「ちっちゃな家」シリーズで有名な、建築家・杉浦伝宗さんの名言、狭小住宅の空間3原則「透ける・抜ける・兼ねる」前回は「透ける」についてお話しましたが、今回は「抜ける」ついてお話いたします。■ 狭小住宅テクニックの「抜ける」とは?杉浦さんが提唱した住宅の「抜ける」は、ファッションで言うところの「抜け感」とは異なります。ガチガチに決めず、カジュアルアイテム等で「すき」を作るのがファッションの抜け感狭小なのに広く見える住宅には、以下のこんな共通点がありませんか?それは、「取り払われた壁」「高い天井」「吹き抜け」「オープンなロフトや階段」などで、開放感のある空間になっている点です。つまり床壁天井等を上手に抜くと、風が抜ける・光が抜ける・そして視線が抜けるので、広く快適に住めるという事なんですね。■ 「抜ける」は3原則の中でもハードルが高い?しかし、この「抜ける」の場合は、「設計段階でないとダメでしょ」とか、「既にでき上がっている家や賃貸住宅では無理!」と思われるかもしれません。確かに床壁天井を抜いたり、階段に手を加えるのは、基本大規模な工事になってしまいます。ですが、うまく使って空間に「抜け」を作ることが可能、しかも知らない人はいないポピュラーなアイテムがあります。そう、それは鏡・ミラーを使うことです!■ その先も空間が続いて見える!「鏡」の有効活用法鏡は、左手の壁に大きく貼られていますこの場合、できればなるべく大きくシンプルな鏡を選び、床も映り込む位置に設置すると効果は抜群です。壁一面に大きな鏡を貼ったヨガやダンススタジオが、驚くほど広く見えることを思い出してください。つむぎ / PIXTA(ピクスタ)ただし、場所の検討は充分に行いましょう。鏡に映ったテレビとローテーブル落ち着かないと感じる人もいますし、もし多くの物が映り込んで、ごちゃつき感が倍になってしまっては本末転倒です。これは筆者の狭小平屋での導入例です。長方形の鏡を前の家では、姿見として縦長に使っていましたが、ふと思いついて窓の上に横長で当ててみたら、なんだかとても新鮮に見えたんです。しかも照明が映り込んで、光熱費ゼロで明るくなる(笑)というオマケが付いてきました。ペンダント照明、実際は2つなのに3つ分の明るさ(右が鏡に映ったもの)このように部屋とバランスが取れていて、インテリアにマッチすれば、サイズやフレームデザインは好みのものでも、充分その効果を狙えるでしょう。もう一つ「抜ける」のお手軽な取り入れ方を。大きめのテーブルの天板がガラスだと、視線が床壁に抜けて、圧迫感がありません。これは置くだけでできる、「抜ける」と「透ける」の合わせ技ですね。いかがでしたか?気になる技がありましたら、ぜひチャレンジしてみてくださいね。次回は3つ目の「兼ねる」です。
2018年10月12日エコ住宅といえば、といえば、太陽光とか蓄電池など、新築住宅のイメージですが、中古住宅でも、ポイントをおさえたリノベをすれば、お得なエコ住宅に変身させられます。お得な中古住宅を、リノベでさらにお得に!今回は、「中古住宅をお得なエコ住宅にリノベするためのポイント」についてお話しいたします。■ ポイント1.「窓」の断熱夏の暑さや冬の寒さの一番の原因は、何といっても「窓」からやってきます。住宅で使用されている一般的なアルミサッシの場合、夏は約70%、冬は約50%の熱量が、窓から出入りします。つまり、中古住宅をエコ住宅にするためには、窓を断熱することが最優先されます。pu- / PIXTA(ピクスタ)その場合、サッシのガラスは、複層ガラスまたは Low-Eガラスにすることはもちろんですが、サッシ枠を樹脂製(プラスチックなど)にすることも大切です。樹脂(プラスチックなど)は、金属と違い、熱しにくく冷めにくいため、熱を通しにくいのです。サッシ枠をアルミサッシから樹脂サッシに交換するだけで、窓から出入りする熱量を、じつに6割ほど抑えることができます。■ ポイント2.「壁」「天井」「床」の断熱トイレやお風呂場、洗面室は寒いものだと思っていませんか?欧米に比べて、「日本の住宅は寒い」といわれています。欧米では、冬の期間、室内を暖かくすることを推奨しており、寒い家は、健康面からみて危険だという認識を、多くの人が持っています。なぜ日本の家は寒いのでしょうか?それは、家の「壁」「天井」「床」に、ほとんど断熱材が入っていないからなのです。pu- / PIXTA(ピクスタ)平成24年に国土交通省が調査したところによると、断熱材が壁や天井にまったく入っていない無断熱住宅は約4割に上ります。また、あまり断熱効果の見られない昭和55年の断熱基準も合わせると、約7割の住宅がほぼ断熱材の入っていない家ということになります。寒いわけですね。寒い家は、血圧の変動をおこし健康面に影響しますし、光熱費などランニングコストがかかることから、長い目で見た場合、家計にも影響してきます。また、断熱化の大切さは国も重要視しており、2020年には新築住宅のすべてに既定の性能を満たす断熱材を設置することが、法律で義務付けられました。つまり、規定した断熱材の入っていない新築住宅は違法建築になってしまうので、気を付けたいところです。YNS / PIXTA(ピクスタ)■ ポイント3. 「ユニットバス」東京都健康長寿医療センター研究所が、平成11年におこなった調査によると、一年間に約1万7000人がヒートショックに関連した「入浴中事故」で急死されています。このヒートショック、浴室や脱衣室の温度が低く、また湯の温度が高いことが原因とされています。ヒートショックによる事故を防ぐには、浴室の温度を25度付近に近づけ、また湯の温度は40度以下に抑えることが大切です。そこで活躍するものが、ユニットバス!くまちゃん / PIXTA(ピクスタ)ユニットバスは、もともと熱の出入りがしにくいプラスチックで造られているうえに、壁・床・天井まで断熱材が入っているものもあります。そのため、外からの冷気がはいりにくく、また熱も逃がしにくいため、浴室の寒さを防ぎ、また湯の温度も一定に保たれるのです。いかがでしたか?エコ住宅は、省エネであることはもちろん、家族の健康を守り、またランニングコストなど、家計にもやさしいものです。中古住宅を購入し、リノベするときは、間取りやインテリアだけでなく、目に見えない部分にもこだわってみてくださいね。(しかまのりこ)【参考】※経済産業省日本の住宅の約4割が無断熱状態
2018年10月09日今では、マイホームの選択肢のひとつが二世帯住宅になっています。二世帯住宅を検討する際の心配事は、一緒に暮らし始めたはいいけど本当にうまくいくの?という暮らし方の悩みから、生活費や税金、相続などのお金のこと敷地活用や間取りのこと、介護や孫とのコミュニケーションなど、多岐にわたります。今回は、二世帯住宅の間取りの特長から考える住まいのコツや暮らし方まで、専門家から聞いた快適に過ごせる住まいの基本のコトを紹介!また、二世帯住宅を考える際によくあるお悩みについてもQ&Aで解説します。■ 間取りから学ぶ二世帯住宅の基本タイプ~特長と暮らし方のコツ二世帯住宅は、多くが親の家の建て替えと合わせたタイミングがいいようです。初めて二世帯住宅を考える方へ、間取りの特長や暮らし方のコツを基本から解説します。間取りから学ぶ二世帯住宅の基本タイプ~特長と暮らし方のコツ二世帯住宅の基本のタイプから間取り別メリットと注意点など、知っておきたい基本のコトを紹介。間取りから学ぶ二世帯住宅の基本タイプ《あわせて読みたい実例記事》>築80年の実家をリノベ。古材を生かして、快適な二世帯に【住まいの設計】>あたらしい「バリアフリーリノベ」【リライフプラスarchive】■ うまくいく二世帯住宅の建て方・暮らしの秘訣今は義理両親ともうまくいっているけれど、二世帯住宅にしたら本当にうまくいくの?建築家の米倉拓生さんに「うまくいく二世帯住宅の秘訣」をお聞きしました。うまくいく二世帯住宅の建て方・暮らしの秘訣【建築家米倉拓生さんに聞きました】二世帯住宅を建てる際には、気にするべきポイントがいくつかあります。娘夫婦、息子夫婦のどちらと同居するかでも建て方は変わるようです。うまくいく二世帯住宅の建て方・暮らしの秘訣《あわせて読みたい実例記事》>安心感と好きなインテリアを両立させた二世帯住宅【住まいの設計】■ ハウスメーカー業務経験者が語る!二世帯住宅を建てる前に抱えやすい悩みと解消ポイント二世帯住宅を建てる際、ハウスメーカーに依頼するケースが多くあります。ここでは、ハウスメーカーに5年勤めた経験のあるライターの川添さんに、二世帯住宅を建てる前に多くの人が抱えやすい悩みや不安、その解消ポイントをお聞きしました。ハウスメーカーで二世帯住宅を建てる前に起きる多い悩みと解決法多くの人が抱えやすい悩みや不安の解消ポイントを解説。ハウスメーカーで二世帯住宅を建てる前に起きる多い悩みと解決法二世帯住宅で義両親・夫側と妻側がうまくいくカタチとは?Q&A二世帯住宅を建てる前に、夫側、妻側どちらの義両親のどちらの場合でも、うまくいく「住まい」のあり方について確認しておきたい基本ポイントを解説。夫側、妻側どちらの義両親と住んでもうまくいく「住まい」のあり方《関連記事》>「二世帯住宅」ってどう?住んでから分かるメリット・デメリット>「お金、家事、介護…etc.「同居」の前に親と話し合って決めるべきこと《あわせて読みたい親とのコト》>親の介護ではいい嫁になるな!妻が「介護うつ」にならない方法6つ>約55%が相続先が未確定!「実家の相続」親子のホンネとは?>実家の片付けは親を監督兼助手にするとうまくいく!?【実践編】>2025年には5人に1人が認知症に!介護問題って何から始めればいい?>「実家」が汚すぎて片付けが無理…という人は必見!親も納得する整理術とは?
2018年10月05日突然ですが質問です。皆さんは「ちっちゃな家の空間3原則」というものを聞いたことはありますか?これは、狭小住宅を数多く手掛けている建築家・杉浦伝宗さんが提唱された名言です。杉浦さんは『それでも建てたい!!10坪の土地に広い家―「ちっちゃな家」の空間3原則』という本も出版されています。住まいのプランやデザインを考える上で、筆者はこれをよくキーワードにさせてもらっています。では、この3原則とは、いったい何でしょうか?■ 「透ける」「抜ける」「兼ねる」。この3原則に込められた意味とは?それは「透ける」「抜ける」「兼ねる」。この3つを駆使することで、限られたスペースを最大限に活用し、快適に、そして楽しく住める「ちっちゃな家」が実現できるということなんですね。と、ここまで読んだ皆さんの中には、「なんだ、杉浦さんのような著名な建築家に依頼しないと、狭さを感じない素敵な狭小住宅なんて無理なのね」と、思う方もおられるかもしれませんが、そうとは限りません。makaron* / PIXTA(ピクスタ)既にでき上がった新築でも、これからやるリノベーションでも、賃貸住宅であっても、ちょっとした発想の転換や割り切りで、簡単に、しかもローコストに取り入れられることもあるはず。ご紹介する第1回目は、「透ける」です。■ 建築家・杉浦さんによる本来の「透ける」とは?ちっちゃな家シリーズを拝見すると、エキスパンドメタルというメッシュ状の金属板で内外を仕切ったり、パンチングメタルという穴のあいた金属板が階段に使われています。エキスパンドメタルパンチングメタルこれら透ける素材のおかげで、圧迫感の無い開放的な家、そして光や風を通してくれる快適な家になっているんですね。※念のため補足しておくと、エキスパンドメタルは、室内側からは透けて外が見渡せるのに、外からは室内の様子が見えないというメッシュの特性を持っているので、内外の仕切りに使えるのだそうです。■ 身近にもこんなにある!「透ける素材」を取り入れた実例ガラス・アクリル・プラスチック・ポリカーボネート等は透ける素材の代表格。これらの「透ける素材」と使っている実例を3つご紹介します。事例1上の写真は、ホームセンターで買ったポリカーボネート製の透明波板を窓の無い廊下の天井に使っています。狭い空間の圧迫感を抑えられ、しかも超ローコスト・簡単施工の天井です。事例2これは、蜂の巣状に形成されたプラスチックハニカムコアという素材を床に使い、階段下や玄関にも光が届くようにしています。事例3こちらは「透ける素材」を使っての収納や棚です。もし棚板が透明ではなく、透けない色柄の付いた板だったとしたら……主張が大きく違ってきますよね。空間を少しでも広く見せたいなら、重さや厚みを感じさせない透ける素材は非常に効果的なのです。■ 「透ける素材」のデメリットも把握し、自分に合った取り入れ方を!ここまでは、「透ける素材」の魅力と効果を力説してきましたが、気をつけるべきポイントも、ご紹介しなければなりません。取り入れるにあたっては、プライバシー性、断熱性や遮音性、強度等が、適切で納得のいくものなのか?波板を棚板にしたら、ご覧の通りたわんでしまいました。 今は波板を二重にして強度を出していますせっかく取り入れたのに、なんだか落ち着かない、暑い寒い、使用に不便を感じてしまっては、残念ですよね。そして、日本の障子や、すだれ・よしず、ブラインドや薄手のカーテンが持つ「視線や光を柔らかく遮り・風を通す」という性質も、手軽に使える「透ける」素材として、見直したいところです。ぜひ、皆さんも参考にしてくださいね。次回は「抜ける」についてご紹介します。
