こんにちは、保育士の中田馨です。ママのお悩みで多いのが赤ちゃんの夜泣き。寝不足の状態での育児や家事、仕事はなかなかつらいものがあります。「夜泣きは一時的なものだよ」と言われても、「今」の大変さをどうにかしたいものです。 私には2人の子どもがいますが、実は夜泣きに悩んだ経験がほとんどありません。なぜだったかを考えると、「もしかするとあれかな?」と思い当たることがあります。今回は夜泣きに悩んでいるママだけでなく、夜泣きがまだ始まっていないママも読んでほしいと思います。 赤ちゃんの夜泣きとは?赤ちゃんの夜泣きは生後7~8カ月ごろがピークと言われています。多くの赤ちゃんが1歳6カ月ごろにおさまってきますが、なかには2歳まで続く場合もあります。なぜ、夜泣きが起こるのかは、実はよくわかっていません。夢を見ているのか? 不安なのか? 興奮しているのか? 原因の特定が難しく「こうすれば必ずおさまる!」という特効薬がないからこそ、悩んでしまうのが夜泣きです。 夜泣きで近所に迷惑になっているか気になる場合は、昼間にご近所の方に出会ったときに、「最近、夜泣きがひどくてすみません」とひと声かけておくといいですね。夜泣きは、脳が発達している証でもあります。ママが不安にならず「よし来い!」くらいの心持ちで対応してみましょう。 夜泣きの考えられる原因原因の特定が難しい夜泣きなのですが、考えられる原因はいくつかあります。 原因1:興奮している赤ちゃんは起きている時間にたくさんの刺激を受けています。脳は寝ている時間も働いていて、起きている時間に受けた刺激を寝ている間に整理しています。お出かけしたときや、初めての人と遊んだときなどは、特に脳が興奮して目が覚めてしまうことも。 原因2:生活リズムお出かけしたり、お昼寝がいつもより長かったりなど、普段の生活リズムと違う日に夜泣きが起きることもあります。 原因3:不安赤ちゃんは寝ていても突然「不安」を感じることもあります。「あれ? もしかしてママがそばにいない!」と思うと泣いてしまうのです。 私が実践していた方法はコレ私自身、夜泣きに悩んだ経験がほとんどないと最初に書きましたが、子どもたちが夜中に起きて泣かなかったわけではないのです。1歳ごろまでは、夜中に毎回1~2回程度は「ふにゃ~」と泣きました。そのときに私がしていたのは体をやさしくトントンすること。 やさしくトントンしてあげると、そのままスーッと眠りに入ってくれました。抱っこなどと違って、私も寝た状態でできるので半分寝なから、そのまま私も入眠していました。子どもたちが泣いても苦にならなかったのは、起き上がって抱っこしなくても、子どもたちが安心して入眠できる方法を知っていたからです。 夜泣きが始まる前からできる対策私がおすすめするのは、生後3カ月ごろからの寝かしつけを「布団に寝かせてトントン」にすること。多くのママが新生児のころから続けている、抱っこや授乳しながらの寝かしつけをしていると思います。赤ちゃんにとってママの抱っこは一番安心できる場所です。その安心できる場所をもう1つ増やしてみましょう。 「布団も気持ち良くて安心できるんだよ」ということを教えるのです。これまで抱っこで寝ていたのですから、最初はもしかすると泣くかもしれません。ママは慌てず、子守歌を歌って、体をさすったり、やさしくトントンしたりしてみましょう。もし、大泣きした場合は抱っこして落ち着かせます。布団でトントンをくり返ししているうちに、抱っこではなくても寝るようになります。トントンで寝るようになると、夜中に起きたときもトントンだけで安心して寝るようになります。赤ちゃんによっては、ママの耳を触ったり、腕を触ったりして安心する子もいます。私の息子は泣き出しても、小指を差し出せば触って安心して寝てくれました。このように赤ちゃんの安心できる何かを用意してももちろんOKです。 夜泣きが止まらないときの対応方法第一にママが慌てないことが大切。赤ちゃんが寝ぼけて泣いているだけで、すぐにまた寝ることもあります。このときに、慌てて抱っこしたり電気をつけたりすると目が覚めてしまい、夜泣きをこじらせてしまうこともあります。しばらくトントンして様子を見ましょう。トントンでも寝ないとき、うちの子は湯冷ましを飲ませると寝ることが多かったです。枕元に置いておくともしものときに助かりますよ。とはいえ、トントンしても抱っこしても、授乳しても、思いつくすべてのことをしても、泣いて泣いてどうしようもないときもあります。そんなときは「泣き止ませよう」という気持ちを諦めてみましょう。ママも眠たいので、泣きたくなると思いますが、たまには諦めることも大切です。私の場合「そうかそうか。泣きたいんやね。大丈夫やで。お母ちゃんがそばにおるで」と声に出して(半分自分に言い聞かせながら)、泣き声に翻弄されずに落ち着いて抱っこをします。 夜泣きを含め赤ちゃんが大泣きしたときは、ママが慌てないことが一番大切。ママが慌てて不安になると、その不安は赤ちゃんに伝わります。「泣いても平気! ドーンと来なさい!」と思うこと。泣くことは仕方ないとある程度諦めること。泣き声に翻弄されず心を落ち着かせることは、私はわが子にも保育所の赤ちゃんにもかなり効果的でした。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年04月07日こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが伝い歩きができるようになってきたらママも楽しみが増えますね。早く歩けるようになってほしいとも思いますが、歩けるようになるまでに知っておきたいことを今回はお話します。 この時期の赤ちゃんの発達多くの赤ちゃんが9カ月ごろからつかまり立ちを始め、10カ月ごろから伝い歩きをします。そして、1歳〜1歳半ごろまでにひとりで歩くようになります。このころの赤ちゃんの発達としては、感情表現が豊かになり、自己主張も激しくなります。また、周りのものや人への興味関心が強くなり、大人のしていることをマネしようとします。 「おもしろそう!」と思ったら、一直線に興味のあるところへ直行。ひとりでソファーに登ってみたり、台所で鍋をお玉でたたいてみたり、私の娘は目を離した隙に、トイレでトイレットペーパーをすべて引き出して大喜びしていました。 自分で好きなところに移動できるからこそ、この時期には油断したときに転落、転倒などの事故が起きることもあります。そこで、具体的な事故と気を付けるポイントを紹介します。 【1】頭をぶつける歩き始めたころによくあります。ハイハイのときは届かなかった高さでも、立ってみると頭が当たります。机、テレビ台、本棚などの四隅の角はとがっているので気を付けましょう。 対策としては、家具にクッション材などを貼るのがおすすめ。両面テープやボンドなどで付けることができます。子どもがはがしてしまうこともあるので、定期的に点検をしましょう。また、棚にぶつかったときに棚が倒れてきては危ないので、家具を固定しておくとより安心です。実際、保育現場であった私の失敗談をお話しします。歩き始めて間もない子がバランスを崩し、転んで本棚の2段目の棚におでこをぶつけました。四隅の角や上段の棚にはクッション材を貼って気を付けていましたが、間の棚には貼っておらず油断してしまったことから起きた出来事です。 【2】バランスを崩して転ぶ大人と比べて赤ちゃんの体のバランスは頭が大きいことが特長です。頭が大きいということは頭が重いということ。そうするとバランスが取りにくく、転びやすいということになります。大人が転ぶというと前に転ぶイメージですが、赤ちゃんは後ろにも転ぶので要注意です。 対策としては、赤ちゃんが過ごす部屋にはクッション性のあるマットなどを敷くこと。そのマットは、動かないもの・滑らないもの・段差のないものを選びます。また、赤ちゃんがつかまり立ちのときに思わずつかんでしまうようなものを置かないようにします。例えば、椅子の座布団。椅子につかまり立ちをしようとして座布団をつかんでそのまま後ろにひっくり返ることもあります。テーブルの上に新聞紙を置いていたら、新聞紙を触ろうとしてそのまま後ろへひっくり返るなんてこともあります。 【3】道路で走り出す歩くようになってきたときのお散歩は要注意です。このころは、歩くことが楽しくて仕方なく「自分で歩く!」という気持ちが強くなり、ママの手をはねのけたりします。そして、興味のあるものを見つけるとそれに向かって走り出すなんてことも。これが公園だったらいいのですが、道路だととても危険です。 一番大切な対策は、「道を歩いているときは手をつなぐ」ということを何度も何度も根気強く伝え、実践するということ。時間がかかり大変なことだと思いますが、外での事故は命に関わることもあるため、「それが外に出たときのルール」という強い気持ちを持って接しましょう。そして、赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。 赤ちゃんは大人が予想もつかないところでケガをするので、対策をするときは、赤ちゃんの目線になって考えてみましょう。保育所では、ケガにつながらなくとも「ヒヤリ」としたときに、次にヒヤリとしないようにどうすればいいかを考えて対策をしています。そうすることで、ケガや事故が格段に減ります。ママのヒヤリとした感覚は大切です。ヒヤリは赤ちゃんの安全を守ってくれるヒントだと思い、対策してみてください。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年04月06日こんにちは。保育士の中田 馨です。今日は赤ちゃんとの遊び方を紹介します。特に「視覚」に焦点を当て、意識を向けると、それが好奇心をくすぐる遊びに変身します! 特別な道具は必要ありません。毎日のふれあいのなかでできるものから取り入れてみましょう。 じっと見つめることは集中力を育てる最初の一歩まだ月齢の低い赤ちゃんが何かをじっと見つめていることありますよね。瞬きも少なくじっと見ている様子を見ていると「何を見ているんだろう?」と思いませんか? この、じっと見つめている姿は、ぜひ大切にしてあげてください。 このときにママとパパにしてほしい遊びは、赤ちゃんが見つめているものに対して「かわいいね」「素敵だね」「きれいだね」と声をかけ、触れるものだったら触ってみて「柔らかいね」「あったかいね」など言うこと。赤ちゃんが見ているものに、ママたちも興味や関心を示すと、赤ちゃんは見ることが楽しくなり観察を始めます。 この「見る姿」が、集中力を育てる最初の一歩になるのです。 赤ちゃんが好きなものを「見る」親としては「この絵本がいいよ」と誰かに言われると、赤ちゃんに読んであげたいと思います。ただ、必ずしも赤ちゃんが大人の与えるものに興味を示すとは限りません。私自身も経験があります。良かれと思って買った絵本に興味を示してくれなかったこと。 まず、赤ちゃんによって「興味を持つ時期」は違います。絵本に興味を持つ子もいれば、おもちゃが良い子もいます。最初は「赤ちゃんが興味を示してみているもの」、つまり赤ちゃんが好きなものを見せて遊びましょう。 おもちゃでも絵本でもOKです。絵本の場合、必ず全部のページを見るのではなく、同じページばっかり見ていることもあります。それでOKなんです。 見るから指差しへランクアップ生後9〜10カ月ごろになると、赤ちゃんは見たものを指差しし始めます。この指差しも発育でとても大切な行動です。指差しすることで自分の思いや見ているものを、ママと共有することができるようになります。また、赤ちゃんが指差したもの名前を言うことで、物の名前がわかり、言葉の獲得にもつながっていきます。 例えば、「赤い花だね」「犬がいるね」「空が青いね」など、一緒にお話しして遊びましょう。 「見る」遊びは、「さあ、今から遊びをしよう!」と気合を入れてするものではありません。生活のなかでふとした瞬間に取り入れられるものです。見るときの主体は、まず「赤ちゃん」。赤ちゃんが自ら興味を向けるものをたくさん見てあげてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年04月02日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは、保育士の中田馨です。5~6カ月ごろになると乳歯が生え始めます。そこで考えていきたいのが「歯磨き」。乳歯のころに虫歯になると、永久歯の歯並びや虫歯などに影響が出ることがあるので乳歯からの歯磨きはとても大切です。赤ちゃんのときから歯磨きを習慣にするには「楽しく歯磨きをする」ことと、ママがラクにできることです。毎日の歯磨きは、親子のスキンシップだと思って気軽に取り組んでみましょう。 赤ちゃんの歯が生える時期と生える順番歯の生える時期と生える順番は以下を参考にしましょう。歯の生える時期は、1歳まで生えない子もいますし、舌の歯が1本だけ先に生えてくる子もいます。個人差があるのであくまで目安としてとらえましょう。 【歯の生える時期の目安】■5~6カ月ごろ・・ 下の前歯が2本生えてくる■10カ月ごろ・・・ 上の前歯が2本生えてくる(合計4本)■1歳ごろ・・・・・上下の前歯が4本ずつ生えてくる(合計8本)■1歳6カ月ごろ・・ 手前の奥歯が上下4本生えてくる(合計12本)■2歳ごろ・・・・・犬歯が生えてくる(合計16~18本)■3歳6カ月ごろ・・ 上下の乳歯が生えそろう(合計20本) 赤ちゃんの歯磨き基本のステップ乳歯の生え始めのころ乳歯が生え始めるころの赤ちゃんは、歯茎をかゆがったり、物を口に入れてしゃぶったりする姿が見られます。このころの歯のケアはガーゼで歯を軽く拭く程度です。まず、手を洗った指にガーゼを巻きます。ガーゼは乾いていても濡れていてもどちらでもOK。まずは、唇や口の周りにガーゼを当てて慣れることからスタートし、様子を見つつ口の中にそっと指を入れ、歯茎全体をなでるように触る程度にして拭いていきます。歯磨き剤は必要ありません。歯ブラシに慣れるためにトレーニング用の歯ブラシを使ってOKです。 前歯が生えそろうころ上下の前歯が4~8本くらいになってきたら、専用の歯ブラシを用意し始める目安です。弱い力で歯ブラシを動かします。赤ちゃんも歯ブラシを持ちたがるようなら、赤ちゃんが磨く用の歯ブラシを持たせます。パパとママも歯磨きをして見本になってみましょう。歯磨き剤は必要ありません。 奥歯が生えるころ1歳を過ぎたら、朝晩の歯磨きを習慣にしていく時期です。子どもが磨く用の歯ブラシを持たせます。この歯ブラシは噛んでもOKです。赤ちゃんの「自分でしたい」気持ちを優先します。ただ、自分で歯磨きするときに歩きながらや、寝転びながらさせるのは事故防止のためにもやめましょう。仕上げ磨きは大人がします。歯磨き剤は必要ありません。歯磨きはしなくても、食後やおやつの後に湯冷ましを飲んで口の中をスッキリさせる習慣を取り入れましょう。 乳歯が生え揃うころ子どもが磨く用の歯ブラシを持たせ自分で磨きます。仕上げは大人がしましょう。うがいができるようになってきたら歯磨き剤を使ってもOKです。おやつのあと、歯磨きはしなくても、うがいを取り入れるだけでも口の中はスッキリします。 赤ちゃんの歯磨きがラクになるコツ毎日の歯磨きは楽しくラクに取り入れたいものです。そのためにはママの「何が何でもきれいに磨かなければ!」という気合を半分にすることからスタートさせましょう。 実は私が、長男のときにこの気合いで失敗した母親の一人。「とにかくきれいに磨かなければ!」という思いがありました。では、もし子どもが嫌がったときはどうすればいいのでしょうか。そんなときは、ガーゼでふき取る、湯冷ましを飲む、うがいをする、それで終了する日があってもOKなのです。 とはいえ、歯磨きがラクになる実際のコツも伝授しますね。ママが右手で歯ブラシを持っているとして手順を説明します。【1】赤ちゃんの頭をママのひざにおいて仰向けに寝かせます。【2】上の歯を磨くときは左手人差し指で上唇を押さえて磨きます。【3】下の歯を磨くときは、左親指で下唇を押さえて磨きます。