライターさんのイラスト、専門家の先生からのコメントをつけた上で掲載させていただきます。「あの時は悩んでいたけれど、今はこうなった……」など、発達障害のあるお子さんを育児しているみなさんへ、ご自身の経験をお届けいただけないでしょうか。ご応募は以下の応募フォームから受け付けております。みなさまのご投稿を、お待ちしております。【現在の募集テーマ】・障害告知・パートナー(夫婦) 関係・両親(義両親)、親族関係・進学・受験関係・冠婚葬祭関連・反抗期、思春期・自傷・学習関係・不登校、行き渋り・ゲームとの関わり・不器用さについて・ママ友や、ほかの保護者の方とのエピソード・ご近所関係(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月10日2024年8月8日に宮崎・日南市で震度6弱の地震…南海トラフ地震臨時情報も…もしもの時に障害のある子どもをどのように守ればいい?2024年8月8日に宮崎・日南市で震度6弱の地震があり、専門家は「1週間程度、同程度の揺れが発生する可能性がある」と注意を呼びかけています。また、南海トラフ地震の想定震源域では大規模地震が発生する可能性が普段と比べ相対的に高まっているとして、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報」(巨大地震注意)を発表しました。もし大地震や津波などの災害に直面したとき、避難勧告が出されたとき、障害のある子どもをどのように守ればいいのか……不安を感じている方も多いと思います。今回はそんな「いざ」という時に読んでおきたい防災についてのコラムをまとめてご紹介します。南海トラフ地震臨時情報が発表されたら!|内閣府発達ナビにて発達が気になる子どもの避難や防災に関してのアンケートを実施。今回はご回答の中から「子どもが家族と離れた場所で被災したらどうすればいいの?」「避難先で処方薬がなくなったときの対応は?」「障害者手帳は取得しておいたほうがいいの?」などの質問に専門家にご回答いただきました。発達障害のある子どもの避難生活やサポート、避難所での配慮のポイント、被害の大きい地域での福祉避難所の設置状況、やむをえず車中泊となった際の注意点についてを専門家の解説とともにご紹介します。いざと言うときに知っておくと安心な情報が満載です。気になるけれどなかなか聞くことのできない障害のあるお子さんのいるご家庭の「防災対策」。読者の方の災害ノウハウの紹介をはじめ、災害が起きる前にあらかじめ子どもに伝えておきたいこと、実際に被災してしまったときはどうする?などを専門家にお聞きしました。避難所には、一般避難所のほかに支援や配慮を必要とする方のための「福祉避難所」があります。いざというときのため、対象者や避難の流れ、さらに事前に準備すべきことなど、知っておきたい情報をまとめました!「みんなのアンケート」によせられた発達ナビ読者の声やアイデアをご紹介!とりいれられる工夫はないか、家族を守るため必要な防災の備えは何か、もし災害が起きたらどう行動すればよいかなどの工夫が満載です。ご自身やご家族の中に、避難するときに支援が必要な人はいませんか?困ったときに「避難行動要支援者名簿」の制度が、大切な命を守ってくれるかもしれません。制度の内容や登録までの流れを紹介します。もし災害支援の際に避難所で困っている発達障害のある方やそのご家族を見かけたら?見た目からは困りごとが分かりにくい発達障害。支援にあたられる方や、地域の方の理解がお子さまのスムーズな行動・安心に繋がっていきます。参考になるコラムがたくさん!防災がテーマの連載コラム(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年08月09日自分らしい働き方を探せる「LITALICO仕事ナビ」LITALICO発達ナビの姉妹サイト「LITALICO仕事ナビ」は、働くことに障害のある人とその支援者をつなぐことを目的としたWebサイトです。「働くことに障害のある誰もが自分らしく働ける社会をつくる」をビジョンに、就労事業支援のサポートのほか、障害者雇用の求人情報や専門家監修の基礎知識記事、障害当事者の体験エッセイなどの情報を発信しています。※クリックすると発達ナビのWebサイトから仕事ナビのWebサイトに遷移します今回は、仕事ナビのお役立ちガイドの中から、仕事ナビライター陣の体験エッセイをご紹介します。発達障害、睡眠障害、精神疾患……大人ならではの困りごともUpload By 発達ナビ編集部子どもの発達障害が分かり、自分自身も似た特性があると感じたという経験がある方もいらっしゃるかもしれません。ゆたかちひろさんもその一人。思い返せば、高校卒業後からのアルバイトでは特性が活かされていたようです。大人になり、苦手を克服するより大切だと思ったことは……。もしかして発達障害?特性を把握すれば苦手も克服できた!フリーター、派遣社員、パート…私に合ってた仕事歴※クリックすると発達ナビWebサイトから仕事ナビWebサイトに遷移しますUpload By 発達ナビ編集部発達ナビでもお馴染みの寺島ヒロさんもASD(自閉スペクトラム症)のお子さんを育てている中で、自分にも同じ傾向があることに気がつきます。睡眠障害もある寺島さんの一日は「始まる前から怠さとの戦い」と言います。子育て、家事、仕事……寺島さんは、日々どんな工夫をしているのでしょうか。大人になって分かった自閉症傾向。睡眠障害当事者の在宅仕事術。起床から1日の組み立て方は?※クリックすると発達ナビWebサイトから仕事ナビWebサイトに遷移します出典 : くらげさんのお悩みは学び直しをしたいけれども、「勉強ができない」ということ。聴覚障害があっても学びやすい教材や教室の少なさ、ADHD(注意欠如多動症)による困りなど、くらげさんの考察は……聴覚障害・ADHDの重複障害の40代が挑む「学び直し」!まずは勉強の仕方から分からない!?試行錯誤の日々※クリックすると発達ナビWebサイトから仕事ナビWebサイトに遷移します出典 : 宇樹義子さんは、32歳のときにASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。二次障害の苦悩を抱えている中、転機が訪れます。診断前の家庭での困りごとや社会に出てからの困りごとを振り返っていただきました。いじめ、母との確執…二次障害での苦悩。32歳でのASD診断、夫との出会いが転機に※クリックすると発達ナビWebサイトから仕事ナビWebサイトに遷移しますLITALICO仕事ナビは、仕事にまつわる情報満載!LITALICO仕事ナビでは、障害当事者の体験エッセイだけでなく、専門家監修のお役立ち記事、就労支援に関する情報や地域の事業所情報、障害者雇用の求人情報もご紹介しています。障害のある成人の方だけでなく、今後成人するお子さんや保護者の方が知りたい情報も掲載しています。ぜひアクセスしてみてください!※クリックすると発達ナビWebサイトから仕事ナビWebサイトに遷移します(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月06日熱中症、宿題、旅行、過ごし方、休み明けの不登校……発達障害や特性のあるわが子と過ごす夏休み、乗り切るコツは?夏休みに入り、熱中症、宿題、旅行やイベント、長期休みの過ごし方などに悩む保護者の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。また、長期休み明けの行き渋りや不登校についても気になりますよね。 今回は、専門家監修の記事やインタビュー、対談、発達ナビ連載ライター陣のエピソードコラムなど「夏休みの困りごと」をテーマにご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。発達障害や特性のある子どもと熱中症「酷暑」とも呼ばれる気温の続く夏休み、気を付けたいのが「熱中症」ですよね。熱中症の予防や対処法をまとめた医師監修のコラムや、感覚過敏・鈍麻からくる熱中症についての連載コラムをご紹介します。熱中症は気温や湿度が高い日などに、さまざまな不調が表れる状態のことです。熱中症について、症状や原因、予防、対策、救急車を呼ぶ目安、発達障害のある子どもに関するQ&Aを紹介します。発達障害のあるコウさんはなかなか水分をとらず、母親の丸山さとこさんは熱中症の危険性にハラハラしていたそう。しかし、ある日学校から帰ってきたコウさんが言った言葉にさとこさんは……。ADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)のリュウ太さん。小学校低学年のとき、山でのキャンプ中に熱中症になってしまいました。母親のかなしろにゃんこ。さんがそこで初めて気づいたリュウ太さんの「特性」とは?計画的にできない!?発達障害や特性のある子どもと夏休みの宿題計画的に進めるのが苦手、あと回し癖でなかなか宿題に手をつけられない……保護者がサポートすることもできるけれど、自主的にやってほしい!発達障害や特性のあるお子さんの夏休みの宿題問題で悩んでいる方は特に多いのではないでしょうか。皆さんどんな工夫で乗り越えているのでしょうか……?夏休みの宿題、うまくいかずに悩んでいる親子も多いのではないでしょうか?一人ひとりの特性ごとに、その困りごともいろいろ。フォローする親のストレスもたまりがちですよね。このコラムではよくある夏休みの宿題トラブルと解決のヒントを発達ナビがご紹介します!夏休みは期間が長いだけに出される宿題の量も多くなりがち。毎年「今年こそダメかもしれない……」と思いながら宿題を進めているという丸山さとこさんと息子のコウさんの奮闘・工夫を参考にしてみてはいかがでしょうか。ASD(自閉スペクトラム症)のあーさん。今までは母親のSAKURAさんのいうとおりに宿題をこなしていたのに、小学2年生の夏休みは、一味違っていて…!?