息子さんの作文に衝撃を受け、Twitterに投稿したニジマス先輩(@nijimasu_senpai)さん。テーマは『父親について』というほほえましいものですが、息子さんの作文は、父親である投稿者さん本人も目を疑ってしまうような内容だったのだとか。一体、どのように紹介されていたのかというと…。ぼくは、ゲームがすきなお父さんをしょうかいします。お父さんの一番すきなゲームは、APEXです。どうしてすきなのか聞いてみたら、「人をころしたいからかな。」と言っていました。長男くんの作文、子供の前で過激な描写があるゲームをやってはいけない理由がよく分かるな pic.twitter.com/2vAhyJdhy7 — 【デコイ】ニジマス先輩 (@nijimasu_senpai) February 18, 2021 父親が好きなゲームとして対戦型シューティングゲームの『エーペックスレジェンズ(通称:APEX)』を紹介し、その理由を述べた息子さん。しかし、文面だけを見ると父親がとんでもない人間のような印象を与えてしまいます。作文を書くにあたって、息子さんの「好きなゲームは?」という問いに何度も投稿者さんは「RPGの『クロノ・トリガー』だよ」と答えていたのだとか。にもかかわらず息子さんが同じ質問を繰り返すため、投稿者さんがふざけてこのように返答したところ、作文のネタとして拾われてしまったそうです。なんという誘導尋問…!これには、両親だけでなく先生もビックリしてしまったことでしょう。インパクトの強すぎる作文はネットで拡散され、多くの人から反響が上がっています。・これに花丸を付けた先生は一体どんな気持ちだったんだ!?・答えありきの誘導尋問ってオチに笑った。これが発言の切り取り報道…。・息子さんよ、なぜ『クロノ・トリガー』のままで書いてくれなかったんだ…。衝撃的な流れから、「お父さんはゲームがとても上手です」とつづっている息子さん。投稿者さんがゲームをしていると、息子さんはその見事な腕前に拍手をしてくれるのだとか。きっと、普段から父親の姿をよく見ているのでしょう。しかし、ずっと見られているからこそ罠にはめられてしまう危険もあるようです。何気ないひと言を作文のネタにされないよう、世の中の親御さんもご注意ください…。[文・構成/grape編集部]
2021年02月20日5人の子供を育てている、yukaaa.o31さんがInstagramに投稿した『子育て衝撃画像』をご紹介します。カタカナが苦手だという小学1年生の次女。学校の宿題プリントやドリルで衝撃の『珍解答』を連発してしまったようです。抱腹絶倒の母親のツッコミとともにご覧ください!娘の珍解答に、秀逸な母親のツッコミ!ふざけた解答に見えるものの、本人はいたって真面目に勉強しているといいます。さらに、冬休みの宿題では毎日一生懸命、勉強していたものの、解答を見て「先生に見せられない」と母親が焦るほど、珍解答が続出したようです。クセの強すぎる作文に笑わずにはいられない…!「叩くふりをする」や「ぬるぬるぬるぬ」など、大人では思いつかないような珍解答を連発!また、「うすうす気付いていましたが見て見ぬふりをしていました…」と小学4年生になる長男の解答もおもしろいようです。1年生の次女より内容が難しくなった長男の宿題。想像力豊かな解答の数々をご覧ください!「やはり…おっ、おまえもか…」長男の爆笑解答とは『自然保護』を『死前保護』と書く長男。さらに『おいしいレモンシャーベット』と解答するローマ字の問題では、『お尻もしゃべったよ』と斜め上の解答をしていたのです!作文の問題でも、独特な文章を作る長男に母親のツッコミも止まりません。投稿を見た人たちからは、爆笑の声が寄せられていました。・さすが兄妹ですね!血のつながり感じます。・なかなかの文才!声出して笑ってしまった!・笑いすぎてお腹が痛い!涙を流して爆笑した。・ツッコミがいい!真剣に宿題やっていたんだろうな…。本人はいたってまじめに宿題をしている中で生まれた『珍解答』。何度も失敗を重ねて、成長していってほしいですね![文・構成/grape編集部]
2021年01月21日さまざまなニュースに対し、的確なコメントをして注目を集めている、お笑いコンビ『メイプル超合金』のカズレーザーさん。カズレーザーさんに関する記事はこちら2021年1月16日、自身のYouTubeチャンネルを更新。『カズレーザーコメント返し』と題し、チャンネルを視聴している人たちからの質問に回答しています。カズレーザーが若者の質問に回答今回寄せられた質問の多くは、学生や受験生など若者から寄せられたもののようで、勉強や将来についての悩みなどがつづられていました。反響を呼んだカズレーザーさんの回答を、いくつか紹介します。「やる気が出ない時の対処法は?」ある受験生からの悩みは「やる気が出ない時はどうしたらいいですか。受験が迫ってきて怖い」というもの。カズレーザーさんは、次のように答えています。勉強しなきゃいけないことと、やる気があるないが混同しているんじゃないですかね。やる気がなくてもやったほうがいいと思います。モチベーションが低くても、やらないよりやったほうが効果は出るので。「やらざるを得ない」というふうに考え方をシフトするほうがいいんじゃないですかね。カズレーザーの50点塾ーより引用「やる気がなくても、やらなきゃいけないことはやったほうがいい」というカズレーザーさん。さらに「今大事に思っているものって、10年後マジでいらないものが9割」と話し、スマホの解約をしてもいいのではと大胆な助言をしていました。「若いうちにやっておくべきことは?」「若いうちにやっておいたほうがいいと思うことは?」という質問には、自身の経験を踏まえて意外なアドバイスをしています。お腹いっぱい揚げ物とか食べたほうがいい。10年後、本当に揚げ物って食べられなくなる。身体がマジで受け付けなくなる。ある程度収入に余裕が出るようになったら、腹いっぱいトンカツ食おうと思ってたんですよ。でも収入に余裕が出てくる頃にはトンカツを全然おいしいと思わなくなっちゃった。こんな不幸はないので。若いうちにやっとくべきことは、若いうちにしかできないことなんですよ。それは意外と勉強じゃなかったりするので。カズレーザーの50点塾ーより引用若いうちにやるべきことについて、なんと「揚げ物をいっぱい食べる」と答えています。確かに、揚げ物をいくら食べても胃もたれをしないのは、若い時だけかもしれないですね。ちなみに、勉強については「何歳でもできるし、焦らなくてもいい」とも話していました。「将来の夢がないって変?」動画で最後にアドバイスした質問の内容は『将来の夢』についてのこんな悩みでした。将来の夢を作文で書けといわれたのですが、今やりたいことがありません。でもクラスのみんなは警察官や、医師、美容師など将来の夢を持っています。将来の夢を持っていない私は普通ではないのでしょうか。ほかの同級生と違い、夢がないことに不安を抱いていた質問者。これに対し、カズレーザーさんの回答は…。いや、すげえ普通だと思いますね。学校の作文で夢を書いたところで、学校の先生が夢を叶えたとは限らないので、そんな人に判断ができるわけないじゃないですか。意味ないんですよ、こういうことって。意味のないことでも上に振られてやらなきゃいけない不条理を一回学ぶと思って、嘘でもいいのでなんか書いたほうがいいと思います。将来の夢があるかないかを先生は判断できない。お題が出されてそれに対する回答ができるかという能力くらいしか判断できない。将来の夢はなくても、見つければいい。僕だってまだ将来の夢はないんだから。タウンページをパッと開いて、そこにでた職業を夢にして、それについて書けばいい。カズレーザーの50点塾ーより引用将来の夢が見つからず、悩むのは子供や若い人だけに限らないのかもしれません。カズレーザーさんは質問者に対し「普通かどうかなんて考えなくていい。みんな異常だし、みんな普通。みんな天才でみんな凡人なんだから。いいんですよ気にしなくて」と温かい言葉をかけていました。動画を見た人たちからは、さまざまなコメントが寄せられています。・「やる気がない時は勉強してなくても仕方ない」みたいな考えになってしまっていたかも。勉強、ちゃんとやります。・「10年後には必要ないもの9割」は本当に名言だと思います。大人になると、よりしみる…。・回答の一つひとつが的確。将来の夢って考えてみれば、職業じゃなくてもいいと思います。・「みんな異常だし、みんな普通」という言葉に救われました。本当にその通りですね。飄々とした雰囲気を醸しながらも、質問者の悩みや不安な気持ちに寄り添い、的確なアドバイスを贈ったカズレーザーさん。その言葉に、励まされる人も多いのではないでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2021年01月20日映画『弱虫ペダル』(8月14日公開)の公開感謝特別舞台挨拶が5日に行われ、永瀬廉(King&Prince)、山下大輝(アニメ版『弱虫ペダル』小野田坂道役)が登場した。同作は累計2500万部突破の大人気スポーツ青春漫画の初実写映画化作。連載は今年で12年を迎え、アニメ・アニメ映画・舞台・小説・ドラマなど様々なコンテンツでメディアミックスされている。地元・千葉から秋葉原にママチャリで通うアニメ好きの高校生・小野田坂道(永瀬)が、あることをきっかけに自転車競技部に入部することとなり、そこで出会ったかけがえのない仲間たちの為に、自分の限界や壁を越え、レースに勝利するための努力を覚えていく。今回のイベントでは実写版・坂道とアニメ版・坂道の夢の共演が実現し、会場のボルテージが高まる中、永瀬は過酷だった撮影について振り返りつつ「映画を観てくれたみなさんから面白かった! と言っていただけて…本当に頑張って良かったです!」と喜ぶ。映画の感想を聞かれた山下も「走ってる時の必死な姿と楽しそうに走る姿は、まさしく坂道でした!」と永瀬が演じた坂道を絶賛した。原作者・渡辺航からのメッセージビデオが流れ、「このCG全盛期にCGを一切使わない、キャストの本気の演技に感動しました!」とお墨付きのコメントに加え「残念ながら今日は会場には行けませんが楽しんでください! 僕も客席でお二人の弱ペダ愛を感じたかった!」と熱い心境の吐露も。続いて同作の魅力を聞かれた永瀬が「キャラクターが良く作りこまれていて、レースでも敵も味方も両方応援したくなりますよね! 人間味が溢れている!」と熱いコメントを述べると、山下も「観たら観た分だけ新しい魅力を感じられる作品。友情と努力を体現する姿が本当にカッコいいですよね!」と応えた。アフレコ企画では、事前にSNSでの投票で決定した劇中の永瀬の台詞に山下が声を当てる(※台詞は1年生ウェルカムレースの時に坂道が言った「今泉君、鳴子君、追いついたよぉぉ!! 一緒に走ろう!!」)。永瀬「本当にアフレコしてもらっていいんですか!? 見るだけなのに緊張してます!」と始まる前から興奮気味だったが、山下が生アフレコを終えると「ほんとにやばい……全身で感じました! 今日、僕あまりお金持ってきてないですけど大丈夫ですか!?」と、さらにヒートアップする。山下も「心臓がバクバク……ハイケイデンスです……!」と興奮した様子で、「このセリフはアニメの坂道のオーディションの時から言っていたセリフで思い入れがあります。再びこのような場でこのセリフを言う日が来るとは思ってなかったです」と思い出を振り返った。さらにお互いの溢れんばかりの弱ペダ愛をあいうえお作文で表現することに。テーマは映画にちなみ「さ・か・み・ち」に決定。司会者から二人が作ったあいうえお作文のどちらが良かったかを会場の観客からの投票で決めることが明かされると永瀬は「先日の川柳対決で痛い目を見ているので…仲良くいきません?」と後ろ向きな様子に。先日の川柳対決では罰ゲームで苦いセンブリ茶を飲まされ文字通り苦汁をなめさせられた永瀬であったが、今回は勝利したほうに高級お肉セットがプレゼントされることが発表されると、表情が一転。「マジですか! どの部位ですか!? 選べるんですか!?」と今日一番の笑顔を見せた。お互いの作文を発表し、観客からの投票を待っている間には9月7日に誕生日を迎える山下のためにサプライズケーキが登場。突然のサプライズに驚きながらも山下は「坂道君らしく逆境を乗り越える1年にしていきたいです!」と抱負を語る。また、あいうえお作文対決永瀬の勝利となり、永瀬が「山下さん! 一緒に肉食べましょう!」と誘うと、「本当ですか! タンにします?それともハラミ?」と山下も嬉しそうに返事。舞台挨拶中であることを忘れてどの部位のお肉にするか真剣に相談する流れになり、流石に司会者からも「後にしてください!(笑)」とストップが入る事態となった。
2020年09月06日《ここに、戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります》75回目の終戦記念日を迎えた8月15日、日本武道館で「全国戦没者追悼式」が開催され、天皇陛下がお言葉を読み上げられた。お言葉では《私たちは今、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、新たな苦難に直面していますが、私たち皆が手を共に携えて、この困難な状況を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います》と、コロナ禍に言及する一節もあった。「平成の時代、戦没者追悼式のお言葉に自然災害や社会情勢への言及が盛り込まれることはありませんでした。今回、天皇陛下がコロナ禍に触れたことは異例のことです」(皇室担当記者)新型コロナウイルスの感染拡大以後、ご進講時のお言葉は一部公表されてきたが、国民に向けて直接のメッセージはなかった。そして最近になり、「天皇と雅子皇后はなぜ沈黙しているのか」(『文藝春秋』8月号)、「天皇の沈黙」(『週刊新潮』8月13・20日号)といったタイトルの記事も散見されるようになった。欧州の王室と異なり、国民へのビデオメッセージを出さない皇室の方針に疑問を呈するものだ。しかし両陛下は、4月7日に緊急事態宣言が発令されて以後130日あまりにわたって、コロナ禍への対応に懊悩されてきたと宮内庁関係者は明かす。「陛下と雅子さまは、苦しむ国民に寄り添うことこそが皇室の務めとお考えになってきました。しかし感染拡大を防ぐため、国民を直接励ますことはできません。そのため両陛下は、赤坂御所にさまざまな分野の専門家や関係者を招いてご進講を受けられるなど、制約のなかでも“いま、できること”を模索されてきました。そういったなかで、戦没者追悼式へのご臨席を決断されたのです。天皇陛下と雅子さまは、この日に備えて“お言葉”の文面の推敲を重ねてこられました。式典の進行上、長くはできない文面のなかにはっきりと“コロナとの闘い”を乗り越えることを国民に呼びかけられたことに、両陛下の強いご意志を感じます」天皇陛下と雅子さまは皇太子ご夫妻当時の’94年に広島市の平和記念公園を訪問されて以来、何度も公式に広島と長崎をお訪ねになり、原爆慰霊碑に供花され、被爆者たちを慰問されてきた。両陛下は終戦記念日に先立って8月11日、国連本部事務次長の中満泉さんと面会され、核軍縮をめぐる国際社会情勢や被爆者の記憶の継承などについて話を聞かれている。雅子さまは中満さんとの面会の際に「時間があるときに読んでください」と、愛子さまが広島の原爆資料館について書かれた作文のコピーをお渡しになった。愛子さまは作文で、学習院女子中等科の修学旅行で広島を訪れた際のことを以下のように綴っている。《原爆ドームを目の前にした私は、突然足が動かなくなった。まるで、七十一年前の八月六日、その日その場に自分がいるように思えた。ドーム型の鉄骨と外壁の一部だけが今も残っている原爆ドーム。写真で見たことはあったが、ここまで悲惨な状態であることに衝撃を受けた。平和記念資料館には、焼け焦げた姿で亡くなっている子供が抱えていたお弁当箱、熱線や放射能による人体への被害、後遺症など様々な展示があった。これが実際に起きたことなのか、と私は目を疑った》面会翌日の12日、中満さんは愛子さまの作文から2つのフレーズを自身のツイッターで紹介した。《「平和」は人任せにするのではなく、一人ひとりの思いや責任ある行動で築き上げていくもの》《そう遠くない将来に、核兵器のない世の中が実現し、広島の「平和の灯」が消されることを心から願っている》「素晴らしい文章でした。愛子さまのように“平和”を自分の身近な問題として考えてくれる若い人が増えれば、どんなに素晴らしいかと感動しました」(中満さん)’15年2月、誕生日の会見で天皇陛下はこう述べられている。《戦争の記憶が薄れようとしている今日、謙虚に過去を振り返るとともに、戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に、悲惨な体験や日本がたどった歴史が正しく伝えられていくことが大切であると考えています》若い世代に、戦争の悲惨さ、平和の尊さを伝えていく――。終戦から75年の節目の日、天皇陛下と雅子さまは、国民の前で思いを新たにされたことだろう。「女性自身」2020年9月1日号 掲載
2020年08月21日自分を認め、尊重できる『自己肯定感』は大切なもの。「自分には価値がある」と自然と思えれば、あらゆることに対して前向きになれそうですよね。作文が自己肯定の塊2児の母親である、多次元ライス(@himayome0627)さんは、息子さんの作文をTwitterで公開。息子さんが書いた作文から自己肯定感の高さが伝わり、「ひたすらうらやましくなってしまった」といいます。息子さんは、自分のことを天才でも特別でもない『普通な人』だと認識している様子。しかし、そんな自分に不足を感じることはありませんでした。【普通】僕は、何をやっても普通だ。いいことでもないし悪いことでもない。まさに普通だ。なぜなら国語のテストをやっても普通な点数だし、算数のテストをやっても普通な点数、運動をやっても普通、ゲームをしても普通、だけどなぜか友達が多くて、僕はなぜか僕は普通のままでいいと思った。ナチュラルボーン自己肯定マンこと息子の作文お母さんはひたすら羨ましい pic.twitter.com/QEFgE6HDoA — 多次元ライス (@himayome0627) October 15, 2018 息子さんは、普通な自分を全肯定!変に力むこともなく、サラリと自分自身を受け入れています。読んだ人もつられて、「普通な自分も悪くないか」と自己肯定感が上がるかもしれません。投稿者さんは、「自分で自分を気に入っている感じがもう、敵わないなこいつには」ともコメントしています。健やかな精神は多少のトラブルにも負けなそう。早々に安定したメンタルを手に入れた息子さんが、まぶしく思えますね![文・構成/grape編集部]
