今年80周年を迎えるアニメーションシリーズの実写映画化『トムとジェリー』。日本でもお馴染みのこのアニメーションシリーズは、なんと過去に13回もアカデミー賞にノミネートされており、1940年代には同賞短編アニメ賞を席巻、そのうち7度もアカデミー賞を受賞。その可愛らしいキャラクターとユーモアに溢れたストーリーで、子どもだけでなく大人からも長年に渡り支持され続けている。そんな世界中から愛され、根強いファンも多い作品には一体どんな魅力があるのか?これまでにアカデミー賞を受賞したアニメーション映画の名作をふり返りながら、誕生から80周年を迎え、ついに実写の世界へ飛び出した『トムとジェリー』の魅力にも迫った。『千と千尋の神隠し』(スタジオジブリ/2001年)10歳の少女・千尋は、両親と地方都市に引っ越す途中、異世界に迷い込む。そこでは人間は、魔女・湯婆婆が経営する神さまのための銭湯で働かない限り、ブタや石炭に変身させられてしまうのだった。ブタになった両親を助けようと、千尋は“千”としてそこで働きはじめる。果たして、千尋は名前を取り戻し、両親と共に元の世界に帰ることはできるのか…?宮崎駿監督のもと作画監督の安藤雅司、美術監督の武重洋二、音楽の久石譲など、“宮崎アニメ”の常連が結集。第52回ベルリン国際映画祭ではアニメーション作品として初の金熊賞を受賞し、第75回アカデミー賞でも長編アニメーション賞を受賞。国内興行収入は316億円となり、今年まで約19年もの間、日本国内の歴代興行収入1位に君臨してきた。懐かしさや異国情緒あふれる煌びやかな風景、慣れない環境下で両親を助けるため奮闘する“千”=千尋の姿に、世界中が勇気をもらい涙したスタジオジブリの傑作。『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』(アードマン/2006年)町の住人は畑の野菜を荒らしまわるウサギたちに頭を悩ませていた。年に一度の“巨大野菜コンテスト”を目前に控え、害虫駆除隊のウォレスとグルミットは大忙し。彼らは畑で大量のウサギを捕まえるが、心優しいウォレスは殺せずに野菜嫌いにさせる実験を試みる。だが実験は失敗し、さらなる大事件を引き起こしてしまう。ウォレスとグルミットは町の野菜を守りきることができるのか?これまで数本の短編・中編映画が製作されていたクレイアニメ作品「ウォレスとグルミット」シリーズ初の長編映画であり、製作には5年半もの月日が費やされた。第33回アニー賞全10部門及び第78回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞。CGアニメにはない独特の質感や、シュールなストーリーが人気を博し、世界中に熱狂的なファンも多い。愛犬グルミットの表情の豊かさが愛らしく、気づけばその世界観に引き込まれてしまうこと必至。「トムとジェリー」のようなコメディタッチな展開や、少しとぼけた主人公としっかり者の愛犬コンビというキャラクターの可愛さも魅力!『リメンバー・ミー』(ディズニー・ピクサー/2017年)天才的なギターの才能を持つ少年ミゲルはミュージシャンを夢見ているが、過去の悲しい出来事が原因で、彼の一族は代々、音楽を禁じられていた。ある日ミゲルは、憧れの伝説的ミュージシャン、デラクルスの霊廟に飾られていたギターを手にしたことをきっかけに“死者の国”へと迷いこんでしまう。ミゲルはそこで出会った陽気で孤独なガイコツのヘクターに協力してもらい、元の世界へ戻る方法を探るが……。メキシコの祝日「死者の日」を題材に、ミゲルの冒険や家族をめぐる重大な秘密と強い絆を、つい口ずさんでしまいたくなる音楽とともに描き、ピクサー屈指の“泣ける作品”として話題になった。物語の鍵を握る劇中歌「リメンバー・ミー」の作詞・作曲を、『アナと雪の女王」の「レット・イット・ゴー~ありのままで~」を手掛けたクリステン・アンダーソン=ロペス&ロバート・ロペスが担当。第90回アカデミー賞では長編アニメーション賞および主題歌賞を受賞し、日本でも興行収入50億円を超える大ヒットを記録。『トムとジェリー』(ワーナー・ブラザース/2021年)とあるニューヨークの一流ホテルで、世界中が注目するセレブカップルの「世紀のウエディングパーティー」が行われることに。ホテル中が準備に追われる中で、あのいたずら好きネズミのジェリーがホテルに引っ越してきて大騒ぎ!新人スタッフのケイラは急遽“ネズミ対策”で猫のトムをボーイとして雇うも、“ふたり”はニューヨーク中を巻き込んだ壮絶な追いかけっこを繰り広げ、さらにはある陰謀に巻き込まれウエディングパーティーを台無しにしてしまう。そのせいでクビになったケイラを助けるため、そして新郎新婦のため、“ふたり”はタッグを組むことになるが――。ケイラ役のクロエ・グレース・モレッツほか、『アントマン』シリーズのマイケル・ペーニャ、『デッドプール2』のロブ・ディレイニー、『ハングオーバー!』シリーズのケン・チョンらが共演。『ファンタスティック・フォー超能力ユニット』のティム・ストーリーがメガホンをとった。1940年の誕生から80周年を迎える「トムとジェリー」初の実写映画化で、アニメーションで描かれるトムとジェリーのキャラクターデザインの可愛さはそのままに実写映像と融合。さらに豪華俳優陣と織りなす、お茶目な“ふたり”の掛け合いは必見。これまで命がけでケンカしてきた「トムジェリ」が、今度は命がけで手を組むことに。そして、まさかの心揺さぶる展開が待ち受ける。こうした名作アニメーション作品には、アニメーションならではの表現方法や個性の光るキャラクター、観る者の琴線に触れるようなストーリー展開など、ファンの心を掴んで離さない魅力に溢れている。様々なジャンルやテーマのアニメーション映画の中から、お気に入りの作品を見つけてみては?『トムとジェリー』は3月19日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:リメンバー・ミー(2018) 2018年3月16日より全国にて公開©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.トムとジェリー 2021年3月19日より全国にて公開©2020 Warner Bros. All Rights Reserved.
2021年02月24日アカデミー賞の前哨戦の一つ、放送映画批評家協会賞のノミネーションが発表された。Netflixの『Mank/マンク』が12ノミネーションを獲得しリード。『ミナリ』が10、『マ・レイニーのブラックボトム』が8、『この茫漠たる荒野で』 が7ノミネーションと続いている。製作スタジオ別では、Netflixが圧倒。作品賞の10作品のうち、『ザ・ファイブ・ブラッズ』『マ・レイニーのブラックボトム』『Mank/マンク』『シカゴ7裁判』のNetflix4作品が占めている。昨年亡くなったチャドウィック・ボーズマンは、主演男優賞&助演男優賞にノミネート。死後、2部門でノミネートを受けた俳優は、26年の放送映画批評家協会賞史上初めてだという。受賞作品や受賞者は、3月7日に発表される。作品賞『ザ・ファイブ・ブラッズ』『マ・レイニーのブラックボトム』『Mank/マンク』『ミナリ』『この茫漠たる荒野で』『ノマドランド』『あの夜、マイアミで』『Promising Young Woman』『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』『シカゴ7裁判』監督賞リー・アイザック・チョン 『ミナリ』エメラルド・フェンネル 『Promising Young Woman』デヴィッド・フィンチャー『Mank/マンク』スパイク・リー 『ザ・ファイブ・ブラッズ』レジーナ・キング 『あの夜、マイアミで』アーロン・ソーキン 『シカゴ7裁判』クロエ・ジャオ 『ノマドランド』主演男優賞ベン・アフレック 『ザ・ウェイバック』リズ・アーメッド 『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』チャドウィック・ボーズマン 『マ・レイニーのブラックボトム』トム・ハンクス 『この茫漠たる荒野で』アンソニー・ホプキンス 『ファーザー』デルロイ・リンドー 『ザ・ファイブ・ブラッズ』ゲイリー・オールドマン 『Mank/マンク』スティーヴン・ユァン 『ミナリ』主演女優賞ヴィオラ・デイヴィス 『マ・レイニーのブラックボトム』アンドラ・デイ 『The United States vs. Billie Holiday』シドニー・フラニガン 『Never Rarely Sometimes Always』ヴァネッサ・カービー 『私というパズル』フランシス・マクドーマンド 『ノマドランド』キャリー・マリガン 『Promising Young Woman』ゼンデイヤ 『マルコム&マリー』助演男優賞チャドウィック・ボーズマン 『ザ・ファイブ・ブラッズ』サシャ・バロン・コーエン 『シカゴ7裁判』ダニエル・カルーヤ 『Judas and the Black Messiah』ビル・マーレイ 『オン・ザ・ロック』レスリー・オドム・Jr. 『あの夜、マイアミで』ポール・レイシー 『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』助演女優賞マリア・バカローヴァ 『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』エレン・バースティン 『私というパズル』グレン・クローズ 『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』オリヴィア・コールマン 『ファーザー』アマンダ・サイフリッド 『Mank/マンク』ユン・ヨジョン 『ミナリ』(Hiromi Kaku)■関連作品:【Netflix映画】Mank/マンク 2020年11月20日より一部劇場にて公開、2020年12月4日よりNetflix独占配信開始【Netflix映画】マ・レイニーのブラックボトム 2020年12月18日よりNetflixにて配信ミナリ 2021年3月19日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©Photo by Melissa Lukenbaugh, Courtesy of A24【Netflix映画】この茫漠たる荒野で 2021年2月10日よりNetflixにて配信