【4】奥歯を磨くときは、左人差し指で唇の先をひっかけて軽く広げて磨きます。上下の唇を指で押さえることで、赤ちゃんの歯茎に歯ブラシが当たらず、赤ちゃんが痛がるのを防ぐことができます。痛いことが歯磨きを嫌がる原因のひとつなので、「赤ちゃんが痛がらないこと」が、歯磨きがラクになるコツです。また、磨くときは必ず弱い力で。ブラシが当たっている部分を「10」数えながら磨きます。「10くらいでいいんだ!」と思うと、気持ちもラクになりますね。 よくあるQ&AQ:歯並びがよくなるためにはどうすればいい?A:よく噛むことが大切かなと思います。離乳食期は、各時期、赤ちゃんの発達に合った固さ、大きさのメニューを用意することで噛むことを覚えていきます。噛む練習になる根菜類をメニューに取り入れて丈夫なあごを育てましょう。 Q:虫歯菌は大人から感染する?A:虫歯菌は大人の唾液から感染すると言われています。口移し、スプーンの共用などは極力避けましょう。 Q:歯と歯の間に隙間があるA:隙間があることはよくあることです。これから生えてくる歯のためのスペースだと言われています。気になる場合は、健診の時に医師に聞いてみましょう。 Q:歯磨きを泣いて嫌がるA:鏡を使ってみてはいかがでしょうか? 私の友人の歯科衛生士さんが「何をされているのか不安になっている子もいるから、歯磨きの様子を手鏡で一緒に見ると泣き止むことがあるよ」と教えてくれました。 長男のときに失敗した私はその経験を生かし、次に生まれた娘にはゆったりとした気持ちで歯磨きをしたので、娘は一切嫌がることなく育ちました。さらに、保育所の子どもたちが嫌がるときは「じゃあ、1回だけぐちゅぐちゅぺーしよう!」と緩やかに誘います。そうすると、1回だけのはずのぐちゅぐちゅぺ―が、2〜3回としてくれることも! 大切なのは毎日念入りに歯磨きすることよりも、楽しく毎日の習慣として生活に取り入れること。肩の力を抜いて、赤ちゃんとのスキンシップの時間を楽しんでください。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月30日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんと毎日生活するようになると、赤ちゃんの体(目、鼻、耳、爪)などのお手入れが必要になります。 お手入れをする時間はどの時間でもいいのですが、目、鼻、耳の汚れが取れやすいのがお風呂上がり。体の汚れがお風呂に入ることでふやけているので、サッと拭くだけでラクに取れます。赤ちゃんの機嫌が良くチャレンジできそうならお風呂上がりに。お風呂上がりが難しければ別の時間でももちろんOKです。 最初は慣れないお手入れも、毎日しているうちに慣れてきますので、少しずつコツをつかんていきましょう。 赤ちゃんの目のお手入れ目やにがあるときに拭きましょう。保育所では以下のようにお手入れをしています。お湯で濡らしたガーゼを絞って準備しておきます。【1】赤ちゃんの頭(額)を手で押さえて、動かないように優しく押さえる。【2】人差し指にガーゼを巻き付け、目頭~目じりへと拭く。【3】下まぶたに目やにがある場合は下まぶたを「あっかんべー」するように下げる。 ※このとき上~下に拭くと目やにが取れやすい。 目やにがない場合は、お風呂上がりに乾いたタオルで水分をふき取る程度で大丈夫です。 赤ちゃんの鼻のお手入れ鼻のお手入れは綿棒を使います。鼻くそは自然に出てくることが多いので、表側に見える部分だけ取り除きます。【1】赤ちゃんの頭(額)を手で押さえて、動かないように優しく押さえる。【2】綿棒の綿の根元をもって、鼻の周りをくるりと回して汚れを取り除きます。綿棒を奥まで入れないようにします。鼻水がよく出ているときは、鼻吸い器なども使いながら鼻の手入れをしてあげましょう。ティッシュで拭きすぎると鼻の下が赤く荒れて痛くなります。赤ちゃんは大人よりも皮膚が薄いので、優しくふき取ることを心がけましょう。 赤ちゃんの耳のお手入れ耳のお手入れは、ガーゼやタオル・綿棒を使います。お風呂上がりのお手入れだと、耳垢がふやけているのでおすすめです。耳には自浄作用があるため、もし耳のお手入れをするなら耳の外へ出てきた耳垢を取る程度にし、2週間~1カ月に1回くらいのペースに留めましょう。 【1】赤ちゃんを横に向かせてガーゼやタオルで耳の裏、耳の穴の周りなどを優しくふき取る。【2】くぼみは綿棒を使い優しくふき取る。 耳垢を取るときは、綿棒の綿の根元をもって見える部分の汚れだけくるりと回して取り除きます。耳の奥に入れすぎないよう気を付けましょう。力強く拭くと、傷つけてしまいますので、優しくサッと拭くだけで十分です。お風呂上がりは、耳の周りのくぼみに水が溜まっていることがあるので、水分も取り除いてあげましょう。 赤ちゃんの爪のお手入れ赤ちゃんの爪は伸びる速度が速いものです。伸びると自分の顔をひっかき傷つけてしまうこともあるので、3日ぐらいごとに伸びる様子をチェックしてみましょう。爪を切るのは、赤ちゃんが泣いて嫌がると難しいことも。赤ちゃんが寝ている時間でもOKです。【1】ママは座り、赤ちゃんの背中とママの胸が合うようにひざに座らせて抱っこする。【2】切りたい指だけ出し、赤ちゃんの手を優しく包みこむ。【3】切るときは1本を数回に分けて少しずつ切る。深爪にならないように、白い部分が少し残るくらいに切り取る。 爪はお風呂上がりはふにゃふにゃで深爪しやすいのでNG。赤ちゃんの小さい爪を切るときのポイントは、1本を数回に分けて少しずつ切ること。私も娘が生後1カ月ごろ、一度に爪を切ろうとして失敗したことがあります。小さい爪だからこそ、少しずつ切ることが大切です。 今回、紹介したお手入れは、細かいものが多いです。お手入れするときは、明るくお手入れする箇所が見えやすい環境ですることも大切です。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月29日こんにちは。離乳食インストラクターの中田 馨です。離乳食を作ったのに、ふと見ると赤ちゃんが寝ている! なんていうことありませんか。せっかく作った離乳食ですし、できたてを食べさせたいですよね。 おなかが空いている状態で赤ちゃんが寝てしまったときや、せっかく作った離乳食を目の前に赤ちゃんが寝てしまったときは、どうすればいいでしょうか? 赤ちゃんを起こしてでも食べさせたほうがいい?赤ちゃんを起こしてでも食べさせたほうがいいのか、悩んでしまうところです。一食抜いても大丈夫かしら? 食べていないことで、途中でおなかが空いて起きてしまうのでは? と思うかもしれません。たとえば、お昼寝の時間だったら食べなくても大丈夫かもと思いますが、夜ごはんだったら、朝までおなかが空かないかが気になりますね。 お昼に寝てしまった場合無理して起こさなくてもいいかなと思います。おなかが空いたら起きるので、それまで待ちましょう。起きたときに離乳食を食べてOKです。 夜に寝てしまった場合夜に寝てしまった場合が難しいですね。母乳や育児用ミルクを飲んでいる赤ちゃんは、寝ながらでも授乳できるのですが、1歳過ぎた赤ちゃんが問題です。起こして食べさせようとして機嫌が悪くなったときもこともありますし、すんなりと食べてくれたときもあります。 また、起こさずに朝まで寝た日もあるし、12時ごろに起きておなかが空いたと泣いた日もあります。ですので「こうしてください!」というものはないのですが、私が実際にしている方法を教えます。 一度、声かけをしてみて起きそうなら食べさせる。もし起きなさそうなら寝かしておく。 これは、子どもが小学生、中学生になっても同じです。いまだにわが家もありますよ! 【関連記事】・離乳食レシピ、月齢別食べていいものダメなものを紹介 - ベビーカレンダーの離乳食 起こさない場合の対処方法【起きた時間に離乳食を食べる】先にも書きましたが、起きた時間に離乳食を食べてOKです。ただし、夕食までは4時間以上開けるようにしてくださいね。 【母乳や育児用ミルクで代用】母乳、育児用ミルクを飲んでいる赤ちゃんは母乳や育児用ミルクで代用してもOKです。 【おやつをいつもより多めに】離乳食を食べないのであれば、おやつにごはんの代わりになるものを、いつもより少し多めに用意してみましょう。夜ごはんの妨げのない量にとどめましょう。 【夜ごはんを早めにする】昼に長く寝てしまい、おやつを食べる時間もすっかり過ぎてしまった場合。夜ごはんをいつもより早めに用意しましょう。 赤ちゃんのリズムがなるべく変わらないようにしたいですが、多少変わってもそれは大丈夫です。赤ちゃんの様子を見ながら、進めてあげてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月27日こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが寝ていると、いつの間にかうつぶせで寝ていた、なんてことがあります。「うつぶせ寝はダメ」となんとなく聞いたことがあるけれど、赤ちゃんが自分でうつぶせになったときはどうすればいいのでしょうか。 寝ているときに気を付けることなど、赤ちゃんのうつぶせ寝について話します。 うつぶせ寝は大丈夫?赤ちゃんが寝返りを始めるころには、仰向けで寝ていたのにいつのまにかうつぶせになっていた、ということはよくあることです。実は、とてもとても昔は「うつぶせ寝」を推奨していた時代もありました。ですので、おばあちゃん世代はそのままの知識の方もいることでしょう。しかし、今は乳幼児突然死症候群を防ぐためにも、生後1年の間は、仰向けに寝かせるよう厚生労働省からも発表されています。 仰向けに寝かせることによって、乳幼児突然死だけでなく、窒息死の予防にもなります。安心して赤ちゃんを寝かせるためにも、できる限り仰向けで寝かせましょう。 乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?乳幼児突然死症候群(SIDS)は、どのような病気でしょう。乳幼児突然死症候群は、何の予兆がないまま乳幼児が亡くなってしまう病気で、その原因は現在のところ分かっていません。生後2〜6カ月ごろの赤ちゃんに多く発症します。厚生労働省によると、平成30年には60名(概数)の乳幼児が乳幼児突然死症候群で亡くなっています。以下の3つの予防をすると発生率が低くなるといいます。 ■仰向けに寝かせる 乳幼児突然死症候群は、仰向け寝、うつぶせ寝どちらの時でも発症することがありますが、うつぶせ寝のときのほうが、発生率が高いと言います。医学上の理由でうつぶせ寝をすすめられている場合以外は、仰向けに寝かせましょう。 保育所のお昼寝では、赤ちゃんの背中が床に付いていることが仰向け寝の基準になるため、横向きになっても仰向けに寝かせます。 ■できるだけ母乳で育てる 母乳育児は、乳幼児突然死症候群の発生率が低いことが研究で分かっています。できる範囲で大丈夫ですので、母乳育児にチャレンジしてみましょう。 ■タバコをやめる タバコは乳幼児突然死症候群の発生の大きな危険因子。妊娠中は赤ちゃんの体重が増えにくく、呼吸中枢にもよくない影響があります。ママ自身だけでなく、赤ちゃんの周りにいる大人にも協力してもらいましょう。 私の保育所では0〜2歳児の乳幼児全て対象に、昼寝時には5分に1回の呼吸の変化、顔色、汗などのチェック、うつぶせになったら仰向けにするという対策を取っています。 赤ちゃんを寝かせる環境 うつぶせ寝をさせないほうが安全と分かったとしても、うつぶせ寝のほうが落ち着く子はかなり多いものです。保育所では、ほとんどの子どもがゴロゴロとうつぶせをしながら寝ています。しかし、保育所のように5分ごとにタイマーをかけてチェックしていたら、ママがストレスになってしまいます。そこで赤ちゃんを寝かせる環境を安全に整えましょう。 ■赤ちゃんの周りに布やタオルなどを置かない例えば、タオルなどは赤ちゃんが手でつかんで顔にかけてしまうと窒息することもあります。 ■寝返りしたときにタオルやシーツを顔に巻き込まないようにする 敷き布団の上にバスタオルを敷き、その上に赤ちゃんが寝ている場合。ゴロンと寝返りをしたときにバスタオルを体に巻き付けてしまうことがあります。バスタオルやシーツなどは、敷き布団の下に入れ込み、少々の寝返りでは動かないようにしておきます。 ■赤ちゃんが沈み込まないように、敷き布団はある程度の硬さがあるものにする沈み込むような敷き布団だと、赤ちゃんが窒息する恐れがあります。■赤ちゃんが寝る場所は大人がすぐ見える場所にするお昼寝時も夜も、赤ちゃんの様子がすぐに見れる場所で寝かせることで、寝返りをしたり、咳をしたりといった赤ちゃんの変化に気付くことができます。 ■お昼寝時は赤ちゃんの顔色が分かるように明るい環境で寝かせる 保育所では、お昼寝のときは赤ちゃんの顔色を観察できるように、薄いレースのカーテンをするだけの明るい部屋で寝かせます。雨や曇りのときは、レースのカーテンもしません。 うつぶせ寝になったときの対応は?うつぶせになったら仰向けにするのですが、仰向けにしたすぐそばからうつぶせになるのはよくあることです。何度も動かすことで目を覚ますこともあります。ですのでなるべく仰向けで寝る時間を長くしたいですよね。毎日、乳幼児の睡眠に対応している私が実践している、うつぶせから仰向けにするときのコツを教えます。 ■頭から足先まで完全に表に向ける 例えば脚だけでも交差したままだと、うつぶせになってしまう可能性が高くなります。 ■仰向けにしたらしばらくトントン 赤ちゃんを仰向けにしたら、しばらくの間、優しくトントンして寝入るまで待ちましょう。 ■何度チャレンジしてもダメな場合 何度仰向けにしてもすぐにうつぶせ寝になる場合は、そばでしばらく様子をみましょう。赤ちゃんが寝入ったら、仰向けにするチャンスです。この時、うつぶせのときの顔の位置は要注意。息ができるように体勢を整えてあげましょう。 毎日繰り返される睡眠時間。気付いたときに仰向けにしてあげることを基本にしながら、安心できる環境で赤ちゃんを寝かせてあげましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月21日こんにちは、保育士・離乳食インストラクターの中田馨です。離乳食を食べさせるときに、赤ちゃんの口の発達を意識しながら与えると、正しい飲み込み方や噛み方を身につけることができます。今回は、意外と知らない時期別赤ちゃんの口の発達と離乳食の進め方を話します。 5~6カ月ごろ(離乳食初期)の口の発達と離乳食の進め方大人は意識することなく、口に入ってきた食べ物を喉の奥に送ることができますが、赤ちゃんはこれまで母乳や育児用ミルクしか飲んだことがないので食べる練習をしなければいけません。 5~6カ月ごろ(離乳食初期)の赤ちゃんは、まだ噛むことができず、舌は前後にしか動きません。口の発達から見ると、口を閉じて取り込み、舌で喉に送って飲み込むのですが、裏ごしてとろとろにした液体に近い離乳食をやっと食べられるくらいなのです。 この時期は、特に上唇を使って食べることを意識します。離乳食をのせたスプーンを下唇に置き、上唇が閉じるまで待って水平に引く。これを繰り返すことで、自分で食べ物を取り込めるようになります。食べさせるときは、赤ちゃんを少し後ろに傾ける姿勢で抱っこします。そうすることで舌が床と並行になり、離乳食をゴックンと飲みやすくなります。最初はうまく舌が動かせず、離乳食が口から出てしまう赤ちゃんもいますが、少しずつ口から出なくなりますので赤ちゃんのペースで進めていきましょう。 7~8カ月ごろ(離乳食中期)の口の発達と離乳食の進め方7~8カ月ごろ(離乳食中期)になると、下あごの2本の歯が顔を出し、上あごの歯が出てくる子もいます。舌が上下にも動くようになり、舌と顎を使って食べ物がつぶせるようになります。 この時期は、舌と上あごで離乳食を潰して、唾液と混ぜ合わせて離乳食を味わっていくことが目標です。舌でつぶせるくらいのかたさの離乳食を与えて舌を鍛えていきましょう。固すぎると潰すことができず、丸のみしてしまうことがあります。