食中毒は夏場に起こりやすいイメージがある人も多いかもしれません。しかし実は、秋も食中毒に注意すべき季節です。涼しくなってきて、ピクニックをしたりお昼を外で食べたりする人もいるでしょう。そこで今回は、秋にこそ気を付けたい「食中毒を起こさないお弁当作り」のポイントを解説します。秋は意外と食中毒が起こりやすい季節秋は行楽シーズンということで、手作りのお弁当を持って出かける機会も増えるのではないでしょうか。涼しい日も増えたことで、つい油断して食中毒を起こしやすいようなお弁当の作り方や保存方法になってしまう人もいるかもしれません。また、季節の変わり目は体調を崩しやすく、免疫力が下がりやすい傾向も。秋の行楽シーズンこそ食中毒に気を付けたお弁当づくりを心がけましょう。食中毒を予防するための基本食中毒を予防するための基本は、菌やウイルスを「つけない」「ふやさない」「やっつける」の3つを徹底することです。まずは手洗いをしっかりと行い、食材に菌をつけないようにしましょう。調理中やお弁当を詰めるときにも手洗いをこまめに行い、場合によってはビニール手袋を使用することも効果的です。食材を購入した後は冷蔵や冷凍保存をして、菌が増えにくい環境に。さらに、菌をやっつけるためには加熱調理が有効です。中までしっかり火を通し、中心温度は75℃で1分間加熱しましょう(※1)。また、お弁当づくりに使う包丁やまな板は、熱湯などでしっかり除菌することが大切です。秋のお弁当作りで注意したいことお弁当箱は清潔に保つお弁当箱に菌が残っていると食中毒の原因となります。熱湯消毒なども行い、よく乾かして使いましょう。また、使い捨ての容器を使うのも衛生的でおすすめです。冷ましてから蓋をする食中毒菌が増える理由は、水分・温度・栄養などの要素が考えられます。お弁当が冷めないうちに蓋をすると、温度が下がりにくく、水分が出やすくなるのです。結果的に食中毒菌が増える可能性があるため、必ず冷ましてから蓋をしましょう。作り置きのおかずに注意作り置きをしておいたおかずは、たとえ冷蔵庫に保存していたとしても、傷みやすくなったり食中毒菌が増えやすかったりする恐れが。なるべく当日調理したものが安心ではありますが、作り置きのおかずを使う場合は再加熱して冷ましてから詰めるようにしましょう。ごはんの取り扱いに気を付けるごはんが熱いままお弁当箱に詰めると傷みやすくなるので、しっかり冷ましてからお弁当箱に詰めましょう。また、おにぎりは素手で握ると手についている菌で食中毒を起こしやすいため、ラップなどを使って握るのがベスト。秋は炊き込みご飯を作る機会が増えるかもしれませんが、傷みやすいためお弁当には不向きでしょう。食べるときも食中毒対策を会社などに持っていくお弁当であれば、冷蔵庫で保管できる場合もありますが、長時間お弁当を持ち歩くときは保冷剤を使って冷やしたり、抗菌シートを活用したりして菌を増やさない工夫が大切です。また、食べる直前にも手洗いをしましょう。外出先で手洗い場が近くにない場合は、ウェットティッシュで手をふき取り、アルコール消毒をするとより安心ですね。秋の行楽シーズンは食中毒に注意だんだんと涼しくなってきて、外でごはんを楽しみたくなる秋の行楽シーズン。しかし、食中毒は秋でも起こりやすいものです。せっかくのお弁当で食中毒は起こしたくないですよね。涼しくなってきた時期こそ、油断せずに衛生管理に気を付けて、外でのお弁当を楽しみましょう。【参考】※1厚生労働省.家庭での食中毒予防©karinsasaki/dontree_m/OKrasyuk/Images By Tang Ming Tung/gettyimages文/管理栄養士・寺内麻美
2022年09月17日気温と湿度が高くなる夏場は、細菌性食中毒が増える時期といわれています。食材の温度管理が不十分だと、食中毒のリスクが高まってしまう可能性も。そこで今回は、調理器具の消毒・除菌など、家庭内で気を付けたい食中毒予防法4つをお伝えします。1.夏は細菌性食中毒が多くなる食中毒の発生には、様々な原因があります。夏場は気温と湿度が高く、特に細菌が増えやすい環境になるため、細菌性食中毒がもっとも多いと言われる時期。腸管出血性大腸菌やカンピロバクター、サルモネラ菌などの種類が見られます(※1)。食中毒の菌は腐敗菌と違い、味もニオイにも変化がない場合も。よって、臭わないから大丈夫と思い込むのはNG!スーパーで購入した食材は早めに持ち帰って、冷蔵庫内でしっかりと温度管理しておくことが重要です。2.食中毒対策のポイント4つ(1)エコバッグの汚れを放置野菜についていた土汚れや、肉や魚の汁がエコバッグに付着したままだと、気づかないうちに細菌が繁殖しやすくなり、イヤな臭いの原因になることもあります。一見汚れているように見えなくても、エコバッグは定期的に洗うことがおすすめです。また、食品と日用品を一緒のエコバッグにいれている場合も要注意!汁が漏れやすい肉や魚は、他の食材に汚れが付かないよう、個別にビニール袋に入れてからエコバッグに入れておきましょう。できれば食品と日用品は別々のエコバッグを使うと、衛生的でより安心ですね。(2)冷凍品を常温で解凍する冷凍している食材を常温で解凍すると、食中毒菌が増殖する危険性も高くなるそう。冷蔵庫内でゆっくり解凍するか、レンジで加熱して解凍するのがベストです!レンジ解凍は、冷凍庫から取り出してすぐ、凍った状態でレンジにかけましょう。ラップを外してキッチンペーパーを敷いたお皿に載せて解凍すると、加熱ムラを防ぎやすく、美味しく解凍ができますよ。(3)スポンジの消毒・除菌をしない調理中に食中毒を予防するには、まな板やスポンジの除菌をこまめにおこなうことも重要です。スポンジは小さな食品のカスが中に入り込み、濡れたまま放置していると、雑菌が繁殖しやすくなります。スポンジの手軽な除菌方法は、除菌ができる台所洗剤をつけておくことや、熱湯での消毒がおすすめです。筆者宅の方法は、簡単な3ステップです。・熱湯を1分ほど、ゆっくりとスポンジ全体にまわしかける・冷水ですぐに冷まして、しっかりともみ洗い・シンクの隅に立てかけて、乾かすスポンジラックに水垢や汚れがついたままだと、そこでも雑菌が繁殖しやすくなるので、ラックは定期的に洗うことも忘れずに!(4)まな板の除菌を忘れる肉や魚を切った後のまな板は、表面の小さな傷に菌が入り込みやすく、汚れや菌が十分に洗いきれていないと、食中毒の原因になる可能性があります。筆者宅のまな板の手入れは、以下の3つを心掛けています。・プラスチック製まな板と包丁を、野菜用と肉魚用の2種類用意(肉魚用まな板は年1回買い替え。去年使用した野菜用を、今年の肉魚用にスライドして使用)・野菜用のまな板は、夏場にはキッチンハイターで週2回除菌・肉魚用のまな板は、使うたびに毎回除菌木製まな板の場合は、ハイターなどの塩素系漂白剤が使用できないため、アルコールスプレーや熱湯をかけてこまめに除菌しておきましょう。また、まな板の除菌の前にしっかりと汚れを落としておくことも重要なポイントです!肉や魚を切った直後に熱湯をかけると、タンパク質が固まって、汚れが落ちにくくなってしまうことも。台所洗剤で十分に洗ってから、まな板の素材に合った除菌方法を試してみてくださいね。細菌性食中毒の予防三原則は、「つけない」「増やさない」「やっつける」です(※2)。食材に菌が付着するのを防いで温度管理したり、手洗いや調理器具などの洗浄、消毒、除菌をこまめに行うことで、キッチンでの食中毒のリスクを軽減できます。ご家庭内での食中毒予防にぜひご参考にしてください。【参考】※1厚生労働省.食中毒※2厚生労働省.家庭での食中毒予防のぞみシンプル志向の整理収納アドバイザー・ライター。「暮らしもこころもかろやかに」をテーマに、ものとじぶんとゆっくり向き合える、続けやすい暮らしのちいさな仕組みを提案しています。Instagram@non.karoyakani文/のぞみ
2022年08月08日夏場にもし下痢を起こすことがあれば、食中毒が原因となっている可能性もあります。なかには気づかないうちに重症化する例もあるため、注意が必要です。今回は、管理栄養士の筆者がコンビニご飯や作り置きできるおかずをよく食べるという人へ向けて、食中毒を起こさないためにどのようなポイントに注意したらいいのかを解説します。食中毒の原因と症状食中毒とは、ふだん目に見えない細菌やウイルスが食事を通して体内に入ることで起きる不調です。下痢や腹痛など、さまざまな症状があります。ただの風邪や体調不良のような症状もあれば、食中毒と気づかないまま重症になったり、命に関わったりする事例もあるため、日頃から注意が必要です。食中毒を起こすおもな細菌には、卵・肉・魚などが原因の「サルモネラ菌」、生魚などに多い「腸炎ビブリオ菌」、加熱が不十分な鶏肉などの「カンピロバクター」、私たちの皮膚や口内などに存在する「黄色ブドウ球菌」などがあります(※1)。食中毒対策の基本は、食中毒の原因となる細菌を「つけない、増やさない、やっつける」、この3つのポイントを押さえておくことです(※2)。コンビニご飯で食中毒を起こさないために気を付けるポイントコンビニで売られている食品は、購入する時点では基本的に衛生管理がしっかりされている状態です。しかし、食中毒を起こす可能性はゼロではありません。以下のポイントに気を付けましょう。常温で放置しない食中毒の原因となる細菌は、常温で放置しておくと増えやすい特徴があります。特に夏場の温度や湿度は細菌にとって快適である場合が多いのです(※1)。そのため、コンビニで買った要冷蔵の食品やお弁当・サンドイッチなどは、購入後に常温で放置せず、冷蔵庫で保管して早めに食べましょう。生ものは避けるか早めに食べる生野菜やお刺身、生卵など加熱が十分にされていない食品は食中毒菌が増えやすいと考えられるため、できるだけ避けるか早めに食べるようにしましょう(※2)。自宅で加熱ができる食べ物の場合は、再加熱することも一つの方法です。食べかけの食品に注意食べかけのものを再度食べるときや、だれかとシェアしながら食事をしている場合は、食中毒菌が増えやすいため注意が必要です。食べかけのものは可能であれば再加熱したり、あらかじめ別の容器に食べる分だけ取り分けたりしておきましょう。シェアするときにはなるべく取り箸を使い、直箸は避けるようにすることで食中毒予防につながります。作り置きで食中毒予防のために気を付けるポイント作り置きのおかずを作るときにも、食中毒を予防するためにいくつか注意したいポイントがあります。食材の買い物や保存状態に注意生の肉や魚・卵などを買う時にはなるべく新鮮なものを選び、保冷材などを使って持ち帰りましょう。帰宅後は早めに冷蔵庫に入れておきます。肉や魚はビニール袋や容器に入れて保存し、ほかの食品に肉汁などが付着しないようにしましょう(※2)。調理器具は衛生的に調理前は必ずせっけんで手をよく洗い、生の肉や魚・卵を触った後も必ず洗ってください。また生の肉や魚を切ったまな板や包丁は、よく洗って熱湯消毒をした後にほかの食品に使いましょう(※2)。できれば包丁やまな板は肉用・魚用・野菜用と分けておくと安心です。中まで加熱する加熱調理をするときには、中までしっかり加熱することで食中毒菌を殺菌できます。中心部の温度が75℃、1分以上の加熱をすることが目安です(※2)。水分をなるべく残さない細菌が繁殖しやすい原因の一つに、水分が多い環境であることも挙げられるようです。加熱調理ができるものであれば、焼く、炒める、揚げる、炒り煮などの調理をして、できる限り水分を飛ばしておくとよいでしょう。完成した料理は冷まして保存作り置きする場合には、調理後の料理は粗熱をとってから冷蔵庫にいれましょう。熱いまま冷蔵庫に入れてしまうと料理自体の傷みも早くなり、さらに冷蔵庫内の温度を上げてしまうため、他の食品を傷ませる原因となる可能性があります。食べるときに再加熱する作り置きした料理を食べるときには再加熱しましょう。電子レンジの場合は全体がしっかり加熱されるように途中で混ぜることも大切です(※2)。また、食べるときに味がおかしかったり、変な匂いがしたりと、ちょっとでも傷んでいるようであれば食べずにすぐに廃棄しましょう。夏の食中毒には気を付けて!夏バテや熱中症など、夏場はただでさえ体調を崩しやすい季節。抵抗力が弱っているときに食中毒を発症したら、重症化するリスクも高まります。食中毒予防のためには、食事を買う時から調理、保存方法まで、細菌を増やさない工夫が大切です。今回お伝えした食中毒予防のポイントを意識して、食生活に気を配りながら暑い夏を乗り切りましょう。【参考】※1農林水産省.食中毒の原因と種類※2厚生労働省.家庭での食中毒予防©yumehana/kyonntra/d3sign/Group4 Studio/gettyimages文/管理栄養士・寺内麻美
2022年08月03日夏場に料理するとき、特に気をつけたいのが食中毒の予防です。暑い季節は食べ物が腐りやすくなってしまいますが、食べても問題ない範囲かどうか、見分けるのが難しいこともあるでしょう。食材によっては、適切な保存をしていないと早めに傷んでしまう可能性も。そこで今回は、食べ物が腐ってしまったときの特徴や、腐らせないためのポイントをご紹介します。食べ物が傷んでしまう原因とは?そもそも、食べ物が傷みやすい原因にはどのような要素があるのでしょうか。水分水分が多くなると細菌が繁殖しやすくなり、傷みやすくなるといわれています。食べ物を保存するときは、水分をなるべくふき取るようにしてください。また冷蔵庫や流し台の下などに保存する場合は、食材が水に濡れないように注意しましょう(※1)。温度食べ物は適切な温度で保管しないと傷みが早くなってしまいます。冷凍や冷蔵保存が必要な食べ物を購入したときには、氷やドライアイスで保冷しながら持ち帰り、帰宅後はできるだけ早く冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。車で買い物へ行った場合は、移動中に食品を置いておく場所にも注意。トランク内は温度が上がりやすいため、なるべくトランク以外の場所へ載せるのがおすすめです。たとえ常温保存できる食べ物でも、高温になりやすい場所や日光が当たる場所、湿度が高い場所で保存することは避けてください(※1)。保存方法お店で食材を選ぶ時点で、保存状態を確認しておきましょう。新鮮な食べ物を扱っているかどうか、衛生面はどうか、冷蔵・冷凍ケースの温度はどうかなどに注意すると、より傷みにくい食べ物を選ぶことができます(※1)。ちなみに「消費期限」とは、「期限を過ぎたら食べない方が安全である」という意味。一方「賞味期限」は「おいしく食べることができる期限」を指しています(※2)。比較的傷みやすい食べ物には消費期限が記載されているため、表示をよく確認しましょう。また、一度開封した食べ物は痛みやすいので、表示されている期限に関わらずなるべく早めに使いきることが大切です。食べ物が腐った場合の見分け方腐った食べ物はどのような状態になるのでしょうか。種類ごとに分けて解説します。野菜野菜が腐った状態になると、以下のような変化が見られます。・葉物の場合、葉先が枯れた状態になる・水分が抜ける・水分が出てくる・変色・嫌なにおいがする・カビが生える傷んでいる部分をカットしても、細菌などがほかの部分に残っている可能性もあるため、不安なときには破棄しましょう。野菜はなるべく切らずに保存しておくことで、傷みにくくなるとされます。野菜の種類にもよりますが、冷凍保存もおすすめです。肉・魚生の肉や魚をお店で購入する際は、新鮮なものを選ぶことが大切。傷むと以下の状態になります。・嫌なにおいがする・変色・カビが生える内臓や頭がついている魚は傷みが早いので、内臓などを早めに取り除き、冷凍する場合はなるべく早めに冷凍庫へ入れましょう。総菜・作り置きおかずお店で購入した総菜や、家庭でつくったおかずなども傷みやすい食べ物といえます。以下のような状態になったら食べるのを避けましょう。・嫌なにおいがする・変色・酸っぱい味がする(酸味を加えていない場合)水分を多く含むおかずや、揚げ物は傷みが早い傾向があります。少しでも変な味を感じたら、もったいないですが破棄してください。おかずを手作りする場合は、味付けを濃い目にすると長持ちしやすくなると考えられています。保存方法に注意し、加熱できるものは再加熱しましょう。食べ物は傷んでいないか定期的にチェックしましょうこれから本格的な夏へ向けて、食中毒には特に注意が必要です。冷蔵庫や冷凍庫に保存していても、食べ物はだんだんと劣化してしまうものです。食べ物が傷んでいないかどうかを常にチェックして、安全な食生活を送りましょう。【参考】※1農林水産省.これで解決!食中毒予防のポイント -家でも食中毒はおきてしまうんです。気をつけて!-※2農林水産省.消費期限と賞味期限©Jamie Grill/Taiyou Nomachi/carlosgaw/Nazar Abbas Photography/gettyimages文/管理栄養士・寺内麻美
2022年07月20日気温と湿度が高い夏場は、食中毒が気になる季節でもありますよね。特にお弁当を作って職場などに持っていく場合は、時間が経った料理を食べるため、より注意したいものです。しかし、具体的にどのようなことに注意すればいいのかわからない人もいるでしょう。そこで今回は、管理栄養士の筆者が、夏のお弁当作りで注意すべきポイントをご紹介します。食中毒予防の三原則食中毒予防のために気をつけたいポイントは3つ。それは、食中毒菌を「付けない・増やさない・やっつける」ことだとされています(※1)。菌を付けないまずは食材や調理器具、食器などに食中毒菌を付けないことが大切です。いろいろなものを触る手には、想像しているよりも多くの雑菌が付いていると考えられます。調理前や、食事をするときには必ず手を洗いましょう。また、肉や魚、卵などを調理した後も菌がつきやすいため、ほかの調理をする前に手や調理器具をしっかりと洗うように意識してください。菌を増やさない食中毒菌を増やさないためには、保存方法がポイント。食中毒の原因となる多くの細菌は、冷蔵庫で保管する場合、10℃で増殖がゆっくりに、-15℃では増殖が停止するとされています(※1)。そのため、なるべく低温環境で食品を管理したり、食品周りの水分を取り除いたりすることが、食中毒菌を増やさないために重要です。菌をやっつけるほとんどの食中毒菌は、食品の中心部が75℃の状態で1分間以上加熱することにより殺菌されると言われています(※1)。半生状態では食中毒菌が増えやすく危険なので、必ず中まで火を通すことを徹底しましょう。夏のお弁当作りでやってはいけないこと5つ先ほど説明した食中毒予防のポイントをもとに、具体的にお弁当作りでやってはいけないことを解説します。1.水分が多いものを入れる生野菜や煮物など、水分が多い食品をお弁当のおかずに入れるのは避けましょう。もし入れる場合には、水分をよく切った上でかつお節やとろろ昆布など、水分を吸ってくれるものを下に敷いて盛り付ける方法もあります。また、レタスを仕切りに使うのも水分が出るためNG。市販の仕切りやカップを活用しましょう。2.食材を素手で触る私たちの手には多くの菌が付いていることがあります。調理前に手を洗ったとしても、調理中にさまざまなところに触れるため、なるべく食材は手で触らないようにしたいもの。特に夏場の暑い時期は、お弁当のおかずを詰めるときには菜箸を使い、おにぎりはラップを使用しながら作ることをおすすめします。3.加熱が不十分なまま食材を入れる肉や魚を半生状態で詰めたり、半熟のゆで卵を入れたりすると、殺菌しきれず食中毒のリスクが高まると考えられます。食材にしっかりと火が通っているか、必ず確認しましょう。4.マヨネーズで和えたものを入れるポテトサラダやマカロニサラダなど、マヨネーズを和えた料理をお弁当に入れている人もいるのでは?しかし、マヨネーズで和えたものは常温で置いておくと傷みやすいため、混ぜた状態でお弁当に入れるのは避けた方がいいでしょう。マヨネーズを使いたいときは、保冷剤をつけて小分けパックのマヨネーズを持っていくのがおすすめです。5.冷まさずにフタをするごはんやおかずが熱いままお弁当に詰めてフタをすると、蒸気がこもってお弁当箱内の湿度が高くなり、食中毒菌が増殖しやすくなります。必ず冷ましてからフタをしてくださいね。また、お弁当箱に詰める前に食品を冷ましておく方が水分が箱内に溜まりにくく、より安全です。お弁当を食べるまで常温で置いておく時間が長い場合は、保冷剤をつけておくと安心ですよ。特に夏場は、食中毒対策を意識して!食中毒は、場合によっては命に関わる危険もあります。食中毒菌が増えやすい本格的な夏に向けて、お弁当作りではより一層菌を増やさないように気をつけたいものです。今回お伝えした食中毒予防のためのポイントは、日ごろの料理時にも活かせることです。ぜひ、これからの料理作りの参考にしてみてください。【参考】※1厚生労働省.家庭でできる食中毒予防の6つのポイント©masahiro Makino,Longhua Liao,Ugopapa/gettyimages©Lithiumphoto/Shutterstock文/管理栄養士・寺内麻美
2022年07月10日「全国各地でアニサキス食中毒が激増しています。ここ数年でその数は一気に増え、5年前からは食中毒の原因、ワースト1位にもなっているんです」そう語るのは熊本大学産業ナノマテリアル研究所の浪平隆男准教授。厚生労働省の速報によると今年はすでに124件のアニサキス食中毒が発生している(6月8日時点)。アニサキスとは、その終宿主がクジラなどである太さ0.5~1.0ミリ、長さ2~3センチのミミズのような見た目で、魚の内臓に寄生している寄生虫。生きたまま食べてしまうと食中毒を引き起こすが、なぜ近年増加しているのか?「主にアニサキスの認知が進み、適切に被害が報告されるようになったことが考えられます。また、鯨の数の増加や、地球温暖化によって鯨や魚の回遊ルートが変わり、水揚げされる魚がアニサキスの卵を含む、鯨のフンを食べる機会が増えたことも関係しているのではないかと思います」(浪平准教授・以下同)なかでもアニサキスが多く報告される危険な魚を教えてもらった。「サバ、イカ、アジ、サンマ、イワシで多く見られます。以前は青魚が中心でしたが、サーモンや、ヒラメなどの白身魚でも報告され、もうアニサキスのいない魚種はないといっていいほど」魚の輸送技術の発達も、アニサキス増加の原因に――。「魚が死んで内臓が腐ってくると、魚身に移動します。-20度で24時間以上冷凍すると死にますが、近年は冷蔵状態で長時間の輸送が可能になったため、幼虫が魚身に移動しやすくなっています。サバ1匹の内臓から100匹ほど見つかることもあり、そうなると結構な確率で魚身に移動しています」■胃酸の中でも1週間生き延びる生命力さらに最近では、初めから魚身に寄生する種類のアニサキスも増加しているという。知らず知らずのうちに食べてしまうと、胃や腸の壁に食らいつき、深刻な症状が。「胃や腸に入ると数時間後にひどい吐き気や、胃をつかまれたような激しい痛みに襲われます。この痛みはアニサキスのアレルゲンに対するアレルギー反応によるもの。死んだアニサキスを食べて酷い症状が出る人もいれば、生きたまま食べても無症状という人もいます」プラスチックのように硬い殻で覆われている強靭なアニサキスは、胃酸の中でも1週間程度生き延びられるという。万が一あたった場合は病院へ行き、内視鏡で直接取り除いてもらうしかない。浪平准教授は水産加工メーカー・ジャパンシーフーズとの共同研究で刺身に電気を流してアニサキスを撲滅させる装置を開発したが、社会実装にはまだ数年かかるそう。そこでやはり大切なのが、アニサキス食中毒からの自己防衛。「一匹丸ごとの魚はすぐに内臓を取り除きましょう。生魚を食べるときは、目視で確認するしかありません。100均でも買えるブラックライトを当てると見つけやすい。酢では死なないため、しめサバや表面だけを焼いた炙り寿司も注意が必要です。家庭用冷凍庫(約-18度)で2日以上冷凍するか、70度以上の熱を加えると死滅します」生魚を食べる際はくれぐれも、アニサキスにご用心!