2021年02月09日『スリー・ビルボード』で自身2度目のアカデミー賞主演女優賞を手にしたフランシス・マクドーマンドが主演、注目の新鋭監督クロエ・ジャオと共に贈る最新作『ノマドランド』。来週2月3日(現地時間)に発表されるゴールデン・グローブ賞ノミネートにも期待がかかる本作から、ポスタービジュアルと場面写真が一挙に解禁された。今回解禁されたのは、アメリカの広大な自然と夕焼け空のなかを、車上で生活を送るノマドの主人公・ファーン(マクドーマンド)がたったひとりで歩んでいく姿を美しく捉えたポスタービジュアルと、ファーンのノマド生活や旅の途中で出会うほかのノマドたちの姿が切り取られた場面写真。10年以上も車上で生活している実際のノマドたちが主要キャラクターとして出演するほか、マクドーマン自身も撮影期間中にノマド生活や労働に身を投じるなどリアルを追求した撮影が行われた本作。場面写真からもノマドの日常のなかで自然と溶け込み合うマクドーマンドや実在のノマドたちの姿が確認できる。前作『ザ・ライダー』でも実在のカウボーイたちをキャストに起用し、高く評価されたジャオ監督の演出が本作でどのように作用するのか見逃せない。すでに、賞レースの幕開けとなったボストン批評家協会賞では作品賞、監督賞、撮影賞、そしてゴッサム賞で作品賞、観客賞、全米映画批評家協会賞で作品賞、監督賞、主演女優賞、撮影賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞では撮影功労賞を獲得し、作品賞トップ10にも選出するなど、本年度アカデミー賞最有力との呼び声も高い。さらに第78回ゴールデン・グローブ賞にも期待がかかる。なお、1月29日(土)から全国のTOHOシネマズの幕間で上映されるTOHOシネマズハリウッドトピックスにて、マクドーマンドが登壇したドライブ・イン・シアターの貴重な舞台挨拶の様子が流れるという。『ノマドランド』は3月26日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開©2020 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年01月29日第93回アカデミー賞の「長編アニメ映画賞」と「国際長編映画賞」の選考対象作品が発表された。「長編アニメ映画賞」は全27作品中、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」(外崎春雄監督)、『アーヤと魔女』(宮崎吾朗監督)、『ルパン三世 THE FIRST』(山崎貴監督)、『音楽』(岩井澤健治監督)、『きみと、波にのれたら』(湯浅政明監督)、『泣きたい私は猫をかぶる』(佐藤順一&柴山智隆W監督)の6本が日本からエントリー。ほかの作品は『2分の1の魔法』『フェイフェイと月の冒険』『白雪姫の赤い靴と7人のこびと』『弱虫スクービーの大冒険』『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』『ソウルフル・ワールド』『スポンジ・ボブ:スポンジ・オン・ザ・ラン』『トロールズ ミュージック★パワー』『ウルフウォーカー』『ウィロビー家の子どもたち』など。アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは、いくつかのアニメ作品が「公開・配信」に関してまだ要件を満たしていないため、投票前に対応するよう呼びかけている。この部門に出品された作品は、「作品賞」を含む他部門の賞の選考資格も持つ。「国際長編映画賞」には、日本からは河瀬直美監督の『朝が来る』が正式に選考対象作品となった。昨年と同じく93か国からエントリーがあったという。2月9日、ノミネート前の最終候補リスト(ショートリスト)に選ばれた15作品が発表される。(Hiromi Kaku)■関連作品:きみと、波にのれたら 2019年6月21日より全国にて公開©2019「きみと、波にのれたら」製作委員会朝が来る 2020年10月23日より全国にて公開©2020『朝が来る』Film Partnersルパン三世 THE FIRST 2019年12月6日より全国東宝系にて公開©モンキー・パンチ/2019映画「ルパン三世」製作委員会劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 2020年10月16日より全国にて公開©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable泣きたい私は猫をかぶる 2020年6月18日よりNetflixにて全世界独占配信© 2020 「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
2021年01月29日「第44回日本アカデミー賞」の主要15部門と新人俳優賞の受賞者・作品が1月27日、発表された。同賞は2019年12月16日から20年12月31日までに日本で公開された優秀作品を表彰。選考対象作品は日本映画154本・外国映画210本で、日本アカデミー賞協会の会員953人による投票が行われた。各部門の最優秀賞は、3月19日に東京・グランドプリンスホテル新高輪で行われる授賞式で決定。司会は昨年の同賞で最優秀主演女優賞を受賞したシム・ウンギョン(26)と、昨年に続くフリーアナウンサーの羽鳥慎一(49)が担当。当日は日本テレビで中継されるが、昨年に続いてコロナ禍ならではの開催になりそうだという。「おととしまでは授賞式の会場に有料で観客を入れ、受賞者たちの関係者も会場に押しかけていました。別室には報道陣が集まって、授賞式の様子をモニターで見て記事を書くことも。授賞式終了後には報道陣が会場に入り、フォトセッションと囲み取材がありました。ところが、昨年は無観客で報道陣の来場もなし。終了後、結果とコメントが報道陣に配信されただけでした。今年も、昨年と同じように行われることになるでしょう」(大手映画会社の宣伝担当)今年の受賞者のうち、優秀助演女優賞を受賞した5人の中に名を連ねたのが「男はつらいよお帰り寅さん」の後藤久美子(46)と「一度も撃ってません」の桃井かおり(68)。2人の扱いについても注目されているという。「後藤さんはスイス・ジュネーブ在住で、桃井さんは米・ロサンゼルス在住ですからね。来日するとなれば、コロナの感染拡大予防のために隔離される必要も出てきます。そのため、『授賞式に出席できるのか?』と心配の声も上がっています。調整ができない場合は、居住地からのリモート出席もありえそうです」(映画担当記者)コロナ禍ならではの受賞スピーチが行われるかもしれない。
2021年01月27日『第44回日本アカデミー賞』の優秀賞が27日に明らかになり、授賞式の司会を務める羽鳥慎一、シム・ウンギョンがコメントを寄せた。日本アカデミー賞協会が主催する「第44回日本アカデミー賞」は、昨年度に劇場公開された映画の作品賞や主演男優賞、主演女優賞、新人俳優賞などを表彰するもの。今回は2019年12月16日~2020年12月31日までに公開され選考基準を満たした作品(日本映画154作品、外国映画210作品)に対し、日本アカデミー賞協会会員(3,953名)の投票が行われた。3月19日にグランドプリンスホテル新高輪にて開催される第44回の授賞式に先立ち、正賞15部門各優秀賞、および新人俳優賞が決定。授賞式では、羽鳥慎一(昨年に続き2回目)と、外国人俳優で初の最優秀主演女優賞を受賞したシム・ウンギョン(『新聞記者』で第43回最優秀主演女優賞受賞)が司会を務め、受賞者を迎える。○羽鳥慎一 コメントこの賞は、映画に関わる今年1年の総決算、1年に1度のお祭りなんだ」と去年お伺いしました。今年もそのお祭りに進行役・サポート役として携わらせていただきます。緊張はしますが、晴れの舞台を特等席で観られるという、こんな素晴らしい機会に立ちあうことができます。普段、集うことができない第一線の俳優さんが一堂に会します。去年、「この方々はこういう関係性なんだ」と感じることができました。今年も間近ででそれぞれの俳優さんの知られざる関係性を知ることができるのがとても楽しみです。○シム・ウンギョン コメント今年も素晴らしい作品が多いので、受賞者の皆さんにお会いして、お話をお伺いするのを楽しみにしています。昨年、本当に貴重な賞をいただいて、未だに感謝の気持ちや喜びがあふれています。今年は司会者として授賞式に参加します。司会を務めるのは人生で初めてですので、しっかりと言葉を届けられるように、日本語の勉強を頑張っております。よろしくお願いします。○『第44回日本アカデミー賞』の主な受賞作品・受賞者※作品名は対象作品・優秀作品賞『浅田家!』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』・優秀アニメーション作品賞『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『映画 えんとつ町のプペル』『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』『ジョゼと虎と魚たち』『STAND BY ME ドラえもん 2』・優秀監督賞内田英治『ミッドナイトスワン』河瀨直美『朝が来る』土井裕泰『罪の声』中野量太『浅田家!』若松節朗『Fukushima 50』・優秀主演男優賞小栗旬『罪の声』草なぎ剛『ミッドナイトスワン』佐藤浩市『Fukushima 50』菅田将暉『糸』二宮和也『浅田家!』・優秀主演女優賞小松菜奈『糸』永作博美『朝が来る』長澤まさみ『コンフィデンスマンJP プリンセス編』『MOTHER マザー』倍賞千恵子『男はつらいよ お帰り 寅さん』広瀬すず『一度死んでみた』・優秀助演男優賞宇野祥平『罪の声』妻夫木聡『浅田家!』成田凌『窮鼠はチーズの夢を見る』星野源『罪の声』渡辺謙『Fukushima 50』・優秀助演女優賞江口のりこ『事故物件 恐い間取り』黒木華『浅田家!』後藤久美子『男はつらいよ お帰り 寅さん』桃井かおり『一度も撃ってません』安田成美『Fukushima 50』・新人俳優賞服部樹咲『ミッドナイトスワン』蒔田彩珠『朝が来る』森七菜『ラストレター』岡田健史『望み』『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』『弥生、三月-君を愛した30年-』奥平大兼『MOTHER マザー』永瀬廉『弱虫ペダル』(C)日本アカデミー賞協会