反抗ばかりでなかなか宿題に取り組まないあーさんに、SAKURAさんがつくったものとは……?トラブルにどう対応する?発達障害や特性のある子どもとの旅行やプール、イベントを楽しむコツは……夏休みの楽しみと言えば……旅行や夏ならではのイベント!でも普段と違う場所でのトラブルやパニックなども悩みの種ですよね。旅行先や移動中の対処方法、キャンプでの過ごし方、プールでクールダウン、夏祭りトラブルなど、発達障害や特性のあるお子さんと過ごすコツが満載です。ASD(自閉スペクトラム症)の小学2年生のミミさん。1年生のときと比べて夏休みの宿題が増え、母のtaekoさんは混乱。ですが、たくさんの宿題と学童と家族旅行での自然体験から、ミミさん急成長の夏休みになりました。小学4年生の夏休みに、地元の福祉支援グループの方々が企画したキャンプに参加することになったASD(自閉スペクトラム症)のタケルさん。全く知らない子どもたちと、家族と離れて一人でイベントに参加するのは初めての経験で……。夏休みにキャンプに行く方も多いのではないでしょうか。ですが、発達障害のある子どもを連れてのアウトドアはさまざまな問題点や大変なことがあると思います。このコラムではみんさんにASD(自閉スペクトラム症)の次男Pくんとのキャンプでのさまざまな工夫を紹介していただきました。夏休み、旅行や帰省などで交通機関を利用することもあるかと思いますが、子連れの移動は本当に大変ですよね。ただでさえ大変なのだから、移動時はできる限りパニックを防いで速やかに行動したい!というわけで、今回初めて飛行機に乗ることになったASD(自閉スペクトラム症)のむっくんのために「旅のしおり」を作成し、旅行に臨むことにした母親のウチノコさんでしたが……。親が計画してくれる家族旅行。ですが、感覚過敏があると旅先でも苦労が多いかもしれません。このコラムでは「感覚過敏の子どもと行く家族旅行」について実際に感覚過敏の特性がある加藤路瑛さんに当事者目線でお話をしていただきました。ASD(自閉スペクトラム症)のあーさんが小さい頃は旅行によく行っていたというSAKURAさん一家。今回、4人家族になって初めての旅行を決行!しかし、「いつもと違う状況」であーさんに異変が……!?発達障害のあるむっくんは些細なことで興奮しやすく、嫌なことはもちろん楽しいことでも自分のコントロールが難しくなるときがあります。しかし、そんなむっくんを落ち着ける「夏ならでは」のいい方法があるとのことで……?夏と言えば虫取り、ひまわり、かき氷……いろいろありますが、寺島ヒロさんにとって忘れられないのが「地域のお祭りでの出来事」だそう。ほとんど接点のない子どもたちと大人がたくさんいると夏祭りに一人で参加することになったASD(自閉スペクトラム症)のタケルさん。母親の寺島さんは不安いっぱいで……。発達障害や特性のある子どもと過ごす長期休み……みんなどんな風に過ごしてる?夏休みのトラブルなども発達障害や特性のあるお子さんとの夏休み、毎日どんな風に過ごしたらいいのか、いろいろなことを経験させてあげたいけど仕事もあるし……そんな日々の過ごし方のヒントになるコラムをご紹介します。夏にありがちなトラブルについて書かれたコラムなど、お友達と出かけることも多い思春期のお子さんのいらっしゃるご家庭の参考になりそうです。子どもにとってはワクワクの夏休みも、「宿題が計画的にできない」「だんだん寝る時間が遅くなる」など、生活リズムや体調、学習など、何かとお悩みが出てくる保護者の方も多いと思われます。この記事では夏休みの生活に関する困りごとや計画立てのポイントをご紹介します!車が大好きなASD(自閉スペクトラム症)のスバルくん。冷房の効いた部屋でひたすらミニカーを並べ、大人向けの車のカタログを読み漁る夏休みを過ごしていましたが、母親の星あかりさんは「さすがに別のこともさせないと……」と焦る一方で……。子どもは夏休みでも、働く保護者の皆さんはいつも通り毎日仕事がある訳で……。夏休みは学校がなく放課後等デイサービスの預かり時間も短い!どうしたものかと悩んだシュウママさんはデイサービスの先生に相談してみました。今はもう成人している息子さんが中学2年生の時のエピソードです。幼児期の頃から我慢することが苦手な息子さん。夏休みに、警察から電話がかかってきてヒヤリ!理由は……不正乗車で補導!?夏休み明けに増える登校渋り、不登校……どう対応したらいい?長期休み明けの悩みで多い「行き渋り」「不登校」問題。もしお子さんが休み明けに「学校に行きたくない」と言ったら……精神科医・田中康雄先生の行き渋りや不登校についての対応方法や、不登校新聞編集長・石井志昂さんと考える自殺予防や「TALK」の原則、連載ライターさんの体験エピソードを読んでおくことで、夏休み明けの対応のヒントが見つかりそうです。夏休み明けの9月は、子どもの心身に影響がでやすい時期でもあります。今回は、子どもがどのようにSOSを出すのかや、学校に行きたくないというときの対応などについて精神科医・田中康雄先生にお聞きしました。日本で唯一の不登校専門紙「不登校新聞」。年々、夏休み明けに増え続けている子どもの自殺を止めるために、私たち親は何ができるのか、石井志昂編集長(不登校新聞)と牟田編集長(LITALICO発達ナビ)とともに考えました。寺島ヒロさんの娘さん、いっちゃんは小学5年生から不登校になりました。今までコラム内では「小学校、中学校では話し合って、学校のほうにもご理解いただき、いっちゃんの無理のない範囲で通えるようにしてもらいました」と、書いていましたが、実は!この話し合い、結構大変だったんです……。発達障害のあるリュウ太さんは、夏休み明けは毎年行き渋りがあったそう。気持ちは分かりますが、「行きたくない」「お腹痛い」と毎日朝から言われ母親のかなしろにゃんこ。さんも悩みの種でした。しかし、予想外の出来事で事態が好転して……!?ASD(自閉スペクトラム症)と構音障害の長男けんとさんは、現在小学2年生。入学時から特別支援学級に在籍しています。昨年、1年生の夏休み明け、2学期に入ると特別支援学級の生徒数が急に増えていて……。先生の人員不足…そしてクラスは毎日大賑わいでけんとさんにもよくない変化が……。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月03日「インクルーシブ教育システム」を推進するための指針を、教育リーダーズから学ぶ。2022年に国連から日本へと推進が通達されたこともあり、昨今大きな注目を集めている「インクルーシブ教育システム」。インクルーシブ教育システムとは、文部科学省で下記のように定義されています。「インクルーシブ教育システム」(inclusive education system、署名時仮訳:包容する教育制度)とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が「general education system」(署名時仮訳:教育制度一般)から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要とされている。障害のある子もそうでない子も、共に学ぶための仕組みづくり。しかし実際の市区町村、学校教育の現場では、対応のノウハウが欠如していたり、人員が足りなかったり、チームの目線が合わなかったりと、推進が難しい現状もあるという声も散見されています。そんな中でも、すでに全国でインクルーシブ教育システムを先駆けて推進している人たちがいます。彼らはインクルーシブ教育システムをどのように捉え、何を考え、推進を実現してきたのでしょうか?この連載では、そんな彼らを「教育リーダーズ」と位置付け、その言葉に耳を傾けることで推進のヒントとなる”指針のカケラ”を集めていきたいと思っています。第四回は、2023年にLITALICOと連携協定を結んだ宮城県教育委員会の、佐藤靖彦教育長と佐々木利佳子宮城教育大学副学長のお二人にお話を伺いました。Upload By 発達ナビ編集部佐藤靖彦教育長1988年、宮城県に入庁。人事課長、保健福祉部次長、経済商工観光部次長、会計管理者、環境生活部長を経て、2023年4月に宮城県教育委員会教育長に就任Upload By 発達ナビ編集部佐々木利佳子宮城教育大学理事・副学長2022年、宮城県教育庁義務教育課課長。2023年、宮城県教育庁副教育長。2024年、宮城教育大学副学長連携担当理事・副学長Upload By 発達ナビ編集部教育を開き、学校現場と悩みや感動を共有するーーまずは佐藤教育長にお話を伺います。宮城県が推進してきた教育がどこを目指しているのか、そして教育長としてその原点にあるものがどこにあるのか、教えていただけますでしょうか。宮城県ではこれまで、小・中・高等学校を通じて、人や社会と関わる中で社会性や勤労観を養い、社会の中で果たすべき役割を考えながら、将来の社会人としてのよりよい生き方を主体的に求めさせていく『志教育』を推進してまいりました。そんな『志教育』が始まった1年後に起きたのが、東日本大震災です。ーー2011年の震災のタイミングと重なった。子どもたちは内面的なストレスや、将来に対する不安を抱えながらの生活を余儀なくされました。その時に、ある方の言葉が心に残っているのですが、「子どもたちは復興の進まない荒れた地域で生活をして、その光景を見続けることでそれが『心の原風景』になるんだ」というようなものでした。その言葉に、心を動かされたんです。Upload By 発達ナビ編集部ーー震災後の風景が、子どもたちの原風景となった。だからこそ最優先に考えたのが、1日でも早く学校を再開するということでした。多くの方々のご支援のもと、当時の被災状況からは考えられないスピードで学校を再開することができて、子どもたちの居場所をつくることができました。