2022年06月23日蒸し暑く、ジメジメとした季節がやってきました。この時期特に気をつけたいのが「食中毒」。管理栄養士の冨永望さんにお弁当作りで絶対に気をつけるべきポイントを教えてもらいました。夏のお弁当作りで気をつけるポイントジメジメしている梅雨の時期から残暑が厳しい秋までは、食中毒に特に気をつけたい季節。自治体によっては、「食中毒警報」が発令されるところもありますよね。今回は、この時期の「お弁当作り」について管理栄養士の冨永望さんに聞きました。1.お弁当箱の中の菌の繁殖を防ぐお弁当を作る際は、おかずは完全に冷ましてから詰め、ご飯は粗熱をとってから入れたり、おにぎりにすると聞いたことはありませんか?これは、お弁当箱内の温度が高いと菌が増えやすく、さらに蓋をすることで湿度が高くなり、より菌が増殖しやすい状態になるからです。確かに、これは一番正しい方法と言えます。しかし、あっという間に時間が過ぎていく朝の時間帯に、そんな余裕はない、というかたが多いのではないでしょうか。私はお弁当を作る際、詰めてから冷蔵庫で冷やすようにしています!食中毒の原因となる多くの菌が最も活発に繁殖するのは20~40℃。この温度帯を、早く通過させることで、菌の繁殖が防げます。おにぎりも温かいまま(アツアツではない)ラップを使って握り、同様にしています。2.保冷バッグや保冷剤の活用屋内は冷房が効いているところが多いとはいえ、ここ数年の異常な暑さの中、お弁当を長時間持ち歩くのはちょっと怖いですよね。そこで活用したのが保冷バッグや保冷剤。保冷バッグは100均で売っているもので十分です!また保冷剤はケーキ等を購入した時についてくるものはもちろん、私は凍らせたこんにゃくゼリーで代用することもあります。デザートにもなって一石二鳥ですよ。3.気をつけるべき食品まずは炊き込みご飯や混ぜご飯。さまざまな具材が入って美味しいのですが、その分水分量が多く、傷みやすくなっています。特に、肉や魚、玉子、こんにゃくを含む芋類がはいっているものは気をつけましょう!もし、炊き込みご飯をお弁当に入れたい時は、前日の残りではなく、必ず朝炊き上がったものにしてくださいね。特に、じゃがいもは気をつけたほうがよい食品のひとつ。でんぷんが多いことに加え、細胞壁がもろく、加熱によって壊れたところから菌が入りやすいため傷みやすいんです。野菜つながりでいうと、お弁当の彩りになるプチトマトも注意が必要です。ヘタの部分に汚れが溜まっている場合があるので、必ずヘタを取ったあとで洗い、水分をふき取ってから、切らずにそのまま入れてください。たんぱく源が多く、野菜が少なくなりがちなお弁当に、調理なしで入れられるプチトマト。うまく活用してくださいね!火が完全に通り切っていない半熟玉子や汁気の多い煮物も要注意です。また、お弁当の定番おかずであるちくわきゅうりも、傷みやすいちくわと水分量の多いきゅうりという組み合わせなので、夏場のお弁当にはあまりオススメできません。肉類は「よく火を通して」と聞いたことがあると思います。それは、鶏肉には食中毒の原因となるカンピロバクターやサルモネラ菌、豚肉にはトキソプラズマが付着していることがあり、これらの菌は肉の中にも存在しているから。また、ひき肉は細かく切ってある分、菌が入りやすくなっているので、こちらも良く加熱してくださいね。4.調理時に気をつけること当たり前、と思うかもしれませんが、何より大切なのは、手を石鹸でしっかりと洗うこと。本当にこれに尽きます。上記でいろいろと説明しましたが、その大前提として清潔な手で調理することが何よりも大切です。というのも、健康な人でも、手には食中毒の原因になる黄色ブドウ球菌が付着しているから。さらに手に傷があると、その傷口から菌が増えやすく、万全の注意が必要です。また、この黄色ブドウ球菌は毛髪や頭皮にも付着しているんです!顔や髪の毛を触る癖がある人は、調理中のこまめな手洗いをオススメします。調理器具やお弁当箱が清潔であることももちろん大切です。厚生労働省のHPにもありますが、食中毒は『付けない、増やさない、やっつける』が3原則。全ての菌が加熱すれば死滅するわけではないので、まずは「付けない」ことが大切です。とにかく手洗いが一番大切ここまでいろいろと説明をしましたが、一番大切なのは清潔な手で調理をすること!手洗いと基本的なことを守っていれば、真夏のお弁当も怖くありません。お弁当ライフを楽しみましょう!(C)yumehana/Getty Images(C)yumehana/Getty Images(C)sot/Getty Images文・小田原みみ
2022年05月20日食中毒と聞くと飲食店や食堂で起こるイメージがありますが、実は家庭での食中毒も少なくありません。夏にはO157やサルモネラなどの細菌性の食中毒が、冬にはノロウイルスなどのウイルス性の食中毒が多くなります。(※)そこで、家庭での食中毒予防について紹介します。食中毒を予防するポイント6つ1.食品の購入食品を購入する際は、食中毒菌を持ち帰らないことが大切です。そのためにも下記のことに気をつけましょう。賞味期限などを確認して新鮮なものを選びましょう。肉や魚などの汁が漏れて他の商品に付着しないようポリ袋に入れましょう。食品を購入は用事の一番最後にして、購入したらしたらすぐに帰りましょう。保冷効果のあるエコバックなどを利用しましょう。2.食品の保存家庭に持ち帰った食品は、正しい保存方法で保存することで菌の増殖を抑えることができます。持ち帰った食品はすぐに冷蔵庫や冷凍庫で保存しましょう。冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下を維持できるように温度調節をしましょう。冷蔵庫・冷凍庫内は満杯だと温度管理がしっかりできないため、入れる量は7割程度にしましょう。肉・魚・卵を扱う前と扱った後は、せっけんできれいに手を洗いましょう。3.調理の下準備食品の保存までの段階で菌をつけない・増殖させないように気をつけても、調理する手や調理器具が汚れていたら食中毒が起こる原因になってしまします。下準備では、食中毒菌をつけない、増やさないことに気をつけましょう。調理前、肉・魚・卵を触った後は必ず手を洗いましょう。野菜はカット野菜も調理前には流水できれいに洗いましょう。肉・魚を切った包丁やまな板を洗わずに果物や野菜を切るのはやめましょう。肉・魚・卵を切った後はきれいに洗い熱湯をかけましょう。または、肉・魚用、野菜用と包丁やまな板を使い分けるのもおすすめ。冷凍食品は使う分だけ冷蔵庫内や電子レンジで解凍し、解凍したものはすぐに調理をしましょう。4.調理加熱調理するものは、しっかりと加熱をして食中毒菌をやっつけることを意識しましょう。下処理が終わったら、調理を始める前にもう一度手を洗いましょう。加熱調理するものは、中心温度が75℃以上で1分以上加熱することを心がけましょう。加熱調理したものをすぐに食べないときは冷蔵庫で保存しましょう。5.食事食事をする際も食中毒菌をつけない・増やさないことが大切です。食事前に手洗いをしっかり行いましょう。温かい料理は温かいうちに、冷たい料理は冷たいうちに食べるようにしましょう。6.残した料理残した料理の扱い方に気をつけないと食中毒菌が増殖する原因になってしまいます。残した料理は清潔な容器にうつして保存しましょう。残した料理を温め直して食べるときは、中心温度が75℃以上になるようにしっかりと温めましょう。古くなったものや少しでも怪しいなと思ったものは、思い切って捨てましょう。 普段の調理や食事でも食中毒が起こる可能性があることを忘れずに、食品の扱い方に気をつけて食中毒を予防しましょう。 【参考・参照】(※)農林水産省日本で食中毒にかかる人は年に何人?〈〉(最終閲覧日:2018/6/10)厚生労働省家庭でできる食中毒予防の6つのポイント〈〉(最終閲覧日:2018/6/10) 【執筆者】森延陽子/管理栄養士特定保健指導を中心に年間600人の個別面談や集団面談を実施し、6ヶ月の支援に携わる。その後、スポーツ栄養指導やセミナー講師、女性美容・健康雑誌へのレシピ掲載を経験。現在はあすけん栄養士としてコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
2021年06月20日「気温や湿度が高くなってくると、食中毒のリスクが高まります。特に、新型コロナウイルス感染拡大以降は家にいることも多く、食事のテークアウトやデリバリーなど、これまで以上に気配りが必要な場面が増えています。菌の中には、“加熱しても死なない”“冷蔵庫でも増える”といったものがあることに気をつけてほしいです」そう警鐘を鳴らすのは、食中毒に詳しい日本食品衛生学会副会長で東京農業大学応用生物科学部栄養科学科教授の小西良子先生。“巣ごもり”が増えた2度目の夏を前に、食中毒を防ぐための注意点について、小西先生に聞いた。そもそも食中毒は有害な微生物(細菌やウイルス)が起こす健康被害。食品を介して有害な物質が体内に入ると、腹痛、嘔吐、下痢、発熱などの症状が現れる。なかでも暑くなる時期に気をつけたいのが細菌。細菌性食中毒は1年を通して発生するものの、食中毒を起こす菌は特に20〜35度で、もっとも増えるといわれている。原因となる細菌には、ウェルシュ菌、セレウス菌、リステリア菌、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌(O157ほか)などがある。「近年、細菌性食中毒でもっとも発生件数が多いのがカンピロバクターによるものです。鶏や牛などの家畜動物やペットなどの腸管内に生息している細菌で、鶏肉の表面に多く見られます。症状は下痢や嘔吐などですが、感染から1週間から数週間後にギラン・バレー症候群という末梢神経疾患を発症することも。これは手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難が起こる疾患で、食中毒症状が軽い場合でも発症する可能性があります」(小西先生・以下同)カンピロバクターは熱や乾燥に弱く、75度以上で1分間加熱処理すれば死滅するため、調理の際は食材の中心部までしっかり火を通すこと。刺身やタタキなどで食べるのは避けたほうがよいそうだ。また、ウェルシュ菌、セレウス菌は加熱しても死滅しない細菌。「これらは60度以上の環境下になると、芽胞(固い殻に閉じこもっている状態)を作り、生き延びています。100度の高温で調理しても菌は死にません。調理後すぐに食べてしまえば害はありませんが、50度以下になると増殖しやすくなります。ウェルシュ菌はカレーなどの煮込み料理、セレウス菌はチャーハンやパスタなどを放置すると増えやすくなります」そして、リステリア菌は冷蔵庫の中(4度ほどの低温)でも生存・増殖するといわれている。「特に加熱せず食べる食品に注意を。ナチュラルチーズや生ハムなどには気をつけましょう」さらに、腸管出血性大腸菌は少量でも発生する恐れがある。「生の肉や魚を扱った台所用品からほかの食材への汚染や、ハンバーグなどの生焼けなどに気をつけましょう。ただ、中までしっかり火が通っていれば大丈夫。加熱によって防げる細菌です」家庭で発生する食中毒は食品取り扱いの不注意によるものがほとんど。食中毒予防には、《付けない》《増やさない》《やっつける》の三原則を守ることが重要だという。「食材に菌を《付けない》ための基本は食品を扱う前に手指を洗うこと。また、肉や魚の保存時は、ラップや食品保存袋で包み、ほかの食材に汁などが付かないように。《増やさない》ためには細菌が繁殖する環境に食品を置かないこと。食材はなるべく早く食べるか冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。同時に詰め込みすぎを避けること。そして殺菌・消毒で菌を《やっつける》。多くの細菌は75度以上で1分加熱すると死滅しますから、食材の中心まで火を通しましょう」巣ごもり生活では、デリバリーやテークアウト、家庭での作り置きを活用する機会が多くの家庭で増えている。これらに潜む食中毒リスクについて、小西先生はこう注意を促す。【1】スーパーの総菜「総菜は早く食べるか、購入して帰宅後すぐに冷蔵庫に入れること。加熱できるものは食べる前に電子レンジで温めるなどしましょう」朝に買ってきたら昼には食べるつもりで。【2】コンビニのホットスナック「コンビニのホットスナックなどは割って火がきちんと通っているかを確認し、できるだけ早く食べてください」【3】ウーバーイーツなどのデリバリー最近利用する人が増えている、玄関先などでの“置き配”にも気をつけたい。「外に放置するのはNGです。調理から1時間以内に。厚労省が飲食店に宅配食品に関する食中毒防止の指針を出しているので、それを守っている飲食店から購入するとリスクを減らすことができるでしょう」【4】作り置きおかず家庭での作り置きや弁当にも危険が潜む。「作り置きはできるだけ早く食べましょう。冷凍保存でも、1週間以内には食べ切りたいところです。調理後、粗熱を素早く取って冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。ボウルに氷水を張って冷ますなど、急激に冷やすことがカギです」【5】お弁当「お弁当では、夏場は前日のおかずは再加熱する、水分の多いものは避ける、加熱したものは粗熱を取って入れる、が鉄則です」梅干しや抗菌シート、保冷剤も活用しよう。このほか、買い物時には保冷バッグを利用、肉や魚は帰宅後すぐ食品保存袋に分けて冷蔵庫や冷凍庫に入れる、調理器具は殺菌する、といった心がけも大切だそうだ。新しい食事のスタイルの中に潜むリスクに気をつけながら、巣ごもり生活での食事を楽しみたい。
2021年06月17日牡蠣は、「海のミルク」と言われるほど栄養が豊富な海産物。古くから滋養強壮の食材とされていて、力を蓄えてパワーの源になるグリコーゲンだけでなく、アミノ酸の一種であるタウリンや、亜鉛などのミネラルも含み、体の調子を整えるビタミンB12まで豊富に含んでいます。その効能や保存方法、効果的な食べ方などをまとめてみました。■牡蠣に含まれる主な栄養素と効能いろいろな栄養素がバランスよく含まれている牡蠣。中でも特長のある栄養素を紹介しましょう。・エネルギー源:グリコーゲングリコーゲンは、肝臓に蓄えられてエネルギーの素となり、血糖を維持するために必要な成分です。空腹時やエネルギーが消費されたときには、糖質を供給するはたらきもあります。つまり、私たちが体を動かすために欠かせないものなのです。「一粒で300メートル」で有名なグリコのキャラメルの語源になったことでも有名です。・大事なミネラル:亜鉛 亜鉛は、もともと魚介類には多く入っている成分で、人間の体を健康に保つ必須ミネラル16種の中の一つです。新陳代謝に必要な反応に関係する多種類の酵素を作る成分となり、タンパク質の合成や遺伝情報を伝えるDNAの転写に関わっています。つまり細胞の生まれ変わりが活発なところでは亜鉛が必要とされています。ダイエットや栄養不足で亜鉛が足りなくなると、味覚障害を起こしてしまうことも報告されています。味を感じる「味らい」という器官が口の中にありますが、この器官は新陳代謝が活発なため、亜鉛が足りなくなると細胞の生まれ変わりに支障をきたし、味覚の低下をおこすことがあると言われています。無理な食事制限や、食事量が少なくなる高齢者などは、亜鉛不足による味覚障害を指摘されることがあるので、注意しましょう。とくに高齢者の場合は、床ずれの回復や免疫力の低下につながるといわれているため、魚介類や肉類を柔らかく煮て食べるようにしてくださいね。・アミノ酸の一種・タウリンタウリンは、タンパク質を合成するアミノ酸の一種です。自然界には数多くのアミノ酸が存在しており、その中でもタウリンは、魚介類、中でも牡蠣には多く含まれています。主に疲労回復に効果があるとされていて、医薬部外品の栄養ドリンク剤の成分としてもよく知られています。胆汁酸とむすびつきコレステロールを消費してコレステロールを減らしたり、心臓や肝臓の機能を高めたり、ほかにも視力の回復、インスリン分泌促進、高血圧の予防などにも、効果があると言われています。人間の体内でも作り出すことができますが、必要量には足りないため、食事から取り入れる必要があります。・必須アミノ酸の一種・セレンタウリンに続いて見逃せないアミノ酸がセレンです。私たちの生活を支えるたんぱく質は20種類のアミノ酸から作られていて、そのうち体内で合成できなかったり困難だったりする9種類のアミノ酸は、必須アミノ酸と呼ばれています。逆に体内で合成される11種類のものを非必須アミノ酸と呼びますが、だからといって食事でとらないでいいわけではありません。不足すると、からだに支障をきたしてしまいます。大事なアミノ酸のひとつとして、意識して摂取するようにしましょう。 ・赤血球生成に:ビタミンB12 牡蠣には、多くのビタミンB群が含まれますが、中でも注目したいのはビタミンB12です。動物性食品に含まれるビタミンで、葉酸と協力して赤血球のヘモグロビンをつくるはたらきを助け、脳からの指令を伝える神経を正常に保つ役割もあります。また、悪性の貧血である巨赤芽球生貧血に有効なはたらきもあり、過剰に摂取しても過度に吸収されることはないため、取りすぎる心配はありません。・ビタミンB1、B2も豊富ビタミンはB12のほかに、B1、B2も含まれています。B1は、糖質からのエネルギー産生と、皮膚や粘膜の健康維持を助けるはたらきをし、B2も皮膚と粘膜の健康維持を助けながら、たんぱく質を体内でエネルギーにする代謝のはたらきを支えています。ビタミンB群は、水溶性のビタミンのため、一度にたくさん摂取しても尿などで排出されてしまいます。熱には強いものの煮汁などにしみ出てしまうため、そのまま食べるようにしましょう。・ほうれん草の約2倍の鉄分貧血対策として知られる鉄分は、牡蠣にも豊富に入っています。鉄分が不足すると、血液中の赤血球が減少し、体内に酸素が運ばれにくい状態になってしまいます。これが貧血の状態です。老廃物の排出もしにくくなってしまうので、エネルギー不足だけでなく、疲れやすいという状態に。これをカバーする鉄分多めの食品はレバーやほうれん草が有名ですが、牡蠣はほうれん草の約2倍の含有量があるんですよ。 ■牡蠣の栄養を効果的に摂れる補助食材・レモン牡蠣に含まれている鉄分は、じつは体内に吸収しにくい「非ヘム鉄分」と分類されるもの。肉や豆類に含まれる「ヘム鉄分」と比べ、酸素に結びついているため体内吸収率が低いことがわかっています。これを効率よく体内へ取り込む手助けをするのがビタミンC。キウイやいちごなど果物に多く含まれている成分ですが、レモンなら牡蠣と味の相性も抜群!牡蠣の濃厚な味とレモン汁のさっぱり感が、絶妙にマッチしますよ。・ほうれん草ほうれん草は、鉄分や葉酸、マンガンなどが豊富に含まれていて、葉物野菜の中でも栄養素が高いことで知られています。また、これらの栄養素は、牡蠣に含まれる亜鉛の吸収を促進するはたらきがあります。亜鉛は、体内に吸収しづらく不足しがちな成分でもあるため、一緒にバター炒めなどにして食べるといいでしょう。また、ほうれん草にも女性に不足しがちな鉄分が多く含まれるため、貧血対策にはとてもよい食べ合わせですよ。・トマトほうれん草以外の緑黄色野菜の中では、トマトの酸味は牡蠣の濃厚な味にマッチして好相性。味の相性だけでなく、トマトは栄養成分もぴったりマッチします。トマトに豊富に含まれるリコピンには強い抗酸化作用があり、牡蠣の栄養素を補強する役割を果たしてくれます。栄養バランスのよい牡蠣に合わせて、食べたい食材の一つです。・ブロッコリー ブロッコリーには、カロチノイドという血液をさらさらにする物質が入っています。このカロチノイドは、ポリフェノールの一種で、タウリンと一緒に食べると高血圧の対策に。タウリンとともに、血液中のコレステロールを抑制するはたらきが期待できるので、血圧が気になる!という方は、ブロッコリーを合わせてみましょう。・パプリカ パプリカには、ビタミンA、C、Eと3つのビタミンが豊富です。これらのビタミンは老化の原因となる活性酸素の発生を抑えるはたらきが望めるので、同じはたらきをする亜鉛と相まって、より老化防止やアンチエイジングに効果的とされています。彩りも華やかになるパプリカは、牡蠣と一緒に炒めてたべてみるといいでしょう。■栄養たっぷり!牡蠣のおすすめレシピそれでは、牡蠣を美味しく効果的に食べる代表的なレシピを紹介しましょう。・殻付き牡蠣の網焼き殻付きの牡蠣は、そのまま網焼きにするだけで、ほどよい塩味がしてびっくりするほどおいしいものです。注意したいのは、焼き始める順番です。2枚貝の牡蠣は、殻の形が平らな面と船底のようにふくらんだ面でできています。まず、この平らな方から2〜3分焼き始め、途中でひっくり返しさらに2〜3分焼くのがコツです。そのあと、殻のすき間にナイフを差し込みスライドさせて開き、貝柱を切って身を外します。このとき、殻の平な部分を上にして船底の方を下にすると、おいしい貝汁をこぼすことなく楽しむことができますよ。・カキフライ牡蠣は、栄養が豊富な割には低カロリーな食物。そのため、糖質が高いとされている揚げ物料理の中でも糖質量が少なく、ハイカロリーになることもありません。それでも気になる場合は、揚げ油であげるのではなく、パン粉をふりかけてオーブンで焼くなど「フライ風」にして食べるのがおすすめですよ。・牡蠣飯 牡蠣は火を通すと身の味わいが濃くなり、しょうゆベースは誰もが食べやすい味付けです。中でも牡蠣飯は漁獲量の多い地域では人気のメニューです。牡蠣のむき身を、ざるを使って塩水で振り洗いした後、だし汁に醤油と酒を合わせたもので下ゆでします。その後、だし汁で炊いたご飯を蒸らす時に下ゆでした牡蠣をもどし混ぜ合わせます。牡蠣に火を通しすぎると身が縮んでかたくなってしまうので、さっと2分ほど下ゆでをするのがコツ。身の大きさに合わせて、下ゆでの時間も変更するようにしましょう。