2021年01月27日羽鳥慎一とシム・ウンギョンが司会を務める授賞式に先立ち、「第44回日本アカデミー賞」の各優秀賞、新人俳優賞が発表された。コロナ禍による映画館休業などを考慮し、2019年12月16日~2020年12月31日までに公開され選考基準を満たした作品(日本映画154作品、外国映画210作品)に対し、日本アカデミー賞協会会員(3953名)の投票が行われた今回。優秀作品賞に選ばれたのは、『浅田家!』『男はつらいよお帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』の5作品。特に、未解決のまま時効になった実際の事件をモチーフとした『罪の声』と、東日本大震災とその後に起きた福島第一原発事故を描いた『Fukushima 50』は、優秀主演男優賞、優秀監督賞、優秀脚本賞、優秀撮影賞、優秀音楽賞など、ほとんどの賞にタイトルが挙がった。優秀主演男優/女優賞には、ほかにも『糸』の小松菜奈と菅田将暉、『浅田家!』の二宮和也、『コンフィデンスマンJP プリンセス編』『MOTHER マザー』で長澤まさみなどが選ばれた。また新人俳優賞には、『朝が来る』で望まぬ妊娠をしてしまった少女を演じた蒔田彩珠。『望み』『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』『弥生、三月-君を愛した30年-』と多くの作品で活躍した岡田健史をはじめ、服部樹咲、森七菜、奥平大兼、永瀬廉に贈られる。優秀アニメーション作品賞には、京都アニメーション製作の『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、驚異の興行収入を叩き出している『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』と大きな話題となった2作品に加え、『映画 えんとつ町のプペル』『ジョゼと虎と魚たち』『STAND BY ME ドラえもん 2』が決定した。昨年に引き続き司会を担当する羽鳥さんは「それぞれの俳優さんの知られざる関係性を知ることができるのがとても楽しみです」と授賞式に期待。昨年、『新聞記者』で外国人俳優初の最優秀主演女優賞を受賞したシム・ウンギョンは「受賞者の皆さんにお会いして、お話をお伺いするのを楽しみにしています」と話し、「司会を務めるのは人生で初めてですので、しっかりと言葉を届けられるように、日本語の勉強を頑張っております。よろしくお願いします」とコメントを寄せた。なお、授賞式は3月19日(金)グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールにて行われる。「第44回日本アカデミー賞」主要な各賞の受賞作・受賞者優秀作品賞『浅田家!』『男はつらいよお帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』優秀アニメーション作品賞『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『映画 えんとつ町のプペル』『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』『ジョゼと虎と魚たち』『STAND BY ME ドラえもん 2』優秀監督賞内田英治(『ミッドナイトスワン』)河瀬直美(『朝が来る』)土井裕泰(『罪の声』)中野量太(『浅田家!』)若松節朗(『Fukushima 50』)優秀主演男優賞小栗旬 (『罪の声』)草彅剛(『ミッドナイトスワン』)佐藤浩市(『Fukushima 50』)菅田将暉(『糸』)二宮和也(『浅田家!』)優秀主演女優賞小松菜奈(『糸』)永作博美(『朝が来る』)長澤まさみ(『コンフィデンスマンJP プリンセス編』)長澤まさみ(『MOTHER マザー』)倍賞千恵子(『男はつらいよお帰り 寅さん』)広瀬すず(『一度死んでみた』)優秀助演男優賞宇野祥平(『罪の声』)妻夫木聡(『浅田家!』)成田凌(『窮鼠はチーズの夢を見る』)星野源(『罪の声』)渡辺謙(『Fukushima 50』)優秀助演女優賞江口のりこ(『事故物件 恐い間取り』)黒木華(『浅田家!』)後藤久美子(『男はつらいよお帰り 寅さん』)桃井かおり(『一度も撃ってません』)安田成美(『Fukushima 50』)優秀外国作品賞『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』『パラサイト 半地下の家族』『フォードvs フェラーリ』『1917 命をかけた伝令』『TENET テネット』新人俳優賞服部樹咲蒔田彩珠森七菜岡田健史奥平大兼永瀬廉(cinemacafe.net)■関連作品:男はつらいよお帰り 寅さん 2019年12月27日より全国にて公開©2019松竹株式会社Fukushima 50 2020年3月6日より全国にて公開© 2020『Fukushima 50』製作委員会浅田家! 2020年10月2日より全国東宝系にて公開©2020「浅田家!」製作委員会罪の声 2020年10月30日より全国東宝系にて公開©2020「罪の声」製作委員会ミッドナイトスワン 2020年9月25日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開©2020「MIDNIGHT SWAN」FILM PARTNERS
2021年01月27日1月26日、第44回日本アカデミー賞の優秀賞が選ばれ、優秀作品賞に『浅田家!』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』の5作品が選ばれた。コロナ禍による映画館休業などを考慮し、今回は2019年12⽉16⽇(⽉)〜2020年12⽉31⽇(⽊)までに公開され、選考基準を満たした作品(⽇本映画154作品、外国映画210作品)に対し、⽇本アカデミー賞協会会員(3953名)の投票が実施された。今回は⽻⿃慎⼀と、昨年外国⼈俳優で初の最優秀主演⼥優賞を受賞したシム・ウンギョンが司会を務め受賞者を迎える。羽鳥は、「今年も間近ででそれぞれの俳優さんの知られざる関係性を知ることができるのがとても楽しみです」とコメント。シム・ウンギョンは「司会を務めるのは⼈⽣で初めてですので、しっかりと⾔葉を届けられるように、⽇本語の勉強を頑張っております」と意気込みを語っている。なお、授賞式は3⽉19⽇(⾦)にグランドプリンスホテル新⾼輪にて開催される。優秀賞受賞者や新⼈俳優賞受賞者が⼀堂に会し、優秀賞の中から最優秀賞が発表される。第44回日本アカデミー賞の主な受賞結果は以下の通り。■優秀作品賞『浅田家!』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』■優秀アニメーション作品賞『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『映画 えんとつ町のプペル』『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』『ジョゼと虎と魚たち』『STAND BY ME ドラえもん2』■優秀監督賞内田英治(『ミッドナイトスワン』)河瀨直美(『朝が来る』)土井裕泰(『罪の声』)中野量太(『浅田家!』)若松節朗(『Fukushima 50』)■優秀主演男優賞小栗旬(『罪の声』)草彅 剛(『ミッドナイトスワン』)佐藤浩市(『Fukushima 50』)菅田将暉(『糸』)二宮和也(『浅田家!』)■優秀主演女優賞小松菜奈(『糸』)永作博美(『朝が来る』)長澤まさみ(『コンフィデンスマンJP ブリンセス編』)長澤まさみ(『MOTHER マザー』)広瀬すず(『一度死んでみた』)■優秀助演男優賞宇野祥平(『罪の声』)妻夫木 聡(『浅田家!』)成田 凌(『窮鼠はチーズの夢を見る』)星野 源(『罪の声』)渡辺 謙(『Fukushima 50』)■優秀助演女優賞江口のりこ(『事故物件 恐い間取り』)黒木 華(『浅田家!』)後藤久美子(『男はつらいよ お帰り 寅さん』)桃井かおり(『一度も撃ってません』)安田成美(『Fukushima 50』)■優秀脚本賞内田英治(『ミッドナイトスワン』)中野量太/菅野友恵(『浅田家!』)野木亜紀子(『罪の声』)前川洋一(『Fukushima 50』)山田洋次/朝原雄三(『男はつらいよ お帰り 寅さん』)■新人俳優賞服部樹咲(『ミッドナイトスワン』)蒔田彩珠(『朝が来る』)森 七菜(『ラストレター』)岡田健史(『望み』『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』『弥生、三月-君を愛した30年-』)奥平大兼(『MOTHER マザー』)永瀬 廉(『弱虫ペダル』)【授賞式司会者からのコメント】<⽻⿃慎⼀(第43回授賞式に続き2回⽬)>「この賞は、映画に関わる今年1年の総決算、1年に1度のお祭りなんだ」と去年お伺いしました。今年もそのお祭りに進⾏役・サポート役として携わらせていただきます。緊張はしますが、晴れの舞台を特等席で観られるという、こんな素晴らしい機会に⽴ちあうことができます。普段、集うことができない第⼀線の俳優さんが⼀堂に会します。去年、「この⽅々はこういう関係性なんだ」と感じることができました。今年も間近ででそれぞれの俳優さんの知られざる関係性を知ることができるのがとても楽しみです。<シム・ウンギョンさん(第43回授賞式にて、『新聞記者』で最優秀主演⼥優賞受賞)今年も素晴らしい作品が多いので、受賞者の皆さんにお会いして、お話をお伺いするのを楽しみにしています。昨年、本当に貴重な賞をいただいて、未だに感謝の気持ちや喜びがあふれています。今年は司会者として授賞式に参加します。司会を務めるのは⼈⽣で初めてですので、しっかりと⾔葉を届けられるように、⽇本語の勉強を頑張っております。よろしくお願いします。【「第44回⽇本アカデミー賞 授賞式」実施概要】実施⽇:3⽉19⽇(⾦)会場:グランドプリンスホテル新⾼輪 国際館パミール司会:⽻⿃慎⼀、シム・ウンギョン副賞協⼒:ブルガリ協賛:サラヤ 横井定