停電することも多かったのですが、先生たちが蝋燭の火を灯してその中でテストの採点をしていたことをはっきりと覚えています。学校を再開して、学校に行けば友達に会えることが、一番の心のケアになったのではと感じています。地域の方々にとっては元気に学校に通う子どもたちの姿に、希望や未来を見ていたのではないでしょうか。その光景がずっと心に残っていて、それが私の教育における原点の一つになっています。ーーその原点が、『志教育』にも繋がっていると。『教育は明るい未来のためにある』と思っており、同時に教育は未来のための仕事だと信じています。学校は子どもたちの夢の実現のために、未来を創る場所だとも思っています。『志教育』の取り組みは子どもたちに将来への夢や希望を持たせ、復興や地域に貢献できる人材を育てる上で重要な役割を担ってきたものと考えています。ーー今後の推進に向けて、どのような絵を描かれているのでしょうか。そうですね。今後はこれまでの小・中・高等学校との縦の連携に加えて、地域の企業など横の連携にも力を入れ、学校で学ぶ知識と実社会との関連性を意識させながら、子どもたち一人ひとりがより具体的な将来の夢や希望を持って学べる教育環境をつくりたいと考えています。また、子どもたちが積極的に地域に出て、地域の方々と関わりながら活発に活動することで、人口減少が進む中にあっても、地域の人々の目に子どもたちの元気な姿がしっかりと映るような街にしていきたいです。Upload By 発達ナビ編集部ーー教育長が大切にしている考え方として、指針となるものはありますか?3つの指針を掲げています。1つ目が『教育を開く』ということです。今の教育が抱えている課題の多くは、例えば教育の範囲や学校の単位では、解決が難しくなっていると感じています。今後は、教育を地域社会の課題として、全体で考えていく必要があるのです。これまでは、学校という「家」を創ってそれぞれに守ってきたものを、これからは、教育という「街」を地域と一緒に創っていくようなイメージを持っており、そのことをみんなで共有しながら、取り組んでいます。2つ目が『考える、考える、考える』ということで、一度出した結論でもそこに立ち止まらず、常に考え続けることを大切にしています。状況が変われば結論も変わるので、そのことを恐れないであらゆる可能性を否定せずに、常に考え続けてしなやかに進みたいと思っています。最後は『学校現場と悩みや感動を共有する』ということなのですが、教育の本丸は学校での授業だと思っています。楽しい授業であること、子どもたちが行きたくなる学校づくり、学校現場で働く先生がやりがいを持って楽しく働ける学校づくりを目指していきます。前例が無いからこそやってみる精神で挑戦するーー「第2期宮城県教育振興基本計画(改訂版)」を策定される上で、特に大切にされたことを教えてください。何よりも子どもたちの計画となる必要があるということ、そしてこの計画を実現していくために学校現場の先生方が誇りとやりがいを持って働き続けられる環境をつくること、この二点を大切にして策定を進めてきました。施策展開の横断的な視点として、従来のものに加えて「教育DXの推進」と「持続可能な学校教育の推進」を新たに掲げ、ICTを活用した学力向上対策などさまざまな施策においてデジタルを積極的に活用していく姿勢を打ち出しています。子どもたちが主体的に学び、教員がやりがいを持って働ける環境づくりの視点を念頭に置きながら、持続可能な学校教育を推進していきます。ーーどのように策定を進められていったのでしょうか。とにかく、子どもたちの声を直接聞くことを大切にしました。県内5ヶ所で、中高生にも参加してもらって意見を伺い、どんな学校にしたいか、学校生活に何を期待するかなど、自分たちの思いを自分たちの言葉で話してもらいました。そんな子どもたちの声を聞いて、意見交換会に参加した職員たちも目がウルウルしてきて、開催して非常に良かったと思っています。ほかにも子どもたちへのアンケート調査を大規模に行いました。そこで見えてきた生の声が今の我々にとって宝物になっていて、しっかり噛み締めながら共に目指す教育の姿を必ず実現していきたいと思っています。Upload By 発達ナビ編集部ーー「第2期宮城県教育振興基本計画(改訂版)」の中で11の施策を掲げていらっしゃるとのことですが、その中でも自立と社会参加に繋げる、「共に学ぶ教育推進モデル事業」について伺わせてください。小中学校の通常の学級の中で、特別支援学級に在籍する子どもが障害のない子どもたちとどうやって共に学んでいくかを考えています。それは学校だけでなく、外部の専門家ですとか、地域の方々にも協力をいただきながら、障害のある児童生徒が集団の中で、自分を生かすことができる学習環境の整備を進めてきました。ユニバーサルデザインの考え方を授業に取り入れるということで、軸は障害のある子どもたちに対する支援なのですが、結果それがほかの子どもたちにもとっても分かりやすい授業になるという成果も出ています。ーーそんな宮城県は、弊社LITALICOと包括連携協定を結んでから約1年が経過しました。LITALICO教育ソフトを導入して、例えば生徒の実態を入力すると、適切な教材が紹介されるとか、一人ひとりに応じた教材を探すためのツールとして非常に有効だったという声があります。また若手教員も増えていて、特別支援教育に携わった経験のない教員もいるので、支援のスタートを切る上でこのツールが非常に役に立ったという声も聞いています。あとは家庭と学校で同じ教材を使って支援することができるということで、学校と家庭の両輪で支援を行えることも良い点ですね。ーー今後の取り組みについても教えてください。今年4月に開校した「秋保かがやき支援学校」には、従来の支援学校の高等部の普通科と、軽度の知的障害の生徒を対象とした高等部の産業技術科を同じ学校の中に設置しました。それぞれ教育課程は違うのですが、普通科と産業技術科が一緒に学べる機会をつくり、お互いの個性を認め合い、理解し合うインクルーシブな学校づくりを目指しています。先日高等部のスポーツフェスティバルが開催されて、普通科と産業技術科の混合チームで対抗戦を行いました。それぞれ協力しながら競技に取り組んで、大変盛り上がりました。お互いの良さを認め合いながら全員参加を目指す、これこそが共生社会の一つの形だと思っています。Upload By 発達ナビ編集部ーーとても興味深いインクルーシブ教育の取り組みです。また、この学校に地域開放型の実習施設とカフェをつくって、地域の方と交流できるようにしています。そこで生徒がつくった製品や食品の販売が行われ、接客もする形で地域の方と交流を活発に行い、触れ合いながら教育をしていく新しい形の学校です。ほかにも、全国的にも珍しい公立の小中一貫の学びの多様化学校、3つの異なる形態の学びの多様化学校、夜間中学など、学びの多様化を推進しています。ーー先日発表された、新しい学校のお話も伺わせてください。はい、インクルーシブやダイバーシティの視点を重視した、新しいタイプの学校「ideal(アイデアル)スクール」を令和9年度の開校を目指してつくっているところです。単位制で、時間割が8時間目まで幅広く用意されて自分のペースで学ぶことができ、登校できない生徒には県内の通信制高校の単位も認めています。定時制と通信制のいいところを両方持っている、これまでにない全日制の学校で、複数の大学と共同でカリキュラムの開発を進めています。教員が一人ひとりの生徒をきめ細かく対応するチューター制の導入、ICT学習支援ツールを活用した学び直しの授業、企業の長期インターンシップ、多様なキャリアのスタッフによる手厚いサポートなど、本当に理想的な学校になれば良いなと考えています。ーー最後に、教育長が大切にしているインクルーシブ教育を進める上での考え方を教えてください。『前例が無いからこそやってみよう』という風土があって、大変革の時代の中で自分たちが気づいて考えて挑戦するということが非常に大切だと思っています。市町村と一緒に汗をかきながら、課題も解決策も現場にあると思うので、現場に通って私たちの考えとミスマッチが起きていないかを検証し、常にアップデートしながら、一歩一歩努力を積み重ねていきたいと思っています。思わないと実現しないのでまず思うことが大事で、それが全ての第一歩かなと思いながらやっています。民間企業のサポートも取り入れるーーLITALICOは、開かれた教育を進められている宮城県と約1年前に連携を開始しました。その連携のきっかけとなった佐々木様(現宮城教育大学副学長、元宮城県教育委員会副教育長)にもお話をお伺いします。佐々木様の教育の原点にある考え方について教えてください。以前、海外で障害のあるお子さんのリハビリのお手伝いや、親がいない子どもたちが集まる乳児院でボランティアをした時期があります。その時に、ある8歳ぐらいの男の子と接する機会がありました。言葉も通じない中で、折り紙を教えながらやり取りをしていくうちに少しずつ笑顔も増えて気持ちが通じるようになったことがあって。この子たちを救うのは、「教育」だと思いました。子どもたちの幸せにつなげることが教育の役割だと思っていますが、その時改めて教育に携わりたいと強く感じたことが、今の私にとって一番のベースとなっています。Upload By 発達ナビ編集部ーーそんな経験が、今どのように教育に落とし込まれているのでしょうか。例えば宮城県では、「学び支援教室支援事業」というものを立ち上げています。学校に登校していない子どもたちが自分の意思で学校に戻って来たいと思ってもなかなか通常学級の教室はハードルが高いですよね。だから、別に教室を一室用意していつでも登校できるようにしたり、不登校を未然に防ぐために教室で居心地の悪さを感じている子どもたちの居場所をつくったりする取り組みです。不登校の子であろうと障害が有ろうと無かろうと学校は、子どもたちが幸せになるためのお手伝いができる場所でなければという思いがずっとあるので、この教室はとても大切にしています。