・雑炊牡蠣の中に入っているビタミンB群は水溶性のため、鍋や雑炊の場合はしっかりお汁までいただくと栄養素を摂取し損ねることはありません。雑炊の場合も、煮過ぎると身がかたくなってしまうので、先に「酒煎り(さかいり)」をするようにしましょう。お酒を煮立てたところに、牡蠣を入れてさっと火を通します。このとき使った煮汁には、牡蠣の栄養素がにじみ出ているので、雑炊を作る時にもしっかり使ってください。煮汁にだし汁を加え、ご飯を入れて雑炊に。ご飯をほぐして牡蠣を加えたら完成です。■牡蠣は食べ過ぎると良くないってホント?栄養たっぷりの牡蠣でも、食べ過ぎは禁物。とくに、摂取過多になると、体に変調をきたすこともあるのです。 ・めまいや頭痛体が弱っている時に、栄養たっぷりの牡蠣を食べることはおすすめですが、まれに、めまいや頭痛を起こすことがあります。ひどいときには吐き気を感じることもありますが、これは亜鉛を摂取しすぎている現象かもしれません。・亜鉛過多になる恐れもふつうの食生活をしていると、亜鉛を取りすぎることはほぼありませんが、摂取しすぎると同じミネラルの銅の吸収を阻害して銅欠乏性貧血などをおこしてしまうことがあります。少し取り過ぎてしまったぐらいでは全く問題ないのですが、常に取り続けていると貧血のようになり、めまいや頭痛を起こす恐れがあります。亜鉛は、チーズや牛肉にも入っているので、食べ合わせにも注意しましょう。・1日の摂取量の目安それでは、1日の摂取量の目安はどれぐらいでしょう?「日本人の食事摂取基準」によると、亜鉛の摂取推奨量の目安は、成人男性が10mg、女性が8mgとなっています。牡蠣1個分に含まれる亜鉛は1.5〜2.9mg。男性女性ともに、牡蠣の大きさにもよりますが、3、4粒が目安と言えるでしょう。1日ぐらい、オイスターバーなどでたくさん食べることは、大きな影響がないといえますが、牡蠣がおいしい冬などは、続けて食べすぎないように気をつけたいですね。 ■栄養たっぷり!新鮮な牡蠣の選び方・殻付きの場合殻付きの牡蠣の新鮮さを見極める場合は、口がしっかり閉じているかどうか確認を。また、手で持てる場合は、ずっしりした身が入っているか手のひらにのせて測ってみましょう。牡蠣の殻は、細かな層が何層も重なっていて、もろく欠けやすくなっています。手を傷つけないように注意してくださいね。・表面がふっくらしているむき身の場合は、まず表面の弾力に注目してみましょう。ぷっくりして、光沢があるものが新鮮な証拠です。むき身は、塩水が入った真空パックになっていることが多いのですが、漁獲日が明記されています。この日数を必ず確認するようにしましょう。・身の色が澄んだ黄味色を もうひとつ大事な確認ポイントは、身の色。透明感のある黄味がかった色が新鮮な証拠です。また、周りの黒いびらびらの部分の色がはっきりしていて、もりあがっていることも新鮮な証。濃い乳白色のものはやや古いものなので、色味をしっかり確認してみてください。■栄養を逃さない牡蠣の保存方法・むき身の牡蠣の保存むき身の牡蠣は、塩水に浸かった真空パックで販売されていることがほとんど。このとき、容器の中にある塩水は取り除いて保存容器に入れておき、残った牡蠣はこの塩水を利用して保存してください。密閉容器で販売されていない場合や、中の塩水を捨ててしまった場合は、流水で身を洗い、重ならないようにお皿に並べてラップをし、冷蔵庫へ入れるようにしましょう。冷凍したい場合は、身同士がひっつかないように、ひとつずつラップで包み凍らせてください。・殻付きの牡蠣の保存方法 殻がついた牡蠣は、とても乾燥しやすく保存に工夫が必要です。生息しているときとできるだけ近い状態で保存しましょう。牡蠣を重ならないように皿やパッドに並べ、海水と同じ濃度の塩水にキッチンペーパーや新聞紙を浸したら、それで牡蠣を覆います。その上からラップをふわっとかけて、冷蔵庫へ。このとき呼吸ができるように、ラップをふわっとかけるのがポイントです。冷凍したい場合は、ジッパー付き保存袋に入れて殻がついたまま凍らせましょう。・保存期間の目安密閉パックになったものは、パックに明記された消費期限内が目安。一度あけてしまったり、別の保存容器で保存する場合は、パッケージに書いてある日付よりより2,3日早く食べきってしまったほうが良いでしょう。殻付きの場合は、冷蔵保存したものでも2,3日のうちにたべきってください。冷凍した場合は、1ヶ月ほど保存できますが、味はかなり落ちてしまいます。食中毒も怖いので、必ず火を通して食べるようにしてくださいね。■牡蠣と食中毒・牡蠣がもつ細菌・ウイルス 牡蠣は食中毒を起こしやすく「あたる」食材としても有名です。原因としては、微量の毒性をもったプランクトンが蓄積された貝毒や、海水に含まれる大腸菌、ノロウイルスなどが考えられますが、牡蠣自体がほかの貝に比べて毒性が強いわけではありません。生で食べる機会が多いため、あたるイメージが強いようです。そのため日本では、牡蠣を「加熱用」と「生食用」に分けており、特に生食用は食品衛生法に基づき加工方法が厳しくチェックされています。「生食用」は、出荷前に人口海水や紫外線殺菌された海水で育てられることも多く、無菌状態に近づくものの、加熱用に比べて身がやせてしまうことがあります。焼いて食べるなら「加熱用」を選ぶのがおすすめです。・生食用牡蠣でも油断大敵! 上記で述べたように、牡蠣は「新鮮だから生食用」というわけではありません。ただ新鮮なものが「生食用」として流通している・・・と勘違いしている人が多いのですが、あくまで加工方法によって区別されているため、食べ方によって選び方を変えましょう。また、「加熱用」を生で食べるのはさけてください。除菌における加工方法が違うため、とても危険です。・十分に加熱して食べる もうひとつ、当たってしまう原因としては、加熱用の牡蠣にしっかり火が通っていないことがあります。特に殻を通して加熱する場合は、身の中までしっかり火が通ってないことも。厚生労働省も加熱用の牡蠣は「中心部分を85~90度で90秒以上加熱すること」が安全基準としています。それでも風邪気味のときや、免疫力が落ちているときなどは、食べるのを避けるのも一つの手かもしれませんね。また、小さな子供にも生食用の牡蠣は避けたほうがいいでしょう。しっかり加熱した牡蠣であれば、1歳ぐらいから食べたさせたいほど栄養豊富な食材なので、大人が食べるときに少しずつわけてあげてください。■エナジーフードの牡蠣は、他の食材と合わせてよりパワーアップを昔から滋養強壮の食材とされる牡蠣は、まさに海のスーパーフード。食べすぎには注意したいものの、ほかの食材とも上手に組み合わせて、しっかり栄養素を摂取したい食材です。加熱用と生食用と選び方や食べ方を間違わなければ、食あたりになることも少ないので、 どんどんいろんな調理方法をチャレンジしてくださいね。《参考》・ グリコ「栄養成分百科」 ・ 厚生労働省 e-ヘルスネット「栄養・食生活」 ・ 文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」 ・ T.Y.U「もっと牡蠣を身近に」
2021年04月17日魚卵のなかでは圧倒的な知名度を誇る、いくら。寿司ネタとしてもとても人気がありますよね。そのいくらの賞味期限はどれくらいなのでしょうか?本記事では、いくらの賞味期限や賞味期限を長くする方法、また食べられないいくらの見分け方など、いくらについてのお役立ち情報をまとめました。筋子といくらの違いについても解説するので、ぜひ参考にしてください!■いくらの賞味期限いくらの賞味期限はどれくらいなのでしょうか?生いくらだけでなく、塩漬け、醤油漬け、筋子などさまざまなタイプについて解説していきましょう。生いくらに比べると何らかの手を加える方が、賞味期限は長くなります。ケースバイケースで使い分けできると良いかもしれませんね。・生いくらの賞味期限生いくらは、何も加工をしていないもののことをさします。常温のままだと1日が限界で、季節によっては1日以内で傷んで食べられなくなるので注意しましょう。具体的には、室温が20~30℃で細菌が発生してあっという間に繁殖します。すると体調不良を起こすおそれがあるので、絶対に食べてはいけません。冷蔵なら2~3日、冷凍の場合は、2週間~1ヶ月はもちます。ただし解凍したらすぐにでも食べるのがよいでしょう。・醤油漬けの賞味期限いくらは、醤油漬けにすると賞味期限が延びます。常温なら2日、冷蔵で2~5日、冷凍なら1年が目安になります。ただし解凍後は、4~7日くらいで消費するようにしてください。・塩漬けの賞味期限醤油漬けほどではありませんが、塩漬けにしても賞味期限が延びます。常温で1~2日、冷蔵なら3~4日、冷凍なら1年くらいが目安です。作り方は簡単、いくら100gに対して8~10gの塩を加えて混ぜるだけです。一晩おけば食べられます。塩の浸透圧でいくらの水分が出てきますから、いくらが少し小さくなりますが、そこを気にしなければおいしく食べられますよ。 ・筋子の賞味期限筋子は、冷蔵なら4日くらいが賞味期限です。冷凍すれば1~3ヶ月は持ちます。また筋子は塩漬けが人気で、冷蔵でも1週間くらいは持ちます。冷凍ならプラス1ヶ月は大丈夫でしょう。・いくらおにぎりの賞味期限いくらをおにぎりの具として使った場合は、賞味期限は半日~1日が限度です。とくに常温保存の場合は、一刻も早く消費するに越したことはありません。おにぎりは冷蔵してしまうとご飯が硬くなるのでおすすめしません。ましてや冷凍すると、いくらのような魚介系は味の劣化が激しくなるため、基本的には避けた方がよいでしょう。また、万が一冷凍したとしても電子レンジでの解凍はパサパサでまったくおいしくなくなるので絶対におすすめしません。まだ自然解凍の方が良いでしょう。・塩分濃度が低いと短い塩漬けにしても、いくらおにぎりにしてもポイントとなるのは塩分濃度です。つまり、塩の量が多いほどいくらも長持ちし、賞味期限は延びます。ただ、塩漬けなら塩の割合は、いくらに対して10%が限度です。それ以上は辛くなり過ぎるのでおいしく食べられなくなります。・酒を使っていると長いいくらは、酒を使うと賞味期限が延びます。醤油漬けにしても塩漬けにしても酒を使うと長持ちするのです。ただし、酒を使う場合は、事前に鍋などに入れて火にかけ、アルコールを飛ばした方が良いでしょう。■いくらを冷凍したときの賞味期限いくらをしっかりと長持ちさせたい場合は、冷凍保存がおすすめです。その長さは常温や冷蔵と比べても桁違いといって良いでしょう。ただし、いくらを買ってきて自宅で冷凍する場合と、冷凍した状態で売られているいくらとでは、賞味期限は異なってきます。その点をしっかり認識しておくことは大切でしょう。・自宅で冷凍した場合買ってきたいくらを自宅で冷凍する場合、賞味期限は2週間~1ヶ月が目安です。ただこれは、生いくらの場合であって、醤油漬けや塩漬けにすれば、賞味期限は1年ほどになります。筋子などのかたちで大量に贈り物として頂くことがあったときは、適当な量で小分けして冷凍すればいつでも食べられて良いかもしれませんね。・冷凍して販売されている場合冷凍した状態で市販されているいくらの場合、賞味期限は3週間から長いものだと2年半くらいまでのものもあります。メーカーや商品によってかなりのひらきがあるので、よく賞味期限や保存方法などをよく確かめて消費しましょう。・販売されているものはなぜ長持ち?販売されている冷凍のいくらが長持ちするのは、冷凍方法に秘密があります。業務用の冷凍庫は、一般的に-30℃~-40℃に温度設定されています。それに比べて一般家庭の冷凍庫は、-18℃が一般的です。さらに市販品の場合は、業者独自の冷凍技術を使って短時間で急速冷凍させて加工していることが多いです。そのため、市販の冷凍いくらの賞味期限が長くても、家庭用の冷凍庫の温度が高いため、あまり長期間保存しておくのは望ましくありません。賞味期限が1年以上となっていても、1~2ヶ月の間に消費する方が無難といえるでしょう。■いくらの賞味期限を長くする冷凍方法いくらは繊細な食材ですし、保存状態が悪いとあっという間に傷んでしまいます。かといって、大量に入手した際には、すべてを食べ切れないこともあるでしょう。そこで、いくらの賞味期限を少しでも長くする冷凍方法があるので紹介しましょう。決して難しいものではありません。ひと手間かけたり、習慣にすることで長持ちさせることができるので、ぜひ覚えておきましょう。・生のいくらは味付けするいくらにしても筋子にしても、生をそのまま冷凍するよりは、味付けする方が賞味期限が長くなります。具体的には、醤油漬けと塩漬けがおすすめです。どちらも醤油や塩以外にいくつかの調味料を加えるので、いくらが本来の味に比べて濃くなったり、甘味を増すこともあります。そのまま食べてもおいしいですが、ご飯にかけたりちらし寿司に添えるなど、料理のトッピングに使うと見た目が宝石のようにきれいですし、いっそうおいしさを引き立てることもできるでしょう。・『いくらの醤油漬け』の作り方いくらの醤油漬けの作り方を紹介しましょう。いくら100gに対して醤油大さじ1、酒大さじ1/2、みりん小さじ1/2を密閉容器にいっしょに入れる。ふたをしてしっかり密閉したら冷蔵庫に入れる。3~4時間ねかせたら完成。このレシピはもっとも手間がかからない時短レシピです。アルコールを飛ばすためにも醤油、酒、みりんを鍋などに入れて加熱し、ひと煮立ちさせてからイクラを入れてもより食べやすくなるでしょう。・密閉することが大切いくらはできるだけ空気に触れないようにした方が長持ちします。そのためには、ふた付きの容器などで密閉するのがよいでしょう。・瓶詰めにするのがおすすめいくらを長持ちさせるためには、瓶詰めにするのがおすすめです。ガラスは密閉率が高く、空気はもちろん外部からの細菌やゴミなどをシャットアウトすることができるので、いくらの保存にうってつけです。ただし、使う前にしっかりと消毒しておくことを忘れないでくださいね。せっかく瓶を使っても、それ自体が汚れていては不衛生になるので気をつけましょう。■解凍後のいくらの賞味期限は?冷凍したイクラを解凍した後、賞味期限はどれくらいなのでしょうか?せっかく冷凍して賞味期限を延ばしても、解凍した後の扱いが良くなければ、元も子もありません。しかも一度解凍したいくらは、劣化が激しくおいしくなくなるため、再解凍は絶対におすすめできません。もし解凍後に食べそこなった場合は、処分するしかなくなるので注意が必要です。・自宅で冷凍したもの自宅で冷凍したいくらは、解凍後は4日以内に食べ切るのが良いでしょう。解凍後はどんどん劣化していくので、4日というのは最長と考えて、できるだけ早くに食べるようにしてくださいね。ちなみに解凍方法は、常温で放置しておくと2~3時間で食べられるようになります。冷蔵庫の場合なら、4~12時間です。もし急ぐ場合は、ビニール袋などに入れて密閉したうえで、ボールなどに入れて流水にさらしましょう。・冷凍して販売されているもの冷凍して市販されているいくらは、解凍後は5~7日が賞味期限の目安です。いくらは解凍時でも冷蔵庫に入れておけば長持ちしそうに思うかもしれませんが、案外そうでもありません。とくに一般家庭の冷蔵庫は、開け閉めの回数が非常に多いため、そのたびに温度変化があるので、庫内は不安定な状態にあるといえます。すると気づかぬうちに思いのほかいくらが傷んでいることもあるので注意してくださいね。 ■食べられないいくらの見分け方いくらは、傷みやすいデリケートな食材です。そのため、食べられないいくらの見分け方を知っておく方が望ましいでしょう。いくらが傷んでくると、見た目や臭い、味などに特徴が現れます。具体的に見ていきましょう。・『賞味期限』と『消費期限』の違い基本的なことですが、『賞味期限』と『消費期限』には違いがあるのはご存知でしょうか?食べられるかどうかの大きな目安となるのが、これらの『期限』ですよね。食べられないいくらの見分け方の前に、その意味の違いを明らかにしておきましょう。『賞味期限は』は、その食材がおいしく食べることができる目安となる日付で、少しくらい過ぎても品質自体には問題ないという意味も含まれます。おもに日持ちしやすい保存食などに使用されることが多いです。一方、『消費期限』の方は、この日付を過ぎたら安全の保障ができません、といういわばデッドラインを意味します。つまり、この日以降は食べないで破棄してください、という意味を含むことを理解しておきましょう。そのため、いくらの場合も、冷蔵品などで『消費期限』が使われている例が多く、その日付は絶対に守るべき目安です。・未開封の袋が膨張している未開封のいくらの袋が膨張している場合は、食べない方が良いでしょう。これは細菌が発生したときに発せられるガスが原因のため、食べると体調不良を起こす危険があります。いくらは高級なため、ついもったいないと思うかもしれませんが、迷わず処分してください。・身崩れを起こしているいくらが身崩れを起こし、赤い汁がたくさん出ている場合も要注意です。新鮮でおいしいいくらは、玉がはっきりして独特のねっとり感を有します。お寿司屋さんでも新鮮なネタは一粒一粒がキラキラしていますよね。身崩れしているということは、いくらの力が抜けてしまっている証拠ですから、気をつけましょう。・異臭がする新鮮ないくらは、ほとんど匂いがしません。ところが傷みだすとどくとくの生臭さを放ちます。容器や袋を開けたときに、ツンと臭ったら食べない方が良いでしょう。・白く濁り糸を引く新鮮ないくらは、オレンジがかった琥珀色をしています。ところが、傷みだすと赤い汁がではじめて、やがて白く濁ってきます。これはいくらからでた水分が腐り出している証拠ですから、食べずに廃棄処分してください。・『酸っぱい』など味に違和感があるいくらを口に含んだ際に、酸っぱいと感じたら絶対に食べないようにしましょう。悪臭を放っていたり酸っぱい味のいくらを食べると、体調不良を起こすリスクが非常に高まります。命の危険さえ考えられるようなので、くれぐれも注意してくださいね。 ■賞味期限を過ぎたいくらは注意先ほど賞味期限と消費期限のちがいについて解説しました。賞味期限は、消費期限と比べると食べることに対して厳しく制限するものではありません。そのため、少しくらい過ぎても目くじらを立てるものではないといえます。しかし、こといくらについては、あまり楽観視もできません。・食中毒の可能性いくらは、とても傷みやすいデリケートな食材です。そのため理想をいえば、買ってきてすぐに食べるに越したことはありません。もし、傷んでいるいくらを食べると、嘔吐や下痢などの食中毒を引き起こす可能性があります。賞味期限を過ぎているなら、先ほど解説した食べられないいくらの見分け方を参考にして、少し厳しい目で判断してください。・常温で放置しないいくらは、常温での放置はご法度です。とくに20~30℃で細菌が発生して、あっという間に増殖していきます。冷凍したいくらを解凍する場合は別です。しかし、それも常温下では3時間までにとどめておきましょう。解凍する場合は、いくらが少し硬いと感じるくらいでも構いません。温かいご飯に乗せれば、すぐに柔らかくなるので長く放置しないように工夫してくださいね。・賞味期限を過ぎていなくてもよく確認いつもの癖で賞味期限さえ過ぎていなければ大丈夫、と過信してしまっている人は少なくないでしょう。しかも消費期限でないといういうことも安心材料にしてしまっているかもしれません。しかし、とくにいくらに関しては危険です。たとえ賞味期限が過ぎていなくても、見た目や臭い、味などをよく確認してから食べるようにしましょう。■いくらと筋子の違い最後にいくらと筋子のちがいについて具体的に解説しましょう。レシピなどを見ても、いくらと筋子が使い分けられている例があります。それぞれに特徴があり、下ごしらえの仕方も違ってくることがあるので、知っておくに越したことはないでしょう。・筋子は膜につつまれている筋子もいくらも鮭の卵です。しかし、筋子は鮭のお腹の中に入っていたままの状態でひと塊となっており、卵巣膜で包まれているのが特徴です。いくらとして使う際には、この卵巣膜をはがして、細かいカスも取り除く必要があります。3%の食塩水で洗ってから、40℃のぬるま湯に浸すと膜からほぐれていきます。料亭などでは、あえて筋子の状態で仕入れて、ほぐしていくらにするところから始める店も多いようです。・食感の違い筋子は、鮭のお腹の中に宿って間もない未熟な状態といえます。そのため、秋口あたりが旬といわれ、いくらよりも少し早くなります。未熟な状態のため、ばらしてしまうと崩れる可能性もあるので、膜で包んだまま食べることがあるのです。そのため、いくらに比べると柔らかくてねっとりした食感になります。プリプリしたいくらとは対照的といっても良いかもしれません。■いくらの賞味期限を知って無駄なく食べよういくらは大変デリケートな食材のため、賞味期限には敏感になっておく必要があります。しかし、保存方法を間違えず良い状態のまま食べることができれば、ほかに類を見ないプリプリとした食感が味わえる高級食材でもあります。そのまま食べても、ご飯にかけても、海鮮丼にぜいたく盛りしても、文句なしのおいしさを提供してくれることでしょう。くれぐれも常温保存だけは避け、冷蔵か場合によっては冷凍をし、必要に応じて解凍するのが安全といえます。見た目がキラキラしていて口の中で優しくとろける絶品いくらを、ぜひ堪能してくださいね!《参考》・ 農林水産省「食中毒の原因と種類」
