「知られていないだけで、老後の生活で、いざというときに役立つ公的制度はいくつもあります。とくに、介護費や医療費の自己負担額を軽減できる制度は知っておいたほうがいいでしょうね」こう語るのは生活総合情報サイト「All About」ガイドの介護アドバイザー・横井孝治さん。“人生100年時代”といわれるなか、自分の老後に不安を抱えている現役世代も多いだろう。特に、長い老後に備えるためにいったいいくら貯めればいいのか、頭を悩ませている人も多いのでは?しかし、そんな不安を和らげる公的制度は、じつは多数存在する。これらを賢く使いこなせば、老後の支出を減らし、おトクな生活ができると、横井さんは解説する。「老後の介護費、医療費の自己負担額を軽減するステップは3段階に分けられます。まず、介護保険と医療保険を利用すると、利用者の所得に応じて、自己負担は1~3割で済む。これを建物にたとえると1階部分にあたります。ところが、多くの医療、介護サービスを受けると、それでも負担額はかなり大きくなります」(横井さん・以下同)そこで利用できるのが、一定の金額以上の自己負担額が払い戻される制度。「医療保険には『高額療養費』、介護保険には『高額介護(予防)サービス費』という制度があります。どちらも所得に応じて自己負担の上限額を定める制度で、もし上限額を超えてしまった場合、自治体に申請をすれば、超過した分が後で払い戻されるのです。これが建物でいう2階部分なのです」さらに、これらの支給を受けても、まだ自己負担が苦しいという場合、最後は3階部分にあたる「高額介護合算療養費」という制度が存在する。「これは、同一世帯で医療保険と介護保険の自己負担額を合算して計算し、限度額を超えた場合は、超えた分が支給されるもの。かなり助かる制度です」たとえば、住民税課税世帯の75歳以上の平均的な年金収入のある夫婦なら、夫が高額介護サービス費(自己負担の限度額が年間44万6,400円)、妻が高額療養費(入院を含む自己負担の限度額が、年間57万2,400円)をフルで利用した場合、1年間で合計101万8,800円の自己負担額に。しかし、高額介護合算療養費制度を利用すると、限度額56万円を超えた、45万8,800円が支給されるので、ほぼ半額の負担で済む。ただし、夫婦の年齢が離れていて、妻が国民健康保険で、夫が後期高齢者医療保険といった場合、単純に合算できず、複雑な計算が必要になるので注意が必要だ。老後を助ける公的制度はまだまだある。将来への不安を抱えている人は、老後資金を助ける制度を覚えておいても損はない。■老後資金を助ける制度【生活福祉資金貸付制度】低所得者や障害者、65歳以上の高齢者世帯を対象に、全国の社会福祉協議会が実施する貸付制度。たとえば、介護サービスを受けるために必要な経費や生計を維持するための資金の貸し付けなどを行っている。保証人、用途や金額などによっては無利子になる場合も。【不動産担保型生活資金】「生活福祉資金貸付制度」のひとつで自宅を担保にお金を借りられる。貸付限度額は土地の評価額の70%程度で、月30万円以内。貸付期間は借受人の死亡時、あるいは貸したお金と利息が限度額に達するまで。貸付利子は年利3%、または長期プライムレート(現在1%)のいずれか低い利率。【年金担保融資】年金受給者が対象。たとえば、年金収入が200万円であれば、160万円まで融資される(年金額の0.8倍以内)。急な入院などで、まとまったお金が必要になったときに借りられる。返済は2年6カ月以内で、年金支給額から差し引かれる。1回あたりの返済額は年金支給額の3分の1以下で1万円単位。【年金の繰上げ受給】老齢年金は原則として65歳からの受給だが、希望すれば60歳から繰り上げて年金を受けることができる。ただし、繰上げ支給の請求をした時点(月単位)に応じて年金が減額され、減額率は一生変わらない。1カ月繰り上げるごとに0.5%減。60歳まで繰り上げると30%減。また、高齢者になれば、公共交通機関の割引制度や、運転免許を返納した場合の特典なども受けることができる。これらを活用すれば、現役世代よりも生活費を減らすことができるのだ。■公共料金の割引など【シニア向け優待サービス】映画館や美術館のシニア割引が身近だが、公共交通機関にも、シルバー会員制度などがある。たとえばJR西日本の「ジパング倶楽部」は、女性は60歳から3,770円の年会費で加入ができて、年間20回まで全国JRのきっぷを最大30%引きで購入できる。【シルバーパス】各自治体が発行しているシルバーパス。バスを無料、あるいは少ない額で利用できる。取得できる年齢や負担金は自治体によって違う。【免許返納特典】運転免許証を自主返納すると、運転経歴証明書の交付を申請できる。これを所有している高齢者は、タクシー代の割引や、デパートの配送料が無料になったり、指定の商店などでの買い物が割引される。特典は、各自治体によって異なる。「元気なうちはいいですが、病気や介護が必要な状態になれば、想像以上にお金がかかります。有料老人ホームなどの施設に入る場合、入居一時金などを含めてトータルで1,000万円を超えることも多い。限られた老後資金を有効に活用するためには、公的制度を利用し、無駄な費用をどうやって抑えるかが大切になってきます」逆に、老後資金の計画を立てるときは、こういった制度の活用を前提にしよう。そうすれば、“人生100年時代”とはいえ、天文学的な金額にはならないはずだ。
2019年03月25日保険会社はとにかく不安をあおって、不要な保険に勧誘しがち。為替リスクがあったり、そもそも手数料が高く設定されていたり、公的な制度で十分なことも。大事な虎の子、奪われないで!「『2人に1人はがんになる時代です』と言われると不安のあまり、医療保険やがん保険に入りたくなります。さらに、『預金ではお金が増えません』と言われ、老後資金を準備するため、終身保険などに入る人もいます。長生きリスク、認知症などあらゆる“不安”をかきたてられて、営業マンに勧められるまま、たくさんの保険に加入し、1カ月で何万円も費やしている人を見かけます。老後が長くなるこれからの時代、なるべく早いうちに『本当に必要な保険』を見極める必要があります」そうアドバイスするのは、『「保険のプロ」が生命保険に入らないもっともな理由』(青春新書プレイブックス)の著者で「保険相談室」代表の後田亨さん。すべての保険が「ムダ」というわけではない。たとえば、自転車の賠償責任保険や、火災に備える保険など、巨額のお金が必要になるケースには保険が役立つという。「子どもが大学を卒業するまでといった一定期間の死亡に備える『定期保険』、病気で長期間仕事ができなかったときに備える『就業不能保険』、または相続対策のために加入する『終身保険』などは、検討に値する保険といえますが、ほかの保険はどうしても必要とは思えません」(後田さん・以下同)必要性が疑われる保険に保険料を支払い続けるよりも、貯蓄も含めて、有効なお金の使い道を選んだほうがいいという。「子どもが独立する前であれば、生活費や学費がかかりますので、公的な遺族年金の不足分を死亡保険金でまかなう、という方法もありますが、すでに独立していれば、妻の生活費だけ考えればいいので、保険は必要ないでしょう。まずは受け取れる遺族年金がいくらになるか計算すること」遺族は受け取る死亡保険金は、一定額、非課税になるので、終身保険は相続対策には有効だが、葬式を挙げる程度の死亡保険金であれば、中途解約時にお金が減るリスクなどもあるので、現金で持っていてもいいという。■“2人に1人はがんになる”と病気への不安をあおる言葉に注意入院一時金、入院・手術給付金などが受け取れる「医療保険」も不要だという。加入が義務づけられている健康保険によって、治療費に何十万円、何百万円とかかっても、治療費の自己負担額3割の上限を超えたら、超過分が払い戻される「高額療養費制度」が使える。平均的な所得の世帯で1カ月100万円の医療費がかかったとしても、自己負担分は約9万円で済む。「最近は入院期間が短くなってきているので、入院給付金が受け取れるタイプの医療保険に加入しても、保険を請求する機会が減ってきています。また、『2人に1人はがんになる時代』と、がんへの不安をあおって、『がん保険』への加入も勧められますが、そもそも2人に1人ががんにかかるのは、男女ともに80歳以降からなのです。しかも、高額療養費制度はがん治療にも適用されます。複数の保険会社の調査や医療関係者の情報では、一般的な費用負担は50万円程度のことが多いです」最近は、「65歳以上の5人に1人は認知症になる」などと認知症へのリスクに備える「介護・認知症保険」が登場している。認知症と診断されたら一時金がもらえる、年額60万円など年金で受け取れるタイプがあるが、50代以降で加入すると保険料が高くつく。また、現在50歳の人が加入したとすると、認知症になって一時金が受け取れるのは30年ぐらい先の話なので、お金の価値も変わり、医療も進歩している可能性がある。加入後の健康状態で保険料が再計算されたり、還付金が受け取れたりする「健康増進型」の医療保険もあるが、健康増進のための努力は保険契約に縛られなくてもいいはずだ。それでも医療保険に入りたいという人には、保険料が掛け捨ての「都道府県民共済」がある。「『入院保障2型』では、月々2,000円の掛金で、1日1万円の入院給付金があります。剰余金は『割戻金』として、例年30%くらい、加入者に還付されていますから、実質的な掛金は月1,400円程度で済みます。老後までの期間、共済で負担を抑え、その後は健康保険を利用するのが一番と考えても大丈夫です」公的保険や公的年金など、将来受け取れるお金を計算してみると、それを補う預貯金があれば十分だということがわかる。さまざまな“不安”をあおる言葉に気をつけて!
2019年02月20日過去に大病を患った人でなくても「高額療養費制度」は必ず知っておくべき知識。制度を熟知することで、あなたの“老後の不安”が一つ消えるかもしれない--。「重篤ながんになったとしても“医療費が払えなくて苦労した”という声はあまり聞きません。日本には『高額療養費制度』という、収入に応じて上限を設けて医療費の負担を抑えてくれる制度がありますから、一般的な保険診療であれば“実費で数百万円”なんてことにはならないのです」こう語るのは、NPO法人「がんと暮らしを考える会」理事長・看護師の賢見卓也さん。「ただし、すべて“病院におまかせ”というわけにはいきません。基本的に、こういった制度は、加入者自らが保険者(健康保険組合や協会けんぽ、国民健康保険など)に申請する必要があるからです。とりわけがん患者となると、診断直後は、家族みんなで慌ててしまうこともあるでしょう。だからこそ、元気なうちから、医療費についての制度とその手続きの仕方について十分に知っておいていただきたい」賢見さんと社会保険労務士で同会理事でもある石田周平さんの2人に、月収に応じて5つに区分されている「自己負担限度額」について教えてもらった。【「自己負担限度額」の早見表】医療費100万円、自己負担(窓口支払い)30万円(3割適用)の場合□所得区分(ア)標準報酬月額:83万円以上(報酬月額81万円以上)/自己負担限度額:25万4,180円、支給額:4万5,820円/多数回該当の限度額:14万100円□所得区分(イ)標準報酬月額:53万~79万円(報酬月額51万5,000円以上~81万円未満)/自己負担限度額:17万1,820円、支給額:12万8,180円/多数回該当の限度額:9万3,000円□所得区分(ウ)標準報酬月額:28万~50万円円(報酬月額27万円以上~51万5,000円未満)/自己負担限度額:8万7,430円、支給額:21万2,570円/多数回該当の限度額:4万4,400円□所得区分(エ)標準報酬月額:26万円以下(報酬月額27万円未満)/自己負担限度額:5万7,600円、支給額:24万2,400円/多数回該当の限度額:4万4,400円□所得区分(オ)低所得者・市区町村税の非課税者など/自己負担限度額:3万5,400円、支給額:26万4,600円/多数回該当の限度額:2万4,600円※「報酬月額」は一般的な月収。過去1年間に3カ月以上の自己負担限度額を支払った場合、4カ月目から「多数回該当」となり、月当たり上記減額が適用される。監修:石田周平さん「自己負担限度額」について、詳しい数字を見ていこう。■自分の収入から「自己負担限度額」を確認する「高額療養費制度では、基本的に『自己負担限度額』以上を支払う必要はありません。たとえば月収50万円の世帯であれば、医療費が100万円かかったとしても、1カ月の上限である8万7,430円で済むわけです」(石田さん)その仕組みは、「自己負担限度額」の早見表のとおり。条件はすべて「医療費100万円、自己負担30万円」の場合だ。月収(報酬月額)は、区分(ア)「81万円以上」から(オ)「低所得者や非課税者」までの、5段階に分かれているので、自分が該当する世帯区分を確認してみてほしい。たとえば区分(ウ)は月収27万~51万5,000円の世帯が対象で、標準報酬月額は28万~50万円となり、自己負担限度額は8万7,430円になるとわかる。つまり自己負担の30万円から自己負担限度額8万7,430円を差し引いた21万2,570円が、高額療養費の支給額となる。■「戻ってくるお金がゼロ」になるケースがある「医療費は、すべて『暦月単位』(2月なら「1~28日」まで)で計算されます。たとえば月をまたいで翌月まで入院などをした場合は、当月と翌月の医療費が発生することになり、それは高額療養費の考え方では合算されません。するとそれぞれの月で自己負担限度額に満たないケースが生まれ、高額療養費の制度は使えなくなってしまうのです」(石田さん)医療費50万円、自己負担(窓口支払い)計15万円(3割適用)、自己負担限度額8万2,430円の場合。月またぎで治療した場合、自己負担額の合算はできない。全額を月の1日~末日に支払えば6万7,570円還付されるが、月を真ん中でまたぐと0円に!そうなるとこの約7万円の差に“月初めの入院や月末の退院”を希望する人もいるかもしれないが、賢見さんは「それはおすすめできない」として続ける。「あくまで病気などの治療が目的ですから、“1日から入院”など計画的手段がいいはずがない。必ず医師に相談してください」
2019年02月13日「重篤ながんになったとしても“医療費が払えなくて苦労した”という声はあまり聞きません。日本には『高額療養費制度』という、収入に応じて上限を設けて医療費の負担を抑えてくれる制度がありますから、一般的な保険診療であれば“実費で数百万円”なんてことにはならないのです」こう語るのは、NPO法人「がんと暮らしを考える会」理事長・看護師の賢見卓也さん。「ただし、すべて“病院におまかせ”というわけにはいきません。基本的に、こういった制度は、加入者自らが保険者(健康保険組合や協会けんぽ、国民健康保険など)に申請する必要があるからです。とりわけがん患者となると、診断直後は、家族みんなで慌ててしまうこともあるでしょう。だからこそ、元気なうちから、医療費についての制度とその手続きの仕方について十分に知っておいていただきたい」社会保険労務士で同会理事でもある石田周平さんは次のように話す。「高額療養費制度では、基本的に『自己負担限度額』以上を支払う必要はありません。たとえば月収50万円の世帯であれば、医療費が100万円かかったとしても、1カ月の上限である8万7,430円で済むわけです」(石田さん)過去に大病を患った人でなくても「高額療養費制度」は必ず知っておくべき知識。制度を熟知することで、あなたの“老後の不安”が一つ消えるかもしれない。そこで賢見さんや石田さんが何度も質問されたことがあるという、高額療養費についての“素朴な疑問”を紹介。【Q1】高額療養費は年何回まで?「回数制限はありませんので、最大で『年12カ月(回)』です。ちなみに自己負担額が過去1年間に3カ月(3回)以上、高額療養費に該当していた場合、4カ月(4回)目からは自己負担限度額が少なくなります」(石田さん)【Q2】高額療養費には時効がある?「診療を受けた日の翌月1日から丸2年間で、高額療養費は消滅します。制度自体を知らなかったり、治った病気のことは忘れてしまったりする人もいますので、各保険者から年数回、郵送される明細『医療費のお知らせ』をしっかりと見ておいてください」(賢見さん)【Q3】入院中の差額ベッド代は?「入院費で保険適用になっていないのが個室代(4床以下の部屋が個室扱い)と食事代で、全額自己負担。保険適用になるのは6人部屋のみです。ただし例外もあり、人を感染させる可能性のある症状や、感染しやすい状態で、個室入院が必要と病院が判断した場合は、請求はされません」(賢見さん)【Q4】家族全員分の医療費を申請する「世帯合算」って何?「世帯のうち2人以上が同月に病気やケガをして受診した場合、1人が複数の病院で受診した場合、1人が同じ病院の『入院』と『外来』を受診した場合は、各2万1,000円を超える自己負担額を世帯で合算することができます。ただし、2人以上の合算をする場合、全員が同一の保険者に所属していなければなりません。共働きで夫婦が違う保険者に加入していれば“世帯合算は無効”となりますので注意してください」(石田さん)最後に賢見さんはこう語る。「『高額療養費』という言葉は知っていても、実際の利用方法は、初めて目にする方も多いはずです。保険者によっては個々のケースで条件が大きく異なることもあるし、制度の改定もあるでしょう。不明点が出るたびごとに、問い合わせることをおすすめします」