固さの目安は絹ごし豆腐程度です。 また、パクパクとよく食べるからと言って、まだ口の中に離乳食があるうちにスプーンを口の前に持ってくると、食べ物を舌で潰す余裕がなくなってしまいます。ママは赤ちゃんが飲み込むのを確認してから次のひとさじを与えましょう。 9~11カ月ごろ(離乳食後期)の口の発達と離乳食の進め方9~11カ月ごろ(離乳食後期)になると、上下4本の歯が生えてくる子が増えてきます。まだ奥歯は生えていませんが、奥の歯茎を使って食べ物を噛むことができるようになってきます。舌の動きが複雑になり、左右にも動くようになります。舌でつぶせない食べ物を舌で左右に振り分けて歯茎でつぶして食べます。 徐々にバナナくらいの固いものが食べられるようになりますが、まだ噛み潰す力は弱いので弾力のあるものは避け、繊維の多いものはとろみをつけるなどして与えましょう。この時期にコップの練習も始めてみましょう。 注意することは、丸飲みしていないかということ。赤ちゃんの食べている口の様子を観察します。モグモグと口を動かしていたらひとまず大丈夫ですが、モグモグすることなくすぐにゴックンしているときは、丸飲みしている可能性があります。 丸飲みしている場合は、食材をもう少し小さく切る、軟らかく煮るなどしてみましょう。赤ちゃんの口の発達を確認し、徐々に固さを調節していきます。 1歳〜1歳6カ月ごろ(離乳食完了期)の口の発達と離乳食の進め方1歳〜1歳6カ月ごろ(離乳食完了期)になると、舌の動きが9~11カ月ごろ(離乳食後期)よりもスムーズになります。前歯が生えそろい、奥歯も出てきます。スティック野菜やおにぎり、お焼きなどのメニューを前歯でかじって奥歯や歯茎でつぶして食べるようになります。自分で食べ物を持って前歯でかじりとる経験をすることで、一口の大きさをつかみ始めます。 最初は口に詰め込むかもしれませんが、ママが声かけをしながら食べるペースを調節し、一口量を身につけていきましょう。また、コップを使って上手に飲めるようにもなってきます。哺乳瓶はそろそろやめて、水分はコップで飲むようにしていきます。 今までの離乳食の4ステップで、母乳や育児用ミルクを飲んでいた赤ちゃんの口が、固形物を食べられる大人と同じ食べ方をする口へと成長します。 離乳食を進めるときの月齢はあくまで目安。大切なのは赤ちゃんそれぞれの発達に合わせることです。慌てず楽しく離乳食を進めていきましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月16日こんにちは、保育士・離乳食インストラクターの中田馨です。赤ちゃん専門店などの離乳食グッズコーナーに行くと、離乳食に使うスプーンがたくさん並べられています。実は離乳食用のスプーンは赤ちゃんの発達に合わせて形などが変わります。 今回は、意外に知らない時期別スプーンの使い方を紹介します。 5~6カ月ごろ(離乳食初期)のスプーンの使い方離乳食をスタートしたころの赤ちゃんにとってスプーンは初体験。中にはスプーンを嫌がる赤ちゃんもいることでしょう。離乳食をスタートしたときは、食べ物に慣れることもそうですが、スプーンの感触にも慣れなければいけません。 5~6カ月ごろ(離乳食初期)に使うスプーンは深みが少なく平たいタイプで、柄の長いスプーンが食べさせやすいです。スプーンが決まったら次は、以下のようにスプーンを使って食べさせます。【1】スプーンを下唇にあててツンツンする【2】口が開いたら下唇の上にスプーンを置く【3】上唇が閉じるまで待つ【4】スプーンを水平に引き抜く スプーンの先に少量だけ離乳食を盛り口の中に入れるのですが、口から離乳食が出てきたら、すくい取って再度1~4の要領で口に入れてあげましょう。どの時期にも共通するNGなことは・スプーンを口の奥に入れないこと舌を使って食べる練習ができないため・上あごにすりつけないこと自分の唇を使って離乳食を取り込む練習ができないため 離乳食を食べさせるときに、赤ちゃんが自分で食べる練習をするんだと意識を向けることで、赤ちゃんの舌や上唇が発達します。 7~8カ月ごろ(離乳食中期)のスプーンの使い方7~8カ月ごろ(離乳食中期)になると離乳食メニューにもつぶ状のものが増えてきます。まだ、深みの少ない平たいスプーンを使います。この時期になると、下唇をツンツンとつつかなくても口を開けてくれることが多くなります。 【1】下唇にスプーンを軽く乗せる【2】上唇が閉じたら水平に引き抜く 赤ちゃんがモグモグして飲み込んでから、次のひとさじを口の前に持っていくことが大切。自分自身に置き換えてみましょう。まだ口の中に食べ物があるのに、次の食べ物がスプーンにのせられて目の前にあったら……? 急いで飲み込もうとしますよね。赤ちゃんも同じ気持ちになりますので、赤ちゃんがゴックンしてから次のひとさじを用意します。 また、スプーンにのっている離乳食を全てこぼさないようにと、口の奥にスプーンを入れてしまうと、自分で食べ物を取り込む練習になりません。また、丸のみしてしまう原因にもなります。引き続き赤ちゃんが自分で食べる練習をしていることを意識して与えましょう。 9~11カ月ごろ(離乳食後期)のスプーンの使い方9~11カ月ごろ(離乳食後期)になったらおすすめなのが、やや深めのスプーン。深めのスプーンを使うことで、さらにしっかりと唇で食べ物を取り込むための練習になります。スプーンの使い方は今まで同様に、唇で食べ物を取り込むこと、水平に引き抜くことなどを意識しながら与えます。 また、9~11カ月ごろ(離乳食後期)からは手づかみ食べをそろそろスタートしたいので、ママが与えるスプーン食べと自分で食べる手づかみ食べを併用しながら食べていきます。まだ自分でスプーンを使うことは難しいですが、持ちたがったら赤ちゃん専用のスプーンを持たせてもOKです。 1歳~1歳6カ月ごろ(離乳食完了期)のスプーンの使い方1歳~1歳6カ月ごろ(離乳食完了期)になると、多くの赤ちゃんがスプーンに興味を持ち始めます。だいぶ上手に使えるようになるのは1歳3カ月ごろからですが、持ちたがる場合はスプーンを持たせましょう。スプーンの持ち方は、柄を上からつかむ「上手もち」です。 スプーンの使い方のステップアップは【1】大人が手を添えてスプーンを持ち離乳食を口に運ぶ【2】大人がスプーンに離乳食をのせて赤ちゃんが自分で離乳食を口に運ぶ【3】自分ですくって、自分で口に運ぶという順で進んでいきます。 急には上手になりませんので、ママが補助をしながら赤ちゃんのペースで進めていきましょう。 スプーンの使い方と一言で言っても赤ちゃんの発達によって意識する部分が違います。赤ちゃんの発達に合わせたスプーンを見つけて、赤ちゃんのペースに合わせて食べ進めてください。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月15日こんにちは。保育士の中田 馨です。赤ちゃんが生まれて1年間のうちには、健やかな成長と健康を願うお祝いがたくさんあります。今日は日本に伝わる昔からの赤ちゃんの行事についてお話しします。 お七夜赤ちゃんが生まれた日から7日目のことをお七夜(おしちや)と言います。 この日に赤ちゃんの名前を命名書に書いて、家族と一緒にお祝いする習わしがあります。7日目というとママが退院して間もないので、夫婦だけでするか祖父母を呼ぶだけにするなど、無理のない範囲ですることが大切です。日にちをずらしておこなってもいいですね。 お宮参りお宮参りとは赤ちゃんと氏神様と引き合わせて、赤ちゃんの健やかな成長を祈って参拝することです。 一般的に男の子なら31日目、女の子は33日目にします。ただ季節や天候、曜日なども配慮しながらお参りするとよいと思います。例えばわが家では、長男は1月生まれだったので寒い時期は避けて4月にお宮参りをしました。娘は9月末生まれなので寒くなる前の11月初旬にお宮参りをしました。 お食い初めお食い初めは、赤ちゃんが食べ物に困らないように祈願する行事です。生後100日目におこなうことが一般的ですが、地域によって違う場合もあります。 この日にちはあくまで目安で、その前後でお祝いの日を選ぶといいと思います。正式には、漆の器に、頭付きの鯛や一汁三菜、歯固めの石などを用意するのですが、その形にとらわれずに普段の家庭料理でも構いません。実際に食べさせるわけではなく、赤ちゃんに料理を食べさせるまねをします。 初正月赤ちゃんが生まれてから初めて迎えるお正月のことを言います。 無病息災を祈り、一般的には男の子には破魔弓・破魔矢を、女の子には羽子板を贈る風習があります。昔は母親の祖父母が贈ることが多かったのですが、地域によって違うので、両親などに相談してみましょう。 初節句女の子は3月3日に桃の節句。男の子は5月5日に端午の節句がありますね。子どもの健康と厄除けを祈願する行事です。 女の子はひな人形、男の子は武士人形やこいのぼりを飾ります。毎年おこなう行事ですが、赤ちゃんが生まれて初めての3月3日、5月5日を「初節句」と言います。 初誕生祝い満一歳をお祝いする行事です。昔は、正月に1つ年を重ねる「数え年」だったので、生まれた日をお祝いする習慣がなかったのですが、1年目だけは盛大におこなう風習があります。地域によって、赤ちゃんに一升餅を背負わせたりします。 これらの行事をすることで、家族の思い出が増えたり、おじいちゃんおばあちゃんなど親族の集まるきっかけにもなります。家族みんなで赤ちゃんの成長をお祝いしてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月13日こんにちは、保育士の中田馨です。子育てをしていると、子どもをしかる場面がどうしてもあります。「もしかして、私はしかりすぎているのではないか?」と思ってしまうこともあるのではないかと思います。今回は、子どもをしかるときに言ってはいけないことについて話します。 しかるときに言ってはいけないこと子どもは、親が「してほしくない」と思うことを何度も何度もすることがあります。登ってほしくないところに登ったり、遊び食べをしたり……。ママはイライラして、例えばこんな言葉が思わず出てしまいませんか? 「ママ先に帰るからね! バイバイ!」子どもはもっと遊びたいけど、ママには時間がないときに思わず使ってしまう言葉です。ママとしては子どもに早く動いてほしいからとっさに出る言葉です。「悪い子は、おまわりさんに連れて行ってもらうよ!」などもそう。子どもにとっては「ドキッ」とする言葉なので、言うことを聞くかも知れませんが、子ども側に立つとおどしになることがあるので気を付けましょう。「走らない!!」子どもがしてほしくないことをしているのを止めたいときに「〇〇しない!」という禁止の言葉が思わず出てしまいます。例えば、スーパーで走っていたら「走らない!」ではなく「歩こうね」と言いましょう。登って困るところは「登らない」ではなく、「降りてね」です。してほしくないことを注意するのではなく、してほしいことを伝えるのです。感情的な言葉が思わず出て「ああ、言い過ぎちゃった」と思ったときは、「ママ、さっきは言い過ぎた。ごめんね」と伝えて抱きしめましょう。感情的になることは、子育てをしていると必ずといっていいほどあるものです。特に、自分の子となると「しっかり育てなければ!」と思う気持ちも強くなるので、そうなることは当然のことなのです。 毎日しかりすぎ?と思ったときにできることもし、毎日「ダメ」と言い過ぎているなと思ったときは、周りの環境を整えてみましょう。例えば家の中のどの場面で「ダメ」って言っているかを思い出してみましょう。きっと、毎日同じようなことを「ダメ」と言っていると思います。それがわかったら、「ダメ」と言ってしまっているものを排除します。つまり、ママが「ダメ」を言わない環境をつくるのです。 子どもが「ダメ」と言われることを何度も繰り返しするのは、ママの気を引きたいからです。「ダメ」と言われることが少なくなると、子どもは飽きますので徐々におさまってきます。 子どものほめ方励ましたりほめたりする言葉は、毎日繰り返し伝えることで、子どもの「できてうれしい!」という思いを育ててくれます。■具体的にほめる絵を描いている子どもに「じょうずだね」とほめるのももちろんOKなのですが、もっと具体的にほめてみましょう。例えば「力強く描けたね」「赤と青がきれいだね」などです。具体的にほめられることで子どもの「力強く描くことができた!」という自信につながります。■子どもの気持ちに共感するほめるときは子どもの気持ちに共感します。「トイレでおしっこできてスッキリしたね」「自分でズボンがはけてうれしいね」など、生活のささいなことをママが共感してくれると、子どもは自信をつけて「やればできる」と自分を信じられる子に育ちます。 子どものしかり方子どもをしかるときは、イライラした感情があったとしても、なるべく気持ちを落ち着かせて対応しましょう。しかり方には3つのポイントがあります。1.危険なことをしかるケガをしそうな危険なことをしている場合は「ダメ!」としかります。 2.簡単な言葉で伝える子どもに長く説明しながらしかっても理解できません。しかるときは簡単な言葉で伝えることが鉄則です。「痛いからダメ!」「車がくるから危ない!」。 3.何度も伝える1回言ったところで子どもは理解できません。何度も繰り返し、根気よく伝えることが大切です。 これらは大きな声を張り上げる必要はありません。大きな声で言うよりも、真剣な顔で目を見て伝えることが大切です。 子育てをしていてイライラして、しからなければいけないような場面に出くわしたら、一旦深呼吸をして脱力してみましょう。そして「まあ、こんなこともあるか」と思うだけで、子どもにかける言葉も変わってきますよ。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月06日こんにちは。保育士の中田 馨です。年末年始になると帰省や旅行などで、赤ちゃんの生活リズムが崩れてしまうこともあります。そうすると、夜はなかなか寝てくれず朝は遅くまで寝ている……なんてことも。そうなってしまったときの生活リズムを整える方法をお話しします。 赤ちゃんの生活リズムを整えるポイント8生活リズムを整えるには「親がリズムをつくる」ことが必須です。赤ちゃんに合わせながらの生活リズムが基本ですが、以下のことを心がけてみましょう。 朝起きたら朝日を浴びる朝昼夜の区別をつけるためにも、「朝が来た!」ということを赤ちゃんに知らせましょう 。 朝は決まった時間に起こす赤ちゃんの生活リズムに合わせながらも、朝起きる時間は親が決めましょう 食事の時間を一定にする月齢が大きくなるにつれ、赤ちゃんのお腹がすく時間が一定になってくると思います。特に離乳食が始まったら、ある程度1日の予定を計画してみましょう。 外遊びをして活動量を増やす日中など赤ちゃんのご機嫌な時間に散歩に出かけたり室内でたくさん遊ぶことで、夜しっかり寝てくれるようになります。 昼寝を夕方までさせないよく寝ているからと言って、昼寝を長い時間させないようにしましょう。遅くても16時ごろには起こすようにしましょう。 赤ちゃんの生活リズムに合わせる赤ちゃんを大人に合わせるのではなく、大人が赤ちゃんの生活リズムに合わせましょう。早寝早起きからスタートです。 夜更かししても早起きするお出かけしたりしていつもより夜寝るのが遅くなっても、朝はいつも通りの時間に赤ちゃんを起こしましょう。 寝る時間になったらスマホはOFF赤ちゃんを寝かしつける1時間前からはスマホやテレビを見るのをやめて、寝る体制を整えましょう。大人も寝る直前にブルーライトを浴びないようにしたほうが熟睡できるそうです。寝かしつけるときは赤ちゃんのことに集中しましょう。 すべてを徹底することはできないと思います。赤ちゃんが夜なかなか寝ないと、ママも寝不足がちになってしまいます。まずは朝日を入れて赤ちゃんを起こすところからスタートしてみましょう。そして、昼間にしっかりと遊ぶことですね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月02日こんにちは、離乳食インストラクターの中田馨です。