2年生から3年生に進級するとき、学習面での不安を抱える保護者の方がとても多いそうです。算数がぐっと難しくなる、理科・社会が教科に加わるなど、2年生までと比べて3年生からは高学年につながる学習のベースを作らなければならなりません。そのため「つまずき」を感じる子どもがぐんと増えるのです。ここでつまずくと、高学年になって取り戻すことが難しくなります。だからこそ、勉強に対する「劣等感の芽」は早めに摘んでおかなければなりません。今回は、2年生から3年生に進級したお子さんが学習面で陥りがちがな苦手ポイントや、家庭でできるフォローの方法などを詳しく見ていきましょう。3年生、学習面での不安はどんなこと?進研ゼミの保護者を対象にベネッセがアンケートを実施したところ、2年生から3年生に上がる際に学習面で準備しておいた方がいいことや、親が注意深く見ておくべきことについて、次のような回答が得られました、□3年生になると授業の進み方も早く、内容が難しくなる。家で軽く予習復習ができるといいと思う。□理科・社会という単元が増え、覚えることも多くて大変。その結果余裕がなくなり、得意だった漢字や計算を間違えるなど他の教科にも影響が出てきた。□6時間授業も増えてくる。忙しさで余裕がなくなる。3年生からは本格的に勉強との向き合い方を見直さなければならない様子がうかがえますね。授業数が増えて放課後の自由な時間が減ることで、忙しさから余裕がなくなる子どもたちが多くなるとのこと。子どもが不安を抱えているのなら、親は安心できる居場所を作ってあげなければなりません。家庭での学習はもちろん大切ですが、まずは生活習慣や平日の時間の使い方、休日の過ごし方について、3年生に進級したタイミングで見直すことをおすすめします。3年生の国語。学習のポイントは?学習指導要領によると、3年生からは「筋道を立てて考える力や感じたり想像する力を養い、考えをまとめる力や伝える力を養う」ことに注意しながら国語の学習を進めるとのこと。その一歩として、主語と述語の関係、修飾と被修飾との関係、指示する語句と接続する語句、段落の役割についての理解を深めることを目標としています。さらに、文章の構成力をつけるだけではなく正しい文法を学び、ことわざや慣用句を使った表現力を身につけることも求められるようになるのです。■覚える漢字は200字に「漢」「業」「筆」など何通りもの読み方がある漢字や、漢字の組み合わせによっては日常的に使わないような単語を覚えることも。普段からいろいろなジャンルの本を読んだり、テレビのニュースで映し出される字幕を意識させたりすると、子どもの記憶に残りやすくなります。■国語辞典を家庭でも活用しよう3年生からはいよいよ国語辞典を学習に取り入れます。できればもっと早いうちから辞書に親しんでおくといいですね。文章力養成コーチの松嶋有香先生は、こどもまなび☆ラボで連載中の『国語辞典の世界へようこそ』の中で、学校の授業以外でも辞書を活用することをすすめています。辞書を引くことで調べ学習の基本動作が身につきます。そして、わからないことをそのままにしない姿勢は他の教科でも役に立つだけではなく、「生きる力」を子どもに与えるのです。ぜひご家庭のリビングにも一冊国語辞典を置いておき、いつでも調べられる準備をしておきましょう。3年生の算数。学習のポイントは?よく聞くのは「3年生から算数につまずく子が増える」ということ。しかし、決して急に学習内容が難しくなるわけではありません。実は、2年生のうちにマスターしておくべき基礎ができていなかったために「つまずき」が生じてしまう子も多いのです。■3ケタ、4ケタの計算が子どもを混乱させるまず、多くの子どもが4ケタの足し算・引き算でつまずきます。たとえば「3007ー2258」といった繰り下がりが2回ある引き算で混乱してしまい、計算に時間がかかって次第に授業についていけなくなることも。さらに「307×57」のように、3ケタ×2ケタで0が入るかけ算でつまずく子もたくさんいます。教育評論家の親野智可等先生は「このような計算は算数の基礎。つまずくようであれば、できるだけ早い段階で修復できるようにしましょう」と注意を促しています。算数は「積み上げ」の教科です。テストの点数だけで判断せずに、毎日使っているノートをチェックして、ちゃんと理解できているか確認しましょう。■図形の学習は作図がネックになることも3年生からは三角定規やコンパスを使いますが、作図する作業が難しくて算数が苦手になる子も多いといいます。どうしても苦手なら、家でコンパスを使って模様を描いて遊ぶといいでしょう。できあがった模様に色を塗ってみると、楽しみながらコンパスの使い方に慣れることができますよ。■表とグラフを積極的に生活に取り入れる親野先生は、数値や項目などの複合的な情報を関連づけて読み取る勉強を苦手としている子どもが多いと指摘します。その理由として「普段の生活の中で馴れ親しむ機会のないまま、教科書で初めて表とグラフに出会うから」と述べています。確かに日常的に家庭の中でグラフなどに触れる機会は少ないですよね。では、日頃から表やグラフに馴れ親しむにはどうしたらいいのでしょうか。親野先生おすすめの方法をご紹介します。□カレンダーに毎日の天気を書き入れる。毎日コツコツ続けることで、立派なデータとして活用することができます。体重や気温などの数字を入れるのもいいですね。□親子でじゃんけんなどのゲームをしてその勝ち負けを表にする。タテ軸とヨコ軸の組み合わせで表を作ります。「2回目と4回目はぼくが勝った」というように、表から情報を読み取る訓練になりますよ。□表に慣れたらグラフの基本である棒グラフを作成してみる。夕食のおかずを棒グラフにするのも面白いですね。1ヶ月集計した結果、「一番多いメニューはカレーだね」「お魚のおかずが少なかった」など、驚きや発見が出てくるかもしれません。3年生の理科・社会。学習のポイントは?いよいよ始まる理科・社会。これから学び始める教科なので、できるだけ苦手意識を持たせないように、楽しく学ぶ姿勢を身につけるための工夫が必要です。■理科:疑問が芽生えたときがチャンス!3年生で学ぶ理科の内容は、「物質、エネルギー」「光と音の性質」「磁石の性質」「電気の通り道」「電気の通り道」などです。とくに子どもたちがつまずきやすいのは「物の形や体積と重さの関係」について。ですから「材料・体積が同じなら、物の形が変わっても重さは変わらない」「体積が同じでも重さが違う物がある」、この2点を理解できるかがポイントになります。家庭でできる簡単な方法として、空のペットボトルに砂を詰めて量り、今度は同じペットボトルに水を入れて量ってみましょう。「同じ大きさの入れ物に入れても、重さが違うよね」と親子で確認し合えば、理解を深めることにつながります。例えば、親子で散歩や買い物に出かけた際には、ただ漫然と歩くのではなく、目にする草花や虫、その日の気温や風の向きなど、様々なことに子どもの関心を向けさせてあげて下さい。日々の生活の中で子どもを意識的にリードしてあげることが大切なのです。(引用元:親力講座|小学3年生の勉強のポイントは?子どもはどこでつまずく?その対策とは?)理科の学習において効果的なのは、実際に体験すること。家の中や近所の道端にも、理科を好きになる要素はたくさん潜んでいます。■社会:身の回りの環境が学びにつながる3年生の社会の授業では、「身近な地域や市区町村の様子を大まかに理解する」ことを目的としています。理科と同じように、実際に見て、感じることでスムーズに理解できるようになるでしょう。たとえば、散歩のときや車や電車でお出かけしたときに「この畑では何が取れるんだろう?」「この川はどこからどこまで流れているんだろう?」などと意識づけしてあげたり、街角に設置されている看板に目を留めたりすることで、自分の住む街や身近な環境への興味が高まります。また、観察・調査した内容を白地図などにまとめる力も求められます。日頃から地図に慣れ親しんでおくために、リビングやお風呂に貼っておいてもいいですね。***3年生では1、2年生のときとは違って「勉強」への意識を高めていく必要があります。遊びの延長のように楽しみながら学ぶよりも、自分なりの学習姿勢をしっかりと固める時期に入っていきます。そのためにも、日常生活の中から学習につながるヒントを見つけて関連づけてあげるのも、親としてぜひやってあげたいことですね。(参考)Benesse 進研ゼミ保護者通信|新学期準備「コレ重要!」先輩保護者ランキング~低学年(小1ー3)編~文部科学省|小学校学習指導要領(平成29年告示)Study Hacker こどもまなび☆ラボ|ゆか先生の国語辞典の世界へようこそ|たった5歳の子どもにも国語辞典を与えるべき理由。“辞書を引く”ことの莫大なメリット親力講座|小学3年生の勉強のポイントは?子どもはどこでつまずく?その対策とは?親力講座|算数の表とグラフの勉強は生活の中で慣れ親しんでおくことが大切
2019年05月17日小学校に入学して1年も過ぎると、生活面や学習面でさまざまな悩みが出てくるのではないでしょうか。お子さん自身は学校生活に慣れるのに精一杯ですが、ずっとそばで見ている親御さんは、我が子の “苦手” に気づき始めているころだと思います。今回は、1年生から2年生に進級したお子さんが学習面で陥りがちがな苦手ポイントや、家庭でできるフォローの方法などを詳しく見ていきましょう。2年生、学習面での不安はどんなこと?進研ゼミの保護者を対象にベネッセがアンケートを実施したところ、1年生から2年生に上がる際に学習面で準備しておいた方がいいことや、親が注意深く見ておくべきことについて、次のような回答が得られました。□先生の言うことを一方的に聞くことが多かった1年生のころと違い、自分たちで話し合ったり計画したりして授業や行事の計画を進めていく機会が増える。自分のことは自分でするように親子で一緒に確認するなどサポートが重要。□教科書にざっと目を通しておくなど、習うところを保護者が把握しておき、子どもの質問にすぐに答えられるようにする。□生活の中で学習のヒントになるようなことがあれば、積極的に話題に出す。1年生のころは、勉強といっても、言葉や数字に親しんだり、読み書きの基本を学んだりするくらい。子どもたち個人個人の能力に大きな差が生まれることはありませんでした。しかし2年生からは、覚える漢字は倍になり、計算問題は複雑に、さらに2学期からは九九をマスターしなければなりません。より難しくなる授業内容を理解するためにも、家庭における学習サポートはまだまだ必要になるでしょう。2年生の国語。学習のポイントは?文部科学省の学習指導要領によると、1年生と2年生で学ぶ国語の目的は「日本語の言語文化に親しむことや理解する」「伝え合う力を高める」「自分の思いや考えをもつ」こと。つまり、1年生と2年生では内容の難しさに違いはあるものの、その目的は共通しています。1年生で学んだことをさらに深掘りするイメージですね。■覚える漢字の量は2倍!2年生の国語の授業における最大の難関は「漢字」です。1年生では80字の漢字を覚えなければなりませんでしたが、2年生になるとなんと倍の160字に!しかも「顔」「線」「曜」など画数が多く、バランスを取るのが難しい漢字もたくさん出てきます。家庭学習のときには、姿勢や筆記用具の持ち方、筆順に従っているかなど、注意深く見てあげるといいでしょう。基本をしっかりと身につけるまで、何度でも繰り返し教えてあげるのがポイントです。■正しい文章を書く基礎をかためる2年生では文章の組み立てを考えて書くことが求められます。・「はじめ」に何を知らせたいかを書く・「中」に知らせたいことを詳しく書く・「おわり」にまとめのことばを書くこの決まりを守って文章を書くのは意外と難しく、とくに日頃から本を読む習慣がない子どもはつまずきやすいといいます。学年が上がるにつれて文章がより長く複雑になるため、順序を整理して、構成を考えながら文章を作成する力を身につけましょう。普段から家族で短い手紙のやり取りをしたり、映画や本の感想を短い文章にまとめるなど、日常の中で「文章を組み立てる」訓練をするといいですね。2年生の算数。学習のポイントは?1年生の算数の目的は「数や図形に親しみ、算数の楽しさを感じること」とされています。数を正しく数えることや時刻と日常生活を関連づけるなど、身近な数について学ぶことが学習のメインでした。2年生ではさらに進んで、「数の概念についての理解を深める」ことを目的とします。たとえば「買い物に行ってすばやく計算できると便利!」というように、数理的な処理を生活や学習に活用しようとする意識を求められるのです。■基礎の基礎を再確認する東京大学名誉教授で教育学者の汐見稔幸先生は、算数こそ最初につまずかないように家庭で見てあげるべき、といいます。たし算のルール、ひき算のルール、さらに九九といった基礎の基礎のところがきちんとわかっているかどうか、とても大切なので、ここは家庭で意識的にみてあげてください。この基礎部分ができていないと、2ケタや3ケタのたし算、ひき算、やがてわり算などのステップに進むことができなくなります。(引用元:汐見稔幸(2008年),『汐見先生の素敵な子育て「子どもの学力の基本は好奇心です」』,旬報社.)算数は積み重ねていく勉強です。一度つまずくと取り戻すことが難しいからこそ、低学年のうちに理解を深める必要があるのです。■ぐんと複雑になる計算問題2年生では、足し算・引き算・かけ算の3つが計算問題に上がります。進級した時点で「繰り上がり・繰り下がり」をしっかりとマスターできていないと、筆算でつまずいてしまうでしょう。「アメが3つの箱に6つずつ入っています。3つ食べたら残りはいくつ?」このような文章問題では、どの計算からやるのかを考える必要があります。つまり文章問題の読解力も求められるため、複合的な考える力をつけておかなければなりません。■油断しているときにこそ九九の確認を九九が始まる2年生の2学期ごろには、家庭でも毎日くり返し練習をして応援してあげることが大切。夕食後、ホッと一息ついているときやお風呂に入っているときに「九九、忘れていないよね?7の段は?」と突然聞いてみるなど、フォローしてあげるといいでしょう。■基本的な図形の概念を理解する2年生では図形を構成する要素に着目し、身の回りのものの形を図形として捉えることが求められます。日頃から「まっすぐ」「てっぺん」ではなく、「直線」「頂点」といった用語を用いることを心がけましょう。文章問題がすんなり理解できるようになります。理科・社会のベースになる「生活科」2年生までは1年生と同様に「生活科」の授業があります。これは3年生から本格的に始まる理科・社会のベースとなる教科です。たとえば次のような内容の学習をしていきます。□まちたんけん□野菜を育てよう□身近な生き物、小さな虫□廃材を使った遊び、動くおもちゃを作る□赤ちゃんのころの話を親から聞き、“自分新聞”をつくる□これからの自分、目標や夢についてまとめる(光村図書の教科書『せいかつ 下 みんなともだち』を参照)このように生活の授業では、地域の生活に関わることを通して身近な人々や社会、自然との関わりについて考えることを目的としています。また、自分自身を見つめることを通して、自分の生活や成長、身近な人々の支えについても考えます。生活科とは、まさに家庭でも一緒に学べる「生きた学習」です。身の回りの物事に関心を持ち、普段見過ごしているようなことに目を向けると、たくさんの発見があるのだということを知ってもらいましょう。***1年生ほど簡単でもなく、3年生ほど複雑にはなっていない2年生こそ、しっかりと基礎を固める大切な時期です。「ちょっと苦手かも」「よくわかってないけど、なんとなく点数が取れているからいいか」と思っていると、3年生以降のつまずきに直結します。苦手の芽は早め早めに摘んでおきましょう。(参考)Benesse 進研ゼミ保護者通信|新学期準備「コレ重要!」先輩保護者ランキング~低学年(小1ー3)編~文部科学省|小学校学習指導要領(平成29年告示)汐見稔幸(2008年),『汐見先生の素敵な子育て「子どもの学力の基本は好奇心です」』,旬報社.『せいかつ 下 みんなともだち』,光村図書.
2019年05月16日「小学校入学前にひらがなやカタカナを覚えたし、簡単な足し算・引き算なら大丈夫!」というご家庭が多くなっています。出遅れないようにと準備して臨みますが、小学校低学年で習う内容は簡単なので、入学後は親子で拍子抜けしてしまうかもしれません。ところが、簡単な低学年での学習内容こそが、中学年以上での理解度を大きく左右する大事な基礎となります。簡単なのに絶対外せないのが低学年の学習内容なのです。今回は、低学年(1~2年生)で習う国語と算数の学習内容からいくつか例を挙げ、どんなポイントが重要なのか、何に気をつけて学習すれば学年が上がっても苦労しないのかを紹介していきます。【国語】漢字は成り立ちから考える。音読は具体的に褒める。まず国語ですが、文部科学省の学習指導要領には1年生の授業全体850時間のうち306時間が、2年生は910時間のうち315時間が定められ、実に3分の1以上の授業時間が費やされるほど重視されています。【重要ポイント】ひらがな、カタカナ、漢字の読み書きによって、物の名前や動きや様子、自分や相手の気持ちを理解し表現できるようになります。漢字は1年生で80文字、2年生では160文字を習いますが、身の回りのことを伝えるのに必要な、数、方向、位置、形状、色、時間、自然、天気、学校生活でよく使う日常生活に密着した文字が中心になります。<↑1年生で習う漢字><↑2年生で習う漢字>【勉強のコツ】正しい文字を習得するには、書けることよりも読めるようになることが先で、ひらがな、カタカナ、漢字のどれにも同じことがいえます。その中で、■形がよく似ている文字を比べてどこか違うのかを見つける■ひらがなとカタカナは1文字ずつ対応していることが分かる■漢字にはよく似た仲間(部首)があるといった、文字の比較から部首の存在に気づけると、漢字の成り立ちや意味をスムーズに理解できるので、その先の漢字学習が楽になります。ただくり返し書くだけでなく、漢字にインパクトを持たせることが重要なのですね。また、低学年の教科書に取り上げられている文章は、シンプルでリズムが良いのが特徴で、何度も繰り返し音読してフレーズに親しむことで、文章の組み立て方や表現の仕方を学ぶことができます。語彙や表現方法の幅が広がると文章力アップにつながります。子どもの音読は聞き流しせず、「おじいさんのセリフがとてもよかったよ」「大きな声で読めていたね」と具体的に褒めてあげましょう。【算数】足し算・引き算をとにかくしっかり定着させる次に、算数の授業時間数は、1年生では授業全体850時間のうち136時間が、2年生では授業全体910時間のうち175時間が文部科学省の学習指導要領に定められています。国語に比べて時間数は少ないですが、この先の算数や数学へつながる基礎を作る内容ですのでしっかり理解しておく必要があります。【重要ポイント】算数の勉強といえば、足し算や引き算からスタートというイメージもありますが、実は「数の仕組み」から始まります。ものの個数を数えたり数字で表したり、あるいは「前から○番目」「右から○人」といった順序数を学びます。そのうえで、繰り上がりや繰り下がりも含めた足し算・引き算について学び、2年生になると掛け算へと発展していきます。また、数や計算以外にも量や長さ、広さ、時間といった図形や単位に関わる学習も始まります。【勉強のコツ】数の仕組みを最初に学習するとき、お子さんが何番目といくつ分の違いをしっかり理解しているか確認しましょう。これは日常生活の中で「上から3段目の棚の右から2番目にあるお皿を1枚取ってくれる?」「100円で39円のきゅうりは何本買えると思う?」といった問いかけで理解度を確認できます。単位や時間についても同じように、机以外の場所で「水を150ml用意してくれる?」「この番組は30分だったから、今日はあと30分テレビが見られるね」など、なるべく具体的なものや形を使って問いかけるといいでしょう。子どもはクイズが大好きです。「えー!すごいね、合ってるよ!」など大げさに褒めてあげてください。足し算や引き算は計算カードで繰り返し何度も覚え、タイムを計って読み上げる宿題を出す学校もあります。数式をみるたびに数の増減を考えるのではなく、見た瞬間に答えが口をついて出るまで慣れておきましょう。というのも、2年生や3年生で登場する掛け算や割り算は、足し算と引き算が繰り上がったり繰り下がったりしながら何重にも関わる「積み上げの学習」ですから、掛け算や割り算をスピーディに計算をするには基本となる足し算や引き算がいかに定着しているかがカギになります。勉強が簡単なうちに身につけたい「学習習慣」と「問題解決力」一度子どもが「なんだか国語(算数)って難しい……」と感じてしまうと、なかなかスムーズに学習が進まないようです。簡単に理解できて「勉強って楽しい!」と感じる段階から、少しずつ勉強の習慣づけをしていくことが大切です。低学年のうちは、家庭での学習時間は5~10分もあれば十分とも言われます。しかし、学校の授業は45分単位と子どもが集中できる時間に比べて長いので、これに慣れるためにも30分くらい続けて机に向かうことができるのが望ましいでしょう。学校から出された宿題を済ませたあとは、図書館で借りた本や授業で使う副読本を読むのもいいですし、席を立ってうろうろ歩き回らなければ、塗り絵やパズルなどで遊ぶことも立派な勉強だと認めて褒めてあげてください。低学年のうちに「1日30分、必ず机に向かって勉強する」ことを毎日達成して自信につなげるようにします。また、内容が簡単なうちに「分からないところを分かるようにするクセ」をつておくことも重要です。特に、算数は上述したように1年生の学習から積み上げていくものですから、どこかでつまずいたまま進んでいくと、その先の理解をストップさせてしまいます。ひとつずつ問題をクリアしていく問題解決力を養うためにも、毎日の学習で分からないところを分かるようにしましょう。***大きくなってからでは、なかなか身につかない勉強の習慣。低学年のうちにしっかり身につけるには、お父さんやお母さんがお子さんの横で勉強を見届け、頑張っている姿を認めて褒めてあげると効果的です。しばらく時間はかかるかもしれませんが、親御さんの声かけで子どもは自分に自信がつき、学年が上がってからも机に向かうようになりますよ。(参考)文部科学省|平成29年改訂小学校学習指導要領浜学園教育情報TIPS|小学校低学年から身につけたい学習方法浜学園教育情報TIPS|高学年の成績に直結!低学年のうちに最低限 身につけたいこと【算数編】ベネッセ教育情報サイト|元小学校教員が語る!低学年のご家庭でやっておきたい3つのことって?