2021年01月27日今年もWOWOWで放送が決定している「第93回アカデミー賞授賞式」に、中島健人(「Sexy Zone」)と河北麻友子が出演することが分かった。世界最高峰の映画の祭典「アカデミー賞授賞式」を、WOWOWが独占生中継。今回は新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮して、2021年2月から、現地時間4月25日(日本時間4月26日)へ変更になった。日本のスタジオでは、案内役としてジョン・カビラと宇垣美里が出演。そして今回、スペシャルゲストとして中島さん、レッドカーペットリポーターとして河北さんが出演決定。前回の授賞式では、主演女優賞獲得のレネー・ゼルウィガーをはじめとする豪華ハリウッドスターへのインタビューに成功した2人が、今回も現地レッドカーペットより授賞式直前の熱気を伝える予定(※新型コロナウイルスの影響により、日本のスタジオへの出演に変更する場合あり)。「昨年のレッドカーペットは全てが楽しくて、一生心に残る体験でした」と前回をふり返った中島さんは、「再び声をかけて頂き、本当に嬉しくて、また新たな経験ができるかと思うとわくわくします」と決定した心境を明かし、「がむしゃらに頑張って、みなさんにアカデミー賞の楽しさをお届けできたらいいなと思っています!」と意気込む。また河北さんも前回をふり返り「人生で一番ハードなお仕事」「一番の思い出は、インタビューはできませんでしたがブラッド・ピットの姿を見て腰を抜かしてしまった姿が生中継されたことですね(笑)」とコメント。そして「昨年はステイホーム期間中に映画を見る機会が増えた方も多かったのではないでしょうか。私も家でも楽しみつつ、久しぶりに映画館に行ったら、やっぱり『映画館っていいなあ』と胸がいっぱいになりました。世界中が厳しい状況の中で、輝いていた映画、輝いていた人たちにインタビューできたらいいなと楽しみにしています」と期待を寄せている。「生中継!第93回アカデミー賞授賞式」は4月26日(月)よりWOWOWプライムにて放送。(cinemacafe.net)
2021年01月16日アンソニー・ホプキンスの役者人生の集大成としてアカデミー賞有力候補と目されている『The Father』(原題)が、『ファーザー』として5月に日本公開が決定した。本作は、世界30か国以上で上演された傑作舞台の映画化。先日12月31日に83歳を迎えたホプキンスが自身と同名、同年齢、そして同じ誕生日の認知症の主人公を演じている。2020年のサンダンス映画祭で初お披露目されるや、「圧倒的実力で早くも2021年の賞レースに躍り出た。彼を凌駕する俳優はいないだろう」(THE GUARDIAN)と喝采を浴び、「ロッテントマト」では100%の満足度を記録(1月12日時点)。アカデミー賞前哨戦となる賞レースでは、ボストン映画批評家協会賞、フロリダ映画批評家協会賞でホプキンスが主演男優賞を受賞しているほか、4つの受賞、41のノミネート。過去5回のノミネートを誇るアカデミー賞で『羊たちの沈黙』(91)のレクター博士役以来、30年振りの受賞を推すメディアもある。また、ホプキンス演じる父を介護する娘を繊細に演じたのは、『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したオリヴィア・コールマン。彼女の演技も高く評価され、アカデミー賞助演女優賞候補入りが有力視されている。年齢と共に誰もが経験する喪失と親子の愛を、記憶や時間が混迷していく父の視点で描くという本作。迷宮に足を踏み入れていくような戸惑いと、愛する家族が自身を忘れてしまう切なさ、人間味から滲み出るユーモアなど、様々な感情を重層的に呼び起こしながら、誰にとっても他人事ではない、老いることへの不安や関係性が変わっていく親子の愛情を描いている。この物語を手掛けたのは、ロンドンのタイムズ紙が「現代において最も心躍る劇作家」であると謳う、フランス人のフロリアン・ゼレール。原作である舞台作品は、フランス演劇界最高位のモリエール賞で脚本賞を受賞し、パリ、ロンドン、ニューヨークなど世界30か国以上で上演。ゼレール自身が長編初監督作としてメガホンをとり、『危険な関係』でアカデミー賞を受賞した脚本家クリストファー・ハンプトンが共同脚本を務める。『ファーザー』は5月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2021年01月14日全米映画批評家協会賞が発表された。作品賞に輝いたのは、『ノマドランド』。今作ではほかに、クロエ・ジャオが監督賞、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞を受賞した。主演男優賞は『ザ・ファイブ・ブラッズ』のデルロイ・リンドー。助演男優賞は『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ〜』のポール・レイシー、助演女優賞は『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』のマリア・バカローヴァ。脚本賞は『First Cow』のイライザ・リットマンだった。文=猿渡由紀『ノマドランド』3月26日(金)公開
2021年01月11日ときに、異彩を放つ作品が映画ランキングを賑わせることがある。日本政治の闇に斬り込んだ『新聞記者』、超格差社会を描き、アジア映画で初のアカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』などが記憶に新しいだろう。この2作品に共通するのは、社会問題を扱いながら優れたエンターテインメントでもあり、多くの観客に受け入れられたということ。普段は劇場へ行かない人が「とにかく観たほうがいい」「すごいらしい」といううわさを聞いて足を運び、鑑賞後には「観てよかった、観ればわかる」とさらに口コミが拡散してロングラン、異例のヒットを記録した。そんな映画界の風穴となりえる良質な社会派エンタメ映画が、2021年の幕開けから怒涛の勢いで公開される。新型コロナウイルスの流行とともに、社会が抱える根深い問題も否応なしに浮き彫りとなった2020年を経て、これまでにないほど“社会を見つめる目”が問われるいまだからこそ楽しみたい、2021年の“これぞ!”の社会派エンタメ映画を紹介する。『すばらしき世界』人生のレールを外れた男の物語…2月11日(木・祝)公開『ディア・ドクター』『永い言い訳』の西川美和監督が、直木賞作家・佐木隆三氏の小説「身分帳」を原案とした最新作。一度人生のレールを外れた男が刑務所の外で懸命にもがき生きる姿と、そんな彼を追う若きテレビマンを通して「社会」と「人間」の“いま”をえぐる問題作。役所広司扮する元ヤクザの男・三上は、人生の大半を刑務所で過ごし何十年ぶりの社会復帰を誓うが、真っ直ぐすぎるがゆえに社会の壁に何度もぶつかってしまう。私たちが生きる社会は愚直なまでに誠実な人間が生きていくのは難しい世界なのか――。人との繋がり方、社会の在り方について気づかされる心揺さぶる物語。『ノマドランド』リーマンショック後のアメリカ…3月26日(金)公開リーマンショックにより町の経済が破綻した後、1台のキャンピングカーとともに現代の“ノマド(遊牧民)”となった、ひとりの車上生活者の生き様を描いたロードムービー。『スリー・ビルボード』のアカデミー賞女優、フランシス・マクドーマンドが主人公の女性を演じ、『ザ・ライダー』で注目を集めた中国生まれの女性監督、クロエ・ジャオがメガホンをとる。本年度のヴェネチア国際映画祭金獅子賞(最高賞)、トロント国際映画祭では観客賞を受賞し、現在もっともアカデミー賞に近い作品とされている大注目作。『KCIA 南山の部長たち』大統領暗殺の裏側…1月22日(金)公開1979年に起きた朴正煕(パク・チョンヒ)大統領の暗殺事件を描いた大ベストセラー小説を原作にした実録サスペンス映画。暗殺は権力闘争の果てか、はたまた正義か。KCIAとは、大統領直属の機関として権力を握った韓国中央情報部の通称。韓国政治に潜む歴史の闇を鋭く描き出しながら、見応え抜群のエンタメ作品に仕上がっている。2020年の韓国年間興行収入第1位を記録し、主演のイ・ビョンホンは『パラサイト』のソン・ガンホを抑えて国内の映画賞で主演男優賞を受賞した。本年度のアカデミー賞国際長編映画賞の韓国代表作品。『護られなかった者たちへ』震災後の事件描く…2021年秋公開「このミステリーがすごい」受賞作家の中山七里の同名小説を佐藤健、阿部寛の豪華キャストで映像化。社会問題を描くことに定評のある瀬々敬久監督がメガホンをとる。東日本大震災から9年後、宮城県内で起きた連続殺人事件の容疑者とそれを追う刑事が繰り広げるスリル溢れるサスペンスストーリーの中で、いまの社会が抱える貧困問題や格差社会をあぶり出す。2020年は緊急事態宣言の最中に映画館も休館し、日常から映画が遠のいた人も多くいる。春の自粛期間には、エンタメは“不要不急”とされていたが、エンタメに携わる映画人、演劇人からは「エンタメは“不急”ではないが“不要”ではない」との声が上がった。映画だからこそ伝わる想いやメッセージがあり、ポン・ジュノ監督は『パラサイト』製作について「クリエイターたちが資本主義時代を生き抜きながら、テーマとして思いつき辿りつくのが格差問題だと思う。多くの人たちが露骨に見て見ぬふりをし、隠したりすることもあるが、避けることなく、映画的な方法でこのテーマを描いてみたかった」と語っていた。映画には、社会に潜む問題を直接的に訴えるのではなく、エンターテインメント性を持たせることで観客の心へストレートに響き、各々の気づきや自発的な行動へ繋げる力があるのかもしれない。(text:cinemacafe.net)■関連作品:すばらしき世界 2021年2月11日より全国にて公開©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会護られなかった者たちへ 2021年秋、全国にて公開予定©2020映画『護られなかった者たちへ』製作委員会©中山七里ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開©2020 20th Century Studios. All rights reserved.KCIA 南山の部長たち 2021年1月22日よりシネマート新宿ほか全国にて公開© 2020 SHOWBOX, HIVE MEDIA CORP AND GEMSTONE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.