2019年02月13日「生命保険のCMとかでさかんに言われているけど、がんみたいな大きな病気で入院して、手術までするとなったら、急に大金が必要になるんでしょうかね……」50代の主婦がため息まじりにそう話す。かといって、50代から新たに医療保険に入るのも、家計に響くと嘆く。「実際はそうではなく、たとえ重篤ながんになったとしても“医療費が払えなくて苦労した”という声はあまり聞きません。日本には『高額療養費制度』という、収入に応じて上限を設けて医療費の負担を抑えてくれる制度がありますから、一般的な保険診療であれば“実費で数百万円”なんてことにはならないのです」こう語るのは、NPO法人「がんと暮らしを考える会」理事長・看護師の賢見卓也さん。「ただし、すべて“病院におまかせ”というわけにはいきません。基本的に、こういった制度は、加入者自らが保険者(健康保険組合や協会けんぽ、国民健康保険など)に申請する必要があるからです。とりわけがん患者となると、診断直後は、家族みんなで慌ててしまうこともあるでしょう。だからこそ、元気なうちから、医療費についての制度とその手続きの仕方について十分に知っておいていただきたい」賢見さんと社会保険労務士で同会理事でもある石田周平さんの2人に、高額療養費制度の使い方について教えてもらった。医師に「高額な医療費がかかる」と知らされた段階で、高額療養費制度の申請をする場合、次の3つのステップを順に検討することになる。【ステップ1】事前申請で「限度額適用認定証」を入手「治療に高額な医療費が予想される場合、前もって保険者に『限度額適用認定証』発行の申請をすれば、その後の手続きを簡素化することができます」(石田さん)申請書の用紙は、各病院の備え付けやHPからのプリントアウトで入手できる。これに記入し、保険者に郵送することに。「手続きに1カ月かかることもありますが、送られてきた限度額適用認定証を保険証と併せて病院窓口で提示すれば、毎月の支払いは、自動的に“自己負担限度額まで”で済むようになります」【ステップ2】無利子の「資金貸付制度」を利用する「先の限度額適用認定証をもらうことが最善の方法ですが、もし手続きが間に合わない場合は、『高額療養費資金貸付制度』を利用してみてください」(石田さん)協会けんぽでは、高額療養費の支給見込額の8割相当、国民健康保険ではほとんどの自治体が9割相当、健康保険組合では8~9割相当を貸し付けてくれて、直接病院に払い込んでくれる。「たとえば、100万円の医療費がかかった場合、自己負担額(窓口支払い)30万円から、自己負担限度額8万7,430円を引いた額の21万2,570円が高額療養費に該当します。ここで貸付制度を利用した場合は19万1,000円(9割貸し付け・100円以下切り捨て)が貸付金となりますから、高額療養費から19万1,000円を引いた2万1,570円と自己負担8万7,430円を足した10万9,000円を、窓口で支払うことになります」【ステップ3】窓口で自己負担分を支払った後に高額療養費を申請「事前申請や貸付制度を知らずに、自己負担の全額を支払い終えてしまっている場合は、事後申請の手続きをすることになります」(石田さん)退院時などに窓口で自己負担分(3割)をいったん支払い、その後、保険者に連絡して払い戻しを受けるという手順。「通常、病院から保険者への請求は翌月になります。そこから保険者の手続きには1カ月ほどかかりますから、高額療養費分が還付されるのは、約3カ月後というスパンになるでしょう」(賢見さん)これらステップ(1)~(3)の申請は、保険者によって差異があるものなので、少しでもわからないことがあれば、自分が所属する保険者に直接電話で問い合わせをしたほうがよいだろう。過去に大病を患った人でなくても「高額療養費制度」は必ず知っておくべき知識。制度を熟知することで、あなたの“老後の不安”が一つ消えるかもしれない。
2019年02月13日平成30年8月から高額療養費制度について改正が行われました。今回の改正の大きなポイントとしては「70歳以上の者の高額療養費の所得区分の細分化」がおこなわれた点にあります。従来の高額療養費制度では、70歳以上の者については、所得に応じて3つの区分に分けて高額療養費の計算を行っていましたが、今回の改正によって、70歳以上の者の高額療養費の所得の区分が6つに変更されました。具体的には、上位所得者に当たる人の所得区分を3つに細分化し、低所得者層も2つの区分に分けることになり、70歳未満の者の所得区分に近づける形に区分が改編されました。今回は、70歳以上の者の高額療養費制度の仕組みを解説したうえで、改正によって大きく変化した所得区分について詳しく説明します。平成30年度改正による高額療養費制度の変更点まず、今回の改正によって70歳以上の者の高額療養費制度の何が変わったのかについて、詳細を解説していきます。高額療養費の自己負担額の上限額の変更(現役並み所得者の区分による負担割合の細分化)今回の改正によって、70歳以上の者の高額療養費の上限額についての所得区分が3区分(上位所得者・一般所得者・低所得者)から6区分(現役並み所得者Ⅰ~Ⅲ・一般所得者・低所得者Ⅰ・Ⅱ)に変更になりました。これは、70歳以上の者についても、働き方の多様性により、現役並みの所得を有する人と現役並みではないが、就労していることで年金のみを受給している人よりも収入がある人が同じ区分で高額療養費の計算を行うことは、公平性に欠けるとの見方から3つの区分に分けることで、医療費負担の公平性を保つことが狙いといわれています。平成30年8月以降の高額療養費の自己負担の上限額参考:全国健康保険協会HP「高額療養費・70歳以上の外来療養にかかる年間の高額療養費・高額介護合算療養費」より70歳以上の高額療養費制度の仕組み70歳以上の高額療養費計算の仕組みは、70歳未満の場合とは異なり、外来診療に支払った医療費についても、別で上限額を設けています。今回の改正により、従来の「現役並み所得者・一般所得者・住民税非課税等所得者」の3つの区分で判断されていたもののうち「現役並み所得者」と「住民税非課税等所得者」の区分が細分化されています。70歳以上の者の高額療養費の計算の流れ70歳以上の者の高額療養費の計算については、70歳未満の者の高額療養費の場合とは大きく異なり、外来診療に関する医療費の自己負担分について、別で上限額の設定がされています。自己負担額の合計を世帯合算分と外来療養の支払い分とに区分する70歳以上の高額療養費計算の流れとして、最初に「外来診療(個人単位)」にかかる自己負担分の払い戻し計算を行います。その上で、残る自己負担額と入院分の自己負担額を世帯単位で合算し、「入院(入院外来)・外来(世帯ごと)の自己負担限度額」から払い戻し額を計算します。窓口負担を行う際の注意点窓口負担を行う際に注意しなければならない点としては、改正が行われた平成30年8月以降に支払った医療費について、現役並み所得者Ⅰ・現役並み所得者Ⅱに区分される者については「限度額適用認定証」が発行されますが、それ以外の所得区分の者(現役所得者Ⅲ、一般所得者、低所得者Ⅰ・Ⅱ)については限度額適用認定証の発行は行われません。社会保険としての全国健康保険協会(以下「協会けんぽ」)や健康保険組合と国民健康保険の場合の自己負担限度額協会けんぽや健康保険組合が行う高額療養費の自己負担限度額と国民健康保険が行う高額療養費の自己負担限度額については、自己負担限度額は同じです。そのため、保険者が異なるからといって、高額療養費の自己負担限度額が異なるといったことはありません。また、計算方法についても、同様の方法で行われるため、高額療養費の金額に違いはありません。70歳以上の者の所得区分による高額療養費算定基準額の具体例ケース1:適用区分が現役並み所得者Ⅲの場合(条件)被保険者の標準報酬月額:90万円自己負担割合:3割負担医療費の自己負担額:60万円(外来診療:20万円、入院等:40万円)標準報酬月額が90万円ですので、所得区分が「現役並み所得者Ⅲ」に該当します。よって、自己負担限度額は「252,600円+(2,000,000円(60万円÷30%)-842,000円)×1%」=264,180円となります。これより、この者の高額療養費の金額は「600,000円-264,180円=335,820円」となります。ケース2:適用区分が現役並み所得者Ⅱの場合(条件)被保険者の標準報酬月額:60万円自己負担割合:3割負担医療費の自己負担額:45万円(外来診療:10万円、入院等:35万円)標準報酬月額が60万円ですので、所得区分が「現役並み所得者Ⅱ」に該当します。よって、自己負担限度額は「167,400円+(1,500,000円(45万円÷30%)-558,000円)×1%」=176,820円となります。これより、この者の高額療養費の金額は「450,000円-176,820円=273,180円」となります。ケース3:適用区分が現役並み所得者Ⅰの場合(条件)被保険者の標準報酬月額:40万円自己負担割合:3割負担医療費の自己負担額:30万円(外来診療:5万円、入院等:25万円)標準報酬月額が40万円ですので、所得区分が「現役並み所得者Ⅰ」に該当します。よって、自己負担限度額は「80,100円+(1,000,000円(30万円÷30%)-267,000円)×1%」=87,430円となります。ケース4:適用区分が一般の所得者の場合(条件):世帯(本人以外)の自己負担額合計が5万円であるとします。被保険者の標準報酬月額:20万円自己負担割合:2割負担医療費の自己負担額:8万円(外来診療:3万円、入院等:5万円)標準報酬月額が20万円ですので、所得区分が「一般所得者」に該当します。一般所得者に該当するため、外来の自己負担分と世帯合算分とに分けて計算する必要があります。よって、外来の自己負担の払い戻し分は「30,000円ー18,000円=12,000円」となります。次に、世帯合算分を含めて高額療養費の計算を行います。世帯合算分の高額療養費は「(5万円+5万円)ー57,600円=42,400円」となります。これより、高額療養費の金額は「12,000円(外来分)+42,400円(世帯合算分)=54,400円」となります。70歳以上の高額療養費制度改正の変更点まとめ平成30年8月の健康保険法の改正により、70歳以上の高額療養費の自己負担上限額の改正が行われました。今回の改正により、上位所得者といわれていた人の高額療養費計算の所得区分が70歳未満の者と同様の所得区分で計算されるようになり、世帯間における違いがなくなります。また、今回の高額療養費の計算について改正により見直しが行われたことで、介護保険料や後期高齢者医療などの周辺の医療保険制度においても、少なからず影響が出るものと考えられますので、今後の改正情報には注意が必要です。
2019年02月07日毎年2月16日から3月15日までの期間は、確定申告書の提出期間となっていますが、今年は2月16日が土曜日となるため、2月18日(月)~3月15日(金)と若干提出期間が短くなっているので注意が必要です。医療費が発生している人(一定の金額以上医療費が発生している場合に限る。)は確定申告を行わなければなりませんが、高額療養費の支給を受けた人については、高額療養費の金額については確定申告は不要となります。それ以外の医療費部分については、医療費控除として確定申告を行わなければなりません。今回は「高額療養費とはどのようなものか?」を解説したうえで、なぜ「高額療養費に相当する部分が確定申告不要」なのか、そして「医療費控除との違い」について解説します。高額療養費は健康保険から行われる給付の一つそもそも、高額療養費は健康保険法に規定されている保険給付の一つです。高額療養費の金額の計算方法については、法令によって定められており、具体的には、被保険者の所得を基準とした標準報酬月額によって区分された自己負担額の上限額の算式を用いて高額療養費の計算を行うことになります。高額療養費の金額の計算の仕方高額療養費の金額の計算は70歳未満の者と70歳以上75歳未満の者では、計算方法や自己負担額限度額の計算区分が異なります。70歳未満の者の自己負担限度額70歳以上75歳未満の者の自己負担限度額高額療養費の自己負担額計算ポイント自己負担額の計算を行う際には以下の点に注意が必要です。自己負担額が21,000円を超える診療分が対象となります個人単位で計算を行います。診療を受けた医療機関ごとに計算します。入院分と外来診療分とは区別します。保険が適用される診療分が対象となります。高額療養費の手続きの流れ高額療養費支給申請書を保険者(協会の場合は協会けんぽ、組合の場合は健保組合)に提出することで、高額療養費の申請を行います。なお、ケガが原因の場合については「負傷原因届」の提出(協会けんぽの場合)が必要となります。また、住民税非課税区分に該当する場合は、被保険者の非課税証明書を併せて提出する必要があります。高額療養費はいつまでに申請しなければならない?高額療養費は月(1日から末日まで)ごとに計算されるため、申請することができる時期については、実際に自己負担額を支払った日の属する月ではなく、その翌月1日が申請開始時期となります。なお、高額療養費は時効により、自己負担額を支払った日の属する月の翌月1日から2年以内に申請する必要があります。高額療養費の払い戻しの目安は?高額療養費の払い戻しまでの時期の目安としては、保険者が実際に自己負担額を支払った医療機関のレセプト等を確認したうえで支給の決定を行うため、早くても2~3カ月後に払い戻しが行われることが多いです。医療費控除と高額療養費との違い医療費控除とは、所得税の計算において合計所得金額(各種所得の合計額)から控除することができる所得控除の一つで、1年間に支払った医療費の合計額から一定額を控除したものです。医療費控除の計算対象とは?医療費控除の計算対象は、高額療養費とは違い、21,000円を超えるような診療分に限らずに、治療を目的とする診療に関する支払を行ったものが全て対象となりますが、予防や美容などに関する支出については医療費控除の対象となりません。(例)予防接種の費用、疲労回復のための栄養剤購入費用など医療費控除の計算方法医療費控除の計算方法は、1年間の総所得の金額によって以下のように計算式が変わります。注意してほしい点としては、総所得金額は、所得控除をする前の所得金額の合計であるということです。(つまり、サラリーマンであれば、「給与所得控除額を控除した後の所得金額」がこれに該当するということです)高額療養費と医療費控除の確定申告手続き方法高額療養費と医療費控除は併用することができます。確定申告の際に手続きを行わなければ、適用を受けることができないものとなりますので、確定申告の手続きについて、最低限抑えておいてほしいポイントについて説明します。高額療養費の確定申告手続き方法高額療養費は確定申告をする際には、なんら手続きは不要です。これは、高額療養費が健康保険により給付される保険金の一つであると考えるためです。つまり、高額療養費は公的保険から出る保険金と扱われるため、医療費控除の計算においては医療費総額から控除されるものとなります。また、高額療養費は先程も述べたように、公的保険の保険給付の一つとなるため非課税です。そのため、確定申告においては、非課税となる以上は手続きは不要となるわけです。医療費控除の確定申告手続きの方法医療費控除については、年末調整では処理が行われない為、確定申告を行う必要があります。医療費控除を行う際に注意してほしい事としては、医療費控除の対象となる医療費の支出を証明できる領収書等を確定申告書に添付する必要があるということです。つまり、複数回の医療費の支出があった場合であっても、それらの全てに関する領収書を添付する必要があるため、医療費控除の申告を考えている人は、その点に注意が必要となります。高額療養費の確定申告手続き方法:まとめ高額療養費と医療費控除は性格的には似ている部分がありますが、実態は全く異なる性質のものとなります。年末調整や確定申告が近くなるにつれて、こういった部分について気になる人が増えてくると思います。そのため、医療費の支出が高額療養費の対象なのか、それとも医療費控除の申告の対象となるのかをある程度明確に区分しておくことも重要になります。また、医療費控除の申告については、領収書が添付されていることが必要となるため、1回あたりの医療費が少額のものであっても、回数が多かったり、診察に要する期間が長かったりするもの等がある場合については、領収証の保存に関してもしっかりと行う必要があります。確定申告に関する内容について、不明な点がある場合は、国税庁のHPや税理士の先生に確認することを活用していくことが大切です。
2019年01月30日高額療養費は、医療費が高額になった場合において、自己負担分について上限を設定し、その上限額を超えて支払った医療費の部分について払い戻す仕組みとなっています。ただし、健康保険の適用される診療に限りますので、出産に関する費用の中には、高額療養費の適用を受けることができない事もあるのが注意すべき点です。今回は、高額療養費制度と出産費用との関係性について、これだけは理解していただきたいという内容を解説していきます。出産に関する費用で保険の適用が受けられるものと受けられないもの出産に関する費用には、健康保険の適用を受けることができるものと適用を受けることができないもの(全額自費負担)があります。高額療養費は保険適用対象の治療などに対して支給されるため、保険適用対象なのかどうかを確認しておくことも重要なことになります。実際に窓口で支払う場合においては、3割負担の部分と全額自己負担部分とが混在する形で支払うことになることが多いため、保険適用が受けられるかどうかについては、明確に区分することが必要になります。出産費用で保険の適用が受けられる場合保険の適用が受けられる出産費用としては、帝王切開や切迫早産などの異常分娩や妊娠・出産に伴う合併症などのように治療が必要とされる場合に健康保険の適用が受けられます。つまり、これらの出産に関わる費用の総額が自己負担額の上限額を超える場合については、高額療養費の申請を行うことで上限額を超えた部分について払い戻しが行われます。出産に関しては、予定日を過ぎると早まることなどがありますが、高額療養費の申請期限は自己負担額を支払った日の属する月の翌月1日から2年間とされています。出産費用で保険の適用が受けられない場合保険の適用が受けられない事例としては、自然分娩で出産を行った場合が該当します。自然分娩の場合は、治療となるような医療行為がないため、保険の適用対象とはならず、高額療養費の対象とはなりません。高額療養費の対象とはなりませんが、出産に関する給付である「出産手当金」や「出産育児一時金」の支給があるため、これらの給付により、実質的な自己負担がほぼないものとなります。出産費用に関する高額療養費はいくらぐらいもらえるのか?初めにも述べたように、出産費用は正常分娩の場合は保険適用外となり、高額療養費の支給を受けることができませんが、帝王切開や切迫早産、妊娠中の合併症などといった治療が必要な場合であれば保険適用されます。では、具体的に出産費用について高額療養費が発生した場合、いくらぐらいになるかについて見ていきます。帝王切開による出産を行った場合帝王切開による出産の費用は保険の適用対象となりますので、高額療養費の対象となります。帝王切開による出産の費用は平均すると約55万円(平成26年度時点)であるといわれていますが、保険の適用対象となる部分は、帝王切開にかかる費用のみとなっているため、それ以外の入院時の食事代などの費用の負担分については保険の適用外となる点(つまり、この部分については全額自己負担となり、高額療養費の適用を受けられないということです。)に注意が必要です。