ーーなるほど。学び支援教室支援事業を立ち上げられた際にどのような課題を感じられていたのでしょうか。先生たちが多忙のために、休みがちのお子さんが別室に登校してもプリントをやってもらうだけとか、それって子どもたちの成長を保証ってできているのかなって感じていました。そこにちゃんとした仕組みをつくることができれば、子どもたちにとってもう一つの教室になる。居場所をつくることができるのではというのはありましたね。Upload By 発達ナビ編集部ーー弊社との連携協定締結、および「特別な教育的支援を必要とする児童生徒の支援に係る実証事業」を立ち上げられた経緯を教えてください。まず、学校の先生たちにとっては特別な配慮が必要なお子さんの支援を考えた時に、どうしても第三者からのアセスメントの視点やサポートが必要だという声を受けていました。そのために、必要な支援が必要なタイミングで届いていないのでは、という懸念がありました。それに加えて、上述の休みがちだったり、教室で過ごすことに居心地の悪さを感じている子どもたちのためにつくった居場所には、特別な支援や配慮を必要としている子どもたちが多いという実感がありました。ですので、一人ひとりにあった適切な支援を、適切に行う必要性を感じていました。また、特別な支援が必要なお子さんの情報共有が、特に中学と高等学校で上手くできていなかった。特別な配慮を要するお子さんは、小学校から中学校、中学校から高等学校に進学する段階の、支援の継続に関して課題がありました。今後やはり高等学校まででもなく卒業後の社会生活まで見通した形の支援計画の作成や支援体制の整備など、さらに追求していく必要があると感じています。今困っているお子さんに必要な支援を届け、学校の間での情報共有を切れ目なくスムーズにしていくために、行政の力だけでは難しいと感じたため第三者としてのLITALICOさんの力を借りた形でしたね。そして、LITALICO教育ソフトのトライアル導入をスタートしました。現在は連携協定内で13の市町村、小中学校38校における特別支援教育の推進に活用しています。Upload By 発達ナビ編集部ーー客観的なサポートと、切れ目のない支援のために必要だった。はい。未就学から、小・中・高等学校までの切れ目のない支援を実現していくために活用しています。実際に現場の先生たちからは指導のサポートになっているという声をいただいていて、発達障害の知識の獲得はもちろん、一人ひとりに合った指導計画をつくったり、日々の指導に役立ててもらえたりしているようです。ーー現場の反響はいかがですか?実際に先生と話す中でも、1年の振り返りの中でLITALICO教育ソフトの導入がまずあがったりと、前年度の踏襲ではなくこのソフトを活かして新しく一人ひとりの生徒と向き合えたということで、現場でも浸透してきているのかなと感じます。とてもうれしかったですね。昨年の夏ぐらいから活用しているのですが、特にお子さん自身がアセスメントを取ったりもできるようになっているので、自分自身を見つめ直すためにも使っていただけるなと感じています。ーー現職の宮城教育大学では障害のある学校の先生方の育成もご担当されているそうですね?子どもたちと同様に、先生を志す学生の中にも発達障害特性を持つ方はいらっしゃいます。だから、まずは本学の教職員に対して障害に対する合理的配慮に関する研修を実施したりすることで、お互いに理解のある環境をつくっていこうとしています。学校って育てる場所であるし、同時に育てられる場所でもあると思うので、教員も一緒に成長できる場でありたいと常に思っているんです。子ども向けにインクルーシブ教育を伝えていくだけではなく、学校の先生方も同じ状況にならないと、本当の意味でのインクルーシブな学びの環境づくりは実現しないと考えているからです。Upload By 発達ナビ編集部ーーインクルーシブ教育を今まさに推進しようとする自治体の方に向けて、何かメッセージはありますか?以前、特別支援学級のお子さんに英語を教えたことがあります。その子はとても数字にこだわりがあり、先生たちの生年月日を全て記憶していました。あるきっかけで30年経って再会した時に、覚えてないだろうなと思っていたら旧姓で呼んでくれて、まだ生年月日を覚えていてくれて。先生が子どもたちに働きかけたこととか一緒に過ごした時間って、子どもたちの中にずっと残っていて。とても尊い仕事だと改めて思いますし、いい加減なことはできません。障害の有る無しに関係なく、子どもたちと先生が共に過ごす時間がより幸せなものになるように、私たちもインクルーシブ教育の推進を続けます。各自治体の皆さまにとっても、宮城県の取り組みが何かヒントになれば幸いです。この連載を重ねることで、インクルーシブ教育推進のためのヒントを集めていきます。佐藤様と佐々木様は、それぞれの別の原体験を持ちながら同じ志を持ち、ビジョンを共有しながらインクルーシブ教育の推進に奔走されていました。これから全国の教育リーダーズの話を取材し、皆さんにお伝えしていきます。インクルーシブ教育の取り組みを知ることで指針を集め、今まさに実践されている、実践しようとしている方のヒントになりますように。ここまで読んでいただきありがとうございました。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年08月01日大学での「合理的配慮」の広がりは?2021年5月に障害者差別解消法が改正・公布され、2024年4月1日より国公立、私立問わず、大学・短期大学・高等専門学校では以前から禁止されていた「障害者に対する不当な差別的取扱い」に加えて「合理的配慮の提供」も法的に義務付けられることとなりました。ある調査によると大学に在籍する障害のある学生は、2012年度:10,916人から2018年度:30,190人へと2.8倍増加をしているとのことでした。その中で発達障害のある学生数も年々と増加し、2012年度:1,573人から2018年度:5,063人へと3.2倍になっています。(※全学生に占める障害のある学生の割合は2012年度0.4%、2018年度は1.0%と0.6ポイントの上昇にとどまる)Upload By 発達ナビ編集部参考:障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第三次まとめ)|文部科学省参考:障害のある学生等に対する 大学の支援に関する調査|総務省オープンキャンパスの季節!発達障害のある子どもの大学進学のために今できることは?受けられる合理的配慮の具体例なども【専門家に聞きました!】Q:発達障害のある子どもがいます。夏休みに大学のオープンキャンパスに行く予定ですが、見ておくべき点や聞いておくべき点などあれば知りたいです。A:オープンキャンパスでも学生相談の担当の方が参加されていると思います。障害のある学生の支援に関して、専門の相談部門があるかどうか、保健管理センターなどの利用、合理的配慮の相談に関する窓口はどこかなど、確認しておくとよいと思います。また、実習などの卒業要件となっている科目について、その内容や合理的配慮によって基準がクリアできるかどうかなど各専攻やコースの教員に尋ねてみるのもよいと思います。Upload By 発達ナビ編集部Q:発達障害のある生徒は大学でどのような合理的配慮が受けられるのでしょうか?具体例が知りたいです。A:全ての要望に対しての合理的配慮が得られるわけではありませんが・提出物の期限の延長、リマインド・授業中の配布物や板書の撮影・別教室での試験や試験時間の延長・パソコンの使用など、本人の障害の種類や程度に合わせて考えていきます。これらの配慮については本人との話し合いの中で決定されます。Upload By 発達ナビ編集部発達障害の大学生のよくある困り、大学での合理的配慮の取り組み、通信制の大学について知りたい!発達障害の大学生、どんなことに困りやすい?「支援の厚い大学」の見分け方や合理的配慮の具体例、合理的配慮をすることで過保護な保護者に思われないか不安……などの質問、疑問に専門家が回答!中央大学の発達障害学生支援の新たな展開。支援に必要な「連携」をどうつくる?同研究チームの主査を務めた山科満教授に、学生支援の根底にある想いや、具体的な支援事例、支援者の方へのメッセージを伺いました。中央大学で発達の特性がある学生への支援体制の構築と支援のノウハウについての臨床研究を続けている山科満教授へのインタビュー。学生支援の現状や、発達による特性がある学生、保護者の方への願いについて伺いました。発達障害がある学生の相談は年々増加傾向に。障害のある学生の修学や大学生活の困りごとに寄り添い、教職員への支援も行う、東北大学の「学生相談・特別支援センター 特別支援室」の取り組みをインタビューしました。障害のある学生を支援するための教職員向けの研修事業や、各大学などにおける障害のある学生の修学支援に関する実態を把握するための調査などを行っている「日本学生支援機構」。発達障害がある学生への支援データや調査結果、実際の支援事例など気になる情報が満載です。発達障害のあるお子さんの大学選び、「通信制のほうがわが子に合うかもしれない」と思っている保護者の方も多いのではないでしょうか。8万人を超える学生が在籍する通信制の大学「放送大学」学びの特徴と障害学生支援についてお聞きしました。「大学選び」「オープンキャンパス」「合理的配慮」「大学生活」についての連載コラム連載ライターさんたちの「大学選び」「オープンキャンパス」「合理的配慮」「大学生活」などのコラムをまとめました。具体的なエピソードは大学探し、大学生活のヒントになるのではないでしょうか。まだお子さんが小さいご家庭も、将来の進路について考えるきっかけになりそうです。寺島ヒロさんの娘さん、いっちゃんは高校3年生。ASD(自閉スペクトラム症)に加え、非24時間性睡眠覚醒症候群と呼ばれる睡眠障害もあるため、日中登校することが難しく高校は通信制を選びました。