2020年08月18日夏休みの宿題といえば読書感想文。苦手、楽しくないと感じている子も多いですよね。でも、アニメや映画を見て感想を抱くように、読書感想文も本来は楽しいもののはず。もしかしたら、「こう書かなければいけない」という義務感が苦痛の源なのかもしれません。今回は、読書感想文に楽しみながら取り組むコツについて、ベネッセお茶の水ゼミナールの現役国語講師 秋元暁哉さんへインタビュー。「桃太郎」を題材に、ワクワクする読書感想文の具体例も教えてもらいました。“正しい書き方”に縛られる必要はありませんー苦手な子が多いイメージの読書感想文ですが、楽しくなる方法はあるのでしょうか何かを見たり読んだりして、強烈に味わった感情を誰かに伝えたくなるのは人間の本能のはず。読書感想文も同じです。それなのに、苦手な子が多い理由は、“正しい書き方”に縛られているからではないでしょうか。自由に感想を書けないことが楽しくない原因のひとつでは、と思います。僕自身の体験ですが、小学校2年生の時に読書感想文コンクールで入選したことがあります。しかしそれは、母の指導のもとマニュアル通りにイヤイヤ書いた結果でした。その後、授賞式で最優秀賞の女の子の文章を聞いて衝撃が走りました。その文章からは「読書を体験した」ことが生々しく伝わり、自分を取り囲む世界と本の世界が見事に溶け合い心を打たれる内容でした。ー「読書を体験する」とは、どういうことでしょう?本を読むことはひとつの経験です。読書を通して世界が広がり、知識が増え感情も動きます。一冊の本が人生を変えることも。読書の前後で行動の変化があれば、最高の体験となります。読書がただ文字を読むという行為ではなく、五感をフル回転させて感じたことが行動や生き方につながるものとなるのが「読書を体験する」ということではないかと思います。STEP1:ときめく本に出合うことが一番大事読書感想文を書く上で最も大切なのが本の選定です。学校により異なりますが、課題図書以外に自由図書を選ぶこともできます。秋元先生に伺うと、「ときめく本に出合うことが一番大事」とのこと。子ども自身が「面白そう!」「ワクワクする!」と思える本を選びましょう。読書初心者ならストーリーが長めの絵本でもOKだそう。読み進め方は、児童書なら毎日読書タイムを作り一章ごと読む、一人読みが苦手なら読み聞かせという方法も。「もし選んだ一冊がしっくりこなければ、違う本を探しましょう。読書経験はあればあるだけ自分の価値になるので、これを機に様々な本を読んでみるのがいいと思います」。STEP2:インタビューで子どもの感動に共鳴する読み終えたら、いよいよ子どもの感情を引き出します。「小学校低学年は、いきなり感想を書きなさいと言われても困難です。感じたことがあっても、それを人に伝わる言葉にするのは難しいので、親が導いてあげましょう」。ー子どもの感想をうまく引き出してあげる方法は?インタビュー形式で感想を聞いてあげましょう。まずはお話の中で一番好きだったところを聞きます。そこから「なんで?」と掘り下げていきます。「どんな言葉がよかった?」「どんな気持ちになった?」など様々な視点から聞いてください。まだ語彙も少ないですし、支離滅裂な答えが返ってくることもあるでしょう。その時は親が言い直してあげるといいですよ。大切なのは、子ども自身が持つ“語りたい本能”を引き出してあげること。たとえ、トンチンカンな答えでもすくい上げてください。また、ストーリーの本質とかけ離れた部分に感動していても、それも一つの感想です。感想に正解はないので、子どもならではの意見、言葉、視点に気づいてあげるとどんどん語ってくれるかもしれません。読書感想文を通して、子どもの持つ感性を再発見できる機会にもなりますよ。インタビューで聞き取った子どもの言葉は、付箋やメモを使って書き留めておきます。そのインタビューメモを使って作文へ進みます。STEP3:誰かの心に響く文章の書き方とコツ「読書感想文の書き方」と調べるとたくさん方法が出てきます。起承転結を意識した書き方が基本とされていますが、ここではあえてマニュアルから外れます。今回のテーマは「楽しく読書感想文に取り組む方法」。模範解答的な枠組みにとらわれず自由に、かつ誰かの心に響く文章の書き方をお伝えします。ーインタビューメモをどのように感想文へと仕上げればいいのでしょうか。インタビューでは子どもが最も心が動いた部分に注目して掘り下げました。作文にする時も、心に残ったセリフやシーンを切り取り文章を構成します。1.心が動いたセリフやシーンの紹介2.簡単なあらすじ3.感動した場面への自分の意見・共感した理由4.読書から得た新たな視点冒頭でいきなり、心が動いたセリフやシーンについて書きます。インパクトのある出だしなので読む人の興味を引きつけます。そして、「なぜ?」で聞き出した言葉、その理由を書いきます。途中に簡単なあらすじを入れると、心が動いたシーンがより強調されます。そして最後にまとめとして、読書体験で広がった視野について書きます。『桃太郎』の場合桃太郎の勇敢さや仲間との団結力についてスポットを当てがちですが、子どもが「仲間のキジがかっこよかった!」と感じたとします。1.僕は鬼と戦う時のキジにひかれました。空から鬼をやっつけるのはキジにしかできません。僕もそんな特別な力を持っているキジのようになりたいです。2.桃太郎はきびだんごを持って鬼退治に行きます。途中で、犬、猿、キジを仲間にし鬼退治に成功します。3.キジのことが気になったので調べたら、タカと比べられ弱いと言われるそうです。しかし、空を飛ぶキジが上空から道案内をしてくれたおかげで、桃太郎たちは鬼ヶ島にたどり着きました。桃太郎も鬼も空を飛べず、キジだけが飛ぶ力を持っています。4.まわりからどんな風に言われても、自分の力を発揮できるのはかっこいいです。僕も人より苦手なことがあるけれど、僕にしかできないことで誰かの役に立てるようになりたいです。一見、桃太郎の感想とはかけ離れて見えますが、子どもがこんな視点を持っていたらこれも一つの正解です。強烈に感じたものを前面に押し出した文章に読んだ人は、「なんでそう思ったの?」と気になります。それが人に響く文章の書き方のコツです。読書感想文は親子のコミュニケーションのきっかけにも秋元先生にお話を伺い、読書感想文を楽しむには、型に縛られず書きたいことを自由に楽しく書くことが一番大切ということがわかりました。書き方のコツなどもご紹介しましたが、「誰かに伝えたい!」という感情が湧き上がるような本選びが読書感想文を楽しむための第一歩になりそうです。自宅で過ごすことが多い時期、本を通して親子のコミュニケーションが図れるきっかけにもなるのではないでしょうか。<文・写真:ライター秋音ゆう>
2020年08月13日夏休みの作文に読書感想文、毎日の日記。小学生の子をもつ親御さんは、こうお困りではありませんか?似たような言葉のオンパレード。もっと表現力豊かに書けないの?原稿用紙のマス目がなかなか埋まらない。書くことが思いつかないのかな?子どもに任せていても、一向に書き終わらない。かといって、どうやって書き方を教えればいいのかもわからない。 「作文力を高めたい!」そう強く願う親御さんとお子さんの強い味方となる “作文バイブル” をご紹介しましょう。子どもの「書く力」、伸ばすも潰すも親次第「もっとちゃんと書きなさいよ」「どうしてそんなふうにしか書けないの?」我が子の作文のことで悩んだことがある親御さんなら、こう言ってしまったことは一度や二度ではないはず。ですがじつは、これは絶対に言ってはいけないNGワードです。伝える力【話す・書く】研究所所長で、以前「STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ」の連載『作文力の伸ばし方講座』で作文力アップ法を教えてくれた山口拓朗さんは、次のように述べています。残念ながら、いくら親がガミガミ叱っても、子どもの作文はうまくなりません。なぜなら、子どもは「自分が書いた作文」を否定されるたびに自信を失っていくからです。親に否定されながら作文がうまくなるケースは極めて稀です。それどころか、ほとんどの子どもが作文嫌いになってしまいます。そう、子どもの作文能力の芽を摘んでしまっているのは、実は、親であるあなたかもしれないのです。(引用元:STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|親の誤った声がけが、子どもの作文力の芽を摘む?――「作文好き&得意」な子どもと「自己肯定感」の関係)山口さんいわく、「ずばり、作文というのは『その子そのもの』」。子どもは作文を通し、自分の気持ちや感性、考えを伝えています。それなのに、文章の書き方が上手でなかったからといって親がケチをつけたら、子どもは自分自身が否定されたように感じ、「自分なんかに上手な作文は書けない」「何を書いたってダメだ」と思うようになってしまうのです。「子どもの作文には、良し悪しはない。あるのは個性だけだ」と山口さん。親がまずすべきことは、「作文=その子そのもの」だと心得ること、そして子どもが書いたどんな文章もまずは受け入れることなのだそう。子どもへの「質問」で、作文力を目覚めさせよう!とはいえ、何を書いても放っておいていいわけではないことは、明らかですよね。いったい親は何をすれば、どんな言葉をかければ、子どもの作文力を高めてあげられるのでしょう?そんな疑問を解消してくれる1冊をご紹介します。『魔法の質問で「コトバの力」を伸ばそう親子で取り組む作文教室』山口拓朗 著/日本能率協会マネジメントセンター (2020/8/1)こちらは、前述の連載『作文力の伸ばし方講座』がもとになって出来上がった本。子どものなかに眠る作文能力を目覚めさせ、飛躍的に伸ばすための具体的なノウハウがたっぷり詰め込まれた、いわば “作文バイブル” です。この本のキーワードは、タイトルにもある「質問」。山口さんは、「子どもの頭のなかには作文を書くための『素材』は十分ある。にもかかわらず作文が書けないのは、その取り出し方を知らないからだ」と言います。「素材」を取り出せれば、作文は断然書きやすくなるとのこと。そこで力を発揮するのが、親から子への「質問」です。質問されれば、自然と答えを考え始めるもの。その過程で自分の気持ちや考えを言葉にすることになり、子どもは「そうか、こう書けばいいんだな」と気づくことができるのです。質問力に自信がない親御さんでも、具体的な質問例が豊富に載っていますので大丈夫。また、便利な作文テンプレート表現力を豊かにする、オノマトペや比喩の使い方魅力的な書き出し、締めくくりのコツ子どもが自然と書きたくなるお題の出し方読書感想文の書き方タイトルのつけ方原稿用紙の使い方推敲のコツ など、実践的な内容がもりだくさん!(※リンク先があるものは、山口さんの連載記事で、一部をご覧になれます)親から子への「10の質問」で、魅力的な読書感想文になる!お手本も多数紹介。子どもが見ても楽しい!子どもの作文にまつわる悩みが一気に解決すること間違いなしの1冊です。書くことがない! を解消する「オハウタ」の魔法本では、質問の仕方以外にも、作文能力を高めるコツがいくつも紹介されています。たとえば、作文はもちろん日記にも使える「オハウタ」というテクニック。「オハウタ」とは、次の4つのことです。驚き発見嬉しさ楽しさ日記に書くことが思いつかないとき、子どもはよくこう言いますよね。「お母さーん、今日の日記、何書けばいいのー?」もしそう言われたときには、こうアドバイスしてあげるといいそう。「今日一日で発見したことをひとつ書いてみよう!」下線のところを「驚いたこと」「嬉しかったこと」「楽しかったこと」に変えれば、バリエーションが出ます。多くの子どもにとって「オハウタ」はワクワクできるものなので、こう誘うだけでがぜんやる気を出しますよ、と山口さん。これでもう、毎日書くネタには困らなくなりますね。山口拓朗さんより親御さんへメッセージ最後に、著者の山口さんよりSTUDY HACKERこどもまなび☆ラボの読者にメッセージを頂きました。本来、作文を書くことは、子どもにとって、遊び同様にワクワクするものです。観察力や想像力を働かせながら、見たこと、聞いたこと、感じたこと、考えたことを原稿用紙に表現する。このプロセスで磨かれていく能力もたくさんあります。とはいえ、作文を書くことが苦手な子もいます。「何をどう書いていいか」がわからないのです。そこで、親であるあなたの出番です。インタビューというかたちで、子どもに質問をすることで、子どもの思考はどんどん活性化していきます。質問に答えていくうちに、作文に書けそうなネタが手元にどんどん集まります。すると、不思議なことに、子どもは「書きたい!」という気持ちになるのです。パパやママが質問をしてくれることは(話を聞いてくれることは)、子どもにとって大きな喜びでもあります。親子インタビューには、子どもの作文能力を伸ばすだけでなく、親子の絆を一層強め、関係性をよくする効果もあるのです。あなたの質問力で、子どもを「作文好き」に育ててあげてください。***作文能力を高めることは、子どもの個性を輝かせたり、自己肯定感を育んだりすることでもあります。ぜひ親子で作文に取り組んで、豊かな時間を過ごしてくださいね。
2020年08月04日そもそも「読書感想文」とはなんなのか? 娘たちと取り組むなかで見えてきた、私の結論をご紹介します。■娘たちと読書感想文に挑戦!この数日で読書感想文を書き終えました。コメントでアドバイスいただいた「ワークシート」というものを使いつつ、自分なりにも調べたんだけど、なんせ私も学生時代以来の感想文だったから、すごく勉強になったよ。その中のある記事で見た、この言葉が印象的でした。■コツは「話をすりかえる」こと!?(まったくもって個人的な感想ですから!)たぶん審査員の方々は本の内容を知ってるから、あらすじなんてほとんど端折っていい。むしろ「それを読んで、自分はどう感じたか、何を思ったか」のほうが重要で、そこをめいいっぱい膨らませないといけない。書き手の「わたし」がどんな子で、本を通してどんなふうに考えが変わったのかってのを書けばいいんだなと思ったの。とにかく自分を語れ!というだけなら簡単なんだけども(汗)。自分が理解しても、それをのまめに伝えるのが難しい。さらに原稿用紙3枚までという縛りもあるから、その中におさめなきゃいけない。本の中でどこが重要で、さらに「どの場面がのまめの日常とリンクしているか」などを見つけ出すのが至難の業…。って私が考えてどうするんじゃい!みたいな”ひとりコント”が続いていました(汗)。書くことよりアドバイスすることのほうが体力使うわ、最終日はのまめと2人ヘロヘロだった…。とにかく無事終わってよかったー!
2020年07月25日人が生きていくなかで、すべてのことは「感じる心」から始まると言えるでしょう。「好きだから夢中になる」「不思議だから調べる」「お友だちと一緒に遊ぶのが楽しい」「仲よくしたいから相手を思いやる」など――。そして成長するにつれて、それらの思いが、勉学や仕事、生き方につながっていき、その人の人生を彩っていきます。だからこそ、子どもの頃に「感じる心」をしっかり育むことはとても大事なのです。忙しい日常のなかでも、子どもたちの「心」をやわらかく丁寧にすくい取ってあげるために親ができることを考えてみましょう。「感じる心」は学びにつながっている武蔵野大学、創価大学で教授を務め、現在は上級教育カウンセラーとして活躍する角田冨美子氏によると、「幼児期は出会ったものすべてに心を動かされる時期」なのだそう。そして、感じる心や感じる力は「感性」であるとしています。一般に幼児期は,日々の生活の中で,直接的・具体的な体験を通して豊かな心情・意欲・態度を培い,成長・発達を促していく。その際,幼児は,新しいこと,珍しいこと,楽しいことなど,様々な場面で「もの」や「こと」に感じて心が動き,表現する。この「感じる力」(感性)は,自然・もの・人とのかかわりの中で培われ,人間の情緒・情操を養い,豊かな人生を築くための大きな力となる。(引用元:CiNii|幼児期の感性を育てる(1)幼児期の感動体験と教師の役割)では、そもそも「感じる心」や「感性」とは何を意味しているのでしょうか。広辞苑による「感性」の定義は次のとおりです。外界の刺激に応じて感覚・知覚を生ずる感覚器官の感受性。感覚によって呼び起こされ、それに支配される体験内容。従って、感覚に伴う感情や衝動・欲望も含む。理性・意志によって制御されるべき感覚的欲求。思惟(悟性的認識)の素材となる感覚的認識。 少し難しい言葉が並んでいますが、つまりは思考力や知識、行動の源となる欲求を生むための力、「生きる力」と言えるでしょう。また、未就学児は「考える」よりも「感じる」ことに長けているのだそうです(右脳優位)。しかし、小学校に入学して知識を得るにつれ、考えること優先(左脳優位)に変化していきます。成長にともなう変化はもちろん必要で、とても重要ですが、左脳優位になる前に、いかに子どもたちの「感じる心」を育んであげられるかということも大切なのです。角田氏は、「子どもが深く感じ、心を動かされるような経験が、好奇心や探究心となり、それがやがて思考力を育み、知識や技能獲得への意欲になる」と話しています。幼児期に「感じる心」を育てることが、その後の「学び」につながっていくのですね。「感じる心」が育っている子どもの特徴は?学びにつながるのであればなおのこと、「子どもには感性豊かな人に育ってほしい」――親であればそう願う人は少なくないはず。では、「感性豊かな人」とは、どんな人のことでしょうか。子どもは、急に突拍子もない行動をしたり、常識外れの発言をしたり、大人からみたらハラハラすることも多いですよね。でも、これこそまさに自由な感性の現れです。この感情表現は「感じる心」の素直な発信で、自分らしさ、個性に直結しています。「感じる心」をまっすぐに育み、豊かな人生を歩んでいるすばらしい方がいます。さかなクンです。幼少期のエピソードをご紹介しましょう。きっと参考になるはずです。エピソード1:1ヶ月間、毎食タコ!小学生のさかなクンは、タコに夢中になり、毎週日曜は水族館で1日中タコ鑑賞。それでも、お母さまは嫌がらずにとことん息子に付き合い、言った言葉が「お母さんもタコがどんどん好きになってきたよ」。さかなクンはそれがとても嬉しかったことを、いまでも覚えているそうです。また、息子が毎食タコをねだると、お母さまは1ヶ月間毎日調理法を変えて、タコを食卓に並べてくれたのですって。 エピソード2:みんな一緒じゃなくてもいいんです魚一筋で学校の勉強はあまりしなかったというさかなクン。家庭訪問で先生から注意を受けて、お母さまが返した言葉がすばらしいです。「あの子は魚が好きで、絵を描くことが大好きなんです。だからそれでいいんです」「成績が優秀な子がいればそうでない子もいて、だからいいんじゃないですか。みんながみんな一緒だったら先生、ロボットになっちゃいますよ」そうですよね、みんな違って当たり前。 エピソード3:自分の好きなように描けばいい絵の才能を伸ばすために専門の先生の指導を提案されると、「そうすると、絵の先生とおなじ絵になってしまいますでしょ。あの子には自分の好きなように描いてもらいたいんです。いまだって、誰にも習わずに自分であれだけのものを描いています。それでいいんです」。こんなふうに母親に信じてもらえるさかなクンは幸せですね! 幼少期からとにかく好きなことに邁進するさかなクンの日々を支え、見守り、応援し続けたお母さま。ポイントは「子どもの意思や行動を肯定する声かけ」と「子どもが好きなことに熱中するためのサポート」だそうです。なんと、食材の魚は、さかなクンが観察しやすいように丸ごと一匹購入していたのだとか。子どもの強くまっすぐな欲求をいっさい妨げないのは、とても勇気がいることだったでしょう。親が子を信じる力はすばらしいですね。いまは好きなことで成功をつかみ、メディアで活躍中のさかなクン。魚関連だけでなく、楽器演奏や料理など “好きなこと” にどんどん挑戦し、「好きを深める力」を発揮して、豊かな人生を送っています。さかなクンのお母さまのように、「好きなことをまっすぐ伸ばしてあげたい」と思っても、徹底するのはなかなか難しいものです。もしお母さまが、「もっと勉強しなさい!」「毎日タコなんて無理に決まっているでしょう」なんて言っていたとしたら……さかなクンの人生は違うものになっていたのではないでしょうか。「感じる心」を育てるために親ができること朝日新聞DIGITAL「花まる先生公開授業」に取り上げられたことのある、作文倶楽部トトロ講師・岩崎美紀先生は、子どもたちの創造性について、「ひとりひとりの創造性を育てる土壌ができているアメリカ」に対し、「日本ではゴツゴツした創造性を早くから丸く収めようとするために、その芽をつんでしまう傾向がある」と話しています。たしかに日本では、人と違うことをするよりも、まわりの人と足並みをそろえたほうがいいと考える人のほうが多いかもしれません。しかし、それでは子どもの可能性を狭めてしまいます。そこで、子どもの「感じる心」を育むマインドフルネスをご紹介しましょう。マインドフルネスとは、“いま” の自分の心をあるがままに受け入れること。ストレスフルな現代では子どもにもマインドフルネスが必要だと言われています。イエナプランで注目される教育先進国オランダでも、最近は学校や子育てに取り入れらているそう。また、グーグルやインテルなど一流企業も、創造力や柔軟性などの能力を向上させるトレーニングとしてマインドフルネスを取り入れていますよ。心を整えることで、感性が磨かれるのです。親子で簡単にできるマインドフルネス、ぜひやってみてください。【親子でマインドフルネス:私の心の天気】子どもに目を閉じたまま座ってもらいます。「いまの〇〇ちゃんの心のお天気は?」と子どもに尋ねてください。「晴れ!」だけでなく「雨……」という日もあるでしょう。これは、自分の “いま” の心に素直に向き合うトレーニングになります。“いま” に向き合うと、自分を客観的に見つめることができ、雑念が取り払われるため、感性が研ぎ澄まされるのです。【親子でマインドフルネス:悩み事の小さな箱】まず、悩み事の箱をつくります。絵を描いたり、好きな色紙を貼ったり、箱づくりをまず楽しんで。就寝前に、「今日嫌なことあった?」「心配なことはない?」など、子どもに聞いてみましょう。「この箱に入れちゃおう!」と、嫌なことや心配事を箱に入れるふりをしてください。嫌なことや心配事が入った箱を部屋のすみに置いて、遠くから眺めてもらいます。これで、“悩み事は心の外に出た” というイメージになり、すっきりと明日を迎えられます。マイナス要素を箱に閉じ込めることで心がリセットされ、また新しい何かを感じることができるでしょう。子どもの心がざわざわしていそうなとき、このふたつのマインドフルネスはとても効果的です。自分の心に向き合えるようになることで、「感じる心」を素直に受け入れらるようになり、やりたいことにまっすぐ向かえる力が育まれます。家で親子一緒に遊び感覚で楽しめるのもいいですね。***「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生み出す種子だとしたら、さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌をたがやすときです。(引用元:レイチェル・カーソン 著, 上遠恵子 訳(1996),『センス・オブ・ワンダー』, 新潮社.)アメリカの生物学者レイチェル・カーソンさんの言葉が心に響きます。彼女は子どもが生まれつきもつ新鮮な感性のことを「センス・オブ・ワンダー」と呼び、その感じる心を保ち続けるためには、「一緒に感動を分かち合う大人が少なくともひとりはそばにいる必要がある」と言っています。親が子どものためにできることは、「そばにいて感動を分かち合ってあげること」なのですね。(参考)CiNii|幼児期の感性を育てる(1)幼児期の感動体験と教師の役割伸芽’s クラブ|子どもの知的好奇心を育みたい!子どもを伸ばすためにできること伸芽’s クラブ|完成を磨くことで得られる豊かな人生|子どものために親ができる教育を考える朝日新聞DIGITAL|山梨・作文倶楽部トトロ・岩崎美紀さん全身を目や耳にして山梨版 習いたい.ネット|コラム「岩崎美紀先生の作文教室」|第1回「感じる心(感性)」七田式藤井寺教室|【考える心と感じる心】その2レイチェル・カーソン 著, 上遠恵子 訳(1996),『センス・オブ・ワンダー』, 新潮社.さかなクン(2016),『さかなクンの一魚一会〜まいにち夢中な人生!〜』, 講談社.エリーン・スネル(2015),『親と子どものためのマインドフルネス』, サンガ.