2021年04月01日手間がかからずに簡単に紅茶を作る方法として、お湯を使わないで水を使って紅茶を抽出する「水出し紅茶」があります。水出し紅茶は、容器に紅茶葉と水を入れて、冷蔵庫で一晩冷やすだけで、1日中おいしい紅茶が楽しめます。失敗をすることが少ないアイスティーの作り方のひとつで、麦茶や緑茶に少し飽きてきた方には、ぜひチャレンジしてみたいドリンクです。今回の記事では、水出し紅茶をおいしく作る方法、そして水出し紅茶を作るときに生じる食中毒のリスクをできるだけ抑えるために注意したいポイント、どんな種類の紅茶が水出し紅茶に適しているかなどについてご紹介します。■水出し紅茶はヘルシーな飲み物コンビニやスーパーなどで目にするペットボトルのストレートの紅茶。甘いミルクティーなどと比べて、糖分などが少ないと思って手にとってみたら、意外と砂糖が入ってるし、カロリーも高くてびっくりしたという経験はありませんか?ジュースなどのソフトドリンクの多くは、意外にも糖分が入っているものなんですよね。でも家で作る水出し紅茶は、とってもヘルシーな飲みものなんです。・コーラやジュースは糖分たくさん日ごろに飲む、ソフトドリンクとして人気があるコーラやジュース。とてもおいしい飲み物ですが、実は糖分がたくさん入っている飲みもののひとつです。たとえば、500mlのコーラのペットボトル1本に入っている砂糖の量は平均約56g。角砂糖は1個4gなので、コーラにはおおよそ14個分の角砂糖が含まれていることになります。そのほかのスポーツ飲料やフルーツジュースにも糖分は比較的多く入っており、知らず知らずに砂糖を取りすぎてしまう原因になっていることもあります。もちろんコーラやジュースを適量飲むことは問題はありませんが、ダイエット中の方や、糖分を減らしたい方にとっては、飲み物の中に入っている砂糖の量も気になりますよね。・手作りの水出し紅茶はゼロカロリースーパーなどで見かける紅茶のなかにも、糖分が多く含まれているものがあります。甘いミルクティーやフルーツティーだけではなく、ストレートティーのなかにも糖分が含まれているものが多いんです。たとえば、500mlの「午後の紅茶」のストレートティーには約20gの糖分が入っており、角砂糖に換算すると5個分に相当します。そのため紅茶は、緑茶や麦茶などとは異なりカロリーも高いものもあります。しかし自宅で作る水出し紅茶は、糖分も入っておらず、そしてカロリーもありません。紅茶の香りをうまく抽出することができれば、おいしく、そして健康にも優しい飲み物になるんです。また自宅で一度に大容量を作り、出先に持っていければ、ペットボトルなどのゴミを減らすことにもつながります。このように水出し紅茶には、手軽に作れること以外にも、さまざまな魅力があるんです。■水出し紅茶の作り方それではどのようにしたらおいしく水出し紅茶が作れるのか、その作り方についてご紹介します。本当に簡単に作れますので、ぜひご自宅で試してみてください。・ティーバッグで手軽に作れるティーバッグを使っても、リーフタイプの茶葉を使ってもどちらでも簡単に作ることができます。茶葉の目安は種類によっても異なりますが、水500mlに対して7g前後の茶葉が標準的です。リーフタイプの場合には、そのままだと茶葉を漉すのが少し手間なので、100円ショップなどで売っている、お茶パックや出汁パックのようなメッシュの袋を使って、中に好きな茶葉を入れることをおすすめします。茶葉以外には、蓋付きの保存容器と水を用意します。このときの容器は、できればガラス製のものを使用すると良いです。紅茶は香りを楽しむ飲み物ですので、プラスチック製のものだと繰り返し使っているうちに匂いがついてしまうことがあるためです。・水と茶葉を入れて一晩おく作り方は本当に簡単です。用意した容器に、お水と紅茶のティーバッグもしくはリーフタイプの茶葉を入れて、冷蔵庫に一晩おくだけです。水を注ぐときには、茶葉がしっかりと水につかるように気をつけてください。日中に作る場合には、抽出時間は8時間が目安です。朝に抽出を開始したら、夕方くらいにはできあがりますよ。・茶葉は取り出さなくても抽出されたアイスティーの色合いなどをチェックし、良い頃合いになったら完成です。この水出し紅茶では、紅茶の茶葉に含まれる渋みの成分が抽出されにくいため、飲むときに使用した茶葉は必ずしも取り出さなくても構いません。しかし味や色が濃くなってしまうことが気になる方は、完成時に少し味をみてから取り出すと良いですね。また、リーフを使用して水出しを作る場合には、ポットと茶こしを使用して茶葉をすべてこし取ると、そのあと飲みやすいです。・氷を入れるとスッキリした味わいに水出し紅茶に使う水ですが、常温の水でOKです。ただ、紅茶を抽出する温度を少し下げると、よりスッキリとした味わいの紅茶を作ることができます。注ぐ水を事前に冷やしておく、もしくは常温の水に氷を5個程度入れておくと、冷水で紅茶を抽出することができますね。よりすっきりとした紅茶を飲みたい方は、ぜひこの方法でアイスティーを作ってみてください。 ■水出し紅茶と食中毒リスクお手軽に作れる水出し紅茶ですが、熱湯を使わないため食中毒の危険性が少しあります。ポイントをおさえて、安全においしい紅茶を楽しみましょう。そこで、ここからは食中毒のリスクを少しでも避けるために、水出し紅茶を作る際に注意したいポイントをご紹介します。・きれいな容器を使用する何より大切なのは、きれいで清潔な容器を準備することです。蓋部分や、容器の底部分には茶しぶがたまりがちになってしまいますので、いつもより注意して洗うと良いですね。また、容器を長期間しまっていて久々に使うという場合には、特に気をつけて容器内をしっかりと洗うようにしましょう。しまっている間に、食中毒の原因になるような菌類が増殖している可能性もあります。連日使用する場合にも、しっかりと容器を清潔にしてから使用すると食中毒のリスクを減らすことにつながります。・ガラス製の容器がおすすめどのような容器でも水出し紅茶を作ることはできますが、ガラス製の容器を使う方がおすすめです。プラスチック製のものよりも、ガラス製のものの方が汚れが染み込みにくいためです。また、耐熱ガラスの容器の場合には、熱湯で消毒を行うこともできます。食中毒の話しからは少しずれますが、紅茶は香りを楽しむ飲みものですので、プラスチックの容器だと、飲みものの匂いが染み込みやすくなってしまいます。ガラス製の容器を使って水出し紅茶を作った方が、よりクリアな紅茶の香りを楽しむことができますよ。・水道水なら浄水器を通す必ずしもミネラルウォーターを使う必要はありません。しかし、水道水を使う場合なら、浄水器を通した水を使うと食中毒のリスクを下げることにつながります。少しでも清潔な水を使用すると良いですね。・食中毒防止!24時間以内に飲み切る特に注意していただきたいことが、作った水出し紅茶は24時間以内を目安に飲みきること。長く放置してしまうと、容器の中で菌類などが増殖してしまう可能性があります。何日間もかけて飲むことは控えましょう。そのほか冷蔵庫から出す時間を短くすることや、容器からコップに紅茶を注ぐ際に、口を付けないように気をつけると良いですね。菌類が容器に入ることを少しでも防ぐように気をつけましょう。 ■水出し紅茶の味の違いと特徴通常の熱湯を使って作る紅茶と、水出し紅茶。味の違いはあるのでしょうか?ここからは、水出し紅茶の味の違いや特徴をご紹介します。・カフェインが少ないまず水出し紅茶にあげられる特徴は、カフェインが少ないこと。紅茶を通常のように熱湯を使って入れると、茶葉からカフェインが抽出されるのですが、水出し紅茶の場合には、熱湯を使わないためにカフェインの抽出量が比較的おさえられます。カフェインの総量を減らしたい方、そして多くの紅茶を飲みたい方には水出し紅茶がおすすめです。・渋味や苦みが抑えられる水出し紅茶の味の一番の特徴は、紅茶の渋みや苦みが抑えられることです。紅茶の渋み成分であるタンニンは、お湯で抽出される成分であるため、水出しでは抽出されにくいのです。そのため水出し紅茶の場合には、喉ごしが優しい、マイルドな味わいが楽しめます。紅茶の渋みが苦手という方には、ぜひ水出しで紅茶を作る方法がおすすめですよ。・リラックス効果がある紅茶に含まれているテアニンが、水出しの方がより抽出されやすいというデータもあり、よりリラックスできる効果も期待できるそうです。そのほか特にアイスティーがおいしくなる夏の時期に、キッチンに湯気が生じてしまう熱湯を準備する必要がないというのもありがたいですよね。水出し紅茶の場合、一晩おいておくため時間はありますが、失敗しにくいというメリットもあります。 ■水出し紅茶の他にお湯出し紅茶もある水出し紅茶のほかに、お湯を使って紅茶を作り、一気に氷で冷やしてアイスティーを作る方法もあります。ここからはお湯を使って紅茶を作ったときの特徴や、そのアイスティーの作り方をご紹介します。・カフェインやカテキンが多い水出し紅茶と比べて、お湯出しで紅茶を作ると、茶葉からその成分がしっかりと抽出されるため、カフェインやカテキンも十分に抽出されます。水出し紅茶に比べて、キリッとした苦味と香り高い紅茶が楽しめることが特徴です。・お湯出し紅茶の作り方水出しよりも少し手間がかかりますが、より強く香りを楽しみたい方にはこちらの方法も試してみてください。まずティーポットに茶葉を約6g入れ、熱湯を200ml注いで、2分程度蒸らします。この蒸らし時間は茶葉の大きさによって異なり、CTCやブロークンなどのように小さな茶葉の場合には蒸らし時間は1.5分。大きな茶葉の場合には3分程度が蒸らし時間の目安です。蒸らしが完了したら、120g程度の氷を入れた耐熱性の容器に、茶葉を濾しながらお茶を入れます。そのあと、さっとかき混ぜればアイスティーの完成です。茶葉の種類によって茶葉の量や蒸らし時間は異なりますので、数回試してみると良いですね。・『クリームダウン』とは熱湯を使ったアイスティー作りの場合、熱い紅茶を氷に注いだときに紅茶が白く濁ってしまうクリームダウンという現象があります。白く濁ると驚かれるかもしれませんが、風味自体にはあまり影響はありませんので、そのまま飲んでもなんの問題ありません。・『フルーツティー』はお湯出しがおすすめ アップルティーやピーチティーなどフルーツティーなどの場合には、水出し紅茶よりもお湯出し紅茶でアイスティーを作ることをおすすめします。こちらの方が、紅茶のフルーティーな香りがよく立ちますよ。そのほかコクが強いアッサムなどの紅茶、ハーブティーはこのお湯出しで作るアイスティーがおすすめです。■水出し紅茶と氷出し紅茶の違いお湯出しそして水出し紅茶以外のアイスティーの作り方として、氷出し紅茶というのもあります。本来は冷たい玉露や日本茶を作るときに使われる方法なのですが、アイスティーも作ることができるため、その方法についてご紹介します。・氷の雫で抽出するこの氷出しとは、氷から溶け出す雫で少しずつ茶葉から成分を抽出する方法。時間がたっぷりとかかり、抽出できる水量は多くありませんので、とても優雅な飲み方なんです。手間はかかりますが、氷出しを行うと茶葉の甘みや旨みだけを抽出することができるため、客人をもてなすときやゆったりとした時間があるときに楽しみたい抽出方法です。・氷出し紅茶の作り方氷出しは本来、日本茶向けですので、氷出し紅茶を作るには茶葉を蒸らすという一手間を加える必要があります。温めたティーポットに茶葉を約5gを入れます。茶葉が浸るくらいの熱湯を注ぎます。ティーポットに蓋をして3分待ち、茶葉をよく蒸らします。氷を100g程度加え、軽く混ぜて10分程度待ったら完成です。飲む際には、茶葉を濾してグラスに注ぎます。甘みが強くておいしいアイスティーが楽しめますよ。・本来は日本茶や玉露向け繰り返しになりますが、この氷出しの方法は本来は日本茶や玉露向けのものです。緑茶の場合には、紅茶のように茶葉を蒸らす必要がなく簡単に氷出しをすることができます。紅茶のほかにも、烏龍茶を氷出しで作る場合には事前に茶葉を蒸らす手順をふむと、氷出しでもおいしいお茶を作ることができますので、よかったら試してみてください。 ■水出し紅茶の飲み方一晩かけて作った水出し紅茶。どんな風に飲んでも楽しめますが、飲み方のポイントをご紹介します。・起きたらすぐ飲める!朝の忙しい時間に、紅茶を準備するのって結構手間がかかりますよね。水出し紅茶は、夜にセットしておけば、朝起きてすぐにおいしい紅茶を楽しむことができます。水出しの紅茶は渋みが抑えられていてマイルドな味わいなので、お湯で抽出する紅茶よりも朝に飲む紅茶としておすすめなんです。糖分も入っていないため、和食・洋食どちらの朝ごはんにも合わせやすいのも嬉しいところです。・ミルクティーにしない水出し紅茶の場合には、通常の抽出に比べてマイルドな香りの紅茶ですので、ミルクを入れない飲み方がおすすめ。ストレートで飲むと、さっぱりとしておいしいです。お好みでレモンを加えてもさっぱりと楽しめます。・麦茶の代わりによく麦茶は家に用意するけれど、少しその味に飽きてきたという方には、麦茶の代わりとして水出し紅茶を作ると良いですね。ただ、麦茶はカフェインレスですが、水出し紅茶にはカフェインが含まれていますので、カフェインの摂取を控えている方はお気をつけください。 ■水出し紅茶に合う茶葉の種類紅茶にはいろんな種類がありますが、どの種類の紅茶が水出しに適しているのでしょうか?水出し紅茶に合う茶葉の種類について、ご紹介します。・最も合うのは『ダージリン』最も水出し紅茶におすすめの紅茶は、インド原産のダージリンティー。特に春ごろに摘まれるファーストフラッシュは、水出しで飲むとその爽やかで繊細な香りが楽しめます。紅茶の水色がもともと薄い種類ですので、水出し紅茶を作ったときに色が薄くてもあまり気にせずに試し飲みをしてみてください。通常の紅茶の色が麦茶のような茶色なのに対して、ダージリンのファーストフラッシュは薄いオレンジ色です。・『アールグレイ』などのフレーバーティーベルガモットの華やかな香りが特徴のフレーバーティー「アールグレイ」なども、水出し紅茶におすすめです。アールグレイは、ティーバッグのタイプも手軽に手に入りますので、水出し紅茶初心者にはまさにおすすめの紅茶です。このようなフレーバーティーの香りは、水出しにしてもよくたつので、おいしく味わえますよ。逆に、ミルクティーにむいているようなアッサムなどコクが強い種類の紅茶は、水出し紅茶には向いておらず、熱湯で抽出してから冷やしてアイスティーを作る方法がおすすめです。・水出し専用茶葉がおすすめ多くの茶葉で水出し紅茶は楽しめますが、失敗が少なくておいしいのは、やっぱり水出し専用の茶葉を使うこと。紅茶のブランドや専門家が、水出しに適した状態になるように茶葉のサイズや種類をブレンドしてくれているので、誰でも簡単に水出し紅茶が楽しめます。専用の茶葉でなくても、紅茶専門店で水出ししてみたい茶葉を見つけたときには、店員さんにおすすめの飲み方を聞いてみると良いかもしれません。どのような方法でアイスティーを作るべきか、教えてくれることもありますよ。■水出し紅茶におすすめ茶葉具体的にどのような茶葉が水出し紅茶にぴったりなのか、ここからはおすすめの茶葉をご紹介します。・ルピシア『リゾートアイスティー』まずご紹介するのは、ルピシアのリゾートアイスティー。世界のお茶専門店「ルピシア」がおくる夏にぴったりなお茶のシリーズです。次の3種類が楽しめます。「アラビアンナイト」エキゾチックな香りが楽しめるフレーバーの紅茶。ジャスミンとフルーツの香りで、アラビアンナイトの世界をイメージしています。「パラダイス」甘酸っぱい紅茶。マンゴーなど熱帯の果実がたくさん入っています。「ブリテイッシュクーラー」レモンやライムなど、爽やかな香りの果実がたくさん入っており、清涼感を感じられる紅茶です。・ルピシア『ハツコイ&ナツコイ』次にご紹介するのは、夏限定販売のシリーズ「ハツコイ&ナツコイ」。レモンがたっぷりと入った紅茶・ナツコイと、グリーンレモンの繊細な香りが楽しめる緑茶・ハツコイの2つのシリーズがあります。どちらも甘酸っぱくてさっぱりとしていますので、アイスティーにぴったりの茶葉。蒸し暑い時期にとてもおいしく飲めるお茶です。・カルディ『セレッシャル・フルーツ』「カルディ・コーヒーファーム」で手軽に買うことができる「セレッシャル・フルーツ」も水出し紅茶のおすすめの茶葉のひとつ。以下のノンカフェインのハーブティーの5種類が入っています。・ワイルドベリージンガー・ブラックチェリーベリー・トゥルーブルーベリー・カントリーピーチパッション・ラズベリージンガーいろいろな味を同時に楽しめるところが嬉しいセットですね。ちなみに「セレッシャル」は、アメリカで高いシェアを獲得している歴史あるハーブティーメーカー。ティーバッグに金属などを使用せず、タグも使わないことによって環境面へも配慮されている紅茶です。・日東紅茶『水出しアイスティー アールグレイ』最後にご紹介するのは、水出しのためのアールグレイ。水出し用に茶葉をブレンドしているので、誰でも簡単においしいアールグレイを楽しめます。こちらの良いところは、わずか2時間で水出し紅茶できること。時間がない方でもさっと水出し紅茶を楽しめます。水出しのためのブレンドではあるものの、お湯出しでもホットでも楽しめます。初心者の方でも失敗しにくいので、ぜひ試してみてくださいね。■水出しで手軽に紅茶を楽しもう水出し紅茶は簡単に作ることができますし、苦味が抑えられたマイルドな味わいと香りが楽しめるおいしい飲みものです。ただ、熱湯を使わないため、食中毒の危険性もあります。ポイントを抑えてうまく作ることで手軽にご自宅でアイスティーを楽しんでみてくださいね。《参考》・ キリン「原材料名・栄養成分等一覧(ソフトドリンク)」 ・ 日本コカ・コーラ「コカ・コーラ製品情報」
2021年02月10日2020年11月16日、東京都福祉保健局は墨田区内の保育園で給食を食べた園児28人に、腕や顔に発疹などの症状が出たと発表。同園では同月11日の昼に『きつねうどん』の給食を提供していました。都の報告によると、墨田区保健所がきつねうどんのスープから検出された化学物質『ヒスタミン』による食中毒と断定したそうです。産経ニュースは、食中毒が発生した原因について次のように報じています。給食の調理業者が、ヒスタミンが入っていた市販のだしパックをメーカーによって定められた調理法よりも長く煮て、抽出された可能性があるとみている。都によると、ヒスタミンは赤身魚などで繁殖する菌によって生成されるといい、使用済みのだしパックから微量が検出された。だしパックのメーカーは煮る時間を10分間としていたが、給食の調理業者は45分間煮ていた。都は「記載されている用法を守ってほしい」と呼びかけている。産経ニュースーより引用発疹などの症状の出た園児28人は、いずれも軽症とのこと。症状は1時間ほどで収まったそうです。ネット上では、このニュースにさまざまな声が相次ぎました。・だしパックの煮すぎがだめなんて、知らなかった。家の味噌汁はずっと入れっぱなしだったけどな…。・生のカツオを食べすぎて発疹が出たことはあるけど…。こういうケースもあるのですね。・だしパックに入っていた魚が、ヒスタミンを多く含んでいたってことなのかな。・家庭でもありそうな事故。食中毒って、ノロや大腸菌とかだけじゃないのですね。厚生労働省によると、ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品を食べることにより、アレルギーのような症状が出る食中毒を発症するケースがあるといいます。ヒスタミン食中毒は、ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品、特に魚類及びその加工品を食べることにより発症する、アレルギー様の食中毒です。ヒスタミンは、食品中に含まれるヒスチジン(タンパク質を構成する20種類のアミノ酸の一種)にヒスタミン産生菌(例、Morganella morganii)の酵素が作用し、ヒスタミンに変換されることにより生成します。そのため、ヒスチジンが多く含まれる食品を常温に放置する等の不適切な管理をすることで、食品中のヒスタミン産生菌が増殖し、ヒスタミンが生成されます。ヒスタミンは熱に安定であり、また調理加工工程で除去できないため、一度生成されると食中毒を防ぐことはできません。厚生労働省ーより引用食中毒というと「十分に加熱しなかったことによって起こるもの」とイメージしがちです。今回の報道には、多くの人が驚いたことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年11月17日卵は、スーパーでは常温で売られていることが多いですよね。とはいえ、卵を購入されてからは、基本的には常温ではなく、冷蔵庫で保存している場合がほとんどではないでしょうか?スーパーでは常温で、買ってからは冷蔵保存という流れが一般的にはなっていますが、果たしてその違いは何なのか、気になりますよね。今回は、卵が常温で売られている理由や、適切な保存方法、そして、常温保存の場合はどのくらいの賞味期限になるのかについてをお伝えしていきます。■卵が常温で売られている理由卵が常温で売られている理由は、結論を先にいうと「結露」を防ぐためです。卵は、できるだけ温度変化をさせないことが重要なんですね。ここでは、卵が常温保存されている詳しい理由や、もし冷蔵で売られていたらどうなるのか?という疑問にもお答えしていきます。・結露による痛みを防ぐためすでにお伝えした通り、卵が常温で売られているのは、結露を防ぐためです。結露とは、たとえば、夏場など暑い時期に冷たいペットボトルを外に出しておくと、その周りに水滴が付きますよね。それが、結露している状態です。つまり、結露によって、卵の表面に水滴がついてしまうわけですね。ではなぜ、卵の表面に水滴が付いてはいけないのでしょうか?実は、卵には、人には見えないような小さい穴がたくさん空いています。そして、結露によって、卵の表面に水滴が付いてしまうと、その小さい穴から雑菌が中に入り込んでしまうのです。そのため、卵の温度変化を極力させないために、常温で売られています。・卵が冷蔵で売られていたら?卵が、常温ではなく、もし冷蔵で売られていた場合はどうなるのか、気になりますよね。実は、卵が冷蔵で売られていた場合は、卵の劣化が早まる可能性があります。というのも、卵が冷蔵庫で売られていた場合、その保存温度が複数回変化してしまうためです。卵は、ニワトリから生まれ、パックに詰められて、スーパーなどに陳列されてから購入されますよね。つまり、卵が常温で売られていた場合は、卵が産まれてから、購入して冷蔵庫に入れられるまで大きな温度変化はないです。