大学に進学したいという希望のあるいっちゃんのオープンキャンパス参加エピソードです。発達特性のある次男、ウッシーヤさんは受験にあたり中学生の頃から通っている発達支援施設で助言を受け、県が作成しているテンプレートを活用して「合理的配慮申請書」を提出することに。実際の申請書の写しや合理的配慮の内容など参考になる内容満載です!通信制の高校に通っている寺島ヒロさんの娘さん、いっちゃん。大学進学のために学校外の試験や模試を継続的に受け、対策をするようすすめられたのですが、勉強以前の問題が……!?公立高校の普通科へ通う2年生の娘さん。小学校1年生のときADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けました。義務教育期間はスクールカウンセリングや担任との臨時の個別面談など、手厚い支援がありましたが、高校に入って支援が不足していると感じ……そんな娘さんの高校受験、そして大学を目指す、現在のエピソードです。高校1年生の2学期になって、いきなり学力がアップし、同級生たちに追いついた次男ウッシーヤさん。「高校を卒業したら保育科のある大学に進学したい」と目標を持ち大学受験にチャレンジしますがまさかの手続き失敗が起こり……!?私立の中高一貫校に通っていた、寺島ヒロさんの息子さんのタケルさん。今回は高校の進路指導を受けたときのことについて書いていただきました。ASD(自閉スペクトラム症)のある宇樹義子さん。大学に入ると、高校までと一転して自由なぶん、すべてのことを自分で考えて積極的に決めていかなければならず、とても戸惑ったとのことでした。宇樹さんが経験した「大学生活の自由さゆえの困難」とは……。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年07月29日言葉の遅れ(言語発達遅滞)とは?言葉の遅れ(言語発達遅滞)とは、生活年齢から予測される平均的な状態よりも発語や言葉の理解が大幅に遅れることをいいます。例えば、言葉に遅れがあることは以下のような状態をおおまかな基準として判断をします。・1歳半で、意味の伴った言葉が2つ以下である場合・3歳で、「ジュース のむ」など2つの単語による言葉である「2語文」が出ていない場合なお、子どもの言葉が出てこない原因には性格や環境などさまざまな要因による個人差が大きいので、必ずしも上記が当てはまるからといって言葉の遅れがあるとは限りません。参考:改訂版乳幼児健康診査身体診察マニュアル|国立成育医療研究センター言葉が出てこない原因は?発達障害が原因?言葉の遅れ(言語発達遅滞)について専門家が回答!Q:3歳ですが、言葉の遅れがあり、まだ単語しか出ていません。言葉が出ない原因などは何があるのでしょうか?Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン参考:城野 明子, 久保田 功, 楠本 季佐子, 太田 文彦著「言語発達遅滞児の遅れの要因」『小児耳鼻咽喉科』13 巻(1992年) 1 号 P.34-37Q:2歳の子どもですが、まだ言葉が出ておらず言葉の発達が遅れているように感じます。家でできる働きかけなどあるのでしょうか。Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年07月28日新版K式発達検査とは?新版K式発達検査は、子どもの心身の発達の状態を観察し、支援に役立てるための検査です。課題への子どもの反応や回答から、発達の状態を多面的に評価します。検査の適用年齢、かかる時間、費用などは以下となります。・新版K式発達検査の適用年齢:0歳~成人まで・新版K式発達検査にかかる時間:生活年齢や検査を受ける子どもの発達によって検査内容が異なります。時間に余裕をもって受検しましょう。・新版K式発達検査の費用:受検の目的や実施機関によって費用が異なります。専門・相談機関でのアセスメントを目的の場合は無料の場合が多く、保護者や本人の希望により民間施設などで受検する場合はその施設が定める料金がかかりますので、受検の前に確認をしておくと安心です。知能検査は学習能力や知識などの認知機能を中心に評価します。検査結果は精神年齢(Mental Age:MA)や知能指数(Intelligence Quotient:IQ)で示されます。一方発達検査は、知能検査と一部重複する認知機能の評価も含みますが、それ以外にも姿勢・運動の発達や言語・社会性の発達など幅広い領域にわたって評価をします。検査結果は発達年齢(Developmental Age:DA)や発達指数(Developmental Quotient:DQ)で示されます。検査結果の見方や準備するもの、心構えなど新版K式発達検査のギモンを専門家が解説!Q:新版K式発達検査を受けるにあたって、準備するものや心構えなどはありますか?Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンQ:新版K式発達検査を受けたのですが、検査結果の見方などが知りたいですUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年07月27日マンガ「発達障害の子どもと私たち」1章はるき編が完結!発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたストーリー・マンガ「発達障害の子どもと私たち」。この物語の主人公は、発達障害のある子ども、そして彼らを育てる保護者たちです。子どもたちと保護者は、幸せに暮らすことができる環境を迷いながら求め続けます。それを乗り越えるため、それぞれが選んだ道は――。プロローグはこちらからご覧いただけます。はるきは3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けました。小学2年生まで元気に学校へ通っていましたが、運動会が終わった5月の下旬頃から「学校を休みたい」というようになって……。母親は発達障害の勉強をしていて理解はあるのですが、完全な不登校となったらどうしようという気持ちもあるようです。なぜはるきは学校へ行けなくなってしまったのか。はるきの気持ち、そして保護者の決断は……?学校へ行くとさみしくて涙がでてしまう……。不登校トラブルに悩む「はるき編」を完結まで一気読みはるき編全4話は現在公開中です!以下関連記事からぜひご覧ください。そして2章みき編、8月中旬から連載スタートそしてもう一人主人公・みき編が8月中旬から連載スタートします。小学4年生のみきは、5歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。小学校では通常学級に在籍していたのですが、小学3年生から勉強が難しくなり、そして今4年生では――。また、みき編の完結後は、はるきのその後についてもお届けいたします。お楽しみに。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年07月25日「インクルーシブ教育」を推進するための指針を、教育リーダーズから学ぶ。2022(令和4)年に国連から日本へと推進が通達されたこともあり、昨今大きな注目を集めている「インクルーシブ教育」。インクルーシブ教育とは、文部科学省で下記のように定義されています。「インクルーシブ教育システム」(inclusive education system、署名時仮訳:包容する教育制度)とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が「general education system」(署名時仮訳:教育制度一般)から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要とされている。障害のある子もそうでない子も、共に学ぶための仕組みづくり。しかし実際の市区町村、学校教育の現場では、対応のノウハウが欠如していたり、人員が足りなかったり、チームの目線が合わなかったりと、推進が難しい現状もあるという声も散見されています。そのような中でも、すでに全国でインクルーシブ教育を先駆けて推進している人たちがいます。彼らはインクルーシブ教育をどのように捉え、何を考え、推進を実現してきたのでしょうか?この連載では、そのような彼らを「教育リーダーズ」と位置付け、その言葉に耳を傾けることで推進のヒントとなる“指針のカケラ”を集めていきたいと思っています。第三回は、東京都日野市教育委員会の教育長である、堀川拓郎氏にお話を伺いました。Upload By 発達ナビ編集部プロフィール堀川拓郎氏1987(昭和62)年生まれ。 東京大学法学部、米 コロンビア大学教育大学院卒業。 2010(平成22)年文部科学省入省。 初等中等教育局 教育課程課係長、幼児教育課専門官、 スポーツ庁オリパラ課専門官、初等中等教育企画課専門官、教育 DX推進室室長補佐等を経て2022(令和4)年から現職。Upload By 発達ナビ編集部全員が主体的に取り組むことができるよう対話を重ねるーー本日はよろしくお願いいたします。日野市の教育をリードする立場にある堀川さんですが、まずはご自身の教育に対してのお考えの原体験にあるものを教えていただけますでしょうか。原体験で言うと、あれは今からちょうど10年ほど前に、アメリカのコロンビア大学に留学して教育工学を学んでいた時の話です。学校の先生たちが日々実践していることを持ち寄って、自分たちで研修をつくるというプログラムに出合ったのですが、そこで大きな衝撃を受けました。というのも、先生たちがこんなに良い顔をするんだって驚くほど、そのプログラムにみんなワクワクしながら参加していたんです。Upload By 発達ナビ編集部ーー先生たちから能動的でポジティブなエネルギーを感じたと。