5~6カ月を過ぎたら離乳食がスタートします。初めて離乳食を作るママは、何を食べさせればいいのか? 何に気を付ければいいのか? など、疑問を感じている方も多いと思います。 今回は、離乳食をスタートするときに知っておいてほしい「基本のルール」を話します。 食材のルール離乳食に使う食材にはルールがあります。 【1】消化に良く滑らかになりやすい食材や脂肪分の少ない食材を選びましょう。例えば炭水化物だと、米やじゃがいも、さつまいも。ビタミン・ミネラルは、たまねぎ、にんじん、大根、かぶ、かぼちゃ、トマト、冬瓜、ブロッコリー、ほうれん草、いちご、りんごなど。たんぱく質は、豆腐、白身魚、卵(最初は卵黄から)などです。煮てもやわらかくなりにくい食材や繊維の多い食材や脂肪の多い食材は、この時期には食べさせません。 【2】味付けなしからスタートしましょう。腎臓の機能が未熟なことと味覚を育てる意味でも、食材そのものの味を食べさせます。調味料を使って風味にバリエーションをつけ始めるのは、少量の塩やしょうゆ、味噌などの基本的な調味料であれば7~8カ月ごろ(離乳食中期)からOKです。 【3】NG食材を知っておくこと。ボツリヌス菌が心配なはちみつや黒砂糖。喉につまらせる危険のあるこんにゃく、団子、餅など。アレルギーの心配のあるそばやナッツ類。それ以外にも、生卵や刺身、大人用の加工食品、お菓子もNGです。 これらはあくまで一例です。ベビーカレンダーのサイト食材の詳細については掲載されているので参考にしましょう。 調理のルール離乳食の調理にもルールがあります。 【1】食材は必ず加熱すること。赤ちゃんは細菌への抵抗力が弱いです。離乳食は、つぶしたり切ったりする機会が多く、大人の料理よりも手や包丁、まな板などの調理器具が触れる機会が多いので、細菌に触れる機会も多くなります。大人なら冷ややっこで食べる豆腐も必ず加熱しましょう。食材をまな板と包丁で刻んだ後に加熱します。冷蔵や冷凍保存しておいた離乳食も加熱します。 【2】赤ちゃんが飲みこめる形に調理すること。離乳食をスタートするまで、赤ちゃんは母乳や育児用ミルクの液体を飲んでいました。まだ歯も生えそろっていませんし、舌の動きも前後にしか動かず、大人のように自由に舌が動いたり、歯で噛むことができません。最初はできるだけ液体に近いとろとろとしたポタージュ状にしてのみ込みやすくします。 順番のルール離乳食のスタート時は食材を食べる順番があります。まずは、炭水化物。次にビタミン・ミネラル。そして最後にたんぱく質。これらを時間をかけながらゆっくり食べさせていきます。離乳食のスタートは炭水化物の「おかゆ」から。米は滑らかになりやすく、胃腸が未熟な赤ちゃんでも消化吸収が良いのが特徴で、離乳食期の赤ちゃんの主食のになるものです。最初の一口目は、米1に対し水10で炊いた「10倍かゆ」を裏ごしし、ペースト状態にした「10倍つぶしかゆ」を食べます。日数をかけ少しずつ量を増やしていき、1カ月後を目安におかゆのつぶつぶを大きくしていきます。 次に野菜です。野菜はお粥に食べ慣れてきた1週間ごろを目安にスタート。たまねぎ、かぼちゃ、にんじんなどなめらかになりやすく、甘みのある野菜が食べやすいです。離乳食がスタートして1カ月を過ぎたころから、たんぱく質源の豆腐、白身魚、卵黄にチャレンジしましょう。初めて食べる食材は、1日1種類にし、赤ちゃん用のスプーン1さじからスタートします。2~3日同じ食材を与えて慣れさせましょう。少しずつ量を増やして、10倍がゆなら1カ月を過ぎたくらいで小さじ10くらい食べられるようになります。 ママの心構えが大切離乳食がスタートしたら、ママは大人の食事に加えて赤ちゃんの食事を作ることになります。最初は1日1食ですが、離乳食が進むにつれ、2〜3食となり、おやつもスタートします。だからこそ、ママの心構えが大切です。1.育児(離乳食)は教科書通りに進まない2.よその子と比べない3.必死になりすぎない!「まあいいか」と言う気持ちが大切 4.赤ちゃんもママも50点を目標にする 実はこれ、我が子の離乳食に気合いを入れすぎて、撃沈してしまった私だから言える心構えなのです。 育児はスタートしたばかり。最初から頑張りすぎて疲れてしまったら大変です。長くおおらかに続けていくためにも「まあこれくらいでいいか」と、赤ちゃんとママ合わせて100点満点くらいがちょうどいいのです。基本のルールを守りながら、赤ちゃんのペースに合わせて離乳食を進めていきましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月29日こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが生まれると、毎日しなければいけなくなるのが家事と育児。特に育児はやることがたくさんある上に、「夜中に大泣きする」「うんちが漏れた」「昼夜逆転する」などイレギュラーなことも盛りだくさんです。 一番大切なことは「育児はママひとりですることではない」ということ。ママだけが頑張らずに、パパや家族に育児の分担を頼むことが大切です。今回は、ラクに育児分担する方法を話します。 まずはパパに育児の役割分担をしてもらう育児の役割分担を一番頼みやすいのは夫です。とは言っても「仕事」を理由にして、なかなかしてもらえないのが現状ではないでしょうか? 私の保育所でも、送り迎えをしているパパは本当に少ないです! 保育所の送り迎えはママがするもの、と考えているパパが多いのかもしれません。 また、パパが朝送ってくれたとしても、昨日から今朝までの子どもの様子を把握していないことも多いです。「昨日の夕方、保育所で微熱があったのですが、その後どうでしたか?」と尋ねても、「そうなんですか?」と逆に聞き返されたこともありました。育児をママに任せっきりにしていることもですが、ママも「パパに言っても仕方ない」と思っているのかもと思ったら、なんだか少し残念な気持ちになりました。 役割分担は2人で一緒にする「パパが子どもの様子を把握してない」ということにならないためにも、育児の役割分担は大切です。お風呂に入れるのはパパの役割にする、平日に時間が取れない場合は、休日のお散歩と寝かしつけはパパの役割にするなど、できることで良いのでパパにも育児を分担してもらうようにするのがおすすめです。 その際、パパだけママだけの意見で決めてしまうと不満がたまるので、必ず一緒に相談します。そして残業や体調不良などでできなかったときのこともシミュレーションしておきましょう。 男女の考えの違いを知って話し合う先日、スーパーで友人に会いました。2人目のお子さんを出産したてなのに、上の子を連れてスーパーにいるので、思わず「大丈夫なの?」と声をかけました。「旦那がね。“ストレスたまってるだろ。気晴らしに外に行ってこいよ”っていうの……。私は上の子をパパに外遊びに連れて行ってほしかったのに……。男の人ってわかってないよね」という話になりました。 そう、男の人と女の人の考え方は違います。ですので、育児の分担の話し合いをするときは、きちんと詳細まで伝えなければいけません。 例えば、子どもをお風呂に入れることがパパの役割だった場合。パパは「体を洗う→湯船につかる→終了」と思っている可能性があります。ママの考え方でお風呂に入るということは「お風呂にお湯をためる→赤ちゃんの着替えやバスタオルを準備する→自分の着替えなどを準備する→赤ちゃんの体を洗う→湯船につかる→赤ちゃんを拭く→赤ちゃんにおむつや服を着せる→水分を飲ませる」ここまでがお風呂に入るということなのです。 役割分担をするときは、「ここからここまでが、あなたの役割」ということをときちんと伝えましょう。 祖父母とはどう関わる? じょうずにつき合うコツ赤ちゃんが生まれると関わりが強くなるのが祖父母です。子育ての先輩である祖父母の存在は頼りになり、とてもありがたいのですが、時代とともに育児は変化しているので受け入れがたいこともあると思います。 とはいえ、やはり祖父母が近くにいると本当に助かる存在です。だからこそじょうずに付き合うコツをお伝えします。・子育ての方法が違っても否定しない・今の子育ての方法を伝える・してほしいことを明確にする・してほしくないことも明確にする・「ありがとう」を忘れない 今と昔の子育てが違うのは当たり前のこと。祖父母はそれを知らずに良かれと思ってしているだけです。頭ごなしに否定するとわだかまりが残ります。そして、「ありがとう」の感謝の言葉を忘れないようにしましょう。「面倒を見てもらって当たり前」になると、祖父母も負担に感じるようになるかもしれません。 地域の子育てサービスを利用する「ワンオペ育児」という言葉を近年よく耳にするようになりました。夫は仕事で忙しく、周りに頼れる親戚もいない、そんな場合は地域に頼ることも考えましょう。例えば、保育所の一時預かりやファミリーサポートで子どもを保育してもらうことも1つの方法です。 「仕事をしていないのに子どもを他人に預けるのは何だか気が引ける……」と考えてしまうママもいるようですが、ママがリフレッシュすることのほうが優先です。また、児童館や子育て相談などに行って、話を聞いてもらうだけでも心が軽くなります。子育てはうまくいっていないと感じると「私はダメな母親かも?」と思ってしまいがちです。そのためにも、子育ての不安や悩みを誰かと共感することはとっても大切。「私は元気! 大丈夫!」と思っていたとしても、誰かにほんの少し頼ることは心の支えになりますよ。 私は10年以上シングルマザーをしています。子どもが乳幼児で一番手がかかる時期は祖父母が元気だったので頼りっきりでした。でも、ここ数年は祖父母に頼ることができず、ワンオペ育児をしています。子どもが大きくなったとはいえ、まだまだ育児真っ最中。祖父母のように、今すぐにでも気軽に頼れる人がそばにいないのは、綱渡りと一緒だなといつも感じています。 育児の分担することも大切ですが、その前に、育児も家事も仕事も優先順位をつけて、必要のないことは「しない」と仕分けをして、ママにとって無理のない育児を心がけることも大切ですよ。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月28日こんにちは、保育士の中田馨です。1歳が近付いてくると生活リズムが整ってきて、食事、睡眠、遊びを毎日だいたい同じ時間にするようになります。それと同時に歯磨き、手洗い、お風呂、トイレなど「生活習慣」のしつけを徐々に考える時期に入ってきます。 今回は年齢ごとの生活習慣を身につける方法を話します。 生活習慣を身につけるポイント乳幼児が生活習慣を身につけるためにはポイントがいくつかあります。 1.親が気持ちに余裕を持つ乳幼児に「手洗いはごはん前に毎回するのよ」と言ったところで、すぐにそれを自分でできるようになるわけではありません。3歳になっても、サッと洗面所に行けるときもありますし、遊びの途中でなかなか行動に移せないときもあります。親の「してほしい」気持ちと子どもの「したい気持ち」はなかなか一致しないもの。なかなか上手くいかずモタモタするので、イライラしてしまうこともあるかもしれません。生活習慣は、練習に練習を重ねてできるようになることも多いので「思い通りに行かなくて当たり前」くらいの大らかな気持ちで取り組みましょう。 2.できた喜びもできなかった気持ちも共感する子どもは、ほめられるととても嬉しい気持ちになり、それが自信につながります。ですので、できたときは子どものうれしい気持ちに共感します。また、できなかったときは残念な気持ちや不安な気持ちになるかもしれません。そんなときも子どもの気持ちに共感し、「大丈夫だよ」と伝えて安心させましょう。 3.自分でできることはさせるまだまだ身体機能が未発達です。時間がかかるし、うまくできないし、親がしたほうが何倍も早くスムーズにできることでしょう。でも、子どもがしていることを途中で止めること、最初から全て手伝ってしまうこともよくありません。「自分でできるところまで(最後まで)やってみる」という経験が自信につながります。 1・2・3歳にできる生活習慣は?生活習慣と一言で言っても、大きなものから小さなものまでさまざまあります。1・2・3歳の子どもができる代表的なものを紹介します。 食事食事は1日3回と1~2回のおやつの時間があります。例えば、1歳からできる食事の生活習慣は「いただきます」と言うことからスタートし、自分で手づかみ(スプーン)で食べる、タオルで口をふく、「ごちそうさま」をするという4ステップです。 これに付け加えて2~3歳ごろになると、自分や家族のお箸や食器を運ぶ、テーブルを拭く、使ったタオルをたたんでみるなどもチャレンジできるようになってきます。 歯磨き歯が生えてきたら口の中をガーゼで拭くところからスタートし、上下2本ずつ生えそろってきたら歯ブラシを使った歯磨きがそろそろスタートします。湯冷ましや水を飲んで口の中がスッキリする感覚を感じさせることも大切です。 最初はママがメインでの歯磨きですが、年齢が上がるごとに磨き方を教えて自分でも上手に磨けるようになってきます。「食後は歯磨きをする」ことを伝えていきましょう。 着替え起きたときにパジャマから服に着替え、寝るときにパジャマに着替えることは、生活の切り替わりにおいて大切なこと。1歳ごろはまず、靴下などの簡単なものを脱ぐことからスタートしましょう。年齢が上がるごとに、ママの手を借りながら服を着て、自分である程度着られるようになります。 トイレ1歳ごろはまず「トイレやおまるに座る」からスタートです。このときは「おしっこを出させる」ことよりも「座ることに慣れる」をメインにします。トイレに座ることに慣れたら、起きたとき、お出かけ前、外から帰ってきたとき、寝る前など、家の生活リズムに合わせながら徐々にトイレに行く習慣を取り入れます。 早寝早起き「夜は9時台に布団に入る」「朝は7時に起きる」など、寝て起きることは生活習慣の要。1日の最初と最後のリズムを整えることで、その他の生活習慣も整ってきます。 一度にこれら全てができるようになるわけではありません。子どもの成長発達を見ながら、少しずつできることを増やしていきましょう。 1・2・3歳への声かけ方法各年齢によって声をかけるときのポイントが違います。・1歳ごろ1歳ごろの子どもにはくり返し伝えます。まだ長い間記憶しておくことができないので、毎日毎日伝えるようにしましょう。1歳のときに「生活習慣を身につけさせる!」と強く思わず、楽しい雰囲気で取り組めるといいですね。・2歳ごろ短い言葉で伝えます。大人の言っている言葉が分かり始めているので「しっかり伝えなくちゃ」と思ってしまいますが、まだ長い文章で言っても伝わりません。「出かけるから、トイレに行くよ」「ご飯食べるから、手を洗うよ」など、簡潔な言葉に言い換えましょう。・3歳ごろ「次に何をすればいいか」という生活習慣のリズムが徐々に分かってきます。外から帰ったら自分から洗面所に向かったり、蛇口も自分で開け、ハンドソープも自分で押して、手を洗って、タオルで拭くという「手洗い」を一通り自分でできるようになったりします。自主的にできているときはそばで見守り、できないときやしないとき、ダメなことをしたときに簡潔な言葉で伝えるようにしましょう。 1歳でできていたことが、イヤイヤ期になって突然しなくなったりすることもあります。例えば、靴下を自分ではけていたのに「はけない!」と言ったり……。そんな姿が見られるときの多くは「ママに甘えたい」気持ちの表れです。「自分ではけるでしょ!」と無理にさせようとするのではなく、「じゃあ、右足はママがはかせるね。左足は〇〇ちゃんがはいてね」と言ってもいいですし、全面的に「ママがはかせてあげる!」と、たまには甘えさせてOKです。 お手本はパパとママ生活習慣の見本は何と言ってもパパとママ。子どもはパパとママのことが大好きなので、2人をよく見ています。子どものお手本だと思って、これまでよりも意識的に手洗い、歯磨き、トイレ、食事などをしてみてください。このときに、子どもも一緒にできるといいですね。