2018年10月05日二世帯住宅の設計には細やかな心配りが必要です。あらゆる方向から物事を見る必要があるからです。二世帯住宅を建てるには、何から始め、何を考え、何に気をつければよいのか……。二世帯住宅を建てる際に、事前の心得やプランニング、一緒に暮らす際のルール決めなど、気にするべきポイントがあります。今回は、建築家の米倉拓生さんに「うまくいく二世帯住宅の秘訣」をお聞きしました。Q.二世帯住宅を建てる前に心得ておきたいことは?A.二世帯住宅を建てる理由を明確にしましょう「高齢の親の面倒を見るため」「病気になったときに子どもがそばにいてくれたら安心だから」「共働きなので、子どもの面倒を見て欲しいから」「親はまだ若く元気だけれど、今ある土地を活用できるから」…など、二世帯住宅を建てるきっかけはさまざまあることでしょう。maroke / PIXTA(ピクスタ)ここで気にとめておきたいことは、親子間に「依存」があるかどうかです。前者の3例は親子間に依存関係が生じますし、後者の1つは個々に独立した関係にあるといえます。この違いによって、二世帯住宅の建物の形態が変わってくるのです。依存関係がなければ、玄関もキッチンも浴室もすべてを分ける完全分離型も成立しますが、子どもの面倒を親に見てもらいたいという場合、また親に介護が必要な場合は、つながりを重視したプランニングを提案します。「二世帯住宅を建てる理由」をあやふやにせず、しっかりと確認をしておくこと。これができてから家づくりにとりかかることをおすすめします。Q.二世帯住宅のプランニングで考慮したい点は?A-1.せっかくの二世帯です。つながりをつくりましょう「一部をつなげる」「共有スペースをつくる」……。この場合、どこをどのようにつなげるかがポイントになります。また共有スペースをつくろうという場合、両親、息子、嫁の立場でそれぞれ思惑があり、意見に食い違いが出るケースが多いのです。例えば、両親側は「孫の顔が見たいから共有スペースをできるだけ多くしたい」、息子は「キッチンを分ければいいだろう」、嫁は「行き来ができるドアだけ設けて、キッチンや浴室はしっかり分けたい」……などと家族間で考えがまちまちということです。しかし、せっかくの二世帯住宅です。マンションのような個別のつくりでは、血のつながった親子ですし、近くに住んでいる意味がありません。下の2点のスケッチのように、吹き抜けやテラスなどに「呼びかけ空間」をつくったらいかがでしょうか。さりげないコミュニケーションが自然にとれます。「ほどよい距離でほどよい交流」が二世帯住宅の理想です。建物をコの字型にし、中央に共有できるテラスを設けた。1階が親世帯、2階が子世帯となっており、テラスがあることで孫も行き来しやすくなる。またこのプランは、都市の密集地の場合にも光と風を取り込むことができる1階と2階のそれぞれにLDKのある分離した二世帯住宅。1階の一部に吹き抜け空間をつくり上下で呼びかけができるようにしたA-2.特に注意したいのは生活音の問題です1階に親世帯、2階に子世帯が配されるケースはよくありますが、やはり特に悩まされるのは「生活音」の問題ではないでしょうか。子どもが走り回る音が気になったり、親世帯が寝静まったあとに、遅く帰った子世帯のシャワーの音が響いたり、といったことが考えられます。このほか、テレビの音、キッチンで洗いものをするときの音、トイレの音、ドアの開け閉めの音なども「生活音」です。また、音楽を聴きたくても遠慮しなくてはいけないようなら困ったものです。プラナ / PIXTA(ピクスタ)対策としては、水回りの上には水回り、寝室の上には寝室と、同じ用途の居室を上下階で重ねること。寝室の上がDKであったりすれば、椅子を引く音なども気になるかもしれません。遮音性のある床材を張れば、ある程度の効果は期待できます。freeangle / PIXTA(ピクスタ)もうひとつの対策としては、2階に親世帯、1階に子世帯を配することで、前述のような音の問題はある程度解決できます。Q.息子夫婦と娘夫婦で建て方は変わりますか?A-1.娘夫婦との二世帯も増加。同居型も多いですね女性が嫁いで長男の家に入るという風潮は、時代の流れで変わりつつあります。よって、娘夫婦と暮らす二世帯住宅もここ近年増えてきました。母娘なら本音で話し合えて、不満があってもためなくてすみます。家づくりの段階でも、一緒に住みはじめてからもそれはいえるでしょう。「娘がそう言うならいいわ」と、歩みよれるのです。結果、同居型でもうまくいく場合が多いのです。こちらの娘夫婦と暮らす二世帯住宅の間取り図は、玄関、キッチン、浴室のすべてを共有している娘夫婦との同居型の一例。とても仲のいい家族なので、米倉さんはあえて「気配の感じる」プランを提案し、それが実現しました。1階のLDKの隣には両親の部屋がありますが、普段から扉を開けて生活しているとのこと。広い納戸を間に置くことで、ゆるやかに空間分けがなされています。この家族は仲がいいので、特に子世帯のご主人の居場所をつくっていませんが、一般的にはご主人が息抜きできるように、狭くても書斎などを設けるようにするとよいでしょう。A-2.息子夫婦と同居する場合、分離したほうが無難嫁姑の関係は、今も昔もさほど変わるものではなく、現実を見据えて言えば意思の疎通はなかなか難しいものです。気の合う義母と嫁の場合は別にして、完全分離型にするほうが気遣いは少なくてラクでしょう。ですが、前述したとおり、子どもの面倒を見て欲しいとか、介護の必要があるといったときには、同居型もありえます。この場合、ご主人が奥さんを理解してあげることが大事だと私は思います。こちらの間取り図は、玄関、浴室を共有し、キッチンを別々に設けた、息子夫婦と暮らすプランの一例。「浴室を一緒にしたのは使用する時間帯がずれていた点と、奥さまの性格によるところが大きい」と米倉さん。奥さまの温和な性格によりこうした共有箇所を設けたとのこと。東側の親世帯はドアを閉めれば独立した空間になり、それぞれの時間を過ごすことができます。また玄関の上を吹き抜けにして、来訪者があれば2階からも確認できるようにしています。次ページ>Q.二世帯の暮らしのルールはどのように決めたらいいのですか?Q.バリアフリーのほかに高齢者に配慮する点は何かありますか?Q.二世帯の場合、登記はどのようになるのですか?
2018年10月04日家づくりの中でこだわったことの一つである自然素材。無垢フローリング、珪藻土の壁やコットンクロス、そして羊毛断熱材。今回は羊毛断熱材「サーモウール」にこだわった理由、実際に住んでみた体感についてご紹介します!■ 木の家を呼吸させる羊毛断熱材「サーモウール」とは?施工前のサーモウール家づくりをして初めて知った、「断熱材」という言葉。断熱材のおもな役割は「室内を一定の温度に保つ」「寒さや暑さから家を守る」の2つ。普段目に触れることはありませんが、家を守り快適に過ごすためにとても重要な役割を果たしています。工務店やハウスメーカーによって様々な種類の断熱材を提案されていますが、我が家が選んだのは羊毛断熱材の「サーモウール」。何種類かの製品がありますが、我が家が使用したのは「サーモウール スタンダードタイプB」。我が家がお願いした工務店さんは「木の家」をコンセプトにしており、木材の呼吸を妨げずにその効果を存分に発揮できるよう、自然素材にこだわって家づくりをされています。サーモウールを断熱材として使用することで、空気環境を改善させ、壁内環境を整えてくれる、という説明を受けました。また優れた断熱性能の他にも調湿、防音、消臭と様々な性能が備わっている優れもの。工務店の羊毛断熱材のカタログこの先長い期間この「木の家」とともに過ごしていくために、サーモウールがとても重要な役割を果たしていると感じたことと、フワフワの肌触りが羊毛に強く惹かれた理由です。■ 気になるコストと施工可能なビルダーは?ウールって、高いイメージがありませんか?冬に大活躍するウール100%のセーターは値が張るので、羊毛の断熱材も高そうに感じますよね。ただ、この工務店さんはサーモウールの断熱材が標準仕様として規格化されているので、羊毛断熱材だから高い!ということはありませんでした。断熱材に限らず家づくり全体にいえることですが、標準仕様として提供している設備や建材が多いビルダーさんを選ぶことはコストを抑えた家づくりへの近道です!サーモウールを断熱材に使いたい場合は、製造元のコスモプロジェクトから認定を受けた工務店での施工がおすすめ。またその性能を最大限に発揮させるためには施工の技術も必要不可欠。万が一のトラブルにも対応できるよう、50年の安心保証がついてているところも重要なポイントです!我が家もこの保証がしっかりついているので安心して施工をお願いする事ができました。■ サーモウールに包まれた家の住み心地は?家中の壁内にびっしりとサーモウールが詰まっています!3年目となる今も感じるのは、年間を通してズバリ快適!ということ。入居後初めて過ごした夏は、湿気が少なくてジメッとした嫌な空気感が全くなく感動しました。冬場もカラカラ乾燥した空気がなく、底冷えする様な寒さを感じません。冬になると毎年苦労していた結露も全くなく、毎朝していた窓拭きをする必要がなくなりました!この快適な空間もフワフワのサーモウールが家中を包んでくれているおかげなんだな、と思うとなんだかほっこりします。■ サーモウールで光熱費が抑えられる?断熱性能の高い家は光熱費も抑えられる、と良く耳にします。サーモウールに関しても寒暖の差と調湿の両方に対処可能な断熱材であるが故に光熱費が抑えられている、と言うお施主さんが多いそうです。我が家の場合、夏場エアコンの設定温度は28度前後。冬場は22度。どちらも微風設定。調湿効果のおかげで、加湿器や除湿器、空気清浄機を使用することがほとんどなくなりました。旧居のアパートと比較すると広さが倍以上になっているので電気代は現在の方が高いですが、それでも平均2,000〜3,000円程のプラス。一般的に集合住宅よりも戸建ての方が月別の電気代はおよそ1.5倍は高くなると言われているので、戸建にしては電気代も抑えられているのではないかと感じています。どんな断熱材を使って家づくりをしているのか、ということも工務店を選定をする上で大きなポイントの一つだと思います。見学の際は実際に目で見て、聞いて、体感してじっくりと考えてみてくださいね。(aymama)
2018年10月03日二世帯住宅は、多くが親の家の建て替えと合わせたタイミングがいいようです。初めて二世帯住宅を考える方へ、間取りの特長や暮らし方のコツを基本から解説します。特に都市部の子世帯にとっては土地代なしで家を持てるメリットが大きく、さらに子育ての協力も得やすいため、検討する人が増えています。また、将来的に相続がスムーズになる点も見逃せません。今では、マイホームの選択肢のひとつが二世帯住宅になっています。費用面の優遇、子育てや家事などで協力し合える……と、メリットもいろいろあるようです。■ 二世帯住宅は、数年先より10年先、20年先を視野に入れた計画を!二世帯住宅は、誰と住むのか、その関係性で設計プランが違ってきます。妻にとって夫の親と暮らす場合、独立タイプが賢明です。妻側の親だと同居で大丈夫と思いがちですが、自分たちの空間にサブ的なダイニングキッチンやご主人がくつろげるスペースがあると良いです。もし親を呼び寄せて二世帯を建てる場合は、親が寂しくならない配慮が大切です。子世帯と顔を合わせやすい間取りを考えたいもの。さらに長期的な視野も入れ、いずれ部屋が空いた際、どう使うのか。例えば、ある程度の広さがあり玄関が2つで水回りも独立していれば賃貸転用も可能になります。数年先より、10年先、20年先まで予想して二世帯住宅を建てることをオススメします。■ 知っておこう!二世帯住宅の基本タイプ基本タイプは3つ。分離型の独立タイプと一部共有の共用タイプ、同居に近いけど専用空間も充実させた融合タイプとなります。独立タイプ壁で仕切り、あるいは上下で分けて外階段をつけ、完全に生活空間を分離させたタイプ。玄関をはじめ水回りや食事空間も別で、言わばマンションの隣同士に近いイメージです。千和 / PIXTA(ピクスタ)メリット家族がすぐ近くにいる安心感を持ちつつ、プライバシーを保ちやすい2世帯それぞれの生活時間のリズムや習慣を崩さず暮らしやすいここに注意!壁や天井で完全に仕切り、玄関も設備も2軒分必要になるので、建築コストがアップ!共有タイプ玄関、浴室などの設備を一部共有しながら、お互いの生活ゾーンを分離させたタイプ。同じ玄関を入り、1階に親世帯、内階段を上がった2階に子世帯が住むパターンが一般的K.M.S.P. / PIXTA(ピクスタ)メリット適度にプライバシーが保たれ、お互いの空間への行き来もスムーズ玄関や水回りなどの設備を共有するぶん、建築コストが抑えられるここに注意!設備を共有で使うため、お互いの生活時間帯や動線を邪魔しない間取りの工夫が必要!融合タイプ基本的な生活空間を共有し、家事・育児や生活コストの効率化を図るタイプ。それぞれサブリビングやミニキッチンなど専用空間も設け、完全同居とならない間取りが特長K.M.S.P. / PIXTA(ピクスタ)メリット共有部分が多いので、3タイプのなかで最も建築コストを抑えられる専用空間があるため、同居に近くても適度にこもれてストレスをためにくいここに注意!全員が集まる場所と専用空間のメリハリをつけ、とくに義理の間柄でも居心地よくできる工夫が必要■ 間取りから学ぶ二世帯住宅共用タイプ共有の玄関からホームエレベーターで昇降。親世帯を日当たりのよい3階に!玄関共有の二世帯住宅。親世帯は日当たりのよい3階、共働きと学校で昼間は家を留守にしている子世帯は1・2階とし、お互いの暮らしを尊重する住まいを実現しています。3階への移動はホームエレベーターの活用でラクラク!ゆったりとした2階の子世帯LDKにも行き来しやすく、3世代での食事も楽しめます。ポイント1. エレベーターで親世帯のムリのない3階住まいが実現以下の写真は、3階建ての外観。玄関ポーチを広く取り、親が近所の人と気軽に会話を楽しみやすい工夫になっています。そして、3階を親世帯に充てられたのは、ホームエレベーターがあるから。重い荷物運びにも大助かりなのです。ポイント2. 子世帯のLDK はアイランドキッチンで広々と開放的!3世代でゆったりと食事や会話を楽しめる2階の子世帯LDK。アイランドキッチンは数人で囲みやすく、壁沿いの長いベンチで大人数のホームパーティもOK!(設計/設計事務所アーキプレイスプロデュース/OZONE家design撮影/大槻夏路)融合タイプ小さくても専用空間を確保し、玄関と水回りは共有で気配がよくわかる親世帯は山が望めるよう角度をつけた平屋、子世帯は2階建てとした二世帯住宅です。両世帯の間に共有の玄関と水回りを設け、高齢の親の気配を感じつつ、子世帯の専用空間も十分にキープしています。親世帯は広いワンルーム仕様で、動きやすさと見渡しのよさが特長です。ポイント1. ゆったりとして動きやすい水回り。着替えもスムーズ!水回りは広めの設計で動きやすく、壁と天井にはサワラの板を張ってまるで和風旅館のよう。洗面室兼脱衣室に設けたベンチで、高齢の親も着替えがスムーズにできます!玄関ホールから子世帯と親世帯が視界に。親世帯は引き戸とフィックス窓の設置で、出入りしやすく、見守りもしやすいポイント2. 庭のテラスは二世帯が出会う共有のリビング親世帯はキッチンから、子世帯はリビングからそれぞれ出られるデッキと石張りのテラス。二世帯が顔を合わせてくつろげる、庭と一体化した第2のリビングになっています。(設計/熊澤安子撮影/大槻夏路)独立タイプ家を挟む2つの接道を生かし、それぞれの玄関を建物の反対方向に設置。将来は賃貸への転用も可能!高低差のある敷地に建てられた二世帯住宅です。東西2方向の接道を利用し、玄関を世帯別に設置。1階を親世帯、2階を子世帯の完全分離型を実現。子世帯南側のデッキは孫たちの遊び場になっていて、ここから1階の親世帯の気配を感じられ、声をかけられる仕組みになっています。ポイント1. 仲はいいけれど玄関は別にして、適度な距離をキープ親世帯は平らな西側道路、子世帯は高低差のある東側道路から外階段でアクセス、と振り分けて適度な距離をキープ。将来的に賃貸への転用も可能なように、生活機能を完全に分離させた設計になっています。ポイント2. 親世帯の暮らしを思いやるアイデアと仕様をプラス2階バルコニーは1階親世帯の天窓とつながり、明かりが消えると就寝の合図。子世帯は静かにするよう配慮されています。子世帯の廊下は床下に防音シートを敷き、音漏れを軽減しています。(設計/中村高淑 撮影/中村風詩人)次ページ>親世帯に配慮した最新設備を取り入れましょう!二世帯住宅とお金のメリット実はお得がいっぱい!