しかし、卵が常温ではなく冷蔵で売られていた場合は、一度陳列される時点で温度変化がおき、さらに購入されてから常温に戻されて、また冷蔵庫へ…というように、温度が変化する回数が増えてしまいます。温度が変化する回数が増えれば、結露する可能性が高くなり、劣化する場合があるのです。■卵は常温・冷蔵保存どちらがいい?卵を保存する際は、結露を防ぐため、できるだけ温度変化させないことが大切です。では、自宅での保存は常温か冷蔵か、どちらの保存方法が適しているのでしょうか?ここでは、卵の適切な保存方法や、保存する際の注意点についてお伝えしていきます。・常温でも冷蔵でもOK卵の保存方法は、結論をいうと、常温でも冷蔵でもどちらでもOKです。ただし、卵の表面に結露が生じないように、温度変化には十分に気をつける必要があります。たとえば、スーパーでは冷蔵で売られていた卵を、買ってからは常温で保存したりすると、その分温度変化が大きくなってしまいますよね。そのため、もし卵が冷蔵で売られていた場合は、買ってから迅速に冷蔵で保存することが重要になります。また、それ以外でも、卵を頻繁に冷蔵保存から常温に戻したり、常温から冷蔵保存にしたりなど、大きな温度変化がないようにしましょう。・サルモネラ菌の増殖に注意卵の保存は、常温でも冷蔵でもどちらでも良いとはお伝えしましたが、その上でひとつ注意点があります。それは、サルモネラ菌による食中毒です。サルモネラ菌は、食中毒の原因になる細菌としてよく知られていますよね。サルモネラ菌は卵の殻に付着している可能性があると言われていますが、現在売られている卵はよく洗浄されているため、付着していることはほとんどないです。そうは言っても、サルモネラ菌の心配が100%ないわけではありません。そのため、もし卵にサルモネラ菌が付着していた場合も考えて、細菌が増殖しないための防止策と、食中毒への対策を行うことが大切なんですね。具体的には、10℃以下で卵を保存することや加熱調理をすることが重要になります。・どちらかといえば冷蔵保存がおすすめ卵の保存方法に迷われた場合は、冷蔵保存をするようにしましょう。実際に、厚生労働省のHPでも、購入した後の卵は冷蔵保存をするように推奨しています。卵の冷蔵保存が推奨されている一番の理由は、上記でもお伝えしたとおり、食中毒の危険性があるからです。特に、春、夏、秋の季節だと、常温で10℃以上となる場合が多いですよね。冷蔵庫の中(10℃以下)で卵を保存することで、サルモネラ菌の増殖を防ぐことができます。ただし、常温ではなく冷蔵庫に入れていたとしても、もしサルモネラ菌が付着していた場合は、その細菌が完全に消滅することはありません。そのため、お子さんやお年寄りなど、特に食中毒への危険性が高い方が卵を食べる場合は、ゆでるなど加熱調理をすることが大切です。■卵を常温保存するときの賞味期限目安卵は、常温保存もできることがわかりました。では、実際に常温で保存する場合の賞味期限はどのくらいなのか、気になりますよね。卵を常温で保存するときの賞味期限は、時期により異なります。ここでは、卵を常温保存する場合どのくらいの期間保存できるのか、それぞれの季節別に見ていきましょう。・春・秋春や秋に、卵を常温で保存する場合は、基本的には3週間を賞味期限の目安にしましょう。ちなみに、この3週間という期間は、卵を購入してからではなく、卵が産卵されてからの時間です。春や秋の平均的な気温は、20〜23℃です。そのため、夏に比べれば常温でも比較的長く保存はできます。しかし、サルモネラ菌による食中毒のことを考慮すると、やはり冷蔵庫の中など、10℃以下の環境で保存できると良いでしょう。・夏夏の暑い時期に卵を常温で保存する場合は、長くても2週間以内に食べきるようにしましょう。ここでいう2週間という期間も、卵が産卵されてからの時間です。また、夏の気温は30℃を超えることがほとんどです。そのため、春や秋に常温で保存するときよりも、さらに食中毒には注意する必要があります。もし夏場に常温で保存をする場合は、卵を生で食べるのではなく、ゆでるなど火を通して食べるようにしましょう。・冬冬など、比較的寒い時期に卵を常温で保存する場合は、産卵後から1ヶ月半~2ヶ月間ほどを目安にしましょう。冬場であれば、気温も10℃を下回る日も多いため、常温でも比較的長く保存できるわけですね。また、一般的に、卵の賞味期限は1年を通してパック詰めをした日から2週間とされています。この2週間という賞味期限は、常温で保存した場合を想定されていますが、そうはいっても、夏場など暑い時期は食中毒が心配ですよね。そのため、卵は常温で保存するのではなく、冷蔵庫をうまく活用して、食中毒のリスクを最大限減らしていきましょう。■卵の適切な保存方法購入された後の卵は、冷蔵保存をすることが基本です。卵を常温で保存することになった場合は、上記でもお伝えしたとおり、食中毒の危険性が高くなってしまいます。ここからは、卵の鮮度を長持ちさせるための適切な保存方法についてお伝えしていきます。・購入した卵はすぐに冷蔵庫へ入れる卵を購入したら、できるだけ早く冷蔵庫へ。サルモネラ菌の増殖を防ぐため、どれだけ早く冷蔵庫に入れられるかがポイントになります。卵の鮮度を保つには、できるだけ気温差をなくすことが大切だとお伝えしましたが、今は、卵を冷蔵で売っているスーパーも多いですよね。すると、卵を購入した後、冷蔵保存から常温保存に変化したときの気温差が大きく生じてしまいます。スーパーで買ってから家に着くまでの時間は仕方ないにしろ、素早く冷蔵保存に戻すようにしましょう。また、常温で売られている卵の場合も、安定して10℃以下の環境を作ることができる、冷蔵庫の中で保存をした方が安全ですよ。・期限表示の期間内に消費する卵は、表示されている賞味期限内に食べきることが大切です。上記でもお伝えしましたが、卵の賞味期限は、基本的にパック詰めをされてから2週間に設定されています。また、卵の賞味期限は、生でも食べられる期間として設定されていますが、その保存環境によっては、食中毒などの心配が完全にないわけではありません。そのため、賞味期限以内に卵を使いきるのはもちろん大切ですが、期限が近いものについては、ゆでる・焼くなど、加熱調理をするようにしましょう。・冷蔵庫内の温度が10℃以下になっているか確認する卵を冷蔵保存する際は、冷蔵庫内の温度が10℃以下になっているかを必ず確認しましょう。もし、卵にサルモネラ菌が付いてしまっている場合は、10℃以下で保存をしていないと、爆発的に細菌が増殖する可能性があります。卵を冷蔵庫に入れても、中の温度が10℃以上に設定されていたら、常温で保存する場合と同じような環境になってしまいますよね。食中毒の危険性を減らすためにも、冷蔵庫内の温度が10℃以下になっているか、改めて確認してみてくださいね。■卵を保存するときの注意点【常温・冷蔵】卵は、常温でも冷蔵でも保存はできます。しかし、食中毒のことなどを考慮すると冷蔵保存の方がオススメだとお伝えしました。ですが、実は卵を適切に保存するには、環境だけでなく、そのほかの細かい注意点にも気をつける必要があるのです。ここでは、卵を保存する際の6つの注意点について、詳しくお伝えしていきます。・ドアポケットで保存しない卵を冷蔵保存するときは、冷蔵庫のドアポケットに置くことが多いのではないでしょうか。冷蔵庫の設計自体、ドアポケットに卵フォルダーがあることも多いでしょう。しかし、実は卵をドアポケットに置いて保存するのは、オススメできる保存方法ではありません。というのも、ドアポケットは冷蔵庫の開け閉めによって振動が伝わりやすいですし、温度変化が激しいからです。卵をドアポケットで保存しながら、冷蔵庫の開け閉めを繰り返すことで、その振動で卵にヒビが入る可能性があります。さらに、冷蔵庫の奥と比べると、ドアポケットは温度変化が激しい場所です。上記でもお伝えした通り、卵は温度変化にとても弱い食品なので、できるだけ冷蔵庫の奥で保存するようにしましょう。・卵専用フォルダーは使用しない卵を常温で保存する場合でも、冷蔵庫で保存する場合でも、卵専用のフォルダーに入れ替えるのは、あまりオススメできない方法です。「卵専用なのに、なんでオススメできないの!?」と思われたかもしれませんが、その理由は、卵が丸裸になってしまうからです。通常、卵は、購入時のパックの中に入れられていることで、多少の振動があってもヒビが入りにくくなっています。また、卵のパックには、雑菌が中に入り込む可能性を低くする役割もあります。そのため、卵専用のフォルダーとはいえ、卵をパックから出して保存するのは、適切な保存方法とは言えません。・とがった方を下にする卵を保存する際は、卵のとがった方を下向きにするようにしましょう。大前提として、卵は、産卵から時間が経ち古くなると、卵黄が浮いてきます。そのため、時間が経って、卵の卵黄が浮いてきたときに、殻の内側に卵黄をできるだけ触れないようにすることが、新鮮さを保つ上で大切なのです。そして、卵のとがっていない方には、気質という空気が溜まっている箇所があります。つまり、卵のとがった方を下にして保存をすることで、気質が上にある状態になるため、もし卵黄が浮いても、殻に触れる可能性が低くなるのです。・洗わない卵を洗ってから保存するのはやめましょう。卵の表面が汚れてると、つい卵を洗いたくなりますが、卵を洗ってしまうと雑菌が入り込みやすくなってしまうのです。卵の表面には、中に雑菌が入り込まないようにするクチクラ層と呼ばれる薄い膜があります。卵を洗ってしまうと、その層が流れてしまうのです。そのため、卵は、購入したそのままの状態で保存するようにしましょう。・割ったまま置いておかない「卵をあやまって割ってしまった…」という経験が、一度はあるのではないでしょうか。もしくは、卵を割りすぎてしまった場合、その割った状態のままで保存をしたくなりますよね。しかし、卵を割ったままの状態で保存をすることは控えましょう。というのも、卵を一度割ってしまえば、中身がむき出しの状態になりますよね。中身がむき出しなので、もちろん、雑菌を殻でガードすることができず、入り込みやすくなってしまいます。食中毒の危険性も高くなってしまうため、一度割ってしまった卵はできるだけ早く使い切るようにしましょう。・冷凍保存はNG卵を冷凍保存することは、基本的にできません。もし殻付きの卵を冷凍保存した場合、中身が膨張して割れてしまう可能性があるのです。かといって、卵を一度割った後に冷凍保存をしても、上記でお伝えした通り、雑菌が入り込みやすくなってしまいます。また、卵をうまく冷凍保存して解凍したとしても、卵の黄身が冷凍状態から元に戻ることはありません。卵を冷凍保存できたとしても、扱いにくい状態になってしまいます。卵は常温か、できれば冷蔵で保存するようにしてくださいね。■新鮮な卵の見分け方ここまで、卵の適切な保存方法についてお伝えしました。購入した卵は、基本的には冷蔵保存をすることが大切で、賞味期限はパック後2週間に設定されていることが分かりましたね。ここからは、スーパーで卵を購入する際に、新鮮な卵を選ぶための見分け方をお伝えします。・排卵日付を見る卵を購入する際は、賞味期限だけでなく、排卵日付も見るようにしましょう。排卵日付は、その名前のとおり排卵された日を表しているため、日付が遅い方が新鮮な卵だと分かりますね。排卵日付は、卵のパックの表面に記載されているか、卵ひとつひとつにシールが貼られています。卵を買うときは賞味期限だけでなく、一緒に排卵日付も気にしてみてくださいね。・表面がざらざらしている卵は、表面がツルツルしているよりも、ザラザラしている方が新鮮な証拠です。上記で、卵の表面にはクチクラ層という、雑菌が入り込むのを防いでくれる膜があることをお伝えしました。クチクラ層がしっかりとある場合は、卵の表面がザラザラしていますが、ツルツルの卵には、その膜がほとんどないのです。一見、ツルツルの卵の方が新鮮そうな気もしますが、パックの中の卵を見てみて、ザラザラしているものを選ぶようにしましょう。・水に浮かべたときに沈む新鮮な卵は、水に浮かべたときに沈むのが特徴です。卵の表面には小さい穴が空いていますので、保存して時間が経ち、その穴から卵の水分が抜けてしまうと、水に浮かんでしまいます。どのくらいの期間保存をしていたら、卵から水分が抜けてしまうのか…それは、常温や冷蔵などの保存環境にもよりますし、明確な答えはありません。しかし、常温・冷蔵、どちらの保存方法でも、徐々に水分が抜けてしまうのは防げないので、できるだけ早く食べきりたいところです。この見分け方は、卵をパックから出す必要があるため、購入する際に行うのは難しいですが、一度自宅で試してみてくださいね。■悪くなった卵の見分け方卵の新鮮さを見分ける方法をご紹介しました。では、新鮮さとは逆に、卵が悪くなってしまった場合は、どのような状態になるのかをご存知でしょうか?ここでは、卵が悪くなったときの見分け方についてお伝えしていきます。・割ったときに黄身が崩れる卵を割ったとき、黄身が一緒に崩れてしまう場合は、その卵は悪くなっている可能性があります。卵は、時間が経ち古くなるにつれて、本来の固さを失ってしまうのです。古い卵が悪くなっていないか心配なときは、平たいお皿に割ってみましょう。黄身が崩れたり、白身が広がりすぎてしまう場合は、その卵が古くなっている証拠と言えます。もし、卵を割ったときにこのような状態を確認したら、生で食べるのではなく、オムレツなど加熱調理をして、しっかりと食中毒の防止をしましょう。・水に浸けると浮いてくる新鮮な卵は、水に浸けると沈むとお伝えしたとおり、悪くなった卵は、逆に、水に浮いてしまいます。卵は、保存時間が経つにつれて、中の水分が抜けてしまいますが、その代わりに、空気が入り込むのです。つまり、卵が古くなり、悪くなればなるほど、卵の中に空気がたくさんあるわけですね。そのため、時間が経ち、空気をたくさん含んだ卵は、水に浮いてしまいます。・振ると中で音がする卵を上下に振ってみて、中から音が漏れているときは、その卵の鮮度が落ちていると言えます。悪くなった卵は、中に空気が入り込み、水に浸けると浮いてくるとお伝えしました。それと同様の理由で、卵の内部に空気が入り込むと、その分隙間が大きくなりますよね。隙間が大きいため、卵を振ったときに中身が殻にぶつかってしまい、音がするのです。この見分け方であれば、卵を割らずに鮮度を見極めることができます。もし卵から音がする場合は、ゆでるなど、火を通してから食べるようにしましょう。・殻にヒビが入っている卵を買ってから、「卵にヒビが入っていた…」と気付いたことが、一度はあるのではないでしょうか?そんな状況になってしまったときは、そのヒビが入った卵は悪くなっている可能性があります。殻のヒビから雑菌が入り込みやすくなってしまうのです。また、ヒビが入ってからどのくらいの時間が経ったか分からない場合は、中で雑菌がたくさん繁殖している可能性もあります。そのため、卵のヒビに気がついた場合は、まず常温ではなく冷蔵庫に入れるようにして、十分に加熱をして食べるようにしてくださいね。■卵は常温ではなく冷蔵保存をして美味しく食べましょう!今回は、卵が常温で売られている理由や、卵の適切な保存方法についてお伝えしました。自宅でも卵を常温で保存した場合、その賞味期限はどのくらいなのか?その答えは、季節ごとに違うということもご理解いただけたと思います。購入された卵は、食中毒を防ぐためにも、基本的に冷蔵保存がオススメです。しかし、時間が経ってしまった卵は、たとえ冷蔵保存だったとしても、食中毒の危険性はありますので、ゆでるなどの加熱調理をしてくださいね。卵は適切な保存をして、できるだけ新鮮なまま食べましょう。
2020年08月29日食中毒は梅雨時期から秋口くらいまでの高温多湿な時期にかかりやすいとされています。細菌が原因となるケースが大多数を占めていて、細菌やウイルスが原因の9割以上を占めます。細菌性食中毒は毒素型(黄色ブドウ球菌やボツリヌス菌)と感染型があり、前者は発症が数時間と早く、感染型は腸に侵入して増殖してから発症するので1日から数日たってから症状が出るのが特徴です。 また、感染型にはサルモネラが有名で、これは腸粘膜に侵入して増殖しますが、一方でカンピロバクターや腸管出血大腸菌は、腸粘膜で毒素を産生して発症します。感染の広がりはノロウイルスが最も強いです。 子どものほうがなりやすい理由! 食中毒の症状 抵抗力の弱い子どもは要注意!子どもは大人に比べて食中毒の症状が強く出やすいです。腸の免疫力、胃液の殺菌性、脱水にやりやすいことなどが原因です。離乳食は火を通したものが原則ですが、幼児期も気を付けましょう。 例えば、お家でハンバーグを作るときは、中までしっかりと火が通っているかを確認します。焼肉やしゃぶしゃぶなどは生肉をつかむお箸と食べるお箸を別々にします。夏場のバーベキューも同様に注意する必要があります。 食中毒の主な症状とは食中毒の主な症状は、腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、発熱、血便などがあります。菌によっては、のどや眼球、食道の筋肉麻痺が起こり、呼吸困難になったり、物が2つに見えるなど視覚症状に影響を及ぼすこともあります。 応急処置としては、吐き気がひどい場合には体を横向きにし、嘔吐物が誤って軌道に入らないように注意しましょう。嘔吐や下痢がある場合については、脱水症状になりやすいので、吐かないように水分を少しずつこまめに与えましょう。 上記のような食中毒と思われる症状があれば、いずれもできるだけ早めに医療機関に受診し、医師の診察を受けるようにしてください。 食中毒の予防法と治療法 食中毒の予防法と治療法は下記のとおりになります。 予防法●せっけんを使って手を洗いましょうせっけんをしっかりと泡立てて、手のひらはもちろん、指先と爪の間や手首、手の甲などを丁寧に洗います。ママやパパがしっかりサポートして洗ってあげましょう。 ●調理器具、スポンジ、ふきんなどを清潔に保ちましょう魚介類やお肉を切った後の包丁やまな板には、生魚や生肉に付着している菌がそのまま付いている可能性があります。ほかの食材にうつらないようにするため、しっかりと洗剤で洗ったり、熱湯消毒をするようにします。 ●食材をしっかり洗いましょう食材の表面についているウイルスや細菌は水洗いをしっかりすれば落とせるので、調理前に必ず洗います。 ●食材の加熱はしっかりおこないましょう生肉や生魚、貝類などは、細菌やウイルスが付着している場合があります。そのため、レバーなどの内臓類やお肉のほか、お魚や貝類、賞味期限が切れた卵などはしっかりと加熱することが大切です。 ●お弁当のおかずは冷ましてから入れましょう十分に火を通すことはもちろんですが、温かいまま詰めてしまうと、細菌が繁殖しやすくなります。そのため、おかずはしっかりと冷ましてから詰めます。 ●時間が経過してしまった食材は捨てましょう時間が経ってしまった食材や、においや味などから少しでもあやしいと思った食べ物は傷んでしまっている可能性があるので、思い切って捨てます。 ●手に傷などがある場合は、ゴム手袋をしましょう調理する人の手や指に傷がある場合、細菌が食品につくことで食中毒を起こしてしまうケースも。そのため、調理をする際にはゴム手袋を使うようにします。 ●食品は室温で長く放置しないようにしましょう調理後の食品や常温保存NGとされる食材は、冷蔵庫や冷凍庫に素早くしまいましょう。 治療法基本的な治療としては、脱水症状を防ぐため点滴治療をおこないます。吐き気がある場合は、食事が取れるようにするため吐き気止めの注射を打ちます。 また、細菌性の食中毒と考えられる場合で、免疫不全などの基礎疾患がある場合や、脱水症状や腹痛などの症状がひどい場合には抗生剤を使用します。さらに、症状があまりにもひどい場合は入院治療をおこないます。 子どもは注意が必要! 食中毒を誘発しやすい食べ物●お肉牛肉、豚肉、鶏肉すべての生肉に、細菌やウイルス、まれに寄生虫などが付着している場合があります。そのため、しっかりと加熱して食べるようにしましょう。 ●魚魚介類にはウイルスや細菌が付いている可能性があるので、中まで十分に火を通しましょう。また、近年では減少していますが、ヒスタミンによる食中毒も注意が必要です。鮮度の悪い魚などを食べると起こりやすく、加熱調理をしても効果に乏しいです。発症すると発疹や蕁麻疹をきたします。ヒスタミンによる食中毒を防ぐには、魚の解凍後は速やかに調理したり、魚を低温で管理することです。ほかにも、練り物や魚のフライなど加熱したものも常温で長時間放置しておくのは危険なので、冷蔵庫にすぐしまうようにしましょう。 ●卵卵の食中毒は、ほとんどがサルモネラ菌が原因です。そのため、生卵を食べる際は賞味期限を確認するか、しっかりと加熱してから食べるのが好ましいです。特に卵焼きは中まで火が通っているかわかりにくいので、しっかりと切って中の具合を確認しましょう。 水分補給をおこなう際の注意点食中毒を起こしてしまった際にポイントとなるのが水分補給です。下痢が続くと脱水症状になりやすいので、こまめな水分補給を心がけましょう。その際、飲み物の冷やし過ぎには注意して、できるだけ常温で飲ませるようにしてあげてください。 子どもを食中毒から守るには、大人が食中毒に対する正しい知識を持ち、実践することが大切です。特に食中毒が起こりやすくなる今の時期は、気を付けなければなりません。しっかりと予防することで、食中毒が起こるリスクはかなり軽減できます。ぜひお家で実践してみてください。 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