そうなんです。研修が終わって帰るときには、明日から学校で実践するのが楽しみだとうれしそうに話していて。やらされるのではなくて、自分からこれをやりたいという人たちが集まってモチベートし合いながら学ぶことで、こんなにも希望が生まれるのかと感じました。挑戦する先生がどんどん増えていくこと、そして挑戦する先生が称賛される社会をつくっていくことが、教育にとって不可欠である。そのことに実感として気付いたんです。ーー今のご自身の教育観にもつながっていますか?はい、私自身強い意志を持って教育委員会という立場にいるつもりですが、一律に型にはめるということではなく、それぞれの学校と先生と子どもにとっての「やりたい」を尊重し応援することを大切にしたいと常に思っています。そしてその気持ちがしっかりと現場にも伝わって、現場に自身の挑戦を応援されていると心底感じてもらえる状態まで持っていきたいと考えています。ーー思い描くだけではなく、現場への浸透までがやはり大切であると。そうですね。今日も明日も学校に行きますが、教育委員会は先生たちの挑戦を常に応援しているというメッセージを伝え続けています。日野市の教育の大方針として、先生や子どもたち全員が関わって学校教育基本構想をつくり、2024(令和6)年4月に公表しました。第一に、市や学校を含め、みんながプロジェクトベースで学校教育を前に進めていくこと。第二に、構想の中に多くのプロジェクトが位置付けられている中で、それぞれの学校が取り組みたいものを主体的に選ぶ形をとっていることが特徴です。全部の取組を全部の学校でやろうとしても無理なので、学校ごとの文脈や問題意識を踏まえて、色とりどりの学校づくりを進めています。Upload By 発達ナビ編集部ーー具体的にはどのようなプロジェクト活動があるのでしょうか。例えば、「子どもたちがつくる学校プロジェクト」というものがあります。これは委員会活動や学年・学級の活動などを中心に「やらされる」ではなく、より良い学校に向けて自分たちが提案し、自分たちでつくっていくというものです。他にも、運動会や音楽会、学年の枠を超えた活動や修学旅行のプログラムを自分たちでつくったり、SDGsに関するプレゼン大会を企画したり、時に各教科での学びと絡めながら、主体的に取り組んでいます。教育委員会としても、各学校のプロジェクトを支援するために、特色ある学校づくりに対して手挙げ制で応募を募って審査をして予算をつけることもしています。私たちが各学校の挑戦を応援することで、各校の新しい挑戦へのモチベーションにつながり、良い循環を生み出す環境をつくっていきたいと考えています。教育の現場にある既存の枠を一つひとつ外していくーー教育委員長として、普段から特に意識していることはありますか?特別支援教育を含めた市の教育の根本的な考え方の一つが「一人ひとりに必要なアプローチをすべての子に」です。その本質は裏を返せば、「特別ではない支援教育」を全員に届けていくことだと思っています。特別ではない支援教育を届けていく上で、インクルーシブ教育として既存の「枠」を一つひとつ外していく、ということが極めて重要です。例えば日野市では「かしのきシート」という取り組みがあり、これは0歳から18歳までの子どもの成長の記録や受けたサポート内容(個別の支援計画)を、入園や入学・進学にあたり切れ間なく蓄積し、つないでいく日野市のシステムです。担任の先生や専門職が作成し、保護者の方に確認を取りながら1年ごとに1枚のシートにまとめ、独自の電子システムにより関係者が参照することができます。ーー「かしのきシート」はどのような意図でつくられた仕組みなのでしょうか?これは、障害者総合支援法体系に基づく個別の支援計画、そして学校教育法体系に基づく個別の教育支援計画、就学・進学にあたっての就学支援シートなど数あるシートの間に存在していた「枠」をとり除いて、カルテを一元化しようという取り組みです。学年や教育機関が変わっても、スムーズに一人の成長を見守ることができます。例えば小1の壁、中1ギャップの問題や、公立と私立、学校教育と放課後の分断という視点においても、「枠」を外すことで現場において適切な支援や判断がしやすくなるという意味合いを持っています。「特別支援教育」が必要だからシートを作成するのではなく、子どもの個性や特性について関係機関により良く理解してもらうためにシートをつくる。結果として、文部科学省の調査によれば、通常の学級に在籍する子どものうち、個別の教育支援計画を作成している割合は2022(令和4)年時点で1.6%とされていますが、日野市では小学校で14%、中学校で10%が計画を作成しています。Upload By 発達ナビ編集部ーーなるほど。特別支援学級で取り組まれていることについても教えてください。私自身は「特別支援学級」「通常の学級」という表現自体が変わっていくことが大切だと思っています。。「通常」という言葉を使うことで「通常」という枠をつくってしまわないか。例えば、少人数学級と一般学級でもよいのではないか。日野市では、特別支援学級かどうかにかかわらず、誰にとっても困りごとの少ない授業が実現できる学校環境をつくる、授業のユニバーサルデザイン(授業UD)に取り組んでいます。その理解を促進するために研修会を実施するのですが、現在では教育委員会が年間28回の特別支援教育に関する研修会を開催しています。昨年度から全ての先生を対象に希望者が誰でも参加できる形にして、開かれた形で困りごとの少ない授業の実現を目指しています。ーー日野市ではさまざまな形でインクルーシブ教育に取り組まれているのですね。これらのベースとして「ひのスタンダード」という取組の方向付けをしているんです。ごく簡単に言えば、チェックリストをつくり、学習面でのつまづきや、教室でじっとしていることが難しいなどの、子どもたちの日々の困りごとをできるだけ少なくする学習環境をつくろう、というものです。障害の有無に留まらず、多様性あふれる教室という場が、みんなにとって困りにくい環境であることはとても大切なことで、実現のために2つのアプローチで日野市では取り組みを進めています。ーーどのようなアプローチでしょうか?まずは共通の基盤となる環境を整えること、そしてその上で個別に必要なサポートの手立てを充実させていくことです。みんなが困りにくい環境をベースとすることで、先生や子どもたちがゆとりを持って個別の対応へと進んでいくことができます。場や時間の構造化を含めた授業UDがあり、校内委員会を含めた学校の環境があり、行政による複層的な支援策を含めた地域の環境がある。その全ての方向付けを、日野市の教育に関わる人がみんなで議論しながらつくってきたということがポイントだと思っています。日野の教職員全員が作成に関わった「ひのスタンダード」について、みんなが腹落ちをして取り組めることが、主体的な挑戦のための大切なポイントなのではないでしょうか。Upload By 発達ナビ編集部ーー「ひのスタンダード」はどのように浸透と改善をしているのでしょうか?この「ひのスタンダード」は300ページに及ぶ一冊の本としてまとめられていて、各学校に置いてあります。理解を浸透させるための研修会も必ず開催をし、各校で目線合わせをするようにしています。その上での課題として、時間が経つにつれて形骸化することはどうしても起こってしまいます。直近では、改めてチェックリスト項目の精査を行いました。教育委員会が決めたことをトップダウンで現場に下ろすのではなく、現場を含めた関係者みんなで考える、ということに日野市の特徴があるのではと考えています。ーー改善を繰り返す中でも、本質がぶれないようにするために大切なことはどのようなことですか?自治体の中だけでガラパゴス化しないよう、国全体の動きや学術的な視点も取り入れながら、開かれた視野を持って進めていくことを心掛けています。最終的に、現場にとってより価値のあるものになっているか、が何より大切だと思います。また日野市では、インクルーシブな教育環境の一環として、福祉と教育の「枠」を外すことにも取り組んでいます。日野市では発達・教育支援センター「エール」を設置しており、心理士やスクールソーシャルワーカー(SSW)だけでなく、保健師や保育士、ST、OT、看護師など、多様な専門職が1か所にいて、子どもの発達や育ちについて教育や福祉の垣根を超えて考えています。保護者の方にとって、学校と福祉の「枠」を感じることなく、ワンストップであらゆる相談ができ、適切な支援を得られるという環境づくりを進めています。Upload By 発達ナビ編集部最後はやっぱり、子どもたちがインクルーシブな学校づくりの主人公ーー多くの自治体でも課題としてフォーカスされている、不登校のお子さんについてはいかがですか?不登校については、すべての子どもに質の高い学びへのアクセスを保障する、という理念のもと、子どもの状況に合わせた複層的な選択肢を準備しています。日野市としても力を入れていて、予算で言えば前年度比で172%増となっています。特徴的な取組としては、全国で行われている教育支援センターや小中学校における校内登校支援教室の取組の充実に加え、中学校の中に、不登校の生徒を対象にした少人数学級である「チャレンジクラス」という学級を今年度から新たに開設しました。これは、東京都から6名の教員の追加配置を受け、教育課程に基づき日々授業を行う「校内分教室」であり、市と都がタッグを組んで取り組む新しい試みです。加えて、この5月には母子保健と子ども政策の担当部門を一元化した子ども包括支援センター「みらいく」がオープンし、施設内に中高生専用の居場所を開設しました。教育委員会だけでなく、子ども政策や福祉政策、民間の取組を含め、子どもたちの居場所の選択肢が街の中に増えてきています。オンラインの活用も含め、枠を一つずつ取り外しながら、その子にあった安心できる環境で、つながりを持ち、学びに向き合えるようにしていくことが重要です。