具体例(条件)帝王切開による出産にかかった費用(10割負担であった場合の支払総額):60万円実際に病院に支払った医療費(3割負担による支払額):18万円被保険者の標準報酬月額:40万円高額療養費の金額の速算表自己負担額の上限額標準報酬月額が40万円ですので、上記の速算表から「80,100円+(医療費総額(10割負担の場合の医療費総額)ー267,000)×1%」で算定することが分かります。この計算式を当てはめてみると、この人の自己負担額の上限額は、「80,100円+(600,000円-267,000円)×1%=83,430円」となります。高額療養費の金額実際に支払った自己負担額から、先程計算した自己負担額の上限額を控除することで、この人が支給を受けることができる高額療養費の金額が算定されます。これより、「180,000円(実際に支払った自己負担分)ー83,430円(自己負担額の上限額)=96,570円(高額療養費の金額)」が高額療養費として申請することで払い戻される金額となります。いつまでに申請すればよいか?実際に帝王切開による出産が行われた日の属する月の翌月1日から2年以内とされています。(つまり、出産日が平成31年1月6日であれば、その翌月である「平成31年2月1日から2年後の平成33年1月31日まで」に申請をすればよいということになります。)出産に関する高額療養費についての注意点出産に関する費用は基本的には医学的な治療ではない為ため、保険の適用はありませんが、帝王切開や切迫早産等の異常分娩や妊娠による合併症などの場合は保険適用があるため、高額療養費の適用はあります。しかし、保険の適用があるのは異常分娩などの出産に関する費用に限られているということです。そのため、実際に負担しなければならない額についても、3割負担の部分と全額自己負担の部分とが混在する形になってしまうため、医療費を支払った際に区分しておくことが必要になります。なお、1年間に4回以上高額療養費の支給が行われる場合は多数回該当といい、4回目以降の高額療養費の自己負担額の上限額の基準が変わります。入院期間が長期化する恐れがあったりする場合には注意が必要になります。高額療養費の適用があるもの異常分娩などによる出産費用以外にも、出産に関する費用で保険適用を受けることができる内容として、以下のような症状があげられます。つわり(重症妊娠悪阻)流産・早産子宮頸管無力症妊娠高血圧症候群逆子・前置胎盤の超音波検査児頭骨盤不均衡の疑いでのX線撮影微弱陣痛などで陣痛促進剤を使用分娩停止や胎児機能不全などによる鉗子分娩・吸引分娩頸管損傷・会陰裂傷Ⅱ度以上による縫合術赤ちゃんの新生児集中治療室への入院 などいずれの症状についても、保険適用があるため、高額療養費の支給対象とされます。高額療養費の適用がないもの以下に該当するものについては、保険の適用が受けられないため、高額療養費の適用を受けることができません。差額ベッド代入院時の食事費病院への交通費外来診療の医療費が21,000円未満のものなどこれらの費用については、出産に関する費用であるかどうかは関係なく、基本的に保険の適用を受けることができない費用とされています。出産に関する高額療養費まとめ出産に関する費用は、保険の適用があるものと保険の適用を受けることができないものがあるため、どの費用が保険の適用があり、どの費用は保険の適用外であるかを理解することが大切です。そうすることで、窓口で支払をした後に申請を行う上でもスムーズに進めることができるようになります。忘れてはいけないこととしては、高額療養費は健康保険の給付の一つですので、保険の適用がなければ、高額療養費を支給すること自体できないということにもなります。出産に関する高額療養費については、治療が必要かどうかという点に注意すれば、保険適用の有無についても判断ができることが多いですので、不明な点があった場合は、保険者(協会けんぽや健保組合など)に問い合わせをすることで、事前に疑問点を解消することも併せて行うことが望ましいです。
2019年01月24日病院などにおいて手術を受けたり入院をした場合、高額な料金の支払いをすることがありますが、その支払った代金の一部が返金される制度があります。この払いすぎた医療費が返還される制度のことを「高額療養費」といいます。高額療養費は、健康保険・国民健康保険のいずれの制度に加入している人であっても利用することが出来る制度ですが、制度が複雑であるため、なかなかイメージが出来ないことが多いかと思います。さらに、平成28年より法改正が行われて、高額療養費制度の区分が細分化されました。今回は、高額療養費制度の具体的な仕組み、どのような場合に申請することが出来るかといったことについて、近年改正が入りより細分化されたため、その点を踏まえて解説します。高額療養費とは高額療養費とは、同一月(1日から末日まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合において、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとから払い戻される制度です。なお、70歳未満の人については、医療費が高額になることが事前にわかっている場合(長期入院が必要な病気やケガなどをしてしまった場合など)については、「限度額適用認定証」を提示することで高額療養費の請求をすることが出来ます。70歳未満の場合の高額療養費70歳未満の場合の高額療養費については、基本的には外来診察等で支払った医療費と入院等で支払った医療費の自己負担分の合計額が、自己負担額の上限額を超えている部分について高額療養費の支払いが行われる仕組みとなっています。つまり、同一月における医療費について、外来診療で支払った自己負担分と入院などで支払った自己負担分を合算した自己負担分が自己負担分の上限額を超えるかどうかで、高額療養費の支給が行われるかが判定されます。なお、1年間に4回以上高額療養費の支給が行われる場合は多数回該当といい、4回目以降の高額療養費の自己負担額の上限額の基準が変わります。70歳以上75歳未満の者の場合の高額療養費70歳以上75歳未満の者の場合の高額療養費は、70歳未満の人の場合とは異なり、外来診療などで支払った自己負担額と入院などで支払った自己負担額を分け上限額が設定されています。そのため、医療費の自己負担額が外来診療によるものなのか?それとも、入院などによるものなのかで、自己負担額の上限額が異なります。高額療養費の算定基準額高額療養費の算定基準となる金額は、標準報酬月額(保険料の算定の基準となる報酬月額)や報酬月額(実際の総支給額の給与や賞与などの合計を12で除して得た金額)がいくらになるかによって区分が異なります。70歳未満の者の場合70歳未満の場合、自己負担額の上限の区分は、標準報酬月額や報酬月額によって、大きく5つの区分に分かれています。70歳以上75歳未満の者の場合70歳以上75歳未満の場合、自己負担額の限度額も70歳未満と同様に所得状況によって区分されていますが、大きく4つの区分に分かれています。なお、自己負担限度額の計算は、外来分のみの場合については個人の自己負担額の合計で判断されますが、外来の自己負担額と入院等の自己負担額を合算した場合は、世帯全体で自己負担限度額の判定を行う仕組みになっているので注意が必要です。つまり、外来診察等で支払った医療費については、個人の支払額の合計額で判断されるが、入院等の費用が発生した場合については、世帯家族全体の医療費の自己負担額の合計で自己負担限度額を判断することになります。高額療養費の申請の流れ高額療養費の申請方法には「事前申請」と「事後申請」の2通りあります。いずれの方法であっても、申請先が保険証に記載されている保険者(協会けんぽであれば全国健康保険協会、健康保険組合であれば、保険証に記載されている健康保険組合)となります。事前申請の場合事前申請の場合は、保険者に健康保険限度額適用認定書申請書(協会けんぽの場合)を提出することで、「限度額適用認定証」の交付を受けます。その後、医療機関等で医療費を支払う際に限度額適用認定証を提示することで、自己負担額の上限までの支払いを行い、超える部分については支払わなくてもよいという流れとなります。(つまり、事前に自己負担額の上限がいくらですという証明書を発行することで、後から払い戻しの手続きに関する手間と時間を省略することができます事後申請の場合事後申請の場合は、いったん医療機関で医療費(10割)の支払いを行い、その後、高額療養費支給申請書と必要な書類(実際に支払った金額が証明できるものなど)を保険者に提出することで、払いすぎた部分の金額の償還払い(払い戻し)を行う手続きを行う方法です。つまり、事後申請の場合は先に医療費の支払いを行った後で、払いすぎた部分の金額については、事後精算という形で払い戻しが行われる方法で高額療養費の支払いが行われます。また、事後申請の場合、医療機関のレセプトの審査等を経て、通常であれば約3ヶ月後に払い戻しが行われるため、事前申請に比べると高額療養費が支払われるまでに時間がかかります。高額療養費制度まとめ高額療養費制度は、入院などをしたことにより高額な医療費の支払いにおいて、自己負担額を抑えることができる制度です。申請の方法については、現在加入している健康保険の保険者によって異なるため確認をしたうえで申請を行うようにしてください。高額療養費は事前申請をする場合と事後申請をする場合とでは、申請の流れが異なるだけでなく、実際に医療機関の窓口で支払う金額にも大きな差が出ます。そのため、医療費が高額になることが事前に予測できるようであれば、事前申請をすることで、自己負担限度額までの負担で済むため、経済的負担を軽減することも可能です。なお、高額療養費の対象になる医療費の支払いと対象にならない医療費の支払いがあり、年齢や所得状況によって、自己負担額の上限額が異なります。高額療養費は仕組みが複雑な部分が多いため、基本的な部分については上記に記載した内容を確認していただければ充分対応できるようになっていますので、しっかりと確認の上、制度を有効に活用することが重要になってきます。
2019年01月21日介護保険サービスのひとつに、住宅改修費用の支給制度があります。高齢者の自立や介護の利便性向上にとって、住宅環境はとても大切なもの。制度を上手に利用して、住宅改修費用の負担を減らしたいですね。ここでは、介護保険で住宅改修費用を申請する方法や支給金額、対象範囲について解説。対象・対象外が判断しづらい事例も、Q&A形式でまとめました。介護保険による住宅改修制度とは?介護保険による住宅改修とは、高齢者が住み慣れた自宅で介護を受けながら生活し、できるだけ自立できるように、住宅改修の費用を一部給付する制度です。主に、福祉用具を導入するために必要な段差の解消や手すりの設置などの工事を給付の対象としています。給付を受けられるのは、要介護または支援認定を受けた人。住宅の改修は個人資産の形成につながることや、持ち家と賃貸住宅との間で受けられる利益に差が出てしまうことなどに配慮して、給付対象は小規模なものに設定されています。対象となる改修の範囲給付の対象となる改修の範囲は、需要が多く、なおかつ比較的小規模な工事に限られます。主なものは、次のとおりです。手すりの取付け転倒予防や移動・移乗を補助する手すりの取付け工事(例:廊下・トイレ・玄関・浴室など)段差の解消部屋と部屋の間の段差や傾斜を解消する工事(例:敷居を低くする・スロープの設置・浴室の床のかさ上げなど)床や通路面の材料の変更滑り防止や移動の円滑化などのための、床や通路面の材料変更工事(例:畳からフローリングへ・浴室の床を滑りにくい材質にするなど)扉の取り替え扉を開きやすいものに取り替える工事。(例:開き戸を引き戸へ・ドアノブの取り替え・戸車の設置など)便器の取り替え便器を使用しやすいものに取り替える工事(例:和式便器を洋式便器へ)上記の住宅改修に付帯する改修上記の工事に必要な下地の補強や設備の改修など対象外の改修工事は?高齢者が暮らしやすいようにするための改修でも、次のようなものは支給の対象外です。すでにある洋式便器への暖房機能や洗浄機能の付加トイレの水洗化または簡易水洗化トイレ内の手洗い・収納棚・暖房機設置などの設置浴室の水栓金具・タイル・洗面台などの取り替え脱衣室への腰掛け台設置廊下や階段、玄関スロープなどへの足元灯設置階段昇降機の設置など似たような工事でも支給対象となるものとならないものに分かれています。改修を検討するときには、専門家や自治体の担当窓口などに、あらかじめ確認しましょう。 介護保険による住宅改修費用の支給限度額介護保険による住宅改修の対象となる工事費用の上限(支給限度基準額)は要介護・要支援ともに、一律20万円。自己負担の割合は、介護保険サービス利用料の自己負担割合によって、1割から最大3割までです。つまり、支給額の上限は、【1割負担の場合:18万円・2割負担の場合:16万円・3割負担の場合:14万円】となります。住宅改修費用の支給限度基準額は、ひとりあたり、生涯で20万円までです。ただし、次のような場合には、再び20万円までの支給限度基準額が設定されます。要介護状態区分が3段階以上重くなったとき転居したとき 介護保険による住宅改修の流れ介護保険を利用して住宅改修を行う場合の、基本的な流れは次のとおり。ケアマネジャーなどに相談施工事業者を選択見積もりを依頼市町村へ事前申請市町村が内容を確認して結果を通知改修工事施工完成・施工業者への支払い市町村へ改修費の支給申請支給額決定・支給以下で、申請のタイミングや、必要なものを見ていきましょう。申請のタイミング申請のタイミングは必ず、事前申請は【工事の前】、支給申請は【工事の後】です。介護保険による住宅改修費の支給を受けるためには、事前申請が必須です。事前に申請をしていない場合、支給を受けることができないため注意しましょう。自治体によっては、「着工日の10日~1週間前をめやすに」など、時期の指定がある場合も。お住まいの市区町村に確認してください。事前申請を工事前に行うことによって、各市区町村は提出書類などをチェックし、保険による給付の対象となる改修かどうかを前もって判断。申請者に結果が知らされます(事前申請が通っても、改修後に必ず支給されるわけではありません)。事後申請は、工事の後、支払いを終えてから行います。領収日の翌日から2年で無効となるため、早めに手続きを済ませましょう。事後申請時にも改めて審査が行われ、工事が適切であると認められれば、支給額が振り込まれます。振り込み時期は、事後申請から2ヶ月後の月末がめやすです。事前申請の提出書類事前申請に必要な書類は、次のようなものです。支給申請書複数の事業者の工事費見積り書(国が定めた「住宅改修の見積様式」を基準としたもの)住宅改修が必要な理由書(介護支援専門員や地域包括支援センターの担当職員、町村が行う福祉用具・住宅改修支援事業などの相談、助言などを行っている福祉・保健・医療・建築の専門家などが作成したもの)住宅改修後の完成予定の状態が分かる書類(日付入り写真、住宅の間取り図など)ただし、やむを得ない事情がある場合は、一部書類を住宅改修が完了した後に提出できる場合も。「やむを得ない事情」とは、退院後の生活環境を整えるために、入院中に早急に改修を行わなければならない場合などです。また、必要な書類は自治体によっても異なることがあるため、事前に確認をしたうえで、書類を揃えましょう。改修費の支給申請の提出書類事後申請では、次のような書類が必要です。住宅改修費用の領収書工事費の内訳書工事完成後の状態が確認できる書類(改修前・改修後それぞれの撮影日がわかる写真)住宅の所有者の承諾書(所有者が申請者と異なる場合)また、こちらも自治体によって必要な書類が異なる場合があります。あらかじめ確認しておくとよいでしょう。 対象?対象外?介護保険による住宅改修のQ&Aここからは、介護保険による住宅改修費用の支給が受けられる事例、受けられない事例について、Q&A形式で見ていきましょう。Q:本人の入院中に介護保険の住宅改修はできる?A:入院中であっても退院を前提に改修を行う場合には、退院後に支給の申請をすることができます。あらかじめ市区町村に事情を伝え、必要な手続きの確認をとりましょう。退院の予定がない、退院できなくなったといった場合には、住宅改修費は申請できません。Q:子供の住宅を介護保険で改修できる?A:介護保険による住宅改修は、介護保険証の住所地の住宅のみが対象です。そのため、住所地が子供の住宅に移されていなければ、支給対象外となります。Q:自分で住宅改修をするのは支給対象?A:本人が材料を購入し、本人や家族が自ら工事を行った場合、材料の購入費が支給対象となります。家族が工務店を営んでいるような場合も、材料費のみ支給対象となり、工賃は支給対象外となります。Q:開きにくい引き戸を新しくする工事は支給対象?A:引き戸の開閉をしやすくする目的での取り替えは、支給対象となります。単に古くなった引き戸を新しくしたいという理由での受給はできません。Q:浴槽交換は支給対象?A:高齢者の入浴の自立や、入浴介助に適した形状(高さ・深さ・床との高低差)の浴槽に交換する場合、浴槽の縁も「段差」と考え、支給対象となります。 対象や申請の手順を知ってスムーズな制度利用を介護保険による住宅改修の対象となる工事の範囲は、手すりの取り付けや段差の解消など小規模なものに限られています。また、支給限度基準額も20万円と、そこまで高額ではありません。しかし、高齢者が暮らしていくのに必要なちょっとした設備を整えるのに、費用負担が減らせるのはありがたいもの。対象範囲をきちんと把握して、賢く利用したいですね。支給を受けるためには、事前・事後の申請が必須です。手続きについても、流れのチェックをお忘れなく! 参考:福祉用具・住宅改修WAM NET・介護予防住宅改修・住宅改修・介護サービス関係Q&A 一覧「居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について」の一部改正について介護保険における住宅改修|公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター住宅改修費の支給について|茅ヶ崎市住宅改修費の支給|鹿児島市住宅改修申請の流れ/甲賀市住宅改修費支給申請 | 瑞浪市介護保険による住宅改修費の申請 – 弘前市やむを得ない事情がある場合の手続きについて|栗東市役所長寿福祉課介護サービス関係 Q&A集|厚生労働省