2020年06月26日「俺の担任が最高すぎる」そんなひと言を添えて、けだまり(@kedamadamaK)さんは2枚の用紙の写真をTwitterに投稿しました。どうやら、通っている高校の課題で担任教師に提出した作文が、赤ペンだらけで返ってきたようです。その画像をご覧ください。おれの担任が最高すぎる pic.twitter.com/a763wEw8Jp — けだまり@課題くんさぁ… (@kedamadamaK) June 18, 2020 なんと投稿者さんは、古代北欧で使われたルーン文字に、アルファベットを当てはめた作文を提出していたのです!用紙が赤ペンだらけになったのは、担任教師が解読するためのメモをたくさん書き記していたため。「暗号で書くな」とつづりながらも、生徒の努力に応えようと、一つひとつの文字を区切って解読したのでしょう。担任教師は、用紙の下の空欄に、次のようなメッセージを添えています。解読するのに3時間半くらいかかりました。いいこと書いていたけど普通に書け。押印の横に書かれた「自分を褒めたスタンプです。残業代よこせ」というメッセージからも、担任教師の苦労がひしひしと伝わってきますね!投稿はまたたく間に拡散され、60万件以上の『いいね』とコメントが寄せられています。・最高の担任!こんな先生に出会いたかった!・生徒である投稿者さんに向き合った担任教師の心意気が素敵すぎる。・書くのにも時間がかかったろうに…。2人ともすごいと思います!ちなみに、投稿者さんは課題のルールにあった「日本語以外の文章でもいい」という記述を見て、ルーン文字で作文を書こうと思ったのだそう。難しい文字で作文を完成させた投稿者さんの熱意と、真しに向き合い解読した担任教師の涙ぐましい努力は、たくさんの人の心に響きました![文・構成/grape編集部]
2020年06月19日休校延長が決定された自治体も多くなってきましたね。私が住む地区も5月末までの休校が決定しました。休校になってから、子どもの友達のママからは学力についての心配をよく聞きます。学校から宿題や課題が出され、取り組んでいる人も多いと思いますが、小学校の新1年生に関しては具体的に学習を進めるような宿題はあまり出ていないのではないでしょうか。今回は、元小学校教諭で、小学1年生の担任をしていた経験から、この時期に取り組めることを紹介します。これらは、今わが家の新小1の娘がやっていることです。1学期にコツコツと積み上げるものから9月新学年スタートの案もあるそうですが、現段階で考えると、私は夏休みの短縮や土曜授業で補填(ほてん)をしていく可能性が高いのかなと思っています。であるならば、やるべきことは、最初の1学期にコツコツと積み上げる形で身につけるはずだった学習と夏休みの先取りではないかと。そこで、まずはコツコツ系から紹介します。国語:音読と先生あのね毎日短時間でも音読を早い段階で毎日の宿題になるのが音読です。音読が上手な子ほど文章の読み取りが上手だった印象があります。同じ文章を繰り返し読むことで、だんだんスラスラと読めるようになっていきます。音読をやったことがない子や苦手な子は、まず短い文章から始めましょう。国語の教科書がもう手元にある人は、その中から選ぶとよいと思います。お気に入りの絵本を選んでも楽しいですね。全部読むのが大変だったら読むページを区切って、上手になったら次のページへ…と進んでいくとよいと思います。読むのが上手な子、音読を楽しめる子はお母さんと交代で一文ずつ交代で読んでみたり、一緒に声を合わせて読んでみたりして変化をつけるのもおすすめです。テーマを決めて書いてみようひらがながおおむね書けるようになっていれば、作文や日記に挑戦すると書く力がつきます。1年生はよく、「せんせい、あのね」という作文の宿題が出されます。「せんせい、あのね~」から始める作文で、その日にあったことや自分のことで先生に知らせたいことを書いていくものです。「〇〇くんとあそんだよ」「ゆうごはんは〇〇だったよ」などと、先生に話しているように書いていきます。書くテーマはなんでもOKですが、なんでもよいと言われると意外と書くのが難しいという場合もあるので、いくつか提案してみましょう。《テーマの例》・自分の好きなもの(食べ物・スポーツ・歌・人・花・動物など)・今日食べたもの(夕ご飯のおかずでうれしかったもの・おやつで食べたものなど)・今日遊んだこと(どんな遊びをしたのか・どんなことをしてみたいかなど)・学校で楽しみにしていることわが家では「お父さんに伝えたいこと」を書いています。娘は、ですます調で書くほうが書きやすいということなので、そのように書いています。書き終わったものは、父親の前で実際に読んでみます。声に出して読むことで、文章におかしいところがないか、確認にもなります。最初はどんな内容を書きたいのか聞き出して、一緒に文を考えてあげましょう。書き始めのころは自分で文を考えるのは難しいですが、だんだんと慣れていきますよ。算数:計算練習百マス計算にゲーム性をもたせて算数で身につけておきたいのは計算力です。学校で習っていなくても、簡単なたし算、引き算ならできるという子は多いと思います。計算は速くできたほうが、算数が楽しくなります。市販のドリルやダウンロードできるワークシートを使うのもよいと思います。ただひたすら計算するのはちょっと…という子は百マス計算の簡単なものを使ってタイムを計測してゲーム性をもたせるのも手です。手元に算数セットがあるのであれば計算カードも使ってみてください。意外と答えの数字を書くのに手間取ってしまい、それがもとで計算がイヤになってしまうこともありますので、口頭で答えを言っていくだけでもいいと思います。繰り上がりのない足し算、繰り下がりのない引き算なら授業で習っていなくてもできる子が多いと思います。全部やるのが大変だったら、最初はカードの数を減らしたり、簡単なものだけ集めたりして、楽しんでやってみましょう。わが家ではタイムを計測したり、今日は何周やった!なんて言いながら取り組んでいます。生活科:植物の観察とお手伝い植物観察でたくさんの発見をみつけよう以前の記事()でも紹介しましたが、種をまいて、芽が出てきたり、葉っぱが増えてきたりしたら観察をしてみましょう。葉っぱの数はどうかな?大きさは?形は?植物によってそれぞれ違うので見比べてみるのも楽しいです。最初に出てくる葉と次に出てくる葉の形も違います。たくさんの発見をみつかるはずですよ。食事の配膳、雑巾絞りの練習生活科の単元の中にはお手伝いもでてきます。時間のある今、できることは積極的にやってもらえるといいですね。給食当番での食事の配膳や、掃除の時間の雑巾絞りなどは家庭での経験の差がかなり出てくるものです。家の仕事にはどんなものがあるかを一緒に考え、できそうなものを一緒に探してみてください。夏休みの先取り:自由課題夏休みが短くなるかも!?今から準備するのも◎次に、わが家では夏休みの先取りを考えています。夏休みの宿題でよく出されるのが自由課題です。自由研究と言っている学校もあると思います。自由課題ってなにをすればいいの?とよく聞かれますが、低学年のうちは工作・絵画などをやってくる子が多いです。いろいろな材料を準備して、自由に工作をしてみる、日曜大工が趣味のおうちの方がいればパチンコや箱を作ってみる、紙粘土で人形を作る、ビーズでマスコットを作ったり、アイロンビーズでままごとセットを作ったり、フェルトでカバンを作ったりなど手芸もいいですね。作った料理の写真を集めてレシピブックを作ったり、好きな恐竜の絵を描いて手作りの図鑑を作ったりするのも立派な研究です。夏休みが短くなりそうなので、今のうちにいろいろ取り組んでみるのもいいかなと思います。いろいろ挙げてきましたが、1年生は長時間集中するのはまだ難しく、最初のうちは15分続けばよいと言われています。一つの取り組みに関してそんなに長い時間をかけなくて大丈夫です。これからしばらく続きそうな休校期間。子どもたちそれぞれが、好きなこと・夢中になれることをいろいろ見つけられる時間にできればなと思っています。わが家の日々の学習カード。毎日全部はできていませんが、少しずつ取り組んでいます!<文・写真:ライターHIDE>
2020年05月10日「今日本に住んでいるすべての人に、国籍や宗教観にかかわらず、『大嘗祭』が執り行われる2日間を大切に過ごしてほしいと思います。これは神様をお迎えする儀式であり、私たち国民のための祭祀でもあるのです」こう話すのは、かつて東京・世田谷の北沢八幡宮で神職として奉職した江原啓之さん。いよいよ11月14〜15日に執り行われる大嘗祭は、天皇一代につき一度きりの祭祀。来るべき日に向けて、皇居・東御苑には大嘗宮が建設され、亀卜(亀の甲を焼いて生じた亀裂を見て占う方法)で選ばれた東西の2カ所の土地で栽培された新米を準備。さらに、儀式に供えられる海の幸・山の幸が全国から献上されている。「日本は稲作文化の国ですから、天皇陛下は毎年秋、その年の収穫に感謝し、翌年の豊穣を祈願する祭儀『新嘗祭』を行ってくださっています。そして即位後初めて迎える新嘗祭を『大嘗祭』としているのです。数十年に一度しか行われないだけに、『何をする儀式なの?』という人も多いかもしれないですね」今回、江原さんにこの儀式「大嘗祭」をいかに過ごすべきかの心得をうかがった。「大嘗祭の詳細を“お勉強”するよりも、大切なのは自然の恵みや天皇陛下に対して感謝をすること。ですから、私たちにとっての大嘗祭は“感謝の儀式”ととらえてみてはいかがでしょうか?そして、それはそれぞれの家庭で行うこともできるのです」さらに、国にとって重要なタイミングであるこの時期は運気が大きく変わるときであり、私たちが新しい自分に生まれ変わるチャンスでもあるという。そこで、江原さんに、この2日間を厳かに過ごし、自ら浄化し、新しいパワーを得るための心得を教えてもらった。【1】「自然」に感謝し、お米を敬おう「五穀豊穣のお祭りですから、まずは日本の稲作文化を改めて意識し、お米を敬うこと。日ごろおろそかにしがちですが、このときばかりは自然の恵みに感謝をしながら食事を。さらには食べ物を作り育てる人にも『ありがとう』の気持ちを込めていただくようにしましょう」【2】「食べること」に感謝し、“天職と適職”を知ろう「食べることへの感謝を思い出したら、生きる糧となる日々の仕事への感謝も忘れてはいけません。仕事とは何のためにするのか、それは食べるため、生きるためにほかなりません。ですから、職場の仕事の内容や人間関係が嫌だと悩む前に、まず『天職と適職』を知るなど、働くということについてじっくり考えてみることも大切です」“適職”とは食べるためにすべき仕事であり、“天職”とはたましいが欲する仕事であると説く江原さん。やりたくない仕事をこなすより“天職”につくことを望みがちではあるが、まずは仕事があることに感謝すべきだという。「わが家の家訓は、『食べることは生きること、生きることは食べること』です。仕事に対する向き合い方もこれに尽きると思います。元気に仕事ができるだけでありがたいと感謝すること。この意識を持てたなら、働けていること、食べさせていただけていることに自然と感謝の念が湧いてくるでしょう。お給料とはいわば我慢料であり、つらいこともあって当然。逆に言えば、食べるため以上に欲を出して稼ぐ必要はありません」【3】「天皇陛下」への感謝を込めて神社に詣でよう「具体的に感謝を示す行為として、この時期はぜひ神社を参拝しましょう。足を運ぶべきは地元の氏神様。神社ブームで遠方に足を延ばしている人も多いでしょうが、まずは家を守ってくださる氏神様に感謝を。そして職場のある土地の神様への感謝も忘れないように。各お宮では大嘗祭に際し、大なり小なり関連する儀式を執り行うと思いますから、日程を調べて詣でるのもいいでしょう。国の運気が変わるときは、そこに生きる人々も生まれ変わるチャンス。数十年に1度の機会を逃さないように、毎日を丁寧に過ごしてください」
2019年11月13日11月14日、15日に執り行われる「大嘗祭」。天皇陛下が皇位継承に際して行う祭祀の時期は、運気の潮目になるターニングポイントだと江原啓之さんは言います。そこで、新しい時代を前に、自らを浄化するための“自宅でできる儀式”を伝授。今こそ謙虚な気持ちを取り戻し、感謝を込めて神様をお迎えしましょう。「今日本に住んでいるすべての人に、国籍や宗教観にかかわらず、『大嘗祭』が執り行われる2日間を大切に過ごしてほしいと思います。これは神様をお迎えする儀式であり、私たち国民のための祭祀でもあるのです」こう話すのは、かつて東京・世田谷の北沢八幡宮で神職として奉職した江原啓之さん。いよいよ11月14〜15日に執り行われる大嘗祭は、天皇一代につき一度きりの祭祀。来るべき日に向けて、皇居・東御苑には大嘗宮が建設され、亀卜(亀の甲を焼いて生じた亀裂を見て占う方法)で選ばれた東西の2カ所の土地で栽培された新米を準備。さらに、儀式に供えられる海の幸・山の幸が全国から献上されている。「日本は稲作文化の国ですから、天皇陛下は毎年秋、その年の収穫に感謝し、翌年の豊穣を祈願する祭儀『新嘗祭』を行ってくださっています。そして即位後初めて迎える新嘗祭を『大嘗祭』としているのです。数十年に一度しか行われないだけに、『何をする儀式なの?』という人も多いかもしれないですね」今回、江原さんにこの儀式「大嘗祭」をいかに過ごすべきかの心得をうかがった。大嘗祭で重要な役目を果たすのが、稲作文化の象徴であるお米。自宅での儀式でも、重要な役割を果たすと江原さんは語る。「日本で暮らすすべての人にとってお米は最高のパワーフード。大嘗祭の間は1日3食、ご飯を食べることをおすすめします。そして、大切なのが「米とぎ」。お米を炊く際の基本的なこの行為が、じつはあなたの心をとぐことにつながります。日本人は毎日お米をとぎ、悪い気を自ら浄化してきました。この2日間で、食事の機会は6回あります。家族みんなで順番に、たまった悪しき想念や業をこすり出すようにといで、お米についたぬかとともに洗い出してしまいましょう」いわば米とぎは禊の儀式。丁寧にとぎ、心身を浄化しよう。「米とぎの心得」と「正しい米のとぎ方&コツ」は次のとおり。■「米とぎ」の心得3(1)“自然への感謝”を込めてとぐ。(2)優しく“心のアク”を流し出すようにとぐ。(3)“とぎ汁にも感謝”して、心を込めて流す。■正しい米のとぎ方&コツ(1)きっちり計量した米をお釜に入れ、水を一気に入れて2回くらい混ぜてすぐに捨てる。(2)手を軽く握り、軽くシャカシャカと10回ぐらい混ぜ、水を注ぎ入れて2回軽く混ぜ、とぎ汁を捨てる。これをもう一度繰り返す。(3)釜に入れ、目盛りまで水を注ぐ。※優しく、手早く、1分から1分半ぐらいでとぎ終わるようにするとよい。浸水時間は夏30分、冬は1時間ぐらい。米をとぐことで自分の中にたまっていた悪い想念をすっかり出しきれたら、その際に出る「とぎ汁」は捨ててしまわないこと。いわば、自分の悪しき部分と向き合い、役立てることが、新たな自分に生まれ変わるための第一歩なのだと江原さんは言う。とぎ汁の再利用法は、根菜類の下ゆで、豚肉や鶏肉のアク取りなど、いろいろある。次のレシピを参考に「浄霊おかず」としてよみがえらせてみよう。■心を浄化する「ふろふき大根」の田楽【材料】2人分大根…1/3本(4切れ分12cm程度)A(塩小さじ…1/2、だし昆布…5cm)B(味噌…50g、砂糖40g、酒大さじ2、みりん大さじ1)いりごま…少々とぎ汁…適量【作り方】(1)大根を3cmぐらいの輪切りにして、十字に隠し包丁を入れる。(2)大根がかぶるくらいにとぎ汁とAを入れ、煮立ったらアクを取り、やわらかくなるまで40〜50分コトコト煮る。(3)Bの材料を耐熱容器に入れて混ぜ、電子レンジで約2分30秒加熱して混ぜる。(4)大根の上に(3)の味噌をかけ、いりごまを散らす。〈意味〉雅子さまがご成婚時に、得意料理として挙げた「ふろふき大根」。腸内の浄化作用のある大根を食べて、体も心もきれいに。■「身欠きにしんとごぼう」の甘露煮【材料】2人分身欠きにしん(ソフトタイプ)…2本ごぼう…50g(10cm程度)A(水…1カップ、酒…大さじ3、みりん…大さじ1、砂糖…大さじ2、醤油…大さじ2)針しょうが…適宜とぎ汁…適量【作り方】(1)とぎ汁に身欠きにしんを入れ、2〜3分ゆでて冷まし、頭、背びれ、うろこ、腹骨を取り、4等分に切る。(2)ごぼうは棒状に切り、とぎ汁で3分ゆでる。(3)Aと(1)(2)を鍋に入れ、煮立ったら火を弱めて煮汁がなくなるまで15分くらい煮含める。(4)器に盛りつけ、好みで針しょうがを散らす。〈意味〉ニシンの語源は「二親」ともいわれ、子孫繁栄の意味を持つ縁起食材。地中にしっかり根を張るごぼうも縁起がいいとされている。「とぎ汁をリサイクルできれば、悪しき想念もまったくの無駄ではなかったということ。人は誰しもがそれぞれ罪を背負って生きています。それを糧にすることで自らのステージをひとつ上げることができるのです」(江原さん)
2019年11月13日現在公開中の映画『ブラック校則』の公開記念舞台あいさつが10日、都内で行われ、佐藤勝利(Sexy Zone)、高橋海人(King & Prince)、田中樹(SixTONES/ジャニーズJr.)、葵揚、水沢林太郎が出席した。11月1日に公開初日を迎え、ぴあ初日満足度ランキングやYahoo!映画レビューで1位を獲得するなど、高評価を得て好調なスタートを切った本作。東京での初日舞台あいさつから始まり、千葉、福岡、大阪、名古屋、仙台、埼玉と、佐藤勝利、高橋海人が舞台あいさつを行って、全国で"ブラ校旋風"が巻き起こっている。そんな本作の公開を記念した舞台あいさつに佐藤らが登壇。理不尽な校則"ブラック校則"にちなみ、理不尽な時間内でミッションに挑戦する"ブラック高速"チャレンジ3本勝負を佐藤・高橋チームVS田中・葵・水沢(劇中では不良グループ)で行った。1回戦はスクリーンと中央モニターに次々と映し出される10個の数字を覚えてパネルに書き記す「数字記憶対決」、2回戦は"ぶ・ら・こ・う"の4文字から愛の告白アイウエオ作文を作る「アイウエオ作文対決」、そして最終戦は万歩計を身に着けて主題歌「麒麟の子」に合わせて身体を高速に動かす「万歩計カウント対決」を実施。冒頭で佐藤が「名前が名前なので勝ちたいと思います」と勝利宣言し、田中は「今日は勝利・海人チームに勝って、勝利という名前を奪いたいですね。"田中勝利"(笑)。舞台あいさつが終わったら"佐藤樹"になってもらいたいと思います」と宣戦布告した。第1回戦は田中・葵・水沢チームが、第2回戦は佐藤・高橋チームがそれぞれ勝利し、勝敗は最終戦へ。田中・葵・水沢チームは、田中が自分の身体を動かすよう葵と水沢に手伝わせたが、517歩対457歩で佐藤・高橋チームに敗退。その結果に田中は「ズルすると出るんですね。数は嘘をつかない…。今日から僕は"田中敗北"で行こうかなと」と悔しがった。「男女は1m以上離れる」、「下着は白のみ着用可」、「学校で歌謡曲を歌ってはならない」、「授業中のトイレは男子1分、女子3分以内」など、生徒を理不尽に縛り付ける“ブラック校則”。ある女子生徒との出会いをきっかけに、ブラックな校則と戦う高校生の姿を描く。