2019年05月03日子どもの頃、クラスに「運動も勉強も両方できる、万能型の同級生」が何人かいたという記憶はありませんか?それもそのはず、子どもの学力と運動能力には、相関関係があるといわれているのです。今回は、運動能力と学力の関係や、それらをアップさせるための方法について紹介しましょう。「運動能力」と「学力」には相関関係があるスウェーデンのブンケフロという町の小学校で、毎日体育の授業をするクラスと、週2回体育の授業をするクラスを設けて、運動能力と学力の相関関係についての研究が行なわれました。その結果、毎日体育の授業を行ったクラスは、体育が週2回のクラスに比べて、算数、国語、英語の成績が良かったことがわかったのです。アメリカでも同様の研究が行なわれましたが、やはり同じような結果が出ました。心肺機能・筋力・敏捷性が高い子どもたちは、算数と読解のテストで高得点を獲得。そして、体力的に優れているほど、得点が高くなったそうです。なお、日本でも、文部科学省による小中学校の全国都道府県学力テストの結果と体力・運動能力の調査結果を照らし合わせたところ、「運動ができる子どもは勉強もできる」傾向があることがわかっています。やはり「運動」と「勉強」には相関関係があるとみて間違いないようです。文武両道な子どもの特徴3つまた勉強も運動も得意な子どもには、以下のような特徴がみられることが多いといわれています。【特徴1:よく歩いている】フィンランドの調査によると、毎日たくさん歩く子どもは、ストレスに対する抵抗力が高くなり、勉強や宿題を最後までやり通すことが苦にならないといわれています。そのため、毎日の徒歩通学やウォーキングは、子どもの学力向上にも良い影響があるのです。【特徴2:朝食をとる習慣がある】文部科学省の調査によると、朝食をとっている子どもほど、テストの点数が高くなるといわれています。また、農林水産省の調査でも、毎日朝食を食べる子どもは体力合計点が高いとされています。勉強や運動で能力を発揮するためには、そのエネルギーとなる朝食が欠かせないといえるでしょう。【特徴3:何度も繰り返し学べる】例えば、漢字の読み書きや計算方法を覚えることと、ボールの投げ方を覚えることは、一見まったく違う分野に見えます。しかし、いずれも何度も繰り返すことで、脳から神経に「こうすれば、この漢字が書ける」「こうすれば、ボールがまっすぐ投げられる」という電気信号が発信されるという仕組みになっているのです。そのため、繰り返して学ぶことができれば、運動能力と学力ともに伸ばすことにつながります。「運動能力」「学力」をともに伸ばすための方法運動能力と学力をともに伸ばすためには、以下のような取り組みが効果的です。■心拍数が増える有酸素運動をする脳の記憶中枢として働く海馬や、情報伝達を担うケーブルの集合体である白質は、運動によって刺激を受けることで成長することがわかっています。また、身体を動かした直後は集中力が高くなることも立証されています。記憶力と情報伝達能力、集中力を向上させるためには、心拍数が1分間で最大150回まで上がるような有酸素運動が効果的。具体的には、なわとびやボール遊び、かけっこなどに取り組んでみましょう。■“ちょこっと運動” を取り入れる前述したように、身体を動かすと、その後集中力がアップします。そのため、子どもが宿題などをしているときに集中力が途切れてきたと感じたら、宿題はいったん中断して身体を動かしましょう。数分でできるラジオ体操などを取り入れるのもおすすめです。合間に運動を挟んで集中力を高めることで、集中すべき場面とそうでない場面の切り替えがうまくできるようになることも期待できます。■集団で行なうスポーツに挑戦させるサッカーや野球、バレーボール、バスケットボールなど、集団で行なうスポーツでは、それぞれの考えを持つチームメンバーの中で自分の意見を主張したり、他のメンバーの意見を理解したり、自分よりもレベルの高いメンバーにライバル心を燃やしたりといった、さまざまな場面があります。こうした経験は、子どもの思考力や共感力、社会性の向上にもつながります。また、「みんなで協力してひとつの目標に向き合い、悲しみや喜びを分かち合う」「熱中できるものがある」という経験は、子どもにとって一生の思い出にもなります。***現代の子どもは、交通手段の発達や公園などの減少などにより、身体を動かす機会が限られています。そのため、意識的にスポーツなどを取り入れる必要があります。親子でスポーツを楽しみ、学力・体力の向上につなげましょう。文/田口るい(参考)農林水産省|1 子供の基本的な生活習慣の状況東洋経済オンライン|子どもの学力と体力の知られざる深い関係学研キッズネット|子どもが伸びる家庭の10の習慣第6回スポーツができる子は勉強もできる!?プレジデントオンライン|なぜ頭のいい人は「運動」が好きなのかベネッセ 教育情報サイト|学力も体力も生活習慣が左右!?ベネッセ ウィメンズパーク|第1回 子供の成長と運動の関係 – スポーツキッズの体と心を応援!
2019年04月01日日本に住んでいた頃、上の子供の英語教育は、頭痛の種でした。お父さんがイギリス人だから、苦労しなくても英語が話せるようになっていいねとよく言われましたが、子供だって必ずしも苦労せずに言語を覚えるのではないのだなあと、そばで見ていてしみじみ思ったものです。現に一才からイギリスで育っている下の子も、会話で “I buyed” などと言ってしまうのを、何度も “I bought” と言い直したものです。今ではさすがに減りましたが、それでも時々、不規則動詞の過去形はミスが出ます。話し言葉でもそうですから、読み書きはさらに工夫が必要です。日本の子供達が長い時間をかけて漢字を覚えていくように、イギリスの子供は例外が多い英語のスペルを、時間をかけて覚えていきます。私たち家族にとって難しかったのは、ちょうど日本語の読み書きに興味を持ち始めた上の子の、日本語に対する好奇心を潰すことなく、どうすれば英語の読み書きを導入できるか、でした。英語圏の小学校で使われるフォニックス教材最初に購入したのは、フォニックス教材のJolly Phonicsでした。英語圏の小学校などで使われる教材で、アルファベットと音をうまく組み合わせて教えていくのには非常に向いています。動画の14秒あたりから見るとわかるように、子供達にアルファベットと音、それに体の動作を教えていきます。CDやビデオも併用して使う、基本的には学校用の教材です。小さな子供の興味を引くように作ってあり、とても助かったのですが、我が家には一つだけ問題がありました。これは、親がつきっきりで見ないとならないプログラムだったのです。フルタイムで働いていた当時の私には、子供が保育園から帰ってくる7時過ぎから、夕飯、お風呂、翌日のしたくと、やるべきことが山積みでした。その中でこの教材を使うのは、とても難しいことでした。優れた教材ですから、もっと時間があったら活用できたのに、と残念に思っています。オンライン識字教育プログラム “Reading Eggs”そんな時、同じように日本で子育てをしているニュージーランド人のお母さんから勧められたのが、オンラインの識字教育プログラム、Reading Eggsです。対象は2歳から13歳まで。英語圏の小学校で公式に使われることもあるプログラムですが、ゲームのような感覚で英語が読めるようになっていきます。あまり小さいうちからコンピューターに触らせるのはどうかな、とも思ったのですが、これはとても使いやすいプログラムでした。7時過ぎに保育園にお迎えに行き、帰ってきてご飯のしたくをしている間、数十分、遊び感覚でやってもらうのに最適だったのです。ちなみにReading Eggsを開発した会社(3P Learning)は、子供向け算数のオンラインプログラム、Mathseedsも出しています。簡単な計算をゲーム感覚で楽しみながらマスターすることができるので、こちらも一時期、併せて利用していました。まさに英語「を」学ぶだけでなく、英語「で」学ぶことができる、貴重な教材だったのです。オンラインプログラムは、イギリスの小学校の宿題でも大活躍イギリスに引っ越してきてから気づいたのですが、イギリスの小学校の宿題は、こういったオンラインプログラムを使うことが多いのです。算数の計算のような単純な問題は、オンラインプログラムに任せてしまえば先生は採点をしなくても良いですし、それでいて、それぞれの子供の弱点がわかりますよね。学校から出される宿題だからといって、クラスの子供たち全員が一斉に同じ問題を解くのではなく、それぞれ違う問題に取り組むこともあります。オンラインプログラムを活用することで、前回お話ししたオックスフォード・リーディングツリーを使った識字教育と同様に、子供のレベルに合わせた教育をすることができるのです。家庭にコンピューターがない子供のために、休み時間に学校のコンピューターを使って宿題をやってしまう「ホームワーククラブ」もあります。どこの国でも先生は大忙しですが、機械に任せられるような単純作業を機械に任せられる、良いシステムだと思います。英語圏にはきちんとした教育目的のオンライン教材がたくさん!オンライン識字教育プログラムReading Eggsや算数プログラムMathseedsは、会費がかかりますが、家庭で手が出せない金額ではありませんし、非常に良いプログラムだと思います。※識字・算数プログラム合わせて、年間購読で一ヶ月あたり7.92ドル(約880円)、識字プログラムのみだと一ヶ月あたり6.70ドル(約750円)。子供が自分である程度読めるようになると、多読教材がオンラインで読めるのも魅力的です。図書館で英語の本を借りることも日本国内ではそう簡単ではありませんから、絵本を一冊買う程度の金額で、ある程度の読書量を確保することができるのはいいですよね。実は英語圏にはかなりの数、しっかりとした教育用のオンラインサービスがあります。そして多くが、比較的利用しやすい価格帯で提供されているようです。例えば、全世界の子供たちと、算数の競争ができるサイトMathleticsは、先ほどご紹介した3P Learning 社の開発したもので、会費は年間約60ポンド、日本円で8,700円前後でしょうか。こうした教材が開発される背景には、小学校での宿題に使われるだけでなく、一定人数ホームスクール(ホームスクーリング)をしている子供がいることも挙げられるでしょう。学校に通うのではなく家庭で教育を受けるホームスクーリングは、アメリカやオーストラリアのように国土が広い国では、場合によっては必然的なチョイスです。病気であったり、家庭の方針でホームスクーリングを選ぶケースもあります。これは海外に限ったことではありません。インターナショナルスクールに通わせると年間300万円を超える学費がかかることもあり、東京に住んでいる外国人の親御さんの中には、経済的な事情からホームスクーリングを選ばざるをえない方もいます。日本に住んでいた頃は、日本の保育園に通う上の子のために、「ホームスクーリング」と「小学校」をキーワードに、オンラインサイトをかなり探しました。まだまだある!低年齢向けオンライン教材識字だけでなく、様々な科目を教えてくれるサイトもあります。現在下の子供が小学校で使っているサイトはPurple mashといい、英語だけでなく科学や算数、ITやアートなど、イギリスのカリキュラムに沿った様々なトピックを扱っています。残念ながら、学校向けの事業展開ですが、似たようなサイトで家庭教育に使われているものもあります。たとえば上の子の小学校が使っていたのはEducation Cityと呼ばれるサイト。イギリスやスコットランドのカリキュラムをカバーしており、ホームスクーリングをしている家庭向けのサービスは年間89ポンド、日本円で約13,000円で利用することができます。英語だけでなく算数や科学、IT、フランス語やスペイン語も。そして英語を外国語として学んでいる子供向けの教材もあります。アメリカのカリキュラムを念頭においたものですが、英語や算数、理科や社会、ITに加え、ヘルスやアート&ミュージックなどの様々な科目を扱っているBrain Popは、家庭ごとに利用することができます。現在はアメリカの小学校の約4分の1が利用しているとされているサービスです。同様にStarFallもアメリカのカリキュラムに沿った識字教育のサイトです。フォニックスを学べるアニメーションや、音声付のウェブ絵本、ダウンロードしてワークシートとして活用できる紙ベースの教材をはじめとして、多岐にわたった学習コンテンツを楽しむことができます。一部有料コンテンツもありますが、無料で楽しめる教材も豊富に用意されています。幼稚園生向け、小学生向けに分かれ、会員登録の手間なく、子供の学習レベルに合った内容にアクセスできます。子供の負担にならない程度、ゲーム感覚でイギリスやアメリカの小学生たちの使っている教材に触れることは、実は日本にいても、昔よりずっと簡単になっているのです。(参考)Wikipedia|BrainPopJolly Phonics UK Catalogue
2019年03月21日小学校入学前、年長さんの秋くらいから親も園も小学校にむけて準備がはじまります。筆記用具の種類や算数セットのシール貼りなど不安なことがもりだくさんでした。でもそういう「親がやること」のほかにも心配なことがありました。保育園から渡されたプリントに「小学校入学までにできたほうがいいもの」というリストがあり、そのハードルの高さに不安しかなかったです。それだけでも焦りを感じるのに…お手紙を書くのが好きな子は文字の読み書きもできて、簡単な算数ならできるという子も。入学前からレベルが違う!スタートダッシュ遅れてしまったのか?と思いました。■学校説明会で質問「ひらがながまだ書けないんです…」ここで先生が「しっかり書けるようにしてきてください!」なんて言われたらどうしようとドキドキしていたけど、先生の回答はこうでした。■私の焦りを救った先生の答えは?もちろん、学校によって方針はさまざまだと思うけど、小学校へあがる前に「あれもやらなきゃ」「これもできたほうがいい」と、まわりやネットの情報で不安が大きくなったり、子どもたちにも知らず知らずのうちにプレッシャーを与えていたりしていたのかなと思うと反省しました(実際小学校にあがると字が書ける、書けないはさほど気にならなかったです)。できたほうがいいものはできたらいいとは思うけど、変に不安を子どもに伝染させるよりは「ま、楽しく学校へ行けていればいっか」と、どんと構えていったほうがいいな、と思った入学前でした。
2019年03月12日この春、入園・入学・進級準備を控えている皆さま。お名前ペン1本では勝負できない、・ 小さな物への記名・ 伸びーる布地への記名・ プラッチックや曲面への記名・・・「こんなのあるんだ!」 と裏技的なかわいいお助けグッズで、パパッと準備を済ませてみませんか?では、初めての保育園、幼稚園、小学校にお役立ちの5選、スタートです。※以下の△〇◎の表記は、目印になるマークの有無・文字の大きさ・用途などをもとにスタッフが記しています。選ぶ際の参考になさってください。【1】 保育園デビューに簡単ペタッ未就園児◎未就学児◎小学生△はじめての保育園。持ち物全てに記名。「え、こんなに名前付け作業があるの?」 と逃げ出したいモード。そこで、□ まだ文字が読めないお子様に。□ マーク付きで、自分のってスグわかる。□ アイロン不要!ギュッと貼るだけ。普通のシール感覚で、ひたすら貼ればOK。水洗いするコップや洋服タグにも対応。▽2サイズございます。▼ご紹介したアイテムはこちら ⇒「アイロン不要!お名前シールタグ用86ピースノンアイロン・耐水ラミネートディアカーズ【送料無料】」 ▼ご紹介したアイテムはこちら ⇒「アイロン不要!お名前シール116ピースノンアイロン・耐水ラミネートディアカーズ【送料無料】」 続いても、アイロン不要タイプです。【2】 年度途中にも活躍、万能シール。未就園児△未就学児◎小学生◎とにかく、アイロン台を出して、電源コードつないで、子供が触れないように注意しながらアイロン掛け…。ソレが面倒で、名前付けを後回しにしがちな方へ。やる気が出なくても、このアイロン不要シールなら、TVを見ながらできる!お名前シールを作っておけば、★入園・入学直前に、「しまったー、〇〇の名前付け忘れてた。」そんなピンチにも、その場で5秒で間に合います。★季節や学期ごとに、「新学期には〇〇が必要なの?!」「長袖にまだ名前貼ってないッ。」年度途中や季節の変わり目も、慌てません。★長く使えるシンプル、名前+無地でシンプルだから、3歳くらい〜小学生まで使えます。アイロン不要で安全なので、「自分で貼ってごらん♪」とお手伝いも期待できるかも。▼ご紹介したアイテムはこちら ⇒「【無地タイプ】アイロン不要!お名前シールタグ用86ピースノンアイロン・耐水ラミネートディアカーズ【送料無料】」 ▼ご紹介したアイテムはこちら ⇒「【無地タイプ】アイロン不要!お名前シール132ピースノンアイロン・耐水ラミネートディアカーズ【送料無料】」 【3】 ビヨーンと伸びる靴下にも対応未就園児◎未就学児◎小学生◎靴下、肌着、タオルにいざ、お名前ペンで記名してみたら、(ガーン、文字がにじんでる。生地もビヨーンで伸びて書きにくい〜。)そんな、記名あるあるにお役立ち。もう、失敗しません。フロッキーなら、見られても恥ずかしくない、カッコイイ仕上がり。▼ご紹介したアイテムはこちら ⇒「お名前フロッキー75ピースディアカーズ」 そして、”難易度高め”と言われるコチラ。【4】 算数セット、シール付け楽勝未就園児△未就学児△小学生◎「これって、米粒に文字書ける人しか無理じゃない・・・?」と一瞬お手上げ状態になる、小学生の「算数セット」への記名。・ 小っっっさな算数セットにも・ 鉛筆1本、お箸1本にも、貼れる・ 親切なピンセット付き。↓もはや視力検査みたいですよね(笑)▼ご紹介したアイテムはこちら ⇒「1000ピースお名前シールディアカーズ耐水算数セット」 ラストは、雑貨づくり感覚で。【5】ママも使えるラベルプリンター未就園児◎未就学児◎小学生◎いっそのこと、ラベルプリンターで仕上げてみるのもアリ。「いかにも事務用品」っぽくならないのは、coharuならでは。雑貨デザインしている気分で、お茶でも飲みながら、ゆっくり楽しく作業♪文具好き、雑貨好きママさんの心を満たす。▼ご紹介したアイテムはこちら ⇒「テーププリンターcoharu(こはる)MP20」 いかがでしたか?わが家も入園準備を経験しましたが、(せっかくの入園、「名前付け地獄」だなんて言葉は使わないぞー。)と思っていたけれど、実際はお箸やクレヨン1本1本、消耗品のポケットティッシュ、洗濯を繰り返す下着にまで記名となると、心が折れそうに。そんな時、記名シールセットを贈ってくれた姉。ありがとう。便利なお名前シールは、贈り物にも喜ばれることと思います。 文・T.Kitahara作って食べて、会話が弾む。家族との大切な日常に、ほんのひと手間、幸せの仕掛けを。
2019年03月03日藤井聡太七段(*)が幼いころ受けていたことで注目を集めている『モンテッソーリ教育』。その歴史は古く、とくに海外では優秀な人材を育てる教育法として確固たる地位を築いています。一方で、「興味はあるけど、近所にモンテッソーリ教育の幼稚園や保育施設がない……」と諦めている方もいるのではないでしょうか?たしかにモンテッソーリ教育は、専門の知識を身につけた教員のもと、専用の教具を使わなければ学ぶことが難しいと思われがちです。しかし、自宅でもその要素を取り入れて遊ぶことは可能なのです。今回は、モンテッソーリ教育を取り入れた遊びの紹介と、それによって子どものどんな能力が伸びるのか、詳しくご説明します。*…2019年1月現在自立心と自己肯定感が育まれる独自の教育メソッドまずは、モンテッソーリ教育について簡単におさらいしましょう。■モンテッソーリ教育とは?女性医師であり教育家でもあったマリア・モンテッソーリによって、20世紀初頭にイタリアで考案された、子どもの自発性を重視する教育法。「子どもには自分を育てる力(自己教育力)が備わっている」という考え方が根本にあり、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことがモンテッソーリ教育の目的。40年以上にわたりモンテッソーリ教育を実践している『愛珠幼稚園』の園長・天野珠子先生は、「子どもの自主性を尊重し、それを大人が気づき、手伝うことで子どもの自立につなげていくことを大切にしています」と話します。つまり、親がすべきことは、「手取り足取りフォローしてあげるのではなく、挑戦する心を育てて応援すること」なのです。天野先生は「一人でできることが増えるほど、子どもの自己肯定感は育ちます」と述べています。モンテッソーリ教育とは、子どもを自立へと導き、自分で考えて物事に対応できるようになる、いわば“生きる力”を育む教育法でもあるのです。■モンテッソーリ教育の特色子どもは、その時期の発達に沿って「一人でやりたいこと」が出てくる。それは、“ある時期”に“ある行為”のみに現れることがわかっており、その時期を『敏感期』と呼ぶ。敏感期には、その時期に合わせた専用の教具を使って遊ぶ。それらの教具を使ったあらゆる学習活動を『お仕事』と呼び、子ども自身が自由に選んで遊ぶことで発育と自立をうながす。天野先生によると、「敏感期に合わせて、夢中になることを満足するまでやらせてあげるという経験が子どもの成長には必要」とのこと。敏感期に適切な環境に出合うと、子どもは集中現象を起こします。そして、集中現象が次々に満たされていくと心が満足し、お腹が空いたのも忘れるほど夢中になるらしいのです。私たち大人は、子どもが夢中になって何かに取り組んでいる様子を見守りたい反面、時間の都合や周囲への遠慮などから「さ、もう充分遊んだでしょ?」と切り上げてしまうことがよくあります。しかし、子どもの“夢中”は、大きな成長につながる重要な鍵です。時間や状況が許す限り、満足するまでとことんやらせてあげましょう。続いて、『敏感期』と『お仕事』について詳しくご説明します。敏感期に寄り添う優れた教育プログラムまず、本格的な『敏感期』に入る前に幼稚園で最初に行うのは【日常生活の練習】です。これはモンテッソーリ教育の基礎にもなるので、しっかりと身につけなければなりません。その後、【感覚教育】【言語教育】【算数教育】【文化教育】と続きます。■日常生活の練習大人のまねをしたがる「模倣期」と、身体が発達する「運動の敏感期」を利用して、自分の体を意志通りにコントロールする能力を身につけることが目的です。・ボタンをかける・室内を掃く・洗濯をする・ものを磨く・縫うなど、日常生活で行うさまざまな動作を大人がお手本を見せながら練習します。「自分のことを自分でできるようになる」という自立心や独立心のベースを築くことができます。■感覚教育言語・算数・文化教育という知的教育分野の基礎となります。感覚器官を使ってさまざまなことを練習し、感覚を洗練させることで、外界からより繊細な情報を収集できるようになり、知性や情緒が発達します。・対にする・段階づける・仲間分けするという3つの操作法が組み込まれた教具を使うことで、「ものを観察する能力」と「ものを考える方法」が身につきます。■言語教育絵カードや文字カードを使い、ことばの発達段階に合わせてきめ細やかなステップを踏んで、語彙を豊富にしたり文法を覚えたりします。「日常生活の練習」や「感覚教育」と合わせて行うことで、自然と文字の読み書きができるようになります。■算数教育算数教具を手で扱いながら、数の概念の基礎、十進法から簡単な計算までを学びます。ビーズを使い、数の具大量や十進法で桁が上がることを体感したり、数種類の切手を交換して掛け算を覚えたりします。■文化教育「ことば」と「数」以外の幅広い分野を学びます。世界地図パズルや時計などの教具に触れながら、子どもの知りたいという要求に応えるのです。分野を統合した「総合学習」のようなものです。幼稚園や教育施設で使用される教具は360種類にものぼり、すべて体系的につながっています。赤、青、黄の三原色をベースにした色鮮やかなものが多く、優れた教育的効果を発揮するだけではなく、子どもが思わず触りたくなるような魅力あふれるものばかりです。モンテッソーリで学ぶ子どもの「お仕事」モンテッソーリは著書の中で、「大人の仕事が生産的労働であるならば、子どもの仕事は人間を形成すること」と述べています。「つまみたい」「並べたい」といった衝動も、子どもの内面からあふれる自立への強い欲求であると言えるでしょう。つまり、家庭の中での自立や人間形成につながる事柄はみんな、子どもが自分自身を創るための「お仕事」でもあるのです。「モンテッソーリのメソッドを家庭で取り入れるためには、何よりも大人の子どもに対する接し方を重視する必要があります」と語るのは、モンテッソーリ教育施設「吉祥寺こどもの家」園長の百枝義雄先生。まずは、子どもをよく「観察」することから始めましょう。親にとっては不可解に見える子どもの行動にも、子どもが大きく成長するヒントが隠されているのです。子どもの “こだわり” と “伸びる能力” の関係性は以下です。同じことを同じ順序で繰り返したい「順序へのこだわり」→段取り力へ発展同じことを同じようにしたい「習慣へのこだわり」→集中力を育てる同じ場所に同じ人がいないと気持ちがわるい「場所へのこだわり」→倫理観へ発展高いところに乗って歩きたい「運動へのこだわり」→バランス感覚をつける3本指を使いたい「指先運動へのこだわり」→器用な手先をつくる(引用元:東洋経済ONLINE|家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ)このように、「こだわりを満足させることで伸びる能力」について理解できていれば、家庭でもモンテッソーリのメソッドを取り入れやすくなるはずです。家庭で子どもの能力を引き出すポイント次に、モンテッソーリ教育を取り入れた簡単な遊びをご紹介します。おすすめは「親指・人差し指・中指」の三指を使うお仕事です。【あけ移し】トングなどを使って豆や石を一方の容器からもう一方の容器に移します。100円ショップでも手に入るシュガートングが、子どもの手にはちょうどいいですよ。慣れてきたらピンセットを使って、大きめのビーズのあけ移しにも挑戦してみましょう。仕切りのあるケースを使えば、色別に分けて入れることもできます。色を認識し、判断して選り分けるという工程が生まれるので、難易度もアップしますよ。【お料理のお仕事】玉ねぎの皮むきや茹でたじゃがいもの皮むき、またはゆで卵の殻をむく、など「むく」という作業は料理を始める最初のステップとして非常に有効です。指先を使うだけの作業なので危険度が低く、すぐに達成感が得られるのもいいですね。また、前出の百枝先生による『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』(PHP研究所)では、モンテッソーリ園と同じ「お仕事」を自宅で再現する方法が紹介されています。この本を参考に、ハサミやのり、とじ針と毛糸などの道具を用意すれば、付属の型紙を使って気軽に「お仕事」に挑戦できます。たとえば、型紙を写して線に沿って「切る」、線に沿って一定間隔で描かれた点を目印にして「穴をあける」または「縫う」など、モンテッソーリのメソッドに基づいた手法で遊ぶことができるのです。そして、あの藤井七段が子どものころ100個作ったことで話題になった「ハートバッグ」の型紙と編み方も載っています。最後に、子どもが興味を抱き「やってみたい!」となったとき、親は次の点に注意しましょう。・親のお手本を子どもが見ているときには話さない・説明するときは動きを止める・手出しや口出しはしない・子ども自身が試行錯誤するチャンスを奪わない・出来ばえを評価しない穴をあける道具(「かるこ」など)や、抜い差し用の針は、初めて使わせるとき「危なくないかな?」と心配になるかもしれません。使うときは危なくないように見守ったり、子どもの手でも扱いやすい小さめの道具を用意したりと、「どうしたら子どもがうまく使えるか」ということを考えて取り組ませるといいでしょう。『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』(PHP研究所)***モンテッソーリ教育を家庭でも取り入れるには、道具を揃えるより先に「親の心がけ」が必要です。子どもが夢中で取り組んでいる様子を黙って見守り続けるーー簡単なようで難しいですよね。しかし、子どもには大人が思っている以上の能力が備わっています。子どもの自己教育力を信じて、見守ってあげましょう。(参考)Study Hacker こどもまなび☆ラボ|藤井聡太六段、Amazon共同創立者ジェフ・ベゾスが幼児期に受けていた「モンテッソーリ教育」とは?日本モンテッソーリ教育綜合研究所|モンテッソーリ教育についてStudy Hacker こどもまなび☆ラボ|子どもの自主性を尊重し、集中力と柔軟な対応力を育む「モンテッソーリ教育」【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】Study Hacker こどもまなび☆ラボ|子どもたちが自ら育つ力を応援する「モンテッソーリ教育」のメソッド【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】産経WEST|天才・藤井四段も学んだ「モンテッソーリ教育」とはー集中力と自分らしさ、周囲に流されず「好きなことをとことん追求する子供」に『できる子になる!0歳からのお手伝い』クーヨンBOOKS12,2015年6月,クレヨンハウス.東洋経済ONLINE|家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ百枝義雄・百枝知亜紀 著(2018年),『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』,PHP研究所.