食事のあいさつ「いただきます」「ごちそうさま」も、いつもは何気なくしているかもしれませんが、子どもも一緒にすると思うと意識が変わります。子どもに「パパとママと一緒にできた」という経験をたくさん積み上げさせて、楽しい雰囲気から自信につなげていきましょう。 生活習慣は、教えてすぐできるようになるものではありません。小さなときからできる範囲で少しずつ伝えているうちに、いつの間にか「習慣になってきたな」と感じることです。焦らず、子どものペースで進めていけるといいですね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月25日こんにちは、保育士の中田馨です。子どもを通じ知り合った友だちのことを「ママ友」という呼び方をします。赤ちゃんがお散歩に行けるような月齢になってくると、公園でよく見かけるママたちと「ママ友」になったほうがいいのか?「ママ友」って本当に必要なのか? と思うこともあるのではないでしょうか。今回は「ママ友」について深堀りします。 ママ友がいるといい点ママ友がいると良い点はいろいろあります。 ・気軽に子育ての話ができる子育てをしていると「離乳食メニューでおすすめはある?」「言葉っていつから話し始める?」など、ちょっとした疑問や不安があります。お医者さんに聞くためには病院に行かなければいけませんが、ママ友なら気軽に聞くことができます。 ・情報交換ができる「耳鼻科ならあそこがいい」「無料で遊べる室内の遊び場がある」など、それぞれのママたちが持っている情報を交換することができます。特に上の子がいるママはいろいろ知っているので、子育てのアドバイスを含めてとても頼りになります。・子どもの成長を共感できる子どもと遊びながらいつも会っているので、それぞれの子どもの成長を見ることができます。「ハイハイができるようになったのね!」「離乳食スタートしたんだ!」など、我が子のように嬉しくなることも。子どもたちの関わり方が年齢に応じて変わっていく様子も感じることができます。・身近な理解者が増える子どものことだけではありません。「今日の晩ごはん、何にしよう」「最近、眠りが浅くて」など、普段の何気ない会話ができることもストレス発散になります。急な用事があるときに子どもを預かってくれたりと、ママ友は身近な理解者です。 ママ友との出会いの場は?ママ友と出会う場といえば「公園」のイメージがありますが、公園だけではありません。例えば生まれる前の両親学級、子どもを産んだ産婦人科、児童館などの子育て広場、マタニティスイミングやベビースイミングなどの習い事、保育園や幼稚園などさまざまな場があります。また、最近ではネット上で交流してママ友ができるケースもあります。 私の友人は産婦人科で同じ時期に出産したママ友と10年以上定期的にランチをしているそうです。私の保育所でも、卒園してから時々会って情報交換をしているママたちもいます。このように、ママ友はさまざまな場所で出会うことができます。 ママ友とうまく付き合う3つのポイントママ友がいるととても頼りになって心強い存在なのですが、長く付き合っていくためには心得ておきたいポイントがあります。1.相手のことは詮索しない相手に興味があるからこそいろいろと聞きたいところですが、相手の家庭事情やプライバシーに関しては詮索しないようにしましょう。 2.相手の子育てに口出さない「それはしないほうが……」と相手の子育てに思わず言ってしまいそうになることもあるかもしれません。でも、子育ては100人いれば100人やり方が違います。「あ!」と思っても、あなたの子育てを押し付けてはいけません。 3.グチや他人の悪口を言い過ぎない子育て、夫、義父母のことなど、思わずグチを言ってしまいそうになりますが、言いすぎは注意です。また、他人のうわさや悪口を言うのも要注意。聞かされているほうは「そうだね」とも「それは違うのでは」とも、どちらも言いにくいものです。 ママ友を作るためにできることママ友がなかなかできずに不安に感じている人は、無理に「ママ友作り」に一生懸命にならなくても大丈夫です。まず、あなたができることは「挨拶」。「おはようございます」「さようなら」からスタートしてみましょう。 「ママ友を作らなくちゃ」と、無理に会話を見つけようとしなくても、砂場などの同じ空間の中で遊んでいるうちに、自然に会話が生まれる場合もあります。少しずつ話をしているうちにお互いの共通点で話が盛り上がったりするものです。 また、ママ友のグループが「少し疲れる」と感じたとき。そんなときは、そーっと離れる選択をしてもOKです。「疲れる」と感じるということは、ママ友との関係が多少なりとも負担になっているということ。自分の生活のリズムを崩さず付き合うことは、とても大切なことです。 ママ友は必要ないと思っていた私こんなことを書いている私ですが、実は「ママ友は必要ない」と思っていました。人付き合いが得意なほうではないので、初対面の方に話しかける勇気がありませんでした。最初に話しかけられないと、その後はそのままズルズルと話すきっかけを持てず、挨拶をするだけの関係ということがよくありました。息子が乳幼児のときは、公園でも幼稚園でもお誘いがなければ息子と私のペースで行動していました。私にとっては「息子と2人でいること」のほうがラクだったからです。私の性格上「このまま、ママ友はできないだろうな」と思っていたのです。でも10年前、突然1人のママがスーッと目の前に現れました。話した瞬間に意気投合! 彼女が現れてから、育児の相談や学校の情報交換などができる「ママ友」がとても心強い存在なのだと気付けました。 もし、今ママ友ができなくて悩んでいる人も、まだ運命のママ友に出会っていないだけかもしれません。いろいろな場所に行き、笑顔で挨拶をすることから始めてみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月24日こんにちは。保育士の中田 馨です。「魔の2歳児」とも言われる2歳の赤ちゃん。このころになると、何でも「イヤイヤ」といって物事が前に進まないことがありますね。そんな子どもの対応にヘトヘトになってしまうこともあると思います。今日は子どもがイヤイヤ期に入ったらどうすればいい? どんな言葉かけをすればいい? というテーマです。 イヤイヤ期とは?イヤイヤ期とは、子どもが大人の働きかけに対して「イヤイヤ」といって怒ったり泣いたりする姿が見られる時期のことです。成長過程の1つなのですが、どうしてこの時期に多く起こるのかというといくつか理由があります。 自分の想い通りにならないから頭では「できる」と思っても実際にできない。そして、そのできないことを言葉でうまく表現できないのでイヤイヤという行動になります。 大人の反応を見ている「イヤイヤ」言うことで大人が自分に反応してくれるのでしている場合もあります。自分の方を見てほしいんですね。「どうして、この子はイヤイヤと言っているんだろう」ということを、子どもの前後の行動を見て予想できると、子どもの気持ちがわかるかもしれませんね。 イヤイヤ期に大切なことは、何といっても「子どもの気持ちを受け止める」ということ。そして「共感する」ことです。 子どもの感情に同調しない子どもがイヤイヤ言ってイライラしている感情に合わせてはいけません。子どもの心と自分の心が近すぎるとママもイライラしてしまいます。心の距離は一歩引いて、子どもの様子を見れるくらいがちょうどいいですね。 物で釣らない子どもがイヤイヤ言い始めたら早く収めたいのが親心。だからと言ってその都度「じゃあ、お菓子を食べよう」とか「ジュースを飲もう」と提案するのは避けたほうがいいです。子どもも「こう言ったらお菓子が出てくる」ということを学習します。将来のことも見据えて「物で釣らなくても感情を抑えられる子に」育てていきたいですね。 イヤイヤしたときの言葉かけは?「〇〇が嫌だったんだね」と共感する子どもが急にイヤイヤと怒り出すと、頭ごなしに怒ってしまうこともあると思います。まずは子どもの気持ちを受け止めることが大切。「〇〇が嫌だったんだね」「〇〇したかったね」と気持ちに共感して、抱きしめてあげましょう。子どもは「ママが気持ちをわかってくれた」ということで徐々に落ち着き始めます。 「どっちにする?」と聞いてみる例えば、保育現場でトイレトレーニング中の子が、「紙おむつが良い、パンツをはきたくない」と言い出します。もちろん、そのときに紙おむつにするという選択肢もあるのですが、「どっちのパンツにする?」とあえて紙おむつではなくパンツを2枚見せて子どもに選んでもらいます。そうすることで、子どもの気持ちが切り替わり、「こっち」とパンツを選んでくれることもあります。 本当にダメなことをしたときは?本当にダメなことをした場合は、きちんとダメと言いましょう。ダメと伝えるときの3つのポイントはこちらです。 ・子どもと目の高さを合わせる・簡潔に伝える・頭ごなしに怒らない 例えば、滑り台でわざと危ない滑り方をした子どもに「そう滑りたかったんだね。でも、座って滑らないと頭をぶつけてしまうかもしれないよ」なんて、共感して説明しても、途中から子どもは何を言われているのかわからなくなります。なので、子どもの目を見て「危ないからダメ」で十分です。そして、「座って滑ろうね」と言い、座って滑ったら「さすが〇〇ちゃん! 素敵!」といっぱい褒めましょう。 ここはきちんと伝えたい「ダメ」という基準(わが家のルール)は決めておきましょう。大人の感情によって「ダメ」の基準が変わると、子どもは混乱してしまいます。 このイヤイヤ期は、子どもの脳がとっても発達している時期です。「できた」「できない」「うれしい」「楽しい」「かなしい」「悔しい」などの喜怒哀楽の感情をたくさん体に詰め込んで成長している時期です。実は子どものイヤイヤ期は親として成長する時期でもあります。 時には子どもの感情につられて怒ることもあっても「ああ、今日は怒っちゃった」と反省して、子どもに素直に「今日は怒りすぎてごめんね」と謝っちゃいましょう。私も自分の子どもにはそれの繰り返しです。少しずつでも親として成長していけるといいですね。著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月19日こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが生まれてから関わることが増えてくるのは、祖父母の存在ではないでしょうか。自分の父母・夫の父母と4人もいたら、とても助かる半面、それぞれの「子育て論」があったりして大変に思うこともあるはず。 今回は祖父母と共に子育てするときに、お互いが負担にならないように心がけることや、喜んでサポートしてもらうためのコツを話します。 子育ては時代によって変わる子育ては時代によって少しずつ変化しています。例えば有名な話でいうと、昔は「甘やかすことにつながるから泣いてもすぐに抱っこしない」「2カ月から果汁を飲ませる」など、今とは違う考え方がありました。その時代ではそれが正解だったけれど「今は違う」ということをどう伝えればいいのかと悩むママもいると思います。 子育ての思いが違うのは当たり前まず、子育てへの思いが違うのは当たり前ということを前提にして一緒に子育てをしましょう。おじいちゃん・おばあちゃんはそれぞれ孫のことを思い、良かれと思って行動しています。基本的に「助けてあげたい」と思っているはずなのです。ですので、気持ちを大きく持つことが必要です。 おじいちゃん・おばあちゃんのしたことを否定すると、その後の関係がギクシャクしてしまうかもしれません。赤ちゃんが泣いているときに「肺が強くなるからどんどん泣かせなさい」と言われたら、いきなり否定するのではなく、「元気な声ですよね。おなかが空いている時間なのでおっぱいにしますね」など、やんわりと伝えてみましょう。 してほしいこと・してほしくないことをはっきりさせる周りの大人たちは、子どもの命・健康・安全を守らなければいけません。例えば、家ではジュースは飲ませない、お菓子は親が量を決めて食べさせているなど、子どもの体のために大切にしたいルールがあるのなら、最初にきちんと伝えたほうがいいでしょう。 また安全面でいうと、車に乗るときは必ずベビーシート(チャイルドシート)に座らせるなどもはっきりと伝えましょう。事前に伝えていたほうが、お互いが迷わず子育てできます。このとき、パパとママの意見を一緒にしておくことも大切。夫婦で意見が違うと、おじいちゃん・おばあちゃんも混乱してしまいます。 身近な子育てから手伝ってもらうおじいちゃん・おばあちゃんは孫と過ごせることがうれしくて、ついあれもこれもしてあげたいと思うものです。最初から頑張りすぎると、おじいちゃん・おばあちゃんはエネルギー切れしてしまいます。まずはおじいちゃんたちの生活リズムを崩さない程度の身近な子育てを手伝ってもらいましょう。 例えば、公園に連れて行ってもらう、買い物に行く間に子どもを見てもらう、離乳食を作ってもらう、お昼寝の寝かしつけをしてもらうなどです。急なお願いや、病気などのピンチのときばかりをメインにお願いしていると、おじいちゃんたちも急な変化に大変さを感じてしまうことがあります。 感謝の気持ちを忘れない私自身、同居していた両親に助けてもらって2人の子どもを育てました。日々の子育てはもちろんのこと、子どもが病気になったときも病院に連れて行ってくれたり、泊りの出張も快く送り出してくれたりしました。2人の子どもがやさしく元気に育ったのは、間違いなく両親のおかげです。 でも、預かってもらうことが当たり前になってしまうといけません。「いつもありがとう」という感謝の気持ちを言葉できちんと伝えることも大切です。感謝の言葉がないと、おじいちゃん・おばあちゃんが子育てに負担を感じてしまうこともあります。食事会をする、一緒にテーマパークなどへお出かけをするなど、言葉だけでなくイベントなどで感謝を伝える方法もありますよ。 親の愛情と祖父母の愛情。愛情をたっぷり受けて育つ子どもは、心が安定しますし、パパやママとは違う身近な人と深い関わりは、子どもの人生において宝になります。ぜひ、おじいちゃん・おばあちゃんと一緒に楽しく子育てしてみてくださいね。 イラスト/マメ美著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月17日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、お子さんの内服に関するご質問です。 Q.抗生物質を飲むのを嫌がります1歳4カ月の娘のことで相談です。娘が風邪をひいて、鼻水と咳が出るようになり、病院で抗生物質と咳止めをもらっています。抗生物質は苦いのか、いつも飲むのを嫌がります。ごはんに混ぜたり、好きなりんごに混ぜても、お薬用ゼリーに混ぜてもダメでした。パンケーキに混ぜて焼いたら普通に食べたのですが、薬は加熱すると効果なくなりますか? 最近はにおいでわかるのか、どの食べ物に混ぜても気づかれてしまいます。 高塚あきこ助産師からの回答お薬は加熱すると性質や成分が変化してしまう場合がありますので、どの程度効果が残るかは明言できませんが、加熱は避けたほうが安心です。 そして、なかなかお薬を飲んでくれないということですが、酸味の少ない甘い飲み物に混ぜて飲ませる方法や、薬局で市販されています単シロップは、甘い上にトロッとしているのでお薬が絡まりやすく飲ませやすいかもしれませんね。 また、薬局で無料でスポイトがもらえるところもありますので、飲ませ方は少し強制的になってしまいますが、スポイトで少量ずつお口に流し込むという方法もいいかもしれません。 お試しになってみてくださいね。 ですが、もし、いろいろお試しいただいてもなかなか飲んでもらえない場合には、お薬の用法を小児科で再度ご相談なさってもいいかと思いますよ。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください 赤ちゃんに薬をラクに飲ませる方法薬の飲ませ方は1つではないので、月齢など赤ちゃんに合った方法であげてください。 シロップの場合【1】哺乳瓶の乳首に入れて飲ませる特に低月齢の赤ちゃんに水薬を飲ませる際にやりやすい方法です。 【2】スポイトで飲ませる分量の薬をスポイトで口の中に入れます。前かがみだと口からタラ―と出てくることもあるので、少しだけ体を倒して抱っこし、スポイトを口の奥のほうに入れて少しずつ口の中に流し入れてみましょう。 【3】スプーンで飲ませるひとさじずつスプーンで飲ませます。 【4】小さな器に入れて飲ませる赤ちゃんの口に合わせて、小さい器に入れて飲ませます。 粉薬の場合【1】練ってから飲ませる粉薬は水で液体にしてしまうと飲みにくい子もいるので、少量の水を垂らして粘土状に練って飲ませます。指に薬をつけて、ほおの内側に塗りつけたあと、湯冷ましを飲ませます。 【2】薬用ゼリーなどに混ぜて飲ませる苦味のある粉薬の場合や赤ちゃんが嫌がる場合などは、薬用ゼリーなどに混ぜると与えやすいです。 薬に混ぜていいものとダメなもの赤ちゃんの薬に混ぜていいものとダメなものの一例を紹介します。 ●混ぜていいもの水、湯冷まし、薬用ゼリー、バナナなど。薬の質や味を変えないものはOKです。 ●混ぜたらダメなもの育児用ミルク、おかゆ、うどん、熱いお湯など。普段の育児用ミルクやおかゆに苦い薬を混ぜると、それ自体を嫌いになってしまうこともあるのでやめましょう。また、薬の質を変えるものもダメです。 牛乳やグレープフルーツジュースなど、吸収を阻害したり、副作用を起こす心配のある薬もあります。薬の与え方は自己判断するのではなく、必ず専門医、薬剤師に相談しましょう。※参考:ニュース(食・レシピ)「慌てずラクにごっくん!保育士が教える赤ちゃんへの薬の飲ませ方【ラクに楽しく♪特集】」【保育士 中田馨 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長】