2019年11月11日宮内庁は11月1日、秋篠宮家の長男・悠仁さまが書かれた作文がコンクールで入賞したことを明らかにした。お茶の水女子大学附属中学校1年生の悠仁さまは、夏休みの宿題で「トンボと私」と題する作文を執筆。読売新聞社が主催する第69回全国小・中学校作文コンクールの中学校の部に応募されたところ、東京都の審査で佳作に選ばれたという。東京都での入選作は、小・中学校あわせて45点。応募総数は1,901点だった。悠仁さまは10月27日に行われた表彰式にも出席されたという。このニュースにTwitter上では《おめでとうございます》《悠仁さま、お健やかにお育ちのようで喜ばしい限りです》などと、祝福の声が相次いでいる。また悠仁さまが書かれた「トンボと私」について《ぜひとも読んでみたいです》《拝読してみたいですね》といったツイートもみられた。上皇陛下はハゼ科の魚類、秋篠宮さまはナマズや家禽類の研究で知られている。トンボの調査や生息環境などについて作文に書かれた悠仁さまにも、生物学へのご関心が引き継がれているようだ。
2019年11月05日お笑い芸人のあべこうじと元モーニング娘。でタレントの高橋愛が31日、都内で行われた「8月1日『カフェオーレの日』PRイベント」に夫婦そろって出席した。夫婦そろってのイベント出演に、あべは「2人でできることをハッピーに思っています」と喜び、高橋が「心強いです」は言うと、「僕はちょっと不安です」と告白。「なんでよー!」とツッコまれると、「何が飛び出すかわからないので」と返し、冒頭から仲の良いやりとりを見せた。2人は、26日より公開されたコーヒー乳飲料「カフェオーレ」の新WEB動画「ハイ、カフェオーレ」篇で、夫婦初の広告共演を果たした。同動画では、高橋の楽屋に置かれたリボン付きの大きなプレゼント箱の中から突然あべが姿を現し、カフェオーレを添えたひまわりの花束をプレゼント。そして、あべの言葉に高橋が涙し、さらにあべも涙するという内容だ。サプライズについて、あべは「企画段階で(高橋は)泣くなと。だいたいああいうのは泣きますね。何か心が動いたりすると感動して…」と言い、自身の涙については「泣いてないです」と否定。だが、「アップフロントさんのライブを観に行くとよく泣いているんです。まあまあ号泣しているんです」と打ち明けた。2人は、2014年2月14日に結婚し、6年目に突入。夫婦円満の秘訣について、あべは「僕は古風なタイプなんで、3歩下がって。うちのを前に出して3歩下がる。気を遣うというより、楽しいというのが幸せな部分なので、喜んでくれるのは素敵だなと」と明かし、高橋は「だからかー! 私すごい楽しいんです。すごくいい人って改めて思いました」と笑った。高橋は「求めないこと。お互いに『こうしてよ』っていうのもあんまりなくて、求めるというより理解しあって一緒にいるので」と説明。するとあべが「仕事に行かなくちゃっていうときに引き留められて『キスして』っていうのはありますけど」とラブラブなエピソードを暴露し、高橋は「それはありますけど…」と照れ笑い。また、高橋が「『好き』って言っても『好き』って言ってくれない」と言うと、あべは「求めないって言ってるのに求めてきてるじゃん」とツッコんだ。あいうえお作文ならぬ“カフェオーレ作文”でお互いに思いを伝える場面では、高橋は「カッとあっても ふてくされても笑顔でいてくれる おーきな心を持ったあべさん 令和もずっとずっと一緒にいようね!」、あべは「かわいいちゃん愛へ ふがいない俺を 笑顔で支えて 応援してくれてありがとう 令和もよろしくね!!」とメッセージ。すると高橋は「うれしかったです」と感極まって目に涙を浮かべ、終始ラブラブだったイベントの最後には、あべが「イチャイチャしてすいませんでした」と笑いを誘った。
2019年07月31日お笑い芸人のあべこうじが31日、都内で行われた「8月1日『カフェオーレの日』PRイベント」に、妻である元モーニング娘。でタレントの高橋愛と共に出席。闇営業問題で謹慎処分となっている吉本興業の芸人が9月から復帰すると報じられたことについて、「最高ですよね。一緒にまた楽しく舞台に立ちたいと思います。大切な仲間なんで」と笑顔でコメントした。あべと高橋は、26日より公開されたコーヒー乳飲料「カフェオーレ」の新WEB動画「ハイ、カフェオーレ」篇で、夫婦初の広告共演。この動画は、8月1日の「カフェオーレの日」に、「ハイ、カフェオーレ!」という言葉とともに、大切な人にやさしい気持ちを贈ろうというメッセージを込めて制作された。2人は2014年2月14日に結婚し、6年目に突入。イベントでは夫婦円満の秘訣を語り、あいうえお作文ならぬ“カフェオーレ作文”でお互いにメッセージを送り、高橋が感極まって目に涙を浮かべる場面も。終始ラブラブで、あべは「イチャイチャしてすいませんでした」と笑いを誘った。
2019年07月31日小学生の夏休みの宿題のなかで特に悩ましい、読書感想文。毎年夏休みが来るたび、どうすればいいか困ってしまう親子は多いはず。この記事では、夏休みの宿題の大定番・読書感想文の書き方(小学生版)を徹底解説します。本の選び方から原稿用紙への書き方、推敲の仕方、親のかかわり方、声かけの例まで、これを読めば読書感想文のお悩みは全部解決!読書感想文を初めて書く1年生や2年生はもちろん、もっと上手に書けるようになりたい3年生以上の小学生を持つ親御さんも、ぜひお読みください。読書感想文(小学生)の書き方:本選びから完成までの全体像ここからは、こどもまなび☆ラボの人気連載、文章力養成コーチ松嶋有香先生による「親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン」の内容をベースに、小学生の読書感想文の書き方を編集部がまとめて紹介します。■ 読書感想文が完成するまでの手順一覧まずは、読書感想文を完成させるまでの手順を確認しておきましょう。本を選ぶ本を読みながら付箋を貼る親子で対話して、子どもから感想を引き出す文を作る原稿用紙に下書きする見直して清書する → 完成!これが全ステップです。見通しをもって取り組んでくださいね。小学生の読書感想文は、「親子で」取り組むことをおすすめします。じつは、1年生から4年生までの小学生は、読書感想文の書き方をまだ学校では習っていません。学習指導要項では、5年生、6年生の国語で学習することになっているのだそう。読書感想文を初めて書く子どもや、読書感想文にまだ慣れていない子どもに、「さぁ好きな本を選んで書きなさい」と言ったところで、うまくいくわけがありません。親御さんの的確なサポートは不可欠なのです。■ 小学生が読書感想文を書くとき、親が必ず意識すべきこと子どもの読書感想文をサポートするにあたり、親が強く意識すべきことがあると松嶋先生は言います。それは次のこと。親ができることは、たった1つ。「子どものすることを否定しないこと」(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第1回:夏休みのラスボス、読書感想文※下線と色による強調は引用にあたり施した)「その本で読書感想文書くの?こっちの本にしなさいよ」「そんな感想じゃおかしいじゃないの」などと、子どもが選んだ本や言った感想にケチをつけてはいけません。やる気を削いでしまいますので、よく注意してくださいね。★詳しい解説はこちら【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第1回:夏休みのラスボス、読書感想文■ 読書感想文に取り組む期間本選びから読書感想文の完成までに費やす期間の理想は、「1日1~2時間ぐらいずつ取り組んで、全体で約2週間」というのが松嶋先生の見解です。次の言葉にあるように、読書感想文は子どもが大きく成長するチャンス。短い期間で楽に片付けようと思わないで、親子で焦らずじっくり読書感想文に取り組むといいですね。読書感想文は、本をきっかけに自分と向き合う経験です。まずは、このことをしっかり受け止めてください。自分と向き合った気持ちを言葉に直すことが楽になると、嫌なことを嫌と言える子になります。本当の気持ちを説明できる子になります。(引用元:同上)読書感想文(小学生)の書き方:手順1. 本を選ぶさてここからは、読書感想文のノウハウを具体的に紹介していきます。まずは、本選び。松嶋先生いわく、読書感想文の本を選ぶときの鉄則は次の3つです。親子で「リアルの本屋」に行く子どもに「好きな本」を選ばせる子どもが選んだ本を、親は「否定しない」1. 親子で「リアルの本屋」に行くインターネットで本を買う大人は多いと思いますが、小学生の読書感想文の本は、必ずリアルの本屋に出向いて選んでください。子どもが実際に手に取りながら、お気に入りの1冊を見つけることが大事です。なるべく大きな書店に行くと選択肢が広がるので、なお良いといえます。2. 子どもに「好きな本」を選ばせる子どもには「好きな本を選んでいいよ」といってあげましょう。大人はつい「この本は感想文を書きやすいかどうか」を気にしてしまいますが、「子どもが興味を持っているかどうか」「子どもがその本を好きかどうか」のほうがずっと大事なのです。また、読書感想文の本といえば物語をイメージしがちですが、自然科学の本や写真集でもOK。実際、虫の写真集を読んで読書感想文を書いた小1の子が賞をとった例もあるそうですよ。『青少年読書感想文全国コンクール』の課題図書から選ぶべきなのかどうかも気になるところ。これについて松嶋先生は「お子さんが好きな本が、たまたま課題図書で選ばれた本なら、その本で良い」(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第2回:そうだ、本屋へ行こう!)とアドバイスしています。基本的には自由図書でいいようです。3. 子どもが選んだ本を、親は「否定しない」こうして子どもが選んだお気に入りの1冊を、親は絶対に否定してはいけません。子どもの選択が親の想定外だったり、「この本で大丈夫かな?」と心配になるような本だったりしても、「おもしろそうな本だね!」「楽しみだね!」と前向きに受け止めてあげましょう。子どものやる気がグンと上がります。★詳しい解説はこちら【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第2回:そうだ、本屋へ行こう!読書感想文(小学生)の書き方:手順2. 本を読みながら付箋を貼る読書感想文を書く本を手に入れたら、次は本を読みます。ポイントは、本を読みながら付箋を貼ること。読んで「心が動いたページ」に、付箋を貼ってください。■ 付箋を貼る場所の例付箋を貼るべきページは、例えば次のような箇所です。お子さんに教えてあげると分かりやすいでしょう。「ああ、分かる」「へーそうなんだ」「わ、びっくりした」「最高!」など心が動いたところに、付箋紙を貼っていきます。また「なんで?なんでそうなるの?」「信じられない」「無茶だ」「ひどい!」そういうマイナスイメージでも構いません。(中略)「こんな気持ち、最低だ。言葉にしたくない……」そんな重症な場合も貼っておきましょう。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第3回:読書感想文を前提にした本の読み進め方※太字は引用にあたり施した)付箋を貼るときは、心の動きを表す言葉を付箋に書き込んでおいてください。また、付箋はあとで剥がしますので、ページ数を書くことも忘れないように。そして、一通り本を読み終えたら、付箋が貼ってあるページをもう一度読み直し、さらなる気付きがあれば付箋に書き加えてください。貼った付箋の数が多くなりすぎた場合や、似たようなところに付箋を貼った場合などの対処法などは、下記の記事で解説されています。★詳しい解説はこちら【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第3回:読書感想文を前提にした本の読み進め方読書感想文(小学生)の書き方:手順3. 親子で対話して、子どもから感想を引き出す次は、子どもから感想をさらに引き出すプロセスに入ります。先ほど、子どもの心が動いた箇所に付箋を貼りましたね。その付箋にページ数が書いてあることを確認し、剥がしてコピー用紙などの白い紙に貼りましょう。そうしたら次は、子どもの心がなぜその箇所で動いたのか、親子で対話をしながら子どもの考えを深堀していきます。■ 子どもの感想を深堀する問いかけの例子どもから感想をさらに引き出すために、親は子どもに次のようなことを質問してみましょう。「なぜ、ここで感動したのか」「どうして、そこが気になるのか」「もし自分だったらどうするのか」「もし、魔法でストーリーを変えられるとしたら、どうしたいか」「どうして付箋に○○と書いてあるのか」(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第4回:自分と向き合う時間にこそ読書の意味がある※太字は引用にあたり施した)■ 子どもから感想を引き出す際の注意点この過程で子どもから出てくる言葉を、親は否定することなく素直に聞き入れましょう。そして、子どもが発した言葉をすべて、親が先ほどの白い紙にメモしていきます。そうすると、付箋「どうして心が動いたのか?」という質問子どもが話した答えがセットになった紙が何枚もできあがるはずです。まだ文になっていないメモ書きの状態で、子どもの感想の言葉がたくさん引き出されましたね。この紙のことを、以後「質問シート」と呼びます。なお、この対話のなかでもしも子どもからなかなか言葉が出てこなくても、きつく質問したり焦らせたりしないようにしましょう。またこの作業は、特に低学年の場合は、親子で対話をしながら行ないます。高学年の子で自問自答ができそうな場合は、子ども自身にさせてみても良いそうですよ。★詳しい解説はこちら【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第4回:自分と向き合う時間にこそ読書の意味がある読書感想文(小学生)の書き方:手順4. 文を作る先ほどできあがった質問シートにある、「『どうして心が動いたのか?』という質問」と「子どもが話した答え」の2つをセットにして、文を作っていきます。文を作りながら、適宜言葉を足していきましょう。この段階ではまだ原稿用紙は使いません。引き続きコピー用紙などの自由に書ける紙を使います。■ 質問シートをもとにした感想文の作り方・例文の作り方について、松嶋先生が分かりやすい例を紹介しています。これは、『桃太郎』を読んだ子が「キジのことが心配だ」という感想を言っていた場合の例です。【質問シートに書かれた内容】質問「どうしてキジが心配だったの?」答え「ずっと役に立たないからいらいらした」【文の作り方】質問と答えをセットにする「ぼくは、キジが心配だった。ずっと役に立たないので、いらいらした。」言葉を足す「ぼくは、キジがずっと心配だった。ちっともみんなの役に立てないので、ちょっといらいらして見てた。」メモに残された言葉から、文章を肉付けする「犬は強いでしょ?猿は頭が良いでしょ?でもキジは何もできなかった」という会話をしていたなら、次のような文になる:「犬は、大きな声でワンワン吠えて、鬼をやっつけると思ったし、猿は頭が良くて手先が器用だから、すごく活躍すると思った。でも、キジは何もできないと思った。ぼくは、桃太郎がなぜキジをお供に選んだのか、ちょっと分からなかったくらいだ。」(「【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第5回:質問と答えをセットにしてみよう」より抜粋)■ 文章の肉付けのコツ上記のようにして文章を肉付けするときのコツのひとつに、オノマトペを活用するという方法があります。オノマトペとは、「ワンワン」「ドンドン」などの擬音語、「ひやひや」「ゆったり」などの擬態語のことです。また、つい使ってしまいがちな「うれしかった」「悲しかった」などの単純な言葉は、ぜひ別の言い方で表現してみましょう。そのためには親が問いかけを工夫してあげると、より具体的な感想文になりますよ。「例えば何の時みたいにうれしかったのか」「どんなふうに体が変化したの?」といった質問をして、言葉を増やしていきます。質問をすれば答えが出ますよね。その答えを書けば良いのです。「うれしくて涙が出た」「鳥肌が立つくらいうれしかった」など、自分の体の変化を書くといいでしょう。(引用元:同上※太字は引用にあたり施した)★詳しい解説はこちら【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第5回:質問と答えをセットにしてみよう★表現力アップのコツは、文章術のプロ・山口拓朗さんによる連載「作文力の伸ばし方講座」でも解説されています。合わせてお読みください。オノマトペで作文の表現力を伸ばす――「富士山が“ジョジョッ”とあらわれた」でも間違いではない!?オリジナルの比喩で、表現力のある作文に激変――“それ” は “ほかの何” に見えるのか?読書感想文(小学生)の書き方:手順5. 原稿用紙に下書きする手順4で作った文を原稿用紙に書いていきましょう。でもまだ、この段階では下書きですよ。■ 読書感想文の書き出しのポイントまず気になるのは「書き出し」ですね。松嶋先生いわく、読書感想文の書き始め方のコツは次のとおり。読書感想文も(ブログと)同じで、採点者から見ると、結論が先に書いてあった方が食いつきやすいのです。(中略)なので、結論はもったいぶらずに、先に書いてしまうのがいいと感じます。また、結論を先に書く方法だと、あとに熱量が続きやすくなります。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第6回:やっと国語教師の出番です※カッコ内は引用にあたり補った)ここまででいくつか文章が出来上がっていますよね。それらのうち、子どもが特に強く抱いた感想を結論として、出だしに持ってくるようにします。親子の対話の過程で子どもから何度も発せられた言葉は何だったか、と考えるとわかりやすいでしょう。■ 結論を膨らませる結論から書き始めたら、適宜段落を変えつつ、結論に関係のあるエピソードや具体例を盛り込んでいきます。ここまでの過程で話題の違う文章がいくつかできているかもしれませんが、読書感想文に盛り込む文章は結論に関係のある文章だけです。結論と関係ない文を削ったことで文字数が少なくなったなら、残った文章にあるエピソードや自分の気持ちをより詳しく書いて、文章を肉付けしていきましょう。なお、いまは下書きですので、文と文がつながっていない「箇条書き」のようなスタイルでも大丈夫です。★詳しい解説はこちら【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第6回:やっと国語教師の出番です★書き出しの工夫のコツ、ユニークな書き始めの例については、「作文力の伸ばし方講座」の記事も合わせてお読みください。「書き出し上手」は「作文上手」!作文を魅力的にする“書き出しのパターン”12選読書感想文(小学生)の書き方:手順6. 見直して清書する→完成!これで、読書感想文の下書きが一通り書けたら、次は推敲をします。一晩時間を置いてから、親子で一緒に文章を見直しましょう。■ 読書感想文の推敲のコツ推敲のコツは、音読をすること。松嶋先生は次のようにアドバイスしています。昨日書いた作文を読んでみます。声に出して読んでみましょう。声に出して読んでみて、気づくことがあれば、赤ペンで書いていきます。・こっちの文が先に来た方がいい、・この文はもう少し強調しよう、・この文はやっぱりいらない、そういう気づきはどんどん書き込みます。