2019年01月29日「子どもの発達に合わせて、そのときにもっともふさわしい教育をする」ことが特徴の「シュタイナー教育」(インタビュー第1回参照)。実際の教育現場ではどのような授業がおこなわれているのでしょうか。東京賢治シュタイナー学校で1年生のクラス担任を務める鴻巣理香先生は、その特徴を「世界とのつながりをとおして学ぶこと」だと語ります。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/石塚雅人(インタビュー・校内撮影のみ)記事冒頭画像:東京賢治シュタイナー学校 校内子どもには遊びでも明確な教育の意図がある――シュタイナー教育では1年生を「ならし期間」としているそうですが、一般の学校とどうちがうのでしょうか。鴻巣先生:当校には幼児部もありますが、学校にはいろいろな幼稚園、保育所から子どもたちが入学してきます。ですので、子どもたちの緊張がほどけて「仲間」になるまでには時間が必要です。そのため、最初に取り組むのは、「共同の生活の場」をつくること。一般の学校ではいきなり授業がはじまりますよね。でも、その前の段階が十分にできていないと、まだ幼児の延長上にある1年生は落ち着いて学べません。学びの特徴として、当校の1年生の席は円形になっていることが挙げられます。――それにはなにか大きな意味があるのでしょうか。鴻巣先生:これは「みんなが出会える場所」だということを意識したものです。入学当初の子どもたちが持っているのは「わたしと先生」という感覚。「わたしがみんなの一部」という感覚がまだないのです。だから、みんなが一斉に先生と話そうとする。そこで、「ひとりずつね」「誰かが話しているときは一緒に聞いてね」と話し、聴くことを練習していくなかで、子どもたちは「みんな」になっていくわけです。――いわゆる授業の内容はどんなものですか?鴻巣先生:いまお話した、円形に座ってお話をすることが1日のはじまり。そして、詩を唱えたり、歌を歌ったりします。これがもう授業なんです。椅子をしまって「ライゲン」(ストーリーを語りながら動物などを演じる教師を子どもが真似るリズム遊びのようなもの。※詳しくはインタビュー第2回参照)をすることもあります。お話をしながらいっぱい動くのですが、子どもたちにとっては遊びみたいなものでしょう。でも、教師としては、日本語のリズムで詩を一緒に唱えて覚えさせる、体の大きな動きやこまかい動きを練習させるといった、明確な意図があるものです。そして、これらの活動のなかには「共同でやること」、そして「自分自身が取り組み練習すること」が必ず含まれます。それが1年生にとっての学びなのです。「土台」ができあがれば学習速度が一気に上がる――一般的な授業とは大きく異なるようです。鴻巣先生:もちろん、国語や算数など、一般的な教科に該当する授業もあります。ただ、シュタイナー教育では、最初に学ぶための「土台」をつくることを重視します。先ほどお話したように、これらは子どもにとっては遊びみたいなものですから、親御さんに「今日は学校でなにしたの?」と聞かれると、子どもは「先生と遊んできた」と答える。ですから、親御さん、特にお父さんのなかには心配してしまう方もいますね。「この学校、大丈夫かな」って(笑)。ただ、わたしたちは、子どもがどんな時期なのかということに重きを置いて、人間の成長に合わせた無理のない学びにしているだけのことです。まわりから見ると、3年生まではすごくゆっくり学んでいるように見えるでしょう。ですが、きちんと土台ができあがると、4年生以降ではかなり早く学びが進むのです。――「エポック授業」というものが大きな特徴だと伺いました。鴻巣先生:これは、すべての学年の1時間目におこなわれる110分の授業です。110分というと長く感じると思いますが、1年生だったら最初の45分から1時間くらいは、先ほどお話したライゲンなどをして子どもたちは動いています。そして、30分くらい集中して勉強をする。そして最後の15分は教師の話を聴きます。勉強の内容は、一般の学校の国語、算数、理科、社会にあたる教科です。しかも、2週間から4週間ほどのスパンで、毎日、同じ教科の同じ内容を集中的に学びます。そして、その教科が終わったら、次の教科に集中する。前の教科で学んだことは、1回寝かせます。たとえるなら味噌のようなもので、寝かせて発酵させるわけです。――寝かせることにはどういう意味があるのでしょうか。鴻巣先生:寝かせているのですから、他の教科に取り組んでいるときには、学んだことが頭のなかに出てくることはありません。でも、しばらくたってふたを開けたときには熟成されている。しっかり潜在意識に刻まれ、強化された記憶のなかから「こうだった!」と取り出すことができるわけです。子どもの成長段階をしっかりと見つめる――貴校の授業で特に強く意識していることがあれば教えてください。鴻巣先生:一般の学校で学ぶ内容も、より生活に根差したものとしてとらえるということです。3年生の算数ではものの単位を習います。ただ、それを「紙の上」で終わらせることはありません。1kmを学ぶためには、1mのロープを10本つなげて10mのロープにして、それをみんなで持って実際に測ります。なぜなら、わたしたちのまわりには「世界と切り離されたもの」はなにひとつないからです。世界とのつながりをとおして学ぶことは、実際にそこにあるものの見方――「観点」を学ぶということ。だからこそ、授業でならったもの以外のものを見ても、学んだことをきちんと活かせるようになる。応用が効くと言ってもいいかもしれません。これは「紙の上」だけでの学びでは得られないものです。――一般の学校に通う子どもを持つ親御さんでも生かせる貴校の教育の考え方はありますか?鴻巣先生:まずは、いまお子さんがどういう時期にあるのか、しっかり見てあげてほしいですね。1年生は幼稚園児と比べると大きくなったように見えますが、さまざまな場面でまだ親の支えが必要な段階です。いまの子どもたちには、「できないことはいけないこと」という感覚があるように思いますが、できなくても平気なんですよ。失敗してもまたやってみたらいい。ただ、親が一緒にやってあげる必要があります。そして、もう支えがいらないのか、助けてほしいけど言えないだけなのか、そういうことをきちんと見抜いてあげてほしいと思います。■ 東京賢治シュタイナー学校■ 東京賢治シュタイナー学校幼児部たんぽぽこどもの園■ 東京賢治シュタイナー学校 インタビュー一覧第1回:「点数」で子どもを評価しない――力強い意志を育む「シュタイナー教育」の本質第2回:「模倣となりきり」で想像力が伸びる――感覚がフル稼働する「シュタイナー教育の1日」第3回:お片づけに“小人さん”が登場!?――「豊かなイメージ」が日々の子育てにも生きる第4回:1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」【プロフィール】東京賢治シュタイナー学校1994年、30年以上にわたり公教育に携わった鳥山敏子氏が公立学校を退職し、天地人のつながりのなかに生きようとした宮沢賢治の生き方を理想として長野・美麻に若者のための学びの場「賢治の学校」を立ち上げる。その後、ドイツのシュタイナー学校の見学をとおして「子どものための学校」こそ必要だとし、1997年に東京・立川に拠点を移して前身である「東京賢治の学校」を創設。1999年に幼児部、2005年には高等部を開設。2013年より現校名となる。鴻巣理香(こうのす・りか)東京賢治シュタイナー学校教師(1年生クラス担任)。「正直であるというところから人間は真の強さを生み出す」を信念とする。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月14日2020年より小学校でのプログラミング教育の全面実施が発表され、保護者の方は習い事としての「プログラミング教室」への関心が高まっているのではないでしょうか?文部科学省によるとプログラミング教育の目的は、単にプログラミング言語を覚えたり技能を習得することではなく、例えばコンピュータに意図した処理を行うように指示することを通じ、問題解決能力や思考力、判断力、表現力を向上させることであるとされます。コンピュータの働きを学ぶことで、よりよい社会づくりや豊かな人間性を育むと聞けば、プログラミングってそんなにすごいの?と気になっちゃいますよね。実は、それ以外にもいい効果がみられるようなんです。今回は、「プログラミング教室」についてのお話です。■ プログラミング必修化への認知度「夢見る株式会社」が全国に100教室展開するロボットプログラミング教室「ロボ団」は、”プログラミング教育と小学生の教科・非認知能力に関する意識調査”を実施しました。まずはロボ団に通う小学生の保護者の「2020年度からのプログラミング教育必修化」への認知度を見てみましょう。一般的な認知度と比較すると、その差は歴然。子どもをプログラミング教室に通わせている保護者の90%以上が必修化について把握していました。ocsa / PIXTA(ピクスタ)また、必修化と知ってからプログラミング教室に通わせている保護者も多いことが推察されます。一方で「2024年度以降の大学入学共通テストへのプログラミング等の情報科目導入の検討」については、ロボ団に子どもを通わせている保護者もそうでない保護者も認知度は低く20%台。この認知度が低いことは、社会としては子どもたちにプログラミング能力を求めている一方で、保護者はそのスピード感に追い付いていないことを強く印象付けるものとなりました。よっしー / PIXTA(ピクスタ)■ プログラミング教室に通うとテストの成績UP!?では、実際にプログラミング教室に通わせることでどのようなメリットが得られるのでしょうか?「ロボ団」に通う小学生の算数テストの点数を見てみると……、教室に通うお子さんは算数のテストが90点以上である割合がなんとを70.8%。HiroS_photo / PIXTA(ピクスタ)これは、一般小学生の38.7%に比べ約32%ポイントも上回っているんです。さらに詳しく見てみると、算数のテストが80点未満である割合は、一般小学生の34.5%。それに対し、教室に通う小学生は8.1%と4分の1未満なんです。理科テストもロボ団に通う小学生の方が90点以上をとる割合が高く、80点未満である割合は11.2%と、一般小学生の43.8%に比べ約4分の1という実態が明らかになりました。※算数:比例※理科:光の性質(直進・反射)上の2つの図のように、レッスンの中に算数や理科の小学校の学習単元の要素を取り入れることで、子どもが算数や理科に苦手意識を持つ前に楽しみながら学べる環境を整えているんだそう。確かに、”楽しい!好き!”から入れば、どんどん知りたくなり自ら学びたくなる気持ちは大人も理解できます。さらに、幼児教育のトレンドワードともいえる”非認知能力”についてみてみると、3年以上通う小学生の保護者は3年未満の保護者に比べ約2倍の差異が見られました。成績アップ、目標に向かって頑張ること、人と協力して物事を進めること、感情をコントロールすることという、子どもの人生に大きく関わってくる能力までアップするとなると、今後プログラミング教室は、ピアノや水泳、体操などといった定番の習い事に並ぶものとなりそうですね。ちろりん / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?仮にプログラミングが大学入試の必須科目となれば、今以上に多くの親がその対策を模索するでしょう。しかし、その科目を教育できる人材の確保についても気になるところ。プログラミング必修化は、”論理的思考を伸ばし、人間力を伸ばすこと”、そして”社会の発展につながること”であるとすれば、今後政府の準備にも期待したい、と筆者は思います。【参考】※【調査リリース】プログラミング教室に通う小学生のうち70.8%は算数テストが90点以上(一般小学生の1.8倍!)※小学校プログラミング教育の手引-文部科学省
2018年12月08日子どもが読書好きになることで、読解力や想像力、論理的思考や感受性が向上するなど、多くのメリットが期待できることは耳にしたことがあるかもしれません。それに加えて、近年では「数学の基礎知識」と「ITスキルの高さ」に影響を及ぼすこともわかってきています。国語以外の教科への理解度にもつながるからこそ、早いうちから読書習慣を身につけさせたいものです。子どもに読書を習慣づけるには、まずは家庭環境から。では、いったいどうやって読書を日常に取り入れていけばいいのでしょうか?ある調査から導き出された読書と成績の関係性いつも読書をしている友人に、「どうしてそんなに本が好きなの?」と聞いたことはありませんか?すると「小さいころからの習慣」「家にたくさん本があったから」「親が読書好き」といった返事が返ってくることが多かったはずです。それはあながち偶然ではなく、育った家庭での読書環境が成長してからの読書習慣につながることは、さまざまな調査から明らかになっています。さらに最近では、読書環境にまつわる “ある調査結果” が話題となりました。それは「16歳の時に家に何冊本があったか?」という調査から判明したのです。オーストラリア国立大学と米ネバダ大学の研究者たちによるこの調査は、かなり大規模なものでした。まず、2011~2015年に31カ国の国と地域で、25~65歳の16万人を対象に行われた「国際成人力調査」の参加者に「16歳の時に家に何冊本があったか?」と質問しました。その後、読み書き能力、数学、情報通信技術(ICT)のテストを受けてもらいました。その結果、本がほぼない家庭で育った人たちは、読み書きや数学の能力が平均よりも低いことがわかったのです。調査対象者の国や性別、年齢層は幅広く、現在の職業もバラバラであるにもかかわらず、本がある家庭 / ない家庭で育ったことによる影響が、この調査によって表面化されました。そして、自宅にあった本の数とテストの結果は比例する、と結論づけたのです。ちなみに、「16歳の時に家に何冊本があったか」の、国別のランキングと平均冊数は以下の通りです。1位エストニア218冊2位ノルウェー212冊3位チェコ204冊4位デンマーク192冊5位ロシア154冊6位ドイツ151冊7位オーストラリア148冊8位英国143冊9位カナダ125冊10位フランス117冊上位は北欧が占めていますね。日本は、というと「14位/102冊」という結果でした。世界全体の平均は「115冊」なので、平均よりも少し少ないといったところです。家に置いてある本を思わず数えてしまった人もいるのではないでしょうか。この調査は「16歳の時」というのもポイントのひとつです。親が所有している本、親が子どものために選んで買ってあげた本に加えて、「子ども自身が自分の目で選んだ本」も含まれるからです。幼い頃に培った読書経験や読書習慣は、確実に「16歳の本選び」にもつながります。読書量は算数の成績を左右する!?またこの調査結果からは、「言葉の読み書き」(文系の能力)と「数学」(理系の能力)、さらにITスキルの高さは決して別物ではない、ということがわかりました。その結果を裏付けるように、ベネッセが行なった調査でも「読書量が多いほど算数の偏差値が高い」傾向が見られたのです。2016~2017年にかけて、4万2696人の小学5年生を対象にベネッセが独自に行なった調査は、読書量と学力テスト(国語、算数、理科、社会)の結果を分析するというものでした。その結果、10冊以上読んだグループはいずれの教科でも偏差値が平均1.9ポイント上がりました。なかでも注目すべきは算数の結果です。どの教科よりも、「読書量が多い」グループと「まったく読書をしない」グループの偏差値に大きな差が開いたのです。(画像引用元:時事ドットコム|読書量多いほど算数向上=「問題正確に読み取る」ー民間調査)この結果を受けて、ベネッセ教育総合研究所は「(読書によって)与えられた問いや条件を正確に読み取る力を高めているのではないか」という見解を示しています。自分の子どもについて、「ちゃんと勉強しているのに、算数のテストでなかなか点数が上がらない」とお悩みではありませんか?もしかしたら、算数の問題集をたくさんこなすよりも、読書量を増やして読解力を高めることで、効果が出てくるかもしれませんよ。子どもを本好きに!おすすめは “親子読書タイム”学研ホールディングスが2015年に行なった「子どもの読書実態調査」によると、“親の読書量”と“子どもの読書量”には深い関係があることがわかりました。その調査結果では、親が本をまったく読まない子どもは1ヶ月の読書量が平均2.1冊であるのに対し、親が本を1ヶ月に6冊以上読む子どもは1ヶ月の読書量が平均6.9冊にものぼったのです。つまり、親自身が本を読む習慣がなければ、いくら子どもに「本を読みなさい」と言ったところで効果は期待できないでしょう。逆に、親が読書をする習慣があり、本を読む姿を子どもに見せてさえいれば、生活の中に本が存在していることが “当たり前” になるのです。教育評論家の親野智可等氏は、子どもを本好きにするためには「親子で毎日決まった時間に読書をする」ことをおすすめしています。子どもだけの読書タイムでもいいですが、圧倒的に大きな効果があるのは家族みんなが同じ時間に読書する「家族読書タイム」です。お父さんもお母さんも、おじいさんもおばあさんも、この時間は本を読みます。こういう状態なら、子どもも自然に読むようになりますし、気も散りません。この時間は読書をするのが当たり前、という雰囲気にすることが大事です。(引用元:東洋経済ONLINE|子どもが自動的に「本好き人間」になる仕掛け)家族みんなで、というのは慣れるまでは大変かもしれません。しかし親野氏は、「1日10分でも1ヶ月で300分。まったくのゼロの状態に比べれば大きな違いです」と述べます。たとえば夕飯の後、ただなんとなくテレビを観るのではなく、リラックスした気持ちで本を開いてみてはいかがでしょうか。家族みんなで読書を習慣づけることができれば、子どもにとってそれが「日常」となります。本を読むことを無理強いするのではなく、本を通じて家族のコミュニケーションタイムを作ることから始めませんか?***本を読むのはいいことだと頭ではわかっていても、忙しい日々に追われて心に余裕がなくなると、つい読書から遠ざかってしまいますよね。1日5分でも10分でも、親子で一緒に読書を楽しむ時間を作ることで、ストレスが解消されたり、子どもの話に耳を傾ける余裕が生まれたりするのではないでしょうか。(参考)Newsweek日本版|子どもの時に、自宅に紙の本が何冊あったかが一生を左右する:大規模調査時事ドットコム|読書量多いほど算数向上=「問題正確に読み取る」ー民間調査ダ・ヴィンチニュース|子どもの読書量と家庭のコミュニケーションには深い関係がある!?円満家庭の秘訣とは…東洋経済ONLINE|子どもが自動的に「本好き人間」になる仕掛け
2018年12月02日Q. 学習障害(LD)にはどんな種類があるのですか?A. 学習障害(LD)はいくつかの分類法があり、名称や分類はさまざまですが、以下の3つのタイプに大きく分けられます。・読字障害(ディスレクシア)…読むことの困難・書字表出障害(ディスグラフィア)…書くことの困難・算数障害(ディスカリキュリア)…計算の困難、数字の概念Upload By 井上 雅彦学習障害は学校などで読み・書き・算数といった学習のメインとなる部分で困りごとに直面することが多いので、その困りごとのタイプによって分類されることが一般的です。人によって程度やあらわれる困りごとはさまざまで、一つだけではなく、重なってあらわれる場合もあります。また、下の図に示す通り、教育現場や法律、医療の場によっても呼び方や概念が変わり、統一された分類がないのが現状です。分類や診断名だけにこだわリ過ぎず、困難がどこにあるか、その背景要因によってどのタイプに当てはまるのかを早期に理解し、工夫して対処することが学習障害のある子どもをサポートするためにとても重要です。Upload By 井上 雅彦【図解】学習障害(LD)とは?イラスト図解でポイントを解説!ディスレクシア(読字障害・読み書き障害)とは?症状の特徴や生活での困りごとは?「書くのが苦手」はディスグラフィア(書字障害)かも?症状、原因、困りごと、対処法まとめ算数障害(ディスカリキュリア)とは?症状、診断、対処法まとめ(8)LD、ADHDの教育 | 文部科学省