2021年01月03日《text:宇野維正》『パラサイト 半地下の家族』の第92回アカデミー賞での作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4部門受賞という歴史的快挙、及び日本における韓国映画史上最高の大ヒット(最終興収47.1億円)で華々しく幕を開けた2020年の映画界。しかし、同時期に日本公開された『フォードvsフェラーリ』、『リチャード・ジュエル』、『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』といった秀作の記憶と合わせて、その直後に起こった新型コロナウイルスの世界的パンデミックを経た今となっては、もう何年も前の出来事のような気がしてくる。一人の映画ファンとしては、「もしコロナがなかったら」という並行世界に想いを馳せずにはいられない。もしコロナがなかったら、4月はダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドの最終作となる『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』に、5月はジャスティン・リン監督が復帰を遂げる『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』と、マーベル・シネマティック・ユニバースがフェーズ4に突入する『ブラック・ウィドウ』に、映画館で大興奮していたに違いない。『万引き家族』、『パラサイト 半地下の家族』に続いて、アジアの映画作家の作品は2020年もカンヌ映画祭を沸かせただろうか?サマーシーズンのシネコンでは『るろうに剣心 最終章』の連作と『トップガン マーヴェリック』がデッドヒートを繰り広げていただろう。ウェス・アンダーソンの『The French Dispatch』(原題)、あるいはドゥニ・ヴィルヌーヴの『DUNE/デューン 砂の惑星』で、ティモシー・シャラメは念願のオスカーを手にすることになったかもしれない。2020年3月以降、映画を取り巻く環境、特に「劇場で観る映画」を取り巻く環境は大きく変わった。本稿では「主に北米をはじめとする海外」と「日本」、それぞれの映画界で2020年に起こったことについて、前後編に分けて振り返っていきたい。どうして分ける必要があるのかは、後編の最後まで読んでもらえればわかっていただけるはずだ。少なくとも現時点では、その深刻さにはあまりにも大きなギャップがある。3月以降にアメリカ各地で映画館が閉鎖された後、ハリウッド・メジャーで最も早く大きく動いたのはユニバーサル・ピクチャーズだった。ファミリー向けのアニメーション作品『トロールズ ミュージック☆パワー』を全米公開予定日の4月10日、同日にPVOD(通常よりも高い価格設定のビデオ・オン・デマンド)で配信リリース。それが収益的に一定の成功を収めると、今後は映画館の営業が平常化してからも、配信と映画館の両方で映画を公開する予定であることを発表。当然、劇場サイドはそれに猛反発した。その先鋒に立ったのは、ユニバーサル・ピクチャーズに「今後ユニバーサル作品の上映を拒否する」と通告した全米最大規模のシネコンチェーンAMCシアターだったが、両社は協議の結果、「配信開始は劇場公開から17日後」という取り決めを交わすことに。それでもこれまでと比べたら異例のウィンドウ(劇場公開から他のプラットフォームでの展開までの期間)の短さだが、事態はそんなレベルでは収まらなかった。当初、『ムーラン』の劇場公開を2020年4月17日に予定していたディズニーは、パンデミックの影響による度重なる公開延期を経て、8月4日に北米をはじめとする既にディズニープラスを展開している地域では、同作を9月4日からディズニープラスでのみPVODで配信リリースすると発表。10月9日には、もう一段階進んで、ピクサーの新作『ソウルフル・ワールド』をディズニープラスの契約者なら課金なしで見られる通常プログラムとして12月25日から配信することを発表。つまり、秋の時点ではヨーロッパ各都市や日本の映画館は営業を再開しているにもかかわらず、劇場での公開そのものが吹っ飛んでしまったわけだ。現在世界最大のスタジオであるディズニーの配給事業から配信事業への大転換は、世界中の劇場に大きなダメージを与えることとなった。クリストファー・ノーラン監督の強い意向によって、9月に『TENET テネット』の劇場での世界公開にこぎつけたワーナー・ブラザーズだったが、12月3日におこなった発表はハリウッドのこれまでの歴史をひっくり返すような衝撃的なものだった。同社は2020年12月25日に北米公開される『ワンダーウーマン 1984』を皮切りに、2021年に劇場公開するすべての作品を、その公開日から自社のストリーミングサービスであるHBO Maxで追加料金なして配信すると明らかにした。つまり、モンスターバースの最新作『Godzilla vs. Kong(原題)』も、ジェームズ・ガン監督の新作『The Suicide Squad(原題)』も、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の新作『DUNE/デューン 砂の惑星』も、『マトリックス』シリーズ18年ぶりの続編『Matrix 4(原題)』も、北米ではすべて劇場公開日から自宅で追加料金なしで見ることができるわけだ。それぞれ自社のストリーミングサービスを持つディズニーとワーナーの配信事業への注力は、今後の5年、10年を見据えての「映画を取り巻く環境」の変革の一環と受け止めるべきだろう。「コロナウイルスの影響」はその計画を早めるきっかけにはなったものの、もはや決定的な理由ではない。自社の収益、そして投資家や株主の意向を優先した際に、そこで切り捨てられたのが「劇場」というわけだ。2021年4月25日、例年よりも2カ月遅れて開催される今度のアカデミー賞受賞式では、「特例」としてこれまでは認めてこなかった「配信公開のみの作品」もノミネートの対象となると発表されている。しかし、果たしてそれは本当に今回だけの「特例」になるのだろうか?現在起こっていることを冷静に判断するなら、今後はそれが映画界の「ニューノーマル」になっていくと考えるのが妥当だろう。(text:宇野維正)
2020年12月30日「A24」と「PLAN B」がタッグを組み、世界の映画祭で観客賞を軒並み受賞してきた今年一番の “愛され映画” 『ミナリ』(MINARI)が、2021年3月19日(金)より日本公開されることが決定した。1980年代、農業で成功することを夢見てアメリカ南部のアーカンソー州に移住してきた韓国人一家を描く『ミナリ』。アメリカンドリームを胸に、逞しく生きる家族の物語はサンダンス映画祭(グランプリと2冠)をはじめ世界で観客賞を総なめ。辛口で知られる批評サイト「Rotten Tomatoes」では100%フレッシュ(12月23日現在)を更新中。■アカデミー賞常連A24×PLAN Bがタッグ『ムーンライト』や『レディ・バード』などでいまやオスカーの常連となった「A24」と、『それでも夜が明ける』で知られるブラッド・ピットの「PLAN B」がタッグを組んだ本作。「<普通の小さな家族>が巻き起こした<特別で巨大な熱狂>!」「『パラサイト 半地下の家族』に続きアカデミー賞で波乱を起こす作品」と、メディアからも観客からも愛され、評論家からも「小津安二郎監督作品のような繊細な人間模様を描いている」と大絶賛。ハリウッド・リポーター、ヴァラエティほか有力誌もこぞってアカデミー賞有力作品として名を挙げている。理不尽かつ不条理な運命に翻弄されながらもまた立ち上がり、一歩一歩、大地を踏みしめるように困難を乗り越えていく一家の姿は、誰もが困難な現実に直面しているいまこそ沁みる希望の物語となるだろう。■スティーヴン・ユァン&ユン・ヨジョンらにも注目集まる舞台は1980年代。主人公は韓国出身の移民の一家。父親は農業で成功したいと夢見てアメリカ南部のアーカンソー州の大地に広大な土地を買うが、現実は厳しく、一家には様々な困難と予想もしない事件が降りかかる。父親ジェイコブを演じるのは『バーニング劇場版』「ウォーキング・デッド」の韓国系アメリカ人スティーヴン・ユァン。『チャンシルさんには福が多いね』『藁にもすがる獣たち』などの国民的女優で、ロサンゼルス映画批評家協会賞で助演女優賞を受賞したユン・ヨジョン、『ハナ ~奇跡の46日間~』『ファイティン!』のハン・イェリらが出演。監督は、米国有力映画メディア「インディワイア」で「今年最高の監督10人」に、デヴィッド・フィンチャーやスパイク・リーと共に選ばれたリー・アイザック・チョン。新海誠監督『君の名は。』のハリウッド版の監督として抜擢された大注目の新鋭だ。「ミナリ」とは、韓国の芹(セリ)。水辺に育ち、独特の香りと歯ごたえに特徴があるが、2度目の収穫のほうがおいしいとされている。成長した子ども世代の幸せを願う親の気持ちをこめたダブルミーニングのタイトルとなっている。『ミナリ』は2021年3月19日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ミナリ 2021年3月19日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©Photo by Melissa Lukenbaugh, Courtesy of A24
2020年12月24日ゴールデングローブ賞を主催するハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)が、映画『Minari』を作品賞ではなく外国語映画賞の選考対象とすることを発表。ルル・ワン監督、フィル・ロード監督、ダニエル・デイ・キム、シム・リウなど多くの映画人から批判が上がっている。ゴールデングローブ賞の作品賞の選考対象となるには、全編を通して少なくともセリフの半分以上が英語でなければならないというルールがある。これに則り、HFPAは『Minari』を“外国語映画枠”に当てはめたのだろう。しかし、『Minari』は韓国語を話すキャラクターたちが主役ではあるものの、韓国からアメリカ・アーカンソー州に移民してきた一家を中心に描き、監督はアメリカ人のリー・アイザック・チョンだ。HFPAを批判した1人のワン監督は、「私は今年、『Minari』ほどアメリカらしい映画を観ていません。これは、“アメリカ”を舞台に、移民一家がアメリカン・ドリームを追い求める物語。英語話者であるというだけでアメリカ人だとみなす時代遅れなルールは、本当に変える必要があります」と『Minari』を作品賞の選考対象にするべきだとツイッターで主張している。『シャン・チー』(原題)でMCU初のアジア人ヒーローに抜擢されたシム・リウは、「念のために言っておきますが、『Minari』はアメリカ人のフィルムメーカーが脚本を書き、監督し、アメリカの製作会社がプロデュースしたアメリカ映画で、主役はアメリカ人、舞台はアメリカです」と『Minari』がいかにアメリカらしいアメリカ映画であるかを説いた。(Hiromi Kaku)