音読すると、不思議と、書き入れたい言葉や、書き直したい言葉が出てきます。また、ここまでの段階では文が箇条書きになっているのですが、文と文のあいだに入れたい言葉も自然に出てくるはずです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第7回:推敲の仕方)細かな表現の修正に加えて、構成そのものを変えたくなることもあるでしょう。その際は、文単独ではなく段落ごと移動させてください。そうしないとバランスが崩れてしまうそうですよ。これは低学年のお子さんには難しいので、親御さんのアドバイスが不可欠ですね。こうして下書きの原稿用紙に赤字を入れ終わったら、最後に新しい原稿用紙を用意して、清書をしてください。■ 読書感想文のタイトルのつけ方読書感想文の題名のつけ方も気になるところ。よくあるのは「○○○○を読んで」というタイトルですが、これではありきたりすぎます。松嶋先生によれば、8割の子がこの題名で読書感想文を書いてくるのだそう。子どもが自分の心と一生懸命向き合ってできた、その子にしか書けない読書感想文です。ここまでで使用した付箋のメモからキーワードを拾ってみるなどして、我が子らしいタイトルを一緒に考えてあげましょう。タイトルをつけ終わったら、これで読書感想文は完成です!★詳しい解説はこちら【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第7回:推敲の仕方【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第8回:ようこそ内省の世界へ★締め方の工夫のコツ、印象的な終わり方の例については、「作文力の伸ばし方講座」の記事も合わせてお読みください。作文の印象は “最後の一文” で決まる!――個性的な余韻を残す「締めくくり」のワザ読書感想文(小学生)の書き方:原稿用紙の使い方読書感想文の書き方を一通り解説しましたが、読書感想文の初心者や、作文そのものにまだあまり慣れていない小1・小2・小3・小4の子をもつ親御さんにとっては、原稿用紙の使い方も不安ですよね。原稿用紙で作文を書いたのは十数年前、という親御さんも多いはずですから、小学生の子どもに教える前にぜひ原稿用紙の使い方をおさらいしておきましょう。きちんとした体裁で書かれた原稿用紙は、読み手に良い印象を与えますよ。【1】題名読書感想文のタイトルは、1行目の上から2~3マスを空けて書きます。【2】氏名題名の次の行に、一番下の1マスを空けて書きます。姓と名の間は1マス空けます。学校名、学年を書く場合は、氏名の上にそれぞれ1マス空けて書きます。(学校やコンクールの要項に従ってください)【3】本文本文の書き始めや、段落が変わるときは、一番上を1マス空けます。【4】読点(、)・句点(。)テン(、)やマル(。)は、1マス使って書きます。句読点が行の一番上のマスに来てしまうときは、前の行の一番下のマスに、文字と一緒に書きます。【5】かぎかっこかぎかっこ(「」)は、1マス使って書きます。心の中で思ったことや強調したいことを書くときには改行せず、話したことを書くときには改行します。会話文を書く際は、一番上のマスに始まりのかぎかっこを書き、会話文の最後に終わりのかぎかっこを書きます。終わりのかぎかっこと句点は同じ1マスに書きます。話した内容が2行以上にわたるとき、2行目以降の一番上の1マスは空けても空けなくてもかまいません。【6】二重かぎかっこかぎかっこの中でさらにかぎかっこを使う場合は二重かぎかっこ(『』)を使います。書籍の名前を書く場合も二重かぎかっこを使います。原稿用紙の使い方(例)(画像は編集部にて作成)なお、学校名や学年などの記載法ほか書き方の形式については、通う小学校や応募するコンクールの決まりがある場合もありますので、必ずその指定を確認するようにしましょう。『青少年読書感想文全国コンクール』の応募要項はこちらから確認できます。***夏休みの読書感想文の宿題に真剣に取り組めば、子どもはたくさんの文章を書ける喜びや、一生懸命取り組み作品を完成させることの達成感を味わえます。何より、自分の心と徹底的に向き合うという、得がたい経験ができるはず。親御さんも、子どもの内面を知ったり成長を感じたりできることは間違いありません。ぜひ親子で一緒に読書感想文を書き上げましょう。(参考)StudyHackerこどもまなび☆ラボ|【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第1回:夏休みのラスボス、読書感想文StudyHackerこどもまなび☆ラボ|【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第2回:そうだ、本屋へ行こう!StudyHackerこどもまなび☆ラボ|【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第3回:読書感想文を前提にした本の読み進め方StudyHackerこどもまなび☆ラボ|【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第4回:自分と向き合う時間にこそ読書の意味があるStudyHackerこどもまなび☆ラボ|【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第5回:質問と答えをセットにしてみようStudyHackerこどもまなび☆ラボ|【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第6回:やっと国語教師の出番ですStudyHackerこどもまなび☆ラボ|【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第7回:推敲の仕方StudyHackerこどもまなび☆ラボ|【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第8回:ようこそ内省の世界へStudyHackerこどもまなび☆ラボ|オノマトペで作文の表現力を伸ばす――「富士山が“ジョジョッ”とあらわれた」でも間違いではない!?StudyHackerこどもまなび☆ラボ|オリジナルの比喩で、表現力のある作文に激変――“それ” は “ほかの何” に見えるのか?StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「書き出し上手」は「作文上手」!作文を魅力的にする“書き出しのパターン”12選StudyHackerこどもまなび☆ラボ|作文の印象は “最後の一文” で決まる!――個性的な余韻を残す「締めくくり」のワザNHK|NHK高校講座ベーシック国語第21回「原稿用紙の使い方」ベネッセ教育情報サイト|原稿用紙に書く
2019年07月30日「フレームリーディング」という言葉をご存じでしょうか?「文章全体の構造や内容をとらえる力」を育むことを目指した国語の授業スタイルのことです。フレームリーディングによって子どもはどんな力を得ることができるのでしょう。フレームリーディング研究と指導の第一人者である、筑波大学附属小学校の青木伸生先生にお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)文章全体をつかみ、より深く内容を理解するフレームリーディングとは、文章を細切れにして読むのではなく、文章全体をつかんで深く内容を理解するための手法です。まずは文章のなかにいくつの出来事や具体例が書かれているのかといったことを大雑把につかみ、そのあとで必要に応じて詳しく読んでいく。そのふたつの行為をいったりきたりと繰り返すことで、文章をより深く理解し、最終的には自分の考えを持つことが目的です。では、具体例で示してみましょう。次の文章をご覧ください。【1】ドングリのからが落ちています。【2】誰がドングリを食べたのでしょうか。【3】リスがドングリを食べました。【4】リスはドングリに穴を開けて中身を食べます。【5】バナナの皮が落ちています。【6】誰がバナナを食べたのでしょうか。【7】サルがバナナを食べました。【8】サルはバナナの皮をむいて中身を食べます。まずは全体を読んだあとに、子どもたちには登場した動物を数えさせます。この例ではリスとサルの2種類。そして、出てきた順番も聞きます。なぜなら、小学低学年の国語では「順序」をとらえられるようになることが重要だからです(インタビュー第2回参照)。続いて、どこからどこまでがどの動物の話なのかを聞く。【1】から【4】がリスで、【5】から【8】がサルの話ですね。こうして、話のまとまりを目に見えるかたちで整理してあげるわけです。次は、リスとサルの話を比べて、「同じところがあるかな?」と聞いてみます。子どもたちは、「誰が○○を食べたのでしょうか。」が同じだと気づき、それぞれのまとまりのなかで2番目に書かれていること、次の3番目にはその答えが書かれているといったことにも気づきます。そのように、子どもが文章の構造をどんどん発見していくように教員がリードする。こうして、ただ単に動物がものを食べたという話の内容の確認ではなく、文章の構造を子どもたちが自分で発見するという授業内容にしていくわけです。すると、別の文章を読むときにも、子どもたちは「話のまとまりはどうなっているのだろう」とか「どこが同じなのだろう」といった目のつけどころを持つようになります。そういった習慣こそが、文章を読むこと、しっかり理解することの楽しさにつながっていくのです。誰もが苦手な読書感想文も楽々進められる!?じつはこの手法は、2020年から小学校で実施される新学習指導要領で推奨される文章の読み方とほぼ一致しています。新学習指導要領では、「構造と内容の把握」というものが最初にあり、次に「精査・解釈」という詳細な読解がある。そして、それらをいったりきたりと繰り返すことで「考えの形成」ができるとしています。表現はちょっと難しくなっていますが、これは最初に説明したフレームリーディングの手法そのものですよね。このフレームリーディングが身につくと、文章を読むこと以外にも、さまざまな場面でその力を生かすことができます。まずは「思考」する――考えるときです。最初に全体をとらえたり俯瞰したりすることは、ものごとの本質をとらえるための思考パターンとしてとっても大事ですよね。思考の対象となるものごとの全体を見渡してなにが起きているのか、なにが問題なのかをとらえられなければ、思考することはできません。それができたら、今度は大事なポイントをとらえて切り口を見つける。それらを繰り返すことで、自分なりの結論やアイデアをまとめられるようになるわけです。さらに、フレームリーディングは「アウトプット」にも生かせるものです。国語の授業におけるアウトプットというと「作文」ですね。文章全体の構造を理解できるようになれば、物語や説明文の展開のパターンというものが見えてきます。たとえば、文章のはじめに結論が出てくる頭括型、最後に結論がある尾括型、どちらにも結論がある双括型などです。もちろん、低学年のうちから頭括型といった言葉は使いません。わたしの授業では、それぞれ頭型、お尻型、サンドイッチ型と教えています。これらのパターンを文章のスタイルとしてしっかり認識していれば、「今日の校長先生のお話を頭型で書いてみよう」という課題を出しても、子どもたちはスムーズに文章を書けるというわけです。フレームリーディングの基本は「数える」と「選ぶ」にあるフレームリーディングについて学んだことがあるという人はあまりいないでしょうから、「家庭では生かせそうにないな」と思うかもしれませんね。でも、家庭でもできることがあります。フレームリーディングは、先の例で動物の数を数えたように、まずは文章に出てくるものを「数える」ということが基本中の基本です。それが全体を見渡すことになるからです。ある物語の登場人物や出来事の数がわかるだけでも、ストーリー全体の輪郭がなんとなく見えてくるように感じませんか?ですから、家庭で子どもと本を読んだときにも、「お話のなかにいくつの動物が出てきたかな?」といったふうに聞いてみてください。子どもは読み返しながら「2匹!」というふうに答えるでしょう。それで、子どもはお話全体をなんとなく見渡すことができます。それから、重要な内容に的を絞る、つまり焦点化するときには、「選ぶ」ということをします。「お話のなかに出てきた動物のなかで、いちばんすごいと思ったのはどれ?」と聞いてみると、子どもはまた読み返して「きちんと皮をむいてバナナを食べるサルはすごい!」というふうに答える。この時点ですでに内容を詳しく読み込むことになっている、「焦点化した読み」になっているのです。「数える」と「選ぶ」。そのふたつをやらせるだけで、子どもの頭のなかでは、全体を見る、詳しく読むというフレームリーディングの基本を繰り返すことになります。家庭でも簡単にできることですから、ぜひチャレンジしてみてください。『青木伸生の国語授業 3ステップで深い学びを実現! 思考と表現の枠組みをつくるフレームリーディング』青木伸生 著/明治図書出版(2017)■ 筑波大学附属小学校教諭・青木伸生先生 インタビュー一覧第1回:子どもの主張はくみ取らなくていい!親だからこそできる、我が子の国語力アップ法第2回:「宿題の定番」になるのも頷ける。意外だけどすごく重要な「音読」の4つの狙い第3回:「文字を見るのも嫌!」子どもを国語嫌いにさせないために、親がすべき低学年からの工夫第4回:作文力アップも期待できる!文章の読み方の新習慣「フレームリーディング」とは【プロフィール】青木伸生(あおき・のぶお)1965年生まれ、千葉県出身。東京学芸大学卒業後、東京都の教員を経て現在は筑波大学附属小学校教諭。全国国語授業研究会会長、教育出版国語教科書編著者、日本国語教育学会常任理事、筑波大学非常勤講師なども務める。近年はフレームリーディングの専門家としても注目を浴びる。『ことばの事典365日』(小峰書店)、『青木伸生の国語授業 フレームリーディングで説明文の授業づくり』(明治図書出版)、『青木伸生の国語授業 フレームリーディングで文学の授業づくり』(明治図書出版)、『ゼロから学べる小学校国語科授業づくり』(明治図書出版)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年05月31日「小室さんは留学を終えて帰国後、同じ事務所で勤務する予定だといいます。事務所から借りていた留学中の生活費も働きながら返済することになるのでしょうが、NYでの3年分の生活費となれば1,000万円以上になるはずです。しかも、2年目以降の学費を工面できる確証もないままに渡米したとすれば、あまりにもリスクが大きすぎます。奨学金獲得への“秘策”があったのでしょうか……」(皇室ジャーナリスト)謎に包まれた小室さんの留学生活。数々の疑問が湧いてくる中、フォーダム大学関係者が小室さんの現在の様子を語ってくれた。「授業はほとんど皆勤賞で、成績も優秀と評判です。講義が終わると、教授のもとに駆け寄って熱心に質問をしています。友人も何人かいるようですが、1人で黙々と勉強している姿を見かけることが多いです。ほとんど大学の外には出ず、授業がないときにはずっと図書館や寮にいるみたいですね」この大学関係者は、小室さんの奨学金について、こんな話も聞いたという。「小室さんは入学時の奨学金申請の際に、前例のないほど長い自己PR作文を提出したそうです。フォーダム大学には強い憧れがあり、熱意は誰にも負けないと示したかったのでしょう。電子メールに添付されていたその文章を印刷したところ、厚さ1センチ近く、枚数にして80枚ほどになったそうです。選考に関わった教授陣も驚いたといいます」日本のプリンセスと知り合うまで、そして国際弁護士としての目標……。そんな“輝く過去と未来”を綴った小室さんの作文が、奨学金獲得の決め手だったというのだ。したたかともいえる戦略が実り、ロースクールの同級生でたった1人にしか支給されない『マーティン奨学金』の獲得に成功。小室さんは“首席待遇”を得ることになった。前出の大学関係者によると、キャンパス内では小室さんのことが噂になっているという。「日本のテレビ局が小室さんを追いかけているので、学生だけでなく職員や教員の間でも小室さんのことは話題に上がります。キャンパス内で、小室さんはひそかに“Happy Prince”というあだ名で呼ばれているのです」オスカー・ワイルドの童話に『幸福な王子(The Happy Prince)』という作品がある。自我を持った王子の像が、自分の体を飾る金箔や宝石をツバメに託し、貧しい、不幸な人々に分け与えていくという物語だ。「多額の学費を払っているほかの学生たちからは、学費が全額免除されている小室さんは羨望の的なのでしょう」(前出・大学関係者)『幸福な王子』では、王子が最後には金箔の剥がれたみすぼらしい姿になってしまうが、だからこそ自己犠牲の精神はいっそう輝いて見える。“プリンセスのフィアンセ”という肩書でNYに迎え入れられた小室さん。その“金箔”が剥がれたあとでも、真価を見せることができるのだろうか――。