2020年02月17日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは。保育士の中田馨です。育児中のママの悩みの1つ、それは寝不足ではないでしょうか。私も子どもが乳幼児のときは、何度も夜中に起きるので寝不足になりがちでした。寝不足になると朝起きたときに頭がボーッとして、体が動きにくく、その日1日の生活がうまくいかないこともあります。育児中のママこそゆっくり寝られることが理想です。今回はママがラクに睡眠時間を確保するコツを話します。 各月齢の赤ちゃんの眠りのリズム赤ちゃんの眠りのリズムは、月齢を追うごとにだんだん規則的になり、まとまって寝てくれるようになります。とはいえ、新生児のころから考えると数カ月も先のこと。どんな流れで眠るようになるのでしょう? ■新生児~生後2カ月ごろ1日の大半は寝ているのですが、短時間で寝たり起きたりします。生後1カ月ごろになると昼間に起きている時間が長くなってきますが、まだ、完全には昼夜の区別がついていません。■生後3~4カ月ごろ昼夜の区別がついてきます。昼間に起きている時間が長くなり、夜もまとめて眠るようになります。■生後5~6カ月ごろ昼寝の回数が減ってきます。午前1回と午後1回の2回になる子もいて、よく寝てくれるようになります。■生後7~11カ月ごろ昼夜の区別がはっきりついてきます。1歳近くなると夜は朝までぐっすり寝るようになる子もいます。■1歳以降昼寝が1日1回になる子が増えてきます。 親子で生活リズムを整えるママが睡眠時間を確保するためには、赤ちゃんの生活リズムを毎日同じにして「午前10時には離乳食を食べる」「午後2~3時は昼寝」など、ある程度の予測ができたほうがラクです。予測が立てられると、ママが次に何をするかの予定が立てやすくなるので休憩も取りやすくなります。まずは、親子で生活リズムを整えることからスタートさせます。 生活リズムを整えるには、起きる時間と寝る時間を毎日同じ時間にします。赤ちゃんが寝るからといって遅くまで寝かせたり、寝ないからといって起こしておくのではなく、朝と夜のメリハリを親がつけることが大切です。 ママがラクに睡眠時間を確保するコツママがラクに睡眠時間を確保するには、3つのコツがあります。 【1】夜、赤ちゃんと一緒に寝る私もいろいろ試しましたが、これが一番ラクです。いろいろしたいことはあっても、早寝がおすすめ。すっきり元気に翌朝を迎えるためには、赤ちゃんと同じ時間に寝てしまうことです。【2】昼寝をする赤ちゃんが昼寝をするときに、思い切ってママも一緒に寝てみましょう。「昼寝をしているとなんだかサボっているみたい」なんてことは思わなくてOK! 10分寝るだけでもすっきりすることがあります。 【3】夫に頼むどうにもこうにも眠たいときは、夫や祖父母に頼んで、先に寝かせてもらったり、昼寝をしたりしましょう。 無理して育児や家事をしない「ママになったから」という責任感はとっても素敵なこと。でも、ママが元気でいることも大切です。寝不足が続くとママも疲れ果ててしまうので、育児も家事も無理しないようにしましょう。 もちろん、赤ちゃんや家族が生きていく上での最低限のことはしなければいけませんが、「これ、毎日しなくてもいいんじゃない?」ということは「しない」と選択してOK。例えば私の場合、掃除は毎日はしません。洗濯もできないときはしませんし、料理も市販品に頼る日があります。すべてを完璧にすることを目標にすると、ママがしんどくなってしまうので、手を抜けることは手を抜いてみましょう。 ママが元気でいるためには、やっぱり睡眠をとることは不可欠。頑張りすぎないで、赤ちゃんと同じリズムで寝ることを優先する時期があっても大丈夫です。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月16日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは、保育士の中田馨です。1月末ごろから保育園の入園決定通知が来ているご家庭もあるのではないかと思います。4月に仕事復帰を控えているママにとって、赤ちゃんと家でずっと過ごすのは、あと2カ月ほどになりました。今、一番不安なことは「仕事と育児の両立ができるか?」ではないでしょうか。 今回は、仕事復帰を少しでもラクにスタートできるように、15年間保育士をしてママたちのサポートをしている私がママにしておいてほしい準備についてお話しします。 生活リズムの見直しまずは、生活リズムの見直しからスタートします。赤ちゃんが生まれてから、赤ちゃんを中心としての家族の生活リズムができていたと思います。ここに、日中の大半を占める仕事が入ってきますので、仕事を見据えた生活リズムに見直します。まずは、朝。出産前に起きていた時間では、準備が到底間に合いません。出勤前にすることは、ママと赤ちゃんの身支度に、朝ごはんを作って食べさせる、ゴミ出しや洗濯など、考えただけでもたくさんあります。「準備完璧」と思って出発しようとしたら、赤ちゃんがうんちをしていた! しかも、背中まで漏れて朝からシャワーをする羽目に! ということもあります。保育園に着いても、荷物を入れたり、月曜日は布団カバーをかけたりなどママがすることがあります。突然のアクシデントに備えて、朝は想定している時間より30分早く起きると、余裕をもって準備ができます。 次に夕方。帰宅後は、夕食、お風呂、寝かしつけと短い時間ですることがたくさんあり、バタバタしがち。掃除や洗濯ができなくて溜まってしまったなんてこともあります。帰宅後は、まず何を優先するかを考えます。 ちなみに私もいろいろ試しましたが、夕食とお風呂が終わったら、よほどのことがない限り子どもと一緒の時間に寝ることを優先しています。これは子どもが15歳になった今でも一緒です。9時半ごろになったら「さあ、寝るよ!」と言って声をかけ始め、布団に入ります。このように、実際に仕事が始まったときのことを想定しながら、生活リズムの予行練習をスタートしてみましょう。 時短できることがないかを考える生活の中に「時短できることはないか」を考えてみましょう。例えば、買い物。毎日行っているなら週に2~3回にしたり、宅配を利用するのも時短になります。家事がラクになる点でいうと、食器洗い乾燥機やお掃除ロボットは、ママのお助けアイテムです。 食事の作り置きはかなり助かります。週末に煮物や和え物などの副菜を作っておいて冷蔵しておき、メインになる肉や魚は下処理と味付けをして冷凍します。調理するのは汁物と味付けしたメインを煮る、蒸す、焼く、炒めるなど調理するだけ。それぞれ7~10品あれば、月~金曜日の朝夕の食事に十分足ります。 また、テレビやスマホにかける時間の短縮も考えてみます。例えば、夜は9時以降テレビを見ないことにして、録画したものを週末に見るようにする。ついつい見がちなSNSは、通勤中だけにするなど、自分なりのルールを決めましょう。 諦めていいことがないかを考える「家事を完璧にしたい」という気持ちはとても素晴らしいこと。でも、できないときに落ち込んでしまう可能性があります。家事の中で、諦めてもいいことはないかを考えてみましょう。「平日に家事を頑張ろう!」と思わなくてOKです。毎日していた掃除や洗濯を3日に1回にする、朝食は作らなくてもいいパンにする、離乳食は冷凍保存しているものや市販のベビーフードを活用するのもいいですね。 例に挙げたことはごく一部。赤ちゃんが寝たあとに家事をするのは、一度眠りそうになった自分の体を起こさなければいけないので、かなりつらいものです。自分の中で「ここは諦めてもOK」という家事を見直しましょう。 家事をすることも大切ですが、帰宅後に意識して大切にしてほしいのは赤ちゃんとの時間。慣れない生活でヘトヘトなのは赤ちゃんも一緒です。2人でお風呂に入る、夜寝る前は絵本を読むなど、スキンシップの時間を増やすことで、赤ちゃんのグズグズも少なくなり、かえって家事がスムーズにできることにつながります。 周りに頼ることを考えるママが一人で育児をしようとするのはちょっと待って。周りに頼ることを前提に子育てをしましょう。夫との家事や育児の分担をあらかじめ決めてくことが、仕事復帰後ラクに生活できるコツ。 共働きの場合、夫の協力は不可欠です。「手伝っている」は、間違っている言葉ということも、ぜひ夫に知ってもらいたいなと思います。祖父母が近くにいれば、残業時や子どもが熱を出したときの保育園の迎えを頼むこともできます。頼れる人がそばにいない場合は、一時預かりの保育園、ベビーシッター、ファミリーサポートなど育児サービスを利用することもできるので、どんな条件で費用はどれくらいか調べて、登録しておくと、いざというときに安心です。周りに頼ると、「できない母親と思われそう」と心配するママもいますが、頼られた側は案外うれしいものですよ。 仕事に復帰してからは、無理をしないことです。一生懸命になって「両立しなければ」と思わないことが大事。これからずっと続く仕事と育児ですから、スタートダッシュは禁物ですよ。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月09日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは。保育士の中田馨です。1カ月健診が終わると、赤ちゃんもいよいよ大人と一緒のお風呂がOKとなります。これまでベビーバスに入っていたのが大人と一緒に入れるようになると、ラクになる部分と、前もっての準備がないと大変な部分があります。 ママひとりで赤ちゃんと一緒にお風呂に入るにはコツがあります。今回は、ママひとりでも慌てずに赤ちゃんと一緒にお風呂に入るコツを話します。 お風呂に入る前に準備を整える赤ちゃんが大人と一緒にお風呂に入るようになると、お風呂のあとがとってもせわしくなります。ですので、事前に必要なものを準備しておくとスムーズに入浴ができます。 お風呂に入るときに必要なものとして、せっけん、ガーゼ、湯温計などがあります。お風呂から出たあとに必要なものは、バスタオル、フェイスタオル、着替え、おむつなどです。 大人用のバスタオルやバスローブなどがあると、ママの湯冷めも防げるので便利です。また、ママがひとりで赤ちゃんをお風呂に入れるときは、先にママが体を洗ったほうがスムーズに入れます。その際に赤ちゃんを寝かせておけるベビーラックなどを脱衣所に置きます。お風呂のドアは開けて、赤ちゃんの様子が見守れる状態にしておきましょう。 お風呂に入る前に、出たときの赤ちゃんの準備を整えるお風呂から出たあとに必要なものは、バスタオル、フェイスタオル、着替え、おむつなどと書きましたが、他にも保湿クリームや綿棒などがあるとお風呂後のお手入れがスムーズです。特に寒い季節は、バスタオルは2枚用意しておくのがいいですよ。 1枚目のバスタオルは、脱衣所で赤ちゃんの体の水分をしっかりふき取るように使います。次に2枚目のバスタオルに赤ちゃんをくるみ、着替えを置いてあるリビングなどに移動して、改めてしっかりと拭き直すのです。着替えの肌着と服は、あらかじめ袖を重ねて通して広げておきます。さらにその上におむつも広げて置きます。湯上りの赤ちゃんをその上に寝かせると、すぐに着替えができるようにスタンバイすると、着替えがとってもラクチンです。 ママの準備を整える赤ちゃんが湯冷めをしないことはもちろん大切ですが、ママも湯冷めをしないことはとっても大切! 特にお風呂上がりは、赤ちゃんの体を拭いて、着替えさせてとすることがいっぱいなので、ママは自分のことは横に置いて赤ちゃんのお世話を先にすることになります。そうなると、ママの体が冷え冷えに。せめて、大きめのバスタオルを羽織ってからお世話をしましょう。こんなときに大活躍するのが「バスローブ」です。 残念ながら昔の私にはそんな知恵がなかったので、プール用のゴム付きのバスタオルを使っていたのですが、肩が出ているので冬生まれと秋生まれのわが子のお風呂のときは、気付いたら体が冷え冷えになっていました。赤ちゃんのお世話が終わったらすぐに着替えができるように、ママの下着やパジャマはリビングに準備しておきましょう。 赤ちゃんと一緒のお風呂の入り方では、スムーズなお風呂の入り方の一例を紹介します。 【1】赤ちゃんを待たせます脱衣所もしくは浴室にベビーラックなどを置き、赤ちゃんを待たせます。 【2】ママが体を洗います赤ちゃんを待たせている間に、ママが体を洗います。 【3】赤ちゃんの全身を洗う頭と顔をまず洗います。その後、首や耳の後ろ、脇の下。手や腕、おなか、背中を洗い、最後におしりや性器、足を洗います。 【4】湯船で温まる赤ちゃんと一緒に湯船に入って温まります。赤ちゃんは、のぼせやすいので長風呂しないようにします。【5】赤ちゃんの体を拭く1枚目のバスタオルで、赤ちゃんの体を拭いて包んだら、ママがバスローブを羽織り、2枚目のタオルに赤ちゃんを包みなおして着替えを置いているリビングなどへ移動します。 【6】服を着せるあらかじめ準備している服を着せます。服を着たら、髪の毛の水分をタオルで良くふき取り、耳の周りや溝、鼻などもお手入れします。 【7】水分補給最後に育児用ミルクやおっぱいなどで水分補給をします。 ママひとりで赤ちゃんと一緒にお風呂に入るのは、慣れないうちはバタバタしますが、毎日のことなので徐々に慣れてきます。準備を整えたら、あとはゆったりとリラックスすることが大切。気持ちよさそうに、湯船にぽわーんっと浸かっている赤ちゃんの顔を見ていると、とっても幸せな気分になりますよ。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月06日この記事では、保育士であり離乳食インストラクターの中田 馨さんが、赤ちゃんのコップ飲みが上達する6つのステップを解説しています。 こんにちは。離乳食インストラクターの中田 馨です。コップで飲み物を飲ませても、飲み込まずにそのまま口から出てきて服がビチャビチャ。コップをひっくり返して、ジャーっと飲み物をテーブルにこぼし、こぼれたお茶を手で混ぜ混ぜしてしまう……。どれもよくある話です。 