2018年11月21日来年の4月に小学校入学を控えているご家庭は、子どもと共に親も楽しみになってくる時期だと思います。既にランドセルが手元にある家庭も多いと思いますが、使う日を心待ちにしているでしょうね。入学が楽しみであるのと同時に、遊びが中心だった園から勉強中心の学校に入るのは若干の不安もあるかもしれません。入学前に出来ておいた方がよいことや慣れておいた方がよいことはどんことでしょうか。地域や学校により差はあるかもしれませんが、我が子の経験を踏まえてまとめてみました。1. 読み書きや算数は入学後で大丈夫?「勉強は小学校に入学してからで大丈夫」という声も聞きますが、入学前に入学後の生活はピンとこないと思います。実際どの程度のことが出来ていると良いのか、またその理由も知っておきましょう。 (1) 字の読み書きができるひらがなの書き方は、入学してから学校で教えてくれます。しかし明日の時間割と持ち物を連絡帳に書くことは4月から始まります。字が書けない場合は見よう見まねで書くことになりますが、家に帰ってきてから本人がその字を読めないという事態もあると聞きます。何と言っても、書けない字を毎日書くことは子ども本人のストレスにもなるでしょう。全てのひらがなとまではいかなくても、入学前にある程度は書けるようにし、少しでも字を書くことに慣れておくといいでしょう。 (2) 数を数える、数字に慣れる算数は入学してすぐは易しい内容ですが、5月になると足し算が登場します。夏休み明けには繰り上がりの足し算、引き算が出てきます。数字に慣れるということは、入学前に教室に通ったり勉強したりしないといけないというわけではありません。例えばおやつを食べる際に「これが〇個、これが〇個あるから合わせたら〇個になったね」「〇個食べたら〇個になったね」など、日々のコミュニケーションの中に数字を取り入れることで少しずつ慣れることが出来ます。また、算数でもノートをとるので、数字の1~10まで書けるようになっていると授業にスムーズに取り組むことが出来るでしょう。 (3) 机に向かう習慣をつける入学すると、1コマ45分の授業が始まります。国語、算数以外にも道徳や生活などの授業中は机に向かっていなければなりません。45分間集中して話を聞くことは、今までの生活とは全く異なり、子どもにとってハードルの高いものです。入学前から机に向かう習慣をつけておきましょう。机に向かうと言っても勉強である必要はありません。お絵描きやお友だちにお手紙を書くなど、興味のあることで構いません。まずは机に向かう習慣をつけましょう。机に向かう時間も長時間である必要はありません。1日5分で良いので机に向かうことで抵抗感を減らしておきましょう。また、日々の生活で食事中は集中する、電車などを待つ間はじっとしている、など集中力を継続させる練習を少しずつしておくと良いでしょう。 (4) 時計を読めるようにしておく時計の読み方は、入学後に算数の時間に習います。しかし、学校では授業や休み時間が時間で区切られていたり、準備や移動の際に指示として時間を伝えられたりすることもあります。時計を読むことができ、時間の感覚を分かっている方が子どもはパニックにならず落ち着いて行動することが出来ます。今は時計の絵本もありますし、家のアナログ時計を見て生活の中で慣れさせることも出来ます。おすすめ出来る方法ではないかもしれませんが、我が家ではゲームの時間を決めたことで「30分だと長い針が2までだよね」など確認しながら自然と時計の読み方を覚えていきました。2. 入学前に出来るとよい生活面でのこと勉強以外でも、入学前に出来ておくと学校生活をスムーズに送ることができるものがあります。 (1) 交通ルールを守り通学路を歩く集団下校がある学校、ない学校など様々かと思いますが、自宅から学校までの通学ルートは入学前に何度か歩いて練習しておきましょう。日頃から交通ルールについても伝え、一人で歩いても事故に遭わないように教えておく必要があります。 (2) 着替えをスムーズにできる園でも着替えることはあると思いますが、学校では限られた時間の中で1人で着替えなくてはいけません。一人で着替える練習をしておくと共に、着替えやすい服装で登校することも大切です。入学前に先輩ママに聞いていて助かったことは、安全ピンを使えるようにしておくことでした。入学当初はバッジの付け外しをすることが多くありますので、家庭で練習しておくと良いでしょう。 (3) 食事時間の管理と箸の使い方小学校の給食は、配膳や片付けなどの時間を踏まえると実際の食事時間は20分程度しかありません。家庭でも、食べ終わるまでダラダラとするのではなく時間を考えながら食事をするという癖をつけておきましょう。また、給食のメニューよっては、箸のみが用意される場合があります。箸がうまく使えないと食べるのに時間がかかってしまいます。箸でスムーズに食べれるように箸の使い方を練習をしておきましょう。入学して1ヶ月の授業のカリキュラムを見ると、勉強らしい授業はほとんどなく学校探検、掃除指導、給食指導などばかりでした。学校生活に慣れることが最優先となっているのだと思います。「1年生はゆっくりと勉強に慣れるのだな」と思った矢先、5月の連休明けには急に勉強モードが強くなり、夏休み明けには繰り上がりの足し算・漢字など内容が高度になりました。読み書きなどでつまずいて、そこで授業についていけず学校が嫌になってしまうという可能性があります。入学後の急激な変化は、子どもにとって多かれ少なかれストレスとなります。楽しい学校生活を送り勉強に集中していけるように、入学まで半年ある今の時期から少しずつ色々なことに慣れていきましょう。
2018年11月19日キッズネットサポーター:ゆきこ予定より早く、算数のみ入塾子どもが小学5年生の11月。塾主催の適性検査型の無料模試を受けたら、答案返却の面談で冬期講習の受講をすすめられました。そのときは塾に入ることをまったく考えていませんでしたが、お試し価格でお得だったうえに、帰省の日程と重なっていなかったので何かの縁かなと思い、気楽な気持ちで受講することにしました。子どもはこの冬期講習を楽しんだものの、2月に習い事のイベントが続けて行なわれることもあり、けっきょく入塾はしませんでした。そうなんです、中学受験を考えつつ、小5の2月になっても2つの習い事を続けていたのです(2つのうち1つは6年生9月まで、もう1つは入試シーズンも休まず、小学校卒業の3月まで続けました)。そして習い事のイベント終了後、同じ塾で無料模試が行なわれることを知った子どもが、「また模試を受けたい!」と言い出しました。「お試し価格で冬期講習だけ受講して入塾は断ったのに、また無料の模試を受けるって・・・」と、さすがに図々しいわたしでもちゅうちょしたのですが、子どもがどうしてもというので渋々申し込むことに。2度目の答案返却では、さすがに塾側も勧誘作戦を変えてきて、「冬期講習は公立中高一貫・適性検査対策クラスを受講したので、春期講習では『国私立中学対策クラスの、まずは算数を受講しましょう。春期講習前の通常授業から体験してみませんか」と勧められました。そのクラスには、子どもが今まで出会ったことがないような、ケタ違いの天才・秀才たちがいました。当初の予定では志望校対策が始まる9月に入塾するつもりでしたが、毎日通う小学校とはまったく違った刺激を塾のクラスメイトから受けたこと、算数の学習の進め方に迷い始めた時期だったこともあり、塾側の言うとおり算数のみ入塾を決めました。中学受験に「先取り学習」は必須!子どもは算数が好きで、しかも得意科目と思っていましたが、先取り学習まではしていませんでした。入塾して間もなく、「え!中学受験をするのに、まだ円の面積の公式を知らないの?」と講師に絶句されたことも、今となっては笑い話です。入塾する前の算数の学習は、市販の問題集と通信教育のZ会の公立中高一貫校適性検査講座の受講でした。今思えば、“学力検査でなくて適性検査だから先取り学習は必要ないだろう”と判断した親の油断のせいで、学習内容も時間も足りなかったのではと反省しています。算数の進め方をもっと工夫できていたら、もっと入塾時期を遅らせることも、もっとスムーズに受験生活を過ごすこともできたのかもしれません。そんな反省だらけの算数の学習方法ですが、見つけてよかったと思う教材があります。出会いは子どもが小学校1年生のときのこと。年度末テストの算数がとくに高得点だったので「うちの子ってすごい?!」(笑)と浮かれたわたしが問題集選びを始めたときのことです。本屋の問題集売り場に行ってみたものの、あまりの種類の多さに、どれを選んだらいいのか途方にくれてしまいました。そんなとき、ある1冊の本に出会ったのです。宮本哲也先生との運命の出会い!?それが、『宮本算数教室の教材賢くなるパズル入門編』。はじめて買った、宮本先生の問題集「宮本算数教室の教材 賢くなるパズル入門編」宮本哲也著/学研プラス保護者向けの説明に「絶対に解き方を教えないでください」と書かれているのを見て「子どもの目の届くところに問題集を置いておくだけでいいんだー、解き方を教えなくていいなら親がラクでいいわー」と単純に考えて、購入しました。子どもには「答えが出なくてもいいから、自分で考えてごらん。すぐに答えが出ないとモヤモヤするだろうけど、答えが出なくても、答えを探して考えている時間に頭がよくなるから大丈夫。寝ている間に頭が整理されて、起きたらひらめくこともあるかもよ。だからよく眠りなさい」と伝えました。我が子が中学に入学してして間もなく、「すぐに解けなくてもいいから、まず自分で考える、考え抜くことが大切だと分かった」と言いました。そのとき、わたしは「宮本先生、ありがとう!!」と心の中で叫んでガッツポーズ!子どもは宮本先生の教材を全てやったわけではありませんし、わたしも宮本先生の著書を全て読んだわけではありません。けれども、「子どもは自ら学習しようとする本能がある、子どもが勉強嫌いになるのは親が邪魔をするから」といった宮本先生の言葉の数々や「子どもが本当に必要としている援助だけをして、信じて待つ」という姿勢は、わたしに大きな影響を与えました。今では、お会いしたことのない宮本先生を「我が心の師匠」とリスペクトしています。「焦らずじっくり」は自宅学習のメリット算数の学習方法については話題に事欠かない我が家ですが、焦らずじっくり時間をかけて算数の問題と向き合えたことは、できるだけ塾に通わずに自宅学習を進めたメリットだったと感じています。子どもが算数を好きで得意だと思い続けていられた助けになったのではと思っています。私立中学校の入試では、算数の配点割合を高くしたり、算数一科目だけに絞ったりといった算数重視型も増えてきました。算数重視型の入試は、公立中高一貫校の適性検査を目指しながら私立中学も受験したいと考える子どもたちの新たな選択肢になると思います。私立中学の入試の4教科を急いで仕上げるのは大変なことですが、算数だけなら間に合う可能性も高まります。実際に我が子も、私立中学校の算数重視型の入試を受けました。試験問題を解くのは時間との戦いになりますが、まずは土台作りとして、算数の問題にじっくり取り組むことが大切だと思います。算数を得意科目にできれば中学入試で有利になるのはもちろんのこと、中学から始まる数学にも、子どもが自らの将来を考えるときにも、心強い味方になるでしょう。ゆきこ(ゆきこ)40代。夫と長男長女との4人暮らし。食生活アドバイザー2級、食育アドバイザー、幼児食インストラクターの取得の際に、「試験勉強を続ける辛さ」「受験のプレッシャー」を身をもって知りました。毎日、学校で授業を受けて、宿題やテストに取り組んでいるだけでも、子どもたちは精一杯頑張っているとリスペクトしたいです。が、ついガミガミやっちゃいます・・・。
2018年10月12日トップライター:川筋真貴算数や数学でつまずくきっかけは、解きかたがわからなくなったとき。学年が上がるたびに高度になっていく算数と数学。楽しく学ぶために大切なのは、「解けた!」という満足感です。正解しても、間違えても、1問ずつ解きかたを示してくれる「数学検定・数学計算トレーニング」で、数学力を身につけるトレーニングをはじめてみませんか。タイトル画面、ストアでのアプリ検索結果の画面数学検定・数学計算トレーニングアプリアイコン画像画面を計算用メモに使える、便利機能つき。気軽に挑戦できる数トレアプリ「数学検定・数学計算トレーニング」は、クイズ感覚で学べる数学トレーニングアプリです。「実用数学技能検定(公益財団法人日本数学検定協会)」の数学検定3級(中学3年レベル)から算数検定7級(小学5年レベル)までの合格に向けた勉強をしながら、分数、少数、単位の計算から、方程式、平方根、簡単な文章問題まで、さまざまな計算問題に全問無料でチャレンジできます。親子で楽しむ使い方図形や文章問題も含めて幅広く用意された約1700の問題はすべて無料。7級(小学5年レベル)から3級(中学3年レベル)までのレベル別にチャレンジできるので、自分の数学レベルに合わせて学習できます。起動画面で、挑戦したい級(レベル)→単元→問題のタイトルをタップすると5問1組の問題がスタートします。問題画面の上半分が手書きスペースです。答えにたどりつくまでの途中経過を自由に書き込みながら解いてみましょう。※もっと広いスペースを使いたい場合は、「メモ帳とペン」をタップ。「消しゴム」をタップすると書き込んだ文字や計算式がリセットされます。3つの選択肢のなかから答えを選んでタップ。正解すると「○」、不正解すると「×」が表示され、自分の回答と正解、くわしい解きかたやコツを見ることができます。起動画面の左上にある「☆」→「設定」画面で、それぞれの級(レベル)の正解状態と正解数をリセットすることができます。リセットする場合には、単元ごとまたは全体のリセットが選べます。学ぶアプリ案内人のツボ小学生レベルの問題なんてチョチョイのチョイ!とチャレンジしたら……「あれ、どう解くんだっけ?」と頭のなかにクエスチョンマークが点滅。解きかたを確認して、「そうそう、そうだった!」と思い出しました。問題ごとに解きかたやコツを見ることができるので、得意な単元を伸ばすのにも、つまずいた単元をくり返し解いて克服するのにもイイですね。子どもの毎日の勉強や定期テストの前の復習だけでなく、わたしの脳トレにも役立ちそうです。【DATA】アプリストアのスクリーンショット3点アプリ名:数学検定・数学計算トレーニング(中学・中学生の数学・計算勉強アプリ)[iPhone・iPad]数学検定・数学計算トレーニング(無料!中学生数学勉強アプリ)[Android](Gakko Net Inc./学校ネット株式会社)価格:無料対象学年:小学5年以上【iPhone・iPad】数学検定-数学計算トレーニング-中学生の数学勉強アプリ/id1023362440?mt=8カテゴリー:教育Appレーティング:12+【Android】カテゴリー:教育コンテンツレーティング:12歳以上※紹介した手順・情報は執筆時のものです。川筋真貴(かわすじまき)中学校の国語教員を経てライターに転職。女性向けの媒体での執筆が多く、IT関係からファッション・ペット・インテリアまで、女性のライフスタイルに役立つ記事の作成を得意としている。趣味は長年続けている茶道と御朱印集め。東京都在住。
2018年09月19日学習障害(LD)とは?学習障害の特徴をまとめると、以下のようになります。Upload By 発達障害のキホン例えば、通級による指導の対象を示す場合など、教育現場で使われることの多い、文部科学省の学習障害の定義は以下の通りです。基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。他にも、医学的な診断基準による定義と行政的な定義などで若干の違いがあります。以下の図に示すように、使われるシーンや困りごとの傾向によってさまざまな名称が使われる場合があります。Upload By 発達障害のキホン「読めるのに書けない」など苦手や困りごとは、人によって一部だけに極端に表れることもあれば、いくつか重複していることもあります。自閉症スペクトラム障害やADHD、協調性運動障害や感覚過敏などの他の障害を合併している人もいます。特定の学習にだけ困難がある場合、周りから理解されにくく、「怠けている」などと誤解され、苦しんだり、不登校やうつなどの二次障害に陥ってしまう子どもも少なくありません。障害の名称や診断の有無などにこだわりすぎず、一人ひとりどのような特性や困りごとがあるか理解し、対処していくことが非常に重要になります。学習障害(LD)の3つのタイプと特徴・症状学習障害の困りごとには以下の3つのタイプがあります。症状や困りごとが全てあてはまる人はかえって少なく、特徴は人それぞれです。年齢によって困りごとや特性が変化したり軽減することもあります。複数のタイプが混じっていることもあります。※以下で紹介する症状・困りごとは年齢や学習の習熟度などによって、誰にでも見られるものもあります。当てはまるからといって学習障害であるとは限りません。学習障害と診断された人の中で一番多く見られるタイプで、見た文字を判別して読んで理解したり、音にするのが苦手です。読むことに障害があると、結果として文字を書くことにも困難を感じる場合が多いため、読み書き障害と呼ばれることもあります。Upload By 発達障害のキホン読字障害(ディスレクシア)を詳しく知る「文字が書けない」「書いてある文字を写せない」などの書く能力に困難があるタイプです。文字が読めるのにもかかわらず書けない場合もあります。Upload By 発達障害のキホン書字表出障害(ディスグラフィア)を詳しく知る数字や数式の扱いや、考えて答えにたどり着く推論が苦手な学習障害のタイプを算数障害・ディスカリキュリア(dyscalculia)と呼びます。数字に関する能力にのみ障害がある人が多いため、算数の学習を始めてから発見される場合がほとんどです。「1」「2」「3」などの基本的な数字や、「x」「+」などの計算式で使う記号を認識することに困難をもっていることもあります。Upload By 発達障害のキホン算数障害(ディスカリキュリア)を詳しく知る学習障害の原因は?学習障害の原因は、医学的にはまだはっきりとは解明されていませんが、以下のようなことが研究から分かってきています。Upload By 発達障害のキホン中枢神経は脳や脊髄、体のさまざまな部分の働きを指令する部分です。学習障害の症状は、情報を伝達し処理する脳の機能がスムーズに働いていないことで引き起こされると考えられています。学習障害の症状・困難の理由を理解しようじっと見つめたり、視線を上手に動かすことが困難で、行を飛ばして読んだり黒板の文字を写すのが苦手な場合があります。見た情報を脳が処理する視覚認知の機能が弱く、文字を認識するのが難しいこともあります。また見え方に特性があり、文字がぼやける、黒いかたまりになって見える、逆さまに見える、歪んで見えるなど違った見え方になってしまう人もいます。Upload By 発達障害のキホン文字と音を結びつけるのが難しいため、音声を聞いて文字を書いたり、文字を見て即座に読み上げるのが難しいことがあります。文字を書くという動作自体が苦手です。脳内で身体に指示を出し手を動かすという伝達機能がうまくいっていないからだという説が有力です。文字を揃えて書く、バランスを考える、筆圧を調整する、文字間の距離感を取るなどが苦手です。そのため、筆算の際に桁がずれることも多くなり、間違えやすくなることもあります。一度にいろいろなことをするのが苦手で、聞きながら書く、読みながら意味を考えるなどが難しいこともあります。記憶するのが苦手な場合、漢字の形や読み方をなかなか覚えられないこともあります。記憶や推論することが苦手だと、数字そのものの概念、規則性、推論が必要な図形の領域を認識するのが難しかったり、文章題を読み、意味を理解することや、グラフや表、図形などからイメージすることが苦手だったり、算数障害につながることもあります。Upload By 発達障害のキホン視覚過敏があって紙の白さが眩しく見えるなどで、文字が見えづらいことも。聴覚過敏・鈍麻のために話が聞き取りづらかったり、集中できないケースもあります。その子の困難の背景を考え、寄り添ってサポートを苦手さの理由や原因は一人ひとりのケースで違います。その子がどこに困難を感じているのか、またその理由はどこにあるのかを観察してみるとよいでしょう。環境を調整したり、やり方を工夫したりすることで対処法が見つかることがあります。現在は、見分けやすいチョークやユニバーサルフォント、音声読み上げ機能のある電子教科書、タブレットやキーボードなど、学習障害のある子をサポートする道具や機器もあります。その子がうまくいきやすい方法があれば、学校での合理的配慮を求めることもできますので、ぜひ、学習障害について理解を深め、サポートしていきましょう。学習障害をもっと知るためのリンク集学習障害についてもっと詳しく知る学習障害の診断・検査通級指導教室について知る障害者手帳の取得法、利用できるサービスを知る障害児が受けられる福祉サービスを知る障害者が受けられる福祉サービスを知る合理的配慮の受け方、具体例を知る学習障害の子どもへの接し方親子のヒント発達障害者支援法、ADHDの教育|文部科学省参考書籍:『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引』(医学書院)参考書籍:『ICD-10精神科診断ガイドブック』(中山書店)参考書籍:「怠けてなんかない!ディスレクシア~読む書く記憶するのが困難なLDの子どもたち」品川 裕香
2018年09月06日2年生から特別支援学級に転籍する娘。大丈夫かな…?2年生から特別支援学級在籍になった娘。1年生の10月、慣らしのために特別支援学級へ行くと決まった時は、1日1時間だったこともあり、簡単な説明で済ませてしまった私…。Upload By SAKURA娘も深く考えていないような、あっさりとした返事でした。しかし2年生からは、「自分のクラス」が特別支援学級になります。通常学級での娘は交流という扱いになるので、出席番号も一番最後に変わります。色んな変化で娘が戸惑うかもしれない…。ちゃんと理解することは難しいとは思いますが、私は娘に、なぜ特別支援学級に行くのかを丁寧に説明しようと決めました。「こんな時、あるよね?」娘に説明してみたそこで私は娘に、こんな風に話をしました。Upload By SAKURAUpload By SAKURAなんとなくわかっただろうか…いよいよ特別支援学級での新学期がスタート!初日の感想はまさかの…?心配しながらも2年生になる初日の朝、娘を送り出しました。この日、私は放課後、娘を学校まで迎えに行きました。通常学級のホームルームと、特別支援学級のホームルームを終え、出てきた娘は、ちょっと疲れているように見えました。初日の感想を聞くと…Upload By SAKURA2つも教室があってすごい…!?なんとも前向きなその考え方に、脱帽しました。教室移動もバッチリ!対応できている娘に一安心娘は今、国語と算数の授業を支援学級で受け、他の時間は通常学級で過ごしています。Upload By SAKURA本人も「国語と算数は特別支援学級」という流れをきちんと把握し、時間になれば、教科書をもってクラスを移動するそうです。娘は、変化に対して柔軟に対応できていました。娘に伝えたい「特別支援学級にいる意味」より大切なこと私たちが、迷いに迷って決めた特別支援学級という選択。娘に受け入れてもらえないんじゃないかと心配もしていました。しかし娘は、私の予想以上に支援学級をすんなり受け入れてくれ、なじんでくれています。おそらく娘は、特別支援学級にいる意味を完全には理解していないと思います。何故ここにいるのか、自分は何が苦手なのか…親としては、自分の特性や苦手を知る上で、将来的にはある程度理解してほしいと思っています。特別支援学級はみんなは通わないけれど、あーさんが成長する過程で必要な場所…ここは後ろめたく思う場所ではないということも。でも、ちゃんとわかるのは今じゃなくていい。それより、伝えたいのは『いる意味』よりも大切な、娘に合う場所で『マイペースに、ゆっくり頑張ろう』ということ。Upload By SAKURA新しくスタートを踏み出した娘を、引き続きサポートしていきたいと思います。