2018年10月03日こんにちは。新宿に注文住宅を建てて暮らしている鳥と申します。建築条件付きの設計作業も済み、いよいよ不安だらけの家の工事請負契約をするのか、それとも白紙解除して土地を諦めるのか、決めねばならぬ時が近づいてまいりました。■ 施主にとって不利な契約書!?人のこころは変わるが常。法の力で関係を縛るのは有効な手段です。それでも鳥の元夫は振り解いて行ってしまいましたが……。さて、R社の工事請負契約書について、コンサルさんに解説していただきました。赤枠で囲んだ【特約条項】というR社が追加した部分にご注目。契約までに実施設計図を出してもらえないことは、すでに書きました。その上、こうして契約書上に「契約後に間取りの変更があっても、文句なしね」「契約後に追加見積りがあっても、もう契約解除はなしね」「契約後に仕様変更があっても、文句なしね」と明記されてしまっています。(まあ、この業種では現実的な面で、ある程度は仕方のないことだと思います)でもこの契約書に印鑑を押した後では、「やんごとない理由につき、数百万アップになりました」と言われても、もう断ることが不可能だということです。(以前も書きましたがネット掲示板には、そのような体験をされた施主さんが少なくないことがわかります)ただ、このときのコンサルさんは、「ここを変えて欲しいと言っても、まあ、変えてもらえることはないでしょうね」とおっしゃっていました。建築条件付きという、交渉の難しいケースだったからだと思います。当初「業者の言いなりにならざるを得ないので」とサポートも断られたぐらいですしね……。■ コンサルさんからのメールさあ、当初のコンサルさんのアドバイス通りR社に良い家にしてもらえるよう精一杯働きかけてきた結果、仕様については出揃いました。詰めてゆかねばならぬ時期です。鳥夫婦は、どんなにR社仕様の家にガッカリしても、「やはり土地が諦められない……我々には土地が大事なので」と言っては、契約締結に向けて歩を進めてきました。そしてコンサルさんからは、以下のようなメールをいただきました。***********************************なお、今後の進め方について再確認しておきたいと思います。すでに構造図面はできているわけですし、契約までに出してもらえる図面はどんどん出してもらう15日までにすべてを決め、その後は詳細見積書と決定仕様書の提示を求める詳細見積書が出れば、優先順位にしたがって取捨選択する(予算に合わせる)工事金額が決定したら、(工事開始後の変更を含めて)それ以降の変更は一切なし契約書・約款の説明を受け、納得がいかない文言の修正を求める第三者現場検査を入れる旨を伝える契約調印保奈美さん(40代半ばだと思われる女性設計士さん)に工事内容チェックシートへの記入を依頼する-追伸-一生のうちで最も大きな買い物なのに、すべてが明らかにならないにも関わらず契約しなければならないこと、言い値で金額が決まること、そして十分に吟味する時間が与えられていないこと、これらは本来あってはいけないことだと思っています。そのような中で契約しなければならないのは大変ですが、お二人が汗水流して働いたお金と交換するわけですから、可能な限りその額に相応しい価値を手に入れていただきたいと思います。しかし、保奈美さんは、お二人が支払う金額の中から給与を受け取ることになるにもかかわらず、よく逆ギレなどしたものだと感心させられます(笑)。***********************************コンサルさんも、絶対に勧めたくないであろう家の購入に向けて、最大限できることをやろうとしてくださいます。話すと疲れさせられるという残念な面もあるにしろ、ど素人で困ってしまっていた鳥夫婦のために、これほど親身に面倒見ていただけたことは、本当に心強くありがたかったです。鳥夫婦は、この家を買うのか新宿くんを諦めるのか、毎夜のように夫婦で話し合いました。そして、とうとう、鳥夫が、結論を出しました。(鳥)■この連載の一覧を見る■
2018年10月03日家族のあり方も変化していき、最近では二世帯住宅も増えています。二世帯住宅が増えた理由は「女性の社会進出による子育ての変化」「親の介護」などさまざまです。それらを互いに支えるために二世帯住宅を検討する家族が増えました。しかし、義両親と住むことは必ずしもうまくいくわけではなく、悩みや不満を抱えているケースも多くあります。ハウスメーカーに5年勤めた経験から、二世帯住宅を建てる前に多くの人が抱えやすい悩みや不安、その解消ポイントを解説します。あわせて、うまくいくケース事例もご紹介。■ 義両親と同居、どんな暮らしになる?暮らし方が変わる二世帯住宅の種類千和 / PIXTA(ピクスタ)二世帯住宅における、義両親との暮らし方は以下の3つです。それぞれのメリットと実際の暮らしなどの本音も見てみましょう。完全同居型EKAKI / PIXTA(ピクスタ)個室以外、ほとんどの生活空間を共用するタイプです。コストはあまりかかりませんが、生活となると気を使う部分もあるそうです。部分同居型Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)玄関やキッチンなどの一部を共用しつつも、リビングなどは分けるタイプです。玄関などは、どの程度のスペースをお互いに使うのかを遠慮してしまいがちになるそうです。完全分離型千和 / PIXTA(ピクスタ)義両親との生活空間を完全に分けた暮らし方です。生活リズムがほとんど異なる義両親との生活ですから、完全に分離することで相手を気にせず済むようです。■ 二世帯住宅を建てる前、実際に多い悩みや不満U-taka / PIXTA(ピクスタ)1.光熱費の支払いの不満Naoaki / PIXTA(ピクスタ)家を建てると、ほとんどの方は住宅ローンを組むでしょう。月々の負担が増えるため、毎月支払う水道、ガスなどの光熱費についてもシビアになります。そんな中、二世帯住宅で義両親との共同生活において、光熱費について話し合えていなかったり、なかなか言えずにうやむやにしてしまったことで、不満が募っていくケースがあります。今後ずっと支払っていく光熱費ですから、事前に話し合うか、義両親であるがためになかなか言い出せない場合は、夫もしくは妻に相談して言ってもらいましょう。2.部分同居型にしたが、それに対する不満二世帯住宅では敷地が十分に確保できて、コストもかけられるのならば、完全分離型にしたい方が多いでしょう。ですが、なかなかそれが難しい方もおり、一部を共用スペースにします。多いのは玄関とキッチンと水回りです。YUMIK / PIXTA(ピクスタ)生活スタイルやリズムがそれぞれの世帯で異なりますから、どこを共用しても息の詰まるような気分になってしまうケースが多いです。例えば玄関を例に出すと、収納部分がどちらかの世帯の物で占領されてしまったり、または逆に占領してしまうことを気遣ってしまったりと快適に暮らせなくなる恐れがあります。言いにくいことでも、暮らしてから不満を抱いたり、もめ事が起きるよりも事前に確認しておく必要があります。3.建築費の支払いの割合freeangle / PIXTA(ピクスタ)どちらがどれだけ支払うか細かく話し合っていないパターンです。子世帯がほとんど支払うパターンや義両親が資金を一部援助するパターンもあるでしょう。支払いで不満が出る多くのパターンは、義両親が打ち合わせにて、知らず知らずのうちに最新設備を入れたり、窓を大きくしたり増やしていたりして、コストが上がっているパターンです。子世帯はそれを否定しにくいため、我慢してしまうケースが多いです。設備や建具など金額が増えそうな打ち合わせの際に一緒に打ち合わせをして、確認するのがオススメです。4.友人やママ友を呼ぶのに遠慮してしまうUshico / PIXTA(ピクスタ)自宅に頻繁に友人を招き入れる方は、話し声などの騒音で義両親に気を遣ってしまうケースがあります。二世帯住宅にしてからできなくなってしまっては不満が溜まってしまいますよね。こちらも一緒に住む以上、事前に理解してもらうことが必要です。5.義両親から干渉されてストレスを感じるFast&Slow / PIXTA(ピクスタ)いくら完全分離型の二世帯住宅にしても、一つ屋根の下に暮らしているわけですから、お互いの暮らしを監視しやすい面もあります。特に多いのが、子どもができてからの義両親からの干渉や口出しです。夫婦2人とも家を留守にしなければならないときなどは、すぐに頼めるので助かりますが、普段の暮らしも干渉されてしまうと不満の原因になってしまいます。直接言いにくかったら、遠慮せずに夫または妻に相談しましょう。■ 二世帯住宅で義両親と本当にうまくいくケース事例maroke / PIXTA(ピクスタ)ここで義両親との生活が成功したケースをいくつかご紹介します。1. 夫または妻がしっかりと仲介役になってくれる本当の親ではなく、さらにパートナーの両親には直接言いにくいこともたくさんあるでしょう。そんなときにしっかりと仲介役を引き受けてくれるパートナーだと、成功しているケースが多いです。2. どんなに仲が良くてもガスメーターは別々にしている義両親の理解もあり、事前にガスメーターを別々にする話し合いができている家族はあまりモメていません。3.共用されたら困る部分や、共用せざるを得なくなってもお互いのスペースを決める暮らし方は人それぞれですから、靴が大好きな人は玄関周りを占領してしまうでしょう。そういった譲れない部分は事前に伝えておく必要があります。4.家を建てるまでの打ち合わせは、一緒のときと別々の日を分けてするハウスメーカーで建てる場合は完成まで打ち合わせをします。毎回別々で打ち合わせをしていると知らない間に色々な設備を入れてしまったりすることもありますし、反対にいつも一緒だとそれぞれの本音を担当スタッフに言えないこともあります。スタッフに、分けたいときと一緒にしてほしい日などを事前に調整してもらいましょう。5.お金に関することを事前に話し合う費用はとても重要な部分です。どれだけ支払うのか、義両親が出してくれるのか納得するまで話し合いましょう。■ まとめYUMIK / PIXTA(ピクスタ)二世帯住宅の悩みや不満についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?事前に話し合うなど準備をしておかないと、どんなに仲の良い家族でも、もめ事に発展する恐れもあります。不満は少しのキッカケから生まれてくるものなので、それをお互いにスルーせず、お互いの快適な暮らしのためにも納得行くまで話し合いをしましょう。
2018年09月29日こんにちは。新宿に注文住宅を建てて暮らしている鳥と申します。納得いかないことばかりの建築条件付きの家づくりに最後までジタバタし、設計はほぼ完了の段階まできた鳥夫婦でしたが……。■ ヤメテ監理建築士は「設計」だけではなく「監理」という重要な役割も担うとのこと。現場をチェックしたり、重要な箇所の写真を提出させたりして、自らが設計した図面通りに施工業者に建てさせるよう働きかけるのだそうです。保奈美さん(40代半ばだと思われる女性設計士さん)に「あの、監理はやはり保奈美さんが?」と聞いてみたところ、「Yes」。……。鳥夫が心配して、「建築業界ってちょっと荒っぽいというか、怖い男の人が多い印象があるのですが、女性の保奈美さんが監理ってやりづらくないんですか?」と聞いたところ、「逆に女の方が可愛がってもらえるというか、”お願いしますよー”って頼めばうまくいきやすいところがあるので、逆に言うこときいてくれるんですよー(笑)」と、珍しく女を出した四十路の保奈美。直後に恥ずかしくなったのか、デコルテがピンク色に染まるのを、鳥は見逃しませんでした。普段だったら、恥じらった熟女がほんのり肌を紅潮させる風情に「うぅ~ん、艶っぽいじゃ~ん、ヒューヒュー!」ともてはやす鳥ですが、この状況での保奈美さんには残念さしか感じませんでした。ある日の打合せで、それとなく鳥夫が「保奈美さんは、注文住宅の設計とかもされるのですか?」と聞いたところ、「私は建売しかやったことないんですよねー」というご回答……。本当に申し訳ないのですが、「私が設計した家」「自分の作品」とプライドを持って仕事しているようには見えない保奈美さん。監理などという、施工業者を巻き込み・手綱を締めて・しっかりとした施工へと持っていかせる、という気力のいる仕事を、保奈美さんができるのでしょうか?■ ヤメテ工務店監理に期待できないとなると、施工T社が「監理の眼などなくても、実直で真面目な仕事をするさ!」という矜持を持った工務店であることに期待するしかないのですが……。コンサルさんは最初からおっしゃっていました。「T社は、本当の注文住宅を建てられないと思いますよ」規格住宅のみ繰り返しているようだから、多様な建築士の設計に柔軟に応えられる技術力はないだろうとのこと。さらにコンサルさんは施工T社のホームページや業界の評判も調べてくれて、「ほら、ここを見てください。これこれこうでしょう?T社自身は施工しないでしょうね。T社からどこかの孫請け工務店に丸投げされるんですよ。そしてね、通常、孫請けに丸投げされた場合は……」などと、懸念される施工の問題について教えてくれました。そして「良い工務店とはどういうところか」についても、いろいろ教えてくださいました。■ 新宿くん(※土地)への執着「設計面だけではなく施工面までも不安だらけか……」ここまでマイナス要素が出揃っても、まだ新宿くんの足元にしがみついてしまう鳥夫婦。実は、新宿くんと出会った後も、他の仲介業者さんには黙っていました。建築条件を白紙解除する可能性も考え、引き続き土地情報を送ってもらうために。しかし新宿くんを知ってしまった後では、全く魅力を感じない土地ばっかり……。笑えるのは、新宿くんの契約をした数週間後に、同時分譲の南向き角地の情報が来たこと。「まだ土地さえ未分譲の段階で、仲介Y社から情報をもらって、半地下ではないし500万円以上安かった一区画を契約済みですよ……」とは言えず、適当な理由をつけてお断りしました。(営業さんは「すごくオススメの非公開物件なんですよ!」と渋っていました)「こんなに希望通りの土地には、もう出会えない気がする……」そう思うと、とても新宿くんを諦めきれませんでした。もしかしたら読者の方々には、鳥夫婦が、家づくりにこだわりがあるように見えているかもしれません。でも単に「心配性」で「コスパにうるさい」性格だからジタバタしているだけであり、そもそも鳥夫婦の価値観は「土地(立地)>家」であり、「上物は消費財であるコスト」という認識です。西新宿に惚れ直してしまった今、ここまで希望を裏切る家づくりでも、やはりこの土地を諦めきれなかったのです……。(鳥)■この連載の一覧を見る■