私の子どもたちも、保育所の子どもたちも、このようなことを経験して、少しずつ上達していきました。だから、「どうしてうまく飲めないのかな?」と悩まなくて大丈夫です。 ママの心の余裕があるときはいいですが、そうでないときは、そんな赤ちゃんの姿がストレスになることも。ストレスがない練習方法があるとうれしいですよね。ということで、今回は赤ちゃんのコップ飲みのステップアップ方法を紹介します。 どんなコップを用意するといい?取っ手が2つあるコップ赤ちゃんが持ちやすいように、コップの左右に2つ取っ手のあるコップがいいと思います。片方だけだとうまく持つことができず、赤ちゃんがコップを支えられないことがあります。 割れにくいコップコップに限らず食器もそうですが、軽くて割れにくいもののほうが使っていて安心だと思います。私の娘は、食いしん坊のあまり、食器の中に食べ物がなくなると食器を投げることがありました。投げるのはまれにしても、まだうまくコップを持っていられない赤ちゃんです。落として割れにくい素材でできているものを使うと安心ですね。 軽くて小さいコップ赤ちゃんの力で支えていられる軽さ、赤ちゃんのサイズに合っている小ささのコップというのもポイントです。たとえば大人用のマグカップだと、赤ちゃんには大きすぎて重たすぎますよね。 消毒ができる素材のコップ赤ちゃんの食器ですので、消毒できるものだと安心ですね。ベビー用品にはたいてい消毒できる素材かどうか書いてありますので、袋の表示を参考にしてみてくださいね。 いつからコップ飲みの練習をすればいいの?私は保育所の子どもたちが水分をスプーンからすすれるようになってきたら、「あ、そろそろコップの出番かな?」と思っています。コップに興味を持っていたら、始め時ですね。一度空っぽのコップを持たせてみてもいいですね。月齢で言うと、だいたい生後7カ月ごろが目安かなと思います。 コップ飲みの6つのステップアップ方法ママが支えて練習まだコップをバランスよく支えられない赤ちゃん。まずは、ママが支えながら一緒に飲んでみましょう。また、赤ちゃんが飲みやすいコップの角度を習得するのには練習が必要です。ママが、飲みやすい角度を一緒に何度も教えてあげることで、赤ちゃんは適度な角度を習得していきます。 最初は自分で持つことを嫌がる赤ちゃんもいますので、その場合はママが飲ませてあげても大丈夫です。 少しの水分から練習最初からコップに多くの水分を入れていると、こぼす原因になります。ほんの少量の水分をコップに入れて飲むことから始めましょう。 スプーンを使って練習スプーンをすするところから練習するのも1つの方法です。スプーンですくって、赤ちゃんの口の前に持って行き、赤ちゃんが自分から「すする」。大人が何気なくしている「すする」という動作。赤ちゃんはまだできません。すする口の動きを教えるのに、私はよく使っています。 飲むときの周りの環境を整えるエプロン、レジャーシート、タオルを用意するといいですね。エプロンは水を通しにくいものだと服も濡れにくく、さらに良いですね。コップで飲むときは、あごの辺りにタオルやガーゼを当てながら飲ませます。そうすると、こぼれてもタオルがあるので服が濡れにくいですよ。 また、テーブルなどにこぼれてしまっても、そばにタオルがあればすぐに拭き取れます。 お風呂あがりに練習ストロー飲みでもお伝えしましたが、わが子のときは、お風呂あがりに練習していました。服をまだ着せていないとき、暖かいお部屋でバスタオルで体をくるみ、コップで水分を飲ませる。こぼれても、バスタオルが受け止めてくれるので、ストレスゼロです! 徐々にママの支えをなくしていく飲み物をこぼさずに、飲み込めるようになったら。自分で支えて飲めるようになったら。徐々にママの支えをなくしていきましょう。 赤ちゃんにとっては初体験のコップ。どうやって飲むかすらわかりません。焦らず、赤ちゃんのペースに合わせてコップ飲みの練習をしてあげてくださいね。 作画/はたこ 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月04日こんにちは。保育士の中田 馨です。実際に保育所の保護者に受けた質問です。「先生、同じ月齢の友人の子たちよりも体重が少ないんです。大丈夫でしょうか?」 近くに同じ月齢のお友だちがいると、いろいろとお話ができて心強い反面、自分の子と比べてしまい、不安になってしまうこともありますよね。私もそうでした。そんな不安を感じたときにどうすればいいかをお話ししますね。 お友だちよりも自分の子を見て私は保育士をしているので「個々それぞれ発達は違う。育児書通りにはいかない」ということはわかっていながらも、自分の子どものことになると「本当に大丈夫かな?」と思ってしまいました。 これは子育てが続く限り、多かれ少なかれ親は感じることかもしれません。大切なのは「お友だちよりも自分の子を見て」ということ。自分の子が今どのような発達をしているかを見てあげましょう。 体重が気になるときの6つのポイント「体重が少なめかな?」と心配になったときに、チェックするポイントがあります。 体重は増えている?赤ちゃんの体重が増えているかを確認しましょう。その子なりに増えていれば大丈夫です。ただ、1歳過ぎると体重の増えは徐々に緩やかになります。活動量が増えると体重が緩やかになることもあるうえに、身長がグーンと伸びる時期は体重が横ばいのときもあります。また、病気をしたときは一時的に体重が減ることがあります。そのように赤ちゃんの成長を全体的に見ることも必要です。 母乳や育児用ミルクは飲んでいる? 離乳食は食べている?母乳や育児用ミルクは飲んでいますか? 離乳食は食べていますか? 特に離乳食を始めたころは、離乳食が進まなくても、母乳や育児用ミルクを飲めていればしばらく様子を見ていても大丈夫です。 たくさん活動してる?元気に遊んでいますか? 遊んでいる姿を見守ってみましょう。 機嫌はいい?毎日機嫌よく生活していますか? 体重が少なくても機嫌よく過ごせていることが大事です。 顔色、表情はいい?顔色や表情はどうですか? 普段と変わりないですか? 成長曲線を確認母子健康手帳にある成長曲線を確認してみましょう。身長と体重のバランスはどうですか? その子なりに増えていれば大丈夫です。 赤ちゃんの様子を見ながら、心配なときはかかりつけのお医者さんに相談してみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月29日こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんは一日の大半を家の中で過ごします。家の中に入れば安心というわけではなく、家の中でも事故が起きます。そのほとんどが、大人が少し目を離したとき。だからと言って、24時間ずっと赤ちゃんから目を離さず生活することはできません。だからこそ、事前の対策が必要です。 月齢別のよくある事故0~6カ月ごろは、窒息事故、転落事故に注意が必要です。赤ちゃんの顔にタオルがかかったら自分で取り除くことができません。 7~11カ月ごろは転落事故、誤飲に注意が必要。自分で動くことができるので、階段などに上ろうとして転落することもあります。また、何でも口に入れる時期なので、赤ちゃんの過ごす部屋の環境を赤ちゃん目線にします。 1歳ごろは、転倒、やけど、溺れるなどの事故が増えてきます。赤ちゃんの成長によっても配慮するべき安全が変化します。 寝室での事故対策まずは、寝室の環境を考えてみます。赤ちゃんが寝ているからと言って、「安心」ではありません。大人の目が離れるのが長くなるのが寝ている時間。赤ちゃんが動かないからと言って、ベビーベッドの柵を下げたままにしていませんか? おむつを替えた後、うっかり柵を上げ忘れていませんか?「すぐ戻るから」と柵を下げたままにしている間にベッドから落ちることも……。必ずベッドの柵は上げてください。また、つかまり立ちが始まると柵の高さが気になります。寝ていたと思ったら起きてつかまり立ちをしていることもあります。つかまり立ちが不安定なときは、ベッドの中でひっくり返ることもあります。 赤ちゃんが寝た後も寝室は締め切らず、赤ちゃんが寝ている様子をすぐに見れるようにしておきましょう。もし赤ちゃんがうつぶせ寝をしていたら仰向けに戻してあげること、また、赤ちゃんが引き寄せて口を塞ぐことを防ぐために、赤ちゃんの寝ている周りにはぬいぐるみやタオルなどを置かないことなどに注意しましょう。 水回りの事故対策・お風呂赤ちゃんは、ほんの少しの水でも溺れてしまいます。洗面器にたまった水でも、そこに顔をつけてしまったら溺れてしまいます。ママが体を洗っているときに、湯船のふちに立たせていたら身を乗り出して湯船に落ちることもあります。お風呂に入っているときは絶対に目を離さないこと。風呂場に一人で入れないようにするための対策も必要です。万が一のために、残し湯をしないようにします。また、床が滑って転倒したり、カランに頭をぶつけたり、カランを触ってやけどをしたりすることも考えられるので、ママが体を洗っているときに赤ちゃんが待機する場所も考えます。 ・トイレ私の友人の子どもが「お風呂に入っているように、トイレにすっぽり入っていた」なんて笑い話をしていましたが、これが頭から入ってしまったら大事故につながりかねません。トイレには、洗剤などもあります。便座のふたを閉める。トイレのドアを閉めることを徹底します。水回りでの事故は、命に関わる事故につながります。お風呂場、トイレには一人で入らせないようにしましょう。 キッチン・リビングでの事故対策赤ちゃんが起きている時間、最も過ごす時間が多いのがリビングではないでしょうか。これまで夫婦2人のときは気にしなくても良かったものも、すぐに物を口に入れる赤ちゃんがいると、片付けなければいけません。 赤ちゃんは直径3.9mm(トイレットペーパーの芯を通るサイズ)のものは飲み込めてしまうので、お金、電池、消しゴム、たばこなどの小さなものは手の届かないところに片付けます。また、兄弟がいる場合は、小さいおもちゃも注意しましょう。 リビングでの注意点は下記です。・床に物を置かない・手が届くテーブルに物を置かない・テーブルのふちに物を置かない・不安定な家具は固定する・ドアはドアストッパーなどを付ける・引き出しは開けないよう対策するまた、フローリングの場合、靴下をはいて過ごしていると転倒してしまうことがあるので裸足で過ごすようにしましょう。また、カーペットの場合は、カーペットごと滑ってしまうこともあるので、カーペットの下に滑り止めを敷きましょう。ソファーからの転倒や、ソファーからジャンプしてテーブルなどにぶつかるなどすることもあります。 「危ない!」から赤ちゃんを守るためには家の中での事故から赤ちゃんを守るために大人ができることをまとめました。 ・事故は起こるもの事故は「必ず起こるもの」と思い、赤ちゃんの安全を守る部屋作りをします。・赤ちゃんの成長の先を見る赤ちゃんは日々成長しています。昨日できていなかったことが今日できるようになります。赤ちゃんの次の発達を見据えた部屋作りも大切です。・安全グッズの点検赤ちゃんの事故を防ぐためのグッズをつけたら、ホッと一安心しますが、時間が経つにつれてネジが緩んでくることもあります。定期的に安全グッズの点検をします。・「ヒヤリ」を見逃がさない保育所では、事故につながらなかったけれど、事故になりそうな「ヒヤリ」としたときに、すぐに対策をし始めます。「ヒヤリ」を感じることは、事故を未然に防ぐ大切な感覚です。 赤ちゃんに事故が起きることはとても悲しいこと。できる限りの対策をして、少しでもリスクを減らし、安心できる環境の中で過ごすことから始めましょう! 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月24日こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが成長するために必要な母乳や育児用ミルク。たくさん飲んでほしいけど、赤ちゃんが飲んでくれないときがあります。赤ちゃんが飲んでくれない理由はさまざま。今回は、そのチェックポイントとママができる対応を紹介します。 足りているかを確かめるチェックポイント「こんな少ししか飲んでいなくて大丈夫かしら?」ママにとって一番気になることは母乳や育児用ミルクが足りているかどうかだと思います。新米ママの場合特に、足りているのか足りていないのかを判断するのは難しいと思います。気になるときは、以下を参考にしてみましょう。 ・体重の増え方が悪い・授乳の間隔が1~2時間・おっぱいをいつまでもくわえている・おしっこやうんちの回数が少ない・不機嫌 新生児の場合は、生理的体重減少を考慮して、退院したときからどれくらい体重が増えているかをチェックしましょう。心配な場合は、授乳の時間やうんちおしっこの回数などをメモしておき、助産師、医師などに相談します。体重増加はどうか、おっぱいを正しい吸い方をしているかなどからチェックしてもらいましょう。 すぐ寝てしまうときはどうすればいい?低月齢の時期によくある姿です。最初は勢いよくゴクゴク飲んでいるのに、すぐにウトウトと寝始めてしまいます。低月齢のときは、母乳や育児用ミルクを飲むことに体力が必要です。まだまだ体が小さい赤ちゃんですので、疲れて途中で寝てしまうんですね。 ほっぺをツンツンしても起きない。ママとしては、一度にたくさん飲んでから寝てほしいですよね。でも、寝てしまったときに、無理に起こすのはなかなか難しいこと。しばらく寝かせ、起きたらまた飲ませます。月齢が上がるごとに、体力がつき一度に飲めるようになってきます。 遊び飲みをするときはどうすればいい?月齢が上がり、3カ月ごろになると徐々に遊び飲みを始めることがあります。おなかが少し満足し始めると乳首を外して周りをキョロキョロ見たり、ニヤリと笑ったり、「う~」などお話を始めたり。飲むのはやめているのに乳首を加えたままだったり。 このころの赤ちゃんは、大脳が発達してお腹がいっぱいになると自分で飲まなくなるのです。つまり、自分の適量を飲めるようになるということ。遊び飲みや飲みムラが出てくるように思いますが、赤ちゃんの発達ととらえ、何度か乳首をお口に入れて飲まなければ、そこで終了して遊んであげましょう。また、育児用ミルクの場合、温度に厳しい赤ちゃんは少し冷めてしまうと飲まなくなることも。そんな場合は、再度ミルクを温めなおして飲ませてみましょう。 哺乳瓶から飲んでくれないときはどうすればいい?赤ちゃんによっては、哺乳瓶を嫌がって飲まないことがあります。母乳が足りずに育児用ミルクを足す場合は、栄養が足りないのではないか? 4月から保育園を控えている場合は、保育園で大丈夫か? と心配になります。 哺乳瓶を嫌がる赤ちゃんの場合、私の保育園では以下のようなことを家庭と一緒にチャレンジしています。 ・お気に入りの乳首を探すメーカーにより乳首が違いますので、より母乳に近いものを選んでみます。・育児用ミルクのメーカーを変えてみる育児用ミルクはメーカーにより味が違います。試供品などもらっておいて、各メーカー試してみるのもいいですね。・温かさを確認する腕の内側にミルクを垂らして温度を確認しましょう。40度前後の、やや熱いくらいが適温です。赤ちゃんによって微妙に好みが違うので、あなたの赤ちゃんの好きな温度を探してみましょう。・搾乳した母乳で練習する普段飲みなれた味のママの母乳を搾乳し哺乳瓶で飲んでみることからスタートしてみましょう。 赤ちゃんの食欲には個人差があります。成長曲線に沿って体重が増えていて、おしっこやうんちがよく出ている、機嫌が良いなどの場合は基本的に大丈夫ととらえましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月23日こんにちは。保育士の中田馨です。人は生活をするなかで我慢をする場面に出合います。これは、赤ちゃんのときからずっとです。「我慢できる心」を育てるには、親との関わりが基本になります。今回は、赤ちゃんのときからできる「我慢できる心」を育てる基本についてお話しします。 