2018年06月13日幼い頃から生きづらさを感じてきました。私はアスペルガー症候群。診断が降りたのは大人になってからでした。アスペルガー症候群だとわかってから半年ほど経った頃でしょうか。学習障害も併発していることが発覚しました。それがわかったとき、ストンと腑に落ちるような、そんな感覚になったのを覚えています。文・七海違和感を覚えた小学生の頃。見落とされた障害他人とコミュニケーションを図るのは、昔から苦手でした。ただ、学校での勉強は比較的できたほうだと思います。「詰め込み教育」だったことも相まってか、教科書を丸覚えすればテストで良い点が取れたのです。良い点を取ると、先生にも両親にも褒められました。「賢いね」と言われるたび、良い点数を取ることが良いことなのだと思ってきました。ただ、苦手だった教科がひとつだけありました。それが算数です。小学校中学年くらいまではさほど気にならなかったのですが、a(アール)とha(ヘクタール)が出てきた頃から苦手意識が生まれてきたのです。概念としての単位がどうしても理解できず、そのまま中学、高校と進学していきました。数学が苦手だったので文系を選びましたが、数学Ⅱ・Bは必須科目です。その頃には全くと言ってよいほど数学ができなくなっていたので、万年赤点でした。ひどいときは、全国模試で偏差値28だったこともあります。その当時は発達障害も知らなかったですし、学習障害の存在も知りませんでした。ほかの科目で苦手なものが特になかったので、合計すると偏差値もあまり悪くなく、数学だけ極端に苦手なのだと考えていました。社会に出てから困ったこと。算数は日常に転がっている比較的有名な国立大学に進学し、在学中にはアルバイトを始めました。初めて社会と触れ合ったとき、計算ができない自分がそこにいました。ひと桁の足し算ですら指を使って計算していたので、レジ打ちをする際に暗算ができません。釣り銭を間違えると大変だと思い、慎重を期すことに徹しました。そんな私を見て、店長は首をかしげます。でも、どうしても周りの人のように暗算することができませんでした。社会人になると、計算する機会が増えました。予算を立てたり収支を考えたり。経理職ではありませんでしたが、数字に触れる場面は少なからずあったのです。学校のテストとは違って電卓は使って良いものの、間違っているかもしれないという強い不安感から何度も何度も同じ箇所を計算し直しました。アルバイトをしていたときもそうですが、会社員になっても同じような言葉を投げかけられました。「本当にあの大学を卒業しているの?」と。悪い意味で学歴がついてきてしまうのです。私は社会で役に立たない人間なんだ、と感じました。学習障害の発覚。私以外にも苦しんでいる人はいる躁うつ病を患い、ある朝突然動けなくなりました。私はそのまま会社を辞め、療養することに。そのときに初めて発達障害の検査をきちんと受け、診断が降りました。それからアスペルガー症候群であることを前提の治療が始まったのですが、学習障害だとは診断されませんでした。生きづらさの原因はアスペルガー症候群であるところにあったのかと、ある種の安堵感があり、それ以上の疑問は持っていませんでした。治療は学歴に基づいたものだったのですが、私にはそれが非常に苦痛で、長く続けることができませんでした。そんなとき、カウンセラーとのふとした会話の中で、学習障害かもしれないと言われたのです。それは、小学生の頃から算数が苦手だという内容です。結局、総合的・表面的な判断では学習障害が見えなかったという診断でした。学習障害という言葉を知り、同じように辛い思いをしている人がいることも知りました。計算だけでなく、読み書きが苦手という特徴がある人もいるそうで、現れ方や程度の差もさまざまです。極端に苦手意識を持ち、自信をなくしてしまう人もいるでしょう。「勉強を怠けている」と学生時代に言われてしまうこともあり得るのではないかと思います。私自身がそうでしたが、学習障害であることを見落とされることがあります。そうすると、原因がわからないままに生きづらさを感じてしまう可能性があると思うのです。思い当たる節があれば、専門機関で相談してみるのも良いかもしれません。読み書きや計算などは、社会を生きていくうえで必要なもの。あまり問題ないのに過度に心配するのは良くないと思いますが、そういった特性があると知っていると対処しやすくなります。私の場合、経理関係がほとんど完全に分離している会社に再就職したり、どうしても計算しなくてはいけないときはチェックをお願いしたりしていました。違和感は、あなた自身が抱えている場合も、あなたが周囲の人に抱えている場合もあります。「できない自分が悪い」「怠けているからできない」と自分や他人を責めず、あらゆる人がいることを当事者や周囲が受け入れられる、優しい社会になればと望んでいます。©FatCamera/Gettyimages©Wavebreak/Gettyimages©Steve Debenport/Gettyimages
2018年04月11日小学校に入学するお子さまを持つママパパにとって、この時期ならではの苦行ともいえる行為。それが、“算数セットへの名前書き”!計算棒やおはじき、おかねなど、一つひとつが小さい、かつものすごい数があるものに丁寧に名前を書いていくのは、もはや修行ともいえる領域。終わった後、謎の達成感に包まれます。算数セットの名前書き、みんなはどうしてる?最近の算数セットは、名前用のシールが同梱されていることも多いけど、そのシールシートも一つひとつが小さくて、手書きするにはそれ相当の気合と根性が必要に。この作業、みなさんの家庭ではどう工夫しているのでしょうか?ネット上を調べてみると、やはり、今でも手で一つひとつ書いたという意見も見られますが、スマートフォンやパソコンを駆使して、シールをプリントしているという意見が多数見られました。たとえば、エーワンの「はがきサイズのプリンタラベル」(432円)の場合、専用のアプリを通じて、スマートフォンでも作成が可能。家庭用のプリンターで、簡単にシールを作ることができます。シール派以外には、スタンプで済ませるという意見も。ただ、スタンプは曲面に押す場合、押す人の器用さに左右されるだけでなく、押す場所にあわせて複数スタンプを用意しなければならないのが難点。ちなみにスタンプ派には、「お名前スタンプ」(ねいみ~)という、様々なスタンプと専用スタンプ台がセットになったものがなかなかオススメ。2000~3000円と少々割高なものの、様々なサイズに対応するだけでなく、インクは油性ペンと同じ顔料系で、落ちにくいのが特徴。シールか、スタンプか。面倒な名前書きに何時間も格闘することを考えると、どちらかに頼った方がモアベター。楽してキレイに仕上げちゃいましょう。(文・団子坂ゆみ/考務店)
2018年03月20日発達障害に気づいていなかった子どもの頃の私。小学校時代に感じていたつらさとは?出典 : 私は大人になってから発達障害であると診断されました。子ども時代は、困難さを感じても理由が分からず、不登校にもなったりしながらなんとか生活している状態でした。前回の「感覚過敏の子ども時代を振り返って。あの頃こんな気持ちだった!大人にこうして欲しかった!【日常生活編】」では、子ども時代に、日常生活で感じていた困難などをご紹介しました。今回は【学校生活編】として、特に小学校生活を送るうえで感じていたこと・考えていたことをご紹介していきます。「声が大きすぎる」子どもだった出典 : 子どものころ、よく同級生から「声が大きい」と言われていました。休み時間に同級生と話すとき、他の子にとってはうるさいと感じる声量で話していたようです。私は、周りがうるさいと他の人の声が聞こえません。当然、相手も聞こえにくいだろうと思って、大きな声で話していたのです。自分としてはちょうどいいと思っていた声量が大きすぎると言われて、少なからずショックを受けました。何回も声が大きいと言われていたので、私に声が大きいと言ってきた子に「自分はこのくらいの声量でないと聞こえないと思っていた」と正直に自分の気持ちを伝え、「どのくらいの声量で話せばいいのか」を教えてもらうことにしました。そこで、適切な声量を調べるために、発声練習をすることにしました。最初は今まで通り声を出し、それから少しずつ小さくしていきます。相手にも話している内容が聞こえ、かつ大きすぎない声量を確認しました。ちょうどいいと言われた声量は自分には聞こえづらいものでしたが、相手にはちゃんと聞こえているというのが、とても不思議だったことを覚えています。家に帰ってからも親を相手にちょうどいい声量で話す練習をしていました。今でも、このとき身につけた声量で話すよう心がけています。「待つこと」「じっとしている時間」が苦手な子どもだった出典 : 全校集会などの待ち時間がとても苦手でした。10秒くらいはじっとしていることができるのですが、それ以降は指を絡ませて遊んだり、身体を触っていないと落ち着きません。じっとしていられないという感覚は言葉ではうまく言い表せませんが、五感に刺激がない状態が続くと衝動的に何か感覚を求めてしまいたくなってしまいます。五感に刺激を得るために何かを触ったり、しゃべったりしてしまうのだと思います。席を立ったり歩き回ったりはしなかったので表向き問題はなかったと思っていますが、じっとできなくなってしまうときの何とも言えない感覚があまり好きではなかったので、自分なりに何とかしたいなぁと感じていました。子どものころの私は、ひとつの解決法をみつけました。いつも何かをしていれば落ち着くのだから「やることがないときには、何かを想像したり、考えたり」することにしたのです。例えば、「今日の晩ごはんは何かな?」と想像したり、ゲームの攻略法を考えたりしてみました。歳をとるごとに考える内容は変わっていきました。目についた数字を四則演算して10にする方法を考えたり、哲学的なことを考えてみたり…。こうして培われた「じっくり考えるクセ」は、考えることが重要なプログラマーという仕事をしている私の、強力な武器になっています。中学校にあがってからは常に文庫本を持ち歩くようにし、やることがなくなったらすぐ本を読むようにしていました。この習慣は今も続いていて、成人してからも常に技術書やKindleを持ち歩いています。おかげで、特に意識しなくても新しい技術や知識を覚えることがまったく苦ではありません。じっとしているかわりにやることを決めておくと、じっとしている時間に対する苦手意識が薄くなり、少し生きやすくなるように思います。もちろん、私のやり方以外にもさまざまな方法があると思います。それぞれに合った方法を見つけておくとよいと思います。「漢字は読めても、書けない」理由出典 : 私は物心つくころから兄や両親に絵本を読み聞かせてもらっていたこともあってか、漢字の読みに困ったことはありませんでした。しかし、漢字を書くのがとても苦手でした。国語のテストでも読みはほとんど間違えたことがなかったのですが、書き取りのテストは毎回ボロボロでした。まったく分からないわけではないのに、書き取りだけできないというのがとても悔しかったです。おそらく私は漢字全体の形や前後の言葉とのつながりで読み方を覚えていたのだと思います。なので学校の宿題などで何回も漢字を書く練習をしても書けるようにはなりませんでした。自分が好きでも興味もないことを何回も繰り返さなければいけないうえ、全然できるようにならなかったので、余計に書き取りに苦手意識を持っていきました。このころのトラウマか、何回も書くという勉強方法は今でも嫌いです。漢字には部首などのよく使われるパーツがあります。私は漢字そのものだけではなく、それらのパーツを覚えることにしました。この漢字はどの位置にどのパーツがある というような覚え方です。例えば「解」という字は「角」「刀」「牛」というパーツが組み合わさってできています。「解」は左に「角」右上に「刀」で右下に「牛」というように覚えていきます。とはいえそれでもある程度書けるようになったくらいで、書き取りが苦手なのは、大人になった今でも変わりません。しかし社会生活をするうえでそれほど不便を感じたことはありません。読むことはできるのでパソコンなどで入力する際には困りませんし、いざ書くときにもどんな漢字だったか思い出せないときにはスマホなどを見ながら書くことができるからです。漢字が書けずからかわれることはありますが、それ以外に不便を感じることはありません。最近では書き取りが苦手なことをあまり意識することもなくなりました。「字が汚い」。練習すればするほど書くことが苦痛に出典 : 漢字の書き取りが苦手なところにも影響しているかもしれませんが、私は子どものころから字がとても汚いです。どのくらい汚いかというと、自分で書いた字を読めないことがあるくらいです。子どものころは「大きくなれば綺麗になっていくよ」なんて言われていましたが、結局この歳になってもほとんど上手にはなりませんでした。参考までに最近書いたメモをご紹介します。Upload By 凸庵(とつあん)子どもなりにも、自分の字が汚いことは自覚していたので、丁寧に書く練習をしたこともありました。しかしそもそも線をまっすぐ引けないので、丁寧に書いたつもりでもいつもとほとんど変わらない字になってしまい、がっかりするだけでした。周りの子たちはどんどん字がうまくなっていくのに自分だけ取り残された気持ちになっていました。少しずつ字を書くのが上達していったのか、中学校を卒業するころには、ようやく他の人も読める字になってきました。高専に進学してからは、字の汚さについて悩んだことはありません。むしろすぐに自分の字だとわかるので独特の味があるなぁなんて感じるようにもなってきました。社会人になっても、字を書く機会があまりないので、困ったことはあまりありません。しいて言うなら冠婚葬祭のときに名前を書くときくらいでしょうか。そういう場面では他の人と比べて明らかに字が下手なので、少し恥ずかしい気持ちになることもありますが…。他の人も読める程度に字が書ければ、それ以上は無理してうまくなる必要はないと私は思っています。もちろんきれいに書けることは素晴らしいことですが、いくら練習しても上達が見えない場合は、練習を続けることで字を書くことそのものが嫌いになってしまうかもしれません。生きていくうえで不便を感じないのであれば、きれいに書くことをあきらめてもよいのではないかと私は思います。そのかわりに得意なことや好きなことに時間を使うほうがずっと有意義で、成人してからも役に立つ経験になると思います。算数は好きなのに「ケアレスミスする」「暗算が苦手」出典 : 小学校のころは、算数の計算問題で解き方が分からず苦しんだことはありませんでした。私の得意分野だったのかもしれません。しかしどこかで計算ミスをして、答えを間違えてしまうことはたくさんありました。通信簿でも何年か連続で「計算ミスが多い」なんて書かれていました。暗算が苦手だったこともよくなかったのかもしれません。計算をしていく際に出てきた数字を覚えておくことができず、次の計算をしているうちに前の計算で算出した数字を忘れてしまいます。大人になった今でも2桁以上の四則演算をする際には時間がかかってしまいます。解き方はわかっているのになかなか満点が取れず、子どものころの私は非常に悔しい思いをしていました。解き方は分かっているので、テストの時間には余裕がありました。そこで、計算ミスを減らすために、算数のテストを全問解き終えたら確かめ算としてもう1回以上、最初から全問解き直すようにしていました。同じ計算をなぞっても意味がないので、初めて解くように計算をし直していました。それでも完全には計算ミスはなくなりませんでしたが、少しずつ減るようにはなっていきました。今でもケアレスミスは多いと言われますが、2回以上チェックすることで根本的なミスは減ってきていると思います。職場では周りの他の人にダブルチェックをお願いしたり、他の人の作業のダブルチェックを行ったりすることで職場全体でのミスを減らすよう心がけています。苦手を補う工夫が、いつか武器になる出典 : 子どものころから、学校生活を送るうえで感じる困難や、苦手な部分について、何とかするためにいろいろ工夫してきました。そうして身につけたさまざまなスキルは、大人になった今も、苦手な部分を補ってくれたり、ときには強力な武器になったりもしています。苦手を補うために必要に迫られて身につけたことが、「武器になる」という感覚はとても面白いと感じています。できないことや苦手なことに目を向けると、未来が暗く見えるかもしれません。でも、完全には克服できなくても、うまく回避する方法を身につけることができれば、ラクに生きていくことができるようになると体感しています。そしてときには、身につけた回避方法が、将来、強力な武器になることもあるかもしれません。
2018年02月25日子どものテストの回答って、予想がつかないことってありますよね。思わずクスっと笑ってしまうような珍回答でも、その素直な発想に思わず癒されてしまします。ぴよぴよさんかわいい(笑)たぶん他のテストの問題で「けいこさんがえんぴつを~」とか「たろうさんがりんごを~」っていう出題があるので、そのノリで「ひよこさん」と書いたんだと思うんだけど、こりゃかわいいなぁと思いました。(こまめは同じテストで「ひよこ」、と「さん」ナシで書いてました。)そうえば前に記事でも描いたさくらんぼ計算はすでに脳内で計算されているらしく、過程を書いた筆跡がなかったです。ちゃんと勉強してるんだな と、こんなことでも感動してしまうわたし。さくらんぼ計算の記事はコチラ
2018年02月03日小学校中学年以上のお子さんがいらっしゃるご家庭では、学校での学習の難易度が高くなるにつれ、わが子の成績の善し悪しが気にかかるようになるのではないでしょうか。「うちの子、もしかして頭が良くない?」一抹の不安からこのままではいけないと思いつつ、どうしたらいいか分からない。テストで散々な点数を取ってきたわが子につい厳しく怒ってしまうという話はよく耳にします。●親が怒っても、やる気が出ることはまずないご自身が子どもだった頃を思い出してみてください。親や学校の先生に成績の事で怒られ、嫌な気持ちになった後「よし、勉強やるぞ!」とは思わなかったのではないでしょうか?さらに怒られ続けることによってお子さんが、「どうせ自分はバカだから」と卑屈な考え方になっていく危険性があります。ある有名なプロ家庭教師が書いた本で読んだのですが、「子どものやる気を失わせるような親の関わり方を変える だけで、成績は上向く」とのことでした。では具体的にどう関わるのが正解なのでしょうか?●ポイント①命令形では効果薄!褒めるタイミングを見逃さず、親の気持ちを伝えて学校の成績が悪いわが子に、せめて宿題くらいは毎日きちんとやってほしいと思うママの気持ちはよく分かります。しかし、「宿題しなさい!」と命令口調で言うのはよくありません。子どもには、「承認欲求」があり、自分を認めて欲しいと思っています。ですから、まずは①お子さんの日頃の行動をしっかり見ていく ことから始めましょう。そして自主的に机に向かった時を見逃さず、②「自分から宿題をした」という1点をしっかり褒めて あげてください。その時、③「お母さん、あなたが自分から宿題をやってくれて本当に嬉しい。」と母の気持ちを一緒に伝える ことがポイントです。自分のしたことを認められたことは、嬉しい記憶としてお子さんの中にしっかり残ります。時間は少しかかるかもしれませんが、お子さんは良い行動を繰り返して「また親に認めてもらいたい」という方向に向かうはずです。●ポイント②「勉強のやり方が分からない」という悩みにどう向き合うか株式会社ベネッセホールディングスが2014年に行った「小中学生の学びに関する実態調査」によりますと、小学生の「学習上の悩み」の項目に挙げられた回答に「上手な勉強のやり方が分からない」が39.9%の割合を占めていました。これは全体で2番目に多いものでした。また中学生では、子どもの成績を上位層・中位層・低位層の三段階に分け「上手な勉強のやり方が分からない」と答えた割合を算出しています。上位層:29.9%、中位層:55.3%、低位層:75.0%という結果になり、これにより成績が悪い子どもほど上手な勉強のやり方が分からないという悩みがある ことが明らかになりました。こういうデータがある以上、この悩みにどう親が向き合ってあげるかがポイントになってくると思います。低学年なら・宿題のドリルをやっている間は、隣で見ている(よくできていたら褒める)・字や計算の丁寧さをチェックしておく中学年以降は、・簡単な計算練習を毎日続けていく(市販のドリルやお手製のプリントでOK)・夏休みなどの長期休暇中は、その学期履修した範囲を必ず復習する(全科目)少々手間はかかるものの、こうした地道な作業で学習の習慣化を図っていくことが効果的だと思います。●学びの面白さを伝えよう同調査でもう1点、大変興味深い結果が現れています。それは、「学びの面白さを伝える保護者の子どもはそうでない保護者の子どもより、好奇心や関心を動機として学習をする割合が約10ポイントも高い」というものです。これは子どもの苦手科目の代表選手・算数(数学)に関しての結果です。子どもの学習動機は非常に重要です。今後の人生の中で「どんな動機で勉強がしたいか?」はお子さんの将来の進路にも関わってくるからです。親と子の関わりが深い小学生だからこそ、親は子の学習動機にアプローチできます。「勉強を教える」や「できないことを叱る」視点ではなく、パパやママが「学習の面白さ」を積極的に伝えてみて はいかがでしょうか。例えば筆者は、算数(数学)が大好きです。中学受験を控えている娘には算数という科目の魅力をどうにかして伝えたいと日々奮闘しています。算数は、パズルのピースがピタっとはまったときのような気持ちよさを自分自身で味わうのが醍醐味だと思います。工夫している点は・与えるのはヒントだけ・「自分の考えを式に書く事」をアドバイスする・必ず見直すようにさせるという3点です。これでじっくり問題に向き合い、解決してみる。間違えた問題は数日以内にもう一度解いてみるようにさせています。まだまだ先は長いですが、本人も少し算数の面白さが分かってきたと言っています。これからも続けていこうと思っています。----------いかがでしたか?成績が悪いわが子への向き合い方が分からない、気付けばいつも怒ってしまい他に何も対策が思いつかないという悩めるパパ・ママたちの参考になれば嬉しいです。参照/株式会社ベネッセホールディングス「小中学生の学びに関する実態調査」速報2014年小学館 平成30年2月号ベビーブック別冊「café BB」「子どもに伝わるほめ方・叱り方」●ライター/あしださき●モデル/前田彩