2019年01月15日医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間において、本人や配偶者をはじめ生計を同一にしている家族の医療費を支払った場合で、支払った医療費が一定額を超えるときに受けられる税金の軽減制度です。ただし、実際に、医療費控除で税金の軽減を受けるためには、年末調整では受けられず、翌年2月16日から3月15日までの確定申告期間中に確定申告をしなければならないほか、確定申告をする方の収入(所得)によって、医療費控除が適用できる、できないといった判定も異なる特徴があります。このようなことを踏まえまして本記事では、確定申告で医療費控除を受けるための方法や医療費控除で押さえておくべきポイントをわかりやすく紹介していきます。確定申告で医療費控除が適用になる金額医療費控除が適用になる金額の計算式確定申告で医療費控除の適用になる金額は、確定申告をする方の収入(所得)によって、金額が異なりますが、実務上、医療費控除が適用になる金額は、以下の計算式によって求めることになります。(実際に支払った1年間の医療費合計額-保険金などで補填される金額)-10万円たとえば、1月1日から12月31日までの1年間で、実際に支払った1年間の医療費合計額が30万円、医療保険から保険金を15万円受け取ったと仮定した場合、上記の計算式にあてはめますと、医療費控除の金額は5万円(※)となります。※(30万円-15万円)-10万円=5万円なお、保険金などで補填される金額には、医療保険から支給される入院給付金や手術給付金といった受取保険金のほか、健康保険などから支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などがあてはまります。ちなみに、1年間の総所得金額などが200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額を超えた場合に医療費控除が適用できることとされていることから、先に紹介したように、一概に、1年間に支払った医療費が10万円を越えなければ医療費控除が適用できないといったわけではありませんので注意が必要です。総所得金額ってどのように判断する?1年間の総所得金額などが200万円未満と言われても、そもそも総所得金額って何?と感じられている方も多いと思いますので、ここでは、1年間の収入が給料のみである会社員や公務員を想定して、総所得金額の確認方法について、源泉徴収票を例に紹介しておきます。国税庁No.2260 所得税の税率納めるべき復興特別所得税:355円(16,950円×2.1%)納めるべき所得税および復興特別所得税の合計金額:17,305円→17,300円(100円未満切り捨て)還付される所得税:2,800円(17,300円-20,100円(源泉徴収票の源泉徴収税額)=▲2,800円)医療費控除の適用によって、本来納めるべき所得税および復興特別所得税は、17,300円で良いのですが、20,100円が源泉徴収されているため、結果として2,800円、多く税金を納めていることがわかります。そのため、差し引きした2,800円の所得税の還付が受けられるほか、翌年から納めるべき住民税も少なくなる効果が得られます。確定申告で医療費控除の対象となる医療費を知ろう先に紹介した医療費控除の計算式において、実際に支払った1年間の医療費には、医療費控除の対象となるものと医療費控除の対象にならないものがあり、医療費控除の対象になる医療費が計算式の結果よりも多くなければ医療費控除を受けることができません。医療費控除の対象となる医療費と対象にならない医療費国税庁のWEBサイトでは、医療費控除の対象となる医療費や対象にならない医療費は、以下の通りとしていますが、治療のための医療費は、医療費控除の対象、予防のための医療費は、医療費控除の対象外と考えながら読み進めてみるとわかりやすいでしょう。1 医師又は歯科医師による診療又は治療の対価(ただし、健康診断の費用や医師等に対する謝礼金などは原則として含まれません。)2 治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価(風邪をひいた場合の風邪薬などの購入代金は医療費となりますが、ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入代金は医療費となりません。)3 病院、診療所、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設又は助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価4 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価(ただし、疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないものは含まれません。)5 保健師、看護師、准看護師又は特に依頼した人による療養上の世話の対価(この中には、家政婦さんに病人の付添いを頼んだ場合の療養上の世話に対する対価も含まれますが、所定の料金以外の心付けなどは除かれます。また、家族や親類縁者に付添いを頼んで付添料の名目でお金を支払っても、医療費控除の対象となる医療費になりません。)6 助産師による分べんの介助の対価7 介護福祉士等による一定の喀痰吸引及び経管栄養の対価8 介護保険制度の下で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額9 次のような費用で、医師等による診療、治療、施術又は分べんの介助を受けるために直接必要なもの(1) 医師等による診療等を受けるための通院費、医師等の送迎費、入院の際の部屋代や食事代の費用、コルセットなどの医療用器具等の購入代やその賃借料で通常必要なもの(ただし、自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金等は含まれません。)(2) 医師等による診療や治療を受けるために直接必要な、義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯などの購入費用(3) 傷病によりおおむね6か月以上寝たきりで医師の治療を受けている場合に、おむつを使う必要があると認められるときのおむつ代(この場合には、医師が発行した「おむつ使用証明書」が必要です。)(3-1)医療費の中には、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法などの規定により都道府県や市町村に納付する費用のうち、医師等の診療等の費用に相当するものや前記(1)・(2)の費用に相当するものも含まれます。(3-2)おむつ代についての医療費控除を受けることが2年目以降である場合において、介護保険法の要介護認定を受けている一定の人は、市町村長等が交付する「おむつ使用の確認書」等を「おむつ使用証明書」に代えることができます。10 骨髄移植推進財団に支払う骨髄移植のあっせんに係る患者負担金11 日本臓器移植ネットワークに支払う臓器移植のあっせんに係る患者負担金12 高齢者の医療の確保に関する法律に規定する特定保健指導(一定の積極的支援によるものに限ります。)のうち一定の基準に該当する者が支払う自己負担金(平成20年4月1日から適用されます。)出典:国税庁No.1122 医療費控除の対象となる医療費確定申告で医療費控除を受けるために必要なことこれまでの解説より、確定申告で医療費控除を受けるために必要なことをまとめますと、以下のようになります。医療費控除の適用を受ける方の1年間の総所得金額が200万円未満なのか、200万円超なのかを確認しておく医療費控除の対象となる医療費が、計算式で計算した結果よりも多くなっているのかを確認しておく確定申告で医療費控除を受けるための必要書類確定申告で医療費控除を受けるためには、原則として、翌年2月16日から3月15日までの確定申告期間中に作成した確定申告書に医療費控除の明細書を一緒に提出する必要があります。なお、医療費控除の明細書を作成するための基となった医療費の領収書は、5年間に渡って自宅などで保管する必要があるのですが、所定の事項が記載された医療費通知(医療費のお知らせなど)を医療費控除の適用を受ける際に提出する場合は、医療費控除の明細書や領収書の保管を省略することもできるようになっています。ちなみに、平成29年分の確定申告より、医療費控除を受けるために、医療費通知(医療費のお知らせなど)を添付することで、医療費控除が簡単に受けられるようになりましたが、1年間の支払った医療費が、すべて網羅されているわけではありません。たとえば、薬局で購入した市販の風邪薬や公共交通機関を利用して通院した場合の交通費も医療費控除の対象になるわけでありますから、このようなことを踏まえますと、少しでも多くの医療費控除を適用するためにも、やはり、医療費控除の明細書を作成することが望ましいのではないかと筆者は感じています。確定申告で添付が必要な医療費控除の明細書とは国税庁平成30年分確定申告特集(準備編)医療費控除の明細書は、医療費の領収書を見ながら必要事項を明細書へ記入していく流れとなりますが、すべてを個別に記入する必要はなく、医療を受けた方の氏名や病院・薬局などといった支払先の名称ごとにまとめて記載しても良いことになっています。国税庁医療費控除に関する手続について(Q&A)上記イメージ図のように、まとめて記入し、明細書を作成することで、手間や時間が省けることにつながります。医療費控除を受ける際に領収書の添付をしても差し支えないこれまでは、医療費控除の適用を受けるためには、医療費控除にかかる領収書の添付が求められておりましたが、平成29年分の確定申告からは、領収書の添付が省略できるようになっています。一方で、これまで通りのやり方で医療費控除の適用を受けたい方や多くの領収書を自宅で保管することに対して煩わしさを感じている方は、経過措置として、平成31年分まで引き続き領収書の添付をすることで医療費控除の適用を受けることが認められています。仮に、5年間に渡って保管しなければならない医療費控除にかかる領収書を紛失したり破棄する恐れがあると感じている方は、これまで通りの方法で確定申告の際に領収書を添付してしまう方が確実、かつ、安心と言えるでしょう。医療費控除で交通費がある場合は、忘れずに領収書などの添付を病院へ治療に行かれる際に、電車やバスなどの公共交通機関やタクシーを利用される方もおられると思いますが、これらは、医療費控除の対象になるため、忘れずに領収書の添付をするように心掛けておきたいものです。中には、領収書が発行されないものもあると思いますが、メモに残しておくことやエクセルなどの表計算ソフトへ入力して保存しておくなどの方法も認められているため、何かしらの証拠として残しておくことがとても大切になります。なお、ご自身が自ら自動車などを運転して通院するためのガソリン代や駐車場の代金は、医療費控除の対象とはなりませんので、こちらも合わせて注意しておくことが大切です。確定申告で医療費控除を受けるための方法まとめ医療費控除は、医療費通知(医療費のお知らせなど)を確定申告書に提出することで簡単に受けられるようになったため、医療費控除の適用を受ける方にとって手間や負担が前よりもかからなくなったことは確かです。ただし、医療費控除の対象となる医療費の範囲はとても広いことから、普段から家族にかかった医療費の領収書を1つの場所にしっかりと保管しておき、年末になりましたら一通り合計金額を算出される習慣を身に付けておくことをおすすめします。これは、長い人生の中で、病院へ入院したり、高額な医療費がかかる場合が将来的に十分考えられることから、いつかは必ず役に立つ内容のものであると考えられるからです。日常生活を振り返ってみて、普段と違った特殊な事情が生じた場合は、医療費控除が受けられる可能性も高くなるとも考えられますので、ケース・バイ・ケースではありますが、本記事で紹介した医療費控除のポイントを、ぜひ、今後に役立てていただければと思います。
2019年01月13日児童福祉制度とは、児童福祉法を基本として、様々な行政機関や施設、専門職の働きや実践によって推進される制度で、具体的には「保育子育て支援」「健全育成」「母子保健対策」などの施策があり、妊娠・出産に関する福祉だけでなく、育児を行っている世帯まで、幅広い世帯においてかかわりが深い制度といえます。今回は児童福祉制度の一つであり、もっとも身近に感じることが出来る給付の「児童手当」の制度の仕組みについて説明します。子どものいる世帯の経済的支援を行う「児童手当」の仕組み児童手当は、児童がいる世帯に対して、子の年齢、子の人数に応じて支給される金額が変わります。この児童手当は、過去には「こども手当」という名称で支給されていたこともありますが、現在では、児童手当として支給されています。対象者児童手当は、15歳に達した日後最初の3月31日までにある子(つまり、「中学卒業するまでの子」のことで、「支給要件児童」といいます。以下同じ)がいる世帯に対して、その子の年齢、人数に応じて市町村から支給される給付で、毎年2月・6月・10月にその前月までの4か月分をまとめて支給されます。児童手当の支給要件次の①~⑤のいずれかに該当する者に支給されます。①父母等中学卒業前の児童である子を監護(児童の面倒を見ており、通常必要な監督保護を行っていること)する必要があり、かつ、その子と生計を同じくする父また母、もしくは、未成年後見人であり、日本に住所がある人のこと②父母指定者日本に住所がない父母等が指定する人のうち、その父母等が仕送り等で生計を維持している子と同居している人で、日本国内に住所がある人(例えば、祖父母や叔父、叔母など)のこと③父母等又は父母指定者のいずれにも監護されず、または、これらと生計を同じくしない支給要件児童を監護し、かつ、その生計を維持する者であって、日本国内に住所を有するもの簡単に言うと、「両親が離婚等をして別居しており、生計を同じくしていない場合」に児童と同居している人のこと④施設等受給資格者何らかの理由によって里子として出された子を監護している里親等、または、障害児入所施設に入所している支給要件児童がいる施設の管理責任者のこと⑤所得制限(2019年度)世帯の所得の合計金額が以下の金額未満であることが必要です。なお、所得制限の判断基準は所得(給与所得控除語の金額)がいくらになるかで判断されます。なお、今までは所得制限を超えた世帯であっても児童1人当たり5,000円の特別支給が行われていましたが、2019年度は廃止されます。扶養親族がいないとき年収:833.3万円(所得:630万円)扶養親族が1人年収:875.6万円(所得:668万円)扶養親族が2人年収:917.8万円(所得:706万円)扶養親族が3人年収:960.0万円(所得:744万円)扶養親族が4人年収:1002.1万円(所得:782万円)ひとり親+扶養親族が0人(子供1人)年収:833.3万円(年収:622万円)児童手当の額児童手当の額は子どもの人数や年齢によって異なり、1月当たりの金額で規定されており、4か月分を2月・6月・10月の年3回にその前月分(2月:10~1月、6月:2~5月、10月:6~9月)を支給されます。ただし、15歳に達した日後最初の3月31日以降になる子がいる場合は、その子については支給の対象とはなりません。①3歳未満の子15,000円×該当する支給要件児童の数②3歳以上小学校卒業までの子2人目まで10,000円×該当する支給要件児童の数3人目以降15,000円×該当する支給要件児童の数③小学校卒業後中学校卒業までにある子10,000円×該当する支給要件児童の数児童手当の額の具体例①14歳・10歳・6歳の場合10,000円+10,000円+15,000円=35,000円/月②17歳・14歳・10歳の場合10,000円+10,000円=20,000円/月※第1子が15歳に達する日後最初の3月31日を過ぎており、児童手当の支給対象児童とはならないため、支給対象児童である第2子と第3子が児童手当の支給額の計算の対象となります。③17歳・16歳・14歳の場合10,000円/月※第1子と第2子が15歳に達する日後最初の3月31日を過ぎており、児童手当の支給対象児童とはならないため、支給対象児童である第3子の10,000円/月が児童手当の金額となります。児童手当を支給するために必要な手続き児童手当は、支給手続きを忘れてしまうと遡及(過去にさかのぼること)して支給を受けることが出来ないため、必ず手続きができるようになった時に行うことが必要です。支給手続きで必要なもの児童手当の支給手続きをするときに必要になるものは以下に挙げるものが必要です。児童手当認定請求書申請者の健康保険証の写し申請者名義の振込先口座のわかるもの申請者の印鑑支給手続きの注意点具体的に支給手続きを行う際の注意点は、以下のようになります初めて子が生まれた場合子が生まれて、児童手当の支給対象児童となった日の翌日から15日以内に市町村に申請手続きをする必要があります。2人目以降が生まれた場合その子を出産した日の翌日から15日以内に市町村に申請手続きをする必要があります。引越しをして住所が変わったとき転入日(転出予定日)の翌日から15日以内に市町村に申請手続きをする必要があります。公務員になった場合基本的に勤務先である市町村に対して申請手続きを行いますが、新たに公務員になった場合、または、公務員を辞めた場合は、その事実があった日の翌日から15日以内に住所地の市町村に対して申請手続きを行う必要があります。まとめ児童福祉制度の一つである、子供・子育てに関する支援制度の一つとして児童手当があります。児童手当は、子が生まれた世帯に対する経済的支援を行うことで「生活の安定を図ると共に、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とする(児童手当法1条)」とされている制度です。児童手当は、子供の年齢や人数によって支給される金額が異なり、また、世帯合算の所得によって制限がかかることがあります。さらに、自治体によっては児童手当以外にも、児童福祉に関する給付が行われているところがありますので、今、お住いの自治体が子供の育成に関する給付として、どのような支援を行っているのかを改めて確認することは重要なことといえます。児童手当の制度などを理解したうえで、妊娠・出産・育児を包括的に考えたうえで、今後のライフイベントをどのように計画していくべきかを、改めて考えてみるといいでしょう。