2019年04月17日「脱・ありきたり」で作文に余韻を残す前回(第9回)お届けした「“書き出しのパターン”12選」では、「書き出し」に工夫を凝らすだけで、ひと味違った作文になることに気づいてもらえたのではないでしょうか。さて、連載最終回となる今回は、作文の「締めくくり」のパターンを紹介します。多くの子どもが「書き出し」同様、「締めくくり」にも、工夫を凝らしていません。いえ、そもそも、子どもは、「締めくくり」の重要性に気づいていません。書くことに精一杯という子どももいるでしょう。しかし、作文の「締めくくり」は、単に「文章の終わり」ではありません。読む人の読後感(余韻)を左右する極めて重要なパートです。多種多様な「締めくくり」を子どもの目に触れさせて、その重要性や魅力に気づかせてあげることは、お父さんお母さんの役目ともいえます。もちろん、本記事でも、多種多様な「締めくくり」の例を紹介していきます。ぜひお子さんと一緒に読み上げるなどしてみてください。【「平凡な締めくくり」の例】お題:遠足平凡な締めくくり:とても楽しい1日でした。平凡な締めくくり:またいつかあそびに行きたいと思います。お題:お母さん平凡な締めくくり:というわけで、わたしのお母さんは、とてもやさしいです。平凡な締めくくり:しょうらい、わたしもママのようになりたいです。お題:好きな食べ物平凡な締めくくり:これからもオムライスをたくさん食べたいです。平凡な締めくくり:やっぱりわたしはオムライスが好きです。お題:学校平凡な締めくくり:だから、ぼくはこのがっこうが大好きです。平凡な締めくくり:これからも、お友だちといっしょに、たくさんあそびたいです。お題:読書感想文平凡な締めくくり:もういちどよみたいと思います。平凡な締めくくり:友だちにも、おすすめしたいです。「平凡な締めくくり」と書きましたが、決してこれらの締めくくりがいけないわけではありません。いずれも作文をていねいに終わらせています。そもそも「締めくくり」の良し悪しは、作文の内容との関係性によって決まるものなので、「締めくくり」の例だけをお見せして「平凡」といってしまうのは乱暴でもあります(全文をお見せできずすみません!)。とはいえ、上記の例文が、平凡な雰囲気を漂わせる「締めくくり」であることには多くの方が同意するのではないでしょうか。読みやすく理解しやすい作文かもしれませんが、“その子らしさ”が光っている印象を受けません。作文の「締めくくり」に使えるパターン22選では、「平凡」とは一線を画す「締めくくり」のパターンを紹介しましょう。【1】「自分が叫んで」締めるぼくはさいごに、こうさけびたいです。「くそー、次のしあいでは、かならずオレが得点を決めてやる!」はずかしいけど、もう一度言わせて。「だれか〜、わたしのことを助けに来て〜!」【2】「誰かの言葉」で締めるコーチがわたしのかたをたたいて言いました。「よくがんばったな」コウタくんが目をキラキラさせてぼくに言ったのです。「オレにまかせておけ!」【3】「ため息」で締めるやれやれ、じごくのような1日が、ようやくおわりました。ふ〜う、校門を出たら、どっとつかれました。【4】「自分をホメて」締めるあれっ、わたしって、もしかしたら天才かも?自分で自分にハナマルをつけてあげたいと思います!【5】「反省して」締めるもう、二度とウソはつきません。はい、そうじはサボらないと、ここで約束します。【6】「決意」で締めるよし、あしたから早おきして、ランニングをするぞ。次のテストでは、ぜったいに100点をとってやる!【7】「質問・疑問」で締めるわたしのこの考え方が、まちがっているのだろうか?先生、くやしいときに泣くことって、いけないのでしょうか?【8】「余韻を残して」締めるたぶん、きのうよりは、かしこくなっているはずだが……。さてさて、明日の本番はどうなることやら……。【9】「ギャグ」で締める引っこしたら、次こそ、小さくてかわいい犬をかいたいワン。オレも男だ。ゾウのように大きな心をもてるよう、がんばるゾウ。【10】「嘆き」で締める真冬のマラソン大会だけは、かんべんしてほしい。さんすうのしゅくだいは、もうコリゴリだ。【11】「キーワード+感嘆符」で締めるやき肉たべほうだい、バンザイ!大谷せんしゅ、さいこう!【12】「自分ツッコミ」で締めるあしたのきゅうしょくのメニューはこれで決まり。って、わたしはシェフか!それでは、おにゃさす!って、ぼくはカジサックか!【13】「シーン」で締めるふりかえると、ピューっと強い風がふいて、だれものっていないブランコがユラユラとゆれていました。声がするほうにかおを向けると、ずっと遠くのほうで、お姉ちゃんが手をふっているのが見えました。【14】「たとえ」で締める大きなタワーが、まるでエンピツのように見えました。それはまるで、でっかいたいようが、空いちめんに、オレンジ色の絵の具をまきちらしたかのようでした。【15】「ことわざ」で締めるこういうのを「たなからぼたもち」というのでしょうか。ああ、これが「月とスッポン」ってやつか。【16】「『もしかしたら』や『ひょっとしたら』」で締めるもしかしたら、正しいのは、ぼくではなく、弟のほうだったのかもしれない。ひょっとしたら、しょうらい、彼は、そうりだいじんになっているかもしれないぞ。【17】「なぜなら」で締めるなぜなら、私は学級いいんちょうだからです。なぜなら、しょうらいぼくは、うちゅうひこうしになるからです。【18】「けっきょく」で締めるけっきょく、ぼくらの作った作品は、選ばれませんでした。けっきょく、わたしの願いはかないませんでした。【19】「つまり」で締めるつまり、ぼくらは負けたのだ。つまり、わたしたちは、生かされている、ということです。【20】「だから」で締めるだから、歯いしゃさんはキライです。だから、ぼくは日記を書き続けているのです。【21】「そう」で締めるそう、これがわたしの正体なのだ。そう、ぼくこそが、ヒーローになりそこねたザンネンなやつなのだ。【22】「慌てて」締めるあっ、ママがかえってきた。作文はここまで。しまった、もう書くスペースがない。おわらせてもらう。文章の「書き出し」同様に、「締めくくり」にも、さまざまなパターンがあります。最後の「『慌てて』締める」などは、少しズルい終わり方のようにも感じます。しかし、10歳未満の子どもにしてはウィットに富んでいると思いませんか?注意するどころか、おもいきりホメてあげたい「締めくくり」です。もちろん、「締めくくり」のバリエーションは、子ども自身が、さまざまな「締めくくり」に出合いながら、少しずつ増やしていくものです。個性的な「締めくくり」や魅力的な「締めくくり」を目にしたら、どんどん取り入れてマネするよう伝えてあげてください。一度使った「締めくくり」は、子ども自身の“引き出し”になるはずです。その“引き出し”は、その後も長きに渡って、その子の作文を手助けしてくれることでしょう。人と違う「締めくくり」をホメよう作文の「締めくくり」には、漫才や落語でいうところの「オチ」の役割もあります。不思議なもので、中身がやや平凡でも、「締めくくり」がうまかったり、個性的だったり、気が利いていたり、目を引いたりすると、作文全体の印象がよくなるものなのです。もちろん、一発で会心の「締めくくり」を書くのは、大人でも簡単にできることではありません。「書き出し」と同じく、書いた文章を読み返すときに、再検討するクセをつけましょう。「平凡な締めくくりはイヤだなあ」。子ども自身にそういう気持ちが芽生えたとき、その子の作文能力は、急激に伸びていくはずです。たくさんのパターンで「締めくくり」を書いていくうちに、自分の得意な「締めくくり」を手にする、あるいは、作文のテーマや内容、文体の硬軟などによって、最適な「締めくくり」を選べるようにもなるでしょう。お友だちと違う「締めくくり」は、その子にとっての宝物です。親御さんは、その宝物こそを大事にしてあげてください。
2019年02月06日子どもに「書き出しを工夫したい!」と思わせようこの世に「書き出し」が重要でない作文はひとつもありません。書き出しで読む人の興味を引くことができれば、読む人は「これはおもしろそうだ!」と、前のめりになって、その続きをしっかり読んでくれるかもしれません。一方で、書き出しで興味をひくことができなければ、「これはつまらなそうだ」「どれも似たような作文だ」と、読む人は続きを読み流してしまうかもしれません。書き出しの差は“微差”ではなく“大差”なのです。【平凡な書き出しの例】お題:遠足平凡な書き出し:きのうは○○にえんそくに行きました。お題:お母さん平凡な書き出し:わたしのお母さんは、とてもやさしいです。お題:好きな食べ物平凡な書き出し:わたしの好きなたべものは、カレーライスです。お題:学校平凡な書き出し:ぼくの学校は○○小学校といいます。お題:読書感想文平凡な書き出し:わたしは『〇〇』という本を読みました。おそらく、子どもに向かって「書き出しは平凡にならないようにね」と“書き出しの重要性”を説いたところで、ピンとこない子がほとんどでしょう。それどころか、「難しい」「よくわからない」「面倒くさい」と、書き出しを工夫することを、嫌がる子もいるかもしれません。では、どうすれば、子どもに「書き出しの重要性」を実感してもらうことができるでしょうか?いちばんいいのは、個性的な書き出しにたくさん触れさせることです。童話、小説、エッセイ、他の子どもの作文……どんな種類の文章でも構いません。親が「個性的だな」「おもしろいな」「続きを読みたくなった」という書き出しを見つけたら、「この文章の書き出し、おもしろいよ!」と子どもに見せてあげてください。子ども自身が「おもしろい」「いいね」「楽しそう」と思えば、その子は、似たような「書き出し」を書いてみたいと思うでしょう。大事なことは、子どもに強いるのではなく、子ども自身が自然と「書き出しに工夫をしてみたい」と思えるよう、親がさり気なくナビゲートしてあげることです。もちろん、これから紹介する12個の「書き出しパターン」を子どもに見せてあげるのも効果的。子どもが、「書き出しにもいろいろあるんだね」「楽しい書き出しだね」「こんなふうに書いてもいいんだ!」と思ってくれたら最高です。子どもの意識が「書き出しを工夫しないといけない」から「書き出しを工夫したい」へと変わるはずです。作文の「書き出し」に使えるパターン12選では、さっそく「書き出し」のパターンを紹介していきます。【1】「自分の声」から入る「やばい!」先生がガラっとドアをあけたしゅんかん、ぼくたちはさけんでいた。「うっ、これは、うまい!」こんなにおいしいラーメンをたべたのは、うまれて初めてです。【2】「他人の声」から入る「こら、ユウタ!はやくおきなさい!」いつものようにママが大声をあげている。「よくがんばったね」コーチのその言葉で、ぼくはうれしくなりました。【3】音から入るピュー、ピュー。あまりの風のつよさに、ぼくは泣きそうになりました。ガッチャーン!花びんがわれたしゅんかん、ぼくのからだからヘンな汗がふきだした。【4】「自分の意見」から入る友だちの悪口だけは、ぜったいに言わない。わたしはそう決めています。ぼくは勉強がきらいだ。でも、それでいいと思っています。【5】「疑問」から入る「たすうけつ」で決めたことって、本当に正しいのだろうか?前から思っていたぎもんです。子どもはどうしてお酒をのんではいけないのかな?ぼくはふしぎに思った。【6】「たとえ」から入る赤オニが来た!と思ったら、おこって顔をまっ赤にしたママでした。まるで、雪をかぶった富士山のようでした。ぼくのお茶わんにつがれた大もりごはんのことです。【7】「くり返し」から入る食べた、食べた、食べまくった。きのうは、ひさしぶりにやき肉を食べました。いたい、いたい、いたい。キズ口にしょうどくやくをぬられるときが、イヤでイヤでたまりません。【8】「気づき&発見」から入るついに、朝ねぼうしない方法をはっけんしました!逆あがりのコツがわかったぞ!【9】「物語」っぽく入るそれは、ねつがさがった日の夜のことでした。としょかんで、むちゅうになって本をよんでいたときのことでした。【10】「告白」から入るじつは、いままでママとパパにかくしていたことがあります。きょうは、ぼくの本当の気もちを書きたいと思います。【11】「悩み」から入るぼくはあまり足がはやくありません。わたしは、かん字をおぼえるのが、ものすごく苦手です。【12】「会話」から入る「バナナっておいしいよね?」「えー、ぼくはきらいだ」「じゃあ、なんのくだものが好き?」「うーん、トマト!」そこで、みんなが大わらいした。文章の「書き出し」には、さまざまなパターンがあります。親子でそれぞれ気に入ったパターンを発表したり、平凡な「書き出し」と何が違うのか、一緒に話し合ったりしてもいいでしょう。あるいは、紹介したパターン以外に、どういう「書き出し」がおもしろそうか、出し合ってみるのもいいですね。もちろん、はじめはマネから入ってOKです。好きなパターンを利用して、子どもに「書き出し」を書かせてみましょう。くれぐれも「マネしないで、自分で考えなさい!」などと野暮なことは言わないように。作文に限りませんが、マネから入ることは技術習得のセオリーです。大いにマネさせましょう。「書き出し」を制する者は「作文」を制す?「書き出し」は読む人の興味を引くだけでなく、書き手自身にも大きな影響を及ぼすものです。「きのう、えんそくに行きました」よりも「ジャッポーン! 気がついたときには、わたしは池におちていました」でスタートする文章のほうが、作文を書く子ども自身も楽しいはずです。頭に映像が浮かぶため、続きのエピソードが書きやすくなります。説明的な文章からスタートすると、そのあとも説明的な文章になりがちです。一方で、イメージが浮かぶ場面からスタートすると、そのあとの文章もドラマチックになりやすくなります。気がつけば、オンリー・ワンな作文に仕上がっていることも珍しくありません。先ほどご紹介した12個のパターンも、読んだ瞬間にイメージが浮かびやすいものを優先して選びました。10歳未満の子どもにとって大切なのは、「説明力」よりも「体験の描写力」です。自身の体験を引き合いに、自分の感性や考えを自由に表現することができるようになると、その子の作文能力は、どんどん伸びていくでしょう。「書き出し」は単に「作文の冒頭」ではありません。作文全体のトーンやその後の展開を左右する重要なパーツです。古今東西、名のある作家たちも、そのほとんどが「書き出し」の名手です。「『書き出し上手』は『作文上手』」といっても過言ではないのです。
2019年01月23日「もしも」を使うと作文が書きやすくなる!?途中で書くことに詰まってしまう。子どもにはよくあることです。そんなときは、子どもに魔法の言葉「もしも」をふりかけてあげてください。「もしも」をきっかけに想像の世界へ飛び立つことで、意識下にある、その子の考えや気持ちが表に出てくることも少なくありません。そうして表に出てきたものが、作文を魅力的なものにしていきます。魔法の言葉「もしも」には、大きく“変身する役割”と“願望達成の役割”のふたつがあります。どちらも、作文を書くうえで有効です。作文を書く子どもの手が止まったら「もしも」を使って、親がさり気なく誘導してあげてください。「もしも」で他の誰かに大変身!?ひとつ目の「もしも」は“変身するためのもの”です。あたり前のことですが、子どもは、子ども自身の視点で物事を考えようとします。そうすると、自分の意見や考えを書いた段階で「もう十分に書いた」「もうこれ以上は書けない」とブレーキをかけ始めます。そんなときに、変身の「もしも」を使えば、子どもは迷い込んだ袋小路から抜け出して、新たな世界へと旅立つことができます。◆「もしも」を使った変身例・もしも、わたしがママだったら〜・もしも、わたしがこの本の作者だったら〜・もしも、わたしが、ケーキ屋さんの店長だったら〜・もしも、ボクが日本でいちばんえらい人だったら〜・もしも、ボクが宇宙飛行士だったら〜・もしも、わたしが校長先生だったら〜・もしも、わたしが動物園の飼育員さんだったら〜・もしも、わたしがディズニーランドのスタッフだったら〜・もしも、ボクがユーチューバーだったら〜・もしも、わたしがAKB48のメンバーだったら〜「もしも」を使って、自分以外の何者かに変身することで、子どもの想像力が一気に活性化します。変身した立場から、それぞれ個性的な考えや提案を書き始めることでしょう。もしもボクが、日本でいちばんえらい人だったら、おじいちゃんとおばあちゃんに、広くて安全なおうちをプレゼントします。おじいちゃんやおばあちゃんが転ばないようにせっけいした家で、ボクやお父さん、お母さんともいっしょにくらせる大きなおうちです。それから、まちにゴミをすてる人からは「ばっ金」をとります。ふけつな町になると、みんなが気もちよくないからです。あと、歩きながらスマートフォンをいじっている人からはスマートフォンをとりあげます。じこがおきるとあぶないからです。もしも、ボクがユーチューバーだったら、まい日、コンビニやスーパーでうっているおかしを食べて、しょうかいしたいと思います。日本のおかしを食べつくしたら世界のおかしもしょうかいしたいです。今までに見たこともないおかしをしょうかいできたら、見てくれる人たちも楽しいと思います。味だけではなく、おかしの形や、おかしの入ったふくろや箱、おかしの名前なども、しょうかいしたいです。どちらの作文も、変身先の世界で、自由に想像力を発揮しています。作文を読んだ親は、作文の内容がどうであれ、ホメてあげてください。「スマートフォンを取り上げるのは、ちょっと厳しいんじゃない?」「毎日、お菓子を食べたらお金がかかるよ」などという正論やジャッジは無粋です。子どもの想像力を讃えて共感してあげることが大切です。「もしも」で願望が達成する!?もうひとつの「もしも」は“願望を叶えるためのもの”です。どんな子どもにも「こうなったらいいなあ」と思っている願望があるはずです。「もしも」を使って、その願望が満たされた状態を作り出します。すると、子どもの感情が動き、新たな発想が生まれやすくなります。◆「もしも」を使った願望達成例・もしも、ママがボクにガミガミおこらなくなったら〜・もしも、九九がすらすらと言えるようになったら〜・もしも、かん字テストで100点とれるようになったら〜・もしも、クラスでいちばん背が大きくなったら〜・もしも、かけっこがはやくなったら〜・もしも、夏休みのしゅくだいがひとつもなかったら〜・もしも、学校に行かず、一日中、好きなだけゲームをしてもいいなら〜・もしも、わたしがお姫さまだったら〜・もしも、お兄ちゃんと別々の、自分だけの部屋があったら〜・もしも、この世からびょうきがなくなったら〜願望の裏側にあるのは、その子の思想・価値観のようなものです。「もしも」で願望を叶えることによって、その子が大切にしている“宝物”が見えてきます。もちろん、願望が達成した状態ですので、子どもも活き活きと言葉を紡いでいくはずです。もしも、夏休みのしゅくだいがひとつもなかったら、ボクは朝から晩まで野山をかけまわりたいです。昆虫さいしゅうをするためです。まい日、山や林に行ってカブトムシやクワガタをつかまえます。お昼はおにぎりをたべます。川ではザリガニやカエルをつかまえます。海に行くことができたら、パパといっしょにつりをしたいです。海にもぐって貝をとるのも楽しそう。おおきな魚をつったら家にもちかえって、おさしみにしてみんなに食べてもらいます。もしも、お兄ちゃんと別々の、自分だけの部屋があったら、どんなにうれしいかわかりません。本だなには、大好きな「ワンピース」のマンガをならべます。いっしょうけんめいに作ったひこうきとクルマのプラモデルはつくえの上におきます。青色が好きなので、カーテンとまくらは青色にしたいです。ともだちがあそびにきたら、いっしょにマリオのゲームをします。お兄ちゃんに「うるさい!」「外であそんでこい!」といわれるしんぱいがありません。そうなったらうれしいです。いずれの作文も“その子らしい”言葉で書かれています。願望が達成した状態をイメージすることは、大人だけでなく、子どもにとってもワクワクすることなのです。それゆえ筆も進みやすくなります。「もしも」という乗り物で自由に旅させよう!もちろん、「もしも」は、ネガティブなアプローチで使うこともできます。たとえば、「もしも、大きなじしんがおきたら〜」「もしも、おさいふをおとしてしまったら〜」「もしも、たいようが消えてなくなってしまったら〜」「もしも、テストで0点をとってしまったら〜」という具合です。親としては少しドキっとするかもしれませんが、ネガティブなアプローチも“その子らしさ”であり、“個性の片鱗”に違いありません。したがって、ネガティブなアプローチで「もしも」を使ったとしても、とがめずに見守ってあげてください。くり返しになりますが、子どもが「もしも」という乗り物でどこへ行こうとも、大人がその事実を受け止めてあげることが肝心です。「もしも」には、子どもの想像力や発想力のスイッチを“オン”にするパワーがあります。ふだんから「もしも」で考えるクセをつけておくと、いざというきに(作文を書くときに)オリジナリティが生まれやすくなります。「もしも」という乗り物で旅することは、子ども自身にとっても、楽しく刺激的なはず。きっと今まで以上にワクワクしながら作文を書くようになるでしょう。