2018年01月22日皆さんこんにちは。ママライターのあしださきです。2017年も残すところ僅かとなりました。お正月は子どもにとって、自分のお誕生日と同じくらい楽しみなイベントではないでしょうか?株式会社バンダイが2017年1月に実施した「小中学生のお年玉に関する意識調査」の結果、「小中学生がお正月に楽しかった・嬉しかったイベント」の1位は「お年玉をもらったこと」で全体の58.7%を占めていました。2人の小学生(プラス幼稚園児)を持つわが家でも子どもたちはお年玉をもらうことをとても楽しみにしている 反面、「せっかくもらってもまたママが“全部預かる”って言うんでしょう?」と少々不満な様子です。同調査においても、小学生ではもらったお年玉のうち35.1%を自由に使え、残りは親の管理下に置かれるという結果も出ていました。●親が管理しようとするのは、「お金の大切さ」を理解しているからわが家の子どもはものをよく無くします。大切にしているものに限ってどこか外出先においてきてしまったりするから困ります。皆さんのご家庭はどうですか?私の長男が年長さんの頃、もらったお年玉をどうしても自分のお財布の中に入れておきたいと言うので、本人の希望の通りにさせてあげていました。しばらくして夏休みに実家に帰省する際、「自分の持ち物を自分で支度してね」と長男に告げると、なぜかお年玉の入ったお財布をリュックに詰めてしまったのです。そして、予想通りというか、数日後帰省先から家に戻るとそのお財布が忽然と消えていた……。という悲しい事件もありました。そのときは幸運にも、迎えに来てくれた家族の車の後部座席の下に落ちていて、中のお金は全額無事だったのですが、やはり幼稚園児のわが子に大きなお金を管理させるのは早すぎたと痛感したものです。お金は大切なものだから、雑に扱ってはいけない 。おもちゃや文房具と同じ管理の仕方では不十分であるということをしっかりと教える必要があると思うのです。●大切さを教える良い機会は「お金を使ってみること」でもあるでは「お金は大切に扱わなくてはいけないから」とだけ言って、子どもがもらったお年玉をすぐ親が取り上げてしまうのが正解か?というのはまた善し悪しだと思います。もらった時にはその相手に「ありがとうございます。」と礼儀正しくお礼を言うのは当たり前のことですが、実際にそのお金を何か有効的な形で使ってみなければ、「頂いたお年玉で素晴らしいお買い物ができた」という経験に結びつかない と思います。子ども自身の実体験を積み重ね、「お金を大切にしなくてはいけない。」という心を育んでいくという事を目的にするなら、お年玉を使う事をむやみに禁じる必要はないのではないでしょうか?本当の感謝の気持ちが「ありがとうございます。」に込められていなければ、ただ口先だけ親に言えと言われたから「形だけのお礼」を言っているだけということになってしまいます。2018年は是非、お子さんがお年玉をもらったら、その一部のお金でお買い物をさせてみる という事をおすすめします。●お金を使うことは、算数である親子2代で師事している公文式のF先生は、「子どもの算数(数学)的な感覚を養う一番の方法はお買い物です。」という考えをお持ちで、我々親が最も意識して子どもを連れて行くべき場だといつも言っています。低学年のお子さんと一緒なら商品の値段で簡単な足し算が、お会計の際は引き算が勉強できます。お子さんが高学年なら、消費税の計算やセール時の○%引きの計算などができますね。また、100円玉が何枚集まれば1000円になるのか。また10円玉なら?など小さいお金の単位から大きな数を想像するという感覚を幼いうちから身につけておく と、4年生以降の算数の学習で大きな差が生まれるそうです。●銀行に預ける時も、子どもにその様子を見せると良い親の方針で、お子さんの将来のために「お年玉は貯金」というご家庭も多いと思います。そんな時には、是非お子さんを銀行に一緒に連れて行く事をおすすめします。良い例を挙げたいと思います。キッザニア東京では、子どもたちが様々な職業体験をし、その仕事への対価として「キッゾ」という通貨を賃金として受け取る ことができます。キッザニアの中には銀行もあります。そこで自分で口座を開設し、貯まったキッゾは自分自身の銀行口座に貯金する事ができるのです。長男にとってこのシステムは非常に興味深かったようで、銀行で口座を作る前と後では、仕事に対する意識がガラッと変わりました。「何となく、並んで仕事をしたらお札がもらえるテーマパークにやってきた。」から、「ここでは働いた内容に応じた金額の報酬がもらえて、それを銀行に貯めることも下ろして使うこともできる。自分は小さな社会の一員なんだ。」という意識になっていったように感じました。その証拠に、閉園間際になっても諦めずにアルバイトを探し、「通行人の人数をカウントする」という地味なお仕事を自分で見つけて報酬を得ていました。そして、「やったー!」と喜んでいた表情がとても生き生きとしていたのも印象的だったのです。閉園まで仕事をしていたので、結局使えなかったキッゾが彼の口座にたくさん貯まっています。本人は次回来た時に何に使おうかと楽しみにしています。この経験から、「お金がどうして大切なのか」を教えるには、銀行の口座に自分のお金を貯めるという事をもっとリアルに感じてもらうのも一つの手 なのではないかと思ったのです。既にお子さま名義の銀行口座があるならその口座に実際いくらか預入をして、結果いくら口座に貯まったのかを目で見る経験、この機会にさせてみてはいかがでしょうか。----------いかがでしたか?お子さまの金銭感覚に影響を与えるかもしれない、お年玉にまつわるいくつかのご提案を紹介いたしました。参考になれば幸いです。参照/株式会社バンダイ「小中学生のお年玉に関する意識調査」2017年1月●ライター/あしださき●モデル/前田彩
2017年12月25日子供たちの宿題を見ていたんですけども難しいですね(笑)自分が普段何気なく使っている言葉なんですけども(汗)、詳しく聞かれるとわからない。たとえばこれ↓あ、問題の文章切れちゃった。これ、わたしがまるを付けちゃってから「ん?」って気づいたんですけども「おーい」と呼ぶ。この真ん中の「ー」は「おおい」なのか? 「おうい」なのか?のばす記号でいいじゃんって思うんだけど、1年生は教えることが細かい!正解は「おうい」なんだそうです。(だから私のまるも間違い(笑))おおいは「多い」の意味なんだって。で、そのあとに出てきた問題。八つより十のほうが大きい。この「十」は「とお」なのか「とう」なのか(ウィキぺディアさんより)やっぱりアテにならんかった私の常識!こういう「ん?どっちだ?」って微妙なところ突いてくる1年生の問題。最近スマホ片手に調べながらマルつけをしています(笑)。そして算数も!私が勉強したことのない計算方式がとりこまれてる!さくらんぼ計算方式(一般的に言われてるのかどうかは不明)で、9+5みたいな計算をするとき、9側を「10」にしちゃってから足すというね…。この方法、本当に簡単なの? と思ってしまうんだけど、これに私が慣れない。途中段階の計算まで確認するのがちょっと煩わしい。これだけで時間かかっちゃってます(泣)。宿題のマルつけを親にやらせるなら答えを教えてくれ! 頼む! (心の叫び)そして早くくまさんの忙しい期間終わらないかなぁ…(宿題のために)。
2017年11月18日言葉と数字、得意・不得意の大きなギャップ現在もライターという、言葉を扱う仕事をされている鈴木さんですが、幼少期の頃から文字や言葉への親しみが強く、学校でも国語・英語といった教科が大の得意だったそうです。鈴木希望さん(以下、鈴木): 好きな遊びが、国語辞典の「あ」からの内容を黙々とノートに書き写すこと。私には、文字や言語へのこだわりがあるんだと思います。反面、算数・数学は大の苦手でした。おそらく算数障害なのでしょう。1桁の計算もすぐに間違ってしまうぐらい、数字や計算記号そのものを認識しにくい認知特性があるんです。小学校低学年の頃は、周囲との差はあまり大きくありませんでしたが、小学校高学年、中学、高校と計算問題の難易度が高くなるにつれ、得意科目との差が大きく目立つようになっていきました。当時は自身の発達障害についての認識もなく、「なんでこんなに間違うんだろう」、「勉強不足に違いない」と思いながら必死に算数・数学の勉強に勤しんでいたとのこと。鈴木: 曖昧さのない“理数系”の世界が大好きで、数学の勉強自体はすごく楽しんでやっていたんですよ。それなのに学校では、国語・英語が99点で数学は3点みたいなテスト結果が返ってきて、「好きこそものの上手なれ」の反対というか、叶わぬ片思いみたいでひどいですよね(笑)「同じ」ことが当たり前だなんて、どうして思えるんだろう…他人との考え方の違いに苦しんだ学校生活学校生活では、他にもクラスメイトとのコミュニケーションや集団行動に難しさを抱えていたという鈴木さん。みんなと同じことを同じタイミングで行うことが強く求められる学校生活に、疑問や苦痛を感じながら過ごしていたそうです。鈴木: 自分が感じたり考えたりすることが、本当に他の人もそうかという確信が持てないんです。だから、「こう言われたらこの人は嫌だろうな」とか、「他の人も自分と同じように思っているだろう」といった感覚がわからない。結果、みんなから「冷たい」「直しなさい」って責められてしまうんです。小学校の人間関係、特に女子の中では、友だちと共感できないことでトラブルになりやすいじゃないですか。相手を否定するつもりはなくても、自分はそれが好きじゃないと言っただけで「否定された!」と捉えられます。特に、小学校3~6年生頃の風当たりがきつくて、当時は辛かったですね。自閉症スペクトラム(ASD)特性のある人は、よく「他人の感情を読むのが苦手」「コミュニケーションが苦手」などと説明されますが、鈴木さんとしては、「相手の気持ちがわからないのではなくて、頭に浮かぶ選択肢が多すぎて対応が絞れない」という方が、自身の感覚に近いとのこと。出典 : なんとなくその場の空気で共有されている“多数派の感覚”が当たり前だとは思えない。自分と他人は違う感じ方をしているかもしれない。だから、自分は自分で思ったことを率直に言う。そうやって素直に行動しただけなのに、“共感”することを前提とした人間関係の中では「冷たい」という評価を受けてしまう…学校の人間関係特有の息苦しさが、鈴木さんを追い詰めていきました。小学校5年生のときには、てんかんを発症。中学生になってからの環境の変化もあいまって体調を崩してしまい、心身ともに不安定な状態のなか、学校にもあまり行けなくなってしまいます。その後受験した私立高校は、自由な校風で過ごしやすく、小・中学校時代とは打って変わって順調な日々を送ることができたそうです。しかし、病気がちで出席日数が足りず、3年生に上がるときに留年してしまいます。クラス担任との相談の結果、「あなたは、自分のペースで勉強して、大検(大学入学資格検定)を取って大学に行った方が良いと思う」とアドバイスを受け、高校は中退することを決意。ここから現在に至るまで、鈴木さんはさまざまな仕事を経験していきます。高校を中退し、働くなかで広がった世界。そして…鈴木さんが最初に始めたのは、レコード屋さんでのアルバイト。まだ若く、はじめて就業を経験する鈴木さんに対しても、周囲の人たちは優しくサポートをしてくれました。働くことはとにかく「楽しかった」という鈴木さん。レコード屋さんで22歳まで働いた後も、飲食店、派遣での営業事務、編集プロダクションなど、さまざまな職業を経験します。自身の特性の凸凹もあり、相性の良い仕事とそうでない仕事の差が激しかったと振り返ります。鈴木: 在庫のチェックみたいな、黙々と集中できる反復作業はすごく得意で、楽しかったですね。逆に、派遣の営業事務で担当した経理の仕事は厳しかったですね。入力ミスを立て続けに起こし、叱られてばかりでした。自身の特性と相性の悪い仕事に就いても、当時の鈴木さんは「自分の努力が足りないせいだ」と思い、無理をしながら必死に働いていたそうです。結果、疲労やストレスから体調を崩し、ドクターストップがかかるまでになったことも。一方で、これまでの学校生活と違い、多様な個性が「当たり前」に受け入れられる環境にも出会うことができました。鈴木: インド料理店での仕事はよかったですね。インド人は個性豊かな人が多くて、日本で長く暮らしていても、常識や文化が違います。インド人スタッフも日本人スタッフも、お互いの個性を受け入れられる人ばかりで、環境に恵まれていました。当時はまだ診断も受けていませんでしたが、私の特性も個性として自然に受け入れてくれました。高校を中退し、先生に勧められた大検を取ることも結局はしませんでしたが、鈴木さんは「働く」ことを通して、少しずつ自分の世界を広げていきます。現在のお仕事は、フリーランスのライター業です。雑誌やカタログ、企業や自治体の広報誌など、さまざまな媒体からの依頼に応じたライティング業務を請け負っています。幼少期から親しんできた言葉や文章の世界での仕事、また、黙々と情報を「調べてまとめる」という作業が自身の特性に合っていることもあり、クライアントの期待に応える文章を書き上がることに、やりがいや達成感を感じるとのことです。鈴木: 書く仕事といっても、私は”自己表現”をしたいという欲求はあまり無いんですよ。ライターというのは、コラムニストや作家と違って、表現者というよりは職人的なお仕事です。依頼してくれたクライアントがどんなものを期待しているかを理解して、その期待や要望をすべて満たせる文章を、カチッと合わせてつくる…それが出来たときにはすごくスッキリするというか、やって良かったなって思います。幼少期には、みんなと同じ行動や“共感”を強く求められる環境の中で苦しんだものの、社会に出て働く中で、自分を含めてさまざまな個性を持った人たちとの関わりを増やしていった鈴木さん。多様な人や企業の思いに触れ、それを文章として形にするライターのお仕事は、鈴木さんにとっての“天職”なのかもしれません。そんな鈴木さんが「同志」と語る息子さんとの日々、鈴木さんが考える子育て観をお聞きします。
2017年11月17日こんにちは。臨床心理士の今井千鶴子です。みなさんのお宅に図鑑はありますか?もしかしたら、図鑑に対して、”ちょっと難しい”というイメージをもたれ、敬遠しているママもいるかもしれません。私も以前は図鑑に対してなんとなく近寄りがたい印象をもっていました。でも今では、私の図鑑へのイメージは“難しい”から“楽しい”に180度変わりました!図鑑を活用することによって、子どもたちが“楽しく学べる”ことを実感しています。そこで今回は、親子で楽しめる図鑑についてご紹介します!●図鑑の魅力図鑑にはさまざまなよさがあります。その1つが、学校で授業を受ける前に“なにげなく”学べることです。たとえば、学校で『川』の勉強をする時、地球で最も長い川が”ナイル川”であることを知っていたら、お子さんの授業への関心はずいぶん変わってくると思います(地球で最も長い川については、『いちばん!の図鑑(今泉忠明 (監),2010 )』や『信じられない現実の大図鑑(ドーリング・キンダースリー(編),2014』の中でも紹介されています)。多くの子は、自分の知っていることが授業で出てくると「知ってる〜!!」とワクワクします。また、他の子が知らないことを知っていると、勉強への自信にも つながります。そのワクワクや自信が、「もっと知りたい」といったさらなる知的好奇心を引き出して いきます。●図鑑を読み始める時期それでは、図鑑を読みはじめる最適な時期はあるのでしょうか?図鑑によっては、対象年齢が明記されているものもありますので、それも1つの目安になるかと思います。ちなみにわが家の場合は、夫の提案で長男が2歳の時、動物図鑑デビューをしました。正直なところ、その時の私は「2歳で分厚い図鑑は早いのでは?」と思っていたのですが、結果的には大正解でした!動物の写真(イラスト)を見て十分楽しむことができました。また、わが家は2歳差兄弟のため、必然的に次男は0歳で図鑑デビューをしたのですが、一緒に楽しんでいました。ただ、分厚く重い図鑑をお子さんに与える場合、安全面には十分に気をつけましょう。●さまざまな図鑑定番の図鑑からマニアックな図鑑まで、驚くほど多くの図鑑が刊行されています。お子さんによって興味の対象はさまざまですが、ここでは私がこれまで読んだ中からいくつかの図鑑をご紹介します。●あたまがよくなる!図鑑(篠原菊紀 (監), 2017)ズバリなタイトルが目をひくと思うのですが、特に就学前のお子さんにオススメの図鑑です。たとえば、“かず・かたち”の章では、お寿司を使って数の大小を考えたり、クレパスで順序数を学んだりするなど、小学校1年生の算数で習う内容を楽しく学ぶことができます。また、ビスケットの作り方やだんごむしの飼い方など、子どもの興味をひきそうなトピックもたくさん紹介されています。ちなみに、算数への興味を広げたいなら『算数の図鑑(キャロル・ヴォーダマン, 2017)』も面白いと思います。●ひとりでできるよ!図鑑(横山洋子(監), 2012)お子さんの自立をそっとサポートできる図鑑だと思います。たとえば、料理やお箸の並べ方、トイレのきれいな使い方、紐の結び方、お金の使い方などが紹介されています。1つ1つのトピックが写真などでわかりやすく紹介されているので、お子さんにも伝わりやすいと思います。また、『くふうの図鑑(鎌田和宏(監),2013)』や『げんきの図鑑(中村裕(監),2012』を合わせて読んでみても面白いと思います。●だんめんの図鑑(断面マン(監),2016)「この中はどうなっているんだろう?」というお子さんの疑問を解決してくれる図鑑だと思います。この図鑑では、ハーモニカや掃除機、ボールなどの中をのぞくことができます。普段目にしている“表面”部分だけでなく、“中身”についても「どうなっているんだろう?」と考えるきっかけになると思います。●日本の火山図鑑(林信太郎,2017)日本には、たくさんの活火山があります。この図鑑では、さまざまな火山の特徴や私たちの生活との関わりなどがわかりやすく紹介されています。日本のシンボルである富士山のことも丁寧に説明されています。●信じられない現実の大図鑑(ドーリング・キンダースリー(編),2014)この図鑑では、「アリの強さは?」「地球上の水はどれだけあるか?」「人間が一生ではく息の量は?」などが紹介されています。大人でも楽しめる内容だと思います。----------いかがでしたか?今回ご紹介した図鑑以外にも『いちばん!の図鑑』をはじめ、興味深い図鑑がたくさんあります。是非お子さんと気になる図鑑を探してみてくださいね!文献今泉忠明 (監)いちばん!の図鑑学研マーケティングドーリング・キンダースリー(編)増田まもる(監訳)信じられない現実の大図鑑東京書籍篠原菊紀 (監)あたまがよくなる!図鑑学研プラスキャロル・ヴォーダマン著算数の図鑑:小学生のうちに伸ばしたい数&図形センスをみがく誠文堂新光社横山洋子(監)ひとりでできるよ!図鑑学研マーケティング鎌田和宏(監)くふうの図鑑小学館中村裕(監)げんきの図鑑小学館断面マン(日本切断研究所)(監)どうなっているの?だんめん図鑑小学館林信太郎(監修・著)知っておきたい日本の火山図鑑小峰書店●ライター/今井千鶴子●モデル/貴子