2018年12月29日働く女性にとって、妊娠・出産・育児は人生における大きなライフイベントとなります。そのため、妊娠・出産・育児における、法制度がどのようなものがあるのかを把握したうえで、今後のライフイベントにおける影響に対する備えをすることが重要になってきます。近年の法制度は、働く女性を意識した内容へと改正が進んでおり、これからのライフイベントを考えていくうえでも、押さえておいてほしい内容が増えてきました。今回は、妊娠・出産・育児について、具体的な法制度を説明したうえで、今後のライフイベントに向けてどのように備えるべきかについて解説します。妊娠・出産・育児にまつわる法制度を理解することが大切労働環境から見た「妊娠・出産・育児」にまつわる法制度は、労働環境の変化などにより進化しています。そのため、常に新しい情報を確認したうえで、今後のライフプランを計画していくことが必要となります。妊娠・出産・育児を理由として会社を休む場合は、会社の規定にもよりますが、無給(つまり、「休んでいる間は給料は出ない」ということ)のところが多く、有給休暇として扱われるところもあったりしますが、これらについては、会社の「就業規則」等の規定を確認してください。妊娠・出産にまつわる法制度妊娠・出産に関する規定は、主に「休業に関する規定」「各種保険料の取り扱いについての規定」「給付に関する規定」などが規定されています。具体的な規定の内容については以下の通りになります。労働環境に関する法制度労働環境に関する法的な制度としては、労働基準法があります。労働基準法は労働に関する基本的な原則部分について規定されているもので産前産後休業についても規定があります。労働基準法では、基本的に「産前6週間から産後8週間の期間については働かせてはならない」(労働基準法65条)と規定されており、産前産後期間においては労働をさせることはできないとされています。しかし、産前産後休業期間中の賃金等に関する規定は労働基準法には明確な規定がありません。そのため、会社の就業規則などに準拠した形で取り扱われることになります。保険料免除等で経済的負担の軽減などを図る規定産前産後休業期間中の社会保険の保険料負担は、非常に大きな負担といえます。そこで、この期間における経済的負担を軽減するために、出産に関する給付や保険料の免除といった制度が規定されています。健康保険法については、給付に関する規定として「出産手当金」「(家族)出産育児一時金」があります。また、保険料に関する規定では、「産前産後休業期間中の保険料は免除される」という規定(厚生年金保険法での同様の規定があります。)があり、妊娠・出産に関する経済的な負担を軽減する規定が設けられています。育児にまつわる法制度育児に関する規定は、育児休業の制度に関する規定や保険料の免除など、育児休業をしている期間に受けることが出来るメリットの規定も多く、また、労働に関する規定などもあります。育児休業の制度育児休業の基本的な考え方については、労働基準法では明確な規定はされていませんが、別で法的に明確にしたものが「育児介護休業法」です。育児介護休業法は、育児休業・介護休業に関する規定が定められています。育児休業に関しては、この育児介護休業法の内容をベースに制度が定められているため、この制度をしっかりと理解することが、育児休業を有効に取得し、活用することにもつながります。また、育児介護休業法では、育児を行っている人に対する労働環境の改善を図るために、労働時間の短縮措置を行うことについても規定されています。この規定は、3歳に満たない子を養育する労働者に対して、会社が一定の要件に該当する者を除き、対応しなければならない規定となっています。育児休業に係る給付制度育児休業に係る給付制度としては、雇用保険や児童手当法などで規定されています。雇用保険法では、育児休業中の被保険者について、「育児休業給付金」という給付を行う制度があります。これは、育児休業中の所得補償を行うことで、育児休業後の社会復帰を容易にすることを趣旨とした制度とも言えます。児童手当法では、15歳に達した日後最初の3月31日までにある子(つまり、中学卒業までの子のこと)がいる場合に、その子の人数に応じて児童手当を支給することで、家計の経済的負担の軽減を図るようにしています。保険料免除等による経済的負担の軽減を図るための規定産前産後休業の場合と同様に育児休業期間中においても、健康保険・厚生年金保険の保険料を免除する規定があります。育児休業期間中については、一定の要件を満たした場合であれば、最長で子が3歳になるまでの期間の保険料について免除されます。産前産後休業・育児休業を取得するうえでの注意点産前産後休業・育児休業は、法律上規定された公的な制度ですが、これらを取得する際に注意しなければならない点があります。例えば、「休業している期間中の収入をどうするのか?」「いつまでに会社に申告をしなければならないのか?」といったことがあります。産前産後休業を取得する上での注意点産前産後休業については、産前休業と産後休業では、法的な規定に若干違いがあるため、取得するうえで注意が必要な部分があります。産前休業の場合産前休業は出産予定日から6週間前の期間から取得することが出来ますが、会社は必ず休業を取得させる必要がない(休業を義務付ける規定ではないということ)ため、自身の申出をしなければ産前休業が出来ません。(実際のところ、申し出がなくても産前休業を予定日の6週間よりも前から取得させる会社もあります)産後休業の場合産後休業については、出産の日から6週間の期間については必ず休業させなければならないとされている点で、産前休業とは大きく違います。また、産後休業について、産後6週間を経過した日後については、医師の診察等を受けたうえで、労働をしても支障をきたさないという意見がもらえた場合には、職場復帰をすることも可能です。(原則としては、産後8週間は労働させてはなりません。)育児休業を取得するうえでの注意点育児休業についても、産前産後休業の場合と同様に、取得をするうえで注意しなければならない点があります。母親が育児休業を取得する場合育児休業は原則として「最長1年間まで」とされていますが、これは「産後休業期間」と「育児休業期間」の合計が1年まで育児休業を取得することが可能とされていますので、育児休業のみで1年間取得することが出来るわけではない点に注意が必要です。父親が育児休業を取得する場合父親が育児休業を取得した場合についても、原則として、育児休業期間は「最長で1年」となります。ただし、父親の育児休業の取得時期が「(母親の)産後休業期間」が終わった後に、母親が先に育児休業を取得している場合は、例外的に「子が1年2か月になるまでの期間内」であれば、育児休業の取得可能となります。(育児休業の取得可能期間は最長で1年です)まとめ妊娠・出産・育児に関する制度は、労働環境自体を改善するために規定や、保険料免除や給付の支給などによる経済的負担の軽減を図る規定など、様々な規定があります。しかし、実際に育児休業を取得している人の割合は「女性が約90%、男性が約1%」と圧倒的な差が出ています。しかし、近年では男女共働き世帯が増えてきていることもあり、育児休業自体を取得する人が減少しているようにも感じます。これらの制度を理解することで、一人でも多くの人が快適なワークライフバランスを実現できるようになることが大切だと考えます。
2018年12月23日「財形制度」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?「勤労者財産形成促進制度」を略したもので、勤労者財産形成促進法に基づき、会社が雇用する社員の財産づくりを国とともに支援する制度です。「財形制度」を導入している企業の社員は、結婚やマイホーム購入など、あらゆるライフイベントに備えて給与天引きで確実に貯蓄できる「財形貯蓄制度」や財形貯蓄残高に応じて長期・低利・公的な住宅ローンが組める「財形持家転貸融資制度」などを利用することができます。今回はこの「財形制度」にまつわるお話です。■ 不動産会社に聞かれて存在を知った「財形制度」昨年、会社員の夫名義での戸建て購入の際に初めて財形制度の存在を知った筆者。欲しい家が決まり、さあ次は住宅ローンをどの銀行から借りようかと考えていた際、不動産会社から言われた「ご主人の会社は財形制度を導入されていますか?」の一言。財形制度を導入している会社で1年以上財形貯蓄をしているなど特定の条件を満たしていれば、年利率がなんと0.7%前後で住宅ローンが組めると聞きました。さらに中小企業勤労者や18歳以下の子どもを育てている勤労者であれば、金利引き下げ特例措置があるとのこと。なんと、はじめの5年間はここからさらに0.2%も低い固定金利で融資が受けられるんです。これはすごく安い!さらに、ほかの公的融資や「フラット35」との併用も可。結局、筆者夫の会社は財形制度に加入していなかったため、財形制度は諦め、中央労働金庫(ろうきん)で借りることになりました。ろうきんでも他銀行と比べたら金利は安かったのですが、それでも財形制度で借りた方が遥かに安い金利だったことは事実。「なんで夫の会社は財形制度を導入していなかったんだ~!」と思ってしまいました。■ 財形制度で借りた資金は新築購入、中古購入、リフォームに使える財形制度で住宅ローンを借りる時には、このように低金利という最大のメリットがありますが、実は注意したい点もあります。Naoaki / PIXTA(ピクスタ)それは、借入可能額に制限があること。具体的には、申込日における一般財形貯蓄・財形住宅貯蓄・財形年金貯蓄の残高(合計)の10倍の額(最高4,000万円)、もしくは担保等の状況に応じて、住宅の建設・購入に必要な額および土地の取得(整備を含む)に必要な額(所要額)の90%以内の額、またはリフォームに必要な額(所要額)の90%以内の額の、いずれか低い金額が融資限度額になります。筆者宅は4,000万円を超える住宅ローンを借りたので、この限度額をオーバーしていましたが、もし財形制度を利用できていたら予算を少し下げて家探しをリスタートしたかもしれません。ローン返済に追われる今となると、それくらいこの低金利は羨ましいポイント。makaron* / PIXTA(ピクスタ)また、財形制度で融資を受けた資金は、新築住宅の購入だけではなく、中古住宅の購入、さらにリフォーム資金までもが対象です。家が欲しい、かつ低金利で融資を受けたいといった場合には、まず家を見つけてから住宅ローンを借りる銀行を探すのではなく、財形制度の条件内で欲しい家を探すという選択も決して悪くはないでしょう。新築購入、中古購入、中古住宅購入からのリフォームと、予算内ながらも選択肢を大きく広げることができるのは、非常に大きなお金が動くマイホーム購入においては非常に魅力的です。■ 澤穂希さん出演のウェブCMもスタート!単なる積立預金にとどまらず、国と会社がともに社員の人生設計を支援するしくみとなっている財形制度。社員が利用するには、勤めている企業が財形制度を導入している必要があります。12月3日からは財形制度の認知度アップのため、2017年1月に長女を出産し、今まさに子育て真っ只中である澤穂希さんが出演するWEBのCMがスタート。「財形貯蓄制度」「財形持家転貸融資制度」についてさらに詳しく、楽しく学べます。自分の会社が財形制度を導入していると、自分自身の住宅購入のあれこれがいろいろと変わってきます。もし低金利で住宅ローンを借りたいけれども、財形制度を導入していない中小企業にお勤めの方は、上層部に掛け合ってみるもの一つの手かもしれません。【参考】※澤穂希さんが“財産づくり”を学ぶ!? 初登場の「財形」広報キャラクター・財形姉妹と見事な掛け合いを披露 「財形制度」の新WEB CM 2018年12月3日(月)より公開
2018年12月18日子供がいる人なら、離婚するとなると最も気になるのが養育費ではないでしょうか?離婚しても親子関係は変わりませんから、養育費は当然請求できます。本記事では、離婚後に母親(妻)が子供を引き取る場合を想定し、養育費の支払方法や金額の相場、父親(夫)が払ってくれない場合の対処法などを説明します。離婚したら必ず養育費を請求できる養育費とは、子供を扶養するためのお金、すなわち子供の生活費のことです。離婚しても子供の父親には養育費を請求できます。離婚した夫にも子供を扶養する義務がある親子間には、民法上扶養の義務があります(877条1項)。離婚すれば夫婦は他人になりますが、子供と双方の親との関係は変わりません。離婚して子供と別居することになった父親にも、子供の扶養義務はあります。子供と同居する母親は、子供のために父親に養育費を請求できるということです。離婚の理由は養育費とは関係がない養育費は、離婚の理由に関係なく、当然に請求できます。養育費は親子間の問題で、夫婦間の問題とは関係ないからです。たとえば、妻の浮気で離婚になった場合、夫は妻に慰謝料を請求できます。この場合、「慰謝料を請求しない代わりに、養育費を払わない」というのは認められません。養育費は子供のために必ず確保されるべきお金であって、慰謝料などと相殺できるものではないのです。養育費は離婚後でも請求可能離婚時に養育費の取り決めをしていなくても、離婚後に養育費を請求できます。養育費は親子の関係から当然に発生する義務ですから、子供の親に対しては、いつでも支払いを請求できます。養育費の支払方法と支払期間養育費について話し合うときには、支払方法や支払期間について決めておきましょう。養育費は毎月払いが基本養育費は、月額いくらという形で決めるのが一般的です。養育費は日常的にかかる生活費ですから、毎月払いでその都度支払うのが望ましいと言えます。大学進学した場合の支払期間は22歳まで親が子供に対して扶養義務を負うのは子供が成人するまでなので、養育費も子供が成人するまで請求可能です。成人年齢は現状20歳ですが、民法改正により2022年4月以降は18歳に引き下げられる予定です。なお、子供が大学に進学した場合には、大学在学中は働いて自立できないため、親に扶養義務があると考えられています。そのため、子供が大学在学中の場合や、大学に進学する見込みの場合には、22歳の3月までの養育費の支払いを取り決めするのが一般的です。養育費は一括払いでもかまわない養育費は、当事者双方が納得すれば、一括払いにすることも可能です。養育費を一括払いにすれば、母親側は、離婚時に将来の分まで養育費を確保できます。父親側にとっても、長期間にわたって養育費を払い続けなければならない煩わしさから解放されるのは、メリットといえるでしょう。なお、養育費の一括払いでは金額が大きくなってしまうため、贈与税の課税が心配になるかもしれません。養育費は基本的に非課税ですが、養育費であることを明確にするため、離婚協議書を残しておいた方がよいでしょう。養育費の相場は?養育費の金額は話し合いで自由に決められますが、相場が気になるでしょう。一般に、養育費の相場というと、養育費算定表の金額を指します。養育費算定表とは、双方の親の年収、子供の年齢、子供の数から、平均的な養育費を知ることができる早見表です。裁判所の実務においては、養育費を決めるときに、養育費算定表の金額を参考にします。養育費算定表はこちら養育費算定表の金額では十分でないことが多い現行の養育費算定表の金額はかなり低めになっており、裁判所でも見直しが進められています。日弁連では裁判所基準よりも高額の新養育費算定表を作っており、現状でも弁護士は新算定表にもとづき交渉を行っているのが実情です。また、養育費算定表の金額は、小・中・高を公立に通わせる場合を想定した金額になっており、私立に通わせる場合に余分にかかる費用は含まれていません。塾費用や大学進学費用も養育費算定表ではカバーされない費用です。つまり、養育費算定表の金額では、養育費としては十分でないケースが多くなります。養育費算定表は、養育費の相場を知る上では便利です。しかし、養育費算定表があるせいで、「算定表を超える金額は一切払いたくない」という人も多いように思います。相手から提示された養育費に納得がいかない場合には、弁護士に相談するのがおすすめです。子供に実際にかかる費用から考えることが大事養育費を決めるときには、一般的な相場よりも、現実にいくらかかるかを基準に考えるべきです。算定表を見て機械的に決めるのではなく、現実にかかる費用を考えて納得のいく額を請求するようにしましょう。子供にかかる費用は、双方の親が分担するのが原則です。たとえば、病気や障害があったり、特殊な習い事をしていたりで、子供に普通よりもお金がかかるケースはあるでしょう。その場合には、父親が負担しなければならない養育費も当然多くなります。まずはそれぞれの家庭の事情に合わせて子供にかかる費用を見積もり、双方の親でどう分担するかを話し合うようにしましょう。養育費は増額や減額も可能養育費は、離婚後の双方の親の状況の変化(事情変更)により、増額または減額できるものとされています。事情変更の代表的なものは、どちらかの親の再婚です。たとえば、父親が再婚した場合、養育費の支払義務が当然になくなるわけではありません。しかし、再婚後の家族についても扶養義務が発生するため、養育費の減額が認められる可能性はあります。母親が再婚し、再婚相手と子供が養子縁組をした場合にも、再婚相手に子供の扶養義務が発生しますから、養育費の減額が認められるでしょう。また、事情変更により養育費を増額する場合としては、当初の取り決めで大学進学費用を考慮しておらず、養育費が足りなくなった場合などが考えられます。養育費の減額や増額についても、話し合いで合意できるのであれば、話し合いで決めてかまいません。話し合いで決まらない場合には、家庭裁判所に養育費増額調停や養育費減額調停を申し立てましょう。養育費を払ってもらうためにできること離婚するときには、養育費の取り決めをしておきましょう。養育費について話し合いができない場合でも、裁判所を利用して決めることができます。養育費の取り決めは公正証書にしておく養育費について話し合いで決めて協議離婚する場合には、離婚協議書を作成しておきましょう。離婚協議書は、公証役場で公正証書にしておくと安心です。公正証書は、公証役場で公証人に作成してもらう契約書です。養育費の取り決めを公正証書にしておけば、相手が約束どおり払わなかった場合に、すぐに強制執行の手続きをとることができます。話し合いで決まらない場合には調停を養育費について、夫婦間の話し合いで決まらない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てましょう。離婚成立前は離婚調停(夫婦関係調整調停)を申し立てますが、離婚後は養育費請求調停を申し立てることになります。養育費のみで争っている場合には、調停が不成立になるとそのまま審判に移行し、審判で裁判所に養育費を決めてもらえるのが通常です。相手が話し合いに応じてくれそうにない場合でも、あきらめずに調停を申し立てましょう。なお、調停や審判で養育費について決まった場合には、裁判所で調停調書や審判書が作られます。約束どおり払ってもらえない場合には、調停調書や審判書にもとづき強制執行することも可能です。まとめ離婚後に母親が1人で子供を育てていくには、お金がかかります。離婚するときには養育費の取り決めをし、子供のためのお金を確保できるようにしておきましょう。養育費の金額を決めるときには、養育費算定表が参考になります。ただし、養育費については、相場を意識するよりも、現実にかかる費用を考えて決めることが大切です。養育費について取り決めしたら、支払いを確保するため、公正証書を作成しておきましょう。