2018年09月20日転勤や会社の寮住まいなどを経て、家づくりに踏み切ったTさん。ラフな内装と質感豊かな雰囲気を求めてリノベーションを選択し、都内で築11年のマンションを購入しました。ラフ案や見積もりを比較して決めたスタイル工房は、見積もりが丁寧で細かな部材の単価も分かりやすかったのが決め手とのこと。状態が良かった設備は既存のまま生かすことで、工事費400万円(税・設計料込み)で心地いい住まいを手に入れることができました。■ 2室をワンルームにしてくつろぎの大空間にもともと2部屋だったのを、壁を取り払って大きなワンルームに変更したLDK。床は割れやゆがみをあえて生かした無垢材、壁は漆喰の厚塗りで、ともに空間に温もりを添えています。リビングの広い壁面は、文庫本、CD、LPコード、レコードプレイヤーなどの収納棚やPCコーナーにフル活用。本棚の棚板は手ごろなツーバイ材を利用し、古材っぽく仕上げました。ダイニングテーブルは関西のインテリアショップで気に入って購入したもの。スリムな脚が特徴で、空間のセンターに置いても圧迫感がありません。■ 古材を生かしたバー仕様のキッチンキッチン本体は既存のまま活用しました。壁面にタイルを貼り、さらに吊り戸棚にタモ材の扉を造作してオリジナリティをプラス。カウンター内部は扉を一切つけずシンプルな仕様にしました。モノを出し入れしやすく、コストダウンにもひと役買っています。古材を張り合わせたヴィンテージ感のあるキッチンカウンターは、この家の印象を決定付ける要素のひとつ。ニッチに収納したボトルは取り出しやすく、パッと見はラフですが、手が込んだつくりです。また、キッチンのスチール製吊り戸棚には、底にグラスホルダーを設置。サッとグラスが引き出せて、バー気分を盛り上げてくれます。ライティングの工夫で、夜も安らぐT邸。廊下の照明をつければ、ドアの型板ガラスを通し、間接照明のような楽しみ方ができます。■ 無垢材を使った居心地のいい空間既存では平板な仕様でしたが、質感を重視して床は全体的に無垢材を採用しました。そして、LDK入り口のドアだけはアンティークのものに変更し、シックなブルーグレー色に塗装。広い面の型板ガラスが軽快な印象です。廊下からLDKに入る右手には洗面室があるのですが、そこには鏡張りの壁面が。こちらは既存をそのまま利用したもので、ドアを開けたとき、空間がより広く感じられる効果もあるそう。ベッドルームも、リビングと同じ漆喰塗りの壁、無垢板張りの床を採用し、居心地のよさを追求。ドアは既存をそのまま利用しています。「近くにはいい居酒屋も多いのですが、この家ができてすっかり家飲みが多くなり、友人もよく来ます」とTさんは楽しそうに話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.18」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです設計・施工スタイル工房撮影中村風詩人
2018年09月14日こんにちは。新宿に注文住宅を建てて暮らしている鳥と申します。R社との建築条件付きの家づくりが佳境に入ってきたのですが、概算見積書しかもらえず、窓・ドア・照明・etc、の金額がわからない。コストダウン(減額調整)さえまともにできない家づくりに、どんどん気力が失われてゆく鳥夫婦です……。■ 手すり I 型でも最後の気力を振り絞り、一番重要な3階パソコン部屋に、鳥の儚い願い、大好きな肘掛窓をリクエストしました。(肘掛窓:座って肘を掛けられるくらいの高さに設けた窓のこと)しかしリクエストして数日後、保奈美さん(40代半ばだと思われる女性設計士さん)から以下のようなメールが*************************************メーカーより連絡があり、手摺バーを部屋内に1本付けるだけですと保証ができないので、添付カタログのような手摺を外側に付けないとダメと解答がきてしまいました。カタログの画像と合わせてご検討いただければと思います。*************************************嫌な予感しかないが、添付ファイルを開いたところ……「あたし、前世で悪事でも働いたのかな?」人の心って、報われないことが続くと、自己攻撃で納得し始めるらしいですね……。■ 家づくりのベストなフローって?コンサルさんが口酸っぱくおっしゃっていたアドバイス。「工事請負契約を交わす前に、実施設計図を出してもらってください」施主にとってコントロールしやすいフローは、お家欲しい!→ 設計士選び→ 基本設計図作成→ 設計契約→ 実施設計図完成→ 工務店相見積り→ 工事請負契約であるのに対し、今回のR社のフローはお家欲しい!→ (土地に紐づいて)設計士・工務店が勝手に決まっている→ 基本設計図作成→ 設計契約・工事請負契約→ 実施設計図完成というものでした。設計士も選べないし、工務店も選べないし、相見積りも取れないのです。つまりR社に主導権があるフロー。R社の言いなりにならざるを得ず、見積額が高くなる可能性が高いのです。■ 契約後に金額アップされる可能性も!?さらに契約後に実施設計図完成となると、見積額は変わらないのに仕様がグレードダウンされていた諸事情のため設計図が変更になり、見積額が増額された概算見積では予算内だったのに、最終見積では数百万円高かったなどをされても、法律上文句は言えないとのこと!このような窮地に追い込まれてしまったら地獄ですよね……。鳥は無駄に強い不安感から、家づくりに関するネット掲示板などで、先輩方の実際の体験談も読み漁っていたのですが……。実際に上記のような窮地に追い込まれ、怒りのあまり、その体験を業者の実名を晒して書き込んでいる先輩方も少なくありませんでした。残念ながら、建築業界では決して珍しい話ではないのです。一応、保奈美さんに「契約後に見積額が増額されるようなことはないですよね?」と確認したところ、「それはないですよ!」とのご回答。しかし過去に、とっくに平面図も確定し構造計算も終了していた段階で、「大変申し訳ありません!実は北側斜線に引っかかってしまうことが判明しました。建物の角度をほんのちょっとだけ西に回転させてください!」という基本的なミスが発覚したことで、もうこいつ……ごほん、彼女は信じ切れない……。この調子だと、工事請負契約後に、「大変申し訳ありません!確認申請に出したところ、これこれの理由が判明したので、このように変更させてください!」などという重要な変更・増額を申付けられそうな気が……。だって、「北側斜線でやむを得ず」「確認申請でやむを得ず」などという大義名分付きで言われちゃったら、こちらとしては何も言えないしさ。これは鳥の妄想とは限りません。なぜなら最初にいただいていた仕様書にも、しっかり変更の可能性がちらついています……。これってさ、「いただく」「ございます」なんて大変丁寧な言葉遣いで書かれているけど、実質言っていることって、「こっちの都合で勝手に変えるからよー。でも文句言うなよな」ってことでしょ……。都合のいい女になりたくないのに、新宿くんに惚れた弱みよ……。(鳥)■この連載の一覧を見る■
2018年09月12日「好きなものに囲まれて暮らしたい」「趣味に没頭できる家がほしい」家づくりでそんな夢をかなえられたら最高です。好きなものは人それぞれ。自分らしさあふれる趣味の家を実現した人をピックアップ!自由な発想とアイデアに満ちた実例を、4本まとめてご紹介します!■ 「おもちゃコレクション」がずらり!ギャラリーのような家Yさん夫妻の趣味は、全国を旅して郷土玩具を集めること。6年間コツコツ集め続けて、ついに全国制覇を達成したそうです。47都道府県分の郷土玩具を収集したわけですから、それはもうかなりの量に。大切なコレクションを箱に入れてしまいこむのではなく、いつも目に見えるところに置いて美しく飾りたいという思いがあり、廊下に郷土玩具用のディスプレイスペースを作りました。郷土玩具のほっこりした味わいがマッチして、まるで山の別荘にいるようなリラックスした気持ちになれる家です。全国の郷土玩具コレクションをおしゃれにディスプレイする家■ 本棚と部屋が一体化!本の世界に浸れる家Mさんご夫妻は3LDKの中古物件を購入。リノベにかける費用は200万円とかなり低予算でしたが、既存のものを使うことで問題をクリア。もともとあった和室の雰囲気を上手に取り込んで、アンティーク調のインテリアにまとめました。「本好きの妻のための読書室」と、「将来子ども部屋としても使える、床下収納付きの小部屋」の実現を希望に、プライベートでも交流のある建築家の中山陽州さんにリノベーションを依頼しました。そして目を引くのがこの巨大本棚です。本棚そのものがひとつの空間になっており、小屋にこもるような感覚でくつろげます。まるで童話の世界のような夢のある空間は、本好きにはたまらない大人も子どもも大満足の読書部屋です!本の世界にどっぷり、夢のような読書部屋のある家■ DIY好きが高じて「DIYルーム」を設置!インテリア好きでDIYが趣味のKさん夫妻。マンションをリノベーションして、ものづくりに没頭できる「DIYルーム」を作ってしまいました!室内のデザインもDIY風に統一。床には足場板風の杉板を敷いてガレージの雰囲気を出し、DIYルームの壁にはOSBボードを張りました。あえての粗削り仕上げが、シンプル&クールな味わいを醸し出し、創作意欲が湧く空間となっています。記事では予算500万円で大規模リノベーションを行えた裏技についてもお伝えしています。自分たちも一緒に楽しみながら家づくりにかかわると、完成したときの喜びもひとしおです。DIY好きは必見!DIY好き必見!MY DIY ROOMのある家■ 毎日アウトドア。人生が楽しめる家料理を作ってゲストとワイワイしながらテーブルを囲むのが好きな渡邊さん夫妻。ログハウスにひらめきを得て、カンティーン(簡易食堂)をテーマにした山小屋のようなログハウスに移り住みました。好きな料理を楽しみながら、お友達を呼んでホームパーティーをすることもしょっちゅう。庭では薪集めや薪割り、焚き付けづくりをしたりと、アウトドアライフを満喫しています。自分の好きなことが思い切りできる家こそ、豊かな人生には欠かせないのかもしれません。アウトドア好き、自分らしく笑顔でいられる家づくりの参考にしてみてください!毎日がアウトドア!ログハウスの家
2018年09月09日太陽光発電こそ一般的に認知されてきましたが、今では自宅で使う1次エネルギーをまかなう、より環境に配慮した住宅が基本になってきています。よりよい住環境になるだけでなく、省エネで光熱費の節約もできる!これからの基準となっている住宅や設計手法をご紹介します。最近よく耳にする ZEH(ゼッチ)って?昨今の環境配慮住宅の代表格ともいえるZEHハウス、聞いたことはあるけどいまいちよく知らないという方も多いのではないでしょうか……。ZEHハウスとは、冷暖房や換気、給湯、照明といった1次エネルギー消費を自宅で発電しまかなう住宅のことをいいます。電気料金を抑えられるだけでなく、地球温暖化対策にも貢献できるんです。サスティナブルな社会を実現させるためにもますます重要になってきています。最近話題のゼッチってどんなもの?太陽光発電との関係を徹底解説!カラダにもやさしい♪自然を活用したパッシブ設計風の通り道を作って、風通しのよい住宅にしたり、建物の配置を工夫して陽の光をうまく取り入れたり。自然エネルギーを最大限に活用して快適な空間にする「パッシブ設計」という考えがあります。カラダにやさしいだけでなく、光熱費の節約にもつながるのでZEHハウス実現のためには積極的に取り入れていきたい設計手法です。自然を感じる暮らし〜パッシブ設計とは〜高気密高断熱が鉄則!?住宅の気密性と断熱性能を高めることで、外気の侵入や外の熱を遮ることができ、室内の冷暖房効率はグッと上がります。このことで、冷暖房費を節約でき、夏は涼しく冬は暖かい住宅が可能になります。つまり、高気密高断熱住宅にすることでエネルギーロスが最小限になり、ZEHハウスに一歩近づきます。夏涼しく冬暖かいエコ住宅(高気密高断熱住宅)太陽光発電で創エネ!ZEHハウスを実現するためには、「断熱」の他に「創エネ」「省エネ」が大事な柱になってきます。次にご紹介する〔雑司が谷ZEH・ゼロエネハウス〕は、太陽光発電を用いることで年間エネルギー収支マイナスを実現させています。開口部は熱負荷が大きくなりがちなため取り入れるのが難しいですが、こちらの住宅ではZEHハウスでありながらも、大きな気持ちのよい窓が設けられています。のびのびとした吹き抜け空間も魅力的です。雑司が谷ZEH・ゼロエネハウスハニカムブラインドで暖かさを蓄える!次にご紹介する住宅はリビングに大きな吹き抜け空間があり、上部に光窓が取り付けられています。冬場は、日中に太陽の陽をたくさん取り込み、同時にその陽の暖かさを利用して室内を温めます。大きな窓には断熱性の高いハニカムブラインドが取り付けられているので、夜間はそれを下ろすことで家にフタをし、日中溜めた熱を外に逃さない仕組みになっています。夏場は逆に暑い日差しを遮るのにも活用できるようになっています。ハニカムブラインドが年間を通して作用する機能的な工夫です。太陽の暖かさを蓄える家足立の陽器(ようき)な家まとめ今回は、環境配慮に対して工夫がなされている住宅をご紹介しました。ZEHハウスは、住宅を建てる際の基本となってくるのでぜひ知っておきたい存在です!最近では、ZEHハウスや省エネ住宅に対して補助金制度も導入されています。家計にも、これからの地球環境にもやさしいサスティナブルな住宅をぜひ検討してみてください。省エネ住宅にする際に利用出来る補助金や税制をまとめてご紹介
2018年09月04日こんにちは。新宿に注文住宅を建てて暮らしている鳥と申します。建築条件付きの家の設計にはまったく満足できないのに、土地は手に入れたいという気持ちに変わってしまい、より苦しくなってしまった鳥夫婦です。■ 上物はいらない、土地だけ欲しい不良(ワル)な四ツ谷くん(※土地)に熱を上げ、大人しい新宿くん(※土地)に対しては、「いざとなったら白紙解除すればいいしぃ」というヤリ逃……ごほん、遊びのつもりで関わっていた鳥。それが新宿くんと関わっているうちに、新宿くんに本気になってしまいました。そうなると急に執着が出てきます。「この人を手放したくない」と……。しかし二人の恋路を、姑(R社)が阻みます。(妄想族なため、設定がコロコロ変わっていきますが、気にしないでください)今回のR社の設計にまったく満足できていない。あんな外観の家で暮らすなんてムリ。じゃあ建築条件を外してもらうしかないが、これ以上土地にお金をかけられないし(すでに予算を400万超えている)、建築条件を外してくれない可能性もある。この土地を諦めて別の土地を探すか?でもこんな好条件の土地、もう二度と手に入らないのでは?やはり土地を手に入れるためだけに家は妥協するか……。いや、でもあんな外観の家……。ぐるぐるぐるぐる。そうこう言っているうちに、どんどん建築条件の白紙解除の期限が迫ってきます。やはりコンサルさんの言う通り、期限までは最大限検討するしかありません。■ 概算見積書は出てきたけれど…さあ、とりあえず見積書の件です。コンサルさんから「とにかく早く詳細見積書を出させてください。期限が非常に短いので、先に先に検討しないといけないので。先方は別に検討する時間を与えるつもりはないでしょうから、こちらが引っ張っていかないといけません!」とのアドバイス。しかしアドバイス通りに「一式見積りではなく、詳細見積りを下さい」と頼んでも、姑はお茶ばかり飲んで、なかなか出してくれません。諦めず(鳥夫が)保奈美さん(40代半ばだと思われる女性設計士さん)にしつこく頼み、さらに施工T社の営業くんにも伝えたりなどしてがんばったところ、やっとこさ以下の「概算見積書」が出てきました。「一式見積書」の段階では「本体工事」という名でまとめられていた以下の赤枠部分が、分割されて記載されているのものです。ちなみに、以下のオマケ資料付き。まあ、本来であれば一式見積書しか出さないところを、 なんとかここまで出してくれただけでも「私達のために動いてくれた」と言えますが……。■ でもこれじゃ減額調整ができない!でもこちらがやりたいことは、「このWICのドアをやめることで、いくらコストダウンできるか?」「この寝室の窓をワンサイズ小さくすることで、いくらコストダウンできるか?」という「見積調整」「減額調整」なのです。最小限の予算で、満足のゆく家が欲しいのですから。この概算見積書では、相変わらず「減額調整」などできないまま。だってドアも窓も「建材工事」っていう一項目にまとめられちゃっているのですもの。でも窓は鳥のこだわりポイントです。他の部分はもうしょうがないので我慢するとしても、どうしても窓は……窓だけは……!鳥の好みに少しでも近づけてくれないか……!!気力を振り絞り、保奈美さんに伝えました。「見積書ありがとうございます。でもすみません、この見積書ではそれぞれの窓の値段がわからなくて、この窓をやめるとか、違う窓に取り替えるとかの意思決定ができないです……」すると次回の打合せで、保奈美さんがサッシメーカーのカタログを手に「どういう変更がしたいですか?」と聞いてきました……。ポツリポツリと場当り的に伝えるたびに、保奈美さんはカタログをペラペラとめくり、「あった!」とつぶやいてはその窓の価格を教えてくれます……。でも、そもそもカタログに掲載されているのは定価で、実際の価格でもないですし……。一生懸命対応してくれる保奈美さんに申し訳ないと思いながらも、もう本当にR社との家づくりに気持ちが萎え萎え……。(鳥)■この連載の一覧を見る■