2020年07月29日毎日雨が降ったりやんだり、どんよりとした曇り空が続く梅雨シーズン。湿気が高くジメジメとしていると気分も落ち込みがちですし、「洗濯物が乾かない」「部屋の中が何となくカビくさい」「食中毒が心配」など、ストレス要因が増える季節ともいえます。梅雨の時期を快適に乗り切るための対策をまとめました。梅雨を乗り切る対策1:除湿梅雨時には湿気が充満し、不快感を抱きがち。除湿対策を知っておくと、家で過ごす時間が快適になるでしょう。また、湿度が高いと困るのが、洗濯物が乾きにくいこと。「雨で洗濯物を外に干せないし、室内干しはいつまでも洗濯物が乾かない」と悩んでいる人は、浴室乾燥機などの設備やエアコンや除湿機をはじめとする家電を活用しましょう。マンションの湿気を抑える5つのポイント隣の部屋と接しているため、窓を作れる部分が限られてしまうマンションは、戸建てと比べて湿気がこもりやすい傾向にあります。水まわりの使用後は「換気扇を回す」、居室間は閉め切ったままにせず「住戸内に温度差をつくらない」、エアコンの除湿機能や除湿機、除湿機能付きの空気清浄機など「除湿機能がある家電を使う」、湿気を吸い取りやすい「新聞紙を活用する」、空気がスムーズに循環するように「家具の配置を変える」といった対策が有効です。詳しく読む:「マンションは湿気が多いって本当? 簡単にできる5つの対策」浴室乾燥機の電気代は3時間97円洗濯物がなかなか乾かないときに便利なのが「浴室乾燥機」。自宅のバスルームに付いていても、「電気代が高いのでは?」と感じ、使用を控えている人もいるのではないでしょうか。浴室乾燥機の電気代は、3時間で97円程度というデータも。仮に毎日使用する場合、月3,000円程度かかる計算です。「高い」と感じる場合は「浴室の湿気をできるだけ取り除く」「洗濯物の間隔をあけて干し、空気の通り道を作る」「フィルターやファンは定期的に掃除をする」「電力会社のお得な料金プランを調べる」といった対策でコストを抑えましょう。詳しく読む:「衣類乾燥は1時間約30円⁉ 浴室乾燥機の電気代はいくら?」洗濯物を乾かすなら、除湿機・ふとん乾燥機の利用もおすすめ梅雨時になかなか乾かない衣類を効率よく乾かしたければ、衣類乾燥機能を内蔵した「洗濯乾燥機」があると便利です。しかし、洗濯機を頻繁に買い替えるのは大変です。通常の洗濯機と合わせて使用するなら、「衣類乾燥除湿機」もしくは衣類乾燥もできる「ふとん乾燥機」を使用すると良いでしょう。衣類乾燥だけでなく、室内の湿気を除く王道の「衣類乾燥除湿機」と、ふとん以外の乾燥にも対応する多目的なふとん乾燥機、どちらも梅雨の季節だけでなくオールシーズンで活躍します。詳しく読む:「定番か? 最新か? 本当に使える道具対決【梅雨対策編】」梅雨を乗り切る対策2:カビ梅雨時期に発生することが多い「カビ」は、「湿度」「温度」「酸素」、そしてホコリやゴミなど、カビの「栄養分」が揃うことで繁殖します。カビが生えるのを防ぐには、何をすればよいのでしょうか。約半数の人が自宅のカビ臭さに悩み。解決方法は?パナソニック株式会社の「在宅勤務で気になった住環境の課題に関する調査」によると、約半数の人が「自宅のカビ臭さが気になる」と回答。なかでも「浴室」「洗濯機周り」「キッチン」といった場所のカビ臭さが気になりつつも、対策できておらず、「対策方法がわからない」と悩んでいる人が多いことも明らかになっています。千葉大学・真菌医学研究センター准教授の矢口貴志さんによると、カビ臭さを解消するには、こまめな掃除でカビの栄養源を取り除くとともに、カビの胞子が定着しないように風通しをよくすることが大切なのだそうです。詳しく読む:「在宅勤務中に気になる『梅雨前のカビ臭さ』半数はどうすれば良いか分からず」浴室のカビの繁殖を防ぐポイントは「乾燥」「掃除」「温度低下」前述の調査結果にもある通り、家の中で特に気になるのが、浴室のカビです。ダスキンによると、カビの繁殖を防ぐには「換気扇で浴室内を乾燥させること」「こまめな掃除によりカビの栄養源である石鹸カスやアカなどを残さないこと」「浴室に水をかけ温度を下げること」が大切です。また、カビを見つけたらできるだけ早く掃除をするのが鉄則。毎日の心がけひとつで、浴室のカビが発生リスクを軽減できます。詳しく読む:「梅雨時や蒸し暑い夏はご用心! カビを発生させないお手入れ法と浴室掃除の極意とは?」梅雨を乗り切る対策3:食中毒温度も湿度も高くなる梅雨時から夏にかけてリスクが高まる「食中毒」。日常の衛生管理や食材の取り扱い方法、調理器具の取り扱いにも注意が必要です。約3割が食中毒の経験あり! どんな対策をしている?株式会社インテージの調査によると、約3割の人が食中毒と思われる症状を経験したことがあるとのこと。男性より女性の経験率が高いことも明らかになっています。夏場の食中毒対策は特に気を遣うところで、食材は「肉や魚は充分火を通す」「購入した食材はできるだけ早く冷蔵庫に入れる」といった対策をとり、「肉や魚を切ったまな板で野菜を切らない」「まな板を定期的に除菌」と、調理器具にも気を配る人が多い様子。夏場の弁当は、保冷剤や抗菌シート、抗菌カップを使い、菌を増やさない工夫も欠かせません。詳しく読む:「夏場の食中毒、予防・対策は万全? 食中毒対策に関する調査」菌の発生は加熱調理と、調理器具の除菌・殺菌で防ぐジョンソン株式会社が行った「作りおき」の食中毒リスクに関する実証実験によると、食中毒が発生するレベルの菌が付着していても、見た目やニオイでは判別できないことが多いとのこと。加熱調理をしていても、その食材を菌がついたまな板の上や包丁で切ったり、菌のついたタッパーに保存したりすることで菌が付いてしまう可能性もあります。また、アンケ―ト調査の結果によると、「肉、魚、卵などを取り扱うときは、取り扱う前と後に必ず手指を洗う」「時間が経ちすぎたものは思い切って捨てる」といった対策は講じている人が多い一方、まな板・包丁・タッパーなどの調理器具を除菌・殺菌しているという人は10%に満たず、調理器具を消毒する大切さは浸透していないようです。調理器具に付着した菌の対策として有効なのが、アルコール除菌剤。食中毒対策として使用する際には、「使用直前」に「調理器具が乾いた状態」でスプレーするのが最も効果的です。詳しく読む:「梅雨時期の『作りおき』はリスク大?! 知っておきたい“食中毒”対策の盲点とは。主婦1,000名に調査」まとめ湿気やカビ、食中毒など、梅雨時には憂鬱になることがたくさんありますが、適切な対応をすることで不快感を軽減し、スッキリさわやかな毎日を送ることができそうです。みなさんも、この記事を参考に梅雨対策を始めてみてはいかがでしょうか。
2020年07月20日2020年7月8日、厚生労働省はヤカンに入れたスポーツ飲料を飲んだことで銅食中毒が発生したと発表しました。ヤカンや水筒など金属製の容器に酸性の飲み物を入れると、金属が溶け出し銅食中毒になる可能性があると呼びかけています。ヤカンに入れたスポーツ飲料を飲んだことによる銅食中毒が発生しました。金属製の容器(ヤカンや水筒)は酸性の飲み物と反応し、金属が溶け出すことがあります。金属製の容器にジュースやスポーツ飲料を入れる時は、注意書きをよく確認しましょう! #銅 #食中毒 — 厚生労働省食品安全情報 (@Shokuhin_ANZEN) July 8, 2020 東京都保健福祉局のウェブサイトによると、金属と食品が直接接触しないように容器や調理器具にはコーティングがされているといいますが、傷が付いていたり、酸性飲料を長時間保管したりすると金属が溶け出すことがあるそうです。注意すべき、注意すべき飲み物は、炭酸飲料、乳酸菌飲料、果汁飲料、スポーツ飲料など。炭酸、乳酸、ビタミンC、クエン酸などを多く含む飲み物は酸性度が高くなります。これまでに古くなったヤカンや、内側に傷がついた水筒によって、食中毒が起きていました。気温が高くなると、食中毒が起こりやすくなります。ヤカンに限らず衛生面に気を付けることが大切です。【ネットの声】・怖すぎる。気を付けないとだめだね。・え、知らなかった。うっかりやってしまいそう。・小さい頃に教わった。命にかかわることだから覚えておくべき。暑くなる時期は、熱中症の予防策としてスポーツ飲料を飲む機会も多くなります。食中毒にならないよう取り扱いには気をつけましょう。[文・構成/grape編集部]
2020年07月09日食中毒を防ぐために、日常生活で気をつけたいことムシムシ暑い梅雨の季節がやってきました。この時期から夏場にかけて、特に小さな子どもがいる家庭では、食中毒なども心配ですね。今回は、食育指導士で看護師の資格を持つ小林エリさんに、日常生活でついやりがちなことを中心に気をつけたいことを教えていただきました。麦茶はどうやって作っていますか?わが家は、子どもが3人の5人家族。毎日、やかんに5リットルのお湯を沸かして麦茶を作っていました。その後、常温で自然に冷めるのを待って冷蔵庫に入れていたのですが、それがNGだと聞いてびっくり!■麦茶は作ったらすぐに冷やす麦茶を作ったら、まずはやかんごと水を張ったボールや桶などに入れて、できるだけ早く冷やすことが大事。なぜかというと、常温と言われる温度が、菌が好む温度30度~40度であり、その温度を保つ時間が長いほど、細菌が増えやすいのです。常温で放置するのは、菌が増える格好の環境を作り出すことに!できるだけ、その温度の時間を短くすることが細菌を増やさないことにつながるのだそうです。■水出し麦茶は?個人的には、一度沸騰させて麦茶を作る方が安全な気がしていましたが、「水出し麦茶」について聞いてみると…。実は、沸騰させて常温放置するよりも、水出しの方が菌の繁殖が少ないとのこと。この場合も、暑いところに置きっぱなしにせず、保冷することが大切です。洗い桶に大きなやかんを入れて冷ますとシンクの洗い場が使えないためにジャマ…という理由で、そのままコンロに放置で冷ましていたわが家。この夏からは「早急に冷やすこと」を取り入れたいと思います。2日目カレーは要注意!カレーを作るなら2日分まとめてという家庭は多いのではないでしょうか。わが家でもそれが当然だったのですが、小林さんによると「2日目カレーは注意が必要です。どう保存するかが重要」とのこと。注意点とベストな保存方法を聞きました。■常温での放置は危険!再加熱時には中までアツアツにわが家は涼しい季節は鍋のまま放置が基本でした。ただ、一度暑い季節に常温でコンロに置いておいたら、2日目に「これはちょっとやばい?」と思ったことがあり、それ以来、夏場は冷めた後に鍋ごと冷蔵庫に入れるように。小林さんいわく、やはり常温での放置は、麦茶と同様に、細菌が増えやすい温度に長時間さらされるので危険だそうです。そして、鍋で再加熱するときに気をつけたいのが、その温度。よくかき混ぜながら内部まで熱々になるようにすることが大事だとか。わが家でも、しっかり温めたつもりでも部分的にアツアツじゃない時があるので、気をつけなければと肝に銘じました。■残ったら小分けにして冷蔵庫が安心基本的には、残ったものは小分けにして冷蔵庫に入れて保存。小さく分けることで冷めるまでの時間がかからなくすることが大事なんだそうです。夏場のおにぎりはラップを使って環境問題にも詳しい小林さんは、使い捨てのラップを使うことに抵抗を持ちつつも、必要な時に必要なだけ使用し適切に処分するということを意識して、夏場はラップを使ってのおにぎりをすすめています。私は、普段からおにぎりを握る時はラップを使っていましたが、小林さんは「おにぎりの具材も、素手でなく箸を使って入れましょう」とのこと。私はつい、梅干しなどを指で入れたりしがちでしたが、そこも注意が必要だなと反省しました。コロナ予防だけじゃない、基本の手洗い小林さんは、「多くの人が新型コロナウイルス予防を意識して、すでに習慣化していると思いますが、食中毒予防にも手洗いはとても大事。“食べる前には必ず手を洗う”ということを子どもに習慣づけることはもちろん、作り手が調理の前には丁寧に手洗いをすることを忘れないようにしてください」と話します。また、「作り置きは便利で、毎日の料理を担うママやパパの強い味方ですが、夏場は特に衛生管理は十分にした上で活用してほしいと思います。また、日頃から免疫力や胃腸の調子を整えることを意識してほしいですね。それから、食事のメニューはもちろんですが、家族で楽しい食卓を囲むということが心身の健康には欠かせないと思います」と話されました。今回のお話で、普段何気なくやっていること、家庭内では当たり前になっていることにも注意が必要と知りました。家族の健康を守るために、意識して生活を見直したいと思います。■取材協力京都sakura工房小林エリさん<文・写真:ライター鳥山由紀>
2020年06月28日自粛生活中に増えたテイクアウト。お店の味が家で楽しめるのはうれしいが、梅雨以降は食中毒のリスクも。一家だんらんが修羅場と化す前に、危ない“持ち帰り”の特徴を覚えよう。「約1カ月半にもおよぶ自粛生活で、4月の外食産業の売り上げは前年比で約40%もダウン。減収を補おうと、多くの店が持ち帰りに力を入れるようになりました。緊急事態宣言が解除されても、すぐにお客さんが元の数に戻るとは考えにくいですから、今後もテイクアウトを強化するお店は増えるでしょう。だからこそ、食中毒が起こりやすい梅雨や夏場に向けて、そのリスクを見抜く目と対策が重要になってきます」こう語るのは、食品の衛生管理にも詳しいフードジャーナリストの池田恵里だ。『飲食店リサーチ』を運営する株式会社シンクロ・フードが行ったアンケート調査では、飲食店経営者514人の約53%が『テイクアウト販売を始める・または強化する』と回答している。「ただ現実問題として、コロナ禍で急きょ、テイクアウトを始めた個人経営の居酒屋や定食屋のなかには、衛生面の安全対策がまだ手探りで、危うい状況にある店も見受けられます」本来、テイクアウトは注文を受けてから調理して、持ち帰り後はすぐに食べるのがベストだ。「しかし実際は、作り置きの弁当や惣菜を、直射日光が当たる暑くなりやすい店先で一定時間陳列したり、おいしさを追求して、加熱が十分でないレアな焼き加減でおかずを提供するお店もあります。細菌は水分・温度・栄養があるところで繁殖しやすい。とくに30〜37度くらいの気温帯は危険ゾーンです。たとえば腸炎ビブリオの場合、わずか2時間ほどで、1つの菌が発症レベルとなる1万個に増殖するといわれています」食中毒が起これば店の存続にはもちろん、最悪の場合、食べた人の命の問題にも直結しかねない。東京都福祉保健局・健康安全部の担当者も、つぎのように注意喚起する。「夏場によく原因となるのは、カンピロバクターや腸管出血性大腸菌のO157、サルモネラ菌などの細菌。潜伏期間は数時間から数日で、主な症状は腹痛や下痢、発熱、悪寒、倦怠感などです。なかには重症化することもあり、O157だと脳障害に発展したり、亡くなる例も報告されています」こんな悲惨な目にあうのは避けたい。そこで、食中毒のリスクがあるテイクアウトの見分け方を池田さんに教えてもらった。■屋外で販売している/山積み陳列になっている「店頭には写真やサンプルしかなく、販売する商品は、クーラーボックスや店内の冷蔵庫に保存されていたり、注文後に作られているかを確認しましょう。気温の高い屋外でそのまま販売しているものや、山積みに陳列されているものは要注意です」(池田さん・以下同)■危険な盛り付けをしている「弁当の盛り付けは、温かいものと冷たいものを一緒にしないことが大事。たとえば、焼き肉の下にサニーレタスを敷いたり、ハンバーグに大根おろしをのせたりすると、冷たい生野菜に付着していた菌が温められて、増殖してしまう可能性があります。また、丼ものに温泉卵がトッピングされているとおいしそうに見えますが、卵にはサルモネラ菌がついていることもあり、持ち帰りの弁当で盛り付けて提供するのはリスクがあります。見た目の豪華さと安全は比例しないんです。こうした食材は、それぞれ分けて盛り付けてあるほうが、安全と言えるでしょう」最後に池田さんは、家で調理する際も食中毒のリスクはあると、自宅での予防法も教えてくれた。「飲食店では食中毒を予防するため、魚なら中心温度60度で1分、肉なら75度で1分を、加熱の目安にしています。自宅での調理もしっかり火を通すことを意識してください。さまざまな食品に菌を広げないために、まな板の両面を野菜類なら表、肉・魚介類なら裏と使い分けるのもポイントです。また作り置きのおかずはお酢を使ったレシピがおすすめ。お酢には菌の増殖を抑える効果があります。少しにおいは残りますが、ご飯は2合に対して大さじ1杯のお酢を入れて炊くと長持ちします」テイクアウトでも、家での料理でも、小さな意識の積み重ねが家族を守ることにつながる。「女性自身」2020年6月16日号 掲載
2020年06月05日「妊娠したら、生ものを食べるのは控えた方がいい」というのは、よく聞く話ですね。妊娠は病気ではありませんが、免疫力が弱まっているうえ、胎児への影響を考えて飲める薬も限られることから、体調を崩す要因はなるべく遠ざけたいという意味があるのでしょう。中でも生魚は避けた方がよく、お寿司(すし)やお刺身はなるべく食べないようにと指導する病院もあるそうです。それはどうしてでしょうか? すべての生魚はダメなのでしょうか? 生でなければ食べてもいいのでしょうか?この記事では、そんな疑問にお答えしましょう。【監修】成城松村クリニック院長 松村圭子先生婦人科専門医。1995年広島大学医学部卒業、同年広島大学付属病院産婦人科学教室入局。2010年、成城松村クリニックを開院。女性の「体の健康」「心の健康」のために、一般の婦人科診療だけではなく女性のあらゆる面をトータルにケア。講演、執筆、TV出演など幅広く活動。著書に、『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)、『医者が教える女性のための最強の食事術』(青春出版社)など多数。■妊婦は寿司や刺し身などの生魚を食べたらだめと言われる理由理由1:生魚には細菌やウイルスが潜んでいる可能性があるため 妊婦が生魚を避けた方がいい理由の一つに、加熱すれば死滅する細菌やウイルスがそのまま体内に入り、食中毒を引き起こす確率が高くなるためです。中でも、次の2つには要注意です。▼リステリアリステリア・モノサイトゲネス菌(以下、リステリア)は、河川水や動物の腸管内など環境中に広く分布する細菌です。4℃以下の低温でも死滅することなく増殖するため、冷蔵庫などで冷蔵保存してそのまま加熱せずに口にする食べ物からの感染が多いといわれています。初期症状はかぜに似ており、発熱・筋肉痛、時にははき気や下痢から始まります。生の魚介類に限らず、生ハムなどの食肉加工品、未殺菌乳、ナチュラルチーズなどの乳製品、スモークサーモンなどの魚介類加工品などから感染します。74℃以上で死滅する菌なので、加熱して食べることで感染を防げます。参考サイト:厚生労働省 「これからママになるあなたへ」 ▼アニキサスアニサキスは、魚介類に寄生する寄生虫の一種です。その幼虫は、長さ2〜3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のような形をしています。アニサキス幼虫が寄生している魚介類を生で食べると、 食べた人の胃壁や腸壁に幼虫が刺入し食中毒を引き起こします。多くの場合は急性胃アニサキス症で、食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛みや嘔吐(おうと)といった症状が出ます。食中毒が疑われる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。魚を~20℃以下で24時間以上冷凍するか、70℃以上の加熱でアニサキス症は予防できます。一般的な予防方法として、食酢での処理や塩漬け、しょうゆやわさびをつけるなどがいわれますが、これらでは幼虫は死滅しません。参考サイト:厚生労働省 「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」 理由2:食中毒のリスクが高いため 食中毒には、細菌性とウイルス性があります。先に紹介したリステリア菌は細菌性で、多くの場合、口にしても症状が出ることはなく、重症化することはまれです(諸外国の報告では 10 万〜100 万に1人の発生率)。 ただし、妊婦や体力の低下した人は感染する機会が増し、妊娠期間後半 26 週以降が最も重症化しやすく、胎児への影響も報告されています。妊婦が感染すると、リステリア菌が胎盤を通じて胎児へも感染し、流産や早産、死産の原因にもなるといわれています。そのほか、生の魚介類が原因で食中毒になる細菌には、サルモネラ菌、腸炎ビブリオなどがあります。一方、ウイルス性食中毒には、生もしくは加熱不足の二枚貝(カキなど)が原因のノロウイルスや、同じく生もしくは加熱不足の魚介類が原因のA型肝炎ウイルスなどが挙げられます。いずれも免疫力が落ちている妊娠時期の感染は避けたいものです。魚介類には十分火を通して食べることで予防できます。参考サイト:農林水産省 「これからママになる方のための食中毒予防」 農林水産省 「食中毒をおこす細菌・ウイルス・寄生虫図鑑」 理由3:水銀摂取の危険があるため 魚の種類によっては、量を調節して食べる必要があるものがあります。それは、魚に含まれる水銀量が原因です。自然界にはある一定の量の水銀が存在し、魚の体内にもその水銀は蓄積されています。そのため、食物連鎖によって小さな魚を捕食する大きな魚(クジラ、イルカを含む)ほどより多くの水銀を体内にためています。魚を食べると、それに含まれる水銀を摂取するわけですが、通常は徐々に体外へ出ていくため、平均的な食生活をしていれば問題はありません。ただ、おなかの中の赤ちゃんは胎盤を通してお母さんから摂取した水銀を外には出せません。水銀を含む魚を大量に食べ続けたお母さんの赤ちゃんは、1000分の1秒以下のレベルで音への反応が遅れるといった影響が出るそうです。参考サイト:厚生労働省 「これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと」 厚生労働省 「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」 理由4:動物性ビタミンAの過剰摂取も危ないため 動物性ビタミンAは、目や皮膚、粘膜の働きを助けたり、抵抗力を高めたり、暗い所でも視力を保つ働きをもつビタミンです。