2018年12月18日軽症高額該当とは?難病法に基づき、難病のある人を対象とする医療費の助成制度があります。しかし、指定難病に罹患していると認められたものの、病状が「軽症」であるため重症度基準を満たせないと、医療費助成の対象とならない場合があります。「軽症高額該当」は、「軽症」でありながら症状を保つために高額の治療費を支払い続けている難病の人を医療費助成の対象として認定し、経済的負担の軽減を図る制度です。難病患者が医療費助成を受けることができる制度に「指定難病医療費助成制度」があります。その認定審査は、定められた「診断基準」および「重症度基準(症状の程度の基準のこと)」という2つの基準をもとに行われます。上記2つの基準両方を満たした人が、難病医療費助成を受け取ることができるという仕組みです。しかし、診断基準は満たしているものの、重症度基準を満たせない「軽症」という場合もあります。服薬などの適切な治療によって症状が抑えられ、通常の生活を送ることができている状態が続いている人もいます。「軽症」とはいえ、その状態を保つ治療を継続するためには、高額な医療費が必要となってきます。特に難病の場合は、治療が長期にわたることも多く、治療費は経済的に大きな負担となってしまいます。そこで平成27年1月1日より、「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」が施行され、その中でこうした難病でありながら、高額な治療費を支払い続けている「軽症」状態の患者の経済的負担の軽減を図るため、「軽症高額該当」という新しい制度が導入されたのです。軽症高額に該当する2つの要件出典 : 「軽症高額該当」の対象者は、臨床調査個人票(医師による、細かい調査所見を記入したもの)を審査した結果、申請した疾病の診断基準は満たすが、重症度基準(病状の程度の基準)は満たさなかった人となります。要するに、指定難病であると診断されているにもかかわらず、「軽症」(適切な治療によって症状が抑えられている)な状態であることによって、助成費が受けられないということです。「軽症高額該当」制度において、医療費の助成が受けられるかどうかは、1ヶ月あたりの難病治療にかかる医療費の総額がポイントとなります。認定の基準となるのは、申請した月以前の12ヶ月間において、申請した疾病(指定難病)にかかった医療費総額(10割負担と考えた場合)が33,330円を超える月が1年間の間に3ヶ月以上あると認められるかどうか。難病と診断されてから12ヶ月経っていない場合は、医師が難病発症と認めた月から、申請日の属する月までに医療総額費が33,330円を超える月が3回以上あった場合に対象となります。Upload By 発達障害のキホン参考:東京都福祉保健局軽症高額該当の認定および医療助成費申請の流れ出典 : 指定難病医療費助成申請をする際に、「軽症高額該当」認定申請も同時に行なうのが一般的です。これは、指定難病医療費助成と軽症高額該当の申請を別々に行うと、かなりの時間と手間がかかり、給付までに相当な時間を要することになってしまうためです。最初にどこに相談すればいいのか、どのような手順で申請するのか、申請に必要な書類、注意すべき点などを解説します。「軽症高額該当」認定および医療助成費の申請や相談の窓口は、自身の住民票のある各都道府県の保健所になります。各都道府県によっては、福祉事務所などと統合されている場合もありますので、事前に自治体のホームページなどで確認しておきましょう。「軽症高額該当」の認定申請は、医療費助成申請の手続きと同時に行うことがほとんどです。「指定難病医療費助成制度」の医療助成費申請手続きの際に、追加書類として「軽症高額該当」であることを証明するための書類を提出することで、軽症高額該当の認定確認も行われます。まず、必要書類(次項の「申請に必要な書類」参照)を揃え、各都道府県の窓口(保健所もしくは役所の福祉事務所)に提出します。「軽症高額該当とみなし、医療費助成対象である」と認定されると、都道府県から「指定難病医療受給者証」が交付されます。都道府県によって異なりますが、認定されても医療受給者証が届くまでには、ある程度の時間がかかります。医療受給者証が手元に届くまでにかかってしまった医療費に関しても、治療証明書や領収書を添付し治療費の支給申請を行えば、負担上限月額を超えた額があとから支給されます。必ず治療証明書や領収書は保存しておきましょう。ほぼすべての書類は、保健所や福祉事務所のホームページからダウンロードすることができます。都道府県によって必要な書類は多少異なってくるため、必ず担当窓口に確認しましょう。・※「臨床調査個人票」…指定医による詳細な診断書、厚生労働省のホームページからダウンロードできる。なお、平成27年1月1日以降、難病患者が特定医療費の認定申請を行う際、都道府県知事の定める指定医以外の医師が作成した臨床調査個人票(診断書)は認められない。・※「医療費申告書」…かかった医療機関に、医療機関名・治療内容・かかった医療費などを記載してもらう。必ず領収書も添付する。・支給認定申請書…患者の個人情報を自身が記入するもの。・健康保険証の写し・住民票・世帯の所得を確認できる書類※印の書類が、「軽症高額該当」認定のための追加必要書類となります。難病医療費助成制度における指定医制度について医療受給者証の有効期間は原則1年以内です。継続的に治療が必要な場合は、有効期間終了前に必ず更新手続きを行いましょう。せっかく「軽症高額該当」と認められ、医療費の助成を受けられても、更新し忘れた場合、再び新規申請しなければならないので注意しましょう。また、医療費の助成が受けられるのは、「指定医療機関」で受けた指定難病およびそれに付随して発生した傷病の治療に限られます。難病以外の風邪などの病気あるいは怪我などで、他の病院でかかった医療費は助成されません。助成を受けられる場合、自己負担額はどのくらい?「軽症高額該当」と認められ、指定難病医療費助成が受けられるようになると、各指定医療機関で受診した場合の自己負担の割合は2割に抑えることができます。そのうえで、1ヶ月間(月初~月末)の自己負担の累積額が、年齢や所得に応じた自己負担上限額に達する、あるいは超えてしまった場合でも、その月はそれ以上の費用徴収が行われません。自己負担上限月額は、所得によって基準が異なりますので、下表を参照してください。Upload By 発達障害のキホン指定医療機関を受診するごとに「指定難病医療受給者証」を提示し、自己負担上限額管理票に負担した金額を記入してもらうことで、その月ごとの自己負担の累積額を把握・管理することができます。指定難病医療受給者証の更新手続きの際には、「自己負担上限額管理票」が必要になってくるので、忘れずに記入し、必ず手元に取っておきましょう。助成の対象となるもの、ならないもの助成の対象となる医療の範囲は、「指定難病及び当該指定難病に付随して発症する傷病(公的医療保険適用外の費用やサービスは対象外)」となります。助成は、公的医療保険を使用した指定医療機関での入院や外来、および薬代や訪問看護に対して行われます。また、軽症を保っている間も、リハビリや介護が必要な場合もあります。その場合は、介護保険を利用した訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導なども給付の対象となります(指定医の承諾書が必要)。助成の対象とならないケースとして、保険診療外や当該の指定難病に起因しない傷病の診療費および指定医療機関ではない病院、薬局や訪問看護ステーション(訪問看護サービスを提供する地域の事業所)の診療等が挙げられます。例として、・指定医療機関以外での受診でかかった医療費や薬代・医療受給者証に記載されている有効期間外にかかった医療費や薬代・認定されている疾病およびそれに付随して発生する傷病以外の治療(歯の治療など)にかかった医療費や薬代・入院中の食事代(生活保護受給者は対象となる)・入院中の差額ベッド代やシーツ、テレビ、おむつなど、保険適用外の料金・往診料金で医療機関に払う、保険適用外の交通費や手数料など・臨床調査個人票などの証明書発行にかかる料金・めがねやコルセット、車椅子などの治療用補装具にかかる費用・はり、きゅう、あんま、マッサージなどの費用などは対象外となります。その人の病状や自治体によっても若干内容が異なってくるので、必ず保健所や福祉事務所の窓口に相談しましょう。まとめ難病は、治療が極めて困難で、長期にわたるケースがほとんどです。たとえ「軽症」な状態が保たれていても、そのための医療費は高額になります。医療費の助成制度を活用することで、今まで重くのしかかっていた医療費の自己負担が、3割から2割に引下げられる場合もあります。「軽症高額該当」に認定され、指定難病医療費助成を受けることができてもなお、医療費の負担が重い患者さんもいます。そういう人のために、「高額かつ長期」という制度もあります。これは、「一般所得Ⅰ(年収約160万円~約370万円で市町村民税 7.1万円未満)以上の者が、支給認定を受けた指定難病にかかる月ごとの医療費総額について5万円(10割負担の場合。実際に請求される金額が2割負担の場合、1万円という換算)を超える月が年間6回以上ある場合は、月額の医療費の自己負担を軽減する」というものです。適切な治療を受けながら、症状の安定した状態で日常生活を送り、かつ「このまま高額な治療費を払い続けるのか」という精神的負担を減らすためにも、医療費助成制度の仕組みや流れをしっかり理解しておくことはとても大切なことなのです。参考:東京都福祉保健局|軽症高額該当について参考:東京都福祉保健局参考:難病情報センター参考:大日本住友製薬参考:厚生労働省|難病対策参考:一般社団法人全国訪問看護事業協会参考:東京都福祉保健局|高額かつ長期について
2018年12月04日離婚したいけどお金のことが心配でなかなか踏み出せないという人は結構多くいます。ひとりで子供を育てていくにはどのくらいの費用がかかるのか、将来のことも考えて養育費を算出することが必要です。養育費は子供が何歳になるまでもらえるのか、養育費の相場はいくらなのかなど、養育費の気になる疑問について解説します。お金の問題を解決して、モヤモヤした気持ちを解消しましょう。離婚する前にまずは子供の養育費について考える養育費という言葉自体は聞いたことがあるけど、詳しくはわからないという人も多いのではないでしょうか?養育費とはどういうものなのか簡単に説明します。養育費とは離婚をするときに夫婦の間に未成年の子供がいる場合、まずは子供の親権をどうするかを決めなくてはいけません。そして子供を監護する親権者に対して、子供を育てていくための費用を支払うことを養育費といいます。どこまでの範囲が養育費になるの?養育費は子供の養育全般に関する費用です。子供の衣食住に関わる費用から、学費や習い事などの支払いを補填するものだと考えるとよいでしょう。子供の養育費については、「夫婦が相応に負担する」ことが原則です。相手にすべて負担してもらえるわけではないので注意しましょう。 養育費は子供が何歳になるまでもらえる?養育費については理解できたけど、子供が何歳になるまでもらえるのかも気になりますよね。子供が大学に進学したり、私立に通う場合などで教育費は大きく変動します。いつまで養育費がもらえるのか、大学まで通う場合の教育費はどのくらいなのかを確認しましょう。養育費がもらえる期間養育費は原則子供が20歳になる月まで毎月支払われます。基本的に養育費は請求した時点以降からもらうことができ、過去に遡って請求することはできません。子供が高校卒業後に就職した場合は、養育費の支払いが終了することもあります。高校進学まではいくら必要?文部科学省の統計「子供の学習費調査(平成28年度)」によると、子供一人あたりの1年間の学習費総額は以下のとおりでした。公立幼稚園 23万4千円 私立幼稚園 48万2千円公立小学校 32万2千円 私立小学校 152万8千円公立中学校 47万9千円 私立中学校 132万7千円公立高等学校(全日制)45万1千円 私立高等学校(全日制)104万円平成28年度子供の学習費調査の公表について(報道発表資料)より引用学習費総額は、入学金や授業料に加えて、制服や教科書の購入費用、給食費など、学校に対して支払う全てのお金のことです。高校までの費用は進学先が公立か私立かで大きく異なっています。子供の将来のことをしっかりと考え、前もって相手と話し合っておくことが大切です。公立ではなく私立の高校に通うなら子供が公立高校ではなく私立高校に進学する場合は、教育費は約2~4倍の差があります。相手との話し合いで私立への進学を納得している場合は、養育費算定表の金額が増額されます。しかし相手が私立への進学に反対していたり、資産や収入などから増額分を負担する必要がないと判断された場合は、養育費を増額することはできません。大学まで行く場合はどうなる?日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査(平成30年2月14日発表)」によると、大学の入学費用は平均85万円、在学費用は年間平均153万円となっています。養育費が支払われるのは原則として子供が20歳になるまでですが、大学費用は相手に払ってもらえるのでしょうか?実はお互いの合意があれば、大学費用を支払ってもらうことができます。ただ裁判所で審判、判決となる場合は「子供が20歳になるまで」と決まることがほとんどです。特別な事情がない限りは、裁判官が養育費の延長を命じることができません。 子供の養育費の月平均は?相場が気になる養育費で一番気になるのは、やはり相場ではないでしょうか?養育費の月平均金額を知ることで、自分が養育費をもらうときの目安になります。どのように養育費を計算するのかも合わせて確認してみましょう。養育費の相場はどのくらい?計算方法とは一般的に養育費は月に3万円~6万円が相場だといわれています。夫婦それぞれの年収や年齢、子供の人数によって違いますが、目安として考えておくといいでしょう。養育費は 夫婦の年収と未成年の子供の数によって決められます。養育費を支払う側の年収が高ければ、それだけ養育費を支払う金額も高くなるのです。養育費の算定方法については、家庭裁判所で採用されている「養育費算定表」を使って計算できます。「養育費算定表」は、裁判所のホームページなどでも掲載されているので、一度チェックしてみるといいでしょう。養育費には上限がある?「養育費算定表」で養育費は決められるのですが、増額することは可能なのでしょうか。家庭裁判所の審判や訴訟で養育費が決められている場合は、特別な事例を除いて、算定表以上の金額をもらうことは難しいケースが多いです。ただし当事者同士の話し合いで決めた場合は、算定表以上の金額に設定することができます。算定表はあくまで一般的な基準であり、必ず守らなくてはいけないものではありません。相手が納得するかが最大のポイントです。子供が多いとそのぶん養育費はもらえるの?子供が二人以上いる場合、もらえる養育費が多くなります。ただ単純に倍になるというわけではありません。子供二人なら1.5倍程度、三人ならもっと増え幅が少なくなります。金額は子供の年齢などによっても変わってくるので、個別で計算する必要があります。 未婚や再婚した場合に養育費はもらえるの?養育費にはいろいろなケースがあります。「このようなときはもらえるのかな?」と悩むこともありますよね。2つのケースをご紹介しますので自分に当てはまれば、ぜひ参考にしてみてください。未婚の場合の養育費はどうなるの?未婚の場合は子供の父親に認知してもらうことが大切です。もし認知してもらうことが難しい場合でも、父親が確かであれば「強制認知」といって法的に認知させることも可能となります。応じてもらえない場合は、家庭裁判所で手続きをしましょう。認知してもらえれば法律上の親子関係が生じるので、扶養義務が発生し、養育費を支払ってもらうことができます。再婚しても大丈夫?基本的には再婚相手には連れ子の養育義務はありません。そのため再婚しても養育費の支払いをストップされる理由にはなりません。新しい夫が子供の父親となり、扶養義務が生じるのは「養子縁組」をした場合になります。 相手に収入や貯金がない場合の子供の養育費は?離婚相手が働いていて収入があるのならよいですが、もし低収入だったらどうすればいいのでしょうか。気になる疑問にお答えします。相手に貯金や収入がない場合養育費は月払いなので、貯金がない場合でもとくに問題はありません。養育費の支払い金額に資産は関係ないからです。ただ相手に収入がない場合は、養育費を請求することができなくなります。売却すればお金になるような資産があればいいのですが、何も無ければどうしようもありません。ただ養育費を逃れるために一時的に退職したり、収入を減らしたりしている場合は別です。その場合は弁護士に相談してみましょう。離婚後に養育費が支払われなくなったときの対処法養育費の取り決めをしても支払いが滞ってしまうケースもあります。その場合は相手に支払ってもらえるよう話し合うことが大切です。もし相手が応じない場合は、相手の給料や財産を差し押さえる手続きが必要になります。これは協議離婚か調停離婚だったかによって異なりますので、しっかりと確認しておきましょう。 まとめ養育費を必要なだけもらうためには、正しい養育費の知識が必要です。離婚を考えたときに子供の教育にかかる費用はどのくらいなのか、しっかり把握しておきましょう。養育費の支払い交渉や調停などの手続きは、弁護士に依頼するというのも一つの手です。子供の将来のことも考えて、あとでトラブルにならないようにしっかり話し合っておきましょう。 参考:厚生労働省養育費相談支援センター内閣府「インターネットによる子育て費用に関する調査」の公表について」日本政策金融公庫「教育費に関する調査結果」裁判所「養育費・婚姻費用算定表」
2018年10月20日離婚につきものなのが、慰謝料の話題。芸能人の離婚ニュースであれば「慰謝料は●●億円」といった高額慰謝料も注目を集めます。過去には大物歌手が50億円の慰謝料を支払った、なんて話も。そもそもなぜ芸能...