2019年01月09日五感を使えばオリジナリティがアップする「うちの子の作文には個性がない」「うちの子は活き活きした作文が書けない」「うちの子の作文は平凡」など、わが子の作文能力に不満をもつ親御さんは少なくありません。オリジナリティに乏しい文章しか書けないのは、その子にオリジナリティがないから——では、もちろんありません。オリジナリティを出す方法を身につけてしまえばいいのです。その方法のひとつが「五感」の活用です。ご存知のとおり、五感とは、人間が備えている「視覚(目で見る)」「聴覚(耳で聞く)」「嗅覚(鼻でにおいをかぐ)」「味覚(口や舌で味わう)」「触覚(手や肌で触る)」の5つの感覚のこと。五感を言葉で表現していくことによって、その子らしい作文が生まれやすくなります。とはいえ、頭ごなしに「五感を使って書きなさい」と言っても、子どもにはよくわからないはずです。まずは、子どもに「人間には五感というすばらしいセンサーがある」ことを教えてあげてください。そのうえで、上手に質問を使いながら、親が子どもの五感センサーを発動させてあげてほしいのです。※シンプルな五感質問例【視覚】何が見えた?【聴覚】どんな音が聞こえた?【嗅覚】どんなにおいがする?【味覚】どんな味がする?【触覚】どんな手触り?あらゆるテーマ、あらゆる場面で、この「五感質問」が使えます。散歩中に、ドライブ中に、あるいは、カレーライスを食べている途中でもOK。子どもに質問をぶつけてみてください。きっと個性的な答えが戻ってくるでしょう。五感を使って表現してみよう作文を書くときにも、いちど「五感」で感じるクセをつけます。たとえば、「野山の散策に行ったこと」について作文を書くとします。五感すべてを使って、感じたこと、思ったことをノートに書き出していきます(ここでも親が五感質問を子どもにしてあげてください)。【視覚】何が見えた?・木の葉っぱが、赤やき色にへんかしていた(絵の具でぬったかのよう!)・じめんには、落ち葉がたくさん落ちていて、それらはキラキラかがやいて見えた(金色のじゅうたんみたい!)・空には「わたあめ」をちぎったような雲がたくさんおよいでいた・夕方になると、たいようがどんどん大きくふくらんで、空が火のように赤くもえ上がった。空をやきつくすかのようでかっこよかった!【聴覚】どんな音が聞こえた?・小とりたちのチュンチュン、ギーギー、クックックというなき声・どこからかザーと川のながれる音がきこえた・ピュ~というすこしさむい風の音・落ち葉をふみしめてあるくときのサクサクいう音(ポテトチップスをたべているときのような音!)・とちゅうでおなかの虫がグーっとないた【嗅覚】どんなにおいがする?・木のにおい(雨の日のタタミのにおいみたい!)・土のにおい・あまいお花のにおい・あめあがりのにおい【味覚】どんな味がする?・学校やいえにいるときよりも、空気がおいしかった!なぜだろう?【触覚】どんな手触り?・木によって、手ざわりがまったくちがうからびっくりした。ゴツゴツしたもの、ザラザラしたもの、ツルツルしたもの・木についた「しる」をさわったら、手がベトベトになった・落ち葉を指でさわると、ぬれてやわらかいものと、カサカサなものがあった。カサカサのものは、さわっただけで、こなごなになってしまった・落ち葉はとてもかるいので、フワっとまとめてすくいあげてあそんだ・いちど、落ち葉をまとめてすくって空高くまいたら、自分のあたまのうえにふりかかってきた。「金色のゆき」みたいだった。だれかにお祝いしてもらっているような幸せな気分になった・あたまやふくに落ち葉がついたままでも、ぜんぜんイヤじゃなかった上記は一例です。五感を頼りに、子どもたちが感じたことや思ったことを自由に書いてもらうことで、書くべき材料が手元にそろいます。あとは、そのなかからとくに魅力的なものをピックアップして作文を書いていきます。【作文例:視覚や聴覚を中心に】あきの野山は、まるで絵の具でぬったかのように、木の葉っぱが、赤やき色にへんかしていました。落ち葉がものすごくて、まるで「金色のじゅうたん」の上をあるいているかのようでした。ぼくは、落ち葉をふみしめてあるくときのサクっ!サクっ!という「ポテトチップスをたべているときのような音」が気に入って、いつもよりも力を入れてあるきました。夕方になると、たいようがどんどん大きくなっていって、空が火のように赤くもえ上がりました。ぼくは、夕方にエネルギー切れになることが多いので、夕方でも元気なたいようをみならわないといけません。【作文例:触覚を中心に】あきの野山は、落ち葉がものすごくて、わたしはワクワクしました。落ち葉を指でさわると、ぬれてやわらかくなっているものもあれば、カサカサで、さわっただけで、こなごなになってしまうものもありました。落ち葉は1まい1まいがとてもかるかったので、両手でまとめてすくいあげるようにして、何どもあそびました。いちど、落ち葉をまとめてすくって空高くまいたら、自分のあたまのうえにふりかかってきました。それはまるで「金色のゆき」みたいでした。わたしは、だれかにお祝いしてもらっているような幸せな気分になりました。あたまやふくに葉っぱがついたままでも、ぜんぜんイヤじゃありませんでした。どちらの作文も五感を使った分、活き活きと自由な表現に仕上がりました。お友だちと“かぶる”こともないでしょう。もしも五感を使わずに作文を書いたとしたら、ここまで活き活きした作文にはなったかはわかりません。子どもの五感はどんどん研ぎ澄まされていく五感を使って作文を書くエクササイズをくり返していると、学校生活や日常生活のなかでも、おのずと五感を研ぎ澄ますようになります。作文を書く・書かないに関係なく、五感それぞれで、さまざまなアプローチの質問を自分にぶつける習慣が身につきます。※さまざまな五感質問例【視覚】何が見えた?どんな形?どんな色?どんな具合?どんな状態?どんな様子?どう変化した?【聴覚】どんな音が聞こえた?音の大きさは?楽器は何?誰のどんな声?どんな音楽?何の音?(クルマ、飛行機、洗たく機、スマートフォン等々)【嗅覚】どんなにおいがする?(甘い?すっぱい?こおばしい?)きつい?くさい?いいにおい?他のどんなにおいに似ている?【味覚】どんな味?(甘い?辛い?しょっぱい?)おいしい?まずい?かみごたえは?料理のあたたかさは?他のどんな味に似ている?【触覚】どんな手触り?どんな重み?どんな痛さ?かゆさ?汗をかいた?ふだんから、子どもの頭の中がこのような質問で埋め尽くされているとしたらどうでしょう?その子の言語能力(作文能力を含む)は、飛躍的に伸びていくと考えて間違いありません。子どもの五感センサーをホメよう!人は、五感というアンテナを使うことで、外部の情報を受け取り、認知することができます。そして、その認知した情報に言葉を組み合わせることによって、思考が促されたり、自分なりの意見が醸成されたり、あるいは、人に何かを伝えたりすることができるようになります。もちろん、同じイチゴでも、「すっぱくておいしい」と思う人もいれば、「すっぱくてまずい」という人もいます。焼銀杏を「いいにおい」という人もいれば、「くさい」と鼻をつまむ人もいます。同じお風呂のお湯でも「熱い」という人もいれば、「ちょうどいい」という人もいれば、「ぬるい」という人もいます。感覚に正誤はありません。五感のセンサーは千差万別。一人ひとり違うからこそ、子どもの作文にも個性が生まれるのです。子どもが五感を使って表現したことに対して、親であるあなたにできることは、できる限りホメてあげることだけです。とくに、お友だちと違う表現をしたときは最大級にホメるチャンスです。「○○くんの五感センサーはかっこいいね!」という具合です。自分のセンサーをホメられた子どもは、自信を深めて、さらにそのセンサーに磨きをかけていくことでしょう。
2018年12月26日その子にとって、“それ” は何に見えるのか?子どもの作文の醍醐味といえば、大人には到底思いつかないような、自由な表現力ではないでしょうか。みんながあたり前のように使っている表現で書いても、おもしろい作文にはなりません。みんなが使っていない表現で書いたとき、初めてその子の魅力が伝わります。【例文】かみの毛がツンツンに立った男の人が歩いていました。決して悪い文章ではありません。「ツンツン」という具合に、前回(第5回)の記事でお伝えしたオノマトペを使って、表現力豊かに書いています。読む人は、個性的なヘアスタイルの(髪の毛を逆立てた)男性の姿を思い浮かべるでしょう。一方で、この文章をさらに魅力的にする方法もあります。それが「比喩」です。「比喩」とは「物事を説明するときに、他の何かに置き換えて表現すること」。つまり、“たとえ”です。先ほどの例文であれば、ツンツンに立ったかみの毛を“他の何か”にたとえることで、作文の魅力がアップします。【「たとえ」を使った例】【1】かみの毛がツンツンに立った男の人が歩いていました。まるで、あたまの上にパイナップルをのせているかのようでした。【2】あたまの上で大ばくはつがおきたみたい、と思うくらい、かみの毛がツンツンに立った男の人が歩いていました。【3】男の人が歩いていました。その人のかみの毛は、いきおいのいい「ふん水」のようにツンツンに立っていました。【4】あっ、超サイヤ人だ!かみの毛がツンツンに立った男の人が歩いていたのを見て、わたしはそう思いました。【1】パイナップル【2】大ばくはつ【3】いきおいのいい「ふん水」【4】超サイヤ人あなたの子どもの目には「ツンツンにかみの毛が立った頭」は、“他の何” に見えるでしょうか。どんな比喩表現も間違いではありません。見えたものが、その子にとっての正解です(=個性です)。ましてや、子どもがせっかくたとえたモノを、親や大人が否定・批判してはいけません。子どもたちがやる気をなくしてしまいます。比喩を使うと表現力が豊かになるもしも、子どもが比喩(たとえ)らしき表現を書いたことがなければ、子どもに質問する形で、親がさり気なく誘導してあげましょう。【例文】かぞくでやき肉の食べほうだいに行った。たくさん食べたパパのおなかは、いつも以上にポッコリふくらんでいた。仮に、子どもが、このような文章を書いたなら「そのポッコリしたおなかは何に似ていた?」のような質問をしてあげましょう。「ママには『プクっとふくらんだ焼き餅』に見えたなあ」という具合に、親子で一緒に考えてもいいでしょう。子どもは、楽しみながら、いろいろとアイデアを出すはずです。ユニークな比喩表現が口をついたら「それは、おもしろいね。せっかくだから、それも作文に書いてみようよ!」と伝えてあげればいいでしょう。【「たとえ」を使った例】【1】たくさん食べたパパのおなかは、いつも以上にポッコリふくらんでいた。ぼくには、それが、やきゅう場のマウンドに見えた。【2】たくさん食べたパパのおなかは、なかから小人が100人くらいでおし上げているのかと思うくらいポッコリふくらんでいた。【3】たくさん食べたパパのおなかは、まるでサッカーボールをかくしているんじゃないかと思うほどポッコリふくらんでいた。【4】たくさん食べたパパのポッコリおなかは、ふじ山のようにうつくしかった。【5】たくさん食べたパパのおなかは、まるでデッカイふうせんみたいだ。はりでつついたら、きっとバン!とわれるだろう。作文を書くときだけに限りません。普段から目に映ったモノを “他の何か” にたとえるエクササイズをくり返すことで、子どもの作文力はもちろん、観察力や発想力もどんどん磨かれていきます。【比喩なし】ものすごくあつくて、ふくが汗でびしょびしょになりました。【比喩あり】ものすごくあつくて、まるでプールにとびこんだかのように、ふくが汗でびしょびしょになりました。【比喩なし】はじめて白い砂はまを見ました。とてもきれいでした。【比喩あり】はじめて白い砂はまを見ました。おさとうをたくさんまいたかのようで、とてもきれいでした。【比喩なし】キャンプファイヤーの火がはげしくもえていました。【比喩あり】キャンプファイヤーの火が、まるで怒ったときのママのかおのように、はげしくもえていました。比喩表現を用いた文章のほうが、一人ひとりの子どもの感性や性格が伝わってきます。何よりも読んでいて楽しく感じられます。まじめなことをまじめに書く作文もありますが、10歳未満の子どもには、書く楽しさ、表現する楽しさを味わわせることが最優先です。そうでないと作文嫌いになりかねません。自分の気持ちも比喩で表現しようなお、比喩は、子ども自身の感情を表現するときにも使えます。たとえば、喜怒哀楽を表現するときに、あえて「うれしい」「おこった」「かなしい」「たのしい」などの表現を封印して書くと、文章のオリジナリティが高まります。【比喩なし】きょうのばんごはんは、大すきなカレーです。いえにかえるのがとてもたのしみでした。【比喩あり】きょうのばんごはんは、大すきなカレーです。学校からいえまで、ずっとスキップしてかえりました。【比喩なし】このまえ、かっていたカメが死んでしまいました。かなしかったです。【比喩あり】このまえ、かっていたカメが死んでしまいました。その日は、おなかがすかず、たべ物もうまくのみこめませんでした。ばんごはんは、大こうぶつのハンバーグだったのに、ふしぎです。【比喩なし】友だちにおもちゃをとられると、その子がおこりだしました。【比喩あり】友だちにおもちゃをとられると、その子のかおが「赤オニ」にかわりました。ありきたりな表現で書いた文章よりも、比喩を用いて表現した文章のほうが、活き活きと輝いています。子どもには「できるだけ、みんなが使わない表現で書いてみよう!」と伝えてあげましょう。比喩を使って自由にたとえられるようになった子の作文能力は、その先も、ぐんぐん伸びていくでしょう。
2018年12月12日子どもは3歳を過ぎると、ごっこ遊びなどの空想力を活かした遊びをするようになります。子どもの空想力は非常に豊かで、大人が想像もつかないような生き物を生み出したり、突拍子もない展開を引き起こしたりします。空想の内容によっては、親が「空想の世界ばかりに入り浸っているようで心配」「現実との違いがわからなくなったらどうしよう」と感じることもあるようですが、空想力は子どもが成長するうえで欠かせないものです。今回は、空想力によって身につく力や、空想力向上のための方法について紹介します。空想力が子どもにとって大切な理由『本物の学力は12歳までの「作文量」で決まる!』の著者、樋口裕一氏は、毎日の会話から空想力を鍛えることをすすめています。例えば、テレビドラマを活用し、「犯人は誰だと思う?」「主人公はこれからどうすると思う?」などの会話が、作文力、国語力をつけるのです。また、JAPAN絵本よみきかせ協会代表理事であり、こどもまなび☆ラボ絵本部顧問でもある景山聖子先生は、子どもの空想力について以下のように話しています。幼児期は人生の中で唯一、空想の世界で見たり聞いたりしたことを「現実」の出来事として体験できる、貴重な時間――。幼児期の子どもは、絵本での出来事を実際に体験したかのように感じるのだそうです。たとえば、パパと一緒に魚釣りに行き、日が沈むまで存分に遊び尽くす様子が描かれた絵本を読み聞かせたとしたら……?「パパ、またおさかなつかまえに行こうね。おもしろかったね、おいしかったね。」こんなふうに言うのだそうですよ。そして、この空想力を使った疑似体験が、子どもの様々な力を養ってくれるのだそうです。空想力でこんな力が身につくでは、空想力によって身につく力を見てみましょう!【1】思いやり空想力を使ってごっこ遊びなどをする子どもは、自分以外の誰かになりきります。例えば「ヒーローになって悪者を退治する」「犬や猫など人間以外の動物になる」などです。そうすることで「ヒーローになって悪者を退治すると、誰かに感謝される」「犬や猫はこうすると楽しい気持ちになる」など、行動次第でさまざまな感情を呼び起こすことへの気づきにつながります。このとき、親が「こんなふうにしたらもっと感謝されるんじゃない?」「こうしたら、もっと喜んでくれると思うよ」などとポジティブな感情を導くためのアドバイスをすると、思いやりの気持ちが養われます。【2】体系的思考空想力がある子どもは、例えばバナナがあった場合、その購入者や生産者、調理法や売っているお店など、さまざまなことを疑問として親に投げかけたりします。これは物事に対して付随する多くの情報を分析・分類する体系的思考を養うことにつながります。親としては、子どもに質問攻めにされるのに飽き飽きしてしまうこともあるかもしれません。しかし、空想力向上のためには大切な過程です。できる限り向き合い、一緒に考えてみましょう。【3】プレゼンスキル子どもが空想上のストーリーなどを話すことは、自分の考えをプレゼンしているという意味もあります。親にとっては支離滅裂な内容だったとしても、子どもの空想にしっかりと耳を傾けてあげましょう。時々、内容についての質問するのもおすすめです。そうすることで、自分の意見や考え方をしっかりと相手に伝えるプレゼンスキルの向上につながります。【4】対人能力空想上でさまざまな人物を演じる子どもは、立場によって感情や役割が変わることを自然と覚えていきます。例えば、おままごとでお母さん役の子どもは、赤ちゃん役の子どもを優しくあやし、お父さん役の子どもは堂々とした振る舞いで家族の中心人物になったりします。この場合、子どもの家族の言動を真似ているケースも多いです。自分とは違う立場の人物になりきり、それに合った振る舞いをしていくことで、人との関わり方を学ぶきっかけとなり、やがて対人能力の向上につながります。空想力を身につけるためのポイント子どもの空想力をアップさせるためには、以下の工夫が効果的です。■子どもの空想を否定しない時に子どもは、残酷で暴力的な空想をすることがあります。親としては心配になるかもしれませんが、それを頭ごなしに否定してしまうと、子どもは空想すること自体が楽しくなくなる可能性があります。そうならないために、空想そのものは否定せず、残酷さや暴力がネガティブな感情をもたらすことを教えましょう。例えば、誰かを叩いたりする空想をしている場合は「もし〇〇ちゃんが誰かに叩かれたら、どう思う?」と、その後を想像させるような問いかけをします。子どもが良くない空想をしていた場合は、物事の善悪を教えるチャンスとして捉えるようにしましょう。■大人ならではの空想で一緒に遊ぶ子どもの空想が大人には思いつかないようなものであるのと同じように、大人の空想は子どもにとって新鮮なものです。子どもが空想のストーリーについて教えてくれたり、ごっこ遊びに誘ってきたりしたときには、ただ子どものペースに合わせるのではなく、親独自の空想で対応しましょう。大人ならではの空想は子どもにとっては意外なものであり、大きな刺激になることがありますよ。■親子で絵本を作る子どもの空想を絵本にしましょう。子どもが絵を、親が文章を担当して、1冊の絵本を作り上げます。空想上の物語を絵として表現する作業は、表現力・空想力アップに有効です。また、絵本作りを通した親子の共同作業は絆を深めることや思い出作りにもなります。***子どもの空想力は、その時期ならではの視点や考えが詰まった貴重なものであり、情緒面の発達に大きく影響します。親は子どもの空想を見守りつつ、思う存分空想できる環境を整えてあげましょう。文/田口るい(参考)Gymboree|「ごっこ遊び」は子どもの成長に不可欠なものだった!?あそびのもりONLINE|赤ちゃんの育ちと空想遊び保育ing|空想の世界を持っていて、お友達とうまく遊べない様子おむつのパンパース|幼児の活動:幼児のゲームと遊びの種類Study Hacker こどもまなび☆ラボ|現実と空想を区別できるのは6歳以降?親の”救世主”読み聞かせで、子どもは絵本を「体験」する樋口裕一著(2016),『本物の学力は12歳までの「作文量」で決まる!』,すばる舎.