2017年11月14日似た者同士の母と娘、二人揃って図形問題が解けない!出典 : アスペルガー症候群の診断がおりている9歳の娘は、言語IQが150を越えています。日々、ひっきりなしにお喋りをしたり、本を読み続けたり、頭の中にある言葉をパソコンに入力し続けたりしています。彼女の生活は言葉に埋めつくされていると言っても過言ではないほどです。このような状態ですから、言葉で物事をとらえるのは非常に得意なのですが、一方で算数の図形問題で頭を悩ませることが増えてきました。図形問題にはほとんど文字情報がありませんので、まず見ただけで拒否反応を示します。そして、1枚のプリントを終わらせるのに1時間以上かかるうえに、間違いを連発してしまうこともしばしばあります。そんなときは、自分を否定する言葉を吐きながら、目に涙を浮かべて問題と戦っているのです。そんな娘と同じような特性がある私は、昔から図形の問題が壊滅的に苦手でした。算数の計算自体は得意でしたので、図形問題ができなくても、特に成績が悪くなることも問題視されることもなく、なんとかやり過ごしてきました。私そっくりに生まれた娘には図形で苦労をさせまいと、算数のセンスがアップする!と謳われているオモチャや幼児教育の教材を取り入れてきたのですが、残念ながら娘にその効果が表れることはありませんでした。私も苦手な分野なので、解き方を上手く娘に説明することができません。夫に「教えてあげて」とプリントを渡すと「え、これは図を見れば簡単にわかる問題でしょ?」と言われる始末。どうして娘と私は、図形問題をスムーズに解くことができないのでしょうか?空間認知能力が低いと算数にも影響が出る!?出典 : 図形の理解に必要なものの1つに「空間認知能力」が挙げられます。空間認知能力とは、人や物の位置を立体的に把握する能力のことで、方角・距離・大きさ・広さなどを的確に理解し把握する役割を果たします。地図から目的地までの経路を探すのが得意な人や、山登りのルートなどを俯瞰して理解できる人は、この空間認知能力が高いといえるかもしれません。逆に、この能力が低いとどうなるのでしょう?自分と物との距離を上手く測れないため、自分の家の中であっても壁やドアに頻繁にぶつかってしまったり、お店に入って違う出口から出てしまうと帰る方向が分からなくなったりするのです。そして、勉強の面でいえば、字を枠の中におさめて書くことができなかったり、筆算をする時に桁がずれてしまったり、手本を見ながら線を書き写せない、という問題が出てくるのです。娘は、この空間認知能力の低さゆえに、表に出れば道に迷い、筆算をすれば桁がずれ、図形を見ても上手く全体像をとらえられないという問題にぶちあたっているのです。問題を構成するひとつひとつの要素は理解できているのです。平行・垂直、同位角・錯覚、三角形の内角の和、多角形の内角の和の求め方。それぞれはわかっているのに、それがまとまった状態で提示されると、途端に混乱してしまうのです。三角定規の一つひとつの角度は覚えていても、それが重なった状態の問題が出ると、娘の頭はショート寸前となり、自分だけの力で解くには膨大なエネルギーが必要となります。読字障害で、言葉のまとまりを意味としてとらえることが困難なタイプがあるように、私や娘の場合それが図形で起こっているのかもしれないなと思うようになりました。さらに気づいた「ワーキングメモリ」との関係出典 : また私たち親子に共通するこの苦手さには、「空間認知能力」だけでなく「ワーキングメモリ」も関係しているのではないかと考えるようになりました。ワーキングメモリは日本語では「短期記憶」や「作業記憶」と呼ばれています。何かを考えたり、作業を行ったりするときに必要な情報を一時的に置いておく場所であり、この情報を元に人は行動をするのですが、このワーキングメモリには「言語性ワーキングメモリ」と「視覚性ワーキングメモリ」があるそうです。言語性ワーキングメモリ = 言語化できる情報を保持・操作する場所視覚性ワーキングメモリ = 言語化できない情報を視覚イメージとして保持・操作する場所そして、頭の中で映像や画像を思い描いたり操作したり、思考する場所を「視空間スケッチパッド」と呼ぶそうです。私は医者でも学者でもありませんので、すべてをきちんと理解することも説明することもできませんが、脳の中にこのような領域があるのだと知ったことで、娘の困難さの原因が少しわかったような気がするのです。おそらく、娘も私も言語性ワーキングメモリの領域は通常よりも多く、視覚性ワーキングメモリの領域はとても少ないのだと思います。以前のコラムでも書きましたが、私は他人の顔を覚えることができません。大切なわが子の顔さえも、思い浮かべることができないのです。新たに出会った人について記憶する場合は、まずその人の名前を漢字で聞き、頭の中にその名前のラベルがついた文字情報を放り込んでいき、言葉で記憶するのです。娘も他人の顔をおおざっぱにしか見分けられていないようで、「おじいさん」「若い女の人」などのくくりで人を判別しているため、テレビに出てくる人を近所の人だと言い張ったり、逆に道を歩いている普通の人を「絶対にあのドラマに出ていた俳優さんだ」と言ったりします。これはおそらく、視覚性ワーキングメモリの領域が少ないため、視空間スケッチパッドに人の顔をきちんと展開することができないのが原因ではないでしょうか。そして、視覚性ワーキングメモリの働きが弱いために、算数の問題に出てくる図形を全体像として頭に思い浮かべることができず、問題を解くための手立てを探すところまでたどり着けないというのが、図形問題が解けない原因になっているのかも知れません。親子で勉強することで生きるヒントが見つかるかも!出典 : さて、図形の苦手さの原因は努力不足や経験不足ではなく、脳の構造の問題であるらしいというところに辿り着きました。「泣くほど辛いのなら、いったん図形問題から離れてもいいよ」と娘に声をかけたのですが、娘は「普通の4年生が理解できることは私も理解したい」と言うので、工夫をしながら図形問題に取り組むことになりました。図形を見ると少しチックが出るようになったのですが、本人が「やる」と決めたことなので、ストレスがかかり過ぎないように様子を見ながら進めていきたいと思います。娘は学校に行かずに家で勉強をしていますので、教えるのは私か夫ということになります。複雑な問題は夫に任せて、簡単な問題や何度か繰り返している問題は私が教えています。視覚性ワーキングメモリが低いとなると、得意な言語性ワーキングメモリを使って解いた方が娘にとっては楽になるはずですので、図形を見ながら一つひとつ言葉で説明をし、手順を言語化していきます。普通であれば、言語でだらだらと説明するより図にした方がわかりやすいから図にしてあるはずなのに、わざわざ言語に戻して理解するというのもなかなか独特で面白い特徴ですよね。そう考えることができるようになったのは、「できない」ことにフォーカスをあてるのではなく、「どう工夫すればできるようになるか」という思考にシフトチェンジできたからではないかと思います。また、立体的な感覚をつかむため、マインクラフトという三次元の世界でブロックで建物を建てたり、旅に出たりするゲームを始めました。夢中になって遊んでいるうちに苦手な分野のトレーニングができるのはとてもステキなことで、自分の子供時代と比べると、何かを学ぶための選択肢がたくさんあって、よい時代になったなと嬉しく思います。出典 : お子さまの宿題を見てあげるとき、不登校のお子さまに勉強を教えるとき。もし、正解か不正解かだけに注目していらっしゃる方がいたら、少し見方を変えてみませんか?勉強でつまづいてしまったとき、努力だけでは克服できない原因が隠されているかも知れません。どのような工夫をすれば乗り越えられるのかを考えることで、子どもが心地よく生きていくためのヒントが見えてくることもあるのです。親も子も、「勉強する」というとつい構えてしまいがちですが、親が子を知り、子が自分自身の特性を知る良いチャンスだと思って、前向きに取り組んでみるのもいいかも知れませんね。
2017年08月13日高校生の進路相談、私の希望を先生が二度見したのは出典 : 「これ、間違いじゃないわよね?」進路相談の場で、担任・F先生は戸惑うように私を見つめた。その高校では2年生から大学進学コースの文系及び理系、専門学校及び就職希望者のためのコース、3通りのクラスに分かれるのであった。1年生の冬に希望コースを決め、それに基づいて進路相談をする。向かい合わせに座った私は、きっぱりと答えた。「間違いじゃないです」私が用紙にチェックを入れたのは「進学・理系コース」。彼女が驚くのも無理はない。なぜなら私は算数障害だからだ。あいまいさのない、数字の世界が大好きだった出典 : 高校1年生の初夏、中間テストの返却時。「人には得意不得意があるとは言いますが、こんなにも差が開く人もいるのか、と驚きましたね」F先生の言葉に、クラス中がどっと笑った。誰なんだろう、どれくらい差があったのだろう。私も笑っていた。成績表を渡され、私の笑顔は凍りつくことになる。“こんなにも差が開く人”は、他でもない私だったからだ。現代国語と古文、英語のリーディング及びグラマーは、ケアレスミスによる1点マイナスで99点。数学は三択問題1問だけが正解して、3点だった。我ながら衝撃的過ぎて、他の教科の点数を覚えていないほどだ。何が衝撃かというと、点数の激しい開きだけではない。私は授業を理解しているつもりでおり、なおかつ家では数学の予習復習ばかりしていたから。そこまでやって、3点。しかも三択問題。解せない。本当に解せない。好きこそものの上手なれというではないか。そう、私は数学や理系教科が大好きだった。出典 : 衝撃を受けてはいたが、自分が計算について不得手であることを、このときに知ったわけではない。小学校低学年のころは、さしたる周囲との差はなかったように思える。「あれ?」と感じ始めたのは、図形の面積、立体の体積の計算を覚えるころだった。計算が複雑になり、情報が増えるにつれ、数字や計算記号そのものを認識しにくいと感じている自分に気付いたのだ。いくら公式や方程式、考え方がわかっていたところで、土台がガタガタなのだから、正解が出せるはずもない。当時は発達障害だなんて思いもしないから、「学習不足であるに違いない」と、算数や数学の勉強ばかりに勤しんだ。断っておくが、私は努力家でも何でもない。なんというか、片思いの相手の気を引こうとして、あの手この手を尽くしているような気持ちだったとでも言うべきか。そしてテストで赤点を取るたびに、こっぴどく振られたかのように落ち込んでいたのだ。それでも理系に進みたかったのは、勉強するのが楽しかったら。後に自閉症スペクトラムと診断される私は、曖昧さのない数字や計算の世界を愛していた。しかし、大学時代は「楽しい」だけで過ごせても、社会ではそうはいかない―先生にそうした現実を突きつけられ、説得された。私はギリギリまで悩んだが、将来を考え、もうひとつの大好きな道、言葉の世界に進むことを決断、文系にコース変更。そこに一抹の寂しさがなかったわけではないが…恋に破れた私と、数字に愛された息子進路変更をした直後、とあるご縁により、私はアルバイトとして原稿納入の仕事を始めた。そして兼業の期間もありつつ、ライターの仕事をしている。訳あって高校を中退、進学はしていないのだが、結局文系の道を歩んでいるというわけだ。そして自閉症スペクトラムとADD(注意欠陥障害)の診断を受け、同時に算数障害であることを知らされる。そう、私は数字に振られていたわけではない。単に住む世界が違っただけ。叶わぬ恋なのは当たり前の話。現在は、慎重に見比べた上で電卓を使うなどの注意や工夫をし、生活に支障がない程度に数字と付き合うことができている。数字や科学等、理系っぽいものは今でも大好きだが、恋というよりただのファン。そう割り切っており、科学館へ遊びに行ったり、実験キットで楽しむ程度だ。Upload By 鈴木希望共に暮らす小学2年生の息子は、数字が好きで、なおかつ計算が得意。絵を描くように計算式をノートに綴る彼を見て、羨ましいような切ないような気持ちになりつつ、私は文系の道を選んだことを、決して後悔はしていない。でも、もし担任教師の反対を押し切って理系の道に進んでいたら、どうだっただろう。たらればの話をしても仕方がないが…うん、それはそれで幸せだったに違いない。多分ね。
2017年07月30日テストの点や成績が悪くても、「勉強ができない子」なんかじゃない小さな頃は、学ぶことが大好きだった長男。1日中飽きもせず、数字のマグネットを眺めて、並べて、会話して、数の法則を発見して、まさに「数字が友だち」状態でした。イタズラっ子で好奇心も強く、大好きな「機関車トーマス」、「マーク」や「宇宙」の図鑑はボロボロになり、内容を全部覚えてしまいました。当時の長男は、幼稚園では毎朝登園しぶりをするし、お友だちとはうまくいかないことが多かったけれど、私は「この子は、学ぶことがこんなに大好きなんだから、小学校に行ったらきっと勉強で自信をつけてあげられるハズ」と思っていました。Upload By 楽々かあさんところが、そこで待っていた現実はまったく逆。長男の学校の成績は、学年を追うごとに下がっていきました。宿題の漢字書き取りは泣いて嫌がるし、ノートもロクに取らない。得意なハズの算数だって、九九も覚えられないし、筆算もミスばかり…あんなに勉強が好きだったのに、なんで!?どうして!?私は長男の白紙回答のテストにも、「がんばりましょう」ばかりの成績表にも、なんだか納得できませんでした。だって、話してみれば、興味を持ったことには博学で、一つのことをじっくり考え、ユニークな独自の発想ができる長男。私は、彼を「勉強のできない子」だとは、到底思えなかったのです。そんな中、長男には当時の基準で「アスペルガー症候群」の診断がつき、発達障害があることが分かりました。そして私は、発達障害について知るうちに、長男はADHDとLDの特徴も併せ持っていることにも、気づいていったのです。そう。長男のテストの点や成績の悪さは、LD(学習障害/学習症)の部分に、原因と理由があったのです。学校の成績が悪いのは、彼の努力不足のせいなどではなかったのです。そんな長男や、同時代を生きる、同じようなお子さん達の姿を前に、私が切に願うことを、楽々かあさんこと、大場美鈴がお伝えします。そもそも「LD」って…?そもそも、「LD」って何でしょうか…?学習障害とは、全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力のうちいずれかまたは複数のものの習得・使用に著しい困難を示す発達障害のことです。英語ではLearning Disabilityと呼ばれ、LDと略されることも多いです。 By 楽々かあさん実は「LD」の特徴は、身近で誰にでも起こりうる発達の偏りでもあり、「障害」として診断される程ではなくても、LD的な「部分」がある人は、結構な割合でいるようです。例えば、方向音痴で地図を読むのがなんとなく苦手、人の顔と名前を覚えるのだけは割と時間がかかってしまう、なんていう「局所的な苦手さ」は、思い当たることがある方も多いのではないでしょうか(私もです!)。LDのある子・方は、そんな「局所的な苦手さ」が、たまたま勉強に必要な、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」という分野にあり、スムーズな学習への障害物になっている、ということだと私は理解しています。そして、LDのうち、特に「読み・書き・計算」に困難さが強く表れている場合、それぞれ「ディスレクシア(読字障害)」「ディスグラフィア(書字障害)」「ディスカリキュア(算数障害)」と更に分類されます。長男の場合、「ディスグラフィア(書字障害)」の特徴があり、文字を書くことが全般的に苦手で、特に漢字は何回書いても覚えられませんでした。そのため、筆算で「繰り上がりの小さな字を書く」ことが負担だったり、また、「九九や公式の丸暗記」などに、局所的な苦手さがあるため、得意なハズの算数でも、充分に実力を発揮することができなかったようです。いくら成績表で「がんばりましょう」と言われても、本人の「努力では乗り越えられない壁」があったのです。参考書籍「怠けてなんかない!ディスレクシア~読む書く記憶するのが困難なLDの子どもたち」 品川 裕香 (著)「その子に合った学び方」ならできる!Upload By 楽々かあさんでも、局所的な「できないこと・苦手なこと」の説明だけでは、LDのある子の本当の姿を語り尽くすことはできません。なぜなら、LDがある子は、苦手な部分の発達の凹がある反面、得意な部分の発達の凸だって、同時に育っていることも多いからです。私は、長男の場合、「漢字をひたすら書いて覚える」「九九を丸暗記する」ための脳の部分にゆくハズの栄養が、み〜んな別のところがぐんぐん育つために使われてしまっているのだ、と思っています。例えば、長男は四年生の時、47都道府県を漢字で答えるテストは、ほぼ白紙回答でお手上げでしたが、実は「地図パズル」などの立体的な形でなら、目隠しをしても、全ての都道府県名を触って当てられる、という特技があります。知能検査では「視空間認知」という分野などに強さが見られる長男は、立体を使い、手で触って確かめるという方法なら、俄然分かりやすいのです。それから、ラーメンを作った時に「かあちゃん、見て!秋田県!!」と、焼きのりで秋田県の形を、何も見ずに正確に表現して見せてくれたこともあります。こんな長男の学習面の長所は、テストの回答用紙がのりで配布される日がやって来ない限り、学校で陽の目を見ることはないでしょう。でも、現在は通常学級で学んでいる長男は、家での工夫・サポート・療育あそびを気長に続け、学校と連携して支援や合理的配慮をお願いしてきたことと、本人の自然な成長もあって、ほどほどに黒板を写して、ノートが取れるようになりました。(ただし、「ノート書くのをがんばってると、先生の話が半分くらいしか分からない」とも言い、iPadで予習しています)ケタの多い筆算も、自分なりに工夫してできるようになりました。Upload By 楽々かあさんそして最近は、学校の教科書は一旦脇に置いて、視覚的・体感的な学び方の工夫をしたり、彼の興味関心や理解度、集中力に合わせるなど「長男の学び方に合わせる」ことで、再び小さな頃のように、キラキラした目で「勉強が楽しい!」というようになりました。LDのある子は、決して「勉強ができない」のではありません。「その子に合った学び方」なら、できるのです。たまたま、35-40人が1クラスで一斉一律に行われる、日本の小学校で伝統的な読み・書き・計算中心の授業スタイルが、その子が得意な学び方とは「違う」というだけのことなのです。そしてLDのある子が、無理をして自ら日本の集団教育のスタイルに合わせようとした結果、心身に大きな負担がかかってしまうように思えます。そんな中で、LDのある子が通常級の授業や、テストや受験の際に、タブレットやパソコンの持ち込み、代読や代筆、別室受験や、試験時間の延長などの「合理的配慮」をお願いすることを「ズルイ」「不公平」だというのは、私は、視力の弱い人にメガネを使わないように求めるのと同じだと思うのです。参考:楽々かあさんメルマガ「書字まとめ あの長男が、黒板を写し始めました。」参考書籍「算数の天才なのに計算ができない男の子のはなし 算数障害を知ってますか?」バーバラ エシャム (著)、品川 裕香 (翻訳)くもんの日本地図パズル苦手なことができるようになっても…出典 : そして…LDに気づかれずにいる子も多い中で、親と学校の理解やサポートを得られてきた長男は幸運だと思いますが、それでも決して、これで「メデタシ、メデタシ」ではなかったのです。長男は今、彼にとっては「字を書くことへの困難さの壁」よりも更に大きな、過去最大の「壁」にぶつかっています。それは「勉強ができなかった自分」の壁です。折角勉強をやる気になった彼が、黙々と問題を解いていた手が急に止まり、突然怒り出したり、ネガティブな連想ゲームが止まらなくなったりして、勉強を中断してしまうことがあります。ずっと、学校の成績が悪くて「勉強のできない子」という印象のまま、小学校5年間を過ごしてきた長男。長男は、空気が読めない体質だし、人の話もあんまり聞いてないので、私は、周りから何か勉強や成績のことで言われても、気にしないほうなのだろうと思っていました。ところが、そうではなかったんです。周りからの何気ない言葉や表情の意味を、その時点ではすぐに気づかなかっただけで、ずっと何かが彼の心に引っかかったまま記憶の片隅に保存されて、皮肉なことに、学習面の力が向上してきたことで、ある日突然分かってしまうことが出てきたようなのです。私が知る限り、長男の周りには、優しい子、温かい先生が多かったと信じています。それでも、小学校5年間の中で定着してしまった「勉強のできない子」という自分のイメージが、今の彼の足かせとなっているのです。そして、「自分に合った方法なら、できる」ことに気づいた長男は、今までの自分自身にも憤り、一つの小さなミスから、過去のミスや失敗の体験のイメージが、次々と芋づる式に思い出されて、何度もその時のイヤな気持ち、悔しい気持ちを味わい直してしまうのです。過去の自分に、負けないで欲しい。時間をかけて大事に育ててきた「学びたい」きもちの芽が、つぶれないで欲しい。そう祈るように願っています。しかし、同時に私は、「家での勉強は楽しい。効率がいい」という長男に、「それでもみんなと同じ学校で、同じように勉強したほうがいい」という、前向きで合理的な理由を、なかなか見つけられずにいます。世界に目を向けてみれば…出典 : 一方、世界に目を向けてみれば…個性を尊重する風土のあるアメリカでは、習熟度別クラス編成や飛び級制度、約200万人の子ども達が学ぶギフテッド・2E(著しい能力の凸凹がある、二重に例外的なタイプの子)教育も含めた特別支援教育プログラムなどがあり、強い個性も「社会的資源」と捉え、大事にされる受け皿があります。LDに対する理解が深いイギリスでは、「SEN(Special Educational Needs=特別な教育的必要性 )」のある生徒に対して、通常の教室の中で学習アシスタントの方の配置などがあり、個別の教育計画(IEP)を元に、一人ひとりのニーズに合わせた学び方で学んでゆけるバックアップ体制が整っているのだそうです。また、特別支援教育に限らず、教育先進国と言われるフィンランドでは、1クラス20人以下の少人数のクラス編成、勉強の苦手な子への補修制度、小学校から大学までの学費無料など、得手不得手や親の経済力などで学力の差が出ない「平等」な手厚い教育で、成果を上げているようです。教育移住先として人気で、「イエナプラン教育」に代表されるオランダなどでは、多国籍な環境の中、ダイバーシティ(多様性)を認め、学校や学習内容に選択肢が多く、学区や学年や教科書の枠に縛られない、自由度の高い教育を行っています。また、ホームエデュケーション/ホームスクーリングの考え方が普及していて、学校に通学せず家庭を拠点とした学習を行っていくことが、公的に認められている国・地域も多くあります。参考書籍「ギフテッド 天才の育て方 (ヒューマンケアブックス)」 杉山登志郎・岡南・小倉正義 (著)マガジン「学力世界一の国"フィンランド"と日本の教育方法の違い」不登校新聞「オランダの教育を知る」参考書籍「子どもは家庭でじゅうぶん育つ―不登校、ホームエデュケーションと出会う」東京シューレ (著, 編集)宝石を捨てないで。30年の過去と未来Upload By 楽々かあさんこういった状況の中、今の日本の子ども達は、30年前、私が小学生だった頃と同じように、大人数の教室で、一斉に前を向いて座り、教科書の順に添って一律に進められる、読み・書き・計算中心の授業を受け、宿題は相変わらず、音読・漢字書き取り・計算ドリルをしています。もちろん、この方法の全てが悪い訳ではなく、日本の子ども達は平均的に学力が高く、伝統的な教育方法が「合っている」子も、数多くいるのだと思います。でも、それが「合わない子」だって、もはや「例外的」とは言えない程、一定の割合の人数、通常の教室にいるのです。私は、うちの小学校の先生方が、毎日夜遅くまで残業しながら頑張っているのを知っているので、親と現場の先生方の努力だけでは「これ以上」に期待できることには限りがあるように思えます。そして、一律に「みんなと同じように」が強く求められる中では、LDがある子に限らず、個性が強く、人と違った発想ができる子、特定の分野に高い好奇心・探究心が持てる子、自己主張でき行動力がある子ほど、つらい想いをしがちなのではないでしょうか。以前より、欧米に比べ「30年遅れている」とも言われて来た日本の特別支援教育。現在「発達障害」などの言葉が広まり、LDのある子を巡る状況は少しずつ良い方向へ進んでいます。また、新しい学習指導要領の普及・実践で期待できる部分も大きいとは思ってはいますが、「もしも」こういった子達への教育の受け皿が整うまで、あと30年もかかるのだとしたら…。長男は今の私と同じ年齢になっているのです。その時の彼は、どんな人生を送ってきているのでしょう。本当に学びたいことを、専門の教育機関で学べるチャンスはあったでしょうか。進学や就職活動で、苦手さや成績表や学歴が、足かせになってはこなかったでしょうか。温かい日差しの当たる場所で、毎日を楽しんで過ごしているでしょうか。私は、モノを大事にする文化のあるこの国で、今を生きるLDのある子を始めとする、個性の強い子ども達に、折角の長所を「活かす・伸ばす」支援教育や、ひとりひとりのニーズに合わせ、多様な学び方を受け容れる公的な受け皿が整っていないことは、宝石を捨てるように、モッタイナイことだと思うのです。そして、子ども達は、日々成長し続けてゆくのを、大人の都合で待ってはくれません。今スグ誰もができるLD対応…それは「できる子」として接すること出典 : それでも、特別な資格も、誰の許可も要らない、今スグ、誰もができる「LD対応」があります。どうか、LDのある子を、「勉強のできない子」だなんて、決めつけないで下さい。その子に合った学び方なら、「できる子」なのだと、心から信じてあげて下さい。見かけ上のテストや成績表では表現しきれない、旺盛な好奇心や探究心、そして「学びたい」気持ちを誰よりも持っているのです。だから、どうか、お願いです。LDのある子には、例えテストが何点でも、今から、「できる子」として接してあげて下さい。記事中のイラストの一部は「楽々かあさん公式HP」より、無料ダウンロードできます。