2018年09月03日念願の注文住宅とはいえ、実際に住んでみてからでないと気づけないことというのは、たくさんあります。ちゃんと考えて建てたはずなのに、後々になってから「ここをこうしておけばよかった!」と後悔する人も少なくないようです。せっかく大金をかけるのですから、できることなら後悔はなるべく少なくしたいし、初めからほぼ満点の自宅にしたいもの。そこで、注文住宅(リフォーム、リノベーション含む)のマイホームを手に入れた人たちに、不便な点や不満に思うことについてリサーチしてみました。■ 必要なのに見落としがちな未確保スペース5か所1.子どもの落書きスペース「目を離すと子どもが床や壁に落書きしてしまうことがあるので……」(33歳/パート)マコ / PIXTA(ピクスタ)2・キッチンのゴミ箱を置くスペース「建売住宅なら仕方がないけど、せっかく自分仕様にできるのにゴミ箱の存在をすっかり忘れていました」(35歳/専業主婦)さわだゆたか / PIXTA(ピクスタ)3・玄関まわりに背の高いものを収納するスペース「今思えば、ほうきやデッキブラシなどを収納するスペースを確保すればよかったと後悔しています」(39歳/パート)ABC / PIXTA(ピクスタ)4・リビングに掃除機を置くスペース「友人の家で見ていいなと思ったのですが、リビングの中に掃除機をしまうためのちょっとしたコーナーを設ければよかったなと思います」(40歳/専業主婦)sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)5・トイレと洗面所の収納スペース「後から自分で置くとダサいし、収納力もいまいち。さらにお風呂に入る度にパジャマとタオルを各部屋に取りに行かなければならないのも時間と労力のロスになるのでストレスが溜まります。少しばかりの金額をケチって造り付けなかったのは本当に失敗でした」(31歳/フルタイム)チンク / PIXTA(ピクスタ)■ 今の住まいでの不満点を書き出すことが「必要なスペース」確保の第一歩!話を聞いてみると、掃除道具が出っ放しになるのがピシッと片付かない原因だったり、洗面所にタオルや下着類、パジャマなどを置くスペースがないために生活動線が乱れやすくなったりするようです。Graphs / PIXTA(ピクスタ)子どもの落書きスペースに関しては、部屋のテイストに合わせておくのがオススメです。そうすることで、子どもが落書きをしない年齢になっても家族の連絡用やカフェ風インテリアに再利用することができますよね。使い勝手の良いマイホームにするために「必要なスペース」というのは、意外にも見落としてしまいがち。これを見つけるためには、とりあえず今の住まいでの不満点を書き出してみるのもありかもしれません。ぜひ、参考にしてみてください。
2018年08月29日緑を取り入れた自然とつながる家づくりで、理想の暮らしを実現した実例を紹介。草屋根や芝屋根の家、巨大テントの家、ログハウスなど、外の自然を上手に取り込んで、空間に広がりを持たせる緑のある家づくりが満載です。■ 斬新!屋根が畑になる「草屋根」の手法長野県飯田市のMさん宅は、屋根や軒の上に土をかぶせ、庭や畑のように使える手法「草屋根」を取り入れました。屋根にトマトや大葉、ネギなどの野菜を植えて、料理に役立てているのだそう。窓から見える景色は、外観からの姿もすがすがしいほどの緑、緑、緑!自然と一体化したキッチンガーデンのあるお宅です。庭や畑で活用できる「草屋根」のある家■ 家でピクニックができる!「芝屋根」「草屋根」の次は、ゆるめの傾斜の屋根に芝生を張った「芝屋根」です。この芝屋根の上では、天気がよければピクニック日和、家にいながらお出掛け気分も満喫できます。「ビルトインガレージ」も実現した、気持ちのいい家作りは必見です!「芝屋根建築家」小磯一雄さんの「芝屋根の家づくり」■ 技ありグリーンでマンションを開放的空間に!一戸建てに比べると、マンションは閉鎖的で殺風景になりがち。しかし、グリーンを上手に取り入れると、マンションでも一戸建てのように開放的な空間を作り出すことができます。川崎市内のMさん宅は約28平米もあるバルコニーを生かして、緑あふれる暮らしを実現。室内にもグリーンを配置し、バルコニーのグリーンとつながりを持たせて広々とした視覚効果を生み出しています。マンションバルコニーを活用した緑あふれる家■ 常識に捉われない!自然が身近になる「巨大テントの家」アウトドア好きが高じて、「巨大テントの家」を作ったNさん夫婦。リビングとつながる庭に大きな屋根をかけた「アウターリビング」があり、キャンプのように自然を感じながら炊事や食事を楽しむことができます。しかも、リビングのすぐ横で子どもたちが外遊びをできるので、親としても安心だそう。常識にとらわれない、自分らしい家づくりの参考になりますよ!常識に捉われない!「巨大テント」の家■ アウトドア感がスゴイ!ログハウスの家山小屋をイメージさせるログハウスの家は、リラックスムードが満点!床も壁も天井も天然木で、味わい深い木目が優しい雰囲気を作り出しています。薪を割って焚火を楽しむこともあり、毎日キャンプ気分で過ごせるそうです。憧れの山小屋をイメージさせるログハウスの家■ 森のような玄関アプローチがある家岐阜県のOさんファミリーは細長い敷地を生かし、森のような庭のある家を実現しました。玄関までの長いアプローチを森に見立て、シマトネリコやヤマボウシ、ナンキンハゼなどをバランスよく配置。自然と調和した庭が暮らしの中に溶け込んで、季節感を運んできてくれます。森へ誘われるようなアプローチが素敵な家
2018年08月25日こんにちは。新宿に注文住宅を建てて暮らしている鳥と申します。3F(不安・不快・不満)の連続だったR社との建築条件付きの設計作業が、いよいよ終盤に入ってきた鳥夫婦です。■ 衝撃!キノコの生える家まだ鳥がピチピチジューシーな女子大生だった太古の記憶。今でも印象に残っている、お昼のワイドショーの映像があります。ご自慢のデザイン住宅(←当時、家に興味のなかった鳥でもスタイリッシュな印象を受けた)を背に、顔にモザイク、ヘリウムガスを吸ったような声で、めちゃくちゃテンション低くインタビューに答えている男性施主。次の画面で、そのスタイリッシュなデザイン住宅の窓枠がアップで映し出されたのですが、なんと、にゅうっと突き出している複数のキノコが……。衝撃でした……。キノコ……。刈っても刈っても生えてくるという……。それはそうでしょう。もうその窓枠の木材に、菌糸はびっしり入り込んでいるのですから……。生物の奥深くに組み込まれた増殖のプログラムに抗うことは不可能です。外国にある巨大なアロエとか、癌細胞の映像とか、あの無心に増殖へと突き進む生物の映像を見るたびに、鳥は無力感を感じます。しかもその施主曰く、「デザイン性の高い建材を海外から取り寄せて建てたので、取り替えるにも、同じ建材がもう手に入らないんですよ……」。輸入建材を採用してまでオシャレでクールにキメた施主が、キノコハウスと化したマイホームを背にインタビューを受けている図……。鳥が「マイホーム」といわれると「欠陥住宅」を連想してしまうようになったのは、このワイドショーの衝撃映像からでした。■ 恐怖!壁を剥がしたらカビだらけの家残念ながらこの衝撃映像しか覚えていないのですが、おそらくキノコハウスを生み出した要因は、いい加減な施工(雨漏り)か、結露対策の甘さでしょうね。他にもYouTubeで「欠陥住宅」などと検索していたら(鳥の心配性活動の一環)、「咳が止まらなくなり、体調が悪くなっていきました。来客にも “この家、カビくさいよ” と言われたため、壁を剥がしてみたら……カビだらけで……」と言いながら、壁を指さす被害男性の映像も見ました。確か、これは結露が原因だったかと思います。鳥夫は、なぜかカビが大嫌い。生理的に拒否するらしい(おそらく前世で、感染症かなにかで死んだのでしょう)。「結露対策をしっかりしないと、壁内がカビだらけになる可能性があるよ!」と鳥夫をたきつけたところ、予想通り、結露対策へと走り出しました。■ R社の家の結露対策は?もう読者の方々も予想できていると思いますが、当然R社の基本仕様は、別段結露対策もされていないものでした。コンサルさんには推奨する建築工法がありまして、その工法は結露対策もしっかりしているとのこと。鳥夫婦も、どうせ自分達にはわからないしと、素直にコンサルさんご推奨の工法で建ててほしいと思いました。そして保奈美さんに「この工法で設計してくれ」と頼んだのですが、「それに対応するサッシがないので」「今回はこれこれの方法のため対応できないので」とアッサリ却下。この頃は最後の追い込み時期で、鳥が(前回記事に書きました)肘掛窓の件、鳥夫が結露対策の件にこだわり、R社相手に粘っていました。しかし、肘掛窓に「手すりI型」がつくショックで、鳥はKO負け。「手すりI型」が致命傷となり、ハートが引き裂かれてしまった鳥は、家造りから引きこもってしまいました。その間、鳥夫はまだ粘り強く戦い、コンサルさんの推奨する工法は却下されたものの、「Tハウス」で用いられている「外壁通気工法」を採用してもらうことに成功。そして、以下がお約束のオプション見積書です。これが、鳥夫婦が検討したオプション見積書の、最後となりました。(鳥)■この連載の一覧を見る■
2018年08月24日こんにちは。新宿に注文住宅を建てて暮らしている鳥と申します。恋焦がれた四ツ谷でもないし、質に期待できない建築条件付きの家づくり。「こんな物件、さっさと白紙解除して逃げ出したい!」という気持ちでいっぱいだった鳥夫婦でしたが……?■ 黄昏時の西新宿新宿くん(※土地)との婚約時、鳥は四ツ谷くん(※土地)のことが忘れられていませんでした。婚姻届(※土地契約書)に判を押した後、四ツ谷くんが恋しくて悲しくて、電車内で泣いたのはまだ少し前のこと。でも設計が始まると、何度も新宿くんの元へと足を運び、土地や隣家の形状などを確認しなくてはなりませんでした。新宿くんに会いにゆくときは、せっかくなので、最寄りの地下鉄駅ではなくJR新宿駅で降りることが多かったです。新宿駅の西口から出て、西新宿の高層ビルの谷間を散歩しながら向かう。宵っ張りの鳥夫婦が西新宿に着くころは、いつも夕方。あの、落日後の残り陽のなか、街灯や信号の光が潤む時間。鳥が一番好きな時間。西新宿のビル達も、直線的な形状をたたえたまま、美しく切なく潤んでいます。「ああ、やっぱり、西新宿はいいなあ」そう感じながら、何度も鳥夫と歩きました。(もともと鳥が東京で一番好きだったところは新宿であり、四ツ谷は土地探し中に惚れたエリアでした)西口周辺は人混みが激しいですが、5分も歩くと、もう閑散とし始めます。オフィスビル街なので、週末は人がいないのです。さらに歩くと、高層マンションも混じってきます。大型の建造物は、足元に空地を作らねばならないので、広々としています。空地には緑や水が積極的に取り入れられているので、「西新宿なんて、高層ビル街で殺伐としているのではないか」という予想に反して、意外とおっとりさが感じられるのです。平日はサラリーマンで溢れているであろう、ビルごとにある喫茶店も、週末は空いて居心地の良いことを知りました。精緻な高層ビル街を抜けて住宅街に入ると、庶民的で優しい空気感へと変わり、灯りの点る窓からは炊事の音が聞こえたりして。でも振り向くと、錚々たる高層ビル街の夜景。このギャップ。「もしかして住むかも」と思うと、西新宿についてさらに調べるようになり、歴史・未来(再開発)・出来事・特徴など、知れば知るほど改めて魅力を感じるようになっていきました。■ 時間とともに気持ちは馴染んでいくそう、建築条件付きの家造りにジタバタ飛び回っている間に、いつしか鳥の心は、四ツ谷くんから新宿くんへと移っていったのです。別件の用事があり、数か月ぶりに四ツ谷くんに会いに行ってみたところ、「えっ……こんな感じだったっけ……?」ケイセイ / PIXTA(ピクスタ)四ツ谷くん周辺の私道はかなり幅が狭めだったため、「こんな狭かったっけ……あれ……あれ……」と違和感を感じてしまったのです。あんなに恋い焦がれていた四ツ谷の空気感にも、心がときめかない。見上げた空に、私を取り囲んで見下ろすビル達がいない。「ああ、私は、いつのまに新宿くんが馴染んでしまった」と気づいた瞬間でした。まだまだ先の話ですが、晴れて希望通りの注文住宅が建てられた直後にも、鳥は新築ブルーになりました。でも、それも時間とともにおさまっていきました。人の心って、このように、時間とともに順応してしまうのですね。しかし新宿くんに気持ちが移っていったことで逆に問題が大きくなりました。希望すれば100%叶うであろう「白紙解除する」という方針から、「R社の仕様の家はイヤだ。でもこの土地は逃したくない。R社に建築条件を外してもらわないといけない」という意向に変わってしまったのですから。(鳥)■この連載の一覧を見る■