ただし、水には溶けず油に溶ける性質をもつ脂溶性ビタミンのため、体内に蓄積されやすい特徴をもっています。そのため、過剰摂取してしまうとビタミンA過剰症となり、おなかの赤ちゃんには先天異常が起こる可能性も。■妊婦になってから寿司を食べちゃってた! 病院にすぐ行くべき?特に問題が起こっていなければすぐに病院へ行く必要はない1回食べただけでも問題が生じるのは、アニサキス症とリステリア症でしょう。急性胃アニサキス症に感染した場合、食後数時間から十数時間後には症状が出ます。また、リステリア菌の場合は、平均3週間の潜伏機関をへて発症します。もし、食べてから上記の期間、何の症状も出ないようであれば、特に病院へ行く必要はありません。参考サイト:国立感染症研究所 「リステリア・モノサイトゲネス感染症とは」 ▼妊娠初期の胎盤ができるまで妊娠2カ月(4〜7週)頃から赤ちゃんはお母さんのおなかの中で発育を始め、妊娠4カ月頃には胎盤が完成。それから胎盤を通して、赤ちゃんはお母さんから栄養をもらい育ちます。▼妊娠初期なら大丈夫? おなかの中の赤ちゃんは、胎盤を通してお母さんから栄養をもらいますが、同時にお母さんが摂取した有害物質も体内に取り込んでしまいます。赤ちゃんは体の機能が未発達なため、それら有害物質を体から排泄(はいせつ)したり代謝したりがうまくできません。そのため、食事には一層気をつけなければいけないのです。では、胎盤が完成していない妊娠初期なら大丈夫かというと、そういうことはありません。妊娠中は免疫機能が低下するため、食中毒にかかりやすいといわれています。重症化することはまれですが、感染予防のため加熱が不十分なものは口にしないようにしましょう。■妊婦が食べないほうがいい寿司ネタは? イクラやサーモンもだめ?アニサキス幼虫が潜んでいる可能性の高いネタアニサキス幼虫は、以下の魚介類に寄生している場合が多いようです。・サバ・アジ・サンマ・カツオ・イワシ・サケ・イカ ほか食中毒の可能性が高いネタ食中毒の原因となる食材を、細菌性とウイルス性に分けてご紹介しましょう。【細菌性食中毒】リステリア菌:スモークサーモンなどの魚介類加工品、ナチュラルチーズなどの乳製品、生ハムなどの食肉加工品、コールスローなどのサラダサルモネラ菌:ウナギ、スッポン、乾 燥イカ菓子、卵、またはその加工品、食肉(牛レバー刺 し、鶏肉)腸炎ビブリオ:魚介類(刺身、寿司、魚介加工品)、二次汚染 による各種食品(漬物、塩辛など)【ウイルス性食中毒】ノロウイルス: カキなどの二枚貝A型肝炎ウイルス:カキなどの二枚貝参考サイト:内閣府 食品安全委員会 「その他」 厚生労働省 「食中毒の原因と対応」 水銀量が高いネタ日本人が1食で食べる魚の量は、切り身にしても刺身にしても、1食につき平均80gとされています。次に挙げた魚は水銀量を多く含むため、おなかの赤ちゃんに影響が出ないためには1週間に1食までが目安となります。・キンメダイ・メカジキ・本マグロ(クロマグロ)・メバチマグロ ほかそのほか、キダイやマカジキ、ミナミマグロ(インドマグロ)、クロムツなども比較的、水銀量が多い魚となります。参考サイト:厚生労働省 「これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと」 ビタミンAの過剰摂取の危険性があるネタビタミンAを多く含むものとして、次の魚介類が挙げられます。・ヤツメウナギ(生)・ホタルイカ(ゆで)・ウナギ(かば焼)・銀ダラ(生)・アナゴ(生) ほか■あぶってあれば大丈夫? 食べてもOKな寿司ネタあぶりでも要注意生の魚介類を口にする場合、どれくらい火が通っていればいいのでしょうか?アニサキスは中心温度60℃で1分以上、ノロウイルスは中心温度85〜90℃で90秒以上の加熱で予防できるとされています。それ以外の細菌、ウイルスも温度・時間の指定はありませんが、「中心まで十分に加熱」によって食中毒は避けられることが多いようです。そのため、表面に焦げ目がつく程度に火を入れる「あぶり」では、完全には予防できないでしょう。参考サイト:農林水産省 「食中毒をおこす細菌・ウイルス・寄生虫図鑑」 食べてもOKなのは火が通っているもの妊娠中でも食べられるお寿司の魚介類ネタは、「完全に火が通っているもの」。例えば、蒸しエビや蒸しタコ、煮穴子なら、食中毒の心配はないでしょう。ただし、煮穴子は水銀量が多めなので、食べる量は調整しなければいけないでしょう。魚卵なら大丈夫かといえば、実はそうでもありません。イクラにアニサキスの幼虫が寄生していることもあり、やはり生である以上、食中毒の危険性は変わりありません。ネタが魚介類以外のお寿司、例えば玉子や納豆巻き、かっぱ巻きなどはいくら食べても問題はないでしょう。■妊婦が魚を食べる時の注意点寿司はNGでも妊娠中は魚介類を積極的にとろう妊娠中、生の魚介類がネタとなるお寿司は避けたほうがいいですが、魚自体は積極的にとって欲しい食材です。魚には、良質な動物性たんぱく質や骨・歯を強くするカルシウム、血管障害を予防したりアレルギー反応を抑える効果があるDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれます。おなかの中で赤ちゃんを育てている妊婦さんにとって、栄養豊富な魚介類は欠かせない食材です。水銀量が多い魚は避ける、十分に加熱するなど気をつけて、積極的に魚を取り入れた食生活を送りましょう。参考資料:・ 日本産婦人科医会 ・ 厚生労働省 ・ 農林水産省 ・ 国立感染症研究所 ・ 内閣府 食品安全委員会
2019年11月26日こんにちは、離乳食インストラクターの中田馨です。高温多湿な季節になると、細菌からの食中毒が発生することがあります。食中毒は20~37℃ほどの温度を好み、繁殖するといわれています。 厚生労働省でも「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」ということで紹介されています。今日はその6つのポイントを基本にしながら、家で調理するときの注意点を話します。 食中毒の症状はどんな感じ?食中毒になると多くの場合、数時間後に発症します。菌によっては1週間後に出るものもあるので、原因の食べ物を特定するのが難しい場合もあります。症状としては、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などが起きます。症状が激しく現れた場合は、迷わず病院へ行きましょう。特に、大人よりも細菌に弱い赤ちゃんは、重症化することがあります。大人よりもずっと注意が必要だと思ってください。 私の父母は、夏の旅先で食中毒になり、そのまま旅先で入院するということがありました。お昼ご飯に食べた貝が「なんだか変?」と思ったけれど普段食べ慣れない貝なので「こんなものかな?」と思い、食べてしまいました。口にして「なんだか変?」と違和感を感じたら、食べないことも大切です。 食中毒予防の3原則厚生労働省の「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」のベースとなっているのが、食中毒予防の3原則「つけない・増やさない・やっつける」です。 細菌を食べ物に「つけない」食べ物についた細菌を「増やさない」加熱して「やっつける」 この3つが大切です。「うちは気を付けているから大丈夫」と思わず、意外にも見落としている部分があるかもしれません。食べ物を購入するところから、調理をして食べる。そして、保存するまでの間に、どんな「つけない・増やさない・やっつける」をすればいいかを、次から具体的にみていきます。 食中毒を起こさないために家でできることまずは、スーパーなどで食品購入する時から、気を付けることができます。ここでできるのは3原則の中の「つけない・増やさない」です。 ・消費期限などの表示をチェックする・肉・魚はそれぞれ分けて包む・保冷剤(氷)などと一緒に袋に入れる・寄り道しないでまっすぐ帰る 特に夏は、スーパーから一歩外に出ると、灼熱の太陽が照っています。肉魚などの生ものを購入したときは、いつも以上に気を付けます。何件かお店を回る時などは、肉魚などの生ものは最後に購入するなど工夫するのもOK。肉魚の汁が、他の食材につかないように、袋を別にするとより衛生的です。 次に、スーパーから帰宅したときのポイントです。 ・帰ったらすぐに冷蔵庫に入れる・冷蔵庫に入れるのは7割程度(パンパンに入れない)・肉・魚は汁が漏れないように包んで保存・冷蔵庫は10℃以下に維持・冷凍庫は-15℃以下に維持 生ものは冷蔵庫の下の段に入れ、上の段になるほどそのまま食べる食品を入れると、衛生的です。また、台風などで停電になった場合は庫内温度に影響を与えるので、扉の開閉は控えた方がいいといます。 調理をするときに気を付けることここでできるのは3原則の中の「つけない・増やさない」に加えて「やっつける」です。やっつけるとは、加熱してやっつけることです。まずは、調理の下準備で気を付けることから見ていきます。 ・こまめに手を洗う・こまめにごみを捨てる・冷凍食品の解凍は冷蔵庫で・タオルや布巾は清潔なものに交換・まな板、包丁で肉魚を切ったら熱湯をかけておく・肉魚は生で食べるものから離す・野菜も良く洗う・包丁などの器具、布巾は洗って消毒下準備をする順番や衛生面に気を付けます。さらに調理で菌をやっつけます。・加熱は十分に(めやすは中心部分の温度が75℃で1分以上)・台所は清潔に・作業前は手を洗う・調理を途中でやめたら食品は冷蔵庫へ・電子レンジを使う時は均一に加熱されるようにする 給食調理では、85℃以上90秒間以上加熱するのがルールになっています。より安心な調理を!ということで離乳食を調理する場合の参考にしましょう。 食事の前に手を洗い、盛り付けは清潔な器具、食器を使って食べます。食べ物を長時間室温に放置しないようにします。また残った食品は、手洗い後、清潔な器具、容器で保存します。この時、早く冷えるように小分けにするといいです。温めなおすときは十分に加熱します。残った食品が、ちょっとでも怪しいと思ったら、思い切って捨てます。離乳食でも、冷蔵、冷凍保存をすると思いますが、赤ちゃんに食べさせる前に、大人が試食して確かめましょう。 夏は、普段以上に食べ物の衛生管理を心がけることで、安心して食事をすることができます。また、食中毒は夏に限ったことではありませんので、これを習慣にすることで1年を通して家族を守るための食中毒予防になります。 ※参考:厚生労働省「食中毒予防の6つのポイント」著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。
2019年07月27日高温多湿な状態が続く6〜9月は、細菌性の食中毒の発生率が高まります。そして、原因となる細菌は、キッチンに潜んでいることも・・。簡単にできる3つの予防法を実践し、食中毒を起こさないように注意しましょう。夏に多発!細菌性食中毒ってどんなもの?細菌性食中毒は、カンピロバクター・O-157・サルモネラ菌などの細菌によって引き起こされる食中毒。下痢・腹痛・高熱などの症状が起こります。これらの原因菌は、高温多湿の環境を好むため、夏場に多く発生するのが特徴。平成27年の患者数は6,029人と多く、飲食店だけでなく家庭でも発生しています。家庭で食中毒にならないための3つの原則1.食中毒菌を「つけない」食中毒は原因となる細菌が食品に付着し、体内に入り込むことによって起こります。細菌を食品につけないためには、正しい手洗いと食品・調理器具を適切に扱うことが重要です。《手洗いのポイント》汚れたら手洗いをする。(調理前・トイレ後・生ものを触った後・鼻をかんだ後など)指のすき間など、洗いにくい部分も洗う。殺菌力のある石けんを使う。清潔なタオルやペーパータオルで手を拭く。《食品と調理器具を扱うポイント》使うたびにまな板を洗う。生野菜など火を通さないものと、肉・魚に使うまな板と包丁を分ける。バーベキュー・鉄板焼きでは、生の肉・魚を扱う箸と食べるための箸を分ける。食材は、清潔な密封容器に入れるか、ラップをかけて冷蔵保存する。2.食中毒菌を「増やさない」調理前の食材や惣菜は、速やかに冷蔵庫や冷凍庫で保管してください。というのは、細菌の多くは10℃以下で増殖が遅くなり、マイナス15℃以下で増殖が停止するためです。また、調理した料理は早めに食べることを心がけ、残ったおかずは直ちに冷蔵庫に入れましょう。冷蔵庫を過信せず、早めに食べきることも大切です。3.食中毒菌を「やっつける」ほとんどの細菌は加熱をすれば死滅させることができます。肉や魚なら、中心部を75℃で1分以上加熱するのが目安です。使用後のふきんやまな板といった調理器具にも細菌が付着しています。洗剤で洗ってから、煮沸消毒するか熱湯をかけることで殺菌できます。 疲労・睡眠・栄養の状態などによって、同じものを食べても食中毒を起こす人と起こさない人がいます。特に、暑い日が続いて体力が落ちているときは要注意。食事と休養をしっかりとり、普段から体調管理を心がけましょう。【参考】政府広報オンライン食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント〈〉(最終閲覧日2016/08/05)保健指導リソースガイド「食中毒」の季節が到来食の安全を守り予防するための3原則〈〉(最終閲覧日2016/08/05)
2019年06月17日妊婦さんが食べることを控えるべき食品はいくつかありますが、そのうちの1つに生のお肉があります。ユッケなどの生肉やレアな焼き加減が好きという妊婦さんにとっては、赤ちゃんを産むまでの約10カ月我慢しなければならないのはつらいものでしょう。それでは、妊婦さんがなぜ生肉を食べてはいけないのか、お肉を食べる時の注意点について解説します。 妊婦さんが生のお肉を食べてはいけない理由生のお肉には、寄生虫によるトキソプラズマ症や大腸菌のO-157などに感染する恐れがあります。妊娠中はホルモンバランスの乱れやつわりで食事が思うように摂れず栄養不足となる、睡眠不足になりやすい、ストレスがたまるなどさまざまな理由によって免疫力が低下する傾向にあり、感染症にかかりやすくなっています。特にトキソプラズマ症は、妊婦さんだけではなく、おなかの赤ちゃんにも影響がありますので、注意が必要です。 妊娠中に起こしやすい食中毒や感染症妊娠中に起こしやすい食中毒にはトキソプラズマとリステリアがあります。 トキソプラズマとは前述したように生肉など加熱が不十分なお肉を食べることで感染します。リステリアとは、リステリア菌によって感染する感染症で、加熱していないナチュラルチーズ、肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモン等で感染します。 食中毒がおなかの赤ちゃんに与える影響トキソプラズマやリステリアに感染することで、共におなかの赤ちゃんに対して流産や早産の可能性が高まります。 トキソプラズマは、妊娠中に初めて感染すると先天性トキソプラズマ症を引き起こす可能性があります。症状として、脳症やけいれん、水頭症、頭の中が石灰化することや視力の障害、黄疸、肝臓・脾臓の腫れなど脳や目、臓器に先天的な障害を残す場合があります。この感染症はお母さんが感染する時期によっておなかの赤ちゃんへの影響は異なります。 妊娠する6カ月以上前の感染ではおなかの赤ちゃんへの影響は及ぼしませんが、妊娠初期の場合はおなかの赤ちゃんへ感染するリスクは低いものの感染すると重症化します。 妊娠後期ではおなかの赤ちゃんへ感染する可能性は高いものの軽症で済むことが多いようですが、生まれたときに何の症状がなくても成長していく過程で症状が見られることもあります。 リステリアは、お母さんよりもおなかの赤ちゃんへの影響の方が大きく、感染することで早産や新生児の髄膜脳炎・敗血症などを起こすことがあります。 妊婦さんがお肉を食べるときの注意点妊娠中は、生のお肉の摂取を避け、十分に加熱されたお肉を食べるようにしましょう。特にリステリア菌は冷蔵庫の中であっても増殖する菌なので、冷蔵庫に保管しているから安全ではありません。 加熱の目安は、中心部分の温度が75℃以上で1分間とされています。また、家で調理をする際に電子レンジを活用する場合には全体的に火が通るようにすることも大切です。さらに、生のお肉を調理する場合には清潔な調理器具や調理環境を整え、使い終わったら洗剤で洗い、熱湯消毒をすると良いでしょう。 まとめ妊婦さんはストレスやホルモンバランスの乱れ、妊娠による免疫機能の変化などさまざまな要因によって免疫力が低下しているため、感染症にかかりやすくなっています。特に食中毒には注意が必要で、胎児に有害な食中毒としてトキソプラズマ、リステリアがあります。 トキソプラズマは十分加熱されていない肉を食べることによって感染しやすく、早産や流産の可能性が高まります。また食中毒はおなかの赤ちゃんへも影響を及ぼし、生まれた後にもさまざまなリスクがあります。そのため、お肉を食べる場合には十分に加熱したものを食べ、食中毒を予防していきましょう。 監修者:医師 医療法人至誠会 梅田病院院長 北川 博之 先生昭和56年愛媛大学医学部卒業。その後愛媛大学付属病院にて産婦人科講師、助教授として勤務。愛媛県立医療技術大学教授を経て、平成20年より現職の梅田病院に院長として就任。現在も愛媛大学、広島大学などで非常勤講師として教育にも従事。
2019年05月29日秋のお出掛けシーズン、真っ盛り。子連れでの日常範囲のお出掛けは、ショッピングモール、公園や子育て広場、プチ帰省などが定番ですよね。そこで、本日は、ポーチに入るインフルエンザ予防、荷物をコンパクトにする裏技グッズ、食べこぼし対策まで、子連れお出掛けの名脇役をご紹介〜。新米ママさんから先輩ママさんまで、「知らなかった!」のツボをグリグリです。<1.風邪、うつらない方法>キャラクターカートを乗り回し、キッズスペースもベタベタ触っちゃうし、トイレの後の手洗いも雑な子供たち。。。(あぁ、どうか風邪を引きませんように)と祈る母。そこで、ポーチに1本。・シュッ!とスプレー、15秒で除菌。・お食事前の手にも、テーブルにもOK。・おダサくない、スタイリッシュ容器。食のプロも採用している本格除菌剤。強力でありながら、食品成分でできているので安心安全。この1本で、これからの季節に心配な<ノロウィルス・インフルエンザ・食中毒>を、まとめて防げるんです。▼ご紹介したアイテムはこちら⇒ 「ジェームズマーティンフレッシュサニタイザー携帯用30ml」 <2.着替えを小さく持ち歩く方法>着替え、持って行こうかな・・・でも荷物になるし、やめようか・・・。という日に限って、公園で水ビチャーッ、砂場で暴れて、さらにお漏らし。ならば、最小限で。・押して圧縮、ギュギュッとコンパクトに。・着替え、オムツ、子供荷物ひとまとめ。・兄弟で色分けすれば、一目瞭然。普段の公園遊びにはモチロン、実家への1〜2泊帰省にも使える45cmサイズ。お出掛け前、プシューッと手軽に圧縮できます。雑貨っぽいカワイさの半面プリントも、さりげない目隠しで荷物のゴチャつきを解消。▼ご紹介したアイテムはこちら⇒ 「OSHITE押すだけ衣類圧縮パック <3.医療証、母子手帳お忘れなく>(母子手帳ケースって、毎日バッグに入れるには大き過ぎる。)ならば、もっと薄っぺらく携帯しよう。これぞ、究極のペタンコ!・ジップロック以上、ポーチ未満。・食品も入れられる、実用性100%。・ママ友へのプチお礼にも受けよし。医療証、保険証、診察券、お薬手帳、母子手帳(B6)などを、ジップロックより可愛く、ポーチより薄く、持ち歩けます♪20枚入りなのでボロボロになったら替えられるし、おやつ入れ、お食事スタイ&カトラリー、保湿クリームや絆創膏、お泊りの際のお薬用にと、見事な活躍っぷり。▼ご紹介したアイテムはこちら⇒ 「ZIPPERBAGジッパーバッグB6」 <4.手洗いタオルは、大きく薄く>子連れ外出に欠かせない物のひとつ、ハンドタオル。これも、カサばらない方法があるんですッ。泉州タオル発。・薄いのに、吸水パワフルな4重ガーゼ。・ふんわり赤ちゃんにも優しい肌触り。・ママの癒し、洗練カラー。33×33cmって、ハンドタオルとしては大きいですよね?でも、畳むと驚きの薄っぺらさ。それでいて、親子で拭いても余裕の吸水性を、タオルの名産地、大阪・泉州が実現。お昼寝枕カバー代わりにしたり、アウトドアに持って行っても乾きやすくて重宝します。▼ご紹介したアイテムはこちら⇒ 「かさばらない大人のハンドタオル」 <5.ミートソース、いっぱい食べて!>(今日は汚さないでよ、汚さないでよ・・・汚したー。)はい、食べこぼしはキッズのお仕事。そこで、お助け。・クリーニング専門家が、開発15年。・汁物、ソース系、チョコも落ちる。・サンプルコスメ並みの小型サイズ。キッズメニューの定番、カレー、ミートソース、おうどん。どれも大好物だけれど、ママは食べこぼしが心配〜。子供はお食事スタイをしていてセーフでも、隣にいる親の洋服が!ってコトや、勝負服でのお食事会なのにスタイを忘れてしまった・・・なんてコトも。食べこぼし、もう叱らなくてOKです。▼ご紹介したアイテムはこちら⇒ 「スポッとる 染み抜き剤」 いかがでしたか?ウィルス対策があれば、フードコートや児童館遊びも過敏にならず楽しめる。荷物がいつもよりコンパクトになれば、マザーバッグよりもひとまわり小さなバッグでお出掛けできちゃいます。子連れの外出はなにかとドキドキしがち。ママの気分を上げるグッズを取り入れて、安心して楽しんでくださいね。 ■こどもと暮らす 文・T.Kitahara作って食べて、会話が弾む。家族との大切な日常に、ほんのひと手間、幸せの仕掛けを。