2020年12月24日来年春に行われる世界最高峰の映画の祭典「第93回アカデミー賞授賞式」を例年と同様、WOWOWがアメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターより独占生中継することが決定した。例年、2月下旬に行われる同授賞式だが、今回は新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、4月25日(現地時間)の開催へ変更に。また、ノミネーション発表は3月15日(現地時間)に予定されている。前回の「第92回アカデミー賞授賞式」では、女優・松たか子が日本人として初めてアカデミー賞のパフォーマンスの舞台に立ち、世界各国のエルサ役と共に『アナと雪の女王2』から「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」を熱唱。そして、ポン・ジュノ監督による韓国映画『パラサイト 半地下の家族』の受賞も話題になった。WOWOWの日本のスタジオでは、案内役としてジョン・カビラが14回目の出演。「このニューノーマルな状況の中で、アカデミー賞がどのようなアレンジをして世界中を楽しませてくれるのか期待しています」と語り、「毎年目が離せないオスカーですが、今回もなにか起こるのではないでしょうか。是非ライブでハラハラドキドキしながら、僕たちと一緒に楽しんでほしいですね」とコメント。加えて、新案内役としてフリーアナウンサーの宇垣美里が決定。「今回案内役のお話を頂き、いち映画ファンとしてとても嬉しいです」と参加を喜び、「アカデミー賞は年々多様化していているので、今回はどんな新しいことが起こるのか、とても楽しみです」と期待を寄せている。この2人が、作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞など、全世界が注目する発表の瞬間をナビゲートする。「生中継!第93回アカデミー賞授賞式」は2021年4月26日(月)WOWOWプライムにて放送予定。(cinemacafe.net)
2020年12月22日日曜日(現地時間)、第46回ロサンゼルス映画批評家協会賞が発表された。作品賞を受賞したのは、Amazonのアンソロジー映画『Small Axe』。同協会賞の歴史において、複数の映画で構成されたアンソロジー映画が作品賞を受賞したのは初めて。同作はエミー賞や全米映画俳優組合賞などでは、「リミテッド・シリーズ」部門で選考される模様だ。主演男優賞には、今年8月に結腸がんのため43歳で亡くなったチャドウィック・ボーズマンが選ばれた。遺作である『マ・レイニーのブラックボトム』での好演が話題となっており、これから開催される数々の授賞式でのノミネーションや受賞が予想されている。主な受賞リスト作品賞受賞:『Small Axe』(スティーヴ・マックイーン監督)次点:『ノマドランド』(クロエ・ジャオ監督)監督賞受賞:クロエ・ジャオ監督(『ノマドランド』)次点:スティーヴ・マックイーン監督(『Small Axe』)主演男優賞受賞:チャドウィック・ボーズマン(『マ・レイニーのブラックボトム』)次点:リズ・アーメッド(『サウンド・オブ・メタル-聞こえるということ-』)主演女優賞受賞:キャリー・マリガン(『Promising Young Woman』)次点:ヴィオラ・デイヴィス(『マ・レイニーのブラックボトム』)助演男優賞受賞:グリン・ターマン(『マ・レイニーのブラックボトム』)次点:ポール・レイシー(『サウンド・オブ・メタル-聞こえるということ-』)助演女優賞受賞:ユン・ヨジョン(『Minari』)次点:アマンダ・サイフリッド(『Mank/マンク』)脚本賞受賞:『Promising Young Woman』(エメラルド・フェンネル)次点:『Never Rarely Sometimes Always』(エリザ・ヒットマン)(Hiromi Kaku)
2020年12月21日台湾のアカデミー賞・金馬奨で作品賞、監督賞を含む最多5部門を受賞した英題『My Missing Valentine』(原題:消失的情人節)が、2021年初夏に公開されることが決定した。郵便局で働くシャオチーは、仕事も恋もパッとしないアラサーの女性。ある日、街中で出会ったハンサムなダンス講師ウェンソンと“七夕バレンタイン”にデートの約束をするが、ふと目覚めると翌日になっており、バレンタインが消えてしまった…!失くした大切な“1日”の記憶を探す旅に出たシャオチーが見つけた真実とは――?“消えたバレンタイン”を巡り、時間の流れが異なる男女が織りなす、これまでに誰も観たことのない、オリジナリティ溢れるファンタジックなラブストーリー。恋愛映画の金字塔『エターナル・サンシャイン』や『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』などに並ぶ、“愛”と“時間”を巡る、新たなる傑作が台湾から誕生した。■“台湾ニューシネマ”の異端児チェン・ユーシュンの原点回帰にして最高傑作90年代台湾映画界において、エドワード・ヤン、ホウ・シャオシェンらとは一線を画す“台湾ニューシネマ”の異端児として出現したチェン・ユーシュン。独特のタッチで瑞々しい青春模様を描いた『熱帯魚』(95)、『ラブ ゴーゴー』(97)は若い世代から多くの共感を獲得し、当時の日本でも熱狂的な人気を誇ったが、その2作品を残してしばらく映画製作から離れてしまう。作品のその輝きはいまなお色褪せることなく、今年特集された「台湾巨匠傑作選2020」ではデジタルリストア版が上映され、再評価を高めている。その後、CM業界に活躍の場を移していたチェン・ユーシュン監督は、16年ぶりに本格的に映画製作に復帰。長編復帰3作目となる本作は、20年前から温めていた脚本を基に撮りあげた。愛すべきはみ出し者たちをユーモアと優しさ溢れる眼差しで描いてきたユーシュン監督の原点回帰にして、第57回金馬奨最多5冠(作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、視覚効果賞)に輝く、渾身の1作。第25回釜山国際映画祭でもオープンシネマ部門に正式出品された。『My Missing Valentine』(英題)は2021年初夏、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:My Missing Valentine(英題) 2021年夏、新宿ピカデリーほか全国にて公開©︎MandarinVision Co, Ltd
2020年12月16日ヨーロッパ映画賞の作品賞に、デンマークの『Another Round』が選ばれた。今作ではさらにトマス・ヴィンターベアが監督賞と脚本賞(共同脚本家と一緒に受賞)、主演のマッツ・ミケルセンが男優賞を受賞している。この映画はロンドン映画祭、サンセバスチャン映画祭でも受賞しており、次のオスカーでも健闘しそうだ。女優賞は『Undine』のパウラ・ベーア、ドキュメンタリー賞はルーマニアの『Collective』が受賞した。文=猿渡由紀
2020年12月14日米アカデミー賞受賞の大ヒット作を舞台化した『サイドウェイ(Sideways)』が、2021年3月東京芸術劇場シアターイーストで上演される。それに先がけて、本作の新ビジュアルと公演スケジュールが発表された。レックス・ピケットの原作からなる映画『サイドウェイ』は米アカデミー賞の他、世界中で大小350もの賞を受賞しただけでなく、世界中にカリフォルニアワインとピノ・ノアールの魅力を伝え、ワイン産業にまで多大な影響を与えたと言われている。2000年代のバディ・ロードムービーの代名詞ともなった本作を原作者レックス・ピケット本人による戯曲で舞台化。そして本作の日本語上演台本・演出は、独特なテンポ感とテーマでシニカルでありながら人間味溢れる世界観を作り出す劇作家であり演出家でもある古川貴義(箱庭円舞曲)が手掛ける。中年街道まっしぐらの男ふたり、熟成していくワインのように味わい深くなれるのか?物語は古い友人であるマイルスとジャックを中心に展開。マイルスはしがない脚本の請負仕事をこなしながら夢である小説家を目指し、ジャックは鳴かず飛ばずの俳優業の傍ら、テレビ番組のディレクターで生計を立てている。どちらも40代の中年街道突入をきっかけに人生の転機を狙うが、一方では大きな選択の岐路に立たされていた。小説家を諦めて、別の人生の選択を迫られるマイルス、そして華やかな俳優業を断念して家庭に落ち着くか悩むジャック。果たして、両者は苦難(?)を乗り越えて味わい深い中年の人生を謳歌できるのか。今回発表されたビジュアルには「人生、時には寄り道もしなきゃです」というキャッチとともに主要キャストである藤重政孝(マイルス役)、石井一孝(ジャック役)、壮一帆(マヤ役)、富田麻帆(テラ役)、江浦優大(ブラッド役)、嶋村亜華里(ビクトリア役)、片桐はづき(エヴェリン役)の7名が映し出されている。来年3月の公演にますます期待したい。※ジャック役で出演予定だった石井一孝は体調不調により降板、代わってジャック役には、神農直隆が出演。また、緊急事態宣言の延長に伴い、3月17~19日公演中止。(2021年3月9日追記)■公演情報舞台『サイドウェイ(Sideways)』2021年3月17日(月)~25日(木)上演会場:東京芸術劇場シアターイースト<日程・開演時間>3月17日(水)※公演中止3月18日(木)※公演中止3月19日(金)※公演中止3月20日(土)13:00 / 18:003月21日(日)14:003月23日(火)14:00 / 19:003月24日(水)14:00 / 19:003月25日(木)13:00※開場は開演の30分前※未就学児入場不可料金:一般:8,800円(全席指定・税込)ボトルワイン付き観劇券:12,000円(全席指定・税込)配信視聴券:3,300円ボトル付配信視聴券:6,500円(税込・ワイン送料別)※配信日及び受付先は後日発表いたします。※ボトルワイン付き観劇券はオリジナル・ワインオープナー付きでお届けします。※ボトルワイン付き観劇券は別途送料1,000円(1本)がかかります。
2020年12月14日映画芸術科学アカデミーが、第93回アカデミー賞授賞式のプロデューサーを発表した。ジェシー・コリンズ、ステイシー・シェール、スティーヴン・ソダーバーグの3人。コリンズはここ数年連続でグラミー賞、BETアワードなどの制作を担当。そのほかにも数々の授賞式やテレビ番組のプロデューサーを務め、エミー賞にノミネート経験もある。ツイッターで「このような素晴らしい機会をありがとうございます!」とアカデミーに感謝を伝えている。シェールは『エリン・ブロコビッチ』『ジャンゴ 繋がれざる者』で2度アカデミー賞作品賞にノミネートされたほか、『パルプ・フィクション』『コンテイジョン』などの多数の有名作品でプロデューサーまたは製作総指揮を務めてきた。ソダーバーグは『トラフィック』でアカデミー賞監督賞を受賞。メガホンを取った『エリン・ブロコビッチ』では、シェールとともに仕事をした。アカデミーの会長デヴィッド・ルービンとCEOのドーン・ハドソンは連名で「来るオスカーは、授賞式の可能性を再構築、そして刷新するのに素晴らしい機会です。いまの時代に直接反応を見せてくれる、夢のようなチームを結成しました」と3人を紹介している。第93回アカデミー賞授賞式は、2021年4月25日に、バーチャル開催ではなく通常通りのスタイルで開催予定。(Hiromi Kaku)