2018年12月06日「言葉」で書いて「絵」で届ける子どもに「表現力のある作文を書かせたい」と思っている親御さんは多いでしょう。実は子どもの表現力を磨くことは、そう難しいことではありません。それどころか、コツさえつかめば、とても簡単です。表現力が磨かれていくと、作文能力も飛躍的に伸びていきます。何よりも子ども自身が書くことを「楽しい」と感じるようになります。ポイントは、「『言葉』で書いて『絵』で届ける」ことです。表現力のある作文ほど、読んだ人の頭のなかで、パっと絵(場面)が思い浮かぶものです。この書き方ができるようになると、読む人が作文の内容に興味をもちやすくなります。もちろん、内容の理解も深まります。「絵」で届ける方法のひとつが「オノマトペ」の活用です。「オノマトペ」とは、「擬声語」のことで「擬音語」と「擬態語」を合わせたものです。【擬音語:物が発する音や声を描写した言葉のこと】例→グラグラ、ガタガタ、ドテッ、クシャ、ドッカーン、ガチャン、チャリン、プップー、ドドドッ、ヒューヒュー【擬態語:状態や心情、様子など、音のしないものを音として描写した言葉のこと】例→びくびく、ハラハラ、そわそわ、グダグダ、イライラ、とぼとぼ、しくしく、うとうと、キョロキョロ、シャキッオノマトペの絶大な効果とは?以下、【1】と【2】の文例を読み比べてください。【1】はオノマトペを使っておらず、【2】はオノマトペを使っています。【1】めのまえに、ふじ山が、あらわれたのです。【2】めのまえに、ふじ山が、ドーンとあらわれたのです。【1】ぼくは、おそばをすすりました。【2】ぼくは、ズズズッと、おそばをすすりました。【1】ごはんを食べたら、げんきが出た!【2】ごはんを食べたら、モリモリッとげんきが出た!【1】足がしびれて立ち上がれなくなりました。【2】足がジンジンして立ち上がれなくなりました。【1】きずがいたむ。【2】きずがズキズキいたむ。【1】クルマが走りぬけていきました。【2】クルマがビューンと走りぬけていきました。【1】犬のなき声が聞こえました。【2】クンクンと犬のなき声が聞こえました。【1】ジュースをのみました。【2】ジュースをゴクゴクのみました。【1】ひとりで家にいたら、しずかで、さみしくなりました。【2】ひとりで家にいたら、シーンとしていて、さみしくなりました。【1】おともだちが、ぼくの手をひっぱりました。【2】おともだちが、ぼくの手をグイッとひっぱりました。いずれの文例も、「絵」としてイメージしやすいのは、【1】よりも【2】ではないでしょうか。もっと言えば、【2】には【1】にはない「躍動感」や「リアリティ」が感じられます。どちらが表現力のある文章かは言わずもがなでしょう。子どもたちが大好きな漫画でもオノマトペは効果的に使われています。主人公の顔の横に「ビクっ」と書かれていると、驚いた顔の表情と相まって、主人公の驚きがより増幅して伝わります。ものによっては、いっさい吹き出し(台詞)がなく、オノマトペだけで、場面説明するようなページも少なくありません。ときにオノマトペは、文章による説明以上に、読む人にリアルな情報を届けてくれるのです。漫画を例にあげるまでもなく、子どもたちは感覚的にオノマトペが大好きです。たとえば、男の子であれば、ヒーローに変装して登場するときに「ジャーン」などと言うのではないでしょうか。あるいは、アクセサリーが好きな女の子であれば、「この宝石はキラキラしていてかわいいでしょ?」などと言うのではないでしょうか。子どもが日常のなかで自然と使っているオノマトペを、作文のなかに取り入れない手はありません。オノマトペに正解はない「あしたはクリスマスだからワクワクする」「さむくてブルブルふるえました」など、オノマトペには、お約束的な表現も少なくありませんが、子どもにオノマトペを書かせるときは、できるだけ子どもの自由な発想・感性に任せましょう。めのまえに、ふじ山が、ドーンとあらわれたのです。先ほど紹介した文例のひとつです。この場合のオノマトペも「ドーン」が正解というわけではありません。・めのまえに、ふじ山が、バキューンとあらわれたのです。・めのまえに、ふじ山が、バコッとあらわれたのです。・めのまえに、ふじ山が、ジョジョッとあらわれたのです。・めのまえに、ふじ山が、ブゥオーンとあらわれたのです。・めのまえに、ふじ山が、ニョロッとあらわれたのです。・めのまえに、ふじ山が、ジジッとあらわれたのです。・めのまえに、ふじ山が、ブ~~~ンとあらわれたのです。オノマトペに間違いはありません。くれぐれも「『ジョジョ』なんておかしいでしょ?」などと無粋なことは言わないでください。大事なのは、その子が自分でその言葉を選んだという事実です。人とは違うオノマトペが出てきたときほど「すごいね」「いいね」「かっこいいね」「すてきだね」と子どもを褒めてあげてください。文豪・宮沢賢治も愛したオノマトペもっとも、まだ作文慣れしていない子どもに「オノマトペを使って書きなさい」と言っても、難しいかもしれません。仮に「めのまえに、ふじ山が、あらわれたのです」と書いたとしたら、「どんなふうに現れたのかな?現れた様子に音をつけてみようか!」と自然な形で誘導してあげてください。また、日頃から、オノマトペを使うゲームを、親子で楽しむのもおすすめです。バナナを食べながら「食べている様子を『モグモグ』以外の音で表現してみよう」とか、「お父さんが怒っているときの様子を音で表現してみよう」とか。どんなお題でも構いません。親子のコミュニケーションも促されるうえ、情景や様子、自分の気持ちなどをオノマトペで表現するいいトレーニングにもなります。かの文豪、宮沢賢治は、オノマトペの名手としても知られています。「風がどうと吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴りました」(『注文の多い料理店』より)などが一例です。彼の作品が老若男女に愛されたのは、その独特でリアリティのある情景・感情描写にあったのかもしれません。賢治のみならず、世の子どもたちもまたオノマトペの名手です。自由な発想に彩られた子どものオノマトペは、作文の魅力とクオリティを格段に高めます。もちろん、オノマトペで表現する楽しさを知った子どもは、作文を書くことが好きになるでしょう。
2018年11月28日次男のランドセルから出てきた、1枚の人権作文ある日、双子の次男が学校から帰ってきたときのこと。ランドセルを放り出して遊びに行く次男を見送った後、私は「学校からのお便りはないかな〜」とランドセルを開けて連絡帳ケースを取り出しました。すると中には連絡帳と一緒に1枚の原稿用紙が。Upload By シュウママ開いてみるとそれは学校で書いたと思われる次男の人権作文でした。「ぼくのお兄ちゃんは自へいしょうという病気です」「いつも見ている」というタイトルで書かれたそれは「ぼくのお兄ちゃんは自へいしょうという病気です」という書き出しで始まっていました。原文をそのまま全て載せることはできませんが、それは人権作文というより、長男に対する自分の感情を綴ったものでした。「見たいテレビをやっていないと怒ってテレビを叩くお兄ちゃん」「そんな姿を見るとぼくはとても腹が立つ」…Upload By シュウママなかなか普段本人から聞くことがない素直な思いがずばりと書かれていました。けれど次男はこうも書いています。「でも本当はお兄ちゃんはとても苦しいのかもしれない」人の気持ちを受け止めるレーダー自分でわかっていて、わざと人に意地悪したり叩いたりする人は、いつかバチがあたる。「でもお兄ちゃんには悪気がない」Upload By シュウママそう書いてあったのです。怒りをうまくコントロールできない兄への理解、行動の裏にある感情や理由を考えて寄り添う力が、私が思っていたよりもずっと育っていたことに驚きました。兄の自閉症のことを自分で考えられるようになっていた次男私は学年が上がるにつれて、なんでも話してくれるわけではなくなった次男が今、発達障害の兄をどう受け止めているのか、本心がわかりませんでした。次男の置かれている環境が本人を苦しめていないだろうかとも思っていました。長男は気に入らない音楽が流れると耳をふさいで叫んだり、手当たり次第に物を投げたりします。日常的にそんな兄の姿を見るのは、やはり特殊な環境だと思うからです。発達障害のある子どもがいると、どうしても身近にいる家族は戸惑ったり、苦しい思いをすることもあります。けれど、次男の作文を見て、長男のことを対等に見ている部分があったり、気持ちを想像して思いやったりしていることもわかりました。小さいころと変わらず、まっすぐに兄を受け止めていました。そして、きょうだい児として障害のある兄の心の声に気づき、その気持ちを汲み取り、寄り添う力が育まれているのではないか、そう思ったのです。偶然見つけた1枚の人権作文が次男の成長を教えてくれ、心にほっと温かい明かりを灯してくれました。Upload By シュウママ
2018年11月23日料理と同じように作文にもレシピが必要今は料理が得意なお母さんやお父さんにも、かつてレシピとにらめっこしながら料理を作っていた時期があるのではないでしょうか。なぜレシピが必要かといえば、一度も作ったことのない料理を何も参照せずに作るのは難しいからです。一度も料理をしたことのない人が、食材と調味料だけ渡されて「おいしい肉じゃが」を作りなさい、と言われても作れるわけがありません。誰もが初めはレシピを必要とするのです。作文は料理に似ています。10歳に満たない子どもに「ちゃんと作文を書きなさい!」と怒っている親御さんは、レシピも見せず、また、やり方も教えずに「おいしい肉じゃがを作りなさい」と言っているのと同じです。まだ文章の作り方を知らない子どもたちに必要なのは、作文の書き方がわかる「作文レシピ」の存在です。子どもも喜ぶ「誘導文付きテンプレート」「作文レシピ」とはどういうものでしょうか?それは文章の流れ(手順)を教えてあげるテンプレートのことです。たとえば、筆者は大人向けの文章講座のなかで、よく「結論優先型」というテンプレートを紹介します。この型の流れは「結論→理由→具体例→まとめ」です。ビジネスからプライベートまでさまざまな文章に使える万能テンプレートです。しかし、このテンプレートを子どもに渡しても、使いこなすのが難しいかもしれません。そこで、子どもには簡略バージョンの「結論→理由→まとめ」をおすすめしています。しかも、より使いやすいものにするために、丁寧な「誘導フレーズ」まで付けています。テーマ「わたしの好きなもの」結論:わたしはが大好きです。理由:その理由は(だ)からです。まとめ:だから、わたしはが大好きです。これが基本テンプレートです。実際に書き込むと以下のようになります。テーマ「わたしの好きなもの」結論:わたしは走ることが大好きです。理由:その理由は汗をかくと気持ちいいからです。まとめ:だから、わたしは走ることが大好きです。誘導文があることによって、子どもたちは書くべきことを頭の中で考えることができます。もちろん、これで花マルです。くれぐれも、書いたものに対して「つまらない」だの「もっと詳しく書け」だの言わないでください。作文にケチをつけられた子どもの気持ちは、あなたが作った肉じゃがに、「味が薄い」「砂糖を入れすぎ」と家族からケチをつけられたときのものと同じです。いい気持ちはしませんよね?結論はひとつ。理由は3つまで。このテンプレートを使うときの注意点があります。それは「好きなことは、何かひとつに絞って書く」ということです。わたしは、食べることと、ねることと、あそぶことが大好きです。たとえば、こんなふうに好きなことを3つも書いてしまうと、その続きの文章が書きにくくなります。読む人からしても、3つよりもひとつのほうが頭に入りやすいものです。子どもには「今回は一番好きなものひとつに絞ってみよう。そのほうがカッコいい作文になると思うよ」と伝えてあげればいいでしょう。一方、理由のところは、3つまでなら書いてもいいでしょう。文章がふくらんで読み応えも増します。ただし、ふたつ以上あるときは、以下のようなテンプレートをおすすめします。テーマ「わたしの好きなもの」結論:わたしはが好きです。理由:その理由は<ふたつ / みっつ>あります。ひとつめは(だ)からです。ふたつめは(だ)からです。みっつめは(だ)からです。まとめ:だから、わたしはが大好きです。実際に文章を入れてみます。テーマ「わたしの好きなもの」結論:わたしは走ることが好きです。理由:その理由はみっつあります。ひとつめは汗をかくと気もちいいからです。ふたつめはかけっこでお友だちに勝てるからです。みっつめはたいいくの時間に先生にほめられるからです。まとめ:だから、わたしは走ることが大好きです。この子どもが大好きな「走ること」について、しっかりと掘り下げて考えたことが伝わってきます。書き上げた子どもには、「そっか、○○だから△△が好きなのね」と内容を受け入れる“声がけ”をしてあげてください。親が作文内容を受け入れてあげることで、子どもは、文章を書くことや、自分の気持ちや考えを表現することへの自信を深めていきます。誘導文やテンプレートはアレンジしてOK子どもの年齢や文章レベルに応じて、誘導文をアレンジして構いません。たとえば、このテンプレートを簡単に使いこなしてしまう子どもに対しては、「まとめ」の誘導文を少しレベルアップさせてみましょう。まとめ:わたしは、これからも。「私は、これからも」というフレーズで誘導してあげることで、子どもたちは未来へと目を向けるでしょう。以下のまとめなどは、ちょっぴり感動的な締めくくりではないでしょうか。読後感がさわやかです。まとめ:わたしは、これからもたくさん走って、もっとはやく走れるようになりたいです。作文のテーマも、そのつど自由に変えていきましょう。先ほどは「わたしの好きなもの」でしたが、「わたしの夢」などもおすすめです。テーマ「わたしの夢」結論:わたしの夢はことです。理由:その理由は(だ)からです。まとめ:夢がかなったら(し)たいと思います。おそらく子どもたちもワクワクしながら書くことでしょう。テーマ「わたしの夢」結論:わたしの夢はひこうきのパイロットになることです。理由:その理由は自分でそうじゅうして、空をとぶことが楽しそうだからです。まとめ:夢がかなったらたくさんの人をのせて、せかいじゅうを飛びまわりたいと思います。もしも書けなかったとしても、それはそれです。その子はその子なりに、「わたしの好きなもの」や「わたしの夢」と向き合ったはずです。その答えを出せるのはもう少し先かもしれません。どうしても書けないときは、「どういうテーマだったら書きたい?」と本人に聞いてみてもいいでしょう。子どもと一緒に親も作文にチャレンジ!テンプレートのいいところは、子どもたちがゼロから文章を生み出すのではなく、穴埋めゲーム的に取り組める点にあります。おそらくこの記事を読んだ親御さんのなかにも「このテンプレートは大人でも使えそう」と思った人もいることでしょう。つまり、年齢を問わず、わたしたちは「作文レシピ」を欲しているのです。もちろん、今回紹介したもの以外にも、たくさんのテンプレートがあります。子どもと一緒にテンプレートを考えてみるのもいい方法です。「テンプレート=文章構成」です。それを考えること自体が論理的思考の養成につながります。そうそう、テンプレートを使って作文を書かせるときは、ぜひ親御さんも一緒に書いてみてくださいね。子どもはいつでも親の背中を見ています。「ママ(パパ)も書いている」と思った瞬間から、急に“書きたいモチベーション”がアップする子もいます。書き上げた作文をお互いに発表し合って、それぞれの内容について語り合うのもおすすめです。作文を通じて親子の絆が一段と深まるはずです。
2018年11月14日