2018年10月16日あなたがお弁当作りで気にしていることはなんですか?彩り、栄養のバランス、食中毒対策などでしょうか。食中毒は一年じゅう発生していますが、とくに夏、5~9月にかけて多くなります。それは日本の夏が高温多湿で、食中毒菌にとって最高の環境だからです。食中毒予防の三原則「菌を付けない(清潔)」「菌を増やさない(温度管理・迅速)」「菌を死滅させる(加熱)」をすることで、食中毒予防ができます。今回は食中毒を防ぎながらお弁当づくりを楽しむコツをお伝えしていきます。食中毒を防ぐお弁当づくりのコツ●調理前に手を洗う私たちの手には食中毒菌や食べ物を腐らせてしまう菌などが、多数くっついています。まずは調理する前に石けんでしっかりと手を洗いましょう。また作業中も、こまめに手を洗いましょう。●お弁当箱はいつも清潔にお弁当箱って洗うのがけっこう大変ですよね。シンプルなものでも、お弁当箱、ふた、おはし箱、おはし……と洗うものがたくさんあります。お弁当箱をきれいに洗って、しっかり乾燥させておくことが食中毒を防ぐ基本となります。ふたのゴムパッキンの部分は汚れが落ちにくいので、しっかりパッキンを外してから洗いましょう。スポンジで洗いにくいときは、スプレー状になった洗剤も販売されています。細かい部分は直接噴霧できるので、洗いやすいですよ。洗ったあとはしっかり洗剤を洗い流し、乾いたふきんやキッチンペーパーで水分を拭きとったら、涼しいところで保管します。熱湯消毒やアルコール消毒をするとより清潔です。お弁当箱の材質によって熱湯消毒が不向きなときは、塩素系の漂白剤もおすすめです。●水気を切って盛りつける細菌は水分があると増殖しやすいです。ミニトマトはヘタを取ってキッチンペーパーでふいてから入れましょう。そのほか、ブロッコリーカリフラワーなども水気をふき取ってから入れます。レタスやキュウリなど生野菜は水分が多いので、お弁当に不向きです。もし入れるなら、別の容器に入れていき、ドレッシングは食べる直前にかけると水分が出にくくなります。●味の濃いおかずを入れる味が濃いおかずのほうが、細菌の増殖が抑えられます。●しっかり冷ますご飯やおかずが温かいままでふたをしてしまうと、水滴がつくため細菌にとって最適な環境になります。また、温かいままふたをすると、お弁当の内部の温度が下がりにくくなって細菌が増えやすい状態になります。●素手でさわらない私たちの手には数多くの菌が存在しています。特に黄色ブドウ球菌は化膿した傷に存在しますが、鼻・皮膚・のどなどに存在し、健康な人でも20~30%もっています。お弁当を詰めるときは、おはしを使って詰めていきます。またおにぎりを作るときも素手ではなく、ラップに包んで作ります。●加工食品も火を通すハムやかまぼこ、ちくわなどは調理をしなくても食べられますが、食中毒予防のためには炒め物や煮物などに入れ、火を通したおかずにします。作りおきおかずの保存のコツ作りおきのおかずはお弁当の強い味方です。保存するときは作りおきおかずを入れる容器もしっかりと熱湯消毒やアルコール消毒をして保存します。お弁当に入れるときは、電子レンジなどで加熱して使います。作りおきおかずでも過信は禁物です。夏場は傷みやすいので、2~3日以内に食べ切るようにしましょう。夏の調理に関して特に注意したいこと●中まで加熱する(中心温度75℃以上)ほとんどの食中毒菌は加熱によって死滅します。ハンバーグや卵焼きなど、中までしっかり火が通っているか確認します。●調理器具の洗浄、消毒をするまな板や包丁などの調理器具類にも細菌は付着しています。できればまな板は、生食用、加熱調理済み用など使い分けをしていると、より食中毒予防につながります。また、まな板などは洗ったあと、熱湯消毒や塩素系の漂白剤でこまめに消毒をします。便利グッズを活用する●保冷剤を利用お弁当箱を冷蔵庫にしまえればいいですが、入れられない時は涼しいところで保管します。100円ショップでもお弁当箱サイズの保冷剤が売られているので、保冷バックに保冷剤を入れておくだけでも温度が上がらず、細菌の増殖が抑えられます。●使い捨てカップを利用洗って何度も使用できるシリコンのカップもありますが、きちんと洗えていないと細菌などが残ってしまうことがあります。使い捨てのカップなら洗う手間もなく、清潔な状態でおかずが詰められます。カップを使うとおかずとおかずが直接触れ合わないので、二次汚染も防げます。●抗菌シートを利用抗菌シートは水と反応して抗菌成分が揮発することで細菌などの増殖を抑えてくれます。おかずへの臭いうつりもなく、ご飯やおかずの上にのせるだけなので、とても簡単で便利です。購入する時は品質表示に「カラシ抽出物」と記載されているものを選びます。以上、夏に多くなる食中毒をしっかり予防して、お弁当などの手料理を楽しむコツをご紹介しました。ぜひ参考にしてみてくださいね。●ライター神田由佳総合病院や介護老人保健施設で栄養士業務に10年携わる。現在はフリーランスの管理栄養士として、専門学校の講師、クリニックでの栄養指導、企業での特定保健指導・健康相談、介護予防教室、料理教室、レシピ作成(糖質制限、腎臓病、糖尿病、保育園、ファミリー向けなど)、コラム作成、オンラインのダイエットサポートなど活動中。
2018年08月14日こんにちは、まりげです。わが家の4歳と2歳の子どもが通っている保育園でも、ときどきお弁当の日があります。そこで、子どもにメニューのリクエストを聞いてみました。そんなわけでとくに入れて欲しいものもないようだったので、わが家のお弁当の重要なポイントを考えました。夏場のお弁当は食中毒が心配ですよね…!ちらし寿司やおいなりさんにしたり、ポテトサラダやカレーにも少しお酢をたして傷みにくくしています。レタスなども夏場は傷みやすいというので、シリコンカップでおかずを仕切っています。プチトマトやいちごなどはヘタの部分に雑菌が繁殖しやすと聞いたことがあり、ヘタの部分は取って洗ってからいれています。まだ箸やフォークなど、ひとりではうまく使えないので、手で持って食べられるおかずを多く入れるようにしています。カットしたとうもろこしや、枝豆、タネをとったスイカなど手で持って食べると満足感があるようで…。保育士さんから「ほかの園児の食べるお手伝いをしていたら、次男くんが保育士の手を借りずにものすごいスピードで完食していました…!」と報告を受けました。そして最後に調理についてです。最近「レパートリーを増やせたらとても便利なのでは…?」と感じているのが調理家電を利用したグリルやオーブン料理です。毎朝トーストを焼くのに使っているトースターとグリルパンを使うとグリル野菜やチキンが簡単に作れます。グリルパンがない場合や一度にたくさん作りたいときは電子レンジのオーブン機能でもいいと思います。グリルパンやオーブンはしっかりと火を通すことができるうえに、調理後に水分も出にくいのでお弁当に向いているんではないかと個人的に思っています。まだおかずのレパートリーも少ないので、Instagramで「#お弁当」と検索して参考にしたりもしています。そんなお弁当でも、子どもたちは先生から「お弁当を作ってくれたお母さんに、ありがとうを伝えようね」と言われているようで「ごちそうさま! ありがとう!」と必ず言ってくれます。そのニッコリ笑顔を見ると早起きもむくわれますよね!
2018年07月27日ジメジメとした暑い季節に増える食中毒。食材は目に見えて変化をするので気を使いやすいですよね。でも調理器具は菌が繁殖していても気がつかないことがほとんど。食材の扱いや衛生面で気を使っていても、菌が繁殖した調理器具を使ってしまえば食中毒のリスクは高まってしまうんです。今回は手軽に除菌できる便利アイテムをご紹介します!食中毒対策、本当にできてる?生ものを取り扱う前後に手を洗ったり、まな板や包丁を使う際の食材の順番を気にしたり……。食中毒の危険性が高くなるこの時期だからこそ、気を使っている方も多いのではないでしょうか。でも忘れがちなのが調理器具の除菌・殺菌。まな板や包丁、作り置きに使う保存容器などは食器用洗剤で洗っても、菌が付着したふきんなどで拭いた場合、食中毒のリスクがあるんです。調査方法:インターネットリサーチ実施期間:2018年5月25日(金)〜2018年5月27日(日)調査対象者属性 :20〜40代の働く主婦調査対象居住地:全国回答数:1,000名ところが20〜40代の働く主婦1,000名を対象に食中毒対策に関するアンケートを実施した結果、「生ものを取り扱う前後に手を洗う」や「時間が経ち過ぎたものは思い切って捨てる」が70%以上に対し、調理器具の除菌・殺菌は10%を切るという衝撃的結果に……。シュシュっと便利な《カビキラー キッチン用アルコール除菌》衛生微生物研究センターが「アルコール除菌」と「煮沸消毒」の効果を検証したところ、ともに99%以上の菌が減少したことが確認できたのだとか。提供:ジョンソン株式会社さらに、使用後から次の調理まで時間が空く場合は、その間に意図せず調理器具に菌が付着することがあるため、念のため使用直前にも除菌を行うのがベターとのこと。とはいえ調理器具を除菌・殺菌するとなると、わざわざお湯を沸かして熱湯をかけるなど手間がかかりますよね。でも大丈夫!《カビキラーキッチン用アルコール除菌》ならスプレーするだけなんです。包丁などは水分を除去したあとに、濡れる程度までスプレーするだけ。そのあとに洗い流しやふきとりは必要なし♪100%食品に使える原料から作られているので、食器や作り置き用の保存容器にも使えますよ。ほかにも台ふきんや、食卓、キッチン家電の掃除にも使えるスグレモノ!ちなみに、調理器具が濡れた状態で使用するとアルコールが水で薄まってしまうので、乾いた状態で吹きかける方が除菌効果を発揮してくれるそうですよ♪まとめ梅雨は開けましたが、まだ食中毒に危険は潜んでいます。暑い夏こそ、作り置きやお弁当の際に、さらに気をつけていかなくてはなりませんね。《カビキラーキッチン用アルコール除菌》は手軽にシュッと吹きかけるだけで対策できるので、ぜひチェックしてみてください!
2018年07月06日もうすぐ子どもにとってお待ちかねの夏休みがやってきます。学童や塾で過ごすお子さんがいらっしゃるママは、毎日のお弁当作りがスタートしますね。この時期のお弁当作りで気がかりなのが、食中毒ではないでしょうか。ここでは、管理栄養士への取材経験をもとに、筆者が実践しているお弁当の傷みを防ぐテクニックをご紹介します。■傷みにくいお弁当作り「基本中の基本」をおさらいまずは、食中毒を防ぐお弁当作りの基本からおさらいしていきましょう。農林水産省が発信している 「さらば食中毒!お弁当作りの知恵」 を参考にいくつかのポイントをあげてみます。<調理前>・よく手を洗う。・調理器具や弁当箱も清潔に。ふたのパッキン部分に汚れが残りやすいため、分解してきれいに洗い、自然乾燥または清潔なふきんで水分をしっかりとる。 <調理のポイント>・中までしっかり加熱する。電子レンジで加熱する時は、途中でかき混ぜるなどして加熱ムラを防ぐ。・おにぎりはラップでにぎる。<詰め合わせのポイント>・水分が多いと雑菌がふえやすくなるため、おかずの汁気はよく切る。・ごはん、おかずはよく冷ましてからつめる。・生野菜や果物はよく洗い、水気を切ってからつめる。・夏場は「作り置き」は避けた方が安心。使う場合は、冷蔵庫で保管したものにし、つめる前に必ず火を通す。加えて、厚生労働省の 「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」 によれば、生の魚や肉、卵を扱うたびに手を洗うこと、冷凍食品の解凍は冷蔵庫の中か電子レンジで行うことなど、気をつけたいポイントがくわしくあげられています。あわせてチェックしておくと安心ですね。■「これって清潔?」の悩ましさは、使い捨てアイテムでクリア前述したように、あらゆるものを「清潔」に保つことが基本になるわけですが、例えばタオルやふきんといった調理中に何度も使うものは、ずっと清潔をキープするのは難しいような…。だからといって、何枚もタオルを用意すると洗濯や漂白の手間が増えてしまいます。そこで、わが家では使い捨てができるペーパータオルを、タオルやふきんの代わりにしています。また、汚れやにおい残りを気にしなくてすむよう、お弁当箱はゴムパッキンがないタイプを選び、繰り返し使えるシリコンカップもこの時期は使い捨てのカップにチェンジ。割り切って使い捨てアイテムを活用することで、洗濯物や洗い物を減らすのはもちろん、「これって清潔?」と迷う時間もカットしています。 ■お酢、梅干し…「酸っぱいもの」で念押し!以前、管理栄養士に食中毒予防の取材をした際に教えていただいたのが、殺菌作用が期待できるお酢や梅干しを上手に活用すること。ここでは、わが家で実践しているお酢&梅干しの活用法とプラスαをご紹介します。・お酢でお弁当箱をふくキッチンペーパーなどにお酢を少量つけてお弁当箱の中をふくことで、殺菌作用が期待できるそうです。わが家では、100円ショップでみつけた食品用スプレーにお酢を入れ、お弁当箱にシュッと吹きかけてからふくようにしています。・炊飯器にお酢をプラスごはんを炊く時にお酢を入れると、雑菌の増殖を抑えるのにつながるとのこと。加えるお酢は、お米2合に対し大さじ1を目安に。酢飯のように酸っぱくなるのでは? と思われるかもしれませんが、炊きたてはふわっとお酢の香りがするものの、味への影響はほとんど私は感じません。・生野菜にもひと工夫彩りに重宝するレタスやきゅうりなどの生野菜は、基本的にこの時期は避けたほうがベター。とはいえ、お弁当のすき間埋めに使いたいこともあるでしょう。そんな時にもお酢の出番。わが家では、きゅうりはピクルス(酢漬け)にし、そのまま入れることが多いミニトマトはお酢でふくようにしています。どちらも水気をしっかり切ったり、ふき取ってから入れるのが、傷みを防ぐポイントです。・梅干しは細かく混ぜ込むと◎お弁当の傷み対策として昔から使われている梅干しですが、日の丸弁当のように1箇所に置くだけでは、殺菌作用があまり期待できないそう。また、減塩やはちみつ漬けなども効果は減。傷み対策として活用するなら、塩分濃度が高めの梅干しを、細かくして混ぜ込んだり、あちこちに散らしたほうが、より殺菌作用が期待できるそうです。・ハムも加熱したほうが安心お弁当で出番の多いハムやちくわも、フライパンで焼くなどして火を通してからのほうが安心です。加熱の目安は、75℃で1分以上。わが家はこの時期、サンドイッチではなくホットサンドにするなどで対応しています。このほかに筆者が実践していることは、・素手で食材をさわらず、はしやトングで取り分ける。・手や調理器具の消毒には、食品にも使えるアルコール剤を使う。・100円ショップでも購入できる抗菌シートを使う。などです。菌は目に見えないだけに、どこまで対策すれば安心とは言い切れませんが、「大丈夫かな?」とモヤモヤするよりは、できるだけリスクを減らせるようひと工夫しておきたいものですね。消耗品などを活用してママの負担を減らしつつ、お酢なども上手に活用しながら、夏のお弁当作りを乗り切りたいですね。<参考>・農林水産省 「さらば食中毒!お弁当づくりの知恵」 ・厚生労働省 「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」
2018年06月30日高温多湿になるこの時期は、お弁当の傷みや食中毒が気になります。そこで今回は、お弁当の傷みや食中毒から食材を守る方法を、専門家に教えていただきました。作り置きおかずにも使えるテクニックです。覚えておきたい食材を守る3大対策教えてくださったのは、管理栄養士の小田真規子先生。先生によると、食材を傷みや食中毒から守るための対策は、購入した食品を冷蔵庫へしまうところから始まるそうです。「食材を傷ませないためには、傷みや食中毒の原因菌を『つけない』『増やさない』『やっつける』、の3大対策が必要です。これらは食品を保存するときから始まります」(小田先生)3大対策をおこなう方法●保存方法「3大対策には、食品を手早く冷蔵冷凍し、冷凍の場合は解凍の時間を短くすることがポイントになります。お肉は重ねず平らにして袋に入れましょう。表面積が大きくなるので、冷凍・解凍を早く行うことができます。作業するときは清潔な手で。食品用の手袋を利用しても良いです。また、クッキングペーパーにお肉を包んでからジッパー付き保存バッグに入れるといったひと手間を加えると、解凍と同時にドリップ(解凍時に食材から出る液体)取りも出来るのでオススメです」(小田先生)保存バッグ内に無駄な空間があると空気中の菌が入りやすくなるので、バッグは食材に合ったサイズを使うこともポイントだそうです。●解凍方法「室温での自然解凍は細菌の増殖リスクが高まるため、電子レンジ解凍がおすすめです。電子レンジ解凍による解凍ムラやドリップの発生などを防ぐためには、高密閉の保存バッグを使って保存し、保存バックに入れたまま流水解凍するのも良いでしょう。ダブルジッパーになっているリードの《新鮮保存バッグ》などは、高密封に適しています。また、かたまり肉を電子レンジで解凍する場合は、クッキングペーパーに乗せて途中で上下返すと、解凍ムラを防ぐことができますよ」(小田先生)お弁当づくりのコツ「食中毒の原因菌から食材を守るお弁当づくりでとくに気をつけていただきたいのが、ご飯を詰める順番です。せっかく原因菌対策をしたおかずを詰めても、最後にあたたかいご飯を入れて蓋をしてしまったら、お弁当箱内が高温多湿になってしまい、元も子もありません。まずはご飯をお弁当に詰め、冷ましながら他のおかず作りに取り掛かりましょう。ご飯の上に梅干しを刻んで散りばめたり、炊飯時に梅干を一粒入れて炊いたりするのも効果的です」(小田先生)さらに、お酢:水=1:1の水溶液をクッキングペーパーに浸し、お弁当箱を拭いてから料理を詰めると、お酢の静菌作用で菌の増殖を抑える効果が期待できるそうです。また、おかずをぎっしり詰めると、菌が入る隙間をなくし、菌が動きにくくなるのだとか。お弁当箱のサイズ選びも重要になってきますね。作り置きおかずはこうやって原因菌から守る!「お弁当だけでなく、作り置きおかずにも原因菌対策は必要です」と小田先生。「作り置きおかずは、アツアツのまま保存容器に入れてしまいがち。ですがこれはキケンです!熱いまま入れると、保存容器内に水滴が発生し、菌を増殖させてしまいます。外気から守るために、ふんわりとラップをかけ、しっかりと冷ましてから密閉してください。また、容器内の空間を極力減らすため、中味をスカスカにさせない事も重要です。取り分ける際は端から。容器の中でかき混ぜないようにするのもポイントです」(小田先生)再加熱する際は、100℃まで温度を上げることが大切だそう。表面がクツクツするだけでは一部分の温度が高くなっているだけなので、かき混ぜて全体を煮立たせます。味が濃くなるのがイヤな場合は、静菌作用のあるお酢やお酒を入れて再沸騰させると良いとのことです。調味料も上手に使えば食中毒対策に最後に、高温多湿に負けない調理のコツを先生に教えていただきました。「食中毒などの菌の多くは塩分や酸味を嫌うので、味を濃いめにしたり、酸味を活かしたりするといいですよ。中濃ソースやケチャップにもお酢が入っているので、味付けに使うとバリエーションを持たせることができます」(小田先生)また、以前リミアで紹介した《リードプチ圧力調理バッグ》も、食材と調味料をこのバッグに入れてそのまま冷蔵、冷凍保存が出来、調理は袋のまま電子レンジで加熱するだけなので、食中毒予防として役立ちそうです。時短=手抜きの罪悪感から解放!レンチンなのにちゃんと作った味になる調理バッグ登場●ライター力武亜矢
2018年06月29日梅雨から夏にかけては食中毒が増える季節。食中毒というと飲食店などでニュースになる集団食中毒のイメージが強いですが、家庭でも食中毒は起きる可能性のあるもの。消費者庁なども食中毒に関する注意喚起を行っているので、家庭の食中毒に対する危険や、その対策についてまとめます。カレーや煮物はウエルシュ菌に注意!カレーや煮物は一度しっかり加熱してあるから安心と思ってしまいがちですが、じつはかなり食中毒の危険が高いので注意が必要です。問題となりやすいのがウエルシュ菌という微生物。この菌は100度で加熱しても死滅しないというのが特徴です。ウエルシュ菌は酸素のないところで繁殖するという特性があるため、大量に作ったカレーや煮物をそのままにしておくと鍋底周辺などで繁殖し、食中毒になると1〜2日間下痢や腹痛に苦しめられることに…。予防するためには、カレーや煮物は食べきれる量を作り、調理後なるべく早く食べること。保存するときは小分けにして冷蔵庫などで急速冷却し、再加熱は全体を充分に加熱することで防ぐことができるそうです。普段から心がけたい食中毒対策消費者庁の公式ウェブサイトでは、ウエルシュ菌以外にも、家庭で起こる食中毒の対策が紹介されています。まずは、買い物時には消費期限を確認し、生鮮食品や冷凍食品はレジを通す直前にかごに入れるようにする。他にも、肉や魚の汁が野菜などに付かないよう、ビニール袋に入れ、持ち帰ったらすぐ冷蔵庫に入れるよう案内されています。調理をする際は、事前に丁寧に手を洗い、生魚、魚、卵を触ったら都度手を洗うこと。包丁やまな板は生肉、魚を切ったら熱湯をかけて殺菌するか、専用にして使い分けること。解凍は自然解凍よりもレンジでの急速解凍をしたほうがいいそうです。肉や魚は中心部が75度以上の状態で1分以上加熱することなどが推奨されています。調理が終わっても油断は禁物。食器も清潔なものを使用して、長時間室温で放置しないようにしましょう。また、温め直す際は加熱調理したものでも、再び充分に加熱するようにし、再冷凍や再々加熱などは避け、時間が経過したものは思い切って捨てるのも重要だそうです。なま物や揚げ物などは家庭でも食中毒に気をつけている人も多いと思いますが、カレーや煮物など、しっかり加熱調理したものにも食中毒の危険は存在しています。特にこれから食中毒が多くなるので、しっかり予防と対策を行い、元気に夏を過ごせるようにしたいですね。(文・姉崎マリオ)
2018年06月21日