2020年12月09日家の中で楽しめるエンタメや流行を本誌記者が体験する“おこもりエンタメ”のコーナー。今週は、今年のアカデミー賞で編集賞と音響編集賞を受賞した『フォードvsフェラーリ』をご紹介します。■『フォードvsフェラーリ』12月2日Blu-ray発売。価格/2,381円(税別)。発売/ウォルト・ディズニー・ジャパン特に車好きでもないのに劇場へ足を運び、不覚にも涙してしまった記者。実話をもとにした伝記映画です。あらすじとしては、’66年のル・マン24時間耐久レースで絶対王者フェラーリに挑んだフォード側の内幕が描かれます。フォードから依頼を受けたキャロル・シェルビー(マット・デイモン)は、フェラーリ社に勝つため、車の開発や優秀なドライバーの獲得に奔走。そして、出会ったのが性格に難ありだけど天才的技術を持ったレーサーのケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)です。現場にいる2人のモータースポーツへの愛とプライドを、ビジネスの好機としてしか見ないフォード上層部。それは一般社会にも当てはまる現場vs.上層部といった展開です。そんななかで描かれる友情。すご腕なのに不器用すぎて世渡り下手なケンに根気よく付き合い、才能を引き出していくキャロル。男の熱い友情物語になりがちなところをケンの息子ピーターの存在によって深みが出ています。153分という長丁場ながらも手に汗握るカーレースシーン、リアルな音響、名優たちの演技と、カーレースに明るくない記者でも引き込まれました。そして、ル・マンの表舞台で脚光を浴びるはずだった幻のヒーロー、ケン・マイルズという人物に思いを巡らすのでした。「女性自身」2020年12月15日号 掲載
2020年12月07日来年4月に開催予定のアカデミー賞授賞式は、コロナ禍にもかかわらずバーチャル(オンライン)開催ではなく、従来通りに対面での開催&放送を予定しているという。「Variety」誌が報じた。例年2月の終わりの日曜日または3月の初めの日曜日に開催されている同授賞式。来年に関しては新型コロナウイルスの影響で、通常よりやや先の4月25日に開催日を設定したことをすでに発表済み。主催者の映画芸術アカデミーは、来年の春までには映画館の営業が再開し、より多くの作品が賞レースに参加できるように願っているとのこと。しかし、たとえそれまでに映画館が再開していなくても、いつも通りに授賞式を開催することを想定しているという。最近、同アカデミーは会場で3400座席を有するドルビー・シアターを訪問し、複数の選択肢を模索したようだ。対面での授賞式が開催されるとすれば、何人の候補者が参加できるか、あるいは参加を希望するかは不明。主演・助演賞にノミネートされる可能性がありそうな俳優たちには、アンソニー・ホプキンス(82)、ソフィア・ローレン(86)、エレン・バースティン(87)、メリル・ストリープ(71)など高齢者がずらり。感染した際の危険は否めない。(Hiromi Kaku)
2020年12月03日サンダンス映画祭2020で審査員特別賞新人賞を受賞したドキュメンタリー映画『フィールズ・グッド・マン』の日本公開が決定。日本版ティザービジュアルと特報映像も到着した。米アンダーグランド・コミック界で人気のアーティスト、マット・フューリーの漫画「Boy’s Club」は、チルでハッピーなキャラクターたちが繰り広げる若者のリアルな日常を描き、カルト的な人気を博した。しかし、その主人公ぺぺが放ったセリフ「feels good man(気持ちいいぜ)」が全ての始まりとなる。いつからか掲示板やSNSには、このセリフと共に“ネットミーム”として改変されたぺぺが溢れだし、2016年のアメリカ大統領選時には、匿名掲示板でオルタナ右翼たちが人種差別的なイメージとともにぺぺを大拡散、ADL(名誉毀損防止同盟)からヘイトシンボルとして正式認定。マットの思いとは裏腹にぺぺの乱用は加速し、トランプ大統領の誕生に一役買うまでに…。本作は、人気アーティストが生み出したキャラクター、カエルのぺぺが辿る数奇な運命と社会のいまを、アニメーションを織り交ぜて描き出したドキュメンタリー映画。本作の監督のアーサー・ジョーンズは、友人のマットを助けるために本作を製作した。映画には、Netflix「ボージャック・ホースマン」のリサ・ハナウォルトや、漫画家のジョニー・ライアンら気鋭クリエイターたちも登場する。到着した特報映像では、ペペをはじめとした「Boy’s Club」のキャラクターが、「手を洗おう!」「マスクをつけよう!」などと、いまの日常をユーモアに演じている。『フィールズ・グッド・マン』は2021年3月12日(金)よりユーロスペース、新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:フィールズ・グッド・マン 2021年3月12日よりユーロスペース、新宿シネマカリテほか全国にて公開©2020 Feels Good Man Film LLC
2020年11月18日歌手・米津玄師の「感電」が、週刊ザテレビジョン主催・第105回ドラマアカデミー賞において「最優秀ドラマソング賞」に選ばれた。「感電」は、TBS系金曜ドラマ『MIU404』の主題歌として米津が書き下ろした楽曲。綾野剛と星野源がW主演、『アンナチュラル』脚本家の野木亜紀子氏によるオリジナル脚本で、主演2人の小気味良いやりとり、個性の際立つ“4機捜”(警視庁刑事部・第4機動捜査隊)のメンバーが悩みながらも一歩ずつ前に進む迫真の演技に加え、劇中を彩る「感電」は回を重ねるごとに大きな話題となっていた。米津の楽曲が「最優秀ドラマソング賞」に選ばれるのは「Lemon」(TBS系金曜ドラマ『アンナチュラル』主題歌)、「馬と鹿」(TBS系日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』)に続き3度目。今回の受賞について米津は、「とても光栄です。『アンナチュラル』のチームとまた新たに関われたこと、そして役者の皆さんの演技によって楽曲をより輝かせてもらったことに感謝しております」とコメント。詳細なインタビューは、4日発売の『週刊ザテレビジョン』(KADOKAWA)にて掲載されている。「感電」のMVは現在再生数9,500万回を超えており、公開時に行われたYouTube企画が国内のクリエイティブアワード「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」内の「メディアクリエイティブ部門」にてグランプリ・総務大臣賞を受賞したばかり。
2020年11月04日村上春樹の短編小説「ドライブ・マイ・カー」が映画化。同作は第94回アカデミー賞にて日本映画初となる作品賞、脚色賞に加えて監督賞、国際長編映画賞にノミネートされる快挙を達成。そして、2022年3月28日(月)に開催された第94回アカデミー賞 授賞式にて、国際長編映画賞を受賞した。日本映画が同部門を受賞するのは滝田洋二郎監督の『おくりびと』以来13年ぶりだ。村上春樹の短編小説が「ドライブ・マイ・カー」映画化村上春樹が2013年に発表した短編小説「ドライブ・マイ・カー」。舞台俳優の家福(かふく)を主人公に、亡き妻の記憶が呼び起こす深い喪失感と仄かな希望を綴ったこの物語を、『寝ても覚めても』(カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品)、『スパイの妻〈劇場版〉』(ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞)で脚本を担当した気鋭・濱口竜介が映画化する。登場人物/キャストかねてから『ドライブ・マイ・カー』の映画化を切望していたという濱口のもとに集まったのは、実力を備えた豪華キャスト達。『サイレント・トーキョー』『奥様は、取り扱い注意』の西島秀俊を主演に、『ロマンスドール』の三浦透子、『さんかく窓の外側は夜』の岡田将生、『ノルウェイの森』の霧島れいかが、メインキャラクターを演じる。主人公・家福悠介(西島秀俊)舞台俳優・演出家。脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていたが、秘密を残したまま妻は死去。そして、演劇祭で演出のため、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで、寡黙な専属ドライバーみさきに出会う。家福の希望へと一歩踏み出す心の機微を、西島秀俊が繊細に表現する。渡利みさき(三浦透子)主人公・家福の愛車を運転するドライバー。寡黙でありながら、芯のある女性。みさきと過ごすことで、家福は目を背けていたあることに気づかされていく…。⾼槻耕史(岡田将生)家福の妻・音と親密そうな気配を漂わせる 俳優。物語を大きく動かすキーパーソン。家福⾳(霧島れいか)秘密を抱えたままこの世を去った、家福の妻。脚本家。日本映画史上初、第94回アカデミー賞で作品賞&脚色賞にノミネート映画『ドライブ・マイ・カー』は、第94回アカデミー賞にて作品賞・脚色賞・監督賞・国際長編映画賞の全4部門にノミネート。作品賞・脚色賞にノミネートに日本映画がノミネートされるのはアカデミー賞史上初の快挙となり、映画史に新たな歴史を刻む作品となった。なお、監督賞ノミネートは1986年の黒澤明監督映画『乱』以来、国際長編映画賞は2019年の是枝裕和監督映画『万引き家族』以来となる。第94回アカデミー賞で国際長編映画賞『おくりびと』以来13年ぶり3月28日(月)開催の第94回アカデミー賞 授賞式で、映画『ドライブ・マイ・カー』は国際長編映画賞を受賞。日本映画が同部門を受賞するのは滝田洋二郎監督の『おくりびと』以来13年ぶりだ。<濱口竜介監督 国際長編映画賞 受賞コメント>Thank you very much. Ohh..You are the Oscar.アカデミーの皆さまへ感謝いたします。ヤヌスフィルムとサイドショウとワーナーメディア150とシネティック、この映画をアメリカに持ってきてくれてありがとう。ここにいる出演者のみなさんに感謝します。⻄島秀俊さん、岡田将生さん、霧島れいかさん、パク・ユリムさん、ジン・デヨンさん、アン・フィテさん、ソニア・ユアンさんおめでとうございます!また、ここに来れなかった出演者のみなさんにも感謝します。特に赤いSAAB900を見事に運転してくれた三浦透子さんに感謝します!みなさん獲りました!第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞なお、第74回カンヌ国際映画祭では、日本映画として初となる脚本賞を受賞。また授賞式を前に発表された同映画祭の独立賞である国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞も獲得した。国際映画批評家連盟賞を日本映画が受賞するのは黒沢清監督『回路』以来20年ぶり。また、AFCAE賞は、これまでにパルムドール受賞作『パラサイト 半地下の家族』などの受賞歴がある名誉ある賞だ。第79回ゴールデングローブ賞で非英語映画賞受賞(旧外国語映画賞)また第79回ゴールデングローブ賞においては、<非英語映画賞受賞(旧外国語映画賞)>を受賞。日本映画として、同映画賞の外国語映画賞にノミネートされる日本映画は、是枝裕和監督『万引き家族』(2019)以来3年ぶりの出来事であり、受賞は62年ぶりだ。第56回全米批評家協会賞では、作品賞、監督賞(『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』の2作品に対して)、脚本賞、主演男優賞の主要4部門を受賞。第45回日本アカデミー賞8部門で優秀賞第45回日本アカデミー賞では、作品賞を含む最多8部門で最優秀賞を獲得し、賞レースを席巻した。<映画『ドライブ・マイ・カー』あらすじ>舞台俳優であり、演出家の家福悠介。彼は、脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう――。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさきだった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく…。◆作品詳細映画『ドライブ・マイ・カー』公開日:2021年8月20日(金) TOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショー監督・脚本:濱口竜介出演:西島秀俊、三浦透子、岡田将生、霧島れいか原作:村上春樹「ドライブ・マイ・カー」2013年初出、短編小説集『女のいない男たち』(文春文庫、2014年)所収配給:ビターズ・エンド