2018年10月17日いま、教育資金は「情報戦」です。たとえば、教育関係の公的な助成・補助金は、申請するからこそ、もらえるお金。申請しなければ、もらえません。また、いまや大学は、返さなくていい給付型の奨学金をこぞって増やしている時代です。これらを「知っている」のと「知らない」のでは、大違い! 充実してきた教育支援制度の情報を、教育資金に詳しいファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんにピックアップしてもらいました。【「教育費どうしようかな?」と思ったら】 第1話 “情報格差”で、子どもの進路に影響が出る!? 第2話 普通の進路でも、老後破産する!? その落とし穴とは 第3話 児童手当が大学資金に! “いつの間にか貯まる”教育資金ワザ ■低所得のひとり親家庭に給付するお金児童扶養手当死別や離婚などで母親または父親、父母がいない場合は祖父母などひとり親家庭で18歳未満の子どもを養育している人が、低所得の場合にもらうことのできる手当です。受け取れる額は、「養育している子どもの人数」と「親の収入(所得)」によって違い、とても複雑なので、詳細はお住まいの市区町村窓口に問い合わせをすることが大切です。申請をした後、1~3ヶ月程度の認定審査があり、認定日の月の翌月分から支給が開始されます。■幼稚園の月謝、入園費の補助私立幼稚園就園奨励費補助金私立幼稚園に通う場合は、ぜひ「私立幼稚園就園奨励費補助金」の活用を!国が自治体に依頼している補助金制度で、満3歳児から5歳児(年長)までの月謝と入園費を対象に受けることができます。きょうだいの人数、年齢、親の収入(住民税の額)、そして住んでいる自治体などで補助金の額は異なります。なお、千葉県野田市のように公立幼稚園に通う世帯にも助成しているところもあります。一方で市区町村によっては制度がない場合や国の基準よりも厳しく設定しているところなど助成額も異なるため、まずは自治体に問い合わせをしましょう。■高校の授業料の無償化高等学校等就学支援金(国の制度)家庭の所得に応じて、高等学校の授業料が支給されるシステムです。現金で直接、生徒や保護者が受け取れるというものではなく、学校設置者(学校法人など)が生徒本人に代わって受け取り、授業料と相殺されます。申請書類は、入学時は4月に、継続して支給を受ける届け出手続き関係は6月~7月頃に高校から配布されます。ただし、モデル世帯(給与所得のみの夫婦・16歳以上の高校生一人・中学生一人の4人世帯の例)で言えば、年収約910万円以上になると就学支援金は受けられません。■返さなくていい奨学金!?今回の取材で、筆者が一番驚いたのは、「返さなくていい奨学金」が増えていること。そのなかでも、最近の一大トレンドとなっているのは、「予約型」の奨学金です。これはおもに地方からの受験生が対象で、受験前に申し込み、合格したら支給をされる奨学金のことです。申し込みは、前年度の秋のことが多く、それゆえ「予約型」。つまり、現役生の場合は、この情報を「知っていて」、高校3年生のときに応募しておかなければなりません。現在、多くの大学は、予約型の奨学金を設けています。●早稲田大学「めざせ! 都の西北奨学金(予約型)」半期(春学期)の授業料が免除。●慶應義塾大学「学問のすゝめ奨学金(予約型)」地方の新入生500人に年額60万円~90万円を卒業まで支給します。国立大学でも、たくさんの奨学金給付があります。たとえば、一橋大学の「一橋大学学業優秀学生奨学金制度」では、前年度にとくに優秀な成績を収めた学部生12名以上に月8万円(年96万円)を毎月送金します。支給は1年間限定ですが、親の年収制限を設けるなど家計の経済状況は加味されません。奨学金といえども、返済義務があるものは、大学を卒業した途端、数百万円もの借金を背負うもの。返さなくていい奨学金を上手に活用することで、親の家計への負担を減らし、子どもの進学に役立てることができます。そんな時代がやってきたのは、喜ばしいこと。みなさんに制度を知ってもらい、活用して欲しいです。いかがでしたか? いつの時代も、「わが子にできるだけのことをしてあげたい」というのは、当然の親心。けれども、先行き不透明ないま、教育資金作りに不安を感じる人も多いことでしょう。この連載が、教育資金の「情報格差」を解消し、前向きな教育資金作りの第1歩を踏み出すキッカケになるとうれしいです。■今回のお話を伺った竹下さくらさんのご著書 『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』 竹下さくら著/日本経済新聞出版社 ¥1,500(税別)竹下さくらさんファイナンシャル・プランナー(CFP)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。慶応義塾大学商学部にて保険学を専攻。卒業後、損害保険会社・生命保険会社の本店業務部門等を経て、1998年よりFPとして独立、現在に至る。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。
2018年09月29日出産費用の負担を軽減させるための制度、出産育児一時金の直接支払制度というものを利用すると、まとまった出産費用を用意しなくて済むようになります。こちらでは、これから出産をするみなさんが安心をして、出産育児一時金直接支払制度を利用することができるように、手続きの方法や差額分について、利用するメリットなど様々なギモンについて詳しくご説明していきます。出産育児一時金の直接支払制度とは出産育児一時金とは国が定めている制度で、女性が子供を出産する際に、勤め先や夫の健康保険に入っていればその健保から、国民健康保険に加入していれば自治体から出産費用の補助として給付金が支給される制度ものです。出産する子供ひとりにつき一律42万円、加入する健保によってはさらに付加給付金が上乗せされて支給されます。ただし産科医療制度に加入していない病院の場合は減額され、40万4000円の支給となります。そして出産育児一時金の直接支払制度とは、出産時の窓口実費負担を軽減させる制度です。直接支払制度を利用すると窓口での支払いは、出産費用から出産育児一時金の42万円を差し引いた金額が請求されます。 出産育児一時金直接支払制度のメリット出産をする際に出産育児一時金直接支払制度を利用することで得られるメリットには、次のようなことが上げられます。まとまったお金を用意しなくて済む金銭的にも余裕が出て心にもゆとりができる高額になりがちな出産費用ですが、出産育児一時金直接支払制度を利用することで医療機関の窓口で支払う額が軽減されます。まとまった大きな金額を支払わずに済むので、金銭的に余裕ができ、ゆとりのある心で子育てに入ることができます。 支払い額と支給金額に差額が発生したらどうする?出産育児一時金は42万円と定められていますが、実際に掛かる出産費用は出産する病院や検査内容によって大きく変わります。出産育児一時金の42万円を超える方もいれば下回る方もおり、金額の差は医療機関や入院する部屋などにもよりますが、大きな違いは出産する地域の差になります。都道府県別の平均的な出産費用北海道427,536円石川県456,037円岡山県479,016円青森県424,054円福井県453,697円広島県475,611円岩手県450,152円山梨県477,026円山口県426,973円宮城県513,764円長野県492,076円徳島県457,491円秋田県439,574円岐阜県474,691円香川県434,345円山形県486,012円静岡県481,314円愛媛県441,567円福島県461,714円愛知県497,657円福岡県459,253円茨城県496,897円三重県489,252円佐賀県430,352円栃木県525,763円滋賀県471,587円長崎県446,221円群馬県492,802円京都府472,706円熊本県441,449円埼玉県511,750円大阪府492,944円大分県422,215円千葉県492,400円兵庫県492,866円宮崎県420,879円東京都586,146円奈良県479,864円鹿児島県426,711円神奈川県534,153円和歌山県443,955円沖縄県414,548円新潟県486,386円鳥取県399,501円富山県457,650円島根県453,170円全国平均486,376円厚生労働省保健局/出産育児一時金の見直しについて:都道府県別の平均的な出産費用について(平成24年度)pdf上記の表図をみて分かる通り出産費用はの地域差がは大きいものになりますです。出産費用出産費が全国で一番安い鳥取県の出産費平均額は399,501円に対し、出産費が全国で一番高い東京都の出産費平均額は586,146円で約19万円もの差がついています。更に鳥取県と東京都で出産育児一時金を利用した場合を比較すると、鳥取県は約2万円下回り東京都は約17万円上回ります。地域によってこんなにも差があるのです。超えた分は医療機関の窓口で出産費用出産費が出産育児一時金の42万円を超えた場合は、超えた分の金額を医療機関の窓口で支払います。下回った分は後日振込出産費用出産費が出産育児一時金の42万円を下回った場合は、差額が銀行口座へ振り込まれます。加入しているされている健保の制度保健で付加給付金がある場合のほとんどは、差額が振り込まれるタイミングで付加給付金もが上乗せされて振り込まれます。 出産育児一時金直接支払制度の申請方法42万円もの補助金が出ることや窓口で支払わなくて済む制度を利用すると考えると、出産育児一時金直接支払制度の申請は面倒な書類が必要なのではないか……と心配になるかもしれませんが、出産育児一時金の申請や手続きは原則、必要ありません。しかし、被保険者と医療機関の間で直接支払制度利用の契約を結ぶ必要がありますので、医療機関で契約に必要な書類を手渡されます。書類の内容は医療機関によって異なりますが、大きな病院などでは被保険者証(保険証)の提出と書類にサインする程度の簡単な手続きで直接支払制度の契約が完了しますので、ほとんどの医療機関では直接支払制度を利用する為の特別な準備は必要ありませんないでしょう。出産育児一時金直接支払制度を利用しない場合出産育児一時金の直接支払制度を利用しない場合は、出産費用出産費の全額を窓口で支払った後日に出産育児一時金の42万円を受け取る流れになり、ご自分が加入している健康保険保険が定めている書類を提出し手続きを行う必要があります。また、海外で出産をした方も同様の手続きが必要です。直接支払制度の利用出産費用支払い受取利用する42万円以下窓口の支払いなし42万円の差額と付加給付金(制度がある場合)を受け取り42万円以上出産費用から42万円を差し引いた額を窓口で支払い付加給付金(制度がある場合)を受け取り利用しない–出産費用の全額を窓口で支払い42万円に付加給付金(制度がある場合)を上乗せで受け取り 予め確認が必要!負担が大きくなるケース出産育児一時金は日本に住む日本人であれば全員が利用できる制度ですが、一部の医療機関では出産する方の負担が大きくなる場合があります。小さな医療機関などでは直接支払制度を導入していないところがある他、産科医療保障制度というものに加入していない医療機関で出産場合した場合は出産育児一時金が減額になりますので、予め医療機関に確認しておくことが必要です。直接支払制度を導入していない医療機関もし、自分が出産する医療機関が直接支払制度を導入していない場合は受取代理制度という制度を利用する方法もあります。受取代理制度は直接支払制度と類似の制度で、出産育児一時金の受け取りを医療機関に委任する制度です。受取代理制度は直接支払制度に比べ面倒な手続きが必要になりますが、直接支払制度を導入していない医療機関でも出産育児一時金の42万円を差し引いた金額を窓口で支払うことになりますので、まとまった大きな金額を用意せずに済みます。受取代理制度の申請は事前手続きとなります。産科医療補償制度に加入していない医療機関出産育児一時金は42万円と説明しましたが、実は詳しい内訳をみると出産育児一時金は40万4千円と定められています。差額の1万6千円はというと産科医療補償制度の掛金分とされ、合わせた金額が42万円とされています。産科医療補償制度とは出産後に子どもが脳性まひなどの重度の障害を負った際に、家族へ保証金を支払う事を目的とした制度です。補償金の掛け金は出産する方が支払うことと定められていますが、出産育児一時金に産科医療補償制度の掛け金分として1万6千円が含まれています。一部の産科医療補償制度に加入していない医療機関で出産をした場合は、産科医療補償制度の掛金も必要なくなるので出産育児一時金は掛金、1万6千円を差し引いた40万4千円となります。 まとめ出産には高額な費用が掛かるものです。出産育児一時金直接支払制度は面倒な手続きなく利用している方がほとんどですので、予め医療施設に確認をしゆとりのある出産をしましょう。また、出産前にある程度、自分のかかっている医療機関で必要となる出産費用を計算し、出産育児一時金を差し引いた差額を把握しておくと、より気持ちにゆとりが出るでしょう。
2018年09月20日養育費は離婚した未成熟子が社会自立をするまでに必要とされる費用とされ、離婚時に当事者同士の話し合いによって決めた金額を支払うことが一般的です。そんな養育費ですが、なかには合意したにもかかわらず支払わない人間もいると聞きます。子供を抱えている側の経済力が乏しい場合、養育費の支払いがなくなってしまうと、生活が困窮することになります。当然、なんとかして支払いを迫りたいところ。どのような対策を講じれば良いのか。秋葉原よすが法律事務所の近藤美香弁護士に解説していただきました。 Q.離婚相手が養育費を支払わない。どうやって請求すればいい? A.強制執行や調停・審判申立てなどの方法があります近藤弁護士:「どのような形で合意をしたのかによります。調停や公正証書で合意した、あるいは判決や審判が出た場合であれば、相手方の給与を差し押さえる等の方法で養育費を回収することが可能です(強制執行)。口約束や2人で交わした合意書等,上記以外の形の場合は、養育費を請求する調停・審判を申立てて、その手続きの中で約束どおり支払うよう求めていくことになります。仮に審判となる場合、約束どおりの額がそのまま認められると限りませんが、そのような約束をしたという事実は考慮されると思います」口約束ではなく、調停や公正証書で合意した場合には、強制執行が可能とのこと。後悔しないよう、離婚時に強制執行が可能な形での取り決めをしておきましょう。 *取材協力弁護士: 近藤美香(秋葉原よすが法律事務所。家事事件を専門的に取り扱い、500件以上の家事事件を取り扱った経験を持つ。JADP認定の夫婦カウンセラーの資格を保持している。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)離婚相手が養育費を支払わない!請求する方法はない?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。離婚相手が養育費を支払わない!請求する方法はない?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月18日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「高度プロフェッショナル制度」です。6月、8つの法律から成る働き方改革関連法が成立。長時間労働をなくすため、残業時間の上限が原則月45時間、年間360時間に定められました。上限を超えると使用者側に6か月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科せられます。また、「同一労働同一賃金」を導入。同じ企業で同じ仕事内容の場合、正規雇用と非正規雇用の待遇格差を是正することになりました。8つの法律の一つが「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」です。年収1075万円以上の専門職は、残業や休日、深夜労働などの割増賃金の支払い対象から外すというもの。証券アナリストや医薬品開発の研究者、経営コンサルタントなどが対象とされています。残業せずに自分の裁量で効率よく働けばいいという制度なのですが、現実問題、自分の仕事が終わったからと、残業せずに帰ることができるでしょうか。上司に新たな仕事を頼まれ、サービス残業を強いられるのではないか。家族が過労死した遺族らはこの法案に反対していました。優秀で責任感の強い真面目な人こそ、過労に至ります。本来、法律はそういう働き手を守るためにあるべきなのに、「高プロ」はそうではないと肩を落としていました。実はこの法案、第1次安倍内閣のころにも「ホワイトカラー・エグゼンプション」という名で推し進められましたが、猛反対にあい、潰されました。安倍内閣が、なんとしてもこの法律を通したかった背景には、アメリカからのリクエストがあります。「日米投資イニシアティブ」という、経済的にパートナーシップをとろうという交渉のなかで、アメリカは日本の雇用環境を、従来の終身雇用型の家族的なあり方ではなく、成果主義ですぐに首を切れる外資系スタイルに変えることを要望。そうして、日本企業でアメリカ人の雇用を増やすことを望んでいるのです。高プロは、労働者側に、拒否する権利を与えています。しかし、有給休暇の申請さえしづらい日本の職場環境で、対象者は拒否できるのか。また、現在は一部の高所得者、専門職のみが適用対象になっていますが、それも将来もっと広げられるのではないかと、危惧する声も上がっています。堀潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年9月5日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子