Upload By 発達ナビ編集部ーーさまざま取り組まれているのですね。他にも新しい取り組みとして、経験豊富な元校長先生を今年度から「教育支援コーディネーター」として配置して、各学校の一人ひとりの出席状況を細やかに確認し状況をフォローし、スクールソーシャルワーカー(SSW)などのスタッフと連動した個別支援のサポートや、学校とフリースクールの連携促進の取組も始めました。挙げればキリがないのですが、他にもNPO法人と連携した不登校に関わるスタッフ研修の仕組みづくりや、保護者同士の繋がりを生む仕組みづくりなど、さまざまなアプローチで取組を進めているところです。ーー取り組みに対しての手応えはありますか?例えば、ある中学生の生徒が校門から中に入れないという状況から、1年経って学校に入ってきて給食を食べられるようになった、と。そんな話を先生方からたくさん聞いています。課題は大きいですが、同時にいかに学校現場が一人ひとりを大切に取り組んでいるかを感じています。ーーインクルーシブ教育が、言葉だけではなくて実践されている。現場の強い思いを感じます。教育委員会としても「インクルージョン」を学校教育基本構想の中で最上位の姿の一つとして位置付けていますが、インクルーシブな学びをつくるのは誰かと考えたときに、最後はやっぱり子どもたちなんだということが、非常に大きなポイントだと思っています。Upload By 発達ナビ編集部ーーなぜそう思われたのでしょうか?非常に印象的だったのが、市内の小学校と特別支援学校との交流および共同学習の中であった、3連フラフープという、小学生の子ども2人の間に特別支援学校の子ども1人が挟まって取り組むという競技での光景です。特別支援学校ではなく、ある市立小の子どもがどうしてもフラフープの輪に入ることができなかったのですが、みんなでサポートしながら最後にはゴールすることができました。その時に、歓声をあげたり拍手が起こったり、その子が達成できたことに対してみんなが称え合う姿、これこそがインクルーシブな学びが実現している姿だと感じたんです。やはり最後は、子どもたちがインクルーシブな環境をつくっていくんだと強く感じました。ーーLITALICOのソフトも導入していただいています。LITALICOの教育ソフトを導入したいと考えた意図としては、個別の教育支援計画や指導計画である「かしのきシート」の質を高めていく力になると考えたことです。もう一つは、さまざまな教材を子どもの特性や必要性に応じて選べるような環境をつくることで、先生の働き方改革につなげることや、アセスメントによって子どもたちの理解を深めていくことが狙いとしてありました。実際に活用してみた中では、教材をゼロから自分でつくるのではなくて選べることで、働き方の改善につながったという声や、保護者を含めたニーズの把握に生きているとの声も聞いています。Upload By 発達ナビ編集部ーー最後に、これから教育長が目指すインクルーシブ教育の理念について、教えてください。インクルーシブ教育の先には共生社会があって、その共生社会とは、多様性が輝く社会のことだと思います。そこに向かう道のりとしてインクルーシブ教育があるとすれば、それは多様な個性が輝く学びの場、それをつくる営みなんだろうと。そしてそれは、多様な個性が輝く教室をつくっていくということでもあるのだろうと思っています。その中で、全員がこの共生社会をつくっていく主体なんだということ、多様性が輝く場をつくることに貢献することは、全員に開かれた権利なんだということが、非常に大きなポイントです。これは先生たちだけが進めていくでもなく、教育委員会だけが進めていくでもなくて、全員が進めていくことなんだと。全員に対して開かれているということは、それはとても素敵な権利の一つなんじゃないかなとも思うんです。当然、教育委員会にしかできない仕事もあるし、先生にしかできない役割もあるし、子どもたちにしかできないこともある。全員で枠を一つずつ外しながら、インクルーシブに取り組んでいきたいです。Upload By 発達ナビ編集部この連載を重ねることで、インクルーシブ教育推進のためのヒントを集めていきます。堀川さんは明確なビジョンを示しつつ、現場の声を何よりも尊重し、双方の視点を持ってリーダーシップを発揮されています。その姿勢こそが、全員が主体的に関わる事例としての日野市をつくっているのだと感じます。これから全国の教育リーダーズの話を取材し、皆さんにお伝えしていきます。インクルーシブ教育の取り組みを知ることで指針を集め、今まさに実践されている、実践しようとしている方のヒントになりますように。ここまで読んでいただきありがとうございました。
2024年07月24日LITALICOジュニアスタンダードコースってどんなところ?スタンダードコースは、通所受給者証を使って通うコースで、児童発達支援と放課後等デイサービスの2種類があります。児童発達支援は0歳から年長のお子さま、放課後等デイサービスは小学1年生から高校3年生のお子さまが対象です。スタンダードコースでは、約10人の子どもたちが集団で過ごす場と個別指導を組み合わせ、合計3時間程度の支援を行っています。(※)体験授業では、豊富な知識や経験に基づき、一人ひとりに合わせて楽しく学べるような工夫がされた授業を実際に体験できます。※お子さまの状況やニーズに応じて1.5時間などでの支援提供もしております。詳しくはお問い合せ時におたずねください体験授業を受けてくれるBくんのプロフィールUpload By 発達ナビ編集部今回体験授業を受けるのは、保育園に通う5歳の男の子Bくんです。保育園で友達に手を出してしまうことがあり、「友達と仲良く過ごせるようになってほしい」というご両親の願いから、LITALICOジュニアスタンダードコース・児童発達支援の体験に参加しました。事前にお母さまにお話を伺いました。「Bは手が出てしまうこと以外にも、眠くなると怒りっぽくなったり、落ち着きがないところもあるんです」LITALICOジュニアスタンダードコースの体験授業では具体的にどんなことを体験できるのか、Bくんの1日体験の様子をご紹介します。丁寧なヒアリングでお悩み相談しながら困りの整理ができる!体験授業を申し込むと教室から電話があり、体験授業の内容やその後の流れについて説明があります。その後、お子さまの困りごとを先生が丁寧にヒアリングします(教室やご状況によって、当日行われる場合もあります)。「好きなことがたくさんあって素敵ですね!注意が逸れやすいのは、興味の幅が広いということも関係してるかもしれませんね」「お母さまに手が出やすいのも、お母さまやお家が安心できる場だからこその行動なのかなと思いました。お母さまが汲み取ってくれるからBくんも安心できるんでしょうね」などお子さまのいい面をしっかり分析しているのも印象的でした。お母さまに事前の面談について、感想を聞いてみました。「先生がいろんな視点から質問してくださって、質問の内容もとても的確で、あ、そういえばそうだなと答えながら思うこともたくさんありました」「いろんなお子さまを見てきたから分かるんだろうなと、先生の専門性の高さを感じました。とにかく話していてとても安心感がありました」先生にも、事前の面談でどんなことをヒアリングされているのか聞いてみました。「困りごとは同じでも、その要因はお子さまによってそれぞれです。ですので、より細かくお話を聞きながら、考えられるたくさんの要因のうち、お子さまの困難さはどこにあるのか、困りごとの根底にある要因を見立てていきます」「お子さまはこういう様子がありそうなので、体験ではこういうところを見ていきましょう」というように体験授業で見るべきポイントを提示してもらえるので、お母さまも一緒の目線で体験授業を見られるところもいいですね。Upload By 発達ナビ編集部体験授業では、LITALICOジュニア川崎駅前教室を訪問しました。教室は明るくカラフルで、子どもたちの賑やかな声が聞こえてきます。お母さまと教室にやってきたBくん。数日前まで風邪をひいていたこともあり、体調が万全ではないとのこと。お母さまと離れるのが難しく、予定していた集団授業のお部屋に入ることができません。そこで、先生はタブレットで集団のお部屋の様子を見ることを提案。「ここでお友達がどんなことしてるか見られるんだよ」とタブレットを見せると興味津々のBくん。徐々に笑顔が見られました。先生とほかの教室を一緒に探検したり、好きなもののお話をしていくうちに、Bくんは先生とすっかり打ち解けていました。集団授業に入って体験を受けられる予定でしたが、予定を変更し、このまま個別で行われることに。最初お母さまと離れることが難しかったBくんも、先生と2人でお部屋で過ごすことができました!先生から好きなものを聞かれると答えたり、「これはどうかな?」「こうやってあそぼう!」と自分からもたくさんお話しする姿がみられました。Upload By 発達ナビ編集部このように、お子さまの状況に合わせて、体験できるのは安心ですね。最初はお母さまと離れるのも難しそうだったBくんがここまで楽しそうに過ごせたのはなぜなのか、先生に伺いました。「体験授業は、お子さまのご様子をみて、必要に応じて形を変えて行うこともあります。それは、まずはお子さまに楽しかったなと思ってもらうことを目的にしているからです。そのために、お子さまの興味がありそうなおもちゃを用意したり、お子さまが興味をもたれたものは積極的に共感したりしながら、まずは『楽しい場所だ!』『褒めてくれる人だ!』と思ってもらえるような関わりを意識しています」Upload By 発達ナビ編集部また、Bくんとあそびながらも、Bくんの得意不得意や事前の見立てがあっているかなどを見ながら授業をしていたという先生。先生は具体的にどんなことをされていたのでしょうか。