2018年08月21日4人家族と2匹の猫がいるS邸は、里山が眺められる約74坪の敷地に建つ2階建て住宅。縦横の空間活用と棲み分けテクで猫も人間も快適にすごしています。そのカッコいい!共生住宅をご紹介します。■ あえての「線引き」で、仲良くハッピーに!猫は16歳になるラムネと2歳のコロン。クッションにちょこんと座るラムネこちらは凛々しい姿のコロン以前の家では家族も猫もごちゃ混ぜ暮らし。親密だけどストレスも結構あったと言います。だから新居では、ある程度猫と人間の棲み分けを意識したそう。サイトで施工例を見て、透明感ある空間の雰囲気に惹かれて設計を依頼したのが建築家の関本竜太さん。関本さんはリビングは吹き抜け状で、開放感を楽しみながら家族とペットが一体となる空間としました。猫は壁面のステップなどを使って上に上がり、キャットウォークを兼ねた梁を散歩。高い場所が大好きな習性を生かした設計です。「行動を様々伝えて形にしてもらいました。ただ『ここを飛び越えた?』『どうやって来たの?』と想定外の動きも多くて驚きます」(夫)。そうした新鮮な出来事の数々こそ、ペットを飼う醍醐味かもしれませんね。梁と柱がダイナミックに交差するS邸。猫はデスクから梁の上に飛び乗り、前進してときに座り込み、さらに2階の床までジャンプ!「放物線を描いて飛ぶこともあってビックリします」(妻)。こちらは、2階の梁の上を前進あるのみのコロン。コロンに目をやると自然と米ヒバ張りの勾配天井やハイサイドライトを仰ぐことになり、開放感も味わえます。■ キッチン回りも猫の自由区。広いカウンターがお気に入り!オープンなキッチンは対面側がカウンターデスク仕様。時間差で食事をとることも多い夫や長女・次女が、妻と会話を楽しめるスタイルです。リビングには猫が大好きな爪研ぎ用のポールも備えており(手前右)、ここから2階によじのぼることも!ポールはインテリアにしっとりと馴染む材質と仕上げ。関本さんが敬愛する北欧の建築家・デザイナー、アアルトの住宅に対するオマージュでもあるそうです。広々としたワークトップの上もコロンの大好きな場所。真正面に庭を望む位置で、小鳥の動きなどに敏感に反応します。左写真はキッチンの内側。奥の扉を開けると物置に通じます。右写真は物置内部で、奥のほうに猫たちのトイレが。「キッチンのすぐ隣なので悩みに悩みましたが、よく目が届き掃除もしやすいので、結果正解でした」(妻)。扉には猫用のドアもついているので、行き来自在!南東のコーナーを窪ませたリビングには、ゆったりとしたウッドデッキを設置。外気に触れることが大好きな猫たちの憩いの場になっています。敷地の前は視界が眺望もよく、2階に張り出したテラスは月見にもぴったり。木製フェンスで囲われた庭は散歩にも最適。家族のプライバシーも守ってくれます。■ 猫の侵入がNGな部屋は錠でガード!DKの真上に位置するのが、ミニマムな仕様の2部屋の子ども室です。子ども室を含むS邸の建具のほとんどは引き戸で、随所にサムターン錠を設置。以前、暗がりを好む猫が物置に入り込んで乱雑にしたので、妻のWICにはマストでサムターン錠をつけました。「猫は器用で賢いけど、さすがに錠は回せない。錠は入ってほしくない部屋はもちろん、入ってほしくないときにも役立ちます」(妻)。左はスタディコーナーで、手前にロフトに上がるはしごを設置。右はロフト内部。子どもが読書や友人とおしゃべりするときなどに使う、ちょっと秘密基地めいた空間です。トップライトから日差しが注ぎ、冬場は猫がぬくぬくしていることも!ペット共生住宅というとペットへの愛情ゆえにベタな仕上がりになりそうですが、S邸はとてもこざっぱりとしてニュートラルな雰囲気。設計者の関本さんは話します。「ペットへの意識はほどほどがベスト。あまりペット中心になると建築の自由度が狭まる。ご夫妻と話し合い、それは避けようとなりました」。さりげなくペットへの工夫を生かし、家族の暮らしやすさも重視したS邸です。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2017年5.6月号」を参考にしてみてくださいね。設計/リオタデザイン撮影/中村風詩人【巻頭特集】「美キッチン and 極楽バスルーム」/「“ネコと暮らす”ということ、“イヌと暮らす”ということ」豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン
2018年08月18日皆さんは注文住宅派ですか?それとも建売住宅派ですか?それぞれメリットとデメリットがあるので、どちらが良いかなんて決められないですよね。とはいえ、2棟も購入するわけにいきません。だからこそどちらにしよう、と悩んでしまいますよね。今回は注文住宅を選ぶべき人と、建売住宅を選ぶべき人、またそのメリットとデメリットについて考えていきたいと思います。自分たちに合ったスタイルを見つけて、後悔しない家づくりをしましょう。注文住宅と建売住宅、その違いと確認したいポイントそもそも注文住宅と建売住宅の違いは、どういったものなのでしょうか?2つの違いと購入する前に確認したいポイントをご紹介します。注文住宅とは?Satoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)注文住宅は完成形がなく、自分たちで間取りやインテリアなどすべて考えて建てます。でき上がったものがないため、住宅展示場や実際の建てた家を見に行って、どんな家にしたいのか想像力を膨らませます。また坪単価はありますが、金額も決まっていないため、自分たちのさじ加減で総予算が変動します。つまり、建物だけでなく、解体工事なども含め全体のプランができ上がるまで、資金計画が見えないところがあります。注文住宅を建てる前に確認したいポイント注文住宅で建てる前に確認したいポイントは以下の3つです。実際に色々な建物を見て、自分のしたいことが明確にできているか?家を建てたらしたいことをメモしてあるか家を建てるのにどんな費用がかかるか把握しているか。その上で資金計画を立てているか注文住宅は最後までどんな建物ができるのか、いくらかかるのか見えません。大きなお買い物ですが、意外とざっくりでしか計画を立てていない人が多いものです。建売住宅とは?cba / PIXTA(ピクスタ)建売住宅は注文住宅とは正反対で、最初から完成形があり、その中から自分たちが選んでいくというものです。ですから、購入する前に確認できるので、気に入ったものがあればすぐに購入できます。あらかじめ金額が見えるのも、わかりやすいところです。ですが、建売住宅はしっかりしてるものもありますが、いかに早く建てて、早く売るかなので工事がどこまで丁寧なのか見えない部分があります。建売住宅を購入する前に確認したいポイント建売住宅を購入する前に確認したいポイントは以下の3つです。瑕疵担保責任ではなく、他に保証はついているのか?また、それは何年か?どこまでが標準なのか?ペアガラスなど、オプションになるものはあるかサッシや扉などの取り付けなどがしっかりしているか建売住宅を購入したあと、オプションで数百万円上がってしまったという事例もよく聞きます。あらかじめ確認しておきましょう。注文住宅と建売住宅、どちらが向いているか?どちらも一長一短であり、悩むところは多いでしょう。選ぶ基準は、自分がどちらが好みかどうか、で決まっていくのではないでしょうか。注文住宅に向いている人cba / PIXTA(ピクスタ)注文住宅に向いている人の傾向は以下の4つです。「家を建てたら〇〇がしたい」など理想やこだわりがある。金額よりも保証内容を重視したい。家の工法や、外装・内装にこだわりがある。家づくりをじっくりと楽しみたい人建売住宅に向いている人Ushico / PIXTA(ピクスタ)今度は建売住宅に向いている人はどんな人か見ていきましょう。向いている人の傾向は以下の4つです。とにかく初期費用を安くしたい。家の間取りや保証など、あまりこだわりがない。入居するのに急いでいる。あまり手間をかけたくない人。いかがですか?あなたはどちらが多く当てはまりますか?注文住宅 or 建売住宅。その選択に後悔しないために…cba / PIXTA(ピクスタ)ほとんどの方は住宅を購入するのは一生に一度で、多くても2回程度でしょう。大きな借金を抱えて、ずっと住んでいく家ですから、後悔したくありませんよね。業者さんから「今買わないとなくなってしまいますよ」と言われることが多いと思います。それはあながち間違いではありません。人気の物件は本当に問合せが殺到して、すぐに購入されてしまいます。すべて条件が同じ土地は、この世にありません。YNS / PIXTA(ピクスタ)ですから、本当に自分たちが納得して気に入ったのならばすぐにおさえるべきです。しかし、少しでも引っかかるところがあるならば、他の人に買われても仕方ないという覚悟で、購入するのを思い留まりましょう。そして納得するまで見させてもらってから、購入するようにしましょう。cba / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?何度も言いますが、住宅は一生に一度の大切なお買い物です。どこで踏ん切りをつけて良いのか判断が難しいところですよね。購入を思い立ったら行動すると同時に自分たちはどうしたいのか、しっかりと家族ですり合わせしてから購入することをオススメします。
2018年08月17日日々進化する住宅設備のおかげで、わたし達の暮らしは大変便利なものになりました。しかし、住宅設備のなかには、設置した後に思いもよらないトラブルやクレームが発生することも。今回は、意外な住宅設備トラブルについて、4つの具体的な例を挙げながらお話ししたいと思います。■ 1.「魚焼きグリルのガラス窓」で幼児がやけどをする事故もruna / PIXTA(ピクスタ)キッチンコンロについている魚焼きグリルのガラス窓にさわり、幼児がやけどをする事故が増えています。国民生活センターによると、「魚焼きグリルのガラス窓」でやけどを負う幼児は、月齢8か月から25か月(0歳~2歳)で、身長は70~80cm。一方、魚焼きグリルのガラス窓の高さも、おなじく70~80cmとなっています。また魚焼きグリルのガラス窓の温度は、魚焼きグリル使用時で84度(IH)~150度(ガス)と高温です。つかまり立ちや歩行ができるようになった幼児が、伝い歩きで魚焼きグリルのガラス窓をさわると大やけどをする可能性も。mits / PIXTA(ピクスタ)対策としては、歩き始めの好奇心旺盛な子どもが触れないように、キッチンに侵入防止用の柵をつける、幼児期には魚焼きグリルを使用しない、などの方法があります。また魚焼きグリル扉の高温を抑制できる商品も販売されているので、コンロごと交換するという方法もあります。■ 2.「省エネ給湯器/家庭用コージェネシステム」と睡眠障害の関係ABC / PIXTA(ピクスタ)エネファームやエコキュート・エコウイルなど、電気やお湯を高効率で生み出し、環境にも優しい「省エネ給湯器/家庭用コージェネシステム」は、国や自治体の補助金などの後押しもあり、設置するご家庭が増えてきています。しかし、自宅や隣家にある省エネ給湯器/家庭用コージェネシステムの運転音により、不眠や耳鳴り・頭痛などの健康障害を発生したという訴えが、最近、目立ってきています。HiroS_photo / PIXTA(ピクスタ)健康障害の原因とされているものが、運転音に含まれる「低周波音」で、人体に不快感や圧迫感・睡眠障害を引き起こすと言われています。家庭用コージェネシステムの運転音と健康障害の関係性は断定はできないものの、その関連性は否定できないと、消費者安全調査委員会(消費者庁)も判断しています。いまのところ明確な対策はありませんが、運転音の発生源である省エネ給湯器/家庭用コージェネシステムの設置位置を、建物から少し離れた場所に設置・移設するなどの方法がとられています。■ 3.「温水洗浄便座」で低温やけど!?naka / PIXTA(ピクスタ)今では多くの家庭に普及している「温水洗浄便座」。その普及率は6割を超えています。1年を通して便座が温かいのは快適ですが、皮膚感覚の弱い高齢者には注意が必要です。独立行政法人製品評価技術基盤機構によると、高齢者が温水洗浄便座を使用して「低温やけど」を負った事故が、平成27年に4件発生しています。「低温やけど」は、体温より少し高い熱が長時間作用することで皮膚の深部にまで及び、皮下組織が壊死する場合があるため、重傷事故に至るおそれがあるものです。対策としては、便座の温度設定を「低」にするか、または使用直前まで温めて、使用中は「切」にするなどの方法が推奨されています。■ 4.「24時間換気」は音がネック?ABC / PIXTA(ピクスタ)新鮮な空気を取り入れて空気中の化学物質を排出し、また結露やカビの発生をおさえる「24時間換気」は、いまの住宅には、設置が義務付けられています。この24時間換気ですが、換気方式が3種類あります。そのなかで、給気も排気も機械で行う第一種換気方式は、計画的な換気が可能な反面、ファンなどから発生する異音が、クレームへとつながっています。「寝室についている給気口からの音が、思ったよりうるさくて、眠れない」という苦情は多い反面、「運転音であって、故障ではない」というメーカー側の見解から、交換などの対応はしてくれません。対策としては、ダクトや給気口まわりに、消音ボックスを取り付ける方法がありますが、取り付けの際には、メーカーに確認する必要があります。イグのマスタ / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?エコで快適な住宅設備は、いまでは生活に欠かせないものとなりました。しかし、使い方や設置場所を考慮しないと、トラブルになってしまうケースも。設置してから後悔しないためにも、住宅設備の選定・使用は、慎重におこなってください。(しかまのりこ)【参考】※国民生活センター/こんろのやけど※消費者庁/家庭用コージェネレーションシステムから生じる運転音により不眠等の症状が発生したとされる事案※独立行政法人製品評価技術基盤機構 高齢者の製品事故にご注意ください-介護ベッド、電動車いす、温水洗浄便座-
2018年08月16日マイホームは「一生に一度の買い物」とよくいわれていますよね。これから建売住宅か注文住宅の購入を考えている方が、筆者の体験をもとに購入するときに知っておきたいことについてご紹介します。■ 建売住宅もしくは注文住宅を購入するときに確認したいことマイホームを購入するときに私自身が確認したことは、主に「設備」と「家事動線」の2つでした。詳しくは以下にまとめます。設備の確認maruco / PIXTA(ピクスタ)建売住宅やか注文住宅の購入において事前に確認したいポイントは、やはりコストと住宅に導入する設備の性能のことです。特に注文住宅は、土地だけの価格は提示されていても、家に関する価格は最初から提示されていません。実際に我が家も注文住宅を選択(※後述も参照)しましたが、設備を選ぶときに「あれも入れたい、これも入れたい」という欲望が積み重なったことで予算がオーバーしました。最後は夫婦で話し合って本当に必要な設備を選びました。家事動線の確認TATSU / PIXTA(ピクスタ)家事でキッチンや洗面所をフル活用する立場だと、家選びでもやはり「使いやすさ」を重視するでしょう。私もマイホームを検討している段階で、キッチンや洗面所といった家事動線が自分の考えとマッチしているか分析し、頭の中でシミュレーションも行いました。新しい家に住んでから「前もって分析やシミュレーションすれば良かった……」と後悔しないよう、家事動線も忘れずに確認しましょう。■ 建売住宅と注文住宅、それぞれどんな人にオススメ?我が家では、賃貸住宅に住んでいた時期に娘がピアノを習い始め、アップライトピアノを購入しました。Tomoka / PIXTA(ピクスタ)ピアノを置くスペースや間取りのこともあり、マイホームには注文住宅を選びました。私のこれまでの経験と、同じくマイホームを購入した友人の様子から、建売住宅と注文住宅のそれぞれの向いているタイプについてまとめてみました。建売住宅がオススメの方めがねトンボ / PIXTA(ピクスタ)早いタイミングで戸建てを手に入れたいと考えているリーズナブルな価格で戸建てに住みたいという考えがあるなど注文住宅がオススメの方cba / PIXTA(ピクスタ)もともと一からモノを作り上げることが苦にならないタイプライフスタイルにこだわりがあり(子どもが本格的に楽器を習っているなど)、ブレない考えを持っている子どもの独立などでリフォームも視野に入れているなどさて、皆さんはどちらのタイプでしょうか。ぜひチェックしてみて下さいね。■ マイホームは大きな買い物、だからこそ後悔しない最適な家づくりを建売住宅と注文住宅はタイプが違っても「人生で大きな買い物」であることに変わりありません。izumi / PIXTA(ピクスタ)だからこそ後悔しない「家づくり」にしたいものですよね。設備や家事動線の確認だけでなく、生活環境・間取り・将来のビジョン、そして家族の好みや考えなどをトータルで検討することをオススメします。