2018年09月04日家計簿をつけているかたなら、使っているかたも多いかもしれない「娯楽費」という項目。具体的にはどういうお金のことなのでしょうか。今回は「娯楽費」「教養娯楽費」についてと、娯楽費を節約する方法をご紹介します。娯楽費・教養娯楽費とは?娯楽費とは一般的に遊びや趣味などに使うお金のことを「娯楽費」といいます。家庭によってその線引きは変わってくると思いますが、例としては交際費やファッション費、また旅行費や飲酒費なども娯楽費といえるでしょう。交際費と娯楽費はどちらも似たような勘定項目ではありますが、仕事での付き合いや飲み会などが多い家庭は、管理項目を分けることでお金の動きをより把握しやすくなります。例えば、職場の上司や取引先などに誘われたときは交際費として、自分から友人や知り合いを誘った場合は娯楽費とするといった具合です。分けて考えることで、職場の飲み会は全部に参加せず予算の中で回数を管理するといった管理の目安になりますよ。教養娯楽費とは教養娯楽費とは、娯楽という趣味を通じて教養を深めるために使用したお金のことをいいます。映画や観劇、クラシックコンサート、内容によっては書籍など、感性を豊かにするために使うお金などが含まれます。例えば子どもにピアノやヴァイオリンなどを学ばせている場合、ただ譜面にむかってのレッスンだけでなく、習得した先に待つ景色を見せることは子どもにとって良い刺激になるはず。生活を送るために必要なお金に比べると不必要ではありますが、日々の生活の質をより良いものにするためのお金、知識・経験・教養を深めるための自己投資、子どもへの投資費用……といった捉えかたをしても良いでしょう。 娯楽費を節約する方法娯楽費は使わなくても生活はできますから、節約や倹約を考える際は対象の項目になりやすいですよね。とは言っても、とくに子どもがいる場合、どうしてもお出かけやプレゼントは必要な出費です。そんなときは月ごとの管理ではなく年間で大まかな金額を決め、イベントの多い月と少ない月で割り振りするやりかたもおすすめ。メリハリをつけて使うことで楽しみも維持できます。ほかに、節約できる方法をいくつか考えてみました。休日は動画配信サービスを活用節約のために、休日家でゆっくり過ごす日を増やすのも選択肢のひとつ。そこでおすすめなのが、定額見放題の動画配信サービスです。月額はかかりますが、DVDを借りに行くよりも多くのジャンルの洋画や邦画、アニメや海外ドラマが見放題です。映画鑑賞やDVDのレンタルのような支出が多い場合にも、こうしたサービスが役に立ちそうですね。旅行に行くなら早割りを利用旅行に行くことが決まったら、早めに予定を立てて早期割引を利用しましょう。新幹線や飛行機を利用する場合は、「早割」や「ネット割」という早期割引を設定している企業が多く、6ヶ月~3ヶ月前など早めにチケットを購入することで、旅行の交通費を安く済ませることができます。利用の際には、クレジットカードが必要なこともあります。事前に確認してから割引を利用してくださいね。子どもの家遊びに100均を活用あまりお金をかけず、子どもと家の中で楽しみたい……そんなときに活用できるのが、100円均一です。最近では粘土や小麦粉粘土や粘土板など遊べるアイテムも豊富です。手先を使うことで、子どもの感覚の発達にもつながるはずですよ。プラバンでキーホルダーを作ったり、紙風船やけん玉など懐かしの玩具も揃っています。節約の味方100円均一の道具を、上手に使っていきましょう。子どものお出かけに公共施設を利用普段のお休みや長期のお休み中でも助かるのが国や市区町村が運営する公共施設。子どもを思いっきり遊ばせても無料であったり、かかっても数百円程度で利用することができます。子ども向けのイベントや無料開放の日がある公共施設もあります。施設のWebサイトなどでチェックしておくと、子どもと一緒に楽しく娯楽費を節約できますよ。 まとめ娯楽費は生活を楽しむためには必要なお金。節約の対象になる場合もあると思いますが、バランスを考えて使えるようにしたいですね。
2018年08月24日「9月の総裁選では、“安倍首相の3選”が有力視されています。今年4月には、財務省『財政制度等審議会財政制度分科会』で『厚生年金の支給開始年齢を65歳から68歳に引き上げる』という案が議論されました。すでに年金財政はカツカツですが、安倍首相が再選した場合、世論への影響を考えて、支給開始年齢の引き上げは“今年中”には実行しないでしょうね。しかし、こうした年金財政のなか、いつなにが起こるかわかりません。自分が受け取れる年金額は、自分の知識で守っていく必要があるんです」そう話すのは、年金制度に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。この支給年齢の引き上げに加えて、政府と財務省がもくろんでいるのは「支給年金の減額」だ。「これは、現役世代から徴収する年金収入や、国庫金からの年金財源としての支出の上限を固定してしまう『マクロ経済スライド』によるもの。収入が固定されてしまうと、当然、それぞれに給付される年金額は大幅に減ってしまうというわけです」年金減額も“待ったなし”の状態――この状況に、50代の主婦は不安を漏らす。「65歳になっても年金が減るなら、60歳になったときに前倒しでもらっちゃったほうがいいんじゃないかしら……?」「前倒しにもデメリットがある」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの中村薫さんだ。「前倒し受給というのは、60歳から64歳までの段階で『65歳になった』と仮定されるものです。すると、60歳からの5年間は『国民年金の任意加入』の対象外となってしまうんです。なぜなら、65歳になってしまうと、この『任意加入』の制度は利用することができないからです」中村さんが語る「国民年金の任意加入」とは、納付期間10年間という受給資格を満たしていない場合と、納付期間が40年未満の場合に追加で加入できる制度。60歳以降も保険料の納付済期間を増やすことができ、老齢基礎年金の額が増える。しかし、40代、50代の人でも未納の年金を後納できる制度がある。加谷さんがこう説明する。「通常、納め忘れた場合は2年までさかのぼることができます。さらに、後納制度というものを使えば、申請することで5年まで遡って納付できますが、この制度は今年の9月末で打ち切りとなるんです。未納がある人は急いで後納を検討した方がよいでしょう。具体的には9月28日が期限となります」自分の未納期間などは、年1回、誕生月に郵送されるはがき「ねんきん定期便」、パソコンやスマホで見られる「ねんきんネット」で把握できるようになっている。
2018年08月22日「食費や光熱費、通信費、娯楽費などの支出は、一生涯にわたります。月々の出費がそれほど多くなくても、累計にすれば高額になります。日々のコツコツした積み重ねが大事なんです」そう話すのはファイナンシャルプランナーで「生活マネー相談室」代表の八ツ井慶子さん。わが家のムダ遣いを知るには、“お隣の家計簿”と比べるのがいちばん。そこで役立つのが、約8千世帯から集めた世代別の最新’17年の「家計調査」。これは2人以上の家庭で、世帯主の年齢別に家計の支出を総務省がまとめたものだ。これを見てみると、50代の現役世代に「水道・光熱費」「通信費」でのムダ遣いが。八ツ井さんが解説してくれた。「50代になると持ち家比率も高く、断熱性の低い戸建てであれば、光熱費が増加しやすい。クーラーや冷蔵庫などを節電効果の高い家電に替えるだけでもかなりの効果が期待できます。また、高校生や大学生の子どもが多い50代の通信費は、格安スマホに乗り換えたり、プラン変更など支出カットの余地がありそう」(八ツ井さん・以下同)45〜54歳までの世代は、学費、塾の月謝などの教育費が一気に増えるが、これは削りにくい支出かもしれない。「教育費や娯楽費」では子育て世代の45〜49歳がもっとも多い(3万5,412円/支出に占める割合10.5%)が、60〜69歳でも支出の1割(60〜64歳=3万1,966円/支出に占める割合10.3%、65〜69歳=2万7,537円/支出に占める割合10.0%)を占める。「子の独立やリタイアなどで自由な時間が生まれることから、旅行やジムの会費などへの支出が増えているようです。しかし、年を重ねるごとに、冠婚葬祭で使うお金を含む「交際費」の割合がどんどん増え、70代では1割を超えてしまいます(2万5,264円/支出に占める割合10.8%)。娯楽を無理に削る必要はありませんが、満足感が低いとしたら、お金がもったいないです。リタイア後の長い人生を考え、本当にやりたいことに絞りましょう」
2018年08月08日企業従事者は出産時に「育児休業制度」を取得することができます。ある程度の期間を休むことができるということはご存知だと思いますが、どういった内容かはご存知ですか?この記事では育児休業の内容や平成29年に改正された点や、意外と知らない企業側が講じなければいけない細かな点をご紹介します。 育児休業制度とは?企業従事者が出産時に取得することのできる育児休暇制度。正式には「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」と言います。略称は「育児・介護休業法」、「育児・介護休業法のあらまし」です。制度が生まれた背景この制度が生まれた背景には日本の少子化、労働者の減少、地域差焼きの活力の減少があります。就労か結婚・出産・育児のどちらかを選ばなけれならないという状況を改善し、仕事と生活の調和を実現するために作られました。 平成29年の改正育児・介護休業法の概要平成29年10月に育児・介護休業法が一部改定されました。内容は以下のとおりです。育児休業期間の延長以前は1歳6ヶ月までとされていた育児休暇の取得期間が、子どもが受け入れ先保育園が決まらないなどの理由によっては、最長2歳になるまで取得可能になりました。合わせて育児休業給付金の給付期間も2歳までとなります。育児休業等の制度周知社員、従事者またはその配偶者が妊娠、出産を事業主が知った際、育児休業等に関する制度を周知する努力義務が創設されました。育児休暇の導入を促進事業主に対して、当該者の子どもが小学校入学までの間、育児に関する目的に対しての休暇制度を設ける努力義務が創設されました。 育児休業制度対象者この制度の対象は以下になります。・原則として1歳に満たない子を養育する男女労働者・常勤の従事者であること(日々雇い入れられる人は対象外)期間採用の場合は以下に該当すれば育児休業の該当者とみなされます。・同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること・子どもが1歳6ヶ月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと育児休暇に関する労使協定を結んだ場合は協定が優先されます。子の看護休暇子どもが看護が必要な場合も休暇を取ることができます。内容は以下のとおりです。子どもが小学校に入学するまでの間は1年の間に5日(子どもが2人以上の場合は10日)まで看病が必要な場合、予防接種や健康診断を受ける場合には休暇を取得することができます。所定外労働の制限3歳以下の子どもを持つ親に対して所定外労働についても定められています。事業主は、3歳に満たない子どもを養育する労働者が所定以上の労働を請求したとしても、事業が正常に運営できないなどの理由がない場合はその請求を受けてはいけません。時間外労働の制限時間外労働・残業についても以下のように定められています。事業主は、子どもが小学校未入学の子どもを擁する従事者に対しが1ヶ月に24時間、1年で150時間を超える時間外労働を従事者が希望しても、事業が正常に運営できないなどの理由がない場合はその請求を受けてはいけません。深夜業の制限深夜の労働に対しても制限があります。事業主は、子どもが小学校未入学の子どもを擁する従事者を、午後10時から午前5時までの間、事業が正常に運営できないなどの理由がない限り働かせてはいけません。短時間勤務制度労働時間の短縮に関しても定められています。事業主は、3歳に満たない子どもを持つ従事者が希望した場合は仕事と育児の両立が可能になる措置(就業時間の短縮)を取らなければなりません。育児休業等に関するハラスメントの防止措置育児休業が取りやすくなる環境整備について以下のように定められています。事業主は従事者が育児休業を取得しようと意思を表明した際に嫌がらせをされたり、職業環境が害されないように、相談しやすい環境、体制を講じなければなりません。
2018年07月22日「第10回AKB48世界選抜総選挙」で1位に輝いたSKE48の松井珠理奈が、体調不良のためしばらくの間活動を休止して療養に専念することが7日、わかった。同グループの公式サイトで発表された。SKE48の松井珠理奈サイトでは「松井珠理奈休養に関して」と題して、SKE48支配人の湯浅洋氏のコメントを掲載。「松井珠理奈について、以前から体調不良が続いており、一部の活動をお休みさせていただいておりましたが、このたび、SKE48および48Gの活動をしばらくの間休止しまして、療養に専念することと致しました」と発表し、「なお、活動休止中は、プライベートメールはじめ各種SNSの更新もお休みさせていただきます」と伝えた。そして、「ファンの皆様、関係者の皆様にはご心配とご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解ご了承の程よろしくお願い致します」と呼びかけ、「復帰の目処が立ち次第、改めてご報告申し上げます」と説明。また、握手会に関する今後に対応について「追ってご報告致しますので、しばらくお待ちください」とした。松井は先月16日に行われた開票イベントで1位に輝くも、その後は体調不良のためイベントなどを欠席していた。
2018年07月07日■乳幼児医療費助成とは?子どもにかかる医療費を、自治体が助成してくれる制度。各自治体が運営している制度なので、名称や助成内容などはさまざま。詳細は、住民票がある市区町村の役所やHPで確認を!■乳幼児医療費助成もらえる金額は?助成額は、自治体によって違う。たとえば、かかった医療費全額を助成する自治体もあれば一部の場合もあるし、助成の対象年齢も乳幼児に限らず、中学生まで対象にしている自治体も増えている。■乳幼児医療費助成もらえる人は?国民健康保険や会社の健康保険など、健康保険制度に加入し、乳幼児医療費助成の加入手続きをした人。加入の手続きが遅れた場合、さかのぼって助成が受けられるかも自治体によって異なる。■乳幼児医療費助成 手続きの概要①住んでいる市区町村の助成内容・手続き方法を確認する自分が住んでいる市区町村の助成内容や手続きの方法を、役所の窓口や自治体のHPで確認しておく。市区町村の境目に住んでいて、他自治体の医療機関を使う可能性がある人は、「他自治体の医療機関を受診した場合」もチェックしておく。②赤ちゃんの健康保険に加入手続きし、健康保険証を受け取る赤ちゃんが入る健康保険に加入手続きをする。加入の手続きをする際に、「いつごろ健康保険証が届くのか?」の目安を確認しておくと、乳幼児医療費助成の申請タイミングの参考になる。扶養者が国民健康保険の場合は、出生届を出した後で、乳幼児医療費助成の手続きができるのが一般的。③役所で手続き後、乳幼児医療証を受け取る赤ちゃんの健康保険証を持参して役所で助成を受ける手続きをする。健康保険証が届いていない場合でも、手続きできる自治体もある。手続き後、しばらくすると乳幼児医療証が届くので、これを医療機関の窓口に提示することで助成が受けられる。■乳幼児医療費助成 DATA※この記事は2018年4月末現在の法令・情報に基づいて書いています
2018年07月01日■医療費控除とは?1年間に10万円を超える医療費がかかった場合、確定申告をすることで、支払った税金の一部を戻してくれる制度。■医療費控除でもらえる金額は、いくら?戻ってくるお金 = 医療費控除額 − 所得税率たとえば医療費合計額が60万円で所得が320万円の場合なら、確定申告をすることで、税金がおよそ1万6000円程度(※)戻ってくる。※医療費60万円 − 出産育児一時金 − 足切り額10万円= 医療費控除額面8万円医療費控除額面8万円 × 所得税率10% =戻ってくる税金8千円住民税率10%=戻ってくる税金8千円■医療費控除を受けられる人は、どんな人?家族全員で1年間の医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%の金額)を超え支払い、確定申告をした人。■医療費控除 手続きの概要●還付申告だけなら1年中受け付けている確定申告というと2月中旬~3月中旬のイメージがあるが、(医療費の)還付申告は、1年中受付している。対象となるのは、申告する前の年1年(1月1日~12月31日)なので、たとえば2017年の分の確定申告(医療費の還付申告)であれば、税務署が混む前に提出すれば、相談窓口も込みあわないので、確定申告初心者にはオススメ。■コラム「保険金等で補てんされる金額」について知っておこう◆医療費控除で間違えやすいのは、「保険金等で補填される金額」。じつは、私も初産の確定申告時に間違えて、税務署の方に指摘され、とても焦った記憶がある。この話を簡単に言えば、「公的制度や民間の保険会社からもらったお金は、医療費から差し引いて計算しなければならない」ということ。「差し引く必要がある費用」と、「差し引く必要のない費用」を下記の表にまとめた。ちなみに私は「出産育児一時金」を差し引くのを知らず、金額が40万円くらい違っていた(激汗)。私のように慌てないよう、ご注意を!●「保険金等で補てんされる金額」差し引く必要があるもの、ないもの■医療費控除 DATA※この記事は2018年4月末現在の法令・情報に基づいて書いています
2018年07月01日■高額療養費とは?高額療養費とは、1ヶ月の医療費が「自己負担限度額」という一定の金額を超えた場合、その超えた分を加入している健康保険が負担してくれる制度。以前は、いったん病院の窓口で医療費の自己負担分(2割や3割など)を支払い、申請したのちに払い戻す制度になっていたが、現在では「健康保険限度額適用認定証」を提示することで、退院時、あるいは精算時に、最終的な自己負担額だけを支払う方法が基本になっている。つまり以前のように、立て替える必要はなくなっているわけだ。■高額療養費の自己負担限度額は?「医療費総額」−「健康保険制度が負担してくれる金額」=「自己負担限度額」自己負担限度額は、標準報酬月額によって違ってくるので、ザックリとした目安を一覧表にした。●自己負担限度額一覧表■高額療養費をもらえる人は、どんな人?1ヶ月の医療費が、自己負担限度額を超えそうな時に、事前に健康保険限度額適用認定証を取得した人。あるいは、高額療養費分を立て替えたのち、加入先の健康保険に支給を申請した人。尚、「1ヶ月」とは1日~月末までのことをいい、月をまたいでかかった場合は「2ヶ月に分けて」計算する。■高額療養費の手続きの概要「事前」と「事後」、2種類の申請方法がある。「事後」だと差額が戻ってくるまでに1~3カ月かかるため、一時的に高額な医療費を支払う必要がある。予定帝王切開の場合など、事前に医療費が高くなる場合は「限度額適用認定証」を交付してもらうのがおすすめ。限度額適用認定証の有効期間は原則1年間だが、国民健康保険では8月に切り替えがおこなわれるため、7月末になる。●事前の場合①限度額適用認定証を交付してもらう②加入先の健康保険に「健康保険限度額適用認定証」を交付してもら③医療機関の窓口に限度額適用認定証を提示すると、自己負担額をのみを病院の窓口で精算すればOK。●事後の場合①高額療養費の申請をする②医療費の2割か3割を支払った後、高額療養費の支給を申請する③約1~3カ月後に、支払った金額から自己負担限度額を差し引いた分が還付される。■高額療養費 DATA※この記事は2018年4月末現在の法令・情報に基づいて書いています
2018年07月01日