2020年11月01日「バットマン」の悪役として知られるジョーカーの誕生秘話が描かれた映画『ジョーカー』。ホアキン・フェニックスがアカデミー賞主演男優賞、女性チェリストのヒドゥル・グドナドッティルが同作曲賞を受賞した本作のフィルムコンサートが日本で初開催されることが決定した。DCコミックで登場する“悪のカリスマ”ジョーカーを主人公とした本作で初めて語られたジョーカー誕生の理由。コメディアンを夢見る、孤独だが純粋で心優しい男が悪のカリスマへとなぜ変貌したのか。弱者に無関心な社会に見捨てられた男の内面をリアルな人間ドラマとして描き、2019年に上映後、日本国内で興行収入50億円超、動員数343万人を記録し、アカデミー賞主演男優賞・作曲賞(※ノミネートは同年最多11部門)、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞、日本アカデミー賞最優秀外国作品賞はじめ数多くの賞を受賞、R指定の作品としては史上最高の興行収入1,000億円を突破し、各国で社会現象ともなった。その衝撃作のフィルムコンサート「JOKER LIVE IN CONCERT」は、映画の全編を超巨大スクリーンと高質なサウンドシステムを用いて上映し、さらにフルオーケストラのライブ演奏が伴う究極の観劇体験。アイスランドの人気グループ「mum(ムーム)」の主要メンバーであり、チェリストのヒドゥル・グドナドッティルが作曲を手掛け、第77回ゴールデングローブ賞作曲賞、第92回アカデミー作曲賞を受賞した本作の楽曲が、大スクリーンで流される本編映像にシンクロ、豪華フルオーケストラによって生演奏されていく。アカデミー賞受賞チェリスト&監督からコメント到着ヒドゥル・グドナドッティル(音楽)息を飲むようなオーケストラの演奏による、美しいトリップ体験――本公演を通じて、観客とそんな時間を共有できることをうれしく思う。トッド・フィリップス(監督)映画『JOKER』の製作に関わった全ての人々に代わって、本公演が実現することへの喜びと興奮を代弁したい。「JOKER LIVE IN CONCERT」は、ヒドゥル・グドナドッティルの楽曲の数々に没入し、狂気へと堕ちていく主役ホアキン・フェニックスを目撃する、究極の観劇体験だ。「JOKERLIVE IN CONCERT」は2021年2月20日(土)19時~、21日(日)13時~/18時~、東京国際フォーラムホールAにて上演。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2020年10月30日現在、全国にて公開中の河瀬直美監督作『朝が来る』が、「第93回米国アカデミー賞」国際長編映画賞部門の日本代表作品に決定したことが分かった。直木賞・本屋大賞受賞作家の辻村深月の29万部を超える感動ヒューマンミステリー小説を、永作博美、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子ら出演で映像化した本作。実の子を持てなかった夫婦と、実の子を育てることができなかった少女を繋ぐ「特別養子縁組」によって、新たに芽生える家族の美しい絆と胸を揺さぶる葛藤が描かれる。カンヌ常連の河瀬監督は、本作でもカンヌ国際映画祭【CANNES2020】に公式選出され、その後、トロント国際映画祭をはじめ、サン・セバスティアン国際映画祭、釜山国際映画祭で上映が決定しているほか、北米・アメリカでの配給も決まり、フランス、スペイン、北欧、ブラジル、中国、韓国など、すでに26の国と地域で配給される予定だ。受賞に向けては、各国の代表作品の中から、ノミネート5作品が選定。近年では、是枝裕和監督作『万引き家族』が国際長編映画賞(従来の名称で外国語映画賞)にノミネートされている。このたびの選出を受けて河瀬監督は「本作品が描く、どんなことがあっても必ず朝は来ると思える希望の光を、日本代表として栄えある米国アカデミー賞国際長編映画賞部門の枠へ届けられることを誇りに想います」と喜びのコメントを寄せている。■河瀬直美監督コメント全文本作品が描く、どんなことがあっても必ず朝は来ると思える希望の光を、日本代表として栄えある米国アカデミー賞国際長編映画賞部門の枠へ届けられることを誇りに想います。撮影中、共に創りあげた俳優陣は、役を「生きる者」としてそこにあり、流す涙や心からの微笑みで嘘のない「本当」を作品に刻みました。映画を創るということは私にとってもうひとつの人生のようで、そこに降りそそぐ光や吹く風に勇気や希望を見いだします。子供のいない高齢の夫婦の元で両親を知らない私は養女として迎えられ、この生を慈しむことを知りました。運命的に出逢った本作品「朝が来る」には私が見てきたこの世界の闇と光が存在します。コロナ禍にあって、皆さんの生活が脅かされ、心が疲弊するとき、本作品に出逢っていただく時間は、少なからず「希望」を感じていただけるものとなりました。世界中の人々がその「希望」の光を持って、誰かに少しでも優しくなれる時間が訪れますように。明けない夜はない!大切な誰かと一緒に全国の映画館へ、公開中の「朝が来る」に出逢いに来ていただけると幸いです。映画監督河瀬直美第93回米国アカデミー賞授賞式は現地時間2021年4月25日(日)、日本時間4月26日(月)に開催予定。『朝が来る』は全国にて公開中。※河瀬直美の「瀬」は、正しくは旧字体(cinemacafe.net)■関連作品:朝が来る 2020年10月23日より全国にて公開©2020『朝が来る』Film Partners
2020年10月29日映画『浅田家!』(10月2日公開)の大ヒット御礼舞台挨拶が15日に行われ、二宮和也、中野量太監督が登場した。同作は写真家・浅田政志とその家族を映画化した映画。4人家族の次男として生まれた政志(二宮和也)が、家族それぞれが“なりたかった自分”をテーマにコスプレで家族写真を収めた写真集「浅田家」が、第34回木村伊兵衛写真賞を受賞しプロとして活動を始めた最中、東日本大震災が起こる。政志は津波で泥だらけになってしまったアルバムや写真を洗浄、元の持ち主に返すボランティア活動をする人々を約2年間にわたって撮影していく。会場に集まった約160名の観客から盛大な拍手で迎えられた二宮と中野監督は、笑顔で登壇し、冒頭の挨拶では「初登場1位だと聞いたときはすごく嬉しかったです。僕たちが作り上げたものを観てもらえればそれでいいと思っていましたが、やはり嬉しいですね」と大ヒットへの感謝の思いを明かす。壇上に用意された、すでに映画を見た観客からのコメントを抜粋した特大パネルボードを見た二宮は「家族を誘って観に行ってもらえることが嬉しい」と話し、一つ一つのコメントを丁寧に読みながら、「これでも1部なんてありがたいですね……」と、しみじみと感じている様子だった。さらに、第36回ワルシャワ国際映画祭「国際コンペティション部門」に出品されている本作のプレミア上映が14日に開催されたことが発表されると、会場からは大きな拍手が。 二宮は「国際映画祭に出品されるのはご褒美だと思っているので、まずは日本でたくさんの人が劇場に足を運んでくれることが僕にとっては嬉しいです」と語った。続いて、本作のテーマでもある“写真”に絡めて「人生の転機となった写真」について聞かれた二宮は「僕は間違いなく事務所に送った写真ですね」と笑顔で答える。また、中野監督は「写真じゃなくて手紙でもいいですか?」と断った上で「二宮さんにもらった手紙がこの作品の転機となりました。僕が『湯を沸かすほどの熱い愛』という作品で、日本アカデミー賞の授賞式に出席した際に、プレゼンテーターが二宮さんで、その際に作品名を『湯を沸かすほどの熱い夏』と言い間違えてしまったんです。後日、二宮さんから『間違ってしまって申し訳ございません。僕にできることでしたら何でもします』という旨のお手紙をいただいて……」とまさかの回答。中野監督はさらに「僕は昔から二宮さんが好きでした! 本作の出演を二宮さんにお願いしたところ、本当に役を受けてくれたんです」と告白し、二宮は「僕はもし中野監督から出演のお話をいただいたら、どんなに忙しくても絶対に断らないと決めていたので、台本も読まずに二つ返事でした」と真剣な眼差しで振り返っていた。最後に二宮は「僕らが伝えたいことは、今は簡単に写真が撮れるけど形に残そう、とかいうことではなくて、大切な人はいつかいなくなるし、時間も過ぎていく…、それを踏まえて形に残そうとした家族がいたんだと。『いい家族だな、自分もやってみたいな』と思うだけでも、自分も家族を大事にしていることにつながると思うので、自分の環境も変わると思います」と改めて作品の魅力をアピールし、笑顔で舞台挨拶を終えた。
2020年10月15日第72回カンヌ国際映画祭にて、『レ・ミゼラブル』と共に審査員賞を受賞する快挙を成し遂げた怪作『バクラウ地図から消された村』が日本公開決定。メイン写真が到着した。村の長老である老婆カルメリータの死をきっかけに、故郷の村バクラウに戻ったテレサ。しかし、その日から村では不可解なことが次々に起こり始める。突然、村はインターネットの地図上から姿を消し、上空には正体不明の飛行物体が現れる。村の生命線である給水車のタンクに何者かが銃を撃ち込み、村外れでは村人が血まみれの死体で発見される。めったに現れないはずの他所者の来訪、それは血で血を洗う暴力と惨劇の幕開けだった――。本作の監督は、『アクエリアス』で世界最高峰のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出され、その年の映画界を席巻したブラジルの俊英クレベール・メンドンサ・フィリオ。本作で描くのは、現代社会に警鐘を鳴らす、暴力に彩られた寓話的世界。『アクエリアス』から引き続き、『蜘蛛女のキス』でその名を国際的に知らしめたソニア・ブラガ、ブラジルを代表する若手女優バルバラ・コーレンが出演し、ラース・フォン・トリアー作品の常連としても知られる怪優ウド・キアら国際色豊かなキャストが出演している。また本作は、カンヌ国際映画祭では、審査員賞を受賞しブラジルに初めての栄冠をもたらし、シッチェス・カタロニア国際映画祭で3冠を達成したほか世界各国の映画祭・映画賞を席巻。フランスの有名映画誌「カイエ・デュ・シネマ」2019年ベスト10で外国映画としては『パラサイト』に次ぐ第4位に選ばれた話題作。そして本作は、映画監督ジョン・カーペンターの楽曲を使用しており、ジャンル映画の巨匠へオマージュが捧げられている。『バクラウ地図から消された村』は11月28日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:バクラウ 地図から消された村 2020年11月28日よりシアター・イメージフォーラムにて公開© 2019 CINEMASCÓPIO – SBS PRODUCTIONS – ARTE FRANCE CINÉMA
2020年10月09日