「隣の部屋の音を気にしていたり、先生の持っているシートのにおいを気にしたりしている様子から、もしかしたら感覚の過敏さがあるのかもしれないなと思いました」「また、力いっぱいおもちゃを押す様子があったので、力のコントロールに苦手さがあるのかなと感じたので、『そっと押すとうまくできるよ』と声をかけると、上手に力をコントロールできていました。このように、お子さまの困りごとはどんなところにあるのか、どういう声かけをしたら解消できそうかを考えながら接していました」お子さまも楽しく過ごせている状態で、困りごとの根底にあるもの、どういう支援や関わり方でそれが解消できそうかを専門的な視点で見てもらえるのはうれしいですね。また、先生があそびの中でも、「教えてくれてありがとう」「先生のお話聞いてくれてありがとう」などBくんの一つひとつの行動を見逃さず褒めている姿が印象的でした。※クリックするとLITALICOジュニアのお問い合わせページに遷移しますお子さまの困りの要因や関わり方のアドバイスを教えてもらえる!Upload By 発達ナビ編集部体験中の様子はリアルタイムで視聴でき、体験後には授業中のお子さまの様子や課題の解決方法についてフィードバックがあります。Bくんの体験授業について、先生からは「人も場所もはじめてのところで見通しが立っていなかった中、2、30分でこれだけ慣れることができたので、事前に情報が分かるとBくんのいいところがたくさん発揮できるかもしれないですね」とお話が。的確なアドバイスをしてくれる先生に、お母さまから就学に向けての相談も。「園での様子があまり分からないんですが、手が出てしまうという話は聞いているので、小学校入学に向けて今のままで大丈夫か心配で……」先生からは「通う小学校を事前に見ておいたり、学校の先生と面談をしておくと、どんなことをするところかが分かって安心して通えるかもしれないですね」とアドバイス。また、「園の様子が分からないと不安ですよね。LITALICOジュニアでは保育所等訪問支援を行っているので、指導員が園を訪問してお子さまの様子を見てお母さまに共有したり、LITALICOジュニアでうまくいった方法を園の先生と共有したり、連携することもできるので、一緒に活用されるのもおすすめです」と、実際のサービスを使ったときのイメージがわくような説明も。体験授業のあとにどんなお話をされているのか先生からもお話を伺いました。「体験授業後は授業の振り返りとともに、どういうスキルを獲得すれば過ごしやすくなるかといった個の側面と、どんなふうに環境面を整えてあげれば過ごしやすくなるかといった環境の側面のそれぞれで、LITALICOジュニアではどんなアプローチができそうかといったことをお話ししています」Upload By 発達ナビ編集部体験授業後、お母さまにお話を伺いました。「とにかく褒めて、とにかく居心地のいい居場所をつくることに全力を尽くしてくれる先生がいるという安心感がありました。園で怒られて、家でもうまくいかなかった日も、ここでは絶対に褒めてもらえるということが、子どもの力になるんじゃないかと思いました。体験授業の1回だけでも、子どもが成功を実感して積み重ねていける『成功体験の場』だと実感できました!」「ほかにも、『感覚の過敏さはありますか?』という質問をされたのですが、まさに聴覚過敏気味なのが気になっていたので、『体験の時間だけで見抜くのがすごい!プロの目ってこういうことだ!』と実感しました」Bくんは体験が終わってからも、「次はいつ行く?」とお母さまにLITALICOジュニアのパンフレットを持ってきてくれるそうです。Bくんが楽しめた様子が伝わってきますね!「子どももとっても楽しかったみたいです。親としては子どもが楽しいというのであれば、じゃあ行こうか!という気持ちになりますね!」とお母さまもお話しされていました。LITALICOジュニアスタンダードコースは、お子さまが楽しみながら学べる場所。教室によってはすぐに体験授業を受けられる場所もあるそうなので、気になった方はまずは問い合わせてみてはいかがでしょうか。先生に聞く!体験授業を受けると何が分かる?Upload By 発達ナビ編集部LITALICOジュニアスタンダードコースの体験授業を受けるとどんなことが分かるのか改めて先生にお伺いしました。「LITALICOジュニアスタンダードコースの体験授業は、実際の集団指導を受けられるので通ってからの様子がイメージしやすいと思います。また、体験授業後には、指導員の視点から見たお子さまの様子をお伝えしているので、お子さまの新たな強みを知ることができるかもしれません」「そして、今後どうすればいいか手立てが分かるので、やるべきことの整理がしやすくなるのも体験をおすすめするポイントですね」Upload By 発達ナビ編集部何をするべきか、今どのステップにいるのかが分かるだけでも体験授業を受ける価値がありそうですね!保護者さまのお話を聞く先生のあたたかい雰囲気がとても印象的ですが、どんな気持ちでご家族を迎えられているのか聞いてみました。「保護者さまは、さまざまな困りごとやお悩みがあって相談してくださっていると思うので、まずはその気持ちをしっかり受け止めたいなと思っています。そして、違う側面から見るとお子さまの素敵な強みを知っていただき、お子さまと関わる時のヒントになればいいなと思っています 」「たとえば、園などの集団の中では『できていない』と判断されてしまっても、大人になって広い世界に出たときには、お子さまの強みが発揮されることもあります」「LITALICOジュニアでは、困りごとを解消するために必要なスキルの獲得をサポートしているのと同時に、お子さまの強みを伸ばすことも心がけています。お子さまには強みを伸ばしながら、いずれはお子さま自身が自分のもっている強みを理解して発信できるようになるといいなと思っていますし、保護者さまにもお子さまの強みにあらためて気づいてもらえたらいいなと思っています」お子さまが楽しみながら必要なスキルを獲得できるように、指導員みんなでご家族をサポートしてくれるスタンダードコース。気になった方はまずはお問い合わせしてみるのがおすすめです。LITALICOジュニアスタンダードコースの体験授業のまとめ教室ではどんな授業を受けられるのか、利用したときの様子をイメージできるLITALICOジュニアスタンダードコースの体験授業。集団生活の中での困りごとや、学習でのつまずきなど、お子さま一人ひとりの課題に合わせて集団指導と個別指導を受けられるスタンダードコースの体験授業であれば、お子さまの困りごとの解決の糸口が見つかるかもしれません!体験授業では、利用するにあたっての疑問点や不安なことも相談することができるので、気になった方は問い合わせてみてはいかがでしょうか。※この記事は、LITALICOジュニアに掲載のコラムの一部を変更し、構成しています※クリックするとLITALICOジュニアのお問い合わせページに遷移します
2024年07月22日発達ナビ連載ライター陣や読者の皆さんにお寄せいただいた、面談や学校からの呼び出しにまつわるエピソードをご紹介!定期テストなども終わり、多くの学校で担任の先生との面談が始まる時期となりました。「先生に子どもの特性を伝える際に何を用意したらいいの?」「合理的配慮、どこまでお願いできる?」「学校でトラブルなどを起こしていたらどうしよう……」など悩む保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、発達ナビ連載ライター陣や読者の皆さんにお寄せいただいた、面談や学校からの呼び出しにまつわるエピソードをご紹介します。持ち物や相談の内容など、ぜひ参考にしてみてくださいね。発達ナビみんなのアンケート「連載ライターのみなさんに聞いてみたいこと大募集!」に寄せられた「小学校・中学校の先生に理解を得るコツ」の声。このコラムでは丸山さとこさんとコウさんの小学校から中学校にかけての合理的配慮についての実体験をつづっていただきました。幼児の頃から動きが大きくて速かった次女のリスミーさん。小学校の三者面談でリスミーさんが授業中に走り回っていることを知らされ……!先生に教えてもらった「落ち着くための工夫」とは?ASD(自閉スペクトラム症)のある小学校2年生のミミさん。お母さまのtaekoさんは面談で担任の先生からミミさんの友達トラブルについてのお話を聞きます。「指摘グセ」のあるミミさんに対してtaekoさんの考えは……。発達障害のある息子のコウさんが中学に入学して1ヶ月、担任の先生と二者面談を行った丸山さとこさん。診断書とWISCの検査報告書をコピーして挑んだ面談の結果は……。面談で心がけたこと、新生活後すぐに面談をする意義など参考になるお話がたくさん盛り込まれています。ASD(自閉スペクトラム症)のあるミミさん。小学校1年生から2年生への進級にあたって先生が変わると知ったお母さまのtaekoさんが新しい担任の先生に連携したものとは?また、「宿題がつらい」と悩むミミさんについて面談で相談すると……。小学校6年でSLD/LD(限局性学習症/学習障害)グレーゾーンと診断を受けたひらたともみさんの息子さん。中学3年生、夏の三者面談で高校進学について先生から聞かされたのは「母の知らない息子の頑張り」で……!中学受験をし、中堅の私立中学に進学したあっきーさんの息子さん。ある日突然、学校から呼び出しを受け、向かうとそこには担任、学年主任、副校長などの面々がずらり……息子さんの起こした「ある事件」で停学処分、さらには退学の危機にまで……!?ASD(自閉スペクトラム症)のあるまゆんさんの息子の太郎さん。行き渋りなどはまったくなかったものの、小学生のころは体調不良で学校から急な呼び出しがかかることがたびたびあったそうです。気になって小児科を受診すると……。その他関連コラムはこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年07月20日子育て楽じゃありません
細川珠生のここなら分かる政治のコト
私の愛すべき家族