2018年08月14日こんにちは。新宿に注文住宅を建てて暮らしている鳥と申します。R社との建築条件付きの家づくりが始まって以来、安心材料がひとつも出てこない状況に、ただただ追い詰められていった鳥夫婦です……。■ 設計・施工業者との関係図マイホームの建て方で最も多い形って、ハウスメーカー(HM)や工務店と契約し、設計・施工の両方を一括で請け負ってもらう形ですよね。また先に書いてしまいますが、鳥夫婦が最終的に採用できたのは、設計事務所に設計を依頼し、工務店に施工してもらう形でした。そしてR社との建築条件付きの家づくりはちょっと特殊で、以下のようにR社が間に立っている形です。だから鳥夫婦はこれまで一度も施工のT社と接触したことがなかったのです。しかし、ある日コンサルさんから「住設機器なども実際に目で見て触った方が良いですよ。”積極的でうるさい施主だ”という印象を持たせる方が良いので、ぜひT社のショールームに行かれたらどうでしょう」というアドバイスを受けました。追い詰められていた鳥夫婦は、さっそく保奈美さん(40代半ばだと思われる女性設計士さん)に頼み、T社に訪問しました。■ 自分たちの家なのに情報を秘密にされるって…T社は直接施主からの依頼(B to C)も受ける工務店ですが、今回はR社が依頼主である「B to B」のお仕事。対応してくれたT社の営業くんも「B to B」部署所属でした。営業くんに案内されながらショールームで住設機器を見学し、今回の仕様についても説明してもらいました。そしてある程度会話が進んだところで、鳥夫が質問しました。「あの一式見積りというものが、どうも私達一般人には受け入れがたいのですが……。R社とどのような契約の仕方をされているのですか?やはり坪単価で話をつけているのでしょうか?」↑以前の記事に掲載した見積書の再掲です営業くん「そうですね……確かにそう思われるのはごもっともだと思うのですが、業界的にそういうやり方でして……。今回はこれこれこういう仕様で坪単価いくら、という契約の仕方なんです。逆に一から見積もったらとても金額が高くなってしまうと思いますよ」鳥夫「それはちょっと困った話ですね……。でも我々としても、あの一式見積書ではちょっと……。厳密なものではなくても、大体でも良いので、なんとか詳細見積書をいただきたいのですがねー」営業くん「うーん……。保奈美さんと相談してみますね」鳥夫「営業くんは、我々がR社から提示されている坪単価はご存じですか?ぶっちゃけ、御社とR社では坪単価いくらで契約しているのでしょうか(笑)?」営業くん「それはちょっと答えられないですね(笑)。あと保奈美さんから鳥夫婦さんにいくらで提示されているのかは、こちらは存じておりません」なんかこの関係性に違和感……。なんでうちの家なのに情報を開示されないの?うちの家じゃなくてR社の家みたいに感じるのは鳥がおかしいの?■ 照明の数さえも標準超えるとオプション!鳥「最初R社さんは別の工務店さんを検討されてましたが、最終的に御社に決まりましたよね?最終的に御社に決まった理由は何でしょうか?」営業くん「その工務店さんのお話は聞いていませんでしたが、そうですねー……、うちは坪単価が低い割に標準仕様が豪華なんですよ。私は前職も今と同じ仕事をしていたのですが、T社に転職してきたとき、”え、ここまで付くの?”って驚いたんですよ。例えば今回の坪単価だと、他の工務店では絶対に食洗器は付かないですね!」でも私達に提示されている坪単価は、R社がたんまり上乗せした後のものでしょ……。いくらT社が安く提供してくれたってR社が儲かるだけじゃん……。せっかく営業くんに付き合ってもらったのですが、鳥夫婦が「このまま素直にR社とT社に建ててもらおう」という気持ちになることはありませんでした。むしろ営業くんとの会話の中で「照明の数も”標準”があり、超えるとオプション」ということを知ってしまい……。「我が家の設計テーマは”ランプの点る家”にしよう!」などと考えるほど照明にこだわろうと思っていた鳥には、さらに萎える結果となりました……。(鳥)■この連載の一覧を見る■
2018年08月10日こんにちは。新宿に注文住宅を建てて暮らしている鳥と申します。R社との建築条件付きでの設計が始まりましたが、勝手に耐震等級や窓の枚数が決められており、「標準」を外れると「オプション」とされる家づくりに違和感ありまくりの鳥夫婦です。■ ローン仮申請のために作った外観図外観図といえば、ローン仮申請のために作った仮プランの際にもいただいていました。でも、あの頃はまだ建築条件付きの家づくりについて無知で、ネット上で見ていたようなスタイリッシュな家ができると思っていた頃。「この外観図って、設計ソフトで自動的に出力されるやつだよね?ローン仮申請のためのイメージ図だよね?」と本当に当たり前に思い込んでしまっていたのです。「まさか私達の家がこのようなデザインであるはずがないでしょ。あはは」って……。そして無事ローンの仮申請が通り、R社と契約を結び、保奈美さんとの家づくりが始まりました。1か月半もすると、鳥の言いなりの間取り・標準枚数に収められた窓・7枚以上の耐力壁などが加味された平面図(間取図)ができあがってきました。そしてそれと同時に外観図(パース図)も渡されたのですが……「えっ……まさか……本当に……この外観……なの……?」あまりの衝撃に、鳥は言葉を発することができませんでした。■ 鳥夫婦の希望する外観イメージ時は少しさかのぼり、保奈美(40代半ばだと思われる女性設計士さん)さんと初めてお会いした日。実は鳥夫婦からマイホームの「希望イメージ集」なるものをお渡ししてあったのです。それは、鳥が「素敵だな」と感じたネット上の画像を貼って、特徴を明記したもの。以下が外観についてのページでした。ここに記載されている通り、外観における鳥の希望はシンプルモダン四角いでした。白いシンプルな壁に、シンボルのように配置された窓……。今宵もその窓から、家人が今・ここで生きている証の灯がもれ……。道往く人々の心まで点すような、計算された美しさ……。ここまでは語ってはいませんが、「四角くてシンプルな外観にしてほしい」とは保奈美さんに伝えてありました。チンク / PIXTA(ピクスタ)設計部長さんとメールだけで設計したローン仮申請とは違い、今回は正式に保奈美さんと相談しながらの本設計です。住設機器などは決められた既製品で仕方がないにしろ、デザイン的な面は(既製品などないのだから)希望通りにしてもらえるものと思い込んでいました。そんな無邪気でバカだった鳥が、保奈美さんから外観図を渡されたときの衝撃をご想像いただけるでしょうか?さあ……、保奈美さんから渡された外観図は……、こちらです!何?この三流音楽家の髪型のような屋根……。何?この乳みたいにうつむいた正面の双璧……。また見るたび脱力したのは、「鳥さんが、四角い外観がご希望とのことなので……」と付けてくれたというこの立ち上がり壁……。(古い商店街に行くと、この立ち上がり壁のある建物をよく見かける)建築家物件を見て憧れてつけてもらった「横長の地窓」が、皮肉にも鳥の儚い憧れを思い出させるシンボル窓となってしまいました……。想像していたイメージとのあまりのギャップに、その日は落ち込みのあまり食欲をなくしてしまいました。(鳥)
2018年08月02日こだわりの注文住宅を建てたいけど、「どんなことに気をつけたらいいの?」「そもそも注文住宅は自分に向いているの?」など、分からないことだらけ…。そこで、注文住宅についての様々な疑問を、実際に注文住宅を手がける設計事務所の代表者に聞いてみました!今回、ご協力いただいたのは、甲斐建築設計(東京都町田市)の代表を務める甲斐裕規さん。甲斐さんは大手ハウスメーカーに10年間勤務した経歴もお持ちで、その当時の経験についても色々伺ってみました。■ ハウスメーカーで建てる人は何を求めている?ハウスメーカー時代に多かったお客様の要望などを教えてください。「圧倒的に多かったのは、“収納を多く取りたい”でしたね。次が家事動線。“洗面室に洗濯機を設置するより、洗濯物を干す階に洗濯機を設置したい”など、家事動線に対するこだわりのご要望も多くありました」今回取材にご協力いただいた甲斐さん「子ども部屋は各自欲しいけど狭くてOK、勉強はリビングでするので広いLDに大きめのダイニングテーブルを置きたい、などの声も多く聞かれました」ハウスメーカーで注文住宅を建てる場合どんなことに注意すべき?norinori303 / PIXTA(ピクスタ)「メーカーによってはお客様と設計のセッションが少ないところもあるようなので、営業マンだけではなくデザイナーが入って打ち合わせしていただけるメーカーさんを選んだ方が良いかと思います」ハウスメーカーで注文住宅を建てているのはどんな人が多い?akey / PIXTA(ピクスタ)「建築の専門的なことよりも、ハウスメーカーに対する安心と信頼を優先される方が多かったような気がします。地元工務店と競合する事は少なく、現在もその感じは変わっていないように思います。現在、当社を検討いただくお客様もハウスメーカーさんと競合するケースはほとんどありません」■ ハウスメーカーと地元工務店の違いについてYUMIK / PIXTA(ピクスタ)ハウスメーカー時代のお客様と、現在の設計事務所のお客様では要望などに違いはありますか?「まず共通しているのは、建築基準法の改正や地震等の影響から、耐震性能や断熱性能などを注視されるお客様が多くなっているのを感じます。ハウスメーカーは住宅性能の実験などを行い、その計測結果をカタログ化し根拠を示すことで地元工務店等との差別化を図っていますが、ここ数年で建材(サッシ、ガラスなど)の性能が飛躍的に向上した事もあり、地元工務店の造る住宅もその性能(耐震、断熱等)に遜色は少なくなっているように思います」ZEAL / PIXTA(ピクスタ)「その様な背景もあると思うのですが、当社に相談に来られるお客様は、予算と相談しながら“この予算で何々ハウスさんみたいな家にしたい“というお客様であったり、“耐震、断熱はもちろん薪ストーブを入れて、一部に大谷石を使ったり古材を利用したカフェのようなリビングを作りたい“など、限られた予算の中でこだわった部分を住まいに取り入れたいというお客様が多いです」chikaphotograph / PIXTA(ピクスタ)注文住宅を手がけるうえで大事にしていることは?Komaer / PIXTA(ピクスタ)「最近は雑誌、インターネットなどで十分研究し、イメージがある程度固まっているお客様が多いので、プランニング段階で細かい部分の提案を大事にしています。間取を立体にしたときのイメージはしにくいので、“この空間に棚を設置しませんか“とか“この隙間に小窓をつけませんか“といった、空間や採光に対する提案や、“この扉は冬場しか開閉しないので引き違い戸にしましょう“など、実生活での利便性をプランニングの段階で提案するようにしています。私の好みを提案していると言われればそうかも知れませんが(笑)、設計事務所ごとの違いや特色ってそういう所なのかもしれません」さるとびサスケ / PIXTAさまざまな夢をつめこんでつくる注文住宅。ハウスメーカーに依頼するか、設計事務所に設計・監理を依頼するか、設計施工を一括して地元の工務店に依頼するか、選択肢はさまざまです。それぞれの特徴を理解し、理想の住まいづくりを楽しんでください!【取材協力】甲斐裕規さん注文住宅の設計・監理を手がける甲斐建築設計の代表。各種不動産の管理、売買、仲介などを行う不動産管理センター マルシャン(株式会社マルシャン)の代表も務める。
2018年07月27日こんにちは。新宿に注文住宅を建てて暮らしている鳥と申します。勝手に決められている「標準」内での設計、鳥の言いなりの間取り、目を疑うダサさを誇る外観図に、とうてい満足できるはずもない鳥夫婦。そしてコンサルさんの指示通り、断熱・シロアリ対策についても確認したのですが……。■ 断熱について問うコンサルさんから「断熱工法を教えてもらってください」との指示を受け、保奈美さん(40代半ばだと思われる女性設計士さん)に質問してみました。すると「グラスウール(重さ10kg・厚み75mm)を壁面に敷き詰める予定です」とのご回答。断熱材については主義主張によって評価が変わり、どれが優れているのかは一概に言えないようですね。ただいずれにしろR社の「グラスウール(重さ10kg・厚み75mm)」という選択は、「それが最も断熱性能に優れている」からではなく「最低限の性能を確保するための選択」だろうと思いました。耐震等級と同じく。保奈美さんに一応「断熱性能についても気がかりなのですが……」と伝えたのですが、「まあー、でも昔に比べれば、今の家は暖かいですよ」という返答だけ……。ちなみに今回の施工業者に決まっているT社は、「Tハウス」という高気密高断熱工法をウリにしている工務店でした。だったらそのご自慢のTハウス仕様で建ててくれれば良いものを、今回の仕様はそうはなっていない。保奈美さんに「Tハウス仕様にしてほしい」と頼んだところ、「Tハウスそのものは無理だが(理由はおそらく保奈美さんが設計できないため)、せめて断熱材はグラスウールからTハウス用の断熱材に変えてくれる」とのこと。も・ち・ろ・ん、オプションで。なんかさ、コンサルさんのアドバイス通り、「自分たちの要望をぶつけて、できる限り良い家にしていただく」べく対応してもらっても、根本的なツギハギ感が否めないのよね……。ジップアップのフリースを作るお店に行って、「ジップアップのフリースなんて嫌よ!」「フリース生地ではなくダウン生地に変えて!」「裾はロングに伸ばして!」と要望をぶつけて、無理やり仕立てさせているみたいな……。フリース用の型紙なのにダウン生地に変えてしまってズレは出ないのか?ロング丈に伸ばすのにジップアップのままで良いのか?だったら、はなからオーダーメイドのお店に注文した方がスムーズに仕立ててもらえますよね?まさにニーズと合わないお店に行ってしまったということです……。■ シロアリ被害の実体験またコンサルさんから、シロアリ対策についても確認するよう指示がありました。ちなみに、鳥の実家はRC造なのですが、築10年ぐらい経った頃だったかしら……、突然、階段の踊り場に大量の羽蟻が出現しました!第一発見者はまだ若かりし頃の鳥だったのですが、いつものごとく無防備な心持ちで階段を駆け上がったところ……、Tevarak / PIXTA(ピクスタ)この突然目の前に現れた「本能が拒絶する光景」に、「ヒィッ!」と短い悲鳴をあげました(「キャーッ」という悲鳴って、現実には出ないですよね)。それから毎年、春になると、律儀に階段の踊り場から出現するようになった羽蟻たち。あいつら、風の強い日に出てくるんですよね……。きっと風に乗って、明るい未来へと旅立っていくつもりなんでしょう。最初は怯えまくっていた鳥も鳥姉も、いつしか春の風物詩として慣れてしまい、羽蟻が出ても無言でキンチョールだの掃除機だので処理するようになりました。ちなみに今ではもう羽蟻は出ていないようです。RC造りでも断熱材の種類によっては喰われることがあるとのこと。もう羽蟻は鳥実家の断熱材を喰い終わったのかもしれません。■ シロアリの大好物「ホワイトウッド」が柱に!?さて、このような実体験があるために、鳥は人一倍シロアリを怖れていました。やっと見せてもらえた詳細仕様書によると、構造材の仕様は以下のようなものでした。コンサルさん曰く、この通し柱・隅柱・管柱に採用されている「WW」とは「ホワイトウッド」のことらしいのですが……なんとこのホワイトウッドは腐朽菌にも弱い上に、シロアリの大好物とのこと!(ホワイトウッドの産地はシロアリの生息していない北欧)にもかかわらず、国産の木材に比べて安価ゆえ、コストダウンのために数多く流通しているとのこと。R社もさすがに土台にまで採用することはしていませんが、「シロアリの大好物が柱に使われる家」なんて知ってしまった鳥夫婦の気持ちは、あえて書かなくてもわかっていただけますよね……。(鳥)