生活リズムを整えるまず、心を育てるには生活リズムを整えることが基本です。生後3~4カ月ごろになると、昼と夜の区別がつき始めるので、徐々に生活リズムが整い始めます。とはいえ、赤ちゃんが自分から生活リズムを整えることはできません。親が主導しながら生活リズムをつくっていきます。一番簡単なのは、朝、カーテンを開けて陽の光を入れ、決まった時間に起こすこと。そして、毎日同じ時間に寝ることです。起きる・寝る時間が一定になると、生活リズムがおのずと整ってきます。 昼間は十分に遊ばせます。生活リズムを整えることで、感情をコントロールする脳神経が発達し、情緒も安定します。 たっぷり甘えさせて要求を満たすこと赤ちゃんのときにママやパパに十分に甘えた経験のある子は、情緒が安定して我慢ができると言われています。実際に保育所でも、家で十分に甘えることができている子は、落ち着いていることが多いです。遊びへの集中力があり、自分が「甘えたい場面」がよくわかっています。逆に甘えられない子は、どう甘えればいいかわからず友だちにちょっかいを出したり、遊びに集中できなかったりします。保育士にもどう甘えればいいのかわからないといった様子が見られます。 「甘えさせる」って、具体的に何をすればいいの?と思いますよね。簡単なのは、赤ちゃんの「抱っこして!」という欲求に応えることです。抱っこされたいときに抱っこされ、自分の気持ちが満たされる経験が積み重なることが大切です。抱っこされると、ママやパパと肌が触れ合い安心感も与えられます。 遊びのなかでの我慢を覚える1歳過ぎると友だちとの関わりのなかで、おもちゃの「かして」「どうぞ」が始まりますが、そのときも友だちの遊びが終わるまで、待つという「我慢」をします。このとき、我慢ができない子は、かんしゃくを起こしたり、友だちに衝動的な行動をしてしまうことがあります。 ちょっとしたことでかんしゃくを起こさないためにも、赤ちゃんのときから遊びのなかで、我慢することを経験していきます。同年代の子どもと関わることだけが、遊びの我慢ではありません。遊びの途中でも、時間になったら「片付けてごはん食べようね」という、やりたいことをやめるのも我慢の場面です。 大人が見本になること赤ちゃんの見本はパパとママ。パパとママが乱暴な言葉を使ったり、夫婦喧嘩を目の前で見せると影響することがあります。赤ちゃんは大人が思うよりも大人の言動を見ていますよ。「あ、このときはこう言えばいいんだ」ということはすぐに取り入れます。 私自身も驚いたことがあります。「今、娘が言った言葉、私が怒ったときに言う言葉だ!」って。本当にドキッとしますよね。だからこそ、意識的に赤ちゃんの前では、乱暴な言葉を使わないようにしましょう。言葉だけではありません。物に当たったりすることも一緒です。とはいえ、夫婦喧嘩はしてしまうこともあると思います。もし喧嘩になりそうになったら、赤ちゃんのいないところで。赤ちゃんの前では、仲良しのパパとママをたくさん見せましょう。 我慢する心を育てるには、毎日毎日の積み重ねが大切。スキンシップを心がけて「私は愛されている」という気持ちで赤ちゃんの心を満たしてあげましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月16日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは、保育士の中田馨です。4月から保育園入園の方は、徐々に仕事復帰が目の前に近付いてきましたね。第一子のお子さんの場合、これまでの自分の準備に子どもの準備が加わります。第2子以上の場合も、子どもが一人増えるだけで準備にかかる時間が変わってきます。 4月になってからバタバタしないためにも、年始から保育園の準備を少しずつ始めてみましょう。 家事のシミュレーションまずは、仕事復帰したときに合わせて家事のシミュレーションをしてみましょう。朝起きてから家を出るまでにする家事はなんでしょう? これまでなら、朝食の準備や食器の片付け、洗濯などがあったと思います。でも、保育園に子どもを連れて行くとなると、出発直前にうんちをもらして、シャワーをしたなんてこともよくあることです。家事をいつするかが、朝の準備のカギになります。例えば、朝早くに起きることができるなら、朝のうちに朝食だけでなく夕食を作るのも1つの方法。私の場合は、洗濯は夜にするようにしていますし、朝食は夜のうちに汁物と常備菜を多めに作っておき、朝はご飯を炊いて魚を焼くだけで準備ができるようにしています。では、帰宅してからはどうでしょう?夕食作り、洗濯物をたたむ、食器洗い、明日の準備などやることがたくさん。ですので、毎日していた洗濯を2日に1回にしてもOKです。掃除は週末の休みにまとめてするなど、自分がラクにできる方法を考えて、実際にチャレンジしてみましょう。 送り迎えのシミュレーション保育園の送り迎えは、当然ながら毎日あります。希望している保育園へは、歩いていくのか? 自転車なのか? 車の場合、駐車場はあるのか? 雨の日はどうするか? などのシミュレーションが必要です。 ●歩いていく場合歩いていく場合は、抱っこやおんぶなのか? ベビーカーなのか? ベビーカーの場合は保育園にお迎えまで置いてもらえるのかなどを相談してみましょう。 ●自転車の場合職場まで自転車通勤の場合は、自転車が便利。駅まで自転車で行く場合は、駅の駐輪場の月ぎめの申し込みも考えましょう。●車の場合車での送迎は、近隣の方への配慮もありますので、保育園に駐車場があることが原則。 また、月曜日と金曜日は多くの保育園で布団の持ち帰りなど荷物が多くなります。徒歩や自転車で送り迎えをする場合は、荷物が多いときのこともシミュレーションしてみましょう。 職場の人とのコミュニケーション子育てしながらの職場復帰は、職場への理解が不可欠。保育園の開いている時間内に、送り迎えをして、仕事もしなければいけません。ママの中には、仕事が途中なのに帰らなければいけない、同僚の理解が得られないなどの思いをしている方もいます。少しでもそんな思いをしないためにも、職場復帰の前に上司と家庭の状況を説明し、話し合う場を持つことは大切です。 子どものことで早退や欠勤が増えることが予想されますので、復帰後は働けるときはしっかり働き、同僚のフォローをすることは大切です。また、もしものときのために、自治体のファミリーサポートなどへの登録もしておきましょう。 パパとの役割分担私の保育所の保護者の方を見ていると、やはり送り迎えはほとんどママというのが現状です。中には、送り迎えのどちらかがパパというご家庭もあります。もしものときに一番頼れるのは、やはりパパの存在。保育園の送迎は、ママだけの問題ではありません。職場復帰に向けて、ママの気持ちをパパに伝えることが大切です。パパにできることは遠慮せずに頼ってみましょう。お互いが助け合い、感謝しながら子育てすることで、仕事との両立もスムーズにできるはずです。 育児も家事も仕事も、無理は厳禁。長く続けていくためには良い意味での「手を抜く」ことは絶対に大切です。実は、私は何でも「満点」を目指しがち。15年仕事をしながら子育てをしていて感じたことは、満点ではなく50点満点を目指すくらいが丁度良いということ。このことを頭の隅に置きながら、4月からの保育園生活の準備を始めてみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月15日こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが生まれたら「優しい心を持った子に育ってほしい」「勇気のある子に育ってほしい」など、きっとママやパパの思いがあるはず。今回は、赤ちゃんのときからできる、赤ちゃんの心を育てる基本の話をします。 赤ちゃんの要求は応える赤ちゃんは生まれたときから、生理的欲求として大人に要求をします。「おなかが空いた」「おしっこが出た」「眠たい」などです。赤ちゃんは泣くことで欲求を表現します。このとき、赤ちゃんが「してほしい!」という要求を満たしてあげることによって、体だけではなく心も満足し、それを満たしてくれたママやパパへの安心感、信頼感を感じます。このような経験が、信頼できる大人への「愛着」を築きます。赤ちゃんが自分から発するこの要求に、ゆったりとした気持ちで丁寧に応えてほしいと思います。「おなかが空いたんだね」「眠たいんだね」と言って要求を受け止め、抱っこしたり、おっぱいやミルクを与えたりしましょう。 甘えさせることは頑張る心の基礎づくり私の親の世代などは、赤ちゃんが泣いていると「抱き癖がつくから泣かせておきなさい」という時代でした。でも今は、「泣いていたら抱きなさい」と言われる時代です。赤ちゃんは、親に甘えて愛情を感じると「自分は大事にされている」という気持ちが育っていきます。この気持ちが育つと、自立心が育ちます。甘えさせることは、将来社会に出るときに「よし! やるぞ!」という頑張る心の基礎になります。保育現場で、親に甘えることが足りていないAちゃんがいました。Aちゃんは、家で心が満たされないまま保育所に来るので、友だちのおもちゃを手あたり次第に奪い取ったり、たたいたり、突き倒したりしました。また、保育士を独り占めしたい欲求がとても強く出ました。ぜひ、子どものそういったサインを見逃さず、子どもが満足するまで甘えさせてあげましょう。 やさしいスキンシップをする赤ちゃんはママの笑顔と優しい声が大好き。どんどんスキンシップをしてほしいなと思います。赤ちゃんとふれあうときは、「笑顔」「抑揚のある大きい話し方」「赤ちゃんと目と目を合わせる」という3つが基本です。月齢ごとにどんなスキンシップがあるか一例を紹介します。 0~4カ月ごろ新生児のときは、ほっぺなど体を優しくツンツン、サスサスからスタート。赤ちゃんはママに触られるのが大好きです。触ってもらって心地良い場所は赤ちゃんによって違うので、我が子の「心地良い場所」を探してみましょう。赤ちゃんの「あ~」「う~」などの喃語に合わせて、ママも「あ~」「う~」とお話しします。 4~8カ月ごろ感情表現が豊かになってくる時期です。名前を呼ぶと振り向いて笑ったり、わざと泣いてみたり、パパやママ以外の人に泣く人見知りが始まったりと、感情表現がとても忙しくなります。コチョコチョや「いないいないばあっ!」などの遊びも喜びます。 8~12カ月ごろ気に入らないことがあると激しく泣いたり、嬉しいときは大喜びしたりと感情表現がさらに豊かになります。ママやパパのマネをするようになってくるので、「どうぞ」「ありがとう」など、物の受け渡しのやり取りで遊んだり、ママが寝転んで足の上に乗せて飛行機遊びをしたりしてみましょう。 12~18カ月ごろ言葉の理解がどんどん進む時期です。「ワンワン」「にゃんにゃん」などの言葉を指差ししながら言ったりします。このとき、赤ちゃんの指差したものを「赤いりんご」「青い車」など言葉を添えることで、赤ちゃんは答えてもらった満足感と語彙力が身につきます。また、手先がかなり器用になってきます。積み木を重ねたりして自分でできた喜びを一緒に共感しましょう。 ママだけの時間をつくること赤ちゃんの心を育てるためには、ママが疲れていてはダメ。赤ちゃんのことが大切だから、うっかり自分自身のことは後回しでいいや、なんてママも多いのではないかと思います。ママも自分自身のケアを忘れないでください。 赤ちゃんが寝ているときはママも一緒に寝たり、おやつタイムにしたり、自分のための時間をつくることが大切です。ときにはパパに赤ちゃんを預けて、お出かけするのもいいですね。子育てって、毎日毎日続いて休日がありません。そして、これからまだまだ長く続きます。家事の手を抜くことは悪いことではありません。スタートダッシュせず「ま、これくらいでいいか」がちょうどいいですよ。 いろいろ書きましたが、ママが「大好き」という気持ちと言葉を赤ちゃんに伝えていればOK。難しく考えなくて大丈夫ですよ。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月09日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは、保育士の中田馨です。年も明け、4月入所の保育園の申し込みも完了したことと思います。私の住む市町村は、出産前からの申し込みもできるようになり、私が保育士になったころとはずいぶん変わりました。 多くの保育園では、生後3カ月〜6カ月ごろの赤ちゃんから受け入れていると思います。4月に入園できることを願いながら、今からしておくとラクに保育園生活に入れる準備を紹介します。 保育園に必要なグッズの準備保育園へ持っていくグッズの準備を始めます。必要なものは保育園によって違いますので、今の段階で全てをそろえるわけではありませんが、これから購入するものは、「保育園で使うかもしれない」と思って買いそろえましょう。 例えば、服。月齢にもよりますが、ロンパースがNGの保育園もあります。希望している保育園がOKかどうかを確認し、新たに買う場合はそのことを念頭に入れておきましょう。また、エプロン・靴下・靴・帽子などを購入する場合は、保育園で使えそうなものを選びます。持ち物への名前つけは、3月になってからだとかなりバタバタするので、今のうちにしておくとラクです。 生活リズムの準備保育園生活に向けて、生活リズムを親子で整える準備をします。まず、整えやすいのが起きる時間。職場につく時間→保育園を出発する時間→保育園で準備する時間→保育園につく時間→家を出る時間→離乳食を食べる(授乳する)時間→着替える時間……と順を追って逆算し、起きる時間を計算します。 この時に大切なのが、赤ちゃんと一緒に準備するということです。大人一人なら計画通りスムーズに事が進むでしょう。でも、赤ちゃんと一緒の場合、これがなかなか計画通りには進みません。「出発前に予定外のおむつ替えが!」なんてことは、日常的にあること。ママ一人で行動する時間プラス、最低でも10分~15分は時間に余裕をもって計画を立てます。 また、保育所から「1日の生活リズム」を聞いて、そのまねをするのもいいですね。4月からの生活に早めに慣れることが、親にとっても赤ちゃんにとっても役立ちます。 育児用ミルクや離乳食の準備これまで保育所で見てきた赤ちゃんを思い出してみると、まだ離乳食が始まっておらず、母乳で育った赤ちゃんの多くは、育児用ミルクを嫌がる傾向があります。お家で嫌がった場合は、「仕方ない」で済みますが、保育園で嫌がった場合は、慣らし保育が長引いてしまうかもしれないので、そうはいきません。保育士としても、育児用ミルクを飲んでくれたら一安心と思うものです。 育児用ミルクを嫌がる理由は「味が嫌」「哺乳瓶の乳首が嫌」など、その子によってそれぞれ。頑張りすぎずに、時々は育児用ミルクの味と哺乳瓶に慣れていきましょう。また、生後5~6カ月ごろになったら、給食に向けて離乳食もスタートしていきましょう。食べられる食材を月齢に合わせて増やしていくと保育園で離乳食を食べるときにもスムーズです。 親子の心の準備保育園に入園すると決めたら、「よし!仕事も育児も頑張るぞ!」と気合が入っているママも多いと思います。しかし、おなかに赤ちゃんがいると分かってから、これまでずっと一緒にいた赤ちゃんです。いざ、明日から保育園と思うととても悲しい気持ちになると思います。保育園入園は、親子共に心の準備が必要です。保育園入園前に、一緒に過ごせる今の時間を大切にして、親子で心の準備をしましょう。 保育園に入園すると、生活リズムが変わるとともに、ママも赤ちゃんも大きな社会に飛び込むことになります。私自身、子どもを通じて出会う人たちに最初はドキドキしましたが、この時期に出会った友だちとは共通項が多く、10年以上たった今も仲良くしています。4月から始まる新生活に向けて、できることから少しずつ準備していきましょう! 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月08日ムスメちゃんとオコメちゃん
猫の手貸して~育児絵日記~
うちはモフモフ暮らし