2017年07月21日学習障害(LD)とは?主な症状と3つの種類出典 : 学習障害とは、全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力のうちいずれかまたは複数のものの習得・使用に著しい困難を示す発達障害のことです。英語ではLearning Disabilityと呼ばれ、LDと略されることも多いです。文部科学省は、学習障害を以下のように定義しています。基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。学習障害は、基本的には知的発達に遅れが見られない発達障害であるため、知的障害とは全く別の障害となります。また、医学的な学習障害の診断基準と、文部科学省が定める学習障害の定義の間には、若干の違いがあります。ここでは、文部科学省の定義に近い、世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)とアメリカ精神医学会の『DSM-Ⅳ-TR』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第4版テキスト改訂版)での3つの分類に従って、学習障害の特徴を解説します。なお、アメリカ精神医学会の新しい診断基準である『DSM-5』では、これら3つの分類はすべて限局性学習症/限局性学習障害という診断名に統合されています。こちらは後ほど詳しく説明します。学習障害の種類は主に■読字障害(ディスレクシア)・・・読みの困難■書字表出障害(ディスグラフィア)・・・書きの困難■算数障害(ディスカリキュリア)・・・算数、推論の困難の3つに分類されます。苦手分野以外の知的能力に問題が見られないことが多いため、学習障害は発達障害の中でも判断が難しい種類の障害でもあります。読み書きや計算能力は、ほとんどの子どもが就学前には学んでいません。そのため、本格的な学習に入るまで判断が難しく、障害に気づかないことも少なくありません。中にはその人の学習困難が発達障害によるものではなく単なる苦手分野だと判断され、大人になるまで気づかれないことも多くあります。学習障害の人は「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」という5つの能力の全てに必ず困難があるというわけではなく、一部の能力だけに困難がある場合が多いです。読む能力はあっても書くのが苦手、他の教科は問題ないのに数学だけは理解ができないなど、ある特定分野に偏りが見られます。また、同じ「読む」ことの障害でも、ひらがなは問題なくても漢字が苦手など、その状態はさまざまです。一方、読字と書字の障害など、複数が併せて現れる場合も多く見られます。種類別の学習障害の特徴出典 : 学習障害で大きく分類される「読字障害」「書字障害」「算数障害」の3つの学習障害の特徴を紹介していきます。それぞれの学習障害の人に見られる主な特徴を紹介しますが、学習障害の特徴は人それぞれであり、同じ障害に分類されていても、その中の全ての特徴があてはまるわけではありません。また、他の発達障害がある人は、その特徴が合わさって出ることもあります。Upload By 発達障害のキホン読む能力に困難がある読字障害は、学習障害と診断された人の中で一番多く見られる症状であり、別名でディスレクシア(dyslexia)と呼びます。欧米では約10~20%の人がこの症状があると言われています。ディスレクシアは、ギリシャ語で「読むのが困難」という意味です。読字障害があると、結果として文字を書くことにも困難を感じる場合が多いため、読み書き障害と呼ばれることもあります。読字障害の人の中には「見た文字を音にするのが苦手」という症状があります。その原因は、情報を伝達し処理する脳の機能がスムーズに働いていないことだと考えられています。文字の見え方にも特徴があり、文字がぼやける、黒いかたまりになっている、逆さまに見える、図形に見えるなど違った見え方になってしまい、認知の仕方が異なります。また音韻認識が弱く、ひらがなやカタカナのひとつずつは理解していても、漢字(単語)になると理解できなくなってしまうこともあります。漢字の音読みと訓読みの使い分けができなかったり、単語や文節の途中で区切った読み方をするなど、変わった読み方をしてしまいます。【読字障害の特徴】・形態の似た字である「わ」と「ね」、「シ」と「ツ」などを理解できない・小さい文字「っ」「ゃ」「ょ」を認識できない・文章を読んでいると、どこを読んでいるのかわからなくなる・飛ばし読み、適当読みをするなど文章をスムーズに読めず、読み方に特徴がある・音声にするなど耳から情報は理解しやすい場合が多いなど英語圏ではディスレクシアの発現率は10%から20%といわれているが、日本ではディスレクシア単独の調査がない。(障害保健福祉研究情報システム) By 発達障害のキホン「文字が書けない」「書いてある文字を写せない」などの書く能力に困難がある学習障害を書字障害・ディスグラフィア(dysgraphia)と呼びます。文字が読めるのにもかかわらず書けない場合も書字障害に分類されます。書字障害の人は、自分では文字を正確に書いているつもりなのに鏡文字になってしまうなど、文字を書くという動作が苦手です。原因としては、脳内で身体に指示を出し手を動かすという伝達機能がうまくいっていないからだという説が有力です。そのため、文字が書けなかったり、文字を書く速度が遅くなってしまうのです。【書字障害の特徴】・鏡文字や雰囲気で「勝手文字」を書く・誤字脱字や書き順の間違いが多い・黒板やプリントの字が書き写せない、時間がかかる・漢字が苦手で、覚えられない・文字の形や大きさがバラバラになったり、マス目からはみ出したりするなどUpload By 発達障害のキホン数字や数式の扱いや、考えて答えにたどり着く推論が苦手な学習障害を算数障害・ディスカリキュリア(dyscalculia)と呼びます。数字に関する能力にのみ障害がある人が多いため、算数の学習を始めてから発見される場合がほとんどです。「1」「2」「3」などの基本的な数字や、「x」「+」などの計算式で使う記号を認識することに困難をもっています。算数障害の人は数字そのものの概念、規則性、推論が必要な図形の領域を認識するのが難しいです。また、視覚認知の機能が弱く、数字を揃えて書く、バランスを考える、文字間の距離感を取るなどが苦手です。そのため、筆算を書く際に桁がずれることも多くなります。【算数障害の特徴】・簡単な数字、記号を理解しにくい・繰り上げ、繰り下げができない・数の大きい、小さいがよく分からない・文章問題が苦手、理解できない・図形やグラフが苦手、理解できないなど年齢別に見た学習障害の症状の現れ方出典 : 学習障害は、本格的な学習に入る小学生頃まで判断が難しい障害です。子どもの成長速度は人それぞれ。「なかなか歩かない」「全然しゃべらない」といった子どもの行動の一つ一つは気になりますが、ただ成長がゆっくりである可能性もあります。学習障害の人の中にはADHDや自閉症などの他の発達障害の合併症状を持っている人も多く、その場合は、乳幼児期に特徴があらわれる場合もありますが、合併が無い場合は、この時期にはっきりと判断をするのは難しいと言えます。ある程度知能が育ち、行動に特徴が現れやすい学習を始める小学生頃にならないと、学習障害とは判断しにくいのです。特に乳児期は学習障害の特徴は見分けにくいといえます。他の発達障害の特徴として、抱っこされるのを嫌がる、視線を合わせない、言葉を真似する行為が見られないなどの症状がみられるなど、他の発達障害の症状を目安にし、学習障害の確実な診断は学習を始める年齢以降にするしかありません。以下では年齢別に見られる学習障害の特徴を紹介します。幼児期の目安もあくまで他の発達障害を合併している場合です。出典 : 就学前なので学習障害の特徴はまだ現れにくいですが、この頃から子どもは言葉を話し始めたり、学習を始めます。少しずつ学習障害の子の多くが持つ特徴が見えてきます。【幼児の学習障害の特徴】・言葉、文字を覚えるのが遅い・折り紙が折れない、ボタンがとめられないなど手先が不器用・身体の使い方がぎこちないなど出典 : 小学生になると本格的に学習が始まります。勉強において特定の科目が苦手な場合や読み書きに困難がある場合、学習障害の可能性があります。同年代の子どもと比べて学習の習得が著しく遅い場合、学校の先生や専門機関で相談してみることをおすすめします。ここからは就学期に入るため、「読字障害」、「書字障害」、「算数障害」ごとに特徴を分けて書いていきます。【小学生の学習障害の特徴】・授業を真面目に聞いていても勉強が苦手、ついていけないなど■読字障害・ひらがな・漢字が読めない・たどり読み・推測読みになってしまう・行を飛ばして読んでしまう・文章を読むのを嫌がるなど■書字障害・うまく文字を書くことができない(線を抜かしたり、鏡文字を書いてしまう)・板書ができない、時間がかかる・行やマス目からのはみ出しが大きい・文字を書くのを嫌がるなど■算数障害・数が数えられない、とばして数えてしまう・時計が読めない、時間が分からない・計算ができない・筆算をするときに数字がずれて間違えてしまう・計算を嫌がるなど出典 : 中高生になるとはっきりと学習能力の偏りが見えてきます。何かの能力が極端に低い場合には、単なるなまけや得意・不得意だとは判断せず、学習障害である可能性も考えましょう。英語の学習が始まると、国語にはあまり不自由しなかった子どもも、英単語の読み書きなどに極端に困難さを感じる場合もあります。【中高生の学習障害の特徴】■読字障害・小学生で習うような漢字であっても読めない場合がある・英語の単語が読めないなど■書字障害・卒業作文などの長い文章がかけない・英単語が書けないなど■算数障害・計算はできるが、文章題が解けない・図形関連の問題が解けないなどこれらの特徴も、発達障害の合併症として現れることもあります。出典 : 最近では、大人になってから学習障害だと診断される人も少なくありません。もし大人になってから様々な学習困難に直面したら、学生時代や子どもの頃を振り返ってみて、学習障害と疑われる特徴があった場合には、一度、発達障害者支援センターなど、専門機関に相談しましょう。また、学習障害以外の発達障害との合併症を持っている可能性も考えられます。早めに診断を受けに行きましょう。【成人の学習障害の特徴】・上司の注意を聞いてもうまく理解できず同じ失敗をする・電話で聞きながらメモを取れない・話がうまくまとめられず企画案を作成できない・集団で指示されるのが苦手で会議で辛い思いをする・レポートが書けない・お釣りの計算や金銭管理ができないなど学習障害の特徴チェックUpload By 発達障害のキホン学習障害を早期発見することで子どものやる気の低下、自信喪失などの二次障害を避けることができます。参考までに「読字障害」「書字障害」「算数障害」ごとの特徴を以下に記載します。特徴が当てはまるかチェックをしてみてください。チェックする大切なポイントは「年齢に見合った動きができているか」です。年齢相応の習得の度合いと比較してチェックしましょう。また、これはあくまで学習障害の可能性があるかどうかという参考程度のチェックリストであることに注意してください。多く当てはまる場合は、診断を受けてみることをおすすめします。診断は子育て支援センターなどの専門機関の窓口に相談した上、専門医師によるものを受けてください。■読字障害□漢字の訓読みと音読みを使い分けるのを苦手とするように見受けられる。□単語の単位をつかむのを苦手とする。一文字ずつ読んでしまい、まとまりのない読み方をすることが多い。□文字や行を飛ばして読むことが多い。□特殊音節(拗音・長音・促音)であらわされる文字を発音できない。■書字障害□漢字を書く際に、鏡文字を書くことが多い。□文字を書く際に、余分に線や点を書いてしまうことが多い。□年相応の漢字を書くことができないことが多い。□間違った助詞を使ってしまうことが多い。□文字の大きさや形がバラバラ・マス目からはみ出る。■読字・書字障害の合併(読み書き障害)□上記の読字・書字障害のチェック項目に当てはまるものが多い□ひらがなの読み書きを苦手とする。例えば「ね」「れ」「わ」が一緒に見えてしまうように見受けられる。□カタカナの読み書きを苦手とする。例えば「ソ」「ン」、「シ」「ツ」が一緒に見えてしまうように見受けられる。□特殊音節(拗音・長音・促音)の読み書きを苦手とすることが多い。■算数障害□数を覚えるのに時間がかかることが多い。□数の大小の概念を理解できていないように見受けられる。□九九を習得している年齢なのにも関わらず、九九を覚えられていない。九九を暗記しても計算に応用できない。□繰り上がり繰り下がりの筆算ができないことが多い。学習障害の診断方法・基準出典 : 医療機関での診断は、アメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)や、世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)による診断基準に基づいて診断されます。医療機関では脳の異常はないか、知的な部分に障害がないか、困難な能力に偏りがないかを調べます。『DSM-5』の1つ古いバージョンである『DSM-IV-TR』では学習障害は「読字障害」「書字表出障害」「算数障害」の3つに分類され診断されていました。最新版である『DSM-5』では、すべて「限局性学習症・限局性学習障害」とひとくくりにされ診断されます。以下が『DSM-5』の診断基準です。A.学習や学業的技能の使用に困難があり、その困難を対象とした介入が提供されているにもかかわらず、以下の症状の少なくとも1つが存在し、少なくとも6ヶ月間持続していることで明らかになる:(1)不的確または速度が遅く、努力を要する読字(例:単語を間違ってまたゆっくりとためらいがちに音読する、しばしば言葉を当てずっぽうに言う、言葉を発音することの困難さをもつ)(2)読んでいるものの意味を理解することの困難さ(例:文章を正確に読む場合があるが、読んでいるもののつながり、関係、意味するもの、またはより深い意味を理解していないかもしれない)(3)綴字の困難さ(例:母音や子因を付け加えたり、入れ忘れたり、置き換えたりするかもしれない)(4)書字表出の困難さ(例:文章の中で複数の文法または句読点の間違いをする、段落のまとめ方が下手、思考の書字表出に明確さがない)(5)数字の概念、数値、または計算を習得することの困難さ(例:数字、その大小、および関係の理解に乏しい、1桁の足し算を行うのに同級生がやるように数字的事実を思い浮かべるのではなく指を折って数える、算術計算の途中で迷ってしまい方法を変更するかもしれない)(6) 数学的推論の困難さ(例:定量的問題を解くために、数学的概念、数学的事実、または数学的方法を適用することが非常に困難である)B.欠陥のある学業的技能は、その人の暦年齢に期待されるよりも、著明にかつ定量的に低く、学業または職業遂行能力、または日常生活活動に意味のある障害を引き起こしており、個別施行の標準化された到達尺度および総合的な臨床消化で確認されている。17歳以上の人においては、確認された学習困難の経歴は標準化された評価の代わりにしてよいかもしれない。C.学習困難は学齢期に始まるが、欠陥のある学業的技能に対する要求が、その人の限られた能力を超えるまでは完全には明らかにはならないかもしれない(例:時間制限のある試験、厳しい締め切り期間内に長く複雑な報告書を読んだり書いたりすること、過度に思い学業的負荷)。D.学習困難は知的能力障害群、非矯正視力または聴力、他の精神または精神疾患、心理社会的逆境、学業的指導に用いる言語の習熟度不足、または不適切な教育的指導によってはうまく説明されない。これらの判断基準をもとに心理専門家など複数の専門家が慎重に判断してくれます。この診断が出た上で、以下の基準から「読字障害」「書字障害」「算数障害」のうち、どれが強いかが特定されます。315.00(F81.0) 読字の障害を伴う:読字の正確さ読字の速度または流暢性読解力315.2(F81.81) 書字表出の障害を伴う:綴字の困難さ文法と句読点の正確さ書字表出の明確さまたは構成力315.1(F81.2) 算数の障害を伴う:数の感覚数学的事実の記憶計算の正確さまたは流暢性数学的数理の正確さ診断の流れは、医療機関などによっても異なりますが、まずは問診で現在の症状や困りごと、赤ちゃんの時から今までの生育・養育歴、既往症や家族歴などを調べていきます。脳波検査、頭部のCT、MRIなどでてんかんや脳の器質的な病気といった異常がないかを検査します。そして知能検査や認知能力検査などの心理検査を行います。知能検査では「WISC-Ⅳ」が代表的です。「WISC-Ⅳ」では本人のもつIQ水準をチェックし、言語理解、知覚推理などを検査します。(3歳10ヶ月〜7歳1ヶ月の幼児の場合は「WPPSI」、5歳から16歳11ヶ月の子どもは「WISC」、16歳以上の成人の場合は「WAIS」という知的検査を受けることによって検査結果がでます。)認知能力検査では日常生活や学校で習得できた知識や情報を認知的に処理する能力を調べ、認知処理能力と習得度を比較できる「KABC-Ⅱ」などを行います。これら様々な情報を元に、総合的に学習障害であるかを判断するのです。また、こうした過程でADHDや高機能広汎性発達障害などが合併していないかも確認します。学習障害の疑いを感じたらどうすればいい?Upload By 発達障害のキホン学習障害は専門家でさえも判断するのが難しい障害です。そのため、チェック項目で当てはまる症状が多いからと言って個人で決めつけず、まずは専門家に相談をしてみましょう。就学児であれば担任の先生に相談してみても構いません。学校へ相談すると学校での生活の様子などを配慮し、それらを考慮した専門家を紹介してくれます。また、障害だとわかりにくいため、周りから理解も得られず、本人がつらい思いをしていることも多いと言えます。できるだけ早期に、小さい頃から学習障害に対する教育方法や療育などの対処法を始めると、その後の発育に大きな違いがみられます。はじめの一歩を踏み出すのには勇気がいるかと思いますが、一歩を踏み出すことによって色々な悩みが軽減されます。学習障害ではないと診断された場合でも、困難を乗り越えるための様々なアドバイスをしてもらえることが多いので、一度相談してみることをおすすめします。診断を受ける前に、まずは専門期間で相談を出典 : 発達障害なのかな、と疑問を持った場合、いきなり専門の医療機関に行くのは難しいので、まずは身近な専門機関の相談窓口で相談するようにしましょう。発達障害の疑いがある場合には専門医を紹介してくれます。子どもか大人かによって、行くべき専門機関が違うので、以下を参考にしてみてください。【子どもの場合】・保健センター・子育て支援センター・児童発達支援事業所・発達障害者支援センターなど【大人の場合】・発達障害者支援センター・障害者就業・生活支援センター・相談支援事業所など知能検査や発達検査は児童相談所などで無料で受けられる場合もありますし、障害について相談することも可能です。その他、発達障害者支援センターで障害についての相談ができます。自宅の近くに相談機関が場合には、電話での相談にものってくれることもあります。以下は小児神経学会が発表している、発達障害診療医師の名簿です。この他にも、児童精神科医師や診断のできる小児科医師もいます。日本小児神経学会 「発達障害診療医師名簿」まとめ出典 : 学習障害は軽度、重度によって発見時期が異なります。さらに、軽度な場合は本人や周りが気づかずに成長する場合も少なくはありません。知能には問題がなく、学習面である「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」といったある特定の能力の困難を「苦手な分野」と判断されてしまうため、発見しづらい障害なのです。また、学習障害の症状は人それぞれです。学習障害のある人の中でも文章を構成するのが得意な人もいれば、算数が得意な人もいます。学習障害の早期発見は子どもの健やかな未来を創り上げます。そのためにもお子さんのサインを見逃さず、成長過程を優しく見守っていきましょう。
2017年07月08日