2018年07月27日たくさんの物件を見学して、オンリーワンの住まいが見つかったら、次は「住宅ローン」の申し込みです。住宅ローンにはいくつかの種類がありますが、どれを選ぶのが一番「お得」なんでしょうか?■ 金利の種類を知ろう!MaCC / PIXTA(ピクスタ)住宅ローンの金利には、変動金利と固定金利の2種類があり、さらに固定金利には、一定期間の金利を固定する「固定金利特約型」と、完済まで固定の「全期間固定金利型」の2種類があります。ここでは全期間固定金利型についてご紹介します。まずはそれぞれの特徴やメリット・デメリットをみていきましょう。■ 「変動金利」ってどんなもの?変動金利のメリット変動金利の大きな魅力は、固定金利より低い金利設定です。「変動」と聞くといつも金利が変わって返済額が安定しないイメージがありますが、変動金利の仕組みを知ると、実はそうではないことが分かります。saki / PIXTA(ピクスタ)変動金利の場合、その利率は年2回(4月1日、10月1日)見直されますが、しかし、その都度毎月の返済額が変わるわけではなく、返済額は5年間一定となります。5年後、年2回ずつ見直された金利がトータルで上昇または下降していれば、それが返済額に反映されます。そこで大幅に返済額が増えてしまうとその支払いが困難になる場合もありますので、金融機関はどんなに金利が急上昇しても5年後の返済額は、「現在の返済額×125%」を上限にするというルールを設けているのです。変動金利のデメリットKY / PIXTA(ピクスタ)固定型より安い金利、返済額が5年間一定、125%ルールなど、メリットの多い変動金利ですが、デメリットもあります。さまざまなルールを設けていても、金利の上昇はやはりリスクです。たとえば金利の急上昇が続き、5年後の返済額を125%まで上げても、払いきれない利息が発生した場合、それは「未払い利息」となり、元金の残高が減らない・通常の返済が終了しても未払いの利息ローンが続く・ローン期間終了後に未払い分を一括返済しなければならない、などの可能性もあるのです。■ 全期間固定金利型の代表「フラット35」TOSHI / PIXTA(ピクスタ)全期間固定金利型住宅ローンの代表といえば、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している「フラット35」ですが、このローンにもメリット・デメリットがあります。フラット35のメリットフラット35の最大のメリットは全期間固定金利で返済プランが安定することに加え、融資利率が「低利」であることです。また、保証人が不要で保証料や繰り上げ返済手数料が無料なのも大きな魅力です。フラット35のデメリットさわだゆたか / PIXTA(ピクスタ)変動金利の基準金利は現在2.475%ですが、多くの金融機関では基準金利から-1.7%や-1.85%の金利を優遇し、実際の貸し出し金利は0.7%前後で推移しているのが現状です。フラット35の金利は2018年7月現在、返済期間15年~20年が1.290%、返済期間21年~35年が1.340%(融資割合90%以下、いずれも最頻金利)と、変動金利の倍近くで推移していて、この傾向が続くようなら最終支払総額は変動金利の方がかなり少なくなる可能性があります。makaron* / PIXTA(ピクスタ)また、多くの金融機関ではフラット35の融資にあたり融資手数料を徴収しており、それを融資金額の2%前後に設定している金融機関もあったりします。保証料無料のメリットをうたっているフラット35ですが、融資手数料がかかることでその分が相殺されてしまっているのです。■ 結局、お得な住宅ローンはどれ?日本銀行の公表データによると、変動金利の基準となる短期プライムレート(企業向け最優遇貸出金利)は1.475で、2009年1月から変わっていません。さらにさかのぼって1995年までの短期プライムレートを見ても最高で1.875(2007年3月~2008年11月)となっていますのでその変動幅は大きくありません。変動金利型住宅ローンの基準金利は短期プライムレートに連動しており、その短期プライムレートが約22年という長い期間あまり変動していないことを考えれば、融資実行金利が0.7%前後という超低水準で推移している変動金利型住宅ローンが「今なら」お得といえるかもしれません。しかし、この短期プライムレート、1990年にはなんと「8.25」まで上昇したこともありますので、変動金利を選ぶリスクがゼロではないことも覚えておきましょう。Naoaki / PIXTA(ピクスタ)金利上昇のリスクを「最重要視」するなら全期間固定金利型住宅ローン以外に選択肢はありません。「どっちがお得か」だけではなく「自分に向いているのはどちらか」を考えて住宅ローンを選びましょう!
2018年07月24日注文住宅でよくあるのが、オプション金額の減額。予算を超えてしまった分の費用をどこで削るのか精査する作業です。当初、我が家は200万円ほど予算オーバーな状態だったので、泣く泣く削ったオプションも多々あります……。今回は、どんなオプションにどれくらいの金額がかかるのか、我が家の場合を例に挙げながらご紹介したいと思います!■ 1. 小上がり(ステップ)&収納仕様おしゃれな一戸建てでよく見る、一段上げるための小上がりの仕様です。一段上げるスペースを有効活用して引き出し収納になっているので、さらに金額は高くなっていたと思います。オプション金額はこの部分だけで45万円!予算はカツカツで、目指せローコスト一戸建て!な我が家には、ここだけで45万円は辛すぎます。結果的に、このオプションは泣く泣く削ることに。■ 2. 可動棚の取り付け収納部分に必要な可動棚の取り付け。工務店にお願いすると、一か所5段程度の可動棚のオプション金額は約3万円!家づくり中は金銭感覚が麻痺しがちですが、3万円とはいえチリも積もればそれなりの金額になります。結果、我が家はこの一か所3万円のオプション費用を削って、必要に応じてDIYで棚を取り付けることにしました。微々たる減額かもしれませんが、それくらい予算に余裕がなかったのです……。■ 3. 玄関吹き抜けここは単純に玄関プラス吹き抜け分も延べ床面積として坪単価で計算されてしまいます。我が家の場合、延べ床面積が1坪分プラスされた費用がオプション金額となります。さらに、吹き抜けにFIX窓2つを追加で設置するのも、もちろんオプション金額!ということで、吹き抜け全体のオプション金額は約20万円でした。この吹き抜け部分は、今になって考えると金額以上の満足感があるので、削減しなくて良かったと思います。■ 4. アール垂れ壁アール垂れ壁とは、壁を丸くくり抜いたような形状にする施工です。フレンチテイストやカフェ風の戸建てでよく見られる内装デザインです。vicnt / PIXTA(ピクスタ)私もアール垂れ壁に憧れて、家のどこかにこのデザインを使いたいと思い、廊下部分をアール垂れ壁に!オプション費用は約5万円です。■ 5. 電動シャッターリビングの掃き出し窓を標準よりも一回り大きくし、電動シャッターに変更しました!正直、私は普通の手動シャッターでよかったのですが、「窓が大きくなった分シャッターも大きくなるので、上げ下げがかなり重たいですよ」と言われ、電動シャッターに。でも、いざ使ってみると「全部の窓に電動シャッターを採用しておけばよかった!!」と思うほど便利です。オプション金額は窓を大きくした費用と合わせて、約19万円ほどですが、価値のある19万円だったと感じています。■ 6. 窓の追加mits / PIXTA(ピクスタ)標準以上に窓を増やそうと思うと、そこにもオプション費用はかかってきます。我が家は2階の階段に小さい上げ下げ窓を追加しましたが、オプション金額は3万円でした。大きい窓を増やすとなると10万円単位で費用が増える可能性もあります。■ 7. 手すりを変更吹き抜けに面した腰壁を、くり棒手摺に変更しました!腰壁と違い、視覚的に抜け感があり空間が広く見える効果があります。ABC / PIXTA(ピクスタ)ただし、オプション金額は約19万!決して安い金額ではありませんでしたが、こちらも費用以上の満足感が得られている部分です。■ 8. 勾配天井mits / PIXTA(ピクスタ)2階の寝室を広く開放感のある空間にしたくて、勾配天井を採用しました。寝るだけのための部屋ですが、寝室こそリラックスできるお気に入りの空間にしたいという思いがあったので、こちらも大満足です!オプション金額は約5万円ほどでした。■ ハウスメーカーによってオプション金額に差が!3年目の我が家のLDK当たり前ですが、今回ご紹介したオプション金額は目安であり、ハウスメーカーによって金額に差はあります。標準価格がどれだけ安くても、オプション金額が高額な設定のハウスメーカーの場合、理想の一戸建てを建てようと思うと結果的に費用はかさみます。ハウスメーカー選びの段階で、予定している大体のオプション費用を聞いておくことで、予想外に金額が跳ね上がることも防げますので、オプション費用もチェックしておくのがオススメです!(ayumi)
2018年07月23日ペットは大切な家族の一員です。子どもがいれば、子育ての環境や住み心地を重視しながら家づくりの計画を立てるように、猫や犬たちが快適に暮らせるように計画することも大事ですよね。今回は、ペットも人も快適に暮らすための工夫を取り入れた実例を5つピックアップ!ペットの特性を考慮した工夫が満載の「人とペットが快適で幸せに暮らせる家づくり」を5本まとめてご紹介します。■ マンションなのに5匹の猫がのびのび暮らせる「猫が主役の家」愛猫5匹のために、マンションをリノベーションしたWさん。1983年築、約67平米のワンルームですが、階段付きのメゾネットタイプで高低差が好きな猫にはぴったりの環境です。滑り止め防止も兼ねて階段にはコルクを貼り、猫の脚に負担がかからないように配慮しています。多頭飼いだと、猫トイレも複数設置しなければなりません。そこで、高めのキッチンカウンターを新しく作り、その中に猫グッズやトイレを収納することに。これなら、キッチンカウンターがちょうどよい目隠しになり、リビングは広々すっきり、快適な空間となっています。「猫の家にふたりが住んでいる」という猫が主役の家づくり。猫がストレスを感じずに暮らせる工夫が満載です!5匹の猫が主役の家実例記事はこちら■ 子猫の遊び心を満足させるキャットウォークアメリカンショートヘアの子猫を飼うUさん夫婦は、4LDKの中古マンションを1LDKにリノベーション。そして、好みのインテリアと猫が楽しく暮らせる工夫を両立し、人も猫も軽快に暮らせる住まいに仕上がりました。子猫は好奇心旺盛で、いたずら盛り。あちこち自由に動き回れる空間が必要です。壁をなくし、1LDKの繋がりある広い空間を作ったことで、猫が自由に移動できるスペースが広がりました。リビングの壁一面には、キャットウォークを設置し、その導線の途中に子猫の冒険心をくすぐる仕掛けも施しました。その仕掛けとは一体!?子猫の冒険心をくすぐる、人も猫も軽快に暮らせる実例記事はこちら■ 猫もお気に入り!マンションに取り入れたインナーテラスが大正解Oさん夫婦は、1986年築、広さ66.89平米のマンションをリノベーション。共働きのため室内干しをよくすること、趣味のキャンプ道具の収納場所が欲しいこと、そして何より猫が暮らしやすい工夫が条件でした。だから、バルコニーからみなとみらいが見える眺望を生かし、インナーテラスをプラス。室内なのに、外にいるような感覚になれるインナーテラスは、猫のお気に入りのスペース。室内干しはもちろんのこと、猫の遊び場や日向ぼっこにと役立っています。その他に、インテリアの一部のように見えるキャットウォークなど、参考にしたいテクニックが盛りだくさん!自由度の高いリノベーションで、人も猫も大満足の住まいを実現したようです。インナーテラスを設置して大満足実例記事はこちら■ 床面積を3倍に大改造!マンションなのに犬が自由に走り回れる家2匹のマルチーズを飼うTさん夫婦のお宅は、もともとは1DKの部屋だったそう。その後、空室となった隣の部屋2戸と空間をつなげるために壁を撤去。3戸を1戸にする大改造を経て、現在の形になりました。床面積が3倍にアップしたことで、人もぺットものびのび過ごせるようになったそう。壁には犬専用の通路も設け、犬が自由に部屋を行き来できるようになっています。その他にも、トイレを除くすべての床に床暖房を仕込み、ペットも夫妻も、冷え知らずに。急な来客があっても大丈夫な工夫など、マンションでも自由に快適に過ごせる工夫は、ぜひ参考にしたいですね。マンションで自由に愛犬が走れる実例記事はこちら■ ペット用シンクがリビングにある家クサガメと桜文鳥を飼うNさん一家は、1975年築、89平米の3LDKのマンションにお住まいです。開放的なLDKの一角に、クサガメのカメッチ(11歳)と桜文鳥のぴつ子さん(4歳)が同居しています。水槽や鳥かごなど、こまめな掃除が必要なペットのために、リビングにシンクを設置。自由な発想で必要なものを必要な場所に取り入れた結果、世話する大変さや苦労が減り、楽しい時間が増えたそう。リビングのすぐ横はベランダで、日当たりが良く心地よい風が通り抜けます。ペットも幸せに過ごせるN邸は、マンションなのにすぐそばに自然を感じられる空間づくりにありました。クサガメと桜文鳥が同居する実例記事はこちら
2018年07月22日